平成 5年(1993年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 3月 1日
第 4号  3月 1日
 

議 事 の 概 要
平成5年3月1日(月曜日)
午前10時1分開議
日程第1 一般質問
日程第2 甲第1号議案から甲第28号議案まで及び乙第1号議案から乙第23号議案まで(質疑〕
   一般質問及び質疑
    1 高江洲義政君(自民党)
    2 新垣 哲司君(政友会)
    3 西銘恒三郎君(自民党)
    4 伊佐 吉秀君(政友会)
    5 下地 常政君(自民党)
    6 具志 孝助君(政友会)
    7 上原 賢一君(自民党)
午後5時49分散会

○議長(儀間光男君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1及び日程第2を一括しこれより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第28号議案まで及び乙第1号議案から乙第23号議案までを議題とし質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 高江洲義政君。
   〔高江洲義政君登壇〕
○高江洲義政君 おはようございます。
 平成5年の年頭にふさわしい皇太子様の御婚約も発表されまして、国民ひとしく新春の明るい話題として喜んでいるところでございます。皇太子様と小和田雅子様に心からお喜びを申し上げます。
 さて、我が沖縄県においてもその記念すべき年に、天皇・皇后両陛下をお迎えして全国植樹祭を行うことは極めて有意義であり、絶対に成功させなければなりません。
 今回新しい部長の方々も登場いたしまして、大変期待を申し上げるところでございます。また御苦労さまでございますが、これからも行政のトップとして物の言える人間になっていただきたい。独裁者のもとで物が言えなくなると、国は滅ぶとこういう言葉もございます。しっかりと沖縄県民のために頑張っていただきたい、このように希望を申し上げます。
 さて、知事の所信表明の中にも40数年前の忌まわしい戦争の話ばかりを盛り込みながら平和行政を推し進めるということは、ある意味では大変悲しいことと言わざるを得ません。
 平和行政の数々の政策で、特色ある沖縄平和祭を開催すると、こうあります。先日の代表質問の高山公室長の御答弁にもございましたので細かくはお伺いしませんが、重複いたしますので、知事の選挙の際の基本政策の中の平和学会あるいは国際平和博覧会を開催する云々がございます。この所信表明の中の沖縄平和祭との関連をお聞かせいただきたいと存じます。
 それから知事は、戦後処理の一環として不発弾の探査や発掘作業の実施を挙げておられます。探査は委託業者ができるにいたしましても、発掘や処理等については従来は自衛隊に依頼しております。今後とも自衛隊に依頼する予定でありますか、お聞かせいただきたいと思います。
 それから、知事は選挙の際の基本政策の中で、平和行政を暮らしに生かし、憲法改悪に反対し云々とあります。先日の代表質問の御答弁にもございましたが、現憲法は世界に誇れる平和憲法であり、維持すべきであり、改正すべきではないと言われておられます。平和主義に徹した憲法は守るべきであると私も考えるものでございます。
 ここで言う憲法改悪ということはどういう意味か、また憲法改正とはどういうことか教えていただきたいと思います。
 憲法条文の中で文言の使い方でございますが、一、二例を挙げてその考え方をお聞きしたいと思いますが、憲法41条に国会は国権の最高機関であると定義をしております。どうして国会だけが国権の最高機関なのでしょうか、知事はこの文言の使い方をどういうふうに解釈されますか、お答えいただきたいと思います。
 また、同60条は、「予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。」とあります。この文言の使い方も正しいとお思いですか、知事のコメントをお願いいたします。
 さて先日、私たち米軍基地関係特別委員会は韓国へ旅をいたしました。あたかも韓国へ旅することが罪悪のような報道をする新聞もございますが、中国は昨年2月に領海法を制定いたしました。その中で、陸地の分割は南極を除いて終わりである、あとは海洋の争奪の時代に入った、陸地の資源は先が見えており、中国の将来の発展は海洋にかかっているとしております。原子力潜水艦、大型駆逐艦、揚陸艦に加え、海洋航空力確保のため空母や航続距離の長い戦闘機の確保、また空中給油技術の取得に躍起になっております。
 また中国の中学校教科書には、タイ、ミャンマ一、インドシナ3国など、琉球までも帝国主義に奪われた中国の領土であったと書かれているようであります。
 領海法では、西沙諸島、南沙諸島、台湾、それに我が国固有の領土である尖閣列島の領有まで規定をしているようであります。
 公海上で威嚇射撃や臨検、追跡等を行い海賊行為を繰り返している事実は国際法違反であり、中国の明白な国家意志に基づく海洋覇権確保のための野蛮な行動であると理解しております。そのことについて知事の所見をお聞かせいただきたいと思います。
 県道35号線の整備でございますが、該地域は地すべり地域でございまして、以前から県におかれましては道路の補修や改良工事等何度も行ってきたことは承知しております。現在も奥間部落の近くで改良工事が行われておりますが、先日新垣入口のバス停留所から下方に歩道を歩いてみました。歩道に亀裂が入り、下方の原野が地すべりを起こしております。歩道に亀裂が入り、現に下方の原野が地すべりしている状況を見て心配しておりますが、ほっておくとずっとその下にございます当間部落まで被害を及ぼすのではないかと大変心配しております。その対応策等についてお聞かせいただきたいと思います。
 次に、エイズ対策でございますが、厚生省は、先日コンドームの自動販売機の設置場所や販売時間制限などを見直すように各都道府県に通知をしたようであります。これは当然エイズ予防対策の一環でございますが、条例等でその設置を制限しているのは全国で38都道府県であると聞いております。その設置に関する状況と沖縄県の状況等についてお聞かせいただきたいと思います。
 また、関連いたしまして、大変教育長には申しわけないんですが、朝議場に入りましてから関連いたしますので少しばかり聞きますと、お伺いしますと申し上げたんですが、実はきのうある新聞を見ましたら、各都道府県の教育事務所などに小中高校を巡回して保護者や生徒を対象としたエイズ予防や性知識に関する講演、あるいは性の悩みを持つ生徒の相談、性教育担当の教師に対する医学的知識のレクチャーなどを実施するいわゆる産婦人科医などを網羅してエイズカウンセリングアドバイザーを配置すると、これは文部省、自治省が決めたようでありますが、沖縄県もそういう通知が来ておりますかどうか、お伺いいたします。
 次に、不法滞在外国人の取り締まりについて、私22日に通告を出しましたら、24日、25日と2日にわたって関連しての逮捕者が続発してびっくりしたわけでございますが、外国人労働者問題関係省庁連絡会議の不法滞在問題分科会によりますと、全国で不法滞在者が去年で30万人近くいると言われております。沖縄におけるその実態や県警の取り締まり状況等について聞かせていただきたいと思います。
 平成6年度からスタートするパイロット自治体について少しばかりお伺いいたします。
 特定の自治体に許認可や財源配分を弾力的に運用する地方分権特例制度を閣議決定し、平成6年度、来年から地方分権実現に向けての制度をスタートさせるとこういうことでございますが、その内容等についてお聞かせいただきたいと思います。
 これは平成6年度からですから、受け付けが平成5年度から始まるという話を聞いております。指定を受ける自治体のメリット等についてもお聞かせいただきます。
 そしてまた、沖縄県内において指定を受けるための動きを示している自治体がございましたら教えてください。
 次に、中城湾港の新港地区の開発事業については、昨年の11月に2期工事の起工式が行われております。目下進行中でございますが、一時期においては仮護岸用の砂が不足して工事に大変支障を来したという話を伺っております。砂不足の件はその後どうクリアしたか、また現在はどうであるか、中城湾港における砂の利用状況等はどうなっておりますか、見通し等についてお伺いいたします。

 次に、泡盛サミットについてですが、これは私の提案です。
 近年、サミット花盛りになっておりますが、さきに改正されました酒税法の改正により、この春先あたりから酒類業界で異変が起こる予感がいたします。アルコール度数による税率の改正等により、アルコール度の低いアルコール類を各社とも開発中であるようであります。
 我が県が世界に誇れる文化として、泡盛、舞踊、空手、この3つがあると言い切る人もおります。一昔前の泡盛といえば、値段も安い上に独特のにおいのために敬遠されがちでございましたが、最近では業界の努力や技術の向上等により、どんな高級な洋酒よりはるかにおいしい泡盛がつくられております。泡盛を飲めば、このばかはだれが連れてきたかという暴言も吐かなくなると思います。特に古酒のそれは実にすばらしいものがございまして、本土から沖縄に旅して泡盛のすばらしさに出会い、その後知人を通して定期的に送ってもらっているという話題等も数多く聞いております。
 ところが、ほとんどの本土の方が旅してお帰りになってから、求めたくてもなかなか地方の酒店に商品がなくて手に入らないという話もよくまた聞かされます。
 酒税法の改正により近い将来、洋酒業界がビール業界等を巻き込んだ大競争時代が到来しそうな中、泡盛産業が結束してその販路拡大に情熱を傾け、全力投入する時期にきているのではないでしょうか。鹿児島のしょうちゅう、あるいは宮崎のしょうちゅうは、全国どこででも手に入る手軽に飲める酒であります。
 販路を確立し、全国どこでも飲める泡盛として育てるため、全国から酒類卸売業者等をお招きして沖縄の地で泡盛サミットを開く、こういう構想を県が音頭とりでやっていただいたら大変すばらしい地場産業の育成、こういうものにつながると思います。いかがお考えであるか、お聞かせいただきたいと思います。
 第1回目終わります。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 高江洲義政議員の御質問にお答えいたします。
 まず、沖縄平和祭はどんな型のものかということと、平和学会、国際平和博覧会とはどういう関係があるかという趣旨の御質問に一括してお答えさせていただきます。
 沖縄平和祭は、過去の悲惨な戦争体験を風化させることなくその教訓を正しく次の世代に伝え、世界の恒久平和を希求するとともに、沖縄を平和の発信地として世界にアピールするために開催するものであります。
 平成5年度は、平和特別企画展、平和シンポジウム、平和朗読劇、沖縄全戦没者追悼式などを実施する予定であります。
 また、世界の恒久平和を確立するために研究している内外の学者や一般の方々がともに考え合う平和学会を開催したり、あるいは各国における平和研究の資料等の紹介と平和交流を図るための国際平和博覧会の開催などを平和推進事業として将来的に検討していきたいと考えております。
 それから、不発弾の処理はこれまで自衛隊に依頼してきたが、今後とも自衛隊に依頼する予定かという趣旨の御質問にお答えいたします。
 不発弾の処理につきましては、自衛隊法及び関係4省庁通達等に基づいて自衛隊、県、警察及び市町村等関係機関が協力して対処しております。不発弾を安全に処理するためには特殊で高度な技術が必要であることから、その処理作業については御案内のとおり自衛隊が行うことになっており、今後とも自衛隊にお願いしていきたいと思っています。
 それから、憲法改悪とはどういうことか、また改正とはどういうことかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 いずれも憲法の改定を意味していると考えていますが、そのとらえ方の違いによって表現が異なると思います。改悪といったり、改正といったり、時によって2つが混同されて使われておりまして、必ずしも明確な区分けができるようにはなっておりませんけれども、しかし一般的に申しまして、改悪という場合にはいい規定だと思われているものを悪い方向へ変えていくと、改正というのは足りない部分をいい方向へ変えていくということがその意味するところだと思っております。
 それから、憲法41条は、国会は国権の最高機関であると規定しているが、知事はこの文言をどう解釈するかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 憲法第41条において、国会は国権の最高機関であると規定されていることは、国会が主権を有する国民の意思を最も直接的に代表する機関であるということに基づいて、国政の全般において中心的な機関であるという趣旨に解されており、私もそのように認識いたしております。
 次に、公海上で威嚇射撃や臨検等の海賊行為は国際法違反であり、中国の国家意志に基づく海洋覇権確保のための行動であると理解するが、その件について知事はどう考えるかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 最近東シナ海で不審船による船舶への威嚇射撃、臨検等の事件が多発していることはまことに遺憾であります。
 県は国に対し、同海域における漁船の安全操業の確保を図っていただくよう要請いたしました。外務省は中国政府に対し、抗議するとともに再発防止を申し入れたと承っております。
 なお、これまでのこれらの事件の背景については、今のところ十分に明らかにされておりませんので、私も十分には承知しておりません。
 以上で私の答弁を終わりまして、お許しを得てその他の御質問については関係部局長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
○議長(儀間光男君) 総務部長。
   〔総務部長 山城正栄君登壇〕
○総務部長(山城正栄君) 御質問にお答えいたします。
 憲法60条は、「予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。」と規定していますが、その文言の使い方は正しいと思いますかという趣旨の御質問でございますが、憲法において予算という用語は、国会の議決を得てないものについても、国会の議決を得たものにも用いられています。学者によりましては、国会の議決前のものには予算案と呼称するのが適切であるとの見解もございますが、我が国においては国会議決前のものにも予算と呼ぶのが明治憲法以来のならわしになっていて、現行憲法もそれを踏襲して規定されているものと理解をいたしております。
 次に、平成6年度からスタートするパイロット自治体についての御質問にお答えいたします。
 まず1点目は、パイロット自治体、いわゆる地方分権特例制度の内容はどうなっているかという趣旨の御質問でございますが、地方分権特例制度、いわゆるパイロット自治体制度につきましては、臨時行政改革推進審議会の第3次の答申の方向に沿って昨年12月に閣議決定がなされております。
 その内容といたしましては、一定の要件を満たした地方公共団体が実施する地域づくりについて、地方公共団体の自主性、自立性の発揮を可能にする許認可の特例措置を現行法の枠内で試行的に講じようとするものでございます。
 その対象といたしましては、原則として人口20万人以上の市町村で、対象分野は町づくり、福祉、衛生、保健、教育、文化などの地域づくりに関する事業となっております。
 特例措置といたしましては、許認可、補助金、地方債及び機関委任事務についての特例が予定をされております。
 指定を受けた場合のメリットでございますが、指定を受けた場合のメリットについては、補助金等の交付税による一般財源化、起債の自動許可等により審査、申請手続の簡素化、迅速化が確保され、市町村において事業のスムーズな推進が図られることとなります。
 次に、県下の市町村に適用申請の動きがあるかという趣旨の御質問でございますが、県内における申請の動きにつきましては、申請の手続方法等について現在国の方で要綱制定の作業が行われているところでございまして、具体的にはその要綱により制度は進められることになります。したがいまして、現在のところ申請についての相談なり協議はございません。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 大城義勝君登壇〕

○土木建築部長(大城義勝君) 県道35号線の整備に関連して、当間集落背後の地すべり対策についての御質問にお答えいたします。
 県道35号線と当間集落背後の傾斜地一帯は、現地を踏査したところ地すべり現象が見られるため、平成5年度予算に調査費を計上しているところであります。
 今後、地すべり防止工事を実施するには、地すべり防止区域の指定基準を満たしているかを調査の上関係市町村の意見を聞き、地すべり防止区域指定の手続が必要となります。したがいまして、今後さらに詳細な調査をした上で中城村及び関係住民の意向を踏まえ、対応策を検討していきたいと考えております。
 なお、歩道部の亀裂については、現地調査した結果今のところ道路全体の崩壊につながるとは考えられませんが、今後パトロール等を強化し、交通の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
○議長(儀間光男君) 教育長。
   〔教育長 津留健二君登壇〕
○教育長(津留健二君) 教育事務所に医師などによるエイズカウンセリングアドバイザーの設置についての文部省からの通知があるかないかという御質問にお答えをいたします。
 御質問の教育事務所へのエイズカウンセリングアドバイザーの設置については、正式に通知を受けておりません。通知のあり次第対応してまいりたいというふうに思います。
 なお、現在のエイズ教育につきましては、各地で研修会を開催すると同時に、各学校では各学校のカウンセラー、養護教諭等が対応しております。
 次年度は、まず性教育、エイズ教育対策推進委員会を設置し、さらに指導資料、パンフレットの作成配布、研修会等による教員の資質の向上、研究指定校の設置等を実施する予定にいたしております。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 振興開発室長。
   〔振興開発室長 与那嶺敏光君登壇〕
○振興開発室長(与那嶺敏光君) 中城湾港新港地区第2次埋め立てについて、2次埋め立ての仮護岸用の砂が一時期において不足が生じ、工事に支障を来したようだが、砂不足の件はどうクリアしたか、現在はどうか、また砂の利用状況、見通しはどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
 中城湾港新港地区の第2次埋め立てについては、平成4年度の早期着工を目指し、それに必要な公有水面埋立免許の取得を平成4年3月末を目途に努力してまいりました。
 ところが、関係省庁との調整において、特に環境保全等については予想以上の日時を要したため当該埋立免許の取得がおくれ、そのため工事の着手が当初予定より約5カ月おくれたものであります。このため、第2次埋立工事を当初予定どおり進めるために本年度は工事期間の短縮を余儀なくされ、砂を使う工事が集中し、一時的に砂が不足し、一部業者においては中国から砂を取り入れて対応し、砂不足をクリアしたようであります。
 なお、資材の調達は基本的には業者にかかわることでありますが、次年度以降におきましてはこのような事態が発生しないよう十分配慮した工事発注をする考えであります。
 また、年度別の砂の使用量の計画としては、砂の需要が多く見込まれる平成4年度は90万立米、平成5年度から平成7年度までは各年度とも60万立米を予定しているところでございます。
 以上です。
○議長(儀間光男君) 警察本部長。
   〔警察本部長 佐野智則君登壇〕
○警察本部長(佐野智則君) 不法滞在外国人の取り締まりに関する御質問にお答えいたします。
 就労を目的に我が国に入国し、不法滞在する外国人は、法務省の平成4年5月の推定発表によりますと、27万8892人ということで全国的に見て大幅にふえているようであります。
 県内では、去る2月23日摘発いたしましたペルー人等8名を主体にした不法就労に絡む事案のほかに、平成3年14名の中国人、平成5年8名の中国人の集団密入国事案がありましたが、これら密入国事案はいずれも通過地として本県を利用している状況であります。
 首都圏では、これら外国人が公園内に蝟集し、周辺住民に不安を与えている状況も出ているようでありますけれども、当県ではそのような治安上の問題は現時点ではありません。
 いずれにいたしましても、不法残留等の外国人問題は、今後重要な治安上の問題となり得るものであるとの認識に立って対処していきたいと思っております。
 なお、外国人不法就労問題等に対応するため平成4年5月1日、警察庁、法務省、労働省の3省庁による不法就労等外国人労働者問題地方協議会が設置されたことを受けまして、県の段階でも平成4年の6月に警察、入管、労働基準局の3機関によりまして不法就労等外国人労働者問題沖縄地区幹事会を設置し、相互の連携を図りながら諸対策を推進しているところであります。
○議長(儀間光男君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 砂川恵徹君登壇〕
○環境保健部長(砂川恵徹君) エイズ対策についてお答えいたします。
 沖縄県内におけるコンドーム自動販売機の設置状況についてでございますが、エイズ対策については倫理的教育と正しい知識の普及が基本でありますが、厚生省から各都道府県に対し、エイズ感染に危険性のある性行動を避けるよう啓発するとともに、コンドームの使用に関する正しい知識の普及とあわせて、コンドームの入手方法についてもできるだけ心理的抵抗が少ない形で入手できるよう配慮されたい旨の通知がありました。
 したがいまして本県においても、コンドーム自動販売機設置要領を作成し、平成4年12月から自動販売機によるコンドームの販売を認めたところであります。本年2月末現在、県内で2件の設置届けがありますが、販売機の設置に当たっては青少年への影響を考慮して、小中高等の周辺及び主な通学路に面した場所には設置しないよう指導しております。
 ちなみに、全国の販売機設置状況については、厚生省の平成4年12月時点の調査によりますと、設置されている県は37県で、未設置の県が10県となっております。
 以上です。
○議長(儀間光男君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 宮城常吉君登壇〕
○商工労働部長(宮城常吉君) 泡盛サミットの開催に関する御質問にお答えいたします。
 本県の泡盛製造業者は現在47社で、年間およそ1万3000キロリットルの出荷量がございます。そのうち県外へは500キロリットルの出荷量で、およそ4%でございます。
 御指摘のとおり、今後県外市場の一層の拡大なくしては泡盛業界の発展は望めないものと考えております。そのようなことから、高江洲議員の御提案につきましては関係団体ともよく話し合っていきたいと考えております。
 なお、県におきましては、県外の主要都市における物産展の開催、県外事務所での泡盛の展示販売、また産業振興基金の活用による泡盛の県外販売促進事業への助成等を行ってきているところでございます。
 また県は、このほど設立いたしました第3セクターとしての株式会社沖縄県物産公社を通して泡盛の県外市場への積極的展開を図っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 高江洲義政君。
   〔高江洲義政君登壇〕
○高江洲義政君 先ほどの沖縄平和祭は、先日も高山公室長から他の議員さんへの御答弁がありましたんで詳しいことは結構ですと言ったんですが、それに集中して御答弁いただいて、平和学会と国際平和博覧会との関連を聞いたつもりですが、余り強く関連については触れられておりませんでしたので、再度お願いいたします。
 それから、不発弾処理等については自衛隊に今後もお願いするということでございますが、それは自衛隊法とかいろいろございまして、知事は当然のように――まあ当然でございますが、自衛隊以外できないはずですから。自衛隊のどこの部隊に、混成団の司令にただお願いするだけですか。
 それから、不発弾等の処理についてはもう年間相当な件数に上っておりますが、自衛隊に対して御苦労さま、あるいはありがとうでしたという感謝状を出すおつもりはございませんか、お伺いいたします。
 憲法については改悪と改正についてのお話をお伺いいたしましたが、どんなばかな人間でも改悪というものには反対するのが当たり前じゃないでしょうか。今後いろんな意味でその用語の使い方は注意していただきたいと、このように考えます。

 それから中城湾港の工事に関しまして、5カ月おくれたために大変砂不足を来したということでございますが、何か聞くところによると、これ今部長はクリアしたとこうおっしゃっておりましたが、現在でも大変不足しているという話を聞きますが、事実ですか、再度お伺いいたします。
 それから、国会は国権の最高機関であると、我々は小さいときから三権分立を習ってきたつもりで、司法、立法、行政の方がそれぞれその機関の最高の機関であると理解するんですが、何で国会だけが国権の最高機関であるか、この文言の使い方は決して正しくはないんじゃないかと思うわけです。それで再度お伺いいたします。
 それから、これは要望でございますが、本部長さん、大変不法滞在者の外国人については御苦労さまでございますが、先日もある都市でフィリピン人らしき女性が、恐らく不法滞在者であっただろうと思われる女性が子供を産んで病院から逃げて、この子供をどうするかということで裁判までなりましたが、そういうこともございますんで、今後とも御苦労さまでございますが頑張っていただきたいと思います。
 以上再度お伺いいたします。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
   午前10時40分休憩
   午前10時41分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 高江洲議員の再質問にお答えいたします。
 まず平和学会と国際平和博覧会との関連についてという趣旨の御質問でございますが、一般的に平和学会と申しますのは、研究者や学者など専門に研究している人たちが研究の成果を交換し合う、そして議論し合うための催しでございまして、それに対して博覧会というのは、一般の人が自由にその成果に触れることのできる機会を与える催しと見ていいと思います。
 私としましては、戦争と平和の研究というのが近年非常に発達しておりまして、それをヨーロッパで軍縮が進んでおりますけれども、アジア太平洋地域では軍縮がまだ十分に進んでいないと。それはアジアでは民族的あるいは宗教的な対立が表面化してきているという点にも一つの原因がありますので、そのような観点を踏まえてアジア太平洋地域の国際的な研究者たちを一堂に会してもらって、そこで議論していただくという考えを国際平和杜構想の中身の一つとして位置づけておりまして、それを踏まえまして国際平和博覧会といったような研究者たちの研究の成果が一般の人に共有されるような、そういう機会を与える意味で国際平和博覧会というようなものも催したいと、これは将来的な問題でございまして、今すぐということではございません。
 ほかの問題につきましては担当部局からお答えさせますので、よろしくお願いいたします。
○議長(儀間光男君) 総務部長。
   〔総務部長 山城正栄君登壇〕
○総務部長(山城正栄君) 再質問にお答えいたします。
 まず1点目は、自衛隊の不発弾処理との関連でございますが、処理隊とのつながりで、陸上における処理は陸上自衛隊第1混成団特別不発弾処理隊が、水中における処理につきましては海上自衛隊沖縄基地隊水中処分隊が行っております。
 それと不発弾処理との関連で感謝状を出す考えがあるかという趣旨の御質問でございますが、処理の達成記念、例えば何百トンあるいは何千トン処理した場合につきましては、周期的にある時点を区切って感謝状を出しております。今後、どういう形で感謝状を出すかにつきましても検討をさせていただきたいというふうに考えております。
 それと、憲法の国会が最高機関であるという文言が不適切ではないかと。
 先ほど知事から御答弁申し上げたとおりで理解をしているわけですが、基本的には国会が他の機関との関連で法的な意味で優越したりあるいは上位にあるという形での、あるいはまた行政、内閣なり司法が国会に従属する地位にあると、こういう観点からはやはり法的には優越性はないという考え方でございまして、これは近代国家における立法あるいはまた法治国家における当然の原理でございまして、現在の憲法も基本的にはそれを踏襲しておりまして、三権相互の抑制と、あるいは均衡を図るという観点からでございます。
 しかしながら、法律をつくるのが国会の権能でもありまして、法律による行政、法律による司法の、あるいは裁判という形では当然裁判所なり、あるいはまた内閣は国会に法律の枠内で拘束される、そういう面からは当然優位性があるということでございます。
 基本的にはそういう観点から、国会が国権の最高機関であるという文言の妥当性は別にいたしまして、憲法の基本的な趣旨は直接国会が国民から選ばれてその権能を果たしているということに帰結するんじゃないかと、こういうふうに理解をいたしております。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 振興開発室長。
   〔振興開発室長 与那嶺敏光君登壇〕
○振興開発室長(与那嶺敏光君) 中城湾港新港地区の埋立工事はまだ砂不足があると聞いておるが、本当に砂不足はクリアしたかという再質問にお答えいたします。
 平成4年度分の工事は予定どおり進捗しており、工程上支障はございません。
○議長(儀間光男君) 高江洲義政君。
   〔高江洲義政君登壇〕
○高江洲義政君 自衛隊への感謝状の件でございますが、これは何百トンとか何千トンとか記念して贈る場合があるという御答弁でございます。大田知事さんになってから感謝状を贈ったことがございますか。
 また、これは不発弾の処理のみならず、救急患者の輸送だとか、それで先島で犠牲になった自衛隊員もいるわけでございますから、そういうことでは沖縄県民の命と暮らしを本当に守ってくれているということが言えると思います。そういう意味では、重要な案件を処理したときとか、そういう場合に感謝状を贈る必要があるのではないかと、このように考えますが、いかがでございますか。
 それから、どうも平和をつけたら何にでも通用するような感じでございますが、あの基本政策の中で平和学会と平和博覧会、これは平和祭と関連あるかと聞いたら関連あるような御答弁でもありますが、いつやるかは決めていないと、こういう御答弁でございます。めどもないんですか。
 それから憲法については、草案についてはどこのだれがつくって日本に押しつけたものかよくおわかりだと思います。占領軍であるマッカーサーが押しつけたものなんです。三権分立ということからして、私はあの文言の使い方、国会が国権の最高機関であると定義するのは間違いだと、このように考えます。
 それからコンドームの設置でちょっと2回目聞き忘れましたが、これは沖縄県の方で2件設置されているということでございますが、たしかそれは保健所の許可も要るわけですよね。あるいは聞くところによると、たばこの自動販売機で売っているということも聞きますが、実際はどうなっておりますか。
 以上お伺いいたします。
○議長(儀間光男君) 大田卸事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 再質問にお答えいたします。
 自衛隊への感謝状の問題でございますが、平成3年9月に贈呈してございます。
 御提言のように、沖縄の人たちの人命を助ける上で大変お世話になっておりますので、そのためには感謝の気持ちを込めて今後とも贈呈するべきときにはきちっと贈星したいと考えております。
 それから平和博覧会についていつごろやるのかという御趣旨の御質問にお答えいたしますと、現在その平和の杜構想の中で「平和の礎」の問題とか、あるいは平和祈念資料館の改築の問題等が中心になっておりまして、そういう問題の目鼻がつきますと、できるだけ早い時期に平和国際学会とかあるいは博覧会の開催への取り組みもやっていきたいと考えております。
○議長(儀間光男君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 砂川恵徹君登壇〕
○環境保健部長(砂川恵徹君) コンドームの自動販売機についてお答えをいたします。
 コンドームの自動販売機については、設置要綱が定められておりまして、保健所等の許可は必要ございません。届け出ということになりますが、指導要領に基づいて御指導あるいは御相談を申し上げるということになるわけでありますが、現在2カ所に設置されておりますが、一応その薬事法による業者というんですか、業者が行っておりまして、現在の届け出されているものはたばこの販売機と一緒のものでございます。

○議長(儀間光男君) 新垣哲司君。
   〔新垣哲司君登壇〕
○新垣哲司君 一般質問を行います。
 1点目に、全国植樹祭について。
 沖縄県は、復帰20周年記念事業に位置づけして第44回全国植樹祭を県民総参加のもとに成功させるために今準備が進められているところであります。
 沖縄県は、さきの大戦で国内唯一の地上戦が行われ、最後の激戦地となって緑がなくなった。しかしいまだに消滅した緑の復元が見られず、これを機会に植樹祭をするのは意義深いことだと思うわけでございます。
 また、この地が県民の多くが亡くなった跡からしても、常に戦没者が祭られている場所からしても、緑と平和への思いを発信する地にふさわしいことと考えます。
 そのことからしても、4月25日に行われる全国植樹祭が123万県民の主役になって成功させて、私たちの子や孫、子々孫々まで歴史に残ることを期待するものであります。
 大田知事におかれましては、この全国植樹祭を成功させる意味から日夜御奮闘していることに対しましては私は敬意を表するところでございます。
 それでは質問に入ります。
 1点目、国土緑化推進機構事業運営要綱に基づいて、天皇・皇后両陛下をお迎えして行う式典には日本の国旗日の丸、大会旗を県旗とともに掲揚して我が国歌を斉唱するものと思いますが、知事の御所見を願います。
 2点目に、県民の多くが天皇陛下万歳三唱を望んでいるが、県民の立場に立って実施する考えがあるのかないのか、お伺いします。
 3点目に、警備、歓迎、装飾も簡素化にと言っていますが、具体的にどういう内容、形式になるのか、県民にわかりやすく説明をしていただきたい。
 警備が過剰にならないようにと言っていますが、本当にそれでいいのか、万全を期しているのか、伺いたい。
 5点目に、知事は過激極左暴力集団が言っている天皇陛下訪沖阻止についてどのように思いますか、伺いたい。
 6点目に、知事は沿道の奉迎する県民は多い方がいいのか、少ない方がいいのか、どうでもいいのか、知事の考え方をお聞かせください。
 7番目、宮内庁、国土緑化推進機構や政府からも植樹祭の打ち合わせのため知事室を訪れると思いますが、知事室は日の丸を掲揚してあるか、日ごろはどういうふうになっているのか、お伺いします。
 8点目、知事は御自分が知事のときに天皇・皇后両陛下をお迎えすることについてどのように思われますか、感想をお聞かせください。
 9点目に、天皇・皇后は国民から敬愛されていると考えておりますが、知事はどうお考えでしょうか、伺います。
 10点目、天皇・皇后に我が県を御理解いただくために、沖縄県のどの面を特にごらんになっていただきたいと考えておられますか、お伺いします。
 次に、2番目の東シナ海威嚇発砲事件についてお伺いいたします。
 密輸船取り締まりの名目で海軍力増強など海洋進出の顕著な動きが東南アジアを初め近隣諸国の脅威となりつつある中国が、東シナ海の公海上である沖縄本島や尖閣諸島沖で日本漁船などに対して威嚇発射や臨検、追跡などの国際法違反事件を繰り返している実態が明らかになった。
 これら中国船は、国旗を掲げず、密輸船の取り締まりを名目に他国船を排除する動きに出ており、違法行為は確認されただけでここ3年間で59件に上っている。これまで日本船の人的被害はないが、中国は昨年2月、日本と領土を争っている尖閣諸島を自国領土と規定する、大陸棚が広がる東シナ海の大半を自国の経済水域とする領海法を施行しており、同法の既成事実化などのねらいもあると言われておる。
 海上保安庁は巡視船3隻で警戒体制を強化、2月3日に停船させた約160トンの中国船には浙江省という中国の港湾管理所の身分証明を持つ制服警官が乗り込んでいたとのこと。中国の税関職員、警官は自動小銃やピストルを持ち、沖縄西方の海域は外国船と中国密輸船の積み荷の受け渡し場所となっており、取り締まりのための漁船を雇っているというふうに言われております。日本船を中国密輸船と取り違え、停船させるために威嚇発射をしたもので申しわけないとただの平謝りしただけでというふうに聞いております。今後は、事件の再発防止のための沖縄の第11管区海上保安本部と中国の現地当局とのホットラインの開設が急務であると思われます。
 そこで質問をいたします。
 沖縄県は、漁民の安全操業のためにどのような対策を講じているのか、御説明を賜りたいと思います。
 2番目に、県は漁民の安全操業のために海上保安庁とどのような連携をとっているか、御説明を賜ります。
 3番目は、1、2番と関連しますので取り下げたいと思います。
 4番目、知事はこの事件について中国政府や関係当局に申し入れたことがございますか、お伺いします。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 新垣哲司議員の御質問にお答えいたします。
 全国植樹祭との関連で、式典には国旗を大会旗、県旗とともに掲揚して国歌を斉唱するものと思うが知事の所見を伺いたいという御質問にお答えいたします。
 第44回全国植樹祭の式典につきましては、国土緑化推進機構事業運営要綱に従って慣例どおりに実施したいと考えております。
 それから2番目の、県民の多くが天皇陛下万歳三唱を望んでいるが、県民の立場に立って実施する考えがあるのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 第44回全国植樹祭は、去る1月29日、国土緑化推進機構の全国植樹祭特別委員会において承認された第44回全国植樹祭実施計画に基づいて実施することにしておりますので、御理解と御協力を賜りたいと思います。
 それから、同じく全国植樹祭との関連で、歓迎装飾を簡素化にと言っているが、具体的にどういう内容、形式になるのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 全国植樹祭会場の歓迎装飾につきましては、招待者の方々を温かく迎えるため式典所、特別招待者席を中心に南国沖縄らしい飾花――これは飾り花のことでございますが――を施すとともに、会場後方には花で彩ったシンボルマーク飾花等を行います。
 また、沿道、街頭の歓迎装飾につきましては、県庁、空港に歓迎広告塔や看板を設置するほか、会場周辺の県道魂魄之塔線及び市道喜屋武山城線に飾花プランターを設置することとしております。
 それから、警備が過剰にならないようにと言っているがそれでいいかと、万全を期しているのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 警備につきましては、警察本部長に万全を期していただくようお願いをしているところでございますが、もちろん我々といたしましても万全を期してまいりたいと考えております。
 それから、知事は過激極左暴力団が言っている天皇陛下訪沖阻止についてどのように思うかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 両陛下の沖縄御訪問が実現し、滞在中の御日程がつつがなく終えられるよう万全を期したいと考えております。
 それから、同じく全国植樹祭との関連で、知事は沿道の奉迎する県民は多い方がいいのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 両陛下の奉送迎は、各自の自主的な判断で行われるものでありますので、御理解を賜りたいと思います。
 それから、知事室では日ごろ日の丸を掲揚しているかという御質問にお答えいたします。
 知事室では、日ごろ日の丸は掲揚しておりません。
 それから、同じく全国植樹祭との関連で、知事は自分が知事のときに両陛下をお迎えすることについてどう思うかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 両陛下には、全国植樹祭への御臨席と県内御視察のため御来県いただけるようお願い申し上げているところであります。私としましては、御来県の折には行政の責任者として歓迎申し上げたいと思っております。
 それから、全国植樹祭との関連で、天皇・皇后は国民から敬愛されていると思うが知事はどう考えるかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 天皇・皇后両陛下は、国民とも親しく接しておられるのではないかと認識しております。

 それから、同じく全国植樹祭との関連で、天皇・皇后に我が県を御理解いただくために沖縄のどの面を特にごらんになっていただきたいと考えているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 全国植樹祭の式典への御臨席をいただく折に、復元なった首里城正殿を初め沖縄の歴史、文化的な側面が御理解いただける部面について触れていただきたいと考えております。
 それから、東シナ海の威嚇発砲事件について、県は漁船や漁民の安全策をどのように講じているかと、海上保安庁とどのように連絡をとり合っているかと、漁船との通信については対策を講じているかと、それから知事はこの事件について中国政府や関係当局に申し入れをしたことがあるかという趣旨の御質問に一括してお答えさせていただきます。
 漁船の安全対策につきましては、海上保安庁、沖縄総合事務局、水産団体等と協議し、平成4年3月19日に尖閣諸島周辺海域を対象とした漁業情報連絡体制を確立し、県内漁業関係者に再三にわたり注意を喚起したところであります。
 また、海上保安庁との連絡につきましては、県漁業無線局を通して情報の収集、交換等連携をとり合っております。
 さらに、漁船との通信体制につきましては、異常事態が発生した場合は緊急無線により県漁業無線局、水産庁の漁業取締船及び海上保安庁の巡視船と連絡をとるよう指導しております。
 なお、国に対しましては、当該海域における漁船の安全操業の確保について再三にわたり要望し、その結果、外務省は中国政府に対し強く申し入れをし、水産庁は従来の漁業取締船1隻に加え、臨時に1隻を当該海域に配備し、漁船の安全操業の確保に努めているところであります。
 なお、具体的に申しますと、平成5年1月12日に沖縄開発庁の北長官に対して県知事から要請しております。さらに同年1月18日には参議院決算委員会へ県知事から要請しております。それから、同じく平成5年の1月26日には水産庁の沖合課長へ県漁政課長が口頭で要請しております。それから、2月4日には外務省の中国課首席事務官へ知事公室長から口頭で要請しております。それから同じく、2月12日には水産庁へ県農林水産部長が口頭で要請しておりますが、今後とも事件の防止に向けて関係当局へ強く要請してまいる考えでございます。
 なお、ほかの御質問につきましてはお許しを得て関係部局長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
○議長(儀間光男君) 警察本部長。
   〔警察本部長 佐野智則君登壇〕
○警察本部長(佐野智則君) 警備体制をめぐる御質問についてお答えいたします。
 今回の植樹祭をめぐりましては、警備情勢、とりわけ極左暴力集団の動向には極めて厳しいものがございまして、警察といたしましては警備の万全を期すため諸準備を進めているところであります。
 御質問にございました警備の簡素化云々というのは新聞記事の見出しであったように承知しておりますが、警察といたしましてそのような内容での発表を行ったものではないことをまず御理解いただきたいと思います。
 そもそも整備体制というのは、極左の動向等も含めた各般の情勢によってその対応が変わってくるものでございまして、警備情勢の分析を抜きにして簡素化云々が論議されるようなものではございません。
 今回のような状況下では、これら極左暴力集団のゲリラ活動や妨害行動を防止し、植樹祭が円滑かつ平穏裏に開催されることや、天皇・皇后両陛下を初め県内外からの多くの大会参加者の安全確保を図るため交通規制あるいは警戒警備のための必要な措置をとることとしておりまして、県民に不必要な負担をかけることがないよう配慮しながら各種の準備業務を進めているところであります。
 いずれにいたしましても、警察がその責務を十分果たすためには県民の皆様の御理解、御協力が必要不可欠でございます。今後ともよろしく御支援、御協力をお願い申し上げたいと思います。
○議長(儀間光男君) 新垣哲司君。
   〔新垣哲司君登壇〕
○新垣哲司君 まず1点目の、式典には国旗、大会旗、県旗とともに掲揚し国歌を斉唱すると思いますが、知事はどう思いますかという質問をいたしたわけでございますが、特に私たちが小学校の低学年のころでございます、学校の教職員から祝祭日は日の丸を掲げて、そしてまた政府から偉い方々が来たときにはひめゆりの塔に小旗を振って歓迎をするというような教えをされたのがいまだに記憶に残っているところでございます。そういうことで当時は学校の先生も非常に日の丸については関心を持っていたわけでございますが、最近になって一部の先生がそれに心ないような方もいるというのは事実でございます。
 同時に、復帰20周年のときにもやはり教職員の方々も日の丸を掲げて、あるいは鉢巻きして復帰準備を整えたということは私たちも記憶に新しいわけでございます。
 ここにも本にもございますが、歴史の真相をそそぐ、君が代と日の丸、沖縄ということで学校の教職員の先生方が日の丸をしております。(資料を掲示)こういう本もあります。
 そして知事へ、政治家でございますが、沖縄県の行政のトップとして、以前は学者でございました。私たち、知事もやっばり教鞭を学校でとっていたわけでございますが、知事におかれましては、私は学生に対しましては日の丸の押しつけはやらなかったでしょうというふうに思うわけでございますが、しかし当時のことを思い出して、復帰のことを思い出した場合には、そういう生徒に日の丸の、いわゆる歓迎して復帰をしようというようなことについても知事はやった覚えがございますかどうか、その辺も伺いたいと思います。
 それから先ほどの答弁はちょっと物足りないですね。
 私は、さきの答弁については、何といってもさきのマスコミ等からもあったように4者協ですか、それに気配ったような答弁ではないかというふうに非常に残念に思うわけでございます。再度ここに、知事が先ほど言われたように国土緑化推進機構事業運営要綱に従ってやるということをおっしゃっております。これについて詳しくですね、この国土緑化推進機構事業運営要綱というのがどういうものであるか、ひとつ御説明を願いたいというふうに思います。
 2点目に、県民の多くが天皇陛下万歳三唱を望んでいるが、県民の立場に立って実施する考えはないかということについてでございますが、万歳三唱というのは常日ごろから喜びによく使われます。これは与党の先生方やあるいは野党の先生方でも、特に選挙に当選した場合には万歳は三唱します。そしてまた当選回数が多いほどよくやるというふうに言われております。したがいまして、そこに天皇陛下万歳を入れるかと、それだけのことでございます。
 そういう意味からいたしまして、ぜひですね、このたびの式典において知事におかれましては、この万歳は県民からも多くの要望がございますので、再度検討していただけませんかということをお伺いいたします。
 去る1月の29日の国土緑化推進機構の全国植樹祭特別委員会において承認されたというふうな御答弁がございました。承認されたことというのは、何をあらわしているのかひとつわかりやすいようにですね、御答弁をお願いしたいというふうに思います。
 3点目の警備についてでございます。あるいは歓迎装飾も簡素化というようなことがございましたが、先ほど警察本部長から答弁がございました。大変わかりやすい答弁でございました。
 私がなぜそういうことを質問していますかというと、これは新聞記事に警備も簡素化というようなこういう記事が記載されておりました。本当に警備に簡素化というようなことが言えるかどうかですね、大変疑問なところでございましたので、知事も先ほどの答弁の内容によりますと一緒に頑張っていく程度にとどまっていますが、できるのであればもう少し知事もその点に力をいれるところは入れるというような形の御答弁ができないのかどうか、ひとつお願いしたいと思います。
 4番目に、警備が過剰にならないようにということでございますが、警備に過剰ということはございません。何の警備においても万全を尽くすというのが警備でございまして、備えあれば憂いなしの一言でございます。

 そういう意味で、ひとつ一番この植樹祭において大事なことは警備でございますので、私は今県民もですね、やっばり自主的にこの奉迎のあり方についても、あるいはまた警備についても、安全協力隊ということで自主的にやっている市町村がたくさんございます。そういう意味で、行政からもできるならばそういう形の運動を展開をしていただければありがたいと思いますが、それについてどう思いますか。
 それから5番目、極左暴力団についてでございますが、この実態、いわゆる県内の極左暴力集団という実態がこのパンフレットにありますが、(資料を掲示) 知事はこれを見たことがございますかね。後で見てなければ差し上げたいと思うんですが、この実態を見た場合には本当に怖いですね。ロケット砲弾というんですか、これが真っすぐな距離だというふうに言われておりますが、4キロも飛ぶと。そして今回の第44回の全国植樹祭の現地のある糸満市は、四方八方8キロぐらいしかないんですよ。だから中間地点からどこからでもこのロケット砲弾を飛ばした場合にはですね、会場に届くという大変危険なことでございます。
 そういう意味で、先ほどの警備の関連からいたしましても、いかに警備が大事であるかということを思うわけでございます。そういうことで万全を期していただきたいというふうに思います。
 残念なことに知事室に日の丸がないというようなことでございました。私は、やはりこれから全国植樹祭に向けていろんな政府やあるいは宮内庁、関係当局が知事室を訪れると思うんですよ。そういうやさきに日の丸がないということは非常に寂しい感じがするし、そしてまたこの植樹祭を成功させる意味からもぜひ知事の真心、意思でもってこれから残された50何日間でございますので、掲揚をさせていただきたいというふうに切にこれはお願いでございます。
 質問を終わります。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 新垣議員の再質問にお答えいたします。
 まず最初の、式典には国旗を大会旗、県旗とともに掲揚して国歌を斉唱するものと思うがという趣旨の御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、第44回全国植樹祭の式典につきましては国土緑化推進機構事業運営要綱に従って慣例どおりに実施したいと考えております。
 なお、そのこととの関連で、私が教職にあるときに日の丸の問題について指示したことがあるかという趣旨の御質問がございましたけれども、私はそういう研究者として研究することはありましたけれども、自分が指示する立場にはございませんでしたので、掲げよとか掲げるなとかというふうに指示したことはございません。
 それから、万歳三唱の問題についてでございますけれども、これも先ほど申し上げましたように、今度の植樹祭についてどのような内容のものにするかということにつきましては、第44回全国植樹祭についての去る1月29日に衆議院議長が座長となりまして国土緑化推進機構の全国植樹祭特別委員会が開かれまして、そこで第44回全国植樹祭実施計画に基づいて実施することが決定しておりますので、御理解いただきたいと思います。
 それから警備についてでございますけれども、これは先ほどお答えしたとおりに万全を期していきたいと考えております。
 なお、足りない部分については担当部局長から補足させますので、お許しいただきたいと思います。
○議長(儀間光男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 赤嶺 勇君登壇〕
○農林水産部長(赤嶺 勇君) 新垣議員の再質問についてお答えいたします。
 まず運営要綱とはどういうものなのかというふうなことでございますけれども、運営要綱につきましては国土緑化運動の一環としてこれは毎年全国行事として行うというふうな意味での国土緑化推進機構事業運営要綱と、こういうふうなことになっております。中身といたしましては、その全国植樹祭の開催及び運営は別に定める全国植樹祭運営要領によってやりますと、こういうふうなことになっております。
 その中で特に国旗あるいはまた県旗等の掲揚につきましては、その要領によりまして「全国植樹祭の標章には、機構の会旗を用いることとし、全国植樹祭開催当日、国旗、県旗とともに掲揚するものとする。」というふうなことで、要綱と要領の中で国旗ないしは県旗の取り扱いがうたわれてございます。
 それから全国植樹祭実施計画でございますけれども、これにつきましてはいつ承認されたかというふうなことでございますが、1月29日に国土緑化推進機構で承認されてございます。
 以上でございます。
○新垣哲司君 ちょっと休憩願います。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
   午前11時32分休憩
   午前11時32分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
 西銘恒三郎君。
   〔西銘恒三郎君登壇〕
○西銘恒三郎君 一般質問を行います。
 まず、観光産業に対する取り組み姿勢から伺います。
 まず初めに、少々耳の痛い話でありますが、大手旅行代理店首都圏営業本部での生の声からお聞きいただきたいと思います。
 以前の大河ドラマ「翔ぶが如く」のときは、舞台となった鹿児島県からの働きかけが活発で、各エージェントもその熱意に動かされてキャンペーンを張り、かなりの人数を送ることができた。今回の「琉球の風」ではそういう動きが全然見られず、本土での露出度は極めて低い。沖縄は北海道と並ぶ国内の2大観光地の1つであるにもかかわらず、観光に取り組む地域としての姿勢には大きな開きがある。個々の企業のセールスは非常に熱心だが、沖縄県全体として観光客を誘致するという活動がほとんど見受けられないのはどういうことか。観光連盟、県観光文化局、市町村の観光協会が脈絡も方向性もなくばらばらで活動している現状では、全く自己満足にしかすぎず、観光客誘致にとても効果があるとは思えない。国内では北海道、東京ディズニーランド、長崎ハウステンボス、北九州スペースワールド等のセットコース等の観光地が強力なライバルとなり、海外では極端な格安航空券のはんらんに伴い、ハワイ4泊5日7万円台とか10万円台のヨーロッパとか信じられないような厳しい価格競争の中で沖縄を売っていかなければならないのに、復帰20周年首里城復元、大河ドラマ「琉球の風」とせっかくの話題に事欠かない年にそれを全然生かしきれていないという非常に歯がゆい思いをしている。
 以上がその声であります。この声は昨年の10月に収録されております。
 同じころ昨年の9月28日には「琉球の風」観光キャンペーン推進協議会が設立されております。県知事が会長に就任をしております。県からの負担金も9500万円程度出ているようでございます。
我が党では去る2月22日、観光業界の生の声を聞く会を計画しました。出席者は、ホテル業から5名、土産品業から4名、旅行社3名の合計12名であります。各人それぞれ第一線で頑張っており、課長や所長さん、あるいは次長、部長、常務といった構成でございます。彼らの声を聞いておりますと、「琉球の風」が8月に終わると、沖縄観光にとっては逆風のアゲンストの風になるのではないかと非常な危機感を持っております。
 そこで知事にお伺いします。
 沖縄観光を取り巻く国内、国外の環境は極めて厳しいと予想されますが、知事の所信表明では観光関連等を中心に堅調に推移すると見込んでおるようでございます。その根拠は何でしょうか、お伺いします。
 第2点、知事は「琉球の風」観光キャンペーン推進協議会の会長として、沖縄に観光客を送り込むために商品開発をしている航空会社や、あるいは旅行代理店を訪問してみずから沖縄のPRをしたことはありますか、お伺いいたします。
 次に、訪米についてお伺いします。
 知事は、平成3年7月に続き平成5年度もワシントンDCを訪問し、米国政府に対して基地の返還を訴えるつもりのようであります。
 去る1月25日から開かれました決算特別委員会では、知事の訪米にかかる総費用が約1000万円という答弁がありました。これだけの費用をかけたにしては、第1回目の訪米は明らかに準備不足でありました。外交権のない県知事の訪米でありますから、用意周到に日本政府の外務省や防衛施設庁の高官たちときめ細かく事前の調整を徹底的にするべきであります。ところが、知事御自身の政治姿勢が国の政策に真っ向から対立するために困難な状況になるわけであります。

 第2回目の訪米に当たって、米国で面会できる人が未確定のままであったり、あるいは日程がころころ変わることのないよう十分な調整を強く要望しておきます。
 知事、あたたは第1回目の訪米を終えた記者会見で、何百回でも訪米したい旨の発言をしております。真剣に、現実的に基地問題の解決を図ろうと考えるのであれば、何百回も足を運ぶべき場所は米国政府ではなく東京にある日本政府なのであります。
 そこでお伺いします。
 第1点、ワシントンDCの情報収集の委託費は今回の訪米ではどのような形で生かされるのでしょうか、その成果についてお伺いします。
 第2点、今回の予算の中に、基地関係予算の中で広告費が679万円新たに設けられて計上されているようでありますが、何をどのように広告するのでしょうか、お伺いいたします。
 第3点、第1回目の訪米でニューヨークタイムズ社の編集委員から、知事はどのような指摘を受けましたか、お伺いします。
 次に、基地内県有地について伺います。
 米軍基地内の県有地は、所有者不明の県管理地や自衛隊内の県有地も含めると平成4年度でその軍用地料は4億6000万円となっております。
 この金額は、知事が常々主張しているように自主財源の乏しい本県の財政にとっては極めて安定した財源であります。そうであるからこそ復帰直後の昭和48年から平成3年に至る19年間も当初予算に計上されてきたのであります。
 ところが、昨年平成4年度は、知事、あたたの政治決断のおくれによって本県の財政史上20年目にして初めて当初予算に歳入計上されないという事態になったのであります。その政治姿勢は、3月1日今日に至るも国との契約関係において極めてぎくしゃくした状況をつくり出しております。この政治姿勢は、知事みずから主張する自主財源の確保という点でも自己矛盾をしていると指摘せざるを得ません。4億6000万円の財源があれば46億円の公共事業が可能となるからであります。
 さて、平成5年度の当初予算では、知事は、昨年とかわってこの軍用地料を歳入に計上しました。ところが自主財源となっているこの4億6000万円の軍用地料のうち、2億7000万円に相当する県有地について知事は国に対して返還要請を行っております。
 知事は、自主財源の確保が本県の大きな課題であると主張をしながら、2億7000万円の軍用地料にかわる土地の有効利用のめどもないままに土地の返還を求めております。このことは、行政運営上も一貫性に欠けていると指摘せざるを得ません。
 そこでお伺いします。
 このような返還要請をする場合は、毎年確実に入る財源に見合うように県民の利益となる具体的な跡利用計画がなければならないと考えますが、知事の御所見をお伺いします。
 第2点、公告縦覧の後強制使用の手続によって裁決の対象となった地主は何人で、その土地の使用期間は何年でしょうか、お伺いします。
 終わりに、代表質問との関連で、石垣空港の点で1点お伺いします。
 石垣市長、石垣市議会、石垣市農業委員会、これら3点セットの同意がなければ今回予算に計上した調査費は執行しないと考えてよろしいでしょうか、知事の御所見をお伺いします。
 残り、答弁によって再質問を行います。
○議長(儀間光男君) ただいまの西銘恒三郎君
の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので、午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時44分休憩
   午後1時20分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
 午前の西銘恒三郎君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 西銘恒三郎議員の御質問にお答えいたします。
 まず、知事は所信表明の中で沖縄観光は堅調に推移すると見込んでいるがその根拠は何かという趣旨の御質問でございます。
 平成5年の本県への入域観光客数につきましては、NHKの大河ドラマ「琉球の風」の放映による宣伝効果や、首里城公園の開園等により全国的に本県の歴史、文化等への関心が高まっていることなどから、厳しい中にも努力目標として昨年とほぼ同じ伸び率4.7%増の330万人を設定いたしたところでございます。
 これは、国内の主要な航空会社、旅行代理店等のヒアリング結果と、経済見通し及び県内における宿泊施設の増加等を参考にして設定したものでありますが、この努力目標を達成するためには、行政の努力はもとより関係業界の御尽力、県民各位の一層の御協力が必要と考えております。
 それから、知事は「琉球の風」観光キャンペーン推進協議会の会長として、みずからPRに努めたことはあるのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 御承知のとおり、昨年9月には「琉球の風」観光キャンペーン推進協議会を設立したところでありますが、私は県観光連盟並びに当推進協議会の会長を初め多くの観光関係団体の長の職にあって、各航空会社、旅行代理店を初め関係者の皆様とは機会あるごとに本県の観光に関する情報交換を行うとともに、観光客の誘致に向けての積極的な支援をお願いしているところであります。
 私個人が今力を入れておりますことの一つには、国際ターミナルビルが狭いということで大分不満が高まっておりましたので、そこの国関係の職員から実情を聞くとともに、一部建物の所有者である企業の社長さんにもお会いしまして、県としてはその不満の解消に努めたいので御協力をお願いしたいということで話し合いを続けているところでございます。
 それから、前回の知事訪米においてニューヨークタイムズの記者から知事はどのような指摘を受けたかという御質問でございますが、前回の訪米でお会いしたニューヨークタイムズのシーガル編集委員は、沖縄の基地問題は基本的には日本の国内問題であるというコメントを述べていましたけれども、しかし米国政府に対し繰り返し訴えることは重要であるという趣旨の発言もしております。御承知のように、ニューヨークタイムズはアメリカを代表するような新聞でございますから、当然基本的にはアメリカの利益になるようなことを考えているわけでございます。
 前回にもちょっと触れさせていただいたんですが、この件に関連しましては前駐日大使のマンスフィールドさんも、基地の問題については当事者であるアメリカ側にじかに訴えることも非常に大切であるという形で、ある種の激励をしていただきました。
 私は、基地問題の解決は日米両国の合意によってできるものだと認識しておりますけれども、しかし現実的に基地被害が起こった場合には、その一方の当事者である、つまりここでは演習をじかにやっているアメリカ側に対して行政の貴任者として事あるごとに問題の解決を訴えるのはやるべきことだと理解しております。
 それから、米軍基地内県有地との関連で、返還要請をする場合は毎年確実に入る財源に見合うような県民の利益となる具体的な跡利用計画がなければならないと考えるが知事の見解を聞きたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
 御指摘のとおり、県の自主財源をふやすということは私にとりましては非常に重要な課題の一つでございますが、基地問題につきましてはいろんな角度から検討してまいる必要があると思います。
 今回の返還要望県有地に対する跡利用計画につきましては、農業用ダムや道路等に供されている行政財産が約13ヘクタールもあり、これらは公用または公共の用に供されているところから引き続き行政財産としての跡利用をするものであります。
 また793ヘクタールの普通財産につきましては、森林資源の有効活用を図るため計画的な森林施業を展開するとともに、試験研究林として積極的な利活用を図るほか、水源涵養保安林としての機能強化を図ってまいりたいと考えております。
 返還が合意されている那覇港湾施設と恩納通信所内に約4ヘクタールの県有地がありますが、那覇港湾施設については那覇市がレクリエーション・ポートゾーン、居住ゾーン、国際交流ゾーン等を内容とする跡利用計画の策定を検討しており、また恩納通信所については恩納村が平成3年3月に跡利用計画を策定しておりますので、これらの跡利用計画との整合性を図ってまいりたいと考えております。

 それから、新石垣空港問題との関連で、石垣市長、市議会、市農業委員会の同意がなければ予算計上した調査費は執行しないのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 調査費の予算につきましては、航空需要予測や施設規模算定等の基本計画を策定し、また環境現況調査、気象観測、地形測量等を実施することによって、これまでに提起されてきた赤土流出対策や風の影響等の検討にも資するものであり、これらの調査等を踏まえながら基本設計を実施するものであります。
 この調査の実施に当たっては、石垣市長を初め地元の理解を求めつつ円滑な執行ができるように条件整備を図っていきたいと考えております。
○議長(儀間光男君) 知事公室長。
   〔知事公室長 高山朝光君登壇〕
○知事公室長(高山朝光君) 西銘恒三郎議員の御質問にお答えをいたします。
 ワシントンDCでの情報収集委託費は今回の訪米ではどのような形で生かされるのか、その成果について伺いたいとの御質問にお答えをいたします。
 ワシントンにおける基地関係の情報収集委託事業は、米国の国防政策等を中心とした基地関係情報を収集活用することにより、本県の基地問題の解決に資することを目的として実施をいたしております。同事業により、例えば米国政府の国際政策や極東戦略等に関する資料や情報など国内ではなかなか得がたいものが入手されるので、県が基地対策を推進する上での効果は大きなものがあると考えております。
 県といたしましては、今回の訪米に当たってこれらの資料や情報を最大限に活用してまいりたいと考えております。
 次に、今回の基地関係予算の中には広告費の679万円が新設計上されているが、何をどのように広告するのかとの御質問にお答えいたします。
 沖縄の基地問題の解決促進を図るには、米国政府や議会関係者を初め広く米国民に対し沖縄の基地問題の実情を訴えていくことが重要であると考えております。
 御承知のように、米国においては現在海外基地を含む軍備の削減が国民的な関心事になっており、クリントン政権の政策とあわせ今後沖縄の米軍基地の態様にも何らかの変化が出てくるものではないかと考えられます。
 このようなことから、本県の基地問題の解決を一歩でも前進させるには、基地の実情と県民の切実な要望を米国の代表的な新聞により米国民にアピールし、基地の整理縮小に対する米国の世論の形成を図ることが必要であるとの考えから計上しております。御理解を賜りたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 大城義勝君登壇〕
○土木建築部長(大城義勝君) 米軍基地内県有地に関連して、公告縦覧後の強制使用手続によって裁決の対象となった土地所有者は何人で、土地の使用期間は何年かという御質問にお答えいたします。
 沖縄県収用委員会においては、平成4年2月12日に駐留軍用地使用裁決申請事件について裁決を行ったが、同裁決の対象となった土地所有者数は585人であります。また同裁決に係る土地の使用期間は、伊江島補助飛行場等13施設のうち12施設が5年、慶佐次通信所が3年となっております。
○議長(儀間光男君) 西銘恒三郎君。
   〔西銘恒三郎君登壇〕
○西銘恒三郎君 知事、観光に関してですけれども、私は航空会社や本土の大手の旅行代理店を知事みずからが訪問をして、沖縄に観光客を送っている直接の対象になりますので、みずから訪問をしてPRをしたことがありますかと聞いたわけでありますが、ちょっと答弁を聞いているとその辺があいまいだったような気がいたしますので、いま一度御答弁をお願いいたします。
 次に、訪米についてですけれども、広告費、今の答弁を聞いていますと恐らくニューヨークタイムズの新聞一面を使って広告をすると思うんですが、このようにマスコミの米国世論を動かしながら米国政府を動かしていくというような手法が、果たして行政の責任者としてどうなんだろうかと。行政同士で、責任者同士で知事が日本政府を動かし、日本政府が米国政府と交渉する中で動かしていく、それを報道していくというのがマスコミであって、知事の政治姿勢を見ているとマスコミを使って米国政府を動かしていくような姿勢に見えてきます。
 そのような新聞広告をするのであれば、知事は例えば天下の朝日新聞にそのような広告を出すような勇気がありますか。日本政府に直接乗り込んでひざ詰め談判をしながら、酒でも酌み交わしながら知事の情熱的な基地に対する姿勢を日本政府に強く訴えていくべきだと私は思っております。知事のこういうマスコミを動かしながらという点、政治姿勢をもう一度伺いたいと思います。
 次に、基地内県有地についてでございますが、矛盾点を私は感じております。
 まず第1点、去年の当初予算には計上しなかった。ことしは当初予算に計上してきたという点は、私は、知事も現実的な対応をするようになったなと、これは見ております。ですけれども、当初予算に計上しておりながら返還要請をしている、4億6000万円のうちの2億7000万円分については返してくれと施設局に要請をしております。これも1つ矛盾しているんじゃないかなと。
 といいますのは、私は何も返還要請することは否定をしません。この10施設を資料を細かく検討してみると、行政財産についてはそれでいいでしょう。当然行政財産としての使い方があるわけですから。ですけれども、北部の山林やあるいは那覇軍港用地内にある県有地の返還というのは、非常にみみっちいといいますか、全面返還を掲げる知事であれば、那覇軍港の返還は昭和49年の日米合同委員会で移設条件つきで決まっているわけです。それをわざわざその中にある部分的な県有地返還を要求することがどういう意味があるのか、私は全くわかりません。2億7000万円というものは、現実的に考えますと10倍の27億円の公共事業ができるという意味では県民への大きなサービスであり、知事が日ごろ言っている自主財源の大きな金額になるわけです。それと相矛盾するような形で返還要求をしている。
 返還要求することはいいんですけれども、もっと大胆な発想で、ああいうみみっちい細切れの返還をされたにしても2億7000万円に匹敵するような県民へのサービスを生み出すものとは到底私が調べた限りでは見えません。
 そういう意味では、日ごろみずからが主張する自主財源の確保ということと、2億7000万円に匹敵するような県民へのサービスの提供できるかという、この2つをはかりにかけて見てみると、県税の伸び率がゼロというようなこういう自主財源の厳しい折、現実的な対応をするのであればそういうみみっちい返還要請はやめていただきたいと思います。
 第3番目の矛盾ですけれども、強制使用で585人に対して公告縦覧を代行して、実際強制使用に踏み切ったわけです。その585人の個人の地主に対しては、精神的な苦痛を彼らは受けたでしょう。
 一方、知事は県有地の地主としてこの細切れの返還要求をしていると。これも個人の地主に対しては強制使用の、知事がどう思っていたかは別にして、事実として公告縦覧代行に踏み切って使用裁決で5年間の期間であったわけですから、その個人地主に対して知事がやっている事実と、みずからが県有地の地主として返還要請をしている、これも私には矛盾に見えてしようがありません。御答弁をいただきたいと思います。
 第4点の矛盾は、今回返還要求をしているリストの中には自衛隊の基地の中にある県有地は含まれていない。これも知事の政治姿勢からするならば明らかに要求をすべきであろうと思います。この矛盾点はどうなっているのか、お伺いをしたいと思います。
 それから、先ほど平成4年度分の基地内県有地について、3月1日現時点まででも決着をしていないということを私は述べたわけですが、平成4年度分、3月31日までありますけれども、この分の4億6000万円の県有地料はもう収入済みになったんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○知事(大田昌秀君) 休憩願います。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
   午後1時40分休憩
   午後1時40分再開

○議長(儀間光男君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 西銘議員の再質問にお答えいたします。
 まず観光との関係で、知事みずから旅行業者とかそういうところを訪問して観光の振興について協力を求めたことがあるかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 私は、観光立県という面では観光問題については非常に重要視しておりまして、機会あるごとに庁内の観光関係の諸君ともいろいろと改善策について議論しておりますが、さきに韓国を訪問しましたときに、ソウルと那覇間の空路の開設について大韓航空会社とそれからアシアナ航空を訪問しましてお願いしました。これは私がじかにお願いしたことでございますが、その効果があったのか知りませんけれども航路が開設されておりますが、しかし韓国からこちらへ来るお客さんに対して、こちらから韓国を訪問するのが少ないということで、もっと力を入れようということを話しております。
 しかし、具体的に私が観光問題に力を入れている一例を申しますと、例えば沖縄の歴史、文化について韓国語で紹介しようということで現実にやっております。そういう意味で、私も積極的に取り組んでいるところでございますので、御理解いただきたいと思います。
 それから、訪米について広告費を使う、つまり世論に訴えるという手法についてはどうかという趣旨の御質問でございます。
 それよりも日本政府、朝日新聞とかそういうのに働きかけてはどうかということでございますが、日本政府のお偉方とは、西銘議員もおっしゃったように私は夕食をともにしながら率直に沖縄の実情についてお話申し上げて、ぜひ御理解いただきたいということで機会あるごとにお願いしております。また、朝日新聞に載っけることにつきましても、必要とあればやらせていただきたいと考えておりますが、ニューヨークタイムズというアメリカ側の方は、御承知のようにアメリカの政治というものは世論で動く政治だというふうに言われておりまして、ある特定の問題の解決について世論形成を図るというのが非常に重要でございます。そういった意味で、我々は基地問題の解決につきましてはあらゆる手法を講じて前進を図るように努力したいと、そういう意味でやっているところでございます。
 それから、米軍基地内の県有地の返還について、歳入計上しながら返還要求していることは矛盾しているのではないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 本県には、改めて申し上げるまでもなくて在日米軍専用施設の約75%が集中し、これらは計画的な土地利用を妨げるとともに、本県の振興開発を推進する上からも大きな制約となっているため、県としては基地問題を県政の最重要課題の一つとして位置づけて、これまでも国及び米国政府に対して基地の整理縮小を要望してきております。
 また、第3次振興開発計画の中においては、米軍施設・区域をできるだけ早期に整理縮小する、返還される米軍施設・区域に関しては地元の跡地利用に関する計画をも考慮しつつ可能な限り速やかに返還に努めると位置づけられており、今議会の知事提案説明においても「基地の全面返還を目指し、その整理縮小を促進するとともに、演習の激化や基地機能の強化に反対」する旨の御説明を申し上げたところであります。
 このような考え方に立って県有地の返還を要求したところであります。
 ここで一言つけ加えさせていただきますと、基地問題の解決は、今申し上げましたようにいろんな手法を講じてやらなくちゃなりませんで、ですからある場合には矛盾に見えるような、現実的に対応する場合に矛盾に見えるようなところもありますが、それは現実の厳しさの中で何とかして基地問題の解決の前進を図りたいということでいろんな手法を講じているところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
 なお、残りの御質問につきましては関係部長から答弁させますので、よろしくお願いします。
○議長(儀間光男君) 総務部長。
   〔総務部長 山城正栄君登壇〕
○総務部長(山城正栄君) 米軍基地内県有地との関連で3つほど質問がございますので、お答えいたします。
 まず1点目は、自主財源の確保との関連で矛盾がないかどうかということでございますが、御承知のとおり、これからの3次の沖縄振興開発計画あるいはまた新たな行政需要への対応につきましては、当然自主財源の確保が極めて重要でございます。こういう観点から、今後県税の徴収アップあるいはまた使用料手数料等の料率の適正化、さらには長期的には財源の涵養なり担税力の強化につながるような産業の振興、こういうのが長期的な自主財源の確保につながってこようかと思いますが、基地とのつながりでは先ほど知事からもお話がありましたように、御答弁申し上げましたように、やはり基本的な姿勢とのつながりでございまして、自主財源の確保はやはり財政的な観点から当然それ相当の努力なり今後の課題とし解決する必要があろうかと、基本的にはそういうことで考えてございます。
 あと1点目は、自衛隊施設用地に使用されている県有地は、今回の返還要望に含めたい理由はどういうことかという趣旨の御質問でございますが、自衛隊の施設用地は大体8.6ヘクタールぐらい県有地がございます。そのうちで私どもが今回入れなかった理由としては、1つには陸上自衛隊なり那覇訓練場内のモノレール関連道路が大体3.8ヘクタールございまして、これはモノレール関連道路が完成した時点で返還が予定をされているということと、あと1つには県道の26号線、137号、232号線あるいはまた農道等合わせまして約2.4ヘクタールございますが、これについても工事の拡幅等道路の整備が済んだ時点で返還ができるような状況にございますので、その点については今後道路の拡幅等とあわせて返還を要望してまいりたいと。
 最後には、陸上自衛隊とそれから那覇訓練場内の旧農業試験場跡地がございますが、これが大体2.4ヘクタールございます。それは国道沿いに面しまして一定のまとまった面積がございますので、これについては先ほども御答弁申し上げましたとおり今後の計画的な跡利用を図ってまいりたいと、こういう観点から今回自衛隊の施設用地につきましては返還を求めたいということでございます。
 さらに、平成4年度の財産問題につきましてどういう形で今後取り扱いをするかということでございますが、普通財産の取り扱いにつきましては平成4年3月30日付で那覇防衛施設局長に対しまして、今後改めて検討して協議をしてまいりたいと。残された期間は、きょうが3月1日でございますのであと1月間の間に、普通財産の取り扱いについて県としては従来の方針を改めまして既往使用の事実に基づく覚書で締結したい旨申し入れをしてございますので、あと1月間で十分国と協議をいたしまして、私たちの立場を理解をさせて覚書に基づく既往使用に基づく補償金という形で取り扱ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 知事公室長。
   〔知事公室長 高山朝光君登壇〕
○知事公室長(高山朝光君) 知事訪米の関連で、マスコミ広告に関する再質問にお答えをいたします。
 沖縄の基地問題につきましては、引き続き日米両国政府に強く要請していく必要があると考えております。知事訪米の際は米国政府関係の要路に強く要請していくことが必要でありますし、あらゆる角度からの要請が必要だと思っております。
 マスコミの広告につきましては、アメリカは世論を重視する国でありますので、米国民に沖縄の基地問題を強く訴え、沖縄県民の要望をよく理解していただきたいというふうに考えております。引き続き日本政府に対しましても要請をしていく予定をしております。
 次に、自衛隊の基地も跡利用計画の中に入れるべきではないかとの御質問にお答えをいたします。
 県といたしましては、第3次振興開発計画、沖縄県県土利用基本計画における土地利用の基本方向を踏まえて沖縄県駐留軍用地跡地利用基本計画案を作成し、沖縄県軍用地転用対策審議会に諮問したところであります。審議会といたしましては、自衛隊基地の跡地利用計画の取り扱いについて附帯意見をつけ、3月中旬に基本計画を答申する予定と伺っております。

 県といたしましては、審議会の答申を受けまして検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 西銘恒三郎君。
   〔西銘恒三郎君登壇〕
○西銘恒三郎君 まず新聞広告の件ですけれども、知事、私は県知事として知事が日本の本土新聞に基地問題でPRを出す勇気はないと私は思っているんです。そのぐらいの勇気があるのであれば、アメリカの新聞に出してもいいだろうという感じを強く受けております。
 ですから1点聞きたいことは、県知事として日本本土の新聞に基地広告を出すぐらいの勇気がありますか、お伺いいたします。
 それから知事、アメリカにはこのような言葉があります。政治とは、現実の可能性を追求する芸術だという言葉があるそうであります。現実的な対応をするならば、今回の返還要求をした県有地を調べてみればみるほど非常にみみっちい。行政財産であるダムの部分や、その導水管の部分とか、あるいは那覇軍港用地の中にある県有地の部分とか、知事が所信表明の中で述べておる全面返還を目指すという姿勢にはほど遠い、月とスッポン以上の差があります。
 県知事としてそのぐらいの所信表明に述べるのであれば、アメリカに行くにしても、段階的ではあるにしても沖縄に海兵隊は要らないんだという理屈づけをして米国ワシントンに乗り込むぐらいの気迫がないと、あるいは嘉手納基地全体も国際空港の話が出ておりますけれども、そのぐらいの迫力をぜひ示していただきたい。
 ただ、知事の県有地を国に対して返還を求めているという姿勢だけで、現実のあの施設を議員にみんな見せたら何だと思いますよ。新聞広告に出るとすごいことをしているなと思うんですけれども、細かく現況を調べてみますとまさに知事の政治姿勢の軽さを感じてなりません。
 どうかそういう意味で、現実的に対応するのであれば2億7000万円ももらうと。もらって県民のために使うと。返還要求はもっと大きなところで返還要求をすべきだと思います。知事の御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 西銘議員の御質問はもっともなことだと私も考えますが、新聞広告、例えば朝日新聞に広告する勇気があるかという趣旨の御質問にお答えいたしますと、これは勇気の問題よりか、むしろその適正、適切であるかどうか、今の時点であるいは朝日新聞というものにやった方が適切かどうかという形でやると思います。私は必要とあれば広告を出したいと考えております。
 それから、アメリカに行って訴えるにはもっと全面的なものを訴えるべきじゃないかと、みみっちいじゃないかという趣旨の御質問にお答えいたしますと、私が一昨年にアメリカに行って訴えましたことはもちろん全面返還を訴えてございます。そして今回行く場合も、当然のこととして沖縄の今の各基地を抱えている市町村の跡地利用計画を踏まえまして、具体的にその跡地利用計画も持っていって、こういう計画ができているから沖縄の振興開発を図る上で私たちはどうしても必要ですからお返しくださいということで訴えますので、決してみみっちい気持ちは持っておりませんから、そこは御理解いただきたいと思います。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
   午後1時56分休憩
   午後1時58分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
 伊佐吉秀君。
   〔伊佐吉秀君登壇〕
○伊佐吉秀君 通告に基づきまして、私の所見を申し上げながら一般質問を行います。
 1点目の県政運営の所信について、その中で米軍基地について、2つ目、水道行政について、3つ目、道路行政について、2番目の我が党の代表質問関連について順次進めてまいりますので、知事を初め関係部長の明快なる御答弁をお願い申し上げます。
 所信表明の中で、米軍基地の問題については「県民生活にさまざまな影響を及ぼし、振興開発を進める上で大きな制約となっている米軍基地については、適切かつ計画的な返還及び返還跡地の有効利用を図るための特別法の制定を国に求めるとともに、米国政府に対しても再度訪米し基地の早期返還を訴えます。」云々となっております。「基地の全面返還を目指し、その整理縮小を促進するとともに、演習の激化や基地機能の強化に反対し、その中止を求めるほか、基地被害の未然防止を図るよう日米両国政府に強く働きかけます。」等々であります。
 そこで次の点について御質問をいたします。
 通告してあります1点目につきましては、我が党の代表質問の中ではっきりいたしました。訪米の日程については5月の末から6月にかけて訪米したいと。1点目については御答弁は要りません。
 2点目の、訪米に当たっては、外務省、在沖米国総領事、その他の方々といろいろ事前に相談をして訪米したいとのことでございますが、例えば防衛庁関係の高官、いわゆるアメリカの国防関係の高官の方々とコネがあり、詳しい先生方にも御相談をして協議して、きめ細かい準備をして訪米したらいかがでしょうかということでございます。
 3番目、米国政府のどの省庁のどの高官の方々に面談をして要請をするかということでございますが、今までの質問の中で米国の国務省、国防総省、海兵隊総司令部、太平洋軍総司令部とはっきりしておりますが、それで海兵隊総司令部、太平洋軍総司令部のどの高官の方々に面談をお願いしてあるのか。まさに5月末、6月でございますので今からお願いをすると思いますが、どの高官の方々にお願いを予定しているのか。
 4番目、訪米に当たっては、知事以外何名の方々の訪米団になるのか、そして予算、経費は幾らになるのか、はっきりお聞かせを願いたいと思います。
 5番、基地の早期返還、整理縮小については、どこの施設、どの基地を返還あるいは整理縮小を要請するのか、また普天間飛行場、普天間基地についてはどうされるおつもりがあるのか、明確にお答えを願いたいと。
 6番目、知事はさきの訪米について日本の代表的マスコミとの会見をして協力要請をしたようでありますが、いずれも取り上げてくれなくて、その後のある座談会、これははっきり申し上げまして社大党の「地域新時代を拓く」の座談会の中で、訪米に当たってだれも相手にしてくれなかったということでぼやいておられます。この真意は何であったのか、明確に御説明を賜りたいと思います。
 7番目、大田知事就任以来ことしにかけて実弾砲撃演習を初め米軍の異常な演習激化は、知事の基地行政に対する力不足、能力を疑うということで県民から不信の声が上がっておりますが、知事はなぜ米軍を説得してそれを中止させないのか。
 いいですか知事、これは去年の12月17日のタイムスと新報の報道でございますが、その中で1日に787発、ことし6000発を超すと。異常なまでの演習激化であると。(資料を掲示) これは知事、前西銘県政のときよりか悪化をしていると。いいですか、普天間基地についても基地の強化がされていると。
 知事は所信表明の中で、演習の激化、基地の被害、基地強化は絶対許されないと、反対をするということをうたっておりますが、逆に悪化をしていると。大田知事の基地行政に対する力を私は疑問視しております。明快なる御答弁を賜ります。
 次に、軍転特措法制定についてはいまだに政府の省庁、窓口も決まっていないようでありますが、本当に実現性があるのか疑問を持つものであります。
 私の情報によりますと、県案、社会党案についても国の制度として法の制定は極めて困難だという情報であります。軍用土地地主の返還後の補償の問題は最も重要であり、ほかの方法、ほかの道はないのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
 次に、水道行政について御質問をいたします。
 今回の水道料金の大幅値上げについては、県民生活に大きな影響があり、婦人団体等から値上げ反対の要請等もあり、県民はその成り行きに注目をしているところであります。しかるに知事は、所信表明の中で水道料金値上げについては一言も一行も説明、表明がないのはなぜなのか疑問を持つものであります。
 水の需要については、人口の増加、生活水準の向上等今後とも大幅な増加が予想され、国、県においては水の安定供給を目指して北部地域のダム開発整備等の事業を推進し、水資源の有効利用を図り、節水型社会の形成に努めるとなっている。

 そこで、次の点について御質問をいたします。
 今回の水道料金大幅値上げについては、知事選時の公共料金値上げ反対の公約を県民にどのように御説明をするつもりか、お聞かせを願いたいと思います。
 2番目の、今回の大幅値上げが引き金になり、食堂、レストラン、ランドリー、豆腐、その他諸物価値上げになり、県民生活を圧迫するのは必至であります。県民の平均世帯の水道料金及び生活費は何%のアップを予想されておるのか、お聞かせを願いたいと思います。
 3番目、節水型社会の水資源の再利用及び雨水、井戸水等の利用については県民をどのように指導するのか、お聞かせをいただきたいと思います。
 4番目、小規模水道の統合再編とは、具体的にその説明をお願いいたします。
 5番目、水資源確保の立場から許認可を得ていない簡易水道、つまり自治会等が事業をしておりますところの雑用水事業に対する助成について所見をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、道路行政について御質問いたします。
 県内の都市周辺の国道、県道については、朝夕の出退時間帯は慢性的な交通混雑、交通渋滞を来し、運転者のイライラから精神的な不安定を招き、事故につながることもあると聞いている。
 知事は、慢性的な交通渋滞の緩和を図るため道路改良及び整備事業を促進するとのことですが、次の点についてお聞かせください。
 1番目、国道330号線普天間から我如古については、朝夕の交通ピーク時慢性的な交通渋滞が起こり、地域住民からその解決方について要請がある。県当局の考え方をお聞かせください。
 2番目、長田交差点、沖縄国際大学入り口については最も混雑地点である。ピーク時、信号待ち10回以上で出勤時の方々が最もイライラする地点である。その理由は右折時の待機線がなく、1車線しか機能しないからである。右折待機線の設置について所見をお聞かせください。
 以上でありますが、答弁によって再質問いたします。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 伊佐吉秀議員の御質問にお答えいたします。
 まず米軍基地との関連で、訪米の日程について、平成5年の早い時期との答弁だが具体的にはいつなのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 訪米の時期につきましては、現在米国政府の動向等を見きわめつつ検討しておりますが、先日もお答えいたしましたように、平成5年の5月の下旬から遅くとも6月の初旬までには訪米したいと考えて、現在関係機関と調整をしているところでございます。
 それから伊佐議員御提言の、事前に十分に調整をして成果の上がるようにという趣旨のことにつきましては、よく検討してそのようにさせていただきたいと思います。
 なお、どういう人たちに会うかということにつきましては現在のところお答えできない状態ですが、以前に訪問しましたときには例えば海兵隊の総司令部に行きましたときには総司令官にお会いしましたし、それから国務省に行きましたときにはそのアジア関係の担当次官にお会いしました。それから太平洋区域司令部では太平洋区域司令部の司令官にお会いしましたし、その直接に基地問題に携っている方々にお会いすることができました。
 それから先日申し上げなかったわけですが、国務省、国防総省とかあるいは関係の軍司令部は当然のことでございますけれども、私としましては、一昨年参りましたときに基地関係の問題を担当している委員会の国会議員の先生方、上院、下院を含めてでございますけれども、その何人かにお会いいたしまして沖縄の基地問題の実情について申し上げました。今回もぜひそういう方々のお力をおかりしたいというふうに考えております。
 次に、アメリカに行って訴える際に普天間飛行場について返還要求をするかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場は、宜野湾市の中央部に位置し、市民生活の安全や地域の振興開発を推進する上で大きな障害となっていることから、県としてはこれまでも日米両国政府に対し早期返還を強く要請してまいりました。昨年5月の日米合同委員会の発表において解決のため引き続き努力することが再確認されたところであります。県としましては、今後とも同施設の早期返還について訪米の際強く働きかけていく考えでございます。
 行く際には、普天間飛行場のビデオなんかも撮らせていただいて、そしてそれを持参して、現実にいかに普天間飛行場が危険な状況下にあるかと、市民生活とまさに隣り合わせているという実態について知っていただいて、そして強く返還を申し入れたいと考えております。
 それから、知事はさきの訪米について日本の代表的マスコミと会見して協力要請をしたが、そのいずれも取り上げられなかったためある座談会でぼやいているがその真意は何かという趣旨の御質問にお答えいたします。
 私が述べましたのは、さきの訪米において日本の代表的なマスコミに対し沖縄の現状を話しても報道されなかったということを指摘したのでございます。
 この問題につきましては、実は率直に申し上げまして私は一部失望したことを覚えております。
と申しますのは、沖縄の基地の実態についてビデオに撮りまして、ニューヨークの方で、ニューヨークに駐在している幾つかのマスコミの方々においでいただいてそれを見てもらいました。そしていろいろと沖縄の実態について説明いたしました。それからワシントンでは、単に日本のマスコミだけじゃなくて、アメリカのマスコミの方々もお招きしてビデオを放映して、上映して、そして訴えました。しかし日本の特派員の方々は、事実関係として我々の訴えをワシントンから報道してはいただけませんでした。それはある意味ではワシントンにおける我々の問題というのが、日本本土からのマスコミの皆さんには国内問題として映ったのではないかと。それでアメリカで取り上げるほどのものじゃないというふうに判断されたのかよくわかりませんけれども、ごく一部のマスコミを除いては報道してもらえませんでしたので、私としてはある意味でがっかりしたところは事実でございます。
 それからついでに申しますと、アメリカ側の方のマスコミはラジオからも、それから新聞においても取り上げてくれました。
 次に、同じく米軍基地問題との関連で、知事が就任以来ことしにかけて実弾砲撃演習を初め米軍の異常な演習激化は、知事の基地行政に対する県民の不信の声もあると、つまり知事の力不足ではないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 私は、就任以来基地問題の解決を県政の最重要課題の一つとして取り組んできたところでありますが、米軍の演習については県民の生命財産を守る立場から、これまでも日米両国政府及び現地米軍に対し繰り返しその中止及び廃止を求めてきたところであります。
 しかしながら最近の米軍の演習の実情を見ると、例えば104号線越え実弾射撃演習が激化する等県の要望や県民の意向が反映されていないことは極めて遺憾でございます。私としましては、基地の拡充強化と米軍演習の激化がないよう今後とも関係市町村と連携を密にしながら、引き続き日米両国政府に強く訴えていきたいと考えております。
 私が現地の司令官と会いまして、例えば104号線の実弾射撃演習をやめてほしいということを申しますと、現地の司令官は、我々は日米安保条約に基づいて義務を果たしているのだと、だからあなたがすぐやめてくれと言っても我々は両国の条約に基づいて義務を果たしているので、すぐやめるわけにはいかないというふうなことで返事が返ってまいりました。しかし私としましては、近くに学校もあるし、104号というのは県民の生活道路だからそこはぜひ避けてほしいということを改めて申しましたけれども、この司令官は司令官としての義務を果たしていると。そういうことがあるものですから、安保条約なんかについても内容をかえていただいたらもっと前進するのではないかというふうに考えているわけでございます。
 私が改めて申し上げるまでもなくて、伊佐議員もよく御存じのように、沖縄の現状は、現実は一方では基地を早くなくしたいというのがいると同時に、他方ではまた基地があった方がいいと率直に考えている人たちもいるわけです。ですからそういう人々の意向を体しながら現実的に対応せざるを得ない。そういう意味では私の力不足も確かにあると思いますが、ただ御理解いただきたいのは、行政としましては、私以下庁内の人々がみんな力を合わせて何とかして一歩でも二歩でも解決に向けて前進させたいというふうに懸命に取り組んでいることは御理解いただきたいと思います。

 なお、お許しを得まして残りの質問につきましては担当部局長から答弁させます。よろしくお願いします。
○議長(儀間光男君) 知事公室長。
   〔知事公室長 高山朝光君登壇〕
○知事公室長(高山朝光君) 伊佐吉秀議員の御質問にお答えをいたします。
 米国政府のどの高官の方々に面談し要請する計画なのか、知事外何名の訪米団になるのか、予算経費は幾らになるかという御質問でございましたが、知事の答弁の中で、知事の訪米の日程についていつごろかという御質問に知事がお答えした中で、高官の方々に関しましてお答えをいたしましたんで、私からは知事外何名の訪米団になるのか、予算経費は幾らかについてお答えを申し上げます。
 訪米団の規模につきましては、これまでの議会におきます御提言も参考にしながら実効が上がるように検討してまいりたいと考えております。
 さらに、平成5年度予算案には訪米経費といたしまして966万6000円を計上しておりますので、御理解を賜りたいと思います。
 それから次に、軍転特措法はいまだ政府の窓口も決まらず制定は極めて困難である、返還後の軍用地主の補償の問題は最も重要であり、他の方法または道はないのかとの御質問にお答えいたします。
 県は、駐留軍用地の返還に当たって、現在問題になっている1カ月前の返還予告、3カ月間の地主補償、細切れ返還等に見られるように跡地の有効利用の妨げになるような状況を国の責任において解決していただくために軍転特措法県案要綱の制度化を国に要請をしてきているところでございます。
 その中で、返還後の軍用地主の補償問題につきましては重要な問題として取り扱っているところでございます。今後とも県民世論を喚起しつつ、県議会及び県選出の国会議員の先生方と連携を密にし、制度化に向けて努力をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 企業局長。
   〔企業局長 石川秀雄君登壇〕
○企業局長(石川秀雄君) 水道行政についての御質問の2点ほどお答えいたしたいと思います。
 今回の水道料金大幅値上げについて県民にどう説明するかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 公共料金は、直接家計や諸物価へ波及し、県民生活への影響が大きいことにかんがみ、県が定める公共料金についてはできるだけ抑制する方向で努力しているところでございます。
 水道事業の運営に当たっては、県民の福祉を増進するための安定給水の確保、さらにこれからの水需要に対処するための施設の整備及び維持管理等を行ってきているところでありますが、施設の拡張に伴い事業費用が著しく増高し、大幅な累積赤字を余儀なくされ、財政は逼迫している状況にあります。財政の健全化を図るには内部努力のみでは限界があり、料金改定による健全化は急務となっております。
 水道事業は、御案内のとおり受益者負担による独立採算制を基本として運営されておりますが、今回の料金算定に当たっては、県民生活に与える影響を配慮し、また去る12月議会での経緯等を踏まえ必要最小限度の改定率にしておりますので、県民の御理解と御協力を賜りたいと思います。
 次に、今回の値上げによる平均世帯における水道料金の値上げ額は幾らか、家計費は幾ら上昇するかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 水道料金値上げが家計に与える影響は、最終的には市町村段階の水道料金値上げ率に左右されます。用水料金が29.56%値上げされた場合、市町村の水道料金が何%値上げされるかについては各市町村の料金体系等がそれぞれ異なる面がありますので一概には申し上げられませんが、一般的には市町村水道事業の総費用に占める受水費の上昇等が市町村の水道料金引き上げに影響するものと考えております。
 御質問の家計に与える影響額については、用水料金29.56%値上げした場合に、市町村が水道料金を用水料金値上げに伴う直接の影響額のみ値上げした場合に家計に0.20%、額にいたしまして478円程度の影響を与えるものと試算しております。もとより市町村の水道料金は、市町村の水道事業が置かれている経営環境等を考慮し、それぞれの議会の議決を経て市町村が決定することになっております。
 しかしながら、公共料金の県民生活に与える影響を勘案し、できるだけ県民生活に影響が少ない方法で料金改定がなされるよう市町村に対し適切な対応をお願いしていきたいと考えております。
 以上であります。
○議長(儀間光男君) 振興開発室長。
   〔振興開発室長 与那嶺敏光君登壇〕
○振興開発室長(与那嶺敏光君) 水道行政について、節水型社会の水資源の再利用及び雨水、井戸水等の利用については県民をどのように指導するのかという御質問にお答えいたします。
 県は、水利用の合理化を推進し節水型社会の形成を図るため沖縄県水資源有効利用推進懇話会を設置し、水資源の有効利用に関する調査検討をしていただいたところ、平成4年3月に年々増大する水需要に対処するため多目的ダム、海水淡水化施設等の水資源開発と並行して水資源の有効利用を促進し、総合的な水需給対策を実施していく必要があるとの水資源有効利用推進懇話会の提言をいただき、それをもとに平成4年9月に沖縄県水資源有効利用推進方針を策定し、推進しているところであります。
 その内容は、1、雨水利用の普及促進、2、わき水の有効利用、3、下水処理水広域循環利用の検討、4、公用または公共用建築物に対する雑用水利用施設設置、5、民間の大型建築物に対する雑用水利用施設設置、6、節水こまの普及、7、節水機器等の普及促進、8、節水対策用のパンフレットの作成、9、料金体系(逓増料金制)による節水誘導、10、節水教育用ビデオ・副読本の作成、11、融資制度の拡充等の11項目であります。
 一般住宅等の雨水利用については、現在県民向けの雨水利用の手引と雨水利用のマニュアルを作成中であります。
 水は、生活、産業の基礎資源として重要であり、かつ限りある資源でありますので、井戸水やわき水等の未利用水資源についても有効利用の普及促進に努めてまいります。
○議長(儀間光男君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 砂川恵徹君登壇〕
○環境保健部長(砂川恵徹君) 水道行政について、小規模水道の統合再編とは何か具体的に説明願いたいということについてお答えをいたします。
 小規模簡易水道施設の中には、復帰前に高等弁務官資金によって整備した老朽化施設も含まれています。そのため、近年の産業振興、農地整備事業、住宅地開発等に伴って水源水量の不足や水質の悪化が見られ、生活用水の確保及び公衆衛生上の問題もあり、上水道への統合及び小規模簡易水道間の統合を促進し、安定給水の確保、経営基盤の強化等維持管理の徹底を図り、安全でおいしい水の供給を図っていくこととしております。
 ちなみに、現在行われております具体的な事例を申し上げますと、国頭村の西海岸にある簡易水道15カ所の統合、これの事業名を西海岸地区統合簡易水道整備事業というふうに申し上げているんですが、平成3年度から平成6年度にかけて事業を進めている段階でございます。
 それから、続きまして水資源確保の立場から許認可を得ていない簡易水道(雑用水)事業に対する助成について所見をお聞かせくださいということでございますが、水道法で定める上水道並びに簡易水道の整備については国庫補助の対象になりますが、湧水や雨水を水源とするトイレ用水等いわゆる雑用に使用する水道の整備には現在のところ補助制度はありません。しかしながら、本県の水事情からすると、地下水や湧水等を雑用水水源として活用を図ることは必要であると考えております。
 以上です。
○議長(儀間光男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 大城義勝君登壇〕
○土木建築部長(大城義勝君) 道路行政についての御質問で、国道330号の普天間から我如古区間の交通渋滞の解決方についてと、長田交差点の沖縄国際大学入り口に右折待機線の設置ができないかという御質問にお答えいたします。
 国道330号の普天間から我如古区間につきましては4車線で供用を行っておりますが、近年のモータリゼーションの進展や沖縄国際大学の設置、琉球大学の移転等に伴い年々交通量が増加し、厳しい交通状況にあります。当該区間の交通渋滞の対応策につきましては、現在道路管理者である国において検討していると聞いており、効果的な改善策が図られるよう県としましても協力していく考えでございます。

 次に、長田交差点の沖縄国際大学入り口の交通混雑対策でありますが、御提案の右折専用車線の設置につきましては、設置する方向で平成5年度から調査を行う予定であると聞いております。
○伊佐吉秀君 議長、休憩願います。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
   午後2時34分休憩
   午後2時35分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 伊佐議員の御質問にお答えいたします。
 水道料金との関係で、私の公約との関連で水道料金の値上げというのはどういうことかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 公共料金の引き上げ反対という公約とはなっておりませんので御理解いただきたいと思いますが、水道事業の運営に当たりましては先ほども企業局長からお答えいたしましたけれども、県民の福祉を増進するための安定給水の確保、さらにこれからの水需要に対処するための施設の整備及び維持管理等を行ってきているところでありますが、施設の拡張に伴い事業費用が著しく増大し、大幅な累積赤字を余儀なくされております。したがいましてその財政は逼迫している状況にあるので、財政の健全化を図るには内部努力のみでは限度があり、料金改定による健全化は急務となっております。
 水道事業は、御案内のとおり受益者負担による独立採算制を基本として運営されておりますが、今回の料金算定に当たっては県民生活に与える影響を配慮し、また去る12月議会での経緯等を踏まえて必要最小限度の改定率にしておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○議長(儀間光男君) 伊佐吉秀君。
   〔伊佐吉秀君登壇〕
○伊佐吉秀君 米軍基地問題の5番目についてですね、普天間米軍飛行場基地については具体的に知事から御答弁をいただきましたけれども、私の質問はほかにどこの施設を要請するのか、返還あるいは整理縮小、そういうことを聞いているんです。もっといろいろたくさんあると思うんですよ。知事の政策は全面返還でありますのでね。もっと具体的にどの基地、どの施設を返還してくれ、整理縮小してくれということで要請をされるのかですね。
 それから6番目の問題なんですね。知事はさきの訪米でいろいろマスコミの方々にも協力要請をして、先ほどの御答弁によりますと失望もし、落胆もしたとはっきりおっしゃっているわけなんですね。先ほどの我が党の西銘議員からも御提言がありましたように、訪米に当たっては1000万円ぐらいの経費をかけていくもんですからね。知事の大事な政策を実現させるために県民の願いをひっ提げていくわけですから、きめ細かい綿密なる事前協議あるいは調整をしながら、支援要請もしながら、今回はぜひとも目的とする県民の願い、知事の政策、その成果を上げるためにはもっと日本の防衛庁や防衛施設庁あるいは日本の国会議員の先生方の中でアメリカの国防総省関係に非常にコネのある先生方がおられると思うんです。
 綿密なる調整をして訪米をしたらどうかということでありますが、知事はアメリカの総領事館、外務省と相談していきたいということでありますが、私は知事選のときですね、大田知事は、私はアメリカの大学に在学中、あるいは留学中、アメリカの政治の方々、学者の方々とたくさんコネがあるので沖縄のいわゆる基地問題は私の方が訴えやすいということも聞いた覚えがあるんですよ。そういう点も積極的な御利用をされてお願いをして、そういう方向で訪米されたらどうかという点なんです。
 それともう1点は、知事は所信表明の中で演習の激化、基地機能の強化については絶対反対だということをいろいろおっしゃっておりますが、本当に行動でもって米軍を説得して、このようなことがあってはいかぬと思うんですよ。
 私ども県議会の先輩の皆さん、いわゆる立法院のころ、保守も革新も歩み寄って1956年、7年、あのころにかけて一括払い反対の4原則貫徹のあの安里積千代大先輩、そして桑江朝幸大先輩が県民ぐるみの闘争でこれを日米両政府に訴えて実現したことはですね、だから知事も知事の考え方だけで押し通すんじゃなくして自民党の皆さんともよく相談をして、琉球民族、沖縄民族の問題としてもっと取り上げてみてはどうかなということを考えております。
 それとですね、水道行政の中で5番目の水資源の確保の立場から各自治会が行っているところのわき水あるいは地下水を利用して許認可を得てない雑用水のいわゆる水道事業があるんです。私、宜野湾の方には喜友名自治会、伊佐自治会、両自治会で約500世帯ぐらいトイレ用水、庭への散水、いろいろ使用水に使って利用しているわけなんです。
 先ほどの御答弁によりますと、必要だとは考えているけれども助成については御答弁がなかったわけなんですけれどもね。これは助成するつもりがあるのかどうかお聞かせを願いたいと思います。
 以上です。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
   午後2時43分休憩
   午後2時44分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 伊佐議員の御質問にお答えいたします。
 まず1点目は普天間飛行場について前に要請したというけれども、そのほかに一体具体的にどこどこを要請したかという件についてでございますが、那覇軍港の返還の要請を初めとしまして具体的には嘉手納のマリーナの返還について要請を受けておりましたのでそのマリーナのことも問題を出しましたし、それから嘉手納空港につきましては沖縄市の方で国際貨物空港にしたいというような形で今跡利用計画などもいろいろ話し合っていますからということで申し上げました。それから金武町長が同行いたしまして、金武の方の海岸一帯を返してほしいと。そこには具体的に開発計画もあるのでというようなことで要請いたしました。
 今回具体的に要請をどこどこするのかということについては、那覇軍港を初めとして、そして今申し上げましたように普天間飛行場、さらには最近も新聞にもちょっと出ておりましたが嘉手納のマリーナの問題とか、これから基地を抱えている市町村長の皆さんともぜひ御相談をさせていただいて、具体的にどこどこ、そしてアメリカヘ行きましたときに私が幾つかの所をぜひ返してほしいということを要請しましたら、優先順位はどうなっているかと。つまり一番最初にどこを返してほしいかということを聞かれまして、それは優先順位じゃなくてこれだけは全部返してほしいということを申したわけですが、そういった意味も含めまして、これから真剣に行く前に議論をさせていただきたいと考えております。
 それから、御提言のアメリカヘ行く際の計画づくりに際しては、日本の国会議員を初めアメリカにつてのある人々を、ぜひそういう人たちの力もかりるようにという趣旨のお話は非常に重要だと思います。私も国内外のあらゆるつてを頼って要請をしてまいりたいと思います。
 幸いにして、アメリカの日本関係の部署に沖縄におりました人たちがここから帰ってついておりますので、そういう人たちもいろいろと世話を見てくれておりますし、また海兵隊の最高司令官とかあるいは太平洋区域司令官など、具体的に申しますとつい最近まで4軍調整官をしておりましたスタックポールさんが今太平洋区域の司令官をしておりますので、そういう方々は沖縄のことを非常によく知っておられる方々ですから、そういう方々にもお願いをして、何とか私たちの要請が実現するように粘り強く要請していきたいと思います。
 それから、同じく基地問題の解決については自民党サイドともよく相談して、挙県的な、県民を挙げての取り組みが必要じゃないかとの御提言はまことにもっともでございまして、私としましてはぜひそうさせていただきたい、そうお願いしたいと。ですから今回行きます場合には議会にもお願いを申し上げまして、何とか御参加いただけないものかということなども、もしよろしければお願いをしたいと思いますし、また地主の代表の方々にももし行っていただけるのであれば、そしてまた行ってもいいというのであればお願いをしたいということで、御提言のように文字どおり県民を挙げてこの問題の解決に取り組んでまいりたいと思っております。

 水道問題につきましては担当部局からお答えさせますので、よろしくお願いします。
○議長(儀間光男君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 砂川恵徹君登壇〕
○環境保健部長(砂川恵徹君) お答えをいたします。
 先ほど申し上げましたように助成する制度もございませんし、現在のところ検討をしておりませんが、関心を持って勉強させていただきたいというふうに思っております。
○議長(儀間光男君) 伊佐吉秀君。
   〔伊佐吉秀君登壇〕
○伊佐吉秀君 時間もないようでありますので、関連して最後の1点だけ県知事の所見をお聞かせください。
 知事のこの所信表明の中にですね、国の責務において米軍基地の適切かつ計画的返還とあるんですけれどもね、これはだれがどのようにして計画を立てて返還させるのか。
 沖縄県でそういった計画をつくって日本政府に上げて返還をさせるのか、あるいは日本政府がそういった計画をつくって返還を働きかけるのか、これについて具体的に御説明を願いたいと思います。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) お答えいたします。
 沖縄の基地が置かれているのは安保条約に基づいております。つまり国の政策によって基地というものが維持されているわけでございますので、その抜本的な解決につきましては国の政策の変更を待たざるを得ないわけでございまして、しかしながら我々は行政を預かる者といたしまして、沖縄の経済的な振興開発を図っていく上で国の政策の変更を待つ以前の段階においても県は県なりの振興開発計画をもとにして、基地の存在がそれを妨げる要素となるとすれば国にお願いしまして、県の方でもこういうことを要請しますけれども国の方でもひとつ全般的な防衛政策の見直しとかあるいは日米安保体制の中身の見直しとかというような形でぜひお願いしますということで申し上げているわけでございまして、基本的には基地問題の解決は国の責任においてなされるべき筋合いのものだと考えております。
○議長(儀間光男君) 下地常政君。
   〔下地常政君登壇〕
○下地常政君 それでは通告に従い一般質問をさせていただきます。
 最初に政治姿勢についてでありますが、主としてさきに表明された知事の政治所信に従ってお伺いいたします。
 知事は、地方自治の本旨にのっとり県民本位の県政運営を基本とする旨おっしゃっておられますが、それでは1つ、地方自治の本旨並びに県民本位ということを知事はどのように理解しておられるか。
 2つ、新石垣空港の位置は、地方自治の本旨にのっとり県民本位に選定したと言えるかどうか、お聞きします。
 次いで、「平和の礎」、その他平和行政の事業は要するに戦争体験の記録、伝承と戦争モニュメントの保存設置であり、それはそれで評価するのにやぶさかではありませんが、通常の意味での創造というのを見ることはできません。しかし、積極的平和主義の立場に立って平和創造を掲げるならば、我々の住む地球上の紛争と混乱について秩序と安定の回復に力をかすなど一定の役割を果たさなければならないのではないか。
 そういう意味で、例えば選挙監視活動への職員派遣等に進んで協力すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 次いで、企業立地及び自由貿易地域の問題は、我が県振興上重要な課題であり、同時に困難な課題でありますが、両者のこれからの展開と見通しをあわせてお伺いいたします。
 4つ、水を治める者は国を治める、水問題の重要性は言うもおろかであります。したがって、その事業経営をどうするかは県政重要課題の一つであり、それについて知事の所信が明確にされなければなりません。特に、今我が県水道事業経営の悪化が言われ、それをどう立て直すか知事の決意と明確な所信が求められていますので、ここで承りたいと思います。
 5つ、全国植樹祭の警備については万全の体制で臨むとされていますが、一方、知事の支持団体からは過剰警備にならないようにとの要請があると聞いています。
 そこで、適正な警備とは何かということを含めて、知事の警備のあり方に対する基本的考え方をお聞きします。
 次いで、新石垣空港についてお伺いします。
 宮良案で進める場合、区域内の優良農地と等量等質の代替地が必要となるが、それは確保できるのか、その所在地と面積はどうなっているか。
 2つ、調査費2億1000万円は、所要手続が第1関門を通過できない以上予算期間中凍結するほかなく、執行できないのは明らかであり、撤回すべきである。それとも石垣市長、石垣市議会の同意を得る何らかの見通しがあるのかどうか。
 3つ、知事は、無理が通れば道理が引っ込むたとえを地で行く強引に横車を押し通し、住民の方が自分についてくるべきだという構えでいらっしゃいます。それは世論に対する挑戦であり、八重山住民を侮るものと断ぜざるを得ません。御見解を賜りたいと思います。
 4つ、知事の宮良案選定の根拠は全く正当性がありません。よって知事は住民自治の本旨に立ち返り、メンツと体面を捨てて宮良案を撤回すべきである。御見解をお聞きしたい。
 5番目です。新石垣空港の早期完成は八重山住民の悲願であるが、全く見通しがついていません。順当にいきましても15年を超えると言われております。
 しかし、石垣空港は平成3年度の年間昇降客103万7000人、これはもう限界にきております。これ以上ふえますと、現在のB737では対応できなくなります。
 さらに、ウリミバエも来年は根絶されてフライト農業の需要がふえてきております。このようなギャップを県はどう対処して解決したいとおっしゃるか、お答えをお願いいたします。
 3番目に、植樹祭の警備についてであります。
 知事は1月29日、天皇・皇后両陛下の植樹祭行幸啓を正式要請されました。
 苛烈な地上戦に見舞われ、とうとい人命とともに豊かな緑を失った我が県で行われる植樹祭は、戦争犠牲者の鎮魂と県土の緑化という大きな意味を持つものであり、その実施に当たりいささかの混乱や事故等があってはならないのは当然であります。
 一方、過激派の行動は常人の意表をつくものがあり、実際警備は緻密、堅固、広範なものとならざるを得ません。このような中で、過剰警備云々は平和と安全になれた者の現実を直視しない空論であります。警察当局は、沈着に勇気を持って必要にして十分な警備計画の策定実施に当たり、万遺漏なきようにすべきであると思います。
 そこでお伺いしますが、最近の過激派の動向、2つ、警備の目的とその重点、3、警備の規模と陣容はどうなっているか、お伺いいたします。
 4番目に、国立水産研究所の誘致についてであります。
 知事は、その所信表明の中で国立水産研究所の誘致に触れておられます。我が県における水産業の重要性は申すまでもありませんが、離島振興の上からはそれは特別重要な意味を持っております。
 離島における漁業従事者は、対就業人口比で6%、本島の0.6%の10倍以上、漁業生産量でも全県のそれの55%を占めております。これは、離島の水産業に依存する度合いがいかに大きいかを示すものであります。
 他方、宮古圏域は伝統的に水産業の比重が高く、漁業生産量で離島全域のそれの74.6%を占めるなど我が県水産業を根底で支えていると言っても過言ではありません。
 ところで、国、県の大規模施設の県内配置を見てみますと、宮古圏域のみ見るべきものがありません。水産研究所を宮古圏域内に、水産研究所という施設の性格並びに均衡ある県土の発展を図る上から必要かつ正当な要望であると思います。これに対する知事の御見解を承りたいと思います。
 5番目に、高校総合学科構想についてお伺いします。
 高校教育改革推進会議は、このほど総合学科の新設を答申、文部省はこれを受けて来春にもスタートできるよう高校設置基準の整備を図る予定であると報じられております。これは、従来の普通科、職業科のあり方が序列化、中退、偏差値偏重という弊害をもたらしているとの反省に立って、多様な選択科目を持つ学科を新設するというもので、文部省は教員配置や施設整備を手厚くして自治体の対応を促す方針であり、一部の自治体では既に設置の検討に入っているところもあると伝えられています。

 しかし一方で、これが新たな序列を生むのではないかなどの懸念も表明されています。
 そこでお伺いしますが、1つ、県教育委員会としてはこの新学科設置をどう理解し、どのように評価しているか。
 2つ、教育庁としてはどう対応するつもりか。
 3つ、学科新設に際してどういう問題点があるのか。
 以上御答弁いただきたいと思います。
 次に、離島問題についてお伺いします。最初に肉用子牛価格維持制度についてであります。
 平成3年度宮古地区における肉用牛頭数は約1万2000頭、全県頭数の20.3%を占めるに至っておりますが、飼養頭数は対前年比で3.5%減となっています。
 毎日3K作業に従事しながら、畜産物自由化の荒波に翻弄されて今牛飼育農家は心身ともに苦労の連続でありますが、その苦労が実を結ぶはずの競り値が昨年後半来下落を続けてまいりました。自由化に伴う価格維持制度が設置され、県、農協の勧めもあって加入農家は営々と負担金を納入し続けておりますが、いざ価格下落の危機に至ってこの保証制度が発動されないことが明らかになり、農家は大変失望しております。
 理由はどうであれ、これでは農政に対する不信を招来し、畜産に対する意欲も減退、脱落農家が出ることが懸念されます。そこで私は、昨年9月定例議会においてその対処策をただしましたが、これに対し推移を見て対処したい旨の答弁があったにもかかわらず、その後どのような具体策がとられたのか明らかにされておりません。
 そこでお聞きするわけですが、1つ、子牛価格はどのように推移しているか。
 2つ、子牛価格低落による農家の救済策をどうするか。
 3つ、価格低落の原因は何か。
 4つ、国の現行制度の見直しを求めるべきではないか。
 以上お答えいただきたいと思います。
 2番目に、宮古厚生園の移転に関してであります。
 施設の老朽甚だしく、久しく待望されていた宮古厚生園の移転工事もようやく着工の運びとなり、宮古圏域における老人福祉の拠点としてその早期完成が切望されております。
 ところで、急速に高齢化する社会の展開にはハード、ソフトともにおくれがちでありますが、宮古圏域におきましても高齢者の増大に伴い老人ホームの新設が強く望まれておりますけれども、その早急な対応は困難であり、その間宮古厚生園の施設拡充に伴いサービスの拡大をというのが地域の声であります。
 そこでお伺いいたします。
 1つ、新厚生園の施設の規模、内容はどうなるか。またその完成はいつになるか。
 2つ、同施設の移転後の業務内容は従来と変わらないか、変わるとすればどのようなものとなるか。
 3つ、要員等の体制はどのようになるか。
 以上お答えいただきたいと思います。
 僻地医療行政についてであります。
 城辺町におきましては、無医地区解消の一環として昭和59年町立診療所が開設されましたが、時代の推移とともに町内と平良市境界近くに相当規模の民間病院が開設されたこと、また新たに医科診療所が開設されたことにより同町民の医科医療の確保が図られてきております。
 一方で、広大な町区域内に歯科診療所が1カ所もなく、そのため小中校児童生徒の虫歯罹患率が極めて高くその対策が急がれ、あわせて町民の歯科診療施設に対する要望も高まっております。そのため城辺町では、同診療所の診療科目の変更を計画しております。
 そこでお伺いしますが、同診療所の科目変更について県は基本的にどう考えるか。
 2つ、今後どのような手続が必要か、また期間はどの程度かかるか。
 以上お答えください。
 4番目です。離島架橋につきまして、知事みずからその必要性を認識している旨繰り返し述べておられるとおり、引き続き振興開発計画に位置づけ、逐次建設が図られており、平成5年度には古宇利架橋が予算化されて島の人々に大きな朗報をもたらしました。残る架橋につきましても、県単事業として調査を続け、その具体化に前向きに取り組んでおられます。
 さて、その中で最大規模のものは伊良部架橋でありますが、これについては地元で2000万円もの費用を投じ、膨大な調査報告書を作成公表し、県の調査にも最大限協力する体制を整えております。
 ところで県は、このほど同架橋調査の一環として風向風速計を設置されました。
 そこでお伺いいたします。
 1つ、今回実施する調査項目は何か。
 2つ、今回調査期間とその成果のまとまる時期はいつか。
 3つ、同調査が完了した後は次にどのような作業手続に入るのか。
 以上お答えいただきたいと思います。
 最後になりましたが、代表質問との関連についてであります。最初に消費税についてお伺いします。
 知事は、消費税廃止に全力を挙げる、公共料金への転嫁をやめると県民に約束されました。しかし、就任後2年過ぎてもいまだにこの約束は履行されておりません。
 そこでお伺いいたします。
 1つ、全力を挙げるということはみずからできることをまずやることですが、消費税廃止について知事は何をなさいましたか。
 2つ、知事は就任前、県財政についてどのような認識を持っておられたか。
 教育委員の準公選制についてであります。
 やはり知事の公約であるこの制度について、1つ、公選制でなく、なぜ準公選制なのか。
 2つ、この制度のメリットは何か。
 3つ、現行制度を補完するものとして必要と答弁されていらっしゃいますが、現行制度のどこが欠陥であり、あるいは何を改善すべきとお考えになっているか。
 4つ、今後この課題をどう扱うか。緊急の必要性もないのにあえて取り入れようとするのは教育制度のファッション化ではないか。
 以上お答えいただきたいと思います。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 下地常政議員の御質問にお答えいたします。
 地方自治の本旨並びに県民本位ということをどう理解しているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 経済社会活動の広域化や国際化の進展に伴い、行政に対する県民のニ一ズは複雑かつ多様化してきております。このため、県の政策決定に当たりましては、県民ニ一ズを的確に把握し、県民意思の最大限の尊重に努めるとともに、多面的な角度から総合的に判断することが重要であると考えます。
 県としましては、このような基本的認識のもとに諸施策の推進に努めることと、あわせて政策決定の過程を広く県民に明らかにすることが団体自治や住民自治を内容とする地方自治の本旨にかなうものであり、公平公正で県民本位の開かれた県政運営であると考えております。
 次に、新石垣空港との関連で、新石垣空港の位置選定について、知事は地方自治の本旨にのっとり、県民本位に対処したと言えるかという御質問にお答えいたします。
 新石垣空港の建設位置の決定については、石垣市を初め地元の関係団体等の同意が必要であり、県の意思のみで事業を推進できるものではありません。
 建設候補地については、円滑な事業実施が見込める候補地を選定するために一連の合意形成作業を進めてきたところでありますが、候補地の選定に至らない状況にあったため、県側で一つの方向性を示し、今後とも地域の合意形成を図っていくことが早期建設につながるものと判断して宮良案を選定したものであります。
 今後、赤土流出防止対策や農政上の問題等関連施策の検討を行うとともに、地元関係機関等に十分に説明をし、理解を求め、地権者、利害関係者の同意取りつけ、関係機関との事前協議、議会の同意等を得ることにより早期着工が図れるよう最善の努力を払ってまいりたいと考えております。
 それから、積極的平和主義に立って平和創造を言うならば、選挙監視活動等への職員派遣は進んで協力すべきではないかと考えるがどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 本県は、国際協力として現在発展途上国に対し医療や農業その他の分野で技術協力を行っているところであり、今後とも継続して一層の充実を図っていく必要があると考えております。

 カンボジアにおける選挙監視分野への派遣候補者の推薦につきましては、県民感情など諸般の事情から見合わすことにしたわけでございますので、御理解いただきたいと思います。
 それから、水道事業経営の立て直しについて知事の決意はどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 水道事業の運営に当たっては、県民の福祉を増進するための安定給水の確保、さらにこれからの水需要に対処するための施設の整備及び維持管理等を行っているところでありますが、施設の拡張に伴い事業費用が著しく増加し、大幅な累積赤字を余儀なくされ、財政は逼迫している状況にあります。
 このような財政状況に対処するため内部努力を続けてまいりましたが、これにも限度があり、料金改定による財政の健全化が急務となっておりますので、県民の御理解と御協力をお願いしているところであります。
 なお、今回の改定により経営は若干好転するものと予想しております。しかしながら、依然として多額の累積欠損金を抱えている状況でありますので、早い機会にその解消を図るなど今後とも財政の健全化に向けて引き続き努力を行い、県民への安定給水に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いしたいと思います。
 それから、全国植樹祭の警備について適正な警備とは何か、警備のあり方に対する知事の基本的な考え方を聞きたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
 先ほどもお答え申しましたとおり、警備につきましては警察本部長に万全の対策をお願いしているところであります。県庁の職員としましても、この全国植樹祭を円滑に終了させるため全力を傾けて当たりたいと考えております。
 それから、新石垣空港問題との関連で、調査費は所要手続が第1関門にも入れず、予算期間中凍結のほかなく執行できないのは明らかであり、撤回すべきであると、また石垣市長、市議会の同意を得る見通しはあるのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 新石垣空港の早期建設は、八重山郡民の長年の悲願であり、一日も早い着工に向けて最善の努力を払う必要があります。現在石垣市長等への説明と理解を求めているところであり、私としましても適当な時期に現地に出向き、地域の合意形成に向けて誠心誠意努力していく考えでありますので、御理解いただきたいと思います。
 それから、知事は強引に横車を押し通し、住民の方が自分についてくるべきという構えであり、八重山住民を侮るものと断じざるを得ないがどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 先ほどもお答えしましたとおり、新石垣空港建設位置の決定については、石垣市を初め地元の関係団体等の同意が必要であり、県の意思のみで事業を推進できるものではありません。
 建設候補地については、円滑な事業実施が見込める候補地を選定するために一連の合意形成作業を進めてきたところでありますが、候補地の選定に至らない状況にあったため、県側で一つの方向性を示し、今後とも地域の合意形成を図っていくことが早期建設につながるものと判断して宮良案を選定したものでありますので、御理解を賜りたいと思います。
 それから、同じく新石垣空港問題との関連で、知事の宮良案選定の根拠は全く根拠がない、よって知事は住民自治の本旨に立ち返り宮良案を撤回すべきであるがどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 新石垣空港の建設候補地については、これまでの一連の合意形成作業を初め新石垣空港建設位置検討委員会の提言や庁内の新石垣空港建設対策協議会の報告、またこれまで事業実施に至らなかった経緯等を踏まえ、今後の八重山地域の特性を生かした発展方向に配慮し、熟慮を重ねて検討した結果、宮良案が適地であると判断したものであります。今後とも石垣市を初め地元関係団体への説明をし、御理解を求め、合意形成に向けて誠意を持って努力をしてまいりたいと考えておりますので、ぜひとも御理解を賜りたいと思います。
 それから、国立水産研究所の誘致との関連で、均衡のとれた離島振興を図る上から国立水産研究所を宮古圏域に誘致してほしいという趣旨の御質問にお答えいたします。
 サンゴ礁海域を持つ本県の熱帯海域では、本土と異なる海域特性を持っていて、他府県で開発された知見や技術を直接に導入できない状況にあります。このようなことから、県及び水産団体等も国立水産研究機関の設置について機会あるごとに国へ要請を行ってきたところであります。
 このたび、国は平成5年度の予算で、亜熱帯における水産研究に関する支所設置検討調査費を確保し、具体的に検討する運びとなっております。県としましては、同施設の実現に向けて最大限の取り組みをしていく考えでございます。
 それから、離島問題との関連で、肉用和牛価格の維持の問題について4つの質問がございます。子牛価格の推移はどうなっているか、子牛価格低落に対する農家の救済対策をどう考えているのかと、それから価格低落の原因は何か、国の現行制度の見直しを求めるべきではないかという4つの趣旨の御質問でございますが、一括してお答えさせていただきます。
 肉用子牛価格の推移につきましては、全国的に昨年春ごろから値下がり基調にあり、平成2年3・四半期の49万5000円をピークに徐々に値下がりし、今年度3・四半期では39万円程度で推移しております。県内にあっても平成2年度3・四半期をピークとして値下がりし、ことしの2・四半期以降は国の保証基準価格を下回っている状況にあります。
 子牛価格低落に対する農家の救済対策につきましては、全国の平均価格が本県より10万円前後も高い状況にあるため、肉用子牛生産者補給金制度の発動には至っておりません。したがって県としましては、今年度については畜産公社の事業により緊急対策を実施してまいりたいと思います。次年度以降につきましては、県、畜産公社、生産者の3者負担による県独自の新たな特別対策事業を創設し、対策を講じてまいりたいと考えております。
 今回の子牛価格低落の原因につきましては、国内景気の低迷、牛肉の輸入自由化及び子牛価格の周期的変動等によるものと考えられます。また国の現行制度の見直しにつきましては、本県の実情に即した運用が図られるよう国に対し引き続き要請をしてまいりたいと考えております。
 次に、消費税との関連で、消費税廃止に全力を挙げると公約したが、全力を挙げるとはまずみずからできることをやることだが、消費税取りやめについて何をやったのかという御質問にお答えいたします。
 消費税については平成元年4月から実施されましたが、その見直しや廃止をめぐって国民各層にさまざまな議論を呼び、税制問題等に関する両院合同協議会等国会においてのたび重なる協議を経て平成3年5月、住宅家賃や入学金を非課税とする等の改正が行われましたことは既に御承知のとおりでございます。
 私も、消費税廃止へ全力を挙げるとの選挙公約に基づいて平成3年2月定例会に入学金、出産費及び文化・教育・体育施設使用料等に対する消費税転嫁廃止のための関係条例改正を提案させていただいたところでありますが、議会の御理解が得られず否決となった経緯がございます。
 しかしながら、地方におけるこうした議論が反映されたこともあって法改正による非課税措置の拡大等一定の前進が見られたことや、他府県では転嫁が実施されていることなどの現状を考慮した場合、行政の立場として現実的な対応が必要と判断し、県の使用料等に対する消費税の転嫁を実施しているところでありますので、御理解を賜りたいと思います。
 それから、知事は就任前、県財政についてどのような認識を持っていたのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 本県の財政につきましては、復帰以降沖縄振興開発計画に基づいて実施される種々の公共投資の拡大等によって財政規模は年々拡大しているものの、自主財源の割合が低いことなどもあり、財政運営はかなり厳しいだろうとの認識を持っておりました。
 次に、教育委員の準公選制との関連で、公選制ではなくなぜ準公選制かという趣旨の御質問にお答えいたします。
 本県においては、過去に県民の自由な意思を教育行政に反映させた教育委員会法を制定し、教育の民主化を推進した経験があります。このような歴史的背景も踏まえ、現行制度の枠内という制約の中で県民の行政参加を促進するため、いわゆる準公選制を公約に掲げているところであります。

 それから、準公選制のメリットは何かという趣旨の御質問にお答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、本県の歴史的背景も踏まえ、県民の声を教育行政により反映させ民主的な教育行政の理念が実現されることを期待しているわけであります。
 同じく教育委員の準公選制との関連で、現行制度の補完すべき欠陥あるいは改善点は何かという趣旨の御質問にお答えいたします。
 この点につきましては、制度の欠陥というより住民自治の観点から、現行制度の枠内で候補者の選定過程で県民の声がよりよく反映されることが制度をさらによく運用することだと考えているわけでございます。
 それから、教育委員の準公選制について今後この制度をどのように対処していくのか、緊急の必要性もないのにあえて取り入れるのは行政制度のファッション化ではないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 いわゆる準公選制は、あくまでも県民の行政参加を促進させる手段として考えているわけであります。今後の取り扱いにつきましては、現行法との関連で解決すべき課題がありますので、慎重に調査検討を進めていく考えでございますので、御理解いただきたいと思います。
 なお、残りの御質問につきましてはお許しを得て関係部局から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
○議長(儀間光男君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 宮城常吉君登壇〕
○商工労働部長(宮城常吉君) 企業立地の問題は本県振興上重要かつ困難な課題であるが、これからの展開と見通しを伺いたいという御質問にお答えいたします。
 企業立地の推進に当たりましては、これまで県外事務所を含めた沖縄県企業誘致推進本部を設置し、関係機関との有機的連携を図り、企業訪問、立地説明会、立地懇談会等を通じて企業誘致を積極的に進めてきたところでございます。その結果、昭和56年以降製造業、情報サービス業を中心に21社が立地しております。
 本県における企業誘致は、市場の狭隘性、産業基盤の未整備及び工業集積の不足等から厳しい状況にあります。しかしながら、本県の産業の振興、雇用の場の確保を図るため企業誘致は重要な課題であると認識しております。今後とも、工業団地等の基盤整備や立地企業に対する優遇措置の充実を図りながら、本県の地理的特性を生かした加工組み立て型産業、地場資源活用型産業及び情報関連産業等の業種に重点を置いて誘致活動を展開してまいります。
 次に、自由貿易地域の問題は本県振興上重要かつ困難な課題であるが、これからの展開と見通しを伺いたいという御質問にお答えいたします。
 自由貿易地域制度が本県の経済振興における重要な柱の一つであるとの認識から、中城湾港新港地区等への新たな展開を含め自由貿易地域の拡充強化に努めてまいりたいと考えております。
 現那覇地区は厳しい状況にありますので、県としましては、企業の自主性等を基本としながら物産貿易振興資金の充実強化、産業振興基金の活用等支援措置の充実を図るとともに、中長期的な課題としては輸入の自由化、関税制度の緩和等のいわゆる制度の改善についても取り組んでまいります。
 また平成5年度に自由貿易地域設置需要調査を実施し、その中で管理主体のあり方を検討するとともに、入居業種等の把握に努め、その調査結果をも踏まえて対処してまいります。
 なお、協同組合沖縄フリートレードゾーンから要請のありました現那覇地区活性化等のための、1つに施設使用料の軽減の問題、2つ目に入居企業の再編問題、3つ目に常設展示場の活性化等につきましては、前向きに検討してまいります。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 赤嶺 勇君登壇〕
○農林水産部長(赤嶺 勇君) 下地議員の御質問にお答えいたします。
 新石垣空港問題についての関連でございますが、等量等価の代替地は確保できるか、その所在地と面積はどうなっているかとの趣旨の御質問にお答えいたします。
 現在新石垣空港予定地から8キロメートル以内には、県有地も含めて72ヘクタールの代替可能地があります。その代替可能地は、雑草やギンネム等が繁茂した状況で放棄されているため等量等価にあるとは考えておりませんが、基盤整備等を進めながら営農可能な農地に仕上げてまいりたいと考えております。したがいまして、農業の継続を希望する農家に対しましては、営農活動に支障を来さないよう代替地の確保とあわせて石垣市及び農業委員会の理解と協力を得ながら地域農家の経営安定に努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 大城義勝君登壇〕
○土木建築部長(大城義勝君) 新石垣空港問題に関連して、現空港は既に能力の限界にきていると思うが今後の需要の増加にどのように対処していくのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 石垣空港につきましては、航空輸送需要の増大に対応するため平成2年度においてエプロンスポットの増設等を行ってきたところであり、平成4年度及び5年度において滑走路表面のグルービングエ事等を実施する計画であります。新空港の整備が完了するまでは引き続き現空港を最大限に活用する必要があると考えており、今後とも航空輸送需要の増大に対応して現空港の範囲内で可能な施設整備を検討してまいりたいと考えております。
 次に、離島問題についての関連で、離島架橋についての御質問にお答えいたします。
 1つ、伊良部架橋の今回実施する調査項目は何か、2つ、今回調査期間とその成果のまとまる時期について、3つ、同調査が完了した後はどのような作業手続に入るか、一括してお答えいたします。
 伊良部架橋については、これまで実施してきた離島架橋に比べて長大橋となることから、膨大な建設費の確保、技術及び環境上の検討、さらに地域開発計画との整合性等多くの検討課題を抱えております。したがいまして、これらの課題解決に向けてあらゆる観点から調査をする必要があります。そのため、平成4年度は風況の現状を把握するために風向風速調査を実施しております。平成5年度においても同様な調査等を実施し、四季における風況の資料の取りまとめを行うことにしております。
 その後の作業といたしましては、環境現況、地形、地質等逐次調査を実施し、架橋整備に向けての基礎的データの収集に努めることにしております。
 以上であります。
○議長(儀間光男君) 警察本部長。
   〔警察本部長 佐野智則君登壇〕
○警察本部長(佐野智則君) 最近の過激派の動向ということでございますが、全国的に極左暴力集団各派は沖縄植樹祭粉砕、天皇沖縄上陸阻止を今年前半の最大の闘争課題として設定し、取り組みを強めているところであります。
 1月18日付の中核派機関紙「前進」によりますと、日帝権力の警備体制のすべてを粉砕し神出鬼没のゲリラ戦を爆発させる、革労協機関紙「解放」の1月1日付によりますと、強力な迫撃砲の威力を93年の戦場にどしどし投入し爆砕せよ、といったような記述が見られるところです。
 県内における各派の取り組みについて説明いたします。
 まず中核派ですが、このセクトは国内最大のセクトでありまして、全国で最も悪質なテロ、ゲリラを敢行しているところであります。平成4年中全国で46件のゲリラ事件が発生しましたが、そのうち41件はこの中核派が犯行声明を出しております。
 この41件中、個人の住宅等を時限式爆発物を仕掛けたもの13件、時限式発火装置を仕掛けて放火したもの27件、関係先に時限式装置で爆発物を発射したものが1件であります。また去る2月10日には茨城県森林学習展示館、これは茨城の植樹祭跡地に建設されたものですけれども、これに対するゲリラを敢行したところであります。
 この中核派は、第44回全国植樹祭の沖縄開催が決定された時点から機関紙「前進」やビラ、その他各種大衆行動、街頭行動の場で沖縄植樹祭粉砕、天皇来沖実力阻止などと闘争の強化を訴えており、ゲリラ事件の敢行が懸念されるところであります。

 また、本土在住の沖縄県出身青年学生を結集した全国沖縄青年委員会を結成して、沖縄現地における植樹祭粉砕闘争に取り組むとしております。この団体は1月29日、沖縄県東京事務所において知事のお執り成しを提出中止を申し入れた団体でもあります。
 革労協(狭間派)、このセクトは、昭和62年の海邦国体では87年天皇上陸阻止闘争の大爆発をと、等々主張いたしまして、浦添警察署の坂田派出所時限式発火装置放火事件、銀バスに対する時限式発火装置放火事件等一般市民を巻き添えにしかねない悪質なゲリラ事件を起こしているグループでありますが、昨年の5・15闘争等県内における極左暴力集団の記念日闘争時には他府県から活動家が来県して活発な取り組みを見せており、4月植樹祭天皇来沖阻止、4月天皇上陸阻止結成への大爆発をとアピールしており、このたびの植樹祭に向けてもテロ、ゲリラ事件を敢行することが懸念されます。
 県内最大のセクトであります革マル派は、昨年5・15闘争で初めて93年植樹祭反対、天皇来沖阻止を打ち出しておりますが、本年に入りまして植樹祭への天皇参加、皇太子御婚約の祝賀ムードを危機的事態ととらえまして、植樹祭粉砕に主張を変え、闘争強化をはかっております。
 戦旗(両川派)、このセクトは海洋博当時、ひめゆりの塔事件を引き起こしたグループでありますが、県内ではそれほど大きな組織ではございません。しかしながら、記念日闘争などでは県外から県出身の活動家が中心となって組織いたしました反天皇と闘う本土、沖縄青年の会のメンバーが来県して、93年沖縄植樹祭粉砕、天皇上陸阻止のビラを配布するなど闘争の盛り上げをはかる一方、県内活動家との交流を深めつつ、白銀、ひめゆり事件を上回る闘争を主張しております。
 黒ヘル系の沖縄日雇労働組合は、ビラで植樹祭天皇上陸を総力で阻止しようと主張し、植樹祭粉砕闘争の一環として2・11反天皇集会デモ、2・14植樹祭リハーサル弾劾闘争を取り組み、沖縄解放闘争、反天皇闘争の爆発を訴えております。
 以上が県内における極左暴力集団各派の取り組み状況でありますが、過去の海邦国体時には数百人の県外極左活動家が来県した実績がありますので、今回の植樹祭に際しましても相当数の県外極左活動家の来県が予想されるところであります。
 このような情勢を踏まえまして、警察といたしましては、植樹祭が安全、円滑かつ平穏裏に開催されること、天皇・皇后両陛下を初め1万人に及ぶ大会参加者の安全確保を図ることを目的として極左暴力集団のゲリラ活動や妨害活動の防止、植樹祭会場及び周辺地域の交通の安全と円滑の確保を重点とすると同時に、この間の県民生活に著しい支障が生じることのないよう配意しながら諸準備を進めているところであります。
 御指摘のように、沈着に勇気を持ってスマートな警備を実施してまいりたいと考えております。
 警備の規模などにつきましては、先ほど申し上げました極左暴力集団の動向等の諸情勢を勘案しながら検討準備を行っているところであります。
○議長(儀間光男君) 教育長。
   〔教育長 津留健二君登場〕
○教育長(津留健二君) 高等学校の総合学科設置についての一連の御質問にお答えいたします。
 まず第1に、教育委員会としてはこの総合学科をどう理解し、どう評価しているかという御質問にお答えいたします。
 高等学校における総合学科は、第14期中央教育審議会答申の普通科と職業科に大別されている現行の学科区分を見直し、普通科と職業学科を総合するような学科を設置するという提言を受け、高等学校教育の改革の推進に関する会議の第4次報告で具体化されたものでございます。
 総合学科における教育の特色は、将来の職業選択を視野に入れた自己の進路への自覚を深めさせる学習の重視と、生徒の個性を生かした主体的な学習を通して学ぶことの楽しさや成就感を体験させる学習を重視したものでございます。この特色を生かすために文化スポーツ活動、ボランティア等の実績を重視した多様な選抜方法の工夫、多様な普通科目及び専門科目の開設、単位制による弾力的な教育課程の編成、高等学校間の連携による学習機会の拡大、中途退学者の転編入学の受け入れなどが行われることになっております。
 このような特色を持った総合学科は、戦後初めての学科制度の改革であり、生徒の主体的な学習を促し個性を伸長させるなど高等学校教育に大きな影響を与えるものと受けとめております。
 次に、教育庁としては総合学科設置についてどう対応するつもりか、また総合学科新設に際してどういう問題点があるかという2つの御質問に対して一括してお答えいたします。
 本県教育に総合学科を取り入れていくには、教員の意識の改革を初め教職員の配置、施設設備の整備及び教育課程の編成等の問題が予想されます。
 総合学科設置については、現在文部省において平成6年度実施に向けて関係法令等所要の制度改正を進めているところであり、その動向を見ながら県立学校編成整備計画の見直しをする中で検討したいと思っております。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 生活福祉部長。
   〔生活福祉部長 山里 明君登壇〕
○生活福祉部長(山里 明君) 下地常政議員の離島問題についての御質問と関連して、宮古厚生園移転に伴う業務内容についての御質問にお答えいたします。
 第1点目の新厚生園の施設の規模、内容はどうなっているか、また完成はいつになるかということについてお答えいたします。
 まず敷地の規模でございますが、宮古厚生園の敷地は、移転することにより現在の5705平米から1万8827平米ふえて2万4532平米となります。
 建物面積は、現在の1937平米から併設されるデイサービスセンター及びショートステイ専用居室を含めて3058平米ふえて4995平米となります。
 利用定員につきましては、現状のままで特別養護老人ホームが70名、養護老人ホームが50名となっております。
 また、入所者のプライバシー保護を確保し、より快適な生活を送っていただくために、特に養護部門を全室個室にしたことと、特別養護老人ホームについても14室の個室を整備することにしております。
 なお、建物の完成は本年10月を予定しております。
 次に、宮古厚生園移転に伴う内容についての関連で、同施設の移転後の事業内容は従来と変わらないか、変わるとすればどのようなものになるのかという御質問にお答えいたします。
 今回の増改築に伴って、これまでの養護老人ホームと特別養護老人ホームの運営に加えて新たにデイサービスセンター及びショートステイ専用居室8床を併設することになっており、これによりなお一層老人福祉の充実が図れるものと考えております。
 次に、要員等の体制はどのようになるかということについてお答えいたします。
 ショートステイ及びデイサービスセンターの運営は、平良市からの委託を受けて実施することになっておりますが、新たに生活指導員、寮母等の職員が必要となります。
 県といたしましては、開設までに施設の管理運営主体である沖縄県社会福祉事業団及び委託者である平良市と十分調整し、両者の処遇に支障を来さないよう万全の体制を整えていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 砂川恵徹君登壇〕
○環境保健部長(砂川恵徹君) 僻地医療行政についてお答えをいたします。
 城辺町立診療所の科目変更について県は基本的にどう考えるかという御質問でございますが、城辺町立診療所は昭和58年度に国、県の補助金を受けて設置され、昭和59年3月から平成4年6月までの間、城辺町民の保健医療福祉の増進に大きく寄与してきたと考えております。
 平成4年6月16日、それまで勤務していた医師が退職し、町立診療所は休止となっております。しかし同日に医療施設や設備の充実した診療所が開設されているところから、城辺町は同地域における医療の確保は従来どおり確保できるものと判断し、さらに町内には歯科診療所が皆無であるところから、当該診療所の跡利用について診療所運営検討委員会を設置し、その意見を踏まえ、同診療所を歯科診療所に用途変更する方針を固め、現在その作業を進めております。
 医療には1次医療、2次医療、3次医療とございますが、市町村を中心とするいわゆる1次医療については特に市町村を単位とする地域の主体性が最も重要と考えますので、市町村の主体性を尊重し、制度の運用や法の施行については国とも協議しながら御指導申し上げていきたいと考えております。

 続いて、今後どのような手続が必要か、また期間はどの程度かかるかという御質問でございますが、国及び県の補助金等により整備された城辺町立診療所は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律及び関係法令に基づいて当該財産の処分がなされることになります。したがいまして町長は、厚生大臣に対して用途変更申請を行い、許可通知を受けて同町立診療所の設置条例の一部改正、その後従来の医科診療所の廃止届け並びに新たに歯科診療所の開設許可申請を知事に行うことになります。
 開設に要する期間については、現在のところ町としては9月を予定しているようでございます。
 以上です。
○議長(儀間光男君) 下地常政君。
○下地常政君 休憩お願いします。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
   午後3時47分休憩
   午後3時50分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
 下地常政君。
   〔下地常政君登壇〕
○下地常政君 それでは再質問をさせていただきますが、最初に知事の平和行政に関する部分ですけれども、知事のその平和に対するお考えというのは単に戦争のない状態じゃなくて、抑圧、支配あるいは差別等のないというふうにおっしゃっている。これはいわゆる絶対平和主義というのが一方にあって、それに対して積極的な平和主義だというふうに理解するわけです。
 そうしますと、具体的に申し上げますと選挙監視派遣について県民感情を考慮して見合わすとおっしゃるが、知事というのはすべての面でリーダーシップを発揮しなくちゃいけないわけですから、だから知事の平和主義に立ってはこれはどう思うかということがまず一つ前提としてあって、これをやはり自分の指導力を発揮して納得させて派遣するぐらいにいかなくちゃいけないんじゃないか、そういうふうに思うわけです。そこのところをもう一度御答弁いただきたいと思います。
 それから、企業誘致についてでありますが、商工労働部長、その企業誘致を勧誘するとおっしゃっている。この企業というのはこれは命をかけた経営ですから、なまはんかなものではやっていけませんよ。ただその誘致のセールスポイントは何かということを明確にしなければ、これは企業誘致に努力するといってもこれは絵に書いたモチにしかすぎないと思います。
 それから、全国植樹祭についてでありますが、先ほど警察本部長から話がありましたように、あの過激派の動向というのはこれはもう大変なもの。いわゆる平和主義的立場では対応できないものがあるわけでありますけれども、それでその万全の警備でというふうにおっしゃっていますが、そのことは警察本部長にきちんと伝えられましたか。
 そしてその警察本部長に任された以上は、知事は最高責任者ですから、どういうことがあっても自分が責任者となって表に出なくちゃいかぬわけです。その場合に、例えば知事を支持するグループの方々が過剰警備だ、過剰警備だといってきた、それに対して知事はどのようにこたえていらっしゃるか。やはり警察本部長にすべてを任せた以上は、責任を持って対応していただかなければいけないんじゃないかと思います。
 それから、新空港に関してですけれども、今農林水産部長の話では等質等量の代替地はないとおっしゃる。この空港問題のこれは大きなポイントであって、それに対して等質等量の代替地がないということは実質代替地がないということと同じですよ。
 8キロ以内にどうのこうの、15キロ以内にどうのこうのとおっしゃいますけれども、今の宮良の皆さん方は1キロ以内の距離に農地があって、そこでしかも年をとった方々が通って農業をしていらっしゃる。そういう方々に8キロ先に行きなさい、15キロ先に行きなさいといってもこれはもう事実上不可能な話。だから代替地はないというふうにしか断定できないんですけれども、そこのところもう一度おっしゃってください。
 それから、調査費2億1000万円は執行不可能じゃないかと申し上げたら、いずれ市長、市議会の説得の見通しがあるかと申し上げたら、その見通しについては直接答弁なさらなくて、現在合意を求めているとおっしゃっている。市長、市議会は断固としてノーとおっしゃっているわけですから、これは答弁にならないと思うんですけれども、そういう中で合意を求める見通しというのはあるのかということをもう一度お願いしたいと思います。
 それから、私ちょっと言葉が過ぎたかもしれませんが、知事は横車を押していると。それをやむを得ずみずから決定されたみたいなことをおっしゃっているけれども、その理由としてこれまで繰り返しおっしゃっていることは、一連の合意形成を図っても候補地決定に至らなかったというふうにおっしゃっているわけです。
 しかしこれはおかしいわけですよ。合意形成に至っていたということは知事御自身も認めていらっしゃるんじゃないですか。カラ岳東で合意形成に至っていたということは認めていらっしゃるわけです。その上に何の合意形成ですか、これはもう一度きちんと答えてください。合意形成のための合意形成じゃないんですから。
 それから、知事の宮良選定の根拠は全く正当性がないと。これはもう時間があればたくさん理由を並べて申し上げたいんですけれども、その中で特に私たちの気になるのは、工事着工に至らなかったとおっしゃっている。この工事着工、これはカラ岳東に対しては順調に進んできたわけですよ、少なくとも白保じゃなくて。ところが知事が交代した途端に、ここで知事の印鑑を押すべきものを押さなかったということで、そこですべてが振り出しに戻っているわけですから、工事着工に至らなかった責任は知事御自身にあるわけですよ。自分で火をつけといて、火事だ火事だと騒ぐのと同じでですね、これは私は説得力がないと思いますよ。これも含めてやはり宮良選定は正当な根拠がないと申し上げているわけです。それに対してもう一度お願いします。
 警察本部長、植樹祭の警備につきまして御懇切な御説明をいただきましたが、どうぞ一部の声に憶することなく、毅然たる態度でひとつ警備をきちんとやってください。
 それじゃ最後に飛びまして教育委員公選の問題ですが、これはやはり教育委員というのは公選あるいは準公選になじまないとうことで今任命制をとっているんだと思います。
 例えば、この教育委員をもし公選あるいは準公選で選ぶとすると、そこにどうしても政治が絡んでくる。例えば今の教育委員というのは、正直申し上げて知事のめがねにかなった方だと思いますけれども、もし選挙になったら例えば自民党の西田健次郎みたいな勇ましい、イデオロギーの違った方も出てきますよ。そうなったら教育委員会というのは混乱してこれはもう全然収拾がつかなくなる。
 そういう意味では、だから教育委員というのはやはりいろんな歴史、経緯があって任命制になっているということを認識していただかなければ、これはもう公選制なんてとんでもない、公約からおろしてください。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
   午後3時58分休憩
   午後3時59分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 再質問にお答えいたします。
 まず平和行政との関連で、積極的な平和主義をとるのであればカンボジアにおける選挙監視体制への職員の派遣もいいのではないかという趣旨の御質問だったと思いますけれども、これは派遣しないということも積極的な平和主義でございまして、それはそのときどきの情勢に応じていろいろ県民感情や県内の事情、あるいは国内における議論等を踏まえまして慎重に検討することが積極的な平和主義になると考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
 それから、植樹祭の警備の問題につきましては、これはあらゆる情勢を考慮して慎重に対応する必要がありますので、県警、警察とも絶えず連絡をとらせていただいております。
 それから八重山の新石垣空港問題との関連で、一連の合意形成に至らなかったということを言っているがそれはどうなのか、また工事着工に至らなかったのは知事がそういう判こを押さなかったからじゃないかという趣旨の御質問には一括して答えさせていただきます。

 もうこれまで何度もお答えしましたように、私が就任しましたときの段階ではまだ地主の合意も取りつけられておりませんでした。そのことは担当の部長も判こを押していなかったということを申し上げたとおりでございまして、その辺の12年間近くかかりまして、これも前に申し上げましたように、閣議決定もして予算もついているのに実際に着工できなかったというそういう実態を踏まえて、我々はこれまでこの問題を庁内、さらに庁外の検討委員会の論議を踏まえて選択したのでございますので、ひとつ御理解いただきたいと思います。
 それから、公選制でなくて準公選制の問題につきましては、先ほども申し上げましたけれども、本県においては過去に県民の自由な意思を教育行政に反映させた教育委員会法を制定し、教育の民主化を推進した経緯があります。
 このような歴史的な背景も踏まえ、現行制度の枠内という制約の中で県民の行政参加をより一層促進するためにいわゆる準公選制を公約に掲げているところでありますので、御理解賜りたいと思います。
○議長(儀間光男君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 宮城常吉君登壇〕
○商工労働部長(宮城常吉君) 企業誘致の本県におけるセールスポイントは何かと、そこを強調しなければいかぬじゃないのかという趣旨の御質問でございます。
 御案内のとおり、本県への企業誘致に当たりましては一番産業基盤の未整備が隘路になってございます。これまで中城湾港工業団地への立地、糸満工業団地への立地、その他各市町村に工業適地がございますので、ここへの立地等々が見ておりますので、今後は産業基盤の整備をしながら企業誘致に努めていきたいと、このように思っております。当面は、企業立地説明会等でケース・バイ・ケースも含めて対応していきたいと、このように考えております。
○議長(儀間光男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 赤嶺 勇君登壇〕
○農林水産部長(赤嶺 勇君) 下地議員の再質問にお答えいたします。
 代替地の確保と農業の継続を希望する農家対策についてでございますけれども、先ほども申し上げましたように県有地を含めた代替可能地は72ヘクタールございますと。等量等価にはございませんけれども、基盤整備を進めていくならば十分営農が可能な農地に仕上げられますというふうなことでございます。
 それからさらに距離の問題いろいろとございますんで、それぞれの解決の手法としましては交換分合なり、農用地利用増進法の活用等によりましてそういった距離の問題は相当程度解決できるんではないだろうかと、こう思っております。
 いずれにしましても、石垣市及び農業委員会の理解と協力を得ながら進めなければならないものだと、こう理解しております。
 以上でございます。
○議長(儀間光男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 大城義勝君登壇〕
○土木建築部長(大城義勝君) 石垣市等の同意が得られる見通しがあるかという再質問にお答えいたします。
 今後石垣市当局を初め関係団体等に対し、平成5年度に予定している環境現況調査や気象観測調査等一連の調査業務の目的とその内容について説明をいたしまして、諸調査の実施について理解と協力を求めるために鋭意話し合いを重ねてまいりたいと考えております。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
   午後4時 6分休憩
   午後4時30分再開
○副議長(崎浜秀三君) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 具志孝助君。
   〔具志孝助君登壇〕
○具志孝助君 通告に従いまして一般質問を順次行います。
 質問の第1点目は、教育問題でございます。
 政府・自民党は、戦後の国家経営においては基本的に成功したが、教育の分野では失敗したと極言する人もいる。それは今日の受験地獄が日本の子供たちをいびつにしてしまったというようなことかと思いますが、ところが今すぐ現行の入試制度を改めることは議論百出、百家爭鳴、容易なわざではないというのであります。
 先般文部省の高校教育改革推進会議が、中学校における業者テストの排除、そして高校に総合学科を新設することを提言しました。このような動きも相まって最近教育制度の問題が大きな社会問題となっていると思慮いたします。
 具体的に列挙をしてみますと、1つ目に業者テストの問題、2番目に偏差値の問題、そして3番目高校中途退学の問題、4番目高校総合学科の設置の問題、そして5番目指導要録の全面開示の問題等々、これらはすべて進路指導の問題として集約されると思います。
 したがって、それぞれ関連しますので一括して御質問をいたします。
 まず1点目でありますが、沖縄県におけるこれらの問題の現状と対応について御説明をお願いいたしたいと思います。
 総合学科につきましては、先ほどの下地常政議員からもありましたので割愛して結構かと思います。
 この説明の中で、特に指導要録開示について教育長の見解をお伺いいたしたいと思います。
 那覇市においても3名の方から全面開示の要望が出されていることは新聞の報道にありますが、県教育庁に対しても同様の要望、要求が、いわゆる全面開示の要求が出されておると聞いております。そういう事実があるのかどうか、そしてそれに対してどのように対応されたのか、あるいはされようとしているのか、お伺いをいたします。
 平成5年度の県立高等学校の入学志願者状況を見ますと、定数割れの学校と学科が目立ちます。
 そこでお伺いしますが、定数割れの状況を普通高校及び職業高校に分けて御説明を願いたいと思います。
 定数割れが相当に目立つわけでありますが、このことについての御所見を賜りたい。
 これはどういうことかと言いますと、これから学生数が徐々に減ってくる傾向にあると、このように言われておりますが、このような中で既に定数割れがあちこちに見られるということについては、学校の再編成というような問題だとか、あるいは総合学科の設置の問題等々いろいろとあろうかと思いますが、その辺のことについてお伺いをいたしたいと思います。
 2番目に交通問題、都市モノレール事業についてお伺いをいたします。
 今日まで混迷難渋をきわめてきました都市モノレール事業も、都市モノレール対策協議会において収支計画を初めとする事業計画案が了承されたことにより、一つの区切りがついたと思います。
 このたび山里モノレール対策室長がこれまでの職責が評価をされて那覇市助役に栄転されたことは喜ばしいことであり、これからのまた御活躍を期待するわけでありますが、ところで後任のモノレール対策室長人事でありますが、モノレール事業は今まさに緒についたところであると思うんです。こういうようなことを考えますときにこれからが大変な難関だと考えますが、一日も早く後任人事を決めてしっかりかじ取りをしてもらわなければならないと思いますが、どのような予定になっておるのか、お尋ねをいたします。
 昨年11月に、バス協会から県のモノレール事業計画に対しまして8項目に及ぶ要望書が出されております。
 何としましても、都市モノレールの特許申請をする上では最も大事なことはバス協会との協定書の締結であります。これをクリアしないことにはどうにもならないということが言われてきたわけでありますが、この11月に出された8項目の要望書に対しまして、県はことしの1月には要望に沿った、いわゆる基本的には合意できるものとする内容の回答をされたというような説明があり、我々はいよいよ協定書が締結されると、このように期待をしてまいったわけでありますが、現実にはまだその締結がなされてないというようなことであります。
 バス協会からの要望事項8項目ということでありますが、大事な時期であるし、細かいところは控えたいと、このような大事をとっていらっしゃる気持ちはよくわかります。
 しかしバス事業協会からの要望の中で、モノレ一ル事業導入から生じてくるバス事業の損失補償の問題だとか、余剰人員の問題あるいは余剰車両の問題、余剰施設の問題等々については基本的に合意は成っていると、こう聞いております。あと数項目あるわけでありますが、可能な限りどういうところでこれだけ難渋をきわめているのかお知らせを願いたいと、こういうぐあいに思います。

 それから、気が早いと、このようにおっしゃるかもしれませんが、やはり計画は速やかに立てなくちゃならぬと思うわけでありますが、駅の計画についてお尋ねをいたします。
 モノレール事業のそもそも導入の原点は、都市地区における慢性的な交通渋滞を緩和しようと、こういうようなことでありました。すなわち定時性、定速性、大量輸送が確保されるモノレール事業を導入することによって周辺都市から流入してくる車両を可能な限り最小限度に食いとめて、都市地区における交通渋滞の緩和、いわゆる車両の絶対量をある程度制限していこうと、このような目的でモノレールの導入が計画をされてきたことは御案内のとおりであります。
 そこでお伺いをいたしますが、都市モノレール事業計画案によると、営業区間12.9キロメートルの中に15の駅が設置されることになっております。今申し上げましたように、交通渋滞を緩和するというようなことから考えますと、郊外から入ってくる車両をある程度制限していくというような基本的な原則がなくちゃいかぬと思うんです。そのような観点に立っての駅の設置計画、駅周辺に例えば駐車場を確保するとか、いろんな計画がなければ本来のモノレール導入のいわゆる目的が見失われてしまうと、こう思うわけでありますが、この駅舎計画あるいは駅周辺計画についてはどのような形になっておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
 モノレール事業の3点目でございますが、車庫用地についてお伺いをいたします。
 今日まで関連街路の用地取得率が95.5%と、あと約2筆だけ残っていると、このように承ってまいりました。用地問題もほぼ解決される見通しでありますが、車庫用地についての説明がこれまでいただいておりません。車庫用地についての取得計画、いつごろから着手をされるのか。
 それから場所、位置を考えていらっしゃるのか、面積はどれぐらい予想されておるのか、車両がどれぐらい考えているのか、その他計画についての御説明をお願いいたします。
 4点目は附帯事業についてでございます。
 モノレール事業で最も心配されていることは採算性の問題であります。
 鉄軌道の場合の収入の面では、いわゆる附帯事業からの収入と料金収入、フィフティー・フィフティーだと言われているんです。モノレールは例の鉄道とは全然わけが違うわけでありますが、事業外収入も私はばかにならないものがあると思うんです。どういうような附帯事業を考え、そしてどの程度の収入を計画していらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
 質問の3点目でございますが、基地問題についてでございます。
 これはもうかなりの議員が関心を持たれ、先に質問もいただきましたので重複するところは割愛結構でございますので、お願いいたしたいと思います。基地問題についてお伺いをいたします。
 21世紀を展望したとき、南の交流拠点としての那覇空港の整備拡充を図ることは本県の振興発展を図る上で極めて重要な課題である。そのためには単に空港の整備にとどまらず、空港周辺の自衛隊用地を含め空港機能を活用した跡地利用の促進が望まれる。
 ところで県は、軍用地跡地利用基本計画を策定中であるが、その対象から自衛隊施設は除かれてあるようであります。このために当該地域は、将来の軍用地跡地の利用の基本的方向が示されることなく、ひいては返還後の地主の補償、跡地を有効に利用するための各種の措置等の面において地主が不利益をこうむるおそれがある。また自衛隊用地には県有地もあり、その利用を含む総合的な利用構想の策定がぜひ必要である。
 小禄地域のほとんどは、戦後米軍基地として接収されたこともあって公共施設の整備はおくれており、地域のだれもが利用できる多目的集客型の公共施設の適切な配置に対する要望は極めて高いものがあります。公共施設の整備を含めた総合的な利用構想の早期策定を望むものであります。
 ところで現在、当該地域ではモノレール街路が整備中であるが、一方自衛隊や県の御尽力により基地内道路が開通し、地域の市民を初め南部地域に住んでいる皆さんにも大変便利になったと喜んでもらっております。
 そこで自衛隊用地の利用と関連し、次のことをお伺いいたします。私は、主に那覇空港周辺についてお伺いをいたしますので、あらかじめそのように御理解を賜りたいと思います。
 那覇空港周辺の自衛隊用地について、那覇空港周辺の自衛隊用地を県の軍用地跡地利用基本計画の中で位置づけられないか。
 2番目、この那覇基地内にある県有地、具体的に申し上げますと陸上自衛隊の宿舎の隣にあるいわゆる普通財産、面積が2.4ヘクタール、ここを指しております。この県有地を県民が広く利用できる集客型の公共施設を整備計画すべきだと考えますが、このことについて計画はお持ちでないかどうか。ないとすれば、これからどのようなお考えでいらっしゃるか、お伺いします。
 私が特にこれをお聞きしますことは、モノレール関連街路が近くに入って、今整備を進められているところであります。そうなりますと、おのずとそこはもう市街化になってくるわけなんです。しかも今自衛隊が、そこは私に言わすれば遊休していると思うんです。特別な物が建っているわけでもないし、訓練場にもなってないと思われるんです。
 と同時に、この2.4ヘクタール、坪数にしますと7290坪まとまった土地があり、しかも国道331号に大きく接道しているんです。したがいまして独立して返還をしてもらっても単独に利用ができると、こういうような条件下にあるわけであります。これこそ早期に計画を立案してそういう折衝を展開する必要があると私は思うわけでありますが、そのことについてお伺いをいたします。
 3点目、北は那覇軍港、南は自衛隊用地から成る空港周辺について、何らかの跡地利用計画を持っていないのか、お尋ねをいたします。
 これは実は那覇空港の南側の部分については、那覇市からの強い返還要望に従って黙認耕作地が返還されたんです。ところが跡地利用計画が立たないままにずうっと放置されて、もう10年も、十二、三年も経過したもんですから、いよいよ地主の方でもうこれじゃ大変だと、いわゆる滑走路のすぐ間近にありまして騒音も高いというようなことで、跡地利用の計画が図れないと。
 こんなようなことからして、那覇市が計画して開発できないんであれば、これはもう自衛隊さんにもう一回使ってもらうしかないんじゃないかということで、大部分が一たん要求によって返還された施設がまた再契約をされたと、こういうようなことが現実にあったわけであります。
 結局は行政の怠慢というようなことになったわけでありますが、これは今那覇空港の南側を指しているわけでありますが、空港の北側那覇軍港周辺、あのフリーゾーン地帯の一帯もしかりだと思うわけであります。早期の具体的な跡地利用計画を当然持たなくちゃならぬと、こう思うわけでありますが、どうなっているのか。
 あるいは皆様方の方では、企画開発部の方ではこのことについての跡地利用の開発構想をコンサルタントに委託をされているということも私は仄聞をしておりますが、そういう事実はあるのかないのか、またそういう用意があるのかないのか、お聞かせを願いたいと思います。
 基地内道路、これは暫定使用ということでことしのたしか3月で切れることになっていると思うんです。これの再延長についてどうなっているか。当然そうしてもらわなければならない。もう既にモノレール関連が入っているわけでありますので、これは暫定じゃなくて恒久的に使用できるんだというところまで持っていかなければならないと思いますが、この基地内道路の3月以降の利用についてはどのようになっておるのか、お聞かせを願いたいと思います。
 あと後ほど再質問をいたしたいと思います。
○副議長(崎浜秀三君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 具志孝助議員の御質問にお答えいたします。
 まず都市モノレール対策室長の後任人事を急ぐ必要があるのではないかという趣旨の御質問でございます。
 御指摘の都市モノレール対策室長の後任人事につきましては、モノレール事業の重要性にかんがみ、前任者の退職と同時に土木建築部長の兼務を発令して対処しているところであります。今後、平成5年4月1日の定期人事異動の中で専任室長の配置を考えてまいりたいと思っています。

 次に、モノレール事業関連で、バス会社との調整状況について聞きたいと、また可能な限り8項目の要望事項についても説明してほしいという趣旨の御質問にお答えいたします。
 バス事業者との調整につきましては、昨年11月バス協会から県に対し要望が提出され、これを受けて去る1月5日同要望に対する回答を行ったところであります。
 現在モノレール導入に対するバス事業者との合意に関する協定書の締結に向け、鋭意作業を進めているところであります。主な要望事項は、営業損失、余剰人員、余剰車両等の措置に対するものとなっておりますが、具体的な要望事項ごとの説明につきましては、現在調整作業中であり、まことに申しわけございませんが、説明は差し控えさせていただきたいと思います。
 次に、基地問題との関連で、那覇空港周辺の自衛隊用地を県駐留軍用地跡地利用基本計画の中で位置づけられないかどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 県としましては、第3次振興開発計画、沖縄県土地利用基本計画における土地利用の基本方向を踏まえて沖縄県駐留軍用地跡地利用基本計画案を作成し、沖縄県軍用地転用対策審議会に諮問したところであります。
 同審議会としては、自衛隊基地の跡地利用計画の取り扱いについて、附帯意見をつけ3月中旬に基本計画を答申する予定と伺っております。今後、審議会の答申を受けて、御提言の趣旨も踏まえつつ前向きに検討してまいりたいと考えております。
 次に、那覇空港周辺の自衛隊用地との関連で、県有地を県民が広く利用できる多目的の公共施設整備構想はないのか、なければどう利用する計画かという趣旨の御質問にお答えいたします。
 陸上自衛隊那覇訓練場内に御指摘のとおり約2.4ヘクタールの県有地がありますが、そこは国道331号沿いにあり、まとまった土地利用が可能であります。したがいまして今後、利活用を前向きに検討してまいりたいと考えております。私も、当該用地につきましては自分で3回か4回行きまして、見まして、それで御提案のように積極的にこれを活用したいというふうに庁内の者といろいろと話し合っているところでございます。
 それから次に、那覇軍港、自衛隊用地から成る空港周辺の何らかの跡地利用構想を持っているのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 那覇軍港の跡地利用計画については、現在県が進めている駐留軍用地跡地利用基本計画の中で策定しておりますが、自衛隊基地を含めた空港周辺全体の跡地利用計画は現在のところございません。御提案の趣旨につきましてはもっともなことだと思いますので、那覇市とも相談をさせていただいて、真剣に検討してまいりたいと存じます。
 それから、基地内道路の利用は今後も継続されるかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 県は、那覇空港周辺の交通渋滞を緩和する策の一環として、自衛隊等関係機関の御協力を得て平成4年5月から自衛隊那覇訓練場内道路及び那覇空港内道路の一時通行を実施しているところであります。当該道路の利用期間は平成4年度末までとなっていることから、県としては引き続き地域住民の利便を確保するため県道那覇空港線、いわゆるモノレール関連道路が開通されるまで基地内道路の一時通行の期間が延長できるよう現在関係機関と調整を行っているところでありまして、御提案の趣旨に沿うべく努力をさせていただきたいと存じます。
 以上で私の答弁を終わりまして、お許しを得て他の御質問については関係部局長から答えさせますので、よろしくお願いします。
○副議長(崎浜秀三君) 教育長。
   〔教育長 津留健二君登壇〕
○教育長(津留健二君) 教育問題についての一連の御質問にお答えいたします。
 まず最近の教育問題の現状と今後の対応策についての御質問でございますが、第1点に業者テストについてでございます。
 本県の中学校では、平成3年度において業者テストを受験している生徒のいる学校数は82校で、受験した生徒は238人であります。
 進路選択に関する指導は、学校の教育計画に基づき教師みずからが行う学習の評価とともに、教師が行う観察、調査、相談などを通して的確に把握した個々の生徒の能力、適性、進路希望などをもとにして行うべきものであり、安易に業者テストに依存することはあってはならないと考えます。なお、進路指導にこの業者テストによるところの偏差値を利用している学校はございません。
 しかしながら今後の問題もございますので、中学校が業者テストの実施に関与することは厳に慎むこと、入学者選抜に関し業者テストの結果を進路指導に活用することがないこと及び高等学校は業者テストの偏差値を中学校に求めないことなど指導の強化を図っているところでございます。
 次に、偏差値問題についてでございます。
 調査の結果、先ほども申し上げましたように本県の中学校では業者テストの偏差値を用いた進路指導は行っておりません。
 各学校においては、進路の決定に際し生徒の個性を伸長することを重視し、親、教師、生徒の3者面談を実施するなど本人の意思を十分尊重し、慎重に決定がなされるよう指導しているところでございます。
 偏差値に強く依存した進路指導は、生徒を一面的に評価することになるので望ましくないと考えております。今後はさらに高校入学者選抜において選抜方法の多様化や選抜尺度の多元化等を図っていく所存でございます。
 次に、中途退学についてでございますが、平成3年度の本県の県立高等学校中途退学者は2348人で、総在籍数に占める中退率は3.9%となっております。これは全国の中退率2.1%に比べ極めて高く、憂慮すべき状況にございます。
 対応策として、基礎学力の向上、基本的生活習慣の確立、目的意識の高揚を考えております。その取り組みといたしまして、入学を許可した者はすべて高校の課程を修了させるという基本姿勢のもとに基礎的、基本的事項問題集を作成配布し、わかる授業の展開による学業不振に陥っている生徒の学習意欲の形成や学校における内規の見直しなどによる原級留置者をなくす取り組み、家庭との連携による基本的生活習慣の確立、中高校連携研究指定校の指定による中学校との連携の強化、ホームルーム活動における適応指導や進路指導等の充実を図るなど、学校訪問などにより指導をしているところでございます。
 さらに本年度は、高等学校中途退学対策推進委員会を設置しましたが、その検討結果の報告を去る2月の23日にいただきましたので、今後はその内容の施策化に努めたいと思っております。
 次に、指導要録の開示についてでございますけれども、平成4年7月の1日にスタートした県情報公開制度による公文書公開請求として指導要録に関するものは高等学校在学中の間の指導要録の閲覧及び写しの交付を求めたものが5件ございます。これに対し非公開の決定をし、請求者へ通知をいたしたところでございます。
 指導要録は、記載項目、内容がそれぞれの児童生徒の個人情報であることから、本県情報公開条例第9条第2号の個人に関する情報に該当するものと解され、特定の個人が識別され、または識別され得るものは公開しないといたしております。
 この問題については、長年非公開で対応してきた経緯があり、児童生徒の権利利益の保護と教育指導を勘案した上で、慎重に今後検討すべき問題であると考えております。
 なお、学校現場への指導につきましては、県立高等学校教頭研修会で、情報公開事務の手引等を資料に総務部文書学事課行政情報センターの職員を講師にお願いして、沖縄県情報公開条例の解釈運用基準等について研修会を持っております。
 最後に、公立高校の定数と志願者の状況及び定員割れの学校と学科についての所見を伺いたいという御質問にお答えいたします。
 平成5年度県立高等学校入学者の募集定員は、全日制1万8722名、定時制800名、合わせて1万9522名であります。
 志願者数は、全日制1万9644名で倍率1.05倍、定時制771名で倍率0.96倍となっております。
 定員に満たない学校、学科数は、県立高校60校中22校、58学科であります。それを普通高校、職業高校別に見ますと、普通高校で普通科のみでございますが、12校で464名でございます。職業高校、これは普通科の高校にある家政科も含めてでございますけれども、10校で136名でございます。合わせて600名になります。

 定員割れが生じるのは、学校の実態と生徒の希望の偏り等いろいろな要因が絡んでいると考えられます。このことから、地域や学校の実態に応じた定員や学科等の高等学校編成整備計画の見直し、教育課程編成による学校の魅力づくり、高等学校入学者選抜のあり方等について検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(崎浜秀三君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 大城義勝君登壇〕
○土木建築部長(大城義勝君) モノレール事業についての関連で、交通渋滞緩和の観点から駅の配置計画はどうなっているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 現在15駅のうち赤嶺駅、田原駅、壼川駅、旭橋駅、御成橋駅、美栄橋駅、真嘉比駅、古島駅の8駅は、バス、タクシー、自家用車等の乗り継ぎが円滑になるようバス、タクシーの乗りおり場、自転車置き場等を配置した交通広場を計画しております。
 また、交通広場が計画されていない駅では、バス、タクシー停車帯を設置し、モノレールヘの乗り継ぎができるように計画しています。
 次に、車庫用地の取得計画、位置及び面積についてお伺いしたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
 車庫用地は、県道那覇空港線沿いの自衛隊提供施設内の安次嶺地区に約3万5000平方メートルを計画しています。用地取得は、沖縄都市モノレール株式会社がモノレールの建設計画に基づいて行う予定であります。
 次に、どのような附帯事業を考え、どの程度の収入を計画しているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 都市モノレールの附帯事業としては、車内広告、駅舎内広告、自動販売機、売店等の収益を考えており、計画では他の先進モノレールの事例を参考に運輸事業収入のおよそ5%程度を見込んでいます。事業収支改善にとって附帯事業の充実は重要なことであり、今後も検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(崎浜秀三君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 高嶺朝幸君登壇〕
○企画開発部長(高嶺朝幸君) 那覇空港周辺の自衛隊基地との関連で、その跡利用の調査をしたことがあるかという御質問にお答えいたします。
 私どもは、那覇空港の整備につきましては平成元年度に那覇空港整備構想調査を実施しております。御指摘のような跡地利用という観点からの調査はしておりません。
○副議長(崎浜秀三君) 具志孝助君。
   〔具志孝助君登壇〕
○具志孝助君 時間がありませんので、かいつまんで再質問を行います。
知事答弁に対する再質問ですが、先ほどの国道331号に接道する県有地、普通財産、これについてはぜひとも、知事も3度ほど現場をごらんになられたというようなことで関心を示していただいておりますが、ぜひ集客型の施設を検討すべきだと考えております。
 これは当然空港背後地であるということから考えますと、交通の要路でもあるんです。コンベンションホール的な産業的なものの誘致ができないかなと、私は私見として持っております。
 人間の行動指向がずうっと都市地区においては北へ北へと向かっている感じがするんです。これを分散させるためにも、南の方の開発というのは私は緊急を要する大事な問題だと思っているんです。島尻全体を含めて、あるいは都心部、今金城地区に商業核ができつつあるんです。これと相まってあれだけの県有地があるわけですから、これを早期に活用しない手はないと思うんですよ。ぜひともそれを早急に計画を立てていただきたいと思っております。
 それから、基地内道路については今交渉しておりますということでございますが、これはもう既に決定じゃないんでしょうか、開通はどうなんですか。しかももうこれは暫定じゃなくて恒久的に、モノレール街路がもう整備されるまでそのままなんだというような、安心させるような形でひとつ詰めていただきたいと思っているんです。まだ詰まってないんですか。再度お伺いをいたします。
 教育問題については、指導要録の問題たくさんありますが、委員会でやるとして、指導要録については今那覇市の個人情報審議会ですか、名称はちょっとあれですが、ここで今検討が加えられている。1回目もうやって、どういうぐあいに議論をやるかというふうな……。これが一たん答えが出てしまうと、一つの前例になってそのように大きく動いていくと思うんです。
 こういうことから考えると、今まさに教育長は指導的な立場で見解を、方針を示すべきだと思うんです。県に対しても5件ほどあったということですが、慎重に対処していきたいと、一応は回答を出したということでありますが、どうなっているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
 そこで1点だけ指導要録を記入する意義、目的、何のために指導要録というのをつくるのか、これだけは聞かせてください。
 代表質問との関連において、石垣空港の現空港の拡張論について、現実的な対応としての拡張論を私は真剣に考えるべきだと思うんです。
 時間も来たようでありますので、以上で終わります。
○副議長(崎浜秀三君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 具志議員の再質問にお答えいたします。
 国道331号沿いの県有地の利活用につきましては、御提言の趣旨も踏まえながら庁内で慎重に検討させていただきたいと思います。
 それからできるだけ早い時期に計画を完成させるべきじゃないかということも御提言として前向きに承っておきたいと思います。
 なお、ほかの質問につきましては関係部長から答えさせます。
○副議長(崎浜秀三君) 知事公室長。
   〔知事公室長 高山朝光君登壇〕
○知事公室長(高山朝光君) 基地内道路の継続的使用の関連で御質問にお答えをいたします。
 那覇自衛隊基地内の道路につきましては、昨年防衛施設局、それから自衛隊にお願いをいたしまして開通をいたしました。大変に交通混雑がございましたんでそれを緩和するということと、南の方からの便利さでもってお願いをして開通をいたしました。
 これにつきましては、1年契約という形での更新になっております。それで那覇空港線、いわゆるモノレール関連道路が開通されるまでということでお願いをしておりますので、せんだって、次年度引き続き継続使用させていただきたいということでのお願いを防衛施設局、自衛隊の方にしております。
 以上でございます。
○副議長(崎浜秀三君) 教育長。
   〔教育長 津留健二君登壇〕
○教育長(津留健二君) 指導要録の記入の意義、目的等はどういうふうになっているか、その性格はという御質問にお答えいたします。
 指導要録は、個々の児童生徒についての指導の経過と結果を要約して記録するものでございます。これは、各人の進歩の記録であり、個人的指導の基礎資料、つまり指導のカルテとなっております。
 またもう一方の性格といたしましては、それを原簿にいたしまして、外部に対する証明等の性格を持っています。こういう2つの性格を持っているのが指導要録だというふうに理解をいたしております。
 先ほどもお答えいたしましたように、そのような性格を持って長年非公開で対応してきた経緯がございますので、やはり一律に開示するということについては慎重に検討すべきであるというふうに考えております。
 以上でございます。
○副議長(崎浜秀三君) 上原賢一君。
   〔上原賢一君登壇〕
○上原賢一君 通告に従って一般質問を行います。
 なお、時間の関係上第1番目に予定しておりました国際交流事業については、次回の質問に譲りたいと思います。
 テクノスーパーライナーについてお伺いをいたします。
 この件につきましては、3次振計の全員協議会の中でも私は当時の仲里全輝企画開発部長にお聞きしたわけでございますが、簡単に説明いたしますと、現在の予定されているスピードが時速50ノット、キロに直して93キロメートル、そして予定する運賃が現在の航空機の約10分の1の運賃でもって運航可能だと、こういうことでございます。ですから、現在の運航されている船舶の約3倍のスピードで海上を行き来する新しい交通手段が誕生するということでございまして、これはある意味では海上交通の革命になるだろうと。

 特に本県は離島県、多くの島々から成る島嶼県でありますから、ある意味ではこのテクノスーパーライナーという輸送手段はこれは沖縄のためにつくられたのかなと、そういう感を深くするような、本当に沖縄にとってはありがたい海の交通手段が誕生すると。今世紀末には運航できるというスケジュールが立てられておりまして、我が国のそういった計画行政の中では間違いなく達成できるだろうという見通しを持っております。
 ちなみに時間距離で申し上げますと、宮古までの距離が約3時間7分、石垣までの時間距離が4時間24分、鹿児島までが7時間と6分、福岡までが9時間と15分、台湾が6時間と46分、上海が8時間と49分と、これがこの予定している船の航続距離930キロメートルでございますから、その航続距離の間でこういった地域に短時間に行ける交通手段になると、こういうことであります。
 これが実現いたしますと、本県から今県外に出している野菜、花卉、果樹、生鮮食料品、生鮮魚介類等が現在多くを飛行機に頼っているわけですが、こういった早く運べる手段ができますと飛行機の10分の1の値段、要するに現在国内を運航しているトラックとほぼ同じ値段でもって運航が可能になるということでありますから、本県が今特に野菜や花が飛行機に手段として頼っているわけですが、これを輸送手段をこの新しい交通手段でもって運航できると。さらには肉用牛や今本県が非常に振興作目として注目されておりますところの熱帯果樹、マンゴー等がこれでもって輸送できると、こういうことになろうかと思います。
 そこでお聞きしますが、1番目に本県への誘致についての知事の所見ですね。
 2番目に、このテクノスーパーライナー導入の可能性調査500万円計上されておるわけですが、後の質問との関連もありますが、いつまでに調査の実績が仕上がってくるか。私としては早期に調査の結論を出してほしいというふうに思っておりますので、どれぐらいの時間で仕上げるかということもお答え願います。
 次に、他の都府県ではこの誘致のために大変なしのぎを削る状態が今出てきておるわけでございますが、官民一体の誘致促進期成会を結成する必要があると思うんですが、これについて知事の所見をお伺いいたします。
 次に、先ほども申し上げましたが、隣の国である台湾や中国の上海、福州等が日帰りできるような形になるわけで、そういった外国との航路の設定、特に航続距離の関係からいいますと外国、香港やマニラ等とも沖縄を中継することができれば本土までつなげるという形ができるわけですが、そういった外国との航路の設定についてのお考え方ですね。
 特にこの問題は、本県の今自由貿易地域がなかなか進展しなくて難しくなっている状態との絡みでいいますと、やはりいろいろな意味での加工する物がないということで隘路になっているわけでございますから、自由貿易地域との組み合わせについても考えていく必要があるんじゃないかと、こういうふうに思いますが、これについてお答え願います。
 2月14日の朝日新聞の報道によりますと、運輸省の寄港地の決定については九州から1ないし2カ所の寄港地を予定していると。それで寄港地の決定が平成5年になされると。こういう運輸省の考え方があるという朝日の記事を見たわけでございまして、それからいたしますと、先ほどの話に戻りますが、可能性調査がことしいっばいで仕上げるということになりますと、それに伴ういろいろのソフト面の問題、寄港地の問題等々もう間に合わなくなるんじゃないかと、九州の他の県におくれをとるんじゃないかという懸念があるわけですから、この寄港地の早期決定についてどのようなお考えを持っているのか、御答弁を願います。
 次、超高速艇についてでございますが、新年度予算で可能性調査として1947万5000円計上されておりますが、それについての概要説明をお願いいたします。
 私は、以前から決算特別委員会の中でも、本県は離島県であると、そういった離島県の苦しさ等々から考えますと、今離島との間の船舶の運航等については航路権が設定されておりまして、既存の業者でもってしか船の運航ができないという状況があります。
 ところが本県は、先ほど申し上げましたように離島県であるということは、離島県の実情に合った船舶の運航がなされない限り多様な乗客、需要者のニ一ズにこたえることができないと、こういうことがあると思います。 
 それから振興開発計画等々でも、特色ある地域としての本県の特性を生かすということがうたわれております。
 そういうことからいたしますと、こういった例えば観光・リゾート地の形成及びレクリエーションの振興という3次振計の中でも、その振興部門の中で観光・リゾート地域を結ぶ海上交通ネットワークの整備検討を進めると、こういうこともうたわれておるわけでございます。
 そういうことから、沖縄県の特性を生かすという意味から航路権を外していって、例えば極端に言えば乗客の旅客の需要にこたえてゆっくり遊びたい人はサバニでもって離島間の交通の手段とすると。早く行きたい人は超高速艇で行くという多様な需要者の需要にこたえる体制が必要じゃないかと、こういうふうに思うわけですが、この航路権をなくしていくということについて知事のお考えをお聞かせください。
 次、代表質問との関連で、新石垣空港関連でお聞きいたしますが、昭和54年5月、県は新石垣空港建設地を白保海浜地先とするということを庁議決定をいたしております。そのときの庁議決定は、2500メートル滑走路ということを想定して庁議決定をしてスタートをいたしたわけでございますが、運輸省の航空機材に対する基準等々がありますが、それによりますと計画の目標時点における就航機材は、機械水準の発展を考えて選定した対象機材の中から需要に基づいて航路ごとに決定すると。その決定に当たっては、利用者の利便、運航の採算性、空港周辺地域への影響など多くの点を考慮して就航便数との関連において設定する。それで旅客数が基礎になるわけでございます。
 当時の石垣空港を2500メートル決定する基準となる旅客数は80万人を超えていた、こういうことでありまして、80万人超えた時点においては滑走路は2500メートルが必要ですよと。
それから機材についてはエアバス程度、例えばDC10、350人乗りが必要ですよという当時の運輸省の基準に基づいて2500メートル滑走路が決定をされました。
 そこでお聞きしますが、昭和62年8月、白保の場合2500メートル滑走路を南端部500メートルカットして、当面2000メートルで走らすと、滑走路とするという旨の計画の変更があったわけですが、何ゆえでもってこの500メートルカットされたのか、その辺の理由について御答弁願います。
○副議長(崎浜秀三君) 休憩いたします。
   午後5時23分休憩
   午後5時23分再開
○副議長(崎浜秀三君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 上原賢一議員の御質問にお答えいたします。
 まずTSL(テクノスーパーライナー)問題との関連で、本県への誘致についての知事の考え方、TSL導入可能性調査500万円の内容、官民一体の誘致促進期成会の結成について、それから台湾、中国等の外国との航路設定について、寄港地の早期決定について、それから自由貿易地域との組み合わせについてという御質問にそれぞれが関連いたしますので、一括してお答えさせていただきます。
 沖縄の地域特性を生かした国際的な観光・リゾート地の形成や、我が国の南における物流中継加工の拠点形成を図るためには、交通輸送条件の整備が極めて重要な課題であります。
 このような観点から、テクノスーパーライナーの動向に深い関心を持って昨年11月、庁内の関係課長等で構成するテクノスーパーライナー導入検討委員会を設置して情報収集と調査検討を進めるための体制づくりをするとともに、平成5年度当初予算にテクノスーパーライナー導入可能性調査の委託費を計上しているところであります。
 調査の主な内容としましては、1、沖縄へのテクノスーパーライナー輸送路線成立の可能性の検討、2、テクノスーパーライナー寄港基地の配置の検討、3、国際的な物流中継加工拠点形成におけるテクノスーパーライナーの役割等であります。なお、調査は1年間を要すると聞いております。

 今後、御提言の趣旨や委託調査の結果等を踏まえ、また国の動向等も勘案しながら必要に応じ誘致促進期成会の結成等も含めて庁内検討委員会で総合的に検討してまいりたいと思いますが、御提言のありましたようにおくれをとることのないように努力してまいりたいと考えております。
 それから次に、超高速旅客船就航可能性調査事業費の内容はどうなっているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 近年、県民生活の多様化、経済活動の広域化から海上交通の分野においても高速性、快適性、利便性の高い船舶が求められております。
 このため、本県の超高速旅客船の就航の可能航路について需要の動向及び採算性、港湾施設の整備の必要性、他の交通機関への与える影響、さらに出発地、寄港地からの陸上アクセス等の課題を明らかにするため、平成5年度において1947万5000円の予算を計上しております。その内訳は委託調査費が1900万円で、事務費が47万5000円となっております。
 それから、同じく超高速艇との関連で、島嶼県である本県の実情にかんがみ、すべての離島間の海上輸送に自由競争の原理を導入できないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 航路事業は、海上運送法により「海上運送の秩序を維持し、海上運送事業の健全な発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする。」ものとされ、航路ごとに運輸大臣の免許を受けることになっております。
 現在、離島航路は24の航路事業者により定期航路事業が営まれておりますが、総じて経営基盤が脆弱で、そのほとんどが赤字経営を余儀なくされている状況にあります。このため、県としては離島航路の維持及び改善を図るため22航路事業者の事業欠損額に対し、国と協議して助成しております。
 御提言のあります県内離島航路への自由競争原理の導入につきましては、離島航路の運送秩序を維持し、離島住民の定期的な足を確保するためにはその導入はなじまないものと考えます。
 それから次に、運輸省等の運用基準からすると80万人を超えるとエアバス級以上の運航を計画する必要があると、石垣空港の需要からすると2500メートルで計画するのが妥当ではないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 空港計画における滑走路の標準の長さは、就航機材によって決定されるものであり、大型ジェット機の場合2500メートル、中型ジェット機の場合2000メートルを確保する必要があります。
 新石垣空港については、中型ジェット機の導入を前提に計画しており、現行の管制体制、運用時間及び駐機時間等をもとに算定すると年間約270万人の旅客需要に対応することが可能となります。現在のところ新石垣空港の需要予測については、平成12年で165万人を見込んでおりますので、八重山圏域の航空輸送需要に十分に対応できるものと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
 なお、お許しを得て他の質問につきましては関係部局から答弁させますので、よろしくお願いします。
○副議長(崎浜秀三君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 大城義勝君登壇〕
○土木建築部長(大城義勝君) 新石垣空港問題に関連いたしまして、白保海上案で500メートルをカットして滑走路長を2000メートルに変更した理由はという趣旨の御質問にお答えいたします。
 白保海上案における計画変更は、計画区域に近接するアオサンゴ群生域の保全に万全を期す必要があり、また需要予測の下方修正等の見直しを初め利用者の利便性、就航機種の見直し等を検討した結果、中型ジェット機が就航可能な滑走路長2000メートルを有する空港で当面の需要等に対応できるものと判断し、変更を行ったものであります。
○副議長(崎浜秀三君) 上原賢一君。
   〔上原賢一君登壇〕
○上原賢一君 TSLについてでございますが、私、先ほど申し上げましたように、朝日の2月14日の記事によりますと平成5年度に寄港地を決定すると、九州から1ないしは2カ所と、これは最近の新聞なんですよね。それで、そういうふうに平成5年度に寄港地を決定するというふうになっているわけです。
 それからいたしますと、TSL導入可能性調査500万円、これは早期に結果を出してほしいということはそれとの関連でお聞きしたわけですが、1年間かけてやるということになりますと、決定の時期が終わってから調査結果を出すということにしかならないと思うんですが、その辺についてはどういう考えを持っているのか。できましたら、この調査を半年ぐらいで仕上げていただいて、それからそれに伴う寄港地の決定とか、他のソフトの問題も含めて、この運輸省の決定に間に合わせるという努力が今必要じゃないかというふうに思うわけです。その辺のところを御答弁願います。
 次に、超高速艇についてでございますが、確かに従来の運輸行政の中で航路権というのが設定された事情というのは、離島との交通の手段がそういった国や県からの補助でもって出すような時代が長く続いてきて今日の結果に至っているわけでございますが、現状に合わせてそういった海上交通行政というんですか、考えていかぬといけないんじゃないかなと。
 例えば先般就任されました越智運輸大臣は、これまでの運輸省は許認可事項が多く、許認可で業界を抑え過ぎると、時代は急テンポで変わっており、利用者の立場のサービスが求められている。かつての国鉄は民営化によって研究や勉強が旺盛になった。例えば旅行者の快適さや観光振興の見地で客船の新造やマイクロバスの運行を幅広く認めるなど害のないものはすべて認めるよう前進させたいと、運輸行政の責任者がこういうことで時代の動きと需要者の動向に合うような行政を進めていきたいということを就任のあいさつで述べているわけです。
 ですから知事は、3次振計の中でも沖縄らしさと、沖縄の地理的特性を生かすということを言っているわけです。
 現在の我が県の自治制度のもとにおいては、ほぼ2割、3割自治です。すべて国からの補助金や交付金に頼っている現状の中では、すべての都道府県が画一化され、平準化された形で県づくりがなされる傾向があるわけです。ですから今度3次振計で沖縄県ないしは国が打ち出した沖縄の特性を生かすということは、とても本県の将来にとっては大変大事なことだなと思うわけですが、相も変わらず知事は、海上運送法ではこうなっているからどうにもならぬというような態度では、沖縄県に来られる300万人あるいは3次振計達成時には500万人、そういう旅客が来るわけですよ。いろいろな需要があるわけです。多様化した需要に応じていこうという県の姿勢がないといけないんじゃないかな。
 例えば香港という自由な貿易、自由な経済をやっている国は、あの本当にサバニに毛の生えたような船で島と島の間を運航するかと思ったら、今度は海底トンネルでもって運行するというように、多様な交通需要を開拓していって香港の発展を図っていっていると。ですから余り運輸行政に縛られないで、運輸行政を打破するような気持ちでもってこれから取り組んでいかぬと、沖縄のこれからたくさん来るお客さんのニ一ズにこたえることはできないんじゃないかなと、そういうふうに思うものですから、例えば民間の業者が伊江島と那覇を1時間で高速艇で結びたいという希望を出して航路権をお願いしますといっても、県が窓口でこれはできないということであれば、相変わらず運輸行政に追随行政だと、従来のパターンだとこういうことを感じるわけです。ですからこれから沖縄は観光でもって生きていかなければいけません。多様な交通手段でもって多様なニ一ズにこたえるような行政の感覚がないといけないと思いますので、その辺を含めてもう一度知事の御答弁をお願いいたします。
 石垣空港につきましては、先ほど申し上げましたように空港計画時にエアバス80万人旅客を達成しております。現在ではもう110万人ぐらいいっておりますか、石垣空港の旅客数。当然もうそろそろジャンボを飛ばす時代にきていると。皆さんの2000メートル、2000メートルということでこれに合わせるためにまるで逆になっていると。
 我が県において石垣を含めて県の振興開発を考える場合、国が、せっかく運輸省が2500メートルつくりますよと、我が省の運航の基準からしても石垣空港は十分2500メートル飛行場をつくってもよろしいですと、それだけの金も国費であげましょうという時代に、いや、2500メートル要りませんと、2000メートルで結構ですというのは少し立場が逆じゃないですか。県の振興開発を考える知事の立場として、国の基準ではもう2500メートルつくらないと沖縄県いけませんよと。ですから当時、国の基準がそうですから2500メートルつくってくださいとお願いしてやったのが石垣空港白保案の発足の当時の事情なんですよ。

 どこの県に、国が基準は80万人超えているからエアバス飛ばせますよ、2500メートル滑走路つくってよろしいですよ、国費出しましょうと言っているのに、どこの県にそんな事例がありますか。下方修正、とんでもないことですよ。需要予測の下方修正というのは聞いたことがない。その辺のことを少し真剣に御答弁願いたいと思います。
 そこであと1点、宮良案では2500メートルでなくて2000メートルでスタートすると。ところが当面という言葉が入っているわけですね。先ほどの御答弁にありました、当面はそれで対応する。当面ということは、将来はこの飛行場では対応できない時代がくるというのは当然想定されているわけです。ということになりますと将来的には宮良でも2500メートル滑走路をつくっていかんといかぬと、こういうことになるわけですよ。
 そうなった場合、今切り土、盛り土で860万立米削っていくと、それでもって2000メートルの滑走路をつくると。ところが一たん切り土した所に将来2500メートル飛行場が必要になったとき、それだけの乗客が出たときに、じゃどうするんですか。新たにどこか山を削ってきて新たに500メートル延ばすんですか。
 ところが、生態系の保護といっている大田県政の中でどこの山を削るんですか。於茂登岳を削るんですか、とんでもないことですよ。大変な生態系の破壊につながるはずです。
 それからいたしますと、もし大田県政のもとにおいて2500メートル当面は必要ないけど、2000メートルでスタートするけど、将来2500メートル、当面ですからね、やらぬといけないということであれば、2500メートルを想定したところの土量の掘削は最初からやっておかないといかぬはずですよ。一たん削ったのをまた削って飛行場をつくるんですか。
 その辺のことで、スタートする計画の初めにはやっばり860万立米、2000メートル削る、それにプラスする2500メートルの土量は最初から削っておかないと、どこか於茂登連山から山を1つ崩してこないといけないという、こういう結果になります。合計で1460万立米の切り土、盛り土が必要になる。それはもう最初からやっておかないと将来は対応できなくなるわけですよ。石垣のこの新しく宮良につくる飛行場が21世紀に対応できなくなった場合、どうするんですか。運輸省は予算を出すと思っていますか、そんなときに。今のうちに1460万立米の土を削っておかないと2500メートル飛行場はできないんですよ、はっきり申し上げて。
 その辺のところを御答弁願います。
○知事(大田昌秀君) ちょっと休憩お願いします。
○副議長(崎浜秀三君) 休憩いたします。
   午後5時40分休憩
   午後5時40分再開
○副議長(崎浜秀三君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 再質問にお答えいたします。
 超高速艇の導入の問題についてもっと前向きに沖縄の離島性という、そういった状況を踏まえて多様なニ一ズにこたえるような行政をするべきじゃないかという趣旨の御質問だったわけでございますが、この超高速艇の導入につきましては、実は私、就任いたしまして当初からずうっとその可能性はないものかということで担当部局と相談をしてまいりまして、そして積極的に推進するために先ほど申し上げましたような予算も計上しているのでございますから、御理解を賜りたいと思います。
 私としましては、可能な限り早くこの課題の実現に向けて取り組みたいと、今一生懸命やっているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
 なお、ほかの御質問につきましては担当部局から答弁させますので、よろしくお願いします。
○副議長(崎浜秀三君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 高嶺朝幸君登壇〕
○企画開発部長(高嶺朝幸君) テクノスーパーライナーの関連でお答え申し上げたいと思います。
 テクノスーパーライナーの導入の姿勢につきましては、先ほど知事が申し述べたとおりでございますけれども、その関連でスケジュールが少し遅いんじゃないかというようなお話の御指摘に対して、私どもが進めている情報等もちょっと御説明させていただきたいと思います。
 まず御案内のとおり、技術開発が平成2年度から開始されまして、ただいま私どもの入手している情報によりますと平成5年度までに模型船を建造すると。平成6年には実海域の実験をする。平成10年には実用化をするというような、技術開発部門はそういうスケジュールになっているように聞いております。
 一方、それと関連しまして港湾の整備でございますけれども、ただいま申し上げましたように、技術開発途上でございますので具体的なビジョンは運輸省の方はまだ示してございませんけれども、一応段取りとして私どもが情報入手しておりますことは、平成5年度までに効率的輸送システムの構築をすると。それから平成6年から7年に向けて第9次港湾計画の作成をすると。平成8年にその港湾計画の中にテクノスーパーライナー用の港湾整備が織り込まれるというような段取りになっているように聞いております。
 だだ、先生御指摘のとおり各県の動きもございます。一連のスケジュールを可能な限り早めて適切に対応したいと思います。
 以上でございます。
○副議長(崎浜秀三君) 休憩いたします。
   午後5時45分休憩
   午後5時45分再開
○副議長(崎浜秀三君) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 大城義勝君登壇〕
○土木建築部長(大城義勝君) 新石垣空港問題についての再質問にお答えいたします。
 新石垣空港の滑走路長2500メートルにつきましては、宮良案においても空域条件は満たされており、計画上可能であると考えております。
 具体的な検討につきましては、今後の輸送需要の動向を勘案して基本計画作成の段階で検討していきたいと考えております。
○副議長(崎浜秀三君) 上原賢一君。
   〔上原賢一君登壇〕
○上原賢一君 知事の御答弁の中で超高速艇の分につきまして、私は自由競争の原則に立って航路を外すような、それぐらいの発想でもって多様な交通手段を形成していく必要があるだろうという諸点から申し上げましたが、これについては答弁がないわけですが、どうぞこれについて十分なる御検討を加えていただきまして、県勢発展のために考えていただきますようお願いします。
 それからテクノスーパーライナーについてでございますが、朝日の記事を見て最近も言っているわけですから、後で差し上げますから、どうぞおくれないようによろしくお願いをいたします。
 白保の場合2500メートルで発想して、その後先ほどありましたアオサンゴ等の事情から500メートルカットしたと、こういう御答弁がありました。当面の需要にこたえるという御答弁でありますが、なぜ宮良をスタートする場合運輸省は2500メートルつくっていいと言っている、運輸省の基準からいっても既に100万人の旅客数を達成しているわけですから、もうすぐジャンボ運航できる飛行場をつくっていいと運輸省は言っているのに、何で沖縄県が下方修正して、いや我々は2500メートルは要りませんと、2000メートルで結構ですと、そういうことになったのか聞いているわけですよ。
 白保の場合と全く事情が違うわけですよ。白保の場合はアオサンゴという難しいのがあったからできなかった。しかし空港をつくらないといけないという事情があったので、ああいう形にやむを得ず、万やむを得ずああいう500メートルカットをしたわけですよ。これから沖縄県の振興を図っていくという知事の立場から、何で宮良では2500メートルでスタートしなかったか再度御答弁を願います。
○知事(大田昌秀君) ちょっと休憩お願いいたします。
○副議長(崎浜秀三君) 休憩いたします。
   午後5時47分休憩
   午後5時47分再開
○副議長(崎浜秀三君) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 大城義勝君登壇〕
○土木建築部長(大城義勝君) 再質問にお答えいたします。
 新石垣空港につきましては、白保海上案の変更のときに2000メートルと位置づけされておりまして、第6次空港整備計画の中でも2000メートル空港という位置づけがなされております。

○副議長(崎浜秀三君) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程は、これで全部終了いたしました。
 次会は、明2日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時49分散会

 
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