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識名トンネル工事契約問題調査特別委員会記録
 
平成24年 第 5定例会閉会中

6
 



開会の日時

年月日平成24年11月12日 曜日
開会午前 10 時 4
閉会午後 7 時 11

場所


第4委員会室


議題


1 識名トンネル工事契約問題について


出席委員

委 員 長  奥 平 一 夫 君
副委員長  前 田 政 明 君
委  員  具志堅   透 君
委  員  桑 江 朝千夫 君
委  員  座喜味 一 幸 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  仲 村 未 央 さん
委  員  新 里 米 吉 君
委  員  新 垣 清 涼 君
委  員  嘉 陽 宗 儀 君
委  員  吉 田 勝 廣 君
委  員  金 城   勉 君
委  員  當 間 盛 夫 君
委  員  大 城 一 馬 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

参考人
 日本工営株式会社
  管理技術者(当時)  武 藤 真 澄 君
  担当技術者(当時)  柴 田 善 央 君

 一般社団法人 日本建設機械施工協会 施工技術総合研究所
  照査技術者(当時)  亀 岡 美 友 君
  担当技術者(当時)  安 井 成 豊 君

補助者
 日本工営株式会社
  交通運輸事業部長   山 手 弘 之 君



○奥平一夫委員長 ただいまから、識名トンネル工事契約問題調査特別委員会を開会いたします。
 識名トンネル工事契約問題についてを議題といたします。
 ただいまの議題につきましては、10月11日の本委員会において、日本工営株式会社及び社団法人日本建設機械化協会、現一般社団法人日本建設機械施工協会の職員を参考人として招致することが決定しております。
 本日は参考人として、平成18年度及び平成19年度当時、日本工営株式会社沖縄事務所の管理技術者であった武藤真澄氏及び同担当技術者であった柴田善央氏、並びに社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所の照査技術者であった亀岡美友氏及び同担当技術者であった安井成豊氏に出席をお願いしております。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人着席。その後、参考人から申し出のあった補助者の出席及び説明について協議した結果、申し出どおり出席を認めることで意見の一致を見た。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 参考人から申し出のあった補助者の出席につきましては、休憩中に協議したとおり取り計らうことに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、補助者着席)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 参考人及び補助者の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 この際、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人等に対し質疑を行うことにしております。
 参考人等が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、議題の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人等の説明を聞く場でありますので、参考人等が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 なお、参考人から本委員会の録音について申し入れがありましたので、許可することといたします。
 それでは、武藤真澄参考人、識名トンネル工事契約問題について簡潔に御説明をお願いいたします。

○武藤真澄参考人 識名トンネル工事契約問題に関しまして、当社が建設コンサルタントとして識名トンネルとどのようにかかわったか、その経緯や内容について、以下、御説明いたします。最初に、当社は平成2年ごろから識名トンネルに関する測量調査、設計等のコンサルタント業務を受注してまいりました。具体的には、トンネル本体の予備設計、詳細設計、水文観測、環境調査などでございます。ここでは、今回の議題である識名トンネルの工事契約問題に直接関係する平成16年度と平成19年度の2業務について御説明いたします。最初に、平成16年度識名トンネル修正設計業務、これは契約工期が平成16年8月19日から平成17年3月21日でございました。この業務は平成9年度から平成10年度にかけて一度実施しました詳細設計に対しまして、主にトンネルのコスト縮減を目的としましたトンネル断面を縮小したり、トンネル掘削時の補助工法を新しいものに変更するというような詳細設計を再度行ったものでございます。平成9年度の詳細設計で中央導坑方式を選定しておりましたが、平成16年度の業務でも再度、中央導坑方式と無導坑方式の比較検討を行いまして、工事費、工期では若干劣るものの、地表面への影響で有利となる中央導坑方式を推奨いたしました。また当時、無導坑方式の実績が全国で二、三例しかないというところで、沖縄県内での施工実績もなかったということから、工法選定の上でそのあたりを考慮して業務を進めました。平成17年度から平成18年度にかけては、工法変更にかかわる業務、あるいは問い合わせ等はいただいておりません。平成19年度になりまして、識名トンネル仮称設計業務委託というものがございました。契約工期は平成19年5月2日から8月30日という期間でございました。この業務は掘削工法が無導坑方式に変更されたことに伴いまして、平成16年度の識名トンネル修正設計業務の設計図面の計算を修正した業務でございます。平成19年4月に南部土木事務所から、工法変更に伴う修正設計の見積もり依頼をいただきました。平成19年5月8日に着手の打ち合わせが行われております。このとき、南部土木事務所の御担当から、無導坑方式での修正設計への指示を受けております。この段階で、施工技術検討委員会というものが開催されて、中央導坑方式から無導坑方式へ変更になったこと並びに工法変更に至る経緯を知らされております。本業務では施工技術検討委員会で提案、承認された工法、仕様について、発注者様からの指示をいただいて、工事実施に必要となる設計図面、数量計算、サイクルタイム計算等の修正作業を行いました。なお、修正内容を正確に早く理解するために、平成19年に行われました5月25日と9月19日の2回の施工技術検討委員会には傍聴者として参加させていただきました。本日は、平成16年度と平成19年度の2つの業務に管理技術者としてかかわっておりました私武藤と、担当技術者としてかかわりました柴田、それから両名が所属した部署の当時の部長でありました山手で出向いております。どうぞよろしくお願いいたします。以上です。

○奥平一夫委員長 参考人からの説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより参考人等に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
前田政明委員。

○前田政明委員 日本工営株式会社は平成2年、平成5年、平成9年、平成16年、識名トンネルの設計を、こちらでわかる範囲では9899万円の金額で中央導坑方式の設計を完了しておりますね。その工法変更を―まず最初に、冒頭ですけれども、皆さんの仕事の経験で入札して、落札して、工法がこのように大幅に、皆さんの完成品が否定されて工法が全く変わるということは、皆さんの仕事のやり方としてはたびたびあることなのですか。

○武藤真澄参考人 設計後の受注業者からの提案といいますか、VE提案というのですが、工費が安くなるとか工期が短くできるとかという御提案の中で、工法が変わることはあると聞いたことがございます。

○前田政明委員 これまでに中央導坑方式から無導坑方式にというように、皆さんは数多く仕事されている中で、具体的にあるのですか。

○武藤真澄参考人 ございます。

○前田政明委員 何件ぐらいありますか。

○武藤真澄参考人 私が知る限りでは、少なくとも2件か3件ぐらいございます。

○前田政明委員 具体的に質疑したいと思います。貴社の設計の工法が変更されることはいつ知ったのですか、誰から知らされたのですかということをまず、そちらからお願いします。

○武藤真澄参考人 平成19年の修正業務の見積もり依頼というものが同年の4月にございまして、南部土木事務所の御担当から電話でいただいた中で、見積もり条件というものがございますので、その条件を確認する中で知り得ました。

○前田政明委員 その担当者の名前は何というのですか。

○武藤真澄参考人 多分記憶ですけれども、玉城さんだったと思います。役職は、はっきり覚えておりませんが。

○前田政明委員 その方から最初に工法変更について知らされたということで、その日にちは、いつごろですか。

○武藤真澄参考人 日にちまでは、はっきり覚えておりませんが、4月の上旬から中旬にかけてだったと思います。

○前田政明委員 工事中止、平成19年1月11日から第1回識名トンネル(仮称)技術検討委員会開催、平成19年2月8日の1カ月足らずの間に、社団法人日本建設機械化協会から設計の中身について相談、聞き取り、資料の提供などがありましたか。

○武藤真澄参考人 平成18年の後半、施工業者が受注されてから、その年度末までの間には全くございませんでした。

○前田政明委員 社団法人日本建設機械化協会から、皆さんが成果品として納めている資料に対して説明を求めるとか、また、参考の御意見を聞くとかということは全くなかったのですか。

○武藤真澄参考人 全くございません。

○前田政明委員 全くないということは、いつごろまでないということですか。

○武藤真澄参考人 4月の段階で見積もりの依頼をいただきまして、その正式な文書での見積もり依頼が4月26日に来ております。見積もり自体は4月27日に提出しまして、5月から作業に取りかかっております。5月8日に着手の打ち合わせということで県に出向きまして、その場で社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所-施工総研がいらっしゃいましたので、正式にはそこで認識したということになります。

○前田政明委員 着手の打ち合わせというと、工法変更された後ですか。それともその前でしたか。

○武藤真澄参考人 工法変更自体は見積もり依頼をいただいたときに聞かされておりましたので、その後だと認識してございます。

○前田政明委員 繰り返しになるかもしれませんが、第1回識名トンネル(仮称)技術検討委員会で工法の変更が確定したと。中央導坑方式から無導坑方式に、それを知ったのは具体的にいつですか。

○武藤真澄参考人 5月8日の段階でございます。

○前田政明委員 私もずっと見てきて、皆さんが平成2年ごろからかかわってきていますよね。かかわってきている中で、日本工営株式会社の工法の決定の理由、工期とか経済性とか、無導坑方式に劣るものの本トンネルの計画上の環境から、地表の沈下とか、それを抑えるという面で中央導坑方式を選択すべきだということがひっくり返されましたけれども、これに対して皆さんとしては、どのような考えと申しますか、そういうことに対してどのように考えていますか。

○武藤真澄参考人 私どもの最初の設計が平成16年の成果だと考えております。それが工事発注につながっておりますので。その当時は無導坑方式というものが非常にまれであったということと、識名トンネル自体が、地表面が非常に市街化された地域ですと。数例で始めていた無導坑方式というものが、地表面に余り支障物がないような地域で採用されておりましたので、類似の実績がない中で進めるのは冒険的なところがあるなということと、もう一つ我々が設計の中で考えなければいけないことが、工事発注のときにいろいろな会社が経験がある、汎用性のある工法を選んでいかないといけないという性格のものがございまして、その辺を加味しますと、そこへいきなり無導坑方式の設計をするということは時期尚早かなということで、平成16年のときは設計を終えておりました。その後に沖縄県内でも、皆さん御存じだと思いますけれども、豊見城トンネルですとか比屋根トンネルですか、中部土木事務所でされておりました。そういった事例が同じ地質の中でふえてまいりましたので、その工事のいきさつをもとに、識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中で有識者が議論されての変更だったので、それなりに裏づけを持って、地表面に余り影響がなかったというところが確認できれば、変更してもやぶさかではないのかなという印象を持っておりました。

○前田政明委員 皆さんが長年かかわってきた、最初からずっと地質調査を含めて全部やってきていますよね。それで完成品で中央導坑方式で落札したと。その後に先ほどありました、大成建設株式会社は無導坑方式の実績がないということを参考人でお呼びしたときに答えているのですが、皆さんは中央導坑方式でやってきたと。大成建設株式会社もそれで資材やその他を全部準備してきたと。それが工法変更の中で突然変わってくると。先ほどお話がありましたように、そのような状況の中で、大成建設株式会社も無導坑方式の経験がないという状況については、皆さんはどのように思いましたか。

○武藤真澄参考人 大成建設株式会社の経験のあるなしは、私は承知しておりませんでした。平成19年5月8日の初回打ち合わせのときには、先ほど申し上げた施工総研とともに、大成建設株式会社も同席されまして、そこで前年度の識名トンネル(仮称)技術検討委員会を受けて、どういう修復材で、断面はどのような形でという資料を、大成建設株式会社なりに検討されたものも持っておられたので、それで実行可能だという判断が既になされていたのだと受けとめております。

○前田政明委員 沖縄県は日本工営株式会社が識名トンネルの設計で、1億円近くの設計費をかけて検討してきたと。それも最初からかかわってやっていますよね。それを、わずか2時間ほどの識名トンネル(仮称)技術検討委員会で工法変更されたと。このことに対しては、皆さんとしては納得したのですか。

○武藤真澄参考人 その2時間ほどのというものが、平成18年度末の2回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会だと思うのですけれども、それに関しては、私どもは関与しておりませんので何とも言いづらいところですけれども、その後の識名トンネル(仮称)技術検討委員会を傍聴させていただいた中では、先ほど申し上げました近傍のトンネルの実績といったことをよりどころにして議論がなされておりましたので、特に変更自体は、地表面に余り影響なくできる可能性もあるのかなというように受けとめておりました。

○前田政明委員 皆さんが長年かかわってきたことが変わったと。しかし、その中で先ほど平成19年度の修正設計を引き受けていますよね。なぜ引き受けたのですか。

○武藤真澄参考人 設計自体が、見積もり依頼のときにきちんと確認させていただいた作業内容が、工法を裏づける仕事は別としまして、その決定後の図面作成なり、数量算出なりという義務的な業務だということでありましたので、お引き受けいたしました。

○前田政明委員 結果的に無導坑方式―皆さんは中央導坑方式で仕上げてきましたね。それが識名トンネル(仮称)技術検討委員会というところで、結論的にはほんの1日のわずかなときに、大成建設株式会社もオブザーバー、皆さんもオブザーバーで参加して、それで工法が変わると。私は工法が変わったことは、皆さんがやってきた仕事そのものが否定をされたのに、なぜまたそれと違う、無導坑方式の図面も含めて仕事ができるように―そういう面では素人的には少し考えにくいのです。皆さんがやって、それで落札までして、大成建設株式会社も予期していなかったと。そういう中で、先ほどの1096万2000円で、無導坑方式の工法変更の仕事をされたということはどういうことなのですか。

○武藤真澄参考人 無導坑方式が経済性ないしは工期短縮のために寄与するということは、平成16年の設計のときから認識しておりまして、そういう研究も徐々に進められておりましたので、補助工法等の技術が発達すればそういう方向に行くであろうことは、ある程度予想はしておりました。一番心配されましたのは、やはり地表面への影響ですので、市街化された識名トンネルの状況の中で、より確実性のある工法を平成16年度のときは選んだつもりでございます。それが技術の発達に伴って変更なされたということの中で、修正設計をお手伝いさせていただいたということです。

○前田政明委員 この識名トンネル(仮称)技術検討委員会の資料では、皆さんが出した平成17年3月、日本工営株式会社より抜粋ということで、14-A-32ですが、ここでは工期も短くなるとか経費も安くなるとかありますね。これを皆さんは全く反対の見解―中央導坑方式のほうがすぐれているのだということが皆さんの見解でしたよね。そういう比較の中で、結果的には皆さんとしては工法変更がなされたことに対する、傍聴していての感想といいますか、そこはこのようなことを議論されている中で、反論とか、そうではないとか、我々はこうしたのだという、皆さん自身が仕上げたことに対して、そうではないのだとか、ここですぐれているのだとか、こういうことは言えなかったのですか。

○武藤真澄参考人 識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中では、我々はオブザーバーですので発言の機会はございませんでした。
 比較の段階で、経済性と工事工程の面からは無導坑方式のほうが有利だと。しかしながら、地上面沈下に対する抑制効果というところで、中央導坑案が有利という判定をしてございます。

○前田政明委員 戻りますけれども、先ほど皆さんは結局無導坑方式の構造計算、設計報告から図面作成までやっていますよね。皆さんはこれまで社団法人日本建設機械化協会と今回のような仕事をしたことがありますか。

○武藤真澄参考人 私どもで設計したトンネルの自治体の施工指導のような形で、社団法人日本建設機械化協会が参画されて、何回か三者協議といいますか、設計者と施工段階での合同協議のような形での面識はございます。

○前田政明委員 社団法人日本建設機械化協会というものは、建設機械の試験、調査、開発が中心で、結局皆さんがやっているようなトンネル工事の設計受注、最初から最後まで仕上げる仕事ではないのですよね。あそこは仕上げていますか。

○武藤真澄参考人 そういった詳細なところは存じ上げません。

○前田政明委員 私が聞きたいのは、結局皆さんは中央導坑方式を否定されたと。しかし、それにもかかわらず、無導坑方式の構造計算、設計報告、図面作成、仕事ができるような方向で手伝ったと。そうすると、社団法人日本建設機械化協会は、後の工事の施工管理、また、ちょっとした工事の途中の技術的な助言というようなものが主な仕事で、日本工営株式会社みたいに最初から調査しながら、そして工法、施工を含めて、一貫した仕事をするところではないのではないかと。なぜわざわざ皆さんが、自分たちが出した中央導坑方式がひっくり返されている中で、そこまでやるのかなということが非常に不思議なのです。そこはどうなのですか。

○武藤真澄参考人 業務のかかわり方というものは、いろいろなパターンがありますので何とも言えませんが、そういった施工管理とか指導をしていく中で、地質調査結果ですとか、そういうものも含めて評価はされているものだと思っております。

○前田政明委員 結局皆さんは、無導坑方式になると工期が短縮されて、経費も安くなるというような方向では納得したわけですか。

○武藤真澄参考人 先ほども申し上げました、最近になってふえてきた無導坑方式の事例、そういったものを見ますと、やはりコスト縮減とか工期短縮ということの実績が多うございますので、専門誌とかでもそういうことは紹介されております。我々もそういう時代に入ってきたのだという認識は持っております。

○前田政明委員 今回は工法が変わったことですごいトラブルが起こって、結果的には10億3900万円、金額にするとふえています。そして工期も、実際上今回の識名トンネルは、皆さんが考えているとおりにいっているのですか。要するに当初の、工期は短くなる、経費は安くなるというように、日本工営株式会社としてもいろいろ仕事をしてきて、そのようになったという理解なのですか。

○武藤真澄参考人 工法変更自体が直接的に新たな工費増につながったのかどうかということは少し疑問―詳細を聞いておりませんのでお答えしかねます。

○前田政明委員 26-8の資料をぜひ見てほしいのですが、中央導坑方式から無導坑方式に変わったということで、大成建設株式会社からの変更のものがあるのです。

○武藤真澄参考人 今ぱっと見ただけでは何とも言いづらいですが、私どもの修正設計は、識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中で提言された仕様、部材をもとに修正の設計を進めていったという業務内容なので、この工費に関しては積算等を県でされていますので、何ともお答えしかねます。

○前田政明委員 皆さんがみずからの中央導坑方式を否定されたのにもかかわらず、先ほどの構造計算、設計報告から図面作成までやっていると。これは結局、社団法人日本建設機械化協会の仕事の中身としては、そのような一貫した仕事はないのではないかと。それと同時に、皆さんが出したことに関して、大成JVは平成19年8月に工法において工事費を比較したら、これだけふえますというものを出しているのです。そして、具体的には何にかかるかというと、例えば吹きつけですよね。無導坑方式によって、最初の圧力が加わったらいけないのでということでの、セメントの倍の使用のものとか、そういう形で結果的には10億3900万円ふえた格好になっているのです。そこについてはどのような認識ですか。

○武藤真澄参考人 私どもが修正前に持っていた認識としては、無導坑方式に適した地質のところへ適用した場合には、工費が安くなったり工期が縮減できたりということでございます。その無導坑方式に適しているのかどうかということは、識名トンネル(仮称)技術検討委員会で評価されたものだと認識しております。

○前田政明委員 具体的に26-8の吹きつけが、当初のものと比べると、4億5700万円吹きつけだけでふえているのです。安くなるべきものが。要するに現場ではそういう形でこれだけふえますよという形で、この段階で5億9000万円経費がかかるということを出しているのです。ここは皆さんの出した修正関係の資料とそういう方向とはどうなっていますか。

○武藤真澄参考人 我々が当時比較した概略の設計というものは、吹きつけコンクリートの強度まで差をつけた―どれだけの差が必要かという構造的な検討まで含めた比較ではございませんでしたので、全体としてコスト縮減になるのかどうかという大まかな比較でございました。

○前田政明委員 工事再開に当たり、大成JVより工法変更をすると約6億円の増額を提示されたと。日本工営株式会社が受託した工法変更設計と同じ時期なのです、この相手が出している資料は。ということは、皆さんとしてはこのようなことは想定していなかったということですか。大成建設株式会社から工法変更に伴うものに基づいて出されたら、結局は先ほど言った無導坑方式に適しているところであれば経済的に云々ということがありましたけれども、ここに吹きつけコンクリートを約倍にして、4億5700万円要るのだということは、大成建設株式会社が勝手に書いているもので、皆さんとしてはその必要はないと理解しているのでしょうか。

○武藤真澄参考人 必要がないということではなくて、費用的な御相談は全く受けておりませんでしたので、全体としてコスト縮減につながるという方向性の中で、構造検討が行われていったものだと考えておりました。

○前田政明委員 その構造検討の中で大事なのは、中央導坑方式は地盤沈下にすぐれていると。ところが無導坑方式の場合はいろいろあると。それを避けるために現場では、何度も言いますけれども、コンクリートを立方360キログラム―これを450ですか。このようにふやさざるを得なかったと。これは構造的にトンネルの安全やその他の工事を変更した場合に必然的に起こることだということで、大成建設株式会社は増額していると思うのです。皆さんとしてはそのような構造設計―構造計算、設計報告、図面作成をしてこのようにしたらどうかという立場からすると、このようなことは想定しなかったのですか。

○武藤真澄参考人 個別の構造強化自体は必要な部分はございます。ほかにも工期が短くなることによる仮設備の損料の短縮ですとか、もろもろ縮減につながるものもありますので、こういう一つ一つの比較を―構造的な話をすればこういう部分もあるということは否定できませんけれども。

○前田政明委員 ということは、安くなるのではなくて、皆さんが出したそれは工事費としては高くなるということになるのですが、皆さんが出したものというものは全く実情に合わないということなのですか。そういうものを出したのですか、皆さんは。

○武藤真澄参考人 平成16年のときの比較の設計の中では、事例に基づいて概略数量を算定して比較しておりましたので、個別に吹きつけコンクリートの単価とか、こういったことに関しては平成19年の識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中で詳細に決められていったということで認識しております。

○前田政明委員 大成建設株式会社より、工法変更があったと。約6億円増額すると。そうすると、皆さんは社団法人日本建設機械化協会と合同して、先ほどの仕事を引き受けた関係で、果たしてそれはどうなのかということを僕は、皆さんの責任としても、本当にその約6億円が要るのかと、そうではないのではないかというような検討をする必要があったのではないかと思いますが、そこはどうですか。

○武藤真澄参考人 無導坑方式が適した地質かどうかというところです。そこの判断というものが、やはり近傍の施工事例に基づくものだと考えております。当時、私どもはその近傍の2トンネルの施工状況といったものを詳しく存じ上げる立場になかったので、その挙動を追跡されたデータをもとに議論された識名トンネル(仮称)技術検討委員会の御意見というものは尊重すべきだと考えておりました。

○前田政明委員 本来でしたら、皆さん自身がつくったものがそのようになっていると。工法変更などを含めて日本工営株式会社がずっとかかわってきたと。当然、素人的には社団法人日本建設機械化協会ではなくて皆さんが、最後までこの仕事を施工管理まで含めてやるのではないかと思ったのです。ところがこれが特命随意契約ということで、特命随意契約という理由が、最近の新たな技術を導入した実績云々と、これに対する経験等があり、また識名トンネルと同じ地質云々ということで、これは別の委員会でもやったのですが、日本工営株式会社も無導坑方式の実績があるわけですよね。そういう中で、こういう形で、私どもにすれば突然、社団法人日本建設機械化協会が出てきたと。それも大体仕事は部分的な修正、運営で、基本的に最初からの地質調査から全ての部分の仕事にかかわっているとは見られないわけです。そういう面でお聞きしますが、私は特命随意契約ということで、見積もりも数社からとらないということをやったことに対して、皆さんとしては率直に、どのように感じているのですか。

○武藤真澄参考人 私どもの会社を高く評価していただいたことはありがたいと思います。かかわりが持てるのであれば施工管理も含めてかかわっていきたい気持ちは当然ございますが、先ほども申し上げましたように、今回の事案に関しては、近傍でのトンネルの実績を踏まえてジャッジメントをするべきものだと考えておりますので、これは豊見城トンネルなり比屋根トンネルの施工にかかわっていらっしゃった組織が、識名トンネル(仮称)技術検討委員会でやりくりしていただいたことに対しては、当然のことではないかと考えております。

○前田政明委員 識名トンネルに関しての地質調査その他全体的な流れを含めて、一貫してやってきたのは皆さんのほうだと理解していいですか。

○武藤真澄参考人 多くはそうでございます。

○前田政明委員 不思議なことに、そういう形で先ほどありました地質の状況をよく知っていること、すなわちそれは識名トンネルではなくて、豊見城とかその他の同じ地質の状況について知っているところという理解ですか。この識名トンネルの地質構造その他について一番かかわってきて、一番これについて知っている会社というものはどこになるのですか。

○武藤真澄参考人 一番というのは、何をもって一番というかはあれですが、私どもはかなり、識名トンネルに関しては長くかかわってきたと思っております。ただ、先ほども申し上げた今回の事案については、同じ地質の挙動というものをよそで把握されていた社団法人日本建設機械化協会のノウハウも必要だったと考えております。

○前田政明委員 どうして必要だったのですか。

○武藤真澄参考人 この識名トンネルは、冒頭からお話ししていますように、地表面に非常に市街化された支障物が多くございましたので、その沈下抑制に対して、工法変更がどのように信頼度を持てるかというところのジャッジメントは、同種の地質の類似の状況から推定することが、一番裏づけとしては確実性が高いと考えたからでございます。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新里米吉委員。

○新里米吉委員 平成2年ごろから識名トンネルに対するコンサルタントにかかわってきた、そして平成9年から平成10年まで詳細設計をした、その詳細設計は古いからということで、平成16年から平成17年にかけて、修正をすべく県からも集められて、その検討をしていますね。どうですか。

○武藤真澄参考人 おっしゃるとおり検討はしております。

○新里米吉委員 皆さんはその間あるいは平成16年から平成17年にかけて、県から最新の工法も含めて検討をしてくれと。それまで皆さんは中央導坑方式ということを言ってきて、いわゆる最新の工法というのは無導坑方式も含めて検討してくれと。そういう中にあって識名トンネルについて現地調査も何回かやっていますね。そして、現地調査も何回かやって、検討した結果、中央導坑方式、無導坑方式を含めて検討した結果、皆さんは中央導坑方式として決めたのですよね。

○武藤真澄参考人 平成9年から平成10年の詳細設計と、平成16年度の設計では中央導坑方式を選んでおります。

○新里米吉委員 県は変更するときにはコストとか安全面とか騒音とか工期とか、無導坑方式が全部すぐれていると。だったら最初から無導坑方式であるべきであって、しかも皆さんに検討をもう一度お願いをして、それでも中央導坑方式になった理由は何ですか。平成16年に検討を要請されてやっているでしょう。皆さんだけではなく、何社か集められているでしょう。その中で皆さんが選ばれたわけで。要するに皆さんはこの間、平成2年から県から業務を受注して、平成9年から平成10年にも出して、それに対して県は再度検討してくれと言っているわけです。平成16年から平成17年にかけてやったわけです。そのときには最新の工法も含めて検討してくれという要請を受けて、そして検討した結果、その間何回も現地調査もして、しかし皆さんはそれでも中央導坑方式と決めたわけです。どうしてですかと聞いているのです。

○武藤真澄参考人 先ほども申し上げましたが、地表面の市街化された状況の中で信頼度がより高いと判断したからでございます。

○新里米吉委員 要するに県が言うように、全ての面で無導坑方式がいいということを皆さんは長い間調査もしながら、平成2年からですから、10数年もかかわってきて、中央導坑方式のほうが安全面ではすぐれているだろうと。この状況、この識名トンネルの地質や状況から判断して、中央導坑方式のほうが安全面から言ってすぐれていると。無導坑方式はこれは冒険だと、先ほども言っていましたが、そう考えたわけでしょう。

○武藤真澄参考人 やはりこの地質的には島尻層泥岩という種類なのですけれども、これがスレーキングといいまして、空気に触れるとかなり強度が落ちる地質でございますから、そのあたりを加味しながら施工方法は決めなければいけないなと考えておりまして、一方ではそういう判断をしたということと、もう一つはその新しい工法自体になれた施行業者は少ないだろうというところで、公共入札の観点からそういう特殊な工法はまだ導入するのは時期尚早だという判断はしております。

○新里米吉委員 安全面でどうなのだろうということと、しかもその中央導坑方式をやっている業者は少ないだろうと。まさに少なかったわけです。大成建設株式会社はこれをやったことがないと言っているわけだから。皆さんの平成16年から平成17年にかけての検討結果は決して間違いではなかったわけです。ですからそれを無理して、擁護しようとするから矛盾が出てくるのであって、これは中央導坑方式から無導坑方式にやるのが正しいとか、何とかではなくて、契約書の中で皆さんは―受注者と県とは契約を結んでいるわけでしょう。契約書の中で受注する側、県の側、甲から乙に変更の要請があるときにはそれを受けることになっているでしょう。それが大きな要因であって、契約書で変更要請があったら変更することになっているのです。そうなっているでしょう。どうなのですか。

○武藤真澄参考人 もちろん契約書でそういうことがうたわれていれば変更することになると思います。

○新里米吉委員 だから契約書でそれがうたわれているから皆さんは先ほどから言っているように、中央導坑方式はいいのだと、県から再度検討を求められてもそれをそうしてやったのに、変更せざるを得なかったのは契約書では県から言われたら変更するようになっているから、それが原因であって、先ほどの話からでは無導坑方式がいいと思ったからやったということにはならないでしょう。

○武藤真澄参考人 平成16年度のときは新しい工法も含めて検討してほしいということで、比較をした上で中央導坑方式を選んでおります。平成19年度のほうは沖縄県との契約では工法変更の判断自体は受けておりませんで、無導坑方式案に対する図面数量、その施工計画というのは工法変更の判断ではなくて、工事工程を算出するという部分でございます。そういう技術的な判断は含まれていないものだと思っております。

○新里米吉委員 安全面で無導坑方式よりは中央導坑方式がいいと思って県から再検討を求められても中央導坑方式を採用した。業者もそれになれている業者はほとんどいないだろうと。それもそのとおりであった。工期とかコストとかも言われているが、非常にわかりやすいことで工期は延びることは皆さんわかっていたのではないですか。非常にわかりやすい話で工法変更で設計変更するために7カ月近くかかっているでしょう。かかっていませんか。

○武藤真澄参考人 この7カ月かかったという事実は今の段階ではあるのでしょうけれども、平成19年度の修正設計の中では、そういう工法変更のお手伝いをするということが契約の内容になっておりまして、私どもで工期をとめるとか、延ばすという判断をしたわけではございませんので。

○新里米吉委員 皆さんで延ばすという判断をしたかとは聞いていないのです。要するに契約を終わってから工法変更をされて、設計をやり直さざるを得ない、当然、中央導坑方式から無導坑方式に変えろと言われたら設計を変更しないといけないというのは、設計をしている皆さんはよく存じているわけです。当然、時間がかかることも存じている。そうすると工期が延びるのもはっきりしている。7カ月中断しているのです。これは変更することによって工期が短縮されるどころか、延びることは我々素人でも常識的にわかることなのです。これがどうして工期短縮になるのですか、皆さんもこれを存じていたのでしょう。だから先ほどからごまかすなと言っているのです。

○武藤真澄参考人 私たちはその定められた工期の中で仕様に沿った設計をお手伝いしているわけで、その工期が延びるということは、私どもの範疇からは外れると考えております。

○新里米吉委員 県が皆さんにそれを要請してやらざるを得なかった。皆さんはそれは当然、数カ月かかるであろうというのは予期していた。ということは安全面でも問題があると思っていたし、そして工期も延びると。むしろ県が言う工期が短縮されるから変更するのではなくて、工期はかえって延びてしまうということは皆さんも日本工営株式会社としてもわかっていたと。これは皆さんの責任ではないです。それは発注側に問題があるわけだから、そういうことは皆さんもわかっていたということではないのですか。

○武藤真澄参考人 私どもで認識しています工期というのは、施工業者が工事に取りかかってから終えるまでということで認識してございますので、工事中止をしていた期間とかそういうもので延びた期間というのは、工期の延長ではないのかなと思います。

○新里米吉委員 工期の中断は入れないでの話だと。実際には工期の中断が起こる、受注して工事が始まったら、途端にすぐとめられて、何カ月も待たされるわけですから。これは計算に入れていませんというのは実態と合わないわけで、それは詭弁でしかないから怒っているわけです。それで実はおもしろいことがあるのです。委託業務等成績評定表で皆さんに変更を要請した平成16年から平成17年にかけての評定表は、物すごく高く評価されています。県から高く評価されています。これはもう見る時間はありませんが、14―2―9から14―2―11、14―2―12、14―2―13に書いてありますが、満点に近い、90点以上は優秀と言っていますが満点に近いのです。なぜかわからないけれども、その後もう一回中央導坑方式から無導坑方式に変えたときの評価は非常に低くなっていまして、71点になっている。これは普通になっています。むしろ県も皆さんの中央導坑方式の設計について平成16年にもう一回やってくれと言われたときの設計、成果品について高い評価をしていたということになるのです。これが何でこんなに高い評価をしていたのに、そのとおりやらなかったのか。私たちも非常に疑問に思っているわけですが、そういう意味では、先ほどからの話でもコスト低減にもならないし、長期間中断もせざるを得なくて、工期はむしろ延びてしまうし、安全面でも疑問があって、しかも追加工事もそこら辺の部分でやらざるを得なくなったという実態があったと。この実態については理解はしておられますか。

○武藤真澄参考人 新聞報道等で言われております範囲内で実態把握はしておりますが、詳細に何にどれだけ物事が必要になったかというところは存じ上げておりません。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 今、皆様方、日本工営株式会社の云々という質疑がありますけれども、これはあくまで発注者は県ですから、皆様方に対して責任追及とかそういう問題ではないですから。大丈夫です。心配しないでください。
 この中央導坑方式から無導坑方式に変わりますが、確かに全国的にも二、三例ということですが、現状はどうでしょうか。

○武藤真澄参考人 現状ですと五、六件以上はあると思います。

○照屋守之委員 五、六件といいますと、全国と比較ですよ。全国的に無導坑方式に工法がシフトしてきたという、そういうこともあるのですか。

○武藤真澄参考人 傾向としては無導坑方式がふえています。

○照屋守之委員 これはやはり皆様方のようなコンサルタント、いろいろな設計を担当するという、中央導坑方式とあるいは無導坑方式、それぞれの企業がそういうノウハウを持っていますよね。それをそれぞれの発注者にいろいろな営業展開をしてきて、無導坑方式がより有利な工法として活用されるという、そういう営業展開があってのこういった形になっていますか。

○武藤真澄参考人 一番最初のきっかけ的なものは、やはり工事を受けたコントラクターの技術提案的なところで無導坑方式を提案されて、コスト削減なり、工期短縮につながりますという御提案で実績がふえてきたのがきっかけだと思います。最近は、その中でどういったところに補強を入れなければいけないかと、そういったノウハウや解析の技術が発達してきまして設計段階からも無導坑方式の御提案ができるようになってきたと考えております。

○照屋守之委員 我々沖縄では、特にそれぞれの県単独のトンネル工事とかが実績的に少ないわけです。国の動向とか工法については、先ほど言いました豊見城のトンネルや比屋根トンネルなど、国が発注する全国的な傾向によって沖縄県の工法も考えていくと。私から見るとそういった動向かと思いがありますが、やはり国の発注機関の動きや実績、アドバイスなどそういうようなものは工法変更―無導坑方式については影響があるのですか、どうでしょうか。

○武藤真澄参考人 国のほうでやっている事業が参考になることは確かにそうですが、この無導坑方式に関して言いますと、国で直轄でやっている事業は余り多くはございません。専門誌における施工実績、そういったものを参考にしながら進めていくような形をとっています。

○照屋守之委員 この識名トンネルにつきましては、私は豊見城トンネルの実績、あれは沖縄総合事務局がやっていますよね。そういうものが非常に大きな影響を与えているという感じがしますが、どう見ていますか。

○武藤真澄参考人 豊見城トンネルは地表面に、坑口の背面に家屋が建っていたというように聞いておりますので、そこでの実績が一つ重要なファクターになっているのかと思います。

○照屋守之委員 この識名トンネルの場合は上に住宅がある、送水管があるとかいろいろなものがあって、これまで皆様方が中心にやってきた工法をこのように変えるとかというような別の動きがあって、結果的にそういうようになったのかという思いをしています。住宅地など、いろいろなものを含めて再度、皆様方が提言した部分と中央導坑方式とを照らし合わせて、どちらがいいのかということを検討した結果、工法が変わったのかという思いがしますが、この点につきましては、どうでしょうか。

○武藤真澄参考人 やはり識名トンネルの地表面の市街化状況、大型のマンションも建っていますし、地表面の沈下の量と変形角度、相対変化、そういったものが影響がないようなところにおさまるのかどうかという判断が非常に重要だったと考えております。そのあたりを坑口の直背面に住宅を背負った豊見城トンネルの挙動を参考にしながら、学識者の方々に判断いただいた結果、設計を進めておりますので、設計自体にそういう判断はされていたのだろうと考えております。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 大城一馬委員。

○大城一馬委員 まず最初に、日本工営株式会社が県の南部土木事務所から、平成19年5月8日に工法変更に伴う修正設計の見積もり依頼が出たということなのですよね。この見積もりについては出したということでよろしいですか。

○武藤真澄参考人 見積もりの御依頼自体は4月でございますが、書類では正式には26日に見積もり依頼が来ておりまして、27日に提出した記録がございます。

○大城一馬委員 その際、日本工営株式会社はいわゆる中央導坑方式、無導坑方式に変更するための修正見積もりですね。そのときに、皆さん方は無導坑方式としての採用は主張していなかったのです。つまり、みずからこの無導坑方式の設計をやるということは、技術的にもやろうという自信はなかったのか、あったのか。

○武藤真澄参考人 何度も言っておりますが、地表面沈下抑制には中央導坑が寄与するだろうということは思っておりまして、ただそれを無導坑にすることによって地表面の支障物に影響を与えるかどうかと、無導坑方式を採用したことによって与えるのかどうかという判断がとりもなおさず、近傍の地質での施工実績になると。そのあたりの挙動の変化の追跡というものは、私どもでやっていたわけではないので、そこの変更の妥当性を裏づけること自体が私どもではバックとなるデータの持ち合わせがなかったので、そこにはかかわれなかったというところでございます。

○大城一馬委員 要するに、技術的にもデータもないという段階ではかかわれなかったということで。

○武藤真澄参考人 全国的にふえてきていた事例を見ながら、このくらいのことなら、近傍で沈下もそんなに起きなかったという裏づけが得られているのなら、変更しても問題ないのかなという受けとめ方をしておりました。

○大城一馬委員 そして、その後に社団法人日本建設機械化協会のほうが無導坑方式の設計を持ってきたわけですね。それで、皆さん方への南部土木事務所からの工法変更の指示というものは4月ですね。

○武藤真澄参考人 5月8日です。

○大城一馬委員 ところで、私の資料を見てみますと、平成18年12月12日にもう既に社団法人日本建設機械化協会が無導坑方式の変更へということで、委託業務契約しているのです。ということは、皆さん方に指示する既に半年、10カ月前に社団法人日本建設機械化協会は、この無導坑方式で設計業務を行うということは知っていたのですか。

○武藤真澄参考人 そのころのことは何も掌握できておりません。

○大城一馬委員 実は私の手元に、土木設計業務等委託契約書というものがあるのです。コピーですけれども。これは南部土木事務所と社団法人日本建設機械化協会が、それぞれ押印してやっていますけれども、平成18年12月12日にこの契約書が作成されているわけです。この件について、どうも不思議でならないのは、皆さん方は5月8日。ところがしかし、その前にもう既に社団法人日本建設機械化協会は業務契約を結んでいると。この矛盾点は何でしょうか。

○武藤真澄参考人 私ども以外のところとの御契約のお話なので、推定で物を言っても。わからないです。

○大城一馬委員 わからなければ、次の段階でお聞きしましょう。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 座喜味一幸委員。

○座喜味一幸委員 詳細設計等に入った時点では一般的な工法と、これは非常に重要な案件になるので、その工法の選定に当たっては学識経験者等の人たちと相談しながら発注者は―詳細設計ですからすぐ使える設計ですよね、そういう設計の方針を決めていくのは第三者機関に相談しながらやっていくのが一般的だと思っておりますが、いかがなのですか。

○武藤真澄参考人 一般には既に汎用化されたといいますか、オーソドックスな工法であれば私どもの受ける設計の中で判断する場合もございます。ただ今回のように施工事例の少ないものを導入しようという場合には、第三者の機関の御意見を伺いながらというのは多いと思います。

○座喜味一幸委員 平成9年、平成10年で実施設計、詳細設計されたのが平成16年度で、再度修正設計をかけておりますね。そのときの発注者側の意思を皆さんはどう理解していましたか。考え方―平成9年、平成10年でやったものが、県はどういう条件で何を皆さん方に期待して、修正の詳細設計をかけたのかということです。

○武藤真澄参考人 これは平成9年から平成10年以降、大分時間がたっておりましたので、工法の発達とか、補助工法とか、そういったことが出てまいりました。結果としてコスト縮減につながるような見直しをかけたいというところで、私どもで見直した結果、まず内空断面の中で内装板の設置余裕をとってございましたものをゼロに―余裕をとらないという、内装板も薄型のものが出てまいりましたので、そういう必要がなくなってきているということ。それから補助工法の中で、どうしても施工上無駄な掘削をしなければいけないというものがございましたので、そういう無駄な掘削量が出ない補助工法を導入することによって、平成16年のときには結果としておよそ2億円のコスト縮減につながるということを設計の中で御提案しております。

○座喜味一幸委員 一概にこれは県の判断ということになるのですが、皆さん方のその設計の最終のまとめは、監督職員の力量にも識名トンネル(仮称)技術検討委員会なるものがなければ、県の監督職員の、あるいは南部土木事務所の裁量に大きく影響するものだと思うのですが、皆さんが出した中央導坑方式、無導坑方式それの詳細設計をして事業費の比較等々、工期の比較等々して提出されました。そのときに何を議論して、何にウエートを置いて、この成果品はおさまったのかというのを教えてくれませんか。

○武藤真澄参考人 平成16年の中央導坑方式の場合は当時の実績とか、地山の地表の市街化の状況、こういったものと、繰り返しになりますけれども、業界の施工経験を持った業者の数とか、そういったものを考慮して中央導坑方式が望ましいという御提案をして、御了解いただいたものと思っております。
 平成19年度のほうは、これも繰り返しになりますが、変更が決まった後の詳細な設計ということでしたので、それを工期の中でお納めするということで、積算自体は後に県のほうで両方されているわけですけれども、その中で比較がなされたものだと思っております。詳細にお幾らの積算になったというところまではお聞きしておりません。

○座喜味一幸委員 修正設計をお手伝いしたという経過になっているのですけれども、要するに県は8月1日から一時停止をやめて、工法検討をして施工の指示を出し始めているのです。そういう中での急ピッチのお手伝いだったのですね、皆さんはね。5月29日の識名トンネル(仮称)技術検討委員会に出られて、9月19日の第2回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会に出られる、この検討委員会のさなかで既に県は8月1日に中止から再開に向けているのです。そういう意味では大変皆さんは苦労をしたなと私は思って、これはどういう仕事をしたのだろうかと思うのですが、この状況はどうだったのでしょう。大変御苦労されていますね。

○武藤真澄参考人 これはトンネルに手をつける、トンネルというのは時間を追って施工していきますので、ある時間をもって図面が出てくれば工事は可能だと受けとめております。工事再開が8月1日とおっしゃったのですけれども、私どもがオブザーバーで参加をした5月25日の識名トンネル(仮称)技術検討委員会のときは6月ぐらいから坑口のあたりを手をつけるというお話だったかと思います。それに間に合うようにその委員会の結果を受けて標準断面という、こういう断面の形で材料はどういうものを入れてということがわかる図面を先行して作成して、現場のほうは手をつけ始めたと思っております。

○座喜味一幸委員 皆さん方は非常にある意味では少し監督の指示の中途半端というか、そう私は感じて相当苦労したなと思っているのですが、最後に1つだけ、この中央導坑方式、無導坑方式を設計されていく中で沈下対策が抜本的に変わるということがあったのか。皆さんは多分地表条件とか地質調査等々、水門調査等々を含めてやられていたはずなのですが、沈下工法に関して抜本的に皆さん方の考えが無導坑方式に変わることによって、変わったのか、その辺はどう評価されていますか。詳細設計はその辺も入ったはずなのです。

○武藤真澄参考人 沈下対策ですが、無導坑方式のときは山の悪いところは縦断方向、トンネルを掘る鏡の面というのがございますが、そこへ鏡ボルトという山が手前に緩んでくるのを抑える工法があるのですけれども、そういうものを入れることになっていましたので、それによって、ある程度の支障物に影響のない補助工法というのがとられるものだと受けとめておりました。

○座喜味一幸委員 皆さんのこういう急ピッチで変更、詳細設計されて、現場が動いて、そういう中での設計施工にかかわっての立場というのはどういう立場だったのでしょうか。設計のみなのか、設計施工の相談もこの識名トンネル(仮称)技術検討委員会に提案をしていったのか、実際の現場の動きに対して皆さん方の立場はどういう立場だったのかを最後にお聞かせください。

○武藤真澄参考人 私どもの平成19年度の設計は工法が決まった後の図面数量、それから積算できる工事行程をお手伝いする部分でありまして、現場での変更といいますか、想定している状況に対して起きた現場での変化、そういったことに対してのアドバイスというのは含まれていなかったものと思っております。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
嘉陽宗儀委員。

○嘉陽宗儀委員 一般的な質疑を最初にやりたいと思うのですが、皆さん方はこの種の全国のトンネルの設計の実績はこれまで何件ぐらいありますか。これまでトンネル工事について、皆さん方は専門的にかなりこれまで仕事していますよね。大体何件の実績があるのですか、全国的に。

○武藤真澄参考人 件数というものは数えたことがないですが、毎年複数の設計をしておりますというお答えでよろしいでしょうか。

○嘉陽宗儀委員 その設計事業に参入する前に、契約は通常は競争入札するのか一般競争入札するのか、随意契約で幾らまで結んでいいのか、実態はどうなっていますか。

○武藤真澄参考人 最近の動きですので、プロポーザルもありますし、競争入札ももちろんありますが、場合によっては過去の関連があって随意契約という形をとられる場合もございます。

○嘉陽宗儀委員 一般的には一般競争入札にするのだろうけれども、何かのつながりがある場合には、今回のように随意契約をすることもあるということですね。

○武藤真澄参考人 それは発注者のほうで判断される問題なので、私どもでどの契約をという指定はできないものだと思っております。

○嘉陽宗儀委員 今回については、県の識名トンネルの工事事業の情報を入手したのはいつごろですか。県が識名トンネルの工事をするという事業計画がありますよね。いつごろに皆さん方はその情報を入手しましたか。

○武藤真澄参考人 工事の発注自体は、時期ははっきり覚えていませんが、かなり低入札だといううわさは、私どもが見積もり依頼をいただいた4月の前の段階で―いつということは、はっきり覚えておりませんが。

○嘉陽宗儀委員 私が聞きたい趣旨は、今低入札の話がありましたが、その前に、この識名トンネル工事についてはいろいろ問題があるということがかなり浮き彫りになっていますけれども、最初に皆さん方が識名トンネルの設計工事事業に参加するということがありますよね。これは皆さん方が情報をつかんで参加したのか、あるいは県からの依頼があってやったのか、いずれですか。

○武藤真澄参考人 一番最初の記録は平成2年ぐらいなのですが、そのころのお話は当時の担当もおりませんので、はっきりどういうきっかけで参入させていただいたかということは確認がとれません。

○嘉陽宗儀委員 これは憶測になるのですが、こういう大型工事になるとかなり口ききがあるのではないかということがあったものですから、それで念のために聞いてみたのですが、それは覚えていないというのでこれ以上は聞きません。
 先ほど説明いただいたコストの問題に絞って聞きたいのですが、中央導坑方式と比べたら無導坑方式のほうがいろいろな面で経費が安くなるという説明がありましたけれども、間違いありませんね。

○武藤真澄参考人 無導坑方式が適用できる地質だという想定をすれば、一般には工費、工期とも小さくなると考えております。

○嘉陽宗儀委員 この説明では、本業務でも再度中央導坑方式と無導坑方式で比較検討を行い、工事費及び工期では若干劣るものの、地表面への影響で有利になるという説明をしているものですから、そこで聞いていきますが、皆さん方は工事費の積算を、それぞれ無導坑方式と中央導坑方式でどのようにやったか、それが幾らか出してください。どれぐらい下がっているのですか。

○武藤真澄参考人 当時の比較表が比率しか残っていなくて、無導坑方式だったら1に対して中央導坑方式だと1.1とか、そういう比率だったと思います。それについては、当時の無導坑方式の実績を引用する形で概略の数量をはじき出しまして、経験に基づく単価を想定して比率を算定したと記憶しております。

○嘉陽宗儀委員 積算する場合に、詳細図面をきちんとやってから正確には積算額が決まりますよね。

○武藤真澄参考人 積算となりますと、おっしゃるように詳細な数量に基づいて行うものでございます。私どもが平成16年当時に行った比較というものは、先ほども申し上げた、少ないながらも事例に基づいて数量を概略想定して、はじき出したものでございます。

○嘉陽宗儀委員 詳細図がないと、細かいところでの積算単価が少しずつでも変わってきたら大分変わりますから。ところで、皆さん方のこれまでの説明では、無導坑方式については詳細な図面はできていなかったというように私は覚えているのですが、どうなのですか。

○武藤真澄参考人 無導坑方式に関しては、一口に無導坑方式といいましても、先行するトンネルに対する影響をどのような形で低減していくかという考えが幾つかございますので、どういう形という形まで決めて設計することは、当時はできなかったと思っております。

○嘉陽宗儀委員 私が今お聞きしたいのは、今皆さん方は経費でも何でも少なくなるという説明をしているものですから、比較検討する場合には、両方の詳細図がないと比較検討できないだろうということが僕の認識です。そうするとこの差が出てきたのは、例えば掘削のどのような違いがあったのか、どこでこの差が出てきたかということを次に聞こうと思っているのだけれども、今のものでは聞きようがないではないですか。

○武藤真澄参考人 概略の図面は作成して数量をはじいてございます。

○嘉陽宗儀委員 僕の質疑に対して答えていないです。では具体的に聞くと、無導坑方式と中央導坑方式で掘削した土の量に差がありますか。

○武藤真澄参考人 土の量としては、若干中央導坑案のほうが大きくなると思います。

○嘉陽宗儀委員 なぜ中央導坑案が多いのですか。

○武藤真澄参考人 中央導坑方式の、真ん中のものをピラーと申しますが、無導坑方式のときに重複する部分は相殺されますが、真ん中のピラーの部分の掘削土量がふえるからでございます。

○嘉陽宗儀委員 県は私の質疑に対して、中央導坑方式で設計図面をやって工事も発注して、急遽、無導坑方式になって、今言った施工図、詳細図は工事に間に合わなかったのではないかと。普通ならば全体図を見て、その部分の工事を進める場合には、図面に基づいて工事しなくてはいけないのに、あなた方は図面なしでやったのかと私が質疑したら、1週間分間に合わせて、その分だけどんどんつくってもらいましたと。県の言い分は最初からは全部なかったと。工事する場合も間に合わせで1週間分ぐらいつくってもらったりして、工事は無事に終わりましたと言っていたのですが、それはどうですか。

○武藤真澄参考人 先ほどお話ししましたように、平成19年度当時は6月からの着手の予定というお話を伺いながら、先行して手をつける部分については、少し先行して図面をお出しするような形をとっておりました。

○嘉陽宗儀委員 そういうことであれば、私が最初に聞いたように、比較検討する場合の、無導坑方式についての詳細図がない中で積算してしまったのではないかというわけですが、それを認めたようなものですね、今の答弁は。それでいいですか。

○武藤真澄参考人 詳細図ベースでの積算というのは、平成19年度の我々の仕事が終わってから積算がなされたのだと考えますが、何度も申し上げておりますが、概略レベルでの比較というのは平成16年度のときに行ったもので、これは実績に基づく概略数量での比較による比率を御提示しております。そのときの比較を行う上での検討図というのは、それなりの精度で仕上げた上で試算しているということでございます。

○嘉陽宗儀委員 今の答弁でも非常にはっきりしているけれども、本来ならば比較検討する場合に、十分に検討して中央導坑方式で皆さん方は進めてきているのに、いきなり無導坑方式になったために大成建設株式会社の事業者側も戸惑っていた。自分たちの経験が生かされない、今までそのような経験をしたことはないと。ですから工法も含めて未知数です。どれだけ事業費が軽くなるかということはわからない。それだけに、皆さん方は概略設計だけで計算しましたと言いますが、これでは合わない。本来のやり方ではない。詳細設計の図面に基づいて、細かいところを全部積み重ねて積算して、初めて正確な比較検討ができるのであって、それをやらずにして概略でやりましたというのは少し無責任ではないですか、そういう出し方は。

○武藤真澄参考人 根拠を裏づけるものというものは、少ないながらも事例をもとに出しております。両方の設計を代価まではじき出した、いわゆる施工レベルの積算というものまでの精度では、比較段階ではできなかったと思います。

○嘉陽宗儀委員 この場合はできなかったという答弁ですけれども、失礼な聞き方をしますが、武藤さんは設計の意味を御理解していますか。設計士の仕事はどういうことか。トンネル工事にかかわって設計図面を作成する側の仕事、設計士の任務、業務の中身、十分理解していらっしゃいますか。今の話を聞いたらどうも、よく理解していないのではないかと思うのですが。

○武藤真澄参考人 もちろん安全かつ経済的に施工が進められる工法を選んで、その設計をすることだと考えております。

○嘉陽宗儀委員 設計士の設計業務の重要な仕事は、設計をした―施工図面というのだけれど、これは詳細図になっているけれども、設計図面どおりに工事が進んでいるかどうかという管理監督業務を含めて、一般的にはしないといけない。そうすると設計した図面どおりの品物ができているか、工事ができているかどうかという点検もできない。ところが皆さん方は肝心かなめの施工管理はやらなかったのでしょう。

○武藤真澄参考人 設計後の工事の施工管理というのは業務の契約の中には含まれていないものでございます。

○嘉陽宗儀委員 一般的に設計士の仕事はそれですよ。家をつくるときに設計を出した。図面どおりに家ができていないと。すぐに責任を問われるのは設計施工管理者です。施工者は図面がよくわからないから、やはり設計のほうが現場に行って指示しなければならない。図面どおりになっていないと、管理者が別にいても。そういう面で、ほかの方がやったにしても、皆さん方は業務が入っていなくても皆さん方が設計した図面どおりに工事が進行しているかどうか、少なくとも点検をすべき義務があるでしょう。やっていますか。

○武藤真澄参考人 設計どおりの工事が進む予定であれば、そういうことも確認ということで現場に出向くときはございます。

○嘉陽宗儀委員 やりましたか。

○武藤真澄参考人 今回の識名トンネルに関しましては、その現場確認―計測に関する状況確認といったことを識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中で話し合われると受けとめておりましたので、今回の中ではやっておりません。

○嘉陽宗儀委員 それがわかれば実に重大問題だと思うのですが。設計そのものが中央導坑方式なのか無導坑方式なのか、いとも簡単に切りかえる。本来、工法というものは、細かいところまで掘削する場合でも、両方の穴を同時に掘る場合には影響し合う、振動もある、どういう影響があるかは全部計算しないといけないでしょう。今の中身を見ると全然そういうこともやられていない。

○武藤真澄参考人 繰り返しになってしまいますが、平成19年度の仕事といいますのは、工法が無導坑方式に決まったものに対するお手伝いだと考えておりますので、そこは責任とは切り離して考えていただきたいと思います。

○嘉陽宗儀委員 きょうはこれぐらいにしておきますが、次に、皆さん方の見積書を見ると、特許料の経費が出されていますね、特許権使用料。これは何の特許ですか。トンネル工事掘削するに当たっての特許権の経費が計上されていますが。

   (休憩中に、武藤参考人が資料の確認を行っていたがしばらく時間がかかることから、休憩をはさみ午後は武藤参考人の答弁から再開することとなった。)

○奥平一夫委員長 休憩いたします。

   休憩 午後0時6分
   再開 午後1時25分

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 午前の嘉陽宗儀議員の質疑に対する武藤参考人の答弁から行います。
 武藤真澄参考人。

○武藤真澄参考人 特許使用料その他の直接経費という欄に記載してございます金額ですが、これは電子成果品の作成費と同じ金額が入っておりますので、特許を使うための費用ではございません。電子成果品というのは、設計をお手伝いしますと、最後に図面や報告書を電子成果にする仕事といいますか、まとめがございます。その電子成果を作成するための費用というのが、設計の積算の中に見込まれることになっております。

○嘉陽宗儀委員 その計上の仕方が、僕はこれを見たら当然特許料という―大きなロータリー式の掘削機などを使うと特許の使用料が必要ですから、この部類かなと思ったのですが、違うのですね。

○武藤真澄参考人 違います。

○嘉陽宗儀委員 今までの質疑で、当初は中央導坑方式で皆さん方も設計を進めて、大成JVも中央導坑方式で契約もした。ところが契約したにもかかわらず、にわかに無導坑方式に変更されたわけですね。大成建設株式会社はそのためにかなり慌てて、そのときに皆さん方は、先ほどの正確な積算になるべきだという問題と、それから詳細の施工図面によって、工事完了まできちんと設計図面どおりにやっているかということも本来ならやるべきだけれども、これもやられていない。皆さん方は、なぜいろいろな問題を抱えながらも無導坑方式に変更するということになったかということは、どう思いますか。

○武藤真澄参考人 私どもは、平成18年度の識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中で工法変更自体は決定されたものだと受けとめております。

○嘉陽宗儀委員 私も大成建設株式会社に質疑しましたが、これまでも中央導坑方式については、かなり実績を積んでいるけれども、無導坑方式については全くないと。そういう中で、経験のない業者にどうしても無導坑方式でやれというのは乱暴すぎるという思いをしているのですが、設計者の立場からはどう思いますか。

○武藤真澄参考人 繰り返しのお答えになってしまいますが、工法の変更自体の議論にはかかわっておりませんので、その部分はお答えしかねます。

○嘉陽宗儀委員 最後に聞きますが、変更にはかかわっていないけれども、無導坑方式についての詳細図面は、きちんと工事の最初から最後まで仕上がったもので対応してもらったわけではないということははっきりしましたね。間に合わせでやったと。

○武藤真澄参考人 平成19年度の業務をお手伝いする中で、所定の工期の中で必要な図面数量は御提出できたものと考えております。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城勉委員。

○金城勉委員 先ほどの答弁の中で、一般的に受注者側が経費の問題や工期の問題、安全の問題等々、そういうことを理由に工法変更をお願いする場合があると。今回の場合には発注者側がそれをやっています。中央導坑方式から無導坑方式に変更することによって安くなる、期間が短縮できる、安全面もそのほうがいい等々の理由で、工法変更しています。そのように発注者側が一旦契約を終わってから、いよいよ工事着手の矢先に工法変更するということが、なぜ発注者側からそういう問題提起が起こるのかと、それが素人ながら素朴な疑問です。経費の節減や工期の短縮は受注者側がそうすると利益も上がるし、いろいろな意味でプラスになる。だから受注者側は当然そういったことを考えて、答弁にもありましたようにそういう事例もあるという話でした。そういうことが今回逆の立場でなぜ発注者側が金額も決めて、工期も決めて、契約も終わった後から半年以上も待たされて工事再開ということになったのか、非常に素朴な疑問です。そのことについては、どういう認識をお持ちですか。

○武藤真澄参考人 発注者側がそういった御判断をされたのは、平成18年度の識名トンネル(仮称)技術検討委員会の御提言を受けて決断をされたことなのではないかと思っています。

○金城勉委員 平成18年度ですか。そうであれば、契約前にそういう問題提起があってしかるべきですよね。

○武藤真澄参考人 詳細な時系列はわかりませんが、平成18年度にはまだ豊見城トンネルや比屋根トンネルのデータ整理がうまく整っていなかったのかという気がします。推定で申しわけございません。

○金城勉委員 日本工営株式会社は豊見城トンネル、比屋根トンネルの設計には携わっていますか。

○武藤真澄参考人 かかわっておりません。

○金城勉委員 私の素朴な初歩的な疑問があって、なぜ契約も終わって工事も始まってからいきなり中止をして、半年以上も時間をかけてそういったことをあえてやったのか。何かの圧力なり、何らかの働きかけなりというものがどこかにあったのかという疑念も湧いてきます。

○武藤真澄参考人 平成17年度、平成18年度の間は県のほうから、そういった工法変更にかかわる御相談はいただいておりませんので、いつの段階でどういった決断が下されたのかはお答えしかねます。

○金城勉委員 あとの参考人にお聞きすべきところかもしれませんが、識名トンネル(仮称)技術検討委員会には、皆さん方はオブザーバー参加ということで、発言はできないという中で、識名トンネル(仮称)技術検討委員会が工法変更について協議をして、そういう方向に結論を出していくのですが、その際の資料や、情報、現場の資料などは皆さん方から提供しましたか。

○武藤真澄参考人 平成16年度の設計なり、報告書の中から抜き取られたものはあったように思いますが、私どもは識名トンネル(仮称)技術検討委員会の資料づくりには関与していませんので、一部使われている部分はあるかとは思います。

○金城勉委員 お答えできる範囲でいいですが、識名トンネル(仮称)技術検討委員会は、工法変更というからには、きちんと中央導坑方式になった場合にどうなる、無導坑方式の場合はどうなる、識名の状況がこういう状況だからどうなる、当然、そういう情報、データなりは基本として持った上で、検討しなければできないですよね。その辺のところはどういった状況になっていたか話できますか。

○武藤真澄参考人 平成19年度の識名トンネル(仮称)技術検討委員会に私は1回しか出席しておりませんが、そのときの状況ですけれども、先ほどからの繰り返しになりますが、豊見城のトンネルなどの変状の事例に基づいて変状の予測をされた上で、工法変更の妥当性を裏づけておられたと思います。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲村未央委員。

○仲村未央委員 まず送水管についてお尋ねします。先日、大成JV―施工業者が参考人でいらっしゃいました。そのときに、今回の大きな結果として非常に多額の工事費の増額を迫られることになりましたが、その大きな理由の一つに送水管が判明したことの指摘がされています。文章で提出があるので、少し大成JVのことに触れますと、送水管の判明ということで、つまり増額の理由が工法変更のほか識名トンネル工事では、工事着手後に識名トンネル工事の施工箇所を送水管が通っていることが判明しました。そのため沈下対策を実施する必要性が生じましたということになっています。となると、これは設計の段階で見落としがあったのかということになろうかと思いますが、ここはいかがでしょうか。

○武藤真澄参考人 平成16年度の設計の中では、住宅が密集しておりますので、道路の下にライフラインが埋まっているだろうということは、認識しておりましたが、具体的にどんな大きさの送水管という確認まではしておりません。ただ、変状予測をかけた中で一般的な送水管の沈下量を下回る数値になっていましたので、中央導坑方式で問題ないというように考えておりました。

○仲村未央委員 ここは非常に大事なところなので、実際見落としがあったかなかったかということについて、はっきりとお答えいただきたいです。これは平成16年度の設計に基づく工事ではありません。まさに修正設計をかけて、実際に無導坑方式として工事を始めた後にですから、皆さんがつくった、設計された設計書に従って工事をしていく中で、送水管が判明したという表現です。これはずっとそういう現地の調査に基づいて先ほど来ずっと繰り返しあるように、長年現場を一番よく知っていらっしゃると。もちろん、それに従っての修正設計であったはずです。そういう中で、こういう送水管が通っていることが判明しましたということが施工業者から指摘されることは、どういうことですか。

○武藤真澄参考人 送水管自体は先ほど言いましたように、ライフラインとしての受けとめをしておりました。平成19年度の変更設計の中で行われた識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中でも、真地側の道路の下の送水管に関する留意事項、計測ポイントとして変状計測が議論されていましたので、同じ数字だったので、これについては特に問題ないかと考えておりました。

○仲村未央委員 具体的にお聞きしますが、私は見落としだったか、そうではなかったかということを知りたいだけです。十分にわかっていて、それが例えば無導坑方式に変更したことによって、沈下量の影響で送水管に当たったのか、そういったことも含めて今回の工法変更や、あるいは沈下量との関係で今の送水管の問題が出てきたのか。それとも単なる設計上の見落としで、もともとあった、どういった工法であってもそこにあったものが判明したのか、そこをはっきりとお答えください。技術的なことというよりは、そういった経過をしっかりとお答えいただけますか。それとも大成JVの指摘は、いわゆる大成JVがここで指摘することは間違いですか。そういったことはなかったと、当然これは送水管があるものとして工事はあったはずだという認識であればそれでいいです。別に大成JVが言っていることが必ず正しいという指摘ではありません。どうですかということです。

○武藤真澄参考人 平成16年度の認識としては、やはり道路へのライフラインの沈下抑制ということでの中央導坑方式での作業ということで考えています。平成19年度のほうは継続管理等の識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中で議論されておりましたので、私どもはそれに必要な補助工法等のトンネルの設計等を含めたトンネルの設計で対応したということです。平成16年度のときには認識しておりました。

○仲村未央委員 そうしますと、大成JVが指摘するような工事を着工する中で送水管が判明しましたという指摘は当たらないということでよいですか。

○武藤真澄参考人 報告書の中に留意事項として、送水管を個別に上げていたかというとちょっとはっきり覚えておりませんが、確認が必要だと思います。

○仲村未央委員 具体的に指摘します、資料の14―A―29をごらんになっていますか。これは日本工営株式会社がつくった上水道、下水道、ガス管の送水管をあらわす図です。皆さんが作成をされた。右側に上水道直径100、150、300、600と出てきます。これは日本工営株式会社がつくった設計書の引用ですね。そのように識名トンネル(仮称)技術検討委員会に出されてます。聞きたいことは先ほどのことですので、それを参考に見ていただきたいのと、もう一つは5―79も一緒に来ていますね。5―79は工事の打ち合わせ簿です。この工事の打ち合わせ簿に企業局送水管900ミリ直径の調整経過というのが出てきます。900ミリ直径は幹線です。非常に大きな直径を持っています。先ほど私が指摘しました、14―A―29には、900ミリ直径のものは出てこないわけです。あえて、大成JVはその後に判明をしたと指摘をしている―まさに900ミリ直径というものが、工事の打ち合わせ簿の中で、この扱いをどうしましょうかということになっているわけです。ですから、これは皆さんの見落としですかと聞いています。

○武藤真澄参考人 送水管の配置図、これ自体は私どもの調査ではなかったのではないかと思います。

○仲村未央委員 結論はどうですか。工事後に判明したという大成JVの指摘については、これは設計の段階で本来であればきちんと予測があって、そういう設計をしておくべきことが抜けていたのかどうか。

○武藤真澄参考人 沈下自体は道路下にあるライフラインとして2センチメートル程度と考えていましたので、当初の平成16年度の設計ではその数値を下回るような形で補助工法を入れることによってクリアできていたと考えております。

○仲村未央委員 工法の変更によって沈下対策が必要になったという理解ですね。

○武藤真澄参考人 工法の変更のみが沈下の助長につながったかどうかは、はっきりは言えないところだと思います。

○仲村未央委員 もう一つ沈下量のことでお尋ねします。もともと皆さんが指摘をされるように中央導坑方式で最初に設計を上げた時点では、中央導坑方式の場合、先ほども指摘があった一覧表に基づくものですが、14―A―32、この中に無導坑方式の場合は地表面沈下量は許容沈下量を満足できないという解析結果が出ています。中央導坑方式の場合には、解析結果に基づいて許容沈下量は満足できると。ですから二重丸で皆さんは中央導坑方式を選んで設計に落としたということになっています。こういった経過の中で実際に無導坑方式によって工事が行われたわけですが、この沈下量は実際に満足できる、満足できないという範囲の中でどれほど無導坑方式になってふえたのかというのはすぐにわかりますか。無導坑方式になって、皆さんの指摘では許容量を満足できないという解析結果だったわけですよね。これができないと言われながらも無導坑方式に入っていった、無導坑方式で実際工事をしたと。そのときの沈下量のふえ方は相当なものですか。満足できるできないという表現が非常に抽象的なので、その解析結果と実際の工法は違ったわけですから。結果として沈下量はどうでしたか。

○武藤真澄参考人 実際に生じた沈下量自体はお聞きしておりませんが、平成20年度に坑門設計の中で、坑門工設計の納品時に県の職員の方にお尋ねしたときには、1カ所少し予想以上のところがあったが、大体予想どおりの数字におさまったという話を伺ったので、見直し自体、工法変更自体、近傍の事例に基づいて変更した―変更自体は、そのときは妥当だったのだろうと感じます。

○仲村未央委員 最近になって工事が終わって後に、周辺で真上に建つ住宅等々から亀裂が生じていると。住宅や墓に亀裂が生じていて、これも県としても工事との関連を認めて、修復費用がこのように記事にもなりました。苦情が出たと、亀裂があると、工事との関係だということも県も認めている。こういう中でまさに強度の問題、あるいは沈下量の問題、これは工法の変更に関係があったのではないのかという指摘ですが、そこはいかがですか。

○武藤真澄参考人 例えば、後で聞いた話ですが、昼夜施工から昼間だけの施工になったということで、トンネルの掘削のスピードが変わったということがあるかと思います。地質の話で少し話をしました風化のしやすさなども一つの原因になっているかと思います。そこの部分は実施施工の施工指導の中で行われるべきだったかなという気持ちは持っております。

○仲村未央委員 今回、工法の変更となると特に契約後ですので、非常に工法自体が変わるということは、非常に大きな変更になるかと思います。あくまでこれは修正設計という形で平成19年度は仕事されているのですか。別途の新規ということではなくて、もともとあった中央導坑方式の設計書を修正設計したということで、無導坑方式に切りかわったという理解でいいですか。

○武藤真澄参考人 工法自体が変わることが決定した後に、私どもは図面づくりをお手伝いしたということです。

○仲村未央委員 もともとあった設計の修正設計という作業になりますか。それとも新規の全く新しい設計になりますか。

○武藤真澄参考人 設計としては、まるまる新規と考えています。

○仲村未央委員 実際に変更を指示したのは県ですので、皆さんは変更の判断にかかわってはいないわけですよね。そういう中で、ただ先ほど金城委員からも指摘があるように、契約前の比較であればそれはいかようにも設計上、図面上、いろいろなレベルで比較を検討することは当然の作業として出てくると思います。ただ、一旦契約してしまっているので、工事をとめて実際には設計の、今、皆さんがまるまる新規と言われるような設計の変更に入っていかなくてはいけないという大変な、異常な経過があったと思います。そうなると実際には工事をとめる期間のいろいろなもろもろの経費、もともと想定していた低入札を可能とした諸条件、こういったものの環境が全然変わってくるわけです。低入札は23億幾らで落としてますので、これを可能とした前提というものも非常に問われるわけです。契約後ですので、契約額が動きませんので。そこまでして無導坑方式にすることのはるかなる優位性というのは、設計上も皆さんは確認できますか。こういった現実的な環境の中で、それほどまでに優位だと、中央導坑方式ではなくて無導坑方式に入っていくという県の決定について、皆さんの印象をお聞きしたいです。それほどまで何カ月もとめてまで、そこにまつわる経費がいろいろ発生することも含んでまで、優位性ははるかに無導坑方式があるというように皆さんから見てもありますか。

○武藤真澄参考人 半年なり数カ月の工事中止をしてまでの変更であるべきかどうか、そこまでは疑問は残ります。

○仲村未央委員 今回御存じかもしれませんが、実際には皆さんがつくった変更後の設計に基づいて工事が始まっていくわけです。先ほど来、沈下対策工という部分の工事が出てきますが、これは平成19年度に修正した、日本工営株式会社がつくった設計書の中に沈下対策工が一連の工事としてもちろん入っていましたよね。

○武藤真澄参考人 沈下対策という名前ではないですが、沈下が生じないための鏡面の補強といいますか、そういうものは入っています。

○仲村未央委員 当然一連の工事として取り扱われたと思います。ただ今回、後で会計検査院から指摘があって、契約が沈下対策工事を抜き出して別契約をつくってしまっています。これが実際には虚偽として問題になっているまさにそこなのですけれども、実際にやった工期とは違う新しい契約を別途契約でやってしまっているわけです。結果としてそうなっているわけです。別契約で抜き出した沈下対策工事の契約に至った設計書を、ましてや日本工営株式会社が関与したということはないですよね。

○武藤真澄参考人 沈下対策工事に何がどれだけ入っているかはわかりませんし、ただ私どもでお手伝いしたものは、トンネル側の補助工法であって、沈下対策ということではかかわっていないと思っております。

○仲村未央委員 皆さんの設計書ではないということで、確認できればそれはいいです。先日、沖縄県土木建築部長の発言の中でこういったことがありましたので、あえて確認します。識名トンネル(仮称)技術検討委員会のメンバーの方々は―後に参考人としていらっしゃる予定の社団法人日本建設機械化協会の識名トンネル(仮称)技術検討委員会の専門家の方々を指していますが、このメンバーの方々は日本でもトップクラスの研究者の方々でございまして、日進月歩でその技術が進歩していくものでありますし、いろいろと改良が加わっていく、そういう部分については、やはり研究者の方々から意見を聞かないと、一コンサルタントの手に負えるものではないだろうということで、識名トンネル(仮称)技術検討委員会でお願いしたという経過が述べられました。今回、そういう意味でまさに一コンサルタントと言われる、例えば日本工営株式会社が同じように、平成16年度の設計はもちろん上げた後の状況のいろいろな変化がありましたね、こういった実績があるということを踏まえて、その実績の状況をさらに無導坑方式との比較等々、新たな知見に基づく改良を加えた仕上げをするということは皆さんの仕事としては無理なのですか。それは社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所にしかできないのですか。日本工営株式会社では平成18年度の豊見城トンネルの状況を見て、同じような仕事をもし任された場合、あのトンネルもできたよねと。そうであれば、皆さんは中央導坑方式で上げたけれど、無導坑方式ともう一度比較してくださいと。同じような地質で成果物が出ているからということで、それをもう一度もし皆さんに委ねられた場合、それは皆さんでも十分に仕事は負える仕事だったのでしょうか。
それともここに書かれるように、一コンサルタントの手に負えないようなことだったのでしょうか。

○武藤真澄参考人 豊見城トンネルですとか、比屋根トンネルの施工管理の状況のデータをいただければ解析自体は恐らくできたであろうと思います。それが識名トンネルに当てはめたときに、本当に妥当なのだろうかということの証明をしなくてはいけないと思いますが、そのあたりが、ネームバリューというのですか、学識者の先生の言うことと、我々の言うこととの重みは違うと思います。

○仲村未央委員 当然に日本工営株式会社がずっと識名トンネルには一番長くかかわって、その場所の調査も分析も一番蓄積があるわけです。もちろん、その隣で豊見城であればその実績も踏まえて、当然その延長線上の仕事としてまさにコンサルタントの出番だと思うのです。そこで、それも含めて本来であればこんな身近なところに事例があれば、契約前にまさにこの過渡期であれば少し待って、日本工営株式会社にその仕事を引き続き依頼すればこの比較は十分にできて、どちらが優位かということは契約前に少しずらせば、何もてこずるような仕事の内容ではなかったのではないかというように思うものですから、あえてお尋ねしましたが、いかがですか。

○武藤真澄参考人 工事発注の時期そのものは、県のほうでの御判断だったものですので、何とも。周辺の工事との進との絡みで見合わすことを考えてもよかったのかもしれませんけれども、それは県のほうで判断されたことなので、お答えは差し控えます。

○仲村未央委員 解析や分析自体はもちろん可能だったということですよね。

○武藤真澄参考人 だろうと思います。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 吉田勝廣委員。

○吉田勝廣委員 先ほど、やはり中央導坑方式から無導坑方式に変更したときに、皆さんはベテランで自信を持って中央導坑方式の設計をやってきたと。それである日、突然とは言わないけれども無導坑方式に発注者側から変更があったと。そのときの皆さんの感情はどうですか。自信を持って設計をして、契約もしてきた。しかしある日突然、発注者側から変更してくれないかと言われたときの皆さんの感情はどうなのでしょうか。
○武藤真澄参考人 特に感情はございません。事例がふえてきているのも私も存じ上げていましたし、そういう技術の変化があって、その近傍の状況で変状に対しても担保できるということなのだと思いました。

○吉田勝廣委員 自信を持ってあらゆる分析をして、せっかく自分たちが設計したもの、やはり職業人としてこれまで長い間こういう道に携わっていて、感情はないというか、いろいろな意味で変更があるということを、発注者側から言われること自体、なぜそうなったかと、普通皆さんそう思うでしょう。なぜ自分たちが設計して、ある日突然こうなるのかと、発注者側から言われたときに少し変に思いますよね。私だって変に思います。普通仕事だから。技術者は余計自分の技術に自信を持っているわけですから、それでやはり金をかけてまた発注者が発注して設計を依頼するわけですから、そこがやはり皆さんの誇りというか、自信というかを傷つけられるのではないかと思うのですけれども。どうでしょうか。

○武藤真澄参考人 気持ちの問題と業務の契約の問題とありますが、工法の変更自体は先ほどおっしゃったように、なぜ工法が見直されるのかという部分については識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中で学識者の方にも議論いただいていた話ですし、先ほども言いました周辺の状況からそれほどの大きな変状は起きなかったというお話を、間接的にですが伺いましたので、それについては特に技術者としての思いはございませんでした。最初にも言いましたけれども、平成16年の当時は汎用性のある工法を選ばなければならないという部分もありましたので、無導坑方式のまれな工事を工事経験を持った会社だけで入札を行うわけにもいかなかったと思います。

○吉田勝廣委員 では、もう仕方ない、やむを得ないと感じましたか。識名トンネル(仮称)技術検討委員会だから。

○武藤真澄参考人 やむを得ないといいますか、やはり一般的な話としては無導坑方式のほうが経済的であるし、工期も早いということはわかっておりましたので、ある意味やむを得ないといいますか、そういう安くて早い工法なのに、なぜやらないかというところには目を向けるべきだったと思います。

○吉田勝廣委員 では、最初から無導坑方式のほうがよかったということですか。
○武藤真澄参考人 そこは平成16年の設計のときは、市街化された地表面の状況を考えて、より確実な工法はどちらかという判断の中で中央導坑方式案を選定しておりまして、その後の実績で地表面沈下がそんなに大きく生じないということを根拠づけて、工法変更がなされたように思いましたので、それについては特に思いはございませんでした。

○吉田勝廣委員 先ほど仲村委員のほうに、今言っている市街地があって、そこに建物があると。建物があって、いわゆる中央導坑方式がいいのだと、崩れたりしたら大変だからと。現に先ほど言ったように、結果的に災害が生じてしまった。それはやはり施工者の問題だとか、この工事の方法の問題だとか、設計の内容の問題だとか、いわゆる中央導坑方式から無導坑方式に変わったことが原因なのか、施工者の問題点なのか、いろいろありますね。それは総合的に判断する場合は、設計者としては大体どういう見つけ方をしますか。そういう市街地でそういう災害が起きたときの判断としては。設計にミスがないのか、あるいは施工者に問題があるのか、それと総合的に判断してどうなのかと。実際に起きているわけだから。

○武藤真澄参考人 それについては、例えば実際に掘ったときの地山の状況ですとか、工事用の車両が走ることによって中の土を乱すような場合とか、そういう施工面での山の養生の仕方とか、そういうことを総合的に判断しないと何とも言えないと思いますが、その辺の情報はいただいていませんので、この場でのお答えというのは。

○吉田勝廣委員 これは恐らく今から検証されると思うのです。どちらがどういうことで、この原因が生じたかと。問題、災害が生じたかと。いわゆるひび割れだとか、いろいろ出てきますから。そういう判断をするときには、設計者としては自分にはある程度自信があって、よしというか設計としてはミスがないというか、その辺はどうなのでしょうか。

○武藤真澄参考人 平成16年も平成19年も間違いではないと思っております。その中でやはり計測データとかを見ながら管理していかなければいけなかった問題ではあるのではないかと思いますけれども、それは直接かかわっておりませんので。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、武藤真澄参考人及び柴田善央参考人等に対する質疑を終結いたします。
 この際、参考人及び補助者各位に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中、御出席いただき心から感謝いたします。
 参考人及び補助者の皆様、ありがとうございました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人の入れかえ)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 次に、参考人として社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所の照査技術者であった亀岡美友氏及び同担当技術者であった安井成豊氏に出席をお願いしております。
 参考人の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 この際、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、議題の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 なお、参考人から本委員会の録音について申し入れがありましたので、許可することといたします。
 それでは、亀岡美友参考人、安井成豊参考人の順に、識名トンネル工事契約問題について簡潔に御説明をお願いいたします。

○亀岡美友参考人 私のほうからまず、なぜ識名トンネルに関係するようになったのか及び私どもの社団法人日本建設機械化協会―今は一般社団法人日本建設機械施行協会というように名前を変えておりますけれども、施工技術総合研究所が豊見城、あるいは識名に関係するようになったかというところからお話をさせていただきます。お手元に資料をつくっておりますけれども、これが今議題に上がっています中央導坑方式が一体どのようなものかということと、無導坑方式が一体どういうものかというものの御理解を助けるためのものです。それからもう一つは、3線導坑方式から中央導坑方式、さらには無導坑方式に順次施工が変わってきております。3ページ目にその流れ、あるいはそういう工法でやられた実績を上げてきております。これで全体の施工が逐次進んでいる、技術の進歩に合わせているので、どの段階かで決めてしまいますと少し古いのではないかという話になりかねないという説明をさせていただきます。4ページ目は私ではなく、安井のほうから直接識名トンネルの業務に関係した本人から説明をさせていただきます。まず私が説明しますのは、今は一般社団法人日本建設機械施行協会、ここに施工技術総合研究所があります。昔の公益法人―社団法人日本建設機械化協会は戦後すぐに日本の土木、あるいは復興のために機械化をしなくてはいけないということで、昭和20年代の初めに設置されたと聞いております。私どもの施工技術総合研究所は昭和39年―1964年に建設機械及び機械化施工、いわゆる建設機械をつくるほう、それからそれを使って工事をするほうの両面から研究をする、あるいは調査をするということで先ほど言いました、社団法人日本建設機械化協会の附属機関として後から設置されたものです。今申し上げましたように、建設機械と機械化施工という両面から研究をするという機関は多分日本ではここしかないと思ってます。建設機械のほうは、運転員―オペレーターの安全とか、公害―いわゆる排気ガス、騒音、振動というような環境面、安全面の研究をしてきております。機械化施工、これはやはり新しい、いい機械ができると、その機械はどれだけの能力を持っているのか、実際に使ってみたときにどれくらいのお金で、この機械で作業能力を上げることができるのかという調査をやって、今工事費の積算の中に使ってきております。こういうところから、私どもの研究所はスタートしております。最近は情報化施工というような概念を持ってきて、工事の品質の向上あるいはもっと言えば品質の確保、向上につながるような土木施工法一般についても行ってきております。これが私どもの研究所の大きな業務の中身の一つです。もう一つは全く違うのですが、本州四国連絡橋の大きな橋をつくるときに、例えば鋼部材―いわゆるメタルでつくったときに、一番問題になるのは疲労です。何万回、何百万回で小さな揺れなのですけれども、どれくらい持つかというようなことを物わかりをよくするために実物大の試験をつくって、これに疲労試験などを過去、本州四国連絡橋公団がある間ずっとやっておりました。本州四国連絡橋公団ができた後は、第二東名名神―今は新東名高速道路と言ってますけれども、あれも3車線のかなり大きな橋です。これはコスト等を考えて、コンクリート橋が多く使われております。コンクリートについても同じです。やはり何万回、何十万回、何百万回で耐えるような設計になっているか、あるいは設計で100万回なのに実は130万回もちました―いわゆる少し体力を残してあるのか、こういうことをやってきております。最近は新しい材料も、部品からそういう耐環境性―いわゆる四、五十度の温度から氷点下10度までどういうような能力を持っているのか、あるいはそういう条件での耐久性があるのかどうなのかというところから、今でもやっております。私どもの研究所ができてもう40何年になりますけれども、一貫して私どもはまず自分で考えなさい、自分で調査しなさい、自分で試験しなさいという現場主義、実証主義、直営主義ということで今まで40何年やってきております。それから、公益法人というと皆さん昔一時期天下りがどうのこうのという問題が多くあったと思います。私どもの研究所は、確かに数人の方はいらっしゃいました。でも、残り50何人は生え抜き、私も安井もそういう役所からの天下りではなくて、直接今の研究所に入ってきております。大部分がそういう人間です。これから少し識名トンネル、それに先立ちます豊見城トンネルにどうやってかかわってきたかということをお話しいたします。豊見城トンネルのほうが先です。こちらの業務を受託いたしまして、まずあそこ2本―上り線下り線つくるのですけれども、まず沖縄の特殊土―島尻層泥岩であると。それから、坑口がかなり近接している。それと、識名ほどではありませんけれども、上に道路があって住宅がついているということから、それをどうやって影響のないようにするかというところから検討を始めております。豊見城の一番最初、管理技術者が私、安井は担当技術者でした。その次から安井を管理技術者に上げて、私が担当に下がっています。ということで、私ども一つだけ申し上げますけれども、民間企業との競合を避けるために私どもは設計をいたしておりません。だから、できるできないという以前に私どもは設計をしない。設計になれば民間のコンサルタントにお願いする。これは地質調査もそうです。地質調査も地質調査会社にお願いして、設計はコンサルタント。私どもはその前後に入って、どういう調査をすればいいのか、どういう方針で設計すればいいのか、あるいは施工時にこれなら安全なのか、少し軽すぎる、きちんと防護しなくてはいけないものが足りるのか、足りないのかということを有識者委員会を使っております。そういう業務をしております。では、座持ちだけやっているのかということは、先ほど言いましたように、私どもがやはり自分たちで過去の調査結果、設計結果を見直して、現地も当然見るのは当たり前なのですけれども、やはりこうしたほうがいいのではないかということを課題として上げて、議論をお願いして取りまとめていくということをやっております。

○安井成豊参考人 平成18年度は設計施工の検討業務という形で受託しております。そのときは、私は担当技術者ということでかかわっております。その後平成19年度、平成20年度、施工が始まったときには施工検討業務ということで、その2年間は私が管理技術者ということで、実際に現場のほうを対応しながら施工を進めた形でいろいろ技術的な助言という形で、識名トンネル(仮称)技術検討委員会の運営と技術的な支援という形の両面をタッチしております。これからの詳しい細かな契約上のものがよくわからないので、あくまで私どもがタッチして説明できるのは技術的な話であり、あと新聞報道とかそれくらいしか私どもはよくわかりませんので、その中でいろいろ大成建設株式会社と県のお話ということでいろいろな議論になっているトンネルの施工法がどうかということと、そこの中での新工法と言われているものがどのようなものかということあたりを、まずは御理解いただかないとなかなかいかないと思いますので、そこをわかりやすくするためにということで資料を用意させて配付いただいているところです。トンネルの世界は、物すごく特殊な用語を使ったりしますので、そこの中でこの絵が入っている茶色のものが今回の場合だと対象となる地山ということで、私ども地山と呼んでおりますが、地盤です。今回の場合は、島尻層泥岩がこれに当たる形になります。断面の左側が向かってトンネルを正面から見た図で、トンネルを掘っている最中はこのような形のを掘って、段階図でいきますけれども、最終的には薄い白いラインが入ったものが覆工という形のものを巻いて、そこのところを今車が通るような形。ですから、皆さん普通の方たちが見るものは、この覆工を巻かれた内側のところのラインを見る形になっております。その前の段階のときには、外の山のほうにロックボルトとか吹きつけとか、鋼アーチ支保工と言われているものが施工されている。トンネルの縦断方向という、先ほど縦断という形になりますが、進行方向ですけれども、これは今回のような場合は1メートルピッチに1メートル掘ったら1メートル支保工と言われている吹きつけとか、支保工とかロックボルトを打って、固めて次1メートル進むという形で、ワンステップずつ少しずつ進みながらやる形であります。その最終形の究極のものが―シールド工法と言われているものが、掘削しながら後ろのほうでセグメントを組むというものになりますけれども、それとは少し違う形で地山を開放しながら若干ずつ進むというものが今、NATM―ナトムという形になりますけれども、そういった工法になる。これが基本的な考え方で、後は通常は上半、下半という形とインバートという形で、後のほうで出てきますが、上半掘って下半掘ってインバート、そういう形で順番に掘る形のものが通常の堀り方になっています。これがベースとなりますので、後で適宜見ていただければと思います。2ページ目にあるものが、今回一番最初の発注時の方法である中央導坑先進工法のステップ図になります。左のほうから、上から順番に1、2、3、4、5、6という形で、施工が順番になる。この断面は今回施工された識名トンネルの断面ですので、このような形の大きな2つのものを掘るときに一番心配なのが、真ん中のところが崩れないかどうかということになります。そのために、中央導坑方式の場合は、真ん中にまずは導坑という形の断面、この場合は幅で四、五メートルくらいの幅の大きさのトンネルをまず1本掘ってしまい、その次にこのステップでいく3でセンターピラーの打設という形で呼んでいますけれども、この形のピラー―これは柱ですけれど、受ける柱をコンクリートの構造物でつくる形になる。その後、若干中をきちんと埋めた形で先行する側の上半を―上のほうだけ、この三日月状の形のものを掘って固めて、次に下を掘って固めて、一つの片方がインバートも含めてある程度クローズして、ある程度がっちりした形になってから、逆のほうの後進坑と呼ばれるものを掘り始めるという形で、順番に掘る形というものがこの中央導坑先進坑法―通常は上半先進という形にすると、そういった形の方法で掘られるということが基本的な設計で、発注時の仕様になっている。それに対して、今回無導坑方式と呼んでいるものが3ページ目にあるもので、大きく上半、下半をほとんど一括で掘ってしまうという方法をここではとっています。その後、ここでステップ図でいく3のところで一次インバート閉合という形のインバートで1回断面を固めてしまって、下が何もないと沈下してしまいますので、変形しますので、つなぐような形で少し偏断面ですけれども、クローズさせるという形で呼んでいるのですけれども、そういったものを3番のところでやり、それで固めた後、後進坑で後のほうをまた同じように掘るという形のものを掘ったというものが、今回の無導坑方式と言われるものです。ですから、無導坑と言ってもいろいろなものがあって、また後で説明いたしますけれども、そういった形で掘ったときの状況が右の写真の1にある識名のときの実際に掘っているときの写真ですけれども、真ん中の一番上のほうに奥が切り羽と呼ばれるところの上半切り羽になります。そこのすぐ近くに1辺、段がありますけれども、下半切り羽をかけてその後インバートがあってここで閉合してしまうような形で固めてしまうと。そういったものをここの識名トンネルでやった無導坑方式―補助ベンチつき全断面というものを採用させてもらいました。それを無導坑方式に至る施工方法の変遷ということで、このような形でまとめました。トンネルとトンネルが物すごく近くにあるトンネルというものが幾つかありまして、ここでも50ちょっとくらい、というか全て数えても今のところそのくらいしかないということです。一番最初は3線導坑方式という形で、真ん中だけではなくて外もやはりこれだけ近くになると互いの影響を受けて変位が発生しやすいということで、両方も真ん中も端も3カ所トンネルを掘って、柱をつくって、それから本坑を掘るという3線導坑方式というものが一番最初にやられます。これは沖縄の伊祖トンネルが全国で初めてやったトンネルであります。その後、ここに書いてある平成13年度くらいまでについては、かなりの数―黒く太いものが沖縄のもので、沖縄に何本か、喜舎場にしろ、西原にしろという形で、かなりの数がこちらで掘られていて、3線導坑方式というものが当初は主流になっておりました。やはりそのときには、確実に受けをつくってそれから掘るということが主流の工法でありましたので、そういった形のものしか当時は機械の大型化も含めて、今のような形にはなっておりませんので、そのような形で掘るということが基本になっております。その次に、2番目の中央導坑方式という形で今実際に設計でやられた真ん中のところだけ、やはり両方のトンネルが近接しているということで真ん中が一番痛みやすい、両サイドは大丈夫そうだということで真ん中だけの導坑を掘って先進して、それから後のトンネルを掘るという形が次第に出てきた形なのです。沖縄では西原トンネルがかなり早目にやられた形になって、そちらのほうにだんだんと平成14年度以降は出てきている形になります。3番目に無導坑方式という形で出てきたものが、ここにあるように実際の施工ということでいった場合には、本当は日本で一番最初というものは鉄道トンネルで本州四国連絡橋の瀬戸大橋のときの鷲羽山トンネルというものがありまして、そのときに鉄道用の―このときは4連眼鏡トンネルとして掘りましたけれども、そのときの下の鉄道トンネルを無導坑方式の特殊な堀り方で施工しております。これが実際には一番最初の例でありますけれども、かなりその先行側のトンネルを大きく掘ってということでいろいろなことをやりましたので、かなり大変なトンネルであったということが当時であります。そこから余り検討だけはということで、その中でできないかということで静岡の三島市のほうでやられた祇園原トンネルというものが同じように無導坑で検討だけしております。実際に平成14年度以降に初めて下到津トンネルが無導坑で掘られたトンネルの最初でありまして、その後愛知県の五ヶ丘トンネル、それから大阪の大門寺トンネルが無導坑方式の先進坑側をちょうど中間の地山が残るのがいやだから、そこまで余分に掘ってしまえということで、大きく中央を拡幅してわざわざ大きめに掘って、そこのところにコンクリートの壁をつくるような形で掘られたものが最初であります。それが最初に平成14年、平成16年という形でやっていまして、これはいずれも施工業者が実際に中央導坑方式でやるとかなり工期がかかってしまうということで、それを発注側から何とか工期を短縮できないかという依頼があったと聞いています。それでもって、それをやるためには導坑をなくすほうが一番いいだろうということで、あとそれを短くすれば工費も少しは安くなるかもしれないということで、変えられたとお聞きしております。その流れがあって豊見城トンネル、私どももかかわった平成8年度、平成9年度のときの豊見城トンネルの坑口のところは、この3線導坑方式で検討しました。その後、平成14年くらいにサイドの地山からいくと中央導坑方式でいけそうかもしれないと、それで中央導坑方式に変えたと。実際に工事が始まる前の段階に、コンサルタントが少し断面を小さくできないかということで検討されて、拡幅型の無導坑という形のものを豊見城トンネルでも修正設計されて、実際に工事が発注されています。実際に工事が始まってから施工業者と一応協議しながら、もっといい方法はないかということで話し合って委員会の中でも審議した中で、豊見城トンネルで、先ほど言った識名トンネルで採用したような上半下半を一括して全断面、早目にクローズしている部分を早期断面閉合をする形で、なるべく先行トンネルも偏断面というものは変形しやすいので、なるべくきれいな形状の断面を掘ってしまおうということで、変えたというものが豊見城トンネルであります。こういった形で掘ったものが初めてだったので、豊見城トンネルのこの形式でやった図が最初に載っています。同時に、若干おくれた形で岩手の北山トンネルも同じような形で施工しまして、成功しているのです。それを受けた形で現在識名トンネルが平成20年度に竣工して、その後無導坑方式というものがここでいくと平成19年度竣工の比屋根トンネル、先ほど言った識名トンネル、それ以外のものということで一番下の右にあるのが熊本県発注の万日山トンネル、福井県の鳥浜トンネル、鹿児島県の新竹岡トンネルというものがいずれも識名、豊見城と同じような堀り方に全部変更されている形になっております。ですから、一番最初のときは3線導坑方式が主流で、そこから中央導坑方式ができるようになってきて、それが大体平成16年度くらいまでずっとそういう形になっています。基本的に設計は中央導坑方式で上半先進という形で機械掘削の場合は、設計で組まれているのがほとんどだと思います。その後、次第に少しだけ無導坑方式の3番の上半先進方式が少しずつやられている。逆に今は、無導坑方式で施工業者が技術提案されて変更したいということで、万日山トンネルなども中央導坑方式で設計されて発注されましたけれど、これは何とか工期とか若干短縮できないかということで変えられたものは、識名トンネルのほうで変えられております。そのような形で、現在は右のほうの無導坑方式の識名トンネルと同じ工法が主流になりつつあるということが現状であります。

○亀岡美友参考人 今のところで、この4ページに赤い字が書いてあるかと思います。この赤い字は先ほどの有識者の先生方の御指導を得ながら私どもが直接検討に加わったところです。一番最初は鷲羽山トンネルから、赤い字のところは全て私どもは検討に参画しております。さらに言えば、施工時の安全、耐環境―いわゆる地盤の沈下とか、それから本当にこの構想でもつのかというところの実際の施工時の技術支援もやっております。

○安井成豊参考人 実際の写真を見ないと理解しづらいということで5ページのほうに写真を載せてありますけれども、中央導坑方式というもので先ほど図でもありましたけれども、沖縄県のトンネルを3つつなげております。一番上が津嘉山バイパス1号トンネル―これは掘り終わっていると思いますが、これは中央導坑方式で延長100メートルでありますけれども、このような断面の小さいトンネルを掘って、その後右にあるような形のセンターピラーコンクリートという柱をとって、それから先進側のトンネルの上半下半という形で掘っていくわけです。中央導坑方式の問題点というものは、この狭いトンネルをまず掘らなければならないということと、そこの中でまたピラーコンクリートというものを打たないといけない。これを打たないと本坑を掘れない。あと、若干山が悪い場合にはピラーコンクリート側はしっかり足つけという形で沈下はしないのですけれども、反対側は普通の地山のほうに乗っかるので、そちらのほうが沈下しやすい場合がある。ですから、そういった形でこの津嘉山のところからも上半の支保工のところをウイングリブという支保工脚部の沈下対策とか、下のほうにパイルという形で柱を打ったりとか、そのような形を打たれているというものが実際であります。次の真ん中のものが無導坑方式でやられた比屋根トンネルということで、これは延長260メートルくらいですけれども、この左のほうの図と真ん中にあるように先進側が左側のトンネルですけれども、そちらのほうを中央側にぐっと拡幅したような形になっているので、少し形が余計に潰れたような形になっている。ですから、余計に沈下としては大きくなりやすいという形になりますけれども、真ん中は一遍打って柱をつくってしまえば、真ん中の安全性を確保できるといった形になります。一番最後は豊見城トンネルという形でやっておりますけれども、このときのものが中央導坑なしでそのままきれいな円形で掘った補助ベンチつき全断面というものをここでは採用しております。中央が離隔として40センチくらいしかない中で、大丈夫だろうかという話もあったのですけれども、一応それでもって施工していって、逆に沈下量の低減を含めて20ミリほどで確保できたということで、そういったデータを含めてずっと認識しておりましたので、そこら辺を私どもは担当しております。そのようなものを受けた形で、識名トンネルということで今回掘られたトンネルが右の下のような写真になっていると。これは久茂地側の坑口であります。6ページのほうには、先ほど何がどう違うかというときに、上半先進―通常の段階的に掘るものはまず真ん中の中央導坑を掘り切って、そこにコンクリートの柱をつくらない限りは、本坑を掘れません。そのときに延長が短ければ、機械がほとんど導坑断面に近い形になりますので、中ですれ違えないので掘ったら出て掘ったら出てという形があるので、作業員の安全性という面で物すごく問題があります。識名トンネルでは約560メートルという延長を持っていますので、通常そういった長いトンネルというものは横坑とか避難坑というものが掘られておりますけれども、そういった長い小さい断面でのものはあるのですけれども。そのときには、部分的に拡幅したりいろいろなことをしているということが実際です。それをここでやると余計にまずいので、そういった点にはまず問題になるだろうということと、ここにあるように上半のベンチというものが通常は機械がこの絵の真ん中にあるように、機械がまず並びますのでそれなりの長さをベンチとして持ちます。その後下半に落としてということで、それの長さを持って、インバートを巻くのにある程度こちらとの距離がないと巻けませんので、インバートをやるのにまた距離を持ちます。ですから、ある程度完全にトンネル断面が安定するまでに、かなりの時間がかかる。そういった形のものが通常の施工方法です。今回、補助ベンチつき全断面というものは、上半からすぐ近くのところでクローズさせるという形なので、ピラーから数メートルのところで安定させてしまうということで多分やっているトンネルで、通常の1本のトンネルだけ掘るときにも結構最近では沈下対策ということで採用されている工法になっている。今回、それを超近接のトンネルで採用したということが少し特殊性を持った形になっていて、それを初めて採用したのが豊見城トンネルであり、その結果を受けて見ながら識名トンネルで採用できるかどうかを議論したのが識名トンネルです。その成功例を含めて今現在各地のトンネルで、その工法で採用されつつあるということが実態になっている次第です。では、識名トンネルで最初のところの中央導坑方式と無導坑方式で何を変えましたかということも説明したほうがいいかと思いまして、7ページのほうにまとめております。今回、識名トンネルでは土かぶりがある程度厚いところというものは、D1という形の表の一番上にあるような設計になっております。ですから、先ほど資料―0にあるような形で掘削して吹きつけと支保工をやってからロックボルトという形のものを周囲に打って、安定させるというものが基本的な仕様になっています。ここにあるように、中央の導坑とピラーコンクリートを打たれている。D2というものは、土かぶりがだんだんなくなってきて掘削したらそのまま掘削した影響が地表面に出やすくなるところというものは、もう少しがっちりした形で受けましょうということで、ここのトンネルの上のほうにある長尺先受け工という形のものを打たれておりますが、それでもって先のほうに前方方向に補強してあげましょうということでやっております。一番最後のものは、同じような形ですけれども、鏡に打ったりとかいろいろなものを打ったりと断面とこちらは右端が縦断面方向、先受けというものは前方向に打っているもの、鏡にも打っているというものがD3になっている。基本的な設計のコンセプトというものはそういった形で断面、先ほど日本工営株式会社が説明されましたが、トンネルの詳細設計は実際の道路の構造とか、ここは自歩道つきですので、そこから考えられるものからいくと、どのような断面が一番最適かということをやるということが一つの内容になっていて、そこの中でどのような主要構造にするかということをいろいろ検討される。あと覆工のほうもどのような形の覆工圧とか仕様にするかということを検討される。その検討内容については、私どもも一応照査させてもらって、基本的な考え方とかそこら辺のものは余り変える必要はないだろうということで、そこら辺は基本的にはスライドした形になります。ここに絵で描いたような形のD1については、なるべく切り羽の近くで閉合するので、鏡には吹きつけコンクリートというものをやって安定させましょうと。先に掘るほうは後に掘るときの影響を受けるだろうからということで、そちらのほうの吹きつけコンクリートだけは高強度のコンクリートを使いましょうと。あと右にあるような形の断面閉合をしましょうと。そういった点を基本的には変えていると。ですから、そういった形の仕様の変更になっていまして、基本的な大きなものはない。大きく変えたものは中央導坑をやめてしまいましょう、断面はそのままにして先行のトンネルの補強ということで鏡と吹きつけのコンクリートの仕様を上げましょうと。下も閉合してクローズさせましょうと、そのような形を基本的な仕様の変更ということでかかりました。それによる工費増、工費減というものを検討したりもしましたが、最終的に識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中で挙げたものは8ページにあるような形の工程ということで検討しております。ここにある一番上のところが中央導坑案の設計の工事工程の期間になっています。トンネルの場合は最初の3カ月が準備工ということでありますので、そのときにプラン設備というものを設置するための準備工が始まって、中央導坑の掘削とコンクリート施工があります。それが終わってから初めて先進坑の上半下半というものが掘削される形になります。今回実績と比較するために掘削までの行程だけをここに載せておりますが、一応その掘削が後進坑まで完了する期間としては、ここにあるような29.5カ月くらいということが当初の設計案になっています。これを無導坑方式にした場合どうなるかということでやったものが、真ん中の青色のものでありまして、最初の準備工から始まって準備工が終わり次第本坑を掘りますので、それでもって先進坑、後進坑というもので掘った場合に約5ヵ月くらいの短縮ということで出てくるだろうということが最初のほうに検討した次第であります。では、実際にはどうだったかということで、先ほど工事の休止を含めてというぐあいにやったものが最後の実施工のものであります。黄色が実績のもので、緑が参考までにということで休止期間とかといったものを詰めてしまったものということで上げております。最初のほうは、12月末くらいに工事が契約されましたので、実際には1月から本当は準備工にかかれるはずだったのが、多分休止ということで工事が一部休止命令ということで出された形になっていると。1月、2月、3月のときに、工法変更の検討をしていますので、そのときには準備工を含めて一切やっていない。準備工のときに、先ほど無導坑方式にするのか中央導坑方式にするのかによって導坑を掘るための準備をするのか、本坑を掘るための準備をするかというものが大きく変わりますので、ですから何もできない期間はその3カ月が出てきます。その後、実際には4月から本坑を掘るための準備工を始めます。本坑の掘削開始が実際には4月から始まり、途中掘削停止期間というものと、若干最後のほうダイダイ色で書いたものが最後住宅地の真下をずっと掘っていましたので、やはり掘削時の音がうるさいとかそういったこともあって、通常トンネルは昼夜もずっととめずに掘る形で施工して発注しますけれども、このときだけは夜はやるなということで、夜間作業の休止という形の期間で少し延びる形になっています。そういった形であった結果であっても、一応掘削完了した期間は22カ月で実際には堀り上がっています。ですから、最初に検討したときの想定は一応物すごい速さで掘るようなことは検討はできないので、一般のサイクルタイムで想定したときには大体23カ月、24カ月くらいだと。実際にはいろいろな形の休止命令がかかりながらということでいったのが22カ月くらい。そういった休止命令さえなかったら、最後のほうは夜間の作業もそのままということでいった場合、そこら辺をずっと詰めた場合に10何カ月くらいで実際には施工を完了しているということが実態です。ですから、無導坑方式にしたことによる工期短縮というものは、実際には出てきているのではないかというように最終的な識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中でも報告させていただいている次第であります。あと、最後の9ページのほうには、識名トンネルの上が平面図で、真ん中が縦断図になっております。縦断図の青色でハッチングしているものが、島尻層泥岩になっております。両坑口部が少し悪い形になっていまして、平面図上に右のほうから左のほうに掘っている形になっております。下のほうには、先進坑と呼ばれる断面にいくと上のほうのトンネルで、後進坑という断面の平面図の下のほうのトンネルの実際の先ほど言ったどのような材料を使ったとかを書いている。なかなか細かいので、どのような材料かというものが少しわかりづらい部分がありますが、これの普通の設計で書いたものは無導坑にしたときにこのパターンにしましょうということで決めた内容です。ですから、多分日本工営株式会社が図面とか数量をはじかれて出されたときのものはこの上のものになっております。実際に掘っていく中で変えられたところ、実際の施工のときには、仕様とか断面とかは一切変えておりません。そういった形でいったときに変わったところというものは、最初の坑口がもともと斜面のところは地すべりの急傾斜地とかそのような地点に当たりましたので、坑口を少し固めてから押さえてから入りましょうということで、それを変えました。実際に掘っていったら、防空ごう―平面図に書いてある黒いもの、防空ごうの跡がありましたので、掘っていったらそれが抜けてきたので、それを埋める対処作業をやりましたということが赤で書いたところになります。その後は、先進坑側はずっと設計どおりのものをずっと施工されてきて、最後のほうになってきたときに少し仕様を変えた形になります。もともとD1という形のものを、D1ダッシュという形で少し変えたことと、D2という形をD3のほうにグレードアップした形と。ですから、ここのところが逆にいくと私どもも施工しながらいろいろなデータを見ていましたので、このままいくと最終的に2本掘ったときに、沈下の目標管理値としては30ミリ以下にしましょうということで一応設定しておりましたので、このままの仕様でいくと2本掘った段階で30ミリを超える可能性が高いということで、少し仕様をランクアップしましょうという形になりました。さらに、900ミリの送水管がここに交差しておりますので、そこへの対策も兼ねて、やはりランクアップすることにしましょうということで変えた形になっております。ですから、先進坑のところはそこを変えた形になっております。後進坑については、最初のところにD2―aという形で載っておりますが、ここのところはもともと最初からここら辺にあるかもしれないという、泥岩の中にも断層と呼ばれるところが若干ありまして、そういうところにあると少し崩れやすくなるということで、そこについては補強を少しかけました。その後、最後のほうはやはり同じようなところについて後進坑もきちんとやらないといけないということでランクアップをしたということが、この赤のところになっております。ですから、全体からいくとこの最初の部分と最後の部分の仕様をということと、最後出るところの明かりのところのトンネルが出るためにかなり切らなくてはいけなかったので、そのときの対処の設計がなかったものですから、そこについてのアンカー補強工というものが―現地に行かれるとわかるかと思いますが、アンカー工というものがかなり入っております。そういったものを追加補強したということが実際の無導坑方式にした始まりと終わりのときに変わったところが赤のところです。全般的にはそういった形になっていまして、私どもは識名トンネル(仮称)技術検討委員会の運営ということで有識者の意見を聞くこととあわせて技術的な支援ということで、どのトンネルでもいろいろなことをやっておりますけれども、実際にはトンネルというものは掘りながらいろいろなものを見て、事前に調査ボーリングなどいろいろなことをやっておりますけれども、これくらいの小さなボーリングのコアを縦に少し落として数本掘ってみるだけなので、実際にトンネルの断面積においてこの大きな断面を掘ったときにどうなるかということは、実際にそのコアだけではわかりかねるところです。ですから、そういった形のものを見るためにということで実際にトンネルを掘るときのデータと、掘削したような状況を含めて見ながら考え直すということで見直した形でタッチしたということです。説明が長くなりましたが、以上です。

○奥平一夫委員長 参考人からの説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 前田政明委員。

○前田政明委員 今回の識名トンネルの問題、御承知のように日本工営株式会社が平成2年から平成5年、平成9年、平成16年度に私どもがわかっている範囲で識名トンネルの設計を累計9899万円の金額で中央導坑方式で設計完了しています。沖縄県は平成18年度に設計どおり中央導坑方式で工事を発注しました。しかしながら、わずか2週間後に工法変更を行うから工事を中止しました。その工法変更を行うために、社団法人日本建設機械化協会に随意契約されています。第1回識名トンネル(仮称)技術検討委員会、平成19年2月8日で工法変更されました。中央導坑方式から無導坑方式に変わったわけです。その結果、沖縄県は工事完了までに設計費5700万円、工事費が大成JVに10億3900万円の増額を請求される羽目になりました。そのため、沖縄県はやってもいない送水管沈下対策工事なる架空の工事を考え、虚偽契約を行いました。国は6月8日に虚偽公文書作成行使罪、補助金適正化法違反で県庁職員を刑事告発しています。警察の捜査も行われております。私はこの根本に、不可解な工法変更があると考えていますので、以下質問をします。最初に社団法人日本建設機械化協会―貴社は識名トンネル(仮称)設計・施工検討業務委託を平成18年12月12日に契約を行っておりますけれども、これは南部土木事務所からいつ随意契約の案内があったのでしょうか。

○亀岡美友参考人 随意契約と申しますのは、発注者側から私どもに随意契約いたしたいという申し出があればということが前提になりますので、12日付があればその当日くらいだと思います。それで、13日に契約になっていると思います。

○奥平一夫委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、前田委員から契約書の日付は12日であるとの指摘があった。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 亀岡美友参考人。

○亀岡美友参考人 その前に、識名トンネルの前に豊見城トンネルの技術検討をやっております。当然施工中も見ておりましたので、そのときにいわゆる沖縄総合事務局ではなくて、県のほうでもこういう眼鏡トンネルが今後出てくるかもしれないということで御紹介をいただきまして、これは豊見城トンネルのほうの委員会の中で近接トンネルの勉強会、研修会をやってはどうかといってアドバイスを受けて実際にやっておりますけれども、そのときに初めて県のほうでこの識名トンネルということを知りました。

○安井成豊参考人 多分うちが識名トンネルにかかわったというか、識名トンネル自体を知った経緯と、逆にいくと南部土木事務所とうちとのかかわりという、どこからかかわりになったかということをお話しさせてもらったほうがいいかと思いまして、お話しいたします。私どもも識名トンネルというものは、平成18年度の最初とかは申しわけないのですけれども、知りませんでした。先ほど言ったように、豊見城トンネルの委員会をたしか平成17年と18年にかけてやっておりまして、平成17年の後半から先ほど言った無導坑方式のところを施工していろいろなデータをとっております。最終的には、平成18年7月くらいに豊見城トンネルに関しての委員会で、無導坑方式についての最終的な評価、いろいろなデータを出したということが7月の終わりだったかと記憶しております。そのときに、泥岩の地山というものは掘ってそのままにするとだんだん沈下する形になる。その後9月に先ほど言った眼鏡トンネルというか、無導坑方式についての技術研修会を沖縄総合事務局、南部国道事務所からやってくださいということで言われて、主に事務所内での技術研修会という形で無導坑方式についての説明をやっております。そのときに、南部土木事務所の方が来られて、識名トンネルについても同じような形の条件があるかということで、私が初めて会ったのがそのときかと。その前のときに委員会で整理されたときに、沖縄県ではそういった眼鏡トンネルのものがあるから、そういった紹介をしに行ったらどうかということが最初でございます。

○前田政明委員 ですから、私が聞いたのは、いつ随意契約の案内があったのかと聞いているのです。今の話であれば、4月からですか。

○安井成豊参考人 今の話からいくと、まずは私どもが随意契約をやるかやらないかということは、そういった形で私どもがかかわって検討すべき内容かどうかということで、いろいろな形でお話しさせていただきます。そのきっかけで一番最初に知ったのが、最終的には私どもが情報を知ったのが9月。9月から南部土木事務所からは、識名トンネルでこのようなトンネル―上に家屋があるトンネルを掘るので、豊見城トンネルと同じような形で委員会を開きながら検討をしたいという形のお話があったと。

○前田政明委員 もう少し正確にお願いします。済みません、ここは大事なところなので9月何日、誰からそういう具体的なお仕事の話があったかということを答えてくれませんか。

○安井成豊参考人 まず豊見城トンネルの最終的な委員会を7月26日に開いております。そのときに、先ほど言ったように、このような形のトンネル、方法でやるということは島尻層泥岩にマッチしていますということがあって、同じような超近接のトンネルがこれから県のほうで掘るようなので、そちらのほうに行って話を聞かれたらどうですかということで話を受けた。そのような話を聞いたのが、そのときが初めてだったと。そのときは私は南部土木事務所の方とはお会いしていない。最初にお会いしたのが、9月12日にトンネル講習会というものを南部国道事務所の会議室で行い、豊見城トンネルの施工のいろいろな経過とか、こういったところを注意するべきですとか、その結果としてどのような形の沈下抑制ができたかという形のものをまとめて、基本はほとんどの方が南部国道事務所と北部国道事務所と沖縄総合事務局の方でしたけれども、その中に県の方もいらっしゃって、その講習会が終わった後に識名トンネルについて、このようなトンネルですということでお話を聞いたのが最初です。9月12日です。

○前田政明委員 それで、その9月12日の後はいつお会いになったのでしょうか。

○安井成豊参考人 私どもはその後、たびたび豊見城トンネルの関係で沖縄には来ておりますので、それで識名トンネルの現場を見ることと、事前に若干資料めいたものを送ってもらって、このような形の業務というか検討業務をされたらどうですかという形の業務計画書をその後つくって、メールでやりとりをしている形になります。通常、前も随意契約でやるときは、そのような形で進めておりますので。

○前田政明委員 先ほどの識名トンネルの現場は、どなたと回ったのですか。いつごろですか。今のお話の識名トンネルの現場を見たということは、いつごろ、どなたと。

○安井成豊参考人 南部土木事務所の方と一緒には回っていないです。ここに識名トンネルが計画されていますとか、そのような形の資料をもらっておりますので、私ども実際にそういったところがあったらどのようなところだろうかということは事前にいろいろなところで見て回るので、ですからそういった意味で当時豊見城トンネルを担当していたメンバーである自分と、他のその下の担当者2名くらいで回ったと思います。

○前田政明委員 その9月12日以後は、何日ですか。

○安井成豊参考人 9月12日以降に南部土木事務所の方と会ったのは、契約の1回だと思います。事前にということはないです。ほとんど今はメールと電話でやりとりしますので。

○前田政明委員 このメールのやりとりは誰とですか。

○安井成豊参考人 実際に確認しないとわかりませんけれども、たしか新城主幹、主査かな。南部土木事務所のです。いや、技術総括ではなくて、新城という方は技術総括と、あと街路公園班の担当の方にもいらっしゃって、そちらの街路公園班のほうとやりとりしたと。

○前田政明委員 そのやりとりの内容はどのような中身なのですか。

○安井成豊参考人 やりとりの内容はあくまでも、委員会の開催とかその検討内容、検討をどうするか。ですから、第1回の検討もあくまでも今中央導坑方式でやられているトンネルについて、やはりどのような形で安全とかいろいろなことを検討したらいいのか。今の中央導坑方式も含めて、あそこのトンネルはあれだけの家があって真下をあれだけの近接で、14メートル幅というものはかなり大きなトンネルです。それを掘ろうということは物すごく大変な工事なので、それをやはり有識者を交えたものでないとやはり怖いこともあって、いろいろな意見を聞きながら確実に掘りたいということが南部土木事務所の話でしたので、そのような検討を含めた形のものをやろうと。ですから、無導坑方式ありきでという検討をした覚えはありません。平成18年度に2回識名トンネル(仮称)技術検討委員会を開いています。1回目には中央導坑方式での施工の課題などを上げながら当然先ほど言った無導坑方式というものが、私どももかなりの本数にかかわってきておりますので、そういったものの採用可能性があるかどうかということを、検討に値しますかということを審議してもらうことを第1回目にやりました。ですから、その場でもう無導坑方式ということは怖くてここではできませんと言ったら、そこでもうやめましょうということで、そのような話をしておりました。ですから、あくまでも目的は識名トンネルという環境条件下で安全に、地上に影響を与えずにいかにして掘るかという形を1回目で、そのときに無導坑方式が検討に―俎上にのるかどうかということを1回目に審議していただき、それでもって検討してもいいのではないかといったときには2回目のときにその細部仕様について上げていく。それが本当に可能性があるかどうかということを提言してもらったということが経緯であります。

○前田政明委員 確認しますけれども、9月12日に会ったのは誰でしたか。

○安井成豊参考人 多分、街路公園班の新城さんです。

○前田政明委員 その後メールで新城さんとやりとりをして、大体今言った無導坑方式、中央導坑方式を含めてどうしましょうかと。そして、その中で大体検討委員会をいつごろやりましょうかとか、具体的なお話をされたわけですか。

○安井成豊参考人 何日に開催するか、そういうことは当然少し難しいので、12月の実際に私どもが契約する段階まではどのような内容の検討をするかということと、せいぜい随意契約というものがいつ契約できるかも全然わからなかったものですから。その後に期間、当然3月までにやるということでいった場合に、委員会が何回開けるかとかそのような形のものを多分やりとりしたと思います。それによって発生する資料とか契約が変わりますので、そういった形をやったというように多分記憶しております。

○前田政明委員 入札が平成18年11月21日で、契約が平成18年12月22日なのです。議会で議決ができたのが。今のお話を聞きますと、7月26日くらいから会って、それから9月12日にいろいろ話があったと。それでメールのやりとりということで。社団法人日本建設機械化協会と、県の南部土木事務所との契約は12月12日になっているのです。それでいいですか。

○安井成豊参考人 履行が13日なので、契約は12日だと思います。

○前田政明委員 社団法人日本建設機械化協会との契約が平成18年12月12日。大成建設株式会社と私たち議会が可決をして契約したのが、平成18年12月22日ですね。それから、工事がぱっとストップするというようになるのですけれども。皆さんは特命随意契約という格好で、県に聞きましたら相見積もりもとっていないということで、これは特命随意契約だと。皆さんとしては特命随意契約として選ばれた理由というものは、どのように認識されていますか。

○安井成豊参考人 多分、先ほど言ったように公益法人、中立的な立場で動いているところで、全国各地のトンネルの施工に関して私どもは技術支援という形で、委員会運営だけではなくて委員会を運営せずにそういう形でタッチしているものが物すごくたくさんございます。ですから、そういった形のトンネル施工に関しての経験と、後は先ほどのデータ―多分豊見城トンネルの関係のデータを一番持っているのがうちですので、そこら辺を含めて類似である識名トンネルについて検討にかかわるということで、出されたのではないかと思っております。特命随意契約理由ということは、私どもは知らされませんので。
○前田政明委員 その理由は、聞いたらこう言っております。今回委託予定の検討業務は云々で、別枠仮称識名工事の設計成果の精査及び施工方法に関する検討業務である。識名トンネルは、市街地に計画されたトンネルであり地上部分には多くの住宅等が密集していることから、安全で経済的な施工を行う必要があり、通常のトンネルよりなお一層慎重な施工が必要であると。上記業者は最近の新たな技術を導入した施工実績や、眼鏡トンネルに関する技術検討の経験等があり、また識名トンネルと同じ地質における云々ということで、無事貫通させた実績があると。工事をより安全で経済的な施工を行うために、技術的な支援を求めると。それに変わるところはないと。ところが、無導坑方式の実績を含めて日本工営株式会社もあると。この間、日本工営株式会社も地質調査とか、皆さんが言っている設計、施工を含めて設計からみんなかかわってきているのです。その平成2年からかかわってきていて、地質の問題とかその他も含めて、直接かかわってきていると。そういうことで、それがどうしてこのように皆さんの社団法人日本建設機械化協会のほうに、いわゆる委託をすることになったのかということが非常に不思議で、そういう面では不思議なのですけれども、そこは私どもずっと見てきて非常にどうしてこうなるのかと疑問を持っているのですけれども、皆さん私の発言に対してどう思いますか。

○亀岡美友参考人 今考えれば、今の時点では随意契約ということがかなり問題点があったという認識ですけれども、私どもが実際に先ほど御説明しましたようにトンネルをいっぱいやっている時代、特に平成10年代から十六、七年、ちょうど識名トンネルが始まるころまでは、そういうようにコンサルタントとある種、私どもは設計をしませんと申し上げましたけれども、その前の事前検討なり施工検討はやりますので、そういう検討を経て、修正設計なり新規設計に入るというような仕分けがあって、随意契約になったものだという認識をしております。

○前田政明委員 私は、先ほど日本工営株式会社の方から聞いてその前提でお聞きしたかもしれませんけれども、皆さんのところは調査設計業務を一貫したものはやっていないのではないかと。そういう面で、工法変更になった後日本工営株式会社が1000幾らかで構造云々とやるということで。それで皆さんにお聞きしたいのですけれども、日本工営株式会社みたいに直接元請けとしてトンネル工事の調査設計業務を受けたことはあるのですか。

○安井成豊参考人 私どもは調査ボーリングとか調査は民間の調査会社がやる。設計自体の詳細設計とかそういうものは、コンサルタントがやる。一時期、特殊なトンネルで設計をやってくれと言われてやった例があるのですけれども、そのときも民間がやるべきことは、そういった公益法人がやってはいけないということで、コンサルタント業界のほうからクレームがあった経緯もあって、基本的にはそういった民間がやる業務は民間がやる、民間のほうにお任せするという形になっています。ですから、そういった意味でやっていないと。

○前田政明委員 やっていない、できないということでいいですけれど。それで、委託業務の積算では現地調査が計上されていますけれども、これは当然ながら第1回識名トンネル(仮称)技術検討委員会の開催を踏まえて、貴社の担当委員メンバーは現場をよく調査を行った上で工法の変更を決定したのですか。

○安井成豊参考人 当然のことながら、先ほど言ったように私どもは実際に自分たちで資料をつくって動きますので、実際に現場がどのような状況かということも含めて検討に行くのは当たり前ですので行っております。具体的に何日と言われると、今何もないのですけれども。

○前田政明委員 要するに、委託業務の積算、皆さんが出したものの中には現地調査費が計上されていますね。それはいつ現地の調査をされたのですか。

○安井成豊参考人 具体的に何月何日に行きましたというものは、今記録を持ち合わせておりませんのでありませんが、先ほど言ったように当然識名トンネル(仮称)技術検討委員会資料をつくる前にさんざん、そういったものは来なくてはつくれませんので、恐らく1月か12月かわかりませんけれども、来ているはずです。

○前田政明委員 それで、同じことになりますけれども再度済みませんが、日本工営株式会社は、平成19年度識名トンネル修正設計業務、無導坑方式―工期平成19年5月2日から8月30日までを金額1096万2000円で受託してますが、これは今お話のように社団法人日本建設機械化協会は構造計算、設計報告、図面などの作成をしないというか、その能力がないということではなくて、皆さんはしないということですか。能力がないからではないですかと私は聞きたいのですけれども、そこはどうですか。

○安井成豊参考人 やれと言えばできます。あと、検討のときに第1回目か第2回目の無導坑方式で沈下抑制できるかできないかを含めた形の解析は、私どものほうでやりました。ですから、そういった形の検討とかそういうことは出ますけれども、単純に図面とか数量表とか、いろいろな発注のための資料をつくるということは多分既に中央導坑方式でつくられた図面等をベースに、多分日本工営株式会社がつくられるものが一番効率的で一番早いのだろうと思いますので、そういった形で出されたのではないかと思います。

○前田政明委員 それで皆さんは、工期が短縮されて工事費は安くなると提言したわけですね。それで、提言したわけですね。

○安井成豊参考人 それは最終的には、平成18年度の第2回識名トンネル(仮称)技術検討委員会資料の中で一応出しましたが、一応それをやるためには無導坑方式にしたときに先ほど言った高強度の吹きつけコンクリートとか、どのようなものを入れましょうかということをいろいろ検討する形の上で、そのための費用というものを含めてやるときに、私どもは沖縄県の単価とか積算方式というものはわかりませんので、ですから中央導坑方式の場合と無導坑方式の場合ということで自分たちで同時に並べて積み上げて、そうした場合にお金の単価としては先ほど日本工営株式会社も1.1倍とかそのような形になると言われましたけれども、どれくらい比率差があるかどうかというと、工程上どのような形で下がるかということを別途組んだと。それを資料としてお出しした形だと。工期は短縮し、工費が若干ほとんどとんとんか、少し安くなるだろうという形でお出ししたと記憶しております。

○前田政明委員 若干とは県は言ってませんよ。要するに、安くなるということで。ですから、そういう面で皆さんは平成19年2月の最初の識名トンネル(仮称)技術検討委員会で、ほぼ結論的には2時間くらいで無導坑方式にしましょうという確認―運営をやっていますね。

○安井成豊参考人 先ほど言いましたように、第1回目は無導坑方式というものがこの識名トンネルの施工条件下において採用可能かどうか、検討の俎上にのるかどうかということを第1回目の識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中で議論させていただき、議論する価値はあるだろうということを識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中で結論をいただいたということが第1回目になっています。
○前田政明委員 そのときに、私が不思議に思ったのは直接かかわってきた日本工営株式会社も大成建設株式会社もこれは直接反論とか、意見を述べられる状況ではないですね。意見を述べられる運営をしたのですか。

○安井成豊参考人 第1回目のときには、まずは先ほど言ったように無導坑方式が検討に値するかしないかなので、大成建設株式会社は同じ席のところにオブザーバーという形で席をとって、実際の施工を担当される方と本社の方がその内容を聞かれていたというように思います。それでもって、無導坑方式について検討を進める、それも一度検討してみると。ですから、最終決定はそれが工期工費的にも不利であれば、中央導坑方式にそのまましましょうということで進めておりましたので、2回目のときから協力業者ということで大成建設株式会社には入っていただいたと。申しわけありませんが、日本工営株式会社はその第1回目、第2回目のときには入っていただかなかったと。入っておりません。

○前田政明委員 皆さんの資料では、日本工営株式会社よりの抜粋ということで資料を使っていますね。14―A―32。ですから、私たちからすると、ずっとかかわってきたところ、そして無導坑方式の実績もある。そういうところの日本工営株式会社の資料を使いながら、長年かかわってきたその業者から意見だとか、識名トンネル(仮称)技術検討委員会だったら意見なりその他を直接、皆さんは地質調査もやっていないわけだし、構造計算もやっていないわけだし、普通からするとそれをずっとかかわってきた日本工営株式会社の意見も聞いて、やはり議論をすべきではないのかと思うのですが、なぜそういうことをしなかったのですか。

○安井成豊参考人 資料3のほうに上げた無導坑方式のトンネルは、無導坑方式は全て設計は中央導坑方式になって発注されています。先ほど言った下到津トンネルも五ヶ丘トンネルも大門寺トンネルも、いずれも工事が受注された後施工業者のほうで無導坑方式にするということを提案されて、そういうものを無導坑方式にするための仕様構造などの修正の設計自体は施工業者のほうでやろうと。ですから、今現在自分が把握しているものの中で無導坑方式にするということで修正設計されているものは、比屋根トンネルのものと豊見城トンネルで。ですから、日本工営株式会社がそのときに無導坑方式の設計実績があるかといいますと、自分はないはずだと思っておりますけれども。

○前田政明委員 その時点ではないということですか。その後はあるということですか。その時点では、無導坑方式の実績は日本工営株式会社はないと。ここは確認します。

○安井成豊参考人 日本工営株式会社の設計実績を完全には把握しておりませんのでわかりませんが、基本的には平成16年、平成17年の段階のときも無導坑方式でやられているというものは、そのときには下到津と五ヶ丘と大門寺と豊見城と北山が動いているだけでしたので、終わっているものが少なくとも下到津と五ヶ丘と大門寺、それがせいぜい外に出てきたのかどうか。豊見城トンネルが事例として外にオープンになったかどうかということだけです。そのいずれも設計のコンサルタントがやったものではなく、いずれも施工業者がみずから変更されてやったものです。

○前田政明委員 それで、平成19年度の識名トンネル修正設計―無導坑方式への工法変更は日本工営株式会社が先ほど言ったようにやっているんですよね。要するに、その今言っている工法変更―平成19年5月2日のもので、先ほどもありましたけれども、無導坑方式への工法変更ということで修正設計をやっているのです。これは御存じなのでしょう。

○安井成豊参考人 その平成19年5月というものは、先ほど説明されたと思うのですけれども、平成18年度に無導坑方式に見直すという検討結果と私どもの考えた仕様の構造というものを図面とか数量に具体化する作業ということで、無導坑方式の設計業務という形でやられたのではないかと理解しておりますけれども。

○前田政明委員 先ほど安くなるということでしたけれども、先ほどの大成建設株式会社が5億9000万円、そうではないという積算表を出しておりますね。これは資料の26―8ですけれども、この中で特にこのコンクリートの吹きつけ。これは4億5700万円、26―8、これは皆さんの、どのように安くなるかという関係では、これは大成建設株式会社が出しているものが必要ないのかどうか。

○安井成豊参考人 26―8だけだと、完全にはわかりかねるので。高強度による工費増というものは、私どもの検討でも高強度化によるものということでもともと数億見込んでいます。導抗がなくなることによるものとか、いろいろな形のものが―掘削の費用とかそういうものが、上がるものと下がるものがいろいろあって、そういう形を見た上でトータル少し安くなるという形で資料を出したと。

○前田政明委員 お聞きしたいのは、皆さんがいろいろ言って本当に、私にすれば乱暴なやり方だと思うのです。それはなぜかということが解けないものですから。まとめますと、議会の議決を経る前にもう県は無導坑方式ありきという形で、職員が皆さんと接触してきていて、その中で肝心の日本工営株式会社やその他大成建設株式会社もオブザーバーで、無導坑方式なり中央導坑方式に対する見解を述べられない。そのままで学者、文化人かわかりませんけれども、非常に有名な方々が集まってやったと。それは一般的な話であったと。先ほど単価の計算はわからないと。沖縄県はどうかわかりませんので、一般的な比率でやりましたという話でした。そういう中で、具体的に皆さんが言ったことと違うことが起こっているわけです。その混乱が10億3900万円のお金が余分に出て、県が払えなくて虚偽の後始末を今やっているのですけれども、この特に4億5700万円―すなわち無導坑方式になって強度を強めないといけないということで4億5700万円吹きつけが必要なのですかと。だから、大成建設株式会社が出しているこれは必要なのですか。それとも、想定内なのですか。

○安井成豊参考人 私どもの先ほどこちらの比較で出したように、無導坑方式で今回中央導坑なしでやった場合には先進坑という形のそちらのほうの吹きつけの高強度化と、やはり施工時の安全性を含めてということで、鏡補強という形の吹きつけは必要だろうということで、高強度化による工費増というものは必要だということで、私どもの事前のものも数億見込んでおります。

○前田政明委員 そうすると、皆さんの言っていることは破綻しているではないですか。それを含めて大成建設株式会社は5億9170万3170円の額を出しているのです。皆さんが言っていることと全然違うではないですか。それも含めているなら、安くならないではないですか。

○亀岡美友参考人 先ほど安井も言いましたけれども、高強度化は必要なのです。では、なぜか上がるものだけがリストアップされていまして、先ほど言いました小さいトンネルを掘って、真ん中にセンターピラー―いわゆる中央のコンクリートを打たなくてはいけない。これがなくなるわけです。それを減額しているところがなくて、ふえる―必要な部分は入っています。でも、減る部分の積み上げをきちんと見ないと。それはふえる部分と減る部分があります。
○前田政明委員 私が言いたいことは、この吹きつけ含めて要するに5億9000万円余りふえているのです。沖縄県では前例がないと言われていますけれども、この発注者が議会を経て落札して12月に契約したと。そしたら、その前から議会説明を含めて中央導坑方式でやってきて、実際上は無導坑方式の状況を皆さんと連携しながら、わずか1日、2日でこの皆さんの知恵をかりた格好にして、いわゆる47%の契約を上回る別契約だという形で10億3900万円を引き出すきっかけをつくっているのです。そういう面で、なぜ特命随意契約という格好でいわゆる理由にもならない皆さんもわからないという形でなったのかということが、一応きょう解明できましたので終わりますけれども、ただ皆さんが言っていることが違う結果になっていることについての自覚はないのですか。

○安井成豊参考人 まず工事が始まる段階のときに、大成JVが工費が上がると言われている内容については、実際にそれを細かく見ないと、もしかしたら県、私どもを含めた形で考えているものと若干違うところが出てきて、仕様の見込み違いなどを含めて変わっている部分があって、高くなっているのかもしれないと。それについてはよく見させてもらわないとお答えできませんということが1つ。あともう一つは、先ほど言った当初の設計というものは、D1、D2、D3という形で確認した形で設計しておりまして、もともと島尻層泥岩というものは、本当はだんだん悪くはなってしまうわけですけれども、やはりこちらのほうのN値50以上のもので、基盤岩でしっかりしていますのでそれがどれくらい期待できるかによって補助工法というものは抜くことができる。ただし、データからいくと最後の那覇市側の住宅のかぶりが薄くなるところについては、少しグレードをアップしないと沈下が抑制―30ミリ以下にとめるということが難しかったということで変更しているということが最後の資料にもありましたけれども、その分の増加ということはよくトンネルのどれもそうですけれども、山を見ながら変えますのでそういった形で変えたということでいいのではないかと思います。

○前田政明委員 私の質問に答えていない。皆さんが結局は、どちらかというと指導して中央導坑方式から無導坑方式に変わったと。このことによって、47%という低落札であった内容が、いわゆる発注者がそれをやったということを理由にして別契約、すなわち随意契約で47%の当初の落札額以外のやり方でやるべきだという大成建設株式会社などの主張の大きな根拠になっているのです。きっかけに。そういう面で、単にそういう流れの中のものを持ち出した。それが先ほど言ったような経過でやられているということがわかりましたので、それでいいのですけれど、ただ言いたいことは皆さんのそれがきっかけになって47%ではない、別だと、工法が変わったのだからこれまで前例がないということで大成建設株式会社が後からどんどん出して10億3900万円。県は工事が終わってお金がないということで、虚偽の契約をして今犯罪になっているという経過になっているということを指摘して終わります。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
座喜味一幸委員。

○座喜味一幸委員 少しだけ伺わせてもらいますが、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所、大変力を持った組織だなと思っております。今回の皆さん方の識名トンネルにかかわった経緯について簡単に私なりに印象を持っていますが、豊見城の島尻層におけるトンネルの施工例が既に進んでいると。同じ地質を持った、しかも住宅街の中で識名トンネルが始まっていると。そのようなほぼ同じ条件の中でトンネル工事が進められるとなっているが、国が施工している工事と県の進めている工事が、根本的な工法だとかそのようなものに違いがあったら会計検査等も含めて、あるいはその工事の妥当性等も含めて研究する必要があるなということで、沖縄県の職員は豊見城トンネルの進状況に大変興味を持って勉強されたというように思っていて、幸いなことに、皆さん方の委員会を含めてその辺の技術的な相談をする機会があって、これが講習会につながったのかと思っているのですが、いかがでしょうか。

○亀岡美友参考人 基本的に今のお考えのとおりだと思っています。

○座喜味一幸委員 確認だけさせていただきたいのですが、多分県もこのような大きな工事を進めてきて、技術的なサポート的な組織、そういうものに頼れなくなっていたときに多分皆さん方に相談があったと思うのです。皆さん方が平成18年度に受注された設計施工検討業務ですか、それの第1回識名トンネル(仮称)技術検討委員会、第2回識名トンネル(仮称)技術検討委員会の開催された日付とそのメンバーについて教えてください。

○安井成豊参考人 第1回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会は平成19年2月8日になっています。第2回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会は同年の3月7日です。メンバーは、基本的には委員長を含めて、委員の方たちはトンネルに関するメンバーと、あとはトンネルを考えるときには島尻層泥岩とか地元の地質をよく知った人を入れないといけないので、琉球大学の名誉教授である方とか、現琉球大学の先生、あとはトンネルに関して少しだけかかわられている先生という方たちが識名トンネル(仮称)技術検討委員会のメンバーに入っております。あと、そのトンネルに関して言うと、独立行政法人土木研究所の方、株式会社高速道路総合技術研究所―NEXCO総研の方とか、トンネル研究所の方たちを集めているような状況です。

○座喜味一幸委員 第1回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会では、先ほどの説明を聞くと、無導坑方式の件は議論する余地があるということになって、第2回では、無導坑方式がいいのではないかという提案がされたという理解でいいですか。

○安井成豊参考人 その理解で結構です。

○座喜味一幸委員 それで、県の担当者も含めて、いろいろと結論を出さなければならない大変重要な時期に、契約発注が平成18年12月22日にされて、年明けの1月11日に工事の中止がされているのです。ということは、少なくとも日本のプロフェッショナルである皆さん方のある程度の提案、方向性を受けて、識名トンネル(仮称)技術検討委員会にかけて検討をするまで工事を停止しましょうかというような指示が、契約者に対して多分なされたのではないかと私は理解するのですが、その手続、識名トンネル(仮称)技術検討委員会の最中に、県は4月2日に工法変更の指示をやっているのです。ということは、皆さん方の識名トンネル(仮称)技術検討委員会の方針が決まるまで少し待ってくれと、根本的な変更があり得るということを多分4月2日に大成JVに指示していると私は理解するのですが、その流れから見てどうですか。

○安井成豊参考人 12月22日というのが、大成建設株式会社が契約した日で、4月何日というのが工事一時休止命令でした。基本的には休止命令をかけないと、中央導坑を掘ろうとした場合には、中央導坑を掘るための支保工とか、それのための施工機械というものを全部用意して始めることが最初の準備工工事という形になりますので、そういうことを始めてしまいます。ですので、もしかしたら無導坑方式に変更するという形になった場合には、そこら辺が全部無駄になってしまうので、本当にどちらにするかということを検討するためには、その無駄な費用を大成建設株式会社にさせないためには、とめざるを得ないという形で御判断されたと思います。中央導坑方式の場合にも、もしかしたら無導坑方式ではだめだといった場合にも、中央導坑方式で現設計どおりでいいかどうかということも当然あるので、それによっては支保工の形状とかを若干見直すことも出てくるかもしれないので、やはりとめざるを得なかったと考えたかもしれないです。

○座喜味一幸委員 識名トンネル(仮称)技術検討委員会開催のときの提案資料というものは、基本的には皆さんがおつくりになって提案説明はするのですか。

○安井成豊参考人 基本的には自分たちで全部資料をつくっています。ですから、日本工営株式会社が書かれた修正設計の資料とか、昔の地質調査の報告書とか、それを全て集めまして、それをもとに先ほど言った検討も含めてということで資料をつくり、自分と同じとりかかったメンバーで、識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中でも説明しています。

○座喜味一幸委員 今回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会の判断が相当、今回の識名トンネル工事に影響した。発注間もない工事をどのようにして安全かつ速やかに施工するかということで御苦労されたことは大変わかるのですが、発注後に皆さん方のアドバイスがあって大きく変更されたということが極めて大きな影響を持ったかと思っております。トータルとして、工法を変更して、大変時間のないもので、ぎりぎりまで工事発注をするという工程の厳しさの中で、苦労されたことはどうでしょう。要するに、発注してから約7カ月間工法変更に絡む休止期間があるのです。それを、一つの工法変更をすることによって、相当施工業者、工程を含め、大変な影響が出てきたのです。識名トンネル(仮称)技術検討委員会でその辺まで十分に配慮されながら、この委員会が進められてきたのかどうか。これが後々の大きな事故につながっているものですから、その辺はどのように皆さんは評価しているかお聞かせください。

○安井成豊参考人 工法変更のために休止期間が3カ月と、多分掘削が7月1日に始まっています。先ほどあったように、実際には施工業者はその前の6月ぐらいから掘削できる準備があって、そのために、トンネルの場合には1メートルずつ同じ断面を次から次へと繰り返すので、そのための支保工とか、いろいろな図面ができれば進められるということで、多分それを間に合わせるために日本工営株式会社は大慌てで段階的に出されたという形になっております。実際には、先ほど言いましたように、もともと560メートルの識名トンネルの長さがあって、中央導坑を5メートル進んで、ほとんどダンプが1台通ると何もすれ違えないような断面の中央導坑をずっと550メートルずつ掘るということが―そういった導坑断面の図をここにも書いていますが、私どももかかわってはきているので、実際にはほとんどそこのところで工期が遅延するということと、下が泥岩ですので、悪いということで補強工を打たれるとか、そういった形で工期、工費の増というのがかなり出てきています。ですから、豊見城のときも掘削して早期閉合したところはそれほど沈下がずるずる増加するということはなかったのですが、反対側の工区のほうは、ここの標準と同じような上半先進という形で、閉合せずにずっと行ったところについては、あるところでかなりの段階的な沈下を起こしたところが部分的にあります。ですから、泥岩の場合にはいろいろな、地元の先生たちからも話があったように、泥岩は掘ったらすぐにクローズしてしまう、痛めないようにするということがすごくいいということが、豊見城トンネルのときの経過もあって、そのような形を採用したほうが本来はいいのではないか。もしくはそれが、ここでやるというのは断面の大きさが……。

○座喜味一幸委員 それで少し伺いますが、豊見城トンネルの委員会と識名トンネル(仮称)技術検討委員会の人の重複等はありましたか。

○安井成豊参考人 委員のメンバーの重複はあります。

○座喜味一幸委員 国の委員会と県の識名トンネル(仮称)技術検討委員会と、大分重複されていますか。

○安井成豊参考人 全員完全に同じではないですが、もともと眼鏡トンネルとか、超近接のものでかかわっている先生方とか、そういうところは割と限定されますので、そこら辺でほとんど重複しております。

○座喜味一幸委員 多分施工機械のトップの技術の情報、それから行政、あるいは国土交通省等の土木研究所といいますか、そういうトップの技術の推移というものを皆さん方は常に収集整理されていると思うのですが、今回のような特殊大型工事等において、国は、あるいは沖縄総合事務局はどのような関与をされるか、その辺が答えられたら教えてください。

○安井成豊参考人 どのトンネルでもやるというものではありません。ですから、あくまでもトンネルの難しさといいますか、施工上の課題の大きさに応じて、そういったことをやられるという形になります。ですから必ず国が指導して県がやれといった形は基本的にはなくて、状況に応じて発注者がそういったことをやりたいといった場合には動く形になります。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
新里米吉委員。

○新里米吉委員 先ほど無導坑方式ありきで識名トンネル(仮称)技術検討委員会をやったのではないという話がありましたが、契約が済んで仕事が始まってしばらくしたら、すぐとめざるを得なかった。しかも長期間とめざるを得ない。そして工事をとめた後に、皆さんが決めた後にやり直さないといけないから、設計を請け負ったところに部分的、段階的に設計をさせて、設計が先にできているのではなくて、工事を進めながら設計もつくり直さないといけないと。こういう事態を招いているわけです。しかも、皆さんは先ほどありきではなかったと言うけれども、第1回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会の発言を見ると、皆さんが専門家と言っている皆さんや、多分これは委員長の発言などもあると思うのですが、第1回目の識名トンネル(仮称)技術検討委員会は相当疑問を言いながらの内容です、これを見たら。かなり疑問を持っていますよ。例えば委員の中からも、VEであれば非常にわかりやすいが、そうでなければ施工業者は拒否することが可能であるということとか言って、委員長は識名トンネル(仮称)技術検討委員会の位置づけが不明確な形で無導坑方式でいいですかと言われても、なかなか納得するわけにはいかないという発言もしているわけです。そして、第1回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会における施工業者の位置づけは、オブザーバーとして識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中に入らないことにしている、1回目の識名トンネル(仮称)技術検討委員会の位置づけとして、識名トンネルの無導坑方式の検討を進めてもいいのかと意見を伺うことを目的としている。次回からどうするかということもある。さらには、こういう発言まで出ているのです。平成9年に行った数値解析で、無導坑方式のほうが沈下量が大きいという結果が出ている。それに対して、今回解析をやり直して無導坑方式のほうが沈下量が小さい結果になっている。応力解放率を変化させたり、やり方を変えて沈下量が少なくなったというのは少し問題があるのではないかと、専門家の皆さんが皆さんの解析の仕方とか―私も詳しいことはわかりませんが、数字を変えたりして、変わった数字を持ってきている。これはおかしいのではないかとか、こういう疑問が第1回目に出ながらやっているのですが、結論はどうなったかというと、無導坑方式で検討を進めるということを、きょうの識名トンネル(仮称)技術検討委員会の結論とさせていただくと、結論はもう決まっているのです。中身は疑問をみんな言いながら、最終結論は無導坑方式で検討を進めると書いてあるのです。14-A-8を見てください。皆さんニュアンスの違うことを言っているが、これはどう考えても最初から結論ありきだったとしか思えないような進み方になっている。書いてあるでしょう。14-A-8のCという下から2番目の結論を出してあるのです。そのような進み方があって、皆さんの先ほど来の説明はどうも十分説得力はないなという感じを受けざるを得ません。ところで、そのような中にあって、施工業者の取り扱いは結局どういう形になったのですか。意見も聞けるようにしたのですか。第1回のときに、第2回からオブザーバーで施工業者を呼びましょうかという話になっていますね。第2回にオブザーバーで呼んだのでしょう。その施工業者の取り扱いはどのような形だったのか、説明してください。

○安井成豊参考人 第2回は施工の協力会社ということで入ってもらいました。当然意見も言えるし、当時2回目のときには、実際に工事を始めるときにどのような計測管理をしようかということも含めて、資料としてやりましたので、そのときの考え方は施工業者が資料のもとをつくっています。その中で、このような形で施工のときの地表面管理とか、そういうことをやっていきたいということは、施工業者のほうで説明されています。ですから識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中での説明とかを含めて、その立場に入って識名トンネル(仮称)技術検討委員会を進めています。

○新里米吉委員 非常に簡単な質疑をします。第1回目でも無導坑方式の方向で検討するのだと決めているわけですから、この流れから見ると第2回は当然無導坑方式ということで細かい話をどうするかになっていると思うのです。すると、施工業者は第2回からしか呼ばれていない。第1回のときの最後のところを読みますか、もう一回。「結論とさせていただきます」の後のCを見てください。委員長の発言ですが、「次回からは施工業者を民間協力会社ということで議論に参加してもらいたいと考えているので、了承していただきたい。」となっています。次回からと言っているのです。次回からのときに、オブザーバーだからこのような議論には参加できませんね。ですからオブザーバーはオブザーバーのところにおられるのでしょう。恐らく席をかえて。恐らく委員席にはおられないでしょう。委員席には参加しないでしょう、オブザーバーといったら。どうなのですか。委員席で参加してやっているのですか。

○安井成豊参考人 まず第1回目の識名トンネル(仮称)技術検討委員会にも同席されて、議論の内容は大成建設株式会社も聞かれています。議事録には特に載せているわけではないのですが、最終的に無導坑方式でやる方向で、施工業者は問題ありませんか、そういった可能性はありますかとお聞きしたときには、検討したいですと、実際本社の方は発言されています。第2回目の識名トンネル(仮称)技術検討委員会のときには民間協力会社ということで入ってもらって、事務局の説明者と横に一緒に同席して並んで、こういった形の議論に加わってもらっています。

○新里米吉委員 正式には第2回のときに座っていただいたと。そのときに、問題の無導坑方式にするという方向で話は進んでいるわけですから―第1回でそれを決めて。そのときに、施工業者には設計も建設をする側も意見を求めてどうするかということは聞かれたのですか。決まるときに。無導坑方式に変更するときに。了解をもらったという形をとっているのですか。

○安井成豊参考人 そのときに了解をもらうかどうかということは、多分大成建設株式会社としては当然JVもあることですので―3社JVでされていますよね。多分同席されたのは現場の所長と担当者の方と本社のトンネル技術部の方が一緒にいて、議論に加わられています。そういった形で変更するかどうかということは、本社を含めて大成建設株式会社としては協議しないと、いいも悪いも返事ができないと思うので、そのときには明確な、それでやりますとか、やりませんとか、そういった返事はされておりません。

○新里米吉委員 そうだろうと思うのです。そうでなければ、その後不満は出てこないと思うのです。契約をした後にこういう変更が出てきて、そこでオーケーしたのであったら、その後不満は述べないと思うのですが、相当不満を持っておられるし。我々はここに呼んで話を聞いたわけですから。ですから先ほどの資料もあったでしょう。先ほどの皆さんの説明と違う資料も大成建設株式会社から出ているわけです。そういうことでは、かなりの不満を持っておられる。そして、今回の皆さんの資料を見てもよくわからないのは、皆さんは無導坑方式がいいという方向での話で、非常にこれがいいのだという話をしているわけですが、ただ皆さんの資料の4ページを見ても、恐らくこれはそこの地質やいろいろな条件によって違うのだろうと思うのです。無導坑方式がふえているとはいっても、識名トンネルが終わってから後も、津嘉山などは中央導坑方式をとってやっているのです。ですからそこの地域の状況によっても、今でもどの方式をとるかということは違うのだということが出ているのだろうと思うのです。ですからそこは一概にそれでなければいけないとかという話ではないのだろうと、皆さんの資料から見てもそのように感じていますが、今回の進め方は、県が主導したのですか、皆さんが主導したのですか。どちらですか。第1回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会のときの発言が、委員長はたしか、識名トンネル(仮称)技術検討委員会は発注者が委嘱した委員会というような話があったのですが、この発注者というのは県ですか、皆さんですか。

○安井成豊参考人 県です。

○新里米吉委員 ということは、県が主導してこの識名トンネル(仮称)技術検討委員会を行ったということですか。

○安井成豊参考人 県が主導してこの識名トンネル(仮称)技術検討委員会を開催しました。そのための資料などをうちが手伝いました。そのときには県からの委託は、あくまでもこの識名の環境、難しい条件下でいかにして掘るかといったことを検討する。その一つの方法論として、初めて出てきた無導坑方式の早期閉合という方式を採用するか否かという検討が一つ俎上にのせられたという形になっております。

○新里米吉委員 先ほどから皆さんの話を聞いていても、県も皆さんもかなり無導坑方式に持っていきたいという意図がかなり強かったような感じを、初めて皆さんの話を聞いて思ったわけですが、先ほどの日本工営株式会社は最後にこういうことを言っておられました。契約が終わってからこういう工法変更をするのがよかったのかどうか、それは疑問だと。まさにそこなのです。私たちが最初から疑問に思っている―ほとんど会派を超えて、県に対しても最初から疑問視してきたのはそこなのです。契約もして、仕事も進めようとしたら突然とめられた。長い間仕事もとめられる。先ほど話したように設計業者も設計を急に変えなければいけなくなって時間がかかって、部分的に工事をさせながら設計すると。全面的な設計図ができていない。できていないのに工事せざるを得ない。こういう事態を招いて、それは当然予想されたことだったと私は思っているのです。予想できないはずがない。このようなことをしてまで変更する必要があったのか、そして今日でも先ほど言ったように、識名が終わってからでも津嘉山は中央導坑方式をとっている。今それをやっているところもある。中央導坑方式をそこまで切りかえて無導坑方式にやらなければならなかった理由があるのですか。

○安井成豊参考人 先ほどの資料3の4ページ、確かに津嘉山が中央導坑方式で施工されています。多分、そのためには設計は平成19年度とかそこら辺でされたのではないかと思います。コンサルタントが設計するということは、基本的には通常の道路構造令とかいろいろなものに則した形で、そこで通常の工法、あるいはかなり事例がある、かなり施工実績が積まれた工法を基本として設計がされます。そうしないと特殊の工法のものを設計しようとすると、もしそれがうまいこといかなかった場合が大変なので、そういったことで実績があるもので設計されるということが基本になります。逆にいくと、今現在でも設計時点で無導坑方式で、識名トンネルと同じような形で発注時に設計されたというものは1例だけであり、それは平成20年度に修正設計されたものだけと聞いていますので、逆に今現在もそういった形で、なかなか普通のコンサルタントができるような形で取り組まれるということは難しいのではないかと思っております。そういった意味で、津嘉山トンネルは設計自体はそのような形になっていて、実際施工されました。それは100メートルだったからできたかもしれないし、この識名トンネルと少し違う形でしたので、津嘉山トンネルはまた上にも家はないのですが、拝所があるためにもともとオープン掘削するところをトンネル掘削に切りかえたというお話を聞いていますので、そこら辺の設計条件、施工条件を含めてというのがかなり違う形で、そのままの設計で進めようということで施工されたのではないかと思います。

○新里米吉委員 今の皆さんの話を聞くとますます、あえて変更する必要はなかったような気がします。状況によって違うのであって、やはり今でも中央導坑方式でやっているところもあるという、識名の後に同じ沖縄で中央導坑方式をとっているところもあるということから考えると、どうも皆さんが無理してまでここまでやったということが、説得力を随分欠くなという感じをますます今強めているところです。この問題、請け負った業者の側からではなくて、先ほど来、明らかになってきているのは、日本工営株式会社からも説明がありましたが、これまでそういう変更があったのは、受注者側で変更したものはあるけれども、発注者側からはなかったと。その時点まで。最近はどうかわかりませんよ。そういうことからしても、今起きている問題というのは、まさに発注者側が強行してしまったと、強引に進めたと。ここに非常に大きな問題点があるなと思っています。終わります。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲村未央委員。

○仲村未央委員 先ほど、今回の特命随意契約という形に至る前にメールでやりとりがあったということが経過の中で示されましたが、業務計画書の中でやりとりがあったということで、先ほど少し言っていましたが、安井さんは先ほどそういう表現を使わなかったですか。何か資料を提出したとか、業務計画書と聞こえたのですが違いましたか。

○安井成豊参考人 業務の内容、どのような項目と内容をやるかという、私どもは通常提案書という形で、そういったものをやりとりしました。

○仲村未央委員 その提案書を出されたのはいつごろですか。

○安井成豊参考人 正確な日付はわからないのですが、9月だったと思います。

○仲村未央委員 委員長、できれば今の提案書の資料提出をいただけないかと思うのですが、御協力いただけますでしょうか。

○安井成豊参考人 戻って、そこら辺の日付のものを含めて探して、あれば議会事務局へ提出させます。

○仲村未央委員 その提案書の内容のやりとりも含めて、12月12日でしたか、契約の実際の段階に至るまではずっとメールで何回か、その経過のやりとりをされていたわけですね。

○安井成豊参考人 特に出して、それがいいかどうかということで、何回かあったかどうかということは記憶は余りわからないのですが、あったとすればそれでもって修正したりとか、そのようなことがあったらやりとりしていると。もしくは1回目に出したもので特に問題がなければ、それで終わっているかもしれません。

○仲村未央委員 その提案書の中には、もちろん工法の検討というか、そういうものも提案されていたわけですね。工法の比較とか検討についての技術的な支援とか助言とか、そういう内容を提案されたわけですね。

○安井成豊参考人 提案書の中では、もともと豊見城での無導坑方式ということがまずあって、識名でも無導坑方式の可能性があるかないか、そういったことは多分書いたと思います。

○仲村未央委員 皆さんの仕切りというか、もとで開かれる識名トンネル(仮称)技術検討委員会が平成18年度から実際には進んでいきますね―平成19年2月ですが。その資料に添付されている資料番号14-A-61を確認していただけますか。これはまさに中央導坑方式と無導坑方式の比較になっていて、その概要図とか品質、工期、工費、安全性、環境負荷、総合評価。こういったことで中央導坑方式は全て三角だと。無導坑方式は全て丸だというような資料になっていますね。これの作成はどなたですか。これは社団法人日本建設機械化協会がつくったのですか。

○安井成豊参考人 この資料を作成したのはうちです。

○仲村未央委員 これはいつごろ作成された資料ですか。

○安井成豊参考人 これは第1回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会のときに出した資料だと思いますので、多分作成しているのは1月後半、あるいは2月の最初ぐらいだと思います。

○仲村未央委員 同じ1回目の識名トンネル(仮称)技術検討委員会には14-A-32、これは日本工営株式会社が同じように中央導坑方式と無導坑方式を比較した、似たような表が載っています。これは全く逆の結論で、無導坑方式が丸で中央導坑方式は二重丸と。中央導坑方式の優位性が示されている比較表ですね。皆さんがおつくりになったという表は無導坑方式のほうが優位だと。実際に第1回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会で、先ほど来いろいろな委員から質疑があったように、結論は無導坑方式と出ているわけですね。今の皆さんがつくったという比較、明らかに無導坑方式が優位になったというものをもって、第1回の2時間の議論で結論が出ているということで、その識名トンネル(仮称)技術検討委員会はこの資料をもとに結論を出したということですか。
○安井成豊参考人 第1回目の識名トンネル(仮称)技術検討委員会のときに、まずは資料の14-A-32ということで、日本工営株式会社が平成16年度にやられたものというのは当然資料として出しております。その中で、先ほど日本工営株式会社の工事工程とかいろいろな面から見ると、無導坑方式というのはメリットがありますねということで、そちらでもうたわれています。その前からです。ただし、このときに問題としているのは、多分識名は上に民家がいっぱいあるということで、やはり地上への影響、地表面沈下の影響というのが大きなところであろうということと、ここに書いてあるように、適応性ということでいった場合に、実績というのは多少出てきたのだけれども、それがここで本当に適用できるかどうかわからない部分があるということで、そこが比較表の中で黒丸になっているというのは劣っている部分だということで評価されています。今回私どもが出したときに地表面沈下―このときの自分の記憶では、たしか地表面沈下は30ミリ以下にするかどうかということで一つターゲットに日本工営株式会社もされていて、たしか中央導坑方式だと26か27ミリぐらいで、無導坑方式になると34ミリぐらいで、片や30ミリ以下で、片や30ミリを超える。ですからより沈下が少ないほうがということが、当時出されています。私どもがやった工法の検討については……。

○仲村未央委員 遮るようで申しわけないのですが、直接的にお尋ねしているので簡潔にお願いします。先ほどの表で丸と三角で、あれだけ優位性をはっきりと示されているのですが、あの表をつくるに当たって、識名トンネルの現場を何度見られましたか。つまり、皆さんは1月の下旬につくったということであれば、特命随意契約を受けたのが12月12日、13日あたりですから、その間から資料の作成―日本工営株式会社はそういう意味では平成2年とか5年とか、あのあたりからすごい時間をかけてあの比較表に至っているわけです。全く反対の結論が出るという比較表をおつくりになって、第1回では結論が出ているわけです。まぎれもなく、結論として先ほども何度も委員から指摘がありましたように、出ているわけです。それを結論づける作業に至って、現場を何回見られましたか。

○安井成豊参考人 第1回目の識名トンネル(仮称)技術検討委員会までにというお話ですよね。正確に何月何日に何回ということでカウントはできませんが、先ほど言ったように豊見城トンネルも含めて沖縄に来ていますので、多分2回か3回ぐらいだと思います。ただし、この段階でトンネルを掘るに当たって見えるのは、地上の条件とか、あとはもしかしたら露頭という形で、斜面とかそういったところの地質が見えるところがあるかないかというところしか、現場へ行っても余り情報としては得られません。ですから事前にもらえるのは、先ほども言った調査ボーリングの結果とかいろいろな報告書、ずっとやっている日本工営株式会社の報告書、そういったものは事前にもらって、それはつぶさに見ているということです。

○仲村未央委員 いずれにしても日本工営株式会社の報告書の結論とは真逆になるわけですから、非常にそこら辺は早い結論だなという印象を持っています。それからこの議事録―14-A-2から議事録が実際に出てくるのですが、発言者がQとかAとかCとありますね。Qはどういう意味でAは誰でということで特定していただいてよろしいですか。

○安井成豊参考人 これは議事録の書き方の問題なのですが、Qはクエスチョン、質疑で、それに対するアンサーということでAが答えです。Cというのはコメントです。そういった形の書き方になっています。

○仲村未央委員 アンサーの担当というのはどなたですか。

○安井成豊参考人 アンサーの担当は、その質問に応じて、私どもが答える場合と、沖縄県の方が答える場合と、いろいろなケースがあります。

○仲村未央委員 ではアンサーは基本的には、事務局を担当する社団法人日本建設機械化協会か、委員として選ばれている県のどなたかが答えているということですね。

○安井成豊参考人 第1回目のときは、どちらかというとそのような感じになります。2回目のときには、施工業者が民間協力業者ということで入っていますので、中にはアンサーとして施工業者が入っています。

○仲村未央委員 社団法人日本建設機械化協会の今回選ばれた識名トンネル(仮称)技術検討委員会のメンバーは、どのように選ばれましたか。今回の技術検討に当たっての委員会のメンバーの一覧表がこちらにもあるのですが、13-1です。簡潔にお願いします。判断基準、委員の中に県を入れた理由です。発注者の側を入れて請負業者は入れていない。それから、ずっとこのことにかかわっている日本工営株式会社は入れていないという判断基準です。
○安井成豊参考人 委員長はまず今田委員ということで、この方は日本全国でいろいろなトンネル関係の技術的な委員会の委員長を歴任されている方で、事故の調査委員会とかも含めていろいろなことをやられています。ですからそれでもって入れていただいています。あと、琉球大学の上原先生やその下の原先生というのは、先ほど言った沖縄の島尻層泥岩の関係とかでよく御存じな方ということで、上原方成先生はかなり昔の昭和60年のころからつき合いがあって、そういった形で、地質についてよく知っている方ということで入ってもらっています。次の中川先生という方は、先ほど言った下到津とか大門寺とか、そういった形の無導坑方式にするとき―比屋根もかかわられているとお聞きしていますが、そこにかかわられた無導坑方式に変更されるときにかかわられている方ということで入っております。ですから無導坑方式とか眼鏡トンネルについてとか。あと真下さんは独立行政法人土木研究所のトンネル研究室長ということで、城間さんという方はここに来られる前、このときちょうど高知工事事務所長になっていますが、その前にもともとNEXCO総研という技術研究所のトンネル研究室長という形でトンネル研究のトップの方で、ちょうどそのころ、これの前に沖縄の管理事務所の副所長をやっておられたので、そういうことも含めて入ってもらっています。あと内部委員ということで、県の方が入っている形になりますが、多分行政的ないろいろな判断があるだろうということで、よくそのような形で入っていただく例が多くあります。

○仲村未央委員 識名トンネル(仮称)技術検討委員会の外部委員の方の1回の報酬というのは幾らですか。委員会に出席される方の報酬―大体の記憶の範囲でいいですけれども。

○安井成豊参考人 外部委員の報酬というのは、うちの規程の謝金という形になると思うのですが、謝金は1万5000円とか2万円ぐらい―委員長で多分2万円ぐらい、委員が1万5000円ぐらいという形で、あと独立行政法人土木研究所のほうはもともと国土交通省関係なので、その方は要らないということで受けとらないので、お渡ししていないということです。

○仲村未央委員 内部委員の中の、沖縄県は直接の担当になるのですが、もう一人の皆さんのところから出ている施工技術総合研究所所長の加納さんという方は、どういった経歴の方ですか。

○亀岡美友参考人 加納前所長は、もともと建設省―いわゆる国土交通省の職員です。沖縄総合事務局の次長で沖縄に赴任しております。沖縄でサミットがあったころに赴任していたと聞いています。その後で退職されて私どもの研究所に来られたと。

○仲村未央委員 沖縄総合事務局の元次長ということですね。それから、社団法人日本建設機械化協会の理事長は国土交通省のOBの方ですか。

○亀岡美友参考人 私どもは社団法人なので、理事長ではなくて会長です。会長は、確かに多くは国土交通省、建設省のOBです。

○仲村未央委員 皆さんの委員にかかわる方々のかかわりを今お尋ねしましたが、今回工法の変更に当たって、実際には契約が行われた後の工法変更ですから、工事はストップしました。工法の変更があるやもしれぬということでストップしました。そういった状況が、もちろん皆さんはこれだけの現場に明るい委員の皆さんですから御存じだったと思うのです。先ほど日本工営株式会社にもお尋ねしましたが、工法の変更―契約前であればいろいろな知見に基づいて、机上で比較をするということはあるでしょう。ただ実際には契約をしてしまったらそのときから現場は一時待機費が発生すると。それから、応じたときの中央導坑方式、この条件は大成JVがとった条件として、中央導坑方式だから有利に事を進められる、低入札が可能となるというたくさんの条件を含んでいます。その中において、これをとめてもなお無導坑方式が有利だという優位性というものは、皆さんは自信を持って、結果としてそれでもこれが優位だったと今も判断されていますか。

○亀岡美友参考人 判断しております。

○仲村未央委員 その判断は、例えば結果的に工事費は想定の150%ぐらいになっているわけです。23億円で受注したのが、10億円以上の増額が出たということもあります。そういったことも含めて、こういうもろもろの影響の増加費用なども皆さんは十分に考慮して、つまり一時中止待機期間の間の追加の経費も考慮してなお、無導坑方式が有利だと判断したということですか。

○安井成豊参考人 まず技術的な面からいくと、先ほど第1回識名トンネル(仮称)技術検討委員会の議事録の中でも「VE提案だったらわかるだろう」とかという形がありましたが、純粋に無導坑方式がいいかどうかといったときに、何人かのお答えからいくと、導坑なしにしたほうがいいというお答え、それと、島尻層泥岩の場合にはなるべく速く掘って、中途半端な状態でそのままにしないというのが一番いい工法だという形で皆さんの意見が一致しましたので、それでもって無導坑方式にしています。それについては、今でも泥岩の場合には余り―今回の識名トンネルの場合には延長が物すごく長いものですから、そうすると導坑方式をやって上半先進をやって、そういった形で放置期間が長くなるような工法を採用したらもっと大きな沈下を起こしただろうというように今も考えております。

○仲村未央委員 それは皆さんがそのように助言をされた、提案をされたことは今もよかったと判断されているということですが、一方で、第1回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会から大成JVはそこに参加していたということが先ほど判明しております。大成建設株式会社もそれを認めています。そのときに、大成建設株式会社は工法の変更をめぐってどのような発言をしましたか。5回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会に全て出たのか、その中において工法の変更がどうであるというような工法に関する発言というのはどのようなことがありましたか。

○安井成豊参考人 基本的には1回目から大成建設株式会社の関係者は全て参加されています。工法変更に関しての異議を唱えるような意見は1回も出されておりません。先ほど工費がふえたというお話があったことについて見た場合に、逆にもともとの47.5%で捉えた形の費用が基本的に先ほどの資料を見るとベースになっているので、それからいくと、トンネルの―私どもはメーター当たり単価と言っているのですが、1本のトンネルを掘るための費用というのが経費込みで200万円切るような形で―もともと47%で出ているものが上がっている形になっています。ですから、それは普通のトンネルでもこの断面が大きくなったら難しい、普通は入らない工費になっているので、そこのベースと比較して無導坑方式にした場合に、工費的なサイクル面を変えた場合に何%アップとか、そのような形でここでは加算されているような形になっているので、もともとのメーター当たり200万円を切る形でトンネルが掘れたかどうかというのが―全て補助工も入った形で入っているので、そこら辺のもとがどうなのかなということがありますが。

○仲村未央委員 先月大成建設株式会社から聞いたところ、中央導坑方式で積算した―私たちが入札させていただいた金額ではできませんということを県の担当者にはっきりと伝えたと。それから、現在の請負金額22億2000万円では無導坑方式になった場合にはできないと、難しいと答えていますと。そして、工期も工程も多分中央導坑方式では延びるであろうと、直感ですが思いましたと。つまり工法の変更が話題になった途端にそのように思ったというのが先月の大成建設株式会社の発言ですが、これは初めて聞きましたか。先ほどは異議は出されていないという認識ですよね。こういったことは識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中では一切大成JV側の意向として、大成建設株式会社の発言としてはなかったし、そういう意向は全く知らなかったのですか。

○安井成豊参考人 少なくとも第1回、第2回のときの工法を決める―第1回は無導坑方式を検討するかどうか、2回目のときには工法を無導坑方式にしたほうがいいのではないかという提言をするとき、そのいずれも、そのような形で無導坑方式にすると問題があるというような発言はお聞きしておりません。翌年度の実際に工事が始まったとき、5月に第3回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会を、掘る前の段階ということでやっておりますが、そのときも特にそういった発言はありませんでした。

○仲村未央委員 さらに、大成建設株式会社は同じ識名トンネル(仮称)技術検討委員会の日に文書で増額になった理由というのを2つ上げています。1つは工法の変更。1つは送水管の判明。この2つが増額の理由だと言っているのです。これについて、先ほど私は亀岡さんに皆さんの助言は今でも適切だったと思っていますかと。つまり増額になって余分に工期が延びたりした。そしてそれにまつわるお金がかかったという理由は、一方では請け負う業者のほうはまさに工法の変更が非常に大きいということを示しているのですが、そういったことは皆さんの社団法人日本建設機械化協会の立場としては、そのときどのように受けとめて、そして先ほど言った、これは適切な助言だったというような見解につながるのか、少し踏み込んでお答えください。

○安井成豊参考人 先ほど費用の増額を休憩時間に少し見させてもらいましたけれども、先ほど言った中央導坑方式で物すごく速く掘って、47%でできますというのが大成建設株式会社のもともとのベースだったようです。それに対して、補助ベンチつき全断面の無導坑方式にした場合には、中央導坑がなくなる分は安くなるのだけれども、補助ベンチつき全断面で掘る分、掘削する速度は遅くなります。それは私どもが見込んだものとほぼ変わりません。しかし、その費用分、遅くなる分だけ―もともと47%で掘れると、物すごい速さで掘れるという感じでやったものの、その費用分30%ぐらいアップするとかいろいろな形で見込んでいるものが差額として出されているのが1つ。もう一つ費用として出されているものは、トンネルは昼夜で施工する形で工程を組みます。最後のほうで昼方施工という形で夜は掘れない形の施工になるので、それによる工費増というものが計上されていて、その分については逆にいくと、上半先進の場合だと導坑のときも上半のとき、もしかしたら下半とかのときにも絶えず出てくるかもしれないので同じ量か、あるいはそれ以上の影響が出てくるかもしれないと考えております。

○仲村未央委員 つまりは、工法の変更によって増額が生じたものではないという認識ですか。

○安井成豊参考人 もともとの工法で、工法の変更による増額というものは、私どもも掘削費とか通常のものよりも遅くなると見込んでもともとやっています。ただし、大成建設株式会社の比較している当初のものは、通常のサイクルタイムよりも物すごく速く安く掘れるという根拠のもとに出しているものと比較したら、当然それに対して遅くはなるので費用は上がりますという形ですので、もとの大成建設株式会社が出されている47%の根拠が正しいかどうかをきちんとチェックしないとわからないです。

○仲村未央委員 実態は、これは契約前の話ではないのです。それを前提にしてまさに低入札で、異常な低入札で落とした落札の結果によって、中央導坑方式でこの額でできると言って大成建設株式会社は臨んできて、そして受注をした。その結果なのです。その前でしたら、今言うように図面レベルの比較をして、こちらが安いか、高いかということは安井さんのおっしゃるとおりかもしれません。けれども、現実はそれで契約があって、ですから先ほどから聞いているのは、そういった実態を踏まえて、十分に工事がとまることも、そしてその背景にあるもろもろの契約条件なども見て、それを考慮した上で皆さんは助言をしたのかと聞いているのです。それは全く皆さんは無関心だったのですか。実態は全然見なくて、机上でペーパーを比較するという範疇の仕事をしていたのですか。どちらですか。

○安井成豊参考人 あくまでも私どもはもともと工費比較とかをしたのは、先ほど言ったように、単価やいろいろな積算のものもわからないし、大成建設株式会社が中央導坑方式でできると言った単価も一切合財わからないので、通常の設計で施工のサイクルタイムで積み上げるとどうなるか。それに対して無導坑方式になるとどれだけ短縮し工費への影響が出るか、安くなるかといった形の比較検討になっています。ですから、もともとの47%の低入札ありきで検討したか―それを考慮してやりましたかというと、それは正直ないです。

○仲村未央委員 まさに図面レベルで比較優位性を皆さんは判断されたと。そういう識名トンネル(仮称)技術検討委員会であったということが、私はそのように今の発言をそのまま理解しました。それでいいですね。図面レベルの比較の優位性で、無導坑方式が有利だと。実態に照らして、現状―契約をしてしまって、実際に受注業者がとまっているという状況を考慮したものではなかったと。

○安井成豊参考人 あくまでも契約のものがとまって、その分の費用等がということは、確かに考慮しておりません。ただし、トンネルの場合には先ほども言ったように、今回出したものにあるように、掘っていって、その状況に応じて対処するという変更というのが絶えずつきまといます。そのときに中央導坑方式でやるよりも絶対に無導坑方式でやったほうが地上への影響は少なくなり、その段階では、そこの中での変更は少ないだろうということで考えたわけです。今回も全線のうちの最後のほうだけが、仕様が部分的に変わっていて、基本的なスタンスは全部変わっていないと思います。

○仲村未央委員 それはその発言からも見てとれるのです。第1回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会では、委員は現地を1回見ただけであり、識名トンネルのことを十分理解できていないと思うので、むしろ必要と思われる調査を提案してもらったほうがわかりやすいとか、現場を1回しか見ていないという発言がある。それから、こういう発言も出てきます。原則として識名トンネルは無導坑方式であるべきだと思っていると。べき論ですね。比屋根のときから県には無導坑方式ですべきだと言ってきたと。識名の話を聞いた際も無導坑方式で施工すべきであると思っていたと。この方は県ともつきあいがあるのですよね。県には無導坑方式で施工すべきだと言ってきたと。この方はどなたですか。

○亀岡美友参考人 山口大学の中川先生です。

○仲村未央委員 亀岡さんがちょうどこちらにいらっしゃっているので、非常に大きなところに差しかかるときに、重大な決定に関与しているのでぜひお尋ねをしておきたいのです。5-110の資料をお願いします。これは県から皆さんの社団法人日本建設機械化協会に委員の委嘱として第三者機関の設置に当たって、亀岡さんに委員になっていただきたいと。それは了承しましたか。

○亀岡美友参考人 了承しております。

○仲村未央委員 これは何をするための委員会だというように受けて了承されたのですか。

○亀岡美友参考人 先ほどの工事の終わった後の―変更がつきまとうのですが、終わった後の大成JVの見積もりに対して、県の見積もりと落差が非常にあったということで、第三者―私は南部土木事務所から、大成建設株式会社はどなたかを出して、そこでという委員会というように理解しております。

○仲村未央委員 まさにそのとおりで、県の積算と受注者の要求額に大きな開差があり、担当レベルでの協議で合意に達することは望めないということから、大成建設株式会社のほうから第三者機関の設置について申し出があったという経過で、亀岡さんに委員の委嘱が来たはずです。これはどうなりましたか。その委員会はどのようなことをされましたか。

○亀岡美友参考人 こういう委嘱が来て、了解しますよという返事は差し上げたのですが、最後まで開かれてはおりません。

○仲村未央委員 結局どうなったのですか。

○亀岡美友参考人 結局、物すごい落差があったのですが、金額は覚えていませんが、後は最終的にお互い歩み寄ってあるレベルで合意したということは聞いております。

○仲村未央委員 その正式な委員会ではなくても、お互いの見積もりについて助言をすることはなかったのですか。

○亀岡美友参考人 ありません。

○仲村未央委員 となると、見ていただけますか、5-113、5-114と続いていく資料の中に、大成JV側の要求額が13億7100万円余りですね。請負者①となっています。そして発注者、県の側が7億4000万円ということで、この差なのです。約2倍。それでまさにこの受注者の側、請負者の側が要求している13億円の中の多くは、受注者の増額の理由によると工法変更によるものが9億円、そして工事をとめた一部一時中止のためのものが4億9000万円云々なのです。つまり工法の変更にまつわって発生した増額だというように請負者―大成JVの側、大成建設株式会社の側は主張している。こういったことは亀岡さん御存じでしたか。

○亀岡美友参考人 工事遅延分がどうのこうのというところは余り認識しておりませんけれども、大成建設株式会社が工法変更したことによってこれぐらいふえたということを言っているのは知っております。

○仲村未央委員 繰り返しになりますから先ほどの―ですからこれだけの事態が、現実には非常に大きな増額が、彼らはそれが理由だというように要求している実態がありながら、皆さんは専門者としてそういった提言をして、結果としてこのような事態が背景で起こっているということに、余り無関心なものですから、非常に不思議なのです。非常に不透明。そして、なぜこのように合意をしたかということはいまだにわからない。結果として10億3900万円でお互いが歩み寄っています。けれどもこの中身が―どうしてこれが10億3900万円で今度は落ちたかということも、誰もわからない。今のところ判明していない。非常に不透明な中を虚偽契約の問題は進んでいますが、そういったことは皆さんの識名トンネル(仮称)技術検討委員会の中では関心がなかったわけですね。つまり検討のレベルの中では、先ほどの委員会の中でも議論になかったわけですね。そして、そこには大成JVもいた、大成株式会社もいた、県もいた。そういうことですね。

○安井成豊参考人 関心がなかったというよりも、一切そういった情報はいただいていなかったので、大成JVからもそのような話を―最後のほうは10億円だとか、これになりましたという話は聞きましたけれども、途中経過を含めて、最初に工事が始まったときの8月に大成JVが出された内容も含めて、一切合財、県からも大成JVからもそういった情報を提示いただいたことはなかったので、関心がないというよりも、全くわからなかったということです。

○仲村未央委員 それから工法に関しては、県とやるのは当然発注者との関係ですから意見交換はあったと思いますが、沖縄総合事務局はそういった助言などは、皆さんと特にコミュニケーションはなかったのですか。

○亀岡美友参考人 ありません。

○仲村未央委員 最後になりますが、特命随意契約というのは、ほとんど行政の中でも余り聞かない随意契約の仕方です。ここしかない。1社しかないというのはほとんど随意契約のあり方で聞いたことがない。そして、その特命随意契約という言葉が今回は県からも出ているのですが、何か皆さん特許とか―つまり、ほかにはないようなものをお持ちなのでしょうか。先ほど日本工営株式会社に、同じような知見を持って豊見城トンネルの結果を見ながら、同じような状況でもし県から依頼されたら、日本工営株式会社としてもコンサルタントとして工法を比較して、どちらが有利かという判断は可能ですか、技術的に調査は可能ですかということを聞いたら、可能ですというのが日本工営株式会社の見解でしたが、特命随意契約となると他人も比較のしようがない。ここしかないという―通常は特許などを持っていないと特命随意契約などを使わないのです。そういったものを持っていらっしゃいますか。

○亀岡美友参考人 トンネルに関して、部品部品での特許はありますが、先ほどの無導坑方式とか中央導坑方式というような工法にかかわる特許はございません。これは民間の施工業者、ゼネコンでもそういう特許はほとんどありません。

○仲村未央委員 にもかかわらず特命随意契約という経過になっている。実は私たちは、先ほどの安井さんのメールのやりとりに非常に驚いています。というのは、県は発注後、途端に―彼らの答弁の言葉づかいを聞けば、その識名トンネル(仮称)技術検討委員会を立ち上げた瞬間に近傍のトンネルで無導坑方式でも上部の沈下が抑えられることがわかってきてと。契約後瞬間にという言葉を使っているのです。その前々からかなり長い期間皆さんとやりとりがあったということは、きょう初めて知ったのです。そういう中で、こういう特命随意契約に至るには、私はメールだけではなかったのだろうと思うのですが、安井さんと担当の新城さんとのレベルの話ではないのではないかと。もっと基本的なきちんとした接触が、県と皆さんの社団法人日本建設機械化協会との間でなかったのでしょうか。加納さんは沖縄総合事務局の出身でもありますが、そういった人脈も通じて、もっと直接的なかかわりというか、そのことに対しての経過がなかったでしょうか。

○亀岡美友参考人 先ほどからも言っていますように、識名トンネルの前に豊見城トンネルを掘られていて、私どもがそこの施工検討会をやっていますというお話と、施工検討会の中で技術研修会といいますか、講習会をやったらいかがですかという話があって、識名トンネルというものはそこで初めて私どもは聞いております。今言った豊見城トンネルの委員会の翌日、私は南部土木事務所に挨拶に行っています。というのは講習会の前ですので、その後、そんなに情報をいただけるわけではないのですが、あいさつにはとりあえず行っています。

○仲村未央委員 この特命随意契約は平成18年度から21年度まで4年続けて受注しますね。そして、5回の識名トンネル(仮称)技術検討委員会を皆さんは検討会として持った。そして最後は取りまとめという形で、工事が完全に終わってからもこれを受注しているという状況です。契約額は総額で6000万円ぐらいになりますか、そういった状況です。特に最後の、工事が終わってしまってからの取りまとめというのは、一体どのような仕事なのですか。

○安井成豊参考人 平成21年のときには、たしか覆工とかそのような形のものを施工される―地元の業者が舗装等をされているときだと思います。主な内容は、識名トンネルの施工の記録を最初の変更経費から施工の途中段階のものとか、最終的ないろいろな計測データとか、そういうものを全部取りまとめて、後々の維持管理のためにも必要だということで、それをまとめましょうというのがまず1つ。あとは施工時の、当然発注者のメンバーが全員かわっておられましたので、覆工とかいろいろな施工を含めていったときにトンネルの工期を短くするとかいろいろなことを含めて、たしか2回ぐらい業者と打ち合わせする形で技術的な支援をしましょうということで入ったように記憶しております。

○仲村未央委員 後々の維持管理ということですが、今こういった問題が起きているのです。識名トンネルの上で住宅とかお墓に亀裂が入っていると。これについては、社団法人日本建設機械化協会はどのようにかかわって、工事との関係等、メンテナンスや、あるいは施工管理の一環としてかかわっていらっしゃるのか、知らないのか。

○安井成豊参考人 その件については、たしか今年度に入ってからですか、沈下とかがあったように記憶しています。もともとトンネルを掘った場合の最初の墓地のあたりの沈下というものは、防空ごう関係と、もともとトンネルを掘る前から、そういったものもありましたので注意が必要だということはあったということが1つであります。最後のほうの住宅のところの亀裂というものは、もともとの沈下目標値―管理値といいますか、日本工営株式会社も30ミリ以下で抑えましょう、それを目標にしましょうと。私どももそれを踏襲して30ミリ以下にしましょうと。しかし30ミリ以下にすれば必ず上の家屋に対して一切合財問題は起きないかというと、そうではありません。家屋の状況とか基礎構造とか、いろいろな状況に応じて―トンネルのところにどのような形でまたいでいるか。トンネルを掘ると真ん中辺が一番大きく沈下して端っこは沈下しないので、それによってクラックが出たり、そういうものは出てくるので、沈下をゼロにする方法があればそれは防げるのですが、それは不可能なので、ある程度そこら辺を目指したということが実際です。それによって、もともと工事が終わった後のときの記録等を見る限りは、沈下はもう終息しているということはデータを見ていましたので、その段階で本当は事前事後調査という形で家屋への影響とか、そういうものは補償するということで動かれるべきだったのではないかと思います。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 この識名トンネル工事の問題、偽装契約とか補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律とかの問題が一方では刑事告発もされておりますけれども、今契約が終わった後の工法の変更を誰が指示をしたのかということが非常に関心事なのです。きょう、いろいろやりとりを聞いていてそういう経緯があったのかと改めて、これは県のほうも具体的な説明はないものですから、例えば県知事が大成建設株式会社に便宜を図ってそういうことをやったのではないかとかあらぬ疑惑がいろいろあったりとか、非常に大きな疑惑を生んでいるのです。ですから、彼らもそういう観点で皆様方ももう少し何とかならなかったのかというようなこともあるわけですけれども、先ほど平成18年9月12日トンネルの講習会という説明がありましたね。そのときに、沖縄総合事務局とか南部国道事務所、あるいは南部土木事務所の職員で豊見城トンネルの勉強会をやったという話ですね。あれはどなたがそういう機会をつくって、そのような勉強会がされたのか、その御説明をお願いできますか。

○安井成豊参考人 それは7月の委員会が終わって、一応一通りデータも委員会の中でも公表したので、そういった形で無導坑方式による施工という一つの工法が沖縄初で確立したので、そういったものを少なくとも沖縄総合事務局や県がこれから幾つか掘る予定があるので、そういう形で勉強会を開いてくれないかということが南部国道事務所の方から依頼された形になっています。それでもってその資料をつくって、当日しゃべるということは私どもがやりましたけれども、あとは誰に聞かせるかということは南部国道事務所を含めてそちらのほうで手配されて、ほとんど南部国道事務所と北部国道事務所と出張所の方、沖縄総合事務局関係の人がほとんどだったような記憶があります。

○照屋守之委員 ということは、南部国道事務所の担当者が県も識名のトンネルを控えているのでどうかみたいな感じで誘って、南部国道事務所からその勉強会に参加したということなのですか。

○安井成豊参考人 南部土木事務所のほうに参加しませんかということは、私どもからは一切合財コンタクトをとっていませんので、南部国道事務所のほうから多分誘われたと思います。

○照屋守之委員 ですから、私は社団法人日本建設機械化協会のほうで県に接触をして、これは無導坑方式のほうがいいのではないかということも含めていろいろな営業展開をやったのかということも考えたのですけれども、皆様方としては一切そういうようなことは県のほうに対してやっていないということですね。いかがですか。

○安井成豊参考人 営業展開という形といった場合には、私どもは営業情報力が乏しいもので、逆に7月とか9月のときにようやく識名トンネルをやるという情報を得た形になっています。その内容を見る限りは、若干中央導坑方式で施工される現場の状況を見る限りは、かなり中央導坑方式で通常にいったら意外と大変ではないかと思いましたので、ただし無導坑方式で掘れるかどうかと、本当にそれができるかどうかということの自信があるかというとまだわからない部分があったので、いろいろな形で有識者を交えて検討を少し進めないとだめだということで、検討を含めてやりませんかということは先ほど言った提案書という形で出した覚えはございます。
○照屋守之委員 そうしますと、恐らく県のほうの担当者も住宅があるその下を掘っていくというトンネルの工事、識名トンネルについて非常にいろいろ今設計している部分で進めたほうがいいのか、あるいはどうしたほうがいいのかという恐らくいろいろな不安とかも含めてそういう情報収集をしている段階だと思っているのです。その中でそういう形で豊見城トンネルが無導坑方式ということがあって、それはどのような経緯でそうなって、どういう成果があってというようなことを勉強して、改めて識名トンネルについても、この無導坑方式にするしないを別にして、皆様方のいろいろな指導とかあるいは協力をいただいて、このトンネル工事をしていきたいという考え方が変わっていってのこの識名トンネル(仮称)技術検討委員会ですか。その立ち上げになっていくのですか。どうですか。

○安井成豊参考人 この識名トンネル(仮称)技術検討委員会も無導坑方式にするための委員会ではなくて、一番最初には識名トンネルそのもの自体が掘るのが物すごく大変なトンネルなのです。普通で考えて。今でも掘ってもまだやはり大変だと思うのですけれども。そういったトンネルを掘るに当たって、県と施工業者だけでやっていくということは、県は不安があったのではないかと。ですから、いろいろな形で豊見城のトンネルも同じ形でやらないと沖縄総合事務局もいろいろな形の変更も含めて、説明資料がない。ほかの私どものあちこちのトンネル、都市部のトンネルを含めて担当させてもらっていますけれども、難しいトンネルというものはそれだけ実際に始まると、当然施工業者は安全にやりたいということで、工期工費増という提案をされますし。もしかしたら、それが妥当かどうかを含めて、いろいろな形を含めていろいろな人の知見を含めて集めないととてもではないけれどできないということで、無導坑方式にするかどうか以前に、とにかくこの識名トンネルを技術検討委員会を開いて進めたいということが最初の話であって、その中で、もしかしたら無導坑方式が採用できて、それがいいのであればそれを使いたいというような意向があったかもしれません。

○照屋守之委員 これは県の担当もそう言っているのです。最初から無導坑方式ありきで識名トンネル(仮称)技術検討委員会を立ち上げたとは言っていないのです。結果的にこのような形で無導坑方式という形になりますけれども、これは一致しています。県の担当もそう言っていました。私は結局無導坑方式ありきであなた方は識名トンネル(仮称)技術検討委員会を立ち上げたのではないのかということを追及しましたけれども、そうは言っていませんでした。結果的にそうなったとは言っていましたけれども。ですから、このトンネルについて我々は理屈で、ただ机上でこういうような議論をしているのだけれど、実際現場に入っていく方々の不安というか、安心安全にそういう仕事をしていくというようなことからするといろいろな葛藤があって、皆様方の知恵をかりないといけないというようなことがあったかと思うのです。ところで、一般社団法人日本建設機械施行協会というものは、先ほどからいろいろやりとりを聞いていても、通常の企業みたいな利益を追求する組織ではないような感じがしますけれども、いかがですか。

○亀岡美友参考人 今は一般社団法人というように変わっていますけれども、公益法人時代はほとんど人件費ですけれども、直接人件費、諸経費、技術経費ということで委託、受託の契約金額が決まります。そこの諸経費というものが、普通のコンサルタントは直接人件費の110%。私ども公益法人は直接人件費の100%というように、それがイコール全て利益かどうかはわかりませんけれども、立場上、利益は上げないということがそこにもあらわれております。私どもは委託、受託の金額の見積もりを出したりするときにはコンサルタントの110%ではなくて、100%で見積もりを出しておりました。

○照屋守之委員 ということは、通常の企業みたいにより積極的に我々を使ってくださいとか、日本の国も含めて47都道府県それぞれの市町村も含めて、かなりの自治体があるわけですけれども、皆様方は直接そういう形で我々をお願いしますという個別の営業ということは余り展開しない組織なのですか。

○安井成豊参考人 今、いろいろな形で営業展開をしているかしていないかといえば、していません。先ほど言ったように、私どもは現場のほうに入りながらいろいろなことを展開して指導してきてということで行って、そこの方から紹介されてとか、ここに頼めば何とかしてくれるとかそのような形で声がかかって行くケースのほうが多いです。先ほどの無導坑方式で挙げた北山トンネルという岩手のトンネルが全く始まっていることは知らなかったのですが、あのトンネルは途中で陥没事故を起こしています。陥没事故を起こして、それで工事が完全にとまってしまったので、その再開に当たってどうするかということと、最後のところに無導坑方式というか、中央導坑方式の眼鏡トンネルがあったのでそれを含めて見てくださいということをまた別の方から紹介されて、岩手から声がかかったと。そのような形になっているので、逆に大変なトンネルのときにどうしたらいいのかというときに人から人に紹介されると。ですから、私どもは営業部というものを持っていないので、そういうことをやっていないというか、やれていないということが実態なのです。

○照屋守之委員 先ほどトンネルの工法の3線導坑方式とかあるいは中央導坑方式にかわり、無導坑方式で先進坑中央部を拡幅補強とかというその工法が時代の流れによって、あるいはまた新たな技術とか機械とかの開発とかによって変わっていきますね。そのときに、一般社団法人日本建設機械施行協会というものは、そういうようなものを時代の変化に合わせた新たな技術をつくるとか、先ほど言っていましたが、新たな機械の特許をつくるとかという形で日本のトンネルの工事というのですか、そういうようなものを常に先導してつくってきたという組織なのですか。

○亀岡美友参考人 トンネルの場合には、どうしても現場がやってくれない限り新しい技術、新しい工法というものは出ないのです。どうしても現場にやってもらって初めて何とかうまくいったとか、だめだとかいう話の評価はそこで決まるわけです。私どもが先導してということは、少し違うと思います。例えば、こういう機械が新しくできたから、おたく使いなさいというのでなく、それはやはり施工業者が今度こういうような工法を展開したいためにはこういう機械がいるだろうということで、彼らがメーカーと組んで実際に開発していく。それが実際に工事に使えたときに、この機械を新しくつくったら非常に高いけれども例えば効率が非常に上がりましたというときに、その機械の基礎価格、それから歩掛かりと言います―従来の機械に比べてどのくらいの能力がアップしたかということを私どもは現地に行って何カ月間か調査、アンケートも含めて直接のデータとりも含めてやります。それを例えば国土交通省あるいはNEXCO―昔で言う日本道路公団に、この機械はこのくらいの施工能力を持っていて基礎価格はこれくらいですという報告を、求められればそういう報告をするということで、引っ張ってどうのこうのというよりも少し後ろで後押ししているというイメージのほうがいいと思います。

○照屋守之委員 それは日本の中で、やはり皆様方のほうがよりそういう面ではすぐれている―他社も同じことをやっているかもしれませんけれども、よりすぐれてそういうようなものに特化しているということでいいのですか。いかがですか。

○亀岡美友参考人 よりすぐれているという評価が、私どもが言えば自画自賛になりますのでそれはありませんけれども、逆にそういう機械技術と現場施工の両方を直接私どもは自分たちで調査します。見たものしか言えないというと語弊はあるのですけれども、それにかわるあるいは私どもより上を行っているのは、例えば委員会にいつもお呼びしています独立行政法人になっていますけれども、昔の直轄であった土木研究所―これはトンネル研究室というものがきちんとずっと昔からあります。それから、今はNEXCOになっていますけれども、昔の日本道路公団の試験研究所、ここにもトンネル研究室というものがあります。日本道路公団のトンネル研究室は、高速道路をあれだけ展開したということで、トンネルの施工実績が物すごくあります。ですから、ただ一つ違うのは彼らはそれなりに実力が上がってくると同時に彼らは転勤がついて回るので、その技術の伝承という点だけは、うちのほうがいいのかもしれませんけれども、工事量、経験からすると私どもは幾ら逆立ちをしても高速道路も、昔で言う試験研究所、土木研究所には太刀打ちできないと思います。

○照屋守之委員 ですから、その先ほどの特命随意契約も含めて、やはり沖縄県の担当者からするとこういう識名の住宅の下をトンネルを掘っていくときに、やはりより信頼と安心が持てるような工法なりあるいはいろいろな技術指導なりというようなことを求めて、そこが社団法人日本建設機械化協会というようなところに行き着いたのだろうと思うのです。ですから、これはこれまでの実績等々も含めて、先ほど言いましたようにそれぞれの利害を追求しない、自分たちに仕事をくれとかというような組織でもない、割と客観的にそういうようなものに対応していけるような信頼性があって、皆様方と一緒にパートナーとしてやっていこうというようなことだと思うのですが、いかがですか。

○安井成豊参考人 その見解でいいかと思います。ですから、基本的には私どもは申しわけないですが自分たちで売り込まないもので、そのような形で何かあったら呼ばれて、逆に問題があるところに行ったら相談されてと。ですから、沖縄県の場合に一番最初にかかわったものが昭和55年の宜名真トンネル―これが掘っている最中にかなり潮を含めて変状が起きたということで、それをどうすればいいのかということで最初に呼ばれたのが沖縄県にかかわった最初だというように、記録を探したらそうなっておりました。そのときに、私どもはあちこちのトンネルの施工のものはタッチしておりますので、どのような形で対応すればいいのかということを考えてその後無事に施工、貫通していますので、そのようなところでずっとやっているというものが現状です。

○照屋守之委員 先ほどから大成建設株式会社の話があって追加金額がどうのこうのということですけれども、実は県は工法が変わっていても同額変更だと言い切っているのです。でも、大成建設株式会社はそういうように言っている。私素人が考えてもそういうことはあるのかと思うのだけれど、こういうトンネル工事の場合は非常に厳しい仕事なので、当初の契約がありますと。後で追加が出てきますというようなことで、追加工事とか追加の予算というものは私はつきものではないかと思っているのです。ある意味では。どうなのですか、このトンネル工事の場合に、例えば当初の契約と最後竣工した後の追加とかも含めて、むしろ当初の契約で最後まで終わるというもののほうが珍しいのではないですか。追加が割とつきものではないですか。いかがですか。

○亀岡美友参考人 委員のおっしゃるとおりで、トンネルというものはまず1つは予定外―いわゆる設計というものは何ぞやというと、そのトンネルがスムーズに掘れた場合にはこれくらいの金額ですということが入っていると思います。ですから、途中で石が崩れやすいとか山がやわらかくて非常に変形が大きいとかというと、対応策をとらなくてはいけません。ということは、必ず設計増になります。変更増になります。

○照屋守之委員 それと、平成18年12月22日に大成建設株式会社と契約していますね。我々はきょういろいろ意見交換をする中で、その前からいろいろな形で実際に豊見城のトンネルのああいう勉強会に県も参加している、恐らくそういう資料ももらったのでしょう。それをいろいろ参考にしながらやっていくわけです。県も識名トンネル(仮称)技術検討委員会をつくっていろいろ考えていく。そうすると普通我々素人から見ると、そういうような形で中央導坑方式での発注、もしかしたら工法を変えるかもしれないということになれば、恐らくその契約というか発注も含めてもう少しずらした上でやればはっきりしますね。今はいろいろな検討をしながら契約をして、あたかも急にぼんっとやっているからそこに疑惑というか非常におかしなことが起こっているので、これそのもの自体が非常に解せないわけですね。ですから、もしそうであれば契約をもっとこの辺にしてすっきりした上でやればもっとはっきりしたのにと、素人もそう思うわけです。皆様方はそのことについてどう考えますか。工法の変更。

○安井成豊参考人 実際に細かなものがわからないですけれども、工事が既に何月に公示されていて、11月何日かに入札されていて、細かなものがわからないのですけれども。もしくは私どもと初めて接触された7月終わりか9月のときに、もう工事を出すことをやめようということがとめられたかどうかという判断が可能かどうかがまずわからない。もしくは、可能で見直そうとした場合に、先ほど言った豊見城トンネルのような同じ方法で掘る―設計を見直すということは、基本的には豊見城トンネルが唯一初めてこの工法でやった例であり、対外的にはほとんど文献、データ含めて紹介はされていません。ですから、同じ方法でもって工法変更するというものを、もしくは修正設計をコンサルタントに出されたとしてもそれは多分責任を持ってそんなことをできる、やりますというコンサルタントはいらっしゃらないと思います。ですから、もしかしたら手順としてやるとしたら、もし本来であればそのときに工事を出すことをとめられて、今回1月から3月までにやったようなもしかしたら見直すような工法検討がありますかということで検討されて、その検討で見直す可能性があるのであったらということで図面というか、修正設計される―5月から10月までかかったというお話ですけれども、工事を見直す設計のほうを出されて、それで金が決まった後、再度工事発注する形の手順を踏むということが、本来であったかもしれないです。そうすると、実際工事が始まるのは、実際に始まったよりも1年以上後ろになってしまうかもしれませんから、それがもしかしたら今考えると本来の筋だったかもしれない。ですから、それを出さずに私どもに12月にやってくれと言ってそれで始まったということは、どういった判断を県の方がされたかということはわかりませんが。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、亀岡美友参考人及び安井成豊参考人に対する質疑を終結いたします。
 この際、参考人各位に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中、御出席いただき心から感謝いたします。
 参考人並びに補助者の皆様、ありがとうございました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人退席。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 次に、次回以降の委員会の開催日程について、休憩中に御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、次回の日程、招致する参考人を協議し、日程及び招致する参考人については案のとおり11月29日とすることで意見の一致を見た。また、奥平委員長から第8回以降の委員会の日程についても、12月20日、12月21日が示され、証人喚問についての対象者や質問項目、訊問の進め方についても事前に確認しておく必要があるため、11月29日の第7回の委員会終了後に協議することで意見の一致を見た。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 今後の日程については、休憩中に御協議いたしましたとおり決することとしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、調査経費の追加議決の件について、事務局から説明させます。
 休憩いたします。

   (休憩中に、事務局から本委員会の調査経費について議決額の86万円では次回の委員会から予算が不足する見込みであり、地方自治法第100条第11項に基づき来年3月末までの調査に必要な経費の追加議決を行う必要がある旨を説明。奥平委員長から調査経費の追加議決について11月定例会の冒頭で議決いただくよう議長に申し出ることとし、追加金額や申し出人等の詳細は与野党調整会で決定することで意見の一致を見た。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
調査経費の追加議決については、休憩中に御協議いたしましたとおり決することとしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次回は、11月29日 木曜日 午前10時から委員会を開きます。
委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。



沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

 委 員 長  奥 平 一 夫