予算特別委員会



出席委員

  委 員 長 当 銘 勝 雄君

  副委員長 上 里 直 司君

委  員 佐喜真   淳君  仲 田 弘 毅君

嶺 井   光君  翁 長 政 俊君

新 垣 哲 司君  具 志 孝 助君

照 屋 大 河君  崎 山 嗣 幸君

渡久地   修君  前 田 政 明君

當 山 眞 市君  前 島 明 男君

瑞慶覧   功君  奥 平 一 夫君

平 良 昭 一君  赤 嶺   昇君

吉 田 勝 廣君           


説明のため出席した者の職、氏名

 農林水産部長     比 嘉 俊 昭君

  流通政策課長    島 田   勉君


 警察本部長      黒 木 慶 英君
 総務部財政統括監   黒 島 師 範君


本日の委員会に付した事件

 1 甲第1号議案 平成22年度沖縄県一般会計予算

 2 甲第2号議案 平成22年度沖縄県農業改良資金特別会計予算

 3 甲第9号議案 平成22年度沖縄県沿岸漁業改善資金特別会計予算

 4 甲第10号議案 平成22年度沖縄県中央卸売市場事業特別会計予算

 5 甲第11号議案 平成22年度沖縄県林業改善資金特別会計予算


○当銘勝雄委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。

 甲第1号議案、甲第2号議案及び甲第9号議案から甲第11号議案までの5件を一括して議題といたします。

 本日の説明員として、農林水産部長及び警察本部長の出席を求めております。

 まず初めに、農林水産部長から農林水産部関係予算の概要説明を求めます。

 比嘉俊昭農林水産部長。

○比嘉俊昭農林水産部長 それでは、平成22年度農林水産部関係予算の概要につきまして、お手元にお配りしております平成22年度当初予算説明資料(農林水産部抜粋版)に基づき御説明いたします。

 まず、一般会計歳入予算から御説明いたします。

 1ページをお開きください。

 県全体のものに農林水産部所管に係る分を上段括弧書きで示しております。

 平成22年度一般会計歳入予算額6054億6300万円のうち農林水産部関係の歳入予算額は372億9626万2000円となっており、前年度当初予算額439億9583万4000円と比較しますと66億9957万2000円、率で15.2%の減となっております。

 それでは、その内容について(目)ごとに説明いたします。

 2ページをお開きください。

 3行目になりますが、農林水産業費分担金6737万9000円は、土地改良法に基づく畑地帯総合整備事業ほか3事業に係る受益者の分担金であります。

 次に、2行下の農林水産業費負担金7億8793万9000円は、畑地帯総合整備事業ほか5事業に係る市町村の負担金であります。

 次に、3行下の農林水産使用料991万9000円は、農業大学校授業料、漁港区域使用料等であります。

 次に、2行下の証紙収入のうち農林水産部関係は7827万3000円であります。これは家畜衛生関係手数料、漁港施設使用料等であります。

 次に、3行下の農林水産業費国庫負担金は5億287万円で、漁港漁場施設災害復旧費、治山災害復旧費等であります。

 次に、2行下の農業費国庫補助金は252億6779万8000円であります。その内容は、かんがい排水事業費、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金等であります。

 その下の林業費国庫補助金は21億5044万7000円で、治山事業費、林道施設災害復旧費等であります。

 その下の水産業費国庫補助金は49億257万5000円で、その内容は、広域漁港整備事業費、広域漁場整備事業費等であります。

 3ページをお開きください。

 2行目になりますが、農林水産業費委託金は1369万7000円で、これは森林保険調査費、委託試験研究費等であります。

 次に、3行下になりますが、財産貸付収入のうち農林水産部関係は1億6142万6000円で、県営林野の土地貸付料等であります。

 その下の利子及び配当金のうち農林水産部関係は1093万9000円で、中山間地域ふるさと農村活性化基金利子等であります。

 次に、2行下の不動産売払収入のうち農林水産部関係は1412万6000円であります。これは畜産基地建設事業に係るものであります。

 その下の物品売払収入のうち農林水産部関係は1946万6000円であります。これは県有家畜の貸付期間満了等に伴う家畜売払代であります。

 その下の生産物売払収入のうち農林水産部関係は1億3577万円で、家畜改良センター、栽培漁業センター、農業大学校等で生産された農林生産物の売り払い代であります。

 3行下になりますが、特別会計繰入金のうち農林水産部関係は5834万7000円で、これは就農支援資金の償還金のうち、県負担分を農業改良資金特別会計から一般会計に繰り入れるものであります。

 次に、2行下の基金繰入金のうち農林水産部関係は1億3822万8000円で、中山間地域等直接支払事業基金繰入金、森林保全及び木材利用促進特例基金繰入金であります。

 3行下になりますが、農林水産貸付金元利収入1億8688万5000円は、中央卸売市場販売促進貸付金に係る元利収入であります。

 4ページをお開きください。

 2行目になりますが、農林水産受託事業収入6056万3000円は、乳用牛受託費、沖縄振興開発金融公庫事務受託金等であります。

 次に、2行下の雑入のうち農林水産部関係は2321万5000円で、これは家畜導入事業等であります。

 次に、3行下になりますが、農林債は24億9950万円で、その内容は一般公共事業に充当する県債であります。

 その下の災害債のうち農林水産部関係は2億690万円で、農林水産施設の災害復旧に充当する県債であります。

 以上が農林水産部関係の一般会計歳入予算の概要であります。

 次に、一般会計歳出予算の概要について御説明いたします。

 5ページをお開きください。

 平成22年度一般会計歳出予算額6054億6300万円のうち、農林水産部関係は(款)農林水産業費488億3757万5000円及び(款)災害復旧費17億2098万9000円の合計505億5856万4000円となっております。

 前年度の農林水産部の予算額573億2110万5000円と比較しますと、67億6254万1000円、率で11.8%の減となっております。

 6ページをお開きください。

 次は、一般会計歳出予算の部局別構成比でありますが、県全体の平成22年度一般会計歳出予算額に占める農林水産部の割合は8.4%となっております。

 7ページをお開きください。

 下から2行目の(款)農林水産業費から農林水産部の予算となっておりますので、こちらから(目)ごとに順次御説明いたします。

 8ページをお開きください。

 (項)農業費の(目)農業総務費は28億8771万3000円で、主な事業の内容は、農業関係課及び出先機関の職員費のほかに、中山間地域における耕作放棄の防止及び多面的機能の確保のための中山間地域等直接支払事業費及び農業委員会等助成費であります。

 (目)農業改良普及費は9228万1000円で、主な事業の内容は、農業者に対する普及指導活動等を実施する農業改良普及活動事業費、農業後 継者の育成・確保を図るための農村青少年研修教育事業費、農業者へ農業技術・気象・市況情報等をITを活用して迅速に提供し、営農支援を行う農業技術情報 センター活動費であります。

 (目)農業振興費は16億1091万5000円で、主な事業の内容は、卸売市場の指導監督及び取引の円滑化を図る卸売市場対策費、生産施設及 び農畜産物直売所等を総合的に整備し、担い手の育成確保を図る農業経営構造対策費、県産農産物の販売促進及び地産地消を推進する流通対策費であります。

 前年度予算額と比較しますと、2億8636万7000円、率で15.1%の減となっております。減となった主な理由は、新山村振興等対策事業費において事業量の減によるものであります。

 (目)農作物対策費は1億1788万8000円で、主な事業の内容は、高品質で安定的な生産を行う野菜産地を育成するための共同栽培施設や集 出荷施設等の整備を行う野菜振興対策事業費及び園芸作物の生産条件等を整備することにより、安定生産・安定出荷に向けたブランド産地の形成と強化を図る園 芸作物ブランド産地育成事業であります。

 前年度と比較しますと3億2256万円、率で73.2%の減となっております。減となった主な理由は、園芸作物ブランド産地育成事業の中の自然エネルギーを活用した環境に優しい省エネ型農産物施設のシステム導入事業の事業終了によるものであります。

 9ページをお開きください。

 (目)肥料対策費は1725万1000円で、主な事業の内容は、環境に優しい持続的農業の推進を総合的に行う地力増強対策事業費であります。

 前年度と比較しますと9125万2000円、率で84.1%の減となっております。減となった主な理由は、赤土等流出対策支援システム確立モデル事業の事業終了によるものであります。

 (目)植物防疫費は13億1549万4000円で、主な事業の内容は、ウリミバエ等の侵入防止対策及びアリモドキゾウムシ等の根絶事業を実施するための特殊病害虫特別防除費であります。

 (目)農業協同組合指導費は397万8000円で、農業協同組合の検査及び指導に要する経費であります。

 (目)農業共済団体指導費は2350万2000円で、農業共済事業の円滑な推進を図るため農業共済団体等に対する指導及び助成に要する経費であります。

 (目)食糧管理費143万8000円は、米の流通適正化及び消費拡大を図るための経費であります。

 (目)特産振興費は32億3848万5000円で、主な事業の内容は、製糖企業への助成を行う分みつ糖振興対策事業費及び含みつ糖振興対策事業費、さとうきびの生産性向上及び農家経営の安定を図るさとうきび生産振興対策事業費であります。

 次に、(項)畜産業費について御説明いたします。

 (目)畜産総務費7億9995万7000円は、畜産課及び関係出先機関の職員費等となっております。

 10ページをお開きください。

 (目)畜産振興費は12億7275万3000円で、主な事業の内容は、乳用牛及び肉用牛の円滑な導入を図るための家畜改良導入事業費、家畜の 能力向上及び増殖等を図るための家畜改良増殖事業費、畜産基地建設事業完了区域における償還のための畜産基地建設事業費であります。

 前年度予算額と比較しますと3億8139万5000円、率で23.1%の減となっております。減となった主な理由は、畜産経営環境保全対策事業費の家畜排せつ物処理施設整備の完了等によるものであります。

 (目)家畜保健衛生費1億5450万4000円は、家畜の伝染性疾病の発生・蔓延の防止等に要する経費であります。

 次に、(項)農地費について御説明いたします。

 (目)農地総務費14億8964万7000円は、村づくり計画課、農地水利課、農村整備課及び関係出先機関の職員費、運営費であります。

 11ページをお開きください。

 (目)土地改良費は219億4926万3000円で、主な事業の内容は、区画整理、農道整備等を一体的に実施する畑地帯総合整備事業費、農業 用水源の開発及び畑地かんがい施設の整備などを行う県営かんがい排水事業費、農業生産基盤と農村生活環境の整備を総合的に実施する農村総合整備費、耕土流 出を防止する農村総合環境整備事業費、比較的小規模な農地において農業生産基盤の整備を行う農山漁村活性化プロジェクト支援交付金であります。

 前年度予算額と比較しますと37億5105万9000円、率で14.6%の減となっております。減となった主な理由は、国の土地改良事業費削減によるものであります。

 (目)農地防災事業費は34億3514万6000円で、主な事業の内容は、農地等の機能回復により農業生産の維持を図る県営農地保全整備事業費及び団体営農地保全整備事業費、農地農業用施設に係る災害を未然に防止する県営ため池等整備事業費であります。

 前年度予算額と比較しますと5億8645万4000円、率で14.6%の減となっております。減となった主な理由は、国の土地改良事業費削減によるものであります。

 12ページをお開きください。

 (目)開墾及び開拓事業費5億89万8000円は、中山間地域等における農業生産基盤及び農村環境整備等を総合的に行う中山間地域総合整備事業費であります。

 前年度予算額と比較しますと2億8万5000円、率で28.5%の減となっております。減となった主な理由は、国の土地改良事業費削減によるものであります。

 (目)農地調整費は5201万3000円で、農地の適正な権利移動及び担い手への農地の流動化の促進に要する経費であります。

 次に、(項)林業費について御説明いたします。

 (目)林業総務費5億3960万円は、森林緑地課及び関係出先機関の職員費等であります。

 (目)林業振興指導費は2億8990万9000円で、その主な事業の内容は、地域森林計画を策定するための森林計画費、林業の構造改善を促進することにより林業経営の近代化を図る林業構造改善事業費及び県民の森の管理運営に必要な県民の森造成事業費であります。

 (目)森林病害虫防除費は2億398万8000円で、主な事業の内容は、水源涵養や国土保全、森林資源としての価値の高い松林の保全を目的とした松くい虫の防除等に要する経費であります。

 前年度予算額と比較しますと5918万7000円、率で40.9%の増となっております。増となった主な理由は、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用した松くい虫被害対策事業の皆増によるものであります。

 (目)造林費は6億6812万6000円で、主な事業の内容は、森林の公益的機能の高度発揮を図るための造林緑化対策費であります。

 13ページをお開きください。

 (目)林道費は2590万7000円で、主な事業の内容は、林道の維持管理等に要する経費であります。

 前年度予算額と比較しますと2億1202万9000円、率で89.1%の減となっております。減となった主な理由は、林道開設事業の事業見合わせに伴うものであります。

 (目)治山費は11億5290万6000円で、主な事業の内容は、林地崩壊の復旧や荒廃危険地の崩壊を未然に防止するための保安林の整備に要する経費であります。

 前年度予算額と比較しますと1億1355万8000円、率で10.9%の増となっております。増となった主な理由は、治山事業費における防災林整備の事業量が増になったことによるものであります。

 次に、(項)水産業費について御説明いたします。

 (目)水産業総務費4億1753万4000円は、水産課、関係出先機関の職員費等であります。

 (目)水産業振興費は4億4363万6000円で、主な事業の内容は、水産加工施設、荷さばき施設の整備等を行う水産業構造改善特別対策事業 費、放流及び養殖用種苗の生産を行う栽培漁業センター生産事業費並びに漁業・漁村の多面的機能の維持増進を図るための漁業再生支援事業費であります。

 前年度予算額と比較しますと8156万9000円、率で15.5%の減となっております。減となった主な理由は、国の制度改正に伴い漁業再生支援事業の基金積立金が皆減となることによるものであります。

 14ページをお開きください。

 (目)水産業協同組合指導費645万7000円は、漁業協同組合の経営指導に要する経費であります。

 (目)漁業調整費1908万円は、漁業調整委員会等の運営、漁業権の管理指導及び免許等に要する経費であります。

 (目)漁業取締費9387万1000円は、漁業取締船の運航及び本県所属漁船の安全操業を図るための管理等に要する経費であります。

 前年度予算額と比較しますと2151万2000円、率で29.7%の増となっております。増となった主な理由は、漁業取締船はやての法定検査の実施によるものであります。

 (目)漁港漁場管理費1億2473万6000円は、漁港・海岸保全施設等の維持管理に要する経費であります。

 (目)漁港漁場整備費は58億8869万9000円で、主な事業の内容は、漁港施設等の整備を行う広域漁港整備事業費、地域水産物供給基盤整備事業費及び漁業生産基盤と漁村生活環境施設の総合的な整備を行う漁港漁場漁村交付金事業費であります。

 前年度予算額と比較しますと11億8024万3000円、率で16.7%の減となっております。減となった主な理由は、地域水産物供給基盤整備事業費及び漁港海岸事業費の事業量の減であります。

 15ページをお開きください。

 上から2行目になりますが、(款)災害復旧費について御説明いたします。

 (款)災害復旧費38億1043万7000円のうち農林水産部関係は、(項)農林水産施設災害復旧費17億2098万9000円となっております。

 (目)耕地災害復旧費6億1474万8000円は、海岸及び農地農業用施設の災害復旧に要する経費であります。

 (目)林業災害復旧費8億2921万円は、林道及び治山施設の災害復旧に要する経費であります。

 (目)漁業用施設災害復旧費2億5203万1000円は、漁港漁場施設の災害復旧に要する経費であります。

 (目)農林水産施設災害復旧事業2500万円は、補助災害復旧事業には該当しない県単独事業となる農林水産施設の災害復旧に要する経費であります。

 以上が一般会計歳入歳出予算の概要であります。

 次に、16ページをお開きください。

 平成22年度一般会計債務負担行為でありますが、そのうち農林水産部関係は、上から4行目の(事項)農業近代化資金等利子補給金から、(事項)漁業近代化資金利子補給金までの4事項であります。

 17ページをお開きください。

 次に、平成22年度一般会計地方債について御説明いたします。

 農林水産部所管に係る分は、6行目になりますが、一般公共事業120億1000万円のうち農林水産部関係は23億9820万円、下から4行目 になりますが、災害復旧事業6億6250万円のうち農林水産部関係は2億690万円、その下の行政改革推進債6億円のうち農林水産部関係は1億130万円 となっております。

 18ページをお開きください。

 次に、平成22年度特別会計歳入歳出予算について御説明いたします。

 1行目の農業改良資金特別会計の歳入歳出予算額は3億4759万9000円となっております。

 中ほどになりますが、沿岸漁業改善資金特別会計の歳入歳出予算額は8345万2000円となっております。

 その下の中央卸売市場事業特別会計の歳入歳出予算額は3億9034万4000円となっております。

 続いて、林業改善資金特別会計の歳入歳出予算額は1523万4000円となっております。

 以上、農林水産部関係の一般会計及び特別会計の予算の概要を御説明いたしました。

 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○当銘勝雄委員長 農林水産部長の説明は終わりました。

 次に、警察本部長から公安委員会関係予算の概要説明を求めます。

 黒木慶英警察本部長。

○黒木慶英警察本部長 公安委員会所管の平成22年度当初予算の概要につきまして御説明いたします。

 お手元にお配りしております平成22年度当初予算説明資料に基づきまして、順次御説明いたします。

 初めに、歳入予算から御説明いたします。

 説明資料の2ページをお開きください。

 平成22年度一般会計歳入予算合計額6054億6300万円のうち、公安委員会所管に係る歳入予算額は、その表には記載ございませんが、36 億8074万2000円で、前年度当初予算額と比較いたしますと8236万1000円の増額、率にして2.3%の増となっております。

 増額の主な理由は、沖縄警察署新庁舎施設整備事業に充当する公安債を新たに計上したことにより増額したものであります。

 それでは、歳入予算額の主な内容につきまして、(目)ごとに順を追って御説明いたします。

 まず、説明資料の11ページをお開きください。

 1行目の(目)警察使用料176万6000円でございますが、これは警察本部庁舎等警察施設の使用料であります。

 上から6行目の(目)警察手数料2807万6000円でありますが、これはパーキングメーター等の作動手数料であります。

 続きまして、4行下に行きまして、(目)証紙収入でありますが、23億4438万5000円のうち公安委員会に係る分は13億7829万 6000円でありまして、これは公安委員会及び警察署長が行う道路使用許可、自動車保管場所証明、運転免許等の事務に伴う手数料に係る証紙収入でありま す。

 12ページをお開きください。

 上から6行目の(目)警察費国庫補助金5億4539万8000円でありますが、これは警察施設の整備等に対する国庫補助であります。

 下から6行目の(目)財産貸付収入でありますが、11億3222万4000円のうち公安委員会に係る分は4477万1000円でありまして、これは警察官待機宿舎の入居料であります。

 13ページをごらんください。

 1行目の(目)物品売払収入でありますが、2544万1000円のうち、公安委員会に係る分は48万5000円でありまして、これは不用となる公用車両の売払収入を計上したものであります。

 下から4行目の(目)過料3億4483万9000円でありますが、これは放置駐車車両違反金であります。

 次に、14ページをお開きください。

 一番下の行の(目)弁償金5651万9000円でありますが、これは留置人等弁償金及び交通切符弁償金であります。

 15ページをお開きください。

 3行目の(目)雑入でありますが、19億8664万1000円のうち公安委員会に係る分は8292万4000円であります。

 その内容につきましては、遺失物売払代、駐車違反車両移動費等であります。

 上から11行目の(目)公安債11億9720万円でありますが、これは警察施設及び交通安全施設の整備に充当する県債であります。

 以上が一般会計歳入予算の概要であります。

 次に、一般会計歳出予算の概要について御説明いたします。

 戻りまして、5ページをお開きください。

 公安委員会所管の一般会計歳出予算は、上から9行目の警察費329億8276万1000円でありまして、一般会計歳出予算総額に占める構成比は5.4%となっております。

 また、前年度当初予算と比較いたしまして9億4151万5000円の増額、率にして2.9%の増となっております。

 それでは、歳出予算額の主な内容につきまして(目)ごとに順を追って御説明いたします。

 48ページをお開きください。

 下段の(目)公安委員会費966万8000円は、公安委員会の運営に要する経費であります。

 49ページをごらんください。

 1行目の(目)警察本部費は、職員費、運営費等の経費でありまして、271億9015万円となっております。

 前年度と比較いたしますと8億4509万9000円の増額となっておりますが、その主な理由は、職員費における地方公務員共済組合負担金等の共済費が増額となったことであります。

 次の段(目)装備費は、ヘリコプターや警察車両、警察用船舶の維持管理に必要な経費でありまして、5億8060万1000円となっております。

 前年度と比較いたしますと8915万9000円の減額となっておりますが、その主な理由は、ヘリコプター及び警察用船舶の検査経費等の減によるものであります。

 次の段の(目)警察施設費は、交番・駐在所等警察施設の新築、修繕及び維持管理等に必要な経費でありまして、21億7411万9000円となっております。

 前年度と比較いたしますと8522万8000円の増額となっておりますが、その主な理由は、沖縄警察署の移転建てかえに伴う工事請負費を計上したことによるものであります。

 次の段の(目)運転免許費は、運転免許業務に関する経費でありまして、7億2094万1000円となっております。

 前年度と比較いたしますと3916万5000円の減額となっておりますが、その主な理由は、運転者管理システムの委託料等の減によるものであります。

 一番下の段(目)一般警察活動費は、通信指令業務や地域警察官等の活動に必要な経費でありまして、6億2955万9000円となっております。

 前年度と比較いたしますと7514万4000円の増額となっておりますが、その主な理由は、本年7月に開催される全国高等学校総合体育大会に伴う皇太子同妃両殿下の行啓に係る警衛警備に要する経費を計上したことによるものであります。

 50ページをお開きください。

 一段目の(目)刑事警察費は、犯罪捜査、被疑者の逮捕及び犯罪鑑識並びに防犯活動に必要な経費でありまして、4億2962万5000円となっております。

 前年度と比較いたしますと7474万4000円の増額となっておりますが、その主な理由は、安全・安心推進事業及び少年健全育成支援事業等の緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用した緊急雇用の賃金職員の経費等を計上したことによるものであります。

 2段目の(目)交通指導取締費は、交通安全施設の整備や交通指導取り締まりに必要な経費でありまして、12億4809万8000円となっております。

 前年度と比較いたしますと1034万1000円の減額となっております。

 以上で、公安委員会に係る一般会計歳入歳出予算の概要説明を終わります。

 公安委員会に係る特別会計はございません。

 よろしく御審査のほどをお願い申し上げます。

○当銘勝雄委員長 以上で、説明は終わりました。

 これより質疑を行いますが、質疑及び答弁に際しては、その都度委員長の許可を得てから、自席で起立の上、重複することがないように簡潔に発言するよう御協力をお願いいたします。

 また、質疑に際しては、あらかじめ引用する予算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で質疑を行うよう御協力をお願いいたします。

 それでは、これより直ちに質疑を行います。

 當山眞市委員。

○當山眞市委員 まず、警察本部長にお尋ねをいたします。

 昨年の11月7日、読谷村においてひき逃げ事件が発生し、米兵が犯人として逮捕されましたけれども、きょう第2回目の公判の日を迎えておりま す。この事件につきましては日米地位協定という大変厚い壁があったわけでありますけれども、この逮捕までに2カ月間も至ったということについて、警察本部 長としてこれからこの件についてどうあってほしいということも含めて、改めて御意見をいただきたいと思います。

○黒木慶英警察本部長 読谷村の件に関しましては逮捕までに2カ月時間がかかりまし た。これは確かに日米地位協定の問題も起こり、いろいろな問題もあったわけですけれども、一番大きな問題はやはり供述拒否といったことでありまして、その 供述拒否という事件に対してどうやって警察として対応していくかという問題。実は捜査段階のときに供述拒否する事件というのは、徐々にではありますがふえ つつあります。

 そういった中でどうやって客観的資料をきちんと集めた上でやらなければいけないか。これは逮捕すれば済むというものではありませんで、逮捕す れば当然のことながら20日以内に起訴しなければいけないわけでして、それができなければ嫌疑不十分あるいは処分保留となります。その20日を特に見据え た上で捜査の組み立てをしていかなければならない。その中で客観資料をどうやってそろえていくかといった大きな問題がございました。そういう点では、大変 時間がかかったような感じがいたしますけれども、県警察としては全力を尽くしていったという感じだと思います。

 今後についてでありますけれども、まず第一に、米軍犯罪に関しましては既に本会議等でもいろいろとお話しする機会がありますけれども、日米地 位協定の枠組みの中で応当証拠について全力を出して検挙に当たっていきたいと思います。また、今申し上げました点については、ある意味これからの課題では あるんですけれども、我々としてもやっぱり捜査手法等々で工夫をしていかなければいけない面もあると思っています。その点についても個々の事例を見ながら さまざまな研究を重ねていきたいと思っております。

○當山眞市委員 一般質問でも警察本部長にお答えいただきましたように、日米地位協 定については県警察で言及できないところもあるということで、これについては国家間の協定でありますから、犯人の引き渡し以外にたくさんの問題がその中に 含まれておりまして、早目に解決をしなければいけない、この地位協定の改定をしなければいけないというのが、これからの大きな課題であります。ただ、目の 前に犯人がいるのをわかりながら手も出せないという状況があったことは大変残念でありますし、今回、書類送検だけではなくて、犯人を逮捕、立件できたとい うことは大変評価をいたしております。

 きょう2回目の公判を迎え、これから3月26日、4月7日と4回公判を開くわけでありますけれども、この種の事件については、今決まっている4回の範囲で大体結審できるというところまで行きそうですか。

○黒木慶英警察本部長 その点については私としてはまさに何とも申し上げようがござ いません。検察官がまさに法廷においてどういう形で立証するか、それに対して被告人側がどのような形で反証するかという問題がありますので、その点につい ては私としては何とも申し上げようがないところでございます。

○當山眞市委員 まさにそのとおりだと思うんですが、犯人がこれからまた黙秘をする ということもありますし、犯人のまかりならんところの証言は、あの地域は真っ暗で、黒い服をつけていて、被害者自身が事故に遭わないようにするのが当たり 前だということをぬけぬけと言っていること自体が日本の国内法で許されないことだと思いますし、そういうことからすると、夜に黒い服をつけているのはひい ていいのかということにもつながりますので、そういうことを検察ともひとつ連携をとっていただいて、酒気帯び運転も証明できないところがあるかもしれませ んけれども、長時間にわたって北谷町のバーで酒を飲んでいた―バーにいたということは酒を飲んでいたと言えるのではないかなと思いますので、その辺も含め て、ひき逃げ事件についてちゃんと判決が出るようにひとつお願いしたいと思います。

 農林水産業の予算がことしハード事業で大分カットされまして大変厳しい予算でありますけれども、国の農林の基盤整備から農家への金のばらまき という形が今度出まして、農家戸別所得補償方式によって財源の確保、農地改良の予算が半減をされたということでありますけれども、国の沖縄関係予算の中で 農地改良関係の予算はどのような形になっておりますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今、委員から御指摘があったとおり、平成22年度の当初予 算につきましては対前年度比67億6254万円、11.8%の減となっています。これは国の予算編成の基本方針の中で、コンクリートから人への基本理念の もとで公共事業等を中心として大幅な削減がされています。減の主な項目といたしましては、県営畑地帯総合整備事業費で約13億円です。県営かんがい排水事 業費で11億6000万円、それから農業集落排水事業費で9億7000万円など、農業農村整備事業の予算が削減をされているところでございます。

 これにつきましては、現在、国との調整の中では、まずは平成22年度終了の地区については先にきちっとやるということで、平成22年度終了地 区について予算をしっかり確保していくということでございます。それと、新規採択についても平成22年度の実施分についてはやっていこう、実施していこう ということです。それから継続している事業につきましては、できるだけ影響がないような形でその事業に支出することで考えていまして、国に対して引き続き 予算の確保ができないかということで今調整をしているところでございます。今後ともこれにつきましては国に対してもしっかり要請をしていきたいと考えてお ります。

○當山眞市委員 農林関係の国の沖縄県に対する基盤整備事業は247億6100万円から150億円の減だということが前に言われたんですけれども、実際にはこういう数字は、その後の状況の中で変わってきたということですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 当初大体3割程度の予算ということでしたけれども、新しく交付金が創設されまして、全国ベースで6割、沖縄県が約75%程度確保されたということでございます。

○當山眞市委員 県の予算の中でも土地改良費14.6%の減ということでありますけれども、これから計画をされている土地改良事業に対するいわゆる事業計画のおくれとか、そういうのは出てきませんか。

○比嘉俊昭農林水産部長 平成22年度は今75%までの確保となっておりまして、先 ほど少し説明をしましたけれども、基本的には平成22年度完了分についてはまず確保していくということでございます。それから、平成22年度から新規採択 の事業があります。これについても平成22年度でしっかり新規地区を採択するということでございます。それから、やはり継続している事業の影響が一番大き いのではないかということで、それについては、できるだけ耕作ができるような仕組みを優先的にする。附帯施設を後ろにずらしていくということの作業が必要 ではないか。いずれにしても、そういう作業をしながら、全体の枠の中でもう少し増額できないかということを国に対しては、これからもずっと要請していきた いと考えております。

○當山眞市委員 今、採択されている分については支障なく事業が執行できると考えてよろしいですね。

○比嘉俊昭農林水産部長 継続事業につきましては、今より少し事業がずれるという可能性がありますけれども、平成22年度新規採択については、採択していこうという考えでございます。

○當山眞市委員 今回施行される戸別所得補償制度、これは米が対象になるわけですけれども、沖縄関係では米の生産量というのはどれぐらいの数量がございますか。

○山城毅糖業農産課長 米の生産実績でございますが、平成21年度で2890トンでございます。

○當山眞市委員 この2890トンで戸別所得補償品目の米が、県内で対象になる割合と金額は大体幾らぐらいに見ていますか。

○山城毅糖業農産課長 戸別所得補償モデル対策につきましては2つございまして、1 つには、米そのもの、主食用米に対する手当て、例えば、10アール当たり定額部分として1万5000円相当が支給されるということがございます。それから もう一つは、水田の中で転作作物に対する支給などがございます。本県でそれを試算いたしますと、米で約1億3100万円、転作作物で約3200万円の合計 で1億6300万円を見込んでございます。

○當山眞市委員 1億6300万円の所得補償をいただいて、沖縄県は150億円ぐら いの農地改良費が減るということになるわけですよ。沖縄県としてはマイナスの部分が大変多くなるわけでありますけれども、沖縄県のさとうきびについて、こ れからこの制度に乗っけていくという考えはございますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今の米の戸別所得補償、ことしモデルで実施することになっていまして、平成23年度から本格的ということになっております。県としても今の所得補償方式の動向を見ながら、さとうきびについても国と調整しながらしっかり対応していきたいと考えております。

○當山眞市委員 そういう状況でさとうきびが対象品目になったときに、沖縄県としてはどれぐらいの試算ができますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今の米の戸別所得補償方式がさとうきびにどういう形で置き かえられるかというのが、まだ県のほうで把握していないので何とも言えないんですけれども、現在の制度の中では、大体80万トンとした場合は160億円か ら170億円ぐらいの生産額、国から支援はもらっているわけですけれども、我々としては、今の新しい制度になった場合も、少なくとも従来の手取りがしっか り確保できるように、国に対しては要請していきたいと考えております。

○當山眞市委員 以前、さとうきび生産費所得補償方式ということで計算をされたこと がありますけれども、いわゆる戸別所得補償方式というのは生産費が収入を上回った分について補償していこうという制度であるわけですから、その辺が、今の 国の補償額を沖縄県についてはいつまでもさとうきびの70%、80%も補償するという形でいいのかというとらえ方をしているところもあると言われておりま すから、その辺と今後さとうきびが対象品目になったときの計算のやり方について大変厳しいところが出てくるのではないかなと思うんですけれども、その辺は どうお考えですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 現行のさとうきびの農家手取りにつきましては、国から直接 来る分と砂糖の価格変動でもって生産費を償うという形にはなっています。ただ、気になるのは、今委員おっしゃるように国からどれだけ来るかということにな ると思うんですけれども、今の米の戸別所得補償方式についても生産費を下回った場合に補てんということになっていますので、さとうきびについても生産費を 下回ったことに対して補てんする仕組みについては、これについては地元の実情をしっかりと訴えて、生産費が上回った場合に補てんしてもらうような形の仕組 みにしてもらいたいということは、県として要望していきたいと考えております。

○當山眞市委員 沖縄県は農地改良をやりたくてもできない部分が今日までありまし た。いわゆる軍用地で接収された部分です。これが開放されて農地改良を今からどんどん入れていくわけでありますけれども、そういう意味からすると、全国的 な基盤整備の予算額を半減するということが即沖縄県に適用されるということについては、沖縄県の現状を十分把握していかないといけないと思うのでありま す。

 沖縄振興計画の中で位置づけされた農地基盤整備事業の割合、これは皆さんの沖縄県の農業農村整備という冊子の中できちんと出されておりますけ れども、平成23年までに72%という数字が出ております。この72%については平成23年度の目標でありますけれども、そこは十分達成できそうですか。

○知念武村づくり計画課長 現在、農林水産業振興計画に基づいて、水源整備率あるい は畑地かんがい施設の整備率、圃場整備率について年次的に目標を立てましてチェックをしております。平成23年度の目標値に対する率としては、おおむね 80%から90%の間で推移をしておりますので、平成23年度まで粛々と推進していけば、おおむね達成できるのではないかと考えております。

○當山眞市委員 まとめになりますけれども、今年度、農業関係予算としては大変厳し い。これは林業、畜産業、農業等々すべて黒三角がつけられているという状況で、これから地産地消を目指し沖縄県の農業振興を図っていくためには、この予算 というのは欠かせない、国の補助金というのは欠かせないものでありますので、どうぞそういうのを目指して、これからの沖縄県の農業振興のために、予算の確 保をしっかりやっていただきたいと希望を申し上げまして、私の質疑を終わります。

○当銘勝雄委員長 前島明男委員。

○前島明男委員 それでは、まず農林水産部長にお尋ねをいたします。

 マンゴー輸送対策事業とあるんですが、そのことについて具体的な御説明をお願いしたいと思います。

○比嘉俊昭農林水産部長 マンゴー輸送対策事業の内容は、去年宮古島で生産量に見合 う航空輸送のキャパシティーが足りなくて積み残しが生じたということで、やはり今後つくったものをしっかり県外へ出すという仕組みが重要ではないかという ことで、航空輸送が観光との関係でキャパシティーがなかなかふやせないという状況にありますので、宮古島市から那覇市間を船で輸送して、沖縄本島から東京 都へは飛行機のキャパシティーがありますので、そういうことで、宮古島市から那覇市間の低温輸送試験をして、品質が落ちないような形の試験をしっかりする ということでございます。

○前島明男委員 沖縄の農水産物にとりましては、やっぱり輸送コストの問題が一番 ネックになっていると思うんですよね。何もマンゴーに限らずほかの水産物、例えばモズクですとかウミブドウですとか、そういったものの輸送に対してもかな りコストがかかりますので、そのためにいかにコストを削減するか、低減するかということが課題であるわけです。昨年の10月にANA―全日本空輸株式会社 の国際物流センターがオープンいたしました。それを活用する手だてがあるのかないのか、また、連携をとっておられるのかどうか、その辺のことをお尋ねした いと思います。

○比嘉俊昭農林水産部長 全日本空輸株式会社における国際貨物事業は、那覇空港を拠 点として国内外の主要8カ国に航路を開設して、各地からの貨物を那覇空港で積みかえなどを行い配送することになっていまして、どちらかといいますと、沖縄 県から本土への輸送に関しては、それほど大差はないのではないかと考えています。ただ、これは海外に出すということになっておりまして、今の那覇空港が拠 点ということになりますと当然海外へ出す便数等も多くなりますので、今までの那覇空港から東京へ行って海外ではなくて、那覇空港から直接海外へ出せるとい う意味では、恐らく輸送の回数の短縮とか時間の短縮、それから、鮮度の面でもかなりメリットがあるのではないのかなと思っていますけれども、ただ、海外に ついてはそういうことですが、本県から本土への輸送については、これからいろいろな調整をしないといけないですが、今のところは大差はないのではないかと いう見方をしております。

 今、農林水産部ではどういうことをしているかといいますと、沖縄県から本土へ出す場合に、できるだけ航空輸送から船舶輸送に変えていこうとい うことで、そうするとかなりコスト低減ができますので、そういう試験をして、現在は花あるいは野菜については船舶輸送もかなり進んでいる状況でございま す。

○前島明男委員 本土の大規模農業地域ではチャーター便を使った輸送をやっているところもあるようですが、我が県においてあらゆる農産物を集めてチャーター便を飛ばす―週1回ですとか、その頻度は別として、その辺のことは考えたことはありませんか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今、試算しているところでありますけれども、宮古空港及び 那覇空港でチャーター便を利用した場合ですけれども、現行の料金体系の中での試算ですけれども、チャーターすると通常の五、六倍はかかるということで、や はりチャーター便というのは今のところかなり厳しいのではないかなと思っています。ただ、チャーターにもいろいろやり方があると思うので、今後の研究課題 ではないかと思っています。

○前島明男委員 それでは、質疑を変えます。

 はるさー定着促進事業、新しいネーミングですが、そのことについて具体的な御説明をお願いしたいと思います。

○本永忠久営農支援課長 はるさー定着促進事業は、現在、農業従事者が高齢化してい る中で、将来を担う青年農業者の就農定着を図っていこう、経営安定対策を図っていこうということでこの事業を仕組みまして、1つは、栽培とか農家経営技術 の向上を目指した研修会等の開催、それから、全国農業青年技術交換大会というのがありますので、そういったところで現在実践している優良事例の発表、全国 の青年農業者との交流、地域のリーダーとなる青年農業者の育成事業、それから市場調査を支援していくということ。もう一つは、財団法人沖縄県農業後継者育 成基金協会というのがありますので、そこへの補助を通して県内の農業青年クラブの組織的な活動の支援をしていくような取り組みをする事業でございます。

○前島明男委員 大変結構なことですが、農業に限らず水産業も後継者不足で大変困っております。これはハルサーですけれども、ウミアッチャーのあれはどうですか。

○勝俣亜生水産課長 水産関係では、若い中学生などの少年水産教室は昔から継続して 実施しているとともに、最近は漁業就業者支援フェアというのをおととしから沖縄でも開催するようになりまして、新しい漁業者を求める漁業協同組合と漁業を したい人たちの出会いの場をつくって、そこで話がまとまれば、次に研修を行って新規の就業者を獲得していくという事業をしております。

○前島明男委員 この後継者育成ということは極めて大事なことですので、今後もっともっと力を入れていっていただきたいと要望しておきます。

 次に、ウリミバエ侵入防止事業7億6000万円余、昨年度も、また新年度もそうなんですが、かなりの経費を投入しているわけですが、これは絶滅するのに当初どのぐらいの経費がかかったんでしょうか。ウリミバエの根絶のために総トータル事業費として幾らかかったか。

○本永忠久営農支援課長 ウリミバエの根絶につきましては、施設の建設等も含めて約135億円かかっております。

○前島明男委員 この7億6000万円余なんですが、これから半永久的にずっと、これだけ毎年毎年必要なんでしょうか。今後それを半分に軽減するとか、そういう方法は何かないんですか。

○本永忠久営農支援課長 ウリミバエは、御承知のとおり平成5年に全県域から根絶し たんですけれども、台湾を初め東南アジア各地に発生しております。ですから、そういう東南アジアからの侵入の危険性は非常に高い。現にトラップで誘殺され たりしておりますので、そういう危険性がまだずっと続いているということで、やはり再侵入防止という観点からすれば、ずっと継続してやる必要があると考え ております。

○前島明男委員 この経費を幾らかでも軽減する方法はないんですか。毎年毎年7億 6000万円余の経費がずっと半永久的にかかるのか。今のお話では東南アジアからこれの侵入の可能性があるということであれば、半永久的にずっと毎年毎年 7億6000万円余の経費が必要ですか。これを減らす方法は何かないんですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 先ほど説明したように、植物防疫法に係る虫が、仮に沖縄本 島をゼロにして、入ってきた場合、これまた県外出荷ができなくなるんです。そういう意味で、実際にしっかり防除するという意味では、この予算は必要な経費 になると思います。それからすると、軽減というのは、やはり今の植物防疫法上、仮に虫が入ってきてそこに定着するということになったら県外出荷ができなく なりますので、入ってもしっかり駆除できる仕組みということでは、やはりこの予算は必要だと思います。

○前島明男委員 それはわかります。再侵入させてはいけないわけですから、これは極めて重要なことですので、どうしてもそれだけの金がかかるということであれば、やむを得ないことだと思います。

 次に、ヤブガラシ防除技術確立事業というのがあるんですが、これも自民党の新垣委員からも後であろうかと思うんですが、先取りしちゃって申し わけないんですが。これは現地、南部地域を昨年見てきましたけれども、もう大変な勢いで伸びていますし、絶対これは根絶しないといけないと思うんですが、 この程度の予算でいいのか。もっともっと予算を投入してこれを本当に根絶する必要があるかと思うんですが、いかがでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 これも糸満市選挙区の新垣委員からも強く、ヤブガラシはさ とうきびにとって非常に被害をもたらしているということがありまして、これについては平成21年度も若干モデル展示等を実施していますけれども、平成22 年度から、ヤブガラシの防除技術を確立していこうということで、まずはヤブガラシの実態調査あるいは生態をしっかり押さえるということです。それから、現 在、防除薬剤の適用拡大、例えば1回使っているのを2回使うとか、あるいは新規の防除薬剤ということで、現在ある防除薬剤でもそういう拡大がありますけれ ども、それ以外にいろんな薬剤で効くという雑草防除に使っているのが、ほかの品目でありまして、ほかの品目で使っている雑草の薬剤もこれに適用できないか ということの試験をしようということであります。

 そういう意味で、年次的にまず一つ一つクリアしていきながら、当然そこには新しい薬剤をつくってもらうということも、これからまた国と調整し ないといけないですが、まずはしっかりできるものからやっていって、今後、恐らくこれで難しいということであれば、その新薬剤も含めて国と調整して予算化 をしてもらうということも考えないといかんじゃないかと思っています。

○前島明男委員 現地を見ましたら、これは大変な状況だなと思いました。ですから、徹底的にヤブガラシの対策をとっていただきたい。要望しておきます。

 次に、さとうきび増産体制誘導対策事業というのがあるんですが、これはもちろん販売促進も大事なんですが、その前に、さとうきびの増産を図る ためにどうすればいいかということが最も重要だと思うんです。現在の沖縄のさとうきび農業用地の地力、体力というんですか、この土地の状況をどのように農 林水産部長は見ておられますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 沖縄の土壌は国頭マージ、それから島尻マージ、ジャーガル ということになっておりまして、一番大きいのがやはり国頭マージ。これは酸性土壌で生育にはかなり厳しい。パイナップルなどはいいかもしれませんけれど も、さとうきびとかほかの作物にはかなり厳しい。あるいは、それ以外の果樹についてはいいんでしょうけれども、いずれにしても、国頭マージ自体は余り肥沃 ではないという状況であります。

 それから、南部地区については、やはりジャーガルですので保水性もあって有機質もあるということで、かなりいい土壌になっています。ただ、一 方、離島については国頭マージあるいは島尻マージですから、そういう意味では、土壌的にはかなり有機質が必要な土壌になっているのではないかなという感じ はします。

○前島明男委員 私が申し上げたいのは、化学肥料を多用したために、沖縄の土壌はか なりやせてきているのではないかなという気がいたします。特に南北大東島は沖縄本島から数百キロメートルも離れているわけですけれども、ああいうところで も状況を見ますと、もうかなり地力が衰えてきているということで、有機肥料が必要だということを訴えておりますけれども、有機肥料をつくるにしても材料が ない。いわゆるさとうきびを搾ったがら、あれはまた燃料に使っているし、そういった意味では、ほかの雑草、雑木もないので、有機肥料をつくろうにもつくれ ないんだということを現地で訴えておりました。

 せんだって伊良部島を視察してまいりましたが、伊良部島では有機肥料の生産工場もありまして、非常に大量に有機肥料をつくっております。です から、伊良部島の農地というのは非常に肥えております。さとうきびのできも非常によかったです。肥料も大変余っております―余っているというか、大量につ くっていますので、それを南北大東島あたりに活用できないかと思うんですが、そういった場合の補助制度を南北大東島あたりに活用できないのか。伊良部島の 肥料を向こうに持っていけないかと思うんですが、いかがでしょうか。補助制度を活用できないか。

○比嘉俊昭農林水産部長 南北大東島では、平成20年から平成21年にかけて沖縄型 土層改良促進基礎調査事業というのをやっておりまして、さとうきびについてどのぐらいの量の堆肥が必要で、その場合にどのぐらい効果があるか今実験をして いまして、平成22年度においても引き続きこの調査をすることになっています。その結果を踏まえてどのぐらい堆肥が必要なのかを出していこうと。そういう ことを受けて、結果が出てどのぐらい量が出たということが出てくれば、平成22年度に新たに創設された農山漁村地域整備交付金というのがあります。どこか ら入手するかは別として、そういう事業がございますので、この結果を踏まえて堆肥投入ができるように国とも調整していきたいと考えております。

○前島明男委員 南北大東島に限らず、離島では、農業、特にさとうきびの生産でしか生活していけないというような状況があるわけですから、ぜひともその辺のことを配慮に入れてやっていただきたい。お願いをしておきます。

 では、今度は公安委員会に質疑をさせていただきたいと思います。まず、県民の安全・安心確保のために、警察本部長を初め、役職員一同が本当に365日24時間懸命に頑張っておられることに敬意を表したいと思います。

 そこで、質疑なんですが、酒気運転防止対策事業についてなんですが、現状と対策からまずお伺いをしたいと思います。

○黒木慶英警察本部長 本日は警察本部の各部長が出席しておりますので、お許しをいただきまして、御質疑につきましてはそれぞれの所管の部長から答弁をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○當銘健徳交通部長 県内における飲酒運転の現状と対策でございます。まず、現状で ありますが、平成21年中の飲酒絡みの人身事故の発生件数は125件で、死亡事故は13件となっております。全国平均と比較しますと、人身事故ではその割 合が2.4倍、死亡事故では4.2倍と高い比率となっております。一方、飲酒運転の検挙件数については、平成21年は1725件であります。実数において 全国で7番目に多く、人口1000人当たりでは全国平均の3.8倍となっております。

 次に、飲酒運転根絶対策であります。地域対策として、飲酒運転根絶連絡協議会の取り組み支援、飲酒運転根絶フラッグリレー、飲酒運転根絶署名 運動、飲んだらむカエル運動、それから酒類提供事業者対策としまして、車のかぎ預かり措置、ハンドルキーパー運動、飲酒運転ダメダメコンテストの実施、事 業所対策といたしまして、運転記録証明書を活用した職員の安全意識の高揚、アルコールチェッカーの活用、飲酒運転防止インストラクターの養成と活用、飲酒 運転違反者対策といたしまして、飲酒学級の充実、運転免許取消処分者の追跡調査、医療機関や断酒会等と連携した常習飲酒運転者等に対する支援、それから広 報啓発活動といたしまして、飲酒運転根絶メッセージ集「一杯の代償」や飲酒運転根絶活動マニュアルの発刊、飲酒運転根絶アドバイザーやラジオ交通安全アド バイザーの活用等各種対策を実施しているところでございます。

 ところで、皆さんのお手元にお配りしてあります飲酒運転根絶活動マニュアルということで、ついせんだって、これを発刊いたしております。この 中に、今発表いたしました各事業所等々の取り組み等、それから、飲酒運転に関する知識アラカルト、法の罰則の強化、背景等々を網羅したこのマニュアルをつ くってございますので、お配りいたしますので、ぜひ一読いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○前島明男委員 ありがとうございます。今、交通部長がおっしゃられたように、私が メモできないぐらい本当にありとあらゆる対策をとっておられるんですが、それでもなおかつ飲酒運転全国ワーストワンです。それがもう20年も続いていると いうこと自体がちょっと理解できないんですが、これだけ対策をとっておられてもなおかつワースト記録を更新していると。一体全体、これだけやってもなおよ くならないというこの根本的な原因は何だとお考えですか。

○當銘健徳交通部長 この資料の32ページにも「なぜなくならない飲酒運転の背景分 析」ということで載っておりますけれども、この中で一応6点ほど入れてございます。まず1つは、職場とか日本社会に欠かせない酒のつき合いが非常に多いと いうことでございまして、つい一杯ぐらいはとか勧められて気が緩みがちな土壌があるということです。それから、アルコールの作用、害に関する知識というの が無知な方が非常に多いということ。この背景といたしましては、本来ならアルコールにつきましても小さいときからアルコールに関する知識を教えていけばい いと思いますけれども、なかなかこれが無知だと。特にアルコールを飲んで体内から抜ける時間に関する無知が結構多くて、二日酔いという状態で、飲んだ翌日 残っていて検挙される者も非常に多いという実態がございます。それから、社会的に自分は大丈夫という意識が非常に多い。アンケート調査の中でも、これくら いは大丈夫という形で出てきているところでございます。それから、アルコール依存症、飲まずにいられないという方々が結構いらっしゃるということです。寝 るために飲む習慣も結構あるということでございます。それから、飲んだ場合の職場でのかばい合いとか地域でのかばい合いというのがある。

 こういう社会的背景があって、なかなか飲酒運転がなくならないという背景があるのではないかと。ですから、取り締まりだけではどうしようもな いと。やはり飲酒運転根絶というものは、地域、家庭に根差した対策、いわゆる飲酒運転を許さない社会環境づくりというものが非常に大事ではないかと考えた ところでございます。

○前島明男委員 いろいろ原因を挙げていただきましたけれども、やはりこれは大人の問題。夜型社会の沖縄県民にとって、大人にとって根本的なことから改めていかないといけないなということを強く感じております。

 最後にお願いなんですが、取り締まりはよくやっていただいておりますけれども、いわゆるメーンストリートといいますか、大通りではよく見かけ ます。しかし、酒を飲んで運転する方というのは、やはり抜け道を探していくんですね。それは人間の心理かもしれませんけれども、そういった意味では、今週 は那覇市、今週は沖縄市、次はヤンバルというふうに徹底して、抜き打ち的に路地路地でそういうものを徹底的にやっていくのも大事ではないかなと思いますの で、その辺のこともお願いをしておきたいと思います。ありがとうございました。

○当銘勝雄委員長 瑞慶覧功委員。

○瑞慶覧功委員 まず、農林水産部の林業事業について伺います。

 先日、農林水産省が2008年の林業産出額を公表しました。それによりますと、沖縄県の産出額が4億9000万円、前年比で36%、1億 3000万円の増となっています。要因として、シイタケなどのキノコ類が伸びたことにあるとしております。特用林産物の種類と生産高、この金額と量、生産 地を伺います。

○長間孝森林緑地課長 特用林産物の生産額ですけれども、これは森林緑地課の統計で ございますけれども、平成20年度、生産額が5億9100万円となっております。主なものとしましては、キノコ類が1153トンで4億5700万円、それ から木炭が225トンで3100万円等が主な内容となっております。

○瑞慶覧功委員 生産地はわかりますか。

○長間孝森林緑地課長 主な生産地でございますけれども、キノコ類の中でエノキダ ケ、これは今帰仁村で生産しております。それから、ブナシメジについては国頭村と金武町で生産しております。生シイタケは、大宜味村、東村、八重瀬町等で 生産されております。そのほかにも、クロアワビダケ、ウスヒラタケ、キクラゲ、エリンギ等が生産されておりまして、糸満市、八重瀬町、宮古島市、うるま市 等県内の各地で生産されております。

○瑞慶覧功委員 この間、私は家の近くのスーパーに行ったんですけれども、県産のキノコが上等だということを聞いていたものですから探したんですけれども、そうしたらみんな移入物というか内地物だったんですね。県内のキノコの消費量の県産品の割合はわかりますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 県内におけるキノコ類の消費量は、林野庁の特用林産基礎調査に基づいて推計しますと4900トンと見込んでおりまして、生産量が1153トンですので、約23%と考えております。

○瑞慶覧功委員 県外出荷はどうでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 県産のキノコの県外への出荷状況ですけれども、キノコ類であるクロアワビダケとキクラゲが出荷されておりまして、生産量の約9割が県外へ出されております。

○瑞慶覧功委員 県内の消費量が23%ということで、やはりこれはもっと頑張って上げていく必要があると思いますので、バックアップをまたよろしくお願いしたいと思います。

 次に、県は地産地消を奨励しておりますが、学校給食とかリゾートホテルに対する供給の状況をお願いします。

○長間孝森林緑地課長 県産キノコにつきましては、現在、エノキダケ、ブナシメジが安定的に生産されております。そういう関係から、学校給食、リゾートホテルへの供給が一部されております。また、ウスヒラタケについても地産地消の取り組みということで地元の学校給食に提供されております。

 県では、今後とも県産キノコ類の消費拡大を図るため、沖縄県農林水産物販売促進協議会を通して、パンフレットの配布、それから販売促進事業の実施、また花と食のフェスティバル等各種イベントに出店しまして、県産キノコの普及と推進に努めていきたいと考えております。

○瑞慶覧功委員 次に、流通システムはどうなっているか伺います。

○長間孝森林緑地課長 先ほど申し上げましたとおり、エノキダケ、ブナシメジにつき ましては、現在、安定的に生産されていることから、流通業者を通して県内の大手スーパー等に出ております。大手の―どこどこという名前を言うのは難しいん ですけれども、委員も大体の大手スーパーに行けば、国頭村、金武町、今帰仁村で生産のエノキダケ、ブナシメジが御賞味になれると思います。

 その他のキノコというのは栽培規模が小さいという関係で、小売店への直接取引となっております。今後、生産者が安心してキノコ類が生産できる ように、沖縄県農林水産物販売促進協議会、関係機関等と連携しながら集出荷体制を整備して流通体制の強化に努めていきたいと考えております。

○瑞慶覧功委員 次に、薪炭生産額3000万円で推移しているとのことですけれども、薪炭生産額の内訳を伺います。

○長間孝森林緑地課長 薪炭生産額の内訳でございますけれども、主なものは木炭でご ざいまして、これが2700万円、それから、近年、これは竹ですけれども、竹炭が400万円となっております。木炭については、野外のレジャー等で燃料用 に利用されているほか、土壌改良材、床下の調湿材、こういうふうに利用されております。これはバイオマスエネルギーにもなりますので、多目的な用途もア ピールしながら、今後とも県の木炭、それから薪炭材の普及啓発に取り組んでいきたいと考えております。

○瑞慶覧功委員 今の話でもありましたけれども、沖縄はバーベキューが盛んで、ビー チパーティーとか、そういうことが盛んに行われます。しかし、そのビーチでは木炭を使ってはいけないというのが今徹底されているんですけれども、やはりこ れはマナーの問題で、木炭でやると鉄板よりずっとおいしいんですよね。だから、そこをもっとそういう施設管理ですか、公的な部分から、害ではないわけです から、県産木炭品は限定的に使ってもいいというふうに、しっかり奨励していけば2倍、3倍にもなると思うので、そこら辺はどうでしょうか。

○長間孝森林緑地課長 やはり森林資源を有効に使うという観点からもどんどん木炭を 利用して、土壌改良材としてもなかなか効果が上がっているというデータもございますので、また、ビーチの利用等につきましても管理者等と調整しながら、で きたらたくさんの方に使っていただくように取り組んでいきたいと考えております。

○瑞慶覧功委員 農林水産部長、よろしくお願いします。

 次に、森林病害虫防除費についてですけれども、昨年に比べ予算がふえた要因をお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 森林病害虫予算につきましては、森林病害虫防除事業、松く い虫特別対策事業及び松くい虫被害対策事業の3事業から成っておりまして、平成22年度の予算は2億398万8000円で、前年に対して5918万 7000円の増加。その主な理由は、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用した松くい虫被害対策事業を皆増として予算で組んでいるところで、この事業につき ましては、主に幹線道路あるいは保全松林の周辺、集落等の防除、その他松林を中心とした幹線道路を中心に防除をするということでございます。

○瑞慶覧功委員 松くい虫の量がふえたということではないんでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 松くい虫の被害については、まず基本的な部分は、だんだんと減ってはいるんですけれども、まだ被害があるということで、やはりしっかり防除していこうということでございます。

○瑞慶覧功委員 これまでに松くい虫防除事業に要した金額と年数をお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 平成元年度から平成20年度までの20年間に要した松くい虫の防除費用は約67億円となっております。

○瑞慶覧功委員 松くい虫の被害をなくすというのは、現実的にはとても不可能ではな いかなと思っています。米軍基地関係がありますので、県や市町村が頑張ってもフェンス1枚隔てたところでは被害木が処理されていないという状況もありま す。また、米軍の陸海空軍、海兵隊、それぞれ対応がまちまちで、事業を続けていくのであれば、やはり米軍にもっとしっかりと処理させる必要があると思いま すが、どうでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 基地内の防除につきましては、沖縄防衛局及び沖縄森林管理 署等が駆除区域を区分して、それぞれの事業主体で伐倒処理をしているところでございまして、この防除を推進するために松くい虫被害対策に関する連絡会議を 持っていまして、これは国、市町村等が一緒に入って松くい虫防除について取り組んでいる状況でございます。ちなみに、平成20年の基地内の伐倒駆除実績を 言いますと1万4000本を伐倒したと聞いております。

○瑞慶覧功委員 この基地内の伐倒処理の予算はどこから出ていますか。

○長間孝森林緑地課長 基地内の松くい虫の防除については、実施主体は基本的には沖縄防衛局で行っておりますので、国で負担していると聞いております。

○瑞慶覧功委員 次に、保護のための樹幹注入剤の予算があると思うんですけれども、事業費に占める割合は何%ですか。

○長間孝森林緑地課長 平成22年度の森林病害虫防除費は全体で2億398万8000円でございます。そのうち、樹幹注入の予算は2469万6000円となっており、約12.1%となっております。

○瑞慶覧功委員 樹幹注入剤の補助対象はどうなっているんでしょうか。

○長間孝森林緑地課長 森林病害虫防除費の樹幹注入につきましては、保全松林におい て、これは水源地等があるとかそういう場合に薬剤散布が困難ということで、こういう場所において樹幹注入の予防対策を行っております。また、松くい虫特別 対策費、これは沖縄特別振興対策調整費を活用した事業でございますけれども、これは地域の景観を形成している巨樹、それから名木、こういう部分に樹幹注入 を実施しております。また、平成20年度においては、そういう名木ということで、今帰仁村仲原馬場のリュウキュウマツ等についても樹幹注入を実施している ところでございます。

○瑞慶覧功委員 各地域にあった松も、大きな松というのはみんなやられてちょっと手 おくれな状況もあるんですけれども、でも、市町村でちゃんと名木とか巨木ということで指定して3年に1度の樹幹注入をやっている自治体もまだあると思うん ですよ。やはりそこら辺はもっと連携を図って、名木を保全していくためには予算がかかりますので、そこら辺は補助対象ということはどうでしょうか。

○長間孝森林緑地課長 基本的には、森林病害虫防除事業では保全松林に指定している 地域はすべて対象となっております。さらに、松くい虫特別対策事業においても地域の名木を保全するという目的を持っておりますので、市町村とともに連携し ながら、名木、巨木等への樹幹注入についても今後も引き続き実施していきたいと考えております。

○瑞慶覧功委員 次に、森林保全及び木材利用促進費について、昨年度予算がゼロから今年度一挙に9270万5000円ついているわけですけれども、事業の概要をお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 森林保全及び木材利用促進特例基金事業は、森林の保全及び 地域材等の森林資源の活用によって森林、林業の活性化を図る目的で平成21年度から平成22年度の3カ年計画で実施しまして、平成21年度は補正で実施し ております。その中身は里山再生事業で、これは森林病害虫の防除ということの支援でございます。それから、木造施設整備に対する支援ということで木造公共 施設整備事業、地域材の新たな利用開発を図る地域材利用開発事業の3事業の柱でできていまして、平成22年度につきましては、木造公共施設整備事業で東村 立保育園の木造施設整備を行うということになっておりますし、それから、県立島尻特別支援学校の寄宿舎やプレールームの木質内装の工事を予定しています。 さらに、地域材利用開発事業につきましては、県産材料による防腐工材の利用開発として計画しております。

○瑞慶覧功委員 次に、遊休農地の解消総合対策事業について伺います。これまで2度 一般質問でも取り上げてきましたけれども、平成20年の耕作放棄地は2950ヘクタールで、平成23年をめどに350ヘクタールの再生利用を進めるとのこ とでありますけれども、平成21年度で105ヘクタール、まだ2845ヘクタールが残っていることになりますけれども、この予算書を見ておりますと、遊休 農地解消総合対策事業費として45万円しか見つけることができなかったんですけれども、この対策は何か別のどこかに潜り込ませてあるんでしょうか。

○知念武村づくり計画課長 耕作放棄地対策事業の仕組みというのは、各都道府県に県 の耕作放棄地対策協議会というのをつくります。一方、国のほうで平成21年度に耕作放棄地対策の交付金として全国で約200億円余りの基金が造成をされて おります。沖縄県も現在のところ、沖縄県の耕作放棄地対策協議会で約8億円余りの基金の割り当てを受けております。平成21年度までに約4億円執行する と、あと約4億円が残っておりますので、それを使って沖縄県としては平成23年度までに約350ヘクタールの解消を目指して取り組んでいくということに なっております。

○瑞慶覧功委員 平成24年以降もまだ2600ヘクタール残っていると思うんですけれども、事業計画はどうなっていますか。

○知念武村づくり計画課長 今御説明したように、平成23年度までに基盤整備をやら れた優良農地を中心におおむね350ヘクタールを解消していくということで、国も当面平成23年度までの事業計画を今計画していまして、その事業費を確保 するということでやっています。実はせんだって事業仕分けの中で平成22年度も基金を積み増す要求をしていたんですが、まだ消化されていない基金が大部分 あるということで、平成22年度の当面の基金の積み増しについてはやりませんよということになっていますが、一応平成21年度、平成22年度の執行状況等 を見まして、平成23年度以降の基金について国としてはどうしていくかという方針を出すことになっております。当然、我々としては、沖縄県は2950ヘク タールありますので、それの解消を目指してやっていくということで、また、平成24年度以降についても、国に対してそういう制度の創設というか継続を要望 していきたいと考えております。

○瑞慶覧功委員 この問題は自給自足、そして就農人口とも大きくかかわってきますの で、やはり早急に対応する必要があると思うんですよ。ですから、もっと基金をたくさん使ってというか、使うのが目的ではないんですけれども、本当に早急 に、まだこれだけの遊休地があるわけですから、それに対処するために対策、さっき耕作放棄地対策協議会ですか、そこをもっと強化して、あるいはコンサルタ ントとか、海外へ移住ということで県内にいないとか、そういう問題がありましたよね。そこをもっと集中的に取り組んでいくべきだと思うんですけれども、そ こはぜひ頑張っていただきたいと思います。

 次に、水産事業ですけれども、新聞報道で2008年の県内漁業生産額が前年比15億円の減となって33年ぶりの低水準とのことでした。要因と しては、モズクを中心とした養殖業が16億円の大幅な減となっております。モズク、アーサなど海藻類の生産額が減少した原因を伺います。

○勝俣亜生水産課長 まず、モズクですけれども、モズクの生産量は平成18年、平成 19年と2万トンを超える生産を上げておりました。ところが、平成20年は1万5000トン、平成21年は1万トンと減少しておりまして、生産額もこれに 伴って減少して、平成18年の41億円から平成20年には13億円になっています。この原因としては、モズクの消費低迷によって需要が減少したために、需 要に応じた計画的な生産を行ったためであります。

 もう一つのアーサでありますが、アーサの生産量については近年100トン前後で推移してまいりましたが、平成22年度―今年度、県全体でアー サの生育がよくて例年を上回る150トン程度の生産量が見込まれております。生産額についても近年は3000万円前後で推移しておりましたけれども、平成 22年は生産量の増加とともに需要の増加によって単価が向上しておりまして、8000万円程度を見込んでおります。

○瑞慶覧功委員 アーサはことし150トンですか。

○勝俣亜生水産課長 そうです。

○瑞慶覧功委員 去年は25トンとか、そういうのだったんですが、わかりました。

 次に、公安委員会の関連で伺います。

 目の不自由な方から北谷町の国道58号米軍病院前に音声誘導つき信号機を設置してほしいとの要望がありました。盲人用の音声誘導つき信号機の設置状況を教えてください。

○當銘健徳交通部長 平成22年2月末現在で、県内に設置された音の出る信号機は378基、全信号機の18.7%を整備しております。

○瑞慶覧功委員 設置基準と手続方法についてお願いします。

○當銘健徳交通部長 音の出る信号機の設置基準につきましては全国統一でございまし て、次の3つの要件になっております。まず1つは、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律―バリアフリー法におけ る特定道路を構成する道路における横断歩道、これは本県には該当する道路はございません。2つ目は、視聴覚障害者の利用頻度が高い施設、例えば、駅、役 所、障害者団体等がある施設、盲学校、リハビリテーションセンター、病院、それから、障害者スポーツセンター等の社会福祉施設等の周辺にある横断歩道、3 つ目は、スクランブル方式及び歩行者専用現示方式の信号交差点に設置することとして統一されております。

○瑞慶覧功委員 378基ということでしたけれども、こちらの信号機は音声も出ますけれども、みんなそういう形の―音が違うのではないですか。

○當銘健徳交通部長 378基の音の出る信号機のうち30基は、信号機が青になりますというアナウンスを行う機種を導入しております。そのうちの30基でございます。

○瑞慶覧功委員 次に、ヘリコプターの維持費に関連して、どのような任務、活動を行っているか伺います。

○山入端辰次生活安全部長 県警察におきましては、現在2基のヘリコプターを運用し ています。任務といたしましては、航空機の機動力を活用した警察業務の支援であります。具体的な活動といたしましては、水難事故発生時における上空からの 捜索活動、あるいは離島においての事件事故発生時における捜査員、あるいは被疑者の空輸、それから各種事件事故現場の採証活動、あるいは産業廃棄物の不法 投棄のパトロール等々であります。

○瑞慶覧功委員 年間と月ごとの出動回数をお願いします。

○山入端辰次生活安全部長 平成21年中の出動回数は356回でありまして、月平均にいたしますと約30回となっております。

○当銘勝雄委員長 休憩いたします。

   午前11時51分休憩

   午後1時21分再開

○当銘勝雄委員長 再開いたします。

 午前に引き続き、質疑を行います。

 奥平一夫委員。

○奥平一夫委員 午前中の比嘉農林水産部長の予算の説明で67億円余りの予算が減になっているということなのでございますけれども、まず、国へどれくらいの予算を要求したのかということをお聞きしたいんですが、大丈夫でしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 これは国庫ベースで国直轄事業も入った要求の予算額となっておりますけれども、343億8900万円の要求に対しまして241億円となっております。

○奥平一夫委員 ということは、100億円ぐらいの乖離があるということですね。そ ういう意味で、農林水産部については非常に厳しい査定がされていると考えるわけです。67億円の予算減の中でもいろんな理由があると思うんですけれども、 こういう説明を受けました。事業終了に伴っての減だということが2つほど、農作物対策費、それから肥料対策費、これが終了したので減であると。これの新し い事業というのは準備はされていないんですか。

○本永忠久営農支援課長 肥料対策費の中に赤土流出防止対策関連の事業がありまし て、この事業につきましては、沖縄特別振興対策調整費の中で平成20年度から平成21年度まで2年間の計画で赤土流出防止対策に取り組んだ事業ですけれど も、2年間の事業ということで事業が平成21年度で終わりと。ただ、平成22年度からにつきましては、また文化環境部と連携して新しい事業を実施すること になっております。

○與那嶺宏明園芸振興課長 農作物対策費の減については、太陽光を活用した事業が平成20年度から平成21年度まで実施しております。その事業は内閣府の沖縄特別振興対策調整費事業でございまして、2カ年の事業ということで2億7000万円程度の事業が減になっております。

○奥平一夫委員 次に、(項)の農地費が随分大幅な落ち込みになっているんですけれども、これは地域に相当な影響があるのではないかと思うんですが、その辺の認識をお聞かせください。

○比嘉俊昭農林水産部長 この土地改良関係事業につきましては、先ほど触れたんです けれども、コンクリートから人へということで、国が土地改良事業費について削減ということで内示を受けまして、当初大体30%だったんですけれども、また 新しく交付金事業というのが国で仕組まれていまして、それからすると大体75%までは土地改良関係事業費が回復したということではございますけれども、い ずれにしても25%削減ということになっておりますので、基本的には、平成22年度につきましては事業完了する地区をまず最優先にやろうと。それから、今 後新しく事業を仕組むということですから、新規採択についても、平成22年度採択についてはしっかり実施するということであります。

 それから、一番課題になっているのが継続事業になりますけれども、これについてはできるだけ生産性を下げない形で附帯設備を後半に回して耕作 ができるような形の執行ということを今考えています。特に継続については、全国の6割から7割ぐらいの土地改良でございますので、これについては少なくと も全国並みに持っていく必要があることから、引き続きこれについては関係機関と連携して国に強力に要請したいと考えております。

○奥平一夫委員 国の方針でこういう形で予算が減額をされたということは、やはり県のこれからの農林水産事業についても見直しをしていくことになるかと思うんですが、土地改良についてはこれまでよりはスローペースで進めると理解してよろしいですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 平成22年度についてはそういう方向でありますけれども、 いずれにしても、6割から7割全国より低い水準ですので、6割から7割程度の状況の中では、全国で見ると、いろんな意味で肩を並べてないといけませんの で、少なくとも全国並みに持っていくように、これについては強力に要請したいと考えています。

○奥平一夫委員 次に、水産業費ですけれども、これも相当落ち込みがあります。沖縄県内の水産振興に相当大きな影響があると思うんですが、農林水産部長の見解をお聞かせください。

○小山榮一漁港漁場課長 水産業基盤整備関係の事業費の減額についてお答えいたしま す。平成22年度予算編成では、対前年度比84.7%程度で概算要求を行いました。しかし、その後、行政刷新会議の中での事業仕分けにおいて、水産基盤整 備事業は予算要求の10%程度の縮減、それから、レクリエーションなどの環境整備につきましては廃止や予算の縮減の表決がなされました。このような情勢を 経て、全国の水産基盤整備関係予算は全体で31.4%の減となっておりましたが、沖縄県につきましては12.1%の減となっておりました。

 今後の事業への影響につきましては、事業期間の延長を最小限にするよう、選択と集中や経費の節減、そういうことを図って効率的な事業執行に努めていきたいと考えております。

○奥平一夫委員 余り意味がわからないんですが、選択と集中は結構でありますけれど も、15%のカットはかなり大きいと思うんですよね。現場に与える影響はどれぐらい、悲壮感が全然伝わってこないんですけれども、現場では相当厳しく受け とめていると思うんです。現場の声を聞かれたことはありますか。

○小山榮一漁港漁場課長 予算内示を受けまして、その後、県内で予算実施ヒアリングとかそういったものを行いましたが、若干の厳しさはあるということですが、全体的には順調に何とか事業整備を図っていけるのではないかと考えております。

○奥平一夫委員 農林水産部長、これはやはり水産業の振興に相当悪い影響があると思 うんですね。そういう意味で、確かに予算は減らされたけれども、では、それでいいかという話ではなくて、要請するのも結構なんですけれども、やはり県とし てどう汗をかくかということが非常に大事だと思うんです。これは漁獲高あるいはさまざまなことにかなり影響があると思うんですね。決意を少し聞かせてくだ さい。

○比嘉俊昭農林水産部長 先ほどもお話ししたとおり、まず農業については、まだ全国 並みになっていない低い状況ですので、まず、全国並みの生産基盤を整備することが農業の生産拡大にはつながりますので、しっかりそれはやっていきたい。そ れから、水産業についても、これだけ広大な海を抱えているわけですから、水産業についてはこれから伸びる産業ではないかなと思っていますので、そのための 基盤整備あるいは漁港整備が重要だと思っていますので、可能な限りのことは、経費の縮減とかはやりますけれども、やはり基本的な部分はしっかりとるような 形で頑張りたいと思います。

○奥平一夫委員 やはり農林水産業というのは沖縄県の政策で非常に大事な部分でございますので、農林水産部長を中心にぜひ頑張っていただきたいと思っています。

 それから、説明資料13ページの林道費が89%、2億円以上削減をされております。この理由を御説明ください。

○長間孝森林緑地課長 平成22年度の林道開設事業の予算関係でございますけれど も、これについては、平成21年度林道建設事業について、費用対効果の算出に当たって適切でない点がございました。そういうことから、費用対効果の検証を 行い、また、その結果について国と調整をしながら、また、沖縄県公共事業評価監視委員会へ諮問するということで、これまでの間、着工を見合わせていたとこ ろでございます。そのようなことから、平成21年度林道建設予算については同委員会に諮問するということで繰り越しをしたところです。このようなことか ら、平成22年度予算につきましては、予算を計上しても事業実施は困難であるということで、平成22年度予算の計上を見合わせたというところでございま す。

○奥平一夫委員 農林水産部長、これは県の農林水産部あるいは県の林道事業に対する方針を変えたということなのか。つまりこれまでどおりではいかないということで変える、そういう方向で検討しているということですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 先ほど説明がありましたように、2林道、伊江Ⅰ号支線、伊 江原支線については費用対効果の課題があるということで、これについては諮問をしてその判断を仰ぐということでありましたので、先ほどの説明のように、平 成21年度については繰り越し、平成22年度については平成21年度の実施ができないと平成22年度の予算が計上できませんので、そういう状況で予算は平 成22年度は組まなかったということでございます。

 それから、林道事業の実施については、やはり費用対効果の課題もありますが、沖縄本島北部地域の地元の皆さん、それから環境関係の皆さん、市 町村等の関係機関とも連携して、ある程度合意形成ができるような仕組みの中で林道事業は実施する必要があるのではないかということです。今、そういうこと で、1つの方法としてゾーニングを―利用区分をどういう形でやるかとかいろんなもろもろの検討をした上で林道事業については実施する必要があると考えてお ります。

○奥平一夫委員 大変結構なことだと思いますので、ぜひ環境に優しいといいますか、 国の方針も今、コンクリートから人へという流れになっていますから、その辺は、周辺地域の皆さん、あるいは環境関係の皆さんともしっかり相談をしながら、 この事業についても検討していただきたいと思っています。

 では、耕作放棄地について伺いたいと思います。その取り組みですけれども、耕作放棄地の再生利用の背景というのは何でしょうか。

○知念武村づくり計画課長 耕作放棄地対策事業については、日本国内の食料自給率の 低下等、それとあわせて農村部の過疎化、高齢化等で生産力が弱ってきまして耕作放棄地の発生が急激にふえてきたという背景があって、本来の耕作の目的に供 して食料自給率を上げるという目的が達成できなくなりつつあったものですから、国の施策として事業化されてきたということであります。

○奥平一夫委員 耕作放棄地の定義について教えていただけませんか。

○知念武村づくり計画課長 耕作放棄地の定義は、過去に耕作地であったものが1年以上耕作をされない、また、ここしばらく耕作をする意思を持たない農地のことをいっております。

○奥平一夫委員 沖縄県内における再生利用への取り組みのこれまでの経緯は。

○知念武村づくり計画課長 この事業は平成20年度に国の事業で出てきております が、平成20年度は実証のモデル事業としてできております。その実証を経まして、平成21年度から本格的に事業化されたということで、県内ではそれを受け まして現在までに27の市町村に耕作放棄地対策協議会を設置しまして、そこを窓口として、地域にある耕作放棄地について借り手と貸し手の権利関係等を調整 して営農計画等を立てまして再生利用を図っているという状況でございます。

○奥平一夫委員 県内は今27市町村ですけれども、これからも広げていく、立ち上げをふやしていくという予定はございますか。

○知念武村づくり計画課長 耕作放棄地対策協議会については、県内の農業振興地域の農用地区域内に耕作放棄地を抱える30の市町村を目標に取り組んでおりますが、現在のところ27協議会にとどまっているということでございます。

○奥平一夫委員 協議会を立ち上げできないあと3つの市町村というのは、どういう理由で立ち上げられていないんでしょうか。

○知念武村づくり計画課長 この3つの市町村は、具体的に言うと、今帰仁村と与那原 町と座間味村でございますが、地域に存する耕作放棄地がとても小さいということもありますが、今帰仁村みたいに統計上あらわれているんですが、実際には調 査の時点から耕作をされたということもあって、市町村がそれほど対策について必要性を感じていないところも原因としてあります。

○奥平一夫委員 この再生事業について県はどれぐらいの効果を期待しているんでしょうか。どれくらい予測しているんでしょうか。

○知念武村づくり計画課長 今、27の市町村で地域協議会を立ち上げましていろいろ と取り組みをやっております。平成21年度までの実績について今、取りまとめているところでございます。今、具体的な資料は持っていないんですが、例え ば、地域に農業生産法人ができまして、そこが耕作放棄地を取り込んで、ある企業と連携をしまして作物からつくった加工品を販売していく。実際に取り組んで いるところが、大宜味村ではソバの作付をしてソバを加工して消費している、西原町においてはJAおきなわと地域の協議会がタイアップしましてシマナーを作 付しまして、それでいろいろな製品を開発して販売をしているという実績もあって、ある程度の雇用も実現をしているという状況がございます。

○奥平一夫委員 先ほど午前中、瑞慶覧委員の質疑の中で出てきましたけれども、実際に耕作放棄地がどれぐらいあって、今それが耕作、利用されている、残りが幾らなのかというのをもう一度教えていただけませんか。

○知念武村づくり計画課長 平成20年度の一斉調査によりますと、沖縄県には 2950ヘクタールの耕作放棄地があります。そのうちいわゆる優良農地と言われるようなところが350ヘクタールあります。沖縄県では平成23年度まで に、その350ヘクタールをとりあえず解消しようということで取り組んでいるんですが、今年度までに110ヘクタールが解消できる見込みでございます。

○奥平一夫委員 気になるのは、平成23年度までだというんですけれども、それ以後どうするかということが非常に課題だと思うんですね。今回は限定的に3年間という期間でやるわけですけれども、今後、県はどうしようと考えていらっしゃいますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 食料自給率向上という観点もありますし、それから生産拡大という観点もありますので、平成23年度でこの事業は終わるんですけれども、国とも調整して平成24年度以降も引き続き事業実施ができるようにしっかり調整していきたいと思います。

○奥平一夫委員 やはりこの事業は今後も有望な事業だと思います。そういう意味で、本当に今後もぜひ継続してやっていただきたいと思うんですが、対象者、どういう方がそういう再生利用に参加できるのか。

○知念武村づくり計画課長 この事業の支援の対象者は、基本的に耕作放棄地を借りて5カ年以上営農をする意思のある方であれば参加できるということでございます。

○奥平一夫委員 これは企業も同様ですか。

○知念武村づくり計画課長 企業については、農地法の制約がいろいろあることはあるんですが、農地は借りられることになっていますので、もちろん耕作放棄地対策協議会の中でいろんな審査といいますか、そういう検討はしますが、可能だと思います。

○奥平一夫委員 では、次に移ります。おきなわ型つくり育てる漁業推進事業1059万円計上されていますけれども、事業の概要とつくり育てる漁業の現状と課題についてお伺いいたします。

○勝俣亜生水産課長 おきなわ型つくり育てる漁業推進事業は、本県の海域特性を生か したつくり育てる漁業を推進するために必要な調査・検討を行うとともに、養殖水産物のブランド化に必要な基準作成と普及を行うものであります。概要としま しては、オーストラリアなど国外を含むダイビング等観光業と連携した海洋牧場の可能性調査、それから生産者団体、学識経験者等で構成する検討委員会や専門 委員会の設置、そして水産資源の利活用方策の検討や養殖水産物、主にウミブドウですけれども、品質基準等の作成、普及を行う事業であります。

○奥平一夫委員 私の質疑にまだ答えていないのがあるんですけれども、次に行きます。

 県内における養殖業の生産量、生産額、就業者の推移について伺いたいと思います。

○勝俣亜生水産課長 養殖生産量は、モズクとクルマエビを中心としまして、平成20年度には58億円の生産高を上げております。経営体数につきましては、海面養殖の経営体数は平成20年度で677経営体となっております。

○奥平一夫委員 就業者の推移を聞きたかったんですけれども。

○勝俣亜生水産課長 今の経営体というのが就業者ということです。

○奥平一夫委員 県内でいわゆる有望な養殖種を5つぐらい挙げていただけますか。今後有望な養殖種です。

○勝俣亜生水産課長 現在、盛んにやっておりますクルマエビ、モズクに加えて、海藻ではウミブドウです。魚類では今ヤイトハタ―ミーバイの仲間が有望だと聞いております。

○奥平一夫委員 ウミブドウについてお聞きします。生産地域はどれくらいありますか。

○勝俣亜生水産課長 地域については、県内あらゆるところと言ったほうがいいと思うんですけれども、各地で行われておりまして、生産量は平成20年の量でいきますと244トンで、金額でいきますと6億7800万円になっております。

○奥平一夫委員 これは今後、生産量、生産額とも伸びる予想をしていますか。

○勝俣亜生水産課長 伸びると予想しております。

○奥平一夫委員 私は宮古島出身なんです。本家本元の宮古島では施設が非常に貧弱で、生産量も輸出コストがあってなかなか伸びていないんですね。こういう離島への支援というのは考えていらっしゃいますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 先ほどおきなわ型つくり育てる漁業推進事業というのがござ いまして、その中に養殖水産物のブランド化ということで、ウミブドウの品質基準等について、これからどういう形がいいのかというのを、この事業の中で取り 組もうと考えています。どういう施設が必要なのかについてはその後になると思います。

○奥平一夫委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 次に、農業集落排水事業18億7200万円計上されています。事業の概要についてお伺いいたします。

○山内光雄農村整備課長 農業集落排水事業は、農業集落地域における家庭からの雑排水あるいはし尿、そういったものを体系的に整備して、公共水域の水質保全、自然環境の保全を図ることを目的とした事業でございます。

○奥平一夫委員 第3次沖縄県農林水産業振興計画での目標は、平成23年度50%の整備率を目指していますが、それはいかがですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 農業集落排水施設の整備率でございますけれども、平成20年度実績でいきますと66.3%、平成23年度目標に対しては53%の状況でございます。

○奥平一夫委員 第3次沖縄県農林水産業振興計画での目標は平成23年50%ですけれども、それよりも多いということですね。

○比嘉俊昭農林水産部長 平成20年度目標が40%、それに対して実績が27%ということで66.3%の整備率となっています。それから、第3次沖縄県農林水産業振興計画の平成23年度が50%に対して現在27%の整備状況ですから、それに対しては53%ということでございます。

○奥平一夫委員 大変いいことなんですけれども、ただ、各市町村の財政は非常に厳し くて、これは多分特別会計を立ち上げてやっていると思うんです。整備率はいいんですけれども、加入率が低くて市町村の会計は非常に厳しいと思うんですが、 その辺の事情は察していますか。加入率を聞かせてください。

○山内光雄農村整備課長 接続率のことだろうと思いますので、接続率については今県全体で64.4%の接続になっております。

○奥平一夫委員 予定加入者の64.4%ですね。

○山内光雄農村整備課長 はい。

○奥平一夫委員 農業集落排水事業の整備がもたらす各市町村の財政への影響というのは御存じですか。

○山内光雄農村整備課長 財政的な問題になりますと、以前は一般会計で全部支出をしておりましたけれども、途中から下水道債が適用になりまして、現在、下水道債を適用して事業を進めている市町村が17市町村ございます。

○奥平一夫委員 その経営状況はどうですかという話です。

○山内光雄農村整備課長 経営状況の細かい点については十分把握されておりません。

○奥平一夫委員 では次に、黒木警察本部長にお伺いしたいと思います。県内の児童・生徒、少年の非行、犯罪についてお伺いしたいと思います。県内の不良行為あるいは刑法犯少年の5カ年間の推移をお願いできますか。

○山入端辰次生活安全部長 まず、過去5年間の窃盗、傷害などの刑法犯少年の検挙・ 補導人員について申し上げます。平成17年が2313人、平成18年が2063人、平成19年が1882人、平成20年が1735人、平成21年が 1610人となっておりまして、平成17年をピークに4年連続減少しております。平成21年は前年対比で125人、7.2%の減少となっております。平成 21年中における刑法犯少年を少年人口1000人当たりで全国と比較しますと、犯罪少年が11.6人で全国平均の0.9倍、全国20位、触法少年が2.9 人で全国平均の1.5倍、これは全国8位となっておりまして、県内の少年たちの非行の低年齢化というのがうかがえるところであります。また、刑法犯少年に 占める中学生の比率は61.6%、共犯率は57.9%、それぞれ全国平均の1.5倍となっております。再犯率は45.3%で、全国平均の1.4倍となって おります。

 次に、深夜徘回、飲酒、喫煙で補導いたしましたいわゆる不良行為少年の過去5年間の推移を申し上げます。平成17年が3万3064人、平成 18年が3万7860人、平成19年が3万6801人、平成20年が4万773人、平成21年が3万4000人となっておりまして、平成17年から増加傾 向にありましたけれども、平成21年は前年対比で6773人、16.6%減少しております。平成21年中における不良行為少年を少年人口1000人当たり で全国と比較しますと、深夜徘回が85.6人、全国平均の2.6倍、全国1位であります。飲酒が5.2人で全国平均の5.2倍、これも全国1位でありま す。それから、退学は6.2人で全国平均の5.6倍となっています。

○奥平一夫委員 沖縄県内の不良行為あるいは刑法犯少年に対する沖縄的な特徴といいますか、突出して沖縄はこれだというふうな、特徴的な不良行為とか刑法犯ということについてお伺いしたいんですが、いかがですか。

○山入端辰次生活安全部長 まず、刑法犯の特徴でありますけれども、1つは、先ほど申し上げました低年齢化している、年齢が下がっている。それから、悪質化している。3つ目は、共犯、再犯率が全国に比べて非常に高いという特徴があります。

 不良行為の関係でありますが、不良行為少年の特徴を申し上げます。不良行為の特徴といたしましては、全体の74%が深夜徘回で補導されている。それから、飲酒補導が全国に比べて非常に高い等々の特徴があります。

○奥平一夫委員 夜型社会、酒社会が少年に顕著にあらわれているということを非常に厳しく受けとめなければならないと思っています。これからの犯罪予防のための啓発啓蒙、あるいは関係機関との連携をどのようにとっていこうとしていらっしゃるかお伺いいたします。

○山入端辰次生活安全部長 県警察におきましては、まず、街頭での指導、補導活動を 強化するとともに、少年補導員あるいは大学生少年サポーター、少年警察ボランティア、教育庁、学校関係機関等々と連携をいたしまして、児童・生徒の規範意 識を高めるための非行防止教室の開催、それから一定の中学校区を指定した上、集中的に非行防止活動を行うスクールエリア対策、少年警察ボランティアと連携 した街頭補導活動、あるいは有害環境の取り締まり、非行実態の県民への情報発信等々を推進してまいりたいと考えております。

○奥平一夫委員 それでは次に、サイバー犯罪関係についてお伺いしたいと思います が、県内の児童・生徒、少年のサイバー犯罪被害について、どのような被害があるのか、それから、サイバー犯罪被害に遭わないための取り組みや学校、関係機 関との連携をどうしようとしていらっしゃるのか、あるいは、県警察のサイバー犯罪に対する防止及び事件解決に向けた取り組みについて総合してお伺いいたし ます。

○山入端辰次生活安全部長 まず、学校裏サイト関係の実態等々から申し上げます。学 校裏サイトの関係では県警察で相談を受けた件数は、平成18年6月から受け始めましたけれども、平成18年が8件、平成19年が23件、平成20年は6 件、平成21年は3件の相談を行っています。なお、学校裏サイトに起因する犯罪の検挙はありません。

 検挙件数ですが、平成21年中は115件で、前年に比べまして61件増加しております。それから、相談の受理件数は、平成21年中は834 件、前年に比べて15件減少をしております。県警察では引き続き積極的な情報発信等々を行うとともに、関係機関等々と連携しながらその抑止を図っていきた いと思っています。

○奥平一夫委員 最後になりますけれども、警察本部長にお伺いをしたいと思っています。沖縄特有の夜型社会―今出ましたように、あるいは飲酒社会が児童・生徒や少年にもたらす影響について、警察本部長の御見解と、どういう対策をしていくか決意をお聞かせください。

○黒木慶英警察本部長 夜型社会と飲酒の問題ですね。特に飲酒の問題は、飲酒運転だ けではなくて子供の問題もありますし、実は粗暴犯の犯罪率も非常に高くて、その中でやはり飲酒で殴ったというのは結構多いんです。そういった状況の中で、 大変厳しい状況ではあるんですけれども、飲酒の少年に対する影響というのは非常に大きいということ。啓発というのはありますけれども、これはやはり教育委 員会できちんとした協力関係のもとに、一人一人の子供さん、あるいは学校との関係を構築しながら、だめなんだといったことをきちんと伝えていくしか手はな いんだろうと思います。夜型社会にしても飲酒にしても、これはある意味家庭でどうするかという問題が結構大きいものですから、どこまで我々が踏み込めるの か、踏み込んでいいのかというところも若干ちゅうちょもありまして、それは例えば教育委員会を介してというのが形としては、浸透としては一番いいのではな いかと思っています。

 いずれにしても、この問題は、先ほどの大変驚異的な数字があるんですけれども、さはさりながら、1つ申し上げたいのは不良行為の補導の件なん ですけれども、不良行為の補導件数が多いとよくないという感じはもちろんあるし、確かにないほうがいいんですけれども、ただ、今この社会で大人が子供を注 意できるというのはなかなかないんですよね。ですから、補導というのは確かに悪いことをしたから補導されるという面はもちろんあるんですけれども、まだ犯 罪を犯したわけではありません。

 ですから、そこで保護者の方ともいろいろ話し合いをしまして、よい方向へ向かえばという形の活動でありますので、むしろ補導件数がふえたほう がいいと言うと言い過ぎになりますけれども、単に補導件数が下がっただけでは決して喜べないといったような状況がありますので、私として、部内のいろんな 会議というのは、補導件数が減ることについて決して手放しで喜べないんだと、むしろ補導がふえたほうがいい場合もあるんですよといった話で、今さまざまな 指示をしているところであります。

○奥平一夫委員 先ほどの報告にもありましたように、本当に深刻な状態がある。これが児童・生徒に本当に大きな影響をもたらしているということを私も今実感をいたしました。またこの沖縄の安心・安全のためにぜひ頑張っていただきたいと思っております。

○当銘勝雄委員長 平良昭一委員。

○平良昭一委員 まず、公安委員会からお願いしたいと思います。

 高速道路の無料化についてですけれども、知事は無料化について、沖縄自動車道も試験的な実証実験の調査路線に入れてくれと国へ要請してきたはずなんですが、事前に県警察との調整がありましたか。

○當銘健徳交通部長 今回の高速道路無料化の件に関しましては、県のほうからは私どものほうに事前の協議、調整等はございませんでした。

○平良昭一委員 やはり一言あるべきだったのではないかなと思います。無料化にされる、実証実験されるというときに県警察で懸念される事項等がありますか。

○當銘健徳交通部長 やはり第一には、現在、下のほう、国道と県道等を通っている車 が、当然無料化に伴いまして沖縄自動車道へ入ってきます。当然交通総量というものはふえてきます。それに伴いまして交通渋滞というのもふえてきますし、交 通事故も当然ふえてくるだろうと思います。それから、積載している車もふえてくるだろうということで落下物等もふえてくることが考えられます。

 あと、無料化によりまして二輪車等々も沖縄自動車道に入ってくるのではないかと。こういったものの事故もふえるということで、影響というもの は結構いろいろ出てくるのではないか。まだ予測されないところでありますけれども、そこらあたりが懸念しているところでございます。

○平良昭一委員 この辺は調整をすべきだったと思いますね。実際二輪車が堂々と入っ てこられる状況になると、あの沖縄自動車道はどういう意味合いを持っているかというのが全くなくなるわけですよね。高速道路は最高ではなくて最低制限速度 も当然あるはずなんですよ。その辺が県民に果たして十分に伝わっているかというのは大変疑問に思いますけれども、その辺はどうですか。周知徹底できます か。

○當銘健徳交通部長 今の質疑につきましては、料金を取れるものが料金が取れないと いうものでございまして、現在かかっている規制というものは、例えばオートバイにつきましては、高速道路の中に入れますが、原動機付自転車とかそういうも のにつきましては当然入れません。要するに料金が無料になるということでございまして、現在入れない車は無料化になっても入れないという、この規制は全く 同じでございます。

○平良昭一委員 最低制限の速度もありますか。

○當銘健徳交通部長 沖縄自動車道につきましては時速40キロメートルということで承知しております。

○平良昭一委員 なぜこういうことを聞くかというと、私は、議会中はほぼ毎日2時間 ぐらいかけて来るわけですよ。私たちはこの時間と安全をお金で買ってきたんです。であれば、当然時間というのを計算したいわけです。そういう面では、普通 の一般道と同じような扱いをされてしまうと県民が大変困るかなと思って、そういう質疑をしているわけであります。

 次に移ります。沖縄警察署の新庁舎についてですけれども、地元から跡地の利用についていろいろ要望等がありますけれども、その辺はどういうお考えでしょうか。

○磯丈男警務部長 沖縄警察署の跡地の関係についてお答えいたします。現在の沖縄警察署の所在地は沖縄市の中心市街地に位置をしております。また、米軍基地にも非常に近くて、米軍人等による犯罪への対応ですとか、その他の治安事情へ迅速、的確に対応できる位置にあると考えております。

 こういった治安のかなめの位置にあるということでありまして、加えて地域からも警察施設の存続ということについて強い要望がございますので、 県警察といたしましては、現在の沖縄警察署が移転した後も、大型交番のような何らかの警察施設、そういったものを整備するなど、一定の警察力を存続させる 方向で検討したいと考えております。

○平良昭一委員 今ある場所は市街地の中心でもありますし、ゲート通りというのはかなり外国人も多いところでありますので、安心できるようないわゆる大型交番の設置を望んでいるわけでありますので、ぜひ努力をしていただきたいと思います。

 それと、交番駐在について、以前に警察官不在の状況での対応等が取りざたされたことがあったんですけれども、現在の状況をお聞かせ願います。

○山入端辰次生活安全部長 一時的に警察官が不在となる交番では、まず交番に設置さ れている不在時案内表示板等々を置きまして、まず本署との通報体制をとっております。そして、事案の内容に応じて、隣接する交番勤務員あるいはパトカーの 勤務員を派遣して来訪者の訴えの対応をしております。そのほか、事件事故の多い交番にありましては、平成6年の4月から交番相談員を運用して対応している という状況であります。

○平良昭一委員 ということは、ほとんど不在ということはあり得ないということですか。

○山入端辰次生活安全部長 交番業務の性質上、全く不在の状態がいつもないというわけではありません。パトロールあるいは事件事故の場合に、わずかな時間等々不在になる場合はあり得ると思います。

○平良昭一委員 そのときの連絡網等の準備はできているわけですよね。

○山入端辰次生活安全部長 先ほど申し上げましたとおり、不在時の案内表示板というのを電話のそばに置いてありまして、いつでも本署と連絡がとれる体制を確保しております。

○平良昭一委員 県警察の職員数についてお伺いしますけれども、不足しているという認識はありませんか。

○磯丈男警務部長 県警察の警察官の数についてのことだと思います。都道府県警察に おける警察官の定員につきましては、警察法の第57条第2項におきまして条例で定めることとされております。また、その基準は政令で定められているところ であります。本県にありましては、警察官2571人が定員として条例で定められております。この数は人口の類似する他の都道府県と比較いたしましても一定 の人数は確保されているのではないかと考えております。

○平良昭一委員 以前にもそのような話は聞いたことがあります。沖縄県の場合は基地 との兼ね合いもあって事件事故等がかなり多いはずなんですよ。他県と類似するような状況で判断されたら大変困ると思います。当然にそういう離島の特徴もあ りますけれども、条例改正の要求をできるような状況であると私は思いますけれども、いかがでしょうか。

○磯丈男警務部長 その点につきましては、委員のおっしゃるところも全く正しいと思 います。確かに本県は島嶼県であることに加えまして、尖閣諸島に絡む国境の問題でありますとか、御指摘の基地の存在等他県にない特殊事情が存在していると いう事情もございます。こういった事情がありますので、これまでも米軍人等が関係する事件事故に対応するための要員等増員要求をしてきたところでありまし て、結果、渉外機動警ら隊―米軍犯罪を専門にパトロールする組織というか人員でありますが、そういった部分が定員として認められてきたという経緯がござい ます。

○平良昭一委員 私は離島をいろいろ回っているんですけれども、人数の制限のしわ寄せが田舎に行けば行くほど来ています。足りないということはよく聞くんですよ。その辺は本当に今のままの状態でいいと思いますか。それとももっと言うべきところに来ているのではないですか。

○磯丈男警務部長 先ほどの答弁とも重なりますが、島嶼県であるということでありま すので、島嶼部を持たない都道府県警察に比べれば、そういった部分での警察力の保持というのは確かに必要になってまいります。ですので、増員もそうなんで すが、県警察の人員の適正配置という観点からも、その点は検討してまいりたいと思っております。

○平良昭一委員 これは勇気を持ってやるべきですよ。これが県民の安全のためになるということだけは私は伝えておきたいと思います。

 農林水産部に移ります。昨年、沖縄県は耕作放棄地が多いということで指摘されました。その中でこれまで対策を講じてきたわけでありますけれど も、今後どのような対策をしていくかということは、先ほど委員の中からもありました。耕作放棄地対策協議会があるとおっしゃっておりましたけれども、その 中で他都道府県と違うような状況が沖縄県にあるのかどうか、お聞かせ願います。

○知念武村づくり計画課長 耕作放棄地の発生については、農家の高齢化とか過疎化等々は、沖縄県も本土各県と大体同じような状況でございます。ただ、沖縄は土地を貸さない、売らないという意識が強くて、それがネックになっている状況はございます。

○平良昭一委員 私の考える1つの要件として、農家としての認定をする、農業従事者 として認定をするような制度がかなりハードルが高いような感じがするんですよ。いわゆる農業従事者として、農家として認めるための制度がありますよね。そ れが各市町村によって変わりますが、1300坪やら1500坪とありますけれども、そのハードルが高いとは思いませんか。

○知念武村づくり計画課長 今回の耕作放棄地対策事業における参加の条件というのは、先ほどもお答えしたんですが、とにかく土地を借り受けて5カ年以上継続して農業をやる意思があれば、耕作放棄地を借り受けて耕作放棄地対策事業の支援を受けられるということでございます。

○平良昭一委員 いわゆる農地法第3条の許可基準というものとは全く違うような観点で進めている事業なんですか。

○知念武村づくり計画課長 そうでございます。

○平良昭一委員 赤土防止対策についてですが、文化環境部との兼ね合いもありますか ら当然それなりの取り組みは行っていくと思いますけれども、今年度の予算の中では耕土流出防止事業費が全く予算措置されておりません。その中で農林水産部 は対応していくつもりであるはずなんですけれども、その辺はどうでしょうか。

○本永忠久営農支援課長 現在、実施しております赤土等流出対策支援システム確立事業につきましては、沖縄特別振興対策調整費で平成20年度から平成21年度までの2年間の事業ということで、一応この事業につきましては終わります。

 この事業の成果としましては、文化環境部といろいろ連携して、文化環境部のほうで環境保全目標値の策定に向けて取り組みをやっております。 今、文化環境部が5つの海域でその取り組みをやっておりますので、そこと連携しまして―5つといいますと、大宜味村、宜野座村、恩納村、石垣市は2カ所で すけれども、石垣市白保と川平、そこを設定しまして、農林水産部としましては、これらの流域の畑地において赤土流出防止に効果的な対策というのはどういう ものがあるか取り組んでまいりました。

 その結果、農家による営農的な対策としましては、マルチ栽培です。要するに赤土流出を防止するには、裸地状態、何も作物がない場合は流出が激 しいですので、そういう状態をなくすようにマルチ栽培をする。それから、畑の周辺に赤土が流れないようにグリーンベルトを設置する、緑肥作物を栽培する、 そのような栽培で農家として取り組めば、かなり効果があるというのがわかってきております。この事業でそういったことがわかってきましたので、今後は農家 にこの辺の対策をやってもらうというような取り組みをしていこうと思っております。

 ちょっと長くなりますけれども、もう一つ、では、次年度からはどうなのかということですけれども、次年度からにつきましては、今、文化環境部 のほうで同じように沖縄特別振興対策調整費で平成21年度からやっている事業がありますので、その中で農地における営農対策についても引き続き文化環境部 と連携して、予算につきましては文化環境部から予算を分任していただきまして、一緒に取り組んでいこうという計画をしております。

○平良昭一委員 今の説明の中で、では、これは文化環境部の予算の中にあるということですか。今回は農林水産部の中にはないということですか。

○本永忠久営農支援課長 平成21年度から文化環境部でやっている事業がありますの で、その中で営農対策についても取り組んでいく。先ほど申しました今やっている緑肥作物の栽培であるとか、グリーンベルトの設置、そういったのを継続して 取り組んでいこうという計画をしております。予算につきましては、農林水産部としては予算はなくて、文化環境部から分任していただく予定としております。

○平良昭一委員 午前中もマンゴーの話がありましたけれども、マンゴーの件でお伺いします。国内であれば、マンゴーといったら宮崎県になってしまっていますね。大変残念なことですよ。積極的なアピール度が足りない。その辺に対して沖縄のマンゴーということをどう売っていくつもりですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今、宮崎県ではマンゴーを知事を先頭にPRしているところ でございますので、沖縄県としても、生産量としては沖縄県のほうが多い状況でございますので、しっかり沖縄のよさをPRするためにも品質をしっかりつくる ということで、いいのをつくるということ。それから、栽培面で考えているのは、現在6月から8月までですけれども、5月から9月まで栽培体系も考えていこ うということで、晩生品種、あるいは、今度は前では6月か5月ですので、早い栽培体系をつくって、5月から9月までの出荷期間を新しくしていこうというこ とも考えています。

 それと並行して、販売対策については、先ほどもあるように、いかにブランド化してそれを消費者に理解してもらうかということになると思います ので、県内においてはマンゴーの日を制定して、ホテルなどと連携して観光客に対して、600万人の皆さんにPRしているところでございますし、特に県外に ついては、市場を中心にこれからやはり関係課を挙げてトップセールスも考える必要があるのではないかということで、平成22年度におきましては知事を先頭 にトップセールスをして、全国的なPRもしていきたいと考えております。

○平良昭一委員 マスコミ等の前で宮崎県知事と仲井真知事が一緒にどっちのマンゴー がおいしいか競争をしたらいいですよ。これは絶対勝てますよ。それぐらいのアピール度が必要ですよ。県出身の芸能人等も利用しながら、マンゴーは沖縄だと いうことをどんどんアピールしてもらいたいと思います。

 移ります。シークヮーサーの件ですけれども、在庫をかなり多く抱えていると聞いておりますけれども、どういう状況でしょうか。

○島田勉流通政策課長 これはJAおきなわからの聞き取りでございますが、平成19 年度産で1000トン、平成20年度産で2500トンの加工品の在庫があったと聞いておりますが、平成19年度産についてはすべて処分できたということを 聞いております。新しい数値で平成20年度産が現在幾らあるかについては、今手元にございませんので、よろしくお願いいたします。

○平良昭一委員 平成20年度で2500トンもまだ残っているということですよね。 この1つの原因を説明しましょう。昨年8月に1キログラム180円だったらしいです。9月で150円です。10月にJAおきなわが加工業者から直接とるも のを一元化しようということで110円に設定しているんですよ。それに対して県が少し絡んでいるという話もありますけれども、いかがでしょうか。

○島田勉流通政策課長 JAおきなわにおけるシークヮーサーの買取価格でございます けれども、経緯を述べさせていただきます。平成12年ごろのブーム以前が1キログラム当たり約50円台で推移しておりましたけれども、健康志向を背景とし たそうしたブームを契機に、平成17年にはその約9倍の1キログラム当たり450円まではね上がっております。その後、景気の悪化とかブームの落ちつきに よりまして消費が低迷しまして、平成19年度で1キログラム当たり320円、平成20年度産で1キログラム当たり220円と推移してきておりました。

 そして、シークヮーサーの買取価格については、県が関与しているというわけではございませんで、これはJAおきなわにおいて決定されておりま す。ちなみに、平成21年度産の加工用の買取価格につきましては、JAおきなわにお聞きしますと、果樹の販売状況や平成20年度産の在庫状況を考慮して1 キログラム当たり113円、そのうち3円が販売促進費用ということですので、農家の手取りが110円と聞いております。

○平良昭一委員 農家は110円で赤字になるんですよ。そういうことらしいです。

 最低のラインが110円と言っていますけれども、ことしに入ってからJAおきなわは青果用と加工用、プールにして50円で取っているんですよ。その辺はどうでしょうか。

○島田勉流通政策課長 加工用につきましては先ほどお答えしたとおりでございます。 1キログラム当たり113円、手取り110円ということで買い取ったようでございますが、これにつきましては、平成21年度についてはJAおきなわのほう が生産農家ごとに出荷割り当てをして、それに対して110円で買い取ったと聞いております。その出荷割り当てから外れたもの、出荷割り当て外について、農 家支援のために50円で買い取りをして、新たに加工用として、製品開発も含めまして新規販路を検討していると聞いております。

○平良昭一委員 あくまでも農家からの話ですけれども、JAおきなわが50円で引き取って、それを青果用として200円とか300円で売っている例があるらしいんですよ。そういうことをしている事実があるというのは大変なことですよ。その辺は確認したことがありますか。

○島田勉流通政策課長 JAおきなわに確認いたしましたところ、加工用と生食用のシークヮーサーを用途及び販売形態の相違から別々の出荷箱で販売して納品しているようで、プールで買い入れて、その加工品の一部を200円で販売したという事実はないと聞いております。

○平良昭一委員 お互いの信頼関係になりますので、この辺は十分調査したほうがいいと思いますよ。県がJAおきなわに対するそれなりの措置はあると思いますので、その辺は十分配慮してもらいたいと思います。

 そして、今、販路の拡大についてということでありましたけれども、それについてどういう作業をなされてきていますか。

○島田勉流通政策課長 シークヮーサーの販路拡大についてでございますけれども、先 ほどもお答えしましたが、昨今、シークヮーサーについてのブームの落ちつきがございまして消費が低迷してきたということもございまして、県としましては、 平成21年度6月補正で2602万1000円の補正予算を計上いたしまして、緊急的なシークヮーサーの消費拡大に向けての支援策を講じております。

 具体的には、青切り用といたしましては、8月のシークヮーサーデーを制定いたしまして、そのイベント開催、県内の子供たちにシークヮーサーを 知ってもらうという意味で夏休み農家教室の開催、それから、ホテルでのシークヮーサーのグルメフェアの開催ということで、そのほか量販店でのキャンペーン をして県民や観光客へアピールをしております。

 一方、県外におきましては、東北6県の量販店で沖縄フェア―物産フェアへ出店いたしまして販売促進を行っております。これが昨年の8月でござ います。それから、東京都の市場、量販店でのキャンペーンを9月に開催しております。10月に東京都、大阪府のほうで物産商談会ということで、こちらでも シークヮーサーを出店しております。そのほか、これらキャンペーン等で使用いたします販売促進資材、ポスターとかパンフレット、シークヮーサーの学習帳と いったものを作成いたしまして、これらキャンペーン等で使用しております。2600万円の予算のうちの約1600万円をこういったものに使用してございま す。また残りの1000万円を活用いたしまして、その加工原料の新たな活用を図るということで新製品の開発を支援しておりまして、年度内には何とか試作品 ができる見込みでございます。そのほか生食用といたしまして、今年度からなんですが、黄金色に色づいたシークヮーサーをフルーツシークヮーサーと名づけ て、販売促進をするための各種キャンペーンを昨年12月末からことしの2月にかけまして実施しております。フルーツシークヮーサーのしゅん入り宣言とか、 講演会、量販店やファーマーズマーケットの販売促進、それから学校給食での利用促進、小学校においてシークヮーサーの出前授業等々、そういったものも行っ ております。

○平良昭一委員 国内ではわかりましたけれども、外国に対しての需要とか、そういうものを調査したことがありますか。

○島田勉流通政策課長 ございません。

○平良昭一委員 これは民間からの情報ですけれども、中東アジアで大分需要があるらしいですよ。その辺を調査してみる価値はあると思いますけれども、いかがでしょうか。

○島田勉流通政策課長 県といたしましても、当然シークヮーサーについては今県外を ターゲットに重点的にやっておりますが、シークヮーサーに限らず県産農産物を今後海外に向けて販路拡大していくことは重要だと考えておりますので、委員の 今のお話についてもいろいろと調査をして今後の販路拡大につなげていきたいと考えております。

○平良昭一委員 先ほどJAおきなわとの契約栽培ということになっておりますけれど も、いわゆるこれまでつくる、これまでは引き取りますということでの契約ですよね。これは普通の野菜とは違って木は何十年もあるわけですから、販路を拡大 しないことにはどうしようもないんですよ。そういう面では最大の努力をしてもらいたいと思いますので、お願いします。

 移ります。畜産、肉用牛の支援体制についてお伺いします。今、価格が下がって30万円を切るようだったら到底やっていけないという話をいろん なところで耳にします。一時期の景気のいいときに、3年ぐらい前ですか、助成を打ち切った市町村があるようでありまして、今後復活することも必要になりま すけれども、県としてはどのような考えでどう対応していくおつもりでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 子牛の価格につきましては、平成16年度から平成19年度 は40万円台ということで、史上高値でその更新をしていたところでございますけれども、飼料価格の高騰やその後の景気低迷により平成20年度は32万 9000円ということで、平成22年の2月にかけては平均価格が31万円ということで、だんだん下がっている状況でございます。

 県としては、子牛価格対策としまして、県内の規格子牛が保証基準価格の27万3000円を下回った場合に補てんをする仕組みが一つございま す。これが平成22年2月現在で約930万円の交付を見込んでおります。それから、離島における生産者等の負担軽減を図るため、子牛の輸送費の助成や優良 子牛の出荷に際して1頭当たり1800円から1万円の奨励金を交付している状況でございますけれども、2月現在では約2466万4000円は交付の予定で ございます。それから、優良種雄牛を人工授精した場合、繁殖雌牛の子牛に対して1頭当たり1万円から1万5000円の支援をしているところでございまし て、これにつきましても2月現在で約2948万円は交付の予定でございます。

 それ以外に、全国の子牛平均価格が保証基準価格の31万円を下回った場合には補給金を交付するなどの支援を行うということになっておりまし て、さらに平成22年度からは新たに肉用牛繁殖経営支援事業というのが創設されまして、子牛価格対策が充実・強化されました。その事業でございますけれど も、全国の四半期の子牛平均価格が発動基準の38万円を下回った場合は、その差額の4分の3を交付すると。ちなみに、平成21年第4・四半期の全国平均 36万7000円で試算をしますと、1頭当たり1万1000円の補てんになるということで、平成22年についてもさらに肉用牛の子牛価格の対策をするとい うことの状況でございます。

○平良昭一委員 全国的な景気回復をしないことには、これはかなり厳しい状況だと思いますよ。そういう面では、手厚い助成をやっていかないといけない状況だと思います。

 そこで、モズクの件もお聞きしますけれども、生産過剰になって生産を規制している漁業協同組合等があるようでございますけれども、その辺はいかがでしょうか。

○勝俣亜生水産課長 モズクの場合は、価格安定を図るために、需要に応じた計画的な生産、流通体制を整えるという意味で、モズク産地漁業協同組合などで構成している沖縄県もずく養殖業振興協議会において毎年度生産目標数量を設定して計画生産に努めているというところです。

○平良昭一委員 いわゆる協議会があって計画的につくるということでいいんですか。

○勝俣亜生水産課長 そうです。

○平良昭一委員 我々会派で台湾に視察に行ったときに、大阪府の業者が一手に引き受けて沖縄県のモズクを安く購入して、それで台湾に大阪府から船で搬入しているような状況があるんですよ。その辺は確認していますか。

○勝俣亜生水産課長 確認してはおりません。

○平良昭一委員 これは問題ではないですか。協議会があるのであれば、それなりの対策は立てるべきだと思いますけれども。

○勝俣亜生水産課長 この計画数量はあくまでも目標数量でして、それを超えるのをつくって売る方たちを規制することはできないことになっています。要するに、計画した以上につくってしまった方たちが業者に安く売るということはあるかもしれません。

 独占禁止法の観点がありまして、数量を規制するというのは独占禁止法に違反することになりますので、たくさんつくってしまった人をどうこうするということはできないことになります。お願いするしかないということです。

○平良昭一委員 需要はあるということですよ。皆さん方が販路を拡大すればつくれる んですよ。その面では、農林水産部は特に、この流通の問題が一番ネックになってきているわけです。全日本空輸株式会社の国際物流センターができたことは大 変いいことですよ。あとは努力すべきものは海路ですよ。そういう面では、徹底してこの辺を努力していかないと農家全体が落ち込んでしまう。つくりたいけれ どもつくれない。つくっていても皆さん一人一人で販路を拡大しなさいというのは無責任ですよ。農林水産部長、この辺、今後どういう形の中で販路を拡大して いくかというのは、やはり海路です。有村産業株式会社がなくなったことが大きく影響しているわけですから、県が1つの貨物船を持つぐらい強い姿勢で臨んで もらいたいですけれども、いかがでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 モズクの課題につきましては、1つは需要があるということ と、一方、低迷しているということもありますし、そういう意味では、モズクのよさのPRが少し足りないのではないかと思っています。モズクの使い方、ある いはモズクの機能性というところもありますので、その辺のPRの仕方ですね。販売という面ではそういうPRをしっかりやらなければならないという部分と、 それから、先ほどあったように、国外にどういう形で出すかということになると思いますので、これにつきましては、企画部とも連携して、できるだけ全日本空 輸株式会社の今の貨物の中に試験的にでも、できる仕組みを考えて、外国にもしっかりPRできるような仕組みを考えないといけないのではないかと思っていま す。

 それと、今の輸送手段につきましては、ランニングコスト等々いろんな問題がございますので、それについてはどういう形で、これから輸送体制についてやっていくか、いろんな課題の中で、検討課題にさせていただきたいと思います。

○当銘勝雄委員長 先ほどの平良昭一委員の質疑に対する答弁で、當銘交通部長から答弁を訂正したいとの申し出があります。発言を許可します。

○當銘健徳交通部長 先ほどの私の答弁の中で、高速道路の最低速度を時速40キロメートルと申し上げましたけれども、時速50キロメートルに訂正をいたします。

○当銘勝雄委員長 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 まず、農林水産部から、今の質疑を引き継いでいきたいと思っています。

 まず、主な事業概要の中でマンゴーの収穫期拡大システム確立事業をもう一度説明いただけますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 マンゴー収穫期拡大システム確立事業は、これは実は宮古島 で豊作になりまして、飛行機に載せられなかったということがありまして、まず1つは、輸送をやはり飛行機から、船も活用して宮古島から沖縄本島へ持ってい こうということの中で、これは輸送面ですけれども、今度は栽培面でいろんな形の勝負ができないかというのが一つありまして、まず1つは、出荷のピークを平 準化することが、飛行機にも載せられるという状況がつくれるのではないかということで、栽培面からアプローチできないかということで考えていまして、まず は今いる、晩生品種を導入、実は先行的に農家を選定して今進めております。それが進めば9月まで引っ張るのができますし、一方、また今の6月を5月に持っ ていく手法、これはちょっとした冷風を当てることによって前出荷できるということで、出荷のピークを平準化するということ、出荷拡大、広げるということの 事業でございます。

○赤嶺昇委員 先ほどマンゴーとか、あとシークヮーサーもそうですけれども、モズク とかゴーヤーとか、県内で非常に全国から評価されているにもかかわらず、宮崎県にどうも負けているということをしょっちゅう目の当たりにするんですけれど も、これは結果的に戦略的に我が県が負けているという認識を皆さんは持っていますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今の生産の面からいいますと、例えばゴーヤーでしたら全国1位、トウガンが1位、小菊が1位、マンゴーが1位、パイナップル1位、モズクが1位、クルマエビ1位、ウミブドウ1位ということで、その生産規模からすれば全国的な1位だということになります。

 例えば今おっしゃるように、PRという面では、やはり全国1位だよということをしっかりPRしていくことも考えていかないとと思っています。 そういう意味でも、先ほど話したように、やはりトップセールスをしっかりやるのも1つの方法ですし、それから沖縄のよさをいかにPRするかという意味で は、最近健康志向ということですから、機能性の部分をどういう形でPRしていくかという話にもなりますし、それから、これはどちらかというと、野菜でした ら冬春季ですので、花もそうですし、そういう冬春季に向けてのウエートが高いんですが、その辺はしっかりPRするとか、あるいは他府県ではできない時期に マンゴーとかパイナップルとかできますので、そういうものをやはり北海道から鹿児島県までPRする仕組みを考えないといけないのではないかと思っていま す。

○赤嶺昇委員 これは県外だけではなくて国外、台湾とか近隣諸国に対しても、そういう対策というのはとられていますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今ANAの事業で企画部で考えていますので、それに平成 21年度の事業の中で農産物についても海外に売り込んでいきたいと思っていますし、それから、平成22年度につきましては畜産関係で今事業を仕組んでいま すので、海外、東南アジア中心、あるいは香港を含めて売り込みをかけていきたいと思っています。

○赤嶺昇委員 先ほどから生産は結構頑張っているということなんですけれども、いわゆる輸送、それから販路拡大ということなんですけれども、こういうことを担当する職員というのはいますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 流通政策課の中に販売戦略班と市場流通班がございます。そういう意味では流通政策課がその所管する課になります。

○赤嶺昇委員 この職員は課長クラスですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 課長クラスの副参事と班長が2人います。

○赤嶺昇委員 私は、もっとしっかりした専門官というか、権限を与えて、それに特化 した職員を配置していって、海外も視野に入れるということですから、やはり今販路拡大も含めて戦略的に、マンゴーができ過ぎて、それが輸送できないという ことは大きな問題なんですね。日常的にそれをしっかりと把握し、そういった生産されたものがしっかりと販売につながっていくというシステムをつくるという ことは、今の体制だけでは不十分だと思いますけれども、農林水産部長、いかがですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 実は平成21年から平成23年にかけて販売戦略を立てると いうことで今調整、構想をつくっておりまして、その中で、これは県だけでは、販売ということでは物を持っていませんので、これはやっぱりJAおきなわとか 関係機関を入れて今方針づくりをしていますので、その中で連携してやる仕組みをつくりながら対応するということになると思います。

 そういう意味では、今、輸送部分については、県外に物を送るとなると当然コストがかかりますので、その辺について協議会をつくりながら関係機関と連携してどういう対応をするのか検討していく考えでございます。

○赤嶺昇委員 先ほども平良委員からあったんですけれども、我々台湾に行くと、黒糖 とか県産品は非常に人気があったんですけれども、有村産業株式会社の件で結果的にかなり時間がかかるということで、黒糖が着くころには解けるという話が あったんですね。そうしたら、何をやったかというと、黒糖の水分を少なくして解けにくくしたりとかいろいろ工夫をされているんですよ。

 ちなみに、台湾あたりにそういった県産品を販売しようとするときに戦略的にいろいろ考えないといけないと思っているんです。例えばファミリーマートがありますよね。あれは台湾に何店舗あるか御存じですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今調査していませんので、わからない状況です。

○赤嶺昇委員 今県内には200店舗、台湾は1200店舗あるといわれているんです よ。そうすると、ファミリーマート1社だけをとっても、県産品を何品かそこで取り扱ってもらうというだけでも、かなりそれが販売に対して、また台湾の皆さ んが日常的に触れることができると思うんですね。そういうことをやらないといけないと言っているんですよ。そういうことを皆さん検討する余地があると思い ますけれども、いかがですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 平成22年度予算の中に、専門家というんですか、今の緊急 雇用対策の一環の中にフードアドバイザー、専門家みたいなのを配置する計画をしていまして、県外に行って、そこで沖縄の商品についてはどうですかという仕 組みを今考えていますので、その中でいろんなことでも対面する機会があると思いますので、その中で今の仕組みをできるかどうか検討したいと思います。

○赤嶺昇委員 これはファミリーマート1社ですので、そういうところからヒントになると思います。

 委員長、お願いしたいんですけれども、この専門官、これは農林水産部長の立場でなかなか答え切れないと思うんですけれども、販路拡大に向けて、輸送についても職員を強化していくべきだということについて、知事に直接総括質疑の中でできればお願いしたいと思っています。

 続きまして、包括外部監査結果報告書の中から何点かお聞きしますけれども、農林水産部の補助金の中で土地改良調査計画費という部分があるんで すけれども、この冊子の229ページ、さらには232ページに意見が述べられていろいろ指摘されているんですけれども、この指摘について皆さんの見解をお 聞かせください。

○知念武村づくり計画課長 今おっしゃった土地改良調査計画費に関連しまして、4点ありますので、まず1番目の団体調査設計事業に関する事業評価の結果等については、今後、第三者で構成する委員会においていろいろ検討して、その結果についてもホームページ等で公表していきたいと考えております。

 それから、2番目でございますが、補助率のかさ上げを見直すべきとの意見があります。これについては、これも全体的な話でありますので、県としましては、新沖縄県行財政改革プランの中で検討していきたいと考えております。

 それから、3番目でありますが、沖縄県土地改良事業団体連合会における退職金の引き当て不足の指摘があります。このことについては、土地改良 事業団体をいろいろ指導しまして、財政健全化の計画を今つくってもらって、順次適正な形に持っていくように指導しているところでございます。

 それから、最後は土地改良区の検査の徹底についてでありますが、土地改良区の検査は、県が国とともにやることになっていますので、法令とかいろんな国が定めるマニュアル等に従って適正に検査を行うことを強化していきたいと考えております。

○赤嶺昇委員 この沖縄県土地改良事業団体連合会の経営が厳しいということで、この退職金の問題が出ているということですけれども、これはどうなりますか。

○知念武村づくり計画課長 今、沖縄県土地改良事業団体連合会も経営の健全化に取り 組んでおります。その中でいろんな合理化案を検討しまして、職員の定数もかなりのペースで削減するとか、減らしていっておりますので、それとあわせて今現 在いる職員の経験年数等を全部出しまして退職金のシミュレーションをやりまして、その必要額に近づくように積み立てを増額していくということで、かなりの ペースで今進んでいるというところでございます。

○赤嶺昇委員 この意見の中で、県はこれまで沖縄県土地改良事業団体連合会に対して大分天下りを出して、それに対して結果的に指導監督をする立場で責任は重いというふうに指摘されているんですね。ですから、実際そうなんですか。

○知念武村づくり計画課長 現在、沖縄県土地改良事業団体連合会には現役の職員が、向こうの経営の指導とか技術指導ということで、2人県から派遣をしております。ただ、天下りといいますか、退職をした職員が向こうに就職をしたという事実はございません。

○赤嶺昇委員 それでは、ここに過去何代も専務理事、事務局長をと、これは派遣したということで理解していいですか。

○知念武村づくり計画課長 そのとおりでございます。

○赤嶺昇委員 事務局長、専務理事の派遣をして、なおかつそういう形で財政が非常に 厳しいということを言われてきて、退職金の問題も、ここまで指摘されているんですよ。「沖土連の土地建物はかなり立派な建物であり」とか、皆さん、かなり 厳しいことを書かれているんですよ。立派な建物だけれども、退職金はないと言っているんですけれども、農林水産部長、これはどう思いますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今、退職金については課題があるということで、沖縄県土地 改良事業団体連合会の中で財政健全化ということで、積立金の計画的な指導をしているということで、今現在の職員の中で定年退職を迎えるというシミュレー ションをしている状況でございまして、平成27年度までには、その流れで赤字解消を目標に関係機関、沖縄県土地改良事業団体連合会、今一生懸命取り組んで いる状況でございますので、県としてもその退職金が払えなくなるような状況をつくらないようにしっかり指導していきたいと考えています。

○赤嶺昇委員 いや、農林水産部長、私は退職金の話だけ言っているのではなくて、ここまで経営が厳しくなった責任は皆さんにもありませんかということを聞いているんですよ。

○比嘉俊昭農林水産部長 確かに指導という面では足りなかった部分があると思いますので、これについてはしっかり指導していきたいと思います。

○赤嶺昇委員 そういう姿勢を持っておかないと、これだけの退職金も含めて、専務理 事も事務局長も送っておきながらそういう事態になったということ、これは間違いなく県の責任も重いということです。しっかり受けとめて、今後どうするかと いうことを取り組んでいただきたいと思っております。

 公安委員会に移ります。先ほどの沖縄自動車道の無料化ということなんですけれども、沖縄自動車道は高速道路という位置づけですか。

○当銘健徳交通部長 そのとおりでございます。

○赤嶺昇委員 その沖縄自動車道の無料化に伴い、先ほど具体的な懸念事項があったんですけれども、それに対してどう対策をとられますか。

○当銘健徳交通部長 先ほど懸念されることについて、まず1つは交通渋滞、1つは交 通事故の懸念、それから運転ふなれな者等が入ってくることに伴った交通事故等々も予想されますけれども、やはり交通渋滞につきましては、今どの程度交通量 が増加するか、そこらあたりは今のところ予測できないところでございますけれども、単純に計算をしますと、現在は高速道路から出るものにつきましては料金 を取ります。取る時間は結構今15秒ぐらいかかります。しかし、無料化になりますと料金は取りません。切符をとって出ますので、大体3分の1程度ぐらいで 出てくるのではないかということで、5秒ぐらいでは出てくるのではないかという形になるわけです。要するに出口につきましては、本線道につきましては、現 在の交通量であれば、逆に渋滞は緩和されるわけです。ですから、これがどの程度ふえるかによって渋滞の度合いというものは違ってくると思います。

 ただ、量がふえることによって、出た後のいわゆる一般国道、そこでの渋滞は、当然キャパシティーは限られてきますので、そこらあたりの交通渋滞対策というものについては必要だと考えております。

 事故につきましては、やはり体制を強化する等々して、警ら強化、事故が起こったときの事故捜査、そこらあたりは徹底してまいりたいと考えております。

○赤嶺昇委員 今現在でも、故障車があるというだけでも高速道路は渋滞するんですよ。非常にいろいろな警告が出るんですね。事故が起きたりすると、これは2次的な事故であったり、その部分の対策というのはちゃんと考えられていますか。

○当銘健徳交通部長 高速道路につきましては、一般国道等と違いまして、一般国道で は事故が起こって迂回道路、誘導する道路とかというものがございますので、そこへの誘導ということで渋滞緩和等々については対策をとりやすいんですけれど も、高速道路につきましては抜け道ができないという形で、Uターンもできないという形で、非常にそういう難しい点もございます。やはり出口というものは限 られてきますので、そこらあたりで優先的なさばきができるかどうか、そこらあたりはもう個々、ケース・バイ・ケースに応じて、渋滞状況に応じて判断して やっていく以外にはないと考えております。

○赤嶺昇委員 本会議で県立北部病院の産婦人科の緊急車で搬送するときに、土木建築 部長が、いわゆる路側帯というのがあって、横から走ると言っているんですよ。本土の高速道路で渋滞して、小さい子供がトイレへ行きたくても行けなくて、横 で用を足そうとするとひかれるケースがあったりすると聞いているんですね。だから、簡単に土木建築部長は言っていますけれども、皆さん、この路側帯を緊急 車両として使うということは認めていますか。

○当銘健徳交通部長 まず、一般車両につきましては、緊急車両が来ましたら、その緊 急車両については優先して通すという形で、車について一般車両については左側のほうに寄って、緊急車両が優先して通行できるように道を確保するという形に なっておりますので、これを一般車両は回避しないで、そのままとまって緊急車両が路側帯というところを通過して、出る走行というのは、ところどころでは、 要するに真ん中にとまって動かない車があれば、出てくる可能性はありますけれども、しかし、一般的にはやはり緊急車優先という形で、一般車両が左側に寄っ てとまって緊急車を優先させるという走行形態になると思います。

○赤嶺昇委員 いろいろなことが、もしかしたらそんなに込まないという事例になるか もしれません。しかし、いろんな懸念がありますね。先ほど警察本部長に対して特に相談がなかったということだったんですけれども、私はこういうことは県警 察としっかり相談した上で、知事が国に対してお願いするのは当たり前だと思うんですよ。警察本部長、これについて見解をお聞かせ願えますか。

○黒木慶英警察本部長 沖縄自動車道の無料化の話についてはニュースで初めて聞きましてびっくりしまして、どうなっているんだろうという形で、そういう面では大変残念と思います。

 いろいろ心配することは実は警察的には大変多いんです。特に一般道と高速道との接続面は、特に安全面でいわゆる感知器、うちの管制センターで 自動制御で管理していますが、ああいったものはほとんどないんです。ですから、現場に警察官を派遣して、どの程度込んでいるかを目測をして、そして、その 信号機も大概集中管理していませんから、そこで、チェッカーを開けて調整しなければいけません。ですから、高速道路にどれだけ入るか全く不明なので、何度 も苦い目に遭いますけれども、ちょっとそれはさすがに、その辺の我々としては一番心配なのは、そういった面での規制オンリーですべてが解決できると思われ ていると、ちょっとこれははっきり言って事実誤認ですから、やはり私としては少し検討する時間が欲しかったなと。ただ、事故の処理に関しましては、何とし てもこれは早目にさばいて交通量を改善すると同時に、先ほどの緊急車両について、緊急車両を含めて、そういった面でこれからどれだけ対策がとれるか、旧道 路公団とも御相談しながら具体的に詰めていきたいと考えております。

○赤嶺昇委員 今の本部長の見解は、まさにそのとおりだと思うんです。そういう懸念 されることを6月からとりあえずやってみるという話ではなくて、技術的にそこに現場にいる皆さんの声をしっかりと拾うべきだと思うんですよ。これは知事に 言うべき話だと思うんですけれども、この件もできれば総括質疑で知事に私は確認したいと思っています。

 警察本部長、ぜひ遠慮しないで、皆さんが責任をとらされるんですよ。そこはきっちり何が懸念されてどうするかということを知事に言うべきだと思いますけれども、いかがですか。

○黒木慶英警察本部長 率直に言って、何が懸念されるか、これから本当にやってみなければわからないようなことがあるんですけれども、そのときそのときによって必要なことはきちんと話をしていきたいと思っています。

○赤嶺昇委員 ぜひよろしくお願いします。

 あと、予算の中で警察署庁舎等の整備費等が載っているんですけれども、こういった庁舎の整備について、県内業者をしっかり活用しているかどうかをお聞かせください。

○磯丈男警務部長 まず、庁舎整備の関係でありますが、今、建築を始めております運 転免許センターにつきましては、土木建築部に分任をしておるものではありますが、業者については全部県内業者になっていると聞いております。沖縄警察署に ついても、なるべく工区を分割するような形にして中小の業者が参入しやすいような形にしていこうと考えております。

○赤嶺昇委員 ぜひ県内業者優先発注をお願いします。

 警察官の被服費について予算が載っているんですけれども、これもすべて県内で受注されているかどうかをお聞かせください。

○磯丈男警務部長 警察官の制服等の被服につきましては、制服、合服等のいわゆる制 服と、ワイシャツでありますとか、ネクタイでありますとか、あと制帽、あと鑑識の現場活動服でありますとか、音楽隊の演奏服などさまざまなものがございま す。この中で県内業者以外のものが納入をしているのは制帽がございます。制帽については県外の業者になっておりますが、これ以外については全部県内業者と なっております。

○赤嶺昇委員 ぜひまたこちらも引き続き県内業者優先発注をお願いします。

 それから、被留置者等の食糧費について御説明ください。

○磯丈男警務部長 被留置者の食糧費の概要についてでありますが、都道府県警察における被留置者の食糧費につきましては、警察署内ノ留置場ニ拘禁又ハ留置セラルル者ノ費用ニ関スル法律の規定に基づきまして、警察拘禁費用償還規則の一部を改正する省令というもので定められております。

 本県の平成20年度の被留置者の延べ人数が4万7716人で、食糧費の執行額につきましては5427万9402円となっております。平成21 年度については、10月末までの統計しかございませんで、延べ人数が2万5106人、執行額が2940万3675円となっております。平成22年度の食糧 費の要求額につきましては5428万円で、前年度の食糧費の執行額というものを基準にしております。

 なお、平成21年度の警察拘禁費用償還規則におきましては、被留置者の1日の食糧費が1179円と定められております。なお、執行された金額については償還がなされて県の歳入になります。

○赤嶺昇委員 では最後に、警察官の時間外手当、職業柄途中で規定どおり帰るというわけにはいかないと思いますけれども、実質的にサービス残業というものはあるかどうかお聞かせください。

○磯丈男警務部長 おっしゃるとおり、警察の業務につきましては、事件事故が昼夜の 分けなく発生をいたしますし、また、各種行事等が休日等に開催されることも多いという関係がありますので、どうしても職員の時間外手当というのは相当な時 間に上っております。これに対して地方財政計画上の警察官の時間外手当の計上率、給与総額に対する割合でありますが、これが13%、一般職で7%となって おるところを、平成22年度の沖縄県警察の予算計上の上では、警察官が11.3%、一般職が6.1%となっておりまして、足りないというのが現状でござい ます。

○赤嶺昇委員 警察本部長、恐らくほとんどの警察官も含めて、予算の範囲内ですか ら、範囲内の中でやっていると。しかし、それを超えているというのは皆さんなかなか答弁しづらいことだと思いますけれども、せめてこの13%に、国平均に するということは、警察本部長、大事だと思いますが、いかがですか。

○黒木慶英警察本部長 13%ということで私もずっと思っていたんですけれども、沖 縄県に来まして11%という話を聞きまして、どういう経緯で11%になったか私も承知していないんですけれども、いろんな経緯もあると思いますが、率直に 申し上げまして、超過勤務手当を少しでもふやす方向でいろんな努力をしてまいりたいと思っております。

○赤嶺昇委員 ぜひまたそういうことも応援していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

○当銘勝雄委員長 赤嶺委員から質疑中にありました質疑の保留について、1つは販路 拡大専門官の設置について、もう一つは高速道路の無料化について質疑を保留して、知事に総括質疑を行いたいという申し出がありました。これについては3月 15日の教育委員会の質疑終了後に理事会を開いて協議をいたします。

 上里直司委員。

○上里直司委員 それでは、まず最初に、警察本部長にお尋ねをいたします。昨年11 月、読谷村で発生いたしましたYナンバーによるひき逃げ事件について、午前中の質疑の中でも、被疑者から出頭要請が拒否されたというお話をされました。こ の出頭要請について、警察署からはどのような要請を何度やられたのかお答えください。

○当銘健徳交通部長 本事件につきましては、被疑者である米陸軍の二等軍曹が平成 21年11月11日から13日までの3日間は出頭したものの、その後、出頭拒否をしております。そのため、県警察といたしましては、米陸軍犯罪捜査局沖縄 事務所や法務部を通じて被疑者の出頭を要請するとともに、私等が米陸軍法務部長やトリイ基地司令官、CID沖縄事務所長等に被疑者の出頭要請を行ったとこ ろでございます。

○上里直司委員 要請をして、なぜ被疑者が出頭を拒否されたのか、把握されているでしょうか。

○当銘健徳交通部長 出頭拒否の理由につきましては、被疑者本人からこういうことで出頭拒否をしますという、具体的な言動はございませんでした。

○上里直司委員 新聞報道によりますと、弁護士が、この被疑者が、日本の捜査におい て、または供述調書の作成において取り調べの可視化がされていないということを訴えている、そういうことで要請には応じていないんだということを会見され ておりました。それで、この弁護士が県警察に対して、可視化を求めた事実というのはございますか。

○当銘健徳交通部長 弁護士が県警察に対し取り調べの可視化を求めた事実はございません。

○上里直司委員 それでは、過去にさかのぼってお聞きいたしますけれども、こうした米軍人等の犯罪において、この録音、録画の可視化を求めて供述を拒否した事例というものは、皆さんの今までのケースからしてありますでしょうか。

○内間康洋刑事部長 米軍構成員等による犯罪の被疑者が取り調べの可視化、すなわち録音、録画を求めて供述を拒否した事例は、これまでにないものと承知しております。

○上里直司委員 続きまして、レンタカーの事故について、皆さん、発生状況について把握されていますでしょうか。

○当銘健徳交通部長 平成21年に発生したレンタカーの人身事故は164件で、前年 と比べ19件減少しております。死亡事故は発生しておりません。本年は1月末現在で人身事故が15件発生し、前年同期と比べ8件増加をしております。過去 5カ年間の状況を申しますと、平成17年が186件、平成18年が210件、平成19年が214件、平成20年が183件、平成21年が先ほど申したよう に164件で、平成19年以降は3年連続して減少しております。一方、死亡事故は平成17年が2件、平成18年が4件、平成20年が1件発生をいたしてお ります。

○上里直司委員 続いて、運転代行業をされている方が非常にふえていると報じられておりますが、この推移もあわせてお答えいただけませんでしょうか。

○当銘健徳交通部長 平成21年12月末現在で公安委員会から認定を受けている業者は542業者で、随伴用自動車は1481台でございます。平成20年12月末、1年前に比べますと、89業者、216台ふえております。

○上里直司委員 この業者がタクシーと同じような運送行為をしていると。ということについて皆さんは取り締まりをされているんでしょうか。

○当銘健徳交通部長 委員の御指摘の件につきましては情報としてはございまして、こ れらのものについて一応捜査をしてはおります。事実その問題はございませんけれども、平成13年に法が施行されておりますけれども、法施行後、本県におき ましては、平成15年に2件、平成17年に1件、平成19年6件、平成20年に1件、計10件を検挙しており、昨年は1件につきまして現在も捜査中でござ います。

○上里直司委員 タクシー業界の皆さん方から、そういうような違法行為があるんだということを教えていただいております。皆さんも情報としてあるということですので、できるだけそういうことがないように取り締まりも徹底していただきたいと要望しておきます。

 それでは、農林水産部長にお尋ねをいたします。

 まず、林業振興についてお尋ねをしようと思っていたのですが、その前に、3月6日、新聞記事に出ておりました沖縄県公共事業評価監視委員会に 皆さんが休止を申し出たと、諮問したということがありましたが、昨年の予算特別委員会では随分皆さんはこの路線の建設について推進をするという立場をとら れてきたわけなんです。

 そこで、この諮問をした理由と今に至ってどうなのかということ、農林水産部長の見解をお聞かせください。

○長間孝森林緑地課長 国頭村の県営林の区域内において予定しておりました県営林道 の伊江Ⅰ号支線、伊江原支線の2路線につきましては、全体で県営路線として5路線の予定をしていたところですけれども、開発面積や環境の負荷を少なくしよ うということで、収穫時期のある伊江Ⅰ号支線と伊江原支線、この2路線について着工しようということで取り組んでまいりました。その後、平成21年度予定 していた林道開設工事につきまして、費用対効果の算出に当たって適切でない点があったことから、費用対効果の検証を行うとともに、その結果について国との 調整、それから沖縄県公共事業評価監視委員会へ諮問するということで、これまでの間、工事の着工を見合わせることとしておりました。

○上里直司委員 皆さん、当面休止という話がありましたけれども、その当面というのはいつまででしょうか。

○長間孝森林緑地課長 これから環境保全措置の件と森林施業のあり方、それから関係者の合意形成等も踏まえてするということで、やはり期間については、これははっきり経過を見ないと言うことはできませんけれども、3年ないし4年間ほどに考えております。

○上里直司委員 実は私はそれをなぜ聞いたかというと、補正予算の審査のとき、私は 繰り越しの予算のときに、これはどうなるんですかと聞いたんですよ。ということで3月5日に開かれた沖縄県公共事業評価監視委員会で3年から4年、補正予 算の繰り越しは1年間ということでしたから、当然平成22年度の予算については皆さんどう対応されるんですか。

○長間孝森林緑地課長 平成21年度予算については、先日の補正予算の予算特別委員 会に提案したわけでございますけれども、これは、沖縄県公共事業評価監視委員会が3月5日に開催されまして、この当該2路線につきまして休止をするという 方針が示されました。そういう関係から、平成21年度予算を繰り越しして平成22年度執行を予定していた県営林道路線、それから団体営の市町村への林道開 設事業につきましても休止したいということで考えております。

○上里直司委員 では、この平成22年度の予算編成上で当初出された予算編成と違ってくるということですよね。その際に皆さんこれをある程度補正しないといけないのではないですか。

○長間孝森林緑地課長 先ほど申し上げたとおり、要するに沖縄県公共事業評価監視委 員会の結果を踏まえて対応したいと考えておりますので、繰り越ししたわけですけれども、沖縄県公共事業評価監視委員会の結果も一応は休止という方針が示さ れました。そういうことで、平成21年度予算については不用という形をとりたいと考えております。また、そういうことも踏まえて、平成22年度の当初予算 については最初から計上しなかったということでございます。

○上里直司委員 いつかの時点で不用という処理をされるわけですよね。それで、こう いう新たに費用対効果を皆さん算出しましたけれども、これまで既設の林道に対しても同じようなことが、市民団体の皆さん方からも御指摘をされているんです ね。改めて既設の林道に対しても、このような検証を加えるおつもりはございませんでしょうか。

○長間孝森林緑地課長 既設―既に完了した路線、2路線ございますけれども、これについては費用対効果の検証を行っておりますので、これについては経済労働委員会等で結果を議会に対しても説明したいと考えております。

○上里直司委員 実はきょう質疑をしようと思いましたのは、昨日閣議で木材利用促進 法というものが決定されました。当然この基金というものも平成21年度から創設されましたけれども、閣議決定された法案と皆さんの基金との関係はどう変わ るのか、また変わらないのか、御説明いただけますか。

○長間孝森林緑地課長 今、農林水産部で取り組んでいる森林保全及び木材利用促進特 例基金というのを、昨年の6月に県の補正予算で承認いただいた案件で、今年度は新規に取り組むということになっております。森林保全及び木材利用促進特例 基金は、森林の保全及び地域材等の森林資源の活用により森林林業の活性化を図ることを目的に、平成21年度から平成23年までの3カ年間において、里山再 生であるとか、木造公共施設整備事業であるとか、地域材の利用開発、この3事業に取り組む事業内容になっておりまして、今回取り入れているものは、これの 新しいバージョンだと考えております。

○上里直司委員 この基金に対して予算がふえたりとか執行に対してやりやすくなるとか、そういう関係はあるんですか。

○長間孝森林緑地課長 現在取り組んでいる基金につきましては、約1億円を我々は、県は考えているんですけれども、新たな分についてはまだ検討は行っておりません。

○上里直司委員 これからもないということですか。

○長間孝森林緑地課長 現在のところ、本土と沖縄の林業がちょっと違う、本土は基本 的には杉、ヒノキが主になっておりまして、杉、ヒノキの間伐と、特に地球温暖化の関係で間伐作業を進めようということで、杉、ヒノキの木材利用ということ を主眼に置いているものですから、沖縄の場合はどちらかというと、リュウキュウマツ、それから広葉樹関係の森林資源であることから、余り沖縄と合わないと いうことで、これについてはまだ検討が必要と考えています。

○上里直司委員 先ほど長間森林緑地課長が午前中の質疑で、この基金で東村の幼稚園 や県立島尻特別支援学校の寄宿舎の施設の整備に県産木材を使うとおっしゃっておりました。ただ、県産材といっても、完全に需要を、本当にニーズを満たせる かというと、そうでもないというのは皆さんのほうがよくおわかりだと思うんですね。

 それで、先日来いろいろこういう状況の中で、どういう形で県産材を活用できるかということを職員の皆さんとお話をしております。それで、木の お弁当箱をつくっているというような取り組みをされていますけれども、どういう経緯でこういう話になったのか、私も非常にいい例だと思いますので、そのこ とを御説明いただけませんでしょうか。

○長間孝森林緑地課長 実はこの森林保全及び木材利用促進特例基金を活用しまして今 年度取り組んでいるのが、木製の弁当箱をつくろうということで、これは実は実際に実用化されている事例もありまして、これを要するに木のぬくもりであると か、そういう部分を子供たちに伝えようということで弁当箱の製作に取りかかっております。

 もう一点は、学童机がやはり長らく使うと、上のほう、要するに天板と言いますけれども、これが傷ついたり傷んだりということで、今度デイゴ材 を活用しまして、学童机の天板―デイゴ材を薄くスライスして加工したものを張りつけるという活用についても、現在、今年度から取り組んでおります。次年度 から、今度はもうちょっと土木用材とか防風林の防風効果を発揮する資材とか、こういうものにも県産材が使えないのかどうか。また、県内には木と漆の会とい うのがありまして、約210の小木工の業者がおります。こういう方々とも連携しながら、やはり県産材を必要としている方々がおりますので、こういう方々に もいろんなおもちゃであるとか家具であるとか、そういうものも製作していけるように提携していきたいと考えております。

○上里直司委員 ぜひそういう分野で森林緑地課の職員の皆さん方や農林水産部の皆さん方が脚光を浴びるように頑張っていただきたいということでございます。

 それで、食肉価格安定基金についてお尋ねをいたします。けさの新聞でも、衆参両議院の農林水産委員会で意見書が可決され、その中で沖縄県の特 例を認めるべきだというようなことが盛り込まれました。それで、農林水産部長、これはこういうものを受けて、JAおきなわは早速また政府に要請するという 話を、国会議員に要請するとありましたけれども、県ではどういう動きをされますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 これは食肉価格安定基金の100億円につきまして、平成3 年に牛肉の輸入自由化の代替措置として、国が70億円を、県が35億円の補助によって創設したわけですけれども、これまでその運用益では沖縄の畜産振興に 活用されてきたわけですけれども、行政刷新会議の中で基金相当分を返納して必要な予算額を毎年予算措置するような形で見直すべきだということがありまし て、県としては去る2月15日に、全額取り崩しに対して本県の畜産振興に有効活用できるように、農林水産省などに対して要請をしたところでございます。

 先ほどありましたが、衆参両議院でも沖縄の特殊事情に配慮するということで決議されたというふうに聞いていますので、県としてはやはりこの 100億円については、先ほども申し上げたように、輸入自由化の代替措置ということで措置されたということですので、全額県としては地元に活用できるよう な形で、引き続きこれについてはいろいろ各方面の力をかりて要請をしていきたいと考えております。

○上里直司委員 実はこの行政刷新会議の仕分けの観点で、なぜここがスポットを浴び たかというと、公益法人及び独立行政法人等の基金の見直しということなんですね。今回、さきに2月15日に要請された際には、その105億円の基金を取り 崩すという形で運用していきたいということでありました。

 私は、これはもう一回同じことを要望するのは、それはいいとは思うんですけれども、やはりこれは運用するのが公社ではなくて、県が運用すると いうことにすれば、これは事業仕分けに本来入ってこなかったようなものなんですよ。つまり、公社等のというところでかかっているものですから、それは県が その35億円も含めてその基金の運用をするんだということであれば、私はその可能性も見えてくるのかなと、これは予測でありますけれども、ぜひそういう意 味では、県が一応引き取るということも検討に入れていただけないか、そのほうの御見解を聞かせていただけますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 この食肉価格安定基金につきましては、復帰前ですか、調整 金という制度がございまして、安価な輸入牛肉が入るということで、それに対する調整金制度の中で、いきさつの中で財団法人沖縄県畜産振興基金公社が設立さ れてそういう基金運用ということになっていると思いますので、当初は8億円ぐらいの調整金があったんですけれども、105億円で七、八%でいきますと大体 七、八億円ということで、調整金と基金との生み出す額が一緒ぐらいということでそういうことになったと思いますけれども、今後やはりどういうやり方のほう が沖縄にとってプラスになるか、県も含めて検討したいと思います。

○上里直司委員 それでは、続いて、含みつ糖振興対策についてお尋ねをいたします。県の黒砂糖工業会の皆さん方からも皆さん要請を受けているかと思いますけれども、この在庫を大量に抱えているとおっしゃっているようです。その在庫がどれだけあるのか、皆さん把握されていますでしょうか。

○山城毅糖業農産課長 ことしの2月10日時点でございますが、2360トンの在庫がございます。

○上里直司委員 なぜこれだけ在庫を抱えることになっているんでしょうか。

○山城毅糖業農産課長 前年度の産糖量が約8300トン、ここ2年間、8000トン の生産量が続いております。ことしも9500トンの生産量が見込まれているわけなんですが、現場の消費のところで再製糖、あるいは輸入黒糖との絡みもあり まして、消費がなかなか出ていかないというような状況がございまして、昨年度の物の流通在庫がまだ業者のほうに寝ているというような状況がございます。

○上里直司委員 この団体から寄せられている要請の中には高い物が売れないということで要因に挙げているんですけれども、皆さんも同じ認識なんでしょうか。

○山城毅糖業農産課長 実は3年ほど前、平成16年の折に含みつ糖の生産量が 6000トン台に落ち込んだ時期がございまして、そのときに再製糖、あるいは輸入糖のトータルとしては4万トン余りございました。そのときに黒糖から価格 の安い輸入糖なり再製糖に変わったという経緯がございまして、それが定着している中で、この2年間黒糖がふえた中で、沖縄の黒糖は再製糖、輸入糖に比べて 割高というようなお話を現場のほうから聞いてございます。それからすると、価格の問題もあるのかなと認識しております。

○上里直司委員 皆さん、販路拡大ということについて、先ほども質疑がありましたけ れども、もっと強力に取り組まなければならないのではないかなと思うんです。流通政策課でこういう問題を取り上げているんですか、それともこれは糖業農産 課だけで扱う仕事なんでしょうか。農林水産部長、どうなんでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 黒糖につきましては、先ほどあったように4万トンぐらいの 輸入糖、それから再製糖、再製糖というのは、白い砂糖を真っ黒にして販売しているという状況があります。それから、今純粋な黒糖ということで約3万から4 万トンぐらいの黒糖の需要がございますけれども、課題は、1つは、まず黒糖という表示の中で純粋に黒糖はどういうものだという表示の部分がしっかりされて いないということで、現在、今回要請の中でも、やはり純粋な黒糖についてはしっかり、外国から入れたら外国物ということで、原産地表示をしっかりまず打つ ことが重要ではないかというのが1点あります。

 あと1つは、やはり純粋な黒糖という場合の表示の仕方、その辺はしっかり定めることによって、例えば県のほうで売る場合、少なくともこれは純 粋な黒糖だよということの表示がしっかりPRできるのではないかということで、今、国に表示の見直しについてお願いしているところでございます。

 それと、黒糖の販売につきましては、当然主管課である糖業農産課はやりますけれども、流通政策課でもいろんなフェアの中で取り組んでおります。

○上里直司委員 農林水産部長、取り組んでいるというんですけれども、現在でもそういう取り組み、流通政策課でこの黒糖に対しての販路拡大とかどういう取り組みをしているんですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 例えば2月に食と花のフェスティバルがありますけれども、その中のブースを活用してもらって販売するとか、それからPR版をやる場合に、黒糖を紹介する冊子とか、そういうのを側面的にやっている状況でございます。

○上里直司委員 農林水産部長、側面的では困るんですよ。含みつ糖というのは本当に 地域に根差した作物であって、地域の経済にとってなくてはならないものですから、もっと売り出さなきゃいけない。私は、ニーズがないけれども、売り込めと 言っているわけではないんですよ。皆さん、その中で株式会社沖縄県物産公社がやっている県産品拡大展開戦略構築事業、これは3年やっているんですけれど も、香港や台湾、先ほど台湾の話がありましたけれども、黒糖というのは沖縄の物産として非常に知名度が高いんですよ。知名度が高いけれども、売り出しされ ていないということなのではないですか。その辺、どういう認識をとっていますか。皆さんの含みつ糖も含めて、海外の市場開拓、販路拡大、もっと取り組むべ きではないですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今、平成21年度からANAの貨物事業でゴーヤーとかシークヮーサーも取り入れるということになっていますので、海外も含めて黒糖についても、その中で取り組むような形でやっていきたいと思います。

 それと、畜産もそれと同様に考えていますので、農産物について、全般海外戦略も含めてこれから検討していきたいと思います。

○上里直司委員 ぜひその中に黒糖を入れて、ただ、売っても、市場に合うようなパッ ケージであったりとか、容器であったり、デザインであったりとか、そういう事業もあわせて今度の県単事業、または皆さんの中の流通政策課がやっているよう な事業の中で売れるような商品開拓、販路拡大、ぜひやっていただきたい。これは要望して、我々も応援しますので、よろしくお願いいたします。

○当銘勝雄委員長 20分間休憩いたします。

   午後3時51分休憩

   午後4時12分再開

○当銘勝雄委員長 再開いたします。

 休憩前に引き続き、質疑を行います。

 田勝廣委員。

○吉田勝廣委員 森林緑地課長、さっき不用額という話をしましたから、それは当然国に返して、それから後の処置、これからの林道をどうするか、お聞かせください。

○長間孝森林緑地課長 今後の林道建設につきまして、まず森林の利用区分、例えば保 全すべき区域、それから林業として利活用を要する区域、また、水源涵養として利用する区域、それから人と共生するということでレクリエーション等に利用す る区域、こういう部分の森林の機能に応じた利用区分の検討を行いたいと思っております。またもう一点、やはりこれまでの環境に負荷を与えないような森林施 業の方法についても検討してまいりたいと考えております。そういう検討をした後に、関係者との合意形成をした上で再開に向けて取り組んでいきたいと考えて おります。

○吉田勝廣委員 それでは、大体いつごろになるのか。それとも、その林道をつくってから木を切ろうとしましたね。整木ですよ。それはまたそのまま立てっ放しでいいのかどうか、その辺どうでしょうか。

○長間孝森林緑地課長 このような調査、それから合意形成等も含めて、やはり3年な いし4年程度はかかるというめどを立てております。その間は、今リュウキュウマツというのは木目が独特の木目で、県民の間でも高い評価を得ておりますの で、やはり既存の林道等を活用しながら、県民の間に必要としているところに材料を安定的に供給する体制に取り組んでいきたいと考えております。

○吉田勝廣委員 ま た、もう一度繰り返して議論しますから。総論的に農林水産部は流通から生産から、あるいは販路からすべて一手に引き受けるというのは大変だろうなと思いま すけれども、今のような体制でいいのかどうか。例えば観光商工部が今の農林水産部の販路だとかコストとか輸送とか、これにどうかかわっていくかというのは 非常に大事だなと。これも昔からそういうことを言われているので、農林水産部長はその点どう思いますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 農産物を生産して、これは県内だけで消費というわけにはい きませんので、やっぱり県外と国外を視野に入れて取り組まなければならないと思いますけれども、1つは、基盤整備をしっかりして安定的に物が供給できる仕 組みという意味ではハウスとかいろいろつくります。その後に出荷ということになりますけれども、その場合に当然輸送コストもかかりますし、それから、県外 でしたら市場、これは市場ですが、その場合に市場へ出す場合は、国の事業もございまして、市場へ出荷したときには、価格補てん事業という一定の価格を下 回った場合は補てんする事業もございます。そういう意味で全体として物を出して販売までということで一つの流れですけれども、観光商工部との連携という形 になりますと、恐らく加工部分の中で農商工連携という形で取り組むというふうになるのかなと思っています。

 1つは、物を出すときに当然耕地面積から出る部分の生産量と付加価値が出る部分とでは雇用形態もかなり違ってきます。そういう意味では加工業 という2次産業部分が当然観光商工部の技術を入れ、それから観光商工部との連携によって販路拡大もしないといけない部分がありますので、生鮮部分について は、これはどちらかというと卸売市場の世界、農林水産省担当のエリアになっていまして、加工の部分はどちらかというと、今言う経済産業省みたいなところの 管轄になっていますので、そういう意味では、そこは生産については農林水産部のほうでいろいろ取り組みをやりますけれども、加工分についてはやはりどうし ても連携しなければならない部分になると思うので、そこはしっかり売り先を見ながら、あるいはどういう製品開発をやるのかを含めて、そこは観光商工部との 連携が重要になってくるのではないかと思います。

○吉田勝廣委員 1人 の農民が自分でつくって、何をつくろうか、また1つは販路、どういう形で売ろうかな、価格はどうだろうかとか、今度は島嶼性だから、船に乗せるか、飛行機 に乗せるか、値段はどれぐらいか、今の農林水産部はこういうことを1人で考えるようなものですよ。だから、そこをやっぱり機構改革なり何らかにして、販路 の専門家、あるいは加工の専門家があり、総合的な形態の中で物事を考えていかないと、今のような状況でいつもデッドロックというか、壁にぶつかっていくの ではないかなと思いますけれども、どうでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 確かに当然生産する場合には売り先を考えて、その需要予測 を考えながら販売をするというのが1つの生産をする側の重要な取り組みではないかなと思いますので、当然そこは農林水産部としても取り組みますけれども、 観光商工部との連携もかなり重要になってくる。というのは、やはり輸送コストについても、これは観光商工部だけではなくて企画部の部分にも輸送については またがってくると思うので、そこはやはり各部局の横の連携というのは重要だと思いますので、これはしっかり連携できるような仕組みを三部局と一緒に取り組 んでいきたいと思います。

○吉田勝廣委員 恐ら く今まで欠けていたのはそういうところかなと思います。沖縄に特化したいろんなものを生産しているわけだけれども、マンゴー、パイナップル、さとうきび、 豚、モズクとか、さっきからいろいろありましたね。今度はこれを地球温暖化なり国際価格競争なりいろんなところにぶつかっていくわけです。沖縄で生産した ものを今度は東京都でもできる、関東でもできる、四国でもできる、そういう状況に今みんな研究しているわけですよね。そうすると、こういう沖縄の特性を生 かしたような農産物という形が、あるいは九州で、あるいは四国でできるようになるわけだから、そういう状況の中で沖縄が本当に沖縄特産だよという自信を 持って販売できるようなことの生産、そのために、また予算であるとか、まさにまた販売ルートであるとかいろんなことを考えないといけないけれども、そうい う意味でそれにかかわる課長、いわゆるマンゴーであり、水産課長はモズクであり、そういう販路と生産をどう結びつけるかという、あるいはまたマンゴーが宮 崎県に負けているのはどういう原因なのかとか。僕は宮崎県に沖縄のマンゴーを持っていったときには、これは沖縄とわからないからおいしいねと、どこのマン ゴー、これは沖縄のマンゴーだと、そういうことはやったことはありますけれども、そういうことで沖縄の特産品をどう売るか、またどう予算をかけて栽培する か、いま一度お願いしたい。

○比嘉俊昭農林水産部長 恐らく、これはいろいろターゲットを決めてやらないといけ ないんじゃないかなと。市場は市場でやはり、これはJAおきなわとは今、JAおきなわのほうでも販売戦略部というのを立ち上げていますので、我がほうは流 通政策課ということで連携できる仕組みができます。そことの連携が、市場は市場で市場側のニーズも聞きながら取り組むというのが1つありますし、それか ら、これは市場だけでやると、また市場で物が行って格落ちということもございますので、また量販店に対してはどうするのかとか、それから、それ以外の青果 ではなくて加工部門はどういう形で加工をやるかということになると思いますので、恐らくそれぞれのターゲットに対してどう取り組むかというきめ細かく戦略 を立てていかないといけないのではないかと思っています。

 そういう意味でもこれからしっかりその1つのものについてどういう行き方をするのか。例えば、現在シークヮーサーが課題になっていまして、関 係各位と議論しているのは、1つは青切りで売る場合、加工で売る場合、それから、今回フルーツということで、その3段階の手法でそれぞれに合わせた形での 売り方をして、トータルでしっかり売っていく仕組みをつくらないといけないじゃないかということが1つありますし、それから、青切りでも、実は以前は、高 木になっていまして、なかなか収穫ができない。本当は出荷すれば高く売れるのにという話が実は聞こえてきまして、今度の平成22年度の事業の中で、低木仕 立てで簡単にとれて、それが収穫していいものができないかということのニーズと売る体制の部門もしっかり合わせた形でやらないといけないんじゃないかと。 平成22年度からしっかりきめ細かく生産と販売についてしっかりお互いがマッチングするような形で取り組んでいきたいと思います。

○吉田勝廣委員 今度は予算面から、農林水産部は約12.2%前年度より落ちていますね。約67億円、この辺から農林水産業振興について、この予算措置で大丈夫か大丈夫じゃないか説明してください。

○比嘉俊昭農林水産部長 今の国のコンクリートから人へということで国の予算がかな り削減をしておりまして、先ほど少し説明しましたけれども、30%が75%程度に確保したものの、まだこれでも十分ではないという認識は持っています。そ ういう意味では、今、現在の予算の中で支障がないように、基盤整備であれば、平成22年度に執行できるものはちゃんと執行できるような形の予算を立てると いうことと、それから新規についてはしっかり新規ができるような形の担保をつけるということ、それから継続するものについては支障がないように、附属施設 については少し後半に延ばしながらやる仕組みを考えておりますけれども、いずれにしましても、本土に比較して、他府県に比較して6割ぐらいの程度の基盤整 備率ですから、やはりしっかり本土並みの基盤整備を立てた上で生産拡大という話になると思うので、その辺についてはしっかり国に対して実情を訴えながら予 算はしっかりとっていきたいと思っています。

○吉田勝廣委員 各項目を見れば大体みんな下がっているわけですね。その下がっている中で生産拡大をして、販路拡大して、流通も拡大、流通も調べて、これで果たして平成22年度の沖縄の農業振興が可能かどうかという、もう一度説明してくれませんか。

○比嘉俊昭農林水産部長 先ほども説明したように、そういうことで予算がかなり厳し い状況にあるということで、平成22年度の農林水産部の新規といいますか、重点的に予算編成をしたということで、厳しい状況でありますけれども、特に産業 振興と雇用についての観点から予算を編成しております。まず1つは新規事業として雇用の創出事業ということで、グリーンコミュニティー支援事業、それから 地域雇用を担う糖業振興事業、あるいはさとうきび経営安定対策事業、農でグッジョブ推進事業、それから畜産物の商品開発及び販売促進ということで、この合 計額で約5億7200万円程度考えていますけれども、その中で雇用創出で延べ300人程度を見込む事業を、今現在、仕組んでいるということでございます。

 それと、産業振興事業といたしまして、先ほどのマンゴーの輸送対策事業を初め、農業者と流通加工業者との連携の商品開発モデルを構成するため の事業も考えていますし、園芸モデル産地育成緊急対策事業、森林保全木材利用促進特別基金事業、それから沖縄型つくり育てる漁業推進事業など、新規芽出し をしながら新しい取り組みをしたいということで事業を平成22年度は考えているところでございます。

○吉田勝廣委員 大体 わかりましたけれども、恐らく沖縄の農業が振興しないと、過疎地、それからヤンバル地域、伝統文化が守れないと。学校もまた結局そこで働き手がいなけれ ば、青年たちがそこに住むわけではないですから、非常に困難な状況になると。そういう状況認識をやはり農業を預かる者がきちんとしておかなければ、本当に 国頭郡、あるいは離島を含めて過疎地になるのではないかな、そういう危機感を持っているわけです。そういう意味で唯一林業費が予算が伸びているわけです。

 そこで、森林緑地課長にお聞きしますけれども、これからの対策、緑の森を守るためにどうすべきか、今の予算措置を含めて説明してくれませんか。

○長間孝森林緑地課長 これからの来年度予算については、大変厳しい中、林業関係に ついて伸ばしていただいて非常に我々も感謝しております。主に伸びた要因というのは、これは産地に起因する災害の未然防止であるとか復旧であるとか、それ から生活環境、農業生産額を増進するための防潮林の整備とか、こういう生活等、それから生産に密着した予算が伸びておりまして、特に治山事業におきまして は1億1358万9000円と、約11%の増ということで、今後、海岸線を中心とした海岸防潮林の整備に力を入れて取り組んでいきたいと考えております。

 あわせて、やはり環境保全という問題、あとは観光と連携した緑化関係についてもあわせて積極的に取り組みながら、新林業、それから緑化関係について取り組んでいきたいと考えております。

○吉田勝廣委員  こういう予算が伸びて林業をやることによって地域で雇用が発生して、そこで地域が活性化していくと。恐らく農業はいろんな事業、これは農業費であれ、畜産 費であれ、農地費であれ、さまざまな項の対応というのは、ほとんど地域の経済に密着していると思うんですよね。つまり僕が言いたいのは、公共工事であった としても地域経済にすごく密着していると、だから、生産に与える影響だとか地域文化に与える影響というのは非常に大きいものだと考えているわけです。そう いう意味では、農業集落排水事業は、これはまた地域に密着した公共工事だと思いますから、この辺、今後の方向性みたいなのを説明願えませんか。

○山内光雄農村整備課長 県の農林水産業振興計画に基づきまして、これからも農業集落排水の接続率を高めるために、今後とも国に要請し、いろいろ整備を進めていきたいと考えております。

 今、農林水産業振興計画の中で農業集落排水の対象集落といたしまして351集落ご ざいまして、そのうち農林水産業振興計画の平成23年度までの目標が176集落という形で現在来ておりまして、平成20年度までの整備集落、採択なんです が、現在まで93集落が整備されております。目標であります平成23年度までの集落数としては整備率が約27%程度にはなるんですが、その目標に対する達 成率が53%という形になっておりまして、これは今後とも市町村といろいろ調整しながら、できるところから進めていきたいと考えております。

 人口カバー率からいきますと、大体44%程度までは……

○吉田勝廣委員 その数字も言ってください。

○山内光雄農村整備課長 沖縄県農林水産業振興計画における人口が14万5800人程度、それから平成23年度までの目標で7万6000人程度、これまでに整備したのが6万4000人程度という形でカバーしておりまして、人口カバー率でいきますと44%程度という形になっております。

○吉田勝廣委員 将来の予算額は大体どれぐらいを予定していますか。平成23年度までで結構ですけれども。アバウトでもいいですよ、なければ。

○当銘勝雄委員長 休憩します。

○当銘勝雄委員長 再開いたします。

 田勝廣委員。 

○吉田勝廣委員 それで、農地水利課、これも大きな予算を活用しますから、この辺の、さっきと同じような答弁で結構ですから、どうぞ。

○桃原喜邦農地水利課長 農地水利課所管としては、県営畑地帯総合整備事業と県営かんがい排水事業が大きな事業でございまして、それらの予算につきましても今回は大分減額するようになっています。

 今後、先ほどいろいろ農林水産部長からも御説明があったとおり、完了地区については優先的に終わらせて、平成22年度新規地区につきまして も、それなりに新規は採択させていくと。継続地区についても生産に結びつく部分から優先的に先行してやっていくということでいきたいと考えています。今後 ともまた予算確保に向けて要請していきたいと考えております。

○吉田勝廣委員  コンクリートから何かへということで言われているけれども、恐らく農業政策になると、僕は公共工事というより、やはり文化の維持であるとかさまざまな環境 整備の維持だとか、そういうふうに、また生産高を向上させるわけだから、そういう意味では非常に重要だと思っているわけですよ。それを理論的に今の政府と やはり対決―対決と言ったらおかしいけれども、納得させるような仕組みを皆さんがどうつくるかということですから、農林水産部長の決意をお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 今、委員から言われたとおり、やはりまず農業基盤整備がき ちんとされた上で、作物が育って生産が可能ということになると思いますので、これにつきましては、やはり全国よりまず一つ立ちおくれているということと、 いろんな理由があると思いますけれども、島嶼県であるというもろもろを含めて、いろいろ理由を、しっかりその根拠をつくって国に予算をとるようにしていき たいと思います。

○吉田勝廣委員 警察本部長、これまで本部長は約1年弱ですか、沖縄県にいらっしゃって青少年の非行とか児童虐待とか、また米軍の犯罪とか、大分御苦労をされたと思いますけれども、これまでの感想みたいなことをお話できればお願いします。

○黒木慶英警察本部長 感想というのは大変難しいことでして、毎日毎日一生懸命仕事 をしているという感じしか実はありません。沖縄県警察に来て1年ですけれども、大変優秀なスタッフに支えられておりまして、そういう面では私自身もいろい ろと一からまた勉強することも多かったし、教えてもらうことがたくさんあったと思っております。

 こういう言い方をすると、既に転勤するような言い方になっていますけれども、そうではありませんで、ずっと沖縄でまだ仕事をしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○吉田勝廣委員  沖縄はいやしの島とかイチャリバチョーデーとかチムグクルとか、そういう歴史的にいい環境にあった。しかし、先ほどから青少年の非行だとか、また今行われ た児童虐待とかいろいろあって、どうも最近違うのではないのかなという感じがします。そういう意味で、先ほども青少年の非行については数字は聞きましたか ら、今度は青少年の非行をどう立ち直らせるか、この辺から県警察のお話を聞いてみたいと思います。

○山入端辰次生活安全部長 少年の非行防止のための家庭、学校、地域との連携の方策 であります。まず、警察官による小学生及び中学生を対象とした非行防止教室の開催、それから保護者対象のカウンセリングや子育て支援教室の開催、地域住民 による不良行為少年への注意指導活動の促進、業界と連携した万引きあるいは飲酒、深夜徘回防止、未然防止のための社会環境の改善、それからスクールエリア 対策等々関係機関と連携しながら少年の非行防止対策を推進してまいりたいと思います。

○吉田勝廣委員 生活安全部長、要するにこういうことをやってきたけれども、なおかつそれが発生をしていると、そういうことで県民や我々に言いたいことがあれば言ってみてください。

○山入端辰次生活安全部長 まず、本県の少年非行の社会的な背景ということで2点ほど申し上げておきたいと思います。

 まず、本県の少年非行をめぐる社会的な背景でありますけれども、やはり夜型社会、あるいは飲酒に寛容な社会風潮があるというのが1つ。それか ら、保護者を含む大人の無関心というのがあるかなと思います。こういうのを踏まえながら、特に学校あるいは市町村、地域に望む、あるいは地域の役割といた しましては、不良行為少年に対する注意指導を積極的にしていただく、あるいは非行少年の立ち直り支援をしていただく、問題行動少年の保護者に対する家庭教 育、あるいは子育ての指導をしていただく、問題行動少年の居場所づくり、あるいは地域の文化、芸能、スポーツ等の諸行事への少年の積極的な促進等々を図り ながら非行防止を図っていく必要があろうかと思います。

○吉田勝廣委員 それから、児童虐待について、これも本当にさまざまな事件が起きているわけですから、児童虐待の背景みたいなもの、そして、もしこういう事例で児童虐待が起きたよ、こういうことがあれば、その事例を含めて説明していただきたいんです。

○山入端辰次生活安全部長 まず、県警察が取り扱いました過去5年間の児童虐待の相談件数について申し上げます。相談件数につきましては、平成17年が34件、平成18年が40件、平成19年が80件、平成20年は104件、それから平成21年は108件ということで年々増加傾向にあります。

 それから、一方、県警察で事件化したものにつきましては、平成17年が8件、平成18年が4件、平成19年が7件、平成20年が5件、平成21年が8件ということで事件化をいたしましたが、ほとんどが身体的虐待の事案でありました。

 それから、主な事例というようなことでありましたけれども、児童虐待事案をめぐる効果的な事例ということで1点御紹介をいたします。同事例 は、少年サポートセンターということで警察本部に設置してありますけれども、そこに平成20年の7月、電話相談を受けました。内容は、父親がアルコール依 存症で、子供たちに十分な食事を与えず、いわゆる育児放棄をしている疑いがある事案の相談を受けました。本件確知後、学校、市、民生委員、児童相談所、地 域住民等々で構成をいたしましたサポートチームを立ち上げ、それぞれの機関がそれぞれの立場で対策を講じた結果、県外居住の母親、姉の所在を突きとめまし て、育児放棄された15歳、14歳の男子児童を8年ぶりに母親と姉に再会をさせ、児童2人は無事母親に引き取られたというものでありました。その後、お母 さんあるいは姉から家族4人で幸せな生活を送っていますというお礼の言葉が寄せられた事例がありました。

○吉田勝廣委員 やは りこうした県警察、地域、学校、あるいは地域コミュニティーといいますか、そういう連携がいかに大事なのかと。ある意味では犯罪を起こすのはもう予防では なくて県警察の手にゆだねるわけですけれども、そういうことで、恐らくこれから私たちは、子供は宝であるとか、さまざまなことを言ってはいるけれども、実 際自分たちが地域の子供にどういうふうに接しているかということをまたお互いに反省をしながら、今度地域に帰ってこういうことをまた問題提起をしていきた いと思います。

 それから、平成21年の10月1日に飲酒運転根絶条例を制定したわけですけれども、その後の酒気運転防止対策の効果とか、現在どうなっているか、説明を願いたいと思います。

○当銘健徳交通部長 飲酒運転根絶条例が昨年の10月1日に施行されてから12月 31日までの3カ月間の飲酒絡みの交通事故の発生件数は45件で、前年同期に比べ6件増加しております。また、死亡事故は3件発生し、前年同期に比べ1件 増加しております。飲酒運転の件数は404件で、前年同期に比べ96件減少しております。

 飲酒運転根絶条例施行後、飲酒絡みの交通事故はふえており、条例の効果は数字としてはあらわれておりませんが、県民の飲酒運転根絶に向けた取 り組みが地域、自治体、事業所等で活発になり、飲酒運転根絶の意識が高まりつつあります。例えば条例にも定められておりますけれども、駐車場管理者が駐車 料金の精算時に任意でのアルコールチェックや看板の掲示、それから、一般企業の運転記録証明書による職員の安全意識の高揚やアルコールチェッカーの活用、 飲酒運転防止インストラクターの養成、ことし23名が1年間の研修を受けて認定を受けております。それから、企業や団体等が飲酒運転事故の加害者や被害者 を招聘しての講演会の開催や飲酒運転根絶活動マニュアルの発刊、飲酒運転根絶連絡協議会による飲酒運転根絶卓上ネームプレートの配布、それから各地域での 世帯持ち回りによる飲酒運転根絶フラッグリレー、飲酒運転根絶署名活動の実施や住民大会の開催、飲食店営業者が顧客に飲酒運転させない取り組みを競う飲酒 運転ダメダメコンテストの実施やハンドルキーパー運動の拡大などなど、各地で飲酒運転根絶に向けた草の根運動が展開されていることなどから、今後は必ず条 例の効果があらわれてくると考えるところでございます。

○吉田勝廣委員 交通部長の決意、どうも御苦労さまです。

 それで、恐らく沖縄はアルコール依存症が多いのではないかと思いますので、それはいわゆる酒気運転の再犯率みたいなのがわかれば説明をお願いできますか。

○当銘健徳交通部長 平成21年の1月から4月までに飲酒運転で行政処分を受けた644名を対象にアンケート調査を実施した結果、飲酒運転の再犯をした者は644名のうち131人で、再犯率は約20%ということになっております。

○吉田勝廣委員  そういうことでぜひ県警察にお願いしたいのは、琉球大学医学部附属病院にアルコール中毒の専門家の先生がいらっしゃいますから、そういう意味で県警察と琉 球大学医学部附属病院の先生方と研究チームをつくって、一度そのアルコール依存症の根絶をどうするかということを考えてみたらいかがですか、警察本部長。

○黒木慶英警察本部長 アルコール依存症の治療の専門の琉球大学医学部附属病院の先 生がいらっしゃるのは存じておりまして、それについて実際交通部とある程度連絡はとってはいるんだと思うんですけれども、研究ということで、実際問題 20%アルコール依存症と聞いておりますので、このアルコール依存症はどうするんだというのは切実な問題がありますので、委員の今の御意見を伺いまして、 何らかの形で対応できるように検討したいと思います。

○吉田勝廣委員 最後に読谷村の事件なんですが、今後、これを例にとって証言拒否を繰り返すのではないかと。そういう意味で今後の県警察の対処の仕方を説明願いたいと思います。

○黒木慶英警察本部長 県警察といたしましては、基本的には今後も日米地位協定の枠組み、規定された法や手続にのっとって、この事案の全容解明に全力を傾注するわけでありますけれども、今現在のところ同様の事案というのは発生はいたしておりません。

 2つ目にやはり注目すべきは、この裁判でどういう形で判決が出るかといったところは注目されると思います。この結果次第によってはまた同じよ うなことをまねるような者も出るのかもしれません。それはよく読めません。ただ、今の状況を前提にする限りにおいては、どれだけ客観証拠を集めるかみたい な形の作業を、これまで以上に緻密にやっていかないといけないのと、やはり初動段階で何ができるかということをきちんとやっていかないといけない。その段 階で集める資料が一番重要でありますので、素早い立ち上がりとさまざまな科学捜査研究所、鑑識、そういった総合力を発揮した捜査を展開する形の仕組みを考 えていかなければいけない、そんな状況だと思います。

○吉田勝廣委員  恐らくこの犯人はグリーンベレーですから、グリーンベレーは鍛えられた人間なんですよね。いわゆる兵隊の中の兵隊と。だから、戦争で幾らやられても証言は 拒否できるような鍛えられ方をしていますから、そういう意味で、これをもし仮に事例を残すと、今いる米兵がこれをまたまねて恐らく証言を、出頭拒否したり すると非常に困るなと。そういう意味で、私の希望としては、判決がこういう出頭拒否に対しては重大な決意を持って判決が出ることを望みます。

○当銘勝雄委員長 佐喜真淳委員。

○佐喜真淳委員 まず、黒木警察本部長を含め、私は宜野湾市の国道58号線沿いに住 んでいるので、たびたび暴走族の件をお話しさせていただいていますが、先般地域の方々に聞くと、若干暴走族が減ったというお話もございました。今日までの 警察本部長を含め、西盛元宜野湾警察署長もいらっしゃいますので、どうか今後とも効果ある対策をやっていただきながら、暴走族の被害がないようにお願いし たいと思います。

 というのも、宜野湾市は今有名な普天間飛行場がクローズアップされて、朝昼晩構わず騒音問題に悩まされております。ここへ来てまた暴走族が深 夜徘回してしまいますと、まさに安眠妨害どころか、宜野湾市の市民にとって精神的なところも厳しい面がございますので、どうかそのあたり、黒木警察本部 長、ぜひとも今まで以上にまた頑張っていただきますようお願いしながら、公安委員会の件につきまして質疑をさせていただきたいと思います。

 まず、公安委員会なんですが、公安委員会の設立の趣旨というか、目的並びに公安委員会の権限というものがどのようなものがあるのか、かいつまんで御説明できればお願いしたいと思います。

○磯丈男警務部長 まず設置目的から御説明をいたします。

 公安委員会は、県民の良識を代表する者によって構成される行政委員会で、警察の民主的運営と政治的中立性を確保することを目的として設けられております。

 権限につきましては、県警察を管理するほか、法律の規定に基づき、その権限に属された事務をつかさどることができます。公安委員会の行う管理は、個々の事務執行を含まず、大綱方針を定めて、これによる事前事後の監督を行うということを意味しております。

○佐喜真淳委員 今御説明があったんですが、都道府県の住民を代表するという形で民主的な運営を保障すると。

 少しかいつまんで確認したいのは、直接地域住民の方が公安委員会に何らかのお願いというか、声を届けることも可能なんですか。

○磯丈男警務部長 公安委員会の事務局で公安委員会に関する要望等も承っておりますので、直接いただいても結構ですし、各警察署を通じて公安委員会への要望を届けていただいても結構であります。

○佐喜真淳委員 あと、県警察にお伺いしたいんですけれども、道路行政について少し お話をさせていただきたいのは、例えば国道、県道、市道、あるいは市町村道ということで道路管理者がいらっしゃると思います。例えば道路の改善、あるいは 何らかの形での事業があった場合に、いわゆる地域の自治体、あるいは国道であれば国、あるいは県道であれば県、市町村であればその地域の市町村の自治体と 調整を図ると思うんですが、そこで、その調整のときに、以前協議された事項が、いわゆる地域住民の中である種若干改善してほしい、いわゆる以前の協議とは 内容を変更するような要望があった場合は柔軟に聞く体制が警察としてあるのかどうか、そのあたりをお伺いしたいんですが。

○当銘健徳交通部長 道路に関する協議につきましては、道路管理者が道路を新設して 新たな交差点を取りつける場合や拡幅高架の場合、または中央線等の道路の区画線を設置しようとする場合など、道路法第95条の2に該当する道路改築を行う 場合には道路管理者は公安委員会に意見を聞かなければならないと規定をされております。それによりまして、公安委員会としては、同条に基づく道路管理者か らの文書による意見書がなされた場合には、交通全体の安全と円滑な確保の観点から計画内容を検討し、必要な意見を付した上で文書で回答をしておるところで ございます。

 それで、住民の意見は反映されないのかという話でございますけれども、公安委員会としては、交通全体の安全と円滑の確保の観点から計画内容を 検討し、意見を付しておりますので、住民の意見の反映につきましては、計画立案者である道路管理者が都市計画や道路計画を立案する過程で住民の意見を聴取 するなどの手続が適切になされているものと承知をしております。したがいまして、うちのところにその道路協議を持ってくる前に、そこらあたりの意見等々に つきましては、この計画の中身の中でも十分反映されているということで承知をしているところでございます。

○佐喜真淳委員 私は簡潔に柔軟に対応できるかということで質問したんですね。いわ ゆる前の協議事項と若干ずれて、住民の意向がそこで前回の協議とは違う、時間とともにその地域性が変わってくるだろうし、そういう意味からして、地域住民 の意向というものを柔軟に聞く体制があるかということをお聞きしたかったんです。それは当然協議の中においてはプロセスがありますから。ただ、そのプロセ スの時間というのが大体10年、20年後には若干この環境が変わってくるので、そのあたりの柔軟性は公安委員会、あるいは県警察としてあるかという、その 柔軟性があるかどうかなんです。

○当銘健徳交通部長 委員おっしゃるみたいに、計画が長い段階で道路形態等々につい ても変わってくるとは思いますけれども、あくまでも我々が検討をいたして意見を付すものにつきましては、交通全体の安全と円滑の確保という観点から検討し て意見を付していくという形でございまして、その住民意見の反映の中、意見等々につきましても、そこらあたりの観点で検討するという形になると思います。

○佐喜真淳委員 当然皆さんの立場ですと、円滑にというのはよく承知しているんです が、ただ、いわゆるそこに間口、聞く体制としては何でも聞かないという前提なのか、あるいは少しばかりは地域の合意とか円滑に進める上からして、やはり何 らかの形で意見があるわけですから、これは前例として今言っていないんですけれども、そういう柔軟性があるかないか。そこで例えば言いたいけれども、もう 聞く耳を持たないスタンスなのかということを聞きたいんです。

○当銘健徳交通部長 当然住民の意見につきましては、道路管理者とも調整を図りながら、住民の意見も反映をさせながら総合的な調整、意見を持っていくという形にはなろうかと思います。

○佐喜真淳委員 住民とか、これは県の道路行政全体として、できるだけ地域の声というのが反映されたときに、やはりある程度柔軟性の姿勢を持って聞き入れるような公安委員会、あるいは県警察の対応はしていただきたいということは要望しておきたいと思います。

 あと、農林水産部のほうに移らせていただきますが、まず、予算書を見たときに、前年度比11.8%減、約67億円余りの予算減になっています ね。沖縄県全体の予算に占める割合は8.4%、前年比9.7%となっております。当然厳しい県の財政状況からするといたし方ないという判断なのか、あるい はまた、本来であれば第1次産業、農業あるいは漁業―水産業を含めて全般的に自給率を上げていかなくてはいけない。第1次産業の農業、産業をする方々の育 成も含めてやらなくてはいけないという立場の農林水産部からして、今回の予算の特徴を含めて、そして、これから平成22年度に向けて今言った第1次産業を 育成する意味からして満足のいく予算編成となっているのか、このあたり御説明をお願いできますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 先ほども御説明しましたけれども、農林水産部門全体の予算 が67億6254万1000円減ということで11.8%の減、その中で一般会計に占める予算も、平成21年でしたら9.7%、平成22年度は8.4%とい うことで、国のコンクリートから人へという予算編成のもとで農業農村整備費がかなり削減されたという状況がございます。そういう中で、厳しい状況ではあり ますけれども、農林水産部といたしましては、産業振興、また雇用創出という観点から、予算そのものは全体的に、国との関係で落ち込んだのですけれども、雇 用と産業振興の観点で新しい事業を立ち上げて取り組んでいくということを考えていまして、雇用の創出事業としましては、グリーンコミュニティー支援事業、 あるいは地域雇用を担う糖業振興事業、それから県産農産物販売促進事業、モズク等水産物消費拡大事業など、そういったものを雇用拡大ということを仕組んで いまして、大体延べ300名程度の雇用を創出したいなと考えています。

 それから、産業振興につきましては、マンゴーを初めさとうきびの生産拡大に向けての、取り組むための各種事業を今実施しようということで考えています。

 それから、付加価値という面では加工をいかに伸ばしていくかというのも重要な課題だと思うので、商品開発のモデル事業も考えていますし、それ から、園芸関係では産地育成というのは重要でございますので、その辺の事業を仕組んでいると。それから水産につきましては、これだけ亜熱帯地域ということ ですので、やはりそこに、他府県では魚を養う場合に、短い期間で養うということもありますので、つくり育てる漁業をやはり推進する必要があるのではないか ということで、現在、海洋牧場を含めて、それからモズク、ウミブドウを含めて、そういった特徴のあるものについて事業を仕組む必要があるということで、現 在、予算を計上していますけれども、いずれにしましても、基盤整備もかなり落ち込んでいますので、これにつきましては、やはり引き続きしっかり国に対して 要求する必要があるということで考えていまして、関係課と連携して、これはしっかり、そこについては要請をしていきたいと考えています。

○佐喜真淳委員 るる御説明がございました。いずれにしても、この予算の中では減 額、本当に厳しい予算編成だと思います。当然この調子でいくと、本当に第1次産業がどんどん廃れていくような気がいたしますが、先般皆様からいただいたこ の沖縄県の農業農村整備事業、平成21年度版なんですが、その15ページに、いわゆる平成23年度の目標値があるんですね。例えば農林漁業就業者の数です ね。あと耕地面積の数並びに食料自給率の目標値、いろんな目標値が、平成23年度を最終年度、この中では言っているんですが、今のこの予算を見たときに、 実際この平成23年度のある程度の目標値があると思うんです。実際にこの平成22年、平成23年度を2年の中で考えたときに、この目標値が達成可能かどう か、この予算から見た場合、そのあたりどうですか、農林水産部長の所見としてどう思いますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 仮に平成22年度予算と同じような形で予算が削減というこ とであれば、大変厳しい状況になると思いますけれども、これにつきましては沖縄振興計画の中でそういう目標を掲げておりますので、これについては、内閣府 を含めてしっかり計画をしている予算の確保については、しっかり要求をしていく必要があるのではないのかなと思っています。先ほど言いました現段階の 75%の予算では厳しい状況ではないのかなと思っています。

○佐喜真淳委員 ある意味政権がかわってこのような形に、平成22年度の農林水産業 の予算が削られて、そこに第1次産業、いわゆる沖縄県が自給率も含めてこれからしっかりと目標を見定めてやっていくというところに、新年度67億円も予算 を減額し、かつ農業基盤整備事業が目標に届かないような現状になったときに、やはりそれを一番被害をこうむるのは県民なんですよね。ある意味皆さんの政策 というか、施策が知事を含めて頑張っていこうというところで、こういうところへ予算が削減される。私は、やはりこれは国、政府に対してしっかりと要請す る、むしろ強い要請をすべきだと思うんですよ。これについて、知事を先頭にやるおつもりなのか、そういう計画も既に考えているのか、そのあたりもう一度お 願いできますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 これは去る12月も知事と一緒に農林水産省に対して要請を してきました。そういう意味では、実情をやはりまだ沖縄県は他府県に対して6割か7割しかまだ基盤整備がされていないという状況を要請の中で伝えてきてい ますし、それから、今言う継続事業について、事業を仕組んでいるわけですから、その継続事業がしっかりできるように引き続きこれについても知事を先頭に要 請をしていきたいと考えています。

○佐喜真淳委員 ぜひ本当に観光という分野もこれからリーディング産業としてしっか りと経済の柱として頑張っていく。その中で観光と農業―農林水産業業とのジョイントというか、コラボレーションというのもやはり県として考えているはずで すから、そのあたり多角的に皆さんが政策として考えたときに、予算というのは、ないよりはあったほうがいいんですね。国の政策だから、政権がかわったか ら、では、今までの皆さんが積み上げてきた成果というものを停滞させることは私はいかがなものかと思います。ですから、やはり知事を先頭にそのあたりは しっかりと政府に対して沖縄の実情を踏まえて訴えることは僕は大切だと思います。これは継続的にやっていただきたいと思います。

 時間が大分少なくなってまいりましたし、大分皆さんに通告はしてまいりました。しかし、通告しても余り質疑できないのが私の癖でございますか ら、時間も残していますけれども、これにて終了させていただきたいと思いますが、警察本部長、暴走族対策も含めて国道58号線、問題のないようにひとつよ ろしくお願いいたします。

○当銘勝雄委員長 仲田弘毅委員。

○仲田弘毅委員 きょうは公安委員会、農林水産部の予算審査でありますけれども、 きょうのこの委員会に現在のうるま警察署で子供たちの健全育成で大変お世話になった歴代の署長が数名そこにいらっしゃいます。そして、大変元気そうなお顔 を拝見して頼もしく思います。県民の生命と財産をしっかりと県警察本部から力添えをしていただいていることに対しても感謝を申し上げたいと思います。

 警察関係について質問させていただきますけれども、去る2月23日に出会い系喫茶、その喫茶で児童買春等のあっせんが行われたのではないかと いう容疑で店長並びに従業員が逮捕されました。これは那覇警察署で逮捕されたわけですけれども、この出会い系サイトも喫茶も含めて、その事案の裏になって いるのは、売春の温床になるなど、子供たちが大変被害をこうむる可能性があるというふうに大きな指摘を受けているわけですが、この状況を踏まえて、沖縄県 の福祉保健部児童家庭課では今県議会に沖縄県青少年保護育成条例を強化するための条例提案がなされております。そのことを受けましてお伺いをいたしますけ れども、県内の出会い系喫茶の営業実態をまず御説明をお願いいたします。

○山入端辰次生活安全部長 出会い系喫茶とは、外見上女性客が多い喫茶店、あるいは 漫画喫茶等々を装っておりますけれども、実際は店内において見ず知らずの男女を引き合わせて会話をさせ、さらには店外デートをさせる営業のことでありま す。具体的に申し上げますと、男性は入店料、指名料、店外デートのための連れ出し料を支払って、女性は、入店料が無料のほか、漫画、インターネット、化粧 品等のグッズ使用もすべて無料となっております。店内は男性客用と女性客用の部屋に分かれておりまして、男性側からはマジックミラー越しに女性客の部屋が のぞけるようになっております。男性客はマジックミラー越しに好みの女性を指名して会話をし、さらに店外に連れ出すなどの児童買春、あるいは売春を助長さ せる場となっております。

 本県におきましては、平成21年の10月、那覇市内に1店舗が営業を開始しております。なお、平成21年の5月末現在では、全国13の都道府県で98店舗が把握されているという状況であります。

○仲田弘毅委員 店長並びに従業員が逮捕されたということですが、このあっせん容疑ということで逮捕されているわけですけれども、その事案の概要について説明をお願いいたします。

○山入端辰次生活安全部長 事案の概要につきましては、平成21年11月25日午後 5時30分ごろから午後5時40分ごろまでの間、出会い系喫茶店舗内のトークルームと称する個室内において、男性会員、当時51歳に対し、女性会員、当時 16歳を紹介して引き合わせ、児童買春の周旋をしたという事実で、ことしの2月24日、店舗の経営者、従業員2名を通常逮捕いたしております。

 なお、現在、営業実態等々含め、全容解明に向けて捜査中でありまして、詳細については答弁を控えさせていただきたいと思います。

○仲田弘毅委員 昨年の10月にこの店舗が沖縄県で開業したということでありますけれども、従来の風俗営業法に抵触しなかった理由は何でしょうか。

○山入端辰次生活安全部長 出会い系喫茶というのは新しい営業形態であります。従業員による接待、あるいは客に対する役務などが行われていないために、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による規制の対象外となっております。

○仲田弘毅委員 これはお聞きいたしますけれども、その条例を強化することによって沖縄県警察はどういうふうに取り締まり強化を図ろうと考えていらっしゃるのか、この考え方について。

○山入端辰次生活安全部長 沖縄県青少年保護育成条例が改正、施行されますと、店舗 への青少年の立ち入りと営業者による広告物の設置、広告チラシ等の配布が禁止となるほか、青少年の立入禁止の掲示義務、従業員名簿の備えつけ義務などが店 舗に課せられます。県警察といたしましては、本条例を積極的に適用し、営業店舗への立入指導の徹底、青少年を立ち入りさせた場合の検挙、違法な宣伝行為等 についての中止命令等々を推進することができるなど、大きな効果があるものと考えております。

○仲田弘毅委員 これは未成年の子供たちが対象になる、弱者を対象とした大変大きな 問題であります。この子供たちを、未然に防止していくためには、どうしても教育委員会を総括する沖縄県教育庁、学校現場の実際に現場を見ている先生方を中 心に、協力体制、連携を組む必要があると思うんですが、県警察として県教育庁との連携の決意をお聞かせください。

○山入端辰次生活安全部長 県警察といたしましては、県教育委員会等々と緊密に連携を図るとともに、各種関係法令を適用した取り締まりの強化、規範意識向上のための非行防止教室の開催等々、児童・生徒が被害に遭わないための各種未然防止対策を積極的に推進をしてまいりたいと考えております。

○仲田弘毅委員 ぜひ子供たちが被害に遭わないように、親への警告も含めて万全を期していただきたいと思います。

 先ほど来県警察関係で、沖縄県飲酒運転根絶条例を含めて私たち一人一人が頑張らなくちゃいけない。これは執行部は執行部、議員は議員、自分の地域においてその取り組みを一生懸命頑張る必要があると思います。

 私は、今から7カ年前からずっとちゅらさん運動の裏方の1人としてちゅら海、ちゅら島、ちゅらうちなー、ちゅら人、人と島を、沖縄県をつくる ちゅらさん運動に力を注いできたつもりであります。ただ、残念ながら、本庁においても、各部局長がそのシンボルであるちゅらさんバッジをつけていない方々 が若干見受けられる。これは身なりをしっかりやることによって心がつながっていくと思います。ですから、私たちきょうここで集まった皆さんが範を垂れると いうことが一番大事である。まずは自分から酒気運転をやらない、そして自分の身近な人に酒気運転はさせない、こういうような運動を展開したらいかがなもの かと提案をして県警察に対する質疑を終わります。

 農林水産部にお伺いいたしますけれども、農林水産部長、先ほど来問題になっております米農家に対する戸別所得補償制度についてお聞かせください。

○比嘉俊昭農林水産部長 国の今の米の戸別所得補償制度につきましては、平成22年 度にモデル的に実施、平成23年度から本格実施することになっております。その内容といたしましては、米の生産数量に従って生産農家に対して10アール当 たり1万5000円を定額部分として交付し、米の価格が下落した場合に追加補てんを行うということと、あと1つは、主食用以外の米の、飼料用米とかを水田 で生産する農家、あるいはさとうきびなどを生産する農家に対しては一定金額を助成するということでございます。

 金額的に先ほど少し試算の話も出ましたけれども、沖縄県では大体1億6300万円程度が対象になるのではないかと思っております。

○仲田弘毅委員 ただいまの答弁は午前中の當山委員にも答弁がありましたけれども、 国頭地域の一部と先島地域の一部が本県では米農家として頑張っていらっしゃるわけですが、農林水産部の総合トータルの予算の中で、約12%、11.8%で すか、約67億円の予算の縮減があるわけですが、そのうちの62億円が農業基盤整備の予算であります。それだけカットされて、実際沖縄県の米農家への補償 の予定額が1億6700万円、これはもうメリットしては大変少ないものだと考えております。そのことを含めて、本県の基幹作物でありますさとうきびに対す る何らかの所得補償をやるべきだと思いますが、農林水産部長、いかがでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 米の戸別所得補償制度については、平成22年度はモデル事 業で、平成23年度本格実施ということになっておりますが、さとうきびについても米戸別所得補償制度のような仕組みができるように、これについてはやはり 沖縄県では基幹作物でございますので、それについても対象になるような形で要請あるいは調整をしていきたいと思っています。

○仲田弘毅委員 自分の畑を米農家に貸し付けをした、賃貸をした、そういう農家に対する補償はどうなりますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 米戸別所得補償制度による交付金の対象者は、実際に米やさとうきび、飼料作物の生産を行っている販売農家が対象になっておりまして、農地を貸し付けている地主については当該制度による交付金の対象とはなっていない状況でございます。

○仲田弘毅委員 農業農村整備関係の予算、先ほど来67億円の削減の話をやりましたけれども、本県における農業基盤整備の要整備面積と、あるいは整備率についてお聞かせください。

○比嘉俊昭農林水産部長 平成20年度までの農業基盤の整備状況は、農業用水源整備が2万2600ヘクタールで56%の整備状況でございます。それから畑地かんがい施設整備が1万5700ヘクタールで39%、圃場整備が1万8300ヘクタールで52%の状況となっております。

○仲田弘毅委員 御存じのように、本県は今から38カ年前ですか、本土復帰をして、 本県の農業基盤整備が本格的に行われたのは昭和47年度以降ということになりますので、本土より出おくれているというのはもうごく当然のことであります。 そのことについて、農林水産部長がこの出おくれをどういうふうにしてカバーしていこうとしているのか、その考え方をお聞かせください。

○比嘉俊昭農林水産部長 今、委員から御指摘がありましたとおり、沖縄の基盤整備に ついては本土復帰昭和47年から本格的に実施されまして、それでもやはり相当程度実施がおくれていまして、現在は6割から7割程度しか整備がされていない ということで、これにつきましては、12月にコンクリートから人へということで国から削減という状況の話があったときに、知事を先頭に沖縄の実情を説明し ております。そういう意味では、やはりこれから亜熱帯地域を生かした農林水産業を振興するにおいては、その基盤整備は重要でございますので、これについて は継続してしっかり予算がとれるように関係機関とも連携して要請をしていきたいと考えています。

○仲田弘毅委員 これは本土との出おくれをカバーするというのは至難のわざだと思 う。これは多分もう20年ぐらいの出おくれになるわけですよね。そういたしますと、知事部局とのお話し合いの中でも、高率補助がいただける間にぜひカバー をしたいというお話は聞きましたけれども、その沖縄振興特別措置法も時限立法でありますから、平成24年3月31日で失効するわけです。あと2カ年でこれ だけの圃場整備、あるいはかんがい設備がしっかりできるかというと、大変厳しいものがあると思うんです。そういった中において、平成23年度の予算に関し ても大変厳しいというふうに聞いておりますが、農林水産部長、その対応に対して率直な御意見をお聞かせください。

○比嘉俊昭農林水産部長 今現在、この前も沖縄21世紀ビジョンの中でも、沖縄の将 来、20年後ということでビジョンを書いているわけですけれども、いずれにしても、沖縄につきましては何らかの措置をする必要があるのではないかというこ とで、これは農林水産部としては、沖縄振興計画が平成23年度に終わっても、6割か7割おくれた分がありますし、島嶼県であるということも含めて、これに つきましては高率補助が引き続き継続できるような仕組みをやはり国にしっかり理屈を整理して要請する必要があるのではないかと思っています。

○仲田弘毅委員 沖縄振興特別措置法、沖縄振興計画を含めて、沖縄県の知事が従来 おっしゃっていることは、47都道府県の中の唯一の離島県として沖縄県が自立型経済の構築を図っていくためには農業の基盤整備をしっかりやらなくてはいけ ない。そして自給率を高めなくてはいけない。これはもう私たち県議会議員だれ1人として反対することもなく、また、自給率を上げるということに対してはみ んなが一致団結して協力するということでありますので、ぜひ本県の将来を見据えた沖縄県の自立型経済のためにも、第1次産業の筆頭であります農林水産部 は、関係部局全庁的に、特に観光立県を唱えている観光商工部は、観光と農林水産は表裏一体だと私は考えておりますので、沖縄は沖縄らしい料理でおもてなし をする、沖縄の海幸山幸で観光団をおもてなしする、これがやはり基本だと考えております。農林水産部長、ぜひ頑張って、よろしくお願いします。

○当銘勝雄委員長 嶺井光委員。

○嶺井光委員 ここまで来ますと、質問の内容が重なってきそうなんですが、少しでも角度を変えて、視点を変えて伺っていきたいと思っております。

 今、仲田委員、あるいは佐喜真委員からもありました。関連します。自立経済の構築に向けた産業の振興、今の沖縄振興計画、平成14年度から平 成23年度まで続くわけですけれども、あと1年ちょっと残るということになります。そういう意味ではこの自立経済構築に向けた産業、農漁業、大事な産業で あります。特に沖縄の特性を生かした農業、水産業を進めるという意味で、まず農林水産部長の考え方、決意、意気込み等をお聞かせいただきたいと思っていま す。

○比嘉俊昭農林水産部長 沖縄県の農林水産業は、食料の生産、それから離島県でござ いますので、国土の保全という観点からも重要でありますし、それから、やはり離島ですから、製糖工場とか、あるいは食品加工、そういったものも重要です。 それから、これだけ観光客が600万人来るという意味では、観光産業とも密接に結びつくような産業だということで、しっかりこれらについては対応する必要 があるのではないかということを考えておりまして、沖縄県農林水産業振興計画の中でも、ブランドの確立、生産供給体制、それから農林水産物の付加価値を高 めた流通販売確保、それと担い手の育成ということ、それから、農林水産基盤整備についてはしっかり取り組むということで考えておりまして、特に平成22年 度については、やはり現状が厳しい状況ですから、低コストの生産設備をいかに生産者が提供して、本土とも勝負できるような形の生産、コスト低減に向けた、 生産性を上げるような仕組みを考える必要があるのではないかということ、それから、特徴を生かして、やはりこれだけ海洋資源がございますので、海洋牧場と か、あるいはウミブドウと、地域にあるものを地域から生産できる仕組みを考えていかないといけないのではないのかということで、そういう取り組みを平成 22年度は考えていますし、それから、やはり600万人の観光客は加工製品をお土産として持っていく仕組みも重要ではないかと。今現在、地域にある素材を 生かした、掘り起こすということで、平成21年度から実施しますけれども、平成22年度に少し試験的にグレードを上げた形で、その加工製品の事業化を考え ていまして、そういう意味で加工を含めた雇用を含めて、平成21年度はいろんな芽出しを少し取り組んでいきたいと考えております。

○嶺井光委員 きょうも多くの委員から指摘がありました。今の重い決意、この指摘の あったきょうの議論をしっかり取り組んでいけばかなうだろうと思っておりますけれども、ただ、何度も指摘されておりますが、予算の問題、国の予算が92兆 円余り、これはかつてない予算で膨らんでいる中で、沖縄県の農林水産業費がこれだけ落ちているというのは大変な問題だと受けとめるべきだと思うんですよ。 これについてどう対応するかというのも指摘がありました。これはもう本当に県議会で一致団結をして抗議をするぐらいの、このぐらいの反応をすべきではない かなと私は思っています。

 要するに、この沖縄振興計画の政府の法定4分野である農林水産業振興計画、分野別計画、これが平成23年度までの目標数値があります。先ほど 佐喜真委員、あるいは仲田委員からも数値の確認もありましたけれども、この平成23年度の目標も、農業用水源整備率69%目標、ところが、さっきの実情は かなり下に低迷している。あるいはかんがい排水についても目標49%、今39%と言ったでしょう。これは平成23年度までの目標なんですよ。この先がある んですよ。100%ではない。それを考えると、平成22年度の予算がこれだけ落ち込むというのは、沖縄県の農業基盤整備、農家はどうやって農業をやってい くのか、あるいは農業自給率を上げるという国の政策をどうやって実現するかということにつながっていくんですよ。農林水産部長は、政府の考え方、コンク リートから人へという話をしておりました。農業はコンクリートですか。おかしいですよ。その見解を確認させてください。

○比嘉俊昭農林水産部長 国の方針としてはコンクリートから人へということで予算が 削減をされてきているわけですけれども、やはり基盤整備をしないと物がつくれないし、かんがい排水しないと、台風や干ばつが来たときにしっかり作物が育た ないという状況がございますので、農林水産部としては、生産基盤の整備は必要だということを強く訴えていきたいと。委員おっしゃるように、やはりしっかり 関係機関と連携して、この辺については実情を国に理解してもらうような形で取り組んでいきたいと思っています。

○嶺井光委員 農林水産部長、これはワジッてくださいよ。コンクリートは高速道路と かああいうものには言っていいですよ。農業をこんな扱いをされたら大変ですよ。そういう意味では、まず分野別計画についてしっかり政府、国が示した、認定 した事業、目標数値ですから、今の状態でも全く立ち行かないというのが数値をもって政府に向かってどうするのかとただしてもらいたい。その部分、どうです か。

○比嘉俊昭農林水産部長 今の基盤整備で言いますと、平成23年度が72%で、平成 20年度の実績からいきますと、平成20年度では圃場整備率81%に対して52%ですから80%の達成状況ではありますけれども、やはり計画をつくって、 それに向けて事業を仕組んでいるわけですから、そうすると、当然末端のほうでは農家がいますし、そういう意味では基盤整備をしていろんな作物をつくりたい ということの要望がございますので、そこについてはやはり国にしっかりその計画達成ができるような形の予算配分をお願いしたいということを強く要請したい と思います。

○嶺井光委員 この数値を示して本当に迫ってほしいと思っています。

 圃場整備はパーセンテージでは100にはまだ遠いですけれども、地形的なこういうのを考えると、やや整備は落ちついてきたかなというふうに私 は個人的にとらえています。しかし、農業はやはり水ですよ。かんがい設備ができないと、野菜、花卉、いろんなこういうのができない。そういう意味では絶対 かんがい施設までしっかりやってもらいたい、こう思っております。

 そこで、大城ダムの件で伺いたいんですけれども、今整備が着々と進んでおります。この大城ダムもかつては、かんがい施設の水資源としてつくら れたんですけれども、なかなかうまく機能的に生かされていないという面が私はあると思っています。農家が戸別にホースを引っ張ってやっているという実態、 これをしっかり整備をするというような立場をとるべきではないかと思うんですけれども、農林水産部としてどういう考えですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 南城市の大城ダムにつきましては、主にダム下流の水田に供 給するため昭和39年に築造されて農業用水のため池であったんですけれども、老朽化がひどいということで、平成19年度から県営ため池等整備事業の改修工 事に着手しておりまして、これは平成23年度には完了する予定であります。

 ダム改修後の水利用につきましては、最近の南城市の大城区を中心に畑地かんがい施設の整備要望が上げられていることから、今後、南城市、あるいは地元住民との調整を図りながら、これについては事業化ができるように検討を進めていきたいと考えております。

 また、ダム改修を契機に、地元からダム周辺の環境整備についても要望がございます。そういうことも聞いておりますので、これにつきましても事業主体である南城市と調整しながら畑地かんがいの整備もやっていきたいと考えております。

○嶺井光委員 ありがとうございます。ぜひ今やっている事業、事業は別だと山内農村 整備課長から聞いておりますけれども、あそこの整備が進んでいくと、地域の方々は相当期待していますから、環境整備、できれば親水公園とか、そういうふう になるようにやっていただければありがたいと思っています。山内農村整備課長、そこまで来ていますけれども、これは終わります。

 沖縄県家畜改良センターのことで確認をさせてください。沖縄県行財政改革プランで民営化という話がありました。これは今どういう状況になっているか、まず確認をさせてください。

○赤嶺幸信畜産課長 現在、改善プランを策定いたしまして、それに沿って事業展開しているところなんですけれども、沖縄県行財政改革推進委員会では引き続き今年度、その改善プランに従って事業を進めていると。その結果を見て改めて検討しようということになっております。

○嶺井光委員 このことについてはもう4年ぐらい前から存続をお願いしてきたわけで すけれども、なかなか結論は出ない、こんな状態で今来ています。実際に育成牛の引き受けはやっていると思うんですけれども、この育成している年間頭数、あ るいは北海道あたりからの導入牛の頭数、もしこれを、数値を持ち合わせていたらお願いします。

○赤嶺幸信畜産課長 現在の飼養頭数については詳細に把握していませんので、後で資料を御提供したいと思います。

 導入頭数なんですけれども、現在、平成21年度が150頭の見込みです。ちなみに、平成22年度も同じような頭数レベルです。

○嶺井光委員 導入150頭。育成は何頭ですか。

○赤嶺幸信畜産課長 沖縄県家畜改良センターへの導入頭数ですよね。

○嶺井光委員 農家が県外から導入する頭数と皆さんが育成してあげている頭数です。

○赤嶺幸信畜産課長 平成21年度は、これは補助事業で導入した分も入れまして、県外からの導入頭数が760頭です。我々のほうで県単独事業で組んでいる育成牛に対する補助頭数が今年度、平成21年度は50頭です。平成22年度が100頭の予定になっております。

○嶺井光委員 この県外からの導入牛に対する補助がありますよね。8万円。頭数200頭だったと思うんですが、違っていたら答弁で指摘してください。それに自家育成している農家への補助が6万円あったと思います。これは50頭だったと思うんですが、どうですか。

○赤嶺幸信畜産課長 平成21年度につきましては、県外からの導入に対しては100頭に対して補助金を出しています。自家育成が50頭です。次年度の平成22年度につきましては、県外導入頭数につきましては100頭、自家育成牛は50頭ふやしまして100頭の助成の予定になっております。

○嶺井光委員 この県外導入を私が調査したところによりますと、1頭60万円ぐらい かかるそうです。今これを8万円ほど補助している。ところが、農家の皆さんは結局更新する牛全体に対して支援を受けられていないんですよね。これは何とか ふやしてほしいという思いが強いんですよ。一時200頭だったと私はどこかで確認した覚えがあるんですけれども、今聞いたら100頭、どこで違っているん でしょうか。

○赤嶺幸信畜産課長 平成20年度は当初予定で100頭でした。ところが、整理不足を来したものですから、補正予算で100頭追加して200頭ということにしました。平成20年度の数字が200頭です。

○嶺井光委員 平成22年度が200頭ですか。

○赤嶺幸信畜産課長 いえ、平成20年度です。平成20年度の県外導入に対する補助頭数が200頭です。当初予算で100頭、それから補正予算で100頭、合計で200頭です。

○嶺井光委員 新年度は何頭ですか。

○赤嶺幸信畜産課長 平成22年度は県外導入に対して100頭、自家育成に対して50頭ふやして100頭にしています。

○嶺井光委員 結局県外導入は平成21年度よりは100頭減ったわけですよね。

○赤嶺幸信畜産課長 平成20年度に比較してです。

○嶺井光委員 平成20年度の比較ですか。途中でふやしたということになっています けれども、これは家畜改良センターでこれまでのように育成がお願いできていないというようなこともあって、そういう意味では自家育成ができない農家のレベ ルというのかな、土地のスペースがないとか、絶対的にできない方々がいるわけですよ。そういった農家を考えると、やはり県外導入をしっかり支援するような 形をぜひやっていただきたいんですけれども、補正予算を通してもう少し頭数をふやすというのはできませんか。農林水産部長。

○比嘉俊昭農林水産部長 先ほど説明したように、平成21年度は県外から100頭導 入していまして、それから自家育成50頭ということで、やはりみずから育ててふやしたほうが農家にとってはいいことではないかということで、県外、県内の 育成牛を100頭にして、合計で200頭という考え方で予算化をしております。

 今、委員がおっしゃるように、県外導入について、あと少しふやしてほしいという要望でございますけれども、これについては、今の家畜改良センターの供給量とか地元の話も聞きながら、ふやしたほうがいいのか、その辺、少し検討させていただきたいと思います。

○嶺井光委員 自家育成を50頭から100頭というのは評価していますけれども、自家育成できない、さっき言った、農場とか牛舎とか、スペースの問題でどうしようもない方がいるんですよ。こういう方々のためにやはり県外導入をもう少しふやしてもらいたいと。ぜひ御検討ください。

 県警察のほうに、日ごろ県民の治安維持、大変御苦労さんであります。この警察官の人数というんですか、これは基準とかそういうのがあるのか、全国的に比較して沖縄県の今の数はどうなのか、そこら辺をまず確認をお願いします。

○磯丈男警務部長 都道府県警察における警察官の定員については、警察法の第57条 第2項で条例で定めることとされておりまして、その基準は政令で定められております。本県にあっては警察官2571名が定員として条例で認められておりま す。人口の類似する他の県と比較しましても若干多いということになっておりますので、一定数の人員は確保されていると考えております。

○嶺井光委員 他県と比較しては一定数はあると。離島等々もあったり、あるいは基地があったり、対応の複雑化もあると思うんですよ。そういう意味ではしっかり充実した定員が確保されるべきだと思っております。

 もう一つ、警察署の設置の基準、要件とか、こういうのがあるのか、これをお願いします。

○磯丈男警務部長 警察署の設置につきましても同じく警察法の第53条第4項という ので、その位置とか名称について基準がございます。警察法施行令の第5条で、警察署の位置は、管轄区域内の住民の利便性、他の官公署との連絡、交通その他 の事情をしんしゃくして決定することという基準が示されております。本県におきましてもこの趣旨を踏まえて、条例によって各警察署の位置を決めているとこ ろであります。

○嶺井光委員 南城市、合併した市ですけれども、警察署がないんですね。これはバラ ンスの問題もあると思うんですが、糸満署とか豊見城署、あるいは那覇署、与那原署、そういう意味でどこかいい場所がないかなと思っているんですけれども、 これも意見として申し上げておきますから、よろしくお願いします。

○当銘勝雄委員長 翁長政俊委員。

○翁長政俊委員 まず、農林水産部長から質疑をさせてもらいますが、1つは、沖縄県の農業後継者の育成事業についてであります。

 本県は離島県で、ある意味では消費地からこれだけ遠隔にあるということは、換金作物をつくってもなかなか思ったような価格で販売ができないと いう悩みをずっと抱えておりまして、農業全体に対する厳しい現実というのはほぼ変わらないような状況にありますけれども、まず後継者の育成に当たって、こ れまで議会で皆様方の答弁を聞いていると、特に若者に対しての後継者事業というのは、今後の沖縄県の農業を育てていく意味で大変重要な事業の1つなんです よ。

 そこで、農業後継者を育成するために、農業大学校における実践的な教育を行ったり、さらには青年農業者等への講座を開いて後継者を育成しているということでありますが、大学を出たり講座を受けたりした方々の就農率を教えていただけませんか。

○本永忠久営農支援課長 農業大学校の卒業生の就農率ですけれども、まず農業に実際 に携わった方と農業関係の研修をした方を農業に就農したととらえて、ちょっとさかのぼりまして、平成20年3月に卒業した方は、その就農率が65.8%、 卒業者が38名で、そのうち25名が就農したと。それから、平成21年3月は、卒業生35名に対しまして22名が就農ということで、62.9%。それか ら、ことし3月に卒業した学生が39名いまして、就農したのが24名ということで、61.5%となっております。

○翁長政俊委員 これは大学を出た方と農業講座を受けた方とプールでの数字ですか。

○本永忠久営農支援課長 学生だけです。農業大学校は今2年課程と1年課程がありまして、その両方でございます。

○翁長政俊委員 農業大学校を出たのが今の数字ですよね。いわゆる青年に対して農業講座を行って、この方々も農業後継者育成事業の1つとしてやっているという答弁ですから、個々の統計はとられていませんか。

○本永忠久営農支援課長 農業大学校におきましては、他産業等から農業をしたいとい う方、いわゆる新規参入したいという方たちにサポート講座、夜間講座というのをやっておりまして、必ずしもそこの講座を受けた人だけの数字というのはとら えていませんけれども、新規就農者の数としては、平成18年の数字で274名、平成19年が203名、平成20年が260名となっております。

○翁長政俊委員 これが問題なのは、農業青年を育てていくという意味においては、認 定農業者や農業法人を立ち上げて大型農業をやっていく、さらには農業経営をやっていく、こういった形態をつくっていかないと、なかなか農業の付加価値が上 がらないというのか、農家自体の所得も上がってこないだろうというふうに見ますので、ある意味では、きちんと教育を受けたり講座を受けたりした若い人たち が本当に職業としてやっていくということが大事だろうと思っているんですよ。

 そこで、沖縄県の専業農家の数というのは把握しているんですか。

○本永忠久営農支援課長 これは統計数字がちょっと古くて、農業センサスによる数字ですけれども、平成17年で農業に就業している人口、販売農家になりますが、2万8224名でございます。

○翁長政俊委員 問題なのは、皆さん、これは平成17年の古い統計を持ち出している んだけれども、現実に沖縄で農業を振興しようということになると、直近の数字を出してきて、それで、他都道府県でもそうでしょうけれども、沖縄県の場合は 専業農家と兼業農家がいるんだよ。兼業農家というのは別に職業を持っているから、ある意味では農業に対する認識等を含めて、これで飯を食っているわけでは ないんです。一番大事なのは、専業農家がどういう形で営農を行って、そこでどういう形での生産活動をやっているのかというのが、沖縄県の農業を育てるとい う意味においては、そこに光が当たっていく農業政策をやらない限り、私は沖縄県の農業というのは伸びていかないと見ているから、ここを聞いているんです よ。

○比嘉俊昭農林水産部長 農業センサスが5年に1回ということでこの統計数字になっ ていますが、それ以外に、他産業並みの農家を育成するということで、これは認定農業者を育成するということでありまして、平成15年で言いますと、これは 延べで1527経営体がございましたけれども、現在、平成20年は2667名の認定農業者を育成する状況でございます。

○翁長政俊委員 そこで、農家の今の実情なんですけれども、今の農家の実情を見てみ ると、農家所得の向上を図るということで、皆さん幾つかの事業をやっているわけだよね。農家の皆さん方の農産物を外に出すと、これは大体7割が流通コスト だと言われているんだよ。この7割の流通コストをかけて出していって、農家が再生産に向けてそれなりの生活ができる所得が得られているかということになる と、ここが大問題でして、ここの部分をどうにか農業政策で軽減していかないと、農家というのはなかなか育たないんだよ。皆さんがやっているのは、生産農家 の向上、流通コストの低減、消費者ニーズの対応、多様な流通チャンネルを使っての販売促進等々幾つかあるんだけれども、具体的にどんなことをやっているの か教えてくれませんか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今、農業経営技術指導というのがございまして、仮にゴー ヤーで10アール当たりで見ますと、これは生産額で255万9000円。生産した方が実際に、これは肥料代から、包装、賃貸、農薬使用料全部入れまして、 船舶輸送でもし県外に出した場合、大体5割程度は生産コスト。ただし、その輸送コストにつきましては、これは生産コストで全部加えた数字になりますので、 船舶で持っていった場合は、これは全体の中の11%。それから空輸で持っていった場合は、その運賃だけの部分を取り出しますと、生産額の中の3割が輸送コ ストという状況でございます。全体から6割とか5割とかというのは、これは肥料とかいろんなものをひっくるめて、それが大体6割から5割という状況でござ いまして、県としては、そういう中でも輸送コストというのは大きいシェアを占めているので、これについては、飛行機、航空輸送で運んでいたものをできるだ け船舶輸送することによって、輸送コストが30%かかっていたのを11%に引き下げるというような、輸送コストについてはそういうことで取り組んでいま す。

 それから、販売については、沖縄から出る時期に、そういうゴーヤーだとかマンゴーがこういう時期に出ますよということで、販売のシステムを、 これは関係機関と一緒になっているんですけれども、販売についてPRしていますし、これについては販売促進の資材につきまして、この時期にこの品物が出る ということで、量販店でもインナーショップでモデルケースの販売をやっているような状況でございます。

○翁長政俊委員 どうも皆さん方の答弁を聞いていると、これは作文的になってしまっ て、具体的なことを聞くとすると、ハウス農業をして、それで出荷時期の拡大をやっていると言うけれども、では、おととしと去年がどう変わったのか、これは 多分実績があるはずなんだよ。実績がないと、こういったことを語れないから、これが1つ。

 先ほど農林水産部長が言う航空輸送から船のコンテナに変えたと。では、どれだけのものが変わったのか、この実績を示してください。さらには、 農業の直売店の問題は、今他都道府県でも脚光を浴びているんだよ。農家が直売店をつくって、そこに直接出すことによって、農家の手取りが上がったという実 績はもう既に統計上出ているんだよ。こういった農家の直売店をふやすということが沖縄県で現実に行われているのか、去年とことしとどうだったのか、一昨年 とどうだったのかというここの対比ですよ。

 さらには、農林水産部長の答弁から出てこなかったんだけれども、学校給食への地産地消がどれぐらいの規模で行われているのか、去年とことしと どう変わったのか、こういう実績を積み上げていかないと、本当の意味でのすそ野を広げる、農家の所得を上げるという、ある意味でのきちっとした対応になっ ていないということになるわけだよ。だから、ここの部分をしっかりと検証して積み上げていく努力を行政の中でやっていかないとうまくいかないのではないの かと思っているから聞いているんですよ。

○比嘉俊昭農林水産部長 今委員がおっしゃるとおり、計画をつくって、そこから実績 を確認し、それから改善すべきは改善するというようなことだと思います。先ほど話された中で、全体的な数字は持っていませんけれども、菊について申し上げ ますと、菊は、平成13年は74%が航空輸送されていまして、そのときの船舶輸送が25.7%でございました。それで、いろいろ輸送試験をしまして、でき るだけ航空輸送から船舶輸送してコスト低減を図るということで、平成20年は航空輸送が57.9%、船舶輸送が42.1%、できるだけ経費縮減ということ で、航空輸送については今取り組んでいる状況でございます。細かい数字は持ち合わせていませんけれども、そういうことで、航空輸送は航空輸送、生産性の向 上につきましては、例えば菊でしたら平張り施設がございまして、3月に1回しか出荷していなかったんですが、平張りを入れることになって―これは防風施設 ですけれども、入れることによって12月と3月も出荷できる、2回出荷できたということで、これについてもそういう考え方で整理しています。

 それから、野菜については、かなり鉄筋が大きいと、どうしてもコストがかかるということで、もう少し鉄筋を小さくしてコストがかからない仕組 みということで、過去に入れられたものと現在入れられているものを試算していまして、その何%をコスト低減するということの実証をしていますし、それを今 後導入していこうということも考えています。

 それから、平張りの中でも鉄柱でやると、どうしても今の需要を見て、鉄筋需要が高いものですから、木製の平張りを入れるとか、そういう取り組みもやっています。そういう意味では、できるだけコストを下げて生産性を上げるということも今やっているところでございます。

○翁長政俊委員 細かいことは僕はまた次の機会に聞きますので、いずれにしろ、換金 作物をつくっていって農家の所得を上げていく。農家の若い人たちが、ここから得られる所得で子育てができて、子供の教育ができて、生活の設計ができる、こ ういう農業じゃないと、若い人たちはここに飛びつきませんよ。こういうモデルをきっちりつくって、こういう形で農業をやれば未来があるんだという方向性を 見せていくのが行政の仕事ですよ。ここの部分が見えないものだから、若い人たちはここに入ってこないんだよ。だから、この部分はもう一度、私は次の機会に 聞きますから、ぜひ整理をされていてください。

 もう一つ、今度は警察本部長に質問させてください。

 私は二輪の駐輪場について何回か質問をしてきたんですが、今度、年度末で駐輪場ができて供用開始される運びになったという報道もあったようでありますけれども、状況を教えてくれませんか。

○當銘健徳交通部長 二輪車を対象とした駐車スペースにつきましては、二輪利用者や 沖縄県二輪車安全普及協会などの要望を受け、国際通りに接する道路に二輪車専用の時間制限駐車区間を12台分確保し、パーキングチケットを発給する設備を 設置した上で、本年3月8日に運用を開始しております。これは警視庁に次いで、全国で2番目に早い状況でございます。

○翁長政俊委員 全国で2番目に早いということで、私は画期的なことだろうと思うん ですよね。もう一つは、沖縄県は本当に二輪社会というのか、割と二輪が普及しているんですよ。50cc、60ccに乗っても、若い人からお年寄りまで乗り 回しているというのが現実でして、道路交通法が改正されてから、沖縄県においてのバイクの違法駐車の摘発率も高いと聞いていますけれども、実態はどうなん でしょうか、これは確認できますか。

○當銘健徳交通部長 まず平成19年は、二輪車の摘発されたものが9048台、平成20年が6672台、それから、平成21年度が6132台ということで、全体的に取り締まりされた人の大体20%から25%ぐらいが二輪車という形になっております。

○翁長政俊委員 全駐車違反の中の20%ぐらい、車も含めてそういうことですか。全国平均ではどうなんですか、特に二輪車の検挙率について比較したことはございませんか。

○當銘健徳交通部長 全国的に比較した統計はございません。

○翁長政俊委員 この二輪車の検挙される地域はどこに集中しているとか、こういった特殊なのがありますか。

○當銘健徳交通部長 具体的に分析した数字はございませんけれども、大まかに取り組み状況等々を見ましたら、やはり国際通りを中心とした那覇市内に多いというのが実態でございます。

○翁長政俊委員 これはどういう理由でこの近辺に多いと言われるんですか、わかる範囲で答えてください。

○當銘健徳交通部長 やはり那覇市内については密集地帯でございますし、駐車場そのもののキャパシティー自体が少ないという実態があろうかと思います。

○翁長政俊委員 これは店舗を含めて駐車場にもこういった施設がないのが問題だとい うことだろうと思うんですよ。ですから、公でこういったスペースをつくってやることが非常に大事なことなんですよ。この前、私が質問したときに、警察本部 長の答弁では、店舗や駐車場を今持っている皆さん方に、こういった二輪のスペースを確保するための要請行動ないし要望をしていくという御答弁がありました けれども、具体的にこういう動きというのはやっているんですか。

○當銘健徳交通部長 二輪車安全普及協会につきましてもそういう活動をなさっており ますけれども、県警察といたしましても、やはり駐車場の確保という観点から、公共施設等々については四輪だけではなくて二輪車のスペースも確保するように ということを要望しております。県庁の下の駐車場につきましても二輪の駐車場が確保されるやに聞いております。

○翁長政俊委員 それともう一つ、これを12台設置したということですが、今後ふやしていくということは考えておられますか。特に国際通り周辺のいわゆる繁華街にこれが必要だろうと思うんですよ。

○當銘健徳交通部長 今回設置しました駐車場の利用状況を見ながら、利用者の意見、県民の意見、要望等を踏まえつつ、やはり需要があるということであれば、拡大についても検討してまいりたいと考えております。

○翁長政俊委員 これは僕は現場を見てきたんだけれども、これはとめて、自分でお金を入れてやるの。

○當銘健徳交通部長 そばにパーキングチケット発給設備がございますので、これから チケットを買いまして、二輪車に取りつけるという形になります。駐車の場合にコインパーキングで、今、那覇市役所通りにお金を直接入れるものとチケットで やるものと2種類ございます。この場でチケットを買ってつけるという形になります。

○当銘勝雄委員長 新垣哲司委員。

○新垣哲司委員 農林水産部長にお尋ねしたいと思います。

 ウリミバエですね。これは質疑ではないんですが、沖縄県の農業にとって根絶あるいは防除したということで、つい忘れがちなんですが、皆さん方 の先輩は大変功績があったわけですよね。それに引きかえというのはおかしいんですが、松くい虫、大体類似しますので、そしてまた、先ほど前島委員から質疑 がありましたヤブガラシの件について質問したい、こう思っております。

 これだけの皆様方の先輩が、これは面積から放置数量から、事業費から解析から根絶まで延べ長大な費用がかかっております。こういうことができるんですが、昨今の松くい虫が発生してもう何年になりますか。そして、今までにどのぐらいの予算を投入されましたか。

○長間孝森林緑地課長 沖縄県で松くい虫が確認されたのは昭和48年でありまして、 それ以来、昭和48年からずっと松くい虫と闘ってきたというところでございます。発生して、そういうことを計算すると、三十七、八年になると考えておりま す。駆除に要した費用ですけれども、古い資料は持っていないんですが、平成元年から平成20年までの21年間に要した費用が67億円余りになっておりま す。

○新垣哲司委員 莫大な予算ですね。これからも場合によってはそれ以上の予算がかかるかもしれない。20年から21年かかって、このぐらいの予算を投じても撲滅ができない理由は何ですか。

○長間孝森林緑地課長 これぐらい防除についてなかなか根絶できない理由というの は、これは徹底的な防除が必要であるんですけれども、これには予算と労力、特に近年は被害が奥地のほうに入っていって、駆除に行くにも道路がないとか、そ ういう部分でなかなか行けない。そういうような部分がありまして、またもう一点大きな理由は、これは基本的には松くい虫の防除については、保全松林につい ては県、それから市町村がすることになっております。その他松林、要するに個人の松林、庭にあるものであるとか、自分の畑の周辺にあるもの、これは基本的 にはその所有者がするということになっているんですけれども、これはお金もかかるし労働力もかかる、また機械も必要、これはできないということで、なかな か徹底的な防除ができないというので、このようにかかっていると思っております。

 ただ、国頭村あたり、東村、大宜味村あたりでは薬剤散布と抜倒駆除、それから樹幹注入、これを組み合わせることによって、特に国頭村あたりではほとんど松くい虫の被害が終息しているという例を見れば、徹底的な防除をすれば対策はとれると考えております。

○新垣哲司委員 今森林緑地課長がおっしゃるとおりだと思うんですよ。当初一気に予 算を2億円とか3億円とか投入できなかったんですよ。これがずっと今日まで続いたわけですよね。だから、あの当時、卵が発生するときに一発でやれば根絶で きたのではないかな、こういう気がしてなりません。これは前段です。

 さあ、ヤブガラシです。これはつる性で非常にたちが悪い。前島委員からも話があったように、例えばこっちにセメントあるいはアスファルトの道 路があれば、こっちからこっちへ抜けていくというぐらいに、このヤブガラシは非常に繁殖力が強い。みんながヤブガラシ、ヤブガラシと言うが名前がはっきり わからない。私は10年ぐらい前からずっとこれを撲滅しないと農家が大変になるということで今日まで至っているんですが、これは本当に和名はヤブガラシと いうんですか。前島委員はキビガラシと言う、こういう話があるんですが、ヤブガラシでよろしいですか、営農支援課長、農林水産部長。

○本永忠久営農支援課長 ヤブガラシとはブドウ科でヤブガラシ属というのがありまして、そこのつる性の多年生植物となります。全国的に分布しております。

○新垣哲司委員 この件については、ずっと10年前から質問してきて、ようやくあり がたく予算をつけてくれているんですが、この予算の範囲内で研究、そして今、実際に皆様方はヤブガラシがあるところにおいて実験されているのではないかな という気がするんです。私もつい最近行ったんですが、この予算で大丈夫でしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 平成21年度では、今の現行の除草剤と耕種的防除を組み合 わせた防除技術の開発ということと、展示圃でもって何回か結果ということの予備試験はやっているところでございまして、平成22年度につきましては、もう 一回ヤブガラシの実態調査あるいは特殊性をしっかり調査していこうと。

 それから、防除の適用拡大ということは、既存のある薬剤を1回ではなくて2回すれば効果が上がるのかとか、これはヤブガラシに使う、あるいは さとうきびに使う除草剤以外の除草剤も少し試験をして、それが効果があるのかどうかということを今回試験する。それから、物理的防除ということでは、トラ クターなり耕運機なりでやってみてどうなのかということの試験を実施するということで、平成22年度は500万円程度を計上しておりますけれども、これで できるということではなくて、まずは実態調査なり既存のあるものをしっかりやりながら、できたらその予算としては、県単独で予算を確保できなければ沖縄特 別振興対策調整費という手もありますので、そういう意味では、平成22年度にどの辺までやればできるのかを含めて検討した上で、沖縄特別振興対策調整費な ども要求する必要があるというふうに考えております。

○新垣哲司委員 私が松くい虫の話を例に例えたのは、手おくれになったら困るんですよ。農林水産部長、これが発生する、土地に広がる、これは何が一番の原因ですか。土地改良とか、鳥が持ってくるとか、人は持ってこないと思いますけれども、そういうこと、それ以外にもあれば。

○本永忠久営農支援課長 ヤブガラシは種子と根で繁殖すると言われております。特に根はどの部分からも発芽するということで、ちぎれた場合、それが地面に舞っていますと、またそこから発芽するということで、非常に繁殖力が強い雑草であります。

 それからもう一つは、種子でももちろん繁殖しますけれども、それが場合によっては鳥で運ばれて広がるという可能性もあります。その辺もこれからいろいろ試験、研究しながら確認していく必要があるのではないかと思っております。

○新垣哲司委員 研究するのであれば、研究所と農薬会社にお願いするんですか。いろ んな薬を開発するように時間もかかるのであれば、予算もかかると思うんですよね。ですから、私がさっき言ったように、よくかけても松くい虫は当初は二、三 億円ですよ。今日までもう20年がたって67億円ですよ。こういうことにならないように、事前にしっかり薬を開発するというのが大事ではないかなと思うん ですが、その研究について、皆さんの試験場でやるのか、それとも薬品会社に委託するのか、私この質問をして10年余るんですよ。全く同じような答弁では困 る。皆さんを2回も現場に連れていって試掘して、1メートル50センチメートルから2メートルと長いのが下に潜って、2メートルありますよ。今皆さんが 言ったような除草剤は何回も家庭においてしてもなかなか根絶することはできない。早急にこれが必要なんですが、今言ったようにどこで開発するんですか。

○本永忠久営農支援課長 今、除草剤として登録されているのが10剤ありまして、そ れにつきましては、いろいろ適用をかけたり、1回しか使えないものを3回も4回も使えるような農薬の登録の拡大をしていきます。それから、さらに先ほど農 林水産部長からありましたけれども、除草剤はいろんな種類がありますので、その辺のいいものはないか。それについては農業研究センターで今大体目星をつけ ているのは、12剤ぐらいよさそうなのがありますので、その辺がヤブガラシに効くのかどうか、農業研究センターで試験をします。それから、やはり特効薬と いうんですか、新剤につきましては、これは農薬メーカーで開発していくんですけれども、県としても国等を通していろいろまたそういった新剤の開発について 要請していきたいと考えております。

○新垣哲司委員 営農支援課長、これは10年前の議論ですよ。4回やってもできな かったんですよ。これではだめだ、新しい薬を発見しなくてはだめなんだ。これは現実にやっているわけですから、土地改良のためにこれが入って、土地を捨て て全然やらないのが何名かいるんですよ。研究をやっている、今言うようなお話では根絶はできませんので、ずっと前から農業研究センターで、あるいは農薬会 社、こういう形でしっかり研究させないといかんよと。そして、今500万円で本当に何ができますか、これだけですか。これから何も考えていないんですか。 その辺、農林水産部長、しっかりした答弁をいただきたいですよ。

○比嘉俊昭農林水産部長 先ほど説明したように農薬の開発というのは農薬メーカーが やりますので、恐らくそれを使って試験して効果があるという話は、これは農業研究センターが農薬メーカーと連携してやるしかないと思います。ですから、そ ういう意味では、農薬を開発するのに相当程度のお金は必要になるかと感じておりますので、これについては、県独自だけでは厳しい状況にあるので、やはり国 も巻き込んで、農薬メーカーも入れて、どういう形が早急に解決できるのか。この500万円の予算も使いながら、また新たな予算についても検討していきたい と考えています。

○新垣哲司委員 農林水産部長、これは内地にも、国会議事堂の前にもたくさんあるん ですよ。各都道府県にあるんですよ。これを国に持っていって相談するなんて、かえって怒られますよ。国は相談もしませんよ。ほとんど回ってみても、各都道 府県にありますよ。ですから、さとうきびの場合はこれがつるで倒しても起きると思うんですが、収穫ができない。野菜は切るからまだいいですよ。こういうこ とだから、今予算について国に相談するなんて、各都道府県にあるのを、国はこういう話に絶対乗らんと私は思いますよ。独自でしっかりした予算を組まないと いけない、こう思って終わりますが、最後に、決意をどうぞお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 農家が困っていることですので、これは県単独もあるし、沖縄特別振興対策調整費という意味では、県と内閣府との関係で予算もあるという状況ですので、県単独も含めて、それから沖縄特別振興対策調整費も含めて、さらに検討していきたいと思います。

○当銘勝雄委員長 20分間休憩いたします。

   午後6時30分休憩

   午後6時50分再開

○当銘勝雄委員長 再開いたします。

 休憩前に引き続き、質疑を行います。

 具志孝助委員。

○具志孝助委員 農業問題、なかなか私は門外漢で、全く知識が足りないんですけれど も、まず、今回、民主党が出した目玉政策の1つだと思っておりますが、農家戸別所得補償制度ですね。日本の代表的な農産物、米に対する所得補償をしようと いうことです。食料自給率を高める目的もあるというように聞いているんですが、この辺が私の知識のないところなのか、こんな所得補償をしていて、本当に農 業の振興につながるのか、こう思っているんですが、いかがですか。戸別所得補償制度というのは、将来の農業産業に資することができるんですかね。

○比嘉俊昭農林水産部長 国は、米の戸別所得補償方式ということで、平成22年度か らモデル的に実施、平成23年度から本格的に実施するということでありますけれども、これの内容は、米の生産数量に従って、生産する農家に対して10アー ル当たり1万5000円を定額の部分として交付し、米が下落した場合に追加補てんということで生産費がありまして、その中で、まず一定の1万5000円を 払って、さらに価格が生産費を割った場合は補てんするということです。どちらかというと所得補償方式という形になっておりまして、これはモデルですから、 これからいろんな形で意見を聞いて本格実施ということになると思いますので、これからの状況を見ながら、県は対応することになります。

 いずれにしても、農家にとっては生産費を償うということの1つの方法ではないかと感じております。それから、実際やっていきながら、どういう形になるかというのは、県としてもいろいろ注視していきたいと考えております。

○具志孝助委員 要するに農業、米作を奨励するというような目的があるかと思ってい るんですが、そうであるとすれば、減反政策を早目にやめたほうが、もっと農業、米作に対する政府の姿勢を示すことになるのではないかと思うんですが、時代 の流れは貿易自由化というような流れだと思うんですね。生産者をこういうような形で保護していくことは世界の競争に勝っていけるような力をつけることにな るのか、逆ではないのかと思うんです。こういう私の考え方は結局間違っているということになると思うんですが、どうも納得いかないので、私にもわかるよう な説明を願いたいですね。

○比嘉俊昭農林水産部長 国は食料自給率を上げるということで、その場合はしっかり農家所得を確保することに恐らく目標を置いてその制度をつくっているのではないかという感じはします。

 いずれにしても、今、外国の中でも自国のものは自国で消費するという形の政策もありますので、そういう意味では、やはり日本の中でもしっかり 自給率を上げて、自国で確保するという視点でこういう戸別所得補償制度も実施したいと。ただ、平成22年度はモデル事業なので、これから現場を出て、また いろんな形で意見を聞いて、その上で本格実施になるのではないかと思いますけれども、そういう意味で、我々としては所得を上げるということについては、 しっかり農家所得を確保するという意味では1つの選択肢であるのかなという感じはします。いずれにしても、沖縄県にこれを適用する場合に、しっかり適用で きるような形の仕組みは考えていかないといけないんじゃないかと思っておりまして、そういう意味では、生産拡大なり、それにつながるような仕組みになれば と思っております。

○具志孝助委員 沖縄の農業にとってみれば稲作というのは少ないわけですから、それ に結局犠牲になった形で農業基盤整備事業の予算が大幅にカットされたと。これはこれまでもずっと説明の中で承知しておるんですが、結局言えることは、少な くとも沖縄農業にとっては、沖縄県にとっては、今回の戸別所得補償制度というのはマイナスだと、端的にそれは言えますよね。

○比嘉俊昭農林水産部長 当初、国は、これからまず手始めに戸別所得補償制度をやっ て、平成22年度のモデル事業を踏まえ、あるいは平成23年度本格事業を踏まえて、それからほかの作物も検討するということになっているようですので、こ れについては、我々も今のさとうきびが乗りおくれないように、それについても所得増収になるような形で、国の制度のあり方についてもいろいろ注視しなが ら、しっかり乗りおくれないような形にしたいという感じを持っています。

○具志孝助委員 このさとうきびの話は後でやろうと思っているんですけれども、少し 大きく出たわけですが、沖縄農業の展望というんですか、これから沖縄の農業をどういうぐあいに振興させていくか、第1次産業の食料の自給化というのは大変 大事なことですね。どうしても守り育てなければならないということは言うまでもないんですよ。そういう中で、沖縄の農業の中で、よくさとうきび、パイン アップルと畜産が覚えられているんですけれども、農産物として将来性はどうなんですか。どちらのほうが可能性は大きいと思いますか。すべて大事ですよ、そ の中でも有望というのかな。

○比嘉俊昭農林水産部長 沖縄の気候風土からいきますと、気候風土もありますし、そ れから島嶼県ということもありますし、離島だということもありまして、やはり気象条件というのはかなり大きなウエートを占めているのではないのか。それと 輸送性の問題もあります。そういう意味では、まずは今はさとうきびというのは基幹作物から外れることはないのではないか。これはまず1つは、台風、干ばつ にも強いですし、それから輸送性にしても、島で1つの産業として完結できるという意味では非常に重要な作物であるのではないか。しかも、パイナップルも本 土ではつくれない作物で、特に酸性土壌に強いということもあるし、また台風、干ばつにも強いということでは、基本的な作物としてはさとうきびとパイナップ ルというのは重要な作物ではないのか。その上に立って、沖縄の農業の展開と。要するに付加価値分を展開するとなると、今の気候を生かした冬春期なり、ほか ではつくれない熱帯果樹とか、基本はさとうきびとパイナップルがあって、その上に野菜とか花とか、そういう付加価値分が乗っかって農業の形ができてくるの ではなないかという感じはします。

○具志孝助委員 この皆さんの資料を見ていると、農業の生産の中でさとうきびが占め る割合というのはそう大きくはないんですね。確かに沖縄の特異性という意味では競争力はあるかもしれないけれども、これは政治的産物ですよね。政治加算が ないとやっていけないということですよね。本来世界の砂糖は10分の1ぐらいで入るけれども、これを政治的に保護してもらっている、こういうことですよ。 そういう意味では、ちょっと話し方に誤解があってはいけないんだけれども、さとうきびの将来性と、本当に沖縄の基幹作物として位置づけられるかというのは 大変不安があると私は思っているんです。特に民主党は、今FTAは避けて通れないだろうと。むしろ積極的に受け入れて、もっと消費者の側に立った農業も考 えなくてはいかん、こういうような従来の自民党政権と少し違ういわゆるスタンスだと思っているんです。

 この自由化について、この前の日豪のEPA交渉は決裂したわけですが、FTA、EPAの今の状況、私はいつまでも今の状況はいかんと思っているんですね。まず、このEPA交渉、あるいはFTA交渉は近い将来にまた出てくるのかどうか、どのように認識していますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今の現状ですけれども、我が国のEPAの状況は、まずアジ アを中心に11の国で地域協定が結ばれています。ただ、我が国の重要品目である、米、牛肉、砂糖、パイナップルなどについては関税撤廃の対象から除外され ている状況があります。また、最近では、特にオーストラリアとのEPA交渉については、これまでに10回の会合が行われたわけですけれども、オーストラリ アの側が農産物の関税撤廃を要求したのに対し、日本側は撤廃に応じない旨の主張をしている状況でございまして、まだ進展はしていないという状況がありま す。

 あと、最近、アメリカとのFTA交渉がございまして、これについては、仮に、米国とのFTAが締結されて、我が国の重要品目の関税が撤廃され た場合は、国内の農業生産の減少や関連産業への影響、あるいは就業機会の喪失などが見込まれるということで、特に沖縄の場合は沖縄の重要作物であるさとう きび、肉用牛、酪農、パイナップルなど、本県の重要な農業が壊滅的な打撃を受けるということです。これについては、これまで国に対してEPA交渉について は砂糖など重要品目を関税撤廃の対象から除外するなどの例外措置の確保について強く要求しているところでございまして、現段階ではFTA交渉の動向につい てはまだ見えない部分があるので、国の対応を踏まえて、しっかり対応していきたいと考えております。

○具志孝助委員 確かにFTA、EPA交渉が進んでいくと壊滅的だということで、一 昨年でしたか、奥武山公園で1万人大会を打ちましたよね。我々も参加しましたよ。大変なことだと思っているんですが、しかし、これはもう時代の流れだと思 うんです。ただこれを阻止するとか、その品目から除外するとかというような小手先のものではなくて、生き残る作戦ということを一方では考えなくてはいかん と私は思うんですね。

 そこで、話を前に進めるんですけれども、実は平成17年に県議会の海外の視察の中で、オーストラリアのクイーンズランド州といって、北東部の ほう、そこのクイーンズランド州のケアンズという町へ行きました。人口が十七、八万人ぐらいの都市ですが、そこは観光と農業が大体主要産業なんですよ。沖 縄県と似たような産業形態を持っているということで訪ねたわけですが、そこへ行ってみたら、そこも沖縄と比較にならないぐらいにさとうきびの生産がすごい んです。ところが、さとうきびはどうしようもないといって、どんどん離農していっているというんですね。ここにこれまで土地があって、さとうきびは砂糖だ けつくる特化された品目であったけれども、これからは多用途につながるようなものが開発されたということで、これがそうです。農林水産部長のところにも先 ほど商品を届けたんですが、さとうきびの搾りかす、すなわちバガスから食品繊維を抽出する、こういうことなんです。

 これを簡単に言うと、これを抽出し、これを製品化して市場に出すと、今、さとうきびはトン当たり2万2000円ですか、2万3000円です か、こんなものですよね。これがバガスを搾って、これを商品化していけば、これ以上のもので買い取って引き合うというんです。これぐらいの付加価値の高い 食物繊維をこれから抽出することができる。今さとうきびは政府買い入れ価格が2万二、三千円でしょう。生産者価格、生産者の手取りというのはトン当たり幾 らぐらいですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 現在はトン当たり2万2300円です。

○具志孝助委員 それで、私は平成17年にオーストラリアに行ってその話を聞いて、 農業団体を訪ねてこの話をやったんです。沖縄関係者が行ってやっていますからね。ところが、もう話にならなかったですね。今きちんとルートに乗ってやって いるわけだから、こんな話を持ってきたら混乱する、こういうような状態で全く受け入れなかったわけです。私がきょうこの問題を取り上げたのは、農林水産部 長のほうで、これをぜひとも1回研究してもらいたい、呼んで話を聞いてもらいたいと思っているんですが、いかがですか。

○比嘉俊昭農林水産部長 さとうきびの砂糖以外の利用については、宮古島ではE3の ガソリンですか、アルコールをつくっています。それから、県でも一応総合利用ということで、さとうきびの砂糖をとった後に、あるいはとる前に、茎がありま して、そこの茎の周辺に有用物質があるということで、これについては機能性が高いということで、そういう直近の性能データも出ています。それから、さとう きびの砂糖をとったファイバー、これはバガスですけれども、そのバガスを利用して、それを1つの製品化をして、これは便秘に使うとか、そういう話も今試験 的には出てきていまして、将来は当然さとうきびをつくりながら、そういった付加価値分もやる研究については重要ではないかと思っています。

○具志孝助委員 これはコアファイバーと言っているんですが、全く味がない、香りが ない、無色であるということで、多用途で何にでも使えると。それでいて栄養価値とか商品価値がすごく、化粧品にも使えるし、医薬品にも使える、こういうこ とで、大変付加価値の高い商品だと聞いております。どうも捕鯨―クジラの捕獲の問題で、オーストラリアとかなり厳しくぶつかり合っている。こういう中で、 EPA交渉も駆け引きされながら、いつまでも今のような状況ではいけないと思います。いずれにしましても、今のようなさとうきびの政治加算でやっていける ような状況では、絶対将来は厳しいと思っているんです。だから、付加価値を高めていくような農業に転換していく努力を怠ってはおくれをとる、このように思 いますから、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。決意を聞いて、終わります。

○比嘉俊昭農林水産部長 さとうきびについて説明を少しだけ補足させていただきたい んですけれども、これは平成17年に直接額というと143億円出ていますが、これは波及効果というのが一番高くて、さとうきびの場合は4倍程度ございまし て、それからすると、実質の143億円が、これはいろいろな関連会社とか船会社に使うと613億円ぐらいの波及効果があるということでは、さとうきびを守 るというのはやはり重要ではないかと思っています。その砂糖をとった後の付加価値についてはやはりプラスアルファの部分ですので、当然砂糖をとったいろん なさとうきびの木には有用な物質があると聞いていますので、それについてもやはり研究する必要があると考えております。

○当銘勝雄委員長 照屋大河委員。

○照屋大河委員 事前にやりとりさせていただいた質問の項目については随分重なりますので、まず農林水産部長からお聞きしますが、これまでの答弁をもって質疑をやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 まず、きょう1日出ましたマンゴーとかシークヮーサー、あるいはモズク、そういった沖縄産の物産の販路の拡大、しっかりやっていただきたい。 特にきょう議論されましたが、モズク。みずから生産の量を規制しながら、あるいは台湾などで人気がある、ニーズがある、需要があるということでは、なかな か生産者は納得いかないところがあります。ある法律があって罰せられずに、約束した量ではなくても生産して持っていく皆さんがいるというのもありましたの で、県が販路の拡大、その流通の確保とかしっかりやっていただきたい、これは要望しておきます。

 それから、たくさんの皆さんから出ました予算の件で、農地費、基盤整備事業等に関する大幅な削減ですね。農林水産部長はコンクリートから人へ という政府の予算方針の中で、対前年度比、農業農村基盤関係予算が沖縄県で39%、しかし、新たな交付金の創設により75%までは確保したということであ りました。そして、その確保した予算の中で、継続事業、新規事業等を優先的に、あるいはしっかりめどづけをしながらやっていきたいという答弁だったんです が、この継続事業として残る事業の数というのを教えていただけませんか、数で結構です。

○知念武村づくり計画課長 農業農村整備事業の継続地区は176地区となっております。

○照屋大河委員 先ほどの答弁を受けて、インターネットで新たな交付金、農村漁村地 域整備交付金というのを調べさせていただきましたが、この交付金は基盤整備事業、圃場整備事業などに使えるようですが、国から都道府県に交付された交付金 は都道府県みずからの裁量によって地区ごとに配分するという規定があるんですよね。先ほど言った176の地域、かなりたくさんの数が残るわけです。県が交 付された交付金、県みずからの裁量で交付するわけですが、地域との話し合い、あるいは優先順位づけとかそういう計画を立てて、地域が納得いくような形で、 理解が得られるような形で進めていくべきだと思うんですが、農林水産部長。

○比嘉俊昭農林水産部長 新しい農村漁村地域整備交付金については、今委員がおっしゃるとおり、県の裁量でという話が出ていますので、今の残っている継続事業については、当然地域の優先順位があると思いますので、その辺はしっかり調整しながら使い方を決めていきたいと思います。

○照屋大河委員 一方、この交付金、生産基盤整備の一部事業については、市町村への直接交付も可能ということであるんですが、市町村との連携の中にこういった説明、あるいはもう既に市町村はこういった交付金の中身、内容というのを承知しているのか、その辺について伺います。

○知念武村づくり計画課長 今の交付金の概要については正式にはまだ公表されていな くて、今仕組みというのを農林水産省のほうで検討している最中で、その途中のものが現在インターネットに出ているということで、細かい要綱等についてはま だ示されておりません。我々は市町村とも意見交換をしながら、今後の対応、もちろん市町村等も心配していますので、この辺がはっきり示された段階で、きち んとした説明会をやって周知していきたいと思っております。

○照屋大河委員 結局、対前年度比75%なんですよ。先ほど農林水産部長からもあり ました全国の基盤整備の割合、沖縄県の割合としても6割、7割、あるいは振興計画の中での期間もあとわずかという時期にあって、全体の75%の予算という ことであれば、市町村も不安を抱えると思うんですね。しっかりその話し合いをして、あるいは村づくり計画課長は市町村と間近に相談される立場だと思うんで すが、政府の方針、仕組みが整ったら、早目に市町村と連携して、勉強会というんですか、そういうのをやっていただきたいと思うんです。

○知念武村づくり計画課長 今委員おっしゃるように、市町村も予算の削減については大変心配なさっていますので、早急にそういう会議等を持ちまして、市町村と連絡を取り合って対処していきたいと思っております。

○照屋大河委員 続いて、はるさー定着促進事業とか若い世代の農業への関心、あるい は農業大学校を卒業して就農率は幾らかとかという質疑が続きましたが、農林水産部長はギャルというのを御存じですか、派手な格好をした若い女性、20代前 半とか10代後半の女性などがそういう呼ばれ方をするようです。本土での話ですが、そういった彼女たちが農業に参入して米をつくって、ギャルと言われる人 たちが象徴される町、渋谷の町のシブヤ米というふうなもので農業にかかわっていっているという報道があるんですね。その中身を見てみると、ふざけているわ けではなくて、まじめに農業に取り組んでいる。先日、沖縄でも、これまで特に農業の勉強をしてこなかった若い女性が、沖縄本島北部地域だったと思います。 2人で土地を借りることから、あるいは水道を引くことから自分たちでやりながら農業に参入していくという報道があったんですが、そういったのを把握されて いますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今おっしゃったような話は私は聞いていませんけれども、た だ、今、実は農業大学校ではこういう仕掛けをしていまして、農業大学校の学生と農業生産法人としっかりと面談をしまして、その面談の中で、それぞれがプレ ゼンテーションしながら就職できるかできないかということをやっていまして、何名かはそこに入って、今農業を実際やっているところがあります。それから、 農業生産法人に就職して、農業生産法人の地域のリーダーですので、そこで働いて、そこからのれん分けという形で後継者が生まれているということがありま す。我々としては、基本的には信用と農地の確保が重要ではないかということで、ことし―平成22年度から農でグッジョブというのが、まさに卒業した後に本 当に定着できるか。できるような仕組みとしては、基本的にはやはり信頼と農地の確保ではないかということで、その事業に今取り組もうということで考えてお ります。

○照屋大河委員 見られていないということですが、東京都の話はちょっととっぴかも しれませんが、今の時代、若い人たちの間で農業に対する見方に少し変化があるような気もしています。先ほど言ったような取り組みもずっとありますが、そう いった変化にも十分に対応して、またこういった視点から新たな農業参入者の拡大もやっていただきたいと思います。地域で農業を今なさっている方々に、2代 目、3代目、後継者づくりの悩みというのを聞きますと、若い世代はやっぱり多少土地が、あるいは農業をする場所が整備されていないとなかなか入ってこない んだ。自分たちがやったように、厳しい、土地を耕してとか開拓してとかということでは、今の若い世代の人たちはなかなか入ってこないという悩みも抱えてい るようですので、先ほど言った厳しい予算の中ではありますが、しっかり基盤整備ですね。特に委員の中からもありました、地域によっては農業基盤整備、そし て農業自体が地域生活、社会の活性化にもつながるところが多いです。田委員からは、国頭村、離島という話もありました。たしかうるま市にも176の事業 があるはずです。その中に農業をする場所も人たちもたくさんいますので、そういった面では、厳しい予算の中でしっかり頑張っていただきたいと思いますの で、これは要望しておきます。

 続いて、警察本部長に伺いたいと思います。

 県警察は、ことし2月、那覇市松山でバカラと呼ばれる賭博事件を検挙、摘発したようですが、この事件の概要について説明を求めます。

○山入端辰次生活安全部長 本件につきましては、複数の匿名者からの通報を受けて確 知をいたしまして、内定捜査の上、本年2月3日、那覇市松山在のアミューズメントクラブにおいてバカラ賭博を行っていた店舗を摘発し、従業員9人を賭博開 帳図利罪の幇助で現行犯逮捕、顧客11人を単純賭博罪で検挙しております。その後の捜査で、さらに実質経営者等4名を賭博場開帳図利罪で通常逮捕するな ど、合計24人を3月5日までに那覇地方検察庁へそれぞれ事件送致をしたところであります。

○照屋大河委員 報道によりますと、この店は1995年にオープン、いつごろからこ の賭博をやったのかわかりませんが、数年前にも沖縄市で同じバカラ賭博での摘発があった記憶を持っています。そういう意味で、本県におけるバカラ賭博の実 態というんですか、そういうものを把握されていますか。

○山入端辰次生活安全部長 過去10年間のうちのバカラ賭博での検挙状況は、委員言われたように、平成17年に沖縄市の池原でバカラ賭博の検挙を1件いたしました。今回を含めて2件検挙したという状況であります。

○照屋大河委員 この捜査は、今回の件について捜査が入る直前の17日間で、客から 徴収した額が約1億7000万円、多いときで3000万円から5000万円のこの店の収入だった。そして利用客は一晩で200万円から300万円もうける 人もいたという報道での数字がありますが、この数字には間違いありませんか。

○山入端辰次生活安全部長 金額等々については、現在、資料等を分析中であります。

○照屋大河委員 報道からは、これだけの金額が出ていて、暴力団との関係、そういうことの関与なども疑われていますので、しっかり捜査していただきたい。

 もう一方、その報道からですが、押収した名簿、1650人の氏名があったようですが、その約4割が観光客、残りの多くが県内の大手企業の経営者や重役ということで報道されていますが、この数字はいかがですか、間違いありませんか。

○山入端辰次生活安全部長 現場で押収いたしました会員名簿等々約1650人のうち、おおむね4割程度は他都道府県出身者と思われます。

○照屋大河委員 他都道府県からの観光客が約4割、この実態についてぜひ調べていただきたいのは、沖縄に来る段階でこのバカラ賭博が目的だったのか、あるいは沖縄に観光に来て、そこにこのバカラ賭博をやる仕組み、組織づくりがあるのか、その辺はいかがですか。

○山入端辰次生活安全部長 その件につきましては、現在、捜査継続中でありまして、答弁は控えさせていただきたいと思います。

○照屋大河委員 こういった悪いイメージは、観光立県沖縄にとって1つもいいことが ないと思いますので、しっかり捜査していただきたい。カジノ構想もある中において、カジノが一部地域ではなくて波及する、沖縄全体に与えるイメージもあり ます。これは別の担当課ですが、皆さんのほうはしっかり捜査をしていただいて、カジノとの関係はまた改めて聞いていきたいと思いますので、捜査のほうをよ ろしくお願いいたします。

○当銘勝雄委員長 崎山嗣幸委員。

○崎山嗣幸委員 先ほどから農業農村整備が、沖縄県はおくれているにもかかわらず、 新年度、政府からの予算が大幅な削減をされているということでありますが、極めて残念なことだと思っております。農林水産部長の先ほどの答弁では、平成 22年度の新規事業だとかはほぼ確保したけれども、継続事業が延長されるということで、この間話があります。この継続される事業そのものに対しての関係が 気になります。この予算書で見る限り、土地改良費が37億円余り、14.6%の削減があります。具体的に新規の予算の中における37億円に対する削減され ている影響がどこに起こっているのか、あるいは農地防災事業も5億円余り、14.6%の削減をされておりますが、この事業に見る削減分は影響があるのかど うか、まずは聞きたいんですが、よろしくお願いします。

○知念武村づくり計画課長 先ほどから農林水産部長が基本的な方針等についてお答え しているところでございますが、まず今、新たに平成22年度に入ってくる新規地区が41地区あります。完了地区と予定されているのが51地区、先ほど申し ましたように継続地区が176地区。この完了を予定している51地区については、もう既に農家の方々は完了を予定して、いろんな計画、関連事業を入れたり とかありますので、しっかり完了をさせていくようにしたいということと、新規もそれぞれ合意形成を図って、ことし採択という約束をして、農家の方々の計画 もいろいろありますので、事業を始めたいと。その中の176地区については、農林水産部長からもあったんですが、圃場整備とか、あるいは畑地かんがい整備 を入れるとか、そういう生産に直接結びつくようなところについてはしっかり優先的に予算をつけたい。あと、圃場以外、直接関係しない周辺の附帯設備である とか、例に挙げれば沈砂池であるとか、農道であるとか、そういうことについては完成形ではなくて、できるだけ暫定的なことも含めて予算を後回しにするとい うか、調整がつけば、そういうことを地域と調整を図っていきたいということでございます。

○崎山嗣幸委員 この項目で何に影響を受けているのかについて私は知りたかったんですが、それはおいておきましょう。

 それと、先ほど平成27年度までに沖縄県土地改良事業団体連合会が赤字解消に向けて再建計画をするということで、午前中お話がありましたね。 この再建計画を含めて、今言う、今年度国が削減された分の打撃として、沖縄県土地改良事業団体連合会にも、この再建計画に影響はあるんですか。

○知念武村づくり計画課長 土地改良事業団体連合会の運営は補助金部分ということ で、土地改良調査計画費の中の団体調査設計経費という補助金がありますが、その分については、ことしは満額の手当てがされております。その他、運営のため に会員から、例えば測量とか設計とか請け負っていますが、これは約束されたものではなくて、土地改良事業団体連合会の営業によって獲得してくると。それ と、県からも一部設計等の委託が行きます。その辺も発注者側で土地改良事業団体連合会がいいのかどうかという判断をして発注していくんですが、例年並みの 実績等からいって、今、全体予算が75%ぐらいになっていますので、ある程度影響がないとは言えませんが、土地改良事業団体連合会としてもその辺はもう承 知していますので、仕事の受注に向けて努力をしていって、その再建計画に影響が出ないような格好で努めていくという話は聞いております。

○崎山嗣幸委員 そのような状況の中で、造林緑化対策費というのが2億円余り増額になっておりますが、この増額にした事業についてお答えをお願いします。

○長間孝森林緑地課長 平成22年度の造林緑化対策費4億4836万9000円は、 対前年度と比較して9162万2000円、25.7%の増となっております。増となった主な事業の内容は、市町村等が実施する造林事業の補助金で、人工造 林とか樹間伐とか衛生伐、こういう部分に充てる費用ということで増になっております。

○崎山嗣幸委員 今言われている増額分は、この予算書で見る2億150万2000円の話でありますが、それは今承知の上でお話ししているんですけれども、この額を聞きたい。

○長間孝森林緑地課長 造林緑化対策費の平成22年度予算額6億6812万6000 円には、造林補助費と、それからもう一点、これは緑化関係の事業も入っておりますので、平成21年度に比べて2億150万2000円の増、43.2%増と いうことで、緑化関係のグリーンコミュニティー支援事業が造林費の目の中に入っておりますので、43.2%の増になっております。

○崎山嗣幸委員 その他厳しい中で何でこれが入ったのかなということで率直な疑問だったんですが、今言っている話でもよくわからないんですが、これはちょっとおいておきましょう。

 先ほど、農林水産部長が新規の雇用に全体的に影響するということで、5億7000万円余りの事業で300人の雇用が図られるという話がありま して、それから若者の農業への定着という話もありました。新規の事業の中で若者の新規就農事業を推進するということで提起しておりますが、この若者の新規 就農事業の中身とこれの目指す成果を説明してもらいたいと思います。

○本永忠久営農支援課長 平成22年度から農でグッジョブ推進事業ということで、まず、いろんな関係者から成る推進委員会を設置しまして、将来の担い手の総合的な対策はどういうのがいいかというのをいろいろ検討しながら事業を進めるということです。

 具体的には、新規就農相談センターにおいて他産業から農業につきたいという方を対象に、就農するにはこういうふうにしたほうがいいですよと、 就農に向けてのコーディネートというんですか、いろいろ相談をすると。それから、就農に誘導するような技術の講習会、研修会、サポート講座と呼んでいます けれども、そういったサポート講座を実施する。それから、指導農業士といって、各地域にはベテランの指導農業士がいらっしゃいますので、そういったところ で研修をしていただくとか、もう一つはチャレンジ農場というのを設置しまして、そこで実践研修をしていただくというような事業を実施する計画であります。

○崎山嗣幸委員 この講座とか相談とかということの事業の規模はどれぐらい想定されていて、目指す成果というのか、どこまで到達させようとしているのかを含めて、これは直接若者の雇用につないでいくのか、あるいは将来に向かってのことなのか、少し具体的に説明をお願いします。

○本永忠久営農支援課長 ここ数年、新規就農者の数が大体250名から260名ぐら いですので、そういった新規就農者、大体250名から260名ぐらいを何とか農業に就農させたいという計画で取り組んでおります。目指す成果としまして は、将来、中核的に農業を実施するには、現在、高齢化が進んでおりますので、できれば39歳以下、我々青年農業者と呼んでいますけれども、ぜひそういった 青年農業者をふやしていきたいということで、目標としましては、そういった青年農業者の育成を年間150名程度予定しております。

○崎山嗣幸委員 目指すのが100数十名という話でありますが、この間の推移といいますか、そういう若者が農業へ就農する経緯というのは伸びている状況でしょうか。

○本永忠久営農支援課長 統計的には、新規就農者全体で申しますと、平成17年まで は大体100人程度の新規就農者でしたけれども、ここ3年、大体250名から260名で推移しております。具体的には、平成18年が274名、平成19年 が203名、平成20年が260名となっております。その中で、特に青年農業者の数ですけれども、ここ3年、平成18年が106名、平成19年が88名、 平成20年が103名となっております。

○崎山嗣幸委員 努力によって伸びているということの報告でありますが、ある程度の目標数値といいますか、今、沖縄における若者の就農は、皆さんからするならば、今の失業率も含めてどれぐらいついたほうがいいということの目標はお持ちでしょうか。

○本永忠久営農支援課長 先ほど申しましたけれども、中核となる、今後沖縄の農業をしょって立つというんですか、やはり若い青年農業者の数を年間150名程度は育成したいと計画しております。

○崎山嗣幸委員 次、水産関係を聞かせてもらいたいと思いますが、モズクの水産物消費拡大普及員配置事業というのが新規で組まれておりますけれども、この普及員の役割はどういう仕事をするのか、説明をお願いしたいと思います。

○勝俣亜生水産課長 この普及員については、栄養士の資格を持ったフードアドバイザーという方たちを4名配置することになっておりまして、量販店などでのモズクの食べ方の普及とか新しいレシピの普及などをする予定であります。

○崎山嗣幸委員 この役割は、モズクの販路拡大を含めていろんなことがあると思いま すが、今言われた普及員の役割は、4名ということは、これから一つの出発点ということなのか、さらに拡大をしていくということなのか、あるいはこれからモ ズクの生産高と売り上げの伸び、方向性も含めて、これは関係するという位置づけなんでしょうか。この辺の関係することも含めて若干説明をお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 モズクについては、今言う生産と需要がマッチングしていな いということで、一つには消費拡大をしっかりやっていくことが重要ではないかということです。これも実は全国のインターネットのほうで載せて、どういう料 理ができるかとかいう全国的なインターネットで今PRもやっていますし、それから、県内において聞いたら、モズクは使ったことがなかなかないということも ありまして、先ほど説明したフードアドバイザーの方々がしっかりモズクを消費する形の提案をするということであります。

 それから、あと1つは生産現場においては、やっぱり夾雑物というんですか、外水からとってきて選びますから、どうしても売るときにもう少し品 質のいいのにしたいというのがありまして、実は生産段階については、今の夾雑物を取り出すような仕掛けを沖縄特別振興対策調整費で今仕組んでおりまして、 そういうものをやるような設備も並行して漁業協同組合などに整備していこうということも考えています。そういう意味では、県内、県外を含めて、品質も含め 全体的な取り組みをしようということを考えています。

○崎山嗣幸委員 普及員の役割がこれからさらに大きくなっていくということを含めて、モズクの生産、売り上げに役立つようにまた努めてもらいたいと思います。

 それから、鳥島、久米島の両射爆場と沖縄本島の東方、ホテルホテル訓練区域の返還について聞きます。この区域は米軍の訓練、模擬飛行訓練が日 常的に行われておりまして、漁船も極めて危険な状況の中で操業していると思います。この返還については、この間、知事も力強く返還に取り組むということで ありましたが、この取り組み状況はどうなっているのか、それを伺いたいと思います。

○比嘉俊昭農林水産部長 県といたしましては、訓練水域の存在や実弾による射爆撃場 等が漁業の振興や県土の保全等に著しい影響を及ぼすことがあってはならないと考えておりまして、平成22年11月の知事要請以来、あらゆる機会を通じて、 日米両政府に対して鳥島射爆撃場の返還及び訓練水域の一部解除について要請を行っております。これは平成20年の11月以降、平成21年の2月、4月、そ れから7月ということで、いろいろ機会を通して要請しているところでありますので、今後とも漁業団体と連携して、引き続き粘り強くその返還を求めていきた いと考えております。

○崎山嗣幸委員 米国との関係もありますので、政府と米国に極めて強い返還運動で求めてもらいたいと思います。

 それから、この制限区域の経済損失は、この間把握できないということの状況で答えているようでありますが、この区域の中の積算というのは難しいですか。困難なら、それをお聞かせ願いたいと思います。

○勝俣亜生水産課長 米軍が使用する訓練水域については、全体として防衛省が、日本 国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊の水面の使用に伴う漁船の操業制限等に関する法律に基づい て補償しておりますけれども、これは全体にわたったものでして、ある特定の水域に幾らというデータは出ておりませんので、わかりません。

○崎山嗣幸委員 多分防衛省が出しています補償金にしても、補償額がこの区域のもの だとしても、この損害補償と経済損失とは、これは一致しないと思うんですよね。積算するものという意味では、この間言われていることも含めて、漁業補償的 なものと経済損失とは一致しないと私は思うんですが、その考えはいかがでしょうか。そして、現在はこの区域の補償額はどのぐらいになっていますか。

○勝俣亜生水産課長 補償額の算定については、漁業所得、漁業生産額から生産経費を 引いたものと防衛省が設定している被害率ですね。もし訓練水域がなかったらどうかというようなことを勘案して出した係数があるらしいんですけれども、そう いうのを計算して出しているということで、現在、平成19年度で言いますと、補償金の額が6億7000万円であります。

○崎山嗣幸委員 この額も含めて随分と、年間15億円だったのから7億円になって、また6億円になっているようなんですが、どんどん減っていく原因というのは、今言っている漁獲高が下がって、所得が低くなったということが原因なんですか。

○勝俣亜生水産課長 委員おっしゃるように、ピーク時は平成10年度で14億 3000万円余りありました。この減少の主な原因で一番大きいのが補償対象者の減少で、これはピーク時は1700人いたのが現在は700人に減っていると いうことであります。おっしゃるように漁業所得の低下も1つの原因ではあります。

○崎山嗣幸委員 そこで操業する漁民が少なくなったということで理解してよろしいんですか。

○勝俣亜生水産課長 この補償については、基本的には復帰以前に漁をされていた方が対象となるということで、そういう方が老齢のために漁をやめた方がいらっしゃるので、それで減っているということです。

○崎山嗣幸委員 先ほど補償額と経済損失とは違うのではないかと私は言ったんです が、これは漁獲高とかという関係ではなくて、多分にこの海域はマグロとかソデイカの好漁場については、今言われている鳥島とか、あるいはそこの一帯もそう なんですが、この漁場の破壊、米軍の演習によって壊されていないかということの問題と、かつて劣化ウラン弾が撃ち込まれたということも含めて、漁場が破壊 されていることを含めるならば、これはまさに経済的損失も含めて影響するのではないかと私は言っているのであって、今、漁業補償と経済的損失とは別ではな いかと私は言っているんです。その見解を聞きたいということで質問しているんですが、いかがでしょうか。

○勝俣亜生水産課長 その辺の、漁獲高以外のものを加味するというようなことは、今お答えできない状況です。

○崎山嗣幸委員 最後に、漁業権について聞きますが、農林水産部長にお答えをもらい たいと思います。漁業権における漁業補償の算定方式は、漁獲量を基軸にしているということでありますが、ある学者が漁業権を物件とみなし、土地に関する規 定を準用すると漁業法第23条であるらしいので、これを前提に権利侵害があれば、漁獲量一辺倒ではなくて、景観、漁業の将来性も加味した補償費ができるべ きではないかということでありますが、農林水産部長として漁業権における漁業補償について、そういうことも加味されるというのは考えられるかどうか、見解 をお伺いしたいんです。

○比嘉俊昭農林水産部長 今委員おっしゃられるような話は、法律的な解釈で、そういうふうになっているということですけれども、この辺は、こちらのほうも少し勉強、研究させていただきたいと思います。

○崎山嗣幸委員 これまでも議論がありましたように、沖縄周辺海域は29カ所も訓練海域があるということでありますから、この間言われている米軍の訓練に対して、漁民の安全操業のために、一部返還も含めてしっかりと頑張ってもらいたいということを要望して終わります。

○当銘勝雄委員長 渡久地修委員。

○渡久地修委員 まず県警察にお尋ねします。県内のヤミ金融の実態と対策についてお尋ねします。

○山入端辰次生活安全部長 県内における過去3年間のヤミ金融事案の検挙状況につき ましては、平成19年、17件、17人、平成20年、17件、15人、平成21年、18件、12人となっております。県警察といたしましては、今後とも沖 縄県弁護士会、司法書士会等々関係機関・団体と連携の上、積極的な取り締まりを推進してまいりたいと考えています。

○渡久地修委員 次に、県内での振り込め詐欺についての実態と対策についてお願いします。

○山入端辰次生活安全部長 平成21年中の県内の振り込め詐欺の認知件数は53件 で、被害金額は約1947万円となっており、前年と比べますと、認知件数で76件、58.9%減少し、被害額につきましては約6305万円、76.4%の 減少となっております。被害実態を類型別で見ますと、架空請求先が34件、約1468万円、優勝賞金詐欺が17件、約379万円、オレオレ詐欺が2件、 100万円、還付金等詐欺の発生はありませんでした、となっております。

 一方、同年中の検挙につきましては56件で、前年と比べますと11件の増となっております。県警察におきましては、振り込め詐欺被害を防止す るため、あらゆる警察活動を通した広報啓発活動、警察官によるATM周辺での警戒強化、振り込め詐欺受信専用メールの開設などの抑止対策、犯人グループの 摘発、助長犯罪の取り締まり、被害金額を最小限に抑えるためのATM利用限度引き下げの呼びかけ等々、各種対策を推進しているところであります。

 今後とも関係機関と連携して、各種取り組みを積極的に推進してまいりたいと思います。

○渡久地修委員 ぜひ対策を強化していただきたいと思います。

 次に、農林水産部ですけれども、私は沖縄県の経済を考えるとき、第1次産業はやはりこの経済の土台に据えるべきだと常に言っているんですけれども、農林水産部長、その点について見解をお尋ねします。

○比嘉俊昭農林水産部長 食料というのは重要なことですので、そこを供給する第1次産業というのは、これは欠かすことのできない産業だと思います。同時に、第2次産業、第3次産業との関連がありますので、そういう意味では、農林水産業は沖縄県において重要な産業と思っています。

○渡久地修委員 沖縄県の農林水産業の総生産額とこれが沖縄県経済に及ぼす経済波及効果についてお尋ねします。

○比嘉俊昭農林水産部長 品目別で申し上げますと、さとうきびは直接的影響額が 143億円でありまして、波及効果に直しますと613億円ということで、4倍の波及効果があるということでございます。それから肉用牛でいいますと、直接 影響額が52億円で、波及効果にしますと2倍の104億円、それから酪農でいいますと、直接影響額が19億円でありまして、波及効果も含めますと38億 円、2倍でございます。それから、パイナップルでその直接影響額を出しますと15億円で、その波及効果を含めると20億円ということでございます。

 全体の波及効果は今ございませんので、先ほど説明したように、品目ごとの波及効果については、さとうきび、肉用牛、酪農、パイナップルということで試算しています。それと農業産出額ですけれども、平成19年度は930億円でございます。

 それから、漁業生産額は188億円でございます。林業につきましては8億円でございます。

○渡久地修委員 先ほど個別にさとうきびからパイナップルまで言っていましたけれど も、それの合計でやると3.4倍、それから、これは厚生労働省白書からすると、農林水産関係の波及効果が大体4倍ぐらいになっているんですよ。そうする と、農業、林業、水産業を合わせて、これを仮に4とすると波及効果はどれだけになりますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 先ほどの生産額を単純に4倍しましたら約4500億円でございます。

○渡久地修委員 きょうは朝から問題になっている新年度予算での67億円の減が、沖縄県の経済、農業への波及効果からすると、僕ははかり知れないマイナスになっていると思うんだけれども、大体幾らぐらいのマイナスになるのか、それについて見解をお尋ねします。

○比嘉俊昭農林水産部長 今、計算ができていませんけれども、今後検討していきたいと思います。

○渡久地修委員 全産業平均で約4.06%だから、単純に掛けても268億円なんですよ。しかし、これはもっと大きくなると僕は思うんです。ですから、これはぜひ出してくださいね。出さないと、これは議論にならないと思います。

 それで、この大幅にカットされた原因、その大もとというのはどこにあるんでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 先ほども御説明したとおり、国がコンクリートから人へということで、基盤整備よりは所得というんですか、そのソフト分にシフトしたということではないかと思っています。

○渡久地修委員 私たちは、国政では建設的野党といって、間違いは間違い、いいものはいいとやっているんですけれども、この新しい制度、その財源を同じ省内に求めるとか、そういった問題があると私は思うんです。

 それで、新政権のこのような制度変更は、沖縄にとって現時点ではマイナスになっているということも明らかですね、どうでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今の農業農村整備事業の中で、事業が継続事業を含めておく れたということについては、やはり厳しい状況ではないのかなと思っています。そういう意味では、今の沖縄県は6割か7割しか整備はされていませんので、そ れについて、国にしっかり要求する必要があるのではないかと思っています。

○渡久地修委員 これは先ほどから議論がありましたけれども、沖縄振興計画とその精神にもう完全に反していると僕は思うんですけれども、いかがでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 沖縄県農林水産業振興計画ではある程度目標を設定して、それに対する予算措置ということでお願いしているところですので、これについては、引き続き予算を確保してもらいたいということで要望していきたいと思います。

○渡久地修委員 先ほどの経済波及効果、67億円が与える影響というのは、できたら経済労働委員会までに出せたらありがたいですので、ぜひ努力してみてください。それもお尋ねします。

 それで、農林水産部長、これは6月補正予算、9月補正予算、あるいは12月補正予算について、僕は復活のためには一生懸命やらないといけない と思う。私たち経済労働委員会では意見書のことも考えないといけないのではないかなと先ほどから思っているんですよ。だから、農林水産部長はこの補正予算 をかち取るために、ほかの仕事をやらんでも、この67億円のために一生懸命やってもらいたいんですけれども、どうでしょう。

○比嘉俊昭農林水産部長 委員から力強い意見がありましたので、今の75%という水準で予算が確保されている状況ですので、できましたら県議会を含めて要請できればと思っております。

○渡久地修委員 僕は、これは沖縄がみんな一致してやらないといけないと思う。それで、これは知事にもその決意を聞きたいと思うので、これは保留しておきます。

 それと、新しい政権はFTA、EPAも推進すると言っている。これがもしやられたら、沖縄にまたはかり知れない影響を与えると思うんですけれども、それについて簡潔にお答えください。

○比嘉俊昭農林水産部長 先ほどもお話ししたように、さとうきびとかパイナップルと かの作物は経済波及効果でいくと、781億円の経済波及効果がありますので、FTAとEPAが合意された場合は、やはり沖縄県の農業について壊滅的な状況 になりますので、これについては今の関税の対象になるように、しっかり国に要請したいと考えております。

○渡久地修委員 次に、農林水産部長、これは本会議でも聞きましたけれども、復帰の時点から今日まで減った農家の数と農業従事者の数、幾ら減ったかお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 1970年の6万346戸から2005年は2万4014戸で、3万6332戸の減少となっています。年間1日以上農業に従事した農業従事者につきましては約15万人から3万6000人ぐらいになりまして、約11万5000人が減少しております。

○渡久地修委員 現在の県内食料自給率、そしてさとうきびを除いたら幾らかお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 現在の食料自給率は、平成19年の概算値で33%でございます。さとうきびを除きましたら6%でございます。

○渡久地修委員 耕作放棄地が幾らか、そして、それをすべて活用すると何人の新規就農が可能か、数字だけでいいですからお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 耕作放棄地が2950ヘクタールということで、これをすべ て耕作地として再整理をした場合ですけれども、農家の平均的な経営面積を1.6ヘクタールとして、これは単純に新規就農者数を試算すると2500人程度と なります。ただ、課題がございまして、耕作放棄地については、経営借地があるとか、あるいは先ほども話したように相続人が農地を貸したがらないというよう な状況はございます。

○渡久地修委員 それと食料自給率を50%にした場合にどれだけの就農者を吸収できるか、お願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 食料自給率50%と単純に仮定して、1万8000人の雇用効果があるということで試算をしてはおります。

○渡久地修委員 それでは農林水産部長に聞きます。これは単純に見ても失業率は今 7.5%で、4万5000人の失業者、企業は求人が少ない、なかなか就職できない。ところが、農業はどうかというと、生産手段である農地は耕作放棄地がこ んなにいっぱいある。食料自給率は6%、需要も伸ばせる可能性が非常にある。そういう意味では、農業こそ沖縄県の今の失業を解消していく上でかなり可能性 が高いと僕は思うんですよ。何が課題かといったら、農業で食べていけるようにどうするかだと思うんですよ。そこに皆さん方が知恵を働かさないといけないん だけれども、そういう意味では、価格補償、生産費補償、そして就農支援のためのいろんな施策を皆さん方がやれば、本当に沖縄県の失業を解消していく上で も、ここに大きな可能性があると思うので、農林水産部長、決意をお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 先ほどの数字は単純に食料自給率を50%として1万 8000人と試算したということでありますけれども、これはそれなりに必要な面積と、その1万8000人で経営が成り立つかということは少し課題がありま す。ただ、やはり農業で生産性を上げるためには、当然担い手がいないと生産性も上がりませんので、農林水産部としては耕作放棄地の利用もしっかりやりなが ら、当然それは生産性も上げながら、それと、先ほど来話しますように、本当に他産業並みの所得を確保しないと、なかなか農家に就農しないということもあり ますので、そういう意味では、いろんな生産対策あるいは販売対策、それから後継者に必要な資金対策など、あるいは研修なども含めて取り組んでいきたいと思 います。

○渡久地修委員 ぜひ全力を挙げていただきたいと思います。

 次、森林緑地課にお尋ねします。

 これまでいろいろ林道の問題とか、はげ山にするなとか、本当の林業とは何なのかということを、私たち批判的な見解を持って、これまでやってきました。

 私は県産材を使用した琉球漆器を学校給食にぜひ取り入れてほしいということで、これをやると、地場産業育成、林業育成、それから伝統工芸産業 育成、子供の食育、子供への伝統文化教育、一石四鳥だと言って、那覇市議会議員時代から、1998年からやって、2003年に試験的に那覇市で2校に導入 できたんですよ。

 これが那覇市の学校給食で用いられた琉球漆器を使った食器です。開南小学校と与儀小学校で試験的に導入されてもう7年であります。非常に子供 たちから喜ばれています。ところが、残念なのは、これは本土産の材木を使った木地になっているんですよ。だから、これを全県の学校に広げていけば、非常に 経済効果はあるし、教育的にもすばらしいし、これこそ本当に林業につながるのではないかなと僕は思っています。先ほどもありましたけれども、今度の県の経 済対策での木材基金ですか、製品開発基金ですか、これで皆さん方は研究をして、ぜひこれを全県に広げていくようなものに取り入れてほしいと僕は思うんです が、どうでしょうか。

○比嘉俊昭農林水産部長 森林保全及び木材利用促進特例基金につきましては生産資材の開発についてもメニュー化されております。これはおもちゃもありますし、先ほどの弁当箱もありますし、それから漆器のそういったものもありますので、これにつきましては検討していきたいと考えています。

○渡久地修委員 農林水産部長、ぜひやってください。そして、お隣の開南小学校でもいいし、与儀小学校でも浦添市でもこれはやっていますから、給食会に参加して、子供たちがどう喜んでいるかというものを、ぜひ見てください、どうでしょう。

○比嘉俊昭農林水産部長 できるだけ参加するように努めたいと思います。

○渡久地修委員 これは、あしたは観光商工部、次は教育委員会、そこでもやっていき ますので、ぜひ協力してやってください。私は相当回ってきましたよ。これは秋田県の川連漆器です。向こうでも一生懸命やっています。それから石川県の輪島 塗、そこでも一生懸命やっているんですよ。ぜひ頑張ってください。

 次に、先ほど崎山委員からありました米軍の訓練水域、これをお尋ねしますけれども、私は経済的損失額をぜひ計算して出してほしいと思います。 そうしないと、返還を求める上での理論的な根拠が非常に希薄になってしまうと思うので、幾ら経済的損失をこうむっているか、これはわかるんだったら、ぜひ 言ってください、お願いします。

○勝俣亜生水産課長 先ほども申しましたけれども、経済的損失額を出すのは、今のところ困難だと思います。

○渡久地修委員 農林水産部長、私はこの経済的損失額を出し切れないというのはおかしいと思いますよ。米軍普天間飛行場でも那覇港湾施設でも返還されたらどうなるというのはもう全部出ているんですよ。だから、これはぜひ頑張って計算していただきたいと思うんです。お願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 技術的に難しい部分もあると聞いていますけれども、いずれ にしても、この試算でいいかとか、いろんな形の検討が必要ではないかなと思っています。そういう意味では、少し専門家の意見を聞きながら、それを出したと きに本当に使えるかということもありますので、そこも含めて、専門家とも相談しながら少し検討させていただきます。

○渡久地修委員 こういったものを出さないと、本当に政府に返せという点での迫力も何もないんですよ。ただ返せということでは通用しない。ですから、ぜひこれは頑張って出してください。

 そして次に、前、本会議でも取り上げた農業協同組合のいわゆる貸しはがしについての実態と対策、今後の対応についてお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 県では、JAおきなわの債権回収業務について、JAおきな わ及び農家に対して聞き取り調査等による実態調査を行いました。調査によりますと、そのJAおきなわの債権回収は事務処理方針に沿って取り組まれており、 特に法令等に違反するような事案は見られませんでした。また、調査後、JAおきなわに対して調査結果を説明し、今後ともその適切な業務遂行に努めるよう指 導してまいりたいと考えています。

 今後とも農家負債の状況把握や、農家支援方策に向けた融資機関や、それから関係機関と相互の連携を図るため、沖縄県農家経営改善指導連絡会議を立ち上げていますので、その中でも農家の改善を受けていろいろ話し合いをしていきたいと思います。

○渡久地修委員 農林水産部長、本会議で取り上げたリュウキュウイモについて、ぜひ 呼称を、これから沖縄県で生産する芋はリュウキュウイモと呼んで、それを普及していくという点で、今後検討するということなんですけれども、沖縄大百科事 典、それからいろんな言語小辞典、いろんな書物をいろいろ探ってみましたよ。これは歴史的にも学問的にもリュウキュウイモなんです。これは農林水産省消費 安全技術センターが出したものでも、鹿児島県ではカライモやリュウキュウイモなどと呼ばれていますが、日本各地に行くと、鹿児島県から来たからサツマイモ というふうになっているというのがあるんです。ですから、この発祥の地である、中国から来ているけれども、こっちではもうリュウキュウイモということで やってブランド化して、ぜひどんどんイモゾウムシ、アリモドキゾウムシを根絶して、これを本当に農業発展の起爆剤にしていく上では、これから県産品はリュ ウキュウイモと呼びますと、農林水産部長が宣言すれば済む話だと私は思うんですが、いかがでしょう。

○比嘉俊昭農林水産部長 リュウキュウイモの呼び名につきましては、これは生産者の 意見、あるいは市町村、JAおきなわなどの関係機関の意見を聞いて検討する必要があるということを考えております。今月から来月にかけて、今、沖縄県かん しょ生産振興協議会を設立しておりますので、そこで少し意見交換をしながら、今のリュウキュウイモという呼び名がいいのか、あるいはまた別の方法があるの か、リュウキュウイモの名称を含めて少し話し合いをしていきたいと思います。

○渡久地修委員 これに反対意見はありますか。反対する意見は出ていますか。

○比嘉俊昭農林水産部長 今月に意見交換することになっておりますので、その中でそのお話し合いをしていこうということでございます。

○渡久地修委員 私はこれは多くの人たちが歓迎すると思いますので、ぜひ頑張ってください。

○当銘勝雄委員長 渡久地委員の質疑は終わりましたが、その質疑の中で、農業関係予算の大幅減額について質疑を保留して、知事に総括質疑を行いたいという趣旨の発言がありました。そういうことでよろしいですか。

○渡久地修委員 はい。

○当銘勝雄委員長 これについては、3月15日の教育委員会の質疑終了後に、理事会で対応していきます。

 次に、前田政明委員。

○前田政明委員 私は最初に感想的に、私たち県議団で研究所にイモゾウムシ等の視察 に行ったんですけれども、ウリミバエの研究を含めて、非常に地元に密着した、国際的にもすばらしい研究を一生懸命やっている。放射能照射するところにも恐 る恐る入っていったんですけれども、大丈夫だということでした。莫大なお金をかけて、研究が世界一だとかなんとかいうところもあるみたいですけれども、や はり研究というのは地元の要望に基づいてしっかりやっていく、そういう面では、僕はそのイモゾウムシ、アリモドキゾウムシの根絶事業の津堅島とか久米島で の果たしている役割、本当にウリミバエ同様、これは世界的にノーベル賞をもらってもいいぐらいのすごい研究を沖縄県庁の職員の皆さんがやっている、という ことに対して大変感動しました。そういう意味で、それについて、ぜひ予算もつけて、人もふやして、しかし、専門家を育てるのは時間がかかるということでし たので、ぜひそこのところは頑張っていただきたい。ここは本当に貴重な勉強をさせていただきましたということで、少し御意見をお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 アリモドキゾウムシにつきまして、今いろいろ研究してい て、久米島と津堅島でやっているんですけれども、一番大きなネックは大量増殖がなかなか難しいということで、今までも芋で成虫にして増殖している状況です ので、やはり大量増殖するには芋以外のもので食べ物をつくることが一番の課題になっています。そういう意味では、ある程度方向性が見えたら、恐らく今後は 久米島から沖縄本島ということになると思いますので、そういう状況が見えてきましたら、やはり人員、体制、施設の整備も拡充する必要があると考えていま す。

○前田政明委員 確かにどういうふうに大量生産して安くするかと。そこでいいイモが ありましたけれども、さっき渡久地委員が言いましたように、リュウキュウイモということで研究所は頑張っているみたいで、サツマイモと言わないということ で、そこも非常に共感したんです。そういう面では、今後、かなりの経済的波及効果が本当に期待されるのではないかと思いますけれども、これは大体推計とか そういうのができるんでしょうか。

○山城毅糖業農産課長 現在、平成20年のカンショの生産につきましては、栽培面積 で259ヘクタール、生産量で4270トン、生産額で約7億円でございます。今後、アリモドキゾウムシ、イモゾウムシの根絶が可能になった場合を試算いた しますと、生産目標で1万6000トンと出してございます。

○前田政明委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。あとは農林水産部長、続き物ですけれども、林道でよろしくお願いします。

 そもそも林道というのは何のためにつくるのか、まずそこからお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 森林は、林産物の供給を初め、国土の保全、水源涵養、自然 環境の保全、保健休養、地球温暖化の防止等のために寄与をしていると。このため、県は、森林を水土保全林、森林と人との共生林及び資源の循環利用林に区分 し、それぞれの機能に応じて森林の整備保全及び利活用を図ることとしております。このような中で、林道については、森林のそれぞれの機能に応じた適切な森 林の管理や森林施業の推進、狩猟状況の改善、生産性の向上はもとより、森林浴や自然観察等の森林レクリエーションのためのアクセス道路として重要な役割を 果たし、地域経済の振興に寄与しているということでございます。

○前田政明委員 これも繰り返されていますけれども、全国森林計画の8ページの中で沖縄県の位置づけがやられているんですが、固有動物が生息して云々と、そこのところを少し説明をお願いします。

○長間孝森林緑地課長 全国森林計画におきまして、沖縄県の森林には貴重な野生生物 が生息している。それから水源涵養等の公益的機能があるので、これに配慮した施業を行うことと定められております。沖縄県におきましても、北部地域森林計 画、中南部の地域森林計画、宮古・八重山地域森林計画がございますけれども、その全国森林計画の考えを受けて地域森林計画を樹立しております。

○前田政明委員 これまでも、これはうちの議員が聞いていることですから、林道密度は、全国平均、沖縄本島北部地域、国頭地域、そして県全体での林道の延長キロメートルについて、あわせてまず大まかにお願いします。

○長間孝森林緑地課長 林道密度でございますけれども、本県の平成21年末の林道密 度は1ヘクタール当たり4.1メートルで、これは全国平均が5.1メートルとなっておりますので、全国平均の大体80%ということになっております。北部 地域での国頭村が10.7メートル、大宜味村が5.3メートル、名護市が4.5メートル、今帰仁村が8.0メートル、本部町2.2メートル、恩納村2.7 メートル、伊平屋村3.3メートル、以上になっております。

 延長でございますけれども、国頭村で13万4110メートル、それから大宜味村で2万5423メートル、名護市で6万2206メートル、今帰 仁村で1万1998メートル、本部町で4617メートル、恩納村で8073メートル、伊平屋村で3984メートルとなっております。

○前田政明委員 この間もやっていますが、林道建設事業費がこの間幾らになったのか、総額をお願いします。

○長間孝森林緑地課長 林道開設延長でございますけれども、総延長、これは昭和44年からの延長でございますが、362.162キロメートルでございます。総費用が約360億円となっております。

○前田政明委員 この間の林業の生産高に対しては、大体どういう流れになってきていますか。

○長間孝森林緑地課長 林業生産額につきましては、木材関係、それから特養林産関係、緑化木関係、合わせて大体8億円前後で推移しております。

○前田政明委員 特にその生産の種類ですね。製材用、その他普通丸太、原材料というふうに、チップがありますけれども、そこのところの大まかな変化、簡単にお願いします。

○長間孝森林緑地課長 これは県産材でございますけれども、まず製材用、県産材の総 利用量が平成19年度で6590立方メートルになっております。そのうち製材用が660立方メートル、これは10%に相当します。それから、木炭原木が 1981立方メートル、これは30%です。それからシイタケ原木が177立方メートルで3%、チップが2550立方メートル、これが38.7%、キノコ用 のおが粉等が511立方メートルで7.7%となっております。

○前田政明委員 さっき言った製造用の660立米ですか、その生産材用の物を金額にしたら、生産高は幾らなんですか。

○長間孝森林緑地課長 木材・製材関係で、平成19年度で2億6300万円となっております。

○前田政明委員 この間、360億円の林道建設事業、時間がないので、あとの林道の災害復旧費だとかその他は省きます。

 それで、そういう面では例の費用対効果なんですが、私、皆さんからいただいたこの資料を見てびっくりしているんですが、新聞でも報道されてお ります伊江Ⅰ号支線、伊江原支線、これは前の計算と今の計算をいただきましたけれども、それの具体的な変化について御説明をお願いします。

○長間孝森林緑地課長 当初のものと新旧比較したところ、当初算出した16の便益のうち、今回の費用対効果の算出に当たり評価の対象にしなかった便益が7つございます。

 評価対象としなかった便益及びその理由ですけれども、例えば防火帯便益については、隣接する森林が過去10カ年程度において山火事等の発生事例がなかったので、前回見ていたけれども、今回見ておりません。

 それから、2点目の通行安全確保便益については、平成21年度に林野庁から当面の間計上しないように、そういう指導を受けて、前回見ましたけれども、今回見ておりません。

 それから、3点目の木材利用増進便益については、過去5カ年程度において適切な整備が行われてきた箇所が対象であるが、計画路線内に対象区域がないということなどで、前回見たけれども、今回は見ていないのがございます。

 また、費用対効果の便益計算のうち、計算手法に誤り等があった場所を修正しております。修正等に当たって、特に修正の大きかったのは木材生産 等便益のほうで、林野公共事業評価における事前評価マニュアルにおいては、注意書きの中で、評価に当たっては木材生産対象となる森林の造成から保育完了す るまでに要する経費を費用として評価するように記載がありました。当初、そういうことがなかったものですから、費用として計算しておりませんでしたけれど も、今回、そういうものを費用として見ております。林野庁と調整した結果、その手法について承諾を得たことから、今回の算出結果となっております。また、 今回新しく算出した便益で、ふれあい機会創出便益についても、当初見ておりませんでしたけれども、今回見ております。このような変化がございます。

○前田政明委員 これはもう虚偽ですよ。すなわち、前の水源涵養便益はゼロ、そして 皆さんが今度はこれを出してきている。そして防火帯のやつも私は言いましたよ、火事があったか、なかっただろうと。それもなくなったけれども、またふれあ い機会創出便益が出てきた。そういう面では、これは単なる数字の間違いではないですよ。それから木材生産等便益、これは何のために林道をつくるのかと言い ましたよ。

 まず、その木材生産等便益がこんなに減っているのは、林道が森林の木材の生産どころではない。いわゆる観光誘致といいますか、そういうような場をつくると変わったんですか。

○長間孝森林緑地課長 林道には、木材を収穫して運搬する機能、それから森林の保育 管理、そういう適正な管理をするために利用する機能に合わせて、やはり近年はエコツーリズム、グリーンツーリズム、森林に触れ合っていやし効果を受ける。 要するに森林セラピーということですけれども、そういう森林のいやし効果もあるということで、近年、こういうのも注目されております。そういうさまざまな 機能があるということで評価しているところでございます。

○前田政明委員 私は、この項目の数字が幾らか変わるとかそういうのはわかるんです よ。適用が全く逆、これは生産性を上げるためだとか言ってきた、それが22万円でしょう。今までのものと本当にけたが違う。そういう面で、ふれあい機会創 出便益なんてなかった、ゼロ。水源涵養便益も、これはゼロ。それが全く項目が変わっているということは、これは単なる調整ではないですよ。すなわち、資料 もないといった、それは全くでたらめな、全く根拠のないものを出したと。だから、この文章は、皆さんがまさに虚偽、ある意味で意図的にないものを書いた証 拠だ、私はそういう行政文書としか見ることができないんですよ。これは少しの数字の間違いで云々だったらいいけれども、そのふれあい機会云々というのを何 千万円に上げて、費用対効果を1.幾らかにしております。だから、農林水産部長、後でまた国会議員を通じて、これは本当に林野庁にも私は聞きますけれど も、これはまさに単なる行政文書ではないですよ。私が指摘したとおり、ないものをあるかのごとくやって、とにかく工事を強行するという形のあり方。今度は また別の方法で、この便益の考え方を全く変えて、なぜこんなふうにできるんですか。皆さん言ってきたこととやってきたことが全然違うのではないですか。こ れはまさに虚偽文書ですよ。でなかったら、従来の文書が全く間違えていた、これは全くでたらめだったということを、みずから検証していることはいいんです けれども、何でこういうことが起こるんですか、この責任はどうなるんですか。

○長間孝森林緑地課長 当初計画の段階の事前評価におきまして算出の基礎となるデー タが確認されなかったことから、農林水産部に事業評価ワーキングチーム、その上の部のほうに事業評価チームをつくって、今度、新たにデータの洗い出し、計 算式の洗い出し、こういう細々としたものをすべて再度チェックして、その上、林野庁とこういう評価の方法が正しいという調整をした上で、今回、公共事業評 価監視委員会にかけたところでございます。

○前田政明委員 この2支線のところは貴重種と希少種はどのぐらいいましたか。

○長間孝森林緑地課長 伊江Ⅰ号支線で確認された貴重種は73種、それから伊江原支線で確認されたのが77種となっております。

○前田政明委員 皆さん、環境省の那覇自然環境事務所などから、世界自然遺産登録も 含めて、この地域、すなわち外来、または伐採で自然が破壊されている。そしてまたほかから人が入ることもある、そういう意味で自然が保護されない状況にあ るというようなことは説明を受けているのではないですか。

○長間孝森林緑地課長 県の農林水産部としましては、現在、環境省那覇自然環境事務 所と連絡会議を開催しておりまして、昨年は5月ごろだったと覚えているんですけれども、那覇自然環境事務所と森林緑地課で連絡会議を持ちました。その中 で、お互いの事務所の事務事業について、どういう事業の内容の仕事をしているという意見、要するに業務の説明等は受けております。

○前田政明委員 そのときに、世界自然遺産登録を含めて、生物多様性の関係から外から入るものを防除する、この貴重なところを守るというような形での話もあったのではないですか。

○長間孝森林緑地課長 那覇自然環境事務所における世界遺産登録の動きの状況については説明がありました。

○前田政明委員 平成20年11月14日付の環境省那覇自然環境事務所からの森林緑地課長に対する意見、この内容はどういう内容ですか。

○長間孝森林緑地課長 林道の環境調査に係る意見照会ということで、那覇自然環境事 務所から環境保全措置の効果について、これは検証すべきものが検証されていない。それから、また林道建設後に定期的に、定量的に調査を実施してもらいた い。要するにモニタリング調査等そういうことをしてもらいたいという意見が出されております。

○前田政明委員 これは林道整備の必要性についても不十分だと。特に環境保全措置に ついては、保全措置はいずれも客観的に効果が示されておらず、また効果が確認されていないものがほとんどであり、これらの措置を講ずることにより影響を回 避できると判断することは困難である。特に国内希少生物、植物種については、従来の保全措置の実績等も踏まえ、個々の種ごとに具体的な効果を評価してほし い。そういう面では亜熱帯林における効果を掌握することが不可欠だということで、皆さん全くやられていないという指摘なんですよ。その指摘はどうなんです か。

○長間孝森林緑地課長 そういう意見も受けまして、県としては林道環境調査、これは 1年間かけてきました。その結果を踏まえて、学識経験者で構成する林道環境調査検討委員会を設置しまして、この専門家の先生方の指導・助言等を受けながら 進めていきたい、環境保全措置について講じていきたいという考えで取り組んでおりました。

○前田政明委員 今度のふれあい機会創出便益、これは何ですか。これはどういう趣旨の便益なんですか、もう一回説明してください。

○長間孝森林緑地課長 ふれあい機会創出便益については、新たに林道を開設した場合 の県民の森林等との触れ合いの機会の創出について、利用者が居住地等から森林へ到達するための費用負担を便益として評価しております。本便益については、 平成22年1月に計画路線の近くで森林との触れ合いを目的とした利用者の交通量調査を実施して、マニュアルに基づいて計算したところでございます。

○前田政明委員 これはとんでもないことですよ。生物多様性国家戦略2010で、 2020年短期目標、生物多様性の保全に向けた活動の拡大を図る、将来世代にわたる持続可能な利用策を具体的にして、人間活動の生物多様性への悪影響を減 少させる手法を構築する。これだけ貴重種がいるところに人はなるべく入れない、自然を守るというのが政府の方針ですよ。そして、そういうようなことと全く 逆。費用便益で生産物を上げるどころか、そういう形で自然の貴重種のあるところに人を呼ぶ、それが便益なんていうのはとんでもないことですよ、これはどう ですか。

○長間孝森林緑地課長 計画路線は、これは復帰前にリュウキュウマツの造林をした地域でありまして、やはり収穫時期に達しているし、それから、リュウキュウマツの原木は需要があるということで、これの収穫を目的に林道を計画したところでございます。

○前田政明委員 全くでたらめですね。

 それで、皆さんの林業の委託事業はどういう方法で発注していますか。

○長間孝森林緑地課長 県から森林組合に対する委託については随意契約で実施しております。

○前田政明委員 だから、全体で随意契約でオンリーなのか、競争入札もやっているか、そこを答えてください。事前にちゃんとやっているのか。

○長間孝森林緑地課長 すべて随意契約でございます。

○前田政明委員 これは皆さんとしては、そういう形で相見積もりとかそういうのもとらずに、全部随意契約ということでいいわけですか。

○長間孝森林緑地課長 すべてというわけではないんですけれども、必要に応じて、それからまた地域によっては相見積もりも徴収しております。ただし、宮古地域とか八重山地域とか森林組合が1つしかないところ、離島においては単独の相見積もりとなっております。

○前田政明委員 国頭村森林組合において、県の委託事業というのはどのぐらいなんですか。

○長間孝森林緑地課長 県から国頭村森林組合に委託したものについては、件数で11件で、金額にしまして4385万6000円でございます。

○前田政明委員 それは組合の員内利用との関係ではどういう比較になりますか。

○長間孝森林緑地課長 国頭村森林組合の組合員には沖縄県は入っておりませんので、員外利用になります。

○前田政明委員 員内利用は幾らかと聞いているんです。組合の自主事業の実績は幾らかと聞いているんです。

○長間孝森林緑地課長 国頭村森林組合における員内利用、員外利用の割合でございますけれども、平成20年度で見ますと、員内利用が1億6757万8000円、員外利用、要するにこれは県でございますが、4600万円余りということで、員外利用の割合は27.8%となっております。

○前田政明委員 後でまた、それでまとめますけれども、農林水産部長、私から言うと本当に虚偽的な、こういうような項目も変わっているし、全く新しい条件になっているので許せない。委員長、これについては保留しますので、総括質疑をお願いします。

 それで、改めて農林水産部長、この経過、指摘を含めて、その教訓というのは何ですか。今後生かされるものについて謙虚に御発言をお願いします。

○比嘉俊昭農林水産部長 今、前回の県議会からも、まずは費用対効果の算出につい て、しっかり検証する必要があるということが1点目でございました。それからまた、今の林道建設に当たっては、これはなりわいにしているところでございま すので、地元もありますし、それと環境保護団体もありますし、そういう県民の意見も聞きながら、やはり合意形成が図れるような形の林業の推進に努めていき たいと考えております。

○前田政明委員 ある識者が、地域の住民を自然保護監察官として環境省で統括する、 そういう面で自然を守るという形のほうが雇用効果が多いのではないかと指摘しております。私どもは林業を否定しておりませんので、本当に自然を守り、雇用 の場を確保する方向も一緒に考えていきたいということで、終わります。

 先ほどの取り計らいをお願いします。

○当銘勝雄委員長 前田委員の質疑は終わりましたが、質疑の中で費用対効果については質疑を保留したいという申し出がありました。これについては、3月15日の教育委員会の質疑の終了後に、理事会にて協議をいたします。

 以上で、農林水産部長及び警察本部長に対する質疑を終結いたします。説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。どうぞ御退席ください。

 委員の皆様に申し上げます。次回は、明 3月11日 木曜日 午前10時から委員会を開きます。

 本日の委員会は、これをもって散会いたします。

   午後9時5分散会

 

H22.03.10 第7号(農林水産部他).htm