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昭和60年(1985年) 第 7回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 7月 5日
第 3号 7月 5日
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議 事 の 概 要
昭和60年7月5日(金曜日)
午前10時3分開議
日程第1 一般質問
日程第2 乙第1号議案から乙第10号議案まで(質疑)
一般質問及び質疑
1 吉田 光正君(無所属)
2 本盛 茂君(社大党)
3 嘉陽 宗儀君(共産党)
4 田場 盛徳君(社会党)
5 上原亀一郎君(共産党)
6 石川 修君(社大党)
7 白保 台一君(公明党)
8 仲原 英典君(社大党)
午後4時35分散会
○議長(志村 恵君) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた公安委員会委員長安座間喜徳君は、別用務のため本日及び明日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日の会議に公安委員会委員瀬長浩君、明日の会議に公安委員会委員照屋盛通君の出席を求めました。
○議長(志村 恵君) 日程第1及び日程第2を一括しこれより直ちに一般質問を行い、乙第1号議案から乙第10号議案までを議題とし質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
吉田光正君。
〔吉田光正君登壇〕
○吉田光正君 本員は、既に通告いたしました事項について、意見を織りまぜながら質問いたします。
まず最初に、第1次産業振興の一端についてでございますが、農業改良助長法に基づく農業普及事業を推進している各地域の普及員は、農業の振興と農家生活の向上を目指して日夜活動していることを評価すると同時に、第2次振興開発計画においても本県の農業は沖縄の持つ地域特性を生かし、今後飛躍的に発展する可能性がある昨今、地域が求めている高率的農業の振興手段としての普及事業はますます重要視されねばならないし、また農業を取り巻く各面の市場動向等の情報や技術指導あるいは後継者の育成状況等の把握のため、先月、北部改良普及所管内の活動状況を見てまいりましたが、管内の普及員は、先刻も述べましたように広い地域をまたにかけてよく頑張っていることに敬意を表します。
大宜味に普及所の支所がございますが、この支所は、旧大宜味村役場の建物を借用しており、余談になりますけれども、この建物は、沖縄のコンクリート建築の父と言われ、去る7月1日、熊本市で亡くなられた清村勉さんの手になる歴史的に注目されている建物であります。また大宜味村においても社会教育面でその建物を活用したいとの意向でございます。そこで支所の新築が当面急務とされておりますが、北部3村も農業青年が逐年定着し、支所と地域の結びつきも極めて緊密であり、その指導に大きな期待をかけております。普及員が落ちついて普及活動をするには、その拠点の支所を早急に整備することが緊要かと思料いたします。
そこでお伺いいたしますが、大宜味支所の新築整備に対する県の取り組みについて、現在どのような計画がなされているかお伺いいたします。
次に、去る4月18日、北部農業青年クラブの総会において、農業青年と長い時間、懇談の機会を得ましたが、農業青年たちのやる意欲が大変大きく、話を聞いておっても大変力強く、頼もしく感じましたが、その中で、県がこれまで農村青年集団活動を助長する施策の一環として沖縄県農業青年クラブ連絡協議会に交付してきた補助金を昭和60年度は打ち切ったことで、このことは農業後継者育成対策の後退ではないかとの不満が出ており、その復活方を強く要望しておりました。
そこで県におかれては、農業青年に自信と誇りを持たす意味合いからも、さらにはまた後継者育成として当面とられているもろもろの制度があろうかと思いますが、その制度あるいは現になされている施策あるいは今後推進すべき具体的方策等についてお示しいただきたい。
次に、北部地域におけるバス問題について若干触れてみたいと思います。
去る5月中旬、琉球、沖縄両バス統合による北部支線運行のための新会社設立案が報道され、関係地域に大きな衝撃波として広がりましたが、同案はつまるところ、不採算路線を切り捨てることであり、地域振興にも重大な影響を及ぼすことは論をまちません。赤字の北部支線を切り離して、琉球バスと沖縄バス統合による新会社を設立するという両社の案は、私たち利用者には余りにも唐突として出てきた感じを持つものであります。なぜなら県の方針は2社集約であり、当面はその第1段階として西銘知事の提言で取り組まれている琉球バスと那覇交通の合併がどのように具体化するかが焦点となっていたからであります。赤字の特定地域を切り離すなどといった話は全く聞いておりません。北部支線切り離しのねらいは、政府の過疎対策補助金を引き出していくための体制づくりであると言われ、去る5月14日付琉球バス、沖縄バスの両社長名で送った関係市町村への協力依頼でもそのことが挙げられています。北部市町村長会は、この会社案にいち早く反対を表明し、関係当局に要請行動をとり、また北部の関係高校においては早速きめ細かい利用状況の調査をなし、去る6月11日、校長、教頭連絡会を持って対処策を練っております。
北部7校の登校時のバス利用状況の実態調査によりますと、在籍3831名の40%に当たる1535人が登校時、7時30分から8時30分、下校時、16時30分から20時30分の時間帯に利用しており、会社の案によると次のような問題点が考えられます。
登下校の足の確保と安全確保の困難性。2番目に、日々のクラブ活動や学校行事に大きな支障が考えられる。遅刻生の増加の懸念、オートバイ、タクシー利用者の増。遠方よりの自宅通学者が減少し、特に職業高校の生徒数の減、すなわち応募者の減をさらに深めていく等、大きな影響を与える。そのほかに小中学校生、一般の利用者、特に高齢者がこのことについて心配をしております。
関係市町村の早い反対行動あるいは交通労組の反対、世論の支持や関係当局の支持が得られないと判断した会社は、この新会社案の白紙撤回をして一応けりがついております。しかし地域の人々は、琉球バス、那覇交通の合併が実現されたら、その後またぞろ問題が再燃するのではないかと懸念する向きもあります。
そこで伺いますが、県は、過疎地域振興の大きな柱として交通通信網整備が重点策として挙げられているように、今後とも過疎地域の交通網整備に逆行するようなことのないよう、特に公共交通の整備に対し万全の対策をとっていただきたいということを強く要望すると同時に、沖縄県バス問題対策協議会において、赤字路線等の対策等について検討された経緯がありましたらお伺いいたします。
次に、水産業振興の一側面についてお伺いいたします。
本員は、昨年の3月6日の一般質問において同じテーマで質問いたしました。
すなわち、南方基地のカツオ漁業の低迷が沖縄の水産業に大きく影響したこと。近海、沿岸漁業を振興するには、底魚の生産量を大きく伸ばすのは限界があり、黒潮に乗ってくる回遊魚、例えばカツオ、サワラ、マグロ、カジキ、マンビキ等々をいかにして沖縄近海に足どめをするか。また近海マグロ、シマアジなどは本土でも高値で消費されていること。あるいは燃費の節減等も含めて回遊魚を近海にとめる施設を講ずることは喫緊のことだと指摘し、大型魚礁等の設置も大切であるが、浮き魚礁の設置に県も本腰を入れるべき時期に来ていると指摘してまいりました。
先月、浮き魚礁を設置した漁協を訪ねてみましたが、各漁協とも浮き魚礁が効果があることを高く評価しております。ところが設置した浮き魚礁が亡失したり、あるいは一部で移動している場合もあり、設置の技術的な問題点はないのかどうか。1基100万円から200万円もかけて亡失しては、漁業者の痛手は大変大きいものがあります。その面の技術的な問題等がありましたら、検討されているかどうか伺いたい。
2番目に、浮き魚礁は水深700メートルから800メートルぐらいの公海上に多く設置されるので、標識、主として点滅標識、できればレーダー探知板をつけて航行船に切られないような方法を講ずべきではないかということが指摘されております。
次に、浮き魚礁は県単助成がなされていると思料されますが、5年単位ぐらいの耐久性のある施設にして、国の水産振興策の中に上げるよう検討がなされていないかどうか。
次4番目に、浮き魚礁の効果が漁民の中に定着すると、浮き魚礁を設置した人がそれについてくる魚類についても権利的な主張をし、今後トラブルを起こす原因になりかねない。このような予測されるトラブルを未然に防ぐ対策等が検討されているかどうか伺います。
5番目に、本部漁協での懇談の中で、浮き魚礁にカツオがつくので、すぐ漁場へ直行することができ燃費の節減に大きく影響する。しかしカツオ業は季節的漁業になるので、船が半分ぐらい休眠する。その間、乗組員はまた別の仕事を探さなければならないし、若い乗組員等は次の漁季に必ず戻ってくるという保障はない。そこで漁業後継者を育成する点、乗組員の安定的な職場提供という視点から、1時間ぐらいで行ける漁場に大きな浮ぎ魚礁を設置し、休眠中のカツオ船を活用して試行的発想としてでも沖合でダイナミックな釣り観光漁業の構想を検討してはどんなものかお伺いいたします。
6番目に、陸域の開発行為による赤土による海域の汚染問題が論ぜられて久しくなります。
本員も去る梅雨の期間中、赤土汚染の状況を現認したが、やはり漁業者の痛みがひしひしと迫ってきます。赤土汚染対策についていろいろ検討が進められていると思うが、現況はどうなっているか伺いたい。
漁業者の声として、陸域の開発が行われる場合に、ぜひ漁業者の声が反映される具体的な場を持たしてほしいと。赤土汚染対策として砂防ダムが築堤されているが、既設の大部分が既に天端まで詰まっており、その砂防機能がなくなっているのが多い。その対策等についても検討がなされたことがありましたらお伺いいたします。
最後に、基地問題について。
咋日の代表質問においてほとんどの質問が、このたびの知事の訪米と基地問題を取り上げ、知事の御答弁もありましたが、多くの県民の関心事でありますので簡単にお伺いいたします。
知事が訪米され、国務省、国防総省、太平洋司令官等、米国の基地問題とかかわりのある高官とお会いになり、今まで県議会で幾度となく論議された諸問題について率直に訴えられたことに対し、多くの県民はよく訴えたと評価していると思料いたします。
ところが、知事も昨日の御答弁にありましたように、安保堅持の従来の姿勢は不変であるし、基地問題は簡単に解決するとは思わないと、これまた従来の御答弁と大差はないと考えます。しかし沖縄の問題は、一般的に言わなければイエスとみなされる、言われたら言い返す、言い返されたら言っておくと、こういう姿勢が必要だという方がおります。今度の場合、最後のこの言っておくということに当たるようにあります。沖縄問題は、これまでいろいろな過程を考えた場合に、やはり率直に言うべきことは言っておくということが大切かと考えます。
1853年、ペリーが軍艦4隻を率いて浦賀に行き、徳川幕府に対して開国の圧力をかけ、翌1854年に和親条約を調印、その後各国と不平等条約を締結するが、その条約改正は明治政府の重大な外交課題でもありました。それを対等条約にするために半世紀という時間を要しております。日米安保条約による基地問題については、知事は、常に県民の立場に立たれて国に対しても米国高官に率直に述べられたように、国対国の問題というのは非常に時間を要しますので、常に沖縄の立場を具体的に指摘し、問題解決に当たってもらいたいということが、この訪米の知事の姿勢を通じて多くの県民が率直に受けとめている期待感と考えます。
こういうような期待感にこたえるために知事が基地問題に対して、いま一度基本的な姿勢について県民の前に率直な姿勢をお伺いいたしまして、質問を終わります。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 吉田議員の御質問に対しましてお答えいたします。
大宜味支所の整備充実についての御質問に対しましてお答えいたします。
北部農業改良普及所大宜味支所は、現在、大宜味村役場の旧庁舎を間借りいたしておりますが、老朽化が著しいため、今後の取り扱いについては御提言を入れて検討していかなければならないと考えております。なお、組織体制の強化についても検討してまいりたいと思います。
次に、農業後継者育成についての御質問に対しましてお答えいたします。
農業の振興を図るには、近代的な農業経営に対応し得る高度な技術、経営及び組織化能力を有する農業後継者の育成が重要であります。このため農業大学校の教育内容及び施設の充実、就農青年の研修教育の強化及び県外、海外先進農家派遣実習による資質の向上、学校教育との連携、農村青少年集団活動の助長等の施策を充実しているところでございます。今後、これらの施策とあわせて農村青少年交流促進事業及び地域実践活動事業等による後継者対策を進めてまいりたいと思います。
次、北部地域におけるバス問題についての御質問に対しましてお答えいたします。
御指摘の問題につきましては、地域住民に直接影響を及ぽす重要な問題であると考えております。県としては、地域住民の意向を踏まえつつ、国、関係市町村及びバス企業と連携を密にして慎重に対処する所存であります。なお、過疎地域におけるバス交通の確保、路線の再編等については、沖縄県バス間題対策協議会におきましても検討することにいたしております。
次、水産業振興についての御質問に対しましては農林水産部長から答弁させることにいたします。
次に、訪米についての御質問に対しましてお答えいたします。
沖縄の基地問題につきましては、三者協議会等現地日米関係者に対しまして機会あるごとに申し入れてきたところであります。
ところで、基地の整理縮小、実弾演習の中止等につきましては、現地段階では解決が困難であることからいたしまして、今回の訪米を千載一遇の機会としてとらえ、その責任と権限を有する一方の当事者である米国政府に率直に要望したところであり、要望事項につきましては、その実現に向けて粘り強く努力してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 久手堅憲信君登壇〕
○農林水産部長(久手堅憲信君) 農林水産業の振興につきましてお答えいたします。
まず、現在設置しておりますところの浮き魚礁につきましてでございますが、浮き魚礁設置事業は、昭和57年から県単補助事業といたしまして実施し、昭和59年までに12漁協で54基を設置してまいっております。また補助金以外で47基が設置されておりまして、合計101基が設置されております。浮き魚礁の設置によりましてカツオ、マグロ、カジキ、サワラ等の浮き魚の蝟集効果があり、漁場が形成されるためにカツオ漁業、引き縄漁業等の生産性の向上及び生産の拡大に寄与している現状でございます。しかしながら設置後に強風、波浪等による流失が生じていますが、半恒久的構造物の設置となりますと莫大な費用を要するため、現段階では数をふやし多くの漁船が利用できる方向で実施しております。
なお、御指摘のような航行船に切られないような標識の設置につきましては、現在標識を全部つけております。しかしながらレーダー探知板等につぎましては、なるべく設置するよう指導しているところでございます。また恒久性のある浮き魚礁の設置につきましては、構造改善事業で実施できるよう国へ要請しているところでございます。
それから浮き魚礁の漁をめぐるトラブル等の未然防止でございますが、浮き魚礁の設置活用につきましては、経験、実績も浅く、設置した者と他の漁業者との間にトラブルが生じている事例もあります。県におきましては、各漁協へアンケート調査を行いまして、これをもとに現在漁業調整委員会で未然の防止策を検討している段階でございます。
それからカツオ漁船の周年活用と観光に利用したらどうかという御指摘でございますが、カツオ漁業の操業効果を高め、経営の安定を図るためには漁船の周年稼働を図ることが課題であり、冬場におけるマグロはえ縄漁業導入の実践例もあるわけでございまして、関係者で検討を進めているところであります。なお、浮き魚礁の観光利用につきましては現段階では考えておりません。
それから赤土の流出による漁場汚染の件でございますが、開発行為に起因して沿岸域に流入する赤土が水産動植物の生育に影響を与えることは、これまでの調査で明らかになっております。またモズク等の養殖、沿岸での採貝、採藻等、定置網漁業に漁業被害が生ずると考えられますが、当面、原因者に対しまして赤土の流出防止の注意を喚起したり、または工法改善等による防止策等について協力を要請しているのが現状でございます。なお、農林水産部におきましては、農業関係の工事につきまして砂防ダムや沈砂池等の設置を初め、圃場の集排水路の整備、のり面の保護及び敷き草、マルチング等細心の注意を払って防止対策に努めているところであり、設置後の砂防ダムにつきましては定期的に管理を実施している状況でございます。
なお、漁業者の参加する赤土防止対策がなされる場が持てるような御提言がございますので、この辺は検討してまいりたいと考えております。
なお、先ほどの農業後継者育成につきまして1点だけ知事の答弁を補足させていただきますが、農業青年クラブ活動促進事業補助金は、農業青年の組織化を図り、集団活動を通じまして農業技術の習得や経営及び組織運営能力の向上を図ることを目的に、昭和48年度から農業青年クラブの活動を助成してまいりました。補助開始から12年を経過した今日、クラブ数も相当数ふえまして、クラブ員も5倍強にふえておりますので、現時点におきまして補助金を中止したとこういう実情でございます。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 本盛 茂君。
〔本盛 茂君登壇〕
○本盛 茂君 通告の順序に従って質問を行います。
まず最初に、米軍機による石垣、宮古空港の軍事使用についてお尋ねいたします。
去る6月1日、嘉手納基地を飛び立った米軍輸送ヘリが、石垣島上空で大型輸送機と合流し、石垣市や管制塔が拒むのを無視して次々と強行着陸しました。これは燃料補給を理由に着陸したものですが、この輸送ヘリは、3月と5月に宮古空港にも飛来し着陸しています。この米軍用機の一連の行動は、1、機体番号から同じ軍用機であることが確認されていること、2、いずれも同じ土曜日に飛来していること、3、目的が燃料補給であること、4、飛行区間が嘉手納基地とフィリピン間であることなどの共通点から見て、決して偶然に重なった緊急着陸とは考えられず、計画的な軍事行動だと見られています。
大阪航空局石垣空港出張所によれば、米軍機の石垣空港着陸は、同出張所が開設した昭和49年から現在までに6回、8機が記録されており、その内訳は輸送機3、ヘリ2、セスナ機2、双胴機1となっています。石垣市の記録では、米軍機が今回を含めて石垣市に着陸許可を求めてきて拒否された回数は2度となっており、新聞報道ではこの両者の記録に食い違いが見られます。また宮古空港には57年以降5回の飛来で、機種も似たようなものであると言われています。
今回の事件で私たちが特に注目しなければならないことは、内原石垣市長の抗議に対して米軍将校らは、トップレベルで話し合いがついている、我々は命令に従っただけ。トップの話し合いが市まで行き届かず、上司から何ら連絡がなかったことは遺憾に思うと日米軍事同盟を持ち出し、正当性を主張したという点。これは純然たる民間専用空港である石垣、宮古空港を、那覇空港のように軍民共用になし崩しにしようとする計画ではないかと疑われても仕方のない米軍将校らの言い分であります。
また、このことについて本県選出の国会各野党議員の抗議に対する外務省の説明は、地位協定で許されており、しかも空港使用の届け出で十分で、空港管理者の許可義務を負うものでない。訓練以外の使用は随時できるとの見解が示されたことであります。
このことについては今後国会で論議を呼ぶことになるでしょうが、西銘知事は以前に、米軍輸送機C2Aグレーハウンドが下地島空港に緊急着陸したことに対する議会答弁で、安全面を考えての緊急着陸であり、人命救助の見地からやむを得ないと思っていると答え、また宮古空港にOV10Aブロンコ偵察機が飛来した際には、安保条約を結んでいる以上やむを得ない旨の発言をしたことがありましたが、これまで私たち県民が知らない間に石垣空港にも数度にわたって米軍機が強行着陸し、軍事使用がなされていたということは大きなショックであります。
高教組八重山支部は、石垣空港の米軍機強行着陸を糾弾し抗議する決議の中で、これは中曽根内閣の米国に追従した軍事大国化への軍拡路線を如実に示すものであり、西銘保守県政の日ごろからの軍事演習に加担する結果起きたものであると決めつけています。
このたびの石垣空港における米軍機の強行着陸について、外務省の説明によって明らかになった、地位協定によって米軍の民間空港使用に何ら問題はないという、すなわち実質的に米軍がすべての空港を自由使用できるということは、平和を愛する国民にとって断じて許すことはできません。いかに安保容認、基地肯定の西銘知事でも、事ここに至っては、地位協定の見直しについて考えてみなければならないのではないかと思いますが、いかがなものでありましょうか。
西銘知事は1979年2月の定例議会で、下地島空港を軍事目的に使用させないことについて、県が所有し管理する空港は知事が管理権を発動し、軍事使用に対して十分に歯どめができる自信を持っておりますという答弁をしていますが、知事のその答弁は、このたびの外務省の説明によって完全に突き崩された形になっています。
そこで次の3点についてお尋ねいたします。
1、県は、宮古、石垣空港における米軍機の強行着陸についてどのように対応してきたか。
2、今後、民間空港を軍事使用させないために県はどう対処していくか。
3、日米地位協定の見直しについてどう考えるか、知事の率直な御答弁を求めます。
次に、石垣空港の跡地利用についてお尋ねいたします。
この問題は、昨日の我が党の代表質問でも取り上げられましたが、事が甚だ重大であるので、昨日の我が党の代表質問に対する知事答弁の再確認のために私の一般質問でも取り上げることになりました。
石垣空港の跡地利用については、昭和59年9月の第5回定例議会における我が党の城間議員の代表質問や与党議員の一般質問に対して西銘知事は、現空港の跡利用については現在地元石垣市を中心とした跡利用計画を検討中であり、関係機関等と調整を図り、今後具体化していく考えであるが、地元の有益利用を前提として計画作業を進めていきたい旨の答弁をなさいました。
さて、昨日の我が党の代表質問でも述べられたように、石垣市はこのたび「郷土文化いこいの森」石垣空港跡地利用基本構想をまとめたと聞いています。この未決定の計画は、これから県及び国との調整に入るわけですが、石垣市の構想としては、中央公民館、総合体育館、屋内プール、屋外音楽広場、屋外ステージ、総合福祉センター、児童文化センター、郷土の森等々、まことに目を見張る大構想だとのことであります。
ところが、現石垣空港用地の総面積46万3247平方メートルの内訳は、国有地28万2545平方メートルで全体の61%、県有地は14万8346平方メートルで32%、石垣市市有地は1万289平方メートルでたったの2%、残りの2万2067平方メートル、5%は私有地となっています。この石垣市の空港跡地利用計画の大構想が夢に終わることなく現実のものとなるためには、申すまでもなくその前提として現空港の93%を占める国有地と県有地の石垣市への譲渡など同計画に対する国、県の保障がなければなりません。県有地については、地元の有益利用を前提として計画の作業を進めるとの知事答弁があり、また昨日の我が党島袋議員の代表質問に対しても、知事は、内原石垣市長とも相談してみんなが納得のいくよう国に折衝していきたい旨の答弁がありましたが、国有地については果たしてどうなることだろうかと憂慮せざるを得ません。特に昨今の石垣空港は、米軍機によって軍事利用への道が開かれつつある厳しい現況下にあります。
また、中曽根内閣の軍事拡張路線、四海峡封鎖、海上シーレーン防衛の中で、果たして国は石垣空港の跡利用について、国有地を開放し、同計画にオーケーのサインをするであろうかと案じられてなりません。これは極めて至難な政治課題であり、知事の強い姿勢での国との折衝が要請されることになるのではないかと思います。昨日の知事答弁を再確認する上から、その実現の見通しと知事の一段の決意について重ねて承りたいと存じます。
また知事は、昭和59年9月の定例議会における答弁で、現石垣空港は新空港の供用開始と同時に廃止されることになっていることからいたしまして軍事利用はあり得ないと思いますと言明され、さらに昨日の我が党の代表質問に対しては、公共用空港としての用途を廃止する方針であると答弁されました。
そこでお尋ねいたします。
軍事利用はあり得ないと思う知事答弁の根拠について御説明ください。
次に、白保の海の環境調査結果の公表についてお尋ねいたします。
我が党の新石垣空港問題に関する運動方針は、環境アセスメントの目的が開発行為の環境に及ぼす影響を事前に調査、予測、評価し、その結果の公表によって自然破壊や文化的環境などの破壊を最小限に食いとめることにあるならば、開発行為に先立って県当局は関係住民にいち早く情報を提供し合意の形成に努めなければならないと述べています。
昭和59年9月の第5回定例議会で、我が党の城間議員が代表質問で各種環境調査結果の公表を求めたことに対して西銘知事は、「現在、石垣空港建設に係る環境アセスメント等については、過去昭和55年度、58年度及び59年度の調査結果をもとに総合評価等を行うべく作業を進めているところであります。これらの資料の公表につきましては、この総合評価等の作業がまとまり次第、公有水面埋立免許出願の時点で広く一般に告示縦覧に供することといたしております、縦覧しなければなりませんのでそういうふうな手続をとりたいと思っております。」と答弁されました。
また、昨日の我が党の島袋議員の代表質問に対しては、これまでに実施してきた調査については答弁されましたが、環境アセスメントについては、55年から59年の間に白保海域等の環境現況調査及び環境アセスメント調査を行っているところであるという全く進展のない答弁に終わりました。
城間議員の質問からはや9カ月もたっているのに、まだ総合評価の作業がまとまらないのでしょうか。県が環境アセスメントの公表を渋っている理由は一体何ですか。公表できなければ、なぜできないかについてはっきりとお答えください。
沖縄県自然環境保全基本方針の自然環境に関する事前評価の実施の前段は、次のように述べています。自然環境を破壊するおそれのある開発が行われる場合、事業主体は、その事業が自然環境に及ぼす影響の予測、対策、代替案の比較等を含めた事前評を行い、それが計画に反映され、住民に公表され、理解された上で行われるように努めると。
知事答弁の公有水面埋立免許出願の時点での公表では、この基本方針の精神に沿わないものとなってしまうのではないでしょうか。すなわち時間的に見ても住民がそれを十分に検討することは困難になるでしょうし、そうなれば基本方針の事前評価の実施の中で最も大切な点である計画への反映はなされず、また行政側においても住民の理解を得た上で開発行為が行われるように努めることもまたできないことになってしまいます。
先ほど述べました我が党の運動方針でも指摘しているとおり、環境アセスメントの目的は何であるか。何のために実施するのか、そしてその公表の時期はどうあるべきか等について知事にいま一度御再考を促したいと思います。白保の海の環境調査結果の速やかな公表を強く訴え、知事の誠意ある御答弁を求めます。
通告した質問の4、教育問題については割愛し、竹富、与那国両町からの要請事項についてお尋ねいたします。
まず、竹富町からの要請のバイオマスセンターの設置についてであります。
21世紀を展望する食糧の確保、医療及び石油にかわる新しいエネルギーの開発の面から、資源植物保存や種苗の育苗を含めたバイオマスセンターの設立が急がれています。西表島は、我が国唯一の亜熱帯地域の南限に位置し、熱帯、温帯、いずれの植物も生育する好条件下にあり、その自然条件をバイオマスの拠点として最大限に活用されるべき立地条件を備えた島であるとして、竹富町は、バイオマスセンターの設置について強く要請しています。このことに対する県の御見解と取り組みについてお伺いいたします。
次に、与那国町からの要請の水資源の調査開発についてお尋ねします。
干害の高い地域である与那国島が水なし農業からの脱皮を目指し、農業用水の確保と関連施設の整備を最優先して推進し、農業の発展と経営の安定を図るために水資源の開発について強い要請がなされています。与那国町における農業用水の開発状況はどうなっているかお伺いいたします。
最後に、与那国町における県代行道路改良事業(新川線)の早期完成についてお尋ねします。
昭和59年度から着工されている本工事は、現状の細切れ小規模予算では完成までに10年余にわたる長期遅延が心配されるので年次的に予算の大幅増額をなし、早期完工を図っていただきたいという要請であります。県の御見解と対応についてお伺いいたします。
以上でひとまず質問を終わり、答弁によって再質問をいたします。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 本盛議員の御質問に対しましてお答えいたします。
米軍機による石垣、宮古空港の軍事使用について県はどのように対応してきたか、また今後どう対処していくかという御質問がございましたが、お答えいたします。
石垣、宮古両空港における米軍機着陸につきましては燃料補給を目的とする着陸でございまして、人命、飛行機の安全にもかかわることから、これを緊急避難として受けとめております。御案内のことと思いますが、公共用空港は、地位協定の規定によりまして米軍機が使用できることになっておりますので、緊急の場合はやむを得ないものと考えております。
次に、地位協定の見直しでございますが、この件について現在地位協定の見直しについては考えておりません。
次、石垣空港の跡地利用についてお答えいたします。
御指摘のとおり、現空港の敷地には国有地も多いことからいたしまして、その利用については国との協議が必要とされております。石垣市と十分調整を行い、有効利用が図られるよう国に対しましても要請してまいりたいと思います。
次に、新石垣空港は、航空法第38条に基づきまして57年3月12日、公共用空港として設置許可がなされ、さらに空港整備法第2条に基づく政令第32号によって57年3月25日、第3種空港に指定されております。またこの政令では、新石垣空港が供用開始されると自動的に現空港は廃止されることになっておりまして、航空法第44条に基づく廃止の手続をすることによって完全に空港としての機能を停止することからいたしまして、軍事利用されることはあり得ないと考えております。
次、白保の海の環境アセスメントについての御質問に対しましてお答えいたします。
新石垣空港建設予定海域とその周辺の海域におけるサンゴの現況調査は、56年と59年に実施しております。その調査結果は、県議会土木委員会及び報道関係者に対しましても資料を提供し既に公表いたしておるところであります。新空港建設に伴う周辺環境等に与える影響度の予測につきましては、環境アセスメントの作業について現在内部での検討、他部局との調整を進めているところでありまして、ほぼ結論が得られておりますので、環境評価書がまとまり次第公表したいと考えております。
次に、竹富町の要望事項についての御質問に対しましてお答えいたします。
本県は、我が国唯一の亜熱帯地域に位置し、熱帯地域はもちろん、温帯地域の植物も生育すること、バイオマス資源の豊富な東南アジア諸国に隣接していること等遺伝子資源の収集確保に当たって極めて有利な条件を有しておりますので、資源植物の保存などに取り組む必要があります。このことから、県は59年8月に、科学技術庁が構想している「資源生物保存センター」の本県設置について要望し、その具現化に努めているところであります。なお、国は、この構想について遺伝子資源確保推進会議を設け、各面から調査検討を行っているとのことであり、その動向を見守っておるところであります。
次、与那国町における水資源の調査開発についての御質問に対しましてお答えいたします。
同町における農業用水開発の調査は、56年度に県営農業用地下水調査、さらに57年度から国の広域農業開発基本調査による地下ダムを中心とした調査が行われております。その可能性があることが判明いたしておりますので、引き続き調査を継続していく予定となっております。今後は、その結果を見つつ事業化の検討をいたしたいと思います。
次、新川線の道路改良事業の早期完成についての御質問に対しましてお答えいたします。
与那国町道「新川線」県代行道路改良事業につきましては57年度に事業着手し、継続して事業を実施してまいりましたが、現下の財政事情等もあり短期間に完成させることは厳しい状況にありますが、要請の趣旨に沿えるよう早期完成に向けて努力してまいりたいと思います。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 本盛 茂君。
〔本盛 茂君登壇〕
○本盛 茂君 ただいまの白保の海の環境アセスメントについての知事の御答弁は、現在内部でも検討中であり、他部局との調整を進めているところであると、ほぽ結論が得られつつあると、それで環境評価書がまとまり次第、公表したいということです。
きのうの代表質問でも、その発表の時期というのが大変大事であるのでそれを強く迫ったわけですが、きのうもその答弁はなされませんでした。きょうも、まとまり次第公表するということは、それはずうっと9カ月前にもおっしゃっていることです。大体の目安で結構ですから、いつごろにはまとまって発表できるかということについていま一度お答え願いたいと思います。
それから知事の答弁で、地位協定の見直しについては否定的な見解を示されましたが、外務省は、日米地位協定によって訓練以外のものなら一切できるとこう言っておるわけです。この協定の見直しがなくては歯どめはかけられないと思うんだが、いま一度知事の御見解を求めます。
○議長(志村 恵君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 山城廣茂君登壇〕
○土木建築部長(山城廣茂君) お答えいたします。
環境アセスメントにつきましてはおおむねまとまっておりまして、9月末か10月ごろをめどにしたいと思っております。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 宮古、石垣空港の軍事利用の件でございますが、これにつきましてはいつの定例議会でしたか、友寄議員の御質問に答えたとおりでございまして、安保条約に基づく地位協定第5条の規定によりますと、「合衆国及び合衆国以外の国の船舶及び航空機で、合衆国によって、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航されるものは、」、すなわち合衆国の飛行機、船舶、また合衆国のために使われる航空機、船舶はいつでも日本の港湾、飛行場を使用することになっておりまして、この規定があるからというだけではなく、先ほども申し上げましたとおりこれは人命に関する問題、燃料補給の問題、航空機の安全の問題等からして、緊急やむを得ない措置として認めるべきであるとかように受けとめております。
○議長(志村 恵君) 嘉陽宗儀君。
〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽宗儀君 私は、日本共産党県議団の一員として通告に基づき質問いたします。
まず、保育行政についてであります。
沖縄市の高原保育所は、その敷地から県道20号線が通過するために廃園にされそうになっています。そのために保母や父母が一緒になって保育園を存続させるための運動に立ち上がっています。高原地域には、来年度、社会福祉法人立の認可園が開園する予定になっています。沖縄市の関係者からは、この法人立保育園は、高原保育所の代替施設であるという発言も行われているようです。
そこで質問いたします。
この新しく設置される保育園と高原保育所との関係、それと児童のニ一ドはどうなっているかお答えください。
高原保育所は、これまで地域に大きな役割を果たしてきたし、保育ニ一ドから考えても、また臨調にせ行革のもとで保育園の新設が困難になってきているときだけに、廃園は絶対にすべきではないと思いますが、どう対処されますか。
次に、北谷浄水場問題の疑惑を解明するために、当時の企業局長であった嶺井副知事に質問いたします。
私どもの調査では、ツクモ産商の企業局への用地売り込み作戦は、多くの関係者が動いていますが、有力な2つのルートがあったことが明らかになっています。
その1つは、不動産業者の松原武雄氏を中心とするものです。
松原氏は、次のようなことを証言しています。
北谷町宮城の土地を販売するために、ツクモ産商から委任状を昭和56年12月22日にもらい、当初、宅地分譲計画を行ったが、現金の回収が数年もかかることから企業局への売り込みに方針を変更した。その土地には平和相互銀行が20億円も抵当権を設定していた。当然、そのままでは売れなかった。それを外すために金も使い、大変苦労もした。それからその土地を浄水場用地として売り込むために8回も嶺井局長と会った。そして3万坪余りの土地を総額18億円で買うよう提示をした。そうしたら、読谷が第1候補地である、値段が高過ぎるという理由で断られた。それで東京に値下げの交渉に行った。しかし帰ってきたら、既にその土地を22億7000万円余で企業局が買うことになっていた。こんなでたらめなことが許されていいのか、と松原氏は怒りをぶつけています。
2つ目のルートは、三信不動産の高江洲氏を中心とするルートです。
宜野湾市にいる不動産業者の仲里氏は、ツクモ産商の社長と一緒にその土地を企業局へ売り込もうとします。ところがなかなか進展しません。それで友人であり、中学校の同期生でもある三信不動産の高江洲氏に仲介を頼んでいます。高江洲氏は西銘知事の義弟であり、政経同友会の玉木重雄氏を通じて、その土地を浄水場用地として売り込むために、ツクモ産商の坂下社長を嶺井局長に紹介してもらうよう頼んでいます。その結果、玉木氏の名刺の裏に紹介状を書いてもらい、坂下氏を紹介しています。高江洲氏は、そのために売り込みが成功したといって土地売買あっせん手数料を2150万円も受け取っています。しかし一般的に手数料は2%から3%はもらえるのに、1%もなかったと強い不満を表明しています。
それで私は、政経同友会専務理事の玉木重雄氏とお会いして、いろいろと事実経過について聞いてきました。
玉木氏は私に対して、1、高江洲から嶺井さんを紹介してほしいと頼まれたので、名刺の裏に、よろしく頼むと紹介状を書いて持たせた。2、そして電話でも嶺井さんによろしくと頼んだ。3、高江洲とは彼の結婚式の媒酌をしたり、私の姉とも古いつき合いがあり、前からよく知っているし、彼は北谷町宮城のクルマエビの養殖場で失敗していた。それでどうにかよろしく頼むと来たので、友人として当然できることはやってあげようと思い、しかもこれでどうにか立ち直りたいということであったので助けるつもりで世話をした。4、ツクモの社長からはちゃんとお礼の電話もあった。また東京に行ったら、おかげさまで売り込みに成功したといって大変喜んでもらい感謝され、2回にわたって酒食のもてなしも受けた。5、帰ってきてから嶺井さんにはちゃんとお礼を述べたと話をしています。そして結果的に玉木氏の仲介で売り込みが成功したということも認めています。
以上からも明らかなように、浄水場用地の売り込みは、政治的介入で三信不動産ルートが成功したのであります。
それで嶺井副知事にお聞きしますが、1つ、松原武男氏とは何度お会いになりましたか。その売買条件はどういうものでしたか。
2、18億円という額が提示されたのに、どういう理由で断ったのですか。
3、玉木重雄氏の名刺の裏に書かれた紹介状をもらい、どういう対応をしたのですか。また電話での依頼はありましたか。そして後で玉木さんからお礼を言われましたか、はっきりお答えください。
次に、読谷村座喜味、親志の土地の件についてお聞きします。
その土地は7万3259坪もあり、楚辺の区有地で弾薬処理場としてこれまで米軍が使用し、昭和53年3月31日に解放されたものです。区としては、軍用地料としての収入がある土地との交換をしようとしていました。
ゴールデン観光の徳山氏は、企業局が浄水場用地を探しているのを知っていました。この読谷の土地なら最適地だろうと考えているときに、安里政芳前県議会議員から嶺井局長を紹介されました。そこで嶺井さんから浄水場用地に買い上げるから読谷の土地をまとめるようにと昭和56年の秋ごろ言われました。安里政芳氏も私に、徳山氏を嶺井局長に紹介した事実を認めています。企業局が買い上げるという約束のもとに徳山氏は楚辺の区長と交渉し、区の必要な代替地を確保し、昭和57年2月に自治会長と売買の仮契約をしています。面積は約6000坪が農業用の長浜ダムに水没するので、4万8088坪を、坪当たり4527円で売買契約をしています。
これと北谷とを比較しますと、北谷は16倍以上も高く、北谷と同じ坪数で計算をすると総額で1億3700万円であり、その差額が実に21億3400万円以上にもなります。この土地を買っておけばいかに経費の節減になったかは明らかであります。
この読谷の土地に関するこれまでの当局の議会における答弁は、同土地を取得しなかった理由は、農業用ダム建設の計画があり、浄水場候補地の一部地域が水没するなどのため用地確保が不可能であるからと述べています。しかし面積で言えばダムに水没する部分を差し引いても4万2000坪以上の土地が残り、浄水場用地は十分に確保できます。そこにはダムも浄水場も建設することが可能であり、事実、担当課の職員の間では、どの場所に浄水場を建設するかという予定地まで設定されていたことも調査で明らかになっています。
ゴールデン観光の徳山氏は、8月まで嶺井局長と用地売買の交渉をしておりますが、9月になって北谷に決まったと聞かされて大変ショックを受けたそうであります。
浄水場用地として売る目的で購入した土地が売れなくなって慌てた徳山氏は、その土地を保養地にすべく計画を進めますが、なかなか許可が得られず困っています。そういう経過もあって、徳山氏は、開発許可が得られなければダム建設にも協力しないという態度をとっています。そのために現在、農水部も困っているようです。
ところで楚辺区民は、業者に区有地を売るより、直接浄水場用地として使用させるのに業者を通さずにやれないかということで村や県に問い合わすことを昭和56年10月26日と29日に楚辺区の総務委員会と跡地利用委員会で検討し、それを受けて同区在住の村議会総務委員長から企業局への打診も行われています。
以上の経過から見て、読谷の候補地は技術的評価でも浄水場用地としても最適地であり、しかも企業局の努力次第では取得可能であったことは明らかであります。このことは企業局の関係者も認めている事実であります。
そこで質問しますが、嶺井さんは、読谷の親志の土地の現場を調査したことはありますか。
ゴールデン観光の徳山氏は、あなたが浄水場用地として購入すると約束したので借金をしてまで広大な土地を買ったのですが、なぜ浄水場用地として最適地で、しかも安い土地を買わずに、塩害のひどい不適地で、しかも読谷よりも16倍以上も高い北谷の土地を購入したのですか、明確にお答えください。
次に、買い付け証明についてお聞きします。
ツクモ産商は、足立から北谷町宮城の土地を購入する契約をし、1億5000万円以上も内金として支払っていますが、残金の工面のため関連会社では厳しい取り立てが行われ、その結果、自殺者まで出すほど深刻な事態になっていました。ところがその支払いのめどさえ立たず、内金さえ没収されそうになっていました。それでツクモの坂下社長は政治工作で企業局への売り込みを図り、それは玉木重雄氏の仲介のおかげで成功します。しかし足立産業はお金の支払いがないので所有権移転を認めず、困り果てた坂下氏は嶺井局長に、買い取り証明書を発行してもらうよう依頼し、それが実現すると飛び上がるほど喜んだそうであります。
関係者の話によりますと、その発行された買い取り証明書をもとに、金銭問題については熊谷組を通じて日本債権信用銀行がすべてを引き受け、足立に立てかえ払いをし、所有権移転登記を済ませたそうであります。その登記が57年9月13日には行われ、その翌日の14日に企業局は北谷町宮城の土地を浄水場用地として22億7000万円余で買い取ることを決定し、9月16日にツクモ産商との売買契約を行い、17日に所有権移転登記を行い、その代金を日本債権信用銀行に支払っています。企業局が正式に買い取り証明を発行しているのは9月13日付で、しかも所有権移転登記の一切の手続が完了されてから買い上げるという内容になっています。
そこで嶺井副知事にお聞きします。
ツクモの坂下社長は、何のために買い取り証明書を発行してほしいと要望してきたのですか。それはいつ、どこでか、口頭か文書によるものか。
また、なぜ所有権移転登記に必要だという買い取り証明書を登記申請後に発行する必要があったのですか。
局内では14日にしか浄水場用地の価格は決定されていないのに、その前日の13日には価格まで明記された買い取り証明書が発行されていますが、これはあなたが独断でやったのですか。局内で決定する前にだれが決めたのですか。行政的に局内で決定する前にこのような公式文書が発行できるのですか。
また、代金の支払いはなぜ平和相互銀行でなく、日本債権信用銀行にやったのか、明確にお答えください。
○議長(志村 恵君) 嶺井副知事。
〔副知事 嶺井政治君登壇〕
○副知事(嶺井政治君) せっかくの嘉陽議員からの御指名でございますが、私は、企業管理者としての業務はすべて後任に引き継ぎをしてあります。現在、その職にありませんので答弁する立場にございません。しかしながらこの問題については、大変な誤解に基づく全くいわれなきことがたくさんございまして大変遺憾に思っておりますけれども、答弁する立場にないので御了承をいただきたいと思います。
○嘉陽宗儀君 休憩を求めます。
○議長(志村 恵君) 休憩いたします。
午前11時14分休憩
午前11時15分再開
○議長(志村 恵君) 再開いたします。
企業局長。
〔企業局長 金城作一君登壇〕
○企業局長(金城作一君) 北谷浄水場問題についての嘉陽議員の質問にお答えいたします。
御質問は、大きく9項目ほど、細かくたくさんありましたが、そのうちの1番から3番まで、いわゆる松原氏を通じての、会ったかという話とか、あるいは売買条件の話、10億円提示の話のこの3つの御質問、さらに4番目の玉木氏の紹介の話、電話依頼の話、お礼の話の4番から6番までの御質問、この問題は現在裁判所で係争中の具体的な事実関係の内容となっており、いずれ裁判で明確にされるものと考えます。したがいまして、今この問題に触れることは適当でないと考えますが、ただ、この問題について前局長並びに関係職員に確めても、御指摘のようなことは全くなかったということでございます。
では質問の7番、嶺井局長は読谷村親志の土地の調査をしたことがあるかということでございますが、当該親志地域の用地については、昭和56年10月ごろから、主として担当次長や担当職員が調査、折衝を行っておりますが、57年5月には局長も現地を見ております。
それから質問8番の、読谷村親志の土地について、ゴールデン観光会社の有する適当な用地を買わないで北谷町にこれを変えたというような趣旨の質問でございますが、お答えいたします。
浄水場用地の候補地の1つであった読谷村親志の折衝経過について、質問の内容に、我々の実際の記録とちょっと違いますので、若干説明したいと思います。
同候補地の主要部分に、当初全く予想しなかった県の農林水産部による農業用ダムの建設計画があったこと及び該用地の所有者である読谷村楚辺区との買収交渉を必要としましたが、ダム建設との関係では、中部農林土木事務所及び同部の耕地課と8回にわたって折衝しましたが、結論としてダム関連用地として利用する計画であること。それから一方、ダム用地以外については楚辺区との交渉では、軍用地との交換を希望していたため用地取得の困難性を予想していたところ、不動産業者から、軍用地を確保し、区有地と交換して提供したいとの申し入れがありましたが、予算執行上時間的に余裕がないため同申し入れを断ったものであります。
なお、用地取得費の一部は56年度の国庫補助による繰越予算であり、57年9月中に執行のめどをつけなければならない状況にあったため、57年8月の臨時議会に「重要な資産の取得」に係る案件として提案し、議会の議決を得たものであります。
以上のとおり、読谷村親志の候補地が選定されなかった理由は、1つにはダム建設との関係であり、2つ目には、先ほど質問の中にありましたとおり、同用地は面積からして4万2000坪前後でございまして、浄水場の必要最低面積が8万から10万坪、平米、確保されなければならなかったというような面積上の制約があったこと。3つ目は、土地所有者との交渉が長引き、時間的余裕がなかったことによりあきらめざるを得なかったものであり、外部からの圧力により変更したものでないということを明確にしておきたいと思います。
それから買い取り予約書を発行した理由。
買い取り予約書の発行依頼は、口頭で57年の9月11日になされたものでありますが、同9日には価格の交渉が実質的に成立しておりましたので、用地売買の確認を得るためにツクモから依頼があったものであります。また本買い取り予約書は、土地価格が9月13日時点では既に内部における意思決走がなされており、また当事者間においても価格について合意が成立したことを踏まえて、当事者相互の意思確認の意味と買う側の立場から、特に当該土地の権利関係が完全に整理されたことが確認できたときには買い取りますとの条件を付して発行したものであります。
それから、代金はなぜ日本債権銀行に支払ったかという御質問にお答えいたします。
ツクモ産商株式会社が、日本債権銀行に受領権限を全面的に委任する旨の委任状の提出があったからであります。支払いの日付は57年9月28日、支払いは一括して支払っております。支払いの場所は琉球銀行安謝支店でございます。
それから買い取り予約書の交付依頼はだれから、いつあったかということでございます。
ツクモ産商の坂下社長から、口頭で57年の9月11日に、担当次長及び担当課長にありました。証明書の発行はだれが交付したかということでございますが、これは昭和57年9月13日に企業局で直接手渡しております。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 金城祐俊君登壇〕
○生活福祉部長(金城祐俊君) 嘉陽議員の高原保育所に関する御質問にお答えいたします。
沖縄市の高原保育所の廃止問題につきましては、沖縄市より事情聴取をしましたところ、御指摘のとおり当該保育所は県道20号線の拡張工事のため取り壊しを余儀なくされているとのことであります。このことにつきまして関係者から今回の取り壊しはやむを得ないとしても、道路拡張工事に関係のない当該保育所の敷地の残地部分に建てかえることはできないかとの要望がなされているようでありますが、沖縄市としましては、児童の交通安全の確保並びに保育効果の面で適当な場所とは思えないので、高原地域を含めた東部泡瀬通信基地跡地一帯の開発動向を勘案しながら別の場所に建設を検討したいということでございました。
県としましても、同保育所の取り壊しは県道20号線の拡張工事に伴うものでありやむを得ないが、同保育所の取り壊しに当たっては、現に60人の保育児童を抱えている等の実情を踏まえ、保育児童の処遇等が損なわれないよう現在地に建てかえることも含め代替の保育所の設置について十分対策を講じ、同地域の保育ニ一ズに対応できるよう指導しているところであります。
○嘉陽宗儀君 休憩願います。
○議長(志村 恵君) 休憩いたします。
午前11時26分休憩
午前11時31分再開
○議長(志村 恵君) 再開いたします。
嘉陽宗儀君。
〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽宗儀君 非常に重大な事実を指摘したにもかかわらず、裁判を理由に答弁しないというのはまことに遺憾であります。むしろそれであれば、こういう場に正々堂々と、今疑惑が寄せられているわけですから、解明すべきだと思います。
それから具体的に答弁になった中身についても、例えば読谷村の親志の土地についても、企業局やあるいはまた農林水産部の関係者から話を十分私は聞いています。用地取得は可能であった。それから農業用ダムも浄水場の建設も可能であったという発言をちゃんと私聞いていますし、それから中部農林土木事務所の方に、浄水場用地として建設したいんだがどうかという、その正式な打診もなかった、企業局からは。そういったことも全部調査した上で私は発言しているわけですから、そういったことで何もなかったかのような言い方をするのは、ますます疑惑を深めるだけであります。
それで読谷の土地は、私も現場を見てきましたが、自然流水が可能な高さもあり、本当に浄水場用地としては最高に条件のよい所です。しかも企業局の努力ではその土地が確保できる条件にあっただけに、将来に禍根を残すものになったなあという思いをしています。あなたが、北谷に用地を決定したために徳山氏を踏みにじる結果になっています。あなたは、今でも徳山氏に責任を感じているとか、読谷の土地を買っておけばよかったのにとおっしゃっているようですが、本当に責任を感じていらっしゃるのですか、お聞かせください。(「だれに」と呼ぶ者あり)嶺井副知事に対してです。
ところで、所有権移転登記をするために必要だという買い取り証明書が、移転登記申請後のその同じ日に発行されていますが、これでは依頼者の目的から考えても役に立つはずはなく、全くおかしな話であります。実は私どもの調査では、既に昭和57年の8月20日ごろには、この買い取り証明書が発行されるということをツクモ産商の坂下社長は聞いて、大変喜んだそうであります。したがって9月13日以前にこの買い取り証明書が発行されていなければ、どうしてもつじつまが合いません。
それでお聞きしますが、9月13日以前にもう買い取り証明書を発行したのではないのですか、はっきりお答えください。
今、私がいろいろ事実を指摘してまいりましたけれども、本当にすねに傷を持たないのであれば、県民の納得できるように、県民の前に隠し立てをせずに疑惑を解明し、事の真相を明らかにするように要求いたします。
○議長(志村 恵君) 企業局長。
〔企業局長 金城作一君登壇〕
○企業局長(金城作一君) お答えいたします。
これは整理いたしますと、企業局が発行しているものには、57年9月13日に発行しております、いわゆる買い取り予約書というのがございます、9月13日付の。これは先ほど申し上げましたように9月11日に用地交渉が妥結しております。13日に価格設定の起案と買い取り予約書の起案を一緒にしましたが、たまたま買い取り予約書が13日付で決裁されまして、価格設定が14日に決裁されたというものでございます。したがいまして13日時点では価格設定の内部意思は決定されており、同日付で買い取り予約書を発行することは差し支えないものと考えます。
次に、買い取り証明のことでございますが、この買い取り証明につきましては9月13日以前に出しているんじゃないかという御指摘でございますが、租税特別措置法とそれから県の公用地取得の事務取扱要領によりまして、土地の買い取り等の申し出を行うときには、所定の様式によりましてその申し出の証明書とそれから買い取りの証明書を発行することになっております。したがいまして、ただいま御指摘の57年9月13日以前に発行しているんじゃないかということでございますが、北谷浄水場の用地の場所が、局で決定いたしましたのが57年の7月26日でございます。7月26日には浄水場用地を北谷町に決定しておりますので、その後用地交渉に入るわけでございますが、そのいわゆる57年の9月6日付の買い取りの意思表示ということで買い取り等の申し出証明書が、これはいわゆる相手側に対して、その土地を売ってくれという口頭の申し入れをしております。
したがいましてこれはただいま申し上げましたのは、用地取得事務取扱要領55条の1項による申し入れでございまして、この申し入れ書と、今度は価格交渉がすべて9月13日に決定いたしまして、それから14日、9月16日に売買契約を調印いたしまして、17日に移転登記を済みまして、9月28日には代金の支払いも終わっておりますので、その終わった後で、57年の10月2日付で買い取り証明書を発行したわけでございます。この買い取り証明書は、先ほど申し上げました取扱要領の55条2項に基づく、様式に基づく買い取り証明書でございます。これは原本は土地所有権者へ、それから支払い調書は所管税務署へ発送することになっております。
したがいましてこれらの書類が企業局から送付されたのは、いずれも申し入れ書並びに価格証明書も57年の10月2日、すべで全部終わった後ということになっております。
読谷村親志の問題についてのことにつきましては、嘉陽議員からたびたび指摘もございましたので、前局長にはいろいろその都度お聞きしておりますが、そういうことはございません。
○議長(志村 恵君) 嘉陽宗儀君。
〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽宗儀君 読谷の方の親志の土地は、ここの方にもらっていますけれども、(資料を掲示)このダム用地、ダムに水没するものを除いても4万2000坪以上あるということで十分に浄水場建設が可能であったということは明らかであります。
それから玉木重雄氏を仲介にして、高江洲氏があっせんに成功したということでもらったのが2150万円。これ見ると、北谷町宮城、いわゆる北谷浄水場用地の土地売買あっせん手数料としてまさに受領いたしましたと。2150万円。それから松原氏、一切の委任状を受けましたということで、18億円で県に買ってくれということでこれは一応委任状ですね、これで何回も会いましたという話をしているわけです。
そういう具体的な事実を指摘しているにもかかわらず、裁判があるから答えられぬとか、あるいはその事実は何もなかったなどというようなことを答弁していますけれども、調査で、かなり、どういう経路でこの売り込みが行われたか、どこにどういう疑惑があったかというのも非常にはっきりしてきております。だからそういう意味では、きょうの質問に対して大変不本意な答弁になっていますけれども、県民の前で、いわゆる県は正々堂々とその疑惑を晴らしてほしいということを要望して終わります。
○議長(志村 恵君) 企業局長。
〔企業局長 金城作一君登壇〕
○企業局長(金城作一君) 先ほどから何度か指摘がございますので御説明申し上げますが、読谷村親志の建設用地につきましては、細かい、私たちの当時の折衝記録が残っておりまして、その記録を一々読み上げると時間がかかりますので省略いたしますが、これは第1回目、56年11月30日には、中部農林土木事務所の次長並びに技師と企業局の担当課長がお会いしてまず第1回目の北谷浄水場建設の可能性について話しております。その中で県営ダムの計画概要、それから予定地の問題点といたしまして、同地点は、土取り場と機材置き場を予定している。一部工事用道路の路線になる。それからダム流域での開発行為は水源地域として好ましくない。以上のことで、第1回目は、予定地としては不適当であるという回答をいただきぎまして、さらに57年の2月16日、第2回目。今度は土木事務所の所長と企業局の担当次長、担当課長がその可能性についてさらに話し合いを持っております。そのときも、やはり土地の跡地は、植林して水源函養林として指定したいといったようなこと等の指摘がございまして話が整っておりません。
そういうことを踏まえまして、その間、当時の村議会議員からのそういうあっせんの電話等もございまして、区長さん等とも会っております。
さらに、57年6月1日に、今度は、土木事務所だけでは話がつかないということで農林水産部本庁の耕地課の方とも話し合っておりまして、そのときにも、この計画については困難であるといったようなことで、このダム建設計画についての、いわゆるダム建設の関係での話は大変難しかったということは事実でございます。
さらに高江洲氏が、ツクモから領収とかあるいは松原氏の領収等のこともございましたが、そのことについても、私が前局長にお聞きしたところでは、全くそういうことはなかったということをはっきり言っておりますので、これはもうそういうことを私は申し上げる以外はないのでございます。
○議長(志村 恵君) 田場盛徳君。
〔田場盛徳君登壇〕
○田場盛徳君 通告いたしました基地問題と職業訓練を中心として質問をいたします。
まず、知事の対米折衝ですけれども、訪米前、私は、知事が、安保、基地、演習容認の姿勢でありますので、何をしに行かれるのか、あるいは事故や演習被害をなくするように要請するぐらいのことだろうと思っておりました。しかしこれまでの知事の姿勢とはまるっきり別人のように県民の立場に立った訴えをされましたので、対米折衝は立派だったと私は評価しています。
知事が、言うべきことは言ってきたと言われるように、対米折衝の8項目は今日の県民が切実に考えている悩みであり、また県民の生命、財産を守るために、また県の振興開発のために早急に解決をしなければならない非常に重要な問題だと思います。しかし知事のこの切実な訴えに対しても、米側の反応というのは冷淡であり、決して県民の不安を解消する内容にはなっておりません。言うべきことは言ったとこういうことで満足するのではなく、これからその実現に向けてどう取り組んでいくかということが大事だと思います。知事も、成果については期待していない、これから粘り強く実現に向かって努力Lていくと繰り返し決意を述べておられますが、具体的に、どのように取り組んでいかれるのか、今そのお考えがあったら明らかにしていただきたいと思います。
石を落とせば、それに当たって死ぬことが予想できる場合に、石を落とすと、その落とした者は殺人罪に間われます。実弾射撃演習ですが、狭い沖縄で実弾射撃演習をすると危険が予想される。危険が予想されながら、できながら、実弾射撃演習を行うということはまさに犯罪行為なんです。この犯罪行為を許さないためにも、実弾射撃演習の廃止のために知事は先頭に立って抗議をし、その阻止のために闘っていかなければならないと考えますけれども、この実弾射撃演習廃止のためにこれから知事がどのように取り組んでいかれるのか、その決意をまずお伺いしたいと思います。
実弾射撃演習の問題やB-52の問題、そのほかいろいろな問題に対して非常に障害になるのは日本政府の姿勢なんですね。これは大変な問題。特に外務省の姿勢には、もう、我々抗議に行ったり、折衝に行ったりするたびごとに唖然として、一体どこの国の政府の役人なのかと、こういうことを非常に痛切に感じさせられます。外務省に対して、特に強く当たっていかなくちゃならない、その姿勢を変えていかなくちゃならない。
昨年10月24日にB-52が11機、そしてKC135が3機やってきました。11月8日に臨時議会を開いてその抗議決議をいたして、私もその代表団の一員として上京し当たったんですけれども、あのときの外務省は、安全保障課の西田という首席事務官だったんですが、飛来させぬようにするためにシェルターをつくらすべきだとこう言ったら、何と言うかというと、アメリカは金がないですよ、こんなことを言うんですね。それで私は、金がなくてもできる方法はあるんだと言ってやりました。それはグアムから沖縄までのB-52が11機、KC135が3機もこう一緒に飛来するあの燃料代、これだけでは沖縄にB-52が飛んでこないようにできるんだと。ブルドーザーとユンボを持っていって両側に堤防をこしえらる。そしてその間に入れればいいんだと。台風というものは上から下には吹かない、横からしか吹かない。こうやれば簡単にできるんじゃないかということを言ってぜひそれもアメリカに提言をしながら、そのように実現をさせてほしいとこう言ってやったんてす。
このように具体的に飛来させないような方法というものがありますから、知事からもひとつ外務省に、そういうふうな方法を教えてやってもらいたい。
それから爆音公害ですがね。これはもう去年からことしとますます年がたつにつれてひどくなるばかり。ことしの2月から3月まではチーム・スピリット85ということで、家庭ではテレビも画像がぼけて見えない、音も聞こえない、団らんもできない。こういうふうな状況で、そして米軍機というものは住民地区の上空であろうと学校の上であろうと所構わず飛んでいる。こういうことに、これではたまらぬということで、中部地区の約800名ぐらいの人たちが、嘉手納基地爆音訴訟というものを裁判所に提起をして、静かな環境を返せ、平和な生活を返せとこのような要求をしているわけです。けれども、国側の弁護人は、口頭弁論で何と言っているかと、爆音がうるさいと思う者は異常者だとこのような発言をしているんですよね。爆音公害をなくして当たり前の静かな環境の中で平和な生活を求めている中部の住民の訴え、知事は、これに対してどう考えておられるのか。中部地区住民に対する、異常者だと、国側の弁護人の発言、これに対してどうお考えになっているかお尋ねします。
次、基地の整理縮小。これは一番問題なのは地主ですね、軍用地主。伊江島を返せといったら、すぐ知事が帰られるとともに、軍用地主が継続して軍用地として使えとこういうことですよね。知事は、地主の意見を尊重してとこれまで言っておられるが、尊重するというともう基地の整理縮小はできていかないが、一体このような地主に対してどのように指導をされ、対処されていくのか、これを明らかにしていただきたいとこう思います。
それと那覇軍港の返還というたびごとに、知事はすぐ具志川の天願にと新聞にもある。ワシントンまで行って、何かそれを言ったということが新聞に書かれておって、具志川市民は、大変だということで私にもたくさんの電話で、取り上げぬと困るぞと言っておるわけです。恐らく瑞慶山議員にもあったと思うんですけれども、市を挙げて大変だと。具志川の昆布から天願、宇堅、ひどい所ですよ、あの桟橋があるだけでなくて。5年前にガソリンタンクが増設されて、その事故が絶え間ない。そして海上自衛隊があり、米軍のキャンプ・コートニーですか、これがあり、そしてキャンプ・コートニーのもとの敷地跡、これは返還合意されたけれども、地主が希望したというわけで今9階建ての米軍住宅が、恐らく640戸ぐらいで2300名が収容できる施設が建ちつつある。こういうふうな状況の中にいわゆる天願桟橋、これに那覇軍港を移すとなると、あれはそのままで移せないんですよ。新たに接収をして拡大しないと移せぬ。そういうことは絶対許されないことなんですがね、知事の本旨をぜひお聞かせいただきたいと思います。
次に、雇用問題ですが、余り時間がありませんが、雇用失業問題というものは、これはもう絶えず大きな議論になり、そして県も努力しているけれども、一向に前進しないとこういうふうな状況にあるんですが、60年度の雇用失業状況はどうなっているのか。
そして県が言っておられる雇用創出の特別事業というのが具体的にどのように実施されて、どのような成果を上げたのか、これを明らかにしていただきたい。
そして若年求職者の職場適応訓練はどうなされたのか。
新規学卒者の職業指導の実施状況はどうなっているのか。特に本土就職者がよくUターンをしてまいります。定着率が大変低い。この大きな原因の中に新規学卒者の職業訓練、職業指導、これが十分行われてない。だから仕事に対する自信もない、仕事に対する興味もなくて、なれない。こういうこともUターンの一つの大きな原因じゃなかろうかとこう思うんです。だからその新卒者の訓練について明らかにしていただきたいと。
次に、沖縄振興開発特別措置法第38条に基づいて、国は、今後の沖縄県における産業振興の方向に対応した人材の育成と、県内の失業者の再就職の促進を図るため、訓練職種の見直し、職業訓練指導員の資質の向上、委託訓練の活用等公共職業訓練の充実強化を図るとともに、各種援助措置の活用、公共職業訓練施設の指導員の派遣等により職業訓練の振興に努めるとこのような方針を打ち出しております。これに基づいて県も、公共職業訓練施設の整備拡充ということを打ち出しておられ、そして訓練科目の増設ということをうたっている。これは国の方は訓練科目の見直し。見直しというとこれはもう整理統合で持っていこうということであり、その増設と全く相反する事柄。国の方針というものは、沖縄の厳しい雇用情勢を改善するための重要な柱として位置づけている立場から、これは見直しをされたら非常に困ると思います。私は、県の打ち立てた、いわゆる訓練の果たす役割を重視したところのいわゆる公共施設の強化充実という方向に持っていかなくちゃならないとこのように考えます。
去年の12月に、我が党の宮城議員もこの訓練問題に対して質問いたしましたが、そのとき高良部長は、いわゆる訓練基本計画の策定を早急にやってまいりますとお答えになっておりますけれども、その進行状況はどうなっているのか。どのような方向で進めつつあるのかということを明らかにしてもらいたい。
次に、いつも大きな問題になりますのは、訓練学校の指導員の充足率、これです。去年もこれは約束されたけれども、具志川、浦添にそれぞれ1人ずつ配置をしておるというだけで、まだ充足率は労働省の基準の50%程度にしかなっておりません。九州各県の訓練学校の状況を見ますというと、ほとんど100%の指導員の配置がなされておる。全国平均も約75%。我々の沖縄は、非常に届用失業の状況からして職業訓練の重要性ということを強調しながら、このような指導員の配置では困るじゃないかとこう思います。知事の充実強化の方針とも余りにも格差があり過ぎるんですが、一体どうされるのか。訓練学校の指導員の充足計画、これはちゃんとあるのか。あれば、それを明らかにしていただきたいと思います。
次に、訓練校の科目増設ですけれども、現在の時代の要請ということで特に先端技術訓練科目の新設、OA機器関係あるいはコンピューター関連関係、これはぜひ必要じゃないかと思うんですが、これに対する計画はどうなっているのか。
次に、観光産業に関連する販売科、サービス科、これを置くべきじゃないかと。さらに心身障害者対策の科目、これも置くべきじゃないかと思うんですが、それに対するところの御計画をぜひ明らかにしていただきたいと思います。
次に、那覇分校の今後の活用計画ですが、軽印刷関係だけやっておりますね。さっき提起しました増設、これと関連させて浦添訓練学校の那覇分校のこの活用計画をもっと立てるべきじゃないかとこのように考えます。
それと去年の12月、前具志川職業訓練学校長の川満さんが、「訓練具志川」という中に提起しておる、非常に大変いい計画構想だと思います。いわゆる高卒2カ年コースヘの移行。沖縄では技術関係の短期大学がありませんので、この技術関係を2カ年コースに移行して、いわゆる短期大学程度の力をつけていこうということなんですよね。これは業界も非常に望んでおるし、カナダ、この前行く機会がありましたけれども、向こうは資本と技術があれば幾らでも移民を歓迎すると。この移民を育てるためにもこれは非常に大事だとこう思うんですが、そのお答えをお願いしたいと思います。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 田場議員の御質問に対しましてお答えいたします。
私の訪米の成果につきまして、温かい評価をしてくださいまして本当にありがとうございました。
実弾演習の廃止についてでございますが、特に在沖米軍の主力である海兵隊のケリー総司令官にお会いいたしまして、この人と率直にぶつける必要があるということを考えまして、この実弾演習は射程もだんだん延びているし、沖縄の狭い演習場には向かないんじゃないかと。沖縄以外でやってくれないかという率直な私の要請に対しまして、「ベリー、ディフィカルト」、ノーという返事が返ったわけでございまして、本当に職業軍人らしい答弁でございました。自分の任務は、友好国の平和と独立を守り、友好国に展開されている海兵隊の戦力を増強することだと、はっきりそういう返事をいただいております。そういうことで実弾演習の廃止につきましては大変難しい問題ではございますが、日米両政府に対しまして、また現地米軍に対しましても、これから粘り強く折衝していかなければならない。沖縄の基地問題の中における最重要課題として私はこれをとらえているつもりでございます。
次に、B-52の飛来の問題につきましても、大浜君が渉外部長であったときもそうでございましたが、グアムの米軍基地視察の際にも、比嘉副知事と同行して行った際にも、飛来しないように、できるだけ多くのシェルターをグアムにつくって、暴風のときに緊急避難ということで沖縄に来ないように強く要請するように言っておいたのでございますが、今度もこの件については県民の要望でございますし、また事故等もございましたし、そういうことから率直にこの飛来についての中止方を要請した次第でございます。
爆音問題につきましては、ハワイにおける最終日程といたしまして太平洋空軍司令官のベイズリー中将にお会いいたしました。これまで騒音問題については、大変御協力をいただいている。授業時間中における学校上空の飛行コースの変更、それから飛行時間の短縮、その他爆音に対する今日までの協力についてお礼を申し上げ、それでもなおかつ騒音問題は嘉手納周辺においては大きな基地問題となっている。今、訴訟が提起されているぐらいであるので、なお引き続き騒音については特段の御配慮を賜りたいということをベイズリー中将に対しまして強く要請してきたところであります。
それから軍用地主に対する指導でございますが、本音と建前と申しますか、特に伊江島飛行場の場合には大変困っておりまして、軍事演習は反対、しかしぜひ基地として使ってくれとこういう本音と建前の使い分けを今後私がどう調整していくか、大変苦心をいたしているところでございますが、何といっても民間の要望、例えば伊是名、伊平屋の飛行場もつくらなきゃなりませんし、そういう観点から、今の補助飛行場の空域が大変邪魔になっておりますので、そういう大局的な見地から調整する必要があるんじゃないか。地主の意向を全然無視するというわけにもまいりませんけれども、一番苦心のしどころではございますが、できるだけ大局的な見地に立って地域の終局的な利益を念頭に置いて、この問題も解決しなければならないと考えております。
それから那覇軍港の移設を要求したわけでございますが、天願桟橋に持っていけということはひとつも言っておりません。これは那覇軍港とか、ホワイト・ビーチとか、天願桟橋とか、いろいろ似たような施設があるから、こういったものを1つにできないかと。移設を前提とする軍用地の返還は難しいと。移設を認めるという所はほとんどないんだと。こういう観点に立って基地の整理統合ということであれば、既設の似たような施設を1つにしていく。例えばキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン、これも同じ海兵隊基地じゃないかと。これも1つにしたらどうかと。こういうことで申し上げたわけでございまして、田場さんが困るような天願に持っていけということはひとつも言っておりませんから、ひとつ御理解いただきたいと思います。
キャンプ・コートニーにおける住宅建設は、これは御案内のとおり、自動車道の南伸に伴って米軍住宅地区の住宅をどうしても移さなきゃなりません。そういうことでキャンプ・コートニーにそれにかわる住宅を建設しているわけでございまして、御理解を賜りたいと思います。
次、雇用問題についてたくさん御質問がございましたが、担当部長から答弁させるつもりでおりましたが、時間がございませんので一括して私から答弁することにいたします。
沖縄振興開発特別措置法38条についての御質問がございましたが、お答えいたします。
本県においては、同法に基づく計画の推進に当たっては、労働省及び開発庁の協力のもとに職業訓練計画を策定し、また必要な措置を講じているところであります。御承知のように、本県の雇用失業情勢は依然として厳しい状況にあり、失業者の適性と能力に応じた職業能力の開発向上を促進するため、職業訓練及び技能検定の充実強化を図ることは雇用機会の増大に極めて重要であります。このため地域の産業及び訓練ニーズにも十分配慮した効果的かつ効率的な訓練を図ってまいりたいと思います。
なお、御提言のことにつきましては、本県の訓練ニ一ズに沿った訓練科目の拡充に努めてまいりたいと思います。
県内の雇用失業情勢の現況でございますが、全国平均に比べまして依然として厳しいものがございます。52年を底に徐々に改善の傾向にございます。労働力調査によりますと、就業者の数及び雇用者の数は一貫して増加傾向にあります。また完全失業率は52年の6.8%をピークにいたしまして一進一退を繰り返しておりますが、次第に低下の傾向にございます。59年は5.2%となっております。しかしながらこれは全国平均の2.7%の約2倍でございまして、依然として厳しい状況が続いております。
次に、雇用創出のための特別事業の具体的な実施、その実態と成果についてお答えいたします。
雇用機会創出のための事業といたしまして、57年度から国の助成により、地域雇用開発推進事業並びに沖縄若年求職者職場適応訓練を実施いたしております。地域雇用開発推進事業につきましては事業主等の理解もだんだん高まっておりまして、年々利用状況も増加してきております。3カ年間で183人、2932万4000円を給付いたしております。また沖縄若年求職者職場適応訓練につきましても、3年間で226人が職場適応訓練を受けております。
次に、若年求職者の職場適応訓練でございますが、今申し上げたとおりでございます。
それから新規学卒者の職業指導の実施の状況についてお答えいたします。
新規学卒者の職業指導につきましては、次のような手順で強力に指導しているところであります。
まず、学校における指導といたしまして、県教育委員会の「学校教育における指導の努力点」及び進路情報資料等に基づき進路指導担当、ホームルーム担任を中心に低学年から組織的、計画的な指導の強化に努めているところであります。なお、就職内定者に対しましては、卒業前に進路指導主任及び学校長の講話、先輩の体験談等を通じて就職に関する事前指導の徹底を図っているところであります。
就職後の指導につきましては、公共職業安定所の業務として就職先の公共職業安定所を中心に行うのが基本でありますが、学校によっては進路指導担当者を関東、中部、近畿地方等に派遣いたしまして追指導を実施しているところであります。さらに県内就職者に対しても、職場開拓を兼ねて追指導を実施している学校もあります。
次に、職業訓練基本計画の策定についてお答えいたします。
県は、国が策定した職業訓練基本計画に基づきまして第3次沖縄県職業訓練計画を定めまして、県職業訓練審議会の意見を踏まえ56年に策定いたしております。この計画の期間が56年度から60年度までの5カ年間となっております。今回は、第4次職業訓練計画の策定の時期にあるが、御承知のように今通常国会において職業訓練法の一部を改正する法律案が提出され、5月10日に成立し6月8日に公布されております。新法は職業能力開発促進法となりますが、この法律によって、国は職業能力開発基本計画を策定することになっておりますが、県におきましても、同基本計画に基づきまして第4次の職業能力開発計画を策定することになります。現段階におきましては、経済の動向、労働市場の推移等について長期的な見通しに立ち、かつ技能労働力の産業別、職種別、企業規模等の需給状況、労働老の労働条件及び労働能率の状況を把握するための準備に取りかかっているところであります。計画期間は、61年から65年までの5カ年間となっております。
次は、訓練校の指導員の充足についての御質問がございましたが、お答えいたします。
職業訓練常勤指導員の充足につきましては、労働省の基準では訓練生10人に対し玄して指導員1人を充てることになっておりますが、本県の充足率は52.8%であり、九州各県の充足率、平均いたしまして77.6%、全国充足率、平均いたしまして74.6%、これは沖縄県を除くものでございますが、74.6%となっております。
次に、公共職業訓練の拡充と訓練校の指導員の充足計画についてお答えいたします。
60年度は、職業訓練校において正職員の指導員37人を配置し、他は非常勤講師をもって訓練に当たっております。全国的な指導員の配置状況は70%から75%程度になっておりますが、本県においては充足率が52.8%になっておりまして、全国平均に達するよう毎年指導員の充足を図っているところであります。今後、職業訓練の重要性にかんがみ、関係機関との調整を図りながら積極的に取り組んでいく所存であります。
次に、訓練校における科目の新設についての御質問に対しましてお答えいたします。
近年、我が国の産業界では、産業用ロボットやオフィス・オートメーション等先端技術の利用を中心とした技術革新が急速かつ広範に進展しつつありますが、この傾向は今後一層強まることが予想されます。本県におきましても、このような状況の中で求職者は従来の知識技能に加えまして、高度の知識や技能を身につけることが要求されているため、先端技術等に関し、知識技能を持った企業人を指導員として幅広くこれを活用し、技術革新に対応できる実践的な技術、技能を付与することが緊要であると考えております。現在、県立2校において技術革新に対応すべく先端技術の一端としてワープロの導入を図り、訓練を行っているところであります。御質問のことについては、民間産業のニーズを十分配慮いたしまして、第4次職業能力開発計画の中で前向きに検討してまいりたいと思います。
次に、観光産業に関連する販売科、サービス科等の新設についての御質問がございましたが、お答えいたします。
浦添職業訓練校におきまして、56年4月1日から観光旅館科の委託訓練を実施しているところであります。最近における訓練ニ一ズの多様化に対応いたしまして、各種の教育訓練施設の活用による委託訓練の充実を図っていきたいと思います。
次、心身障害者対策科目の新設についての御質問がございましたが、お答えいたします。
心身障害者の能力を開発し、社会参加を推進するとともに、雇用を促進し、職業生活の安定を図るための職業訓練が必要であることは申し上げるまでもないことであります。現在のところ、県では、心身障害者に対する訓練施設はございません。しかし59年度は健常者とともに訓練可能な者に対する訓練科目として軽印刷科を設置したところであります。今後、心身障害者に対する職業訓練を可能な限り推進するため科目の設置、施設等の改善を含めまして第4次職業能力開発計画の中で検討したいと思います。
次、那覇分校の今後の活用計画についてお答えいたします。
那覇分校においては、現在、軽印刷科の訓練が実施されておりますが、同施設の有効活用を図るため施設の一部を婦人就業援助センターの技術講習等に使用させております。那覇分校における今後の計画につきましては、地域の訓練ニ一ズを十分配慮し、御提言のある先端技術関連科目を含めまして第4次職業能力開発計画の中で検討し、効果的な運営を図っていく所存であります。
次に、技術短期大学構想についての御提言にお答えいたします。
職業訓練校における高卒2カ年コースヘの移行については、一部の科目について計画を進めているところであります。しかし同施設の短大への移行は考えておりません。職業訓練校においては、普通訓練課程の養成訓練の教科等に関する基準により訓練が行われ、中、高卒者を対象に多能工的技能工の素地を付与し、また短期大学校は、専門訓練課程の養成訓練の教科等に関する基準によりまして訓練を行い、高卒者を対象に高度技能労働者養成等がなされているため、計画に当たっては長期的展望に立った職業訓練計画を策定し、同計画の中で訓練施設の設置等を図り、内容の充実強化に努めてまいりたいと思います。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 休憩いたします。
午後0時24分休憩
午後1時46分再開
○議長(志村 恵君) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
上原亀一郎君。
〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 通告した事項につきまして知事に質問いたします。
最初の質問は、新石垣空港の建設の問題です。
同空港の建設については、昭和55年12月、運輸大臣に空港建設許可申請が出されましたが、そのまま建設費は2年も繰り越しとなっています。
そこで早速質問に入りますが、埋立免許申請がおくれている理由は何ですか。
また、どういう手続でいつ申請するということですかお答え願います。
我が党は、この問題について、新空港の白保地先への建設について地元住民との合意が得られていない、埋め立ては自然景観を破壊し漁民の生活権を奪う、新空港の建設は、国、県の一方的都合で強行してはならないと再三知事に申し入れを行いました。その後、平和をつくる沖縄百人委員会が「南西諸島のサンゴ礁の現況調査並びにその保全に関する研究」というテーマで、WWFJ(世界野生生物基金日本委員会)から、昭和60年度の調査研究助成を受けて、4月27日から約20日間にわたって琉大の専門家を中心に白保海域の調査が行われました。その結果、亜熱帯に属する白保地区の海中に、これまで赤道直下のマーシャル諸島にしか見られないとされていたアオサンゴの大群落が確認されました。それは逆三角形で、底辺に当たる部分が700メートルから800メートル、頂点から底辺までの長さが500メートルに及び、日本で最大規模のものと思われるもので調査団をびっくりさせたほどであります。我が国のサンゴ礁研究の権威堀越増興前東大海洋研究所教授は、このことについて、沖縄に大群落があってもいいはずだとは思っていた、群落はパラオにもあるが、規模は白保より小さく死滅が進んでいる、日本でただ1つのものだろう、生物学的にも極めて珍しく天然記念物の指定に値すると、5月28日の朝日新聞で報道されています。
今や白保の海を守るというのは、クストーさんを初め、国際的な専門家の声となって、八重山だけの問題でなく、沖縄の良識が問われている国際的な問題に発展しています。しかしながら西銘知事は、これまで3回にわたって白保の環境調査の結果の公表をかたくなに拒否してきました。渋々わずかに公表した現況にしても、多くの疑問が出されています。
沖縄の良識が問われている重要な問題と指摘しましたが、白保の自然についての多様な意見が出されているこういうときこそ、知事は調査結果を公表して多くの県民の討論を重ねた英知を結集して行政行為に反映させるべきではありませんか。
したがって我が党は、これまで行った白保の環境調査結果を直ちに公表するよう要求するものですが、午前中の御答弁で9月末か10月に公表するということでした。環境保全に関し講ずる措置を記載した図書が既にできているのに、環境の現況だけ提示して、環境影響評価の内容、環境保全目標、環境への影響と評価の大事な部分を隠して公表しておりません。なぜ直ちに公表できないのですか。
またそれと同時に、改めて総合学術調査実施の必要性が高まってきていますが、その意思はありませんか。
新空港の規模や設置場所を含めて再検討し、時間をかけてだれもが納得のいくように民主的に進めていくことが一層重要になってきています。そのため埋立申請は絶対に差し控えるよう改めて提言するものですが、御答弁を求めます。
質問の第2は、摩文仁ケ丘山道階段の管理責任についてであります。
摩文仁ケ丘を中心とする平和祈念公園は、それに隣接する健児之塔を含めて平和を祈念するだけにとどまらず、絶対に侵略戦争を繰り返させない、沖縄県民の恒久平和への断固たる決意を示す方向で、その風格を高め、本土各県はもとより、内外の多くの人々に見ていただかなければならない沖縄を、県民の平和の願いを象徴する公園であります。
この平和祈念公園と健児之塔を結ぶがけっ縁階段は、幅が30センチ程度の狭い45度以上の急峻な階段となっていますが、手すりもないために足を踏み外して転落したり、よろけて前の人を押して転落させたりで事故が続発しています。これでは安心して平和祈念公園を訪れ、散策し、参拝することもできません。
それで知事にお尋ねします。
そのような危険な状況をなぜこれまで放置してきたのですか。
管理責任者はだれですか。県であるとすれば、どの部課の担当になりますか。
管理責任のない糸満市に修理費を負担させるのは不当ではありませんか。
危険な状況をこれ以上放置することは許されません。いつ応急策を講じますか。
抜本的には安心して昇降できる安全な山道階段の新設を急ぐ必要がありますが、検討しておられますか。いつ着手なさるおつもりでございますか、お答え願います。
質問の第3は、金武町中川、宜野座村城原農用地区域内における国場組によるゴルフ場建設の問題についてです。
この問題について、金武町議会が建設促進要請決議をしたのに対し、傍聴した同農用地区域内の農民地主が猛反発を示し、土地は絶対に売らないぞと農民無視に怒りの大声を上げ、国和不動産の現場事務所に対し建設断念を求め、土地売買には一切応じないと直談判したとの奇異な新聞報道に接し、私も去る6月14日に現場調査に参りました。行ってまず驚きましたのは、国道329号線沿いの国和不動産株式会社、国場組現場事務所に建てられているゴルフ場完成予想図の大看板でありました。これではまるで農業振興地域内の農地にあってもいつでも買収でき、すぐにでもゴルフ場建設に着手できるんだといわんばかりの無法状態を誇示するようなものでした。その上、「ゴルフ場予定地」という横飛び看板までも中川にも城原にもそれぞれ建てられていました。
そこで知事にお尋ねしますが、国場組あるいは国和不動産株式会社は、県土保全条例とのかかわりで県に相談がありましたか。
それについて県はどのように対応しあるいは指導をしましたか。
次に、農地法第4条、5条、農業振興地域の整備に関する法律第17条には、農地,の転用のための制限、転用のための権利移転の制限が規定され、これを受けて国民経済の発展及び国民生活の安定上必要性に乏しい施設を建設しようとする場合においては、農地の転用は極力これを抑制すべきものと考える。したがってゴルフ場、競馬、競輪場のように国民生活上必要性に乏しい施設の建設のようなものは、一般に転用目的としては適当でないと思われるので、この点に留意の上、農地転用許可基準を運用されたいとの農林事務次官通達が出されております。
そこで知事にお伺いしますが、農振法の網がかぶせられ農地法上の制限があるのに、なおゴルフ場の建設ができるのでございますか。
3つ目に、地主農民は、国和不動産が中川に事務所を構え、あらゆる手段を駆使して土地の買収工作を始め、反対地主の中には買収工作員の昼夜にわたる面会強要、電話攻勢によって生活や仕事が邪魔され、不安な毎日を過ごしているのが現状ですと訴えています。これでは農民は安心して農業生産に励むことはできません。今日、中核農家として形成されつつある中川、城原の花卉園芸農業はもとより、基幹産業として発展させていかなければならない本県農業の破壊、農業つぶしではありませんか。
知事、農振地域、農用地区域内でのこのような農業つぶし、農民いじめは直ちにやめさせなければなりません。どのように対処なされますか、お答え願います。
同時に、県土保全条例、農地法、農振法の精神を踏みにじり、地主農民を威圧し不安に陥れている、先ほど挙げましたゴルフ場完成予想図大看板やゴルフ場予定地看板は撤去させるべきではありませんか、お答え願います。
次に、農業振興地域の整備に関する法律は、第16条で国及び地方公共団体の責務として、「国及び地方公共団体は、農用地利用計画を尊重して、農用地区域内にある土地の農業上の利用が確保されるように努めなければならない。」と当然規定をあえてうたっています。金武町中川、宜野座村城原の農用地区域内の土地で農用地利用計画が踏みにじられ、農業上の利用がゴルフ場の利用に奪いかえられようとしています。
知事、この具体的な事実に対しどう県の責務を全うし、農業上の利用を確保していくため、どのように厳しく対処されていかれるのか明確な御答弁を求めます。
最後に、我が党代表質問との関連事項であります。
沖縄電力株式会社の民営移行に係る閣議了解決定については、昨年12月定例議会での私の一般質問で既に勝負の決着がついたものですが、知事はきのう、またもや閣議了解決定を持ち出して沖縄電力株式会社は特殊法人としての存続はできないと開き直りました。その閣議了解決定なるものは、沖縄電力株式会社については、民営移行のため存続期限の切れる昭和56年度末までに諸般の措置を講ずるというもので、それ自体が、沖縄電力株式会社はその後その存続が10年延長したから、存続期限が切れて効力を失ったのは閣議了解決定そのものであるということを端的に示しておるではありませんか。そのことは何を意味するか。沖縄振興開発特別措置法の原点、政府は、沖縄県民の方々の心情に深く思いをいたし、県民への償いの心を持って事に当たるべきであるとのこの原点の前に、閣議了解決定はその姿を消さざるを得なかったのであります。
知事、沖縄振興開発特別措置法第5章第2節沖縄電力株式会社は、いつ削除改正されましたかお答えください。
次に、百歩譲って、5回にわたる閣議了解決定が仮に今なお効力を持つとしても、民営移行の大前提である諸般の措置を政府はいつ、いかように講じたのですか。講じたのに知事が県民にひた隠ししておるのでありますか。去る4月の政府要請は、この程度の諸般の措置では独立民営方式での移行は困難ということでの要請なんですか、お答えください。
最後に、民営移行によって県民にどのような利益を与えることができるかとの伊波広定議員の代表質問に全く御答弁がありませんでした。県民の前に責任ある御答弁を示していただきたい。
以上で一応の質問を終わります。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 上原議員の御質問に対しましてお答えいたします。
新石垣空港問題についての御質問につきましては土木建築部長から答弁させることにいたします。
それから摩文仁ケ丘の山道階段について、金武町、宜野座村両町村にまたがる農用地区域内のゴルフ場建設についてはそれぞれ担当の部長から答弁させることにいたします。
沖縄電力、代表質問との関連についてお答えいたします。
「沖縄電力株式会社」はいつ削除改正されたかということでございますが、これは延長されたばかりでございまして、特殊法人をやめるためには、廃止するためには立法措置が必要でございまして、独立民営方式の移行が決まれば当然これは法律改正を伴うわけでございます。今、民営移行しておりませんので法律が生きておりますから、現行法によって独立民営方式に移行するまではこの法律が生きていますから、これによって特殊法人としての法人格を取得しているわけであります。したがいましてこれがなくなるというと、特殊法人ですぐなくなるわけですから、そういうわけにはまいりません。したがいまして独立民営移行方式が決まっておりますので、これは次の段階でこの電力に関する規定を含めた法律改正が伴うことは当然のことでございます。したがってまだ削除されておりません。おらないからこそ今特殊法人として生きているわけでございます。その点をひとつ御理解いただきたいと思います。
民営移行の大前提である諸般の措置を政府はいつ、いかように講じたかと。
まだ講じておりません。今、民営移行について9電力との合併か、独立民営かということで、県としては独立民営でいこうという決定に基づいてもろもろの措置を要請しているところでございます。政府はまだ決めておりません。したがって株の構成はどうするのか。現在までとられてきましたいわゆる特別措置、税法上の特別措置、その他いろいろございますが、その特別措置もこれまで同様存続してもらいたい、その他必要な措置について今調整をしている段階であります。したがいましてまだそこまでは詰まっておりません。具体的な特別措置の内容についてもまだ決まってはおりません。
それからこの程度の諸般の措置では独立民営方式での移行は困難ということでの要請かと。
そういうことではございません。これはもう5回にわたる閣議決定でございますので独立民営方式もまだ決定はされておりません。県の要請としては、九州電力との合併かあるいは東京電力との合併かあるいは沖縄が優先株を持って、いわゆる独立民営方式でいくのか、今いろいろ検討されている段階で、諸般の情勢からして独立民営の方が県益にとって有利である。したがいまして後はどういう形で有利になるのか、これはこれからでございます。だから特別措置もやらなきゃいけませんし、株の構成等についても沖縄県側が、地元側が有利になるように株の配分もしなきゃなりません。140億円余りの資本でございまするから、したがってどれぐらいに減資していくか、将来の配当との関連等もございまするから、そういったことで今どういう形に持っていけば沖縄県にとって有利になるかということで詰めの段階を迎えているわけでございます。皆さん方が言うように、すぐ今、県民の前に、こういうことは沖縄県民のためになりますということが言える段階ではございません。少なくとも民営移行に当たっても独立民営方式をとって沖縄県が有利になるように、しかも離島といういわゆる非常に悪い条件を抱えておりますので、これからの同電力について国に対しどういうような援護体制を要請するか、これからでございまして、その点御理解いただきたい。法律はあります。これによって特殊法人としての地位も現在まで続いているわけであります。まだ切れたわけではありません。法律改正が必要であります。
以上申し上げて御理解をいただきたいと思います。
○議長(志村 恵君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 山城廣茂君登壇〕
○土木建築部長(山城廣茂君) 上原議員の御質問にお答えいたします。
まず1点目に、埋立申請がおくれている理由は何かということでございますが、新石垣空港建設に伴う埋立免許の出願につきましては関係部局との調整、協議及び願書に必要な図書の作成を進めているところでございますけれども、空港建設につきまして現地に環境問題に対して世論の高まりがございますので、関係図書の作成につきまして慎重に対処してきたということがおくれている、延びている理由でございます。
次に、どういう手続でいつ申請するのかという御質問でございますが、これにつきましては埋立免許の出願は関係部局と調整を図り、願書に必要な図書が整い次第、空港管理者であります知事から、免許権者である一般海岸管理者の知事へ出願することになります。現在、願書に必要な図書の作業を進めておるところでございまして、これが整い次第埋立免許の出願をしたいと考えておりますけれども、現時点でいつになるということはまだ申し上げかねる状態でございます。
次に3番目に、環境調査結果公表、影響度調査のこととそれから学術調査を実施する考えはないかということでございますけれども、環境影響調査につきましては56年、59年に実施したところでございまして、その現況調査につきましては昨年の土木委員会あるいはマスコミに公表したところでございますけれども、影響についてなぜ公表しないんだということでございますけれども、これにつぎましては昨年の9月に夏場における現況調査ということを行いましてそれを保管しておるところでございますけれども、企業者である土木建築部における作業はおおむね終わっております。ただこれから関係部局、主に環境保健部になりますけれども、そことの調整等もございまして、公表する時点では県としての環境アセスを公表したいということでございまして、そういうことで9月末か10月と先ほど午前に申し上げたところでございますけれども、もっと早まることができるかもしれません。
それから学術調査についてでございますが、土木建築部が行っております環境影響評価調査につきましては、国内でも実績のある専門のコンサルタントヘ委託し実施させておりまして、その環境評価は十分信頼できるものであると考えております。したがいまして新たに総合学術調査等を実施する考えはございません。
それから4番目の、現計画の位置や規模を見直す考えはないかという御質問でございますけれども、新空港設置場所につきましては、現空港の拡張を含め新空港設置可能地につきまして、空域条件を含め技術的観点及び土地利用状況等から十分調査検討を行い、その規模についても今後の航空需要及び八重山圏の振興開発等の面から調査検討を行い、さらにこれについて関係機関とも調整を図り県案を決定したものでございます。またこの県案の新石垣空港につきましては、運輸大臣は、地元における公聴会等所定の手続を経てその設置許可がなされたものでございます。したがいまして新空港の建設場所及び規模につきまして再検討する考えはございません。
それから先ほど御指摘ございましたけれども、アオサンゴでございますが、これは現在、空港埋め立て予定している地域からは300ないし500メートル南の方で離れている所でございまして、直接空港予定地に入っている部分じゃございませんので御報告しておきます。
石垣空港につきましては以上でございますけれども、先ほどゴルフ場の件で屋外広告物の件で御質問がございましたので、お答えいたします。
当該屋外広告物につきましては禁止区域であり、許可事項かと思いますが、その相談を受けたかということでございますが、県に協議はなされておりません。
どのように行政指導したかということでございますが、これにつきましては屋外広告物条例に基づきまして早速指導したところでございまして、本日、その広告物は撤去されたという連絡を受けておりますので御報告いたします。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 金城祐俊君登壇〕
○生活福祉部長(金城祐俊君) 上原議員の御質問にお答えいたします。
最初に、危険な状況をなぜこれまで放置したかということでございますが、御指摘の糸満市摩文仁ケ丘の黎明之塔付近から師範健児之塔に通ずる山道、これは健児之塔遊歩道というようでありますが、この遊歩道は延長156メートル、幅員1メートル70センチの階段になっております。これは琉球政府時代の1964年に整備されたもので、現在、慰霊参拝者や観光客等が常時利用しております。しかしながら現在手すりや危険防止さくがなく、御指摘のように危険な状態にあります。このため昭和60年度で観光・文化局において、所要の危険防止さく等の設置のための予算が計上されておりますので、関係部局とも調整の上、できるだけ早い時期に工事が着手できるようにしたいと考えております。
なおこの際、地主である糸満市との当該施設の用地に係る土地の貸借等も含めまして、当該施設の管理あるいは維持につきましては県生活福祉部援護課において十分意を配ってまいりたいと考えております。
管理責任はだれか。県であるとすればどの部でどこの課かとの御質問でございますが、御指摘のとおり当該健児之塔遊歩道が旧琉球政府時代に建設されたこと等の事情でこれまで管理責任が不明確となっておりましたが、この際、地主である糸満市との土地の貸借契約等も含めまして生活福祉部援護課において十分な維持管理を図ってまいりたいと思っております。
糸満市に修理費を負担させるのは不当ではないかという御質問でございますが、糸満市に当該施設の整備費の一部負担をお願いいたしましたことにつきましては、観光・文化局が所管する観光施設整備事業として地元市町村に所要経費の一部を負担させることとなっていることから、当該施設の整備について糸満市に協力を依頼したものであります。しかしながら今回、管理責任が明確になったことによりまして予算の執行に当たってはいろいろと工夫を要すると思いますけれども、いずれにいたしましても糸満市に負担させることなく、県において危険防止ができるように関係機関と十分協議しながら進めてまいりたいと考えております。
この危険な状況をこれ以上放置することは許されないということでございますが、御指摘のとおり当該施設は大変現在危険な状況にありますので、さしあたり危険防止表示等により利用者に注意を呼びかける等の応急策を講じつつ、別途関係部局と調整の上、手すりやさく等の安全施設工事ができるだけ早い時期に着手できるようにしたいと考えております。
また次の御質問で、安心して昇降できる安全な山道階段の新設を急ぐ必要があるのではないかとの御質問でございますが、当面の安全対策としましては、先ほど申し上げましたようにできるだけ早い時期に手すりやさく等を設置することにしたいと考えておりますが、さらに将来にわたって利用者の利便や安全の確保の面等から当該施設を改修または新設することにつきましては関係部局と別途協議することといたしたいと考えております。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 池田光男君登壇〕
○企画開発部長(池田光男君) 上原議員の金武町及び宜野座村におけるゴルフ場建設に関連いたしまして、県土保全条例についての御質問にお答えいたします。
当該地域におきましてゴルフ場を建設することにつきましては、事業主の方から県土保全条例に基づく開発行為の事前協議の進め方等につきまして相談を受けているわけでございます。その条例の趣旨あるいは条例の内容、第4条の事前協議の手続の進め方等について相談を受けたところでございます。
その際、次のように指導してございます。
第1に、農業振興地域の整備に関する法律、農地法、森林法、国有財産法等個別規制法の許可の見通しがついた段階におきまして事前協議を申し出ることが望ましいと、これが第1点でございます。第2点といたしまして、事前協議の申し出につきましては、土地に関する権利を取得する前に行うことでございます。第3点につきましては、金武町及び宜野座村の全面的な協力と地主及び地域住民のコンセンサスを十分得るようにしてもらいたいと。
以上、3点につきまして事業主に対し指導してございます。
なお、両町村に対しましては、事業主へ指導した事項等につきまして十分留意して対応するように、また常にその開発の動向等について把握するよう指導してございます。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 久手堅憲信君登壇〕
○農林水産部長(久手堅憲信君) 金武町、宜野座村におきますところのゴルフ場の建設と農地法、農振法上の問題についででございますが、当該ゴルフ場建設予定地は、金武町及び宜野座村にまたがっているようでありますが、現段階における両町村の農業振興地域整備計画によると農業振興地域であり、ゴルフ場建設計画を実施するには農業振興地域の整備に関する法律等による諸手続が必要であると考えます。
なお、現在までのところ両町村からの申請等はなされておりません。
次に、農用地区域内におきますところの土地の買収方法等に関することでございますが、農地等の権利の移動については農地法に基づいて手続がなされるべきものであり、その手段、方法については社会通念上良識ある方法でなされるべきものと考えます。したがいまして当該地域についてはまだ十分承知しておりませんが、おっしゃるような事実があればまことに遺憾であります。
次に、農振法第16条で言いますところの地方公共団体の責務に照らしてどう対処するかということでございますが、農振法第16条で言う国及び地方公共団体の責務は、市町村が定めた農振整備計画に基づく農用地利用計画を尊重するように努めるべきものであると考えるが、第一義的には市町村がみずから定めた当該計画について、農業の振興を図る立場から遵守すべきものであると考えます。また県といたしましては、市町村の当該計画が達成できるよう行政指導する立場であります。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 上原亀一郎君。
〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 知事、時間がありませんので、電力会社の民営移行についてですが、現在生きていると。生きているの反対語は死んでいるということになるわけです。そうすると、今生きているのを削除するというのは殺すということにしかなりませんが、よろしいですか、今現に沖縄県民のために特別措置法でもってしっかり守られている。何でこれから外そうとするんですか。それをお答えできますか。お願いします。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 再質問に対してお答えいたします。
今、特殊法人として存続しておる法的な根拠は特別措置法であります。これがあるから存続しているわけです。これがないというと存続の根拠はございません。したがいまして、民営移行に際しては法律改正が当然必要となってきます。それまでは特殊法人ですから法的根拠を持たせなければいけないわけです。それで5回にわたって閣議決定を見ておりまして、どちらがいいか、共産党の皆さんは特殊法人がいいということでずっと一貫してこれを主張されている。これもわかりますが、5回にわたって行政改革、財政改革の一環として、特に行革の一環として閣議で取り上げられて5度にわたる決定を見ておりまするから、これは早晩移行しなければなりません。したがいまして亀一郎さんが言われるように、上原議員が言われるように、そのときには特殊法人でなくなりますから、法律改正は当然伴うわけでございます、立法措置として。
○上原亀一郎君 なぜ知事はそれを守ろうとしないんですか。
○知事(西銘順治君) いや、これは私が守る、守らないんじゃないですよ、国が決めているんですから。国が99%株を持って、沖縄県は0.2%ぐらいの株しか持っておりません。(「知事が要請したじゃないですか」と呼ぶ者あり)いや、もう閣議決定でございまするので、これはだから民営移行が急がれておりますから、民営移行が決まったから、それでは民営移行の中で、どうした方が県民のためになるかということで協議会等の意見も聞いて、九州電力やほかの電力会社と合併するよりも、いわゆる現地法人でいった方が沖縄県のためになるということでございまするから、これに基づいてこれまでの特別措置についても存続していく、ずっと延長していく、さらにそれ以外の特別措置についても、あるいは株の構成等についても沖縄県に有利なようにこれから折衝を進めていくわけであります。法律改正を含めて、そういうことですから……。
○上原亀一郎君 逆立ちしている。
○知事(西銘順治君) 逆立ちしているとおっしゃっても、これは決まったことですから、国の方針として。決まった中でどうすれば沖縄のために有利になるような条件で民営に移行するかと、こういうことで今頭がいっぱいでございますから御理解いただきたいと思います。
○議長(志村 恵君) 石川 修君。
〔石川 修君登壇〕
○石川 修君 私は、さきに通告申し上げました質問事項を順を追うてお尋ねをいたします。
まず、市場開放の問題です。
我が国は、工業製品の集中豪雨的な輸出によって、ついに経済摩擦の激化を招くに至ったのであります。政府・自民党は、アメリカを初めEC、ASEAN諸国の外圧によって、市場開放策によって経済摩擦の解消を図ろうとして6月25日、政府・自民党対外経済対策本部は、市場開放計画の第1弾として関税引き下げを決定し、輸入増の促進を図ることにしたのであります。しかし我が国の貿易摩擦は、日本の貿易黒字がなくならない限り解消するものではなく、我が国の貿易黒字は336億ドル、これが今回の市場開放で大幅に減るものではないと考えられます。たとえ国民の主食である米まで自由化しても30から40億ドルと言われております。今回の市場開放は、一時しのぎの鎮痛剤にすぎず、むしろ息の長い産業である国内農業への打撃、危険な副作用が深刻になるものであろうというふうに言われております。
今回の市場開放策について、財界首脳は次のように言っております。一応評価はするものの、これで貿易摩擦が解消されたものではなく、さらに徹底した市場開放を打ち出して行動すべきであると。さらに国内の食糧自給についても言及しておりますが、その食糧自給向上についても、ただ、引き上げればよいということでなく、消費者の負担あるいは膨大な費用を要するので、今、政府あるいは農業団体がやっていることは非現実的であるというふうに否定をしております。
また、佐藤農水相は、今回の決定は、日本の農林水産業への影響を最小限度に食いとめるよう、ぎりぎりの努力をしたと述べました。それでも被害の出ることが予想される、被害の実態を見きわめた上で転廃業の資金融資や技術開発の援助、価格維持のための施策等救済策を検討することを明らかにしております。
一方、農業団体、全中の会長は、結果的には農林水産業が工業製品の集中豪雨的な輸出の犠牲にされたことを明確にしております。さらに今後の日本農業の不安を憂え、遺憾のきわみであるという談話を発表いたしました。
このような市場開放の第1弾の中で、本県パイン産業にかかわる冷凍パインが、現行の税率35%から7%引き下げられ、28%にすることに決定されたわけです。パインの場合は、パイン缶詰需給安定懇談会で需給の調整を行うので、直ちに冷凍パインが輸入増になるということは考えられないが、次の第2弾では関税、枠拡大ともに検討される品目になることは避けられないというふうに予想されているわけです。申すまでもなく本県にとってパイン産業は、本県農業の重要な主要作物であります。いかなる苦難を排除しても守り育てねばなりません。今後、政府が強力に推進する市場開放政策にどのような認識でいかなる対処をなされるかお示しを願いたい。さらに糖業についても同様お願いをしたいと思います。
それから教科書の書きかえの問題でございますけれども、きのう、共産党の伊波広定議員から質問がございましたけれども、確認とむしろ激励という意味で一応申し上げたいと思っております。
ことしは、あの忌まわしい第2次世界大戦から40年を経過した節目の年であります。6月23日は本県地上戦が終結した日であり実質的に敗戦の日でもあります。本県は、この日を慰霊の日と定め、毎年激戦地の摩文仁ケ丘において慰霊祭が行われることになっております。ことし6月23日も、西銘知事を初め全県民が1分間の黙祷をささげ慰霊の冥福を祈ったのであります。だれしも慰霊の意思を無にしないように、再び戦争を起こさせないように、そして世界の恒久平和実現のために努力することを誓ったものだと思っております。
終戦から40年、地上戦を余儀なくされた本県の戦争傷跡は、今日なお修復はできてないのであります。遺骨の収集、不発弾の処理、さらには行政の上でも多くの未解決の問題が残されているのであります。加えて膨大な米軍基地を抱え、地域開発に支障を来すことや、あるいは基地公害、米軍人による事件、事故によるもろもろの不安などを余儀なくされている現状であります。沖縄県民は、このようにして40年も戦争の重荷を背負っていると言っても過言ではないのであります。
文部省は、本県のこの実態、戦争に対する異常な感情などを無視し、61年度から社会科教科書の内容を沖縄戦についての記述を、真実を曲げて改めようとしています。このことは絶対に許すことのできないことであります。本県は、唯一の地上戦経験の県であります。過去の日本軍閥の過ち、戦争の罪悪、軍人の非人道的な行為、非戦闘員の悲惨な姿、戦争の極悪のすべてを身をもって経験した県民であります。過去の戦争において教育の恐ろしさをいやというほど我々は味わったのであります。
教育は、人をつくり育てる大きな力を有していると思います。次の世代に平和的繁栄をもたらす人間をつくるか、あるいは過去の軍閥社会のような狂気の社会をつくる人が育つのか重要な岐路に立たされていると思います。身をもって戦争罪悪のすべてを経験させられた本県は、今こそ真の教育を求め、沖縄戦の真実を教科書に記述させ、戦争の罪悪さ、悲惨さを後世に正しく伝え、再び過った戦争が起こらないように、6月23日の精神を文部省に訴え、真実の記述をすべく最大の努力をすべきものだと思います。知事のお考えをお示し願いたいと思います。
次に、河川の整備についてでございます。
河川の整備は、隣接地域の開発促進と密接なかかわりがあり、早期整備が求められることは当然であります。また整備のおくれやあるいは管理の不備等によって流域付近が自然災害に悩まされることもまた論をまたないことであります。本県の河川整備がなかなか進展を見ないその理由は那辺にあるのか。2次振計に盛られている河川整備は果たして達成できるのか。また全国及び我が県の河川整備率の比較はどういうふうになっているかお尋ねをするわけであります。
さらに、石川市の石川川は着工されてから10年を超えるわけでございますが、本年度ようやく栄橋の架設が予定をされているようでありますが、一段の努力を求め、早期完成を求めるものであります。
さらに、天願川についてでございます。
この川は、具志川市と石川市両市にまたがる川ですが、本河川が下流から整備が進められていることは本員も承知をしております。ただ石川区域にかかわる天願ダムの直下流、すぐ真下、天願川の最上流に位置する所でございますが、ここは昭和42年に天願ダム完成した以後は流水が断ち切られているわけです。そこで以来土砂の堆積が重なり、現在排水の機能を全く失っております。そのことが災いになりまして付近の田畑が湿害をもたらし、現在雑草に覆われ荒廃をしている現状であります。取り急ぎ、排水機能の回復をするためにしゅんせつをすべきというふうに考えておりますが、その具体的な計画についてお答えを願いたいというふうに思います。
それから次に、米軍車両の排ガスについてお伺いをしたいと思います。
本県は、広大な基地を抱えているがゆえに地域開発の推進に支障を来すことや、あるいは米軍演習による事故の多発、軍人軍属による事件、事故等によって県民の不安は重なるばかりであります。特に米軍による車両事故は、我々県民の常識を超えるものがあります。今日まで米軍を初め関係機関に対し、占領意識そのものであると強い抗議をし、綱紀の粛正を求めてきたところであります。環境の問題においてもまた同様でございます。基地から油の流出はするし、あるいは航空機騒音によって地域住民の苦悩ははかり知れないものがあります。基地周辺の住民は、異常な環境の中で生活を余儀なくされている状況であります。さらに、米軍車両による環境汚染もその1つでありますが、米軍車両のうち、特に大型車両に見られることでありますが、黒煙を無造作に噴き出しながら公道を運行しております。このことは、国産車両とは比較にならないばい煙を排出しております。肉眼でも容易に確認できるものであります。
多数の県民からもこの種の指摘はされております。
そこで次のことについてお尋ねをします。
日米両国の車両の排出ガスあるいは煙の基準についてはどうなっているか。
また、日米両国の基準に差異があっても、米軍車両も当然国内法に基づいて基準に従うべきと思うが、どうですか。
3番目に、車両事故が頻発しておりますけれども、米軍車両の整備のチェックはいかようになっているのか。
4番目に、運転技術の未熟による事故も考えられるけれども、運転免許についてはどのようになっているのか、以上のことについてお尋ねをいたします。
また後で再質問が必要であればいたしたいと思っております。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 石川議員の御質問に対しましてお答えいたします。
市場開放による本県農業への影響についてお答えいたします。
政府は、今年4月に、対外経済対策を決定し、去る6月25日に、市場開放の行動計画の柱となる約1800品目の関税引き下げ案を決定いたしております。今回の決定内容を見ますと、本県に関連するものとして冷凍パインと一部熱帯果樹等の関税率が引き下げられておりますが、当面、本県農業への影響は極めて少ないものと考えております。しかし今後の動向については注意深く対応していきたいと思います。
本県においては、亜熱帯の地域特性を生かしたサトウキビやパイナップル等熱帯作物の主産地として第2次振計に基づき積極的な振興を図っているところでありますが、特に基幹作目であるサトウキビについては生産性の向上を基本にして収穫機の普及促進、地力の維持増進に努めているところであります。今後、生産基盤の整備強化や、特殊病害虫の根絶等各般の施策を総合的、計画的に推進し、農業経営の体質強化を図る考えであります。
次に、教科書についての御質問に対しましてお答えいたします。
平和を愛し、希求することは、県民はもとより、世界人類の切なる願いであります。この基本的な立場を十分踏まえまして、学校教育においても学習指導要領の主旨と内容に従い、児童生徒の発達段階に応じた平和教育を推進すべきであります。なお、沖縄戦については、県史を初め関係資料を精査し、事実は事実として指導すべきであると考えております。
河川管理については土木建築部長から、また米軍車両の排ガスについての御質問に対しましては警察本部長から答弁があると思います。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 山城廣茂君登壇〕
○土木建築部長(山城廣茂君) ただいまの石川議員の御質問の中で、河川関係の3点について御答弁いたします。
まず1番目の本県の河川整備状況についてでございますが、本県の2級河川の整備率は、昭和58年度末現在で15.3%となっておりまして、これは全国平均の20%に比較しましてまだ5%程度の格差がございます。今後とも、財政事情が非常に厳しい状況ではございますが、予算の拡大を図りつつ河川改修事業を進めてまいりたいと考えております。
次に、石川川、栄橋の改修の件でございますが、この件につきましては既に6月下旬で発注済みでございまして、年度いっぱいでは完成する予定でございます。
それから3点目の天願ダム下流の冠水対策でございますが、確かに天願ダム下流部の河川は、未改修のため豪雨時には冠水する状況にございますので、今年度予算でしゅんせつ工事を実施する計画でございます。現在、該工事を行うための仮設道路を設置するため関係地主と調整中でございまして、地主との調整が済み次第しゅんせつ工事を行いたいと思います。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 警察本部長。
〔警察本部長 山田晋作君登壇〕
○警察本部長(山田晋作君) お尋ねのございました件につきまして、最初に排気ガスについて日米両国の規制の基準はどうなっているかという点でございますが、我が国の場合は、ばい煙等に関する規制につきましては、道路運送車両法の第41条に規定がございます保安上または公害防止上の技術基準、すなわち道路運送車両の保安基準というのがございまして、その31条に詳細な規定がございます。細かい数字でございますので、ちょっと数字の方は割愛させていただきたいと思います。
他方、合衆国の場合はどうかということでございますが、この点、私どもの直接所管するところでございませんので詳細については存じませんけれども、車両につきましては、合衆国あるいは合衆国の州政府が決めております。おおむね我が国の場合と同様の基準があるというふうに聞いております。
しからば両方にそういうものがあるんであれば、我が国の規制規準を適用してはどうかというお尋ねでございますけれども、現実には、我が国の規制基準を適用するかどうかの問題につきましては、一般的には政策的な問題でございますので、私どもが直接判断する問題ではございませんけれども、事、いわゆる安全保障条約に基づいて日本の領域内にある合衆国軍隊の車両に関しましては、いわゆる地位協定の実施に関する道路運送車両法等の特例に関する法律というのがございまして、その第1条の第2項に道路運送車両法の第41条の規制基準、すなわち先ほど申し上げました保安基準でございますが、これは適用しないというふうになってございます。したがいまして実際には合衆国軍隊の車両につきましては、我が国の保安基準は適用されないとこういうふうになってございます。
それから運転免許でございますが、合衆国軍隊の構成員とか、軍属とか、それからそれらの家族が保有しております運転免許証でございますが、これはいわゆる地位協定の第10条第1項におきまして、合衆国が発給する運転許可証もしくは運転免許証あるいは軍の発給する運転許可証、こういったものはそのまま有効とされております。したがいまして車両を運転する場合におきましても、我が国の免許をとらなくても構わないとこういうふうになっているわけでございます。
ただ、この点につきまして米軍当局の方に照会いたしてみますと、いずれの運転許可証を発給するような場合にも、日本国内での自動車運転に必要な知識とか、これは学科でございますけれども、それから技能についての講習だとか、それから日本の地理だとか、そういったようなことにつきまして教習あるいは講習を行って、その上でテストをして合格した者について、さらに車種を限定して発給しているというふうな連絡を受けているわけでございます。
なお、軍用車両につきましては、このほかに、軍用車両だけじゃなくて合衆国政府の公用車両全般でございますけれども、これを運転する場合にはさらに技術だとか、構造だとか、知識だとか、こういったものにつきまして訓練を受け、さらにペ一パ一テスト、それから路上テスト、こういったようなものを行って、それに合格した者について認定を行って、車種を限定して免許証を出していると、こういうふうに聞いております。
それから車両について、米軍の合衆国軍隊の車両のチェックはどうなっているかという問題でございますが、私どもは、米軍車両に限りませず、道路交通全般につきまして安全を確保するために取り締まり、その他いろんな形でチェックは行ってございます。ただ、この整備不良車両あるいは整備の問題だけに限りますと、先ほど申し上げましたように我が国の保安基準が直接合衆国軍隊の車両には適用されませんので、極端なものがあれば格別、そうでない限りは直接の取り締まりはいたしておりません。ただ、安全運転だとか、それから車両のチェック、こういった問題につきましては機会あるごとに私どもは申し入れをしている次第でございます。
なお、せっかくの御指摘もございましたので、今後、機会を見ましてできるだけ早い機会にそういった点を申し入れて、繰り返し我が国の法令を尊重するようにと申し入れをしたいと、協力を要請したいとかように考えております。
○議長(志村 恵君) 石川 修君。
〔石川 修君登壇〕
○石川 修君 再質問いたします。
我々は、広大な米軍の基地を抱えているわけですが、今日までいろんな事件、事故を関係省庁に訴える、抗議する、要請する場合に、ほとんどこの安保条約、地位協定に行き詰まってどうにもならないということになるわけです。今の自動車の問題でも、本当に物すごい黒煙を吐いて、その後ろを通るのはいやだと、ドアをあけて通れないような状況が往々にしてあるわけです。そういうことについてはどうにもならない。結局野放し、言葉は悪いかもしらぬけれども、やりたいほうだいやってもどうにもならぬという制度の中で、米軍人車両が運行されているということなんです。我々が外務省に行って、その種のことをやる場合においても、安保条約、地位協定があるんでやむを得ないということに最終的にはなっちゃうわけなんです。私は、知事も同じようなことをおっしゃっておりますけれども、安保条約、地位協定は、知事の立場はそれを認め、そして基地を認めるわけではございますけれども、安保条約が日本の繁栄をもたらしているというような意味のことをおっしゃったこともございますけれども、我々県民のその悩みもそれに含まれているのかどうか。むしろ私どもはやはり県民の悩み、苦しみ、安保条約が完壁なものじゃないということの認識の上に立って、1つでも2つでもその改定に努力すべきだというふうに思いますけれども、いま一度知事の安保条約全部に対する、いわゆる県民の立場として今後どういうふうにして県民の生活を守り、福祉を守っていくかということについてお伺いをしたいというふうに思っております。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 安保体制も大事なことではございますが、日本の法令、また自治体の条例等についてはできるだけこれを尊重することが双方で合意されておりますので、ただいま排気基準の件につきましても、警察本部長からお話がありましたとおり、できるだけ我が国の基準を守るような指導をしていかなければならないと思っております。
○議長(志村 恵君) 白保台一君。
〔白保台一君登壇〕
○白保台一君 さきに通告いたしました順に従って質問します。
まず初めに、国際青年年と公明党青年局による働くヤングの生活実態調査についてであります。
「参加・開発・平和」をテーマとした国際青年年も、国、県の事業が着々と進められているやに伺っております。未来の発展を担う青年の成長は、ひとつ県や国に限らず国際的に重要であり、特に世紀末へ向かう今日、21世紀の指導者養成の意味から極めて大切なことで、この事業の成功を祈らずにはおれません。
IYYの一般的目的は、1、青年の置かれている状況、彼らの権利と希望について政策決定者及び世論の認識を高める、2、青年に関する政策と事業を整備する、3、特に開発と平和の促進及び達成に向け、青年及び青年団体の社会への積極的な参加を促進する、4、青年の間に平和と相互の尊敬、理解の理念を普及させることとしています。
県は、これらの目的達成のため鋭意努力をしており、沖縄県国際青年の年オープニングセレモニー、地域キャンペーン活動、記念集会、青年フォーラム等々でありますが、この事業で、さきに申し上げた一般的目的が達せられるかどうかいささか疑問を持つものであります。
まず第1点の青年の置かれている状況をどのように掌握されているか。あわせて彼らの権利と希望について政策決定者及び世論の認識を高めるというが、これにどう対応されているか伺いたいのであります。
我が党青年局は、去る3月27日から4月5日までの10日間、那覇市を初めとする10市において働くヤングの生活実態調査を実施しました。今回の調査の対象は、19歳から24歳の男女の働くヤングを対象としております。
調査の概要について申し上げますと、(資料を掲示) 調査事項は、職場について、お小遣いについて、余暇、おしゃれ、教養、生活スタイルについて、結婚観について、人生観について、政治とのかかわりについて、6項目37問をアンケート調査したのであります。二段無作為抽出の方法による個別面接法で300人の党員により1900名に当たり、1395名の方から回答がありました。回収率73.4%であります。
調査からあらわれた特徴として、1、職業、収入、支出について、現在の自分の仕事に対して大半が不満を持っております。ちなみに満足44%、不満足33%、わからない22%となっており、就職の段階で意義を感じた者26%、たまたま採用された、26%、他になかったから、13%、縁故関係で何となく、13%となっております。また不満足の理由は、給料が安いことや自分の性格に適しておらず能力が十分に発揮できないこと。あるいは上司との人間関係がうまくいかない不安感を挙げております。そして希望する職種については、公務員やサービス業を挙げております。
一方、平均の収入は、手取りが8万円から12万円が過半数を占めております。
次に、余暇、教養等の項で特徴的と言えるのは、現代のヤングは夜行型で寝不足ぎみという結果も出ております。また新聞なども、政治、経済欄は敬遠され、新聞は社会欄やラジオ、テレビ番組のラ・テ版から順に後ろから前へ読んでいくというような傾向が出ております。
一方、青年活動や職場サークル活動には極めて消極的で、その理由には、時間がない、機会がない、嫌い、などを挙げている反面で、同期生や気の合うグループで飲み会とか模合など大人の伝統をそのまま引き継いでいます。結婚観や人生観についても時代を反映した興味深い結果が見られますが、悩み事の相談などにおいては相談する相手が友人を挙げており、上司や父親は全く敬遠されているのであります。最後に政治とのかかわりについてでありますが、関心がないのが57.8%と6割近い数字を示していますが、一方で関心があると答えたのも39.4%、4割弱はいるのであります。また今の日本の政治に対しては、わからない、39%、不満%、やや満足21%、満足3%、為政者に対する期待感が希薄になりつつある現状であります。また非核三原則についても、知らない、38.6%、知っている、58.4%となっており、平和憲法については、平均で52.4%、過半数を占めており、わからないが32.1%と回答を寄せております。
以上、何点かの特徴を紹介しました。
そのほか、沖縄の政治に望みたいことに対して、働く場を拡大してほしいというのが男性で59.3%、女性66%と特に女性の要望には切実感があります。またヤングが多目的に活用できる空間、言ってみれば多目的ヤングプラザの建設を強く望んでおります。
これらの調査を踏まえて10点にわたる提言を行いました。
提言の第1は、青年の雇用の場拡大を図ること、2、青年のための多目的ヤングプラザづくりを推進すること、3、青年の国際交流の場づくりを推進すること、4、青年のための芸術文化センターの建設を図ること、5、放送大学の設置など生涯教育システムの確立を図ること、6、性についての知識は正確に、正しい環境づくりを図ること、7、地域青年会活動の活性化を推進すること、8、平和憲法の徹底、非核三原則など平和政策をわかりやすく広く浸透するよう宣伝すること、9、在沖米軍基地の整理縮小を図ること、10番目に、定期的なヤングの生活実態調査の実施を図ること等でありますけれども、この10点についての議論は時間がありませんので、今回は2点に絞って質問をしてまいります。
その中で特に、青年の雇用の場拡大を図ることは、現在の職場の労働条件の改善も含めて極めて切実な要望であります。これらの要求にどうこたえるか。県は、今年も県外雇用の場拡大を求めて企業回りをされておりますが、今後の県内、県外雇用の場の拡大の見通しについてあわせて伺いたいのであります。
次に、都市公園を含めてヤングが健全に活動できる多目的ヤングプラザの建設、すなわちコンサート会場や遊歩道、ジョギングコース、サイクリングロ一ド、コミュニケ一ション広場を配置した一定空間を設置する計画の有無と将来の展望をお聞きしたいのであります。
また今後、青年活動の活性化のためにも、常に定期的に青年の生活実態調査を実施すべきであると考えるが、いかがか伺っておきます。
ともあれ沖縄県の地理的、歴史的な立場を踏まえ、国際青年年をスタートとして本県の青年が大きく成長するため、官民挙げての努力が必要であると考えます。
次に、シロアリ防除業者の登録について伺います。
シロアリ防除は、建築基準法施行令や県の施行条例によって木造建築物の建築の際に義務づけられており、住宅金融公庫の融資の条件ともなっており不可欠のものであります。ところが一方で、法による規制を行いながら、防除薬剤の使用に対して野放しの状況については、環境汚染や人畜への被害等を防ぐため、しかるべき手を打たなければならないのではないかとの陳情が、昨年、本県議会に提出されたのであります。したがって県としても、その対応が迫られているのでありますが、政府も主務官庁が明確でないため、その必要性を認めつつも、現時点ではいかんともしがたい状況にあるわけであります。しかしながら現在使用されているクロルデンという薬剤による環境汚染は確実に進行しているのであります。例えば環境庁は、既に5年前の時点で、東京湾や伊勢湾、霞ヶ浦と手賀沼、因旛沼、諏訪湖、琵琶湖での検出を確認しており、本県でも、5年前のクロルデン濃度の調査結果が、公害衛生研究所の調査で河川から検出されていることが明らかにされております。
このクロルデンについて、薬務行政の上から、6%以上の濃度の場合は取り締まり規制の対象になるわけですが、現在使用されているのは2%ということで特別の規制がなされておりません。したがってシロアリ防除を業とする者は、自由に使用しているのであります。
ここで問題となるのは、建築基準法上も住宅金融公庫の融資条件にも、木材のシロアリ防除を義務づけていながら、現実に業者の自主規制にゆだねている現状であります。
建設省住宅建築課監修・日本しろあり対策協会発行の木造建築物等防腐防蟻防虫技術指針の解説で、その処理を行うものの項には、現場で木材に薬剤の処理を有う者は、薬剤とその処理に関して十分な知識と技術を有する者とするとされております。処理を安全で、かつ効果あるものにするためには、薬剤に対する知識を備え、安全な取り扱い方を心得、腐朽菌やシロアリの生態を知って的確な処理のできる作業者が作業することが望ましいということであります。したがって社団法人日本しろあり対策協会等は、自主的にシロアリ防除施工士制度をつくり、実技、知識の資格試験を行い、3年に1度の研修も義務づけるなど技術者の養成に努めているのでありますが、他方、何の規制や登録義務のないことから、一方では意識の高い業者と野放しの状態の業者が同業を営む結果となる矛盾を生じせしめている現状であります。したがって国に基本法がない以上いかんともしがたいという態度を捨てて、本県は率先して建築基準法上の必要性からと、薬剤使用による人畜への被害の防止と環境汚染の防止の上からも、これら業者の登録制に踏み切ってはいかがかお尋ねいたします。
あるいは登録制に困難な問題があるならば、当面、しろあり対策協会等に加入するよう指導し、問題が生じた際や指導のある際は、協会を通じて行える体制をつくるべきだと思いますが、県の対策を伺います。
次に、沖縄戦における教科書書きかえ問題についてでありますが、この問題は既に質疑がなされておりますので重複を避け、確認をさせていただきます。
戦後40年、私は、時代の1つの節目であるということを痛切に感じます。しかしその節目であるからこそ、来し方を厳しく見詰め直し、新たな発展への基点にしなければならないのであります。その1つに平和の問題が挙げられます。県内外において今、沖縄戦を問い直す作業が盛んに行われており、大変貴重な作業であり、ぜひとも継承されなければならないことであると考えます。
さて、質問の第1は、教科書を書きかえるという文部省の考え方は、事実に基づかない事項は記載できないということであります。私は、これによって悲惨な事実まで消してしまうことにならないか、このようなことを考え、いかがなものか知事の御見解を求めるものであります。
県内における平和教育は、県と県民が、沖縄の歴史を反戦、不戦の平和への強い思いでつづられた貴重なる県史などで体験をもとに行われ、国内における平和教育の中でも群を抜くものとなっていると伺っております。沖縄県の平和教育と教科書の変更ということのこの矛盾を教育現場でどう対応するのか、知事の御所見を承っておきたいのであります。
次に、県経済の問題について伺います。
最近発売された「財界展望」8月号に、「沖縄最大の倒産劇で囁かれる琉球銀行の「錯乱」」というショッキングなタイトルの記事が掲載されております。内容は、玉城TCMの倒産に絡む琉球銀行の動きについての記事でありますが、その中で幾つかの県経済の体質的、構造的欠陥が指摘されていますので紹介しながら、その是正について伺いたいのであります。
まず第1点は、為替手形であります。
この「財界展望」誌によれば、本土では特殊な場合を除き、手形といえば、約束手形が普通だが、沖縄ではこの為替手形が多く出回っている。約手が、振出人と受取人の二人の間の取引を基本としているのに対し、為替手形の場合は、振出人と受取人に加え、支払引受人が介在し、支払い義務は引受人が負う点の大きな違いがある。しかも現実には、引受人の名を手形に書き込む際に、当然本人の了承を得なければならないのですが、印鑑は三文判でも構わないので無断で名前を借り、三文判を押して融通手形化している。しかも受取人が引受人に確めない限り、支払い期日までわからないという極めて危険な手形が横行しているということを指摘しているのであります。加えて、これらの事実を銀行が知っていながら放置している節があります。手形を発行するために当座の口座を設けていないで、普通口座のみというやり方、いけないことはないが、残高のない折りには不渡りということがたびたび起きているということであります。
このように基本的なことすら整備しない中で手形が、しかも為替手形という特殊なものが沖縄で出回っているという指摘は、本県経済にとって大きなマイナスでありイメージダウンであります。これらの指導をどのようになされているか、まず伺いたいのであります。
次に、玉城TCM倒産に関連して、県はいち早く連鎖倒産防止対策本部を設けて活動を開始しました。結構なことであります。しかしこれは相談や対策に訪れる者はいないだろうと指摘する人がおります。何となれば、資格がないということであります。理由は、支払いストップをかけられての連鎖倒産ではなく、融通手形をやり合ったあげくの倒産、模合崩れ、融手崩れの倒産だからだというのであります。一体、現状はどうなっているのか伺いたいのであります。
また、ことしに入ってTCMを含め、318億円の倒産が記録された。TCMの倒産を分析すると、これぞ沖縄そのものと思わざるを得ない。企業の売り上げが計上され、決算書が提出されても、その中身は放漫経営の一語に尽きる。自己資本は平均して2.9%、借金が大部分、それをチェックする側の銀行も貸しっ放しのなれ合い融資、このままでは沖縄経済は失速するとの指摘もあります。
また、高田日銀支店長は、融手が乱発されているということは経営内容が甘いということ、財務がずさんということ、銀行も担保があれば貸すのではなく、事業の中身を吟味し、時には貸さない親切という態度をとるべきだと、このようにコメントしております。
そこで、玉城TCMに関連して、県は銀行側のとった態度は正しかったとの判断かどうか。加えて現在の構造的欠陥を是正し克服しなければ今後も起こり得ると思うが、銀行の社会的責任とあわせて県の今後の対応を伺っておきたいのであります。
最後に、昨日、我が党の代表質問に立った宮城清順議員の基地問題に関連して伺います。
訪米で在沖米軍基地の具体的問題点を訴えてこられた知事が、これからこの問題の解決には粘り強い闘いが必要と感じておられ、決意するところ大きなものがあると思います。
そこで昨日の質問で、アメリカで直訴された諸点については我が国政府にも要請すべきであるし、さらには毎年開催される日米防衛首脳定期会談の正式議題に挙げて検討されるべきだと思うが、知事の御所見を伺いたいとの問いに対する答弁が明確でありませんでした。したがって再度この答弁を求めるものであります。
日米防衛首脳定期会談は、当然その時々におけるパワーバランスや諸情勢が話し合われ、日米安保体制における日本とアメリカの役割分担が話し合われているやに報道されております。知事が今回直訴に至るまでの近隣諸国の諸情勢の変化ともあわせて考えてみれば、当然、沖縄基地の役割と諸問題は話し合われていると思われます。したがいまして日米防衛首脳定期会談において新たな分担を背負わされるのではなく、知事の公約たる基地の整理縮小についても議題に挙げるべきと考えます。知事の明快な御答弁を求めます。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 白保議員の御質問に対しましてお答えいたします。
国際青年年との関連で県の青少年に関する施策についての御質問がございましたが、お答えいたします。
国際青年年と公明党のヤング生活実態調査についてお答えいたします。
あすの社会を担い、開拓するのは青少年であり、その青少年が明るく、たくましく成長することは県民すべての願いであります。しかしながら青少年を取り巻く社会環境は目まぐるしく変化しており、それに伴って派生する青少年問題も一段と複雑多様化してきております。このような時期に公明党沖縄県本部が青少年の健全育成に深い関心を寄せられ、このたび、働くヤングの生活実態調査を実施され、取りまとめられたことはまことに時宜を得たものであり高く評価するものであります。県は、青少年の健全育成を重点施策の1つとして位置づけ、広範にわたる青少年行政施策を長期的展望に立って総合的に推進してまいりました。さらにこれから青少年健全育成基本計画に基づいて関係機関との連携を密にしながら、きめ細かい青少年育成事業を推進していく所存であります。特に本年は国連の定めた国際青年年でもあるところから、県としてもそのテーマである「参加・開発・平和」の達成のため、4月から5月にかけて地域キャンペーン活動を実施したところであり、さらに今後は青年フォーラム、記念集会、国際青年フォーラム等、各種の事業を実施することといたしております。
なお、青少年の実態調査は施策を推進するための基礎資料となるものでありますので、定期的に実施する計画であります。
次、青年のための多目的ヤングプラザづくりの推進について、それから青年の雇用の場の拡大を図ること等労働条件の改善についての御質問、建築基準法上の必要性からしてシロアリ防除業者の登録制の提言がございましたが、これについての答えはそれぞれ担当部長から答弁させることにいたします。
次に、沖縄戦における悲惨な事実の削除について御質問がございましたが、お答えいたします。
国内唯一の地上戦を体験し、筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられた県民にとって、その体験を正しく伝え、悲惨な戦争を再び起こさないようにするためにも、沖縄戦の様子を正しく伝えていくことは大事なことであると考えております。
一方、学校教育における教育課程を編成する場合、児童生徒の心身の発達段階とその特性を十分考慮することも大切であります。学習指導要領の趣旨に沿い、歴史的事実は事実として学習させ、平和を希求する心情を育てることは最も大切なことだと考えております。
次に、平和教育についての御質問に対しましてお答えいたします。
40年前の深い悲しみと苦難に思いをいたし、戦没者のみたまを慰めるとともに、再び戦争の過ちを繰り返さないよう決意を新たにして世界の恒久平和を祈念する、このことは日本国憲法の理念に基づいた平和に対する私の基本的な考え方であります。平和を愛し、平和を希求することは、沖縄県民はもとより、全人類の切なる願いであり、また永久不変の原則であると考えております。学校教育におきましても、以上の基本的姿勢に立って平和教育を行うべきであると考えます。
次、現今の経済情勢について数点御質問がございましたが、商工労働部長から答弁させることにいたします。
最後に、基地問題でございますが、ワシントンで行いました要請事項がすぐ実現するとは考えませんけれども、粘り強くその実現に向けて努力していかなければならないと考えておりまするし、日米両政府に対しましても力強く働きかけていきたいと考えております。
○議長(志村 恵君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 山城廣茂君登壇〕
○土木建築部長(山城廣茂君) 白保議員の国際青年年と公明党のヤング生活実態調査について、その中の青年のための多目的ヤングプラザづくりの推進についてお答えいたします。
公園は、自然との触れ合いを通じて心身ともに豊かな人間形成に寄与するとともに、スポーツ・レクリエーションの場の提供や良好な都市景観の創造、また都市災害の防止、大気の浄化等の効用を持つなど、都市の機能上極めて重要な役割を担うものでございます。そのような趣旨のもとに公園整備を進めておりますが、公園施設につきましては、公園の種別、位置づけ等によりその施設の種類、配置が異なってくるわけでございます。御提言にあります多目的ヤングプラザの諸施設につきましては、必ずしも若者だけのものということでもないのでございますが、おおむね御提案の線に沿えるかと思いますが、現在建設中の沖縄県総合運動公園内に多目的に県民の利用ができるような諸施設の整備を行う予定にしております。なお、今後の都市地域周辺の総合運動公園の整備につきましても、御提言の趣旨を踏まえまして検討してまいりたいと思っております。
次に、シロアリ防除業者の登録制についてでございますが、シロアリ防除業は建設業法で言う建設業にも位置づけられてなく、またシロアリ防除について規制する個別法も制定されてないのは御指摘のとおりでございます。このことにつきましては国会においても論議されておりますが、シロアリ防除剤として主としてクロルデンという劇物が使用されているということで、毒物及び劇物の取り扱いについては厚生省、防除作業従事者の健康については労働省、適切で有効な施工については建設省、環境汚染につきましては環境庁など、各省に関連する問題として国において検討されておりまして、これに基づき、関係団体や地方公共団体を通じて指導するとの考えが答弁されているところでございます。このようにシロアリ防除につきましては複雑、困難な問題がございますのて、国の対応や各県の動向等も踏まえつつ対処してまいりたいと考えております。
なお、県におきましては、建築工事特記仕様書に、シロアリ施工業者については社団法人日本しろあり対策協会沖縄支部正会員で、なおかつしろあり防除施工士の資格を有する者が行うことを規定しておりますが、また民間の建築物につきましても、社団法人沖縄県建築士事務所協会が同様の措置を講じておるところでございまして、このような現在のところは対応で建築物のシロアリ防除工事の適正な施工を図っているところでございます。今後とも関係団体に対しまして、シロアリ防除については劇物等を使用することから、信頼の置ける資格者を活用する等の措置を講ずるよう指導していきたいと考えております。
○議長(志村 恵君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 高良清敏君登壇〕
○商工労働部長(高良清敏君) 生活実態調査の中での青年の雇用の場の拡大を図ること、あるいは労働条件の改善についてのことにつきましてお答えを申し上げます。
青年の雇用の場の拡大につきましては、県内産業の振興、若年職場適応訓練制度あるいは地域雇用開発推進事業等によりまして推進しているところであります。厳しい雇用失業情勢を早急に改善することは困難な状況にあることから、当面としましては県首脳によります県外求人の開拓あるいは県外就職情報センターの設置を今年度新しくしております。また、広域職業紹介推進員の活用等によりまして、県外就職の促進と職場定着を図っているところであります。今後とも県内雇用の場の拡大並びにまた県外就職の促進に努めてまいりたいと考えております。また労働条件の改善につきましては、基本的には労使間の問題であると考えますが、中小企業が大部分を占める本県の実情にかんがみまして、中小企業集団が行う労働条件の向上等の労務改善事業に対する助成を積極的に実施をさせていただいているところであります。
昨今の経済情勢についての御質問の中の1つであります為替手形の取引関係に対する指導関係についてはということですが、沖縄玉城TCMの倒産につきましては、県内史上最大規模の倒産であったため、県においては速やかに倒産防止臨時対策本部を設置しまして、国を初めとしまして県の関係部局、金融機関、中小企業団体等との連携によりまして関連中小企業の連鎖倒産の未然防止に努めているところであります。また御指摘の為替手形についてでありますが、県内業界では依然として為替手形の不渡りが多発の傾向を示しております。今後とも引き続き商工会議所あるいは商工会連合会、中小企業団体中央会等、関連中小企業団体と連携をとりながら、手形取引につきまして講習会を開催する等啓蒙普及を行い、手形取引の円滑化に努めてまいりたいと考えております。また沖縄県銀行協会においても為替手形の取り扱いについては、各金融機関の窓口を通しまして指導をしているところであります。
玉城TCMの倒産関連の現状でございますが、玉城TCMにかかわる連鎖倒産は、1つには、宮古建設、それから沖縄建販、それから共伸土木、南国建設の4件であります。また那覇商工会議所及び沖縄県商工会連合会に設置しております倒産防止特別相談室への相談件数は13件てあります。そのうち倒産防止共済制度を利用したのが2件でございます。融資あっせん3件、現在調整中が3件となっております。また沖縄県信用保証協会の倒産関連特例保証につきましては、倒産関連事業者として市町村長の認定を受けたのが4件あります。
それから玉城TCM倒産に関連しまして銀行の措置等、それからこれに対する県の今後の対応ということてすが、メーンバンクであります琉球銀行さんは、玉城TCMの経営状況把握のために同社にその以前に職員を派遣しまして、一応状況を把握していたわけですが、予想以上に経営が悪化しており、このままの状態では不渡りにより大きな社会的な混乱が起きるということで、メーンバンクといたしましては絶対にこれを避けなければいけないという形で支払い手形の決済資金として融資を続けまして、その中で法的救済が最善の措置であると判断しまして、和議の申請に持ち込んでおります。したがいまして、同行のとった措置につきましては、それなりに努力したものと認められます。
また、本県の倒産が財務管理等の経営力の低さや過小資本等、あるいは企業の脆弱性に起因する構造的なものであることは御指摘のとおりであります。県におきましては、この構造的欠陥を是正すべく各種中小企業施策をより一層推進することによりまして企業の育成強化を図るとともに、企業の倒産防止に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 休憩いたします。
午後3時35分休憩
午後4時再開
○議長(志村 恵君) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
仲原英典君。
〔仲原英典君登壇〕
○仲原英典君 さきに通告いたしました一般質問を行います。
初めに、基地についてお尋ねいたします。
異民族の支配下で27カ年間も苦しんだ県民の宿願がかない、祖国復帰が実現し13年目、終戦から40年目の節目に当たる今日、今なお県土全面積の約11%が基地として使用され、我が国の全米軍基地の中で常時使用できる専用施設の75%が本県に集中していると言われており、このような実情が真の復帰の姿であると言えるであろうか。日米安保条約や地位協定等の鎖でつながれた県民差別の返還であると言わざるを得ません。
特に近年、在沖米軍基地への思いやり予算が認められ、沖縄の基地はますます強化され非常時体制を維持するようなものであり、復帰時の約束は破棄されたも同然となってしまった。諸悪の根源と言われる基地、占領意識丸出しの米軍人、県民軽視の野蛮な行為等に加えて、自衛隊による事故の続発等々が平和時における沖縄の現況である。このような状態では、反米闘争が再発しないという保証は皆無と言っても言い過ぎではないと私は思うのでありますが、一方、返還に伴う跡地利用の困難を理由に再契約に応じたり、返還反対の軍用地主等一連の動きは心情的には理解するものではあるが、目先の利益を追求する余り、そのツケが後日県民の生命と財産を脅かす結果にならぬように願うものでもあるが、何か大切なものを忘れてはいないだろうかという感を持つのは私一人ではないと私は思うのであります。
この時期に西銘知事が、従来の基地問題に対する姿勢を転換し、アメリカ政府に直訴したことは、基地問題は高度な政治課題であるとともに、沖縄にとっては戦後40年、受難の連続であるだけに各方面に一石を投じたと私は言えると思います。今までの基地容認の姿勢から強い要請への変化、言うべきことはすべて言うという姿勢の変化の背景には、来年の知事選挙へ向けたウオーミングアップではないかと思われるし、選挙目当てのジェスチャーであっては許されるものではありません。常に県民の側に立って基地行政を貫いてもらいたいし、沖縄の戦後処理はまだ終わっていないという前向きの姿勢と発想で県民の先頭に立って、基地問題の解決に努力すべきでありましょう。
そこで知事に質問いたします。
1点、基地容認の姿勢から基地被害の実態を踏まえて直接訴えてこられたが、今後国に対しても同様に基地問題解決を迫る必要があると思慮するものでありますが、知事の真意を伺っておきたい。これは沖縄の言葉にヤーイジャーという言葉があるが、知事は今回の行為はフカイジャーといいますかな、ワシントンでは意地があって、東京では意地がないというような格好になっては、これは身もふたもないという結果になりかねないのでこの質問をするわけです。
2点目に、8項目にわたる要請は、地位協定の見直しを前提としなければ、その実現は棚からぼたもち的な感じがするのであります。知事は、今後みずからの要請に責任ある行動と対応が求められると思うのでありますが、決意のほどを伺っておきたい。
3点目に、沖縄問題が解決しない限り日本の戦後は終わらないとの認識で問題解決に当たるべきだと思うのでありますが、知事はどのように理解するか。復帰13年、戦後40年の節目に当たる今日、知事の御所見を伺っておきます。
次に、道路整備と公共施設についてお尋ねいたします。
県道20号線の拡張整備工事に伴う土地の買い上げや諸建造物補償の問題で、県の中部土木事務所が事業を推進するため交渉が行われていると聞いております。
当該地内の沖縄市立高原保育所もその対象物になっていると聞いておりますが、高原保育所は児童福祉法に基づいて設置され、17年という歴史があるわけでございます。県道20号線の改良工事のため補償の対象となることは、当然立派な施設が建てかえられることだと私は理解するものでありますが、沖縄市当局は、今のところ何の計画もないということで関係者はもちろん、地域住民の皆さんとともに心配をしているところでございます。政治行政の責任にあるものが、道路行政の執行のために保育行政の後退を看過してよいという理屈は、無理が通れば道理引っ込むのたぐいだと言わざるを得ないのであります。
よって私は、関係部長に質問いたしますけれども、誠意ある御答弁を期待するものであります。
まず1点、県道20号線の改良工事による道路構造は、現在の道路より交通安全の面でよくなると私は思慮するが、部長の意見を承りたい。
2番目に、県道に拡幅される部分は幾らか。なお、残地の面積は保育所を建てる基準面積に足りるかどうか。
それから3点目、現在の場所から他の場所へ変更して建てかえることは可能だと思うのでございますが、部長の所見を伺っておきたい。なお、現在の園を廃園したとするならぱ、今、臨調行革のあおりで今後その地域にいわゆる保育所が整備されるということが難しいのではないかということで部長の見解を承っておきたい。
4点目に、高原地域は、要保育児童が66人余りも待機している現状であると市当局は言明いたしているにもかかわらず、廃園の方向で検討していると言われております。それで県当局の指導助言はどうなっているだろうか、この点についてもお聞きいたしておきます。
5点目に、県道の工事や改修後の交通安全の確保を口実にその責任を県道整備にかこつけ、保育行政を無視した態度を改めさせるため県当局の施策と指導を強く求めるものでありますが、その見解を伺っておきたい。
さらにつけ加えて申し上げますけれども、現在の県道は、それこそ整備されていない旧態依然とした県道であるわけでございます。けれども、整備されれば立派な歩道がつけられると。したがって今よりはむしろ安全な県道になるのではないかと私は思います。そういう意味で市当局が交通安全の面から、安全の確保面ができないということ自体は、私は、これはいわゆる県道にかこつけた1つのへ理屈であると言わざるを得ないのであります。
次に、貯水池の所有権と管理についてお伺いいたしますけれども、定かではないんでございますけれども、昭和7年ごろから食糧増産体制の一環としてため池が県下各地に建設され、第2次大戦によってその所有権があいまいなまま終戦となり、さらに占領下ではその整理は棚上げされ、琉球政府時代、すなわち復帰前、当該ため池の問題の解決に着手したやに聞いておりますけれども、それも定かではございませんが、一部ため池の中に個人有地があるとの訴えがあり、今日いまだにその問題は未解決のままであります。当該農業用ため池も戦後処理の問題として国や県あるいは市町村が一体となって責任を持って解決すべきものと思うのであります。
知事及び部長の意見を伺っておきますけれども、1点目に、農業用ため池の中に個人有地が含まれている箇所が何カ所あるのか。それを調査したことがあるのかどうか。
さらに2点目に、今後、その処理をどうなさろうとするのか。また管理等についてもどうお考えであられるのか、今後。この問題はいわゆる戦前、戦中、戦後、そして占領下あるいは琉球政府時代、そして今日まで疑惑を生じておるわけでございまして、その点についてこれから努力すべきだろうと私は思いますので、その点お伺いをいたしておきます。
最後になりましたが、河川の整備、管理等についてでございますが、我が党所属の石川修県議からも質問がありましたので、私は、先ほど出してございます質間要旨で当局と話し合いました結果、当局はその指摘されたことをよく存じておられるということのようでございますので、努力してもらうように要望して質問にかえます。
以上質問終わりますけれども、答弁によってまた再質問いたしたいとこのように思っております。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 仲原議員の御質問に対しましてお答えいたします。
基地問題についての御質問に対しましてお答えいたします。
米国政府に対しまして要望いたしました事項につきましては、去る7月1日に防衛施設庁長官初め外務省北米局長、その他関係者、駐日米大使等関係者に説明するとともに、その善処方について申し入れたところであります。さらに外務大臣、防衛庁長官、防衛施設庁長官等に対し文書で要請いたしたいと思います。
次に、8項目の要請は、地位協定の見直しを前提としなければ実現できないと思うが、知事はどう対処するかということでございます。お答えいたします。
米国政府に対する要望事項は地位協定を見直さなくても可能なものであり、日米両政府に対してもその実現に向けて引き続き努力していきたいと考えております。去る7月1日に上京いたしました折に、防衛庁、外務省、駐日米大使館へその善処方を要望してきたところであります。
基地問題の解決なくして沖縄の戦後は終わらないという御指摘がありましたが、全く同感でございます。沖縄が復帰して14年になりますが、基地の密度が依然として高く、基地に関する限り県民は復帰したとは考えていないと思います。
ところで昨今の国際情勢の変化、特にアジアの情勢変化、また日本の防衛はあくまでも専守防衛が基本であります。そういう専守防衛の観点からいたしましても沖縄の基地は見直すべきであると考えております。以上のような基本的な認識に立って沖縄の基地問題を米国政府、また日本政府に対し強く要望いたしました。今後も、問題解決に向けて粘り強く要望していきたいと思います。
次、道路整備と公共施設につきましては生活福祉部長から答弁させることにいたします。
次に、貯水池の所有権と管理の問題につきましては農林水産部長から答弁させることにいたします。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 金城祐俊君登壇〕
○生活福祉部長(傘城祐俊君) 仲原議員の御質問にお答えいたします。
県道20号線の改良工事による道路工事にかかる御質問でございます。
御指摘の県道20号線は沖縄市の中心部に位置し、国道330号線と国道329号線を経て県道33号線を結ぶ重要な幹線道路であります。今回の整備は、快適な歩道空間を確保し、また停車帯の設置により沿道利用を可能とすると同時に、増大する交通の円滑な走行を図ることとしております。なお、現在の道路は幅員が約5メートルから6メートルと狭く改良の必要があるとして整備されるもので、改良計画では総幅員は16メートルに拡幅され、両側に3.5メートルずつの歩道が設置されるなど所要の交通安全対策が講ぜられることとなっております。
2番目の県道の拡幅される部分と残地の部分は幾らかとの御質問でございますが、高原保育所の現在の敷地面積は1017.44平米で、県道20号線の拡張工事に伴い減少する面積は192.85平米となっておりますので、残地面積は824.59平米となります。したがいまして60人規模の保育所を建設する場合の最低基準敷地必要面積が558平米となっておりますので、特に地形等に問題がなければ保育所を建設することは可能であると思っております。
それから3番目の保育所の建てかえ等についての御質問についてお答えいたします。
沖縄市が高原保育所を現在の場所あるいは別の適当な場所へ変更し建てかえるだけという場合は、現保育所の改築となりますので特に問題はないと思いますが、現在の保育所を廃止し新しく別の場所に建設する場合は新設となりますので、改めてその地域における保育ニ一ズ等について検討が必要であります。したがいまして関係市町村における保育整備計画はもちろんのこと、県全体の整備計画の中で検討されることとなると思いますけれども、内容的に既設保育所の代替としてということであれば優先的に取り扱われることもあると考えております。
次に、高原地域は要保育児童66人余も待機している現状だが、県当局の所見はどうかということでございますが、県といたしましては現在地で建てかえるかあるいは別の適当な場所に設置するかは別といたしまして、保育児童の処遇等が損なわれないよう強く指導してまいりたいと考えております。
最後の高原保育所の存続についての御質問でございますが、県といたしましてはよく接触してお話し合いを続けておりますけれども、次代を担う児童の健全な保育を確保することは極めて重要であり、沖縄市当局におかれても日ごろから熱心に取り組んでおられるところでありますので、必ずや適正な配慮がなされるものと思っております。
以上でございます。
○議長(志村 恵君) 農林水産部。
〔農林水産部長 久手堅憲信君登壇〕
○農林水産部長(久手堅憲信君) 貯水池の所有権と管理の問題でございますが、復帰前のため池の中に個人有地があるわけでございますが、その数量は幾らか、またその処理をどう考えているかという点でございます。
復帰前に建設されました農業用ため池は全部で60基であり、そのうち琉球政府当時のもの40基、それ以前のものが20基であります。復帰後、県において、琉球政府当時の未処理用地について取得を進めているところでありますが、59年度末現在で約9.7ヘクタール、13基が未処理となっております。それからそれ以前のものにつきましては市町村有地、国有地、個人有地等に建設され、現在ため池4基に約1ヘクタールの個人有地が未処理となっております。その処理につきましては、当該市町村の財産として管理している市町村におきまして処理するよう指導しているところであります。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 仲原英典君。
〔仲原英典君登壇〕
○仲原英典君 再質問をいたします。
西銘知事、先ほどは私、ヤーイジャー、フカウトゥルーという話をしましたが、外で物すごい元気を出してこられたわけてす、今度は。けれども、県内では、その都度基地問題、逃げるような態度であったわけですね。けれども、私は、ワシントンであのような努力をされたことには1つの評価をいたしますけれども、このような態度がどうして知事就任の当時からそういう態度を持たなかったのか。そのようなことは、大変認識の転換があったとこのように思うわけでございます。すわち沖縄の基地は朝鮮戦争にもちろん占領されていろいろ使われたが、すぐに朝鮮動乱の戦略基地とされた。続いてベトナムヘ向けての戦略基地として使われたんです。この事実はだれもが否定することはできないと思います。したがって、県民に大変な犠牲を強いたわけです。そして、復帰さえもおくらせた結果になったのではないかと私は思うわけでございますけれども、仮に専守防衛ということで私どもがこの基地を維持しなければいけないという立場であったとするならば、これは当然戦略基地から防衛基地へ転換するようなことも知事の責任においてそのことがなされなければいけないとするならば、そのような政治姿勢をとるべきであったと私は思います。
ただ、知事は、これまで沖縄の基地は、他の日本の基地に存在する、いわゆる他府県に置かれている基地とは同列には論ぜられないと言ってきたわけでございますけれども、それだけに私は、知事のこの態度を改めるべきだと前にも質問したわけでございますけれども、今回、このような態度に出られた、ワシントンに行って大変イジグァーを出してきたということについて、先ほども何らかの変化があったのかとこう聞かれて、いやそれは当然言うべきことは言うということの中で、これは期待はしないが言ってきたと。そして吉田先生は、言われたら言い返してやらなければいかぬと。沖縄のすべての諸悪の根源は基地だと言われておる中で、やはり何かが起こったらぴしゃっと言っておかなければだめなんです。そういうことで、知事のこれからの政治姿勢をもう一度ただしておきたいとこのように思います。
それから保育園の廃園に伴うものでございますけれども、これは歩道ができて今の道よりはずっと安全が確保されると私は思うんです。そういう意味で生活福祉部長さん、これは沖縄市はそういうとらえ方してないんです。したがってこれは行政指導をしていただきたい。
さらに土木建築部長さんも、あなたが進める県道がつくられるためにこの保育所はつぶすんですよといったような言い方になっているので、これはぜひあなたの方からも大丈夫ですという行政指導をしていただきたい。
それからため池については、13基9.7ヘクタールの地主の所有権が認められてないと、ないがしろにされていると。このことについて鋭意努力することを私は要望いたしまして、質問を終わります。
○議長(志村 恵君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 基地につきましては、私のこれまでとってきた基本的な態度においては何も変わることはございません。たびたびここで申し上げましたことは、在日米軍基地の中でも沖縄の基地は、その歴史的な背景からして本土の在日米軍基地とは違うということを申し上げ、しかも基地の密度が復帰14年にもなるのに44%、75%という非常に密度が高く、在日米軍基地は沖縄に集約されておると申し上げても過言ではないわけであります。
そういうことで先ほども申し上げたんですが、特に世界情勢の変化、アジア情勢の変化からいたしましてベトナム戦争も終結いたしましたし、米中新時代、また日中新時代を迎えて平和の方向に向かっている。そういうアジア情勢の変化からしても、またもう1つには、復帰して14年にもなるが、基地に関する限り沖縄県民は復帰したとは考えてないと。基地問題が県政の中に占める比率は非常に大きいものがございます。しかも復帰したからには専守防衛という観点から基地を見直すべきじゃないか。これを前提にいたしましてアーマコスト国務次官に対しまして、またワインバーガー長官、アーミティジ国防次官補に対しましても、こういう基本的な見直しの上に立って沖縄の基地というものを考えるべきじゃないか、こういう私の要請に対しまして、依然として沖縄の基地の重要性を私の前で説かれたわけであります。
そういうことで、私はこの際、沖縄の基地の実態を率直に訴えなければならないと。向こうに対して迎合するようなことがあってはならないと。県民全体の立場から、党派を超えた立場から言うべきことは言っておこうじゃないか。しかし渡米前に申し上げましたとおり、今度の訪米によって沖縄問題が解決され、大きな成果が上がるとは全然期待はいたしておりませんでした。今でもそうでありますが、沖縄の基地問題が一朝一夕で解決できるものとは思っておりません。したがいましてこれは粘り強く折衝していかなければならない、こういうことを私は今考えているわけでございます。
それまでは、私としては、歴代知事の中でも、米軍を同じテーブルに着けようと、そして日本も同じテーブルに着いて、基地から派生する諸問題についてはここでお互いが知恵を絞り、解決できる問題があったらここで解決をし、さらに沖縄で解決できない問題については上位の安保協議委員会等にかけて解決しようと。こういう基本姿勢に立って1つ1つ爆音の問題、飛行コースの変更の問題、水源涵養林ではございませんが、一定の地域を設けてそこには砲弾を撃ち込まないようにする対策、それから防火対策等々具体的な実績を1つ1つ積み上げてきているわけであります。
しかしながらそれはあくまでも備忘的な措置であって、根本的な解決にはなっておりません。特に実弾演習の問題になりますというと、これは私が一番心配をいたしておることは、今、人身に対する被害がないから事は重大な局面を迎えておりませんけれども、これが万が一、人身に傷害を与えるようなことになったらこれはもう大変なことになる。基地の維持管理すら不可能になるんじゃないかという危惧からあえてケリーという海兵隊総司令官に対して、ずばり、実弾演習は沖縄以外でやってくれと、これを強く訴えたわけであります。これに対しましてケリー大将は、ノー、ベリー・ディフィカルト、こういう返事が返ってきたわけでございますが、特にこの問題については今後粘り強く、何とかほかの地域でできないか、こういうことを問題にいたしまして、これから粘り強く折衝していかなければならないと思っております。
安保条約、また地位協定、その他関連取り決め等の改廃の問題を含めまして具体的に粘り強く、また時間をかけて、予算を伴うようなこともたくさんあると思いますが、皆さん方の協力を得て対処していかなければ、具体的に解決の方向に持っていかなければなりません。
正直に申し上げまして、戦後この方、ほとんど軍用地問題は解決されていないと申し上げましても決して過言ではございません。革新、保守を問わず、とにかく基地問題から派生する、特に住民生活に被害を与えることについては知恵を絞ってやるべきであります。お互いが非難しあって、革新の時代にはできたと、保守の時代にはできなかったということではなくて、党派を超えた県政全体の問題として取り組むべきじゃないかと。これは知事だけではなくて、県議会も含めて真剣に当たるべき課題であると私は認識いたしております。
以上であります。
○議長(志村 恵君) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで終了いたしました。
次会は、明6日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後4時35分散会
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