陳情文書表

受理番号第146号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和5年10月2日 付託年月日令和5年10月10日
件名 沖縄戦跡を保存活用するための陳情
提出者戦没者遺骨混入土砂を埋立に使わせない条例研究会
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要旨


 日米軍事基地の拡大強化が80年近く前の沖縄戦の記憶をよみがえらせている。沖縄戦が私たち県民の思いと行動の原点になっているのは、「軍隊は住民を守らない」「二度と戦争すべきではない」という教訓と証拠を将来世代に伝えなければならないからである。
 県議会は令和3年、戦没者遺骨の混入土砂を埋立てに使わないこと、政府主体で遺骨を収集することの2点を政府に求め、意見書を採択した。前者については、目視困難な細片(砕片)遺骨の確認技術を政府責任で開発し、その混入土砂を埋立てに使わせないようにすべきであり、国がやらないなら県がやるべきである。後者については、県の慰霊追悼事業の一環として専門職員を配置した独自の遺骨収集の態勢を確立し、今なお遺骨を探索している遺族を援助すべきである。
 県は平成27年4月、県内の戦跡は1000か所余り(うち沖縄戦跡987、消失跡13)と報告した。その後、政府は遺骨収集につながる場所を県内177か所に絞り、平成30年から7年かけて発掘調査することを県に委託した。人口増による宅地化と国策による基地の拡大強化によって、今保護しなければ沖縄戦の証明が失われてしまうおそれがある。
 ついては、下記事項について配慮いただきたい。
                 

1 県・市町村による戦跡文化財の指定を拡大し、県はそのためのキャンペーンを展開し、地権者等に同意・協力を要請すること。
2 戦跡国定公園においては、慰霊追悼のための碑・塔を含めて、戦跡集中地域とその周辺を戦跡文化財に指定し、保全すること。
3 戦跡文化財の指定に伴う規制のため生じる地権者の損失について、十分な補償をするとともに、土地買取りを進め公園内公有地を拡大すること。
4 政府責任による細片遺骨の確認技術の開発を求め、政府が迅速に対処しない場合、県が大学・研究機関に委嘱して行うこと。
5 国・県は、旧植民地出身の犠牲者について関係政府等に遺族確認の協力を求め、合同の慰霊追悼を沖縄で定期的に実施すること。
6 戦跡を保存活用するための県条例を定め、沖縄戦の教訓とその証拠である戦跡を文化財かつ平和資源として保存活用し、将来に継承すること。