予算特別委員会



出席委員

  委 員 長 当 銘 勝 雄君

  副委員長 上 里 直 司君

  委   員 佐喜真   淳君  仲 田 弘 毅君 

       嶺 井   光君  翁 長 政 俊君 

       新 垣 哲 司君  具 志 孝 助君 

       照 屋 大 河君  崎 山 嗣 幸君 

       渡久地   修君  前 田 政 明君 

       當 山 眞 市君  前 島 明 男君 

       瑞慶覧   功君  奥 平 一 夫君 

       平 良 昭 一君  赤 嶺   昇君 

       吉 田 勝 廣君           


説明のため出席した者の職、氏名

 企画部長  川 上 好 久君

  企画調整課長  桃 原 利 功君

  企画調整課跡地対策監   名嘉真   稔君

  交通政策課長       津 覇   隆君

  森林資源研究センター所長 具志堅 允 一君

  情報政策課長       松 堂   勇君

  地域・離島課長      當 銘 健 一君

  市町村課長        山 里   清君

 会計管理者         名渡山   司君

 監査委員事務局長      宮 城 清 志君

 人事委員会事務局長      伊 礼 幸 進君

 議会事務局長        遊 佐 信 雄君

 総務部財政統括監      黒 島 師 範君


本日の委員会に付した事件

 1 甲第1号議案 平成22年度沖縄県一般会計予算

──────────────────────── 
○当銘勝雄委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。

 甲第1号議案平成22年度沖縄県一般会計予算を議題といたします。

 本日の説明員として、企画部長、会計管理者、監査委員事務局長、人事委員会事務局長及び議会事務局長の出席を求めております。

 まず初めに、企画部長から予算の概要説明を求め、各種委員会等事務局長の説明は、省略いたします。

 それでは、企画部長から企画部関係予算の概要説明を求めます。

 川上好久企画部長。

○川上好久企画部長 それでは、企画部の平成22年度歳入歳出予算の概要について、お手元にお配りしてあります「平成22年度当初予算説明資料」に基づきまして御説明申し上げます。

 まず初めに、企画部の歳入予算について御説明申し上げます。

 説明資料の2ページをお開きください。

 平成22年度歳入合計6054億6300万円のうち、企画部に係る分は74億3311万8000円で、前年度に比べて8億6066万4000円、13.1%の増となっております。

 その主な理由は、南北大東地区において県域の地上デジタル放送を実施するための事業や国勢調査の実施等によるものであります。

 次に、歳入予算の主な内容について(目)ごとに御説明申し上げます。

 10ページをお開きください。

 下から6行目の(款)使用料及び手数料(項)使用料(目)総務使用料の1億1165万2000円のうち、企画部に係る分は3127万5000円で、その主なものは、大学院大学・先行的研究事業への工業技術センター施設の一部提供による使用料であります。

 11ページをごらんください。

 中ほどの(款)国庫支出金(項)国庫負担金(目)総務費国庫負担金の9億863万3000円は、地籍調査費及び沖縄自動車道利用促進事業費に係る国庫負担金であります。

 下から4行目の(項)国庫補助金(目)総務費国庫補助金51億7324万3000円のうち、企画部に係る分は23億1261万1000円で、 その主なものは、地上デジタル放送推進事業費、知的クラスター形成に向けた研究拠点構築事業、自然・伝統文化を生かした交流促進事業等に係る国庫補助金で あります。

 12ページをお開きください。

 中ほどの(項)委託金(目)総務費委託金17億9391万8000円のうち、企画部に係る分は17億7384万7000円で、その主なものは、国勢調査費、参議院議員選挙費及び研究センターにおける指定試験事業費等に係る国庫委託金であります。

 下から5行目(款)財産収入(項)財産運用収入(目)利子及び配当金3億6948万3000円のうち、企画部に係る分は2776万8000円で、その主なものは、市町村振興資金貸付金利子であります。

 その1行下(目)基金運用収入1349万円のうち、企画部に係る分は925万円で、その主なものは、沖縄県市町村振興資金貸付基金元金収入であります。

 13ページをごらんください。

 2行目の(項)財産売払収入(目)生産物売払収入5億1250万5000円のうち、企画部に係る分は1億2621万3000円で、その主なものは、畜産研究センター等の生産物売り払いによる収入であります。

 3行下の(款)寄附金(項)寄附金(目)総務費寄附金250万円は、沖縄科学技術大学院大学設置促進県民会議の事業に係る寄附金であります。

 中ほどの(款)繰入金(項)基金繰入金(目)基金繰入金305億1256万6000円のうち、企画部に係る分は5億4199万5000円で、これは地上デジタル放送受信者支援基金繰入金であります。

 14ページをお開きください。

 3行目の(款)諸収入(項)貸付金元利収入(目)総務貸付金元利収入10億4483万7000円は、地域総合整備資金貸付金元利収入であります。

 中ほどの(項)受託事業収入(目)総務受託事業収入1億6034万9000円は、企画部所管の各研究センターにおける受託事業収入等であります。

 15ページをごらんください。

 上から6行目の(款)県債(項)県債(目)総務債3億3540万円は、地上デジタル放送推進事業費等に係る県債であります。

 以上が企画部一般会計歳入予算の概要であります。

 次に、歳出予算の概要について御説明申し上げます。

 6ページにお戻りください。

 平成22年度歳出合計6054億6300万円のうち、企画部の一般会計歳出予算総額は158億9309万8000円で、前年度に比べて20億5653万円、14.9%の増となっております。

 歳出予算の主な内容について(目)ごとに御説明申し上げます。

 18ページをお開きください。

 (項)総務管理費の中の(目)諸費50億3023万5000円のうち企画部に係る分は8415万9000円で、その主なものは、駐留軍用地跡地利用促進費であります。

 (項)企画費の中の(目)企画総務費は44億4496万5000円で、主なものは、職員費、電子自治体推進事業費及び19ページの通信施設維持管理費であり、前年度に比べ2億7579万9000円、6.6%の増となっております。

 その主な理由は、沖縄デジタルマップ整備事業の新規事業に伴う増であります。

 (目)計画調査費は80億786万6000円で、主なものは、石油製品輸送等補助事業費、交通運輸対策費、通信対策事業費、科学技術振興費であり、前年度に比べ14億3208万3000円、21.8%の増となっております。

 その主な理由は、通信対策事業費の地上デジタル放送推進事業及び沖縄県地上デジタル放送受信者支援事業の新規事業に伴う増、科学技術振興費の知的クラスター形成に向けた研究拠点構築事業の新規事業に伴う増によるものであります。

 20ページをお開きください。

 (項)市町村振興費の中の(目)市町村連絡調整費3億2970万円は、職員費、市町村事務指導費であり、前年度に比べ4億2257万1000円、56.2%の減となっております。

 その主な理由は、市町村合併支援事業の終了に伴う減であります。

 (目)自治振興費7億8548万1000円は、市町村振興資金等貸付費及び市町村振興協会交付金であります。

 21ページをごらんください。

 (項)選挙費の中の(目)選挙管理委員会費3305万1000円、(目)選挙啓発費794万円、(目)参議院議員選挙費5億2842万6000円、(目)県知事選挙及び県議会議員補欠選挙費4億6564万4000円は、選挙の管理執行に要する経費であります。

 (項)統計調査費の中の(目)統計調査総務費3億5243万6000円、22ページの(目)人口社会経済統計費8億5343万円で、主なものは、職員費、総務周期調査費など諸統計調査に要する経費であります。

 以上が企画部一般会計歳出予算の概要であります。

 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。

 59ページをお開きください。

 2行目に、電子自治体推進事業費3億5418万1000円は、ネットワーク機器の調達等に要する経費について設定するものであります。

 以上で企画部の予算案の概要説明を終わります。

 よろしく御審査のほど、お願い申し上げます。

○当銘勝雄委員長 以上で、企画部長の説明は終わりました。

 これより質疑を行いますが、質疑及び答弁に当たっては、その都度委員長の許可を得てから、自席で起立の上、重複することがないように簡潔に発言するよう御協力をお願いいたします。

 また、質疑に際しては、あらかじめ引用する予算資料の名称、ページ及び事業名等を告げた上で、質疑を行うよう御協力をお願いいたします。

 それでは、これより直ちに質疑を行います。

 照屋大河委員。

○照屋大河委員 まず、企画部長、沖縄振興計画について、いよいよ2011年度で期限が切れるわけです。目前に迫っていますが、現在この現計画についての総点検作業が進められているはずだと思うんですが、その進について、あるいは現段階での沖縄振興計画の評価等について伺います。

○川上好久企画部長 現在、総点検作業をもう一回やっているところでございますけれ ども、総点検では、沖縄振興計画における施策の現状と課題、それから離島の振興、駐留軍用地跡地の利用対策など重点課題、さらに高率補助とか特別自由貿易 地域とか地域指定制度、それから航空機燃料税軽減、これも期限が参りますけれども、そういう特例措置等について検証を進めているところでございます。

 現在、沖縄県振興審議会のもとに8つの専門部会を設置しておりまして、素案に基づきまして各部会ごとに課題の洗い出しを行って議論していると ころでございます。その結果につきましては、今年度中に取りまとめを行いまして、5月には沖縄県振興審議会から意見書をいただく予定としております。

 それから、現在の沖縄振興計画の評価でございますけれども、これにつきましては、復帰後3回の沖縄振興開発計画の中では、特に本土との格差是 正を基調とするキャッチアップ型の振興開発をやってまいりましたけれども、今回の沖縄振興計画は、フロンティア創造型の振興策を展開してきたということに なっております。その結果として、観光産業の伸び、情報通信産業等については一定の成果が出てきていると考えております。

 それからまた、そのほかに沖縄科学技術大学院大学の開学に向けた取り組み、それから県立博物館・美術館の整備、さらには南部医療センター・こども医療センターの開院、昨年の国際貨物基地構想の展開など、本県の環境を支える基盤づくりも進んでいると評価もしております。

 しかしながら、一方では、御承知のとおり、失業率の改善だとか、あるいはまた県民所得の向上の課題、この辺がまだ残っていると感じておりま す。そういう意味では、民間主導の自立型経済の構築は道半ばということで、今後その総点検、それから、沖縄21世紀ビジョン(仮称)を3月いっぱいに策定 する予定でございますけれども、これを踏まえまして、次期計画の中で次の展開を考えてまいりたいと考えております。

○照屋大河委員 観光産業、あるいは情報通信産業、沖縄科学技術大学院大学等も含めて、一定の成果はあったと。しかし、失業率の問題や県民所得、自立型経済の構築に向けては課題も残っているんだということでありました。

 先ほど企画部長からあったように、復帰後この間やられてきた計画について、専門家は、先ほどの県民所得と失業率の問題について、復帰後これま で8兆8000億円もの沖縄振興事業費が投下されながら、自立型経済に結びついていないのは、公共事業を本土ゼネコンに優先的に発注している。あるいは、 内閣府沖縄総合事務局の振興事業予算の5割を県外業者が受注し、県内に資金が循環していないとの指摘がされるわけですが、県のこの辺の分析、あるいはこの 指摘に対する見解について伺います。

○川上好久企画部長 本県は復帰後久しく、公共事業先導型の経済構造だと随分言われ てきたわけでございます。この間、40年近い沖縄県の振興開発の流れを見てまいりますと、1972年に私どもが復帰をして、沖縄県の状況はどうだったかを 顧みたときに、1972年の状況は、まさに北部ダムは福地ダムの開発事業を除いてほとんどない、全くない。道路、空港、港湾、あるいはまた離島における電 気もない。空港はその時点で6つという状況から出発したわけでございます。

 そういう意味では、社会資本基盤の整備が緊急の課題という中で、そのキャッチアップをやっていかなければいけない、そういう側面が1つあった と思います。その意味では、財政的には高率補助を中心として一括計上予算という流れの中で、おおむね20年から30年については、それが集中的に行われて きた。そのことが、結果として公共事業に偏った経済構造にならざるを得ない側面があったかと思います。しかしながら、今日的には公共事業の占める割合も― 建設業の占める割合も随分と落ちてきておりまして、これも本土の地方に比べるとそれほど差のない状況になってきているというのがございます。

 一方、産業基盤の整備はどうなったのかということにつきましては、工業用水道、それからまた、中城湾港新港地区における一定の産業基盤整備が 行われる。しかしながら、製造業がなかなか思うような形で展開をしなかったという部分が1つの評価としてあろうかと思います。しかしながら、この間、観 光、それからIT産業につきましては、沖縄県の地域特性を生かす形でしっかりと根づいてきていると理解をします。

 先ほどの受注の問題につきましては、内閣府沖縄総合事務局は内閣府沖縄総合事務局としての判断はあるでしょうけれども、基本的には地域を主体とした発注方式を心がけいく。本県ではそういう形でやってきたと理解しております。

○照屋大河委員 本会議でも、コンクリートから人へ、公共工事もどんどん減らされて いく中で、沖縄にはまだ必要だと、整備を必要とするところがたくさんあるんだという土木建築部長の答弁もありましたが、先ほど言った視点で、少なくなって きた事業に対して、県内業者に資金が回る仕組み。内閣府沖縄総合事務局の事情はあるだろうという答弁ではありましたが、県が、企画部長が先頭に立って、さ まざまな部署でそういう課題があると思いますので、声を拾い上げて、次期に向けてしっかりと国に当たっていっていただきたいと思いますので、この件は要望 しておきます。

 それから、今県も検証を行っているということですが、土曜日からきのうにかけて、前原沖縄担当大臣が沖縄振興計画の検証を目的に来県されたよ うであります。きのうは知事とも―企画部長も一緒だったんでしょうが―会談が行われたということですので、中身について教えていただきたいんですが。きょ うの新聞では、いかにソフト面を定着させるかを次期沖縄振興計画にも入れたい、文化、伝統、自然を含めた観光沖縄を確固たる強固な地場産業にし、発展の核 にするのかを我々は考えていかなければならないと、次期沖縄振興計画の重要性に熱弁を振るったという記事もありますし、知事は那覇空港の第2滑走路の件に ついて、力強かったと顔をほころばせたというような記事があります。企画部長も同席されたと思いますので、少しきのうの様子、あるいは2日間の前原沖縄担 当大臣の視察についてどのような形であったのかを伺います。

○川上好久企画部長 昨日、私もお昼の50分ほど同席をさせていただきました。前原 沖縄担当大臣は、この2日間、県内の幾つかの施設を視察されたということでございます。本来、今回の目的は、2011年で沖縄振興計画が切れることを踏ま えまして、現沖縄振興計画のレビューを現在行っているということを申し上げておりました。今回は、その一環として現地視察を行った。沖縄IT津梁パーク、 特別自由貿易地域、国立劇場おきなわ、久米島等を訪問されたということでございます。

 そういうことを踏まえて意見交換が幾つかあったわけでございますけれども、視察の感想が幾つか出てまいりました。その中では、特別自由貿易地 域等にちょっと触れまして、企業の立地が少ないことについては何か工夫が必要ではないかということがございました。これに対して県のほうからは、物流コス ト、地価の高さ等の要因を説明申し上げ、さらに、カボタージュの件についても、今後検討をお願いしたいということを申し上げております。

 それからまた、久米島町からの要望事項もあったことが前原沖縄担当大臣から説明がございました。海洋深層水の複合利用についての要望があったということをおっしゃっておられました。

 それから、今後の沖縄の振興に関連して、中国富裕層のインバウンドが非常に期待できるのではないか、そういう受け入れ体制を今後つくっていく必要があるのではないかというお話がございました。

 それから、先ほど委員からもございましたけれども、那覇空港については頑張るとおっしゃっていただきまして、その項目については、知事を初め、非常に期待をしたいと考えてございます。

 それからまた、県のほうからは、カボタージュに関する要望だとか、今後の大きなテーマとしては、交通コストの低減を図るべきだということを申 し上げました。産業振興については、観光、ITに続く新しい柱を今後検討していく、そういうことの意見交換がございまして、次期沖縄振興計画に向けて今後 意見交換をしていくお話になったところでございます。

○照屋大河委員 政府から、あるいは前原沖縄担当大臣から積極的に施策について意見 されるところ、中国への誘致の問題とか、今言った第2滑走路の問題とか、それはしっかり受けとめて対応していかなければならないし、先ほど言った総点検も していかなければならない。それから、知事も、戦後処理については5年をめどにと言っているのを、しっかり10年、そういったスパンで取り組まなければな らないということでありますので、先ほど現沖縄振興計画の検証は今年度中に終えて、来年度にはということでありましたので、しっかり対応も含めて強い決意 でいかなければいけないと思いますので、この辺も要望しておきます。

 それと、今の政府は地域主権を掲げて、あるいは鳩山総理大臣を先頭にそういう方向があるんですが、実は政府のほうが、地域主権推進改革一括法 案を閣議決定し、国のひもつき補助金のかわりに自治体が自由に使える一括交付金の導入、あるいは国の出先機関の原則廃止などの改革案を盛り込んだ地域主権 戦略大綱をこの夏までにまとめるということであります。

 原口総務大臣は、2011年度終わりから2012年度初めには姿が見えるスピードで進めたい考えを示しているわけですが、スピード感を持って 当たるということで示しているわけですが、ちょうど次期沖縄振興計画に入っていくタイミングに当たるわけです。この辺について、先ほど言ったひもつき補助 金の廃止とか出先機関の廃止について、沖縄県に与える影響や問題点などどのように考えているのか。今沖縄振興計画の洗い直しも含めてさまざまに作業が重 なってくるわけですよね。その辺について企画部長の見解を伺いたいと思います。

○川上好久企画部長 確かに現行の動きは、これまで3度の沖縄振興開発計画の現調の 時期と非常に環境的に異なる部分があると認識をしています。1つは、これまでは一貫して、日本の財政制度は国庫補助金を中心にしてさまざまなハード面の整 備が行われてきたという流れがあるわけですけれども、今回、まだ形はしっかりと見えてきておりませんけれども、一括交付金制度を導入するということが1つ 言われております。

 それとまた、もう既に出てきた動きとしては、国直轄事業の維持管理負担金の廃止をする。建設負担金については今後見直しをしていく流れの中 で、沖縄振興のスキームの非常に重要な要素であった高率補助制度に何らかの影響を与えてくると認識をしております。そういう意味では、国における地域主権 にかかわるさまざまな取り組みをしっかり見ながら、次の制度等についてはまた検討を進めていく必要があろうかと思っております。

○照屋大河委員 今言った沖縄振興計画の検証作業、検証の結果、あるいは次期に向けての計画検討作業についても、ぜひ県民にも見える形、一緒になって議論ができる仕組みづくり、あるいはそういう姿勢をもって当たっていただきたいことをお願いしておきます。

 それから、先ほど交通体系のコストのことについても言及がありましたが、鉄軌道の導入に向けた調査費が計上されているわけですが、去る衆議院 予算委員会で、前原沖縄担当大臣は、調査を1つの契機として新たな沖縄の交通網の発展のために努力をしていくと答弁しておりますが、県は、調査費の計上を 受けて、鉄軌道の導入を含む沖縄の公共交通体系の整備はどうあるべきと考えるか伺います。

○川上好久企画部長 平成22年度予算で、国のほうで調査費が計上されているところでございます。県としては、国で調査を実施するということで、鉄軌道導入に向けた課題、またその解決策等が効率的に整理をされていくのではないかと期待しております。

 それからまた、県のほうでは、現在、平成21年度から駐留軍用地跡地を含めた中南部都市圏における公共交通を中心にした調査をやっておりまして、この中で、公共交通システムの軌道圏を含めた可能性調査も行っております。

 次年度は、向こう20年間を展望する沖縄県総合交通体系基本計画の見直しをすることになっておりまして、その中で、今年度の調査結果、また国 で行われる調査結果を活用しながら、連携をしながら、鉄軌道、それからまたバスやタクシーも含めた交通機関のあり方について検討してまいりたいと思いま す。

○照屋大河委員 この鉄軌道の導入については、当銘委員長からも、当初の沖縄振興計 画からどうして入れられなかったのかという、かかわった者としての意見も聞いています。前原沖縄担当大臣は今回の調査は1つの契機ということですので、先 ほどからある次期沖縄振興計画に向けて鉄軌道の実現ができるのか、しっかりと取り組んでいただきたいし、特に観光や流通、物流といった面で、沖縄本島北部 地域―北部地域を含めた県一帯の発展、そういう意味では人の流れも含めて沖縄本島北部の視点をしっかり視野に入れた交通体系、先ほど沖縄本島中部の跡地利 用の件もありましたが、その辺も含めて要望しておきますので、よろしくお願いします。

 最後になりますが、インターナショナルスクールについて伺います。

 インターナショナルスクールの建設は、沖縄科学技術大学院大学の周辺整備事業とのことであります。しかし、周辺整備、道路整備等とは違って、 インターナショナルスクールは、この建設については大学院大学と一体となってとらえるべきものではないかと今感じているんですが、大学院大学建設同様に国 負担として行うべきものではなかったのか、そうできなかった理由等について伺います。

○川上好久企画部長 インターナショナルスクールの設置事業につきましては、本会議 等でも申し上げました。沖縄科学技術大学院大学の周辺整備、それから外国企業誘致のインセンティブ、県内子弟に対する質の高い教育の場の提供、3つの目的 で進めているわけでございますけれども、特にその中では、沖縄科学技術大学院大学の優秀な研究者を確保するための条件として非常に重要であると考えている ところでございます。

 沖縄科学技術大学院大学の整備につきましては、この間、国と地元の役割分担の中で事業が進められております。国が大学院大学本体の整備を行う。県は住宅、教育、医療など大学院大学周辺の整備を行ってきております。

 県としては、周辺整備にはなるべく民間活力の活用を図るように努めているところであるわけですけれども、インターナショナルスクールの設置に つきましても、これは大学院大学プロジェクトと軌を一にする重要なプロジェクトであることから、その整備についてはさまざま議論も出てきたところでござい ます。公設公営でやるべきだとか、あるいは民設民営でやるべきだとか、そういう中で財政的になるべく負担をかけないように、また民間のノウハウが活用でき る形で、今般、県としては民設民営の方式の中でやってまいりました。

 ちなみに大学院大学プロジェクトは、県にとっても非常に長期の構想に基づくプロジェクトでございまして、古くは国際都市形成構想の中に見られ るわけですけれども、そういうふうなものを着々と整備してきておりまして、沖縄科学技術大学院大学の設置については、国はこれまで約700億円の資金を投 じてきて、これが平成24年にはほぼ開学の見通しが立つ段階まで来ております。

 国の事業につきましては、これは通常の事業と違いまして、10分の10の国庫で、県負担は全く要らない事業になっているわけです。そういう意 味では、周辺整備につきましては、県、それから市町村を含めて、なるべく民間の活力も利用しながら周辺整備という形でやってきたところでございます。

○照屋大河委員 しっかりとその辺の理解を求めていかないといけない。先週の総務部 の予算特別委員会においても、今回4億円近い県負担が提案されていますが、私学振興との関係で、関係者に誤解があるんだ、理解を求めることができるのか、 そういう質疑が相次いだわけです。その点について、総務部長は申請認可があれば私学振興の予算で賄えるということでしたが、その辺を伺います。

○川上好久企画部長 インターナショナルスクールは、本会議でも申し上げましたけれ ども、沖縄科学技術大学院大学整備と関連をする重要な県の政策としてのプロジェクトの一環でございます。その中で、それをどのような形で整備するのか、今 回も議論がいろいろあったわけですけれども、公設公営あるいは公設民営、民設民営、そういう中で、より県負担が少ない、そしてまた民間のノウハウが活用で きる形で、今回、民設民営でやってきたところでございます。本会議でも申し上げましたけれども、リーマン・ショック以降の予期せぬ経済状況もございまし て、資金の見直し等そういう形がございましたけれども、しかしながら、やはり県としてしっかりやっていかなければいけない政策的なプロジェクトであるとい うことで進めているところでございます。

 それからまた、この整備ができた段階では、学校法人としての設立をやりながら、その準備も並行して進めていくことになろうかと思います。

○照屋大河委員 確かに、事業については大変大切なものであり、しっかり取り組まなければいけない。しかし、新たな4億円余りの負担について、見通しが大変甘かったんじゃないかという思いもありますので、その辺をもう少し答弁いただきたい。

○川上好久企画部長 確かに、この資金確保の見通しが甘かったのではないかというお しかりにつきましては、本会議の中で答弁したとおりでございます。私どもとしても一生懸命取り組んできたところでございましたけれども、当初計画どおりい かなかったことを非常に反省しなければいけないと感じています。

 しかしながら、御承知のとおり、インターナショナルスクールの設置については、先ほど申し上げましたように、できる限り県負担が少ない方向 で、なおかつ寄附金主体ということで取り組んできたわけでございますけれども、リーマン・ショック以降の経済状況の変化の中で、当初の枠組みではなかなか 資金調達ができない事態もございました。このために、今回資金確保に向けた枠組みを見直すことになりまして、学校法人の借り入れも含めて、県単独による補 助金について検討をお願いしているところでございます。

○照屋大河委員 地元は、県の姿勢が少し弱いと。さまざまに建設地の廃止案等があっ て、地元のほうで大きく世論を分けてきたわけです。しっかり取り組んでいただきたい。この新たな予算についてもしっかり説明して、地元としっかり協議を、 理解される取り組みを今後進めていただきたいと思いますので、これを要望して終わります。

○当銘勝雄委員長 崎山嗣幸委員。

○崎山嗣幸委員 早速質疑をしますけれども、北部振興事業についてでありますが、国 が今回、北部振興事業は名称を変えて、基地とリンクさせないで総額70億円を計上しているということでありますが、従来の米軍再編交付金、北部振興事業と 基地をリンクさせてきた使い分けの方法と、今回のリンクさせない予算の関係はどう違うのかについて、まず説明をお願いします。

○川上好久企画部長 北部振興事業につきましては、これまでも北部12市町村が主体 的に、それぞれの計画と整合を図りながら、北部広域市町村圏事務組合が中心になって実施してきた広域的な地域振興事業であると考えております。これまでの 北部振興事業、それから次年度の予算も含めて、基本的には均衡ある圏域の発展を図るという趣旨に基づいて、地域の振興のために進められるべき事業であると 県としては考えております。

○崎山嗣幸委員 今回そのような状況に変わるそうでありますが、今言われている12市町村を含めて、県としてどのような北部振興事業を目指していくのかについて、わかる範囲で答えてもらいたいと思います。

○川上好久企画部長 次年度の予算は、従来の公共、非公共各50億円から、それぞれ 35億円ずつ、合計70億円になっております。新たな北部振興事業については、まず、非公共の35億円につきましては、沖縄本島北部地域における所得向上 に向けた産業振興に資する事業、それから人口増加に向けた定住条件を整備する事業など、従来の施設整備事業に加えて新たに実効性の高い事業も対象としてい るということになっております。

 それからまた、ハードの部分、公共の部分につきましては、これまでの北部振興事業と同様に、沖縄振興特別措置法に基づく高率補助が適用されるということで、道路、港湾、公営住宅などの産業振興、それから定住促進のための基盤整備が進められるものと考えております。

○崎山嗣幸委員 次に、県の交通対策について伺いますけれども、那覇市内の主な渋滞路線はどこの箇所が挙げられるのか、また、渋滞路線の解消をどう考えているかについてお伺いします。

○津覇隆交通政策課長 市内の主な渋滞は、国道58号と国道330号、あとは国際通り等、そういったところだと思います。

○崎山嗣幸委員 今言われているのは皆さんの計画の中でしっかり、国道58号、国道330号、国際通りという話ですが、ひめゆり通りは入っていないんですか。

○津覇隆交通政策課長 現在、バス路線網の再構築ということで考えている路線は、国道58号と国道330号、国道329号を一応想定はしております。

○崎山嗣幸委員 思いつきではなくて、皆さんの計画の中で渋滞路線の解消に向かって の計画があると思います。今言われている皆さんの沖縄県総合交通体系基本計画の中でもどうなっているかということで聞きたいんですが、モノレールとの接点 とか、あるいは今言われている交通対策の問題もあると思います。これは皆さんは那覇市内の渋滞路線についてのベスト3なりベスト10なりをつけて、周辺の 道路のアクセスとか、解消を図る計画はあるんじゃないですか。だから、今言われている3カ所だけが渋滞路線かというと、とてもじゃないけれども、那覇市内 はどこもかしこも渋滞地域の感じはしますが、特にひどいところはどこかを私は聞いているので、この3カ所だけかなといったら疑問に思うんですが、企画部 長、この辺を改めて補足してくれませんか。

○川上好久企画部長 崎山委員が言われるとおりでございまして、那覇市内は、時間帯 もございますけれども、今、津覇交通政策課長が答弁した国道58号、国道330号もそうですけれども、ひめゆり通りを含めて朝夕はかなり渋滞をしていると 認識をしております。そういう慢性的な交通渋滞を踏まえて、この間、県のほうでは、平成13年に沖縄県総合交通体系基本計画を策定したわけでございます。 この中で、単に道路をつくるハードの話だけじゃなくて、ソフト施策も交通需要マネージメント―TDM施策も含めて推進する必要があるということで、そうい う考え方に基づいてバスも再構築という動きも出てきているということであります。その中で、先ほど津覇交通政策課長が申し上げました国道58号、国道 330号等々を中心に、今後まず社会実験等を検討していこうということでございます。

○崎山嗣幸委員 県内のバス網の再構築ということもありますが、私は那覇市内の渋滞 のことを聞こうと思ったんですが、バス網の再構築という観点でお聞きします。特に基幹バスの導入ということで県は提起をしておりますけれども、これは御承 知のように、基幹バスが走ることによって、高い輸送力とか、あるいは快適性とか、定時定速性で輸送効率が高まるということで、県が国道58号を中心として 那覇市から沖縄市の3路線5系統の計画ということでありますが、今言われている基幹バスの導入について、この間、皆さんが提案をしてからの進、路線につ いて、どうなっているか伺います。

○川上好久企画部長 これは先ほどの続きになりますけれども、平成18年、実はバス 網再構築計画を策定しております。この計画は、今委員言われますように、那覇市、沖縄市、与那原町を結ぶ国道58号、それから国道330号、国道329号 の3路線に、基幹バスとして普通バスと急行バスを2系統運行する、それとまた、各地の郊外地に支線バスを運行する考え方であるわけです。

 その後、平成19年5月に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律ができまして、那覇市、浦添市、宜野湾市、沖縄市、それから学識経験者と か国、県、公共交通事業者、住民等を含めた沖縄県公共交通活性化推進協議会を立ち上げているわけですけれども、この中で、バス網再編構築の具体化に向けた 取り組みを進めているわけです。その中で、3カ所同時にということではなくて、まず国道58号を中心に基幹バスシステムの導入を図る計画が今進められてお ります。

 この議論の中では、バス事業者からさまざまな問題提起、それからまた、規制をする公安委員会や県警察からの考え方とかいろいろ出てきているわ けですけれども、バス事業者のほうからは、実験をすることに際しては、バス結節点の整備だとか、あるいはまたバスレーンの拡充の話とか、そういうものが議 論として提起をされておりまして、そのことについて今、協議会の中で議論を進めているところでございます。

○崎山嗣幸委員 今言われている課題を何点か挙げられましたけれども、当初、県は 2009年に、実証実験を国からの補助を受けてということで話があったようであります。これが延びておりますけれども、今企画部長が言われたこと自身が課 題となって、精査というのか、これをするという意味で実証実験のめどというのか、延びているということなんでしょうか。

○川上好久企画部長 バス事業者、その他の関係者、それぞれの立場でいろんな問題点 を出しながら今議論を進めているところでございますけれども、現状においては、まずバスレーンの延長、拡充について、それがどういう影響を及ぼすのか、そ の辺の調査をしながら実証実験に入っていこうという段階になっております。現時点において、バスレーンを拡充した場合にどういう影響を与えるのか、現在こ れを調査している状況でございます。

○崎山嗣幸委員 モノレールとの関連はあると思いますが、今バス事業者からは、バス レーンの延長、拡充が重要だという話であります。この問題については県民の意識ですね。従来、バスレーンへの評価とか、あるいは今言われているように、バ スレーンを敷いて、それから延長するのか。従来のバスレーンの評価とか、バスレーンを敷いたことでマイカーからバスへの切りかえとか、あるいは混雑するか らということで通勤ルートを変更したとか、過去に皆さん方は調査をやった感じがしますが、従来のバスレーンと、これから延長したときにどういう影響がある かについての県民の意識はどんな意見を持っているかについて伺いたいと思います。

○川上好久企画部長 過去にそういう調査をやったかは今ちょっと定かではないんです けれども、今まさに委員が言われる形で、バスレーンの延長、拡充についてもいろいろな意見がございます。延長、拡充をした場合、逆に渋滞悪化を引き起こす のではないかとか、あるいはまた県民の理解を得られるのかとか、そういう懸念をする声もございます。それで今回、沖縄県公共交通活性化推進協議会の中では バスレーンの延長、拡充に対するニーズを把握するということで、アンケート調査を住民等に行っているところでございます。こういうものを踏まえながら、さ らにまた同協議会の中で議論をして、作業を進めていきたいと思っております。

○崎山嗣幸委員 企画部長、これもやっぱり評価をちゃんとしたほうがいいと私は思い ますけれども、今言われているように、審議の中で根っことなっているのがバスレーンの拡充が不可欠だということで、これからの県民意識調査も含めて、渋滞 解消で基幹バスを走らせるにはバスレーンをもっと延長するかどうかが大きな課題となって、渋滞がさらにひどくなるんじゃないかとか、評価についてはしっか りつかまえないと、これだけ実現できないと思うんです。

 だから、皆さんが出しているルートの中で、多分に従来のバスレーンの評価は高いと思っていますが、しかし、これ以上は延ばさないでもらいたい という感じを私は受けたんです。意外とマイカーからバスへの移動もそんなに多くないというのか、それから通勤ルートの変更も含めても、過去皆さんが調べた ものをベースにして、これからどうするかという展開をしないとこの基幹バスを走らせるのは3路線、国道58号と国道330号等に走らせるにしても、この辺 の課題が克服されないと難しいと思うんですね。今言われていることについては、バスレーンの拡充も含めて、県民の皆さんが渋滞に巻き込まれてどう展開する かを含めて、しっかりシミュレーションをとって明らかにすべきだと思いますが、この方向性はいつごろ出るんですか。

○川上好久企画部長 今アンケート調査等をやってございまして、3月いっぱいにはまとめる予定にしてございます。

○崎山嗣幸委員 3月いっぱいということでありますから、3月の様子を見て、また改めて議論をさせてもらいたいと思います。

 では最後に、沖縄21世紀ビジョン(仮称)について伺いますけれども、このビジョンでありますが、20年後の沖縄の姿を描いて方向性を示すと いうことで、基本構想だと私は理解しておりますが、そのもとで基本計画、実施計画をつくって実行すると理解しているんですが、基本構想をつくる意義につい て、企画部長から若干説明をお願いします。

○川上好久企画部長 沖縄21世紀ビジョン(仮称)という名の基本構想を本県でつく るのは、実はこれが初めてでございます。もともと沖縄21世紀ビジョン(仮称)をつくることが議論されてきたのは2年ほど前だと承知をしているわけですけ れども、まさに時代は、我が国においては少子高齢化、2005年以降の人口減少、年金問題とか、それにまつわるさまざまな課題も出てまいりました。そして また、日本の経済力の将来についての不安とかが言われる時代。そしてまた、世界的なグローバル化とか、あるいはまた分権の流れとか、そういうさまざまな時 代の転換期の中で、沖縄の20年後というものをやはり県民みずからが策定すべきではないか、考えるべきではないかという議論を背景にして出てきたと考えて おります。

 そういうものの中で、沖縄県というのは復帰後4回にわたって沖縄振興開発計画、あるいはまた沖縄振興計画ということで、知事が原案をつくりな がらも、国の計画としての総合計画を実施してきているわけです。ただ、計画の中に、例えば格差是正とか自立的発展の基礎条件とか1つの目的はあったにして も、その結果としてどういう社会が発現するかはなかなか見えてこないというものもございました。そういうことを含めて、県民がどういう社会を望むのかとい う物の考え方をしっかり整理をしてみるということで、今回沖縄21世紀ビジョン(仮称)が試みとして出てきたものと考えております。

○崎山嗣幸委員 県民がどう望むかについては、県民が共有する将来というか、議論を つくっていかなければならないと思いますが、そういった意味で、将来を展望する基本構想でありますから重要だと思いますが、知事がその都度、このことにつ いて容易に変更できる代物なのか。県議会の承認事項ではないと聞いていますけれども、そうなると知事は勝手にとは言いませんけれども、その都度、状況が変 わればこの基本構想そのものは変えられる代物なのかについてを伺いたいと思います。

○川上好久企画部長 基本構想も、それから基本計画につきましても、地方自治法上、 県においては、県議会の議決に付するような形ではその制度はなってございませんので、これを出しているところはなかなか少ないと思います。それとまた、時 の県政担当者がかわればどうなのかという話は、それはさまざまなケースがあり得ると思います。ただ、沖縄21世紀ビジョン(仮称)に関しては、20年後の 沖縄はどうありたいかという県民の切実な思いをこういう形に整理しているということでございまして、そこのところは特に大きな影響があるとは私どもは考え ておりません。

○崎山嗣幸委員 そういった意味では、企画部長は、そこはあり得る、知事の変更もあ り得るということでありますが、多分この中において沖縄の将来を描くときに、何といっても米軍基地の存在を否定はできないと思うんですよね。この位置づけ については、やっぱり根幹をなすものでありますので、この中に触れているものでは、大規模な基地返還が実現をした後も広大な米軍基地が残るという記述が何 ページかにあった感じがしますが、これは20年後もまだ広大な米軍基地を容認して残っていくという意味で位置づけられているのか、それを伺いたいと思いま す。

○川上好久企画部長 基地に関する表現につきましては、この間、本会議、それから特 別委員会で、この1年間通してさまざまな議論をいただいたわけでございますけれども、また、このビジョンを策定するに当たって、広く県民の意見もできるだ け収集する形で整理をしてきたところでございます。その中で、基地に対するさまざまな県民意見、それから沖縄県振興審議会での意見、県議会での意見を踏ま えながら、ああいう形の整理をさせてもらったところでございます。最終的な県民の姿というのは、やはり平和で幸せに満ちた沖縄でありたいというのが、県民 総体としての一致する姿ではないのかなという形で整理をさせてもらったところでございます。

○崎山嗣幸委員 やっぱり過去があって、現在、将来が踏襲されていくと思うんです が、今言われているように、現在の知事の政治スタンスによって、将来、基地を容認するのか容認しないのかによって書き方が違ってくると思うんですが、これ は県民の総意に基づいて書くのが一番明確だと私は思います。県民は基地のない沖縄を目指していると思います。それは知事のスタンスがどうあれ、そういう書 き方が望ましいと思うのですが、企画部長、いかがでしょうか。

○川上好久企画部長 それは県民の総意を踏まえて沖縄21世紀ビジョン(仮称)とい うものをつくるべきだと思います。そういうことであるわけですけれども、また1つ、このビジョンは20年先という1つの時間的な制約、そしてまた、現在か らそれを展望するときにどういうことが考えられるのか、あるいはまた、広く県民の意見を聞いていくときに、基地のない沖縄というものは、かなりの県民の方 がそう思っておられることも、アンケートの数から見てもそう感じる部分があるわけですけれども、一方で、やはりまた違う意見を持っている方々もいる。そう いうものを総体としてどうビジョンの中に盛り込んでいくのか、それがなかなか難しいところではございますけれども、みんなのビジョンをつくっていくための 議論を、県議会を含めていろいろ今後もやっていきたいと思います。

○崎山嗣幸委員 これの第3部で2751名の県民アンケートをとっておりますが、沖縄の将来像、県民は何を要望しているのか、何を改善したいのかについて明らかにされておりますが、それをお答え願えますか。

○川上好久企画部長 県民アンケートの中で一番多かったもの、それを実際見ていて私 どもも少し驚いた部分があるわけですけれども、豊かな自然環境、歴史、伝統、文化というものを大切にしたいという声が非常に多かったことを印象として持っ てございます。それとまた、雇用とかそういう部分についても改善が必要だという形で要望として出てきていると理解をしております。それから教育の関係、そ れから財政といいますか、県財政あるいは市町村財政を含めて県民が不安を持っている、そういうものがアンケートの中で出てきているかと理解をしておりま す。

○崎山嗣幸委員 県民の意識が明確でありますが、自然環境を壊すなが88%と出てい ますよね。伝統、文化が69%。改善は、雇用と教育と交通渋滞もありますね。それを受けて沖縄21世紀ビジョン(仮称)がつくられるべきだと思いますが、 これを踏まえていないと私は思っておりますが、いかがでしょうか。

○川上好久企画部長 委員の御意見でありますけれども、私どもはそういうものを十分 踏まえていると考えております。今回、さまざまな県民意見、アンケート、それからシンポジウム、そしてまた県議会での議論も含めて、我々は沖縄21世紀ビ ジョン(仮称)の5つの柱をつくったわけでございます。その1番目に来たのが、自然、歴史、伝統、文化を大切にする島。それからまた、安全安心、福祉や医 療、介護。それから、活力ある沖縄ということで産業振興。あと国際交流。最後の土台としての教育を5番目に据えて、そういう意味では、県民の意見に沿うよ うな形で忠実に整理したつもりでございます。

 目標とするところはそういう形で沖縄21世紀ビジョン(仮称)として整理させていただきました。その中で、その目標を達成するためにさまざま な課題があり、そのための基本方針があるというところまでは整理させていただきました。その中に、そういう部分も記述させていただいております。公共事業 等によって自然環境が結果として破壊されている部分もあることもちゃんと記述をしておりまして、今後また、再生型の公共事業というものも必要なんだという こともあわせて記述をしているところでございます。

○当銘勝雄委員長 渡久地修委員。

○渡久地修委員 まず、ちょっと細かいですけれども、皆さんからもらった平成22年 度歳出予算事項別積算内訳書(企画部)の12ページに、全国知事会負担金から始まって8つの負担金がありますけれども、その8つの負担金のうち、法律で義 務づけられたものは何々で、この8つというのは多いんじゃないかなと。整理統合するのがないのかどうか、お答えをお願いしたいと思います。

○桃原利功企画調整課長 8つの負担金についてはおのおの目的がございまして、現段階においては構成員、内容等が違うことから、現在のところ統合の予定はございません。

○渡久地修委員 僕が聞いたのは、法律で義務づけられたのは何かということです。

○桃原利功企画調整課長 法律に基づくものは、九州地方行政連絡会議となっております。1件でございます。

 九州地方開発推進協議会及び九州高速自動車道建設期成同盟会につきましては、趣旨が、九州地方開発推進協議会につきましては全体的な推進と なっておりまして、高速道路につきましては道路関係のものとなっておりまして、含まれる格好になっておりますので、それが1点。構成員が九州各県の知事、 県議会議長となっており、同じであることから、これにつきましては、委員がおっしゃるように、今後検討の余地はあるものかと思われます。

○渡久地修委員 やっぱりきちんと整理するのはするということでやっていただきたいと思います。

 それから36ページ、これは決算特別委員会のときに、企業局長が、これ以上ダムはつくらないと言っていたんですよね。だけれども、36ページ に沖縄本島ダム事業促進協議会負担金とあるものだから、これとの整合性がどうなっているのか、ちょっと疑問があるものですから、これはこのまま存続するの か、お答えをお願いします。

○當銘健一地域・離島課長 沖縄本島ダム事業促進協議会は、国直轄ダム事業の早期完 成及び水源地域整備等の促進や広報活動を行うことによりまして、本島地域における安定した水供給の確立を図ることを目的とするものであります。それとダム は要らないとした企業局長からの答弁との兼ね合いなんですけれども、現在、沖縄本島ダム事業促進協議会への負担金につきましては、現在建設中の大保ダム、 億首ダムの早期完成に向けた要請活動などの経費に充てられておりまして、現在は大保ダムと億首ダムの早期建設に向けた事業に対する負担金となってございま す。

○渡久地修委員 この2カ所ともやがて完成するんだけれども、その後どうしますか。企画部長、ちゃんと答弁してよ。

○川上好久企画部長 上水用のダムとして、企業局のほうは奥間ダムについては参画を しないということを、この間、議会で答弁しております。治水ダムについては、これからまたどうなるかわからないんですけれども、いずれにしても、これまで 復帰後一番大きな課題であった水資源という観点でのダムの整備については、一定の成果も出てきていると理解します。その中で、今ある負担金についても、そ のあり方について検討されていくことになろうかと思います。

○渡久地修委員 事前の説明では、これは廃止の方向で検討しますとみんな説明しながら、こっちに出てくると本当におかしいですね。これ以上やめておきます。

 企画部長、企画の一般的なあれなんですけれども、これから振興計画とか、いろいろ皆さんが企画立案するときに、経済波及効果、雇用効果という のはとっても大事になると思うんです。県で今、経済波及効果、雇用効果が一番大きい産業というのは算出していると思いますけれども、それがもしわかったら 教えてください。

○川上好久企画部長 今ちょっと手元にないので、申しわけございません。

○渡久地修委員 これは事前に通告していなかったので、これ以上追求しませんけれど も、今、企画部長にお渡ししました厚生労働白書を見ると、全産業の経済波及効果の平均が4.0671なんですけれども、社会福祉が4.2332で、社会福 祉関係の経済波及効果が物すごく高いんですね。それから、雇用誘発効果は何かといったら、企画部長に上げた次のページ、一番大きいのは介護なんですよ。社 会保障分野が雇用効果が一番高いと厚生労働白書の中で出されているんです。こういったものもよく試算をして、沖縄でどうなのかというのも出して、私たち は、これからもっと福祉、社会保障に力を入れなさいと、それが雇用効果もあるよとずっと言い続けていますけれども、この厚生労働白書でもそのようになって いるんですよね。だから、県の施策もそういったところを重点的に行うことが僕は求められていると思いますけれども、その辺、答弁をお願いします。

○川上好久企画部長 数字を確認してからと思ったんですけれども、確かにここ10年 ばかりの雇用の産業別の推移を見てまいりますと、沖縄県は全国に比べて失業率が高いものの、就業者は物すごくふえてきているわけでございます。そのふえて いるものをどういうところで吸収しているかを見たときに、これは観光関連、そしてまたITの関連と並んで、医療介護だと認識をしております。

○渡久地修委員 全国的な統計を見ると、介護が第1位で断トツ、第3位が社会福祉となっていますので、こういったのもぜひ研究して、これからの沖縄振興計画、沖縄21世紀ビジョン(仮称)とかの具体化にぜひ生かしていただきたいと思います。

 次に、インターナショナルスクールについて関連しますけれども、本会議で見通しが甘かったという答弁をなさいました。反省すべきとまで言って いましたね。その当初の見通しというのは何だったのか、甘かったのは何を指しているのか。今度の新たな負担額というのは幾らなのか、再度答弁をお願いしま す。

○川上好久企画部長 先ほど答弁させていただきましたけれども、当初、インターナ ショナルスクールについては、周辺整備は県がやるということで、どういう形でやるかさまざま検討してきたわけでございますけれども、公設公営、あるいは公 設民営、民設民営いろいろやり方はあるわけでございますけれども、こういう厳しい財政状況ということが1つ。それからもう一つは、こういう学校教育基本法 第1条で定められている学校で、なおかつインターナショナルスクールをあわせ持った教育をやれるノウハウはなかなか簡単にはつくれないということもあっ て、そういう意味では検討に苦慮したわけです。

 そこで、株式会社旺文社、県、うるま市と覚書の中でそれぞれ協力をしてやっていこうということになったわけでございます。その中で、うるま市 は用地を提供する、県は建物の整備をする、株式会社旺文社は経営について支援をしていくという覚書を締結する。その中で、県の建物施設の整備につきまして は、これは寄附金及び補助等でやっていくという基本的な方針を出していたわけでございます。その中で、建物については寄附金でできるだけ賄うということで 走ったわけでございます。

 それからしばらくして、御承知のとおり、一昨年9月にリーマン・ショックが発生して、それが思いのほか、大きな世界的な経済変動をもたらす中 で、なかなか資金の確保が当初見込んだ形でできない状況になった。そういう中で、今回もう一度資金計画を見直して、寄附金を6億円、それから県からの補助 を3億9000万円、そして借り入れを3億6000万円という形で整備をして、進めているところでございます。

○渡久地修委員 これ以上の資金投入はもうないですか。

○川上好久企画部長 ないと考えております。

○渡久地修委員 考えているじゃなくて、例えばこの前、補正でも質疑して、反対もし ましたけれども、埋立事業も、県の一般会計からの投入はないないと言いながら、結局、売れ残った分を県が全部、毎年買い取るということになっているんで す。結局こういう泥沼にはまっていきませんかということです。

○川上好久企画部長 これについては、そういうものとは違ってほとんどないとお答えしたいと思います。

○渡久地修委員 これ以上投入しないと断言できますか。

○川上好久企画部長 現時点で6億円の寄附金の予定に対して4億円余りの申し込みが来ております。そしてまた、県が3億9000万円、さらに借り入れも3億6000万円という枠組みの中で進めておりまして、ほぼ間違いなく着手をして建設ができるものと確信しております。

○渡久地修委員 覚書で、向こうは企業ですから赤字になったら撤退する可能性だってあるわけですよね。撤退したらどうしますか。

○川上好久企画部長 覚書の中で、株式会社旺文社のほうが経営については責任を持つ という形になっております。株式会社旺文社は、既に群馬県で運営をしている実績がございまして、なおかつ、学校教育基本法第1条で定められている学校であ あいうインターナショナルスクールを運営するという実績もございます。そしてまた、会社自体も、日本の参考書界、英語教育界の中で非常に実績のある、しっ かりした会社であると考えておりまして、今委員が懸念される形で、支援する株式会社旺文社がおかしくなるとは考えておりません。ここのところは問題なく運 営ができるものと考えております。

○渡久地修委員 撤退しないということが覚書できちんと確認されているかということなのよ。

○川上好久企画部長 覚書に書いてあるのは、支援をする、責任を持って対応すると書 いてございます。そして経営をするのは、この後に設立される学校法人が経営するわけです。その中の理事会が中心になって運営をすることになります。その運 営に対して株式会社旺文社は責任を持って支援するということでございます。株式会社旺文社が経営するということではなくて、運営するのはあくまでも学校法 人であって、これに対して責任を持って支援をするというふうなことでございます。

○渡久地修委員 要するに、企業だから赤字になったら撤退する可能性があるんです。 それを完全に食いとめるものにはなっていないと私は思うんです。だから、これは将来が非常に危惧される。それともう一つ、きちんと整理しないといけないの が、ほかの私学との関係です。ほかの私学は、この前も総務部で聞きましたけれども、老朽校舎を何とかしてほしいと県に何度も支援要請もやっているけれど も、これはできませんとはねつけている。一方のこっちには何でやるのというのが疑問なんです。その整合性についてお願いします。

○川上好久企画部長 これは先ほど申し上げたとおり、何ゆえに県はインターナショナ ルスクールを設置するのかということでございます。インターナショナルスクールは、沖縄科学技術大学院大学構想を推進する上で必要不可欠な条件整備であっ て、構想の初期段階から国際顧問会議の中では強く求められてきている、教育環境を整備しなければいけない。それからまた、県が進めるアジア・ゲートウェイ 構想における外国企業誘致の条件整備をする、さらに県民視点の人材育成、そういう3つの目的の中で、さらにこの中で特に沖縄科学技術大学院大学と対になる プロジェクトと位置づけて、まさにこれは政策的な事業として行うものでございます。

 したがって、その中でそれをどういう形でやっていくのかという場合に、公設公営もあり得る、公設民営もあり得る、民設民営もあり得るという中 で、やはり財政負担がなるべく少なく、なおかつ民間の十分なノウハウが生かせる方法で今回進めてきているということでございます。したがって、通常の私学 の助成という話じゃなくて、あくまでも政策目的を進めるための事業であるということでございます。

 ちなみに、こういう形の私学の施設に対して行政が関与する例は全国でも多々見られております。むしろ県外では、県がこの中の目的の1つとして います外国企業誘致のために、その子弟のためのインターナショナルスクールを、県なり市なりが金を出して運営させるケースが幾つかございます。そういう意 味では、あくまでもそれは政策目的としてやる話でございます。

○渡久地修委員 沖縄科学技術大学院大学関係者の教授の子弟とか言っていましたけれども、何人目標で、実際何名が今度入るのか、それを教えてください。

○川上好久企画部長 現在、まだ沖縄科学技術大学院大学はすべて開学しているわけで はないわけですけれども、最終的には500名の研究者が集まると言われております。現在、先行研究として約200名、研究者が県内で研究を行っているわけ ですけれども、現時点の研究者の子弟が約70名ぐらいでございます。

○渡久地修委員 入っているの。

○川上好久企画部長 子弟が既に70名おります。これは中学生以下の生徒数として70名でございます。うち外国籍の子供たちが27名となっております。

○渡久地修委員 政策的な判断と言っていましたけれども、沖縄科学技術大学院大学、 さっき言った人材育成とかというのであれば、沖縄の私学もすばらしい人材をたくさん育てていますよ。その大学院大学関係の人材育成の分野にそこも取り組ん だら、そこにも老朽校舎改築とか支援なんかができるわけですよ。総務部から企画部に移して支援したらどうですか。

○川上好久企画部長 これは沖縄振興計画に位置づけられた沖縄科学技術大学院大学プロジェクトの一環として行う事業でございます。そして、それをどのような形で整備していくのか、この間いろいろ整理をしながら、ここでようやく形として見えてきていると理解しております。

○渡久地修委員 今の質疑は極端な質疑でしたけれども、それぐらい私から見たら整合性がとれていない。僕は多くの県民から見ても整合性がとれていないんじゃないかと思うんです。これは、ある意味では企業への思いやり予算じゃないかなという気もするので、そう指摘しておきます。

 次に、企画部長、地方交付税の補正について質疑したいと思いますけれども、私は、これまで亜熱帯補正というのをずっと求めてきました。これは 地方交付税の補正で亜熱帯補正を創設して、特に沖縄の小・中学校、高校のクーラーの維持費をきちんと国が出せるようにして、教育環境を整備してほしいと要 求してきましたけれども、この亜熱帯補正についての県の見解をお尋ねします。

○山里清市町村課長 地方交付税の亜熱帯補正につきましては、委員からもこれまで何 度となく御要望、御質問等がございまして、県としましては、今の小・中学校の普通教室に空調施設を入れて、その維持費を交付税で見ることについては、これ までも総務省に対して毎年要望をしております。これについて総務省のほうからも、現時点ではまだ標準的な経費としてとらえることはできないという回答がご ざいますけれども、その中に、ただ今後引き続き検討するという文言もありまして、それを受けて、県としては今後、引き続き維持費の交付税への算入について も継続して要請していきたいと考えております。

○渡久地修委員 企画部の総務省への要請と総務部の要請、それぞれどういった名目での補正を要求しているのか、その理由をそれぞれお答えください。

○山里清市町村課長 実は、県の財政課のほうで県の要望ということで出しておりまし て、また、市町村課のほうでは市町村全体の要望ということで、それぞれ総務省のほうに出しておりますけれども、委員がおっしゃっていますように、若干その 内容が異なっています。というのは、今、市町村分で要望しているのは、小学校、中学校の空調施設の維持費についてでございますけれども、県のほうはいわゆ る県立学校の分です。交付税の制度の中身の違いでございまして、企画部が要請している小・中学校の分につきましては、費目が小学校費、中学校費と分類され ておりまして、その中でソフト、ハードでそれぞれ補正係数が計上できるようになっております。しかしながら、県立学校、いわゆる高等学校につきましては、 ソフト面といいますか、学生数等その辺を見ておりまして、ハードにつきましての算定の項目がないこともありまして、計上する費目が異なってくるということ で、最終的な目的は同じように維持費を交付税で見てほしいということでありますけれども、それぞれ小・中学校と高等学校での総務省の中での取り扱いが違う ということで、要望の中身が若干違っているということでございます。

 企画部のほうでは、補正の中の密度補正ということで、例えば人口密度とかによって行政経費の多寡が出てくるということで、それに応じて費用が多くなったり少なくなったりすることに対する、それを是正する経費で、密度補正という部分で要求しております。

 県の財政課のほうからは、現在、寒冷地には寒冷補正がございますけれども、その名称を気候補正に変えて、気候補正の中で寒冷補正も、それから今委員が御提案されています亜熱帯補正も含めて、その中で取り入れてほしいということでございます。

○渡久地修委員 企画部長、この件で、私はクーラーの地方交付税での補正を求める点 では、求めるようになったのは大いに評価するんですけれども、今言ったように、総務部と企画部は名前も全然違うんですよ。同じ沖縄から来るのに、一方は密 度補正とか普通態容補正とか、気候補正とか、理論構成が余りうまくいっていないんです。ですから、これを沖縄がきちんとやらないと見透かされてしまうと思 うんです。

 僕は、財政課がやった寒冷地補正の名前を気候補正に変えるというのは、よく勉強したなと感心したんです。ところが、これだけでは弱いと思う。 これだけでは、政府に地方交付税を改善してくださいという要求にしかならないと思うんです。やっぱり僕は亜熱帯補正でいくべきだと思っているんです。それ はなぜかというと、僕の考えを言いますけれども、1つは、まず地方交付税が創設されたのは1954年です。そのときにはクーラーというのがなかった。暖房 しかなかったから、クーラーの概念がなかったから、今改善してくださいというのは通る。気候補正でも通る。

 ところが、この1954年というのは、日本には亜熱帯地域というのはないんです。なぜかといったら、サンフランシスコ平和条約で沖縄は切り離 されていたんです。日本には亜熱帯地域というのは全くない。だから、あのとき沖縄が日本の領土であったら当然こういった補正があったはずなんです。だか ら、これは戦後処理でやらないといけない、復帰処理でやらないといけない。この辺を理論的にやれば亜熱帯補正で、だからこれは復帰のときにやるべきだった んだと堂々と理論構築して主張できるんです。改善のお願いじゃない、権利として主張できる。だから僕は、亜熱帯補正としてぜひ理論構築して政府に迫ってい ただきたいと一貫して言っていることなんですけれども、どうでしょうか。

○川上好久企画部長 確かに今委員が言われる話もよくわかると思います。それを言う タイミングというのであれば、時期的には1972年という話もあったのかもしれませんけれども、しかし、そのときにはクーラーはまだ一般的ではなかった部 分もあったかなという感じもいたします。そういう意味では、今のお話も含めて、さらにまた総務部とも連携をとりながら、交付税の措置のあり方について研究 をして、また国に働きかけていきたいと思います。

○渡久地修委員 これは沖縄振興計画にも反映させる努力も必要だと思うんですけれど も、私たち、何度も総務省にも行きました。文部科学省にも行って、この問題はずっと国とも交渉してきましたけれども、この壁を突破しないと、これは県がそ の気にならないとなかなか難しいんです。子供たちが摂氏35度、36度の中で勉強して体に悪いのは、これははっきりしています。市町村がクーラーをなかな か入れたがらないのは維持費があるものですから、亜熱帯補正の問題は、企画部長、ぜひ企画部と総務部で研究チームをつくって、僕はできれば亜熱帯補正がい いと思うんですけれども、それも含めてもっと研究していただきたいと思いますけれども、最後にお願いします。

○川上好久企画部長 沖縄振興計画も含めて検討したらどうかということもあったかと思いますけれども、いずれにしても、財源措置としてどちらがよりふさわしいかも含めて、また理論構成も含めて総務部と相談をしながら、これからもまた引き続き国のほうに要望してまいりたいと思います。

○当銘勝雄委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、企画部長より答弁を修正したい    との申し出があり、委員長が許可した。)

○当銘勝雄委員長 再開いたします。

 桃原利功企画調整課長。

○桃原利功企画調整課長 先ほど、法令に基づく団体は何件あるかという御質疑で1件と申し上げましたけれども、もう一件、全国地方拠点都市地域整備推進協議会がございますので、2件でございます。訂正いたします。

○当銘勝雄委員長 前田政明委員。

○前田政明委員 皆さんの説明書の中の総務省統計関係のところと関連して、県民生活 の現状、私どもは貧困化ということで、子供の貧困の問題とか、その他、失業率の問題とかを訴えてきましたけれども、また年末には反失業・反貧困沖縄県ネッ トワークその他で、自立支援テント村もやって、約150名の方々が相談されて、みんなで食事も提供しながら、また、医師などが健診もしながら、緊急を要す る方々には宿泊と生活保護の申請もしたんですけれども、改めて企画部長として、今起こっている県民生活の現状、貧困化の問題に対してどういう御認識なのか お聞きしたいと思います。

○川上好久企画部長 貧困化という個別の話だけではなくて、沖縄全体の経済社会を踏 まえて少し考えてみますと、復帰の時点から今日まで、沖縄県は県民の方々が非常に努力をされて今日の状況を築いてきたと、私は個人的にも思います。 1972年の段階からここまでを振り返ると、いわゆる社会資本の整備は非常に進んできた。この社会資本整備の中に、道路、空港、港湾だけではなくて、病院 をつくり、電気のない離島には電気を通し、そしてまた学校の整備をしていく努力をしてきたと言えます。1972年の沖縄県の高校進学率は、全国87%の中 で71%という数字がございます。それを今度はキャッチアップする。単に道路、空港、港湾だけでなくて、さまざまな生活の分野で県民が努力してきて今日が あると思っております。

 しかしながら、1990年代以降、バブルが崩壊する、そしてまた経済がグローバル化する中で、日本においては、2000年代に入って三位一体 の改革や人口減少という大きな時代の流れもきております。その中で沖縄県という地域の経済社会は非常に影響を受けているなと実感しております。

 その中で、今委員が言われた就業の問題、就業者こそ確かに沖縄県は復帰後ずっとふえ続けているわけですけれども、ここにきて、なかなか正規雇 用がふえない状況もあろうかと認識をします。そういう中で、やはり現状を打破する形でのさまざまな取り組みが必要だろうと思います。これは産業の振興もし かり、また、医療や福祉の分野もこれからまたさらに力を入れていかなければいけない、そういう認識でございます。

○前田政明委員 沖縄21世紀ビジョン(仮称)も考えられているみたいですが、先ほ どのクーラーの問題もそうですけれども、私ども、復帰前の米軍占領下の中のひずみが非常に重いなと。例えば保育所の問題にしろ、公立保育所が1950年代 はほとんどない。そういう流れの中で、やはりアメリカの統治下に置かれて、アメリカ経済の中に組み込まれている。そういう面では、日本政府からのきちっと した財政援助などが不十分で、復帰後も、いわゆる高率補助に基づいてハードの面もいろいろありますけれども、ソフトの面。年金の問題にしろ、いろんな意味 でそこのところのしわ寄せが本当に重くのしかかっているなと思うんです。そういう面では、急な質疑ですけれども、日本政府が本格的に沖縄の琉球政府に助成 をやったのはいつごろからでしたか。

○川上好久企画部長 詳しい資料が手元にないので少し概略的な話になると思うんです けれども、1952年から、いわゆる日政援助が始まったという話がございます。それは主として教育関係で、南方同胞援護会の援護事業で進められたというこ とになっております。1960年以降、これは池田・ケネディ会談という流れの中で、復帰までの日政援助が始まったと理解をしております。

○前田政明委員 これはさきの書物でも出ていますけれども、1960年9月13日に 日本政府の琉球政府に対する援助についてという閣議決定が行われて、1963年から本格的に財政支援に入るということで、私はここのひずみがいろんな意味 で、不発弾処理とかまちづくり、私も那覇市議会議員をやっていましたけれども、新都心とかその他をつくる場合に方法がない。区画整理事業の応用問題として 那覇市天久の新都心もやられましたけれども、地域振興整備公団に委託をしてやる格好でしたけれども、そういう流れの中で、改めてそこのところのおくれがか なりあるなと痛感しました。

 それで、貧困の問題で、皆さん、自殺者の問題とかそういう面で、企画部が全体的に考える場合に、自殺者がない、失業者もいない、それから安心 して子育てができる教育環境整備だとか、そういうものを考えた場合、私はやはり今の貧困の問題に対して、前から言っていますが実態の調査、企画部としても いろんな統計があるわけですから、そういう面から沖縄の貧困率の問題を含めて、子供の貧困の状況とか、そういうものはどこでやるかちょっとわからないもの ですから、統計ということで皆さんに聞いているんですが、その辺のものを早急にきっちり押さえることはやっていかないと、いろんな意味での問題として解明 できないんじゃないかという認識を持っていますけれども、どうでしょう。

○川上好久企画部長 今、貧困の問題というのはいろんな切り口があろうかと思いま す。先ほど私が申し上げました正規雇用の割合だとか、あるいはまたジニ係数だとか、そういうトータルな社会における指標については企画部でも処理できるか と思いますが、福祉の問題にかかわる部分、あるいはまた、教育現場にかかわる部分については、そういう担当部局のほうで対応されていくものだと考えており ます。いずれにしても、そういうところで必要に応じて検討、研究がなされるべきものと理解をしております。

○前田政明委員 やはり償いの心といいますか、改めて深い傷跡があると、そういう面で、基地を認めるかわりにとか、そういうものはもってのほかだということを言っておきます。

 あと、先ほどの渡久地委員との関係でちょっとだけ。先ほどのインターナショナルスクールの中で、外国人の子弟は現在何名か、お答え願います。

○川上好久企画部長 今聞き取りの段階なんですけれども、27名と出ております。

○前田政明委員 空港問題へ行きたいと思いますけれども、私ども、公共工事の問題で需要予測について、特別自由貿易地域の状況など、それから林道の問題とか、泡瀬干潟もそうですけれども、それがいかに県民生活を犠牲にしているかを痛感しています。

 空港問題で、今、株式会社日本航空の破綻だとかいろいろな状況がありますけれども、那覇空港の問題については現在でも、2015年には夏の時 期に旅客需要の増加に対応できなくなるおそれがあるとか、そういう面で引き続き需要予測は変わらない、いわゆる1990年初頭から10年間のリスクケー ス、それぞれ想定している問題について、それは変わらないという認識でしょうか。

○川上好久企画部長 需要予測につきましては、これは整備主体である国においてされ ておりまして、そこでは、予測時点で可能な限り最新の社会経済指標、それから航空サービスを反映しながら、さまざまな経済成長率の見通しを踏まえながら、 複数のケースについて予測してきていると理解しています。国は、引き続き需要の動向について検討を進めていくことになっているわけですけれども、その中で 必要に応じて需要予測の検証も行っていくと聞いております。

 県としては、需要予測の見直しの必要性については国において検討されていくんだろうと考えておりますけれども、ただ、一時的な不況が沖縄の将来に大きく影響するものではないと理解をしております。

○前田政明委員 一時的な経済悪化で、観光も今、減になっていますけれども、これが 一時的であればいいんですけれども、リーマン・ショックの不況によって世界的な経済構造が変わってきている。そういう流れの中で、やはりリスクケースで最 も悪い場合という状況がありますけれども、ここのところは本当にさま変わりをしているんじゃないかなと。そういう面で、株式会社日本航空の破綻によって航 空路線の減だとか、今後そういうのも考えられますよね。そこのところはどうなんですか。

○川上好久企画部長 これは本会議でもお答えしたわけですけれども、現在の株式会社 日本航空の再建に関して、株式会社日本航空、それから日本トランスオーシャン航空株式会社―JTAからの報告の中では、沖縄路線は言ってみれば日本航空の 中でも主力路線であって、そこについては大きな影響はないと説明を受けております。現在、合理化に伴う沖縄路線の影響としては、昨年話のあった北九州路 線、それから神戸路線がございますけれども、それ以外には、現在、沖縄路線の廃止方向は検討されていないと説明を受けているところでございます。

○前田政明委員 この間、本土との沖縄路線はふえているんですか。

○川上好久企画部長 最近の沖縄関係、国内路線の状況でございますけれども、平成 21年の1月以降でございますけれども、開設したのが石垣-中部国際ほか合計6路線。それから廃止が、これは平成20年4月1日の札幌も含めて5路線。そ してまた再編が、これは全日本空輸株式会社―ANAからスカイネットアジア航空株式会社への引き継ぎとかそういうものを含めて大体4路線となっておりま す。

○前田政明委員 現在、那覇空港の管理運営は黒字ですか。

○川上好久企画部長 赤字になっていると聞いております。

○前田政明委員 これは今プール制になっているので、全国的に空港は羽田の利益に よって運営されているというんですけれども、今後、本当に単独になると大変になる。やはり那覇空港の民間専用化が約束されていて、これは前も聞いたんです けれども、今の自衛隊の利用状況と民間の利用状況、今後の推移について簡単に御説明をお願いします。

○川上好久企画部長 2007年時点で、年平均日発着回数、これが合計で362件ございます。そしてそのうち、自衛隊機と自衛隊以外の海上保安庁の件数も含めているわけですけれども、これが84回ございまして、それを差し引くと278回となっています。

○前田政明委員 これまでも聞いていますけれども、民間専用化になれば、皆さんの今の予測で何年までそれが十分運用できるということでしたか。

○川上好久企画部長 自衛隊機を除くと2030年ぐらいまでと出ております。

○前田政明委員 答弁漏れなんですけれども、今後の行方、民間機の使用と自衛隊の使用がどうなるのか、大体どのように予測していますか。

○川上好久企画部長 今後の予測では2030年まで、これはケースが多い方、中位、それから少ない場合とケースを分けて試算をしているわけですけれども、一番少ないケースで416回、自衛隊機を除くと332回になります。一番多いケースが442回で、自衛隊機を除くと358回となります。

○前田政明委員 今言われている1日の対応は何回でしょうか。

○川上好久企画部長 370回から380回ということになっております。

○前田政明委員 自衛隊の予測は、私は現状のままではないと思うんです。要するに、今は旅団化になっていますよね。旅団化になった結果、戦闘機やヘリコプターの状況はどうなっていますか。

○川上好久企画部長 今の御質疑はまだ承知をしておりません。

○前田政明委員 今多くの地方空港で破綻が出ているんですけれども、2000年以降の開港、もしくは滑走路を拡張して、需要予測よりも伸びているところは何空港ありますか。

○川上好久企画部長 個別具体的には今その情報を持っていないんですけれども、いろいろケースがあろうかと思います。羽田空港は滑走路を増設しても足りないという話があるんですけれども、地方に行くとまたそうじゃないケースもあろうと思います。

○前田政明委員 朝日新聞の2009年11月22日付の報道では、30の空港の中で わずか4つなんです。だから、ほとんどが需要予測が多かったと。この前NHKの特集でもやっていましたよね。株式会社日本航空がなぜ破綻したかという背景 でいろいろありましたけれども、私はそういう意味でかなり厳しいんじゃないかと。これはいろんな識者の中でも、現在の状況の中で地方分権の推進で独立採算 が求められたらどうなるのか。公共事業のばらまきの結果、地方に無駄な空港が多数あり、毎年巨額の赤字を積み上げ批判を浴びている。各県で独立採算になれ ば、無駄な空港は廃港になるか軍事空港になる。巨額の資金を財政から捻出しなければならない。岩国のように、市民の意向に反して日米安全保障条約による軍 事基地として用途を変更し、国の財源で維持を捻出するしかないという状況が起こっていることに対してどう思いますか。

○川上好久企画部長 本土の空港と沖縄の空港が持つ意味は決定的に違うと理解してい ます。陸続きの地域では、やはり鉄道があり、道路があり、空港以外にも高速交通ネットワークが維持されるわけでございます。沖縄県において見ると、そこは やはり唯一の外部との高速交通ネットワークでございます。

 今さまざまな考え方の中で、発着回数の議論というのはいろいろあろうかと思いますけれども、しかしながら、今現時点において、滑走路1本につ きましては、もし滑走路が何がしかの事故等で使えなくなったときに、さまざまな支障が出てくると懸念をしております。1つは、対外的な交通ネットワークだ けじゃなくて、沖縄県は島嶼県として急患搬送を那覇空港を中心にしていろいろ使っているわけでございまして、そういう意味では、単なる回数だけの話ではな くて、代替機能というものも含めて滑走路の増設はやはり必要だと理解をしております。

○前田政明委員 嘉手納飛行場もあるし、そういう理屈は成り立たないですね。ただ、知事はオープンパラレルを主張しておりましたけれども、今も変わりませんか。

○川上好久企画部長 将来的にはオープンパラレルの可能性も含めて考えて、期待をしております。

○前田政明委員 政府はできないと言っていますよね。

○川上好久企画部長 将来的な状況の変化によって、発展の可能性を残しておく必要が あろうかと思います。先ほど申し上げましたとおり、沖縄県にとってみると、空港というものがある意味非常に絶対的な要素を持つと考えているところがござい まして、そういう形で県としても進めてまいりたいと考えております。

○前田政明委員 国会の答弁で、嘉手納飛行場の進入路の関係、または演習区域の関係で、政府の参考人はこれはできないと言っているんですよ。ということは、嘉手納飛行場が開放されて初めてできるということですか。

○川上好久企画部長 さまざまなことが考えられるかと思います。飛行航路の変更というものもひょっとしたらあるかもしれません。いずれにしても、空港の増設というのは、百年の大計としてしっかりつくっていく必要があろうかと思います。

○前田政明委員 それでは、オープンパラレルはできない。それはなぜかといったら嘉手納飛行場がある、演習区域もあるということで、今その条件を満たしていないということですね。そうすると、オープンパラレルは、そういう条件がなくなることを皆さん想定しているんですか。

○川上好久企画部長 オープンパラレルができるような状況が来ることを、県としてはオープンパラレルで使える空港であるように期待をしたいと思います。

○前田政明委員 できるような状況というのを具体的に答えてください。

○川上好久企画部長 現状において滑走路もまだ増設されていないわけでございますけれども、これから細かい運航についての検討がなされていくかと思います。その中でいろんな課題が個別に出てまいりまして、その中でまた将来に向けてさまざまな検討が行われるものと考えております。

○前田政明委員 皆さんは那覇空港の民間専用化は求めないという立場ですよね。

○川上好久企画部長 現在、航空需要予測の中では、自衛隊機もある前提で進めております。

○前田政明委員 これは、仮に2つの滑走路とした場合、今の状況では軍事利用はそのまま、自衛隊もそのまま利用するという場合に、仮にスクランブルの場合、自衛隊は奥のほうからやっていくというのは考えられないと思うんですけれども、どうですか。

○川上好久企画部長 空港の運用については、これから検討がなされていくものと理解をしています。

○前田政明委員 私が心配しているのは、日米合意でも那覇空港がいざという場合には 使う対象になっている。そうすると、結果的には、今いろんな中で需要予測も厳しい。そして沖縄の特徴といっても、今の予測でいけば、私は今の状況の中で十 分対応できると思うんです。そういう面では、新たな岩国基地みたいに軍事利用として、結局は米軍と自衛隊が専用に使うんじゃないかという危惧が残りますけ れども、ここはどうですか。

○川上好久企画部長 先ほど申し上げましたとおり、ほかの県とは決定的に違う地理的 な、あるいはまた自然的な条件がある中で、やはり沖縄の那覇空港も考えなければいけないと思います。また、沖縄県は島嶼県であって、周辺の島々にさまざま な物資を送らなければいけない重要な役割も果たしております。そういう意味では代替機能も非常に重要なものでありますし、また、今後沖縄が自立的な発展を していく観点から、やはり交流というものをどうつくり上げていくのか。そういう意味では、JAL-株式会社日本航空という課題があるにせよ、将来的には外 部とのそういうつながりをなお一層強化していくことが重要だと思います。

○前田政明委員 私は、冷静なる需要予測をしながら、やはり無駄な事業はなるべくやるべきじゃない、自然は守るべきであるということで、終わります。

○当銘勝雄委員長 休憩いたします。

   午後0時8分休憩

   午後1時32分再開

○当銘勝雄委員長 再開いたします。

 午前に引き続き、質疑を行います。

 當山眞市委員。

○當山眞市委員 沖縄振興計画で質疑の予定でありますけれども、午前も若干出ましたので、那覇空港における公租公課の軽減、航空機燃料税の点からまずお聞きしたいと思います。

 さっき、知事が航空機燃料税の軽減について政府のほうに要請に参りましたときには、前原沖縄担当大臣は1年ぐらい様子を見たいということだっ たと思うんですが、今回、航空機燃料税については半減するということが言われておりますけれども、具体的に幾らから幾らになるという数字が示されておりま したらお聞きしたいと思います。

○川上好久企画部長 半減といいますか、税率が2分の1になると理解をしておりま す。機種によっていろいろ違いますので、ちょっと手元にないんですけれども、後で少し細かい数字が出てきたらまた報告したいと思いますが、とりあえず現状 よりも半分になる。これは、現行の沖縄と本土を結ぶ国内貨物と同等になるということでございます。

○當山眞市委員 航空機燃料税については、日本が世界一高いと前から言われているわけでありますけれども、これはこれからずっと継続だと考えてよろしいですか。

○川上好久企画部長 今回の国内貨物に係る軽減につきましては、沖縄振興特別措置法の改正ということになっておりますので、沖縄振興特別措置法が切れる2011年までだと理解をしております。

○當山眞市委員 今回、この航空機燃料税の軽減について、国税法の改正案を国会に出しているわけですね。ですから、法の改正をして安くするわけですから、これは当然継続だと理解しているんですが、そうじゃないんですか。

○川上好久企画部長 これは国税のほうの租税特別措置法も改正されると聞いておりま す。一方で、沖縄振興特別措置法もそれと整合をとる形で改正をするということで、おおむね沖縄振興特別措置法の期間に縛られるのではないかと理解をしてい るわけですけれども、ここのところの詳細はまだよくわかっていません。ただ、現行の国内貨物に係る軽減の分については、2011年までという期限になって おります。

○當山眞市委員 ANA-全日本空輸株式会社の貨物基地構想がこれから着々と拡大さ れていくと思うんですけれども、日本は着陸料の問題でも、これは世界で2番目ぐらいに高いと言われていまして、そういう一つ一つの軽減策をやっていかない と、これから世界に太刀打ちできない形になると思うんですが、ソウルの仁川国際空港をごらんになったことはありますか。

○川上好久企画部長 韓国はまだ訪問したことはございません。

○當山眞市委員 今、沖縄の貨物取り扱いは20万トンクラスで、韓国の仁川国際空港 は450万トンです。20倍以上という状況で、沖縄を中心に2時間以内の円をかいたら、その中に仁川国際空港も入っているんですね。そういうところと同じ ような形でこれから進めていくためには、こういう一つ一つの軽減措置、どこからでも入りやすい形を県はつくっていかなければいけない。これは当然日本の国 がやることでありますから、羽田がハブ空港になるという構想も持っているようでありまして、これからその辺も日本はやっていかなければ世界に太刀打ちでき ないと思うんですけれども、ひとつこれからの企画部長の決意のほどを。

○川上好久企画部長 昨年の10月26日にANAが貨物機の第1便を飛ばしました。 沖縄県にとってみると、これまでにない海外とのしっかりしたネットワークができたと認識しております。それが今後とも継続的に、より強固なネットワーク、 また広がりのあるネットワークとして維持されるためには、今委員も言われた国内の航空機燃料税、また国際線における着陸料、空港使用料等についても引き下 げをして、競争力のある空港として那覇空港を整備していくことが重要だと考えます。

○當山眞市委員 これからの沖縄の観光にも大きな影響をもたらす問題でありまして、円高に加えて、こういうのが高いということになると、即、航空運賃、旅行者の運賃にかかわってくるわけですから、料金にかかわる問題ですから、ひとつ頑張ってほしいと思います。

 北部振興策について、午前も話がありましたけれども、2000年から2009年までという形で1000億円が予定されました。結果的に769 億円の資金が北部振興策に投入されたということでありますけれども、去年の10月に終わった北部振興策について、政府との覚書、あるいは書類上の約束事項 はあるんですか。

○川上好久企画部長 北部振興策につきましては、平成11年12月の閣議決定で、沖 縄本島北部地域の振興策の特別の予算措置を平成12年度から100億円ずつ計上することになったわけですけれども、これが平成18年5月30日の閣議決 定、「在日米軍の兵力構成見直し等に関する政府の取組について」の中で、普天間飛行場の移設に係る政府方針は廃止されて、予算措置の根拠が現時点では失わ れているという状況でございます。書類上、そういう形ではもうなくなっているということでございます。

 10年で1000億円ということは、これは沖縄政策協議会における内閣官房長官発言によるものとなっております。

○當山眞市委員 1999年の閣議決定で決められたということはよく言われているわ けでありますけれども、なぜそれを聞くかといったら、沖縄県の議会の中で聞くと、これは基地とのリンクはないんだと絶えず言いますし、沖縄本島北部の均衡 ある発展のための資金だと言われているわけでありますけれども、平成6年の5月の閣議決定で一たんこれは廃止されたんです。これはもう廃止することになっ たんです。ところが、基地問題が進められる環境が整ったからということで再度復活をしたというのがあるものですから、これは基地問題とリンクしないと言わ れながら、政府としては条件だったということをよく言われるものですから、そういう書類上のものが残っていれば、これから進める、名称は変わって沖縄北部 活性化特別振興事業ということで、リンクしないと言われておりますけれども、これからもそういう形で政府がとらえるのであれば大変なことだなと思うんです けれども、そういうことはないですね。

○川上好久企画部長 北部振興事業、今回の平成22年度予算につきましては、新しい 名称、それからまた新しい仕組みで措置をされております。民主党の沖縄ビジョン2008には、北部振興策については基地移設問題とは切り離して取り扱われ るものであると、引き続き実施するということでございます。また、県としても、基本的には均衡ある圏域の発展という観点から、それから沖縄本島北部12市 町村の考え方を踏まえてこれまで実施してきたと認識をしております。

○當山眞市委員 従来、年間100億円という形でやってまいりましたけれども、今回 70億円になると言われております。これは要するに、この10年間の769億円という実績をもとにつくったのかなということも考えられますけれども、県と の話し合いの中で、数字、金額については協議はあったんですか。

○川上好久企画部長 この数字については県と調整はございません。

○當山眞市委員 沖縄本島北部地域の均衡ある発展という形からすれば、これからもぜ ひ継続をしなければいけないと思いますけれども、ひとつそういう方向で、また10年になるのか、振興策も5年だという沖縄担当大臣の発言もありますし、そ ういう意味では期限が何年になるかわかりませんけれども、より長くなる形で頑張ってほしいと思います。

 沖縄振興計画につきましては、今日まで沖縄特別措置でのいろんな税制の優遇とか、補助率の特別扱いとか、いろいろ言われましたけれども、問題 は、全体的に沖縄に対する予算が、日本の総予算の中でほかの県よりそれだけまさった金額が来ていたかなんですけれども、復帰後―余り長過ぎると計算がやり にくいと思うんですが、沖縄の人口、日本全体の1%という数字からして、沖縄に日本の国の予算の1%が来ていたかどうかを見たときに、決してそうではない ということが言われておりますけれども、そういう数字は皆さんお持ちですか。

○川上好久企画部長 沖縄の予算については、一括計上予算ということもございまし て、例えば昭和47年から平成21年まで、沖縄振興開発事業費で8兆7893億円投下されたという話はよく出てまいります。しかしながら、実は一括計上以 外にも各省庁から交付されてくる予算もございまして、その総額は今のところ集計をしていないわけでございます。それが年度年度で各県と比較してどうなって いるかを個別に整理するのはなかなか難しいわけでございます。ただ、総務省が行っている行政投資額の評価の中では、例えばこれは毎年出てまいりますけれど も、沖縄県の1人当たりの行政投資額―これは国、県、市町村、そういうものの県民1人当たりの投資額を比較しますと、沖縄県は平成18年度で29万 8000円、8位とか、そういう数字が出てまいります。

 それから、自主財源でどの程度の水準でいっているかという話でございますけれども、そういう見方をしますと、沖縄県は現時点におきまして、平成19年度決算で45位という水準であるというとらえ方をしてございます。

○當山眞市委員 この38年に及ぶ振興策の成果については、目標には到底及ばないと いうことが言われておりますけれども、これは過去、いわゆる戦後17年間は、沖縄に対する、琉球政府に対する国からの補助金は全くなかった。27年の米軍 統治下の中で17年は全くない。あとの10年は、国全体の割合からすると0.18%ぐらいの補助金は沖縄にあった。そういう復帰前の状況が、今日の沖縄の 社会資本整備の状況とか、生活基盤の状況とか、そういうのに大きく影響してきている。だから、38年間振興策でやってもらったけれども、8兆7900億円 というのは、丸々ほかの県よりこれだけ多くもらったわけではないわけですよね。ですから、そういう意味からすると、特別にほかの県より多くの金をもらった ということではないわけですから、なかなか追いつけないというのが現実だろうとよく言われているわけです。復帰後も割合からすると0.65%ぐらい。要す るに、全国の割合からすると、沖縄県に投入された予算というのは全国を100として0.65%ぐらいです。

 そういう状況の中でなかなか成果が出てこないのが現状ですから、これは新しい沖縄振興計画をつくる上においてきちっと検証されて、この辺も過 去にさかのぼっていろんなことを検証してやるべきだと、そういう事業がぜひ必要だと思いますけれども、県の中からはだれとだれが入っていて振興策について 協議されますか。

○川上好久企画部長 名簿が今手元にないので、沖縄関係の方が何名いるかというのは 申し上げにくいんですけれども、ただ、沖縄振興特別措置法第112条の中では、沖縄振興審議会は、次に掲げる者につき内閣総理大臣が任命する委員20名以 内で組織することになっておりまして、まず、その中の1番目は沖縄県知事、そして沖縄県議会議長、そしてまた、沖縄県の市町村長を代表する者が2人、沖縄 県の市町村の議会の議長を代表する者が2人、その他学識経験のある者14名以内となってございます。したがいまして、今申し上げました方々以外に、学識経 験という形でさまざまな分野の方々、沖縄関係の方々がその中に入っております。

○當山眞市委員 沖縄21世紀ビジョン(仮称)とか、いろんなものを参考にされてこれから協議されていくと思うんですけれども、ぜひそういう金額的な今までの実績は大きな検討課題になると思いますので、そういう形で頑張ってほしいなと。

 3次にわたるまでは、本土との格差是正という形で取り組んできまして、現在、沖縄の自立経済をつくるんだという方向に転換をしてきたわけであ りますけれども、本土との格差是正の段階がまだ超えていない。その辺も含めて、もとに戻ってという形でもう一度検証をやるべきだと思うんですけれども、最 後にいかがですか。

○川上好久企画部長 現在、総点検作業をやっております。これは基本的には2002 年から始まった現沖縄振興計画の総点検でございますけれども、ただ、私どもは既に沖縄21世紀ビジョン(仮称)というものを議論する中で、20年後を展望 する社会を議論してまいりました。そしてまた、それを展望するに際しては、過去、復帰後の40年間近く、さらには復帰前の社会も少し議論をする中でつくっ てまいりました。

 今、非常に時代の転換期と言われておりまして、次の沖縄振興計画の策定に当たっては、そういう長期的な視点から検討を進めていく必要があろうかと思っております。

○当銘勝雄委員長 前島明男委員。

○前島明男委員 私以外にあと12名残っておりますので、簡潔にいきたいと思います。

 けさのラジオ、テレビのニュースを見て、ちょっと納得のいかない点があるのですが、この中に茨城県出身はいないでしょうね。いても構わないん ですが、実はきょう茨城空港が開港するというニュースを聞いて、何であんなところに空港が必要なのかなと。茨城県人が聞いたら怒るかもしれませんけれど も、成田国際空港や羽田空港に1時間か1時間ちょっとあれば行けるところにまた新たに空港ができたということで、極めて疑問に思っております。

 それに引きかえ、我が沖縄においては、那覇空港の滑走路の増設、これはもう極めて重要であり、緊急かつ早急に滑走路を建設しなければいけない、そういう状況になっていると思うんですが、その進状況がどうなっているか、その辺からお尋ねしたいと思います。

○川上好久企画部長 那覇空港の滑走路増設については、これまで長期にわたって調 査、検討が進められてまいりましたけれども、昨年8月に滑走路間隔1310メートルに基づく施設計画が策定されております。次年度は、事業主体である国に おいて、環境影響評価のための現地調査を実施する予定になっております。

○前島明男委員 もう何年も何十年も前からこの問題は取り上げられているんですが、 亡くなられた株式会社國場組の創始者、國場幸太郎さんが声を上げてから、かれこれ20何年、30年近くなろうかと思うんですが、いまだに着工できない状況 なので、県民としてももっと積極的な行動をとる必要があろうかと思いますので、執行部におかれても、そのことを念頭に置いてしっかりと取り組んでいただき たい、このように思います。

 次に、地上デジタル放送に関連してお尋ねしたいと思います。これも国の補助で行うわけですが、県の負担分と市町村の負担分、その辺の割合がどうなっているかお尋ねしたいと思います。

○松堂勇情報政策課長 地上デジタル放送推進事業の県の負担分と市町村負担分につい てのお尋ねでございますが、南北大東地上デジタル放送の整備につきましては、実は本県と民間通信事業者で、共同で構築しようという予定でございまして、南 北大東両村には負担はございません。県の負担分と民間通信事業者の負担分でございますが、現在、平成21年度、それから次年度、平成22年度の予算に、県 分としましては約40億円の予算を予定しております。

○前島明男委員 これは国からの補助とか交付金とか、そういったものは全然ないんですか、ゼロですか。

○松堂勇情報政策課長 この事業につきましては、本県の負担分でございますが、平成21年度につきましては、経済対策に関する事業としまして3分の2の支援を受けております。引き続き、次年度についても同様の補助率が確保できるだろうと見込んでおります。

○前島明男委員 完成後、この維持管理費がまた結構お金がかかると思うんですが、その辺の費用負担はどうなっていますか。

○松堂勇情報政策課長 完成後の維持管理でございますが、現時点での完成は平成23年7月を目途に完成させようと考えておりまして、それ以降の維持管理費については、現行の維持管理費の範囲内で賄っていくんだということで進めております。

○前島明男委員 現行の維持管理費というのはどのくらいですか。それと、私が一番懸念するのは、南北大東両村民が1世帯当たり幾らの負担になるのか。その辺の推測はできていると思うんですが、その辺はいかがですか。

○松堂勇情報政策課長 現時点で、南北大東両村民には月1900円の負担をしても らっているわけでございますが、平成23年7月以降については、これを最高限度にしまして、できるだけ安くしていきたいと考えているところでございます。 ここら辺を具体的にどの金額にするかは、いろいろ事業費との絡みもございまして、どのぐらいの設備が投下されるのかということも今見きわめている段階でご ざいまして、いずれにしても、今の費用の範囲内で納めるということで、私どもとしては、できれば低減化していきたいなと考えているところです。

○前島明男委員 現在、南北大東両村民は1世帯当たり幾ら負担しているんですか。

○松堂勇情報政策課長 南北大東両村民は、月1900円の負担をしてもらっております。

○前島明男委員 我々、いわゆる南北大東両村以外の県民と比較してどうですか。

○松堂勇情報政策課長 南北大東両村と同等というわけではないんですが、実は、県内 には、直接テレビ電波を受信できないような地域が辺地共聴ということで約80カ所ぐらいございます。ここでもやっぱり多くて年2万円から3万円ぐらいの負 担をされている。私どもは、東京都が打ち上げました衛星を利用させてもらうということで、小笠原村民との均衡を考えて南北大東の両村にも負担をお願いし て、これを平成15年度からでしょうか、事業を実施してきた経緯がございます。

○前島明男委員 1900円何がしかの負担をしているわけですが、NHKの受信料は別ですか。さらに、それにプラスNHK受信料―年間たしか2万4000円ぐらいだと私は記憶しているんですが、それをさらに南北大東両村民は払っているということですか。

○松堂勇情報政策課長 別に払っているということでございます。

○前島明男委員 南北大東両村民は、我々いわば沖縄本島の住民、県民に比べていろん な面でハンディがあるわけですよね。さらに、いわゆる放送の面でも1900円。額はそんなに大きくないかもしれませんけれども、それ以外の多くのハンディ を背負っているわけですよね。ですから、この際だから、地上デジタル放送が開始される時点では、我々沖縄本島にいる人間と同じようなことでできないです か。1900円何がしかの負担をゼロにするということはできませんか。

○松堂勇情報政策課長 負担については、現時点ではゼロだと言い切るわけにはいかな い。ただし、前島委員がお話しされているとおり、私どもとしては県民の均衡を考えて、できるだけ今よりは低くしたいと考えておりまして、これについては今 からの調整でございますので、その方向に向かって頑張っていきたいと考えております。

○前島明男委員 それは努力していただきたいと思います。我々沖縄本島にいる県民と同じように、極力ゼロに近いところまでひとつもっていっていただきたい、努力をしていただきたい。このようにお願いをしておきます。

 次に、質疑を変えます。出納事務局のほうに、通告をしていないんですが、去る金曜日の総務部の折に聞いたら、これは出納事務局の範疇ですとい うことだったんです。その辺の連絡が行っているかどうかわかりませんけれども、いわゆる不納欠損額について質疑したんですが、これは出納事務局の範疇だ と、総務部ではない、財政課ではないということだったのでここでお聞きするんです。平成16年度から平成20年度までの過去5年間の県全体の不納欠損額の 推移をお聞かせください。

○名渡山司会計管理者 申しわけございません。現在、資料を持っていませんので、後ほどお届けしたいと思います。

○前島明男委員 皆さんは同じ執行部でありながら、僕が質疑したことが総務部から出 納事務局に話が通っていないというのは全くおかしな話だね。僕はそれがないと質疑できないんですよ。どう推移してきたか。ふえているのか減っているのか、 減っているならどうして減っているのか。また、ふえているんだったら、どうしてふえてきたのか。その辺もお聞きしたいと思って総務部に聞いたんですが、総 務部の範疇ではないと言うものだから皆さん方にお聞きするんです。

○当銘勝雄委員長 休憩いたします。

○当銘勝雄委員長 再開いたします。

 前島明男委員。

○前島明男委員 時間がもったいないのでこの辺でとどめますけれども、後日資料をください。以上で終わります。

○当銘勝雄委員長 瑞慶覧功委員。

○瑞慶覧功委員 2月定例会、1年の間で最も寒い議会のはずなんですけれども、3月に入って先週から暖かくなっております。特に金曜日は暑いぐらいでした。私は常々疑問に感じているんですけれども、本会議場では11月議会でも今議会でもクーラーが入っておりました。

 伺います。県庁内でのクーラー使用の決まりはどうなっているか、まず伺います。

○遊佐信雄議会事務局長 ただいまの県庁内でのクーラーの使用ですけれども、行政棟 においては、運転期間として5月15日から10月15日まで、運転時間は午前8時30分から午後5時15分まで、そして設定温度は27度と設定をしており ます。ただし、議会開会中は10時までの運転時間となっております。

○瑞慶覧功委員 県議会の本会議場ではどうなっているんでしょうか。

○遊佐信雄議会事務局長 議会棟においては、運転期間は執行部と同じで、事務局等事 務室においては5月15日から10月15日まで。そして、本会議場、委員会室においては通年、必要な開会のときに入れることになっております。議員居室及 び会派会議室等においては、運転依頼のある場合にクーラーを入れております。運転時間は午前8時30分から午後5時15分まで。ただし、議会開会中は10 時までとなっております。議員居室及び会派会議室は、議員の要望により10時以降も延長してクーラーの運転をすることがあります。設定温度としては、事務 室は27度、本会議場は23.5度から25.5度、委員会室は23度、会派会議室は26度となっております。

○瑞慶覧功委員 本会議場を聞いたんですけれども、ありがとうございます。これは本 庁と違うのはちょっとおかしいんじゃないかと私は思っております。同じ条件にすべきではないかと思っております。体感温度は個人差もあると思います。私は 26度を過ぎると暑く感じるんですけれども、いつからいつまでという設定では、今の異常気象というか、そういう時代にはやっぱりそぐわない。先ほど設定温 度27度という話がありましたけれども、もっと気持ちよく仕事ができる設定にすべきではないかと思っております。そこら辺をちょっと。

○遊佐信雄議会事務局長 執行部は27度、本会議場は23.5度から25.5度とい うのは、本会議場は面積が広うございますし、水銀灯を使っている関係で熱が発生するものですから、それと執行部とか傍聴者が多いものですから、少し温度設 定を低くしてございます。委員会室においても23度となっておりますけれども、これもやはりたくさん説明員等もいましたらちょっと暑うございますので、設 定温度を低めてございます。これは各議員とか各委員会等からの要望がございまして、これまでそういう設定をしております。

○瑞慶覧功委員 よく寒いときも、知事とか田委員とか頑張って、私も頑張るように しているんですけれども、自分がいい心地というか、いい温度に感じているときにも、暑いということでクーラーがついていると寒くなったりするんです。そこ ら辺、今の温暖化の問題とかいろんな中で、ちょっと逆行するんじゃないのかなと。この温度設定については、議会運営委員会に申し入れていきたいと思いま す。

 次に、昨今、地域主権とか地方分権、あるいは道州制など言われておりますが、日本の国は沖縄から北海道まで気候風土が異なり、温度差が大きい ときには30度以上あります。ところが、このすべての基準というのが東京都を中心に定められているのではないか。例えば製氷機を設置する場合でも、魚1キ ロに対して氷は1.3とか、そう定められているんですけれども、沖縄は暑いものですから、当然夏場はそれでは足りなくなるわけです。これは1つの例ですけ れども。

 沖縄21世紀ビジョン(仮称)とあえて関連づけたんですけれども、沖縄ではサマータイム制度を導入すべきではないかと考えております。例え ば、最も暑い7月から8月の期間はお昼休みを2時間とって、その分1時間後ろにずらす。そうすると、昼食後は能力的に落ちますので、1時間程度昼寝等もす る中で、また頑張れるのではないかなと。そして、その期間、7月から9月というのは、5時過ぎに外に出るともう日差しが強くて、本当に何もできない状況だ と思います。もっと沖縄の気候風土に合った生活様式を主張していいのではないかと思うわけです。ゆとりといいますか、健康面や観光面にも効果があるんじゃ ないのかなと思います。

 伺います。これまでにこういったサマータイム制度というんですか、そういうことを検討されたことがありますか。

○当銘勝雄委員長 休憩いたします。

○当銘勝雄委員長 再開いたします。

 瑞慶覧功委員。

○瑞慶覧功委員 今、政府で支出なき経済効果、これも総務部ですか、ゴールデンウイークの分散化を検討しているようですけれども、これに対してどうお考えでしょうか。

○川上好久企画部長 県職員についての分散化の話は組織として人事課ですけれども、 こういうものが世の中で一般的になったときに、沖縄県としての影響があるかどうかというものは検討しておかないといけないことかと思います。こういうやり 方をすれば、結果として国民のレジャーが拡大する方向に動けば、沖縄県としては、波のない平均化した観光需要が発生することもあるかもしれませんし、その 辺は今後そういう動きを観光商工部等々と連携しながら分析して県としての対応を考えてみたいと思います。

○瑞慶覧功委員 さっきサマータイムが総務部とおっしゃったんですけれども、私が言うのは、県の職員もそうですけれども、全体的なものもという位置づけで企画部かなと思って質疑しました。そこら辺も絡めて、ぜひまた検討をよろしくお願いします。

 続きまして、森林資源研究費について伺います。今日の沖縄の林業は、やっぱり林道建設は土木業的な要素が強く、自然破壊が問題になっています。自然森林を守り、共存する林業のあり方が今求められていると思います。

 農林水産省は、2008年の林業産出額をこの間公表していましたが、それによりますと沖縄の産出額は4億9000万円で、前年比で36%、1 億3000万円の増になっています。要因としては、シイタケなどのキノコ類が伸びたこと、その反面、木材生産は1000万円で5分の1に減ったとしており ます。これからますます沖縄に沿った特用林産物の調査研究が求められていると思います。

 伺います。これまで森林資源センターはどのような研究を行ってきたか。

○具志堅允一森林資源研究センター所長 特用林産物、シイタケを含め木材以外のもの を総称しているわけですけれども、この振興につきましては、特用林産物の生産振興の基本計画があります。それに基づいて行政は推進していくわけですけれど も、私どもは、それを技術的な側面から支援していく研究を今行っているところでございます。

 例えば、キノコ類につきましてはシイタケですね。沖縄は他県と違いまして、基本的にはここにあるシイジャアギー―イタジイを原木として栽培を しております。それから、気候が暖かいものですから、本土の技術を踏襲できない現状がございまして、シイタケ初め食用菌につきましては、沖縄の自然環境あ るいは栽培環境、そういったものに応じた栽培試験を研究しております。

 それから、木炭でございますけれども、木炭につきましても、これまでは燃料として使っておりましたけれども、現在は、例えばバカス、廃材と混 合して屋上緑化の基盤材として利用するとか、あるいは床下消臭材として使うとか、また、毒性物質を吸着する性質がありますので、そういったところからの研 究を推進していきたいと思っております。

○瑞慶覧功委員 ちょっと後の質疑の答えも出たようなところもありますけれども、森林資源研究センターの運営について伺います。

○具志堅允一森林資源研究センター所長 森林資源研究センターには、企画管理班と育 林・林産班と2つの班が置かれておりまして、所長以下12名。職員別の内訳ですけれども、研究職が9名、事務職2人、林業技術補佐員1名となっておりま す。職員の配置ですけれども、庶務会計、あるいは試験研究の企画調整、そして森林の公益的な機能を主な担当とする企画管理班に7名、それから松くい虫抵抗 性松などの育種関係、あるいは森林資源の利活用、こういったものを担当する育林・林産班に4名が配置されております。

○瑞慶覧功委員 平成22年度予算では松くい虫防除の研究が中心になっているわけですけれども、これまで松くい虫防除に関する研究に要した金額と年数を伺います。

○具志堅允一森林資源研究センター所長 手元に平成12年以降しか持ち合わせがございませんので、それによって説明させていただきます。

 これまで、8430万7000円の予算を投じて、平成12年から平成21年まで研究をしております。その内訳ですけれども、特別調整費が5622万円、緊急雇用3270万円、それから経常研究費であります一般の予算が2594万円となっております。

○瑞慶覧功委員 研究の結果はどのような成果が得られましたか。

○具志堅允一森林資源研究センター所長 それでは、成果について御説明させていただきます。

 森林資源研究センターは、昭和25年に設立されて以来、例えば復帰前は県土緑化あるいは荒廃した森林資源の醸成、そういった造林研究を初めと しまして、農地防風林の造成整備技術、そういった公益的な機能の高度発揮に向けた研究を行っております。それから復帰後は、森林法あるいは森林・林業基本 法、そういったものが適用されたものですから、私どもも森林・林業の施策に連動した、主に造林だとか育林だとかの森林施業、あるいはキノコ類の栽培研究、 それから渇水問題に対応しまして水源涵養機能の定量的な把握、そういった研究を行ってきております。

 最近になりますと、例えばリュウキュウマツの青カビの除去技術など県産材の高度利用技術、あるいは樹木成分の利用、それから松くい虫の天敵研 究、抵抗性松の作出等を行っております。その結果、青カビの除去技術につきましては特許を出願しておりますし、現在もまだ詰めの段階が残っておりますけれ ども、プロポリス、ポリフェノールですけれども、それの素材としてのオーバギの栽培研究、そういったものを行っております。さらに、観光に寄与するような 成果としましては、沖縄にはスギ花粉が非常に少ない、しかも限定的であることを明らかにしております。

○瑞慶覧功委員 次に、リュウキュウマツ材線虫病総合防除技術研究の内容と進状況を教えてください。

○具志堅允一森林資源研究センター所長 森林資源研究センターでは、低環境負荷型の松くい虫防除技術開発としまして、天敵による松くい虫防除技術、それに、材線虫病に抵抗性を有するリュウキュウマツの選抜育種研究を行っております。

 委員御質疑のリュウキュウマツ材線虫病総合防除研究支援事業は、これら低環境負荷型の防除技術研究を加速するため緊急雇用対策事業を活用して 行っている事業であります。事業の内容は、天敵防除につきましては、クロサワオオホソカタムシ―これは沖縄にしかおりません―の大量増殖、それから抵抗性 育種につきましては抵抗性候補松の種子の採取、あるいは実生苗の大量増殖、そしてその苗木にセンチュウを接種する作業及び育種苗圃の管理等でございます。

○瑞慶覧功委員 次の質疑に対する説明まで一緒に出たと思うんですけれども、少し森 林緑地課の関係と紛らわしいところがあるんですけれども、研究費ということで企画部の予算になっていると思うんですけれども、私は、松くい虫の根絶という のが個人的には厳しいんじゃないかと思っております。私も経験があるんですけれども、県や市町村が幾ら頑張っても、北谷町ですけれども、米軍基地内はされ ないとかそういう中で、やっぱり米軍基地がある間は難しいんじゃないかと。これは研究の部分とちょっと違うんですけれども、根絶は大変厳しいんじゃないか と思っております。

 もし本当に根絶する可能性があるとしたら、今回もっと多目に研究費をつけて急ぐべきではないかと。農林水産部のほうでは、蔓延防止で億単位で お金を毎年、ことしは2億円以上とられているんですけれども、本当に可能性があるんだったらもっと集中的にやるべきじゃないかなと思います。どうでしょう か。

○具志堅允一森林資源研究センター所長 松くい虫の被害が終息しない理由は、今御指 摘のことが結構な部分ございます。それから、防除技術はある程度確立されていますけれども、行政におきましても、例えば空中散布だとか、あるいは薬剤散 布、そういった抑圧できる防除手段が今はとれないということがございまして、伐倒、焼却だけで対応している状況でございます。私どもはそういった前提で もって天敵と抵抗性松をやっておりまして、これからはどんどんそういうニーズが高まってくると思います。もっと加速する必要は確かにあります。逆にひとつ 御協力をお願いしたいと思います。

○瑞慶覧功委員 先ほどお話がありました、新聞でもありましたけれども、ニキビ菌で すか、オーバギに抗酸化作用があるということでポッカが製品化すると新聞に出ていたんですけれども、やはりそういった面も研究に力を入れるべきではないか と。先ほどやられているということでしたので、また頑張っていただきたいと思います。

 次に、木炭についてですけれども、私はバーベキューをよくするんですけれども、鉄板よりも肉がずっとおいしいんですよね。そのほかにも、先ほどありました防臭効果と除湿効果、そして床下に敷くとシロアリ防除にもなるという話も聞くんですけれども、本当ですか。

○具志堅允一森林資源研究センター所長 シロアリは、木材の成分であるセルロースを分解して生活するわけですけれども、木炭にはそれはございません。したがって、シロアリには全く関係しないと言えると思います。

○瑞慶覧功委員 それを実践している人もいるみたいで、こういうのをもっと教えてあげないと詐欺みたいですよね。木炭に関していろんな要素をもっと研究して、そして、しっかり商品化というんですか、林業につなげる形で頑張っていただきたいなと思います。

○当銘勝雄委員長 奥平一夫委員。

○奥平一夫委員 それでは質疑をさせていただきます。沖縄振興計画と、これからのポスト沖縄振興計画という続きでできればと思います。

 まず先に聞きたいんですが、従来の沖縄振興計画のあり方、功罪、いいところ悪いところ、午前中の答弁でもあったと思うんですが、その辺をもう一度お聞かせください。つまり、復帰特別措置事業、あるいは高率補助等についての認識です。

○川上好久企画部長 午前中も少し答弁させていただきましたけれども、復帰後4回の 沖縄振興開発計画・沖縄振興計画のうち、最初の3回につきましては、どちらかというと格差是正を中心としたキャッチアップ型の振興開発を中心にしたと考え ております。現振興計画は、民間主導の自立型経済の構築を前面に出して、フロンティア創造型の振興策を展開してきたと考えております。結果としまして、今 日、社会資本整備についてはかなりの水準まで進が図られたと考えております。もちろん、まだやらなければいけない課題も多々あるわけでございますけれど も、復帰の時点から比べると一定の水準まで来たなということが言えると思います。

 一方、産業振興の面では、現時点においてやはり観光産業が1つの大きな柱になってきたことと、ここ10年ばかりの間に情報通信関連産業も集積 してきた実績が挙げられるかと思います。さらにまた、今後新たな展開を図っていく観点から、沖縄科学技術大学院大学の開学という流れと、それからまた昨年 の国際貨物基地構想など、そういうものも展開が図られてきたという状況はあろうかと思います。しかしながら、現状において、失業率の問題だとか、1人当た り県民所得の問題など、なお課題は残っていると理解をしております。そういう意味合いにおいて、これまでの成果と課題を整理しながら、次の新しい計画をま た検討していく必要があろうかと思います。

○奥平一夫委員 そういうこともあるかと思うんですが、もう少し県民の意識といいますか、これまで4回の沖縄振興開発計画・沖縄振興計画を行う中で、政府の支援に非常に頼ってきた部分があると思うんですが、これについて企画部長はどうお考えですか。

○川上好久企画部長 県民の意識というのは、また非常に評価がしにくいんですけれど も、沖縄県がどの程度政府に依存してきたのかにつきましては、これは数字的なものを見ると、またいろいろ評価が出ようかと思います。確かに沖縄県は、復帰 の時点で、絶対的に社会資本は不足していた、おくれていたということは明らかに事実であったと思います。

 先ほども申し上げましたように、まず教育水準、進学率そのものがやがて十五、六%の差があったというものを1つとらえてもそうですし、また、 この4次の間にさまざま、特に病院だとか、道路、空港、港湾、そういうものが一通り整備をされていく過程の中で、どうしても集中的な政府支出、公共的な部 分での支出は、これは求められた話だったんだろうと思います。

 そして、社会資本の整備がある程度一段落してきた最近の状況を見てまいりますと、例えば平成18年度の公的支出、財政依存度の割合を全国的に ランキングを見てみますと、沖縄県は5位という水準になっております。必ずしもトップではない、ちょっと変な言い方ですけれども、そうではないという状況 はあろうかと思います。また、行政投資額も、先ほど申し上げましたように8位ということで、政府支出に飛び抜けて依存している姿から徐々に民間主導型の自 立的な動きに展開しつつある。まだ十分ではないけれども、そういう動きはあると理解をします。

○奥平一夫委員 確かにそうだと思いますね。ただ、やっぱり急激に高率補助とか、あ るいは政府の支援を求めたために、精神的にも依存度がすごく高いのではないか。ですから、これから本当に新しい沖縄振興計画を考えていくときに依存の問題 を、いわゆる政府依存の考え方もある程度是正していく必要があるかなと僕は思うんですね。

 そういう意味で、今新しい沖縄振興計画、いわゆる自立経済を目指すということで、この振興計画の4回目ができたんですけれども、この自立経済 についてどういう認識を持っているのか。つまりは、自立経済はどういう指標でもって自立しているのか、そういう基準といいますか、考え方を聞かせてくださ い。

○川上好久企画部長 自立経済は、本県のこの40年間、沖縄振興計画の1つ大きな柱でございましたけれども、その自立的な発展だとか自立経済とか、どの水準まで行けば自立なのかというものを、数字的にきちっとした目標を整理したことは実はこれまでございません。

 自立型経済の自立をどう見るかという概念的なものでもう少し申し上げますと、自立型経済とは、経済発展の動力、いわゆる成長のエンジンという ものをその地域でつくったものでもって外貨が稼げるような、そういう成長のエンジンをみずから経済構造の中に組み込むことで持続可能な成長が図れるよう な、そういう経済であろうかというのが1つの物の考え方としてあろうと思うんです。そのためには、昨今いろんな動きのある国内外の経済状況に適切に対応で きる技術とか人材とか、そういうものを導入しながら、産業の振興を図る必要があろうと思います。結果として、そのことが先ほどの財政依存度を引き下げてい く、あるいはまた基地関連収入を引き下げていく。そういう民間が十分に力を発揮できる競争力と持続力のある民間主導型の経済が、経済の自立の姿であろうか と思います。ただ、具体的にどの水準というものは、この中では特に設定しておりません。

○奥平一夫委員 そういう意味で、今の沖縄の経済は依存経済と認識していらっしゃるということですか。

○川上好久企画部長 今日の沖縄県の経済指標を見てまいりますと、いいものもあれば 厳しいものもある中で、やはり失業率の高さだとか、1人当たり県民所得、そういうものではなお不十分な部分があろうかと思います。さらにまた、公的支出の 依存度ですけれども、5番目というのは適切な水準なのかどうか。少なくとも平均的な水準を目指すものが自立という言葉にふさわしいのか否かとか、いろいろ 物の考え方があろうかと思いますけれども、なお一層、自立型、民間主導型経済に向けて頑張らなければいけない段階だと思います。

○奥平一夫委員 少し視点を変えますけれども、基地は沖縄が自立するのに必要な存在だとお考えですか。

○川上好久企画部長 基地についてはさまざまな要素で語らなければいけない部分があ ろうかと思います。経済という面だけで語るというのも非常に難しい面もあるわけですけれども、ただ、そこだけでとらえて見てまいりますと、本県経済の基地 依存度は、復帰直後の十五、六%から現在5%台まで落ちてきている状況があろうかと思います。しかしながら、落ちてはきているけれども、やはり2000億 円という数字、そのことが大きいのか小さいのか、いろんな評価があろうかと思います。

○奥平一夫委員 ですから、企画部長としてどうお考えですか。

○川上好久企画部長 先ほど申し上げましたように、私どもは復帰後、経済の自立とい うものは求めてまいったわけですけれども、その中で自立とは何かと。先ほど申し上げましたように、財政依存度を引き下げる、また基地収入源の依存度を引き 下げていく、そういう努力をしていく必要があろうかと思います。

○奥平一夫委員 今後、基地なしで沖縄が生きていける、つまり経済自立していけるというお考えは持っていらっしゃいますか。

○川上好久企画部長 特定の収入に依存しない形で経済を構築していかなければいけない。復帰後の沖縄県はそれを求めてきたと思います。

○奥平一夫委員 逆に聞きますけれども、基地なしで沖縄は生きていけるとお思いですか。

○川上好久企画部長 基地なしというのは、どういうあれで考えればいいのかちょっと わかりにくいんですけれども、要するに2000億円というものが今なくてもいいかという聞き方になるのか、それとも、将来的に基地の持つ割合をどんどん小 さくしていく形で本県の経済を拡大していく話なのか。そういうことであれば、もちろんそれは求めていかないといけないと思います。

○奥平一夫委員 それではお聞きします。現在の基地の収入と比較して、これから県も基地の返還跡地利用をずっと検討していらっしゃるんですけれども、その跡地利用による経済効果、雇用効果、そういうさまざまな効果をどのように試算しているのかお聞かせいただけますか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 県では、平成18年度に、跡地利用に関する経済波及効果等の検討調査を行っております。この中で、嘉手納飛行場より南の返還予定駐留軍用地の返還後に、那覇新都心並みに整備発展したと仮定した場合の直接経済効果及び誘発雇用人数等を推計しております。

 調査の概要につきましては、基地跡地の整備に伴う経済効果として、直接経済効果を累計で約1兆円、誘発雇用人数を約13万5000人と推計し ております。また、跡地整備後の経済効果につきましては、直接経済効果を年額で8700億円、誘発雇用人数を約7万8000人と推計しております。ただ し、本調査はあくまでも基地跡地に限定したものです。要は、周辺既成市街地、そちらの側から基地跡地に商業機能等が移転した場合、これにつきましては一時 的には既成市街地部分においてマイナス部分が生じますので、一概に経済効果がどれだけということはなかなか言いにくい部分がございます。したがいまして、 この数値というのはあくまでも1つの考え方ということで計算をしたものだと考えていただきたいと思います。

○奥平一夫委員 普天間飛行場については試算しておりませんか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 普天間飛行場についても、これは直接調査の中で計 算しているということではなくて、調査のデータ等を考えながら推計をした数値としては把握しております。先ほどの調査の中でいろいろ計算しておりますけれ ども、返還予定の駐留軍用地が先ほど申した新都心並みになったとした場合のデータとしましては、普天間飛行場跡地整備後の経済活動に伴う経済効果につきま しては、直接経済効果を年額で4500億円、誘発雇用人数を約3万2000人と推計しております。先ほども申しましたように、これはあくまでも単純に跡地 だけを考えた場合の数字ですので、県全体でのトータルではございませんので、御理解いただきたいと思います。

○奥平一夫委員 つまり、今の御説明では、基地に土地を提供するよりも、むしろ返還をして民間で活用したほうがずっと経済効果が上がるというお考えだと考えてもいいですか。そういう認識だと思ってもいいですか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 先ほども計算の際の条件といたしまして、単純にそ こだけ新都心並みになったとお答えをしておりますけれども、例えば那覇市庁舎が新都心に仮に移転したという状況の中で、県経済全体に与える影響は何かとい う話になりますと、逆に那覇市庁舎がもとあった場所については地盤沈下というか、経済効果が大分薄れていっているわけですね。そのような状況の中で新都心 が発展していった。これはある面、プラス・マイナスでバーターの部分がございまして、それについてトータルでどうかという議論は、実際のところは計算して いないということになります。

○奥平一夫委員 ちなみに、嘉手納飛行場について試算をする予定はございませんか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 現在のところございません。

○奥平一夫委員 そういうことからすれば、基地の跡地利用計画と同時に基地の返還も求めていく、スピードを上げて基地の整理縮小、計画を立てていくということについて、企画部長いかがでしょうか。

○川上好久企画部長 県では、現沖縄振興計画の期間中でも、跡地利用はさまざまな計 画を立ててこれまで進めてきております。特に沖縄本島中南部の嘉手納飛行場より南の広大な米軍基地の跡地については、これは沖縄21世紀ビジョン(仮称) の中でも言い続けておりますけれども、今後の県土再編でインパクトを持つ大きな開発空間だという認識をしておりまして、それについては着実に計画を進めて まいりたいと思います。

○奥平一夫委員 次に、沖縄の産業構造についてお伺いしたいと思うんですが、いわゆる米軍占領下にあって農業や製造業が急速に衰えていって、復帰後もなかなか農業、製造業がしりすぼみになっていく状況、その産業構造の推移について御説明いただけますか。

○川上好久企画部長 まず、産業構造という形で数字的なものを少し追いますと、復帰 の時点、昭和47年ですけれども、この時点で県内総生産の中に占める第1次産業の割合が7.3%、そして第2次産業が27.9%、うち製造業が 10.9%、建設業が16.4%となっております。さらに第3次産業の構成比が67.3%。これは今日的にどのような形で推移をしたか見てまいりますと、 第1次産業が1.8%、第2次産業が11.3%、うち製造業が4%、建設業が7.5%、第3次産業が86.8%となっております。

 こういう姿から見える部分は、第1次産業が総体的に縮小していく。復帰後の沖縄振興計画の中で、第2次産業の割合を増加させようという1つの 大きな試みがあったわけですけれども、結果として第2次産業についても縮小してきている。製造業は10%から4%まで約6ポイント減少している。また、建 設業についても、復帰時の16.4%から、これは非常に高いときには20.4%という時期もございました。復帰直後の社会資本の整備というのも、非常に旺 盛な時期は高い時期がございましたけれども、最近ではそれも落ちついてきて7.5%、類似県より若干高いぐらいの水準になっています。

 一方、第3次産業が86.8%と、これはまさにこの間、観光、それからまたITという、沖縄県は沖縄県なりの地域特性を踏まえた形の産業構造をつくってきている。そういう言い方もできるかなと思います。

○奥平一夫委員 今まで、これからもどうかとは思うんですけれども、農業や製造業は 物をつくって財を得る、域内で財を得て循環させることができるんですけれども、これまでのサービス産業だと物を買い取って売ることしかできない。サービス 産業はそうなんですけれども、これからも本当にそういう形で産業構造を継続、維持していくのか。それとも農業や製造業にもっと力を入れて、そこに比重を少 しずつ移していくことは考えていらっしゃらないのかお聞きします。

○川上好久企画部長 これはまさに総点検の中で議論をしていかなければいけない部分だろうと思うんですけれども、過去37年間の長期的な趨勢としてはこういう流れになっております。なぜそうなったのかという部分を分析していかないといけないと思います。

 沖縄県の、言ってみれば泣きどころは何だったのかというと、やはり流通コストだったと思います。そういう意味合いで、なかなか県外に農作物も 出しにくい、そしてまた、製造業も流出コストでどうしてもハンディを負う。そういう状況を見ながら今後どうしていくのか。昨年はANAが国際物流基地を沖 縄につくっている。そしてまた、この40年近い間に、沖縄周辺のアジアの環境も大きく変わっていく中で、マーケットというのは必ずしも本土だけではないか もしれないという中で、製造業、あるいはまた農業についても1つの展開があるかもしれない。その辺のところを次の計画の中で議論していく必要があろうかと 思います。一方、沖縄県として、既に大きな柱となっている観光、これもまたどうしていくのか。あれも含めて、これも含めて議論を進めてまいりたいと思いま す。

○奥平一夫委員 わかりました。それでつないでいきますけれども、これからの沖縄の将来、代表質問の答弁の中で、企画部長は、沖縄の潜在力を生かした施策あるいは制度をつくっていきたいというお話をされていましたけれども、どういうことなのかちょっと御説明いただけますか。

○川上好久企画部長 先ほど申し上げましたとおり、我々が沖縄県として出発した時点 での沖縄というのは、日本本土から遠く離れた、ある意味すごく辺境であったわけでございますけれども、今日的な意味合いでいうと、交通基盤も整理され、ま た周辺のアジア諸国も非常に購買力を持つ地域として育っている。その中で、地理的に持つ環境もかなり変わってくるというものが1つあろうかと思います。

 また、この間の沖縄県の経済の進展というのは、沖縄県が持っている強みというのが徐々にあらわれてきております。特に離島、それから沖縄県が 持っている歴史、伝統、自然的あるいはまた歴史的、文化的な価値が意味を持ち始めている。そして、これから開学が予定されている沖縄科学技術大学院大学、 あるいは昨年のANAの国際物流、そういう意味でのさまざまな発展の素地が徐々に出てきているとも理解をしております。

 そうは言いながら課題もまたあるわけでございまして、その辺の強みと課題等を整理しながら、次の展開を考えていく必要があるかと思います。

○奥平一夫委員 今、沖縄21世紀ビジョン(仮称)構想が議論されているさなかなんですけれども、僕は構想を本当に実現化していくためには、やはり沖縄県民の自立、自分を律し、自分で立っていく、そういう心構えが一番大事だと思います。そういう意味で、冒頭その話を申し上げました。

 つい最近、前原沖縄担当大臣がお見えになったときに、基地移設問題についてちょっと触れていましたね。県内移設であれば何らかの別の振興策を 考えなければいけないんじゃなくて、こういうことに乗っていくこと自体が僕は絶対にだめだと思っているんですね。そういうことについていかがですか。

○川上好久企画部長 前原沖縄担当大臣がそういうことを新聞で述べたという話は聞いております。どういうことかは十分わかりませんけれども、沖縄の地域振興、沖縄振興というのは、県民福祉の向上のために行うべきものと理解をしております。

○奥平一夫委員 次に鉄軌道について、あらゆる効果があると思うんですが、県はそれについていろいろ検討されていると思うんですが、何か数値的な試算はされていませんでしょうか。

○津覇隆交通政策課長 鉄軌道につきましては、平成12年度に鉄軌道導入可能性基礎 調査をしておりまして、その中で、具体的な数字としては出ておりませんで、導入効果として挙げられるのは、交通サービスの改善、都市構造の誘導並びに土地 利用の再編、地域振興、観光振興、環境負荷の軽減、経済活動の活性化等となっております。

○奥平一夫委員 そういう意味で、私は鉄軌道を中心とした交通体系を整備していくというのは非常に優先順位が高いと思うんですね。企画部長、2030年という話じゃなくて、もっと近い将来、鉄軌道を実施していくお考えはありませんか。

○川上好久企画部長 次年度、国のほうでも予算が計上されたという話もございます し、国のほうで予算計上する中で、さまざまな課題が制度的なものを含めて検証されると思います。そういうものを見ながら、また次年度、沖縄県でも、20年 後を展望して総合交通体系基本計画を見直しすることになっていますので、その中でしっかりと議論をして、整備をしていきたいと思います。

○奥平一夫委員 これは本会議でも答弁を聞きましたけれども、企画部長、個人的にでも結構ですけれども、鉄軌道の敷設というのは、沖縄の将来にとってかなりインパクトのあるものだと思うんですね。そういう意味で、本当に優先順位を上げていく考えはございませんか。

○川上好久企画部長 沖縄21世紀ビジョン(仮称)の中での議論、あるいは県民意見、そしてまた県議会でのさまざまな議論も含めて、それが非常に要望の高い政策的な課題だと認識をしております。

○奥平一夫委員 時間がありませんのでこの辺で終わらせていただきますけれども、次に離島振興について、たくさん準備してあったのですが時間がありませんので、宮古・八重山支庁廃止に伴う予算と職員の削減の推移、この2年間、ちょっと御説明ください。突然ですが、大丈夫ですよね。

○当銘勝雄委員長 休憩いたします。

○当銘勝雄委員長 再開いたします。

 奥平一夫委員。

○奥平一夫委員 総務部だそうで、失礼しました。

 次は、市町村の財政状況について、健全化判断比率についてお伺いしたいと思います。連結実質赤字比率が生じた団体、それから実質公債費比率から早期健全化基準以上の団体について伺います。

○山里清市町村課長 健全化判断比率でございますけれども、今回、いわゆる早期健全 化団体になりましたのは、この健全化判断比率の中の実質公債費比率において早期健全化基準の25%以上となった村でございまして、本県においては3村ござ います。座間味村が27.4%、伊平屋村が29%、伊是名村が27.4%ということで、この3村となっておりまして、残りの健全化比率につきましては該当 する市町村はございませんでした。

 連結実質赤字につきましては、早期健全化の基準以上となっている団体はございませんけれども、連結実質赤字が出ている村といたしましては2村ありまして、今帰仁村と伊是名村となっております。

○奥平一夫委員 今挙げられた自治体は離島僻地の自治体だけなんですけれども、背景と理由を少しお聞かせいただけますか。

○山里清市町村課長 本県の離島につきましては、いろいろハンディがあるということ でございますけれども、その中でも、いろんな社会資本の整備につきまして、どうしても割高になることと、もともと財政規模が脆弱であることの2点が、いろ んな財政を圧迫していると思われます。主なものとしては、例えば廃棄物の処理施設とか、簡易水道の問題とか、いわゆる村営の航路、その辺につきまして厳し い状況が続いていることが原因かと思っております。

○奥平一夫委員 次に、公営企業の資金不足比率で名前が挙がっている特別会計を少し挙げていただけませんか。

○山里清市町村課長 公営企業のほうで今回健全化の基準以上となった団体につきまし ては2村、特別会計の数でいいますと3つの特別会計となっておりまして、1つが座間味村の簡易水道の事業特別会計、それから伊是名村が2つありまして、同 じく簡易水道の事業特別会計、それから同じく伊是名村の船舶の運航事業の特別会計の3つとなっております。

○奥平一夫委員 いずれも離島僻地の生活に関連する非常に重要なところでそういう赤字を出している非常に厳しい現実がありますね。企画部長としてはどうお考えですか。

○川上好久企画部長 離島、特に沖縄県は離島市町村が15あるわけですけれども、そ のうち宮古島市、石垣市あるいは久米島町等を除くと、人口が1000名前後の非常に小さな小島の市町村が非常に多いと認識をしています。この中で市町村と して提供する義務がある業務としての水道とかごみ処理とか、それから公共下水道、そこの部分で規模の経済がなかなか図れないというところで、市町村は非常 に厳しい状況にあると認識しております。

 それについては、水道等につきましては特別交付税等で補てんはされている、制度もございますけれども、依然としてやはり厳しい状況があるとい う認識をしております。県としては、そういう財政状況全般について、さまざまな形で助言をしたり、助成をできるような形で努力をしているところでございま す。

○奥平一夫委員 離島としてのハンディを全く克服できていない状態がずっと継続しているという認識はあると思いますけれども、いかにして離島の支援をしていくか、具体的な施策というのはございますか。

○川上好久企画部長 離島につきましては、沖縄21世紀ビジョン(仮称)を議論する 中でも、どういう課題があるのか、どうすべきかというふうなものが随分出されてまいりました。現状の施策で展開しているものもございますけれども、新しい 施策を検討しなければいけないものもあるのかなと考えておりまして、今後、離島の全般的な振興策というものは検討していく必要があろうかと思います。

○奥平一夫委員 これは、国、県の支援、補助金もかなり減額をされたといういきさつはございませんか。

○川上好久企画部長 今のお話は、恐らく平成15年から平成18年までの三位一体の 改革に絡む話かなと思いますけれども、これは離島市町村だけじゃなくて、全般的に自治体はなかなか厳しい状況があったわけでございますけれども、それから 後、平成20年、平成21年は交付税も若干ふえて、そういう部分での影響は若干緩和されているのかなと思います。

 ただ、先ほど委員が質疑された公営企業等についての難しさというのが離島市町村そのものにございますので、その辺についてはいろいろ離島市町村とも、相談を聞きながら、どういう支援ができるのか検討してまいりたいと思います。

○奥平一夫委員 座間味村での断水も毎年のように起こっていますので、この辺は抜本的に改善できるように、ぜひ県の支援をお願いしたいと思います。

 続きまして、雨水の有効利用についてお聞きしたいと思います。雨水の利用はどこまでできているのか、県内の状況を教えてください。

○當銘健一地域・離島課長 雨水利用につきましては、県施設におきましては、本庁 舎、議会棟、県警本部棟、宮古・八重山両合同庁舎、平和祈念資料館等において、雨水貯留槽を設置してトイレ用水等に利用しております。また、県内の小・ 中・高校等におきましても、トイレ洗浄水や植栽散水用等として利用している状況にございます。

○奥平一夫委員 県有施設ではなくて、県内における雨水の利用状況について聞いたつもりなんですが。

○當銘健一地域・離島課長 県有施設以外で申し上げますと、宿泊施設における雨水利用状況が、平成20年度末の時点ですけれども、22施設で雨水利用をした施設を設置してございます。

○奥平一夫委員 私はこういうのを聞いているんじゃないんですけれども。雨水利用に対する各市町村の支援、その実情を御存じですか。

○當銘健一地域・離島課長 市町村におきましては、那覇市と西原町におきまして、雨水施設設置に対する補助金の制度が設置されております。

○奥平一夫委員 それはどれぐらいですか。

○當銘健一地域・離島課長 那覇市におきましては限度額が4万円で、西原町が限度額5万円となっております。

○奥平一夫委員 何世帯ぐらいがそれをやっているんですか。

○當銘健一地域・離島課長 平成20年度の実績としまして、那覇市におきましては15件、西原町におきましては4件の活用となっております。

○奥平一夫委員 雨水をこれからの水源として新たに制度をつくって、例えば各家庭に貯水槽を設置して雨水による散水とか車を洗ったりとか、そういう水源として県として検討してみる必要は考えませんか。

○當銘健一地域・離島課長 雨水利用につきましては、これまで沖縄県水資源有効利用推進方針に基づきまして、雨水利用の促進を図ってまいっております。今後とも、雨水の利活用を推進しながら、関係部局と連携しながら、水資源の有効利用に努めてまいりたいと思っております。

○奥平一夫委員 次は提案なんですけれども、例えば沖縄県の住宅戸数が52万戸あり ます。その約半数の24万戸にそれぞれ7トンの貯水池をつくってためますと168万トンに達するんだそうです。そういう試算があります。これは新川ダムの 貯水場に匹敵する量です。さらに、都市部のビルとかそういうものに水をためる貯水池をつくりますと、かなりの水源が維持できるわけです。それは都市の防 災、つまり去年ありました国場川のはんらん、それにもかなりの防止策ができると思うんですが、そういう考え方について検討してみる考えはありませんか。

○川上好久企画部長 沖縄県は長いこと水不足に悩んだ経験もあって、各住宅の上にはタンクがあるわけですけれども、今の委員の御意見、御提言を聞きながら、また今後研究をさせていただきたいと思います。

○当銘勝雄委員長 平良昭一委員。

○平良昭一委員 四、五点お伺いいたします。

 まず、バス路線補助事業費についてお伺いしますけれども、赤字路線を抱えている市町村はかなり一般会計の中からの補てんがあるようでございま して、住民サービスと、そしてまた、自己の財源との板挟みになって、大変困っている様子でありますが、その辺、どうお考えでしょうか。

○津覇隆交通政策課長 バス路線については、単独市町村のみ運行するところにつきま しては国庫補助の要件から除外されるために、県と市町村2分の1で補助をしております。生活交通路線を維持、確保するためには、国、県、市町村それぞれの 役割に応じて対応していくことが必要と考えております。市町村におきましては地域の実情に精通していることから、地域のニーズや課題に応じた最適な公共交 通のあり方について検討し、取り組むことを期待しております。

 現在の制度は、これは国庫補助の場合ですが、旧制度では経常費用に占める収益の割合が70%までについては市町村が補助をするという形でありましたのを改めまして、55%まで、要するに15%の負担軽減を図られております。

○平良昭一委員 財政規模の小さい市町村ほど負担が大きいですよね。また、そういう1路線を1自治体で抱えている地域がある。そういう面ではまだまだ県が考えるべきことはあると思いますけれども、いかがでしょうか。

○川上好久企画部長 今言われるように、特に郡部の町村、なかなかそういうケースが 多いかと思います。路線バスの補助に対しては、これは地方財政措置として交付税措置もされているわけですけれども、やはりこの負担が大きいということも聞 こえてまいります。その市町村負担を軽減するためにどういう形があるのかということでございますけれども、これについては、やはり地域のニーズ、それから 課題というものを市町村で整理しながら、この中で最も適切な公共交通のあり方、これを分析しながら、料金収入の確保ができる路線、あるいはまた、路線バス を廃止してデマンドバスとか乗合タクシーとか、さまざまな手法の検討というものが必要になろうかと思います。そういう意味では、県も市町村のほうと相談を しながら、またいろいろ助言をしていきたいと思います。

○平良昭一委員 ちょっと法的な感覚を聞きますけれども、これは過疎地域自立促進特別措置法あたりでの対応策は考えられますか。これでやっていますか。

○川上好久企画部長 現行の過疎地域自立促進特別措置法の中では、財政措置というのは過疎地域自立促進のための地方債とか、また、あとは税制の一部特例、それから県代行というもののみでございまして、今のバス路線に対する助成はないと思っております。

○平良昭一委員 この辺の可能性はもうちょっと頑張ってもらったほうがいいと思うんですよ。特に離島は、かなりそれに対しての運営は厳しい状況でありますので、この辺はちょっと課題としておいておきたいと思います。

 次に、通信対策事業費ですけれども、知事は、公約の実現性を求められたときに、情報関連にかなり力を入れてきて、満足しているということで、 満点に近いということも言っておりました。県内本島の中でADSLさえも整っていない地域がある中で、そのような発言があったことに対してどういうことを 思っているか、ちょっと疑問に思いますので、企画部長はその辺はどう思いますか。

○川上好久企画部長 沖縄県は、御承知のとおり離島島嶼県ということで、非常に地理 的にハンディキャップを持っております。特に情報格差が出やすいという状況の中で、県としては、離島ブロードバンド整備事業、これを2年ほど前まで3年間 ずっとやりましたけれども、それでもって離島を含めて基本的には全市町村をカバーする形でとりあえずもってきたと考えております。

 中身は、ブロードバンドの局から距離があって、それがなかなか使えないというところもあるやに聞いているわけですけれども、この四、五年の間で、かなりそういう高速通信網の整備は進んできているという理解をしております。

○平良昭一委員 西日本電信電話株式会社―NTT西日本独自でやっているものもある んですよね。しかし、企業でありますので、それなりの採算性がとれないところはやらないというものがありありと出てきているんですよ、特に沖縄県の場合。 そういう面では、それなりに県はNTT西日本との協議もやりながら、その策を練っていかないといけない重い時期に来ていると思いますけれども、いかがです か。

○川上好久企画部長 基本的にはNTT等民間の企業者の判断が中心にはなるわけですけれども、県としてもそういうものを促進する形で努力をしてまいりたいと思います。

 現行においては、例えば、これは地上デジタルテレビ放送の回線になるわけですけれども、南大東島、北大東島、光ファイバーケーブルを敷設する ことによって、結果として高速通信回線、超高速通信回線も可能になるという形で、県としてもできる限り、やはり決定的に条件不利なところには市町村とタイ アップをしながら、対応してきているところでございます。

○平良昭一委員 これはもう本当に重要ですよ。今パソコンを買ってインターネットを つなげようと思っても、つなげられない地域が沖縄本島の中でも実際あるんですよ。これはもう不思議な世界ですね、今の時代で。それでまた、NTT西日本 は、当然光回線が入っている状況の中で宣伝をしている、コマーシャルをしている。そのような中でこのような状況が置かれているというのを、県知事みずから NTT西日本に出向いてそういう対策をしないといけないと思いますよ。この辺は連携をとっていけるかどうか、知事独自で行くべきだと思いますけれども、ど うでしょうか。

○川上好久企画部長 こういう高速通信網の整備に向けては、県としても関係機関に要請をしてまいりたいと思います。

○平良昭一委員 もう支援体制は考えるべきですよ。もう知事が積極的に、公約の中でこれだけ言っているわけですから、自信満々に答えているわけですから、まだ100%できていないことをみずから判断して出向いていくべきだと思いますよ、どうですか。

○川上好久企画部長 先ほど申し上げましたとおり、沖縄県は非常に条件不利地域でご ざいますけれども、現時点でそのADSL、高速通信網につきましては、99%はもうカバーをしていっていると。確かに一部、局舎から遠いところでブロード バンドを活用できないという話を聞いているわけでございますけれども、これについても状況を把握しながら、徐々にそういうことが可能になるような形で市町 村とタイアップしながら、また県としても努力をしてまいりたいと思います。

○平良昭一委員 これはもう十分な対応をしないといけないと思いますよ。

 移りますけれども、北部活性化特別振興事業費についてですけれども、これまで10年間、実績等もいろいろ議論してきました。所得の向上、そし て人口増が大きな目的でありましたけれども、継続することが決定しておりますけれども、実際、名護市以北の人口の増に大きな問題点がありました。その面で は、沖縄本島北部の中でも南北の格差があることは言ってもいいと思います。そういう面で、今後どういう形の中でこの取り組みをしていくかをお聞かせ願いま す。

○川上好久企画部長 北部振興事業につきましては、これは委員言われますように、沖 縄本島北部12市町村がこれまで主体的にそれぞれの計画と整合を図りながら、実施をしてきた広域的な地域振興策だと考えております。これまでの取り組みの 中で、沖縄本島北部地域における産業振興、定住基盤の整備については一定の成果は上がってきているということでございますけれども、しかしながら、今御指 摘がありますように、名護市以南での人口増加と、それからまた、名護市以北の人口減少というものも見られる。そういう中で北部圏域内でも人口格差が生じて きていることが現状としてあるということでございます。今後はこういうことを踏まえて、これまで整備されてきた施設機能を積極的に活用していく必要があろ うかと思います。また、北部は沖縄の持っている自然環境を生かしながら、圏域内のバランスに配慮しながら、振興を進めていく必要があろうかと思います。

○平良昭一委員 きょうの午前中の質疑の中でも、基地とリンクしないという形の中で 進めていくということははっきりしているわけです。明らかにこれまでの10年間は基地にリンクされてきたんですよ。それがその沖縄本島南北の格差を生んで いることも事実ですから、その辺は十分配慮しながら、今後の振興策は考えてほしいと思います。

 次に、インターナショナルスクールについてですが、この株式会社旺文社がどのような形の中で連携をしてきたかをまず最初にお聞かせ願います。

○川上好久企画部長 沖縄県としては、沖縄科学技術大学院大学と軌を一にするという ことで、この間、インターナショナルスクールの整備のあり方をさまざま探ってきたわけですけれども、できるだけ民間活力を活用した財政負担のないやり方で 検討していく中で、株式会社旺文社は全国で初めて特区指定を受けたぐんま国際アカデミーで学校教育基本法第1条で定められている学校として運営実績がある 企業であるし、そこでまた教育プログラムの開発など豊富な実績も有しております。また、御承知のとおり、英語検定を初めとした英語関連教材の教育で非常に すぐれた実績も持っております。そういう中で、開校にかかる準備資金等の拠出、それから開校のノウハウを提示したことから、県としては、インターナショナ ルスクール実現に必要なパートナーと判断をしたところでございます。

○平良昭一委員 これがなぜ株式会社旺文社でなければいけなかったことの理由になるんですか。

○川上好久企画部長 そのとおりでございます。

○平良昭一委員 それでは、なぜこれがうるま市だったんでしょうか。

○川上好久企画部長 場所を選定するに当たっては、沖縄科学技術大学院大学からの距 離とか、さまざまな場所を選定する中で、うるま市の現野外レクセンターが選定されたと。例えば金武町の屋嘉トンネル付近の施設だとか、あるいはまた恩納村 の施設とか、さまざまな案があったと聞いているわけですけれども、その中から、地理的な条件、それから学校周辺の環境等を総合的に考慮した上で、ここが適 切だということで選定をしたと聞いております。

○平良昭一委員 この株式会社旺文社の実績はある程度わかりますよ。しかし、資金的な問題の中での査定は十分されてきましたか。

○川上好久企画部長 株式会社旺文社につきましては、これは上場している企業ではな いわけですけれども、既に80年近い実績を持つ、国内でも有数の出版関係の、それも参考書関係の実績を持つ企業であります。そしてまた、既に群馬県におい て、日本でもなかなか例のない学校教育基本法第1条に定められている学校とインターナショナルスクールという組み合わせ、そういう事業を実際に展開して、 うまく成功させている。そういう実績から、ここについて適切なパートナーという判断をしたところでございます。

○平良昭一委員 事業内容はあくまでも出版社ですよね。そういう面では、本当にこう いう大きな事業をする会社として認められるのかというのは大変疑問を持つわけですよ。これまで80年の実績はあるかもしれませんけれども、国内に何十カ所 もそういうものを持っているんだったら信憑性もあります。実際に2カ所ぐらいですよね。そういう面で本当にそういう御判断をされたんですか。

○川上好久企画部長 株式会社旺文社につきましては、これは例えば上場企業ではない ので、財務諸表等は一般に公表されないわけですけれども、この間、赤嶺委員の要望もございましたので、いろいろ探して提供いたしました。ちなみに、ジャス ダック証券取引所の公開資料によりますと、資本金が3億円、総資産は大体103億円余り、そういう企業になっています。そしてまた、過去3年間、売り上げ は約100億円近い企業ということで、その営業利益も10億円以上を継続して出している企業だと認識をしております。

○平良昭一委員 余りわからないですけれども、平成23年4月の開校に向けた取り組 みですが、その生徒の募集状況は70名ということでありましたけれども、その中でのインターナショナルクラスが30何名ぐらいだったと思いますけれども、 そういう面では本来の趣旨からは外れているんじゃないかなと大変疑問に思いますけれども、その辺はどう思いますか。

○川上好久企画部長 沖縄科学技術大学院大学の関連のプロジェクトということと、それから首相官邸から、国際顧問会議のほうから、優秀な人材を集めるために、やはり教育環境をどうしても整備しなければいけない。そういう目的が1つ。

 それからまた、県内では、今後、産業振興を展開していく中で、アジア・ゲートウェイ構想における外国企業誘致の条件整備だとか、あるいはま た、県民子弟の国際性豊かな人材育成とか、そういう目的で、政策目的でそのインターナショナルスクールの整備をするということであります。

○平良昭一委員 開学して運営の財源はどこから持ってくるんですか。

○川上好久企画部長 これは株式会社旺文社が、足りない分については負担することになっています。

○平良昭一委員 年間幾らぐらいで運営するんでしょうね。

○川上好久企画部長 ここもこの間、當間議員に収支をちょっとお渡ししたので、それ でちょっと数字だけ説明をさせていただきますと、まず、平成23年に開校いたします。当初、幼稚園、それから小学校1年、それから小学校4年。インターナ ショナルコースにつきましては小学校1年、3年、4年という形で、以下、学年を進行して3年では6年までいくという形になります。それで平成23年の収支 でございますけれども、まず入学金等々を含めて合計2億9200万円余りの収入があります。一方また、人件費、それから教育研究費等々で2億7000万円 の支出ということで、初年度収支は2200万円の黒字になります。収入支出が大体そのぐらいの規模でございます。

○平良昭一委員 年間2億円ということは、授業料とかを含めると1人当たり幾らになるんですか。すごい授業料になるんじゃない。

○川上好久企画部長 授業料は、1カ月、幼稚園で3万3000円、それから小学校で5万5000円、中学校で5万7200円となっております。

○平良昭一委員 年間、幼稚園で30万円以上、40万円ぐらいかかるということですよね。これはちょっと……。

 午前中、ちょっとぼかしている答弁があったんですけれども、この学校は民設民営ですか、公設民営ですか。この辺、ぼかしていたんですよ。

○川上好久企画部長 民設民営でございます。

○平良昭一委員 これは民設民営ということが明らかであれば、これまで頑張っている 私学の方々に対して示しがつきませんよ。これだけのお金をつぎ込む本当の理由が、整合性がない。その辺、本当に民設民営の中で県がこれだけの資金を投じる ということで、幾ら大学院大学周辺整備事業といってもおかしいと思いませんか。

○川上好久企画部長 これは午前中の質疑でもお答えしましたけれども、インターナ ショナルスクールのプロジェクトと沖縄科学技術大学院大学のプロジェクト、軌を一にするプロジェクトという位置づけで、そのインターナショナルスクールを 設置するということでございます。政策目的としてインターナショナルスクールを設置するわけでございまして、そのことにつきましては、通常の私学補助とは 性格を異にするものと理解をしております。

○平良昭一委員 もう周辺整備事業というのは県の大義名分でしかないですよ。実際、学校教育基本法第1条に規定されるものをクリアする学校になるんですよ。そうすれば確実に私学ですよ。これはもう私学の方々に対してどう説明するかを今聞かないといけない。

○川上好久企画部長 私学という形であっても、これが県の政策として実施をするという意味合いにおいては助成をするケースは間々あるわけでございまして、例えば過去には名桜大学への助成もございます。また、他県でも同じ形で助成をしております。

○平良昭一委員 当初から3億9000万円ということは計画していたんですか。

○川上好久企画部長 計画しておりませんでした。

○平良昭一委員 では、やっぱり寄附金が集まらなかったということで、それを県が補てんする形になるんですか。

○川上好久企画部長 3者の覚書に基づいて、うるま市は用地を提供する、そしてまた 県は校舎の整備をする、そしてまた株式会社旺文社は経営を支援すると覚書では進めてきたことでございます。その中で県としてはこれをどういう形で整備をす るのか。民設民営、できるだけ財政負担のないようにということで、当初は寄附金及び補助等を前提として進めてきた格好でございます。

○平良昭一委員 今、この覚書がありますけれども、当然、校舎の建築の資金、そして うるま市は敷地の提供とか、株式会社旺文社もそれなりのものがありますよ。しかし、民設民営という形になるわけですから、開校してうまくいかなかったとき に、きょう午前中もありましたけれども、それが撤退することになりかねないんですよ。そのときにつぎ込んだお金の責任はとれるんですか。

○川上好久企画部長 パートナーとして、できるだけしっかりした、それからまたノウ ハウのあるところを選定して、また、民設民営という中で、県負担のない、そして民間活力を活用できるシステムでこの間進めてきたところでございます。今の 御質疑については、これは株式会社旺文社という非常に安定した、歴史のある、ノウハウのある企業でございまして、覚書にある形で支援をしていくことが可能 なパートナーという理解をしております。

○平良昭一委員 この学園の設立準備財団との覚書ですよね。それが学校法人に移行したときに、また新たな契約は絶対結ばないといけません。そういうことをさせないものですね。その辺、新たな契約を学校法人に移行したときに結ぶ予定はありますか。これは結ばないといけないですよ。

○川上好久企画部長 覚書において、既にうるま市、それから県、そして株式会社旺文社の中でその役割分担をきちんと位置づけております。そしてまた学校法人、これから設立するわけですけれども、その中で4者覚書を締結する形になります。

○平良昭一委員 新しくね。

○川上好久企画部長 はい。

○平良昭一委員 新しくやるということでありますけれども、その中で、絶対これ以上の県の負担をさせるべきではないことを徹底してうたうべきだと思いますけれども、その辺。

○川上好久企画部長 この沖縄県、うるま市、それから株式会社旺文社の覚書を踏まえた形で覚書を締結する、確認書を締結することになるかと考えております。

○平良昭一委員 ちょっと最後に確認したいんですけれども、この今の役員の名簿の中に、うるま市の方々がだれも入っていない。そういう面ではまたおかしな方向に行きませんか。うるま市の中でもまだこれは全会一致ではないはずですから、その辺のことをお聞きします。

○川上好久企画部長 これからその学校法人を設立していくわけですけれども、今の考え方としては、理事、それから評議員について、株式会社旺文社、うるま市、そして県、それぞれが推薦する人間を理事及び評議員にするということになっております。

○平良昭一委員 ちょっと時間もないので、また次の赤嶺昇委員にこれは渡したいと思います。

 最後に、沖縄21世紀ビジョン(仮称)の中で鉄軌道の件が新たに入ってきたことは、これは大変評価すべきことだと思います。先ほど奥平委員か らもありましたが、これは20年、30年後の問題にはしてほしくない。私は本会議の中でも、これまでたばこ税の中で、たばこ特別税という国鉄の赤字の返済 に回っているのが年間18.8%。10年間で177億円を私たちは、恩恵も受けていない国鉄の赤字に回してきた。それに対して企画部長、どういう感覚をお 持ちですか。

○川上好久企画部長 これにつきましては委員から指摘がございまして、これまで県が負担した金額が170億円余りあることは承知しております。今後また鉄軌道を検討する中で、これをどのような形で活用が図られるのか、検討してまいりたいと思います。

○平良昭一委員 これはいつまで支払い続けるんですか。

○川上好久企画部長 これは国税でありまして、今ちょっと県のほうでは何とも申し上げることはできません。

○平良昭一委員 177億円というのは、民間ベースにすると、それの10倍の仕事ができる金額なんですよ。その面ではもっと強く、沖縄県民はこれだけ支払ってきたとアピールしながら、当然必要なものだという意識を持って、この鉄軌道には臨んでもらいたいんですけれども、いかがでしょう。

○川上好久企画部長 そういう県民が負担をしている金額を踏まえまして、今後またその活用方策を含めて検討してまいりたいと思います。

○当銘勝雄委員長 20分間休憩します。

   午後3時53分休憩

   午後4時15分再開

○当銘勝雄委員長 再開いたします。

 休憩前に引き続き、質疑を行います。

 赤嶺昇委員。

○赤嶺昇委員 先ほどの平良委員との関連で、NTT西日本の高速通信で答弁いただい たんですが、再度お聞きします。ただでさえ離島僻地、いろんなハンディキャップがある中で、インターネットを含め高速通信の利用という観点から、知事が 100%を目指すという意味でも、正式に同社に対して要請するべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。

○川上好久企画部長 ADSLにつきましては、これは沖縄県としてもかなり進して いるわけでございますけれども、やはり100%まではまだ行っていない。そしてまた、カバーはしているけれども、場所によってはなかなか使えないところも あることも踏まえまして、そういう地域の情報をいろいろ収集しながら、どういう対応ができるのか、また検討していきたいと思います。

 この間のADSLについては、どうしてもできない地域については、県が例えば補助事業等を入れて、離島とかそういうところでやってまいりまし た。また、市町村のほうでも独自に事業をやっているわけですけれども、NTTの協力が必要な場所とかがございましたら、当然そういう形の要請はしていく必 要があろうと思います。

○赤嶺昇委員 続いて、いわゆる地上デジタル放送推進事業について、海底光ケーブル敷設及び中継局の設置ということで予算が組まれておりますが、それは県内業者がやるのかお聞かせください。

○松堂勇情報政策課長 御質疑は南北大東地上デジタル放送のお話だったと承知しておりますが、その県内業者とは、御存じのように、県内に本店、支店等があれば県内企業だという概念がございます。そういった意味では県内企業だと認識しております。

○赤嶺昇委員 ちょっと違う角度で。いわゆる法人税初め、県内に納めているかどうかをお聞かせください。

○川上好久企画部長 県内に支店の届け出があれば、県内に法人関係税を納付する義務が発生します。

○赤嶺昇委員 基本的なことを企画部長にお聞きします。知事初め県内業者優先という視点は持っておりますが、企画部長はその視点は同じですか。

○川上好久企画部長 県内企業優先、そういう気持ちを持っております。

○赤嶺昇委員 それではちょっと質疑を変えます。インターナショナルスクールの件についてお聞きしますが、設計はもうできていますか。

○川上好久企画部長 設計はできております。

○赤嶺昇委員 設計をしたのはもちろん県内業者ですよね。

○川上好久企画部長 これは沖縄国際学園準備財団でやっておりまして、コンペで選定をして、愛知県名古屋市に本社のある企業が受注したということでございます。

○赤嶺昇委員 先ほどの県内業者優先という方針はどうなりました。

○川上好久企画部長 基本的には県内優先という考え方を持っております。

○赤嶺昇委員 基本的に県内業者優先ということで、これが名古屋市の会社になった経緯はどうなっていますか。

○川上好久企画部長 これは沖縄国際学園準備財団のほうで準備を進めておりまして、そこでコンペをしてそういう結果になったと聞いております。

○赤嶺昇委員 県民負担が、寄附が集まらないということで、3億9000万円も我々県議会に皆さんは求めていますね。これは県内業者じゃなくて準備財団で逃げていますね。知事初め先ほどの企画部長の方針等に反しませんか。

○川上好久企画部長 これはまだ設計の段階でございますので、今後、建設という段階の中では、県としても地元優先発注という考え方でやってもらうように、調整をしてまいりたいと考えております。

○赤嶺昇委員 VE方式って何ですか。

○川上好久企画部長 ちょっと十分な知識はないんですけれども、バリューエンジニアリングという名称らしいんですけれども、コストを低減することを提案してもらう、そういう仕組みだと聞いております。

○赤嶺昇委員 皆さんがやっていることは、設計も県外、図面がありますけれども、こ れも特殊技能ということで県外に進めようとして、これはどうも株式会社旺文社も設計の皆さんともかかわっていると聞いています。最近慌てて地元の皆さん に、うるま市に担当職員が行って、総合評価方式にするからという話をしているんですね。皆さん、我々県民から見ても、これだけ、3億9000万円の負担を 強いられていこうとする中で、こういう透明性も含めて、先ほど一番最初に聞きました県内業者優先。業界がこれだけ厳しい中において、そういう財団の皆さん が決めたから名古屋市の設計事務所になった。皆さん、本当にこれは県民のためになっていますか。

○川上好久企画部長 今まだ設計の段階でございまして、これから建設をする中において、地元優先発注でやってもらうということを要請することにしております。

○赤嶺昇委員 建物をつくるところだけが県内業者じゃなくて、設計事務所がどのくらいあるか、皆さん、わかりますか。

○川上好久企画部長 今ちょっとそれは掌握しておりません。

○赤嶺昇委員 そういうやり方、明らかに沖縄設計業界の皆さんに対して失礼だと私は思っているんです。

 もう一点、このインターナショナルスクールの中身をちょっと見ますと、中学校から高校に行こうとする場合に、通常より1年おくれの入学となる可能性がありますと書いてありますけれども、本当ですか。

○川上好久企画部長 日本の中では、義務教育は学校教育基本法第1条に規定する幼稚 園、小学校、中学校、高等学校、それから中等教育学校、そこを卒業することが義務教育を終えるという認識をされております。今委員がお持ちの資料は、恐ら くその学校教育基本法第1条に定められている学校の条件を備えていないところについては義務教育を修了したとはみなされない、そういう意味だと理解をして おります。

○赤嶺昇委員 では、最後に基本的なことを聞きたいんですが、先ほど企画部長は、株 式会社旺文社はちゃんと経営も問題ないと言っております。確認したいのは、これが実際にスタートしていった場合に、うまくいかなかった場合は、今回の予算 を認めた県議会の責任なのか、知事の責任、部長の責任、どうなりますか。

○川上好久企画部長 この沖縄科学技術大学院大学関連のプロジェクトでインターナショナルスクールをこれまで県で進めてまいりました。そういう意味ではさまざまな方々がかかわって、それはみんなそれなりの責任を持って仕事をしてきていると考えております。

○赤嶺昇委員 つまり責任の所在がはっきりしないということですか。

○川上好久企画部長 責任の所在は、これは県にあるわけです。

○赤嶺昇委員 そうすると結果的に、今回予算を出した仲井眞知事が仮に退職していても、そこは責任は免れないということですか。

○川上好久企画部長 いえ、そういうことはございません。これまで幾多のプロジェク ト、政策を実施する中で、そういうものではないと。これはその時々のさまざまな政策、施策事業を展開していく中で、そういうものは政策目的を達成するよう に努力をして、責任を持ってやってくるという話でございまして、それがこうなったからといって最初の方々の責任を問うという話は、いまだかつてなかったと 思います。

○赤嶺昇委員 民間の方、社長の皆さんが事業をしようとして失敗すると、全部個人でかぶるんですね。今回皆さんは寄附金を募って、もう既にこれが誤っているんですね。それで3億9000万円、県民の負担なんですよ。それについて企画部長、これは尋常ですか。

○川上好久企画部長 もともと、これはもう先ほどからずっと答弁させていただいてい ますけれども、インターナショナルスクールというものは、沖縄科学技術大学院大学プロジェクトと軌を一にする位置づけのプロジェクトであり、また、アジ ア・ゲートウェイ構想における今後の沖縄の事業展開、外国の企業家を呼んでくるインセンティブ、そしてまた、県内の子供たちの教育の機会を拡充するという 政策的な目的で実施をされていくものであります。

○赤嶺昇委員 企画部長、余りここまで深くやろうと思っていませんけれども、沖縄科学技術大学院大学を聖域化していませんか。

○川上好久企画部長 聖域化はしてございません。これは県が行うさまざまな施策、それからプロジェクトと同じような形で県として取り組んでおります。

○赤嶺昇委員 沖縄科学技術大学院大学があるからということで、これはもう仕方がな いと皆さんは説明していますけれども、沖縄科学技術大学院大学でさえも―我々ももちろん応援してきていますよ。しかし、それに本当に政府が最後まで責任を 持つかどうかも含めて、まだ不透明な点もたくさんあるんですね。ですから3億9000万円、県内業者優先と言いながら県内業者に発注もかけない。ここで慌 てて県内に一部―設計業者は既に名古屋市の業者がやっている。そしてVE方式も皆さんは具体的にわからない。一体だれがこれを具体的に引っ張って進めてい るかどうかも不透明なんですね。そのあたりについていかがですか。

○川上好久企画部長 インターナショナルスクールを整備するのは、先ほど申し上げた とおり設立目的というのは、沖縄科学技術大学院大学と軌を一にする周辺整備事業の一環であり、そしてまた、アジア・ゲートウェイ構想における海外の事業家 を呼び込むインセンティブであり、そしてまた、県内の子供たちの教育の場を広げる。それができたことによる効果を政策の第1の目標としているわけでござい ます。その中にあって、どのような形でそれをつくっていくかというものに現在腐心している状況でございます。

○赤嶺昇委員 うるま市及び市議会は全会一致で同事業に賛成していますか。

○川上好久企画部長 全会一致ではなかったと聞いております。

○赤嶺昇委員 うるま市長及び副市長は、この事業を100%推進すると言い切れますか。

○川上好久企画部長 覚書に基づいて、ここまで着実に協力していただいていると思います。

○赤嶺昇委員 そうしたら今の答弁、もう一回。明確な質疑をしていますから、副市長あてにでも確認してまいりますので。我々も話をしていますから。市議会に地元をまとめてから持ってきてくださいと我々は言っているんですよ。問題ないですか。

○川上好久企画部長 覚書を県、それから株式会社旺文社、うるま市で結んで、なおか つまた、うるま市と沖縄国際学園設立準備財団との間に基本協定書があるわけですけれども、その中では、覚書に基づいて両方が協力するということで協定を結 んでおります。そういう意味において、県、それからうるま市、株式会社旺文社、3者の覚書をやはり遵守をして、その実現に努めることが、言ってみればうる ま市の意思だと理解をしております。

○赤嶺昇委員 これは今後、うるま市議会でもいろいろ議論されると思うんですけれど も、今、覚書という話だけしていまして、私が今質疑している中で、責任もはっきりしません。今後、運営をしていった場合に、仮にそれがうまくいかなかった 場合の責任の所在もはっきりしない。結果的にまた県民の皆さんが負担を強いられることになった場合―先ほどから平良委員が、またそれ以上に負担を強いられ ませんよねと。企画部長は、株式会社旺文社は経営的にも問題ないと本当に断言できますか。

○川上好久企画部長 あらゆるものを極端な物言いというのは、これはなかなかできな い話なんですけれども、さまざまな民活というプロジェクトの中で、株式会社旺文社はその最適なパートナーだと我々は理解しております。そしてまた、覚書の 中において、初期運営については株式会社旺文社が責任を持つと明記をしておるわけでございまして、その覚書に基づいて、株式会社旺文社はその責任を果たし てもらえるものと考えております。

○赤嶺昇委員 ぜひ地元の皆さん、また、もう少ししっかり責任の明確な部分も出していただきたいと思っています。

 続いて、企画部が補助をしている団体について、離島航路補助金という部分でやっているんですけれども、その内容を少し説明いただけますか。簡潔で結構です。

○津覇隆交通政策課長 離島航路補助金につきましては、離島住民の振興及び離島住民の民生の安定と向上を図るため、離島航路整備法等に基づき、国、県、市町村が協調して、事業により生じた欠損額、赤字について補助するものであります。

○赤嶺昇委員 過去5年間の補助実績を教えてください。

○津覇隆交通政策課長 今、手元の資料は平成19年度からの資料ですが、平成19年 度が11事業者で3億1600万円余で、平成20年度が13事業者、1億5700万円余、平成21年度が13事業者で2億3900万円余、平成22年度 は、予定では13事業者、2億2900万円余となっております。

○赤嶺昇委員 包括外部監査の結果報告によると、制度そのものがほとんど機能しておらず、形骸化していると指摘されていますが、これについてお聞かせください。

○津覇隆交通政策課長 離島航路に関しては、原則として赤字のすべてを補助する形となっております。そのために、通常なら航路を廃止する事業者も、赤字をゼロにすることによって航路が維持されていると考えております。

○赤嶺昇委員 さらに、そもそも離島航路事業は採算をとれる事業ではないことから、当該補助事業に係る制度上の抜本的な見直しが必要であると指摘されていますが、いかがですか。

○津覇隆交通政策課長 これまでも一応事業者から航路改善計画を求めて一定の指導は してきておりますけれども、これをより実効性のあるものにするために、国のほうで今年度から設置しておりますけれども、赤字幅の大きい航路に関しまして、 国が主体となりまして航路改善協議会を立ち上げまして、経営の専門家等もメンバーに入れまして、事業者、地元市町村、国、県も入りまして、より経営改善に ついて強力に計画策定を指導していく形になっております。

○赤嶺昇委員 欠損に基づいて国が補助をするんですけれども、標準査定そのものをどう……。包括外部監査の中で、地域によりさまざまな状況が異なるのに、全国一律の方式をとることは理解しがたい、県としても国に対して強く求めていくべきだと指摘をしていますが、いかがですか。

○津覇隆交通政策課長 この件に関しましては、離島航路を持つ都道府県の協議会にお きまして、国に対しても再三要望しております。ただ、その要望は受け入れられず、今のところそういう一律の制度となっております。ただし、これまで赤字航 路を除いた全国の離島航路で標準経費を算定していたものを、赤字航路も含めた形で標準経費というのを算定することになって、若干の改善はなされておりま す。

○赤嶺昇委員 続いて、フェリー「ニューいぜな」の船舶のリースについて指摘されていますが、その内容は何ですか。

○津覇隆交通政策課長 フェリー「ニューいぜな」に関しては、沖縄県離島海運振興株 式会社というんですか、県や沖縄振興開発金融公庫等が出資している第三セクターから船をリースして航路を運営しているんですけれども、そういう会社を介し て船をリースで運営するのはおかしいんじゃないかという指摘だと受け取っております。

○赤嶺昇委員 交通政策課長、この包括外部監査の指摘は、今交通政策課長が説明した程度の内容じゃないですよ。それでいいんですか。何ページぐらい指摘されていますか。ページ数でいいよ。

○津覇隆交通政策課長 今手元にはその報告書を持ち合わせておりませんので、ちょっと……。

○赤嶺昇委員 これについて、ページだけで5ページぐらい。この会社は、フェリー 「ニューいぜな」自体は非常に赤字で苦しいんですね。しかし、今おっしゃった会社に―ちなみに同金融公庫の業務報告書を見ると、平成19年4月から県の元 企業局長が同金融公庫理事に就任している等々書かれておりますし、リース会社はもうかっているという話なんですね。そこをあえて使う必要ないんじゃないか と指摘されていますけれども、企画部長、いかがですか。

○川上好久企画部長 今のお話とちょっと関係あるかと思うんですけれども、離島市町 村は全国的に、船を購入するときに、他県では独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の共有船建造制度というのを利用して、1割頭金をつくって購入す る形になっております。沖縄県の離島市町村というのは非常に小さな市町村が多くて、そういう負担もできない状況がございます。そういう中で、その線からの 1割負担を求めずに、沖縄県離島海運振興株式会社の中では提供して、またリースを行った後、買い取る資金がない場合にも再リース契約をする形でのフォロー をやっていると我々は理解をしております。

○赤嶺昇委員 時間がないのでこれはまた引き続きやることにします。

 最後に運輸振興助成補助金、それについても意見として指摘されていますが、内容は何ですか。

○津覇隆交通政策課長 運輸振興助成補助金は、沖縄県バス協会、沖縄県トラック協会に補助されていますが、その上部団体である全国組織のバス協会、トラック協会に出捐金という形でお金が上納というか、流れている、そういったことが問題だという指摘があります。

○赤嶺昇委員 同指摘に対して県はどうしていますか。この包括外部監査は平成20年 度のものなんで、皆さんの手元にないことがもう問題なんですよ。こういった指摘は飾りじゃないんだから、いつ皆さんがこれを改善したかが聞きたいんです よ。本当は全部聞きたいんですよ。これは飾りじゃないよ、こんな明確に指摘されているんだから。

○川上好久企画部長 今委員が御指摘をされている部分につきましては、全国組織に資 金を出しているということを沖縄県のほうでは指摘されているわけですけれども、実はこれは沖縄県だけじゃなくて、全国的にそういう形で組織的な対応をして おりまして、その辺の指摘についてどういう対応をするのか、ここのところは少し検討させていただきたいと思います。

○赤嶺昇委員 この包括外部監査は皆さん時間をかけて調査していますから、この1項 目じゃないですよ、企画部長の所管する部分をいま一度、指摘されたものに対してどのように改善、もしくは改善しないのか、どう取り組んだのかということを 示してもらえませんか、今度。ペーパーでも構いませんから。

○川上好久企画部長 そういう形で試みたいと思います。

○赤嶺昇委員 これはほかの部署にも同じことを指摘していますので、ぜひいい形でこれをまた生かして取り組んでいただくようお願い申し上げて、終わります。

○当銘勝雄委員長 上里直司委員。

○上里直司委員 それでは、私は公共交通に関する部分について質疑をさせていただき ます。まず本会議でも質疑をさせていただきましたが、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法、いわゆるタク シー新法の施行により、タクシー業界が雇用の問題で大量に離職者が発生するのではないかという危惧をされていますけれども、見解をお聞かせください。

○川上好久企画部長 この御質疑は2月議会の本会議でもいただきました。沖縄本島の タクシー実働率の話も申し上げましたけれども、全体としてそういう実働率の話はあるにしろ、個々の事業者についてはやはりさまざまな雇用の不安とか影響と いうものが起こり得ると考えております。そういう意味で十分言葉が足りなかった部分はあったかもしれません。ただ、県としては、こういう減車に伴って、乗 務員がその意思に反して職を失うことのないような取り組みを、内閣府沖縄総合事務局とか、あるいはまた社団法人沖縄県ハイヤー・タクシー協会に求めてまい りたいと。また、その動向についても注視をしてまいりたいと考えております。

○上里直司委員 先日の本会議の答弁では、実働率が78.5%まで低下しているから 云々かんぬんで、必ずしも大きな雇用喪失にならないと理解しているという答弁でしたけれども、やっぱり先ほど答弁がありましたとおり、個々の業者を見てい くと必ずしもそうではない。90%以上の実働率、稼働率を誇っている業者さんもいますから、そういうところにおいては減車が雇用の問題に直接影響を与える ものだと受けとめて、ぜひ地域計画に携わっていただきたいと要望いたします。

 それで先日、社団法人沖縄県ハイヤー・タクシー協会の会長が、ある地元紙のインタビューで、タクシーの利用とレンタカーの台数について言及さ れています。そこでお尋ねいたしますが、レンタカーの台数が増加していることによって公共交通にどのような影響を与えているか、その辺について御答弁くだ さい。

○川上好久企画部長 そういう影響というのはきちんと調査を入れたものはないわけで ございますけれども、近年、レンタカーもかなりふえておりまして、それがやはり量的に影響を与える。交通渋滞とかそういうものに影響を与えるとか、そうい うものはあるなと。また、ほかにもいろいろ影響があるかもしれません。ちょっとそういう全般的な調査は入れておりませんけれども、そういう影響はあり得る と理解はしております。

○上里直司委員 簡潔で結構なんですけれども、レンタカーの台数がふえている原因を企画部長としてはどのように感じていますか。

○川上好久企画部長 レンタカーはいろいろ評価があろうかと思います。常任委員会で もございましたけれども、沖縄県観光の重要なツールであるというのも1つそのとおりだと思います。しかしながら、それがふえていく中で、さまざまな交通渋 滞、それからまたタクシーの関係から、そういうものと競合するという御意見等もございます。そういう状況があると認識しております。

○上里直司委員 私が聞きたかったのは、レンタカーがこれまでふえているのは、もち ろん観光の多様化や、個人観光と言われる自分で観光を組み立てる方がふえてきているのも要因でしょうが、やっぱりこの沖縄県内に長距離を移動する公共交通 の機関がないというところが、このレンタカー増加を容認させている、発生させている原因ではないかというところでお聞きしたかったわけです。そこで、長距 離移動である鉄軌道の導入を、知事の施政方針演説の中にも盛り込まれているし、国の今回の予算の中にもその可能性調査が含まれていますが、いま一度確認を させていただきますが、国がこの調査に対してどういう態度で、姿勢で予算を計上しているか、お尋ねいたします。

○川上好久企画部長 国として次年度予算を計上したというものについては、やはり県民の中にそういう鉄軌道に対する大きな期待があることが背景としてあったと思います。

○上里直司委員 企画部長がさんざん、この予算特別委員会でも本会議でも御答弁をされていましたが、では、いつになったら鉄軌道を導入するか、そういう見通し。皆さんのプランの中で、どの年度で鉄軌道導入をはっきりと打ち出したいという方針はございますか。

○川上好久企画部長 今申し上げましたように、国のほうでやっと次年度、初めて予算 を計上するということになっています。国のほうではさまざまな要件、条件、そしてまた制度等を含めていろいろ整理がされるかと思うわけでございますけれど も、そういう国の調査の状況を見ながら、県としても鉄軌道の導入について検討していきたいと思います。現時点ではまだ具体的なスケジュールが出せる状況で はないと思いますけれども、ただ、国のほうも予算を計上してさまざまな検討をする体制は出てきていると理解はしています。

○上里直司委員 いろいろ御説明いただいていますけれども、皆さんの今公共交通システムを考える期間において、それが出せるのかどうか、それはいつなのか、そのことを聞いているんです。

○川上好久企画部長 実は今年度も、基地跡地の関係で、沖縄本島中南部を含めて軌道 系交通を含めた調査検討をやってございます。ただ、それはスケジュールがいつかという話よりも、どういう目的でどういうルート、また、どういう種類の軌道 系交通であればどういう効果が出るのか、そういう調査を現在進めている状況でございます。これと次年度の国の調査とあわせて、今後の具体的なスケジュール をまた検討してまいりたいと思います。

○上里直司委員 企画部長、なぜこの質疑をさせていただいているかというと、企画部 長を中心にまとめている沖縄21世紀ビジョン(仮称)にもはっきりと、軌道系、鉄軌道を含むという形で盛り込んだ、施政方針演説の中で盛り込んだ、国も初 めて調査費を可能性調査ということで盛り込んだ。ここまでようやく、今までなかった、戦後この方存在し得なかったものを新たにつくるわけなんですよ。新た につくるものをどこで、つくるか、導入したいと言うのかというのは、私は政治的な判断だと思っているんです。ですから可能性調査といっても、できなければ やらないという可能性調査もありますし、やるという方向で進める調査もあるんです。したがって、私は今ここで、県としては進めたいんだと、進める方向で可 能性調査に臨むんだという企画部長の決意みたいなものが必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○川上好久企画部長 決意というよりも、これは沖縄21世紀ビジョン(仮称)の中でも県民の声を集約して、さまざまな形で軌道系交通の導入について盛り込んでいるわけでございまして、県としては、やはり県民の気持ちを受けとめて、その実現に向けて努力をするということでございます。

○上里直司委員 多額の予算をかけて、そしてこれからいつになるかという、本当に莫 大な大きな夢でもあり、県民の生活から編み出された要望だと思うんです。そういう意味では、やっぱり企画部長の今の答弁は、決意はあるかなしかというのが はっきりわからないし、私は、ここは知事が導入したいんだという意思を明確に持って、この次の年度に当たるべきだと思いますので、ぜひこの質疑を知事に対 してしていきたいと、質疑を保留させていただきたいと思います。

 質疑を続けます。続きまして全国知事会についてお尋ねをいたします。次年度888万8000円という負担金が計上されております。皆さんお手元にあるかどうかわからないですけれども、全国知事会に沖縄県はいつ加入されましたでしょうか。

○桃原利功企画調整課長 全国知事会は昭和22年10月1日に設立されておりまして、その時点で加入しております。

○上里直司委員 それでは復帰前から加入しているということですか。

○桃原利功企画調整課長 失礼しました。訂正いたします。復帰時点で加入しております。申しわけございません。

○上里直司委員 それでは38年間で幾らですかと聞こうと思ったんですけれども、そこはやめておきます。大体計算すれば3億円弱だと計算されるわけでありますが、全国知事会に加入して得られたメリットをお聞かせいただけますか。

○桃原利功企画調整課長 全国知事会は、定例会として年3回程度の全国知事会議、そ れから各分野ごとの委員会等を開催していますけれども、それから国等への個別政策に係る意見交換会や、あるいは協議の場への参加を行っております。その場 で意見を反映させております。また日常的には、法令改正等について各県への情報提供とか、各県からの情報の集約等を行っていますので、そういった面から県 としても加入しております。

○上里直司委員 直近で結構なんですけれども、沖縄県の個別の具体的な問題が全国知事会に取り上げられて、これが全国知事会一致した意見となって首相や政府に要請した、そういうメリットはありますか。

○桃原利功企画調整課長 平成14年度において沖縄県で全国知事会を開催しまして、その際に日米地位協定の見直し等を要望しております。

○上里直司委員 私、この政権で国と地方の協議という場ができ上がり、それぞれがそ れぞれの個別具体的なテーマで政策の要求や交渉をしていくんだろうと予測しているんです。それで、888万8000円というのは皆さん方の負担金だけで あって、全国知事会に参加をする皆さん方の交通費や、それぞれ事務にかかわるものを加えるとかなりの額になるんじゃないかなと私は思っているんですね。

 もう一つ違う角度からお尋ねしますが、沖縄県固有の課題だけれども、要求しても全国知事会で取り上げられなかった事項についてお尋ねいたします。

○桃原利功企画調整課長 県のほうから要求して全国知事会のほうで取り下げられる事例はございません。

○上里直司委員 それでは、知事が本会議でさんざんおっしゃっていた普天間飛行場の移設、県外がベストだとおっしゃっていましたけれども、このベストな選択を求めて全国知事会で提起したことはありますか。または提起しようとするお考えはありますか。

○川上好久企画部長 今、急な話であるわけですけれども、全国知事会で今のところ、基地問題という形で、今のような形の発言をしたことはございません。今またそういうことを言うという話も、知事のほうからは聞いておりません。

○上里直司委員 いや、知事のほうから聞いたことはないとおっしゃいますけれども、 この全国知事会という場で橋下大阪府知事が、全国で機能を分散して引き受けるべきだということまで昨年おっしゃっているわけなんですよ。それで、地元の両 新聞社が全国の知事にアンケートをとって、その負担についてどうなのかという関心も寄せている中で、知事がみずから沖縄県の問題としてこうなんだ、基地負 担にあえいでいるんだと、だからこの機に、県外、また国外、こういうことについてぜひ全国知事会で訴えるべきだということ。もう一度それを知事に迫ること が必要なんじゃないですか、企画部長。

○川上好久企画部長 そういう形で政策判断というものがなされるんであれば、それは 全国知事会を所管している企画部としての手続をするわけでございますけれども、今の話は、この基地にかかわる話というのは企画部は所管外でございまして、 今ちょっと企画部長としては、これをやるべき、やるべきじゃないという判断を申し上げることはできません。これについては知事公室のほうで回答をすべきも のかなと思います。

○上里直司委員 いずれにしましても全国知事会の担当は企画部だと受けとめて、その 会議の準備や提起などは恐らく皆さんのところでやるだろうと思ってこの質疑をしたわけであって、やっぱり知事に確認をしたいと思いますので、この辺も質疑 を保留させてください。とりあえず質疑を保留させてください。

 続いて、地域離島振興についてお尋ねをいたします。今、竹富町の竹富島で大規模なリゾート開発が進められようとしているようですけれども、皆さんのほうでどのような状況か把握されていますでしょうか。

○當銘健一地域・離島課長 竹富リゾート開発に関する件につきまして、竹富町に確認し、把握したところでございます。

○上里直司委員 町はそれを進めようとしていらっしゃるんでしょうか。

○當銘健一地域・離島課長 同リゾートの開発につきましては、町としましては、竹富島の住民間でよく話し合って解決すべきであるとのスタンスに立っていると聞いております。

○上里直司委員 県の皆さん方として、その町から相談、要請があった場合に、受け入れることはできますでしょうか。

○當銘健一地域・離島課長 県といたしましては、地元竹富町の意向も踏まえながら、見守ってまいりたいと考えております。

○上里直司委員 それでは、続きまして離島フェアについてであります。昨年の離島フェアの入場者数についてお答えください。

○當銘健一地域・離島課長 昨年11月に開催いたしました離島フェアの入場者数は12万8555名となっております。

○上里直司委員 私は昨年の委員会でも過去10年間ぐらいの入場者数を拝見いたしま したけれども、一昨年と比べるとわずかに減少している。10年ずっと見ていても入場者数は頭打ちの状態になっています。離島フェアは、12万8000人と いう県民の10人に1人が参加をする非常に大きなイベントになっていますけれども、この頭打ちになっている離島フェアの誘客数をどういう形でふやしていく のか。または観光客誘客とどう結びつけるのかという策についてどのようにお考えでしょうか。

○當銘健一地域・離島課長 現在、来客者数は横ばいになっておりますけれども、今後は旅行代理店とのタイアップ等も含めまして県外からの誘客促進に取り組むよう、離島フェア開催実行委員会において開催されておりますので、同実行委員会におきまして提言していきたいと考えております。

○上里直司委員 それで、何年か連続して参加をしていますと、出展者、出品物が非常にいいデザインになってきて、かなりお客さんを意識して生産も加工もされているんだろうなと見ています。

 私、一言、提案ですけれども、パンフレットがありまして、パンフレットに地元の子供たちのコンクールを実施して絵を出しているんですね。私、 この絵自体を否定しているわけじゃないんですけれども、やっぱり観光客や本土の市場をターゲットにしてこのパンフレットを効果的に出すためにも、このあり 方をもう少し検討されてみたほうがいいんじゃないかなと思うんですね。企画部長、その辺、どうお考えでしょうか。

○川上好久企画部長 今の子供たちの絵を使ったというのは、これはまた離島市町村の 工夫の1つではあるわけなんですけれども、より効果的な発信力のあるやり方を、今後また沖縄県離島振興協議会と連携しながらやってまいりたいと思います。 先ほど御質疑がありました客をどうふやすかということを含めて、今後検討してまいりたいと思います。

○上里直司委員 最後になりますけれども、前原沖縄担当大臣が久米島町にいらっしゃいまして、海洋温度差発電の実証実験について御意見を地元から聞いているかと思いますけれども、県のこの実験導入に対するスタンスをお聞かせください。

○川上好久企画部長 久米島町では、久米島町海洋深層水複合利用推進協議会を立ち上 げて、新たに海洋深層水をエネルギー用とその他の複合的な利用を行う実証研究事業を誘致したいという動きがあると聞いております。現在、県が運営している 海洋深層水研究所、ここは実は1万3000トンの取水能力で、運用上は日量1万トン実施をしております。その取水した深層水については、最近はほとんどが 研究所、それから企業で活用して、余量がない状況であります。しかしながら、もし新たにそれを設置をするとしたときに、やはり深層水利用に関する企業動向 とか水量特性、その辺もあり、また検討していく必要があろうかと思います。その辺の動きを踏まえながら、県としてもその状況を見守ってまいりたいと思いま す。

○当銘勝雄委員長 上里直司委員の質疑は終わりましたが、質疑の中で2点確認したい と思います。1つは鉄軌道を導入することについて知事の明確な意思表示、2つ目は全国知事会で米軍基地問題の提起をすることについて、この2つについて質 疑を保留して、知事に出席を求めて総括質疑を行いたいということがありました。これでよろしいですね。これについては質疑を保留して、3月15日の教育委 員会の審査終了後に理事会を開いて協議いたします。

 続いて、田勝廣委員。

○吉田勝廣委員 名桜大学の公立化に向けての今後の進状況を教えてください。

○山里清市町村課長 名桜大学は現在、私立の大学でございますけれども、今後、公立 大学法人を目指して、北部広域市町村圏事務組合が設置者となって、今それに向けての認可申請を県のほうに提出しております。現在、その認可に向けて、県と しては慎重に審査を行っているところでございまして、4月の開校ができるよう、県もできる限りの助言、指導等をやっていきたいと思っております。

○吉田勝廣委員 その可能性は99.9%ありますか。

○山里清市町村課長 まだ今審査中ではございますけれども、今回の審査につきまして は、文部科学省のほうで設置者の変更の申請と、それから現在の学校法人の解散の認可と今回の公立大学法人の設置認可が同時に行われなければいけない状況で ございまして、これが3月の中旬ごろがめどになろうかなと思っておりまして、作業は順調に進んでおります。

○吉田勝廣委員 文部科学省のそれについての感触はどうですか。

○山里清市町村課長 順調だと聞いております。

○吉田勝廣委員 期待をしております。

 次に、跡地利用について質疑いたします。跡地利用は平成7年に議員立法で法制化をされて、平成14年に沖縄振興特別措置法にも、並列の形で法律が施行されているわけですが、そこで、大規模跡地と特定跡地利用と、その違いをちょっと説明をお願いしたい。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 大規模跡地につきましては、基本的に都市市街地に なる可能性の高い部分で、それから事業の実施期間が長くなるところを大規模跡地指定をするとなっております。それから特定跡地につきましては、返還後の原 状回復に長期間を要するところで、さらに5ヘクタール以上という基準で指定をするとなっております。

○吉田勝廣委員 その特定と大規模跡地の政府の支援策はどう違いますか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 大規模跡地につきまして、主な支援策といたしまし ては、工事が終了といいますか、土地利用が可能な状況になるまで給付金を支給するといったことがございます。それから特定跡地につきましては、原状を回復 する期間だけ、沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律―軍転特措法で定められました給付期間の3年にプラスをするという支援制度がご ざいます。

○吉田勝廣委員 この給付金について、大体どのぐらいなのか、ちょっと説明してください。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 特定跡地給付金につきましては、基本的には原状回 復に要する期間となっておりますので、金額的には原則として賃借料と同額の金額。ただし、その場合は1000万円以内の限度額があるとなっております。こ の考え方につきましては大規模跡地も同様の考え方になっておりまして、大規模跡地の場合ですと、原状回復だけではなくて、土地利用が可能になるまでの期 間、そのような給付金が支払われる。まだ現実にそういう事例はございませんけれども、そういう法の形になっておるということでございます。

○吉田勝廣委員 大規模跡地の土地として約300ヘクタール以上と書かれているので、その該当する基地、そこをちょっと説明願えますか。返還されてなくても結構。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 現在の段階では、300ヘクタール以上につきましては普天間飛行場跡地のみとなっております。

○吉田勝廣委員 そうすると、その特定跡地、これは5ヘクタールだよね、その基地は大体どのぐらいありますか。すべて……。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 今現在、5ヘクタール以上という考え方につきましては、嘉手納飛行場以南の返還跡地はほぼ大体が対象になると理解しています。

○吉田勝廣委員 特定跡地に指定する条件がありますね。その条件をちょっと説明してください。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 特定跡地の指定要件なんですが、原状回復に相当な期間を要する駐留軍用地跡地で、さらにそれ以外に5ヘクタール以上となっております。計画的な開発整備が沖縄の振興に資するものというものがあります。

○吉田勝廣委員 それ で、大規模跡地と特定跡地の違いが明確になりました。そこで、これから嘉手納飛行場以南を計画する場合に、どうしてこういう差別的な―特定跡地と大規模跡 地がいわゆる差別されているわけね。今後の法案審議の中で、これを改定する方向で議論する必要があると思うけれども、企画部長、どうですか。

○川上好久企画部長 基本的に、ここの部分については検討していく予定でございます。

○吉田勝廣委員 これ は、沖縄振興特別措置法の中でも、それから平成7年のときにも非常に議論したところなんですね。沖縄振興特別措置法の中で、なぜ5ヘクタールとつけるの か、どうして大規模と違いをつけるのかということで、我々もかなり突っ込んだ議論をしてきましたので、ぜひその辺はきちんとしていただきたいなと思いま す。

 それから、現在、金武町で約60ヘクタールの跡地利用計画をやっているわけですけれども、県が大体どう掌握しているか、ちょっと説明してください。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 金武町のギンバル訓練場の跡地利用なんですが、もう既に金武町のほうで、医療施設並びにリハビリ関係施設の整備に向けて、沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業―島懇事業を活用いたしまして、金武町が国の支援を受けて事業を進めていると聞いております。

○吉田勝廣委員 それだけですか。もっと詳しく説明してちょうだい。今、あなた方から資料をもらって僕は勉強しているわけだから、あなた方がその資料に基づいて答弁してもらわないと困ってしまうよ。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 詳細にということなんですが……。

○吉田勝廣委員 4つに分けられているでしょう。皆さんからもらった資料で議論しているんだよ。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 施設の内容につきましては、医療施設とリハビリ施設、それからホテル関係と区分をされておりまして、経済効果と雇用効果をいろいろ金武町のほうで想定をしていると聞いております。

○吉田勝廣委員 その総額は幾らですか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 ちょっと手元に資料がございませんので、お答えし切れない状況です。

○当銘勝雄委員長 休憩いたします。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 大体155億円です。

○吉田勝廣委員  いや、跡地利用計画の難しさを僕は今述べているわけだから。そこに医療施設であるとかリハビリテーション施設であるとか、また、それに付随する公共公営施 設であるとかホテルとか、その4つに項目を分けて額を計上しているわけだから、その4つの額の計上をちょっと説明してください。医療施設が37億円とかあ るでしょう。僕は大体覚えているよ。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 今、事業費なんですが、土地代が28億円、それから一般診療所が37億円、それからリハビリテーション施設が13億円、その他公共公営施設が77億円となっております。

○吉田勝廣委員 それで、それにかかわる財政支援は大体どういうことになっていますか。さっき島懇事業と言ったけれども。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 いわゆる島懇事業で補助をやっておりますけれども、平成20年度が国費で約15億6400万円となっております。それから平成21年度につきましては、3253万円という額になっております。

○吉田勝廣委員 町からは特定振興駐留軍用地跡地の指定はまだ出ていませんか。これは県を通してやるのか、恐らく内閣府沖縄総合事務局でやるのかなと思っているんだけれども、この辺の掌握はしておりますか。指導はしておりますか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 その指定につきましては返還後にされると聞いておりまして、まだ私どものほうでは把握をしておりません。

○吉田勝廣委員 そうすると、150億円の財源の中で、要するに16億円ぐらいだけが補助金。あとの財源はどこから持ってくるの。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 平成22年度以降につきましては、それなりの金額等が想定された段階で国と調整をしていくと考えております。

○吉田勝廣委員 この計画に当たって、県と町との連携はありましたか。それからまた、どういうものをつくったほうがいいんじゃないかとか、どういう補助メニューがいいとか、この辺の連係プレーはありましたか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 県と町との連携というよりも、計画を策定するのは あくまでも地元市町村、地域に密着した市町村と地権者が主体となって対応していただく。私ども県のほうとしましては、その市町村が推進する事業について側 面から支援をする。もちろん事務的な支援しか私どものほうではやり得ない状況にありますけれども、できるだけ調整等については積極的にかかわっていきたい と考えております。

○吉田勝廣委員  皆さんの予算の中で大規模駐留軍用地跡地等利用推進費とあるよね。こういうことは大規模跡地に対してやる、それから小規模に対して、いわゆる特定跡地につ いてはやらない、助言もしない、地域がつくってきたものに対して分析もしない。そうすると、いつになってもこういう跡地の計画は完成しないんじゃないかと 僕はいつも思うわけですよ。

 もう一つは、それでは、恩納通信所跡地の恩納通信ポイント、それから国頭村の北部の跡地利用、これについてもうちょっと説明してください。これも言ってありますから。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 国頭地域と恩納村の跡地につきましては、現在、予 定地も含めて3カ所ございますけれども、国頭地域につきましては、北部訓練場、それから安波訓練場の2つがございます。安波訓練場につきましては、 SACO合意の返還予定地において、国頭村が策定した北部訓練場・安波訓練場跡地利用計画等に基づきまして、自然環境の保全を図りつつ、森林環境の利活用 拠点整備等が検討されていると聞いております。それから、安波訓練場につきましては、国頭村が策定しました同様の計画、それからさらに安波訓練場跡地及び クイナ湖畔利活用計画等に基づきまして、こちらのほうも恵まれた自然環境を保全しつつ、地場産業との連携を図りながら、体験滞在型、新たな観光振興を図る 取り組みが行われていると聞いております。

 それから、恩納通信所跡地につきましては、平成19年に地主会が設立されまして、平成20年にはふれあい体験学習センターが整備されているほ か、恩納村との支援協力のもとに、地主会と民間事業者が連携して、リゾート施設の整備等の跡地利用計画が検討されていると聞いております。

○吉田勝廣委員 県はこれまでこういう事業に対してかかわったことがありますか。かかわったことはないですか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 先ほども申しましたように、跡地利用につきまして は、やはり地域に密着した市町村が主体となって、それと地権者が一体となりまして跡地利用計画を進めていくというのを基本としておりまして、県としまして は、先ほど申しましたように、側面から調整等の支援をしていくというように考えております。

○吉田勝廣委員 いや、だから、大規模跡地は支援するけれども、特定跡地は支援しませんねと。さっきから僕はそれを言っているんだよ。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 大規模駐留軍用地跡地等利用推進費の活用につきましては、大規模跡地だけに限るものではなくて、特定跡地についても調査等の補助の対象になると聞いております。

○吉田勝廣委員 跡地利用をする上で一番大事なことを、ちょっと項目を挙げてくれませんか。跡地利用のために何をなすべきか。専門家だから。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 非常にお答えしにくいのですが、やはり土地利用に つきましては、地域に有効に利活用できる、それから地権者の意向を非常に重要視しておりまして、もともと地権者の土地なので、それで地権者の意向と。さら に地域の発展のために、振興のために活用できる土地利用がされるべきであると考えています。

○吉田勝廣委員  跡地にとって一番必要なのは財政支援でしょう。お金がないと跡地はできない。だからみんな、北谷町であれ、那覇市新都心―新都心はどれぐらい金がかかりま したか。新都心の跡地利用に対して幾ら金がかかったか説明してくれる。肝心なことを言わないからこうなっちゃうんだよ。お金がなかったらできないよ、こ れ。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 総事業費506億円になります。

○吉田勝廣委員 だから僕は、例えば恩納村であれ金武町であれ沖縄本島北部であれ、やっぱり那覇市新都心にはそれだけ金をかけているのに、一番開発が難しいところになぜ金をかけないか。跡地利用についてはそこが一番ポイントになるのかなと。そこを今後どうするのか。

 そして、都市計画がないから、いわゆる土地改良計画ができないわけだよ。だから、そういうところにネックがあるわけ。僕らが県に要求するのは、そういうネックをどうするか、その問題解決をどうするのかということを僕は常に言っているわけだよ。さあ、どうする、企画部長。

○川上好久企画部長 これまでの跡地利用については、既存の制度事業を活用しながら やってきているわけでございます。新都心であれ、あるいはまた那覇市小禄金城であれ。そういう形で、かなり時間もかけながらやってきて、それでも都市部の ほうは進は図られた。郡部のほうはなかなか進が図れないものがございますけれども、言ってみれば、基本的には既存の制度を活用しながら、これまでは やってきた。今後、跡地利用についてどうあるべきかというのは議論としてあろうかと思います。特に、普天間飛行場返還以降の嘉手納飛行場より南の大規模跡 地という話であれば、そういうことをぜひ検討していくべきだと考えています。

○吉田勝廣委員 沖縄 県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律、いわゆる軍転特措法が平成7年にできた。これも長く跡地利用計画ができなかったために、もう17 年とか15年とか20年とか、それで軍転特措法ができた。それでもなおかつ活用できないということで沖縄振興特別措置法に載せた。沖縄振興特別措置法でも できない部分がいっぱいある。だから、そこを僕らは常に、これを切りかえないといけない、今の沖縄振興特別措置法は役に立たないよと、これまで口酸っぱく 言ってきたわけだよ。跡地利用なんかなくてもいいんじゃない、役に立たなかったら。それは財政の無駄だよ。いや、できないところをできるようにするのがあ なた方の役割だと僕はいつも思っているわけね。今の既成の法律でできないから、例えば北谷町は都市計画が入っているからできる、ヤンバルは都市計画が入っ ていないからできない。では、ヤンバルの跡地利用は何でやるの。ちょっとあなたの知恵をかして。どういうメニューがある。

○川上好久企画部長 どういうものをやるかについて、どういう制度を組み合わせてやるか。そこのところを県の所管部と相談してもらえれば、いろんな展開もあろうかと思います。また、その隘路になった部分をあぶり出す中で、次の制度の中でその展開もまた図れるかと思います。

○吉田勝廣委員 だから、これまでもできなかったわけだから、これからやろうとするときにどうするかということがあるわけでしょう。本当に大変なことだよ。あの恩納通信所は返還されて何年になると思いますか。ちょっと課長、言ってごらん。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 平成7年に返還をされています。

○吉田勝廣委員  だから何年になりますか。15年でしょう。15年間放置された土地がどれだけ波及効果を持つか。皆さんは跡地利用のその後の波及効果も全部出してあるわけ よね。新都心が幾ら、小禄地域が幾ら、どんな波及効果、経済効果があるよと。仮にこの15年間放置した恩納村のあの土地を有効な土地利用をすれば、莫大な 跡地利用計画ができていれば、今ごろもう心配しなくて済むはずだ。そういうことを僕は県に求めているわけよ。

 例えば今、皆さんわからないでしょう、向こうにどういう法律の制度を導入すればできるか。だから僕が質疑しているのは、今の跡地利用に、金武町でも恩納村でもいいですよ、どういう法律を適用すれば土地利用が可能になりますか。どの法律も適用できないんじゃない。

○川上好久企画部長 今委員が言われる話は、そこにどういう事業を入れたいのか。そ こに例えば農業的な補助制度を入れるというなら当然農業振興地域をかぶせないといけないとか、そういうのがいろいろあるわけでございます。都市的な利用を するときに都市計画区域の設定をしなければいけない。やはり事業の一つ一つについてさまざまな制度が必要になる。そこは県の所管部とまた調整をしながらや れる部分もあろうかと思います。その中でさまざまな既存の制度事業を投下できる道も開けると思います。具体的なケースはちょっと掌握をしてございませんけ れども、基本的にはそういうことになろうかと思います。

○吉田勝廣委員  沖縄振興特別措置法には例えば振興策があって、沖縄本島北部地域の跡地利用についてもちゃんと沖縄振興特別措置法の中に書いてあるんだよね。地域特性を生 かした土地利用計画を促進しますとか、市町村の密接な連携のもと駐留軍跡地利用を促進しますとか。密接な連携のもとやっていないから放置されるわけだよ。 この沖縄振興特別措置法の趣旨とは一体何ですか。もう一度説明してください。

○川上好久企画部長 まさしく跡地に関して言うのであれば、先ほど答弁を申し上げた とおり、地域の発展に資する形で、地権者の意向を踏まえながら、やはり地域に資するような計画を実現するようにしていかなければいけない。その中で県とし ても地元と密接に連携してやっていく必要がある、そう考えております。

○吉田勝廣委員  跡地利用計画については余り地域任せにしないで、やっぱり積極的に情報収集して、どこに問題点があって、どこにその法律が適用できない、では、適用できる ようにするにはどうすればいいか。要するに、その計画段階からある程度、例えば試算していくとか助言していくとか、そういうことが必要だと思います。

 そこで、ちょっと方向を変えますけれども、物的生産力であるとか、自立係数であるとか、財政依存度、それからもう一つは域内自給率、これをちょっと説明をお願い。

○川上好久企画部長 物的生産力、これは第1次産業総生産と鉱工業総生産を加えたも のを県内総生産で割っているわけでございますけれども、これが平成19年の時点では6.5%。それから自立係数というもの、これは移輸出額を移輸入額で割 るものでございますけれども、これが平成19年度、69.7%。それから財政依存度、これは一般政府最終消費支出と政府総固定資本形成を加えたものを県民 総所得で割る数字でございますが、これが36.7%。さらに域内自給率、これは移輸入を県内需要で割ったものを100%から差し引く数字でございますけれ ども、これが63.2%となっております。

○吉田勝廣委員 企画部長、この数字から見て、自立経済に向けた対策はどうとらなければならないということを考えておりますか。

○川上好久企画部長 これのためには、やはり成長のエンジンとしての産業をどう構築 していくのか。そういうことによって財政依存度を下げていく。経済の規模を拡大し、そしてまた、県外からの外貨を稼ぐ産業を構築することによって、自立係 数といったものを引き上げることができますし、財政依存度も下げることができる。そういうことになろうかと思います。

○吉田勝廣委員 投資的経費の産業、経済に与える影響度をちょっと説明してもらえませんか。

○川上好久企画部長 平成20年度の県、市町村における公共事業の実施に伴う波及効果、これを産業連関表を用いて推計しますと、支出総額は2360億円でございますけれども、経済波及効果は5100億円、経済成長を6.9ポイント引き上げる効果があるという試算結果になります。

○吉田勝廣委員 何倍になっていますか。

○川上好久企画部長 ちょっと正確な数字じゃないですが、約2倍を超えるということになります。

○吉田勝廣委員 例えば島根県の公共工事100億円を見たら、これは1.59倍なのよ。沖縄はざる経済と言われて、その計算方法にちょっと問題があるんじゃないかといつも思っているわけよ。その辺はどうですか。

○川上好久企画部長 ざる経済というのは、言ってみれば投下した資本が滞留しない、 それでさまざまな生活用品、衣料品を含めて県外から購入しなければいけない、そういう経済のことをいうかと思うんですけれども、今言っている公共事業の波 及効果につきましては、まず一過性的にこれを落とし込んだときに、例えば島根県とか鳥取県とか陸続きのところは、労働力の流動性の問題が逆にあるのかなと いう感じもいたします。細かくは分析できませんけれども、離島であるがゆえに、言ってみればその率が高くなっている、そこもあるのかなと思います。

○吉田勝廣委員 さっきの4つの係数からすると、どうも2倍というのは納得できないけれども、どうですか。

○川上好久企画部長 これは平成12年の産業連関表をまとめて、係数でもって試算を している数でございまして、そのことが絶対に正しいかという話はなかなか議論があろうかと思います。ただ、平成12年という数字は、これは公共事業費がか なり出た時期でございます。平成10年には沖縄振興事業費も4300億円ほどあった時代でございまして、そういう意味合いにおいては、現在とは若干経済構 造が違ってきているのかなという感じもいたします。

○当銘勝雄委員長 佐喜真淳委員。

○佐喜真淳委員 まず、3ページから5ページの駐留軍用地跡地利用促進費なんですが、確認だけまずさせていただきます。事前に聞き取りにいらっしゃったんですが、若干横道にそれる場合がありますから、まずもってお許し願いたい。

 皆さん、これを多分お持ちだと思うんですね、宜野湾市と沖縄県がつくっている跡地に対する行動計画。そして昨日皆さんからいただいた取り組み 状況、これはチャートなんですが、その中でまず普天間飛行場に限ってお話しさせていただきたいんですけれども、現行、普天間飛行場問題は返還等々大きくク ローズアップされていますが、跡地に関しては今スケジュールどおりに進んでいるのか、進状況。並びに、これから先来るであろう返還の実施計画、跡地利用 計画策定を含めてそのスケジュールに変更はないのか、進状況を含めてお聞かせ願います。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 進状況なんですが、県としましては、平成15年 度から宜野湾市と共同で普天間飛行場跡地利用計画の策定作業に取り組んでおります。進といたしましては、平成19年度には跡地利用計画に係る取り組みの 内容、手順、役割分担等、先ほどお持ちいただいております跡地利用計画の行動計画を宜野湾市と共同で策定しております。現在、この行動計画に従いまして計 画策定作業を進めているところでありまして、平成22年度においては、跡地利用計画の骨格となる全体計画の中間取りまとめを行うこととしております。基本 的には、平成24年には跡地利用計画の案を完成させたいと考えております。

 今まで跡地利用計画という形で策定作業を進めておりますけれども、これは案がつくということにはなっておりません。基本的には、跡地利用計画 が平成24年に完成する。ただし、その後、事業認可をするまでには若干の修正がございます。初めて県民に公表した中身が妥当なのかどうかという検証はやは り一部必要なのかなと考えておりまして、その後、事業認可をもらうまでには若干、環境アセスメントとか準備作業がございますので、その作業の中でこういっ たものの県民への理解も得ていきたいと考えております。

○佐喜真淳委員 確認します。平成24年度に跡地利用計画策定、平成26年度に代替 施設の移設完了、平成27年度で普天間飛行場返還想定、平成28年度から原状回復、これは(国)と書いてあるんですね。平成32年度以降、住宅供給。これ で間違いないんですかということを確認したかったんです。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 お手元の行動計画の概要の内容につきましては私どものほうでも把握しておりますけれども、跡地利用計画策定作業を終えた後の作業についてはまだ確定していないと理解しております。

○佐喜真淳委員 先ほど私が冒頭で言ったように、国の中では今、普天間飛行場の代替 移設の問題が大きくクローズアップされているんですね。しかし、皆さんは、跡地に関しては粛々とやっていくだろうと。当然それは国の主導がない限りにおい ては、このフローチャートをしっかりと国に対して、予算も含めて、事業内容も含めて、皆さんやっておかなければいけないと思うんですが、この跡地利用に対 して国からの協議はどうなっていますか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 普天間飛行場の跡地利用計画の策定作業につきましては、大規模駐留軍用地跡地等利用推進費を使って作業をしておりますけれども、その作業の補助金をいただく段階で、内閣府等とは常に連携をとりながら、調整した上で作業を進めております。

○佐喜真淳委員 では具体的な箇所を含めて確認させていただきたいんですが、ことし は中間取りまとめということになっているんですね。今まで7年ぐらい、宜野湾市と沖縄県が調査をやりながら、いわゆる中間的な取りまとめがことしなんです ね。そういう位置づけからすると、それが柱になって次の本策定に向けてやる。そうすることによって、皆さんのフローチャートでいう原状回復とかいろんな問 題等々をしっかりと埋め込む作業がことしに来るはずなんです。具体的に2年後の平成24年に、策定案かもしれませんけれども、それができ上がっていないと いけないんですよ。ということは、この中間報告まとめが私は重要なポイントだと思うんですが、そのあたりはどうなんですか、順調にいっているんですか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 跡地利用行動計画は平成22年度に中間取りまとめ を行うが、中間取りまとめイコール基本のある程度の考え方なんですが、それを作業としてはしっかりとまとめていきたいと考えております。平成24年度以降 の部分については、例えば原状回復とか環境アセスメントとか、そういった作業がどういう助成制度の中で行われていくかについては、まだ現状の段階での理解 でしか行っておりません。

○佐喜真淳委員 角度を変えて質疑いたします。先ほど田委員からもあったように、 一番大切なのは私も予算だと思うんですね。一方で、米軍基地ですか、そこに対して踏み込んで調査ができない現状が今あると思うんですね。皆様が平成19年 につくった中には行動計画策定の前提というものがあるんですよ。読み上げたら時間がありませんが、その前提は確実に前提として進めることができるんです か。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 確かに今後、跡地利用計画の作業を進めるために は、事前に基地内に立ち入りをする作業が必要になってきます。これは埋蔵文化財の調査とか環境アセスメントの調査、そういったものをできるだけ早急に作業 を進めて、土地利用計画ができた段階で円滑に事業認可等がもらえるようにするのが本来の趣旨ではありますが、今おっしゃるとおり一部基地内に立ち入れない 部分がございますので、若干その部分については何らかの工夫が必要になるかと考えております。

○佐喜真淳委員 ですから、何らかの工夫というものが中間まとめで来て、やっぱりそ こは皆さんは、策定前に立入調査をしないといけないと思うんですね。策定するからには調査するという前提条件があるから、いわゆる中間まとめでそれは埋め 込んで、ことしやって平成24年まではあと2年ですから、そうすると2年の間に立入調査をしなければいけないんです。その部分はどういう形で国との調整が できているかと私は最終的に聞きたかったんですね。

 皆さんからお示ししていただいた沖縄21世紀ビジョン(仮称)の中では書いています。今後、大規模な基地返還跡地については日米両政府の責任 において跡地利用を適切に進めなければならない。日米両政府にどういうことを求めるのかというのを中間まとめである程度骨格をつくっておかないと、策定し てからでは遅いと思うんです。だからこのフローチャートがしっかりと進んでいればいいんですが、このあたりは国との調整はどうですか、そしてなおかつ特別 立法を含めた新たな仕組みはこの中間まとめで盛り込まれる予定ですか。

○川上好久企画部長 今の普天間飛行場の中間取りまとめの話と別に、今後の広範囲に わたる基地跡地の整備のあり方については、やはり事業手法とか、それから予算とか、そういういろんな課題が出るだろうと見ているわけでございます。沖縄 21世紀ビジョン(仮称)の策定もそうですけれども、現にうちのほうの跡地利用対策班でいろいろ議論する中において、1000ヘクタールとか1500ヘク タールというのが一挙に整備できるかどうか。通常のやり方でできるかという中では、やはりさまざまな課題が生まれてくる。そういう中で、今言われたよう に、沖縄21世紀ビジョン(仮称)にはそう書いてあるということでございます。

○佐喜真淳委員 先ほど直接経済効果が1兆円とか年間にして8700億円とか、嘉手 納飛行場以南の話をされました。13万5000人という数字も出していただきました。普天間飛行場に関していえば年間4500億円の直接経済効果があるだ ろうという話。これは最終的には、多分あのまち自体が、480ヘクタール自体が開発された後なんですよね。過程の中において何年かかるかわからない。特に 普天間飛行場の滑走路の下というのはガマになっています。ということは、そこに環境が破壊されている現状があったときに、土壌汚染とかPCB、そういうも ろもろの原状回復にどれぐらいの時間がかかるのか。この整備そのものに対して皆さんは積算をされているのか。経済効果は出した。しかし、あるべき姿に ―2030年と皆さんは沖縄21世紀ビジョン(仮称)でつくっているけれども、トータルでどれぐらいのお金がかかるのかを計算されていますか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 普天間飛行場とキャンプ桑江、それからキャンプ瑞慶覧、牧港補給地区、那覇港湾施設、この5施設合わせました直接経済効果は、先ほどの説明でも話をしましたが、あくまでも整備をするトータル額が1兆円ということになります。

○佐喜真淳委員 いや、皆さんの数字の中でちょっと……。

○当銘勝雄委員長 休憩いたします。

○佐喜真淳委員 整備にかかるお金が4800億円余りということでございますが、その内訳として、例えば宜野湾市が負担するもの、あるいは県が負担するもの、そういうことまで一応シミュレーションされているんですか。されているんだったらされている、金額だけ言ってください。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 行っておりますので、後で資料をお届けしたいと思います。

○佐喜真淳委員 済みません、皆さんにはお手間をかけておりますけれども、大切なこ とですから。特に普天間飛行場というのは480ヘクタール。常に宜野湾市においても、やっぱり皆さんの沖縄21世紀ビジョン(仮称)においても大変重要な 位置づけだと思います。そういう姿勢からすると、やっぱり前提とするものはしっかりとやってほしいというのが私の趣旨なんですね。特に返還前の調査、特に 環境アセスメントを徹底的にやらないと、どれぐらい時間がかかるかわからないですね。逆に言うと、皆さんどれぐらいの環境アセスメントが必要だと思ってい ますか。あるいは文化財調査、測量も含めて、ぜひそのあたりをお聞かせ願いたいなと思います。やるかやらないか、企画部長、返還前に調査を入れることが可 能かどうか、国と調整するかどうか。

○川上好久企画部長 先ほどから、普天間飛行場が返還されたときの経済効果だとか、 あるいはその整備に幾らかかるか、これはあくまでも調査をした数字でございますけれども、しかし、この調査の中から出てくる姿というのは、例えば整備に 5000億円かかると。恐るべき金額がかかるわけでございますけれども、それを通常の制度でやれるかどうかもまた問題として出てくる。そしてまた、こうい う広大なものをどのような形で事前に調査をしていくのか、その辺もやはりもう一度手法を検討しなければいけないという問題意識として持っております。した がって、これを実際に進めていくときには、やはり国ときっちりと、制度、資金のあり方も含めて議論をしていく必要があるかと考えているところです。

○佐喜真淳委員 いずれにしても、普天間飛行場跡地に関しては、中間まとめが次年 度、平成22年度ですので、やっぱりここが当然皆様の策定に向けての骨格というか、基礎になるはずですから、今言った部分を含めてしっかりと宜野湾市と連 携、あるいは国との調整、これは並大抵にできることではないと思うんです。

 もう一回確認したいのは、政権がかわって、この部分に関して、1度でもいいから国と協議したことがありますか。

○名嘉真稔企画調整課跡地対策監 国との連携のとり方といたしましては、国のほうで も普天間飛行場の跡地利用につきましては、いろいろ振興関係で、どういう形で普天間飛行場跡地等を活用していくかということを検討しておりますので、県の ほうからもメンバーとして委員会の中に参加をしております。また、内閣府の調査が行われておりますので、その中で意見交換をしてきているということになり ます。

○佐喜真淳委員 中間まとめは次年度ですから、やっぱり私はそこをしっかりと取り組 みながら、その策定に向けて、沖縄県というか、宜野湾市の意向も含めて、地権者の意向も含めて、そこに魂を入れてほしいんですよ。大切なのは合意事項とか も含めてですけれども、予算とか制度とか、あるいはこれは期間はどれぐらいかかるのか。480ヘクタールという事例は沖縄ではないんですね。だから逆に言 うと皆様の意気込みを中間報告でしっかりと出していただければありがたいなということを要望して、次の質疑に移ります。

 続きまして、48ページの石油製品輸送等補助事業なんですが、これの概要の御説明をお願いできますか。

○當銘健一地域・離島課長 石油製品輸送等補助事業の内容でございますけれども、離 島における石油製品の価格安定と円滑な供給を図るために、県では沖縄県石油価格調整税条例を制定しまして、ガソリンに対し1リットル当たり1.5円を課税 しております。その税収を財源としまして、沖縄本島から県内離島へ輸送される石油製品につきまして、石油販売事業者及び輸送業者に対し、当該輸送に対する 補助を実施してございます。

○佐喜真淳委員 民主党政権になって、道路特定財源の地方揮発油税とか、そういうものがなくなるというのがたしかありました。そうなったとき、沖縄県のガソリンを含めて石油製品はどうなってまいりますか。

○川上好久企画部長 この財源は、今説明がありましたとおり、揮発油税がリッター当 たり7円沖縄県は安くなっていますけれども、そのうちの1.5円を法定外普通税として課税をしていて、この暫定税率がなくなったときにどうなるかというこ とでございますけれども、沖縄県の軽減している部分については措置がされると考えております。

○佐喜真淳委員 この事業は県内離島における石油製品の沖縄本島並み価格の安定と円滑な供給というのが目的にあるんですが、沖縄本島との格差はあるのか、離島の平均値と一番高いところはどこなのか、お示し願えますか。

○當銘健一地域・離島課長 平成21年4月からことし1月までの平均の数値でござい ますけれども、これは揮発油でございますが、沖縄本島平均で1リッター当たり121.2円、離島平均で141.6円。市町村の中で一番高いところは南大東 村でございまして、1リッター当たり150円となっております。

○佐喜真淳委員 先ほど皆さんの目的の中では沖縄本島並みの価格なんですが、皆さんの調査で見ると、南大東村だと約30円足しなんですね。この件については、企画部長、どう思いますか。

○川上好久企画部長 これは離島においてはなかなか競争が働かないとか、あるいはま た貯蔵とか、そして需要も非常に小さくて、経営上の規模の経済が働かないということで価格が高くなっている状況を聞いております。そういう状況ではあるわ けですけれども、県として現行の制度も安定的に維持させながら、また、離島のさまざまな、農業、それから公共事業も含めて需要がふえる形での支援もやって まいりたいと思います。

○佐喜真淳委員 この目的が僕は第一だと思うんですよ。ある意味、そこだけ30円以 上も差があること自体を放置しているのかという思いがするんですが、しかし、そこは離島に格差のないような仕組みをつくっていきたいという県の方針もござ いますから、やはりそこは壁があったにしても、県が踏み込んで、各離島の方々と調整しながら、私は価格安定というか、少なくとも沖縄本島並みに近づける努 力が必要だと思いますが、もう一度この件につきまして企画部長の所見をお願いします。

○川上好久企画部長 石油に限らず、離島の物価の安定について、さまざまな観点から関係部局とも検討しながら、取り組んでまいりたいと思います。

○当銘勝雄委員長 休憩します。

   午後6時23分休憩

   午後6時46分再開

○当銘勝雄委員長 再開いたします。休憩前に引き続き、質疑を行います。

 仲田弘毅委員。

○仲田弘毅委員 川上企画部長初め事務方の皆さん、執行部の皆さん、大変お疲れさまです。あとたった5名で終わりでありますので、最後まで頑張りましょう。

 企画部のほうに質疑させていただきます。

 平成22年度歳出予算事項別積算内訳書(企画部)の82ページ、離島活性化特別事業、その中の離島特産品販売・開発支援事業についてでありますが、その概要と取り組みについて御説明をよろしくお願いします。

○當銘健一地域・離島課長 離島地域の産業振興と雇用促進を図るため、特産品の販売 促進などを行う離島特産品販売・開発支援事業を実施しているところでございます。当該事業の取り組みとしましては、平成21年12月1日に、沖縄離島共同 市場、島人ぬ宝プラザを那覇市国際通りのてんぶす那覇1階に設置しておりまして、17人の雇用を図るとともに、特産品の販売促進や離島観光情報の案内など を行っているところでございます。

○仲田弘毅委員 離島振興に寄与するということで、大変私たちも期待をしているとこ ろでありますが、予算も実に2500万円から6300万円。これはやはりこの事業に対する県の、あるいは企画部長の、知事の思いがそうあらわれていると考 えております。ぜひ頑張っていただきたいと思いますが、県内の有人離島のうち、どの程度の離島がその事業に参加をしていますか。

○當銘健一地域・離島課長 島の数でいいますと19島、市町村数でいいますと18離島関係市町村のうち16市町村の商品を現在取り扱ってございます。

○仲田弘毅委員 今、離島においては耕作放棄地等が大変問題になっておりまして、高 齢化、それから青年層の農業離れ等を含めて大変厳しい状況ではありますけれども、こういった事業を通すことによって島の活性化にぜひつなげていただきた い。企画部長のこの支援事業に対する今後の取り組みと抱負についてお願いいたします。

○川上好久企画部長 離島の活性化の1つとして、やはり離島の特産品の新しいものをどんどんつくっていただいて、それをどんどん発信してもらう取り組みは非常に重要だと思います。こういう形を通して、今後とも支援を強化してまいりたいと思います。

○仲田弘毅委員 それでは平成22年度歳出予算事項別積算内訳書(企画部)の50 ページ、交通運輸対策費についてでありますが、御案内のとおり、昨年の10月26日でしたか、企画部長。全日本空輸株式会社の航空貨物ハブが開業したわけ ですけれども、その中において、那覇空港国際物流拠点化推進事業で2400万円余り計上されているわけですが、どういう事業内容になっていますか。

○川上好久企画部長 この事業は、那覇空港における国際物流拠点形成を推進するために、航空コンテナを活用して県産品を海外に販路拡大するため、実証事業をやってございます。これは昨年12月から始まっていまして、次年度までということになっています。

○仲田弘毅委員 このコンテナを県が借りて運用していくということでありますが、それに対して、本県のどのような事業者の方々がこのコンテナを利用していらっしゃいますか。

○川上好久企画部長 これにつきましては、県内の輸出業者、それから卸売業者の方々 が利用しております。特に沖縄県物産公社が、県内で生産されているゴーヤーとかカボチャなどの野菜、それから鮮魚、ウミブドウ、それから沖縄そばめんとか かまぼこ、そういう加工食品、海産物を輸出しております。また、沖縄県農業協同組合のほうも、沖縄産の野菜、シークヮーサーなど青果を予定してございま す。

○仲田弘毅委員 今、企画部長の答弁の中で沖縄のブランド商品が幾つか入っているわけですが、これは沖縄県のそういったブランド商品を扱っている企業の育成にもつながりますけれども、問題は、それを受け皿とする諸外国の皆さんの反応はどういう反応になっておりますか。

○川上好久企画部長 昨年から始まってまだ間がないわけでございますけれども、沖縄産の野菜とか加工食品については、香港において非常に高く評価をされていると聞いています。特に安心安全ということで、地元の商品の2倍、3倍の価格で販売されるものもあると聞いております。

○仲田弘毅委員 この事業を展開することによって、沖縄県の農業、漁業、あるいはそれ以外の工業の皆さんにあらゆる効果があると思うんですが、具体的に県ではどのように把握していますか。

○川上好久企画部長 昨年までは企画部で物流構想ということで立ち上げて、ここまで 来たわけですけれども、今後は観光商工部とか、あるいはまた農林水産部、そういう生産を所管する部局と連携して、部局横断的なワーキングチームを今立ち上 げようとしております。その中で沖縄産品の販路開拓について検討を進めてまいりたいと考えています。

○仲田弘毅委員 航空会社もいろいろ問題があるようでありますが、あいている空港、 あいている機材で、そして今現在、航空貨物ハブは4時間以内でトランスポートできる。東京から香港を経由して展開しているわけですけれども、琉球王朝時代 から栄えた裏には、貿易の中継基地としての裏づけがあったと僕は思うんですね。東南アジアから輸入して、中継基地を通して本土に販売して、そこからまた本 土のものを東南アジアへ。だから、ある意味では沖縄らしい、これからの先駆者と僕は考えますが、今現在、全国で航空貨物ハブを実施している空港はあります か。

○川上好久企画部長 過去には北海道新千歳空港がそういう形でやろうかと試みたようでございますけれども、本県のような形できっちりと海外に週6日間、毎日7便飛ばすという形でやってきたところはないと考えております。

○仲田弘毅委員 昨年10月からの実施でありますので、まだ実施して間もない、実績もこれからだと思いますが、ぜひ力を入れて頑張っていただきたいと思います。企画部長の抱負、決意を。

○川上好久企画部長 本県において物流はある意味ネックであったわけですけれども、 これをひとつ契機にして、ぜひ県産品を海外に販路拡大をして、県内の農業、あるいはまた製造業の振興を図ってまいりたいと思います。また、それとあわせ て、県外、また海外からの物流関係業者の企業立地も進めていきたいと思います。

○仲田弘毅委員 県内の経済基盤が厳しい中小企業の皆さんが、そういった県の取り組みを利用して大きく羽ばたいていくことを期待しております。

 あと1つは、平成22年度事歳出予算項別積算内訳書(企画部)の54ページでありますが、離島航路補助事業について、2億3000万円余りの予算でありますけれども、この補助事業はどういう内容になっておりますか。

○津覇隆交通政策課長 本事業は、離島航路を維持、確保することにより、離島地域の振興、住民の民生の安定向上を図るため、国や市町村と協調して、航路事業により生じた赤字を原則としてすべて補助するものであります。

○仲田弘毅委員 私たちのうるま市与勝地域には、従来5つの離島がありました。伊計 島、宮城島、浜比嘉島、平安座島、そして今現在、唯一の離島になったのが津堅島であります。その津堅島は、皆さん御案内のように、国の補助対象になってい る航路でありますけれども、その津堅島に就航している、区民の生活の足になっている有限会社神谷観光のフェリーに対して補助はなされておりますか。

○津覇隆交通政策課長 津堅航路におきましては、平成17年度まで2つの事業者が競合していたために、それが補助要件に当てはまらないということで補助されておりません。

○仲田弘毅委員 1社でも赤字運営で国、県から補助対象になっている企業が、2社になって補助がもらえるはずないわけですよ。有限会社神谷観光に補助がされていないということですけれども、では、この補助対象の要件はどうなっていますか。

○津覇隆交通政策課長 ただいま申し上げました競合する航路ではないということです が、津堅航路について、現在は1事業者のみの運航でこの要件には該当しますし、他の要件は3つほどありますけれども、その要件は満たしております。だから 現時点では補助可能となっております。補助対象航路となっています。

○仲田弘毅委員 企画部のほうからいただいた資料によりますと、補助対象航路という のは、沖縄本島と沖縄振興特別措置法、つまり沖振法、平成14年法律第14号、第3条第3号に規定する離島とうたわれております。それから、他に交通機関 がない地点、そして当該航路について関係住民のほか郵便、信書または生活必需品、主要物資等を輸送している業者とうたわれておりますので、先ほど交通政策 課長から答弁がありましたように、今は条件を満たしているということでよろしいでしょうか。

○津覇隆交通政策課長 そのとおりです。

○仲田弘毅委員 先ほどもお話を申し上げましたけれども、離島が国や県の大きなお力 添えをいただいて橋がかかって、従来あったシマチャビ、島の人でなければわからない島のあらゆる苦労が大まかな点で解消された。これはもう島の皆さんは大 変感謝をしております。そして今、県の県営農道も県道も走っておりますけれども、たった1つの離島が、島には630名前後いらっしゃいますけれども、その 方々がその恩典にあずかっていない。そういう島の足が、つまりライフラインがなくなることが、島の人たちにとっては大変大きな問題であります。

 せんだっての新聞によりますと、従来、有限会社神谷観光で夜の夜中も急病人を運んでいたのが、うるま市の島袋俊夫市長と海上保安庁との話し合 いでもって、夜中の患者の緊急搬送に関しては海上保安庁が担当すると、こういうどんどん島の皆さんに御理解いただける行政サービスがなされてきておりま す。区民の足として頑張っている有限会社神谷観光、一生懸命地域のことを頑張っておりますので、企画部長を中心に、ぜひその対応を考えていただきたいと要 望して、終わります。

○当銘勝雄委員長 嶺井光委員。

○嶺井光委員 自由民主党が続きます。地上デジタル放送の関連についてちょっと伺い ます。これは国家プロジェクトとして来年の7月から地上デジタル放送がスタートするんですけれども、これまでも何度か難視聴地域の解消について指摘をして きたんですけれども、これがなかなか先が見えないということで、関係地域から何度も要請を受けております。多分、県議会、あるいは知事あてにも要請が出て いるんじゃないかなと思うんですけれども、そこら辺はまずどうですか。要請は出ていますか。

○松堂勇情報政策課長 南城市の議会から1月に要請をいただいております。

○嶺井光委員 南城市は起伏が激しくて、今もNHKの共聴アンテナを使って見ている 現状なんですよ。それで中継基地が全くないではない。志喜屋地区に1基はあるんです。私は前にも一般質問で指摘しましたが、せめて今、志喜屋にある中継基 地を海側、久高あたりに立てていただいて、向こうからはね返る形でエリアを広げてくれないかという提案を沖縄総合通信事務所にも出しております。しかし、 まだ見通しが全く立っていないという現状で、あの後、少しでも進展があるのか、そこら辺はどうなのか、まず確認をさせてください。

○松堂勇情報政策課長 3月の現時点では、まだ進展はないと理解しております。

○嶺井光委員 全国の地上デジタル放送普及対策検討会というのがあるはずですけれど も、多分これも情報政策課長が構成メンバーに入っているんじゃないかなと思うんですけれども、そこでこの地上デジタル放送化に対する課題とか、あるいはど う解決していくかということが協議されていると思うんですが、そこら辺はどうですか。

○松堂勇情報政策課長 全国会議というのは、実は都道府県のメンバーで構成する地上デジタル放送普及対策検討会がございまして、これについては国の放送法、電波政策によって地方自治体に過重な負担がないようにしてほしいという要望はしてございます。

 それからまた、デジタル放送関係の各種団体が入っております地上デジタル推進全国会議がございまして、ここのほうで基本的に、受信環境はどう いう整備の仕方をするのか、あるいは電波を発信する中継局はどういう整備のあり方がよろしいかを決定して、それをもとにして中継局のロードマップとか辺地 共聴のロードマップがつくられておりまして、我が県はこれを受けて沖縄地上デジタル放送推進協議会で推進をしている状況にあります。

○嶺井光委員 そもそも難視聴地域は、私は前から訴えていますが、ほかの県ではない んでしょうか。これは我々の南城地域にとどまらず、ヤマトの山間部あたりであれば、こんなのはいっぱいあるんじゃないかなと思っているんです。今回も国家 プロジェクトとしてやるわけですから、こういうのは想定内で、どう解決していくかというのも国がもっと先導的にやるべきではないかなと。こうしますという ことで、あとは地域それぞれ考えなさいという形ではまずいんじゃないかなと思うんですよ。

 なぜこれを言うかというと、皆さんの地上デジタル放送普及対策検討会の中身をちょっと見たんですけれども、新たな難視聴区域についての対策は するけれども、既に共聴施設があるところについては新たな難視聴区域には当たらないという文言が出てくるんですよ。これはどういうことですか。

○松堂勇情報政策課長 新たな難視聴区域とは、地上デジタル放送化に伴って、今まで はアナログ放送でテレビが視聴できておったのに、地上デジタル放送では視聴できない区域を指しているわけです。それとは別に辺地共聴の部分については国の 補助制度がございまして、2分の1補助して住民には過重な負担をかけない。あるいはNHK共聴にしても、住民には基本的に、辺地共聴ではない地域と同じよ うに3万5000円を限度にして、それ以上の負担をかけないという形で推進していくので、基本的には国民ひとしく、地上デジタル放送化の移行に当たっては 負担してもらっているんだというのが国の考えだと理解をしております。

○嶺井光委員 今の話に絞って、アナログ放送のときは電波が届いていたんだけれど も、地上デジタル放送化になって届かなくなったところがあったらしいという話。聞いたところによるとアナログ放送よりも直進性があって、ちょっとの起伏の ところでもそういうことが起こるという話なんですよ。こういうことを言っているんですか。

○松堂勇情報政策課長 そういうことであります。

○嶺井光委員 しかし、これはちょっと不当じゃないですか。これまでもそういう不便 をかこってきて、こういう機会に解消してもらおうということで立ち上がって、地域で動いているんですよ。もちろん南北大東島に10何億円もかけて光ファイ バーでやるのは、これも結構なこと。ああいう離島の解消には取り組んで、こんな身近な部分を見捨てるようでは、これはもう陸の孤島と言ってもおかしくない ぐらいの対策になるんじゃないですか。何らかの対応は考えませんか。

○松堂勇情報政策課長 南城市の辺地共聴区域もひっくるめまして、前からお話し申し 上げているとおり、県内には約80カ所ぐらい辺地共聴の区域がございまして、これについても順次、デジタル化の移行を展開しているという状況にございま す。先ほど申し上げましたように、そこの地域にお住まいの住民には3万5000円を限度に、それ以上の負担はかけていない。この問題は地上デジタル放送化 の移行の問題なのか、それとも辺地共聴では十二分にテレビが視聴できないからというふうな問題なのかという視点で考えた場合には、地上デジタル放送化移行 の問題ではなくて、ほかの地域と同じようなテレビ視聴ができない問題だということで、別の視点から検討を加えないとなかなか難しいのではないかなと理解を しているところです。

○嶺井光委員 いずれにしても、今1つある南城市知念志喜屋地区の中継基地を少しで もエリアを広げてもらいたいという要望を今出しているわけですが、それに加えて、新しく中継基地をつくるという方向性があるとは聞いているんですよ。で は、これが沖縄県ではどこの地区なのかというところはどうですか。

○松堂勇情報政策課長 新たな難視聴区域で規模の大きいところ、本県でいえば糸満市大度のほうで、新たな難視聴区域で200世帯ぐらいが地上デジタル放送のテレビが見られなくなるということなので、ここに小型の中継局を設置するということは聞いております。

○嶺井光委員 ですから、全くやらない、できない話ではないと思っているんですよね。そういう意味では南北大東島の対策も立派であるし、沖縄本島内にも、身近なところでもこういう難視聴地区があるんだというところはしっかり理解していただいて、取り組みをぜひお願いしたいと思います。

 NHKが共聴アンテナを立てていますね。地上デジタル放送化への対応として経費がかかるわけでしょう。その辺についてはもう取り組みは済んでいるんですか。

○松堂勇情報政策課長 県内においても地上デジタル放送化移行の取り組みは進んでお ります。たしかNHK共聴であれば県内では4割ほどが地上デジタル放送化していると思っておりまして、委員出身の南城市でも5つありまして、そのうちの1 カ所がもう地上デジタル放送化の移行が進んでいると理解をしております。

○嶺井光委員 そもそも電波の供給責任者は国なんだろうと思うんですけれども、電波 法で日本放送協会、NHKは特殊法人として置かれていますよね。NHKの放送内容というのは、やっぱり教育番組だとか日本の文化とか、こういうのを発信す るという意味では理解をするわけですけれども、一時期、NHKの民営化というのもちょっと話が出ていたように記憶しておりますけれども、ただ、電波を国民 みんなにひとしく配信するという意味では国の責任において、今の時代、衛星もあるわけですから、ああいうもので何とか地上デジタル電波を全国に、山間部も 含めてしっかり届かせようという議論は出ないんですか。

○松堂勇情報政策課長 委員の話された問題は、新しい難視地域については話題として出てまいります。ただ、辺地共聴については全国会議でもなかなか、この機会に辺地共聴から別の視聴方式に切りかえるというのはなかなか出てこない状況にあります。

○嶺井光委員 ですから、皆さんの協議会があるわけですから、地域の声として取り上 げて、国に動くということは必要だと思うんですよ。というのは、2008年の時期に総務省が中継局整備とかこういう取り組みをしている。しかし、来年の7 月に移行できない地域については、衛星放送で当分の間はカバーする話があるんですよ。だからできるわけなんですよ。あとは経費の問題じゃないかなと思うん です。何度かお話しする中で、ローカル番組が配信できなくなるよという話があるんですけれども、それはそれとして、方法としてはできるわけですから、やっ ぱり国民全国各地にしっかり電波を行かせるためには、こういう視点を持つべきではないかと思うんです。全国協議会で取り上げてみるとか、そういう点ではど うですか。

○松堂勇情報政策課長 私どもも全国会議のほうで、南城市の事例といいますか、辺地 共聴と新たな難視の部分が一部混在する部分については何らかの工夫が必要ではないだろうかということで、これについては総務省のほうにも検討していただく よう提案はしてございます。ただ、今のところその辺の見通しもまだついていない状況であります。

○嶺井光委員 この協議会を通して、去る3月1日の施行ですよ。前から動きはあったようではありますけれども、やっぱりこういう声をしっかり届けて、ああいう立派な文明の衛星もあるわけですから、しっかり全国に届くようにしていただきたいということをお願いします。

 議会事務局に1点聞いていいですか。予算にもありますけれども、出会旅費がかなり減額になりましたよね。その協議をする中で、議員の研修の機 会をしっかり確保するとか、あるいは議会事務局の体制も強化するべきだと、こういう意見が出ていました。こういう意見はこの予算に反映されていますか。

○遊佐信雄議会事務局長 出会旅費を検討する中においては、議員の研修とか議会事務局体制の強化は出ていなかったようでございます。

○嶺井光委員 経費の節減とかは大事だということで議員団もこういうことを結論とし てまとめてあるわけですから。しかしながら、議員のしっかりした研修の場は確保されるべきだと思っております。こういうのも議会事務局の皆さんがしっかり 配慮をする立場をとるべきだと思うんですよ。今後ひとつお願いしたいと思うんですが、どうですか。

○遊佐信雄議会事務局長 今の意見、次年度予算の中ではちょっと計上してございませんので、いろいろまた検討できるかどうか、検討していきたいと思います。

○当銘勝雄委員長 新垣哲司委員。

○新垣哲司委員 簡潔にやります。多くの委員から質疑があったのですが、沖縄科学技 術大学院大学とインターナショナルスクールの件について、関連性がありますので質疑をさせていただきたいのですが、この沖縄科学技術大学院大学といえば、 六、七年前にはもう世界で最高の水準という大学で、十二、三の候補地の中で当時は糸満市がトップだったんですが、国において一番景観のいいヤンバルに変 わった。そういうことで着々と進めているんですが、当時は予算もたくさんあって、何も心配することはないようだったんですが、今は非常に資金繰りが心配さ れている。当時のことを考えれば、本当にこの事業がスムーズにいくのか。というのは、当時はノーベル賞候補者が教授になると、うわさかどうか、そういう話 に熱中でございましたね。そのためには、また地域にはちゃんとした家もつくって、環境もよくするんだと。そこが悪いからこっちが一番いいんだという選定の 方法だったんですが、企画部長、その辺、予算も含めて、今日になってどうでしょうか。

○川上好久企画部長 沖縄科学技術大学院大学につきましては、非常に壮大な構想のも とに着手をされました。平成21年度予算も112億円の予算がつきまして、ことしまた平成22年度も130億円余りの予算が措置されています。平成24年 開学に向けて、しっかりその道筋は立っているものと理解をします。したがって、それに向けて周辺整備もまた一層取り組んでいく必要があろうかと考えている ところです。

○新垣哲司委員 今の答弁によって粗筋、見通しがあるということなんですが、またこ れに直結するインターナショナルスクール、これもまた金がないですね。さっきみんなの質疑を聞いたんですが、民間から6億円も募集するとか、助成金を3億 9000万円とか、沖縄国際学園準備財団をつくって3億6000万円とか。最初から13億円の予算を民間から集めるとか財団から集めるとか、この手法は果 たして将来に向けていいものかどうか、ちょっと見解をお願いします。

○川上好久企画部長 きょうはもう朝からそういう話でございましたけれども、できる 限り民間活力、そしてまた財政負担のない方向で、当初そういう形で整備をして進めてきたところでございますけれども、この間のさまざまな経済的な変動の中 で、非常に募金というものが難しくなったということでございます。しかしながら、それでもやはり沖縄の未来のためということで、さまざまな方々、さまざま な企業が寄附を募っていただく中で、また新しい沖縄の展開がこのインターナショナルスクールが整備されることで図られていくものと考えて、事業を確実に進 めてまいりたいと思っているところでございます。

○新垣哲司委員 今、答弁があったように整合性は十分ありますので、しっかり頑張っていただきたいと思っております。

 次に、北部振興事業についてでありますが、今年度は新たな北部振興事業が70億円計上されましたね。この70億円は何を意味しての予算なのですか。北部振興事業についてですよ。

○川上好久企画部長 沖縄振興計画に基づきまして、沖縄本島北部地域における自立的発展の条件整備として、産業の振興や定住条件の整備を図るという点で措置をされております。

○新垣哲司委員 確かに沖縄本島北部地域が沖縄本島中南部地域におくれをとっている ということは、これは大事なことだと思います。ただ、しかし、これだけの予算ですから、やはり島嶼県、離島県でありますから、これは沖縄本島北部も大事で はあるんですが、宮古、八重山、久米島、あるいは周辺の離島にも配分できるというのも大事じゃないかな、こう思っております。そこで、この予算は普天間飛 行場代替施設建設とリンクしますかしませんか、どうなんですか、企画部長。

○川上好久企画部長 これまで北部振興事業は県内の均衡ある発展を図るという意味合いにおいて推進されてきたと理解をしております。

○新垣哲司委員 均衡ある発展は大変大事です。今まで沖縄本島北部に8800億円、 10年間で追加されていますよね。ですから企画部長と私の見解は違うかもしれないが、これは大いに基地とリンクしているんじゃないかな、普天間飛行場代替 移設とリンクしているんじゃないかなと、私はこう思っております。あえてこれに対してどうのこうの言いませんが、企画部長、やはりこれからも沖縄本島北部 は、おくれた点はしっかり沖縄本島中南部に沿えるように、振興発展するように、これは当然のことだと思っております。人口についても少々、3000名から 4000名ぐらいですか、この程度しかふえていませんので、もっともっとふえるような努力をしなければならないなと、こう思っております。均衡ある発展と はまさにそういうことではないかなと思っております。

 最後に沖縄県水産海洋研究センターの件について伺いたいと思います。沖縄県水産海洋研究センターの用地のめどについて、それと設計に係る予算はどうなっていますか。お願いします。

○川上好久企画部長 昨年、沖縄県水産海洋研究センター整備検討会議を設置して、幾 つかの候補地の検討を進めてまいったわけでございますけれども、12月に報告書が出まして、1月に決定するという中で、予算の編成にちょっと間に合わな かったということがございました。それで、現時点で糸満市と連携をとりながら、用地の確保等のめどがつき次第、早ければ6月、もしくは9月に補正予算を計 上する方向で検討しているところでございます。

○新垣哲司委員 予算を計上するに当たって、実施設計とか工事部分、総予算について、わからなければいいんですが、まだ言える範囲ではないかな。―ない。わかりました。では、供用開始はどのぐらいか、それは大体わかりませんか。

○川上好久企画部長 事業着手から供用開始まで大体4年というめどでございます。

○当銘勝雄委員長 翁長政俊委員。

○翁長政俊委員 まず、那覇空港の公租公課についてお聞かせいただきたいと思ってお ります。この問題についてはいろいろな委員から質疑がございましたけれども、今、県が行っている要請事項、これは昨年の7月に地方空港も含めて軽減策が実 行されておりまして、今年度末までということになっておりますけれども、実質上は次年度も含めて着陸料が支援の体制になるのかな。そこをちょっとお聞かせ ください。

○川上好久企画部長 国際貨物に係る着陸料と空港の施設利用料、それにまた国内の航 空貨物に係る航空機燃料税、3種類を昨年からずっと要請してきたところでございます。それで12月の段階で国内における貨物に係る航空機燃料税については 認められまして、これは4月から軽減されて実施されていく予定になっています。残る国際線に係る着陸料と施設利用料、これについては今、継続して要請を続 けているところでございます。

○翁長政俊委員 これは本則は幾らだったの。

○川上好久企画部長 1機当たり大体40万円になっているようです。それが2分の1に軽減をされるということです。

○翁長政俊委員 現行あったものが、今、要請の内容では、沖縄県のみ着陸料を国内線6分の1、航行援助施設利用料6分の1、燃料税で2分の1にしてくれという要請をしたわけでしょう。これで航空機燃料税が2分の1に軽減されることがオーケーになったと。

 そこで、今、アジアからの観光客の入域も含めて、商工観光部と若干リンクするかもしれませんけれども、アジアからのお客というのが相当ふえて きているんですよ。それで、空港に係る、航空機に係る支援策というのが、着陸料、燃料税、停留料とか保安料、こういった幾つかのもろもろがあるわけです よ。こういったのも含めて、国際線については現実に国が今管理しているんだけれども、アジアからのお客を獲得するというのも含めて、県が単独事業でこう いった問題に助成をしてお客を呼んでくる、いわゆる航空会社を乗り入れさせてもらうという、今いろんなことが起きているわけですよ。特に九州においては、 もう現実に国管理の空港でも同じような軽減策をやって、いわゆるアジアの飛行機を呼び込むということを盛んにやっているわけですよ。こういうことを沖縄県 がいち早くやっていかないと、1000万人の観光客を誘致しようというのに、九州各県、さらには日本全国からおくれをとることになったら、私は政策自体に やはり問題があるのではないかと思っているものですから、県の単独の支援策としてこういったことも考えておりますか。

○川上好久企画部長 今、県費で実際どの辺までやれるかというもの、まだその想定を してやったことはないわけでございますが、ただ、県内の離島空港につきましては、県管理でございますので、そこの部分については着陸料を引き下げしており ます。国管理の空港である那覇空港につきましては、既に国内線の旅客については、今、着陸料、それから空港使用料、今年度も含めて軽減されて、その効果が 出ている。国際線についても、今後、要請をまた強化してまいりたいと考えているところでございます。

○翁長政俊委員 1つは、国に要請するだけでいいのかという話なんですよ。国は、今 の航空事情も含めて航空の再編も出てくるし、さらには空港関係、飛行場がこれだけ多くなって、いわゆる不景気もあるし、現実、減便を盛んにやっていて、各 企業とも大変なんだよ。そういう中で空港を維持していって、お客を呼べる空港をつくる。さらにはお客をたくさん呼んでくるためには、国に要請して一律同じ 形での軽減策を待っているというやり方は、私は県の主体性という問題で観光立県としてどう取り組むんだと。

 これは商工観光部にもまたがりますけれども、ただ、公租公課という意味で、皆さんのところでここの部分をしっかりと手当てをしていかないと、 やはり私は沖縄の航空行政はこれからもいろいろ問題が出てくるだろうと思います。これは観光客もそうだけれども、今、全日本空輸株式会社―ANAがやって いる貨物便についても一緒ですよ。この問題についても、いわゆるコンテナ事業を計画していて2400万円つけている。御説明を聞くと、県産品をこれに載せ てアジアに販路を広げたいという計画のようですね。本当にこれだけで済むかという問題ですよ。もっとアジアのマーケットに視野を広げて、皆さん方がどうい うことをやるんだという県のビジョンみたいなものがないと、企画部のこれがないとおくれをとるわけだよ。

 だからここの部分は、民間のANAにだけ任せるのではなくて、もっと効果的な県の支援策がほかにもいろいろ考えられるのではないか。ここの部 分に目を向けていかないと、やっぱり私はANAが社運をかけてこういう形で沖縄にせっかくアジアの空港ハブを持ってくるということでこれだけ頑張っている のに、援護射撃という意味では県の対応が弱いと思っているんだよ。もっともっといろんな方法があるのではないかと。こういったメニューがあったらちょっと 聞かせてくださいよ。そのビジョンがないと余りにもお粗末過ぎますよ。

○川上好久企画部長 昨年の10月26日、ANAの国際貨物基地構想が実際に発車し たわけでございますけれども、それに向けて、実は県はさまざまな形でこれを支援してまいりました。1つは貨物ターミナルビルに対する出資だとか融資、そし てまた、さまざまな観光商工部の雇用の助成金等々、また国際航空物流のための税関・出入国管理・検疫について国のほうと調整をして、24時間対応できる形 で、そういう形の準備作業を我々はこの間ずっとやってきたところでございます。これにあわせて公租公課についても低減要請をして、その1つがまず1つ確保 できた。継続してあと着陸料等、それもやってまいりたいと考えています。今委員が言われる提案につきましても、これからまた検討してまいりたいと思いま す。

○翁長政俊委員 私は、日本の企業の中でもこれだけ大手が沖縄に入ってきて、これだ けのことをやろうというのは、ある意味では沖縄県にとってはチャンスなんだよ。このチャンスをどう生かすかなんだよ。だから、ここは民間事業だからという んじゃなくて、行政ができる支援策は私はもっともっとたくさん考え出せるだろうと思っているんですよ。だからここの部分は、いわゆる観光客の確保も含めて アジアからの入客をふやす。

 今テレビのチャンネルをひねると、中国の富裕層が東京都秋葉原やあの辺でどんどん買い物をして、北海道やいろいろなところに行っているんだ よ。流れてくるのは、彼らが日本を席巻するのではないか、ある意味では彼らが世界の観光客をリードしているというところまで今来ているわけだ。これを沖縄 にいかに呼び込むか。それを達成できないと1000万人なんて到底絵にかいたもちですよ。ここの部分も含めて、貨物の面も含めてやってください。これはぜ ひ県単独での支援策ができるのであれば、これは本当に真剣に考えてくださいよ。また後で聞きますから。

 それともう一つ、沖縄21世紀ビジョン(仮称)。これはポスト沖縄振興計画と見てよろしいんでしょうか。それとも沖縄振興計画が切れる段階で、国は新たに次のポストを考えると見るべきですか。どこに視点を当てたらいいと思いますか。

○川上好久企画部長 沖縄21世紀ビジョン(仮称)は基本構想という位置づけでござ いまして、ちょっと形的に申し上げますと、これまでの沖縄振興計画、これは基本計画と通常言われております。その下に実施計画、3年置きの事業費が入っ た、そういうものが通常あるわけでございますけれども、その一番上のほうに構想としてあるわけでございます。沖縄県はこれまでこれをつくったことがなく て、今般、20年後を想定したビジョンをつくってみようということで一応つくってございます。こういう県民が望む姿を実現するためのさまざまな計画、それ が次の基本計画の中で、それは沖縄振興計画になるかどうかという話はこれから検討されるでしょうけれども、言ってみればそういう位置づけで沖縄21世紀ビ ジョン(仮称)はあるということでございます。

○翁長政俊委員 私は、この沖縄県で沖縄21世紀ビジョン(仮称)をつくって、10 年後、20年後の沖縄の進むべき道、さらには姿形、こういったものを示していくのは大変重要なことだろうと思っています。ただ、それをつくって真剣にどう 落としていくかというのが問題なんです。だから、ここはもう落としていく部分で、国が真剣にこの部分を引き取って、沖縄県と一緒になってやろうとしている のか、それで沖縄県がどう考えているのか。このビジョンを沖縄振興計画の中に織り込んでいく気概みたいなものがないと、これは平成23年度末で切れるんで すから、沖縄振興計画がどうなっていくかというのも問題でしょうけれども、そういう気概を持ってやらないことには、私はうまく進まないと思うんだよ。それ が1点。

 もう一つは執行体制。これが仮にでき上がったときに執行体制を明確にして、このビジョンが生かせる執行体制をつくっていくためには、県の機構改革も含めて大幅なやり方をやっていかないといけないだろうと思うのよ。ここはどうなんでしょうか。

○川上好久企画部長 沖縄21世紀ビジョン(仮称)に書かれている目標については、 これを政策事業に落として基本計画の中に盛り込んでいく、そういう考え方で今作業を進めているところであります。その中で国に対してどのようなものを指し ていくのか、そこもあわせて、今、沖縄県振興審議会の中で議論が始まっているところでございます。それから執行体制についても、今後そういうものの中で検 討してまいりたいと思います。

○翁長政俊委員 この沖縄21世紀ビジョン(仮称)の成案を得るのに、県議会とのかかわりはどうなりますか。

○川上好久企画部長 沖縄21世紀ビジョン(仮称)は広く県民各界各層のさまざまな 意見を取り入れて策定をするという考え方でここまで来ております。そういう意味で、県民アンケートから始まってさまざまなシンポジウム、市町村の首長、そ してまた議会議長のアンケートもとって、そしてまた沖縄県振興審議会、県議会のほうでは沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員会、そして本会議等々、さまざ まな議論をいただいて今日まで来たと我々は理解しております。ただ、法律的には、基本計画も、それからこういう構想も、議会の議決事項ではないということ で、議会の議決には付していないわけですけれども、実質的にいろんな議論はいただいてきたと考えております。

○翁長政俊委員 ただ、こういった議論を広範にやって、その中で意見が上がってき た。この意見をとって成案を得るまでに、これをさらに落とし込んでいって、そういった意見が反映される体制が私は大事だろうと思っています。意見は聞いた けれども聞く耳持たないではもう話にならないので、こういった部分はしっかりと担保されていると理解してよろしいですか。

○川上好久企画部長 これまでも、9月の段階で中間取りまとめ、1つ形が出ましたけ れども、それから後の変遷は沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員会の中で絶えず見ていただきまして、また今回、2月2日に沖縄県振興審議会のほうから答申 をいただいたものも含めて提示をしてご議論いただいているわけでございます。そういう中では、この間、さまざまな意見が盛り込まれたものについては御確認 をいただきながらここまで来ていると理解をしております。

○翁長政俊委員 今、県議会の中では沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員会で皆さんが出してきたものを議論している最中なんで、だからこういった議論をさせて、これをしっかり落とし込んでいってくださいよということなんですよ。これはもう提言で終わっておきます。

○当銘勝雄委員長 具志孝助委員。

○具志孝助委員 いよいよ最後でありますので、よろしくお願いします。延々と10時間になんなんとしております。大体人間の頭脳は2時間ぐらいしか緊張がもたないというんですが、これだけ長時間、執行部の皆さん、本当に御苦労さまであります。

 私も沖縄21世紀ビジョン(仮称)についてお伺いしたいと思っております。沖縄21世紀ビジョン(仮称)は、今翁長委員からもありましたが、 これまで復帰後やってまいりました沖縄振興計画、ポスト沖縄振興計画だと、こういう認識に立っているんですが、それでよろしいでしょうか。

○川上好久企画部長 同じレベルのものではございませんけれども、次につくられていくであろう基本計画、あるいはまたポスト沖縄振興計画的なものがもしあるとすれば、そういうものの上位の構想になると考えております。

○具志孝助委員 沖縄振興開発計画及び沖縄振興計画は、復帰から今日まで4次にわ たって38年、あと2カ年残しているということですが、私は沖縄の今日、評価はさまざまあると思うんですけれども、復帰の時代から今日まで見ると、少なく とも人口規模から見てこれだけふえてきた。人口がふえるということは、一見、やっぱり都市、国の発展だと思っているんですね。発展してきたあかしだと思っ ているんです。この成長の原因は何かというと、私は沖縄振興計画というのは大きかったと思っているんですが、その点についてどう評価していますか。

○川上好久企画部長 現況の経済状況を語るときに、絶えず失業率と県民所得が語られ るわけですけれども、これをもう少し動態的に中身を見たときに、今委員が言われる沖縄県の人口の話、それからまた就業者の数は、これは九州各県のどこにも 引けをとらないどころじゃなくて、九州各県は恐らくこの30年間でおおむね二、三万人ぐらいしかふえてこない。沖縄県は20万人を超える。そういう意味で は非常に活力のある社会でもあったという評価もできると考えているところでございます。

○具志孝助委員 私は、新しい物事を進めるときに、これまではどうだったかという総 括が最も大事なことだと思っています。そういう意味で、沖縄振興計画の総括をしてしっかりした沖縄21世紀ビジョン(仮称)を出したい、このように言って まいりました。ところが、気になるのは、この沖縄振興計画の総括に当たって、この沖縄振興計画の事業の中核的な方であった沖縄国際大学富川学長が、沖縄振 興計画は国から押しつけられた計画であって、ある意味で縛りが大き過ぎたと。今回はみずから発想し、みずからの計画でもってやっているわけだから大きな期 待を寄せられると。期待を込めたお話としては評価するわけですが、沖縄振興計画については、これまでのお話にもあるように、いわゆる沖縄のざる経済だった んじゃないかと。投資された割には沖縄の経済成長には余りつながっていないという意見があるんですが、私はその総括が大事だと思っているんです。改めても う一回、そういう意味での総括。私は一つに沖縄経済の成長の遠因だったと言えると思っているんですが、この点、どうですか。

○川上好久企画部長 何をもって経済の中心に据えるかというものは非常に議論がある わけですけれども、そしてまた、その時代が何を求めてきたかというものも勘案しないといけないと思います。午前中質疑がございましたけれども、復帰から 10年、20年、30年ぐらいまでというのは、やはり社会資本整備が喫緊の課題であったと理解しています。そういう意味で、本土におくれたさまざまな社会 基盤を集中的に整備しないといけない中で、やはり建設業、これが中心となって経済を動かす、こういう社会というのもまたある意味で経済の形だっただろうと 理解をするところであります。

 一方、その30年を経て、ある程度社会資本整備が落ちついてくる中で、それと相反する逆の形で観光だとかIT産業とか、民間部分も成長していく中で、やはり1つの経過といいますか、沖縄の社会経済が成長してきた姿と見ることも可能だと理解しているところであります。

○具志孝助委員 自分がしゃべってどんどん時間が進んでしまって反省するんですが、 7兆円とか8兆円という巨費を投じて今日やってきて、社会インフラストラクチャーが相当整ってきた。これはだれもが認める評価ですけれども、先ほど言いま した人口の増加だとか就業者数という意味では、やはり私は評価すべきだと思っているんですよ。そうじゃないと沖縄21世紀ビジョン(仮称)につながってい かないと思うんです。

 北部振興事業も無駄だったとか、名護の市長選挙のときはそういう評価をする政党もたくさんあったわけですが、表現は適切ではないかもしれませ んが、天につばするような話じゃないかなと。あれだけ、1次で終わらなくて2次、3次、4次、我々の希望でここまでつないできたんですよ。それが大した効 果ではなかったんだと評価したのでは、沖縄21世紀ビジョン(仮称)にはつながらないんじゃないかなと私は思うので、この総括は大事じゃないかなと思って これだけの時間をつぶしてやっているわけですけれども、そうするとちょっと急がなければいけないんです。今度の沖縄21世紀ビジョン(仮称)の目標という のは何ですか。これまで格差の是正だとか経済の自立と言っていました。そういう意味ではどういうことなんですか。

○川上好久企画部長 過去4回の計画の中で、例えば格差の是正だとか、自立的発展の 基礎条件だとか、あるいはまた特色ある地域の整備、そういう目標があったわけでございますけれども、これは言ってみれば基本計画における目標であって、今 回また基本計画をつくるときに新たに目標は設定されると思います。しかしながら、この沖縄21世紀ビジョン(仮称)の中で県民の望む将来の姿は5つに集約 したと我々は考えております。1つは沖縄の自然、伝統、文化を大切にする社会、そしてまた安全安心な社会、そしてまた活力ある社会―産業振興ですね、国際 交流、平和の発信、それからまた人材という教育、そういう5つの目標に向けて、この沖縄21世紀ビジョン(仮称)は整理されていると理解しているところで ございます。

○具志孝助委員 この5つの目標というのは見てわかるわけですけれども、どうも抽象 的でわかりにくいんですね。かつては1つの目標として人口規模だとか県民所得だとか、こういうことを言いましたね。1つの指標として自主財源比率もあるの かなと思ったりするわけです。今一番問題である雇用だとか失業率だとか、これらの指数というものは、今後、具体的に目標設定をやるんですか。

○川上好久企画部長 これから後、総点検をやります。総点検の中では当然、現計画の 中で設定された目標の評価をするわけでございますけれども、そういうものを踏まえて、次の基本計画をつくるときに、どういう指標を目標値として設定してや るか、その辺のところを議論されていくことになろうかと思います。

○具志孝助委員 骨格についてですが、これまで沖縄振興計画は、特には高率補助だとか、いわゆる税制の特別措置、例えば酒税だとか揮発油税だとかが大きかったわけですけれども、これらについての議論、今後どうしていくかという話はどうなっていますか。

○川上好久企画部長 まさに今委員の言われるものが非常に重要なものになってくると 思います。現行の制度の中では、ぜひとも議論をしてその方向づけをしていかなければいけないものとして、おおむね8つ9つぐらいあろうかと今ざっと見てい るわけでございますけれども、1つは高率補助をどうとらえていくか。新しい制度も出ているわけでございますけれども、それとか特別自由貿易地域だとか地域 指定の話、それからまた酒税や揮発油税をどうするかとか、あるいはまた、先ほど来、航空機燃料税の話がございましたけれども、これも実は沖縄振興特別措置 法の中に打ち込まれていて、2年後には期限が来る。こういうものとか、あとは新たな課題として駐留軍用地跡地の整備の手法だとか、そしてまた離島対策だと か、そういうものを今後俎上に上せながら議論をしていく必要があろうかと思います。

○具志孝助委員 基本的にはそういうことを特典として盛り込まないと、全く魂のない沖縄振興計画になるんじゃないかと思っているんですが、いかがですか。

○川上好久企画部長 そのとおりだと思っております。

○具志孝助委員 それで、どこも過疎の地域だとか島嶼、離島というのはあるんです ね。沖縄がこれまでやってきたのは、復帰するまで四半世紀、27年間、米軍の犠牲になってきた。あるいはその後も基地の犠牲になってきたという沖縄独特の 歴史とか社会的な環境があったんですね。基地のかかわり、これについてはどう考えていますか。

○川上好久企画部長 基地の取り扱いについては沖縄21世紀ビジョン(仮称)の中で もさまざまな意見がございました。しかしながら、この基地の問題についてはむしろ、やがてそれは着実に縮小していく。基地跡地をどう整備していくかが沖縄 21世紀ビジョン(仮称)の中では整理の中心になってきたと理解をしております。

○具志孝助委員 この沖縄21世紀ビジョン(仮称)の中で、基地は将来的にゼロにするんだという発想を持つべきだという意見もあります。このことについてはどう思いますか。

○川上好久企画部長 これはもうまさにこの県議会でずうっとそういう話、質疑がござ いましたけれども、県民の多様な意見をどう盛り込んでいくかが沖縄21世紀ビジョン(仮称)の中では非常に苦心をしているところでございまして、その中で やはりさまざまな考え方、さまざまな生活の立場にある県民の気持ちを酌み取りながら、しかし、総体としてはどういう施策を展開していくのか、そこをこれか ら詰めていく必要があろうかと思います。ただ、沖縄21世紀ビジョン(仮称)そのものは県民の夢であるわけですから、先ほど言った5つの目標を設定してそ れを具体化していく、基本計画をつくる中で、また次の議論があろうかと思います。

○具志孝助委員 基地というのは大変難しい部分があるんだね。過重な負担ですよ。だ から普天間飛行場は危険、これも許せない。ぜひ撤去しなくちゃいけない。しかし、全面的に沖縄の基地をゼロにするという発想を持ったら、私は、またこれも 大変厳しい話になってくると思うんですよ。この前、前原沖縄担当大臣が来ましたね。あの方の発言を聞いていても、どうも普天間飛行場に絡ませてどういう目 的で来られたか、県から言うまでもなく沖縄のこれからの問題を積極的にやらなければいけないと。10年は長過ぎる、5年ぐらいでもっと短く検証できるよう にやらないといけないし、新しい仕組みをつくらないといけないというぐらいまで言っているのですね。これは基地を前提に言っているんですが、これにとらわ れて我々が、では、基地を受けるという立場であってはいけないけれども、基地をゼロにするという発想から沖縄の発展を考えなければいけないということにあ ると、私はかなり厳しいことになると思っているんです。

 この点についてもう一回伺うんですけれども、この沖縄21世紀ビジョン(仮称)をやるときに、基地に対する位置づけというのは大変大きいと思 うんです。いわゆる全体として、日本国土全体として、県土だとか人口規模だとか、いろんな意味合いでバランスのとれた負担は必要ないというまず基本的な姿 勢が物すごく大事なことだと思っているんですが、いま一度、この沖縄21世紀ビジョン(仮称)を絡ませての話です。

○川上好久企画部長 20年という一つの期間を設定してのビジョンであるというこ と、それからまた、できるだけたくさんの人々の希望を聞きながらつくっていかなければいけない。そういう中で沖縄21世紀ビジョン(仮称)があろうかと思 います。ただ、基地の問題は、語るのは非常に難しいわけでございますけれども、少なくとも過重であることは問題じゃないかということは、やはり問題意識と して非常に強く沖縄21世紀ビジョン(仮称)の中に入っていると理解しております。それは随所にそういうものがありまして、また当然これから後、着実に折 衝がされて、その基地跡地の整備が必要なんだと。それはやはり一定の国なりの責任の中で、ここはきちんとやっていただかないといけないというのが議論の中 で出てきたと理解しております。

○具志孝助委員 非常にしつこいようですけれども、私は、これまで沖縄は基地の負担 は嫌というほど味わってきた、過重な負担をやってきた、これからはゼロでいいんだと、こういう発想ではいけないと思っているんです。嘉手納飛行場1つとっ ても過重負担ですよ。これも全部ゼロにするという形ではやっていけないんじゃないかと私は思っているんです。理解できますか。

○川上好久企画部長 さまざまな御意見があるということを踏まえた上で、やはり沖縄21世紀ビジョン(仮称)もあると理解をしております。

○具志孝助委員 私は嘉手納飛行場1つ抱えるだけでも、沖縄の力からすれば過重な負 担だと思っているんですよ。これを全部ゼロにする発想の中から新しい展望は期待できないんじゃないかなというぐあいに思って、この沖縄21世紀ビジョン (仮称)を議論するときに、基地に対する基本的な考え方をどうするのかという意見があるものですから、ここであえてただしてみました。

 それから鉄軌道、沖縄がこれから発展するためには大変大きなプロジェクトですよ。この発想だって、全長120キロメートルの沖縄の島で鉄道を 走らせても、過去の国鉄から考えればなかなか厳しいことだと思っています。しかし、そういう問題があるから我々は強く主張できるんだと思っているんです。 だから、あめ、むちの話じゃなく、当然の権利だと思って主張すべきだと思っています。こういうもろもろのところに基地とのかかわりが内在するものですか ら、我々はそれに負い目を感じてはいけないけれども、いわゆる国を守るんだという国民としての権利、義務という範囲のものを覚悟しながら、しっかり主張す べきは主張していく、こういうような立場が大事ではないかと思っているんです。

 それから軽量軌道交通―LRTの話、沖縄経済同友会から、鉄軌道に対してこれも沖縄に案外合っているんじゃないか、こういう提言がまとめられ たと言われておりますけれども、鉄軌道との関係の中で、LRT、路面電車ですね、これも対比して検討できる内容の話であるのか、全く違う次元の話なのか、 最後にこれを聞きます。

○川上好久企画部長 LRTも軌道系交通の1つとして、議論として検討していかなければいけないものだと考えております。

○当銘勝雄委員長 以上で企画部長、会計管理者、人事委員会事務局長、監査委員事務局長及び議会事務局長に対する質疑を終結いたします。

 説明員の皆さん、御苦労さまでした。

 なお、審査の過程で保留された事項につきましては、後日、理事会で協議いたします。

 次回は、明 3月9日 火曜日 午前10時から委員会を開きます。

 本日の委員会はこれをもって散会いたします。

   午後8時7分散会

 

H22.03.08 第5号(企画部他).htm