昭和48年(1973年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 12月14日
第 5号 12月14日
 

議 事 の 概 要
昭和48年12月14日(金曜日)
午前10時5分開議
日程第1 一般質問
日程第2 議案第1号から議案第30号まで及び認定第1号(質疑)
日程第2 議案第1号から議案第30号まで及び認定第1号
日程第3 議案第31号及び議案第32号
日程第4 陳情第381号及び第382号の付託の件
   一般質問及び質疑
    1 伊波 広定君(共産党)
    2 上原亀一郎君(共産党)
    3 古堅 実吉君(共産党)
    4 岸本忠三郎君(社会党)  
    5 岸本 利実君(社会党)
    6 中根  章君(社会党)
    7 吉田 光正君(革新クラブ)
    8 安里 政芳君(民社党)
    9 比嘉  昇君(無所属)
             午後5時54分散会

○議長(平良幸市君) これより本日の会議を開きます。
 日程に入る前に先立ち、諸般の報告をいたします。
 昨日、知事からお手元に配付してあります議案第31号及び議案第32号の提出がありました。
 また12月12日、知事から「知事の専決事項の指定について」と題する文書の送付がありました。
○議長(平良幸市君) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、議案第1号から議案第30号まで及び認定第1号を議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案、決算に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 伊波広定君。
   〔伊波広定君登壇〕
○伊波広定君 私は、日本共産党県議団の一員として、さきに出しました要綱に従って質問を行います。
 日本共産党県議団は12月の6日に、いま県民が切実に願っているところの命と暮らしを守り、地方自治を民主的に発展させるために革新県政のあり方について知事に緊急提案を行いました。
 私は、その中で保育所と救急医療、危機に瀕している中小零細企業をいかに守っていくか、このことについて知事にお伺いいたします。
 まず保育所についてであります。
 自由民主党政府の対米従属、独占資本奉仕の高度経済成長政策は当然のこととして物価高騰を生み出し、夫婦共かせぎでなければ生活ができないような状態に国民を追い込み、働く婦人は毎年ふえて、総理府の労働調査によれば婦人労働者は1109万人で、敗戦直後の1948年から見ると約5倍になっております。うち既婚者53.7%で595万人を占め、児童のいる世帯43.5%のうち児童の母親の就業率は50.3%ですから、子供を持つ母親のうち2人に1人は働いているということになります。
 新安保体制のもとで自由民主党政府の高度経済成長政策は労働力の不足を招き、独占資本は60年代から大量の婦人労働者を職場に引き入れ、婦人労働の有効活用を叫びながら、一方では婦人は本来家庭にあるべき、あるいは家事、育児は婦人の天職などと宣伝して、婦人労働者をパートタイマーに仕立てて低賃金を押しつけるためにやっきになっております。夫のかせぎだけでは生活できない高物価は夫婦共かせぎを余儀なくされ、「ポストの数ほど保育所を」という働く婦人の叫びは切実なものとなっております。児童福祉法第2条は児童育成の責任として、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」と、国と地方公共団体の責任を明らかにしております。また24条では保育所への入所措置として次のように述べております。「市町村長は、保護者の労働又は疾病等の事由により、その監護すべき乳児、幼児、又は第39条第2項に規定する児童の保育に欠けるところがあると認めるときは、それらの児童を保育所に入所させて保育しなければならない。但し、付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護を加えなければならな
い。」とうたい、働く婦人にとって保育所は書かすことのできないものであり、国と地方公共団体は責任をもって保育所を設置すべきことを義務づけております。しかしながら自由民主党政府は、それをさぼって社会主義国は別としてもわが国の児童保育所は欧米諸国に比べて貧弱であり、地域性、階層性を無視したおざなりのものであることは御承知のとおりであります。
 さらに沖縄は27年にわたるアメリカ帝国主義の占領支配の中で、これに輪をかけております。厚生部の資料によりますと、昭和47年11月現在全国の公立保育所1万4739件、収容人員は127万1091人で全国の平均は保育所の数が283.4、収容人員が2万4444人になっておりますが、わが沖縄はどうでしょうか。保育所の数は94カ所で全国平均のわずか33.5%、収容児童数は26.2%にすぎません。保育所は母親の労働を保障するだけでなく、子供の教育の面から見ても将来の人格形成にとって生活の中にリズムをつくることが大切であるということ、これは保育所の集団生活の中で日課としてつちかわれていくことを専門家は明らかにしております。
 また沖縄のように日々周囲が変貌していくところでは、たとえば広場は駐車場になり、川は工場から吐き出す汚水と生活用水でよごされ、子供たちがあきることなく自然と親しみ、科学的な知識の基礎と情緒を養った森はブルドーザーに突きくずされ、池は埋めたてられ、子供たちは動く場所さえ奪われ、交通地獄の路上へ追い出されているのが沖縄を含めて日本の子供を取り巻く環境であります。この中から情緒欠乏が生まれてくるのは当然であります。保育所は、そこで働く保母たちの仕事に対する誇りと自信でこの子たちに安らぎを与えるところであります。それと同時に見落としてはならないことは、全県で100カ所余りあるといわれる無認可保育所の問題です。1964年公立保育所が出現するまで、前から大小の保育所ができておりました。これは働く婦人が子供を預かってもらえるところがなく困っているのをみかねて、公の補助もなくささやかな資材でつくられたものです。そのほかに各部落には、これまた無認可幼稚園があります。部落で金を出しあって経営し、高等学校を出た無資格の保母が子供たちを預かっております。革新県政は、早急に保育所建設3カ年計画を立て、その計画によって保育所の
建設を行い、働く婦人の切実な要求にこたえるべきであります。また無認可保育所、幼稚園についてはその実情を調査し、これに対する補助の制度を確立しなければなりません。このことについて知事のお考えをお伺いいたします。
 次に、乳幼児の医療の無料化についてお伺いします。
 私は、47年の第5回定例議会でこのことについて質問しましたら、厚生部長は将来に向かって検討していきたいとの御答弁でありましたので、再びお尋ねするのであります。児童は人としてとうとばれる。児童は社会の一員として重んじられる。児童はよい環境の中で育てられる。これは児童憲章の前文であります。子供は将来の沖縄をささえ、日本の社会を前進させる大事な世代であります。ですから子供の心身がすこやかに育成することは、国と地方公共団体の責任であることは保育所の問題でも申し上げたとおりであります。子供の医療を受ける権利は憲法25条にうたわれた学習権とともに重要な権利で、国はこの権利を保障する義務を負っております。小児結核、百日ぜき、胃腸炎などの小児疾病はほとんどなくなりました。しかしながら高度経済成長によって自動車事故、小児ガン、公害による小児ぜんそく等は激増しております。また乳幼児を持つ両親はほとんどが若い夫婦で収入も少ないのであります。ことしの全国議長会の調査によりますと、すでに全国38の都道府県で乳幼児の医療の無料化が実現され、おそらく来年あたりにはほとんどの府県がこれを実施するものと思われるのであります。また自
治体がその気になればやれることだと思います。
 知事の御見解を承ります。
 次に、救急医療について厚生部長にお伺いします。
 自由民主党政府の製薬資本のもうけ優先の医療制度は医師、看護婦、検査技師の技術料を低く押さえ、薬価基準を先進諸国には例のない40%と高く維持して、日本の医療制度は保険事務の複雑さも手伝って破綻しようとしております。累積赤字に悩む公立の病院、個人開業医さえ入院室の閉鎖を考えております。保険あって医療なしと言われておりますが、まさのそのとおりであります。全国が医師と看護婦不足で頭を痛めておりますが、沖縄はさらにその医師の数も、看護婦の数も半分にも足りませんのでますますたいへんであります。
 この中で沖縄赤十字労組のストは、市民を憂慮させております。沖赤の現在の入院患者数は約150名、毎日の外来患者が約300名であります。この病院のストは、政府の医療政策の矛盾の中から必然的に発生したものであります。看護婦の待遇も悪く、期末手当も昨年並み、労働条件も悪く夜勤が月の半数を占めているといわれております。知事は、県民の命を守る立場から管理者と労組の団交を再会させ、最悪の事態を早急に解決するよう努力してもらいたいのであります。
 また年末年始の救急医療対策はどうなっているかお伺いします。
 また県は、海洋博医療対策費として73億円を要求したが、ゼロ回答であります。この中には海洋博の医療対策だけでなく、この73億円は県民の医療要求であります。この日本政府の仕打ちは、自由民主党政府の県民の命、健康を無視して基地温存、独占資本の高度成長と県土支配のために海洋博をゴリ押してきたし、またそのことによる県民の打撃を解決しようとせず、今度は海洋博ゴリ押しの破綻を県民の犠牲で乗り切ろうとしていることのあらわれであります。開発庁は振興開発計画に基づいて、49年度は8億円の医療対策費しか要求しておりません。73億円のゼロ回答に対し、厚生部はどういうふうに対処されるかお伺いいたします。
 本土大手企業、また中小企業の問題でございます。
 本土大手企業、特にダイエー等の進出に対し、県内の中小零細企業をどう守っていくかということであります。いかにもインフレの特効薬でもあるかのように金融引き締めが行われましたが、結果的には中小零細企業の資金繰りを窮屈にし、個人金融に頼らざるを得ない状況に追い込んでおります。新聞も来年初めごろには相当の倒産が出るだろうと報道しております。ダイエー等の進出はこれらの中小零細企業に大きなショックを与えております。大資本の攻撃から中小零細企業を守ることは革新県政の大きな課題でなければなりません。
 私たちは、国と県ですぐ実施すべきもの、これはまず既設の中小企業融資制度のワクを広げ、手続、条件をゆるめるとともに県独自の無担保無保証、長期低利融資制度をつくり、当面の貸し付け限度額を100万円としてこれを順次引き上げていくということ。2番目には、ダイエーなど大資本の百貨店、大スーパー、建設業などの競合企業の進出と大資本の商品の無制限な流入を規制する。そのために民主的な審議機関を設置することであります。
 わが党は、緊急提案で中小企業対策6項目にわたる提案を行いましたが、このことについて知事のお考えをお伺いいたします。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 保育所の設置、それの必要性についてでありますけれども、これは全く伊波議員とわれわれは同じように考えて、大事に力を入れていきたいとこういうふうに考えております。しかしながら保育所への入所を必要とする児童は、県下で約1万8000人といま沖縄は推計されております。これらの児童がすべて保育所に入所できるには300カ所の保育所が必要であるわけであります。しかし12月1日現在では沖縄には約それの3分の1に該当する109カ所の保育所しか設置されておりません。その収容定員もしたがいまして7429人でありまして、保育所の絶対数が不足しておるということが現状なのであります。大体、沖縄のこのような施設というものは他府県に比較いたしまして、おしなべて全体的に見たときには大体六、七割ぐらいと、あるいは5割ぐらいというようなものもあるわけでありますけれども、これに至ってはさらにそれよりも低い状態にあるようでございます。このような実情にかんがみまして保育所建設については、重点施策の一つとして沖縄振興開発計画にも取り入れ、昭和54年までには必要数の保育所を建設し、保育に欠ける児童の福祉対策を強力に推進する所
存であります。現年度におきましては21カ所、1620人の公立と、それから4カ所、150人の民間保育所を建設することになっております。徐々にしか進められないので遺憾でありますけれども、御理解いただきたいと思います。次年度にあっては29カ所の公立、4カ所の民間立保育所を増設計画しておりまして、なお無認可保育所については、昭和49年度にその実態調査を実施し、対策を講じてまいりたいとこういう考えでございます。
 次に御質問がありました医療の問題でありますが、乳幼児の医療の無料化と保育所についてでありますが、乳幼児の医療の無料化とは、乳幼児の医療に要した費用のうち保険給付を除く、すなわち本人負担分について県や市町村が公費で負担しようとする制度であり、現在34の県が実施しております。これらの制度は、他の府県でも見られるように市町村が実施の主体となり、県はこれらの市町村に対し補助するという仕組みになっております。本県の場合も実施するとすれば同じ仕組みになろうかと思われます。しかしながら本体制を実施するには財政の問題もありますが、それ以上に医療機関の受け入れ態勢が一番肝心でございます。国の側で実施いたしました老人医療につきましては、保険制度にリンクする方式がとられどうにか運用されておりますものの、本県において全県的にこの乳幼児医療の公費負担を実施するには医療基盤が非常に不備といわなければならないと思うのであります。したがいまして先立つものはその医療基盤の整備というようなことが考えられるわけでありまして、市町村の実施体制などを考えますときに、早急に実施するにはこの医療基盤の面においてなお幾多の危惧があるのでありまして、
この問題は慎重に検討していかなければならないとこういうふうに考えております。
 次に救急医療につきまして、それから中小企業の融資あるいはこの保護につきましては、それぞれの部長に答えさせたいと思いますので御理解いただきたいと思います。
○議長(平良幸市君) 厚生部長。
   〔厚生部長 平安常実君登壇〕
○厚生部長(平安常実君) 救急医療を中心として赤十字病院、海洋博医療対策についてお答えいたします。
 赤十字病院につきましては新聞紙上にも公表されておりますように、9日から11日までは午前7時から午後5時までのストがあり、夜間は平常どおりでありました。そこで12日に組合と事務局長と団交をしておりますが、遺憾ながら妥協を見ないで現在48時間のストを継続して行っておる現状でございます。県としましては沖縄赤十字病院のこれまで地域医療のために果たしましたその役割を尊重し、何とかしてこれの継続をいまはかっておるわけでございます。そのために過去におけるところの赤十字病院経営の赤字対策ということも県として真剣に考えておりまして、本社ともいろいろ協議をいたしまして2億5000万円、これを医療福祉基金から融資して、そしてその再建をはかっていこうとこういうことで2億5000万円につきましての融資が20日までにこれがおりることになっておるわけでございます。沖縄赤十字病院そのものが復帰と同時にいわゆる日本赤十字社の赤十字病院の一環として支部という形になっておりますので、待遇面、給与面、これが大きく本社からの制約、指示があるわけでありまして、その中におけるいわゆる交渉になっておるわけでございます。そういうような面でなかなか
支部の組合との団交が妥結の困難を見ておりますが、今後継続的に労使の協調をはかって妥結を見ていきたいとこう考えております。
 それから年末年始の救急医療対策につきましては、これまで夜間急病センターを那覇地区医師会立の運営によりまして、休日、それから毎日の夜間、これを1次救急を急病センターの経営で行っておりますが、開業医の那覇地区医師会の先生方が年末年始、すなわち31日の晩から4日の午前8時まで夜間急病センターの診療を休みたいということで、そのかわりその急病センターの医療要員を県として考えてもらいたいと、こういうような協議がありまして、現在これを県厚生部としまして公務員医師を中心とするメンバーをいま組んで年末年始に対して支障がないようにいまの急病センターを経営していこうと、こういうふうに考えておるわけでございます。こういうようにしまして年末年始の場合は、1次救急の受け入れを宜野湾市以南の地域におきましてはいま申し上げました那覇夜間急病センターで対処していくということにいたしております。さらに石垣市におきましては石垣市立の夜間診療所を持っておるわけでございまして、ここでやっていく。それからその他の地区では、宮古あるいは北部地区、中部地区では県立病院でこれを対処していく。それから2次救急の受け入れにつきましては、これは各県立
病院で対処すると同時に、日赤病院、それから琉大附属病院でも出来るだけの受け入れをいましてもらうように話し合いを進めておるわけでございます。
 以上が年末年始の救急医療の対策でございますが、海洋博のほうのいわゆる医療対策ということにつきましては、きのうかおとといも御説明申し上げたわけでありますけれども、何としても現状の沖縄の県の医療というものがいわゆる医療要員の不足から非常に現状として困窮し、逼迫したような状態であるわけであります。したがいまして、これに海洋博が50年の3月から開かれるとしましても、一時にこの観客が常時3万5000人おるというた場合に、交通事故あるいはその他の急病が出て場合に、会場内のことは海洋博協会で見るけれども、会場外のほうがむしろ大きな問題となってくるのではないか。こういうようなことでこの現実の医療施設整備の不足も補うと、いわゆる海洋博を行うことによって医療基盤の整備をやっていくと、こういうようなことから73億円というところの数字を出したわけでありますが、これを開発庁を通しましていろいろ折衝中でございます。ところがもうすでに時期がおそいとかいうようなことで、まだはっきりした回答をいただいていないわけでございますが、これをさらに開発庁の復活計上分、あるいは厚生省の分担分、あるいはその関連事業としての通産省としての分担
分と、こういうふうな3つにいま区分けしまして、そして49年度の追加分としていま42億というものにしぼって交渉を進めるべく19日の午後2時からさらに5人の海洋博医療対策委員会を開催することになっております。大浜協会長もこのためにお見えになって、一緒に協議して沖縄の医療問題を真剣に考え、そして政治折衝でこれを解決していきたいと、こういうふうなことで下打ち合わせをしておりまして、19日の午後2時の5人委員会を通しまして強力にこれをいま運動を展開して、ぜひその海洋博医療対策に備えていきたいと、こういうふうな方向でいま動いているわけでございます。
○議長(平良幸市君) 労働商工部長。
   〔労働商工部長 前田朝福君登壇〕
○労働商工部長(前田朝福君) 地元中小企業の育成についてお答えいたしたいと思います。
 中小企業を育成していく、地元企業を育成していくというためにはやはり地元企業の高度化、あるいは協業化、それから流通機構の整備、さらには制度金融の拡充強化というのがぜひとも必要であるというふうに考えております。したがいまして現在小規模事業資金として国のほうでは無担保無保証ということで対処しておりますが、沖縄関係の予算として3億5000万円現年度において準備されておりますが、ほとんど消化されているという状況でございます。
 県といたしましても制度金融というふうな立場から県の単独事業といたしまして、昨日も御説明いたしましたところの経営安定資金、これを1月1日から発足させまして2億の規模で銀行との協調融資で8億まで貸し付けしていくと、おもに運転資金を中心として貸し付けしていきたいというふうな態度をとっておりますし、さらに季節資金といたしまして中元あるいは年末においては1億円を銀行に預託しまして、これの協調ということで10億目標で貸しているというふうな制度を県の単独事業として設けております。さらに来年度に向けました、いま申し上げました季節資金あるいは経営安定資金の充実強化をはかるというふうな立場をとっていきたいと考えておりますし、さらに信用保証協会の機能を充実させまして信用保証制度自体を強化していきたいというふうな立場で金融政策を進めていきたいと考えております。
 共産党から御提言のありましたところの県独自の無担保保証、長期低利の融資制度につきましては、県としても今後真剣に検討して対処していきたいというふうに考えております。
 それからダイエーなど大資本の百貨店の進出に対する無制限な流入を規制するために、民主的な審議会の設置ということにつきましては、現在中小企業振興を進めるために中小企業振興対策審議会を県としては設置いたしております。その中には学識経験者、あるいは業界の方々、あるいは政府、県関係機関からも入れまして中小企業をいかにして振興すべきかということで現在活躍いたしております。そして海洋博に向けての中小企業対策ということで第1回目の中間答申を受けているという段階ですし、その機関の機能を拡充強化してその問題に対処していきたいというふうに考えております。
 それから2番目の大企業に適正な下請け加工賃を保障させ、小売商に適正なマージンを保障させるというふうな点については、今後検討していきたいというふうに考えております。
 それから3番目の郷土産業、中小零細企業の自主的な組織化、協業化を進め積極的に援助するということにつきましては、少なくとも中小企業の育成ということは、中小企業の組織化と金融ということが中小企業育成の2つの柱だというふうに言われております。したがいまして金融を拡充し、金融制度を効率的に運用していくためにもぜひ中小企業自体の組織化を積極的に進めなければならないというふうに考えておりますし、そういった立場から現在県といたしましても中小企業の組織化を積極的に取り組んでいるわけでございますので、その趣旨に沿って今後ともなお一そう努力いたしたいというふうに考えております。
 それから4番目の従業員の待遇改善や企業の経営、技術について診断、指導制度を設けるということにつきましては、現在県といたしましても中小企業総合指導所を設置いたしまして企業診断などにより企業の近代化などを進めております。したがいましてその中小企業総合指導所の機能の拡充の強化、そして陣容の強化というふうなことによってその診断制度をより効果あらしめるために努力していきたいというふうに考えております。
 それから5番目の伝統工芸関係の育成につきましては、去る9月議会で伝統工芸振興条例を制定いたしましたし、2月1日からそれを施行するということになっております。したがいましてそれを運用していくことによりまして伝統工芸品の表示ができますし、よそから入ってくるものとの区分けなどがはっきりできるということで沖縄でつくられた伝統工芸産品がはっきりと証明できるということになりますし、また検査制度を充実していくということによりまして品位の向上というのもはかられるというふうに考えております。
 さらに県といたしましては現在2カ年計画でございますが、伝統工芸指導所を南風原のほうにすでに着工いたしまして、でき得れば現年度一ぱい、少なくとも来年の前半までには伝統工芸指導所を完成させまして、そしてそれを発足せしめ、そこで種々の研究、さらには新しい伝統工芸品の発掘などをしていきたいというふうに考えております。そしてさらに県といたしましては、伝統工芸課を設置するという方向で現在機構改革の中で検討いたしております。そういうふうな立場で、共産党のほうから提案のありました県がすぐ実施すべきものの5点につきましては、現在実施しているのをさらに強化していくと同時に、今後実施すべきものについては真剣に検討していって、前向きに対処していきたいというふうに考えております。
○議長(平良幸市君) 伊波広定君。
   〔伊波広定君登壇〕
○伊波広定君 乳幼児の医療問題で知事の御答弁を承りましたけれども、現在これは沖縄を含めまして日本全体がそうでありますけれども、小児科の専門医が少ないのであります。これはいまの日本の医療保険制度、医療制度では小児科はあがりが少ないわけなんです。薬もよけいやられない、注射もできない、手術もやらない。そういう中で小児科のお医者さんが少ない。いま那覇の町を回ってみましても小児科の開業医、この病院はもう玄関からあふれて行列をしております。受け入れる基盤が不備であるということは私たちもよく知っております。そういう中でこのいま医者にかかっているところの乳幼児、これを持つ両親の負担、父母の負担、これを軽くしていくと、なくしていくということがいま一番いい革新県政にとっては重要な問題ではないかと思うわけです。
 知事は、34府県で実施されているとおっしゃっておりましたけれども、一昨日のニュースではこれは全国議長会の調査結果でありますけれども、36都道府県がこれを実施しております。おそらく来年あたりにはほとんどの都道府県が実施されるものとみなければなりません。
 それからこの73億円、ゼロになりましたけれども、沖縄の人口の5倍の人たちが海洋博を見にやってくる。そういった中でどういうふうにしてこの医療対策をやっていくか。このめどもなしに海洋博の3カ月延期とかそういったものについては、私としては合点がいかないのでありますが、その件についての厚生部長の御答弁をお伺いします。
○議長(平良幸市君) 厚生部長。
   〔厚生部長 平安常実君登壇〕
○厚生部長(平安常実君) 乳幼児の医療の無料化につきましては、各都道府県が、私たちの調べた範囲では34と、市町村を通して行っておる県が34という調べでありますが、一昨日のニュース以前のことでありますので、これはいま36ということをいまお聞きしたわけであります。
 小児科の医師が少ないということは、本土も沖縄県内でも同様なことでございまして、その中で乳幼児の無料化をいま沖縄県内でこれを直ちに施行するということにおいては、まだこれに踏み切るまでにはたくさんの問題があると。よくその必要性あるいは母親の気持ちというものはよくわかるわけでございますが、そのためにいろいろ準備し、あるいはまたコンセンサスを得なければならないいろいろな問題がありますので、まだこれをどうしていくんだというまでのふん切りがつかないわけでございまして、それらの問題を十分検討してそれに対処していきたいとこういうふうに考えておるわけでございます。
 海洋博の医療対策につきましては、県としてもそういうような大ぜいの観客が来た場合に、さらに県民医療という立場からもたいへん憂慮すべき問題であるというような点から5人委員会を組織して、こうやっているわけでございまして、これの解決のために5人委員会のほうも立ち上がっております。そういうふうな意味で今後これを強力な運動として推進して、ぜひ確保していきたいとこういうふうに考えております。
○議長(平良幸市君) 上原亀一郎君。
   〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 私は、琉海ビル陥没事故と災害の問題について質問を行いたいと思います。
 災害発生の2日後の新聞を見てみますと、「27日から関係各機関による事故原因究明の調査も開始された。同日午前、県警が「琉海ビル建築現場陥没事故特捜本部」を設置したほか、道路管理者、労働基準局、検察庁、那覇市および県の各機関が合同調査を開始した。」と。さらに「事故発生とともにそれぞれ対策本部を設け、被災者救援、2次陥没防止、復旧作業、交通規制等それぞれ分担して対策を進めてきた総合事務局、県、県警、那覇市の各担当者は27日、総合連絡会議を開いて各機関の取り組み状況を報告、確認した。そのあと同会議をふまえて屋良知事、宮里副知事が記者会見、要旨つぎのように述べた。」とあります。「こんごは被災者救援、交通混乱の是正、事故原因の究明、補償問題等に取り組まねばならない。事故原因の究明については、27日から道路管理者、労働基準局、検察庁、那覇市および県が連絡し合い、合同で調査を始めた。」「事故原因はこれから調査するところであり、原因を究明することによってすべての責任は明らかになるだろう。」「問題は沖縄には例のない地下4階まで設計を変更して掘り下げたこと、そして設計変更にたえ得るような土止めがなされたかどうか。この
辺が原因究明のきめ手となるのではないか。原因が明らかになりしだ大型プロジェクトを進行中の建設業者を集め、二度と同様の事故が起こらないよう行政指導したい。」「琉海ビル工事の再開については、これだけの大事故を起こしたのだから県も積極的に関与していく。付近の安全が確認されない限り再開させない。」さらに29日の新聞では、やはりこの原因究明について「沖銀高橋支店で合同会議を開き、今後の方針を協議するとともに琉海ビル工事請負業者の竹中工務店工事責任者5人を呼び事故後はじめて正式な事情聴取を行った。協議の結果、行政面は学識経験者で編成する調査委員会を一両日中に設置、原因究明と今後の事故防止に備えることを、また司法面では県警、労基局が協力して捜査することを決定した。」とこういうふうに新聞は報道しております。
 そこで知事にお伺いいたしますが、この原因究明のための調査委員会は設置されておりますかどうか。設置されておるのであれば調査の状況はどうなっておるか。設置されてないとすれば、この原因究明についてどのようにお考えになっているか。
 また琉海ビル施工業者の竹中工務店、資本金290億円の会社でありますが、その社長竹中錬一氏は27日午前急遽来沖、同日午後那覇市前島の那覇港運会長室で共同施工業者の大城組並びに施工主の琉海ビル社長安座間磨志と一緒に記者会見をやっております。その中でまだ被災者に十分おわびもしないで、琉海ビルの建設工事は再び始めたいというふうなことを言っております。あとで被災者に会って補償については、完全に補償するというふうなことを言明しておりますが、この点につきまして被災者に対する補償はどういうふうになっておりますか。また被災者に対する補償と引きかえに工事再開を意図しているのではないかどうか、この点をお伺いします。
 次に、県警本部長にお伺いいたします。
 やはり事故直後の新聞で先ほど申し上げましたように、琉海ビル建築陥没事故特捜本部を設置したと報道されておりますが、この捜査の進展状況はどうなっているのか。また特捜本部は、労働基準局と協力してこの原因調査を進めるように報道されております。これにつきまして労働省から2人の専門官が労働基準局に派遣されております。この2人の専門官の調査結果について、県警のほうに報告がまいっているかどうか、以上お聞かせ願いたいと思います。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) お答えいたします。
 原因究明につきましては公式な組織は県としていま設置しておりませんが、建築基準法の問題点を解明するため県建築課と那覇市建築課で仮称の琉海ビル事故対策協議会を設置しております。12月6日には県の建築課長が上京いたしまして事故のあらましを建設省へ報告するとともに、原因究明の一環として、山どめ工事の設計図書の審査方について建設省建築研究所と打ち合わせをしております。12月11日には那覇市建築課長が上京し、建設省建築研究所に技術的援助について要請してございます。一方琉球大学へも那覇市から計算書のチェックを依頼しておりまして、建築基準法上の問題点の究明に当たっております。
 このような事故は、沖縄の建築史上初めてのものであり、慎重に検討いたしているわけでございます。
 なお次には、工事再開に対する考え方もございましたけれども、事故の原因が究明し、これに基づく対策が講じられた上で事故のおそれがないと確信が得られた場合以外は当然のことではありますが、那覇市にも工事再開を認めないよう申し入れたいと存じます。この場合に、もちろん被害者に対する完全補償は言うまでもございません。この被害者に対する災害補償ということにつきましては、これはほとんど業者との関係のものでありますけれども、県のほうにこれが補償が十分こちらが期待するような補償ができるように側面から指導し、また要請もしてくれということでありまして、その点は社長や関係者がわれわれのほうにも参っておりましたので、私どもからも要請はしてございます。
 なお調査問題につきまして、総務部のほうから少し補説させたいと思います。
○議長(平良幸市君) 総務部次長。
   〔総務部次長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部次長(赤嶺武次君) 補説します。
 琉海ビル事故の合同調査については、県警、那覇市、労働基準局、建設省、県と、この5つの機関でもって調査を行うことになっておるわけでございます。それぞれその機能に応じて調査分担をすることになっております。
 まず県警においては事故の原因、これは捜査に発展する可能性のある原因究明ということになるわけですが、それから那覇市のほうは、建築許可者としての建築確認行政の立場から建築行政一般を見るということになるわけでございます。それから労働基準局は、労働安全面という観点から調査をするということになっております。それから建設省は、道路管理、建築行政と監督権という面からの調査でございます。それに県は、県内の建築行政全般を指導監督するという立場からそういう行政指導面の立場から調査を行うということで、それぞれその機能、その責任分担に応じて調査を開始しているところでございます。
 それでこの調査は、それぞれの立場で調査し、対策を立てることによって現在そのように進めているわけでございますが、全体の各機関の調査下その結果については、知事に報告あるいは情報の提供をしてもらうようになっております。
 それで現在県と那覇市においては、合同でこの調査を行っておりますので、その建築行政の面から両方ではこの問題を取り上げて現在その結果についての検討を進めておるわけでございます。
 なおその他の各機関からの調査結果については、まだ知事に対する報告がございません。あるいは報告ができないところは情報の提供になるわけでございますが、そのような情報の提供はまだ受けておりません。
 以上でございます。
○議長(平良幸市君) 警察本部警務部長。
   〔警察本部警務部長 村山盛輝君登壇〕
○警察本部警務部長(村山盛輝君) お答えいたします。
 県警では琉海ビル工事現場事故について捜査本部を設置したが、その捜査の進展状況はどうなっているか。さらに労働省から係官が来沖して調査結果は県警にも通知があったか、その2点でございます。
 お答えします。
 11月の27日の午前8時に琉海ビル工事現場陥没事故特別捜査本部を設置しました。警察本部長指揮のもとに刑事部長を捜査本部長としまして原因調査、被災者事情聴取班、さらに現場鑑識班いわゆる現場検証班でございます。この3班を編成して捜査に当たらんとしております。被災者に対する事情聴取はほとんど終わっております。
 それから原因調査でも必要な関係書類を全部押収しまして、領置して関係者全員から事情聴取中でございます。さらに土どめ、根切り工というむずかしい名前ですけれども、これは通称H鋼というているそうですが、これと切り梁、これもやはりH鋼というているそうですが、これも領置して現在調査中でございます。
 それから労働省から産業安全研究所の土木建築研究部主任の研究官と技官2名来たようでございますけれども、まだ調査研究中で沖縄の労働基準局のほうにもその結果は届いていないようでございます。今後、基準局と絶えず連絡をとりながらいずれ届くと思いますので、以上御報告いたします。終わります。
○議長(平良幸市君) 上原亀一郎君。
   〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 事故が起きてやがて20日近くなりますが、まだ具体的にどのようなことが事故の原因になっているか、まだいままでの答弁ではほとんど明らかになっていないわけです。ところがいろいろ労働安全衛生法21条の違反の疑いが強いとか、あるいは同規則の369条の違反の疑いが強いとかいうふうに報道されておりますが、その点については県警としてはどのようにお考えになっているかお伺いいたします。
○議長(平良幸市君) 警察本部警務部長。
   〔警察本部警務部長 村山盛輝君登壇〕
○警察本部警務部長(村山盛輝君) 先ほども申し上げましたように調査中でございまして、これはいわゆる専門的知識と技術を必要とするものでありますので、慎重に原因を検討してあらゆる面からやっていかないと――相当時間のかかる問題だと思っておりますので、慎重に検討中でございます。
○議長(平良幸市君) 上原亀一郎君。
   〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 これほど県民を不安とショックにおとしいれた前代未聞の大惨事でありますので、ぜひ一日も早く原因究明を県民の前に明らかにしてもらいたいと思います。
 この琉海ビル陥没事故は、海洋博に伴う過密工事が招いたものといわれています。日本共産党は、去る4月28日沖縄人民党とおもに海洋博の開催延期と計画の再検討についての見解を発表し、海洋博の準備及び建設事業は施政権返還を記念し、産業と科学の進歩に寄与するという本来の趣旨から遠くかけ離れたものとなっており、このまま放置するなら一そう重大な事態を引き起こすことは明白であると指摘し、海洋博及びその関連事業の準備はいま開始されたばかりであるが、すでに沖縄県民に対する被害はきわめて重大なものとなっており、さらに48年度から49年度にかけて本格的な建設事業が進行するに従い、一そう深刻なはかりしれない悪影響を沖縄県民に与えることは必至となっていると強く警告いたしました。わが党の警告は不幸にも的中し、ビルが地中に吸い込まれて沈むという叫喚のちまたをつくり出しましたが、負傷者が一人も出なかったことはせめてのもの幸いだったといわなければなりません。しかしこの一代惨事のもっと根本的な原因は、第1に、これまで長い間大企業べったりの自民党政府が災害防止、公害防止、自然保護の対策などを放置してきたことにあり、そのため災害要因がきわめ
て大量に蓄積され、日本の国土は、とりわけ軍事監獄支配でもともと民生などなかったも同然の沖縄は、国民の生活と生命にとって非常事態ともいうべきものとなっております。
 第2に、大企業本位の国土利用、国土開発が巨大な破壊力を発揮し、自然と環境破壊の範囲を急速に押し広げるとともに、人間がこの国土で豊かな生活を営み続けるために肝要な環境を破壊しようとしていることであります。
 第3に、超過密都市の出現と過疎地域の広がりといった国土のゆがんだ発展であり、各地域での災害、公害の危険を非常に大きくしております。したがって特に大災害を内蔵している都市地域では、災害を防止する特別の対策をとり、安全な都市につくりかえていくためにあらゆる力を結集していくことが急務となっているといわなければなりません。いまやわが革新県政は、革新統一綱領の今日的意義を深く洞察し、海洋博を成功させることにもまして県民の命と暮らしを守る緊急な課題に対処されんことを知事に強く要望して私の質問を終わります。
○議長(平良幸市君) 古堅実吉君。
   〔古堅実吉君登壇〕
○古堅実吉君 質問の第1点、超過負担と予算執行についてであります。
 歴代自由民主党内閣の対米従属化下における高度経済成長政策は、年々天下知らずの物価値上がりをもたらし、特に田中内閣は日本列島改造政策によって国民の生活を破壊するインフレをもたらすに至っています。そのことは国民一人一人の生活を犠牲にするものとなっているだけではなく、全国の地方自治体にとっても耐えがたい犠牲をしいるものとなっています。それは国の補助事業などにかかる地方自治体向けの予算が現実の経済状態を全く無視した方針に基づき、地方自治体に対して全く耐えがたい超過負担をしいるものとなっているからであります。県予算の執行率の低さは、その原因においていろいろあるであろうが、特に本県の場合、このような超過負担の強要を抜きにして論ずることは許されません。そのことは先日の九州各県知事会において全会一致で国に対する超過負担解消についての要請決議がなされ、またこれまで全国議長会でも同様趣旨の決議がなされてきていることでも明らかなように、超過負担解消の問題は当面する全国地方自治体の最も大きな課題の一つであります。そこで本県の48年度予算の執行状況と超過負担の問題について、超過負担のために予算執行に及ぼしている困難な状況
を具体的な内容によって説明していただきたいと思います。そして県として、その困難な問題についてどう対処されようとしているのか、その具体的な方策についてお伺いしたい。
 また政府に対する超過負担解消について、どのような努力を払われるお考えか承りたいと思います。
 質問第2点、基地撤去の問題などについてであります。
 宜野湾市議会は、去る10月の定例議会で全会一致で普天間飛行場の撤去要求を決議していましたが、最近、米軍のP3C対潜哨戒機が同飛行場で訓練しているのをとらえ、12月12日緊急に臨時議会を開いて激しい憤りをもって抗議する決議を全会一致で採択し、本県議会へも強力の陳情に及んでいます。このように米軍基地の撤去と軍用地の解放を求める声が日増しに強くなり、どの市町村でも当然のこととして要求するようになってきたということは最近の大きな特徴の一つであります。ちょうど20年前、沖縄人民党が米軍に対して軍用地料を支払えと声をあげたときには、過激な言動だとしてこの当然のことについてさえも県民みんなの声にはなり得ない状況でした。何も20年前の例でなくてもよいのですが、自由民主党が基地経済を謳歌し、基地撤去を求める者は無責任きわまる破壊者であるかのごとく宣伝していたのもつい最近の話であり、自民党の国場衆議院議員が立法院の軍関係特別委員会で、基地撤去なんてとんでもない。私自身の出身地に基地をうんと持ってきてもらいたいものだと基地撤去要求にかみついていたのもつい三、四年前のことですし、また国政参加選挙の最中に、自民党の西銘候補
がイモとはだし論で米軍基地擁護に回っていたのも県民の記憶に新しいものであります。ところで今日においてはどうでしょうか。米軍基地なしには沖縄の復興はあり得ないという県民の声は皆無となったばかりか、軍事基地こそが沖縄県の経済復興と開発の最大のガンであるとして各市町村長は米軍基地の撤去と軍用地の解放を強く求めています。まことに当然のことながらわが党は、これらの基地撤去、軍用地解放の要求を心から支持し、その実現のために奮闘するものであります。
 ところで県がまとめた資料によれば、この要求は18市町村から出されていますが、県はそれに対してどうこたえようとしておられるか、その具体的な施策とその現状についての説明を求めます。
 次に二、三にわたる質問を続けます。第1番目に、那覇飛行場における米軍機、自衛隊機の演習の即時取りやめと民間空港への解放についてであります。
 去る10月11日から3日間沖縄県を視察した衆議院沖特委の沖縄調査団は、その報告書の中で那覇空港の使用状況は本年1月から7月までの実績に基づく1カ月平均では、民間機が約3400機で43%、自衛隊機の約1100機と米軍機の3300機で、合計軍用機が4400機であり、全体の57%を占め、那覇空港の混雑は著しいと述べ、さらに県民の総意である那覇空港の早期完全返還を期するべきであると考えると表明しています。最近、那覇空港での米軍機や自衛隊機の事故が相次いで発生しており、自衛隊のジェット戦闘機の訓練がきわめて激しく強行され、民間機への危険度が高まってきています。これらの米軍機や自衛隊機の激しい訓練に伴い、万が一にも民間機の事故となったらと想像するだけでもおそろしいものを感じます。
 知事は、米軍と自衛隊に対しこのような軍事演習を直ちに取りやめるよう強く要求し、那覇空港の安全について積極的に努力すべきだと考えますが、知事の御見解を求めます。
 また那覇飛行場は一日も早く米軍機と自衛隊機を撤去させ、完全な民間空港として取り戻すべきです。そのための知事の一段の努力を求めます。
 2つ目、リージョンクラブ、VFWクラブ、ブラックオイルターミナルなどの問題についてであります。これは日米沖縄協定と関連取りきめがいかに対米従属で貫かれていたかを示す軍用地の事例だと考えますが、まずその問題の概要と経過の説明を求めます。その上で次の諸点についてお答え願いたいと思います。
 1つ、関係土地所有者の要求は正当と考えるか。
 2つ、日米政府はその責任をあいまいにしてのがれ、土地所有者と地上物件所有者との私的な関係において処理させ、事実上地主の要求を踏みにじろうとしているように思われますが、かような日米両政府の態度は決して許されてはなりません。わが党はあくまでも日米政府に対して責任ある措置と補償を要求し、日米政府の責任において土地所有者たちの要求は実現されるように解決されるべきだと考えますが、知事の御見解と今後の対処策についてお伺いします。
 3つ目、米軍SR71黒スパイジェット機でありますが、最近のたび重なるベトナム領空侵犯によるスパイ偵察飛行に抗議し、その嘉手納飛行場からの即時撤去を要求する問題についてお伺いします。
 県民の土地を強奪し、その上に築かれてきたアメリカ帝国主義の侵略基地が県民の生命と財産を脅かし、生活を破壊し、不幸の大きな原因となっていることは県民がひとしく身をもって長年にわたって体験してきたことであります。ところでその米軍基地を提供している日米安保条約の廃棄と基地撤去の姿勢については、昨日の副知事の意思表明もございました。基地全般についてはそういう意味から深く触れませんけれども、このスパイジェット機の演習と撤去について次のような見解を示し、要望いたします。
 このSR71ジェット戦闘偵察機は、嘉手納飛行場に2機常駐していて、時速3200キロ以上、3万メートルの上空を飛行する能力と2万4000メートルの上空からでも地上の人間を写すことのできるカメラを備えているなど、おそろしい超高性能の能力を持ったスパイ専用機であります。その飛行機が初めて米国から海外への基地に常駐させることになった基地が嘉手納飛行場でありましたし、アジアでは今日でも嘉手納のみに常駐しているものと思われます。県民はこのようなスパイ機や謀略部隊、VOAなど直ちに撤去するように強く要求してきました。しかしその撤去もなく、かつベトナム協定が成立し、その完全な実施が強く求められている今日、なおこのジェット機がベトナム領空を侵犯し、スパイ挑発飛行を続けているということは諸国の独立と平和を願うものの立場からまことに許しがたい侵略行為だといわなければなりません。私は、この際知事が一切の米軍基地の撤去を求めるについての意思表示とともに、日米両政府に対して、特にSR71戦略戦闘偵察機のかかるスパイ飛行が沖縄を基地にして強行されていることに対し、厳重に抗議を表明し、その即時撤去を強く求められるよう要請するもの
であります。知事の御意見を伺いたいと思います。
 4番目に、復帰後も米軍演習はあたりまえのようにひんぱんに続行されております。そのことが県民の安全のみならず生活破壊、教育条件破壊に深刻に結びついています。県道104号線封鎖演習に抗議する12月12日の集会の中で生徒代表の外間君は、本土復帰して2年になるが、まだ県道が封鎖された。登校のときも不安が一ぱいだ。私たちは静かな緑に囲まれた美しい自然の中で勉強したい。ブルービーチでのおばあさん轢殺にみられるように人を殺し、美しい自然をこわす米軍はすぐ出ていってほしい。ぼくたちの勉強する権利を守れと切実に訴えています。
 知事は、日米両政府に厳重に抗議し、かかる演習を再度行わせないよう強く要求すべきだと考えますが、御見解と対策についてお伺いいたします。
 質問の第3番目、過疎地域の諸問題のうち医療と教育についてとらえて質問いたします。
 本県の医療事情は医療施設数において全国平均の44%、病床数において45%、医療従事者数においても医師46%、歯科医師39%、看護婦及び准看護婦50%という数字が示しているように本土の現状に比べても大きな差があり、深刻なものとなっています。特に離島僻地に至ってはきわめて深刻そのものというしかない実情であります。
 私は、県がいろいろの困難を抱えた中で医療事情の改善と前進のために努力を払っておられることを多とするものでありますが、県民の切実な願いにこたえるだけのものとはならず、それにはおよそほど遠い状況でしかない現実を遺憾とするものであり、その現実に目をそらせるわけにはいかないと強く思うものであります。ところで今回の質問の中で医療全般について触れることはできませんので、深刻をきわめている離島僻地等の20市町村にわたる44の無医地区の問題について、特に沖縄振興開発特別措置法第49条で無医地区における医療の確保について定めてあることとの関連について質問いたします。
 同法第49条は「沖縄県知事は、振興開発計画に基づいて、無医地区に関し、次に掲げる事業を実施しなければならない。」と定め、「1診療所の設置、2患者輸送車の整備、3定期的な巡回診療、4保健婦の配置、5公的医療機関の協力体制の整備、6その他無医地区の医療の確保に必要な事業」と具体的施策を義務づけています。この条項の規定に基づき県が実施してきた具体的措置について、現状と計画の説明を求めます。また同条第3項は「国及び沖縄県は、無医地区における診療に従事する医師又は歯科医師の確保その他当該無医地区における医療の確保に努めなければならない。」と定めておりますが、この条項に基づく国と県との間にどのような協議がなされてきているか。さらに同条第4項には「沖縄県知事は、国に対し、無医地区における診療に従事する医師又は歯科医師の確保について協力を求めることができる。」と定められているが、本条項の定めに基づく国への協力要請をしたことがあるか。あればその具体的内容について説明し、国がいかなる協力をしてくれているかについても説明を願います。
 次に、本土からの派遣医師について現在何人か。何人派遣されることになっているのかなどの事情についてお尋ねします。
 先日、与那国町への視察に言ったときにも強い要請を受けたことですが、与那国や国頭村などに見られる医師確保の現状に照らし問題があればその改善とそれに基づく県からの援助が強く望まれているところですが、お考えを伺いたいと思います。
 医療問題について最後に、ハブ咬傷発生が毎年数百件に及んでいますが、緊急時における無医地区、特に交通手段の困難な地域においてハブ血清注射などについて特別の措置はとれないものか、また法律との関連などについて特別の打開策を検討してもらいたいと考えるものですが、御意見を伺いたいと思います。この際私は、医者に見てもらいたい。治療してもらいたいとの人間としての切実な願いさえもかなえられない環境のもとに生活する数万の無医地区の県民の問題を県の医療行政の面から一段と無視され、格段の努力を払われるよう強く要望申し上げるものであります。
 過疎地域の問題として教育の問題を簡単に述べておきます。
 沖教組は、去る11月23日と24日に調査団を派遣し、国頭村楚洲、安田、安波、東村崇江の小中校4校の実態調査を行った結果に基づき、これらの山間僻地における教育条件の改善について12項目にわたり関係者に強い要請を行っていますが、そのことについて先に連絡を申し上げておきましたが、時間の都合上具体的内容に触れることはできませんが、この要請にどうこたえられようとなさるか、御見解とこれからの対策についてお聞かせ願いたいと思います。
 時間の都合上、通告しておきました都市交通問題については後日にしたいと思います。
 最後に1点、昨日、親川議員の質問との関係においてでありますけれども、那覇空軍基地から逃げ出した牛との関係についてであります。昨日もありましたようにあの牛は1頭が屠殺された。と畜場法第9条によれば「何人も、と畜場以外の場所において、食用に供する目的で獣畜をと殺してはならない。」というふうに定められておりますし、2項では「何人も、と畜場以外の場所において、食用に供する目的で獣畜を解体してはならない。」というふうになっています。彼は確かにそのと畜場法に違反するのではないかと思います。罰則は第16条で3年以下の懲役または5万円以下の罰金となっております。警察がそれについてどのように追及しておられるか、それについての説明を求めたいと思います。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 初めに予算執行と超過負担の問題の質問がありましたけれども、詳しい具体的なことにつきましては関係部長に補説させたいと思いますので御了承お願い申し上げます。
 昭和48年度の予算の執行は10月末で37.3%の執行率となっております
昭和47、48年度の執行が思わしくない理由としましては昨年秋以来の建設資材の不足並びに値上がり、また労賃の引き上げ等によりまして建設事業の執行が困難になっております。このような状況でございますので、県、市町村とも多額の超過負担金を余儀なくされておりますので、県といたしましては、これまでも機会あるごとに国庫補助金についての補助単価の引き上げ並びに補助算定基準の改善等について要請しますとともに、また特別交付税においても特別に配慮していただくように要請してきましたし、今後も要請し、その実現を100%はなかなか困難だと思いますけれども、実現を期してまいりたい所存であります。具体的な事例については当事者に補説させたいとこう思います。
 それから基地の問題、あるいは那覇空港の問題、あるいは県道を利用して軍演習の問題については御指摘のとおりでありますので、そういう事態が起こるたびごとにわたくしはメイプルズ司令官に会いまして抗議もいたしますし、また演習中止も要請いたしております。この前の北部の演習についてもそうでありましたし、またヘリが西原に落ちたとき再度にわたって、これは直ちに時を移さず抗議もし、その補償を訴え再びこのようなことのないように強く要請していることでございます。
 それから那覇空港の問題につきましては、きのうも副知事から解説がありましたとおり、御指摘のようにこれは復帰と同時に返るべき性質のものでありましたし、それがここ一、二カ年たってもまだその実現をしないことは遺憾なことでありまして、これも御指摘のとおりわれわれはそのつど外務省にも、それから軍当局にも要請してまいりたいとこう思います。
 なおスパイ機あるいはSR71偵察機のごときもこれはいまに始まったことではなくして、そういうようなことを沖縄からやるということになると沖縄基地に対する外からの評価が非常に危険なものになるから、県民の不安をそそることになるからといってこれは復帰前からもそのつど言っておりますけれども、なかなか実現しなくて今日に至っております。したがいまして先ほど御指摘ありましたとおり、われわれといたしましては引き続きこういうような諸問題については県民の意思を伝え、また抗議もし、要求も強くしていくその気持ちにはちっとも変わりはありませんので、御了解いただきたいと思います。
 なお僻地の医師の問題あるいはハブ咬傷の諸問題等につきましては、それぞれを関係当局に答えさせたいと思っております。
 なお基地の中にリージョンクラブとかいうような例もありましたけれども、非常に具体的なたくさんの問題を持っているようでありますからして総務部次長に補説させたいと思いますので御了解願いたいと思います。
○議長(平良幸市君) 総務部次長。
   〔総務部次長 里 春夫君登壇〕
○総務部次長(里 春夫君) 超過負担の問題につきまして具体的に数字を用いまして御説明いたしたいと思います。
 超過負担の問題につきましては、これまでもたびたび県議会でも取り上げられてまいりまして、県としましてもこの解消方につきまして予算の編成の場合、たとえば昭和49年度国庫支出金の要請に当たりましても、特にこの解消を重要な事項としまして知事からも開発庁に要請されているわけでございますが、また執行の段階ででも機会のあるたびごとに関係省庁または国会の各種調査団に対しまして要請してきております。それから九州知事会の専門部会であります財務部会でもこの問題は取り上げられまして、最近の11月の部会におきまして各県それぞれの問題点を出し合いましていろいろ話し合いをやっているわけでございますが、各県とも地方財政を圧迫するものとしてその対策に苦心している状況でございます。この問題につきましては、政府におきましてもいろいろ問題解消につきまして検討されているようでございます。その例としまして48年度の予算の編成におきまして公立文教施設、それから保育所、公営住宅建設などの6事業につきまして48、49年度の両年度にわたりましてその解消措置を講ずるよう予算措置が一応なされたわけでございますけれども、編成後の建設資材の値上がり、そう
いうのもございまして予算編成のときに講じました措置では十分に対処できなくなっておりまして、予算の実行面でまた今回の予算の補正等でその措置を講じている状況でございます。ところでこの超過負担の生じます原因としまして考えられますことは、単価差によるもの、それから数量差によるもの、それから補助の対象差によるものの3つが考えられます。この3つの原因ごとに超過負担額を算出するということはちょっと時日を要しますし、困難でありますけれども、国庫補助事業中の建設工事につきましてそのうちの建築工事でございますけれども、その執行に要する経費として単純にとらえました場合、これは先日の議会でも御説明いたしましたように48年度におきまして国の算定しました地元負担額に約20億円の差があるということが見込まれております。いわゆるこれが超過負担ということで一応承知しておりますが、この対策としまして県としましては当初予算において2億円、9月補正で11億円の予算措置を講じて実施しておりますが、その後も建設資材、労賃等の値上がり等が続きまして現在入札不調が多い状況ということになっております。この超過負担の具体的な状況でございますが、そのう
ちの単価差によるものについて県立高校の校舎建築につきまして御説明いたしたいと思います。昭和48年度の当初予算では県立高校の校舎建築の補助単価としましては1平米当たり前年度4万100円の10%増の4万4100円ということで算定されましたが、この実施段階におきまして結局47年度分の繰り越し工事は48年度で入札に付したわけでございますけれども、その入札額が大体5万6700円ということになりまして、この状況を開発庁といろいろ話し合いしまして、48年度当初4万4100円というのを実施段階で11%引き上げまして4万9000円と、実際の入札価格5万6700円に対しまして4万9000円と、実際の入札価格5万6700円に対しまして4万9000円というふうに一応実施段階で改定していただいたわけでございますけれども、これをさらにその後の物価の状況等を見ました場合に、9月補正段階で県側としましてはこれをさらに30%引き上げなければならないのではなかろうかという見込みを立てまして、その線で議決をいただいたようなわけでございます。このように校舎建築の場合30%も実施単価よりも低いわけでございますけれども、今回の国の補正予算で若干単
価アップの予算措置を講じていただいておりますけれども、それでも相当な約10%から20%の間の差がございますけれども、これは工事の積算の内容におきましてその積算の取り方に相違があるのではなかろうかというふうに考えております。
 それで以上のような状況でございますが、当初予算におきまして工事単価を実勢単価によって算定すれば若干事業の促進が期せられたと思われるわけでございますけれども、48年度の編成時におきましては、先ほど御説明いたしましたように昨年秋以来の建設資材、労賃の値上がり、品不足等がありまして物価の上昇率の見通しが困難でありましたので、国の補助単価によって編成せざるを得なかったと、これと同時に工事費の追加のための財源確保の見通しが当初予算編成では困難であったため9月補正で措置したようなわけで、こういう面からの若干の予算の遅延があったわけでございます。
 県としましては先ほど知事から御説明ありましたように、今後とも国の補助単価の引き上げを重点に関係各省に要請を続けて行きたいと考えておりますが、またこれと並行しまして自治省に対しまして特別交付税において特別に配慮していただくよう現在資料等提出して要請しております。
 以上でございます。
○議長(平良幸市君) 総務部次長。
   〔総務部次長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部次長(赤嶺武次君) 基地関係の諸問題についてたくさんの質問がございましたが、まず第1番に市町村からの解放要求についてでございますが、コザ市をはじめとする基地の所在する18市町村から当面都市計画、産業基盤の整備に必要な基地を解放してもらいたいという要請が県にもありました。それは1371万6490坪を解放する要請でございましたので、県といたしましては関係各省に対してその返還要請をいたしております。
 御承知のとおりわが県は土地が狭く、その上軍用地が大半を占めている状況にございます。特に那覇市及び中部地区の市街地区においては軍用地と民間地域が複雑に入り組んでいて、都市計画、公共施設等の適正な配置の上からも基地が障害となっているわけでございます。そういう状況の中で県といたしましては、今後の沖縄振興開発計画のためにのやはり基地の整理縮小、撤去を求めてそれを強力に実現を推進するようにしなければならないと考えております。そういった意味で県といたしましては、知事の政策である基地の撤去、そしてそれに至るまでの整理縮小というその政策を推進すべく積極的に取り組んでいく考えでございます。
 次に、VFWクラブとアメリカンリージョンクラブ、それからブラックオイルターミナル用地の返還問題についてでございますが、まず第1番目に経緯について申し上げますと、アメリカンリージョンクラブの場合は、キャンプ瑞慶覧の施設内にあって退役軍人の経営による社交施設でございますが、復帰前は高等弁務官布令第20号に基づく軍用地として米軍から借料の支払いがなされていたわけでございますが、沖縄返還協定締結の際には復帰後も米軍が引き続き使用する基地の中に組み入れがなされていたわけでございます。45筆のうち19筆については公用暫定使用法のもとに那覇防衛施設局との契約が結ばれ、残りの26筆については収用通知がなされ、施設区域として提供されてきたわけでございます。地主の方にも復帰後においても那覇防衛施設局から借料の支払いも受け、当然ながら復帰後においてもまた軍用地であると考えていたようでございます。
 ところがことしの3月22日付で当該クラブ用地が昭和47年5月15日から施設区域から除外された旨の内容の文書が那覇防衛施設局から各地主に出されているわけでございます。そのために地主は自分たちの土地が、復帰の日にすでにさかのぼって軍用地から除外されていることをあらためてここで知ったわけでございます。そこで地主は返還通知を理由に建物の収去と土地を即時明け渡してもらいたいということをアメリカンリージョンクラブ関係者に要請しているわけでございます。ところがクラブ側は建物が存在していることを理由にして借地法あるいは建物保護法、そういったものに基づいた借地権を地主に主張し、現在に至っているわけでございます。
 それからVFWクラブの場合は、これもアメリカンリージョンクラブと同様退役軍人が経営しているわけでございますが、沖縄返還協定の締結の際は牧港補給基地として復帰後も引き続き米軍が使用する基地として協定のA表に組み入れられていたわけでございます。政府との間で仮契約までなされているわけでございますが、昭和47年の9月の1日付で那覇防衛施設局から地主に対し、同用地が復帰の日から軍用地から除外された旨の通知がなされているわけでございます。そこで地主たちはVFW側と話し合いを続けてきたわけでございますが、VFWが経営状態が思わしくないことを知って、米領事館と那覇防衛施設局が借料支払いのための保証になることを条件に契約交渉を続けているところでございますが、VFW側は地主の申し入れを拒否して契約の不成立に終わっているわけでございます。土地の完全明け渡し要求をしたにもかかわらず、同クラブもアメリカンリージョンクラブと同じように借地法等に基づく借地権を主張して譲らないというような状態の中で、地主の方々はその建物の売り渡しの禁止の仮処分を行って、すでに第三者と同用地の賃貸契約も結んで借地料もそこから受領している状況にあ
るわけでございます。
 それからブラックオイルターミナルについては、これはこの用地は那覇市の西新町に所在しております油を貯蔵する施設でございます。復帰前、地主から米軍に対して何回となくこれも返還要請がなされたわけでございますが、米軍は地主の要求を全く配慮することもしないで1972年の5月1日付でこの施設の入札希望者を募集して、同年の5月13日に第三者に競売し、移転し、購入者と地主との間で対立させているような状態になっております。こういった施設がアメリカンリージョンクラブあるいはVFWクラブと異なる点はやはり沖縄返還協定のA表、B表、C表のいずれにも入っていなかったというあいまいな状態で措置されております。
 以上がそのクラブについての経緯、内容になっております。
 次に、県としてはこの用地の返還問題が本来安保条約あるいは関連取りきめに基づいて施設区域として提供されたことになじまなかったものだと、これはあえて基地内でその存続を画策したり、あるいは投下資本の回収を意図して布令やそれに基づいて契約を無視して、地主の財産権を無視してきた米国政府にその責任が所在するものとを考えているわけでございます。政府にもまた沖縄協定を日米共同で進めてきた立場上責任があり、私どもとしてはこの地主の財産権の擁護のために日米両政府が責任をもって、この問題を解決させるように今後強く要請を続けて行きたいと考えているわけでございます。
 次に、那覇空港については先ほど知事からの説明があったとおりでございますので省略させていただきたいと思います。
 最近米軍の演習が盛んになっております。特に復帰前よりも復帰後が回数が多くなってきたように見ております。そこで私どもは、その演習のたびごとに防衛庁長官をはじめ関係機関に対して、この演習を即時中止するように抗議をあわせて行ってきているわけでございますが、考えてみまするにやはり基地が存続する限り演習も存続する可能性が十分にあるわけでございます。そういった意味では、やはり基地の撤去というのが一番考えられることでございます。基地をなくすことによって演習をなくすというようなそういったことによって根本的な解決を求めていかなければならないじゃないかと考えるわけでございます。そういった意味で基地の整理縮小、撤去というものをもっと強力に進めていかなければならないと考えております。その他スパイ機の問題にしても、今後その実態を十分把握した上でその撤去を要請していく考えでございます。
○議長(平良幸市君) 厚生部長。
   〔厚生部長 平安常実君登壇〕
○厚生部長(平安常実君) 沖縄振興開発特別措置法第49条の第1項の1号から6号までに、具体的にどのように措置されたかとこういう御質問に対してお答え申し上げます。
 まず1号は診療所の設置でございまして、47年度の渡嘉敷診療所1カ所、大原の診療所の住宅を1カ所、計2カ所設置しております。それから48年度に3カ所の診療所の改築でございます。宮城、阿嘉、小浜。それから3カ所の住宅を改築しております。伊是名、渡名喜、座間味。48年度が6カ所。49年度は8カ所の予定をいたしております。
 それから2号の患者輸送車につきましては、47年度におきまして国頭村、大宜味村、本部町、下地町、与那国町の5カ町村に患者輸送車を配置しております。これは国2分の1の補助、県2分の1の補助になっております。さらに診療所の設置につきましては、国4分の3の補助になっております。それからいまの患者輸送車につきましては、48年度も5台予算を計上して近く配置することになっておりまして、東村、名護市の久志、竹富町、仲里村、渡嘉敷村の5カ市町村の予定でありまして、今後もこういうふうにして輸送車を整備していく計画を持っております。
 それから3号の定期的な巡回診療という件につきましては僻地、離島、無医地区の巡回診療は一般診療としまして年間20回、これを実施いたしております。それから歯科巡回診療は年間6地区でやっておりまして、1地区1カ月間を滞在してやっております。
 それから4号の保健婦の配置でございますが、これは僻地駐在保健婦として国から38人分の補助を受けて各町村に配置してございます。これは名護保健所管内が11人、石川3人、那覇8人、宮古5人、八重山11人おのおの僻地に配置してございます。
 それから5号の公的医療機関の協力体制の整備というのがあるわけでございますが、これにつきましては地域医療協議会というものを設置して公的病院の施設長会議等を開催して協力体制をとっております。
 それから6号のその他無医地区の医療の確保に必要な事業という項目があるわけでございますが、これにつきましては地区医師会、市町村長、保健所長、地域の団体の代表からなる僻地医療地域連携対策協議会というものを各保健所管轄の地域ごとに設置をする計画でございまして、すでに皮切りとして八重山の地区では設置されて活躍をしております。またこれに呼応しまして中央では地域医療対策協議会を設置しておりまして、県の医療対策を推進していく上に大きな力になっております。
 それから御質問の2番目の同条第3項に基づく国と県との間にどのような協議がなされてきているかということでございますが、これは県は無医地区のほうの医師の派遣の予算として国から15人分、15人の医師の予算を無医地区のためにいただいております。予算を計上されております。
 それから技術指導、業務援助のための医師25人、歯科医師3人の予算が予算化されております。これは厚生省の医務局長と県知事との了解事項に基づいて国から派遣を受けております。
 それから同条の第4項「沖縄県知事は、国に対し、無医地区における診療に従事する医師又は歯科医師の確保について協力を求めることができる。」と、これに基づいて国への協力を要請したことがあるかということでございますが、先ほど申し上げましたようにこういうふうな医師の確保について、知事として協力を要請しましたために無医地区の派遣医師15人、技術指導のための者、歯科医師を合わせまして28人が確保されたわけでございます。
 それから本土からの医師派遣につきまして現状と問題点でございますが、このようなワクをいただいておりますけれども、この無医地区における15人のワクはありますけれども、これを医事新報とかでいろいろ公告を出して日本全国に呼びかけておりますが、現在8人、昨年までは10人おりましたけれども、病気で帰ったり、あるいはなくなられたりしておりまして、現在は8人しかこれが当たっておりません。それからこの28人の分につきましては、1週間から3カ月間の間滞在しておりますが、最近は1週間ないしは2週間のほうが多くて、これは技術指導援助という名目で来ておりますが、常時28人滞在して沖縄の医療に当たれば非常に効果的でありますけれども、現在では164人という多くの医師が来ておりますけれども、これは先ほど申し上げましたような1週間ないしは2週間、しかも各地方医務局の配下にありますところの院長、副院長クラスが来まして沖縄の事情をよくこれを見、そして一応そういうような沖縄に医師を派遣するための布石として一応沖縄を理解してもらうと、こういうような意味でその院長、副院長あるいは医長クラスから沖縄に行けというような体制にいま布石をやってく
るような状況でございます。
 それから与那原町や国頭村などの医療の改善でございますが、市町村立の診療粉に対しましては国から僻地診療所運営費補助金が出されることになっております。ところが現在その補助金の支給対象となっている診療所は伊江村だけでございます。伊江村が完全に市町村の特別会計として運営をされておる。ほかの診療所につきましては、そういうような町村の直接経営でなくして、その医師に対して委託をしてやっていると。したがって市町村はそれに対して医師給与という意味での補助金を出しているという形になっておりますので、そういう意味からもこの僻地の診療所に対する補助というものはいま伊江村だけになっているわけでございますので、こういうような補助が受けられるような体制に県としては行政指導をしてまいりたいとこう考えております。
 次に、ハブ咬傷発生の緊急時において無医地区でのハブ血清注射などについて特別な措置はとれないかどうか。また法律との関係などについて打開策は考えられないかということでございますが、結論から申し上げますと、特別な措置はとれないということでございますが、これは医師法の第17条で医師でなければ医業をしてはならないとのことでありますので、ハブ咬傷の治療につきましては、保健婦、助産婦、看護婦であってもみずからの判断で実施することはできない。ましてや一般の人はなおさらでございます。しかしながら保健婦、助産婦、看護婦法第37条には、主治医の指示がない限り医療行為をしてはならないところがあります。ただし臨時応急の手当ては差しつかえない旨の規定がありますが、ハブ咬傷については、こういうようなことを考えております。あらかじめハブ咬傷患者が出たその時点で医師に電話でその状態を報告して、その報告を受けた医者が、じゃ血清注射せよという指示を受ければ注射しても差しつかえないと考えられております。一応そういうように考えられますけれども、医師法の第20条には医師はみずから診断をしないで治療をしてはならないというような点もありますので、
この辺はもう少し専門的な立場から検討してみたいと考えておりますが、私が申し上げましたのは、電話でやって医者が全責任を持つんだという指示、いやそれは自分は見ていないからと断られればこれはもう看護婦としても注射はできないわけです。医者がああそういう状態だったら、こうしなさいというような指示があれば看護婦もできるということに考えておるわけでございます。
○議長(平良幸市君) 教育長。
   〔教育長 津嘉山朝吉君登壇〕
○教育長(津嘉山朝吉君) 国頭村、東村、楚洲、安田、安波、嵩江等の陸の僻地の学校を沖教組が調査して教育庁に要請したが、教育庁はそれにどうこたえるつもりかということについてお答えいたします。
 要請を受けました。いま要請書は手元にございませんが、大体覚えておる重点的なものだけについてお答えいたします。
 第1点は、僻地小規模学校の定数改善の問題でございます。特に複々式、変則複式の解消をしてほしいということでございます。さらに小規模学校に養護教諭並びに事務職員を配置してほしいということでございます。さらに第2点は、教員住宅がたいへん少ないと、教員住宅を早急に整備してほしいと。第3点は、僻地の教職員は研修に恵まれないと。さらに旅費が相当高くつくと。研修旅費を増額してほしいと。第4点は、僻地と平地との人事交流をもっと活発にしてほしいと。さらに僻地派遣の場合における待遇の改善等が主だったと覚えております。
 この問題は、先日もお答えいたしましたように県教委の僻地教育振興は主要施策であり、定数の改善あるいは予算上で措置できるもの、さらに市町村の事業として位置づけられているものについては、行政指導も十分前向きに対処していきたいと、このように考えております。
○議長(平良幸市君) 警察本部警務部長。
   〔警察本部警務部長 村山盛輝君登壇〕
○警察本部警務部長(村山盛輝君) 那覇航空隊内から逃げた牛の件で、1頭を殺して、これはいわゆる屠畜場以外で屠殺解体したということで3年以下の懲役または5万円以下の罰金になるが警察の捜査はどうなっているかということでございます。
 本件は、と畜場法第9条の1項では屠殺はできない。2項では解体はできないようになっておりますので、これは屠殺場以外での解体であります。そして負傷しておりましたので、切迫屠殺になるかどうか。また食用に供する目的であったかどうか、この点について県厚生部とともに連絡をとり合って、いま捜査を進めております。
 以上で終わります。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後0時15分休憩
   午後1時25分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 岸本忠三郎君。
   〔岸本忠三郎君登壇〕
○岸本忠三郎君 私は、まず質問通告の順序に従いまして労働行政に対する担当者の基本的な考え方を承りたいと思います。
 私が今回あえて労働行政の基本をお尋ねするのは、琉球政府時代から沖縄県庁が発足した今日に至るまで労働行政に関する限りほとんど見るべきものがなく、特に労働政策らしいものは全くないまま今日に至っているからであります。
 そこでまず沖縄県政の中における労働行政の基本的な展開の基調をどのように考えているかということであります。労働行政を展開していくに当たっては国は言うに及ばず、自治体においてもその基本は憲法27条にいう個別の権利義務を確保し、あわせて28条の団結権、団体交渉権及び団体行動権を保障し、もって25条の健康で文化的な生活を実現させていくというところにあることは異論を差しはさむ余地のないことであろうと考えます。
 ところが政府の高度成長政策は、労働政策を産業政策に従属させ、労働者を資本に屈服させ、企業にのみ奉仕する労働者づくりのために労働行政が展開されているのが今日の国の労働政策であります。つまり現在の日本における経済社会の中で労働者の生存権を保障するために制定された労働関係諸法律が、特にその運用面で労働基準法をはじめとして空洞化され、反動化さえしているのであります。労働行政が縦割り行政であるたてまえから自治体労働行政のこれに無批判に追随していることはきわめて残念なことで、県を含め、県下の市町村段階における労働行政は単に事務的処理にのみ終わり、失対行政を除くほとんど見るべきものがないのであります。この実態は、革新県政としての沖縄県政でも同様であります。革新県政のもとで、県民すなわち労働者すなわち労働行政であるとのたてまえに安住し、労働団体が県の労働行政を肩がわりし、これを当然視しているところに問題があります。中でも他県の場合、労働諸団体に対し、各種の財政的な措置も行われているにもかかわらず、沖縄県の場合は全くゼロであります。その反面企業に対しては、国及び県の通産商工行政が手厚く組み込まれ、経営、生産指導か
ら企業診断はもとより、労働力の雇用、融資に至るまで至れり尽くせりの政策がなされているのは御承知のとおりであります。
 沖縄の企業は、その100%近くが中小零細企業であるが、こうした企業に働く労働者の多くは労働組合の結成が許されず、労働基準法の順守はもちろん、就業規則さえ定められてない無権利の状態に置かれている企業が無数にあります。
 さらに婦人労働の問題は、県の行政の対象にさえなっていないと極言してもよいほど見捨てられております。けさの新聞報道にあることもその一例であろうかと思います。労働災害が非常にふえていることもまた御承知のとおりであります。この問題も国の主管であるとの観点から、県政の中では全く顧みられておりません。ちなみに労働災害のうち、死亡者は昨年13人であったが今年は11月現在ですでに33件を数えている事実を県の労組担当者は、きびしく認識をすべきであります。
 そこで部長にお尋ねいたしますが、各県県政の中における労働行政の展開の基本は、第1に、国の反動化する労働行政に抵抗しながら憲法と労働三法を守り、労働者の生活と権利、福祉を文化を高め、労働者意識の変革につながる行政の展開であり、そのために行政担当者の中にある労働行政の中立性という誤った認識を改めるのが先決であります。
 第2に、革新県政の推進と発展のために単にこれまでの狭義の労働行政のワクの中に閉じこもるのではなく、広範な労働者大衆、特に未組織労働者の革新県政参加への窓口としての役割をになっていくべきであると考えるのであります。
 第3に、労働行政は、労働団体及び民主団体との運動と行政の交流の場としての位置づけを明確にし、血の通った生きた行政の展開をはかるべきであると私は考えます。そのことについての部長の見解をひとつ承りたいと思います。
 次に、労働者福祉行政についてお尋ねいたしますが、沖縄県においてもようやく福祉行政強化への芽生えが見え始めたのはけっこうなことでありますが、しかし他県に比べ、沖縄県の労働者福祉行政は物的施設も含めてきわめて貧弱であることは御承知のとおりであります。
 ちなみに他県における労働者福祉厚生事業を一べつして見ますと、その内容の豊富さに驚くべきものがあります。一例をあげますと、勤労者生活資金貸し付け金預託制度、中小企業労働者共済制度、労働福祉文化祭及び体育祭などがあり、勤労福祉施設としては労働会館、勤労青少年ホーム、勤労市民保護施設、中小企業給食センター、勤労者住宅あるいは公営独身寮など教え上げれば切りがないのでありますが、本土におけるこのような福祉制度及び施設がわが沖縄県ではほんの一、二ある程度であります。何ゆえにこのように本土に比べ大幅に立ちおくれを示しているかというと、その原因はいろいろ考えられるわけでありますが、しかしいまその原因をここでせんさくすることをやめて、このおくれをいかに取り戻していくかということがまず問われなければならないのであります。
 申し上げるまでもないことでありますが、西ドイツにおける労働者の財形制度の考え方の基本は、国民の6割が労働者であり、労働者への福祉はそのまま国民の福祉であるというのが基本的な考え方であり、わが国においてもようやく福祉元年が叫ばれるようになり、財形制度や週休2日制度がいわれるようになったことを考えてみた場合に、沖縄における労働者福祉の問題は早急に直ちに着手をされなければならないことは周知のとおりであろうかと思います。
 そこで私は、具体的にこの労働者福祉にいますぐ着手をすべきであると考えるのでありますが、一挙にすべての事業や制度を設けるのは、人的、物的制約があろうかと思いますので、できないでしょうが、しかし革新県制としてすぐ手をつけてもらいたいものに、そして可能なものに労働会館の建設があります。これは知事並びに担当部長の意思さえあればできることであります。中小企業がほとんどを占める沖の経済構造の中で雇用労働者はおよそ19万で、この中で労働組合に組織されているのはおよそ二十六、七%で圧倒的な部分は未組織労働者であります。この未組織労働者の職場には憲法も労働3法も生かされず、無権利状態に置かれていることはさきにも述べたとおりであります。これを組織していくのは、組織されている労働組合の任務でもありますので、同時に働く者の生活を守る革新やら県政の任務でもあろうかと思います。働く労働者をいかにして結集させていくかは県の労働行政においても労働者教育、労働組合の育成指導などの観点からきわめて当然であると考えます。この一翼を担い、労働者の結集センターとして、また労働者の教育、教養、文化活動の展開の場としての機能を持たせた労働会
館を早急に設立をすべきであります。
 日本全国どこの県にもある労働会館のおもな任務は、労働関係の改善に必要な知識の普及及び相談、労働問題に関する図書その他の閲覧及び貸し出し、労働者の会合に必要な部屋の貸し出し、その他労働者の福祉厚生に関する事業を担当しているのが通常どこの県の会館でも持っている任務であります。
 私は先般、愛知県及び神奈川県の同様施設を見聞させていただいたのでありますが、いずれの県においても相当な財政負担を県が行い、同時に県庁職員が出向してこの会館の業務を行っているのを見たときに労働行政の充実ぶりに頭の下がる思いがしたのであります。
 そこであらためて部長にお尋ねいたしますが、沖縄県には労働会館を設立する意図がおありであるのかどうかあらためてお聞かせをいただきたいと思います。同時にもしつくるとするのであれば、いつごろをめどになさっているのかもあわせてお聞かせを願いたいと思います。
 次に、自治体職員の給与問題、中でも市町村職員の給与制度のあり方、また職員給与と交付税の関係について担当部長はどう考えておられるのか。さらにそのことを市町村に対し指導する場合の基本的な態度を明らかにしてもらいたいという立場から質問を申し上げます。
 まず第1点は、自治体職員の給与を決定する場合の一般原則として平等取り扱いの原則、調整適用の原則、職務給の原則等が規定されておりますが、職務給の原則について二、三お伺いをいたします。
 職務と責任の度合いに応じて給与を支払うには、職務に対する評価や分類がなされなければならないが、国家公務員や他県の自治体ではこれらの作業が行われて等級別の給料表が導入されているのかどうか、まず第1点お伺いをいたします。またなぜ等級制を導入しているのか明確にしていただきたいと思います。
 次に、給与を決定する場合の根本基準についてお尋ねするのですが、地公法24条では御承知のように地方公務員の給与の決定に当たっては、生計費、国及び他の地方公共団体の職員の給与、民間事業の従事者の給与、その他の事情を考慮し、それぞれの自治体の条例で決定しなければならないとされているのは御案内のとおりでありますが、この場合、国及び他の公共団体の職員との権衡を失しないよう適当な考慮を払わなければならないのは給与ではなく、給与以外の勤務条件と勤務時間であることが明確に規定をされております。これに対する担当部長の見解もあわせてお願いをしておきたいと思います。
 またこれらの諸基準について国からの指導がどうなっているのか。指導があったのかなかったのか、そのことについてもお尋ねをしておきたいと思います。
 さらに等級制給料表の運用についてですが、市町村によっては、国の行政(一)の給料表を導入しているところもありますが、国並みの運用をするには何等級制にするのが妥当と思われるのか、そのことについてお答え願います。
 私の入手した資料によると、地方課の諸君は市町村に4等級制を指導しようとしているようであるが、この場合、給料表の導入ということは必然的に市町村の職員の給与制度を国家公務員並みにするという明確な意図が県の側になければ指導できるしろものではないと私は考えます。しかし御承知のように国家公務員に対する給料表の運用の実態を考えてみた場合、とても市町村職員に国家公務員並みの給与を支給することはできないと考えられるのでありますが、4等級制を指導した理由を明確に御答弁願いたいと思います。それとも県は、給料表のみを制定するよう指導し、中身についてはかってに市町村できめてくれという隠された意図を持った指導をしているのか。もしそうであるとすると非常に重大な問題であります。
 なおこのことについての答弁に当たって、そのような指導を県は行ってはいませんという答弁はせぬようにあらかじめ部長に申し入れをしておきたいと思います。なるほど給料表の制定指導は表向きでは町村会、市長会が行っている形式を県はとっておりますが、しかしこの市長会や町村会を指導しているのは、県の地方課が行っている事実を私どもは知っております。
 さらにこの件で私が県に対し強い不信を持っているのは、自治労の自治省との一連の復帰対策交渉の中で自治省側は、沖縄の市町村職員の給与制度を本土並みに移行させなければならないが、困難な問題が多過ぎて復帰と同時に県庁職員同様賃金の格付けはできないので復帰後二、三年経過した後に行いたい。そのときにはもちろん自治労とも十分相談をしますとの明確な自治省側との約束があるのでありますが、革新県政といわれる屋良県政が、当該労働組合と何らの事前協議なしに、しかも町村会や市長会を利用して第三者を通して労働条件の基本である給与制度をうやむやのうちに反動的な制度して押しつけようとしていることであります。このことは絶対に許されるべきものではなく、この指導を直ちに撤回し、あらためて自治労側との交渉に入るべきであります。官公労も例が示すように給与制度の変更は、労使の話し合いがなければスムーズにいくものではありません。官公労、琉球政府、日本政府の間で長期の話し合いで一致点を見出した上で実施したからこそ復帰の段階で県庁職員は、大きな混乱がなかったことは県庁の執行部自身十分経験したことでなかろうかと思います。このことについての明確な答
弁を求めたいと思います。
 次に、県下の市町村の給与制度は、ほとんどが勤務年数型の給料体系になっているのは御承知のとおりでありますが、県や国家公務員並みに前歴を完全に加味すると一体どれぐらいの財政措置が必要なのか承りたいと思います。
 次に、沖縄の復帰に伴う特別措置法第151条1項でいう特別の手当に必要な財政措置は、市町村に対しても行われているのかどうか。県庁の職員だけにこの特別の手当ての財源的な措置が行われて、市町村の職員の財源措置はとってないのかどうか、その辺お知らせ願いたいと思います。
 最後に、一時金と特別交付税との関係でありますが、国家公務員の場合一時金は勤務手当ても含めて48万、48年度は51万円になると思いますが、県下の市町村の場合は平均して40万程度と見られております。それが給与の4.8カ月でなく5.5カ月であるという理由で特別交付税が7億程度カットされたと市町村に対し、地方課は指導助言をしているようであります。事実であればカットした根拠を示してもらいたいと思います。同時に、特別交付税の計算に当たっては災害にかかる部分や給与水準の低い町村に対して、カットの対象にしないという国会の内閣委員会での理事会の中での申し合わせ事項があるはずです。するとこのカットしたということと、この国会の中で申し合わせ事項との関連をひとつ御説明をお願いしたいと思います。
 以上です。
○議長(平良幸市君) 労働商工部長。
   〔労働商工部長 前田朝福君登壇〕
○労働商工部長(前田朝福君) 労働行政に対する問題からお答えいたしたいと思います。
 労働政策あるいは労働行政の展開に当たっては、御指摘のとおり憲法あるいは労働3法の規定、趣旨に基づいてそれに立脚して展開していくということは御指摘のとおりでございますし、そういった立場で県としても労働行政を推進していきたいというふうに考えております。
 第2点目の労働者福祉行政、労働者福祉の点について申し上げたいと思います。県民福祉の優先を基本とするところの県政におきましては、労働行政の重要な柱といたしまして労働者福祉行政、すなわちすべての労働者とその家族が豊かで明るく安心できる暮らしの実現を目標にして施策を進めていきたいというふうに考えております。
 確かに御指摘のとおり本県の労働者福祉行政の現状と申し上げますのは、他府県に比較しましてかなり立ちおくれております。福祉制度やあるいは施設においても他府県のとっているのに比べまして、ずいぶん立ちおくれがあるというふうに考えております。
 また企業の大部分が中小零細企業であるというふうなことからも、企業内における福祉施設の面におきましてもきわめて低い水準にあるというふうに考えております。したがいましてそういう状況の中において労働者福祉の向上をはかるために沖縄振興開発計画におきましては、次のような施策を推進していきたいというふうに考えております。
 制度的なものといたしましては、労働金庫の育成助長、勤労者住宅建設資金貸付制度の促進、中小企業退職金共済制度への加入促進、勤労者財産形成促進制度の普及などでございますが、施設といたしましては、勤労青少年ホーム及び働く婦人の家の建設、労働者別荘村の建設、労働会館建設、労災病院の建設、雇用促進住宅の建設、勤労者総合福祉センターの建設、勤労青少年福祉隊一区センターの建設などを振興開発計画の中であげてございます。
 それでこれまでに県としてとってきましたところの福祉政策について申し上げますと、特に労働団体に対する補助などもございますが、財政的な支出といたしましては財団法人駐留軍離職者対策センターに対する補助、あるいは労働金庫に対する医療福祉基金からの預託、さらには沖縄県労働者信用基金協会に対する補助、さらには勤労者住宅の貸し付け金の実施のための労働金庫に対する預託などを財政的な面では措置してきてございます。
 さらにいまさき申し上げました振興開発計画の中におきましても、勤労青少年ホームはすでに完成をいたしまして来たる1月に開館する予定になっております。そして今後当面の重要な問題といたしましては、いまさき御指摘のありました労働会館の建設、これをできるだけ早目に実現する方向で対策を進めていきたいというふうに考えております。そして少なくとも新年度中には、来年度中には具体的な建設計画を策定いたしまして、次の年度あたりから建設できるような立場で対処していきたいというふうに考えております。そして現在コザ市が新市計画ということで出発しておりますが、コザ市の中においても勤労者総合福祉センターの建設、これは雇用促進事業団の仕事にはなりますけれども、勤労者の総合福祉センターの建設をコザ市内に建設するという計画がございます。したがいまして、これにつきましても県としては積極的にコザ市とタイアップして、雇用促進事業団に対して総合福祉センターを建設せしめるべく努力していきたいというふうに考えております。
 さらに勤労青少年福祉体育センターの建設につきましても、当面の問題として敷地の確保を早目にいたしましてその建設を促進していきたいというふうに考えております。
 さらに労災病院の建設につきましては、労災病院そのものにつきましても労働福祉事業団との間に話し合いを進めてございますが、いわゆる労災病院の支部ですか、分院という形にしていくか、あるいは病院そのものをつくるべきかというふうな点について福祉事業団と話を進めている段階でございます。
 以上振興開発計画にのっとっての当面の重点施策として進めていきたいということについて御説明申し上げましたけれども、やはりこういった総合的に労働者福祉行政を進めていくという立場からいたしますと、少なくとも労働者福祉公社あるいは労働者福祉協会そういったのを財団法人あるいは社団法人として設立いたしまして、その中で全労働者の知恵を結集しながら福祉行政を進めていくという立場もやはりとるべきじゃなかろうかというふうに考えております。したがいまして来年度に向けていま申し上げました労働者福祉公社あるいは労働者福祉協会、これの設置ということについても意欲的に進めていきたいというふうに考えております。
○議長(平良幸市君) 総務部次長。
   〔総務部次長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部次長(赤嶺武次君) 自治体職員の給与制度と交付税との関係についての質問でございますが、沖縄の市町村の職員は復帰前、労働3法の適用を受けて賃金決定については労使双方が団交して決定してきているわけでございます。この過去27年間にわたるこういう労使慣行のもとに置かれてきた関係で、復帰後、地方公務員法の適用を受けて制度が変わってきたわけでございます。したがいまして長い労使慣行を急に変更するということが困難な状況下にあるわけでございます。しかしながらできるだけ早く制度の適用を進めなければならないという基本的な考え方に立っているわけでございます。復帰後、地方公務員法の適用で基本給与や期末手当等については人勧の拘束を受けざるを得ないそういう制度の相違が出てきているわけでございます。ただ実質的にやはり長い間につくられた労使慣行を急激に変更することについてはやはり問題が生ずることもありますので、先ほど御指摘のあったように二、三カ年はその推移を、その状況を見ていくというような自治省の考え方もそこから出てきたんじゃないかと見ております。
 いろいろと質問がございますが、地方公務員法の24条には、「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。」というふうに規定されております。そしてさらに「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」という規定になっております。そこで現在他県の市町村は、こういった給与の原則を踏まえて等級制度を採用しているわけでございます。市町村によって異なりますが、4等級の制度をとっておるところもありますし、また5等級のところもあります。それから8等級のところもあります。市町村によってそれぞれ異なっているわけでございます。大体4等級ないし8等級の等級制を採用している状態にあるわけでございますが、わが沖縄県の市町村においては、これまで通し号俸一本でなされてきているわけでございます。給与が一本化されて等級制度が導入されていないわけでございますが、ただここで私どもの地方課に指導したことは、そういう各県の現在施行しているところの制度がこういうものがあるというような、そういう例示を示して説明してきたということでございます。で
すから等級制を直ちに導入しなさいということじゃなくして、こういった制度の説明を、そして各県の市町村が適用している等級制の状態を説明してきているわけでございます。これはいろいろと研修を通じて、あるいは個別に市町村に求められた場合に、その求めに応じて説明してやってまいっております。この説明に立ってこうやれというような押しつけがましいそういうものではございません。あくまでも現在の制度のあり方、そして市町村がやっているその状態を説明しているわけでございます。
 それからこの等級制が導入された理由等についての質問がございましたが、やはりもっとこまかく、詳しく調べていかなければならないと思いますが、基本的には地方公務員法の第24条を基礎として、根拠としてその制度が採用されたものと見ておりますが、この点についてはまだもっと深く掘り下げて検討した結果を後日説明したいと思っております。
 それから組合との事前協議の話でございますが、確かに市町村におけるこういった給与の制度については、今度どうするかということについては組合との事前協議を行わなければならないと思っております。今後もこれからもっと――これまでも話はしてきておりますが、もっともっと協議を十分尽くしていきたいと考えております。
 それから一時金と交付金の関係でございますが、確かに御指摘のとおり7億のカットがなされておりますことは事実でございます。その根拠は、もっとも地方財政法の2条によりますと、他に累を及ぼすようなことのないようにというそういう趣旨の条項がございまして、もっと詳しく申し上げますと、第2条に「地方公共団体は、その財政の健全な運営に努め、いやしくも国の政策に反し、又は国の財政若しくは他の地方公共団体の財政に累を及ぼすような施策を行ってはならない。」というふうになっております。この地方財政運営の基本に立って、交付税施行令に基づいて交付税法施行令、48年度交付税算定基準等に基づいてそのようなカットがなされております。
 それからもう一つ国会の申し合わせ事項との関係がありましたが、この申し合わせ事項についてまだ情報を得てないので、今後確認していきたいと考えております。
 以上です。
○議長(平良幸市君) 岸本忠三郎君。
○岸本忠三郎君 前歴を完全に換算をするとどれだけの財源が必要なのか。
 それから特別な手当てについては、市町村職員については措置をされているのかどうか。
 それからいまの答弁の中ですけれども、ほかの他府県の市町村でやっている実態を説明をしているんだ、説明をしているにすぎないんだ、こういう逃げ方をしておりますが、しかしながら明確に市町村の担当職員を呼んで指導しているではないか、県は。指導をし、それを押しつけてさえいる形跡がある。特にこの特別の手当を支給するに必要な条例案の制定まで指導しているんじゃないか、それを単なる説明といえるのかどうか。同時に説明という場合は4等級制にする場合の財源措置の説明もしているのか。前歴換算の説明などもしているのか。そういったことは全部はずして、ただ単に制度だけを向こうはこんなふうにしてやっているというこういう説明だけでは足りないじゃないのか。もっと重要なことは、県自体が市町村の職員の給与の基本についてどうする、制度についてどうするという方針なくして、単なる説明だけですということでいいのかどうか、そこが基本だと思うんです。
○議長(平良幸市君) 総務部次長。
   〔総務部次長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部次長(赤嶺武次君) 今後、市町村の職員の給与に関しては組合との協議を尽くしてその方針等をきめていきたいと考えております。
 なお前歴等加算した場合に幾らの財源が必要かということでございますが、それとともに特別手当に対する財源的措置はどうなっているかということでございますが、まだそういった財源の算出がなされておりませんので、これからこの分についても協議の中で詰めていきたいと考えております。
○議長(平良幸市君) 岸本利実君。
   〔岸本利実君登壇〕
○岸本利実君 御通告申し上げました質問事項の順序は前後するかもしれませんが、これから質問を行います。
 復帰処理の一つといたしましてP3機の問題があります。これは復帰時点で那覇飛行場から完全に撤去するということを目玉商品として日本政府は進めてまいりました。ここに衆議院の調査室でまとめた要録がございますが、福田外務大臣は何回にもわたって返還時には間違いなく全面返還されると信じている。返還日までには必ずこれを撤去させるということをはっきり申し上げるとこのような表現で約束してまいったのでありますが、いまだに那覇飛行場に居すわっている。
 このP3機が普天間飛行場に移るという話が去年持ち上がりまして、市議会で強い反対の決議を全会一致で行いまして運動してまいりました。そのことによりまして普天間移駐はあきらめたようでありますが、最近補助飛行場として使う、P3は嘉手納に移駐させるという情報が出てまいりました。
 このことにつきましても本員が宜野湾市議会に要請をいたしまして、補助飛行場として使用することにも反対、さらに進んで普天間飛行場の全面返還を全会一致で決議をいたしまして、いま市長、議長、教育長、地主代表が上京中であります。また先日、市執行部、議会筋も知事、議長にこのことで面会にまいりました。また現地におきましては24日に市民大会を持つ準備を進めております。
 このように日米返還協定のごまかしを私どもが指摘をしてまいりましたが、現実にこのようなことになっておるわけでありますが、午前中にも質問がありましたが、知事とされましてはこの問題につきまして先頭に立ってP3機の完全県外、国外撤去について強く日米両政府に申し入れる御意図があられるかどうかにつきまして知事から御返答をいただきたいと思います。
 それから復帰処理の小さな問題といたしましては、通貨の交換時における差損補償の問題でありますが、これは定められた異議申し立て期間中に申し入れました30件の方々が未払いになっております。これは国の出先機関としては支払うべきだという考えのもとに開発庁の本庁にあげておるんでありますが、本庁はこの事務はもうとうに終わったという態度だそうであります。全くけしからないことでありますが、件数は30件といっても御本人一人一人にとればまさにこれは財産権の問題であります。これも解決していただくように企画部長のほうから御答弁をお願いいたします。
 次に、物資確保と価格対策等につきましてお尋ねをいたしますが、いまCTSの問題が公害との関係で大きく問題化しておりますが、わが社会党は当初から石油企業の立地については反対の意思表示を堅持してまいりました。少なくとも現在すでに立地をしている石油企業につきましては、これは前通産局長のときに公害防止協定を結んでちゃんとするんだと言っておりましたが、今日まで防止協定そのものが結ばれてないことは非常に遺憾に思います。さらにまたこのCTSの製品が、幾つかの製品が沖縄で精製されているわけでありますが、これが軍事目的に利用されております。私どもは絶対に軍事面へのこのCTSの貢献をあらしめてはならない。これは軍販売を打ち切るべきだというふうに要求いたします。どういう種類の製品が製造され、そのうちの何々が軍需に回されているかにつきまして、さらにまたこの打ち切るべきだという私どもの主張に対してどのように執行部としては対処していかれるか、副知事から御答弁をお願いいたします。
 さらにまたこの製品のうちのプロパンガスでございます。このプロパンガスがおそらく沖縄の需要は十分満たすほどの製品があるはずであります。ところが3日ほど前に、うちの家庭でこのプロパンガスのボンベの交換いたしましたら、従来1300円であったものが倍以上にはね上がって家内はびっくりしております。これはいわゆる便乗値上げでありましょう。こういったものは許してはならない。このプロパンガスあるいは油類を県執行部としては、これが通常の全国的な流通機構に乗っかって沖縄に回るということになればこれはたいへん物資不足の今日、県民としてもしわ寄せが来るでありましょうから優先的に県の側で確保していただくように折衝をしていかれる御意図があられるかどうか。同じことは精製糖についても言えます。沖縄の県内において精製される精製糖は2万9000トン、これはほとんど沖縄の需要に見合って完全に自給される。しかもこれが消費税抜きでありますから本土よりも安く県民に売られておるし、最近これも品薄になっておりますが、その辺につきましても県といたしましては完全にこれを確保する。要すれば自由販売にしないで準配給的な形で潤沢にみんなが行き渡るような
対策をとるべきだとこういうふうに思う次第であります。ちなみに価格においては大阪で1キロ当たり196円程度のやつが沖縄では155円であります。東京185円に対して沖縄は155円という安さであります。物資確保の面で以上のような具体的な手を打っていただきたいと思います。先ほどのプロパンの倍以上にはね上がったということにつきましては、国の公正取引委員会に査察を強化するように強く申し入れると同時に行政指導を強化していただきたいと思います。
 それから先日来も問題になっている特例品目につきましてはたくさんございますが、価格の据え置き、それから低関税の措置、あるいは租税の減免等によって相当の物資が向こう5カ年間にわたって措置されているはずであります。これは所得の低い、本土の60%程度の所得しかない県民が復帰と同時にこのような物資を急速に上げることについて、本土としてはやっぱり考えざるを得なくてこの措置がとられました。したがいまして法の趣旨にのっとってこれは十分に趣旨がいかされなければならないし、物資不足のこのごろ心配になりますのは本土の業者その他がこれをこっそり買って本土に逆輸入する、持っていくということが私はすでにあらわれていると思います。世論からも来て、旅行者が国頭当たりの売店でしこたまお米を買い込んでいる事実も昨晩私は聞きました。これはすでにそういう動きが出ているものと思います。これにつきましては、要すれば私は県独自の条例をつくってよろしい、特別措置の精神を受けてこの物資の持ち出しを禁止する。これについてもし違反するのがあれば罰則を科するぐらい特例の時限的な条例をつくって確保する必要があろうとこういうふうに思いますので、このような
点につきまして企画部長の御答弁をお願いしたいと思います。
 次に、農業、畜産振興についてでありますが、まずキビ価格問題につきましてはは先日来議論されておりますが、一つの点は再告示はむずかしいという態度が濃厚にあらわれておったように思いますが、少なくとも知事とされましてはすでに市町村の議会での決議等が上がってきて再告示の動きが出てまいっておるわけでありますから、このことにつきまして少なくとも農林大臣、大蔵大臣その他の関係者に沖縄ではあの価格では生産費を割って不満足である、再告示をしてもらいたいという要求さえもすでにあらわれているぞということだけはお伝えする必要があろう、こういうことで知事が近々予算折衝で行かれる場合に、そういう措置をとっていただくかにつきましては所見を承りたいと思います。
 さらにまたキビ問題につきましては、単なる価格論争だけじゃなしに沖縄糖業が果たしてきた日本の食糧確保の一環としての位置づけ、これをどうしても向こうに納得させる必要がありましょう。
 さらにもう1つは、よく壁にぶつかるのは沖縄のキビ価格を上げると消費者価格にしわ寄せがくると、そういうことをいいますけれども、わが社会党が前に調査したところによりますと1キロ当たりの精製糖の価格に占める製造原価と製造原価以外の消費税、関税部門、これが約半々にいきます。この砂糖消費税というものは、かつては砂糖は、甘いものは特権階級が食べるものという形で出発したこともありまして、非常に非近代的な意味のない税金だといわれております。むしろこの砂糖消費税をなくすることによって、消費者にも安いお砂糖を供給しながらなおかつ沖縄のサトウキビ価格を上げることは十分可能だと、食管会計による国家管理にして沖縄の農民の砂糖は生産費所得を補償する価格で買い上げて、なおかつ外国のものが必要であれば粗糖を入れてきてプールにして精製糖企業に回すということにすれば、この私どもの要求、消費者の要求が完全に結合ができるという見通しに立っております。そのような点も御研究いただきまして進めていただかれるようにお願いしたわけですが、農林水産部長の御所見を承りたいと思います。
 次に畜産につきましては、豚の値下がり等につきまして加工品の規制がいわれましたが、これも特例措置に基づくものでありますからその時点を押さえて少なくとも無制限に入れると、消費者の立場ばかりを尊重して無制限に入れるということはあってはならないし、その特例措置ができた時点の数量を抑えるべきだとこのように思います。
 それから豚価の下落の問題で経済連が果たす価格形成における役割り、これを重視していただきたいと思います。といいますのは、最近値下がりいたしまして農林水産部の畜産課のほうで屠殺業者、経済連等を集めまして行政指導を行いました。ようやく去る26日ごろから値段を持ち直しております。屠殺業者が、もうとにかく上げないでは生産意欲を失うので、少し利潤は減るけれども上げることになりましたけれども、経済連がおくれて、最近ようやく業者よりおくれて値上げを実施いたした、そういう経緯があります。私どもは経済連、農協、単協というものは農民の福祉のためにまずなければいかぬし、経営主義におちいって経営の黒字のことばかり念頭に置いてはいかないということで経済連、農協に対する指導を強化していただきたい、このことに対する御所見を農林水産部長から承りたいと思います。
 それから農家に貸す優良牛、豚の調達をいま他県から行っておりますが、少なくとも豚に関する限りはもう沖縄で品種改良が完全になされて、沖縄県内からこれを買い上げて農家に貸し付けをすると、そういうことをしなければ行政に対する信頼度が薄れてまいります。このことについて具体的に農民からも要求がありますので、そのことをぜひ実現をしていただきたい。農林水産部長にお伺いをいたします。
 それから農業金融につきましては、たくさんの長期低利の融資が準備されておりますがほとんど利用されていない。なぜ利用されてないかにつきましてもお伺いをいたしたいと思います。
 それから医療対策につきまして、琉大の医学部設置の問題もございますが、さらに医学部が一生懸命がんばってつくって10年後にお医者さんができます。その間をどうするかということは、これはたいへん大きな問題でありまして、医師、看護婦等の医療要員の確保は1つの部だけではとうてい手に負えません。ここいらで医療要員確保対策の協議会を設置をして、医師会側、公務員医師会側、看護婦協会、市町村代表、県当局はもちろんでありますが、すべてのものがその医療要員の確保のためにその確保できる条件を研究し、話し合う中からみんなが立ち上がって確保することになりませんと、後手に回るということでこの設置をおすすめしたいのでありますが、知事の御見解をお願いいたします。
 それから社会福祉の問題につきましては、これまでは施設が少ないということが非常にわれわれの念頭にあったのでありますが、振り返って本土も沖縄の社会福祉を確保するためには施設をたくさんつくると同時に、その施設に働いている福祉労働者の労働条件をあらためて見直さなければ、ここいらで社会福祉がくずれていく。このことが先日の整枝療護園の問題であり、沖縄療育園にその徴候があらわれていることを指摘しなければなりません。本土におきましてもようやくこの点に目覚めて社会福祉のサービス、すなわち社会福祉労働者の労働条件と直結をしているという認識が深まってまいっております。経塚の療育園等につきましても、これまで2対1の看護婦の定員を今回の補正で1.5に1人ということでありますが、来年度から本土におきましては1対1の定員化をすることになっております。この点につきましても十分と御協力を御願いをいたしたいし、社会福祉施設に働く労働者の実態調査、これは民間の施設につきましては社会福祉協議会が実施をいたしております。まさに四、五年働いて5万円程度の低賃金の中で、たいへん肉体的な苦労の中でささえている。しかしいつまでもそのような形では
ささえ切れないのが整枝療護園の例でわかると思います。その辺の調査と労働条件の改善について取っ組んでもらいたいが、そのことにつきまして厚生部長の御見解をお願いをしたい。
 それから今後日本としても、沖縄としても老人問題、身体障害者問題が大きくクローズアップされてまいっております。本土におきましては750万人の老人がおり、140万の身体障害者がおります。沖縄においても7万の65歳以上の老人、それから身体障害者も2万人おります。このような日の当たらないおくれた部分の福祉をどうするかということにつきましては、まさにこれは1課を設置する必要があるわけであります。たとえば老人、障害別々に分けることができなければ老人障害福祉課、これは千葉県にございます。老人福祉課だけで独立しているのが20カ所ぐらいございます。このことの御検討をお願いいたしたいわけでございます。時間が参りましたのでこれで終わりたいと思います。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) お答えいたします。 
 初めにP3機の普天間飛行場使用の問題でありますけれども、これは前から宜野湾市民のほうからも猛烈な反対があったことでありますし、私といたしましてもこのP3機は早く那覇飛行場から撤去させるべきであると、だけれども那覇飛行場から撤去されて普天間とか県内に置くということでは困るということで、これは国外にこれを撤去をすべきであるということは常に言っていることでありますので、引き続き国と米軍にその点は要求してまいる所存でございます。
 それから次に、私にお尋ねがありました件はキビ価格の問題でありますが、これはきのうも再三出ておる問題でありまして非常に困難であるという気持ちはきのうもきょうも変わりなく持っておりますけれども、きのう奄美大島との関係から考えて非常に困難性を感ずるわけでありますが、しかしながらきのう久高議員のほうからの御質問の中に、こういう重要な問題は知事は非常にこまかい配慮をすべきであるといったような御注意もありましたので、そういうことを配慮しながらただいまお話ありましたように県民意思というものは、農林、大蔵大臣にも率直に私はお伝えはいたしたいと思っております。
 その次に、私がお答えすべき問題があと2点ぐらいあると思いますが、それは琉大の医学部設置の問題であります。これは前の議会でも強く取り上げるまでもなくして、いまの沖縄の一番おくれているのは医療行政であると、医療要員の不足であると、ことに医者、看護婦の不足であると、医療施設の不足であるとこういわれて大きな社会問題となっているわけでございますからして、これは期成会を再開いたしましてぜひ強く押し進めていきたいと思っておりますけれども、県機構改革の際に四、五名ぐらいの専任職員も配置して促進したいと、きのうもそういう用意があるということを申し上げましたが、いたしたいとこういうふうに考えております。なお医療要員の確保対策協議会を設置すると言うことでありますが、医療対策推進本部というようなものを設置してやってまいりたいとこういういふうに考えております。
 なお老人障害福祉課の設置ということ。これは、いまはここにはございませんですけれども、これは御意見を尊重して検討してまいりたいとこのように考えております。
 以上私の御質問に対して二、三点答えて、あとそれぞれ御指摘ありました副知事あるいは各部長に答えさせます。
○議長(平良幸市君) 副知事。
   〔副知事 宮里松正君登壇〕
○副知事(宮里松正君) 御指摘の沖縄にある石油企業の製品を米軍へ供給することは打ち切るべきであるという御意見、私どもも同感であります。国民が石油不足に深刻に悩んでいる今日、その需要を満たさずして外国の軍隊に石油を供給するということは国民として許すべきことはないと考えます。その意味におきましても、沖縄に立地されている石油企業は外資が入っているとはいえ国内企業であります。したがいましてそこで精製された製品を外国の軍隊へ供給するということは県として同意できません。ですから御指摘のように米軍への供給はやめてもらうよう県も働きかけをいたしたいと思います。
 それから同じく沖縄の石油企業で精製をしておりますプロパンガス、その他の油類につきましても県内需要を満たすようにその確保に全力を尽くしたいと考えております。すでに今議会で論議されております。物資の安定供給対策本部もつくってありますし、またそれに先がけまして関係部局でその点検討を始めているところであります。ちなみに沖縄で精製されております石油精製の量、その他につきまして若干の説明をしてみますと、現在沖縄石油精製株式会社、東洋石油精製株式会社、南西石油精製株式会社の3社がございまして、合わせて3社で1日20万5000バーレルの精製能力を持っているわけであります。おもな精製品目は揮発油、ナフサ、ジェット燃料、灯油、軽油、重油、ABCに分かれる重油、LPガス等であります。そのうち揮発油を除きますとほぼ沖縄の需要を満たせるものがあるといわれております。そしてこれらがいま御指摘のLPガスについてその流通行程をみますと、メーカー3社から8社の元売り会社へそれが供給をされ、そこからさらに特約店、販売店、それから消費者へという経路と、特約店から販売店、スタンドを通した消費者へのルートと、さらには特約店から直ちに例えば電力
会社でありますとか、あるいはセメント、製糖、鉄鋼、海運、航空等の消費者への経路と、もう一つは……。
 ただいまののLPガスではございませんで、石油製品でございます。石油製品はそういう形で供給がなされる。
 LPガスにつきましては、メーカー3社から4社の元売り会社を経て代理店6社、それからそのもとに充てん所が63社ございまして、それを通して販売店、消費者へと渡っているようであります。流通行程かなり複雑なものがございますが、ともあれ少なくとも県内需要を満たし得るものがあるというふうにいわれております。昨今その値上がりが新聞等でも出ておりました。 先ほど岸本議員からも御指摘がございましたが、そういう便乗値上げがないようにこれから具体的な措置法法等を検討してまいりたいというふうに思います。
 なお砂糖につきましても、御指摘のように特別措置がとられておるわけでございまして、それが逆輸出、あるいは本土へ逆に移出されているというようなことが起こらないよう特段の行政指導と特段の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○議長(平良幸市君) 企画部長。
   〔企画部長 喜久川宏君登壇〕
○企画部長(喜久川宏君) 復帰直前においてドル通貨の下落から県内に流通しているドルの価値を守るために通貨及び通貨性資産の確認をいたし、変動の差額を補償するという通貨の差損について請求の漏れがあると、このことについて善処をするようにということでございます。
 通貨の差損補償措置につきましては、昭和46年の10月9日にその通貨及び通貨性資産の確認を行ったわけでございますが、通貨につきましては3カ月以内、それから通貨性の資産につきましては6カ月以内の申告の期間を持ったわけでございます。その間においてすべて申告をし、それに基づいて差損の補償をしたわけでございますして、その補償事務はしたがいまして昭和47年の5月15日の復帰の時点においてすべて国に移されたということになっております。その時点においても、若干の確認のボーダーラインにあるものの問題があったわけですが、それらも含めてすべて差損補償事務は完了したというようなことを聞いておるわけでございます。ただ岸本議員から御指摘のあった30件のものにつきまして、総合事務局でもこれが妥当なものであり、国としても考えなくちゃならないというようなことでありますならば、県としてもこれを善処していただくように強く要請していきたいというふうに思います。
 それから復帰に伴う特別措置によりまして、消費物資の主要なものについて特別な措置が行われている。これについて県内需要以外に県外に持ち出される可能性があり、それが県民の必要量確保に障害を与えると言うようなことからの御心配で、県条例をつくってその対策を講ずるべきだということでございます。
 現在、米をはじめハム、バナナ、オレンジ、ランチョンミート、脱脂粉乳、食用油、農薬、菓子、コンニャク等々非常に税率が低い形で、沖縄県に復帰後5年間輸入されることになっております。これによって県民の消費の部分が相当助けられているわけでございますが、これが本土に逆に移出されるというようなことは当然これは禁止されているわけでございますが。御指摘の条例によるということ以上に、これについては、米については食糧管理法、それから米の輸送制限についての農林省令、こういった非常にきびしい法律でこれは禁止されておりまして、米については農林省沖縄食糧事務所、それから食糧会社、販売会社、そのほかの団体と協力して取締の強化をはかっているわけでございます。またそれ以外の物資につきましても、関税法による取り締まりが行われるものでございまして、少なくとも沖縄から、これが沖縄県以外のところに移される場合には関税法でもって取り締まられるということでございます。これは県で持つ条例よりもきびしいものでございまして、これを十分に適用していく。その実施の上での実施体制ということでは国と協力しまして、県も最大限の力を入れてこれに当たりたい。そ
のことによって県内の消費者が受けている特別な措置というものを擁護していきたいというふうに思っております。
○議長(平良幸市君) 副知事。
   〔副知事 宮里松正君登壇〕
○副知事(宮里松正君) 答弁漏らしたところがございますので、簡単に補足をいたします。県内石油企業から従来米軍機関へ供給されておりましたジェット燃料等につきましては、県の調査したところによりますと11月24日以降納入を停止したという旨の報告がございます。
 なお県は、今回の石油危機に伴う県内需要を確保するために、国に対しまして県内で精製されている石油については沖縄県内の需要に充足するよう国に特段の配慮方をすでに要請をしてございますので、その旨申し添えておきます。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 比嘉行雄君登壇〕
○農林水産部長(比嘉行雄君) 農林関係の御質問にお答えいたします。
 まず第1点は、砂糖の製造価格と、それから関税と消費税の構成比を見ると5対5になるというような御指摘の数字ですが、残念ながらその点についての的確なる数字を握っておりませんし、その辺の理解が十分でございませんけれども、後日その問題については十分に問題を検討してみたいと思います。ただ消費税の免税の問題でございますけれども、これにつきましては復帰特別措置法に関する政令の第73条におきまして、わが沖縄県におきましては砂糖の消費税については免除するということになっております。具体的に参考のために申し上げますと本土関税がキロ当たりで43円45銭でございます。それに消費税が16円つきます。合わせますと59円45銭になります。そうしますと復帰前の沖縄の税負担額は30円80銭になります、これはキロ当たりですね。そうしますと復帰後の負担増加額はキロ当たり28円65銭ということでございます。そこでいまの73条の適用によりまして16円の消費税が免税されるわけでございます。免税されますと28円65銭マイナス16円でキロ当たり12円65銭の負担がかかるわけでございますけれども、これはこの免除規定に沿いまして別途砂糖価格差補給金制
度がございまして、それについてはさらに国から手当がなされております。そういうことでわが沖縄におきましては、復帰後の消費税の負担増に対しましては免除するということで現在適用されております。そういうことでございます。その他の先ほどの問題についての数量的な問題については、私たちも資料を後ほど十分検討してみたいと思います。
 それから第2点は肉類の加工品の問題でございます。これは先日来お答えいたしておりますけれども、確かに復帰いたしまして、先ほどもお話がありました特別措置法によりまして関税率が肉類関係、ハム、ベーコンですと5%というふうに低率で押さえられております。そういうことその数量の問題も先日来話がありましたんですけれども、要するにこういうふうに外国の加工品が本土の府県に対応いたしまして非常に大量に沖縄に輸入されてきておると、こういう傾向があります。それは先日も数字で説明したとおりでございます。こういういうことはやはりわれわれ沖縄の畜産農家にとっては、本土の畜産農家には見られない生産圧力、生産阻害要因となっているということはこれはいなめないことだとかように存じます。
 そこでわれわれは現在農協生産者団体あるいは屠畜業者関係なんかといろいろ話し合いをもちまして、いまその特例につきましての理論的な構成をいまやっておりまして、これを先ほど申しました政令改正の方向に持っていこうといま努力中でございます。その場合に考えられることは、やはり加工品は統計的に見まして復帰時点の数量を抑えていくと、それ以上は増加させないというふうに数量割り当て制度といいますか、そういった方向でこれは消費者の現在された嗜好性という問題もございますし、その付近も勘案しながら数量を規制する方向で政令改正を強く要請していきたいとかように考えております。そうすることによって盛り上がる畜産熱、県内の生産を増強することができるものだとこういうふうに考えております。
 それから肉豚やあるいは肉牛等県内生産物の生産農家からの買い上げについての経済連の果たす役割についての御指摘がございましたけれども、この点につきましても食用センターができておりまして、これは宮古、八重山もこれからでございますけれども、目下準備中でございますけれども、これらのセンターを中心に農協、生産者団体、あるいは屠畜業者、生産農家といった方々、関係する方々を集めまして協議会をいまつくっておりまして、その協議会の中で、要するに生産農家が満足するような適正値段を十分に話し合い、協議して適正値段が実現するよう、そういう方向で県としても十分に指導していきたいと、また現に進めつつあります。今後もそういう方向で進めていきたいとかように考えます。
 それから今後の養豚振興のための優良種豚の島内買い上げ、生産農家の生産意欲を増強するために従来の本土からの買い上げということを県にも、県内の生産農家からも買い上げるようにしたらどうかという御提案でございますけれども、ごもっとな意見でございまして、わが沖縄県は養豚業については他県に比較しまして相当に品種改良が進んでおるというふうに自負いたしております。
 そこで従来の種豚改良につきましては、本土の購入頭数のせめて半数だけ50対50と、こういうことで県内の優良種豚を県が買い上げて、さらに生産農家に貸し付けしていくというふうに制度をつくっていきたいと、こういうことで生産者の要望にこたえるように努力したいとこういうふうに考えております。
 それから農業関係の金融制度についての問題でございますけれども、これはまだ復帰後1年半で十分いこの制度が理解されていないうらみがあるかと思いますけれども、この機会に概略申し上げますと畜産関係の資金制度といたしましては、振興開発公庫のほうに本則資金がございます。これには経営改善資金、総合施設資金あるいは農地等に取得資金、あるいは共同利用施設資金、あるいは乳業施設資金とこういうふうに畜産関係の資金がございます。なお米資金といたしましては食肉処理加工施設資金、あるいは畜産団地の造成資金がございます。これは本則資金が18億8300万円、米資金が1億8500万円、合計20億6300万円、これは畜産関係だけでございます。
 それから農業近代化資金といたしましても、家畜の購入資金あるいは畜産施設資金、その他いろいろございましてその貸し付けワクが48年度において42億円というふうにあります。そうしますと総額において62億6800万円の制度資金があるわけでございます。きょうはここではこまかい貸し付けの実績を申し上げるわけにはいかないんですけれども、十分に利用されていないという御指摘の点につきましては、これらの資金が十分に農家の方々に借り入れられるために農協、あるいは市町村による指導、その他機会あるごとに農家にPRいたしまして、この資金が有効に活用される方向で行政指導を今後強化していきたいとかように考えております。
 以上でお答えを終わります。
○議長(平良幸市君) 厚生部長。
   〔厚生部長 平安常実君登壇〕
○厚生部長(平安常実君) 社会福祉施設職員に対するところの処遇の問題があったわけでございますが、これにつきましては沖縄療育園の問題があげられたわけでございますが、これは肢体不自由、あるいは精薄、あるいはろうあと、二重にも三重にも苦しみを負った児童がそこに入っておりまして、これは本土でも島田療育園とか、びわこ学園とかあまりにも勤務が過重であるために腰痛を起こすというようなことで、ストまで起こったようなこともあったわけでございまして、そういうような面からいまお申し出のありますところの、いわゆる定員に対してその医療要員をこれまで向こうの定員が40人でありますので20人、2人に1人の医療要員というものを配置してあったのでございますが、今度は12月の補正で1.5人に1人ということで、さらに本土ではもうすでに1人の収容児童に対して1人の要員を配置するというふうになっておりますので、この仕事の精神的あるいは肉体的なこの仕事の苦痛に対応してぜひ新年度からは1対1の定員をつけていきたいとこう考えておる次第でございます。さらに整枝療護園の問題につきましても経営者はたいへんな努力をされておりまして、復帰時点で18万ドル
かの赤字があったわけでありますけれども、これを復帰時点からの努力によりまして4500万円かはもう償還をして、現在ではこの退職積み立てなんかを入れまして3100万の赤字になっておりまして、さらに4月に入りますというと診療報酬の大幅な増も中医協で検討されているところでありまして、そういう意味からしますとこの整枝療護園の運営というものは非常に復帰前から現在にかけますと、大きく好転しているような状態であるわけでございます。そうでありますけれども、しかしながらまだ幾らか4月以降も赤字が残るわけでございますので、県としてのそれに対する適切な助成ということで対処していきたいとこう思います。
 さらに全般的なこの社会福祉施設に従事している職員に対する処遇の問題というものは実態を把握して、実態調査に基づいてその職種、職責に応ずるような処遇改善の方向に努力していきたいと思います。
 以上。
○議長(平良幸市君) 中根 章君。
   〔中根 章君登壇〕
○中根 章君 毎年水に困っておられることと思います。県民も水にはほんとに困っている現実でありますのでその問題について二、三お尋ねをしておきたいと思います。
 比謝川からいま1日3万トンの水を取っております。それから浄水場までには瑞慶山ダムと、それから航空隊内のポンプアップした水で希釈をして、その比謝川の水を、いわゆる汚染された水をようやく私たちが飲めるような状態にもっていっているかと思います。せんだっての新聞によりますと工業用水以下だと、このようにいわれております。その後私は、比謝川取水場をはじめその上流のハンザ川、カブンザ川、ワタンザ川の各川を調査をしてみましたが、その汚染はひどいものがあります。ここではABSの汚染についてのみ問題を指摘しますが、ハンザ川で3から6PPMの汚染度であります。ワタンザ川では5.6から6.5PPMであります。カブンザ川で5.2から9PPM、取水池で2から3.2PPMとなっております。このABS汚染は御存じのように合成洗剤による汚染でございます。さらに塩素要求量にしてもおそろしい数字になっております。さらに大腸菌は7万からひどいところでは300万の大腸菌がうようよしております。これらの汚水はポンプ場までには大体ABSにおいて2PPMぐらいは発泡、その他の自然浄化作用で消えてはおりますけれども、それは一見浄化されたように見
えるが川床への沈積であり、むしろ第2次汚染が川床で発生すると考えられます。先ほど申し上げましたようにABS汚染は合成洗剤であります。これは家庭使用水による汚染であります。特にひどい汚染がワタンザ、カブンザでありますが、ワタンザは登川マリン基地からの流水であります。基地内立入調査をして基準違反についてはもっときびしい態度で臨むべきだと思うが、これらの基地に対して今日までどのような対処をしてきたか、その問題について基地でどのくらい強い行政措置をとってきたかお尋ねをしたいと思います。
 またコザ市、美里村からの生活用水による汚染もございます。両市村との協議をし、川の浄化についてどのような対策を立てておられますかお尋ねをいたします。
 ここで1つだけ提案をしておきたいと思いますが、比謝川は現在2級河川になっていると思います。この2級河川をコザ市を通っているハンザまで延長してみてはどうか、いわゆる2級河川にすることによって県の管理下にハンザ川が置かれます。そして周辺の整備、美化保全をすること、自然保護、環境保護関係の条例等を適用して、汚染水の流入を防ぐ措置を講ずるべきだと思うが、その点について土木関係の立場でとのようにお考えになっているか、いわゆるコザ市を流れているハンザ川を2級河川に指定するお考えはないか、お尋ねをしておきたいと思います。さらにこれらの川の流域を植林をすることによっても、私たちは川の流れをきれいなものに保つことができると思います。農林水産部の関係になるかと思いますけれども、そのことについてどのようにお考えを持っておられるか。
 それからハンザ川の各所に落差をつけることによって、いわゆる汚染を防ぐことができます。発泡をさせながら川の流れをきれいなものしていくことができるといわれております。現在、比謝川の取水場のオーバーフローをもっと水かさを上げるということと、あと5メートルから10メートルぐらい下流にオーバーフローをもっていくことによっても水が確保できる可能性があります。おとといの降雨量だけでもいまのオーバーフローはそのまま越していってしまいます。全然水がたまらないようになりますので、その辺からの技術的な関係もあるかと思いますが、いわゆる2級河川にすることと周囲の植林、さらに取水場をあと10メートル下に下げていく。これらのものを各部局間で調整をして、水の確保に努めることが可能ではないのかというふうに考えられますが、どのようにお考えになるかお尋ねをしておきたいと思います。
 それから現在の時間給水についてお尋ねしますが、東洋石油、南西石油はいま浄水を工業用水として使っております、浄水を。それから各基地へも、まだ私たち県民が水を分けてやっております。基地、さらにこれらの事業所へも県民と同じような節水をさせておるのか、いわゆる時間給水を平等に行っているかお尋ねしておきたいと思います。那覇市やコザ市の水道部の職員の意見を聞きますと、基地への給水のバルブの開閉の責任は県企業局にあると聞いております。その点について、徹底的に住民地区と同じような立場でやっておられるかお尋ねをしておきたいと思います。
 それからあと1点は、中部に点在する基地給水の問題であります。いまのままでは基地給水、市町村の責任においてやる基地給水がにっちもさっちもいかない状態になっております。たとえば嘉手納飛行場あるならばコザ市に給水をさせて配分をさせていくということ。瑞慶覧ならば北谷か宜野湾にそれをさせる。いわゆるこの問題は法の関係や自治省、建設省の問題があると今日までは言っておられますが、しかし現時点においてはそれだけも言っておれないとおもいます。いわゆる自治省や建設省の官僚に伺いを立てていることではもう問題の解決にはならない。だからたとえば嘉手納航空隊ならばコザ市に給水をさせて、そのまま配分をさせていくということをまず勇気を自信をもってやってみる。その後に問題があるならば、いわゆる講和条約3条によって切り離され、28年間ほったらかして基地のやりたいほうだい、アメリカの基地管理上の安上がりのためにやられたことである、これを国の責任においてやりかえを迫っていくという1つの方法があるかと思います。そういう面からの県の再度の配慮と、そういう意味での市町村への指導をやってみたらどうかと思いますが、それに対しての御見解を承りたい
と思います。
 それから次に、質問事項の1、2、4を一括して質問いたします。
 今日まで多くの皆さんが取り上げておりますけれども、沖縄のビルラッシュというものはおそろしいほどであります。私の手元の資料によりますと5000平米から2万7000平米のビルがいま12軒建築中であります。それは共同住宅、いわゆるアパート6軒であります。その他ホテル、事務所の順であります。さらに6階以上の高層ビルは、現在確認済みで建築中、そして着手寸前のものを含めて140軒あります。一番多いのがここでもアパートであるし、ホテルとなっております。大企業のビル建築のため県営住宅でさえいま満足に建築できない実情かと思います。47年度の予算による県営住宅はいま建築中でありますが、48年度の当初計画にあった860戸についてはどの辺まで作業が進んでおるのか。各市町村の47年、48年度予算による公営住宅の建設はどうなっているのかお尋ねをしておきたいと思います。一般県民、とりわけ労働者のマイホームづくりはどうなっているか。資材不足と高騰によって庶民のマイホームは夢と消えているのであります。その面からの資材対策をどのように考えているか。その面からの資材対策をどのように考えているか。きょうも先ほど来、建設業者の皆さんがセメン
トよこせのデモをしておられます。労働組合のデモまで発展してきているのであります。あわせてこれらの資材対策をどういうふうに県サイドで考えておられるのか、お尋ねをいたします。
 さらにいま1つは、このようなビルが立ち並んでまいりますと、安全対策で問題になります。琉海ビルの事故が次々発生しないという保障もないと思います。今後のこれに対する建築中の安全対策についてはすでにいろいろと述べられておりますのでいいかと思いますが、お尋ねをしたいと思います。
 また防災対策についてもお尋ねをしておきたいと思いますが、現在の沖縄の消防力、いわゆる那覇市でさえいま持っている消防車は18メートル級の車両しか持っていないのであります。これで一たん緩急のときを考えるとぞっとするのは私一人ではないと思います。ビル火災に備えての消防車購入計画はどうなっているか。大企業がやたらにビルを建て、そのための消防対策は勤労県民の税金でまかなっていくと、ここにも大企業優先、優遇の行政があらわれております。聞くところによると、これら消防車購入の国庫補助は基準としては3分の2となっております。しかし実質は4割ぐらいしか国庫補助はないといわれております。県としての関係市町村への財政計画、国への要請も含めてどういうふうにいま対処しているのかお尋ねをしておきたいと思います。
 それから小橋川議員が先日多く取り上げましたイシグーの問題でありますが、たいへん県のゆっくりゆっくりに業者が業を煮やしているということはすでに御存じのとおりかと思います。公有水面の汚染の問題、環境保全の問題ではいわゆる埋め立て権を取得しておられたのに、なぜこれかの建設に備えるための問題について沖縄でも立法されていた鉱業法、これに基づく対処策をとってなかったか悔やまれてならないのでありますが、過去のことを言ったってはじまりませんので申し上げませんが、いわゆる5月12、13日ごろ、復帰どさくさに東京在住の沖縄籍の大城という人が出願をした。そしていままた福田という人に出願の名義の変更をしつつあるということは全く詐欺行為である。これは小橋川議員の質問に副知事の答弁で了解をしております。しかし現にいまコーラルを取っている業者が、次の場所に移ろうにも出願審理中との理由でこれ以上取れない状態になっております。建設途上の県においてはゆゆしき問題だと思うが、現時点における処理、いわゆる出願処理中であるけれどもどうしてもイシグーをとらなければ仕事が成り立たないわが県において、この緊急な問題として現在どのような対策を立て
ておられるか、この1点だけお尋ねをしておきたいと思います。
 次に、交通問題について二、三お伺いしますけれども、タクシー賃とバス賃が――バス賃はあしたから値上がりします。タクシーもコザから那覇まで830円だったものが、1400円から1600円ぐらいになっております。まさしく倍であります。いままでは、那覇市内ではどこまで行けばどのくらいという料金で簡単にタクシーも利用できましたけれども、いまでは那覇の交通渋滞を見てみますとうかうかバスもタクシーも乗れないという批判が出ております。またバスもあしたから値上がりするわけでありますが、これらのことは運輸行政、国の責任かと思います。しかしわが県におけるいわゆる庶民の足の確保ということは、行政責任者としての県の責任もあるかと思います。そういう面から安易に国が運賃改定を認めるからといって、そのまま黙っていたとは思いませんけれども、どのような対処策をもって臨んできたのかお尋ねをしておきたいと思います。さらにこれを機会に、いつものことではございますけれども、バス運賃改定のたびごとに企業統治の話が持ち出されます。そして今度も交通労働者の皆さんから公的一元化の問題について、県へも要請されているかと思います。この公的一元化の問題に
ついて、どのようにいま対政府折衝を県としてなさっておられるか。以前にも琉球政府時代砂川通産局長がバス料金改定の際に、統合への念書を入れたかと思いますが、これらのものもあわせて今日どこまで皆さんは、公的一元化の問題についてバス業界の指導に当たっておられるかお尋ねをしておきたいと思います。
 また国鉄のない沖縄では、現在のバス企業、市町村、県、国と4者による企業のあり方、こういうものも検討されてしかるべきだと思います。大衆の足の確保の面から、この問題を1日もおくらせてもならない問題かと思いますので、県のお考えをお聞きしておきたいと思います。
 さらに鉄道について、今日までも各方面から問題提起がされてきておりますが、どの程度県で検討をされているかお尋ねをして於きたいと思います。
いまや沖縄の交通問題が緊急かつ重大な局面を迎えているのであります。抜本的な施策をお尋ねをしておきたいと思います。
○議長(平良幸市君) 企画部長。
   〔企画部長 喜久川宏君登壇〕
○企画部長(喜久川宏君) 各部関連する事項がおのおのございますが、私のほうにも関連するものからさきにお答え申し上げます。
 比謝川水系を中心にした中部地区における水源地の汚染の問題でございます。御指摘のとおり比謝川水系を中心にした水源の部分は、周辺における都市化及び御指摘のございました基地の存在によりまして汚染が予想以上に進んでいることは御指摘のとおりでございます。ただ水質汚染を防止し、一応の基準に到達するそういう範囲での種々の対策を講じまして現在かろうじてその水質の保持を行っているわけでございます。これをもっと向上させて安心して利用できるような体制につきましては、御指摘もございましたいろいろな方策をとりたいというふうに思っております。
 それと同時にやはり周辺に都市化が進んでいる状況からしまして水系の水質の保持につきましては、非常に総合的ないわゆる単なる河川保持という立場じゃなくして都市地区を含めた、また農業生産地域も含めた総合的ないわゆるクリーンアップシステムというのをとらなくちゃならないかと思っております。この点をぜひ振興開発計画の中に含めまして重点的に比謝川水系及び国場川水系などを中心にして考えていきたいと。また基地につきましては、基地内の立ち入りがなかなか困難でございましてこれを確認することはむずかしゅうございますけれども、御指摘の点につきましてはできるだけ早急に立ち入り検査をしまして、どの程度の汚染の源になっているかということについては調べていきたいというふうに思っております。
 第2に、資材対策でございますけれども、確かに大型工事が進みましてその資材確保について種々の心配がございます。しかし基本的には、これまで海洋博関係を中心にした工事につきましては、海洋博に関する資材対策特別部会におきまして一応の手当の方針はできてございまして、それに基づいてもし不足の場合は、国で責任をもって緊急に対応するような方策が講じられております。ただ現時点におきまして末端において、工事別あるいは企業別において若干の不足減少を生じているということを聞いておりまして、その点はマクロの立場では十分に確保できるわけでございますので、こういった細目についての不足減少がどのような時点でパイプ詰まりになっているか、あるいは絶対不足があるのかということを確かめてもし必要であれば緊急に国とタイアップしてその対策を沖縄だけでもとっていきたいというふうに思っております。
 それからバス企業を中心にした交通問題及び鉄道の設置の問題でございます。先日も申し上げましたとおりバス企業の統合問題は、これは管轄外だということで県が無関心であり得ないという立場で非常な関心を持ちましてこれに当たっているわけでございます。これを公的なものに一元化するかどうかということにつきましては、現在慎重に検討しているわけでございます。はたして公的なもので能率的にできるかどうか、あるいは民間のものをいずれにしてもこれは合併というのが前提でありまして、それを民間のものでまかせるか、その効率性を高めるか若干問題があるかと思いますので、そのあたりを検討いたしましてできるだけ早急にこの企業の統合をはかり、それでこれが少なくとも一般市民の足として確保できるような指導を行いたいと。県としては直接的な権限なり、管轄ではございませんけれども、そういう立場から積極的にこれに当たっていきたいと思います。
 鉄道につきましては、再三御指摘もございまして県としてもその重要性を認識しております。そこで従来まで振興開発計画では、いわゆる新しい交通システムという表現だけで終わっているのをもっと具体的にこれを表現させるような努力をしていきたいと。実際新しい交通システムの開発あるいは考え方につきましては、昭和50年までに研究調査を終えまして51年から具体的な施設をつくっていくと、その施設をつくっていく51年度からぜひ鉄道を主体にした交通の体系にもっていきたいというふうに考えております。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 比謝川の問題でございますが、比謝川の上流端はコザ市護得久ダムで延長が約1万6000メートルでございます。流域面積が約58平方メートルの河川でございまして、そのうち2級河川としまして指定されているのは、上流端がコザ市の久保地内で河口から約5000メートルでございます。コザ市から昭和47年の7月12日付でコザ市の市街地を貫流する部分も2級河川に追追加指定を行い、河川の整備をしてもらいたいと陳情がありましたので、県といたしましても指定をする方針で48年の8月28日に現地調査を実施いたしまして、コザ市と調整を行いまして2級河川として指定すべく現在作業中でございます。
 ビルラッシュと安全対策につきましては、工事の安全と建築物の安全とに区分されると思います。工事の安全につきましては、建築基準法の第90条に規定されていますが、また労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則もございますので、これにつきましては主管が労働基準局でございますので、一応省略したいと思いますが、建築基準法についてのみ説明をしたいと思います。建築基準法の第90条に「工事の施工者は、当該工事の施工に伴う地盤の崩落、建築物又は工事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講じなければならない。」となっております。その措置の技術的な基準は、建築基準法施行令の第136条の2より7に規定されてございます。そのおもな内容は、工事現場の仮囲い、2番目としては値切り工事、山留め工事を行う場合の危害の防止、3番目が落下物に対する防護、4として建て方、5が工事用材料の集積、6番目が火災の防止などでございます。
 次に、建築物の安全についてでございますが、建築基準法には建築物の安全、衛生、防火、避難等の規定がございます。これらの規定に適合しなければ、建築確認という行為はできないのであります。建築確認を受けない建築物の工事はすることができないようになっております。その他労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則についても十分考慮をしてもらうように建築関係団体に対しまして協力依頼と国、県、市町村、消防団体とも協力をいたしまして二度と琉海ビルのような災害が発生しないよう防災上重要な事項については適切な指導をするとともに、安全確保につとめたいと思っております。
 次に、昭和47年度の公営住宅の建設事業の執行状況についてでございますが、計画の900戸のうちで864戸が着工いたしまして282戸が完成をいたしております。582戸が工事中でございます。
 次に、執行状況を申し上げますと、11月末現在工事契約戸数は47年度繰り越し分を含めまして79戸で執行がおくれておりますが、12月から2月にかけましてほとんどの戸数を入札に付す予定でございます。県営、市町村営別に申し上げますと、市長村営につきましては用地取得はすべて完了いたしております。工事費高騰に対する予算措置を現在行っておりまして12月から1月にかけて入札の予定でございます。912戸とございましたけれども、単価アップなどの関係で戸数が減りまして県営が724戸となっておりますが、それにつきましては493戸分の用地を取得いたしまして残る231戸分についても1月末までに確保できる見込みでございます。12月から2月末にかけて入札をする予定になっております。
 それから復帰後の急激な地価及び建築費の上昇、それに加えまして石油危機のもたらす物の不足と物資不足、これらに付随する物価上昇等のきびしい影響によりまして建設が順調に進められるかどうか予断を許さない状況にあるわけでございますが、しかしながら現在のようなきびしい物価高騰の中では個人による住宅建設はいよいよ困難でございます。民間の家賃も値上がりする状況にございますので、低家賃、それから低価格の公的住宅に対する県民の期待は大きいと思われますので、執行促進に鋭意努力をしてまいりたいと考えております。
○議長(平良幸市君) 厚生部長。
   〔厚生部長 平安常実君登壇〕
○厚生部長(平安常実君) 基地給水についてお答えいたします。
 これまでも基地給水については何回か経過を御報告申し上げましたので、経過についての御報告は省きまして11月の初旬であったと思いますけれども、各基地関係の水道課長さんがお集まりになりまして相談をいたしました結果、企業局長も一緒になって話し合いをしました結果、コザ市から一括給水をする。そしてこの関係市町村は基地から取水しておるもんですから、いわゆる各市町村に流れていく水、これの量を結局いままで企業局から買っておったわけなんです。それはコザ市が買う値段も各市町村が買う値段も同じだった。そこで基地を通ってきた分、その面積に比例した分を大体換算してその額をコザ市から水を買うと。たとえばいままで企業局から買っておった金が17円幾らかですけれども、コザ市から買う場合には、結局各市町村のたとえば飛行場の地域に北谷村があった場合に、北谷村の面積に比例する分を引いて大体計算ができるそうでして、それが2円になるか、3円になるかそういう計算は各市町村でできることになっておりますので、そういうふうに安くして各市町村は水を買う。すなわちいま話がありました直接の配分じゃなくして、間接配分ということで各市町村の水道課長さんは了解
をして帰られました。帰って今度は関係市町村長さん方と一緒になって協議して、その方向にいこうというふうに話が決まりましたことを御報告しておきます。
○議長(平良幸市君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 比嘉行雄君登壇〕
○農林水産部長(比嘉行雄君) 先ほど比謝川上流地域の2級河川地域に関連して、その地域が水源涵養林としての造成が可能かどうかというような御質問のようであったと思います。これは水源涵養保安林の指定と育成という観点からお答えができるのじゃないかと思います。御指示の比謝川上流地域は、おそらく戦前は水源涵養林でなかっただろうと存じますけれども、現在はたして森林法に基づく保安林指定がなされているかどうか、この点手元にちょっと保安林台帳がございませんので、確かめるすべがございませんけれども、もし指定されていないならば、新たに保安林の立法に基づいて水源涵養林としての指定行為がまず必要でございます。その後の保安林造成計画に組み入れることによって造成のための予算が成立すれば、造成は可能と存じます。
 なお技術的には、山林が水源涵養機能を果たすということは技術的にも理論的にも十分成立しておりますので、その点は抜きにいたしまして、この地域が技術的に見た場合、はたして適地適木の考え方で土壌条件に適応する造林樹種がどういうふうに選択できるかどうか、その付近を見きわめますれば、技術的には十分に造成は可能であるというふうに考えられる次第でございます。
 以上で終わります。
○議長(平良幸市君) 企業局長。
   〔企業局長 大嶺永夫君登壇〕
○企業局長(大嶺永夫君) 制限給水の問題についてお答えいたします。
 きのう中山議員と与座議員の質問にお答えいたしましたが、10月、11月非常な渇水のために11月の21日から制限給水をしなければいかぬ事態になっていますが、東洋石油、南西石油、基地給水、これも同様にしているかという御質問でありますが、御質問のとおり東洋石油、南西石油は浄水を利用しております。南西石油は、西原村から給水しております。東洋石油は、中城村から給水しています。そういう東洋石油も、南西石油も、米軍基地も民地域と同様に制限給水を実施しているわけでありますが、企業局で各市町村を集めて制限給水を実施する協議をいたしましたときに、私は、特に各市町村に対して要請をしたのでありますが、大口需要家に対しては各戸訪問して節水協力を呼びかけてくださいと、これは強く要請いたしました。いまのところ制限給水の効果は、私の予想のような効果はあがっておりませんが、西原村、中城村にも数日前も強くその点は注意してあります。那覇市、浦添市、宜野湾市、勝連村、中城村、名護市、基地給水はこの市町村から行っていますが、基地給水について企業局が那覇市などの分をやると言っておったというのは何かの間違いじゃないかと思いますが、以上申し上げ
ました那覇、浦添、宜野湾、勝連、中城、コザは5月の30日、宜野湾はちょっとおくれましたが、市町村を通じて基地給水をやっています。したがってこの地域の基地内における部分は市町村の責任であって、そこは企業局の責任ではないんで、そのほかの地域の基地はさっきの厚生部長の言われた中部地区も含めてまだ企業局から給水している状況でありますが、制限給水を実施いたしますときにもこれらの市町村には特別に注意を与えて、その地域はあんたたちがやるんですよと。そして軍と市町村も会合させまして、どういうふうに制限給水をするかというのも打ち合わせさせました。
 それから比謝川の集水の問題で中根議員から提言がありましたが、本当に貴重な提言だと思います。下流のせきから改修してもっと取る方法はないかという御提案でありますが、現在、比謝川ポンプ場は平山川の下流で、平山川、トニー川、ダクジャク川、与那原川、クラサク川、ハンザ川、カワハンザ川、ワタンザ川などを全部比謝川ポンプ場で集水しています。長田川だけがこの比謝川で集水できませんので、長田川は別個にポンプ場を持って那覇に原水として給水しておりますが、比謝川ポンプ場の下流に軍の駐機場からの排水があるし、嘉手納の今度は排水などもその比謝川ポンプ場の間に流れていく分が多いんで、その汚染などもいろいろ考えなければいかないんで、いろいろ検討しなければいかぬと思うんですが、御提言もいろいろ検討したみたいと思います。そういう汚染の問題とからんでいろいろの問題があるということは申し上げておきたいと思います。それからさっきの比謝川の汚染に対しての問題でありますが、現在、さき企画部長から説明いたしましたとおりでありますが、比謝川の水を現在3万トンから3万7000トンぐらい1日取っているんですが、嘉手納の地下水を現在3万3000トンぐ
らい取っているんです。
 それから瑞慶山ダムから1日七、八千トンぐらい取っております。その比謝川の水に嘉手納の井戸、瑞慶山ダムの水を希釈いたしまして使っておりまして、その上にさらに天願の貯水池からの水を約1万トンぐらい希釈して使っておりまして、浄水は厚生省の水質基準に合格するように絶えず細心の注意をして生産しております。
○議長(平良幸市君) 労働商工部長。
   〔労働商工部長 前田朝福君登壇〕
○労働商工部長(前田朝福君) コーラルの問題について答弁いたします。
 現在問題になっているのはいわゆる法律上、形式的に適法に受理されたという形での先願権がある。したがってあとから出した沖縄の地元業者の鉱業権の出願については、先願権に押されてそれを前のほうに持っていくことができないんだというふうなことです。ですから現在緊急にとり得る、あるいは現在対処できるものとしては県に対する協議を早目にするようにということを申し入れると同時に、いわゆる話し合いによっていま現在出している地元の業者に対して、話し合いによって譲渡するという形しかないんじゃなかろうかと思います。したがいまして県としてもそういった立場で取っ組んでおりますし、また通産省のほうに対してもとういった立場で業者に対して強力に行政指導してもらうようにということで申し入れしておりますので、緊急な立場ということですとやはり話し合いによって解決するということしかないと思います。
 それから建築資材の確保につきましては、セメントの問題が出ておりますが、やはりセメントの問題については移入しているセメントが少なくなっているというふうな実情でございます。したがってこれにつきましては船舶の確保、石油問題などともからまっておりますし、県としても早急に具体的な対策をまとめまして国のほうと十分調整をしながら、国のほうに対して石油問題によって沖縄が影響を受けないようにというふうな立場から強力に折衝していきたいというふうに考えております。
○議長(平良幸市君) 総務部次長。
   〔総務部次長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部次長(赤嶺武次君) 高層ビルと消防対策について簡潔にお答え申し上げます。
 市町村消防においては4階以上の建物を高層建築ビルとして扱っておりますが、昭和48年12月現在において4階以上9階までが985棟であります。10階以上20階までが30棟あります。合わせて1015棟になりますが、このビルの高層化に対応するための消防施設、消防機能の強化をはからなければならないわけでございますが、昭和48年4月現在、消防ポンプ自動車108台、化学車2台、救急車36台となっております。高層建築物の消火に欠かせないはしご車は那覇市に15メートル級と17メートル級がそれぞれ1台ございます。本年度中には那覇市が30メートル級1台、コザ市が18メートル級1台購入する計画であります。3分の2の補助でございますが、市町村の過重な負担のないように、地方財政の圧迫がないように国に対しても強く働きかけていきたいと思います。これからどう対処していくかということについては市町村の消防長を通していろいろと避難訓練、消防計画の作成、消火訓練あるいは避難誘導路の確保、その他消防設備の維持管理を徹底させるとともに、市町村におけるビルに働く従業員等の消防思想の普及徹底をはかるとともに、なお防火管理者制度を適用してその防火管
理者1000人の資格者を養成するために防火管理者講習等も実施しております。
 なお特に病院やホテル、百貨店等については、その消防用設備の改善、勧告、抜き打ち検査等適宜行っているわけでございます。那覇市においてはレンジャー部隊も編成して消火救助体制を整えるなど火災予防鎮圧に万全を期しております。この点、県としましても市町村の消防長を指導奨励し、万一に備えて万全を期していきたいと考えております。
○議長(平良幸市君) 10分間休憩いたします。
   午後3時38分休憩
   午後3時55分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 質問及び質疑を続行いたします。
 吉田光正君。
   〔吉田光正君登壇〕
○吉田光正君 本員は、前に通告しました要領に基づいてお伺いいたしたいと思います。
 日本の近代史の中で沖縄の置かれている立場を振り返ってみますと、知事もたびたび話しておられますように常に外的要因、それから国策の手段的な立場に追い込まれており、国のためという美名のもとに県民は幾多の犠牲をしいられているのが特徴的だといえましょう。中東戦争にからむ石油問題を契機としまして、国の総需要抑制策によって海洋博もまたその渦中に追い込まれてしまったのが現状であります。先日の森田議員の代表質問の中にも、また沖縄処分が始まったというような表現もありましたように、確かにそういう感じがします。そして中央政府の恣意によってこういうような大きなことが常に運ばれ、そういうあり方にふんまんを感ずるものであります。海洋博についてはいろいろの批判とか議論がたくさんありますけれども、実際に仕事は具体的に急ピッチに進められているのが現状であります。マスコミの報道によりますと、国は延期の方向で腹固めをしているようでありますし、残された問題は延期の幅だということになるかと思います。昨今の新聞でもそういうふうに報じられております。県としましては、先ほどの御答弁にもありましたように既定方針のとおりに関連事業は進めており、50年
の3月までには県の関連事業は間に合わすということを答弁されておりますけれども、実際の問題として延期された場合においては、相当各面に混乱が発生してくるものと考えられますので、これから次の点についてお伺いしてみたいと思います。
 海洋博を目標にして、沖縄はものすごい建設ブームになっていることは御承知のとおりでございますが、実際に建設関係に投下されている資金がいろいろいわれておりますけれども、600億ともいわれているし、700億動いているという面もあるし、800億ぐらい実際に動いているんじゃないかというふうにいわれておりますが、現にこの建設関係に大体どの程度動いているかどうか。その把握されている実際の資金の動きの中、あるいは実際の仕事の中で県内の企業が受注している額はどのくらいの額が県内が県内企業に受注されているか。県外企業が受注しているのはどのくらいの額になっているのか。そしてそれの比率はどの程度ぐらいになっているのかということ。それから公共企業の公共工事が占める割合はどうなっているか、その民間企業の中で県内企業が直接受注している分、県外企業が受注している分、こういうようなことが大まかにとらえられているかどうか。とらえられているとすれば、その概況を御説明願いたいと思います。もしとらえられていないとすれば、資料で後ほど一応お願いしたいと思います。それから総体の中で、特に海洋博に直接関連があると見られるところの関連事業の中で、公共事
業と見られるものの中で県内企業と県外企業の受注の状況、それから民間企業の中で、民間企業といってもたとえばホテルであるとか、あるいはマンションであるとか、あるいは生コンだとか、あるいはセメントのサイロであるとか、あるいは冷凍施設であるとか、あるいは駐車場であるとか、貸しビルとか、通信関係、そういったような民間の民宿関係とか、そういういろいろなものがあると思いますが、あまりこまかいところまではできないと思いますので、相当額以上のものをとらえて一応民間企業の動いている分の中で県内企業が受注しているものと、県外企業が受注しているものとの大まかな資料の実態をお願いしたいと思います。
 それからもし延期するとなると次に運輸関係が問題になってくる。海運関係ではそれを当て込んで新造船も発注しているということも聞かれておりますし、そういう船舶の建造関係でどうなるか。大体50年の3月を目標にして大体仕事をしていると思いますので、これが変化していきますとそこに資金的な面、いろいろな経営の面に影響が出てくると思います。それからこの開催時期が夏場になるか、秋葉になるか、冬場になるかというような時期的な面を考えてみますと、今度は輸送関係に大きな変化が出てくると思います。夏場あたりになりますと、大体いままでの話ではホーバークラフトを使って海上輸送も計画されているというようなことを聞かされているわけですが、もしそれが秋口から冬口に入ってくると、今度は相当しけてきますのでそれを活用できないかということになると、当然しわ寄せは陸上輸送にしわ寄せが来ると、いまでも陸上輸送が相当混乱している実態でありますので、そこにさらに輪をかけてくるのではないかとこういうふうに考えられますが、そういったような面が具体的にどういうふうに変化してくるか。それからたとえば多くの人が出入りするので、そこに途中あるいは会場周辺そ
ういうところに休憩施設などがだいぶできる可能性があり、着々準備が進められている。そういうところを大体夏場を目当てにしておりますから、清涼飲料水とかそういうような関係のものを相当多くねらっているようであります。そういうものが今度は秋口から冬場にかけての仕事になりますと、そういうものの仕事がぐっと変化してくるということになろうかと思います。そういうものへの変化の関係、あるいは商工関係あたりになりますとたとえばおみやげ品店あたりが考えられますが、おみやげ用品もそこを目当てにして施設もするであろうし、あるいはまた原材料も購入してあるであろうし、あるいはこういったような土産品は大量生産がむずかしいのでぼつぼつつくっておいてその時期まで、あるいはストック状態を続けていくという可能性が十分考えられますので、そういう関係の面がどういうふうになるであろうか、あるいはこの石油問題がもっと深刻になってきますと、結局一番ねらわれるのはセメント企業であるとか、電力企業であるとか、そういうような大口のところがねらわれてくる可能性が十分ありますので、そうすると原材料の関係でどういうふうな形になっていくであろうか。セメントの問題は
先ほどもいろいろお話がございましたが、そういう関係。あるいはまた冬場あたりになりますと、たとえばあの辺の地域で見てみますと会場に取られたその土地代で、ちょうど農閑期にも製糖期を越えているので、それの地代を活用して民宿でも経営していこうかということでそういったような農家のそういうふうな片手間の一つの仕事としてそういったような動きも相当動いていることを見受けておりますが、これが時期がずっとずれていきますと製糖期とからんでまたそういうものがなかなかうまくいかないというような状態もくるかと思います。その他まあ農林関係とか水産関係とかいろいろな面に影響がくるかと思いますが、そういう影響についてまだ確定的な問題じゃないけれども、マスコミの方向からしますとこれは延期の方向に相当傾いていることがわかりますので、そういうものに対して県としてどのようにそういう実態を把握し、そしてそれにどのように対処していったらいいかということについてのお考えがございましたらひとつお聞かせ願いたいと思います。そういう総体的な問題から考えてみた場合、あるいは現在の物価の以上の変化状態から推してみて、この延期が沖縄の物価状態にどのように今度
はかぶさって影響してくるであろうかということまでひとつ触れていただきたいと思います。
 それから海洋博関係の医療対策ですが、これはこれまで比嘉議員やその他の議員からいろいろ質問がございまして、われわれもある程度聞かされているわけですが、問題はこの会場内じゃなくて会場外の医療対策の問題、これはいままで説明がございましたが、これはもう容易なわざではないということがうかがわれますので、この会場外のいわゆる地域の医療の基盤整備については、これは非常なむずかしい問題であるかと思いますので強力な政治折衝、特に5人委員の方々の今後の仕事は非常に大きな仕事になるかと思いますのでその点の御配慮を要望いたしたいと思います。
 次に、現在58号線の全面改修、あるいは124号線あたりにはこの水道管の埋設あるいは地価ケーブルの埋設、それから港湾の改修、あるいは港湾の渡久地新港あたりの新設、北部縦貫道路あたりの工事と大型工事があそこに集中的に行っております。それであの辺の地域は大型の運搬車がもうひしめいている。その中でたとえばいわゆる巨石、大きな石を運搬している。そういうような車両がひしめいております。その中で常にたびたび感ずることですけれども、あのバラスとか、砂とか、そういうものはちゃんとあれはカバーをかけてこぼれないようにしないといかぬと思いますけれども、それが十分守られていない。それでおまけにスピードは出す。ちょっとカーブを切られたら振られてどんどんどんどん道にこぼれていく。そうしてこういったような小石あたりもどんどん振り落とされていくというような実態があります。あるいはまたあそこは相当追い越し禁止のところがございますけれども、見てみますとこの追い越し禁止ゾーンあたりにもう平気でぐんぐんぐんぐん追い越していくというような実情でございますので、こういったような向こうの工事の関係と車のラッシュと、特に大型の車がふくそうして
おりますので、そこの交通上の安全問題が非常にあの地域のほうではひやひやしております。われわれも何回か大型のトラックあたりの事故を見ておりますので、これをどのようにその安全対策あるいは積載オーバーあたりの問題、スピードの問題、あるいは追い越し禁止あたりのああいったような不法追い越しの問題、そういったような面についてどういうふうに交通安全の面から対処されているか。もう地域の人々はいつもひやひやということでありますので、地域の警察やその他のほうで、あるいはまた道路をどんどん掘り返しておりますのでその掘り返したところの一方通行にしていく段階におけるところの安全装置が十分になされているかどうか、そこら辺の点検を含めて、この交通安全の問題についていまの現況をどう把握し、それにどのように対処されているかについて関係当局のほうにお伺いいたしたいと思います。この間も一、二のドライバーから聞いておりますけれども、前からこういったような小石をたくさん積んだそのトラックのうしろを運転していきますと、ちょっとしたカーブをほとんどスピードを落とさないでそのまま曲がっていくものだからそのはずみで小石がポンポン落ちてくると。もう何10分
の1秒かでボカンとやられておるところだったというようなことも話しておりますので、そういったような実情の把握と、それに対する対策についてお伺いいたしまして質問を終わりたいと思います。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 海洋博の問題につきましていろいろ御質問を承りました。この海洋博の開催に時期につきましては、4日前からいろいろ御質問も受けておりますけれども、時々刻々と東京からの情報あたりも聞いておるわけでありますけれども、石油危機に伴う総需要抑制との関連で延期、縮小、中止などいろいろ論議が出てまいっておりますが、現時点ではこの前もこれは申し上げましたとおり縮小、中止ということは聞いておりませんけれども、いずれにしましてもいつ開催するかの最終決定は政府がやるわけではありますけれども、県といたしましても各界の意見を聴取した結果、この前申し上げましたとおり既定方針どおりやってもらいたいというのが大方の意見でありました。けれども国と協会のほうのいろいろの動きを見てみますというと、どうしても延期ということに、期間はまだはっきりきまっておるわけではありませんけれども、傾いてきつつあるといったような気がいたします。それではまだきまったわけではありませんですけれども、かりに延期になった場合にいま吉田議員から指摘されましたいろいろの不安になる問題が出てくるわけであります。そういうことに対していろいろの面から上げ
られましたけれども、これをひっくるめて申し上げますというと、延期によって県民にしわ寄せが起こらないように国に特段のこれは配慮を強く要求していくということ、たとえば3月開催の予定でいろいろ準備していたそういうようなことが行かなかった場合におけるところの財政面、いろいろな点があろうかと思います。そういうものからくるところの不利益ということについては、それが県民にしわ寄せにならないような万般の措置を講じ、またそれを要請し、国にもそれをよく理解させ、責任を果たしてもらうようにしていくとこういうようなことを概括して、いまいろいろあげられました分から申し上げたいと思います。
 なおそのほかにいろいろ民間企業、あるいは公共の企業、あるいはそれの県内、県外からの受注とかいろいろの御質問がありましたけれども、その大まかなことをここで全部それにお答えできるかどうかわかりませんけれども、野島局長にこれを答えさせたいとこういうふうに考えますので、ひとつさよう御理解いただきたいと思います。
○議長(平良幸市君) 海洋博協力局長。
   〔海洋博協力局長 野島武盛君登壇〕
○海洋博協力局長(野島武盛君) ただいま知事の御答弁もございましたけれども、御質疑の全項目について詳しく私からお答えすることはできないと思います。
 なお御質疑の中で県内企業のあるいは県外企業の受注高の調べにつきましても、われわれとしては直接自分たちで掌握はしておりませんけれども、私の手元にございます資料は、ある金融機関の調査部が調査をいたしましたごく最近の資料でございます。この資料は部外秘になっておりまして詳しくこの内容を申し上げるわけにはいけませんけれども、概略御質疑の要点等からつかまえてその概要を申し上げますと、大体受注高の総額は702億、県内企業の受注高は181億、それは全部の26%に相当します。県外企業の受注高は520億強、これは全部の74%に相当します。
 さらに受注区分について申し上げますと、民間工事の受注高は462強億、これは66%でございます。公共工事の受注高は241億強、34%に相当いたします。この程度の数字でがまんしていただきまして、なお詳しい点について要求がございますならば出所のほうに一応問い合わせてから資料を差し上げたいとこう思います。
 なお海洋博の延期等につきまして先ほどの知事の御答弁にもございましたけれども、民間に対する、いわゆる不安になる要素ということについて県のいま私たちの資料にもございますけれども、この資料も一応お断りいたしますが、ある金融機関の調査部の出した資料でございますけれども、現年の11月の末現在でホテルまたは宿泊所に対する投資額、これが本島内で約579億強でございます。離島で約1億7000万円。それからその他これはその内容等がはっきりいたしませんので区分してございますけれども、約8700万。こういった内容になっておりますので、一応そういった金額で、その内訳につきましても観客対策で申し上げましたように、北部地域で1万2000ベッドの数量の確保が必要であると前の議会で御説明申し上げました。それについて公庫等が配慮して金の貸し出しの予定のほうになっております。これも私の手元にある資料は一応部内資料になっておりますけれども、恩納、名護、今帰仁、本部を中心にして13企業が宿泊施設等の建設のために公庫に出資の要請がなされております。これも総工事費からいたしますと約153億でございます。これはおそらく先ほど申し上げました資
料の580何億の中にあるいは含まれているかもしれませんけれども、そういうように多額の投資が予定をされておりまして、いろいろと影響が出てくるものと思います。なおこの13業者の中には3月までに間に合わすべく土地が確保されており、なお設計も済み、あるいはその一、二企業については御承知のとおり今帰仁と本部においてすでに着工をされている部分も含まれておりますので、これも3月をめどに開館をするということになりますれば、そういったいろいろな影響、その金利等に対する影響が出てくるものと予想されるわけでございます。
 なお輸送機関等でバスまたは海上輸送に使用いたします前の議会で答弁いたしましたホーバークラフト等の発注も予定されておりますので、そういった多額の投資についての金利等の負担がしわ寄せとして出てくるんではなかろうかとこういうふうに予想されるわけでございます。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) なお1つつけ加えておきたいと思います。
 かりに延期することがあったとしましても、もちろんわれわれとしては既定どおりという要望はあるにはあるわけでございますけれども、かりに延期するようなことがあるにしましても、私どもが聴取した沖縄の各階層の御意見には夏場をはずしちゃ絶対にいかないと、こういうことは決定的な御意見のようでございますのでこれをつけ加えておきます。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 道路占用工事に伴う交通安全対策について御説明申し上げます。
 これにつきましては現在施行している道路工事、歩道工事業者などと密接に打ち合わせをしまして道路交通の確保と事故防止、それから危険防止に万全の措置を講ずると。それから表示や施設等の設置基準による十分なる施設を施すというふうな安全を期するための条件を付しまして、占用許可を与えてございます。
 そういうふうなことで指導を行っております。
○議長(平良幸市君) 警察本部警務部長。
   〔警察本部警務部長 村山盛輝君登壇〕
○警察本部警務部長(村山盛輝君) 大型運搬車が往来して追い越しやスピード違反やあるいは過積載違反ずいぶんあるんだが、取り締まり当局はこれを十分知っているか、その対安全装置はどうなされているかという御質問でございますので一応お答え申し上げます。
 陸運事務所での調査によりますとダンプカーの数が4096台だそうでございます、本島内で。これはもちろんダンプ規制法の適用を受けるダンプカーだそうでございます。これは正式な名称は土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法という長ったらしい法律でございますが、これを概してダンプ規制法といっておりますが、そのうち海洋博関連工事に行っているのは431台、約1割強行ってございます。それでそれまでのダンプによる事故車数、今年で1月以降12月10日現在でございますけれども、死亡者数が11名出ております。それから重傷者が17名、軽傷が5名と。地区別は省略いたしますけれども、そういう数字になってございます。特に北部の砂利採取場は本県最大の砂利供給源であるところから本部循環線、いわゆる国道58号線は砂利運搬の自動車がひんぱんに御指摘のとおり往来しております。今後海洋博関連工事が進むにつれてさらに増加するものと思われます。これでダンプカーについては御質問のように渡久地、名護、石川の各署と交通機動隊がございますので、交通機動隊を北部や具志川に白バイを9台配車してございます。これが全部北部のほうを回
りまして、これとパトカー3台で、この3署とタイアップして取り締まりを続行してございます。それでこれまで過積載違反、速度違反等で取り締まりを重点的に実施した結果、438件の検挙をしてございます。それから117件の整備不良車両について陸運当局に通報してございます。これと並行しまして工事施工者及び業者で結成されております防災及び防犯対策協議会というのがございまして、これを通じてダンプカーの運転者に対する安全教育を推進しております。今後も交通機動隊の増強によりまして体制を強化するとともに、運転者に対する安全教育と並行して取り締まりを実施していきたいと考えております。 
○議長(平良幸市君) 吉田光正君。
○吉田光正君 1点だけお願いします。
 先ほどの局長さんの資料の件ですけれども、もし出所のほうの了解が得られましたらまとめてお願いできますか。
○議長(平良幸市君) 海洋博協力局長。
   〔海洋博協力局長 野島武盛君登壇〕
○海洋博協力局長(野島武盛君) 県内、県外企業の受注関係の資料だけにまとめて資料提供者の了解を得て差し上げたいと思います。
○議長(平良幸市君) 安里政芳君。
   〔安里政芳君登壇〕
○安里政芳君 海洋博延期の問題についてはさきの代表質問、一般質問にも各委員会からいろいろの角度から問題提起がございましたが、私の前にも吉田議員が取り上げられておりますが、本員は民社党の考え方を中心として知事にお尋ね申し上げたいと思います。
 党は、一部強い反対の声のある中にも、現段階において指摘されている各面のデメリットや障害の解消に政府が責任をもって対処することを前提として、積極的に推進すべきであるとの見解に立ち、海洋博並びに沖縄振興開発案に賛成してきたのであります。ところで政府が突如として実施時期の延期の意向を打ち出したことは県民にとって大きな衝撃であるばかりでなく、政治不信につながるものと受けとめております。開催期日の迫る中に資材、労働力、物価問題等作業進捗の状況の案ぜられるものがあり、わが党はこの点についても国会において追及し、政府当局は十分可能の見通しがあることを言明してきたのであります。
 ところが石油危機、総需要抑制を延期の口実とし、これまで指摘されてきたデメリットに対する無為無策、施設完成の見通しの誤りを糊塗せんとする政府のみえすいた口実であり、責任であると言わざるを得ません。
 先ほど答弁がありましたが、確定するにおいて重ねてお尋ね申し上げます。政府は18日あるいは20日までには海洋博延期に伴う新開催日程を固め、パリのBIE事務局に延期申請を正式に行うと報じられております。
 そこで知事にお尋ね申し上げたいことは、知事は海洋博延期問題に関して延期を決意表明されたのであるか、少なくとも開催地の知事の意思決定を待たず、政府がこの問題提起をなしたのであれば問題がありはしないか。逆に正式に知事が要請したと言うことで政府の延期の口実をつくったということはありはしないかという点であります。大浜海洋博協会長は、海洋博工事の見通しについての報告を加藤沖縄開発庁事務次官から受けて、次のように発言しておられると聞きます。海洋博は数カ月延期すれば工事完成は可能というものであった。もっとも工事のおくれの大きいのは県の補助事業が多いようだが、県当局は必ずしも明確な見通しを立て得ていないようだというのであります。このような発言がある以上、県が海洋博延期に口実を与えているようにも受けとられるのですが、延期の責任の所在を明確に示してもらいたいと思います。あす訪沖すると伝えられております小淵海洋博推進本部副部長並びに西銘開発庁政務次官に海洋博延期問題について、知事はどのような意向を示すおつもりであるのか。延期には反対なのか。やむを得ないから賛成する立場をとられるのか。その場合先ほどの吉田議員の質問にも
ございましたけれども、延期の時期はどのように考えておられるのか。延期すれば予想される延期による民間投資のダメージ救済についてどのように国に働きかけるおつもりなのか。鈴木海洋博協会広報部長は延期によるデメリットより延期がもたらすメリットのほうが大きいと発言しておられると報じられておりますが、この点について知事はどのように考えておられるのかお尋ねをいたします。
 本員は、現状において予定どおり実施するには多くの困難や支障はあるかと思いますが、それを克服する施策と努力こそ必要であり、その回避に道を求めるべきではないと思います。列島改造の大型プロジェクト、たとえば本四架橋、新幹線工事を繰り延べしてでもその資材、労働力、機械力を全力沖縄に投入し、政府の積極的な財投を求め、指摘されるデメリットを解消し、沖縄の振興開発の起爆剤にさせるべきだという県民世論をいまこそつくるべきだと思います。延期や中止による経済の混乱や政治に対する不信感の増大を思うとき、場当たり的な政府のあり方を糾弾せざるを得ないのであります。また県がそのしり馬に乗って、そのちょうちん持ちをするようなことがないよう既定方針どおりに従い、しかもそれによって生じたあらゆるデメリットを政府の責任において措置し、これを推進するよう強く要請する姿勢を堅持すべきだと思慮いたします。政府に真に海洋博を成功させる熱意があるならばそれは不可能ではないと思います。知事は勇気を持って初心に返るべきだと進言いたします。
 次に警備保障会社について関係当局にお尋ね申し上げます。
 昭和37年7月7日、東京において日本で初めて警備保障会社が設立されましたが、その後テレビなどの影響もあってが花形企業となり、続々と同様の警備保障会社が設立され、各種の物件等の警備に当たり、およそ国内で50社程度があると承っております。県内でも昭和43年7月1日、法人として警備保障会社がスタートして、現在17社ほどが営業を開始していることは御承知だと思います。ところで昨年71国会において警備業法が制定され、同年11月1日施行され、これら企業がすべて営業所所在地の都道府県公安委員会の届け出の義務を負わしめております。
 お尋ね申し上げたいことは県内警備保障会社の実態であります。
 警備業法を受けて警備業者の欠格事由は次のような事項がうたわれております。
 1つ、前科者、禁錮以上の刑に処せられた者は経営者にはなれない。2つ、前科者は警備の業務にはつけない。3つ、18歳未満の者は使ってはいけない。4つ、警備にはじめてつく者は20時間以上の訓練をすること。5つ、年間5時間以上の教育をすること。6つ、警察官の服装にまぎらわしい服装は着用しないこと。7つ、所定のサイズの写真を張った名簿を整えること。8つ、警察官は必要に応じ、営業所に立ち入り、帳簿、書類、その他の物件を捜査させもしくは関係者に質問させることができるとあります。残念なことに現在警察官は定員を欠き、さきの議会でも指摘されました派出所の警察官不在問題等もからみ、物件、企業等の警備をある程度これら保障会社にゆだねている当局が、監督指導に主体性が薄れていないかというのをおそれるのであります。風聞ではございますが、警察出身の方が警備保障会社に多いということで警備業法によるチェックをまだ1回も行っていず、法規定の20時間教育どころか、採用と同時にユニホームを着せて第一線につかせているという現状だそうですが、実情を調査されたことがあるかお尋ねいたします。すでに立ち入り調査を行ったのであれば、どういう点をチェッ
クしたのであるかお知らせいただきたいと思います。またパトカーにまぎらわしい警備保障会社の車両等の問題はどうなのか、この点についても御答弁をお願いいたします。
 次に、警備業法第8条業務実施の基本原則についてお尋ねいたします。同条によれば「警備業者及び警備員は、警備業務を行うにあたっては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」とあります。ところで、空港等による荷物の検査、身体捜査等がこれら警備保障会社に委託されております。検察官、警察官、税関等捜査に特別の権限を国から与えられている人たちならともかく、業者によるこれら検査が当然のごとく行われております。航空会社の財産を守るという点、ハイジャック防止ということは承知しておりますが、検査を個人が拒否したとき問題が起こる危険はないものかどうか。法的根拠があるのかないのかお尋ねいたします。また事故発生当時の犯人逮捕の問題についてもお教え願います。また万一ハイジャックが生じたときの保障会社の責任はどうなるのか、法的見解を伺いたいと思います。善良な市民の生命財産を日夜守っておられるガードマンの労を多としながらも、ややもすると特別の権限を与えられたもののごとく、また十分な教育指導を受けたもののごとく、
そういう方も多いとは思いますけれども、業務につくということの危険を思いあえてこの問題を当局にお尋ねするわけでございます。
 機構改革問題につきましては、時間の関係上詳しくは触れません。ただ今回提案の8部の設置案は増大する行政需要に対処するとともに、予算の執行体制強化という発想だと承知しております。復帰時点の県制移行の試行錯誤の段階から脱皮するということで副知事2人制、他府県に例を見ない軍関係処理のための渉外部の設置、厚生部の分割等必要性を認めるにはやぶさかではありませんが、しかし機構改革はさらに深めて人材確保の問題だと思います。そこで組織のあり方、定員管理のあり方の基本的な2点のみを関係当局にお尋ねいたします。実際、ほんとうに行政管理室がその機能を発揮していると思っておられるのかどうか。また県政移行時の規定の制定に当たって、琉政当時の規則のスライドの現時点での矛盾等も随所に見られるものがあります。一度現場の意見を聞き、洗い直す点があろうかとも思いますが、その意思があられるかどうかお尋ねしたいと思います。
 以上御質問申し上げます。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 海洋博の問題についての御質問でありましたが、さっき吉田議員にもお答えしましたし、また前もお答えしまして、変わった意味での御質問でありますのでお答えいたします。正式に延期の意思というようなものをこちらが正式に決定したのであるかどうかということでありますけれども、そういうことではありません。これは国並びに海洋博協会がやるわけでありますけれども、沖縄側の意見を聞いてきめるというようなことで、この前は加藤事務次官が派遣されましたし、あす西銘開発庁政務次官、それから小淵総理府副長官が見えますのも沖縄側の意見聴取のためであります。でありますから主導的にこちらがこの延期を言明したのでもありません。
 それから県のタッチする関連事業、そういうようなもののおくれというのが延期の原因であるかということでありますけれども、そういうことはありません。県の関係するものはもちろん非常に日にちが迫っておって難工事が多うございまして、非常に困難はするだろうと思いますけれども、間に合わすべく最善の努力をしておりまして、またこの前通産当局と私話し合いしましたときにも延期の原因というのは、あくまでもやはりこの石油問題に端を発したおもなるプロジェクトの繰り延べ、こういうようなことにあるといったことを言っております。
 それから私としてはいろいろそこに起こるところの県民のしわ寄せ、不利益というものは先ほど申し上げましたように、これはわれわれ自体が選んだ道ではないし、国に責任を持って対処してもらいたいとこういうような姿勢で臨んでいくほかしかたがありません。先ほどあくまでも予定どおりを堅持して邁進せよというようなことでございましたけれども、先ほども申し上げましたとおり、予定どおりの開催というようなことは非常に望み少なくなりました。これは行政当局としては、その推移による動きというようなものは申し上げておかねばなりません。しかしながら県民世論というものはいま御指摘くださいましたとおりであります。私たちはこの県民世論を伝えながら、ただ言い得ることは各界層から聞いてみましたときに沖縄から夏の海をはずいた海洋博というのは考えられないというようなことだけは非常にはっきりしておりますので、こういうような事柄を頭に入れておいて対応いたします。したがってあした見えるところの政務次官あるいは副長官あたりにもこの沖縄の意思というようなものを伝えるつもりでございます。なお組織、機構につきましては総務部のほうに答えさせます。
○議長(平良幸市君) 総務部次長。
   〔総務部次長 赤嶺武次君登壇〕
○総務部次長(赤嶺武次君) 定員管理のあり方についての御質問でございますが、復帰後その定員については、それぞれの琉政時代の局単位ごとにその部に移行するときに、それぞれの配置を行ってきたわけでございますが、これがこの1年半にわたってその行政経験を反省してみた場合、必ずしも適切な定員の配置のあり方だったとは思っておりません。それでこの部の再編成、機構改革との関連で定員の適正配置についてもいま検討しているところでございます。さらに行政管理室の機能の問題でございますが、行政管理室は知事部局の定員の管理をしておるわけでございますが、定数増を極力押さえて人件費との関係で押さえてきたわけでございますが、この管理室そのものの定数も十分ではないと見ております。したがってその機能の強化もあわせてはかっていかなければならないと考えております。なお各部局の定員の適正配置については、やはり現場の意見を十分聴取の上でその改善方をはかっていきたいと考えております。
○議長(平良幸市君) 警察本部警務部長。
   〔警察本部警務部長 村山盛輝君登壇〕
○警察本部警務部長(村山盛輝君) 警備保障会社についてお答え申し上げます。
 警察は指導監督し、立ち入りをしてチェックしたことがあるかということでございますけれども、これはおっしゃられたように17社ございまして、これが41年の10月10日に警備業者が11社できまして、沖縄県警備業協会が結成されております。本年の11月末にふえまして現在で警備業者は17社になっております。人員にして200名以上が1社で、100名以上が1社、50名から99名が3社、20名から49名が5社、20名以下が7社でございます。ガードマンの数は、794名、パトカー53台となっております。警備業に対する指導監督はどうなっているかということでございますけれども、これにつきましては昨年の10月10日に警備業協会の設立の際に、先ほど申し上げた協会加入業者に対しまして警備業法の立法趣旨と各種の義務規定等を指導しました。その後も2回にわたって業者を招致しまして、法令講習やその他の指示事項を伝達しております。御質問の警察が立ち入り検査を実施したことがあるかとの点について、本年の10月15日一斉立ち入り検査を実施しました際チェックした事項、いわゆる指摘、指導した事項があるかとの仰せですが、これは次のとおりであります。警
備員に対しておおむね20時間以上の基礎教育が義務づけられているが、記録が全然ないためにわからなかったということでございます。それに臨時採用の警備員がいるが、基礎教育をしないで業務につけてはならないということを指摘してございます。さらに役員及び警備員に異動があるが名簿の送付がない。警備員の服装が警察官のものにまぎわらしいので胸章及び腕章のワッペンをつけること等を指摘してございます。なお立ち入り検査の際に営業届け出をしない業者がいましたので、無届け業として1社検挙してございます。また役員とガードマンについては名簿の送付を受けまして、欠格条件がないかをいまチェック中でございます。あわせて服装の件を申し上げましたけれども、パトカーにまぎらわしい車両ということでございましたが、これはまぎらわしくないように制限指導してございますけれども、もちろん警察のパトカーみたいに緊急自動車としても指定をされてございません。それは一般車両と同じでございます。この点も十分まぎらわしくないように指導してございます。
 それからあと1点のガードマンの空港でのチェックでございます、荷物検査。これは航空法並びにそれに基づく旅客及び貨物の運送約款に基づいて実施されているものであります。那覇空港における検査の場合は検査実施者たる各航空会社7社でございますけれども、空港ターミナルKKによって組織されております那覇国際空港運営協議会というものがございまして、沖縄総合警備保障会社と警備業務約款に基づいて警備士が約款の範囲において行っております。特に最近はハイジャック事件が多発しておりますので、旅行者の協力を得ましてその同意のもとで全旅客に対し手荷物の検査をやっている現状でございます。もちろん航空機で輸送を禁止されている物件や旅客の機内持ち込みを禁止されている物件の種類等については、航空法や運輸省令でこまごまと規定されておりますが、そういう禁止された危険物件を持ち込もうとする者に対して、飛行機への搭乗を断ることもできるようになってございます。さらにさきのハイジャックの問題でございますが、これは航空会社と警備保障会社の契約によって、ガードマンの任務はあくまでも航空会社の職員にかわってその手足程度の業務しか与えておりませんので、ハ
イジャック等の場合の損害賠償については警備保障会社は責任を負わないことになっております。
 以上終わります。
○議長(平良幸市君) 安里政芳君。
○安里政芳君 知事にお尋ねいたしますが、先ほど延期によるデメリットよりは延期がもたらすメリットのほうが大きいと海洋博協会の広報部長が発言なさっておられるというんですが、主体が協会でしかも広報部長がそういうことをおっしゃっておられるというのであればこれは重大な問題だと思いますが、その点についての見解をお尋ね申し上げます。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
○知事(屋良朝苗君) そのことは、いまどういうことをその方が言っておわれるかわかりませんが、たとえばどの問題か、あるいは時期の問題かよくわかりませんけれども、いま私が申し上げ得ますことは、そういうような延期することによって起こるところのひとつの不利益、しわ寄せ、混乱といったようなものをやはり国は配慮してもらいたい、考慮すべきであるというようなことを主張していって、起こるようなことも補いをしていくというようなことしかいま申し上げ得ないと思います、私は。
○議長(平良幸市君) 比嘉昇君。
   〔比嘉 昇君登壇〕
○比嘉 昇君 私は、栄誉あるしんがりを承りまして短い時間の範囲でございますけれども、機構改革と公有水面の不法占有の問題を中心に取り上げていきたいと思います。
 知事は、沖縄の特殊事情を背景とする行政需要の増大と予算の執行体制の確立を理由に、沖縄県部設置条例の一部改正と沖縄県副知事定数条例案を提案しておりますけれども、この提案理由にはいささ納得いたしかねます。第1の沖縄の特殊事情を背景とする行政需要の増大という理由でございますけれども、復帰前、日米両国の谷間にありまして国際法上も類例をみない変則的な地位に置かれ、一国並みの、しかも複雑な行政運営をしいられていた当時さえ副知事1人制でやりくりしてまいったのであります。復帰と同時に国政事務と県政事務が分離されましたし、それに伴い旧琉球政府職員1万8792名中、県が引き継ぎしたのは1万1556人でございまして、約35%相当の6538人が国家機関その他に引き継がれているのでございます。このことからもいかに沖縄県の県政事務が旧琉球政府当時に比べまして縮小されたかがうかがえるのであります。
 そこで私は知事にお伺いしたいのは、旧琉球政府時代よりも行政事務あるいは行政需要が増大し、あるいは複雑化したと認識しておられるのかどうか。
 次に、第2の予算執行体制の確立という理由でございますけれども、琉政時代も含めまして、屋良県政が最も県民も不信とひんしゅくを買っているのが執行率の悪さでございます。そういうことからいたしまして知事の胸中はよく理解できるものでございますけれども、本員は予算の執行率の悪い屋良県政、つまり船足のおそい屋良丸にとりまして最も肝要なことは、予算執行に関係の深い事業部門の技術職員などの、いわゆる船のこぎ手こそ必要であって、これ以上船頭は不要だと考えております。こぎ手の能力と力が弱くなり、あるいは不足しているのであれば、そのこぎ手を交代するつまりは人事の刷新こそが私は肝要だと確信いたしております。知事の指導力の低下が目立つ現今の状況下において副知事二人制にするということは、ただでさえ決断と実行力の欠如が指摘されている屋良知事にとりまして手かせ足かせになって、平良那覇市長がいみじくも表明しておられるとおり、船頭多くして船山に登るの収拾のつかない私は事態を惹起しないかと憂慮にたえないものでございます。
 そこで知事の御見解を承ります。(「心配するなよ」と呼ぶ者あり)これは県民の立場から心配せずにはおれないのでございまして、人事の刷新をせずして副知事を2人にし、しかも予算執行とさほど関係のない部門の機構をただいじくり回すだけで予算執行体制の確立がはかられ、あるいは行政需要に対応できるとお考えかどうか、この点明快なる御答弁をお願いしたいと思います。
 公有水面の不法占有についてお尋ねいたします。
 本事項につきましては、友利議員も触れておられましたが、まだ釈然としない面がございますので重ねてお伺いいたします。赤松産業株式会社代表者仲宗根梶雄は、浦添市牧港地先の公有水面約1万9000坪の埋め立て免許を得て、すでに埋め立てを完了した部分がございますけれども、この部分については別段問題はございません。
 その後さらに1967年同地先の1万9000坪の埋め立て申請をするとともに、1968年旧琉球政府から埋め立て申請の区域約9000坪を借り受けたのであります。旧琉球政府との賃貸借契約のおもなる内容は、期間が1年、賃貸料は年336ドルで権利譲渡、転貸しが禁止されております。ところが赤松産業は、1年約定で県から借り受けた当該区域を1970年9月、やなは開発という会社に3年の約定で又貸ししております。しかも年336ドルで借り受けた区域を何と年1万2000ドルで貸すという暴利をむさぼっております。この事実が浦添市の調査によって明らかにされまして、浦添市のほうといたしましては直ちに県に通告するとともに、当該地域は浦添市が埋め立てを予定し、計画策定中であるから赤松産業との契約は更新しないようにと強く県のほうに申し入れております。浦添市の通告により、旧琉球政府は契約の第8条の転貸し禁止の条項に違反するとしまして、1972年5月9日付の文書で赤松産業に契約解除を通告すると共に、契約第12条の規定により1972年5月31日までに原状に回復するようにと命じております。
 本員は、二、三カ月ほど前に県土木部に対してこの問題について善処方を申し入れましたが、本員の調査ではいまだに不法占有は継続されている。それどころか現在でも東洋産業なる会社に継続して転貸しをしている状態でございます。
 かような県のスローモーぶりに対しまして、地元浦添市議会では怒りを表明するとともに、地域住民は不信と疑惑さえ抱いております。
 そこで私はお尋ねいたします。契約解除と原状回復を通告してからすでに1年半にもなりますけれども、県はその間赤松産業に対しましてどういう措置をとられたか。もし何らの措置もとってないとすれば、その理由は何であるか。
 第2点、赤松産業との契約第12条2項には賃借り人が原状回復をしない場合、県が原状回復をなし、その要した費用を赤松産業に請求することができるが、その用意を持っておられるかどうかお尋ねいたします。
 第3点、賃貸借契約をしただけで赤松産業は公有水面を埋め立てまして、現在使用中でございます。これは公有水面埋立法第36条の無免許埋め立てに該当しないかどうか御見解を承りたいと思います。
 第4点は、浦添市は、当該区域を都市計画遂行上必要だとして埋め立て申請をしようにも、赤松産業の先順位の免許申請があるために公有水面埋立法施行令第5条3項とのかね合いでたいへん苦慮いたしております。県にもたびたび相談しているとのことでございますが、県当局は浦添市に対しましてどういう行政指導をしておられるかここではっきりとお聞かせ願います。
 本員の調査によりますと、赤松産業と調整せよとあたかも浦添市にげたを預けるようなかっこうで放置しているとのことですが、事実ですかお伺いいたします。
 第5、公有水面埋立法施行令第6条によりますと、知事は免許を与える前に地元市町村の意見を徴しなければならないと規定されておりますが、地元市町村が承諾しない場合、免許を与えないことも可能かどうかこの点もお聞かせ願います。
 第6、友利議員の質問に対し、浦添市に埋め立て免許を与える方向で検討中との答弁でしたけれども、先順位の申請の存否にかかわりなく、公有水面埋立法、その他の関連法令からその可能性が残されているかいなかお聞かせ願いたいと思います。
 それから公有水面埋立法第32条によれば、法第36条の無免許埋め立てなど埋め立てに関する法令違反があれば、たとえ免許を与えたあとであっても工事竣功の認可前であれば免許取り消しができる旨規定されております。この規定を発動して赤松産業の免許申請を却下することはできないかどうかお聞かせ願いたいと思います。
 第3番目に、琉海ビルの陥没事故に端を発しました工事災害について申し上げます。
 去る土木委員会におきまして所管事務調査をいたしました結果、那覇市当局のほうに建築基準法上の義務懈怠、あるいは怠慢さが明らかにされております。すなわち去る6月ごろから現場周辺に地盤沈下、あるいは建物にひび割れが生じましてこれに対し、付近の住民は弁護士を先頭に那覇市当局に建築中止を訴えております。これに対しまして那覇市当局は、竹中という本土一流の大手会社だからだいじょうぶだというふうな調子でこれを一笑に付しまして取り合っておりません。これが今度の大惨事を招いた大きな私は原因じゃなかろうかと思います。このような怠慢が今後改められない限り、那覇市内においてビルラッシュの昨今いつまたこういう大事故を起こすかしれないのであります。
 そこで私は、那覇市は建築基準法上は確かに県当局のほうと同格でございますけれども、行政指導をする立場にあるわけでございますから、県民の生命財産を守るという立場からぜひとも那覇市当局に対する行政指導を強化してもらいたい、こういうふうに考えるものであります。
 また業者は、損害については100%補償を約束はしておりますものの、付近の住民はたいへん不安を抱いております。そこで被災者保護の立場から、損害補償について万全を期するよう業者に県当局は申し入れたことがあるかどうか。また補償問題解決までの生活補償ははかられているかどうか、この点をお尋ねしたいと思います。
 一応これで終わりまして、あとで再質問いたします。
○議長(平良幸市君) 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) 御質問にお答えしたいと思いますけれども、いまの比嘉議員のほうは、復帰前でさえも1人でよかったのに復帰後になって2人とは何事かということでございましたけれども、実は私は行政主席に就任のときにいよいよ復帰も近づいてくるというと、準備なり、また県政を軌道に乗せるためには従来よりも非常にたいへんな、これは困難な業務に当面するであろうといってすぐ副主席2人制を私は参考案として出したのでありますけれども、議会で否決せられてこれは目的は達成できなかったのであります。もちろんそのときには比嘉議員は議員ではあられなかったわけでありますけれども、前の立法院議会にこれは葬られてしまって目的は達成できなかったわけでございます。その当時から沖縄の他府県と違った情勢というようなことはわかったいたつもりでございます。
 それからなおアメリカが行政権を持っておったときよりも、いまは私は非常に困難な問題が多いと思います。それはあの当時は行政権はアメリカが持っておりまして、琉球政府というのは下請行政みたようなことであったんだけれども、今度は自主県政をやはりお互いは打ち立てていかねばならないと。しかもこれが二十七、八年間もおくれておる自主県政を他県と肩を並べていかにゃならぬという大きな業務が控えておりますからして、琉球政府時代よりも私は問題は多くなるとこういうふうに考えておる次第でございます。
 それで御質問の副知事2人制にするまでの業務量はないのではないかということでありますが、本県は、県政移行という行政上の過渡期において急激な社会的、経済的変動というきびしい悪条件下に置かれ、本来の行政運営の遂行に困難をきわめておる状況のもとにあります。これを早急に安定し、かつ自主県政を強力に推進確立する必要があります。また地方自治行政は最近とみに複雑多様化し、きわめて専門化している上に、本県の場合他県に例を見ない他県との格差是正のための沖縄振興開発計画の推進をはじめ、膨大な基地をかかえていることによる基地渉外あるいは渉外労働の問題、あるいは医療確保の問題、交通通信体系の問題、海洋博の推進、地籍整備等の戦後処理事務の問題、対米請求権の補償促進の復帰処理事務の問題等行政上緊急に対処しなければならない問題が山積しております。ちなみに知事、副知事の執務状況の中で対外折衝を行うための出張状況を申し上げますというと、昭和47年5月15日から昭和48年11月末日まで約560日間における県内、県外出張は、知事が県内出張で70日、県外出張で119日で189日、副知事が県内30日、県外87日で117日となっております。
これは知事、副知事の対外折衝事務がいかに多いかというのがうかがえまして、したがって副知事2人制により知事の補佐機構を充実強化し、執行体制に万全を期すことによって自主県政の一そうの強化をはかり、もって県民の福祉向上をはかる必要がございます。
 また予算消化の問題にも触れておられましたけれども、もちろんそういう方面もこれは強化していくつもりでありまするし、また予算消化が順調にいくということは、こういうふうに県政が軌道にのっていくということであるとこういうふうの考えるわけでありますから、これは私はむしろおそきに失するとこういうふうに考えておる次第でございます。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 公有水面埋め立ての問題についてお答えいたします。
 仲宗根梶雄による公有水面の不法占有がございます。当該地域は、昭和43年の5月2日付で仲宗根梶雄と海浜及び公有水面の使用について賃貸借契約期限1カ年をいたしておりますが、すでに賃貸契約期限も切れまして、また転貸禁止の条項にも違反していることが確認されたのでございまして、原状回復を命令してございます。
 次に、赤松産業による公有水面の埋め立て申請については、当該地域は復帰前――これは昭和42年の6月21日になっておりますが、公有水面埋め立て免許申請、目的は工場、海上娯楽センター、倉庫及び港湾施設用地造成、面積は6万3018平方メートルがなされております。
 次に、浦添市の埋め立て計画につきましては、同地域には浦添市において、市内に散在する工場の移転用地及び採石、砂利等の建設資材の物揚げ場用地等の造成を目的とする埋め立て計画が策定されております。
 御質問は、県が原状回復をやりまして、それからその費用を請求するそういう用意があるかということでございますが、そういうことはいま考えておりません。無免許埋め立てでございます。そういうふうなことでございますが、埋め立てについての考え方でございましたが、これにつきましては、公有水面の埋め立てとは公有水面に土石等を投入いたしまして陸地を造成することでございますが、公有水面は自然公物でありますから一般公衆が自由に使用し得るものでございます。しかし公物の使用については自由使用の範囲を越えて他人の共同使用を妨げたり、社会公共の秩序を乱したりしてはならないことから独占的に使用することを制限しております。かかることから無免許で公有水面を埋めたてる行為は無権限で侵害する行為でございますから、原則として原状回復をさせることになります。しかしながら無願埋め立て者が埋め立て申請追認をした場合、その埋め立てが公共性が著しく、かつ当該埋め立てが港湾の計画管理上等にも支障がない場合には原状回復義務を免除して追認することもございます。この場合、県といたしましては不法行為及び不当利得があってはならないと考えておりますし、それから土地
の利用は県の振興開発計画に沿って公共団体である浦添市の計画を実現させるべきであると考えております。また諸権利が尊重されなければならないと考えておりますが、以上の3点を踏まえまして最善の措置を考えていきたいと思っております。
 それから琉海ビルの現場における事故についてでございますが、工事中の災害防止と対策につきましては都市の近代化、再開発に伴い、それから都市における高層建築が激増いたしまして、いわゆる建設公害がふえてきました。そのおもなものは騒音、震動、落下、倒壊、地盤沈下、交通妨害、道路汚染、営業妨害等でございますが、居住者や通行人などに危害を与える例は非常に多くございまして、建設省でも再三にわたって事故防止関係通達を出しまして注意を促しております。県におきましても建設関係団体に対しまして、工事現場の危害防止について通知を出しております。事故がもたらす時間と費用の浪費は無視できないものでございますから、工事の施工者としましても災害防止に万全の措置を講じております。
 それから建築基準法第90条は一般的に建築物の建築等を行う工事施工者は、その工事の施工によって生じるおそれのある地盤の崩落、建築物または工事用の工作物の倒壊等による危害を未然に防止するために必要な措置をとることを義務づけております。その技術的基準については、建築基準法施行令第7章の2、工事現場の被害防止で定めてございます。施行者が前述の措置を怠っている場合は、特定行政庁は建築主または工事の請負人もしくは現場管理者に対しまして工事施工の停止を命ずることができ、もしこれらの者が工事現場にいない場合は、工事に従事する者に対しまして作業の停止を命ずることができます。この命令違反に対しましては罰則がございまして、建築主または工事の請負人もしくは現場管理者について6カ月以下の懲役とかそういうふうな罰則がございます。また建設業法では、施工者が適正に工事を施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたり、またはそのおそれのあるとき、その他建設工事に関する法令に違反した場合には建設大臣または都道府県知事は必要な指示を行うことができるとなっており、この程度が重い場合または指示を与えてもこれに従わない場合には(「那覇市を行政
監督したかどうか尋ねているんだ。」と呼ぶ者あり)特定行政庁に対する監督というものは建築基準法の第17条にございます。そこのほうに建設大臣(「どのように監督したかということですよ。」と呼ぶ者あり)これにつきましてはいろいろ協議をいたしておりまして、前の答弁の中にも答えてございますけれども、県といたしましては建設省及び建築研究所などの指導を得るために上京もいたしまして検討いたしまして、その結果那覇市と協議をいたしております。その中で今後とるべき措置については慎重に対策をとらなければならぬというふうなことでございまして、那覇市のほうがその後上京いたしまして、現在その対策についての指導を得るために建設省及び建築研究所に要請をしておるというふうなところでございます。そして県といたしましても市と十分協議をいたしまして、協力をいたしまして全所をするという方向で努力をしたいと考えております。
○比嘉 昇君 休憩願います。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後5時27分休憩
   午後5時30分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 土木部長。
   〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 第1の質問でございますけれども、措置については1年半放置してあったというふうなことでございますが、やってございません。そのままになっておりますけれども、その理由としましてはやはり先ほど申し上げました行政的に円満な解決をはかるという意味からでございます。それで先ほどお答え申し上げたつもりであったわけですけれども、それから施行令の第5条の関係についての先願権の問題ですね、それにつきましてはやはり6カ月を経過しているというふうなことでございますので、問題が残るわけでございます。したがいまして県の振興開発計画に沿った市の開発計画、それを尊重しながらやはり先ほど申し上げました個人の利益も尊重しなければならぬというふうな方向での解決が最も望ましいんだというふうなことを申し上げたわけでございますが、その辺で大体御答弁申し上げたつもりであったわけですけれども。
○比嘉 昇君 まだ漏れておりますよ。
 休憩願います。
○議長(平良幸市君) 休憩いたします。
   午後5時33分休憩
   午後5時34分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 副知事。
   〔副知事 宮里松正君登壇〕
○副知事(宮里松正君) いまの最初の御質問、県との賃貸契約だけで公有水面の埋め立てができるかという点につきましては、公有水面の埋め立ては公有水面埋立法による免許が必要でございますから無願埋め立てということになります。
 間違いないと思います。
 それから地域市町村が埋め立てに同意しない場合知事は免許をしないこともできるかという御質問でございましたが、当然できると考えます。また逆に同意した場合にも最終的な決定権は知事にあるわけでございますから、これに拘束されないというのが法解釈上の正しい見解であろうかと思います。
○比嘉 昇君 浦添市に対する行政指導。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) 先ほど申し上げましたけれども、不法行為及び不当利得があってはならぬということですね。それから土地の利用は県の振興開発計画に沿って公共団体である浦添市の計画を実現させると。それから諸権利が尊重されるべきであるというふうなことで円満な解決をはかるという方向で行政指導を絶えず行っております。
○議長(平良幸市君) 比嘉 昇君。
   〔比嘉 昇君登壇〕
○比嘉 昇君 ただいま土木部長の答弁によりますと、円満な解決をはかるために1年半も放置しておいたんだということになっておりますけれども、浦添市のほうといたしましてはこれはもう緊急のことでございます。広大な面積を軍用地、公用地に接収されまして、しかも急激な都市化を見ております。そのため都市計画の遂行にたいへん苦慮いたしておる現状でございます。そういう現状からいたしまして、浦添の牧港地先の埋め立ては浦添市の都市計画上緊急な課題でございまして、これを県当局のほうが業者と浦添市まかせに円満に調整しなさいということでは、私は県の姿勢が疑われて仕方がないのであります。
 そこにやはり実行力が欠けるんじゃなかろうかとこういうふうに考えます。これを早急に措置されるお考えはないかどうか。
 それから副知事の御答弁によりますと、賃貸借契約をしただけで公有水面を埋めたてるのは、いわゆる無願埋め立てになるんだという御答弁を得ましてたいへん力強く感じております。
 県のほうは、現在この赤松産業が東洋産業に貸している地域を調査されたことはありますか。調査されたとすれば、該地域は埋め立てられているかどうかはっきりおわかりだと思います。その点御答弁願います。
 それから県との当初の契約は満1カ年契約でございます。これは68年の5月2日から69年の5月1日までの満1カ年契約でございます。
 しかし県が解除申し入れするまでには満4カ年経過しておりますけれども、その間契約の更新がなされているのかどうか、この点のお尋ねいたしまし。
○議長(平良幸市君) 土木部長。
   〔土木部長 安里一郎君登壇〕
○土木部長(安里一郎君) やはりこの問題は早期に解決すべきだと思っております。そういう意味合いで浦添市、それから不法占有者、それから県、3者で十分協議をいたしまして円満な解決をはかりたいと、早期解決について努力をしたいと考えております。
 それから調査をいたしておりますけれども、やはり形からいいますと埋め立てと変わりないような形でございますけれども、公有水面の不法占有だというふうなことになっております。と申しますのは、やはり公有水面を賃借する契約の期限が切れたというふうなことでございまして、そういうふうな意味合いでの不法占有だと考えております。
 もちろんこの地域と重なるもっと広い地域を埋め立て免許申請はなされてございますけれども、その占有をしている場所は、公有水面の賃借契約によってなされていたもんでございますので、それが不法化したというふうなことで不法占有だと考えております。
○比嘉 昇君 契約更新。
○土木部長(安里一郎君) 契約更新はしてございません。
○議長(平良幸市君) 比嘉 昇君。
○比嘉 昇君 簡単な質問ですので自席から行います。
 部長の答弁によりますと、業者と県と浦添市の3者で円満な解決をはかりたいと繰り返しおっしゃっているようでございますけれども、先ほどから私が指摘しておりますとおり、県との契約を全く無視いたしまして原状回復命令にも従わない。その上366ドルで借り受けたものを年間1万2000ドルで貸して暴利をむさぼる。また部長の答弁ですと、埋め立てみたいには見えないというふうなことをおっしゃいますけれども、そこは船を接岸させまして砂揚げ場になっているわけでございます。埋め立てないところに船を接岸して砂の積みおろしができますか。この点私はたいへん疑問に感ずるわけでございます。
 副知事もおっしゃられていたように、これがもし不法埋め立てだということであれば直ちに免許申請の却下もできるわけですから、もう少し腰のあるところを見せていただきたいと御希望申し上げまして質問をおわります。
○議長(平良幸市君) 以上をもって通告による一般質問及び議案、決算に対する質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております議案第1号から議案第30号まで及び認定第1号は、お手元に配布してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
○議長(平良幸市君) 日程第3 議案第31号及び議案第32号を議題といたします。
 知事から提案理由の説明を求めます。 
 屋良知事。
   〔知事 屋良朝苗君登壇〕
○知事(屋良朝苗君) ただいま議題となりました議案第31号及び議案第32号について、その提案理由を御説明申し上げます。
 まず第31号議案について申し上げます。
 人事委員会は、昭和48年12月8日付で議会及び知事に対して昭和48年度における一般職の職員の期末手当の特別措置についての地方公務員法第8条に基づく意見の申し出をしております。この意見の申し出は、昨今の異常な物価の高騰にかんがみ、政府がとった国家公務員に対する期末手当のとくれ措置に準ずるものであり、これらの事情をしんしゃくし、昭和48年度限りの措置として昭和49年3月期の期末手当の一部を昭和48年12月に繰り上げて支給することを適当と認め、この条例を追加提案した次第であります。したがいましてこの特例措置を講ずることにより、一般職の職員の昭和48年12月期の期末手当は、沖縄県職員の給与に関する条例附則第8項に規定する加算額を含めますと、すでに支給した分が260%であり、これに今回の繰り上げ支給分30%を加えますというと290%となります。この結果職員1人当たりの平均手当額はおよそ28万7000円となります。
 なお今回の特例措置により、議会議員及び知事等の特別職についても一般職の職員の例により、期末手当の繰り上げ支給がなされることになります。
 次に、議案第32号について申し上げます。
 県教育委員会の現委員のの5名のうち、1名の任期が沖縄の復帰に伴う文部省関係法令の適用の特例措置等に関する政令第9条の規定に基づき、昭和48年12月31日付をもって満了することになり、新たに委員を選任することになりましたので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定により議会の同意を求めるものであります。新委員の任命に当たっては、教育行政の民主的運営の確保が図られるよう可能な限り民主的選定方法を講じており、今回の委員予定者の選定に当たっては、僻地教育の振興策がはかられるよう配慮いたしました。
 委員会の職務権限は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条に規定されており、また委員としての要件は、同法第4条の規定により当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で人格高潔で教育、学術及び文化に関し、識見を有する者の中から議会の同意を得て任命することになっております。
 ご同意を求めました赤嶺民夫氏の経歴等について御説明申し上げますと、昭和5年3月、沖縄県師範学校本科第一部を卒業、正教員免許状を取得以来、昭和20年までの長期間にわたり本県、大阪府及び台湾において教育面に精励活躍し、戦後は郷里の宮古民政府において商工、産業関係業務を担当、民生の安定と発展に尽力した方であります。
 また昭和39年12月に中央教育委員に就任、昭和44年1月再任され、沖縄の復帰後も暫定教育委員として昭和47年12月31日までその任務を遂行されましたが、復帰に伴う関係法令により同日をもって任期満了となりました。
 その後昭和48年6月1日付で宮古島上水道企業団企業長に任命され、現在に至っております。
 このように経歴等から見ましても関係法令の要件をかね備えた方であり、また法定の欠格条項にも該当しませんので、教育委員として最適任者であると判断いたしました。
 何とぞ慎重審議の上ご同意のほどをお願い申し上げ、説明を終わります。
○議長(平良幸市君) 知事の提案理由の説明は終わりました。
 ただいま議題となっております議案中、職員に適用される基準の実施、そのた職員に関する事項について必要な規定を定める条例については、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を聞く必要がありますので、ただいまから人事委員会の意見を求めます。
 人事委員会委員長。
   〔人事委員会委員長 棚原勇吉君登壇〕
○人事委員会委員長(棚原勇吉君) 人事委員会の意見を申し述べたいと思います。
 議案第31号昭和48年度における期末手当の割合等の特例に関する条例については、昭和48年12月8日に人事委員会が沖縄県議会議長並びに沖縄県知事に対し、昭和48年度における期末手当の支給の特例措置についての申し出を行った趣旨に基づいて提案されたものであります。したがって人事委員会といたしましては異議ありません。
 よって本議案が県議会において御審議の上、すみやかに可決され、この期末手当が年内に追加支給されるよう特段の御配慮をお願い申し上げる次第でございます。
○議長(平良幸市君)これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良幸市君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております議案第31号及び議案第32号は、総務委員会に付託いたします。
 休憩いたします。
   午後5時52分休憩
   午後5時53分再開
○議長(平良幸市君) 再開いたします。
 日程第4 陳情第381号及び第382号の付託の件を議題といたします。
 おはかりいたします。
 陳情第381号及び第382号は、海洋博特別委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良幸市君) 御異議なしと認めます。
 よって陳情第381号及び第382号は、海洋博特別委員会に付託の上、審査することに決定いたしました。
 なお12月7日からきのうまでに受理した請願1件、陳情21件のうち、ただいま海洋博特別委員会に付託いたしました陳情2件を除く請願1件、陳情19件は、お手元に配付しました請願文書表及び陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
○議長(平良幸市君) ここでおはかりいたします。
 委員会審査及び議案整理のため、明12月15日から20日まで6日間休会いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良幸市君) 御異議なしと認めます。
 よって、明12月15日から20日まで6日間休会とすることに決定いたしました。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 次会は、12月21日定刻より開議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時54分散会

 
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