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公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する特別委員会記録
 
平成27年 第 2定例会

3
 



開会の日時

年月日平成27年7月7日 曜日
開会午前 10 時 5
閉会午後 5 時 4

場所


第7委員会室


議題


1 議員提出議案第1号 公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例


出席委員

委 員 長  仲宗根   悟 君
副委員長  奥 平 一 夫 君
委  員  島 袋   大 君
委  員  中 川 京 貴 君
委  員  座喜味 一 幸 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  新 垣 哲 司 君
委  員  照 屋 大 河 君
委  員  新 里 米 吉 君
委  員  山 内 末 子 さん
委  員  玉 城 義 和 君
委  員  吉 田 勝 廣 君
委  員  前 島 明 男 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  嘉 陽 宗 儀 君
委  員  當 間 盛 夫 君
委  員  大 城 一 馬 君
委  員  比 嘉 瑞 己 君
委  員  新 垣 安 弘 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

環境部長          當 間 秀 史 君
 環境企画統括監      古 謝   隆 君
 自然保護・緑化推進課長  謝名堂   聡 君
農林水産部長        島 田   勉 君
 農政企画統括監      長 嶺   豊 君
 営農支援課長       新 里 良 章 君
 森林管理課長       金 城 克 明 君
土木建築部長        末 吉 幸 満 君
 土木整備統括監      伊 禮 年 男 君
 海岸防災課長       赤 崎   勉 君
 海岸防災課副参事     多良間 一 弘 君
 港湾課長         我那覇 生 雄 君



○仲宗根悟委員長 ただいまから、公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する特別委員会を開会いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、本日の審査の進め方について確認)

○仲宗根悟委員長 再会いたします。
 議員提出議案第1号についてを議題といたします。
 ただいまの議案の説明員として、環境部長、環境企画統括監、農林水産部農政企画統括監及び土木建築部土木整備統括監の出席を求めております。
 議員提出議案第1号公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例について審査を行います。
 休憩いたします。

   (休憩中に、新垣哲司委員から農林水産部長及び土木建築部長の出席を求める旨の申し入れがあり、午後から両部長の出席を求めることで意見の一致を見た。)

〇仲宗根悟委員長 再開いたします。
 これより、議員提出議案第1号に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 山内末子委員。

○山内末子委員 前回の委員会で参考人質疑を行いました。その中で、辻参考人から沖縄は陸でも海でも生物多様性が高く、日本有数の場所であるという説明がございました。それに対する県の見解を、今まで何度か言っているかと思いますが、具体的にお願いいたします。

○當間秀史環境部長 沖縄県は亜熱帯性気候に属しておりまして、海によって隔絶されているということで他県と異なった独特の生態系が形成されているという認識でございます。また、多くの島々からなる島嶼県でございまして、沖縄本島北部のヤンバル地域に代表される森林の生態系や、石垣の石西礁湖に代表されるサンゴ礁生態系といった島ごとに多様な自然環境あるいは生態系が形成されており、世界的にも類いまれな生物多様性の豊かな地域であるという認識でございます。

○山内末子委員 そのようなことをどの環境の専門家もおっしゃっております。日本の国土の、少ない面積の中でこれだけ生物多様性の大半を沖縄が占めているということで、本当にこれは沖縄の財産であり、未来に向かっての財産だということで、しっかり守らなければならないというのが私たち沖縄県民の責務だと考えております。そういう観点から、今、環境部長がおしゃっていたように海に囲まれている自然環境を守ることも大事ですが、一旦入ってしまうとやはり破壊も大変早いということで、そういう危惧がある中で苦慮しているかと思います。そういう意味で、この生物多様性を守っていくために県がこれまでに行っている施策について、具体的な例を挙げながらお願いします。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 沖縄県は、平成25年3月に生物多様性おきなわ戦略を策定しております。その施策の中に生物多様性の損失をとめる、それから生物多様性の維持・保全・回復に努めるなど、5つの基本施策を策定しております。その方針に従いまして、マングース対策やサンゴの再生などの生物多様性の保全・回復等々の施策、それからパネル展や普及啓発も含めて各種施策に取り組んでいるところでございます。

○山内末子委員 いろいろな施策をやりながらも、それでも本県における特定外来生物には、それぞれいろいろな生物がいるかと思いますが、その生息状況と被害状況、状態が一体どうなっているのかについても少し具体的にお聞かせください。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 本県の特定外来生物につきましては、約21種が県内で確認されております。代表的なものを申し上げますと、グリーンアノールやタイワンハブ、オオヒキガエル。それから植物としては、ボタンウキクサ等々によって影響を受けているという状況でございます。それ以外にも、マングースやウリミバエ、ミカンコミバエなどもろもろの外来種による被害を受けているということでございます。マングースやウリミバエ、ミカンコミバエ等々につきましては、約200億円以上の事業費を投じて駆除をしているという状況でございます。

○山内末子委員 これまでもいろいろな特定外来生物が入ってきて、それを駆除するための施策、それから入ってくる前の防除のための施策をしっかりやっているかと思いますが、今の世界的な環境の中では、この問題というのは大変厳しい状況になっているということを専門家の辻先生もおっしゃっておりました。いろいろな政策の中で、法的にあるいはいろいろな規則などをつくりながらやっても、なかなか駆除あるいは防除するための、侵入防止については大変難しい問題があるということで、そこで、今、私たちが提案している条例なのですが、特に懸案の普天間飛行場代替施設の建設事業の中での外来種対策について少し具体的にお伺いいたします。その事業に係る埋立承認願書の添付図書において、具体的な外来種対策、予防対策が示されていると考えておりますでしょうか。

○伊禮年男土木整備統括監 埋立承認添付願書にあります環境保全に関する措置を記載した図書に、具体的に埋立土砂に対する外来種対策について記載されております。その内容ですが、生態系に対する影響を及ぼさない旨の規定を発注仕様書に設定し、配慮することとしております。これらを担保するため、具体的には土砂供給元を決定する際に、これらの状況を確実に確認するとともに、当該土砂の購入に当たっても定期的に試験等により確認することとしております。また、埋め立てに用いる購入土砂等の供給元などの詳細を決定する段階で、生態系に対する影響を及ぼさない材料を選定し、外来種混入のおそれが生じた場合には外来生物法また既往のマニュアル等に準じて適切に対応し、環境保全に配慮することとします。なお、埋立土砂の種類ごとに注意すべき生態系への影響の検討は、専門家の助言を得ながら行うこととすると記載されております。

○山内末子委員 今、予防対策を示されている云々のことがありましたが、例えば、「周辺の生態系に影響を及ぼすと考えられる種が成育、生息しているかどうかを調査し、影響を及ぼすことのない安全性の高い資材であるということを確認します」とありますが、そういうところではどのような手法で影響を及ぼすことのない安全性の高い資材であることを確認するかということは不明ではないのか、その辺のところがはっきりしていないのではないかといった疑問がありますが、そういうところはどうなっていますか。

○伊禮年男土木整備統括監 審査の段階で事業者に質疑をしております。その内容ですが、具体的に土砂調達場所の確定後に文献調査及び専門家からの助言を得ることにより、必要な対策を検討、実施していくこととする。現時点では、供給元における現地調査等の情報によって確認するほか、造成後に目視確認によるモニタリング調査を行うとともに生物種類ごとに殺虫、消毒もしくは抜き取り除去による対策を行うことを想定していると回答をいただいております。

○山内末子委員 目視で確認できない生物、例えば小さな昆虫類や土壌中の植物の種子等に対する対策は具体的に示されておりますでしょうか。

○伊禮年男土木整備統括監 具体的には、県が承認に当たりまして対策等の実施について環境監視等委員会を設置し、助言を受けるとともに特に外来生物の侵入防止対策などについて万全を期すると留意事項を付しているという状況でございます。

○山内末子委員 その留意事項がきちんと機能するかどうか、その辺の認識はどうですか。

○赤崎勉海岸防災課長 先ほど留意事項の話をしましたが、留意事項の2の中で工事中の環境保全対策等についてということで留意事項を付しております。その中には、実施設計に基づき環境保全対策、環境監視調査及び事後調査などについて詳細検討し、県と協議を行うこととなっております。ですから、先ほどありました外来生物の侵入防止等については事業着手前、本体工事着手前に県と協議を行うこととなっております。

○山内末子委員 県と協議を行うこととなっておりますが、私たちが今懸念していることは、やはり書かれている以外の、本当に心配な外来種が侵入してくることについて、協議の前からお互いの議論がかみ合っていない部分もあると思っています。留意事項についてもなかなかきちんとした対策が示されていないという意味で、この条例を制定しながら補完をしていくということも含めて行っていきたいと思っておりますが、そういう意味で今回の条例に対する外来種侵入防止効果について、どのように評価をしておりますでしょうか。

○當間秀史環境部長 今おっしゃったように、今回の条例というものは法律を補完するという形で埋立土砂に混入した、非意図的に侵入する特定外来生物を防止するものでありまして、この条例の制定によりまして県外からの埋立土砂由来の特定外来生物の侵入リスクが低減されると考えております。

○山内末子委員 条例が制定されましたら運用は県ですので、運用についてしっかりと力を発揮していかなければいけないと考えますが、問題や課題もたくさんあるかと思います。そういう点で一点だけ課題について、私たちの条例について基準が明記されておりますが、どのような基準で審査をするのかということは少し私たちの中でも疑問がありますが、その件に対する環境部の御意見をお聞かせください。

○當間秀史環境部長 審査基準という話が出ましたが、審査基準というものはそもそも許認可の手続に伴って出てくる話でありまして、要するにこの事案が許可できるのか、あるいは不許可になるのかということを、申請者に対して予見可能性を保証するという意味で行政手続法上そういった審査基準を設ける必要性はあるところですが、今回の条例については届け出制でありますので、審査基準というよりも手順をきちんと示すということでありまして、我々の手順としては既存の文献の調査や関係団体、関係機関の意見聴取、それから専門家からの意見聴取、さらには立入調査を実施するなど、そういった手順を踏んで運用していきたいと考えております。

○山内末子委員 仮定で申しわけありませんが、条例が制定されればということですが、やはりそういう意味で執行していく県の責務に対して、大変これは国や県、県民、全ての皆さんが注視をしていくと思っております。どのような意識を持って、どのような方向性を持って対応していくのか、見解をお聞かせください。

○當間秀史環境部長 基本的に、特定外来生物の侵入防除というものは、もともとはいわゆる生物多様性の世界の中から出てきている話で、沖縄のように地域固有の固有種であるとか、あるいは土が特異であるためにさまざまな種や遺伝子があり、そして生態系があるというような地域でありますので、これについては我々としても世界的に誇れる財産として後世に引き継げるようにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

○山内末子委員 沖縄の財産を未来につなげていくという大きな役割を持っておりますので、しっかり頑張っていただきたいと思っております。
 最後に1点だけ、法的なことについてということがありましたが、議会の中でも少し議論がありましたパブリックコメントについてですが、私たちは条例を制定する際に、これを実施することが法令上の要件になっていないこと、あるいは今回予定しております事業者についてはお互いに外来種対策に対して共有の認識を持っているという点で実施しない方向性を持っておりますが、その件につきまして見解をお聞かせください。

○當間秀史環境部長 議会の提出議案について、いわゆる制定過程というもので県民の意見を聞くかどうかについては、執行部としては意見を言う立場にはございませんので発言は差し控えさせていただきたいと思います。

○山内末子委員 以上で私の質疑は終わらせていただきますが、しっかりと制定に向けて頑張っていきたいと思っておりますので、制定後はしっかりとした運用をお願い申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。

○仲宗根悟委員長 玉城義和委員。

○玉城義和委員 公有水面の埋め立てに関する事業として那覇空港の滑走路の埋め立ても出ておりますので、それについて少しお聞きしたいと思っております。まず、那覇空港の埋め立てについて、沖縄総合事務局から県に出された申請書について、どのようなことが申請されたのかを明らかにされたいと思います。

○伊禮年男土木整備統括監 那覇空港の滑走路増設事業につきましては、主な工事用資材として、埋立承認願書による埋立土砂また護岸工に用いる石材となっております。総合事務局によりますと、当初護岸工に用いる石材について県内調達する計画としておりましたが、平成26年度当初想定していました以上に台風及び冬期フローによる施工条件が厳しかったということがありまして、今年度は気象海象条件のよい夏場に集中的に多くの石材を調達して護岸整備を進めていきたいという内容の申請がありました。具体的には、護岸工事に用いる基礎捨石の必要量100万立方メートルに対して最大で約30万立方メートルが県内調達では不足するとしております。沖縄総合事務局は平成27年4月6日に承認の際に付した留意事項に基づきまして、公有水面埋立承認に係る留意事項に基づく承認申請を提出しております。

○玉城義和委員 那覇空港の埋め立てに係る資材の総量は幾らだと想定されますか。

○伊禮年男土木整備統括監 那覇空港滑走路増設事業におきましては、埋立土砂として具体的には海砂、岩ズリ等がありますが、計画では合計で約990万立方メートルを全て県内で調達することになっています。それ以外に護岸の基礎捨石工に用いる石材につきましては、合計で約180万立方メートルとなっております。

○玉城義和委員 県内で供給できる資材は、年にすれば幾らありますか。

○伊禮年男土木整備統括監 平成26年度の実績では50万立方メートルとなっております。ただ、琉球セメント株式会社に平成27年5月13日から6月17日に聞き取りを行ったところ、その中では月当たり6万1000立方メートルということで年間約70万立方メートルは提供できると聞いております。

○玉城義和委員 全体180万立方メートルのうち、県内で年間約50万立方メートルできるということですよね。この県の出した資料を見ても、年に42万立方メートルです。それからストックが26万立方メートル、増産も約2割程度可能なので50万立方メートルとなるわけですよね。そうすると、月に県内で供給できるのは幾らですか。

○伊禮年男土木整備統括監 先ほど平成26年度の実績で年間50万立方メートルという話をしましたが、最近の聞き取りでは月6万1000立方メートル、これに12カ月を掛けますと年間で約70万立方メートルできると聞いております。

○玉城義和委員 今聞いているのは、1日でできるのは幾らかということです。

○伊禮年男土木整備統括監 日量2300立方メートルになります。これは生産量になりまして、日量6000立方メートルというのは具体的に供給する量になります。

○玉城義和委員 全体が180万立方メートルで、供給能力が1日に6000立方メートルあると。この6000立方メートルに30日を掛けますと18万立方メートルです。これを国が言う春から秋にかけて7カ月を掛けますと単純計算をしても126万立方メートルの供給量になるのです。要するに、180万立方メートルという総量がまずあって、供給量が日量で6000立方メートルある。そして土曜日もやって供給していくと、これで年間126万立方メートルになります。既にこれだけで相当な量を賄えるのです。地元のいろいろな関係者に会っても、十分に供給ができるということなのです。私が総合事務局の開発担当の部長と話をしたら、県外ありきではありませんということです。供給量は十分にある。問題は、今は港から運ぶ体制が、港が1港しかない。したがって、これが本部港やその他の港まで使用可能になれば十分いけるという話なのです。その辺はどうですか。

○伊禮年男土木整備統括監 委員御指摘の件ですが、ほかの港についても具体的には運天港などその辺の情報も提供させていただいています。引き続き沖縄総合事務局―事業者と協力できる港については、提供していきたいと考えております。

○玉城義和委員 具体的にはどこの港を交渉しているのですか。例えば、あの辺の港でいけば本部港や名護の漁港、あるいは今帰仁の運天港。運天港までは少し距離がありますが、ほとんど人家のない道を通る方法もありますし、地元の砕石場はこれについてぜひとも地元を使ってほしい、県内資材を使ってほしいということもあって、その設備投資もやっているわけです。そういう意味で、どこの港を具体的にやっているか、その交渉の経過があれば教えてください。

○我那覇生雄港湾課長 本部港塩川地区以外で使用できる港湾の状況ということでございますが、まず1点目に国頭村の奥港におきまして、現在そちらの港湾を使って石材の積み出しは行っております。そのほかにも、先ほどありました本部港本部地区―これは伊江島フェリーが出ている地区でありますが、フェリーが1日に2回入ってくるので時間的な制限はありますが、我々としてはそこについても使用できるということで、国に対して使用を提案しているところであります。あともう一つ、運天港についても、国に対して一部岸壁の使用あるいは石材のストックができるヤードがあるということで情報を提供しておりまして、現在、国の事務所が運天港を管理している今帰仁村の管理事務所と調整に入ったということろまでは聞いております。

○玉城義和委員 180万立方メートルという総量に対して地元の供給量は十分にあるということは確かにありまして、したがって、その運搬する港の条件さえきちんとできれば問題ないということもあります。私が基本的に思っているのは、なぜ2年目でこれだけ最初の計画になかったものが入ってくるかという疑問がありますが、そのことはあえて申し上げませんが、国は2年次の全体の供給量として幾ら欲しいといっているのですか。

○伊禮年男土木整備統括監 平成27年度に関しては100万立方メートル欲しいと聞いております。

○玉城義和委員 行程表を見ると全く違う話ですが、県としてもぜひ今言った本部港や運天港含めて、県内の資材で賄えるように鋭意交渉してください。これは、国もかたくなに県外ありきではないと担当部長も言っておりますので、十分に相談をしてやってほしいと思いますが、いかがですか。

○伊禮年男土木整備統括監 先ほど港湾課長からも話がありました本部港、運天港―実際、奥港についてはもう許可は出しておりますので、そういう港湾の提供を引き続き進めていきたいと考えております。

○玉城義和委員 地元は一度県に要請したいということもありました。ところが、日取りもセットをしていたのですが、何事があったかわかりませんが、急遽時期尚早ということで取りやめになったこともありました。そういう意味では、いろいろなことがあるかと思うのです。そういうことは別にして、やはり地元の資材を使うということをきちんと考えることが重要ですから、その辺はぜひ県が責任を持ってやるということを、改めて決意を伺って終わりたいと思います。

○伊禮年男土木整備統括監 現在、那覇空港の埋立事業に関しては留意事項に基づいて申請が来ている段階ですから、現在まだ審査中ということでまた今後具体的な条件等は確認しながら進めていきたいと思っています。

○仲宗根悟委員長 吉田勝廣委員。

○吉田勝廣委員 生物多様性基本法第13条に基づいて、県は生物多様性おきなわ戦略をつくったわけですよね。その中で、県全体の課題として4つの危機と基地問題を定義していますが、第1の経済活動と第3の人間が持ち込んだものによるところを説明してください。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 生物多様性おきなわ戦略の中で、生物多様性に影響をおこす5つの危機ということで、その一つに経済的開発の危機、そして人間が持ち込んだ危機というものがございます。基本的に、開発行為に基づくような危機につきましては各種の法令等も整備されており、一定程度整理がされているという状況でございます。ただ、もう一つの人間が持ち込むことによる危機についてはまだ十分な整備がされていなくて、今回、環境省が示した行動計画の中でも外来生物に対する施策が求められているという状況でございます。

○吉田勝廣委員 経済活動に関してもっと具体的に説明してもらいたいと思うのは、例えば沖縄県で沖縄国際海洋博覧会がありました。沖縄国際海洋博覧会のときに松くい虫が紛れ込んできて、沖縄県の松を食い荒らしたということがあり、それをどう対処してきたかという事例がたくさんあるわけですよね。今、自然保護・緑化推進課長がこれに対する法的措置は不十分だが、整いつつあると言いましたが、その辺を説明してください。
 それから、人間が持ち込んだものということですが、これをこれからどういう形で水際で阻止していくのかということが大事ではないかと思っております。例えば、これまでマングースや野猫、それ以外に砂や土に関するものが持ち込まれた経緯があるかどうか、そこがわかれば説明してください。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 第1の危機としての経済活動につきましては、人口の増加、観光客の増加、経済活動の進展に伴う社会経済環境の変化に伴う危機ということになっています。先ほどの松くい虫については第3の危機、人間が持ち込んだことによる危機ということになるかと考えております。答弁の中でもお話しましたが、持ち込んだものによる危機としては、マングースや野猫―ヤンバルの中で猫が野生生物を補食するという野猫の問題、グリーンアノールという爬虫類やタイワンスジオ、タイワンハブ、植物でいえばギンネム、アメリカハマグルマなど、数々の人間の持ち込みによる生態系に対する影響が懸念されているという状況でございます。

○吉田勝廣委員 経済活動というのはどういうことかと言うと、観光をするために開発するわけですから、道路や海岸を整備する、港湾やダムをつくるというときにさまざまな生物多様性の植物や動物たちが危機に瀕するわけです。ですから、その条例であれ生物多様性基本法の中でどうしていくのかということはきちんとしなければいけません。法律はできているが、それを施行する側、それから業者がどう徹底的に掌握しているのか、現に赤土問題も起きているわけですから、そういうところはきちんとしてほしいということが今の私の質問です。それから、人間が持ち込むという問題で、過去に砂や土に入り込んだものでどういうものがあったのか。例えば、松くい虫やウリミバエもそうなのですか。

○新里良章営農支援課長 ウリミバエ等については、生息域が東南アジアや台湾ということで北上してきたということは考えられるのですが、土砂による農作物の病害虫なども何らかの形で入ってきたと考えられます。ただ、ウリミバエにつきましては飛来してきたということです。

○吉田勝廣委員 砂や野菜などに付着したものがあったのかどうかを聞いているのです。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 土砂由来で県内に実態があるのかという御質疑かと思いますが、この外来種が入り込んでいるということが正式に学者の中で確認されたということではございませんが、現在、アレチウリや種子を含めたものが県内の土砂の中に入っているのではないかということで、一部見つかった事例等はございます。その辺については、今、懸念されているという状況でございます。

○吉田勝廣委員 第3の課題で基地では、例えばトラックなどの車両や人間が出入りするときに、チェックする機能や機関は米軍基地に対してありますか。

○當間秀史環境部長 基地内のチェックについては、承知していないところです。

○吉田勝廣委員 さまざまな条例や法律をつくって外来生物を水際で阻止しようではないかということですが、残念ながら基地はそれができない。承知もしていない。米軍基地は基本的には世界で軍事演習を展開しているわけです。イラク、イラン、アフガニスタン、フィリピン、オーストラリアなどさまざまなところで訓練しているのです。そうすると、そこで付着する微生物や外来種をチェックできないということはどういうことですか。そこを當間環境部長は今後どうしたいと思いますか。

○古謝隆環境企画統括監 米軍の遵守する環境基準としましては、JEGS―ジェグズがありまして日米両方の厳しいほうを採用するということで、この中に希少野生動植物というものがあり、外来種の対策についても一応盛り込まれていますが、ジェグズの運用実態が県にもたらされませんので、これが課題かと思っております。

○吉田勝廣委員 それはわかりますが、それをチェックする機関がないと法律をつくったとしても十分ではないと思います。チェックする機関、機能をどうするのかと聞いているのです。

○古謝隆環境企画統括監 ジェグズの運用実態が県に明らかに伝わってきませんので、これにつきましては渉外知事会などを通じてジェグズの運用実態について何らかの手だてを考えてほしいと要望を出しているところでございます。

○吉田勝廣委員 ほしいというのは、みんなが言っているわけです。そこで地位協定の中で環境条項を盛り込もうではないかというのが県の姿勢なのです。そういうことを考えると、今これは埋立用地に係る外来生物の防止に関することですが、逆に基地にかかわる外来種を防止する条例などはつくれないのですか。ですから、どこかで規制してチェック機関をつくらないと、片方はつくったが一方で基地を抱える沖縄としては、ここも規制の対象あるいは侵入防止に対するさまざまな網をかけないと沖縄の多様性は守れないのではないかという思いがあるのです。そこはぜひ調査・研究をしていただきたいと思います。

○當間秀史環境部長 基地内のジェグズの運用状況がどうであるかということについては全く不明なところがあり、それで今回の環境補足協定の中においても我々はジェグズの運用実態を明らかにするように、協定に盛り込むよう求めているところであります。この件につきましては、外国に駐留する軍隊について一般的に国内法が適用できないということは御存じだと思いますが、そういった中で地位協定に別途定めをすればそういうことも可能になるということでありますので、今後、渉外知事会等とも連携をとりながら―外来生物というものはいわゆる条約の世界の中で一つの流れができていますので、そういうことも踏まえながら国等に要請をしてまいりたいと思います。

○吉田勝廣委員 それは今後の県の姿勢を見守っていきたいと考えております。先ほど課長がお話ししましたが、土や砂にかかわるものについてはこれまでなかなか審査や調査ができない。そういう意味からすると、今度の埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例は、ある意味では遅過ぎたのではないかと思いますが、どうですか。

○當間秀史環境部長 外来生物につきましては、御承知のようにことしの3月に国の基本方針である外来種被害防止行動計画がやっと明らかになったという段階でしたので、これについては我々も検討課題であると認識していたところでありまして、時期的にこれから検討するという段階ではありました。

○吉田勝廣委員 生物多様性おきなわ戦略ができたのが平成25年で、逆に言うと生物多様性基本法第13条ができたのはたしか平成20年くらいなので、5年間の空白があるものですから、私はそういう意味では少し遅かったのではないかと感じました。この公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例は議員が出していますが、本来は沖縄県もいろいろな考えの中でもっと早目にやるべきではなかったのかと思いますが、いかがですか。

○當間秀史環境部長 確かにそういった背景もございますが、基本的に特定外来生物というものは防除対策や侵入経路、分布状況といった科学的知見が蓄積されていない状況がございまして、そういったことを踏まえて早々に着手に踏み切れなかったということでございます。

○吉田勝廣委員 4つの危機や基地の影響で、第2の危機として自然に対する関心や働きかけが減ることと書いてありますが、これに関しては沖縄県も我々もそうだったのではないかと反省しつつ、この公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例が成立した場合には、この条例に対して施行する側がどう厳しく対処していくかということは研究して頑張っていただければと思います。

○仲宗根悟委員長 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 まず最初に、今回の埋立事業は1700万立方メートル、10トントラック280万台の土砂を沖縄県外から沖縄県内に搬入していく埋立事業で、特定外来種の侵入の危険が迫っているということで、何かやらないといけない、手をこまねいていていいのかということで議員提案で条例案を出しました。そこで、2015年3月策定の外来種被害防止行動計画の概要と本条例制定との関係について伺います。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 外来種被害防止行動計画は平成27年3月に制定されたものでございます。その背景につきましては、平成24年9月に閣議決定されている生物多様性国家戦略の中で、COP10の目標の達成に向けた主要行動の一つで、平成26年度までにつくるということで今回作成されたものでございます。内容につきましては、国、地方自治体、民間団体、企業、それから国民等々それぞれの主体が外来生物問題に取り組むための行動指針という形で示されたものでございます。その中で、特に地方自治体の取り組みとして、先ほど話がありました生物多様性おきなわ戦略、それから条例の制定、侵略的外来種リストの作成等々が示されているということでございます。

○西銘純恵委員 条例制定も地方自治体に求められているということですね。そこで、外来生物の侵入を防ぐということがなぜ重要なのでしょうか。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 沖縄県は、先ほど環境部長からもお話しがありましたように非常に生物多様性の豊かな地域であり、他県と異なった独特な生態系を保全して世界に類いまれな生物多様性を確保するということで、外来生物の侵入防止は非常に重要であるということでございます。

○西銘純恵委員 本委員会で参考人として琉球大学の辻教授から最初にいろいろ説明を受けました。辻教授はこう言っています。「人類が利用している資源の多くは生物由来再生可能ゆえ、今後はその割合、例えば薬品、バイオ燃料、新規作物は増加していくであろう。とりわけその地域にしかいない有償、無償の野生生物たちは全てが未利用の遺伝的資源と考えるべきである。これらは人類が末永く存続するためにも将来において地域が経済的に発展するためにも有用であり、短期的な利害を安易に優先させることで失ってはならない」。これは、党派を超えてみんながストンと胸に落ちた言葉だと思っています。そこでお伺いしますが、沖縄防衛局の埋立承認の願書に記載されている土砂の搬出元の地域で定着していると言われる特定外来生物はどんなものでしょうか。

○多良間一弘海岸防災課副参事 埋立土砂の採取場所で示された地域において確認されている主な外来生物ということですが、国立環境研究所侵入生物データベース等からのものですが、まず徳之島地区については、哺乳類としてジャワマングース、鳥類としてはキジ、シマキンバラ、魚類としてはオオクチバスやブルーギル、昆虫類としてはヤノネカイガラムシ、ミカンキイロアザミウマなどといったものが確認されております。奄美大島地区につきましては、ジャワマングース、鳥類としてキジ、魚類としてオオクチバス、昆虫類として台湾カブトムシやバナナセセリといったものが確認されています。佐多岬地区につきましては、魚類としてカダヤシ、昆虫類としてヤノネカイガラムシやラミーカミキリといったものが確認されています。天草地区につきましては、ヤノネカイガラムシ、ラミーカミキリ、クモ類についてはセアカゴケグモ、五島地区につきましては、哺乳類としてクリハラリス、昆虫類としてヤノネカイガラムシやミカンキイロアザミウマ、門司地区につきましては、哺乳類としてアライグマ、昆虫類がアメリカシロヒトリやホソオチョウ、ミカンキイロアザミウマ、最後に瀬戸内地区につきましては、昆虫類としてアルゼンチンアリやアメリカシロヒトリ、ホソオチョウ、クモ類としてセアカゴケグモといったものが確認されているという状況になっております。

○西銘純恵委員 今度の埋め立てで沖縄へ搬入される土砂の大もとにある地域でこれだけの特定外来生物がいるということは、本当に脅威だと誰でも思うのです。これをどのようにして侵入を防ぐかというところで、やはり知恵を使わなければいけないと思っています。
 次は、沖縄本島面積の5分の1、沖縄本島の20%の平坦地を米軍基地にとられて、埋め立てによって沖縄県は土地が確保されてきました。これまでの沖縄県の埋め立ての総面積、土砂の総量はどれだけでしょうか。全国との比較で県土面積に占める割合はどうなっているのでしょうか。

○伊禮年男土木建築部土木整備統括監 本県における本土復帰以降から平成26年8月現在の公有水面埋立法に基づく竣工面積は、件数で807件、面積で2396ヘクタールとなっております。その中で、委員の御質疑の土砂の総量については把握していないところであります。それから、全国の比較ということですが、統計資料等を確認中で、今は把握していないという状況になっております。

○西銘純恵委員 埋め立てでこれまで失われた砂浜や自然海岸線はどこでしょうか。どれだけの割合で失われたのでしょうか。そして、埋め立てによってこれまでサンゴやイノーが死滅したのですが、生物多様性への影響はどうなっているのでしょうか。

○赤崎勉海岸防災課長 県では平成15年4月に琉球諸島沿岸海岸保全基本計画というものを策定し、その中で自然海岸が残っている地域を調査しておりまして、沖縄県全体で約1062キロメートルの自然海岸が残っているという報告があります。その残っている1062キロメートルを見てみますと、国頭村あるいは東村にあるような崖地海岸、そして糸満市方面にあるような崖地海岸がおおむね残っているということです。それから、離島についてもかなりそういう自然が残っている海岸があるとなっております。

○西銘純恵委員 沖縄の本来の豊かな白い砂浜―海岸がこれだけ埋め立てられて、やっていないところは崖地という状況にあるというのは、これ以上の埋め立ては、この沖縄県の生物多様性等も関連して、本当にやめていくという立場でやらないと取り返しがつかないのではないかということを指摘したいと思います。大浦湾に対して、大量の土砂埋立をする計画を沖縄防衛局は進めています。ジュゴンの餌場が失われたらジュゴンはどうなるのでしょうか。海流の変化による青サンゴやユビエダハマサンゴなどの群衆、そして生態系にはどのような影響が出るのでしょうか。

○古謝隆環境企画統括監 工事によりまして沿岸海域の地形が変わりますが、藻場の消失による直接的なジュゴンへの影響、あるいは工事船の運航による直接的、間接的な影響が考えられるかと思います。そしてサンゴの関係でございますが、移植すると言われておりますが、移植技術については確立されたものではありませんので、不確実性の程度が大きいと考えております。

○西銘純恵委員 ジュゴンは絶滅危惧種ですよね。そしてサンゴについても今おっしゃったのですが、生物多様性おきなわ戦略ではサンゴにおける世界の生物多様性について触れているのですが、既に絶滅リスクが指摘された種は概して絶滅がさらに近づいていて、最大の危機に直面しているのは両生類、最も急速に状況が悪化しているのはサンゴ類だと言っております。90年代からサンゴ類は急激に死滅していっているということを書いているのです。沖縄についても、環境部の皆さんがつくられた生物多様性おきなわ戦略には沖縄の生物多様性をどう保護・保全していくかということがうたわれているのですが、最後に、この生物多様性おきなわ戦略や沖縄21世紀ビジョン基本計画との関連についてお伺いします。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 沖縄21世紀ビジョンの中でも、第3章沖縄らしい自然と歴史、伝統、文化を大切にする島を目指してという章の第1項自然環境の保全、再生、適正利用の中で、生物多様性の保全として、外来種対策については生息状況、被害状況等の調査を実施し、これに基づく防除対策に努めるほか、新たな外来種の侵入防止対策等を推進すると記載されています。それから、生物多様性おきなわの中でも先ほどお話がございましたが、5つの危機の中の一つとして、持ち込まれたものによる危機として大きな懸念が示されていて、その対策として行動計画の中に種々外来種対策の推進等も示されているということでございます。

○仲宗根悟委員長 嘉陽宗儀委員。

○嘉陽宗儀委員 まず最初に、議員立法という形でこの条例の提案ということになっていますが、この条例の制定に関する意義について皆さんの認識をお聞かせください。

○當間秀史環境部長 今回の条例は法律を補完するという形で、土砂に混入して非意図的に進入してくる特定外来生物を防止するということになっておりまして、この条例の制定によりまして県外からの埋立土砂由来の特定外来生物の侵入リスクを低減することを考えております。

○嘉陽宗儀委員 環境省、農林水産省、国土交通省の外来種被害防止行動計画を聞きましたが、この条例ができたら、当然これは執行部の皆さんが責任を持って執行しますよね。

○當間秀史環境部長 執行部は法律と条例に従って県政を運営していくということが職務となっております。

○嘉陽宗儀委員 当然、皆さんが執行していくわけですから、条例案について当然勉強もして十分な理解も深めているものだと思いますが、これについての理解は大丈夫ですか。

○當間秀史環境部長 特定外来生物につきましては、分布状況や防除のあり方、進入経路など、まだ情報が十分に蓄積されている状況ではないということがありまして、これにつきましては、制定後、専門家等あるいは関係機関、研究機関等の知恵も借りながら運用していこうと考えております。

○嘉陽宗儀委員 スタートしたばかりですから、頑張ってぜひ十分に習熟してください。
 目的の中に、外来種問題の基本認識として生物多様性の確保というのが書かれていますね。これはどういうことをするかわかりますか。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 生物多様性につきましては、先ほども話がございましたが、生物多様性おきなわ戦略の中でしっかりと生物多様性を徹底していくということでございます。その中の一つの外来生物について、この条例の中で徹底していくことになるかと思います。

○嘉陽宗儀委員 この説明書を見ると、生物種は本来自然分布域に生育しているものであり、人為により自然分布域を超えて導入することで外来種の侵略性が発生する可能性があることを理解することが必要であるとありますが、これは何ですか。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 生物多様性につきましては、委員の御指摘のように生物多様性があるがままの状態を維持するということが非常に重要です。里山は里山の生態系、森林は森林の生態系、草原は草原の生態系があるということで、それぞれの生態系を持続、維持することで生物多様性が維持できるという考えでございます。そういう中で、一定程度の環境の変化によって外来種もしくは外から入ってくる種により環境の変化が起こることによって、在来の動植物に影響を与えるというのが懸念されているということで、今回、この行動計画の中にも条文が記載されていると認識しております。

○嘉陽宗儀委員 生物多様性の保全のためには従来のものについても、例えばマングースについても必要な対策を講じる必要があると思います。私はこれまで幾つか執念を燃やしてやってきたものがありますが、例えば、イモゾウムシやアリモドキゾウムシについて皆さんは生態を知っていますか。この駆除について、従来の生物を保全するためにどういう手を打っているのかお答えできますか。

○新里良章営農支援課長 アリモドキゾウムシについては、久米島で平成25年に根絶されております。方法としましては、フェロモンを使った密度の低減や寄主植物の除去、それからもちろん化学農薬による除去等により根絶を達成しております。現在も約3億円程度の予算をかけまして、津堅島と久米島で根絶事業を行っているところです。

○嘉陽宗儀委員 イモゾウムシやアリモドキゾウムシが駆除されたらどれほどの経済的な効果があるかということは、久米島の例だけでも非常にはっきりしています。今、津堅島でも駆除されて津堅ニンジンの生産量がかなりふえて大きな経済的効果を生み出していますね。ところが、沖縄全体でこうすれば駆除できるということを私は提言しているが、これがやられていない。やはりもっと科学的な知見を持って、全体的にどう駆除していくかについて今後の課題にして取り組んでほしいのですが、いかがですか。

○長嶺豊農政企画統括監 アリモドキゾウムシやイモゾウムシについては、現在フェロモン誘殺、それから不妊虫放飼という手法でやっておりますが、今後は大量増殖技術等、各地区にこれを広めていくにはさまざまな課題もございますので、その辺を一つ一つ解決しながら早期の根絶に向けて取り組んでいきたいと考えております。

○嘉陽宗儀委員 次に、松くい虫も持ち込まれたものとなっていますが、現在どのような駆除対策を行っていますか。

○金城克明森林管理課長 松くい虫は昭和48年に上水道をとめる工事で使用した松から見つかりまして、これまで60万9000立方メートルほど被害が発生しております。防除費としては90億円ほどかかっていますが、今も防除対策として薬剤散布、それから被害木については伐倒焼却などを継続して実施しております。重要な松につきましては、樹幹注入などを行っているところです。

○嘉陽宗儀委員 松くい虫についても私はずっと取り組んできましたが、今、皆さん方は薬剤散布と言いますが、メカニズムは線虫が仮道管の中に異常繁殖して枯れる現象ですよね。それはまたマダラカミキリムシが運び屋になるので、皆さんはその線虫を駆除するのではなく、マダラカミキリムシを駆除するために薬剤散布をして貴重な生き物たちを全部殺傷しています。貴重な植物も薬剤を散布した後は生きていけません。ですから、私はこれを批判して、やめますということだったのですが、しばらく静かにしたらまた薬剤散布をして貴重な生き物たちが殺害されている。こういうことをいつまで繰り返すのですか。

○金城克明森林管理課長 委員の言われているとおり、マツノマダラカミキリムシを今は除去しております。希少昆虫ですので、どうしても重要な松林―これは限定しておりまして、以前のように全域でやっているのではなく、各地域から地域保全林や高度広域松林といった守らなければならないものについてのみ薬剤を散布しておりまして、被害が減少しているところは今のところ散布を自粛しているところであります。

○嘉陽宗儀委員 私が今聞いているのは、マツノザイセンチュウの駆除方法について、どういう研究対象をとって進めているのかということです。

○金城克明森林管理課長 従来型の防除法に加えまして、森林資源研究センターでは天敵昆虫も実験しておりまして、それを導入するかということで今検討を進めているところでございます。

○嘉陽宗儀委員 沖縄の松くい虫対策というのは、私は何回かやりましたが、やはり総合的に加速的に進めていかなければならないと思います。政府まで、松くい虫駆除対策室というのがあり、行っていろいろ細かいことを聞いてきましたが、政府もまだ手つかずでなかなか根本対策ができないという状況です。私はある民家の人に相談をして、マツノザイセンチュウの駆除方法として、皆さん方が注射するものではだめだから、バクテリアでこのセンチュウを食べてしまうものがあればいいということで、工夫や研究でいろいろと手を打ってきた結果、これができたのです。そして、それをマツノザイセンチュウのところにやれば、マツノザイセンチュウはバクテリアに食い荒らされて松が枯れることが防げるということで、私はそれを北部地域の研究所に持って行って、これは松くい虫駆除方法として新たな方法だと思うので、一袋持ってきたのでぜひ研究してくれと言いました。そしたら、翌年、私が監査で入っていって、どうなったかと聞いたらそのまま捨てられていました。無視されました。しかも、沖縄県の松くい虫対策室は、若い人が1人だけでやっていてとてもじゃないけど手に負えない、いろいろやりたい方法はあるが、これではだめですと言っているのです。ですから、こういう外来生物、生物多様性を確保するためにはそれなりの専門家体制をつくってやらなければならない。特に今、沖縄科学技術大学院大学はバイオでかなりの実績を上げていますが、沖縄の実情に合った研究体制が十分になっていないのではないかと思うのです。皆さん方はこの生物多様性保全の問題を含めて、そういう研究機関との提携を考えるべきではないかと思いますが、いかがですか。

○長嶺豊農政企画統括監 先ほどのマツノザイセンチュウの防除につきましては、大変失礼いたしました。これから研究機関の中でも、例えばこれまでミバエやイモゾウムシなど、いわゆる害虫に関する専門の研究員もたくさんいらっしゃいますので、そういう方々との意見交換、情報交換も含めてそういった専門家の育成、あるいはほかの、国の機関等も含めて情報をしっかり共有しながら病害虫防除の技術開発に取り組んでいきたいと考えております。

○嘉陽宗儀委員 専門家は教育機関を置いてきちんと育てる。そして必要な研究所、研究体制をきちんとつくらなければ、いつまでも資源は豊富です、可能性はたくさんありますと言うが、そのまま寝込んでしまっては役立たないではありませんか。ですから、少なくとも沖縄はなかなか優秀で、かなりこういう面でも研究は進んでいるというようなものをやはりつくるべきだと思います。実は、私が前から話していますが、電流式松くい虫駆除法の特許を取りました。なぜそのようなことを言うかというと、電流で松くい虫を殺せるというのは一般的な化学の知識では思いつかない。しかし、インターネットでも全部出ているものですから、これを活用する人がふえていて、バショウが枯れたらどうするだとか、いろいろな木で虫が入っているみたいだと言ったら、これを使えるかという問い合わせが大分あるのです。そして、かなり解決している。この前は、三重県から伊勢神宮の向かいの武家屋敷で年代物の松が枯れそうなので嘉陽さん助けてくれということで電話がありました。やはり日本全体としてこれについての解決がきちんとしていないのだから、少なくとも沖縄で教育機関も含めてこれを確立して取り組むように、これを機会に頑張ってみてはいかがでしょうか。

○長嶺豊農政企画統括監 さまざまな病害虫の防除技術につきましては、いろいろな手法を研究、情報収集しながら、しっかり取り組んでいきたいと思います。

○仲宗根悟委員長 當間盛夫委員。

○當間盛夫委員 環境部長からもありましたが、外来種被害防止行動計画というものが国から概要含めて出ておりますよね。生物多様性の確保等を含めて、外来種被害を防止するための緊急の課題がいろいろと出ております。この中で、地方自治体の役割が示されていると思いますが、どういうことをやってくれと言われているのでしょうか。

○當間秀史環境部長 外来種被害防止行動計画における地方自治体の役割ですが、地方自治体が地域の生物多様性を保全及び持続可能な利用を図る観点から生物多様性地域戦略を策定することが求められており、当該戦略を踏まえ、侵略的外来種に関する条例、侵略的外来種のリストなどを策定するなど、当該地域における優先すべき防除対策を明確にした上で地域における外来種対策を総合的に推進するということがうたわれております。

○當間盛夫委員 今、条例や行動計画、いろいろなことを含めて地方自治体もやってくれということがありますが、県はこれをつくられたのでしょうか。

○當間秀史環境部長 県におきましては、生物多様性地域戦略は策定したところです。条例等々につきましては、これからの課題であると認識をしていたところです。

○當間盛夫委員 県の外来種対策としてはマングース対策しかないということも前回ありました。今回、条例制定の意義ということで、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律を補完する部分があって、その条例制定によって侵入リスクが軽減されるという意義があるという部長の答弁がありましたが、皆さんも地方自治体として条例を制定してくださいと言われているわけですから、条例制定が必要であれば、なぜ皆さんで制定しないのでしょうか。

○當間秀史環境部長 県におきましては、外来種被害防止行動計画がことしの3月に出て、そういう条例の制定が求められているということは課題として認識しておりました。ただ、これが3月でしたので、これからの検討課題ということで、中身についてはいろいろな面から考えていくという段階でありました。

○當間盛夫委員 例えば、皆さんがこういう条例をつくるときの手順を教えていただけませんか。

○當間秀史環境部長 一般的に条例をつくるときの手順といたしましては、まず関係部局との調整を経まして、国や市町村などの関係機関との協議をいたします。さらに、例えば環境部の場合は自然環境保全審議会等々がありますので、そこに諮問する必要がある場合はそこに諮問をしていくということになります。さらには、いわゆるパブリックコメントというものもありますので、パブリックコメントをいただいた上で、それと並行して、通常、法制審議会を総務部との間で行いまして、最終的に法制審議会も済みますと庁議に諮って議会に提案という形になります。

○當間盛夫委員 これだけパブリックコメントなどいろいろな調整があって、きょうやるだけでも環境部、農林水産部、土木建築部ということですから、これはもう少しあるはずですよね。この条例を皆さんが見て、公有水面埋立の利害関係者となるとどういうところがあると想定されますか。

○當間秀史環境部長 通常、利害関係者と申しますと、この条例の施行によりまして権利義務関係について何らかの法的な問題が生じるということを前提としましても、通常は申請者です。この事業でいいますと、今回は公有水面埋立に基づく事業承認を受けた者となっておりますので、今のところ那覇空港と普天間基地代替施設の二者が利害関係者ということになるかと考えます。

○當間盛夫委員 今回、公有水面埋立事業におけるということになりますが、県内で土木建築部で把握している現在進行形で、これから想定される公有水面埋立事業というのはどういうものがありますか。

○伊禮年男土木整備統括監 現在、那覇港の浦添埠頭コースタルリゾート地区の埋立事業に関して、方法書の手続を終了しているといった段階にあります。それ以外にも、那覇港の浦添地先で、約200ヘクタール程度ですが、新たに埋立事業が計画されているという状況です。

○當間盛夫委員 進行形ということになりますと、那覇空港第2滑走路もそういう意味での進行形ですよね。皆さんからすると、辺野古の移設事業に関しても公有水面という認識にあるわけですよね。

○伊禮年男土木整備統括監 委員のおっしゃるとおり、そういう認識になります。

○當間盛夫委員 先ほど玉城委員からの質疑で、県内の資材で供給量が十分あるというお話もありましたが、辺野古の公有水面埋立事業でどれくらいの資材が使われるのでしょうか。

○伊禮年男土木整備統括監 埋立土砂の数量ですが、2062万立方メートルになります。石材に関しましては、約148万立方メートルになります。

○當間盛夫委員 ちなみに、先ほど那覇空港は990万立方メートルで、護岸で180万立方メートルというお話でした。では、これから進んでいく那覇港ではどういう量になりますか。

○伊禮年男土木整備統括監 今、手元に具体的な数量は把握していない状況です。

○當間盛夫委員 皆さんが先ほど答弁した県内の資材で供給量は十分だということは、那覇港地先と浦添の軍港を含めて、それは量に入っていないという認識でいいのですか。

○伊禮年男土木整備統括監 今後、那覇港、浦添埠頭につきましては、工事の時期等も違ってきますが、石材については工程的なものもかかわってきますが、十分にあるかと思っております。ただ、埋立土砂につきましては、今の段階で辺野古に関しては購入土砂や残土などいろいろな計画をしておりますので、事業者でその辺を検討して対応するかと考えております。

○當間盛夫委員 供給量はわかりました。では、この資材関係には海砂などいろいろなものがあるとは思いますが、主に県内のどの地域から資材関係はとられるのですか。

○赤崎勉海岸防災課長 先ほど答えたとおり、埋立土砂の岩ズリ、しゅんせつ土、公共残土―公共事業の残土等については全て県内産でございます。海砂についても県内産を使うということになっております。護岸等に使う石材についても先ほど玉城委員からありましたように、180万立方メートルについて県内産を使うということでございましたが、今年度ピークを100万立方メートル必要ということで、県外から一部持ってきたいという申請があったということでございます。
 海砂につきましては、主に東村沖あるいは国頭村沖、それから慶良間諸島沖でも海砂を採取してそこに投入されるということになっております。護岸に使う石材については本部産、奥港から出しているものについては国頭村の鉱山から出ているということでございます。

○當間盛夫委員 今度の条例の目的の中で、自然環境を保全するというものがあります。我々はできるだけ県内の資材や県産品を使おうということがあって、そのことは最も重要なことだと思います。しかし、自然環境を壊してまで県内資材、県内用材を使うということは、自然環境の保全ということからすると皆さんはどのように対策をとられる予定なのですか。

○赤崎勉海岸防災課長 まず、海砂採取を国頭村沖、東村沖、慶良間諸島沖でやっておりますが、海砂利については当然のごとく埋め立てにも使いますが、主に建設骨材などで使用されておりますので、将来の建設骨材等の安定供給などを考えまして現在許可しているところでございます。県自体におきましては、海砂利の採取等において海域、海洋の環境等が悪化しているなどということは、漁業組合などからも今のところ報告は出ていないということでございます。

○當間盛夫委員 私は、生物多様性における特定外来種の侵入というのは重要だと思っております。ところが、今の沖縄の公有水面埋立事業がどれくらいあるのかということになってきますと、辺野古がどう進むかわかりませんが、その事業もあります。那覇空港もそれだけの県内という部分もあります。そして、これから浦添を含めてのものも出てくることからすると、環境保全の話が全く抜けているというようなところがあります。この条例は、これからの環境保全や生物多様性をどうしていくかという議論をしているわけですから、皆さんもその観点を持ちながら、これからの埋め立てに関する用材関係がどうあるのかということは、こういう条例の中で皆さんもしっかりと物を言うべきだと思います。我々の対策はこういう形で打ちますということもなく、資材関係は県内で十分だと言います。十分と言うのであれば、それだけの自然環境保全をどのようにとるのだということが、皆さんに欠けているのです。それについてはどうお考えですか。

○伊禮年男土木整備統括監 基本的には、埋め立てに係る自然環境の影響は大きいものがあると思っております。那覇空港に関しては、基本的には公共残土やしゅんせつ土砂を使う、また、空港での残土を使うということで事業者が一生懸命努力をしているところでございます。今後とも埋め立ての審査をする立場上、自然環境に影響が出ないように対応していきたいと考えております。

○當間盛夫委員 外来種被害防止行動計画にも事業者の役割がしっかりとうたわれておりますが、事業者はどういうことをやりなさいということがうたわれているのですか。

○當間秀史環境部長 事業者の役割を読み上げたいと思います。
 「事業者は、そのさまざまな活動を通して外来種問題を発生、悪化させないように努めるとともに、事業地における外来種対策の推進など生物多様性の保全に一定の役割を担っています。」ということです。

○當間盛夫委員 最後になりますが、事業者も外来種問題の発生防止のために三原則含めて適正に管理するということが事業者の命題だと思います。その部分をわかっているのに特定外来種を入れるようなことがあったら、国として1億円などいろいろ意味での罰則があります。そういったものがあるわけですから、皆さんも沖縄県として生物多様性―これだけ当初の部分での行動計画があります。島嶼地域の現状や目指す方向などが今度の行動計画にうたわれているはずです。それからしますと、生物多様性含めて自然環境をどう守るのかという特定外来種の対策は、全体的に沖縄県がどうするのだということをしっかりと持って、本来は皆さんがこれがどうあるべきだというきちんとした条例をつくるべきだと思っておりますし、皆さんからしてみれば今度の条例は法律を補完をする部分の一つの役割だという解釈はあろうかと思いますが、近々にその条例等を含めて皆さんがきちんとやられていることを望みますし、皆さんが執行する側ですので、そのことの認識もしっかりと持って頑張ってもらいたいと思います。

○仲宗根悟委員長 休憩いたします。

   休憩 午後0時12分
   再開 午後1時30分

〇仲宗根悟委員長 再開いたします。
 比嘉瑞己委員。

○比嘉瑞己委員 最初に、沖縄県に外来生物が侵入して拡散した場合、これまでに大きな影響があったとお聞きしました。こうして、拡散してしまった状況に対して沖縄県がどのような対策をとってきたのか、その経済的損失、またその駆除にかかった時間や労力などもう少し詳しくお聞かせください。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 午前中にも申し上げましたが、特に経済的損失があった外来種につきましては、マングース、ウリミバエ、ミカンコミバエそれから松くい虫等々がございます。マングースにつきましては平成12年から駆除を行っておりまして、14年間で約15億円の予算が投入されています。それから、ウリミバエにつきましては昭和46年からということで、約21年間に170億円が投入されています。それから、ミカンコミバエにつきましても昭和52年から昭和60年までの約9年間事業が実施されておりまして、約26億円。松くい虫につきましても現在でも継続して実施しており約90億円ということで、トータルで約300億円近くの予算が投入されて防除の対策として実施されているということでございます。

○比嘉瑞己委員 これだけ多大な経済的損失があるわけです。ウリミバエやミカンコミバエは根絶できましたが、マングースや松くい虫は今でも継続して駆除に取り組む本当に大変な損失だと思います。
 次に、午前中にも質疑がありましたが、確認の意味でもう一度お聞きしたいと思います。国が外来生物法を定めて、それに基づいて外来種被害防止行動計画をつくっておりますが、その中で特に地方自治体に求められている役割についてお聞かせください。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 行動計画の中では、先ほども申しましたが、国・自治体・民間団体・企業・国民とそれぞれの主体が取り組む基本的な考え方が示されております。その中で、特に地方自治体の役割ということに関しましては、読み上げますが「地方自治体が地域の生物多様性を保全及び持続可能な利用を図る観点から、生物多様性地域戦略等を策定することが求められており、当該戦略を踏まえ侵略的外来種に関する条例、侵略的外来種のリスト等を策定するなど、当該地域における優先すべき防除対策を明確にした上で、地域における外来種対策等を総合的に推進すること等の施策を実施することが求められている。」ということでございます。

○比嘉瑞己委員 この条例制定も地方自治体に求められていることが確認できると思います。国自体が地方自治体に条例制定を求めている。また、それ以外にも侵略的外来種のリスト、また優先すべき防除対象を明確にすることが求められているのです。本来であれば、自治体がこの条例を制定するのが望ましいと私も思いますが、午前中の皆さんの答弁をお聞きしますと、国の計画がつくられたのがそもそもことしの3月に入ってからであり、時間的な余裕がなかったこと。しかし、皆さんとしてもこの対策は今後とっていくという姿勢はよくわかりました。私たちが今回、議員立法に至った経緯は、実際に今沖縄で公有水面埋立事業が幾つかあって、そのうちの一つが県外から1700万立方メートル―10トントラックにすると280万台もの土砂が短期間で私たちの沖縄の海に落とされようとしている。こういった現状を鑑みて議員立法という形で提案をさせていただいております。このことは、国が定めた外来生物法の趣旨や沖縄の豊かな自然環境を守ってほしい、こうした県民の立場に立てば私は当然のことだと思います。そこで、今後、皆さんがこうした対策を立てていくと思いますが、今回の私たちの条例が皆さんにとって環境政策の大きな契機になると思いますが、皆さんとしてはどうでしょうか。

○當間秀史環境部長 今後、執行部におきましては行動計画を策定するなり、地域における外来対策というのを総合的に行っていこうと考えております。そういった意味では、今回の条例はこの嚆矢となるものと考えております。

○比嘉瑞己委員 最後になりますが、今回提案されている条例の対象となる公有水面埋立事業の事業者の皆さんは2つだとありましたが、この事業者の皆さん自身も沖縄の豊かな自然環境を守り、そのためには外来生物に対する対策を講じていくということを約束していると私は認識していますが、そのことについてはどうですか。

○末吉幸満土木建築部長 そのとおりでございます。

○比嘉瑞己委員 県民も大変注目しておりますので、もう少し詳しく内容についても答弁願いたいと思います。

○末吉幸満土木建築部長 まずは辺野古埋立の外来種対策を述べさせていただきます。埋立承認願書の添付図書である環境保全に関し講じる措置を記載した図書では、「埋立土砂に対する外来種対策としては生態系に対する影響を及ぼさない旨の規定を発注仕様書に設定し、配慮することとします。これらを担保するため、具体的には土砂供給元を決定する際にこれらの状況を確実に確認するとともに、当該土砂の搬入に当たっても定期的に試験等により確認することとしています。埋め立てに用いる購入土砂等の供給元などの詳細を決定する段階で生態系に対する影響を及ぼさない材料を選定し、外来種混入のおそれが生じた場合には外来生物法や既往のマニュアル等に準じて適切に対応し、環境保全に配慮することとします。なお、埋立土砂の種類ごとに注意すべき生態系への影響の検討は専門家の助言を得ながら行うこととします。」となっております。審査段階における私どもと事業者との質疑応答の中で、事業者は土砂調達場所の確定後、文献調査及び専門家からの助言を得ることにより、必要な対策を検討、実施していくことにしております。現時点では、供給元における現地調査等によって確認するほか、造成後に目視観察によるモニタリング調査を行うとともに、生物種ごとに殺虫・消毒もしくは抜き取り除去による対策を行うことを想定しますとの回答がございました。
 那覇空港でございますが、今回、那覇空港の県外からの石材について、私どもは、今、変更承認申請を受けていますが、その中で承認の留意事項4に基づく添付図書の変更承認協議において外来種対策も審査しているところでございます。県外調達の石材については、石材の洗浄、付着の有無の目視確認という対策を示しています。当該外来種対策は、環境監視委員会にも諮られて議論されているところでございます。

○比嘉瑞己委員 このように、事業者の皆さんもこういった形でやりますということが示されています。本条例は、そのことについてきちんと届け出をしてくださいというのが中身になっておりますし、また国もこの条例制定を求めている。こういった意味からも私は大変妥当な条例だと思います。

○仲宗根悟委員長 新垣安弘委員。

○新垣安弘委員 今回の条例は、与党の皆さんが辺野古の埋立に関して余りにも膨大な量の土砂を搬入するということで、そういった危機感から出されたと思います。それに対して執行部の皆さんは、自分たちの仕事を補完する役割があるとおっしゃっているところです。この条例は各12条から成っているのですが、各項目について伺いたいと思います。
 まず、生態系の被害防止に関する法律の趣旨に従ってこの条例をつくっていると思うのですが、第3条で事業所は実施する公有水面埋立事業に伴い、特定外来生物の付着または混入している埋立用材を県内に搬入してはならないということになっています。これは先ほどの質疑とも関係すると思うのですが、この第3条がなかった場合、事業者が埋立用材を県内に搬入してしまうのを見逃さざるを得ないような状況なのでしょうか。

○末吉幸満土木建築部長 私どもは、今まで埋立関係の中で県外から持ち込んだ土砂はないと思っています。ただ、宮古島市の港湾埋め立ての中で国外から持ってきたという情報を入手したのですが、具体的にどういうものかはわかりませんでした。今回の辺野古に関しては、辺野古埋立承認申請で環境保全を講じた図書の中にいろいろ外来種対策法も記載されておりますので、外来種対策をやりますということをもって、我々は環境保全に十分配慮されているという理解で辺野古の埋立承認をしたという状況でございます。

○新垣安弘委員 この条例の中の条文というのは、きちんとやるべきことをやっているので、ある意味で補完すると言っても補完力はそんなに強くはないと。例えば、この条例の中に罰則を規定しているのであればまた違うと思いますが、罰則もない中でこの条例の第3条を出したところで、既にそれなりの処置で対応しているのであり補完力はないということになりますか。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 外来生物法につきましては、外来生物本来の個体の移動を禁止するという状況でございます。今回は、その中に付着する土砂を含めて改めて移入の禁止を確認しているというになるかと思います。

○新垣安弘委員 付着することに関しては、先ほど土木建築部長が答えられたものの中には規定されていなかったのでしょうか。この条例で付着するものに関して特定しているということですか。

○當間秀史環境部長 これまでの外来生物の取り扱いの状況と今回の条例第3条との関係についての御質疑だと思いますが、これまでの埋め立てに係る外来生物の取り扱いについては、環境影響評価法に基づくアセスメント手続の中でその環境保全措置を図るということで、外来生物対策等々も事業者が措置をとることとしておりました。今回の条例ができまして、明確に県内に搬入してはならないということになりましたので、その定めとさらに届け出をするということによって、アセスメントによる事業者の環境保全措置とあわせて行政でこの条例に基づいて外来生物の侵入についてのチェックができるという二重のチェックになるということになります。

○新垣安弘委員 次に、第4条と第5条の関係で伺います。予定日の90日前までにという規則や届け出の項目が1号から9号まであるのですが、この部分はこの条例がないと、県としては細かく規定されているようなことを把握する必要はない状況なのでしょうか。

○當間秀史環境部長 例えば、第4条の1号から9号までに定める内容については、環境影響評価図書の中では具体的に出てまいりません。

○新垣安弘委員 この事業者の住所云々などの項目に関しては、県として把握しないわけですね。

○末吉幸満土木建築部長 先ほどの比嘉委員の答弁で申し上げましたが、埋立承認願書の中に環境保全に関して講じる措置を記載した図書がございます。その中で、例えばどこから土砂をとるとか、そのときに外来生物混入のおそれがないか調査することなどは書かれております。具体的な内容につきましては、環境等委員会を設置し助言を受けて、工事に入る前にこういう環境保全対策をやるという協議が県に来ることになっております。

○新垣安弘委員 この項目については県として把握もするし、第5条でいうように変更があったら変更したことを届け出なさいということもやるのですね。

○末吉幸満土木建築部長 当該埋立用材を採取する場所の変更等が出てきましたら、当然、変更の図書が出てきます。

○新垣安弘委員 第6条の2項について、変更したら届けを出しなさいという勧告をするのですが、その勧告に応じなければ搬入の中止を勧告することがこの条例ではできるのですが、この条例がない場合、変更の届け出がないときに搬入の中止を命令することはできるのですか。

○末吉幸満土木建築部長 命令、勧告はできないと思います。

○新垣安弘委員 第6条の2項でいうような勧告は今の段階ではできないということで、この条例ができることによって勧告できるようになってくるということで理解します。
 次に、第8条についてお伺いします。外来生物が付着または混入しているおそれがあると認めたときに、県は所在する場所に立ち入り、現物を無償で収集することができるということになっているのですが、現段階では混入しているということを認めたときに立ち入って持ってくることはできないのですか。

○末吉土木建築部長 公有水面埋立法の中で説明させていただきますが、環境に対して事業者がどのようなことをやったかという事後報告が出てきます。そういうもので我々はどういうことをやったのか確認するのですが、現段階では立ち入りしてやりなさいという縛りまではございません。

○新垣安弘委員 明らかにそこから持ってきた物に混入していると県が思ったときに、そこに立ち入って確認してやめさせることはできないのですね。

○末吉幸満土木建築部長 私どもでも外来種混入のおそれが生じた場合には、当然その材料は使ってはいけませんと―事業所もそういうことが書かれていますので、それはだめだということになります。ただ、県が現場まで行って外来種が混入したかどうかを確認する作業は、私どもの公有水面埋立法の中ではやらないということでございます。

○新垣安弘委員 ということは、明らかに混入していることがわかった場合、勧告することはできてもそこに立ち入って明確な調査をすることは現段階ではできないと理解していいですか。

○當間秀史環境部長 明らかに外来生物の個体が混入していると現に認められる場合であれば、外来生物法によって運搬の禁止がうたわれていますので、これで規制できるということです。

○新垣安弘委員 次に、第11条ですが、そういうことを県がわかって勧告をする。それでも勧告に応じない場合には、その旨を公表することができるということになっていますが、現段階ではそのような場合に県は公表をするのですか。

○當間秀史環境部長 現段階では、防除の実施や使用中止の勧告という制度はございませんので、そういうことはできません。

○新垣安弘委員 最後に、この条例ができたときには皆さんはそれに従って仕事をしていくわけですが、与党の皆さんはこれから始まるであろう莫大な量の本土からの土砂搬入による外来生物混入のおそれ、それをなくすためにこの条例を出してきているのですが、この条例に従って仕事をしていくときには恐らく予算も伴うと思います。その場合、この条例に従って辺野古の埋め立てを監視していくことを前提とした予算がどれほどのものになるかという想定は、執行部としてはしているのでしょうか。

○當間秀史環境部長 今後、どの程度の旅費あるいはその他もろもろの予算等が必要になるかにつきましては、総務部等と調整をしながら検討していくこととしております。

○新垣安弘委員 これは今回の定例会に出されているわけですし、今回で通るかもしれません。そこからこれにかかわる予算が幾らぐらいになるかという作業を始めていいものかどうか。本来、条例をつくるときには、それを執行部が出すにしろ議員が出すにしろ、それに伴う予算がどの程度になるかということがあらかじめ必要かと思うのですが、そこに対する心配はございませんか。

○當間秀史環境部長 当面の執行につきましては、現在でも既存事業で生物多様性関連の事業費がございますので、この中で十分対応できると考えております。

○新垣安弘委員 これはとても膨大な量にかかわってくることでもあるし、条例の思いを受けて目的に従って仕事をすることになると、それなりの予算がないといけないのではないかと思うのですが、そこは當間環境部長のお話ですとそこまで心配する必要はなく、この問題はクリアということで理解してよろしいですか。

○當間秀史環境部長 当面は既存事業の中で業務を遂行していくということになります。それでも足りないという状況であれば、総務部等々と調整をしながらいろいろな方策を考えていくということになろうかと思います。

○仲宗根悟委員長 新垣哲司委員。

○新垣哲司委員 公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する特別委員会ということで、お尋ねをさせていただきたいと思います。これまで代表質問、一般質問を通じて、県としては議員の提案した条例について私が聞いたところ完全に把握していないような答弁だったと思っております。ですから、午前中は部長2人がお見えにならなかったのですが、そういうこともあって、ぜひ代表質問、一般質問を通して―部長はもちろん参加することになっておりますが、その件について答弁願います。

○島田勉農林水産部長 午前中は出席できず、申しわけございませんでした。国への提出期限の書類がございまして、その調整で午前中はどうしても避けられず出席することができませんでした。
 当該条例につきましては、部内でも一応勉強はしておりますが、その条例がもし施行された場合の影響等についても、その辺は調整、検討をしておりますので、もし施行されましたらそれにしたがって事業を実施していきたいと思っております。

○新垣哲司委員 私の質疑は、さきの代表質問、一般質問を通して提案者から提案される議員提案と皆さんが答弁する内容が食い違っているのですが、これでよろしいのですかということを聞いています。

○島田勉農林水産部長 代表質問、一般質問でこの条例に関して我が部への質問等はございませんでしたので、申しわけございません。

○新垣哲司委員 県側というのは、この提案に対して何も勉強会はやっていないのですか。話し合いも何もやっていないのですか。与党議員との打ち合わせは何も今日までなかったのですか。その辺はどうですか。

○當間秀史環境部長 恐らく御質疑の件は、条例提案者の回答と執行部の回答は専ら議員提案の審議過程については議会で判断をお願いしたいということの食い違いだろうと思いますが、これにつきまして我々としては議員提案でございますので、意見を差し控えるということはやむを得ないことと思っております。

○新垣哲司委員 議員提案であれば、多数であれば何でも条例を出して通る可能性もありますし、場合によっては通らないかもしれません。しかし、出した場合には県側は当局として今の答弁からしますと何でもいいから丸のみですか。そういう話にしか聞こえませんが、その辺はどうですか。

○當間秀史環境部長 執行部の基本的な考え方としましては、定められた法律及び条例規則等に基づいて県政の運営を図っていくということが基本的な決まりごとですので、条例が定められたらそれに沿って運用していくということが基本的な態度になろうかと思います。

○新垣哲司委員 それでは、環境部長にお聞きしたいのですが、埋立用材だけではなく、全ての外来種の侵入防止を目的とするという考え方の答弁があったと思いますが、全ての外来種とはどういうことですか。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 外来生物につきましては、特定外来種113種ございます。その中で県内に入るのが21種ございます。ただ、特定外来種に入っていなくても非常に危険な外来種というものは既にございます。そういう非常に危険性のある外来種、動植物含めて指定をして、移動の規制等々を含めた対策をとるということを検討しているということでございます。

○新垣哲司委員 私が皆さんの答弁を聞いたところについては、113種の特定外来種がいて、特別には26種ということですが、全ての外来生物の侵入について対策をとっていくということを言っています。ですから、私は先ほどから提案者の皆さんともこういうことを調整していますかということを聞いているのです。全ての外来種、26種の外来種も113種の特定外来種も対策は一緒ですか。

○當間秀史環境部長 今回の条例は特定外来生物ということで今おっしゃったような113種と26種の外来種が対象となっているところでありますが、今後、執行部として行う部分については基本方針を策定して、より総合的な外来種生物対策を行っていくという趣旨のものでございます。

○新垣哲司委員 ですから、そういうことも勘案して、やはり条例を出す以上は提案者とも調整をしながら、誰が見てもはっきりするような条例を出したいということが本来の条例だと思っております。
 今回の条例において、松くい虫を一例にして嘉陽委員から先ほどお話がございました。例えば、松くい虫を防除するためにはカミキリムシという害虫がいますが、これは松くい虫を呼ぶ、生む外来種です。ですから、対策をしなければならないという、質疑にもあったのですが、こういう問題について皆さんはプロですから答えはありましたが、防除には農薬も何も入れない、こういうふうに根絶できるという立派な説明だったのですが、その辺をもう一度お答え願います。

○金城克明森林管理課長 嘉陽委員の質疑に対しては、松くい虫の防除方法にどういったものがあるかということに対して、地上散布―薬剤防除です。それから、被害木の除去をするための伐倒焼却駆除、健全木に対して松くい虫にかからないようにするために樹幹注入などを行っているということをお答えしました。それから、今現在、森林資源研究センターで点滴防除ということで、新たな昆虫を使った防除方法を今研究しているということをお答えしました。

○新垣哲司委員 まさに立派な答弁だと思っております。ですから、この条例というのはやはり皆さんが出すべきだった条例だと思っております。議員提案ではなく、非常にわかりやすく妥当だと思っております。ですから、今回の条例は廃案にしていただいて、皆さま方が改めて立派な条例をつくるということが一番の方法だと思っておりますが、その辺はどうですか。

○當間秀史環境部長 今回の条例につきましては、先ほど申し上げましたようにこれは議員提案の条例でございますので、執行部から意見を申し上げることはございません。

○新垣哲司委員 今回の県政というのは条例が出れば何が何でもみんなそれを適応するのだという答弁でした。どうも私たちには納得ができません。
 質疑を変えますが、今回の委員会で提案された条例は、埋立業者が特定外来種混入のおそれがある場所から持ち込む場合に事業者が届け出をすることになっております。このことについて、なぜ事業者がもつかという根拠についてお尋ねしたいと思います。

○當間秀史環境部長 今回の条例の対象となると想定される事業は2事業者で、那覇空港の沖縄総合事務局の事業と辺野古の沖縄防衛局の事業になります。これはいずれも環境影響評価手続を経て埋立承認がなされている事業でありまして、環境保全措置及び変更承認申請の中で外来種対策については予防措置、防除策をとるという保全措置が事業者の名において示されているということでございます。

○新垣哲司委員 事業者が届けるようになっているのですが、事業者は無駄な時間、余計な時間で非常に判断に困っています。これは業者ではなく、県政発展にも大きくつながるものだと思っております。
 次に、混入のおそれがない場所から持ち込まれる場合も申請をさせるのでしょうか。

○當間秀史環境部長 ただ今の件につきましては、条例案の第4条の中で事業者は採取場所が県外の地域である埋立用材を県内に搬入しようとするときは、予定日の90日前までに届け出をしなければならないとありますので、県外から搬入する場合は全て届け出が必要ということになります。

○新垣哲司委員 こういうことになった場合には、沖縄の経済、自由競争の経済に破損が生じないか、この条例によって沖縄の経済界あるいは業者が非常に判断に大変なところだと思いますが、皆さんはどのように思っていますか。

○當間秀史環境部長 先ほども申し上げましたように、基本的に環境影響評価手続を経る事業というものは、基本的には環境保全措置の費用ですとか、そこにかかる日数というものは、事業を行う中で前提とされているということでございます。

○新垣哲司委員 その件については、この事業者に負担に与えるため非常に権利が大きいと思います。権利の濫用にならないかと非常に心配しています。また、この条例については合理性に欠けていると思います。そこで、この条例には違法性はないですか。

○當間秀史環境部長 当該条例の合理性あるいは違法性等々について、執行部が判断することは適当ではないと考えております。

○新垣哲司委員 他の都道府県の立ち入りはできないことがはっきりしていますよね。調査の件についてこの項目では立ち入りができないので、これは削除したほうがいいと思いますが、どうですか。

○當間秀史環境部長 これにつきましても執行部として言及する立場にはございません。

○新垣哲司委員 条例が通ったらその条例に沿って皆さんが仕事をするのですよね。みんな知らない、わからないということでは、先ほどからこの条例には合理性がないということを言っています。ですから、私は最初から県から県側に立った立派な条例をつくるべきではないかと。今の答弁を見ても条例に従っていくということになるものですから、皆さんの立場というのはこれからなのです。ですから、この条例が通るか、通らないか今のところわかりませんが、皆さんの立場に沿ってしっかり答弁してください。

○當間秀史環境部長 やはり、条例の中身の議論につきましては議会の中で十分にやっていただけたらと思います。

○新垣哲司委員 議会の中ではやりました。きょうは当局です。ですから、皆さんとの食い違いはないのか、しっかり私たちは当局に対する質疑をやっているのです。質疑にはまともにお答え願いたいと思います。
 公有水面埋立事業に特定する、ある意味では与党側の条例案ということであります。辺野古の新基地建設を牽制する、あらゆる手段で新基地を防止するというように今日まで翁長知事が言っております。この基地建設、外来種含めて、やはり最後はこの基地をつくらせないという目的に沿った条例なのですか。

○當間秀史環境部長 今回の条例の目的は、特定外来生物による生態系に係る被害の防止に関する法律に規定する目的の趣旨を踏まえて公有水面埋立事業の実施による外来生物の侵入を防止することにより、生物多様性を確保し祖先から受け継いだ本県のとうとい自然環境を保全することを目的としております。

〇仲宗根悟委員長 中川京貴委員。

○中川京貴委員 公有水面埋立事業に係る外来生物侵入防止条例が設置されることによって、これまで、またこれからの県・国発注工事に影響はないのか、きょうは朝からそういう質疑が出ておりましたが、あえて確認の意味の質疑であります。

○末吉幸満土木建築部長 公有水面埋立に関する外来種のお話でございますので、それについては私どもの今後の埋立事業に影響はないと思っています。

○中川京貴委員 ただ今、部長は公有水面については影響はないという答弁ですが、それ以外に影響は出るのでしょうか。

○末吉幸満土木建築部長 今回の条例の対象となっている工事自体が公有水面埋立の工事だけでございますので、その公有水面埋立の工事に関しては今後影響はないと思っています。

○中川京貴委員 私どもは、この条例に対してはやはり不備があると、なぜならば、きょう午前中から指摘がありましたように、埋立事業に係る条例なのです。先ほど環境部長は埋立以外にも外来生物による侵入防止については全ての外来生物は影響があるという答弁をしているので、食い違いがあります。それから、環境部長は法律も条例も二重チェックになって、なおいいものになるという答弁でしたが、ただ今の土木建築部長の答弁ではあくまでも埋立事業に係るもので、それ以外は関係ないという答弁であります。外来生物の侵入をとめるのであれば、今の答弁で本当によろしいのでしょうか。

○當間秀史環境部長 この条例で外来生物がとめられるかという御質疑かと思いますが、この条例が制定されることによって外来生物の侵入のリスクがより低減されると考えております。
 先ほど申し上げましたように、今回の条例は外来生物法に基づく特定外来生物の侵入防止を目的とした案が上程されているものですが、外来生物はこれ以外にもございますので、県としましては、今後、基本方針を策定するとともに総合的な外来対策をとっていくということとしております。ですから、今回の条例案につきましては外来生物対策の嚆矢となると我々は考えております。

○中川京貴委員 この前も琉球大学辻教授の説明の中で、沖縄は多種多様な生物が住んでいて生物の宝庫であるという説明がありました。辻教授の意見と環境部長の意見が一緒なのです。その外来生物の侵入防止をするためであれば、埋立事業以外でもやる必要はないのかと環境部長に聞いているのです。

○當間秀史環境部長 基本的に外来生物の対策というのは生物多様性の保全という意味合いでございますので、そういった生物多様性を保全するためには埋め立てに係る外来生物だけではなく、その他いろいろな場面で外来生物が侵入してくる、あるいは駆除や防除をする必要が当然あると思います。

○中川京貴委員 ただ今の部長の答弁では、埋立事業以外でもやる必要性を認めております。農林水産部長と土木建築部長にお聞きします。埋立事業以外でこの条例がもし導入された場合、これは埋め立てに限りますが、それ以外で可能性があるとしたらどのようなものでしょうか。

○末吉幸満土木建築部長 私どもの建設骨材のことだと思うのですが、例えばコンクリート工業組合からの聞き取りによりますと、宮古島、石垣島におきましてはフィリピン産の輸入骨材を使っております。さらに、アスファルト合材協会に問い合わせをしたところ、排水性の舗装合剤として県外産―これは福岡県らしいのですが、その骨材を使用している例がございます。

○島田勉農林水産部長 農業農村整備事業における海外、県外からの材料搬入について、過去県営のかんがい排水事業等で建設しましたダムのフィルター剤が実績としてございますが、今後そういった大きなダムの建設は予定しておりませんので、実績としては上がってこないだろうと思います。

○中川京貴委員 ただ今、両部長から答弁いただきましたが、これまで10年間、県に開発申請、これは先ほど言ったように埋立事業以外は答弁したとおりであります。開発申請、土木建築、埋め立て、区画整理事業を含めて何件ぐらいあって、今、答弁されたものは何件ぐらい該当していますか。

〇仲宗根悟委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、中川委員から資料の提出を求められたが、末吉土木建築部長から対応は難しいとの発言があった。)

〇仲宗根悟委員長 再開いたします。
 中川京貴委員。

○中川京貴委員 では、環境部長にお聞きしたいのですが、これまでいろいろな事業が、開発行為がされて、全て環境保全に問題があると指摘を受けながらも事業執行されたのはなぜでしょうか。開発申請を行うたびに、環境部は一貫して環境保全に問題があるという自分たちのスタンスを変えておりません。しかしながら、いろいろな公共工事は法律にのっとって事業されていると思うのですが、事業された経緯について伺います。

○當間秀史環境部長 例えば、埋立事業というものは不可逆性の高い事業でありまして、当然これが環境保全上よろしいということには環境部としてはなりません。そういったいろいろな開発行為についても環境にとってよろしいかと言うと当然自然環境にとっては必ず何かしらの影響があります。ただ、基本的に環境サイドから開発行為をとめるという法体系にはなっておらず、今あるのは環境影響評価法及び条例に基づいて環境保全措置をとらせるという法制度というのが現状です。

○中川京貴委員 これまで開発申請が出て、環境部に環境に問題はないかという確認が来た件数は何件ぐらいありますか。

○當間秀史環境部長 詳細な資料は後ほど提供するといたしまして、例えば平成25年度で申し上げますと、公有水面埋立法に基づく意見照会が4件、大規模小売店舗立地法に基づく意見照会が10件、それから港湾法に基づく意見照会が1件の計16件の意見照会がありました。

○中川京貴委員 この16件の申請において環境部が環境に問題なしと判断した件数は何件あるのでしょうか。

○當間秀史環境部長 基本的に環境に影響なしという回答はしていないと思います。

○中川京貴委員 御承知のとおり、環境部はそういう部署なのです。全てにおいて環境に影響があるという判断をしながら、しかし公共性のある事業は進めていかなければならない。辺野古埋立事業も那覇空港滑走路埋立事業も泡瀬埋立事業も、法律にのっとって事業が執行されていると過去に答弁をされておりました土木建築部、農林水産部長ですが、これは法律にのっとって事業が執行されたという認識でよろしいでしょうか。

○末吉幸満土木建築部長 私どもは公有水面埋立法、その他関係法令にのっとって慎重に審査して承認したという状況でございました。

○島田勉農林水産部長 当該事業で漁業調整規則にのっとった申請があったことについては、その規則の運用、取扱方針にのっとって事業許可をしたと認識しています。

○中川京貴委員 この条例ができることによって、先ほど環境部長は二重チェックになって環境にはよろしいという答弁でありましたが、私はこの条例ができることで国と県の条例との二重基準になることによって、かえって問題が生じるのではないかと危惧しております。なぜならば、外来生物混入が認められたときには中止勧告ができるという説明でありましたが、この中止勧告はどの部分で誰が決定権を持って中止することができるのですか。

○當間秀史環境部長 中止の勧告については第9条に定めがございまして、この中では知事となっております。これについては環境部で所管することになると思います。

○中川京貴委員 これは抜き打ち検査をするのですか。ある部分だけをするのですか。全部をするのですか。

○當間秀史環境部長 立入調査の件だと理解いたしますが、その調査につきましては具体的に事業者からの届け出内容を個別具体的に見ながら判断することになろうかと思います。

○中川京貴委員 それはわかります。業者は申請をしますが、検査はどのような形でやるのですか。

○當間秀史環境部長 これについては土砂を採取する場所、あるいは当該採取する場所に分布する特定外来生物の状況等々を勘案しながら個別具体的に判断をすることになりますが、ただ、抜き打ちということではなく、事業者の協力のもとに行うということになります。

○中川京貴委員 これは土木建築部、農林水産部の両部長にお聞きしたいのですが、例えば法律の中での運用がございます。条例の中でも運用があると思いますが、前の琉球大学辻教授の説明の中でも、条例が制定されても運用の中のただし書きでそういうことも可能であるという答弁がありました。土木建築部も農林水産部も、運用で別の形での事業ができるという認識を持っているのかお聞きします。

○末吉幸満土木建築部長 今回の条例の中におきましては届け出ということになっておりますので、それを受けて、先ほど環境部長が答弁しましたように必要な調査などを行うということになっておりまして、それ以外のことは我々は考えておりませんが、ただ、これからこの条例を踏まえて規則等が出てきますので、その中で我々がこうしたいという提案があれば申し出たいと思います。

○島田勉農林水産部長 少なくとも当該条例に係るものに関しては、今後農業農村整備事業の中では埋立事業等に係るものは考えておりませんので、特に運用等も考えておりません。

○中川京貴委員 先ほど新垣委員からも提案がありましたが、こういった大事な条例等はもっときめ細かに丁寧にやるべきだと思います。部長は答弁の中でも埋立事業に係るものについては将来影響はない、それ以外には過去にたくさんの事業があったという説明をしておりました。私はこういった利害関係に対する問題はパブリックコメントなど、またそういった審議会などで多くの皆さん方の意見を参考にすべきだと思っております。改めて、県がやる場合には丁寧、慎重に地域の声を聞き、利害関係者との調整もしながら、時間をかけてやっているはずなのですが、今回は余りにも乱暴な条例提出について我々は疑問に感じているので、こういう質問になりました。そのことについて、丁寧にすべきではないかと思うのですがいかがでしょうか。

○當間秀史環境部長 先ほどから答弁していますように、議員提案の制定過程について当局としては意見を述べる立場にはございません。

〇仲宗根悟委員長 座喜味一幸委員。

○座喜味一幸委員 外来生物の被害防止に関する条例を受けて、これまでの県の取り組みについて伺います。

○當間秀史環境部長 条例が制定された場合においては、条例の中で規則を定める等々ございますので、そういう手続を進めていきたいと考えております。

○座喜味一幸委員 私は条例と言いましたか。外来生物法ができて、これからどういう取り組みで、条例制定に向けて動いていたかという経緯をお聞かせください。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 外来生物法ができた後の外来生物に対する対策としては、具体的には希少動植物の対策としてマングース対策を実施しております。それ以降は条例制定に向けてこれまで何度か検討してきているという状況でございます。

○座喜味一幸委員 今回の埋め立てに係る条例を別にして、今後トータルとして外来生物法あるいはそれに伴う行動計画の中で、県は条例及び行動計画を関係機関と連携していずれにしてもつくれとなっているのです。そのことに関して、具体的にお願いします。

○當間秀史環境部長 今後、基本方針の中で総合的な対策について考えていくということになります。これにつきましては、現在、議員提案の条例もございますので、これが制定されたことを踏まえて、さらに県としての取り組み内容、同様の条例は当然つくれないわけですから、どういう取り組みができるのかは今後の検討になっております。
 外来生物法が平成16年にできまして、その後県はレッドデータブックを作成し、平成21年には沖縄県における侵略的外来生物の侵入状況調査を行っております。そういった情報を整理しながら、今後の総合的な取り組みについては検討をしていくということになります。

○座喜味一幸委員 作業を進めていたのですから、もう少し明確に。それでは具体的に聞きますが、各自治体等の役割分担が行動指針として出ております。地方自治体は、この条例をつくりなさいというのが1つ。それから、リストの作成による防除の対象を明確にしなさいという話、そして地域の生物多様性保全等の観点から外来種対策の実施等の記述をつくりなさいとなっているのです。これに関して、トータルとしてどういう計画でどこまで作業が進み、その特定まで作業が進んでいるのか。それがないと外来生物法に伴う関連条例は進まないのでお伺いしているのです。

○當間秀史環境部長 先ほどからお話をしていますように、外来種被害防止行動計画に基づく地方自治体の役割というのは平成27年3月に定められたものでありまして、これについては、今後、具体的に我々がとり得るべき策を検討していくということになっております。

○座喜味一幸委員 市町村等で戦略策定しているところは33都道府県、13政令指定都市、侵略的外来種リストの策定自治体は14市町村など、県そのものが条例を策定しているところは20県あるのです。なぜ沖縄県は行動計画に基づく作業をしていないのか。やっていないとは言いませんが、どうしてきたのかを聞いているのです。

○當間秀史環境部長 我々としましては、外来生物法ができてからレッドデータブックや平成21年度に行った調査、それから生物多様性おきなわ戦略等々に取り組んできたということであります。今後の総合的な展開についてはこれからということを検討しているという状況です。
 外来種対策については、当該地域において優先すべき防除対策がございまして、沖縄県として認識していたところは、今、県はヤンバル3村と西表島の世界自然遺産登録に向けて力を注いでいるという状況がございまして、優先すべき外来生物対策としてはマングース防除を当面推進していこうと進めていたところです。

○座喜味一幸委員 外来種被害防止行動計画の第2条に対策の必要性、実行の可能性の視点、優先度、目標設置、対象の明確化、その対象の実施というのが求められていて、この沖縄県における外来生物の侵略で一番被害の大きいものは何なのか、分布はどうなのか、対策はどうすべきかということを地域で明確にして、国の外来生物法と連携しながら「入れない、広げない、捨てない」という三原則を守りましょうという基本があるのです。これがなくてどうやって先祖から受け継いだ自然を守るのですか。明確に答弁してください。

○當間秀史環境部長 先ほどマングースの話をしましたが、当面我々が優先すべき防除対策としてマングースがあったというのは事実でございます。今回、国の外来種被害防止行動計画が3月に示されましたので、我々はこれに基づいて総合的な対策を行っていくという考えでございます。

○座喜味一幸委員 外来生物の規制等に関しては、特にどういうものに主たる被害があって、地域の生態系を攪乱するものはどれで、どう対策すべきかという明確なその生物の特定をもって初めて外来生物法に基づく対策がとられます。今回の埋立土砂を中心にして、今まで被害を与えた種、今後与えると想定される種、そしてどういう被害があるかなどの問題が明確になっていないと条例はつくれませんよね。どうですか。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 今、県内に被害を及ぼす、影響のありそうな種を含めて御紹介しますと、サキシマハブが沖縄本島でも見つかっております。米軍基地の中でもオオヒキガエルが繁殖をして非常に問題になりました。それから、最近新聞にも出ましたが八重山イシガメが沖縄本島内や宮古島に頻繁に出てきており、宮古サワガニなどの貴重動植物を食べるというようなもろもろの影響が出てきております。

○座喜味一幸委員 私は、埋立土砂由来で、大きく見て外来生物あるいは沖縄独特の重要外来生物として上げられるものは何が想定されるのか、それがないと条例で何をどう対策するか絞り込みができないという話をしているのです。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 条例の対象になり得る土砂由来の特定外来種ということであれば、今は9種類が懸念されておりまして、昆虫類ではアルゼンチンアリ、無脊椎動物としてクモ類のセアカゴケグモやクロゴケグモ、それから植物として6種類、アレチウリやミズヒマワリ、オオカワヂシャ等々がございます。

○座喜味一幸委員 沖縄に入っていますか。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 おそれがあるというものと、あわせて現に入っているという情報が入っているものもございます。

○座喜味一幸委員 この条例は、行く行くは、本来の沖縄の先祖から譲り受けた自然生態系を守るのであれば、トータルとしての条例にしていかないといけないと思います。そういう意味で、この条例は各事業に広がっていくと思いますが、この外来生物法に伴う条例は今後どのようにお考えになりますか。今まで二つに特定した条例以外にどういう計画を持っていますか。

○當間秀史環境部長 外来生物を防除するには、まず予防と駆除―駆除の中でも根絶と封じ込め逓減という方法があります。さらには、県民への啓蒙活動等々、そういうもろもろのことが外来生物対策のためには必要になります。そういった意味では、もし今後展開するとしたら、そういう総合的な条例になるかと思っております。

○座喜味一幸委員 今おっしゃるとおり、国との連携、市町村との連携、それから事業者、NPO等々との連携をとらないとこの問題は解決しません。今回の条例は県がつくったら市町村への影響あるいは市町村で事務をする、環境に対して沖縄県がつくった条例と今回つくる条例との関連、これはどういう形になりますか。それと、あまねく協力体制をとっていく、広がりはどうするのですか。

○當間秀史環境部長 その問題は今後よく検討してみないと答弁はできないというところでございます。

○座喜味一幸委員 この条例をつくるのはいいのですが、これを具体的に事業に落としていくときに事業者がどうなるのか、地域への影響、地域経済がどうなるのかという意味においてはパブリックコメントをとったり、条例との関連は中央審議会の意見をとらないといけない。ましてや、この生物の特定、防除の方法、飛散しないようないろいろな対策についてはプロフェッショナルの学識経験者の意見も聞かなくてはいけない。今回の条例はこれが十分にできていない。利害関係者とのパブリックコメントができていない。そういう意味で、条例が県だけのものになって広がらないという危険性があると思いますが、どう思いますか。

○當間秀史環境部長 今回の条例において、委員の見解に対する見解は差し控えさせていただきたいと思います。

○座喜味一幸委員 答弁できないことをもう一度質疑しますが、法制審議会というものが県の中にあるのですが、組織として我々が議員提案をするときに議会事務局の法制体制というのは極めて乏しいと思っています。提案するときに各課にわたる法律、自然、土木工事に係る課題を、議員提案であれ県として受けて、その条例の妥当性を検討すべきだと思いますが、県当局がつくらないものを県議会議員が上程してあげているのです。それをしっかりとした内容につめてアドバイスをするということが当然ではないですか。どういう関係で今まで進めてきましたか。横の連携と法制審議会の話はどうなのですか。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 今回の条例の策定に当たりましては、提案者からも説明を何回か求められております。我々としては、外来生物に関する法律に係る条例ということで、まずは外来生物法の概要や実際に今現在の県内の外来生物の状況などの内容等について説明をしたり、質問を受けたりしているという状況でございます。

○座喜味一幸委員 外来生物の付着、混入またはおそれがあれば立入調査云々、中止勧告ができると書いてあります。土木建築部ができる公有水面埋立事業の中で、この条例ができたことによって手続論として、材料承認等含めて誰がどこでやって最終的な中止勧告までできるのは、どういう権限になりますか。

○末吉幸満土木建築部長 先ほど環境部長が説明しましたように、この調査あるいは立ち入り等は環境部でやるということになっております。

○座喜味一幸委員 条例ができましたら、規則、基準等ができ、その共通仕様書でこの条例、法律に基づきなさいということで事業者が責任をもってその手続をとります。今回の条例はどういう形でおたくに来るのですか。何が項目として上がって、どういう基準で材料承認をするのですか。この条例に基づく工事の材料承認というのはどうするのですか。

○末吉幸満土木建築部長 先ほども答弁させていただきましたが、この条例に基づく届け出が出てきてから、それに対する届け出の様式などはこれから規則で定めることになっておりまして、それを審査するのは環境部になります。我々の埋立申請の中では、最初の埋立承認の中で土壌の清浄や採取場所あるいは採取したところの土壌の清浄というのは既に把握しておりますので、それとは線引きができると思っております。

○座喜味一幸委員 今の答弁は違うと思います。こんなことをしていたら現場は動きません。現場の施工計画というのは、各法律、条例に基づいて計画を立てて材料を承認して、しっかりとした施工計画が出て―承認をとらないと現場は動きません。工期がオーバーしてしまいます。それを一々上がってきたら環境部で検査、審査をして、この材料については立入調査をする、少ないから持ってこいなど、こんなことをやるのですか。これは全然基本的なことが詰まっていません。土木建築部長、今のは少し違いますので訂正をお願いします。

○末吉幸満土木建築部長 当然、材料承認届け出願いというものが出てきます。それとあわせてこの条例に基づいた届け出が出てきますので、この条例に基づいた審査、調査をやらざるを得ないということで理解しております。

○座喜味一幸委員 本来、法律をつくる前にはこういう一つのオーソライズされたものがあって条例ができないと矛盾が出るのです。
 もう一点、この条例で国が義務を負うのは沖縄総合事務局、沖縄防衛局ということですが、他府県の条例ではそういう特定条例というのはない。国や県が対象となるような条例を見たことはありません。こういうことは全国類似としてあり得る条例ですか。

○當間秀史環境部長 環境部所管の条例の中では、赤土流出防止条例において国が届け出をするという規定がございます。

○座喜味一幸委員 これに係る防除ということに対して、今の条例案は事業者の負担と言っているのです。ですが、防除は基本的に環境主務大臣、場合によって報告等を受けて、知事、地方自治体ができますが、基本的には報告があって外来生物の被害の可能性がある場合も含めて、これは国、県、自治体が防除をすることになっています。しかし、この我が条例は事業者負担となっていて、しかも事業者は国となっております。こういう特定した条例というのは、基本的に全国にあり得ないと思っています。これはどうなのでしょうか。

○當間秀史環境部長 外来生物法で国が防除をする、今回の条例では事業者が防除をするということは、いわゆる原因者負担という考え方になるかと思います。国がやる場合は、要するに侵入、それから分布を広げた犯人―犯人と言ったら失礼ですが、誰が特定外来生物を広めたか、分布を広げたかが特定できないということで、なおかつ都道府県にもまたがるので国が実施すると。今回の条例につきましては、当然に蓋然性のある土砂を持ち込むのは事業者と特定されているので事業者がやると。外来生物法においても第16条で原因者負担というものがあって、外来生物を広めた人がわかっていれば、その方にお金を請求できるという制度になっております。

○座喜味一幸委員 今の答弁は訂正したほうがいいと思います。法律をゆがめて言っていますが、大丈夫ですか。
 原因者が負担するという場合、この外来生物法において原因者が意図的に広げたときは相当の罰金刑がありますが、先ほど言いましたように外来生物の指定、経路等が明確な場合、そして防除方法等ができる場合という前段がこの条例にはあるのです。今おっしゃったように、土砂で外来生物が入るであろうという科学的な知見は何ですか。

○當間秀史環境部長 土壌に特定外来生物なりの外来生物が付着している危険性が高いという科学的知見というよりも、いわゆる植物防疫法の中で土壌は輸入が禁止されていて、その背景にはやはり土壌については外来生物の侵入の蓋然性が極めて高いということの証左だと思います。

○座喜味一幸委員 午前中の答弁で、届け出制なので審査基準を設けないという趣旨の発言をされたと思います。今言っている議論というものは、結局事業者が何をどういう基準で調査し、それを県に報告すればいいのか。県はどういう科学的な知見でその判断をしてイエスかノーか、あるいはおそれがあるという判断をするのか。これは大変重要なことであって、この条例においては私は全て想定だと思っておりまして、しかも本当に外来生物の侵入のおそれというようなことに対して具体的な分布調査、侵入、個体数、経路等を調べた結果はないと思っています。もしあったら御説明ください。

○當間秀史環境部長 特定外来生物の侵入経路、分布状況等々については一部わかっている部分もございますが、総括的に言いますとまだまだ科学的な知見が十分ではないということは言えるかと思います。
 審査基準の話でございますが、これについては基本的には環境アセスメントの中で事業者が外来生物対策について調査をし、さらには防除策については専門家の意見を聞いて検討するという状況になっておりますので、恐らく届け出の中でも環境アセスメントに準じた手続をして、届け出書類の中に記載していくことになるかと考えております。

○座喜味一幸委員 本当に条例を施行する側はおたくであって、こういう当たり前のことを準備しない、答えないというのはおかしいと思います。赤土防止条例のときは施設の設計までみんなされていたではないですか。技術指針までできていました。それほどまでにこの条例というものは影響力が大きいのです。大変なものです。それで、前提として行動基準の中に被害の判定の仕方、選考の仕方などのルールがあります。こういうものを踏まえてでしかこの条例はできません。そういう意味で、あるかもしれない、明らかに横の連携もとれていない、関係法令の連携もとれていない、県民の意見交換、利害者の意見も聞いていない、しかもトータルとしての条例になっていない。これは県が相当ずぼらして条例制定を怠けていたか、あるいはこの条例に特定の思惑があって、急いで条例をつくらせるという意味かどちらかしかないのです。要するに、今のやり方を通すと沖縄県議会の良識が疑われます。なぜならば、法律に基づいて各部局の調整をして、法制審議会、環境審議会を通して、県民のパブリックコメントをとらずにこの重要な条例をつくったということは、これは沖縄県議会の―もしこれが議員提案として、今言っている当たり前の手続をとらずに条例が成立したときに、それを法律をもとにして皆さんが施行規則をつくり、要綱、要領をつくっていたとき、誰も見向きもしなかったときにこの条例はどうなるのですか。私は大変懸念を持っております。ちなみに、この条例が施行されたときに、条例違反ではないのか、利害関係者から不十分ではないか、異議の申し立ての条項がないのではないか、なぜ事業者が防除の対象となっているのか、法律上あり得ないのではないかという異議が出た場合、誰が責任を持つのでしょうか。提案議員ですか、それとも知事ですか。

○當間秀史環境部長 基本的に、議員提案と言えどもその条例の行為者が知事となっておりますので、知事の責任のもとに執行されるということになります。

○仲宗根悟委員長 照屋守之委員。

○照屋守之委員 先ほど新垣安弘委員の質疑に対して、環境アセスメント法に係る外来生物の混入のおそれがあった場合、今の法律のもとでは勧告できるようなものはないという趣旨の答弁であったかと思っております。これは、非常に大きな答弁違いだと思っております。今現在の公有水面埋立法あるいは環境アセスメント法の中で、やはり何らかの形で違法行為があれば、それはしっかり県当局がチェックをして是正をする。もし、そういうものがなければ中止勧告を促すとか、そういうような手だてがあると思っています。そのことについて再度御説明願えませんか。

○末吉幸満土木建築部長 先ほど、少々舌足らずなところがありまして、もう一度答弁させていただきます。辺野古埋立承認の中の添付書類におきましては、環境保全に関し講じる措置を記載した図書の中で埋立土砂に対する外来種対策についてさまざまなことを行うと書かれております。さらに、それに対して私どもは承認に当たりまして、対策等の実施に当たっては環境監視等委員会を設置し、助言を受けるとともに特に外来生物の侵入防止対策について万全を期することを留意事項としています。ですから、もし万全を期していない、対策が不十分だということがありましたら当然指導等ができると思っております。

○照屋守之委員 当然ですよね。ですから、しっかり説明していただかないと、委員からすると今までの法律のもとでは外来生物に対する規制ができない、だから今の条例が必要なのだという錯覚を起こしていると思います。これはマスコミに対しても大変失礼な話です。ですから、今の法律のもとできちんとそういうものができているという前提があって、この埋立用材に関する条例の審査をしていかなければ大変なことですから、発言はくれぐれも気をつけてください。今の埋立事業について、公有水面埋立法と環境影響評価法の2本立てでやっていますよね。これは、漁業法などいろいろな絡みが当然ありますよね。この柱でやっておりますが、これまではそういう法律のもとで承認をしてやってきました。当然そこには外来生物に関する部分も盛り込まれております。そうすると、私はこの法律のもとに承認を得てやっている部分について、今私どもの条例というのは、新たに埋立用材という形でこの法のもとに進められているものを新たに埋立用材という規制をつくってそこにかぶせようというのは、もともとそれぞれの法律の趣旨に反するのではないかという考えがあるのです。憲法では、法律で定められて進められているものについて新たな仕組みをつくって規制をかけることはできないという趣旨の条文もあると私は聞いて調べたらそうなっていますが、そういうことはございませんか。これはどう捉えたらいいですか。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 埋め立てに関する法律につきましては、埋め立て自体の承認をいただいているかと思いますが、今回の条例につきましては埋め立て自体を規制するものではなく、埋め立てに用いる用材の中に入っている外来生物を規制する法律ということで、全く相入れないものではないということで、条例としては十分成立できると考えております。

○照屋守之委員 例えば、公有水面埋立法や環境アセスメント法、あるいは漁業法などさまざまなものがあって、いろいろな手続で外来生物に関するものもそこに入っているということで、もしそれを補完することであれば、外来生物に関する法律があります。先ほど環境部長も法にのっとって云々と言っておりましたが、これは事細かに法律で定めがありますから、環境アセスメント法でやっていって、そこで足りない部分はこの法律で定めをして、それに従うという手順だと思っておりますが、いかがですか。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 外来生物法は、基本的に特定外来生物の移動、拡散等を規制しております。今回、例えば埋立土砂の中に明らかにあるということであれば、その移動自体は外来生物法の中でも規制ができるということになります。国内であってもこれは規制ができるということになっております。しかし、いわゆる非意図的に運ばれるものについては、はっきりその時点でいる、いないというのが確認されておりませんので、この条例の中でチェックをして確認するということになっていると認識しております。

○照屋守之委員 先ほど、土木建築部長が県の埋立事業は那覇空港も辺野古も県内産の埋立用材で賄えるという答弁がありましたが、私もそう思いますが、いかがですか。

○末吉幸満土木建築部長 那覇空港の場合は、もともと県内の土砂あるいは石材ということで申請がありまして承認をしているところです。ただ、辺野古に関してましては、石材は沖縄本島ですが土砂は県外からも一部調達しなければならないという状況でございました。

○照屋守之委員 今の那覇空港も辺野古もそうですが、量はかなりあるにしても、埋め立ての土砂や石材も含めて沖縄県内で調達できる可能性はありませんか。私はあると思っています。また、できるという事業者もいますので、いかがですか。

○伊禮年男土木整備統括監 午前中に、これから行う埋立事業に関して石材については本部町で生産可能かという話はしましたが、それぞれ埋立事業の中で事業者からどこから搬入するか申請が来ますので、その中で適切に審査しているという答弁をしたと思っております。

○照屋守之委員 宮古地域、八重山地域も含めてこれだけ広い沖縄県ですから、沖縄中でそういうことを考えれば、県内のもので県内の埋め立ては対応できるのです。可能でしょう。ヤンバルには山もあるし、砕石場もありますし、そこが対応できると言っているので当然でしょう。いかがですか。

○末吉幸満土木建築部長 例えば、埋め立ての材料というのは海からの砂利もありますし、公共工事から出てくる残土もあります。例えば、本部町あるいは国頭村から岩ズリ等が出てきますが、そこでこれから出てくる沖縄の埋め立てを全部賄えるかどうかというのは、保存量がどのぐらいあるかを調べなければなりませんし、ただ、感覚的に例えば今辺野古が2000万立方メートルありますが、今の辺野古の工程の時期では、それを沖縄県内から全部調達するのは難しいのではないかという気はしております。

○照屋守之委員 できますよ。時間がかかる、それだけの問題です。環境破壊が起こる、そういう問題です。できる、できないではなく、できます。さまざまな問題が発生するというそれだけのことです。こういうものの事実関係はきっちり確認しなければなりません。先ほど土木建築部長からもありましたように、生コンクリートや砂はフィリピンや中国石材を大量に輸入していますよね。環境部長、今、我々は県外からの土砂について外来生物が云々と言っていますが、本来は外来生物は国外から侵入して来るものを防止するのですよね。ところが今、フィリピンからの砂、中国からの石材、この前の龍柱の石材も外来生物のそういう法律がある中で通関手続だけで全て輸入されているのです。おかしいと思いませんか。本来は外国から来る建設資材などの用材を県行政としてチェックするのが第一の努めでしょう。今の現状についてどういうチェックをしていますか。

○當間秀史環境部長 特定外来生物であれば、まず輸入されるときに禁止されておりますのでそこで法律にかかることがあります。さらに植物防疫法のもとで防疫をしておりますので、外来生物の種類によってはそこでひっかかるということはあります。ただ、例えば海外からの旅行者等のかばんあるいは服に紛れ込んで侵入してくるものについては、かなりとめることは難しいと思います。

○照屋守之委員 ですから、今の外来生物の法律があってもフィリピンから大量の砂が入ってきております。中国からも大量に石が入って来ます。そのことについては通関手続でやっていますが、今のような我々の条例をつくって県内のものを規制しようという事細かな決まりがないのです。本来は、環境部長として沖縄県の外来生物のことを真剣に考えるのであれば、ここは県内ですから県外、国内から入ってくるものの侵入を防止するということよりも、同時に国外から入ってくる―実際入ってきているのですから、そういうことを抑えていかないとおかしな話でしょう。当然ではありませんか。これは外来生物法の趣旨にも反することになります。国内はやって、フィリピンや中国などの国外から入ってくるものは何もしないというのはおかしな話ですよ。

○當間秀史環境部長 確かに、国外からの土壌であれば植物防疫法で原則禁止されていますので入ってくることはないと思いますが、石材等については入ってくるおそれはあります。それから観光客等々、人の交流によって入ってくることは当然考えられます。ただ、行政としてどうしても具体的に、現実的に施策を打つとなると、まずは何から優先すべきかということを考えた上で対策をとるということになります。

○照屋守之委員 無責任なことは言わないでください。外来生物は国外から入ってくるのですよ。この外来生物は国内の移動ですよ。一番問題なのは国外から沖縄県に入ってくること自体が異常ではありませんか。外来生物法はそれが趣旨です。まず優先すべきがそれであれば、今は議員提案ですから、しっかり国外からのものもそこに入れるということがなければ行政としての責任は果たせないのではないですか。外来生物は国内からは来ません。国外から来るから外来生物なのです。ですから、そこをこの条例の中に一緒に入れ込んでやればきちんと県民にも説明できるのです。いかがですか。

○當間秀史環境部長 外来生物法の定め方としては、当然国外から入ってくる特定外来生物は輸入を禁止されています。さらに国内に生存している特定外来生物の国内間の移動についても運搬の禁止という規定があるところです。

○照屋守之委員 行政として全然答弁になっていませんね。皆さんがそういう認識で我々が条例の審査ができますか。本来御指摘のとおり、国外から入ってくるものをまず第一に規制しなければならないのが私どもの趣旨でありますということを言ってから、今この条例については議員が提案していることですから、私どもはこれについては答弁を差し控えさせていただきますといった先ほどみたいな答弁でいいわけでしょう。冗談じゃないです。きちんとやってください。先ほど、環境部長は我々の条例の定義で、法律を補完するということでした。私は外来生物を埋め立てで規制するという部分は、外来生物法が補完する、そういう法律対法律の関係だと思っているのです。それは、いきなり埋立事業にそのように照らし合わせるが、では外来生物の法律と自分たちの条例は補完という関係ですが、そうであればこれは埋立事業を特定しています。なぜ全ての埋立事業を対象にしないのですか。議員提案はそれでできますが、執行する側がある特定の埋立事業だけやってほかの埋め立ては対象ではないということになるわけです。土木建築部長、おかしくないですか。皆さん方が議員に提案して、これは全ての沖縄県内の埋立事業を対象にすべきであるということでないと執行部は公正公平にならないことになりませんか、いかがですか。

○末吉幸満土木建築部長 今回の条例の第2条(1)に規定がございます。公有水面埋立事業、公有水面埋立法第2条第1項の規定に基づく免許を受け、または同法第42条第1項の規定に基づく承認を受けて行う公有水面の埋立事業ということで、これは全ての埋立事業ということで考えております。これは、法律に基づく公有水面埋立の全ての事業と考えております。

○照屋守之委員 では、全てのものに適用されるということになるわけですね。これに関連しますが、農林水産部長、今の埋め立ての事業で同じ法律のもとに同じような時期に同じようなことをやるもの―辺野古の埋立事業と那覇空港の第2滑走路の埋立事業、農林水産部長の対応は少し違いますよね。辺野古はサンゴの破損があるから調査しないといけないとやっています。那覇空港第2滑走路も同じように、そういう対応をしていますか。

○島田勉農林水産部長 なぜ辺野古で今調査を求めているかということだろうと思いますが、我々としては普天間飛行場代替施設建設工事に関して、許可区域外において岩礁破砕のなされた蓋然性が高いとされたため現況調査が必要と判断して求めているところでございます。経緯を申し上げますと、ことし1月7日に新聞報道で工事が再開されるという報道に接しました。1月14日に、設置に関して大型アンカーが想定されるとの指摘があると市民団体からの要請情報がありました。その中で、海上作業が再開されたという報道がなされました。うちからは、そのフロート設置にかかるアンカーの仕様や設置要領についても国へ照会いたしました。その回答がなされる前に、コンクリート製構造物の投入が始まったという報道に接しました。先ほどの照会に対し、最大45トンのコンクリート製構造物を投入したという県への回答もございました。また、2月に入っても20トンブロックがサンゴ礁破砕という報道や、県が照会していますが許可区域外でコンクリート製構造物を投入したということも判明いたしました。こういったもろもろの経緯がございまして、県としては許可区域外において岩礁破砕がなされた蓋然性が高いということで調査を申し入れているということでございます。

○照屋守之委員 だからおかしいといっているのです。那覇空港第2滑走路もアンカーがあるところは許可区域外です。同じような岩礁破砕の区域と、工事の周辺のそういうものをやるという条件は全く一緒です。もし違うとしたら、コンクリートブロックの大きさかもしれません。サンゴが潰れているのも全く一緒です。ですから、私はこういう条例をつくるときに、今、県の執行部が一方はそのまま何もしない、一方は問題提起するというやり方を行政がやるということが、こういう条例をつくったらどうなるかと非常に心配しているのです。これはサンゴの破損が大きい、小さい、トンブロックが大きい、小さいの問題ではないのです。実際全く同じことが辺野古でも那覇空港第2滑走路でも起きているという実態です。本来は、早目に調査していれば、向こうも調査するということは当然理にかないます。アメリカから見るとどうなりますか。自分たちのところは調査しないのに、なぜ我々のところは調査するのかということになり、それは拒む理由にもなるわけです。ですから、そういうことをやっていると、我々はこの条例をつくったときに一方的に辺野古を対象にした条例の運用がなされないか、先ほどもあるように那覇空港第2滑走路は用材は足りていると。全体は足りるかと聞くと、それはまだよくわかりませんという中途半端な答弁を執行部はするわけです。我々議員団は、いろいろな意図があります。いろいろな考え方があり、そういうことをやろうとします。しかし、県の執行部は県民の立場あるいは大局的な立場から公正公平にするのが皆さま方の立場だということは伝えておきます。
 第8条の立ち入りの権限ですが、第8条で立ち入りはできないのではないかと思っています。執行部が立ち入りをするときにどういう権限でするのか説明をお願いします。

○當間秀史環境部長 ここでいう立ち入りの調査につきましては、埋立用材の所在する場所に立ち入るという規定になっておりますので、県の条例ですからその適用される範囲は県域に限られます。島外地域については条例の適応が難しいとは思いますが、これについては事業者と外来生物の侵入を防止するという共同の認識のもとに立って協力を依頼するということになろうかと思います。

○照屋守之委員 最初から立入調査はできないということをわかりながら協力を依頼するという発言ですね。こんないい加減な条例がありますか。実効力のない条例で、皆さんが本当に運用できるのですか。

○當間秀史環境部長 当該埋立用材の所在する場所の解釈にもよりますが、土砂を産出する場所も当該用材の所在する場所に該当しますし、船に積まれて県内の海域に入った場合には、当然に県条例が適応できるということになります。

○照屋守之委員 これは県外からの土砂ですので、皆さんが県外に出向いていって立入調査をする規定ですよね。この立入調査をどういう権限で、どういう形で執行できるのですかということを聞いているのです。

○當間秀史環境部長 お話を申し上げるように、ここに規定される内容につきましては事業者との共通認識のもとにこの調査をさせていただくことと、それから用材が船に積まれて県内に入った場合はそこで調査をするということになります。

○照屋守之委員 では、条例に事業者の協力を得て立入調査を行いますという条項を入れないといけないでしょう。事業者はいいですが、その資材を提供する業者はどうなりますか。我々の資材に外来生物が入っているおそれがあるので立入調査を行うと言って、どういう権限で皆さんが県外から来るかということになりませんか。風評被害も出てきませんか。そちらの都道府県知事との調整はどうなりますか。こんなことを勝手にできますか。

○當間秀史環境部長 定めによれば、そういう解釈ができるということでございます。風評被害といった部分については執行部として答える立場にはないということになります。

○照屋守之委員 せんだって提案者の仲村未央委員にも聞いてみたのですが、「実際に調査に立ち入る場合、協力が得られないときは今おっしゃるような事態も考えられると思います」と。調査はできないと提案者も言っているのです。そういうものを、なぜ県の執行部が条例適用できますか。根拠を説明してください。

○當間秀史環境部長 そういう具体的な解釈等々につきまして、現在のところ案を見た段階で執行部が考えられる解釈を示しておりますので、実際にこの内容がどうなのかについては、県から評価するのは差し控えたいと思います。

○照屋守之委員 この条例は、我々が可決すると執行部が運用するのです。この条例で立入調査はできないのです。強制的にできるのですか。できるのであれば法的な根拠を示してください。条例で実効性のない項目をつくって、条例を運用できるのですか。外来生物に係る法律は、きちんと定めがあります。相手の意見を聞いて、それができなければ通知をして2週間後には強制的に入るという手続まであるのです。執行部は調査できないのに、罰則規定はどんどん書いてあります。立入調査もできないのに、罰則規定も適用できないでしょう。

○當間秀史環境部長 朝から執行部の考え方として申し上げているように、第8条の規定の実効性の云々や内容の審査については議会で判断していただくということになろうかと思います。

○照屋守之委員 これを運用する皆さんが、この条例できちんと立入調査ができるという断言や説明もできないというのに、こんないいかげんな条例を我々はつくって皆さんに提供できますか。我々県議会の権威にかかわります。実効性のないものを提供できますか。明言がないということは残念です。
 第8条で、外来生物が混入しているおそれがあるということを、より科学的に客観的に説明していただけませんか。

○當間秀史環境部長 おそれがあるという通常の法律の規定の仕方としては、蓋然性が高いということになりますが、外来生物法の世界の中では環境省において特定外来生物の分布の状況、あるいは文献によって分布がある程度わかっているところがありますので、そういう地域に該当するところはおそれがあるということになろうかと思います。

○照屋守之委員 これから執行しようとする人たちが―ここにいる人たちがもしかしたらよからぬことをやるおそれがあるからといって条例がつくれますか。おそれがあるというのは、具体的に条例で定義すべきです。こういうことをもって、我々はおそれがあるという判断基準をしっかり明記するべきです。県はおそれがあると思っても相手はそう思っていない、そこにおそれがあるからこうしなさいというのは全部条例を執行する側の都合ではないですか。このおそれというのは明確な基準を入れないと県民にも理解できないですし、この条例はおかしいと思いますが、いかがですか。

○當間秀史環境部長 実際に、この条例が適用されるのは那覇空港の並行滑走路と辺野古でございますので、おそれがあるという解釈につきましては、既に環境影響評価の中でも事業者において特定外来生物の侵入のおそれがあるので防止のための措置をとるということで理解されているものと考えております。

○照屋守之委員 那覇空港第2滑走路と辺野古に特定した条例だからと言うことは、特定した事業に対して条例をかぶせて規制することはできますか。今の発言は全く憲法や法律の趣旨に反しています。そういった認識だから、我々はこの条例を今の段階で認めるわけにはいきません。もう少し慎重にいろいろな角度から検討すべきだと思います。
 先ほど當間環境部長が言っていた埋め立てを限定している事業―このような問題は埋め立ての用材も本来は県内も一緒にやるべきです。海外もやるべきだと思います。ですから、この条例は法律や立入調査の問題も含めて憲法にも反する内容だと思います。こういった条例はもう一度やり直す必要があるのではないかと申し上げて終わります。

〇仲宗根悟委員長 新里米吉委員。

○新里米吉委員 公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止の条例にかかわって、生物多様性保全と外来生物侵入に関する国際的な考え方、取り組み等についてお答えいただきたいと思います。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 生物多様性に関する国際的な考え方、背景ということでございますので、御説明させていただきます。国連等において、野生生物の種の絶滅の速度が過去にない速度で進行している。その原因として、生物環境の悪化、生態系の破壊が非常に原因となっているのではないかということが懸念されているという状況でございます。その中で、生物多様性を包括的に保全して生物資源の持続可能な利用を行うための国際的な枠組みということで議論されまして、地球サミットにおいて生物多様性条約が採択されたという状況でございます。また、2002年の第6回の締約国会議では生態系、生息地等々、外来種の影響の予防、導入、影響緩和のための指針原則が採択されまして、外来種の侵入や定着の予防、外来種の駆除、管理の重要性が認識されました。さらに8年後の2010年、第10回の締約国会議で生物多様性の損失の根本的原因に対処すること、それから、生物多様性の直接的な圧力を減少させて持続可能な利用を促進すること等々の戦略目標が定められ、2020年までに侵略的外来種の定着経路の特定や優先度の高い外来種の制御、根絶などを行うという個別目標などが採択されて、200の国、地域で目的達成に向けて取り組みが行われているというのが背景となっております。

○新里米吉委員 国際的に生物多様性が非常に重要な課題になっていて、200の国、地域で取り組まれていると。そういう意味では私たち沖縄県においても条例をつくっていくということは非常に重要な時期だと思っております。既に20都道府県で外来種対策に資する条例が整備されているということですが、条例がつくられた地域で、この条例が経済発展の阻害要因だという声が出ているのかどうかをお聞きしたいと思います。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 御指摘のように、20県で外来種に関する条例が制定されておりますが、その中で条例が経済の阻害要因になっているというような報告はございません。また、それを廃止しようというような動きもございません。

○新里米吉委員 国は法律を施行しました。もう10年になると思います。特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律を政府がつくりましたが、日本経済の阻害要因になったという政府報告や発言等があったか伺いたいと思います。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 阻害があったとか、それを廃止しようというような動きは出ておりません。

○新里米吉委員 全国的にも、あるいは各県においても、この法律や条例が経済発展の阻害要因だからこれはやめたほうがいいという話は出ていないということですから、やはり私たち沖縄県でも特定外来生物に対する条例をつくってしっかりと取り組んでいくことが重要だということがよくわかりました。
 ところで、国の法律ですが、第13条の第1項で土地への立ち入り等が記載されていますがそれを読んでみてください。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 土地の立ち入り等ということで第13条でございます。「主務大臣等は、第11条第1項の規定による防除に必要な限度において、その職員に、他人の土地若しくは水面に立ち入り、特定外来生物の捕獲等若しくは放出等をさせ、又は当該特定外来生物の捕獲等の支障となる立木竹を伐採させることができる。」。

○新里米吉委員 それと関連して損失の補償が第14条にあります。これも第1項に大事なことが書いてありますので読んでください。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 第14条、損失の補償でございます。「国は、前条第1項の規定による行為によって損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。」。

○新里米吉委員 この第13条第1項と第14条第1項に非常に関連がありまして、何かと言いますと、第13条第1項では土地の立ち入りをして、そこで特定外来生物等の捕獲をしたり、放出等があると思われる場合に、そこにある個人の土地の木や竹などを伐採する。それに対する補償として、第13条の後の第14条でそういう場合は国が補償しましょうということなのです。これは当然のことなのです。そして、第16条、原因者負担について説明をしてください。

○謝名堂聡自然保護・緑化推進課長 第16条、原因者負担です。「国は、第11条第1項の規定による防除の実施が必要となった場合において、その原因となった行為をした者があるときは、その防除の実施が必要となった限度において、その費用の全部又は一部を負担させることができる。」。

○新里米吉委員 今の第16条にありますように、原因者がはっきりしている場合は原因者に負担をさせるということが第16条で明確にうたわれております。
 ところで、今回の条例との関係では、当面の事業者は沖縄防衛局、沖縄総合事務局ということが新垣委員の質疑に対してありました。そういうことで、沖縄防衛局や沖縄総合事務局との関係について質疑をしていきます。
 平成25年12月27日、仲井眞前知事が埋立承認をしたときの承認書に留意事項があります。留意事項の2に、工事中の環境保全対策等について記載されております。その内容を改めて説明してください。

○末吉幸満土木建築部長 留意事項の2、工事中の環境保全対策等についてです。「実施設計に基づき、環境保全対策、環境監視調査及び事後調査などについて、詳細検討し、県と協議を行うこと。なお、詳細検討及び対策等の実施に当たっては、各分野の専門家、有識者から構成される環境監視等委員会(仮称)を設置し、助言を受けるとともに特に外来生物の侵入防止対策、ジュゴン、ウミガメ等海生生物の保護対策の実施について万全を期すこと。またこれらの実施状況について、県及び関係市町村に報告すること。」となっております。

○新里米吉委員 県は承認をするときに、ここにありますように外来生物の侵入防止対策、ジュゴン、ウミガメ等、海生生物の保護対策に万全を期すことと明記しております。ところで、事業者の沖縄防衛局は外来生物侵入について、どのような姿勢なのか伺いたいと思います。

○末吉幸満土木建築部長 埋立承認願書の添付書類である環境保全に関し講じる措置を記載した図書では、埋立土砂に対する外来種対策について以下のように記載されております。「外来種対策としては、生態系に対する影響を及ばせない旨の規定を発注仕様書に設定し、配慮することとします。これらを担保するため、具体的には土砂供給元を決定する際にこれらの状況を確実に確認するとともに当該土砂の搬入に当たっても定期的に試験等により確認することとします。埋め立てに用いる購入土砂等の供給元などの詳細を決定する段階で、生態系に対する影響を及ばせない材料を選定し、外来種混入のおそれが生じた場合には外来生物法やマニュアル等に準じて適切に対応し、環境保全に配慮することとします。なお、埋立土砂の種類ごとに注意すべき生態系の影響の検討は専門家の助言を得ながら行うこととしております。また、審査段階における事業者との質疑応答では、土砂調達場所の確定後、文献調査及び専門家からの助言を得ることにより、必要な対策を検討、実施していくことにしています。現時点では、供給元における現地調査等―既存資料も含め、の情報によって確認するほか、造成後も目視観察によるモニタリング調査を行うとともに、生物種ごとに殺虫、消毒もしくは抜き取り除去による対策を行うことも想定しています。」ということで回答がございました。

○新里米吉委員 そうしますと、沖縄防衛局としてはこの条例に協力をしなければならないと思いますが、いかがですか。

○末吉幸満土木建築部長 この条例との関係ということでは答弁を控えさせていただきたいと思いますが、私どもの埋立承認審査と書類の中では先ほど述べたというようなことが記載されておりますし、我々の審査で事業者とのやりとりの中で外来種対策にしても万全を尽くしますという報告がございました。

○新里米吉委員 まさに、万全を期すためにこの条例があるわけですから、沖縄防衛局もそういう姿勢を示しているわけで、当然のことながら私たちがこの条例をつくったら全面的に協力してもらえるものと思っております。
 それから、平成25年8月5日に環境大臣が那覇空港滑走路増設事業に係る環境影響評価書に関する助言をしています。第6項の埋立用材及び緑化資材についてどのように述べているのか、お伺いしたいと思います。

○末吉幸満土木建築部長 「島嶼部の生物については、同種であっても島ごとに遺伝子レベルに違いがある可能性があり、島外からの生物の移入は遺伝子レベルの生物多様性に攪乱を生じさせるおそれがある。このため、埋立用材及び緑化資材については、島嶼部特有の生物多様性の保全に十分配慮すること。」ということで記載されております。

○新里米吉委員 那覇空港滑走路増設に当たっても環境大臣から今おっしゃるような内容の助言が出ているわけでして、そういう意味では今回の私たちの出している条例というものは、環境大臣の助言とも一致すると思っております。
 そういう状況の中で沖縄総合事務局は、外来生物侵入についてどのような姿勢なのか、おわかりでしたら説明してください。

○末吉幸満土木建築部長 那覇空港は今の承認の留意事項4に基づく添付図書の変更承認供与を行っているところでございまして、外来種対策も審査しています。県外調達の石材について、石材の洗浄、付着の有無の目視確認という対策を示しています。当該外来種の対策は、環境監視委員会にも諮られて議論されているところでございます。

○新里米吉委員 今回の条例ですが、新垣安弘委員からの質疑でもありましたように、勧告、立入調査、公表等ということが記載されておりまして、外来生物の侵入防止、生物多様性の確保、祖先から受け継いだ自然環境の保全に資するものと思いますが、県の所見を伺いたいと思います。

○古謝隆環境企画統括監 外来生物法の中で個別に外来生物を規制することになっておりますが、本条例は土砂に混入する外来生物をブロックすることによって外来生物法を補完し、侵入のリスクを低減するものと認識しております。

○新里米吉委員 全く同感です。そういう意味では非常に大事な条例だと思います。確かに、総合的な対策がこれから求められてくると思いますが、少なくとも今回の条例のように、埋立用材に絞ったにしてもそのことによる外来生物侵入のリスクを低減させるということは明らかでありまして、総合対策がないからだめだという話には私はならないと思います。
 最後に、似たようなことになるかもしれませんが、条例の必要性について県の認識を伺いたいと思います。

○當間秀史環境部長 今回の条例につきましては、国が定めた外来種被害防止行動計画における地方自治体の役割の中でも示唆されているところでありまして、これによって県が行う外来生物の総合対策の嚆矢になるということを考えております。

○新里米吉委員 今回の条例で、当面非常に大規模な土砂が県外から持ち込まれるということで、そのことについての条例が緊急に今必要になっていると思います。そういう意味では、今回の条例を契機にしてこれからまた条例が成立したら総合対策については、県もしっかり取り組んでいただくようお願いして、終わります。

〇仲宗根悟委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇仲宗根悟委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、議員提出議案第1号に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員退室)

〇仲宗根悟委員長 再開いたします。
議案の質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
休憩いたします。

   (休憩中に、議案の採決について協議)

〇仲宗根悟委員長 再開いたします。
 これより、議員提出議案第1号に対する採決を行いますが、その前に、意見、討論等はありませんか。
照屋守之委員。

〇照屋守之委員 今、県の執行部とのやりとりの中で議員提案としてこの条例を審査しておりますが、この条例が採決された後は県の執行部に運用を任せるということになります。この条例もさることながら、条例を運用していくには規則が必要です。この規則もまだ定まっていない。規則がないと条例の運用はできない。
 ですから、この条例は我々議員の責任としてもう少し中身をしっかり実効性のあるものに仕上げて、それから県の執行部に引き渡すということが必要だろうと思います。それが我々の大きな責任だと思っています。ですから、細かい理由は省きますが、外来生物に係る法律との関連あるいは憲法上の問題もあって、私は継続して審査をしていただくよう意見を申し上げます。

〇仲宗根悟委員長 ほかに意見、討論等はありませんか。
 當間盛夫委員。

〇當間盛夫委員 2回にわたっていろいろと質疑をしてきたのですが、外来種被害防止行動でも、地方自治体の役割として地域の外来種に関する条例というものは、私は地方自治体が責任を持ってつくるべきだと思います。今回の条例にも出ているように、生物多様性を確保しなければいけないということと、本県のとうとい自然環境を保全するということも目的にあるわけですから、きょうの討論の中でも県内で公有水面埋立を行うときの土砂の量なども含めて、県内の土砂ということになってくると物すごく莫大な量になってきます。では、その自然環境の保全をどのようにするのかというところも全く示されていないという形になってくると、やはり県全体で生物多様性や自然環境の保全をどうしていくのかということをもっといろいろな方々の御意見を聞きながら、この条例をやってもらうのが必要ではないかと思います。
 もう一つは、我々議員提出の条例になってくると、大概は全会一致というのが基本的な旨になるはずです。これを賛成多数でやって、我々は県民に対する責務をどうするのかというところも、議員提案条例という形をとるのであればその辺もしっかりと議論すべきだと思っています。できるのであれば、議会であるわけですから最低でも継続してやったほうがいいかという意見を述べさせてもらいます。

〇仲宗根悟委員長 ほかに意見、討論等はありませんか。
 中川京貴委員。

〇中川京貴委員 私も當間委員の意見に賛成でありまして、きょうの質疑・答弁を聞きながら、やはり条例制定については何もこの条例が全て悪いという問題ではなく、本当にこの条例が施行できるのか、責任はどうなるのかということでありました。その中で、環境部長が答弁しておりましたが、例えば法律が優先されるのか、条例が優先されるのかというときには翁長知事が最高責任者として全ての責任を負うということでしたので、そういう意味ではもう少し慎重に審議すべきではないかと思っております。

〇仲宗根悟委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、議案の採決の方法と、これに係る継続審査の動議の提出等について説明)

〇仲宗根悟委員長 再開いたします。
 照屋守之委員。

〇照屋守之委員 今回の条例について、継続して審査をしていただくよう取り計らいをお願いします。

〇仲宗根悟委員長 討論中ではありますが、ただいま、照屋守之委員から議員提出議案第1号に対し継続審査とされたいとの動議の提出があります。
 よって、この際、議員提出議案第1号に対する継続審査の動議を議題といたします。
 これより、本動議を採決いたします。
 本動議は、挙手により採決いたします。
 なお、挙手しない者は、これを否とみなします。
 お諮りいたします。
 本動議に賛成の諸君の挙手を求めます。

   (挙手)

〇仲宗根悟委員長 挙手少数であります。
 よって、議員提出議案第1号を継続審査とすることは、否決されました。
 ただいま、議員提出議案第1号を継続審査とすることは否決されましたので、これより議員提出議案第1号の採決を行いますが、その前に意見、討論等はありませんか。

   (「意見なし」と呼ぶ者あり)

〇仲宗根悟委員長 意見、討論等なしと認めます。
 以上で、意見、討論等を終結いたします。
 これより、議員提出議案第1号公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例を採決いたします。
 本案は、挙手により採決いたします。
 なお、挙手しない者は、これを否とみなします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の挙手を求めます。

   (挙手)

〇仲宗根悟委員長 挙手多数であります。
 よって、議員提出議案第1号公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例は、原案のとおり可決されました。
 次に、お諮りいたします。
 ただいま議決しました議案に対する委員会審査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

〇仲宗根悟委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本委員会に付託された議案の処理は全て終了いたしました。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。








沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

委 員 長  仲宗根   悟