要旨
学校は、本人や家族に持病があるなど様々な事情を抱える子供たちが集まる場所である。今冬は新型コロナウイルスとインフルエンザのダブル流行となり、既に学級閉鎖が多発している状況であるが、マスク着用を推奨しない場合、医療にかかることができない子供や後遺症で苦しむ子供がさらに増える危険性がある。我が国の対策は窓を開けての換気にとどまっているが、窓開け換気は天候や騒音対策のため実施が難しい場合があり、不十分である。また、沖縄県では、学校の教室内へのCO₂モニターやサーキュレーター等の設置が十分でなく、安全な空気環境が常時保たれているとは言えない。文部科学省は、換気のための補完的な措置を講じて十分な換気を確保することが重要であり、高機能換気設備の学校への導入等を積極的に検討するよう促している。私たちも、安心・安全な環境整備をする前に、様々な感染対策の緩和を急ぐことは適切ではなく、どのような季節、気候でも、マスク着用の可否にかかわらずどの子供も平等に安定して守れる環境を整えることが今一番になすべきことと考える。対策なしのマスク着用緩和を不安に感じる子供や保護者の声に耳を傾け、科学的な知見等を踏まえ、より安全・安心な学校環境を整備してほしい。
ついては、マスク着用基準を見直す前に、空気清浄機、中性能フィルター、換気設備及びCO₂モニター等を導入して、教室内の空気環境を安全に整えるよう配慮してもらいたい。 |