要旨
後期高齢者で医療費窓口負担を2割とする対象を単身年収200万円以上とする国の方針が、コロナ禍の中、昨年閣議決定された。後期高齢者は病気やけがが多く、複数の医療機関を受診したり、治療が長期になるケースが多い。一方、主な収入の年金は年々減少し生活のために働いている高齢者も多く、コロナ禍で生活と健康の不安が高まっているときに医療費の負担を増やすことは、高齢者に命の危機を想起させる。国は、緩和措置により単純に負担は2倍とはならないとしているが2年間の限定措置であり、外来窓口での負担は限度額に達しなければ2倍となるもので、しかも一度立替払いをしなければならない。
後期高齢者医療制度で現役世代の負担が増えた要因は、給付費のうち4割を74歳以下の保険料からの支援金とした制度設計にあるが、国は、その制度設計に起因する負担増を高齢者に迫っている。しかも、国の試算では、1人当たり平均窓口一部負担額(年間)は約3.4万円増えるが、現役世代1人当たりの負担抑制効果は年間で1100円程度にすぎない。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 国に対して、75歳以上の医療費窓口負担2割化の中止を求める意見書を提出すること。 |