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辺野古埋立承認問題等調査特別委員会記録
 
平成26年 第 2定例会

5
 



開会の日時

年月日平成26年2月24日 曜日
開会午前 10 時 3
閉会午後 4 時 9

場所


第7委員会室


議題


1 普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認等について(参考人から事情聴取)


出席委員

委 員 長  當 間 盛 夫 君
副委員長  仲 村 未 央 さん
委  員  又 吉 清 義 君
委  員  島 袋   大 君
委  員  中 川 京 貴 君
委  員  座喜味 一 幸 君
委  員  仲 田 弘 毅 君
委  員  具 志 孝 助 君
委  員  仲宗根   悟 君
委  員  照 屋 大 河 君
委  員  山 内 末 子 さん
委  員  新 垣 清 涼 君
委  員  玉 城 義 和 君
委  員  上 原   章 君
委  員  前 島 明 男 君
委  員  渡久地   修 君
委  員  嘉 陽 宗 儀 君
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  新 垣 安 弘 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

参考人
 沖縄県環境評価審査会会長            宮 城 邦 治 君
補助者
 沖縄県環境生活部環境政策課副参事        比 嘉   隆 君
 沖縄県環境生活部環境政策課環境評価班長     金 城   賢 君
 沖縄県環境生活部環境政策課環境評価班主任技師  與 儀 喜 真 君

参考人
 名護市長                    稲 嶺   進 君
補助者
 名護市企画部長                 仲宗根   勤 君
 名護市企画部広報渉外課長            仲 里 幸 一 君
 名護市企画部広報渉外課基地対策係長       安 里   順 君
 名護市企画部広報渉外課基地対策係主事      岸 本 永 馬 君



○當間盛夫委員長 ただいまから、辺野古埋立承認問題等調査特別委員会を開会いたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認等についてに係る参考人からの事情聴取を議題といたします。
 ただいまの議題につきましては、2月14日の本委員会において、参考人を招致することが決定されておりましたが、参考人の選定について一任されていた与野党調整会において、沖縄県環境影響評価審査会会長及び名護市長を選定いたしました。
 本日の参考人として、沖縄県環境影響評価審査会会長宮城邦治氏に出席をお願いしております。
 なお、宮城邦治参考人から、沖縄県環境生活部環境政策課副参事比嘉隆氏、同環境評価班長金城賢氏及び同環境評価班主任技師與儀喜真氏をそれぞれ補助者として陪席をさせたいとの申し出がありますが、申し出のとおり取り計らってよいかどうか休憩中に御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

  (休憩中に協議した結果、補助者の陪席を認めることで意見の一致を見た。)

○當間盛夫委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 参考人から申し出のあった補助者の陪席につきましては、休憩中に協議したとおり取り計らうことに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○當間盛夫委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 休憩いたします。

  (休憩中に補助者着席)

○當間盛夫委員長 再開いたします。
 参考人及び補助者の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 この際、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人等に対し質疑を行うことにしております。
 参考人等が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、議題の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 なお、こちらから質問しているときは着席のままで結構ですが、お答えの際は起立して発言を願います。
 また、本日は委員会が参考人等の説明を聞く場でありますので、参考人等が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは、宮城邦治参考人から、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価等について簡潔に御説明をお願いいたします。

○宮城邦治参考人 おはようございます。沖縄県環境影響評価審査会―環境影響評価審査会と普天間飛行場代替施設建設事業について、説明を申し上げます。環境影響評価審査会につきましては、沖縄県環境影響評価条例に基づきまして、平成13年7月に設置され、知事の諮問に応じて環境影響評価、事後調査等の技術的な事項について調査、審議を行っております。委員は13名以内で構成されておりまして、任期は3年となっております。現在の委員は第5期目になっておりますが、これは平成25年9月から平成28年9月までとなっております。本職、私は第1期から委員会の副会長を務めておりまして、第4期の平成22年9月から会長を務めるということになっております。
 環境影響評価の手続でございますが、現行のV字型案につきましては、平成19年度に方法書手続、それから平成21年度に準備書手続が行われております。評価書の手続の経緯は以下のとおりでございますが、まず、平成23年12月28日に県に提出されております。翌年の平成24年1月19日に環境影響評価審査会に諮問と審議がなされております。そして、1月27日に環境影響評価審査会を行いまして、そこで審議をやっておりますが、当委員会は事業の事案の重大さに鑑み、イレギュラーではございましたが、住民からの環境保全の見地からの意見の聴取を行っております。そして1月31日には答申案を作成、審議し、2月8日に県知事のほうに答申をしております。審査の結果は、名護市辺野古沿岸域を事業実施区域とする当該事業は、環境の保全上重大な問題があると考えられる。また、当該評価書で示された環境保全措置等では、事業実施区域周辺域の生活環境及び自然環境の保全を図ることは不可能と考えるという答申をいたしております。
 埋立承認の申請についてでございますが、公有水面埋立法に基づく手続においては、環境影響審査会が意見を求められることはありません。当該事業につきましては、評価書に対する知事意見においても、答申をもとに多数の指摘を行っており、事業者の見解にも専門的な事項が含まれていたことから、環境生活部の意見の形成に当たり、参考とするための助言をいただきたいという環境政策課からの依頼がありまして、本職を含め、委員として評価書の審査を行った専門家13名が助言を行い、今日に至ったという事情でございます。以上、説明を終わります。

○當間盛夫委員長 宮城参考人からの説明の聴取は終わりました。
 これより参考人等に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 また、本日は、2月20日の本委員会において決定したとおり、質疑は各会派1名、質疑時間は参考人等の答弁を含めず5分をめどに7分を超えない範囲でお願いします。
 なお、質疑開始から5分経過後呼び鈴で報知し、終了は電子音により報知いたします。参考人もお忙しい中御出席いただいていることから、委員の皆様の御協力をお願いいたします。
 上原章委員。

○上原章委員 おはようございます。
 環境影響評価審査会会長宮城さん、きょうは本当にありがとうございます。日ごろより、沖縄の生活環境また自然環境の問題に御尽力いただき心より感謝申し上げます。きょうは埋立承認、知事が決断したことを鑑みての参考人ということで来ていただいているわけですが、先ほど来方法書、準備書、評価書とこれまでの経緯をお話ししていただきました。これを受けて、11月29日に環境生活部のほうから意見書が知事に出されました。このことは御存じでしょうか。

○宮城邦治参考人 はい、承知しております。

○上原章委員 この環境生活部のほうから生活や自然環境の保全について不明な点があり懸念が払拭できないと、この意見書に対して専門家の立場から御意見いただけますか。

○宮城邦治参考人 私たちが策定した知事意見書の中では、不可能だと考えるという答申になっておりますが、その後事業者であります沖縄防衛局から県のほうに送付された補正評価書の中では一定程度の環境保全対策というようなものが考慮されている条項もありましたので、恐らくはそれをもとに県のほうでは私たちが答申した内容とは若干異なりますが、払拭できないという表現になったのではないかというふうに理解しております。

○上原章委員 それに対し、知事が今回承認を決断した中でですね、最終の承認したこの理由の中に、法の基準に適合しており、承認せざるを得ないということになっており、今回この環境の専門家として、この県が下した法の基準に適合しており承認せざるを得ないという考え方をどう思われますか。

○宮城邦治参考人 はい、審査会は極力政治的な判断をしなくて、環境の保全がいかに対策が練られているかという視点でいつも議論をしております。その許認可につきましては、これは知事の権限事項でございます。私たちの意見が十分に述べられて御理解されていたかどうかということについては承知しておりませんが、結果、そういうことになったということは若干違和感がございます。

○上原章委員 今回この最後の、埋め立ての承認をする中で留意事項という部分がつけ加えられております。この中には、事業者に対して各分野の専門家、有識者から構成される環境監視等委員会―仮称ですが、設置をし助言を求める等々、今回はこの環境生活部が出した多くの懸念に対して、留意事項でしっかりと対策してまいりますという形になっていますが、専門家の見地からこれで十分担保されるというお考えになるか、お聞かせください。

○宮城邦治参考人 はい、留意事項につきましては承知しております。環境監視等委員会を設置し、助言を受けるということになっておりますが、これまでさまざまな形で米軍と関連する事業の審査及び事後調査等を行ってまいりましたが、類似事項ではございますが、必ずしも米軍がそのことを理解して我々審査会の事後調査やあるいはその他の調査等に協力的であったということは必ずしも多くございませんので、今回この環境監視等委員会が国の指導の中で行われたにしても、果たして十分に環境保全対策ができるかどうかについては懸念を持っているところでございます。

○上原章委員 過去、さまざまな環境について、審査会は大きな責任を自覚しながら、いろいろ県に審査会の提案とか意見をしていると思います。今回、このような非常に大きな環境、生活、自然環境を破壊するといった懸念が払拭されない中で、知事が、この現段階でとり得る、考えられる環境保全措置が講じられているということで基準に適合していると判断したわけですけれども、参考人というお立場で、環境の専門家として今回の承認、本当にあくまでも御自分が携わってきた仕事の中で、辺野古にV字型の埋め立ての基地がつくられることに対して率直に今回知事が判断した承認という、これに対する専門家の考えをお聞かせ願いますか。

○宮城邦治参考人 はい、許認可の是非については私がここで述べることではございませんが、環境保全という視点から見ますと非常に重大な環境への影響があるということは依然として払拭できかねるということでございます。ですから、知事の判断についての今環境審査会の会長としての是非の判断は、ここでは保留させていただきたいと思います。

○上原章委員 これまでの評価書が進む中で、審査会としていろいろかかわってきたと思います。その後、環境生活部が意見を取りまとめるときには、おのおのの審査会のメンバーがアドバイザーとして御意見を伺いたいということになったと思うのですが、13人今現在いらっしゃるかと思いますが、ほとんどの方々が今回の承認に対する、また環境生活部の意見である懸念が払拭されていないというお考えでいいか、もしおわかりになればお聞かせ願いますか。

○宮城邦治参考人 先ほども申しましたが、委員の先生方はそれぞれに個人の考え方、あるいは政治的な立場もございましょうが、審査の際には環境保全がいかにその対策ができているかということを中心に議論をしております。ですから、そこでは個人の判断というようなものを抜きにして、実際、沖縄県の環境を保全していくために何がよろしいかどうかということを議論してまいっておりますので、多くの先生方も知事の判断については必ずしも同意されていないのではないかというふうに思います。

○上原章委員 きょうは、あくまでも環境の専門家として御足労願ったと思います。きょうのお話を受けて、今後参考にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○當間盛夫委員長 上原章委員の質疑は終了いたしました。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 きょうはありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 先ほどの質疑を少し確認させていただきたいのですが、今、県の環境評価審査会の名簿を見ているのですが、13名の委員が必ずしもこの辺野古問題だけではなく、さまざまな環境問題、埋立問題についてもその期間中―任命された期間中、審査をしているということでよろしゅうございますか。

○宮城邦治参考人 さまざまな事業事案が出てまいりますが、委員の先生方はそれぞれの専門的な立場から、その事業の区別なく真摯に、かつ専門的な視点で審議に参加をさせていただいております。

○比嘉京子委員 その名簿を見てもわかるのですが、それぞれの専門分野の科学者といいますか、研究者の方々でございますよね。ですから、大気汚染であるとか、それから水の環境であるとか地形地質であるとか、そういう先生方がお集まりになって、科学的な知見から、この埋め立てによる、それぞれの動植物を初めとする地形も含めて水も含めて、そういう見地からこれが適正に守られるかどうかというような議論をされたという理解でよろしいでしょうか。

○宮城邦治参考人 それぞれの専門の先生方ですので、その事業の内容とその環境の保全というあり方については、それぞれ専門的な立場から真摯に審議をしていただいております。

○比嘉京子委員 確かに、そのことと法律的な、それから了とするか不可とするかというのは別な、これは相入れない問題だと思いますので、私もその質問はいたしません。さて本題ですけれど、先ほどおっしゃっておられますように、先生方の審査会の意見というのは、知事意見として十分反映されているという理解でよろしいですか。

○宮城邦治参考人 私たちが知事に答申しました知事意見につきましては、十二分に知事に伝わったのではないかというふうに考えてはおります。

○比嘉京子委員 最終的な知事意見の結語は、この内容では生活環境や自然環境の保全は不可能であるという結論であったと思いますが、それでよろしいですか。

○宮城邦治参考人 評価書の中身を審議した時点では、それは生活環境及び自然環境の保全は不可能であるというふうに審査会では結論に達し、そういうふうに意見を述べております。

○比嘉京子委員 その結論というのは、新しい知見であるとか新しい調査であるとかということがない限り、それを変えるというか翻すということにはならないと思うのですが、現時点において先生の御意見として、この意見には現時点でもお変わりはないでしょうか。

○宮城邦治参考人 私たちが審査会で議論した時点では、評価書についての議論でございました。その後、事業者のほうからは補正の評価書というのが出てまいりますが、これは審査会の審議の対象にはなっておりません。よって、私たちが知事意見として知事に答申したときの考え方といいますか、それはいまだ同じ意見だというふうになっております。

○比嘉京子委員 その後補正等がありまして、それで県の環境生活部は、不可能だという表現から懸念が払拭できないという表現で、今日に至っているわけです。それで、内容についてお聞きしたいのですが、環境影響評価法について少し御説明いただけますか。

○宮城邦治参考人 環境影響評価法というのは、基本的には、ある事業がしっかりと環境保全を図り、その事業が遂行されることによって環境の負荷が軽減されていく対策がとられているかということをチェックするといいますか、そういう法律だというふうに承知しております。

○比嘉京子委員 それで、先生方が出された内容の中で、一番分量的に多いと思ったのが、オスプレイに関するところなのです。それが方法書、準備書の段階で出てきていなかったということの指摘があるわけなんですが、それは今、先生がおっしゃった環境影響評価法から考えると、どういう理解をすればよろしいでしょうか。

○宮城邦治参考人 委員おっしゃるとおり、方法書、準備書の段階では出ていなかった計画書の、ある種の変更かとは思いますが、私たち審査会では、その出てきたことについてそれを排除するということはできかねますので、その中でしっかりと審議をさせていただき、そしてオスプレイの騒音や低周波音、あるいは空路等について厳しく意見を述べたところでございます。

○比嘉京子委員 それについての自然環境や生活環境に対して、先生方はどういうような結論というか、御意見を出されたのでしょうか。

○宮城邦治参考人 端的に言いますと、やはり騒音や低周波音等などの影響が、そこに住まれている住民の皆さん、それからまた自然環境の一つの要素でありますさまざまな生き物等に対する影響が大きいのではないかということについて、意見で述べたかと思います。

○比嘉京子委員 もう一点は、ジュゴンに関してでございますけれども、ジュゴンについてはなかなか現在でもその生活史といいますか、それから研究が国内でもなかなか知見がないということがずっと言われているのですけれども、今の時点では、新たな知見や新たな研究成果等、また、どこにどう住んでいるのかもわからない中で、こういう対策をするのでそれは安全、守られますよとか、対策を講ずればそれは保全される、守られるという考え方についてはいかがですか。

○宮城邦治参考人 野生生物の保護保全というのは非常に難しい技術といいますか、そういうのがございまして、特にジュゴンの場合はその評価書等によりますと、沖縄近海で個体識別できたものが3頭だということでございます。そうすると、非常に個体群の維持というようなことからしましても、非常に厳しい状況にあるのかなと思っています。そういう非常に個体群が小さな生き物を保全、保護していくということは、相当な何といいますか、対策といいますか、つまり別の言い方をすると、人間が何もしないほうがその生き物は保全、保護されるという―極論的な言い方ですとそういう形になろうかと思います。ですから、対症療法的な保護策がジュゴンの場合にあるかどうかについては、それは科学者、研究者においても判断が非常に難しいところかと思います。

○比嘉京子委員 生態系についてよく知られていないことに対して、どういう対策かというと、その知られていないものに対する対策というのが適切かどうかというのが確保できないというのは明らかだろうとは思います。
 もう一点だけ、外来種について、埋立土砂に混入している外来種の問題がかなり後半から浮き彫りにされてきたと思うんですが、それについてはどのような御見解でいらっしゃいますか。

○宮城邦治参考人 委員御承知のとおり、昨今では、この元来の生物多様性生態系を保全、保護するということが、環境問題の一つの大きなテーマになっております。そうしますと、外から例えば土砂やそういったものを搬入してくるときに、本来沖縄の地域になかった生物が、何らかの形で混入してそこで定着するということは、沖縄の生態系の攪乱というようなことになろうかと思いますので、その外来生物が混入しない、あるいは侵入してこないというようなことの綿密な対策が必要かというふうに考えております。

○比嘉京子委員 これだけの土砂で外来種の混入というのは、防ぐということの可能性といいますか、防ぐということが可能でしょうか。

○宮城邦治参考人 多分、生物のレベルといいますか、それによっても異なろうかと思います。例えば、細菌類であるとか菌類であるとかカビ類とかというものは、非常に難しいと思いますが、ある程度の大きさの生き物であれば、それが混入しているかどうかということのチェックはできるかと思います。しかし、生き物は我々が日常的に管理しているわけではありませんので、100%その外来生物の混入を防ぐということは、相当に困難であろうと思われます。

○比嘉京子委員 大変ありがとうございました。今、先生は、評価書についての我々の審査であったとお話しいただきましたが、補正をなお重ねてもなお環境生活部においては懸念が払拭できない、その確認と、やはり今知見のないジュゴン、外来種等ももちろんのこと、騒音問題。特に環境生活部が指摘しているのは、これまでに米軍が守ったことがあろうかというような意見もあるわけなんですが、私はきょう台風のお話は聞かなかったのですが、先生方が出しているのも、さまざまな年間を通じての環境を見た上で判断していますと言うけれど、その年の調査の年には台風がなかったではないかというような指摘さえもありまして、やはりこれは非常に防衛局としての出し方といいますか、そのことも含めて、後出しも含めて、やはり環境影響評価法の観点からしても、私は非常に誠実ではないような読みをしております。きょうはどうもありがとうございました。

○當間盛夫委員長 休憩いたします。
    ○當間盛夫委員長 再開いたします。
 仲宗根悟委員。

○仲宗根悟委員 宮城先生、大変御苦労さまでございます。日ごろから沖縄の自然環境、生活環境を守るためのいろいろな御提言を拝聴しまして、御苦労なお仕事をされているなと敬意を表しております。それではお聞きをしますが、この沖縄の自然、このヤンバルの自然というのはどれほど貴重なものなのかということでは、この亜熱帯の小さな島の自然は生物多様性に富むと言われております。その辺はいかがでしょうか。そして、その一方で、当初のこの自然環境は繊細であり、そして脆弱とも言われております。その点について、いかが見識をお持ちでしょうか。

○宮城邦治参考人 委員御承知のように、沖縄の、特に北部につきましては、生物多様性の視点から見ても、非常に重要な地域でございます。例えば、ノグチゲラとかヤンバルクイナとかというのは、世界中どこを見てもこのヤンバルのあの狭いエリアの中でしか生息してない、そういう生き物でございます。同時に、島嶼という環境の中で、あれだけ広大な、しかも生物多様性に富む森林が残っているということは、世界的に見ても非常に貴重な自然環境であります。だからこそ、環境省は世界自然遺産への登録等も考慮しているのではないかと、そのぐらい重要な地域だというように承知しております。

○仲宗根悟委員 今、先生がおっしゃるように、このヤンバルの自然というのは、世界規模から見ても大変重要な地域だというようなことがよくうかがわれたと思います。それで、県の環境保全の指針の中で、その当該事業実施地域及びその周辺域の環境は自然環境保全、ランク1に指定をされている。そして、自然環境の厳正な保護を図る区域とされています。その一帯の自然環境は、特に貴重で保全を図ることが求められている地域であると考えてよいでしょうか。

○宮城邦治参考人 はい、当該事業区域の沿岸域はランク1ということで、厳正な保全、保護を必要とする地域であると指定されており、審査会におきましても委員の先生方はそのことを踏まえて審議をしていただいたと承知しております。

○仲宗根悟委員 先生も、先ほどから非常に重要だというような話し方をされております。この地域が地球規模でその環境がどれほどのものであるかというのがよくうかがえると思います。厳正な保護を図る区域と指定されているようなこの場所の自然が、開発によって影響を受けるとどのようになるのか。そして、今回の埋立事業はかつてない非常に大規模なものであり、埋め立てや騒音などが大きな破壊要因となり、この自然環境の保護を図ることは難しいと思うのですが、その辺についていかがでしょうか。

○宮城邦治参考人 委員おっしゃるように、非常に重要な自然ということで指定されております。そこでその事業が行われるということは、当然ながら自然環境の保全と相反する事業であり、影響が極めて大きいということは審査会の委員の先生方も共通の認識としてありました。

○仲宗根悟委員 一旦壊されたこの自然環境、非常に回復も非常に難しいと思うのですが、その懸念についてどのように感じておられるのでしょうか。

○宮城邦治参考人 本事業は広大な海を埋め立てるという事業でございますので、これは一度そういう事業が実施されると、再現できない自然の消失ということになろうかと思います。

○仲宗根悟委員 我が会派の議員ですが、その大浦湾を潜水して調査をされた経緯があるのですが、サンゴ礁に、ピンポイントに申し上げますとですね、イノーの中に囲まれた形成の仕方をされているよりも、むしろそのイノーがなくてアオサンゴが非常に世界的に見てもまれなサンゴ形態があるのだということで、非常にこう潜ってみて初めて感激をしたんだというように、これまで言われているほど―これは専門家でなくても、あそこに一旦潜ってみればこの自然の豊かさには非常に驚くんだという感想も述べられておりました。その点について、ぜひコメントいただきたいのですが、いかがでしょうか。

○宮城邦治参考人 私の専門は海の中ではなくて、地上を徘回している生き物が専門でございますので、大浦湾の中に潜ったことはございませんが、サンゴや海草などを研究されている、つまり海生生物を研究されている先生方のいろんな御意見を聞きますと、大浦湾は内湾的な環境にもかかわらず非常にサンゴや生物の多様性に富む環境であるということはいつも聞き及んでおります。

○仲宗根悟委員 そこでですね、その希少種や貴重種の生息生態、それに関する科学的な知見、影響を予測するデータが十分ではないということは、埋立申請をした事業者も、そして県も表明をしております。この予測や評価の前提となる科学的知見、あるいはデータが整っていない中でですね、とられるその環境保全措置というのはどの程度になるものでしょうか。

○宮城邦治参考人 対象をどういうようなグループの生き物にするかというようなことによっても違いましょうし、それからまた生態系全体としての保全というようなことですと、また違う視点、あるいは方法になっていくとは思いますが、一般的に言いますと、生物の調査、研究というのは単年度のデータだけでは不確実性が非常に大きいので、一般的には数年、場合によっては10年、20年というロングスパンで調査されることによって解明されることがありますので、すぐこれが保全、保護の対策の特効薬だというようなことはなかなか出てきにくいかと思います。

○仲宗根悟委員 では、この県や事業者もですね、先ほども申し上げましたが、予測するデータが十分でない以上は、それからこういう対策をとっていきますのでということでは懸念が払拭はされないというようなことは県もお持ちではあろうとは思うのです。その単年度では難しいそのデータ、これから10年もかかるであろう、あるいは数年かかるであろうというデータの出し方でしか図れないという部分では、まだまだ懸念が払拭できないということでよろしいのでしょうか。

○宮城邦治参考人 どんな事業でも、規模のいかんによってそうだと思いますが、環境保全対策というのは、これだというような妙薬というか方法というのがなかなか難しいところがあろうかと思います。ですから、我々としては、評価書の答申においては不可能だというような表現をさせていただきました。その後、県のほうで払拭できないということの表現になったとしても、多分、環境保全に対する懸念といいますか、それは本質的には同じだろうと思っております。

○仲宗根悟委員 それでは、この環境保全措置、そしてこの環境監視体制が今できる精いっぱいのものであっても、それによって必ず環境保全が図られるというわけではないですよね。つまり、環境保全策を十分講じたことと、その結果環境が守られるかということは別物差しだと思うのですが、いかがでしょうか。

○宮城邦治参考人 保全監視等の審査会といいますか、委員会といいますか、それを設置するというお話でございますが、これまでのいろいろな事業の中でそういう委員会といいますか、監視委員会等がつくられたことがございますが、100%それでもって自然環境の保全というようなものの対策が出てきたかというと、そうでない事案のほうがたくさんあろうかと思います。

○仲宗根悟委員 それでは、先生はやはり環境監視体制がこうあったというようなことであっても、守られたことがこれまでの中では少ないから、その組織そのものがあり、そういう体制を整えますよということであっても、やはり懸念がまだまだあるんだというようなことでよろしいでしょうか。

○宮城邦治参考人 どういう専門家の先生方、あるいは現場の人たちがその監視委員会のメンバーになるかということと、それからどのぐらいの密度で環境の監視をしていくのかということなどが少し不透明でございますので、それでもって十分な対策ができるかとどうかということについては疑問がございます。

○仲宗根悟委員 ありがとうございました。先生のお話で、このヤンバルの持つ世界的規模の自然の豊かさをどう守っていくかということ、そしてもう一つはこの自然を一旦壊すと、回復に非常に難しいものだと。いろいろ拝聴できまして、今後の私たちの参考にもしていければと思っております。本当にありがとうございました。

○當間盛夫委員長 仲宗根委員の質疑は終了いたしました。
 新垣清涼委員。

○新垣清涼委員 今までの委員の質疑の中でかなりわかってきました。大浦湾のその自然が生物多様性に富んでおり、世界遺産にも登録するぐらいの価値のある場所であるということ、そして、一度壊した自然は再現できないということもよくわかりました。それで、評価書に対する先生方の意見は不可能とされるとするという答申がされているわけですけれども、この不可能というときに主に先生方が出された要因について説明をお願いします。

○宮城邦治参考人 評価書の中で言われている幾つかの環境の課題の対策といいますか、保全策というようなものを、それぞれの委員の先生方が専門的な立場で審議をし、議論をした中で多くの課題と、それから調査方法のデータといいますか、そういったものがなかなか承知しかねるようなことなどもございましたので、そういうデータをもとにした、いわゆる保全策というようなことでは、あの地域の豊かな自然環境をよしんば改変にするしても、事業が進捗するにしても、その周辺部への影響というのは非常に大きいということで、ですから保全対策は不可能であるというような、そういう表現になったかと思います。

○新垣清涼委員 この答申をされた後ですね。県の環境生活部からも意見が出ています。それもごらんになっていると思うのですが、その全部でもいいですから、県のほうから先生方に、今の事業者から出された補正とかそういったものに対しても意見を求められたことがあるでしょうか。

○宮城邦治参考人 環境生活部の、いわゆる土木部署や農林部署からの問い合わせといいますか、それについての助言といいますか、それは行っております。

○新垣清涼委員 どういう助言をされていますか。

○宮城邦治参考人 これは今まで我々が答申してまいりました知事意見と照らし合わせて、そしてその事業者等から回答のあったことについて、その対策で十分かどうかというような、そういう問い合わせといいますか、意見を求められた事項でございます。

○新垣清涼委員 その意見を求められたことに対して、先生方はどういう意見を出されていますか。

○宮城邦治参考人 これは環境生活部のほうから許認可部署への意見があったと思いますが、その内容について委員の先生方の意見が記述されて環境生活部のおおよその意見になっているかと思います。

○新垣清涼委員 そうしますと、11月29日に出された環境生活部からの答申については先生方の意見が反映されていると理解してよろしいですか。

○宮城邦治参考人 はい。委員の先生方の意見はおおむねそこに反映されていると承知しております。

○新垣清涼委員 それでは、不可能であるということから、さらに事業者がいろいろ追加でいろいろ調査をするとかという計画が来ても、なお、またそういった自然環境に与える影響が懸念というか、払拭できないという答申をされたということですが、やはりこれではですね、私たちも辺野古の沖縄の大切な海を、自然環境を守ることはできないなと思っています。それで、少し細かいことになるかもしれませんけれども、一旦そこであれだけのものをつくります。そうすると、そこにいた生物や動植物を別のところに移すというような話もあるわけです。今現在そこにいない動植物を、ここがだめだからそこに移ってくださいということは可能なのでしょうか。

○宮城邦治参考人 これはなかなか難しい御質問ではございますが、例えば、街路樹を移植するというようなことと、委員おっしゃるように野生の、自然のいろいろな生き物を、事業があるのでここのものを別のところに移しましょうといってもそれがおいそれと移植できるかどうかというような、そういう技術というのはなかなか難しいかと思います。

○新垣清涼委員 私が思うのは、ここにサンゴが―今大浦湾にたくさんすばらしいものがあるということなのですが、今のいわゆる環境、潮の流れだとかいろいろなことがあると思います―私は専門家ではないからわかりませんけれども。そういう状況が整っているからそこにサンゴがいっぱいあるはずなのですね。そして、その近くでこれを変えるようなことになると、今あるものさえもなくなる可能性があるのではないかなと、非常に心配をしています。その辺はどうなのでしょうか。

○宮城邦治参考人 今時点で、ある場所にその生き物がいるということは、その場所がその生き物にとって快適なといいますか、適した場所であるということだと思います。そして、そこから別のところに移植としていくというときにその環境がその生物たちにとって適した場所であれば、生存の可能性もある程度出てくるのでしょうけれども、現在いないところに移していくということはそれだけのリスクが伴っていくということかと思います。

○新垣清涼委員 それは非常に極言しますと不可能である、全くできないということだと思います。あと1点、外来生物についてですけれども、あれだけの大量の土砂が必要になります。ここにどういうのが入っているかわからないです。これを調査して取り除くということが本当にできるのかなと思うのですが、専門家として先生の御意見をお願いします。

○宮城邦治参考人 膨大な土砂が県外から搬入されるということが計画の中でございます。そうしますと、その供給源になっているところの場所でどういうふうな外来生物がいるのかということと、その外来生物が、例えば沖縄の自然環境にどういうような影響を与えそうかというようなことをちゃんとしっかりと把握していないと、ほかのもともと沖縄にいなかった生き物が混入してくる可能性は高いとは思います。ですから、その混入してこないということの対策ということには相当のコストが―つまり人的なコスト、さまざまな技術的なことも含めて要するのではないかというふうに思います。

○新垣清涼委員 あと1点、航空機の騒音についてですけれども、先生方が調査されたときに、オスプレイのことについては調査されているのでしょうか。

○宮城邦治参考人 オスプレイについての現地でのデータはないと思います。ほかの機種といいますか、そういうようなものから推論、推察されたデータでもって騒音に対する対応策というのをやっております。

○新垣清涼委員 現在、普天間にはオスプレイが配備されています。そうしますと、そのオスプレイの性能といいますか、特徴といいますか、そのヘリモードから固定モードにします。ヘリモードのときに起こる下降流ですね。これについては、いわゆる事業場にできたときにどういう影響があるかという、そういう議論をしたことはあるでしょうか。

○宮城邦治参考人 オスプレイは既存の機種とは違う飛行モードを持っている機種でございますので、当然ながら水平飛行していく場合と、離発着していく場合とではその騒音やそれから排気熱といいますか、そういったものは非常に懸念されるということは審査会の中でも委員の先生方から多くの意見がありました。

○新垣清涼委員 オスプレイが滑走路から飛び立ったときに、どうしても海の上を飛んでいきます。そうすると、そこに住んでいるジュゴンだとかウミガメとかですね、。そういったものに対する音だとか、その風圧の影響というのはどういうふうに考えられますか。

○宮城邦治参考人 私は、航空力学の専門家ではございませんので、細かい説明はなかなか難しいと思いますが、一般的に言いますと、鳥類ですね。鳥類はそういう騒音といいますか、そういうものについて非常に敏感だと言われております。それから、ジュゴンにつきましても水面近くに上がってきたときの音響といいますか、音は一定程度影響があるだろうということは推察されます。

○新垣清涼委員 海上に基地ができて、そしてその延長線上は海になっているのですが、辺野古住民への影響についてはどのようにお考えでしょうか。

○宮城邦治参考人 これは飛行ルートということでの御質問ということであれば、今のV字型というのは住宅地を極力避けるという形でのデザインといいますか、それになっておりますのでどういう飛行経路で飛ぶかということによってその影響の濃淡というのは出てこようかと思います。

○新垣清涼委員 先生、宜野湾の出身だと思いますので、普天間飛行場で、現在のオスプレイの飛行経路、それからしてみて辺野古の皆さんへの影響というのはどのように考えられますか。

○宮城邦治参考人 海上飛行場ということが想定されておりますので、おおよその飛行ルートは海上をベースにした飛行ルートになるという評価書等での説明でございますが、天候であるとかいろいろな条件によって当然陸側のほうの飛行も想定されますので、当初計画どおりの飛行ルートでちゃんと保証されているのかどうかというのが見えないところでございます。その影響の濃淡といいますかね、それについては、にわかには私のほうで説明しかねるところがございます。

○新垣清涼委員 先ほど、上原委員の御質問に対しても米軍の行動、行いというのは必ずしも住民と約束したことが守られていない。そういうことからすると、辺野古においても、例えば海上に設定をされていても辺野古住民にも大きな影響があることも考えられるわけです。そういう意味では、きょう、先生のこういうお話を聞いて、私たちはさらに辺野古の環境が守られないなということを認識しました。きょうはありがとうございました。

○當間盛夫委員長 新垣清涼委員の質疑は終了いたしました。
 渡久地修委員。

○渡久地修委員 きょうはどうもありがとうございます。
 まず、先ほど来ありました辺野古大浦湾の自然、ランク、厳正に保全する地域だということですけれども、これが世界的に見てどれくらい大事なものなのか、先生の御意見を聞かせていただきたいです。大浦湾のチリビシのアオサンンゴ群落というのが新たに発見されましたね。新種も36新種、エビ、カニ類とかそういうのが発見されたという意味で、世界的に見てこの地域、この沿岸部の自然がどれくらいの世界的な評価なのかというのを教えてください。

○宮城邦治参考人 この海洋生物の専門家ではございませんので、にわかに細かい説明ができるかどうか少し自信がございませんが、一般的に言いますと、大浦湾は内湾的な環境にもかかわらず、例えば大浦川から流れてくる淡水とそれから外洋から打ち寄せる塩水との非常に絶妙な環境が形成されているところであります。ですから、一般的な外洋の生物群集とは違う生態系がそこで形成されているというのは、サンゴ礁、魚類をやっている多くの先生方の意見でございます。

○渡久地修委員 このすばらしいランク1のところが今先生からあったように、今先生は絶妙と言っていましたけれども、非常に微妙なバランスを持って保たれていると。これがちょっとでも環境が崩れてしまうと壊れてしまうという、これは脆弱な自然だということでしょうか、どうでしょうか。

○宮城邦治参考人 脆弱というのはなかなか難しい言葉ではございますが、いずれにしても一般的に言いますと人が環境に与える負荷が大きれば大きいほどその自然環境は壊れやすい、あるいは改変度が大きくなっていくということでございます。ですから、大浦湾のほうにそういう事業が実施されたときの影響というのは当然ながら出てくるということは十分に承知しております。

○渡久地修委員 この辺野古沿岸―大浦湾の自然が、例えばどういうものであれ、失われた場合の世界的な損失あるいは沖縄の損失については、先生はどういう見解をお持ちでしょうか。

○宮城邦治参考人 一般的に言いますと、自然はすべからく大事なことでございますが、大浦湾の大きな環境改変というのは長い目で見ると沖縄県の豊かな自然環境の消失ということになろうかと思います。

○渡久地修委員 知事意見ですね、先ほど皆さん方の審査会の答申を受けて知事意見、そこでは環境保全は不可能だということを出したと。その後、申請書に対しても皆さん方の助言も得て懸念を払拭できないということになっていると思います。私は、不可能というのはそのまま生きているのではないかと個人的には思うのです。なぜかというと、どんな工法であれ160ヘクタールという広大な面積が埋め立てられてしまうと、この事実は消せないわけですよね。どういう工法であれ。これ事態が自然をなくしてしまうと。そして先ほどあったような大浦湾の非常にバランスのとれた、微妙なバランスの中で成り立っているものが、ああいう工事の中で失われてしまうと。それは私は不可能ということと、懸念を払拭できないというのは、これは今でも当然みんなが思っていることだと思うし、皆さんも先生もそういう立場だと思いますが、いかがでしょうか。

○宮城邦治参考人 基本的には委員のおっしゃるように、やはり自然環境の保全というのは不可能であるとは言えるかと思います。

○渡久地修委員 環境影響評価の今回の進め方ですけど、皆さん方は出されたものに対して審査しましたということで先ほど来述べてますけれども、今回のやり方ですね、当初オスプレイが入っていなかったものが後で入ってきたり、今度申請書の段階になってくると護岸ですか、接岸護岸が当初の200メートルから270メートルになったりですね、そういう意味では、本来これは環境アセスからやり直すべきだと思いますが、先生いかがでしょうか。

○宮城邦治参考人 委員御質問の事項につきましては、審査会でも先生方いろいろな御意見ございましたが、現行の手続の中で審議しないということになれば、要するに環境的な問題がないというふうに受け取られても困るということもございましたので、委員のおっしゃるように手続論的にはいろいろと問題があるものではございますが、それをあえて我々審査会では審議をして、そして環境的な視点からかなり厳しい意見を述べたつもりでございます。

○渡久地修委員 ですから、非常に先生、苦しい御意見だったと思います。要するに、オスプレイとか護岸が延びたとか、これは出てこないものはそれにつけ加えられないということは本来であればそういったものもきちんと入ったものでやるべきであって、本来であれば最初からやり直すべきだと私は思いますが、先生も立場上、なかなか出てきたものを私たちはやったんだということですが、本来の環境という点からすると、本当に全部あるべきものを審査するということが本来のあり方だと思いますが、その辺はいかがでしょうか。

○宮城邦治参考人 これは委員のおっしゃるとおりだと思います。が、先ほどから申し上げていますとおり、それを審査しないということになればゼロになってしまいますので、やはり我々としては、審査をしていく中で事業者である防衛局に対して、厳しい環境保全対策を要望するという知事意見になった経緯でございます。

○渡久地修委員 私は先生方が審査したことについて、意見を言っているのではなくて、やはり、きちんと後からどんどん出してきた防衛局のやり方が許せないという立場だということをお伝えしたかったわけです。
 それと懸念を払拭できないというのは、環境生活部と意見交換しながらやったということなのですが、申請後、防衛局と土木建築部が懸念についてやりとりをやっていますね。何回かやりとりやっています。このやりとりをやって防衛局はこういう対策をとります、こういう対策をとりますというふうに言っていますけれども、これについては県から先生方に防衛局からこういうふうにとると言っていますけれどもこれで環境を守れますかという意見照会なりはございましたか。

○宮城邦治参考人 ただいまの委員の質問に対するお答えですが、そういう事実はございませんでした。

○渡久地修委員 私はこういう審査会というのが県に設置されていて、先生方は意見を出しているものに対して沖縄防衛局でやって、沖縄防衛局から返ってきたらきちんと先生方に意見を聞くことは筋だと思います。そういう意味で、今回の土木建築部のやり方は私は皆さん方の意見を無視したという点では私自身は憤りを持っています。それと、この沖縄防衛局が打ち出した対策、これから検討するとかいろいろ言っていますが、これはよく見ると申請書―3月に出された申請書の時点と今の時点とは、言葉としてはいろいろあったとしても、中身としては変わらないと思いますが、その辺はいかがでしょうか。

○宮城邦治参考人 はい、委員の御質問のとおりでございますが、本来ですとそこで当然やりとりがあるわけでございますので、それが反映されてしかるべきだったのではないかというふうなことは思います。

○渡久地修委員 あとですね、土木建築部が判断していますけれども、沖縄防衛局のやりとりがあった場合ですね、質問して回答があったとかありますけれども、それについてやはり審査会の先生方の御意見も仰ぐべきだったと思いますが先生どうでしょうか。

○宮城邦治参考人 これは、今の事務手続上といいますか、県庁内のルールといいますか、その中で我々審査会にフィードバックするシステムが残念ながらございませんので、意見を述べる機会がございませんでした。

○渡久地修委員 先ほどの意見でも、不可能だと懸念を払拭できないということで述べましたけれども、要するに現段階でとり得ると考えられ得る保全措置等がやられたとしてもやはり懸念は払拭できないし、広大な160ヘクタール埋めるわけですから、環境保全は不可能だということでよろしいですよね。

○宮城邦治参考人 はい、基本的には環境対策もしくはその監視委員会等の具体的な内容が見えてきませんので、今の時点で事業遂行ということによる環境保全への負荷の懸念は払拭できてないということでございます。

○渡久地修委員 あとですね、外来種の問題とかいろいろ言っていますけれども、いろいろ対策をとるといっても担保というのは見えてこないし、ジュゴンもどこに住んでいるのかさえ、夜はどこに眠っているのかもわからない状況で、それを保護するというのはなかなか厳しいと。それをやるには数年間の調査が必要だということですから、ジュゴンの保護、外来種の侵入禁止などというのは今の時点で担保はないということで理解してよろしいでしょうか。

○宮城邦治参考人 外来種の混入等についての対策は技術的にやれないことはないのかもしれませんが、その効果が十分に実効性のあるものにあるのかどうかというのは非常に困難だと思います。ジュゴンにつきましては、基本的なといいますか、保全対策をするための基礎的なデータが余りにも少な過ぎるということなどを考えますと、対処療法的な形での保護対策でもその実効性は極めて疑わしいということだと思います。

○渡久地修委員 ありがとうございました。

○當間盛夫委員長 渡久地修委員の質疑は終了いたしました。
 座喜味一幸委員。

○座喜味一幸委員 参考人、きょうは大変ありがとうございます。私、率直にこの時期に環境影響評価審査会長をされているということは、それなりに御苦労いただいたと思っております。この辺野古の埋立承認問題、大変政治的な色彩が強い。そういう意味におきましては、各委員の先生方、大変真剣にいろんな多角的な検討をされて判断してきたと思っております。今、従来これまでの公有水面の埋立申請、それに関する環境保全する側というのは常にブレーキをかけていく立場でありますから、この辺野古の問題、政治色彩も強い、そういう意味で率直に先生の立場として、大変な思いがあったと思いますが、その辺を御苦労された部分とあわせてお聞かせください。

○宮城邦治参考人 審査会は、やはり基本的な考えとしては、委員の先生方は自分の個人的な、政治的なといいますか、そういう立場を離れてあくまでそれぞれの専門的な立場で環境の保全を考えていくと。あるいはそれについて審議していくという立場でございましたので、なかなか若干複雑な思いはありますが、それなりに沖縄の環境の保全を考えた答申になったというふうに思います。たくさんの苦労はございました。

○座喜味一幸委員 大変私は今回の意見書、割と厳しいお答えを出したなというふうに思います。評価書は不可能という厳しい意見も出されているわけですが、やはりこの政治的な色彩が強いだけに、ただ県民のこういう注目が大きい、それから160ヘクタールの公有水面を埋め立てるということにおいては、これは大変な難儀をしたもんだというふうに思っております。これまでの公有水面の埋め立ての案件の中で、この不承認となった事例はあるのか。その辺は、御存じなければ御存じなくていいと思うのですが、どの部分で一番苦労されたか、その辺を少しお聞かせください。

○宮城邦治参考人 この普天間の代替基地だけではなくて、一般的に公有水面の埋立事業というときには、一度埋め立てが実現してしまいますと、そこをまた相当なコストをかけてもとに戻すというようなことはまさに不可能でございますので、極力その環境への負荷が軽減されるような対策、対応が事業者に求められているということを要求していったと思います。

○座喜味一幸委員 結局はですね、我々の経済活動というのですか、人間の営みの中で、この開発事業を進める場合で環境上全く負荷がない、影響がないということはないと思いますけどね。そういう意味で、いつも大変御苦労されると思うのですが、その場合は基本的に対策、それがどの程度行えばいいかという判断、いつもその辺が難しいと思うのですが、その辺の何かお考えをお聞かせください。

○宮城邦治参考人 一般的な公有水面の埋立事業としてお話しさせてもらいますが、その際には、例えば極力面積を少なくするとか、あるいは貴重な生物の生息地ということが確認されているのであれば、そこを排除してその場所を少し変更するとか、いろいろな方法があろうかと思います。ただ、この辺野古の新たな基地建設ということにつきましては、基本的な場所というものはもう固定されておりますので、その中で、ではその環境負荷をいかに軽減していくかというときには、非常に面積的な面での調整というのも難しいでしょうし、それから滑走路の方向で騒音を防止するということもなかなか大変なこともあろうかと思います。しかし、一般的な視点で埋立事業そのものが実施されると、環境に対する負荷が相当大きいということを事業者自身にしっかりと対策をやっていただくというようなことを、どこかで、それこそ逆に委員の言葉をおかりして申しわけありませんが、政治的な判断というようなこともあっただろうかと思います。

○座喜味一幸委員 それから、環境問題というのは、いつも言うのですけれども、1足す1が2ではないというような、極めて不確実性の伴う判断でございますね。そういう場合、今回で特に不確実性の大きな課題、それに対する対策はどういうことがされたか、代表的な事例で御紹介いただければと思いますが。

○宮城邦治参考人 事業全般として言いますと、ジュゴンの保護対策であるとか、それからこの埋立土砂をどういうふうにして供給するかということなどは、それぞれ事業者がいろいろな可能性を検討したのだろうというふうに思います。

○座喜味一幸委員 少し質問を変えますが、この事業を進める上におきまして、環境保全措置等を確実に資するため、専門家、有識者等を委員とする環境監視委員会(仮称)を設置して進めるというようなことが、審査結果に出てきております。この環境監視委員会の設置というのは一般的なのか、また環境監視委員会そのものに今回の対策として真剣に、この取り組まれた課題だというふうに評価するか、その辺の御見解をお聞かせください。

○宮城邦治参考人 一般的な事業でも、環境監視等の委員会というのは、中身とか規模は違いますが、環境影響評価にかかってくる事業ですと、いろんな事業で事後調査の報告もございます。そうしますと、いろんな事業でそれに類するようなものは設置されております。今回もそれが出ておりますが、その環境監視等委員会の中身といいますか、具体的にどういうふうな形でこの環境監視委員会を機能させていくかというようなことなども含めて、よく見えてこないところがまだございますので、もしそれがしっかりと機能していけば、それなりのと言ったらあれでしょうけれども、何らかの具体的な対応策が出てくるということはあろうかと思いますが。

○座喜味一幸委員 まさに、いかにして環境監視委員会、あるいはその市町村等との協議会、そういうものを機能させ実効性あらしめていくかというのは、これは環境保全措置においては大きな担保となっていくと思っておりますから、ぜひともこの辺は、我々監視していかなければならないと思っております。今回のですね、地元関係市町村等々利害関係者からの意見聴取、3次にわたる照会等含めて、私は、それなりに大分議論をされてきたのかなと思っております。これは先生の所管ではないのかもしれませんが、その辺に関しては、防衛省、沖縄防衛局に対するいろいろな―3次にわたる照会等々を進めてきたというのは、これは私は結構真剣に大変な問題を提起して、その回答を照会するというような努力の跡が見えるかなと思うのですが、先生、それは一般的にはどうなのでしょうか。

○宮城邦治参考人 いろんな事業で利害者、もしくは周辺の住民の意見を聞くというのは、今日では事業遂行のときにどうしても通らなければいけない事業、手続かと思います。で、委員御質問のことですが、これは非常に事柄が大きいだけに、地域住民もしくは県民等から広く意見を聞いて判断の材料にされるということは、むしろ当然ではなかったかと思います。

○座喜味一幸委員 総じて結論の部分になりますと、現段階でとり得ると考えられる環境保全措置等が講じられており、基準に適合していないとは言えないという審査結果が出ております。私は、それなりに真剣に取り組んできた結果のこの表現だと思いますが、先生の立場から見て、現段階でとり得ると考えられる環境保全措置が講じられている―確かに環境問題ということはこれはこれで完璧だというのはないと思うのですが、それなりの対応策、対策、工法等々がある程度というか、大分講じられた結果なので、基準に適合していないとは言えないという結論になったという、非常に難しい、御苦労した結論だと思うのですが、先生のお考えをお聞かせください。

○宮城邦治参考人 私たちは、許認可の権限は何ら持っておりませんので、若干委員の質問の趣旨に反するかもわかりませんが、少なくとも知事がそういうように判断されたのであれば、知事がお考えになった現段階でとり得る最大限のといいますか、この対応策ということの具体的な中身等について、県民にきちんと説明する必要があったのではないかと思います。

○座喜味一幸委員 ごもっともでございまして、知事が最終的に承認をいただく、承認する権限は知事にあります。しかしながら、地域、地元、いろいろな法律に照らし、また環境に対する意見等々、私は丁寧に審査した中での結論だったと思っております。そういう意味では、特に難しい普天間の代替施設ということも含めた政治的な色彩の強いこと。それから、沖縄の大きな面積を持つ公有水面の埋め立て、これはもう大変大きな判断であったと思います。そういう意味では、大変御苦労いただいたものだと感謝申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。

○當間盛夫委員長 座喜味一幸委員の質疑は終了いたしました。
 以上で、参考人等に対する質疑を終結いたします。
 この際、宮城邦治参考人及び補助者各位に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、御出席いただき心から感謝いたします。
 そしてまた、宮城会長におきましては県の環境影響評価審査会会長として御尽力いただいたということに対して、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございます。
 それでは、宮城参考人、比嘉補助者、金城補助者及び與儀補助者に改めて感謝申し上げます。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人等退室)

○當間盛夫委員長 再開いたします。
 午後2時から参考人、名護市長の参考人ということでございますので、5分前には放送で皆さんに告知があります。
 そして、午後1時20分に、与野党調整会を301号会議室で行いますので、よろしくお願いいたします。
 休憩いたします。
 再開 午後2時2分

○當間盛夫委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、参考人として名護市長稲嶺進氏に出席をお願いしております。
 なお、稲嶺進参考人から、名護市企画部長仲宗根勤氏、同広報渉外課長仲里幸一郎氏、同広報渉外課基地対策係長安里順氏及び同広報渉外課基地対策係主事岸本永馬氏をそれぞれ補助者として陪席をさせたいとの申し出がありますが、申し出のとおり取り計らってよいかどうか休憩中に御協議をお願いいたします。

   (休憩中に協議した結果、陪席を認めることで意見の一致を見た。)

○當間盛夫委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 参考人から申し出のあった補助者の陪席につきましては、休憩中に協議したとおり取り計らうことに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○當間盛夫委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 休憩いたします。

   (休憩中に補助者着席)

○當間盛夫委員長 再開いたします。
 参考人及び補助者の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 この際、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人等に対し質疑を行うことにしております。
 参考人等が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、議題の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 なお、こちらから質問しているときは着席のままで結構ですが、お答えの際は起立して発言を願います。
 また、本日は委員会が参考人等の説明を聞く場でありますので、参考人等が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは、稲嶺進参考人から、普天間飛行場代替施設建設事業に関する名護市の意見等について簡潔に御説明をお願いいたします。

○稲嶺進参考人 委員の皆様方、こんにちは。名護市長稲嶺進でございます。きょうは辺野古移設埋め立てに係る県知事の承認に当たって、名護市長として意見を提出いたしましたので、その内容を含め、市長としての意見を皆様に述べたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、先ほど委員長の許可をいただきまして、米軍基地のこと辺野古移設のことというパンフレットをお手元に届けさせていただきました。実は、このパンフレットは、県知事から埋立承認に対する市長意見を求められた際に、私は、市民の生の声を聞く必要があるというようなことで、その際には辺野古のこと、あるいはその米軍基地トータルでのことを含めて、移設の容認、反対にかかわらず、誰にでも同様な、平等なと申しましょうか、内容のパンフレットをつくりました。そして、それもできるだけわかりやすくということをまず念頭に置きまして、中学生でもその内容について理解しやすいように、このパンフレットをつくりました。それを各家庭にお配りをして、その上で市民意見を募ったということでございます。
 まず、知らせる必要があることの第1に、普天間移設が辺野古地先に移設されるというときに、どういう内容のものが計画されているかということを、このパンフレットの2枚目のほうで記してございます。辺野古地先と、それから計画されている飛行場の内容等をここに示してございます。そして、その規模の大きさは一体どれだけあるのだろうと。それを街の真ん中にその規模を移してみると、宮里から東江のほうまで距離としてありますよ、これだけの広さがありますよ、さらには、その飛行場がどういう形に、海面にあらわれるのだろうということについては、市民会館の高さと比べて、海面から10メートルの高さ、そしてそれが1800メートルの長さでもって新しい飛行場がここにあらわれるのですよと視覚的に訴えるようにしております。さらに、それを埋め立てるにはどれだけの土の量が必要かということで、私たちの身近にあるスカイドーム―あけみおスカイドームというのがありますが、その容量が7万4000立米です。それの284倍。こういうことでもって、まずは身近なものと比較をすることでわかりやすく説明しようということにしております。そして、そのつくられる滑走路の向かいには大浦湾が広がっておりますが、それが表紙をあけた最初のページに、これだけ生物多様性に富んだすばらしい自然が今なお残されておりますよと。それもサンゴであったり、お魚であったり、ジュゴンであったり、ジュゴンの餌となる藻場であったりというようなことを、ここでカラーの写真でもって示してございます。
 もう一つは、辺野古に来る普天間の飛行場は一体今どんな状況なのでしょうということで、普天間の状況をここに示してございますけれども、そこでは1日50回、年間2万回の離発着、ヘリコプターなど、それだけのものが今そこで行われておりますよ。そうしますと、辺野古に来るとそれがそのまま辺野古でも行われますよということをここで示しております。また、これまで名護市が騒音のチェックをした120デシベルから20デシベルまでの間の中で、どれだけの騒音というのが―例えば120デシベルだったらどういう音と比較するとどんなものに当たりますよということを説明しております。このような形で、辺野古のことを説明し、そしてオスプレイが訓練する内容の状況を示してあります。
 さらには、沖縄にある今の基地の状況はどうなっているかということを、色塗りでわかりやすいようにしています。0.6%の国土面積に約74%近くの米軍専用施設がありますよ。そして、沖縄本島の周囲には海域、空域がこんなふうに本島を取り囲んでありますよ。こういうのは普通は全く見られない、気がつかない状況ですね。こういうものが実は今沖縄を囲んでいる状況です。そしてまた最後のページには、これまでの事件事故のあらまし、それから代替施設の建設問題が起こってから―これは1995年の少女暴行事件に始まり、県内での基地負担に対する声が非常に大きくなり、そのことを受けて、橋本モンデール会談が開かれて、そこで普天間飛行場の返還が表に出てきたというようなこと等、そういうような内容を市民に情報を提供して意見を募ったというところでございます。2700余りの意見が寄せられました。これは県外も含めてでございますけれども、それだけの意見が寄せられたということは、市民はいかに辺野古移設という問題に対して関心が高いかということが、これでもって証明もされたのではないかなと思っております。さらに、その意見書には、明らかに小学生と思える、子供と思えるような筆跡の意見もございました。それからまた、その近くに住んで60年、あるいは80年というような人の意見もございました。それこそやはり生の声が寄せられたと私たちは理解をしたわけですね。そういうふうな意見を一方でとる中で、知事が承認した、法律に適合しているというそのことについては、どうなっているんだろうかというようなことで、我々は庁内に委員会を立ち上げて、作業部会も立ち上げて、その作業を進めてまいりました。その中で、専門家の知見も入れる必要があるというようなことで、専門家の皆さんも入っていただいて、そこから意見をいただいて、この意見書としてまとめて提出をしたということでございます。それを出したのが11月22日でございました。そういう経緯の中で、私たち名護市民は辺野古移設について、到底受け入れられるものではありませんというようなことを申し上げてきたわけでございますけれども、昨年末に県知事は埋め立てを承認するということに相なりまして、私たちはその知事が発表したその日に、すぐに抗議の電文ではないですが、ファックスで抗議の文書を発送いたしました。それで我々は3度失意のどん底に突き落とされたと、こういうような内容のものを送ったわけです。その3度というのについては、まず1つは橋本モンデール会談で普天間移設が約束され、発表されたと。そのとき県民は大変喜んだ、そういう経緯がありましたが、しかし、間もなくそれは県内移設が条件でしたよというようなことで、県民は喜んだのもつかの間、また苦しい、そしてそういう道のりの中に我々は置かれてしまったということがございます。それからもう一つの2回目というのは、民主党が政権をとったときに、当時の代表は最低でも県外というようなそのことをお話しされておりましたが、これもまたしばらくして辺野古回帰という形になってしまいました。そういうような経緯を経る中で、沖縄県では県内移設反対で、それからオスプレイ配備反対等も含めて、オール沖縄の流れがつくられてきたというふうに、我々はずっと認識をしておりました。そして、それが建白書という形でまとまって、総理に直接手渡しをするというようなことができたわけです。そういう県内の大きな流れを逆流されるかのような形で、昨年12月に、年末には承認をしたということが起こりまして、今県内では本当に混乱の中に陥れられていると、こういう思いであります。しかし、こういうような状況にあっても、我々沖縄県民はそれをよしとする環境状況にはないというふうに思っております。今なお建白書は生きているということを私も思っておりますし、多くの方々もそのような発言をなさっている方々がたくさんいらっしゃいます。知事の承認を受けて、国はいろいろな手続が開始されております。名護市長選の2日後には、調査等工事の入札の公告を出すなど、市長選で示された結果を全く無視する、こういうような手法で今政府のほうでは強行しようという形が進められております。しかし、私は、2回にわたる選挙で辺野古の海にも陸にも新しい基地はつくらせないということを公約に掲げて支持され、当選をしたのです。これからしますと、同じテーマで2回の選挙を経て、私が公約したものが支持されたということになると思います。そういう意味では、これこそ名護市民の民意のあらわれというふうに受けとめるべきだと思っております。さらに、これまで基地問題、辺野古の問題に対しても推進というような言葉は全くと言っていいほど出てきませんでした。条件つき容認という、いわばファジーなといいましょうか、争点をぼかすような形で選挙が行われてきたわけですけれども、今回は少なくとも積極的に推進をするという候補と、辺野古の海にも陸にも新しい基地はつくらさないという候補との、本当に争点がはっきりした選挙だったというふうに思います。そういう意味では、市民投票的な意味合いを持つと言ってもいいのではないかと私は思っております。したがって、2度にわたって示された結果が、名護市民の民意である。そうであるならば、民主主義国家であるならば、市民の民意―しかも選挙という形であらわされた結果を、しっかりと施策にも反映させるべきものが民主主義国家ではないかなと私は思っております。事業者にはそのことをしっかりと受けとめて、真摯に受けとめて、民意というものを―民意というものがいかに大事かということを受けとめていただきたい。きょうはそのことを含めて、この委員会においてお話をする機会をいただきましたので、それを申し上げるためにきょうはここに参ったという次第でございます。どうぞ御理解をいただきたいと思います。ありがとうございます。

○當間盛夫委員長 稲嶺参考人からの説明の聴取は終わりました。
 これより参考人等に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 また、本日は、2月20日の本委員会において決定したとおり、質疑は各会派1名、質疑時間は参考人等の答弁を含めず5分をめどに7分を超えない範囲でお願いします。
 なお、質疑開始から5分経過後呼び鈴で報知し、終了は電子音により報知いたします。参考人もお忙しい中御出席いただいていることから、委員の皆様の御協力をお願いいたします。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 稲嶺市長、きょうは本当にありがとうございます。
 では、さっそく質疑をさせていただきます。今、私手元に沖縄県知事仲井眞弘多殿に名護市市長の稲嶺進より公有水面埋立申請書に対する答申というのが、昨年11月27日に出されたものを手にしております。その答申について幾つか質疑をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、先ほども御説明ありましたけれども、確認の意味を込めてお聞きしたいのですが、名護市長から知事に提出された答申に関してですが、名護市民の意見を行政としてどのような経過で、手法でまとめられたのかをお聞きしたいと思います。

○稲嶺進参考人 お答えをしたいと思います。
 先ほど申し上げましたけれども、法的な立場からの検討、市民意見という民意という2つの分野で構成をしているということになっております。まず、庁内では基地問題対策委員会を副市長を委員長とし、部長クラスを中心に立ち上げて検討を始めております。それから、専門部会をつくりまして、それはまた関係する課長に集まってもらって検討しております。その部会、委員会を合わせて10回の会議を開いております。その間にも各課の調整等は入っておりますが、会議自体としては部会が4回、委員会が6回、そして専門家の皆さんに集まっていただいて意見を聞くことが1回というのは入っております。6月から作業が始まり、最後にまとめが11月19日でしたので、その間、庁内において検討作業を進めてきたというところでございます。市民意見ということについては、8月1日から10月31日までの間を意見を聴取する期間として設定をいたしまして集めていただきました。それが、先ほども申し上げましたけれども、2700余の意見が寄せられたということでございます。11月19日に庁議で最終の意見書をまとめて、11月22日の臨時議会で審議していただいて、その日で議決をいただき、そしてそれを答申という形で知事に提出をしたということでございます。

○比嘉京子委員 今大変、丁寧にこの答申がどのような経過をたどってまとめられたかということ、考え方として法的立場と市民の意見の立場、部会においてプラスの専門家を入れて1回を含めて、その期間が5カ月。住民意見を聞くのに約3カ月でしょうか。それくらいの期間をかけてこれをまとめられたということがわかりました。その次におっしゃっていただいたのが、11月22日に議会のほうに審議を求めたということでしたよね。その日のうちに議決がされたということは、これはとりもなおさず、名護市民の団体意見として、しかも行政だけではなく、立法府である議会で議決されて、きちんと市民の民意がそこの中に集約されたということが私は確認できたと思います。私が申し上げたことに問題はありませんか。

○稲嶺進参考人 先走ってお答えをしたようなところもあったようですが、おっしゃるとおり議会でもしっかりと審議をしていただきましたけれども、先ほど申し上げましたこれだけたくさんの市民の意見が寄せられたということも非常に大きな意味合いを持っていたのではないのかと思っております。法的なところでいうと、先ほど申し上げました専門家の皆さんの意見をお聞きをしてまとめてございますので、それについてもすんなりと御理解をいただけることができたのではないかと思っています。

○比嘉京子委員 そこまでは一応了とするということでしょうけれども、その後提出した後には県から意見の聴取等、何かございましたでしょうか。

○稲嶺進参考人 これは意見聴取というよりも中身の確認という程度のものでございました。例えば、名護市で策定されている計画とはどのようなものがあるのかとか、あるいは辺野古地域で浜など、それはどのように使われているのでしょうかとか、非常に簡単な確認程度のものでございました。

○比嘉京子委員 最終的には、決定がなされる以前に意見交換等というのはなされなかったという理解でよろしいでしょうね。

○稲嶺進参考人 はい、おっしゃるとおりでございます。

○比嘉京子委員 今、議会の議決を得て市民の民意である団体の意見が出されているわけですけれども、それに対して今回の決定の理由のところには、言ってみれば、あたかも市長一人の政治的な理由であるかのような、政治的理由は承認を妨げることにはならないというような意見等が出されておりますが、それについては何か御意見ありますか。

○稲嶺進参考人 法的なところでいいますと、全く法に基づいて審査をしてございますのでそういうことはありません。それから、市民から意見を求めるというのが私たちは答申をつくる過程の中で必要なもの、行政的な手続の中でもやはりそれは必要なものだろうと思っているわけですね。そういう意味では、そこで政治的なものが優先されたということではないと思います。

○比嘉京子委員 それを偏狭的な、政治的な理由ということで、ある意味で決めつけられているということには異議があると。さて、私、これを見てみますと賛否両論書いているんですよね。賛成の意見もあるし、反対の意見もあると。ただ反対の意見が多かったということがあるのだろうと思います。では、具体的な話を1点だけお聞きしたいと思います。今これを読んでいますとね、市長意見には非常にオスプレイについて強い矛盾点であったり、問題点であったり、指摘をしておられるのです。それについては環境影響評価の手続等も踏まえて、どういう疑義を持っておられるのでしょうか。

○稲嶺進参考人 このアセスの中では、ほとんどオスプレイについて議論がなされてこなかったということが言えると思います。それが一番最後の最後になってオスプレイという文字が表に出てきたということからしますと、オスプレイに対するアセスというのはほとんどなされていない。情報として出されたのはアメリカあるいは国外で出された資料をもとに出されているということもありますけれども、辺野古移設ということを前提とした調査というのは、ほとんどされていないと私は思っておりますし、さらに、普天間にオスプレイが配備されてから後、日米合意という形で夜間は飛ばないとか、あるいは市街地は飛ばないだとかいろいろなことがありますけれども、それがほとんど守られていないという、300件以上の違反が指摘されているということもあります。それは実際に名護市内でもそういう状況がありますので、そのことについては、私たちは力を込めてといいましょうか、それを訴えているというところでございます。

○比嘉京子委員 沖縄防衛局から出されている計画のずさんさを象徴するものであるという厳しい御指摘がありました。もう一点ですね、同じオスプレイですけれども、飛行経路が方法書、準備書から変わりましたよね。そのことによって地域住民、上空に対する懸念ということをおっしゃっていると思いますが、その約束が守られるかどうかも含めてですね、これはとても住民にとっては、最初の話と違うのではないかということも出てくると思うのです。その件について御意見お聞かせください。

○稲嶺進参考人 米軍のいろいろな運用に関して協定だとか、いろいろな約束ごと、これまでにもいっぱいありますけれども、ほとんどそれが守られていないというのはこれは県民が承知しているというところであると思います。しかも、これだけの300件以上の指摘があっても、沖縄防衛局のほうからはそういうことは確認できませんでしたという答弁も以前に新聞でも報告がありましたけれども、それについては、いわゆる運用についてできるだけとか、可能な限りだとか、そういう言葉があって、米軍側に言わせますとそれはその範囲に入ると。したがって、違反しているという認識はないということを言っているのだろうと思います。それは辺野古に移されても、なおそのことは全く想定される内容だと、市民もそういうふうに思ったのではないかと思います。

○比嘉京子委員 台形から楕円形に飛行経路が変わるということで、いわゆる周辺地域の上空を基本的に回避するというものから、住宅上空の飛行を明確に否定していないと、そこが非常に市長としては、大きな払拭できない材料にもつながっているのではないかと思うのですが、それもそうでしょうか。

○稲嶺進参考人 それもおっしゃることです。当初は台形みたいな形だったのですね。国から示されたものはですね。しかし後からいろいろ指摘されて飛行機がそういう飛び方できるわけないというようなことで楕円形にしましたら、その楕円形の先は対岸の瀬嵩であったり安部であったりですね、そこまで広がっていくわけです。そうしますと、騒音というのは確実に当初そんなに大きなものではないと言われていたものが、当たり前に広がっていくというそのことが、そのことでもはっきりわかるわけですけれども―素人でもこれは理解できると思うのですが、しかし、そのことについて、それを補正するような内容の言葉はほとんどありませんでしたので、そのことについても市民はあるいは県民は信用してないということが言えると思います。

○比嘉京子委員 これは市長として住民の安全、生活環境、自然環境を守ることができないと、この答申にも書かれているように、それは不可能であるということに現在でも変わりはございませんか。

○稲嶺進参考人 はい、おっしゃるとおり今承認の前提となっているものが、全く私たち名護市民の生活を脅かすものそのものであって、これが大きな問題ではないというような表現の承認のあり方については、納得できないというところであります。

○當間盛夫委員長 比嘉京子委員の質疑は終了いたしました。
 照屋大河委員。

○照屋大河委員 社民・護憲の照屋大河と言います。どうぞよろしくお願いします。本日は出席いただいたこと、まず感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 では、何点か伺っていきたいと思います。先ほどは、いわゆる名護市長意見と言われる市長意見がその作成の過程、あるいは議決というものをもって示された名護市の団体の意思だという、大切な意見であるということを確認することができました。では、この市長の意見、11月22日に提出されて、12月27日、これは知事が承認の判断を会見した日でありますが、11月22日から12月27日までに、県や知事から何らかの意見の聴取はあったのでしょうか。その点について伺いたいと思います。

○稲嶺進参考人 そのことについては一切ございませんでした。

○照屋大河委員 この11月22日以降、中身の確認の程度のやりとりはあったということで先ほど答えておられましたが、市長、この中身の確認のやりとりは何か文書をもって確認されたのでしょうか。あるいはどういう形で、電話連絡だったのか、その点について教えてください。

○稲嶺進参考人 これは文書でもって照会という形で来ました。項目については4項目ございまして、先ほども少し申し上げましたけれども、いつも使っている浜の状況がどうであるかとかですね、あと市の計画―これは観光振興計画であるとか、土地利用計画であるとかがどういうものでつくられているのかとか、あるいはその根拠だとか、ということ等を確認をするというような程度の内容でございます。

○照屋大河委員 11月22日意見を提出して、12月27日承認の会見のあるその日まで、一切中身のある調整はなかったということであります。しかし、聞くところによると、12月27日、その承認の会見を知事が行った日の午前中に直接に知事から市長への電話があったと聞いているのですが、この点については事実かどうか確認できますか。覚えていらっしゃいますか。

○稲嶺進参考人 直接電話はございました。

○照屋大河委員 今回の百条委員会の中、知事の証人尋問における証言によればですね、26日の時点では既にもう三役でこの埋立申請について承認の決定をしていたというふうに知事は証言されました。12月27日の午前中の稲嶺市長への電話というのは、私が推測するにですね、一方的に、承認という判断をしてしまったのだと伝える程度のものと推測できるのですが、中身はどのようなものだったのでしょうか。

○稲嶺進参考人 本当に短い時間でですね、きょう、発表しますからという、承認の発表をしますからという程度の話でございます。本当に短い電話でした。

○照屋大河委員 発表するという知事の言葉に市長は何と言われたのですか。覚えていますか。

○稲嶺進参考人 まず最初に、びっくりしまして、しばらく声が出ない状況でございましたけれども、そこでいろんな話ができる場ではありませんでしたので、もう至極残念でございますというような、そのことを言った覚えがあります。

○照屋大河委員 至極残念でありますというその市長の答えについて、言葉に対してですね、知事からは何かそれに対する改めて答えというか、何か言葉はありましたか。

○稲嶺進参考人 それに対するお言葉はありませんでした。

○照屋大河委員 先ほど、すごく短い時間だったということです。大体何秒、何分程度かというのはわかりますか。

○稲嶺進参考人 正確にはかっていたわけではありませんので、自分の感覚からすると本当に40秒ぐらいだったのではないのかなというような記憶です。

○照屋大河委員 わずか40秒ぐらいのやりとり、至極残念という言葉についても返事はなかったということで、残念でなりません。では、この12月27日の時点に戻っていただいてですね、この電話でのそういったやりとりがあった時点で、稲嶺市長は知事の承認という判断に名護市民の意見は十分反映されたというふうに考えたのでしょうか。何の意見も照会もその日まではなかったということで先ほどありましたが、そういった40秒間の電話での承認の判断の報告があった12月27日の時点にて、名護市の市民の意見はこの承認という結果に、十分反映されたと考えたのでしょうか、その時点で。

○稲嶺進参考人 市長の意見というのは、先ほど言いましたように、法的な部分とそれから市民の意見という部分もあわせまして、23ページに及ぶもの、そこの中に名護市民の思いというものを詰め込んで知事に提出をしたと思っております。しかし、その発表を聞いていますと、市長から出された意見というのは全く反映はされなかったのだろうなとの理解でございます。

○照屋大河委員 この百条委員会は環境生活部それから土木建築部、農林水産部、そして知事ということで証人尋問をこれまで行ってきました。県の部長や知事の証言には法にのっとり、あるいは基準に沿って審査を行ってきた。その上で適合した、そういう意味では承認という答えしか導き出せなかったというふうに言っているのです。しかし今、市長からあるように名護市の意見が全く反映されていないということについて、やはり問題があるなと考えています。この審査の中身においても、市の意見―名護市と十分に意見調整がなければ答えが出せないような項目があるのです。例えば、内容審査に関する審査事項に国または地方公共団体の法律に基づく計画に違背していないかというものがあって、これは埋立地周辺等において土地利用上での整合性を求めた項目であります。これはハンドブックの解説によると、土地利用計画には枚挙にいとまがない。その他即時性のあるものについては、何らかの形で計画として無視できないというふうな審査項目があるのです。しかし、先ほどの経過をもってですね、県はこの審査結果について、名護市の法律に基づく計画の達成を妨げるというまでは言えず、違背していないという結果をもう導き出しているのですね、この時点で。先ほど、名護市の計画という言葉も市長の口からありました。名護市の総合計画及びさまざま計画があると思いますが、この辺野古埋め立てという事業について、名護市の抱える計画に支障はないのか、どのように考えていますか。その点について聞かせてください。

○稲嶺進参考人 私は非常に大きな問題があると思っております。実は、第4次総合計画もそうですけれども、市は名護市景観計画というのも策定をいたしております。その中で、その自然環境の持つ大きな意味、役割というのが記述されておりますし、昨年9月には環境基本条例というのを制定をいたしました。この施行はことし4月施行ではあるのですが、昨年9月にはもう既に―この意見書を出すときには既にその条例も成立をいたしております。その条例を受けて、環境基本計画というものをまたつくることとしております。実は、きょう私はここに来る前に庁議を開催いたしまして、この計画を、環境基本計画というものを庁議決定をしたところでございまして、そういうところからも名護市がこれからも自然とともに生きていくというそのことを強く訴えていく、そのバックボーンといいましょうか、そういうものは非常に大きな力を持っていると思っております。そういう意味では、今回の県の判断は、私たちの非常に不本意とするところであります。

○照屋大河委員 先ほども申し上げましたが、これまで、知事や県のほうは丁寧に利害関係人―名護市長含め利害関係者の皆さんには丁寧な意見交換をしてきたということをずっと言っているのです。そして、法にのっとった審査を行ってきた上で適合して、適合だから不承認とはできない、承認という答えしか導き出せないということが知事からありましたが、きょうの名護市長稲嶺参考人の意見を聞いて全くそういうことは当たらないと感じています。そういう意味では、私はこの承認が取り消され、撤回されるべきものだと改めて強く確信したところであります。きょうは忙しい中、御参加いただいてありがとうございます。改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

○當間盛夫委員長 照屋大河委員の質疑は終了いたしました。
 玉城義和委員。

○玉城義和委員 御苦労さまです。ダブらないようにしたいのですが、まず市長、1996年のSACOの報告以来、名護市はいわゆる賛成、反対派に分かれてきたわけですね。18年間、決して短い歳月ではないのですが、この状況を現在市長としてどのように受けとめていらっしゃいますか。

○稲嶺進参考人 本当に、まさしくそれ以降、我が名護市はその辺野古の問題を代表に基地問題に翻弄されてきたという思いを強くいたしております。さらに、市民の間でも賛成、反対というような、友達同士あるいは親戚の中でもこういうようなことがありまして、苦しい、本当に日常的に生活をしていく上でも、何か行き交うときにも会釈さえできないようなというぐらいですね、つらい思いというものをこれまでずっと背負ってきた、そういう中に名護市民は置かれてきたと思っております。そういう意味でも、そのことについて早く決着をすべきだと、市民はそう思っていると思います。

○玉城義和委員 賛成にするにしても、反対にしても、進んで賛成をしている人はいないだろうと思うのです。そういう意味では、やはり町が活性化する、振興するというのはですね、心を一つにしないとできないという基本だと思うのです。殺伐としている関係では、いい知恵も出ないしですね。私も地元にいてこの18年間、今、市長がおっしゃったことと同じような心境を共有しているわけであります。一日も早くこれはピリオドを打って、やっぱりやらなきゃならんなとあえて思うわけであります。民意ということについてお聞きしますが、政府は地元の理解を得て事業を推進する云々ということですが、地元という概念は市長はどのように捉えていらっしゃいますか。

○稲嶺進参考人 私も政府が言っている地元というのが、少しよくわからない部分もありますが、ただ、私は2度の選挙で辺野古はだめだということを全面に出して選挙に臨んできました。そういうことからしますと、移設先である辺野古を管理する名護市、あるいは名護市長が今代表として管理をするわけですが、やはり名護市こそが私は地元だというふうに思っております。

○玉城義和委員 この公有水面埋立法でも言う、関係市町村というものは名護市を指しているわけでありますから、私は地元というのは明確に名護市のことをいう、市民のことをいうと思っております。そういう意味で、選挙も終わったばかりでありますが、明確に推進という立場と海にも陸にもつくらさないという立場ですね、選挙も戦われた後でありますが、そういう意味で地元の民意は明確に示されたと、今この段階でお思いでしょうか。

○稲嶺進参考人 先ほども少し述べましたけれども、2010年の選挙においても私は辺野古の海にも陸にも新しい基地をつくらさないということを言いました。今回の2014年の選挙でもそうです。そういう意味では、私は2回にわたって市民の付託を受けたということは、それこそが私が当選したことが市民の民意のあらわれだと私は理解をしております。

○玉城義和委員 ありがとうございました。危険性の除去ということについてであります。普天間飛行場の閉鎖、撤去というものはそもそもその普天間飛行場が極めて危険性が高いということが発端でございます。そのことについては認識はいかがですか。

○稲嶺進参考人 普天間の飛行場の危険性はやはり町のど真ん中に、人口が集中しているところにあるというものが危険性が高いということだと思うのですが、でも、それを辺野古に持ってくるとその危険性はなくなるのかというと、私はそうではないと思っております。

○玉城義和委員 具体的に普天間の危険性というのは、どういうことだと考えられますか。

○稲嶺進参考人 これは日米合意などの中で協定を結んで、夜間は飛ばないとか、学校の上は飛ばないとか、住宅地は飛ばないだとかというようなことを、いろいろ協定を結んでやってきておりますけれども、ほとんど守られていないという状況が続いている。しかもそれが昼、夜となく、先ほどは1日50回、あるいは年間何万回というような、その状況が続く中で、いつ落ちるかもしれないというその危険、不安。そしてまたそれが低空等でまき散らす騒音、そのことによって生活環境やその学習環境含めて、全て破壊されてしまうという、そういうようなことが日常的にその周囲では起こっていると。そういうのが大きな危険性ということで言えば、一番最初に挙げられるのではないかと思います。

○玉城義和委員 今お述べになったように、普天間の危険性というのはこのヘリなどの墜落を初めとして、あるいは騒音、基地から出る騒音被害、あるいはそのそこにいる兵士などによって起こされる事件や事故という、そういう多岐にわたるわけですね。話がありましたように、今日のようにオスプレイもですね、全県を時を構わず場所を構わず飛び交うという、そういう状況の中では危険性の除去という概念自体が、非常にこの何といいますか、辺野古に移すということとの関連で、整理されていないわけです。だから、このオスプレイはどこでも落ちる可能性というのはあるわけですし、辺野古に移したってそういう騒音というのは当然出てくるわけでですね、兵士が起こす事件、事故もあるわけで、つまり右のポケットにある荷物を左のポケットに移すようなものでありましてですね、体全体としてはちっとも軽くならないわけであります。そういう意味で私は、普天間からなくなればいいと、普天間から基地がなくなればいいというような考え方では、体全体としては荷物は全く荷物としては同じだろうというふうに思っているわけでありますが、そういう意味で名護市長として、今のような、そういう論があるわけですが、それについての御見解はいかがですか。

○稲嶺進参考人 委員のおっしゃるとおり、辺野古に移したからその危険性は除去されるかというと、全くそうじゃないと思います。確かに、普天間周辺での危険は軽減、あるいはなくなるでしょうけれども、しかし、それはまた辺野古という場所を移して、その危険性が同じように地域の皆さんには負担をこうむるという、そういう状況をつくり出すのであって、我々県民としてはそれが解決の方法だとはちっとも思わないでです。普天間にいる人の命の重さも、それから辺野古に住んでいる地域周辺に住んでいる命の重さも同じであって、今の人口の多いところから少ないところに移すという論理は、これは民主主義の社会においてやはり到底許されるようなものではないのではないかと思います。

○玉城義和委員 自分のところだから嫌だということも、それは感情としてはあるかもしれませんけれども、あるいは自分のところからなくなればいいということも感情的にはわからないわけではないですが、ただ、そもそもその普天間飛行場が95年の少女の暴行事件以来動き出したのは、このままおいておくと沖縄の全基地に飛び火しかねないと、こういう政治的なところもあって動き出したわけですが、これはいかんせん県内移設が条件ということによって、今のような御意見も含めて、やはり18年たっても動かないということであります。したがって、県内移設では物事の抜本的な解決にならないということが県民の、私は意識するかしないか別にして、多数の意見であろうとこういうように思っております。今市長がおっしゃったように、人口の多いところから小さいところに移せばそれでいいという話にはなりませんので、人間の命というのはみんな一緒でありまして、こういうところはやはりきちんと考えなきゃならないと思っております。
 次ですが、今回の知事の承認について、地元市長としてどういう受けとめ方をされているか、お聞かせいただきたいと思います。

○稲嶺進参考人 知事はこれまで県外が早いだとか、それから固定化の話が出たときには、それは一種の堕落だとか、このようなお話までされておりましたので、その結果については本当に我々にとっては考えられない状況であります。しかも、5年以内の閉鎖ということもお話を申し上げておりますが、5年以内の閉鎖ができるのであれば辺野古は要らないのであって、そのままずっと閉鎖状態を続ければいいのではないかなと思うのです。その意味では、その承認というのは、そこにもおっしゃっていることと、やはり矛盾があると思いますので、そのことを含めても、それから私は意見として出したこともありまして、とてもそれは受け入れられるものではないと申し上げたいと思います。

○玉城義和委員 環境条項でですね、公有水面埋立法の第4条第1項第2号、この関連について、今、不十分さが指摘されていて、十分配慮という規定に反するのではないかという議論がずっと百条委員会でもありました。市長はこの同法第4条第1項第2号については、どういうお考えでしょうか。

○稲嶺進参考人 公有水面埋立法第4条第1項第2号のところですね、特に自然環境のところを重視をして記述をしていると思っておりますけれども、沖縄県は観光立県を目指すと言っております。観光客を、今の600万人を1000万人に引き上げるということも目標として掲げております。今の沖縄県でこれだけの観光客が沖縄を選んでくれる、沖縄に来ていただけるという大きな理由に、海であったり、沖縄の山であったり、沖縄の自然、文化、そういうその沖縄の魅力というものが観光客を引きつける大きな要因になっていると思いますが、辺野古の海はまさしくそれを代表するもので、観光産業にかかわっている平良さんがおっしゃっておりましたけれども、観光は平和産業だというようなお話もございました。平和産業である観光をやっているものにとって、この自然を潰すということは、観光にも非常に大きな打撃を与えることになってしまうというようなこともございました。そういう意味では、今の保全が可能とか、あるいは軽微であるとか、打撃は軽微であるとかいうような、その表現というのは、これは全く科学性に欠けるものだと、我々は専門家の皆さんの意見を聞いてもそれを裏づけられたと思っております。

○玉城義和委員 次に、市長意見についてでございますが、23ページにわたる意見が述べられています。11月27日に沖縄県知事宛てに出されていますが、私は何度も読み返していますが、極めて合理性に富んで科学的な書き方をされていると思います。法律の趣旨等も含めて、それと相照らしながらきちんと書かれていると思います。これについて、市長意見は、まずどのような観点から書かれたものなのか、それをお聞きしたいと思います。

○稲嶺進参考人 1つ目には、公有水面埋立法の要件を満たしているのか、いないのか、というところでの議論ですね。それから、先ほど申し上げましたけれども、そこに住んでいる人たち、名護市民の意見、あるいは利害関係者としての意見を直接聞いて、それを知事にも届ける。そして、それをそのことで理解をしていただこうというようなことで、この2つの大きな構成ででき上がっております。

○玉城義和委員 この意見は2回にわたって県に対しても質問照会が出ているわけですが、県に対して質問して回答があったでしょうか。

○稲嶺進参考人 私たち名護市としては、その結果を受け入れられないということで、まずファックスで抗議の電報を送ったということも申し上げました。その後、県からは確認照会ですね。一定程度での確認というようなことがありましたので、そのことに対して出しました。その後、県からは私たちがもう一つの意見として照会を出したときには、本当に答えは通り一遍で、全くその我々の質問に答えていないというようなことがありましたので、それでは何にも答えになっていないと。それで、2回目の質問照会という形で出しましたけれども、それについてはまだ返事がございませんでした。その理由としては、県議会が始まってその対応が大変だとか、このように百条委員会も開催されているなども含めて、事務的な対応が厳しいということで、2回目のこちらからの照会に対してはまだ答えはもらっておりません。

○玉城義和委員 市長意見は知事判断に反映されたとお思いですか。

○稲嶺進参考人 私は全くと言っていいほど、反映はされてないのではないかと理解をしています。

○玉城義和委員 最後になりますが、公有水面埋立法第4条第1項第3号について、地方公共団体の計画等々の関連ではいかがですか。

○稲嶺進参考人 このことについては、先ほどもお答えをしましたけれども、景観計画、あるいは環境基本計画、基本条例等々を制定をして名護市は自然とともに生きていくという、あるいはその自然をきっちりと後世に残していくというのが今を生きる我々の責務だというような観点から、このような計画を策定をして、それをしっかりと実行していこうということでやっておりますが、その市の計画についてもほとんど触れられることなく、あるいは参考にすることなく、今回の承認がなされたものだと思っております。

○玉城義和委員 最後ですが、知事が承認をされたわけですけれども、仲井眞知事に対して、名護市長として申し上げたいこと、あるいは要望したいことがありましたら、最後にお聞きをして終わりたいと思います。

○稲嶺進参考人 知事の承認の後、県内のそのマスコミを含め、非常に大きな反響を今呼び起こしております。そして、私はその県民、名護市民はもちろん非常に困惑している、混乱しているという状況に今あると理解をしておりますけれども、このことは沖縄県民の民意を反映したものではないという理解から、それはやはり取り消すべきことだと思っております。

○當間盛夫委員長 玉城義和委員の質疑は終了いたしました。
 渡久地修委員。

○渡久地修委員 冒頭に、普天間基地の閉鎖、返還というのが県内移設にすりかえられたということがありましたけれども、この県内移設にすりかえられて、これが次は辺野古か普天間か。辺野古がなければ固定化だというものにすりかえられて、果ては名護市が反対しているから、沖縄県が反対しているから固定化だと。名護市と沖縄県民の責任にされているという点では、これは本当に筋違いも甚だしいと。ですから、これは本当に原点に戻って、普天間基地は即時運用停止、閉鎖撤去。これを堂々と政府はアメリカと交渉する、県は政府にそれを求めるというのが私は筋だと思うのですが、市長の意見はいかがでしょうか。

○稲嶺進参考人 今御質疑にもありますように、名護市が受け入れないからそれは前に進まないのだとか、こういう名護市の責任というような、そのことが言われているようなところもございますけれども、本当にそれは責任転嫁だと思います。普天間の返還は何だったのかという原点に戻って、そのことを議論をすべきだと思います。

○渡久地修委員 先ほど来ありましたけれども、市長意見が踏みにじられた、反映されていないと。そして利害関係人として汀間区長の意見なども中間報告にありましたけれども、最終の承認ではこれも消えてなくなってしまったと。市民の意見も無視されたという点で、これはそういう意味で地元自治体市長の意見も無視したという点では、そういう意味で私は法的にもこれは不当であり、正当性を欠くものだと。だから、これは取り消すべきものだと思いますけれども、再度お聞かせください。

○稲嶺進参考人 私もそれについては同感でございます。実は、市長意見の取り扱いというところでございますが、これは公有水面埋立法の解説と運用というところにございます。この中で、市長意見というのは、免許者を直ちに拘束するものではないが、地元市町村長と限定した上で、その合意なくして出願についてそのまま免許することには問題が生じるであろうことも、また事実であるというようなことで、これは解説と運用という中でも、地元の市町村長の意見はしっかり受けとめるべきだというようなことを言っていると私は思います。そういう意味でも、今回の知事の承認に当たって、そのことが全く抜け落ちているというところからすると、やはり受け入れられるものではないということが言えると思います。

○渡久地修委員 昭和49年にこの公有水面埋立法が一部改正されたときに、環境部門と意見を十分調整しなさい、それと関係機関との調整を十分にしなさいというのがあるのです。そういう意味では、今地元の市町村の合意なくしてやったという問題と同時に、名護市と十分調整してないというのは、事務手続上も大きな問題だと思うのですが、いかがでしょうか。

○稲嶺進参考人 これもおっしゃるとおりだと私も理解をしております。やはり承認をするだけの条件、あるいはその資料を収集するためにも、地元であったり、あらゆるところからの情報の収集というのはやるべきであると理解しています。

○渡久地修委員 仲井眞知事は選挙で県外移設を公約したわけですよね。県外にはという概念には辺野古は入っていない、名護市は入っていないのは当たり前ですよね。ところがそれが一転して辺野古移設になってきたという点では、なぜそうなったかというのは市長も納得してないと思うし、名護市民も絶対納得してないし、県民も納得してないわけですよね。そういう意味で、なぜそうなったのかというのが、いまだに解明されていない。4つの条件とか、いろんな振興策とか、年末に安倍総理と会ったりしていますけれども、なぜそうなったのかというのを、きちんと名護市長や名護市民、県民が納得できるように説明するのは、ひとえに県知事の責任だと思うのですけれども、市長はどうお考えでしょうか。

○稲嶺進参考人 県民に対しても、わかりやすく説明をすべきだと思っています。

○渡久地修委員 今、わかりやすく説明されているとお思いでしょうか。

○稲嶺進参考人 全くその責任は果たされていないと思っています。

○渡久地修委員 先ほど、2回の選挙で辺野古移設反対を掲げて支持されたということでしたけれども、今度の市長選挙は、名護市民が辺野古移設反対ということをきっぱり示したと同時に、私は12月27日の承認の直後に行われただけあって、やはり名護市民は埋立承認に対してもきっぱりノーだと、取り消すべきだという審判を下したと私は理解していますけれども、参考人はどうお考えでしょうか。

○稲嶺進参考人 承認の直後の選挙でありましたので、そういう要素は十分にあったと思っております。

○渡久地修委員 名護市長は市民の暮らしを守るために、市長の権限を行使して埋め立てをとめると、市長権限を行使するということを言っています。これは公約を守る上で私は当然のことだと思うのですが、このことについて、市長権限の濫用だとかという筋違いの批判をする方々がいますけれども、私はそれを言うのであれば、地元の市長の意見を無視して、埋め立ての権限は知事だと言って地元の意見を無視してやったこと自体、権限の逸脱だと思います。そういう指摘に対して市長はどういうお考えでしょうか。

○稲嶺進参考人 私も選挙で選ばれた身として、市民の安全安心を守るというのはこれまた大きな使命でございます。したがって、市民の安全安心を守るために、市長に与えられた―管理権も含めて与えられた権限は行使するというのは、それは私は至極当然なことだというふうに思っております。

○渡久地修委員 埋め立てに関して、米軍再編交付金というのがありますが、環境アセスメントを実施したら何%、着工したら幾らということで、工事が始まったら幾らとかという、いわゆる通称基地押しつけ交付金と言ってますけれども、これは私は基地を押しつけるものだと思っているのです。市長が1期目当選されまして、この交付金がストップしたと。この再編交付金がなくなったらまちづくりはできないということを批判する勢力もいましたけれども、名護市はこの再編交付金がなくても立派に別の財源を確保してまちづくりを進めてきたということを聞いていますけれども、この再編交付金とこの間の4カ年間のまちづくりの点について、どうだったかというのをお聞かせください。

○稲嶺進参考人 再編交付金がなければ名護市は大変なことになるというようなお話もございましたけれども、私たちはその他の省庁が所管するさまざまな事業、制度、メニューというのがございます。多少の補助金の率の違いはあったにしても、いろんな事業メニューを採用して振りかえていくということは可能であります。我々はそういうことをやってきたのでありまして、また、予算にしても、実は、前市政のときの決算の額よりも、私がやっていました4年間というのは、毎年予算の額としても大きなものとなりましたので、必ずしも再編交付金がなければ市政運営はできないということには当たらないと思います。

○渡久地修委員 この再編交付金は、アセスメントしたら幾ら、着工したら幾らと言って、まさに埋め立てそのものにかかわる大事なことなのですよね。そういったことを理解しないとだめだと思います。それで、再編交付金がなくても名護市は一生懸命やってこられたということなのですが、米軍基地は沖縄経済発展の阻害要因だということは県民の共通の認識になりつつあります。那覇市の新都心などでも、あるいは北谷のハンビーでも発展していますけれども、名護市が、名護市の今後の都市計画、まちづくりの上で辺野古に基地をつくらせないといった場合に、今後辺野古を含め東海岸、あるいは名護市の将来のまちづくり構想というのはどのようなものを描いているのでしょうか。

○稲嶺進参考人 私は、持続できる経済、そして生活産業というものを言っております。それは6次産業化によって、第1次産業を大事にしながら観光との結びつきを考えていく。そして、加工も中に入れて新しい産業を生み出していく。そこでまた雇用も発生していくというようなことを訴えております。名護、ヤンバルというのは、まずその土地の面積、あるいは耕地面積でいっても、ほかに比べてかなりの量を持っておりますから、それらを生かすということは大きなポテンシャルを持っていると思います。さらに、名護市は以前、農業粗生産額が90億円を超えている時期がございました。しかし、今は60億円前後でございます。そのもとの90億円に戻すだけでも、30億円というのは戻ってくるわけです。それはしかも自分たちで汗して、自分たちが稼いでといいましょうか、つくり出した原資でありますので、そのまま還元されるものであります。したがって、そういう形で第1次産業、そして沖縄のリーディング産業である観光とのコラボレーションを強化していけば、きっときちんと長続きする経済をつくり上げることができると思っています。

○渡久地修委員 市長意見で、日本政府が唯一の解決は辺野古と言っているが、それは不適切だということを指摘しています。今意見をお聞きしまして、やはり原点に戻って、私は辺野古移設ではなくて閉鎖撤去すべきだということを、堂々と県もそれから日本政府も主張して、アメリカと交渉すべきだと思います。そういう意味では、今度の選挙の結果も受けまして、建白書の精神に沿って、やはり知事は辺野古埋め立ての承認を取り消すべきだという立場に私は立っていますけれども、最後に市長、やはり取り消すべきだという立場でこれからも取り組んでいかれると思いますけれども、最後に御意見をお聞かせください。

○稲嶺進参考人 私は、やはり県民はそれを望んでいない、辺野古移設、県内移設というのは望んでいないと思います。したがって、その承認は取り消すことが沖縄県民のためになると私は思っています。

○渡久地修委員 どうもありがとうございました。

○當間盛夫委員長 渡久地修委員の質疑は終了いたしました。
 上原章委員。

○上原章委員 稲嶺市長、本日は大変ありがとうございます。これまでの委員の質問で、多くの確認したいことも私も認識をいたしました。重複しない、本当にごく何点か質問してみたいと思います。1点、11月27日の市の意見を答申をされて、先ほど来それについて、なかなか県のほうからその意見の確認等は、詳しくはなかったということなのですが、12月10日に沖縄防衛局からの見解、回答という形で名護市の4項目31問に対して概要が公表されているのです。このことについて名護市としてどういう見解をお持ちですか。

○稲嶺進参考人 沖縄防衛局からそういう返答はございましたけれども、これも私たちが我々のほうでいろいろ検証をする中で、しっかり我々の質問に答えているというような内容ではなかったと思っております。

○上原章委員 名護市長が今、県に改めてその回答を求めているということだと思います。それで、先ほど地元の思いというか、県も中間報告では地元の理解が得られない移設案を実現することは事実上不可能だということで、我々公明党も今回のこの承認がどこでどういうふうに知事の考え方が最終的に承認になったのか非常にまだ納得できてないのですけれども、地元の名護市、とりわけ久辺3区それから二見以北―大浦、瀬嵩等の方々と市長との共通認識というか、埋め立てを含め辺野古への移設、受け入れの意思の疎通というのはどういうふうになっているのでしょうか。

○稲嶺進参考人 埋め立ての件について、直接それぞれの地域で懇談会だとか、話し合いを持つとか、というようなことはやってございません。先ほど申し上げましたけれども、それはその意見を聞くのは埋め立てに関して県知事から求められたときに、そのときに市民のその意見、久辺三区や二見以北も含めて意見の聴取をしているということであります。

○上原章委員 知事は沖縄県の行政を預かるトップリーダー。また、市長は名護市を預かるリーダーということですけれども、私は、県とそれから市が非常にお互いの意見をしっかり交換することが県民、市民にとっても大事なことではないかなと。私は、この件で対立する構図というのは、市民また県民にとって、非常に不幸ではないかと思っておりますが、今後、市長としてこの埋め立てを含め、また今後の移設も含め、胸襟を開いて県サイドと、また知事としっかり共有できる分はないのか、私はぜひその努力をしていただきたいと思っております。知事は埋め立ての承認をする一方で、県外の移設の公約は変えていないと。また、この辺野古移設の実現可能性について、事実上不可能、県外が早い、これも先だっての百条委員会で知事から改めて確認をいたしました。そういう意味で、稲嶺市長、ぜひ県サイドと今後の市民、県民の思いを対立する形ではなく、お互いがしっかり共有できるところがないのか、その取り組みはぜひしていただけないかと思うのですが、いかがですか。

○稲嶺進参考人 おっしゃるように、対立だけでは答えは導き出せないと私も思います。そういう意味では、議論すべきところはしっかり議論をしなければいけないと思っております。ただ、私が市長意見書を携えて、私は直接―郵送をしないで直接自分で届けに参りましたけれども、そのときも知事はお会いすることはできませんでした。しっかりお会いするようなその場でありましたらば、しっかりと思いも伝えながら議論もできたのですが、残念ながらそういうことはかないませんでした。けれども、この承認について、県民の思いがここに集約されていないという多くの皆さんの考えがあるということは、やはり県知事、あるいは国も含めて、そのことはしっかり真摯に受けとめてもらわなければいけないと思います。

○上原章委員 先ほど、久辺3区また二見以北の話もしましたけれども、本当に、この問題は政治的な大きな課題というか、特に基地建設という、非常に県民にとっても、これまでの歴史を踏まえると見解がいろいろあると思います。ただ、私は、日米両政府に対して、しっかり沖縄県民の本当の、率直な思いを伝えることを、知事と市長が連携をとって、真摯に取り組んでいただきたいと。私も辺野古で育った小中学生時代もありまして、個人的な見解、思いは非常に強いものがあります。ですから、あの時代の辺野古の、大浦のすばらしさもしっかり今でも感じているわけですけれども、本当に地域の方々がこの問題で政治的なイデオロギーで、このまま対立した形でいるのは本当に不幸だなと。これは何としても回避させなくてはいけないと思っておりますので、市長においてはぜひ頑張っていただきたいと思います。

○當間盛夫委員長 上原章委員の質疑は終了いたしました。
 具志孝助委員。

○具志孝助委員 稲嶺市長、本日は御出席ありがとうございます。自由民主党の具志孝助でございます。私からも質問をさせていただきますが、時間の都合で、極めてストレートに質問をいたしますので、あらかじめお許しをいただいておきたいと思っております。
 まず最初に、稲嶺市長は比嘉鉄也市政及び岸本建男市政における当時から職員だったと思いますが、当時の役職はどういうことでありましたか、お聞かせを願います。

○稲嶺進参考人 比嘉鉄也市政のときは企画課長、その後総務部長をしておりました。それから岸本建男市長の場合は総務部長、収入役、教育長の任期の途中まででございました。

○具志孝助委員 いずれも要職にあったということであります。
 質問の2点目は比嘉元市長は平成8年、普天間飛行場の代替施設を辺野古へ受け入れる決断をした後に辞職されました。橋本総理との会談の席上で、このように言われております。―すなわち、国益は県益、県益は市益、市益は国益に通じると考えての決断と。北部全体の人の思いが実るような閣議決定をしていただきたい。このように橋本総理に訴えております。比嘉元市長も北部、ヤンバル全体を思っての決断について今稲嶺市長、どのように当時思いで決断されたとお考えなのか、御所見を賜りたい。

○稲嶺進参考人 当時の比嘉鉄也市長が、今、具志委員のお話のようなことをお話しされたというようなことですが、私はその話は聞いてはおりませんけれども、ただ、比嘉鉄也市長が受け入れを表明する直前に、名護市民投票が行われました。そのときの市民投票では移設の反対、幾つかの項目に分けてされたわけですけれども、反対、どちらかといえば反対だとか、反対の意志のほうが半分を超えていたということがあった後に、比嘉鉄也市長は受け入れを表明をされたということです。そのときに比嘉鉄也市長が名護市、あるいは沖縄の将来、何十年か後も含めて将来を考えて決断をされたのだろうと思います。しかし、私は、沖縄の戦後史をひもといたり、そういう中で沖縄が置かれてきた状況、そしてそれは構造的な差別とも言えるような中で、我々戦後ずっと暮らしてきたということがございます。沖縄がこれから自立していくということが沖縄21世紀ビジョンにもありますけれども、自立していくためにはやはり沖縄の観光というものを、これからも大事に育てていかなければならないということからしますと、沖縄の観光の一番の資源は何かと考えた場合には、自然はしっかり残して、それと共生していくという形のものをつくっていかなければ、本当に自立した沖縄はできないのではないかと、私として考えるところです。したがって、今回のV字案は、100年もあるいは200年も対応可能だというようなことからしますと、68年間も私たちは厳しい環境の中で生活を強いられてきた、これから後また100年以上も、そのような中で暮らしていくのかというふうにどっちを選ぶかと言われると、やはりそこにはクワマーガンチャー―子や孫たちのためにも将来の名護市、沖縄のためにもこの自然を守るべき選択というのをすべきではないかと思った次第でございます。

○具志孝助委員 ありがとうございました。私は、情けは人の為にならずと、こういうような教えだったのかなと思っております。橋本総理は涙を浮かべて握手を求めたという有名なお話であります。
 質問ではありませんので、次にまいります。
 3番目、岸本前市長は代替施設建設に対し、内陸部は絶対だめだ、軍民共用空港の事後利用より空港はコンパクトのほうがよく、今最も望むことは南北縦貫の高速道路の整備拡充であると、このように私に言っていたことをしっかりと覚えております。毎日、毎日の北部の人の生活、そして経済、こういうことを考えると、何よりも道路網の整備が肝要であるということを言っておりました。その岸本前市長のこの意見に対する御所見を賜りたいと思います。

○稲嶺進参考人 これは、それにお答えすることは非常に難しいのですが、ただ一つだけ、今おっしゃるように内陸部はだめ、コンパクトのほうがいいという話もあったとします。そのことからしても、今のV字案というのは全くそれにも反しているということになるのではないかと思います。

○具志孝助委員 質問いたします。4番目。陸にも海にも新しい基地はつくらせないと言っているが、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約―日米安保条約による我が国の安全保障体制に対する見解をお伺いします。

○稲嶺進参考人 日米安保条約の是非という前に、私たちの今の沖縄が置かれてきた、先ほどの戦後史の話もしましたけれども、サンフランシスコ条約があり、そして日米安保条約があり、そのほかに日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定―日米地位協定、以前は行政協定というふうに言われていたものがあります。そういう日米間の約束、協定、条約の中で今の沖縄が置かれている、あるいはつくり出されているという、そのことは言えると思います。私は日米安保条約の云々というよりも、その沖縄だけにこれだけ集中させるというのが日米安保条約が求めていることなのかどうかと私は思ってですね、それは違うのではないかと思います。

○具志孝助委員 繰り返しになりますが、日米安保条約を是としますか、非としますかと、お尋ねします。

○當間盛夫委員長 休憩いたします。
○當間盛夫委員長 再開いたします。
 稲嶺進参考人。

○稲嶺進参考人 日米安保条約という前に、私は日米地位協定の議論をしていただければいいかなと思います。日米地位協定は皆さん全部反対だと思います。日米地位協定の根拠となっているのが日米安保条約というそのことでございます。私は日米地位協定なるものが今の沖縄を縛りつけている、あるいはそこに基地を押しつけているという元凶になっていると思っています。

○具志孝助委員 日米安保条約の是非については、答弁を否定されているわけですか。拒否ですか。

○稲嶺進参考人 私は、これまでの自分での発言だとか、こういうことはやってきたこともありません。したがって、今ここでそのようなことを聞かれてもお答えするという立場ではありません。

○具志孝助委員 それでは普天間飛行場の480ヘクタールが辺野古埋め立てで160ヘクタールに整理縮小されることについてはどのように考えますか。

○稲嶺進参考人 480ヘクタールが160ヘクタールということで負担軽減という、あるいは小さくなるということが意見にあるのかと思っていますが、私は160ヘクタールといっても、そこには今の普天間にはない機能がいっぱいつけられて、それこそ強化された基地がつくり上げられるというようなこととして思っております。

○具志孝助委員 質問を続けます。稲嶺市長は名護の市長選挙中、新聞のクロス討論会で再編交付金の件で末松氏の質問に対してこのように答えています。現シュワブを撤去させようと言っているのではない。新基地はつくらない、つくらせないと答えていますと言っています。この事実は認めますか。

○稲嶺進参考人 私は自分の公約でも、それから街頭など皆さんに約束、約束といいましょうか、スポットだったり、いろんな演説の中でもそのようなことは言ったことはありません。クロス討論のときには、そういう話をしてございます。

○當間盛夫委員長 休憩いたします。
○當間盛夫委員長 再開いたします。
 具志孝助委員。

○具志孝助委員 7番目の質問に移りますけれど、引き続き1月10日の名護のシンポジウムで、オスプレイの飛ぶところに観光客は来ない。キャンプ・シュワブを撤去し、多様性の海を返してもらい、2万人の雇用を生むところにしたいと。ここではキャンプ・シュワブを撤去するとこう言ったんですね。先のクロス討論会ではシュワブの撤去は私は要求していない、やらないとこう言っています。どちらが正しいのか明確にしてください。

○稲嶺進参考人 シュワブを撤去せよと言ってるのでないよという話と違うという指摘がありました。実は、その前後の話も皆さんはちょっと振り返りいただきたいと思いますが、かりゆしグループの方が観光は平和産業だと。そこではこれだけの経済効果がありますという話が先にあるわけです。そうしますと、あの地域がリゾート地域としてそこにできるならば、それだけの雇用が発生しますというようなことを申し上げているということでございます。

○具志孝助委員 単純に聞くのですが、キャンプ・シュワブについては撤去要求をしないという中、一方ではやると言っている、どちらですかと聞いている。これは明確にする必要があるのではないですか。基地に対する考え方を尋ねたいのです。

○稲嶺進参考人 先ほども申し上げましたけれども、今キャンプ・シュワブは200名余りの沖縄の人の雇用がありますけれども、これがリゾート地になると―要するにこれは比較の話で言っているわけであって、軍事基地がそのままあったら200名です。それがリゾート地になるとこれだけの雇用が発生するということですということを引用して、観光産業の話を引用してそれを言ったのであって、撤去せよという話まで発展して言ったというようには思わないのですが。

○具志孝助委員 質問します。移設先の地元久辺3区は条件つきで移設を容認しており、また名護漁業協同組合も埋め立てに同意する書面を出している。市長はこの意思を尊重されますか。

○稲嶺進参考人 それは、意見は意見として受けないといけないと思います。

○具志孝助委員 地元の意見を尊重するというのであれば、地元久辺3区から再三求められているテント村の撤去について市長は具体的に行動するべきだと考えますが、どうしますか。

○稲嶺進参考人 きょう私がここに呼ばれた内容のものとはほとんど関係のないお話だと思います。したがって、それについてはお答えはできません。

○具志孝助委員 それから作業ヤードを設置するための漁港の使用許可とは具体的にどういう法令に基づくのか、あるいは条例に基づくものであるのか、お尋ねします。

○仲宗根勉補助者 協議する事項が多々ありますけれども、今回の漁港区域内における作業ヤード等については、漁港漁場整備法に基づくもので我々は対処したい、協議していきたいと考えております。

○具志孝助委員 空港は、飛行場は民間飛行場であれ、軍事飛行場であれ、内陸部より海上のほうにあったほうがより望ましいということが私は一般論だと思っておりますが、それはお認めになりますか。

○稲嶺進参考人 これが辺野古移設と関連をするというふうに受けとめますと、それについては海であれ陸であれ、それは認めるべきではない。

○具志孝助委員 最後になりますが、この普天間問題は日本の安全保障の問題と大きなかかわりがあって、大変問題が深刻な状況であります。沖縄代表で東京行動になったときに、本土のほうでデモ行進をやったときに、あの銀座の大通りでデモ行進に対して、大きな罵声が飛ばされたというようなことでありました。そのことについてはどのようにお考えになるか、最後にお聞かせください。

○稲嶺進参考人 とにかくびっくりいたしました。あのようなことが起こるとは本当に想像もしてませんでしたし、しかも同じ国民、日本国民の間でそのような言葉が出るということも信じがたい言葉でありました。

○當間盛夫委員長 以上で、参考人等に対する質疑を終結いたします。
 この際、参考人及び補助者各位に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 まずは稲嶺市長、二期目の当選おめでとうございます。どうぞこれからも名護市発展のために頑張られてください。
 そして、本日はお忙しい中にもかかわらず、御出席いただき心から感謝いたします。
 稲嶺参考人、仲宗根補助者、仲里補助者、安里補助者及び岸本補助者、ありがとうございました。
 どうぞ御退席ください。
 休憩いたします。

(休憩中に、参考人が退席。その後、今後の委員会運営について協議した与野党調整会の内容について委員長が報告し、証人及び参考人の追加については結論が出ず継続協議となったこと、中間報告の作成については委員長に一任すること、新年度における閉会中継続審査に要する調査経費について計上することについて協議した結果、意見の一致を見た。なお、自民党、公明・県民会議無所属から、百条委員会は年度内に終了するべきであるとの申し入れがあったことも、あわせて報告された。)

○當間盛夫委員長 再開いたします。
 今後の委員会の日程等については、休憩中に御協議いたしましたとおり、決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○當間盛夫委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次回は、与野党調整会等で協議し、皆さんに報告いたします。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。



沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

委 員 長  當 間 盛 夫