陳情文書表

受理番号第137号 付託委員会総務企画委員会
受理年月日令和4年9月27日 付託年月日令和4年10月11日
件名 私立中学高等学校関係補助の拡充強化に関する陳情
提出者沖縄県私立中学高等学校協会
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要旨


 本県の私立中学校・高等学校においては、その独自性や特色を生かして多岐にわたる分野で子供たちが活躍している。コロナ禍や東ヨーロッパ有事など今の時代だからこそ、私学は重要な役目を担っており、時代が求めるニーズに柔軟に応えられるのが私学である。
 ついては、私学教育の重要性に鑑み、教育基本法第8条に規定する「私立学校教育の振興」を名実ともに確立するため、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 教育内容の向上、学校経営の健全性確保及び保護者の教育費負担軽減を図るため、私立学校の経常費助成費等(一般補助及び特別補助)を拡充すること。
2 公立学校に比べ整備が大幅に遅れている私学の「1人1台端末」を早期に実現し、端末の保守・更新等に係る費用支援も含めた補助を拡充すること。
3 公立学校が全額公費で措置されているのに対し、私学の補助率は原則3分の1以内にとどまり十分に対応できないことから、私学の耐震化を全額公費負担で実現するとともに、教室及び体育館の空調・換気設備等の整備・改修、並びに施設の省エネ・脱炭素化推進の補助について、拡充すること。
4 就学支援金等の拡充強化について
(1)高等学校等就学支援金制度の上乗せ支給を実施し、施設整備費を支援の対象とすること。
(2)私立中学校生徒に対する授業料実質無償化に向けた新制度を導入すること。
(3)私立中学校の家計急変世帯に対する支援を拡充すること。
5 世界的な物価高騰の中においても学校経営の健全性を確保するため、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、電気・ガス・水道・スクールバス燃料等に対する補助を拡充すること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(処理経過及び結果)
1 県においては、私立学校の健全な発展及び魅力ある学校づくりを支援するため、県内に私立学校を設置する学校法人に対し、運営等に要する経費について、補助を行っているところであります。国が定める財源計画の生徒1人当たりの補助単価は年々拡充されているところであり、県としましても、その補助単価に基づき私立学校への支援の充実に努めてまいります。

2 私立学校の「1人1台端末」の整備につきましては令和2年度から国の補助制度が開始されており、各私立小中学校においては国庫補助事業の活用や保護者購入等により整備が進んでいるところです。
一方で、各私立高等学校においては、授業での活用方法、校内インフラ整備、端末の導入手法など各学校によって異なる課題について検討を行った後に端末整備を行う予定と聞いております。
県では、令和5年1月から2月にかけて各私立高等学校を訪問し、ICT環境整備に係る国庫補助メニューの紹介や、各学校が抱える課題解決に向けた相談・意見交換を行ったところです。
また、端末の保守・更新に係る費用の新たな支援につきましては全国知事会を通して国に要請しているところであります。

3 私立学校施設の耐震化に係る経費の全額を公費で負担することにつきましては、私立学校の自主性や健全で計画的な学校運営などの観点から、慎重な議論を要するものと考えております。
また、教室及び体育館の空調設備の整備・改修並びに施設の省エネ・脱炭素化推進の補助につきましては、十分な財政措置を行うよう全国知事会を通して国に要請しているところであります。

4の(1) 高等学校等就学支援金制度において、令和2年度から年収約590万円未満の世帯は支援額が39万6千円に引き上げられ、実質無償化が図られております。これを超える世帯に対しては県立学校と同額の11万8千円が支給されているところですが、この世帯に対する上乗せ支給による支援拡充、保護者が負担する施設整備費に対する支援制度については、今後の国の検討状況を注視してまいります。

4の(2)及び(3) 令和4年度から私立小中学校に通う家計が急変した世帯に対する支援が導入されたところでありますが、これらの世帯に対する更なる支援の拡充及び経済的理由によって修学困難な状況にある世帯への支援の導入については、国による支援をより一層充実させるよう全国知事会を通して引き続き要請しているところであります。

5 県においては、私立学校の光熱費及びスクールバスの燃料費について物価高騰に関する影響調査を実施したところです。
  調査結果を踏まえ、令和4年11月補正予算において新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して「私立学校等物価高騰対策支援事業」として措置し、補助を行ったところであります。
また、令和5年6月補正予算において、私立学校の物価高騰に係る給食費の補助を行うために「私立小中学校給食費物価高騰対策支援事業」を計上し、支援事業の周知・活用を促すとともに、補助金交付に係る事務手続を進めているところです。