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平成12年(2000年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 12月11日
知事(稲嶺惠一)
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高良政彦議員の御質問にお答えいたします。
まず、米軍基地問題についてのうち、普天間飛行場代替施設の15年使用期限について、今後どのように、いつまでに決着をつけるのかとの御質問と、15年使用期限を明確にさせる何らかの方策を講ずるべきではないか、なお訪米するとのことだが、どのような機関及び要人にいつごろ要請するのか、また新大統領にも会うのかとの御質問にお答えします。2つを一括してお答えします。
15年の使用期限問題については、戦後、日本の平和と経済繁栄の中で、沖縄が55年間にわたり過重な基地負担をしてきている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から使用期限を設け、国に強く求めているものです。県としては、代替施設の15年使用期限についてこれまでもあらゆる機会に要請してきたところであります。最近でも全国知事会や代替施設協議会等で国に要望しており、政府内においてもより認識が深まってきているものと考えています。
県は、基地の提供責任は日本政府にあり、政府が責任を持ってしっかりと沖縄の動向を踏まえ明確な考え方を示すべきであると考えており、15年使用期限問題については何らの進展もなしに全く棚上げされたままで進むことはあり得ないと考えております。
なお、訪米の際には、基地の整理縮小や日米地位協定の見直しを含め本県が抱えている基地問題について米国政府等に要請するとともに、シンクタンクから依頼のある講演や企業誘致活動も行いたいと考えております。
また、訪米の時期、要請先については来年1月20日に新大統領の就任式があり、その後、連邦政府や連邦議会の主要ポストも決まりますので、そのあたりも見きわめつつ県内外の情勢も考慮しながら最も効果的な実施時期や要請先を判断したいと考えております。
次に、同じく基地問題のうち、日米地位協定の見直しについて国は運用の改善による対応が適切であるとしているが、知事はもっと強力に訴えるべきではないかとの御質問にお答えいたします。
去る11月1日の衆議院外務委員会や11月10日の参議院本会議において河野外務大臣は、地位協定の改正が本筋であるとしつつも、運用の改善によりその時々の問題に機敏に対応していくことが合理的であり、地位協定の運用の改善に誠意を持って取り組む旨の答弁をされております。
しかし、SACO最終報告によって地位協定の運用の改善が行われた後も米軍基地に起因する事件・事故や環境問題などの諸課題が山積していることから、県民は運用の改善だけでは不十分であると考えており、日米地位協定の抜本的な見直しを求めることが県民の総意であります。県としては、このような県民の意向を体して今後ともあらゆる機会を通して日米両政府に対し日米地位協定の抜本的な見直しを粘り強く訴えていきたいと考えております。
次に、同じく基地問題について、宮城浦添市長が方針を撤回したが、移設と西海岸開発は密接な関係がある、市長との話し合いはあったのか、県はどう対応するのか、また那覇市長選挙で翁長氏が当選した、今後3者の調整が必要と思うがどうかとの御質問にお答えいたします。
宮城浦添市長が浦添市長選挙に臨む考え方を表明し、那覇軍港の一部機能の移設を容認する考え方については撤回すると述べこれまでの方針を変更しましたが、このことについて県は直接説明を受けておりません。県としては、産業振興や経済の自立的発展を図るためには浦添市西海岸地区を含む那覇港をハブ機能を有する国際流通港湾として整備することが重要であると考えております。
また、26年間返還が実現されなかった那覇港湾施設の返還を促進するためにも、改訂される港湾計画の中で浦添埠頭地区に位置づけ、早期に港湾整備事業が実施できるよう条件整備を図っていきたいと考えております。
今後、那覇港湾施設の移設に関し基本的な考え方が一致している那覇市長と連携しながら、浦添市との合意形成に向けて取り組んでいきたいと考えております。
次に、児童虐待について、児童虐待防止法によってどのような効果が期待できるか、従来と違う点は何かについてお答えをいたしたいと思います。
児童虐待の対応については、従来より児童福祉法及びこれに基づく児童相談所運営指針、子ども虐待対応の手引き等により児童虐待の早期発見、早期対応及び被虐待児童の保護が図られてきたところであります。
今回の児童虐待防止法の施行により、早期発見や子供の保護を一段と強化するための強制措置等が可能となりました。
例えば、1、学校や児童福祉施設その他児童の福祉に職務上関係のある者が児童虐待を発見しやすい立場にあることから早期発見に努め児童相談所への通告を義務づけ、通告しても守秘義務違反を問われないこと、2、児童相談所の職員等は虐待のおそれがある場合、児童の自宅などを立入調査し必要に応じて警察官の援助を求められること、3、虐待を行った保護者について指導の措置がとられた場合は当該指導を受ける義務があること、4、児童相談所長または施設の長は面会や通信を制限できること、5、民法上の「親権の一時停止」に相当する行為ができること等が盛り込まれております。
これにより、児童虐待の防止等が一層図られるものと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
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