予算特別委員会



開会の日時、場所

  平成24年3月9日(金曜日)

  午後1時24分開会

  第7委員会室


出席委員

  委 員 長  渡嘉敷 喜代子さん 

  副委員長  座喜味 一 幸君

  委   員  桑 江 朝千夫君  辻 野 ヒロ子さん

       嶺 井   光君  池 間   淳君 

       新 垣 哲 司君  照 屋 大 河君 

       新 里 米 吉君  渡久地   修君 

       前 田 政 明君  上 原   章君 

       大 城 一 馬君  赤 嶺   昇君 

       當 間 盛 夫君  上 里 直 司君 

       玉 城 義 和君           


委員外議員

       前 島 明 男君  新 垣 清 涼君 


欠席委員

       糸 洲 朝 則君  瑞慶覧   功君 


説明のため出席した者の職、氏名

 企画部長       川 上 好 久君 

  企画振興統括監   小橋川 健 二君 

  参事        古波蔵   健君 

  交通政策課長    下 地 明 和君 

  交通政策班長    玉 城 恒 美君 

  科学技術振興課長  具志堅 清 明君 

  地域・離島課長   稲 福 具 実君 

  市町村課長     比 嘉 徳 和君 

 会計管理者      米 蔵 博 美さん

 監査委員事務局長   名渡山   司君 

 人事委員会事務局長   岩 井 健 一君 

 議会事務局長     嘉 陽 安 昭君 

 総務部財政統括監   新 垣 郁 男君 


本日の委員会に付した事件

 1 甲第1号議案 平成24年度沖縄県一般会計予算


○渡嘉敷喜代子委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。

 甲第1号議案平成24年度沖縄県一般会計予算を議題といたします。

 本日の説明員として、企画部長、会計管理者、監査委員事務局長、人事委員会事務局長及び議会事務局長の出席を求めております。

 まず初めに、企画部長から予算の概要説明を求め、各種委員会等事務局長の説明は省略いたします。

 それでは、企画部長から企画部関係予算の概要説明を求めます。

 川上好久企画部長。

○川上好久企画部長 企画部の平成24年度歳入歳出予算の概要について、お手元にお配りしてあります平成24年度当初予算説明資料(企画部)に基づきまして御説明申し上げます。

 説明に入ります前に、平成24年度の組織改編に伴い、企画部所管の試験研究機関が農林水産部及び商工労働部へ移管されることになっておりますが、平成24年度当初予算につきましては現行の部局で説明することとなっておりますので、御了承のほどよろしくお願いいたします。

 それでは、平成24年度当初予算の説明をさせていただきます。

 平成24年度当初予算説明資料(企画部)の1ページをお開きください。

 部局別の予算が記載されております。

 企画部の一般会計歳出予算額は、4行目の企画部予算額470億3026万円、9行目の農林水産 部移管分の29億9929万4000円、11行目の商工労働部移管分の5億2448万8000円の合計額505億5404万2000円となっており、前年 度と比較して343億26万1000円、211.0%の増となっております。

 増となった主な理由は、沖縄21世紀ビジョンで掲げた将来像の実現に向けた諸施策を展開するため、沖縄振興一括交付金(仮称)を活用した離島振興、科学技術振興等の新規事業を計上したほか、市町村分を計上したためであります。

 次に、企画部の歳入予算の概要について御説明申し上げます。

 説明資料2ページをごらんいただきたいと思います。

 平成24年度歳入合計6806億7300万円のうち、企画部に係る分は404億8362万5000円で、前年度に比べて346億9427万4000円、599.3%の増となっております。

 その主な理由は、沖縄振興特別推進交付金による新規事業の増によるものであります。

 次に、歳入予算の主な内容について(款)ごとに御説明申し上げます。

 (款)使用料及び手数料は996万5000円で、減になった主な理由は、大学院大学・先行的研究事業への工業技術センター施設の一部提供が平成23年度で終了したことによります。

 (款)国庫支出金は387億3936万2000円で、その主なものは、沖縄振興特別推進交付金の市町村分、離島航路運航安定化支援事業、沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業などの国庫補助金であります。

 (款)財産収入は1億2183万円で、主なものは、市町村振興資金貸付金利子であります。

 (款)寄附金は175万円で、これは沖縄科学技術大学院大学設置促進県民会議の事業に係る寄附金であります。

 (款)繰入金は3580万円で、その主なものは、市町村振興資金貸付基金繰入金であります。

 (款)諸収入は7億7991万8000円で、主なものは、地域総合整備資金貸付金元利収入であります。

 (款)県債は7億9500万円で、石垣空港ターミナル株式会社に対する貸付金に係る県債であります。

 以上が企画部一般会計歳入予算の概要であります。

 次に、歳出予算の概要について御説明申し上げます。

 3ページをお開きください。

 款ごとの予算が記載されております。

 (款)総務費の711億287万4000円のうち企画部所管分は470億3026万円で、前年度と比較して362億6496万3000円、336.9%の増となっております。

 (款)農林水産業費の629億7509万円のうち企画部所管分は29億9929万4000円で、前年度と比較して19億7555万9000円、39.7%の減となっております。

 (款)商工費の357億6412万1000円のうち企画部所管分は5億2448万8000円で、前年度と比較して1085万7000円、2.1%の増となっております。

 4ページをごらんいただきたいと思います。

 歳出予算の主な内容について(目)ごとに御説明申し上げます。

 (項)総務管理費の中の(目)諸費51億3441万6000円のうち企画部に係る分は1億1957万2000円で、その主なものは、駐留軍用地跡地利用促進費であります。

 (項)企画費の中の(目)企画総務費は19億7369万9000円で、その主なものは、職員費、電子自治体推進事業費及び通信施設維持管理費であり、前年度に比べ3億4225万9000円、14.8%の減となっております。

 その主な理由は、電子自治体推進事業費の沖縄デジタルマップ整備事業の事業終了によるものであります。

 (目)計画調査費は123億6355万4000円で、その主なものは、地域開発推進費、石油製品輸送等補助事業費、交通運輸対策費、地域づくり推進費、5ページの科学技術振興費であります。前年度に比べ57億3526万7000円、86.5%の増となっております。

 その主な理由は、沖縄振興一括交付金を活用した新規事業として、交通運輸対策費の沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業等11事業を計上したためであります。

 5ページをお開きください。

 (項)市町村振興費の中の(目)市町村連絡調整費3億3452万2000円は、職員費及び市町村事務指導費であり、前年度に比べ328万7000円、1.0%の減となっております。

 (目)自治振興費7億8534万3000円は、市町村振興資金等貸付費及び市町村振興協会交付金であります。

 (目)沖縄振興特別推進交付金303億円は、沖縄振興一括交付金のうち県内市町村が実施するソフト事業等を対象とした交付金であります。

 (項)選挙費の中の(目)選挙管理委員会費3547万3000円、(目)選挙啓発費585万3000円、(目)海区漁業調整委員会委員選挙費3799万1000円、(目)県議会議員選挙費5億1138万3000円は、選挙の管理執行に要する経費であります。

 (項)統計調査費の中の(目)統計調査総務費3億2516万2000円、(目)人口社会経済統計費2億3770万8000円の主なものは、職員費、総務経常調査費など諸統計調査に要する経費であります。

 6ページをお開きください。

 農林水産部への移管分であります。

 (款)農林水産業費(項)農業費の中の(目)農業総務費59億623万9000円のうち企画部 に係る分は29億9929万4000円で、その主なものは、職員費、農林水産技術振興費、試験研究運営費であり、前年度に比べ19億7555万9000 円、39.7%の減となっております。

 その主な理由は、森林研究施設整備費の森林資源研究センター移転整備事業及び水産研究施設整備費の水産海洋研究センター移転整備事業の減によるものであります。

 7ページをお開きください。

 商工労働部への移管分であります。

 (款)商工費(項)商業費の中の(目)商業総務費13億477万9000円のうち企画部に係る分は2億8322万1000円で、職員費であります。

 (項)工鉱業費の中の(目)工業技術センター費2億4126万7000円は、全額企画部に係る分で、工業技術センターに係る経費であります。

 以上が企画部一般会計歳出予算の概要であります。

 8ページをごらんいただきたいと思います。

 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。

 電子自治体推進事業費4270万8000円は、ネットワーク機器の調達等に要する経費について設定するものであります。

 以上で、企画部の予算案の概要説明を終わります。

 よろしく御審査のほど、お願い申し上げます。

○渡嘉敷喜代子委員長 以上で、企画部長の説明は終わりました。

 これより質疑を行いますが、質疑及び答弁に当たっては、その都度委員長の許可を得てから、自席で起立の上、重複することがないように簡潔に発言するよう御協力をお願いいたします。

 また、質疑に際しては、あらかじめ引用する予算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で、質疑を行うよう御協力をお願いします。

 この際、執行部に申し上げます。答弁に際しては簡潔に要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。

 なお、答弁に当たっては、総括的、政策的な質疑に対しては部局長が行い、それ以外はできるだけ 担当課長等の補助答弁者が行うこととしたいと存じますので、委員及び執行部の皆さんの御協力をお願いいたします。さらに、課長等補助答弁者が答弁を行う際 は、あらかじめ職、氏名を告げてください。

 それでは、これより直ちに質疑を行います。

 照屋大河委員。

○照屋大河委員  質疑の前に確認をさせていただきたい点があって、事前に申し上げていますのでよろしくお願いいたします。去る本会議においても、合併市町村、合併を実行し た市町村、新市に対する合併特例債の議論がされたのですが、この合併特例債を活用した県の各市町村―合併を実現した市町に対する支援策があるのかどうか。 答弁では、従前の高率補助のほうが有利だからそれを活用しているのだというような答弁もあったのですが、その点について伺いたいと思います。

○川上好久企画部長  本会議でも答弁をさせていただきましたが、合併市町村に対する支援として、さまざまな社会資本の整備、例えば道路とかそういうものが計画されるわけでござ います。その財源として合併推進債が使えますよという制度があるわけでございます。これは地方交付税措置が60%ぐらいつきます。しかしながら、本県の場 合は、道路等につきましては10分の9の高率補助があるわけでございまして、それを活用して、そういう合併市町村の事業について実施しているということで ございます。

○照屋大河委員  少し整理させていただきたいのですが、合併特例債というものは、合併後誕生した新市、新町に対して、人口あるいは面積などの規模によって大枠が決められ、 その枠のうちから幾らを使おうという約束事のもとに使われる特別な合併特例債ということなのです。先ほど60%の合併推進債ということもあったのですが、 これと合併特例債とは別個だという考え方でよろしいんでしょうか。

○川上好久企画部長  合併特例債というものは、市町村のほうで活用される起債になります。県が行う都道府県事業の部分は、主として交通基盤の整備のために行われる事業に対して 活用されるわけでございまして、合併推進債と申します。先ほどの発言を訂正させていただきたいんですが、元利償還金60%と申しましたが、50%です。地 方交付税で措置をされるという性格のものでございます。

○照屋大河委員  合併推進債を活用するということは、合併を協議する自治体、市町村がありますが、そういったものとの約束事のもとにあるのか。あるいは合併推進債50%、 高率補助からして不利であるのですが、こういう大枠は、合併市町村に対して県として活用することができるというような決まりがあるんでしょうか。

○川上好久企画部長  合併に際して、県も同意して策定をする新市・新町建設計画という事業等があるわけでございますが、これについてどういう財源を充ててやるか。問題は、建設 計画に充てられた事業を実施することが重要であるわけでございます。これに対して合併推進債というものが使えますよという制度になっているわけです。それ で、県の場合は、地方交付税で50%の措置があるというものよりは、高率補助制度を活用して事業を実施しているということでございます。

○照屋大河委員  例えば全国的に平成の大合併があったときに、本土の市町村では、もしかしたらこの合併推進債を活用したほうが有利だったかもせんが、沖縄においては従前の 高率補助を使ったほうがいい、新市建設計画は、市町村、県も一体となってつくられたものだという認識があるのです。その中に、県事業として支援していくと いう項目、こういった約束事というものはもう既にでき上がっていると思っているのですが、その点はいかがですか。

○川上好久企画部長  そのとおりでございます。各合併市町の新市建設計画等において、例えばうるま市においては県道36号線、それから具志川環状線などの一般県道、それから中 城湾港(新港地区)の整備とか、そういう項目につきまして、県は高率補助の制度を活用して実施をしてきたということでございます。

○照屋大河委員  合併特例債については10年の期限があって、その後、合併して10年、15年後にまた償還が始まるという仕組みです。これは県の事業なので県がその後の措 置などもしていくと思うのですが、この合併推進債における新市建設計画、先ほどあった県道36号やその他の事業も含めて、期限なども区切りがあるのでしょ うか。この期限内に進めていくというような目安というか区切り。合併推進債とは別に、高率補助が有利だからこの市町村に新市建設計画のもとに使うというこ となのですが、そういった合併特例債と同様の期限というのがあるのでしょうか。

○川上好久企画部長  今委員のおっしゃるとおり、この新市建設計画には事業項目と期間があって、それに沿って各事業を実施している。市町村の場合は合併特例債、これはおおむね 10年間ということらしいのですが、そのようなもので財源をはめたり、県の場合は、高率補助制度を使って期間内にそれを実施するという計画で進めてきてい るということでございます。

○照屋大河委員  市町村、新しい市とは、しっかり協議を重ねてきていると思うのですが、一部、県は使える特別な制度を活用していないのではないかというような、地元の議会 からそういう声も出ているものですから。そうではなくて、新市建設計画にのっとった、あるいは有利な制度を使ってやっているという意思疎通も大切だと思う のです。そういうところを今後、担当課のほうでも構いませんが、市町村としっかりそういう連携をやっていただきたいということを要望しておきます。

 続いて予算のほうに行きますが、いよいよ平成24年度の新年度予算の審査が始まりました。企画 部長におかれては、この1年、新たな制度、新たな法律に向けて大変だったと思うのですが、いよいよ予算の議会になっていますので、その思いなどをまず聞か せていただければと思うのですが。

○川上好久企画部長 今回の沖縄振興一括交付金も含めて予算制度、それから税制もございますが、新たな沖縄振興計画の初年度に向けて、この3年間、先生方のバックアップも受けながら、いろいろな議論を重ねて、また国にも要請をしてまいりました。

 結果として、税制については、やはり時代潮流を見て、アジアと競争できる税制、予算制度につい ては、これから沖縄がより自立に向けて走れるような、そしてまた地域住民の福利厚生をより向上させるような、特に離島の物流コストも含めて、そういうもの に手が届くような予算制度というものを、先生方とも議論しながら要望してまいりました。結果としては、一定の形ができてきたのかなと思っております。次 は、これをどのように活用して県民生活を充実させていくのか。これは県も市町村も一緒に力を合わせてやっていきたいと思っております。

○照屋大河委員  きのうも総務部関係があって、沖縄振興一括交付金についてはさまざまな質疑もありました。ただ、収支不足の上、基金から174億円もの繰り入れもしないと いけない。この沖縄振興一括交付金を使って産業振興、雇用の振興をもって税収も上げていかなければいけない課題もあるし、縛りや裏負担の課題もあるという ことです。これからまた努力を重ねて、この制度を沖縄からスタートしてよかったと言われるような制度にしていかなければいけない。この沖縄振興一括交付金 については、制度の根拠となる法律が2月に閣議決定され、今国会で審査されている。ただ、まだ審査されていなくて、この改正案に対する与野党の修正の動き がある。当初県が求めたよりは、よりよくするためにということだと思うのですが、この動きについて伺います。

○川上好久企画部長  次の沖縄振興を支える法律は2つございます。1つは、沖縄振興特別措置法、もう一つは、沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律。沖縄 県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律につきましては、自民党案をベースにして、与野党共同で法律案を提案されて、ともにそれが国会にお いて議論されるという運びになっていると聞いております。また、沖縄振興特別措置法につきましては、それぞれよりいい形にしたいとい国会での御議論を背景 に、幾つかの点が議論されると承知をしております。

○照屋大河委員  実行するのは県の職員であったり、あるいは、その予算をもって新たな沖縄の未来を開いていくのは、県民の協力とかが必要だと思うのです。さまざまに国会で 議論されているということではなくて、企画部長、今改正案に対して修正の動きが与野党であって、きょう与野党の第1回プロジェクトチームの初会合というこ となのです。これまでもこの沖縄振興一括交付金については、市町村においては一定程度の市町村しか新年度の予算案に計上されていない、今後、補正での対応 が必要。これは県の123億円も含めて、そういう課題も幾つか浮き彫りになってきているときに、国会で修正の議論がされているということではなくて、県が 現時点で感じる思いも、何らかの形を使ってでも国のほうに、与野党の協議が先ほど言ったようにきょうから始まっているということですので、アクションを起 こしていく必要があるかと思うのですが、その点はいかがですか。

○川上好久企画部長  これはまさに委員が今おっしゃられるように、日切れ法案でございます。それから、4月から県が市町村含めて計上した予算が実施できるような形で、県として は、いろいろ国会においてその議論は重ねていきながらも、年度内に2つの新たな法律が成立するように、与野党の党首、それから衆参両院の関係議員の皆様方 に理解を求めてきているところございます。ここは県議会の各会派の先生方にも同じような形で協力を得ながら、県としてはお願いしていきたいと思います。

○照屋大河委員  閣議決定され、日切れ法案であっても、この残された期間のうちに今言ったような議論が国会のほうで進められていく。沖縄振興一括交付金の根拠にもなる法 律、あるいは先ほどから申し上げるように、交付要綱が決まらないからなかなか市町村も苦労しているというところもあります。法律が決まった上で交付要綱が 示される。可及的速やかにと国のほうは言っているようですが、そのもととなる法律をあと何日かで急ぎつくり上げていく、修正も加えてやっていくという状況 です。先ほど冒頭で1年間かけてきた思いを聞かせていただきましたが、あとわずかの頑張りを企画部長にもう一度お願い申し上げて、私は終わりたいと思いま す。

○川上好久企画部長  これまでの県議会含めて、あるいはまた県の沖縄振興審議会、一般の県民の方々、いろいろな方々の思いを酌み上げて、それを支える法律が今2つ、ようやく日 の目を見ようとしております。その最終の局面で、よりいい形で国会で御議論されていると承知しております。ただ、それをぜひ3月いっぱいに成立していただ いて、4月からより県民福祉の向上が図れるような施策が展開できるような状況を県としては期待してお願いしていきたいと思います。

○渡嘉敷喜代子委員長 新里米吉委員。

○新里米吉委員 まず、普天間飛行場の跡地利用計画、現状を伺いたいと思います。そして、次年度、平成24年度における利用計画の事業内容を伺いたい。

○川上好久企画部長 普天間飛行場の跡地利用計画は、その規模、それから地理的位置から、まさに今後の沖縄振興の一つ大きなポイントとなるものと理解をして、取り組んでいるところでございます。

 まず、これまでの経緯を少し申し上げますと、平成19年度については、交通、公園、文化財、分 野別に検討する計画の内容、取り組み体制を定めた普天間飛行場跡地利用計画の策定に向けた行動計画というものを策定しております。そして、それに基づいて 作業をしてきたわけでございますが、平成20年度には分野別計画の成果を取りまとめた全体計画の中間取りまとめ案を策定しております。そして、平成23年 度は平成24年度に策定をする全体計画の中間取りまとめ、これは基本構想と理解していいと思いますが、そういう中間取りまとめをするために広域的な観点か ら、特に公園緑地等のあり方等について検討を進めていくための作業をしていくということを考えています。

○新里米吉委員 ということは、大体予定どおり、計画どおり進んでいるととらえていいわけですか。行動計画、全体計画、中間取りまとめ、基本構想と進んでいるというから、予定どおり進んでいるのですか。

○川上好久企画部長  この作業につきましては、宜野湾市と一緒になって作業を進めてきているわけでございます。現況においては、環境分野、それからまた地形図とか、立ち入りが 十分ではなくてまだ作業が行き届いていない部分もございますが、とりあえず平成24年に基本構想という形で中間取りまとめのような形で作業を進めていきた いと考えております。それを踏まえて、次は計画をおおむね3年ぐらいかけて実施していきたいと作業を進めております。

○新里米吉委員 次に、実は平成22年度の主要な施策の成果に関する報告書を読んで感じたことを質疑していきたいと思います。

 主要な施策の成果に関する報告書の中にこのようなものがありました。沖縄県産業振興重点研究推 進事業の事業目的、内容によると、沖縄の自立を図るには内発型産業の育成が喫緊の課題であり、産業の高度化及び生産性向上に寄与する研究開発に積極的に取 り組むとともに、先端的な技術を開発し、新たな産業の創出へとつなげていくことが求められている。その際、民間の研究機関や研究開発型企業が少ない本県の 現状から見て、公的研究機関がこうした研究開発を先導していかなければならない、当該事業は本県の産業振興に係る重点課題に適時、的確に対処していくた め、重点的な研究テーマを設定し、研究開発資源を集中的に投入して研究を推進するとなっています。

 そこで質疑したいのですが、本県の公的研究機関の予算額、平成18年度から平成22年度、そして次年度の平成24年度の額はどうなっているのかをお伺いします。

○川上好久企画部長 企画部所管の試験研究機関の研究予算額でございますが、平成18年度から平成22年度まで、おおむね約6億円で推移しております。平成23年度は約8億円、平成24年度は沖縄振興特別調整交付金等を活用した技術開発事業を新設しまして、13億円となっています。

○新里米吉委員 ということは、しばらく6億円ぐらいで数年やって、またその後ふやして8億円、次年度は予算額全体が膨らんでいるので13億円。そうすると、当然研究職員も人数がふえていないといけないと思うのですが、そこはどうですか。

○川上好久企画部長  職員数の推移についてもお答えをしたいと思いますが、企画部所管の試験研究機関における職員数は、平成18年度に176名おりました。その後、沖縄県行財 政改革プランに基づいて平成24年度は158名、18人の減となっております。しかしながら、これは全庁的な見直しの中で出てきたものでございまして、平 成18年度から平成21年度までの沖縄県の職員定数全体の推移を見ますと、行政職員7.4%の減となっております。その中で、研究職員の減少率は5.5% ということで、全体的な行政改革という大きな流れの中では、試験研究機関には配慮をしながらここまで来ているということでございます。

○新里米吉委員 ただ、先ほども話しましたが、沖縄においては研究機関がほとんどない。それだけに、本県は公的研究機関が研究開発を先導しないといけないということからすると、研究機関の研究員が減っていくということは、いかがかと思います。それについてはあえて答弁を求めません。

 それから、私も、この問題にかかわって、農林水産部、商工労働部等に研究機関があったものを企 画部に一元化した。農林水産部とか商工労働部の皆さんから、何でこんなことをするのだという声が当時聞こえたのです。今度はまた、集めたのにまたもとに戻 そうと。一体これは何があったのか、企画部に集めたのは失敗だったのか。その反省とか課題とかも含めて、なぜこうなっているのか。ほかにあったものを集め てから、また散らしましょうと、どうもよく理解できないことを今回やっているので。もともといろいろ問題が指摘されていたことで、何で集めるかと言われた が、やはりもとに戻るということを、わかるように説明してください。

○川上好久企画部長  企画部に一元化をして、これをまた今回戻すという試みをやっているわけでございます。試験研究機関といっても、我々行政もそうでございますが、やはり時代 状況というもののあおりを受けながら動かざるを得ない。企画部への一元化は、2000年以降の国、地方を挙げての財政再建という大きな流れの中で一つの見 直しをする大きな流れと、もう一つは、グローバリゼーションといいますか、産業も非常に複合化していく。バイオテクノロジーとか、まさにこれは農業分野だ けではない、工業分野も含めて複合的な産業技術を求める一つの大きな流れがあったと思います。そういうものに対応するような形で、これは沖縄県だけではな くて、全国的にそういう一元化の取り組みをして、より高度なニーズに対応できる体制を模索してきたということだと思います。

 ただ、そういうことで、一つ大きな成果というものはこれまで上がってきたと我々は理解をしてい るわけでございます。例えば多様な研究人材の育成ということで、具体的に申し上げますと、研究人材の交流によって、農業研究センターの研究員が工業技術セ ンターに異動して、紅芋の研究で博士号をもらうとか。あるいはまた、工業技術センターの研究員が農業研究センターに異動して、さとうきびの高付加価値化に 向けた研究成果を上げるとか。あるいはまた森林資源研究センターで松くい虫がございますが、その研究は農業研究センターが先行したノウハウが蓄積されてい く。そういう効果がかなり出てきたと理解しております。

 そしてまたもう一つ、それぞれの公設研究機関が集まって、毎年、予算、人員等の研究資源の重点配分ということで、重点課題を議論して選んでいくというシステムができております。そういう形で、横断的な研究テーマ、そして技術というものはその中で磨かれてきた。

 一方、そのようなこともありながらも、また課題もある。それは何かといいますと、議会の中でも いろいろ議論がございましたが、産業界から産業政策を担う部局、特に普及部門と連携が不十分ではないかという声もございました。一元化によって視野の広 がった、より高度化した技術を持つ研究所をもう一回また戻していく。さまざまな模索をしながら、いわゆる経済、それからまた、それぞれの産業分野のニーズ に合わせていく。そういう試みをやってきているということだと理解しております。

○新里米吉委員  一元化して成果もあった、横断的なことができたと。しかし、産業分野からすると、その連携とかではかえって前のほうがいい、まずいという指摘もあったとい うことになると、今後、成果はあったというのだがマイナスのほうが大きかったから戻すのであって、成果のほうが大きければ戻すのはおかしな話になってしま いますよね。だから、そこら辺はどうとらえてもとに戻すのか。戻したほうが、今後の研究機関の運営や研究機関のいろいろな成果を上げていくためには、農業 関係は農林水産部に、商工関係は商工労働部に位置づけたほうがよりいいのだというものがなければ、戻してはいけないと思うのです。

 先ほど、成果のほうが強調されて課題のほうは小さく言うものだから、だったら戻すのはおかしいではないかと言いたくなるような話だったので。戻すのだから、戻す理由をもっとはっきり言わないといけないですよ。どうなのですか。

○川上好久企画部長  試験研究機関につきましては、この10年ぐらい大きな動きが来ていると思います。これまで国、それから大学は基礎研究をする。そしてまた、民間の研究機関 はそれがビジネスにつながっていく応用研究。こうした趣旨というものは、いわゆる農業分野全体、あるいはまた工業、そういうものを基礎研究から応用研究に つなげていく、その分野を中心にしてやってきたという状況があったわけです。今日的には、民間でも基礎研究をやり始める、そしてまた、大学でもいわゆる農 業試験場と同じようなことをやり始める。非常に機能が入り組んでいく中で、なおかつ、また複合化していく。それにどう対応していくかというものが1つあっ たと思います。もう一つは、何よりも県が抱えている試験研究機関が県民の生活、産業活動にどう効果を発揮するか、ここがポイントになると思います。今回、 一元化によって県の公設試験研究機関も一つ大きな経験をしたと思います。それをいろいろな業界からの話で、普及部門との連携の話も出てまいりました。そう いう経験を踏んで、またそこに戻していくというのは大きな意味があるのだろうと思います。

 今回の再編につきましても、現場における普及部門と試験研究部門との連携を強化していくわけですが、一元化の効果も残しつつ実施していく。そういう一つの経験の中で、新しい形をまた模索しながら県民サービスを強化していきたいと思っております。

○新里米吉委員 非常にわかりやすく言うと、実際に農業している人、あるいは産業界のニーズにこたえるには戻したほうがいいと。一番端的な重要な根拠にはそれがあるのではないですか。非常に細かく難しく説明して、なかなかわかりにくいと思うのですが、どうなのですか。

○川上好久企画部長  結論的な話を申し上げますと、結局、一元化で他分野を経験して、より大きなサービスができるような形で、また各普及部門とつながっていく、そのような形に なっているということを評価しなければいけない。仮にそういう一元化の経験が全くなくて今日まで来たらどうなのかという比較衡量の中で、やはり組織という もの、それからまたサービスの仕方を考えていく必要があるのだろうと思っております。

 課題として、産業界から普及部門との連携が不十分という話は先ほど申し上げました。そのことを今回解決する。しかしながら、一元化によるメリットも、評価制度を残すとか、そういう形を経験として取り入れながら、組織を編成し直すということでございます。

○新里米吉委員  十分な回答にはなっていませんが、当然一元化で得たメリット、今度戻した場合にどう生かすかということは当然の課題ですよね。一つの部ではなくて別の部に 行ったものとどう連携をとるかというのはこれからのまた逆の課題で、戻したほうがいいという根拠があるわけだから、そこはしっかり答えていただきたかった が、不十分な回答だったなと。企画部長だから、戻すのが悔しいのかなと思うぐらいの答弁の仕方でしたね。これはいいです。

 国道58号沿線を中心としたバス再構築に向けた取り組みの現状を伺いたいと思います。現在それはどうなっているのか。これまで進めてきて、どうもそれほど成果があったのかどうかがよく見えないものですから、その成果と課題も伺いたいと思います。

○川上好久企画部長  国道58号沿線を中心とするバス網再構築、これは那覇市から沖縄市の区間において基幹バスを導入していく。そして、その基幹バスの高い輸送力とか走行性、 快適性を備えたバスシステムを構築しようということでございます。平成21年3月には、沖縄県公共交通活性化推進協議会において、基幹バスシステムの導入 を図るための那覇市・浦添市・宜野湾市・沖縄市地域公共交通総合連携計画を策定しております。

 この中で、バス事業者のほうからは、バスレーンの延長が必要だとか、あるいはまたIC乗車券シ ステムの導入が必要とか、乗り継ぎ施設、そして基幹バスを導入する上で解決しなければいけないこれら課題が提起されているわけでございまして、現在その協 議会において検討を進めております。この中で、バスレーンについては昨年度パブリックインボルブメント―PIを実施して住民の意向調査を実施したり、今般 の予算の中では、次年度予算でIC乗車券システムについての検討とか、あるいはまた、バスロケーションシステムの事業費を計上して、基幹バスシステムに向 けての条件整備を進めてきているところでございます。

○新里米吉委員  利用者から、前からバスレーンの延長という声は聞いているのだが、遅々として、進んでいるのかどうかという感じを受けるのですよね。しっかりとバスが公共 交通としてきちんとやっていけるようにしないといけないし、バス利用者も減っていくし、そういう再構築をしっかりしないと庶民の足が失われていくという心 配があるわけですよ。何か余り進んでいない感じがするのだが、実態はどうなのですか。

○川上好久企画部長  バス網の再編といっても、事業者の調整とか、バスレーンを変更する場合には、それを活用している一般の方々の利便性への問題とか、さまざまな課題がござい ます。そしてまた、基幹バスを走らせていくときにどうすれば利用者がふえていくのか、その条件整備というものは、先ほどのICカードシステムとかバスロ ケーションシステム、そういうものを総合的に、課題をその会議の中で洗い出しながら着実な実施を、進めていると理解しております。

○新里米吉委員 この問題についてはしっかり取り組んでもらいたいと思います。

 最後に、これまで緊急雇用対策で遺骨収集などを実施してきて、かなりの成果があったような気が します。その事業に携わる人たちの中には職を失った人たちなども参加してきましたが、その事業が終了して、この事業が続けられないものかという声が聞こえ てきます。遺骨収集に関しては他都道府県にはない事業で、沖縄特有の事業だとも思いますので、沖縄振興一括交付金の活用に当てはまるのではないかというこ とを感じておりまして、沖縄振興一括交付金の活用がそういった事業に充てられるのか、その考え方を示していただきたいと思います。

○川上好久企画部長  沖縄振興一括交付金につきましては、これまでの国庫補助制度の枠組みではなかなか十分に対応できなかった事業を対象にしていきたいと考えているわけでござ います。遺骨収集につきましては、今委員が言われるように、これは商工労働部の緊急雇用対策事業でもやっていました。また、厚生労働省からの委託も受け て、福祉保健部において実施している事業もあるという状況でございます。

 それを沖縄振興一括交付金でやるかどうかということでございますが、雇用対策としてそれをやるかどうかという話は検討するにしても、これは国庫委託制度もあるということもございまして、国の責務の観点からまず最初に考えるべき話かなと考えております。

○新里米吉委員 よろしいです。

○渡嘉敷喜代子委員長 渡久地修委員。

○渡久地修委員 まず、ふだんなかなか質疑できないので、議会事務局長から質疑します。

 今度、議会基本条例を制定することが各派代表者会議で全会一致で決まって、最終本会議で制定さ れます。議会の権能の強化ということで、私たち議員も一生懸命頑張らないといけないと思うのですが、そういう意味では、議会事務局の頑張りもこれからまた 求められてくると思います。まず議会事務局長のこの議会基本条例を本物にしていく上での決意をお聞かせください。

○嘉陽安昭議会事務局長  ただいま渡久地委員からお話がありましたように、議会基本条例を2月定例会の最終本会議で議決すべく、最終の詰めの作業を行いまして、4月1日から施行す べく手続を進めております。その中では、議会の権能の強化、議員の責務等を定めるとともに、議会の知事の執行権の監視機能の強化、あるいは議会の提案、政 策立案機能の強化、そういうのを定めております。

 これは、もちろん事務局の補佐機能も必要ではございますが、これを円滑にと申しますか、適切に運用すべき最大の責務を持たれているのは議員御自身と考えております。事務局職員は、そのために全精力を挙げてその補佐に努めてまいりたいと決意しているところでございます。

○渡久地修委員  議会のチェック機能、そして権能を強化していく、あるいは、これから議員提案の条例もどんどんやっていこうということも話し合われていますが、そのために はやはり条例制定のための調査とか専門知識を持った職員の増員ということは、今のままでは僕は不足していると思います。私は必要だと思うのですが、議会事 務局長の立場として、ぜひ増員を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

○嘉陽安昭議会事務局長  ただいまの御質疑は、基本条例の運用と事務局職員の定数の関係でございます。現在、議会事務局は、沖縄県職員定数条例で43人の定数で運用しているところ でございます。それで、今定数の増というお話でございますが、事務局としましては、まずは職員の資質、専門性の向上を図りながら、そして今、法制広報班等 議会の権能の強化に資するような組織の整備も行っているところであります。そういう組織体制の整備も踏まえながら、定数については検討していくべきものか なと考えているところでございます。

○渡久地修委員  それともう一つ、この前の議会運営委員会でしたか、先例集の発行ということが議題に上っていました。その説明の中で、事務局職員もいわゆる県庁の行政職と の人事交流とかがあって、これまでの経験の蓄積とか話があったのです。私は、人事交流は一定程度必要だと思うのですが、議会特有の知識がずっと蓄積されて いく特殊な職場だとも思うのですね。そういう意味では、議会の議事運営に精通した人たちをどうやって確保していくかということはとても大事だと思うので す。これも今後、人事異動も定期的にただ異動すればいいというものではなくて、議会運営に精通している人たちをいかに議会に蓄積していくかというのは大事 だと思うのですが、その辺はいかがでしょう。

○嘉陽安昭議会事務局長  委員おっしゃるとおり、議会事務局の議会の運営というものは極めて特殊なものと理解はしております。そういった中で、専門性を持つ職員を育てるということ はやはり喫緊の課題であり、先例録等の編さんに努めているところでございます。ですから、私といたしましても、今後の人事につきましては、交流を適切に行 うために、議会での経験を深めていただき、執行部に行って経験をし、また戻ってくるというような、ローテーションと申しますか、いい職員を育て、そして議 会でまた引き戻してくるというと言い方がおかしいのですが、議会でまた活躍していただくような場をつくっていければと考えている次第でございます。

○渡久地修委員 ぜひ頑張ってください。

 企画部長にお尋ねしたいと思います。今度の議会は、本会議でも取り上げましたが、10年間の新 たな振興計画スタートの初年度の年という点で非常に大事ですよね。それと同時に、ことしは沖縄振興一括交付金というまた初めての年という、幾つもの初めて が続くので非常に大事だと思うのです。まず、これからの振興計画の中で、雇用拡大の方向性について、この前本会議でこれまでの40年間を総括して、この 10年間、どういう方向で沖縄県の失業を解決して雇用を広げていくかという点で、私は3つの方向を提起させていただいたのです。

 1つは、やはり地場産業育成、地元企業育成でこそ雇用が広がるという点で、この前本会議で企画 部長にこれを見ていただいたと思うのです。いわゆる生活密着型の団地とか学校が老朽化したのとか、こういったもので推進してこそ雇用が広がるという問題 と、あと地場産業育成。ここにこそ僕は雇用拡大の方向性があると思うのです。これに対して、知事は、これはいろいろな雇用の可能性が出てくることを改めて 見せていただいた、ぜひその考え方を徹底して取り入れていきたいという答弁をなさっていたのです。知事は総論的に答弁したのですが、これは個別具体的には 各部にまたがると思うのです。企画部として、こういう地場産業育成、地元企業育成ということは、皆さん方の振興計画にもきちんと位置づけていくのはとても 大事、ここにこそ雇用を広げる大きな力が僕はあると思うのです。総論でいいのですが、これからこういったのにどのように力を入れていくか、まずお聞かせく ださい。

○川上好久企画部長  これから雇用をどう広げていくのか、これはこれまでもそうですし、今後の最重要課題だと認識しています。その中で一番に挙げられるのが産業振興ということ でございます。産業振興に当たっては、これまでの観光リゾートとかITとか、そういういわゆるリーディング産業を強化しながら、第3、第4のリーディング 産業を育成する。それはどういう意味があるかというと、外部のマーケットから金を引っ張ってくるという効果がございます。そしてもう一つは、それを活用し ながら、地場産業というものをどう活性化させていくのか。域内で資金を環流させていく足腰の強い地場産業をどうつくっていくのか。それが産業振興としての 大きな枠組みとしてあろうかと思います。

 一方、また雇用という面で見てみますと、実は県の雇用六十二、三万人、そのうちのおおむね農業 が約2万3000人、そして製造業は2万9000人、建設業は6万7000人、そういう形で、大体沖縄県の雇用の枠が見えてくるわけでございます。それを どう拡大していくかというものが、一つそれぞれの分野で課題になっていくだろうと思います。県としては、いろいろな施策を展開しながら、そういう形でやっ ていきたいと思います。

 また、御質疑にありました、沖縄は第3次産業が中心でございますので、観光とか、それからから また今後は少子高齢化で介護、医療も非常に大きな雇用の分野になる。その辺のことも含めて、知事が一般質問でお答えになった意味があろうかと思いますの で、各部連携しながらいろいろな分野で雇用の拡大に努めていきたいと思います。

○渡久地修委員  医療、介護は今から聞こうと思ったのに、先に答弁して……。新たな公営団地をつくるというのは、一番雇用効果があるのですよ。土木、建築、電気、水道、ガ ス、畳、カーテン、ガラス、カーペット、もうありとあらゆる―そういう意味では、一番雇用波及効果があるのです。だから、企画部長が言っている外から引っ 張ってきてそれを内需というものではなくて、それも一つの考え方かもしれませんが、今ある老朽団地とかをきちんと改築していく、必要な団地をつくってい く、ここで雇用が広がっていく。そういう視点に立たないとだめではないですかということを私は言いたかったわけです。

 そして、もう一つが医療です。企画部長、今からこの介護を聞くのです。介護を待機しているお年 寄りが全部入れるようにすると、1392名雇用が広がるのです。とにかく介護の分野とか医療の分野、福祉の分野は、沖縄は物すごくおくれている。待機児童 も一番多い。待機児童を全部解消すると628人も雇用が広がってくるのです。そういったところにきちんと目を向けてやっていくことが大事ではないですか。 これに対して知事も、特に医療、福祉の分野は雇用効果を非常に持っているから、一つ一つ尊重して、きめ細かい雇用対策をやっていきたい。だから、僕はそう いう考え方をきちんと持った上で、この10年間臨んでくださいよということを企画部の皆さんに言いたいのです。お願いします。

○川上好久企画部長 知事がお答えされたように、いろいろな分野の連携をしながら、雇用の拡大に努めていきたいと思います。

○渡久地修委員  先ほど、特にこの40年間、きのうも聞きましたが、例えば特別自由貿易地域とか、皆さん方、一生懸命やってきた。埋め立てもやって、重厚長大型の本土型の 大規模な工業団地をつくろうということをどんどんやってきたわけです。それがうまくいっていないのは事実なのですね。そこをきちんとやらないと、いろいろ な制度を創設してもなかなか企業が立地しない。一般用地にするなど抜本的に見直さなければならない時期に来ていると、総務部長も特別自由貿易の件は言って いたのです。だから、そういったものもきちんと根本的に見直して、先ほど言ったことも含めて、新たな内需に目を向けて、知事が言っているように足元を掘り 起こしていくというところをやっていっていただきたいと思いますが、いかがですか。もう一度。

○川上好久企画部長  新しい計画の時代をどう見るかというものも絡む話であるわけですが、沖縄県の過去の10年間の、沖縄県だけではなく日本全体の大きな流れは、やはり公共事 業が縮減していく、今後もなかなかふえていかない。外部からの金がなかなか入り込んでこない。それをどうそれ以外の形でとりにいくのか。そこは、観光リ ゾートとかIT関係は相当頑張ってきたと見ております。これからあと、沖縄県はまだ人口もふえていきますので、まずはそういう外部マーケットから資金を獲 得していく産業をつくり出し、そしてまた域内の産業活性化をしていく。今、委員が言われるような各分野に金が回るような形で雇用を拡大していく、そういう 経済というものを構築していく必要があろうかと思っております。

○渡久地修委員 僕は一々反論したくないのですが、やはり内需―県民の暮らし、福祉とか地場産業育成、こういったものに目を向けてこそ雇用が広がっていくと私は思っています。これはまた特別委員会で続きをやりましょうね。

 次に、沖縄振興一括交付金について幾つかの視点からこれまでも言われていますが、財政力の弱い 自治体へのいわゆる裏負担分ですね。そういったことをどうやって支援していくかという点で、まず財政力指数というものがありますね。財政力指数を説明して ください。そして、この財政力指数の0.2以下の自治体の数と順位、自治体名、財政力指数について教えてください。

○比嘉徳和市町村課長  御質疑の財政力指数の意味合いについてですが、まず財政力指数というものは、分母に基準財政需要額があります。分子に基準財政収入額があります。標準的な 行政経費を基準財政需要額という形の計算で見積もった上で、標準的な税収入を基準財政収入額というようにあらわして、この比率は財政力、その団体の財政の 力をあらわすとされております。

 それから、2番目にお尋ねの財政力指数が0.2以下の団体の数は、今数えたところ15団体でご ざいます。27位が久米島町で0.19、28位が東村で0.17、29位が竹富町で0.17、30位が伊江村で0.16、31位が南大東村で0.15、 32位が与那国町で0.14、33位が大宜味村で0.13、34位が多良間村で0.12、35位が北大東村で0.11、36位が伊是名村で0.11、37 位が座間味村で0.10、38位が粟国村で0.10、39位が渡嘉敷村で0.09、40位が伊平屋村で0.08、41位が渡名喜村で0.06となってござ います。

○渡久地修委員  財政の弱いところがほぼ離島に集中しているのです。今回沖縄振興一括交付金を出しますよね。そうすると裏負担が発生するということで、こういったところの 裏負担分の額がどれだけになるかという点で、一番下から裏負担の額を、41位のところから37位、下から5番目ぐらいまでの額を教えてもらえますか。例え ば渡名喜村の裏負担額が幾らになるとかいうことを。

○川上好久企画部長 順不同になりますが、北大東村が2625万円です。そして、南大東村が2875万円、渡名喜村が3375万円、粟国村が3125万円、座間味村が4375万円、渡嘉敷村が2875万円、そのような形になっております。

○渡久地修委員 企画部長、このような自治体、この額が示されましたが、要するに去年までの例えば高率補助制度だった場合は、裏負担額はどのようになるのですか。比較すると裏負担額はふえるのか、減るのか、変わらないのか。

○川上好久企画部長  高率補助とこれは比較できるものではないと思います。要するに、これまでの高率補助は公共事業を中心にして、例えば道路だと市町村の10分の8だとか、公 園だと2分の1だとか、いろいろ補助率があるわけです。今回は、いわゆるソフト経費に活用できる。なおかつ、それは実質10分の9という非常に高率な補助 率で、これまで手の届かなかった部分も1割の負担をすれば手が届くという性格のものになっているわけです。

 もちろん事業枠があるからそれを充てなければいけないという心配はあるわけですが、各市町村に とってみると、これまでできなかった行政サービスができるツールが来たという形で、各市町村とも一生懸命今取り組んでいると理解しています。県のほうは、 これはサポートチームをつくってやる予定でございます。

○渡久地修委員  高率補助となかなか比較しづらいということもあると思うのですが、しかし、実際こういうところは国に要請する、100%真水にしてくれとかそういう要請の 動きも当初あったわけですよね。そういう意味では、裏負担できないから使い切れないのではないかというところが、財政力の弱いところの一番の不安であるわ けです。それで、先ほどあった0.2以下でもいいですし、那覇市から渡名喜村まで41、財政力指数ずらっと並んでいるものを見たのですが、いわゆる独自で 今言った裏負担分をきちんと確保できる、あるいは確保できるのか不安だというのは何町村ぐらい、何自治体あるのか、把握していますか。

○川上好久企画部長  1月末から、企画部内で人間を寄せて市町村課に相談窓口というか、サポートチームをつくっております。1週間前に報告を受けた段階では、41団体のうちの 39団体が個別に相談に来ております。今のところそういう話は出てきておりませんが、県としてはいろいろな形で、裏負担の充て方については助言をしながら 相談に乗っていこうと考えております。物によっては、個別事業ごとに県と連携をする形でやっていく予定でございます。

○渡久地修委員  とにかく、こういう財政力の弱いところは不安があるわけですよね、本当に使い切れるかどうかという点でね。そういう意味で、ぜひこれからもサポートしてい ただきたい。これまでの議論を聞いていまして、いわゆる市町村分というものは県に計上されている。そういう意味では県の事業だという点、きのうそういう答 弁でしたよね。県が負担するという考え方もあると。実際そういう考えはあるのですか。

○川上好久企画部長 県に計上しているというのは、県から市町村に配分するために、市町村分303億円を計上しているという意味でございます。

 きのうの総務部長の答弁を聞いていないのですが、要するに制度として裏負担分を県が負担することができるかということについては、できるということでございます。

○渡久地修委員  制度としてできる。例えば県事業として行って、県として持つことは制度としてできるというのが1つある。それと、20%のうち10%を特別交付税でやれる から、残り10%を例えば県が5%を持つ、市町村が5%を持つということを、県と市町村の共同事業としてやるということも可能ですよね。

○川上好久企画部長 先ほど申し上げたように、いろいろな可能性はあり得るということです。ただ、今これをこうするというところはまだ決まっておりませんので、県としては、今のところ各市町村の事業内容の組み方を支援しながら、その財源の充て方について助言しているというような状況です。

○渡久地修委員 特に離島の支援というものは大事だと思うのです。例えば離島で水道料金が高い、それを何とかしてほしいということがずっとこの県議会でも出ていますよね。この水道事業を全県一体として、離島分はこれで県がやるというようなことも可能なのですか。

○川上好久企画部長 今の水道に関しては、既に企業局と福祉保健部、それから企画部の中で、水道広域化について検討を進めております。

○渡久地修委員 だから、この沖縄振興一括交付金を充ててそういったものも離島についてはできるのかということを聞いているわけよ。広域化の話を聞いているのではないわけです。お金を充てられるのですかということです。

○川上好久企画部長 今、広域化のやり方について検討しているわけですが、広域化をするときにどういう費用が出てくるのか、それについては、物によって検討はできると思います。

○渡久地修委員 今、水道というものは例え話であって、そういう意味で特に財政力の弱いところの支援を大いに強めていただきたい。

 あと、学校の老朽校舎というものがありますよね。市町村、老朽校舎は今大問題になって新聞でも やられている。それを建てかえたいと。建てかえたいが、これは既存の制度があって、今何割補助ですか、80%ですか、ありますよね。それでやっていくと裏 負担が20%でも結構高いので、自分たちがやれるものは何校、これ以上はできないと。しかし、この沖縄振興一括交付金でいくと90%できるから、本当はこ れが活用できればもっと進むのになということがあるんです。そういう意味では、今までの高率補助制度とこの沖縄振興一括交付金の差、その辺の整理はつかな いんですか、どうでしょう。

○川上好久企画部長  各学校施設整備事業の中で、国の補助単価と、それが実際の工事費との差によって生ずる地方の超過負担があるわけです。これは今地方の単独事業としてやって いるわけです。これは沖縄が有する特殊性に基づく内容であるとか、そのようなものである場合には、この沖縄振興特別推進交付金の活用も検討する余地はある のかと考えております。

○渡久地修委員 検討する余地はある、これは県ですか、国ですか。

○川上好久企画部長 そのような考え方を整理して、国のほうとも調整していく必要があろうかと思います。

○渡久地修委員 学校の教育施設の老朽化、コンクリートが落ちてくるとかいうことは大きな問題ですから、ぜひこれは進めていただきたい。そういう意味では、例えば学校のクーラーも新設の場合が8割、75%かな、既存の場合が半分。これもそういう考え方に立ってできるわけですね。

○川上好久企画部長 今のような話につきましては、基本的に通常の補助制度があるものについてはなかなか難しいと理解をしています。ただ、そのことが沖縄の特殊事情に起因するようなものとして整理ができるようなものであれば、個別具体的に検討していく必要があろうかと思います。

○渡久地修委員 沖縄は唯一の亜熱帯性気候の中で、その辺はぜひ理論武装してやってください。

 そして、もう一つ市町村が懸念しているので、来年度以降も同額確保できますか。

○川上好久企画部長 これは代表・一般質問で知事がお答えになっているわけですが、そういうことを期待したいと思います。現実問題としては、毎年度財政状況の中で決定されていくものではあるわけでございますが、そのような形で次年度もまた要望していきたいと思います。

○渡久地修委員  その中で市町村が多分心配しているのは、皆さんもそうだと思うのですが、単年度事業であれば使い切れば終わりなのですが、いわゆる複数年度にわたっていっ た場合、大体市町村とか県の事業は3年とか5年の事業ですよね。3年間来るだろうと思ってこういう事業計画を組んでやったら、来年は半分しか来なかった、 さあ大変だということになってしまうという点での複数年度にわたる事業に足を踏み出せるかということがあると思います。その辺はいかがでしょうか。

○川上好久企画部長 確かにそういう御心配は、各市町村、事業によって額も含めてあろうかと思います。できる限りそういうものが継続できるように、県もまた次年度の概算要求に向けて頑張ってまいりたいと思います。

○渡久地修委員  企画部長、これは次年度概算要求にということではなくて、早目に政府ときちんとやってもらわないと、市町村は―皆さんだって4月、5月にはまた残りのもの を決めるわけでしょう、市町村も決めていくわけですよ。だから、こういったことがはっきりしない中で、これは大変ですよ。そういう意味では早急に、来年度 の概算要求云々ではなくて、本当に複数年度つけていいのか。基金は何とかできるという話もありますよね。複数年度つけていいのですかという確証を早目に― 年度内とか、あるいは4月入ったらすぐ確約をとってくるとかしないと市町村は大変ですよ、どうでしょう。

○川上好久企画部長 県も市町村も同じ立場ですので、その辺のところは、次年度だけではなくて、次年度以降も安定的に確保できるような形で取り組んでいきたいと思います。

○渡久地修委員 ぜひ頑張ってください。

 そして次に、普天間飛行場の跡地利用計画、公共用地の先行取得についてです。特に公共用地の先 行取得は本会議でも聞きましたが、11月定例議会で質問して、僕は期待していたがゼロになったということで、これについていろいろ答弁していました。日米 両政府は固定化の脅しをかけてきているのですよ、補修すると言っているのですよ。だから、こっちが早く、皆さん方が予算も計上して先行用地取得をどんどん やっていくということで、次の議会にはきちんとこの額を計上してほしいと思うのですが、企画部長、次の補正予算には額を計上してくださいね、どうでしょ う。

○川上好久企画部長  今回、当初予算でこれを計上できなかった理由の一つは、まだ法律が成立していないことです。法律の中で先行取得の税制が適用できるための要件が幾つかある わけです。その手続が具体的にどうなるのか見えない中で、それからまた、県の公共事業の範囲が関係部局ともまだ調整がついていないということで見送ったわ けでございます。県としては、当然こういう制度があるわけでございまして、また、中南部の跡地の利用というものも課題でございますので、そこは極力沖縄振 興一括交付金の活用も含めて、その税制も活用して先行取得を検討していきたいと思っております。

○渡久地修委員 検討するということは何度も言っているので、僕は補正予算に入れてくださいよと言っているのです。それと、沖縄振興一括交付金が活用できなかったらやらないのですか。

○川上好久企画部長 これは特に財源にこだわらずに、制度としては今回税制が認められましたので、そこは検討していかなければいけないものと思っております。補正も含めて検討してまいりたいと考えております。

○渡久地修委員  土地開発基金とかもあるわけです。とにかく財源にこだわらないで、沖縄振興一括交付金がだめだった、できませんでしたよということにならないように、それ も含めて大いに検討して、きちんと財源を確保してやっていっていただきたい。その際、企画部長、手続的な問題ですが、いわゆる先行取得条例とか先行取得の ための基金条例とか、そういったものをつくらないとこれはできないんですか。それとも、今の仕組みの中で、お金さえあればどんどんこれは執行できるのです か、どうでしょう。

○川上好久企画部長 これは、特に基金をつくらなくても歳出予算に計上すればいい性格のものと理解をしております。

○渡久地修委員 要するに、皆さん方の決意があればできる。決意とお金があればできるということですので、ぜひやっていただきたいと思います。

 次に、企画部の新規事業で、それも沖縄振興一括交付金事業で、沖縄感染症医療研究ネットワーク基盤構築事業というものがあるのですが、この中身を説明してください。

○具志堅清明科学技術振興課長  新年度の沖縄感染症医療研究ネットワーク基盤構築事業というのは、現在地球規模で温暖化が広がっておりまして、インフルエンザとかマラリアの感染症が南の ほうから上がってくる、熱帯から亜熱帯に向けて上がってくる。沖縄県は先ほどありましたように亜熱帯に属しておりまして、日本国内でも感染症のディフェン ス地域、ここで研究することによって、そういったいわゆる感染症の拡大を防いでいくような研究拠点の可能性を秘めているということで、今非常に注目を浴び ております。

 今回この事業によって、そういった感染症の研究を産官学連携で、沖縄でいち早く研究を始めて、 そういった研究拠点を沖縄につくり込みたいと。それによって、沖縄県が目指しております沖縄21世紀ビジョンの中の知的産業クラスター、そういった一つの 拠点の可能性をこの事業の中でつくり込んでいきたいと思っております。

○渡久地修委員  この事業概要を見ると、感染症や成人T細胞白血病―ATL等を対象とした共同研究を行うとともに、医療研究ネットワーク構築を図るための経費ということ で、感染症だけじゃなくてATLというものがあるから、うちの嘉陽県議がずっと本会議で聞いていたから、僕はこれに基づいて今聞いているつもりです。 ATLはやらないのですか。

○具志堅清明科学技術振興課長 今回、感染症対策研究拠点事業、この研究事業の中にATL対策拠点構築事業ということで1つ設けております。このATLも、地域特有の感染症の一つではありますので、これも特化した研究内容として取り組む予定にしております。

○渡久地修委員 今、このATLが沖縄特有のと言っていましたよね。これはまさに沖縄特有の、嘉陽県議がずっと言っている沖縄の風土病とずっと言われているよということで理解していいですか。

○具志堅清明科学技術振興課長  ATLは、日本国内全体にキャリアの方がいらっしゃるということなのですが、まだ科学的な知見で―沖縄と南九州に発生が多いという事実がございまして、県 内では70人から90人の患者が発症しているということで、全体として国内でも多い地域ということでございます。そういう認識のもとに、沖縄県内でこう いった研究拠点を構築するのは非常に意義があることだということで、研究事業の一つとして入れたいと考えております。

○渡久地修委員  私たちの周りでもそういう患者さんやこれで亡くなった人たちがたくさんいるのです。皆さんもいると思います。そういう意味では、これは非常に待ち望まれて いると思いますので、どういった体制で、どういった規模で、どれぐらいのスケジュールでやろうとしているのかということを、もし今明らかにできるのだった らお願いします。

○具志堅清明科学技術振興課長  これについては基本的には3年間の事業ではございますが、研究体制も含めて、これから構築します。実はあすでございますが、沖縄で国内のATL研究の権威 を集めたATLシンポジウムin沖縄を沖縄県産業支援センターで福祉保健部と連携して開催します。東京大学の権威の先生であったり、長崎大学の先生をお呼 びしておりますので、そういった先生方との意見交換も含めて体制づくりをしていきたいと考えております。

○渡久地修委員 とにかくこういう患者さん、キャリアの皆さんの期待にこたえられるような成果が出るように、ぜひしっかりやっていただきたいと思います。

 次に、鉄軌道を含む新たな公共交通システム導入、いわゆる鉄軌道です。これについては企画部長、あと何年後に鉄道が走りますか。

○川上好久企画部長  いつ走るというようなことは明確に申し上げることはできませんが、2年前に国のほうでも調査に入って、ようやく計画の中にも位置づけ、そしてまた法律の中 にもそれを位置づける。1段階踏みつつあると認識しております。国と連携しながら、その導入に向けて取り組んでまいりたいと思います。

○渡久地修委員 いつ走るのかまだわからないということなのですが、ルートとかそういったものはさまざまあるので、とにかく沖縄縦貫鉄道を全力挙げて実現を目指していくという立場をこれからもずっと堅持してやっていきますよね。

○川上好久企画部長 今月末に策定する沖縄県総合交通体系基本計画、そしてまた新たな沖縄21世紀ビジョン基本計画、その中でもそういう位置づけをする予定でございます。

○渡久地修委員 ぜひこれは頑張っていただきたいと思います。

 最後に不発弾の問題ですが、これは整理がついたのか確認させていただきたい。いわゆる不発弾 は、沖縄振興一括交付金をもらってそれでやるのだという前の議論がありましたよね。これは企画部サイド。そして、知事公室サイドは、これは違う、これは国 の責任でやるべきものだと。議会でもその議論がありました。何でこれを沖縄振興一括交付金に入れるのだ、国の責任でお金は全部それとは別建てでやるべきだ という議論もありましたね。県庁内部でも意見の整理がついていなかったと思うのですが、これはもう整理がつきましたか。

○川上好久企画部長 今回の平成24年度内閣府予算の中では、沖縄振興一括交付金の中に入れ込まないで、内閣府独自の予算として計上しているところでございます。

○渡久地修委員 これは企画部サイドでも、今後とも不発弾処理の問題は沖縄振興一括交付金化とかを求めるのではなくて、きちんと国の責任で全額やってもらう、そういう立場でいいですよね、確認します。

○川上好久企画部長 それは知事公室と同じ立場でございます。

○渡久地修委員 終わります。

○渡嘉敷喜代子委員長 上原章委員。

○上原章委員  企画部にお尋ねします。沖縄振興一括交付金についてですが、まず、市町村に303億円配分されております。新聞では、41市町村で当初予算案に計上できた のは14市町村、36億円ですね。残りの25市町村は補正予算で対応という報道がありました。これについて、県は何が原因と受けとめていますか。

○川上好久企画部長  今回の沖縄振興一括交付金、昨年の12月24日の沖縄政策協議会で最終的には決着を見たわけでございまして、それ以降、直後に各市町村には事業の検討をお 願いしております。1月には県で再度説明会をして、またサポートチームをつくって、事業化できるところは当初予算に計上したということでございます。現 在、17市町村が当初予算に計上するということでございまして、おおむね39市町村で事業化の形が大体できております。年度明けにも、早い時期での補正予 算を計上する予定でございます。

○上原章委員  非常に時間がタイトであったということはわかるのです。県もそうですが、交付要綱がまだはっきり見えない中での予算編成ということで、進めていく中でこの 辺の不透明部分が各市町村も、先ほども質疑がありましたが、繰り越しの形がとれるのかとか、基金が設けられるのかとか、いろいろあると思うのですが、この 交付要綱については国と県はもうしっかり議論が交わされていますか。

○川上好久企画部長  現在、内閣府のほうで交付要綱について検討が進められているわけでございます。県としては、今委員から言われています繰り越しの制度だとか、基金とか、あ るいはまた、この流用の問題とか、それについては要望を申し上げて、そういう形での交付要綱の整備をお願いしているところでございます。

○上原章委員 1年間、単年度で使い切れる、これが一番いいわけです。なかなか市町村を含めて、事業の中身によっては年度を越えてやらなくてはいけないもの、特に福祉とかいろいろなものは継続性が必要ですので、ぜひ県として、沖縄の特殊性も前面に出してやっていただきたいと思います。

 それで、本会議でも私は質問しましたが、福祉とか教育部門が、今回沖縄振興一括交付金のメニューに非常に少ないと思っているのです。この辺の少し踏み込めない要因というものは、企画部としてはどう受けとめていますか。

○川上好久企画部長  企画部としては、直接予算調整をやっていないので細かい理由は把握し切れていないのですが、福祉保健部あたりは、恐らく既存の制度が非常に込み入っている という中で、沖縄振興一括交付金をどのような形で適用したらより効果的な事業が組めるのか、そこを今一生懸命考えているところだろうと思います。

 教育委員会も、さまざまな構想は今出ているやには聞いております。例えば離島会館の話もござい ますし、海外への留学、そしてまた低学年の学習・学力向上に向けてさまざまな検討を進めていると。年度明けには補正で計上していくものの中に出てくるもの と期待しているところでございます。

○上原章委員  沖縄振興一括交付金の使い道ということで、沖縄県の特殊事情というものをかんがみて、自由度が高い交付金ということでぜひこれを進めてほしいのです。7日 の国会の衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会で、離島の高校生が島外高等学校へ進学する際の住居費や交通費、離島の妊産婦の健康診断費用について、 川端沖縄担当大臣は、地域の事情に即した活用ということが沖縄振興一括交付金創設の趣旨であり、離島の対応も県が判断するものに含まれるというような発言 もあるのですね。

 ですから、きのう総務部にも私は質疑しましたが、この沖縄振興一括交付金の使い方、いろいろ要 件もあるとは思うのですが、第一義は、県がどのようにこれを活用したいのだということをしっかり国に申し出る。これが一番大事ではないかと思うのです。こ の辺、企画部長として、各部いろいろメニューをつくっているとは思うのですが、沖縄振興一括交付金の使い方という一つの基本方針はそこにまず置くことが大 事ではないかと思うのですが、どうですか。

○川上好久企画部長  沖縄振興一括交付金の要望をしてきた趣旨、背景といいますのは、まさに変化する県民ニーズにどう対応していくのか、そしてまた、全国一律の政策がなかなか 間尺に合わない沖縄の特殊事情、それにどういう形で届くような政策が打てるのか、そういうものが根幹にあるわけでございます。

 今委員から言われる離島におけるさまざまな課題、教育にしろ、医療にしろ、そういうものをしっかり事業化して沖縄振興一括交付金の事業としてつくり上げていくことが必要だと理解しております。

○上原章委員  離島が持っている非常に苦しい厳しい環境をどう軽減していくかということが大事だと思います。それで、皆さんが今回の沖縄振興一括交付金で取り組もうとし ている事業の一つに離島生活コスト低減実証事業がありますが、1億3000万円。これは具体的に、実証実験ということですが、どこの島で今実証実験されよ うとしていますか。

○稲福具実地域・離島課長  この離島生活コスト低減実証事業は、離島における生活必需品の価格を低減するための、御指摘のように実証実験をやる予定です。おおむね3年程度を今予定し ております。対象の地域については、沖縄本島と比較した物価の状況であるとか、あるいは人口規模、輸送経路等を考慮して、対象市町村をこれから選定してい きたいと考えております。

○上原章委員 このコスト低減ということは、沖縄本島並みに持っていこうということですか。

○稲福具実地域・離島課長  離島地域はいろいろな地理的条件とかで、我々が事前に調べたところ、大体3割程度生活必需品の物価が高いという情報が得られています。これをなるべく沖縄 本島に近い形へ引き下げることによって定住条件を整備していきたいということです。価格というのは市場で決定されていますので、県としては方法をいろいろ 検討した結果、輸送経費であるとか、あるいは販売手数料というのですか、経費の一部を補助することによってどのぐらい下がるかということを実証する必要が あるということです。そういう事業の中で検証していきたいと考えております。

○上原章委員 対象品目はどういったものですか。

○稲福具実地域・離島課長 対象品目としては、離島の皆さんが生活をする上で不可欠な生活必需品ということで、大きなくくりでいいますと、例えば食料品であるとか衣料品、日用雑貨、それから家庭用の医薬品とか、そういったものを想定しております。

○上原章委員 食料品、衣料品、いろいろあると思うのですが、日常使う燃料、ガソリン、灯油等は含まないのですか。

○稲福具実地域・離島課長 離島で消費される石油製品については、現在、復帰特別措置であります揮発油税の軽減措置を前提にして、揮発油、灯油、A重油、軽油、その4種について輸送経費を補助する石油製品輸送等補助事業を実施しておりまして、その中でやっていきたいと考えております。

○上原章委員 その補助はわかるのですが、それでも余りにも今離島の燃料は高いのです。その辺は皆さん承知していると思うのです。こういったところをぜひ軽減してほしいという声が強いのですが、どうですか。

○稲福具実地域・離島課長  復帰後これまで石油製品輸送等補助事業を実施してきましたが、離島地域の場合は市場規模が小さいであるとか、なかなか販売単価の引き下げに結びつきにく い。あるいは輸送経費以外にもいろいろなコストがかかるということで、実際はまだ沖縄本島と比較して価格差があるという状況であります。そのため、次年度 において委託料を計上しまして、どういう価格差の構造になっているのか、輸送経費以外にどの程度のどのような経費がかかっているのか、その辺を定量的に調 査することにしておりまして、その調査結果を踏まえて制度の見直し等を検討してまいりたいと考えております。

○上原章委員  今回初めて取り組むコスト低減実証事業―生活物価を沖縄本島並みにするということですから、これは多分卸売業とか業者への補助になると思うのです。そう いった中で、本当に補助した分がきちんと島民に還元していくのか。それから、先ほどの燃料、ガソリン等もいろいろな補助は出しているが、実際暮らしている 人たちの高いという感覚が、大分生活者の人たちと皆さんとの温度差というか、認識がちょっと違うような気がするのです。今回のこういった事業で島の人たち の生活コストが本当に軽減されたという形になれるようにお願いしたいと思います。

 それから、同じく沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業16億8000万円、これも沖縄振興一括交付金でスタートするわけですが、特に船の定期航路、26の路線でJR普通運賃並みということを聞いています。具体的に何%ぐらい軽減されるのですか。

○下地明和交通政策課長  離島航路の軽減率につきましては、航路の事情が各離島によってさまざまでございます。私どもとしては、JR運賃並みということを目標にして引き下げたいと いうことで、各航路をいろいろ調査したところ、航路によって違いまして、大体20%から70%ぐらいの引き下げになると。航路の事情、離島の人口によって も大分違いますので、そのような範囲で引き下げるというようになっております。

○上原章委員 これは住民のみですか。

○下地明和交通政策課長 船賃につきましては、住民のみということで考えております。

○上原章委員 例えば、沖縄本島に来ている同じ島出身の方が帰省するとか、用があって帰るとか、そういったのは該当しないのですか。

○下地明和交通政策課長  これは沖縄振興一括交付金で実施する事業でございますので、きちんと確認できるということで、住民カードを交付するという方法で確認しながら進めるという ことになっています。ここに住んでいる方々は残念ながら住民カードを持っていないと思いますので。ただ、離島出身の高校生でありますとか学生等について は、役場等がそういう証明するものを発行するということ、あるいは飛行機の場合は還付をするとか、そういう方法で見るということになっております。

○上原章委員 ぜひこれも、これまでなかなかできなかった部分だと思いますので、飛行機の4割ないし5割の割引も含めて、しっかり進めていただきたいと思います。

 あと1点、亜熱帯・島しょ型エネルギー基盤技術研究事業で8億4000万円計上されておりますが、この事業内容を教えてもらえますか。

○具志堅清明科学技術振興課長  本事業は、新しいエネルギー技術の開発ということを目的に、公募事業で研究事業を公募したいと考えております。本事業では県内の沖縄科学技術大学院大学で あるとか琉球大学、または高等専門学校などの研究基盤がありまして、そういったところから、これまで島しょ地域に適した新エネルギー技術の創成の研究開発 を補助する、5年間の研究期間です。特にこれまでにない研究ということで、例えば亜熱帯地域を活用するということでは、藻類の中にエネルギー物質を蓄積す る微細藻類が沖縄県内の海洋で見つかったり、そういう研究発表があったりしますので、そういったものを大きく活用して、新しい形のエネルギーを研究開発し ていただくということで、公募を行い、大体4事業から6事業程度の研究事業をしていただこうと考えております。

○上原章委員 具体的に今公募しようとしている機関というのはあるのですか。

○具志堅清明科学技術振興課長 基本的には、国内、国外も含めて研究公募はしたいと思っております。国際共同研究も含めて、そういった研究拠点を知的産業クラスターとして沖縄に目指しておりますので、そういった公募でもって広く研究を受け付けたいと思っております。

○上原章委員 ですから、これは1機関上限2億円と聞いていますが、今その公募を考えているところはあるのですか。

○具志堅清明科学技術振興課長  こういうエネルギーの研究はさまざまな研究機関でやっておりまして、沖縄科学技術大学院大学のほうでも、廃棄物を微生物に分解させたときに新しい電気エネ ルギーを発生するような微生物の研究をなさっている先生とかがいらっしゃいます。そういったところと企業が組んで応募する可能性もあるということも聞いて おります。ですから、そういったさまざまな方々が、一研究機関ではなくて、幾つかの研究機関が組んで応募していただくということも考えております。

○上原章委員 亜熱帯・島しょ型という沖縄ならではのそういったことと受けとめているのですが、よく言われる新エネルギーと言われるものとは違うのですか。

○具志堅清明科学技術振興課長  我々の考えております亜熱帯・島しょ型エネルギーというものは、亜熱帯地域に特有ないろいろな微生物だったり、バイオマスを利用したり、あとは離島を使っ た、例えばIT関連によるエネルギーの省エネルギー化とか、そういった沖縄特有の問題を解決しながら沖縄の資源を生かした研究というものを基本テーマにし ております。新エネルギーと言われている太陽光であったり、風車の研究というものは今回想定しておりません。

○上原章委員 頑張ってください。

○渡嘉敷喜代子委員長 休憩いたします。

   午後3時27分休憩

   午後3時52分再開

○渡嘉敷喜代子委員長 再開いたします。

 休憩前に引き続き質疑を行います。

 新垣清涼委員外議員。

○新垣清涼議員 沖縄振興一括交付金の関係で、離島振興についてお尋ねをしたいと思います。

 この中で、沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業、離島航路運航安定化支援事業、そして離島生 活コスト低減実証事業ということで3つ並んでいるのですが、今回のこの補助率、公営の場合、国8割、県10割、市町村10割ということで出ていますよね。 それから、民営の場合には事業者が20%ということで出ているのですが、これは離島の住民の生活を支える、あるいはこういう生活コストを抑えるという意味 では、思い切って全額国の予算でやるという方向性はなかったのでしょうか。例えば国道であれば鹿児島から沖縄まで国道58号線が続いているわけですが、そ ういう意味では、船を国費で購入して、運営を県に、あるいは民間に委託をする。要するに、船は道という考え方をすればそういうこともできるのではないかと 思うのですが、そのような検討はされなかったのか。

○川上好久企画部長  海を道路と見立てても10分の9と1割の負担はあるわけでございまして、そういうことは話は別にしても、沖縄振興一括交付金の制度そのものが交付率が10 分の8、地方交付税措置が10%で、実質10分の9というものの中で船舶建造についての補助を今回は実施したと。その考え方を整理すると、市町村の負担が 本来だったら10分の2になるところを、県が事業実施することによって10分の1に抑えるという形で、県としては配慮をしながら事業実施をしております。 ただ、民間の事業者と市町村を同列に扱うというものも少し難しい面がありまして、そこは事業者に2割を持たせながら、残りを沖縄振興一括交付金と、それか ら県と市町村という形で負担をするというスキームにしてございます。

○新垣清涼議員  やはり沖縄振興一括交付金で沖縄の特性に対して使えるわけですから、そういう意味では、国の制度として8割ということがあっても、県がもう少し工夫をして そういった支援ができないものかなという思いがあります。その辺をぜひ検討していただいて、この代船建造支援計画を策定される予定になっているようです が、それについて、こういった、購入する、あるいは代船する場合も、県がしっかりと民間であっても支援をしていくという方向性でよろしいでしょうか。

○下地明和交通政策課長  離島航路運航安定化支援事業を平成24年度から実施するわけでございますが、沖縄振興一括交付金が決まったのが少し遅かったということもあって、我々はそ れでも離島の船のデータ調査はいろいろやっておりましたので、今のところ貨客船を中心に、どうしても人だけでなく物資も運ぶものを対象にして支援していく わけですが、それについては、今、船の船齢、いわゆる船の年齢とか傷みぐあいというものが十分に調査されておりませんので、次年度調査をした上で、優先順 位をつけ、市町村とも相談しながら支援計画をつくっていきたいと考えております。

○新垣清涼議員  先ほどの質疑のやりとりの中でもあったのですが、例えば生活物資のコストを沖縄本島内と同じような価格にするためには、輸送する量によってもコストが違っ てくると思うのですね。そういう意味では、2割から7割という幅があるわけですが、このことをやることによって、沖縄本島の那覇地域と同じレベルになると 解釈してよろしいんでしょうか、価格が同じようになるということでいいのでしょうか。

○下地明和交通政策課長 今申し上げた離島航路運航安定化支援事業は、あくまでも離島住民の方々の運賃低減ということでありまして、物資については地域・離島課のほうで先ほども話題が出ましたが、その事業のほうでやっております。もしよろしければ、地域・離島課長にお願いします。

○稲福具実地域・離島課長  離島の物価が高いという話を先ほども申し上げましたが、特にその中でも生活に不可欠な生活必需品について、それをターゲットにして今回価格低減のための運 賃を補助するとか、販売経費の一部を補助するとか、そういう形で引き下げられるような方向で実証実験を実施していきたいと考えております。

 物価の決定は、県が幾らと決めることはなかなかできないものですから、最終的にはいろいろな流 通の仕組み、あるいは小売店の価格決定というようになっていきます。ただ、その仕入れ価格を引き下げることによってどのぐらい下がるかということは検証し ていく必要があると思います。可能な限り引き下げる効果が出るような形で実証実験の仕組みを考えていきたいと考えております。

○新垣清涼議員  実証実験をなさるわけだから、そういう意味では小売業者も、あるいは卸売業者についても皆さん調査をして、どうすれば同じような価格になるかということは 調査されないといけないわけです。そして、行政としてもこういう支援をするので、ぜひ住民にはそういう負担をかけないように価格を調整してほしいという、 ある意味では指導もしていただきたいと思うのですが、どうですか。

○稲福具実地域・離島課長 この実証実験をやるに当たって、特に離島の小売店とか住民の皆さんに十分事業の趣旨を説明した上で、価格引き下げ効果につながるようなことをやっていきたいと考えております。

○新垣清涼議員 次に、公共交通利用環境改善事業について、説明をお願いします。

○下地明和交通政策課長  今回、新たに公共交通利用環境改善事業ということで、内容としましては、公共交通の利用環境を改善するということです。今後、有機的な公共ネットワークを 形成していくという中で、まず公共交通の利用の増大を図るために、県民あるいは観光客の皆さんが利便性を感じられるように、あるいは高齢者の方々、いわゆ る交通弱者と言われる方々が移動の確保を十分にできるように、それから、何といっても渋滞緩和、あるいは低炭素社会の実現という観点から、今後、公共交通 を利用しやすい環境をつくろうということでIC乗車券のシステムの検討をしていこうと。バス間の乗り継ぎ、あるいはモノレールとバスの乗り継ぎがスムーズ にできるような環境づくり。あるいはバスがいつ来るかわからないというような中で、バスロケーションシステムの導入。いわゆる携帯等で、今自分がいるとこ ろにいつバスが来るのか、そういうことが検索できるようなシステム構築。あるいは最近海外から観光客誘致もやっていますので、そういう人たちが多言語で検 索ができるようなシステムづくり。そういったものをして、公共交通の利用環境を改善して活性化につなげていこうという事業内容でございます。

○新垣清涼議員  バスロケーションシステムがわからなかったのですが、携帯を利用して、どの位置にいるかというのがわかるということであれば、利用者はふえていくだろうと 思うのです。というのは、私も時々バスを利用するんですが、バス停に張ってある時刻表を見ても、時間を過ぎても来ないのですね。そうすると、先に通り過ぎ たのかなという思いがあるわけです。バス停留所に、例えば3つか5つぐらい前のバス停留所を表示して、そこに次に来るバスを点滅で表示することができれ ば、これは携帯を持っていなくても、お年寄りでもわかるわけです。例えば、僕は宜野湾に住んでいますから、次来るバスは今伊佐にいる、あるいは大山にいる ということがわかれば、バスの利用者はふえると思います。バスがいつ来るかがわからない、そういうことではなかなか利用しようという気にならないわけで す。それが特に間隔があいている地域だと余計そういうことになると思いますので、ぜひその辺も検討していただきたいのですが、どうでしょうか。

○下地明和交通政策課長 今の件は今後の検討になるかと思います。といいますのは、ハード的な整備、バス停を整備することになりますので、そこら辺は検討課題とさせてください。よろしくお願いします。

○新垣清涼議員 ぜひ検討をお願いします。

 それから、普天間飛行場跡地利用計画についてですが、平成24年度は基本構想ができるというこ とですので期待しております。そうしますと、飛行場内のガマ、あるいは去年ですか、東日本に米軍は行って帰ってきて、放射能をそこで洗浄したということが あるわけですが、そういった公害物質の調査だとか、ガマの調査などは済んでいると見てよろしいのでしょうか。

○古波蔵健企画部参事  これまで基地内の立ち入りというのは米軍の許可が得られないと思うように入って調査ができないということもございました。特に環境関係につきましては、樹 木ですとか生物ですとか、あるいはガマの的確な位置とか、この辺はまだきちんと把握できていないというのが現状でございます。

○新垣清涼議員  やはり跡地利用計画を立てるには、そういったガマの調査ということがどうしても必要だと思うのです。宜野湾市の普天間飛行場は、国道330号側から雨水 が、ちょうど基地のフェンスの近くで普天間飛行場に入っていきます。そして、西海岸ではわき水として出てきています。そういう意味では、わき水の活用をこ れから考えるためにも、そういった調査はどうしても必要だと思うのです。そこら辺はどのように考えていらっしゃいますか。

○古波蔵健企画部参事  基地の中に、我々は洞穴と言っていますが、穴の入り口がたくさんあるということは承知しております。この穴をきちんと保全しないと、大山あたり、喜友名あ たりのわき水がかれてしまう可能性があるというのは重々わかっております。こういうわき水も一つの文化でございますので、きちんとそういう環境関係も配慮 しながら、そういう洞穴とかを残す方策を今検討しているところでございます。その辺は普天間公園という大規模な公園を検討していますので、そういう公園の 配置等とも絡めながら、保全とかも図っていきたいと考えております。

○新垣清涼議員  洞穴だけではなくて、今西海岸に出ているわき水というものは、あの広大な普天間飛行場に降ってくる雨が浸透して出てくるわけですから。そういう意味では、 やはり西海岸の湧水を守るという意味でも、ぜひそこら辺をしっかりと調査していただいて、跡地開発に入れてほしいと思います。

 宜野湾市に県営団地や県の警察宿舎、そういった国有資産等所在市町村交付金がずっと入っていな くて、平成24年度に1900万円計上されているということが今市議のほうから連絡があります。なぜかというと、5年分しかできない、それ以前のものが消 えてしまったということがあるものだから、どうしてそういうことが起こったのかお尋ねします。

○米蔵博美会計管理者 その状況等を把握しておりませんので、正確な答えになるかどうかわかりませんが、基本的には請求権の時効が関係しているのではないかと考えられます。

○新垣清涼議員 下地島空港のこれからの利活用についてです。現在は土木建築部で管轄していると思うのですが、これからの空港の利活用については、企画部のほうでしっかりと担当していただきたいのですが、どうでしょうか。

○小橋川健二企画振興統括監  空港については、議員おっしゃるように土木建築部のほうで今年度、来年度までかけて空港機能をどうしようかと、今のまま使っていくのか等々含めて調査をす ると聞いております。その残地については、農業利用ゾーン、リゾート関係のゾーン、いろいろなゾーン分けをして、民間活力を主体にした利用を待っていると ころなのですが、いかんせん経済状況が非常に厳しいこともあって、なかなか利活用が進んでいないということもございます。そういう意味で、土木建築部でや ります空港活用の調査結果を見ながら、残地も今後どういう活用をしていけるのだろうかということは、企画部のほうでもコミットしてまいりたいと思っていま す。

○新垣清涼議員  土木建築部ではなくて、これからの開発、利活用については、観光あるいは農業振興、いろいろな面で検討していかないといけないと思うのです。そういう意味 では、やはり企画部のほうで引き取っていただいて、多方面からの検討が必要だと思いますので、ぜひそこら辺は御検討をよろしくお願いします。

 以上で終わります。

○渡嘉敷喜代子委員長 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 先に沖縄振興一括交付金からお聞きします。総務部関係でも少しきのうやりとりし、今まだ不確定要素がたくさんあるということだったのですが、今後国とどのように調整をして、今後のスケジュールについてどのように考えているかをお聞かせください。

○川上好久企画部長  当面は予算も計上しているわけでございますが、交付要綱はまだできていないと。この3月末をめどに交付要綱ができるという話も聞いています。県としては今 回の議会で議論となりました基金の問題だとか、繰り越しの問題、そしてまた用途の拡大といいますか、そういう量の拡充、拡大を図っていきたいということを 国に要望しながら、それが交付要綱に反映されるような形でお願いをしているといった状況でございます。

○赤嶺昇委員 交付要綱はいつごろできる予定ですか。

○川上好久企画部長 今月末を一応めどにしていると聞いております。

○赤嶺昇委員 その交付要綱は、県がつくって国がそれを認めるか認めないかという手順ですか。

○川上好久企画部長 これは、国のほうでつくります。

○赤嶺昇委員 そうすると、国が交付要綱をつくって県が出しているメニューがありますよね。それが合致するかしないか、それが適応するかしないかが全部判明するのが4月中ということでよろしいですか。

○川上好久企画部長  県のほうは当初予算のスケジュールもございますので、沖縄振興一括交付金についてはこれまで既存の補助メニューでできなかった内容、なおかつまた沖縄県の 地域特性から見て、ニーズの高い事業をやりたいということで、こういう事業というものを内々示しながら予算計上してございます。それを反映するような形で 交付要綱も整備をされていくのではないかと県としては期待して、そういう要望をしているわけでございます。したがいまして、3月末にその交付要綱が出てく ると話を聞いているわけでございますが、そのような情報はできるだけ県もお聞きをしながら、足りないところはまた要望していく形で調整してまいりたいと考 えております。

○赤嶺昇委員 この間、自由に使える沖縄振興一括交付金ということで来て、今交付要綱は国がつくると。交付要綱を国がつくるということは、自由に使えるということに矛盾しませんか。

○川上好久企画部長  この間、いろいろな議論がございました。10分の10であって何でも使える、そういう財源はまさに地方交付税と全く変わらないわけでございまして、そうい うものを県として求めてきたわけではないのです。今般の沖縄振興一括交付金の性格というものは、こういう地方交付税ではなくてあくまでも国庫支出金―法律 でつけられた自由度の高い国庫支出金として、沖縄振興一括交付金として措置してほしいということを要望してまいりました。結果として12月24日に決着し た内容は、その経常経費を対象として、沖縄独自の制度として創設すると。それは、これまでの補助金からすると極めて広範囲な内容のもので、沖縄振興に資す る事業として沖縄の産業振興だとか、あるいはまた沖縄の固有課題、例えば交通・物流コストだとか、それからまた沖縄の発展可能性を生かした国際物流関連と か、そういうものにも使えるような形でと要望して、おおむねそういう方向で理解が得られていると考えております。なおかつ、それは10分の9という高補助 率でございまして、国庫支出金でありながら、経常経費については極めて高率の交付率という形で措置をされているものと理解しております。

○赤嶺昇委員 先ほどもあったのですが、市町村の沖縄振興一括交付金について、裏負担ができない市町村に対して県が支援することはできると国もおっしゃっているし、県もそう認めていますね。県はその準備をしていますか。

○川上好久企画部長  例えば農林水産部等では基盤整備などその市町村が事業主体のものを、例えば10分の8のものを10%補助する、そういう仕組みとして制度はあり得ると先ほ どお答えしたわけでございます。そういう制度が可能かどうかについては少しまた国のほうとも調整しないといけない部分もございますが、制度としてはあると 理解しております。そしてまた、現在市町村がやる事業に県が10分の10補てんするかどうかというものは、今のところ全く想定していません。むしろ今、各 市町村がどういう事業をやりたいのか、どうすればその沖縄振興一括交付金を活用して、それぞれが抱えている行政ニーズに対応できる事業を仕組めるのか、そ このところをいろいろと御相談しながらサポートしています。その中で、財源の充て方とかその辺も相談をしながら進めてきている状況です。

○赤嶺昇委員 そうしたら、各市町村が各事業、今予算がある程度配分も出ているみたいですが、これはいつごろ県は取りまとめる予定なのかお伺いいたします。

○川上好久企画部長  平成25年度の概算要求に向けた作業というか、そのスケジュールについては今のところまだ見えていないわけでございます。それより当面平成24年度の沖縄 振興一括交付金の事業をどう取りまとめていくのか。それは、先ほど申し上げましたように1月下旬に説明会をして、個別に今各市町村と相談をしております。 できる限り4月上旬には各市町村とも補正で上げられるような形でやってほしいということでお願いをしております。その辺までには大体見えてくるのかと考え ております。

○赤嶺昇委員  4月上旬だったらある程度理解します。それで、3月に国の交付要綱ができて、4月の上旬で各市町村の事業が出たとしますよね。市町村によって、もし裏負担 がなかなか組めないということで事業そのものが出なかった場合に、この市町村分について実質的に活用できないということが生じる可能性がありますよね。そ の場合、どのように対処しますか。

○川上好久企画部長  なるべくそういうことが起こらないようにと思っているわけでございます。基本的にはこの沖縄振興一括交付金を年間を通して県分、市町村分、あるいはまた市 町村間、そういう形でやりくりできるような形に持っていきたいと思っております。今回は初めてでもありますので、県としてはできる限り細かいところまでコ ミットしながら、各市町村、予算計上できるような形で持っていきたいと思っております。

○赤嶺昇委員  そうすると、各市町村からいろいろな事業が4月上旬に出されてきて、交付要綱に沿ってまた国とのやりとりがありますね。それが交付要綱に沿って適切かどう かという言い方がいいのかわからないですが、それがある程度4月中にまとまると一番理想ということで理解していいのですかね。

○川上好久企画部長 これはなるべく早目にということが理想的だと思います。当初予算で既に計上しているところもございますので、一応準備をしながら、そういう形で微調整ができればそれが望ましいと思います。

○赤嶺昇委員  ぜひ、初めてのことなので、県の職員、それから市町村がしっかり連携して、国の財政が厳しい中でいい使い方をしているなということが示せるように―消化で はなくて非常にいいメニューができて、それがむしろ他都道府県にいい、全国が恐らく注目していると思いますので。そこはぜひ頑張っていただきたいと思って います。

 那覇空港の平行滑走路についてなのですが、これについて部長は早期完成を目指すということをおっしゃっているのです。早期完成を目指しているとおっしゃっていましたので、それは現行に対して何年前倒しで考えているかをお聞かせください。

○川上好久企画部長  私どもがこれまで聞いている標準的な交付金による事業期間というものは、着工しておおむね7年と聞いております。それを、極力工期を短縮してくれと県とし ては要望しているわけでございますが、国のほうから、では具体的に何年間短縮できるというものは、まだ示されている状況ではございません。

○赤嶺昇委員  おっしゃるとおり、国の標準的な部分で言うと着工して7年と。国の航空事業予算そのものが非常に厳しい状況ですね。県がこの那覇空港平行滑走路を早目にや るということを、例えば5年以内とか4年以内にということを考えると、先日私が言いましたように仲井真知事が当選してもう5年ですね。10年間で1000 万人の観光客ということになると、那覇空港の平行滑走路は絶対必要だと思うのです。例えば5年以内という一つの区切りを私は持つべきだと思うのですが、い かがですか。

○川上好久企画部長 先ほどお答えしましたように、7年という標準的な工期を示されているわけですが、県としてはできる限り、今言われる工期の短縮を期待して、また、そういう形で申し入れをしていきたいと思います。

○赤嶺昇委員 申し入れは、5年以内ということですか。

○川上好久企画部長 短縮するにしてもいろいろな条件があって、5年とかと極端に期限を区切って言うことはできないわけですが、今7年と言われているものをできる限り、1年でも2年でも短縮できるようお願いをしていきたいと思います。

○赤嶺昇委員  標準的な国の予算執行の中で言うと、私は7年より短くなることはあり得ないと思っているのです。沖縄振興一括交付金を活用してこれを前倒しでやるというこ とも、県の観光に資する事業だと。確かにこれは国の事業とはいっても、それは今後沖縄の観光ということを考えていったときに投資をする価値があると思いま す。沖縄振興一括交付金で那覇空港の平行滑走路の早期整備について予算を投入するということは可能かどうかお聞かせください。

○川上好久企画部長  現時点においては国直轄事業としてあるわけでございまして、国がやる事業について県が金を出していくということは、この負担金以外、例えば10分の9.5 が国直轄事業の国の負担率ですが、そのうちの0.5%。それ以外の出し方があるかということはなかなか考えにくいわけです。また、ここは国直轄事業として 空港の整備をするという話で一応整理はされております。

 現行、非常に厳しいという話も聞いてはいるわけでございますが、予算の確保については国のほうで判断をされていくものと考えております。

 現行、道路にしろ空港にしろ、あるいは国営かんがい排水事業にしろ、国が事業主体となるものに ついては県の負担率は決められておりまして、その範囲で県は出すことができる。それを超えてその事業に出すということは、これはできないと理解しておりま す。通常の事業としてはですね。

○赤嶺昇委員 わかりました。これはまた今後も議論していきたいと思っています。

 続いて、駐留軍跡地利用についてなのですが、これも今回利用促進費で予算等もついているのですが、キャンプ・キンザーとか嘉手納以南のパッケージから外して今後返還をしていくという話がありますので、県としてはどのように取り組んでいくのかお聞かせください。

○古波蔵健企画部参事  普天間飛行場に関しましては、県と宜野湾市が今共同で調査を進めております。それは、規模の大規模性ですとか、あるいはその位置という観点から共同調査を 進めております。浦添市の牧港補給基地につきましては、現在政府案の新たな法律の中で、大規模跡地の指定を現在の300ヘクタールから200ヘクタールに 落としていくということになりますと、牧港補給基地もその大規模跡地の対象ということになります。もしそういうことになりましたときに、では県がそれにど うかかわっていくのかということが、今後の検討課題と考えています。

○赤嶺昇委員 基本的なことなのですが、県は、嘉手納以南の基地の早期返還を求めているという立場ですか。

○川上好久企画部長 そのとおりだと考えております。

○赤嶺昇委員  そうすると、企画部として、これは県三役だと思うのですが、普天間の件は、活用については県と宜野湾市でやると。しかし、キャンプ・キンザーについては大 規模跡地が300ヘクタールから200ヘクタールになったらまたこれから考えると。大田県政で国際都市形成構想であったり、返還されたときに沖縄県がどう 活用するかということをイメージするとか、そういう案を出したのですね。皆さんは、嘉手納以南が返されるかもしれないということを、今もう政治的に動き出 している中において、これからですとかと言っている次元では、私は非常に遅いと思うのです。企画部として、この嘉手納以南を返されたときに県が各市町村と タイアップして、どのようにこれを整備するのかということをやるのが仕事だと思うのですよ。今回、沖縄振興一括交付金も始まります。そういった中で、各市 町村がそれぞれやりたい放題になると、県の今後の活用としてゾーニングなのか、その地域はどう使うのかということを、県が中心にならないと似たような施設 が全部つくられていく。例えばジャスコをつくるとか、サンエーができるとか、みんな同じようなものなのですよ。パイが決まっていて、人口の移動でしかなら ないような整備になってしまうと、これは非常に大きな問題だと思いますが、部長、いかがですか。

○川上好久企画部長  これは委員のおっしゃるとおりでして、今参事が言ったのは、制度的な仕組みがまだ見えていない中で、その大規模跡地のかかわり方を今説明したわけでござい ます。考え方としては、今般の沖縄21世紀ビジョン基本計画の議論の中でも、嘉手納以南の広大な基地跡地というものは今後の県土構造の再編というぐらいの 大きなインパクトを持つという、これは共通認識としてあるわけです。ただ、それを個別の市町村でそれぞれ好きなようにと言ったら失礼ですが、そういう考え 方で開発されると、その県全体としての利益が十分出てこないという考え方もあろうかということで、現在広域構想というものに取り組んでおります。

 これまでの跡地のように、各市町村単独の発想で開発していくわけではなくて、沖縄県全体の振興 発展の観点から、各跡地の利用計画案をマネジメントしていこう、そういう考え方で、これは関係市町村も含めていろいろな議論を重ねております。もちろん、 これは強制力を持つわけではございませんが、少なくともそういうゾーニングとか、そういう認識合わせをしながら、それぞれの跡地の整備に役立てていただき たいと、そういう趣旨で今作業を進めているところでございます。

○赤嶺昇委員 そうすると、これは今議論を重ねているということでございますが、ゾーニングも含めて各市町村と連携して、国際都市形成構想みたいなそういうプランを今後つくるということですか。

○古波蔵健企画部参事  広域構想につきましては、平成22年度から調査をしておりまして、今年度末で、要は3月いっぱいで広域構想の案という形で取りまとめる予定でございます。 その案をつくりまして、それからまたパブリックコメントをかけて、4月以降に跡地関係市町村連絡調整会議というものがございますが、それに諮って構想とす るという段取りでございます。

○赤嶺昇委員 では確認なのですが、広域構想案が3月末でまとめられるということですか、もう一度。

○古波蔵健企画部参事 広域構想は3月末で案が取りまとめられます。

○赤嶺昇委員  浦添で言うとキンザーが返還されると、キンザーに隣接した屋富祖、宮城、仲西、勢理客、この地域の再開発の問題も今後出てくると思うのです。だから、市町 村とも相談しながら、各市町村全部そういう形で、どういうエリア、ゾーニングという形で示すということが大事だと思っていますので、しっかり示していただ きたいと思っています。

 最後に鉄軌道についてなのですが、ことしもまた調査をしていくということです。鉄軌道をよく南部から北部、本部までという話があるのですが、高速道路を活用するということは皆さん念頭にありますか。

○下地明和交通政策課長 これまで県、国と調査を実施してきておりますが、この調査においては、まだ高速道路を使うというルートについて検討したことはありません。

○赤嶺昇委員 今調査をしているということなのですが、何を調査しているのですか。

○川上好久企画部長  国と県両方で2年前から調査を始めています。県は基地跡地の事業費を活用して、基地跡地の活用を含めて、鉄軌道のこの調査をまず一昨年やりました。そし て、国のほうも平成22年から平成23年にかけて、需要予測モデルとか仮説のルート案をつくって、それについて検討を始めてきたところです。平成24年度 は新規事業化に向けて何が必要かというと、やはり膨大な事業費が必要になってくるわけです。そしてまた事業の採算性。そうすると、それをできるだけ実現で きるような制度というものはどういうものが望ましいのか。早期に実現できるような手法を今後国に要請していく、そういう制度、仕組みについて調査、検討を することが1点。

 そしてもう一つは、県民にこの鉄軌道について周知を図って意見を聞いていく、そういうことを平成24年度はやっていきたいと考えております。

○赤嶺昇委員 今答弁で、仮説のルート案を出したということなのですが、仮説のルート案とはどのようになっていますか。

○下地明和交通政策課長  国において平成22年度に設定したルートが、骨格ルートというものとこれに代替するルートがあります。骨格ルートは那覇から沖縄市、そしてうるま市を通り まして石川に、それから恩納村を通ってというルート。もう一本の代替ルートというのは、宜野湾の伊佐から嘉手納のほうを通って、西海岸を通って北上すると いうルートでまずやっております。それ以外にも、さらに糸満、豊見城、那覇までのルートも含め、あるいはもう一つは与那原方面へ来るというのを設定して、 そこにどういう需要が見込めるのかなどを国は調査しております。その前に、県では那覇から沖縄市へ、そして北部へというルートと、それから同じように嘉手 納へというルートで調査をしております。ただし、それぞれ需要予測をするときの設定条件が違っていたりしておりまして、その需要見込みについては差が出て いるのが現状です。

○赤嶺昇委員 今述べてもらったそれぞれのルートというのは、大体どの辺を通るのですか、できれば委員長を通して資料をいただきたいのですが。

○下地明和交通政策課長 これについては、国、県とも一応どこを通るという、非常にラフでありますが、ルートが調査の内容として示されております。ホームページ上などでも掲載されておりますので、当然資料としてお渡しすることができます。

○赤嶺昇委員  そうすると、先ほど答弁があったように、特に高速道路については検討されていないということで、仮設のルートで需要予測されているということですね。今年 度も調査をされるということなのですが、県として鉄軌道なのか、どういうものになるかはわからない。県としては、これを何年以内に完成させたいという考え を持っているか、お聞かせください。

○川上好久企画部長  先ほども御質疑がございましたが、今のところ何年というものは議論して確認したことはございません。ちょうど2年前、国のほうでようやく鉄軌道の調査が始 まりました。県のほうも、その跡地について本格的に調査をして、今回の沖縄振興特別措置法の中で、公共交通について新たな公共交通システムということで、 鉄道にかかわる規定が打ち込まれる予定になっております。そういうことを一応踏まえて今後検討を積み重ねて、そしてまた制度設計をしながら、着実に進めて いく必要があろうかと思っております。

○赤嶺昇委員 少しよくわからないのは、何年以内ということをまだはっきり決めていないということをおっしゃるのですが、沖縄振興計画が始まって、あと10年ぐらいですよね。これは、皆さんとしては需要予測をしてやらないということも可能性として持っているのか、お聞かせください。

○川上好久企画部長 これは交通体系基本計画、それからまた仮称沖縄21世紀ビジョン基本計画、この中にも県民の意向として、また県の意思として書き込んでいくわけです。それをぜひ実現をするという意識で取り組んでいるつもりでございます。

○渡嘉敷喜代子委員長 當間盛夫委員。

○當間盛夫委員  まず、沖縄振興一括交付金のほうからお話をさせてもらいたいと思うのですが、今度の沖縄振興特別推進交付金ということで803億円ですか、これはソフト事 業に使うと。残り771億円は公共投資ということです。この沖縄振興特別推進交付金は保留というか未執行の分が100億円だとかという話があるのですが、 その部分が、あとどれぐらい県のほうとしてあるのか。その公共投資交付金の700億円近くは、全部積まれたのか、その辺から教えてもらえますか。

○川上好久企画部長  公共投資交付金につきましては、すべて計上されている。沖縄振興特別推進交付金の分については121億円がまだ残っているということです。これについては 庁内で予算編成を引き続きやっておりまして、年度明けの早い時期に補正予算として計上したいという動きになっていると聞いております。

○當間盛夫委員 皆さんが今度振興策をするときに、沖縄振興のあり方ということで、約3000億円要求したときの、沖縄県はこういうものがあるのですよという留意点を挙げられているはずなのです。これはどういう部分だったのでしょうか。

○川上好久企画部長  3000億円すべて沖縄振興一括交付金というものを考えて要望してまいったわけでございます。その中では、まだ社会資本整備が必要。とりわけ競争力のある 社会資本整備、それは空港であったり、また空港ターミナル、あるいは港湾、それとつながる基幹的な道路の整備であったり、そういうものが必要。そして離島 の振興、物流コスト、交流コスト。これまで既存の制度でなかなか手の届かなかった、県民ニーズの高い、そういう分野ができるような、自由に使える交付金と してくれということで、このようなものを挙げております。

 雑駁な言い方になりましたが、おおむね整理をするとすれば、沖縄県の経済の自立につながってい く産業振興だとか、離島振興、人材の育成、沖縄の特殊事情を克服する物流コストだとか交流コスト、離島の定住条件、子育て支援、そういうもの。そして、今 後の我が国に貢献できる、例えば国際物流だとか、新しい沖縄の可能性を切り開く、そういう分野に使えるような内容のものとして要望してきたということでご ざいます。

○當間盛夫委員 いや、内容的なものではなくて、当初この3000億円を要求する沖縄は全国とは違う特殊性があるのだと皆さん4項目挙げたはずでしょうから、それをお聞きしています。

○川上好久企画部長  私どもが要望してきたものについては、全国一律の政策では間尺に合わない沖縄県の実態を提示しながら、例えば全国と著しく異なる産業構造だとか、あるいは また離島の姿だとか、亜熱帯性だとか人口構成だとか、そういうものを踏まえて、背景に出てくる政策課題に適応できるものということで要望してきたと理解を しております。

 今委員が言われるペーパーがあるのかわからないですが、いただければそのことについてお答えできるかもしれませんので、よろしくお願いします。

○當間盛夫委員  いや、私が見ているのは皆さんが出している分ですよ。皆さんは広大な海域に多数の離島が散在していると。だから、産業は全国一律の枠組みではないという事 情が沖縄県にはありますよと。沖縄県には、復帰後も米軍施設があり、基地の特殊性があるのだと。人口も増加地域であるというような4項目ぐらいを挙げてい るではないですか。この市町村分の303億円の配分割合は、どこで決められたのですか。

○川上好久企画部長 これは41市町村の集まりである沖縄市町村振興協議会という組織の中で決定されております。

○當間盛夫委員  これは市町村のほうで決定されて、結果的に人口、面積での割合部分が85%、あと財政力だとか離島加算とか高齢化だとか、そういった割合は15%しか見て いないわけですよね。市町村に配分した割合は人口でしかやっていないものだから、人口が多いところの那覇市が52億円という結果になってくるわけですよ。 何で均等割で5000万円しかやらないという分を皆さん了とされているのですか。

○川上好久企画部長  基本的には、これは県が了とする話ではないわけです。市町村間で納得をして決定をしていただいたということです。もちろん、そのためにはたたき台がないと いけないわけでございまして、県は9月に市町村からの依頼を受けて、ワーキングチームをつくって、市町村の税務課長、実務家クラスを集めて幾つもシミュ レーションをしておりました。このシミュレーションの結果を市町村全体にお示しして、その中で幾つか議論があったのは御承知のとおりです。均等割という考 え方も入れ込みながら、今回あのような形で一応配分の方向が決着したということでございます。

○當間盛夫委員 企画部長は、国には、沖縄県は人口じゃないよ、面積じゃないよ、これだけの海域があって、これだけの基地があるから3000億円要求すると。でも、市町村は人口割でやってもいいのだということを了としているということですか。

○川上好久企画部長  県が財政事情として必要なものとして、広大な海域に散在する、こういう地理的な条件から派生するさまざまな問題があるということ、これは説明をします。し かし、今回の市町村の配分は、これはこれで離島加算だとか、さまざまな置かれている状況について十分配慮指標というものを入れ込みながら整理されているわ けです。もちろん、人口も一つの要素であることは間違いないわけでございまして、そういうものも入れながら、理解をして、こういう結論に至ったと。これ は、県がこうしろという話ではなくて、市町村のほうでそういう理解をされて決定されたということでございます。

○當間盛夫委員 では都市部、市と町村の割合はどうなっていますか。

○比嘉徳和市町村課長 都市分と町村分の割合は、都市分が63.9%、町村分が36.1%となっています。

○當間盛夫委員  市は、やはり財政力があるのですよ、那覇市にしても。例えば、5億円負担しようと思ったらできるわけです。ところが、町村になると離島を含めるわけですか ら、なかなかこの10分の1負担はできないという現実があるわけです。それからすると、これまでは特別調整費というものが50億円ありましたよね。あれは どういう交付でしたか。

○川上好久企画部長 これまでの特別調整費、これは計上が50億円、そしてまた投資が50億円あったわけです。

○當間盛夫委員 僕が聞いているのは10分の10だったか、どっちかでいいんだよ。

○川上好久企画部長 10分の8です。

○當間盛夫委員  基本的には10分の8、でもこれは財政的には県がやったわけです。例えば市町村の町村、離島のことを何かやろうとしても、県が10分の2持てるような形の ものをとったと思うのです。市町村にも、例えばその特別調整費で何かやるときに、そういった市町村の割合というのは何かありましたか。

○川上好久企画部長 ケースによると思うのです。地域・離島課等でやっている特別調整費の事業では、市町村と県で残る2割を1対1で持つというパターンが多いと見ております。

○當間盛夫委員  これは別に5対5で持つということは決められていなくて、ある程度その事業によって組まれていたはずなのです。そういう弾力性をぜひ持ってもらいたいとい う部分と、町村分が36%の割合で、大体110億円ですよ。その分の10分の1を県が見るとしても大体約11億円なのです。それのまた半分としても5億円 という話になってくるわけですから、市は財政力があるからしっかりと自分たちで頑張ってもらう。ところが、町村となってくると、なかなか財政力がないか ら、結局2億円だとかという話になってくるわけです。町村分をその半分でも県が持つのだということをしっかりと明言されたほうがいいのではないですか。

○川上好久企画部長 市町村のほうから、今具体的にそういう相談が個別に挙がっているわけではないのですが、財源の組み方、事業の組み方も、それから財源の充て方も、いろいろ御相談をしながらやっていきたいと思います。

○當間盛夫委員 やっていくということでよろしいでしょうか。

○川上好久企画部長  10分の1を充てるという話ではなくて、市町村の事業の組み方を県としても支援していく。そしてまた、その財源の充て方はいろいろあるわけでございます。 過疎債もございますし、そしてまたその中で、先ほど御質疑がございましたが、国との仕組みとして確認しなくてはいけない条件もございます。その辺の動きを 見ながら今後も検討してまいりたいと思います。

○當間盛夫委員 国の仕組みは県に交付しているわけだから、それは市町村ということではなくて、県でぜひ知恵を絞ってやってください。

 次に、那覇空港整備促進、これは今度法律にも明記されようとしているのですが、公共交通機関に 関して、そのあり方について調査検討を行うよう努めるということで、基本方針にも挙げてきているのですね。まだこれからだと思うのですが、那覇空港、しっ かりと第2滑走路の整備を図るということになっているのですが、この辺の国との調整ぐあいはどうなっていますか。

○川上好久企画部長 基本方針の中身はまだ見えていなくて、今の話はまだ確認がとれていないと考えております。

○當間盛夫委員  那覇空港は、沖縄振興をしっかりとかち取るため、また、皆さん観光をいろいろな形でやっている部署でもあるわけですよね。平行滑走路をつくらないと、もう 皆さんパンクする状況だということは認識されているではないですか。何でそれをもっと国でしっかりと明記してくれということをやらないのか、その辺が ちょっと不思議でならないのです。

 では、空港予算というのはどういう状況になっているのですか。

○川上好久企画部長 平成22年度の歳出予算、空港整備勘定の歳出予算は4593億円、平成23年度が3264億円と聞いております。

○當間盛夫委員 国が新たな空港整備をするお金は、空港特別会計自体もう管理の部分だけで終わってしまっているわけですよ。新設する予算はこれは入っていますか。

○川上好久企画部長 これについては承知しておりません。

○當間盛夫委員 国のほうは今アセスメントをやっていますよね。その環境アセスメントが終わると、国はすぐその分での実施設計なりそういった手続に入るということを皆さんは確約がとれているのですか。

○川上好久企画部長 これまでの国との話の中では、アセスメントはおおむね3年、そして標準工期で7年ということを聞いています。そのことからすると、次年度着手するというように県としては考えています。

○當間盛夫委員 県として考えていても、国の国土交通省にはお金がないわけですから、この振興策を使って皆さんしっかりと国のあり方としてやってくれということをしっかりと訴えるべきだと思っておりますので、この辺は提言しておきたいと思います。

 国際線ターミナルビルの進状況を教えてもらえますか。この分は、多分入札も終わったと思うのですが、県内企業が受注されているのでしょうか。

○下地明和交通政策課長 今、私どもが那覇空港ビルディング株式会社―NABCOのほうから受けている報告では、2月22日に入札公告を出したと。そして、入札は4月中旬の予定という報告を受けております。

○當間盛夫委員 県として、今回出資金を2億円余り出すわけですよね。4月に決まるということですが、県内企業でしっかりとやってくれということは県のほうからも伝えてあるのでしょうか。

○川上好久企画部長  那覇空港の国際線ターミナルについては、これは県のほうは当然県内企業への優先発注について申し入れをしてまいりました。配慮をしてくれと。ただ、那覇空 港ターミナル株式会社は、この国際線旅客ターミナルビルは公共性が高い、CIQなどの国の官庁施設が入るということから、工事発注については国のカテゴ リーとして取り扱うということで、これはWTOの政府調達協定適用基準ということで、入札も一般競争入札に付しております。ただ、県からの申し入れに対し ては、入札参加資格者2者以上で構成する特定建設工事共同企業体、いわゆるJV方式としてやることで、県内建設企業が受注しやすいように配慮したと聞いて おります。

○當間盛夫委員 WTOといったら識名トンネルをすぐ思い出してしまうものですから。沖縄県の玄関の国際線のターミナルになるわけですから、県内企業がしっかり受注できるように皆さんも努力をされてください。

 あと、離島空路確保対策事業ということで8000万円ありますが、小規模離島というのですか、波照間、慶良間、伊江島の離島の離着陸状況はわかりますか。

○下地明和交通政策課長 平成22年度の実績でございますが、波照間が9回、慶良間が12回、伊江島が19回というデータを持っております。

○當間盛夫委員 この1つの空港をつくるのに、大体どれぐらいの予算がかかりますか。

○川上好久企画部長 手元に資料がなくて申しわけないのですが、大体オーダー的には、離島空港だと30億円から50億円ぐらいと理解しています。

○當間盛夫委員 血税で30億円、40億円かけて、年間で9回とか12回だとかという離発着の状況について、交通政策をする中で、皆さんはどういう課題を持って、どういう対策をとる予定ですか。

○川上好久企画部長  離島県でありますから、外部との出入り口は空港と港湾しかないわけで、そういうものを基本的に整備していくということは、これまで沖縄振興の中で非常に重 要な課題であったわけでございます。今12の離島空港が整備をされてまいりました。ただ、この間離島空港を就航した後、その市町村においては高速船の就航 があったりとか、いろいろな環境の変化でその利用が少し停滞している。航空会社が採算性の観点で吸収している状況があったりしている。それが今のような数 字になっているわけでございます。しかし、県としてはやはり空港の活用は重要なことだと思っておりまして、次年度、休止をしている空港、航路について、活 用の可能性に向けて調査を入れる予定になっております。そして、可能性があればそのデータをもとにして事業者に働きかけをしていきたいと考えているところ でございます。

○當間盛夫委員  最近は自家用ジェットとかがあるものですから、そういうもので使ってもらったらありがたいなと思うのです。慶良間へ行くとほとんど使われていない状況。そ こにバイクでも走らせたほうがいいのかなとか思ったりするようなところもありますので、とにかく税金でつくったところですので、しっかりと皆さん活用方法 を考えてください。

 あと、離島航路の運航安定の問題、今回25億円ついているのですが、その計画を教えてもらえますか。

○下地明和交通政策課長  まず、県内には離島航路と言われるものが22航路あるのですが、そこに63隻の船舶が航行しております。県として補助対象航路というものがあるわけです が、それは14航路となっております。今回の離島航路運航安定化支援事業では、小規模離島の赤字航路で、なおかつ貨客船―高速を除いてどうしても住民に とって必要な、人を運ぶだけではなくて物資も運ぶ船舶に対して、先ほども申し上げましたが船齢とか傷みぐあい、そういったものを今後平成24年度に詳細に ヒアリングをして計画を定めて、代船をやっていきたいと考えております。したがいまして、今、具体的にいつどの船をどうというものはまだつくっておりませ ん。

○當間盛夫委員 さっきの部長の答弁と矛盾してきますね。空港ではなくて、高速船とかが入ってくるから、空港の飛行機の使用がなくなっているんだと言って、今は高速船にはこれは使えないというのは矛盾してきませんか。

○川上好久企画部長  先ほどは、この空港が休止している理由を申し上げただけの話でございまして、今回の船舶建造への補助は、一定の条件で走らせようと考えております。その離 島住民の生活物資あるいはまた最低限の生活にかかわるように使われる貨客船をまずは対象とする。そして、赤字空港で小規模。そのような前提でまず走らせる ということを申し上げているわけでございます。

○當間盛夫委員 今後、沖縄県離島海運振興株式会社のあり方はどうなっていくのでしょうか。

○下地明和交通政策課長  御存じのとおり、沖縄県離島海運振興株式会社は本県の離島航路事業者が必要とする船舶を建造、保有したり、建造の支援をするということで、建造、保有して 貸与したり、あるいは航路事業の改善及び離島の振興を図ることを目的にできた会社であります。県、それから県内の離島市町村を中心に、船舶取得あるいは貸 渡業、貸付業、損害保険代理業などを事業内容としてやっております。今回離島航路運航安定化支援事業を行うことによって、一定の船のリースとかの事業が縮 小されるわけですが、ほかに高速船だとか、あるいはその対象にならないものについても当然沖縄県離島海運振興株式会社は面倒を見るということになっており ます。離島にとって船の買いかえは15年、20年に1回の事業でございまして、なかなか船をつくる場合の造船会社とのやりとり、そういったノウハウがなか なか蓄積されないということで、船の建造とかいう場合には、そういうコンサルタント的な役割も今後果たしていくだろうと考えております。今後はそういう組 織として残っていくと思っております。

○當間盛夫委員 終わります。

○渡嘉敷喜代子委員長 上里直司委員。

○上里直司委員 それではまず、沖縄国際航空物流ハブ活用推進事業についてお尋ねいたします。

 この事業概要を見ていますと、那覇空港の貨物取扱量は飛躍的に伸びており、効果があらわれているように思うわけですが、今年度の予算を執行すると総事業費は幾らになるのか、まずそこをお答えいただけますか。

○下地明和交通政策課長 これは、平成22年度から行っている事業でありまして、平成24年度まで実施するということになりますと、21億7731万1000円となります。

○上里直司委員  それで、取扱量もふえているということでありますが、これは別の事業の説明の中に、臨空・臨港型産業集積支援事業というものが今年度計上されています。県 内への経済波及効果は限定的な状況にあると説明しているのです。では、なぜ今年度で21億円ですから、14億円の予算を投資して県内への経済波及効果が限 定的な状況になっているのか御説明いただけますか。

○下地明和交通政策課長  こういう表現をしてあるのは、現在貨物ハブ事業を実施することによって、国際路線の誘致あるいは県産品の販路拡大、あるいは各地域での知名度アップという 部分では、かなり効果を出してきているとは考えております。ただ、県内に我々が今から整備あるいは誘致していこうというフォワーダーとかパーツセンターだ とか、あるいはeコマースだとか、そういった企業の誘致が、場所あるいは施設的な面もありますが、まだ進んでいないということもあります。そこで我々の今 後考えている企業の集積による雇用の拡大というところにまだ十分に行っていないので、こういう表現をさせていただきました。

○上里直司委員  いや、少し意味がわからない。私が聞いているのは、14億円の予算を投下して経済的な波及効果が限定的なということがどういうところなのかという話をして いるわけなのです。つまり、平成22年度、平成23年度の事業を検証した上でどの部分が足りないのかという、この事業での足りない部分がどこなのかという 点での質疑でありますので、その点を答えていただけますか。

○川上好久企画部長  沖縄国際航空物流ハブ活用推進事業ですが、これは効果は限定的と今書いてあるのは、県が求めていくハブ事業を活用した産業は、臨空・臨港型産業として、例 えばストックセンターとか、リペアセンターだとか、eコマースとか、そういう産業を集積させていく。そのことは雇用の拡大に飛躍的な役割を果たしていくと 考えております。ただ、平成21年10月26日に第1便が飛んでここまで来ているわけですが、そこまでの大きな企業の立地がまだ見えないということが限定 的と書かせていただいたということでございます。

 沖縄国際航空物流ハブ活用推進事業は、今そういう意味でこういうふうに書いているわけでござい ます。全日本空輸が貨物ハブ事業を開始したことによって、県内経済界を含めて大きな変化が生じていると理解しております。まず1つは、この沖縄県から本土 を見ると、大体東京まで1500キロ、そこに1億2600万人のマーケットがあるわけでございます。平成21年10月に貨物ハブが就航した5都市の地域の 人口が約1億人です。沖縄県から等距離に、言ってみれば本土と同じような形のマーケットが2億人に広がった。沖縄県経済界の方々は、そこに非常に注目して おります。この事業は、ANAハブが改称して、各就航地への観光、それから県産品の販路拡大、企業誘致、そしてまた航路の誘致とか、そういうものを一体的 に実施してきたわけでございます。この2年半でどういう形になっているかといいますと、まず那覇空港の国際便数は週23便から41便に増加いたしました。 言ってみれば、その認知度が飛躍的に広がったということです。旅客数は、27万人から45万人、そして航空輸送を活用した県産品の輸送額は、月当たり 0.4トンから17.2トンと。もちろん、それで大きな絶対数にはなっていないわけでございますが、かなりの効果を上げてはきている。ただ、沖縄県が求め ているそういう臨空型の産業の立地にはまだ届いていないというところで、若干まだそういう成果が企業立地では至っていないので、そういう表現をさせていた だいたということでございます。

○上里直司委員  いや、長々と説明していただいても。ここで私が説明していることは、現時点では中継貨物が大半を占め、県内への経済波及効果は限定的状況にあるというわけ なのですよ。そうすると、例えば県産品販路拡大事業というものは、皆さんの事業で行くと約9億円弱出しているのです。そうなってくると、中継貨物というも のは結局のところ沖縄県から発生するというわけではなくて、海外から持ってきたものを、ここを仲介して国内に持っていく。また、その逆もありということで すから、県産品の販路拡大という部分の事業が余りうまくいっていないということの理解なのかどうかということを聞いているわけなのです。確かに効果を上げ ているのはわかりますよ。わかりますが、ここでそういう限定的なということも言いながら、中継貨物が大半を占めているということは、まだまだ十分ではない という認識なのだろうと思っているわけなのです。

 そういうことに立ってみれば、次年度の予算において、どこに重点を置いて、どうすることによって県産品の販路拡大につながるのか、そのことについてお答えいただけますか。

○下地明和交通政策課長  少し答え方がまずかったと思いますが、先ほども部長から答弁がありましたように、航空路線の誘致あるいは県内における国際貨物の取り扱いの増加という面で は、かなりの成果を出しているものと思っております。ただ、県産品の拡大についても、ほとんど県内から出ることのなかった県産品が月に17トン出ていくと いう中で、今後どのような戦略で県産品を出していくのかということを、まさに今考えているわけです。県内のメーカー、それから各仕向け地によってもいろい ろ制限があったりしますので、そこら辺はこれまでやってきたことを十分に検証しながら、伸びてきている青果物あるいはきのこ類、それに健康食品あるいは精 肉、そういった県内企業が出品できるものを中心にマーケットに売り込んで販路拡大を図っていくということで考えております。

○上里直司委員  今お答えをいただいたのは、ほとんど思いの部分なのですよ。現状はこうしたいというところで言うと、例えば皆さんの航空会社のコンテナスペース借上事業が ありますよね。これは一体、1年間当たり幾らぐらいを見積もっていて、どれぐらい借り上げ事業に予算を費やしたのでしょうか。お答えいただけますか。

○下地明和交通政策課長 コンテナスペース借り上げ事業は、今年間4000万円ほどの借り上げをしております。

○上里直司委員 そのスペースはどれぐらい埋まっているのですか。割合的にどれぐらい埋まっているのか、あるいはどれぐらいの需要があるのか、数字ベースでお答えいただけますか。

○下地明和交通政策課長 大体7割から8割ぐらいは埋まっていると聞いております。

○上里直司委員 これは1社当たりとかスペースを借り上げて皆さん事業を実施していますが、利用者の費用負担がどうなっているのか、その額は適正なのか、まず額は幾らなのかということ。利用者の方の声はどうなっているのか、お答えいただけますか。

○玉城恒美交通政策課班長  運賃が、県の施策を利用することによって約6分の1程度に低減いたします。利用者の反応ですが、非常に好意的な反応をいただいております。香港だと大体週 に3本出しておりますが、その辺の頻度についても、徐々にふやしてきております。それから、出す曜日とかについてもマーケットを見ながら、利用者の意見を 聞きながら柔軟に対応させていただいております。

○上里直司委員  6分の1でも負担があると認識されている企業もありますし、もう少し下げてもいいのか。それはおつき合いしている業者の皆様方の反応も見ながら、ここがも う少し下がってくると、例えばでありますが、国内の東京や大阪に物を運ぶ、航空輸送で運ぶ金額と同じぐらいで香港やその他の地域に持っていけるということ になっていけば、これはかなり魅力的な事業になってくるでしょうし、それに付随する、いろいろ海外展開するための施策を加えれば、もう少し県内の皆さん方 の販路の拡大が実現できてくるだろうとは思っていますので、ここが非常に重要だろうと思っています。

 そこで、この事業を見てどうしても違和感があるのは、この3年間の21億円という予算の中で、 沖縄集中情報発信推進事業が大体6割を占めているのですね。これが実際どういう効果を上げていて、そこの実績をきちんと見ないと事業として成功しないだろ うと見ているのです。これについての実績、今までの検証と、次年度どうしたいのか、どういうところに戦略を打っていくのかということを最後にお答えいただ けますか。

○下地明和交通政策課長  確かに、予算の6割近くをプロモーションを含め認知度向上にかなり費やしている部分はございます。それというのも、やはりまだまだ沖縄は海外でそんなに認 知度が高いわけではないということもありまして、大々的なプロモーションを今までやってきたと。その効果としてかなりあらわれているのが、航空路線の拡 充、拡大。それから、それに伴う観光客の増加、それがひいては私どもとしては沖縄の物産の消費とか、そういったいろいろなものにつながっていくだろうと考 えておりまして、これだけ費やしてきました。次年度からは、観光もかなり大きな誘客プロモーションの予算を取りましたので、もっと県産品の販路拡大だとか 企業の誘致、そういったものに投資して、連動して、観光と一緒になってさらに拡大をしていけたらと考えております。

○上里直司委員  例えば県産品の販路拡大事業におけるコンテナスペース借上事業の利用料の問題だとか、沖縄集中情報発信事業、これは観光と重なる部分がありますから、その 貨物ハブ事業を推進する上でどこに力を入れていくのかということは、この2年間の事業成果も見ながらぜひ進めていただきたいということを要望しておきま す。

 続いて、離島関連の事業についてお尋ねいたします。沖縄離島体験交流促進事業、今年度何校、何名の生徒が各島々に行って滞在するのかお答えいただけますか。

○稲福具実地域・離島課長 今年度の沖縄離島体験交流促進事業の実績ですが、平成23年度は13離島に、学校数で言いますと8小学校を派遣しております。

○上里直司委員 これはどういう形で小学校、中学校の生徒の選定をされているのですか。

○稲福具実地域・離島課長 教育委員会に協力してもらいながら、教育委員会を通じて各学校のほうに募集をかけて、基本的にはクラス単位で応募してもらっています。

○上里直司委員 では、その教育委員会に対して皆さん方が呼びかけるのは、各教育委員会ごとに何クラスとか、どういう呼びかけ方をされているのですか。

○稲福具実地域・離島課長 今年度は、小学校5年生という条件で、特に何クラスであるとか、条件はつけておりません。

○上里直司委員 これは平成22年に実施して、平成23年も実施して、年々対象の人数はふえているわけですね。今年度はまだこれから実施するわけなのですが、県としてどこまで対象にしようとされているのですか。

○稲福具実地域・離島課長  平成22年度に、これは補正でやりましたが、試験的にやって、もともとのねらいとしては沖縄本島の子供たちが離島のことを知らないということで、そういう ものを知ってもらおうと、平成23年度から本格的に実施しました。次年度は、中学生まで一応対象を広げようということで、派遣の生徒数も今1900名を予 定していますが、大幅に増加して予定しております。ただ、今後現時点で何名までとかということは、実施しながら検討していきたいということで、現段階では 明確な目標は決めておりません。

○上里直司委員  それは今やる、現実的にそうかもしれないですが、例えば事業の目的からすると、離島での滞在、体験をすべての児童に体験をしていただきたいとか、そういう 理念的なものや政策の方針的なものがあって当然だと思うのです。そうでないと、何で1900名なのか、何で1億2600万円なのかという話ができないので すよ。ここは、だからある程度段階的にやる事業だと思うのです。しかし、それでも各教育委員会、1教育委員会に1クラスあるいは2クラスとか、その教育委 員会、実証する教育委員会、必ずどこかの教育委員会では1クラスが参加するというような、そういう目標を立てて事業を推進していくのが理にかなっていると 思うのですが、部長、どうですか。

○稲福具実地域・離島課長  この事業は、沖縄本島の子供たちに離島のことを知ってもらうというねらいと、もう一つは離島の市町村での受け入れ体制づくり―これはなかなかこれまで、特 に小規模離島などの場合、修学旅行の受け入れ実績がないとかそういったところもございますので、特に修学旅行が受け入れできるような体制づくりも目標にし ております。

 今、上里委員がおっしゃった、市町村から派遣する側の何校とか、それはまたこれから検討してまいりたいと思います。

○上里直司委員  ですから、現実はわかるのですよ。ただ、離島での体験や滞在をしていくということで言うと、沖縄本島内の各地域からそれぞれ行くということが望ましいと。 でも、現実的にはこうですよということなのではないですか。だから、そこを聞いているのであって、ぜひそういう高い目標を立てて、政策や事業に臨んでいた だきたい。これは要望して終わりますので、お願いいたします。

 地域・離島課長、もう一回お願いします。離島特産品等マーケティング支援事業と沖縄離島戦略的情報発信支援事業、これはどうも同じような意図というか、ねらいなのだろうと思うのです。具体的に何と何が違うのか、簡単で結構ですので御説明いただけますか。

○稲福具実地域・離島課長  今、地域・離島課の事業でやっております離島特産品等マーケティング支援事業、それから今御質疑があったのは沖縄離島戦略的情報発信支援事業、2つの事業 があります。簡単に申し上げますと、離島特産品等マーケティング支援事業については、これまで離島地域はいろいろ条件が厳しい中で、特産品の開発とかそう いったものを支援してまいりましたが、市場が遠いとかマーケティングの能力がない、ノウハウがないということで、開発したものの販路拡大になかなかつな がっていないという課題もございます。そういうマーケティングを支援するのがこの離島特産品等マーケティング支援事業でございます。

 それからもう一つの沖縄離島戦略的情報発信支援事業につきましては、特に県外で知られていない 小規模な離島、例えば石垣島とか宮古島は県外でもよく知られているのですが、小規模離島のほうの、例えば島の資源を生かしたいろいろな観光資源を積極的に PRしていこうという事業でございます。

○上里直司委員  恐らく両方で県外での知名度向上により各離島への観光客誘致だとか特産品の売上の増加だとか、成果で言うと離島特産品等の販路拡大等で成功事例をつくると か、ほぼ目的としては一緒だと思うのです。ただ、これまでやってきた事業の継続の部分があるでしょうからなかなか苦しい立場であると思うのです。ぜひそこ は大切な部分ではあるにせよ、島の住民の皆さん方が主体的にかかわるような形にしていただかないと、どんなに外部からコーディネーターを連れてきても持続 的にならないと思っています。ここは指摘しておきますからぜひそういう視点で取り組んでいただきたいと思います。

 以上です。

○渡嘉敷喜代子委員長 玉城義和委員。

○玉城義和委員  ちょうど沖縄振興計画も40年を迎えて5期目ということになりますが、部長、よくこの沖縄振興計画の目的というか理由に経済的自立というか、沖縄県の自立 という言葉を使うわけです。この自立という言葉も考えてみるとなかなか難しい概念で、経済的自立という場合にどういうことを想定するのか、何ができれば自 立ができたと考えるのか、その辺をまず聞かせてください。

○川上好久企画部長  自立という言葉をどうとらえるかということはいろいろ議論のあるところですが、沖縄県がこれまで求めてきた自立の概念というものは、一般的には経済的に、 やはり2本の足で立てるような、そういう状況を求めてきたような気がします。1972年に第1次沖縄振興開発計画をつくったわけでございますが、そのとき の振興計画の目標が、格差の是正と自立的発展の基礎条件の整備でした。それ以前は何だったのかということでございますが、そこには甚だしい本土との社会資 本の格差、教育基盤しかり、交通基盤しかり。その格差の是正をするということが1つ。もう一つは、自立的発展の基礎条件の整備ということが何だったかとい うと、やはり本土との隔絶の27年間で、高度成長から取り残されていく。そして基地依存型の輸入依存経済からの脱却ということが沖縄振興の目標として2つ 位置づけてきたと意識をしております。そのことを踏まえて今日を振り返ってみると、確かに社会基盤の整備もかなりのレベルまで充足しつつある。そしてま た、経済で見れば基地依存度も15%から5%まで落ちてきた。ただ、そのかわり財政依存度ということが非常に言われてきたわけでございます。ただ、そのこ とも2000年以降、沖縄振興事業費も激減をしていく。その中で、これだけの人口の増を抱えながらもそこそこ立ち上がってきている兆しもございます。それ は観光リゾートとかIT、要するに外部から金を引っ張ってくるだけの産業の力もつきつつある。ただ、どこまで行けば自立と言えるかどうかということは、 個々人のいろいろな判断はあろうかと思いますが、確実に前に進んでいるという理解はしております。

○玉城義和委員  10年先がどうなるかということはなかなか難しい話なのですが、5次の振興計画があって、6次があるのかということを考えると、つまり、何を最終目標にし て今何をすべきか、そういうことを言うために話をしているわけです。例えば10年後の、20年後のあるべき姿みたいなものはビジョンの話で出ているのです が、要するに自立というものをどこに求めて、今度の特に沖縄振興一括交付金のような新しい制度というか先駆的な制度があるわけですから、それをどう使って そこに結びつけるかという発想の大転換が必要な時期ではないかと思うのです。私は本会議でも言ったのですが、知事の思いというものはかなり熱かったのだろ うと思いますが、それと、事務局がうまく合ったのだろうかという思いがずっとあるのです。要するに、制度が新しくなっているわけですから、発想も転換をし ないと、従来のような受け皿では合わないだろうと思うのです。どうでしょうか。

○川上好久企画部長  そこは一つあろうかと思います。いわゆる補助事業を中心にして事業を組み立てるということは、言ってみれば選択の世界があったわけです。沖縄振興一括交付 金というものはみずから政策課題を拾い出して、それを事業化していく作業が県も市町村も問われていると理解しております。

 そういう意味では、新しい政策ツールとしての沖縄振興一括交付金、それからまた税制もそうでございますが、4月以降、県民福祉の向上が図られるような形で県も市町村も一緒に取り組んでいかなければならないものと考えております。

○玉城義和委員 よほどこれは戦略的に政策を大転換して、戦略的に取り組まないと、かえって財政依存が深まってしまうことにもなりかねないと思いますので、その辺はひとつ頑張っていただきたいと思っています。

 鉄道の導入問題について、後の時間はやりたいと思います。

 まず、基本的な鉄道についての考え方でありますが、私は以前かつての職場で、平良幸市知事のこ ろでしたが、沖縄鉄道導入計画という国鉄の調査部の皆さんと一緒に、1970年代の終わりから1980年代初めごろですが、最初の鉄道計画を知事に提出し たことがあります。40年近くになりますが、それは幻の計画になってしまったのですが、駅の数もつくってやったわけですね。この考え方は、やはり国策とし ての戦争が沖縄の県民鉄道を潰したと、こういう考え方に立っていたわけですね。その1914年、今から100年前に今のバスターミナルが駅ですが、そこか ら与那原にまず10キロ、そして1920年、そこで那覇、嘉手納、そして1923年に糸満まで15キロ、全部で48キロの県営鉄道ができたわけですね。こ れは最初は50万人ぐらいだったのですが、昭和16年ぐらいになると年間で300万人ぐらいの乗降客があったわけです。

 それで、第2次世界大戦でそれが全部だめになってしまったと。米軍がしばらくして、1947年 ぐらいにはもう一回復活しようかという動きがあったのです。ところが、それも道路のほうがいいだろうということになってそのままになってしまって、 1950年の朝鮮戦争で、鉄が足りないものですから全部引きはがしてしまった。また、この県営鉄道は廃止の手続はされていないわけですよね。そういう意味 で、この沖縄の鉄道導入計画はまさに戦後処理そのものではないかと。私は前から申し上げていますが、そういう立場で堂々と沖縄のそういう利益を主張すべき ではないかと思っているのですが、そこはいかがでしょうか。

○川上好久企画部長  今委員が言われるように、戦災によって消失した他の都道府県の鉄道については、戦後間もなく国の鉄道復興5カ年計画等々で復旧したと承知しております。た だ、沖縄戦で壊滅した軽便鉄道は復旧が行われていない、それはそのとおりでございます。一方で、沖縄本島は全国で唯一鉄道のない地域でございます。今後利 便性の高い公共交通ネットワークを構築しなくてはいけない、そのことが今後の大きな課題になっているわけでございます。そのためにはこの新たな公共交通シ ステムの導入が必要であるわけでございまして、鉄軌道というものを導入するためには、やはり莫大な資金、そしてまた運営資金が必要になってくるわけでござ います。その際にはそのことも含めて特例的な制度が創設されるべきということが、今県内、県議会での議論だと理解しております。

○玉城義和委員  新しい沖縄振興特別措置法の第91条第2項に新しい項目ができたわけですね。ところが、この項目の中には縦断鉄軌道、縦断鉄道という言葉は入っていないの です。ここのところは、ぜひこれは法律の中に書き込むべきだと思うのですが、県としては強力にこれは折衝する必要があるのではないですか。

○川上好久企画部長  確かに、沖縄振興特別措置法改正案の中に、鉄軌道の文言そのものはないわけです。ただ、今般新たな公共交通機関に関して調査及び検討に努めると、その記述 が初めて明記されました。そういうことで、当然この中には鉄軌道が入っていると理解しております。県としては、こういうものを含めて今後鉄軌道の早期導入 に向けた取り組みを推進していきたいと考えております。

○玉城義和委員 これは、国会なり知事の交渉なりでそういうことを、きちんと引き出しておく必要があるのではないでしょうか。どうですか。

○川上好久企画部長 新たな公共交通機関に関しての調査検討、この中には当然鉄軌道も含まれると我々は理解をしているわけでございます。そこはまた折に触れ確認をしてまいりたいと思います。

○玉城義和委員 国も県も1億円とか、あるいは5000万円という調査費がついたわけですが、具体的にどう進めていくか手順を教えてください。

○川上好久企画部長  平成24年度の県の調査でございますが、これにつきましては鉄軌道に向けた課題の検討を行うということで、新たな公共システムのあり方について、鉄道を中 心としたまちづくり、それからネットワークのあり方とか、そういう県民が理解しやすいようなイメージを情報提供しながら、コンセンサスを得ていくというこ とを平成24年度の事業としてやっていこうと思っています。そしてもう一つは、早期整備に向けての制度要望につながっていくような、そういう調査もあわせ てやっていきたいと思っております。国の調査は現在人口フレーム、それから既存の開発計画の中で、非常に幅広くやっております。縦貫鉄道のルート、仮の ルートでございますが、そういうものを入れたり、そしてまたそれを入れた場合の事業モデルを構築しています。県としては、こういう国の調査も含めて連携し ながら、早期導入に向かうような動きを促進していきたいと思っております。

○玉城義和委員  第4次の計画でも調査研究が入ったのですよね。10年間同じことをやっているわけですよ。全く同じことを答弁されても、これは前に進まないです。県も国も ある程度基礎的な調査をやったわけですよね。具体的に着工に向けて、成立手法も含めて、今そういう時期に来ているのではないですか。

○川上好久企画部長  10年前に策定をした総合交通体系基本計画の中にも鉄道は位置づけられていたわけでございます。しかし、今般それをより議論を深めながら縦貫鉄道と位置づ けているわけでございますが、国のほうでも過去2年間既に調査が入って、県の方も入ってございます。そしてまた、沖縄振興特別措置法の中にもそういう文言 が位置づけられて、そういう意味では徐々にその実現に向けての足取りは確たるものができつつあると認識しております。

○玉城義和委員 計画にも入っていますし、調査という段階は、私はある程度早く抜け出さないと前に進まないと思っております。

 この費用の問題ですが、例えば今長崎ルートなどの整備新幹線はほとんど全国カバーされているのですが、1キロ大体どれぐらいだと思っていますか、整備新幹線の費用。

○下地明和交通政策課長 私どもが手に入れている資料によりますと、キロ当たりに換算すると52億円という数字を持っております。

○玉城義和委員  大体そういうことですね。いわゆる長崎ルートなどで見ると、45キロで2600億円、1キロ当たりで割ると58億円です。ところが、県が出したこの沖縄本 島鉄道計画を見ると、糸満と名護市だとキロ当たり105億円になっているのです。2倍になっています。これは、どうしてこうなっているんですか。

○下地明和交通政策課長  はっきりとした積算あるいは理由を持っているわけではありませんが、これだけ都市化しまして、どうしても構造物にコストがかかる、場合によっては地下を掘 らなければいけないということもあり得る。それも含めた計算になっているところもありまして、かなり高いコストを予想しております。

○玉城義和委員  私は、これはちょっと違うのではないかと思うのですね。みずからこのように100億円も、整備新幹線の2倍も費用をかけていくと、これは8000億円とか だれが見てもびっくりするような額になってしまうのです。この辺はもっと精査が必要だと思います。だから、詳しい根拠はありませんなんて言われたら困った 話で、そんなものがひとり歩きして、そんなにかかるのかと。それでは大変だという話になりますよ。どうですか。

○下地明和交通政策課長 これにつきましては、平成21年度に調査した中で、まさにおっしゃるとおり詳細ではなくて概略で計算してあるということもあり、実際に精密な積み上げをしたというわけではありませんので、そこについては御指摘のとおりだと思います。

○玉城義和委員  こういう出し方は非常にまずいですよ。これから事業しようというのに、こういうきちんと説明もできないような根拠で105億円なんて出されると、これはひ とり歩きしますよ。だから、こういうことは慎重にやらないと、ルートも含めてね。ルートを引いた段階で反対運動が起こりますよ、すぐ。そういう意味では拙 速というか、費用も含めて県がルートを出して、反対運動が起こってしまいますよ。我がほうは何で通らないのみたいな話になってね。最初にこういうことを やってしまうとすぐ詰まってしまうのですよ。だから、こういうやり方はぜひやめてもらいたい。

 もう一つ、皆さん御承知のとおりですが、費用の話から入ると詰まってしまうので、やはり必要性 から入らないとだめですよね。JRは九州も北海道も四国もみんな赤字なのですよ。ところが、JR北海道に6822億円という基金があるわけです。国鉄から JRに移ったときにこれだけ基金があるわけです。四国も北海道も九州もみんな赤字なのですが、この基金が鉄道建設・運輸施設整備支援機構というところに貸 し付ける形をとっていて、今ごろ3%、4%の利息で運用までしてもらっているわけですよ。それで赤字は全部解消しているわけですね。その辺のことも含めて 整備新幹線の上と下の工事に分けてやる方法もいっぱいあるわけですから、具体的な話にぜひ入っていただきたいと思っています。部長、いかがですか。

○川上好久企画部長 今委員の指摘があって、私も経営安定基金の設置を見たわけでございますが、確かにいろいろな助成制度もあるということもございます。そういう支援の方法を検討しながら、また国のほうに新しい制度を要望していきたいと思います。

○玉城義和委員 ぜひ、これはそういう意味で少し整理をしてかからないと、最初のところでつまずくと、いろいろなことが起こりますので、そこは慎重にしながら、かつ用意周到にスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。

 それから、昨今少し出てきているのは、路面電車のほうがいいのではないかという意見も出てきて、少し混乱するというか、そんな感じを受けるのです。その辺はどう考えていますか。

○下地明和交通政策課長 県としては、縦に基幹軸をきちんとつくった上で、路面電車といいますかLRT、そういったフィーダー交通で横ぐしを刺すという交通ネットワークをつくっていくことが沖縄にとっていいのではないかと考えておりまして、ぜひそういう整理をしていきたいと考えております。

○玉城義和委員  それは正解ですね。やはり沖縄本島を縦断させて、その背骨のところでバスとか路面電車を使うということが正解ですよ。北部振興策の話をしようと思ったので すが、平成12年に北部振興策をつくって、12万幾らから10年間で3000人しかふえていないのです。大正年間で11万5000人いたのですよ。100 年たっても人口がふえない。それは、ふえない理由があるのです。仕掛けがないからです。今、名護と那覇はバスで2時間半、往復5時間かかりますよ。これで はもう商売なんかできませんよ。そういう意味ではやはりきちんと縦断鉄道を通して、それを基本にして、そばの住宅地までとか、駅から住宅地までのバスなり 路面電車みたいなことできちんとやるということを、県として方針を出さないと。今、いろいろな動きがあるでしょう。そういうものはきちんと整理をしていた だきたい。

 部長、我々の足腰の立つ間に電車を走らせてよ。あなたも山原だから、頼むよ。終わり。

○渡嘉敷喜代子委員長 辻野ヒロ子委員。

○辻野ヒロ子委員 今回の予算編成、沖縄振興一括交付金、離島振興に熱い思いを寄せていただいたことに、川上企画部長初め皆さんにお礼申し上げます。ありがとうございました。

 まず、離島空路確保対策事業費についてですが、継続事業で8058万1000円ついておりま す。これは平成22年度から始まっております。予算が年々減っているということはどういうことなのでしょうか。その原因と、旅客数を、平成22年度はいた だいた資料にありましたので、平成23年、平成24年の推移を教えてください。

○下地明和交通政策課長 予算が平成22年度の1億1000万円から平成23年度に8900万円と落ちているのは、これは機材、飛行機にGPSといいますか、最近車に載っているようなMSASという受信機を購入して入れる事業が終わったためです。

 それから、平成24年度に向けて若干減っているのは、この路線、ほとんど琉球エアコミューター ―RACが飛んでいる小さいところへのバックアップといいますか助成なので、それのコスト軽減支援をしたおかげです。それなりの効果が出て赤字幅が減った ことで、逆に若干減っているということでございます。

 補助対象路線の旅客数ですが、平成22年度に33万2931人、平成21年度に31万3736人、平成22年度が32万5219人。平成23年度はまだ終わっていませんのでありませんが、若干の伸びが、下げどまりが出たという状況です。

○辻野ヒロ子委員 この事業は赤字を抱える離島航路の路線で、そういう意味では財政支援が必要だと思います。今後とも継続的にこの事業をやっていただきたいのですが、この件についていかがでしょうか。

○下地明和交通政策課長 この事業につきましては、国も市町村も含めて協調という形でやっておりますので、今後ともこういう離島路線についてはしっかりと支えていきたいと思っています。

○辻野ヒロ子委員 あと、与那国―石垣間の路線ができないものですか。今、4路線のうちで与那国―那覇はあるのですよね。与那国―石垣間が多分ないということを聞いているのですが、それはどうでしょうか。

○下地明和交通政策課長  この助成につきましては、最も離島から拠点性を有するところが補助対象になります。与那国の場合は石垣という拠点で、それが直行便で那覇に飛んでいるとい う中で、これまで那覇―与那国線はやっていなかったのですが、企業から選択としてそこをやってほしいという強い要望があり、与那国―石垣間から与那国―那 覇間に変わったということでございます。

○辻野ヒロ子委員 わかりました。では、これは与那国―石垣間が与那国―那覇間に変わったということで理解してよろしいですね。

 与那国島には高等学校がないので、石垣島と沖縄本島あたりに行くのですね。そういう意味では大変島の方にも喜ばれていますので、今後ともよろしくお願いします。

 それでは、次に離島航路補助事業費ですが、これについて補助航路数をお伺いします。

○下地明和交通政策課長 平成23年度の離島航路補助対象航路としては14航路ありますが、黒字航路が4航路ありまして、現在10航路が補助対象になっております。その中で、全額国の補助が2航路ありまして、県が補助金を出しているのは8航路ということでございます。

○辻野ヒロ子委員 これは、八重山関連の多くの離島を抱えている航路には該当しないということを聞いているのですが、その辺教えていただけますか。

○下地明和交通政策課長 この補助事業はある一定の要件がございまして、そこにダブルの企業が就航しているときには該当しないということで、事業対象となっていない航路もございます。

○辻野ヒロ子委員 他社と競合する航路は補助対象航路とはならないということで、その辺の改善ができないものでしょうか。これで大変船会社も困っているのですね。そういう意味では検討する必要があると思うのですが、いかがですか。

○下地明和交通政策課長 こういう事業におきましては、自由競争が働いている中において補助、支援ができるかというと大変難しい。ただ、今回離島住民のコスト軽減については、住民に対する軽減ですからそういう形で支援をして、利用がふえれば間接的に行くだろうと思います。

○辻野ヒロ子委員  ぜひ今後補助対象航路の見直しも検討していただきたいと思います。今回の沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業についても、きょう八重山、地元のほうに貨 客船運賃がJR並みにということで載っているのですね。これを見ますと、竹富島、石垣島の往復が1170円、島の方が乗ってですね。それが370円を県が これで補助するということですよね。そういうことで、大体2割から3割、4割ぐらいということで新聞にもありました。ぜひJR並みということで今頑張って いらっしゃいますが、船賃のほうはもう決まりましたが、航空運賃のほうはどうなっているのでしょうか。それも示していただきたいと思います。

○下地明和交通政策課長  エアについては新幹線並みということです。石垣島のほうではダブルトラッキングで複数のエアラインが飛んでいますので、幾らにせよという話をやると独占禁 止法で公正取引委員会から指導を受けます。おおむね4割ほどを県が負担をして、それに見合う引き下げをするということです。大体今想定しているのが、石垣 ―那覇だと、想定の運賃としか言えませんが9400円ほどになるだろうと思っております。

○辻野ヒロ子委員 そのほうも地元でかなり署名運動をしたり、いろいろな角度から航空運賃低減を訴えてきました。そういう中で今回の沖縄振興一括交付金で大変皆さんも喜んでいただいております。もし資料としていただけましたらJR並みの船のほうと航空運賃のほうも出していただけますか。

○下地明和交通政策課長  先ほども申し上げましたように、こういう資料を出してしまうと我々が指導したということになりかねないので、そこは公正取引委員会の指導に当たらないよう に、我々はそういう当局とも調整しながら、言葉も選んで話をしておりますので、御理解いただきたいと思います。資料提供については少し検討させてくださ い。

○辻野ヒロ子委員  実は、地元の新聞にもう9400円の線は出ているのですね。そういう意味では、どうして県がしっかりとこういうことを発表してくれないかという声もあるの です。そういう意味で、4月1日からそれができるということを、市民の皆さんにも言われていますので、はっきり出していただいたほうがよろしいと思いま す。

○下地明和交通政策課長 エアラインについては、もう既にこちらがこういう負担をしますよという話をしてあるので、それを前提にした料金が航空会社から示されているということを聞いております。それでしたら出せます。彼らが決めた価格ということで御理解を。

○辻野ヒロ子委員 では、ぜひそのあたりの発表を早目にやっていただいて。4月になったら飛行機に乗るという方も多いので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、離島航路運航安定化支援事業についてですが、これも船舶の建造を支援するということです が、皆さん御存じのように有村産業が撤退して、宮古島、八重山島、沖縄本島間の貨物客船がなくなってしまって大変支障を来しております。説明書の中にそう いう状況にあるということも説明されていますが、その支援ができるものかどうかお聞きしたいと思います。部長、いかがですか。

○川上好久企画部長 今回の離島航路運航安定化支援事業は、離島地域の中でも特にその条件が厳しい小規模離島を対象としまして、そこの赤字航路に就航する貨客船を対象にして事業をスタートさせております。こういうものを、最低限のところから検討していきたいと考えております。

○辻野ヒロ子委員 予算が25億円余りもついているものですから、そういうものも該当するのかという思いをしておりましたが。ぜひそれも含めて今後検討していただかないと、流通面でかなり厳しい状況にありますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは最後に、先ほど上里委員からありました沖縄離島体験交流促進事業について、これまでの 実績とかをお聞きしました。実は、昨年5月でしたか、沖縄国際大学の授業をスポットで1時間半ぐらいさせていただいたのです。離島振興についてやる前に、 生徒の皆さんに離島へ行ったことがある人と聞いたら、140名ぐらいの生徒の中で10数名しかいなかったのですね。とてもショックを受けました。そういう 中で、離島というものをもっと沖縄本島の児童生徒の皆さんにも知っていただきたいという強い思いがあって、修学旅行の誘致とかいろいろやっておりますが、 このすばらしい事業もぜひ継続をしていただくように強くお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○川上好久企画部長  まさに委員がおっしゃるとおりで、本県は離島県ですから、離島を知らない子供たちを育ててはいけない、そういう趣旨で2年前に内閣府とも相談をして実験事 業として始めたわけでございます。これは、やってみると意外と好評でありまして、今般は1900名に規模拡大しております。できるだけ沖縄本島の子供たち 全員が離島を知ると。そこが沖縄だということを確認できるような、そういう状況を期待したいと思います。

○辻野ヒロ子委員 来年3月7日には新石垣空港も開港します。国際線のCIQ施設もできて、ぜひ生徒の皆さんも八重山を経由して台湾、中国、韓国に行けるような、そういう気持ちを持っていますので、その辺の応援もお願いしたいと思います。

○渡嘉敷喜代子委員長 以上で企画部長、会計管理者、監査委員事務局長、人事委員会事務局長及び議会事務局長に対する質疑を終結いたします。

 説明員の皆さん、御苦労さまでした。

 次回は、3月12日 月曜日 午前10時から委員会を開きます。

 本日の委員会はこれをもって散会いたします。

   午後6時23分散会 

H24.03.09 第5号(企画部他)第3校修正済.htm