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昭和63年(1988年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 3月 3日
第 5号 3月 3日
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議 事 の 概 要
昭和63年3月3日(木曜日)
午前10時3分開議
日程第1 一般質問
日程第2 甲第1号議案から甲第27号議案まで及び乙第1号議案から乙第32号議案まで(質疑)
一般質問及び質疑
1 城間 盛栄君(社大党)
2 友寄 信助君(社会党)
3 伊波 広定君(共産党)
4 仲原 英典君(社大党)
5 上原亀一郎君(共産党)
6 渡名喜藤子君(新生クラブ)
7 田場 盛徳君(社会党)
午後4時37分散会
○議長(志村 恵君) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
本日質問予定の崎浜盛永君及び5日質問予定の我喜屋宗重君から、それぞれ発言通告の撤回がありました。
次に、説明員として出席を求めた教育委員会委員長宜野座毅君は、別用務のため本日及び明日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として教育委員会委員長職務代理者福里文夫君の出席を求めました。
○議長(志村 恵君) 日程第1及び日程第2を一括しこれより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第27号議案まで及び乙第1号議案から乙第32号議案までを議題とし質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
城間盛栄君。
〔城間盛栄君登壇〕
○城間盛栄君 私も今期で最後の質問をいたします。
通告に従って質問いたします。
知事の所信表明の中で、沖縄電力株式会社の民営移行への条件整備の促進についてお伺いいたします。
沖縄電力株式会社は、沖縄の復帰により沖特措法に基づき電気の安定供給を図るため特殊法人として設立され、株式一株1000円、1470万株、国が99.99%、県が0.01%、資本金147億円で発足しております。
電気は基幹産業であり、電気料金は県民生活を初めすべての産業に大きな影響をもたらすことから、適正料金で安定供給をすることは不可欠であります。
国は行革を理由に、沖縄電力株式会社を民営移行することを昭和50年12月31日の閣議で了承され、その後数回にわたり閣議で民営移行を決定したので、これを踏まえて知事は昭和60年4月10日、通産大臣に対し、民営移行方式として独立民営を要請しておりますが、本県は多くの離島を抱えており、電気料金は原価主義を建前としているため、民営移行された場合、本土9電力に比べ電気料金は割高になるのではないかと県民は民営移行への成り行きを見守っていると思います。
ここで質問いたします。
質問の第1点は、知事は、これまで民営移行については本土並み料金水準の確保を条件に移行させると述べておりますので、現在の電気料金はどうなっているか、本土9電力との比較はどうなっているか、できるだけ専門用語を省いて県民がよりわかりやすいように御答弁をお願いいたします。
第2点目は、62年12月28日の閣議でも民営移行について決定されているようですが、その時期について明確に示されているかどうか。
第3点目は、県は、交通・エネルギー対策特別委員会での説明で、民営移行については極めて重要な問題であるので、県の要望が反映されるよう積極的に関係機関に要請を行っているところですとの説明を受けております。
そこで、知事要請文の中でも条件整備についての適切な助成措置の確保並びに地元主体の安定した経営形態を図るための移行の方法、株式の処分時期等、これまで知事の折衝、閣議の審議内容の過程など具体的に示してください。
次に、農業振興についてお伺いします。
本県の農業は、畑作と畜産が主体であります。農畜産物の価格の安定なくしては農業振興は語れないと思います。
政府がパインの輸入自由化を受け入れたためパイン産業は今危機に直面し、生産農家は死活問題だと反発し国の保護策を強く訴えております。本員もパイン産業は地域の特産物であり、パイン産業はぜひ守らなければならないと思います。
パイン問題は、これまでの質問者に対しての答弁から、知事は、自由化の時期、損失などははっきりしないので今後の動向を見守りながら対処するとのことですが、パイン問題は今議会で論議が展開されており、きょうの時点では明確な回答が得られるものと期待し質問いたします。
知事は、パイン産業の保護策をどのように考えておりますか、再度知事の決意のほどをお伺いいたします。
第2点目は、サトウキビは、本土米作同様本県農業の基幹作目であり、農家経済の主柱をなしていることは御案内のとおりであります。
サトウキビ価格は、生産費を割った価格で買い上げられ、農家手取り2万1470円、3カ年間据え置かれ、62年度からトン当たり560円引き下げられ、2万910円と決定されたが、今期からスライド制によりブリックス16度未満はトン当たりさらに580円引き下げられるので、大きな打撃を受ける農家もおります。このために生産意欲を失いつつあり、今後キビ作の不振が憂慮されますので、ここで質問いたします。
今後、サトウキビの作付面積はふえるのか減るのか、その見通しについて。
2番、近年、サトウキビから脱皮し付加価値の高い他作目の転換が叫ばれておりますが、サトウキビに対する県の基本的考え方とその対策について地域ごとにお示しください。
3番目、製糖工場の適正操業日数は、国の指導では110日間だと言われております。今期製糖期は1月16日から操業を開始して80日間と設定しているようですが、工場の運営状況はどうなっておりますか。
次に、畜産についてお伺いします。
60年の県の資料によりますと、本県農業の粗生産額は1260億4700万円、そのうち畜産部門が361億9800万円、構成比では31.2%を占めており、本県農業の中で畜産の振興対策は重要な課題として位置づけなければならないと思いますので、ここで質問いたします。
質問、農畜産物、特に乳用牛、豚、ブロイラー、鶏卵の需要と供給の状況はどうなっておりますか。
次に、昭和50年ごろ、豚価の大暴落で養豚業が危機に直面したとき、当時の屋良県政時代、畜産物価格安定事業基金を創設するため、その運営費を県、市町村が分担し畜産公社が発足しました。畜産物の価格安定に大きな成果を上げておると思いますが、近年、特に豚価や鶏卵の価格が下
落し畜産農家は厳しい情勢下に置かれていると聞いておりますが、肉牛、豚、ブロイラー、鶏卵など最近の価格動向はどうなっておりますか。
3番目、畜産物価格安定基金の事業の実施状況と基金の確保等についてどうなっておりますか。
次に、県道整備についてお伺いします。
県道35号、146号は、東西を結ぶ横断道路で経済的路線であります。
ここで質問いたします。
県道35号線は、沖縄自動車道北中城村内のインターチェンジヘの進入路が同線に結ばれ、交通量が増加したため早期整備が望まれております。また県道146号線は、国の重要文化財として指定されている中城城址と成田山があります。
近年、観光客や参拝者がふえ、車の交通量が増加したため、中城側傾斜の道路沿いはサトウキビ生産地帯であり、歩道がなく、農耕者、一般歩行者には危険な地域であり、地元から早期整備の要望があり、両路線の現在の整備状況と今後の整備計画はどうなっておりますか御答弁願います。
次に、防風防潮林の造成推進について。
中城平野は中城湾に面し、約2キロメートルに及ぶ海岸があり、毎年襲来する台風のたびごとに潮害によって農産物に甚大なる被害を与えている。現在、同地域は土地改良を実施中であり、村民から農地防風防潮林の造成を促進するよう強い要望がありますので質問いたします。
1つ、中城湾内沿岸一帯の防風防潮林の造成事業の実績と計画はどうなっているか。
2点目、土地改良に伴う防風林の造成実績とその計画はどうなっているか、以上2点についてお伺いいたします。
次に、基地の整理縮小についてお伺いします。
これまで米ソは核抑止力競争の中で、1984年は米国の軍事費は約2600億ドル、ソ連が2900億ドル、アメリカを上回っていることが推算されている。
また、ソ連は、400万人の常備員と兵器研究と生産に90万人以上の科学者と技師約100万人の技手を擁し、1973年ごろには兵員、ICMBの発射基数、艦艇隻数、SLBMの弾頭数でそれぞれ米国を抜き、GNPは米国の60%弱であるが、軍事支出はGNPの15%を占め、機械工業の総生産の60%を軍事部門に消費し、ソ連が払った犠牲は大きかったと言われております。
また、アメリカも国家純借金累積額89年度で1兆ドルとなり、毎年ざっと1000億ドルの利息を予算計上しなければならない膨大な財政赤字を抱えておるのが現状であります。
このような中でソ連の新しい指導者ゴルバチョフは、1986年の党大会での報告、地球全体が今や単一の運命共同体であることを強調し、地球上には社会主義陣営と資本主義陣営が対立しているが、両陣営の戦争は必然的に核戦争となり、それには勝者はあり得ない。
一方、海洋や大気の汚染、天然資源の枯掲など文明存立基盤にかかわる問題は一つの陣営内部では到底解決することはできず、グローバルな協力が必要。今や矛盾に満ち、しかも相互に依存し多くの点で全一的な世界が形成されつつあると主張したのである。ゴルバチョフの新しい思考が中距離核戦力(INF)問題で対米譲歩となり、1987年12月8日、米ソ首脳会談が実現しINFの全廃条約を成立させ、戦略核の半減でも大筋合意に達した。ゴルバチョフは、さきの訪米で両国が体制の違いを超えて協調できると演説し、核の危険を目の前にして我々は社会体制の違いにこだわらず、平和の旗印のもとに団結しなければならないと直接米国の指導者と国民にアピールした。ゴルバチョフ書記長はレーガンにGNP15%、最優秀な才能を軍事技術開発に集中させるばかげた政策をストップしなければ、近い将来、超大国ソ連が後進ロシアに後戻りする道筋は目に見えている。
また、現在の社会で経済の活力を飛躍させているのは日本、西ドイツ、イタリアの3国、米ソが一緒になって軍国主義の息の根をとめた国々だ。軍事費の負担を軽くすることが民生にどれほど大きな貢献をするかを我々も悟らなければならぬとホワイトハウスのオーパルルームでレーガン大統領にしみじみと語ったとのことです。
レーガンもゴルバチョフとの会談後、過去のソ連の指導者は世界を共産化する目標を明らかにしてきたが、今度はそんな感触を受けなかった。ソ連も平和裏に共存することを求めていると思われると語った。
このように世界情勢の変化が平和に向かいつつある今日、第2次大戦の被害県の知事として先頭に立って平和外交に徹すべきだと思います。
アメリカが米軍基地は不要だから返還するということを待たずに、基地の整理縮小に知事は積極的に取り組むべきだと思いますので、質問いたします。
復帰後の日米安全保障協議会における返還合意施設の返還状況はどうなっていますか。
2つ、復帰後返還された基地は何カ所あるか。
3つ、第2次振計も後期に入り、21世紀へ向けて地価高騰を抑え、宅地難の解消、地域振興上必要な施設区域について軍用地の利転用計画を樹立し、国や米国政府に要請することによって基地の整理縮小は実現するものと考えますが、知事の御所見を賜ります。
以上をもって質問を終わり、答弁によって再質問します。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 城間議員の御質問に対しましてお答えする前に、もう城間議員の人間味あふるるユーモアたっぷりな御質問をお聞きするのもきょうが最後でございます。3期12年間にわたって県政に御尽瘁くださいました長い間の御功績をたたえ、心から御労苦に対しまして感謝を申し上げたいと思います。(拍手)
沖縄電力の民営移行についてお答えいたします。
62年12月18日付で認可され、今年1月1日より実施の改定料金を見ますと、沖縄電力はキロワットアワー当たり電灯で24円71銭、電力で20円89銭、電灯、電力を合計で申し上げますと22円35銭となっております。これを本土9電力と比べてみますと、電灯、電力を合わせた総合単価では全国で2番目に高い水準にありますが、これは最も料金単価の安い大口電力の需要量ウエートが大幅に低いためであります。用途別に見ますと、沖縄電力で需要量ウエートの高い電灯、業務用電力の料金水準は全国で2番、3番目に低い水準となっております。小口、大口でも全国で中位の水準にございます。
次、民営化につきましては、昨年12月28日閣議了解されました民営移行のための諸条件を早急に整備し、それが整い次第速やかに完全民営化を行うこととするとの方針に基づきまして関係省庁間で鋭意調整が行われているところでありますが、具体的な時期につきましては現時点で明らかにすることはできません。
次、助成措置についてでございますが、国による適切な助成措置の継続及び地元主体の安定した経営形態とすることについては、本土並み料金水準の確保並びに会社の公益事業としての性格やその資本形成の歴史的経緯等にかんがみまして民営化に当たっては不可欠の条件と考えております。
このような観点からいたしまして、県は、助成措置の継続及び政府保有株の処分に際しての特段の配慮を国に要請をいたしているところであります。
60年4月10日の知事要請を初め、資源エネルギー庁長官の私的諮問機関である沖縄電気事業協議会や沖縄電力民営移行推進懇談会の場における要請等、これまで機会あるごとに関係機関に対しまして積極的に要請を行っているところであります。その結果、御承知のように62年度においては民営化後の会社の配当負担の軽減と内部留保の充実を図るため資本金を2分の1に減資いたしまして、減資相当分を資本準備金に組み入れる措置がとられたこと等、県の要請に沿った方向での関係省庁間の調整が行われていると理解いたしております。
次に、農業の振興についての御質問がございましたが、これにつきましては農林水産部長から答弁させることにいたします。
パイン問題についてだけ私からお答えすることにいたします。
パイナップル缶詰・果汁の輸入自由化が実施されると、生産及び加工両面において諸外国より不利な条件下にある本県パイナップル産業は甚大な影響を受けるおそれのことからいたしまして、その対策について国へ強く要請していく考えであります。
現段階では、輸入自由化の実施時期等が未確定であり、また輸入自由化に伴う具体的な影響についても予測しがたいところでありますが、県といたしましては産地市町村、関係農業団体と協議して生産者が引き続き安心して生産できるような対策を講じてまいりたいと思います。基本的には、1つ、安定した生産振興を図ることを前提とした生産合理化対策、2つには加工企業の合理化対策、3つには合理化目標が達成されるまでの外国産との価格差対策の3つを柱にいたしまして考えてまいりたいと思います。
道路関係についての御提言がございましたが、これにつきましては土木建築部長から答弁させることにいたします。
防潮防風林の推進について御質問がございましたが、これにつきましては農林水産部長から答弁させることにいたします。
次に、基地問題についてお答えいたします。
第14回、15回及び第16回の日米安全保障協議委員会におきまして、63件、面積にいたしまして約5746ヘクタールの返還が合意されておりますが、昭和62年4月1日現在、41件、約2080ヘクタールが返還されております。面積にいたしまして約36%の返還率となっております。
なお、14回の返還合意分についてはすべて返還済みであります。
復帰後返還された米軍基地は何カ所あるか、その跡地の利用状況についてただされましたが、お答えいたします。
復帰時、62年3月までに返還された米軍基地は一部返還を含め72カ所、約3190ヘクタールとなっております。
その跡地利用の状況でございますが、61年3月末現在で土地改良事業、土地区画整理事業、学校、公園等公共事業の完了した面積が606ヘクタール、19%であります。実施中のものが948ヘクタール、30%であります。計画中のものが158ヘクタール、5%であります。合わせて1711ヘクタール、54%でございますが、その他個人企業等の利用に回されたものが1252ヘクタール、39%でございますが、その利用率は、計画中のものを含めて約93%となっております。
具体的な転用計画を策定して整理縮小を要請すべきではないかという御提言に対しましてお答えいたします。
御質問の基地の整理縮小につきましては、61年11月、地域振興に必要な米軍施設区域20カ所、面積にいたしまして2074ヘクタールの早期返還を、軍転協から関係省庁に対しまして要望いたしております。県は現在、国と折衝を重ねているところであります。
ところで、基地の返還に向けての転用計画についてでございますが、それぞれの地域開発の方向を踏まえまして市町村及び地主等が主体となって策定することがまず必要であり調整に当たっては、関係地主等の事情に詳しい市町村がまず主体となって取り組むことが望ましいと考えております。したがいまして県としては、今後とも関係市町村の意見を十分に徴するとともに、軍転協の場を活用しながら転用計画の策定を促進し、基地の整理縮小を図ってまいりたいと思います。
○議長(志村 恵君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 久手堅憲信君登壇〕
○農林水産部長(久手堅憲信君) 農業問題についてお答えいたします。
まず、糖業問題でございますが、サトウキビは本県の基幹作目でありまして、今後ともその位置づけにつきましては変わらないわけでございます。
生産量につきましては、今後、生産性の向上及び品質の向上を図りつつ振興を図っていきたいと考えておりますが、作付面積につきましては、現在より多少減じた約3万ヘクタールで推移するものと見込んでおります。
それから、サトウキビから脱皮した付加価値の高い作目への転換も図っていかなければなりませんが、サトウキビは、農業粗生産額の3分の1を占め基幹作目としての振興が図られてきましたが、今後ともその中心的役割は変わらないものと考えております。しかしながらサトウキビ作のみでは農業経営の安定を図ることは困難であり、そのため野菜、花卉、果樹等付加価値の高い作目を取り入れた経営の複合化を促進してまいりたいと考えております。
それから、製糖工場の適正操業でございますが、最近における製糖工場の操業日数は本島地域では65日から75日、離島地域では45日から100日とばらつきが工場ごとにありますが、平均いたしますと約70日程度となっております。糖業の振興を図っていくためには製糖工場の経営を安定的に維持する必要がありまして、そのためには原料増産による操業度の向上とあわせまして歩どまりの向上、施設の近代化等経営の合理化を促進してまいりたいと考えております。
畜産の需給状況でございますが、全国的には牛肉以外は生産過剰の状況にあります。
本県の需給状況につきましては、牛肉と鶏肉は輸入に大きく依存し、豚肉は供給過剰基調にありまして、鶏卵はほぼ県内自給の状況にございます。牛肉につきましては61年次で見ますと県内生産1386トン、輸移入6663トン、本土出荷1033トン、県内消費量7016トン、自給率で見ますと、19.8%でありまして、県内消費は輸入牛肉に依存している状況でございます。豚肉につきましては県内生産が2万5403トン、本土出荷9057トン、輸入1273トン、県内消費量1万7619トンでありまして自給率をオーバーいたしまして数値といたしましては144%となっております。鶏肉につきましては県内生産量が年々向上しているものの、一方におきましては輸入が増加いたしております。県内生産量6225トン、輸入8257トン、自給率は43.1%となっております。鶏卵につきましてはほぼ100%近い自給率でありまして、県内生産量は2万5871トンになっております。
畜産関係の価格の動向でございますが、家畜畜産物の価格の動向につきましては、肉用子牛価格が高騰しているほかは、豚肉、ブロイラー及び鶏卵とも価格は軟調相場で推移している状況であります。
肉用子牛価格につきましては、55年高騰時を上回っておりまして値上がりが続いておりまして史上最高価格を更新し続け、62年11月には一頭当たり40万6000円、対前年同月比といたしますと126%の高値となっております。
豚価につきましては、60年秋以降軟調相場でございまして、その後も毎年夏場には価格はよくなりますものの、秋から冬にかけましては低落価格で推移しております。しかし63年2月に入ってからはキロ当たり419円で、410円の基準価格に戻った価格で推移している状況でございます。
ブロイラー及び鶏卵価格につきましては、最近におきますところの飼料価格の値下がり等の影響を受けまして飼養頭羽数がふえ生産過剰を招き、62年の1月から急落が続いておりまして、63年1月のブロイラーキロ当たり162円、これは対前年同月比77.6%でございます。鶏卵はキロ当たり148円、対前年同月比80%、こういう低迷をしている状況でございます。
それから、家畜及び畜産物の価格安定対策のために沖縄県肉用牛価格安定基金協会、鶏卵価格安定基金協会及び畜産公社のそれぞれの事業を活用いたしまして対策を実施しているところでございます。
肉用子牛につきましては、価格が好調のため補てん金を支出する必要がなく基金の状況は良好でございます。
鶏卵につきましては、63年度から新業務対象年間が開始されますので、基金契約加入量を8000トンから1万777トンまで拡大いたしましてより多くの農家が基金によって恩恵が受けられるように取り組んでいるところであります。
肉豚及びブロイラーにつきましては、畜産公社の価格安定事業によりまして今後とも対処していきたいと考えております。
次に、防風林でございますが、県といたしましては、圃場整備及び農地開発事業を実施するには原則といたしまして防風林の設置を指導しているところでございます。
これまでの実績といたしましては、昭和62年度末現在見込みで39万3000平方メートル、延長いたしまして6万5500メートルの実績を上げております。しかしながら中南部地域におきましては、各農家の耕地面積が小さいため農家の同意が得にくい実情にありまして、今後とも長期的な立場に立ちまして農家の理解が得られるように指導してまいりたいとこのように考えております。
なお、中城村内におきますところの字当間から字北浜の沿岸約2キロメートルに6.84ヘクタールの潮害防備保安林がありまして、昭和61年度までに3.94ヘクタールの改良事業を実施いたしました。
今後とも、保安林の機能強化を図るため林相の改良を必要とする林帯につきましては、保育、補植等を実施していく計画でございます。
○議長(志村 恵君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 山城廣茂君登壇〕
○土木建築部喪(山城廣茂君) 城間議員の県道関係の御質問にお答えします。
まず、県道35号線は、宜野湾市普天間から中城村奥間間の延長約5.3キロメートルの県道でございますが、昭和47年度まで、復帰時点までに一応全線整備済みとなっているところであります。しかしこの路線は、復帰以前に整備を始めた関係で住家連檐地区におきまして歩道設置がなされてないこと及び沖縄自動車道北中城インターチェンジとの関連もあって交通量がふえているところでございますが、現在、字新垣から字登又に向けて2次改築に着手し整備促進しているところでございます。残り区間の新垣から字奥間間の2次改築につきましては、今後の交通状況を勘案しながら対処してまいりたいと考えているところであります。
次に、県道146号線の整備状況でございますが、県道146号線は、北中城村字安谷屋から中城村屋宜間の約4.5キロメートルの道路で、現在24%の整備状況でございます。
同路線は、昭和55年度から改良事業に着手しているところでございますが、現在、北中城村安谷屋から同大城までの間を重点的に整備しているところでございます。また残り大城から国道329号交点屋宜地内までにつきましては、当該地域が地すべり地帯であること等から現在、慎重に調査を行っているところでございます。
今後、地すべり対策の工法検討を行いまして、用地取得も含めて鋭意整備促進に努めていく所存でございます。
○議長(志村 恵君) 城間盛栄君。
〔城間盛栄君登壇〕
○城間盛栄君 まず、電力問題を質問いたしましたのは、やはりこれまで私は、沖縄の多くの離島を抱えている電力会社としてはいろいろと本土の9電力の料金を維持するということは、今の段階では無理ではないかということを私考えて、これまで時期尚早だと。特措法が生きている間はやはり特殊法人のままがいいという私の考えで、これまでいつもこのように述べてきたわけであります。しかし今回の場合でも、御答弁によりますとまだその時期、処分の方法、まだ調整中だというので、これ以上知事に質問することは困難でありますが、一応知事としての株の処分の方法について知事の考え方をひとつもう一応述べていただければ非常に結構だと思います。
またさらに、ほかの土地利用問題、基地縮小について、やはりこれだけ国際情勢、米ソが会談した背景も述べたわけでありますが、やはり特にこれだけの両超大国が莫大な予算を使って軍備に相当の金をつぎ込んでいるという中で、去年の5月末の西ドイツのルスト青年によるセスナ機の赤の広場への着陸があり、こんな超大国でセスナ機が入るのをわからない。
またさらには、本県においても12月9日ですか、米ソ会談のさなかにソ連の電子偵察機が極東最大の米軍基地を誇る沖縄本島をさらに横断し、沖永良部島と徳之島間の上空を2回にわたって侵犯している状況。こういうことを見た場合、やはりいろいろと軍の防備にはどこの超大国でも穴があるということであります。
そういうことも踏まえて、これさえ防げない国防が、核兵器が飛んでくるのはとてもこれは防げるはずがない。そういう中でやはりこういう米ソ首脳も、とてもこれは両超大国が膨大な軍事予算を使っても、核戦争からは国民の生命財産を守ることはできないことが実証された証拠じゃないかと。今度の会談の何は、そこに背景があったんじゃないかとこのように考えております。
そういう意味からも、やはりそろそろアメリカから軍事基地はもう要らないときた場合から計画していった場合、既に時おそい。こういう土地の高騰の時代、特にこれから人口増加、宅地難、こういう中で、やはり今、相当軍用地内の空間を早く返して県民の生活、福祉向上のために利用するのが得策じゃないかという面で、知事は積極的に取り組んでいただきたい、このように希望いたしまして終わります。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) ただいまの再質問に対しましてお答えいたします。
沖縄電力の民営移行に伴う私の基本的な考え方でございますが、これは城間議員としても、今の特殊法人として存続すべきだと、基本的にはそう考えておると言われたのでございますが、民営移行が閣議決定されまして今日に至っているわけでございますが、そうしますというと、民営移行に際してこの沖縄電力を、特に株の構成の面において、いわゆる沖縄主導の、沖縄の方々に少なくとも60%以上の株を持ってもらって、させてくれと。こういう株処分に対する要請等を含めて県主導の民営移行に持っていきたいと、これが1つであります。
それと、城間さんの言われる特殊法人を生かすということの中で、今、沖縄振興特別措置法の中で電力に対する税金、その他いろいろな数点にわたる特別措置がとられておりますので、これはたとえ民営化されましても離島電力を抱える沖縄電力にとりましては大変大事なことでございまして、なお継続してこの特別措置は残すべきじゃないか、こういうこともかねてエネ庁を初め関係省庁に要請をしているわけでございます。
時期等についてはまだ明確な回答を得ておりませんが、私の推測するところでは、3月いっぱいで沖縄電力関連の改正法案が準備されて、今度の議会でこれが成立いたしますというと今度は株処分に対する細かい対策として政令が出されますので、この政令に基づいて、できればことしの末ごろか、来年早々には民営化が実現するのではないかとこういうふうに考えているところであります。
次に、基地の利転用の問題でございますが、これは渡米に際して3年前渡来いたしましたときも、日本の防衛はこれは専守防衛であると。米ソ間のいわゆる軍縮交渉等もだんだんいい方向に向かっていると。INFの廃絶の問題、核軍縮の問題等、平和の方向に向かっているから、そういう時期に来ているので、日本の専守防衛という防衛の基本からいたしまして沖縄基地の全体を見直すべぎじゃないかと改めてそういう方向で見直すべきじゃないかと。全土の11%でございますが、沖縄本島だけに限って申し上げますというと恐らく20%から22%ぐらいいっているのではないかと思うんです。こんな県はどこにもないわけですから。ただ11%、11%というのは離島を含めての11%でございまして、本島で申し上げますとこれは20%以上の軍用地を持っているということはこれは特殊な県でございますので、何としても、陸軍だから海兵隊が使えない、空軍の施設だから陸軍が使えない、こういうことでは困ると。機能を統合して1カ所で陸軍も空軍も海軍も使えないかと。こういうことを含めて沖縄基地の全体的な見直しと。これは改めて政府にも、特に自民党筋の国防部会等については強く働きかけまして、何としてもこの見直しの機会をつくるべきじゃないかと。それによってもっともっと縮小いたしまして沖縄の産業振興の上で必要な基地は返してもらうと、こういうことに持っていきたいと思っております。
○議長(志村 恵君) 友寄信助君。
〔友寄信助君登壇〕
○友寄信助君 私は、さきに通告しました質問順位を若干変えまして、まず最初に、我が党の宮城健一議員の代表質問と関連して35歳定年制問題について知事にお尋ねをいたします。
男女雇用機会均等法は、御承知のとおり同法第11条で、事業者は、労働者の定年及び解雇について、労働者が女子であることを理由として男子と差別的取り扱いをしてはならないと規定しており、男女間の差別をなくして女性の社会的地位の向上を図ろうとするものであります。
知事は、先日の質問に答えて、具体的な法解釈は、労働省の公式見解を待って行うべきである。同法の判断にゆだねられており、今後の成り行きを注意深く見守っていきたいと極めて消極的な姿勢をとっているのであります。
商工労働部は、既に6月は男女雇用機会均等月間と制定し啓蒙運動に乗り出しており、この件は第一義的には国の行政であろうが、直接的には労働問題を担当している県の労働行政にかかわる問題であり、その姿勢が問われていると思うのであります。県は、もっと積極的に行政指導を行うべきであると思います。
また、同法の制定でようやく社会的関心も高まり、しかも商工労働部も啓蒙運動を展開していくやさぎに、このような沖縄バス会社の姿勢は許されるものではないし、少なくともこのような会社の態度は好ましくないのではないかと思います。積極的な対応を求めたいと思います。知事の御見解をお聞きしたいと思います。
また、労働省も事態を重視し近く調査に来県するようですが、それはそうなっているのかどうかお聞きをしたいと思います。
次に、知事の所信表明と今後の施策の展開についてであります。
知事は、本議会冒頭に所信表明を含む7項目にわたる施策事業の概要の提案をなされましたが、その中から5点について知事の御所見をお聞きしたいと思います。
まず、第1点目は、雇用対策についてでありますが、その中で、産業雇用問題研究会を設置し、雇用開発の方策について総合的な検討を行うとありますが、この産業雇用問題研究会のねらいは、何なのか。その性格、そして構成はどうなっているか、労働者代表も含まれているのか、県が考えている構想についてお聞かせ願いたいと思います。
また、研究対象には、沖振法第38条による雇用創出事業も含まれているのかどうか御所見を賜りたいと、思います。
2点目には、県は、公共職業訓練施設の拡大強化を図る立場から、職業訓練短期大学校を設置し、事業内職業能力開発の促進に努めていくという方針が明らかにされております。既に今年度予算案にその調査費が計上され、具体的な取り組みがなされていると聞いております。
近年、技術革新、産業構造の変化が急速に進展する中で、それに対応する技術を身につけ、雇用機会の拡大を図っていくことは時宜にかなったことであり、また多くの高校卒業者が本土の専門学校、技術関係大学で学んでいる現状を見た場合、その早期実現が求められていると思います。学校の性格上、その立地条件については、周辺に大学
施設があって比較的企業が多く、しかも交通の便のよい位置が求められていると思います。宜野湾市もその候補地の1つに入っていると聞いておりますが、現在の作業状況、建設着工と開校の時期とその見通しについてお聞かせ願いたいと思います。
3点目には、地震対策についてであります。
この施策事業の災害対策の項目の中で、洪水、高潮、波浪等の自然災害から県土を保全していくということがうたわれておりますが、地震対策については触れられておりません。
本県は、本土と違って、自然災害といえば毎年のように襲ってくる台風による被害が主であって、地震についてはその災害の経験がないことから、一般的に言って関心が薄いことはやむを得ないことだと思います。
昨年12月17日の関東地方中心の地震で倒れたブロック塀等の下敷になり、2人の死傷者を初め多数のけが人が出ました。また10年前の1978年6月に起きた宮城沖地震でも、ブロック塀などが倒れて20名の死亡者が出るなどの災害が発生しました。
ところで、沖縄では一体、地震災害が発生はないと考えてよいのかということであります。特に2月18日午後から夜にかけて4回も地震が発生し、那覇市で震度3から1を記録したと言われております。沖縄気象台は、弱い地震とはいえこう続けて起こるのは沖縄では極めてまれであり、本島近海の断層のずれによる地震ではないかと述べている。
琉大の加藤祐三助教授は、今後も地震は起こるだろうが、必ずしも小さいものとは限らないと地震対策の必要性を改めて強調し、先般、同助教授はこれに警鐘を鳴らしており、新聞投書の中でこう述べております。沖縄で何よりも問題なのは、地震がないのならいいのだが、実際には本土並みに起きている。かなり大きな地震もある。1980年3月には、久米島北の海底でマグニチュード6.7の地震が発生した。マグニチュード0.2増すとエネルギーが2倍になる。今回の地震はマグニチュード6.6だったら、エネルギーは久米島沖地震の方が1倍半大きかった。それなのに被害が全くなかったのは、たまたま人が住んでいない海であったにすぎない。もしここに有人島があれば大きな被害を受け、かなりの犠牲者が出ていたところである。見かけは地震が少なく見えるだけのことであり、沖縄も地震列島の日本の一員であると述べているのであります。
天気予報のように、地震を予知することは現段階では困難なことだと思うが、県としてもこの際、専門家を入れた何らかの研究機関を設置するなどしてそれに基づく対策を立てていくことは急務の課題ではないかと思います。また県として現在、どのような地震対策を持っておられるのか知事の御所見をお聞きしたいと思います。
4点目には、保健医療福祉についてであります。
まず、保健所の施設整備の状況についてお聞きをします。
地域における公衆衛生の中心機関として県立の保健所が7カ所設置され、現在、県の保健婦は173人、保健所内に勤務している保健婦は50人で一般健康相談に当たっており、また駐在保健婦は123人で離島僻地を含む全市町村に駐在をして公衆衛生の第一線において地域住民に密着した保健活動を行い、住民の健康管理を行っているのであります。
一方、地域の保健医療のニーズの増大に伴って保健所の施設整備が求められております。特に中部の宜野湾市はコザ保健所の管轄内に置かれておりますが、当市またはその周辺にあと1カ所の保健所の設置が必要ではないかと思料されるのであります。
県の昭和61年度の環境保健行政の概要によると、コザ保健所の管内人口は25万5075人で、保健婦1人当たり平均受け持ち人口は9110人、人口密度も1634.3平方キロと他の保健所に比べてかなり過重となっていると思うのであります。
そこで、知事にお尋ねいたしますが、今後の保健所の整備計画はどうなっているのかお聞かせ願いたいと思います。
また、老齢人口が急速に増大し、長寿社会を迎えるに当たり、これに対応する老人福祉施設の整備が求められております。今後の施設整備計画についてお聞かせ願いたいと思います。
5点目には、国際交流についてであります。
県は、国際化時代に向けて本県の地理的条件や歴史的経験を生かした国際交流を推進していくためさきに沖縄国際センターを設立し、アジア及び南米からの留学生、技術研修員の受け入れ、国際交流財団の充実など国際交流の場の形成に努めております。
一方、本年度の施策事業の中で、韓国及びタイ国との交流を深めるとともに、アルゼンチン国コルドバ州との姉妹提携を検討してまいりますとの方針が打ち出されておりますが、知事自身が韓国、タイ国を訪問する計画をお持ちなのかどうかお聞きしたい。
この国際交流の中で、歴史的にも一番関係の深い中国との交流計画が入っていないのはなぜなのか。
最近、国際親善都市連盟がまとめた資料によると、国際化時代に対応して外国都市など姉妹提携した地方自治体は、昨年1年間に25団体ふえ、提携の割合は市レベルでは全国665市の39.7%に当たる260市、都道府県では70.2%の33団体に上っていることが明らかになっております。
また、米国一辺倒だった提携相手国は、最近5年間に限ると中国が61件と米国の38件を抜いてトップになっており、姉妹縁組は日米時代から日中時代にさま変わりしているのが特徴だと指摘しております。この際、知事自身が中国を訪問し、県と中国との交流の場をつくってはどうかと思うのですが、知事の御見解をお聞きしたいと思います。
次に、石垣空港建設問題についてであります。
新石垣空港の建設計画が、昭和57年に航空法に基づいて同空港の設置の認可がおりて以来、建設のための手続を進めてきたが、その過程において埋立申請の最も重要な環境アセスメントの評価準備書の欠陥が露呈するなど行政上のずさんさが指摘され、当初の計画の2500メートル滑走路を2000メートルに変更を余儀なくされ現在に至っているのであります。
また、石垣空港建設をめぐって第2訴訟の裁判の結果、痛み分けとはいえ、運輸省の許可を得た予定区域と漁業権除外区域には11.9ヘクタールのずれがあり、この部分については漁業権が存在しているとして原告の訴えどおり漁業権の存在を認めたのであります。
そこで、知事にお尋ねをいたしますが、この11.9ヘクタールの漁業権が生きているとなると、これの除外手続をとらないと埋立申請ができないのではないかと思うが、知事の御所見をお聞きしたいと思います。
2点目には、去る2月10日、中米コスタリカで開かれた国際自然保護連合総会で、日本政府に対し、新石垣空港建設計画の再考を求める白保リーフに関する決議が採択されたことであります。同決議は、法的拘束力はないとはいえ国際的な影響力を持つ機関の決定であり、極めて重い意味を持つもので、白保のサンゴ等環境保全を確保し、国際信義を重んじる立場からも同決議は尊重しなければならないと思うのであります。
また、鯨岡元環境庁長官など超党派で組織している自然保護議員連盟も、竹下首相に白保サンゴの保護要請文を手交しており、国内だけでなく今や国際的にも大きく注目されるに至っているのであります。しかも2月26日の衆院予算委員会で石原運輸大臣は、白保で海の一部を埋め立てるのは好ましくない、他に候補地がないわけではないと述べ現計画の見直しの姿勢を示しました。
さらに現環境庁長官も、かけがえのない環境を保全するための決議であり、採択は大変な応援をしてくれたと述べ、同決議の尊重の姿勢を示したのであります。
しかし、運輸大臣は、翌日の予算委員会で用地変更の発言を撤回し、運輸省としては白保への空港建設に対する姿勢は変わらないとさきの発言を修正するという混乱ぶりを示したが、それだけ国際自然保護連合の白保のサンゴ保護決議の影響は大きかったことを示すものであります。
いずれにしろ、滑走路を短縮したといえ、現計画では白保の美しい貴重なサンゴの保護は困難であることが明らかとなった今日、白保での建設計画を白紙に戻して計画の見直しをすべきだと考えますが、知事の御所見を賜りたいと思うのであります。
次に、国民健康保険の改革問題についてお尋ねをいたします。
今日の国民健康保険制度は、構造的に低所得者層の割合が多く、一般の国保被保険者の負担が高まり、医療費の地域差が大きくなっているなど問題を抱え、現行国保制度の改革が求められてきたのであります。
こうした国保の現状を踏まえて、厚生省は昨年の福祉医療制度の創設、地域調整システムの導入を柱とする案をまとめましたが、国庫負担を削減し、地方自治体に新たな負担を求める内容となっていたため自治体から猛反発を受け、昨年末大きな政治問題となったのであります。しかし最終的には昨年末閣議で決定されたその内容は、厚生省の当初案に比べて地方負担は圧縮され、低所得者に対する新たな公的差別を生むとして批判されてきた福祉医療制度も一応撤回されたが、新たな負担を地方に転嫁する内容となっているのであります。すなわち、低所得者層の保険料軽減分を新たに国、都道府県、市町村へ負担する保険基盤安定制度の創設、医療費が著しく高い地域で一定額を超えた分を三者で負担する地域医療費適正プログラムの推進などが閣議で合意され地方負担の導入が制度化され、来年予算では690億円の地方負担が生じ、国庫補助は450億円削減されるという国保制度の改悪となっているのであります。
そこで、知事にお聞きしますが、市町村の国保財政は極めて厳しい状況にあり、国庫負担定率分現行31.5%を35%に引き上げ、さらに給付率の改善に見合って段階的に引き上げること。また加入者負担割合をさらに引き上げていくことなど現行制度を改善すべきであると思います。御見解をお聞きしたいと思います。
今回の国保制度の改悪によって県、市町村への財政負担は幾らになるのか。
また、市町村の赤字団体の数と一般財源から国保特会への繰入総額など国保財政の収支状況をお聞かせ願いたいと思います。
さらに、保険料軽減措置を受けている低所得者世帯数は幾らなのか。それは加入世帯の何%に当たるのか。
国保保険税の収納状況と今後の改善策についてお聞きしたいと思います。
最後に、基地問題についてであります。
ハリアーパッドの建設問題は、新たな基地の拡大強化につながるだけに地元住民からの強い抵抗に遭い、米軍は安波での建設を断念せざるを得ない状況になっているが、新聞によると、防衛施設庁はまだ安波の建設は断念したわけではないと言っているが、その真意は一体どこにあるのか。知事は、安波は断念されたと見ているのかどうかお聞きしたいと思います。
これまでの知事の一連の議会での答弁を見てみると、安波がだめなら東村の施設のハリアーパッドの建設もやむを得ないとしか受けとれないが、なぜこれだけ村を挙げて住民が猛反発しているのに明確に中止を申し入れないのか、明確にすべきだと思います。
特に、一方では基地の整理を言いながら、また渡米をしてこの問題について訴えるということを言っておりますが、対潜作戦センターの設置に見られますように、本部補助飛行場跡地に送信所を設置する、そして那覇基地にそのセンターの本部を建設するという動きが出ておりますが、知事はこれを認めるような姿勢をとっておりますが、米軍の基地の整理縮小とは裏腹に逆に自衛隊の基地が強化されていくとなると、知事の整理縮小とは矛盾するのではないかと思うんですが、その点について知事の御見解をお聞きしたいと思います。
以上、答弁によって再質問を行いたいと思います。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 友寄議員の御質問に対しましてお答えいたします。
男女雇用機会均等法との関連で御質問がございましたが、これにつきましては商工労働部長から答弁させることにいたします。
職業訓練短期大学校の設置についての御質問に対しましてお答えいたします。
職業訓練短期大学校の設置については、御意見のとおり本県における高度な技能労働者の養成並びに雇用対策上極めて重要な意義を持つものであり、県としてはぜひ実現したいと思っております。
設置場所については、既存の事業団立の2校を含めまして調査をし、最終的には事業団が決定することとなります。
訓練科目、訓練定員については、県内のニーズを踏まえて労働省、事業団と調整してまいりたいと思います。
設置の決定を見た場合、64年度着工、66年4月開校になるものと思います。
次、地震対策について提言を含めた御質問がございましたが、お答えいたします。
地震対策が欠落しているのではないかとの御指摘でございますが、洪水、高潮、波浪等は例示であって、地震も含めた自然災害と御理解いただきたいと思います。
地震対策としては、県地域防災計画で諸対策を定め、また総合防災訓練でも必要な訓練を実施して県民の意識の高揚に努めているところでありますが、今後一層対策の充実強化を図る考えであります。その際、御提言の専門家を含めた研究会等の設置についても検討してまいりたいと思います。
保健所の整備計画、また老人福祉施設の整備状況等につきましてはそれぞれ所管の部長から答弁させることにいたします。
次、国際交流についての御質問がございましたが、お答えいたします。
韓国とタイについては、これまでも長い交流の歴史があることは御案内のとおりであります。これらの国々は、近隣アジア諸国との友好親善を深める上から重要であり、機会があれば訪問して交流を深めてまいりたいと思います。
沖縄県と中華人民共和国との問には、古くは14世紀のころから今日まで数百年にわたる長い交流の歴史があります。将来にわたる相互の友好関係促進を図るため、より一層の交流を深めていきたいと考えているところでございます。私自身の中国訪問については現在のところ考えておりませんが、近い将来訪ねてみたいと思います。
次、石垣空港の問題について御質問がございましたが、これにつきましては土木建築部長から答弁させることにいたします。
国保改革問題について、これにつきましては生活福祉部長から答弁させることにいたします。
ハリアーパッド建設についてお答えいたします。
これまで答弁しているとおり、ハリアーパッド建設は、安保条約、地位協定により合法的に提供された施設区域内における工事であり、しかも米軍はその建設はやめるわけにはいかぬというのが一貫した態度でございますので、原則的には反対できません。そのため既存の施設を含めまして全体的な見直しを求めているところであります。
次、P3C作戦センター基地の建設についてお答えいたします。
この件に関しましては、さきの代表質問で宮城健一議員に答弁したとおり部隊、機数とも現状どおりで新たな滑走路の改修工事はないことから建設の中止を申し入れる考えはございません。
私の基地整理縮小計画と矛盾しているじゃないかという御指摘がございますが、矛盾しているとは考えておりません。
○議長(志村 恵君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 中村仁勇君登壇〕
○環境保健部長(中村仁勇君) 今後の保健所の整備計画はどうなっているかということについてお答えいたします。
本県の人口が中南部地域に集中しているために当該都市地域を所管する保健所の管内人口も多い状況にございますが、県におきましては、当該都市地域の保健衛生がいささかも低下することのないように所管人口、面積、保健医療機関等の整備状況などを考慮して職員を配置しているところでございます。
今後の保健所の整備計画につきましては、大都市地域の政令市指定等も含めて、また国における保健所のあり方等検討結果を踏まえまして総合的な調整が必要であるので、諸般の情勢を見ながら今後慎重に検討したいと考えております。
○議長(志村 恵君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 平敷昌一君登壇〕
○生活福祉部長(平敷昌一君) まず、老人福祉施設の整備状況についてお答えいたします。
老人福祉施設の整備現況は、養護老人ホームが6カ所、特別養護老人ホームが33カ所、軽費老人ホームが2カ所、老人福祉センター25カ所、デイ・サービスセンター5カ所がそれぞれ整備されております。中でも特別養護老人ホームの整備は全国平均の2.4倍と高い整備率となっております。
今後の整備計画につきましては、第2次振興開発計画の最終年次までに在宅サービスを重点的に整備する予定でありまして、デイ・サービスセンターを現在の5カ所から18カ所へふやしてまいりたいと、在宅福祉を強化してまいりたいというふうに考えております。
一方、収容施設としましては離島型小規模特別養護老人ホームを中心に収容定員を800程度ふやしていく予定でございます。
次に、国保問題について5点ばかりの御質問がありましたので、順次お答えいたします。
1点目、国庫負担率の引き上げについて。
国保に対する国庫負担率は、従来、医療費の45%だったわけですけれども、59年10月の制度改正によりまして38.5%に引き下げられております。これに対しまして、これまで全国知事会、全国市町会等地方6団体から再三にわたって国庫負担率の引き上げ要請をしておりますけれども、実現しておりません。今後とも全国知事会の動向を見ながら対処していぎたいというふうに考えております。
2点目、加入者負担の割合の引き下げの件ですけれども、加入者負担割合は現在、被保険者が30%、保険者、すなわち市町村が70%という割合になっております。
国におきましては、昭和65年度からの医療保険制度の一元化に向けまして現在社会保険審議会で検討が進められておりますけれども、それによりますと、すべての医療保険について加入者負担の割合を20%に引き下げる方針であるというように聞いております。
3点目、制度改革による県、市町村の財政負担は幾らになっているか。それから赤字団体の状況ですけれども、国保改革による財政負担のまず1点目ですけれども、これは保険基盤安定制度負担金でありまして、これは低所得者の保険料軽減分を国が2分の1、県と市町村がそれぞれ4分の1ずつ負担するものでありますけれども、本県の場合、昭和63年度における負担額は県、市町村それぞれおよそ4億5200万円になると見込んでおります。
それから2つ目には、高額医療費共同事業負担金ですけれども、これは小規模保険者の保険財政安定のために高額医療費の一部をこの事業で負担しようというものでありまして、今回の改革はこの事業の規模を拡大するために要する費用の一部を県が負担するということになっておりまして、63年度における県の負担額はおよそ1億2600万になると見込んでおります。したがいまして県の負担額の合計はおよそ5億7900万、市町村の負担額はおよそ4億5300万になるというふうに見込んでおります。
なお、この負担分は、地方交付税の特例加算によりまして全額補てんされることになっております。
次に、赤字の状況ですけれども、昭和61年度決算収支によりますと赤字団体は6団体でございます。赤字総額は4億3932万となっております。一般会計からの繰り入れについては43の市町村が繰り入れを行っておりまして、その総額は18億6030万というふうになっております。
4点目、保険料の軽減世帯は幾らかということですけれども、国保加入世帯のうち、低所得者世帯については所得の程度に応じ保険料の6割または4割の軽減が行われておりますけれども、61年度末現在で本県の場合8万3872世帯が軽減されておりまして、国保加入全世帯に占める割合は42.6%というふうになっております。
最後に、収納状況と今後の改善策ですけれども、昭和61年度の県内53の市町村における保険税の収納率は89.24%になっております。全国平均が93.69%ですから、それに比べますと4.5ポイント沖縄県の場合下回っていると。もちろん全国最下位でございまして、これが国保財政を逼迫の要因にしているというふうに考えております。
収納率向上対策は、したがいまして大変急務の課題でありますので、保険税の収納率の低い市町村を中心に口座振替、それから嘱託徴収員の採用による徴収強化など収納対策について指導をいたしております。
また、特に収納率の悪い市町村については、国庫補助をいただきまして収納率向上対策特別事業もあわせて実施をいたしております。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 山城廣茂君登壇〕
○土木建築部長(山城慶茂君) 新石垣空港の建設問題につきましてお答えいたします。
まず1点目の11.9ヘクタールに漁業権が存在しており、漁業権の消滅手続をする必要があるのではないかということにつきましてお答えいたします。
さきの漁業権訴訟判決で11.9ヘクタールにつきましては漁業権が存在するとの判決があったわけでございますが、同件につきましてはこれまで県も認めてきたところであります。11.9ヘクタールにかかる公有水面埋め立てにつきましては、昭和61年4月の八重山漁業協同組合の総会におきまして同意を得ておるところであります。したがいまして埋立法の関連では新たに漁業権の消滅手続をとる必要はございません。
2番目に、IUCNの決議は尊重されるべきではないかという御質問につきましてお答えいたします。
国際自然保護連合(IUCN)が非政府問機関、すなわち民間レベルの国際機関であること等からいたしますれば、その決議が直ちに政府の政策、見解を拘束するものではないと理解しているところであります。
国際自然保護連合の決議は、アオサンゴ群生域の保全の面から決議されたものと受けとめておりまして、県といたしましては、アオサンゴ群生域の保全方については関係機関及び学識経験者の指導助言を受けながら対策を講じていく考えでございまして、環境に与える影響を極力軽微にすることは可能と考えているところであります。
また、工事中及び工事後の環境保全につきましては、最新の土木技術を最大限に駆使して対処する考えでございます。したがいまして県といたしましては、これまでの方針どおり昨年8月末に国の関係機関の理解を得ている滑走路2000メートルの現計画案で新石垣空港を建設する考えでございます。
○議長(志村 恵君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 仲里全輝君登壇〕
○商工労働部長(仲里全輝君) バスガイドの定年制問題が今クローズアップしているわけでございますが、この問題につきまして県の姿勢は弱いんではないのかと、こういう御質問と、どういう考えを持っているかという御質問にお答えしたいと思います。
この問題につきましては、御案内のとおり既に解雇無効、地位保全を求めて提訴されている状況にございます。したがいましてこの具体的な事件に対する県の姿勢とそれから会社が持っているバスガイドに対する35歳職種別定年制、これに対する考え方、分けて御理解をいただかんといかぬわけでございます。
具体的な事件として裁判に係争中の問題につきましては、行政は法的な評価をしないのが筋でございまして、これに対しましては司法の判断を見守るという立場をとっているわけでございます。
この会社が持っているバスガイドに対する職種別定年制度そのもの、これにつきましては高齢者雇用安定法及び男女雇用機会均等法の両方の趣旨からして好ましくはないと考えているところでございまして、これにつきましては職安所長名で既に定年年齢の引き上げについて要請をしておりまして、強く指導しているところでございます。来年の6月までには、今のところは会社は5年内に段階的に引き上げていくという予定をしているわけでございますが、来年の6月までには具体的に決定をして提出していただくことになっております。この提出がない場合には、これまた強い指示、指導、勧告、その他の措置が伴うわけでございますが、それに向けまして県といたしましても国の関係機関と連携を密にしまして指導を強化していきたいと考えております。
○議長(志村 恵君) 友寄信助君。
〔友寄信助君登壇〕
○友寄信助君 1点目の国際交流ですが、中国との交流については知事も機会があれば訪問してみたいということだと思いますが、ぜひ中国と沖縄との交流親善を深めると、かけ橋となるという意味でひとつ御努力を願いたいと思っております。
それと、基地の整理縮小とも関連して、今新しく自衛隊が対潜作戦センター基地をつくろうという問題。
これは政府のいわゆる第4次防、それから業務見積書による予算上の状況を見た場合に、今後18兆円をかけて防衛費を整備していく。その中心は沖縄のシーレーン防衛だということがうたわれているんです。そうしますと知事が答弁しているように、現段階でP2Jにかわるもので機数も変わらないと、部隊の編成も変わらないと、だから民間航空機の運航にも差し支えないんだというような答弁なんですが、これからどんどん強化されると思うんです。ですから、この本部補助飛行場になるかどうかまだわかりませんが、そこにそういう施設がつくられるということ、それを一つの足場にしてどんどん機能と施設が強化されるということは、もう火を見るよりも明らかだと思うんです。
ですから、やはり知事が一方では、これ以上の基地の過密は困ると。米軍の基地の整理縮小を求めていくということであるわけですから、同時にやはりそういう新たな自衛隊の基地を含めての建設をしては困るというふうな積極的な姿勢で対応すべきだと思います。
再度その点についてお聞きをしたいと思います。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 米軍基地の整理縮小の中で、今、米軍が担当している分野、これをできるだけ自衛隊に移していって本来の国防の姿に持っていくことも、これは国の政策課題として当然のことだと思うわけです。先ほど申し上げたとおり、そういうことで我が国の防衛上必要な基地でもありまするし、別に米軍の基地の整理縮小を図ることとこれと矛盾するとは考えておりません。
○議長(志村 恵君) 伊波広定君。
〔伊波広定君登壇〕
○伊波広定君 私も、これで最後の一般質問になります。16年間おつき合いをいただき、お世話になった関係者の皆さんに、この場をかりてお礼を申し上げておきます。
最初に、地域医療計画について環境保健部長の見解を求めます。
政府は、医療法を1985年に改悪しましたが、この改悪医療法は、第1に医療法人に対する監督の強化と、第2に各県ごとの地域医療計画を策定すること、第3には1人医療法人の制度化の3つの柱で構成されています。地域医療計画は、既に策定されている県と、現在検討している県との相違が出ていますが、基本的には医療法改悪の線に沿って進められているのが現状です。
厚生省は、1986年8月に地域医療計画作成指針を発表し、これに基づいて19の県でこの指針に沿って策定されております。
これら既に策定されている19の県の地域医療計画で、幾つかの問題点が出されております。
その1つは、都市部での病床数の過剰ぎみの反面、都市周辺部や過疎地域での病床数不足というパターンが一致して出されております。
第2に、都市住民にとっても過疎地域住民にとっても、実際の医療要求とかけ離れたものになっていることも指摘されております。
ですから、県の地域医療計画の策定に当たっては、地域住民や患者の要求に立って県民本位の民主的、自主的な地域医療づくりを進めなくてはならないわけです。一方的な国、行政、一部の医療機関の主導型にならないようにすることが重要であります。
そこで、沖縄県の地域医療計画の策定について質問します。
1、真に県民のための医療計画を進めるためには、審議会の委員の選出に当たっては、県民や地域の要求が反映できる立場の人が選任されなければなりません。そうなっておりますか。
2つ目には、指針では明確にされてない開業医等を含め1次医療圏をどのように計画に入れておりますか。
3つ、ベッド規制で入院待ちの患者がふえないか。また老人収容施設や中間施設などのベッド数を必要病床数に加えるとの厚生省の方針だが、医療福祉施設は、県民の要求や実情に沿ったものにする必要があると思うが、どうするおつもりですか。
4、この計画で患者や県民の負担、市町村の負担はどうなりますか、以上4点について御答弁ください。
次に、保健婦の問題です。
このことについては、2月25日の沖縄の新聞で「保健婦定数見直しへ(県内)」という見出しの記事が載っております。これに関連して質問いたします。
沖縄の保健所の歴史は、金網ごしに入ってくる伝染病からアメリカの軍人軍属の健康を守ることを第一の目的に各地につくられました。しかしながら沖縄の医療関係者を初め多くの人たちのたゆまざる努力によって、保健所は県民の健康と命を守るセンターとして、大きな役割を果たしてきました。フィラリアの制圧、結核の罹病率全国第3位からの脱却など、まさに保健婦が先頭に立って奮闘した成果であります。
沖縄県の保健婦の活動は全国的にも評価され、日本公衆衛生学会の保健所問題委員会の委員長であった小栗史郎氏は、「住民と自治」に「沖縄の駐在保健婦の活動について」との題でこう書いておられます。
現在、174名の保健婦が無医地区、僻地に駐在する125人を含め、69カ所の駐在所を拠点にしている。彼女らは地区を分担して、精神障害問題を主軸に取り組んでいるがまさに住民の生活全般の援助 者であり、急病、救急医療問題解決の第一線組織である。本土と比べ若年層が厚く、すべて沖縄県出身者であるという強みに加え、素朴さとバイタリティーを持ち前とする保健婦たちの活動は、沖縄 県保健所活動の発展の基盤のみでなく、全国の保健婦活動の推進力の役割を期待できる。
と専門家の立場から沖縄の保健婦に対して惜しみない賛辞を送っています。
雑誌「生活教育」の今年の1月号で、厚生省健康政策局長の仲村栄一氏は、この方は沖縄の出身です――NHKのインタビューで、「沖縄が本土に復帰する時、「沖縄を本土化する」と言ってたんですがね、僕は保健婦業務に関していえば逆じゃないかと思ったくらいです。本土を沖縄化したほうがいいのじゃないか」と保健所行政では沖縄に倣うべきだと言い切っておられます。保健婦を中心とする沖縄の保健所活動は、全国の模範となっているのであります。
この保健所活動をいささかも後退させてはなりません。
なぜならば、保健婦の業務として新たにB型肝炎母子感染防止事業、エイズ対策、精神保健法の改正による業務。結核にしても環境保健部の資料によると、漸次減少傾向にあるが、罹患率からみると全国に比して高い状況にあると指摘しておりますように安全域にはまだ達しておりません。
また、質問の第1でも述べました地域医療計画は、臨調にせ行革の一環として県はその立案を進めておられるが、それによってベッド数が制限される。特にその標的が65歳以上の老人の入院、その日数まで規制されることになっております。例えば脳梗塞などは1カ月以上は入院させてはならないとか、こういったような在宅患者がふえることは、これを見ても明らかです。それにがんやエイズが人類をむしばむ新しい問題として提起されている今日、保健婦の業務はますます重要となっています。保健婦の増員と保健所の増設こそが最も急を要することです。知事の御見解を求めます。
次に、文書館の建設についてお伺いいたします。
私は、これまで数回にわたって予算、決算委特別委員会においても、あるいは一般質問でもこれを取り上げ、その意義と建設の緊急性を訴えてまいりました。
沖縄における米軍占領支配の27件の期間というのは、日本民族がいまだかって経験したことのない異民族支配の歴史でした。日本現代史の重要な構成要素をなすものです。琉球政府やアメリカ民政府の資料は、かけがえのない重要な歴史の資料であることを強調してまいりました。しかしながらこの貴重な資料が空調設備どころか、大雨になれば水浸し、そうでなくても酸化による汚損の危険にさらされております。
沖縄の戦後資料については、1972年、日本科学者会議の機関紙「日本の科学者」に沖縄国際大学の安仁屋教授が「戦後資料の保存について」という論文を発表されて以来、内外の学者や専門家によって文書館の必要性が叫ばれ、マスコミもこれを大々的に取り上げるようになりました。しかしながら県は、私の質問に対し、予算がない、土地がない、法がないので制度になじまないなどと、この重要問題について取り上げようとはしませんでした。
昨年12月の国会で全会派の賛成で公文書館法が成立しました。この法律によって初めて国及び地方公共団体は、歴史資料として重要な公文書等の保存と利用に関し適切な措置を講ずる責務があることを明確にし、公文書館は、これらの文書を保存して閲覧に供し、これに関する調査研究を行う施設であると法第3条は、公文書館の任務を位置づけています。貴重な歴史の資料を放置したり、散逸したりすることは許されないのです。ですから法はなくても、法以前に県単事業で15の都道府県が文書館をつくり、3県が建設中、2県が建設計画を進めているのであります。
ただでさえ日本は、歴史資料館、文書館については大きく立ちおくれていると言われています。そのおくれている日本で既に18の都道府県が建設し、2つの県が建設の計画を進めています。その中で最も早く文書館をつくらなければならない沖縄県が計画もないとあっては、西銘知事の政治姿勢を問われる重大問題と言わねばなりません。
文書館建設について知事の御見解を求めます。
最後に、航空運賃の値下げについて知事にお伺いします。
今日、航空機による旅客輸送と貨物輸送は急激に増え、本土との往来及び沖縄本島と各離島問の輸送も航空機の占める率が多くなっていることは御承知のとおりです。離島を多く抱えている沖縄県民にとって航空機はぜいたくでなく、大衆交通機関となっています。航空機は、今や人間だけの輸送機関でなく、花卉園芸を初めとする農業や漁業にとっても重要な役割を果たしております。この大衆的な輸送機関であるべき航空機の運賃が高く、県民に大きな負担を押しつける結果となり、ひいては本県産業の振興の面でも阻害要因の一つとなっています。原油の値下がりと円高の同時進行の中で、その差益は当然利用者に還元されなければなりません。
現行の航空運賃が決められた1982年1月、原油は1バーレル34ドル、当時1ドルは270円でありました。その後、原油は毎年値下がりされ、現在18ドル、円は毎年高騰して1ドル130円です。これから見ると燃料費は約75%も下がったことになります。航空運賃に占める燃料費の割合は20%から30%ですから、その中間をとって燃料費の値下がりだけでも航空運賃を15%安くすることが可能です。しかし航空運賃の円建てとドル建ての差は、逆に円建てが高くなっているという矛盾が出ております。
東京―マニラ間を例にとると、東京で航空券を円で買うと往復で18万7500円、マニラでドルで買うと924ドルで、1ドル130円として換算すると12万120円と格安になることです。
それだけではありません。航空機が今日のように大衆化されなかったときにつくられた時代おくれの通行税は、38の有人島を抱え、本島から島々へそして本土へと航空機に頼らざるを得ない沖縄県民にとって大きな負担となっているのです。
国税事務所の資料によると、南西航空など県内航空路線の乗客が支払った通行税は一昨年1年間で実に6億7523万3000円です。
我が党は、この問題を重視して今年の1月22日に運輸大臣に対し、航空運賃の値下げを求める申し入れを行いました。次の3つの件です。
1、円高差益及び原油値下げに伴う差益などの利益を利用者に還元し運賃の大幅値下げを実現すること。
2、鉄道輸送施設がなく、離島としての条件のため航空輸送が重要性を増している沖縄の状況を配慮した特別の航空運賃値下げを図ること。
3つ目は、沖縄県民を初め航空機利用者に不当な負担を押しつけている時代おくれの通行税を廃止し、運賃値下げに免税分を加算すること。
翌23日、我が党は、知事に対しても航空運賃の値下げ推進に関する申し入れを行い、県民の生活を県内産業振興に大きなかかわりを持つこの問題について県民の立場に立って対処されるよう申し入れましたが、知事は我が党の申し入れをどう対処されたかお答えを願います。
○議議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 伊波広定議員の御質問にお答えする前に、47年6月当選されましてからこの方、4期16年間、県勢発展のために尽くされた御尽力に対しまして心から感謝を申し上げ、敬意を表する次第でございます。
二中の校庭で歴史を語り、文学を語った「広定ヤッチー」のことがきのう、きょうのように思えてならないのであります。共産党に入党されましてから全く相対立する立場になりまして、なかなか交際する機会もございませんでした。ヤッチーの朗らかさがだんだん失われて、殻に閉じこもったようなお姿を拝見いたしますと感無量でござい
ますが、どうぞこれからもますます御壮健で、私たち後輩のために各面からひとつ御指導を賜りますように御健勝をお祈り申し上げまして私の御礼のごあいさつといたします。
地域医療計画については、部長から答弁させることにいたします。
文書館の建設についてお答えいたします。
沖縄の歴史を後世に伝えるための基礎資料である廃藩置県以前及び戦前並びに戦後の沖縄関係の文書を整理、保存することは重要なことであります。そのために県立図書館において、これらの文書の整理、保存に努めているところであります。文書館の建設につきましてはぜひ必要なことであり、設置しなければならないと考え検討してまいったところでありますが、諸般の情勢からまだその実現を見るに至っていないのはまことに残念であります。公文書館法も制定されたことでありまするし、今後ともその具現に向けて努力してまいりたいと思います。
次に、航空運賃の問題について御提言がございましたが、お答えいたします。
本土―沖縄及び県内離島間の航空運賃の低減につきましては、県民負担の軽減及び地域経済の活性化を図る観点から重要な課題として取り組んでいるところであります。御指摘の通行税の廃止につきましては、61年度の税制改革の中に盛り込まれ、その動向を見守っていたところでありますが、62年5月、審議未了となり、その実現を見るに至らなかったのは御案内のとおりであります。
その後の取り組み状況といたしまして、政府初め来県される国会調査団に対し、あるいは全国知事会、また九州知事会等を通して機会あるごとに要請を行ったところでございます。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 中村仁勇君登壇〕
○環境保健部長(中村仁勇君) 地域医療計画についてお答えいたします。
国は、国民の適正な医療を確保するため、昭和60年12月に医療法の一部改正を行いまして、都道府県知事は医療計画の策定を義務づけられております。当該計画を策定するため、県では、昭和61年度から昭和62年度にかけて既存資料の総点検を初め計画策定に必要な基礎調査を実施するとともに、広く県民の意見を聴取するために必要な組織づくり等体制の整備を図ってきたところでございます。
ちなみに、調査につきましては、より客観的な科学的データを得るために140万部にわたる国保レセプト調査を初め死亡・出生先調査、医療関係資源連係に関する調査、外科系医療機能調査、腎不全患者実態調査、沖縄県生活基礎調査等の新規調査及び関係資料の総合解析を実施しております。
御質問の1点につきましてでございますが、審議会の委員は、県民や地域の要求が反映できる立場の人が選ばれているかという御質問でございますが、医療計画の編さん策定のための組織体制としましては関係行政機関として沖縄県素案作成委員会、原案を作成するための附属機関といたしまして医療を受ける側、医療を提供する側、学識経験者及び関係団体の長で構成する沖縄県保健医療協議会及び沖縄県医療審議会を設置いたしまして、広く県内各界の方々を入れまして意見を十分聞いて当該計画の策定作業を進めているところでございます。
2番目の開業医等を含む1次医療圏をどのように計画に入れているかという御質問に対してお答えいたします。
御指摘の開業医を含む1次医療圏の設定につきましては厚生省が示している医療計画作成指針に明記されておりませんが、地域住民にとって最も身近な問題であり、プライマリ・ヘルス・ケアの確保を目指すべき圏域と思料され、当該圏域の設定に当たっても医療計画の中で検討していきたいというふうに考えております。
3点、ベッド規制で入院待ちの患者がふえないか。また医療福祉施設は、県民の要求や実情に沿ったものにする必要があると思うがどうかとの御質問にお答えいたします。
必要病床数の算定に当たっては、老人ホームを初め老人保健施設は医療法に言う病院または診療所ではないので、今回の医療計画の作成における病床数の規制の対象とはなっておりません。しかしながらこれらの老人保健施設等の適正な分布につきましては、人口規模等社会情勢の変化に応じて保健医療計画の中で示唆していく考えでございます。
4につきまして、この計画で、患者や県民や市町村の負担はどうなっているかについてお答えいたします。
本県における保健医療の今後の動向としましては、人口の高齢化、医療の高度化、県民の医療に対するニーズの多様化と相まって、保健医療サービスについても量から質への転換ときめ細かな保健医療サービスが求められており、このような趣旨で今回の保健医療計画の策定がなされるので、当然、県民の医療費負担についても適正化を欠くものであってはならないというふうに考えております。
次に、保健婦の定員についてお答えいたします。
保健婦の増員についてでございますが、本県の県保健婦172名と市町村保健婦58名、これは非常勤も含めます――含めた保健婦総数を比較いたしますと、昭和61年、10万対全国平均は15.3人に対し本県は19.3と高くなっております。また市町村保健婦につぎましては、全国平均8.4に対しまして本県は4.6と低くなっています。
高齢化社会を迎え、国においても保健婦は今後大幅に増員されている状況にあり、本県においても今後ますます増大してくる地域住民の保健ニーズに対応するためには保健婦の増員が必要と思います。今後は他府県に比べてまだ少ない状況にある市町村の保健婦の設置促進について指導していきたいというふうに考えております。
次に、保健所の増設は最も急を要すると思うが、との御質問でございますが、保健所の増設につきましては大都市地域の政令市指定等も含めまして、また国における保健所のあり方等検討結果を踏まえまして総合的な調整が必要でありますので、諸般の情勢を見ながら今後慎重に検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 伊波広定君。
〔伊波広定君登壇〕
○伊波広定君 知事は、二中時代の歴史や文学を語り合ったときの「広定ヤッチー」とは違うと、残念だというふうにおっしゃっておりましたけれども、私も同じことを言いたいわけです。いわゆる文学や歴史を語り合ったときの若いころの西銘順治君の、もう面影は今なくなっているわけです。ですから私たちは、西銘県政と闘わなければならないと。私も非常に残念に思っております。
それと、環境保健部長にお尋ねしますけれども、この保健医療計画事業案作成委員会、この中で医療を受ける側の代表として沖縄県国民健康保険団体連合会事務局長が入っております。これは決して医療を受ける側の代表としては不適格じゃないかと。なぜならば国民医療保険団体連合会というのは、市町村長が会長で、健康保険を保険料金を取る側なんです。ですからそういう受ける側の代表としては不適格であるし、やはり受ける側の代表となれば本土みたいに患者同盟とか、そういうものはないわけですから、婦連とかあるいは沖青協とか、そういったような団体の代表こそがその受ける側の代表として最もふさわしいものではないかと思うわけです。
環境保健部長の御答弁を求めます。
○議長(志村 恵君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 中村仁勇君登壇〕
○環境保健部長(中村仁勇君) お答えいたします。
今おっしゃる医療を受ける側の代表として連合会の事務局長は適切でないんじゃないかとのお話でございますが、確かにいろいろと数の面で制約がございまして、他におっしゃったような婦連等から入れるのも好ましいと思っておりましたら、数の面で制約がございまして、医療を受ける代表側でございますので、一応事務局長を入れている状況でございまして、そういう状況でございます。
○議長(志村 恵君) 休憩いたします。
午後0時7分休憩
午後1時33分再開
○議長(志村 恵君) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
仲原英典君。
〔仲原英典君登壇〕
○仲原英典君 一般質問を行います。
まず、基地問題についてお尋ねいたしますが、本県には県土面積の11.3%に当たる2万5361ヘクタールの米軍基地が存在していると。先ほどは知事は、本島だけならばおおよそ20%ぐらいだろうというおっしゃり方をいたしておりましたが、まさにそのとおりで、米軍の常時使用している専用基地の約75%に当たる面積、いわゆる率で我が県の軍事基地があると。そのために沖縄の産業振興、都市形成、道路整備の上で大きな支障になっているのは御案内のとおりでございまして、また基地に起因して発生するいろいろの問題は全県民の日常生活にさまざまな影響を及ぼしておりますし、特に米軍演習あるいは訓練によって騒音、破片の被弾、それから破片の落下あるいは機関銃弾の被弾、それから催涙ガスの流入、ヘリコプターの不時着、それから漁網の切断、自然破壊、水源汚染など県民の日常生活に重大な影響を与えておりまして、県民の生存を脅かしていると言っても過言ではございません。
本県の基地は、日米安保条約及びその関連取り決めに基づいて国が条約上の義務として米軍に提供しているものではあっても、基地対策は県政の最重要課題であるし、また知事はこのたびの訪米の目的は、世界の諸般の事情といいましょうか。いろいろ軍事基地の問題について早期返還を含め基地の全面見直しをしていきたいと。これを国防総省あるいは国務省、太平洋軍司令部に要請するためのものであると答えられました。
したがいまして知事に、次の質問を行っておきたいと思っております。
自然破壊、それから水質汚染、騒音などによる生活不安、貴重な動物の危機、それから戦争への不安などにつながるハリアー基地の建設は、沖縄においては不可能であるとの認識で対処してもらいたいとこう思いますし、知事のいわゆる国防総省、国務省における交渉の中での決意をお伺いいたしておきたいとこう思います。
2番目に、普天間飛行場の撤去についても、知事はさきに移設を考えてみたいとかあるいは移設させたいとかといったような発言をいたしたことがございます。したがいまして訪米に際しては、このことも含めてお話し合いをなされるのかどうか、このことについてもお聞きをしておきたいとこのように思っております。
さらに、基地労働者の解雇問題については、先ほど御答弁がございましたんで重複しますので、要望にとどめておきたいと思います。
このことについても、突然303名でございますか、解雇をするといったようなことなど、これは沖縄の労働の問題にとっては大変厳しい問題がございましたし、現在、そのことについていろいろ交渉中であると、あるいは日本政府の中でいろいろ話し合いをしておるというふうに承っておりますけれども、このようなことがあっては、やはり基地に働く方々の生活を脅かす問題がございますので、このような突然な解雇のあり方については問題でございます。したがいまして、このことについても、このようなことが二度とないように申し入れをしていただぎたいとこのように要望いたしておきます。
次に、産業の振興についてお伺いいたします。
産業を振興し、活力ある地域社会を実現するために、地域特性を生かした産業促進による雇用の場を創出することは、県政に課された最も重要な課題であります。
知事は、昭和63年度の県政運営の所信表明に当たり、特色ある産業の振興開発と雇用の場の確保、そして基盤整備を初め水資源の開発、農業用ダム、空港及び港湾等についてその建設と整備を進めていくが、特に中城湾港新港地区の港湾建設及び埋立造成を推進し、流通加工港湾として整備していくと言及しておられますが、港湾の建設及び埋立造成の現況と今後の見通しについて質問を行います。
まず1番目に、港湾建設の進捗状況と供用開始の時期についてお答えください。
2番目に、埋立造成の現況と企業誘致の時期と見通しについていかがなものかお伺いをいたしておきたいとこう思います。
3番目に、流通加工港湾として整備するとのことであるが、フリーゾーン設置についてどのようにお考えであるか知事の御所見を承っておきたいと思います。
次に4番目に、パイナップル缶詰・果汁等の輸入自由化に対応し、果汁施設等の整備、優良品種の普及、青果用ビニールハウスの設置等生産性の向上対策を強力に推進することを力説しておられますが、パイン産業の政策的な保護について早急に対策を立てるべきと思料するものであります。県は国に対し、パイン産業の保護策案を提示し、その実行を迫るべきであると私は思うのでございますが、県の御所見をお伺いいたします。
例えばパインを学校給食のデザートとしてこれを使用せしめること。これは全国的にそのようなことを使用することを義務づけると言ったらおかしいんですけれども、そのようなことをさせるということですね。
これはパン給食が全面的に普及しましたけれども、やはりお米が余ったという時点では米飯給食を週2回行いなさいということで全国的にこれが今普及いたしております。
そのような方法だとかあるいは生乳普及のためにやはり瓶、あれは80ミリでございますかな――入りの生乳瓶を1本につき2円から3円の補助を出していくといったようなことなどがございました。そういったような方法ででも当面の対策としてできないだろうかと、このように提言もいたしておきたいとこう思います。
それから5番目に、熱帯果樹の試験研究機関の整備及び農業改良普及事業の充実強化、バイオテクノロジーの開発利用並びに未利用資源の利用化技術の開発導入を進めることも言及しておられますが、国の試験研究機関を利用して本県熱帯果樹の試験研究と農業大学及び農林高校の学徒を育成し中長期的な対策を図るべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
5番目に、産業祭りは、昭和52年度にスタートして以来11回目を迎えましたが、県産品の内外への紹介に大きな成果をおさめているものと評価するものでありますけれども、産業祭り開催の趣旨によると、生産意欲の高揚と県産品に対する意識の啓発を図り、新しい技術の開発、市場の開拓等を進め、県内外に評価される県産品づくりを目指すとともに、魅力ある観光地の形成に資することによって本県産業の振興を図るとなっているのでございますが、今回行われた、すなわち11回産業祭りの実態から改善されてしかるべきだと思われるような点があるので質問を行っていきたいと思っております。
1番目に、今回の出店数と出店による収入額は幾らか。また出店料を徴収する根拠は何か。
2点目に、出店者の出品のチェックは行われているのか。県産品以外の出品が多過ぎるとの批判があるが、推進本部の対応はどうなっておるのでしょう。
3番目に、出店料の減免措置がとられないかということでございます。
奨励品目については特段の配慮があってしかるべきであり、祭り開催の趣旨にマッチするものではないかとこう思うわけでございます。いわゆる奨励すべき第1次産業あるいは2次製品、そういったようなものなどについては、県産品で優良なものについては出店料を取らないといったようなことなどがとられないものかと思います。
さらに、開催会場の持ち回り、すなわち那覇だけでやることもこれは結構かもしれませんが、もう11回を数えました。したがいまして中部あたりの新しい運動公園もできたことでございますから、そのようなことができないだろうかと。
さらに、いわゆる今那覇の運動公園で開かれておりますけれども、やはりその会場周辺に分散して展示する方法もあろうかとこう思うわけでございます。
さらに、中部へ持ち回るといったことにつきましても、やはり運動公園を中心にした周辺に何とか分散して開催していくといったようなことなどを考えるべきであると私は思いますので、このことについてどうだろうか、知事の御所見を伺っておきたいとこう思います。
さらに次に、教育と文化の振興については、文化の振興については次に回して、教育の問題についてはこれは要望いたしておきます。
中央高校跡に新しい県立高校ができるという芽出しが予算が出ましたが、これは1次内示をしまして次に実現いたしましたが、これは関係職員の大変な努力を多とするものでございますが、なかんずく地主の方々がこれまで中央高校解散以来、大変長い間辛抱してこの土地を確保してきたわけでございますから、このことについてはやはり一日も早くすばらしい高校をつくってもらいたいとこのように申し上げておきたい。
さらに、学校給食のことについてでございますけれども、これは子供たちの健康を守るための学校給食は大切なものであります。けれども、近年、父母や教師の間からメラニン食器の有害の問題、それからポリプロピレン食器を現在使っておる給食センターもあるわけでございます。あるいは単独のところもそういったようなものがございますけれども、やはりいろいろ物議を醸しておるさなかでございます。そのことによって発がん物質が溶出するとか、あるいは視野の狭搾症、すなわちホルムアルデヒドという物質はこれはわかりやすく申し上げますと、ホルマリンで固めるわけですから、ホルマリンが溶出して視野が狭搾になる、狭まるといったようなことなども論議をされてまいりました。したがいましてこのことについても、やはり学校教育に携っておられる教育庁は調査をしていくべきだろうと思うわけでございますが、残念なことには食品衛生法の第4条化学的合成品の使用禁止を定めてあるものにこのポリ容器については何も規制されておりません。したがいましてよいとも悪いとも言えないわけでございますけれども、私もこのことについては結論を出すことはまだ早いとこう思っておりますので、ひとつこのことについてよく調査研究した上で、沖縄の将来を担う児童生徒の保健体育の向上に資するための学校給食でございますから、やはり慎重に調査をしていただきたいことを要望いたしておきます。
さらに、医療と福祉についてでございますけれども、国民健康保険について、これも先ほどいろいろございましたので要望にとどめたいとこう思っております。
国民健康保険は、高齢者や低所得者が多く、医療費は毎年10%以上の伸びを示し、そのため市町村では毎年度大幅な保険税の引き上げや一般会計からの繰り入れを余儀なくされ、保険財政は極めて厳しい現状にあります。国は、このような国民健康保険の脆弱な財政基盤の健全化を図るため、昭和59年度と61年度の2度にわたって制度改革を行ったのであるが、それにもかかわらず国民健康保険の財政事情は改善されず依然として厳しい状況にあります。
さらに今回、地方負担の導入も含む制度改革を実施しようとしているが、改革案の内容からして保険基盤の安定が図られるものとは到底考えられないのであります。被保険者の保険税負担や市町村の一般会計からの繰り入れも限度に来ていることから、保険基盤の長期安定を確立するためには、国や県の負担の増額がどうしても必要であると思います。その点の努力を強く要請するものであります。
知事、この点については、もう県民は負担の限度に来ておるとこう言っても過言ではないと思いますので、ひとつこのことについては国にも要請し、さらに県も努力をしていただきたいということを申し上げておきます。
さらに、厚生年金の額の格差についてでございますが、沖縄の厚生年金額は本土に比較して格差が生じていると。これは我が沖縄県が長期にわたり本土から行政分離され、そのために制度の発足がおくれたことによるものであるということはこれははっきりしておるわけでございますから、知事は、格差の是正についてさらに国へ働きかける
よう要望いたしておきます。
これはさきの定例会のときに、知事は、いわゆるこれ以上はどうにもならぬというようなおっしゃり方でございましたが、そういうことではなく、さらに根気強く要請をしてもらいたいと。
このことを申し上げて一応質問を終わりますけれども、答弁によってまた再質問を行います。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 仲原議員の御質問に対しましてお答えいたします。
ハリアーパッドの建設についての御質問に対しましてお答えいたします。
ハリアーパッド建設は、安保条約、地位協定により合法的に提供された施設内における工事であり、しかも米軍は、その建設はやめるわけにはいかないというのが一貫した態度でございますので、原則的には反対できるものではありません。そのため既存の施設を含めまして全体的な見直しを求めているところであります。
次、訪米に際して普天間飛行場の撤去を求めるのかという御提言がございましたが、お答えいたします。
訪米の目的は、基地内大学への県民就学の実現と護国寺梵鐘の返還に対する御礼並びに米軍基地の全面的見直しについて要請する考えであります。
御指摘の普天間飛行場の移設については、60年の訪米の際にも要請いたしましたが、地域振興開発の上で必要な施設であり、地元からの返還要望もあることからいたしまして再度要請するつもりであります。
次、産業振興についての御質問がございましたが、それにつきましてはそれぞれ所管の部長から答弁させることにいたします。
ただいま要望のありました件につきましては、前向きに検討させていただきます。
○議長(志村 恵君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 金城祐俊君登壇〕
○企画開発部長(金城祐俊君) 中城湾港建設事業の進捗状況と供用開始の時期についてお答えいたします。
中城湾港開発の第1次埋立計画は、昭和59年1月着工以来、工事は一応順調に進んでおります。
港湾整備事業といたしましては、対象船舶4万トン級の岸壁1バース、1万5000トン岸壁1バース、5000トン岸壁2バース及び2000トン岸壁3バース、合わせまして7バースの岸壁の建設とその背後の埠頭用地等の造成を計画しているところであります。そのうち2000トン岸壁3バース
につきましては昭和63年度中に完成する予定でありまして、また残りの岸壁についても現在施行中であり、65年までには完成するよう鋭意工事を進めているところであります。
63年度中に完成予定の2000トン岸壁の供用開始につきましては、64年度に処分予定の背後地の工業用地の処分時期にあわせまして検討しているところであります。
次に、埋立造成の現況と企業誘致の時期についてお答えいたします。
第1次埋立計画の180ヘクタールの埋立造成事業はおおむね順調に進んでおりまして、既に60年12月には下水処理場用地といたしまして約9ヘクタール、62年9月には住宅用地といたしまして約37ヘクタールが竣工しております。さらに63年度中には工業用地の一部、これは大体18ヘクタール程度になるものと見込んでおりますが、これが竣工する見込みになっております。
なお、残りの工業用地につきましては、65年までには埋立事業を完了する予定であります。
企業誘致の時期と見通しについてでありますが、工業用地の一部が63年度中に竣工することからいたしまして企業公募は64年度を予定しております。
なお、企業立地の見通しについてでありますが、現在、移転立地を希望している企業は四十数社に達しておりまして、その用地希望面積は計画面積をかなり上回っている状況にあります。
このようなことから、企業立地の見通しにつきましては、多少の変動はあるにいたしましてもほぼ計画どおり達成されるものと考えております。
次に、フリーゾーンの設置についてどのように考えているかの御質問についてお答えいたします。
中城湾港新港地区における自由貿易地域の設置につきましては、中城湾港開発基本計画あるいはまた沖縄振興開発の課題と展望において位置づけられているところであります。
今後、那覇地区の事業の運営状況あるいはまた企業の立地意向、また当該中城湾港新港地区における事業の進渉状況等を見きわめつつ検討してまいりたいと考えております。
○議長(志村 恵君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 仲里全輝君登壇〕
○商工労働部長(仲里全輝君) 産業祭りについての幾つかの御質問にお答え申し上げます。
まず第1点は、第11回産業祭りの出店数とその収入額及び出店料を徴収する根拠についてでございます。
第11回沖縄の産業祭りにおける出店数は430テントの中に301業者でございました。その出店料の総額は3610万9000円でございます。
沖縄の産業祭りは、社団法人沖縄県工業連合会に対し、その運営の基本的な部門を業務委託しているところでございますが、その実施に当たっては、農業団体を初めとする関係団体の協力を得て推進しているところでございます。
沖縄の産業祭りの実施に当たっては、会場設営費、広報宣伝費、警備費、電気及び水道施設工事費など多額の経費を要しているのが実情でございます。しかしながら県からの委託費だけでは産業祭りの運営は十分対応できない状況にあるので、工業連合会においては展示即売を希望する出店業者の方々には応分の経費負担をさせているところでございます。
出店料を徴収する根拠についてでございますが、工業連合会においては要項を示して、どこは幾らとランクづけをして示しているわけですが、希望者はそれを見て申し込みをするわけでございます。したがいまして強いて言うならば出店料の徴収の根拠は契約にあるということが言えます。
次に、県産品以外のものが多過ぎるという批判があるが、チェックは行っているのかということでございます。
産業祭りの出店に当たっては、県産品であることなどの出品基準を設け、出店者説明会においてもその旨を強く申し入れるとともに、会場においても出品物のチェックを行っているところでございます。
ところが、県産品であるか否かについての判断は困難な面もございます。
例えば、苗木などの場合には、外国からあるいは県外から入れて沖縄で一定期間育成していると。こういう場合に、そういう付加価値がつけられている場合に、これを県産品と見るのか見ないのか。それから土産品等におきましては県外から半製品で移入しましてあるいは輸入してこれを県内で組み立てをして完成して出品するという場合にそういう付加価値がつけられている場合に、これを県産品と見るかどうか、微妙な判断に困るような場合もございますけれども、しかし今後とも産業祭りの所期の目的に沿うよう注意を喚起してまいりたいと考えております。
次は、出店料の減免がとれないか、奨励品目については特段の配慮が必要であると、こういうことでございますが、出店料につきましてはテント設営の場所などによって幾つかのランクづけをして出店業者の希望に沿うように努力しているところでございます。県といたしましても、より合理的な出店料の設定について指導しているところでございます。
なお、特に農業青年クラブや社会福祉関係あるいは村興し関係の場合は、出店料を軽減する等の配慮をしているところでございます。しかし奨励品目についてはという御指摘でございますけれども、県産品はすべて奨励品目でございまして、その面からの特別な配慮は無理であると考えております。
沖縄総合運動公園でも開催するなど開催会場の持ち回りや、分散開催はできないかということにお答えいたします。
沖縄の産業まつりは、これまで奥武山公園で実施してまいっておりますが、会場の選定に当たりましては参観者の利便、交通の問題、会場周辺に与える影響、施設使用料や会場運営費などを総合的に検討して決定されているところでございます。会場選定については、最終的には産業祭り推進本部会議で決定されることになっておりますが、観客動員数、会場設営費、交通の利便性、会場スペースの問題などを勘案すると持ち回り開催など会場の変更は現段階では極めて困難であると考えております。
なお、会場の分散開催については、これまで第1回及び第2回に実施してまいっておりますが、参観者の利便性に欠けること、会場設営及び会場運営に多額の経費と労力を要する等問題が多く、同一会場で開催されるようになったいきさつがございます。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 久手堅憲信君登壇〕
○農林水産部長(久手堅憲信君) パイナップル対策と学校給食問題についてお答えいたします。
パイナップル缶詰・果汁の輸入自由化が実施されますと、生産及び加工両面におきまして諸外国より不利な条件下にある本県パイナップル産業は甚大な影響を受けるおそれのあることから、その対策につきましては基本的には安定した生産振興を図ることを前提とした生産合理化対策、2番目には加工企業の合理化対策、3番目には合理化目標が達成されるまでの外国産との価格差対策の3つを柱に考えているわけでございますが、御提言のありましたパイナップル缶詰の学校給食につきましては、本県におきましては年間現在約1万4000ケース使用されておりますが、本土におきましては価格面で安い外国産も使用されていること等から、今後は価格面での競争が課題と考えております。パイナップルの消費拡大は今回の自由化という環境の中で抜本的に検討する必要があり、学校給食も含めまして多様化した製品づくりと販売戦略をとっていきたいと考えております。
それから、果樹振興につきましてでございますが、ウリミバエ根絶後の熱帯果樹生産の振興を図る観点から、農業試験場名護支場におきまして既設の熱帯果樹研究室に加え、昭和62年度に果樹育種研究室を新設するとともに、台湾省嵐山熱帯園芸分所へ研究員を長期派遣する等、試験研究の推進体制の強化に努めているところでございます。
特に、熱帯果樹の育種につきましては、現在、マンゴーの炭そ病抵抗性品種や、わい性品種の育成等の研究を国立の農業生物資源研究所の放射線育種場と共同で実施しているところであります。
また、農業技術及び経営管理能力にすぐれた熱帯果樹生産の担い手育成のため62年度に農業大学校に果樹コースを新設し、あわせて農林高校での就農希望者を対象に農業大学校で短期研修を実施するなど担い手育成の確保に努めているところであります。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 仲原英典君。
〔仲原英典君登壇〕
○仲原英典君 産業祭りの件についてでありますけれども、持ち回りと言いましても、これは限定されるだろう。やはり沖縄市にございます県立総合運動場あたりは、利便性からいっても観客動員からいっても既にテスト済みでございます。そういう意味からするならば県都那覇だけではなく、向こうの方でもできないかということでございます。またテナントについてはやはり地域によっていろいろあるというんですけれども、指定をしたらさらに10万円、一律10万円の上に指定をしたらさらに10万円出さなきゃいかぬというところに問題があろうかと思うんですね。
したがいまして、そういったようなことなどを是正しなさいということです。そのことをぜひ是正していただぎたいと、このように私は申し上げて再答弁をお願いしたいと思います。
知事、ぜひ訪米の際は、ハリアーはもうアメリカで訓練したらどうかということをおっしゃってくださいよ。このことを、ぜひ県知事として、沖縄ではだめですよと、狭い所ではだめですと。どこに持っていっても民間に近いですと。またダムにも近いですと。それから自然破壊につながりますということを認識した上で向こうで発言していただきたいと、このことをお願いしておきます。
○議長(志村 恵君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 仲里全輝君登壇〕
○商工労働部長(仲里全輝君) 出店料につきましては、合理的な出店料のあり方について、これは我々ももっと関心を持って、工連あたりの指導に乗り出していきたいとこう考えておりますが、ただ、今、指定料の件がございましたけれども、一般テント8万円とかあるいは社会福祉関係6万円、農業青年クラブは4万円、村興し関係4万円とか、それから県産品マートは10万円と。これはマートの場合には工連がテントも張ってあげるわけですね。ほかの場合には自分でテントを張って使うわけです。しかし指定料といいますのは、私は向こうがいいと場所を指定して選んだ場合は、2万円上乗せして指定料を徴収するということになっております。これは、本人が望んで申し込んでそうするわけでございますから、その仕組みについては他とのバランスがございますので、やはり指定料制度というのは必要ではないかなと考えるわけであります。
それから、持ち回り会場の問題でございますが、せっかくの仲原先生の特段の御要望でございますので、今後、場所の選定会議に当たりましては一つの考え方として提案して協議してみたいと考えます。
○議長(志村 恵君) 上原亀一郎君。
〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 まず、農業問題について。62年産サトウキビ取引価格が、全体として1トン当たり560円の価格引き下げとなっています。今回の1トン当たり生産者価格は、政府が昨年10月発表した生産費に照らせば5850円の赤字です。品質取引条件整備対策費のうち、トン当たり50円が指導費として差し引かれ農家の手に渡らず、キビ価格を一層安くしていることも許されません。加えて昨年11月末に、農協中央会、分蜜糖工業会などが交わしたキビ取引条件に関する覚書は、ブリックス16度未満のキビについては1トン当たりさらに580円差し引き、その資金は品質向上対策費として工場、会社が留保、その使途については地区農協長会と協議して決めるとし、キビの品質を重視した取引、ブリックススライド制に速やかに移行することを確認、その実施の時期や方法について引き続き協議することなどを取り決めました。
このような農家の利害にかかわる重要なことが、農民の意向を聞くこともなくて了解も得ないまま一方的に強行されつつあります。
キビの品質向上のための肥培管理の改善、コスト低減のための生産合理化に農家も努力していますが、ブリックスは気象現象や土壌条件に著しく左右される面があり、農家の努力だけでは解決できません。むしろ高ブリックスの優良品種、圃場条件に見合った農業機械の開発、土壌改良、栽培技術の改良普及など行政側の努力が強く求められています。
こうした事情を無視し、ただでさえ引き下げられているキビ代から580円を差し引くことは、農民の利益と立場を全く無視したひどい仕打ちです。
また、農家がキビを自由に売る権利を奪う地域搬入制のもとで生産費も償えない安いキビ代を押しつけ、しかも科学的に正確な測定技術が確定していないブリックススライド制を導入することは、生産農家の利益にならないばかりか、キビづくりに打撃を与え、糖業の振興を妨げるだけです。
このような状況を踏まえ、我が党県委員会は、生産費を補償できるキビ価格を今後とも引き続き要求し、その実現を図ること。ハーベスターなど圃場条件に合った農業機械の開発、品種や栽培技術の改良普及などを推し進め、そのために試験研究機関を拡充強化すること。ブリックススライド制の導入をやめ、独禁法に触れる原料搬入制を廃止すること。農協中央会が管理する品質取引条件整備対策費の50円は、生産農家の搬入に応じて農家に還元すること。16度未満のキビ代からトン当たり580円を差し引くのをやめ、覚書の取り決め条項を廃棄すること。肥料、農薬、農業機械などが輸出価格や外国の価格に比べて2倍から数倍の高価となっている状況を早急に改め、農業資材の大幅値下げを推進すること、以上、6項目の趣旨に沿った措置をとるよう求めました。
いかように御検討なさいましたか。またどのような措置をとられますか、知事の御答弁を求めます。
漁業問題に移ります。
1、糸満漁港における不安定な氷の供給体制を野放しにしていることは許されるものではありません。県水産公社の当初計画どおり製氷施設をいつ着手完成しますか。
2、糸満漁協の製氷施設の建設計画については63年度予算で措置なさいますか。
3、大規模な海洋開発センターの設置について、マリノベーション構想の中で具体的にどう検討していかれますか。
次は、鉄道の導入についてです。
本土各県が在来線がある上に新幹線建設を競い合っている中で、西銘知事だけが沖縄県を大量輸送機関から締め出して交通渋滞を慢性化させ、県民の足を麻痺させています。それでもまだ鉄道導入を超長期的展望などと、よそごとみたいなことをおっしゃるのですか。交通渋滞の抜本的解決、公共交通の確立は、鉄道の導入以外にありません。いつ具体化なさいますか。
国道331号糸満バイパスに移ります。
1、昭和63年度予算で調査費は計上されておりますか。
2、沖縄地方道路整備5力年計画案で着手となっていますが、交通渋滞の現況、南部における基幹道路の不足と劣悪な車線数から照らして5力年計画期間内での完成、開通が迫られています。南部国道事務所は積極的ですが、どのようにして早期完成、開通を進めていきますか。
次は、下水道問題です。
1、昭和63年度の維持管理負担金は、市町村、米軍それぞれ幾らですか。
2、同じく建設負担金は、市町村、米軍それぞれ幾らですか。
3、維持管理負担金に対する建設負担金の割合は、市町村、米軍それぞれ何%になっていますか。
次は、水道、工業用水道問題です。
1、昭和57年度決算以降、61年度決算までの水道事業の当年度純利益の合計は幾らですか。また62年度の当年度純損失予定を差し引き、昭和63年度予算の収益的収入及び支出額の予定利益額をこれに加えると幾らになりますか。
2、昭和59年度決算以降、昭和63年度予算に至る一般会計から工業用水道事業への補助金の合計は幾らですか。
次は、電気事業振興の問題です。
1、昨年末改定された電気料金は、復帰時点の料金の何倍になっていますか。
2、沖縄電力と9電力平均の料金格差は、復帰時点と昨年末改定時点とどう変わっていますか。
3、沖縄振興開発特別措置法第5章電気事業振興のための特別措置で規定する適正な料金とは、電気事業法から見た原価主義の原則によって確保しようとしている適正な料金というにとどまらず、より広く沖縄における産業の振興、県民の福祉という立場からも適正と判断される料金と立法当時の担当者及び復帰時の担当者たちは明言していますが、沖縄県知事である西銘知事はこれを認めませんか。
4、沖縄電力株式会社の民営移行なるものは、沖縄振興開発特別措置法の心臓部を抜き去るものであり、存続期限を待たずに沖縄振興開発特別措置法を死滅させるもので、いかなる理由であれ断じて許せるものではありません。民営移行によって電気料金を引き下げることができると確約できますか。
5、沖縄電力株式会社の前身である琉球電力公社は、米国政府でさえ、その所有権は沖縄県民に帰属すると認めていたものです。県民の貴重な財産である沖縄電力株式会社の民営化は、百万言を費やしても県民を納得させることはできません。重ねて取りやめを要求し、改めて答弁を求めます。
次は、雇用失業問題です。
1、昭和60年国勢調査結果による沖縄県、福岡県の完全失業率は幾らですか。
2、昭和61年度決算による沖縄県、福岡県の失業対策事業費総額、その中の国庫支出金はそれぞれ幾らで、これを人口1人当たり額にするとそれぞれ幾らですか。
3、両県の就労実人員は幾らですか。
4、昭和63年度地方財政計画における失業対策事業費の区分別事業費とその中の国庫負担額はそれぞれ幾らですか。
最後に、沖縄振興開発特別措置法です。
1、沖縄振興開発特別措置法第5条による国の高率負担、高率補助が臨調路線にせ行革によって削減された額は、年次別に幾らで総額は幾らですか。
2、先ほども触れた沖縄振興開発特別措置法の立法当時の担当者及び復帰当時の担当者たちは、同法の提案理由に、沖縄県民への償いの心を持って事に当たるべきであるとあるように、この法律の背景には、従来の地域開発諸立法とは根本的に異なった理由が存在し、従来の各種の経過措置を上回る措置が講ぜられているのもこのためであり、このことを理解せずにはこの法律全体が理解できぬと丁寧な解説を行っていますが、当の沖縄県知事である西銘知事は、沖縄振興開発特別措置法を理解できないで高率負担、高率補助の削減を許したのですか。
冷静な御答弁を求め、県民によくわかる論戦を展開しましょう。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西錦順治君) 上原議員の御質問に対しましてお答えいたします。
農業問題、それから製氷施設について、それから海洋開発センター設置について、交通問題について、それから下水道問題について、それから水道、工業用水問題について、電気事業振興問題について、雇用失業問題について、以上8件につきましてはそれぞれ所管の部長から答弁させることにいたします。
交通問題について、なぜ鉄道を導入しないかという御提言がございましたが、お答えいたします。
鉄軌道導入については、昭和56年9月に策定された現行の沖縄県総合交通体系基本計画におきまして、超長期的展望において北部圏の成長と都市機能の成熟が広域的展開を必要とする段階で検討することといたしておるのでありますが、今日なお基本的状況に変化がないので引き続き将来の検討課題といたしたいと思います。
当面は、唯一の大量輸送機関であるバス交通の環境整備を図るなどバス交通の快適性、定時定速性の確保等について努力してまいりたいと思います。
最後に、御提言のございました沖縄振興開発特別措置法の国庫補助負担率の削減についての御質問がございましたが、お答えいたします。
国庫補助負担率の引き下げにつきましては、国の厳しい財政状況の中で内需拡大を図るため事業量の増加を図るものとして措置された面もあると理解いたしております。
沖縄振興開発特別措置法に基づく国庫補助負担率につきましては、第2次沖縄振興開発計画の諸事業を推進していく上で必要不可欠であり、また県、市町村とも財政基盤が弱いこと等からいたしまして、国庫補助負担率の引き下げがないよう国に強く要望してきたところであります。その結果、全国の引き下げ幅に比べまして本県は特段の配慮がなされております。
昭和62年度の例で申し上げますというと、全国的には2分の1を超える高率補助率につきましては国直轄事業は10%、補助事業は5%の引き下げがなされましたが、本県につきましては国直轄事業は5%、半分であります。補助事業が2.5%の引き下げで半分でございまして、緩和されております。またつぶれ地、不発弾探査及び土地区画整理事業につきましては、沖縄の特殊事情によるものとして引き下げの対象外となっております。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 久手堅憲信君登壇〕
○農林水産部長(久手堅憲信君) 糖業問題についてお答えいたします。
サトウキビ生産者価格につきましては、これまで同様、適正な農業所得を補償し、再生産が確保できる水準に設定するよう今後とも関係団体と一体となって要請していく考えであります。
試験研究機関の充実強化につきましては、63年度から農業試験場におきまして低コスト省力技術の確立という観点から機械化適応性品種の育成、機械化を前提にした肥培管理等地域の営農実態に即した栽培技術を体系化し、コスト低減を図るための試験研究に取り組む考えであります。
次に、品質を重視した取引につきましては、よい品物をつくり、よい値段で販売するというのが市場流通の原理であり、サトウキビ原料売買取引に当たっても品質を重視した取引に移行することが望ましいと考えており、そのため有機質肥料の施用による土づくり、かんがい施設の整備、防風防潮林の整備等品質向上のための条件整備を進めてまいりたいと考えております。
それから、品質取引条件整備対策費50円の農家還元についてでございますが、農協中央会は、サトウキビの品質の向上及び生産性の向上を図る観点から市町村、農協等を網羅してモデル圃場を全県的に設置し農家への啓蒙普及を図る計画でありますが、県といたしましても農業試験場、農業改良普及所を通じまして積極的に協力してまいりたいと考えております。
ブリックス16度未満の580円の差し引きにつきましては、生産者代表と製糖企業代表との間で16度未満のサトウキビをなくすという趣旨からトン当たり580円を差し引くことで合意されており、県といたしましてもサトウキビの品質向上を図る観点から評価しているところであります。
それから、農業資材の値下げにつきましてでございますが、肥料につきましては生産者販売価格が61年7月から肥料価格安定臨時措置法に基づき11.4%値下げされ、さらに62年7月から5.6%の値下げとなっております。農薬につきましても61年12月に2.25%の値下げがなされ、さらに去る12月から2.34%の値下げが行われております。
次に、糸満におきますところの製氷施設についてでございますが、糸満漁港における氷の供給は新港と旧港の両方で行われておりまして、新港につきましては水産公社が主に県外船を対象にいたしまして安定的に供給しているところであります。当分の間は、これまでどおりの方法で供給していく考えであります。旧港では民間製氷会社が地元船を対象にいたしまして氷を供給しておりますが、供給体制に不安定な面もあり、そのため糸満漁協から漁協独自の供給体制を整えたいとの要望がありますので、県といたしましては前向きに検討していきたいと考えております。
それから、マリノベーション構想でございますが、マリノベーション構想の推進に必要な漁場の利用開発や栽培漁業の振興につきましては、本県の場合、海域特性から本土の研究結果が適用しにくく独自の開発が必要とされている状況等から、御提言の海洋開発センターも含めまして試験研究機関の整備等について検討したところ、県内の水産試験場、琉球大学等の有機的連携による研究体制の確保、既設の試験研究機関の充実と普及の強化のほかに、新たに熱帯海域における総合的な水産試験研究機関設置の必要性についても提言がありました。
マリノベーション構想の内容につきましては、さきの代表質問でも答弁いたしましたとおり構想の基本的な考え方といたしまして、水産資源の維持増大及び流通システムの改善と流通基地の形成を図ることとし、まず第1点といたしまして黒潮とサンゴ礁域の生態特性を生かした海洋牧場整備とつくり育てる漁業の振興等のための開発構想、2点目に漁港の環境整備と水産文化を生かした漁港観光拠点、試験研究、普及拠点が総合的に整備された糸満漁港マリンタウン構想、3点目にサンゴ礁海域の保全と修復を図るとともに、美しい海岸海洋を活用したレクリエーション拠点等の整備開発構想の3つの柱で検討しておりまして、3月中にはまとめる予定でございます。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 山城廣茂君登壇〕
○土木建築部長(山城廣茂君) 交通問題につきまして、331号糸満バイパスの関係につきましてお答えいたします。
まず1番目に、昭和63年度予算で調査費が計上されているかということについてお答えします。
国道331号糸満バイパス――糸満市から豊見城村瀬長まででございますが――の整備につきましては、当該地域の埋立計画の進捗を踏まえながら芽出しするということで現時点で事業化は確定してないところであります。しかしながらこの区間の事業化に向けての調査は現在行われておりまして、また昭和63年度におきましても引き続き調査を行うと聞いております。
次に、5カ年計画期間内での完成、開通が迫られているが、どのようにして早期完成、開通を進めるかという御質問にお答えします。
国道331号糸満バイパスにつきましては、去る9月議会及び12月議会でもお答えしたとおりでございまして、その整備に当たっては当該地域の埋立計画と一体的に進めることが前提条件となっております。埋め立てを実施するためには土地利用計画の策定、事業主体、漁港の移転及び漁業補償等解決しなければならない問題がありますために、事業着手から完成までにはある程度の期間を要することが予想されます。したがって今後県といたしましても、条件整備を進めてこのバイパス計画が早期に整備されるよう努力していく所存でございます。
次に、下水道問題につきましてお答えします。
まず1番目の、昭和63年度の維持管理負担金は、市町村、米軍それぞれ幾らかという御質問でございますが、昭和63年度の中部流域下水道及び中城湾流域下水道の維持管理負担金に係る有収水量については、過去の汚水量の伸び率及び流域関連公共下水道の各市町村の水洗化率の動向等を勘案いたしまして6211万4000立方メートルを見込んでおるところでございまして、金額にいたしまして16億7710万円を計上しております。内訳といたしましては市町村の負担額が13億7050万円、米軍の汚水に係る維持管理負担金が3億660万円となります。
次に、2番目の問題といたしまして昭和63年度の建設負担金は、市町村、米軍それぞれ幾らかという御質問でございますが、お答えいたします。
昭和63年度の中部流域下水道及び中城湾流域下水道の建設事業に係る建設負担金につきましては、7億5700万円を計上しているところでございます。内訳といたしましては那覇処理区の市町村負担額が3億9354万5000円、また主に米軍とのかかわりのある伊佐浜処理区の市町村負担額につきましては1億4990万5000円であります。具志川処理区の市町村負担額は1億8600万円となっております。
なお、米軍の汚水に係る建設負担金は施設提供者である国から徴収することになりますが、その負担額については中部流域下水道のみでございまして、2755万円を計上しております。
次に、3番目の御質問の維持管理負担金に対する建設負担金の割合は、市町村、米軍それぞれ何%かという御質問でございますが、お答えいたします。
昭和63年度における中部流域下水道及び中城湾流域下水道の関連市町村の維持管理負担金に対する建設負担金の割合は53.2%でありまして、同じく米軍の割合は9%となっております。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 仲里全輝君登壇〕
○商工労働部長(仲里全輝君) 商工労働部所管の御質問2点ございますので、お答えいたします。
まず、電気事業振興問題についての1でございますが、昨年改定された電気料金は、復帰時点の料金の何倍となっているかと。
復帰時における沖縄電力の料金は、昭和47年9月1日付で1キロワットアワー当たり4円80銭に改定されました。その後、これまで4回にわたって料金改定が行われてまいりましたが、ことし1月1日から実施されている料金改定は、1キロワットアワー当たり22円35銭であり、これは復帰時の約4.6倍となっております。
質問2、9電力平均との料金格差はどのように推移しているかにお答えいたします。
復帰時の沖縄電力の料金改定は、先ほど申し上げましたように4円80銭でございましたが、これは本土復帰による為替レート変更により原価と料金の関係にひずみが生じたためになされたものでございました。第2回目の料金改定は昭和49年11月に行われ、9円38銭となっておりましたが、このときの改定は5配電会社吸収合併以前のものであり、経営形態及び電気供給体制の相違からこれでもって9電力平均と比較することは妥当ではないと思われます。第3回目の改定は昭和51年8月に各社一斉に実施しており、沖縄電力は15円35銭、キロワットアワー当たりでございます。9電力平均は14円9銭となっております。したがって今回の料金改定に対して沖縄電力は約1.5倍、9電力平均は約1.4倍となり、ほぼ同率となっております。
3番目の質問でございますが、沖振法で規定されている適正と判断される料金の認識について。
その解説書がそういうように解説されているということは我々も承知しております。
沖縄電力の電気料金につきましても、電気事業法第19条第2項の規定に基づいて原価主義によって定められることが大原則であり、このことは昭和58年1月20日付で瀬長亀次郎衆議院議員の質問に対しての国の公式の見解でございます。ただし、御指摘のように、政府といたしましては、沖縄において安定的かつ適正に電気の供給を行うことが重要であることにかんがみ、沖縄電力の一層の経営努力に期待するとともに、現在、種々の措置を講じ、沖縄における電気の供給コストの引き下げに努めているところでございます。これら特別措置は、沖縄における電気事業者のみに適用されるものであり、沖振法の産業の振興及び県民の福祉の精神に十分反映されていると認識しております。
問い4でございますが、民営化によって料金引き下げが確約できるかと。お答えいたします。
沖縄電力の民営化に当たっては、本土並み料金水準の確保を重要な課題として位置づけ推進しているところでございます。すなわち、昭和62年6月の第15回定時総会において資本金を2分の1に無償減資し、配当負担の軽減及び内部留保の充実が図られ、また62年度に石川石炭火力1・2号機の運開により従来の石油100%依存からの脱却、そして将来の原価変動に備えるため61年度利益処分として原価変動調整積立金の計上など長期経営安定に資するとともに、電気の適正かつ安定供給のための条件整備が促進されてまいりました。民営化後も助成措置が継続されるよう国に要請するとともに、社内の合理化に努め、本土並み料金水準の維持に努力しているところでございます。
問い5でございますが、沖振法が存続する以上、沖縄電力の民営化はやめるべきであるということにお答えいたします。
我が国の電気事業体制は、発電、送電、配電を一貫する民有民営の私企業でやる地域制の9電力会社を中心とする体制となっております。沖縄電力の設立に当たっては、復帰の際に種々の案が考えられておりましたが、最終的には本土並み電力供給を行うための基盤整備を行う目的で沖振法にその設立の根拠を置いて暫定的に国の出資を主体とした特殊法人として発足しているものでございます。
昭和56年、沖振法が延長された後においても早期に民営移行するとの国の方針に変更はなく、昭和62年12月までに7度にわたって早期民営移行についての閣議決定了解がなされていることは御案内のとおりでございます。
昭和48年11月の第1次石油危機に端を発した累積赤字の解消、62年の石川石炭火力1・2号機の運開による電源多様化など民営化の条件の整備、さらには去る1月1日から実施された料金改定によりほぼ本土並み料金水準の維持の見通しもついたことなどから、県民の期待に沿った民営化の実現に向けて鋭意努力してまいりたいと考えております。
次に、雇用失業問題についてお答え申し上げます。
昭和60年国勢調査結果による沖縄県の完全失業率は7.6%、福岡県の完全失業率は5.7%でございます。
次に、61年度決算による沖縄県、福岡県の失業対策事業費総額、そのうちの国庫支出金及び人口1人当たり額と就労実人員はそれぞれ幾らかにお答えいたします。
昭和61年度決算における失業対策事業費総額は、沖縄県約2億4656万円、福岡県約253億3231万円でございます。
そのうち、国庫支出金の額は沖縄県は約1億2800万円でございまして、福岡県の額は公表されておりませんのでわかりません。
3、人口1人当たりの失業対策事業費は沖縄県204円、福岡県5380円、国庫支出金の額は沖縄県106円、福岡県3004円となっております。
失業対策事業就労実人員は、昭和62年3月末現在、すなわち61年度末で沖縄県541人、福岡県8035人でございます。
次に、63年度地方財政計画における失業対策事業費の区分別事業費とその中の国庫負担額はそれぞれ幾らかにお答えいたします。
昭和63年度の失業対策事業費は765億1500万円で、区分事業費別では一般失業対策事業費437億6300万円、炭鉱離職者緊急就労対策事業52億800万円、産炭地域開発就労事業167億7700万円、特定地域開発就労事業107億6800万円となっております。
また、国庫負担金は、一般失業対策事業224億6100万円、炭鉱離職者緊急就労対策事業40億9300万円、産炭地域開発就労事業111億8500万円、特定地域開発就労事業55億8400万円となっております。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 企業局長。
〔企業局長 平良正夫君登壇〕
○企業局長(平良正夫君) 水道、工業用水道問題についてお答えいたします。
質間の1点は、昭和57年度決算以降、61年度決算までの水道事業の当年度純利益の合計は幾らかということに対しましてお答えいたします。
昭和57年度決算以降、61年度決算までの5力年間の損益の合計額は21億3502万548円の純利益となっております。
次に、62年度の当年度純損失予定を差し引き、63年度予算の収益的収入及び支出額の予定利益額をこれに加えると幾らになるかという質問に対しましてお答え申し上げます。
昭和62年度における当年度予定純損失1184万8000円及び昭和63年度当初予算額における63年度予定純利益4億3068万4000円を加えますと25億5385万6548円となる見込みであります。
次に、昭和59年度決算以降、昭和63年度予算に至る一般会計から工業用水道事業への補助金の合計は幾らかという御質問にお答えいたします。
工業用水道事業会計の健全化に資するための一般会計からの補助金は、昭和59年度から昭和63年度までの5力年間で昭和63年度の予定額を含めまして総額7億7467万2000円を予定しております。
○議長(志村 恵君) 上原亀一郎君。
〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 県水産公社は、漁港機能施設として昭和57年に日産15トンの製氷施設を建設する計画でした。ところが5力年を経た今日、まだ手もつけられていません。なぜですか。
西銘知事は、一昨年の2月定例会で正直に告白しました。民間の製氷会社から文句が出て延び延びになったと。
知事、これは民間企業の保護ではなくて、特定企業との癒着ではないですか。
最も基礎的な機能施設を放置してどうして漁港が機能しますか。糸満漁港は、ローカル漁港ではありません。水産業発展の先導的中核漁港で2次振計でも1つの目玉です。目玉をくり抜くようなことでどうして水産業を発展させることができますか。特定企業への理不尽な配慮で中核漁港の機能を麻痺させてはいけません。
知事は、漁民の需要にすぐ対応できる製氷施設は、すぐやっていかなければならぬ決意を新たにしていると答弁しました。今年度中に着手、完成させなければなりません。おやりになりますか。
下水道維持管理負担金に対する建設負担金の割合は市町村が53.2%と言いましたが、53.2%、いいでしょう。53.2%に対し、米軍は9%でしかない。これは何を示すものですか。
我が国の下水道使用料体系に基づいて、東京都横田基地以上に取れる使用料を下水道法に違反してまで米軍基地の使用料を大まけし、下水道財政を破綻させ、これを繕うために編み出したのが建設負担金という名で、実質的には市町村維持管理負担金を53.7%も大幅に値上げするものです。我が国の下水道使用料体系に基づき、横田基地以上の使用料20億円以上を賦課徴収するよう要求し、改めて答弁を求めます。
水道事業は、先ほど20何億円かと言いましたが、37億円です。その純利益を、当年度純利益の合計ですから――を上げ、新年度も4億円以上の利益を上げることになっています。地方公営企業法第3条経営の基本原則、「その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない」に基づき、全国平均水準以下17%以上の値下げを要求し、改めて答弁を求めます。
工業用水道事業への一般会計からの違法な補助が、やがて8億円に迫ろうとしています。地方公営企業法の経費負担の原則に基づき、適正な料金による工業用水道事業の健全な運営と中小企業育成の別途措置を求め、答弁を求めます。
沖縄電力株式会社の電気料金は、復帰時点の4.6倍とおっしゃいましたが、実際は5.45倍です。これだけ暴騰しております。9電力対比では、復帰時点では42%も、先ほどは答弁しませんでした、何のかんの言って。実際42%も安かったのが、8年前の1980年、2回にわたる大幅値上げによって逆転し、現在では13.3%も高いものとなっています。
他府県との格差を早急に是正し、自立的発展の基礎づくりをするために制定された沖縄振興開発特別措置法で電気事業振興のための特別措置、電気の適正な供給の確保も明確に規定されていながら、西銘知事がこれを貫徹できず、主張するどころか、電気料金は、電気事業法の原価主義のみで決められるみたいなことなどを、沖縄振興開発特別措置法を一顧だにしないものですから、他府県との格差は一層拡大しているではありませんか。
したがって、何よりも沖縄振興開発特別措置法の原点に立ち戻って一から出直し、沖縄電力株式会社の民営移行などという一握りの企業に売り渡し、その利益に奉仕させようとすることを直ちにやめ、まず電気料金を灯力格差をなくして9電力平均以下14%以上の値下げを要求し、改めて答弁を求めます。
完全失業率、昭和60年国勢調査結果で沖縄県は7.6%と全国で2番目の福岡県より2%近くも高いものとなっています。
しかしながら、沖縄県が失業対策事業を市町村だけに任せて、県は何もやっていないことに対し、福岡県は、昭和61年度決算で就労実人員1日当たり、県だけでも5581人を就労させ、国庫負担金141億円を得て、公表されていないとおっしゃいましたが、公表されています。141億円を得て、総事業費253億円余の失業対策事業を執行しています。その総事業費を人口1人当たりにしますと、これは失業者1人当たりではありません。人口1人当たりにいたしますと、先ほども御答弁ありました、5380円ですから、沖縄県が福岡県以上にやらなければならないんですが、福岡県並みにやっても沖縄振興開発特別措置法第38条に基づく就労事業を実施しますと、県だけで国庫負担額36億円を得て、65億円の総事業費で1日1436人を就労させることができます。市町村も現在の514人をさらに倍近くの916人にもふやして1430人就労させることができます。
昭和63年度地方財政計画でも、先ほど御答弁がありましたように国庫負担額、負担額ですよ、補助じゃないんですよ、国の責任に伴う負担なんです。433億円、総額765億円の失業対策事業費を計上しているではありませんか。
知事、あなたの最初の一番の公約ですよ。どうしてやらないのですか。お答えください。
○議長(志村 恵君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 久手堅憲信君登壇〕
○農林水産部長(久手堅憲信君) 糸満漁港におきますところの氷の供給につきましては、先ほど御説明いたしましたとおり糸満新港におきましては水産公社が責任を持って安定的な供給体制をしいているわけでございます。ですから水産公社が製氷をつくることが目的ではなくして、民間企業がつくった製氷を責任を持って需要の分を新港におきましては主に県外船を対象にして安定的に供給しているわけでございます。
ただ、旧港につきましては、今申し上げましたとおり不安定な状況もございまして、糸満漁協の方から事業としてつくりたいと、こういう要請がございますので、その件につきましては、私どもといたしましても前向きに検討していきたいとこういうわけでございます。
○議長(志村 恵君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 山城廣茂君登壇〕
○土木建築部長(山城廣茂君) お答えいたします。
昭和63年度における中部流域下水道及び中城湾流域下水道の維持管理負担金に対する建設負担金の割合は、先ほど申し上げましたように関連市町村で53.2%、同じく米軍の割合が9%となっておりますが、維持管理負担金に対する建設負担金の割合は、年度ごとに事業費の異なる処理区やそれぞれ整備率の異なっている市町村別によっても毎年大きく変動するものでございます。特に米軍基地に係る建設負担金は、中部流域下水道伊佐浜処理区における事業費の額によって増減することから、米軍の汚水と関係のない処理区の全市町村まで含めた割合を比較いたしましても実情と整合せず、次元の違うことではないかと考えるところであります。
なお、建設負担金につきましては、下水道の設計指針に基づきまして目標年次をおおむね20年後とし、目標年次における計画汚水量比で算出することもございまして、下水道の整備が進むのに伴い、維持管理負担金に対する建設負担金の割合は処理区ごとに米軍、市町村ごとに算出になる、おおむね整備率が同じになってくれば同じような値になってくる関係になっているんではないかと考えます。
○議長(志村 恵君) 上原亀一郎君。
〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 知事、今定例会は、議員にとっては任期中最後の定例会です。同時に、西銘知事にとっても10年目を迎える重要な予算議会ともなっています。
そのようなことから、私は、西銘県政10年を総括する立場から質問を進めました。西銘県政10年を総括するには、県民の命にかかわる基地問題を見れば一番はっきりするでしょう。その点については我が党の古堅議員の代表質問における非核沖縄宣言を初め多くの議員が取り上げました。したがって私は、県民の暮らしと経済にかかわる問題について、沖縄県政と県民にとって基本法とも言うべき沖縄振興開発特別措置法を基軸にして論戦を展開いたしました。
論戦の中で明らかにしましたように、県民の日常生活、産業振興の基礎をなす電気代も水代も本土より10数%も高いということでは、到底本土と太刀打ちできないことは明白です。県民所得も全国最低の根源は、まさにここにあるのです。
質問を終わるに当たり、西銘知事に対し、米軍、大企業奉仕の県政運営をやめ、沖縄振興開発特別措置法の原点に立ち戻って県民本位の県政への転換を改めて強く要求して、終わります。
○議長(志村 恵君) 休憩いたします。
午後3時2分休憩
午後3時27分再開
○議長(志村 恵君) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
渡名喜藤子君。
〔渡名喜藤子君登壇〕
○渡名喜藤子君 上原先生の後に、非常に活発になさった後にやりづらいこともありますけれども、いともしとやかにやりますので、よろしく御答弁をお願いいたします。
まず初めに、バスガイド城間佐智子さんの35歳定年反対の件につきましては、先ほどお二人の議員の方々からも質疑がございましたが、男女雇用均等法、それから職場における男女の差別撤廃などの観点から、もうぜひこれは撤回しなくちゃいけないと私たち婦人も頑張っておりますので、県の方としてもう一回その点について御答弁、御決意をお願いいたしたいと思います。
それから次に、婦人の地位の向上と婦人総合センターの早期建設について質問に入ります前に、まず63年度の厳しい予算の中、婦人の地位の向上のため国外研修婦人の翼、国内研修婦人の集い、また婦人総合センターの調査費などをことしも引き続き計上していただきまして、知事を初め関係部の皆様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。
婦人の地位の向上について、婦人の学習や活動の拠点となる婦人総合センターにつきましては、県下の婦人、各界各層の強い要望と婦人問題懇話会の提言を受け、県におきましては婦人問題解決のための沖縄行動計画、これは昭和59年決定でございますけれども、その建設をうたっております。さらに同センターの建設につきましては、その基本構想が婦人問題懇話会の昭和61年からの再提言となされ、その際知事は、国体終了後の早い時期に建設を検討する旨の回答をされておられます。また県におかれましては、その約束どおり知事は63年度予算にも調査費を再計上してくださいました。
国体終了後、各種プロジェクトがメジロ押しかと思われますが、婦人総合センターの建設は人口の半分を占める全女性の長年の夢であり、婦人問題を解決し、女性の地位向上と社会参加を促進する上で不可欠な施策であります。県下全女性が熱望する婦人総合センターの建設は県政最重要課題の一つとなっておりますが、他の事業に優先して一日も早く建設する必要があると思います。
特に昨年は、各地域の婦人リーダーの方々とともに、県が実施されました婦人国内研修婦人の集いに参加させてもらいましたが、石川県立や金沢市立の婦人会館の充実した施設内容やその活発な利用状況を見るにつけ、石川県の婦人団体のすばらしい活動にあらわれ、ますますその感を強くしておるところでございます。
また、去る2月25日に開催されました婦人団体と県政懇談会において、婦人団体の方々の熱心な要望を知事もお聞きになられたとおりでございます。
そこで、知事にお伺いします。
県においては、県内外の婦人関係施設の調査も済ませ、婦人総合センターの建設に向け具体的な検討作業を進めておられると思いますが、その進捗状況はどうなっておりますでしょうかお伺いします。
2番目に、総合福祉センター、生涯教育センター、それから青少年総合センターとの複合施設構想もあるやに聞いていますが、どのようにお考えなのかお聞きいたします。またそれらの進捗状況はどうなっておりますでしょうか。
3番目に、一日も早い建設を熱望いたしますが、県としての具体的な建設構想と年次スケジュールを示していただぎたいと思います。
婦人総合センターはとにかく全女性の悲願でありますし、西銘知事に対する県下婦人の熱いラブコールでありますので、その早期建設を再度お願いいたします。
次に、国際交流ゾーンの整備促進など国立劇場の誘致問題についてお尋ねします。
西銘知事が、国際交流を本県の重要施策として位置づけ、もろもろの実績を上げておられることは今さら申し上げるまでもございません。知事は、今会期の冒頭における提案説明におきましても、昭和63年度の施策事業7項目のうちの1つとして、「地理的条件、歴史的背景を生かした国際交流の場の形成と交流の推進」を掲げ、その施策を説明されておられます。
ところで、浦添市には知事の大きな実績の一つでございます沖縄国際センターがあり、これまで世界55の国より421人の若者たちがここで学んでおります。
この国際センターの手前に広大な空き地がございます。現在、草がぼうぼうと生えております。沖縄独特のあのすばらしい赤がわら屋根の建築、建物とは裏腹に、この土地はかつて県がセンターを設置する際、浦添市が積極的に用地を確保しそれを県が取得したもので、センター用地6万2000平米のうち、現在、センターの使用している3万3000平米を除いた残りの2万9000平米がこの土地であります。坪で申し上げますと約1万坪もございます。
県は、沖縄国際センターを誘致した際、国際交流ゾーンの整備構想案を策定され、このゾーンには沖縄東南アジア芸能劇場の設置などを含む構想を打ち出しておられます。しかしこの立派な構想とは裏腹に、現在、この県有地である残地は荒れ放題になっており、浦添市ではやむなく時々県の職員や市の職員、地域の方々を網羅して雑草を刈り取ったりして清掃しているような実情にあります。
この問題につきましては、私が62年2月の定例議会の一般質問でも申し上げました。同センターの相乗効果を持つ施設を逐次設置し、国際交流ゾーン形成に努力するという御答弁でございましたが、県はいまだに実現いたしませんので再度質問いたします。
県は、この約2万9000平米に上る残地を国際交流ゾーンとして整備していくために、現在、どのような御努力をなさっておられるのか具体的に御説明をお願いいたします。
次は、国立組踊劇場の問題でございますが、知事は同じく提案説明の中で、国立の組踊劇場の設置を促進すると述べておられます。私たち沖縄の誇るべき組踊という無形文化財を将来に向けて伝承保存していくために、国立の劇場を設置するという施策はまことに立派な施策で、全県民から称賛されるものであると考え、改めて敬意を表するものでございます。
そこで、私は、本問題に一つの提案を申し上げ、それに対する県の御見解を求めたいと思います。
先ほどの国際交流ゾーンの問題の際にも触れましたが、県は、その構想の中に東南アジアと沖縄の伝統芸能を上演する場として、国立劇場の地方版として沖縄東南アジア芸能劇場の設置をうたっておられます。私は、この構想こそは、今回の国立組踊劇場とまさにマッチするものであると考えます。
そこでこの観点から、国立組踊劇場は先ほど述べました県有地である国際センター隣の2万9000平米の残地に設置することがベストであると確信し、その立場に立ってこれからその理由を申し上げます。
第1点目は、組踊劇場と沖縄東南アジア芸能劇場を併置すれば、県民は同一場所で組踊を鑑賞できるとともに、東南アジア諸国の伝統芸能も鑑賞できるということになり、国際交流県である沖縄に最もふさわしい一石二鳥の劇場になると考えます。
2点目は、県の構想としてただいま申し上げました2つの劇場の構想があり、これを一つにまとめることによって国や県の経費が少なくて済む。しかも土地は県有地であり、土地取得の費用もかからないという経費上絶対有利な点があります。
3点目は、沖縄のような車社会では車との関係を抜きにしては設置場所の選定は考えられませんが、その点浦添市は、那覇市のような慢性的な渋滞がなく、また同地は広大な駐車場の確保も可能でございます。
次に、4点目は、この国際交流ゾーンの隣接地には組踊の創設者である玉城朝薫さんの墓所があり、同地こそはこのことからしても組踊と最もゆかりのある地であると確信するものであります。
以上述べましたことから、賢明な西銘知事といたしましては、既に浦添市こそが国立組踊劇場設置の適地であるとお決めになったことと思います。
また、同件につきましては、文化都市として自他ともに評価されております浦添市比嘉昇市長よりの要請もあったと思いますが、西銘知事の本問題に対する特段の御配慮を期待するものであります。
次に、2市1町を管轄する保健所の設置について。
保健所の設置については、保健所法に基づき人口10万人を基準に設置することになっておりますが、保健所は現在、全国で849カ所設置され、その活性化対策が計画されていることと思います。
本県における保健所につきましては、地域における公衆衛生の中に中心的機関として7つの保健所が設置され、本土復帰後も本県の特殊事情として伝染病の予防、治療を行うなど特色ある業務を推進しており、高く評価されているところでございます。特に本県の保健所機能については、保健所法に基づく法定職員とともに県民の健康管理を一元的に行うため保健婦を全県域に駐在させておられることも先進的施策であり、県民と密着した保健サービスは高く評価されております。
保健所が地域に果たす役割は、食品衛生監視、市場衛生監視、医療監視、所内健康診断、妊婦、乳幼児保健指導などとともに、昭和58年2月の老人保健法の施行に伴い成人病予防対策、県民健康づくりなど保健需要はますます高まっており、地域ニーズに適応した保健所運営が必要とされておりますが、県の策定した保健所の整備計画はどうなっておりますでしょうか。
特に人口比率で見た場合、昭和58年の厚生省資料から見ますと、九州各県におきましては福岡が人口455万に対し35の保健所、佐賀県が86万人で8の保健所、長崎が159万人で16の保健所、熊本が179万人で16の保健所が設置され、大分が122万で13カ所、宮崎は115万で10カ所、鹿児島が178万で17カ所、沖縄県は人口約120万に対してわずか7カ所のみの保健所となっております。
本県の保健所の設置状況から、他県と比較した場合、どのようにとらえておられますでしょうか。
また、本県の保健所の中には1保健所で31万人、20市町村を管轄し、さらに多くの離島を抱えることから保健所運営に苦慮しておられることが想像されますが、適正規模とお考えでしょうか。
第2次振計においても社会福祉の拡充と保健医療の確保から、保健所等保健施設の整備がうたわれておりますが、県の計画にはどのように位置づけられているのかお伺いします。
次に、昭和61年6月に浦添市、宜野湾市、西原町から、2市1町を管轄する保健所の設置についての要請がなされ、さらにことしの2月22日、再度要請がなされていると思います。
那覇保健所が那覇市の市街地再開発により移転を余儀なくされ南風原町へ移転し、名称も南部保健所と改称して3月から業務が開始されました。特にこの要請がなされている2市1町は、近年の生活圏の拡大や琉球大学、高規格道路の整備等大型プロジェクトの進展につれて密接にかかわり、一体的地域づくりの必要性は増す一方でございます。
3月からスタートする南部保健所はバスの利便性に欠け、保健所が遠くなりますと健康管理上、経済上いろいろの点でかなり住民に負担をかける結果になります。この不便を解消するためには、2市1町を管轄する保健所の設置は県政の緊急課題と思われます。2市1町の陳情の要旨のとおり浦添市に設置するのが一番適当だと思いますが、その対応について、県としてはどのようにお考えでしょうかお尋ねいたします。
どうも失礼しました。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 渡名喜議員の御質問に対しましてお答えいたします。
婦人の地位向上と婦人総合センターの早期建設についての提言がございましたが、お答えいたします。
婦人総合センターの建設につきましては、婦人問題懇話会からの提言や婦人団体からの要望を受けて、これまで他県の設置状況や運営状況等の調査を実施いたしまして施設の機能、運営等について婦人関係行政推進会議や関係機関と検討を進めてきたところであります。
現在、婦人総合センターのほか、総合福祉センター、生涯教育センター、青少年センター等関連した類似施設の設置構想もあることからいたしまして、これらの機能を兼ね備えた複合的総合施設がより効果的であるとの考え方もあり、昭和63年度中に庁内に関係機関で構成する検討委員会を設けまして、建設構想、年次的計画等を含めまして検討させ、その実現に向けて努力いたしておるところであります。
次に、国際センター隣地の利用についての御提言がございましたが、お答えいたします。
県は、沖縄国際センターを国際交流の中核施設として位置づけ、周辺地域を国際交流関連地域として形成していきたいと考えております。そのため同センターと相互に補完しつつ、相乗的効果を持つ施設は一体どういうものがあるのか、現在検討を重ねているところであります。
次、国立劇場の誘致についての御提言に対しましてお答えいたします。
国立組踊劇場の誘致につぎましては、第2次沖縄振興開発計画の後期プロジェクトに位置づけまして、復帰20周年を記念する事業として関係省庁に要請いたしているところであります。
その設置の場所についてでありますが、伝承活動や公開事業等の観点から、交通の便や周辺の環境等々もろもろの条件を考慮して決定しなければならないと考えております。そのため検討委員会等を設けまして、御提案のございました場所を含めまして検討していきたいと思います。
次、2市1町を管轄する保健所の設置についての御質問がございましたが、これにつきましては環境保健部長から答弁させることにいたします。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 中村仁勇君登壇〕
○環境保健部長(中村仁勇君) 2市1町を管轄とする保健所の設置等について、第1問が、本県の保健所の設置状況から他県と比較した場合、どのようにとらえているかという御質問にお答えいたします。
本県の保健所の設置状況を他県と比較した場合に、本県の1保健所当たり管内人口は17万1000で、全国は14万2000となっているが、本県の場合には多くの離島を抱えていることと、中南部地区に人口が集中していることなど、単純に1保健所の平均管内人口のみで他県と比較することが必ずしも適当でないというふうに考えております。本県の保健所においては他県に例のない駐在制を採用しておりますし、また各市町村に保健婦を配置するなどきめ細かな保健活動を行っております。
次に、本県の保健所には1保健所当たり31万人、20市町村(離島も含む)を管轄しているところが適正規模と考えているかという御質問にお答えいたします。
沖縄県の保健所活動は、保健婦の駐在制や所内における診療業務等他府県の保健所に見られない活動性を備えており、1保健所当たり管轄人口は多少多いとしてもそれなりの成果はこれまで上げております。しかしながら特に南部保健所は管轄人口も30万人を超えておりますし、しかも周辺離島を抱えた20市町村に及んでいることから、必ずしも適正規模とは言いがたい面もございます。所管区域の見直しを含め、今後十分検討する必要があると考えております。
次に、第2次振興開発計画における保健所等保健施設の整備について、県の計画はどのように位置づけられているか、お答えします。
保健所等保健施設の整備については、従来から保健所及び保健指導所等整備を進めてきたところでございます。第2次振興開発計画においても、保健婦駐在所を含め整備を図っていく所存でございます。
次に、浦添市、宜野湾市、西原町の2市1町を管轄する保健所の設置について陳情が提出されていると思うが、県はどのように考えているか、お答えいたします。
浦添市、宜野湾市、西原町を管轄する保健所の設置につきましては、大都市地域の政令市指定等も含めまして、また国における保健所のあり方等検討結果を踏まえまして総合的な調整が必要でございますので、諸般の情勢を見ながら今後慎重に検討したいと考えております。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 田場盛徳君。
〔田場盛徳君登壇〕
○田場盛徳君 さきに通告しました事項について一般質問を行います。
まず、国際交流ですが、知事が提案理由説明で述べられた国際交流は、ハワイ、ブラジル国のマットグロッソ州、アルゼンチンのコルドバ州の姉妹提携交流、そして韓国やタイ国との交流を深めるということでした。
韓国やタイについて先ほど御答弁がございましたが、ハワイについても県民はだれでも知っていますけれども、マットグロッソ州とかコルドバ州については名前さえわからず、どこにあるのかさえわかりません。
世界にはたくさんの国があります。またブラジルやアルゼンチンにも多くの州があるが、どういう理由やいきさつで特別にそれらの国や州が選ばれたのかお伺いしたいと思います。
次に、知事は台湾には行かれるけれども、中国との交流についてはこれまで述べられたことがなかったので中国嫌いなのかなと思っていましたが、先ほど友寄議員の質問で、将来訪問したいということで中国嫌いではないんだということを知りました。
中国は、本県にとっても一衣帯水の位置にあって、日本との国交回復がされてから15年も経過し、交流も活発になり、本県でも那覇市や浦添市などが福州市、泉州市と姉妹都市提携をして交流をしているような状況でございます。本県にとって中国は、歴史的にも古くから交流がなされ、交易、教育、文化、産業、経済、政治といろいろな技術の面の導入など深い関係を保って多くの影響を受けてきています。
今、経済団体を中心に交易もだんだん活発になり、留学生もたくさん行っております。ぜひ中国との交流も深めていただきたいと思いますが、新たな決意を伺いたい。
次に、沖縄方言の中には、中国語がそのまま日常語として使われているのがたくさんあります。ポーポーのポーというのは包むということで、我々はいつもポーポーを食べておるわけです。戦前、火事が起こるというと、最初に発見した人はホーハイホーハイと大声で叫びました。聞いた人たちはバケツをひっ提げてその火事場に、ホーハイホーハイとほかの人たちにも呼びかけながらこう行ったわけです。ホーハイというあのホーは火ということですね。中国ではホーと読むんです。ハイは上海の海で海、火の海だぞ、火事だぞというのがホーハイなんです。
このように、中国語がそのままの言葉で沖縄方言で残っているわけです。
また、生活習慣でもウヌフェーをしたり、いろいろな習慣がそのまま残っているわけです。
ところで、国際交流を進めるためにはその国の言葉、これを修得するということが非常に大事だと思いますが、現在、中国語教育ですけれども、大学ではやっておるけれども、高校以下の学校では中国語教育が皆無であると。この件についてどうお考えになっているかお伺いしたいと思います。
次に、ハリアー基地問題ですが、私は、北部訓練場を含めて沖縄内にはハリアーパッドを建設させてもよい場所というのはないと、このように考えます。
数年前に、辺野古の漁港近くにあったハリアーパッドで米軍がハリアー機の離着陸訓練をした際に私はその抗議行動に行ったわけです。大変な騒音なんですよ。これはまさに殺人的騒音といった方がぴったりなんです。辺野古の住民も大変びっくりしておりました。その挙げての反対で、その後辺野古での離着陸訓練はなされておりません。
県は、そのハリアーの騒音状況について調査したと思うが、一体どうなっているのか、これを明らかにしていただきたい。
また、安波や東村含めて旧訓練場にハリアーパッドが建設された場合、周辺住民に与える影響、そして自然環境の保全、特にその付近に生息する鳥獣にどのような影響が予測されるのか、その調査結果についてお答えを願いたい。
そして、なぜ米軍は安波に固執しているのか。あるいは北部訓練場にハリアーパッドをぜひつくろうとしているのか。知事はその意図も御存じだと思うんですが、それについてお伺いをしたいと思います。
ハリアーパッドについて、知事はこれまでの御答弁で、安波は住民地域に近い、水源に近い、貴重な鳥獣が生息しているので建設の再考を米軍、防衛施設庁に対して粘り強く要請してきたと。しかし米軍は建設を断念してはいない。それで旧施設などを含めて見直しを強く求めてきたと、これまでずっと答弁をなさってきております。そしてその中にも住民や自然環境に大きな影響があれば提供施設内でも中止変更を求めていくと言ってこられました。
やはり、県民を大事にしよう、沖縄の自然環境を大切に守っていこうと、こういうお考えに立つなら、ハリアーパッドの建設は絶対まかりなりませんと、このように表明すべきだと私は思うんです。そのような決意、決断をされたらどうか、どうでしょうかお伺いしたいと思います。
今、米軍は、三宅島に艦載機の夜間離着陸訓練場をつくってくれと日本政府に要求しております。住民は、これができるというと生活が破壊される、こういうことで身を張って反対をしています。これに対して栗原前防衛庁長官は、日米安保体制のもとで米軍によい訓練環境を提供するのは日本の責任だとこう言っておられ、そして、安保は国是だ、安保より生活が大切などという方がどうかしている、こんなことまで言っているんですね。
この考え方は、国民生活などは全く顧みなかった旧日本軍部の考え方とどこが違うのか。米軍の顔色ばかりうかがって国民の側に立たない論理の政治であり、米軍だけが大きく見えて、国民や住民生活が見えない。安保があって憲法の配慮がない政治であり、それこそ政治の無責任だと私は思うんです。知事は、どうお考えでしょうか。
栗原前防衛庁長官の発言から考えると、やはり安保容認というのは国民生活を大切にしない政治であり、憲法とは相入れないとこう思います。知事は、前に私に対して、僕も護憲論だと、しかし反安保は違うとこう言っておりましたけれども、この栗原前防衛庁長官の発言からしますと、安保容認というと、これは国民生活を大事にする憲法を守ると、これは相入れないと思うんですよ。知事のお考えを承りたいと思います。
P3C配備と対潜作戦センターの建設ですが、この問題に対する知事の御答弁は、部隊や施設の規模等、現状どおりだから反対はしないと、こういうことですが、P2JとP3Cは航続距離や装備、性能も異なります。ウェップ米海軍長官が最近日本に要求しているのは、日本のシーレーン防衛はインド洋までやるべきだとこういうふうに防衛範囲拡大をやっております。これを将来見越しての配備だと思うんですよ。
知事は、前には、那覇空港の敷地の中に弾薬庫の設置を容認をし、今回P3Cの配備、そして対潜作戦センターの建設を容認する。こうなりますと知事が那覇空港の民間専用化は県政の重要課題である、こう言われたことと逆行し、知事のなされていることは民間専用化をさせない、軍民共用を長期固定化していくための布石にしかならないとこう思うんですがね。
弾薬庫の設置やP3Cの配備、対潜戦作戦センターの設置が民間専用化を早めることになるのか、あるいは軍民共用を長期にわたって固定化するのにつながるのか、県民に納得のいく御説明をお願いしたいと思います。
知事は、機会あるごとに那覇空港の民間専用化を要請されたとこう言ってこられましたが、これに対する政府の回答はどうなっているのかお答え願いたい。
次に、今年から米国は軍備を大幅に削減をして、その肩がわりとして日本に対して次々と防衛力の増強を要求してやってきております。
先ほど言った米海軍長官のシーレーン防衛をインド洋まで拡大をする要求。そうなると新石垣空港ができても、この空港はP3Cを初めシーレーン防衛の基地となりはせぬか。
また、現下地島空港のように米軍機の軍事利用基地化される懸念がないのか。そうならない保障があるのかという懸念が県民の中に大きく出てきているわけですが、今、自衛隊の拡大、こういうことで米軍や自衛隊の軍拡火山の様相が沖縄の状況じゃないか。あのハリアーやP3C、こういう状況から考えたら、そういうふうに考えるんですが、知事の御見解を承りたい。
次に、石炭火力発電所の公害問題ですが、私がこの問題を取り上げたのは、沖配が天願川の河口近くの具志川市の宇堅海岸に土地改良をした土地を含めて7ヘクタールの陸地と海を27ヘクタール埋めて、1基15.6万キロワットの石炭火力発電所、これを2基、1991年に建設をして、93年から操業開始をするという計画があるわけなんです。
石炭は、石油よりも公害がひどい。こういうことで石炭火力発電所のある地域には、国や県によってフィルタードチャンバー方式による公害調査施設がつくられ、公害状況、空気汚染による植物生育との因果関係などが調査をされております。
本県は、61年度から石川火力発電所が操業開始をされておりますけれども、国基準のフィルタードチャンバー方式による調査研究施設がまだつくられてなくて、ほっちらかされている状況にあるんですね。
化石燃料の有害物質というのは硫黄酸化物や窒素酸化物、そして心臓疾患や肺炎、肝臓がんの原因となると言われているパラジウムあるいはイタイイタイ病の原因となるカドミウム、そして胃腸障害や水俣病などを起こしているところの水銀汚染、こういうものがあるという調査結果があるんです。
石川の火力発電所との関連か、その因果関係ははっきりわかりませんけれども、県が調査されたかどうかしらぬけれども、具志川市では、あの照間の海岸のイグサ、これの生育不良、減収というのが既に出ております。昨年あたりから、具志川市ではジャガイモが至る所不作であると、こういう現象が出てきているんですよ。
人間の生活向上のための施設が、その含有有害物質によって人間が住めないような環境をつくってはならない、こういう立場から質問をします。どうして具志川市に石炭火力発電所をつくらんといかぬのかということ。
1つは、沖縄の風向きというのは、春口から秋にかけては南東の風が多い。冬は北西の風がある。東海岸である具志川につくると、この風は、すべて人間が住んでいる方向にしか吹かないわけですよ。だから問題じゃないのか。
次に、現在の電力供給の実態はどうなっているのか。
金武発電所が61年度から操業停止をされておりますが、この理由は何なのか。
石炭発電は、石油よりもどれだけコスト安になるのか。
そして、将来の需要増に対して現有施設で対応できないのかどうか。
石炭と石油の公害発生の状況は、どうなっているのか。
県は、石川の石炭火力発電の公害物質調査をどういう方法でやったのか。結果は、どうなっているのか。
特に、水銀調査については、各都道府県にある施設、どちらも水銀調査をやってないわけですよ。この石川の火力発電ができてから、どのような方法で水銀調査、これはぜひやらんといかぬと思うんですけれどもね。やったのか、これについてお伺いしたい。
次には、コザ看護学校の存続問題ですが、これは嘉陽議員が質問されて環境保健部長は、具志川市議会や中部地区市町村長会からの決議もあって慎重に検討したいとの御答弁があるんですが、私は、これは統合すべきじゃないという立場から4点についてお伺いしたい。
1つは、コザ看護学校が創立以来、もう20年になるけれども、この間果たしてきた役割をどう評価しておられるのか。
2番目に、コザ看護学校が中部地区、北部地区の医療にどのように貢献をしてきたか。
3番目に、具志川市議会あるいは中部地区市町村長会の存続決議の内容について県はどう考えておられるのか。
4番目に、医療機関、医療従事者の養成機関がもう今都市集中の傾向にあるわけですよね。これらは地域医療の向上のためにできる限り地域分散が望ましいということ。特に看護学校についてはむしろ北部にも建設をした方が北部医療の向上にもなるとこう考えるんですけれども、県のお考えについてお聞きをし、また関連質問をしたいと思います。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 田場議員の御質問に対しましてお答えいたします。
国際交流についての御質問に対しましてお答えいたします。
ブラジルの南マットグロッソ州につきましては、昭和54年8月、ブラジル国連邦議会下院議員野村丈吾氏と在ブラジル沖縄県人会役員諸氏より、ブラジル国との友好親善関係強化のため姉妹提携について提言がございました。これを検討いたしました結果、本県出身者が活躍している南マットグロッソ州が最もふさわしいということになりまして、昭和61年4月22日、本県において姉妹提携の調印をしたところであります。
アルゼンチンのコルドバ州につきましては、昭和61年7月、日本人アルゼンチン移住100周年記念式典に出席いたしました際、現地の本県出身者の希望もあって沖縄県との姉妹提携について申し入れをしたところであります。コルドバ州の州都コルドバ市は、アルゼンチンにおける国際的な観光産業都市であり、今後、必要な調整をいたしまして双方の発展につながる姉妹提携を実現する所存でございます。
次、沖縄と中国との交流について申し上げます。
14世紀ごろから今日までの数百年間にわたる長い交流の歴史があり、現在も中国との交流は活発に行われております。
例えば、沖縄県国際交流財団による中国の産業経済視察研修のための中堅指導者の派遣、2つ目に中国関係要人を初めかりゆし大会への中国選手団の受け入れ並びに県内各機関による中国研修員の受け入れ、3つ目に九州青年の船による青少年の派遣事業等がございます。
県としては、今後とも文化、経済等各分野における交流を進めていきたいと考えております。
韓国については、近年、産業経済等の発展が目覚ましく、同国との交流は今後の県勢発展に大きく寄与するものと考えております。
タイ国については、産業、文化面における交流の歴史の深いことは御案内のとおりであります。近年はとみに花卉園芸、芸能を初め学術の分野においても交流が活発に行われてきております。ASEAN諸国との交流を進める観点からも、より一層交流を深めていく必要があると考えております。
次に、中国語の教育についての御提言がございましたが、お答えいたします。
国際交流に欠かすことのできない最も大事なことは、お互いの意思の疎通を図り、伝統と文化を正しく理解するため相互の言語に通じることであると考えております。かかる観点に立って進展する国際社会に通用する人材の育成を目指して、那覇西高校の国際人文科に中国語とスペイン語を設けております。そのほか、浦添商業の国際観光科に中国語を設けております。
今後、さらに他の高校の外国語教育にも力を入れていきたいと考えております。
次、ハリアーパッド建設について御質問がございましたが、その人体、その他に及ぼす影響についての御質問がございましたが、これにつきましては環境保健部長から答弁させることにいたします。
ハリアーパッドの建設適地は、沖縄中どこを探してもないと、強い姿勢で反対を表明しなさいという御提言がございましたが、これまでたびたび答弁しているとおりでございまして、これは提供施設区域内における工事でございまして、反対はできないのであります。そのことから米軍はその建設はやめるわけにはいかぬというのが彼らの一貫した強い態度でございますので、その既存の施設を含めまして全体的な見直しをしてくれと強く要請をいたしておるところであります。
栗原前防衛庁長官の発言についてコメントされたのでございますが、このような発言がどういう状況の中で、またどういう意図でなされたか理解いたしておりませんので、この件についてはコメントできないのをひとつお許しいただきたいと思います。
安保容認の政治は政治の無責任化で、そのような政治はやめるべきと思うがどうかと。
これは、日米安全保障条約は防衛の面のみならず、政治、経済、文化等のあらゆる分野におきまして日米友好協力関係の大きな基礎になっていると評価いたしております。戦後40年余にわたって我が国が平和と繁栄を維持しているのは、日米安保体制によるものだと理解をいたしているところであります。
次、那覇空港の民間専用化について幾度も粘り強く要請したようであるが、政府からの回答はどうなっているかという御質問に対しましてお答えいたします。
那覇空港の民間専用化は望ましいが、自衛隊の那覇空港の使用は復帰時点で運輸省と防衛庁との間で取り決められたものでございまして、これを直ちに民間専用化することは困難な状況にございます。
しかしながら、県にとりましても重要な政策課題でございますので、滑走路の増設、また専用ターミナルの恒久ターミナルの建設等々含めまして引き続き前向きに検討してまいりたいと思います。
次に、日本の軍事力増強、シーレーン防衛によって沖縄はますます自衛隊の強大な基地にされかねないではないかと。知事の考え方を伺いたいと。石垣空港もシーレーン防衛基地に利用されるのではないかと大変心配をされているわけでございますが、お答えいたします。
本県には、防衛施設の一翼をなす米軍基地の密度が高く、振興開発の上で支障を来していることから縮小整理を進めてきたところでありますが、なお、新石垣空港は、増加する航空需要に対処するための標準的なジェット化に対応した滑走路の確保を目的として建設されるものであります。したがいまして今すぐ直ちにこれがシーレーン防衛基地に利用される懸念はないと考えております。
次、那覇空港の軍民共用化の固定化、下地空港や新石垣空港の軍民共用化にならない保障があるかということでございますが、お答えいたします。
民間航空としては、自衛隊等の飛行場と分離した方が望ましいと考えておりますので、引き続き那覇飛行場の民間専用化に向けて努力するとともに、下地島空港への軍用機飛来を最小限度にとどめるよう要請してまいりたいと思います。
次に、石炭火力発電所の公害問題について約7点にわたって御質問がございましたが、それぞれ商工労働部長、それから環境保健部長から答弁をさせることにいたします。
次、コザ看護学校の存続問題について御提言がございましたが、この件につきましても環境保健部長から答弁させることにいたします。
○議長(志村 恵君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 中村仁勇君登壇〕
○環境保健部長(中村仁勇君) ハリアー機騒音の人体に及ぽす影響についてお答えいたします。
ハリアー機の騒音については、昭和53年8月にキャンプ・シュワブにおいて測定したところ、0.6キロメートルの地点で94ホン、1.6キロメートルの地点で84ホンの結果を得ております。一般的に騒音が人体に及ぽす影響は微妙で、文献によりますとストレス、循環器系等への影響があるというふうに言われております。
次に、石炭火力発電所の公害についてお答えいたします。
フィルタードチャンバー方式の試験施設を設置する考えはあるかと。
清浄な空気と通常の空気による植物の生育等比較試験施設であるフィルタードチャンバー方式の試験施設の設置につきましては、今後の大気環境中の硫黄酸化物等の監視測定結果及び大気環境のばいじん中の重金属類の測定結果の推移を見て検討していきたいというふうに考えております。
次に、石炭と石油による公害発生はどうなっているかと。
石炭火力発電所は、本県においては電力需要の増加に伴い石川市に建設され、昭和61年から運転開始されております。
県や石川市では、企業と昭和59年3月12日に環境保全協定書を締結し、発電所の事業活動に伴って生ずる公害の防止に関する指導、規制等を行うことにより、公害を未然に防止し、地域住民の健康保持及び環境の保全に努めているところでございます。
県は、工場等からのばい煙による大気環境への影響を把握するため硫黄酸化物、二酸化窒素等について、現在、17測定局において常時監視測定を行っております。その結果によると、石炭火力発電所の運転開始前の昭和59年度と開始後の昭和61年度における最大着地点と考えられるコザ保健所での硫黄酸化物の測定値は、環境基準値の0.04ppm以下に対し、それぞれ0.003ppm、0.002ppmで、また二酸化窒素は環境基準値の0.04ppm以下に対し、いずれも0.007ppmで特に有意差はなく、また環境基準値を超えたことはございません。
次に、県は、石川石炭火力発電所の公害物質調査をどういう方法でやったか、結果はどうなっているかに対しお答えいたします。
県は、発電所からのばい煙による大気環境への影響を把握するため、発電所周辺における大気環境のばいじん中のカドミウム、鉛等重金属類について測定しているが、バックグラウンド値と特に有意差はございません。
次に、水銀調査の必要があるが、どんな計画をしているか、お答えいたします。
石炭火力発電所は、全国で北海道、宮城県等24地点に建設されていますが、大気環境中の水銀については現在どの都道府県でも測定していないので、このことについては今後の検討課題といたしまして、発電所周辺の環境保全になお一層努めていきたいというふうに考えております。
次に、コザ看護学校の存置問題につきまして、昨日の嘉陽議員にも答弁いたしましたが、両看護学校とも老朽化の進行がひどくて早急に整備する必要があると考えておりますが、田場議員の先ほどの御質問のコザ看護学校が創立以来今日まで果たしてきた役割についてどう評価しているかということでございますが、コザ看護学校の役割につきましては、戦後間もない昭和21年の創立以来2267名の卒業生を出しておりまして、県立病院等公的医療機関を初め全県下で県民の保健医療の確保に貢献していることは御案内のとおりでございまして、高く評価しております。
2番目に、コザ看護学校が中部地区、北部地区の医療にどのように貢献してきたかについてお答えします。
同校の63年度の入学生の地域別の状況は、北部出身9%、中部出身が47%、南部35%、宮古7%、八重山2%となっておりまして、卒業後も中部地区はもとより離島も含めて県下一円で活躍いたしております。
次に、具志川市議会、中部地区市町村長会の存続決議を県はどう考えているかということにお答えいたします。
具志川市議会、中部市町村長会等からのコザ看護学校の強い存続の要望につきましては、既に昨日御説明いたしましたが、ただいま御指摘のあったことなどを踏まえまして今後慎重に検討していきたいと考えております。
4番目に、医療機関は都市集中傾向にある、各地域の分散配置が望ましい、看護学校についてはむしろ北部にも建設してはどうかという御質問にお答えいたします。
61年度の看護婦等の養成は508名を数えていますが、養成機関の地域分散につきましては現在の国立、県立、民間立を含めた看護婦等の養成は、中長期的に見れば県内の医療機関の需要にこたえられるだけの供給体制は既に確立されていると考えております。
ちなみに、御指摘の北部地区には国立療養所沖縄愛楽園附属准看護学校がありまして、同地域への新たな養成所の設置は現在のところ考えておりません。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 仲里全輝君登壇〕
○商工労働部長(仲里全輝君) 沖縄電力の石炭火力発電所の問題についてお答えいたします。
第1点は、なぜ具志川市に建設するのかという質問にお答えします。
新規発電所の立地場所につきましては、沖縄電力におきまして昭和61年度以降、10数カ所を候補地に挙げ、自然条件、地形、海岸の形状など立地条件を調査検討してきております。
その結果、次の理由から具志川地点が最も有力な候補地となっているようでございます。
1つ、付近海域は必要水深が確保でき、燃料の受け入れが容易であること。2、地形的に発電所や灰捨て場のレイアウトが容易であること。3、送電線が既設変電所に容易に接続できること。4、近傍を工業用水ルートが走っており、用水が得やすいことなどの理由に加えて、地元自治体が誘致に積極的であることによるとされております。
現在の発電施設の供給実態について。
沖縄本島の火力発電設備は、昭和63年2月現在で認可出力合計111万1000キロワット、発電所内で使用される分を除いて送られる電力は103万9000キロワットでございます。
金武発電所の操業停止している理由について。
金武火力発電所は、昭和40年7月に営業運転を開始し、以来21年余を経過したため設備の老朽化に加え主要機器が米国製で補修に伴う部品等の調達が困難であること。また設備容量が小さく熱効率が低く、発電コストが他の設備に比べ相当割高となることなどの理由により、石川石炭火力発電所の1号機の営業運転開始を契機に昭和61年11月で廃止し、設備が除去されております。
石炭火力発電は、石油に比べてどれだけコスト減か。
昭和62年度運転開始ベースで各電源別に資源エネルギー庁が建設単価及び発電原価を試算したモデルプラント資料によりますと、発電原価は安い順に原子力、石炭火力、石油火力、LNG火力及び一般水力の順となっており、石炭火力発電は石油に比べてキロワットアワー当たり1円ないし2円のコスト安となっております。
将来の需要増に対して現在ある施設で対応できないかにお答えいたします。
県経済の発展に伴い電力需要の伸びも目覚ましく、沖縄電力の長期需要予測によりますと、昭和68年度には沖縄本島における最大電力は94万3000キロワットになるものと予想されております。これに対し、63年2月現在の供給力は103万9400キロワットでございまして、電力の安定供給を図るための供給予備力を昭和68年度には下回ることから新規電源の開発は必要不可欠でございます。
なお、公害の問題につきましては環境保健部長がお答えしたとおりでございますが、新規電源の開発を推進する立場から、新規装置を駆使して建設していただきまして、どこに建設するにいたしましても公害の発生のないように指導をしていきたいと考えます。
○田場盛徳君 答弁漏れです。
○議長(志村 恵君) 休憩いたします。
午後4時33分休憩
午後4時34分再開
○議長(志村 恵君) 再開いたします。
田場盛徳君。
〔田場盛徳君登壇〕
○田場盛徳君 私、これは、ハリアーというものはこれは海兵隊との共同訓練なんですよ。海兵隊の行動を上から助けていくと。そういうために海兵隊が北部におりますから、そこでの、特に山岳地帯における海兵隊との連携訓練、これをやると、こういうのが大きなねらいなんです。特に海兵隊がゲリラ訓練のできる場所というのは北部の山岳地帯ですから、だからそこに必ずつくろうと。
知事は、伊江島はどうかと言うけれども、伊江島へは絶対行きませんよ。提供しますよと、歓迎しますと言ったって、向こうではやりません。これは必ず海兵隊と共同訓練でなくちゃいかぬものだから、それで向こうにつくろうとする。
先ほど、環境保健部長が公害について言いましたけれども、これは北部では適当な場所ないんです、あの爆音の状況からして。1キロ以内はどうとか、こう言われるけれども、あの爆音というのはこれはただものじゃないんですよ。それがある場合に近くに行けば、こんなにひどかったのかということはわかるけれども、僕はもう右の耳だめにされたんですが、それぐらいひどい。だからそこに地元も反対する、そういう所にぜひつくろうというそういう考えを持つ役人というものは、この役人は国民の生命を大事にしよう、国民生活の安全と自然環境の保全をしていこうという、こういう国民を大切にする心の欠落した欠陥人間だと、欠陥役人だと、こう思いますよ。
栗原前防衛庁長官の発言、どういう関連で言ったかわからぬということで御答弁がなかったわけですから、あれは、政府の方は機動隊も導入してつくろうと、測量もしようとした。体を張ってやった。生活が破壊される。だから安保があるのに、安保より生活が大事だというのが考え方がおかしいと、こういうことなんですよね。これこそ、これは欠陥役人。もう全く今の憲法というものを、国民生活を大事にするという、あるいは自然環境を大事にしようと、こういう考えはないわけですよ。
それで知事、知事はいわゆる提供施設内は反対できないとこう言っておられるけれども、知事が提供したわけじゃないんですよ。それだのになぜそこにつくることが反対できないのかわからぬですよ、県民は。そこをひとつ述べてください。知事が提供したわけじゃないから、反対はできるでしょう。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) このハリアーパッド建設の問題は、国とアメリカとの中で取り決められるべき問題であって、知事本来の権限に属するものではないわけであります。
しかしながら、提供された施設区域内における工事でございましても、県民に重大な生活上の影響がある場合には、私もこれは反対せざるを得ないわけであります。そういうことで御理解いただきたいと思います。
○議長(志村 恵君) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで終了いたしました。
次会は、明4日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これもって散会いたします。
午後4時37分散会
前発言
次発言
19880205000010