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識名トンネル工事契約問題調査特別委員会記録
 
平成24年 第 3定例会閉会中

3
 



開会の日時

年月日平成24年9月6日 曜日
開会午前 10 時 3
閉会午後 1 時 23

場所


第4委員会室


議題


1 識名トンネル工事契約問題について


出席委員

委 員 長  奥 平 一 夫 君
副委員長  前 田 政 明 君
委  員  具志堅   透 君
委  員  桑 江 朝千夫 君
委  員  座喜味 一 幸 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  仲 村 未 央 さん
委  員  新 里 米 吉 君
委  員  新 垣 清 涼 君
委  員  嘉 陽 宗 儀 君
委  員  吉 田 勝 廣 君
委  員  金 城   勉 君
委  員  當 間 盛 夫 君
委  員  大 城 一 馬 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

参考人
沖縄総合事務局  
 開発建設部長        中 野 則 夫 君
  管理課長         野 島 孝一郎 君
  建設産業・地方整備課長  與 那 嶺 勉 君

補助者
管理課課長補佐        大 城   護 君
  建設産業・地方整備課
   地方整備官       川 崎   聡 君



○奥平一夫委員長 ただいまから、識名トンネル工事契約問題調査特別委員会を開会いたします。
 識名トンネル工事契約問題についてを議題といたします。
 ただいまの議題につきましては、8月28日の本委員会において、沖縄総合事務局の職員を参考人として招致することが決定しております。
 本日の参考人として、沖縄総合事務局開発建設部長中野則夫氏、同部管理課長野島孝一郎氏及び同部建設産業・地方整備課長與那嶺勉氏に御出席をお願いしております。
 休憩いたします。

   (休憩中に参考人着席)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 なお、中野則夫参考人から、沖縄総合事務局開発建設部管理課課長補佐大城護氏及び同部建設産業・地方整備課地方整備官川崎聡氏をそれぞれ補助者として陪席をさせたいとの申し出がありますが、申し出のとおり取り計らってよいかどうか休憩中に御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に協議し、補助者の出席について、意見の一致を見た。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 参考人から申し出のあった補助者の出席につきましては、休憩中に協議したとおり取り計らうことに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 休憩いたします。

   (休憩中に補助者着席)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 参考人及び補助者の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 この際、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人等に対し質疑を行うことにしております。
 参考人等が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、議題の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人等の説明を聞く場でありますので、参考人等が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 なお、参考人から本委員会の録音について申し入れがありましたので、許可することといたします。
 それでは、中野則夫参考人から、識名トンネル工事契約問題について簡潔に御説明をお願いいたします。提出された資料も含めて簡潔に御説明をお願いいたします。
 中野則夫参考人。

○中野則夫参考人 内閣府沖縄総合事務局で開発建設部長を務めております、中野則夫でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私ども開発建設部では国土交通省都市局関係の補助事業について交付決定をしたり、完了検査をしております。本日はそういったかかわりから、意見聴取ということだと理解しております。そういった理解のもと、御了解を得て配付させていただいております資料を用いまして、那覇市真地久茂地線外1線の補助事業に係る識名トンネル工事に関して、経過等事実関係を中心に御説明をさせていただきたいと思います。お手元の資料をごらんください。識名トンネル工事に係る補助金返還等の経緯ということで、主な経緯について御説明をさせていただきたいと思います。本事案は平成23年1月に行われました会計実地検査の指摘を端緒としています。その指摘を踏まえまして、会計検査院から照会がありました。平成23年7月19日に会計検査院から沖縄県への文書の照会がありました。それによりますと虚偽の書類を作成するなどして、事実と異なる内容により交付申請等を行っていたことは、法令等に違反し、著しく適正を欠いていると認められるという指摘でした。同日には沖縄県への文書照会案件に関する意見照会が沖縄総合事務局にも出されています。沖縄県は意見照会に対して、平成23年8月9日に会計検査院に回答しております。その中では、完成していた工事内容を事後に随意契約するなど虚偽の書類を作成し、不適切な手続を行っていたことは、会計検査院の御指摘のとおりであり、まことに遺憾であると回答をしております。また、その回答に対して沖縄総合事務局は平成23年8月23日に沖縄県の回答に異存はないと回答しております。その後、会計検査院の平成22年度の決算検査報告が平成23年11月7日にありました。その中で、平成20年度に随意契約を締結した送水管沈下対策工事については、既に工事が完了しているのに虚偽の契約書等を作成して、工事の実施を偽装し、不適正な経理処理を行って補助金の交付を受けていたことは著しく適正を欠いていたということで、不当事項に当たるとして指摘をしているところでございます。こうした決算報告と並行して、沖縄総合事務局では事実関係の確認などを行っておりましたが、会計検査院からの指摘も踏まえまして、11月15日に当該国庫補助金の交付決定を取り消し、補助金の返還を求めることを決定しました。その後、年に1回の補助事業の完了検査の実施を迎え、都市局の所管の完了検査を平成23年12月5日から9日にかけて実施した中で、当該識名トンネル関係で検査担当が不自然に感じたことから、沖縄県に問いただしましたところ、虚偽の工期で契約をした5件の工事の契約が新たに判明をしたということです。その後、この資料への記載は省略しましたが、平成23年12月26日には沖縄総合事務局開発建設部長名で沖縄県土木建築部長に対して、平成19年度から平成23年度に国土交通省所管の補助事業でほかに不適正な事案がないかどうかの調査依頼をしました。その回答が平成24年2月29日にありました。そういった依頼をしていたこともあり、沖縄総合事務局は補助金交付決定一部取消返還命令については、平成24年3月1日にしている状況です。返還命令額は5億708万7000円です。それに民法第704条に基づく利息請求、補助金の受領日から返還の日まで年利5%ですが、それを添えて返還するようにということです。その後の状況は沖縄県議会の皆様は御承知のことだと思いますが、沖縄県が平成24年3月9日に補助金返還をしました。先ほどの5億708万7000円に加えて、利息7177万7000円を加えた額、5億7886万4000円の返還がありました。その後、沖縄県から平成24年3月30日に返還についての不服の申し出がありました。これは補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律―以下補助金適正化法という―第25条及びその施行令において返還処分の通知より30日以内に不服の申し出が可能とされていることを踏まえたものと承知をしております。具体的な不服の内容ですが、取消処分のうち3年国債工事の変更協議が調ったとしたときの契約変更により増額したであろう額ということかと思いますが、2億1323万円と利息分3136万6000円について返還する必要がないということでした。補助金適正化法には不服申し出があった場合には意見を述べる機会を与えなければならないとされていますので、それを踏まえて平成24年4月23日に沖縄県から意見を聞く場を設けました。それも踏まえつつ平成24年5月21日に不服申し出に対する棄却処分を決めました。沖縄県の不服申し出は理由がないことから棄却ということです。その後、沖縄総合事務局は沖縄県警のほうで告発を受理していただけると、そういった運びになったことから平成24年6月4日に刑事告発をしました。これは、補助金適正化法第29条第1項及び第33条第2項並びに刑法第156条及び第158条にそれぞれ該当すると。すなわち、偽りその他不正の手段により補助金の交付を受けたと考えられること。虚偽公文書作成、偽造公文書行使に当たるものとして官吏の告発義務が規定されております刑事訴訟法第239条第2項に基づき告発をさせていただいたという経過です。続きまして、2枚目の御説明をいたします。識名トンネルのようなケースの一般的な補助金等の交付手続のフローについて確認の意味も込めて、御説明をさせていただきたいと思います。まず、こういった補助金の事業については交付申請があります。今回の場合は沖縄県から沖縄総合事務局に参るということです。これは、工事ごとではなくて真地久茂地線外1線という事業単位でなされるものです。その申請に対して、補助事業の目的内容等が適正かといったところを確認して交付決定通知を沖縄県に対して出させていただきます。その後、事業が実施されまして、事業が完了していくということです。その途中に、例えば、申請額では予算が足りなくなった場合などには必要に応じて、変更申請があり、沖縄総合事務局は変更承認をします。ある年の事業が完了しますと、完了実績報告書が大体6月ごろに沖縄県から出されます。その後、沖縄総合事務局は完了検査、通常は9月から11月ごろに実施していますが、沖縄県に伺って実施させていただきまして、完了実績報告書の書類審査及び必要に応じて現地調査により行います。完了検査を経て、最終的には3月には額の確定をして、その結果、過大交付をしていることがあった場合には、補助金等の返還をしていただくことがあります。そうした流れの中で今回のケースについて、手続等の整理をしました。識名トンネル新設工事については、一般競争契約ということで平成18年12月22日に契約がされており、そのときの落札率が47.2%、23億3100万円の契約でした。グレーで示しておりますように工期は平成18年12月23日から平成21年3月25日という3年国債工事です。トンネルの掘削時に1点気になることとして、トンネル上部への影響があります。今回のトンネル工事では上部に那覇市と沖縄県企業局の管理する送水管があったということです。トンネルの掘削開始後地盤面の沈下量が予想より大きくなる可能性が出てきたということで追加の沈下対策工事を実施したということです。地盤を補強するような工事が主であったということです。それが図において黄色で示しております。実施されたのは平成19年12月から平成20年12月までです。平成20年度に入って、平成20年5月8日に真地久茂地線に係る交付申請がなされていますが、そのときは工事費の申請は少額ということです。そうした状況下で、平成20年9月30日に、図の黄色の部分の追加工事を実施するための費用に充てるべく交付申請がなされております。先ほどの正常な流れから見ますと、交付申請があって事業の実施ということですが、それとは逆の流れでして、交付決定がされる前に施工が進んでいたということで、この手続に基本的な瑕疵があったという認識をしております。補助金を受けるには今申し上げましたように、交付決定後に工事を完了しているという流れが正常ですので、それを踏まえたと考えられるところですが、図の赤の部分ですが、実際の工事が終わった後ですが、交付決定後の平成21年1月20日に契約をして3月までの工事をしていたと装ったということです。この流れは書類上だけ見ると前後関係では不適正な部分はないということです。図の赤の虚偽の工期での契約という部分に青で示している部分があります。これは実際の工事は終わっていますので、本来は契約変更はないはずです。そういった状況ですが、契約をした平成21年1月20日以降工期末直前に追加の交付申請が行われ、変更契約が行われているということです。これが2つ目の不適切な事項と考えております。3つ目が図の緑の部分インバート・覆工工事関係です。インバートとはトンネルの底版の部分のコンクリートです。もう一つ、覆工工事ですが、工事の流れを申しますと、まずはトンネル面の掘削をしますとそのあと速やかにエッチ鋼という鋼材を丸くしたようなものを立て込み、その脇を固めることをします。その後に吹きつけコンクリートで固めます。さらに放射状にロックボルトを打ちまして、地盤と一体化をさせます。それが先にされていた状況で、今回の覆工工事はその後ですが、防水シートを張ると、その中に補強鉄筋の配置をするというところ、それから配水関係の工事も行われていましたが、それが覆工工事です。さらに申し上げますと、その後に行われるのが覆工コンクリートです。我々がトンネルを通るときに見ているような面ができます。その工事はこの覆工工事には入っていなかったようです。この工事は平成20年度に行われたものですが、その次の平成21年度に交付申請を行い、6月から9月の間を工期とする契約を結んでいるということで、明らかに不適切だと認識しながら補助金申請を行ったと考えられるということです。この5件については、先ほど申し上げました平成23年12月の完了検査で判明したものです。以上、少し長くなりまして恐縮でございますが、るる説明させていただいたわけでございます。今回、国庫補助金の使用をめぐって多額の補助金の返還、刑事告発に至りましたのは、補助金の交付をしております沖縄総合事務局として、まことに残念だと考えております。今後このような不適切な事態が二度と起こらないように沖縄県においては、再発防止策、改善策を徹底していただき、県政の信頼回復に努めていただきますようにお願いをして、冒頭の説明とさせていただきます。

○奥平一夫委員長 中野参考人からの説明の聴取は終わりました。
 これより参考人等に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 また、本日は、質疑時間の制限はございませんが、参考人も大変お忙しい中御出席いただいていることから、午後にも仕事が重なっているという状況もございますので、散会時刻については、委員の皆様の御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。
仲村未央委員。

○仲村未央委員 きょうはお忙しい中、御時間をいただきましてありがとうございます。ぜひ簡潔に質疑をいたしますので、よろしくお願いします。
 この間の、特に会計検査院の指摘があってから以降の流れについては、今丁寧な御説明があったので理解ができました。その流れの中で、県から不服申し立てが出て、それの棄却を国にされて、それから告発という形に至っている経過の中で、県との見解の一番の違いというのはどのあたりにあったのか、御説明いただけますか。

○中野則夫参考人 見解の違いということでございますが、先ほど申しましたように、本来交付申請がございまして、その後に事業が行われるということでございますが、それが逆転していたと。その間の経緯を見ますと、そういうことは不適切だということをわかっていて、そういう手続をし、補助金を受給していたと。それが何回も重なっていたということで、これは単純な案件ではないという意味合いから、補助金の返還をし、それからいろいろな規定に当てはめますと、告発をすべきような案件だということでございましたけれども、そのような中で、沖縄県から、途中に補助金の一部返還をしなくていいだろうという話もございまして、例えば沖縄県のほうでは、全額本件補助事業の国庫補助金として使用しているということをおっしゃっていたり、随意契約はトンネル工事上特殊性があり、やむを得ないものであったとか、それから民法第704条に定める悪意の受益者には該当しないということを言っておられたり、補助金の申請は不正不当な申請には該当せず、重大な過失もないとおっしゃっていたと。さらに、私ども沖縄総合事務局が完了検査をしておりますけれども、それで特に問題となる指摘がなかったではないですかということをおっしゃっていたということでございまして、それに対しまして、私どもは、交付決定前に施工した本体工事が補助対象にならないことは、先ほど申しましたように明白であると。本件補助金を本件補助事業に使用したとしても、沖縄県の瑕疵というのは治癒されない―瑕疵が取り消されるようなものではないという見解でございます。あるいは、建設業法に基づくあっせん等の紛争処理手続をとらなかったことにつきまして、私どもとしては特段の事情があるとは認めがたく、補助金返還処分に対する正当な理由にはなっていないということも、私どもの見解でございます。あるいは、契約書の工期をあえて偽装したのは、そうしなければ補助金の交付が受けられないと認識していたからだと考えるのが相当でありまして、悪意の受益者でなかったという主張は認められないと考えました。あるいは、さらに、完了検査で特に問題となる指摘がなかったというようなことをおっしゃっていたわけですが、それについては法令遵守の意識が疑われるものであって、著しく不当であって、到底採用することはできないと、そういう私どもの見解で、その辺が大きな違いであったのかと思います。

○仲村未央委員 決定書の中にも出てきますが、こういった地方公共団体が、工期を偽装するような虚偽契約が契約されるということは通常あり得ないという表現も出てきますが、全国的に見て、こういった不正な交付申請を理由にして取り消された事例とか、あるいは補助金返還の事例というのはあるのでしょうか。

○中野則夫参考人 補助金を取り消すという事例は、少なからずあろうかと思います。今回はその補助金の返還だけではなく、その先の告発というところまで進んだ事案だということでございます。

○仲村未央委員 今の刑事告発の事例なのですが、これはいかがですか。

○中野則夫参考人 この事例につきましては、沖縄県内では平成20年3月に、国頭村が農林水産省の所管事業をしておられたのですが、それに対しまして、交付決定の一部取り消し、補助金返還命令を行っております。その案件につきましては、刑事告発をしている事案でもあります。

○仲村未央委員 先ほど補助金の返還命令―取り消しの事例というのは幾つかあるということでしたが、今回、刑事告発に踏み切った判断の一番大きなところ―今回の違法事犯、その解明を司直にゆだねようという判断のポイントになったところは、どういうところですか。

○中野則夫参考人 刑事告発に至った経緯でございますが、この事案につきましては、先ほど来申していますように、昨年1月に行われた会計実施検査を端緒として、この県発注の工事に関連しまして、工期を偽る虚偽の契約を結んで、国から不正な手段で補助金の交付を受けた事案がございまして、その事案が先ほど申しましたように、幾つか重なって出てきたということでございます。この補助金につきましては、既に全額返還を受けてはおりますが、補助金適正化法では、偽り、その他不正な手段により補助金等の交付を受けた者は、刑事罰の対象になるとされており、また刑事訴訟法では、官吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときには告発をしなければならないとされていることから、そうした法の規定を踏まえて、関係機関と協議を進めて告発したものでございまして、また、先ほど御説明しましたように、初めの補助金―先ほどの資料では赤のところの補助金受給があり、さらに青のところで示しました追加の変更契約に係ります変更申請がありましたり、さらに、年度を超えて、平成21年度にも5件の不適切な事案が見つかったということで、そういうことを考えますと、私どもがこういう手続をしたことは、やむを得ない措置だと判断をしたということでございます。

○仲村未央委員 今回の入札の経過の中で、落札率が47.2%という、非常に低い低入札であったということが特徴の一つではあろうかと思うのですが、今回、沖縄総合事務局が沖縄県の対応を非常に不適切―告発せざるを得ないと判断する中において、落札率が低かったことというのは、何か今回の事件と関係があると思われますか。それとも、落札率が低かったことは、今回の問題とは関係ないと思いますか。

○中野則夫参考人 今回私どもは手続論として、先ほど来申しますように、順序が逆転していたというようなことに着目しまして、補助金の返還なり、また告発というところに至りましたけれども、それ自体は落札率と直接の関係はないと思いましたけれども、今回の事案に発展したところには、落札率が低かったということは大きく影響しているものではないかとは考えております。

○仲村未央委員 ちなみに沖縄総合事務局の発注の工事での、最近の一番低い落札率というのはどれぐらいか、参考に、もし今記憶にあればお願いします。

○中野則夫参考人 ここでは今資料を持ち合わせておりませんので、お答えすることはできかねますが、私どもは最近の制度の中では、調査基準価格というものを設けておりまして、予定価格の8割、あるいは8割強というところに設定されることが多くございますが、そういうところぐらいに入札額がなることはありますが、それより少ない額での落札というのは非常に珍しいとは思います。

○仲村未央委員 それでは、この間県のいろいろな答弁や説明の中で、今回別件契約に至る過程の説明によく出てくるのが、沈下対策工事というのは、トンネル本体工事にかかわって出てきた工事なものですから、本体工事契約の変更で処理したかったのですと。しかし、変更するときには請負率47.2%を掛けないといけないという協議がずっと続きまして、最終的に双方が歩み寄ったところということで、新規の工事として、沈下対策工事を随意契約したというのが経過でございます。等々が、やりとりの中で繰り返されておりますが、この発注―それが本体工事の変更契約なのか、新規工事として別件の契約なのかという判断の基準はどこになりますか。当初の請負率が掛けられなかったことをもって、別件工事になったりするのですか。

○中野則夫参考人 私どもは今回の沖縄県の契約の当事者ではございませんので、沖縄県がどう判断されたかわかりませんけれども、一般的に請負率ということが、本体の変更契約にするか、随意契約にするかという基準になっているかというと、そのような感じはないのではないかと、一般的には感じます。

○仲村未央委員 通常、本体工事の変更契約ということは、そもそも最初の工事の設計書の変更かどうかということが基準ではないかと思うのですが、総合事務局の場合はいかがですか。

○中野則夫参考人 それはまさにケース・バイ・ケースで、その事案ごとに判断をすると思っております。基本的には、当初発注しました工事の一連の流れのもので、それと一体不可分に実施すべきものと判断すれば、契約変更ですることになろうかと思います。

○仲村未央委員 シンプルに聞いているのは、今回の沈下対策工が、本体工事の変更契約に本来は当たるのではないかということなのです。これは、新規の別件工事として見なされるとしたら、今もともと皆さんが指摘されるような経過には至らないのかなという感じがしますが、いかがですか。

○中野則夫参考人 本体の変更契約に当たるかどうかということでございますが、これはまさに沖縄県が直接当事者でございますので、その判断によるものだと思います。私どもが、どうすべきだったということを申し上げる立場にはないのではないかと思います。

○仲村未央委員 それではもう一つ、今回の工期偽造の経過の中で、沖縄県として本来なすべきだったのは、工事を中止してでも紛争審査会に諮り、解決を図るべきであったという認識を持っているようですね。それから、市街地トンネル工事の安全性から、掘削を完了しないとトンネル上部の家屋等への悪影響を及ぼすことから、工事を先行させ、結果として大幅な増額となった時点での設計変更協議となったと。だからその本件工事の状況では、やむを得ない追加工事の現場指示という特段の事情があったということなのですね。この特段の事情―やむを得ないというような表現が、たびたび県の説明の中からは聞かれますが、そのことについてお尋ねいたしますが、こういった特段の事情がある場合に、その変更契約に先行して現場の指示を優先させてもよいというような、何らかの補助金適正化法なり、あるいは国土交通省の通知とか、そういったことはありますか。

○中野則夫参考人 一般的に、現場の指示ということで、現場の作業を先行するということはありますけれども、それは補助金適正化法とは別の話だと認識しております。

○仲村未央委員 確認ですが、それは補助金申請の交付のタイミングとか、あるいは交付の決定を待たずに、先に先行して指示して工事をしてよいということは、今のところ根拠はないわけですよね。補助金適正化法なり、あるいは何らかの通知云々ということに何か理由がありますか。

○中野則夫参考人 今回の事案は、沈下対策工が必要になって、それに対する補助金申請をされて、それに対応する契約を別途されたと。随意契約をされた―偽装されたということが問題でございまして、そういう別途契約をするのではなく、本体工事の変更をするということを前提として、それで現場で請負者と協議が整うならば先行させるということはありましょうし、その先行をさせるときに、それなりの補助金の予算がきちんと確保されているのであれば、それを頭に置いて現場を先行させるということは、流れとしてあり得るものと思います。

○仲村未央委員 それと、もう一つよくわからないのが、契約をして、本体工事の残りの工期の設定内に、範囲内でやったから大丈夫だと思ったというのが何度も出てくるのですね。つまり、やむを得ず契約時点から本体工事の残りの工期で設定をしたので、特に問題があるとの認識はなかったとか、本体工事の工期内であったことから問題ではなかったとか、トンネル工事全体がまだ終了していなかったから、この契約をしたことは不適切とは思っていなかったと。つまり本体工事の工期の範囲内での契約をしたので、別件であろうと、それは不適切とは思っていなかったという工期設定に対する認識が県にはあるのですが、これについては、沖縄総合事務局はどのように考えますか。

○中野則夫参考人 残りの工期の間にほかの契約もなされているから、問題ないのではないかということは、そういう主張は当たらないのではないかと思っております。先ほど3枚目の資料で説明をしましたように、黄色のところで追加工事がなされた間でございますが、工事の実施からおくれて交付申請がなされ、それに対応する契約が、交付申請の後に来るような形でなされていると。この流れが不適切だと思っております。

○仲村未央委員 そのとおりだと思います。それから、請負工事の契約約款の第24条に変更手続が定められているわけですが、県が今回変更手続をとらなかった理由なのですが、この場合に甲乙の協議が最終的に整ったということで、第24条の通知は行っておりませんということに最後はなっているのですが、第24条を見てみると、請負代金額の変更事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、乙―請負者は協議開始の日を定め、甲―発注者に通知することができるというように、何日以内ということが契約約款に定められていますよね。この趣旨はどういったところにあるのですか。

○中野則夫参考人 まことに申しわけございませんが、約款に沿って私どもも工事を実施する立場にございますけれども、その趣旨について細かく正確に説明できる情報を持ち合わせておりませんので、申しわけございません。

○仲村未央委員 今回変更事由が発生して、それが7日以内に云々とか、14日以内にお互い通知をし合う等々の手続を踏んでいれば、このように長期間にわたって協議が滞るとか、翌年に至ってまで交付申請が延びていくということにはならなかったのかなと。つまり、第24条第2項に適切に沿っていれば、このように問題が長期化するような事案ではなかったのではないかと思ったので、その趣旨をお尋ねしましたが、この件に関して、どのように思われますか。

○中野則夫参考人 契約約款に、委員のおっしゃるような規定がされているのであれば、それに沿ってしかるべき対応をするということが必要だと思いますので、そういう手続をとられなかったということであれば、その点にも少し不適切なところがあったかもしれませんが、私どもは直接の当事者ではありませんので、その間の経緯を100%というか、ほとんど承知しておりませんので、一般的なルールということでしかお話できません。

○仲村未央委員 この本体工事ですが、平成18年12月22日に工事を契約して、その翌日の23日には着工しているのですが、年末年始を挟んで、翌19年の1月11日には、工法の公式の変更を理由として一部中断が行われていますが、こういった工法の変更について、事前に県から何らかの調整とか報告というものはありましたか。

○中野則夫参考人 事前に調整、報告があったとは聞いておりません。

○仲村未央委員 資料によると、中央導抗方式から無導抗方式へ検討しないといけないということで、非常に短期間で工法の検討に入っていて、工事が中止されるわけですが、こういった国庫補助事業にかかわる場合、工法の変更に伴って、当然補助事業、補助金、こういった補助額の変更も出てくる可能性も大いにあると思うのですが、こういった場合に、通常これぐらい大きな変更に関しては、県から国に何らかの調整とか報告というものはないのでしょうか。

○中野則夫参考人 個々の工事発注については、逐一、沖縄総合事務局に報告が来るというようなものにはなっておりませんが、大きな変更があった場合には、交付申請がなされるということはあろうかと思います。

○仲村未央委員 今回の工法の変更の理由として、工期や経費ともに有利だからという判断が根底にはあったようなのですが、そういった意味で、事前に調整がなかったとしたら、変更後の工期とか経費の有利性とか、そういったことについて何らかの説明とか報告はありましたか。

○中野則夫参考人 私どものほうには、そういう説明があったというような資料は残っておりません。

○仲村未央委員 それから、これは私自身も理解ができないのでお尋ねしますが、沖縄県議会での答弁の中では、工事において精算変更というものはしっかり法律で認められておりますのでということが出てくるのですね。現場の指示で施工された工事に伴って工事請負額の変更があった場合に、後日まとめて事後処理することが、精算変更として法律で認められているという表現が出てくるわけです。これについては、精算変更ということの法的な根拠とか、約款上の根拠とかというものを御存じですか。

○野島孝一郎参考人 今約款を確認して、直接それについて書いたものはございません。ただ、軽微な変更がある場合について、いちいちその都度、変更契約というものではなしに現場指示でやりまして、後でまとめて変更契約をするというようなことはあります。

○仲村未央委員 今、軽微な変更ということがあったのですが、それはどのあたりが軽微で、今回のように最後にまとめて精算をすることが明らかに不適切という、この境目というのはわかりますか。例えば事業費の何%以内だったらそういうことが可能であるとか、具体的な判断の基準があるのでしょうか。

○野島孝一郎参考人 沖縄県の決めがどうなっているかということは、私どもはわかりかねるのですが、直轄ですと、例えば当初契約金額の3割以上の変更になる場合とか、重要な工法の変更とかについては、変更契約という形をとっております。

○仲村未央委員 そうなると、今回の識名トンネル問題の事後契約の、どこが問題なのかということになりませんか。そこら辺は全く違う―今言うような精算変更の趣旨と、先ほど来皆さんが指摘するような、補助金の交付の決定を待たずに事業を先に行うということの趣旨は、完全に分けて考えるべきところですか。

○中野則夫参考人 先ほど説明の中で申し上げたところでもあるのですが、今回は追加工事のための申請をして、それに対応する別の契約をされたと。そういう流れがあるということで、それについての問題を申しておりますので、そうではなくて、あくまでも本体の変更契約ということで申しますならば、問題は全然違ってくる。そのときに、工法の一部の変更があり、それを現場で指示することはあり得ると思います。それについて、その変更契約として後ほど変更契約の処理をすると―きちんと予算が確保されていることが前提ではありますが、それであれば、問題なくやられるケースもあろうかと思います。

○仲村未央委員 それと、県が6月に行政考査として、内部の公査を発表しております。その中に、こういう大規模かつ困難な工事では、追加工事が発生することを想定して、契約を締結する前に追加工事費の算出方法をあらかじめ取り決めておくべきであるというところを、反省点として上げているのです。その工事費は、請負比率を乗じて算出されるものであることを契約書に明記すると。そういう必要があるということを、入札の段階で明らかにしておく。これを検討すべきであるという流れの考査になっているわけです。この件に絡んでお尋ねいたしますが、識名トンネル工事の取り扱いをめぐって実際に協議が難航していたのは、平成19年から平成20年のあたりなのです。そのあたりの、追加工事費の算出方法についての国の考え方というのは、いかがなものでしたか。変更の場合の落札率、請負率の乗じるべき云々ということについて、基本的な国の考え方というのは、どのような考え方だったのでしょうか。

○中野則夫参考人 あくまで一般論でございますが、工事を契約しまして、その工事の変更が生じるのであれば、工事の変更額につきましては落札率を乗じるというのが基本論だと思っております。

○仲村未央委員 沖縄総合事務局の場合でよろしいのですが、もしこれで請負者の側との協議が難航したというような事例があるのか、今、当初の請負率を掛けることが基本ですというのが、皆さんの基本的な考え方だと思うのですが、今回の沖縄県のように―これは異例ですけれども、請負率を掛けるかどうかということをめぐって、請負者側と協議が難航するというようなことがありますか。

○中野則夫参考人 一般論として、ないとは言えないと思いますけれども、先ほど申しました基本論に沿って、私どもはそういう整理をさせていただくということになろうかと思います。

○仲村未央委員 あえてその算出方法について、今基本論とおっしゃるようなことを契約書に明記するということが、沖縄総合事務局の場合はありますでしょうか。

○中野則夫参考人 明記されているかと言いますと、明記はされていないということのようです。

○仲村未央委員 明記しなくても、基本的には発注者、請負者、ともに当初の請負率を、変更契約であれば乗じていくというのが基本的な考え方として共有されているから、そういう意味では契約書にそれを明記するということには、特になっていないという理解でよろしいですか。

○中野則夫参考人 そういうことかと思います。発注している―例えば国の全組織、あるいは建設業者の方々、そういうことは御存じかと思います。

○仲村未央委員 それと、最後の論点というか、同じ県の行政公査の中にこういったことが出てきます。トンネル工事のような特殊なもの、低入札とか特殊的なものである場合、契約金額を超えて進捗した場合は、どのような適切な対応がとれるか、それは今後も沖縄総合事務局や国土交通省、関係機関と協議を重ねる必要があるという内部公査の中の指摘があるわけです。それでお尋ねしますが、契約金額を超えて進した場合の適切な対応方法について、何らかの県からの協議がありましたでしょうか。

○中野則夫参考人 今回の案件に関して、そういう協議は来ていないということです。

○仲村未央委員 契約金額を超えて進捗する場合というものが、どのような場合なのかということがそもそも問われると思うのですが、わざわざ契約金額を超えて進捗した場合の適切な対応方法なるものを―県がとらえているものが何かは、表現からは―そうと書かれているのですが、この場合の対応方法について、国としては検討する余地というか、協議をする可能性はありますか。

○中野則夫参考人 私どもは補助金の交付に関しての御相談であれば、その交付する者でありますけれども、個々の契約されたものについての取り扱いについて協議をするということは、考えにくいかと思います。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新里米吉委員。

○新里米吉委員 工法変更が起きてきて、ここまで大きな問題になっています。こういった工法変更は一般的によく起きることですか。皆さんが取り扱った公共工事ではどうでしょうか。

○中野則夫参考人 程度にもよりますが、工法の変更が全くないのかとなると、そうではないと思います。入札後に提案をもらって業者と協議してやるというケースはあります。今回の工法変更が程度にもよりますが、それがあり得るか否かはわかりませんが、全くないことではないと思います。

○新里米吉委員 全くないとは言えないけれども、当初の設計である程度予測をして、可能な限り大きな工法変更が起きないようにすることが、私たち素人からすると一般的ではないのかと感じます。今回の送水管沈下対策工事もある程度予測できたことではないかと思います。覆工工事について説明がありましたが、後であれだけのいろいろとやっていましたが、こういったことが設計段階で予測もできないようなものであったのかどうか。この間こういった工事を担当してきてどう考えますか。

○中野則夫参考人 個々の事案によるもので、私も当事者ではありませんし、その状況もその場で把握しておりませんので、軽々なことを申し上げることは避けさせていただきたいと思います。

○新里米吉委員 これまでに取り扱った事例でこのようなことがありましたか。こういった事例は初めてでしょうか。先ほどからありますように軽微な変更は起こり得ることだと言っても、今回のことは軽微ではありません。今回の工事は高額で途中に10何億円の話もあり、5億円以上の工事になると県議会にかけないといけないので、2年間にまたがって4億数千万円の提示を沖縄県側が企業に提示をしたということも、沖縄県が皆さんに出した不服申し立ての中にも出てきます。このような大工事で、予測できないようなものだったのかと感じます。23億円の中で10億円余りも後で追加工事をしなくてはならないということが起こり得るのかということが理解できませんが、皆さんはどのように考えますか。皆さんのこれまでの事例から考えてどうでしょうか。

○中野則夫参考人 今回、中央導杭を先に掘る方式と、無導杭という方式。2つのトンネルを同時に施工するときに、中央導杭を掘るか、掘らずにやるかということです。私どもは工法の変更によって契約金額がどれだけ変わるか、その数字も承知しておりませんので、なかなかコメントがしがたいです。割と施工の進め方としては違ってきますので、非常に軽微だという程度ではないと思います。委員は10何億円の工事変更とおっしゃっていましたが、それはあくまでも工法を変更されてその結果として、工法が変更されたことが直接の原因かはわかりませんが、送水管の沈下が予想を超えてきたということで追加工事が出てきたということで、工法を変更したことが直接10億円などとおっしゃっていましたが、それが直接額につながったかについては検討する必要があると思います。

○新里米吉委員 私が質疑したことと違っていますが、今皆さんから説明があったように、先進導杭方式から無導杭方式への工法変更、基本的なところの変更が起きた。これはそのほうが有利だからということなので、このことによって問題が起きることはもっとおかしいことで、そのほうが施工する場合の金額もそのほうが有利だと、工法もそのほうが有利だということで沖縄県も業者も一致して変更したと。当然、その辺は沖縄総合事務局にも連絡、相談があったのかと思いますが、悪い方法に変更することないですよね。最初に予定したものをあえて変更するということはこのほうが工期や予算額等含めて、総合的に有利だという判断をしてここに変わったわけですが、その報告は皆さんにありましたか。

○中野則夫参考人 先ほど申し上げましたように、基本的には個々の工事発注について、逐一沖縄総合事務局に報告するというようにはなっていません。こうしたほうが有利だから変更しますというような話があって、やりとりをしたという記録はないようですので、今回もそういったことはなかったと思います。

○新里米吉委員 沖縄県は不服申し立ての中で、完了検査も不服申し立ての理由にしています。皆さんはそれについてはとんでもないということですが、この完了検査の趣旨、内容等について説明をお願いします。

○中野則夫参考人 完了検査は、私どもが補助を交付したものについて具体的に補助事業の成果物ができているか、あるいは補助金の支出が適正に行われているかということを見ます。

○新里米吉委員 私もそうだろうと思っています。工事がきちんと行われているか、そういった検査をすると思います。完了検査で指摘がなかったからといって、虚偽契約まで完了検査でやるものでもないと思いますが、いかがでしょうか。

○中野則夫参考人 私どもとしては、地方公共団体でこういったことは余りない案件です。地方公共団体が契約されるからには、会計法令等に基づいて契約手続の過程でチェックをする機能が働いているだろうと。あるいは法令遵守がされるであろうということを認識しつつ、このように工期を偽装するようなことがあるということは余り意識してはいません。そういった部分をしっかりと見る形ではやっていません。

○新里米吉委員 そういったことは一般的に会計検査院などが主な仕事として、業務内容としてやるわけで、皆さんの完了検査はでき上がった工作物をしっかりと工事が完了しているかを見ることが主だと思います。自分たちがつくったものが、虚偽契約について指摘しなかったではないかと言わんばかりの趣旨にも聞こえるような、皆さんもそういった指摘をしていると思いますが、そういったことを一般的に完了検査で、虚偽の申請がされているか否かについては普通はチェックはしないということですよね。

○中野則夫参考人 私たちは基本的に完了実績報告書での書類審査をしました。先ほどのカラーの資料で御説明しましたように、今回の案件も申請があってその後に契約がされていると、そういった流れで整理がされていると。書類を見ますと適正な流れであります。私どもも書類を審査する中で、これはきちんとやられているという認識をするということで、それが偽装だなというところまでは思いが至りませんでした。

○新里米吉委員 他府県で不服申し立てが起きたことはありますか。

○中野則夫参考人 他府県の事例については承知しておりません。先ほど申しましたように、沖縄県内の国頭村でそういった案件があったということは承知しております。

○新里米吉委員 沖縄県は今回の不服申し立ての場合に、本件補助金全額の返還及び利息の請求は不当であると思料すると、最後に結論づけて不服申し立てを行っています。先ほどから皆さんが指摘をした決定書の内容などを含めて考えると、この不服申し立ての中身も本当に沖縄県は再発防止について真剣に反省しているのか、という疑問を持たせるような内容になってはいないかとも考えますが、皆さんの感想はいかがでしょうか。

○中野則夫参考人 出されたものについての感想ということはコメントは控えさせていただきたいと思います。

○新里米吉委員 やはり請負業者との協議難航、そういったことも含めて今回の沖縄県の工事が先に進んで、後で虚偽契約をしたということでした。一般的にはこの間そういった協議が難航したときには、皆さんの決定書の中にもあるように、先ほどの仲村委員の質疑に対する答弁でもあったように、この指摘にあるような手順で行うことが一般的だと考えていいですか。

○中野則夫参考人 やはり問題が生じれば、約款にあるような手続で進めるということは必要だと思います。沖縄県もおっしゃっているように、本来は本体工事の契約変更をしようかというような考えだったようです。まずはそういったところでしっかりと御理解をいただき、問題が解決しなければ、やはり決まり事にそって進めるということになると思います。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 桑江朝千夫委員。

○桑江朝千夫委員 きょうはありがとうございます。私のほうからも二、三点確認等を含めてお聞きしたいことがあります。
 まず、平成20年5月の当初交付決定以降の変更交付決定が2回、そして平成21年の4回の交付決定の際に沖縄総合事務局の体制はどうなっていたかということなんですが、いわゆる局長そして部長はこの契約にかかわっていたのか、それを確認させていただきます。

○中野則夫参考人 交付決定につきましては、開発建設部長の専決で行うというルールになっておりますので、私はこの時期にはこの場におりませんでしたけれども、その当時の役職の者が決裁にはかかわっているということにはなろうかと思います。案件は非常に多うございますので、それぞれの実務については担当のところでしっかりと見て、職務を進めているということかと思います。

○桑江朝千夫委員 もう一点、処分の方針の決定をしたのが平成23年11月15日。そして、そういったもろもろの決定は沖縄総合事務局の中ではどこでなされるのですか。沖縄県庁内であれば庁議というのがあるわけですが、沖縄総合事務局においては開発建設部長どまりなのか。

○中野則夫参考人 何とか会議というような会議が設定されているわけではございません。今回の事案、返還を求めるという大きな決定をいたしましたので、それにつきましては最終決定は沖縄総合事務局長でございますので、直接私も入っておりますけれども、局長に相談をしてその場で方針を決めたということでございます。

○桑江朝千夫委員 それでは今までの経緯等いろいろ見ていながら、決定する手続というのは特になくて、これまでの事実から部長と局長の判断でそうなったということですか。そう決定されたということですか。

○中野則夫参考人 決定する手続が何かに定められているかといいますと、そうではございません。やはり今回の事案にかんがみて、不適切なことが発覚したというように認識しておりますので、それに対しまして、私どもの中でのできる調査をしたり、客観的な情勢を分析をいたしまして、どんな措置をすべきかというのを関係者で議論しまして、方針を決めたということでございます。

○桑江朝千夫委員 本年度の刑事告発についても同様ですか。

○中野則夫参考人 刑事告発も局長名でいたしておりまして、当然ながら局長に相談をするといいますか、局長を含めて打ち合わせの場を持ちまして、方針を決定したということでございます。

○桑江朝千夫委員 もちろん局長、部長、相当ないわゆる相談程度のものでなされる、会議というか、そういった手続ということは特に踏む必要ないんだが、刑事告発という決定をするまではそれも局長と部長の判断に基づいてということだけですか。

○中野則夫参考人 何か体裁をとるのが重要というよりは、実質的な中身についてきちんと責任ある者が集まって、しっかりと議論をするということが重要だと思います。そういう意味合いでは、局長それから私の上司に当たります次長、私あるいは担当課の者が集まって、情報を共有して方向性を出したということで問題はないというように思っております。最終的には告発につきましては、手続上は決裁という形でやっておりますので、そういう面でも問題ないと思っております。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 大城一馬委員。

○大城一馬委員 今までの流れについてはそれぞれの委員から質疑があったので、私は1点だけ確認と今後の方針といいましょうか、この件について質疑をいたします。
 沖縄県の不服申し出に対して、沖縄総合事務局から逐一反論、あるいは根拠の乏しさ等が記述されていますが、この一連の流れを見ますと、今回の偽装契約は極めて悪質であるという認識を私は持っています。これまで土木環境委員会でも昨年から取り上げてきましたが、国としてもそのような認識にあるのか、その点についてお願いします。

○中野則夫参考人 極めて悪質と考えているかどうかということですが、善意に解釈しますと、沖縄県も適切な方法に沿ってやるべき、やりたいという気持ちはお持ちだったと思います。そういった中で結果的にこのようなことになったというところもあるのかと思います。結果論としての今の状況は、大きな問題があるということだと思います。実施された方が非常に悪質なことをやろうということであったかどうかは、私にはわからないところです。

○大城一馬委員 先ほど申し上げましたように、不服の申し出に対する国の決定書ですが、その文面からしても法令遵守の意識が疑われると、著しく不当であるというような文言が随所に見られます。そういった判断、判定をしたからこそ、沖縄総合事務局が刑事告発に踏み切ったという認識をしています。刑事告発についてですが、マスコミの報道等を精査しますと既に沖縄総合事務局は昨年の9月ないし11月ごろから刑事告発の準備を進めていたと。沖縄県警とも水面下で意見交換をしたというような報道がありますが、これは事実として認識してよいですか。

○中野則夫参考人 9月から11月ということですが、刑事告発の可能性を検討しましたのは、正確ではないですがおおむね12月ごろかと。その後にはこの事業は国土交通省都市局所管の街路事業の関係ですので、もとの所管である国土交通省都市局とも相談をしたり、あるいは先ほどもありましたように、沖縄県警と情報交換などをその後にやっております。

○大城一馬委員 告発の中で被疑者不詳という形でされていますが、その根拠、要因は何でしょうか。

○中野則夫参考人 このような問題が起こりましたので、どなたかそういう意味合いで問題がある方がいらっしゃるかと思います。まずは告発するのはあくまでも人を告発することになりますが、その人がだれか特定できるかといいますと、沖縄総合事務局は警察のような捜査権限がありませんので、どの人かと特定するまでの情報を整理することができないということで、その部分については被疑者不詳としました。

○大城一馬委員 告発するまでに至るまでは、それなりに沖縄県の資料等も精査しながら沖縄総合事務局は告発に踏み切ったという認識をしています。ですから、ここで被疑者不詳ということが納得、理解ができませんし、あいまいさが残っている感じがします。先ほど話がありましたように、確かに国頭村でも2008年に沖縄総合事務局が刑事告発に踏み切っています。そのときにも被疑者不詳ということでした。このような不正受給、不正疑惑、契約等々について、沖縄総合事務局が告発することに関して、同じ刑事告発の中でも全く同じように被疑者不詳ということは、そこまで告発に対する認識の重さというものは、いかがなものなのかという気がします。これは全国的な事案でもそういった形式で処理しているのですか。

○中野則夫参考人 全国的な事例も余りないと思います。国頭村での被疑者不詳での告発について、私は直接関与しておりませんので、その経緯、理由がどうであったかということはコメントができない状況です。私どもはあくまでの今回の事案に対して、先ほど申し上げましたように、どなたが関与したかの特定できるようなところまでの整理ができません。あいまいなまま例えば、個人の名前を挙げて告発するということは不適切なことになるだろうと。そこのところは捜査権限のある警察に任せて、しっかりと調査していただくことが適切であろうと考えたということです。あわせて申し上げるならば、私どもは個々のどの人が問題があったか、名前を出すということよりは、今回の事案の解明を司法にゆだねてその結果としてこういったことが起こらないように、正常化されることが重要だと考えおります。

○大城一馬委員 今回の識名トンネル工事契約問題調査特別委員会の設置はあくまでも真相究明。昨年からそれぞれ土木環境委員会、あるいは本会議での代表質問、一般質問等々でいろいろな立場で審議、質疑して、参考人招致までして、なおかつ私どもの目標はやはり責任の所在、それが真相究明だという形で識名トンネル工事契約問題調査特別委員会が設置されていると認識しています。やはりそこまで国が刑事告発するということは、当然捜査関係、司直は捜査をやるだろうし、やっているだろうと思っています。告発する側にあいまいさが残るようなやり方についてなかなか理解しがたいです。本来ならばこの事案が相当な問題だということであれば、こういったことも精査しながら最終的に告発ということが手順ではないかと思います。どうもこれからしますと、ペナルティー的ないわゆる、今後二度と起こしてはいけませんよというペナルティー的な告発かと思っています。いずれにいたしましても、沖縄総合事務局の皆さんとは中身について、一連の沖縄県あるいは業者とのやりとりについては、踏み込むことができませんけれども、これから我々はしっかりとやる日程がありますので、このことはあいまいさを残すよりはもっとしっかりとした対応が出てくるのではないかと考えております。残念ではありますが、被疑者不詳については司直にゆだねるしかないということであるならば、皆さんの方針なのでそれはしょうがないと思います。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 當間盛夫委員。

○當間盛夫委員 中野則夫開発建設部長、ありがとうございます。沖縄県が起こした不祥事であり、皆さんが最初の参考人ですので、沖縄県民にわかりやすく御説明をお願いします。最初の質疑は県から聞くよりも皆さんから聞くほうがわかりやすかったので、ありがとうございました。
 まず初めに会計検査院からの指摘であったわけですから、9月に意見照会ということで、来ているようですが、会計検査院からどのような指摘がありましたか。

○中野則夫参考人 会計検査院の指摘の主たるところについては、冒頭の説明の中で申し上げましたが、今回問題となった送水管沈下対策工事について、所要の手続をとらずに別途契約として随意契約を締結していたり、虚偽の書類を作成したりして、事実と異なる内容により交付申請、実績報告等を行っていたことは法令に違背し、著しく適正を欠いているということ、これを会計検査院が指摘されています。

○當間盛夫委員 皆さんに意見照会があったのは平成23年7月だという説明がありましたが、会計検査院の指摘は平成23年1月です。その間、皆さんとのやりとりといいますか、その間に皆さんは確認等々は何もなかったのですか。

○中野則夫参考人 平成23年7月に照会があるまでの間、1月の時点で会計検査院は沖縄県に対して指摘をしているのでその後のやりとりはあったと思いますが、私どものほうは特にこの間はなかったと聞いております。

○當間盛夫委員 会計検査院の指摘が平成23年1月、意見照会が平成23年7月ですよね。ということは沖縄県から皆さんへのやりとりは何もなかったということでいいのですか。

○中野則夫参考人 沖縄県からは幾らかそういった経過について情報をいただいていたようです。

○當間盛夫委員 いつごろそういった指摘があったと、どうしようかと、ただ相談ごとでいつごろか記憶にないということですか。

○中野則夫参考人 今この場で何月何日という記録がありません。沖縄県からは平成23年7月までの間も情報についていただいていたという程度だと思います。

○當間盛夫委員 それを踏まえて平成23年11月に国庫補助金全額返還を求める決定をしていますよね。返還決定をした大きな理由は何ですか。

○中野則夫参考人 先ほど来申し上げていますが、会計検査院の指摘を端緒として、送水管沈下対策工事の工事を先行させて、しかる後にそれに関連する補助金の交付申請をし、工事が終わった後に虚偽の工期での契約をしたという事態が見つかった。これは補助金適正化法の想定している流れに全く沿っていないので、それについては極めて不適切なものですので、このようなやり方については原始的な瑕疵があるという認識をしましたので、これについては全額の返還を求めることとしました。

○當間盛夫委員 その時点では、先ほどの資料のようにいつこういった形のものがあったと。何をしたということはわかったと。しかし、だれがやったかということはわからないということでいいのですか。

○中野則夫参考人 私どもとして委員のおっしゃるように、工事をいつごろ実施し、契約がいつであったとか、先ほどの資料で示したような情報については沖縄県からも確認をしたりして承知をしました。沖縄県の中での手続き等にどの方がかかわられたかについては、その段階で承知はしておりません。


○當間盛夫委員 この中で違法だということで返還、何が法令違反ということですか。

○中野則夫参考人 今回の補助金の返還については、そもそも論については先ほど申し上げましたように、補助金を受給するに当たっての適切な流れが確保されていなかったということです。こういった形での交付決定がされたものについては、先ほども申しましたが、成立に瑕疵があると、原始的な瑕疵のある交付決定だったので、その交付決定を取り消すということです。原始的に瑕疵のある交付決定の取り消しについては、補助金適正化法に明示的には規定されておりません。私どもの職権により取り消しをさせていただきました。そういった例はほかにも少なからずあります。行政行為の職権による取り消しは、当該行政行為の成立に当たってそもそも論として瑕疵があったところ、これを取り消して瑕疵のないような状態に回復させると、そういったものだということですので、法律による特別の根拠は不要だと解されています。

○當間盛夫委員 沖縄県は再三やむを得なかったと、安全性、特殊性ということでやむを得なかったと言います。皆さんの概念の中にも、国直轄でやる中でも、皆さんもやむを得ずということはあるのですか。

○中野則夫参考人 やむを得ずということが、やむを得ず不適切なことをやりましたということは基本的にそういったことはないと思います。やむを得ずとなれば、それに沿ってそれに対応するように適切な法にのっとって処理をすると。想定外のことは私どもの工事でも起こり得ますので、そういったときに新たに契約変更するとか、適切な工事をしてもらうとか、適切な範囲内で実施するということだと思います。

○當間盛夫委員 皆さんの直轄工事の中にはやむを得ずこういった形をとったとういことはないわけですよね。沖縄県の答弁の中にはほとんどやむを得ず、こういった工事が優先されたと、再三やむを得ずという言葉遣いをするので、そういった面で皆さんの何がどうなのかと。先ほどの47.2%の落札率、特殊性のことも含めて、もろもろありました。国直轄でやったもので、時期はもっと先ですが、沈埋トンネルがありますよね。沈埋トンネルの落札率は、その部分も物すごい特殊性があったはずですので、その中で追加だとかいろいろなことがあったはずでしょうから、その部分について教えてもらえますか。

○中野則夫参考人 沈埋トンネルの話が出てきました。沈埋トンネル関係の資料は持ち合わせていないですし、工事を実施したのも10数年前の話ですので、その全貌についてどうこうであったということを申し上げることは難しいと思います。一般的にあれだけの工事ですので、いろいろな事情があって追加工事をする、工事内容を変更することはあり得たと思いますので、そういったときには変更契約をするということで、対応していたものはあると思います。

○當間盛夫委員 この間沖縄県は、平成23年1月に会計検査院に指摘されて、我々沖縄県議会にそれが出てきた、マスコミ報道されたのは平成23年9月です。それをずっと委員会等々やる中で、結果的に返還金の分を県議会の採決を拒否権を持って皆さんに返還をしたということは、識名トンネルの補助金の事実関係を認めたと。皆さんに5億8000万円返還するわけですから。返還するときに沖縄県からだれがどのような形で申しわけございませんでしたと、謝罪文がこういった形であったとか、文書でこういったものがあったというのがありますか。拒否権をして5億8000万円を支払う段階で沖縄県からどういったことがありましたか。

○中野則夫参考人 補助金の返還は事務的にこういった振り込みをしましたということが来たということで、それ以上のものはなかったと思います。

○當間盛夫委員 事務的に皆さんに返還をしたということで。返還をするということは事実関係を認めたということで、それでいいと、皆さんもそのような理解ですか。

○中野則夫参考人 返還をしていただいたので、そういったことなのかと私は感じています。結果的には平成24年3月30日に不服申し出がありましたので、そうでない部分があると理解しております。

○當間盛夫委員 事実関係を認めていながら、補助金適正化法の第25条にあるので不服申し出をするという沖縄県のやり方自体も、皆さんの立場的な部分からしてもどうなのかと思います。沖縄県が不服申し立てをした内容を教えてください。

○中野則夫参考人 沖縄県が出されました不服申し立て、全体で10ページを超えていると思いますが、それを私どもとして要約的に整理したものを口頭で申し上げたところでして、もう一度同じことを繰り返すしかないです。

○當間盛夫委員 不服申し立ての部分について、沖縄県の幹部が議会で答弁した分で、これはすべて国庫の補助金に使用したと、本体工事の補助金事業に使用したと。会計検査院から虚偽の契約だという指摘を受けたが、やむを得なかったと。特段の事情が介していたということで、悪意の受益者には該当しないと。悪意の受益者ではないという指摘に対してはどのようにとらえていますか。

○中野則夫参考人 悪意の受益者という、悪意というところの意味合いは善悪というよりも、そのことを知っていたかどうかのようです。そういった法律上の用語でございまして、知っていたかという視点でとらえますと、沖縄県は契約書の工期をあえて偽装されていると、そうしなければ補助金の交付が受けられないということを認識をしていたからこそ、そういったことをされたと考えることが相当であると思っています。そういう意味では、知らなかったということではないと。そういう意味で悪意の受益者に当たるのではないかと考えました。

○當間盛夫委員 皆さんの認識からすると知っていたのだろうと、皆さんがやったのだから、その辺をどう言っているのかということもありますが。それが皆さんが棄却した大きな理由。不服申し出がされて、皆さんからは棄却するということになりますが、その理由は何ですか。

○中野則夫参考人 先ほど申し上げましたが、何点か先ほど委員がおっしゃったような視点も含めて、沖縄県が不服申し出をされたことに対して、私どもとしては、1つは、交付決定前に施工した本体工事が補助金対象にならないことは明白ですので、本件の補助金を補助事業に使ったのだからということがあったとしても、手続上の瑕疵は取り消すことはできないということです。建設業法に基づいて、あっせん等、紛争処理手続をとらなかったことについて、やはり法規にのっとってやるべきだと思いますので、特段の事情があるということまでは認められないだろうと。したがって、補助金返還をしなくていいという正当な理由にはならないと。また3つ目に、先ほど申し上げましたようにやはり悪意の受益者に当たるであろうということです。もう一つ完了検査で特に私どもが問題として指摘しなかったではないかということに対して、だからいいということではなくて、そういったことをおっしゃること自体が法令遵守の意識が疑われるのではないかと。そういったことを総合的に判断をして棄却をさせていただきました。

○當間盛夫委員 棄却をしたのが平成24年5月21日、平成24年6月4日に告発をされています。告発をする中で沖縄県警が受理をしたという形で6月4日です。棄却する中で時間的な部分がありますが、棄却したら二、三日後には告発するということがあるのか、時間的なことは何かありましたか。

○中野則夫参考人 先ほども申し上げましたが、平成24年3月30日に不服申し出があり、平成24年4月23日に意見を述べる機会をつくり、それを踏まえて平成24年5月21日に棄却の決定をして、そういったことを私どもが先行して対応させていただいておりますので、それが一段落といいますか、その後に中身を踏まえますと告発するべきだということで。告発するには告発する中身についても、私どもは玄人ではありませんので、中身についても沖縄県警と相談しまして、平成24年6月の初めに沖縄県警で受理できるという話が聞けたので、速やかに告発させていただいたのが、平成24年6月4日でした。

○當間盛夫委員 皆さんが棄却する中で、これは告発すべきだということは平成24年5月21日の前後、その時点ではそういった話になっていたということですか。

○中野則夫参考人 いつ、何日の時点で告発という意思決定をしたと明確な日を明確に申し上げられる状況ではないですが、告発についてはずっと考えてきており、考えるに当たって棄却したときの頭の整理は一つの判断材料になったということです。

○當間盛夫委員 棄却した時点で、告発をしようという認識は持っていたということですか。

○中野則夫参考人 棄却をした段階では、おおむね告発ということで進めていこうという方針は整理されていたのかと思います。何月何日に告発を決定したというか、そういった日にちは言えるものではありません。最終的には平成24年6月4日に告発したということですので、方針決定したのはそのときだと思います。

○當間盛夫委員 告発するということは、これまでの事実関係があります。変更しない中で、事後に契約したといういろいろな事実関係があって、その旨の違反があったと、法令違反、もろもろがあったということで返還命令を出した。それをする中で不服申し出も出てきますが、そのことも見ながら、しかしこれは悪質だという思いで、刑事告発を皆さんはされるわけですよね。それだけ告発するということは、重い部分があると思いますが、その辺の判断は、先ほどの大城委員の質疑の中でも結論的には悪質かわからないという話もありましたが、悪質だったから刑事告発されたと思いますが。

○中野則夫参考人 どこまで悪質であったかは既に司法にゆだねているので、その場で明らかになると思います。私どもは補助金適正化法第29条で偽り、その他不正の手段により補助金の交付を受けたものであるとなるだろうということと、私どもは役所の者ですので、官吏はそういった犯罪があることを認識したときには告発しなければならないとされていますので、告発に至ったということです。逆にこういった状況を知っていながら告発しないこと自体が問題だろうと認識しました。

○當間盛夫委員 先ほどもありましたように、被疑者不詳で沖縄県警に、司法にゆだねる形をとっています。沖縄県は、当間清勝土木建築部長初め4名の皆さんを懲戒処分にし、知事も給与を3カ月減額するという形をとりました。皆さんからみて、当間清勝土木建築部長初め懲戒処分された方々に対して被疑者だという考え方はお持ちですか。

○中野則夫参考人 私どもはあくまでも被疑者不詳ということでやっていますので、あいまいな情報をもとに何か憶測することは適切ではないと思います。被疑者がだれであるかは、今後司法の場で明らかにされる問題だと思います。

○當間盛夫委員 当間清勝土木建築部長は監督責任ということで更迭されます。沖縄総合事務局の部分でもこういった事案はなかなかないのでしょうが、監督責任でだれかが更迭されるという事案はありますか。

○中野則夫参考人 私自身、今すぐに申し上げられる事案はありませんが、私も自分の所の仕事では監督をしている立場にあると思いますので、不適切な事案があり、それに私もかかわっていたり、その判断をしたのであれば監督責任ということは一般論としてあり得ることだと認識して仕事をしています。

○當間盛夫委員 告発が平成24年6月4日です。きょうは9月6日と、大分日がたっています。皆さんと沖縄県警とのやりとりの内容が話せるのであれば、話してください。

○中野則夫参考人 平成24年6月4日以降は司法にゆだねましたので、それ以降の動きについて、もし何か関係があったとしても、それを申し上げるのは適切ではないと思います。

○當間盛夫委員 国庫補助金の不正というところがありますので、今回の件も含めて、我々一括交付金をいろいろな形で今度も振興策で大きな予算をいただいている中で、県民の税金をどのように使うのかという沖縄県の認識、そこに何か問題があるというような率直な感想はお持ちですか。

○中野則夫参考人 感想というようなコメントは避けさせていただきたいと思います。今回の事実関係としては、適切な法にのっとった手続をしていただけなかったということで問題があったと認識をしております。

○當間盛夫委員 会計検査院から不適切な国庫補助金の指摘を受けて、その後沖縄総合事務局から返還命令が出まして、虚偽の契約を認め、謝罪をして国に返還をして、またその中で不服申し立てをしたという流れです。また沖縄総合事務局はそれを棄却して、その後、悪質だということで刑事告発をしたということになります。先ほど、これは一連の流れだというように、中野参考人は事務的な手続の流れのような話をしますが、刑事罰が伴うわけですので告発されるということはたびたびないと思います。告発されるということは物すごく重要だと思います。沖縄県警を含めて司法の判断が何も出てこなかった場合に、沖縄総合事務局はどういった対応をされるか、もし何も出てこないとなった場合にはそうですかで終わるのですか。

○中野則夫参考人 現在は司法の手にゆだねられていますので、その結果がどうこうだという想定についてのコメントは避けさせていただきたいと思います。

○當間盛夫委員 司法の判断を見守るしかないと思っています。皆さんも捜査に全面的に協力をして―皆さんが協力することが問題解決の早道だと思いますので、よろしくお願いします。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 嘉陽宗儀委員。

○嘉陽宗儀委員 先ほどの説明で、補助事業については交付申請が行われて、それが適切かどうかという判断をするというお話でしたけれども、適切かどうかという中身は、どういうことを皆さんはやるのですか。適切かどうかの判断の中身がよくわからないのですが。

○中野則夫参考人 申告されています工事の内容とか目的につきまして、不適切と考えられるところはないかどうかということがポイントになって―目的、それから事業の内容、そういったところが中心になると思っております。

○嘉陽宗儀委員 そうしますと、今回の事案はトンネルですから、当然それについては事前に地質調査をするとか、環境アセスメントをやっているかどうか、そういう結果を踏まえて、設計図面がどうなっているか、基本設計、概略設計、これは全部これに含まれないといけないですよね。そういうことを今回はやっていますか。

○中野則夫参考人 そういう実務的なところについては、事業者のほうでいろいろと御検討いただくということで、私どもはそれを踏まえて、大きな目的―このようなことをやられるのだというところについて確認をさせていただいて、交付に至るということでございます。

○嘉陽宗儀委員 事業者任せということでいいのかどうかということは、やはり莫大な国民の税金を投入するわけですから、補助金を出す側も、設計を含めて、内容的にも検討するというわけですから、十分であるかどうかということについては、当然皆さん方なりの立場で分析するということは必要ではないですか。

○中野則夫参考人 そもそも補助金の交付決定は、工事単位にやるものではございませんで、今回ですと、真地久茂地線外1線という街路事業につきまして交付をするということでございまして、その中の個々の工事の、さらに技術的な検討等については、事業者にやっていただくということで、それを踏まえた大きな目的―このような道路をつくるのだというようなところについて、私どもは確認をするということです。

○嘉陽宗儀委員 技術的なものは沖縄総合事務局が余り関知していないということなので、それ以上は聞きませんけれども、ただ、基本的にはここがきちんとしないから、事の発端は始まっていると思うのです。これは当然設計―設計はどこがやっているかわかりますか。

○中野則夫参考人 承知しておりませんし、だれがやるということは、問題ではないと思います。

○嘉陽宗儀委員 認識の違いがありますけれども、ここは東京で、しかもほとんど政府の大型公共工事を請け負う関係をしていると私は考えているのですが、そういう意味では、やはりそういうきちんとした大きな設計業者であろうが、沖縄の事情にあって、識名トンネルの地質調査をして、環境アセスメントをやって、それに基づいてこういう施設でいいかどうかという問題については―要するに失敗しないためには、補助金を出す側も十分な点検が必要だと僕は思うのです。それで、技術検討委員会がありますよね。これに沖縄総合事務局は参加していますか。

○中野則夫参考人 技術検討委員会は、事業者としての沖縄県が設置されたものだと思います。そこに私どもが交付する立場で入るということは、通常もございませんし、今回の案件も入っていなかったのではないかと思います。

○嘉陽宗儀委員 では、この技術検討委員会には、皆さん方のほうからは入っていないということですね。この場合に、最初の設計と実際に施工された大きな違いは、工法の変更です。中央導抗方式から無導抗方式に変更しているけれども、なぜそういうことになったかというのは、補助事業ですから当然承知していますよね、皆さん方は。

○中野則夫参考人 個々の工事の話でございますので、そういうものが一件一件沖縄総合事務局に報告があるということにもなっておりませんし、先ほど申しましたように、工法変更について相談があったというような記録もございませんので、そういうことはないのではないかと思います。

○嘉陽宗儀委員 ここが解明されない限り、この識名トンネルの問題はなかなか明らかにならないと思いますので、これ以上の質疑はやめておきます。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城勉委員。

○金城勉委員 1点だけお尋ねしたいのですが、今回の件については、スタートの時点での契約率の問題があって、そして工事を進めている過程にあって、その送水管の沈下対策をしなければいけないと。ただ、その契約に当たっては、やはり最初の掛け率云々ということで、業者と折り合いがつかない、しかし工事は進んでいて、その安全の問題、あるいは工期の問題とか、そういうことがあって、県としてはやむを得ず、そういう手続上の瑕疵は認識しながら、やらざるを得なかったというようなことで進めてきて今日に至っているわけですけれども、そういうことを踏まえたときに、県の瑕疵がある、あるいはまた工期の問題や安全性の問題等々、県が説明する状況を踏まえて、沖縄総合事務局として指導するとしたら、このケースについてどのような指導をされますか。

○中野則夫参考人 そのときの状況が正確にわかりませんので、そのときに、その場に立ち会わないと、正確にどういう指導をするのが一番よかったのか、沖縄総合事務局としてのコメントというのはなかなかしにくいものだと思います。基本論は先ほど、ほかの委員からの御説明もありましたように、うまく調整が整わないならば、約款なり、そういう法的に整理されたものに基づいて、毅然と対応するということが必要なのかと思います。

○金城勉委員 県が非常にこだわって説明しているのは、業者側との折り合いがつかなければ工期が延びる、延びたらその分工事がとまって、安全性に問題がある、そうすると逆にいろいろな弊害がある。そのような説明なのです。そういうときにも、規約、規則にのっとってやるべきだと考えますか。

○中野則夫参考人 基本的にはそうだと思いますが、そういう流れの中で、今回は別の契約をされたということになったのが大きな問題で、もとの契約の中でやるのであれば、いろいろな方法はあり得たと思いますので、そういう方法は相当詰めて議論、調整すべき事項かと思います。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 座喜味一幸委員。

○座喜味一幸委員 何点かお伺いいたしますが、補助金適正化法を中心にお話を聞かせてもらいますが、補助金の交付申請を受けて決定するまでに、書類等の審査プラス現地の調査等を行っていると思うのですが、今の現状、実態、なかんずく識名トンネルに係る現地調査はされているかどうか、お聞きします。

○中野則夫参考人 補助金の交付の段階で、通常は現地調査まではいたしておりません。この案件だけではなくて、一般的にそのような状況かと思います。

○座喜味一幸委員 それから多分、識名トンネルに係って、3年国債工事になっておりますから、部分払いを選択しているはずなので、出来高払いをしているはずなのですが、3度にわたる額の確定等に関する書類の審査及び現地での確認はなされましたか。

○中野則夫参考人 その工事の契約の関係で、それぞれ出来高払いのときに当たって、いろいろ県として額を確定されている段階で私どもがタッチすることはございませんで、年に1回行う完了検査の中で、どういうことがなされたかということの確認をするということです。

○座喜味一幸委員 確認ですが、3年にわたる場合は、年度年度の検査になるわけですよね。

○中野則夫参考人 3年国債の案件については、その最終年度に額の確定状況等を含めて検査をするということでございます。並行して、別の単年度業務があれば、単年度業務については単年度ごとに検査をいたします。

○座喜味一幸委員 補助金適正化法によりますと、各省庁の長は交付の確定から精算、あるいは進状況までの報告義務等というものがありますよね。ねばならない―交付すべき補助金等の額を確定し、通知しなければならない等々、きめ細やかなことが行政の各省庁の長には義務づけられているのですけれども、そういう意味からしますと、仕事がたくさんあるということは存じておりますけれども、今後、沖縄総合事務局が交付確定から現地の把握がされない状態で、今回のような案件が出てくるということは―今回の案件は原因究明から再発防止という大事な課題を抱えております。そういう意味においては、沖縄県のすべきこと、適正に補助金を執行すること、あるいは国は交付の妥当性、出来高の妥当性等を確認していくという一連のきめ細やかな体制ができないといけないのではないか。ましてや今回沖縄総合事務局が告発した。告発したことによって、何をどうしようとしているのかというのが見えない。全国的になかなか告発という事例はないと思うのですが、今回の一連の問題が、組織のあり方まで少し総点検をしなければならないのではないかと私は考えているのです。そういう意味で、この全体の流れと組織のあり方、沖縄総合事務局の権能というものが果たして今十分に果たされているかという部分に関して、意見を聞かせてください。

○中野則夫参考人 補助事業は街路事業だけではございませんで、すべての公共事業にわたって、補助事業があったり、各省等もやっておられる全体にかかわるもので、そういうあり方論について、この事案をもとに、私一人の立場でどうこうと申し上げるのは、非常に難しい問題だと思います。そのような中で、私どもは補助金について交付決定をし、最初の検査をするということで、そういう補助金が適正に使われるようにしっかり見ていくと。あるいは検査の段階で、事実上は人的制約も期間的制約もありますけれども、そのような中で効率的、効果的に検査ができるように、しっかりとやっていくということが、私どもに与えられたことではないかと考えております。

○座喜味一幸委員 いずれにしても、今回の告発は相当重いものがあると思いますし、この結果を受けて、どのような形で再発防止につなげていくかということは大きなテーマだと思います。これに関して私は、一般論ではなくて、具体的に、ある意味での県も含めた体制のあり方を総点検する必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○中野則夫参考人 この案件を受けた沖縄県の中での体制の検討は、先ほど行政考査の報告書とかもございまして、既に検討がいろいろと進んでいるのだろうと思いますし、今回の案件を踏まえて、適切な執行ができるように、ぜひ御検討いただきたいとは思うところでございまして、私どもがどうこうコメントするより、沖縄県自身の問題として、いろいろ御検討いただくものかなと思います。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 前田政明委員。

○前田政明委員 先ほどこの工事に関連して、単独ではないというように言っておられました。それで、真地久茂地線、これは昭和47年度から平成25年度まで事業費として390億円ですか。この流れとして皆さんはこの事業についてはずっと県と長年にわたって、事業の打ち合わせや補助申請などにはかかわってきたわけですよね。その辺についてもう少し詳しくですね。特に今回の場合は開南から識名トンネルを含めて、たまたま識名トンネルが559メートル、その一部だということはお聞きしておりますけれども、その辺のことについて少し、できましたら関連などについて御説明お願いいたします。

○中野則夫参考人 長い事業経過のあるものをこの場でいろいろと申し上げるというのは、実体上今そういう資料として持っておりませんので難しいところがございます。ちなみに、こういう私どもが交付申請を受け付けて交付決定をするというようになりましたのは、平成13年に国土交通省ができたときにそういう役割を地方に分担させるということで移ってきたものでございまして、その前のものにつきましては沖縄総合事務局はかかわっていないということで、平成13年以降は基本的には交付申請、完了検査、そういうようなたびごとに沖縄県さんから資料をいただいたり、こちらから出向いて検査をし、確認をさせていただくという形で接してきたものと考えてございます。

○前田政明委員 そういう意味では平成13年以来、この真地久茂地線については沖縄総合事務局としてはかかわってきたということですよね。

○中野則夫参考人 平成13年の1月に国土交通省ができてまして、そのときから私ども、そういう役割を担ってきておりますので、委員御指摘のようにかかわってきているということでございます。

○前田政明委員 今ずっと進んでいます。だから、今回も皆さんとしては、これまでの3年国債による事業として概算として、この真地久茂地線の予算、補助申請として相談を受けたんだと。だからいちいち識名トンネルの問題について工法がどうのとか、そういうものは一切相談を受けていないというふうに理解していいんですか。

○中野則夫参考人 真地久茂地線の工事、3年国債でやる、そういう交付があるということでは接しておりますけれども、またそれぞれの年度での交付申請、あるいは変更申請等は接しておりますけれども、この工法について相談をしたり、あるいはそれを踏まえてどうこう私どもが積極的にかかわったというようなことはないということです。

○前田政明委員 一応交付金、補助金の年度ごとの交付額が決まりますよね。そして、事業が終わりますとその事業の額というのですか、先ほどありましたけれど、それは例えば50億円だったと。それが見てみたら5億円しかできなかったと。こういう確認はどんなふうにしてやられるのですか。

○中野則夫参考人 先ほどフロー図で示したように、3年国債のものは3年目のときに、毎年度の工事は毎年ということになりますけれども、完了実績報告書というものが出てきますので、それをもとに、私ども完了検査の中で確認をするということになります。

○前田政明委員 この完了検査の場合には、基本設計とかその他、実施設計の流れの中のものをもとにして検査するわけですよね。

○中野則夫参考人 ちゃんと物ができているか、適正ないろいろな処理ができているかというのは確認いたしますけれども、完了検査のときに設計書と見比べるようなことまでは通常いたしません。しないものと思います。

○前田政明委員 通常の話ではなくて、要するに普通は路線を決定すると、基本設計それから工法決定、概略設計、工事のための実施設計と、それから入っていきますね。その都度皆さんと相談をすると思いますけれども、そうじゃなければいいんですけれども、そういう面で先ほど言った工事確認検査、これはでは、何も見ないでああ済んだのかと、県の意向をそのまま受けるだけの仕事ですか。

○野島孝一郎参考人 今の完了検査のお話かと思いますけれども、完了検査におきましては、まず補助対象物の出来形の話ですね。それが適切にできているかどうか。それから補助対象である補助金が適切に支出されているかどうか、それについて確認しております。あるいはまた契約書等で確認します。

○前田政明委員 だから、その契約書その他のもとというんですか。要するに先ほど言った真地久茂地線全体の補助を決める、その中でも年度によってはその都度決めるわけで、そのとおり使われたか完成したかというもとは何に基づいて確認するんですかと聞いているんです。

○野島孝一郎参考人 補助の申請がありますので、補助金の申請書の中で工事費として、あるいは測量等の費用として幾らとかとありますので、それのとおり使われているのか確認をします。

○前田政明委員 その補助申請の場合は、こういうような工事の計画とかそれからこういう設計方法とか、そういう資料は一切ないんですか。要するに、皆さんのところにはこのうような形の資料はなくて、これを見なくて、いわゆるできているかできていないかということを確認するんですか。

○野島孝一郎参考人 補助の申請書には、基本断面等の基本的な構造の図面等は添付されております。

○前田政明委員 皆さんのところに出されている図面はどういう図面ですか。

○野島孝一郎参考人 今、手元にないので。

○前田政明委員 いやいや、手元にないではないです。これは大事なことろなんですよ。

○野島孝一郎参考人 当該事業の位置図、それから基本的な計画図、断面図等かと思います。

○前田政明委員 それは中央導抗方式の断面図ですか。それとも無導抗方式の断面図ですか。皆さんのところに出されているのはどれですか。

○中野則夫参考人 今回の交付申請が3年国債のものについては18年度でございますけれども、そのときも基本断面図というものはあったということでございまして、そのときには中央導抗方式を開削してといいますか、多分先にやることなると思いますけれども、それが入ったような図面が添付されていたということでございます。

○前田政明委員 皆さんのところで行政的な資料としてあるのは、中央導抗方式の断面図の図面ということで理解してよろしいんですか。

○中野則夫参考人 平成18年度のものにつきましては、そういうものが残っておったということでございます。

○前田政明委員 この無導抗方式の断面図というのは、皆さんの3年の流れの中でないんですか。

○中野則夫参考人 平成19年度の当初の交付申請の断面図には、無導抗方式の基本断面図が入っておったということでございます。

○前田政明委員 では、平成19年にはあったということですよね。それで、こういう大事な、先ほどとかかわりますけど、補助金の申請を含めてやる場合に、基本設計を含めてずっと完了まで至る場合に、ここのところのものは非常に重要だと思って聞いているんですけど、これについて当然私は重要な問題だと思いますので、一切相談はなかったんですか。要するに、中央導抗方式から無導抗方式に変わる、これは一切皆さんに相談がなかったんですか。

○中野則夫参考人 先ほど委員の指摘で申し上げましたけれども、断面としてはそういうものが残ってはいたことを確認をいたしましたけれども、それについて相談があったとかいうようなことは、当時の担当にも聞きましたけれども、そういうことはなかったと聞いております。あるいはそれ以上の資料として、無導抗方式にすることについての何か関連の資料とか、そういうようなものもあるいは添付とかいうのはなかったというものでございます。

○前田政明委員 できましたら、ここの関連する資料の提出をお願いしたいと思いますので、あとで委員長お諮りをお願いします。それで、皆さん方が補助金の返還の決定をしておりますよね。そのときに戻りますけれど、例えば平成20年度を含めて交付決定額が、これは全体で皆さんが沖縄県に出した文書の中で、交付補助金決定取消通知書というところでの数字ですね。平成20年度国庫補助金取消一覧表とあるんですけど、最初の交付額決定ということと、工事契約額の取消決定額ということの認定をした根拠や、その数字を示したことに対してちょっと御説明をお願いいたします。

○野島孝一郎参考人 今、委員からお話ありましたのは、多分表かなと思うのですが、交付決定額といいますのは真地久茂地線外の全体の当該年度の交付決定全体額です。返還を求めたのは、そのうち不適切だと思われる契約に係る分ということで、その部分を抜き出してその部分について一部交付決定を取り消したと。それで返還を求めたということでございます。

○前田政明委員 その場合、平成20年度が17億円ですか。その取消額の決定に至る根拠、そのほかは、どんな形で算出したんですか。どういう資料をもとにして。

○野島孝一郎参考人 これは会計検査院からの指摘もありますが、県が行っております契約書等で契約額を確認しまして、当該の補助金相当額ということで算定いたしております。

○前田政明委員 それで先ほどの予算要求執行についてなのですけれども、沖縄総合事務局は毎年度予算要求のために沖縄県と予算ヒアリングが行われていると。そうすると先ほど言ったように平成20年度の予算要求のときにも真地久茂地線新設工事、それから平成18年度の3年国債完了ということで、そういう意味では真地久茂地真地識名トンネル新設工事、送水管工事についてもその他の件についても、皆さん知っていたのではないですか。

○中野則夫参考人 以前の話なので、また今の担当もそのときいたわけではないのでなかなか確認が難しいですけれども、一般的に予算要求の段階では細かな事業の内容というよりは総額を要求をするということで、細かな話はないのではないかと思います。個々の交付金決定の段階でどれだけの情報に接していたかというのは、特に今の送水管対策工とかいうようなところにどこまで言及がされて、交付の申請があったとか、そこについてちょっと今正確にお答えできるような状況ではございません。

○前田政明委員 これ全部平成20年度を含めて、みんな送水管のやつですよね。それは皆さんなりに検討して、不適切だと言って補助金を取り消した。そういう面では例えば話としては、真地久茂地線の一般的な事業であると、それはこれだけ事業があるわけだから、その中でそれとは別に、独自に県がやったのかなというような認識なんですか。すなわち総事業費がありますね。例えば、平成21年度だったら、予算としては交付決定額は30億円。ところが事業としては6345万円しかできていないというようなものなどがありますけれども、予算としてはあると。皆さんとしては、知らないかどうかは別にそういう面で真地久茂地線については皆さんとしては補助金の総額としてやっているし、個々についても当然ヒアリングをやると思うのですけれども、要はそういう面で結局工事確認検査も1年に一度やるわけでしょう。そしたら、皆さんは知っていたのではないかというふうにしかならないんですよ。この仕組みからいって。先ほど言った平成18年については中央導抗方式だったと。平成19年度については、無導抗方式の断面図があると。だからそういうのを全く知らないで、工事の検査完了もできないだろうし、ただ少なくとも予算要求と違う工事が行われていたというのはいいのですけれども、沖縄総合事務局の工事確認検査において気づくことは可能だったのではないか。このように細かくやられているわけですから。そこはどうなのですか。

○中野則夫参考人 全般的にどこまでお答えできるのか指摘もよくわからないと感じるものもありますけれども。平成20年度のときに、例えば確認できませんけれども、対策工という話があったとしても、対策工をするために新たに補助金という話がもしあったとしても、それが必要なものであるならばそれを不必要だというようなことにはなかなかできないものだと思いますし。私どもとしてはその後にその虚偽の契約がなされたということ、そういうことが問題を大きくしたものであって、対策工自体を私どもが否定するようなものではないということかと思います。

○前田政明委員 いや、これはですから3年国債でやっているわけで工事もやっている。皆さんは工事確認検査をやるわけだから、済んでしまっているやつを出していると。そうでしょう。この会計検査院から言われる前に、皆さんはその予算をつけて、そして予算の完了ということで、いわゆる工事確認検査をやるわけでしょう。ということは皆さんがこういう資料を全く見なくて、こういう予算の関係の全部、これは虚偽契約の中身になっている。そしてこれはもう終わっている。そしたら工事完了しているならば、少なくとも後で指摘されているけれども、その年度で少なくとも、補助金を使っている以上は識名トンネルも皆さんは工事確認検査をやるわけでしょう。そして予算もそういうふうにつけているわけだから。ところが、皆さん自身もだまされたということになるのか。先ほど書いてありますね、皆さん―まさか虚偽でやると思わなかったと。虚偽でやると思わなかったという一言で済まないでしょう。国民の税金を。なれ合っているわけでもないでしょうし。そういう面で大事な、いわゆる沖縄総合事務局としての工事確認検査において、これはなぜ気づかなかったんですか。答えてください。

○中野則夫参考人 だまされたかということですけれども、虚偽の契約を示されたわけですからだまされたということであろうかと思います。それについてどう考えるかということ、それについては交付した立場のものがどうこう言うんじゃなくて、その沖縄県議会の皆さんも含めましてどう考えられるかということであるので、コメントすべき立場ではないかというふうに思います。検査につきましては、やはりできましたものをちゃんとできているかというものを確認をしたりはしますけれども、委員の話から想定するところで、隅々までチェックをしているべきじゃないかということに対しては、非常にたくさんの案件を、限られた者で実施しているのが実情でございますので、相当なところは事業を実施される方の主体的な、自主的な検討等にゆだねて、私どもとしてはポイントとなるような契約の手続の流れ、あるいは物ができているかというようなところを中心に検査させていただいているというのが実情だということでございます。

○前田政明委員 これ、逆に言えば、会計検査院のほうが気がつかなければ、ある面で皆さんの緩やかな、見て見ぬふりをするとは言いませんけれど、結果的にはわからなかった、補助はつけながら。まさか、不正の云々というふうになっていますけど、これは私は国のこれだけ大事な巨額な予算で、当初が360億円ですか、その路線でずっと平成13年からかかわってきているわけだから、いわゆる密接な連携があったんじゃないかと思うんです。そういう面で、あとは沖縄県にも聞くことではあるんですけど、皆さん自身として本来国民の税金を使っておきながら、なぜこんなことが起こるんですか。では、聞きますけど一切皆さんとしてはこの工事確認のものについてミスはなかった、皆さんは適正な手続をやった、沖縄総合事務局としては適切な皆さんなりの法令なり規則に基づいて、適切な工事確認検査も行って補助金の確認通知も確認もちゃんとやっていたというふうに理解をしているんですか。

○中野則夫参考人 結果としまして、今回の案件、私どもの検査では見つからなかったということで、そういうところからしますと、100%完璧な検査ができていたかというと、そうとは言い切れないと。先ほど言いましたように、いろいろ限界がありますので、その中で頑張ってやっておりますけれども、今後はより効率的、効果的に実施できるように、よりしっかりと取り組んでいかないといけないなというふうには思っているところでございます。

○前田政明委員 県が第三者委員会で、こういうふうに言っているんですよね。いわゆるこの不正の手段により補助金などの交付を受けるとは云々だけれども、これは見つからなかっただろうと、大丈夫だろうという認識があったということなんですれども、その前提では国の補助事業に対する皆さんの検査、工事確認検査などが極めて生ぬるい。そういう面で、沖縄県がこういう形でやれば事業者の責任だと。自分たちは国民の税金を交付したけれども、それで検査もしたけれどもということで、当然沖縄県の責任もこれから解明しますけれども、なぜこういうようなことが起こるのかと。そういう面では沖縄総合事務局としても工事確認の検査についてやはり気づくことは可能だったんじゃないかと。なぜ気づかなかったかということは、皆さんなりにこれは検証して、こういうことがあってはならないというふうにしっかりと示すべきではないですか。

○中野則夫参考人 沖縄県等が、生ぬるいとおっしゃっていることが、私どもにはなぜこのようなコメントをするのか理解ができないところがございますけれども、私ども、地方公共団体の方々は国庫補助事業でもしっかりと対応していただいているというのが基本かと思います。その中で、例えば工期を偽るような契約をされるのは、私どもも接するのは初めてでございまして、そういうようなのは基本的に自治体の方々も公務員の方でございますので、そういうことはないものだと。そういうところはある程度、そういうふうにやっていただけるものということを考えながら対応しております。そこのところは沖縄県にもしっかりやっていただかないと、私どもの検査、そこまですべてを見るということになりますと、とても対応ができないということになると思います。でも、私どもは先ほども申しましたように、できる限りしっかりと検査できるようにやりたいと思いますし、この間の検査、昨年12月に行いました検査でもそういう視点から見ておりましたので、新たに5件の案件も確認することができたということかと思っております。

○前田政明委員 もう一回ですけれども、皆さんは先ほどの工法の問題から含めて、細かい相談は一切受けていないということで理解していいんですか。

○中野則夫参考人 少なくともそういう資料は残っておりませんでしたし、担当もそういうことの相談を受けたことはないというように言っておりますので、それ以上のことはお答えできません。

○前田政明委員 検査については不十分であったけれども、これはまさか虚偽の契約云々をやるということが、前提であるということが確認できなかった理由は何でしょうか。

○中野則夫参考人 虚偽の契約をしていたところが、そこまで考えが至らなかったということは発見できなかった要因の一つではあろうかと思っております。

○前田政明委員 皆さんの国の現場と、県の現場とそういうなれ合い的なことはないですよね。

○中野則夫参考人 そういうことはないと思っております。

○前田政明委員 先ほどの虚偽の問題ですけれども、議会で刑事告発するべきではないかということで、質問したことに対して沖縄県の副知事は、補助金等不正交付及び不正交付に対する罰則の第29条で、偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受けという場合には云々ということで、ここで言うこの構成要件に当たる不正手段というものについて解説等によればということで、仮に不正手段が講じられても、もともと補助金などの交付を受ける資格のあるもの、ある事業に対して正当な金額を受理した場合は、補助金など不正受交付罪を構成しないものと解すべきであるということを述べて、結果的に刑事事件になると思っておりませんので、沖縄県として告発等の考えはございませんと本会議で答弁しているんですけれども、これについてはどのように皆さんお考えでしょうか。

○中野則夫参考人 ちょっと私その議会のお話を承知しておりませんけれども、そういう話があったとしたら、それは沖縄県としての立場でのお考えだと思いますので、私どもの考えで告発に至ったのは先ほど御説明したとおりでございます。

○前田政明委員 不正手段で補助金をもらったと。しかし、それは沖縄県が使ったから、別にこれは他のところが利用したわけじゃないんだから、まあいいんじゃないかと。何が不正になるのか、この補助金適正化法違反になるのかというような受けとめ方というのは一般的にもともと成り立たないですよね。

○中野則夫参考人 ちょっと適切にお答えできるかわかりませんけれども、補助金を受給する前に工事をやっておられて、その契約を工事が終わった後に契約されて、その結果として補助金を受給された。その過程では問題あるとわかっておられたというように私ども認識しておりますので、県の見解と違うところがあるのかと思います。

○前田政明委員 きょうはどうもありがとうございました。県だけではなくて、沖縄総合事務局も大変忙しいと思いますけれども、やはりこのことが起こる要因とは言いませんけれども、検査の問題含めて不十分な点もあったなということで、またこの点についても解明をしていきたいと思います。どうもありがとうございました。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 吉田勝廣委員。

○吉田勝廣委員 会計検査院からの照会で平成23年7月19日に沖縄総合事務局の照会があるんですが。そしてその回答として、平成23年8月23日に回答していますね。その回答というのは大体今ここで中野参考人が発言した内容ですか、大体会計検査院に回答したのは。

○中野則夫参考人 私どもが回答しましたのは、沖縄県がそれに先立って平成23年8月9日に回答されておりますので、その内容について異存がありませんという一、二行の回答でございます。

○吉田勝廣委員 そこで先ほどのいわゆる虚偽の契約の工期ですね。虚偽の工期は皆さんの資料からいっても、平成19年12月から平成20年12月と、大体約1年間実際の追加工事を実施しているわけですね。この虚偽の契約は大体2カ月ですよね。私は素人なんですけれども、皆さんが完了検査のときにはそういう契約文書等については審査するのか、しないのかお聞きしたい。

○中野則夫参考人 完了検査の段階ではそういう契約書の確認をするということでもありますし、その工期などは完了実績報告書に書いておるものですから、目にすることになるということでございます。

○吉田勝廣委員 それで、聞きたいのは約5億円弱の工事ですよね。5億円弱の工事を2カ月間で工期を完了することは、ぱっと見てできないんじゃないかと。だから、この1年間をかけて工事を完了するだろうと、もっとかかるかもしれない。だから、この契約書を見て、専門家ですから普通は変だということが普通ではないのかと思うのですが、この辺いかがでしょうか。

○中野則夫参考人 一般的に私がこの情報だけを接してみると5億円の工事をやるには2カ月というのは短いという感じは持ちますが、それを今回そのときの検査の中でどこまでこの案件について見られたのか、契約書までこの案件について見たのかどうか、そこは当時のことを確認しないとわからないところではございます。ちょっと一般的なコメントしかできません。

○吉田勝廣委員 先ほど前田委員からも質疑ありましたけれども、その契約書を見るのであったら、普通は大体工期を見るのだと思うんです。第一、5億円の予算を追加予算として交付しているわけだから。そこの契約がどうなっているかと。要するに完了検査ですから、工期があって完了しましたということがあるわけだから、その辺はやはり2カ月で5億円弱の工事はだれもできないだろうと、素人でも思いますから。だから、そこは専門家はそういうところは敏感にぱっと見て、大体変だと思うのが普通じゃないのかと思うのです。それが1つです。それと、そういうたくさんのいろいろな工事があって、その工期を見逃すとか、あるいはまた先ほど中野参考人からお話がありましたように、同じ公務員だからそういうことはないのかもしれないという思いがあって見逃したのかどうか。とにかくここがこの会計検査院の大きな指摘なんです。この大きな指摘だからこそ、ここは皆さんの言う完了検査の中で明らかに何らかの形ができなかったか、できたらよかったのにという感じはするんです。その辺が少し理解できない部分です。

○中野則夫参考人 結果として見ますと、私どもの完了検査でそこのところを明らかにすることができなくて、その後行われた会計検査のほうではそこのところが明らかになってきたということで、私どもの完了検査のところで明らかにできなかった、見きわめることができなかったというのは残念なことだったなというように思います。そういうところは反省をしながら、緑で先ほど示したようなところは工期のところもしっかり見て、やはり不自然なところがあるなというように見つかったということで、そういうところにも重点を置きながらしっかりと検査をしていきたいというように思っております。

○吉田勝廣委員 もう一つですけれども、工事の追加工事、本体工事から追加工事があって、47.2%という低入札。これがまた大きな原因であると。施工者と沖縄県が契約をできない。これは会計検査に書いているんですね。そうしますと、このWTOのいわゆる最低制限価格がないと。こういう入札制度については沖縄総合事務局として、どういうようにお考えになっていますか。

○中野則夫参考人 WTOに係るような工事については世界的にルールが決まっておりますので、その中でこの額以下ではだめだというような、そういうものは設定できないということになっているということになっていますので、それについて私の立場でどうこう申し上げることはできません。

○吉田勝廣委員 会計検査院もそれを指摘しているんですよね。いわゆる本体工事が低入札価格調査制度の調査対象になった工事と。47.2%であったためと書いてあるんです。あったために、沖縄県と施工業者が調整ができなかったと。会計検査院はそのことを指摘しているわけですよ、逆に。あったためと書いてあるのだから。そこのところと、例えば沖縄総合事務局でもWTOに係わる入札制度をしていると思うのですよ。先ほどの答弁からいうと大体80%以上が沖縄総合事務局の入札価格と聞いておりました。こういう制度は指導する側、あるいは国の役人としてはどういうものなのか、なかなか言いづらいと思いますけども、この辺どうなんでしょうか。

○中野則夫参考人 先ほど申しましたように、WTOについては私の立場でどうこう申し上げることは難しいと思っております。国の工事では先ほども申し上げたのですけれども、最低制限はできないですけれども、調査基準価格というのは設けておりまして、それより低くなれば私どもの積算と違うとこがあるということですので、そこのところ大分違っておってもちゃんと施工ができるかどうかというもを確認するということはやる制度になっております。そういうようなことがあれば、低くても問題なくできるかどうかチェックをした上で、工事に入るということはできるのではないかというように思っております。

○奥平一夫委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、委員長が沖縄総合事務局に午後の日程を確認したところ、これ以上の委員会対応は困難であるとの回答があった。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、参考人等に対する質疑を終結いたします。
 この際、参考人及び補助者各位に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり御出席いただき心から感謝いたします。
 中野参考人、野島参考人、與那嶺参考人、大城補助者及び川崎補助者、ありがとうございました。
 どうぞ御退席ください。
 休憩いたします。
     
   (休憩中に、参考人等退室)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 この際、知事への資料要求について、お諮りいたします。 
 休憩いたします。
   
   (休憩中に、資料要求項目、資料要求の仕方等について協議し、委員長の了解を得て議長を通して、知事に資料要求する旨の意見の一致を見た。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 知事への資料要求については、休憩中に御協議いたしましたとおり、識名トンネル工事契約問題について調査を行うため、別添一覧表のとおり、または、一覧表に項目を追加し、知事に対し資料の提出を求めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、知念正治政務調査課長より、前田委員より沖縄総合事務局に対する資料要求の発言について、行政実例においては、地方自治法第100条第10項に基づき照会をし又は記録の送付を求めることのできる団体等には国の行政機関は含まれないことが規定されている旨の説明がなされた。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 次に、今後の日程についてお諮りいたします。
 休憩中に、次回及びその次の委員会の開催日程について、御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、次回及びその次の委員会の開催日程等について協議し、本日の沖縄総合事務局の残り分について、次回9月25日に追加すること、また、次回は県の執行部の出席を求め質疑を行うこと。また10月11日には、大成建設等関係業者を参考人として出席を求め、議会運営委員会終了後に委員会を開催することについて意見の一致を見た。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 今後の日程については、休憩中に御協議いたしましたとおり決することとしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次回は、9月25日 火曜日 午前10時から委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。 



沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。


委 員 長  奥 平 一 夫