委員会記録・調査報告等

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総務企画委員会記録
 
令和4年 第 1定例会閉会中

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開会の日時

年月日令和4年4月12日 曜日
開会午前 10 時 4
閉会午後 0 時 2

場所


第7委員会室


議題


1 参考人からの意見聴取について(請願令和3年第3号沖縄県における水難事故防止に関する請願について)


出席委員

委 員 長  又 吉 清 義 君
副委員長  島 尻 忠 明 君
委  員  仲 村 家 治 君
委  員  仲 田 弘 毅 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  渡久地   修 君
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  國 仲 昌 二 君
委  員  當 間 盛 夫 君


欠席委員

      花 城 大 輔 君
      山 里 将 雄 君
      当 山 勝 利 君
      仲宗根   悟 君


説明のため出席した者の職・氏名

(参考人)
 一般社団法人沖縄ライフセービング協会代表理事 音 野 太 志 君
(補助者)
 屋 良 朝 仁 君




○又吉清義委員長 ただいまから、総務企画委員会を開会いたします。
 請願令和3年第3号に係る参考人からの意見聴取についてを議題といたします。
 なお、ただいまの議題につきましては、去る令和3年12月14日の本委員会での決定に基づき、請願令和3年第3号の審査の参考とするため、請願者を参考人として招致し、説明を求めるものであります。
 本日の参考人として、一般社団法人沖縄ライフセービング協会代表理事の音野太志氏の出席をお願いしております。
 音野太志参考人から、補助者として屋良朝仁氏を同席させたいとの申出があり、委員長として適当であると判断し、出席を許可したことを御報告いたします。
 参考人及び補助者には、本日は御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、請願の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは、参考人から、請願の提出に至る背景及び目的等について、20分程度で簡潔に御説明をお願いいたします。
 音野太志参考人。

○音野太志参考人 ただいま紹介をいただきました一般社団法人沖縄ライフセービング協会の代表であります音野と申します。
 本日はよろしくお願いいたします。
 請願に至った背景となる沖縄県の水難事故の発生状況の説明の前に、ライフセービング協会としての紹介を簡単にさせていただきたいと思います。
 一般社団法人沖縄ライフセービング協会は、公益財団法人日本ライフセービング協会並びに一般社団法人ジャパンウォーターパトロール―こちらはハワイと協定を結んでいる訓練機関になるんですけれども、こちらの沖縄代表機関としても活動をしております。
 活動の柱としてそもそもライフセーバーというのは世界的に見るとボランティアのことを指します。ライフガードというのは主に公務員ですけれども、職業として確立された人のことを指しています。
 我々の活動の柱としましてはライフセービングの普及と発展、そして今日本にはない質の高い職業としてのライフガードの確立を目指して活動しております。
 主な内容としましては知識・技術の普及として資格講習や講師派遣、イベントにおける安全管理、ジュニアプログラムというふうに私たちはお伝えしていますけれども教育プログラム―学校教育や社会教育の中でウォーターセーフティーを伝えるプログラムを実施しております。
 また、今回の請願の直接の背景となった自然海岸へのボランティアパトロールも、非常に少ない中ではありますが実施させていただいております。
 それでは今回の請願に至った沖縄県の水難事故の現状について御説明いたします。
 既に資料を配付させていただいていると思いますけれども、それに沿って説明していきたいと思います。
 今回のデータは全て沖縄県警察から提供をいただいたもの、もしくはホームページ等でアップされているものをしっかりと整理して伝えられるようにと思って持ってきたものになります。よろしくお願いします。
 まず、沖縄県の水難事故の全国値―これは全国比較ということになります。水難事故に関しては発生件数、罹災者数―例えば1つの事故で何人が流されたのかという数、その中で死者・行方不明者数というこの3つでデータを表します。沖縄県は非常に不名誉な記録を持っておりまして、この発生件数、罹災者数、死者数いずれかもしくは全てが全国でもワースト3位以内に入っています。こちらの表の中では分かりやすいように色で記しています。赤がワースト1位、青がワースト2位、オレンジがワースト3位です。色がついていないのは唯一平成27年の発生件数と罹災者数のみ、それ以外は全てワースト3に入っているという大変不名誉な記録になっています。
 次に、過去10年間の水難事故の発生状況、過去10年間プラス昨年のデータになるので11年間になると思います。水難事故の発生件数はそもそも全国平均で約30件ほどです。しかしながら、沖縄県では70件以上となっております。2倍以上という水難事故が沖縄県では発生しているということになります。右側の表の一番上のほうです。過去10年間の水難事故発生状況。平成28年水難事故の発生件数が85件、死亡・行方不明者数は47名。これは45名の死者と2名の行方不明者数でした。令和3年発生件数は94件と過去最多。死亡・行方不明者数は45名ですが、これは死亡者のみで45名です。ということは、死亡者、発生件数ともに過去11年間の中で最多となっています。一番下、場所別で見ると赤枠でくくっておりますが、やはり海というのが非常に多くなっております。
 続いて、この水難事故のデータを分かりやすいものと比較させていただこうと思って、交通事故との比較をさせていただきました。沖縄県における交通事故の死者数の平均です。これは年間38.1名です。一方水難事故による死亡・行方不明者数の平均は38.3名です。実に沖縄県では交通事故による死亡者よりも、水難事故による死亡者のほうが多いということがデータからも明らかです。場合によっては38.1と38.3、同じ38じゃないかというふうにおっしゃる方もいるかもしれませんが、死亡率というところで見てみると交通事故においては死亡率は1%、水難事故においては53%という死亡率になっております。これはコロナ禍においてもこの数字が明らかとなっており、コロナ以前もしくはコロナ後―これから観光客が増えて海がどんどんどんどんにぎわってくると絶対数―母数が増えてくるのでおのずとこの数字は増えていくものと予想されます。下の表の令和2年と令和3年を見ていただくと、死者数に関して令和2年は約2倍、令和3年も同じくですけれども、約2倍の死者数になっております。続きまして、水難事故行方不明者数がどのような方々が対象となっているのか、居住地及び年齢別の割合を示します。年齢別に関してはそれぞればらけている部分があるんですけれど、沖縄県内の過去10年間の水難事故による死亡・行方不明者数の約63%は沖縄県民となっています。観光客に関しては33%、米軍関連等では4%となっています。沖縄県の美ら海ですけれども、沖縄県民の命を脅かしているのではなくて、既に沖縄県民の命を奪っているということが言えるのではないかなと私は考えております。
 ちょっと戻りますが、先ほどの交通事故との比較のお話をさせていただきますけれども、今回の資料には記載はしておりませんが、内閣府が交通事故による経済損失というものを計算しております。それによりますと、日本の中での交通事故による経済損失は約6兆3000億円―GDPの1.3%ほどを占めているということになっておりますが、この経済損失の算出の場合には人的損失、物的損失、事業主体の損失そして各種公的機関の損失というものが挙げられます。人的損失に関しましては損害保険のデータを基に算出しております。公的機関の損失に関しては、例えば交通事故があった場合の警察が処理にかかった合計時間やその費用、救急にかかる費用、もしくは裁判だったりとか交通事故に遭った後遺障害の方々を復帰させるために必要な費用であったりとか、渋滞による経済損失などを計算しております。
 人的損失は逸失利益とか裁判、慰謝料そういったものがあるんですけれども、この人的損失だけでいくと、合計でいくと2900万ほどになります。
 各種公的機関の損失というものは2500万ほどになります。
 プラス、コロナ禍では金銭に代えられない損失として、精神損害ということで―心が被ったダメージ、周りの方々も含めてです。これを2億2600万円というふうに仮定しています。
 また、別の国土交通省が様々な事業主体の中で人1名が亡くなった場合の人的損失というものを記載をしているんですけれども、その中にこの損失の金額というものは自然死もしくは自然災害や水難事故によっても当てはまるというふうに明記がされています。
 公的機関の損失は交通事故に対してのものなので計上できませんが、人的損失そして精神損失というものは十分計上できるものと考えます。
 こちらを沖縄県内の水難事故の死亡者のみに当てはめて計算をすると、過去10年間沖縄県は年間平均約100億円の損失をしているということが計算としては出てきます。これ県民総生産の約0.3%に当たります。令和3年が115億円になるんですけれども、こちらが県民総生産の0.3%ぐらい。最低でも0.3%に当たるということがデータとしては出てきました。
 では、どういったところで事故が発生しているかというところになりますが、過去5年間でいくと自然海岸での事故が75%、海水浴場は6%になっています。港湾等で13%、川、用水路で5%、プールで3%と、圧倒的に自然海岸での事故が多いということがこのデータからは明らかになっています。この自然海岸に対しては今まで様々なところが施策を講じていると思いますけれども、何も変わらずにこの現状がそのまま放置されているということも言えるのではないでしょうか。
 行為別の割合でいくとシュノーケルの事故がやはり一番多くなっております。シュノーケリングの事故統計の中でいきますと、86%がガイドなしの状態で発生している。これガイドなしというのはどういうことかといいますと、実は沖縄県内の海水浴場の多くはシュノーケルが禁止になっています。また、御存じの方もいらっしゃるかと思いますけれども海水浴場というのは潮が引くと水がなくなってしまったりとか、人工の施設であるために魚をあまり見ることができなかったりとか、サンゴを見ることができなかったりとかということもあるのでシュノーケルをされる方はそう多くはないです。なかなか矛盾かなと思いますけれども、海水浴場の前にあるコンビニでは夏の季節はシュノーケルを売っていますが、この海水浴場の遊泳エリアの中ではシュノーケルは使えないと。私たちのメンバーであるライフセーバーたちもよく問合せをいただいているようですけれども、すみません、シュノーケル使える場所はどこにありますかということを聞かれるそうです。申し訳ない、ここのビーチでは使えませんとなったら、どこら辺ですかねとなると非常に答えづらいけれども、例えばダイビングスポットだったらこういうところがありますよとか、答えざるを得ないということです。そうなってしまうと必然的にガイドなしの状態でシュノーケルの事故が起きているということは、自然海岸で事故が起きているということを端的に示す一つの根拠なのかなというふうにも思います。
 また、このシュノーケルの事故に関しては70%以上が観光客ということになっています。
 そもそも沖縄県の美ら海では半数以上が県民の事故である。また、沖縄県の中で気をつけなければいけないシュノーケルの事故に関しては7割が観光客であると。沖縄県民にとっても観光客にとっても美しくて安全な海なのかどうかということはこの過去のデータを見ると疑問視せざるを得ないのかなというふうに考えております。
 今回の請願の中でボランティアパトロールに対しての拡充を、ということを記載させていただきました。
 では、国内ではどのような事例があるのかということを御説明いたします。
 神奈川県での事例はコロナ禍において、そもそも神奈川県は沖縄のように人工の海水浴場ではなく自然海岸、自然のビーチに夏場のみ海水浴エリアを設置するという方法になっています。これは神奈川県だけではないんですけれども、ほとんどの本土のビーチはそうなりますが。
 このコロナ禍において海水浴場が開設されないということは自然海岸のままのビーチになるということです。この自然海岸のままのビーチに夏になれば必ず人が訪れるということで、水難事故の増加を危惧した神奈川県が公益財団法人日本ライフセービング協会と水難事故の防止に向けた知識の普及と、そして水難事故の防止の体制に向けて予算を講じてこの事故の防止を図ったというのが神奈川県での事例になります。これ、担当は神奈川県であって、県土整備局というところが担当になっております。
 次のデータとしてこの活動実績になりますが、この中で赤枠でくくったエマージェンシーケアと書かれたところですね、抜き出しています。このエマージェンシーケアというのは実際に溺れてしまった重溺というものですね。意識不明の場合です。プリベンティブアクションというのは、そこちょっと深くなっているから危ないですよって声かけをしたりとか、アップアップしている人を少しレスキューボードや水上バイクなど、もしくは手を差し伸べて安全なところまで連れていったということになります。
 このエマージェンシーケアが3名のうち1名が蘇生をしている。そしてプリベンティブアクションとして安全移送を行った者が46名いる。これライフセーバーがいたから達成できた数字であって、この数字の見方というのはこの蘇生をした1名と安全移送をした46名が、ライフセーバーがいなかったら死亡していたかもしれない数字ということでお話ができるのかなというふうに思います。
 これまでのような現状を含めて、沖縄ライフセービング協会としては一昨年から少しずつ―個人的には20年近く前からちょくちょくやっているんですけれども、協会としてコロナ禍において緊急事態宣言があり、海水浴場が閉鎖されたことを受けて、自然海岸での事故が増えるのではないかということを危惧をして、ごく少数ですけれどもボランティアパトロールを開始させていただきました。これまでに約50回。沖縄本島と石垣島のみなんですけれども、約50回―延べ250か所のビーチを回り約3000人の方に注意喚起をしました。この3000人の方が多いか少ないかということ、安全というのはなかなかデータで示すことが難しいんですけれども、ハインリッヒの法則、御存じの方もいらっしゃるかと思いますが、これは1件の重大な事故の背景には29件の軽微な事故があり、300件のヒヤリ・ハット―不完全行動があると言われています。もしも私たちが声かけをした3000人がヒヤリ・ハットを防ぐことができたのであれば、もしかしたら10件の重大事故を防げたことになるのではないかというふうなことでしか言えないのかなと。
 普通の方は、安全があるのが当たり前すぎて事故に遭うとは考えていらっしゃらないので、この安全をいかにして立証するのか、必要性を立証するのかというのは非常に難しい。私たちの役割は救助をすることが役割ではなくて、未然に防ぐことが役割ですから、このような法則を持ち出して説明をしているところです。
 このボランティアパトロールをしているときに、今回の請願にも関わってくるんですが、自治会の方々や私たち協力しますというふうなことをおっしゃってくださる方もたくさんいました。しかし、お断りしています。なぜか。例えば意識の高いこの地域のおじいちゃんおばあちゃんたちが見回りしたときに、もしも目の前で小さい子供がアップアップをしていたら、恐らく助けに行くと思います。大丈夫かと言って海に入ると思います。その結果はどうなるか。日本全国で起きている子供を助けようとして親が、おじいちゃんが、お兄ちゃんが、お姉ちゃんが巻き添えになって亡くなってしまうという事故が起きてしまうのではないか。人の命を救う、助けるというのは理想では、簡単にきれい事では言えない話ですので、ボランティアパトロールをする際も最初は自分で助けに行ける状況なのか、行けない状況なのか、何が必要なのかをしっかりと判断できるライフセービングの上級資格を持っている者を対象としました。そうした結果、人が少なくなってくるのでこれだけのことしかできなかったんですけれども。これでは日数もそうですし、人材、様々な体制が不十分であると、本当に痛感しました。
 最初に沖縄本島と石垣島で最低限これだけのエリアがあるというふうに挙げさせていただいたんですけれども、このエリアをたった2名で回るのはほぼ不可能です。なので今回の請願に至った次第です。
 この請願に至る背景として僕自身の思いも含めてしっかりと説明させていただきますと、ライフセービングの活動を始めた20年ほど前なんですけれども、県外のビーチで海水浴の監視をしているときに、海水浴のエリアとは違うところで早朝、フラッシュカレントといって瞬時にできる流れに中学生が6名流されまして、そこでパトロールに従事していたメンバーを連れて救助に行きました。5名は引き上げてきました。1名は沈んでしまって見失いました。早朝です。海上保安庁や消防の方々と合同で一日中日が暮れるまでずっと捜索をしました。茨城のビーチだったんですけれども、千葉から来ていた子供たちで友人のお父さん、お母さんが連れてきたんですけれども、その報告を受けたお父さんがびっくりしてお昼前にこのビーチに着きました。私たちが捜索をしている状況を小学3年生の弟と涙をこらえながら、歯を食いしばりながらずっと日が暮れるまで見ていました。日が暮れる頃になって水上バイクも操船できなくなるので捜索が打切りになりました。打切りになって帰るというときでも見ていました。翌日の朝、漁船の網に引っかかって御遺体が上がりました。遺体安置所に行ったときにお父さんがありがとうございました。大変な捜索ありがとうございました。見つかることができました。最後の顔を見てやってくださいと泣きながら僕に伝えてきたんですけれども、もうこの言葉がずっと頭に残っています。今回データとして持ってきました。本来は一人でも命が失われていれば看過できない。この1名がもしかしたら―私の娘が今日から登園初めてしましたけれども、私の娘かもしれないですし、皆様方の大切な誰かかもしれないです。そして、このビーチでずっと涙をこらえて見ていたお父さんや弟や大切な家族が今日のデータの背景には多く存在しているのだということを考えると、全国の中で非常に不名誉な記録を持っている沖縄が美ら海をベースにしながら、この美ら海の安全に対して何も策が講じられていない、何も講じられていないというと語弊があるかもしれませんが、このままでいいのかという思いは本当に常に持ち続けています。
 ぜひ、今の現状をしっかりと把握をしていただいて、今回の請願の内容に対して沖縄県全体で一丸となって対策を講じていただきたいと思って、私からの説明を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○又吉清義委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより、参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 島尻忠明委員。

○島尻忠明委員 おはようございます。
 今日は御足労いただきありがとうございます。
 ただいま説明を受けまして、いろんな背景、文書も前もって見させていただいたんですけれども、非常にこの沖縄県水難事故が多いということを改めて実感しました。
 しかしその反面、県民もそうでありますが、観光客もやはり沖縄観光立県でありまして、青い空そして青い海、それを求めて来ているのも事実であります。
 そういう中におきまして、やはり何らかの施策を取らないと今のお話の中で厳しい状況に来ているのかなということは説明を受けて理解をしました。
 そこで、何点かお聞かせいただきたいんですけれども。
 皆さんの立場から見て、この沖縄県から水難事故をなくすためにはどういった施策が求められているのかということを、ぜひ皆さんの立ち位置で伺いたいと思っています。

○音野太志参考人 ありがとうございます。
 今私たちが考えている沖縄県から水難事故をなくす、ゼロにしていくために必要なものとしては、やはりこの安全管理を行うライフガードというものの体制の確立と教育が必要不可欠なのかなと思います。
 体制というものは、今既に事故が起きているので短期的なところから長期的、永続的、継続的なものとしてしっかりとパトロール体制であったり、もしもの場合の救助体制を確立するということが必要。そして、教育というものは、やはり事故の中の多くが県民であると考えたときに、子供たちに沖縄の海であったり、海の素晴らしさも含めてどうしたら自分たちが事故に遭わないのかということを考えられるウォーターセーフティーという言葉がありますが、このウォーターセーフティーの教育をしっかりと伝え続けていくということが、県民そのものの、要は観光客を含めて受け入れるのは県民になってくるので、県民そのものの海に対する知識や自己防衛手段というものが向上していけば、必然的に観光客に対してここは危ないからこうしたほうがいいよとかという声かけもいろんなところでできるようになってくると思うんですね。こういったものを沖縄県の中に浸透させていくということが重要なのかなと。海外の中でも事例としてあって、ちょっとだけ見づらいかもしれませんけれども、海外の海を生かした教育というものを研究したときにまとめたものです。これハワイ州のジュニアライフガードプログラムのことを示しているんですけれども、まずしっかりとしたプロとして質の高いライフガードがいると。海のことがしっかり分かる。どのようにしたら安全にできるのか、どのようにしたら安全に遊べるのかというライフガードがいる。このライフガードが子供たちに伝える。そうすると子供たちが地域に戻って親や家族、友達に伝える。そうすると地域が安全になります。
 この最低限の知識を持った子供が将来ライフガードを目指すと自然に安全の質というものは高まっていく。だから、プロとしてのライフガードというものをしっかりと職業としてその体制を確立することと、そのライフガードによるウォーターセーフティーという教育を沖縄県の中に普及させていくということが一番重要かなと思います。
 例えば逗子の葉山では、実はウォーターセーフティーというものが葉山の中の小学校では取り入れられていて、毎年1回ウォーターセーフティーの教育が施されているそうです。こういったものを沖縄県の中でもぜひ取り入れることが必要なのではないかなというふうに私は考えております。

○島尻忠明委員 私もちょっと宮古の離島の出身なんですけれど、昔は小学校、中学校では年に2日、3日実際海に行きましていろんな教育を受けた覚えがあるんですよ。そのときは親御さんたちもみんな一緒にやって海の怖さというのは、海は恐れないといけないという話で僕らは指導されてきたんですよ。皆さんに言うのも何ですけど、人は膝下でも溺れますので、これは私も何回かは見てきておりますので。ただそのときはいかんせん皆さんのような団体もありませんし―時代背景として。今お話は伺いましたので、ぜひ皆さんの時代に即応した、先ほども申し上げましたように観光客、地元の皆さん、なかなか今横のつながりも薄くて、そういった海の教育もできない状況もあるやに思いますので、今申し上げたものを踏まえてしっかりと安心安全のために頑張っていただければなと思っております。特に小学校、児童、生徒。たまに県内では小学校、中学校でプールで溺れるという事故も多々ありますので、やはりその辺も含めて皆さんのこれからもまた活用の仕方というのはあるのかなと思いますので、引き続きよろしくお願いをしたいと思っております。
 あと、先ほどから自然海岸というお話があるんですけれども、そもそも自然海岸とはどういうことを指しているのか、もう一度説明をいただきたいと思います。

○音野太志参考人 海は海なので全て同じなんですけれども、沖縄県ではその運営の方法というか管理のやり方に関して、私のほうでは3つに分けさせていただいています。1つはパブリックビーチ―これは自治体が指定管理などで運営をしているところですね。例えば僕が住んでいる北谷だったらサンセットビーチやアラハビーチだったりとか。宜野湾だったらトロピカルビーチだったりとかというところになります。次にプライベートビーチ。これはリゾート地などであるホテルの前にあるような、ホテルが運営をしているような形のビーチ、最後が自然海岸ということで、誰も管理をしていないところですね。沖縄県は海に囲まれているので全てがほとんどが自然海岸になっているかと思いますけれども。ちなみにその海水浴場として開設しているところはどこにあるのかというと、沖縄県保健医療部が出しているハブクラゲの冊子があるんですけれども、この裏側に条例の中で届出としてクラゲ防止ネットを出さなければいけないというのを出しているんですね。それでハブクラゲの注意喚起の冊子の裏にこのクラゲ防止ネットがあるところがここにありますよというのが記載されていて、そこがパブリックビーチもしくはプライベートビーチになっているということで、それ以外は全て自然海岸というふうに私たちは定義をして、そこの安全管理が必要なのではないかというふうにお伝えしています。

○島尻忠明委員 ちなみに自然海岸を利用している方というのは県民、あるいは県外からいらっしゃる皆さんの比率というのは分かりますか。

○音野太志参考人 これがなかなか難しいところかなと思います。
 実際パトロールしながら話をしていくと、やはり夏場は観光客の方々も増えてきています。もともとは穴場的なところで自分たちの近くの海に行くみたいな、この地元の方々が自分たちのお気に入りを楽しむというのがあったみたいですけれども、現在ではSNSの発展により、昨年も一昨年も南部のほうで問題になっていたかと思いますけれども、SNSでアップされたらそこに殺到するみたいな形で、観光客の方々が普通のプライベートビーチやパブリックビーチには行かずに穴場を探して美しい海を探して魚が見えたり、シュノーケルができたりするところを探して行くことによって、少しずつ増えているんじゃないのかなというふうに思います。
 ただ、データとしてはアンケートなどができないので取れてはいません。
 1つのヒントとしては先ほどシュノーケルの事故の約7割が観光客ということであるので、多いんではないでしょうかというふうなことしか言えないですね。

○島尻忠明委員 最後に最近いろいろとダイビング業者さん、それをなりわいとしている方々とか、この言葉が合っているかどうか分かりませんけれども新聞等々に半グレとか、前回もこの委員会でもあったんですけれど、その問題が。こういう方々が今現在、違法というかそういうことをやっているということで新聞報道等、テレビとかでしか見ていないんですけれど、その辺に関してやはりしっかりとした体制のない中でやっていて、しかしその利用する方々はそれを分からないわけですから、いろんな問題が起きていると思うんですが、それに対してもし皆さんがこういったいろんな思いの中で、皆さんの体制がしっかり確立できたら、そういった方々に対しての対応、これは半グレという皆さんにもそうですけれど、またそれを利用する皆さんにも事故が起きる可能性が大なるものがあると思いますので、その辺についての皆さんのいろんな指導の効果というものとか、具体的なものがあるのであればちょっとお聞かせいただきたいなと思っております。

○音野太志参考人 ライフセービング協会、ライフガードが確立することによる効果というところでお話させていただくと、まず先ほどの一番最初の質問にあった教育というところで、これは社会教育も含めてなんですけれども、来月からスタンドアップパドルの事故というのがこの数年間で約10倍近く増えています。事故の件数が。つい先日もたまたまダイビング船が通って親子を助けたということがあったんですけれども、マリンスポーツが沖縄県で増えている中で、このマリンスポーツの愛好家たちにも伝えていかなければいけないということで、ウォーターセーフティーのプログラムを無料で来月から沖縄ライフセービング協会で実施しようと思っています。
 そういうことが一つあるということと、今お話の中でいただいた半グレと言われているような違法操船であったりということに対してなんですけれども、基本的にはやはりライフガードというものが確立されても権限を持たないので、検挙などはできないと思います。
 しかし、県警察の方や海上保安庁の方々がつぶさに回れるかといったら、今の業務もある中でなかなか難しいと思います。だからこそ、我々ライフセーバーがパトロールする中で、昨年の天の浜でも管轄の警察には報告させていただいていたんですけれども、あ、ここのビーチこういう方々がいるなというふうなことが私たちが分かれば、すぐ所轄の警察であったりとか海上保安庁などと連携、情報の共有をして効果的な協力体制を取った中での効果的な対応というものがもっとやりやすくなるのではないのかなというふうに思います。
 例えば、海上保安庁には海上安全指導員制度というものがありまして、違法操船などしていないか、もしくはしっかりと免許を持って操船をしているかどうかなどをパトロールするような役割の方がいます。また、公安委員会の中にも同じく海上安全指導員ということで、これはもう半グレとかそういったものを注意して回るというところがあるんですけれども、そういう制度を活用することによって情報共有することができるのかなというふうに思います。
 ただ、今警察のお話をさせていただきましたけれども、基本的に先ほどからお伝えしている自然海岸というところは警察の管轄ではなくて、港湾法や海岸法によって最終的な管理者は県になっているというところがあるんですね。
 場所によっては自治体に委嘱されている場合もあるんですけれども、これは県の管轄として自然海岸というものは存在するので、県も含めて、例えば違法行為をしているのであれば警察が検挙することになるでしょうし、違法操船等海上に関しての違反をしているのであれば海上保安庁と連絡をすることになると思いますし。私たちが実際にパトロールや救助活動をする中でこの公的機関の目となって足となって活動することによって、今無法地帯のようなところがあるかと思いますけれども、効率的な対応策というものは可能になってくるのかなと思います。

○島尻忠明委員 今のお話を聞きますと、皆さんが請願内容で出しております沖縄県を中心に、やっぱり立ち入れないところもあるし、いろんな法的な問題もありますので、やはり皆さんが求めているのは、この文章にもあるように沖縄県を中心に県警本部、消防、海上保安庁、市町村との連帯を図り、安全に特化した連絡協議会の設置を請願しますと。まさにそこに今話しされているのが包含されているということで理解をしていいですか。

○音野太志参考人 はい、そうなります。
 実は水防協というのがあるかと思いますけれども。以前の委員会の中でも質疑されていたかと思いますが、やはり情報を共有する場であると。何ら実際に実行するための権限がないというお話をされていたと思います。
 私たちが今回請願の内容として上げている連絡協議会とは何かというと、水難事故防止条例も改正されて県の責務というものが明確に明記されています。なので、自然海岸の管理者は県であるので、県が中心となって情報を持ってきたらそれに対して何ができるのかという施策を立案して、持ち寄って実行できるような、そういう連絡協議会をしっかりと設置したほうがいいのではないかなというふうに考えて今回の請願の1の文章には至っております。

○島尻忠明委員 やはり安心・安全のためにもいろんな組織を網羅してしっかりとやらないといかないということは理解をしました。
 ダイビングの免許というのがありますよね。よく1週間で取ったりとか。この辺はやっぱり増加する傾向にあるんですか。データがあればでいいんですけど。分からなければそれはそれで結構ですけれど。

○音野太志参考人 ダイビングに関してはちょっと僕のほうではデータは持ち合わせていないです。
 ただ、マリンスポーツ自体は増加傾向にあるということは、それぞれの専門団体の方からお話は伺っております。事故が起きていたりとか、けんかが起きていたりとか、いろんなところでいろんな問題が出ていますよというのはよく伺っています。

○島尻忠明委員 はい、ありがとうございます。
 以上です。

○又吉清義委員長 ほかに質疑はありませんか。
 平良昭一委員。

○平良昭一委員 ありがとうございました。
 いろいろ分からないところがたくさんあったものですからちょっと聞きたいのがあります。
 このライフガードは職業としているということでの当初の説明がありました。セービングはボランティアだということでしたけれど、県内で職業としてライフガードをやっている方々というのはどのくらいいるのでしょうか。

○音野太志参考人 なかなかちょっと説明が難しい質問になったかなと思いますけれども、今言っているライフガードとライフセーバーこの2つ。最初に説明したライフガードというものはハワイやオーストラリア、アメリカ西海岸などでは公務員として年間雇用されているものがほとんどです。場合によってはカリフォルニアなどでは季節雇用になっている場合もあるんですけれども、雇用元は自治体で季節雇用みたいな形でしっかりとした給料が高くて社会保障もしっかりされている。こういう年間を通したライフガードということをベースに考えていったら、沖縄のみならず日本全国どこを探しても海で年間を通したライフガードというのは存在していません。
 ただし、賃金をもらって活動しているという―給与をもらって活動しているということでお話をするのであれば沖縄県のパブリックビーチやプライベートビーチにはアルバイト代のような形で季節雇用としてされているライフガードというものは存在できるかと思います。
 しかし、ここで1点強調させていただきたいのですけれども、これをライフガードと言ってしまうと今沖縄の質というのは非常に―こう言ったら語弊がでてくるかもしれませんけれども、低下しています。なぜか。今この世の中で夏場だけ都合よく働いてくれる人はいないですよ。例えば僕の娘が彼氏を将来連れてきてライフガードですって言って、おおそうか、結婚したいのか。ライフガードとしての仕事は何か。どこのビーチでやっているのか。ああ、あそこのビーチでやっているのか。冬はどうか。冬は放出されます。解約されます。だからバイトで食いつなぎます。それで夏は。またバイトで入ります。え、社会保障はどうなっているのか。バイトです。というような人はいないんですね。だから、実は水難事故防止条例には救助員という者と監視員という者に分かれていて、救助員は救助できる資格を持たなきゃいけないと書かれている。監視員はそうじゃなくていいんですよ。なので苦肉の策で監視員を多くして救助員を少なくしてみたいな形でこの夏場をしのいでいるという業者というのが非常に多いです。そういう意味でいくと、もしかしたら今の質問の意図の中で私たちが話をしているライフガードはどれくらいいるんですかということだったかと思いますが、僕の答えとしては沖縄には1人もいません。日本にも1人もいませんということを答えさせていただきたいなと思います。

○平良昭一委員 分かりました。このプライベートビーチ、パブリックビーチというのは監視員がいないと遊泳は禁止だというふうに市町村辺りで―ホテルはそうですが、当然そこの監視員か救助員かは、市町村あるいはホテルから賃金が出ているわけですよね。今おっしゃっているということは、この自然海岸での遊泳あるいは海に入るときにはそういう方々が当然いないものですから事故が多くなっているというような統計がありました。
 プライベートビーチもコロナの状況によって閉鎖されている状況がある。そうなると自然海岸のほうへ出て行ってしまう。そこで事故が多発しているというふうに理解はしているんですよ。そうであれば、沖縄県の方々の事故が多いというのがちょっとびっくりしたんですよ。いつも本土の方が事故を起こして亡くなったというのが紙面に出てくるものですから、意外に沖縄県の方々がこれだけ事故に遭っているというのは極めてびっくりしている状況があります。
 なぜ多いのかなと思っていろいろ考えてみたんですけど、この年齢別の中で50歳以上から70歳以上がほぼ3分の2ぐらいで、事故に遭っていますよね。その要因というのは何かなと少し考えたんですけど、これビーチパーティですか。アルコールが影響しているのかなと思って、自分なりに考えていますけれど何かありますか。

○音野太志参考人 かもしれません。ちょっとそこに関してはしっかりと明確なデータを持ち合わせていないので、返答することが難しいのかなというふうに思います。
 僕もこの集計を取ったときに、あ、50代が一番多いのかと、60代も多いのかと。50代、60代になってくると魚取りなどで海に出て事故をされている方というのはよく見られます。釣りの方々だったりとかも結構多いかなとも思います。
 ただ、予備軍と言い方をしたら変ですけど、30歳から39歳というところも次いで多いということを言うと、やっぱりアクティブに動き回れる方々が目の前の海水浴場じゃなくて、穴場を知ってそういうところに行ってというところがもしかしたら背景としては出てくるのかもしれないなということが考えられますね、私たちのほうで。
 今少しお話の中にありましたコロナ禍において海水浴場が閉鎖されることによって自然海岸に人が増えて事故が多くなっているんじゃないかというようなお話があったんですけれども、実はこちらのデータは過去5年間の水難発生場所と行為別の割合というふうに出していますが、これ75%ですね。過去5年間というのはコロナ以前も含めてです。
 ちなみに令和元年のデータでいくと、自然海岸の事故の割合というのは約6割なんです。最初はその資料で御説明しようかなと思ったんですけれども、過去5年間を沖縄県警に集計していただいたんですね。過去5年間集計をするとコロナ以前も含めてですけれども、結果、令和元年コロナ禍にあるものよりも増えたということがございます。
 また、このデータはシュノーケリングに関しては過去10年間を見ています。
 過去11年間の水難事故の件数というものを見て、これを考えるとコロナ禍で倍増はしているんですけれども、コロナ以前から自然海岸での事故は多かったということは過去のデータを見ると明らかなのかなと思います。
 決してコロナが過ぎ去ったあとに海水浴場が開設されれば自然海岸での事故が減るのかといったら、決してそうではないのではないかなと。僕たちはデータを見て判断しているわけです。

○平良昭一委員 皆さんの請願の中でやっぱり海の安全に特化した連絡協議会をつくってほしい。それに伴う予算、人員配置ということの中で請願が出てきて、いろいろこれまで審査をしてきているんですけれど、実際、県の中では公安委員会やら知事公室、文化観光スポーツ部、土木建築部に関わってくるわけですよね。その中で統一した見解が持たれていないというようなことの中で、仲村委員がしつこく迫っているんですけれど、なかなか横の連携が取れていないというのが現実だと思います。
 やっぱり、こういう今日示されたデータというのが本当に県の職員、担当部局は認識しているかなと疑問を持っているんですよね、そういう面では。非常に大事なものだと思いますので、この横の連携を取る、海上保安庁もいろいろ出てくると思いますけれど、それに対しての連携、予算、措置というものが課題になってくると思います。そういう面では神奈川県の例を出していましたけれど、神奈川県には県の中で中心にしながら、そういう連携を取りながらやっているような状況があるんでしょうか、予算的にも。

○音野太志参考人 神奈川県には、神奈川県の県土整備局というところ、その中で渚グループといって海浜を担当しているグループがあるんですが、こちらが公益財団法人の日本ライフセービング協会と協定を結んで予算を出しています。
 大体、コロナで海水浴場が開設されないということが決まって急遽行ったものでもあるので、約3000万近くのお金を当初の予定として配備しましたが、結果期間が延びたりしてそこから増減をしているようです。
 ただし、この金額というのは2か月です。神奈川県内の海水浴場で最大2か月です。この海岸は7月3日ぐらいから8月末、だけどこの海岸は8月の1か月だけですとか、8月の20日間だけですとかという。なので年間ではないです。
 となると神奈川県の事例でいくと、人件費やそういったものが設定されているので、この人件費などを元に沖縄県で計算することは可能になります。
 海外の事例で少し紹介をさせていただくと、今回ハワイのライフガード協会に確認をさせていただきました。ハワイのオアフ島だけでライフガード関連予算がどれぐらいあるのかということを確認させていただいたんですけれども、19.6ミリオンUSドルです。これ日本円に換算すると約24億円です。すごい額ですが、ちなみにオアフ島の海岸線の距離は約180キロです。沖縄本島の海岸線の距離は約476キロ。海岸線の長さは沖縄本島のほうが圧倒的に多い。そしてオアフ島の中でのライフガード関連予算というのは年間で24億円使っているということがありました。また、オーストラリアのほうではサーフライフセービングオーストラリアという大きい組織があるんですけれども、これボランティアライフセーバーたちに対してですが、アレンコンサルティンググループというのがあって、これはライフセーバーに対しての経済的及び社会的貢献という調査の報告書の中で、ボランティアライフセーバーですよ、これ、ボランティアライフセーバー1人当たりの価値として日本円に換算して年間約400万円ぐらいの価値は最低でもあるということは報告されています。
 この安全を担保する人たちに対しての予算というのがどれぐらいの規模なのか考え方なのかというのは、一つの参考になるのかなというふうには考えております。

○平良昭一委員 神奈川県の例は2か月ということの中での3000万というのは、沖縄県は1年中海に入れるわけですから、そういう面から考えるとかなりの金額が必要になってくるなということも予想されますし、ハワイのオアフ島が24億円というのはちょっとびっくりでありますけれど、果たしてその金額をいうと県が余計やるのかなと心配になりますよね。
 しかし現実的に命に関わる問題だという意識の中でこれだけ交通事故よりも海岸での事故が多くなってきているというパーセンテージが出ているわけですので、これはもう直視しないといけないような状況だと思います。
 今後、そういう面では請願に出されているような中身を、県の得意の各部局に分けて考えるなんてことではなくて、横の連携を取りながら、海上保安庁それに関わる民間の団体ダイビングショップ辺りもありますので、そういうところとどう連携を取って予算を捻出して体制を整えていけるような状況がつくれるかということは考えていかないといけないと思いますので、今日は非常に貴重な資料と御意見を賜って、今後また頑張っていきたいと思います。
 ありがとうございました。

○音野太志参考人 県がお金を出すかどうかというところなんです。それで少し交通事故の経済損失の話もさせていただいたんですけれども、自然海岸というのは基本的には最終的には県の管理になる中で、令和3年にあった北中城村で浸水被害があったんですが、これ訴訟が起きて和解したんですけれども県と村が賠償のお金を払うことになったという実際の事故がありました。で、自然海岸の担当はどこでしょうかというお話は既に過去の委員会や議会の中でも説明はされているのではないのかなと思うんですけれども。それを考えたときに先ほどの、これから恐らくこういった経済損失などは沖縄県の中では考えていかなければいけないことではないのかなと思うんですけれども、自然海岸での事故が起きた場合の損失。これがどこに―こういう言い方をしたら変ですけれども、どこに対して責任を求めるのかといったときには、もしかしたらそのまま持ってくることは難しいかもしれませんけれども、最低でも約100億円の損失が起きているということが、もしかしたら言えるかもしれないとなったときには、それに対して沖縄県が何かしらの策を講じるということは非常に重要なことなのではないかということは考えています。
 補足の説明としてさせていただきました。

○又吉清義委員長 ほかに質疑はありませんか。
 渡久地修委員。

○渡久地修委員 どうもありがとうございます。
 体制の問題、これから私たちも協議していきたいと思いますけれど。
 すみません、ちょっと聞き逃したのかどうなのか、もう一度教えていただきたいんですが、水難発生場所と行為別の割合というのがありますよね。シュノーケル23、遊泳中12、これは事故、要するに死亡事故も大体この割合ということでいいんですか。

○音野太志参考人 これは事故の発生場所の行為別であったりとか、発生場所と行為の割合です。だから、そのまま事故があって死亡ということになるので、割合的にはこの割合で考えていただいても結構だと思います。

○渡久地修委員 じゃあ、やっぱりシュノーケルが一番多いということで理解していいんですね。

○音野太志参考人 そうですね、この中でいくとそう考えていただいても結構かと思います。

○渡久地修委員 僕の質問はいわゆるシュノーケルをやる人たちをどうやって―発生してから救助ではなくて、発生しないようにどうするかという点でちょっと質問したいんですけど。
 シュノーケルの事故の人数とか出ていますけれども、沖縄で年間どのくらいの人がこのシュノーケリングをやっているかというのは、推定なり大体分かりますか。

○音野太志参考人 どれぐらいの方がシュノーケルをしているかというのはデータとしてはちょっと分からないです、私たちのほうでは。ただ、沖縄県の観光で考えたときに観光の目的の中でいったときには、マリンレジャーですね、海での楽しみというもの―ダイビングとは別でマリンレジャーの楽しみというのが3位で非常に高い割合を示している。確か30%近くの方がそれを目的にしていたのではないのかなと思うので、そういうふうに考えると、おのずと多くなってくるのかなとは推測はされます。

○渡久地修委員 すみません、それじゃついでに今の1位、2位はどうなっていますか。

○音野太志参考人 観光地巡りが1位、次に保養・休養、そして3位として海水浴・マリンレジャー。これ30%くらいと言いましたが、すみません25%ぐらいでした。

○渡久地修委員 皆さん方の知っている範囲で、シュノーケリングで事故を起こした方々、いわゆる経験者、シュノーケルの達人とまでいかなくても、結構これを経験している人とあるいは全くの素人、初めての人とか、それはどんなふうに出ていますか。

○音野太志参考人 そもそもそういったデータの取り方がされていないので、私たちのほうでは分かりかねます。

○渡久地修委員 皆さんが接した範囲でどうですか。

○音野太志参考人 素人の方が多いと思います。

○渡久地修委員 あとシュノーケリングやるときはライフジャケットというのは普通は着けるものですか、着けないものですか。

○音野太志参考人 これはその人によりけりになるかと思います。
 定義づけでシュノーケルの場合は本来ライフジャケットを着けるものをシュノーケルといいますよ、スキンダイビングは着けずに潜ったりとかということを言ったりするんですけれども、もう定義づけの問題ではなくて、単純に海の中を楽しむという名目でマスクとシュノーケルを使っているだけのことになるので、人によってはライフジャケットを着ける方が多いでしょうし、人によっては着けずに行くことも多いかと思います。

○渡久地修委員 沖縄に来てシュノーケリングをやろうとする人たちに対するいわゆる意識的な啓発、こういったものも一つのこれからの大きな課題かなと思ってきているんですけれども。シュノーケリングというのは講習とかそういうのは一切ないですよね。素人でもやろうと思ったらすぐ買って、分からなくてもやってしまって、これをやったら分かりますけれども水が入ってきたらすぐパニックに陥ってもう大変だというのがあるので、例えばその辺の講習なりを義務づけというところまでいくかどうか分かりませんけれども、行政で推奨するとか、そういったものも必要だと思うのですが、その辺の事例とかあるいは皆さんのお考えはないですか。

○音野太志参考人 ありがとうございます。
 実は通称水難事故防止条例というのがございまして、これは改定されたというふうになっている。この改定された背景は、増加するシュノーケルの事故に対してそれをどういうふうにするのかというところがベースになっていたんですね。非常に大きい割合を占めていました、その会議の中では。
 シュノーケルのガイドありとガイドなし―ガイドなしというのが一般の方々がやるものですけれども、シュノーケリングのガイドありに対して、例えばシュノーケリングに連れて行くのであれば講習をしなければいけないよとか、ちゃんとガイドに習わなければいけないよみたいなところのものが明確にされたんですけれど、じゃあガイドなしに対してはどうしたらいいんでしょうか。そういったところから、そもそもどういうところでどういう事故が起きているのかというのもあり、今回のデータの基になっていた自然海岸での事故が多い、そして恐らく一般的な素人、なかなか慣れていない人がシュノーケル等で自然海岸で事故が起きていることが多いということが明らかになった中で、では水難事故防止条例の中にじゃあどうしましょうかと。一般の人たちにシュノーケルをするんだったら講習しなきゃ駄目ですよというのをやることはなかなか不可能なので、せめてライフジャケットを着けるように着用努力義務みたいなものを課しましょうということがあると。プラス県の責務として、水難事故防止に対してしっかりとしたものを県の責務として連携、活動しなければいけないということが明記された。
 実はライフジャケットそのものに関しては、我々もボランティアパトロールの中で海上保安庁のリーフレットを配って、シュノーケリングのときにはライフジャケット着用しましょうねと。それこそが私たちの役割になるんですけれども、事故防止のための活動がですね。そういうこともさせていただいています。
 これも含めて1つは教育というか普及に関わってくるのかなということで、今既に看板が建てられて、ここの海危険。シュノーケリングのときにはライフジャケットを着けましょうとか、あと配っていって、こういうことはずっとされてきていると思うんですよね。けれどもやはり今の現状があるとなったときには、やっぱり新しいものとして根本的に何かしらの体制を確立するしかないのではないでしょうか。
 もうここしか水難事故をゼロにする方法というのは残っていないんじゃないでしょうか、というのが今の私たちの考え方です。

○渡久地修委員 あとはシュノーケリングというのは海の中に入ってよく見てこれは素晴らしいというよりも、これは事故と隣り合わせですよと、大変危険が伴うものですよということを観光客なり、あるいはやろうとする人たちにしっかりと教育するということが大事だと思いますよね。その辺いかがですか。

○音野太志参考人 非常に重要かなと思います。楽しいですけれども、危ない危ないというと観光立県である沖縄県には人が来なくなってしまうということが怖いので、楽しいんだけれどもどのようにしたら安全に楽しめるかということをしっかり沖縄県全体となって取り組む必要があるのかなと思います。
 例えば一つの例でいくと、僕はハワイによくトレーニングに行かせていただくんですけれども、ハワイはサーフィンが非常に盛んなんです。盛んなんだけれどもシュノーケリングの事故というのが非常に多いんですよ。マウイ島とかほかの島に行ったりとか、オアフ島もそうなんですけれども、例えば空港に着いて荷物を待っているときに流れている映像の中に、ここの海はこういうことを気をつけましょうとか、ここではライフジャケットを着けましょうとかと何気なく目に入るようなものが結構あるんですね。そういうようなやり方をしていくというのも一つだと思います。
 ただしそれは看板と同じようなものなのでやっても聞かない人は聞かないと、じゃあそこに対してどうするかということをしっかりいろいろ考えて、組み合わせていく必要があるのかなと思います。

○渡久地修委員 分かりました。
 先ほどもありましたけれど、自然海岸でシュノーケリングをやるのはここは禁止、あるいは何らかの体制を取って推奨する場所だとかというのは、エリアをつくるということは可能ですか。

○音野太志参考人 禁止とすることは恐らく不可能だと思います。海に行くことを禁止にすることは基本的にはできないので、入りたい人は入るしかないと。シュノーケルを禁止にするかどうかということができるのは、例えば海水浴場として開設をしてそこに管理者がいて、この遊泳エリアの中ではシュノーケルはしないでくださいねということができたりするかもしれませんが、逆に言うと多くの人は穴場を求めていくわけで、ここシュノーケル禁止ですよと言ったらほかのシュノーケルができるところに行くだけの話で、いたちごっこになってくると思うんですよ。自然の海を自然のままに安全に楽しめるという状況をつくらない限りは、結局どんどんどんどん違う場所に人が移っていって事故が増えていくと。より険しいところに、もうここしか行くところがなかったらそこに行くとなってしまうので、逆に事故は増えてしまうんじゃないのかなというふうには思います。

○渡久地修委員 はい、分かりました。
 あと教育の話がありましたけれども、学校教育とても大事だと思うんですよね。復帰から結構何年もたって、沖縄は泳げない子供たちが全国一多かったんですよ。その理由は僕らが挙げたのはプールがないからだということで、今はもう全学校にプールが設置されて水泳をやるんですけれど、今大事なのは着衣水泳、洋服を着けたまま落ちたときに浮く訓練、溺れないようにする訓練、これがとても大事だと思うんですよね。クロールとか平泳ぎとか、ああいう教育も大事ですけれど、この着衣水泳というもので万が一のときにこうすれば助かるんだよと、こうすればいいんだよというものを消防の人たちもそれをずっと推奨していますし、とても大事だと思うんですが、その辺はどうですか。

○音野太志参考人 本当に大事だと思います。私たちのほうではサバイバルスイミングと言ったりします。スイムアンドサバイブということを伝えてですね。実際沖縄の海ではカレントがリーフの中にギャップがあって、潮が引いたら深いところにどんどんどんどん沖に出されていくという流れがあるので、ただ浮かんでいるだけではなかなか助けられない場合もあるんですね。
 水難事故における救命の連鎖というものがありまして、救命の連鎖の中の水難事故で五つだったか、六つだったかチェーンがあるんですけれども、最初の3つは水難に遭った人その人の努力なんですよ。とにかく浮かんでおきなさいと。浮かんでいて初めて助けに来たときに引き上げるからというところなんですね。この浮かんでいなきゃいけないというところを考えたときには、やはりまず着衣泳などの練習をしっかりとして、何かあったときに落ち着いて自分が浮くことができるということがまず1つ。そもそも落ちないためにどうしたらいいかということもしっかりと伝えていかなければならない。また、落ちて浮いただけでは流されていってしまうと沖縄は外海になってしまうので見つかることが非常に難しくなると。そうなったときには、流れの向きを勉強してもしものときには、こういうふうに動けばいいんだと、力を使わずにクロールなどではなくてサバイバルスイミングといって自分の浮力を上手く利用してゆっくり動くためにはどうすればいいんだということも伝えておく。
 だから、やっぱり沖縄県民が多く事故にあっているという現状があるのであれば、単純に一つだけではなくて、様々な水に対してのウォーターセーフティー教育というものをいろいろな角度からやっていかなければいけないのかなと思います。
 ライフセービング協会でやっているものもありますし、浮いて待てという日本の水難学会がやっている消防の方々が推進している着衣泳の練習であったりとか、そういったたくさん専門団体があるので、手を取り合って沖縄県民に広く浸透していくというのが非常に重要なのかなと思います。

○渡久地修委員 この着衣泳、実際沖縄でどれぐらいやられているかというのは御存じでしたら教えてください。

○音野太志参考人 着衣水泳は日本水難学会の会員の方々が、消防の方々がメインですけれども多くやってらっしゃいますけれども、どれぐらいの数、どれぐらいの規模でやっているかというのは僕のほうではちょっと把握していません。ただ、コロナの中で昨年、一昨年はあまり実施ができなかったというのは伺っています。

○渡久地修委員 ありがとうございました。
 以上です。

○又吉清義委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲村家治委員。

○仲村家治委員 音野さんがこの請願を出されたときに、総務企画委員会に付託をされた際に、所管が沖縄県警本部だということでいろんな質疑をする中で、総務企画委員の皆様が委員長に、所管がはっきりしていないのであればこれをしっかりどこどこが所管なのかということで決めてくれと。その結果、県警本部、知事公室、土木建築部、文化観光スポーツ部の4つが共管になったんですね。
 そのことに対して音野さんはどのように感じていますでしょうか。

○音野太志参考人 まず、所管が警察だけではなく県―土木建築部だったり、そういったところにしっかりと共同所管となったことに関しては非常にうれしいと思っています。
 うれしいと言うか、そもそもですけど僕自身このライフセービング協会のほかにも水難救助関係の講師をさせていただいて、日本全国いろいろ回らせていただくんですけれども、おもしろいというか、沖縄県は何でこんなに水難事故に関して県警の担当になっているのかなというのが僕の中で非常に疑問があって、ほとんどのところに行くと自治体なんですよ。自治体もしくは県なんですよ。
 先ほどの神奈川の事例もそうだと思いますけれども、神奈川の事例も県警というのは出てきていなくて、神奈川県が県土整備局―土木建築部みたいなものだと思いますけれども、そこが中心になっている。なのでそもそも警察というものは犯罪を犯した者を取締まるところがメインになっていると思うんですけれども、水難事故は犯罪ではないと。なのでちょっとそこがおかしいなと思っていました。
 その中で過去の議会やこういった委員会のお話を中継で見させていただいた中で、自然海岸をどこが担当しているのか―国土であるからということで、土木建築部が自分たちが担当ですというふうにおっしゃっていただいたこと。観光客の方も事故が多く起きているというところから、文化観光スポーツ部の方々が所管になっていただいたこと。これはもう非常に本来のあるべき姿なのかなというふうに僕としては感じています。

○仲村家治委員 それで私もこの件に関してはずっと本会議、委員会で質問をしているんですけれども、本会議一般質問で知事に私がこの水難事故が多発していることに対して何らかの対策を取るべきじゃないですかと質問した際に、水難事故防止条例を改正してそれに取り組んでいますという答弁をしたんです。ちょっとボタンの掛け違えの答弁をなさっているのかなと思ったんですけれども。
 実際にこの水難事故防止条例を改正したことによって、水難事故が多発していることを防止できるとお考えでしょうか。

○音野太志参考人 不可能だと思います。なぜならば、水難事故防止条例というものは基本的には業者向けの、業者がちゃんとこれにのっとった形で営業しているかどうかというものを取締まるものであって、自然海岸での水難事故防止を目的としたものではないというのが基本的な考え方なんです。
 先日の水難事故防止条例の改定に関しては、先ほどの質問のお答えでもさせていただきましたけれども、多くはシュノーケルの事故増加に対してマリンレジャーを提供する業者向けの内容を改訂したものであって、一般市民が、観光客も含めて自然海岸などで事故を起こさないようにするためのものではないわけです。なので自然海岸での事故は水難事故防止条例の改定では基本的には防げないと思います。
 なぜ基本的にはという言い方をするかというと、ただ改正会議の中に自然海岸での事故も多いということも出たので、今回の大きなものとしては水難事故防止条例の中において第3条に、県は水難事故の防止に関する総合的な施策を実施する責務を有する、と県の責務について明確に記されているところがあります。このことから本来水難事故防止条例はマリンレジャー提供業者向けのものではあるんですけれども、それでもできないから県の責務として水難事故防止をしなければいけないよということを言っていると思う。この心情というか、条例の裏にあるようなものは僕は非常に考えています。
 先ほどの質問の答えとして、今回の改正で今請願の中にある水難事故が防止されると思うかどうかの答えに関しては、この条例の中にある県の責務が果たされない限りは今の状態では不可能ですという答えになるのかなというふうに思います。

○仲村家治委員 県が責務としてちゃんとやらないといけないということからして、知事公室、土木建築部、文化観光スポーツ部が同じ所管になってこの請願をちゃんとやるという方向性があったんですけれど、今年度の予算に反映されたのは、県警本部はそれなりに条例をもっているからある程度の予算は計上していると。文化観光スポーツ部も若干観光客に対するさっき渡久地委員からあったように、ライフジャケットを着ないと危ないですよという啓蒙とかをやるという予算がついている。だけど、土木建築部も知事公室もこれからの協議ではという話で逃げてしまったんですね。
 特に請願の中で緊急事態の情報共有ができていなかったという事実をいろんな質問の中で答弁聞いて愕然としてしまったんです。
 請願の中の1の中に連絡協議会を設置してくれということを書いているんですけれども、今その話をすると今度は水難事故防止推進協議会との絡みで答弁しているんです。
 この水難事故防止推進協議会と音野さんが要求している連絡協議会との違いって何でしょうか。

○音野太志参考人 一言で言うと実効性があるかどうかだと思います。
 総務企画委員会の中でも、県警の担当部局の方が答弁をされていたかと思いますけれども、通称水防協というのは様々なところがやっているものを報告し合う会であると、共有する場であると。この水防協がベースになって何かしら施策をするという権限を持っているわけでもなく、そういった予算があるわけでもなく、できるわけがないと。これではちょっと今までのものだと変わりづらい。
 私が考えている連絡協議会というものは、県が中心となってしっかりと予算措置も、どういったことが必要なのかという施策をしっかりと関係者たちが集まって検討をして、そこに予算も何もかも発生させて、じゃあそれぞれのところでやりましょうと。今回共同所管になった中で、例えば集まったときにこういう策が必要だからこの部局ではしっかりとこのぐらいの予算措置を講じてこれを実行していきましょう。横断的なというか行動に移さないともう変わらないと思うので、この行動に移せる連絡協議会というものが非常に求められているのかなというふうに考えています。

○仲村家治委員 まさしく4つの部署が共管になって、少なくとも4つの部署が今回の連絡協議会の中枢をなして、なおかつ対策としてこういうことをやらないといけないという結論を出して、そして予算化していくという理解でよろしいんでしょうか。

○音野太志参考人 はい、そうあってほしいと願っています。

○仲村家治委員 こういった水難事故のデータを見て、死亡率がこんなに高くて観光客の方が70%以上亡くなっていて、何の対策もしていないに等しい状況を見ると悲しくなるぐらいなんですね。でも、沖縄県ライフセービング協会は去年からずっと手弁当で週末ボランティアパトロールしながらいろんな活動をしてきたんですけれど、先ほどハワイやカリフォルニアとか神奈川の話にあったように、すぐには大きな予算をつけられないと思うんですけれども、最初の一歩というのは大切だと思うんです。
 例えば去年は二人一組で週末パトロールをやったと、石垣と分けて。少なくとも本島内を何パーティーで回れれば少しは網羅できるのかなと。それに対して県が皆さんにパトロールを委嘱するなりということを要求するとしたら、どのぐらいのパーティーでやって、どのぐらいの予算が必要かというのは計算とかはしていますか。

○音野太志参考人 はい、ありがとうございます。
 はい、しています。このパトロール活動をしていくと人件費が一番多くなってきます。
 公益財団法人日本ライフセービング協会が神奈川県と契約を結んだ際の人件費の単価を基にこれを365日行いますよと。やはり昨年ボランティアパトロールで回ったときに、ここは見回りよりも常駐しなければいけないなと、ここは見回りでいいなと、最初から100%の体制というのはなかなか予算的に厳しいとは思います。その中で過去の実績を基にここに常駐をしてこのエリアは巡回をしてと考えていくと、やはり最低でも4億ぐらいは必要になってくるのかなと。これは沖縄本島と石垣だけをベースに考えたときにはそれぐらいの金額になってくるのかなというふうに思います。
 これが例えば宮古島もそうですし、ほかのところにもどんどんどんどん波及をしていくとやはり増えてくるのかなと思います。ただし、やるためには、より効率的にするためには人をどんどん増やすだけではなく、例えば水上バイクなどでこのエリアを機動性をもってパトロールするとか、もしくは今ドローンの訓練をさせていただいていますが、ライフセーバーの視点をもって、神奈川の事例ではドローンを実際検証しているんですね。これはただのドローン業者ではなくて、ライフセーバーが―海を見る目を持っている人がドローンを用いてパトロールをしたりとか、遭難者を捜したりとか注意喚起をする、ドローンを通じてですね。そういうことをしながらやりくりをしてというか、ミニマムなところから始めていったときにはやはり3億5000万から4億ぐらいからスタートしていかなければ厳しいのかなとは思います。
 この金額が多いか少ないかというのが、私のほうではなかなか判断しかねることもあるので、経済損失はどういうものがあるんだろうということを計算させていただいたり、ハワイのライフガード協会がどれぐらいの予算規模で海浜の安全に対して策を講じているのかということを、参考としてお話しさせていただいた次第です。

○仲村家治委員 スタートで3億か4億のある程度予算確保して、いろんな備品とかそういった初期投資が必要だというふうに考えていますけれども、まずこれだけでは職業として、今の沖縄県、日本全体の中でも職業としてはなかなか難しい。やはりアルバイトとかいろんなことやりながら、ある意味で言ったらボランティアに近いことをライフセービング協会はやっていらっしゃるじゃないですか。
 人材を育てるためにもやっぱりある程度安定した収入を得ないと、先ほど娘さんがライフガードを連れてきたら勘当するみたいな話をなさっていたので、まさしく私もそうだと思いますよ。不安定な職業に就いているのであればちゃんとしたところに就きなさいという。ライフガードが悪ではないけれども、不安定な職業になっていることに対して、やっぱりちゃんとした収入を元にやっていくためにはある程度県や国からそれなりの支援をいただきながら、まずはやっていかないといけないという、それは大変理解します。
 パブリックビーチにおいて、今指定管理者制度でやっているんですけれども、その中でも指定管理料の中に監視員の予算がほとんどついてないという話を聞くんですけれども、そうなると収益の中で人件費を賄いなさいと。県の海浜公園3か所あったんですけれども、コロナ禍でほとんど収入がなく基本的には指定管理を今年代わったんですけれども、2社とも手も挙げなかったらしいです。それ一番大きかったのは収益がなくて監視員の人件費が払えないというのが一番大きかったと思います。
 音野さん、この辺に関してどのような感想をお持ちでしょうか。

○音野太志参考人 まず、自然海岸とパブリックビーチと少し分けて話をしないといけないと思いますが、質問の答えとしては共通するものがあって、やはり職業として確立をしていないと人は集まらないし、質は下がっていくということがベースとしてあります。
 自然海岸のことでまず最初にお伝えしますと、じゃあ週末だけの予算を組めばというお話をされたこともあるんですけれど、そこ週末だけの予算を組んでも人は来ないです。なぜなら仕事にならないから。
 これと同じようなことがパブリックビーチでも実は起こっているということがあって、僕が海外、オーストラリアとかもそうですけれども、そのライフガードの担当の長と話をしたときに全員が口をそろえて言ったことが安全というのは経済だと。なぜならば、安全だから人が来る、人が来るから潤うんだと。だから、その安全というのは例えば1業者が担保するものじゃないですよと。安全だから人が来るということは業者がもうかるわけだから、収入も増えていく。となると、全員の利益となる安全というものは行政が担保しなければいけないというお話を皆さんされていました。何なら沖縄に来て発言しますよというふうにまでおっしゃってくださいました、シンポジウムとかで。
 その中で考えるとパブリックビーチなどでは1つの指定管理業者が受けます。僕も審査委員とかやっていたので分かるんですけれども、委託で人材派遣業者をお願いするわけです。委託料というのは変わらないわけです。審査のときに審査の先生方が夏場人が増えるけれどもどうするんですかというと、では私たちは監視の体制を厚くしますというんですけれども、委託料は変わらないのに監視の体制を厚くしたら給料が下がるしかないわけですよね。誰がその仕事を選ぶんでしょうかというところで、誰も選ばない。ましてや年間を通して雇用することもできない。1企業体にとって、やっぱり株式会社だと利益を追求するのが性格、性質。利益を追求しなければならないので、目に見える利益じゃない安全はお金の投資のしようがないと。データとして明らかにならないので。
 例えばバナナボートをして年間数百万の売上げがあるんだったら、初期投資として水上バイクを買ってバナナボートを買うかもしれませんけれども、今年事故がなかったからじゃあ来年も投資として安全に100万上乗せしよう、300万、400万人件費に上乗せしようという観点にはどうしてもならないと思うんです。なれないと思うんですね。
 こういった問題が沖縄県のパブリックビーチもプライベートビーチも含めて起きているというふうに考えます。そうなると、結果として資格を取りに行こうにも資格を取るためのお金すらないと。だったら、安くで1日、2日研修して、仕様書に乗っけられるものがあればそれでいいやと企業としては考えざるを得ないので、条例に則した、仕様書に則した人を配置するということになるので、質ではなくて形が先行してしまいがちになります。全員がそうではないんですけれども、そういうところをやっているものもあるというのが事実なので。それを考えるとなかなか厳しいのかなということは考えられます。

○仲村家治委員 現場の声を聞かせていただいて、私たち政治家も行政もやっぱり沖縄の観光立県という名の下で、一方では安心・安全という担保すらなかなかできていない、管理もできていないという部分が明らかになったということは責任あることですので、請願の2項目に関して私たちも精いっぱい頑張っていきますので、また現場で音野さんはじめ皆さんが活躍することを願うとともに、海開きももう始まっていますので、また新しい―コロナは収束していないので、また自然海岸という自由な場所に人が流れていくかもしれないので、この辺またボランティアのパトロールも含めて今後とも頑張ってください。
 以上です。

○又吉清義委員長 ほかに質疑はありませんか。
 國仲昌二委員。

○國仲昌二委員 今日はどうもありがとうございます。
 私のほうからも何点か質問したいと思います。
 皆さんの請願に対して、県のほうが担当が4つですか、警察、知事公室、文化観光スポーツ部、土木建築部。その中で警察以外の部署のほうでは、県の対応として沖縄県水難事故防止推進協議会の活用も含めとか、あるいは連携してとかということで回答というか考えが出ているんですけれども、それについてどういうふうに受け止めるのかを教えてください。

○音野太志参考人 通称水防協と言われる会になるかと思います。
 この水防協が駄目だというふうに言っているわけでは全くないです。必要な組織だと思っておりますが、それがある中で今の現状があるということを、まずしっかりと捉えないといけないのかなというふうに思います。
 1つは水防協と連携をしてというふうなお話をされていたかと思いますけれども、水防協というのはそれぞれがやっていたものを、先ほどもお伝えいたしましたが共有する場でしかないわけですね。情報の―そこでしかないので、水防協と連携をして何かしらの施策が進んでいくのかというと決してそういう性質ではないということは、もう既に県警の部局のほうからも、この委員会の中でも答弁がされているのかなというふうに思います。
 決して悪いわけではないんですけれども、防ぎ切れていない現状が今日のデータであると。であるならば、もちろん連携することは連携しなければいけないんですけれども、もう別のことを考えていかないと難しいのかなと思います。

○國仲昌二委員 その辺に関しての県との意見交換とか、そういったものはどうですか、やっていないんですか。

○音野太志参考人 請願書を出した後に文化観光スポーツ部の担当の方から連絡がありまして、昨年一度お話しさせていただきました。観光客を対象にしたときにはどういうふうにすればいいですかとか、ボランティアパトロールってこうしていたんですよと。そのときに、たくさんお話しをさせていただいたんですけれども、例えば、先ほどのハワイの空港では観光客向けに空港でこうやって自然に視覚入るようなことをいろんなところでやっていますよというお話をさせていただいたり、あと今までのやり方では無理なので体制を確立するしかないんじゃないでしょうか。体制と教育、今日ずっとお話しさせていただいたようなことをお話しさせていただきました。
 例えば、文化観光スポーツ部のほうで自治体と連携をして自治会の方々に呼びかけてという話が出たのも、そこで出たんですね。そこで答えたのが一般のお父さん、お母さんたちがもしも子供を助けに行って亡くなったらどうしますかと、そうなりますよ。だから、専門的なものが必要なんですよというお話をさせていただいたのも事実です。それ以外はないです。
 土木建築部の方と一昨年になるんですかね、昨年の本格的なボランティアパトロールを開始しようと思ったときに、こういうことをしようと思っていますということで僕のほうから連絡をさせていただいて、そのときの担当の方に沖縄ってこういう現状があるのでこういうボランティアパトロールをしようと思っていますということを一昨年だったと思いますけれども、お話はしているので昨年請願を出したあとに県の担当の方とお話をしたというのは、基本的はその文化観光スポーツ部の方だけで、ほかには一切協議をしていないと思います。僕の記憶が正しければですけれども。

○國仲昌二委員 あと、毎週土曜日に2名体制でパトロールをしているというお話があったんですけれども、もちろん人が足りないので2名でしかパトロールできないということかなと思うんですけれども、これパトロールする総数というんですかね、何名ぐらいの総数がいて、その中で2人ずつのパトロールをしているかというのはどうなっていますか。

○音野太志参考人 昨年、ちょうど今の時期なんですけれども、ボランティアパトロールに参加してくださる方ということで呼びかけをしました。結果として今の御質問の中にあったこのパトロールに登録しているメンバー、今年は少し増やそうと思っていますが、現時点で24名です。沖縄本島と石垣島で。これぐらいの人数でやった理由というのは、まず1つは、やはり最低でも2人でなければいけないというのは、1人でパトロールをしたときに、もしも1人で物事に対応して助けられなかった場合に、この人間に及ぼす精神的影響というものが非常に大きいということと、1人で何かあったときに助けに行ってこの助けに行った人間も同じ人間ですから事故に遭ってしまう可能性があると。そうなるとやはりパトロールや救助というものは1人では絶対に成り立たない。なので最低でもという感覚です。最低でもというか、本当は3人とか4人でもいたほうがいいんですけれども、最低でもということで注意喚起をベースに2名。プラスもしも事故が起きた場合に自分が行けるのかどうかということが判断できる高い知識と技術、もしくは経験を有するものとして挙がってきた人間がこの人数しか―認められる人間がいなかったということです。
 ほかにもそういう資格や技術、経験がある方はいるんですけれども、やはり自分の仕事をしている中で、ボランティアとしての手弁当での週末のパトロールなので、ライフセーバー、ライフガードの方々というのはビーチとかで働いていらっしゃる方が多いので、繁忙期の週末に自分たちの仕事をそっちのけでボランティアのパトロールに来るということは基本的にはなかなか難しいと、想像に難くないと思うんですけれども、そういった背景もある中で沖縄本島と石垣島で24名の方、僕も含めて25名ですね、が登録をしてパトロールをしていたという形になります。

○國仲昌二委員 この24名というのはそれぞれに資格を持ち、それから技術を持ちという方だと思うんですけれども、沖縄本島と石垣島ということで宮古が入っていないんですけれども。私は宮古選出なので。例えば宮古ではそういった資格を持っている、技術を持っている方というのはいるんですか。

○音野太志参考人 少ないですけれど、宮古にも資格を持っていらっしゃる方はいます。
 1つは宮古の方というのはサーファーの方々が多くて、サーフィンのガイドなんかをされている方が非常に多いという背景もあるんだと思います。単純に募集をしたときに連絡が来なかったというのもあるんですけれども。恐らくその背景には繁忙期の週末というのは稼ぎどきなので、ボランティアパトロールというのはとてもじゃないけどやっていられないというのがまず1つ。プラス今回上級資格―日本ライフセービング協会のライフセービングの資格には―ライフセーバーの認定の資格としては、ベーシックサーフライフセーバーというのがあって、その上にアドバンスライフセーバーというのがあるんですけれども、今回このアドバンスサーフライフセーバーという資格を基本として募集をしたんですね。このアドバンスの資格を持っている方は宮古島にはいらっしゃらないですね。また、宮古島で監視をしているという方もあまり多く見られていなかったので、そのボランティアの要件に達していなかったというのが1つの大きな要因になるのかなと思います。
 本当は宮古島でもしたいですし、沖縄県全土でもやりたいです。宮古島は水難事故の発生件数でいくと沖縄県の中でも非常に上位を占めている場所なので、宮古島ではぜひやっていきたいなというふうには思っています。

○國仲昌二委員 宮古島でもぜひ資格者をつくるような指導をよろしくお願いします。

○音野太志参考人 頑張ります。

○國仲昌二委員 以上で終わります。

○又吉清義委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 貴重な資料の提供ありがとうございます。
 一、二点お尋ねします。沖縄ライフセービング協会という名称で、日本があってと説明がありましたけれども、ほかに同様な、資格のほうも含めて話されましたけれども、似たようなそういうライフセービングというところはあるんでしょうか。

○音野太志参考人 沖縄県にという意味でしょうか。

○西銘純恵委員 いえ、全国でも、世界でもあるんですか。

○音野太志参考人 まず、似たような団体があるかどうかというと、ないこともないという答えになるかと思います。
 例えば最初にお伝えした一般社団法人ジャパンウォーターパトロールというのは、これは全国組織になるんですけれども、これは僕が代表をさせていただいて、水上バイクとか船舶などを使った救助方法というのを海外から最新のものを仕入れて日本に普及しているので、そういった意味では救助という感覚でいくと同じになります。
 水難救助というものが、全部ひとくくりに捉えられがちなんですけれども、用途によってやっぱり違います。ダイビングを使った救助なのか、カヌー、カヤックを使った救助なのか、水面で行う救助なのか、水中、水底で行う救助なのかというのがあると思うんです。その中で、海浜における監視、パトロール。未然に防ぐための活動と何か起きたときの救助。これは誰を対象にしてもです。カヤックだろうと何だろうと。この救助に関してはやはり世界的に見てもライフセービング、ライフガードというものが担っています。これは世界で見てもです。
 公益財団法人の日本ライフセービング協会というのは、世界の中には国際ライフセービング連盟というのがあります。これは世界の中でのライフセービングの連盟がライフガード協会―公務員の団体もそうですけれども、加盟しているところでですね、この国際ライフセービング連盟というものは各国に代表機関を一つつくることになっておりまして、この日本の代表機関が公益財団法人日本ライフセービング協会となっています。この公益財団法人日本ライフセービング協会の沖縄の代表機関が私たち一般社団法人沖縄ライフセービング協会という形になっています。
 この知識、技術というところでいったときには、海浜での監視、救助活動においての資格を主に発行していますが、この内容というものは国際資格に準拠していますので、国際ライフセービング連盟の技術としても認められているというものになります。

○西銘純恵委員 沖縄県が請願出されて以降、今度の県の処理からしても先ほど言った水難事故防止推進協議会そのものに県の責務をうたわれたということで、皆さんの働きかけそのものがやっぱり県警というところにあったのが、行政としてきちんと水難防止をやらないといけないという取組になったと思うので、この条例改正に至ったというのはやっぱり働きかけの大きな成果だと思うんですけれども、この条例改正について先ほどは水難防止にはまだ不十分だという意見がありましたけれども、皆さんのほうが協議会に関わるといいますか、参加するというのか、そこら辺の考えについてはどうなんでしょうか。

○音野太志参考人 ちょっと1点だけ、しっかり整理というか確認をさせていただければなと思います。
 この県の責務というものが明記されたのは、水難事故防止推進協議会の中ではなくて、水難事故防止条例という条例の中に県の責務というのが明記されたということになります。これが有識者会議の改定の中で出されたということになります。ここに限界を感じているというのはどういうことかというと、実はちょっとデータを見ていただくと分かるかと思いますけれども。ちょっと小さくて見えづらいんですが、海水浴場というのは6%になっているんですけれども、海水浴場というものは業者が運営をしているところになります。そもそも水難事故防止条例というのは業者向けの条例なので、業者の人頑張っていますよねと、全体で見たら6%です。6%も人の命なんですけれども、少ないです。自然海岸のほうどうにかしなきゃいけないんじゃないですかといったところで最終的に県の責務が明記されたということが背景としてございます。
 続きまして、水難事故防止推進協議会に私たちが参画することはいかがですかというお話ですけれども、もちろん参加ができるのであれば喜んで参加させていただきたいなと思います。しかしながら、その会の性質はおのおのがやっているものの報告―あそこはこうやっているらしいね、ここはこうやっているらしいねという報告・共有の場であるだけなので、私たちが参加をしたらどういうことになるかというと、恐らく私たちは昨年こんなボランティアパトロールをしていますで終わってしまうと思うんですよね。それだと何ら意味がないのかなと僕のほうでは考えてしまうので、ちょっと根本的な解決をということで請願に至っている次第です。

○西銘純恵委員 やっぱり協議会を実効性あるものにしていくというのが課題だと今聞いて感じました。予算も伴うでしょうということも、条例の中でですよね、そこら辺もあるのでぜひ専門的な知識をもっていらっしゃる皆さんの意見を県政が何らかの形で意見交換とおっしゃったんですけれども、取り入れる形をやってもらいたいなと思っています。
 それであと2点お尋ねしたいんですけれども、1つは観光客のシュノーケルの死亡事故が多いということもあって、県民向けと観光客両方の取組は少し違うのかなと思ってお尋ねします。観光客向けの水難事故防止のために県は先ほどシュノーケルやるときにはライフジャケットをと沖縄県が出したとおっしゃったんですけれども、皆さんは観光客向けにどういうことをしたほうがいいのかというのは、取りあえずの提言とか提案とかあるんでしょうか。

○音野太志参考人 短期的な観光客向けに、目に触れさせるしかないのかなと思います。触れる機会を増やす。ただ、あまり事故事故と言ってしまうと怖がるしかないので、だから空港でもそうでしょうし、町中でもそうでしょうし、たくさん目に触れさせるということしかないのかなと思うんですけれども、だけどそれでは絶対に解決はできないとは僕も思います。だからこそ、来る方に対して体制を持たないとどうしようもないので観光客向けには。だから短期的にシュノーケルの事故を減らすためにはどうすればいいですか、看板100個設置しても多分無理だと思います。看板見て事故が減るようであればここまでにはなっていないと思うので、だから体制をつくるしかない。人的体制をしっかりと整備をして注意喚起をする。今日はちょっと潮が引いてきますから、今日これから波があがってきますから、ここら辺でシュノーケルしたほうがいいですよ。やるなとは言いません、ここら辺のほうが流れがあまりないですからね。ここまで流されたら気をつけてくださいねということをパトロール活動の中で声かけしていくということしかないのかなというふうに思います。
 それで中期的・長期的に考えたときに、県民の方々に対しても水辺の安全というものに対しての知識や経験というものが深まれば、例えば本土から来る観光客の方が宿に入りました、どこどこの海がいいですかというその受け答えの中に、今日はね、ここの海はちょっと風が強いからこっちのほうが安全かもしれませんよということが県民と観光客の中でコミュニケーションの中身が少し変わってくれば確実なものになってくるのかなと思ったので、体制を確立することと普及・教育を徹底していくことしか、もう今打てる策はないんじゃないでしょうかということでお話をさせていただきました。

○西銘純恵委員 県民に対するのが今入っていたと思うんですけれど、50代から70代以上が年に1人亡くなっていると。魚取り、シュノーケルもそうだけれども数字を見たときに、やっぱり今話された県民自身が海を知るという、海の怖さというのかそこら辺を含めて教育を受けるというのがなされていないなと思いました。
 皆さんの活動の中で教育プログラムの開催というのがあるんですけれども、こういう取組を少なくとも県内様々な教育の分野で取り組むということをとても必要とされているのではないのかと今感じました。それと自治会とかそういう集落なんかあるんですけれども、講師派遣をされて、50代、60代、70代、海には当たり前に行っているけれども、海の怖さというのは経験則でしか分からない。潮についても波についてもあまりよく分からないという部分をどう教えてもらうのかなというのがあると思うので、教育はとても沖縄県民に対しては重要じゃないのかなと思いましたので、そこら辺はぜひ取り組んでいく立場で県政と関連する部署と話もやっていったほうがいいんじゃないかなと思いますが、どうでしょうか。

○音野太志参考人 はい、もうぜひやっていきたいなと思っております。今関係部署の中にその4部局がありますけれども、その中に例えば教育委員会とかを含めて、もし連携ができるのであれば連携させていただいて、沖縄県内の学校教育の中に幼少期から水辺の安全だったりとか先ほどの浮いて待てという着衣泳であったりとかということを導入していくことは必要なのかなと思います。
 海外の事例でも救急法もそうなんですけれども、ベニスのほうだったかな、要は町中に水路がたくさんあるところですけれども、水難事故というのが非常に少ないというのがあって調べたところ、小学校低学年では人を呼ぶ方法を教える。これが中学年ぐらいになると例えば物を、ほうきとかそういったものを使うという方法を教えている。段階に応じて伝えている。例えば救急法に関して言ったら、中学年では押すだけを教える、高学年とか中学生になってくるとしっかりとした一連の流れを教えるとかというふうな、発達段階に応じて教育をするというシステムが海外のほうでもあるというふうに伺っていますので、そういう形で沖縄県の水難というものに対して段階に応じて伝えていくということが必要なのかなと。子供たちに救助しに行かせたら危ないですから、そういうことも含めてしっかりと伝えていくということが順に応じて必要なのかなと。ぜひできるのであればさせていただきたいと思いますし、実際に今年からスタートさせようかなとも思っています。

○西銘純恵委員 ありがとうございます。

○又吉清義委員長 ほかに質疑はありませんか。
 當間盛夫委員。

○當間盛夫委員 時間がもうないですので、すみません、よろしくお願いします。
 皆さんのライフセービングの予算的な部分、こういろいろとあるじゃないですか。それはどういうふうな形で確保されているんですか。

○音野太志参考人 予算はないです。ライフセービング協会としてどうやってお金が入ってくるかというところですけれども、できるだけ簡潔に、ライフセービング協会は沖縄県全体のライフセービング、海浜の安全を求めなければいけないと思っているので企業からの受託はしていません。海浜の監視をしてくださいという人材派遣業者になってしまうと競合になってしまうだけなのでやっていないです。だからそういったものに関しての収入はないです。
 イベントなどでパトロールしてくださいと言われたらそこに対しては予算を講じてもらうのでその上がりというんですか、そういったものは少しお金になるかもしれません。微々たるものです。
 資格講習をしたら、資格登録費というものが日本ライフセービング協会に入ります。その中の一部が県協会の運営費として賄われますけれども、非常にこれは微々たるものです。
 はっきり言って、通帳を見れば分かると思いますけれども、桁数もうこんなものです。無いです。

○當間盛夫委員 音野さん、それと若い人たちというんですか、大学生がこのライフセービングのもの、県外で結構そういう活動的なものが大学生を中心にあると思うんですけれども、沖縄の現状はどうですか。

○音野太志参考人 沖縄県に過去に一度僕が関わっているときに琉球大学のライフセービングクラブを立ち上げましたけれども、今大学ではないです。なぜかというと日本のライフセービングが普及していった1つの大きな要因はやっぱり大学の部活動だったというのもあるんですよ。スポーツとして捉えて。その時期は大学の夏休みが7月から8月だったんです。海水浴の開設期間も7月から8月だったんです。だから、常日頃のスポーツとして練習しているものの練習の場や監視活動としての動く場所として海水浴になっている。だけど今大学って8月、9月が休みですよね。もう日本の本土全て人不足なんですよ。こう考えたときに沖縄県は昔はよく言われていました。期間が長くていいね、ずっと海に出てというけど、僕から言わせたら、中途半端に長い期間です。半年間だけの人材派遣なので、まず大学生にお願いをしたら学業が専門ですから、夏休み期間しか来られません。じゃあほかは、4月から11月までいてくれる人を採用するとなるともうクラブ活動とかではまずやっていけないというのが現状。中途半端な職業ですよね。僕もずっと最初そうでしたけれども、夏場やって冬場はバイトして、食べつないでということをずっとしていました。これが今の現状になってくるのかなというふうに思います、沖縄としては。

○當間盛夫委員 分かりました。
 最後にもう1点。こういう安定した安全を守るための職業としてのという形になってくるとハワイ型のライフガードというのがあるんですけれど、ホノルルの市の職員というのがあるので、ハワイはこれはホノルルだけですか、ライフガードが職員として採用されているところというのは。

○音野太志参考人 いえ、ハワイ全土になります。ほかの島も含めてです。
 ホノルル市郡は救急車の部隊と―消防とは別なんですけれども、救急車の部隊とライフガードディビジョンというのが一緒になっています。マウイ島はまだ公園緑地課の中にライフガードが属していると思います。ハワイ島は消防の部局の中にライフガードが属しています。
 世界的な流れでいくと消防の中にライフガードが属される方向が非常にあるんですけれども、それによる弊害もあります。一度合併されると予算が落ちる。消防というのは自治体の規模に対して隊がどれくらいなければいけないというのが設定されているんですけれども、ライフガードというのは基準の隊というのがないですね。そのビーチの形状、どういう人が来るのか、波があるのか、流れがあるのか、若い人が多いのか、高齢者が多いのかそれによって何人ぐらい来るのかということによってライフガードの人数を配置しなければならないので、なかなか消防に簡単に入ってしまうというのは難しいというふうには言われています。
 質問の答えとしてはハワイ全土でライフガードというのは採用されています。

○當間盛夫委員 分かりました。
 この自然海岸での事故というのが7割近いということと、この自然海岸の管理者というのは県の海岸防災課が管理者ということは明記されておりますので、残念ながら皆さんが出した昨年の8月以降、管理者である海岸防災課から何にも皆さんのところに相談もないというのが僕は問題だというふうにも思っておりますので、これからまた県のほうとも我々も連携ではないんですけれども、我々も議会も海の安全というものを我々の責務にもなっているというふうに思っていますので、しっかりと対応していきたいと思っておりますので、ありがとうございました。

○又吉清義委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○又吉清義委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、請願令和3年第3号に係る参考人に対する質疑を終結いたします。 この際、委員会を代表して、参考人に一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 音野太志参考人、屋良朝仁補助者、大変ありがとうございました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人退室)

○又吉清義委員長 再開いたします。
 以上で、本日の日程は終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

  委 員 長  又 吉 清 義