予算特別委員会



開会の日時、場所

  平成24年3月19日(月曜日)

  午前10時2分開会

  第7委員会室


出席委員

  委 員 長  渡嘉敷 喜代子さん

  副委員長  座喜味 一 幸君

  委   員  桑 江 朝千夫君   辻 野 ヒロ子さん

       嶺 井   光君   池 間   淳君 

       新 垣 哲 司君   照 屋 大 河君 

       新 里 米 吉君   渡久地   修君 

       前 田 政 明君   上 原   章君 

       糸 洲 朝 則君   瑞慶覧   功君 

       大 城 一 馬君   赤 嶺   昇君 

       當 間 盛 夫君   玉 城 義 和君 


欠席委員

       上 里 直 司 君          


説明のため出席した者の職、氏名

 知事          仲井眞 弘 多君 

 副知事         与世田 兼 稔君 

 副知事         上 原 良 幸君 

 総務部長        兼 島   規君 

 環境生活部長      下 地   寛君 

 文化観光スポーツ部長  平 田 大 一君 

 土木建築部長      当 間 清 勝君 


本日の委員会に付した事件

 1 甲第1号議案 平成24年度沖縄県一般会計予算


○渡嘉敷喜代子委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。

 甲第1号議案を議題といたします。

 本日の説明員として、知事の出席を求めております。

 これより総括質疑を行います。

 なお、総括質疑につきましては、3月16日金曜日の予算特別委員会において全会一致で決定した とおりであります。まず1点目でありますが、質疑者、質疑事項及び質疑の順番は、お手元に配付してある知事出席要求事項のとおりとする。2点目、各委員の 知事に対する質疑は、答弁を含めないで1人10分とする。3点目、重複の質疑を避けることになっておりますので、さよう御了承をお願いいたします。

 なお、質疑、答弁の順番といたしましては、まず初めに前田政明委員の知事に対する質疑と答弁を行い、以後、順次各委員の知事に対する質疑と答弁を行うことといたします。

 それでは、まず初めに前田政明委員から知事への質疑を行います。

 前田政明委員。

○前田政明委員 では、仲井眞知事に総括質疑をさせていただきます。

 最初に住宅リフォームの緊急支援導入についてというところから質疑したいと思います。

 これまでも本会議でもやってまいりましたけれども、お手元に知事が見えるようにA3に資料を拡 大しております。御承知のように、秋田県で住宅リフォーム緊急支援事業が行われまして、私どもも視察してまいりましたけれども、地元の中小零細業者が本当 に助かっている。そして、一定の住宅リフォームをやる場合に、秋田県の場合は20万円という形で補助、助成をすると。

 この表は、秋田県がやった、まず下のほうですけれども、交付額ということで19億1471万 9000円の予算で、工事費が291億4742万3308円というような効果が出ております。そして、この住宅リフォームをやる場合には地元の企業に限る ということも要綱で決められておりまして、そして中小企業の建設業やその他の団体がこの手続をすることができるということで、書類もそれぞれのいろいろな 団体ができるようになりまして、そういう面では中小業者の団体、中小建設業者そのものが住民の家を訪ねて仕事づくりをする、その中で雇用効果も大変出てき ているということで、私ども日本共産党県議団は秋田県に行ってまいりました。

 この間も質疑をしまして、土木建築部も係の方が行かれたみたいですが、波及効果もわかるけれど も、予算の関係でなかなか難しいというようなことを言っております。そういう面で、今のこの不況の中で、沖縄振興一括交付金を含めましていろいろある中 で、私はやはり地元の中小企業にしっかりと仕事を確保するという意味では、知事、ぜひこのことについて前向きに、実施する方向で検討していただけないかな ということで総括質疑を知事にしたいと思っております。よろしくお願いします。

○仲井眞弘多知事  前田委員の御質疑ですが、非常に興味深いことだとは思います。それで担当部でもいろいろと研究をさせていただいております。沖縄振興一括交付金でも対象に できないかということも研究していますが、この沖縄振興一括交付金は、大体この沖縄のテーストと言いますか、一般的なルールではなかなか合わせにくい沖縄 の特殊の環境条件とかいうことが一応、沖縄振興一括交付金を使う場合の前提と言いますか、そういうものになっておりますので、この沖縄の住宅について、い ろいろな意味で個性とか特殊なことというのは説明ができるのではないかとも思っております。もう少しお時間をいただきたいと思います。

○前田政明委員 この経済的波及効果については、知事、この資料を見て、どのような認識ですか。

○仲井眞弘多知事 この数字は、無論いただいた数字ですが、このとおりとすれば、かなりよい波及効果だと理解できます。

○前田政明委員  私はぜひ緊急支援事業としても、やはりもう実証済みなのです。特に沖縄の場合は鉄筋コンクリートを含めて、リフォームするにはかなりお金がかかります。そ ういう面で、本土でもやっている状況を踏まえて、住宅リフォームというのは雇用の経済的波及効果が最も多いのが、この住宅関係だと思うのです。そういう面 ではいろいろあると思いますけれども、沖縄振興一括交付金云々ではなくて、私は沖縄の中小建設業者の仕事を確保する、本当に若者の雇用を今すぐふやすとい うことで最も効果的なこの事業については、ぜひ予算措置をしていただきたいということを重ねて申し上げて、再度、最後の締めくくりで、知事、同じことにな りますが、もう一度前向きに、地元業者を救うということでお願いしたいと思います。

○仲井眞弘多知事  いいお答えをしたいのですが、もう少し研究の期間を下さい。確かに波及効果も大きい、中小企業ないしは工務店を含む住宅産業と言いますか建設業者に対する 効果は、かなりのものがあるという点は理解いたしております。ただ、いろいろな形で、どんな予算をどのように使っていくかを含めて、もう少しお時間をいた だきたいと思います。

○前田政明委員  では、識名トンネルにいきますけれども、私は土木建築部長にも言ったのですが、5億8000万円のお金があれば、この住宅リフォーム事業をやってくれない かと。やはりゼネコンには言いなりになって、契約約款にあるようなことも通さずに便宜を図るということとしますと、非常に対照的で、そういう面では、地元 の中小企業、建設業者に対して本当にどうなのかということが問われる問題としても見ております。

 それで、識名トンネルの問題につきましては、知事は直接、本会議での私の質疑に対しては、謝罪とかその他とかは言っておりませんで、ただ行政執行権に基づいて、地方自治法第177条第2項第1号に該当するので、再議にかけてやったということですが、改めてこの事件は大変深刻だと思います。知事の識名トンネルの問題に対する認識と今後の対応、まずここからお聞きしたいと思います。

○仲井眞弘多知事 先日、記者会見を行いまして、謝罪と今後の方針と言いますか、これについて議会に再議をかけた後、私はその午後、返還命令のあったお金を送付しました。その説明もあわせて謝罪の会見を行いました。

 なおまた、謝罪について知事は何も言っていないではないかという御趣旨の発言ですが、私は県議会でも申し上げましたし、県民を代表しておられる皆様のことですから、それとあわせ、そしてまた記者会見でも改めて謝罪をし、今後の対応を申し上げたところでございます。

 いずれにしましても、いただいた補助金については、これは返さざるを得ないという判断で、返納 と言いますか、返しました。そして先日、県全体で、もう一度、我々は基本動作も含めて、行政サービスの執行に当たっての、そしてまた公務員としての高いモ ラルと使命感を持って仕事をやっていこうということを全部局にわたって、これはしっかりと徹底し、必要な研修会もやっていこうという取り決めを行いまし た。これは全部局長と副知事、私も入った委員会を立ち上げております。

 そして、今度の識名トンネルに係る問題につきましては、これを、第三者委員会の御報告もいただ いておりますが、これも踏まえ、きちんとこれからの対応、そして我々自身、私自身を含む処分、そしてあと賠償の義務がどれぐらい、どのようにあるのかを含 めて、きちんと整理をし、約3カ月ぐらいかけてまとめてまいりたい、6月をめどにまとめたいと考えております。

○前田政明委員  今度のこの事件と申しますか、虚偽契約問題については、発端は23億円、47.2%の低入札だったというようになりますけれども、この決裁権者は知事です よね。そういう面で本当に23億円でできるのかということを含めて、この入札、落札を知事が知事権限でやっておりますけれども、この問題に対してはどのよ うに責任を感じておりますか。

○仲井眞弘多知事  この案件は国際入札対象案件でして、一般的には非常に激しい競争で低価格入札の傾向が強く出てくるものではあります。それで、かなり低い状況ではありまし たが、応募してきたところを、これは3者のジョイントベンチャーでしたから、きちんと私どもは経営の調査、技術的な調査も行い、可能であるとの判断をいた したところでございます。

○前田政明委員  そこのところで非常に大きな問題がありますけれども、与世田副知事にお尋ねしますが、私の質疑に対して、公文書偽造その他で訴えるべきではないかという議 論の中で、その他犯罪と思ったものがさまざまな場面で告訴告発があるだろうし、警察自体も一応重大な関心を持ちながら調査はしていると、このような形で 伺っておりますので、そういう意味で、そういう手続の流れを待ちたいということで、これは警察そのものも虚偽事件、その犯罪として捜査をしているという認 識ですね。

○与世田兼稔副知事 私のほうでも県のほうから関心を持っているというお話を聞いたのを答弁しただけであって、その後どのような形で手続が進むかということに関しては、県は直接的には関知、関与しておりません。

○前田政明委員 いや、私の質疑に答えていないですよ。

○与世田兼稔副知事  警察のほうで重大な関心を持っているというような答弁を受けた、私のほうとしては、警察が重大な関心を持っているということですと。ですから、関心を持っ た後の警察の動きについては、多分流れとして、動くなら動くでしょうという、そういうようなことですから、県がさらに加速させるような形の関与をするとい うことは現時点では考えておりません。

○前田政明委員 事件としては、構成要件を含めて、公文書偽造、虚偽公文書作成罪、これらの要件というのは、弁護士ですから、どういう場合に該当するのですか。

○与世田兼稔副知事  まず公文書偽造罪というようなのは、まず主体を偽るということですから、まず沖縄県の知事の名前の中で契約をすると、こういうような形の偽りを権限がない ような方が作成するということですから、その点については、本件は沖縄県のほうで業者と契約をしておると、そして県知事名で補助金を申請していると、この 事実自体については、いわゆる主体を偽ったり契約を偽ったりしているということはございませんので、公文書偽造罪には当たらないと考えています。

○前田政明委員 大変大事な発言ですね。すなわち、県庁ぐるみの官製談合と言いますか、虚偽に当たらないのだと、これは知事も含めて了解のもとでつくられた文書なのだという意味ですよね。

○与世田兼稔副知事 県の行政の仕組みの中で、当該契約にかかわる県の決裁権者ってありますよね。まず本件において決裁権限者は部長でございます。部長が請負工事契約を締結しておりますけれども、決裁権としていただいておりますから、県知事の名前で決裁をしているということでございます。

○前田政明委員 ですから、これはうその文書ではない、虚偽の文書ではない、県の意思として、県庁の意思として決定しているので、これはいわゆる虚偽の公文書に当たらないと、真実なる文書だということですよね。

○与世田兼稔副知事 公文書ではあります、公文書でありますが……。

○前田政明委員 虚偽の公文書ではないと。

○与世田兼稔副知事 きちんと知事の決裁を受けていますから、いわば公文書偽造には当たらないと、こういうことです。

○前田政明委員 まさに、本当に官製ぐるみと申しますか、そういうような形になっているのではないか。

 それで、副知事はどちらかというと業者にやられた、押し切られたというようなことがありますがと、重大なミスであったと、刑事事件等大変大きな問題があると思いますがということも、この辺、答えていますけれども、いわゆる業者に押し切られたという認識はあるのですね。

○与世田兼稔副知事 本件の場合、業者に押しつけ、押し切られたということではなくて、第三者委員会の記録をきちんと読んでいただければわかるかとは思いますけれども、請負土木工事というものは、工事の特殊性で、工事の途中、途中で追加工事が入る場合が多々あります。

 本件の場合で申しますと、当初、地盤対策工事も設計の中に予定しておりましたが、3センチぐら いは対策として思っておりましたが、本件の地盤の弱さ、上のほうに建っている住宅、それから水道管の径、大きさ等々から、さらにもっと強度な地盤沈下対策 工事が必要というようなことから、穴を掘って進行していますけれども、トンネルが全部貫通しない状況ですよ。進行、掘っている途中において配水管がある。 その段階では工事をとめて、そして、さらに強度のある、いわば地盤対策工事をしているというような追加工事があったりしています。

 それから、夜間の工事も本来は工事として認めておりましたけれども、近隣住民から夜間の工事は うるさいからやめてくれという要請がありまして、夜間工事もやめました。トンネル工事の、今回、無導坑方式というようなものは、大きなトンネルの工事で進 んでいきますから、その機械の損料と言うのでしょうか、賃借料と言うのでしょう、これが高額ですから、夜間の工事ができなくなるということは経費的な増と なっております。金額的な正確な検証はできていませんけれども、業者の言い分だと、この工事のおくれだけで約3億7000万円あるやの主張もあります。

 それから、全然予期しないところに防空ごう跡が出てきまして、それに水平な工事で注入するというような工事まで入っています。

 こういう一連の追加工事を、その場その場の工事担当者、南部土木事務所の担当者ですけれども、そういう方々が逐次明示をしながら、そして明示をしている人間は、建前の世界では、このきちんとした積算金額に47%掛けたら業者も受け入れていただけるだろうという信仰が あったのですけれども、あそこも担当者レベルは了解だったのですが、経営側のもっと上部の側からは、こんな金額とは異質な工事だ、請負工事の中に含まれて いない全くの別工事だから、これに47%掛けることは、それは応じられませんよと、もう明確な答えがあったこのぎりぎりの段階で、お金をどうやって払いま しょうかという担当者の、いわば一つの工夫、妥協として、いわば追加工事の工種を取り出した随意契約になったというような形でございますので、この一連の 過程の中に、私のほうから見ましても、犯罪的な要素はあるとは思っておりません。

○前田政明委員  私の答弁に対しての質疑、追加工事をやるに当たって、御指摘の47%の掛け率のやり方をせずに、いわば業者にやや押し切られたというような形で全額の随意 契約をしたという点は大変大きなミスがあると。そして、そういう意味で私どもとしては刑事事件として、大変問題はあると思いますけれども、刑事事件になる とは思っておりませんというようなことで、告発は考えていないということでした。

 それで、まあ、押し切られたと。それで、この業者に対して、不当利得と言いますか、いわばきちんと返還請求を求めるべきだということを私どもは求めてきましたけれども、この点についてはしっかりと対応していかれるのですよね。

○与世田兼稔副知事  第三者委員会の指摘の中で、このように言っております。県が若干主導したとはいえ、大成建設ジョイントベンチャー―大成JVも虚偽の契約であることを認識 しながら契約書の作成にかかわったものである上、公共工事に携わる者としては、虚偽の契約書や完了届け出によって県が公金を支出できないことは当然に理解 していたものと考えられる。大成JVの責任は軽視できるようなものではないと。また、現実に支払われた金額の適正さについては適切な検証はなされていない というような指摘を受けておりますので、私どもとしては今後、業者に対する返還も、幾らぐらい返還するのが適切かも、新たに顧問弁護士、あるいは、さらに この事件の処理ができる専門的な弁護士と相談をしながら、改めて、対応としては、今、急ぎ検討を始めるという予定でございます。

○前田政明委員 後で他の委員もやると思いますけれども、議会で問われないようにしたという形での、皆さんの組織的な対応については、これは認めるわけですよね。

○与世田兼稔副知事  私の表現の中に、認めるかのごとき答弁というのがありますけれども、これは第三者委員会自体が、いわば県の体質を批判するところに、5億円を超えるものは 議会の決議を要すると。ですから、それを超えないような範囲内で処理しましょうというようなことが伝えられている―指摘を受けた。こういう点を受けて答弁 しているのですけれども、実態上、本件の工事に関して、もう一度、再度調査をいろいろしましたところ、積算した金額それ自体は4億5000万円でございま したので、そのような意味では御指摘のような、議会を外すような意図的な操作というようなものは、本件の事案の場合にはなかったというように、今、判断し ております。

○前田政明委員 私は100条委員会が必要だと思いますが、大変失礼なことをお聞きしますけれども、皆さんは大成建設から、もてなしを受けたことがありますか。三役を含めて、部長まで御答弁をお願いします。

○与世田兼稔副知事 私が副知事に就任する前のことでございますので、ありません。

○仲井眞弘多知事 全く記憶にありません。

○上原良幸副知事 全くございません。

○当間清勝土木建築部長 ございません。

○前田政明委員  32軍司令部ごうの問題ですけれども、沖縄戦のキーワードがことごとく削られていくと。翻訳で捨て石という表現まで削っていくことになっておりますけれど も、知事、知事の沖縄戦の認識も踏まえて、この一連の従軍慰安婦、それから住民虐殺、捨て石、これを事実上葬り去るということになりかねないことに対し て、私は大変危惧を持っているのですけれども、どういうことでこんなことをしているのでしょうか。

○仲井眞弘多知事 県の平和祈念資料館であるとか、県の発行している資料の中には、おっしゃったような虐殺的な表現、慰安婦に係る話、捨て石のところは、私、余り記憶にありませんが、いろいろな形で記録には、散見と言いますか、載っていることは私も知っております。

 ただ、この32軍ごうの中の記述ないしはその掲示板、説明板の中に、これらのための象徴的な場所というように読めるかどうか、考えるかどうかという点では、もし前田委員が書けとおっしゃったとしても、これは見解の相違だと思います。

○前田政明委員 その否定をする根拠は何ですか、根拠。

○仲井眞弘多知事 根拠は何かと。これは担当部長が何度かお答えしているのですが、32軍ごうの中の関連で、虐殺であるとか慰安婦の話というのが、確たる証拠、確証がないということを何度も答弁いたしております。それが理由でございます。

○前田政明委員 住民虐殺があったという証言はありますけれども、ないという証言をどのようにして検証するのですか、環境生活部長。

○下地寛環境生活部長 私は住民虐殺がないということを言っているわけではありません。32軍ごうに関連して、記述では、その周辺でという表現で書かれているわけですけれども、住民虐殺自体を否定しているわけではありません。

○前田政明委員 だから、その周辺であったという証言がいっぱいあって、それを、ないという証言をどうするのかと聞いているのです。

○下地寛環境生活部長  私も、住民虐殺については14件ぐらいの証言とか、それから書籍を見て判断したわけですけれども、おおむね首里周辺で起きただろうと、これはもう証言から 推察するわけですけれども、1件もしくは2件、それは場所的に、師範学校の田んぼというのがかなり確証を持てるものだと思っており、32軍ごうというよう な形にはならないと思います。

○前田政明委員 今のは本当に許せないです。要するに、ないという証言があるのか。ほかは皆あるということなのです。なぜそれを否定するのか。

○下地寛環境生活部長 ないという証言をあえてすることは余りないと思いますけれども、ただ一つ、これは軍関係者の証言として、沖縄の女性スパイ事件、聞いたことがないというような証言はあります。

○前田政明委員 では、それは沖縄戦研究の中で、どのように証明されているのですか。

○下地寛環境生活部長 ないという証明は、証明できないと思いますけれども。

○前田政明委員 本当にそういうことなんですよ。だから、あったということしかないので、本当に許せない。

 もう一つ、従軍慰安婦のことですけれども、お手元にお配りしております球部隊のこの命令録、この中に、いわゆる若藤、それから偕行社、含めて、この34名、これはもう歴史研究の中でも慰安婦の組織であるということははっきりしているわけで、これできちんと命令書で、いたということがはっきりしているのではないですか。

○下地寛環境生活部長 若藤とか偕行社の皆さんを慰安婦と呼べるかどうかは、私は確証は持っておりません。

○前田政明委員 あなたの確証ではなくて、これは沖縄戦の積み上げとしての問題ではないですか。

○下地寛環境生活部長 私が読んだ資料の中では、この若藤とか偕行社の皆さんを慰安婦と呼んでいるところはどこにもありません。芸妓とか、遊廓のという形の表現はございます。

○前田政明委員 いろいろなこじつけで、捨て石を含めて、沖縄戦の大事なことを、沖縄県知事の判断を含めて、このようなことをやることは許されないと思いますけれども、知事、改めて、もとに戻すべきではないかということに対してお答えをお願いします。

○仲井眞弘多知事 捨て石のお話とか、今おっしゃった虐殺の話とか、慰安婦の問題、これはいろいろな問題の取り上げ方、切り口はいろいろあろうかと思いますので、共産党の前田委員のおっしゃるような取り上げ方で正しいかどうかということは、私は必ずしも賛成できません。

 それは、32軍ごうは、あそこに司令部があったという、まずその事実を言うことが大事だと私は考えております。だからといって沖縄戦全体のことをノーだとか、私、否定しているわけではありません。あなたが私を決めつけるほうがおかしいと私は思っているのです。

○前田政明委員 そんなことはない。

○仲井眞弘多知事 決めつけているではないですか。

○渡嘉敷喜代子委員長 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 先に1点目、観光に関する知事公約ですけれども、観光客1000万人、1兆円という公約の期限はいつなのか、お聞かせください。

○仲井眞弘多知事 私が1期目に県知事に当選しました平成18年の秋口から10年を目標ということで、私は観光入域客数1000万人、1兆円というものを掲げました。

○赤嶺昇委員 そうしますと、これは、この間答弁があったんですけれども、平成28年ということで理解してよろしいですか。

○仲井眞弘多知事 平成28年を当初の目標として掲げました。

○赤嶺昇委員 平田文化観光スポーツ部長にお聞きしますが、1000万人、1兆円の目標値は、第5次沖縄県観光振興基本計画の中で平成33年ということで、先日、答弁がありましたが、御答弁ください。

○平田大一文化観光スポーツ部長 第5次沖縄県観光振興基本計画案におきまして1000万人目標達成ですけれども、平成33年度に設定をしております。

○赤嶺昇委員 知事公約の平成28年と、今回の第5次の観光振興基本計画について、整合性についてお聞かせ願いますか。

○仲井眞弘多知事  確かに私は当初、平成28年を目標といたしました。1000万人の旗は全くおろす気はありませんが、ただし、残念ながらタイミングにつきましては、やはり あれから後のリーマンショックでありますとか、その後の新型インフルエンザによる旅行客の動きがとまった、そしてあとデフレスパイラルに入った、さらには 去年の3・11の東日本大震災、そして円高など、いろいろな世界的な大きな仕組みの変化など、そして大自然災害が発生いたしまして、残念ながら今、つまり これから約5年後を1000万人とするには、かなりきついというのが現実でございます。したがいまして、タイミングにつきましては5年後ろへずらしてござ います。

 ただし、プラス面もいろいろありまして、新石垣空港の開港であるとか、クルーズ船のバースその 他が整備されてきたとか、それからかえって中国とか新しいアジア諸国の台頭が目覚ましいということで、海外観光客数の伸びは我々の予想を超える可能性があ るなど、実はプラスマイナスございます。そういう中で、私は5年後ろ倒しをしていくことのほうが、より実現可能な目標かなということで、今度の観光審議会 の先生方の結論に私も賛成しているところでございます。

○赤嶺昇委員 今、5年後にずらすということで、目標値1000万人と1兆円は変えないということ、私はそれは大事だと思っていて、今、外的要因も含めて説明されたので、公約については、期限については事実上変更ということで理解してよろしいですか。

○仲井眞弘多知事 公約の変更という表現よりも、今申し上げた理由によりタイミングが後ろへずれるというのが現実的だろうということでございます。

○赤嶺昇委員  先日、新聞でも、那覇空港の平行滑走路の早期整備とか、精力的に動いていることはもう評価しているところでございます。ただ、一方では知事が公約で10年 間、1000万人、1兆円というのは、やはり県民の頭の中に残っているのです。これは、やはり県民との約束だと私は思うのです。

 何も5年を延ばしたことがすべて悪いとは私は言っていないですよ。やはり県民との約束を公約として掲げた以上は、県民に対してもしっかり、平成33年が目標だということを明確に、2つ残っているような感じがあって、そのあたり、いかがですか。

○仲井眞弘多知事  委員御指摘のような御指摘もあり得るとは思いますが、ひとつぜひ、1000万人に向かってしっかりやっていくという努力は惜しまないし、やはり世界的なシ ステムの中の変化が発生すると、これは前倒しならよいのですが、どうしても今回は後ろ倒しになっていかざるを得なかったという点は、これから観光審議会の 先生方もお決めいただきましたし、私のほうでも、もしどうしてもこの5年後ろ倒しというのを説明せざるを得ないときには、委員のおっしゃったこともけんけ ん、よくよくのみ込んでやってまいりたいと思います。

○赤嶺昇委員  何も意地悪で言っているのではなくて、現実的な数字として、この期限として言っておられるので、県民にとってはわかりやすいです。稲嶺知事の場合は、すば らしい公約を掲げたのですけれども、何となく、それができたのかできないのかがはっきりわからないという点が、私は議会にいて、私自身は感じたので、知事 自身は、仲井眞知事のよいところは、数字を明確に出して当選をされたことだと思うのです。

 ですから、この数字が結果的にずれたりするということは、しっかり県民に説明をしながら、そこに向かっているということを、今後、やはり私は素直に出したほうがよいと思っていますので、ぜひ頑張ってもらいたいと思っています。

 続いて2番目に、企業局の人事についてでございます。今回、仲田局長がまたかわるということな のですが、率直に言いますと、やはりどうしても、毎回ではないのですが、総務部長の指定席という認識感情を私は受けております。今回も総務部長がその指定 席に着く予定かどうかをまずお聞かせください。

○仲井眞弘多知事 今回もと言いますか、今回は現総務部長を後任に考えております。

○赤嶺昇委員 少しわかりにくいのは、時には局長の人事が2年であったり、仲田さんは今度1年でかわるということなのですね。その何か理由みたいなものがありますか。

○仲井眞弘多知事 人事はおっしゃるようにあれですが、ただ、その時々の要請、そして適材適所の人事配置というのは、その時々で要請、要求がありますから、その要求を踏まえて私のほうで考えていくということでございます。

○赤嶺昇委員  人事なので、なかなか知事も答弁しづらいと思うのですけれども、適材適所以外なかなか答弁しづらいのですが、私は、この企業局で技術屋としてしっかり頑 張っている職員も、今後、やはりこの中から将来、局長になり得るという部分も検討したほうがよいのではないかと思うのです。

 これはなぜかというと、一生懸命頑張って、将来やはり局長として頑張りたいという職員もおられると思うのです。そのあたり、知事、いかがですか。

○仲井眞弘多知事 おっしゃるとおりです。

○赤嶺昇委員 それぞれ能力のある方が局長になっているかと思うのですけれども、やはり企業局内の職員も頑張れば局長になれるという目標を持たせていただけるとありがたいと思っております。

 続いてですが、識名トンネルの件でお聞きします。早速、知事三役でそろって謝罪をされたということは評価するところでございます。県民は、やはりこれだけ、5億8000万円の返還金については非常に興味を示しております。

 ただ、残念なのは、この謝罪会見が載っているその日に、組織防衛に終始とか、あと知事の認識、県民とのずれということで、もう両紙に、県内2紙の中でそれぞれ載っているのです。それについて見解をお聞かせください。

○仲井眞弘多知事  私、その次の日の両紙の記事、実はきちんと読んでおりませんので、わかりませんが、もしそういう表現で載っていたとすれば、まことに残念としか言いようが ありません。我々は議会でも申し上げましたが、何も逃げも隠れもいたしませんし、きちんと対応をしてまいりたいということでございますので、ひとつぜひ御 理解を賜りたいと思います。

○赤嶺昇委員 また、その中で少しお聞きします。会見で謝罪もしたのですが、事業の妥当性を主張したとありますが、それについてお聞かせください。

○仲井眞弘多知事  先日の記者会見におきましては、補助金を返済しましたという御報告と、その説明と、そしてそのよって来るゆえんを御説明するという会見だったわけでして、 都市型のああいうトンネルが、いかに神経を使いながらやる工事であるかということは、改めて、また40年ぐらいかかった、ようやく実現したものですから、 その難しさ、そしてその神経の使い方を、我々は、副知事でしたか、御説明をしたということでありまして、何も釈明というか、そういうことよりも、現に補助 金を返還せざるを得なくなったということについては謝罪と、そしてあのトンネルの工事の性格について説明をさせていただいたということでございます。

○赤嶺昇委員 今回の返還金は、一般財源からの返還は当然だという認識かどうか、お聞かせください。

○兼島規総務部長  国庫の返還でございますので、本来ですと、国庫で返還できればよいのですけれども、国庫で返還するわけにいきません。そして、もう一点は起債事業、借金で 返すという手がございますけれども、これは起債事業でもないものですから、やむを得ず一般財源で返したということでございます。

○赤嶺昇委員  それでは与世田副知事にお聞きしますが、今は行政上の手続で国庫返還できないので一般財源ということですが、県民という視点でとらえたときに、今回のこの 一連のいろいろな手続の不手際の問題も含めて、これは県民負担を血税で出すということは、与世田副知事は当然だと思っていますか。

○与世田兼稔副知事  まず、沖縄県として当該事業について御理解いただきたいことがありますという、それが事業としての説明責任と考えているわけです。本件の場合に、トンネル 工事として進めてまいりましたけれども、先ほど御説明申し上げましたとおり地盤沈下対策工事が改めて出てきました、せざるを得ませんでした。夜間工事中止 というような地域住民の要望にも応じなければいけませんでした。防空ごう工事がある、その対策工事もせざるを得ませんでした。それから坑口付近の強化工事 もしなければいけませんでした。

 こういうような一連の追加工事が現場の指示、指示で入った場合、民間の世界であれば、この追加 工事に関する業者としての請負工事金の支払いは必ずしなければいけない。このしなければいけない金額の議論は、最終的には建設紛争審議会にかけ、といって も、そこでも解決がつかない場合には、しょせんは裁判になるという流れなのです。

 ところが、県の行政、国の補助金をいただく大きな流れの中で言うと、この追加工事も補助金とし て支払われるべき対象にはなっておるのですけれども、総括一括払いと言うのでしょうか、工事が終わったときにお金を払うという仕組みになっているものです から、この追加工事の流れが、国の側で言うと、県の予算のシステムの中できちんと47%掛けるということで応じていただける業者がこれまで圧倒的多数だっ たのですけれども、そのような方々でおありであれば、さして問題なく、そのとおりの報告をして予算をいただいたのですけれども、今経過で何回も説明してい ますように、事業の規模が大きい、地盤沈下対策工事の予算も大きい、待機も大きかった。さま ざまな予算を組み合わせてくると、なかなか県の47%を掛けるということだけで、大規模の事業者でありますゼネコンの大成建設株式会社は、弁護士も出てき まして、こういうものは本体の工事の契約の中には含まれていない別途工事だから、それでということで協議がなされてきたわけです。

 担当者としては、担当者が工事をしているのは、沖縄県の予算が来ること、そして真地久茂地線識 名トンネル工事も、いわば国庫事業としていただいていることですから、その国庫事業としての事業補助金がいただけるような処理をどのような形でやったほう がよいのかという中で、いわば説得の手法としてこの手続がよさそうという処理の仕方をしてしまったということが、会計検査院からはきちんとした契約になっ ていない、ルールどおりの支払いになっていないから御指摘を受けて、不適正な経理処理ということになった次第でございます。

 ですから、私どもとしては一般財源で処理するという言い方は、返還命令を受けた以上、出てくる財源は、一般財源でしかありませんので、一般財源でお支払いせざるを得ないと、ただそういう経過を述べているということでございます。

○赤嶺昇委員 説明がちょっと長いのですが、この間僕らは議会でも聞いていますけれども、要は5億8000万円をもう返還されたのでしょう。

○与世田兼稔副知事 しました。

○赤嶺昇委員 それはしましたよね。だから、県民が知りたいのは、その県民負担は当然か、当然ではないかを県民は知りたいと思うのです。それはどうなんですか、仕方がないことなのか、そこを聞きたいのです。

○与世田兼稔副知事  まず、私も法律家ではありますけれども、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律というものは我々が日常的に使う法律では全くありませんで、県の行 政に座って初めて開いた法律なわけです。この法律の中で、いわば補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の命令というものは、ある意味では命令それ 自体が、もう裁判の要らない、執行力を持った、税金で言うと、すぐ取れるような形になっているわけです。

 ですから、私どもがこの命令をほったらかしにすると金利もつきます、さらに状況によったら加算 金もやります、国は補助金から相殺しますというような形の流れに放置するわけにはいかないと。やはり、まず命令は命令として厳粛に受けとめて、私どもは返 還の処理をいたす。そのための議会の手続をいただきましょうという形で、淡々とここまで処理をしてきたという次第でございます。

○赤嶺昇委員 これは仕方がないという理解でいいのですか。

○与世田兼稔副知事 流れとしては、議会の手続上、やむを得ない手続だと考えています。

○赤嶺昇委員 今回の一般財源からの負担というものは、県民の理解を得られると思っていますか。

○仲井眞弘多知事  議会を含め県民の皆様に理解を求めてまいりました。そういうことで赤嶺委員は、まだこれでは理解は得られていないという御趣旨であるとすれば、我々は最大 限努力をしてまいりますが、今るる副知事が申し上げた事情ですから、残念ながら、まず返還はせざるを得ないと言いますか、もうそれでやらせていただきまし た。これをこのまま、また高い金利もついてきます。一たんこれはお返しをして、そしてこれから約3カ月をめどに、原因の究明、それから再発防止、そして 我々の処分、さらには、これは一体この相手側業者と言いますか企業から、我々は、ある程度の返還と言いますか、要求ができるかを含め、県民がこうむる額に ついては、そして我々の賠償責任はどれぐらいの量があるかも含めて、きちんとやってまいります。その額をなるべく小さくしていくことも含めて、ぜひあと 二、三カ月の猶予を下さい。いろいろまとめて、対応方針も決めて実行してまいる所存でございます。

 無論、県の仕事として、県民にマイナスのことを与えたまま、我々はほおかぶりだとか、我々はそ のまま謝罪もしない、対応もしない、再発防止もしない、また、ある意味でいろいろな形で、その遺失利益と言いますか、我々が失った分を、我々の努力でもっ て、あらゆる仕事の面で効率化をし、きちんとした形で県民が理解し、御満足いただけるようなことを、時間はかかっても、我々は取り組んでまいる所存でござ います。

○赤嶺昇委員 私は今回の識名トンネルの件で、知事のコメントで、今のコメントが一番すばらしいと思いますよ。基本的に一般会計から出したことに、私はまだ納得はしていません。しかし、一たんお返しをすると。それは行政手続上はありますよ、今までの説明で。

 ただ、しかし、あと3カ月ぐらいの中で、責任の所在を含め、なるべく県民負担を極力少なくする という、この気持ちが私は大事だと思うのです。それを今後、いろいろな調整をする中で、これを県民にしっかり示していくということは、そこが、やはり県民 の皆さんが注目しているところだと思っております。

 そこでお聞きしたいのは、この3カ月という話をされているので、私は今回の一般会計は、仮に一たん、一般会計からの立てかえ払いだという認識をしているのです。その中で、この認識がまず一緒なのか。

 もう一点は、今後、責任の所在を明らかにする中において、どういう方法なのかわからないですけれども、かかわった職員なのか、その皆さんにも応分の負担も出る可能性もあるかどうか、お聞かせください。

○仲井眞弘多知事 立てかえ払いという表現は、委員の表現としてあれかと思いますが、ちょっとそういう感じとは少し違うのではないかと思います。我々は返還命令に応じて一応補助金を返すということです。

 ただし、今おっしゃったように、県民に損害と言いますか、御心配もいただき、大変申しわけない という気持ちも、我々しっかり、無論持っていますし、この約5億何千万円になるものを何とか、関係した企業を含めて、ある程度これは責任の一半を持って返 していただくとか、しかし、これはちょっと詰める必要がありますので、これも少し時間を下さい、そこもきちんと詰めます。そしてやっていきたいということ でございます。そこら辺で可能な限り、県民が今被害をこうむった形、そのままになっているわけですが、これを小さくするということは、我々はしっかりやっ てまいりたいと思います。

 そしてもう一つは、今のこの責任の所在、私も含めてですが、職員も含めてどのようになるかも、 これも我々は、もう少しお時間をいただいて、どういう形になるかも含めて、我々自身の責任はしっかりやっていきたいと、県民が納得いく形で責任を全うする ということは理の当然だとも考えております。

○赤嶺昇委員 今、知事の答弁で、業者の負担、これはまだ決まっていない、今後まだ詰める必要があるということですけれども、職員の責任も含めて、場合によってはそれなりの負担も出てくる可能性もありますか。もう一度お聞かせください。

○仲井眞弘多知事  そこのところは、まだはっきりした返事ができません。これは関係した職員の法的な責任がどこまでか、どういう内容かも含めて、これも厳密に詰めなければい けません。これは我々三役も含めてですが、そこのところは、今きちんとした形でお答えすることは、やはり少し時間をいただいて詰めた後にしていただきたい と考えております。

○赤嶺昇委員 それでは、先日、マスコミ報道で、業者に負担を求めると。それで、ある程度の概算の予算も出てきましたけれども、改めてこの数字と、その方針が決まったのかどうかも含めてお聞かせください。

○与世田兼稔副知事  第三者委員会のほうから、建設業者に対して代金の返還を求めることの可否という指摘の中で、まだ金額等については御意見もいただいていない中で、まず全額 の中の一部の負担にするのかどうかという点も含めて、弁護士と相談しながら、今後、請求するべき額も、ある意味では弁護士の意見を踏まえて、その報告を受 けて、県の三役で了承した形で、いわば返還等の交渉から始めていただきたいと。いきなり裁判ではなくて交渉、調停という、やはり県に仕事をいただいた方々 ですから、いわばそれなりの御尊敬申し上げた手続等はとっていきたいと思っています。

○赤嶺昇委員 改めてお聞きしますが、業者へ返還金を求める根拠をお聞かせください。

○与世田兼稔副知事  まず基本的には、私のほうで賠償請求を担当するということではありませんので、依頼する弁護士さんが理詰めに検討せざるを得ませんけれども、まず基本的に は、恐らく県の請負工事契約に伴う追加工事なり別途工事が発生した場合には、47%の掛け率があるということは承知した上で仕事をしているのではありませ んかと。ですから、そういう中で、ちょっと予算がかかったとしても、それは低落札工事という宿命上、赤字になることはもうやむを得ないようなところだか ら、ノーと言わないで受けた以上は、基本的には47%ということで契約は成り立っていると考えるべきではないですかということが第1番目。

 その契約のルールについて拒否をした、おかしいというような形は業者と。業者の言い分に応じて 調印という形はとったけれども、結果として、現在、会計検査院から指摘され、そして、いわば沖縄総合事務局から具体的な金額の返還を求められ、県議会を含 めてですけれども、この契約としての全額返還の処理に関しては、やはり何か不明朗である、おかしいところがあるではないかと指摘を受けているわけでござい ますので、当然、今言った契約の仕組みの中で、業者にも47%以上の問題について、行政で国から返せと命ぜられたときは、やはり自分たちは受け入れる権利 はないのではなかろうか、あるいは承知していたのではなかろうかというような、いわば契約処理上の義務違反という構成は、まず浮かぶのではないかと。

 ただ、県の監査委員会の答え自体は、全体の工事で適正な金額はどういう点ですかという点も含め て、第三者の機関に審議を仰ぐべきではないですかというから、ちょっと筋は違うかと思いますけれども、そういういろいろな意見があることを踏まえて弁護士 に処理をお任せしたいと考えております。

○赤嶺昇委員 先ほど前田委員の質疑の中で、第三者委員会の指摘に基づいてということもあったのですが、それも間違いないですか。

○与世田兼稔副知事 第三者委員会の指摘も含めながら、業者への返還請求という点も、県としては、この大きな責任のとり方としては選択をして進めていく予定ということです。

○赤嶺昇委員 先ほど、これも前田委員からあったのですけれども、議会回避ということも第三者委員会から指摘されていますよね。それについてはどうですか。

○与世田兼稔副知事  第三者委員会の意見の中に、何か議会を回避するような考えを持っているというような動きもあったのではないかという指摘を受けて、私はそれらしき表現を答 弁しているようですけれども、現実に各工事担当者の報告を伺ったところによると、追加工事の金額は、どのように積算したとしても5億円未満であったという ことですから、いわゆる5億円を超えた工事を未満にして随意契約をしたという処理ではなかったということが確認されておりますので、事実のとおりの答弁に 訂正させていただきます。

○赤嶺昇委員  この識名トンネルも、6月に向けていろいろ、しっかり調査をしていくということですが、再発防止について、先日、職員を集めての研修をやられたということ で、今後、組織内でそのチェックをする体制をつくるということですけれども、その実効性についてぜひお聞かせください。

○与世田兼稔副知事  沖縄県は、この問題に関しては、今後、沖縄振興一括交付金を含めた、沖縄県のほうで国庫の補助金をできるだけ管理をしながら使うという問題のやさきに、補 助金の申請のあり方について問題を指摘されたと。これは深く、大変重大な問題と考えまして、第三者委員会に調査を依頼した次第でございます。

 そういう中で、指摘を受けた内容の中で、私どもは着々と手続をとっていますけれども、まず知事 を本部長とする行政監察本部を立ち上げました。これでさらにいろいろ詳しいことを、問題に取り組んでいきますけれども、それとは別途に、訓令を初めとし て、各職員に対する法律的な問題点についての各研修、そして設計の変更のあり方、施工変化の増額の協議のあり方と、指摘された各場面について、どのような 形で問題が二度と起こらないかということを、土木建築部で言うと末端まで、研修体制でコンプライアンスの充実に努めていくと。それは、単に土木建築部のみ ならず、現在は全庁体制で取り組んでいくということで、前向きに頑張っております。

○赤嶺昇委員  行政監察本部はよいことだと思うのです。ただ、みずからの組織をみずからの中でつくるということだけではなくて、第三者委員会も今回いろいろ指摘されてい るのですが、やはり外部に客観的にチェックをしてもらうという体制も、その行政監察本部の中で今後必要だと思うのですけれども、知事、いかがですか。

○仲井眞弘多知事 スタートいたしました委員会、しっかりと各部、今土木建築部、農林水産部、こういう工事中心に仕事を一生懸命やっている部局を中心にまずスタートしておりますが、まず各部局必ずやってまいりたいと思います。

 そういう中で、今委員のおっしゃった外部の方も入った形はどうかという御提案だと思いますが、 ぜひそれは御提案として受けとめさせていただきたいと思うのですが、現在の委員会、この間立ち上げました本部でも、弁護士、特に顧問弁護士を中心に、外部 の方に入っていただいて、外部の目からもきちんとチェックをしていただくという体制はとろうと思っております。

○赤嶺昇委員 続いて、知事にお聞きしますが、教育委員を任命する基本的な考え方についてお聞かせください。

○仲井眞弘多知事  教育委員ですから、やはり教育のことに関心と興味と識見を持っておられる方を中心に、各界各層、教育経験者であったり、医療の世界であったり、一般産業界 であったり、PTAの方とか、関係の方々、それから年齢も、かなり若い方から年配の方までとか、いろいろな形で選択をし、無論、人格識見しっかりした方を 選び、その方を議会に提示し、議会の同意を得て決めるというプロセスが基本的なプロセスであり考え方でございます。

○赤嶺昇委員 最近、高等学校の再編計画を初め、それから教育委員会における人事についていろいろと問題が出ているということを聞いておりますが、知事はそのことを把握していますか。

○仲井眞弘多知事 私は今、委員の御質疑で、世間でいろいろな話が出ているということは聞いておりませんが、今ちょっと確認をいたしますと、新聞その他で1年交代とか、そういう人事の期間についての疑問といいますか、問題に考える考えもあるようです。

 ただ、人事はもう御存じのように、私も企業にもおりましたけれども、基本的には株主総会も、今 まで大体2年でやっていたものを1年でやれとか、かなり短縮しているという傾向がないわけではありません。ただし、県では一般職員が約3年であるとか、2 年、3年のタームというものが普通にあります。ですから、これは考え方だと思いますし、その時代の動きを反映すると思います。

 ですから、1年ということは間々あることだと私は思いますが、しかし、部署によって、ないしは 内容によって、専門性を必要とするところは、むしろ3年、5年、10年と長く配置したほうがよいという議論もありますし、いや、いや、結構いろいろな部署 を回ったほうがよいという議論もあって、これはなかなか落ちつきませんが、教育庁の中でいろいろな人事上の議論が起こっているという点は、私はよく聞いて おりません。

○赤嶺昇委員  それでは担当副知事にお聞きしますが、この高等学校再編の問題も、議会本会議でも委員会でもかなり議論されていて、地域の皆さんも、実はもう非常に大騒ぎ なのです。その件と、今知事から答えてもらって、知事も多忙なので、人事まで、そこまでは聞いていないと思うのですが、担当副知事として、こういう混乱と いうのは、やはり教育の分野においては余りよくないと思うのです。人事はいろいろな意見があるかと思うのですけれども、副知事の見解をお聞かせください。

○上原良幸副知事  まず高等学校再編について、若干地域での混乱と言いますか、いろいろな声が聞こえてきているということは、議会での議論を聞いていても認識しておりますけ れども、これにつきましては、学校の存在というものが地域でいかに重要であるかということは十分認識しておりますので、これから地域がどうあるべきかとい う議論の中でも、当然、中心に据えて考えるべきだということで、教育長と一緒に意見交換というか、議論を続けていこうと考えております。

 あと、学校の先生方の人事に関して、いろいろな文書であったりビラが回っていることもよく承知 しておりますけれども、これにつきましては先ほど知事が申し上げましたが、教育委員の任命につきましては、議会の同意を得て知事が任命いたしますけれど も、教育委員会職員の人事に関しては、知事ならず担当副知事であれ、これに関与していくということはかなり厳しいと認識しております。

○渡嘉敷喜代子委員長 當間盛夫委員。

○當間盛夫委員  私は1点だけ、県と財団法人の沖縄観光コンベンションビューローとのかかわりについてということで知事に総括質疑をさせてもらうのですが、知事、予算特別 委員会の中で、今回、文化観光スポーツ部の予算が前年の102%増になっていると。前年度が63億円ですので、今回約129億円になったと。観光関連予算 でも22億円の予算が92億円になったのだというような形であると。

 平田文化観光スポーツ部長の感覚と言うのですか、補正予算、いろいろなものを積んでくると、そ んなに大きな予算ではないと思っているというような答弁もあったものですから、知事として、今回のこの観光関連予算というのですか、そういった部分のこの 増額に対してどのようにお考えになりますでしょうか。

○仲井眞弘多知事 観光とか文化観光スポーツ部とか、新しい部ですし、これから大活躍してもらおうと思っているところですし、観光も大きな産業になってきましたから、いろいろな意味で予算は可能な限り重点的につけるということは私の考えでもございます。

○當間盛夫委員  難しいですよね、大きくなって、これが大き過ぎるのかどうなのか。観光関連収入と言うのですか、これは今もう4000億円ですから、間違いなく沖縄を引っ 張っている産業でもありますので、この予算のつけどころは、やはり関連の皆さんからすると、いや、足りないんだ、その意味では予算をもっとつけるべきだと いうようなお話もあると思いますので、その中で、知事としてこの財団法人沖縄観光コンベンションビューローの果たす役割だとか期待というものは、どういう お考えをされていますでしょうか。

○仲井眞弘多知事  財団法人沖縄観光コンベンションビューローの目的は、きちんと書いたものがあると思いますが、基本的に沖縄のこういう大きくなる可能性のある産業を、行政 側と一緒になって、産業サイドに足を置いて、しっかりと観光系の産業を振興していくという大きな役割を担っているものと考えております。

○當間盛夫委員  そうですよね、やはり行政側と一体となって、この観光を引っ張っていくと。行政が足りない分を、しっかりと民間の業者の部分を含めて、民間の皆さんがその ことをまた担うということで、財団法人沖縄観光コンベンションビューローというのは大事な部分があろうかと思っています。

 知事でなくて文化観光スポーツ部長でもいいですので、質疑をさせてもらいます。この財団法人沖縄観光コンベンションビューローの運営費だとか、その出向状況を教えてもらえますか。

○平田大一文化観光スポーツ部長  運営費でございますけれども、まず1つ、1億2241万円、それから、これはいわゆる東京、大阪事務所等を含めた運営補助費でございますが、これが1億 1213万4000円ということでございまして、執行状況は100%でございます。今、県から派遣しておりますのは経営事業部長1名、それからリーダー4 名の5名、そこに役員として、常務理事として県の派遣が1名おります。

○當間盛夫委員 やはりそれからすると、先ほども知事からあったように、県と財団法人沖縄観光コンベンションビューローというのは一体的な部分があるのですよね。

 知事、私が予算特別委員会で質疑したときに、では、財団法人沖縄観光コンベンションビューロー の会長はだれが任命されるのですかということで質疑したら、財団法人沖縄観光コンベンションビューローの中の理事会で選定されますということですが、知事 もそういう認識なのでしょうか。任命権者は知事ではないかということでやったのですが、これはどうなのでしょうか。

○仲井眞弘多知事 ああいう団体の例として特に変わったところはありません。理事会が互選で決めるということでございます。

○當間盛夫委員 だから、理事会で選定されるはずでしょうけれども、私が聞いたのは、その選定をどこでやるかではなくて、任命権者はだれですかということでの質疑をしたのです。

○仲井眞弘多知事 委員のおっしゃっている任命権者は、これはお役所でも何でもありませんから、仮にそういう人がどこか別のところにいるということはありません。やはりそれは理事会で、理事の中の互選で決めるということです。

○當間盛夫委員  個人的なお話をさせてもらってもなんですけれども、今回の財団法人沖縄観光コンベンションビューロー安里会長がフェイスブックの本人の公式コメントの中で 彼が、おれの任命権者である仲井眞知事に報告したら、安里さん、これだけ目立っているのだから有名税を払ったほうがいいですよというコメントを出している のです。これはどう思われますか。

○仲井眞弘多知事 正確には今申し上げましたように理事会で決める話ですから、それは正しくはないのではないかと思います。

○當間盛夫委員  ありがとうございます。それでは知事、財団法人沖縄観光コンベンションビューローは、いろいろと一体となってやるべきだということ、私は、でも、やはり県 が、これまで観光業界、観光行政というものが足りなかったわけですから、民間の力をもっと活用しながらやるべきだというようにも思っていますので、財団法 人沖縄観光コンベンションビューローの会長に期待するものというのは、知事、どうお考えでしょうか。

○仲井眞弘多知事 申し上げるまでもなく、これはやはり考え方として公平公正な考えを持つべきということは、もう最低必要な条件です。

 ただ、無論、沖縄の産業をこれからもっともっと大きくしていく、大きくなる可能性を持っている 産業ですから、しかもこの観光産業は、実は文字どおりタクシー業界から、ホテルから、旅行業者から、もういろいろな無数の既存の産業が一緒になって、束に なってやっているという面もありますから、そういういろいろな産業界によく精通しておられれば非常に結構ですし、さらに外国の例もある程度知っておられ る、そしてそういうたくさんの方々を束ねてといいますか、そして力を何倍かにして、国内観光、そして国際観光も含め、しっかり推し進めていただける見通し と力を持った方であってほしいと思います。

 それで、年代的にも、無論観光は、修学旅行も含めて、さらに年配の方も含め、性別関係なしですから、いろいろな面で力強くこれを推進できる、できれば各年齢層もよく知っておられる方であってほしい―ちょっと注文が多いのですが、そのように考えています。

○當間盛夫委員  今の、財団法人沖縄観光コンベンションビューローの安里会長をどうこうということは全くありません。もう沖縄の若手リーダーということで言われていますの で、その部分ではもっともっと頑張ってもらえればよいなと。まあ、観光はオール沖縄ですので、そういったことで引っ張るような形をとってもらえればよいの かなと思っています。

 知事も言われたように、今度の観光の予算は膨らんでおりまして、委託料が65億円出ておりまして、その委託料の、知事が言われた公平公正な制度の構築というのは、知事、どのような形でできるとお思いでしょうか。

○仲井眞弘多知事 少しあらあらでございますが、やはり公募をかける、競争入札にする、そしてその中からまた選ぶ選定委員会というのも置く、その中には県も含め外部の人たちも入れる、少なくともこういう基本的な形は必要であると考えております。

○當間盛夫委員  公募をかけることは大変大事ですよね。それで、やはり業界の皆さんから疑問を持たれないような形のつくり方をするということは一番大事で、委員会は開いた けれども、財団法人沖縄観光コンベンションビューローの職員が入っていたり、一部の皆さんでしかなかったりとかいうことでないようにやってもらいたいと。 9億円ぐらいの予算だったものが、財団法人沖縄観光コンベンションビューローも何十億円という形になってくるわけですから、しっかりとそういったものをつ くってもらいたいと思っています。

 先ほどから財団法人沖縄観光コンベンションビューローと県のかかわりということで、一体的にい ろいろとやっていかないといけないだろうということがあるのですが、今度、文化観光のほうではなくて県全体になるのでしょうか、企画部のほうで財団法人沖 縄観光コンベンションビューローと包括協定を結んでくると。

 先ほどの知事との、いや、もう一体感だということであれば、そして運営費も出している、それで 県からもいろいろと出向で行く職員もいるということになれば、あえて、どうして財団法人沖縄観光コンベンションビューローと、これまでもいろいろな連携、 農業分野にしても、例えば土木にしても、連携がとれているはずなのに、それを包括協定を結ぶのかという、その意味合いを、知事、教えてもらえますか。

○仲井眞弘多知事 まことに申しわけありませんが、今、副知事、部長、課長に確認をしているところで、まだ準備中ということでして、目的、内容、意味も含めて、済みません、少しチェックする時間を下さい。きょうはペンディングにさせていただきたいと思います。

○當間盛夫委員  知事が言われるとおりで、やはりまだ知事が内容を把握されていないわけですから、早急にやる必要もないですし、包括協定となると、大体民間の業者の皆さん ですね。災害であれば、今皆さんがやっている、コンビニの皆さんとやるとか、そういうものがあって、何か全体的に漠然とのもので、そういう包括協定だとい うことは、ましてや先ほどの一体感ということ、そして運営費だとか、そういった部分での県とのかかわりのものを考えると、私はこれは少しなじまないのでは ないかという思いがありますので、その辺は知事もしっかりと検討してもらえればと思いますので、よろしくお願いします。

 知事、赤嶺委員からもあって、今回これだけの予算、いろいろと事業も60億円近く各事業に、14の事業ですか、分かれていっているのですけれども、やはりその事業を出すからには、成果評価をどうするか、事業の効果の検証をしっかりとすべきだと。

 例えばこれだけの、55億円の誘客の事業がつくのであれば、これに対して経済効果がどう結びつ くのだとか、その前段で、では、目標的なものがどうあるのだ、そしてそれが雇用にどう結びついて、経済にどう結びついたのだというものを、しっかりと検証 を出すべきだということですが、この指摘に対してはどうでしょうか。

○仲井眞弘多知事 賛成です、やってまいります。

○當間盛夫委員 文化観光スポーツ部長、知事も賛成ですので、しっかりとその数値化できるようにやってください、よろしくお願いします。

 最後になるのですが、沖縄のリーディング産業の観光であります。やはりオール沖縄でこの対応を していかないと、私は、今、観光は各地域、自分たちの地域だということで頑張っているところもありますので、足の引っ張り合いとかいうことではなくて、ま してや、これだけの事業になってくるわけですから、公共工事で以前から盛んにされて、今、ほとんど公共工事も県内の企業優先にということでやってきており ますので、この観光の事業に対しても、本土大手の皆さんが半分以上、7割近く受注するのではなくて、やはり沖縄の観光が活性化するためには、沖縄の業者が その事業をとって、しっかりとその蓄積をしてくる、そのノウハウをしっかりと蓄積することが、沖縄の観光業界を活性化する、そして沖縄の観光を盛り上げて いくと思うのですが、知事、最後に。

○仲井眞弘多知事  我々も沖縄の観光関連企業が大きくなっていくためには実力をつける必要があると。今おっしゃる御意見に、我々もそのようにやってきたつもりでおりますし、 さらにまたしっかりとやっていきたいと思いますが、ただし、観光の広がりから考えますと、県外、国際的なものも、やはり余り意図的に排除はしないほうがよ いのではないかという感もないわけではありません。ですから、よい形でのバランスをとりながら、しかし、県内企業優先発注、育成という基本的な方針はしっ かりと守ってやっていきたいと思います。

○渡嘉敷喜代子委員長 以上で當間盛夫委員の質疑を終わります。

 次に、渡久地修委員から知事への質疑を行います。

 渡久地修委員。

○渡久地修委員 知事にお尋ねします。まず環境影響評価書、27日に埋立分を提出するということですが、土木建築部の審査のときには、まだ調整中だということで答弁がなかったのですが、もう調整がついたと思うのですけれども、知事、どういう意見になるのでしょうか。

○仲井眞弘多知事  まだ議員の御質問にお答えできる状況にありません。時間が結構かかりまして、ぎりぎり27日には何とか私の意見というものをまとめたいと思っております。 2月に出ました土木環境委員会の意見も参考にして、ないしは意見も入った形になると、実は、聞いておりますので、ただし、最終的にどのようになっていくか は、きょうは19日ですから、あと約10日弱ございますので、鋭意詰めてまいりたいと考えております。

○渡久地修委員 以前出したものでは、環境保全不可能で、辺野古への移設は事実上不可能ということで、知事は選挙公約というものに立ってやっているわけですけれども、今回もこの知事公約に沿ったものになることは間違いないですよね。

○仲井眞弘多知事 無論、私は公約をそのまま今掲げております。

○渡久地修委員  ぜひ公約に沿ったものにやってほしいと思うのですけれども、それでこれを出しますよね。出したら、次はもう政府のほうが埋立申請を知事に出すと、知事が許 可を与えるかどうかに焦点が移ってくるわけです。そういう意味では知事が認めるか認めないかという点では、まさに日米関係とか辺野古移設の非常に重要な キーポイントは、知事がどう判断するかにかかってくると思うのです。そういう意味では、もう日米両政府から、知事がどうするかに焦点が移ってきますけれど も、それは認識していますよね。

○仲井眞弘多知事 私は沖縄県知事として、県民の負託を受けて知事の仕事をやらせていただいております。ですから、私は公約に忠実に、しっかりと仕事をしてまいりたいと考えておりますので、これをお答えにさせてください。

○渡久地修委員  それで、知事、3月14日の新聞に非常に気になるものが載ったのです。埋立許可見通し、辺野古移設、政府、アメリカに伝達と。日本政府が代替施設建設に必 要な県知事の埋立許可が取得されるなどとの見通しを米側に伝えていたことが13日わかった、複数の米政府筋が明らかにしたと。日本政府が知事の許可は得ら れますよと伝えたということを書いてあるのですけれども、これについて、知事、どう思いますか。

○仲井眞弘多知事  この記事は私も読ませていただきましたが、アメリカ政府と言っても何十万人いるかわかりません。だれが、だれに、それとも大統領なのか、長官級なのか全く 書いていません。ですから、私は、何であれが記事になるのかと思うぐらいの印象を受けました。ですから、中身は全く、あの記事からは、何にも、私、メッ セージも、ニュースとしての中身も全く感じておりません。

○渡久地修委員  私は、県知事の仕事の中に、県民の不安を取り除くということもあると思うのです。そういう意味では、やはり辺野古の埋立申請をめぐっては、県民も、いろい ろな不安もあるし、総意である基地の辺野古移設、県内移設を断念してほしいということがありますから、知事、ぜひ公約に従って、この申請が出たときも、も う県内移設は不可能だという立場で臨むということをはっきりさせていただきたいのですが、いかがでしょうか。

○仲井眞弘多知事 私は県外へと申し上げておりますし、辺野古は事実上不可能という表現で選挙もやってまいりました。それに変わりはありません。

○渡久地修委員  次に、識名トンネルについて幾つか確認させていただきたいと思います。まず副知事、先ほど答弁の中で、追加工事の件で交渉したときに、県の担当者は47% でやっていたと。それで大成JVも担当は47%で了解していたが、上部が受け入れられないということだったということですけれども、それでもう一度確認し ます。

○与世田兼稔副知事  追加工事の指示、それから指示後の工事金額は請負比率を掛けますよというようなことは、現場の担当者レベルでは基本的な了解を得られると、得られているも のということで淡々と進められていたというように聞いています。協議の達成が困難な見込みとなったというようなことは、まさに本社等から出てくる上部の側 から、なかなか難しいというような回答があって、難しい、難航しましたということです。

○渡久地修委員 上部とは一体どこなのですか、支店ですか、それとも経営本社なのか、どこでしょうか。

○与世田兼稔副知事 九州支店から支店長が来ていたそうでございます。

○渡久地修委員 先ほどはまた、与世田副知事は、相手は弁護士も出てきたとも言っていましたけれども、それも合っていますか。

○当間清勝土木建築部長 現場代理人とは口頭で了解を得られていた、しかしながら、九州支店のほうから、それについては異議があるということで、弁護士については、ちょっと今確認はとれておりません。

○与世田兼稔副知事 九州支店長のほうからのお答えの中で、弁護士を交えた形で協議をしたいという申し出がなされてきたと。この協議がなかなかうまくいかない、協議の申し出があったというところで、実はとまった状態で、ずっと流れているということでございます。

○渡久地修委員 では、弁護士を交えて協議したのですか。

○与世田兼稔副知事 まず、そういう申し出がありましたということの後の状況で言うと、まだ弁護士は協議の場には登場していないようです。

○渡久地修委員 大成JVは上部まで出てきたということで、あと、向こうが上部まで出てきてやっているのに、県は上部には上げなかったのですか。県はどこの段階でそれを了解したのですか、部長段階ですか、副知事段階ですか、県知事段階ですか。

○当間清勝土木建築部長  結論から言えば、部長段階です。状況を説明しますけれども、南部土木事務所から請負者との協議が難航していることを聞いて、本庁としては当初は同額変更を 指示しましたが、先ほど副知事が申し述べたように、いろいろな事情があって対応に苦慮しました。それで双方が合意できる方法として、新規工種として、やむ を得ず随意契約した状況でございます。

○渡久地修委員  部長が決裁したということで、相手は上部が出てきたということですね。それで、先ほど与世田副知事は、議会の承認を得ないようにということで第三者委員会 が指摘しているけれども、自分たちは議会の承認を得ないようにした事実はないようなことを言っているように、私、聞こえるのですけれども、もう一度それを お尋ねします。

○与世田兼稔副知事  私のほうとしては、第三者委員会の御指摘を受けた中で、工事費5億円を超えると議会の承認が要るというようなことで、担当者は超えないような処理をしたと いうような思いがあるのではないかという記載があって、それはそのまま私としても、そのとおりの事実と受けとめて議会で答弁等しておりますけれども、さら に本問題について、業者に対する請求等も含めて検討している中において、追加工事その他の費用を概算した場合には、5億円を超えていることはありませんで した。ですから、議会の議案の決議を避けるようなというような事案ではございませんでした。

○渡久地修委員 土木建築部長、1つ確認しますけれども、これまで5億円を超える追加工事というのは結構出てきていると思うのです。今回ではないよ、これまで。それで、当然、議会に補正予算で上げたという事例は、これまで結構ありますよね。

○当間清勝土木建築部長 これまでは、請負額の変更という形で議会まで承認をいただいて変更した事例はございます。

○渡久地修委員 今回、追加工事として皆さん方が協議しているときに、追加工事の代金が10億3900万円発生しますよね。これはなぜ補正に出さなかったのですか。

○当間清勝土木建築部長 やはりどうしても設計変更で対応する場合、その請負比率47.2%を掛けないと私たちは議会に上程できないものですから、そういった設計変更のルールから、これはできなかったという結論でございます。

○渡久地修委員 まさに今、土木建築部長がおっしゃったとおりだと思うのです。

 知事、10億3900万円の追加工事が出た。本来これは議会にかけておけば問題ないのです。と ころが、議会にかけたら、47%でやるべきものを、業者の言いなりになって、ほぼ100%でやったということが議会で追及されてしまう。さあ、大変だとい うことで対策をとったということが事実だと思うのですけれども、どうでしょうか。

○当間清勝土木建築部長 設計変更をする場合、やはり請負比率を掛けなければ設計変更ができないというルールがありますので、その点から議会の承認工事にはなり得なったということでございます。

○渡久地修委員  皆さん方は47%でやるべきだったのですよ。それを向こうは上部も出てきて、向こうがいろいろな意見を言ってまとまらずに、もう100%近くでやることに なった。ところが、これを議会にかけると、今言ったように、もう議会から指摘されるから対策をとった。そこでやったのが、副知事、先ほどから第三者委員会 が思いをどうのこうのと言っていますけれども、平成20年11月21日、皆さん方が三者JVに依頼書を出していますよね、依頼書、議会に諮らないように やってほしいという依頼書。この文書、依頼書を出したことは事実ではないですか、ここに何と書かれていますか。

○当間清勝土木建築部長  確かにその南部土木事務所からの文書の中に、その表現がございます。ただし、先ほどから説明しておりますように、南部土木事務所としては議会の議決を得る のは、いろいろな手続等の、これまでの慣例から、そういったことがあって、あくまでも心理的なものでそれを表現しただけで、私たちが先ほど説明したよう に、新たな工種は請負比率を掛けなくても、これは可能だということで、私たちはそれを積算した結果、4.5億円でしたので、その金額を私たちは随意契約し たという状況でございます。

○渡久地修委員  これは心理的な文書ではないのですよ。毎回毎回、工事をやるたびに一つ一つ確認していっている業者と県のやりとりなのです。一点一点の確認事項なのです。 これはどうしますか、これはこうしますという回答。そうではないですか、これは心理的な問題ではないですよ。確認事項の文書、こんな膨大なものの中の、 11月21日には、施工済みの契約額を上回る部分があれば、協議が調い次第、議会の承認を要しない範囲で早急に随意契約したい。随意契約したいと書いてあ るのですよ、したい。これは心理的ではないですよ。知事、どう思いますか。

○当間清勝土木建築部長  南部土木事務所から請負業者に文書でその協議がなされております。その中で、議会の承認を要しない範囲で早急に随意契約したいということで、これに関して は、私たち、結論としては4.5億円ですので、私たちとしては議会承認工事ではないのですけれども、その担当としては、早急に随意契約して早目に工事を完 了させたいといった気持ち的なものをその表現にしたと考えております。

○渡久地修委員  知事、これはきちんと県の担当者、それから相手側の担当者も全部捺印しているのです。これはきちんと確認依頼事項ということで、心理的な問題ではないので す。きちんとこのように県が出しているのです、随意契約したいといって。そして10億3900万円あるのをそのまま、補正予算にそのまま出せば別にいいの です、今までの手続どおり。それをやったら議会から、なぜ47%にしないかと追及されるから、そうしないようにいろいろな対策をとって、議会にかからない ようにやったのです。そして、大成建設株式会社も、これで見ると、この依頼を受けて了解をして、そして5億円以内におさめるように、既に終わったものの工 事を全部抜き出して5億円以下に抑えて、そしてそれを別件工事ということでやろうと打ち合わせしてやった契約ではないですか、これを随意契約でやったとい うことが事実ではないのですか。

○当間清勝土木建築部長  先ほど来申し述べていますけれども、請負比率を掛けない工事としては、新たな工種、当初請負条件に明示されていない工種であれば、私たちとしては、本庁も それは随意契約としてやむを得ないのではないかということで、土木建築部長まで協議して取り決めました。その金額が4.5億円でした。

 その際、土木事務所としては、早目に、あくまでも手続を早める段階で、これはあくまでも土木事 務所独自でそういう文書を取り交わしていますので、本庁としては、そのとき協議したのは、やはり新たな工種でないと、それは請負比率を掛けない方法ではで きないということは、ずっと私たちは協議で調整していましたので、これは土木事務所としては、手続を早めたいという、その心理的なものでそういった表現を 記載していたものと考えております。

○渡久地修委員 土木建築部長は認めているのか、開き直ったのかもさっぱりわけがわからなくなってくるね。では、土木事務所が全部悪いのですか。

○当間清勝土木建築部長 いや、本庁も、それは本庁契約で、当時は1億5000万円以上はすべて本庁契約ですので、本庁のほうの責任で、それは随意契約するということで取り決めております。

○渡久地修委員 別件契約にした、工期もこれから始まるということに虚偽の契約を結んだ。先ほどから聞いていると、では、あなた方はこれは正しかったということを言いたいわけですか。

○当間清勝土木建築部長  いや、別件契約で、随意契約はやむを得なかったということは、私たちは、先ほど副知事が説明しているように、市街地トンネルの特殊性、低入札という条件か らやむを得なかったということを考えておりますが、事後契約になったということは、会計検査院及び国から指摘されておりますので、それについては深く反省 して、重大な問題だと考えております。

○渡久地修委員 知事、今の説明では県民は納得しないと思うのです。やはりきちんとしないと、工事は正しかった、やり方がちょっと不適切だったというものでは、5億8000万円の返還に納得しないと思いますよ。

 ですから、47%でやったわけですよね。追加工事10億3900万円が発生したときに、きちん とこれの47%を掛ければよかった。ところが、これを掛けなかった。それをまた次の時点で10億3900万円を補正するのではなくて、議会にかからないよ うに工作をやったとか、いろいろな問題があるわけですよ。その辺もきちんと深めていかないと、これは全然再発防止にも反省にもならないですよ。

 県民の側から見たら、開き直っているとしか思えないのです。あれは市街地で大事な事業だった、 事業だったという、こういうものからスタートすると、では、何で国から返還命令が出たの、こんなに大事だったら、では、返還命令がおかしい、国に対して訴 えるべきではないですか。だから、おかしくなる。

 だから、きちんと、今言ったことも含めて、議会にかけなかった、工作をやったというのは、知事、もう一度、これを洗い直してもらえませんか、どうですか。

○仲井眞弘多知事  これはあと約3カ月かけて洗い直し、まとめたいと思っております。ですが、議会にかけなかったという点をずっとついておられるわけですが、それに対して 我々行政側の、本当のといいますか、気持ちというのは、先ほど来、当間土木建築部長が申し上げている点は変わりありませんので、念のため御理解のほどをお 願いいたします。

○渡久地修委員 それでは僕は理解できないと思います。これはもうこれから参考人招致とか、いろいろあるので、あるいは100条委員会も求めていきたいと思います。

 では、副知事、先ほどの返還金の問題ですけれども、業者に求めるということで、第三者委員会は 相当厳しい意見を出していますよね。一たん支払ったものを全額返してもらいなさいと。そして、その上で幾ら払うべきかを県が精査して支払いなさいというこ ともあります。私たちは47%以上は返すべきだと。いろいろな意見がありますが、幾つもの手法があると思うのですけれども、第三者委員会は全額一たん取り 返して払いなさいと言っていると。県は一体どのような方向でやりますか。

○与世田兼稔副知事  私どもは47%を掛けるという考えをベースとしながら、やはり新しく、本当に弁護士に依頼をするとなった場合には、その法律家の証拠との対比検討をした上 で、どういう構成ができるかということになりますので、私どもとしては、今、渡久地委員が指摘されたような全額、47.5%を掛ける、その他の手法がある かどうかを含めた、新たな弁護士とチームを組んで、前向きに取り組みたいと思っております。

○渡久地修委員 第三者委員会は、とにかく一たん全額返還してもらって、それから支払うべきものを支払いなさいと言っているわけで、そういう意味では、ぜひ県民が納得できるような厳しい調査を要求して、終わります。

○渡嘉敷喜代子委員長 以上で、渡久地修委員の質疑を終わります。

 以上で、知事に対する総括質疑を終結いたします。

 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。どうぞ御退席ください。

 次回は、3月26日 月曜日 午前10時から委員会を開き、各議案の採決を行います。

 本日の委員会は、これをもって散会いたします。

   午後0時16分散会



知事等出席要求事項

 

 

1.前田政明委員

 ○第32軍司令部壕の説明文削除に係る知事答弁の真意について

 ○「住宅リフォーム緊急支援事業」の導入について

 ○識名トンネル問題に対する知事の責任について

 

2.赤嶺昇委員

 ○観光に関する知事公約(観光客1000万人、観光収入1兆円)について

 ○企業局長人事(いわゆる「天上がり」)について

 ○識名トンネル問題に対する知事・副知事の3月12日の謝罪会見について

 ○知事の県教育委員の任命について

 

3.當間盛夫委員

 ○県と財団法人沖縄観光コンベンションビューローとのかかわりについて

 

4.渡久地修委員

 ○「辺野古埋立許可の見通し」の報道に関する見解について

 ○識名トンネル工事契約における議会承認の回避(分割発注)について

 

H24.03.19 第11号(予算総括)3校修正済.htm