平成23年(2011年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 10月 3日
文化観光スポーツ部長(平田大一)
 

 観光産業の振興についての中の、台風時の宿泊ボランティア登録件数についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、現在、沖縄観光コンベンションビューロー、那覇空港ビルディングと連携し、那覇空港案内所において宿泊施設の空室情報提供や台風時割引施設の案内など、空港内の観光客の滞留解消に努めております。
 議員御質問の件につきましては、民間の任意団体であります「台風時観光客支援ボランティア友の会」に確認をしたところ、台風時の宿泊ボランティアは、ここ数年は台風による観光客の滞留が少なかったことや運営上の検討課題等があったことから、現在は休眠状態にあり、活動をしていないそうであります。
 それから次に、台風時における観光客の宿泊所の場所の確保についてお答えいたします。
 県では、台風の影響により那覇空港で滞留した観光客の緊急的な一時待機所として沖縄県立武道館を確保しており、約2800名余りの観光客が一時的待避のために収容可能と試算しております。これまで県立武道館を使用する大規模な滞留状態は発生しておりませんが、県としましては、今後ともさまざまな状況を想定しながら、観光コンベンションビューロー、那覇空港ビルディングなど関係団体と連携を図り、観光客の安全確保に努めていきたいと考えております。
 同じく観光産業の振興についての中の、台風時の観光客への炊き出しなどについてとの問いにお答えいたします。
 台風による航空便の欠航のため那覇空港内に観光客が滞留した際に、これまで県が炊き出し等を行ったことはありませんが、那覇空港ビルディングでは、空港内のレストラン、コンビニなどと連携して通常の営業時間を延長するなど、観光客が食料品等の購入や食事ができるよう対応しております。
 県では、今後とも観光コンベンションビューロー、空港ビルディング、航空各社など関係機関で構成する「台風時観光客対策協議会」におきまして台風時の対策を協議し、あらゆる出来事を想定しながら総合的に判断すると同時に、迅速に対応してまいりたいと考えております。
 続きまして、クルーズ船客の利便性の向上について。
 県におきましては、クルーズ船の寄港時の受け入れ体制の整備を目的として、各港湾に設置されたクルーズ促進協議会に対し助成金を交付しているところです。那覇港につきましては、那覇市が事務局を務める那覇クルーズ促進連絡協議会において、寄港時の歓迎セレモニーの実施や乗船客の利便性向上のための臨時の観光案内所や両替所の設置を行っております。
 県としましては、御提案の観光用低床バスの導入も含め、さらなるクルーズ船客の利便性の向上に係る取り組みについて、那覇市と連携をしながら検討してまいりたいと考えております。
 次に、国際交流についての中の、アジア各国との定期的な交流についてとの御質問にお答えいたします。
 沖縄県は、歴史的に14世紀後半から中国や韓国を初め近隣アジア諸国と盛んに交易・交流を行ってまいりました。近年におきましても、中国、台湾との定期的な交流において、毎年海外留学生として大学生などを受け入れており、本県からも中国、台湾へ留学生を派遣をしております。また、中国福建省とは平成9年9月に姉妹都市の提携を結んでおり、友好関係が続いているとともに、来年には提携15周年を迎え、さらなる友好関係の発展のため記念式典等の行事も検討しております。さらに、近年では、経済発展が著しいベトナム、タイなどの東南アジア各国と交流を進めてまいります。
 県としましては、今後も文化、観光、スポーツ、学術などの多元的な交流ネットワークで互いのきずなを深め、アジア各国と平和的な友好交流の関係構築を推進していきたいと考えております。
 国際交流についての中の、ウチナーンチュ大会においてスペイン語、ポルトガル語の通訳が十分に手配されているかとの質問にお答えいたします。
 今大会では海外から約5000名の方が参加されますが、そのうち中南米からの参加は約1800名となっております。全体の約3割を占めております。
 実行委員会では、大会に向け7月から通訳を含めたボランティアを募集してまいりました。当初は、スペイン語及びポルトガル語のボランティアが不足している状況でありましたが、国際交流団体やメディア等を通じ協力を呼びかけたところ、スペイン語、ポルトガル語合わせ50名余りの応募があり、大会運営に必要な最低限の人数は確保できたものと考えております。
 なお、現在、通訳を含め公募してまいりましたボランティアスタッフとしては約500名の参加登録があり、このような多くの県民の協力も得ると同時に、イベント会場においても各言語による案内板を設置するなど、大会を円滑に運営できるよう努めてまいりたいと考えております。
 国際交流についての中の、クルーズ船寄港に伴う入国審査の迅速化についてとの御質問にお答えいたします。
 クルーズ船の寄港に伴う外国人観光客の入国審査等の手続につきましては、審査のため下船まで1時間以上要する場合もあることから、これまでも海外クルーズ会社等から簡素化等の要望がなされております。
 県におきましては、平成21年1月16日、当時の法務大臣に対し、入国審査等の簡素化及び体制の拡充強化などへの協力を求めており、ことし7月にも福岡入国管理局那覇支局に対し改めて協力を依頼したところであります。
 また、新たな沖縄振興に関する制度要望におきましても、入国手続の迅速化のための審査体制の強化等を求めているところであります。
 以上でございます。

 
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