平成21年(2009年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 6月26日
玉城 ノブ子
 

 こんにちは。
 日本共産党の玉城ノブ子でございます。
 一般質問を行います。
 まず最初に、糸満市小波蔵の不発弾爆発事故について質問いたします。
 6月23日、沖縄戦終えんの地糸満市摩文仁で慰霊祭が行われました。再び沖縄戦の悲劇を繰り返させてはならない、譲ることのできない県民の平和への願いであります。しかし、沖縄戦が終結して64年たった今日においても県内においては不発弾による犠牲者が後を絶たず、県民の命と安全を脅かし続けています。
 糸満市小波蔵で起きた不発弾爆発事故で、国は「県不発弾等対策安全基金」から見舞金750万円を支払うことを決めました。しかし、国の法的責任が不透明なまま処理されようとしています。
 沖縄戦が旧日本軍による戦争目的遂行のためになされたものであり、爆発事故への補償は当然のこと、不発弾の磁気探査処理については、公共工事、民間工事についても、国が戦後処理の一環として責任を持って実施すべきであります。知事は、国の責任を明確にするよう強く訴えていくべきではありませんか、知事の決意を伺います。
 2、米軍犯罪と女性の人権について。
 先日、オーストラリア出身のジェーンさんが著書「自由の扉」贈呈のため沖縄県を訪れ、安里副知事と懇談しました。
 ジェーンさんは2002年4月、神奈川県で米空母「キティーホーク」所属の米兵にレイプされ、さらに被害を訴えた神奈川県の警察にセカンドレイプに遭い、深刻なPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥りました。その後、性犯罪被害者の支援を行う組織を設立して活動を続けています。2008年に開催された米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民集会に参加し、ジェーンさんは多くの県民の前で訴えました。
 「皆さんは、「由美子ちゃん事件」を覚えていますか。6歳の少女が強姦され殺されました。もし今日彼女が生きていたらほぼ60歳です。米兵は彼女の生きる権利を奪ったのです。私も、生きる権利があります。」、「被害者として米兵による犯罪はもう我慢できない、と訴えます。戦争は終わっていません。戦争はここにあります。」、「私の事件のあとも何度も他の被害者が出ました。横須賀では女性が殺されました。」、「もう私は、米兵による性犯罪被害者として、黙っていられません。だから今回沖縄に来ました。」、「私はここに皆さんと立ってとても幸せです。」、「これからも前向きに平和のためにいっしょに手をつないでいきましょう。」。ジェーンさんは、「沖縄人たちがそうであったように。私はついに自由の扉を開いたのです。私の思いは、沖縄のひとたちといっしょにあり続けます。他の被害者のひとたちとともに。私たちの心はひとつ」ですと、「自由の扉」で書き綴っています。
 (1)、基地があるゆえに起きる米軍犯罪、基地のない平和な社会の実現こそが求められています。米軍犯罪の被害者ジェーンさんの書いた「自由の扉」をお読みになった安里副知事の御感想をお聞かせください。
 (2)、被害者は、日本社会でどこに相談してだれに助けを求めていいかわからない、人権侵害とも言うべき事態に直面しています。国に24時間体制のレイプ緊急支援センターの設置を要請するとともに、沖縄県に支援センターの設置が必要であります。県の所見を伺います。
 (3)、どんな犯罪であろうと助けと支援を求める被害者の立場に立った警察の対応が必要です。警察では被害者への対応について教育と訓練が必要不可欠です。対策について伺います。
 (4)、米軍人による犯罪で、裁判の結果、有罪が確定したのに米国に逃げ帰った人は何名ですか。
 (5)、日本政府が肩がわりした賠償金額、本人が責任を持って支払った金額は幾らですか。
 (6)、犯罪者が米国に逃げ帰ったときに、どう責任をとらせるのか、とても重要なことであります。政府が外交権を行使して犯罪者に責任をとらせるべきであり、政府に強く要求していくべきであります。
 3、辺野古新基地建設と環境問題について。
 (1)、海砂採取について。
 ア、沖縄県の海砂採取の登録業者数と、実際に砂利採取を行っている業者数、採取量を陸、海の区域ごとに5年間の推移について伺います。
 イ、海砂採取の総量規制を行っている都道府県と、規制している量について伺います。
 ウ、辺野古の新基地建設は、飛行場だけでも160ヘクタールの埋め立てになります。埋立本数は海砂建設残渣、その他県外からの調達となっています。沖縄県における2006年度の海砂採取量の12.4年分に担当する膨大な量であります。環境省は、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づいて、瀬戸内海環境保全計画を策定しています。保全計画では瀬戸内海で海砂採取に当たっての環境への配慮が義務づけられています。県も、これらの大量の海砂の採取について環境に配慮して調査を行うべきではないですか。
 エ、海砂採取は、県外からも調達するとしていますが、九州各県は総量規制を行っております。四国、中国の瀬戸内海沿岸では海砂の採取を全面的に禁止しています。県外の採取可能地域を明らかにしてください。
 オ、準備書では、大量、急速な埋立工事を行う必要があるとして、事業実施区域の近傍にあり一般の交通にできるだけ影響を与えない場所から採取するとしていますが、その場所は陸上ですか。事業実施区域の近傍とはどこを指していますか。
 カ、長崎県の壱岐市では、海砂を毎年300万立方メートル採取していますが、それによって唐津市漁協のアジなどの漁獲量が激減し、ことしは出漁さえできないとの水産被害が起こっています。沖縄近海で採取しようとしているのは1700万立方メートルであります。海砂採取の水産環境に与える影響について、どのように認識されていますか。
 キ、海砂採取は、都道府県知事が採取計画の認可を行うとのことでありますが、これだけの膨大な海砂を採取することにより、沖縄近海の環境は大きく改変することになることは明らかであります。漁業や観光業にもはかり知れないほどの打撃を与えます。知事の御所見を伺います。
 ク、沖縄県の豊かな海岸線を守るために、海砂採取の総量規制を行うことについて知事の御所見を伺います。
 (2)、サンゴ、海草藻場について。
 県内のサンゴ、海草藻場の破壊が進み、生態系にも大きな影響を与えています。サンゴ、海草藻場消滅の実態と影響、その改善策について伺います。
 4、国保制度について。
 (1)、資格証明書、短期保険証の発行件数について伺います。
 (2)、国民皆保険制度は、保険証一枚でいつでもどこでも必要な医療を受けることができるのが大原則です。受診抑制、受療権の侵害につながる資格証明書、短期保険証の発行は中止すべきであります。
 (3)、納付相談に来られていない県民に対し国保証を市町村が窓口にとめ置きにしている実態について伺います。直ちに改善し、国保証を交付するように措置することについて伺います。
 (4)、政府は、医者にかかりたいのに医療費の一時支払いが困難な揚合、世帯主が市町村窓口でその旨を申し出れば、短期保険証を交付することができるとの見解を示しています。しかし、実際には保険料滞納を理由にした機械的な取り上げが起きております。県の見解を伺います。
 (5)、失業給付金は非課税措置されているが、国保料の減免時に失業給付金を収入算定している那覇市などの市町村の実態と改善について。また、保険料算定時に収入認定している事例はないか、収入除外の是正をすべきであります。
 (6)、ペナルティーを受けている市町村について、それぞれの内訳と普通調整交付金の削減額、国に対してペナルティー制度の廃止を求めることについて伺います。
 5、中小企業の支援策について。
 (1)、国・県のセーフティーネット、原油高騰対策支援資金の融資実績と、法人事業所、個人事業所ごとの実績について伺います。
 (2)、資金繰りに困っている中小業者が制度を十分に活用することができない実態になっていますが、県の具体的な対策を伺います。
 (3)、金融機関の貸し渋り、貸しはがしについての訴えが相次いでいます。例えば金融機関の内部規定によって、設備資金融資分が拘束される事態があります。「県制度金融研究会」、「沖縄地域融資動向に関する情報交換会」等でどのような指導、改善策が話し合われているのか、今後の対策について伺います。
 (4)、県の原油高騰対策支援資金・セーフティネット資金・県単の制度資金の融資条件を緩和し、中小業者が借りやすい制度に改善することについて伺います。
 (5)、中小業者の仕事支援のために、県独自の「小規模・工事契約希望者登録制度」を実施することについて伺います。
 (6)、住宅リフォーム制度の全国の実施状況と沖縄県独自の制度実施について伺います。
 6、さとうきびの認定農業者制度について。
 さとうきびの経営安定化対策の支払い対象は、認定農業者と一定面積以上の耕作者が対象とされ、それ以外は3年に限り生産組合への加入を条件に認められていますが、ことしで終了します。しかし、特例農家の組織化は進んでおりません。沖縄農業の実態を無視した政府の経営安定対策は、完全に破綻しています。日本共産党の政府要請の中でも、何割もの人がどっとやめるような改正はしないと答弁しています。沖縄農業を破綻させ窮地に追い込むさとうきび認定農業者制度は廃止し、生産者価格補償方式に戻すよう政府に要求すべきであります。その間、さとうきび生産者の所得補償を政府の責任で行うことについて知事の御所見を伺います。
 7、環境問題について。
 地球温暖化対策は急務になっています。二酸化炭素(
CO2)は地球温暖化の原因とされ、その削減を急がなければなりません。そこで注目されているのが、太陽光発電です。政府は太陽光発電を普及するために今年度から一般設備者用の一部を助成する制度を復活させました。地球に負担をかけない太陽光や風力発電など自然エネルギーの普及を進めています。国は、2020年に太陽光発電導入を現状の10倍、2030年に40倍にすることを目標にしています。県独自の助成制度を実施し、積極的に対応すべきであると考えますが、知事の御所見を伺います。
 8、県水産海洋研究センターの移転改築について質問いたします。
 養殖業の生産額は、平成14年から18年で66億から95億円で、本県漁業生産額でも重要な位置を占めています。しかし、研究の基礎となる施設の老朽化や排水条件の悪化により、研究環境は著しく悪化しており、新たな施設の整備が急務となっております。
 (1)、早期移転改築を進めるべきであると考えますが、県の御所見を伺います。
 (2)、現在の取り組みと今後の計画について伺います。
 (3)、市民は、喜屋武地域への移転改築を強く要望しております。御所見を伺います。
 9、真壁南地区、真栄平南地区の湛水被害について。
 真栄平南地区、真壁南地区における水害について、これまで2回にわたって政府要請も行ってきましたが、農家が納得のいくような原因究明と対策がなされておりません。農家の皆さんは、いつ湛水被害が起きるかと不安を抱えています。早急に徹底的な原因究明と抜本的な対策としての基幹排水の設備、被災農家への補償と救済を実施することについて御所見を伺います。

 
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