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識名トンネル工事契約問題調査特別委員会記録
 
平成24年 第 5定例会

4
 



開会の日時

年月日平成24年9月25日 曜日
開会午前 10 時 2
閉会午後 9 時 7

場所


第4委員会室


議題


1 識名トンネル工事契約問題について


出席委員

委 員 長  奥 平 一 夫 君
副委員長  前 田 政 明 君
委  員  具志堅   透 君
委  員  桑 江 朝千夫 君
委  員  座喜味 一 幸 君
委  員  照 屋 守 之 君
委  員  仲 村 未 央 さん
委  員  新 里 米 吉 君
委  員  新 垣 清 涼 君
委  員  吉 田 勝 廣 君
委  員  金 城   勉 君
委  員  當 間 盛 夫 君
委  員  大 城 一 馬 君


欠席委員

      嘉 陽 宗 儀 君


説明のため出席した者の職・氏名

参考人
 沖縄総合事務局  
 開発建設部長            中 野 則 夫 君
  管理課長             野 島 孝一郎 君
  建設産業・地方整備課長      與 那 嶺 勉 君
補助者
  管理課課長補佐          大 城   護 君
  建設産業・地方整備課地方整備官  川 崎   聡 君

説明員
 副知事               与世田 兼 稔 君
  土木建築部長           當 銘 健一郎 君
   土木企画課長          武 村   勲 君
   道路街路課長          末 吉 幸 満 君
   技術管理課長          池 原 盛 美 君



○奥平一夫委員長 ただいまから、識名トンネル工事契約問題調査特別委員会を開会いたします。
 識名トンネル工事契約問題についてを議題といたします。
 ただいまの議題につきましては、9月6日の本委員会において、沖縄総合事務局の職員を参考人として招致し、質疑を行ったところですが、時間の都合上数名の委員の質疑が終了していないことから、本日、継続して質疑することが決定しております。
 本日の参考人として、沖縄総合事務局開発建設部長中野則夫氏、同部管理課長野島孝一郎氏及び同部建設産業・地方整備課長與那嶺勉氏に出席をお願いしております。
休憩いたします。

   (休憩中に、参考人着席。その後、参考人から申し出のあった補助者の出席について協議した結果、申し出のとおり出席を認めることで意見の一致を見た。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
参考人から申し出のあった補助者の出席につきましては、休憩中に協議したとおり取り計らうことに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 休憩いたします。

   (休憩中に補助者着席)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 参考人及び補助者の皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 この際、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 前回の委員会において、参考人から御説明をいただいておりますので、直ちに委員から参考人等に対し質疑を行うことにしております。
 参考人等が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、議題の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人等の説明を聞く場でありますので、参考人等が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
なお、参考人から本委員会の録音について申し入れがありましたので、許可することといたします。
 これより参考人等に対する質疑を行います。
 前回、質疑を終了した委員につきましては、きょうは質疑はできませんので、あらかじめ御承知おきください。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 また、本日は、質疑時間の制限はございませんが、参考人もお忙しい中御出席いただいていることから、質疑終了時間については、正午をめどとするよう、委員の皆様の御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 先だっても質疑はされておりますけれども、改めて沖縄総合事務局の皆さんに確認します。平成24年3月1日に5億708万7000円、国庫補助金返還命令を求めていますよね。この返還金の算出は誰がいつ、どのように決定されたのか、その御説明をお願いいたします。  

○中野則夫参考人 補助金返還の額の算定の内訳ということですが、まず前回も御説明させていただきました、送水管沈下対策工事に係る随意契約の関係で、その契約については当初、平成21年1月20日契約がされていまして、4億4835万円ということでした。その後、平成21年3月10日に変更契約がされておりまして、その額が4935万円です。これに係ります国費が4億4793万円でした。また、平成21年度に契約されました案件が、インバート工事と覆工工事関係5件で、この合計額に係ります国費が5915万7000円です。これを合計しますと5億708万7000円ということで、この額の返還を求めておりまして、あわせて補助金を受給しました日から返還になる日までの利息、年利5%を合わせて返還をいただくように求めたものでございます。

○照屋守之委員 この金額の決定ですが、あくまで沖縄総合事務局内での協議で決めていかれたのか。あるいは内閣府、当事者である県との協議、あるいは会計検査院。そのような経緯はいかがですか。

○中野則夫参考人 今申しました額の算出についてですが、当然、沖縄総合事務局内協議はしております。その協議に関して、私どもの補助事業のもととなるのは、国土交通省の都市局関係ですので、こういった額を求めようと思いますということは、国土交通省の本省に伝えております。一方で、沖縄県や会計検査院とは、そういった額についての情報交換はいたしておりません。

○照屋守之委員 次に、県はこういった不適切な経理処理を行ったということを認めて、補助金や利息の返還をしています。それと同時に関係した職員の処分も行っています。そういった状況がありながら、監督指導する沖縄総合事務局として、なぜあえてこういった告発という段階まで踏み切ったのか、そのことを少し御説明お願いします。

○中野則夫参考人 今、利息は返還されたではないかとか、処分がどうかという話がありましたが、私どもが告発に至りました流れとしまして、前回の識名トンネル工事契約問題調査特別委員会以来、お話をさせていただいておりますように、県発注の工事に関しまして、工期を偽る契約が1回だけではなくて、平成20年に随意契約があり、それからその契約に関して変更契約をされ、また平成21年度に5つの契約をされると。3つの大きな契約、あるいは契約変更が続いたということで、そういった契約を結んで、国から不正な手段で補助金の交付を受けたということが発生したということでございます。そういったことを踏まえますと、やはり補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律―補助金適正化法で、偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受けた者は刑事罰の対象になるとされているということ。また私ども官吏は刑事訴訟法で、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは告発しなくてはならないとされていることから、法の規定を踏まえて告発に至ったということです。

○照屋守之委員 そのような事情があったとしても、普通は大体そういった命令に従わなければ今回のような刑事告発も、ということは理解できます。あるいは、異議申し立てをしたとしても命令通り支払いをしましたという形ですけれども。この刑事告発については、補助をする側とされる側の一連の行政。県民の立場からすると、このようなところで刑事告発―行政同士の信頼もかなり構築されている中でそういったことがあると、なかなか理解しにくい部分があります。そのことはいいでしょう。
 次に、先だっての参考人質疑の中で、先進導杭方式から無導杭方式への工法変更について、沖縄総合事務局に連絡や相談があったかということについて、個々の工事発注については、逐一沖縄総合事務局に報告をすることになっていないということと、あるいは報告の記録もないと述べていました。沖縄県は南部国道事務所が発注した、豊見城トンネルがありますよね、その施工技術検討業務を行っていた日本建設機械化協会施工技術総合研究所から、豊見城トンネルに関する資料を入手したという話を聞いています。そういったことも考えていくと、この先進導杭方式から無導杭方式への変更は、沖縄総合事務局からのアドバイスや指導があったのではないかと思いますが、この点についてはいかがですか。

○中野則夫参考人 工法変更について、私どもにはそういった相談があったという記録はないですし、担当もそういったことをされたことがないと言っております。私どもは変更に当たってアドバイスをしたということはないものと考えております。

○照屋守之委員 次に、平成22年11月1日に実施しております、沖縄総合事務局の完了検査。送水管沈下対策工事についての完了検査が行われております。この検査官と補助者はどなたがされましたか。

○中野則夫参考人 そのときの検査に当たりましたのは、沖縄総合事務局開発建設部建設産業地方整備官と開発建設部管理課課長補佐が検査官で、補助者としてその係長が出向いております。

○照屋守之委員 3名で検査を行ったということですか。

○中野則夫参考人 平成22年11月の際の検査に参った者の正確なリストは持っておりませんけれども、係長2人と検査員2人の、合わせて4人だったのではないかということです。

○照屋守之委員 私の手元の資料では5名になっています。前回の参考人招致の際の送水管沈下対策工事について、やむを得ない特段の事情があった場合にその変更を認めることができるのかという質疑に対して、一般的には現場指示で工事を先にすることもあるという答弁でした。さらに、そのようなことがあるのかという質疑に、本体工事を前提として現場で業者と協議が調えば、工事を先行することはあり得ると答弁しています。改めて確認をさせていただきますが、この変更契約で対応できていたならば、今回の送水管沈下対策工事も補助対象になっていたと考えていいのですか。

○中野則夫参考人 変更契約でやっていれば、正当な形でやれた可能性はあると思います。その場合にも、その年度において追加工事、変更工事をするための予算の確保がされているのか、今回は真地久茂地線の事業としての予算が余裕として持っているのか。場合によっては、ほかの事業からいろいろ許可を得て、移しかえをして予算を確保するというめどがあれば、変更契約によって問題なく実施できる可能性はあったかと思います。

○照屋守之委員 我々も沖縄県のやり方を見ていますが、そういった今の御説明を含めて、現場で業者と協議が調って、工事を先行させて後で契約する。こういった一連の流れは、沖縄県は補助事業として捉えているわけです。ですから、これは今の説明も含めて考えていくと、当然のことだとも考えるわけです。
 次に完了検査、平成22年11月11日に検査がされるわけですが、送水管の沈下対策工事について、工事が先行して、今、説明したように契約が後になっているわけですよね。これは当然、沖縄県は一連の補助事業として補助金が受けられるという認識のもとにやっているわけですが、この検査の時点で沖縄総合事務局の検査官も同じような認識をしていませんか。一連の補助事業として、この工事が完了したという認識は持っていませんか。

○中野則夫参考人 全体としていろいろな工事があって、完了検査に至ったという認識はあるでしょうが、その中で工期を偽っているというところまでは、わからないと言いますか、私どもとして最終的に確認できますのは、書面としてどういったものが残っているのか。ちなみに、平成20年9月30日に交付申請がされておりまして、それに関する契約は平成21年1月20日にされている契約があると。そういうものは私どもは目にすることができます。その流れからしますと、交付金の申請があって契約がされていると、普通の流れだというところが確認できます。実際の工期がどうであったかということは、なかなか簡単には確認がしにくいものだと思っています。また、現場については、でき上がった結果として、こういったものができているということは確認できます。そういう意味合いで、物はできていた、交付申請と契約の流れは、適当な流れで処理されていると。そういうことからすると適切な流れであると。物もできているという認識であったかと思います。

○照屋守之委員 検査そのもの自体が、補助金が適切に工事に活用されているか、補助事業が適切にされているかということで、先ほど4人ということでしたが、そういった検査をしますよね。その一連の流れの話もありますが。このトンネル工事の本体工事や掘削、吹きつけ、坑口処理などの工事は既に平成20年に完了するわけです。トンネル本体工事と並行して進めるべき送水管の沈下対策工事が、全て仕事が終わって、平成21年1月21日から3月25日までの間に契約がされていると。検査官からすると、こういった流れを見ただけでも、これはおかしいということで本来は指摘をするわけですよね。素人ではありませんので。私が少し勉強してもわかります。こういった一連の流れで既に工事は完了しています、完了しているはずの工事がここで契約されているということは、検査官であればすぐにわかることですよね。ですから、そういったことをあえて指摘をしないということは、恐らく検査官も沖縄県がやっている工事、契約を後にしたという一連の流れが、補助事業として適切であったという認識に立てば、説明がつくわけですよね。そういうことではありませんか。

○中野則夫参考人 工事が実際に行われた期間と、随意契約で―虚偽の工期で契約がされたものと時期がずれていると、それを見ればおかしいのがわかったのではないかという御指摘だと受けとめました。私どもは知り得る事実として、補助金の交付申請がされているかということ、それから契約がいつされているかということで、実際の工事がどのタイミングでされているか、それについては正確な情報を紙面で見るようなことにはならないので、そこはぱっと見た感じでわかるようなものではないと考えております。

○照屋守之委員 素人がやるわけではないので、専門の検査官がこの工事に対して沈下対策工事のできばえを、そこに行って検査をしていく。そうしますと当然工事の概要も含めて、契約書や工事の写真なり、ある一定のものを見ながら適切に施工されているかどうか判断するわけですよね。そうしますと、この一連の流れを見ると、トンネル本体工事は完成しているのに、終わった後に送水管の沈下対策工事の契約が後でされて、施工されることは通常あり得ません。ですから、皆さんは専門家ですので、そういったことについては、一つ一つ契約を見て現場をあずかり知らぬとか、こういった検査のやり方はないのではないですか。私が言っているのは、チェックできなかったことがだめではないかということではなくて、皆さんもこの一連の工事の流れは補助事業として、そういった形で認めて、これは異常なしということで検査を終えたのではないのですかということです。

○中野則夫参考人 私どもがプロだからわかるだろうということですが、情報を見ることができないのに、それをわかるだろうということは、私どもは理解に苦しむところでございます。私どもは平成20年度の検査は、平成22年11月にやっていると。全てが終わってしまっています。現場が動いているわけでもありません。目にするものは、でき上がったものと記録に残っているものですので、その範囲でできることをやっていると考えております。前回の識名トンネル工事契約問題調査特別委員会も含めて、誤解と言ったら変だと思いますが、検査と言われているものは2通りあります。1つは、一つ一つの工事ごとに行われる完成検査。これは検査員をそれぞれ立てて、出来形がきちんとできているか、品質面で問題がないか、設計どおりされているか―設計どおりと申しますのは、例えば、鉄筋が配置されていれば鉄筋がそのとおりに入っているか、それは写真で確認しますし、コンクリートの鉄筋とのかぶり、そういったこともきちんととられているか。そういったことも細かく検査します。それは沖縄県で工事発注をされたら、沖縄県のある部署の方が検査員として検査をします。そういった完成検査のレベルがあると思います。私どもは、そういった検査ではなくて、補助金が適正に使われて、きちんと物ができているか、街路事業であれば街路事業としての性格の効果を発するものとして使われているかどうか。そういったことは確認いたします。それに派生して、少し技術的な部分を見ることもあります。ちなみに、私どもは1年間に1回検査に参りますが、その検査は、街路事業ですと、ことしの10月、11月にも検査に参りますが、工事と業務を合わせて800件以上あります。800件以上あるものと4日間で6名程度で見ると。それも土木事務所、県庁、場合によっては離島まで出かけます。その移動距離も含めてやりますと、検査に当てられる時間は限られています。その中で検査をする、そのときに工事の完成検査と同じようなレベルでやることは無理だと思っております。それぞれでの役割分担があるものと思っておりまして、そういった中で私どもはできることをやっていると。この間も申し上げましたように、より効率的、効果的になるように、これからも工夫をしながらやっていきたいと思います。

○照屋守之委員 検査でその資料が云々ということですが、検査官が2名いて、補助者が3名いて、工事に関する仕様書や工事の写真や日報、あるいは契約書等々も含めて、これがきちんとされているかどうかという検査をするわけです。今のように件数がどうのこうの、時間が限られているなど、そういったことは言えないですよね。補助金を出す人間が、あるいは補助金を出す団体が、補助を受けた側に対する検査は―難しいことであったら、細かいなどでしたら理解できますが、偽装などと言っても、県はありのままに皆さんに資料も契約書も提供しています。こういった写真も含めて、工事のデータがCDにありますよね。CDを見たら写真の日付など入っているのではないですか。そういったことも含めて、私が申し上げていることは、簡単に考えて、既に終わっている工事ですよと、終わっている工事が、これと一緒に並行してやらなければいけない送水管の沈下対策工事の契約が、終わった後にここで契約がされているということ自体、何も見なくてもその程度のことは気がつかなくては検査官として失格ではありませんか。非常におかしいと思います。私はチェックミスを聞いているのではありません。私が聞いているのは、検査官もその時点では、この工事は補助事業の一環として補助が適用できるということで、異議なしという形で認めたのではないですかということです。チェックできなかったから、けしからんという話ではありません。補助事業の一環として認めているのではないですかということです。

○野島孝一郎参考人 先ほど工事写真という話がありましたが、現実に工事写真には日付は入っておりませんでした。

○照屋守之委員 データには入っているでしょう。

○野島孝一郎参考人 データ―プロパティまで調べればわかるかもしれませんが、通常そこまでの検査はできませんので、そこまではやっておりません。通常見た限りで、すぐわかる類いのものではありません。

○中野則夫参考人 先ほど仕様書、工事日報、契約書とかいろいろなお話がございましたが、基本的な事項として、契約書を見ることはございます。それでも日々の日報を見るかといいますと、普通は先ほど申しました、それぞれの工事の完成検査のときに、必要に応じてやられるものです。日報といいますと、非常に量が多くなりますし、膨大な量です。それをいちいちチェックするということは普通の完成検査―1件ごとに何時間かをかけてやる検査でも、そこまでは難しい。それよりは現場に行って、きちんと形ができているか見るような時間を割くほうが一般的ではないかと思います。私どもの検査が、1件ごとの完了検査のごとくやることを前提にされているのは、役割分担という意味合いでいかがかなという感じを持っております。

○照屋守之委員 今、細かい検査の項目を言って、そのことについて答弁していますけれども、私が申し上げているのは、この送水管の沈下対策工事―トンネルの本体工事はもう終わっています。ここで沈下対策を終わった後に、沈下対策工事の契約がされています。これは契約書を見ればすぐわかります。本来は検査官はプロですから。これと並行して沈下対策工事が行われることは、誰だってわかることではないですか。ここで契約されているもの自体は、チェックはしなくても、ここの時点でチェックをしないといけないのだけれども―これは私でもわかるのだけれども、これを問題にはしていない。チェックしないと、けしからんという話ではなくて、5名の検査官の方々はそのものを見て、県と同じ認識で一連の補助事業―補助金が適用される工事という判断をしたのではないですかということを聞いているのです。

○中野則夫参考人 委員の御指摘の中で、本体工事が終わった後に虚偽の契約がされているという話がございましたけれども、事実関係はそうではございません。本体の契約は平成18年12月23日を開始日としまして、平成21年3月25日でございます。それから虚偽の工期で契約されたものですが、それは平成21年1月20日に契約になっておりまして、ですから工期としましては平成21年1月21日から平成21年3月25日ということで、同じ期日に工事が終わるという形になっております。

○照屋守之委員 全体の工事も含めてそうですけれども、私が申し上げたいのは工期がありますと。沈下対策工事は既に終わってますと。これはすぐに流れでわかるではないですか。それが終わった後に契約をされているというのはおかしい。これは当たり前ですね、誰が見てもおかしいです。だから、ここはチェックしてないということを言っているわけではなくて、繰り返し言いますけれども、この検査官は、沈下対策工事はトンネル工事の特性とかいろいろな流れの中で、補助事業として問題ないという判断をされたのではないかと思いますが、この点はいかがですか。

○中野則夫参考人 今の質疑の中で、図を見られて、この時期に追加工事、沈下対策工事がやられたということですが、それは昨年の1月に会計検査院が指摘をしたことを端として、その後にいろいろ事実関係を確認して、やっと最近わかってきたことでございまして、検査をした平成22年11月時点で、このことは私どもが簡単に接するすることができない情報だったのです。そこを御理解いただきたいと思います。その情報がなくてわかるということは、非常に難しいと思います。

○照屋守之委員 これは図にしているから素人でもわかるということですが、皆さん方の検査官がその程度の認識で検査をして、現場でもしやっているとするならば、非常に大変なことです。私が聞いたものについて、きちんと答えませんけれども、私が聞いているのは検査官もそういう認識だったのではないかということで―答えなければいいのだけれども。今、沖縄総合事務局は虚偽公文書作成行使罪という形で、県を刑事告発していますよね。そうでしたら、検査官も含めて、補助金等適正化法というものがあります。ここの第29条第2項、情を知って交付または融通をした者もまた同項と同様とするという項目があるのですけれども、私は逆にこの検査をした皆様方の検査官のほうが、このような形でそれを認めて検査を通しているということだから、沖縄総合事務局が刑事告発をして犯罪ということになれば、皆様方も同じように第29条第2項に補助金の不正交付罪が成立する可能性があるのではないかと思っているのです。だからそういうことをしつこく聞くのだけれども。だから場合によっては、県議会が皆さん方を告発するということもあり得ます。
 次に、先だっての識名トンネル工事契約問題調査特別委員会で、偽装契約を完了検査で指摘できずに会計検査院の検査で明らかになって、残念であり反省しているということを言っていましたけれども、何を具体的に反省しているのですか。

○中野則夫参考人 私どもは限られた人数、時間でありますけれども、国費を費やして公共物をつくっていく事業でございますので、それがしっかりとできるように検査をしたいということで、職員は一生懸命やっていると考えております。その中で、結果論でございますが、不正があったということで、そのことを私どもに与えられた情報で、限られた時間ではありますが、わかればよかったのですけれども、そこまで至らなかったという事実はありますので、職員は一生懸命やったと思いますけれども、それでも見つからなかったということについては、結果論からしますと残念なところはあるということでございます。

○照屋守之委員 検査の責任を果たしていないと、一般県民からは見えるわけです。平成23年12月8日ですか、別の5件の工事はしっかり指摘しているわけですよね。会計検査院が指摘した後の検査はしっかりやる。その前のものはしっかりできないという、そういう反省があると思うのですけれども。そうなると、完了検査の目的に沿った検査が―人員とか時間の部分についても対応できなかったというような言い回しだけれども、県民からするとそういうものは通らないわけです。検査でごくごく簡単にわかることを―工事が既に終わったものの契約が後にされているという、普通に見ればすぐ指摘できることが指摘できなかったという反省もあると思うのです。そうなると、完了検査がきちんとされて、もし指摘をされていれば、沖縄総合事務局が告発するという事態も起こらないだろうし、もちろん県からの異議申し立てをする必要もないし、返還金も―元金が5億円で、利息を含めて8000万円ですか。これだけ返すわけですけれども。そういうことも含めて、この一連の問題の発端というか、流れは非常に大きく変わっていたと思うのです。ですから、この検査の反省すべき点というものは―今だからそういう形で言えるということですけれども、本来反省すべきであれば、きちんともとに戻して対応するということが必要ではないですか。県もこれまでの補助事業の流れの中で、やれるという認識でやっていましたから。皆さん方がこの検査をしっかりすれば、そういうことは起こらなかっただろうということだけれども、全く事は一緒ではないですか。全然補助金の返還額も違ってくるだろうし、告発する必要もないだろうし、あのときチェックしていれば別の局面になっていませんでしたか。

○野島孝一郎参考人 今、補助金の返還額というお話がありましたけれども、まず仮に、我がほうが行った完了検査の時点で不正がわかって、それについて補助対象外ということで補助金を返還させるということになった場合ですが、どちらにしましても補助対象額の元金について変わりはございません。それから、平成22年11月の時点ですから、平成20年度あるいは21年度の補助事業についても完了しておりますので、その分について返還を求めるということになれば、元金は一緒です。利息は多少変わるということだと思います。

○照屋守之委員 理屈はそうだけれども、皆様方が完了検査の中でこれはおかしいと指摘したときに、県はそういう認識はない、これはまずいということになれば、それは沖縄総合事務局と県との協議で、これはどうしようか、こういう問題がある。でも、違法行為というのは免れないと。この分についてはこうしようという形で、相談できる話ではないですか。47.2%の落札率であっても、国の補助については当然認められるということもありますけれども。この局面は、皆様方が最低でも告発する事実は出てこないわけです。県も、皆様方が決定した金額に対して異議申し立てする必要もない。これは協議の中で決めていきますから。ですから、この検査ミスというのは、振り返ってみるとこの問題については、その局面が県民からすると非常に不自然だという思いがしますけれども、どうですか。

○野島孝一郎参考人 補助金の返還額について、県と協議をして額を決めるという話は基本的にないだろうと思います。補助対象になるか、ならないかの問題ですので、それについて県と協議して、もう少し額を安くするとかという話には、基本的にはならないと思います。また、検査の時点でも、もともと3年国債の本体工事で、工期が平成21年3月25日までとなっておりますし、その同じ工期の中で別途随意契約がなされているわけですから、それについて容易に、もう既に完了している工事であると、発見できるということも難しいのではないかと思います。もし、その時点で虚偽の申請をして、それで補助金を受けたということが、仮にその時点で判明したとすれば、それ自体は補助金適正化法第29条に抵触するかどうかについては、会計検査院の前にわかったからそのように抵触するとか、しないとかそういう問題とも違うように思います。

○照屋守之委員 一般の県民から考えて、今のやりとりを聞いてみると、補助を受ける側がそのような不正をしましたと。それについて補助する側がチェックをできませんでしたと。あるいはまたチェックをしたにしてもということで言いますけれども、これはその時々で局面は相当変わっているのです。今、振り返ってこうやっているから、あの時点ではこうだと言いますが、その時点でチェックをして見逃した、あるいは容認したという、この両方で変わってくるのです。いずれにしても県は悪質だ、沖縄総合事務局は責務を果たしたということですけれども、県民の側からすると一緒だと思うのです。このミスの分について、そういう検査を通じてチェックをできない、こういう事態になっていくという―ですから私が冒頭に申し上げたのは、県も責任を感じて、お金も返し、処分もしということで、本来は共同の責任を負わないといけない沖縄総合事務局が、信頼を失っている県に対して、さらに追い打ちをかけて告発をしていくという異常事態。これはまともではないと思います。ですから、きちんとそういう検査の中でチェックをしていれば、局面は大分変わっています。訴えられてからやるのと、自分たちで自主的に間違っていたと是正をしていくということからすると。県民からすると、5億8000万円の補助金を返さなくて、あるいは3億円くらいで済んだとか―ミスはミスとして。皆さん方がきちんとそういう責任を果たしていれば、そういう可能性もあるわけですから、そのことを今問うているわけです。いかがですか。

○中野則夫参考人 委員からは、県民の視点からすれば、県も国も一緒で共同の責任だというお話でございますけれども、私どもは完了検査ということで、限りある検査ではありますが、一生懸命やっておるということで、そこのところで信頼をなくすような行為をされたのは沖縄県のほうだと思っておりますので、共同の責任だとは考えてございません。そこのところはしっかりと申し上げさせていただきたいと思います。それと、私どもは先ほど申しましたように、4日間くらいの間で800件くらいの検査をしなければならないというときに、そもそも工期を偽装して契約をされていると、そのようなことは異常な案件で、他の県のたくさんの事業でもそういうことを耳にしたことはございません。そういうようなものが前提といいますか、検査案件の中に入っていて、それ自体も疑ってかかるようにということは非常に大変なことであると。そもそも沖縄県が信頼を失うようなことをされたところに、もともとのところがあったのだと思っておりますので、そこは御理解をいただきたいと思います。

○照屋守之委員 この工期を偽装したという形で非常に信頼―行政はそういうことはないだろうということで、疑ってかかることはないという言い方ですけれども、疑う疑わないは別にして、完了検査でやるべきことをきちんとやっていれば、チェックをすればおかしいというのは気づくのです。先ほどから私は言っていますけれども、素人ではないですよね。このトンネル工事がどういう工事なのか皆さん方はわかっています。本体工事はここでやりました、沈下対策工事の契約はここでやりました。これがあり得ないというのはすぐわかることではないですか。それを偽装がどうのこうのというけれども、そのままの契約書を皆さん方に提示しているわけでしょう。これは皆さん方がどういう言い方をしても、第三者から見ると、あなた方はこれを認めたではないのと―補助が適正であると認めたではないのと、客観的にはそう見えるわけです。ですから、もし違法行為が県にあれば、それを皆さん方も一緒に手助けしてますということにしかならないのではないですか。ましてや逆に今度は、そうではなくてチェックミスだということであれば―反省しないといけないということであれば、そこをあの時点に戻してその対応を考えるべきで、そのときは刑事告発などできません。自分たちがミスしていると自覚していますから。そうではないですか。あとの5件はきちんとチェックしているではないですか、忙しい中でも。800件も何百件もあって、できないというけれども、あとの5件はしっかりチェックして、これはだめだと言っているではないですか。だから、おかしいのです、そういうことも含めて。きちんと県民にわかりやすいように、我々もそういう形で認めていましたと言うほうが、説明がつきやすいではないですか。プロがやっていますから、そんな中途半端なことを言わないでください。

○中野則夫参考人 中途半端なことは申してはいないということでございます。委員は、今回問題になったこの1件だけをごらんになってお話を進めておられます。私どもはたくさん同じような案件が800件近くあると。そういう中で検査をさせていただいておると。そういうような中で、この1件について、すぐにプロだから気づくだろうということは、非常に難しいことだということを原点に持っていただければというところです。そう簡単なものではないということです。その中で私どもが発見できなかったのだから、それをもとに戻してという話がございましたが、そこは少し私は理解がしにくいところです。結果的に今回見つからなかったところがございますけれども、見つかったとしたら、先ほど野島が申しましたように、その時点で補助金の不正があった分について返還を求め、必要な利息も求めということにはなりますし、そこが後でわかりましたので、そこについて必要な措置をさせていただいているということです。また5件について見つかったことについては、今回この件のこともございましたので、私どもとしても、よりしっかりと見させていただき、特に今回の真地久茂地線の関係でございますので、その案件もピックアップして見たところ、見つかったということで、私どもとしては、できる努力をしていると捉えていただければと思います。

○照屋守之委員 何百件もある、皆さん方の立場でそういう判断をするなということだけど、県で起こっている工事だから、我々がそれに集中するのは当たり前ではないですか。それは800件あって、またほかのところでも、そのような問題がわかれば、全体がこうだからという言いわけをするのですか。こんな話ではないでしょう。検査の本来の目的は、補助金とか補助事業が適切に行われているかどうかという話でしょう。件数が1000件ありますから、我々は見られませんと。これは国会で問題になりませんか、このような話をしたら。とてもではないけれども今のような説明は話になりません。血税を使って補助事業が行われているものを、件数や時間がどうだから粗末にしたという説明はないでしょう。そういうことも含めて、もし見つかっていれば、補助金とか利息とかで済んだということですが、でしたら告発などしなくても済んだのではないですか。県は異議申し立てもやりませんよ。そういう形で局面が変わっているにもかかわらず―せめてそういう形でわかっていれば、告発を取り下げるとか、そのようなところまで考えないとおかしな話ではないですか。容認したのでもない、検査のミスは認める、しかしこれはどうしようもない。いずれにしても、本体工事の補助金額と利息の返還は起きたであろうということを言うわけですから。そこには補助金返還命令も多分出てきませんし、異議申し立ても出てこないし、多分告発も出てこないでしょう、その時点でしたら。今はそういうことも含めて県が悪質だと皆さん方が言っているから、県がやるべきことをやっても、これはまかりならぬという形で告発されているわけですよね。いかがですか。

○中野則夫参考人 委員の御指摘の中で、私どもが検査を粗末にしたというお話があったかと思いますが、私どもは、それぞれの担当職員が一生懸命やっていると思いますので、粗末にしたという御指摘は、私どもは、そうは思っていないということを申し述べさせていただきたいと思います。その上で、今回は、会計検査院の指摘が発端となって今まで続いておりまして、その中で告発をしたという結論がございますけれども、その前に見つかったとしましても、今回工期を偽った契約があり、その変更契約をし、さらに次の年には5件の契約をするという不適切なことが重なっていたという事実はございますので、それを踏まえて告発をするかどうかということを、それはそれなりに検討すべきものでございまして、どういう結論になるかはわかりませんけれども、早くわかっていたら告発をしないと結論づけるのは早計だと思います。

○照屋守之委員 粗末にするという表現は、皆さん方が800件も何百件もあるから、一々個別にそういうところまで行き届いたことはできません、このようなことは物理的に無理ですという言い方をするから、今、沖縄県で起こっている問題については、一々細かいことではなくて、誰が考えても専門の検査官が見たら、一連の工事が終わっている、送水管沈下対策工事は後でやる契約などというものは、すぐに現場とかでわかる問題―この程度のものを検査官が見逃すということは、おかしいのではないのかということだけれども、そのことを言っているのではなくて、そういうことも認めてやっているのではないですかということを聞いているのだけれども―伝わりにくいですね。

○中野則夫参考人 先ほど重ねて申しましたように、プロが見ればわかるとおっしゃいますけれども、実際に沈下対策工事をやった時期については、後のいろいろなことが明るみに出た中でわかってきたことでございまして、検査の段階で知り得た情報ではございませんので、そういう段階で、ぱっとわかるというものではないということは、御理解をいただきたいと思います。

○照屋守之委員 検査の段階でわからないということはおかしな話です。これはわかる。わかった上で、ある程度容認をしているという見方のほうが、非常に強いのではないかと思います。ですから、我々議会は、補助金適正化法第29条第2項も含めて、告発するとかということも含めて、今後この百条委員会でさらに追及していきたいと思います。以上です。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、参考人等に対する質疑を終結いたします。
 この際、参考人及び補助者各位に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中、再度御出席いただき心から感謝いたします。
 中野参考人、野島参考人、與那嶺参考人、大城補助者及び川崎補助者、ありがとうございました。
 休憩いたします。

   午前11時2分 休憩
   午後1時23分 再開

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 午前に引き続き識名トンネル工事契約問題について審査を行います。
 本日は説明員として、与世田副知事及び當銘土木建築部長の出席を求めております。
 識名トンネル工事契約問題について副知事の説明を求めます。
 与世田兼稔副知事。

○与世田兼稔副知事 まず、識名トンネル工事契約問題の概要については、土木建築部長から説明させていただきたいと思います。

○當銘健一郎土木建築部長 去る8月1日付で土木建築部長に就任いたしました當銘でございます。よろしくお願いします。
 さて、識名トンネル工事契約問題の概要についてでございますが、7月下旬に最初に提出いたしました平成24年度沖縄県議会識名トンネル工事契約問題調査特別委員会提出資料(行政資料)がございます。
 この資料には概要説明書、一連の経緯、会計検査結果、沖縄総合事務局の処分などがつづられております。
 今回の問題について整理いたしました概要説明書(識名トンネル工事契約問題の説明資料)につきまして道路街路課長から説明をさせていただきます。

○末吉幸満道路街路課長 まず土木建築部長が紹介しました行政資料の灰色のインデックスに識名トンネル工事契約問題の説明資料というものがございます。これで改めて今回の契約問題の一連の経緯について説明させていただきたいと思います。
 まず1ページをごらんください。
 これは真地久茂地線全体の事業概要の説明図となっております。
 真地久茂地線、那覇高等学校の二中前の交差点から第2環状線のコースに至る延長3970メートルの都市計画道路でございます。この中で上の図にあります識名トンネル、L=559メートルというものが、今回の識名トンネル工事契約問題の発端となりましたトンネル工区でございまして、工区自体の延長は全部で840メートルございます。
 この真地久茂地線全体の街路事業としての事業期間は、昭和47年度から平成25年度まで、トンネル工区は平成10年度から今年度までの事業期間の予定でございます。残りの来年以降の工事は開南工区と呼んでおりますけれども、その工区の工事を今盛んにやっているところでございます。
 総事業費が約390億円、そのうちトンネル工区につきましては75億円でございます。
 1ページの右側の下の欄にトンネルの標準断面図と書かれていますが、眼鏡トンネル―いわゆる2車線のトンネルを施工した工事でございます。
 2ページと3ページをごらんください。
 まず2ページに識名トンネル工事契約問題の一連の経緯というもので御紹介しております。
 平成18年度から平成20年度までの3年国債工事として、以下本体工事と略させていただきます。大成・仲本・内間特定建設共同企業体に真地久茂地線識名トンネル(仮称)新設工事を発注しました。
 工期は平成18年12月23日から平成21年3月25日です。
 この工事につきましては、3ページの一番上の枠の欄に備考で書いておりますが、WTO工事で、最低制限価格がございません。そのかわりということでもございませんが、低入札調査基準価格というものがありまして、予定価格49億3395万円に対し、低入札調査基準価格38億6662万5000円が設定されまして、落札額は23億3100万円ということで、請負率が47.2%と極めて低い請負率となっておりました。
 2ページの2番目で説明いたします。
 工事の契約後、識名トンネル施工技術検討委員会での審議、提言を踏まえまして、工法自体を先進導坑方式から無導坑方式に工法を変更しております。
 次に、3ページの備考の第1回変更、掘削工法の変更となります。
 この工事を進める中におきまして、本体工事が請負率47.2%という低入札でありましたので、工事の変更、増加分等に請負率を掛けることにつきまして業者との変更協議が難航しました。
 協議の結果、本体工事につきましては、同額変更―工事数量等を減らして、金額は変えないということで処理するとしまして、送水管沈下対策工事につきましては、平成20年度予算で別件随意契約、残りました覆工工事につきましては新年度に別件工事で発注することにしました。これが一番下の3ページの2番、識名トンネル新設工事送水管沈下対策工ということで最終の請負額が4億9770万円となっております。今、問題となっている3ページの追加工事の実施が平成19年12月から始まっていまして、平成20年12月いわゆる契約をしたころにはほとんどの工事が終わっているということで、これが事後契約だということで問題となっている案件でございます。
 識名トンネル沈下対策工は、送水管沈下対策工事として、本体工事とは別件工事で発注しました。
 その後3ページの3番目ですが、本体工事においては平成21年2月に最終設計変更を行ったのですが、一部先行した坑口付近のインバート打設や覆工、補強鉄筋、防水シートに関する経費分について予算が確保できませんで、精算することができませんでした。そのため精算する方法として現場指示等に基づいて施工されたものであることから、そのうちの大半、50%以上が平成21年度使用する鉄筋等の材料であるということで、平成21年度に大成・仲本・内間特定建設共同企業体と5件の随意契約を締結しました。これが3ページの3番目の識名トンネル新設工事インバート工、あるいは平成21年の1工区から平成21年の4工区の工事でございます。
 未施工の覆工工事につきましては、真地久茂地線識名トンネル新設工事(覆工)として一般競争入札方式で株式会社南海建設・株式会社大名嘉組・株式会社沖永開発特定建設共同企業体に発注して工事は完成させております。
 4ページですが、上の図面が工法の変更です。右側に先進導坑方式の断面図でございます。左側に無導坑方式。大きな違いは先進導坑方式の場合にトンネルの間に小さなトンネルがございます。これがあるのとないのとが工法の大きな違いです。追加工事の送水管沈下対策工は、もともとありました沈下対策工―地盤を補強するための工法を強化したのが大きな変更理由でございます。
 4ページ、追加5件の工事がトンネル底盤のインバートコンクリート工とか、あるいは追加5件の右側の施工写真で御紹介しますが、鉄筋とか、その鉄筋と吹きつけコンクリートの間に入っている防水シート等を追加5件の工事で契約しております。
 5ページに識名トンネル工事の経緯及び工種等と書かれておりまして、トンネル本体の西行き線が後進坑。東行き線が先進坑と書いてございますが、それの掘削状況等と、沈下対策工の時系列的な流れを説明しております。
 真ん中当たりの太い線というのが全体の工期でございまして、まず左側から、本契約を平成18年12月22日に締結しております。工事本体の掘削をしている間に沈下対策工が必要になってきまして、上になりますが平成19年12月には西行き線の沈下対策工事に着手と―平成19年12月6日の西行き線沈下対策工事は、最初に出ました那覇市の水道管を保護するための工事でございます。平成20年4月17日から以降の工事は、企業局の送水管の沈下を防ぐための工事ということで施工させております。
 この赤のラインで囲っているのが、今回の工事を踏まえまして我々の反省点、県がとるべきであった行為といいますか、やるべきだった手続を示しております。
 まず、もともとの発端になりました低入札で落札していますので、それに対して変更工事等―増額変更については、請負率を考慮することを明言して、契約に臨むべきだったのではないかということが県の第一の反省点でございます。
 真ん中の先進導坑方式から無導坑方式にする工法変更については、了解をいただいたのですが、それ以外の新規の工事、あるいは追加の工事に対して請負業者との変更協議が難航しましたけれども、その際に増額変更等の協議が調わない場合には、紛争審査会にかけるべきだっただろうということが第二の反省点であります。
 こういう状況から沈下対策工を事後契約したのですが、それに対して6ページをごらんください。
 会計検査院から平成23年11月7日に指摘を受けました。
 会計検査院からの指摘ですが、本体工事において追加指示分の工事―送水管沈下対策工が完了しているのに、虚偽の契約書等を作成するなどして工事の実施を偽装し、不適切な経理処理を行って補助金の交付を受けたというもので、本件補助事業―事業費4億9770万円の実施は著しく適正を欠いており、これに係る国庫補助金4億4793万円が、不当と認められるというのが会計検査院からの指摘でございます。
 それを受けまして、沖縄総合事務局からの処分が平成24年3月1日に出されました。
 本件国庫補助金については、不正な交付申請に対して、錯誤による国庫補助金の交付決定がなされたものであるため、当該国庫補助金5億708万7000円の交付決定を取り消すとともに返還を命じ、また、国庫補助金返還額に対して、補助金受領の日から返還の日までの日数に応じ、年5%の利息納付をあわせて求めております。
 それで県としましては、平成24年3月9日に返還総額5億7886万3779円―先ほどの元本5億708万7000円と、それまでの利息分7177万6779円を返還いたしました。
 7ページをごらんください。
 土木建築部では、この問題につきまして非常に大きな問題だと考えまして、内部だけの調査では限りがあるだろうということで、第三者委員会を立ち上げました。
 第三者委員会ですが、識名トンネル工事の契約問題につきまして、広く県民への説明責任を果たす必要があるという認識に立ち、不適切な契約に至った原因の究明、再発防止策の策定等を検討するため、第三者委員会を設置しました。 委員会は弁護士、学識経験者、公認会計士の3人で組織しまして、平成23年11月30日から9回の調査・審議をしていただきまして、平成24年2月13日に調査結果が公表されました。
 この委員の選任でございますが、県としましては、沖縄弁護士会に沖縄弁護士会の会長経験者の推薦を依頼しました。そのあとの2人の選任につきましては、推薦された弁護士に一任いたしまして、人選には関与しておりません。
 (2)第三者委員会の見解で問題が生じた原因として、項目だけ読み上げます。
 ①工事管理のずさんさ。②現場指示による安易な工事の続行。③本庁の対応、体制の問題。④法令を遵守する意識の乏しさが指摘されました。
 8ページをごらんください。
 第三者委員会から提言いただきました、再発防止策についてということで、これも項目だけ読み上げさせてください。
 まず、①関係者の意識改善。②工事管理体制の改善。③監督体制等の改善。④紛争審査会によるあっせん、調停・仲裁の手続の整備。⑤一層の情報公開を求められました。
 この第三者委員会の再発防止策意見を踏まえた、県の再発防止策が9ページに書かれております。
 まず法令の遵守について、職員の関係法令に関する意識改革。①職員に対するコンプライアンス研修の実施。②財務規則、補助金適正化法等、関係法令の研修実施。③技術職員の資質向上を図るための技術研修の実施等を今やっております。
 2、現場管理及び予算管理と工事監督体制の強化ということで、本庁及び事務所内の管理・監督体制を強化をしようということで、一生懸命、土木事務所と本庁で取り組んでいるところでございます。
 3、設計変更に伴う変更契約の厳格化。4、決裁処理の厳格化。5、随意契約の結果の公表。6、再発防止等のフォローアップの実施ということで、まず再発防止策の取り組み状況につきましては、土木建築部の公正入札調査委員会及び沖縄県公共工事入札契約適正化委員会へ報告し、再発防止のフォローアップを行っているところでございます。
 10ページをごらんください。
 (4)行政考査の実施がございます。
 平成24年3月から5月にかけまして、総務部による行政考査が実施されました。行政執行の面から、同問題を詳細に検証し、発生原因とその背景、再発防止に向けた対応策を取りまとめ、6月にその結果を公表したところでございます。
 行政考査で明らかになったこの問題の主たる要因として、補助事業による実施が困難な部分については、県費の投入など、財源の検討を含め、適法、適切な事業の実施に努めるべきであるが、その判断を誤り、補助事業として実施してしまったことに見られるように、職員の法令等に対する安易な考え方だったと。
 さらにリスクマネジメントに対する意識が欠落し、問題を先送りさせたことが事態を悪化させた根本的な原因であると。
 最後に再発防止策として、全職員を対象としたコンプライアンス研修の実施、設計変更の手続の明確化など業務遂行上の問題点の改善、職員の危機管理能力を高めることが重要ということで報告がなされました。
 (5)業者からの返還の有無でございます。
 請負業者への返還請求につきましては、県の顧問弁護士等に相談したところ、請負業者との契約は有効に成立し、その成果物の引き渡しも受けていることから、返還請求は法的に難しいとの意見と、契約は錯誤無効として一部返還を求められるとの意見があり、見解が異なることから、法的根拠等について慎重に検討しているところであります。
 最後になりましたけれども、(6)関係職員の処分でございます。
 この問題に対する責任を明らかにするため、知事は自戒を行うこととし、給料月額の100分の50に相当する額を3カ月減給する議案を平成24年第3回沖縄県議会に上程しましたが、継続審議となっております。
 不適正事務処理などの非違行為のあった職員のうち、在職する職員4名につきましては、地方公務員法に基づき、減給及び戒告の懲戒処分が行われました。また、関与及び責任の度合いの低かった5人につきましては、文書訓告を受けております。
 既に退職している職員については、地方公務員法に基づく懲戒処分の対象外となるものの、今回の問題の重大性を真摯に受けとめていただきたい旨を文書によって通知しました。また、これらの退職者からは、みずからを厳しく戒めるため、処分量定に相当する額―減給処分相当額を自主的に返上したい旨の申し入れがありまして、既に納入済みとなっております。
 以上でございます。

○奥平一夫委員長 副知事の説明は終わりました。
 これより、識名トンネル工事契約問題に対する質疑を行います。
 委員会の質疑時間に制限はありませんが、多くの委員が質疑できるよう、1人当たりの質疑時間を30分めどとしたいと思います。審査の進行に御協力お願いいたします。

○奥平一夫委員長 休憩いたします。

   (委員長からの30分めどとしたいという発言に対し、多数の委員から質疑時間の制限を委員長だけで決められるのかなどと発言があり、委員長があくまでもめどであるということを再度説明し、了解を得た。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。

 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新里米吉委員。

○新里米吉委員 非常に基本的な質疑をします。まず、工事契約をした後に先進導杭方式から無導杭方式へ工法変更しています。契約は先進導杭方式でやっています。契約が済んで工事に入ろうとしたら、無導杭方式に変わった。私の常識では理解がしにくいので、その理由を説明してください。 

○當銘健一郎土木建築部長 識名トンネルの工事発注については、委員の御指摘のとおり当初は無導杭方式ではなくて、先進導杭方式―もしくは真ん中に導杭があるので中央導杭方式とも言います。発注時点においては、いわゆる那覇市のような市街地において無導杭方式の実績が非常に少なかったと。特に無導杭方式は平成14年あたりから出てきたもので、実績が少なかったためにトンネル上部に建物や墓などがありますので、そういったものの沈下が懸念されたが、発注時点では中央導杭方式、いわゆる在来工法で発注をしたということです。

○新里米吉委員 皆さんの先ほどの説明の中で、識名トンネル施工技術検討委員会で決めたと。当初は先進導杭方式でやって、無導杭方式に技術検討委員会を開いてそこで決めたとおっしゃっていましたが、メンバーはどういった人たちですか。

○末吉幸満道路街路課長 東京都立大学名誉教授の今田先生、琉球大学の上原方成先生、山口大学名誉教授の中川先生、独立行政法人土木研究所道路技術研究グループ上席研究員真下氏、西日本高速道路株式会社高知工事事務所所長城間氏、琉球大学工学部環境建設工学科原先生、渡嘉敷先生が学識経験者のメンバーです。それにプラス、当時の土木建築部道路街路課長、南部土木事務所長、さらに日本建設機械化協会施工技術研究所加納氏が入っています。

○新里米吉委員 工法変更は全会一致でしたか。

○末吉幸満道路街路課長 検討委員会において工法変更の可能性として、検討していただきました。当然、これをやりなさいということではなく、こういった可能性、工法変更をやった場合には有利であるという提言を受けました。それは全会一致です。

○新里米吉委員 この工事契約を最初に先進導杭方式の設計をしたところがありますよね。これは入札で決まりましたか。どういった形で最初の先進導杭方式を採用した設計事務所を選びましたか。

○末吉幸満道路街路課長 指名競争の入札でやっています。コンサルタントの件につきましては。

○新里米吉委員 最初の、いわゆる先進導杭方式の設計をした企業の名前、それからその設計の金額は幾らですか。

○末吉幸満道路街路課長 トンネルの設計は平成5年度から実際にやっています。平成5年度、平成9年度とやっています。まず、平成5年度が日本工営株式会社と株式会社南進の共同企業体で4202万4000円です。次に平成9年度に同じようにでき上がっていますので、また道路構造令等の改定等で基準が変わりましたので、改めて検討業務を行っております。これは日本工営株式会社です。

○新里米吉委員 2回とも日本工営株式会社がかかわっているわけですよね。

○末吉幸満道路街路課長 そのとおりです。3回目もございます。平成9年度は1396万5000円です。

○新里米吉委員 3回目というのは。

○末吉幸満道路街路課長 平成9年度に識名トンネル実施設計業務委託ということで、同じく日本工営株式会社で、4300万1700円で中央導杭方式で詳細の検討を行っています。

○新里米吉委員 合計金額は。

○末吉幸満道路街路課長 合計額は今から算出します。

○新里米吉委員 後で教えてください。その日本工営株式会社は、全国の設計などをする企業の中でレベルは高いほうですか、低いほうですか、中間くらいですか。

○末吉幸満道路街路課長 全国レベルから申しますと上位に入ります。

○新里米吉委員 必然的にこういったトンネル工事や大きな事業の実績はある企業ですか。

○末吉幸満道路街路課長 そのとおりです。

○新里米吉委員 かなり大まかに見ても、先ほどの計算は1億円くらい設計に金をかけていますね。1億円かけて、しかも日本のトップレベルの企業が設計して、しかしそれを先進導杭方式から無導杭方式へ変更した。変更すると改めて設計もやり直すことになると思いますが、どうでしょうか。

○末吉幸満道路街路課長 工法の変更に伴いまして、また改めて修正設計をお願いしております。

○新里米吉委員 その企業は何という企業ですか。同じ企業ですか、別ですか。

○末吉幸満道路街路課長 先進導杭方式から無導杭方式への工法変更の委員会は先ほど申しました、日本建設機械化協会がやっています。

○新里米吉委員 設計をやり直しましたかと聞きました。やり直した企業はどこですか。

○末吉幸満道路街路課長 日本工営株式会社です。修正設計の金額が1096万2000円です。

○新里米吉委員 1億円程度の設計費用を使って、先進導杭方式をやって、その後さらに1096万円を使って修正設計が行われたということですが、私の常識だと、請け負う企業としては、先進導杭方式で皆さんに集まってもらって、こういった方法で工事をすると請け負ったわけですよね。請け負ったら基本的にはそのとおりにやるのが一般的だと思うのです。それが途中、入札も済んでから―たしか契約も済んでからだったと思いますが、契約も済んだ後に工法を変えますと。こういったことは一般的には行われないと見ていますが、それは一般的なことなのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 先ほど道路街路課長から説明がありましたように、設計はかなり早い時期―平成5年度とか、平成9年度ころから実施しています。そのときには、無導杭方式はなかったわけでして、在来工法である先進導杭方式、もしくは中央導杭方式と言われる方式でやっていたわけです。ちょうどこれを契約した近くで―豊見城トンネル、比屋根トンネルなどにおいては無導杭方式でやっており、いい実績も上がっていたということでした。今考えますと、先進導杭方式と無導杭方式にかわる過渡期に当たっていたのかと。設計を随分前からやっているということもあり、当初は在来工法である先進導杭方式でやりました。その後、技術検討委員会の先生方から、無導杭方式のほうがいいのではないかという提言をいただいた結果、変更したということです。

○新里米吉委員 私が聞いていることは、普通は契約をしたらそのとおりやるのが一般的で―軽微の変更ではなくて、基本的なところの変更です。そういったことが一般的に行われますか、普通は行われないのではないかということです。

○當銘健一郎土木建築部長 御指摘のとおりでございます。

○新里米吉委員 皆さんからいただいた提出資料の中で、中央導杭方式から無導杭方式の掘削に工法変更と書いてある部分―5-35ページを見ますと、無導杭方式と中央導杭方式の比較が書いてあります。無導杭方式は非常にすばらしくて、中央導杭方式は相当よくない方式のように書いてあります。例えば工期について、無導杭方式は比較的短かくできる、中央導杭方式は工期が長くなる可能性が高い。次に工費は、無導杭方式はコスト低減が可能、中央導杭方式は施工効率が低下し工費が高くなる。安全性は、無導杭方式は安全上有利、中央導杭方式は安全上不利。環境負荷は、無導杭方式は産業廃棄物が軽減できる、中央導杭方式は撤去時の騒音や振動など、周辺環境への影響が懸念される。こてんぱんに無導杭方式がよくて、中央導杭方式は悪いと書いています。そこまで書かれるくらい、ひどい中央導杭方式を最初に提案した日本工営株式会社は、先ほどは日本のトップレベルと言われながら、相当ひどいレベルの会社なのかと疑問を持たざるを得なくなります。
 
○末吉幸満道路街路課長 工費、工期の面については、確かに無導杭方式が有利だということは平成9年、平成15年当時から知っていました。我々が何を一番不安視したかと言いますと、図面に書かれています黄色い部分がありますが、その部分のいわゆるアーチクラクションの真ん中の当たりに沈下が起こりやすいという傾向があります。中央導杭方式はその沈下を避けるために、ここを強化したような工法と理解してください。無導杭方式はこれがないので、先ほど土木建築部長が説明しましたように、当時は識名トンネル上部の建物、墓等への影響が大きく出る可能性が高かったと。それで我々としては、最初のころは無導杭方式に踏み込みきれなかったと。そうしている間に、豊見城トンネルや比屋根トンネルの施工実績で、上部の沈下量の測定等もやっていました。そういった情報を得まして、当然ここに書いてありますように無導杭方式のほうが、工期は短く工費も安くなるとなると、我々も検討をせざるを得ないという状況で検討を始めたのが背景です。

○新里米吉委員 今、非常に重要なことをおっしゃいました。ここまで差があるならば、最初から無導杭方式を採用するべきで、なぜ中央導杭方式を日本のトップ企業が提案したのか。これだと一方的に無導杭方式がよくて、中央導杭方式は何もいいところがないような感じがします。ところが、今大事なことをおっしゃいました。沈下が起きることを防ぐことが、むしろ中央導杭方式だと。非常にいい面があるわけです。今回の問題との関係でいい面があるわけです。何も中央導杭方式が悪い方式ではなくて、かえって今回の工事との関係では非常にいい方式だったのではないかという疑問を私を持っています。
 大成建設JVも無導杭方式への工法変更の要望をしてきましたか。  

○末吉幸満道路街路課長 やっていません。

○新里米吉委員 請け負った企業は当初の方式でやろうと考えている。自分たちで無導杭方式への変更を希望したものではないということですよね。そうしますと、私が非常に疑問に思っていることは、企業側は当初の計画どおりに進めようとしたが、どちらかというと皆さん側が工法変更を企業にやらせたというようにも感じられますが、どうでしょうか。

○末吉幸満道路街路課長 先ほど申し上げましたように、私どもの施工技術検討委員会で無導杭方式と先進導杭方式の有利性を議論してまいりました。その提言を受けて、委員会も、企業が了解するならば、沖縄県と企業の問題ですということで終わりました。我々は大成建設JVに対しまして、こういった工法変更をしたいと協議を申し出まして、企業体も承諾して協議に応じていただいておりますので、了解をいただいたという認識です。

○新里米吉委員 企業側からそうしてほしいということではなくて―そういった希望があったわけではなくて、沖縄県から企業側に持ちかけて、承認させたと受け取れますが、そのように理解していいでしょうか。

○末吉幸満道路街路課長 あくまで強引に承認させたということではなくて、協議の上で了解したということで、御理解いただきたいと思います。

○新里米吉委員 抵抗はなかったわけですね。

○末吉幸満道路街路課長 その件につきましては、当時どうであったかということは聞いておりません。

○新里米吉委員 それを答えられる人が、本当はいないとおかしいです。大事なところです。

○當銘健一郎土木建築部長 最終的には企業の代表者がきちんと印鑑を押して、協議成立ということですので、いろいろな経緯があったにしても相手側も応じたということです。

○新里米吉委員 それを聞いているのではなくて、最終的に応じたからそれをやったということはわかります。企業側からは、それに対する疑問や抵抗はなかったですねと私は聞いているのだから、回答になっていません。はぐらかしていると思います。

○當銘健一郎土木建築部長 その当時、特に反対はなかったと聞いております。

○新里米吉委員 私は先ほど大事なことだと言いました。中央導杭方式と無導杭方式の皆さんの比較を見ると、常識で考えて普通にこれだけ差があるのであれば、中央導杭方式を設計会社が―しかも日本のトップクラスがそれでやろうという設計を出してくることが、これだけの比較を見ると考えにくいのです。やはりそこにすぐれたものがあるのだろうと、そうでないとそういった設計をしてこないだろうと思っていたわけです。それが大きな疑問点でした。そうしましたら、おっしゃるように皆さんもわかっておられて、沈下を防ぐにはこの方式がいいということがあった。しかし、実績が出てきたので変更という話をしていますが、それだけに、もしかしたら今回の追加工事などの関係で、最初の先進導杭方式を採用していたほうが、その後このような大幅な、いわゆる追加工事が発生しないで済んだのではないかと。これは設計をする人も、入札に参加する側も、そこら辺を考えながら参加してきたのではないか。むしろ、中央導杭方式から無導杭方式に変わることによって、逆に送水管などもあって沈下が起こりやすい工法に変わってしまったのではないでしょうか。確かに、皆さんのおっしゃるように比較的早くできるとか、コストも安いかもしれませんが、逆に今回問題になるような状況を、工法変更によって起こしてしまったのではないかという疑問が消えません。突然変わっているわけだから。普通なら起こり得ないことをやったわけです。普通なら契約したとおりにやらないといけないのに、契約した後に突然変わった。設計をした企業は日本のトップクラスの企業である。皆さんが言うように、一方的に無導杭方式がすぐれているのであれば、最初からこの方式を出してくるはずです。先進導杭方式についてのいいところは何も書いていない。書いていないが質疑の中で出てきた。沈下の問題を防ぐにはそれがいいと言う。今回の追加工事の問題はまさにそれですよね。しかも金額が本体工事の23億円余に対して、追加工事が10億円を超えているわけですよね。23億円に対して10億円の追加工事などというものは、常識で考えられないような膨大なものになってしまった。先進導杭方式を採用していたら、工期が少し伸びたからといって、これほどの、10億円もかかるような追加工事をする必要が本当はなかったのではないかという疑問が、僕の頭の中によぎってなりません。どうですか。

○末吉幸満道路街路課長 共同企業体側は10数億円を要求してきていますが、それについてはこの沈下対策工事だけではございません。我々は最初、このトンネル工事は一昼夜、24時間体制で工事をやろうということを、昼間だけの施工にさせました。そういったものや、あるいは我々が当初想定していなかった防空ごうを詰める工事などがもろもろ出てきて、10億円ということになっています。それから委員が先ほどおっしゃいました、中央導杭方式でやった場合には上の沈下を抑えられたので、こういったことがなかったのではないかということですが、当初の我々が中央導杭方式で設計をやっているときの解析の手法としては、沈下の量は無導杭方式のほうが多かったのです。当初、平成16年度の発注したときの状況ですが、そのときの解析の方法では無導杭方式のほうが沈下量が多目に出てくると。そこで施工検討委員会を立ち上げました。施工検討委員会はもともと工法変更するための委員会ではありません。もともとはトンネル工事に対して、トンネルの安全性、施工管理や何か問題があったときにどのように対応するかというアドバイザー的なもので委員会をつくりました。その委員会を立ち上げた瞬間に、先ほど土木建築部長が説明しましたように、近傍のトンネルで無導杭方式でも上部の沈下が抑えられることがわかってきて、先ほど委員が言われましたように、このペーパーで経済的にも工期的にも有利ではないかと。これを検討しない手はないということで始めたのが背景です。例えば、沈下対策工事を先進導杭方式でやった場合に、要らなかったのかということはわかりません。もしかしたら、同じように必要になっていたかもしれません。

○新里米吉委員 今まで私が質疑し、道路街路課長が答えたようなことは全く聞いたこともなかったのです。全然今まで聞いたことのない話です。なぜ中央導杭方式から無導杭方式に変わったのかもよくわかりませんでした。皆さんの書き方からすると、先ほどから言っているように無導杭方式が一方的にいいように見えているけれども、先ほど来、私の質疑の中で明らかになってきたことは、むしろ先進導杭方式のほうが、どちらかというと沈下を防ぐためにはいい方式だということが一般的で、無導杭方式は当初から工期やコストではいいと、わかりやすく言えばそれぞれに長所、短所があったわけです。ですから、中央導杭方式をとった場合に、当初の予定どおりにやったときにはどうなったかは確かに言えないでしょうが、少なくともそれまでは、無導杭方式が沈下に強いということはないわけだから、たまたま県内でもそれをやったら、そういったことが起きていなかったという。しかし今回の識名トンネルの場合は、それが起こりやすい地域であった。沈下が起こりやすい要素があった。そういったことであれば、当初の予定どおり中央導杭方式を採用していれば、今回のような大幅な追加工事に至らない、軽微な工事で済んでいたかもしれない。軽微な工事で済んでいたならば、百条委員会が開かれるような事態に陥らなかったかもしれませんよ。ひょっとしたら、今回の大きな問題の発端に工法変更も絡んでいるのではないかと感じてなりません。それについては、皆さんも必ずしも否定はできないような雰囲気もあるし、肯定も否定もしにくい雰囲気もあるので、私は基本的なところで終わって、あとのかかわりのある細かいところは、ほかの委員にお願いしてやってもらいます。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲村未央委員。

○仲村未央委員 今のやりとりを含めながら確認をしてきたいと思います。まず工法変更に関して、先ほど日本工営株式会社への設計業務委託は3回あったと。工法変更があってから、その後に一度あったという説明でしたが、実際は4回ですよね。つまり全部で5回ですよね。

○末吉幸満道路街路課長 そのとおりでございます。5回です。

○仲村未央委員 その設計金額の委託金額をもう一度出してもらえますか。5回の。

○末吉幸満道路街路課長 合計金額で1億2744万5700円です。

○仲村未央委員 誰が、まず最初に工法の変更を言い出したのですか。

○末吉幸満道路街路課長 工法の変更ということは、先ほど申しましたように、技術検討委員会の提言を受けまして、南部土木事務所、それと本庁の主管課でございます道路街路課が調整して、先ほどのように安くなる、あるいは工期が短くなる可能性が高い、こういう有意義なものは採用せざるを得ないという判断になっております。

○仲村未央委員 つまり、誰が工法の変更を言い出したかといえば、技術検討委員会が言い出した。

○末吉幸満道路街路課長 技術検討委員会はあくまでも提言でございます。言い出したというより、これを採用するかどうかということは、当然行政に任されておりますので。

○仲村未央委員 難しいことは聞いていないです。工法の変更をしようということを最初に言ったのは誰ですかと。そして、いつですか。県ですか、技術検討委員会ですか。

○末吉幸満道路街路課長 県が技術検討委員会に、こういう工法の変更の可能性はどうかということでお願いした状況です。

○仲村未央委員 県が技術検討委員会に工法の変更はどうですかと言ったと。いつ言ったのですか。

○末吉幸満道路街路課長 工法の検討の可能性はどうですかということで、工法を検討しましょうということを明言してはございません。こういう無導坑方式と先進導坑方式の2つの工事が今―平成18年当時ですけれども、並行してやると。それに対してどちらのほうが有利か、あるいは識名トンネルの中でも、こういう無導坑方式が採用できるかということで、検討を県からお願いしたと。

○仲村未央委員 工法の検討の可能性を県から言った。それはいつですか。

○當銘健一郎土木建築部長 契約をいたしまして、その後平成19年1月には工事の一部中止をしております。このときには施工方法の検討が終了するまで中止をするということでしたので、この時点では、県は施工法についてきちんと検討するのだという意思表示をしたと考えております。

○仲村未央委員 平成19年1月ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 平成19年1月の工事一時中止をしたときに、他の工法へ変更することも含めて指示したということでございます。

○仲村未央委員 厳密に確認できますか。1月11日ですか、10日ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 中止を命じましたのは1月11日でございます。

○仲村未央委員 大成建設JVに工法の変更がありますと説明したのはいつですか。

○當銘健一郎土木建築部長 平成19年4月2日に工法変更の指示をしたということです。

○仲村未央委員 それで、第三者委員会に皆さんは説明資料を出していますね。第三者委員会の委員に資するために。皆さんが出した資料のページでいうと5-30ページです。この中で、このように一番最初に書いていますね。請負者とは工事費が安価になり無導坑方式が有利な場合は無導坑方式を採用することを事前に確認した。事前というのはいつですか。この事前の確認は、誰と誰の間の確認ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 平成19年1月10日の議事メモを見ますと、この工法検討委員会において、無導坑方式が有利となる場合、無導坑方式としたいがJVとして対応できるかということを確認したとありますので、1月10日だと。

○仲村未央委員 事前というのは1月10日のことで、それを確認したのは誰ですか。当事者を言ってください。請負者の誰と県の誰が事前に確認をしましたか。

○當銘健一郎土木建築部長 発注者側からは南部土木事務所の主任監督員、JV側からは現場代理人ということでございます。

○仲村未央委員 1月10日に主任監督員と現場代理人との間で、事前に工事費が安価になり無導坑方式が有利な場合は、その工法の変更を行うというものが、1月10日に行われていた。それで日本工営株式会社への委託が、総額1億2744万円かかっているわけです。その設計書を見れば、工法の比較、選定も当然にこの中に出てきます。つまり、日本工営株式会社ほどの―多分土木業界で日本工営株式会社を知らない人はいないと思いますよね。それくらいの企業に、工法の比較や選定、より有利な工法を選んでくださいということも含めて皆さんは委託をしているわけです。その中で今言うような、この工法の基本的な比較というものはなされなかったのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 確かに、日本工営株式会社というのは、トップクラスのコンサルタントではあるのですが、技術検討委員会のメンバーの方々―先ほど発表させていただきましたけれども、日本でもトップクラスの研究者の方々でございまして、こういった新しく出てきた工法といいますのは、効率的な意味で常日ごろからあるわけですけれども、日進月歩で技術が進歩していくものでもありますし、実績を積み重ねることによっていろいろと改良が加わっていくと。そういう部分については、やはり研究者の方々から意見を聞かないと、一コンサルタントの手に負えるものではないだろうということで、技術検討委員会でお願いしたということでございます。

○仲村未央委員 コンサルタントの手に負えるものではないと今おっしゃいましたね。工法の変更について、その後皆さんはまたさらに修正設計の段階で、日本工営株式会社に委託するわけですけれども、この工法の変更がありますということで、日本工営株式会社に説明を行ったのはいつですか。

○當銘健一郎土木建築部長 日本工営株式会社に対して、無導坑方式への変更に伴う修正設計を契約しましたのは5月1日でございますので、手続的には4月中に行っているものと思われます。

○仲村未央委員 皆さんは日本工営株式会社の設計書を受けて、成果物としてもらって、それから工法の選考比較に先ほどの無導坑方式を加えて、検討の可能性を調査し始める段階で、日本建設機械化協会が登場しますね。皆さんが先ほど来おっしゃる技術検討委員会は、直接的に皆さんが設置した委員会ではなくて、日本建設機械化協会に委託をした。その委託の範囲内のもとに行われた技術検討委員会と資料からは見えましたが、いかがですか。

○當銘健一郎土木建築部長 御指摘のとおり、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所に対して委託をした内容の中に、その技術検討委員会を立ち上げるという内容が入っております。

○仲村未央委員 日本建設機械化協会の委託の日、これはまさしく仮契約―大成建設の仮契約が12月5日。そして日本建設機械化協会が登場するのが、契約日が12月4日。前日です。委託の日ではなく、起案の日でした。失礼しました。皆さんが委託契約を起案したのは仮契約の前日の12月4日ですね。これは資料のとおりだと思います。

○當銘健一郎土木建築部長 起案が12月4日で、契約日が12月12日ということです。

○仲村未央委員 先ほど来、日本工営株式会社の工法の比較や選定というものは、基本的な設計委託の中で当然に追加して行われる。それが十分可能であると思います。それが建設コンサルタント委託の内容そのものではないかと思うのです。そして、皆さんが日本工営株式会社から成果品を受け取ったのは、平成17年2月です。それからその1年、2年近くにおいて新しい―先ほど土木建築部長の言う、平成14年あたりから実績が出てきたと言われる無導坑方式についても当然加味して検討して、その委託の延長として整理ができる、こういう業務内容ではないですか。

○末吉幸満道路街路課長 先ほど申し上げましたように、先進導坑方式と無導坑方式の工事というものは、平成14年、16年が過渡期というか、出始めのころです。当然、日本工営株式会社もそういう工法があるということは知っています。知っていて、その比較の設計の中で、先ほど申し上げましたように概算工事では安いです、あるいは工期でも短くなりますという回答いただいています。その後に、一番大事なものは地上面への影響の予測というものがございます。この地上面の影響の予測の中で、当時は無導坑方式のほうがまだ不利だったということで、先進導坑方式を我々は平成16年のときに了解したのです。その後、豊見城トンネル等での同様の島尻泥岩での施工事例、その実績評価、解析等を踏まえまして、無導坑方式でも工法を少し変えることによって、先進導坑方式並みの中央面への影響が抑えられるという判断をしていただいたのが、技術検討委員会の結論でございます。

○仲村未央委員 皆さんは技術検討委員会の結論でございますということで、技術検討委員会が検討したのかと思いきや、提出をいただいた技術検討委員会の議事録を拝見いたしました。これは皆さんが出された資料の14-A-1ページから始まる議事録です。それが、皆さんが委託した技術検討委員会―日本建設機械化協会に委託して、日本建設機械化協会のもとで委員が構成されて、県も委員としてそこに入っている。こういう中において開かれた第1回の検討委員会で、初めて開かれた中で無導坑方式に変更しましょうと結論が出るわけですね。

○末吉幸満道路街路課長 資料の14-A-8ページの最後のほうですが、無導坑方式で検討を進めるということを、きょうの委員会の結論にさせていただくということで、検討を進めることを、結論としているのです。

○仲村未央委員 この中で議事録を見ていると―14-A-5ページです。原則として識名トンネルは無導坑トンネルであるべきだと思っている。原則論なのですね、発言が。その次のページにいきますと、下段のCという方の発言です。VEというものが何を指すかわからないのですが、「VEであれば非常にわかりやすいが、そうでなければ施工業者は拒否することが可能であるということか」。つまり、この無導坑方式を業者が拒否することはできますかという発言も出てくるのですね。それが下のほうに行きますと、「委員会の位置づけが不明確な形では無導坑方式でいいですかと言われても、なかなか納得するわけにはいかない」云々と。つまり、委員会が無導坑方式という結論を出しても、相手がのまなければどうするのですかという流れになるのですね、この議論は。では施工業者の意見としては、大成建設はオブザーバーとして、委員会の中に入らないこととしている。そして、1回目の委員会の位置づけとしては、識名トンネルを無導坑方式で検討を進めてもいいかという意見を伺うことを目的としている。最後のほう、施工業者に無導坑方式案に乗るか乗らないか意見を伺って、次回委員会から民間協力会社という形で、委員会に参加してもらおうと考えている。つまり、この流れを通して見ると、施工業者のほうが無導坑方式で乗るという話であれば、意見を聞こうという流れになっているのです。どういうことでしょうか。

○當銘健一郎土木建築部長 技術検討委員会には、日本でもトップクラスの研究者の方々が入っていると思っています。ですから、その先生方のこれまでの御研究とか知識、経験に基づく御発言について、私どもがとやかく言うものではございません。ただ、最終的には、無導坑方式がいいという提言をいただいたわけでございまして、議事録の中で、VEという言葉がありますので少し御説明いたしますと、VEとか、VE提案というように言っておられます。これはバリューエンジニアリングという言葉の略なのですが、業者側から、このような工法に変更したらどうかという提案をする制度がございます。ですから、その議事録の中にあるのは、業者側からVE提案をするのであったら、業者が提案したわけですから、当然業者もオーケーするでしょうと。ただ、この検討委員会で、例えば無導坑方式といった提言があったとしても、それを業者がのむかどうかわかりませんねということだろうと。ただ現実問題として、この無導坑方式については、大成建設JVと協議が成立したということでございます。

○仲村未央委員 14-A-7ページに、平成9年に行った数値解析で、無導坑方式のほうが沈下量が大きいという結果が出ていると。それに対し、今回解析をやり直したら、無導坑方式のほうが沈下量が小さいと。技術的なことはわからないのですが、3次元解析ではこのような結果になるということを示したほうが、より真実らしい理由ができるのではないかと。何の理由を探しているのか。沈下対策量が減るということを、真実らしい理由を持ってこないといけないという発言ですよね。

○末吉幸満道路街路課長 この発言の趣旨というものは、理解がしがたいのですが。先ほどから言っておりますように、工法というものは、無導坑方式と先進導坑方式の断面だけの比較でしたら、当時は先進導坑方式のほうが安全というか、沈下量が抑えられるだろうと。ただし、断面の無導坑方式での工事のやり方、我々はインバートといいますけれども、インバートのコンクリートを早目に結合することによって、沈下が抑えられるということがわかったというものが、豊見城トンネル等の事例です。そういう工法の変更を踏まえて、工事のやり方も考えれば、無導坑方式でも、先進導坑方式並みの沈下が抑えられるということが、この委員会の発言です。

○仲村未央委員 見直しに同意するなら施工者の意見―大成建設JV側の意見を聞こうかという発言がたびたび―これが1人の方なのか複数なのか、ABCではよくわからないのですけれども、そういう中で結局、大成建設JVはオブザーバーとして出席を求められたのか。工法の変更について、大成建設JVの意見は聞かれましたか。

○末吉幸満道路街路課長 この議事録に書かれておりますように、2回目からは大成建設JVも、オブザーバーとして出席していただいています。

○仲村未央委員 平成18年度の2回目ですか。

○末吉幸満道路街路課長 そのとおりです。

○仲村未央委員 議事録を特定していただけますか。大成建設JVが出席した第2回目のものは、出席していないと読めたのですが。どこに大成建設JVが意見を聞かれた発言がありましたか。

○末吉幸満道路街路課長 オブザーバーとして参加していただいているものですから、出席者の中に名前が載っていないと。

○仲村未央委員 議事録にも記述がないですか。

○末吉幸満道路街路課長 この議事録のAQCというものがございますね。Qはクエスチョンで、恐らく委員からの質問。Aは恐らくアンサーで、事務局からの回答だと思います。Cは、事務局なり回答なり委員の質問に対して、そばから先生方がコメントとして出しているものが、この議事録の流れです。

○仲村未央委員 そこは不明なので進みます。ところで、大成建設JVは日本建設機械化協会のもとに開かれている技術検討委員会に対して、非常に不満を持っているようですね。その資料で、皆さんが出された29-1ページを見ていただきたいのですが、皆さんは大成建設JVとの間で事前の確認があり、大成建設JVは了承したと、先ほど新里委員の質疑にも答えたのですね。29-1ページから始まる資料の中に、大成建設JVのいろいろなことが出てきますね。29-3ページにこのようなことを書いていますね。しかしながら、工事着工から3週間後の1月10日に発注者から、トンネル掘削工法を全面的に見直し変更を行いたい。このときには、全面的に見直し変更を行いたいという皆さんの意向が示されたのです。まだ検討委員会が始まってないですよね、この時点で。技術検討委員会の先ほどの第1回議事録は2月ですから、皆さんは1月10日に全面的に見直し変更を行いたい通知をしていると。申し入れがあり、専門家による検討が完了するまで工事を中止するよう通知を受けたと。そうなると大成建設JVとしては、総コストを低減する方策の基盤となっていた中央導坑方式による施工を、完全に廃止したものであったと。その結果、生産性向上による労務費の低減、中央導坑方式を掘削することによる全体工程の短縮、使用資材の適正な購入時期、主要機械についての県内にある機械・設備の転用が不可能となり、当初計画していたとおりの生産性の確保が不可能になったと、大成建設JVは認識しています。自分たちのコスト低減策の前提が完全に廃止、当初計画どおりの生産性の確保は不可能になったと。大成建設JVは了承していたという認識と、ここで出てくる大成建設JVの主張との余りの温度差に愕然とするのですが。もう一度聞きますが、大成建設JVは了解していたのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 工法の変更を指示してその後、工法変更に伴う設計変更の協議は有効に成立しております。そこに至るまでいろいろな議論は、もちろんあっただろうと思います。一般的にその工法を変更することについては、一般論で言わせていただいても、委員のおっしゃったように建設機械を準備しているとか、人を手配しているとか、そういうもろもろの準備というものが建設業者にはありますので、その前提が崩れますと、もう一度やり直しになるのは当然でございます。そういうこともございますので、私どもとしては、協議が成立するようにきちんと説明させてもらっていると。途中経過で申し上げればそういったことはあったのかもしれません。しかし、最終的には有効に協議が成立し、工法の変更が行われたと考えております。

○仲村未央委員 先ほど新里委員は、大成建設JVから反対はなかったかと質疑しました。そしたら課長は、特に反対はなかったと答弁をされたのですね。今、私が目にする大成建設JVの言い分だと、自分たちが基盤としていた中央導坑方式は完全に廃止されて、生産性の確保が―県内で求められる資材の調達とか、機械の設備を生かすことが前提になっていたものが、不可能となったと。不可能とまで書かれているのですが、県は、大成建設JVは特に反対はなかったという認識だったのですね。

○末吉幸満道路街路課長 時系列的に説明しますと、当初の第1回変更が平成20年1月18日でございます。このときに協議は成立しています。工法変更のときに大成建設JVは了解ということで。その後、今回の沈下対策工事の請負率を掛ける、掛けないの問題が大きく出てきたのですが、その後に協議が難航してきます。沈下対策工事も本体工事の中で変更させていただきたいと。それで、いろいろ難航している案件で、こういう昔のことも、こういうことがあったですねという文書です。ですから、我々が最初に変更したときには、大成建設JVも当然了解ということで理解しております。

○仲村未央委員 今、聞いているのは、後でどうこうではないのです。皆さんが技術検討委員会に委託をして、専門家の皆さんに協議をしてもらう。そして1月10日の時点で、皆さんは大成建設JVに告げた工法の検討見直しがありやと。その時点で、大成建設JVの認識としては、掘削工法の全面的な見直し変更を行いたいとの申し出がありと。これは業務日誌を見れば恐らく判明します。私たちは、大成建設JVもこの後参考人でお呼びすることになっているので、大成建設JVはそう思っていましたと表明するのかどうかは、当事者に聞きますが、皆さんの認識としてはその当時、皆さんが工法の変更を検討するということを告げた1月10日の時点、それから2月の第1回の初の検討委員会で、先ほどの議事録の中で原則として無導坑方式だという発言があったあの時点、これらの時点において大成建設JVの不満はなかったと理解していたのですか。それとも、大成建設JVは全く知らなかったのですか。

○末吉幸満道路街路課長 1月に大成建設JVにこの工法の変更の可能性がありますと申し上げたときには、工事費が安くなる、工期も短くなる可能性もあるのだったら了解しますということで、回答をいただいているとのことです。

○仲村未央委員 工期が短くなる、工費が安くなるという検討は、もう既に1月の段階でわかっていたのですか。

○末吉幸満道路街路課長 それを検討するための技術検討委員会を、これから起こすとやっているのです。

○仲村未央委員 そうなると1月の段階で、皆さんは全面的な見直しと、向こうが受け取るような言葉を言って変更を始めた。そして2月に検討委員会が行われた。大成建設JVはこのような認識だったということが、大成建設JVの主張では出てきている。先ほど工法検討委員会の中で、大成建設JVの発言を求められましたかということについて、大成建設JVはこのように言っています。工法の検討は発注者が委託したトンネル施工検討委員会にて実施されたと。JVは委員会の事務局からオブザーバーとして出席を求められましたが、委員として、みずからの意見を求められる立場ではなかったということですね―委員としては、自分たちは意見を言えなかったと。先ほど議事録にはその発言が出てきませんねということもありました。その検討委員会の構成においても、皆さんは発注者として検討委員を委託しながら、自分たちは検討委員会の中に入っている。でも、大成建設JVは請負者として、既に本契約も成立している当事者の一方であるが、この検討委員会には、オブザーバーとしてしか―意見を求められる立場ではなかったという表現が出てくる。そして日本工営株式会社についても、ずっとこの設計にかかわりながらここまできて、この検討委員会には全く関与をしないという、非常に流れが不自然というか、そのように大成建設JVが言っていることはわかるような気がするのですが、いかがですか。

○當銘健一郎土木建築部長 学識経験者とか研究者の方々を中心に技術検討委員会を設置しておりまして、その中に発注者側も入っておりますけれども、施工業者は入っていないと。これはなぜかと言われましたら、明確にはお答えできませんけれども、専門の立場から、第三者的なところから御議論いただいて、提言をしていただく。その提言を受ける、受けないというのは発注者である県で考えるということだったと思います。

○仲村未央委員 いずれにしても、議事録ではっきりと、工法の変更を受け入れるのであれば意見を聞きましょうということが、第1回から言われる中での意見の求められ方であることは、委員みずからの発言の中で出ているわけですから、それについては、大成建設JVにも後日確認をします。それから、工法変更の指示を皆さんは4月2日に行ったと先ほどおっしゃいました。実際に行ったのはいつですか。皆さんは、さかのぼって4月2日に文書を指示したことになっているのですが、実際に大成建設JVに示されたのは6月ですね。どうしてさかのぼる必要があるのですか。なぜわざわざ4月に指示したことにしてくれという文書になるのでしょうか。

○當銘健一郎土木建築部長 指示したのは4月2日という資料が残っておりました。請負者側の記入した月日も4月2日となっておりますので、今委員から6月に受領したということについては、よくわからないです。

○仲村未央委員 いずれにしても大成建設JVの、皆さんとのやりとりの―請負者と発注者が行ったり来たりする日誌のようなものの中で、6月29日受領、4月2日の文書にさかのぼって文書指示ということが確認されていますので、後でその理由を教えてください。
 先ほどの事前の確認ですが、工事費が安価になり有利な場合は、無導坑方式を採用というように、安くなればいいですねということであったとのことですが、安くなったのですか。

○末吉幸満道路街路課長 数千万円ですけれども、工費自体は安くなっております。掘削に係る工事自体の費用は安くなっております。

○仲村未央委員 5-99ページに、追加費用を大成建設JVが求めている細目というか、内容が記されています。ここの(2)ですけれども、中央導坑方式から無導坑方式になったことによって9億円高くなっているのです。無導坑方式を採用したことによる直接工事費、市街地補正等他という表現になっていますが、中央導坑方式から無導坑方式に変更したことによって9億円アップと。彼らが要求したのは、最終的に13億円ですが、その中の一番大きな額を占めるのが、無導坑方式になったことに伴う9億円のアップということです。安くなったのですか。

○末吉幸満道路街路課長 5-99ページの資料は、大成建設JV側から要求された金額でございまして、決して我々がこれを全部認めたというわけではございません。先ほどの第1回の工法変更をした際に、同額変更で工法変更しております。そのときに、同じ金額で契約はしているのですが、安くなった分というのがほかの工事―具体的にいいますと、吹きつけコンクリートの強度をふやしたものに対して増額しているものですから、無導坑方式での工法と、コンクリートの強度が増したことによる単価の増で、相殺された格好になっております。

○仲村未央委員 最終的に9億円ですが、皆さんが先進導坑方式を無導坑方式に変えたときに、大成建設JVから―26-9ページに、中央導坑方式と無導坑方式の工事費内訳書が出されていますね。きちんと皆さん確認してください。工事価格が5億9000万円アップしているのです、この時点で。

○末吉幸満道路街路課長 何度も言うようですが、これは大成建設JV側から、彼らの積算の考えに基づいて出された資料です。それに対して、我々がこれを全部認めたわけではございません。

○仲村未央委員 認めるも認めないも、どのように皆さんは5億9000万円のアップを精査して、これは正しくない、認められないということをやったのですか。

○末吉幸満道路街路課長 それを認められないということで、第1回の協議の変更の中で、協議に応じていただいたものと理解しております。

○仲村未央委員 県の認識と思われる部分の資料というのは、5-113ページに、請負者側と発注者側の要求の、工事費がアップする内容が対象比較で一覧表になっていますね。あちらが言うのは9億円―今私が言う直接工事費です、ナンバー2のところ。皆さんのアップは4億5700万円。直接工事費分に該当する部分というのは、無導坑方式に変更したために生じた増額分として、要求されているのが9億なのです。これに該当する皆さんの数字は4億5700万円と。ですから、工事費は高くなったのですか、安くなったのですかと聞いているのです。

○末吉幸満道路街路課長 この項目ナンバー2は9億300万円とありますが、これはあくまでも無導坑方式ではなく―トンネルを掘ったときに、工法の変更だけではなく、夜間中止の経費増とか、市街地の―我々の積算基準で見ているような双方の相違点とありますが、市街地補正の適用云々とか、これが工法変更によって出てきたものではないと我々は理解しています。

○仲村未央委員 夜間中止は、ナンバー5とナンバー6にきちんと入っているのです。そして、この増額分にかかわるものは、ほとんど工事の一部中止とか、そのために延びた工期の分、つまり、まつわる状況として出てきた部分が含まれていて、直接工事費が、まさに今大成建設JVが主張する9億円。これが正しいか精査しましたかと言ったら、皆さんは全部認めたわけではないと。だから結果として安くなったの、高くなったのと。工法の変更に伴って工事費は安くなったのですかということを、先ほどから同じことを聞いているのです。安くなったのですか。

○末吉幸満道路街路課長 5-113ページの資料の説明ですが、我々が発注した4億5700万円というものは、彼らの先進導坑方式から無導坑方式にした経費に対する答えではないのです、我々の感覚としては。直接工事費ですから。あくまでも当初に出ていない工事―防空ごうに占める工事とか、夜間中止に伴う直接経費がここに来ています。先ほど仲村委員が言われましたナンバー5とか、ナンバー6に入っているではないですかということは、あくまでも機械の建設の供用の損料とか、仮設の金なのです。ですから、これをごらんになった場合に、請負者契約というのは、先ほどのページからすると、先進導坑方式から無導坑方式にした経費の増という格好になるのですが、4億5700万円積算というのは、そういう積算ではなくて、ほかの要因で出てきた直接工事費を、ここで4億5700万円とまとめたということです。

○仲村未央委員 工事費は安くなったのですか。そして安くなったとすれば、幾ら安くなったのでしょうか。
 皆さんは、事前の合意の前提として、工事費が安価になれば、有利なときはお互いで工法を見直すという事前の合意があったという大前提ですよね。今皆さんが実態として出した資料、これは工事費がどう見ても安価になっていない、むしろ増額費が出ている。それは請負者だけが増額費を出しているのではなくて、皆さんもその増額に応じて、結果として妥結したのが、なぜかわからないけれども10億円になっているわけです。一番最初の根拠として、事前の合意の前提として安くなればということが当然確認されたから、合意をしたのではないかという入り口を聞いているので、それを示すためにこんなにも時間がかかるのでしたら、資料でいいです。前提として安くなったのですかということに、どうして答えがないのですか。

○末吉幸満道路街路課長 第1回目の変更のときには、4400万円の減額です。全体工事として、最初の平成20年1月の契約変更のときに。その後に、いろいろな工事が出てきます。増額の要因が出てきますけれども、第1回の変更のときには4400万円の減になったのですが、そのほかの要因―具体的に言えば吹きつけコンクリートの強度を増したことによって、この費用は相殺されていると。同額変更で、コンクリートの強度を上げることによって単価が変わりますので、その分が相殺されていると。

○仲村未央委員 少し理解が及びませんが、ところで、私は皆さんが出した発注者の数字の資料を出しなさいと。先ほどから新里委員がいろいろ言っています、ここにはこれが含まれています、含まれていませんとか。ましてや、工事費の防空ごう対策と言われるものは、請負者からの要求はないが、むしろ発注者側から3億円積んでいるのですね。そういうことも含めて、最終的に10億3900万円で合意したと言うから、ここにかかるような詳細を出しなさいと言ったら、皆さんはその資料は不存在ときたのです。破棄したのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 大成建設JV側が9億円で、発注者側が4億5000万円と言っている数字の内訳を探したのですが、なかったということで、不存在と答えさせていただきました。

○仲村未央委員 大変なことですよ。この10億3900万円自体が、今まさに対象となっている問題の額です。その根拠が資料不存在。探したけれどもなかったと。それで安くなったのですかということの実態が判明しないのです。ここは一番大事な合意であって、虚偽契約に入っていく前提の数字が10億3900万円でしょう。その数字のもとが、皆さんはわかりませんと。

○當銘健一郎土木建築部長 第1回目の変更というのが、同額変更でございまして、先ほど道路街路課長が答弁したとおりです。工法の変更―先進導坑方式から無導坑方式に変えたことによる金額というのは、4000万円程度減額になっておりますが、別の工事が入ってきたために同額変更となっています。ですから工法の変更だけから言いますと、先ほどから御説明しているとおり減額になっているものと考えております。

○仲村未央委員 これは後でもう一度聞きますが、無導坑方式と先進導坑方式のときの比較は、請負者側は出しているのです。そして皆さんはこれを全額認めたわけではないと。妥当としたわけではないというようなニュアンスのことをおっしゃるから、それを精査した資料を出してくださいということも言っています。しかし、これもない。相手が言った5億9000万円の、最初のアップについての検討資料も―検討してどのようにこれを受け取ったかという精査の過程が見えない。資料がない。そして、さらに最終的に9億円のアップを無導坑方式に変えたものと、彼らは言っているのです。これに対して県が、こうではないでしょうという根拠になる資料も、そして皆さんが独自にやった積算の資料も両方ないのですね。ですから先ほどから言うように、安くなったのかということは非常に重要なところですので、ぜひその資料も含めて、後で提出いただき、また明解に安くなったなら安くなったと―どう見ても高くなっていますけれども、そういうことを示していただけませんか。

○末吉幸満道路街路課長 5-113ページは、業者の言い分に対して―皆さんのものに対しては、こういう格好でやったということを示したものであって、我々は、工事の設計書というものがそれにかわるものです。設計書は変更していますので、それが我々の最終的な設計書です。ただ、業者が出した資料に対して、これでまとまるかということは別問題ですけれども、我々は県の技術基準、積算基準に基づいて積算していますので、彼らがこのような格好で出してきたものに対して、同じようなもので比較できるかということは難しいと思います。

○仲村未央委員 では、どうして資料を要求したら不存在ときたのですか。

○末吉幸満道路街路課長 不存在ではなくて、これと比較できるもの―積み上げたものは不存在ですが、工事の設計書自体は当然提出しているのです。

○仲村未央委員 皆さんがこの資料に不存在と書いて、回答してきたのですよ。その根拠を出してくださいと言ったら。存在しているのであれば、存在していますと指摘したらいいではないですか。

○末吉幸満道路街路課長 それについては、おわび申し上げます。私どもは、これに対比するような設計書がないかということで―例えば項目ナンバー1、ナンバー2、ナンバー3に対する資料はないということで、不存在と回答いたしました。ただ、これの全体をまとめ上げた設計書というものが、本体工事の第1回変更、あるいは第2回変更という設計書の金額の内訳になります。

○仲村未央委員 最終的に、大成建設JV側と10億3900万円で合意したのですね。合意したのは誰と誰ですか。どのレベルの担当者でこの合意は確定したのか、その決裁文書も皆さんは不存在なのです。

○當銘健一郎土木建築部長 大成建設JVと合意に至ったのは、南部土木事務所の職員なのですが―特定はできないのですが、南部土木事務所と大成建設JVとの間ということです。

○仲村未央委員 この決定に至る過程の中で、両者の言い分が折り合わないということで、第三者機関を設置して協議をしましょうということが、大成建設JV側から提案されています。そうですね。

○當銘健一郎土木建築部長 平成20年11月17日の南部土木事務所の文書では、請負者から、中立な立場の専門家からも意見を聞くべきとの要望がなされているという事実があります。

○仲村未央委員 南部土木事務所の発案ではなくて、大成建設JVの発案で、南部土木事務所が提案をすることになりましたよねということです。

○當銘健一郎土木建築部長 この文書からすると、請負者側からのそういった要求を受けて、南部土木事務所としても、第三者委員会を設置することについての請負者の意見を伺うという文書になっています。

○仲村未央委員 従来の皆さんの答弁は、南部土木事務所の発案で第三者機関が設置されましたということを答えてきたのです。しかし、この一連の資料を見ると、南部土木事務所の発案ではなくて、大成建設JV側の提案を受けて、南部土木事務所はこれに応じる形で、第三者機関を立ち上げたという経過が明白なのです。

○當銘健一郎土木建築部長 この文書からしますと、確かに請負者からの要望という言葉がありますが―どういう形で要望したかは知りませんけれども、その要望を南部土木事務所がきちんと受けて、逆にこういった形で第三者機関はどうでしょうかということで、さらに請負者の意見を聞いているということですから、どちらが発案かと―最初に言い出したのは誰かということは、よくわかりませんけれども、これを見る限りでは請負者からかもしれませんが、正式にそれを取り上げたのは、南部土木事務所ではないかと思います。

○仲村未央委員 大成建設JVから文書で南部土木事務所に提案があって、これを受けてこのようにきているので、経過は明白なのに、どうしてこれまで南部土木事務所の発案だったのか―そこはおいておきますが、その第三者機関というものの設置根拠は何ですか。つまり、契約約款では両者の協議が調わないときには第24条を適用して、まず甲乙の協議をするのです。そして、それでもまとまらなければ、第53条、第54条に出てくるような、その後に紛争審査会というルートが出てくるわけです。これは約款上取り決めが明確なのです。これ以外にないのです、両者の協議が調わない場合の処理は。ところが、この第三者機関というものは、大成建設JVから言われて県が起案をして―皆さんの記録にもそのように記述がありますが、これの設置根拠は何ですか。そして、なぜ第24条にいかないで、第三者機関ということになったのか。

○當銘健一郎土木建築部長 その当時の担当者や責任者が退職等により、いないので明確にはわからないのですが、契約書に基づくあっせん紛争委員会とかに頼りますと、数カ月の時間がかかるということもあって、これが何に基づく第三者委員会かはわからないのですが、結局は立ち上げなかった委員会のようです。このような委員会で、速やかに解決したらどうかというような提案を、請負者側にしたとは聞いております

○仲村未央委員 今、部長が言うことを前提に考えると、第三者機関をつくって、その後に委員の委嘱まで出していますね。5-110ページ。これもまた日本建設機械化協会―先ほど来、皆さんと委託関係にある日本建設機械化協会に専門委員の依頼をしています。ここまではわかります。12月3日。そうしたら、次の5-111ページに、その審査会の審査要綱も出ています。この後、この審査会が立ち上がった形跡が資料には全くありません。立ち上がったのですか。ほかの委員は誰ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 結局要綱までつくって、このような形で正式に依頼書も出したようですが、審査会が開かれたという形跡は、私どもも確認できておりません。

○仲村未央委員 12月3日にはそのような委員の依頼もして、いざ始めようというところで、先ほどの113ページにたどり着くわけですね。12月11日には急転直下、合意をすると。

○當銘健一郎土木建築部長 これも推測ではありますが、そういう協議が調ったので、審査会を立ち上げる必要がなかったのではないかというようにも理解ができるところです。

○仲村未央委員 委員の委嘱をしたのが12月3日。それは開かれないで、いきなり1週間では合意が調って、10億3900万円。そして10億3900万円が調ったその12月11日に同じ文書の5-114ページで、もう既に虚偽契約の平成20年度、21年度、3分割の確認が同時になされると。この時点で、先ほど部長は、これを合意したのは誰ですかと聞くと、南部土木事務所ですと。南部土木事務所がこのような、予算も全部3分割の手法も、南部土木事務所の範疇で、このような事務上の権限、決裁というのはできますか。

○當銘健一郎土木建築部長 この件については、関係者がいないのですが、第三者委員会の資料を見ましても、そこで県(南部土木事務所)は、平成20年12月11日、大成建設JVに対し、当初金額の23億3100万円のほか、追加費用の支払いについて、次のような方策を講じることを説明し、大成建設JVもこれを了承したと。これは先ほど委員がおっしゃった、分割で払っていくということです。この時点で、南部土木事務所が大成建設JVと合意をしたということになっているようです。

○仲村未央委員 南部土木事務所の権限でここまで―平成20年度、21年度に予算を分けて、合意したと同時にこのような3分割の資料まで添付して、同日決裁でこのようなものが―これが決裁なのか何なのかわかりませんが、工事打ち合わせ簿として、このように出てくるということは考えられません。予算や、それにかかわる業務というのは、南部土木事務所の仕事ではないからです。到底南部土木事務所で完結する事務決裁ではないです。

○當銘健一郎土木建築部長 建設工事請負契約においては、まず現場での協議は現場の監督員に指名された者が行うということですから、権限を持って協議をしているわけです。ただ、委員のおっしゃるとおり予算を伴うものについては、本庁との協議が当然必要でございますので、その後に協議をしているということです。

○仲村未央委員 先ほども言いましたが、資料を要求します。本庁の決裁にかかわった者―10億3900万円という合意を、南部土木事務所単独の判断であるはずがない。これは次年度の予算にもかかわることだから、南部土木事務所が大成建設JVの現場担当者と合意するはずがないのです、できるはずがないです。必ずしかるべきところまで上がって、調整がされているはずです。その決定者は誰と誰なのかを明確に示す資料を求めていますが、まだ出てきませんので、それは資料要求として委員長に取り計らいをお願いします。
 先ほどの5-113ページの合意です。私の認識としては、これは確かに予算が絡むもので、南部土木事務所の管轄で到底こういうことを決めて、合意をして、予算を次年度に向けて組むということが、完結する業務ではないという認識に立っております。最終的にこれを合意したのは、皆さんは誰と認識していますか。

○當銘健一郎土木建築部長 業者側と調整をいたしましたのは南部土木事務所ですけれども、その後、本庁に報告し、最終的には土木建築部長にも説明したということでございますので、土木建築部長も了解のもとだったということではないかと思われます。そのときのやりとりというのは、実は記録で残っておりませんのでわかりませんけれども、土木建築部長までは説明をしたということでございます。

○仲村未央委員 現時点での最終の決裁者は、土木建築部長であると認識しているということですか。

○當銘健一郎土木建築部長 そのように推測されます。

○仲村未央委員 それで不可解なのです。というのは、これはいわゆる皆さんは合意する趣旨として、先方が要求したものがこの一覧表からいくと13億円。そして皆さんはこれに2億9890万円と追加をして出してきているわけです、10億3900万円と、最終的に。そういうことで、この合意した趣旨というのは、これは当然、大成建設JVがもらうべき額ということで10億3900万円は妥当であるという認識で合意をしたのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 妥当であるかどうかということに対しては、お答えできない部分がありますけれども、この追加費用については10億3900万円とするという意向を示して、大成建設JVもこれを了承したと。あとは10億3900万円という金額の支払い方として平成20年度で4億8400万円でありますとか、平成21年度では4億9500万円でありますとか、そういうことを説明したという記録が残っています。

○仲村未央委員 最終的に合意をしたこの10億3900万円については、大成建設JVがもらうべき額として、皆さんは合意をしたのですね。

○當銘健一郎土木建築部長 県の積算によれば10億3900万円の追加費用が、必要だということを示したものだということです。

○仲村未央委員 追加をすべき額として10億3900万円として、結果として下の3分割、5-114ページに行くわけです。それで先ほど不思議だと申し上げたのは、いわゆる随意契約で―虚偽契約とされるものに4億8400万円、後にこれは4億9000幾らかに増額されましたが、そして平成21年度の随意契約で4億9500万円。平成21年度の6000万円と3分割をしたのです。これは10億3900万円を3分割した。先ほど言うようにこれは、大成建設JVが追加としてとる分だということで合意をしたと。しかし結果として(3)となっている平成21年度の随意契約4億9500万円については、大成建設JVではなくて、南海建設JVにいきました。ということは大成建設JVは皆さんが合意をした10億3900万円うち、この(3)の4億9500万円についてはもらっていないのです。その理解でよろしいですか。

○當銘健一郎土木建築部長 平成21年度の随意契約分と書かれている4億9500万円の工事につきましては、一般競争入札で別途発注をしておりますので、大成建設JVは受注していないということです。

○仲村未央委員 ですので、このもととなっている10億3900万円です。3つ足して10億3900万円。これは追加工事分として足りないから、大成建設JVの取り分として皆さんはそれを合意したのでしょう。

○當銘健一郎土木建築部長 先ほどから道路街路課長からも申し上げているとおり、請負業者側の積算というのは県の積算と全く違います。建設の単価自体も違いますし、歩掛かり数量も我々と違う部分が多いものですから、彼らとは金額がぴたりと合うことはなかなかないのです。ここで言っております10億9300万円というのは、県側の積算をするとこれぐらいが追加費用で必要でしょうと、その支払い方をこう当初は3分割、あるいは4分割でということだったのでしょうけれども、平成21年度分については、一般競争入札に付したということです。

○仲村未央委員 つまり積算の10億3900万円のもととなっているものは、既に終わった工事の足りない分を両者が合わなくなって、その協議をした額ではなくて、これからやる工事も含めてその分を含んだ数字であったとなるのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 そのとおり追加工事の費用もまだやっていない工事も含めての額でございます。

○仲村未央委員 わかりました。それは今そこの細目に大きな項目ですが、やっていない工事というのは―これは全部やっていない工事も入っているのか、やっていない工事というのがすぐ特定できますか。

○當銘健一郎土木建築部長 この平成20年度、平成21年度の3分割にした金額につきましては、いろいろな工種が入っているものですから、分けられないと。要するに終わった工事なのか、今後発注する工事なのか、両方入っているのか。恐らく両方入っているのだろうと思います。しかし、内訳がよくわからないということでございます。

○仲村未央委員 わからないと思います。先ほどの答弁はこの資料がないと言ったのですから、皆さんはどうしてわからないのにこれからの工事も入っていますとか、答弁ができるのかが私はわからないので、それを聞いたのです。それはわからないのです。そうですよね。

○當銘健一郎土木建築部長 詳細な内訳については、もちろん資料がありませんからわかりませんが、やはりこの時点で残っている工事というのも当然あるわけです。それが中に入っているのだろうという推測はできるわけです。確かにおっしゃるとおり、何と何が入っているのかと言われればこれはわかりません。

○仲村未央委員 非常にこの決定にかかわる判断のもととなる状況がわかりませんので、ここは謎の深いところだということで、これから来る説明者なり、参考人なりにも確認をしていきたいと思います。
 それから皆さんはこれまで5億円を超えないための、工作をしたのではないかという議会のたび重なる指摘、あるいは第三者委員会の指摘にも、そのようなニュアンスのことが書かれておりましたが、そんなことはないと。5億円未満しか予算がたまたま確保できなかったのだと、繰り返し説明をしてきました。そのことについて現状認識はいかがですか。

○末吉幸満道路街路課長 私どもの現状認識は、まだ同じでございます。

○仲村未央委員 これがとても信じがたいのです。34-22ページにまさにこのことについて、5億円超えとなるために別件契約とするという案が、皆さんは調整のメモの中で判明しました。私は調整メモの一切を出してくださいと資料要求をした結果、まさにその該当文書が出てきたのです。それで確認をします。34―22ページです。まず(1)で現在大成建設JVと協議中であるが、協議が難航しており貴職の意見を伺いたい。まず貴職の意見という、この貴職を誰と特定したものかお示しをいただきたいです。これは誰の意見を聞いているのでしょうか。南部土木事務所が誰かの意見を聞いてつくった文書です。現在大成建設JVと協議が難航しており、貴職の意見を伺いたいと。

○當銘健一郎土木建築部長 別添資料8につきましては、平成20年11月12日付となっておりまして、これは本庁の道路街路課長との協議になっております。訂正させていただいてよろしいでしょうか。道路街路課長でははく、道路街路課だそうです。そのときに道路街路課長が同席していたかどうかは確認できません。

○仲村未央委員 貴職の意見を伺いたいという、貴職というのは課ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 道路街路課です。

○仲村未央委員 これは意見を伺った相手は、最高で道路街路課長だという認識ですか。貴職という相手を道路街路課であると特定したものは、何の記録で今おっしゃっていますか。

○當銘健一郎土木建築部長 この書類自体が本庁と協議した資料なのです。それは当然道路街路課と協議なのですけれども、道路街路課長が同席の上で協議したのかというのがよくわからないということです。

○仲村未央委員 別添資料8と特定をする中で、それが道路街路課との協議であるということの特定資料は明確なのですね。記憶で言っているわけではないでしょう。

○當銘健一郎土木建築部長 一般的に土木事務所が道路とか、このような関係で意見を聞くというのは、道路街路課しかありません。ですから当然道路街路課と協議をしたのだろうと。ただそれが実際の記録簿とか、メモとかそういうものがないものですから、はっきり道路街路課長なのか、あるいは班長なのか、誰なのかどうかはわからないと。もちろん土木建築部長なのかもわからないということです。

○仲村未央委員 今のは一般論としてというお答えですか。一般論として貴職という場合は当該課であろう、道路街路課長であろうという認識なのですが、あくまでそれは特定された資料に基づくものではなく、一般論としてそういう見解をお持ちであるということですが、そういう貴職の意見を伺いたいことが契約方法についてなのです。そして契約方法については、現時点で協議が調っていない、そして相当額についてほぼ完了する状況、これについてとられる措置は案1、案2の以下2つです。案1現工事の増額変更により処理する。案2現在施工中の部分について同額変更し、追加分について別件随意契約処理、ただし5億円超えとなる見込みのため、契約方法について検討を要するとなっているのです。ここから読み取れることは案1の場合、現工事の増額変更であればこれは議会処理です。現工事というのは、当初の予算額で5億円を超えていますから、その後の増額変更については必ず議会を通るのが案1です。そして案2、追加分について別件随契処理をする理由、つまり5億円超えとなる見込みですということを認識した上で追加分の増額変更、つまり議会を通るということになるから、別件随意契約処理ということが案2なのです。

○當銘健一郎土木建築部長 南部土木事務所からそういう案1、案2が示されて、本庁の道路街路課と協議をしたということです。

○仲村未央委員 つまり予算によって、それがその5億円以下の予算しか工面できなかったから云々というのは後づけの理由であって、もともと5億円超えるとなる見込みだったから、議会を通さない処理方法として別件随意契約処理ということを案2として、ここで貴職の意見を伺っているのです。

○末吉幸満道路街路課長 本庁の立場としては、5億円以上の当て込める予算を持っていないと。土木事務所としては、こういう契約変更に要するということをやっているのですが、本庁サイドは予算がないですということで、これは予算もないし4億9000万円ぐらいの工事だったから、議会に諮らないで済んだという理解でございます。

○仲村未央委員 そこはやはり組織としても、そのことを今になってまでそこまでかばったり、工作をするということはおかしいと思います。皆さんはこの2つを、つまり議会を通さないということは、2つの条件が整わないといけないわけです。つまり別件でなければいけない。なぜならばさっきから言うように変更契約であれば必ず、これは1000円でも5万円でも幾らでも議会を通さないといけないのです。だからまず一つの方法として別件処理しかない。まず第一条件として、別件随意契約しかないのです。別件であっても5億円を超えてしまったら、また同じように議会を通さないといけない。だから、まず別件にした上で、5億円を切るという2つの条件を満たさないと議会を通ってしまうという案件の処理の伺いではないのですか。

○末吉幸満道路街路課長 我々はもともと同額変更をやりたかったのです。請負率を掛けて。請負率を掛けることに対して、業者がオーケーしないとずっと協議が難航しています。それで我々としては、別件の契約もやむを得ないといいますか、お互いの協議の中で了解して別件とやっているのです。そのときにはこの工事に当て込む金額が5億円しかなかったということです。

○仲村未央委員 工事が別件であるかどうかの判断というのは、先方の請負者がそれをのむか、のまないかではないのです。別件工事として、つまり沈下対策工やコンクリート覆工といったものが、当該本体工事の延長線上で行われる工事であれば、これは本体工事の変更契約でしょう。皆さんはまさにそれをずっと言ってきたのです。本当は本体工事の変更契約でやりたかったと。けれども相手がのまないから別件工事にするしかなかった、仕方なかったと言ってきたのです。

○當銘健一郎土木建築部長 確かにこの時点でも沈下対策工事については、本体工事の変更として請負比率を掛けた上で、変更契約でどうかという協議を進めていたわけですけれども、協議が成立しなかったという状況がありました。

○仲村未央委員 今、問題になっている議会の権限を、恣意的な行政側の都合で予算をいろいろ調整をして、後でこれが議会を通るべきものが通らなかったということに対しては、非常に議会側からも大変な問題だと認識をします。そしてこのことをまさに示すのが、調整メモの経過であろうと見えます。それで、本体工事か別件工事かの判断、これは皆さんは本当は請負率を掛けて、本体工事の変更として行いたかった。そうですね。

○當銘健一郎土木建築部長 沈下対策工事について、本体工事の変更として請負比率を掛けて協議が成立した上で、変更契約したかったということでございます。

○仲村未央委員 それで請負率をめぐる認識が非常に―皆さんはこれを協議が調わないと請負率を掛けられないかのごとく、答弁を何度もしてきていますが、これ自体は非常に皆さんの認識はおかしい。先日、沖縄総合事務局の参考人招致のときにも私はお伺いしました。それから、それは皆さんみずから定める県の積算基準、この中にも明確にされています。つまり変更契約において、請負率を掛ける、掛けないというのは協議の対象ではありません。請負率を掛けるというのは国の工事であれ、県の工事であれ、あらゆる工事の前提です。それがどの基準にも明確にされているのです。計算式もどの計算例を見ても、請負率を掛けるというのは協議の対象にはなり得ない、なっていない、常識。

○當銘健一郎土木建築部長 確かにおっしゃるとおり県の積算基準の計算式には、変更契約をするときには請負比率を掛けるとなっております。民間の積算基準、例えば物価調査会でありますとか、そういうものにも請負比率というものが出てきております。ただし、契約書には請負比率という言葉はないわけで、そこには第1項で協議成立をさせる。そして通常の建設工事では、私の経験しているところでは、協議が成立しなかったことが、実は私自身ありません。今まで、いろいろな変更工事をしてまいりましたが、請負業者と協議が成立して、本体工事の変更としてやるべきものは、請負比率を掛けて本体工事の変更としてやってきたと考えております。今回の場合は、そういったことが明確に契約書になかったと。それが沖縄県のほうでもその当時、会計検査院などで前工事、後工事についての請負比率の議論があったことから、平成22年度から請負比率を県の工事には掛けるということを明確にしていますので、この時点ではなかったということです。

○仲村未央委員 とんでもないです。皆さんの当時の文書の中に請負比率を掛けるのは当然である。適用するべきであるという技術管理課の見解も明確に記されています。

○与世田兼稔副知事 この問題について私どもは顧問弁護士等、複数の弁護士のところに業者に対して、返還等が請求できるか否かという検討をいただいております。今の御指摘の考え方ですが、本件契約がなされた平成21年1月時点で、全契約の入札率を乗じるという方法上のルールは存在していなかったと考えられる。と言いますのは、請負金額に変更があった場合の変更協議が難航するという実情を踏まえて、国土交通省では、平成22年4月1日以後に入札公告を行う河川、道路などの全ての土木工事等において、総価契約単価合意方式を導入することを決定しているからである。また、会計検査院のレポートでは、平成18年から平成21年の実績値として、入札率を適用しない随意契約が多数を占めていること、234件中182件、入札要項などに追加工事についても、入札率を乗じることや単価合意方式をとることを明記しなければ、業者に了解させることができないと報告されており、地方自治体には、そのような契約を締結をする権限がない、あるいはそのような契約については、補助金の交付がなされないという指摘が一切なされていないという指摘等も含めておりますので、必ず明確なルールだとか、47.2%を掛けることが絶対のルールではないということです。

○仲村未央委員 では、皆さんが基準としているそのものを、みずから定めながら、それが基準ではないということは、非常に大変な問題だと思います。皆さんは、平成24年度7月版、ここにも明確に設計変更における工事費、請負率を乗じと明記しています。これは何も沖縄県の積算基準だけではなくて、単なる国の基準の焼き直しです。全部同じマニュアルでこの表現は使われています。全国のどの公共工事を見ても、こういった計算表に従って必ず請負率を掛けるような、この四角の中に数字を入れるだけで済む計算は、全部請負率が前提なのです。先日、沖縄総合事務局に確認したところによると、請負率を掛けるのは何も行政側ではなくて、請負側、業者側、全国みんな知っていることだから、それは常識ですと。それを改めて協定に盛り込まずとも、その合意前提であるということは、そういった理解ですということを表明されていましたが、そうではないということですか。

○与世田兼稔副知事 今のような形が常識ということではありません。これは、会計検査院が国土交通省に競争入札により契約をした前工事、引き続き随意契約により行う後の工事の予定価格の算定について(国土交通大臣あて)という指摘の中でも、必ずしも落札率を乗じるという形だけで、全てが運用されているわけではないと。そういったところでの問題があるから、結局は結論的に、本院とは会計検査院のことですが、直轄事業の7地方整備局など及び補助事業の22事業主体が実施した後の工事182件においては、後工事の予定価格の算定に当たって落札率方式、単価合意方式などいずれの方法もとっておらず、設定金額を予定価格とするなどしていた。なお、直轄工事で単価合意方式をとられていないのは、前期の通達に定める場合に該当する工事でなかったためと。このような形で、実態として会計検査院の検査の指摘の中でも、やはり必ず落札率ではなくて、後で設計単価を見直した上での工事契約になっている事例もありますということが、会計検査院の報告書です。

○仲村未央委員 皆さんが、みずから定めている基準に沿わない形の方法をとったということに対して、まずは非常に疑問があるのと、今おっしゃるような協議の対象になるべきは、まさに単価の問題はあると思います。つまり、契約発注当時の単価と、その時期によって急に物価が変わったなど、そういった調達によって原材料の調達費が非常に影響を受けた。こういったことの調整をこの協議の対象にしているわけであって、請負率を掛けるか掛けないか、このことを皆さんみずから基準に定めながら、相手がのまないからこれを別件としますという見解はあり得ないです。これは土木建築部の基準ですよね。

○當銘健一郎土木建築部長 それは先ほど申し上げましたとおり、沖縄県の積算基準では当然として、変更設計の際請負比率を掛けるということになっています。ただし、契約書上は大成建設JVと契約書でつながっております。対等な立場での契約となりますと、契約書に設計変更する場合には、請負比率を掛けると明確に、もしくは第三者委員会が指摘しているように、入札のときに変更があった場合には、請負比率を掛けるということを周知させるなど、そういったことがない限りは、契約書を盾に協議が成立しないということになりますと、今回のようなことになるということでございます。

○仲村未央委員 この点で争うとは夢にも思っていませんでした。皆さんがみずから定めた基準の中に、請負率の前提として、請負工事の設計変更は官積算により―官積算です。相手が言う積算と照合しなさいではなく、請負工事の設計変更は官積算により、次の方法で行うものとするとして、その計算の示し方とした請負比率を掛けるということを、皆さんが基準で定めている。そして、この官積算に相手が合意しないときには第24条を適用して発動しなさい、そうしたら7日間で進む。それにも応じなかったら14日と。つまり早く進む方向に第24条は促しているわけです。それを皆さんは、ぐだぐだと相手が応じないからといって、こうなった経過の中で、ましてや請負率を適用することが前提でなくてもよかったということであれば、みずからがつくった基準を、どうでもいいと読んでいたということですか。

○与世田兼稔副知事 これは、工事価格適正化と受発注者間の双務性向上に向けた取り組みと、これは土木工事積算基準の改正及び総価契約単価合意方式の導入について、国土交通省大臣官房技術調査課事業評価・保全企画官、塩井直彦氏の論文です。この方の御指摘の論文の中で……

○仲村未央委員 今は学者の論文を聞いている場合ではないです。国土交通省の公共建築基準積算にも全く同じことが書かれていて、この全くのコピーが沖縄県の積算基準です。その基準に従ってどうですかということの認識を聞いているわけで、何で論文を持ってくるのですか。

○与世田兼稔副知事 導入の背景として、同じことです。請負代金額の変更があった場合の取り扱いについては、契約書第24条―公共工事の先ほど指摘している契約書です、第24条に基づき甲乙協議して定めることとしています。現状においては、発注者側の契約変更額は、標準積算基準などに基づく単価、官積算単価で算定しているところですが、請負者の技術的特性などが必ずしも十分に反映されていない額となっている可能性があります。契約変更協議段階で発注者の認識が異なり、協議が難航することもあります。このため総価契約単価合意方式の導入により、請負代金額の変更があった場合の金額の算定、部分払いの算定などの単価を前もって協議して合意し、契約変更契約の円滑化などを図ることにします。
 このように過去の問題を踏まえて、総価契約単価合意方式の本格導入がなされています。この背景を考えたとしたら、平成21年1月の時点でどうですかと、私どもの働きかけた弁護士が先ほど言った意見のとおりですという説明をしておりました。

○仲村未央委員 当時の契約の認識として、皆さんはみずからの基準に従うことが当然ではなく、今、るる何かおっしゃるような、そういったことの認識に立って、請負率をのむのまないという判断をしたということですか。自分たちがつくった基準に対して、守らなくてもいいという、それを上回って今の見解のほうが通用すると、だから大成建設JVが言うことに従って協議が難航したという認識ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 私どもは今委員からの御指摘のとおり、変更契約をする場合には、従来から請負比率を掛けてきておりましてし、それが当然です。そういったことで、今回も大成建設JVとはそのことについて話をしておりました。ただどうしても協議が成立しない、協議が成立しないのは先ほど官の積算基準ではそうだと申し上げました。大成建設JVは、また彼らなりの積算があるわけで、これを第三者委員会は大成建設JVは追加費用について、請負率を乗じたのでは、増加費用の支払いがかなり低額になるためと言っているわけで、それを納得させることができなかったと。もちろん大成建設JVについても、従来から請負比率を掛けて契約の変更をしてきたということは、当然御存じのはずです。全国でこれだけの仕事をしている大成建設JVですので、当たり前のごとく請負比率を掛けるということは御存じのはずです。しかし、今回は協議が調わない、調わなかったことに対して設計変更ではなくて、別途工事で随意契約をしたと。別途工事として随意契約をすれば、理論上、請負比率はありませんので、若干90何%かの率でやってしまったと。そのことについては、第三者委員会からも間違いであると指摘を受けております。

○仲村未央委員 ここは争う余地のないところで、行政が仕事するに当たって、皆さんは当たり前の基準にのっとってやってきて、そして請負率を相手がのまないからといって、しかも処理の方法も第24条に従わずに、第三者機関なる根拠不明なものを立ち上げて、それも結局は作動しなかったということですから、何かわからないところで10億3900万円の合意をして、そういった経過があります。ここは非常に大事なところなので、先ほどの副知事の認識に非常に驚きました。これはまた、双方、契約の当事者の認識もありますので、そこも含めて基準の問題について、また相手のことも確認しなくてはいけないのですが。請負率をめぐる認識の中で、副知事は予算特別委員会の中で、相手は弁護士も出てきて、本体工事の中には含まれない別途工事だからという発言をしてますね。これは弁護士も出てきてということになると、これの対応をしたのは県は誰ですか。誰が責任者として大成建設JVの弁護士の対応をしたのですか。

○末吉幸満道路街路課長 副知事の発言ですが、我々が説明したときには、大成建設JV側は当然企業の顧問弁護士がいらっしゃるようです。自分たちの弁護士とも相談してこういったものを、いろいろな資料を、いろいろな協議を持ちかけてきました。私どもが対応しているのは、工事の監督員が対応しております。監督員だけでは事が大きく、難しい場合には技術総括、所長とも相談しておりますし、当然本庁もその報告は受けております。

○仲村未央委員 弁護士は出てきましたか。

○末吉幸満道路街路課長 交渉には出ていないようです。

○仲村未央委員 対応したのは、当然本庁といっても本庁のどなたですか。

○末吉幸満道路街路課長 対応しているのは、南部土木事務所のこの工事の主任監督員と監督員です。本庁は、直接大成建設JVの現場代理人とは、やりとりをやっていないはずです。

○仲村未央委員 同じ予算特別委員会の中で副知事は、大成建設JVは九州支店の支店長が来ていたという発言もありました。これはいつ来ていましたか。どこに来ましたか。

○末吉幸満道路街路課長 大成建設九州支店の支店長が来られのは確かですが、記録が探せません。直接の交渉は、大成建設九州支店の支店長とはやっていないようです。現場代理人と交渉をやっているようです。

○仲村未央委員 副知事、大成建設JVは九州支店の支店長が来ていたと発言をされていますが、3月19日の予算特別委員会です。どこに来ていて、何をしにきましたか。

○与世田兼稔副知事 先ほど聞きましたように、大成建設九州支店の支店長も来ていたやに報告を受けたので、先ほどの答弁になっておりますが、支店長が来ていたという事実だけで、誰とどのような具体的な話をしたのかは承知をしておりません。

○仲村未央委員 どこに来たのですか。

○末吉幸満道路街路課長 南部土木事務所です。

○仲村未央委員 本社の社長は県庁に来ましたか。

○末吉幸満道路街路課長 私のほうではそういった情報はいただいておりません。

○仲村未央委員 副知事の答弁や出どころが、その当時の様子と何か変わっているので、この支店長や弁護士が来ていたという発言の裏づけとなる日付、どこに来たのか、誰が会ったのかについて資料をお願いします。
 次に先ほど、本体工事か別件工事か、相手が請負率をのまないなら本体工事が別件工事になってしまうのかと、こういったことはあり得ません。本体工事は本体工事です。ですから、皆さんは何度も答弁の中で、本当は本体工事でやりたかったけど協議が難航して、仕方がなかった、の繰り返しです。覆工コンクリート、これは第三者委員会の記録に明確に出てきますが、このことを判断した本庁サイドの人間がいますね。第三者委員会の報告書に基づく8ページ、全体の資料通し番号は5-8ページです。この一番最後の段落に出てきます。まず、本庁サイドから、本体工事に含まれるべき覆工コンクリート工事を別件随意契約とすることは、困難であるという指摘を受けた。この本庁サイドというのは誰ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 今、手持ちの資料では特定ができません。

○仲村未央委員 特定できない。その次ですが、そのため南部土木事務所では、別件工事とも見ることができるような工事として、送水管沈下対策工事を選び、これにかかわる工事品目を、本体工事から抜き出した。ということで、これについても本庁サイドが、別件工事と見ることができるという判断をしたのですか。つまり、覆工コンクリートは当然本体工事なのに、送水管沈下対策工事は別件工事として見ることができるという。皆さんは第三者委員会に本庁サイドと、話をしているわけですよね。だから第三者委員会は本庁サイドと書くわけで、このことを知っている方は、本庁サイドの誰かわかって言っているんですよね。

○當銘健一郎土木建築部長 本庁とも相談をして、送水管沈下対策工事を新たな工事として抜き出すということは、本庁と協議した結果だということです。

○仲村未央委員 本庁というのは誰ですか。終わった工事を本体工事から抜き出して、これだったら別件工事だと見ることができるということに同意をした本庁の職員がいるわけでしょう。だから、予算も何もかも通っていくはずですよね。

○當銘健一郎土木建築部長 まずは書類がありませんので、どこまで相談をしてどういった了解をもらったのかということは、よくわかりません。少なくとも、本庁では送水管沈下対策工事が終わった工事という認識はなくて、新しい工事だということであれば、抜き出せるのではないかということだったようですが、これは土木建築部道路街路課でとまっているのか、それ以上にも説明しているのかはわかりません。

○仲村未央委員 その工事が終わっていた認識はなくてということが、本当に皆さんの検査体制―朝は沖縄総合事務局の検査体制、検査の指摘が強く出ましたが、終わった工事なのか、そこから抜き出しているのかすら県庁の中で、検査員が確認をすることは仕事の当然の範疇ですが、それはわからないのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 まさにそういったところが、第三者委員会からも指摘をされているところです。工事管理の今までのずさんさや、本庁の管理、対応がしっかりとしてなかった部分があるということです。

○仲村未央委員 そもそもこの低価格入札者と契約する場合の措置、皆さんがとられる措置、第10条には監督検査業務を強化するということが明記されています。今言うような、法適合性、検査の強化は当然、この低価格入札であれば、強化される。つまり、通常でもこれはされなければならないが、強化される業務なのです。強化しましたか。

○末吉幸満道路街路課長 このトンネル工事は当然、我々技術サイドからは非常に難しい工事だと思っています。それが現場の体制として、それをカバーできる体制だったかと思うと、今となってみれば足りなかったのではないかと。人員的には非常にきつかった仕事を職員にさせたという反省があります。

○仲村未央委員 これは知事の決裁にかかわる大変なことです。つまり、最初の当初契約は県知事決裁です。そして、低入札の価格でその決裁を通した責任者は知事です。皆さんはこの低入札で十分に履行が可能だということを、こういったことを立証したという前提で、ここに入札をさせているわけです。そうであれば、今の検査業務の強化がなされなかったという実態の中から、このことの一連のてんまつで、先ほどから言うように、終わった工事を抜き出すことも庁内で気づけないような、こういった体制そのものの最高責任者は、当初設計にかかわった知事の決裁です。

○當銘健一郎土木建築部長 確かに20数億円の決裁権者は知事ですが、その後現場の状況に応じた設計変更等は、知事まで上げたという事実はないものと考えております。技術的判断が必要ですので、せいぜい土木建築部長どまりが通常です。先ほどの低入札のことについても、低入札価格調査制度要領を定めておりますので、それに基づいて調査を実施したところ、契約の内容に適応した履行がなされると認められましたので、大成建設JVを落札者として決定をいたしました。

○仲村未央委員 低入札に係る調査の要領、その判断は請負者側だけに低入札の履行が求められるのではなくて、適切な低入札によってこのことが完了保証できますかという体制は、同じように発注者にも問われます。ですから、発注者側で監督検査業務を強化しなさいということが、第10条にとるべき措置として明記されています。皆さんはそれを踏まえて、低入札をして、このことがオーケーですと言って落札をした経過がある以上、今の決裁にかかわる問題は直接的に知事です。このことは指摘しておきます。
 次に副知事にお尋ねしますが、請負業者への返還請求、このことはどうなりましたか。

○与世田兼稔副知事 現在検討中であり、議会で土木建築部長が既に答弁していると思いますが、一つの法律事務所は、なかなか私が先ほど説明したルールの関係で難しいという意見を述べております。もう一つは、47.2%というのは、公共のある程度のルールのような形、慣行的な形で承知しているはずなので、それを踏まえれば、それを超えた金額は返還できる可能性もあるのでないかという2つ見解がある中で、現在さまざまな見解が来ておりますので、私どもとしては、どのような方策をするかについては、今のところ検討中のまま結論が出せていません。

○仲村未央委員 契約の当事者の責任というのは、双方、契約の当事者として当然―これだけ県民に不利益をもたらしたと、一般財源から返還金が出たわけですから、要求をすることは当然だと思いますが、返還請求がなぜこんなに皆さんの判断に時間がかかるのですか。

○与世田兼稔副知事 先ほども述べましたような形で検討中という状況です。やはり告訴、告発もあった中で沖縄県として、どのような対処をするのかという結論が出せていないという状況です。

○仲村未央委員 先ほどの質疑ではっきりとお答えにならなかった、工法の変更に伴って安くなったのかと。安くなったとすれば幾ら安くなったのかという答えは、いかがでしょうか。工法の増額、私たちには大成建設JVから出されている増額の要求。結果として、皆さんが合意をした10億3900万円の増加分も含めて、どうみても工事費は増額をしたように見えますが、先ほど来言うように工法の変更によって、本当に当初の皆さんの事前の合意があったと言われるような安価な場合、それが有利である場合は変更をするという、このことに適合していたのかどうかについて、答弁をお願いします。

○當銘健一郎土木建築部長 中央導杭方式から無導杭方式へ変えた、工法の変更に限って言わせていただければ、工事費は安くなったと。ただ、それ以外にやらなくてはいけない工事が出てまいりましたので、そういったことを相殺する中で、第1回目の変更では同額になっています。 

○前田政明委員 ほかに質疑はありませんか。
 前田政明委員

○前田政明委員 副知事にお聞きします。虚偽公文書作成行使罪、補助金適正化法違反で刑事告発をされて、警察の家宅捜索が行われると、こういった状況の中でまずは沖縄県として、これをどのように考えているのか、そこのところの基本的な認識についてお聞きしたいと思います。

○与世田兼稔副知事 私どもとしては、県庁内にも南部土木事務所にも警察の捜査が入ったということは、本当にあってはならないことだと思っています。今後このようなことがないように、本当に反省をして行政の全ての処理についての改めるべきところは、改めていかないとけないと基本的には強く、重く受けとめております。   

○前田政明委員 さかのぼりますが、先議の議論がされたときに私は犯罪ではないかと、虚偽契約を含めて犯罪ではないかと。それを知り得た以上は告訴、告発をするべきではないかと発言したことがあります。そのときに、副知事はそうではないと、虚偽ではないと、そういう面では犯罪要件は云々と。そういう面で告訴、告発するつもりはないという趣旨の答弁を本会議やっていますが、これは現時点で、警察の動きそういった状況にある中で、今どのように考えていますか。

○与世田兼稔副知事 まず答弁の基本的な考え方としては、当時も現在も個人的な意見としては変わっておりません。しかしながら、現状で県警察としての捜査も入っている以上は、沖縄総合事務局―国からの告発を受けて沖縄県警察が捜査に着手している以上は捜査の結果を粛々と受けて見守るべきであって、個人としての見解として、犯罪が成立するか否かというコメントを述べる立場にないと思っておりますので、沖縄県知事もたしかコメントされたかと思いますが、捜査を見守っていきたいということが現在の意見でございます。

○前田政明委員 私は明白な虚偽、公文書偽造行使が行われているのにもかかわらず、今もなお犯罪要件にはならないと、そのように思っているところに大きな、ある面では何でもできる、すなわち私に対する答弁は虚偽ではないと。この文書は偽りの文書ではないと、皆さんが作成した文書だと、だからこれは虚偽ではないという趣旨の答弁でしたよね。

○与世田兼稔副知事 まず基本的には追加工事は実態としてやっておりますと。そういう意味で、工期の点はさておいてですが、実態5億円、何がしかに相当するような工事がなされているか、なされていないか。追加と処理するか新規契約にするかは別ですが、工事がなされていることは事実でございますよという趣旨で、内容全体が全くやっていない、工事もしていないのに架空の工事を実施したように偽ったという事実はありませんよ、というように答えた次第でありますし、現在もその認識には違いはありません。

○前田政明委員 これは、いわゆる不正の手段により補助金が云々とありますが、副知事の御答弁は、不正の手段が講じられても、もともと補助金などの交付を受ける資格のあるもの、ある事業に対し正当な金額を受理した場合は、補助金等不正交付罪を構成しないものと解すべきである。このようになっておりまして、現実からかなり古い判決ですがと紹介をして、そういう意味で、たとえ不正等と目される手段が講じられても補助金など、間接補助金などを交付されるべき資格のある事業などについて、正当な金額が講じられて交付される資格のある事業者等について、正当な金額の交付を受けた場合はこれは含まれない。という形で、本件識名トンネル工事は適正な補助事業でございまして、そういう意味では刑事事件になると思っておりませんので、沖縄県として告発等の考えは今のところございませんという考え方は、基本的に変わらないということですね。

○与世田兼稔副知事 先ほども言いましたように、沖縄県警察が既に動いている以上、それについて犯罪が成立するかどうか、しないかどうかについては、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。ただ、御指摘の判例があるということは、私も引用しておりますし、それはどういったことかと申しますと、まさに今委員が読まれたように、不正の手段と目すべきような方法があったとしても、本来補助金として出る事業体であるのであれば、補助金適正化法違反にはなりませんという判例の見解が、述べられておりますという考え方を示しただけでございます。

○前田政明委員 私はやはり県民に謝罪をし、本来なら法律を守るべきだと、そういった基本的なことから言えば、今の副知事の見解は弁護士としてはどうかわかりませんが、副知事としては大きな疑問も残るし、皆さんもそういった考えだからこそ、今回の虚偽事件が起こる背景にあったのではありませんか。その自覚はありませんか。

○當銘健一郎土木建築部長 その当時の担当者を含めて、関係者は虚偽の公文書作成に該当すると思っていなかったわけです。

○前田政明委員 皆さんは、今も終わっている工事を抜き出して補助金を取るためにやったことは、虚偽ではないという認識ですか。 

○當銘健一郎土木建築部長 今回の工事については、当然のことながら補助事業として行うべき事業だと考えております。設計変更という手続をきちんととるべきものだったと思っております。協議が成立しなかったということになれば、契約書上の手続、すなわち14日以内に協議が調わない場合には受注者に通知する、あるいは工事をとめてでも紛争審査会にかけるなど、そういった所要の手続をとるべきであったと考えております。

○前田政明委員 ごまかさないでください。私はそういった抜き出しをしたことは、虚偽の行為ではないのかと。そういう面で、こういった形を行うことは虚偽文書作成行使に当たるのではないのかと。

○當銘健一郎土木建築部長 平成24年9月21日の金曜日に沖縄県警察の強制捜査を受けました。これは委員の御指摘のように、虚偽公文書作成、同行使あるいは補助金適正化法違反というものの容疑、そういった疑いがかけられているということで、沖縄県警察でそういった捜査が進められていると思いますので、そのことについては、コメントは差し控えたいと思います。

○前田政明委員 私は明確に虚偽文書作成行使、補助金適正化法違反だと思います。詳しいことは先ほど質疑がされておりますので、戻ります。工法変更がありますが、皆さんは12月議会に出して、すぐに年を越してとめていますが、これがなぜ2月定例会に、今の事態が落ちついたもとで出すことをしなかった理由は何ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 第1回目の変更については、同額変更ということで、金額に変更がありませんので議会にかける必要がないものと考えた、中身の変更だけをさせていただきました。

○前田政明委員 私が言っているのは、皆さんは中央導杭方式でずっときていますが、今のいろいろな流れから言いますと、無導杭方式に行く検討委員会もやっていると。大体そこでは見えているわけで、そういう面では、全体的に入札ですので、細かく地質も調査して、実施設計などをやりながらそれなりのコンサルに委託して、それなりに仕上がってきた、それなりに我々議員に対しても、すなわち議会に対して、そういう面でしっかりと審議をする意味でも当然これらの問題があれば、今の動きから言えば工法について定まったときに、きちんとして議会にかけることが本筋ではないのかと思います。それを、同額変更であるから関係ないと、ただ行政のやり方として工法を変えたということは、私はいかがなものかと思います。その辺の説明をお願いします。

○當銘健一郎土木建築部長 当初、先進導杭方式や中央導杭方式と言われる在来工法でのトンネルの工法を想定して、契約の案件で県議会にも諮って議決をいただいたところでございます。その後、先ほども申し上げましたとおり、その当時いろいろな箇所で使われておりました無導杭方式の実績が出てきた段階で、専門の先生方を集めた技術検討委員会の中から、無導杭方式のほうが有利であるという提言を受け、それを発注者である県として、無導杭方式に変更したいということを業者に協議しましたところ、協議が成立いたしましたので行ったところです。ただ、同額変更については、無導杭方式に変えるもの以外の工事等もありましたので、プラス、マイナスをして同額ということにさせていただいたということです。

○前田政明委員 私がこだわるのは、結局県議会でも無導杭方式に基づく議論は議案審議のときも含めてしていないのですよね。それも含めて説明をしましたか。  

○末吉幸満道路街路課長 12月議会のときにも、工法の説明はされていないと思います。ただ予算の金額と低入札であったと。低入札であったから当然そのときにこの金額でできるのかと、安全性、品質面は大丈夫なのかなどの質問は受けました。それに対して、我々は低入札の調査をして、業者も低入札でできる理由、あるいは品質関係、管理体制もしっかりとやると議会に説明をいたしまして、同意を得たところです。

○前田政明委員 そのときに議会に出された工法は何でしたか。

○末吉幸満道路街路課長 そのときには中央導杭方式です。

○前田政明委員 それは、我々議員がわからなかったと、だからどうなのですかというように受け取られます。要するに私はここは非常に疑問に思います。確かに低落札の部分に目が行ったと。しかし、皆さんは実際上は腹の中では、これは中央導杭方式でやって、議会で通った後は同額で変えればいいのではないかと。そういう面では、議会では問題にならないと踏んでいたのではないですか。

○當銘健一郎土木建築部長 先ほどから申し上げていますように、在来工法といいますのは中央導杭方式―先進導杭方式が数多い実績があるわけでして、その当時はちょうど過渡期にあったと。無導杭方式の工法がある程度実績が積み上がってくるような状況にありました。それは行政マンである―我々技術者ではありますが、それだけでは、なかなか無導杭方式については、きちんとした分析ができませんので、専門の先生方に議論をしていただきまして、御提言をいただいて変更をしたということです。

○前田政明委員 では改めて識名トンネルのコンサルタントの委託の経過、発注した金額について一つ一つお答えください。

○末吉幸満道路街路課長 まず平成5年度に真地久茂地線の識名トンネル実施設計業務委託を、日本工営株式会社に発注しております。

○前田政明委員 昭和63年から答えてください。皆さんの議事録から出ているものです。皆さんは何年もかけて検討してきているわけだから。昭和47年度真地久茂地線事業採択、昭和63年度からのトンネル調査、測量委託から答えてください。

○奥平一夫委員長 休憩いたします。
  
   (休憩中に、末吉道路街路課長から質疑内容の確認がされた。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。

○當銘健一郎土木建築部長 昭和時代に確かに都市計画のための測量調査等をやっていますが、そのときの委託業務の相手先、あるいは金額等が手元にございません。平成に入ってからのものになります。これは後で調べて。

○奥平一夫委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、前田委員から答弁できる年度からでよいとの指示があった。)      

○奥平一夫委員長 再開いたします。  

○末吉幸満道路街路課長 平成5年度に日本工営株式会社、南伸共同企業体に4202万4000円で、識名3・3・3真地久茂地線(識名トンネル実施設計業務委託)を発注しております。続いて、平成9年度に識名トンネル構造形式検討業務委託を、日本工営株式会社に1396万5000円で委託しております。続いて、同年度に識名トンネル実施設計業務委託を日本工営株式会社に4300万1700円で委託しております。続いて、平成16年度識名トンネル修正設計業務委託を、日本工営株式会社に1749万3000円で委託しております。平成18年識名トンネル(仮称)設計施工検討業務委託を、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所に1501万5000円で発注しております。平成19年度識名トンネル(仮称)設計業務委託を、日本工営株式会社に1096万2000円で発注しております。

○前田政明委員 そのときの内容は。

○末吉幸満道路街路課長 まず平成5年度の業務委託内容ですが、双設トンネルの詳細設計。いわゆる眼鏡トンネルのことになります。平成9年度の委託業務内容は道路構造令の改定、トンネル内の歩道、幅員の縮小規定の廃止ということで、構造形式を見直して中央導杭方式を変更しております。同じく平成9年度の識名トンネル実施設計業務委託の内容は、中央導杭方式の詳細設計。平成16年度の業務委託の内容は、道路トンネル技術基準の改定に伴う見直しになっています。平成18年度の社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所に発注しておりますのは、技術の支援等です。平成19年度の日本工営株式会社に発注しているものは、無導杭方式への変更に伴う修正設計です。

○前田政明委員 皆さんからもらった資料で、昭和63年度のトンネル調査測量委託、平成2年度に識名トンネル予備設計地質調査、これを日本工営株式会社に委託しています。この金額が幾らなのかがわからないので、詳細については、ぜひ提出していただきたいと思います。平成5年から識名トンネルで、日本工営株式会社、中央導杭方式決定が平成5年6月18日から平成6年2月15日までの工期出しています。平成9年度識名トンネル予備設計委託構造形式の変更ということで、日本工営株式会社に先ほどあった金額ですが、中央導杭方式決定と。平成9年度、これも中央導杭方式詳細設計ということでされていて、先ほど言いました4300万円を超える額で、日本工営株式会社に委託し、中央導杭方式に決定と。また、平成16年度識名トンネル修正基準見直しで、これも日本工営株式会社に1700万円を超えて、これも中央導杭方式で決定と。平成18年度識名トンネル設計施工、技術検討委員会、ここで初めて社団法人日本建設機械化協会総合研究所が出てきます。そうしながら無導杭方式へ変更と言いながら、先ほどありましたように、平成19年度に長年かかわってきた日本工営株式会社、ここにも無導杭方式の工法変更を求めている。そうしながら、工事再開で平成20年2月7日に第1回変更実施計画が出てきますが、平成19年度識名トンネル設計施工検討、ここで日本建設機械化協会総合研究所が出てきますが、なおまた平成20年度識名トンネル修正設計業務で日本工営株式会社がとっている。そういう意味で、率直にお聞きしたいことは、工法変更のためにコンサルタントの金だけでも幾らかけてきたのですか。

○末吉幸満道路街路課長 平成5年度以降ということで限定させていただきますが、1億4246万700円です。

○前田政明委員 その内、日本工営株式会社には幾らですか。

○末吉幸満道路街路課長 1億2744万5700円です。

○前田政明委員 先ほど言いましたように、そういった形で日本工営株式会社なりずっとかかわってきて、工法問題についてはいろいろと議論してきていたと。そういう面で、先ほどの議論の中で工法変更の必要性については皆さんはいつごろから、変更の提案なりそれをやったほうがいいなというように判断しましたが。

○當銘健一郎土木建築部長 正式に工法変更について指示をしたのは、平成19年4月2日です。工法の変更をするということで、平成19年1月11日には工事の一部を中止しています。

○前田政明委員 その間、何カ月ですか。要するに工事をとめて変更までの期間は何カ月ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 平成19年1月に一時中止をかけて、再開したのは平成19年8月ですので、7カ月弱です。

○前田政明委員 落札してからは何カ月ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 本契約は平成18年12月22日ですので、契約日からは8カ月強ということになります。

○前田政明委員 なぜ、1億円を超える予算を使いながらあえてやったのかと。そういう意味では、必ずしも皆さんが言っている眼鏡方式だけがいいだけではなくて、やはり日本工営株式会社はかなり資料を見ても、それなりのところだと。そういう面で非常に奇異に感じることは、社団法人日本建設機械化協会総合研究所は平成18年度から急に出てきますが、なぜそこを選びましたか。

○當銘健一郎土木建築部長 社団法人日本建設機械化協会の施工技術総合研究所は、トンネル関係に限ってみてもかなり幅広く技術支援をしております。また、国に対する工事、各都道府県に対する工事を含めて、たくさんの技術的なノウハウも含めて持っているということで委託をしました。

○前田政明委員 この社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所の生い立ちはどうですか。

○當銘健一郎土木建築部長 社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所は、技術の向上並びに建設事業の合理化を図ることを目的として、昭和39年に社団法人日本建設機械化協会の附属機関として設立をされました。当初は、建設機械化研究所と称していたということです。その後、平成14年には施工技術総合研究所、現在の名前に至っています。

○前田政明委員 なぜ急に出てきたのかと、今はまだ十分に調べていませんが、インターネットで調べた限りでは、内務省土木試験所―大正時代からこういって、運輸省云々で国土交通省土木研究所という流れでしょうか。そういう面で独立行政法人土木研究所になっていますが、これは結局は政府の研究といいますか、関連団体だったわけですよね。

○當銘健一郎土木建築部長 これは社団法人でございます。

○前田政明委員 社団法人になる前は何でしたか。

○當銘健一郎土木建築部長 私どもが持っている資料からいたしますと、直接土木研究所とは関係のない団体でございまして、昭和39年に社団法人として設立をされており、その後、平成に至って名称が変わっているということです。

○前田政明委員 ここはまた別の機会にやるとします。いわゆる建設省関係含めて、かかわっているのではないかと思って。
 もう一度戻りますが、工法がまだ定まらない中で、工法を変えたほうがいいという提案をしようという認識を持ったと先ほどありました。工法変更について、やはりこれは変えるべきだと提案したのは、誰が判断しましたか。

○當銘健一郎土木建築部長 技術検討委員会の提言を受けて、発注者である沖縄県で工法変更するべきだと判断しました。その前の段階で、誰が無導杭方式にするべきだと考えていったのかというところは、明確ではありません。これは先ほどから申し上げていますように過渡期にあって、無導杭方式というのが例えば、豊見城トンネルや比屋根トンネルで使われていたということがあります。

○前田政明委員 平成19年度に長年かかわってきた、日本工営株式会社に無導杭方式の工法変更も委託していますよね。

○當銘健一郎土木建築部長 図面の修正を委託しております。

○前田政明委員 無導杭方式への工法変更の内容ですよね。

○當銘健一郎土木建築部長 工法変更に伴う図面の修正です。

○前田政明委員 本来ならば、ずっと皆さんの流れを見ますと、平成2年、日本工営株式会社に地質調査なども含めて、委託や実質的な設計などその他ずっとしてきて―平成19年度も委託しているが、日本建設機械化協会施工技術総合研究所を選んだ理由は何ですか。  

○當銘健一郎土木建築部長 日本建設機械化協会施工技術総合研究所は社団法人でございますので、株式会社ということではありませんし、また、先ほども申し上げましたように国土交通省を初め、例えば沖縄総合事務局のトンネルの技術支援業務なども数多くやっているところでしたので、工法の変更、特に最近よく出ている無導杭方式についてのノウハウなど、そういったものがあるということでお願いをしました。

○前田政明委員 長年―平成2年から日本工営株式会社がかかわってきて、平成19年まで17年間かかわってきて。皆さんは、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所に対する委託は競争入札ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 随意契約です。

○前田政明委員 私はそこが不思議です。そういった面で、先ほど言いました日本工営株式会社も日本ではトップクラスですよね。ここは全く無導杭方式などの経験はないのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 無導杭方式の経験が全くないとは思っていませんが、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所のほうが、いろいろな技術支援の業務を行っており、また検討委員会を設置するためには、いろいろな大学の先生など、研究員クラスの方々にお願いしなくてはいけないということがあり、それが円滑にできるのが社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所ということで、委託したものと考えております。

○前田政明委員 それは先ほどの天下りの団体だから、日本建設機械施工協会、旧社団法人日本建設機械化協会で出てきましたが、国土交通大臣が認定した子会社で云々。私は、普通は12年間も工法等も含めて全国的にも実績がある日本工営株式会社がずっとかかわってきて、無導杭方式についても先ほど言いました工法変更のコンサルタントも1096万2000円ですか、これで平成19年5月に受託をしていると。そういった流れの中で、なぜ新たにそういったことをしたのかが不思議です。普通はここに疑惑があります。そういった面で非常に不思議です。工法変更をしたことも不思議ですが、突然12年余りも識名トンネルの問題について最も詳しいと思われる、全国的にも実績のある日本工営株式会社ではなくて、天下りの組織の社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所。
 先ほど言いました大学の先生もここにメンバーとしてありますが、この先生方はここの会社でなければ呼べない人たちですか。委託契約書の中にメンバーがありますよね。そういう面で大事なところです。もう一度お聞きしますが、なぜ12年もおつき合いのあった日本工営株式会社ではなくて、また無導杭方式の実績もあると、なぜ随意契約にしたのか、ただ単に、学者や文化人など専門員を呼ぶことができるから、選んだということだけが理由ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 随意契約の理由について、少し読み上げさせていただきます。今回、委託予定の検討業務は別件は中工事、識名トンネル(仮称)新設工事の設計成果の精査及び施工方法に関する検討業務である。識名トンネルは市街地に計画されたトンネルであり、地上部に多くの住宅等が密集していることから、安全で経済的な施工を行う必要があり、通常のトンネルよりなお一層慎重な施工が必要である。上記業者は最近の新たな技術を導入した施工実績や眼鏡トンネルに関する技術検討の経験等があり、また識名トンネルと同じ地質条件(島尻層の泥岩)における、眼鏡トンネルの施工技術検討を行い無事に貫通させた実績がある。工事及び安全で経済的な施工を行うための技術的な支援を受けるため、随契契約を行いたいという理由でございます。

○前田政明委員 日本工営株式会社はこれに全く当たらないと。要するに12年間やってきて、無導杭方式の実績もある日本工営株式会社はそれだけで外して、随意契約をするということにはならないと思います。委員長、これは後でぜひ日本工営株式会社の代表なども呼んで、今の経過を聞かないといけないと思います。それだけの理由で、今ここに書いてあるだけの理由で皆さんは、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所を選んだということでいいわけですよね。

○當銘健一郎土木建築部長 先ほどの随意契約理由、先ほど申し上げましたように、いろいろな実績がたくさんあると。例えば、平成20年度の実績を見ますと、県内でも沖縄総合事務局や南部土木事務所など、いろいろな業務を受けているところです。

○前田政明委員 豊見城トンネル見ました。ずっとやっている、それが目玉でしょう。私が言いたいことは、そんなものではないのではないですかということです。私は日本工営株式会社の立場をとっているわけではなくて、どのような癒着があるのかという問題意識で見ていました。競争入札ならばこの12年間もやってきて、それぞれの地質も状況もわかる、無導杭方式もできると。そういう意味で、ただ単にこの実績だけで―豊見城トンネルをやりましたなどいろいろと資料はついています。そこに私は非常に疑惑があると、これは常識では考えられないということで、そこは納得しないということで述べておきます。私はここの選定において、常識的にはあり得ない何らかのかかわりがあるのではないかということで、非常に興味を持っています。
 先ほど仲村委員からもありましたように、この検討委員会ですが、検討委員会の議事録しかありません。検討委員会での細かい図面といいますか、設計報告積算書、図面はなくただ単に議事録のみです。社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所は変更設計を随意契約の委託をしながら、設計報告積算書、図面がなく単なる議事録のみ。先ほど読み上げていたところですが、この識名トンネルの無導杭方式に関する検討ということで、ほんのわずかでいろいろなわけのわからない話が、名前が誰とはないもので。いわゆる豊見城トンネル、比屋根トンネルにおいても無導杭方式を行った場合、先進導杭方式云々と何か検討を行っているのかという質疑に対していろいろと聞きながら、これはわずか1回です。わずか1回でほとんど無導杭方式、工法を変えましょうということがこれではさっぱりわからない流れで、我々にはこれだけしか出されていません。議事録はこれだけですか。議事録は本当にここに出ているだけですか。

○末吉幸満道路街路課長 改めて、9月13日の請求資料にこの識名トンネル工事契約問題調査特別委員会の資料を全部提出させていただいております。この委託業務の中に第1回議事録とありますが、14-A-1ページからが議事録でして、14-A-9ページからが第1回委員会資料ということです。この委員会の資料等も社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所が作成しております。

○前田政明委員 13-Cページとか、設計業務委託契約書とかその辺にかかわることを資料と言っていますか。

○末吉幸満道路街路課長 この太い資料をお持ちでしょうか。この14-A-1ページからというものになります。第1回議事録が14-A-1ページから14-A-8ページです。14-A-9ページという第1回委員会資料がありますよね。14-A-9ページから14-A-109ページ、後半はボーリング調査の写真などのデータですが、こういったものがこの委員会の資料です。平成18年度の第2回委員会議事録が14-B-1ページからです。その資料も全て添付しています。

○前田政明委員 この資料については勉強しますが、ここで確認したいことは、先ほどの理由だけ、随意契約にした理由は、先ほど読み上げたこの契約書の前文のなぜやるかという理由ということで、今回、委託予定の検討業務は云々と、最近の新たな技術を導入した施工実績や眼鏡トンネルに関する技術検討の経験等があり、また識名トンネルと同じ地質条件における眼鏡トンネルの施工技術検討を行い、無事に貫通させた実績があるからということですよね。しかし、皆さんが地質調査などその他を依頼したのは日本工営株式会社ですよね。それならばここに書いてある地質条件の問題など―地質調査を平成2年度に日本工営株式会社に委託していますよね。それに基づいて結局はどういったトンネルがいいのか、どのようにしたほうがいいのかということで設計してきますよね。そして予備設計委託、そういったことで中央導杭方式でと。やはり議会にかける精査された最終の成果品、これをもっていわゆる中央導杭方式ですと入札にかけたら、非常に低入札になったということで、成果品は日本工営株式会社がつくったもので我々議会に諮ってきましたよね。そういったことをしておきながら、ここはこれ以上言っても答えられませんでしたが。それを判断したのは誰ですか。そういった形で、日本工営株式会社ではなくて、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所に委託をするべきだと提案したのは誰ですか、そしてそれを決裁したのは誰ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 発注する前にどのような議論がなされたかは細かくは承知をしておりません。これは南部土木事務所長決裁で行っておりますので、南部土木事務所の中で、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所に委託することが適切であるということで、随意契約の理由で発注したと承知しております。

○前田政明委員 工法変更の最終の決裁は誰ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 工法変更については、同額の変更になっていますので本庁土木建築部道路街路課長です。

○前田政明委員 土木建築部長、副知事、知事のかかわりは全くないですか。

○當銘健一郎土木建築部長 工法や技術的なもので、金額の変更を伴いませんので土木建築部長までは行きません。

○前田政明委員 随意契約、これまでの日本工営株式会社ではなくて、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所に委託をすると、そういったことを決することに関して、知事も副知事も一切関与していないということですか。

○當銘健一郎土木建築部長 知事、副知事に確認したわけではありませんが、通常こういった土木事務所長決裁のものについては、本庁も知らずに土木事務所長のもとで決裁をするケースが多いです。

○前田政明委員 本来は起こり得ないことが随意契約で起こっているので、皆さんと同じ認識ではありません。このようなことをやるということは、単なる土木事務所の所長や課長、部長ではできないのではないかと。ましてや政府の天下り組織に思い切ってポンと。その理由が、たまたまいろいろな専門家の方を呼ぶことに適していると、経験があるということでは非常に疑問を持っています。これは証人喚問、その他含めていろいろとやり方がありますので、私が確認しておきたいことは、知事、副知事、土木建築部長は一切かかわっていないということでいいのかということです。

○當銘健一郎土木建築部長 社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所への委託については、南部土木事務所長決裁で行いましたので、本庁は知り得ていないということです。工法変更についても土木建築部長以上の方に了解をとったということではないということです。

○前田政明委員 社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所の仕事は、具体的にはどういったことですか。私からすると、司会をして専門家の皆さん意見を述べてください。中央導杭方式ではなくて無導杭方式はどうですかという司会をして、それでいいですかと1500万円。毎回これで1000何百万と。このような司会的なことをして、専門家の先生どうですかと、そのほうがいいですかというこの程度の仕事ではないかと。それで1回に1500万円、これで4000万円以上、あえて随意契約でお願いをしている。これを見た限りでどのような難しい仕事しているのかと。この請負契約の中身は何ですか。どういった難しい仕事ですか。

○末吉幸満道路街路課長 23-C-1ページで、先ほど前田委員が随意契約理由をごらんになっている下のほうに業務内容が書かれております。設計成果の精査は、当然最初の設計は日本工営株式会社がやっていますが、その精査です。また施工法や施工手順の検討、あるいはFEMの解析、施工検討委員会は識名トンネル工事を安全に施工するための運営等の委託ということでやっています。 

○前田政明委員 議事録を見る限りではこの範囲の仕事ですよね。要するにこの議事録に書かれている範囲の仕事ですよね。

○末吉幸満道路街路課長 先ほどの議事録ではなくて、この委員会の資料として添付してあります第1回委員会資料、第2回委員会資料、平成18年度あるいは平成19年度委員会資料のデータ等といいますか、業者のほうで作成しております。

○前田政明委員 施工方法、施工の検討などいろいろありますが、こだわりますがやはり常識的に見たら、12年間もかかわってきて、全国的な経験もある日本工営株式会社が、こういったものをやってもおかしくないのではないかなと思います。そういう意味では、施工方法、施工手順の検討、詳細設計成果の精査を、わざわざこれまで余りつながりもないところに持ってきて、公正な委託契約を締結しましたということで、設計業務委託云々とありますが、そこは私は非常に大きな疑問だということを指摘します。副知事はこの件についての認識はいかがでしょうか。私は先ほど言いましたように、識名トンネルの計画からして、12月議会に変わるべきことが予想される中央導杭方式の成果品で議会にかけて、年を越してすぐに工法を変えると。これまでは日本工営株式会社で12年間かかわってきて、無導杭方式の経験もあると。そこではなくて、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所とわざわざ随意契約をする。こういったやり方は私は、行政の継続などいろいろな方向からしても、なかなか納得いきませんが、そこは副知事としてどのような考えですか。

○与世田兼稔副知事 この問題の反省すべき点で言いますと、今の御指摘のところは十分に反省するべきだと思っています。積み上げてきた長年の先進導杭方式という工法から、その工法で入札手続を終えて後に単価的に安いかどうか、あるいは新しい技術的な水準があったとしても無導杭方式に変えるに当たって、同額だからいいですという手順が、実は業者側にさまざまな場面の中で強い主張の根拠になっている。そういう意味では、やはり工法の変更も踏まえたら、一番最初の段階で、手順としてやるべきことという言い方で言えば、いかがだったのかなということは私自身、土木建築部と調整をする際に、あるいは、今後を含めて反省する場合には、きちんと押さえるべきだったと、そういう点では同じです。 

○前田政明委員 私は随意契約の理由にはならないと思います。このような形でやられたら。本当に今の理由では随意契約になりません。これを競争入札ではなくて、随意契約なんです。

○与世田兼稔副知事 今、委員の御指摘が工法の変更かと考えて答弁いたしました。いわゆる社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所に、無導杭方式の採用についての検討を随意契約で発注したかどうかという御指摘に関して、今の御質疑の趣旨と聞いておりますと、長い間かかわってきた日本工営株式会社で十分できるのではないかと。それをあえてなぜ社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所にしたかと言われますと、やはり従前の設計として、先進導杭方式という形で検討をして、設計をしてきた。この設計を改めて見直すという手順ですから、普通に考えてもやはり第三者機関といいますか、きちんとした御意見をいただける。要するに、公正な意見を述べる専門家の意見をいただくことは、公共工事における契約、あるいは工法変更においてはしかるべき手続ではないかと思います。そういう意味においては、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所を選んで御意見をいただくことは、よかったと思います。 

○前田政明委員 私がなぜこれを聞いているかと言いますと、技術検討委員会は沖縄県が主催しましたか。

○當銘健一郎土木建築部長 沖縄県が社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所に委託した中で、委託業者が組織した委員会です。

○前田政明委員 そこです。要するに大事な工法変更を沖縄県は考えていたと。発注者である県がこうしようという主体的というよりは、どちらかというとそれを委託をすると、委託をするならば当然長年かかわってきたところがこうですと―私たちも無導杭方式も経験があると。そういう面では全体的な専門家の方々含めてどうしましょうかということに関しては、十分に応えられたのではないかと思います。その中に県のメンバーが―沖縄県土木建築部道路街路課長、同部南部土木事務所長、こうった方々と東京都立大学名誉教授、琉球大学名誉教授、山口大学名誉教授、土木研究所上席研究員など。そこにわざわざ社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所を持ってくる理由は、本来の契約は競争入札を原則とするという立場で言えば―先ほどの副知事の話は一般的になっていましたが、私はここに先ほどの混乱の原因とあわせて、なぜこのようなことまでしないといけないのかと。随意契約は一般的に簡単にこのようなことをやるのですか。そういう面では、先ほど言いましたように、長年地質調査などもやっている日本工営株式会社と随意契約してもおかしくなかったのではないですか。それを外して、ただ単に豊見城トンネルなどの実績があるから、都市部だからそのほうがいいということだけで随意契約をするならば、何でも皆さんが思うとおりの契約ができるのではないかという疑問がここにあることが、大変な問題だと思います。今、随意契約について聞きます。

○當銘健一郎土木建築部長 確かに随意契約については近年、非常に厳しい目で見られていることは事実です。今回の平成18年の随意契約については、南部土木事務所で、先ほど読み上げました随意契約の理由によって―今、委員のおっしゃっていた日本工営株式会社も頭にはあったと思いますが、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所が、無導杭方式と中央導杭方式を比較検討するに当たっては、適切であると判断したものと考えております。

○前田政明委員 先ほど責任者の判断も聞きましたが、再度繰り返しますが、知事三役一切かかわっていませんね。

○与世田兼稔副知事 私が就任する以前の話ですので、私自身の経験として申し上げるわけにはいきませんが、契約のルール、決裁権のルールにのっとったら関与していない形になっているので、間違いないと思います。

○前田政明委員 私は先ほど言いましたように、日本工営株式会社はいろいろと全国的にやっているので、そういう面ではある意味で癒着があるのかと、なぜこのようなことが起こったのかと思っていました。虚偽契約の問題が起こって、どうしてなのかと思っていました。そして、いつ社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所が出てきたのかということです。
 戻りますが、安くなるかということで大成建設は細かく比較表を出していますよね。私たち素人ではわかりませんが、一つ一つ、プラスになるマイナスになるという方法で出しています。これに対して、本来であれば内訳書ということでゼネコンは無導杭方式と中央導杭方式の比較をやっていますよね。実質的には先ほどありましたように、5億9170万3170円、これは企業の計算だとしても増になると。それに対して、皆さんがそうではないということで、いろいろな虚偽のことを行って、犯罪も犯していると思いますが、そういったことまでして、先ほど文書は不存在と、しかし、いろいろなものがありますよと言いながら、我々からすると結局は安くなっていないのではないかと、いろいろな事情で混乱が起こって損害金や工事中の補償など、結局は企業がいろいろと理由をつけて―実質的に工事をしていればそうですが、出来高ということで出てきてしまっている。そうしますと結果的に事の起こりは、低落札と同時に尋常ではないやり方でコンサルタントを選んで、中央導杭方式を無導杭方式に変えるというやり方をして、企業は混乱をしてこういうようになりますよと―13億7166万9000円という形できて、そういった形での比較表はありますか。ゼネコンの皆さんは出していますが、それに対しての皆さんの積算根拠、これに対して一つ一つそうではないという資料はありますか。

○當銘健一郎土木建築部長 委員から御質疑がありました施工会社のほうは、無導杭方式に変えることについて、彼らの立場で積算をして一つ一つ積み上げた結果こうであると。金額がふえるという主張をされていることは事実です。私どもの積算では金額が安くなるということで、結論的に申しますと第1回目の変更で無導杭方式に変えることのみの話であれば、若干安くなると。ただ別の工事が入っておりますので、同額変更をしたということです。沖縄県は業者の積算に対して、いちいち県の単価でどのようになっているということは申し上げません。最終的な工事設計書で積み上げた結果こうであるということは申し上げています。

○前田政明委員 県民をごまかすだけではなくて、議会もごまかしている。議会の審査権を。みなさんは工法変更で同額だから議会に諮らなくてもいいと言うかもしれませんが、こういった問題が起こっていることはやはり12月議会にかけて、2月定例会も含めて工法がどのようになるかということを、きちんと落ち着いたときに、完成品として名実ともに精査したということが出てこないと、これからもこういったことが起こりますか。議会を通ったら、たまたま同額変更ということでされたら、我々議員の権能としてはそういった細かいことまで百条委員会でも開かないとできません。毎回百条委員会を開くことになります。私はその点を指摘をしたいと思いますし、本当にきょうの状況を見て許せません。職員は変更することをわかりながら、基本設計などずっと仕事をさせて、担当職員はこれは成果品ですと、議員から質問が来た場合でも中央導杭方式でやっていますと答えるわけですよね。そのように議会に対する準備をするわけですよね。無導杭方式に変わる予定がありますという答弁は予定していないわけですよね。そういう面で、なぜあえてこういった無駄な仕事をさせるようなことをやったのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 契約案件として議会に上げたときには、中央導杭方式でやりたいと。中央導杭方式であればこれまでの実績から考えても十分にこの金額でできるということでした。その後、技術検討委員会の先生方に御検討を依頼しましたところ、無導杭方式のほうが工費、工期的にも有利であるという御提言をいただきましたので、沖縄県として、無導杭方式に変更させていただきました。

○前田政明委員 随意契約についてもう一度お聞きします。先ほど言ったように、随意契約は少なくとも相見積もりなど、いろいろとりながらやりますよね。今回の随意契約、普通は随意契約やる場合でも、相見積もりその他含めて実質的な競争になるような方向で努力することではないのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 特命随意契約ですので、相見積もり等はとっておりません。特命随意契約といいまして、この1社が該当するということです。

○前田政明委員 それが聞きたかったのです。この判断は極めて重大です。私は、何度か百条委員会にかかわってきましたが、幸い私どもは、資料を請求して警察の家宅捜索の前に我々は勉強させていただいて、いちいち資料を提出できたことが今回の百条委員会の特徴だと思います。皆さんが言ったことに対して、我々は検証する、そういったことからすると、今の特命随意契約をやる条件が成り立たないことを指摘しておきたいと思います。そういった状況だったら、何が起こるかわからないと。部長、課長、所長なりが特命随意契約だと言って、12年間も地質調査からやってきたところを無視して、変更になるということは、先ほどの委託したところに無導杭方式でやってほしいと、コンサルタントに頼んだのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 無導杭方式を含めての検討を依頼したということで、無導杭方式にせよとか、中央導杭方式がいいなどとは言っておりません。

○前田政明委員 中央導杭方式がよければ、技術検討委員会にかけることもないわけですよね。技術検討委員会にかけるということは、沖縄県としてお願いしたのですよね。

○當銘健一郎土木建築部長 無導杭方式については平成14年あたりから少しずつ実績を積み上げてきて、一般化してきた工法になりつつあったという過渡期にありましたので、そういったものを専門の立場から技術検討委員会の先生方に御検討いただき、御提言をいただくということで依頼をしました。そのときに、先ほどから随意契約と言っておりますが、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所に委託をしました。

○前田政明委員 これから調査しなくてはいけませんが、1つは随意契約についてはやはり原則競争入札をやるということで、よほどのことでなければ随意契約をしてはいけないというようにきたと思います。そういう意味では、仮に特命随意契約だとしてもやはり根拠は乏しいということで、心配しております。こういった形の随意契約は本来は避けるべきですよね。

○當銘健一郎土木建築部長 随意契約の理由が成立しないものについては、当然随意契約できませんので、避けるべきだと考えます。

○前田政明委員 私は理由にならないと思います。そういった面で、理由にならないものを判断するということは、係長、課長、土木事務所長ではなくて、もっと大きな背景がないと、こういったことは、普通はできないのではないかということが、きょうの私の質疑の感想です。そういう面で、なぜそういった異常なことが行われたのか、ぜひ日本工営株式会社やその他を呼んで、皆さんの今の発言の状況をもとにしながら、勉強をさせていただいて真実を深めていきたいと思います。ただ、警察も捜査は警察の役割として動いていると思いますが、やはり県民に対しても5億8000万円、無駄な金を払わせてしまったと、これは何とか企業から取り返すべきだという形ですし、先ほどの答弁もありますので、企業に対する返還は私どもは求めるべきだと思います。いずれにせよ、きょう私は非常に特命随意契約という意味がよくわかりましたので、疑問を持って徹底して疑惑解明を行うことを宣言いたします。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 座喜味一幸委員。

○座喜味一幸委員 5-72ページの、施工業者から出ております資料の工程表を見ながら質疑をさせていただきます。まず本工事につきまして、12月22日に本契約がされておりまして、それから休止期間というのですか、約7カ月の工事の中止がありますが、本来契約して休止状態が続くというのは極めて異常だと思っておりまして、先ほどから話が出ておりました技術検討委員会の権能、それから日本工営株式会社が地質を含め、その設計に当たってきたということから、基本的に発注の状態で現場の地質からいろいろな諸条件の調査というものをされていて、なぜ普通ではない工事の休止という状況になったのかという面を、もう一度確認をさせてください。

○當銘健一郎土木建築部長 当初、委員からの御指摘のとおりいろいろな地質の調査でありますとか、いろいろな調査を経て中央導坑方式で、識名トンネル―眼鏡トンネルをやるべきということで設計書を取りまとめ、そしてWTOの政府調達協定に基づく国際競争入札に付したところ、落札率は47.2%ということでしたけれども、履行する能力はあるということで契約をさせていただいた。その時点で、中央導坑方式という在来工法で非常に実績のあるものと、それとは別に、無導坑方式という新しい工法がいろいろな実績が―全国的にもそうですし、県内でも豊見城トンネルや比屋根トンネルで実績が出ていたと。そういうところから、中央導坑方式との比較をするべきではないかということで、専門の技術検討委員会の先生方に議論をしていただいたところ、中央導坑方式よりは、無導坑方式がまさるという御提言をいただいて、検討するべきであるということで、変更させていただいたということでございます。

○座喜味一幸委員 一般論でいいのですけれども、沖縄県における現地に精通した沖縄総合事務局が行っている国直轄事業、あるいは沖縄県のトンネル工事に係る技術検討委員会は、沖縄総合事務局のやり方あるいは沖縄県のやり方、それぞれあると思うが、沖縄県において技術検討委員会の所管はどこがやられていますか。

○當銘健一郎土木建築部長 技術検討委員会は、南部土木事務所が発注いたしました日本建設機械化協会施工技術総合研究所という社団法人に委託をして、この社団法人が技術検討委員会を設置しているということでございます。

○座喜味一幸委員 たしか国もほぼ似た形での進め方をしていると思うのですが、やはりある学者先生だとか、経験のある皆様方を説得するためには、やはり基礎調査から始まって設計に入ったコンサルタントのサポートが―土木事務所を支える技術的なサポートをするコンサルタントというものが、資料作成等々で答弁等においても議論のテーマの整理においては、大分重要かと思うのですが、この検討委員会における日本工営株式会社の立場はどういうことになりますか。

○當銘健一郎土木建築部長 日本工営株式会社は、この技術検討委員会のメンバーに入っておりませんので、学識経験者とか行政関係者の間で検討がなされたということでございます。

○座喜味一幸委員 少なくとも日本建設機械化協会施工技術総合研究所は、資料の整理等、議案の整理においては少なくとも関与していると理解しているのですが、多分、主要構造物、難易度の高い構造物等に関して技術検討委員会を開いていくためには、予備設計というのですか、そういう時点から、ある程度の技術検討会をやっているのではないかと理解しているのですが、いかがですか。

○當銘健一郎土木建築部長 日本工営株式会社が当初、中央導坑工法ということで設計をまとめたわけで、そのときには一定の検討なりは―これは多分で申し上げてはいけないのですが、一般的には行うべきものだとは承知しております。しかし、トンネルの工法といいますと非常に特殊な工法でございますので、全国的にもそんなにたくさんの事例があるわけでもございませんし、特に無導坑工方式というのは、平成14年くらいからやり始めた工法で、まだ実績も浅くて、そして学術的にも恐らく、いろいろな難しい部分があるのだろうと思います。そういうことで、専門の研究者の方々の意見を聞きながら、無導坑方式がいいのか、あるいは中央導坑方式そのままでいいのかというようなことを御議論いただいたものと考えております。

○座喜味一幸委員 この技術検討委員会で決定された案件に関しては、組織の中でどう評価されて、多分に南部土木事務所監督職員経由で、施工業者には周知徹底されて―指示簿ないし工事打ち合わせ簿という形で、処理がなされていくと思うのですが、この技術検討委員会で、契約間もなくして工法の変更をするということは、どういう形で決定されて、監督職員に周知徹底されるのか。また、監督職員はどういう手続をもって、施工業者に周知徹底をしていくのか。その辺はどうでしょう。

○當銘健一郎土木建築部長 契約したのが平成18年12月の後半でございまして、平成19年1月にはもう既に工法の検討に入ったということで、工事の一部中止をかけております。工法の変更が万が一あるのであれば、そのまま工事を進めるというのは手戻りになりますので、当然のことだろうと思います。そして、技術検討委員会は工法を決定する権限は持ち合わせておりません。あくまで発注者である県に対して提言をすると。技術的な検討を踏まえた上で、今回は無導坑方式が有利であるという提言を受けて、それを受けて私どもは契約の相手方である大成建設JVに対して、契約書の第24条に基づいて変更する場合には協議成立というものが条件でございますので、協議が今回は成立したということで、第1回目の協議で工法の設計変更をしたということでございます。

○座喜味一幸委員 約7カ月間工事を中止するということは、少なくとも機械の損料等含めて、費用の増嵩が生じてくる。それは極めて契約額に影響するものであって、極めて大きな決断だと私は思うのですが、その一監督職員では工事の停止という行為はしがたいものだと。そこまで監督職員には負わされないかと思うのですが、そういう場合の決定というのはどのような形でなされますか。

○當銘健一郎土木建築部長 この平成19年1月の工事の一部を中止するということについては、南部土木事務所長の決裁で―南部土木事務所長の名前で工事の一時中止ということをしてございます。

○座喜味一幸委員 そういうことでは極めて監督職員のキャリアというか、経験というのは、3年にわたる翌債工事でありますし、当初から低価格入札であったこと。それから、工法に最初から変更が生じているということは、極めて出だしから荷の重い工事だったと思うのです。そういう意味では、監督職員がいかばかり苦労したかという思いは理解をするのですが、少なくとも最初から予算にかかるような、大きな変更というものがされているのだけれども、この契約額の中で、いろいろな工事を出し入れしながら、トータルとして契約の中でおさめていくという話はよくわかるのですけれども、この辺の予算上の管理の部分と、現場での監督職員をサポートする組織というものは、南部土木事務所の執行体制の中ではどうなりますでしょうか。

○當銘健一郎土木建築部長 これまでこういった変更といいますのは、監督職員―主任監督員と現場監督員の2名おりますけれども、そういった監督員を中心に行っておりましたけれども。今後、私どもも再発防止策として十分反省をしないといけない、要するに本庁の関与が適切でなかったというようなことで、現在ではこういった変更等については、本庁に相談するような仕組みに変えてございますけれども、その当時は南部土木事務所の決裁で行ったということでございます。

○座喜味一幸委員 もう少し細かいことに入りますけれども、予算の管理もさることながら、翌債にわたる工程管理ということも監督職員の仕事でありまして、現場での立ち会いから材料承認、打ち合わせ指示とかという監督職員の仕事のオーバーワークからすると、少なくとも監督職員で相当な―主任監督職員というのはおられるのですか。どういう体制ですか、この現場の対応は。

○當銘健一郎土木建築部長 主任監督員と現場監督員の2名で基本的に現場を見ております。

○座喜味一幸委員 そういう現場での対応を、極めて件数の少ない翌債工事であったり、特殊工事だということで相当の御苦労をされたと思っております。この途中途中での仕事の動きというものは―年度の出来高というものは、図面、もしくは予算の変更を含めた管理は、組織的にはなされていなかったという理解でいいのですか。要するに今の工期が延び、仕事が終わって、それに伴う機械損料の増だとか、いろいろな増があります。こういう大きなもの、工事出発した時点から監督職員は予算のこととか、全体の工程の引き直しだとかということは、南部土木事務所内でどういう形でなされますか。

○當銘健一郎土木建築部長 平成19年1月に工事の一部中止を南部土木事務所長から命じておりまして、その工法に係る部分の工事については中止ですので、しばらく行われていないと。それについては、平成19年4月1日に工法の変更についての指示を出しております。それからこういった指示があれば、当然JVはスケジュールの工程管理でありますとか、そういう金額の問題とかをいろいろと検討がなされるわけでございまして、しかし、そういうことであったにしても最終的には工法変更について、大成建設JVは協議に応じて成立したということになっております。

○座喜味一幸委員 それで今度は組織の中で大きな予算ですし、大きな工事ですから組織的にいろいろな工程のあり方、予算執行のあり方、それから現場対応の話等を含めて、少なくとも上司の皆さんは相談に乗りながら、仕事は進めていたと思うのですが、その辺に関してはいかがですか。

○當銘健一郎土木建築部長 南部土木事務所の中では、所長含めていろいろな協議がなされていたと思いますけれども、それが本庁の適切な関与―特にこの予算管理の話になりますと本庁の仕事になりますけれども、そういったものが、やはり今回適切ではなかったということがあって、反省点として今、再発防止策としても示しておりますけれども、本庁の関与をより強めるという仕組みに変えております。

○座喜味一幸委員 それでは、今度の問題になっている沈下対策工事についてですが、多分現場の監督職員は不可分工事だということで、施工業者に対しては進めるような指示をしていたと私は認識しておりますが、これに関しては、南部土木事務所の所長か上司は理解をしていたと認識していいですか。

○當銘健一郎土木建築部長 監督員は通常、現場に行って施工業者といろいろなやりとりをするのは、打ち合わせ簿とか、指示簿といったものがあるのですが、それでこの沈下対策工事については、現場指示をしてはおりますけれども、その時点で南部土木事務所長まできちんと確認をとったりしたかどうかというのが、手持ちの資料ではよくわかりません。

○座喜味一幸委員 もしそうだとするならば、監督職員の責任というものが相当重くなってくるなと。苦労した上にそこまで責任が負わされていたのかという、かわいそうだという思いもありますが、少なくとも施工業者とは、低入札だから我々は別件工事で出してもらいたいということで、結果として随意契約しておりますね。これは単純に監督職員の判断でなされたと見るべきですか。それとも、ある程度大きな課題として重要変更案件として、課長もしくは上司の皆さんは、この現状を理解していたと見るべきでしょうか。

○當銘健一郎土木建築部長 沈下対策工事を別途工事として契約したわけですけれども、これについては4億9000万円ということでございますので、土木建築部長の決裁でございます。

○座喜味一幸委員 少し戻りますが、監督職員は金額の変更等が伴うときは、業者に対して協議で変更の対象とするというような、打ち合わせ簿ないし処理をすると思うのですが。その変更額にもよると思うのですが、予算を伴うもの、あるいは予算を伴わなくても、主要工法等の変更に関しては、重要変更として多分承認をとっていく。場合によったら予算がありやなしやということまで、負担行為まで担当官が確認をすると思うのですが、このルールはどうなっておりますか。

○當銘健一郎土木建築部長 沈下対策工事につきましては、現場で指示をして業者に指示をしたわけですけれども、その時点では変更契約でやる予定でありますから、業者とは変更の協議をしていたわけでございまして、現契約の中でできるものと考えてやっていたものと思われます。

○座喜味一幸委員 支払い方法を見ると、チェック体制が甘いのかと思うようなやり方をしていると見えたのですが、1つは検査官のあり方です。要するに、もし竣工検査をするときに本体工事に係る施工分、それから今問題になっている発注分の工事に関して、後から5000万円未満の問題になった工事というものは、南部土木事務所の中の検査官で検査をやっているのですよね。しかも、同じ課の職員が検査をしているのですよね。

○當銘健一郎土木建築部長 平成21年度の工事については、同じ班で検査をやっているということでございます。

○座喜味一幸委員 そういう意味からしますと、この監督職員、ある筋で別件工事で進められている工事は、検査官も含めて同じ課の中というのですか―同じ班で検査をやっているということは、班の中では、工期の範囲内で本当にうまくできるのかとか、場合によれば、この契約は、現場は終わっているのだけれども、契約日がおくれているということは、検査官は知っていたのではないかと私は理解したのです。厳し言い方をすれば。工事の対象というのと、不可分に近い工事の発注というものが議論になっているものだから。

○當銘健一郎土木建築部長 平成21年度の5件の工事につきましては、南部土木事務所で発注し、南部土木事務所の中の同じ班の人間が検査をしたということでございまして、状況的に見ますと、既に終わった工事であるということがわかっていたかもしれませんが、それは今確認がとれません。

○座喜味一幸委員 要するに基本的な問題の部分が、現場側と南部土木事務所の中の検査機関を含めて、ある意味ではなれ合い。今までの現場で進めながら処理を、まあまあ何とかおさまればいいという形で進めてきた結果が、こういう事態になっていないか。要するに現場監督員の持つ権能の大きさと、予算管理ということを少し怠った部分。それから検査官もあらかじめ簡単な図面を見ればわかり得ることを、南部土木事務所の中で解決しているのではないかということを指摘せざるを得ませんが、どうでしょう。

○當銘健一郎土木建築部長 御指摘の内容は、今回のこういった不適正な事務処理が起こった理由の一つであろうと考えます。

○座喜味一幸委員 結果として、文書の偽装という大きな社会的な問題になったということが、現場を執行する職員が組織的に守られていなかった部分―サポートされていない部分を非常に感じて、現場の人は不眠不休でやって、あげくの果ては、頼むから誰か書類の手続をやってくれと、指示はしておくけれども、日付は後で入れようというものの積み残し。本当に処理の仕方として、現場の苦労というか、かわいそうでならないのです。しかしながら、この事件においては監督職員、内部に精通していたはずの検査官が、こういう問題をすり抜けてきたのではないか。その辺で、この部分のなれ合いが今回の大きな問題を引き起こしたと思っております。これに関してどうですか。

○當銘健一郎土木建築部長 御指摘の件につきましては、ごもっともでございまして、そういうところは私どもの反省点となっております。そしてまた、再発防止策の中にそういった観点からの不正が、見抜けるような仕組みを導入していかないといけないということでございます。

○座喜味一幸委員 そういう面から見ますと、沖縄総合事務局の予算の内示の出し方、あるいは変更申請を受けての額の確定等々をやっている中で、本当に沖縄総合事務局は、例えば街路事業なら街路事業トータルで割り当て内示だけをするのか。物によって、街路事業の中でもトンネルの事業だとか―いろいろな事業があるはずなので、地区ごとに予算の額の確定、変更の確定等をしていくのだけれども、沖縄総合事務局はどの程度、予算割り当て内示のときのヒアリングを県からするのか。前回、沖縄総合事務局の参考人の話を聞いていて、全く知りません、存じませんという話だったのですが。少なくとも3年にわたる国債工事等に関しては、基本的な出来高と執行状況とかは、途中変更増もやっていますから、そういうものに関して、沖縄総合事務局は忙しいからチェックできませんという話があったのですが、その辺ではどうなのでしょう。県が全くの責任施工という形でやっているのか。沖縄総合事務局に対してどの程度の工事の報告をして、予算の認定をいただいているのか、その辺を教えてください。

○當銘健一郎土木建築部長 まず補助金の交付申請時における説明ですけれども、真地久茂地線の識名トンネル工事という大枠の中で御説明をしていきますので、余り細かい技術的な説明はしないということでございます。それからまた、工事が完了した場合の完了検査を沖縄総合事務局で行っておりますけれども、それは沖縄総合事務局のいろいろな要領に従ってされることですので、そのことについては私のほうからお答えできません。

○座喜味一幸委員 お答えできませんか。

○當銘健一郎土木建築部長 完了検査のときに、今回、沖縄総合事務局が指摘したのは沈下対策工事ではなくて、残りの5件の工事については、不適正ということで指摘をしているわけです。しかし、沈下対策工事についてはそういう指摘はなかったと記憶しております。ですから、この完了検査についても、いろいろなやり方があるかと思いますけれども、これは沖縄総合事務局のおやりになることですので、私のほうからはコメントを控えたいと思います。

○座喜味一幸委員 少なくとも、この沈下対策工事も含めて、補助金の変更申請をして、額の確定をもらっているわけです。そういう中身を知らなかったということ自体が、普通、行政としてあり得ないことだと思っておりまして、いつからそんなに沖縄総合事務局と沖縄県は信頼関係がなくなったのか。要するに、こういう告発をするということに至ったこの沖縄総合事務局と県の信頼関係。沖縄総合事務局は指導的な機能も持っているわけでございまして、そういう特殊な大きな工事等に関しては、注視してしっかりと指導していると理解していたのです。これが今回の件で、変更は認めました。交付の決定もしました。検査のときにはわかりませんでした。会計検査で指摘をされたら、そうだと開き直られたような感じがしまして、これは沖縄総合事務局と沖縄県の土木行政の信頼関係というものが失墜したと。これは大変なことになったと思っているのです。その辺の認識はいかがですか。

○當銘健一郎土木建築部長 まず、沈下対策工事などの、こういう協議が成立しないで別途工事で発注するというようなときにも、特段、沖縄総合事務局には相談はしていないということですし、また平成21年度の5件の契約についても、沖縄総合事務局には相談していないと。補助金交付決定があった後の工事の中身に関することについては、県―事業者に任されているものとして県で処理してきたわけですけれども、やはり補助金適正化法等にかかわるようなものについては、今後は各段階において、沖縄総合事務局に相談なり何なりをしていくべきだろうと考えております。

○座喜味一幸委員 少なくとも第三者機関からの指摘も受けておりますが、現場の監督職員に対するサポート体制が余りにも弱いということ。少なくとも検査体制が機能強化されないといけないと。予算の執行という予算管理において、これは抜本的な―現場というのはトンカチだけではなく、総務経理の会計もありますから、連携をとってしっかりと対応しないと、こういう問題はなくならないという思いをしておりますが、何よりも監督職員と検査官の責任。これを見ていると監督職員と検査官、こんな簡単な検査でもわからなかったのかというような、余りにも単純な検査の内容です。工事検査成績書も出してあるのだけれども。これは申しわけないが、今の体制だったら監督職員、検査官の立場は浮かばれない。少なくとも全部そこに責任が来ざるを得ないような形になっているのではないかという思いを持っておりまして、その辺の考え方をお聞かせください。

○當銘健一郎土木建築部長 委員の御指摘は大変重要なことでございまして、私どももそのように考えているところでございます。特に今、再発防止に向けた対応策、いろいろなことを試行的にやったり、あるいはもう正式にやったりしておりますけれども、その中でもやはり土木事務所で、委員のおっしゃった監督職員をサポートする体制。まずこれは土木事務所の中でもきちんとサポートしないといけませんし、また、こういった何らかの変更というようなものがあれば、そういった変更の協議にいろいろな形で本庁も加えるというようなこととか、新たにチェックリストをつくったりと、委員のおっしゃるようなことについては、しっかり対応できるような形にしていきたいと考えております。

○座喜味一幸委員 最後に1点だけ。この百条委員会を設けた、あるいは司直の手が入ったということで、現場が混乱しているという話を聞いておりますが、この件において、県民に迷惑をかけているという指摘を聞いているのですが、今、予算の出来高工事等の支払い等がとめられているのか。それから、本件の不祥事において、土木行政がどれくらい停滞しているかということを聞いて終わります。

○當銘健一郎土木建築部長 年度の後半になりませんと、なかなか進状況というのが出てまいりません。例えば、進状況で一番はっきり出てきますのは繰り越しがどの程度ふえるかという、あるいは不用額がふえるかというようなこと。

○座喜味一幸委員 年度末で工事が―出来高が終わったのに、工事金の支払いがとめられているという一部話もあるが、それが実態としてあるかという話でいいです。例年より支払いがおくれているとか、そういうこともないですか。

○當銘健一郎土木建築部長 支払いについてはないということで。土木企画課もいますので確認しましたところ、ないということでございます。ただ、設計変更の手続につきましては、かなりいろいろな方が介入してやるようになりましたので、従来よりは時間が相当かかるということだけは間違いなく言えますけれども。ただやはり確実性を期すことと、今、試行的にやっておりますけれども、よりいい方向に仕組みを持っていきたいと思っております。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 吉田勝廣委員。

○吉田勝廣委員 B1-1ページ、実施設計書の送付について。これは南部土木事務所から漢那部長に送られた実施設計書の書類ですね。これからずっと虚偽文書だから。虚偽文書でしょう。それからB1-2ページですね。これは随意契約理由書。そして工事設計書と、ずっと虚偽文書が続いているわけですね。これをもっと例えば総務部の財政課であるとか、それから土木建築部の部長であるとか、課長であるとか全部かかわっているわけです。それで、その工期は予算見積書の提出の中で64日と書かれているわけです。それで工程表もB1-84ページに書かれているわけです。こういう契約から工程表から、それで請求書とかそれから予算の執行伺いから完成通知書から全部出されているわけです。おまけに工事の変更届まで。この過程の中で誰も気がつかなかったのですか。気がついていて、しょうがないということで押したのではないかと思うのだけれど、先ほど座喜味委員もそのような話をしたのだけれど。この中にたくさん判こがあるのですね。関係者の判こが。そして、検査官もまた評価をして84点だとかいろいろ出しているのです。B1-92ページの建設工事請負契約書、これは知事とやっているわけだから。これはそこにも平成21年1月21日から平成21年3月25日まで契約すると。また、完成通知書、工事成績採点表、引渡書、これは全部あるのですね。この過程の中で誰も知らなかったのですか。どうでしょうか。

○當銘健一郎土木建築部長 現場から上がってきた―南部土木事務所から上がってきた書類について、現場は直接行っていないものですから、こういったことがわからなかったということでございます。確かにいろいろな方の判こが押されておりますけれども、そこで気がつかなかったということでございます。

○吉田勝廣委員 信じられないでしょう。みんなプロでしょう。余りそのように言わないほうがいいはずです。わかっていてやったと言わないと。だって5億円の工事を2カ月で誰ができますか。誰が考えても、皆さんはこの5億円の工事できるのですか。

○奥平一夫委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、吉田委員から答弁内容について確認がされた。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
 吉田勝廣委員。

○吉田勝廣委員 ここに大きな問題があると思うのです。わからないで済ませるのですか。僕らが見ても大体わかるのです。工程表を見て5億円の工事と。しかも、これ工事の内容を見てくださいよ。ここの職員だってわかるはずです。5億円の工事を2カ月ではできないと。

○當銘健一郎土木建築部長 こういった工事が適正かどうかというチェックをする最もプロというのは、会計検査院でございます。会計検査院はこれを見抜いたわけですね。しかし、普段から工事に携わっている人間は、その工事の予算執行伺いを見ておりますけれども、この時点ではわからなかったということでございます。

○吉田勝廣委員 そう言われるとしつこくなります。いや、これは本当にこれを見ていて、よくも偽造したと、うそついたと思いますよ、誰が見ても。本当に申しわけないけれども。それを今の部長がかかわっては、しょうがないのではないかと思います。検査官もきちんと検査して点数もつけてあるのです。そうすると、この検査をいつしたのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 検査官も県の完成検査ですので、でき上がったものを見て検査をしておりますので、その当時は気がつかなかったということでございます。

○吉田勝廣委員 部長はそういうの信じますか。

○當銘健一郎土木建築部長 私は当時の方々に聞くしかないものですから、気がつかなかったというような発言でございます。

○吉田勝廣委員 午前中に沖縄総合事務局に照屋委員が質問したのだけれど、工程表だとか5億円の工事であるとか、その工事の仕訳帳とか、入札の経過とか工事の内容とか見れば、大体5億円の工事が2カ月でできるか、できないか工程表を見て判断ができない―沖縄総合事務局はいいです、少なくとも。たくさん処理があって見逃すかもしれないし、いろいろあるかもしれないけれども。しかし、皆さん方の場合は、たくさん関係者が判こを押しているのです。担当者から始まって、土木建築部の課長から班長から全部押してあるわけです。それを少し変だと思う職員は1人もいなかったのかと、変だと言ったけれども押されてしまったのかとか、そこが不審でしょうがない。普通だったら、これだけ判こを押して、やったら現場に行ってわかるはずでしょう。工事成績表、完成通知書もきちんとあって仲井眞知事に上げて、県産建設資材使用状況報告書まできちんとつくってあるわけです。立派なものです。これはなぜばれたの。会計検査で。

○當銘健一郎土木建築部長 会計検査のときには、まず工期が短いというようなところから入っていってというように聞いております。

○吉田勝廣委員 そうなんです。素人でもわかるのではないかと思うのだけど。工期がいかに短くて、それでおかしいというのは普通そこから入るべき。判こを押す側も、これを見れば工期が2カ月ではないの、5億円の工事がこれでできるのと。例えば担当官を呼んで、これはおかしいではないかと言うのが普通県の職員だと思うのですが。やはりこれは仲間意識でこれを抑えてしまったのですか。その辺は道路街路課長どうですか。

○末吉幸満道路街路課長 トンネルの狭い帳場での工事なものですから、恐らく当時の担当者は5億円くらいでも、ぱっとできたのではないかと。いわゆるほかに仕様物件等ございませんので工事に集中できますから、それで可能であったのではないかという感覚はあったと思います。

○吉田勝廣委員 聞きますけど、そうすると2カ月で5億円の工事ができるということを課長は思いますか。今現在、この工事を2カ月でできると思いますか。

○末吉幸満道路街路課長 判断しかねます。

○吉田勝廣委員 強いて聞きたくはないです。そんなに人を責めるわけではないから。やはり公務員というものはいろいろあると思います、それはそれなりに。僕も行政をやった経験がありますから。だけど、ここは勇気を持って言わなくては。また、勇気を持っていろいろなことをやらないと、うみを出すことはできないのではないかと。だから、本当にこれを見て沖縄県の技術者は一体―立派な仕事をしているところもあるけれども、これに何で目をつぶったのかと。だから、これはある意味では、組織的ではないでしょうかという想像をするわけです。残念だけれども。これだけの物をつくっているわけですから。これは南部土木事務所だけでつくったら、これはごまかしの才能すごいです。またある意味では、誰も気づかなかった。会計検査院が初めてこれを見つけておかしいと言ったと。そこが私は非常に残念だと思います。その過程の中で、誰もこれに対して疑問を持たない。その人の話を聞いて、それでオーケーした。そちらに今いらっしゃる建設関係の職員も、こういうものを見ていると変だと思います。

○當銘健一郎土木建築部長 再発防止策は第三者委員会の中でもやられておりますので、やはり南部土木事務所と本庁の関係という意味において、現場を南部土木事務所に任せっきりにしていたという部分があります。いろいろなことで途中経過でも本庁にいろいろな報告があって、それなりに識名トンネルの進状況を把握していれば、吉田委員から御指摘のように、これはおかしいのではないかというようなこともあったかと思います。そういう意味では本庁の直接的な関与、あるいは本庁と土木事務所が切れ目なくきちんと連絡調整体制をとれるよなことが必要だと思います。そういうところはきちんとしていかないといけないと思っております。

○吉田勝廣委員 余り言いたくはないけど、南部土木事務所と本庁との連携がうまくいかなかったから、こういうことが起きたと第三者委員会は指摘している。私は決してそうではないと思う、逆に。やはりそこに南部土木事務所はやろうとしても、本庁がいろいろと目を光らせて、その書類を判こ押しているのですよ、現に。判こを押しているわけだから、南部土木事務所との意思疎通ではなくて、ここの言うこの見抜く力というか、単純に見抜く力が欠如していたのが1つと。それから、これは第三者委員会も指摘していると思うけれども、つまりお互いがお互いをカバーするというか、お互いに間違ったところをカバーし合う。そういう体質がこれにあらわれてきたのかと。そういうことを認識しないと、次のステップが踏めないではないかと。恐らく司直の手があるので―司直が入っているわけだから、自分で判こを押した人が、本当に皆さんこうだったかと警察に問われると、どういう返事をするか、そこはいろいろあるかもしれませんけれども。だから、今後そういうことがないように気をつけてくださいと言うしかないのか。何か言いようがあるか。土木建築部長、最後の決意を聞かせてください。

○當銘健一郎土木建築部長 委員御指摘のような不適切な契約が見抜けなかったということは、反省点の一つでございますので、今後そういうことがないように再発防止策、いろいろと案も含めてやっておりますので、きちんとした形で本庁と土木事務所が連携して、適正な契約が結べるような仕組みをつくってまいりたいと考えております。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣清涼委員。

○新垣清涼委員 まず契約変更があったということ、協議が調わなかったということがわかりました。協議が調わなかった場合、従来は本契約の落札率で契約をしていくと、それがうまくいかなかったという場合に通常はどのように処理しますか。

○當銘健一郎土木建築部長 通常のこういった建設工事の場合、変更する状況が生じたときに業者とその変更について協議をします。そのときには請負比率を掛けた形で金額的に幾らの変更だということがお互いに納得した上で、協議成立ということです。ほとんどと言いましょうか、先ほども申し上げましたように、協議が成立しなかったということが、今まで経験したことがないものですから、ほとんど協議が成立していました。ただ、契約書には協議が成立しなかった場合の手続もきちんと出ております。ただ今回は協議が成立しなかったときの手続をとらなかったということでございます。

○新垣清涼委員 協議が調わなかった場合には、建設工事紛争審査会に諮るということがありますよね。今回はなぜそれをなされなかったのですか。そういった手続をとられなかったのか。それはとられましたか。

○當銘健一郎土木建築部長 今回はそういった建設工事紛争審査会のあっせん、調停でありますとかそういったものはとっておりません。今回、当初請負率を乗じた形で設計変更をしようとしたわけですが、協議が成立しませんでしたので、この送水管沈下対策工事だけを取り出して別途工事として請け負い比率を掛けずに契約をしたということです。

○新垣清涼委員 それは正当ではないということは、皆さんは認識をしていてされたわけですよね。建設工事紛争審査会に諮ればこういった結果にならなくて済んだのではないですか。

○當銘健一郎土木建築部長 今、その当時を振り返れば委員の御指摘のとおり契約書にある手続、建設工事紛争審査会―この場合には工事がストップするようなことになろうと思いますが、そういったこともできたのかと思います。ただ、送水管沈下対策工事については、現場で沈下が進んでいるといる状況を受けて、危険であるということで、現場で送水管沈下対策工事をするように指示をしております。この指示をしたものについては、私どもは必要な指示だったと思います。これは企業局の900ミリメートルという大きな送水管であるとか、那覇市の600ミリメートルの送水管などに影響を与えてはいけないと。その指示した後の処理が本来変更でやっていくべきところを、その部分のみ取り出して別途工事として契約してしまったということです。

○新垣清涼委員 その別途工事にして、それは正当であると。本体工事としてやるべきだったとおっしゃっているわけですから、これは正当な工事ではないという認識があったのではないですか。それをあえてやったのは、誰が判断しましたか。沈下するときに危ないと、安全対策のために早急に指示をして対策をとらなくてはいけないと。現場で指示されることは間違っているとは思っていません。ただそういったときに、変更協議をして本体工事の中で変更だということだとすれば、きちんと話が進んでいるわけです。しかし、業者が断った、この金額ではできないと。そうであるならば、どうするかということは沖縄総合事務局に相談しましたか。

○當銘健一郎土木建築部長 沖縄総合事務局には相談しておりません。

○新垣清涼委員 していないですよね。なぜそこを切り離して、あえて危険な道を選んだのかということです。要するに正当ではない方法を、そこだけ切り抜いてなさったわけですよね。その判断は誰がしましたか。

○當銘健一郎土木建築部長 これは送水管沈下対策工事を現場で指示したのも南部土木事務所ですし、業者と送水管沈下対策工事にかかった費用について、請負比率を掛けた形で協議を成立させようと努力したのも、南部土木事務所です。それがうまくいかなかったというところで、建設工事紛争審査会とか契約書に基づいて使うことをせずに、別途工事として発注するということを考えたのも南部土木事務所で、先ほどの工事設計書を土木建築部長あてに送付してきて4億円余りの額で契約したということです。

○新垣清涼委員 そうすると、土木建築部長がその判断をしたということでいいですか。

○當銘健一郎土木建築部長 これが別途工事として発注するということに限って言えば、本庁とも協議をして、本来は当初の工事に入っていない物なので、別途工事としては契約できるだろうという判断があったようです。

○新垣清涼委員 これは土木建築部長決裁ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 これは土木建築部長決裁です。

○新垣清涼委員 土木建築部長が判断したということで理解しておきます。工法ですが、4月1日に工法変更の決定をされていますね。4月27日には施工検討業務で社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所に検討させていますよね。この工法変更を決定するために、技術検討委員会に2月28日に諮っていますね。その検討委員会の主管はどこですか。

○當銘健一郎土木建築部長 技術検討委員会は南部土木事務所が委託をした、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所で組織した委員会です。

○新垣清涼委員 その検討委員会はたしか沖縄県からも参加していますよね。検討して、その提言を受けて皆さんは工法変更を決定したとおっしゃっていますね。しかし、2月にそれをやっていますが、1月10日には業者に工法変更しても金額が同額であればいいですよねと打診をして、1月11日は工事をストップしていますね。それまではずっと中央導杭方式で来ているのに、なぜ1月になって、12月に契約もしていますよね。12月22日に契約して、12月23日から工事をスタートしています。恐らく年末ですので、皆さん仕事をしていないと思いますが、1月の年明けすぐに業者に相談を持ちかけていますね。この間に何がありましたか。

○當銘健一郎土木建築部長 当初、契約時には、中央導杭方式という在来方法で識名トンネルを施工するということで契約を結びました。ただ、その後、やはり無導杭方式は、いろいろなところで実績が積み重なってきて、有利な方法ではないかということがございましたので、業者にも1月になってこれが有利な方法であれば、設計変更に応じられるかという話をさせていただいて、1月11日には工事の一部、中央導杭方式に係る分については工事の中止をしました。それから、技術検討委員会で先生方にいろいろな検討をいただいたということです。

○新垣清涼委員 豊見城トンネル、比屋根トンネルは両方とも無導杭方式でされたということですよね。これは発注と完成はいつですか。

○末吉幸満道路街路課長 両方のトンネルの発注時期はわかりませんが、トンネルが貫通した時期は押さえております。豊見城トンネルが、平成18年8月に先進杭が、10月に後進坑が貫通して、平成19年1月に工事が完了しております。豊見城トンネルの工期が、平成17年3月29日から平成19年1月19日です。掘削期間は最初の先進杭が、平成18年2月から8月、後進杭が平成18年4月から10月ということで貫通しております。比屋根トンネルの工期が、平成17年10月14日から平成19年3月25日までです。掘削期間が先進杭が平成18年1月から6月、時期が明確ではありませんが、後進杭が平成18年、完成したのが平成19年1月でした。

○新垣清涼委員 豊見城トンネル、比屋根トンネルがいいという判断ですが、ここは非常に微妙です。皆さんが1月10日に業者に相談されているのは、その以前に土木建築部内では変更しようという話が出ているはずです。しかし、両方のトンネルとも1月19日の後ではありませんか。どうしてそれがいい方法だとなるのですか。

○末吉幸満道路街路課長 一番我々が参考にさせていただいたのは、豊見城トンネルです。比屋根トンネルは上部に物件等がありませんので、豊見城トンネルの場合は上部に建物が数軒あって、それも沈下等の心配がありましたが、データ等をいただいたら、うまくいっているという情報が入ってきました。

○新垣清涼委員 いつごろですか。

○末吉幸満道路街路課長 当然同時期の施工、我々は同時期発注ですから、豊見城トンネルなどの情報は耳を澄まして聞いていると思います。ただ、それを我々の識名トンネルに適用できるかどうかは、当然担当も当時の南部土木事務所も疑問点を持っていたはずです。ですから、先進導杭方式で発注させていただいて、豊見城トンネル等のデータの整理が始まって、沈下等も少ないという情報をいただけたので、我々としても先ほども申し上げましたように、工期も短くなり、安くなる可能性もあるということで検討をしなくてはいけないだろうと。逆に安くなる可能性があることに対して我々が無視するわけにはいけないということで、検討を始めたことが背景にございます。

○新垣清涼委員 安くなるだろという積算された資料はありますか。

○末吉幸満道路街路課長 資料は提供させていただいておりませんが、先ほどの最初に、平成16年当時、日本工営株式会社が先進導杭方式と無導杭方式の設計の比較をしています。そのときに概算工費時で中央導杭方式が無導杭方式に比べて1割くらい高いと、工期的は50%ほど無導杭方式が1でしたら、1.5という報告を受けております。ただ、平成16年くらいのときの工法、いわゆるトンネルの堀り方にいろいろと違いがあると思いますが、先進導杭方式でもトンネルの堀り方のパターンが違いますし、無導杭方式でも一遍に掘っていくのではなくて、断面をとにかく囲っていくと。囲いながら工事を行っていくことによって、沈下を抑えられている状況だというのが豊見城トンネルです。平成16年のときには、沈下量は中央導杭方式のほうが有利だという判断があり、我々はそれで発注の準備をかけて、発注をさせていただいたということが当時の状況です。

○新垣清涼委員 今回の工事で12月22日に契約をして、いろいろと資料を集めたとおっしゃいましたが、12月23日から工事が始まって、正味四、五日でそういった資料を検討されているのかと非常に気になります。その間に、契約をした後皆さんが業者に声かけをして、工事をストップさせてこの間に何か大きな力が働いているのではないかという疑問を持っています。これはいろいろおっしゃっていますが、資料を収集して検討したという資料があればお願いします。

○當銘健一郎土木建築部長 先ほど道路街路課長から話がありました、平成16年度の検討の状況、平成18年度の検討の状況について出したいと思います。工事中止をかけた1月11日の件ですが、やはり工法の変更はもしあり得るのであれば、早目に工事中止をかけませんと手戻りになります。ですから、早目に工事中止をかけて検討をしていくということが基本であろうと思います。数カ月たってある程度できてから工法の変更は難しいと思います。

○新垣清涼委員 その姿勢はとてもいいと思います。ただ、12月22日に違う方法で契約をしているので、その契約が正しかったのか。そして、昼夜施工と昼間施工についても、途中で変更されていますよね。そのたびに沖縄県の負担金がふえていますよね。中央導杭方式で契約をしておいて、夜もやりますという契約をしておいて、上に住宅があるところで夜間の工事も入れておいて、やはりやってみたら夜はうるさくて迷惑をかけるのでできませんということは、あたかも最初からそういった変更を、相手側が要求することを予想されていたのかいなかったのか。されていなかったのであれば、お粗末だと思います。業者にはまったのか、その辺はどのように思っていますか。

○末吉幸満道路街路課長 工法の変更をしたから、夜間工事を中止したとは理解しておりません。もしかしたら、中央導杭方式でも同じように振動、騒音の苦情があったら当然応じないといけないと思っています。当然、市街地のトンネル工事ですので、業者も我々も一生懸命周囲の地権者に相談しながら、情報提供をしながら、地権者からは、周りに住んでいる方からうるさいなどとあったので、我々としてはしっかりと対応させていただいたということです。無導杭方式だから、このようになったというわけではないと思います。

○新垣清涼委員 夜間に工事をするということは、周囲に迷惑になるということは想定していなかったのですか。

○末吉幸満道路街路課長 トンネルの中での振動や騒音は考えていなかったようです。

○新垣清涼委員 残念です。 

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 當間盛夫委員。

○當間盛夫委員 今の工法変更についての続きですが、12月22日に本契約をするわけですよね。無導坑方式がいいのだということを、どの時点で皆さんは検討したのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 無導坑方式の有利性がはっきりしたのは、技術検討委員会からの提言です。

○當間盛夫委員 年が明けての1月11日に、皆さんは無導坑方式がいいのではないかと助言されたということで、工事を一時中断させるわけですよね。本契約はその前年の12月22日で、ばたばたする中で、年明けにしても1月11日―正月など何やかんや含めても、11日に工法の変更があるかもしれないからということで一時中断するわけです。それは、この期間だけで検討できたのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 詳細な検討はもちろんできませんので、ただこの時点で、先ほどから御説明しているような、豊見城トンネルがありますとか、比屋根トンネルも既に施工中で、豊見城トンネルに至ってはかなり完成に近づいていたということがあり、実績があって、それの有利性が言われていたのです。それ以前のことになりますと、無導坑方式は余り実績のない工法でしたので、当初の契約は中央導坑方式でやりましたけれども、無導坑方式が本当に有利な工法であれば、それの採用も考えなければいけませんので、工事を一部中止して、詳細な検討を行ったということです。

○當間盛夫委員 これだけの期間で検討するというのであれば、本契約を延ばしたほうがよかったのではないですか。なぜ本契約は12月22日にしておいて、年が明けてすぐの1月11日に、この工法が有利かもしれないからということで、この期間でとめると。そのように慌てるぐらいでしたら、12月22日の本契約をとめてでも、無導坑方式のほうがいいから、そういったことでやり直しましょうという形が、あってしかるべきだったのではないですか。

○當銘健一郎土木建築部長 無導坑方式の有利性といいますのは、専門の先生方からの御提言で、初めてこちらのほうがいろいろな形で有利だということがわかったわけでして、それ以前はやはり中央導坑方式―在来工法でやろうということで、契約をさせていただいたわけです。

○當間盛夫委員 ですから、12月22日で契約して、皆さんはこの期間でそういった助言を受けたからということで、すぐに一時停止なり、そういった変更をしたいということを、それだけの短い期間でできるのですか。では、なぜ今までやってこなかったのですか。先ほど部長は、平成14年からこの工法はあったのだと。実際、今は県内にそういったものがなくて、でも豊見城トンネルや比屋根トンネルが出てきたから―ところがそれは、その時点では完成していないわけですよね。完成していないのに、この工法がいいかもしれないということで、本契約をしておきながら、それをあえてやるということが理解できないのです。では、これまで何をしてきたのかということになるのだけれども、どうですか。

○當銘健一郎土木建築部長 豊見城トンネルの工期は、先ほど御説明いたしましたが、平成19年1月19日ということになっておりまして、私どもが工事の一部中止を命じたのは、1月11日ということで、ほぼ同じような時期に完成しているということもございます。豊見城トンネルにつきましても、いろいろな資料を後でいただいたということもあります。そういう検討の中で、専門の方々に、技術検討委員会の中で御審議していただいた結果、提言をいただきましたので、変更したということでございます。

○當間盛夫委員 これは学識経験者から、この工法のほうが安上がりでもあるし、工費も安くなるのではないかというような助言をいただいたから、皆さんは1月11日にとめて、やったということですか。

○當銘健一郎土木建築部長 私どもも、そんなに高度な知識と経験を持っているわけではありませんが、このメンバーは技術職ですので、一定程度の技術的な検討はできます。ただ、本格的な中央導坑方式と無導坑方式……

○當間盛夫委員 その説明ではなくて、11日にとめるという助言は、学識経験者からだったのですか、皆さんからだったのですか。どちらですかということです。

○當銘健一郎土木建築部長 11日にとめたのは、私ども土木建築部の指示です。

○當間盛夫委員 この無導坑方式がいいということは、皆さんがある程度その中のもので決めたわけですよね。

○當銘健一郎土木建築部長 無導坑方式が有利性があるということで、可能性があるということで検討するために、一部中止をしたということです。

○當間盛夫委員 そういう可能性があるということは、文書に書いてあるからわかります。可能性があるということで、1月11日にわかっているのに、なぜ12月22日に本契約するのですかということです。皆さんが本契約をしたのでしょう。そういった可能性があるということがわかっているのに、なぜ12月22日に本契約するのですか。この短期間で、そういった可能性というものは導き出せるのですか。誰がやったのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 平成18年12月に本契約を結んだわけですが、そのときに、先ほどから申し上げているように、中央導坑方式というものが主流だということで、この設計は随分前から積み重ねてきた設計でもありますので、平成18年の12月に契約は結びました。ただ、これも工法が変更される可能性があるということで、1月になって中止を命じたということです。もちろんこれは検討ですので、中央導坑方式がいいという提言をいただければ、また違った結果になったものと思われます。

○當間盛夫委員 先ほどの比較表を見て、工期はこの分で短縮される、その分費用は安いという比較表になってくると、誰がも無導坑方式という話になってきて、皆さんがそのように導き出したのではないかと思います。皆さんはこれを安いという言い方をするのだけれども、請負が23億3000万円で、それから幾ら安くなるという見積もりが出たのですか。先ほどは4000万円と言っていましたが、それでいいですか。

○當銘健一郎土木建築部長 第1回目の変更によって工法を変えましたが、そのときに、工法変更に伴うプラスマイナスでいきますと、4000万円程度安くなっているということです。

○當間盛夫委員 こういった変更をして金額が安くなるということは、その時点でどれぐらいになるのかということになると、皆さんは概算見積もりで4000万円だと言うけれども、これが例えば5億円とか、何億円という形になってくると、契約変更になってきませんか。

○當銘健一郎土木建築部長 第1回目の変更につきましては、同額変更ということですので、安くなった分、別のやるべき工事がふえましたので、相殺といいましょうか、同額になっています。

○當間盛夫委員 そういうことではなくて、これは追加だとか、くっつけて同額にしたということかもしれないけれども、当初の請負契約があるわけですよね。工事はしない中で工法変更をするわけですよね。トンネルの工事自体は。安くなるということであれば、請負金額自体も変わってこないですかということです。どのようにして請負の皆さんは、無導坑方式にするほうが安いのだということを出したのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 無導坑方式の工法にして、設計の図面等を書き直して、数量を拾い単価を入れて、県の積算基準によって積算したところ、4000万円ぐらい安くなったということです。

○當間盛夫委員 請負金額の変更はしなくていいと。沖縄総合事務局にも、このような形で金額が安くなるということも提示しなくていいと。皆さんは補助金でその分をもらっていくわけですよね。それは契約のときには必要ありますか。

○當銘健一郎土木建築部長 工事の契約のときに、そういった補助金の手続等は行っておりませんし、また、変更の際も、沖縄総合事務局とは特に協議、調整を行っておりません。

○當間盛夫委員 では、逆にふやすことができるのですね。皆さんのそういったさじかげんで。47.2%で余りにも低いということで、工法を検討委員会で変えて、文言上は安くなりましたという言い方をしながら、実際には金額はふえるというような形があっても、皆さんはそのように進めていけるということですか。

○當銘健一郎土木建築部長 第1回目の変更というのは、プラスマイナスゼロでございます。その後、沈下対策工事等が追加工事のような形で出てきて、実際には当初の契約金額を上回る工事を、現場で指示したということがあります。その上回る工事について、当初は変更契約ということで、請負比率を掛けた形でやりたいと思ったわけですけれども、それがうまくいかずに、沈下対策工事の分については、本体の工事から切り離して、追加工事として契約をしたということです。補助金交付決定をいただければ、その範囲の中で、ある程度事業者側に任されているものですから、補助金交付決定したもの以上の工事が必要になって、さらに追加で補助金をいただきたいという場合には、当然、沖縄総合事務局に相談をしないといけないわけですが、その範囲内でやっている場合には、そのようなことはないということです。

○當間盛夫委員 工法に関しては、いろいろとわからない部分がありますが、終わっておきます。
 皆さんはこれだけの沈下対策工事をやらないといけないと。工程表を見ると、低入札の調査の分で、最初から、第一に県が本来施工する手続の中で、増額変更に請負比率を考慮することを明言し、契約の意志を確認するべきであったということですが、なぜそれをやらないのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 直接なぜやらなかったのかと担当に聞いたわけではないのですが、第三者委員会のものを見ましても、通常請負比率は掛けるものだと。県の積算基準、あるいは民間の基準にもそのように書かれております。ただ、契約書ではそうなっていないということがございます。ですから、契約書を盾に協議が成立しないということがあれば、本来なら契約書に従った工事紛争審査会等の手続をとればよかったのですが、それを安易に別途工事として契約してしまったということです。

○當間盛夫委員 本契約、工事の変更を含めて、どこまで本庁はかかわってきたのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 本体工事を当初の12月に契約したものは、知事決裁ですので、本庁は当然絡んでおりますし、沈下対策工事についても、南部土木事務所から設計書等が送られて、それの予算執行伺いは、土木建築部長まで印鑑を押しているということです。

○當間盛夫委員 それ以外のほかの部分は全部、南部土木事務所でやったという認識でいいですか。

○當銘健一郎土木建築部長 あの当時は、5000万円まで南部土木事務所長決裁で工事が発注できるという形になっておりましたので、5000万円以下の工事は南部土木事務所でやったということです。

○當間盛夫委員 これは5000万円以下の工事だったのですか。5000万円以上は皆さんが決裁をしないといけないわけでしょう。

○當銘健一郎土木建築部長 ですから、5000万円以上である沈下対策工事については、土木建築部長の決裁で行ったということです。

○當間盛夫委員 そのものが上がってきて―先ほど座喜味委員からもあったけれども、現場管理者とか、そういった部分に全部任せっきりになっている。現場管理者は南部土木事務所ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 現場の監督員は2人おりますが、南部土木事務所が監督しています。

○當間盛夫委員 その工事が済んでいることを検査する部分も、南部土木事務所になるのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 本庁契約の場合ですと、土木建築部の技術管理課というところがありまして、そちらに検査員がおりますので、そちらが検査をしておりますが、南部土木事務所のものについては、南部土木事務所で検査をしております。

○當間盛夫委員 この契約は本庁契約ではないですか。

○當銘健一郎土木建築部長 本体工事は本庁契約ですので、これは本庁の検査となります。

○當間盛夫委員 これは本庁の検査員が検査をしているという認識でいいわけですね。

○當銘健一郎土木建築部長 はい。

○當間盛夫委員 本庁の検査員も検査する中で、こういったものが見抜けなかったと。

○當銘健一郎土木建築部長 はい、そうです。

○當間盛夫委員 本庁の検査は、どのような検査になりますか。完成しましたということで、検査をするのですか。例えば年度ごとに出されて、年度ごとのものを検査していくのですか。それとも工事ごとに検査をするのですか。

○池原盛美技術管理課長 竣工検査は、土木建築部が策定した工事検査監督要領に基づき、検査を行います。

○當間盛夫委員 よくわかりました。では、なぜ皆さんは検査の中で、今回の件は指摘できなかったのですか。

○池原盛美技術管理課長 この問題が発覚してから、ことしの1月に部内で聞き取り調査を行いました。当時の検査を担当した検査官に聞き取りをしたところでは、検査は設計図書どおり工事目的物ができているか、品質・出来形等を重点的に確認するものであり、それは問題なかった。当時、補強工が覆工コンクリートで覆われていたこともあって、事後契約か否かは気づかなかったという聞き取り結果でございます。

○當間盛夫委員 県の検査でもわからないのに、沖縄総合事務局がわかるわけないですよね。部長、どうですか。

○當銘健一郎土木建築部長 沖縄総合事務局の完了検査については、先ほども申し上げましたとおり、彼らはいろいろな、彼らの持っている基準や要領に従って行われると思いますので、そのことについてコメントは控えたいと思います。

○當間盛夫委員 沖縄総合事務局も国直轄事業と同じような形で、県には任せられないから―県の検査員ではわからないわけですから、それだったら会計検査院と同じように、沖縄総合事務局が県の発注の検査まで行うということは可能ですか。

○當銘健一郎土木建築部長 現行制度では、国の完了検査という形はありますけれども、先ほどの技術管理課が行うような検査については事業者に任されておりますので、現行のルールではできません。

○當間盛夫委員 なぜその検査段階で皆さんは見抜けなかったのかとなると、本庁の皆さんは仕事をしていないということですか。

○當銘健一郎土木建築部長 検査の段階で見抜けなかったということに関しては、反省すべき点が多々あると思います。

○當間盛夫委員 皆さんは捜査がいろいろと入ってくるはずですし―6月議会で仲井眞知事が3カ月間、50%給与を削減するとありましたが、6月議会で出された皆さんの責任のとり方は、どのようなものになっていましたか。

○武村勲土木企画課長 懲戒処分を、総務部において実施しております。10分の1の減給の3カ月が1名、1カ月が2名、戒告が1名、この4名が懲戒処分ということになっております。文書訓告については5名ということで、合わせて9名に懲戒処分という形がとられております。

○當間盛夫委員 先ほど副知事から、三役の責任はどうなのですかという話になってきたのですが、三役には責任はないという認識を副知事はお持ちですか。道義的責任ということではなく、いろいろな刑事罰を含めてです。

○与世田兼稔副知事 まず契約事務上での責任があるかというと、三役にはないと思っております。特に、知事にはありません。決裁権者は土木建築部長になっております。ですから、契約処理の中で知事が責任を問われるということはないという考えです。

○當間盛夫委員 三役には、それはないという認識であるわけですね。先ほどの9名の中で、本庁の職員は何名いるのですか。

○武村勲土木企画課長 指摘を受けたときの、在籍当時ということになりますが、本庁が、道路街路課におります職員が4名、南部土木事務所の職員が5名ということになっております。

○當間盛夫委員 改めて聞きますけれども、皆さんはこのことを見抜けなかった。今回の偽装を含めて、もろもろのものが見抜けなかったということですから、皆さんもだまされたということですので、これは全部南部土木事務所がやったという認識でいいのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 本庁で見抜けなかったということは、そのとおりでございますが、こういった工事について、現場の南部土木事務所の監督員に任せていたという仕組みも含めて、本庁がもっと管理体制をしっかりして、きちんとやっていくべきだと思っております。したがって、今回の再発防止策の中でも、土木事務所に全て任せるということではなくて、本庁もしっかりいろいろな助言や介入をしてやっていくような仕組みをつくっているところでございます。

○當間盛夫委員 懲戒処分は9名―本庁は4名、南部土木事務所は5名ということですが、この問題の最高責任者といったら語弊があるのか―責任者は誰になるのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 沈下対策工事については4億数千万円の工事でございますので、予算執行伺い等は当時の土木建築部長の決裁ということになります。責任者という意味から言いますと、当時の土木建築部長ということになろうかと思います。

○當間盛夫委員 責任者は元土木建築部長を初め、その9名の皆さんという認識でいいわけですね。

○當銘健一郎土木建築部長 退職した方ですから、今回の懲戒処分はもちろんできないわけですけれども、その当時の決裁文書等を確認すれば、誰の責任でその工事の契約をしたかということは明確です。そのようなときの状況を考えると、土木建築部長の決裁ですので、土木建築部長の責任ということはあるだろうと思います。

○當間盛夫委員 いろいろなものを削っていくと、わかってくるわけですよね。相談はするのだけれども、本庁サイドでは相談に乗れないということで、南部土木事務所で全部そういったことをやってくる。では現場監督は誰で、進めたのは誰だと。これだけの文書を皆さんがつくれるわけがないですよ、本来は。その皆さんがやったのだという認識の持ち方というのが、僕はわからない部分があって。皆さんがそれで全てだと言うのであれば、早目に処分するなり、されたほうがいいのではないですか。今の話を聞くと、三役にはないですよと。9名というのが出てくる。そうであれば、告発すべきではないですか。

○与世田兼稔副知事 告発に関しては、もう既に沖縄総合事務局がやられているわけですから、沖縄県は沖縄県としての当時の判断で、告発は見送りましたと答弁した状況でございますので、今、告発された状況の中で捜査が入っておりますので、県としては捜査の推移を見守るしかないという状況です。

○當間盛夫委員 最後になりますが、南部土木事務所の5名の皆さんだけでやったとは、僕は全然思わないし、本庁サイドに全く相談がなかったとも思わないわけです。南部土木事務所が云々という責任のとらせ方が、本庁サイドの皆さんが本当にそういう考えでいいのかということを、もう一度反省点でもってやらないと、先ほど吉田委員が言ったように、皆さんは反省が全然ないよということになってきても、おかしくはないです。そうなってくると。委員長、きょうは県庁サイドということですが、やはり南部土木事務所の皆さんのお話も聞かないといけないと思っていますので、そういう取り計らいもお願いします。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
 照屋守之委員。

○照屋守之委員 今回の刑事告発は異常です。これは、通常の沖縄県と沖縄総合事務局の関係ではあり得ませんよ。まともではないです。普通は補助を受ける側と、補助を出す側との関係ですから。仮に、例えば会計検査院が入りました。そうなると、いろいろと協議します。どのような形でやったほうがいいかというものが本来のあり方です。異常事態です。なぜこれだけ信頼が壊れているのですか。これは信頼が壊れているのですよ。その結果がこれです。思い当たる節はありませんか。

○与世田兼稔副知事 信頼が壊れていると言われたときには、それは人それぞれの評価でしょうから、私どもがコメントする立場にはないと思います。ただ、私は担当副知事として、この問題を土木建築部の所管から、全部聞いた状況だけを所感として申し上げますと、まず大きな事業でいうと、識名トンネル工事という補助事業、この目的の手続を進めるために、担当の職員が一生懸命にやってきたと。これはまず御理解いただきたい。第2番目に、今、沈下対策工事というものが出てきました。これも、やむを得ない工事として、現場指示で、危険性の除去等を含めてやってきました。これも担当の職員としては、是とすべきところはあるだろうと思います。ただ、私が今一番担当副知事として残念に思うことは、正直に申し上げまして、もっと先々に沖縄総合事務局と相談する体制が欠けていた。これが本当に反省すべき事項だと思います。かなり早い時期に沈下対策工事が出ました。これは相当大きな工事になりそうだとわかったときには、恐らく沖縄総合事務局なりに、どのような処理をすればよろしいのでしょうかと、そのような形で適切な処置さえしておけば、きちんと補助事業になる救われ方というものは、多分あったのだろうと。また、先ほど金額の点でも言いましたけれども、47.2%というものが必ずしも―沖縄県はそのような形で考えて、担当部の所管の方々もそのように答えておりました。しかしながら、私が先ほど弁護士等の指摘を受けた御意見のとおり、落札率が全ての単価を決めるというわけでは必ずしもないのです。現に、国土交通省発注の工事でも、随意契約でせざるを得ない場面においては、設計単価に近い契約を受けていることもあると。ということはどういうことかというと、やはり先々の相談が欠けていたという意味で、今後も含めてそういうあり方の体制を整えようと。おかげで、現在、伊良部大橋工事においては、沖縄県からさまざまな問題については、絶えず工事の相談に行っていると。しかしながら、相談に行っていることに対して、沖縄総合事務局が、まだきちんとした対応ができていないという問題は、現状、生じているようだということです。

○照屋守之委員 そういうことだと思うのです。国の行財政改革とか、出先機関の廃止とか、そういうことも含めて、沖縄総合事務局廃止論のようなものがあって、沖縄総合事務局としては感情的に非常にいら立つわけですよね。これまで一緒にやってきたのに、なぜこういうことかと。そういう感情論は根強いです。そういうことも含めて、沖縄総合事務局の対応は、いろいろな文書を見ていても、県に対する敵対心が強烈にあらわれています。悪意を持った対応であるとか―普通、行政がそういうことはやりませんよ。通常の当たり前の仕事であれば、こういうことは絶対にない。感情的に敵意をむき出しにしてやることはないわけです。ですから、先ほど副知事がおっしゃったような仕組みは大事です。行財政改革の中で出先機関がどうなるかは先の問題で、でも今は、沖縄総合事務局は沖縄のために頑張っている役所だから、そういうものはきちんと対応しないと、怒りたつとこういう事態になるというのが実態です。人間のやることですから。いろいろな政治的なものも含めて、刑事告発という部分は、彼らの内部の怒り的なものも含めて、出ていると思います。ですから、先ほどの反省ということも含めて、これから信頼を取り戻す。これは副知事がしっかりやらないといけないですよ。現場サイドがかわいそうです。これまで信頼を構築してつくっていたものが、この処理も含めて、途中で変わっていくわけです。いろいろ話を聞いてみると。ですからこれは、沖縄総合事務局にすれば、何だおまえたちは、というようなことがありますから。彼らは口に出してそういうことは言いませんよ。言わないけれども、行動はそのようになっていますから。それをぜひしっかりやらないといけないでしょうね。これは県民のためにやらないといけないですね。ぜひお願いします。
 それと、沖縄総合事務局がそういう金額の決定をするときに、こちらは会計検査院にどういうことですかと、いろいろ伺いを立てるのでしょう。異議申し立てもするわけでしょう。そうすると、ここの部分についても、この文面を見ていると、完了検査の分についても、なぜ沖縄総合事務局がこの程度のことを、この文面であらわすのかなというぐらい、おかしいものがあったりするわけです。例えば契約の日にちがおかしい部分について、公務員がこのようなことをやるはずがないと言って、わけがわからないことを平気で回答として書くわけですよね。おかしいのではないですかと言いたいのだけれども、やはりこれも敵意のあらわれだろうと思うわけです。ですから、いい悪い、これまでの仕事の流れも含めて、先ほど副知事がおっしゃった、そのような姿勢でいっておけば、こういう事態というのは、また別の局面になるだろうと思うわけです。いかがですか。

○与世田兼稔副知事 御指摘のとおり、私どもとしても、担当の各職員が沖縄総合事務局と相談をしながら、いい関係をもって進めていれば、このようなことはなかったでしょうと、そういう反省の上に立って、各責任者が全部責任をとってやれるような体制づくりに、今邁進しているところでございます。

○照屋守之委員 ですから逆に、沖縄総合事務局も大人げないわけです。私に言わせれば。これだけ国の機関がどかんと構えて、ある程度そういうものをきちんと受けとめてやらないと、そのようなことをやっていると、今度は我々県民が、沖縄総合事務局はいらないよということになるわけです。ですから、しっかりやってもらいたいという思いがあります。
 それと、偽装契約というのだけれども、私は非常に違和感があって、偽装とはどういうことですか。専門的な表現からすると。

○与世田兼稔副知事 偽装といいますと、契約書面の中で、事実が異なっていれば偽装ですから、今回の場合は、既に終わっていた工事を終わっていないかのごとく契約書を作成して、一からやりましょうという形にしたと。こういう点では指摘のとおりで、これをなかなか弁解する手法はない。そのような意味では、会計検査院が指摘したとおり、沖縄県としては、基本的には返さなければいけないと。ただ、返すに当たっての金額について、委員からのいろいろな御指摘もあるのですが、私どもが異議の申し立てをしたのは、御承知かと思いますけれども、一番最初に朝日新聞が記事にした段階では、47.2%を超えた金額をいただいているところが、会計検査院の検査の対象であったかのごとき指摘を、明確に受けていたわけです。あれは恐らく新聞記者が会計検査院から、検査した結果の所感として、いわば国に与えた損害―国損としては幾らでしょうかと、こういう金額を見たら、いわゆる従前から言われている設計契約単価の47.2%まではいただける。これを超えた分をいただいているのがおかしいから、これを返しなさいというのが基本的な考え方ではないのでしょうかと、このような考え方ですから、私どもは、今回の国損という視点で見た場合には、こういう視点でも見直していただけるのではないのかということが1つと。それと、本県の場合はきちんと事実関係を見ていただければ、地盤沈下対策工事はやりました。たしか沖縄総合事務局の方も言っていましたように、変更契約という処理さえすれば、47.2%の金額は、恐らく問題なく補助として出ていたでしょうということが、意見として出ているのです。そうなってくると、悪意ですよと言って利息まで請求するのはいかがなものかと。ですから私どもは利息の点と、47.2%を超えた部分に関しては見直していただけませんでしょうかと。指摘を踏まえて―異議の申し立てというのは再検討の申し立てなのです。ですから、いわゆる紛争裁判を起こしたのではなくて、考え方として、もう一度見直しをしていただけませんかと、まさに職権発動を促すための手続をとったという次第です。

○照屋守之委員 この偽装というものは―実際は沈下対策工事はここでやりました。これに伴って、工事契約は後でやりました。恐らく県は、これまでの土木工事を含めて、多かれ少なかれ、現場でこういうことは結構あると思うのです。先行してやって、後で契約をしていくということは、結構ありますよね。

○當銘健一郎土木建築部長 変更契約はよくございます。

○照屋守之委員 そういう仕事のやり方、あるトラブルが発生して、現場指示で仕事をやりながら、また新たにそういう契約をつくって、それに伴って仕事をしていくというやり方は結構ありますよね。この一連の工事も、そういう流れの中で、先に仕事はして、後で協議をして契約をしていくという、トータルでこれが補助事業として認められるという、そのような認識のほうが強かったのではないですか。いかがですか。

○當銘健一郎土木建築部長 この識名トンネル工事の一連の20数億円の本体工事の中で、いろいろな変更が出るだろうということは、建設工事―特にトンネル工事の場合は当然のことで、その途中途中でいろいろな変更が出れば、従来の方法にのっとって、変更契約をすればいいというように現場が考えるのは普通だと思います。

○照屋守之委員 先ほど検査がどうのこうのという話もしていたけれども、県の検査官も含めて、こういう仕事の流れがトータルで、補助事業の中で一連の流れだろうということは、同じように認識しているのではないですか。これを、間違ったことをやっているという認識では、恐らくこういうことはできないと思うわけです。ですから県の職員は大体こういう流れで補助事業はできているという、そういう認識のほうが強いのではないですか。

○當銘健一郎土木建築部長 沈下対策工事については、現場監督員が現場で見て、これは危ないということで、当然必要な工事でございまして、現場に指示したのは正しい判断だと思っております。ただ、それをどのような形で契約に至らしめて、きちんと処理をするかというところで、変更契約ができなかったと。それだけ抜き出して別途契約にしてしまったというところで、不適切な事務処理をしたものと考えております。

○照屋守之委員 結果的に不適切なのですよね。結果としてそうなっていると思っているのです。最初から皆さん方が、これはまずいけれども、と思いながらやったわけではなくて、こういう仕事の流れで変更契約ができるという、あるいはこれは随意契約でそのようなことをやった、これも含めて補助事業の中でできるという想定でやった。これが指摘をされて、これではだめだということは、結果としてそうなったのでしょう。

○當銘健一郎土木建築部長 第三者委員会のほうでも、意図的な偽装工作が行われた形跡がないと出ておりまして、現場ではやはり、必要な工事をまずやったと。その後変更の手続をしたところ、なかなかうまくいかなかったということでございます。

○照屋守之委員 これは落札率が80%だったら、今問題が提起されているものと、追加の契約とかも含めて、一番最後の工事は結局別のJVがとりましたよね。あれも含めて、80%だったら丸くおさまっていませんか。

○當銘健一郎土木建築部長 その可能性はあると思いますが、今ここに至って、できたか、できなかったかという結果については、お答えはできません。

○照屋守之委員 できたのです。80%とか90%とか。今みたいな、例えば県の最低制限価格90%というようなことであれば、その都度いろいろな変更協議の中で、その落札率で追加工事をやりますから、業者は当然やります。今回、47.2%と非常に厳しい金額で請けているものですから、受注業者もはいと言わないわけです。ですから、このやり方というのか、今の国際競争入札の中でやっていくときの契約、あるいは入札するときに、落札率によって追加工事も全部完了させるというように一筆入れて発注するとか、そういうことをしない限りは大変なことになりますよ。そう思いませんか。

○當銘健一郎土木建築部長 御指摘のとおり、平成22年度からは、設計変更をするときには請負比率をきちんと掛けるという新しいルールにしております。

○武村勲土木企画課長 現在でも、本工事と関連する後工事を随意契約でやる場合は、契約書ではないですが、特記仕様書に本工事の請負比率を乗じて予定価格を算定するというものがあります。今回問題になっておりますように、増額変更については契約書に明記されておりませんので、これについても特記仕様書に入れる方向で検討を進めているところです。入札公告についても、その特記仕様書を十分に周知するように公告をしていきたいと思っております。

○照屋守之委員 その対策は非常に重要です。落札率は非常に大きいです。これだけの47.2%という落札率からすると、追加工事とかそのようなものについては、やはりどういう業者でも拒みますから、拒んで、それをどう処理するかといって、皆さん方が思いあぐねてやったことが、結果的にこのような問題を起こしてしまうということになりますから、そこはきちんとやらないといけませんね。午前中に、完了検査の件で沖縄総合事務局に伺いを立てました。びっくりしたのは、完了検査とはこんなに簡単なものか、責任のないものかと思いました。沖縄総合事務局いわく、800件もの相当な数があって、我々は一件一件だけれども、自分たちはとてもではないけれども、これについて責任を持って面倒を見ることができる、詳細をチェックできるような状況ではないといったニュアンスで言っているのだけれども、完了検査はそんなに簡単なものですか。先ほど、ここの竣工検査の話をしていたけれども、私は言っているように、県の職員も含めて、こういう一連の流れが、補助事業として成り立つという認識のもとにやっていませんかというのは、恐らく現場も、検査する側もそういう認識だと思っているわけです。この完了検査の重みは、どのようなことがあるのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 私どもは完了検査を受検するほうですので、きちんと体制を整えて、必要な書類は全部持ち込んで、会計検査並みに対応しているつもりでございます。

○照屋守之委員 それで、この完了検査―こういうことを聞いたら、わからないと言うわけです。例えば、私は素人なのですが、本体工事がほぼ終わりかけています。その後に、ここに沈下対策工事の契約がされていますと。普通、専門だったら、これと並行して沈下対策工事をやるということは、誰が考えてもわかりますからね。ここに契約をされているということは、わからないと言うわけです。そこまで見ることができるような検査ではないといった言い方をするわけです。それと同時に、そういうチェックをするということではなくて、皆さん方検査官も、県の職員と同じように、この一連の流れ―この工事は先にやって、契約は後でするというものが一連の補助事業の一環として捉えていたのではないですか、だから指摘しなかったのではないですかという聞き方をしても、結局3回ぐらい聞いているけれども、この件については何も答えないわけです。そうだとも、そうではないとも言わないわけです。私が聞いた別のものにいろいろ答えて、結局そういう答えは聞けないのだけれども、私が専門家に聞きたいのは、素人でもわかるのだけれども、本体工事で沈下対策工事も並行してやらないといけないものが後で契約されているという構図が、わからないものかと思って。皆さん方だったら、市町村の工事を見るときに、こういう指摘はできるのではないですか。どうですか。

○當銘健一郎土木建築部長 私どもの技術管理課の検査でも見抜けなかったということですので、国の完了検査がどうこうということは申し上げられないところでございます。

○照屋守之委員 皆さん方の検査で見抜けないというのは、先ほど言ったように、皆さん方も、この仕組みで補助事業の範疇だと思っているから、何もチェックしないわけでしょう。先に工事をして後で契約をしても、補助事業として大丈夫だろうと思いながら検査をしているから、特に指摘しないわけではないのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 先ほど技術管理課長からも説明を申し上げましたとおり、竣工検査では図面と現場を照合すると。あるいはブラインドの部分について、なかなか見えない部分もありますので、そういったことで見抜けなかったということです。

○照屋守之委員 この前の沖縄総合事務局とのやりとりの中で、現場指示で例えば工事を先にすることもあるとか、あるいは本体工事を前提として現場で業者と協議が調えば、工事を先行することもあり得るというようなニュアンスで言っていたのだけれども、これは非常にわかりにくいわけですよね。ですから、後で契約しても補助事業として成り立つというニュアンスで我々は受け取ったりするのです。このようなことは、そういう現場サイドはある程度、意思は統一されているのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 本体工事を契約して、そこにいろいろな変更があった場合に、例えば補助金交付決定の範囲内であれば、当然それは補助対象事業になるものだと理解しますけれども、超える場合等は、当然これは沖縄総合事務局などに相談をしないといけないということです。

○照屋守之委員 最後にもう一点確認しますが、虚偽契約と言われている部分で、追加工事の送水管の沈下対策工事の契約の部分、それと2つ目は、まだ施行していない残工事に係る資材の購入費用というものが、今テーマになっていますよね。これは間違いないですか。それ以外にもありますか。

○當銘健一郎土木建築部長 返還を命ぜられましたのは、沈下対策工事と、その後の5件の契約、さらに利息等でございますので、工事としては委員のおっしゃるとおりです。

○照屋守之委員 それとあわせて、先ほど言った一連の工事、資材の購入等も含めて、トンネル工事の中で工事をする、資材を使うということで、土木建築部の担当も含めて、補助事業の範疇で処理できるという認識のもとでやっているわけですね。

○當銘健一郎土木建築部長 沈下対策工事及びその後の5件の契約についても、補助対象事業であると思って、契約等を結んだということでございます。

○照屋守之委員 それと、業者ですね。工事ももちろん、契約も含めて業者は仕事をしているわけですけれども、返還という話もありますが、私は業者については―要するにこれだけのお金をもらって仕事をする、そこの中にはいろいろ、契約書の問題があるのだけれども、業者は、自分たちがやったものの代金をもらって、それに見合う分の仕事をして、代償としてもらっているという認識があって、これは今県の責任でそのようなことをやっているのだけれども、業者に対してはそのような、金額を返すとか、どうのこうのということは、到底できないのではないかと思っていますが、この点について、いかがですか。

○与世田兼稔副知事 先ほども述べましたが、検討中としか言えないのですけれども、ただ、第1番目でいうと、この問題は低入札工事―WTOの一般競争入札で、幾ら低額であってもよろしいという低入札工事から始まっているのですけれども、低入札工事というものが持ち合わせている一番大きな問題点は、先ほど當間委員が指摘されたように、安易な増額工事というものが期待される、あるいは、なされるということが、ないわけではないと。ですからそういうことを明確に防止するために、沖縄県は現在、入札時、契約時、その他もろもろの場面において、低入札だったからといって、いわばその後の追加工事、あるいは随意契約等によって益を得ることがないような注意、インフォメーション、価格設定の合意というものを明確にしようといった手続をとっているわけです。ですから、今回の問題はそのような指摘がない状況で、果たして返還を求めることができるのかという点が、弁護士のほうから疑問が出されていると。私どもの考える金額で、例えば返還を求めることができるかどうかという点について、2つの法律事務所に意見を求めた中で、1つは厳しいという意見があるし、もう一つは、沖縄県の状況いかんによっては、当該補助事業の無効を理由とする、錯誤無効の論理はできないかという意見もあって、私どもはどの意見にくみするべきかは現在検討中で、警察捜査も含めた推移を見てから、あるいは議会等の議論を見ながら、最終判断をさせていただきたいと。ですから、現在のところ、請求できるとも、できないとも言える答えは持ち合わせていないというのが、状況でございます。

○照屋守之委員 例えば業者が、仕事はしていないのにそれ以上のお金をもらったとかという事例があれば、それは差額分を返してくださいということができるけれども、業者にすれば請負ですから、請けて負けるという業、非常に厳しい立場です。請けた業者は表には言えないけれども、一連の工事の中で非常に厳しい状況にあって、県がお願いする、あるいは現場でそのような状況が起こってくる、それに対応しないといけない。最終的には、最後まで工事は受注できるはずのものが、そのようなものができなくて、途中で自分たちは引かざるを得ない。これは入札制度の仕組みですよね。そういうものも含めて、相当厳しい状況に追い込まれながら仕事をしているのですね。極端に言えば、彼らは補助事業であれ、県単費であれ、やった分の代金がもらえればいいわけでしょう。これが違法的なものではない限りは。そういうことからすると、今回の仕事の中でいろいろ見ていても、相当業者に負担がかかっても、逆に恐れ多くて、彼らに払った分を返せとかということは、私は常識的にできないのではないかと思うわけです。その辺はしっかりと対応してもらいたいなという思いがあって―法的な部分では何かあるかもしれないけれども、常識的に考えると、きちんとやった仕事は代金を支払わないといけないと思いますから、ぜひしっかり検討してください。

○与世田兼稔副知事 先ほども、会計検査院が国土交通省に指摘した資料の中で、競争入札により契約した前工事に引き続き、随意契約により行う後の工事の予定価格の算定についてとして、年度が正確にはわからないですが、2388億6073万円に、会計検査院から国土交通省に意見を述べております。述べている中で、競争入札の考え方の中では、競争の利益を反映するための法等に関する定めをきちんとつくりなさいと言っています。ですから競争入札で発注者側が利益を得る制度というものが、入札制度なわけですから、それを、後からの工事を含めてですが、競争入札の利益が、地方公共団体である県は、県として確保する手法というものを持っていかなければいけないと。そのような意味では、今後も含めて、契約の方式について、先ほども申し上げたとおり明確に、後日の随意契約をする場合になったとしても、価格決定方式に問題が生じないようなやり方をしなければいけない。ただ、今回の場合にそれが明確でない―契約書上とか、沖縄県はそのように考えていたのですが、明確でないという状況がある中で、今後業者に対して、どのような手続をとるかということは、引き続き検討させてください。

○照屋守之委員 沖縄総合事務局は、虚偽契約ということで、県にだまされたという表現をしているのです。例えば沈下対策工事をここでやって後で契約するという、そのもの自体を捉えていると思うのですけれども、県は、検査でも書類関係でも、ありのままを出していると私は認識しているのです。もし、だましたと言うのであったら、後で契約したものを、沈下対策工事をそこで契約したかのようなことであれば、だまされたという表現も適当だろうと思うのだけれども、そのままやって、沖縄総合事務局がだまされたということが理解できないのです。皆さん方はだましているのですか。どのように提示しているのですか。

○當銘健一郎土木建築部長 沈下対策工事につきましても、その後の5件の契約につきましても、補助対象工事だと信じて、契約手続を行ったわけで、意図的にだますとか、そういうことではないと考えております。

○照屋守之委員 検査のときに契約書とかいろいろなものを出しますよね。そのときに、ありのままの状態で検査を受けたのでしょう。そういうことですよね。

○當銘健一郎土木建築部長 そうです。

○奥平一夫委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 質疑なしと認めます。 
以上で、識名トンネル工事契約問題に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席。その後、次回の日程、招致する参考人及び委員会の庁内放映について協議し、日程及び招致する参考人ついては案のとおりとし、庁内放映については実施することで意見の一致を見た。)

○奥平一夫委員長 再開いたします。
今後の日程等については、休憩中に御協議いたしましたとおり決することとしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○奥平一夫委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次回は、10月11日 木曜日 議会運営員会終了後、委員会を開きます。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。



沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。


委 員 長  奥 平 一 夫