予算特別委員会



本日の委員会に付した事件.
 1 甲第1号議案 平成15年度沖縄県一般会計予算

○翁長政俊委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 甲第1号議案平成15年度沖縄県一般会計予算を議題といたします。
 説明員として教育長の出席を求めております。教育長から教育委員会関係予算の概要説明を求めます。
 津嘉山朝祥教育長。
○津嘉山朝祥教育長 それでは、教育委員会所管の平成15年度一般会計予算の概要について御説明を申し上げます。
 お手元に平成15年度当初予算説明資料の抜粋をお配りしてございますので、御利用くださいませ。これは、県全体のものから教育委員会所管に係る分を抜粋してございますので、これを用いまして御説明をいたします。
 なお、説明資料中、各予算額の上に記入してあります括弧書きが教育委員会所管分でございます。
 1ページをお開きください。
 平成15年度一般会計歳入予算の款別対前年度比較でございます。一番下になりますが、歳入合計6201億1000万円のうち、括弧書きで書いてございますが、教育委員会所管分は587億9987万7000円で、前年度に比べますと、42億1325万4000円、率にして7.7%の増となっております。
 それでは、歳入予算の主な内容について御説明いたします。
 2ページをお開きください。
 (款)使用料及び手数料178億570万7000円のうち、教育委員会所管に係る分は54億8693万9000円であります。
 一番下の行をごらんください。
 使用料の内訳でございます。(目)教育使用料57億4494万4000円のうち、教育委員会所管に係る分は53億3175万4000円であり、全日制高等学校等の授業料、博物館使用料、奥武山総合運動場使用料、青少年教育施設使用料が主なものであります。前年度と比較をすると5471万1000円の増となっておりますが、これは、高等学校授業料の改定及び平成15年度から徴収予定の青少年教育施設使用料によるものであります。
 3ページをお開きください。
 上から7行目でございます。(目)教育手数料2億4868万3000円のうち、教育委員会所管に係る分は1億4700万1000円となっており、高等学校の入学料、入学考査料、証明手数料であります。
 その2行下の(目)証紙収入26億1240万4000円のうち、教育委員会所管に係る分は818万4000円となっており、教育職員免許状の授与等に係る証紙収入であります。
 その1行下の(款)国庫支出金1890億306万8000円のうち、教育委員会所管に係る分は413億6935万円で、前年度と比較をしますと44億2925万1000円の減となっております。
 その6行下をごらんください。
 国庫支出金の内訳について御説明をいたします。
 (目)教育費国庫負担金371億4170万3000円は、教育委員会所管に係る分であり、義務教育給与費、養護学校給与費、特殊学校施設整備費が主なものであります。前年度と比較しますと41億7773万9000円の減となっておりますが、これは義務教育給与費国庫負担金のうち、共済長期給付負担金等に係る国庫負担が一般財源化されたことが主な要因であります。
 4ページをお開きください。
 上から6行目でございます。(目)教育費国庫補助金39億3256万1000円のうち教育委員会所管に係る分は39億2147万1000円であり、県立学校施設整備に係る学校建設費、産業教育施設整備費、文化財保護費等が主なものとなっております。前年度と比較しますと2億6680万円の減となっておりますが、これは県立学校施設整備の一部を前年度補正予算に前倒ししたことによる事業量の減によるものでございます。
 その8行下をごらんください。
 (目)教育費委託金3億617万6000円は、教育委員会の所管に係るものであり、文化財発掘調査費、教育調査研究費が主なものであります。前年度と比較しますと1528万8000円の増となっておりますが、これはキャンプ瑞慶覧内発掘調査の事業量の増等によるものであります。
 その2行下をごらんください。
 次に、財産収入について御説明をいたします。
 (款)財産収入31億3727万4000円のうち、教育委員会所管に係る分は1億222万9000円であります。
 その2行下をごらんください。
 財産収入の内訳でございますが、(目)財産貸付収入13億2404万3000円のうち、教育委員会所管に係る分は3561万6000円で、教職員住宅の入居料であります。前年度と比較すると467万円の減となっておりますが、これは教職員住宅の一部廃止に伴う減であります。
 一番下の行をごらんください。
 (目)物品売払収入3306万7000円のうち、教育委員会所管に係る分は95万1000円であり、県立学校の不用品及び家畜の売払代であります。
 5ページをお開きください。
 1行目でございます。(目)生産物売払収入4億3179万7000円のうち、教育委員会所管に係る分は6566万2000円であり、農林高等学校や水産高等学校における農場・漁業実習による生産物の売払収入であります。
 次に、諸収入について御説明いたします。下から9行目をごらんください。(款)諸収入244億1266万7000円のうち、教育委員会所管に係る分は27億5735万9000円であります。
 6ページをお開きください。
 上から4行目でございます。諸収入の内訳でございますが、(目)商工貸付金元利収入139億4603万7000円のうち、教育委員会所管に係る分は23億9619万4000円であり、博物館新館・美術館建設用地に係る土地開発公社に対する貸付金の償還金であります。この収入については、平成14年度まで文化環境部が所管していたものについて所管の変更を行ったものであります。
 その2行下の(目)教育貸付金元利収入1億6550万円は、財団法人沖縄県学校給食会及び財団法人沖縄県国際交流・人材育成財団に対する貸付金の償還金であります。前年度と比較しますと1680万2000円の増となっておりますが、これは国際交流・人材育成財団貸付金元利収入の増によるものであります。
 一番下の行をごらんください。(目)雑入14億5573万7000円のうち、教育委員会所管に係る分は1億9566万4000円でありますが、これは日本宝くじ協会助成金及び防音事業関連維持費助成金が主なものとなっております。
 次に、県債について御説明をいたします。7ページをお開きください。
 (款)県債785億4400万円のうち、教育委員会所管に係る分は教育債及び災害債合計で90億8400万円であり、県立学校の施設整備事業、文化施設整備事業及び県立学校施設災害復旧事業に係るものであります。前年度に比べると61億9400万円の増となっておりますが、これは博物館新館・美術館建設事業に係る文化施設整備事業によるものであります。
 以上が教育委員会所管に係る一般会計歳入予算の概要であります。
 続きまして、一般会計歳出予算の概要について御説明いたします。8ページ及び9ページでございます。平成15年度一般会計歳出予算の款別対前年度比較をごらんください。
 教育委員会所管の一般会計歳出予算額は、(款)教育費、(款)災害復旧費合計で1691億5829万円で、これは一般会計歳出予算額の27.3%を占めております。また、前年度と比較しますと68億6431万6000円、4.2%の増となっております。
 それでは、歳出予算額の主な内容について(目)ごとに御説明をいたします。
 10ページをお開きください。
 (項)教育総務費については、(目)教育委員会費1673万1000円は沖縄県教育委員会の運営に要する経費であります。
 (目)事務局費42億6356万5000円は、事務局職員の給与費、教育庁運営費等であります。前年度と比較しますと1億2096万4000円の増となっておりますが、これは事務局職員の退職手当の増によるものであります。
 (目)教職員人事費4億2638万4000円は、教職員の人事管理及び福利厚生に要する経費等であります。前年度と比較しますと2727万9000円の減となっておりますが、これは、公立学校共済組合沖縄支部事務費負担金の減及び沖縄保養所の償還金の減によるものであります。
 11ページをお開きください。
 (目)教育指導費11億8709万9000円は、学校教育の充実、教員研修、児童・生徒の健全育成に要する経費であります。前年度と比較しますと1億9186万5000円の増となっておりますが、これは外国青年招致事業や新規事業レッツ・トライ・イングリッシュ推進事業による増のほか、緊急地域雇用創出特別事業である学校教育補助者配置事業、就職相談補助員配置事業、就業体験コーディネーター配置事業等によるものであります。
 (目)教育センター費3億218万円は、教員研修及び調査研究を行う沖縄県総合教育センターの運営に要する経費であります。前年度と比較すると4765万2000円の増となっておりますが、これは、IT教育センター運営費の増及び緊急地域雇用創出特別事業であるディジタル教材開発、発展型IT学習指導補助の増によるものであります。
 (目)教育振興費3億6347万5000円は、人材育成、幼稚園教育、へき地教育の振興に要する経費であります。前年度と比較すると1255万4000円の増となっておりますが、これは、財団法人沖縄県国際交流・人材育成財団が実施している大学生等への貸与奨学事業の増に伴う奨学関係事業費の増によるものであります。
 次に、(項)小学校費については、(目)教職員費494億987万2000円は公立小学校教職員の給与費及び旅費であります。前年度と比較しますと16億4530万7000円の減となっておりますが、これは、さきの給与改定による給与月額及び期末勤勉手当の支給率の減によるものであります。
 次に、(項)中学校費については、(目)教職員費327億5893万3000円は、公立中学校教職員の給与費及び旅費であります。前年度と比較しますと18億7994万1000円の減となっておりますが、これも小学校費と同様に給与改定によるものであります。
 次に、(項)高等学校費については、(目)高等学校総務費427億4553万3000円は、県立高等学校教職員の給与費及び旅費、高等学校施設の財産管理に要する経費であります。前年度と比較すると11億6651万4000円の減となっておりますが、これは給与改定による教職員給与費の減によるものであります。
 12ページをお開きください。
 (目)全日制高等学校管理費27億157万4000円は、県立高等学校の全日制課程の管理運営及び農場実習に要する経費であります。前年度と比較すると2138万5000円の増となっております。
 (目)定時制高等学校管理費8467万円は、定時制課程の管理運営に要する経費であります。
 (目)教育振興費12億5642万6000円は、産業教育に関する設備や教育用コンピューター等の整備に要する経費であります。前年度と比較すると4160万1000円の増となっておりますが、これは高等学校教育用コンピュータ整備事業の増によるものであります。
 (目)学校建設費37億7470万5000円は、県立高等学校施設の整備に要する経費であります。前年度と比較すると11億5106万5000円の減となっておりますが、これは平成15年度当初予算で予定していた事業の一部を平成14年度補正予算に前倒しを行ったことによる事業量の減等によるものであります。
 (目)通信教育費2371万8000円は、泊高等学校の通信制課程の管理運営に要する経費であります。
 (目)実習船運営費1億7791万8000円は、水産高等学校実習船の管理運営に要する経費であります。前年度と比較すると1046万6000円の減となっておりますが、これは実習船が2隻体制から1隻体制となったことによる維持経費等の減によるものであります。
 次に、(項)特殊学校費については、(目)盲ろう学校費18億8852万3000円は、盲ろう学校教職員の給与費及び旅費、学校の管理運営及び施設整備に要する経費であります。前年度と比較しますと3億98万9000円の増となっておりますが、これは、退職手当の増による教職員給与費の増及び沖縄ろう学校の校舎増築による施設整備費の増によるものであります。
 (目)養護学校費133億3829万7000円は、養護学校教職員の給与費及び旅費、学校の管理運営及び施設整備に要する経費であります。前年度と比較すると3136万1000円の減となっておりますが、これは給与改定による教職員給与費の減によるものであります。
 13ページをお開きください。
 次に、(項)社会教育費については、(目)社会教育総務費2億9205万5000円は、生涯学習の推進、社会教育指導者の養成及び各種研修事業の開催等に要する経費であります。前年度と比較すると1億3168万7000円の増となっておりますが、これは第15回全国生涯学習フェスティバル開催事業の増等によるものであります。
 (目)視聴覚教育費246万9000円は、視聴覚教育の振興に要する経費であります。前年度と比較すると2043万2000円の減となっておりますが、これはIT講習推進事業の終了による減であります。
 (目)文化財保護費122億8062万3000円は、文化財の保護、沖縄関係史料編集及び文化施設の建設に要する経費であります。前年度と比較すると114億2228万9000円の増となっておりますが、これは博物館新館・美術館の実施設計及び用地取得費等によるものであります。
 (目)図書館費2億786万7000円は、県立図書館の管理運営に要する経費であります。前年度と比較すると4792万7000円の増となっておりますが、これは新規事業、図書館情報提供システム開発事業及び緊急地域雇用創出特別事業である貴重資料整理活用事業によるものであります。
 (目)博物館費8484万9000円は、県立博物館の管理運営に要する経費であります。前年度と比較をすると2073万3000円の増となっておりますが、これは緊急地域雇用創出特別事業である博物館新館移転資料整理事業によるものであります。
 次に、14ページをお開きください。
 (目)青少年教育施設費1億2146万4000円は、県内6カ所に設置している青年の家・少年自然の家の管理運営に要する経費であります。前年度と比較すると943万4000円の増となっておりますが、これは施設の営繕費等の増によるものであります。
 次に、(項)保健体育費につきましては、(目)保健体育総務費5億3879万3000円は、県立学校の生徒及び教職員の定期健康診断の実施等を含む学校保健指導や学校体育及び学校給食の指導等に要する経費であります。前年度と比較すると1億9758万2000円の増となっておりますが、これは、県立学校の給食調理場及び学校食堂の改築による給食施設整備事業の増によるものであります。
 (目)体育振興費3億5545万4000円は、社会体育・スポーツの振興に要する経費であります。前年度と比較して4064万8000円の増となっておりますが、これは、平成16年度に本県で開催される国民体育大会九州ブロック大会の開催準備に要する経費及び沖縄空手道古武道世界大会の開催に要する経費等による増であります。
 (目)体育施設費5億1873万9000円は、社会体育施設の整備及び管理運営に要する経費であります。前年度と比較すると1億8942万2000円の増となっておりますが、これは、奥武山庭球場の改修等、国体九州ブロック大会の開催に向けた競技用施設・設備の整備に要する経費の増によるものであります。
 以上が(款)教育費の概要であります。
 次に、(款)災害復旧費について御説明をいたします。15ページをお開きください。
 (項)教育施設災害復旧費3637万4000円は、学校施設等の災害復旧に対処するための経費であります。
 以上が教育委員会所管の平成15年度一般会計歳入歳出予算の概要であります。
 次に、債務負担行為について御説明をいたします。
 16ページをお開きください。
 平成15年度一般会計債務負担行為でございます。
 (事項)学校建設費12億7560万4000円は、2カ年をかけて実施する普天間高等学校及び浦添商業高等学校の校舎新増改築事業に要する経費について設定するものであります。
 (事項)教育用設備整備費8億6977万円は、県立学校の教育用コンピューターの整備に要する経費について設定するものであります。
 次に、地方債について御説明をいたします。17ページをお開きください。
 平成15年度一般会計地方債でございます。教育委員会所管に係る分は、高等学校施設整備事業、特殊学校施設整備事業、文化施設整備事業、災害復旧事業であります。
 以上で教育委員会所管の平成15年度一般会計予算の概要説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○翁長政俊委員長 以上で教育長の説明は終わりました。
 これより質疑に入るのでありますが、質疑及び答弁に際しては、その都度、委員長の許可を得てから発言するよう御協力のほどお願いいたします。
 また、答弁は要点をまとめて簡潔に行うようお願いいたします。
 では、これより質疑を行います。
 玉城義和委員。
○玉城義和委員 教育長におかれましては日ごろから大変御苦労さまであります。幾つか質疑をいたします。
 まず最初に、新任の教員が研修後に免職をされたという事件で、関係者に大変ショックを与えておりまして、また、波紋も県民の中に広がっております。県内で初めて、全国でも余り例がない、1年に1件あるかないかということでありまして、私どもも大変強い関心を持っております。私もこの土、日も含めて、できれば本人にお会いしてと思ったのですが、なかなかそこまでいきませんでした。ある程度の情報は私も得ることができましたので、その辺を含めてちょっとお伺いします。
 まず、免職の法的根拠、その解釈も含めてお示しをいただきたい。
○津嘉山朝祥教育長 委員も御承知のように、公立学校に採用された教員につきましては、地方公務員法及び教育公務員法特例法により条件つき採用期間が1年間とされ、その間にその職務を良好な成績で遂行したときに正式採用となるという規定となってございます。対象となった教員につきましては委員から救済等の話もございましたが、正式採用となった教員とは異なりまして、条件つき採用期間中の教員については地方公務員法の規定により行政不服審査法による不利益処分に関する不服申し立ての規定は適用されません。また、条件つき採用の教員は人事委員会に不服申し立ても行うことはできません。しかし、行政訴訟による処分取り消しの訴えを起こすことは可能でございます。
 今回対象となった教員につきましては、私どもも面談等を実施いたしまして、本人に弁明の機会を与え、また、常日ごろからは管理職や指導教員等による指導が行われましたが、しかしながら、どうしても生徒理解、学級経営、教科指導等の面において著しく指導力の不足等が顕著であり、正式採用を控えるという決断に至ったものでございます。
○玉城義和委員 これは根掘り葉掘り詳しく聞きたいわけですが、相手のあることで、プライバシーの問題もこれありで、なかなか微妙な問題でございます。しかし、ここまで地元の新聞両方含めて報道された以上は、ある程度事実をはっきりさせませんと、これからのこともありますので、これはなかなかうまくないと思います。それで、免職の理由について、この場で言える範囲についてひとつお聞かせください。
○津嘉山朝祥教育長 免職の理由につきましては、これは委員もよく御承知のように、条件つき採用期間中の者については学校長による勤務評定、採用可か不可かという評定を校長を通して実施いたしました。その総合的な評価、先ほど申し上げましたように、教員としての生徒理解や学級経営、教科指導等の面において採用を控えた方がいいという総合的な判断をいたしました。詳細については個人の特定がされてプライバシーの問題にかかわりますので、総合的に判断をして、教師として採用するには不可であるという判断をさせていただきました。
○玉城義和委員 この辺が大変難しいわけですよね。総合的な評価などというのは具体的に基準があって、それに照らして云々というのが出ればそうでもないのですが、非常に主観的な面が出ているのだろうと思うんです。おいおい聞いてまいりますが、教育長は本人に対してどういう指導をしたのか。まだ1年生ですから、そういうことも含めてどういう対応をされて指導をしてきたのか。
○津嘉山朝祥教育長 これは教育長が常日ごろから指導することではなくて、基本的にはこの条件つき採用期間という1年間は初任者研修の制度を実施しておりますので、その初任者研修制度の期間の中で、本人の実践的な指導力、資質等を高めるための研修を実施いたしてございます。そのことを踏まえて、この教師が今後教壇に立つことは厳しいということを学校長あるいは指導教官等々の総合的な提言を得た上で、採用の不可を判断させていただきました。
○玉城義和委員 最終的な決定に至るまでのプロセスについて聞きたいわけですが、どのような手続を踏まれて、どういう議論があって、どこでだれが決定したのか、それについて聞かせていただきたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 まず、教職員の採用に当たっては、条件つき採用期間中の評定を学校長に提出していただきます。これは1年間にわたる初任者研修を実施して、この教員を教師として今後とも引き続き採用していいのかどうか。教師としての採用に値するかどうか等々について総合的に評価をいただきます。担当課でこの評価を踏まえて、特に採用の不可という評定をいただいた教員については、庁内でこの教員をどう取り扱うべきかという議論を経て、当然私どもの顧問弁護士だとか、あるいは教育委員会内において担当課を交えての議論を重ねながら、最終的には私の方で判断をさせていただきました。
 現場ではこの手と言ったら大変失礼ですが、新規採用教員を含めて教職員については校長、教頭、かつまた新規採用教員については指導教官等々から、初任者研修の重立ったものは教師としての資質、能力を高めるための教科指導に関すること、生徒理解に関すること、教員としての資質に関すること等を常日ごろから初任者研修を通して各種研修あるいは研究授業等を通して指導を重ねてまいります。したがいまして、その結果として改善が期待できないという判断を学校長の方でやっていただく。それを踏まえて私どもとして最終的に結論を出したという形になります。したがいまして、当然に学校長等を初め学校現場と連携を深めながら、かつ校長あるいは教頭だけの目ではなくて、私どもも直接現場に行き、本人に会い、この人の授業を見、そして教職にそのまま引き続きとどめるべきかどうか等々について十分に検討を加えた上で結論に至ったということでございます。
○玉城義和委員 具体的に評価をする項目みたいなものはあるんですか、書き入れていくようなものが。
○津嘉山朝祥教育長 評価を書き入れていく項目はございます。
○玉城義和委員 教育長はこの現場にだれか派遣をされて、実際に見られたのですか。
○津嘉山朝祥教育長 はい、現場に本庁の職員を派遣して、本人、そして校長等々と面談をいたしております。
○玉城義和委員 細かいことを本当はこの一覧表も全部含めて出して検討するのが筋だと思うんですね。客観性を持たせないといけませんので、それが必要だと思います。ただ、この場でそれをやるというと、それはいささか問題もあるような気もしますので、別の機会で取り上げて続けていきたいと思いますが、重要なことは本人の弁明の機会がどこであったのかということです。それは客観的に保障されて、そのことがこの決定にどういう効果を持ったかということですが、いかがですか。
○津嘉山朝祥教育長 本人に弁明の機会を与えなければならないという法的な位置づけはございません。したがいまして、私どもとしては、最終の判断を下す前に、当然に校長の所見あるいは学校等々からの声を私どもの方でしっかりと確認をするということを通して最終の決断をいたしました。本人の基本的な弁明の機会というのは、先ほどもありましたように、今回、条件つき採用期間の教員については人事委員会の不服申し立て等ができませんから、当然に最終的には行政訴訟による処分の取り消し等々が考えられると思いますが、そういう形でございます。
○玉城義和委員 法的なことはクリアされていると思いますけれども、しかし、これはまさに教育的効果というか、教育の中の話ですから、少なくとも本人の弁明する機会をきちっと保障するということは大変重要なことだと私は思うんですね。今お話を伺っても、校長、教頭が、教育委員会からだれか職員が行ったとかいう話で、少なくともこれがどれだけ客観性を持つかということについては、恐らく中ではそれはそれなりの話があるのでしょうが、一般的に見て客観性を持たすためにはもうひとつ足りないと私は思うんですね。
 だから、ある一定程度の第三者の入った機関で本人にきちっと弁明の機会を与える。まさに教育効果でありますから、2年目からうまくなるかもしれないし、3年目からはもっといい教え方ができるかもしれないというのが教育ですから、そういうことも含めて、人の一生涯にかかわることで、ほかの教員の採用問題とか、あるいは士気にもかかわる問題で、これは本来非常に慎重を期さなければならない問題でありまして、そういう意味では本人に弁明の機会を与えるべきだったのではないかと思うんですが、いかがですか。
○津嘉山朝祥教育長 先ほども御案内しましたように、私どもとしては本人と直接会い、いろいろ指摘されている事項について本人の意見を伺ったということは努力をしたつもりです。
 なお、委員からおっしゃいましたように、私どもも採用をする以上は当然教職の世界に希望を持って迎えた者ですから、最後まで教職を全うしていただきたいという思いを持って初任者研修を実施して、きめ細かな指導を行い、そして教員の実践的指導力の向上に努めているわけですから、このことは御理解をいただきたい。
 なお、この教員の弁明というのでしょうか、いろいろ指摘されている事項について教員の声も聞いておりますが、先ほどから申し上げましたように、改善が期待できない。一定の期間を通して一連の指導をしたにもかかわらず、教師として一定の授業の質が期待できないということで結論したわけでございます。
○玉城義和委員 改善が期待できないという言い方が私はよくわかりませんが、教育的配慮が文字どおり足りなかったのではないか。それと、客観性がもうひとつわからない。要するに、密室の協議という感じがしてしようがないわけです。これだけやっていると時間がありませんが、人事委員会への訴えは可能ですか。
○津嘉山朝祥教育長 先ほど申し上げましたように、条件つき採用期間の教員については人事委員会への不服申し立てを行うことはできません。
○玉城義和委員 本人からすれば、他にどういうふうな訴えができるのでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 したがいまして、人事委員会に不服申し立てできませんから、行政訴訟による処分の取り消しの訴えを起こすことは可能でございます。
○玉城義和委員 この問題はこれで終わろうと思いますが、これまでも現場の校長等々から不採用にすべしという意見が出たことはありますか。
○津嘉山朝祥教育長 不採用ではなくて、一定の条件を付して採用ということはございました。したがいまして、県内では初でございます。
○玉城義和委員 何件ぐらいそういうのがあったのでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 件数については定かでございませんが、私の記憶では数件程度だと聞いております。
○玉城義和委員 これは教員の問題と関連して児童・生徒の話ですが、退学や休学になる生徒に対して、生徒の側から弁明の機会を与えるといいますか、そういうことの保障はされていますか。
○津嘉山朝祥教育長 生徒懲戒の1つとして退学をする場合は、当然に児童・生徒、そして保護者等々にはきちんと弁明の機会を与えて、十分な理解、説明をした上で実施をするようにいたしております。
○玉城義和委員 私は今度の任用拒否の件が気になりますのは、これから新任研修を受ける新しい先生方が萎縮をしてしまって、どうも地元の現場の校長の言うことを聞けないと首になるかもしらん、こういう萎縮する気持ちを持って変に点取り虫的なことになったのでは大変だな、こういう意識を持っております。したがって、そういうことのないようにやりませんと、事は非常に重要なことだと思いますので、引き続きまた委員会等々でやってまいりたいと思っております。
 次に参りますが、学校現場が開かれたものになることは非常に重要なことだと私は思っておりまして、学校が特殊な社会になってしまってはいかぬ。遊離してしまって、社会から浮き上がってしまうことではいけないと思っております。教師の皆さんが地域社会との交流に欠けるのではないかという声が往々にしてありますし、地域社会での日常活動の中にもなかなか参加をしないという声もあるのもまた事実であります。学校の皆さんが往々にしてこの世の中とちょっと距離があるのではないか、こういう声もあります。住みやすいとは言えない世の中でありまして、これもいわばただの人をつくった社会で、こういう社会が住みにくいからといって越す国はないわけで、ここで生きるしかないわけですね。
 そういう意味で、学校現場がこういう社会で生きている子どもたちを教育するのだという認識を教師の皆さんに持っていただきたいと思うわけでありまして、こういう意味から幾つか質疑いたします。まず、私は前から同じことを言っておりますが、一定程度の教員を一定期間、5年とか10年とか別の職業についた人を採用すべきではないか。例えば3割は10年間別の職業についた―農民でもいいし、漁民でもいいし、大工でもいいし、そういう人を3割ぐらいは特別に採用する、こういうことをすべきではないかと思っていますが、いかがでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 御指摘のとおり、幅広い知見とか豊かな教養だとか、教師にさまざまな資質、力量等が求められてございますが、今私どもの方も初任者研修あるいは5年研、10年研等々を通して先生方に学校以外に広く社会を見ていただこうということで、さまざまな先生方の体験的な研修等に今力を入れてございます。委員から今御指摘がございました社会人の登用あるいは現に学校以外で職についている方の登用につきましては、私どもも学校教育の多様化あるいは活性化を図る上で極めて重要だ、ぜひそのことは努力をしたいと考えてございます。
 なお、本県の教員採用試験において、現在は社会人枠の設定はいたしておりませんが、平成15年度教員採用試験合格者が406名ございましたが、そのうち民間で5年以上経験がある者は23名でございました。したがいまして、まだ1割にも満ちておりませんけれども、引き続き社会人として、あるいは民間企業等の経験者の登用等についてはその枠の設定も含めて考えていきたい。なお、非常勤等では相当な数の皆さんを現場で活用を行ってございます。
○玉城義和委員 教育長、僕が言っているのは、採用試験までたまたま5年間かかったということではなくして、意識的に、政策的に、例えば10年間銀行員だった人とか、あるいは商社マンだった人とか、そういうのを積極的に意識的に枠をつくって採用してくれ、こういう話をしているわけです。
○津嘉山朝祥教育長 私も基本的には今の委員の御指摘について検討をぜひしてみたい。ただ、枠を何割にするかは別にして、現在のところは結果として5年間民間経験があったのが先ほど23名ありましたということでしたが、採用の際に民間枠を設けて採用していくというのは他県でも実施をされておりますので、本県においても検討してみたいと考えております。
○玉城義和委員 ぜひこれはやっていただきたいと思います。学校の幅を広げていくということは社会との関連性を持たすことですね。それから、子供たちの職業意識を多様に最初からはぐくんでいくこと、いろいろな効果を持つと思うんですね。大卒即採用が悪いとは申し上げませんが、そういうバランスをとっていくことは極めて重要だろうと思います。
 もう1つ、そこに至るまでにぜひやっていただきたいのが、現場の職業人をフルに講師として学校現場に招いていろいろな話をさせてもらいたい。農民も漁民も大工もサラリーマンも、そういうことによって職業意識が出てきますし、社会とのつながりが非常に旺盛になってくると思うんですね。その辺はいかがですか。
○津嘉山朝祥教育長 まさに今学校現場で開かれた学校づくりの大きな柱が、現に社会の一線で活躍している専門的な職業人を学校現場に迎え入れて、学校の活性化、あるいは教職員ではない授業等々の中身を、その先生方の専門性を生かそうという動きは私どもも十分承知をしております。私は、その道の名人だとか地域の名人だとかいって学校現場に登用するように言ってございますが、ぜひこのことを制度化して積極的に学校に迎え入れたいと考えております。
○玉城義和委員 ぜひ頑張っていただきたい。
 次に、校長の民間登用についてでございますが、これは教育長も検討されていると伺っていますが、現状で実施計画はどうなっているか。
○津嘉山朝祥教育長 校長の民間人登用の件でございますが、私どもとしては、民間の経営感覚あるいは新鮮な発想による教育界の活性化等々を確保する観点から、あるいはまた特色ある学校づくりを支援する立場からぜひ登用したい。そこで、平成15年度になりますが、現在既に広報活動、応募者の募集をいたしてございますが、来る4月初旬には第1次選考の論文等による書類選考をいたしまして、第2次の選考について面接による試験等々を7月に実施して、合格者については半年程度県立総合教育センターにおいて研修を済ませて、平成16年4月1日付で学校に配置することを予定してございます。逆算しますと、どうしても9月もしくは10月には合格者を出して、そして半年程度県立総合教育センターで本県の教育に係る研修をした上で、管理職として平成16年4月1日付で学校に配置をしたいという計画を持ってございます。
○玉城義和委員 それは何人ぐらいの予定ですか。
○津嘉山朝祥教育長 これは平成16年4月1日からでございますが、小学校の校長、中学校の校長、県立高等学校の校長、それぞれ1名ずつ、計3名を予定いたしております。当面はその3名で登用したいと考えてございます。
○玉城義和委員 選考基準についてちょっとお聞かせください。
○津嘉山朝祥教育長 選考基準につきましては、民間企業において管理職の経験を有する者、もしくはそれと同等以上の経験を有する者を受験の対象者といたしております。また、幅広く人材を確保するため、全国公募としてございます。
○玉城義和委員 条件として、今の話ではちょっとわからないのですが、3月15日の地元の新聞ですが、広島の小学校の民間の校長が自殺をしたという記事が載っていますね。私は校長を民間から採ることは大変結構なことだと思うんです。ただ、学校管理者的、民間効率的な合理性だけを追求するような観点からこれがなされると、こういう非常に悲しい事件が起こるのだろうと思うんですね。私が最初に申し上げたもっと広い視野から学校を考えていくといいますか、世の中全体の中で学校を位置づける。そういう意味であれば大変結構だと私は思うのですが、いわば効率を上げる、合理化する、管理をする、そういう観点から民間の経営者なり管理者を入れるというのはいかがなものかと思うのですが、そこはどうでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 御指摘の件は十分に踏まえて、本県の民間等からの人材については対応いたしているつもりでございます。特に本県の求める校長像については、今のような視点から、決して経営合理化ということではなくて、豊かな知見を生かし、あるいは幅広いさまざまな経験等々、感覚を生かして個性的な特色ある学校づくりに生かそうということでございますから、このあたりは、既に記者会見等もいたしましたが、本県の求める校長像を御紹介しながら全国に応募させていただいておりますので、他県で不幸な事例がありましたので、そういうことをしっかり踏まえて対応したいと考えております。
○玉城義和委員 先ほど校長先生が亡くなったことが結構だと申し上げたわけではないので、そこはちょっと訂正をしておきます。登用が結構だと申し上げたわけです。
 そういう意味では、幅広くやっていただくのは結構だと思いますが、くれぐれも管理者的なものを持ち込むためにやるということではないということをひとつ御留意いただきたいと思います。
○翁長政俊委員長 小渡亨委員。
○小渡亨委員 それでは、何点か質疑を行います。
 まず1点目に、県内の小・中・高校における英語教育について、特に補助教員についてどういう現状になっているのか、教えてください。
○津嘉山朝祥教育長 学校現場にネーティブスピーカー、ALTの雇用状況でございますが、県の方で県教育委員会づきのALT、これはJETプログラムで対応してございますが、県立で37名、教育事務所に10名、計47名を配置してございます。それから、市町村教育委員会づきのALTが35名、市町村教育委員会づきの単独のALTが92名、計174名のALTを配置してございます。
○小渡亨委員 今回の予算に入っているレッツ・トライ・イングリッシュ推進事業とこの関係はどうですか。
○津嘉山朝祥教育長 レッツ・トライ・イングリッシュ推進事業は、文部科学省の指定を予定いたしております特定の市の研究開発校についてネーティブスピーカー、このALTではなくて、それ以外に外国人の講師等を雇用する等々の費用が入ってございます。それを支援しようという予算でございます。
○小渡亨委員 この外国人ですが、これは県外から連れてくるんですか。県内の外国人を使うのですか。
○津嘉山朝祥教育長 このALTにつきましては国外からということが条件でございます。
○小渡亨委員 県内には英語をしゃべれる人間がかなりいるのですが、その辺の活用はやっていないんですか。
○津嘉山朝祥教育長 県内において、当然これだけの基地があり、外国人が居住しているわけですから、私どもとしても特に小学校の英語活動を支援していこうということで、ネーティブアシスタントの英会話指導を、ことしでいきますとネーティブアシスタントの人数が約300名、国頭地区、中頭地区含めて20の小学校でネーティブアシスタントを活用して小学校の英語活動を支援してございます。
○小渡亨委員 ALTというのは県外から招聘するわけですか。そして、ネーティブアシスタントは県内の米国人を利用するということですか。
○津嘉山朝祥教育長 このALTは基本的に国の予算で、ですから、全国版の外国人指導助手の配置事業です。ネーティブアシスタントというのは本県の事業で、本県に居住する外国人の方を小学校の英語活動に積極的に活用しようということで、平成12年の第17回三者連絡協議会での米国側からの申し出により対応している事業でございます。
○小渡亨委員 このネーティブアシスタントの中でいわゆる米軍人軍属等の活用はありますか。
○津嘉山朝祥教育長 今のネーティブアシスタントの英会話指導事業は、先ほど申し上げましたように、三者連絡協議会での米国側からの申し出により実施している事業でございまして、無償ボランティアとして軍人やその家族等が協力して実施をいたしております。
○小渡亨委員 300名近い在沖米軍の方々がやっている中で、先日プレスのあった在沖米四軍調整官の件です。マスコミ等、あるいは教職員等の批判をかなり浴びて中止になったのですが、このネーティブアシスタントの中で、軍人の階級はオフィサーなのか、あるいは下士官なのか、兵なのか、それはどうなんですか。
○津嘉山朝祥教育長 この三者連絡協議会での申し出の中の取り決めで、教師としての意識を持ち、服装等にも留意して指導できる者ということで、基本的には軍属軍人としてのそういうスタンスではなくて、それが表面に出ないような形に約束事ができていますので、こちらの方でどういう階級の者が出ているのかというのは全くわかりません。かつまた、軍人軍属の奥さんの方が主流でやっておりますが、その詳細についてはこちらの方で資料は持っておりません。
○小渡亨委員 在沖米四軍調整官のグレグソンさんが在沖米軍のトップだから、トップがやるのは好ましくないという話なんです。じゃ、その次の副司令官ならいいのか、あるいは幕僚ならいいのか、よくわからないんです。その辺は教育長としてはどう判断しますか。
○津嘉山朝祥教育長 まず、知念村の教育委員会の件につきましては、私どもがまだ詳細に報告を受けたり、相談もきちんと受けていませんので言及はできませんけれども、いずれにしても、私どものネーティブアシスタントによる英会話指導事業につきましては、服装等にも留意して指導できる者という取り決めをしてございますので、それを十分配慮して国際交流あるいは国際理解の一環として当たるという約束事をしてございますので、それに沿ってやっていただきたいと考えております。
○小渡亨委員 それで、教職員組合等が反対をして結果的には取りやめになったんですが、教育長としては、これは階級とは関係ない、民間の服装をして、軍以外のことを話すのだったら構わないというふうに理解していると私は理解していいですか。
○津嘉山朝祥教育長 教育委員会といたしましては、これは基本的には市町村教育委員会が主体的に対応すべきことでもありますので、私どもとしては三者連絡協議会の確認事項を踏まえて対応していただきたい。いずれにしても、国際理解、あるいはそういう交流関係で外国の方と交流することは今後の国際感覚に満ちた人材の育成に必要だというふうには理解いたしております。
○小渡亨委員 次に移ります。国立劇場おきなわの開場に関する予算が入っているのですが、これの開場の予定はいつなのか、教えてください。
○津嘉山朝祥教育長 国立劇場おきなわの開場は、ことし7月末あたりには劇場おきなわの工事を終える予定でございますが、平成16年1月18日に開場記念式典及び芸能公演、そして同1月28日から開場記念公演、こけら落とし公演が行われる予定でございます。
○小渡亨委員 国立と入っているのですが、これの運営主体はどこなんですか。
○津嘉山朝祥教育長 国立劇場おきなわでございますから、当然国立にふさわしい日本芸術文化振興会に国から委託をして、日本芸術文化振興会が組踊の国立劇場おきなわの運営財団に委託をするという形になります。財団が管理をするという形になります。
○小渡亨委員 日本芸術振興財団が直接やるんですか。それをまた県が委託を受けて、県がやるんですか。どちらなんですか。
○津嘉山朝祥教育長 直接的には県とかかわりはございません。
○小渡亨委員 県が持っている沖縄県立郷土劇場がありますね。あれは閉鎖という話もあるんですが、それとは関係ないわけですか。
○津嘉山朝祥教育長 今しがたちょっと追加したいのですが、国立劇場おきなわの運営に係る役割分担について補足をさせていただきます。まず、文化庁から日本芸術文化振興会に補助金を出して、この日本芸術文化振興会が国立劇場おきなわ運営財団に管理運営を委託するというふうになってございます。
 それから、郷土劇場のことについては所管ではございませんので、お許しをいただきたいと思います。
○小渡亨委員 てっきり国立劇場おきなわができるから郷土劇場は閉めるのかと思ったんですが、これとは全然別なんですね。
○津嘉山朝祥教育長 このことについて私どもで言及することはいろいろ他に迷惑がかかると思いますので、このことについてはお許しをいただきたい。
○小渡亨委員 そのこけら落としが来年1月18日から28日にかけて行われるということですが、現在、県指定の無形民俗文化財はどの程度ありますか。
○津嘉山朝祥教育長 沖縄県における無形民俗文化財は、国指定重要無形民俗文化財が8件、県指定の無形民俗文化財が6件となってございます。
○小渡亨委員 こけら落とし等は多分こういった中から選ばれると思うのですが、こういった演目といいますか、出場者はどこで決めるのですか。
○津嘉山朝祥教育長 特に8週にわたってこけら落とし公演をいたしますが、この中で実施をするさまざまな演目等々につきましては、国立劇場おきなわの運営財団の方で文化庁、先ほどありました日本芸術文化振興会、あるいはまた本県にもこういう形でやりますという紹介をしながら、財団の方で決定をいたしております。
○小渡亨委員 この件はまた別な機会にやります。
 先ほどの玉城義和委員の質疑の中のことですが、条件つき採用期間で採用取り消しというのは民間企業ではごく普通なんです。今までなかったのが不思議だなと私は思っているわけです。一たん採用されますと、例の地方公務員法で、破廉恥罪をやってもなかなか免職にならないと聞いています。そこで、現在、教育に従事していない教員の数はどのぐらいか。ちなみに、介護とか育児とかそういったのを除いて何名いるのか、教えてください。
○津嘉山朝祥教育長 平成15年3月1日現在でございますが、精神的な疾患を患って学校を休んでいるのは、小学校が41名、中学校が23名でございます。トータルで64名の先生方が休んでおられます。
○小渡亨委員 高校も。
○津嘉山朝祥教育長 高校は、精神的な疾患ですが、心因性で18名、特殊諸学校が2名、20名でございますから、トータルで84名の先生方が精神的な疾患で休んでおられる状況でございます。
○小渡亨委員 内科とか外科とかの場合にはある期間を持てば治るわけですが、精神科となりますとなかなか治らないというのが一般的な常識なんです。そこで、最長何年休んでいるのか、平均何年休んでいるのか、教えてください。
○津嘉山朝祥教育長 この者がどの程度休んでいるかについては、今手元に資料がございませんので、いましばらく時間を。ちょっと時間がかかるかもしれません。と申しますのは、最長というのは、続けて休む場合と、出てまた休むという場合、いろいろありますので、調べるのに時間がかかりますので、ちょっとお許しをいただきたい。もしよろしければ後ほど御説明したいと思います。
○小渡亨委員 これは事前にやっていませんでしたから、いいと思います。
 ただ、先ほどの話で、民間人から校長を採用するという話も今度やるということでした。先ほどありましたように、広島県で民間の校長先生が首をつって死んだと。その原因をどうとらえていますか。
○津嘉山朝祥教育長 これは私の知る限り、手元にある情報だけでございますが、民間の方から校長として職務につく場合には、民間と学校の教育現場というのは、もちろん職務内容等々も変わるし、教師集団も民間の社会とは大分違いますので、管理職として迎え入れる際のさまざまなフォローができていたのかどうか。私どもは半年間にわたってセンター等で本県の教育あるいは学校管理運営についての研修をしようと思っていますが、それが十分になかったのではないか。それから、これはいい教頭、当然に現場経験豊富な力のある教頭を配置するのが前提でございますが、たまたま配置をした教頭が病気で倒れられる。それから、また後任に迎えた教頭が病気で倒れて、校長先生が非常に孤軍奮闘というのか、孤立をして、なかなか学校経営が思うようにいかなかったのではないかということ等々もあるようでございます。
 そういうことがあって不幸な事態を迎えたのかと思いますが、いずれにしても、私どもはこういうことを十分真摯に受けとめていきたいと考えております。
○小渡亨委員 せっかく民間から教育畑に入ろうという意欲を持って入った方が孤立無援になってしまって自殺を図る、こういうのは悲劇なんです。こういうことがないように採用計画をやってほしいと思います。
○翁長政俊委員長 池間淳委員。
○池間淳委員 まず、教育長は昭和43年に教員に採用されまして、以後37年、教育畑で沖縄県の教育のために大変貢献なされております。今月いっぱいで退官されるということを聞いておりますが、この37年ぐらいの間に教育の方針もいろいろ変わってきたのもあろうかと思うんです。それから、その政策づくりに携わったり、あるいはつくられた政策を学校現場で実施したりやってこられております。その内容を振り返って、ひとつ思い出等をお聞かせ願って、そして今後の教育方針についてもお聞かせ願えればと思います。
○津嘉山朝祥教育長 まだあと2週間余もありますので、私にとってはまだまだ教育長としての重責がありますので非常につらいお話でございますが、いずれにしても、一言で教育を私が振り返りましたときに、1つだけ二、三分で。
 私が教育の世界へ迎えられたときに、児童・生徒というのはどういう子をいい子とするのか。どういう生徒をいい子とするのですか。皆さん、委員の方もよい子像というのがあろうと思うのですが、私どもが教職の世界についたときには、よい子というのはすべてオール5の子、何でもかんでも、スポーツも体育も文化もすべからく優秀な子、それから先生の話に素直に従う子、速くできる子、素早く物事ができ、そして何でもこなせて、先生の言うことをしっかり聞く、親の言うことを聞くというのが私が当初教職に赴任したときにいい子であったような気がいたします。
 したがいまして、親が言う、先生が言うのは、速く、速く、人の言うことをちゃんと聞くんですよ、そして、できないものを指摘していく。体育がよくても、あなたは算数、数学ができないじゃないかというような欠点指摘主義の教育を行ってきたような気がいたします。今日、創造性だとか、あるいは個性というのが問われる時代には、時間にとらわれない、それから多少へこみがあってもいいのではないか、それが個性ではないのか。あるいは、人の言うことを素直に聞くというより、自分の思うことをしっかり主張して、その上で物事に対処してもいいのではないかという個性と創造の時代に教育が変わってきたような気がいたします。
 したがいまして、前にもお話ししましたように、今日は自分探しの旅を助ける営みが教育の大きな柱。でも、私が当初赴任したときには一律一斉で、足並みをそろえることが教育である。今日はまさに一人一人がみずからの人生に大きな夢や希望を抱いて果敢にチャレンジする自分探しの旅を助ける営みであると申し上げましたが、いい子像が変化をしているが、依然として親や子、我々は速く、速くと。そして、何でも素直に聞くんですよ、大人の言うことは素直に聞くんですよということをイメージしながら教育をしていることがあるような気が私はいたします。
 したがいまして、新しい教育、学校が変わり、教育が変わる時代にはそれぞれの教師や親が持っている児童・生徒観もしっかり磨きをかけて、今日の時代に合った教育をしていただきたい。その教育のために残された期間、あるいはこれから後も引き続き情熱を持って頑張っていきたいというふうに思います。
○池間淳委員 この40年近い間に教育方針もいろいろと変わってまいりまして、最近は週休2日制にもなっておりますし、そして、きょうの新聞では嘉手納町で4月1日からこれまでの3学期制を2学期制にしていく。前期、後期というふうなことにやっていく。これはゆとりある学習をさせていくのだそうですが、私はゆとりのある学習指導もよろしいかと思うのですが、やはり教育長が当初入られたころのあの競争心も出していくべきじゃないのかなという思いをしております。
 なぜなら、最近、私の娘と話をしておったのですが、100メーター競走をやって、競争心がなくなって、一緒にテープを切りましょうね。あるいはまた校内マラソンを子供がやっておったのですが、ことしの話を聞くと、全員一緒になって、テープを五、六名で一緒に切ろうというふうな話をやっていたんですよ。私は、これでは勉強どころじゃないな。あるいは指導ももっともっと変えていかぬといけないのかなという思いがしてならなかったんです。これから質疑をいたしますが、どうぞ御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
 まず、教育制度がいろいろと変わってきておりますが、東京都品川区で4・2・3の制度でこれから教育に取り組んでいきたいというふうな制度を取り入れております。小学校6年生まで1人の教員で教えていくのは大変無理もあるのかなというふうな思いで、この4・2・3を取り入れていくのかなと思っているのですが、小学校で英語も取り入れていただいたし、このようなこともあって、教科ごとに指導もしていくべき時代になったのかなという思いをしておりますが、この東京都品川区の制度についての御見解をお聞かせください。
○津嘉山朝祥教育長 委員から今御指摘がありましたのは東京都品川区の4・3・2制の件だとお受けいたしました。これは現在の第二日野小学校の所在地に日野中学校を移転して、小・中一貫校をつくって4・3・2制、9年を4・3・2と分ける制度でございますが、実はこれは文部科学省の研究開発校でございます。研究開発校というのは、現行の教育課程等々によらないことができるという制度を活用しての今後の我が国の教育のあり方を模索する。そのことを研究開発校として実施しようというのがこの研究開発校の制度でございます。したがって、すぐそのことを我が国の教育制度の大きな改革とはおとりにならない方がいいのではないか。とりあえず研究開発校では、当然本県が試行しております英語教育を教科として小学校で入れてみようとか、今後の国の教育の動向を見きわめる上でのさまざまなパイロット的事業を実施いたします。したがいまして、この小・中一貫校で例えば委員から御指摘がありました小学校1年から4年までを前期、5年から中学1年までを中期、中2から中3までを後期として、発達段階や生徒・指導等の課題解決及び小・中の円滑な接続を目指した9年間の教育課程の編成を試みる研究でございます。そう理解いたしております。
○池間淳委員 研究開発校で今研究をさせているということなんですが、私は先ほども話しましたように、子供たちの競争心を奪ってしまうと逆に学力も低下していくのではないかなという心配がありまして、できれば4・3・2制を沖縄県では逆に3・3・3でいったらどうかな。そして、必ずしも9年間の義務教育の期間が必要であるのかどうか、これから制度的見直しもやっていく必要があるのかなという思いをしております。今の制度は必ず9年間義務教育をやらないといけないという制度ですが、であれば、その9年間を子供たちが自由に行き来できる制度はできないのかな。
 例えば小学4年から試験を受けて中学1年に入るとか、その中学校1年、2年でその教育課程を全部終わったら、そのゆとりある時間で何かの研究をするとか、そのあたりの制度も変えていくべきじゃないかなという思いをしておりますが、教育長の御見解を賜りたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 委員の御指摘の件については、飛び級等の問題もございまして、我が国でも高校2年生から大学に入れる飛び級の制度などもできてございますが、現在の義務教育の制度の中では年齢をきちんと、小学校は何歳から何歳まで、中学校は何歳から何歳まで、15歳で卒業するというような1つの学校教育法あるいは施行規則等々できちんとした年齢に応じた9年間の義務教育を施すことを定めてございます。したがいまして、それ以外のものはまさに研究開発校で試行しながら、我が国の将来の教育の動向を探る、現在はこういう段階でございます。
 したがいまして、委員から先ほどありました現在の学校の中で私どもは教科の専門性を高めようということで、小学校の専科制の導入、あるいは中学校の先生を積極的に小学校におろして教科の専門性を高めようとか、こういう方に今力を入れて取り組んでいるところでございます。
○池間淳委員 研究開発校は手を挙げてやることはできるわけですか。
○津嘉山朝祥教育長 はい。これは、文部科学省の方に申請書を出して、文部科学省の方で研究開発にふさわしいかどうかを検討して許可をする形になります。
○池間淳委員 今、教育長も小学校の専科制をやっていくということも研究しているということですから、そのあたり、逆に沖縄は3・3・3制でやれないのかなという思いをしておりますから、ぜひ検討していただきたいと思います。
 嘉手納町のけさの新聞で、前期、後期に分けての制度についてのメリットもあれば、デメリットもあるのかなと思うのですが、そのあたりについてお聞かせ願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 2学期制の1つのメリットと申しましょうか、当然3学期から2学期になるわけですから、その学期の終了とか開始に係るさまざまな授業時間が当然に学校行事等から削減されますから、授業時間の確保がまず容易になって、きめ細かな学習指導が促されるとか、それに伴って、通信簿だとか、よい子のあゆみ等々の作業も当然なくなるわけですから、教師の事務量等に係る負担軽減だとか。ただ、今度は逆に学期が長くなりますので、体験的な、あるいは問題解決的な学習を継続的に取り組むことができる等々メリットが挙げられてございます。
 なお、平成15年1月現在の調査によりますと、導入予定が小・中段階では1市2町、平成16年度で導入が1町でございます。なお、県立についてはもう既に定時制高校9校と全日制高等学校2校で実施いたしておりますので、その後、平成15年度に3校が導入予定でございます。
○池間淳委員 頑張っていただきたいと思います。
 次、平成14年度から伊良部高校、これは伊良部中学と佐良浜中学校の連携型の中・高一貫教育を実施しております。その特徴や、あるいはまたこの学校の制度等を、全県1校ということになっているわけですが、いろいろ通知しなければならないと思うのですが、選抜方法はどのように周知されているのか。それからまた、今後この連携型の中・高一貫教育高校は出てくるのかどうかについてもお答え願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 伊良部高校につきましては、地域に根差した連携型の一貫校として広く周知徹底を図っているところでございます。これは、委員も御承知と思うのですが、この中・高一貫教育が始まりますという伊良部地区の中・高一貫教育についてある程度まとめたチラシ、パンフを作成いたしまして、すべての生徒に届けてございます。その中で中・高一貫教育の紹介だとか、魅力いっぱいの授業の紹介だとか、あるいは入試をどういうふうにするのだとか御紹介がありますので、この中に、連携高等学校においては調査書や学力試験による入学者選抜を行わず、面接や自己推薦書等の簡便な方法で選抜を行うことができます等々紹介をしてございます。
 あと、我が方としては、このパンフレットを広く配布すると同時に、県立高等学校の「躍進」という進路情報で県内に広く紹介をいたしておりますし、引き続き平成15年度、本部地域で連携型の中・高一貫教育、平成16年度以降に久米島で中・高一貫教育を進めていく予定でございます。
○池間淳委員 やはりその学校で一貫教育をするわけですから、その特徴を出していくべきじゃないかなという思いをしております。まず、一時期は野球と言えば豊見城高校だとか水産高校だとか言われておった時期もありますし、そういう特徴のある学校に一貫教育としてやってみてはどうかなという思いをしております。そういう方向でやっているとは思うのですが、まず伊良部高校はバレーボールが非常に強いんです。新里委員はいつも見ていらっしゃるのですが、伊良部高校のバレーボール強化のためにもいろいろと授業に取り入れているのかなという思いをしておりますが、伊良部地域では、教育委員会の事業かどうかわからないですが、初のVリーグ選手で全日本代表候補を招いていただいてバレーボールの指導をやっております。その事業はどのような事業を取り入れてやっていらっしゃるのですか。
○津嘉山朝祥教育長 御質疑の伊良部地域で2002年から2004年まででございますが、文部科学省の指定を受けた運動部活動地域連携実践事業の一環でございます。その一環としてバレーボール教室が開催されてございます。本事業は伊良部町内の中・高校のバレーボール部等が合同で活動したり、地域のスポーツクラブ等と連携するなど、伊良部地域の運動部活動の活性化を図ることをねらいといたしております。
○池間淳委員 バレーボール強化については、2年と言わずに今後も続けていただきたいなと思います。バレーボールを取ってしまったら伊良部高校は余り特徴がないんじゃないかなという思いをしているのです。教育の面では非常に立派な後輩が琉大とかそういうところにも通っていくのは多いのですが、やっぱり学習は余り表に出てこない。スポーツがよく出てきますから、これは続けていただきたいなと思います。いや、バレーだけじゃなくて、伊良部には町立のゴルフ場があるんです。ですから、この小・中・高校の学習の要綱にゴルフをぜひ取り入れることはできないのかなという思いをしているんです。いかがですか、教育長。
○津嘉山朝祥教育長 研究開発あるいは運動部活動地域連携実践事業、国の指定を受けた活動については、当然に一定の期間でございますが、私どもとしては引き続きその成果を継続すべき支援をしていきたいと考えております。
 それから、ゴルフ等については、決して教科の中で行えないわけではなくて、教育活動の中でそれをきちんと指導できるような体制と市町村教育委員会の熱意によっていかようにも取り組めるかというふうに私は考えておりますが、このあたりは私どもでやる、やらないではなくて、地域の現場から、あるいは市町村から声を上げて、教育活動の一助としてこれをどういう形で取り組めるのかということで声があれば、私どもは適切な指導助言をしたいと考えています。
 ただ、教科の中で行われるのか、あるいは部活だとか特活の中だとか、その他の教育活動の中で行うのかは別にして、市町村の主体性を重んじていきたいと考えております。
○池間淳委員 初めての町立ゴルフ場ですが、まず教育施設として今までこのゴルフ場は採用されていないんです。ですから、ぜひこの施設等を教育施設として採用していただいて整備をしながら、そこでゴルフの教科を取り入れて指導していけば―最近、宮里兄妹、これは日本だけでなくて世界的に有名なプロ選手にもなっておりますし、季節が非常にいいということで沖縄は野球のキャンプ地ですから、いろいろキャンプ地にふさわしいということでキャンプ等もされておりますが、ゴルフでも非常にいい季節、沖縄県だったら立派な選手が生まれるのじゃないかなと言われておりますから、伊良部町から、あるいは宮古地区からすばらしい選手等が誕生するためにも、宮古地区が要求してきた場合はぜひ取り入れていただきたいと思いますが、もう1度よろしくお願いします。
○津嘉山朝祥教育長 市町村、学校、現場等々からぜひ条件整備をしていただいて、このような思いが学校の個性、地域の特性として教育の現場で生かされるように私どももまた指導していきたいと考えております。
○翁長政俊委員長 伊波常洋委員。
○伊波常洋委員 高校野球と言えば、沖縄水産、豊見城高校と池間委員からありましたけれども、もう1つ石川高校も入れてほしかったなと思います。夏の甲子園に2回も出ているんです。
 それでは、3点ほど質疑します。
 まず、少人数学級の視点から質疑いたします。今、現在少子化が急速に進んでおります。そこで、過去10年間、毎年の推移を言う必要はありませんが、10年前と現在の生徒数、学級数、特に小学、中学別にお知らせをお願いします。
○津嘉山朝祥教育長 10年前の児童・生徒の数字でございますが、平成5年に限りまして、小・中学校トータルで17万8662名ございました。したがいまして、1学年2万人程度在籍があったわけです。今日、平成14年度は15万6447名でございます。したがいまして、約2万2215名、義務教育でこれだけの生徒が減少いたしております。
○伊波常洋委員 そこで、その間の教職員の定数、そして生徒減に伴って、教職員の採用を含め、現場での教職員数が減っているのか、そのままなのか、お願いします。
○津嘉山朝祥教育長 その2万2000人余の減少に対応する学級数は500学級でございます。約500の学級が減になっております。そのままいきますと教員も250人の減となります。ただし、減をしているのかというと、これに係る相当分の教職員の7次の配置改善だとか、教職員の6次、7次の配置改善計画でそれをフォローして補ってございますので、一律に教職員定数が250人減ということではございません。
○伊波常洋委員 この30人学級については、私が県議になってからこれで3回目の質問をします。文教厚生委員会の中、それから本会議の一般質問の中、今回で3度目です。その中でも私が一番疑問に思うのは、今教育長のお答えがありましたように、500学級も減っている。生徒数にして2万2000人も減っている。かといって、その間、教員数は減らない。であるならば、せっかく先生は減っていないのですから、その分を少人数学級に向けるチャンスじゃないかと何度も言っているのですけれども、余っている先生と言えば失礼ですけれども、17万8000人見たのも同じ数、15万6000人見ていたのも現場の先生の数は同じ。なぜ学級数の減の分だけ教員を少人数学級に振り向けるようなことをやらないのか、お伺いします。
○津嘉山朝祥教育長 まず、先ほど550名の減というふうにお話を申し上げました。30人学級を仮に現在の児童・生徒数の在籍等を踏まえて積算いたしますと、約1500名の教員の増が必要になります。金額にして約52億円、これは当然国ではなくて県単の予算措置が必要になります。したがいまして、県単独では措置をするのが大変厳しい状況でございます。
 なお、この減った数を、先生方が250名減るのだが実質減っていない、その分については30人学級に回せばいいじゃないかという御指摘だと思うのですが、実は国の基本的な考え方が、学級の定員を一律引き下げるよりはTT、チームティーチング、複数教授だとか、個に応じた少人数のグループを編成して指導した方が教育の効果を上げるのには適当ではないか。したがいまして、第7次の教職員配置改善計画で約2万5000名の教職員の配置をいたしますが、その半数以上は個に応じた多様な教育活動、TTだとか、そういう少人数グループの指導のための教員の加配となってございます。
 したがって、国の施策が学級編制基準を一律下げるという施策ではなくて、今言うような少人数のグループで編制した指導に力を入れているというのが現状でございます。
○伊波常洋委員 今、少人数学級にした場合、30人学級にした場合、新たに1500人の教員が必要となるのですけれども、これは小・中学校全学年のことですか。
○津嘉山朝祥教育長 小学校の1年生から中学校3年生までをやった場合でございます。
○伊波常洋委員 何も全学年をする必要はないと思います。特に一番大事なときの教育の入り口、小学校低学年、1年、2年あるいは3年までに絞ればどのぐらい必要ですか。
○津嘉山朝祥教育長 学年ごとにという資料は今手持ちにありませんが、1500人で9学年分になっておりますので、おおむね1学年150名前後とお考えになって結構だと思います。
○伊波常洋委員 すると、特に小学校低学年、1、2年生にすれば1学年で150名ですから300名でできるわけです。今、教育長の答弁の中に、なぜ30人学級がなかなか進まないか、はっきり言っていましたね。TTとか、あるいは国の方針がそうであるとか言っているのですけれども、鳥取県で昨年から30人学級が小学校1、2年で全部実施されております。そのときの知事、現在もそうですけれども、片山知事がコメントしております。文部科学省に逆らってやりましたと知事がはっきり言っているんです。そして、子供たちのこと、学校のことを一番よく知っているのは現場だ、役人ではないと言っているんです。逆らってやっているんです。この知事御自身は自治省の出身で、自分は官僚の世界を見てきながらこんなことをやっているんです。ちなみに、そのために、もちろん国に逆らっているのですから国の補助は一切ありません。鳥取県の単費事業で全部そのための教員増、採用をやっております。その財源をどうしたかというと、県庁職員の皆さんの御理解を得て0.何%かカットしていただいて、それを新規の教員採用に向けたということをやっているんです。
 ひとつ教育長、国に逆らえとは言わないのですけれども、もしくは県庁職員の給料を減らしなさいでもないです。先ほど言いましたように今生徒数が確実に減している。そして、250人の当時の教員が浮いていると言えば失礼な言い方ですけれども、250名もいらっしゃる。今1学年で150名おれば30人学級ができるから、少なくとも小学校1、2年、これで300名ですので、どうにか別に財源の増を伴わずにやろうと思えばできると思いますので、ぜひそのような方向でやってください。3点目に関連しますので、後でも聞きます。
 次に、2点目に、先ほど玉城委員からもちょっとありましたけれども、ことしの3月9日に広島県で民間登用の校長が自殺をいたしました。この制度は、個性ある、特色ある教育活動が展開されることを期待しての校長の民間登用制度です。そのために、平成12年4月から、校長、教頭の資格要件を緩和した制度ですけれども、結果は残念ながら自殺者を生んでしまいました。現在、全国で二十数名、来年度は50名ぐらいになると予想されております。私は、校長というのは民間からぽっと出てきてできるそんな簡単な仕事かなと逆に思ったりもします。今、教育現場は子供たちのいじめ、切れる子供たち、先ほど教師の中でも精神的に病んでいる方が小・中・高合わせて80名、そういう教師の悩み、生徒の悩み、それを知っているのは、相談に乗ってあげるのは、やはりキャリアを積んできた、自分も同じ教員の悩み、苦しみや、子供たちの悩みを見てきた人たちが当然学校を経営すべきだと思っているのですけれども、先ほど教育長の方針が、来年度あたりから、平成16年度から沖縄でも登用したい、9月から採用試験を始めるということがありました。
 今回の広島県の民間登用の校長自殺について教育長の所見をお伺いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 民間人の校長の登用につきましては、開かれた学校づくりの一助、今日、学校の教職員として開かれた学校づくり、あるいはさまざまな人材を広く社会に求めようということで、教職員については広く行われてございます。管理職についても、決してそれが広く常態ではなくて、非常にすばらしい迎え入れるべき人材がいれば、あえて門戸を閉ざさずに迎えたらどうか。したがって、今日私どもの小・中での校長が400名近くおりますが、その中で民間人から校長を入れてその学校の活性化等々を図ることも大切なことだろうということで、今回迎え入れる、平成16年4月1日から登用といたしております。いずれにしても、御指摘の件のように、民間から大いなる期待を持って迎え入れた管理職が本当に不幸にみずから命を絶つということがあってはなりませんから、さきの事件も教訓にして、ぜひその人のつらい思いにもしっかりこたえて民間人を登用したいと考えております。
 ちなみに、配置前の研修、それから校長と支える教頭の配置のあり方、あるいはその問題等、さまざまな学校課題に対する教育委員会のフォロー等々、学ぶべきことがたくさんあったような気がいたしますので、真摯に反省して取り組みたいと思います。
○伊波常洋委員 この亡くなられた校長先生は、遺書ではないのですけれども、日ごろから周囲に悩みを打ち明けています。能力のない者がいきなり校長になり、たくさんの方に迷惑をかけたとか、あるいは学校運営のノウハウがないまま現場を任された、私にはとても荷が重いとか言っています。そして、同僚の校長先生仲間でも言っています。教育界の仕組みや指導要領の内容を把握するだけでも1年以上はかかる。それなのに、民間登用するまでに余りにも研修期間が短過ぎると同情している現場の校長の声もあります。教育長が沖縄県で民間登用を目指すのであれば、そのフォロー体制とか協力体制を十分整備した上での採用をお願いします。
 最後に3点目に、今、入学、卒業式シーズンです。私、けさ那覇高校の前を通ってきましたら、合格発表でしょう。たくさんの父兄や子供たちがいました。もちろん合格した方も不合格の方もいると思うんですけれども、2次募集もあることだし、本当にあの風景を見ると、子供たちに頑張って勉強してくれ、スポーツに励んでくれと、見て通りながらほほ笑ましく思いました。
 そこでお伺いしますけれども、先週、去った土曜日、石川市内の中学校で一斉に卒業式がありました。そこで、中学校の3年間の皆出席、これは校長先生の名前で表彰がありました。そして、ことしより石川市では教育委員会の予算で小学、中学、義務教育9年間の皆出席の生徒に対しては石川市の教育長名で表彰しております。そこで、前もこれは1度教育長にお伺いしたのですけれども、県立高校における皆出席、小学校6年、中学校3年、高校3年、12年の表彰を県教育長名でなさる所存はないのかどうか、お伺いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 皆出席というのは今日、児童・生徒の状況を考えれば大変すばらしいことだと理解いたします。ちなみに、小学校から12年間皆出席というのが平成14年度の卒業生の中に44名おられました。これは12年間、雨の日も風の日も調子の悪いときも無理してでも、とにかく学校に来ることが楽しくて、かつ意義があることだということで来ておりますので、私どもとしてはこの12年間の皆出席者について今児童・生徒表彰をやってございます。全国的な活躍をした者あるいは他の模範となるべき者です。このことにふさわしいかどうか、これはぜひ検討させていただきたいなと考えております。
○伊波常洋委員 今、教育長がおっしゃる表彰規定に全くふさわしいです。仮にその規定がなくても、いいことであれば、先ほどの文部科学省に逆らえではないですけれども、やってください。条例をつくる必要があれば、我々議会も一緒になって条例もつくりましょう。ぜひその制度をつくって、大変いいことです。全県で40数名、大変貴重な数じゃないですか。数が多いわけではないですよ。1校当たり1人もいるかいないかでしょう、60数校もあるんですから。教育長、これは小・中・高の12年、我慢するとか、根気よく続ける、今の子供たちに一番必要なことじゃないですか。
 ちなみに、昨年、石川高校から琉球大学に推薦入学がありました。決め手はこの子が小・中・高と12年皆勤だったんです。そして、一昨年は防衛大学校に我が校から推薦入学がありました。これもそうでした。成績もともあれ、12年間の皆出席が評価されて、初めて防衛大学校に推薦が決まったんです。それを教育長のお墨つきというか、よく頑張ったということで、ぜひ教育長表彰の設定をお願いして、終わります。
○翁長政俊委員長 休憩いたします。
   午前11時55分休憩
   午後1時26分再開
○翁長政俊委員長 再開いたします。
 午前に引き続き質疑を行います。
 新垣哲司委員。
○新垣哲司委員 5番せんじになりました。ほとんど私が考えた質疑は前の方と重複する点もありますが、自分の所見を述べながら質疑をやっていきたいと思っております。私の次の6番目にはまた私の恩師である新里米吉先生、大変教育熱心で、また教育の原点に立って、そういう教えをしてまいりました新垣哲司でございます。
 そこで、さっき池間淳委員から質疑があったのですが、大事なポイント、37年間の思い出を津嘉山教育長に聞いておりました。最近の子供たちには先生や親のこと、あるいは人のことをよく聞いて、早く理念と自分で判断することができるような教育を今後とも進めていきたいと大変立派な言葉をもらいました。そういうことで、私は、先ほど申し上げましたように質疑が大変重複していますので、昔話をしながら、所見を述べながら教育長に伺っていきたいと思います。
 今から40年前でございますが、初めて親からランドセルと帽子を買ってもらって小学校1年に通うときを思い出してこれから進めたいと思うんです。当時は戦後間もない時代でございますが、食べるのも裕福じゃございません。同時に、冬になれば寒くて着けるのがない。教育長初めきょうこちらへ見えている委員の方もそういう思いで今日まで頑張ってきたものだと思っております。私までは芋弁当も学校に持参をした経験がございます。3年生ごろになりますと学校給食ができまして、こういうふうに当時は食べるのも着けるのも大変貧困でありながら、大事なことは耐える力、私は今の時代とは比較にならないぐらいの当時の思いがあります。まず、ほとんど方言でしたので、今でも私は方言ですが、学校で担任の先生あるいは教頭、校長先生に呼ばれて、座らせて足の下にバットを敷くんです。これでも1時間ぐらい耐える力があったんです。これも耐える力です。今では恐らく問題になるでしょうと思うんですが、当時はこうしてみんな育ってきているんですよ。
 そこで、教育長、今の子供たちにはこういう耐える力、生きる力、あるいは戦前の方には戦前の方の思いがあるでしょう。現実的に今では比較にならないぐらい耐える力がないのはどういう感触を持っておりますか、伺いたい。
○津嘉山朝祥教育長 私も現在の子供たちに忍耐力、辛抱する力等々足りない、多少欠けているのではないかと共感をいたします。
 こんなお話がありますね。中国にかつて五香の儀式というのがありました。それは赤ちゃんが生まれたときにすぐにやる儀式でございまして、生まれたらすぐ口に酢をなめさせるんです。酸っぱいですね。次に塩をなめさせるんですね。当然塩ですから辛いです。次に苦い薬を飲ませるんです。そして、次にカギカズラで唇をひっかくんです。最後に砂糖水を飲ませるんです。何という教えかというと、人生は酸っぱく、辛く、苦く、痛い目に遭わなければ甘いすばらしい人生にはありつけないということを生まれた瞬間に儀式として行う行事だったようでございます。
 今日の子供たちに私たちは果たして痛い目、酸っぱい目、辛い目を体験させていますか。まさに自然体験や生活体験、社会体験が基本的に欠けているのが今日の子供たち。したがいまして、教育の中で社会参加型あるいは自然の原体験を深くしない限りは、今日の忍耐力に欠ける、あるいは我慢、辛抱強さがない子供は生涯にわたってなかなか解消することはできないだろう。したがいまして、今学校教育の中では自然体験的な活動、あるいは社会参加型の体験活動を本県も重視して今後取り組んでいきたいというふうにして努力しているところでございます。
○新垣哲司委員 教育長のお話、大変参考になりました。
 教育長、逆に、当時の子供と今の子供となった場合は、十年一昔ですから40年も過ぎれば生活環境が全く違う。そのぐらい変わっているんですが、今の子供が当時のことをやるのであれば、生き延びる力というのはどういうことを思っておりますか。教育長、ちょっとその辺の所見を伺いたいんです。
 交錯しているんですが、こういうふうに物も豊富、何でもあるんです。そして、現在の子供は昔に比べて耐える力はないんです。昔の人が逆に今日になった場合には、比較するわけじゃないんですが、その辺の度合いというんですか。
○津嘉山朝祥教育長 大変難しい質疑ですが、少なくとも今日の子供たちは物に恵まれて、幾らでも自分の欲求、欲望、思いを満たすことができる。したがいまして、物に囲まれて要求を満たすことができれば要求が満つかというと、物質的な要求というのは際限がありません。したがいまして、次々と新しい欲求を生み出す。したがって、自己抑止力に欠ける子供たちが次々と生まれることは、私は今日から見れば目に見えて明らかだと思います。
 ただし、それでは50年前の子供が今日ならばということについては、50年前まさに私が子供でしたので、そういうふうに考えれば、50年前の子供たちが今日にあれば、私から言わしめれば、さまざまな体験、豊富な経験を生かして夢大きい人生が築かれるのではないかと私は自負しております。
○新垣哲司委員 40年、50年前というころは、まず自殺という言葉は余り聞いていないですね、病気に苦しんでとか以外は。はっきり言って、今の子供たちというのは自己自身ができていないんですね。自分の欲望が通らなければこれに耐え切れない。すぐ決断してしまう。社会もこうなっているのかもしれませんが、根本的からそういう点を改善しなければ非常に困るなと、教育ですから。教育は去って国を建てる。戦後58年間我が国は一貫して教育に力を入れて、世界の経済第2位の国にもなったわけですから。しかし、この反動が今来ているのが教育と言っても言い過ぎではないと国際社会から言われております。
 そういう意味で、教育基本法改正についても20日には答申が出されると言われております。まさに私は全く教育改正だなと思っていますが、その内容について御説明を願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 教育基本法の改正の中身についてまだきちんとしたものを今私の方で御説明できませんけれども、少なくとも現在あります教育基本法、我が国の教育の理念あるいは教育の基本原則を定めた法律でございますが、これは制定後50年にわたり我が国の教育に重要な役割を果たしてきた。かつ、いろいろ言われておりますが、我が国の教育は、50年間、決して教育が非常に疲弊し、荒廃したということではなくて、一定の大きな成果を今日に上げておりますが、50年の時代の変遷とともに教育基本法も国民の間で議論をして、さまざまな議論の中で方向性を見出していくことも大切だと考えております。
○新垣哲司委員 答申の一部ですが、21世紀を切り開く心豊かな日本人の育成を教育の目標とし、愛国心や公共への貢献などが掲げられている。これは質疑はありませんが、教育長、私にちょっと所見を述べさせてください。答弁は結構でございます。
 大事なことは、我が国に生まれて自国を愛するというまさに基本が今我が国において欠けているんですね。そういう教育を徹底しなければ国はいつか崩壊します。大変な問題だと私は思っております。例えばさきの法制化された日の丸の問題、君が代の問題でもそうです。あのわけのわからぬ北朝鮮でも我が自国の国歌、国旗については非常に尊敬を持っています。世界でも有数なこの日本が法制化されても自分の国旗や国歌を愛することができない。これが進んだ場合にはこの国はいずれもはどうなるかと大変心配して危惧をするところであります。
 きのうもある会合でPTAの皆さんと一緒になりました。さきの卒業式でちゃんとした日の丸を揚げて、そして君が代を斉唱したんですが、ほとんどの生徒が歌わない。そして、教員も歌わない。不敬であったようでございます。まことに残念な話でございます。七、八年前、私も子供が学校にいましたので、ある学校に行きまして、しっかりと大きな声で歌ってきたんですが、中には教員が起立もしない、そのまま座って見るだけ。こういう環境では子供は大きくならないと非常に痛感したわけでございます。あれは2年前ですか、法制化されたわけですので、教育長、教育委員会からも各学校に対して、それをしっかり見守っていただきたいということを要望しておきます。
 そして、去った2月26日、在沖米四軍調整官が知念村に来るという質問がございました。私は非常に残念に思っているんです。ちゃんとした制服で、軍人ではあるのですが、目的は子供たちに英語を教えたい。しんからそういう気持ちで臨んだのでありますが、残念なことに村民の一部の方々に、イラクの戦争を交えた話や、あるいは軍人軍属が来たという話があって、勉強する機会ができませんでした。沖縄タイムス紙に当時の大きな記事が載っているのですが、またマスコミもおかしいですね。沖縄人権協会理事長のコメントや沖縄平和運動センター理事長の話や基地・軍隊を許さない行動をする女性たちの会ということで、こういう左系ですよ。中立、右系の話は一つもございません。そういう風土も私は……。
○翁長政俊委員長 時間です。
○新垣哲司委員 何も答弁はございませんので、そういう方面も今後さらに出てくる可能性も十分ありますので、よろしくお願いをいたしまして、質疑を終わらせていただきます。
○翁長政俊委員長 新里米吉委員。
○新里米吉委員 1997年に武道館落成記念沖縄空手古武道世界大会が開催されました。私も職務柄、そのとき大会役員でありまして、パフォーマンスの下手な私ですが、6年ぶりにきょうはそのときのネクタイをしてまいりました。
 このときの大会、実は戦後の沖縄の空手界を牽引された長老の皆さんが御存命でありまして、皆さん長老の先生方が演舞をされ、セミナーなどをされて、海外から来られる空手をやっておられる方々というのは自分の先生の先生なんですね。先生の先生に会えるということで、それだけでもう非常に胸踊る気持ちで参加されたようでありました。その後、この長老の先生方、そのとき演舞をされた方々が3名もう亡くなっているわけです。私は、そういう意味ではあの時期にやってよかったなと。今振り返ってみて、そういう意味で非常にいい大会だったなと思っております。
 ちょっと蛇足になりますが、そのときに軽量級の組み手の決勝戦は何と西原町幸地の比嘉兄弟が決勝戦、そして審判も西原町幸地の比嘉さん。これはただの比嘉さんじゃなくて、比嘉兄弟を育てたお父さんということで、この方が主審という非常に盛り上がった大会でありました。私は大会役員席からそれを見ておりまして、大変な大会の盛り上がりを実感したものであります。今度2003沖縄空手道古武道世界大会が開催されます。進捗状況及び海外からの参加者を含む大会の規模等について説明をしてください。
○津嘉山朝祥教育長 先生方のお手元に既に2003沖縄空手道古武道世界大会の案内のチラシをお届けさせていただきました。どうぞ一読くださいませ。
 それではまず、進捗状況、大会の規模あるいは内容等について御説明いたします。2003沖縄空手道古武道世界大会、これは県と空手主要団体が共催して取り組む世界大会であります。世界に誇る伝統文化である沖縄空手道古武道を正しく継承し、普及発展させるための拠点づくりを進めるために開催するものであります。大会の日程が平成15年来る8月16日から19日の4日間であります。準備委員会を昨年9月に設立し、12月には海外60カ国に大会要綱等を発送いたしました。ことし1月には事務局を開設いたしまして、3月18日の実行委員会設立総会に向けて現在鋭意取り組んでいるところであります。大会の規模は、海外から約700名、県内、国内から800名の計1500名の大会参加を見込んでおります。事業の内容といたしましては、奉納演舞、開会式、演舞会、セミナー、型の競技会及び交流会等、空手の本場沖縄らしい大会になるように現在準備を進めているところでございます。
○新里米吉委員 次に、事業内容と日程を質疑する予定でしたけれども、全部まとめて答えていただきましたので、この点については終わりにしたいと思います。
 次に、県中学校体育連盟がこの間新聞で少子化による部活動を活性化させるため、複数校による合同チーム参加を認める決定をしたということがありました。実は7年ほど前ですか、私の平安座の親戚の子がバレーが好きでバレーをやっているのですけれども、昔のバレーの盛んだった平安座の中学校も、女子バレーはやっているけれども、男子のバレー部がないということで、隣の宮城中学校は男子はバレー部がある、ほかはない。少子化によって小規模の学校になってきますと、何かの団体スポーツを1つやると、あとはチームがつくれないということがありまして、その私の親戚の子は平安座に住んでいるのですが、隣の宮城中学校に転校して、そこからバレーの大会に出て、その後、美里工業高校に行って、去年卒業しました。美里工業高校でもバレー部で頑張っておりました。
 そういうことから、今回の県中学校体育連盟あるいは全国高等学校体育連盟もその方向ですが、複数校による参加について私は高く評価をしております。私たちは部活動をやりたいという子供たちに部活動の保障をしてあげるということは非常に大事だと思いますし、大変結構なことです。
 ただ、心配されるのもありますよね。勝つために合同チームをつくることに悪用されはしないかという心配はあります。チームがつくれるぐらいのある程度の規模の学校で、勝つために変な手段を使う人が出てこないとも限らない。そういうことがないようにそれぞれのチームの顧問が心がけてほしいわけですが、時々そういうことも心配されると思います。したがって、そういうことがないような基準とか対応や今後の運用が大事になってくるかと思います。そういうことで、教育長の所見を伺いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 御指摘のとおり、沖縄県は僻地小規模校の占める割合が大変高うございますので、委員から御指摘がありましたように、少人数であるがゆえにチームが編成できないということはこれまでもございました。今回の複数校合同による運動部活動の趣旨は、まさに少人数の運動部による単独でチームが編成できないことに対する救済措置でございますので、委員から御指摘がありましたように、これは勝利至上主義のためのチーム編成であってはならないということの大きなくくりというのでしょうか、規定がございますので、例えば県中学校体育連盟の複数校合同チームで参加する場合の規定というのがありまして、それによりますと、合同する各部はそれぞれ学校教育計画に基づいて活動していること、あるいは合同チームは、地区専門部の審議を経て、地区中学校体育連盟会長が編成が適当であると認めた場合に限ること、あるいは合同チームは個人戦を行わない、バスケットボールほか5種目において編成を認めることなどとなってございます。
 したがいまして、勝利至上主義には走らない、そういうような精神でございますので、県教育委員会といたしましては、生徒の多様なニーズに答えるべき県中学校体育連盟が今回の複数校合同運動部の大会参加に門戸を開いたことに対して高く評価をしておるところでございます。
○新里米吉委員 インターナショナルスクールについて質疑します。
 高校編成整備計画の後期の方に沖縄インターナショナル高等学校(仮称)が位置づけられております。私は設立に向けて、高校編成整備計画の中でもインターナショナル高校はハードルが大変高いのじゃないか、厳しさがあるのではないのかと思っております。と申しますのは、英語で講義のできる教師陣がいないといかぬですね。数学も英語で授業ができる。理科も英語で授業ができる教師陣がいないとだめ。それよりもっと難しいのは、英語の講義を受けることのできる高校生がいないといかぬわけです。これはなかなか大変なことだろうと思っております。そういうことで質疑を3点ほどやらせていただきます。
 まず、設置の目的について伺いたい。
○津嘉山朝祥教育長 平成14年度を初年度とする県立高等学校の編成整備計画、これはもう既に走っておるわけですが、この中でインターナショナル高校(仮称)を提言して新しいタイプの学校として位置づけてございます。御承知のように、国際化や社会の急速な進展に適切に対応し得る人材の育成、かつまた、沖縄が世界に貢献する広域国際交流拠点を実現していく上で必要な人材の育成を図るために、この沖縄インターナショナル高校(仮称)の設立準備をしているところでございます。
○新里米吉委員 今私が前段で話しましたように、いろいろ問題点があろうかと思うのですが、設置に向けての課題をどう考えていますか。
○津嘉山朝祥教育長 設置に向けての課題というのは当然にたくさんございます。まず、委員から御指摘のありました英語を中心とする、英語で一部教科を指導するということでございますから、それに見合う教師の確保というのが当然大前提になります。ただ、この講師あるいは教諭の確保については、今日この教師をどういう形で求めるかについては枠組みが非常に柔軟、弾力化してございますので、場合によっては外国の講師を思い切ってお迎えする方法なども今後は開かれていくだろうと思います。既に教育特区あたりでこの手の試行が始まっておりますので、いずれにしても指導者の養成は大きな課題の1つになります。
 ただ、その前に、当然インターナショナル高校の設置に向けて、どんな形のインターナショナルスクールをつくるのかというのがしっかりせぬといけませんので、私どもとしては現在、先進地調査だとか、あるいは学校設置準備委員会、当然前もって学校設置準備委員会をつくりまして、学校のコンセプトをしっかり明らかにしていかなければいけませんので、設置準備委員会とか、あるいは庁内の検討会で設置校、インターナショナル高校の教育理念、教育方針、教育課程、あるいは指導者の養成計画等をしっかり検討した上で進めていきたいと考えております。今はそういう段階でございます。
○新里米吉委員 もう恐らく後期といってもそんなに時間があるわけではないですから、ほかの編成整備計画と違って、準備にもかなり長い時間を要しなければ実際にはできないという内容を持っているのではないかと思います。
 そこで、課題解決に向けての取り組みや施策等についても説明をしてください。
○砂川佳一副委員長 津嘉山朝祥教育長。
○津嘉山朝祥教育長 まず、これは課題解決に向けての施策というお話でありましたが、設置の時期は平成19年から平成23年の編成整備計画の後期になっております。したがいまして、これから多少まだ時間がございますが、平成19年から平成23年の後期計画として6年間の中等教育学校を設置したいと考えております。したがいまして、開校に向けて5年前には、すぐ迫りましたが、教育理念、教育方針、教育課程等の決定、4年前に施設設備等の検討、3年前の上半期には施設検討を完結いたしまして国庫要求だとか、2年前に基本設計、1年前に建築工事のスケジュール等々、スケジュールを組んで並行して進めていきたい。そういうスケジュールで今対応したいとは考えてございます。
○新里米吉委員 一番難しいのは、先ほど話しました英語で授業が受けられる生徒が本当にそれだけおるのかということなんです。今だったら恐らくできないでしょう。それは5年前ではもう遅くなるんですよね。5年前の中学生を対象にそれをやったって、恐らく間に合わないでしょう。ですから、ほかの課題とは別に、学校の設置とかいろいろなものとは別にそこの問題はもっと早くからやらないと、私は平成23年に実現できるかどうかをちょっと危ぶんでおるわけです。そういうことで今回問題を提起させていただきました。
 次に、学区制の拡大について長所と短所を伺いたい。
○津嘉山朝祥教育長 これは県立高校の通学区域拡大の問題かと思います。長所と短所ということですが、通学区域の拡大による長所といたしましては、まず生徒が自分の能力、適性、興味、関心に合った高等学校を選択できる。2校しか選択できないあるいは6校も選択できる等々、地域によって大分差がございますが、能力や興味、関心のあった高等学校をまず選択できることになります。
 それから、通学区域の拡大によってどの地域からも複数校の選択ができます。あるいは各学校においては、生徒の興味関心を引きつける創意工夫が促進され、特色ある学校づくりが期待できます等々が考えられます。当然に長所があります反面、課題もないわけではございません。高等学校を生徒諸君がそれぞれの興味関心、適性で選ぶわけですから、志願状況にばらつきが出るということが当然に懸念されますし、場合によっては自分の好きな学校、行きたい学校を選んだがゆえに通学の距離が長くなる生徒がふえること等も予想されております。
○新里米吉委員 実は私が中部の普通高校のN高校に勤めたときですが、そのころ、その学校は、学校の周辺はもちろんですが、中部でありながら那覇地区全部が学区に入っていました。非常に問題を抱えて、私も赴任してびっくりしたわけです。これはどういうことなんだ。無気力、無関心というのはあのころよくはやっていましたが、それでも前の学校でそれを感じませんでした。あれっ、教え子がいなくなりましたが、左右で対立はしていますが、まだ仲はいいのでありまして、彼を教えていた学校では全く感じなかったことがこの学校へ来てびっくりしたんですね。全日制の普通高校でありながら、無気力、無関心というのはこれなんだと思うぐらい大変だったです。ある日、小禄高校にバレーの練習試合に行きました。そこにその学校の生徒がおるわけです。君、どうしたんだ、何でここまで遊びに来たかと言ったら、先生、僕の家、こっちだよと言うんですね。小禄高校の校門の前に彼の家があるわけです。ですから、彼は小禄高校の前を通って、バスターミナルまで行ってバスに乗って、またさらに乗りかえして学校へ通っているわけです。こういう生徒が随所におるわけです。ですから、教科指導以上に生徒指導、生活指導が大変だったんです。
 私が心配しているのはそのことなんです。学校の校区が広がれば広がるほど、それだけ序列化が進みます。高校で教員をされた方はもうわかると思います。するなと言っても進んでしまうのです。そして、一番困るのは、社会的にも中学校でも序列を下に見られた学校です。遠いところから通うだけじゃなくて、そういうふうに社会からも何か見られて、そこに通うわけですから。ここは学校としても学校経営や教職員の生徒たちへの対応も神経をとがらさないと、下手すると、ちょっとした言葉が、どうってことない言葉が子供たちを傷つけてしまう場合もあるわけです。
 実は私、高等学校・障害児学校教職員組合の委員長をしているころ全国の会議へ行きますと、よその県では全県1区とか全県を半分に分けて全県2区という高校を持っているところがありました。話を聞きますと、そこの下位に位置づけられた学校というのはもう大変なんですね。みんないいと言う人はいませんでしたね。もう大変ですと。今でもそんなに学区が広くない沖縄であっても、学校を何校か経験された高校の教員の皆さんはよくおわかりだと思うのですが、学校へ来て、ホームルームを終わったらうちにしょっちゅう電話せぬといかぬというところがあるじゃないですか。きょう来ていません、どうしていますかと。体育の授業をしたら、すててこで来たりとか、実習着で来たりとか、こんなのあるじゃないですか。これが広がればもっとひどくなりますよということなんです。
 そういうことで、私は余り学区を広げていくということについては正直言って賛成できません。いいところばかり見たら困るんです。学校の特色づくりをするといっても、今言ったようなものが簡単に克服できるものではないと思います。校長が一生懸命やったからそれをすぐ克服できるというほどじゃない。特色をつけたらそういう問題が解消するというほど生易しいものじゃないというのを私自身も実感してきているものですから、実際勤めてきて経験しているものですから、私は全県1区に将来向かうというのは非常に怖さを感じます。いいところだけ見るのじゃなくて、それによる問題点もよく見て、慎重にこの問題は対応していっていただきたい。ほかの県のも調べてください。本当にそれでうまくいっているのかどうか、問題はないのか。ここはぜひ気をつけて進めていただきたい。将来の沖縄の高校教育に非常に懸念を感じております。
 今のことは私の所見を述べて今後の検討にしていただければ、学校選択の自由ということでそういう問題があることを忘れては困ると言っておきたいと思います。
 次に、前にも伊波洋一委員から文教厚生委員会でも指摘がありました。その後、本会議で質問が安次富議員や何名からかありまして、その場で教育長から養護学校への看護師の配置について前向きの答弁がありましたが、再度明確な答弁をいただきたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 養護学校への看護師の配置については、私はいろいろな手だてを考えて配置をしますと終始一貫これまでも答えてまいりました。ただ、平成15年度の予算がまだ決定して議会で通過していませんので、平成15年度予算できちんと対応するということを約束して御理解いただきたい。平成15年度予算できちんと看護師を配置しますということを関係部局ともきちんと調整をした上で理解をいただいていますので、配置をいたします。
○新里米吉委員 この看護師配置については、文部科学省の研究モデル校でこの間研究をやってこられたようですが、今回9県、そして2政令指定都市がやっているかと思いますが、そこの成果を持ち寄って、ひとつ全国の教育長協議会あたりでその9県が中心になって、むしろ平成16年度に向けては全国の養護学校に文部科学省の方が看護師を配置すると。本来はそうあるべきだと私は思うんですよ。文部科学省がやらないから各都道府県がやっているというような状況だと思いますので、文部科学省に要請するという考えはありませんか。
○津嘉山朝祥教育長 現在、看護師の配置につきましては、全国10県において文部科学省の委嘱を受けて実践研究が行われてございます。ただ、今の件とあわせて文部科学省の方では、厚生労働省とタイアップして、連携して、学校現場に看護師を派遣したい、訪問看護のシステムをつくろうということで実は平成15年度もくろんでいたわけですが、これがとんざをいたしました。文部科学省の役割は学校に看護師の資格のある人を配置しましょうと、養護教諭だとか教員ですね。厚生労働省の方は、訪問看護のサービスシステムもあわせて制度化しよう。双方で連携して事業を行うという計画があったわけですが、実はこれがとんざをいたしました。
 したがいまして、現在この事業だけがそのまま残っているわけですが、私どもとしては、今日、看護師配置のニーズが非常に高うございますから、今回10県で非常に高い成果を上げておりますので、教育長協議会で意見を交換して、全県の教育長協議会として文部科学省に看護師の配置ができるような要請が可能かどうか、事務局を通して検討していきたいと考えております。
○新里米吉委員 それでは、平成16年度に向けては文部科学省に要請をしていただきたいと思いますが、それが実現しないときは県教育委員会で平成16年度も配置をするという姿勢、予算は単年度ですから予算云々じゃなくて、考え方、姿勢として持っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○津嘉山朝祥教育長 今の配置の要望についてはいろいろな手だてが考えられますので、看護師配置の県単措置の要求だとか、あるいは緊急雇用の事業を使う方法もあるし、その他、定数崩し等々、いろいろさまざまな手法がございますので、私どもとしては国の方にまず措置いただくのが一番ですが、そうでない場合も可能な限り配置の方向で、あるいは県単として措置要求ができるように努力をしたいと考えております。
○新里米吉委員 最後に、実は企業局長、土木建築部長にも質疑をいたしました。企業局長も公的施設の雨水利用について前向きでありましたし、土木建築部長は治水対策の上でも非常に大事だとおっしゃっておりました。公的施設で一番多いのは学校なんですよね。また、水を一番使うのも学校だと思います。今、上水道を使ってグラウンドの散水をしたり、花園にまいているわけです。雨のときのあの雨量というのはすごいんですね。学校から来られた方はわかると思いますが、どっどっどっどっどっとすごい音を立てて水があふれ出していくあの光景を見ていますと、この雨水利用ができぬものかなとつくづく思ったものです。そういうことで、学校における雨水利用の現状とこれからの計画についてお聞きしたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 まさに環境への負荷の低減だとか、あるいは児童・生徒の環境教育に供するためにも雨水を利用するということは大切なことだと考えております。平成15年1月現在における雨水を利用した貯水槽の設置状況は、小・中学校で39校でございます。全小・中学校数の8.8%、県立学校では大分進んでおりまして35校、全県立学校の44.9%に設置されております。私どもとしましては校舎等の改築時に雨水貯水槽の設置にぜひ努めていきたい。また、市町村でもぜひ雨水利用の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
○砂川佳一副委員長 高嶺善伸委員。
○高嶺善伸委員 連日、教育長の答弁を聞いていると、教育理念、哲学のしっかりした方だなと非常に感心しております。年齢が許すならもうしばらく教育行政に頑張っていただきたいな、そういう思いであります。
 せっかくですので、私もひとつ教育長に関連したことで、以前にバリアフリー施設整備の一環として、障害を持つ子が車いすで大変難渋していて、定時制高校だったために、親が来て1階から3階まで毎日おんぶして上げおろししているという話を取り上げたことがございましたが、何しろちょうど高等学校の体育館の建築工事中でありまして、エレベーターホールを生かして、予算をかき集めてエレベーターを設置してもらった。子供は大変喜んで、そういう意味で思いやりのある教育行政、非常に目配り、気配りができているなと本当に感謝をしております。
 そういう前置きをして質疑に入りますが、まず文化財行政についてお聞きします。八重山には鷲の鳥節というのがあって、天然記念物のカンムリワシが産卵をして、ひなになって、親がえさを上げ、ちょうどお正月の日に翼を広げて大空に飛び立っていくという光景を歌った八重山民謡があります。教育の原点を見ているような気がして、曲調も大陸的だし、歌詞、曲ともに世界に誇れると私は自負しております。そういうことで、鷲の鳥節の発祥の地、歴史等を見ると、その島に伝わってきた文化、歴史をどういうふうに教育に役立てるかというのも大事な視点ではないかなと思っております。
 そこで、たくさんございますが、文化財整備の中の鷲の鳥節発祥の地になった国指定の川平貝塚の整備についてお聞きしたいと思います。指定されたのはかなり古いというお話は聞いているのだけれども、一向に手がつけられずに放置され、そこは個人有地もあるのですから、キビがつくられたり、場合によっては土が取られたり、だんだん周辺の開発が進んでいく中で果たしてどうなのかなと思っております。
 そこで、仲間岡を中心とした国指定の川平貝塚の調査、整備の現状と今後についてお聞きしたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 川平貝塚の整備についてという御質疑ですが、川平貝塚は、委員御承知のように、明治37年、1904年に鳥居龍蔵が八重山で初めて調査を行った遺跡でございまして、土器や青磁、石斧等の遺物が発見されており、学術的に大変貴重な遺跡であります。これは同貝塚が昭和31年に琉球政府指定埋蔵文化財となりまして、本土復帰と同時に国の史跡に指定をされました。川平貝塚周辺には国指定名勝川平湾及び於茂登岳、あるいは川平ザンドウ原第一、第二貝塚等の文化財があります。これらの文化財の調査、整備、活用につきましては、基本的には事業主体となる石垣市教育委員会が整備を実施する前に、整備の考え方や保存、活用に関する計画書等をまとめていただいて、保存管理計画や基本構想、基本計画を策定する必要がございます。
 したがいまして、石垣市教育委員会を中心としてその整備の考え方や保存、活用に関する計画等をまとめていただくというのがまず基本でございます。その上でこれらの事業計画の策定に当たって私どもに相談をいただいて、指導助言をしていくということがまず段取りの1つでございます。
○高嶺善伸委員 そこで、市町村教育委員会をひとつ指導、アドバイスしてもらいたいと思うんですが、国が指定した川平観光振興地域というのがありまして、今国の予算を利用して案内板の表示とか、いろいろな施設整備を県は計画的に進めていくことになっているのですが、その地域の真ん中に川平貝塚というのはあるわけです。そういう意味では、観光リゾートという新しい分野からの絡みが一つ出てくる。それから、近々予定されている市道整備工事というのがあって、ちょうど敷地に隣接したところを拡幅工事することになっているんです。当然試掘調査ということで関連が出てくるわけです。それからまた、県道整備工事というのが今概略ルート策定に入っているのですが、それが実施される図面を見てみますと、それこそこの川平貝塚の敷地をざっくり切って通っているのもあって、このまま放置しておいていいのかな。
 逆に、こういう関連の事業が予定されているのだったら、縦割りじゃなくて、国土交通省、文部科学省あるいは農林水産省、こういったいろいろな事業を引っ張ってきて、その中でまず区域を決めて、その活用に至るまでどのように保存したらいいのか、そういったことを県の方からいろいろアドバイスすることが大事じゃないかと思っているんですが、そこについてお聞きしたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 おっしゃるとおり、私どもといたしましても、ぜひこの史跡につきましては指導助言に努めたいということは当然のことでございますが、いずれにいたしましても、川平貝塚、面積で約1万9560平米、全体の5.8%は私有地でございます。かつまた、道路整備等々絡んでおりますので、市教育委員会がまず範囲確認調査を実施いただいて、その上で史跡の保全を図る必要があると考えております。なおかつ、さっき委員から御指摘がありました国の開発振興地域等々の話もございますが、いずれにしても、事業主体者となる市教育委員会が整備を実施する前に整備の考え方や計画等をまとめていただいて、まとめた保存管理計画や基本構想、基本計画にのっとって関係省庁間の合意が得られれば、これは文化庁以外の省庁の補助を受けての整備も可能となります。
 したがいまして、まず当該市町村の方で整備の考え方、計画等をまとめていただけるように、私どもとしても意見の交換等をしていきたいと考えております。
○高嶺善伸委員 よろしくお願いします。
 次に、高校生の給食時間の問題についてお聞きしたいと思います。先日ある会合に呼ばれまして、小・中学校の間は学校給食があって、きちんとした生活習慣が学校で指導されているのが、高校になると昼食時間の問題がいろいろ目につく。近くのコンビニの店先にあぐらをかいて男女ともに弁当を食べているとか、あるいは弁当を持たせているのだけれども、自分では食べていないとかいろいろあって、給食時間、子供たちの指導をどうした方がいいのか真剣に考えてもらいたいということがございました。どういう方法が考えられるかというと、校内で食堂をつくって、そこで低廉な価格とメニューで提供したらどうかとか、あるいはまたそこまでいかないにしても売店を置いて、職員、在校生の弁当を一括して、そこで安い価格で販売することによって、校外に出なくてもいいような対応ができないかとか、幾つかの中で、とにかく子供たちがお昼時間に外に出ることによっていろいろな事件、事故に巻き込まれたり、いろいろな問題が起きないような指導と対策を講じたらどうかなという話もございましたので、ひとつ県教育長の考え方をお聞きしようと思って取り上げましたので、現状と対策がございましたらお聞かせ願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 昼食時間の対応について、私もよく昼食時間に外へ出て高等学校生と出会う機会が多いのでございますが、学校の昼食時間、特に県立高校の昼食時間の指導については、学校が弁当持参であるのかないのかということによって学校の対応が相当違うような気がいたします。私どもとしては、できるだけ親の愛情がこもった弁当を持参させて、昼食時間を校内で過ごしていただきたい、過ごすような手だてをしていただきたいというのが私どもの各学校に対して指導しているところでございます。
 ただ、学校によって大分対応の差がございまして、必ずしも生徒が弁当持参に至らない。弁当を買うために校外に出なければいけない等々ございますので、私どもといたしましては、生徒指導の担当者あるいは校長、教頭等が集まる中で、いま一度昼食時間の過ごし方について校内で論議をしていただいて、これでいいのかどうか。あるいはまた、PTA等との連携を図りながら、どのように取り組むのが最も望ましいのか。個々の学校の実情に応じた対策をしていただきたいということを今考えてございます。
○高嶺善伸委員 ひとつ登校して下校するまでの高等学校の教育の中で、どういう指導の方がいいのか、どういうあり方がいいのか、ぜひ検討して取り組んでもらいたいと思います。
 それから、公立学校の普通教室空調整備についてお聞きしておきたいと思います。沖縄振興計画の中で目標年次の平成23年には県立高等学校は100%の達成、小・中学校は60%の達成という目標が設定されております。そこで、現状と平成15年度の予算措置、それによる達成率の見込みについてお聞かせ願いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 普通教室の空調整備についててございますが、平成14年5月1日現在、県立学校で全78校中41校、率にして53.8%でございます。市町村立の小学校全280校中90校、率にして32.1%、中学校で全165校中53校、率にして32.1%で整備をされております。県立学校では平成15年度予算で、金額は今手持ちがありませんが、県立学校で10校、したがいまして、現在78校中41校ですから、これが平成15年度中で51校になるということでございます。10校の整備を予定しております。市町村立の小学校及び中学校では20校の整備を予定いたしております。県教育委員会では快適な学習環境の整備を図るという意味で、ぜひ積極的に設置に向け推進をしていきたいと考えております。
○高嶺善伸委員 そうすると、高等学校の100%達成はこの四、五年内にはできるという数字が出ておりますね。小・中学校の方は今の形で措置していくとなかなか前に進まないという状況もございますが、小・中学校の方への指導という意味では、市町村の教育委員会の対応、あるいはまた予算的なもの等については今後どのようにして指導していかれますか。
○津嘉山朝祥教育長 市町村教育委員会、これは当然に設置者管理主義、設置者が管理をし、維持するというのが原則でございますから、私どもとしてできますことは、この振興開発期間の10年間の中でぜひ空調の整備を急いでいただきたいということをいろいろな機会で指導、助言をしていると。最終的にはそれぞれの市町村の財政事情等を加味して市町村が主体的に判断をしていただくと。ただし、設置のための一定の条件は整備をしてございます。
○高嶺善伸委員 さっきの辛抱と我慢のことじゃないのですが、まず高等学校は整備率100%、小・中学校は60%ということで、あとの40%は仕方なかろうかと。家庭にあっては、寝るときもクーラーがないと寝られないということで、親もそうですが、親と同じ空調のもとで子供たちも育っていて、いざ、学校で快適な教育を受けるときに空調はどうあるべきかなということを教育上の観点から教育長のお考えを聞かせてもらいたいというのと同時に、なぜ今回空調設備について整備率を掲げて整備していくことになったのか、その背景も含めてお考えをお聞きしておきたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 教育委員会の大きな柱は、当然、教育行政の柱は教育諸条件の整備が私どものモットーとするところでございます。したがいまして、快適な学習環境を整備するというのは私どもに課された、特に本県の亜熱帯性気候で、かつ学習条件が非常に厳しいということからして、ぜひ児童・生徒に快適な学習環境を整備したい、そのために指標を持って進めたいと。
 ただ、先ほどから申し上げましたように、市町村立の学校については、設置者が当然に主体的に管理運営をするわけですので、このあたりは市町村の意向を十分踏まえて、かつ財政事情等を勘案しながら、私どもとしては機会あるごとに設置をするようにということの指導、助言を図っていきたいと考えております。
○翁長政俊委員長 新川秀清委員。
○新川秀清委員 気配り、目配りと先ほど高嶺委員からありましたけれども、大変すばらしい気配りですね。今までずっと予算審議をやっておりますけれども、こういうふうに気配りしたのは教育長が初めてですね。これは大変すばらしいことで、敬意を表したいと思います。
 私、5分ですから大急ぎでお尋ねをしたいと思うのですが、1つは要望を真っ先に申し上げておきたいと思うのですが、先ほど新里委員から雨水の利用についてありました。御案内のように、今水フォーラムが開かれておりますが、雨水の利用については今全国の会議などもやっておりまして、限りある水資源をどうするかということで、第1回の会議を沖縄市でやった例があるのですが、学校施設もそうですし、それからスポーツ施設、そのほかの社会教育施設、こういったところについてもぜひこれを徹底していただきたいと要望を申し上げておきたいと思うんです。
 今相撲が始まっておりますが、実は新しい国技館をつくったときに、最初設計の中にそれは入っていなかったんですね。それで、当時、区に非常にすばらしい係長がおりまして、設計を変更させて、新しい国技館は雨水を利用するようにしたんです。これは1人の職員のアイデアから出たことでありますけれども、これが後にいろいろな経費の節減、そして水資源の問題等々を含めて、大変すばらしい成果を生んだという例があります。どうぞそういうことでスポーツ施設などについてもしかっりと雨水の利用を徹底していただきたいと思います。
 これは要望ですが、先ほど空手道の世界大会のことが新里委員から出ましたけれども、私は競技団体にかかわりを持っている者として1つだけ、予算にも出ておるわけでありますが、九州国体の誘致については関係の皆さん方が大変御苦労してくださったというふうに思いますし、心から敬意を表したいと思います。
 昨年の高知国体の関連で申しますと、かなり思い切った改善をやった。そして、これがこれからの国体の大きなモデルとすべきじゃないかと言われております。そして、日本体育協会もたしか去年2月からだったかと思うのですが、国体の改革をどうするかということで調査に入ったと思います。そういうことで、九州国体は既に準備のための予算措置もありますけれども、この九州国体についてどういうふうになっているかということをまずお伺いしたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 国民体育大会の九州ブロック大会の件でございますが、同大会、これは当然に国民体育大会の九州ブロック代表を選出することを目的に、九州各県輪番によって開催されることとなっております。大会は冬季大会1競技、夏季大会7競技、秋季大会22競技の合計30競技の開催が予定されております。平成16年度に本件で開催される九州ブロック大会は第59回国民体育大会埼玉国体の予選大会として開催をされるところでございます。指摘がございました財団法人日本体育協会が進める国民体育大会の改革に関する事項は、適用された場合にはそれに準じて規模縮小等の改革が行われることになります。
 なお、九州ブロック大会については、平成13年度から夏季大会の開会式を廃止することもやってございますし、秋季大会の開会式の規模を縮小するなど、簡素化に既に努めてございます。
○新川秀清委員 施設については九州ブロック大会でありますから、新たな施設をつくらなくてはいかぬというふうなことはないと思うんですが、そのとおり理解してよろしいでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 施設については基本的に既存の施設を使うということが原則でございますが、本県にない施設、その場所がないという競技も一部にはございます。
○新川秀清委員 今新たにつくらなくてはいかぬ施設というのはどういうものがあるんですか。
○津嘉山朝祥教育長 ぜひつくらなければいかぬ、あるいはつくる必要があるのはクレー射撃でございます。私どもとしては設置をしたいという思いもございましたが、受け入れ市町村等々の事情もありまして、予算の確保に至りませんでした。当然開催できない場合には他県に開催を依頼するという形になろうかと思います。
○新川秀清委員 今まで国体をやるために施設をつくって、それが後々に大変な負担になっている、あるいは十分活用されない、こういった例があるわけですね。そういうことも含めて、今国体を簡素化する、あるいは改革をしていくというふうなことで出ているわけでありますけれども、今後の方向としては、場合によっては1県開催でなくても、2県、3県にまたがってでもいいじゃないか。そういうことで国体を簡素化していく方向でいかなければいかぬと。今の財政事情、いろいろなものを絡めてそういった提案もあるわけですから、このあたりは十分ブロック大会、いろいろなものもあると思うんですが、配慮をしていただきたいというふうに思います。
 ほかにも幾つかお聞きする予定でありましたが、時間でありますから終わります。
○砂川佳一副委員長 宮城國男委員。
○宮城國男委員 2005年から高校の通学区が6区分されて6区制を導入するということになっていますけれども、その6区制を導入したのはどういう理由ですか。
○津嘉山朝祥教育長 通学区域の拡大については、この通学区域の拡大に向けて準備をこれから行いますよということで御理解ください。当然に平成17年の拡大の予定でございますから、向こう約2年余にわたりまして、これから父母、そして学校現場、関係者の御理解、意見交換を得て、その報告の趣旨に沿ってこちらとしては努力したい。その理由といたしましては、先ほど挙げました今日可能な限り父母あるいは生徒の希望にこたえたい。学校選択を拡大していくというのが今日の動静、方向でございます。ちなみに、現在、我が県では1校しか選択できない学校と、それから6校も選択できる地域がある。したがって、生まれて育った地域によって行ける高等学校、普通校が極めてアンバランスな状況になっておりますので、これをぜひ父母、そして生徒諸君の希望あるいは適性にかなう学校を保障してあげたいというのがまず基本的には大きな趣旨でございます。
○宮城國男委員 父兄の皆さんや、あるいはまた生徒の意見等も拝聴しながら、2年後にこれを導入する検討をしていきたいということですけれども、この各ブロックで学校選択制をすることによって、いわゆる学校の選択がそれぞれの教育委員会の所管でどういうふうに変わりますか。
○津嘉山朝祥教育長 先ほどの通学区域の見直しにつきましては、基本的に事務所単位、今本県6事務所ございますので、北は国頭から中頭、那覇、島尻、宮古、八重山と事務所がございますが、この6学区に区分けをして認めていこうという考えでございますが、こうした場合に普通科の学科の選択は国頭教育事務所、北の方では現在1または2校でございますが、5校を選択できる。それから、中頭教育事務所は学校数が多いので、13校選択が可能でございます。那覇教育事務所は9校選択が可能になります。島尻は6校を選択が可能になります。しかしながら、宮古教育事務所は2校、八重山の場合には1校のみ。したがいまして、最終的には全県1区も当然検討の話は出てこようかと思います。
○宮城國男委員 マスコミの報ずるところによれば、現在の特例措置も今後とも継続する可能性があるというふうに報じられているわけですけれども、特に特例措置の中に県外からの入学も可能なのかどうか、その辺はどうですか。
○津嘉山朝祥教育長 県外はどのようにして取り扱うかというふうに御理解してお答えしたいと思いますが、県内に転居した場合、当然県内に転居するというのを前提にして、その予定住所に基づいて県内の志願者と同じように扱いたいと考えております。
○宮城國男委員 先刻、教育長の方から、学校選択制によって多くの高校が選択できるという御答弁がございました。私は、そういうことからすると、住民の方が選ぶ権利がある、学校サイドは選ばれることになるわけですね。そういうことになると、先ほど新里委員からもお話がありましたとおり、当然序列化というのは起こってくると思うんです。そして、その中で学校とか、あるいは父兄というのは不断の努力が要請されてくると思うんですね。そのことが特色ある学校づくりにつながってくると思います。今21世紀、いろいろ個性のある教育をしようということでありますけれども、これはただ単に個人だけでなくて、学校の個性化もあると思います。そういうことからしましても、これは教育改革の第一歩だと思っております。
 次に質疑を変えますけれども、きょうはたまたま高校の入学試験の合格発表日になっております。先ほどテレビを見てみますと、いつものように悲喜こもごもの発表風景になっているわけですね。もちろん、高校の合格の場合には、学力テストと内申書の評価があるわけですけれども、この内申書の評価は絶対評価と相対的評価がありますけれども、そのメリット、デメリットを教えていただきたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 絶対評価と相対評価のメリット、デメリットでございます。まず、絶対評価というのは、あくまでも学習指導要領に盛り込まれました目標内容に照らして、この中身がどれだけ身についているかということが基本でございます。相対評価については、学習集団の中で順位を示す評価でございますから、さっきの絶対評価と比べて学習指導要領に盛り込まれた内容をどれだけ身につけているかではなくて、他と比較してどういう順位にあるかというのが基本的には相対評価、集団の中での評価でございます。
 先ほどの絶対評価のメリットは、当然これは、学習指導要領が全国一律でありますので、目標や内容の到達度の把握ができます。全国の生徒諸君と比べてどの程度の到達度であるかというのをこの絶対評価ではうかがい知ることができます。ただ、デメリットとしては、評価する人によって評価が変わる可能性も一部にはあると言われてございます。なお、相対評価につきましては集団の中での位置づけでございますので、集団が変わればまたその位置づけも変わることがあるということでございまして、集団の中ではだれが評価しても変わりませんが、他の集団の中にこの者の順位を当てはめて評価できない。したがって、学習指導要領の目標内容がどれだけ身についているかというのは非常に把握しづらいというメリット、デメリット両方あわせ持っておるというのが現状でございます。
○宮城國男委員 本県においては合否の判定資料とする場合に、絶対評価、相対評価、どちらの方を採用していますか。
○津嘉山朝祥教育長 平成15年度の入学者選抜の志願者の場合になりますが、調査書は、今回の入学者選抜に志願した者については、1学年、2学年については旧生徒指導要領に基づき相対評価をいたしております。なお、3学年については新学習指導要領に基づいて絶対評価をいたしてございます。それを踏まえて、具体的な選抜方法については、各学校において合否基準を作成して、校長の責任と判断のもとで判定を行っております。
○宮城國男委員 ただいま1、2学年は相対評価、3学年は絶対評価という話でありました。新学習指導要領の中では小・中学校の通知表というのは絶対評価になっているわけですね。来年から、おっしゃるように、どういうふうに採用するかはそれぞれ都道府県の教育委員会に任されているわけです。御答弁がございましたので、この件はよく承知しました。ただ、私は、絶対評価をする方法も、ある意味ではいろいろデメリットはあるかもしれませんけれども、生徒の成長ぶりとか、あるいは努力を評価するということで、1つのシステムとしていいのではないかという感じもいたします。
 こういうふうに学校へ入るわけですけれども、入った生徒の皆さんが順調にそれぞれ卒業していけばよろしいのですが、中には問題を起こす生徒もあるわけですね。そういうことで、問題を起こした生徒に対してはいわゆる退学とか停学の処分があるわけですけれども、平成13年、14年ではどれだけの生徒が退学処分になったか、それをお答えください。
○津嘉山朝祥教育長 本県の中途退学者は平成13年度1740名おりますが、その中の問題行動等で退学をしたのが223名でございます。ただ、問題行動等で223名退学をしてございますが、退学を命じた数は5名でございます。残りにつきましては、いろいろ学校で話し合いをして、自主的に退学を申し出て退学に至ってございます。
○宮城國男委員 223名のうち5名は実際に退学を命じたということでありますけれども、この退学の処分とかする場合に、いわゆる規則はあるのか。基準であるとか、手続等の規則はどうなっていますか。
○津嘉山朝祥教育長 今223名が退学をして、5名には退学を命じました。218名はみずから退学を申し出て退学をしたと。したがって、223名が退学したことになりますが、懲戒処分による退学の基準としては、要件がございまして、性行不良で改善の見込みがないと認められた者、2つ目に、学力劣等で、学力が極めて劣っていて、成業の見込みがないと認められる者、正当の理由がなく出席が常でない者、あるいは学校の秩序を乱し、その他生徒として本分に反した者が対象となります。
 なお、懲戒による退学となる場合は、当該生徒や関係者等から事情聴取を行い、生徒指導委員会や職員会議で慎重に審議いたしまして決定をし、生徒、保護者に十分な説明をした後に言い渡しをするようになっております。
○宮城國男委員 先ほど御答弁のように、223名のうち、いわゆる218名はいろいろお話し合いをして自主的に退学していただいた。5名には退学を命じたということでありますけれども、退学する場合に特に留意することはどういうことですか。
○津嘉山朝祥教育長 退学に当たって留意する場合ということですが、当然に退学というのは可能な限り、ぜひ学業を継続させて高校進学の一つの成果をちゃんと培って、成業させたいという思いからでございますが、どうしても先ほど挙げました性行不良で改善の見込みがない、正当の理由がなく長期にわたって学校へ来ない、あるいは学校の秩序を乱す等々ありますので、これは当該生徒を交え、そして関係者等とも十分意見を交わして、学校としてはもう万策尽きた、改善の見込みを学校としてこれ以上抱えることができないというようなことを前提として、やむを得ず退学を命ずるというようなことで、常日ごろから指導と愛情を持って当たることを基本にしながら、本当に大変苦しいのですが、やむを得ずそういう状況に至る場合もあります。
○宮城國男委員 はい、結構です。1994年ですか、いわゆる子どもの権利条約がありましたけれども、その中にも、処分するときには、意見なりを聞いて、本当に教育的配慮をすべきだということがきちんと言われていますけれども、そのように行っていると私は含蓄します。
 次に、教員のいわゆる違法の問題とか、あるいはまた指導力不足の教員という件について伺いますけれども、この件につきましては先ほど玉城義和委員から詳しい説明がございましたので承知はいたしております。それで、角度を変えて伺います。
 まず、指導力不足教員というのはどういうふうに定義づけていますか。特にそういう基準とか、そういうのはありますか。
○津嘉山朝祥教育長 指導力不足教員の定義でございますが、当然に教師の主たる職務。これは当然に、専門的な教科の指導、人としての生き方、あり方にかかわる生徒指導、あるいは教員としての資質等々が柱になりますので、指導力不足の教員というのは教科指導に問題がある、あるいは生徒指導、生徒理解に問題がある、教員としての資質に問題があるという大きな3つの柱から指導力不足教員という柱を今定めてございます。
○宮城國男委員 過去2カ年間、平成13年と14年でそれに該当するような教員はどれくらいいますか。
○津嘉山朝祥教育長 指導力不足教員としてどれほどそういう者がいるのかというのは、実は今さっき挙げました教科指導に問題がある、生徒指導に問題があり、教員としての資質に問題があり、児童・生徒を適切に指導できないという観点から、学校管理者等を中心にしてその者を挙げていただいているわけですが、必ずしも適格な数字ではなかろうかと思うんですが、平成15年度に指導力不足教員として今私の手元に、これは3名、資料が上がってございます。この3名については総合教育センター等で長期にわたる研修等を命じて、資質、力量の改善を図りたいということでございます。
○宮城國男委員 3名いらして、その方々については、ちゃんと研修をして、いわゆるステップアップということでやっていただいているということですね。
○津嘉山朝祥教育長 今の件、3名と申しますのは、15年に3名、研修を予定いたしておりますと。当然にさっき教科の指導が十分にできるように、生徒理解等々、生徒とのコミュニケーションが十分できるように、あるいは教師としての言動等に不適切な部分がある者について、これを総合教育センター等でしっかり長期にわたる研修をしてステップアップを図りたいということで予定をいたしております。
○宮城國男委員 こういう研修をする目的は、もちろんまた復帰してもらうということであるかと思いますけれども、それでもなおかつ自分は教員に向いていないということでおやめになるとか、あるいは皆さん方から退職を勧奨するということもありますか。
○津嘉山朝祥教育長 まず、基本的には、総合教育センターで長期にわたる研修を命ずる場合には、当然現場に復帰をしていただくというのが前提でございます。ただ、どうしても改善が見られないという場合には、可能性として他の職種に職種がえをしてもらう方法と、それから委員からありましたようにみずから職を退くということも可能性がないわけではありませんが、私どもとしては、ぜひその研修等を通してスキルアップなりレベルアップを図って現場で活躍をしていただきたい旨、努力したいと考えております。
○宮城國男委員 指導力不足教員とは別に、いろいろと法令に違反した教員がいらっしゃると思うんですね。例えば交通違反であるとか、あるいはわいせつ行為であるとか、あるいはまた国旗、国歌に対する取り扱いの問題とか、いろいろあると思いますけれども、いわゆる法令に違反して処分された教員というのは、平成13年、14年はどれくらいいますか。
○津嘉山朝祥教育長 交通事故、体罰、わいせつ行為等々の懲戒処分を受けた教職員でございますが、平成13年度が5人、14年度が16人、合わせまして計21名でございます。主として、これはほとんどそうですが、13年度は体罰が5名のうち3名でございました。交通事故が1人、窃盗犯が1人。14年度は体罰が2人で交通事故が8人、児童買春を含むわいせつ行為等が4名、あるいはその他器物損壊などが2人となってございます。
○宮城國男委員 それぞれに年度で違反行為のあった先生については当然懲戒処分していると思います。来年度からいわゆる指導力不足教員については評定する、各都道府県でいろいろ評価するということになっているわけですね。当然県としてもこれからそういう仕事をおやりになるかと思いますけれども、こういう明確な処分をする場合に、あるいは基準をつくっていただきたいということと、また非常に透明性のある運用をしなければならぬと思いますね。そういうことにもぜひひとつ配慮していただきたいと思います。
 それと同時に、こういう法律の違反とか、あるいは指導力不足の教師と対をなすのが、教育のために学習であるとか、いろいろ学校の活性化のために本当に実績を上げた先生がいらっしゃると思うんですね。こういう先生に対しては当然その評価する、あるいは私は表彰制度があってしかるべきだと思いますけれども、現在あるのかどうか、それはどうですか。
○津嘉山朝祥教育長 教員の表彰制度でございますが、現在沖縄県教育関係職員表彰規程というのがございまして、それに基づいて学校教育等の進展に抜群の功績があった者等を毎年10名表彰をいたしているところでございます。
○宮城國男委員 これは大変大切なことでありまして、表彰することによって教員の資質の向上とか意欲の高揚。先ほどの学校の活性化にも大いに私は貢献するものと思います。
 次に、英語教育についてでありますけれども、本県において初めて学習の課程の中に英会話を入れるということになっております。この件については文部科学省ともお話し合いをしているというようなことでありますけれども、そのいわゆる進捗状況というのはどういうふうになっていますか。今までは、要するに総合学習の中で英語教育をやるということは一般的にありますけれども、教育の課程として入れるのは全国でも沖縄が初めてだと言われておりますけれども、その辺の方はどうなっていますか。
○津嘉山朝祥教育長 もう既に本会議でも英語教育の導入については御答弁をさせていただいておりますが、依然として国の方から決定の通知が届いておりません。しかしながら、もうそのようにお考えいただいて結構ですと。国も予算の通過を待ってのことだろうと思うんですが、今我が方には研究開発校の決定通知が届いておりませんが、ほぼそのとおり取り扱って結構ですという通知をいただいておりますので、その小学校からの英語教育の導入を、研究開発校の指定を1市全域の学校を受けて教科としての英語を導入することを実施したいと考えております。いましばらく正式発表は控えさせていただきたいと思います。
○宮城國男委員 正式な発表と同時に具体的な事業内容もこれからだと思いますけれども、どうぞひとつ実現のためにぜひ頑張ってください。
○砂川佳一副委員長 田勝廣委員。
○田勝廣委員 高等学校の編成整備計画がございますが、特にこれは財政を伴うものですから、その財政計画、それから人口動態ですね。これには異論ありませんけれども、人口動態に伴うこれからの高等学校の位置づけですね。運営できるかどうかとか、この辺をちょっと伺います。
○津嘉山朝祥教育長 去年、平成14年に策定いたしました編成整備計画につきましては、まだ財政的な計画の手だてというんでしょうか、長期にわたる財政の計画等々については策定はされてございません。
○田勝廣委員 計画をつくるときには大体予測ってありますね。財政計画。例えば北部工業と名護商業高等学校が合併をしますよと。そのときには、じゃ、大体これだけかかって、こうなりますよというのは、この振興計画というのは平成14年から23年までやるわけですから、ここら辺は全然ないわけですか。インターナショナル学校は今聞きました。その他の学校は全然ないわけですか。
○津嘉山朝祥教育長 これはおしかりを受けるかもしれませんが、1校1校の新しいタイプの学校につきましては、今現在、まず基本的な理念というんでしょうか。方針、理念、教育課程、要するにきちんとした考え方が……。大枠はできているが、細部にわたっての基本的なコンセプトはまだこれからでございますので、学校の教育理念だとか、教育課程だとか、その姿をきちんとつくりませんと予算等の裏づけが非常に難しいということで、現在は学校設置準備委員会をつくりまして、あるいは地区別にそういう話し合いを進めて、早目にその基本的なコンセプトをつくった上で財政当局等ともきちんと詰めていきたいと。
 なお、計画そのものは、しかるべき部局には、こういう形でということは、知事三役を含め関係部局にも情報としては提供してございます。ただし、財政の確保等々についてはまだ一定のコンセンサスは得ていないということでございます。
○田勝廣委員 今度は別な角度から、人口動態からいって、例えば北山高校とか、辺土名高校とか、恐らくそういう学校が今後どうなっていくかが、10年、15年後の……。これは10年の整備計画ですから、こういうことについてどうお考えですか。
○津嘉山朝祥教育長 特に委員からありました北部地区の児童・生徒の減少というのは激減と言ってもいいほど。ただ、北部振興策の成果のいかんによっては生徒数の激減に歯どめがかかるかもしれませんが、現在私どもが策定をしております編成整備計画の段階の資料では児童・生徒数が激減をすると。したがって、現在の学校規模を維持できないということは明らかだろうと思います。
 したがいまして、新しいタイプ以外の辺土名高校だとか北山高校等々につきましては、その校独自のオリジナル、個性、特色をぜひつくって、そこにしかない特色ある学校づくりを進めて学校を維持したいということは考えております。
○田勝廣委員 私もちょっと調査をしましたら、国頭村、東村、大宜味村の小学校1年生は現在106名しかおりません。今は6年生が132名。この間、ずっと100、100、100、120単位で推移しています。それから、今帰仁村も小学校1年生が106名で、小学校の6年生が132名と、これはもう100、100単位で推移しているわけです。そうしますと、10年計画の学校編成の中で、先ほど教育長は独創的な学校、個性ある学校づくりをしたらと。私も基本的にはそう思います。それで現在、独創性のある学校というのは高等学校にありますか。沖縄県だけで、この独創的な学校というのは。
○津嘉山朝祥教育長 これは独創性を何をもって定義するかにもよりますが、例えば辺土名高校であれば本県唯一の環境学科というのを設けてございますし、北山高校は理数科なども設けてございますし、その学校のコンセプトをきちんと明らかにして、学校経営、生徒諸君が学んでいるということが私はそれぞれの学校の独創だと。したがいまして、その他それぞれその独創性を発揮して、現在いろんな学校が努力しておりますので、どういう方向から独創性を定義するかによって違うだろうと思いますが、例えば大学進学あるいは国立大学への進学の数をもって独創と言うのか、あるいは語学、国際理解等々のコンセプトを持つことを言うのか、あるいは体育、スポーツを言うのか、条件によって違うかと思いますが、いずれにしても、個性的、新しいタイプのそういう学校づくりを急がなければいけないだろうと考えております。
○田勝廣委員 そこだと思うんですよね。ですから、今度の整備計画の中でどこどこはこういう学校をつくりますよと。残念ながら辺土名高校の環境科は、今度の志望者は何名ですか。
○津嘉山朝祥教育長 辺土名高校環境学科でございますが、40名の定員がございましたが、志願者の数が19名。その前に推薦入学が4名採ってございますので、一般の入試入学定員が36名、そのうち19名が志願でございます。したがいまして、空き定員が17名ということで、学科がまだ設置されたばかりで、卒業した先輩方が見えないということもあろうかと思うんですが、大変厳しい状況になってございます。
○田勝廣委員 そういう意味で、やっぱり独創性のある学校をつくるというのは非常に難しいかもしれません。しかし、やっぱり環境に志望者が少ないというのは、ある意味では環境教育の関係の中で、自分の希望する環境問題の認識が子供たちの中でまだはぐくまれていないなという感じもします。そういう意味で整備計画というのは、やっぱり個性ある学校、個性ある人づくりとか、そういうことが非常に求められているのではないかな。そしてまた、主には、最近開かれた学校とか、そして誇りある学校づくり、そして地域が一体となった学校づくりとか、いろいろ言われます。そういう意味で、この整備計画についてはやっぱり各市町村及び関係者含めて大いなる議論をして、そういう学校づくりに努力されるのがいいのではないかと私は思います。
 そういう意味で、この整備計画について、やっぱり裏づけは財政ですから、その財政も含めながら、アバウトというか、およそでもいいですから、ある程度立てないと長期的な財政計画の中でかなり厳しいようですから、そういう意味でいま1度教育長の御意見を伺いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 御指摘のおっしゃるとおりでございまして、ぜひ私どもとしては、早目に今現在立ち上げております学校設置準備委員会で基本的な理念だとか、構想だとか、ある程度新しいタイプの学校が見える形にして、その上できちんと財政当局等々としっかり詰めて、着実にこの計画の推進に努めたいと考えております。
○田勝廣委員 次に、中・高教育一貫学校ということで、中学校、高等学校とありますが、これは10年前からささやかれまして、私も2校ほど調査に行ったことがありますが、この運営ですね。中学校は市町村立、高等学校は県立と、この辺の運営についてはどういう形で行われるのか、聞かせてください。
○津嘉山朝祥教育長 6年制中等教育については特に市町村立部分、義務部分と高等学校部分をあわせ持つわけですから、基本的に設置する側の当該市町村と県がきちんと協議をいたしまして、それをどのような形で責任を分担するのかの話し合いがその前に必要かと思います。したがって、例えば県立の中・高一貫、6年制中等学校であれば、それは県立ですべて面倒を見る形になりますし、あといろいろな組み合わせ方がありますので、このあたりをどうするかは今後しっかり詰めていく必要があると思います。今のところ、我が方のがどういう形にするというのはまだ言える状態ではございません。
○田勝廣委員 僕も行政をやっていた立場ですから。私たちも5年計画とか何年計画をつくるときには財政と大体の基本方針をきちんとつくって、大体これでいきますよというのをつくるわけですよ。基本計画、約5年計画をつくりますけれども、そういういき方からすると、まだ方針を決めていない、それから財政計画もない、それで10年計画を今つくっていらっしゃるわけですね。そうしますと、これを具体化するためにはまだ時間がかかっていくということになりますね。ちょっと議論のしようがないような感じがしますけれども、まあまあいいでしょう。後でまた議論していきたいと思います。
 私、いろいろな意味で問題行動を起こす子供たちの意識ですね。どういう形でいろいろな問題を起こすのかなと。教育委員会が把握されている問題行動を起こす子供たちの意識というか、どこに問題点があるかという考え方についてわかっていたら教えてください。
○津嘉山朝祥教育長 これは必ずしも今すぐ全部を網羅するわけではないかと思うんですが、本県の道徳性の検査等々によりますと、本県の児童・生徒について、例えば決まりについての考え方。決まりは守るべきであるのか、守るべきでないのかということ等についての決まりを守る、守らない、あるいはみずからを律するべきであるのか、べきでないのか等々、あるいは親に対する1つの尊敬の念だとか。一番よく出てきますのは、本県の児童・生徒については、規則の尊重、決まりの厳守、あるいは今申し上げたようなこと等々でございますが、ただ、いい点もございまして、他者への思いやり等々については我が県は大変いいということも出ておりますので、そういうさまざまなものがありますので、今すぐには的確にお答えできずに大変申しわけございません。
○田勝廣委員 大体そうだと思いますけれども、もう1つは、ウチナーンチュの特徴として、自分の言葉で自己表現がなかなかできなくて、何か衝動に走るという感じもしないでもないなと。ですから、やっぱり自己表現がいつでもできるような場を学校の現場でもどうつくるかということも僕は大事ではないのかなと思います。
 そこで、ルールを守るということが基本的な原則ですけれども、そういう意味で僕は、今ミニスカートがありますね。ミニスカートと表現していいのかどうかわかりませんけれども、高等学校の生徒の短いスカートですね。私はルールからすれば、これはそういうルールになっているんでしょうかと。ちょっとお聞かせください。
○津嘉山朝祥教育長 スカートの丈の話だと思いますが、各学校では服装等についての生徒心得というのがありまして、これで規定されておろうかと思います。ただ、服装というのは個人の自己表現の分野にもかかわりますので、制限、一定の規制が非常に難しいという面もございまして、できれば生徒指導部を中心に生徒会等とタイアップしながら、みずからの問題としてとらえて解決させる、あるいは望ましい方向に向かって取り組んでいただきたいというのが我が方の考え方でございますが、いずれにしてもこれは本人だけの問題ではなくて、当然その姿、そういうスカートで登校させるという親側の許容の問題もありますので、PTAだとか、親だとか、あるいは本人を交えて、学校を交えて望ましいスカートの丈のあり方。校則と絡めて、これは議論する必要はあると考えております。
○田勝廣委員 先ほどのルールを守るとか規則を守るという1つのことがこの問題行動に結びついていくとするならば、こういうことはきちんとやっぱり……。何というか、服装という関係、服装違反だとかありますよね。そこはやっぱり守らせる努力はすべきではないか。中学校のときは確かに先生方がきちんと指導して、高校に入った途端、全員がそうなんです、全員が。だから、全員がそうであるならば、じゃ、それでいいのかどうかということを議論せぬといかぬけれども、もし全員がそうであるならば、スカートの長さはこれだけですよということを決めた方がいいわけですよ。逆に生徒に合ったスカートの長さを。そうでなければ、やっぱり毅然たる態度でやるべきではないか。そうしなければいろいろな問題点が出てくるわけですから。私はよく高等学校を見に行って、授業時間中に携帯電話をクチュクチュクチュクチュとよくやる、それも注意できないと言っているわけです。だから、そういうことが―授業中は授業を受けるものですね。そして、ルールは守るべきもの。これもよくわかりますよ。ファッションは自己表現の1つの過程ですから。それはおうちへ帰ってファッションはやればいいではないかと思ったりしますけれども、もしそのファッションがそういう自己表現であるならば、服装は自由でいいではないかという議論もまた出てくると思うんです。
 私はアメリカの教育の中でいろいろ議論されているのも、要するに、きょう、朝、何を着ていこうかな。制服だと、もう何も考えなくて服装を着る。しかし、ファッションだと、自分で赤にしようか、黒にしようか、白にしようかとか、こういうことをいつも考える、考える能力を朝に毎日やっていくんだというのがアメリカの教育者から聞いたことがあります。そういう意味だとすると、その辺からもこの服装問題も考えていいのではないかな。もし規則がそうであるならば、私は毅然たる態度でやるべきだと思いますけれども、いかがですか。
○津嘉山朝祥教育長 生徒心得で規定をされておるわけですから、これをぜひみずからの問題として望ましい方向に向かって取り組んでいただくということは、私はあってしかるべきだと思います。
 ただ、さっき委員からもありましたように、次々と学校に新たな課題が持ち込まれてきます。これは社会全体の社会現象の一部として、例えば携帯電話の問題しかり、髪形、服装の問題しかり、本来社会全体で取り組むべきことを学校教育、教師にすべからく一任をして、教師がその是正に、教科指導以外にその精力をかけられるということは私は大変心苦しいので、ぜひこれは地域あるいはその他いろいろな関係の皆さんが力を合わせて、このことには学校だけの問題ではなくて、地域社会全体の問題だとして新たな課題として取り組む機運をつくっていきたい。だから、スカートもその1つだろうと私は考えております。
○田勝廣委員 私も同感であります。やっぱり地域社会から青少年をはぐくんでいくんだという決意がなければ、また沖縄の今の現状を1つ1つ解決できないのではないかと思っています。だから、そういう意味で、学校、地域、よく言われますけれども、先生方ですね。こういう関係者が集まって、全体的な枠の中で議論していくというのが大事だろうと思っております。
 そこで、現在の就職の関係についてお伺いします。就職率についてですね。
○津嘉山朝祥教育長 現在の平成14年度、高等学校卒業生の状況として、3月1日現在でございますが、進路の状況として、1万6599名卒業生がおりますが、卒業生のうち就職を希望するのが3381名、20.4%でございました。この20.4%の3381名のうち就職の内定いたしておりますのは1329名、39.3%となっております。
○田勝廣委員 非常に悪いですね。そこで、私、実は工業高等学校の就職率がいいということで新聞報道があって、これは東京新聞ですが、工業高等学校の協会の理事長となっている墨田工業高等学校の原田昭先生に直接電話を入れていろいろな資料を取り寄せました。その中で墨田工業高等学校の就職率は約98.9%、ほとんどが内定していると。そういうことで、なぜそうなったかということはるるここに書いてあります。その中で、やっぱり資格取得、夏季休暇中における就職者向けの補習指導とか、地域の中での学校の位置づけの特色とか、いろいろ書いてあります。ですから、これもやっぱり地域全体の中で子供たちをどうするか、沖縄全体の中で、じゃ、本土へどうするかとか、いろいろ考えなくてはいけない部分も出ているなということをこの校長先生から示唆を得たわけですが、今後どういう形で就職指導とか、あるいは仕事獲得のための教育をするのかどうか、お伺いしたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 これは前にもたしかお答えしたと思うんですが、まず、就職率を高揚、向上、高めるという手だてにはいろいろあろうかと思うんですが、基本的には学校において、まず1つは早期からの進路指導の徹底ということはもう絶対に必要でございますね。高校に入学して当初からみずからの将来の進路を定めて、その進路指導の早期からの徹底を図ると。これは小学、中学、高校と、特に将来の目的意識を持ったそういう進路指導の徹底を図るというのが1つだろうと思います。
 2つ目に、どうしても高校生諸君、中学生も含めて正しい職業観を持ち得ないと。夢はあるが、みずからの目指すべき職業がどういう職業であるかというのをしっかり理解していない。そういうことを踏まえて、今、本県では、中学生の職場体験学習、高校生のインターンシップを徹底して実施をして、子供たちが直接職場に社会体験、参加をして、場合によっては1週間程度職場で経験をして目指すべき職業を経験させ、人としての生き方、あり方、あるいは将来学校でどういうところを身につけなければいかぬのか。委員からありましたように専門性をどう高めるべしか等々をしっかり自覚をさせて、学校現場に戻して学業を充実させたい、こういうことをまず学校の中でしっかりやるべしだろうと。その上で、やはりそれを支援するようなさまざまなシステム。当然県内外の職場、企業体験だとか、視察だとか、あるいはそれに向けての訓練等々もしっかりやりながら、就職率の向上に努めていきたいとは今考えています。具体的な事業名等々については後ほどお答えしたいと思います。
○田勝廣委員 教育長は三十六、七年にわたっていろいろな沖縄の教育の問題に励んでこられたと思います。そういう意味で生徒に対する提言は、聞いて、もうほとんどわかりました。
 最後に、いわゆる地域に、我々に何か提言があれば、思いがあればお聞きしたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 地域の教育力が現在非常に劣化している、低下していると言われて久しくなっております。これは地域の教育力が低下したわけではなくて、地域で取り組むべきもろもろが大変少なくなっていると。かつては地域で準備をしなければ、その子にそういう経験をさせることができなかったのが、地域でなくても、地域以外で十分体験ができる、経験ができるというような仕組みになってございます。したがいまして、ぜひ地域にあっては地域の子は地域で育てる、そのために地域と学校と家庭がどういうようなダブりを持った事業をできるのか。そのための大きな事業の1つとして、私は実は中学生のチャレンジ学習、あるいは小学生のシャドーウエブ。これは実は兵庫県で最初に取り組まれた事業でございますが、兵庫県でさまざまな事件が発生をして、日本の教育を震撼させるような事件が発生をいたしました。そのときに現在の文化庁長官、河合先生が座長になって、地域の教育力をいかに回復させるのか、そして地域と家庭と学校の連携をどう図るのか、そのために何をしたらいいのかというので生まれたのが兵庫県の中学2年生全員に対して1週間程度の職場体験、社会参加型の体験学習をしようと。そのことによって不登校が大分改善をされ、そして地域の皆さんが中学生を怖がらずに非常に親しく声をかけて、みずからの地域の子供として把握するような機運が醸成できたということで、地域の教育力の回復、そして学校に地域の事業主の皆さんが四季折々それぞれの行事に参加をして、地域と学校の連携と地域の教育力が回復したという例が実は兵庫のトライやる・ウィークでございました。これを私は非常に評価をいたしておりまして、ぜひこの事業を本県隅々まで実現をして取り組んでいきたい、ぜひ地域の教育力の回復にお努めいただきたいと思います。
○砂川佳一副委員長 20分間休憩いたします。
   午後3時30分休憩
   午後3時55分再開
○砂川佳一副委員長 再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 大城一馬委員。
○大城一馬委員 それでは、質疑をさせてもらいたいと思います。
 我が郷里の先輩の津嘉山教育長、いよいよ2カ年で交代という風評が出ておりますけれども、私はてっきりあと2カ年は継続して県教育行政の発展のために頑張るのではないかと思っておりましたけれども、新聞辞令を読みまして非常に残念でございます。一昨年までは教育委員長も与那原町の出身、教育長も与那原町の出身、教育行政のトップ2人があの議場で並んでいる姿は非常に圧巻でございました。私も後輩として非常に頼もしく思い、そして誇りに思っていましたけれども、いよいよ4月からは、次の議会からは1人もいなくなるということで非常に寂しい思いがします。人事というのはよくわかりませんけれども、いずれにいたしましても今後またひとつほかの分野で、多分またどこかの教育関係の機関に行くと思いますけれども、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。
 それでは、質疑に入っていきたいと思います。
 まず、教職員の病休、休職の実態と原因についてでありますけれども、先ほど午前中にもちょっとお話が出ておりました。教職員の病休がここ十数年、相当数で非常にふえているという話がございます。ちなみに、私の手元の資料で、これはどういう結果か、よく理解できませんけれども、2002年の資料でございますが、病休の休暇の全国の重立った実態を調べてみますと、まず埼玉県が病休休暇387人でトップ、そして次に大阪府の311人、次に東京都の285人、そして4番目に沖縄県の279人という数値が出ているんです。そして5番目に神奈川県の240人、6番目に愛知の227人という都市圏にまじって我が沖縄県、地方圏、離島圏の中で4番目ということは、これは一体何が原因なのか。非常に理解に苦しむことでありますけれども、これは事実そのとおりですか。
○津嘉山朝祥教育長 病気休職の先ほど委員から御指摘がありました数字でございますが、確かに本県、病気休職者、中でもなかんずく精神疾患による休職者の数が多いというのはおっしゃるとおりでございます。原因といたしましては、考えられることは、社会の変化や多様化した児童・生徒、保護者との対応など教育環境の変化により教職員がさまざまなストレス等で悩んでいるということが大きな原因ではないかと私どもは考えております。
○大城一馬委員 これは平成13年度に教育委員会がいろいろと調査結果を発表していますね。教員の悩みに関する調査結果の中でもいろいろと原因が述べられておりますけれども、生徒に対する理解が51.6%とか、学級経営の43%とか、あるいはまた不登校39.8%。こういうことでの理由でといいますけれども、これは最初に申し上げましたように、なぜこういう都会地域と、都市地域と我が沖縄県が匹敵するぐらいのそういう原因というんですか、まだよく理解できないんですよ。もう1度、もう少し詳しい原因を報告してもらえませんか。
○津嘉山朝祥教育長 病気休職者の数の多さというのが果たしてどういう原因に起因するのかということについては詳細に分析をいたしておりませんが、まず本県の教職員の特徴というのは、特に小学校では、例えば女性教員が多い、かつ平均年齢が44歳前後、小学校で女性の比率が約7割強であるというのが特徴ですね。中学校においても教職員の比率が55対45とほぼ半々に近い状況、高校においても女性教員の比率が極めて高いと。まず、職員構成の中では、本県の特徴というのは女性教員の占める比率の高さと年齢構成が他県に比して非常に高い。大体どの校種も40歳を超えて四十四、五歳ぐらいの年齢層が非常に高いというのが特徴でございます。ただ、そのことで必ずしも原因が特定できるわけではありませんし、病気だから多くの皆さんが休んでいるというのと同時に、またいい面からいえば、休みやすい環境を整えていくということも……。休みやすいというのか、我が方では、例えば病気で休む場合にすぐ代替を充てるとか、そういう積極的な対応もしていますので、必ずしも一概にそのことをもってどうこうというのは今のところまだ詳細に分析していませんので、さっき挙げましたような社会の変化だとか児童・生徒が非常に変わっている、大分多様化して変わっている、あるいは保護者等々の教育に対するさまざまな価値観の多様化など、教育環境の変化が教職員のさまざまなストレスを生じさせているのではないかと考えております。
○大城一馬委員 今ゆとり教育、いわゆる生徒に対するゆとり教育の問題もあります。だから、やっぱり教職員に対するゆとりのある教育行政もやるべきではないかなと思っております。
 次に移ります。次は不登校。不登校もここ10年来、全国的に約10倍にふえていると言われております。本県の実情はどうですか。
○津嘉山朝祥教育長 不登校の生徒数でございますが、ちなみに平成11年度、今から約5年前でございますが、これは不登校児童・生徒数は2216名。平成12年度が2130名、平成13年度が1896名でございますから、全国的に増加をしている中では、本県の不登校児童はほぼ横ばいというのが本県の状況でございます。
○大城一馬委員 それで、本県ではそういう増加現象ではないということは若干喜ばしいことであると思いますけれども、やはり不登校というのはできるだけ根絶するというのが肝要ではないかなと思っております。それで、教育委員会としては、今後不登校問題に対して、一体どういう施策、支援策を持っていらっしゃるのか。
○津嘉山朝祥教育長 不登校問題については、今日不登校に対する考え方というのが大分変化をしておりますので、必ずしも不登校即悪だという考え方ではなくて、非常に柔軟に不登校というのを考えていこうというのが今日の大きな方向でございますので、このように理解して、その不登校の者をいかに支援をしていくのかということで、我が方としてはスクールカウンセラーの配置事業をできるだけ3学級以上の中学校に……。主たる不登校が中学でございますから、中学生の学校にスクールカウンセラーを全部配置したいと。幸いに今回15年度にはさらに増加をして、59校からさらに数をいただいて64校に増員をして、最終的には3学級以上の中学校全部にスクールカウンセラーを配置したいと。あるいはスクールカウンセラーは学校が主でございますが、巡回教育相談事業等、事務所ごとに巡回教育相談員を置いて巡回教育相談事業もやりましょうと。あるいはその不登校をどうとらえるのかによっても大分児童・生徒の学校復帰への対応が変わりますから、学校では人権教育だとか、そういう者への理解、啓発をしっかり図っていこうとか、そういうことを通しながら不登校の児童・生徒を支援していきたいと考えております。
○大城一馬委員 新年度予算にスクリーング・サポート・ネットワーク整備事業というのが8億5000万円余り計上されていますね。これは不登校問題についてということなんですけれども、この事業について説明してもらえませんか。
○津嘉山朝祥教育長 御承知のように現在不登校対策の重立った事業というのは、よく教育センターあるいは市で行われている適応指導教室がございますね。適応指導教室等でよく不登校生徒を集めて学校復帰に向けて指導いたしておりますが、このスクーリング・サポート・ネットワーク整備事業というのは、不登校児童・生徒の早期発見、早期対応を初め、より一層きめ細かな支援を行うために、学校、家庭、関係機関をネットワーク化した地域ぐるみの支援体制を整備すると。そのネットワークの中心は県内11カ所にございます適応指導教室をスクーリング・サポート・センターとして位置づけて、これを核にしてネットワーク化を図って地域ぐるみの支援体制を整備しようという事業でございます。
○大城一馬委員 次に進みます。30人学級。これは実は平成13年度の12月県議会でしたかな、全会一致で、その実現に向けての決議をやっているんですよ。その後、30人学級実現に向けて県教育委員会の対応についてはどうなっていますか。
○津嘉山朝祥教育長 少人数学級といいましょうか、あるいは30人学級等々につきましては、教育委員会としてもぜひ推進をしたいという気持ちは持っておりまして、平成14年度は13校において実施をいたしました。これは県の財政当局の協力と県単定数の枠の中からやりくりをいたしまして、13校において小学校の1年生を対象にした少人数学級を実施いたしました。平成15年度においてはさらにこれを拡充して、20校において実施をする予定であります。対象児童・生徒数が2669人、学級数は68学級から88学級に一応は増設する予定でございます。今後ともぜひこれの拡充を段階的にやっていきたいと思っております。
○大城一馬委員 また次に移りましょうね。次に山村留学。これはさきの地域・離島振興局でも聞きましたけれども、やはり最近過疎地域で小学校、中学校の存続が非常にふえているということもあります。そういう中で山村留学というのは、今、久高島留学センターでもやっております。ここに本土から中学生が16人くらいですか、ずっと宿泊して通っていますけれども、久高の中学校の存続はこの留学センターで保たれているということで、現地からも非常に評価されております。そして、地域の活性化にもなっているというお話をお伺いしております。
 それで、お聞きしますけれども、県として山村留学についてどういう支援策あるいは年次的な計画を持っておられるかどうか、お尋ねしたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 山村留学は定義づけが必要か思うんですが、当然非常に過疎化が離島、僻地を中心にして随所に見られるわけですので、山村留学の制度というのを活用して島の活性化あるいは学校の維持を図ろうという動きは出てくるだろうと思います。本県において、いわゆる山村留学の実態といたしまして、委員からありました知念村の久高小・中学校、あるいは竹富町の鳩間小学校等々で出ておろうかと思うんですが、これは基本的には、山村留学は当然その学校の継続、あるいは島の地域の学校の特徴、個性としてはぐくむわけですから、その山村留学の導入については、当然に設置機関である市町村が主体的にまず取り組むことが原則と考えております。ただし、当然県としてこういう山村留学、特に知念村を想定いたしますれば、そういう一定の傾向と言ったら大変失礼ですが、特定の1つの体験、思いを持って生徒が転学をしてくるわけですから、私たちといたしましては、そういう学校に対してケアだとか、あるいは相談体制の支援、そのための教員の配置が可能かどうかを検討していきたいと考えております。
○大城一馬委員 ちなみに、参考にお聞きしますけれども、いよいよまた4月から新学期が始まりますよね。県内の小・中学校に新入生ゼロという事態も起こり得るんですか。
○津嘉山朝祥教育長 当然に児童・生徒で入学児童がないという学校がございます。今私の手元にあります資料で入学児童・生徒なしが、渡名喜小、北国小、楚洲小、佐手小、安波小、水納小、吉原小、古見小、鳩間小、伊計小と10校ございます。中学校で入学生徒数がないのが、楚洲中、安波中、大神中ということで、3校ほど入学が見込まれないということでございます。
○大城一馬委員 これは先ほどの山村留学の支援、奨励ともやっぱり連携しながら、ぜひ新入学生ゼロのそういう対策も進めてほしいなと思っております。
 次に、統合教育につきましては私もずっと一般質問、あらゆる機会で質疑をさせてもらっておりますので、端的に質疑させてもらいたいと思います。
 まず、新年度ですか、新学期の障害児の入学状況についてはどうなっていますか。
○津嘉山朝祥教育長 平成15年度の障害のある児童・生徒の入学状況につきましては、小学校の特殊学級にというのが64人、盲、聾、養護学校が76人の予定となっております。
 なお、平成14年の4月の学校教育法の施行令の改正に伴う認定就学の制度を生かして、平成15年度、新1年生で認定就学者として入学予定の児童が7名となっています。
○大城一馬委員 要するに年々そういう普通学校への障害者の気持ちが、普通学校へ入学したいというのがふえていると。やはりまた、それに対応して、どうしてもバリアフリー、これは私は非常に大事なことだと思っているんですよ。それにつきまして万全に対策を立てられているかどうか。これは補正でもちょっと聞きましたけれども、どうですか。
○津嘉山朝祥教育長 必ずしも万全な対策でこのバリアフリー化が整っているという現状ではありません。これは一気呵成にというのがやりづらいと。学校の改築だとか、増築だとか、新築の際に大がかりな工事を伴ってバリアフリー化を推進いたしますが、ちなみに平成14年5月1日現在。これはバリアフリー化の代表でございますエレベーターの設置を17校、スロープが62校、身障者用トイレが72校に設置をされております。これは小・中学校ですね。
 なお、施設のバリアフリー化については、沖縄県福祉のまちづくり条例において、県の責務として教育文化施設について市町村と連携し、障害者等が安全かつ快適に利用できるよう整備を進めること、そして市町村の責務として県の施設と相まって地域の実情に応じた整備を進めること等が定められておりますので、私どもとしては、この条例の趣旨に沿って公立小・中学校の施設のバリアフリー化の促進に今後とも引き続き努めていきたいと考えております。
○大城一馬委員 教育長の答弁の中で、まだまだ不十分、万全とは言えないというような説明でございますから、ぜひその点につきまして教育委員会の積極的な支援をやってもらいたいと思っております。
 そして、最後になりますけれども、いろいろと統合教育については、例えば各学校によって、自治体によって介護ヘルパーの派遣とかありますね。しかしながら、これは各自治体だって全額負担とか、あるいはまた半額負担とか、いろいろあるわけですね。そうすると、マスコミ報道によりますと結構いろいろな格差があるんですよね。そうしますと、これは自治体によって義務教育の質に相当な格差が生じると思いますけれども、そういう格差是正についてはどういう対策をとるつもりですか。
○津嘉山朝祥教育長 これは先ほど認定就学者の話がありましたが、市町村が認定就学者として認める際の条件として、やはりきちんとした施設整備が整っているということ、あるいは人的な配置等々が可能なこととか、一定の条件を付して、それをクリアできるということを前提として市町村は認定就学者として認めるわけですね。したがって、市町村が基本的にその責務を、あるいはそういう環境条件を整えた上で認めていくというのがスタンスですから、我が方としては、こういう責務は基本的には市町村がまずそういう認定就学者として認める際の条件をクリアすべき努力をする必要があるということが基本的なスタンスだと私は考えております。
○砂川佳一副委員長 伊波洋一委員。
○伊波洋一委員 きょうは沖縄への修学旅行。それが主に平和学習を目的としていて、ガマ等が使われていることに関連して質疑をしたいと思います。
 9・11テロ以来、修学旅行は激減しましたね。そのことは観光という観点からかなり大きな問題になって、いろいろな取り組みが行われましたけれども、今沖縄で起こっているのは、いわゆる修学旅行の目的そのものを壊そうとする動きに対して何ら歯どめがかかっていないということを明確にしていきたいと思います。
 まず最初に、沖縄への修学旅行と県教育庁のかかわりはどうなっているんでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 沖縄への修学旅行というのは、当然に沖縄の豊かな自然、文化だとか、あるいは我が国唯一の地上戦の行われた地域にかかわって平和学習だとか、あるいは亜熱帯性気候を生かした体験型の学習だとか等々、これが経験できる非常にいい地域、機会であると私どもは考えております。県教育委員会といたしましては、県内の学校との交流の橋渡しだとか、あるいは修学旅行の事前学習に関する資料の情報の提供。こういうものを積極的に求めに応じてやっているというのが状況でございます。
○伊波洋一委員 それでは、年間の沖縄への修学旅行の学校数及び人員はどうなっているのでしょうか。過去5年の推移を示していただきたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 これは私どもの資料ではございませんので、お許しをいただきたいんですが、観光リゾート局の集計によりますと、本県の修学旅行、平成11年度は1373校で、26万3843名でございました。これが平成12年度には1596校、30万3672人、平成13年度は1091校、20万6864人となっております。また、観光リゾート局では平成14年度、これはまだ閉じておりませんが、1575校、29万4000人を見込んでおります。平成15年度の見込みもございますが、平成15年度は1771校、33万6000人を見込んでおるという資料を持っております。
○伊波洋一委員 平成9年あるいは平成10年の資料はありませんか。
○津嘉山朝祥教育長 平成10年の資料は今手元にありませんので、必要であれば後ほど入手したいと思います。
○伊波洋一委員 この10年ぐらいを考えますと、急に上がってきているんですよね。修学旅行の目的と教育的意義はどこにあるんでしょうか。これは本土からのではなくて、皆さんのやっている修学旅行の目的と教育的意義ですね。修学旅行と観光旅行の違い、あるとすれば何なのか。
○津嘉山朝祥教育長 観光旅行との違いというのは、修学旅行というのは学校行事の一環としてとり行われるものですから、観光とは歴然と違いますが、修学旅行は特別活動の旅行、集団宿泊的行事として学習指導要領に位置づけられており、集団行動を通して自立心を養い、自主的に集団の規律や秩序を守る態度を育成するとともに、自然や文化などに親しむ体験の機会でありますと。まさに学校生活に変化と潤いを与え、集団への所属感を深め、学校生活の充実、発展に寄与するというのがねらいでございます。
○伊波洋一委員 団体生活の規範を知ることと同時に、やはり沖縄に来れば沖縄のこと、あるいは北海道に行けば北海道のこと、それぞれ学習という機会もあると思うんですが、沖縄への修学旅行の目的は何でしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 これは沖縄への就学旅行の目的というふうに、必ずしも私どもがそれぞれ個々の学校で尋ねたわけではありませんので、修学旅行の日程等から推しはかってコースを見ますと、当然に中南部地区のガマでの追体験だとか、戦争体験者の話を聞くんだとか、これは平和学習になりましょうが、あるいは海洋体験を初めとする自然体験及び沖縄の芸能、文化に触れる体験などの体験学習として実施されていることをうかがい知ることができます。
○伊波洋一委員 教育長の答弁を聞いても、教育庁としては、沖縄の修学旅行ということに関して自分たちの業務としてその中身を知るとか、あるいはその積極的な意義を知るということをこの間やってこられなかったんだろうと思います。それは置いておいても、やはりそのことの部分が私は残念なことだなとひとつ思うんです。
 それで、知っている範囲でいいんですけれども、沖縄への修学旅行の多くが平和学習を目的の1つとしておりますが、県教育庁は平和学習の内容ということを把握しているでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 個々の修学旅行で本県においでになる高校の平和学習の内容については、こちらの方では承知はいたしておりません。
 ただ、沖縄観光コンベンションビューローや平和祈念資料館等の資料によって今お話ししているわけですが、先ほど申し上げましたごうに入るなどの追体験、あるいは平和祈念資料館での調査学習、語り部等の講話を聞く、あるいは安保の丘からの嘉手納基地の視察等により平和学習が主として行われているということについては承知をしております。
○翁長政俊委員長 伊波洋一委員。
○伊波洋一委員 沖縄への修学旅行は最初は私立の高等学校が、あるいは中学校などが沖縄ということを意識しながら積み重ねてきた中で生まれていると思うんですが、その後、平和ガイドなどによって積極的にいろいろな沖縄を知らせることによって、そこが修学旅行としての意義をきちんと実現できる場として位置づけられて多くなっていると思うんですね。
 本土の中・高生が沖縄での修学旅行を通して沖縄戦の実相とか、あるいは米軍基地の現実を実際に見聞きして学習をしている。学習を深めることができているわけですけれども、そのことについて県教育庁はどのように考えておられますか。
○津嘉山朝祥教育長 今、本県の平和学習に主としてございましたが、本県においでいただく修学旅行団。本県への異文化の体験、平和学習、あるいは亜熱帯性気候等々に係る体験等、他県では味わえないような非常にさまざまな豊かな体験をいたしております。中でもその語り部等の戦争体験、あるいは漆黒のやみのごうでの避難を実感できるとか、効果的な平和学習が行われる。私は子供たちが肌で感じて平和のとうとさ、あるいはこれからどう平和と向かい合うべきか、あるいは本県の実情等を見る大変いい機会だと考えております。
○伊波洋一委員 教科書等を通して沖縄戦を知ってもらうということ。これを沖縄としてはずっとやってきているわけで、それをさらに現場まで来て知るというのは大変価値があることと思いますが、そういう修学旅行の平和学習の場としてガマがあります。その代表的なガマとそれぞれの年間の入域者数というのは把握していれば示してください。
○津嘉山朝祥教育長 代表的なガマというのを3つほど挙げさせていただきますが、玉城村にありますアブチラガマというのがございますが、ここは圧倒的に見学者が多うございまして、14万2341名。これは観光リゾート局、平成14年の10月25日現在の調査でございます。ガラビ壕は具志頭村でございますが、2万4232人。あと同じく具志頭村にございますが、ヌヌマチガマが4502名。轟の壕、糸満市にございますが、2万7018名となっております。
○伊波洋一委員 全体で20万人を超える学生、生徒たちがガマに入っている。30万人の生徒のうちそれだけ入るわけですから、その目的がとても強いわけですよね。今ありましたアブチラガマ(糸数壕)、14万2000人というのはおよそ15万人と言われる数。ガラビ壕、ヌヌマチガマというのが今2万4000人と言いますけれども、およそ4万人ぐらいと言われておりますが、その中で沖縄戦での役割などを説明して、どうしてこのガマがよく用いられているのか、沖縄戦の中でどういう役割を持っていたガマなのかを教えていただきたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 これも直接私どもで詳細に説明ができないかもしれませんが、私の持っている情報で御説明しますと、アブチラガマ(糸数壕)は玉城村字糸数集落内にあり、全長が約270メートルの自然洞窟。これは1945年2月に独立混成第15連隊が整備をいたしております。4月末からは沖縄陸軍病院糸数分室として使用され、多いときには600名から1000名近い患者がいたようでございます。ひめゆり学徒16名が配置され、治療、看護に当たっていたということでございます。5月25日に撤去命令が出されて、6月以降、監視兵と負傷兵、住民が同居し、8月22日に負傷兵数名と避難住民約200名はごうを出ております。一部の日本兵と住民は9月中旬までごう内に残っていたようでございます。
 ガラビ壕、ヌヌマチガマは入り口が東西からあって、1つのごうでございますが、具志頭字新城の東側に位置し、東西に出入り口がありますが、東西の名称が異なっておりまして、第24師団第1野戦病院の新城分院として県立第二高等女学校の生徒5名が配備され、また陣地としても利用されています。米軍上陸時に第24師団歩兵第89連隊第2大隊が配備され、港川を包囲する日本軍配備の一角を担っておりました。ごう内にはかまどが設けられておりまして、近隣集落の女子青年団などが炊事を行っておりました。大体そういうような状況でございます。
○伊波洋一委員 教育長は、糸数壕やあるいはガラビ壕に御自身で行かれたことがございますか。
○津嘉山朝祥教育長 前に入ごうが制限されたというお話を聞いた時期に見学をさせていただきました。
○伊波洋一委員 石原昌家先生の「沖縄の旅・アブチラガマと轟の壕」の中にもあるんですけれども、アブチラガマ(糸数壕)は、日本軍のいわゆる避難病院だったんですね。そこはかなり広いですよね。私も10年以上前ぐらいに入ったことがありますけれども、それぞれたくさんの人たちがいて、それぞれの患者1人1人、あるいはそこを生き延びた人1人1人にとってのストーリーがやはりあるわけですよ。たしか9月ごろになって助け出された日比野さんという方がありまして、この方の回顧録を読むと、おっ、そういうことがあり得るのかというようなことが本当にわかります。つまりひめゆり部隊の従軍の看護婦さんたちも含めて日常的に手足からウジを取る作業をやっていくとか、そういうことをずっとやっているわけですね。ですから、そういう意味では、そこでのやみの体験といいますか、そういう話をして、糸数壕というのは物すごい広いガマですね。そういうことが、やはり戦争を知らない子供たちにとっては大変感銘を受けるようなものになっていると。そういうことで、やはり修学旅行生が大きく入るようになっていると思うんですが、教育庁としては、どうしてこれだけの人数の修学旅行生が入っていると。そのことに関して教育庁は実際ほとんど関係ないわけですね。だけれども、現実に15万人あるいは20万人の本土から来る修学旅行の高校生、中学生が入っているわけです。どうしてこのように入るようになったのか、どのように考えておりますか。
○津嘉山朝祥教育長 これはあくまでも私の考えでございますが、なぜ沖縄を平和学習の場として選ぶのかということの問いと私はダブるだろうと思います。当然に我が国唯一の地上戦が展開されて、かつまた今日、広大な基地を抱えている現状が現にあると。他県の中・高校生がじかに沖縄戦の実相に触れ、基地の現状を間近にして戦争や平和の問題について本当に体感し、学ぶことができるということに意義を見出している。沖縄での学習を契機に、平和教育の基本理念である生命の尊重だとか個人の尊厳について深く考える機会をつくろうと。このことによって平和に寄与する国際社会の一員としての自覚が高まることに大いに期待して、私はそういう体験をさせているのではないかと考えております。
○伊波洋一委員 私は先日ガラビ壕へ行きまして、初めて行ったんですけれども、また沖縄戦の問題とは別にこういう自然が沖縄にあったのかというのに驚きましたけれども、物すごく雄大な大きいガマですね。こういうガマが現実に利用されていて、実際利用するためには、入ごう調整とか、時間スケジュールだとか、あるいは掃除とか、いろいろ千羽鶴とか持ってきますよね。南部の修学旅行コースは、まず入ごう調整という、いついつ、どのガマに、どのように入るという時間が設定されて、全コースが決まるんですね。そうしませんと、150名、200名の生徒ですから、あるいは300名の生徒ですから、それが調整できないと中が大変混雑するし、いろいろな問題が起こるわけです。そういうことをこの間やってきたのは一体どなたでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 私は承知をしておりませんが、例えば平和ガイドの運動等を行っておる団体だとか、あるいはそういう平和ネットワークだとか、平和ガイドの活動をされている皆さんがボランティア、奉仕でやっているのではないかと思料されますが。
○伊波洋一委員 そうですね。およそ6つぐらいの平和団体、ボランティア団体、あるいは平和ガイドの皆さんが共同して沖縄を知ってもらうということでボランティアでいろいろやっているわけです。入ごう調整をしたり、そして、それぞれどのグループがその案内をするかを含めてですね。そういうふうにやっている今のガマの問題が、ガマにおいていろいろな問題が起こっています。糸数壕、あるいはガラビ、ヌヌマチガマですね。教育長はそれは多分承知していると思いますが、その概要を説明いただきたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 まず、いろいろな問題というのがありますが、これは必ずしも要を得ていないかもしれませんが、糸数壕(アブチラガマ)については入ごうを有料化しようという問題が村議会に提案をされておりますし、あるいはまたガラビ壕については管理をしておる方から、管理人が過去の利用に対する迷惑料と今後の使用料、安全確保のための環境整備等々への問題で村と折り合いがつかずに、入ごうするための通路を閉鎖するというような問題が生じておるということは私も承知をいたしております。
○伊波洋一委員 玉城村の入場料云々というのがありますね。条例が制定されているようですが、今まではだれも管理していなかったんですよね。しかし、料金を徴していくという。私たち社大・結連合は2月6日に玉城村長とお会いしてお話をしました。ぜひそこは考慮してくれないかと。つまりこれだけ15万人の生徒が入っているごうなんだから、いきなり―あのときは300円と言っていたけれども―300円取るという話になってくると、じゃ、本当にみんなが入れるだろうかと。いや、村長は1万人ぐらいにしかならないだろうと平然と言っていたんですね。しかし、それでいいんだろうかと。それだけのコースでね。さっきの9・11テロで修学旅行が減ることに対して物すごい危機感を持っているものが、そういう修学旅行の目的とするものが実際阻害されていく。そういう現実に対して教育庁も、あるいは教育庁は所管ではないのかもしれませんけれども、県として、市町村として、そういうふうなことをガイドと話し合おうということもしないというわけですよ。ただ入場料を取って、使いたいならどうぞ使ってください、中に入るガイドは自分たちはやりませんよということで今やっているんですね。やはりここは本来の目的に合わせて、教育庁としてもいろいろかかわるべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 これは私どもの教育委員会として当然に戦争遺跡としての指定等々に絡んでのかかわりは出てこようかと思うんですが、その他については今のところ教育委員会がどういうかかわりをすべきかということについては、まだ検討する必要があるだろうと思います。
○伊波洋一委員 そこで、ですから、なぜこういうふうにかかわれないのかというのは、教育庁がそれにかかわってこなかったからですね。実際問題として戦争遺跡の保存、活用という問題はあるわけです。文化財保護法は1995年に変わって、広島の原爆ドームを世界遺産にするということを前提にした動きですけれども、それはやっぱり戦争が今後なくなったときに、戦争というのは何だったかということをきちんと知らせなければいけませんね。沖縄戦というのはどういうものだったかというのを知らせなければいけませんね。そのときの現実のごうとかというものを沖縄戦に関する戦争遺跡としてきちんと位置づけていくというのはやっぱり教育庁の仕事だと思うんですが、現状どうなっていますか。
○津嘉山朝祥教育長 これはおっしゃるとおりで、1995年に文化財保護法の指定基準の一部改正が行われまして、戦争遺跡が負の遺産として平和に生きることへつながる文化財として永久に保存することができ、役立てることができるようになりましたので、私どもといたしましても、これを受けまして平成10年度から平成17年度までの8年計画で、県内全域の戦争遺跡詳細分布調査を今実施中でございます。平成14年度で沖縄本島及び周辺離島についての調査が終了いたしました。現在まで沖縄本島、これは南部地区で364件、中部地区で181件、北部地区で133件、合計660件の戦争遺跡が確認をされてございます。私どもといたしましては早目に、平成17年を待たずに早目にこの戦争遺跡が指定できるように文化財保護審議会等と連携をして準備を進めていきたいと考えております。
○伊波洋一委員 この記事を読みますと、糸数壕、営業時間とか、定休日とか、いろいろあるわけです、時間制限ね。この記事を見ますと、まさに商売みたいなものなんです。果たしてそれでいいのか。今まで自然として、みんなが調整をしながら学習のために入っていく、これが阻害されることはもう目に見えているわけです。入ごう調整も今までのボランティア団体の皆さんはもうやらないと言っている。そうすると、本当にこれでうまくいくのか。修学旅行、皆さんの修学旅行ではないかもしれないけれども、皆さんもやっているんだから、教育庁としてそこは問題がないようにやっぱり努力するべきだと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 戦争遺跡として今指定の準備をいたしておりますが、いずれにいたしましても、本県で平和学習の場としてガマあるいはごうの漆黒の体験を通して実体験をさせるということについては大きな意義があろうと思いますので、我が方として、教育委員会として、まず大きな柱は戦争遺跡として指定を早目に行う。かつまた、その保存、活用等々について市町村とも話し合いをしていきたいと考えております。
○翁長政俊委員長 金城勉委員。
○金城勉委員 どうもお疲れさまでございます。では、質疑をさせていただきます。
 まず最初に、教育長に、教育基本法改正問題についてお尋ねをします。
 2000年の12月に教育改革国民会議がありまして、その提言に基づいて中央教育審議会で教育基本法の見直しについて議論がなされております。去年の11月にはその中間報告が出されているんですけれども、この教育基本法の改正論議の背景、あるいはまたその内容等について教育長の御所見を伺います。
○津嘉山朝祥教育長 教育基本法について私どもの考え、教育委員会としての考えというのは、基本的には行政におる場として所見を述べるというのは適当ではないかと思うんですが、いずれにしても、制定時の―昭和22年に制定でございますから、今日までの社会状況が極めて変化をしているということをまず……。ちなみに情報技術、あるいは生命科学などの科学技術の急速な発達、経済社会のグローバル化、地球規模での資源制約の顕在化だとか、環境汚染だとか、少子高齢社会、豊かな社会の到来とか、あるいは家庭崩壊、学校崩壊、青少年問題等のさまざまな状況が派生をいたしております。したがいまして、教育の基本理念と原則を定めた教育基本法。施行されてから50年余にわたり教育の重要な役割を果たしてきましたが、今日社会が余りにも急速に変化をしていると。その変化に対応して教育基本法を改めるべしであるのか否か、このことについてはまさに国民的な議論を得て、私どもとしてはその議論を注意深く見守って慎重に対処していきたいというのが県の教育委員会の基本的なスタンスでございます。
○金城勉委員 教育基本法、今、教育長御答弁のように戦後の昭和22年3月31日に施行されているわけなんですけれども、この内容においては、やっぱり戦前の国家主義的な教育あるいはまたそういうたぐいのものがあって、民主国家を目指すという方向で施行された背景があるわけですね。ですから、そういう意味では、前文あるいはまた各それぞれの教育の目的や教育の方針等々、各条の内容を見ていると非常に格調高く、私から見れば非常にすばらしい教育基本法になっていると評価をしているわけです。
 年月が50年以上もたった、また今日的な課題、問題も多々起こっている。教育現場におけるいろいろな問題も多々あるという認識というのは私も共有しております。ただ、やっぱり戦前のことを反省して制定された教育基本法の中身というものを尊重するという意味では、いわゆる国家というものが教育の中身に余り関与し過ぎるというのはいかがなものかという思いは常にあるわけです。そういう懸念が私は感じられるんですけれども、教育長、いかがですか。
○津嘉山朝祥教育長 これは委員、たしか教育基本法の答申の内容をお読みになってのことだろうと思うんですが、答申は、21世紀を切り開く心豊かな日本人の育成を教育の目標として、愛国心や公共への貢献などを掲げておろうかと思います。
 ただ、私は、国に対する愛国心だとか、あるいは公共心等々については、国を愛する心あるいは公共を重んじる心というのは当然なければいけませんが、個々にきちんと盛って、そのことを基本法の中に制定するかどうかについてはきちんと議論をした上でどうするか、まさに国民的な議論で対処すべきだと私は考えております。
○金城勉委員 私も公共の精神、あるいはまた国を愛する心、郷土を愛する心というのは大事だと思います。家庭を愛する心も大事です。こういう心というものをはぐくむのは大変大事であります。我々も例えば沖縄の高校が甲子園に行ったら、ウチナーンチュとしての立場から、宜野座高校、頑張れ、沖縄水産高校、頑張れという素直な気持ちで応援もいたします。また、オリンピックであれば、日本代表、頑張れというふうにするのは自然な気持ちであります。ですから、そういうことで、郷土を愛する心、あるいはまた我が母校を愛する心、国を愛する心というのは自然な形で涵養されれば一番いいかなと思います。
 しかし、そういう心のありようについて国が余り積極的にかかわり過ぎて、そういう法制化して1つの形を、枠を決めるというのはいかがなものかと。そういう意味では非常に懸念を持つところであります。そういう意味で、教育基本法の部分については前文の方にあることも教育の力に期待するところも大きい。また、教育の目的の方では「人格の完成をめざし……真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ」、あるいはまた教育の方針においては「自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によつて、文化の創造と発展に貢献する」等々のそういう非常に格調高い理念、方針、目的がうたわれておるわけです。そういうことで、本当に今教育長おっしゃるように、この種の議論というのは全国民的に本当に慎重に議論に議論を重ねて、あるべき形というものをやっぱり探るべきではないかと思います。
 むしろ私としては、そういう基本理念、基本の大枠というのは、いわゆる教育における憲法に値するわけですから、今抱えている教育現場における問題点、社会教育、あるいはまた家庭教育等々のさまざまな課題というのは、むしろ教育振興基本法なり何らかの個別法をつくって議論するとか、そういうふうな対応の仕方があろうかと思いますね。ですから、そういう意味では本当に格調高い理念は理念としてきちんと置きながら、なおかつそういう課題については個別対応するという認識を持つんですけれども、教育長、どうでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 ぜひ御議論をいただきたい。この教育基本法は11条からできておろうと思うんですが、教育の基本理念、原則を規定されたものですから、この中にどういう性格のものを盛り込むべきか、まさに議論をいただける時期だと思います。したがって、ぜひ国民的な議論の中で教育基本法としてどういう性格を付加して新しい理念なり原則などを考えていくのか、まさに皆さんでしっかり御議論をいただきたいと考えております。
○金城勉委員 次へ移ります。確かな学力を身につけるという皆さんのテーマがございます。今、学校における学力の低下が懸念されているわけなんですけれども、この学力を身につける教育の推進という意味では、現在の学校における基礎学力あるいはまた基本。その基礎、基本の部分で沖縄の今の子供たちの現状というのはどういうものか、御説明をお願いします。
○津嘉山朝祥教育長 確かな学力を身につける方法を具体的にどう進めるのかということだろうと思います。今日の教育改革の大きな柱は、わかる授業の徹底を通して確かな基礎、基本、学力を身につける、心豊かな児童・生徒をはぐくむというのが大きな柱でございますが、私どもは確かな学力の向上を学校教育の大きな課題、あるいは本県教育行政の大きな課題だというふうにまずとらえております。したがいまして、このことを県の最重要課題として昭和63年度から学力向上対策を継続いたしまして、平成14年度よりにつきましては昭和63年度からの3次9年と推進期間5年、学力向上対策を実施いたしてまいりましたが、引き続き平成14年度より学力向上主要施策、夢・にぬふぁ星プランを制定して、引き続き基礎、基本の確実な定着を図っておるところでございます。これは具体的には児童・生徒一人一人に確かな学力を身につけさせるために、まず少人数授業の実施のための加配措置、あるいは小学校低学年支援事業等による少人数授業や習熟度別のきめ細かな指導を推進し、基礎、基本の確実な定着を図っているところでございます。
○金城勉委員 基礎的なデータというのがなかったんですけれども、話を進めますと、その基礎、基本の確かな学力を身につけるという取り組みにおいて、昨今議論されているように教員の取り組み方、また情熱の傾け方。そういう意味では教師に対する使命感の高揚といいますか、その辺が非常に強く求められるかと思うんですけれども、この辺の取り組みについてはいかがですか。
○津嘉山朝祥教育長 まさに御指摘のとおり学力向上対策、あるいは心の教育問題しかり、教育の問題は行き着くところ教師の問題にたどり着くというのは、教育の全体は教師であると言われておるぐらい、教師にかかる比重は大変大でございます。したがいまして、教育の向上、教育力の回復には、教師の資質、力量の向上なくしてはあり得ません。したがいまして、私どもの方は、まず先ほど御紹介した教師の初任者研修、1年にわたる研修、5年研、10年研、20年研、経年別に定期的に一定期間の研修を施してございます。あるいはまた、生徒指導主任なり、進路指導主任なり、教務主任になりましたら、その職務に応じた研修。教職員に各種研修会を実施すると同時に、総合教育センター等で長期にわたる教職員の研修事業を通して教師の資質、力量の向上を図り、学校現場においてまさに一人一人にわかる授業の実践、あるいは児童・生徒が参加し、楽しい授業の実践に現在一生懸命現場教師ともに頑張っているところです。
○金城勉委員 そういう教師の使命感の啓発、高揚ということは非常に大事なことだと思います。また、一方では、学校現場で教師、自分の本業、いわゆる子供たちとのかかわり、あるいは自分の教科の指導。そういう部分とその他の学校業務との兼ね合いということで、非常に忙し過ぎる、時間がなさ過ぎる、子供たちとかかわる時間が少な過ぎるという声もまた一方では指摘があるわけですね。ですから、そういうことで非常に教師の時間帯がハード過ぎて、本業の子供たちとの密なかかわり、あるいはまた自分の教科の細かな指導というものがなかなか難しい状況にあるという話をよく聞くんですけれども、いかがでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 教師の主たる仕事は学校における授業が主でございます。小学校で24時間前後、中学校で20時間、高校で15時間前後、教師はその勤務時間の大多数を授業の実施を通して教育活動をいたしております。したがいまして、授業の実施の中で児童・生徒をしっかり見きわめて、児童・生徒と豊かな人間関係、コミュニケーションを図りながら授業の充実を図らなければいけません。したがいまして、私は、生徒と教師のかかわりは、まずは授業を通して教師と生徒が信頼関係のもとに教師が豊かな関係を醸成しながら授業を実践すると。したがって、つき合う時間がないのではなくて、授業の中でいかに一人一人を見きわめて授業実践を充実させるのか、このことがまず基本になるべしだと私は考えております。
 それから、多忙ということがございましたが、確かに学校現場の先生方、スケジュールを見ましたら多忙でございます。私も長年現場でおりましたが、授業を30時間近くやりまして、放課後、また教材研究、あるいは各種会合がございます。目いっぱい時間を費やして子供たちの教育に奔走しております。ただ、多忙感については私は、多忙というのは時間的に追われているから多忙という場合も確かにございます。しかしながら、指導にゆとりがある、教材研究やあるいは教材を研究して見通しが立つ、要するに指導力にゆとりがある場合も多忙感を克服する手だてでございます。あるいは職場の人間関係がぎすぎすしていたら、非常に多忙感が生じます。職場の人間関係にゆとりがある場合も心にゆとりを生みます。あるいは施設の整備条件、教材、教具が整っていても教師に非常にゆとりがございます。あるいは生徒指導、理解が行き届いていても非常にゆとりを生じます。したがいまして、ゆとりというのは単に時間的なゆとりがあるから、あるいはゆとりがないから多忙ということではなくて、先を見通した教育活動がいかに整っているのかどうか。このことで私はゆとりを全体的に総括する必要があるのではないかと考えております。
○金城勉委員 確かにおっしゃるとおり、そういう教師としてのいわゆる力量があれば、ハードな中でもきちんとしたしっかり仕事、あるいはまた子供たちのかかわりというものはできると思います。ただ、やっぱりこれはもう教育全体の問題ですから、ぜひそういうところは今後の課題として御検討いただければと思います。
 次に行きます。もう1つ、職業意識の啓発ということです。県内の中学生、高校生、大学生を含めて就職率が非常に厳しい状況にあります。また、一方では、その職業観といいますか、卒業したら仕事をするんだ、どういう仕事をしたいんだ、そしてどういうふうにしてまた理想の自分の仕事を見つけるんだという考え方は、マスコミ報道などにおいてもちょっと低いのではないかという指摘がなされたりもします。就職面接に来る人が少なかったとか、そういうふうな事例もあります。ですから、学校現場、教育現場における就職観、職業観という指導もまた非常に大事なことだと思うんですけれども、その辺の取り組みについてお伺いします。
○津嘉山朝祥教育長 進路指導は学校教育の重要に位置づけまして、将来、夢や希望を抱いて、みずからの進路を主体的に選択、決定できると。そのための指導が非常に問われているわけですが、現実といたしまして、高校生諸君にさきの就職、将来なりたい職業を調査しますと、大多数の子が職業は挙げることができるが、その職業が具体的にどういう中身であるのかというのが実はなかなか挙げ得ないと。したがって、明確な職業意識を持たないまま、漠然とした職業に対する意識を持っているというのが実は本県の子供たちの大多数でございます。したがいまして、望ましい職業観、勤労観の育成を図るために、先ほども挙げましたが、中学校あるいは小学校からシャドーウエブだとか、要するに両親の職場に行って、両親の影になり、ひなたになり、1日親の職業を見てみるとか、中学校であれば1週間程度、その地域の事業所に行って職場体験をする、勤労あるいは生産的な活動をする、高校においてはインターンシップ等々を充実させながら、あわせて進路指導の徹底を図りながら意識を変えていく必要があるだろうと考えております。
 したがいまして、我が方としては、それとあわせて国や県の関連機関等と連携しながら、県内外の職場体験実習だとか、就職予定者の宿泊学習会だとか、もろもろその実施をして、進路の早期決定と目的意識の高揚を図ることが急務だと考えております。
○金城勉委員 非常に大事なテーマですから、この点についてもより積極的な取り組みをお願いします。インターンシップ制度というのは非常に大事で、また大きな効果を上げているようですね。それを体験した子供たちというのは本当に仕事というものの意味を改めて発見する、また感じる、そこから新しい自分の進路というものを決めていくという大きな効果を発揮しているようですから、そういうことをまたもっともっと積極的に取り入れてもいいのではないかと思います。
 そして、あとIT教育についてお尋ねいたしますけれども、県内の小・中・高校におけるIT教育の目指すところを御説明ください。
○津嘉山朝祥教育長 IT教育についての御質疑で、まず1つは本県のIT教育の一環でありますインターネット、あるいはパソコンの設置状況、インターネットの活用状況等から入りたいと思います。
 本県の公立学校のコンピューターの設置状況は、平成14年3月31日現在、1校当たりの教育用コンピューターの平均設置台数は34.1台でございます。全国が32.4台でございますから、全国をしのいでございます。それから、教育用コンピューター1台当たりの児童・生徒数は12.2人となっております。国においては学校における教育用コンピューターの整備を推進するため、平成17年までに小・中・高等学校のコンピューター教室に42台、特殊教育諸学校のコンピューター教室に8台、各学校の普通教室に2台、特別教室に6台の整備を推進しているところでございます。私どもといたしましては、平成14年11月に沖縄県教育情報化基本計画及び同推進計画を策定しており、平成17年度までには各学校の校内LANの整備及び教育用コンピューター整備計画の目標達成に努めていきたいと考えております。
 次に、コンピューター教室おけるインターネットの活用状況についてでございますが、これも大変進んでおりまして、小学校では授業での週平均活用時間7.5時間、放課後の活用時間は2.4時間となっております。中学校では授業での週平均活用時間は10.5時間、放課後の活用時間は4.5時間、高等学校では授業の週平均活用時間は16.1時間、放課後の活用時間は6.4時間となっており、非常に充実した取り組みが実践をされております。
○金城勉委員 非常にいい形で推移しているという御説明です。
 あとスクールインターネットフリーウェイという事業があるようですけれども、御説明をお願いします。
○津嘉山朝祥教育長 スクールインターネットフリーウェイの事業は、県教育委員会と企画開発部が協力をして取り組んでおる事業でございまして、民間の通信事業者の協力を得て学校のインターネット常時接続利用における高速大容量の通信回線を無償もしくは低廉な料金で設置、提供する実験事業でございます。現在同事業に御協力をいただいている民間業者は3社ございまして、沖縄ケーブルネットワーク株式会社、沖縄ネットワーク株式会社及び石垣ケーブルテレビ株式会社であります。
 なお、平成12年7月から平成15年3月までの予定でスタートをいたしました沖縄ケーブルネットワーク株式会社による無償のスクールインターネットフリーウェイ事業は平成17年3月までの延長が既にもう決まってございます。
○金城勉委員 最後に、教師のIT教育の分野で平成16年度までには全教師がコンピューターを使った教育ができるようにという目標を掲げているようですけれども、具体的にはどのように推進されますか。
○津嘉山朝祥教育長 平成14年3月31日現在で本県のコンピューターで指導できる教員の割合については、教員全体の53%に達しております。これは全国が47.4%ですから、5.6ポイント上回ってございます。特に高等学校及び特殊教育諸学校における割合は全国2位、あるいは全国1位となってございます。県教育委員会といたしましては、平成16年度までに全教員が指導できることを目標に県立総合教育センター、あるいは各教育事務所単位の研修、校内研修を通して平成16年度までにすべての教員に研修を通して指導できる教員として資質、力量を高めるという目標を完結できる見込みでございます。
○翁長政俊委員長 糸洲朝則委員。
○糸洲朝則委員 予算特別委員会もいよいよ大詰めでございます。とりわけ教育長には、朝から長時間にわたっての答弁、大変御苦労さまでございます。
 まず最初に、育英奨学事業についてお尋ねをいたします。卒業シーズン、そしてまた入学シーズンを迎えるわけでございますが、国民がひとしく教育を受ける権利、このことは大変重要でございます。中でも貧富の差とか、あるいはまた資金面で教育が受けられないということがあってはならないということで、奨学金制度というのはかなりの拡充をされてきております。
 したがって、まず、そのことについて伺いますが、特に無利子奨学金、有利子奨学金、あるいは入学資金の貸与の制度とか、こういう新規事業等も含めてかなり充実をされてきておりますが、こういったこと等を踏まえて新年度における予算、あるいはまたどれだけの人数が見込まれるのかについて御説明をお願いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 日本育英会の奨学金制度として無利子の第1種奨学金、サポーティング・ユー21予約奨学金というのがございますが、平成15年度は517人が採用候補者となっております。貸与月額平均は4万8000円でございまして、予算額はおよそ2500万円でございます。次に、有利子のきぼう21プラン奨学金は採用候補者1441人、貸与月額平均は約7万円で、予算額はおよそ1億円となっております。
 なお、国民生活金融公庫の教育ローンを申し込み、所得が低いために貸し付けを受けることができなかった者を対象に、平成15年度より新規事業として入学時特別増額貸与奨学金30万円が設置されることになっておりまして、採用候補者は167人、予算額は5010万円となっております。
○糸洲朝則委員 ただいま御答弁いただきましたこの人数あるいは予算額は、ほぼ希望者には行き渡るというふうに認識をしてよろしいですか。
○津嘉山朝祥教育長 奨学金でございますから、一定の要件を付してございますが、ほぼ大多数の皆さんがその要件をクリアして、貸与されておるだろうと考えております。
○糸洲朝則委員 この奨学金の拡充制度の特徴的なものは、例えば成績の要件とか、資力の要件とか、いろいろございますが、それを極力なくしていこうと。勉強したい、そしてまた進学したいという子供にはひとしく貸与しようではないかというところが私は今後の奨学金制度の拡充だと、このように認識をしております。どうかそういう観点からすれば、やはり希望者にはみんな行き渡るような、これも教育の環境を整える上で大変重要なことだろうと思いますので、今後とも取り組んでいただきたいと思います。
 次に、子供の読書活動を推進する上から学校図書館の蔵書整備5カ年計画、いわゆる4000万冊への取り組み状況についてでございますが、これはいろいろ市町村、それぞれ聞いてみますと、まじめにやっている、あるいはまたほかに流用したりというふうに、非常にさまざまな状況が見られます。しかしながら、国を挙げて子供の読書活動を推進していこうという5カ年。ある意味でこの5カ年間にきちんと蔵書というものを整備できるか、できないかということは今後の子供たちの読書推進に与える環境づくりというのは大きいと思います。したがって、この観点からの県の取り組みについて、まず御説明をお願いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 学校図書館蔵書整備5カ年計画の取り組みについての具体的な数字について説明をいたします。
 これは平成13年度の実際に学校図書館の図書を購入した県全体の総額から推察をいたしますと、小学校1億8200万円、中学校1億1300万円となっております。この金額は地方交付税の積算に基づく県全体の総額、小学校は8400万円でございました。したがいまして、実際に購入した図書の総額は1億8200万円でございます。次に、中学校で実際に購入したのは1億1300万円余でございますが、地方交付税は7500万円となっておりまして、大きく上回っており、各市町村教育委員会の学校図書館の整備についての理解が得られているという高い評価をいたしております。
 ちなみに、地方交付税措置と同額程度あるいは地方交付税措置以上の予算措置がされている学校は226校で82%、中学校が131校で79%となっておりまして、市町村において学校図書蔵書の整備に大変に多大な理解をいただいておると高く評価をいたしております。
○糸洲朝則委員 それともう1つは、環境整備の中で学校図書館資源共有型モデル地域が那覇市だと伺っておりますが、これの推進状況はいかがでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 学校図書館資源共有型モデル地域事業は、文部科学省が学校図書館を活用した教育の推進及び学校や公立図書館等の蔵書の共有を図るため、モデル地域を指定し、蔵書情報のデータベース化及び学校図書館等をネットワーク化した蔵書等の共同利用化を進めるための事業となっております。委員からありましたように、本県においては那覇市が地域指定を受けまして、平成13年度から本事業を実施いたしております。現在市内51校中39校の小・中学校がデータベース化を終えておりまして、7カ所の公立図書館と学校図書館をインターネットで接続し、相互の貸し出しができる基盤が整備をされております。昨年11月に蔵書情報データベース検索システムが稼働しておりまして、その活用により児童・生徒への貸し出し業務も開始されております。
○糸洲朝則委員 このように蔵書を、あるいはまたネットワーク化というのも進んでおりますが、さて、こういったものを利用いたしまして子供の読書推進活動計画。これも各都道府県において推進をされていると伺っておりますが、とりわけ本県における事業計画についても御説明をお願いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 読書活動の推進計画は推進基本計画というのが平成14年、去年の8月に国において読書活動推進基本計画の策定をいただきました。県においては県の子ども読書活動推進計画、まだ策定をいたしておりません。この策定に向けて基礎調査の一環として、平成14年、去年の11月に県内関係者の読書推進活動状況についての調査を終えたところでございます。したがいまして、平成15年度中にこの読書の基本計画を策定したい旨、今取り組んでいる最中でございます。
○糸洲朝則委員 次に、子どもゆめ基金の事業について。これは実施主体が独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センターとなっておりますが、この事業内容を見ておりますと、子供の体験活動の振興を図る活動に対する助成だとか、あるいは今申し上げました子どもの読書活動振興を図る活動の助成とか、あるいはまた交流活動体験だとか、いろいろそういったものが網羅をされております。私がいろいろ調べてみますと、平成15年度はもう締め切ったのではなかろうかということ等もありますが、これについて本県で子どもゆめ基金を活用した事業を想定しているものがあるのか、あるいはまたないのかということ等も含めてお願いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 御承知のように子どもゆめ基金は、21世紀を担う夢を持った子供の健全な育成の一層の推進を図ることを目的に、民間団体が実施する子供の体験活動や読書活動等への支援を行うことを趣旨といたしております。具体的な助成対象活動というのは、子供の体験活動、あるいは子供の読書活動、インターネット等で利用可能なデジタル教材開発等々が挙げられております。本県においては、平成13年度、実は11団体で総額1460万7000円、平成14年度は11団体1395万3000円が助成を受けてございまして、平成15年度応募については平成14年12月5日に締め切られております。県内の12団体が申請を行っているところでございます。応募の手続については直接国立オリンピック記念青少年総合センター、または各都道府県を通して申し込むこととなっております。
○糸洲朝則委員 大体利用されているということはわかりました。あとは、せっかくある基金ですから、積極的に、あるいはまだ利用していないところ等もあろうかと思いますから、大いに啓蒙して、役立てていけたらと思いますので、今後の取り組みについてもよろしくお願いいたします。
 さて次に、子供の文化芸術体験活動の推進について伺います。これはやはり創造性豊かな子供たちを育てていく上において、文化芸術に大いに接触して触れていくというのは大変重要であろうということで、例えばこの事業内容が本物の舞台芸術に触れる機会の確保、あるいは学校の文化活動の推進、文化体験プログラム支援事業といったもろもろのものがあります。これについての今の取り組みの状況についてお願いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 まさに子供たちの芸術を愛する心をはぐくんで、豊かな情操を養うことを目的といたしておりまして、県教育委員会では、文化庁、市町村教育委員会、学校と共催して本物の舞台芸術体験事業を実施いたしております。この事業は学校の体育館や公立の文化会館等を利用してすぐれた舞台芸術を鑑賞するとともに、芸術文化団体等による実演指導、ワークショップやこれらの団体等との共演、また舞台の裏側を体験的に見学するバックステージツアーなど舞台芸術に身近に触れる機会として実施いたしております。平成14年度は、演劇、寄席芸能というんでしょうか、オペラ等、8種目20件を実施いたしました。その他、三井住友文化財団、日本青少年文化センター及び県教育委員会の提供する舞台芸術に触れる機会とその公演を16件実施をいたしております。平成15年度も引き続き積極的に子供の文化芸術体験活動の推進に努めていきたいと考えております。
○糸洲朝則委員 これもぜひ強力に進めていただきたいと思います。
 これは私の個人的な所感でございますが、今申し上げました事業については、特に本物の舞台芸術に触れる機会とかいったものは、案外都市地区の生徒、子供たちは多いのではないかなと思う反面、地域の文化活動あるいはまた地域の文化行事に参加といったものは逆に地方に行けば行くほど接触する機会がある。いわゆる新しいものと、あるいはまた地域に根差した文化といったものの違いであろうかと思うんですが、これはどちらも大事でございまして、したがって、次にお伺いするのは、地域文化活動活性化のための推進事業。当然地域の伝統文化を子供たちにつないでいくというか、大事なことと、そしてまた自分の生まれ育った地域の文化というものを大事にすることによって、そこからまた想像力豊かな子供たちが育っていくといったいろいろなものがうかがえるわけでございますが、地域文化活動の推進事業についても子供を中心にした事業があろうかと思いますので、それについてもお伺いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 地域文化活動活性化推進事業として、伝統文化子ども教室事業というのを実施いたしております。伝統文化子ども教室事業は平成15年度の文化庁の新規事業となります。同事業の概要でございますが、次世代を担う子供に対し、土曜日、日曜日などにおいて、学校、文化施設等を拠点にして、茶道だとか、花道だとか、日本舞踊、伝統音楽、郷土芸能などの伝統文化に関する活動を計画的、継続的に体験、習得できる機会を提供するものであります。県としましては、現在文化庁が平成15年度に向けて伝統文化子ども教室事業実施要綱を作成中でありますので、実施要綱が提示され次第、取り組みについて具体的に検討していきたいと考えております。
○糸洲朝則委員 それでは次に、国立劇場おきなわについて。これは午前中にも質疑がありましたのではしょってやりますが、開場記念式典、そしてまた記念公演が網羅をされておりまして、特にこけら落とし公演についてはもう既に新聞等でも発表されて、すごい壮大な企画がされているなと見ております。問題は国立劇場おきなわと県との連携、あるいはまたかかわり、ひいては県民とのかかわりというのが大変重要視されるわけでございまして、国の劇場だからというふうに距離を置くのではなくて、むしろ県民の財産なんだという視点が1つは大事であろうと思います。
 もう1つは、国立劇場を駆使した県民の文化活動、あるいはまた啓蒙といったものが大変求められるわけでございますが、国立劇場おきなわの演芸にかかわる県のかかわり方、あるいはまた認識について伺って、この質疑は終わりたいと思います。
○津嘉山朝祥教育長 国立劇場おきなわの管理運営につきましては、その設置主体である特殊法人日本芸術文化振興会の委託により、沖縄の関係者を中心に設立をされました財団法人国立劇場おきなわ運営財団が行うこととなっております。平成15年度予算でございますが、文化庁予算における日本芸術文化振興会への国立劇場おきなわの運営に係る補助金が実は6億7597万4000円でございました。その内訳は、同振興会経費3461万5000円、初年度備品費1億2617万5000円、国立劇場おきなわの運営財団委託費5億1518万4000円となっております。
○糸洲朝則委員 次に、学校施設の件について、まず学校等施設の耐震化あるいは老朽化対策。特に耐震化につきましては、これまでの経緯からして、かなり沖縄の公共物、あるいはまた民間も含めて一抹の不安を覚えるものでございまして、それについてどのように取り組んでおられるのか。もう1つは、シックハウス対策というのは近年どこでも特に注目されていることでございまして、子供たちの健康を守る観点から、この2つについて御説明をお願いします。
○津嘉山朝祥教育長 学校等の耐震化、老朽化対策についての御質疑でございますが、県教育委員会で安全で快適な学習環境の整備ということで、3次にわたり沖縄振興開発計画において老朽校舎等の解消に取り組んでまいりました。その結果、市町村立学校で約75万5000平米、県立学校で30万4000平米、合計105万9000平米の整備が3次にわたる振興開発計画において整備がなされております。しかしながら、平成14年5月1日現在、老朽化していると思われる昭和52年以前に建築された建物が市町村立学校で36万5000平米、率にして17.8%、県立学校で10万9000平米、率にして12.3%、合計で47万4000平米が依然として残ってございます。
 校舎等の老朽化対策と耐震化を推進するため、沖縄振興特別措置法で維持、継続された公立補助制度を活用して老朽校舎等の改築に、計画的に、年次的に取り組んでいるところでございます。
 シックハウス対策については、文部科学省が平成14年2月に学校環境衛生基準を一部改正して、この中で学校の新築、改築、改修等を行った際にはホルムアルデヒド及び揮発性有機化合物の濃度が基準値以下であることを確認させた上で引き渡しを受けるものとしております。この学校環境衛生の基準に基づいて県立学校の整備におきましては、平成14年度発注工事からホルムアルデヒド、トルエン、キシレンについての室内濃度の測定を義務づけ、この測定値が基準以下であることを工事成果物の引き渡しの条件といたしております。工事現場におきましては、内装系建築材としてのボード類等についてはホルムアルデビドの放散量の最も低い材料を使うことにより環境衛生基準を確保するよう努めております。また、市町村に対しましても公立学校施設整備担当者の研修会の場等で学校施設の整備に当たっては快適性を高めることのできる材料で、室内空気を汚染する化学物質の発生がない、もしくは少ない建材を採用することにより、環境衛生基準を確保するよう周知を図っているところでございます。
○糸洲朝則委員 ぜひ子供たちの健康を守る観点からも推進をしていただきたいと思います。
 これは要望にとどめておきますが、ちょうどきのうの新聞に落成したばかりの条例に適合せずということで、県の総合福祉センターのバリアフリー化の問題が指摘をされております。これは子供たちの学校についても同様なことでございまして、随分推進はされてきていると思いますが、さらにバリアフリー化についても取り組んでいただきたいと思います。
 子供の健康管理という観点から、子供の肥満ということがきのうの新聞にも、あるいはまた二、三日前の新聞にも那覇市の医師会のデータに基づいてかなりたくさんの指摘がされております。いわゆる学校における食育、家庭、あるいは地域、あるいはまたメーカー等によるいろいろな問題等、こういった食に対する安全というのがいろいろ指摘される中で、子供の肥満というのが今の状況の中で必ずしも全く別問題ではない。まさしく教育あるいは家庭といった総合的な問題と絡んでいるということで、子供の肥満についても十分に私ども認識をすべきでなかろうかという観点からお聞きをしておきます。
○津嘉山朝祥教育長 これは平成4年度から私どもが実施をいたしております肥満調査というのがございます。この推移を見ますと、ローレル指数160以上の肥満傾向にある児童・生徒の割合が実は増加傾向にあります。平成4年度と平成14年度との比較を見ますと、小学校男子1.8%、小学校女子3.1%、中学校男子0.8%、中学校女子2.0%と女性に著しい増加が見られてございますが、これらの肥満傾向増加の背景には糖類、嗜好飲料の増加など食生活の変化や運動不足、あるいは遅く寝て、遅く起きるなどの生活習慣の乱れが起因しているということが考えられます。現在各学校では保健学習や食に関する指導などのほか、積極的に身体活動を促すなどの健康教育を推進いたしてございます。これからは養護教諭や学校栄養職員を活用した個別指導の充実もあわせて行う必要があるかと考えてございます。
 いずれにしても、健康の3原則であります調和のとれた食事、適切な運動、十分な休養、睡眠を確保するなど基本的な生活習慣を家庭、地域、学校と連携して推進する必要があると考えております。
○翁長政俊委員長 玉城ノブ子委員。
○玉城ノブ子委員 まず、その前に、先日在沖米四軍調整官が知念小学校と中学校で講演をする問題で、早速私たち共産党県議団、講演は中止すべきであるということを教育庁に申し入れをいたしましたけれども、教育庁では早速機敏にこの問題に対応していただいて講演の中止が決まったということで、この点については高く評価をし、感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 30人学級の問題ですけれども、午前中、これまでの質疑で重複する部分もちょっとありますけれども、30人学級は大変重要な問題ですので質疑をしておきたいと思います。
 まず、沖縄県の少人数学級の実施状況とその効果ですね。新年度の計画についても御説明をお願いいたします。
○津嘉山朝祥教育長 本県におきます30人学級、少人数学級の実施でございますが、平成14年度は13校、対象児童数が1767名、学級数は45学級から10学級ふえて58学級として増設をされました。その効果として、教師と児童とのコミュニケーションがふえ、個に応じた指導がしやすくなった、あるいは発達段階を踏まえた学校生活への適応が図られたというような評価をいただいております。平成15年度においては20校において実施する予定でございます。対象児童数は2669人、学級数は68学級から88学級に増設する予定でございます。
○玉城ノブ子委員 全国で30人学級に踏み出す地方自治体がふえておりますけれども、全国の状況を掌握しておりますでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 全国で22都道府県が実施をいたしておりますが、それぞれの実施の規模については、例えば青森県であれば小学校1年を対象にして、学年2学級以上、33人以下で編制するとか、あるいは山形県では小学校1年生から3年生を対象だとか、茨城県では小学校1年を対象とか、それぞれ実施の規模が違いますので、とりあえず22の都道府県が少人数学級を実施しているということでございます。
○玉城ノブ子委員 沖縄県でも今年度は13の学校で、来年度は20の学校で少人数学級を実施の予定ということで、努力をなさっているということについては評価をするものであります。しかし、沖縄県行政システム改革大綱があるんですけれども、その中に児童・生徒数及び学級数の減少を踏まえて職員数の削減を検討するというふうになっているんですけれども、私は今、父母や教職員を初め県民が求めているのは、教職員を削減するということではなくて、やっぱり30人学級を実施すべきであるというのが多くの父母や学校、教育現場で働いている先生方の要望であると思うのです。先ほど少人数学級の実施によって大変教育効果も上がっているということがありました。やっぱり落ちついて取り組めるようになったということもありますし、児童・生徒一人一人の学力が把握しやすくなったということも出ておりますので、そういう点からすると私はやっぱり今の学校現場の置かれている状況からして、子供たちに豊かな教育を保障していく、行き届いた教育を保障していくという点では、今本当に切実に求められている問題ではないかと思うんです。そのために、やっぱり教員をふやすことが必要だし、教育予算を大幅に増額していくことが必要なのではないかと思うわけなんですけれども、そういう意味では私は、直ちに全面的に小学校30人学級を実施していくということが求められていると思うんですけれども、少なくとも小学校の低学年の段階から計画的に30人学級を実施していくということが今必要なのではないか、求められていることなのではないかと思うんですが、その点について教育長の……。
○津嘉山朝祥教育長 沖縄県の行政システム改革大綱で教職員の削減の指標が出てございます。これは当然に第7次義務教育諸学校改善計画が策定された以前の数でございまして、児童・生徒数の減少に伴う教職員の減というのが大きな指標の根拠でございます。したがいまして、7次の配置改善計画がスタートしておりますので、それに見合う分の教職員が現在加配をされて、このような数値目標とは違った、ほぼ現状の教職員を踏まえた定数が確保されてございます。
 なお、30人学級については、教育委員会としては、これは教育諸条件の改善を図るという意味では私どもとしてもぜひ拡充をしたいと。ただ、さっきから申し上げましたように1500名の教職員の確保をしなければなりませんので、私どもとしては当面1年生の学級を重点的に小学校の低学年に力を絞って、小学校の低学年の少人数学級を中心にしながら、拡充しながら、県の財政事情等を見ながら、またいろいろ意見を調整していきたいと考えております。
○玉城ノブ子委員 私は30人学級については、ぜひ積極的にこの問題に取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。
 あと老朽校舎の問題ですけれども、先ほども質疑がありましたけれども、老朽校舎の現状について御説明をお願いします。
○津嘉山朝祥教育長 老朽校舎というのをどの時点で老朽校舎と限定するのかということもございますが、平成14年5月1日現在、老朽化していると思われるというのを昭和52年以前というふうに限定して、築25年前後というのになろうかと思うんですが、52年以前に建築された建物とした場合に、市町村立学校で36万5000平米、17.8%、県立学校で10万9000平米、12.3%、合計47万4000平米が残っておると。したがいまして、全校舎の面積が約293万4000平米でございますから、そのうちの47万平米、多く見積もって50万平米近い老朽校舎が依然として残っておるというのが現状でございます。
○玉城ノブ子委員 2003年度の校舎の改築計画はどうなっていますでしょうか。そして、今後の改善計画はどうなっておりますでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 2003年の校舎改築の計画でございますが、平成15年度の国庫補助事業で実施予定の校舎等の改築事業は、県立の場合は、県立普天間高等学校、浦添商業高校、沖縄水産高校及び名護養護学校の校舎等でございまして、国庫の補助額約16億円となってございます。また、市町村立小・中学校の校舎等で名護市立東江中学校ほか11校、その国庫補助事業の予算額は約43億円を予定いたしております。
 平成15年度以降の計画については、私ども10年のスパンでぜひ実施したいという計画は持っておりますが、これはいずれにしても国庫、国の予算が伴うものでございますから、あくまでも県の段階で10年の範囲でこの老朽校舎をぜひ改築したいという計画はございます。
○玉城ノブ子委員 これは国の予算との関係はもちろんあろうとは思うんですけれども、県としてはやっぱり独自に計画を持っておく必要はあると思うんですよね。なぜなら、浦添市でああいうブロック塀が落下して子供がけがをするという事態が起きているわけですよ。私は一般質問等でも質問いたしましたけれども、多かれ、少なかれ、ああいうふうに似たような状況というのはあるんですよね。糸満市内の小・中学校もあるんですよ、私は何回も調査に行きましたけれども。ですから、これは子供たちの安全にかかわる大変重要な問題になっているんです。ですから、これは皆さん方の改善計画ってあと10年はかかりますというふうなことでは、私はもう本当に子供たちの安全を守れないのではないか。現にけがをしているではないですか。そういう意味からいくと、皆さん、やっぱり行政の責任というのが問われているわけなんですよね。ですから、具体的にこの改善計画を早めて、私は前からずっと言っていますけれども、老朽化している状況は早目に改善していくというふうにならないといけないのではないかと思いますが。
○津嘉山朝祥教育長 まさに私も県の教育委員会も思いは1つでございまして、早目に改築をしたいと。これは、実は国の方からもそういう意向が私どもに指導として参っております。したがいまして、これは特に市町村における財政事情の問題がございまして、私どもの方からは年次的な老朽校舎の解消をしたいということで市町村に年次計画も求めているわけですが、必ずしも市町村教育委員会の厳しい財政状況の中で思うように改築がいかないということがありますので、このあたりは私どものスタンスとしては、できるだけ早目に老朽校舎の改善を図りたいということで計画を持って、積極的に指導、助言をしていきたいと考えております。
○玉城ノブ子委員 ぜひそういうふうに取り組んでいただきたいと思います。そういう意味では、ぜひ市町村に対してもそういう計画を持って、早目に老朽校舎が改善できるように指導していただきたいと思います。
 あと高校授業料の減免の問題なんですけれども、高校授業料のこの5年間の減免実績について申込件数と免除件数を御説明願います。
○津嘉山朝祥教育長 高校授業料の5年間の減免の実績でございますが、平成9年度、申請者が4876名ございまして、免除者3757名、減免率が7.02%でございます。平成10年度、申請者が4889名、免除者が3767名で減免率が7.08%、平成11年度、5334名の申請者のうち3813名が免除で減免率が7.09%、平成12年度、5458名の申請者のうち3903名が免除者で7.16%の減免率、平成13年度、5624名の申請者のうち3913名、7.17%となっております。
 なお、平成14年度は、平成15年3月11日現在において5846名の生徒から減免申請があり4017名。初めて4000名を超したわけですが、7.34%の減免率となっております。
○玉城ノブ子委員 高校の中途退学者の数とその理由について。
○津嘉山朝祥教育長 これは平成13年度の資料でございますが、高校の中途退学者の数1740名でございます。理由でございますが、このうち進路変更が56.3%、大多数は進路変更でございます。次に、学校生活、学業不適応が20.2%、学業不振5.8%となっております。
○玉城ノブ子委員 高校授業料の減免実績は、申込件数とのかかわりでいけば申し込んだ皆さん方は高校授業料の減免を受ける―要するに申し込み要件がありますよね。この申し込み要件に該当していらっしゃる皆さん方は減免制度を受けるということになっていますでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 この授業料の減免についてはクリアすべき要件、当然に経済的に困窮するだとか、基本的にその授業料を減免するに値するというんでしょうか。そういう事由があって減免いたしますので、その事由に合った場合は基本的には減免をしていくというのが原則でございます。
○玉城ノブ子委員 私が気になるのは、皆さん方の沖縄県立高等学校授業料等徴収条例施行規則の第2条と第3条が免除と減額の対象要件になっているわけなんです。ところが、原則として学校の在籍生徒数の100分の8以内と規定があるわけですよね。これそのものは、私は免除、減額の対象要件をこの規定でなし崩しにするということではないかと非常に懸念されるんですよ。ですから、対象要件の人が申し込んだときに、この要件のいずれかに該当すれば高校授業料の減免を受けることができますよという規定になっているにもかかわらず、下の方で規制をかける。これはちょっとまずいのではないかと思うんですが。
○津嘉山朝祥教育長 個々の学校で8%、100分の8以内という規定ではございませんので、私どもといたしましては当然原則として100分の8以内というふうに打ってございますが、個々、個別に生徒の家庭の経済状況等を調査いたしまして、その要件に照らし合わせて、結果として先ほどの7.何%かの数字になると。したがいまして、学校によっては15%の学校も実はあるんですね。ですから、必ずしも我が方が個々の学校ごとに規制を定めて8%以内にとどめているということではなくて、おおむね8%以内で大体現在の基準で賄えるというような考え方で設けてございますので御理解ください。
○玉城ノブ子委員 それでは、やっぱり免除の対象要件になっている、その要件のいずれかに該当すれば免除を受けられるということで確認してよろしいんですね。
○津嘉山朝祥教育長 これは個々の生徒のケースを見てみないと何とも言えませんけれども、基本的には、今言う減免の要件を踏まえて適正に対応したいと考えております。
○玉城ノブ子委員 ぜひそういうふうに進めてほしいと思います。
 あと県内高校、小・中学校の空調設備なんですけれども、県内高校、小・中学校の文部科学省、国土交通省、防衛施設庁予算で建設されたそれぞれの空調設備の整備状況について説明をお願いします。
○津嘉山朝祥教育長 平成14年5月1日現在の空調設備の整備状況でございますが、県立学校で文部科学省所管が19校、防衛施設庁所管が19校となっております。市町村立小学校及び中学校で文部科学省所管が8校、防衛施設庁所管が125校、国土交通省所管が5校となっております。
○玉城ノブ子委員 2003年度のクーラーの整備計画についても説明をお願いします。それと、その後の計画はどうなっていますでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 平成15年度、県立学校においては文部科学省所管で8校、国土交通省所管で1校、防衛施設庁所管で1校、計10校の整備を計画いたしております。市町村立小学校においては、文部科学省所管で20校の整備を計画いたしております。その後の計画については今のところ、まず市町村分については市町村の計画と相談がありますので、この中では差し控えさせていただきたいと思います。
○玉城ノブ子委員 空調設備の費用負担の問題なんですけれども、国が2分の1ということで、それぞれ小・中学校の場合には市町村が2分の1ということなんですけれども、やっぱり県としての財政支援が必要なのではないかと思うんですが、どうなんでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 これは委員からありましたように、国土交通省だとか防衛施設庁所管で建設した場合の空調設備については10分の10となっておりますし、文部科学省が所管する普通教室への空調整備については2分の1国庫負担と。ただ、国庫補助の裏負担については基本的に事業主体が負担をするというのが大きな原則、基本でございますので、県がこれに助成措置を講ずるというのは大変に私は困難であるだろうと。今の段階では非常に厳しいと言わざるを得ないと考えております。
○玉城ノブ子委員 やっぱり空調設備については、特に沖縄県の場合には夏場は本当に大変ですよね。夏場の小・中学校の教室の温度というのはもう30度以上にも上昇すると。中にはもう気分が悪くなって保健室に運び込まれる生徒も出てくる現状であるわけですから、この空調設備については急がなければならない状況になっているわけなんですよ。特別な措置というのが沖縄県の場合にはもう必要なのではないかなと思うんですよ。そういう点からすると、防衛施設庁の場合には100%国が負担する。ところが、それ以外の文部科学省のものとか国土交通省の問題というのはまだ半分しか負担しないということになると、各市町村の財政負担がかなり大変だと思うんですよ。そういう点でやっぱり県がもっと財政―これはもちろん国に対してもそうなんですけれども、県も財政支援策をぜひこれは考えていくべきなのではないかと思いますので、それは要望しておきたいと思います。
 あと維持管理の問題なんですけれども、維持管理費についても、文部科学省、国土交通省、防衛施設庁の予算、それぞれどうなっていますでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 防衛施設庁所管の空調整備事業の維持費は、御承知だと思いますが、10分の10国庫補助となっております。文部科学省及び国土交通省所管の空調整備事業については維持費の補助制度等はありません。
○玉城ノブ子委員 だから、そこが問題なんですよ。何で防衛施設庁予算は、建設についてそうだけれども、維持管理についても100%国が補助する。ところが、文部科学省、国土交通省補助もそうなんですけれども、維持管理費が全くないということでは、置かれている実態からいって、同じ子供たちが本当に平等に扱われていない、不公平なのではないかと思うんですよ。糸満市なんかは国土交通省補助でつくったために維持管理はない。しかも、これは騒音対策のために空調設備をなさっているにもかかわらず、これに対して全然維持管理費が出ないという問題ですね。これは到底納得がいかないというふうな状況なんですけれども、やっぱり国、県が財政支援をやる必要があるのではないかと思うんですが。どうでしょうか。
○津嘉山朝祥教育長 まず、特に維持費の問題については市町村で現在負担をいたしておりますが、私どもとしては、まず維持費の縮減できないのかどうかとか、維持費は市町村が基本的には負担するが、その維持費が非常に安くかかる方法はないのかどうかというのはあわせて実は検討いたしております。同時に先ほど亜熱帯補正等々、これは当然にクーラーを設置して、稼働させて、利用しながらしかその制度は国に訴えることができないだろうと思いますので、当面は市町村に努力をしていただいて設置をしていただいて、その中で安い維持費が提供できないかどうかは県としていろいろ努力をしたいということは考えております。
○玉城ノブ子委員 ぜひ教育長、私はいつもずっとこの問題を取り上げておりますけれども、維持管理についても、国、県がもっと積極的にこの問題で財政支援できるように取り組んでいただきたいということです。
○翁長政俊委員長 宮里政秋委員。
○宮里政秋委員 津嘉山教育長、最後ですから。実は我々は14部局にまたがって質疑を展開してまいりました。きょうは朝10時から今まで、ずっと教育長が答弁されておられる。これはやっぱり津嘉山教育長はすべての分野に精通しているということですね。同時に、教育次長以下、課長の皆さんが本当に協力し合っているという、これはやっぱり職員の結束ですね。だから、あなたは光り輝いているんですよ。そのあなたが今度もう定年でおやめになるというお話がありました。そういう立派な教育に対する精通しているあなたの力量を今後の退職後も生かしてもらいたい。本当に御苦労さんでした。私の質疑が最後で、あなたの答弁も最後。今からやるものに対して、ひとつ立派な御答弁をいただきたいと思います。
 まず最初に、これは金城勉委員からもありましたが、国立劇場おきなわについて学校教育にどう生かすのか、お答えいただきます。
○津嘉山朝祥教育長 大変に大切な御指摘をいただきました。特に教育委員会では学校教育の場で、特に国の重要無形文化財に指定されております組み踊りを身近に鑑賞させようということで、児童・生徒の組み踊り鑑賞会を平成11年度から開催をいたしてまいりました。平成13年度からは財団法人国立劇場おきなわ運営財団へ委託事業として、毎年10から13公演を開催してまいりました。児童・生徒の組み踊り鑑賞会、組み踊りを学校教育に取り入れることによって児童・生徒に郷土芸能への理解と関心を深めさせ、心の教育に寄与すると同時に、組み踊りの県内への普及啓発及び若手実演家に表現活動の機会を確保することにより、後継者の育成を図ることをあわせて目的といたしております。これまで学校施設または公立の文化施設において同鑑賞会を開催してまいりましたが、今後は国立劇場おきなわが開場いたしますので、同劇場施設を活用した児童・生徒を対象にした組み踊り鑑賞会が要求されるだろうということで、我が方としてもこの組み踊り鑑賞会を工夫する、あるいはしていただくと聞いてございます。
○宮里政秋委員 伝統芸能の伝承者の養成、それから、その保存、振興にどう取り組むのか。これは教育庁の所管かな、どうですか。
○津嘉山朝祥教育長 沖縄伝統芸能の保存、振興につきましては、これまで拠点の施設がないということが現状でありました。技芸の正当な継承、組織的な記録、保存や調査研究等について多くの課題を抱えてまいりましたが、国立劇場おきなわの開場によりまして、今後大きく進展するものと考えております。特に国立劇場おきなわにおける伝承者養成事業を実施いたしますので、同劇場で行う事業の大きな柱の1つでございますし、現在同運営財団で伝承者養成研修作業部会を設置して、現状の諸課題を踏まえた具体的内容の検討が進められてございます。同財団では、当面、組み踊りの伝承者についての養成を考えており、養成事業の実施は平成16年度を目途にしてスタートをする予定でございます。
○宮里政秋委員 学校教育の一環としてのお話しございましたが、学校教育の一環として鑑賞料について、その減免措置を国と交渉するお考えはありませんか。
○津嘉山朝祥教育長 御指摘のとおり、私どもも東京の国立劇場本館の状況も承知しておりますが、児童・生徒に非常に安い鑑賞料で歌舞伎等の鑑賞を提供いたしております。したがいまして、国立劇場おきなわも、まだ開演しておりませんので、あるいはまたその運営財団がありますので、きちんとしたことは申せませんが、当然に国立劇場おきなわでもそのための具体的な措置を検討すべきだと考えております。この入場料については他の国立劇場及び沖縄の芸能公演の現状等も勘案して、運営財団で検討していただくことにしたいと考えております。
○宮里政秋委員 ぜひ御努力いただきたいと思います。これは国の国立劇場といっても、我が沖縄県の文化の殿堂です。集大成されたもので、我々県民の財産です。したがって、子供たちに教育の一環として鑑賞料を無料にするように、でき上がったらすぐ交渉をぜひやっていただきたい。
 私は平成13年9月議会で首里城、世界遺産を学習のために生徒にも見学料というんですか、入場料というのでしょうか、それを免除すべきだということを質問いたしました。教育長は努力するという趣旨の答弁でしたが、どうなりましたか。
○津嘉山朝祥教育長 このことについても私どもも精いっぱい取り組みをいたしました。既に首里城以外の遺産については見学料等の免除が行われておろうと思うんですが、首里城公園については平成14年3月に海洋博覧会記念公園管理財団あて特段の配慮をお願いいたしました。当財団では首里城公園開園10周年、復帰30周年を機に、学校長から申請があり、担当教諭が引率をする、郷土、歴史、文化、学習のために来園した小・中学校生に同財団が入館料を交付するという内容の郷土歴史文化学習事業というのを平成14年5月15日より実施をいたしております。同財団においては平成15年度以降も同事業を継続して実施することになっておりまして、県教育委員会では各小・中学校に対して周知の徹底を図り、活用させたいと考えております。
○宮里政秋委員 次に、少人数学級についてお伺いしますが、今さっき玉城ノブ子委員から質疑があって答弁がありましたので、2番目の沖縄県で実施した少人数学級の実施状況、学校数、学級数、その教育効果は答弁がありましたから取り下げましょうね。それから、県教育庁で今後の実施状況、実施計画も御答弁ありましたから取り下げます。
 それで、少人数学級についてですね。まず、ヨーロッパ、アメリカ、いわゆる先進国で学級定数が現状はどうなっているか、御認識だったら説明してください。
○津嘉山朝祥教育長 文部科学省の資料から抜粋させていただきましたが、各国の学級編制基準はおおよそ次のようになってございます。
 まず、アメリカ合衆国は州によって基準が違っておりますので、例えばオハイオ州は25人、カリフォルニア州やケンタッキー州では学年によって25人から32名の基準になっております。イギリスでは30名、フランスでは35人、1年生は30人、ドイツでは24人から28人、ロシアは25人、中国は45人から50人となってございます。
○宮里政秋委員 我が沖縄県でも20人学級を実現している。教育長、これはおわかりですか。
○津嘉山朝祥教育長 少人数学級につきましては、当然皆さん御承知のように僻地小規模校多々ございまして、本県の1学級当たりの学級の人数というのは30名前後でございます。小学校が29.何名か、中学校で30名ちょっとでございます。したがいまして、僻地小規模でいきますと既に20人とか、15人とか、そういう学級は多々ございますので、既に実施している学校もあるというのは当然理解いたしております。
○宮里政秋委員 教育長、それはそれで別にいいんですが、私が言っているのは、法定定数として、国の政策として沖縄の基地内で学級定数は幾らになっていますかと。御認識ありますか。
○津嘉山朝祥教育長 基地内の小・中学校の学級編制基準については承知はいたしておりません。
○宮里政秋委員 これは十五、六年前ですから、今現在どうなっているかわかりませんよ。那覇市内の小学校長、教頭、教育委員会の指導主事、全部一緒に嘉手納基地の中に行ったんです。行ったら20人学級ですよ。しかも、体育館、プール、これ全部、我々の政府の思いやり予算でつくっております。我が沖縄県の子供たちは40人学級で、外国人が20人学級という実態が今から16年前、那覇市教育委員会が嘉手納基地の調査に行ったときです。私がそれを言うのは、教育長に、やっぱり30人学級の問題というのは本当にもう全国民的な課題になっている。先ほど伊波常洋委員から大変すばらしい提起がございました。児童・生徒の減を30人学級実現に生かすべきではないのかという提起がございました。そして今、この30人学級の問題では鳥取県で30人学級の実現ですね。それから、岐阜県ですか、25人学級、こういうふうに全国的に相当前進しているんです。これは実は教育長も御存じのように、文部科学省は公立小・中学校の学級編制の標準。正式には1学級の生徒数の上限を40人、これをかたくなに都道府県が要求してもだめだと言ってきたんです。ところが、これを弾力化して、都道府県で新しく40人以下学級編制でいいですよとなったんですね。これはもう皆さん御存じ。ただし、負担はしませんよと。必要なら学級編制はやっていいよ、国は金は出しませんよということではまずいんです。
 先ほど午前中の質疑で30人学級を実施したら大変な費用がかかるでしょう。45億円という話でしたね。だから、今全国的に、都道府県も含めて、国で学級編制が決まらなくても独自にやっているんですから。これは近々、近い将来、国の法律を改正していくという運動になるだろうと言われています。
 そこで、教育長にお伺いします。法定定数30人となっていますが、もっと正確に言うと財政負担を含めて国の責任で30人学級に踏み出すべきだと私は思います。いわゆる学級編制の標準、1学級の生徒、その数の上限を30人とする、このように法律改正をすべきだという運動を全国的に行おうではないか。津嘉山教育長、いかがですか。
○津嘉山朝祥教育長 まず、先ほどの米軍基地内の学級編制、資料が入りましたので追加をした上でお答えいたしますが、米軍基地内の学級編制基準、これは小学校低学年が20人程度、中学校が30人以内となっているようでございます。
 それから、教育の改革の柱の1つに標準法。これは公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律という標準法の中で学級編制の標準が定められておって、委員から御指摘がありましたようにこの標準をかたくなに国は堅持をして、都道府県にその裁量をゆだねていなかったということがございましたが、教育関連6法案の大きな1つとしてこの標準法を改正いたしまして、弾力化を図って、特に必要と認める場合、必要がある場合には都道府県の判断で編制基準を弾力化することができる旨の改正をいたしました。
 したがいまして、都道府県のそれぞれの事情によって編制基準を弾力化することは可能で、本県も1年生に限って必要がある場合はということで編制基準を弾力化いたしておりますが、その標準法本体の改正に係る話でございますので、これは現在進めております7次の配置改善計画、教職員ですね。この配置改善計画を一通り完結した後に、その後の我が国の教職員定数、学級編制基準をどうするかという一定の議論が必要になるだろうと思います。したがいまして、今の段階でこの編制基準の本体、標準法本体を私の方が言及するわけにはいきませんので、とりあえず私どもは弾力的な運用を積極的に進めて、1年生に限って本県としては弾力的な運用を充実させたいと今のところは考えております。
○宮里政秋委員 行政の責任者ではそういうことでしょうけれども、やっぱり津嘉山教育長が一番この実態を知っているわけだから。30人学級とすることの教育効果もちゃんと述べておられる。これはやっぱり全国的な教育者としての運動を展開すべきです。
 それで、現に少人数学級実施に我が県も踏み切ったわけですから、少人数学級の実施に要した県及び当該市町村の負担額は幾らですか。
○津嘉山朝祥教育長 先ほど委員からありました、まず本県が負担した額というのがございますが、これは、平成14年度、県が負担した額が約2200万円の負担をいたしております。これは6名の県費負担教職員に係る、かつ初任者の給与等を勘案して。ただし、実際の数は13名になっておりますので、その他については現在の定数を崩して、これに充ててございます。実際に県費負担は6名でございます。今回はその倍の県費負担が12名になりますので、したがって、費用もその2倍になる、4000万円余になりますということでございます。
 それから、各実施をしている22都道府県の状況がございますが、予算規模等々については、あるいは小学校1年生といいましてもどれだけの学級が30人を超えた学級で、かつその件にどれだけの人数を対応したかというのが見えませんので、この点についてはすぐにはできませんのでお許しをいただきたいと思います。
○宮里政秋委員 御説明ありますように学級定数を減らすとかいう場合には、やっぱり教員の増があるんです。増減員ですから、給与法に基づいて国、県の負担と。そういう意味では、市町村は30人学級あるいは少人数学級をやっても、当該市町村は負担は全くないと理解していいんですか。
○津嘉山朝祥教育長 現在の県が進めている少人数学級、30人以下学級等の支援につきましては、市町村については所要の負担は伴っておりません。したがって、県費負担教職員を増加して、その市町村の学級編制を柔軟に……。ただし、学級の維持管理等に係る市町村分の負担というのは多少は出てまいります。
○宮里政秋委員 今おっしゃるとおり、市町村からそういう意味で少人数学級を実現したいという要望があって、先ほどの20人学級の実施状況は御説明がありましたが、各市町村からそういう要求があるんですか。
○津嘉山朝祥教育長 市町村独自でみずからの地域の学校を少人数学級、30人以下で編制したいというような声は私どもの方には県内では届いておりません。
○宮里政秋委員 最後に1つ、通告しておりませんが、教育長、あなたは有能な方だから。
 実は私、こうして見ておりますと、14部局にまたがって質疑を展開してきましたけれども、中にはやっぱり女性課長さんとかがいろいろ立派に答弁されましたよ。先ほどの同僚議員の答弁でも、学校現場は7対3で女教師が圧倒的に多いでしょう。そういう意味で教育長は各市町村も指導して、それで、女性校長、教頭が随分出ていますよ。それは大いに結構。私は、行政の場に女性の行政職が少ないという感じがします。やっぱり男女共同参画条例というのが今度できるんですよ。
○翁長政俊委員長 あと1分です。
○宮里政秋委員 「方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることを旨として、行われなければならない」、これは稲嶺知事の提案なんです。私はこれは大賛成。だから、これだけ多くの執行部の皆さんの中に女性の専門職として企画に参画する、これは大事なことでしょう。だから、津嘉山教育長、そういう意味で女性の地位向上という意味でも、教育に対して一番現場で貢献しているのは女教師なんだから、それにふさわしい指導体制、教育行政としての実態をやっぱり保障する必要がある。通告はしていませんが、いかがですか。
○津嘉山朝祥教育長 今、私の後ろを振り向かない方がよろしいかと思うんですが、御理解いただきたいんですが、特に教育委員会、学校における管理者の登用については他県に比して積極的に、実は校長、教頭、管理職の登用を進めてまいっております。したがいまして、管理職の登用も、もうどこへ行っても女性の管理職と出会えるほど、小・中学校における管理者の登用率が高まっております。したがって、後ろにはおりませんが、教育の現場を支える学校の校長、教頭に今後も引き続き女性管理職が積極的に登用できるように進めたいと同時に、やはりそれを担うには、どうしても係長だとか、補佐、当然責任ある企画立案の地位に職員がおらなければいけませんから、積極的に職を開いて、男女の差別なしに積極的に登用を図っていきたいということでいきたいと。
○宮里政秋委員 学校現場で女性校長、教頭、管理職登用は沖縄県は非常にいい、これは評価して、県教育庁の指導を是とします。あなたの後ろに、まだやはり必要なんですよ。そのことを要望して終わります。
○翁長政俊委員長 以上で教育長に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、御苦労さまでした。
 審議の過程で知事の出席要求のありました件について理事会で協議をするため、暫時休憩をいたします。
   午後6時23分休憩
   午後6時44分再開
○翁長政俊委員長 再開いたします。
 理事会の協議の結果を御報告いたします。審議の過程で知事の出席要求のありました件について慎重に協議した結果、理事会として意見の一致を見ませんでした。
 以上、報告いたします。
 高嶺善伸委員。
○高嶺善伸委員 委員長、動議があります。
 あすは予算特別委員会の総括質疑の日程がきちんと組まれております。実は知事にぜひ出席していただいて、質疑をしたいと思っております。
 理由は、まず、普天間飛行場代替施設の15年使用期限の問題でありますが、新聞報道によりますと、15年使用期限問題は協議の対象にしないと日米両政府の間にあらかじめ協議がなされているという報道がございました。これは、日米地位協定の場合も沖縄の県議会や知事からの申し入れを政府はきちんと受けとめていながら、アメリカ政府に申し入れていなかったいきさつがございます。同じように15年使用期限問題についても沖縄の思いを重く受けとめていると閣議決定していても、日米両政府の間に申し合わせが密約としてなされていることも十分考えられます。
 そこで、その真意を知事はどのように政府に問いただしたのか、そのいきさつも含めてはっきり知事の口から答弁をいただきたい。
 それからDFS誘致問題については、本委員会でも自民党の幹事長がみずから大きな政策変更だということで知事の真意を問いただす経緯がございましたが、部長答弁ではなお納得できない様子でございました。したがいまして、我々は那覇新都心へ変更するというDFS誘致問題について知事の政策について改めて問いたいと思いますので、ぜひ知事の出席の取り計らいをお願いしたいと思います。
○翁長政俊委員長 ただいま高嶺善伸委員から知事の委員会出席を求める動議が出されました。よって、この際、本動議を議題といたします。
 本動議に関し、意見、討論はありませんか。
   (「なし」と呼ぶ者あり)
○翁長政俊委員長 意見、討論はなしと認めます。
 これより本動議に対する採決を行います。
 本動議は挙手により採決をいたします。
 なお、可否いずれにも挙手しないものは否とみなします。
 お諮りいたします。
 本動議に賛成の方は挙手をお願いいたします。
   (賛成者挙手)
○翁長政俊委員長 挙手少数であります。
 よって、本動議は否決されました。
 次回は、3月25日、午前10時から委員会を開き、各議案の採決を行います。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後6時48分散会