陳情文書表

受理番号第124号の3 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和4年8月9日 付託年月日令和4年9月30日
件名 令和4年度美ぎ島美しゃ(宮古・八重山)圏域の振興発展に関する陳情
提出者美ぎ島美しゃ市町村会
会長 石垣市長 中山 義隆
要旨


 このたび、美ぎ島美しゃ市町村会は、宮古・八重山圏域における喫緊の課題や財政的に解決が困難な課題等を次のとおり取りまとめた。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 水道事業への予算配分について
  水道法の改正に伴い、県は水道広域連携を推進し、離島圏域を含めた水道事業の効率化や望ましい水道事業の形態について尽力しているが、拡張事業(第6次及び第7次)の施設整備費用が不足し事業実施を先延ばしにしているため、適切な予算配分が必要である。
  ついては、要望額と大幅に乖離している水道事業の予算配分について、原水、浄水、配水を一元的に実施する事業体であることから、適切な予算配分を行うこと。
2 県立八重山病院精神科医師の増員について
  現在、石垣市内の精神科病院は2院のみで、精神科医師は計4名である。令和3年度石垣市障がい者自立支援協議会において、県立八重山病院精神科医師の常時4名体制の構築について協議し、八重山圏域自立支援連絡会議で協議するよう要望しているところである。令和4年4月現在、県立八重山病院では、昨年度の2名から1名増員されたが、新規通院の制限等があり、精神科医師を増員する必要がある。
  ついては、県立八重山病院精神科医師の体制を常時4名とすること。
3 離島に住むがん患者の医療に係る負担軽減について
  離島である宮古島市は医療体制が脆弱であり、島内での治療に限りがあるため、特定の疾患を有する患者は、治療・通院・入院のため島外への移動を余儀なくされ、多大な負担を強いられている。経済的支援として渡航費を助成しているが、適用回数に限りがあり、根本的な解決には至っていない。特に血液がん患者については、抵抗力が弱く慢性的に貧血の状態にあり、治療のための島外への渡航は、精神的・体力的にも大きな負担であり、繰り返しとなる島外での治療に疲弊して治療の継続を諦める患者もいる。
  ついては、離島に住むがん患者の負担軽減のため、血液専門医・腫瘍内科医の常駐や無菌室の設置など医療環境を整備すること。
4 日常生活自立支援事業への支援について
  日常生活自立支援事業は、沖縄県社会福祉協議会が主体となって国及び県の補助金を活用して実施しており、地域住民のよりどころとして必要な事業である。令和4年度の同事業は、沖縄県社会福祉協議会が必要な予算額の確保が困難であるとして、宮古島市社会福祉協議会への委託料を減額したため、宮古島市では事業縮小を余儀なくされ、一部住民へのサービス提供が滞っている。
  ついては、住民の日常生活自立への支援を充実させるため、実施主体である沖縄県社会福祉協議会へ交付する県補助金の所要額を確保すること。
5 県立八重山病院附属西表西部診療所及び医師住宅について
  県立八重山病院附属西表西部診療所は、県内に16か所ある診療所の中で最も古く、築39年が経過しており、建物内の雨漏りや外壁の剥離、平時においても停電や電波障害が頻繁に起こる等、通常診療時や緊急時対応にも支障を来している。待合室も狭く、感染対策に対応した部屋の確保等も必要である。隣接する医師住宅も同様に老朽化が激しく、現在は使用されていない。当該西部地区には竹富町の人口の約半数が居住し、他地域に比べ診療所の利用数や急患搬送件数も非常に多い。また、昨年7月の世界自然遺産登録により、さらに人口、観光客増加に伴う診療所利用者数の増が予想される。
  ついては、老朽化した県立八重山病院附属西表西部診療所及び医師住宅を早急に建て替えること。
6 上下水道事業に係る財政支援について
  行政区域の広い竹富町では、水道施設の統合を図ることは困難であり、また多様な形態での運営を余儀なくされており、昭和49年度から昭和51年度に整備された水道施設は40年以上が経過し、その更新整備には多大な費用を要する。しかし、自主財源はこれら施設の維持管理費(修繕費、施設管理委託料、光熱水費等)に充てられるため、元利償還金の70%が普通交付税の基準財政需要額に算入される地方債の活用は、自主財源の乏しい本町にとって必要である。
  ついては、上記実情を勘案し、上下水道施設の老朽化等に係る更新費を支援すること。
7 離島地域における感染症予防・対応実行計画の策定に係る支援について
  与那国町が新たな施策として取り組んでいる事業は、高速船を活用して台湾(花蓮市)と与那国間を結ぶものであり、国境交流での人々の往来によるウイルスや細菌、真菌など病原体への対応は重要である。また、新型コロナにより多くの課題が浮き彫りとなっている現状を踏まえ、国境の離島として、感染症への正しい知識と予防方法の周知、発生時初動対応及び搬送の在り方等、防疫対策を確立する必要がある。
  ついては、当町だけではなく八重山広域内での連動及び県との連携も合わせた現実的な感染症予防・対応実行計画が策定できるよう支援が必要であるため、国境交流再開に向けた事業の展開に当たり、感染症予防・対応実行計画の策定について支援すること。
8 沖縄県離島患者等支援事業について
  診療所しかない与那国町では、沖縄県離島患者等支援事業の利用により、島外の医療機関で治療を受ける住民が増えている。自衛隊誘致による隊員の家族及び移住定住の推進によるIターン者等の県外からの転入者並びに町内の高齢化など様々な要因から、診療所では対応できない症例も増えている。また、食文化の変化等の要因も加わり、自治体だけでは支援し切れない状況にある。町民が安心して持続的に定住するためにも医療への支援は重要であり、同事業の継続及び補助枠の拡大が必要である。
  ついては、年々利用者数が増えていることから、沖縄県離島患者等支援事業補助金の事業費予算を増やすこと。