平成 4年(1992年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 10月12日
第 7号 10月12日
 

議 事 の 概 要
平成4年10月12日(月曜日)
午前10時開議
日程第1 政治改革の早期実現・佐川急便疑惑の徹底解明を求める決議
日程第2 金丸信衆議院議員の辞職を求め政治倫理の確立に関する決議
午前10時16分散会

○議長(儀間光男君) 10月6日の会議において本日は休会とすることに議決されましたが、議事の都合により特に会議を開きます。
○議長(儀間光男君) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 10月8日の会議において設置されました新石垣空港対策特別委員会の委員長から、同日の委員会において委員長に伊集盛元君、副委員長に上原賢一君を互選したとの報告がありました。
 次に、10月9日、仲松昌彦君外25人から、議員提出議案第2号政治改革の早期実現・佐川急便疑惑の徹底解明を求める決議及び平良長政君外20人から、議員提出議案第3号金丸信衆議院議員の辞職を求め政治倫理の確立に関する決議の提出がありました。
○議長(儀間光男君) この際、日程第1 議員提出議案第2号 政治改革の早期実現・佐川急便疑惑の徹底解明を求める決議及び日程第2 議員提出議案第3号 金丸信衆議院議員の辞職を求め政治倫理の確立に関する決議を一括議題といたします。
 まず、議員提出議案第2号について提出者から提案理由の説明を求めます。
 仲松昌彦君。
   〔仲松昌彦君登壇〕
○仲松昌彦君 おはようございます。
 ただいま議題となりました議員提出議案第2号政治改革の早期実現・佐川急便疑惑の徹底解明を求める決議について、提出者を代表いたしまして提案理由の説明を申し上げます。
 ロッキード疑惑、リクルート疑惑、そして共和事件に続きまして今回またしても佐川急便事件疑惑が発生いたしましたことは、まことに遺憾のきわみであります。このように相次ぐ政界の不祥事は国民の政治に対する信頼を失わしめるだけでなく、国家社会の秩序や法に対する国民の忠誠心を鈍麻させ、ひいては人心の混乱、民主主義秩序の崩壊につながりかねない極めて重大な問題であると考えます。
 政治の安定、進展というものは、主権者たる国民の信頼と共感なくしてその実現を見ることはできません。法の支配の原理原則が機能しない社会で公平、公正を実現できないことは理の当然であり、法の支配のもと、与えられた権力を適切に行使し、公平、公正を実現することこそ政治家の最大の使命であると考えます。
 この際、政治の衝にある者、いま一度国民の心情を理解するという政治の原点に立ち返って、襟を正し、みずからの深い自覚のもとで国民の信頼回復のため最大限の努力をしなければならないと考えます。
 今回の佐川事件は、政界の暗部を露呈したこれまでにない最大の不祥事であり、それだけに国民や地方議会の政治不信ももう極に達しているというふうに言っても過言ではないと思います。それゆえに、これにこたえる対応を真剣に考えなければならないと思うものであります。
 国民の要求は、この事件を契機に政治改革を断行せよと、この一言に尽きると思います。モラルの確立こそが強く求められているのであります。その象徴的事件というふうにこの事件を受けとめまして、政治とその関連諸制度をこの際抜本的に改正する必要に迫られていると思います。政治資金の規制あるいは罰則の強化は当然のこととして、しかしなぜ政治及び選挙に金がかかるのか、政治家個人、政党の存亡にかかわる問題だからといって制度改革に手心を加えてはなりません。この際、大改革に取り組むべきだと考えます。
 なお、疑惑の持たれている政治家に対する責任云々の問題につきましては、疑惑解明を進める中で当然その特定の政治家の判断に基づいて処理されるものと思います。
 それでは決議案を朗読いたします。
   〔政治改革の早期実現・佐川急便疑惑の徹底解明を求める決議朗読〕
 以上のとおりでございますので、どうぞひとつ御賛同賜りますようよろしくお願いいたします。
○議長(儀間光男君) これより議員提出議案第2号に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(儀間光男君) 質疑なしと認めます。
 これをもって議員提出議案第2号に対する質疑を終結いたします。
 次に、議員提出議案第3号について提出者から提案理由の説明を求めます。
 平良長政君。
   〔平良長政君登壇〕
○平良長政君 ただいま議題となりました議員提出議案第3号について、提出者を代表いたしまして提案理由の御説明を申し上げます。
 今、日本国中が激しく怒っております。言うまでもなく佐川急便スキャンダル、相次ぐ政治腐敗に対してであります。
 金丸信自民党前副総裁が佐川急便からの5億円の献金授受を認めながら、出頭命令を拒否し、取り調べも行われず、上申書を出して略式起訴による20万円の罰金で済まし、議員も続けようとしているからであります。金子前新潟県知事が1億円をめぐる政治資金規正法で正式起訴となり、職を辞したことと比較しただけでも、法のもとにすべての国民が平等である法治国家の原則が犯されております。さすがに検察庁内部からも今回の東京地検の略式起訴に対し、国民の知りたいことを尋問しないのは重大な任務背反になる、特別な人を特別に扱うのは司法の世界では絶対にあってはならぬこととの批判の声も上がっており、国民の検察に対する不信感も生み出されております。
 5億円の政治資金としての使途が不明であるなら、これは個人所得であり、脱税事件ともなりかねません。金丸氏に出頭を求め、佐川献金が分配された60人余の議員名と金額など全容を解明すべきであります。
 さらにもう1つ重要なことは、この佐川事件を通じて明らかになったこと、すなわち政府・自民党の重要な政治局面に金丸氏を通じて右翼暴力団が深く関与していたことであります。広域暴力団稲川会の力をかりて竹下内閣が誕生し、浜田幸一予算委員長の辞任が実現したなどの事実は、民主政治とはほど遠い日本政治権力の暗部を初めて明るみに出しました。暴力団や佐川急便に負った重いかりはどのような形で返されたのか、スキャンダルのやみは底知れぬ深さを見せております。
 このような金丸氏の行動、自民党中枢と右翼暴力団との深いかかわりは、政治に対する国民の信頼を失わせ、国際的信用をも大きく失墜させました。
 佐川事件とそれを放置する自民党中央への怒りは、今や日本列島に渦巻き、全国各地の地方議会でも佐川事件の徹底究明、政治改革の実現、金丸辞職を求める議会決議や意見書の採択が相次いでおります。真相解明や政治改革に本気で立ち上がろうとしない中央政治に対する自民党や保守系議員も含めての地方の怒り、痛烈な突き上げであります。宮崎県議会は、政治倫理の確立に関する決議を全会一致で採択しましたが、その中で、政治家と暴力団とのかかわりまで表面化し国民の憤りと政治に対する失望ははかり知れないと暴力団問題にも触れております。
 この件に関して、警察幹部からも批判が出てまいりました。福岡県警の幹部が金丸氏の実名を挙げて、政界の大物が暴力団に頭を下げた、第一線で暴力団根絶に取り組む我々刑事の気持ちがわからないのか、絶対に許されない行為と激しく批判したことも報道されております。
 さて、日本新党の細川代表は10月6日の記者会見で、金丸氏は法の尊厳をおとしめ、政治不信を招いた責任をとって速やかに議員を辞職すべきとの見解を表明し、さらに金丸氏の問題を避けたままで提案されるいかなる政治改革案も建前だけの偽善策とならざるを得ないと述べております。
 自民党中央でも若手を中心に議員辞職を求める声が上がっております。
 自民党県連の幹事長へのアンケートでは、青森、神奈川、長野、山口、大分、宮崎の6人が金丸氏の議員辞職を明確に求めているようであります。
 もちろん、最近だけでもロッキード、リクルート、共和、佐川と続いた一連のスキャンダルは構造汚職の氷山の一角とも言われており、ひとり金丸氏がやめれば済む問題ではありませんが、金丸氏の議員辞職は国民の政治への信頼を回復し、抜本的政治改革の入り口であることは明らかであります。

 以上、国民の政治への信頼と負託にこたえるため、疑惑の持たれている金丸信衆議院議員の辞職とあわせて政治倫理の早急な確立を行うよう強く要望するため本議案を提出いたしました。
 それでは決議案を朗読いたします。
   〔金丸信衆議院議員の辞職を求め政治倫理の確立に関する決議朗読〕
 以上であります。
 議員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
○議長(儀間光男君) これより議員提出議案第3号に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(儀間光男君) 質疑なしと認めます。
 これをもって議員提出議案第3号に対する質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第2号及び第3号は、総務企画委員会に付託いたします。
○議長(儀間光男君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 次会は、10月14日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午前10時16分散会

 
19920307000010