委員会記録・調査報告等

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総務企画委員会記録
 
令和4年 第 5臨時会

1
 



開会の日時

年月日令和4年9月22日 曜日
開会午後 3 時 18
閉会午後 4 時 7

場所


第7委員会室


議題


1 甲第1号議案 令和4年度沖縄県一般会計補正予算(第3号)
2 議案の採決


出席委員

委 員 長  又 吉 清 義 君
副委員長  島 尻 忠 明 君
委  員  仲 村 家 治 君
委  員  花 城 大 輔 君
委  員  仲 田 弘 毅 君
委  員  山 里 将 雄 君
委  員  当 山 勝 利 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  渡久地   修 君
委  員  國 仲 昌 二 君
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  當 間 盛 夫 君
委  員  上 原 快 佐 君


欠席委員


説明のため出席した者の職・氏名

知事公室長            嘉 数   登 君
 辺野古新基地建設問題対策課長  知 念 宏 忠 君
総務部長             宮 城   力 君




○又吉清義委員長 ただいまから、総務企画委員会を開会いたします。
 甲第1号議案令和4年度沖縄県一般会計補正予算(第3号)を議題といたします。
 本日の説明員として、総務部長の出席を求めております。
 ただいまの議案について、総務部長の説明を求めます。
 宮城力総務部長。

○宮城力総務部長 ただいま議題となりました甲第1号議案につきまして、令和4年度一般会計補正予算(第3号)(案)説明資料により、その概要を御説明いたします。
 お手元の資料2を御覧ください。
 1ページをお願いします。
 今回の補正予算は、国土交通大臣が行った県の公有水面埋立変更不承認処分を取り消す裁決の取消しに係る抗告訴訟の提起に要する経費について、598万3000円を計上するものであります。
 2ページをお願いします。
 今回の補正により、補正後の改予算額は8883億3046万6000円となります。
 歳入の内訳は、繰入金598万3000円となっております。
 3ページは、歳入歳出の財源内訳と、参考として財政調整基金の年度末残高見込額を記載しております。
 4ページは、今回の補正額を部局別にまとめたもので、知事公室のみとなっております。
 5ページは、事業の概要で抗告訴訟に要する経費を記しております。
 以上が、甲第1号議案令和4年度一般会計補正予算(第3号)の概要であります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○又吉清義委員長 総務部長の説明は終わりました。
 これより、甲第1号議案に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 また、質疑に際しては、引用する予算資料の名称、ページ、番号及び事業名等をあらかじめ告げた上で、質疑を行うよう御協力をお願いいたします。
 この際、執行部の皆様に申し上げます。
 答弁に際しては要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 花城大輔委員。

○花城大輔委員 朝から質疑大変お疲れさまでございます。ほとんど議論は尽くされているとは思いますけれども、総務企画委員会のメンバーとして何もしないわけにはいかないので、簡単に確認をさせていただきたいと思います。
 まず、今回の予算598万3000円ですけれども、これはこの補正予算額で完結するものなのか、それともこれから増えていくものなのか、その辺の説明をお願いします。

○知念宏忠辺野古新基地建設問題対策課長 今回の訴訟に関しては、この予算で完結いたします。

○花城大輔委員 これまで11件訴訟があって、3件敗訴、4件係争中とありますけれども、これまで知事がずっとお話しされてきた対話による解決というのは、完全に放棄されたという理解でよろしいですか。

○嘉数登知事公室長 対話による解決ということだと思いますけれども、沖縄県はかねてから政府に対して対話による解決に必要性と重要性を繰り返し述べてきております。沖縄の過重な基地負担の軽減を図るためには、政府に対して申し上げることは申し上げ、問題点を指摘しながら、必要に応じて連携して取り組むことが重要であるというふうに考えております。
 県としましては、政府に対して対話によって解決策を求める民主主義の姿勢を粘り強く訴えまして、辺野古新基地建設阻止、そして普天間飛行場の速やかな運用停止を含む一日も早い危険性の除去、同飛行場の県外・国外移設及び早期閉鎖・返還を実現するよう引き続き求めてまいりたいと考えております。

○花城大輔委員 その対話による解決を求めますというふうに政府に申入れをしたことは何度も聞いておりますけれども、その対話による解決というものがどのようなプロセスを経てどのようなゴールに向かっていくかという道筋は見たことがありません。その結果、このような抗告訴訟に至っているんだというふうに思っております。しかも、司法で判決が出たことに対して違法という言葉を使って、自らが望まないような結果に対して司法そのものさえ否定しているような発言まであったわけです。これはそのまま司法そのものを否定しているということで理解してよろしいんですか。

○嘉数登知事公室長 司法の判断を否定しているということではなくて、地裁、高裁、その判決を受けて、不服があった場合に最高裁に対して訴えを提起しているということでございます。

○花城大輔委員 それでは、今回の訴訟、これまでと異なる状況―公室長、敗訴を前提として訴訟をすることはないというふうにどなたかの答弁でおっしゃっていましたけれども、これまでの訴訟と比べて、今回勝訴するに当たる材料というようなものをお示ししていただけますか。

○嘉数登知事公室長 お答えいたします。
 まず、沖縄県は沖縄防衛局が提出した変更承認申請について、災害防止及び環境保全に十分配慮された検討がなされていないという点、変更承認申請の内容が工期を当初の承認と比べて実質3倍以上に長期化するなど、普天間飛行場の危険性の早期除去にはつながらないことなどから、これを不承認としたものでございます。
 これに対して沖縄防衛局長は、自らを私人と同じ立場であると主張しまして、行政不服審査法による審査請求を行っております。そもそも行政不服審査法は、国民私人の権利・利益の簡易・迅速な救済を図ることを目的としておりまして、一般私人の立ち得ない立場において不承認処分を受けた沖縄防衛局が行政不服審査制度を用いることは、当該制度の趣旨から大きく外れたものであるというふうに考えております。
 それから、国土交通大臣は内閣の一員として、辺野古新基地建設を推進する立場にあるものでありまして、沖縄防衛局の審査請求に係る判断をなし得る地位にはなく、今回の裁決は審査庁としての地位を著しく濫用した違法なものであると考えております。
 このようなことから、県としましては本議会において議決が得られましたら、裁判において、不承認処分が適法に行われたものであること、それから国土交通大臣の裁決が違法なものであることなど、広く主張してまいりたいと考えております。

○花城大輔委員 過去の3回に比べて目新しいものを感じないのは、答弁がいつも同じなんだというふうに思っています。
 加えて判例がもう3回も出ている以上、余計厳しくなっているような状況に今ある中で、県としてもリスクがあるというふうに思います。例えば県の主張が通れば望ましい結果が得られるのかも知れませんけれども、そうじゃない結果が出た場合に、この普天間代替施設の抗議活動について終止符が打たれるんじゃないですか。私はそのようなリスクもあるというふうに思います。
 現計画では一日も早い危険性の除去にはつながらないというお話がありましたけれども、12年後、あの時何やっていたんだというようなことも起こりかねないわけです。行政は、政治は何をやっていたんだと。ぜひ、建設的な、もう対話のある解決ということを諦めていないのであればその辺も進めてやるべきだというふうに思っております。このままじゃ同じ物語を何回も見させられているようで、とても賛成する気にはなれません。
 質問は終わります。

○又吉清義委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲村家治委員。

○仲村家治委員 先ほど米軍基地関係特別委員会のほうでも議論はしたんですが、まず確認したいんですけれども、この訴訟のスタートというのは多分平成27年10月に当時の翁長知事が前知事の埋立承認に瑕疵があるなどとしてその承認を取消したという訴えがあったと思うんですけれども、それで間違いないでしょうか。
 
○嘉数登知事公室長 これは代執行訴訟―平成27年11月17日、国の提訴に係るものでございます。

○仲村家治委員 頂いた資料の3の3の1番に当たるんですか。その備考欄に和解による取下げとあるんですけれども、多分、当時翁長知事は自ら承認の取消しを取り消したというふうな記憶があるんですけれども、それが和解という表現になっていると思うんですが、この辺の経緯を教えてもらえますか。

○嘉数登知事公室長 委員御指摘のとおり、平成28年3月4日に和解が成立しておりまして、この和解の条項の概要ですけれども、まず一つは国土交通大臣は代執行訴訟を取り下げ、沖縄県知事は関与取消訴訟を取り下げる。それから沖縄防衛局長は国土交通大臣に対する審査請求を取り下げ、埋立工事を直ちに停止するというような内容になっております。

○仲村家治委員 その一時工事が止まってお互い対話しようということで、話がついて和解ということになったと記憶しているんですけど、それでよろしいでしょうか。

○嘉数登知事公室長 国、県及び沖縄防衛局長は判決確定後、直ちに判決に沿った手続を開始するとともに、その後もその趣旨に従ってお互いに協力して誠実に対応することを相互に確約するというような和解条項になっております。

○仲村家治委員 それで工事が開始されて、その後にまた、新たな裁判が始まったと思うんですけれども、この資料3の3で言えば何番に当たるんでしょうか。

○嘉数登知事公室長 資料3の3の4番。不作為の違法確認訴訟。これは国の提訴に係るものであります。

○仲村家治委員 それ以来、9件の訴訟があり、敗訴が4件、取下げが1件。今係争中が3件あるんですけれども、今回委託料で598万ってあるんですが、これまでに全てかかったのは二億二、三千万って聞いているんですけれども、その内訳はどうなっているんでしょうか。

○知念宏忠辺野古新基地建設問題対策課長 お答えします。
 委託料を含めたこれまでの訴訟に直接要した費用の総額は9420万6026円。弁護士への法律相談や国地方係争処理委員会への審査の申出、行政不服審査法に基づく審査請求に係る対応など訴訟以外に要した費用の総額は9001万600円。訴訟等に係る出張など旅費の総額は3954万1400円。これらの合計で2億2375万8026円となっております。

○仲村家治委員 今回の委託料で約600万出ていますよね。結局裁判になったら、これにプラス経費がかかってくると思うんですけれども、これは見込みとしてどのぐらい見ているんですか。

○知念宏忠辺野古新基地建設問題対策課長 今議案で提出しています額以上に、今回議決が得られましたら地裁に提出することになるんですけれども、予算はそれで全て込みというか、これで予算全てでございます。

○又吉清義委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、仲村委員から質疑の補足があった。)

○又吉清義委員長 再開いたします。
 知念宏忠辺野古新基地建設問題対策課長。

○知念宏忠辺野古新基地建設問題対策課長 失礼いたしました。
 訴訟費用は、弁護士の委託料以外に裁判所に提出する専門家の意見書等の作成があった場合には、それらの費用がかかることがございます。

○仲村家治委員 この11件で総額2億3000万近くの経費というか、裁判費用がかかって、まだ確定はしていないけれど、厳しい状況で今係争中であると。今回、過去の裁判の訴えと違って、弁護士さんとかいろんな専門家の方と相談して勝算があるなと。過去とはちょっと違うなということを、活路というのが見いだせたのか。そのような確信があるかどうかお答えいただけますか。

○嘉数登知事公室長 今回、訴えを提起するに当たっては、不承認処分をめぐる訴訟についてですけれども、まず行政法学者等からいただいた意見によりますと、国土交通大臣が行った裁決の拘束力が生じていることから、国土交通大臣が行った是正の指示に従い承認を行うことは違法などとされていることから、裁決の拘束力が是正の指示の……。
 委員長ちょっと。頭を整理してから答弁いたします。
 沖縄県は、沖縄防衛局が提出した変更承認申請について、災害防止及び環境保全に十分配慮された検討がなされていないこと、それから変更承認申請の内容が、工期を当初の承認に比べて実質3倍以上に長期化するなど、普天間飛行場の危険性の早期除去につながらないことなどから不承認としたものであります。この工期を当初承認と比べて実質3倍以上に長期化するということについては、今回変更承認申請で初めて出てきたものであるというふうに理解しております。
 これに対して沖縄防衛局長は、自らを私人と同じ立場にあると主張しまして、行政不服審査法による審査請求を行っております。そもそも行政不服審査法ですけれども、これはいろいろ行政法学者のほうからもアドバイスをいただいておりますけれども、これは国民私人の権利・利益の簡易・迅速な救済を図ることを目的としておりまして、一般私人の立ち得ない立場において不承認処分を受けた沖縄防衛局が行政不服審査制度を用いることは、当該制度の趣旨から大きく外れたものであるということが言われております。
 それから、国土交通大臣は内閣の一員として辺野古新基地建設を推進する立場にあるものでありまして、沖縄防衛局の審査請求に係る判断をなし得る地位にはなく、今回の裁決は審査庁としての地位を著しく濫用した違法なものであるという指摘。このようなことから、県としては本議会において議決が得られましたら、裁判において不承認処分が適法に行われたものであること、それから国土交通大臣の裁決が違法なものであることなどを広く主張していきたいというふうに考えております。

○仲村家治委員 直接的な埋立ての部分と行政手続の部分がごっちゃになっている感じがするので、これは専門的な法律の問題もあるので私たちがどうこういうことではないと思うんですけれども、ただ前知事の翁長知事のときから始まった訴訟の11件、全てにおいて不透明な部分があり、また係争中とはいえ敗訴が確定しているものが4件もある中で、司法の場でこの事業を止めるということがなかなか難しいというのが、僕はもう皆さん本当は分かっていると思うんですけれども、一方で普天間飛行場の危険除去をどうするかというのを一番大切なことを置き去りにしている部分があるのかなと。やっぱり裁判というのは司法の場なので、私たち三権分立というのもあるので、見守るしかない。ただ過去の結果はほぼ負け越しているという部分もあるので、そろそろ裁判闘争ではなくて、政治的な決断、話合い、普天間飛行場の危険をどうするかということをもっと具体的にテーブルにのせて知事はやるべきだと思うんですよ。ぜひこれは、知事公室長にあれなんですけれども、ぜひ知事にもっと具体的に普天間飛行場の除去をするためにはどうしたらいいか、それをもっと政府としっかりと話し合う中で、政治の世界というのはベストが無理だったらベターという言葉があるんですよ。このベターが何なのかというのは模索する必要があると思うんですけれども、公室長のこの辺の見解を教えてもらえますか。

○嘉数登知事公室長 解決に向けての取組をどう考えるかという趣旨の御質問だというふうに考えておりまして、これまで本議会それから特別委員会でも繰り返し答弁させていただいておりますけれども、県はかねてから政府に対しては対話による解決の必要性と重要性ということは繰り返し述べてきております。沖縄の過重な基地負担の軽減を図るためには、政府に対しては申し上げることは申し上げる、それから問題点があれば指摘をする。必要に応じて連携して取り組むことが、これが重要だというふうに考えておりまして、そういう意味からすると対話の必要性の部分と、我々が考えているこのたびの違法行為の対応としての訴訟、これは別であって、しっかりとやっていく必要があるというふうに考えております。
 県としては、政府に対して対話によって解決策を求める民主主義の姿勢を粘り強く訴えながら、辺野古新基地建設阻止そして普天間飛行場の速やかな運用停止を含む一日も早い危険性の除去、それを引き続き求めてまいりたいというふうに考えております。
 
○仲村家治委員 最後になりますけれども、今回の選挙で知事は辺野古反対ということで当選なさったので民意は辺野古反対だとおっしゃっているんですけれども、ただ今年1月の名護市長選挙、去った宜野湾市長はこの辺野古に対しても―特に宜野湾市長は、危険性除去を一日も早く容認をなさった現職の市長さんが当選したのも、これは宜野湾市民の民意だと思うんです。ですから口で言うのは簡単なんですよ。対話とか。過去4年間、知事はそういう積極的に政府に対して宜野湾の危険性除去に特化した対話は一度もやっていないと思うので、しつこく政府とこの辺は対話というよりも何回も何十回でもいいので、東京に行って普天間飛行場の危険性除去を訴えないと前に進まない。辺野古の反対よりももっと重要なのは、普天間飛行場の危険性除去なんですよ。それをぜひ訴えてほしいなと思いますので、これは要望で置いておきますけれども、ですから今回の部分はちょっと私としては、過去の事例からするとこの裁判だけで辺野古の問題がなかなか解決するものではないと思うので、反対の立場で意見を言って終わります。

○又吉清義委員長 ほかに質疑はありませんか。
 渡久地修委員。

○渡久地修委員 すみません、これまでの質疑聞いていて、ちょっと確認したいのがあるんだけど、県民の民意というのは、辺野古新基地反対、やめてほしいというのが何度も示されてきたと僕は思うんだけど、これは2013年の建白書、全県議会の会派も一緒になって、県内移設断念ということでやってきたと思うんだけれど、県民の民意を一顧だにしない、政府に原因があると僕は思うんだけど、これを止められない県政が悪いとかっていう議論がどうもあるような感じして、ちょっと逆立ちしていると思うんだけれども、その辺はどう思いますか。

○嘉数登知事公室長 私で答弁するのなかなか厳しい質問ですけれども、知事は午前中の本会議におきましても、辺野古新基地建設の是非が明確な争点であった今回の県知事選挙におきまして、辺野古に新基地は造らせないという公約を掲げて当選し、県民の付託を受けているという答弁をしております。また、辺野古埋立ての是非に絞って行われた県民投票では、投票総数の7割を超える圧倒的多数の辺野古埋立てに反対する県民の民意が明確に示された。しかしながら、議員御指摘のとおり、政府はこのような民意を一顧だにせず、工事を強行し続けていると。県としては今後とも県知事選挙や県民投票で示された民意を踏まえ―これ午前中のうちの答弁では「私は」という答弁をしておりました。辺野古に新基地は造らせないとの知事公約の実現に向けて全力で取り組んでいくというような決意を示されたというふうに理解しております。

○渡久地修委員 総務企画委員会なので、五百幾らかの予算審査なんですけれど、僕はこの裁判というのはとっても大事な地方自治、憲法、そういった問題からもとても大事だと思うんですけれども、問答無用で押しつけて、県民がこれだけ反対だと、嫌だと言っているのに、問答無用で押しつけてくるというのは、僕は理不尽だと思うわけよ。今年は復帰して50年になるわけよね。50年。で、沖縄県民が戦後27か年間、苦しめられて復帰に託した願いというのは憲法、憲法の下へ帰ろう、基本的人権が尊重される、そして地方自治の尊重だったわけよ。地方自治。これ屋良建議書にもあるよね。今のこの辺野古をめぐる国のやり方というのは、地方自治あるいは県民の基本的人権をも踏みにじっている。だからこれを守る―まさに復帰50年たっても沖縄県民はこういう戦いをやらないといけないというところに直面しているのが今度の裁判だと思うわけよ。だから、僕はこの裁判とても大事だと思うので、ぜひ皆さん、これはそういう大きな全国的な問題であるし、地方自治、基本的人権、憲法の問題からもぜひ頑張ってほしいと思うんだけれど、その辺いかがですか。

○嘉数登知事公室長 お答えいたします。
 辺野古新基地建設に係る政府の対応ですけれども、これは民主主義や地方自治の問題など、この民主主義国家の根幹に係る重大な問題を顕在化させているものというふうに考えております。本件のように国が私人になりすまし、国民の権利利益の救済を目的とする行政不服審査制度を利用しまして、地方に関与する手法がまかり通るのであれば、政府がその方針に従わない地方公共団体の行政処分に対しまして、強制的に意向を押し通すことができるようになり、これはもう地方自治は保障されないというふうに考えております。このような観点から、辺野古問題は単に沖縄県だけの問題ではなく、全国の地方公共団体にとっても大きな影響を与えるものであると。このため地方自治体が行った処分について、審査請求の手続を通じて大臣が関与する裁定的関与、これは地方自治体が行った処分を取り消すことも可能であることから、地方分権改革に際し―これは全国知事会等から問題が提起されました。県では知事の処分が大臣に取り消されるという事態が生じていることから、この全国知事会に同制度の見直しを提案いたしまして、昨年の会議において国への提言書に盛り込まれております。
 県としては引き続き全国知事会と連携して憲法が定める地方自治の本旨の実現のため、政府に対し同制度の見直しを強く求めてまいりたいというふうに考えております。

○渡久地修委員 沖縄の米軍基地の形成過程というのは、普天間基地もそうだけれど、一言で表せば銃剣とブルドーザーで奪われたということで表現されますよね、一言で言えば。復帰前はこういう銃剣とブルドーザーでやられたわけよ。今また今度は、この銃剣とブルドーザーではないけれども、僕から言わせたらそれと等しいような、いわゆる国の権力によって押しつけてくるという点では、それに近いような感じじゃないかなと思って、僕は非常に憤りを感じるんだけど、そういう意味ではぜひこの訴訟―訴えるからにはその辺も含めて戦後の沖縄の27年間の歴史、復帰後50年のこの歴史、これもしっかりと解き明かして、ぜひ堂々と主張して頑張ってください。
 どうですか、最後一言。

○嘉数登知事公室長 知事を支えてしっかりと対応して行きたいと考えております。

○又吉清義委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 防衛局の私人になりすましというのは、これまでの裁判でずっとやって、今度もそういう不承認の処分の取消しということをやっていますよね。これに対して、今全国知事会の話もそうですけど、行政法の専門家が意見を出したものも含めてになりますか。

○嘉数登知事公室長 これは平成30年10月に沖縄防衛局が国土交通省に対して行政不服審査法に基づく審査請求と、それから執行停止の申立てを行ったことについて、全国の行政法研究者110名が声明を発表しております。その中で、国が公有水面埋立法により与えられた特別な法的地位、これは固有の資格ですけれども、それにありながら、一般私人と同様の立場で審査請求を行うことは許されず、これは違法行為にほかならないというような声明も発表されております。

○西銘純恵委員 これを最初にやったときから、そういう違法行為ということで専門家がこれだけの人数でやってきたのに、今回も結局は今年の4月8日ですか、同じように審査請求をやって、国交大臣の裁決が出たと。この裁決をそのまま黙っていたらどうなるんですか。今、抗告訴訟をやりますということで議案にかかっていますけど、裁決をそのままにしていたら、今後辺野古はどうなるんですか。

○嘉数登知事公室長 裁決は変更承認申請について処分しなさいというような裁決になっておりますので、そこは改めて承認をするか、違う理由でもって不承認処分をするか、この2択にかかっているというふうに考えております。

○西銘純恵委員 今2択とおっしゃったんですけれども、今回の判断というのが、やっぱり知事選挙が直前にあって、もう一度、4度目の辺野古反対の民意が出たということがあるので、余計に民意に従うというのは県政の大事なところだと思うんですよ。だから抗告訴訟というのは当然にやらなければならない立場になるんだろうなと思うんですが、今回出すということは、これを判断した経緯といいますか、思いというのか、そこら辺もお尋ねします。

○嘉数登知事公室長 訴訟を提起するに当たっては、もろもろの事情を考慮しなければいけないというふうに考えておりますけれども、まず、県としては変更承認申請の内容が公水法の要件を満たさず、不承認処分は正当であると。今般の不承認処分は沖縄防衛局が固有の資格において受けたものであり、裁決は権限の濫用としてなされたものであるというふうに考えておりまして、今回の裁決そのものが違法、無効なものであるというふうに考えておりまして、その裁決の取消しを求めて、今回訴訟を提起するということでございます。

○西銘純恵委員 これまでの訴訟が実質審理に入らなかったということですが、今回内容に踏み込んで、設計変更で工期も3倍になる、普天間の早期閉鎖なんてとんでもないでしょうと。真逆のことが起こるわけですよね。そういう中身とか軟弱地盤のこととか出していって、実質審理に入れば、やっぱりそれなりの勝訴の見込みというのは確率は高くなるというところになってくると思うんですが、この実質審理に持っていくというところの―裁判所が公平にやるのは当たり前だと思うんですが、三権分立だと思うんですが、この間の裁判はやっぱりいろいろ公平にやっていないんじゃないかというところもある中で、内容審理に持っていくというところではどのような努力というのが要るんでしょうか。

○嘉数登知事公室長 今年4月に国交大臣が行った県の不承認処分取消裁決について、県としては、まず今回の変更承認申請の内容が公水法の要件を満たさず、不承認処分は正当であると。我々が行った不承認処分は正当であるというふうに考えているということ。それから、今般の不承認処分は沖縄防衛局が―これは先ほど来、議論させていただいておりますけれども、固有の資格において受けたものであり、本件の裁決は権限の濫用としてなされたものというふうに考えておりまして、これは先ほど行政法学者の声明にも表れているというふうに考えております。
 それから、令和3年7月、サンゴの是正の指示に係る最高裁判決におきましては、サンゴの特別採捕許可を求める農林水産大臣の是正の指示が適法か否かが争われまして、当該許可の必要性等について審議が行われた結果、県敗訴とはなったものの、5名のうち2名の裁判官が反対意見を述べております。その内容は県の主張に沿ったものとなっていることから、今回の抗告訴訟におきましても公有水面埋立法に基づく不承認処分の適法性について審査が行われれば、知事の不承認処分の判断は適法であることが明らかになるというふうに考えておりまして、その辺りを県としてはしっかりと訴えていきたいというふうに考えております。

○西銘純恵委員 ぜひそういう―過去に、平成30年に行政法の専門家の話をされて、それから年数はたっているんですけれども、新たな司法の現場にいる皆さん、全国知事会も相当動いてきていますけれども、そこら辺の力も借りて、ぜひ内容審理に持っていけるようなことも含めて取り組んでいってほしいと思います。
 以上です。

○又吉清義委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○又吉清義委員長 質疑なしと認めます。
 よって、甲第1号議案に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○又吉清義委員長 再開いたします。
 議案に対する質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
 休憩いたします。

   (休憩中に、議案の採決方法等について協議)

○又吉清義委員長 再開いたします。
 これより、甲第1号議案令和4年度沖縄県一般会計補正予算(第3号)の採決を行いますが、その前に意見、討論等はありませんか。
 當間盛夫委員。

○當間盛夫委員 無所属の会はまだ会派の合意を見ておりませんので、本会議で意思表示をしたいと思います。よろしくお願いします。
 退席します。

○又吉清義委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、無所属の会会派委員退席)

○又吉清義委員長 再開いたします。
 ほかにありませんか。

   (「意見、討論なし」と呼ぶ者あり)

○又吉清義委員長 意見、討論等なしと認めます。
 以上で、意見、討論等を終結いたします。
 これより、甲第1号議案令和4年度沖縄県一般会計補正予算(第3号)を採決いたします。
 本案は、挙手により採決いたします。
 なお、挙手しない者は、これを否とみなします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の挙手を求めます。

   (賛成者挙手)

○又吉清義委員長 挙手多数であります。
 よって、甲第1号議案は、原案のとおり可決されました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、退席者入室)

○又吉清義委員長 再開いたします。
 次に、お諮りいたします。
 ただいま議決しました議案に対する委員会審査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○又吉清義委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本委員会に付託された議案の処理は終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

  委 員 長  又 吉 清 義