陳情文書表

受理番号第29号 付託委員会総務企画委員会
受理年月日令和5年2月20日 付託年月日令和5年3月16日
件名 国に対して適格請求書等保存方式(インボイス制度)の延期・見直しを求める陳情
提出者インボイス制度を考えるフリーランスの会
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要旨


 適格請求書等保存方式(インボイス制度)について、2023年10月からの実施に向けた準備が進められているが、同制度は事業者間の取引慣行を壊し、事業者免税点制度を実質的に廃止するものである。適格請求書(インボイス)の発行には、少ない営業収入でも課税事業者となる必要があり、消費税納税義務が発生する。また、課税事業者が消費税の仕入税額控除を受けるにはインボイスを要するため、免税事業者は取引から除外される可能性がある。個人事業主、フリーランス、小規模農家等、広範に負担増を強いられる。一方、課税事業者であっても、支払い先の多くが免税事業者で当該支払い先がインボイスを登録しない場合、仕入税額控除ができず多額の税負担が生じる。全国中小企業団体中央会、日本チェーンストア協会、日本漫画家協会及び全国青色申告会総連合等の中小企業団体や税理士団体も、凍結、延期または見直しの表明や懸念の声を上げている。中小零細事業者にとって消費税の価格転嫁は困難な状況にあり、同制度導入を契機とした廃業の増加を招く等、地域経済の衰退に拍車をかけるおそれがある。加えて制度の周知が不十分で、このまま実施されれば多くの混乱を招く。多くの事業者は新型コロナ危機の下、事業継続に懸命に取り組んでおり、同制度への登録、経理変更準備に取りかかれる状況ではない。
 ついては、沖縄県議会は、インボイス制度導入の延期・見直しを求める意見書を政府及び国会に対し送付するよう、配慮してもらいたい。