平成 2年(1990年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 10月 2日
第 3号 10月 2日
 

議 事 の 概 要
平成2年10月2日(火曜日)
午前10時1分開議
日程第1 一般質問
日程第2 甲第1号議案から甲第7号議案まで、乙第1号議案から乙第12号議案まで及び認定第1号から認定第3号まで(質疑)
   一般質問及び質疑
    1 照屋  寛徳君(社会党・護憲共同)
    2 金城  繁正君(新政クラブ)
    3 岸本 忠三郎君(社会党・護憲共同)
    4 友寄  信助君(社会党・護憲共同)
    5 新垣  善春君(社会党・護憲共同)
    6 宮里  政秋君(共産党)
    7 伊波  栄徳君(社会党・護憲共同)
    8 島袋  宗康君(社大党)
午後5時25分散会

○議長(平良一男君) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた公安委員会委員長瀬長浩君は、別用務のため本日から4日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日の会議に公安委員会委員赤嶺義信君、3日及び4日の会議に公安委員会委員比嘉國郎君の出席を求めました。
 地方労働委員会会長大浜賢永君は、別用務のため本日から4日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として地方労働委員会事務局長幸地司行君の出席を求めました。
 また、選挙管理委員会委員長平良浩君は、別用務のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として選挙管理委員会委員長職務代理冨名腰朝栄君の出席を求めました。
 その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
○議長(平良一男君) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第7号議案まで、乙第1号議案から乙第12号議案まで及び認定第1号から認定第3号までを議題とし質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 照屋寛徳君。
   〔照屋寛徳君登壇〕
○照屋寛徳君 あらかじめ通告した内容に従い一般質問を行います。
 西銘知事にとって最後の本会議になるであろう蓋然性がより確実なものになりつつある中で、一般質問のトップに登壇できたことをうれしく思っております。
 さて、知事は去る3月の予算議会において、私が4選出馬の意思を確認したところ、後援会の判断に任せるとの答弁でありました。
 当時の政治状況は、長男順志郎氏の衆議院出馬と結果をめぐって自民党や保守内部から知事の政治責任を厳しく問われているさなかでありました。県民世論も西銘知事の県政私物化を糾弾しておりました。進退きわまった知事がお得意の死んだふり、寝たふりの政治テクニックで考え出したのが4選への進退を後援会に任せるとの前述した発言になったのでありましょう。
 その後、中央からの強力なてこ入れもあって、知事みずから4選への出馬を表明いたしました。だが、長男順志郎氏を強引に出馬させた知事の権謀術数に、側近政治、県政私物化との批判はいまだに消えておりません。
 最近、知事の4選問題に関連してまたぞろ長男順志郎氏の処遇が県内政局の大きな関心事になっております。マスコミ報道や仄聞するところによれば、自民党県連が知事の在任中には衆議院選に出馬しないということを明らかにしてほしいとの要求に対し、当の順志郎氏は、一たん宮里松正、仲村正治の両衆議院議員にその旨を誓約する運びになったようでありますが、その後、態度を翻しているとのことでありますから摩詞不思議であります。
 この問題は、単に自民党のお家騒動として片づけられるものではありません。事が知事の4選問題と絡むだけに、知事は真相を県民に明らかにする義務があります。
 そこで知事に尋ねます。
 第1点、知事は自民党県連が長男順志郎氏に対して、知事の在任中は衆議院に出馬しないとの誓約を求めていることについてどのように考えておりますか。
 第2点、参政権は憲法で保障された基本的人権であります。知事4選をめぐる党利党略からかかる誓約が公然と行われることは、基本的人権を否定する暴挙であります。知事は、自分と息子は人格が別である、かかる条件を強制すべきでないとなぜ明言されないのか。それとも、親のためには子供の人権などどうでもよいとのお考えなのか明確に答弁願いたい。
 ところで、この問題は選挙制度とも深く関連することですので、選挙管理委員長にただしておきたいと思います。
 選管委員長、もしマスコミで報道されているように、自民党県連の要求に基づいて西銘順志郎氏が父親の知事在任中は衆議院に出馬しませんとの誓約書を差し入れた場合、憲法第44条、公職選挙法第1条、同法第221条、同法第223条に違反すると思われるが、御所見をお聞かせください。
 沖縄県情報公開条例について。
 知事は、開かれた県政をより一層推進するため情報公開制度を創設する必要があるとの理由で、本議会に沖縄県情報公開条例を提案しております。
 沖縄県情報公開条例を制定することに異論はありません。問題は、いかなる理念を持ってどのような内容の条例をつくるかであります。私が検討した限りにおいて、県が提案した条例案は欠陥条例のそしりを免れません。過日開催された沖縄弁護士会のシンポジウム「真の情報公開と個人情報保護の確立を目指して」の中でも、県の条例案は不良品であり非公開条例になるおそれがあると強く指摘されております。
 今日、いわゆる情報公開は、国民の知る権利に基づく情報公開制度を指すことに疑問の余地はありません。知る権利、それは受け手の権利としての知る自由にとどまらず、知らせろという作為請求権として理解すべきであります。
 私ども社会党・護憲共同は、他の野党会派と協議の上、本定例会に独自の沖縄県情報公開条例案を提案する準備をいたしております。いずれ両案が県民に明らかにされ、議会で討議される過程でその違いがはっきりすることでありましょう。
 そこで、私はあるべき情報公開制度について私見を述べながら、以下幾つかの点について知事に尋ねます。
 第1点、知事はいわゆる知る権利についてどのように考えておりますか。
 第2点、県案の条例に知る権利の保障を明記しなかったのはなぜでしょうか。
 第3点、県案の第1条によりますと、県政への県民参加を促進し、県民の県政に対する理解と信頼を深め開かれた県政の推進に寄与することを目的とするとなっております。だが、これらのことは行政目標であり、この行政目標が公開制度の目標であってはならないと考えるがどうか、お答えください。
 第4点、実施機関から議会や公安委員会を除外した理由を明らかにしてもらいたい。
 第5点、対象情報を決裁などの手続が終了した公文書に限定したのはなぜか。あらゆる情報の公開が原則であり、あらゆる形態の情報が対象情報でなければなりません。県案によると決裁手続を経ていないという理由で情報が秘匿される危険があります。お答え願いたいと思います。
 第6点、知る権利は基本的人権であり、何人に対しても保障されるべき権利であります。にもかかわらず県案は、請求権者を沖縄県内に住所を有する個人、事業所を有する個人または法人に限定しております。自治体の行政は、その住民に対してのみ及ぶのではなく、他の自治体の住民にも大きな影響を及ぼすものであります。請求権者は「何人も」とすべきだと考えるがどうか。
 第7点、開示請求の方法を書面提出に限定しておりますが、視力障害者などに対する権利行使を奪うことになります。いかなる対策を考えているのか、お答え願いたいと思います。
 第8点、県案によりますと、合議制機関の情報については原則として適用除外と解釈されます。今日、県民の生活を左右する重要な事項の多くは合議制機関において審議されるものであり、合議制機関の情報を対象外とするのでは、県民が必要とする多くの情報は公開制度の対象外となってしまい、条例を制定する意味がなくなってしまいます。合議制機関の情報も原則公開とすべきだと考えるが、御返答願いたいと思います。

 以上8点について適切なる御答弁を求めます。
 全国植樹祭について。
 地球環境の危機が叫ばれてから久しくなります。地球規模の環境破壊が急速に進行しているといっても過言ではありません。地球環境の破壊の一つに森林破壊があります。
 今、我が沖縄県は、復帰20周年記念事業の一環として名護市北明治山で全国植樹祭を開催することによって森林破壊の加害者になろうとしております。森林の効用は、木材提供だけでなく光合成による空中炭素固定と酸素補給、水の保全、生物種の保護など極めて重要な働きを持っております。県が1993年、北明治山で全国植樹祭開催を発表して以来、多くの県民が反対の意思を表明し怒っております。私も北明治山での開催には反対であります。
 そこで、次のことを知事に尋ねます。
 第1点、開催場所、面積、用途別面積を地図をもって特定して明らかにしてもらいたい。
 第2点、開催場所に生育する樹木の種類、樹木の生育状況、樹木の本数並びに植物相を明らかにしてもらいたい。
 第3点、全国植樹祭開催のために伐採される面積、樹木の種類、本数を用途地域別に特定の上明らかにされたし。
 第4点、伐採に伴う環境影響評価調査はいつ、どのように実施するのか。会場設営工事によって生態系が破壊され、赤土汚染が発生すると思われるがどうか。
 第5点、今度の補正予算に全国植樹祭関連費用として1億2817万6000円が計上されておりますが、その支出明細及び財源を明らかにしてもらいたい。
 西銘知事を昭和の蔡温と自民党の方々が持ち上げておりますが、森林と緑を破壊する植樹祭を強行するようでは、地下に眠る蔡温が怒ることでありましょう。知事、あなたが昭和の蔡温と呼ばれることを希望するならば、森林や緑を破壊する北明治山での全国植樹祭を直ちにやめるべきだと思いますが、お答え願いたいと思います。
 新石垣空港問題について聞きます。
 新石垣空港建設予定地をカラ岳東に変更したことに伴う疑惑は一層深まるばかりであります。光建設が東京都や千葉県からも告発され、既に東京地検特捜部が巨悪を眠らさないために捜査を開始したことは周知のとおりであります。近々に金バッジにまで及ぶ政治汚職の摘発がささやかれておりますが、この際、知事及び県警本部長に次の点を尋ねます。
 まず知事に第1点、光建設が千葉県や東京都から告発を受け、東京地検特捜部から捜査を受けている事態をどのように受けとめていらっしゃいますか。
 第2点、この事態は、用地取得に当たって支障を及ぼすものと考えるがどうか。
 次に県警本部長へ。
 第1点、さきに沖縄県が告発した国土法違反の捜査経過並びに送検の見通しについて。
 第2点、県警が沖縄県の告発を受けて捜索差し押さえを実施する前に東京地検特捜部が県内数力所において捜索を実施したとの情報に接しているが、事実か。事実なら、いかなる容疑で、何力所実施されたか。
 第3点、東京地検特捜部からの県警本部に対する捜査の指示、捜査協力要請はあったかどうか明らかにしてもらいたい。
 県の緊急土地対策について。
 いわゆるリゾート法の制定や金余り現象を反映してか、沖縄ではすさまじい土地開発が進行しております。リゾート資本などによる土地の買い占めは、農振農用地域や現に土地改良事業中の土地、自然公園地域にまで広がり深刻な社会問題に発展しております。
 今、政治や行政が有効な土地対策を樹立しリゾート開発のあるべき姿を押さえておかないと、沖縄崩壊の危機に直面するでありましょう。伝統的な文化も歴史的な共同体やウチナーンチュのチムグクルまでが失われようとしております。
 県は去る9月14日、沖縄県緊急土地対策県・市町村合同会議を開催し、ふるさとの土地を守るアピールを発表しておりますが、同会議ではどのような現状が報告され、今後いかなる対策をとられるのか、県の基本方針、企画開発部、農林水産部、環境保健部、その他関係部局の具体的対策案をお聞かせ願いたいと思います。
 次に、県は10月1日付で「リゾート沖縄マスタープランの運用に当たっての配慮事項」と題する指導指針を県内全市町村に通知したようでありますが、この指導指針で無秩序な乱開発や土地買い占めが規制できると考えているのか。規制条例のような強制力、実効性のある条例制定を急ぐべきではないか、御見解を伺いたいと思います。
 県立養護学校の施設整備についてお伺いいたします。
 学校教育は、児童生徒の個性を伸ばし、その能力と可能性を豊かにはぐくんでいくことが大切であります。憲法や教育基本法で保障された教育の機会均等は、単に教育内容のみでなく教育施設や教育環境の整備の面においても確保されなければなりません。
 県立鏡が丘養護学校のPTAの皆さん方が、同校の校舎、寄宿舎に空調設備をするよう強く求めております。
 同じように県立泡瀬養護学校でも校舎や食堂に空調設備をするように要求しております。
 養護学校の生徒の中には、体温調整ができない子供、食事の際にだっこなどの介助を要する子供がおり、空調設備の設置は急務であります。鏡が丘養護学校では校舎が丘陵の斜面を削って整地した悪条件下にあって夏場は高温多湿になるようであります。泡瀬養護学校の食堂も夏場は36度を超えるありさまのようであります。
 県は、早急に実態を調査し一刻も早く両養護学校に空調設備を設置すべきと考えるが、県教育長の決意をお聞かせください。
 以上、答弁によって再質問いたします。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 照屋寛徳議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 順志郎出馬問題についてただされましたけれども、この御質問につきましては私事にわたることでありますので、私からの答弁は差し控えたいと思います。
 次に、情報公開条例、その他の御質問につきましてはそれぞれ所管の部長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 総務部長。
   〔総務部長 石川秀雄君登壇〕
○総務部長(石川秀雄君) 情報公開についての幾つかの御質問が出ておりますが、ただいまちょっと質問の内容が聞き取りにくい点がございまして、すべて満足に答えられるかどうかちょっと不安でございますが、一応順次お答えしていきたいと思います。特に知る権利との関係については二、三問出ておりましたが、まとめてお答えさせていただきたいと思います。
 知る権利について県はどのように考えているか。また第1条でそのことを保障しなかったのはなぜかということだったと思います。
 まず、知る権利については、憲法上既に具体的な権利として確立しているとする考え方、あるいは理念としては認められるが、具体的な権利としては確立していないとする考え方など諸説があり、確定している概念ではないと考えております。
 一般的には、憲法上内在的、黙示的に認められるものであり、実定法上の権利としては未成熟なものであると考えております。すなわち、知る権利は憲法上の実体的権利ではなく、理念的な権利であると考えられているものであります。
 情報公開制度の創設に当たって最も重要なことは、つくられた制度が実際に県民の権利を保障する内容となっているかどうかであると思います。
 県の条例は、知る権利の一側面としての県民の公文書の開示を請求する権利を実定法上の権利として明らかにし、公文書の開示を県民と県との権利義務関係として確立するとともに、条例の解釈運用については原則公開の立場に立った解釈及び運用を義務づけているほか、非開示決定に不服がある場合の救済手続として、第三者機関としての公文書開示審査会を設置する等制度全般にわたって県民の知る権利の保障を具体化しているつもりであります。
 なお、条例の目的として知る権利の保障を明記すべきじゃないのかと、こういう御質問だったと思いますが、既に述べましたとおり知る権利は今のところ多義的であり、実定法上の権利としてはいまだ未成熟なものでありますので、条例の目的に明記することは適当ではないと、このように考えております。

 次に、公安委員会を実施機関に含めてないのはなぜかという御質問にお答えいたします。
 公安委員会については、犯罪の捜査等所掌事務の特殊性や広域的機能に由来する全国的な調整の必要性等の理由から実施機関に含めることは適当ではないと考えております。
 なお、情報公開制度を実施しているすべての都道府県で公安委員会は現在実施機関に含まれておりません。
 それから、決裁手続の問題でありますが、県の情報公開条例では決裁終了後しか対象としてないが、なぜかということだったと思いますが、お答えいたします。
 決裁終了前の文書に記載されている内容は、いまだ最終的に決定されたものでなく、組織的に認知され安定した情報となっていないので、県としては責任を持ってそれに対応ができないという面が一つあります。
 また2番目に、決裁終了前の文書が開示され、その後、決裁までの間に当該文書の内容に変更が生じたこと等により無用の混乱が生じ、行政に対する信頼を失わせ不信感を招くことが予想されるので、決裁等の手続が終了した公文書を対象情報としたいと考えております。
 次に、情報公開では請求者を県内に居住する県民等となっているが、「何人」となぜしなかったのか、こういう御質問にお答えいたします。
 県の情報公開制度は、県政への県民参加を促進し、県民の県政に対する理解と信頼を深め、開かれた県政の推進に寄与することを目的として実施するものであること。また県の行政サービスは、主として県民等が亨受すべきものであること及び情報公開制度に要する費用を負担するのは県民であり、その利益も第一義的には県民が受けるべきであることなどから、請求権者は県内に住所を有する個人並びに県内に事務所または事業所を有する個人及び法人その他の団体としているのであります。
 なお、県外あるいは海外の県出身者等請求権者以外の者からの公文書の閲覧等の申し出につきましては、条例第15条の「公文書の任意的な開示」に基づき対応し必要とする情報を提供することを考えております。
 次に、開示手続との関係で視力障害者等についての扱いをどうするかと、こういう御質問だったと思いますが、この点については情報公開懇話会におきましてもいろいろ質問が出まして、視力障害者等が請求書を提出する場合には特別な配慮をする必要があるとの御指摘がありますので、県といたしましては、今後実施していく段階におきまして運用上、このような要望もございますので配慮していきたいと考えております。
 それから最後に、合議制機関等関係情報を一律に非公開とするのは問題があると思うがどうかという御質問にお答えいたします。
 合議制機関等は一般の行政機関と異なり、その意思形成に関し自由な発言の場を確保し、微妙な討議の過程を必要とする場合があり、それらの経過を開示すれば有用な結論への到達を妨げる場合も考えられます。このため、合議制機関等の自主制、自律制を尊重し、実施機関の恣意を排除する観点から、当該合議制機関等が開示することにより、公正または円滑な議事運営が損なわれると認めるものについて非開示とする旨を定めているものであります。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 選挙管理委員会委員長職務代理。
   〔選挙管理委員長職務代理 冨名腰朝栄君登壇〕
○選挙管理委員長職務代理(冨名腰朝栄君) お答えをいたします。
 一般的に公職選挙法第10条に規定する被選挙権の要件を満たしている者が、将来行われるであろう公職の選挙に自由に立候補することは、憲法及び公選法上認められているところでございます。
 ただ、照屋議員御質問の件につきましては、具体的な事実関係を掌握しておりませんので、直ちに憲法や公選法上の違法性があるかどうかを判断することは困難であり、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 全国植樹祭の関係の御質問の1点目に、図示をして説明しなさいということでございますので、(資料を掲示) これが北明治山の全体でございます。これが、この線が、ここが二見です。ここが名護の世富慶です――に通ずる国道329号を挟んで両側に北明治山がございます。全体で241ヘクタール余りございます。大変広大な面積でございます。一番上のこの12、この部分、これは道から上の方です。これは現在、北部農林高校の演習林として利用していただいております56ヘクタール、この部分ですね。
 それから黄色い部分、この国道329号を挟んで両側にあります。これが沖縄造林株式会社が造林をした部分です。そしてピンク、この部分とこの部分、これが提供施設になっている部分です。
 それで、今度予定しております会場地は、この下の方の黄色い部分、これは軍用地ですけれども、これが14.8ヘクタール余りございます。これを返還をしてもらって、この部分に、一部果樹園がございます、この国道に一番近い部分。この一帯に会場を設営しようということを考えております。
 そこで、会場は、軍用地を返還予定しております14.8ヘクタール余りの面積の一部を使う予定でございます。これは、昨日も知事から御答弁がありましたとおり、会場用地としてこれは道路も含めて3ヘクタールから4ヘクタール程度でございます。会場そのものは大体2ヘクタールぐらいになるだろうと思っています。
 あと1.8ヘクタールから2ヘクタール、これは進入道路とそれから展示広場、その他の広場ということで大体3.8ヘクタールから4ヘクタール程度を予定しておりますけれども、具体的に会場幾ら、道路幾ら、それから展示場幾らと、これは設計はこれからでございますので、基本設計の段階で明らかになるわけでございます。
 それから2点目の樹木の種類、本数等についての御質問ですけれども、これは植物相はイタジイを中心とした天然広葉樹林で2次林になっております。戦後伐採をされてそれから自然に萌芽をした2次林になっておりまして、一部リュウキュウマツ等の針葉樹も混じっておりまして、混交する植生状況ということでございます。
 種類としましては、イタジイその他で65種類、本数はおよそ1万4000本程度だろうというふうに見ております。
 それから次の質問でございますが、赤土のおそれがあると、その対策はどうなっているかということですが、会場造成に伴う土砂流出防止対策としまして工事施工前、施工中、それから施工後において万全を期す必要がございます。そこで今議会にも補正をお願いしておりまして、これは砂防ダムを2基下流の方に設置するための予算措置を計上してございます。
 申し上げたとおり、3ヘクタールから4ヘクタールでございますんで、農地開発事業とかゴルフ場のように何十ヘクタールという規模ではございませんので、完壁に防災対策はできると思っておりますし、またやる必要があるというふうに考えております。
 それから、次の御質問の環境アセスは行っているか、また行う考えはあるかという御質問ですけれども、会場造成に伴う環境調査としまして広葉樹林の形態、それから構成等の現況を中心とした植生調査を近々実施する予定にしております。
 それから次の御質問で、9月補正の支出明細についてですけれども、先ほども申し上げたんですが、砂防ダム設置工事費として9212万5000円を計上してございます。それから測量設計と現場管理委託として3804万9000円、それから運営費等で776万9000円、計1億3794万3000円をお願いしてございます。
 それから最後の御質問でございますが、北明治山での開催をやめるべきではないかという御指摘でございますけれども、森林はいろんな機能を持っているわけですね。これを類型別に分けると、私は5つの機能を持っているというふうに理解しております。
 まず1つには、自然環境保全、それから自然環境を形成することを第一義とする自然維持林という機能がございます。
 それから2番目に、国土保全を第一義とする国土保全林の機能があります。
 3番目に、森林保健健康、人々が利用する文化的利用を一義的目的とする森林空間利用林という機能がございます。

 それから4番目に、木材生産活動を目的とする木材生産林としての機能がございます。
 それから水資源函養林としての機能、大きく分けるとこの5つにその森林機能というのは類別できるだろうというふうに考えるわけです。
 そこで、自然保護団体等が原始的な天然林、これを生態系保護地区として保存すべきであるという意見が最近強くなっております。
 例えば、北海道の知床の原生林でありますとか、青森県のブナ林とかという形で自然保護生態系保存地区として全国で6カ所ほど指定をされておりまして、沖縄県においては近々、西表の浦内川上流の一部がその生態系保存地区として指定、保存をされる予定でございます。
 したがって、第1番目の自然維持林以外の機能については、森林を活性化するためにはどうしても人手を加えないといけないというのが専門的な考え方でございまして、国土保全林にしても、森林空間利用林にしても、木材生産林にしても、水資源涵養林にしてもやはり間伐、それから造林、保護という一連の林業施業をすることによって森林の活性化が図られるんだということからしますと、この北明治山というのは御承知のように昔から杣山として地域の木材供給林としての機能を持ってきているわけです。
 そこで現に、先ほど御説明申し上げたとおり沖縄造林株式会社がリュウキュウマツを造林して、これは木材利用林として位置づけされておりまして、そういう意味からしますと、全国植樹祭をそこで開催することによって全体として林業施業を行うことによって健康とゆとりの森事業の整備を行って、県民に親しまれる森林公園として整備する必要がある。それができるのは北明治山しかないと、こういうふうに考えておりまして、御了解を賜りたいと思います。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 警察本部長。
   〔警察本部長 浅川 章君登壇〕
○警察本部長(浅川 章君) 新石垣空港に絡む国土利用計画法違反事件についてお答えいたします。
 まず、捜査経過につきましては、平成2年5月30日に県からの告発を受けて以来、現在まで関係箇所に対する捜索を4回、延べ22カ所、被疑者数人、参考人35人、合わせて延べ110回の調べ、銀行照会、法務局照会など所要の捜査を鋭意行っているところでありますが、具体的な内容につきましては、捜査が完了しておりませんので公表は差し控えさせていただきます。
 また、送検の見通しについては現段階では申し上げる段階ではありません。
 質問の2点目、光建設に関連して東京地検特捜部が捜索したことは承知しておりますが、県内においてガサ入れをしたということについては直接聞いておりませんし、また情報としても当方は確認しておりません。
 質問の3点目、告発事件に関連して東京地検特捜部から捜査上の指示あるいは協力依頼があったかどうかについては、本件につきましては検察庁と十分連絡をとりながら捜査を進めているところでありますが、東京地検特捜部から指示あるいは協力依頼はありません。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) 緊急土地問題についてお答えいたします。
 昨今の県内における地価高騰や土地の買い占め、土地利用の混乱は、農業の振興を阻害し県民の住宅取得を困難にするとともに、自然環境の保全及び各種公共工事の実施に支障を来すなど本県の社会経済に重大な影響を与えておりまして、これらの土地問題の解決は県政にとりましても緊急かつ重要な課題だと認識しております。
 そのため県におきましては、去る6月に沖縄県緊急土地対策要綱を制定し、同要綱に基づきまして庁内はもちろん、市町村との連携を強化し、関係法令の厳正な運用、不要不急の土地需要の抑制、土地取引関連融資の適正化、監視区域の拡大等国土利用計画法の機動的運用、土地関係業界に対する指導強化、土地についての基本理念等の啓発普及を図るべくその具体的試作の推進に努力しているところでございます。
 緊急土地対策会議の結論といたしましていろいろ対策とっているわけでございますが、その一環といたしまして御指摘のありました9月14日、全市町村長と関係課長を県の方に来ていただきまして、県・市町村合同会議を開催したわけでございます。
 その会議におきましては、もちろん知事も出席いたしまして土地問題の重要性についてあいさつをしたほか、県の取り組んでおりますところの土地対策について関係各部から報告をいたしまして、それからまた市町村における取り組み状況の一例といたしまして糸満市、それから恩納村、読谷村等の事例につきまして各市町村長から御報告をいただいたわけでございます。
 その中で問題になりましたのは、糸満市におきましてはやはり行政側の土地利用計画とそれから開発者の意思がそごしている、食い違っていると、こういうような問題があって行政指導しているということ。
 それから恩納村におきましては、やはり何といいますか、開発が過剰といいますか、村内において開発が環境容量より多く申請があると、こういうことを指導していると。
 また特に問題なのは、村内においてマンションといいますか、今まで大型ホテルでございましたけれども、民間のマンション等が入ってきて集落環境が異なるような現象が起こりつつあると、こういう御報告がございました。
 それから読谷村におきましても、村が計画している開発計画は2件であるけれども、それ以上の申請等が相談があると。それからまた恩納村と同様にマンション等の相談があると。ですからこういったものを抑制したいと、こういうことで読谷村におきましては、読谷村中高層建築等建物指導要綱、こういうものをつくりまして行政指導しているという御報告がございました。
 それから恩納村におきましては、やはり条例か何かをつくって制限したいということで、案のようでございますが、恩納村における良好な地域環境の保持形成に関する条例というものを準備中であると、こういう御報告がありました。
 そういうことでこの対策会議は、各地域におきますところの土地問題について現場の責任ある方々、また各市町村の責任ある方々が同席していただきまして御検討するということで非常に土地問題に対する有意義な会合でございました。今後とも機会を見てこういうものを開くと同時に、その御意見、実情等を十分把握して県として対応するものは県として対応する。また、市町村として対応していただくのは市町村として対応していくと。
 最後に、やはり県民の土地に対する基本理念と申しますか、こういうのが重要でございますので、県民にも御協力をいただく。そういうことで県民アピールも採択し交流会を開いたと、こういうことでございます。
○議長(平良一男君) 振興開発室長。
   〔振興開発室長 新垣徳夫君登壇〕
○振興開発室長(新垣徳夫君) 県の緊急土地対策について、県はリゾート沖縄マスタープランの運用に当たっての配慮事項を通知したが、これで土地の乱開発や土地高騰の規制指導ができるかということに対しましてお答えいたします。
 御案内のとおり、県は、リゾート沖縄マスタープランの運用に当たっての配慮すべき事項を取りまとめまして関係市町村長へ通知したところでございます。
 当該配慮事項は、開発適地以外におけるリゾート開発計画の抑制及びリゾート開発の段階的推進を図ることをそのねらいとしたものでございまして、今後、関係市町村と一体となってその徹底に努めることにより調和のとれた秩序あるリゾート開発が図られるものと考えております。
 具体的な効果といたしましては、1つには、リゾート開発に当たっての地元市町村の主体性の確立、2つ目に、乱開発等の抑制に対する県、市町村の共通認識に立ったいわゆるアウトサイダーヘの対応の強化、3つ目に、無秩序なリゾート開発に対する県の基本的な考え方の周知徹底、4つ目に、他の土地利用や自然環境等との調和のとれた開発の展開と推進、5つ目に、リゾート開発に対する官民一体となった共通認識の確立、こういったもの等を図ることによりまして無秩序な土地取引や施設整備の抑制に役立つものと考えております。当面、この配慮事項を通しまして適正なリゾート開発を図ることができるものだと考えております。
○議長(平良一男君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 前村善徳君登壇〕
○環境保健部長(前村善徳君) 照屋議員の緊急土地対策についてお答えいたします。
 昨今の地価の高騰や土地買い占めは、本県のすぐれた自然の景勝地である自然公園地域を含む良好な自然環境地域においても行われている状況にございます。
 当該地域における大規模な土地の形状変更や工作物の設置等を前提とした開発行為は、自然の風致景観を損ない赤土流出等に伴う沿岸海域の汚染が予想されます。
 このような土地の買い占めに伴う大規模な開発行為が今後継続して行われるようなことがあれば、自然公園と自然環境の保全に重大な影響を及ぼすことが懸念されるのであります。
 環境保健部といたしましては、土地取引に関しては直接的に審査する立場にはございませんが、自然公園法及び自然環境保全法等に基づく指定地域における開発行為について、特にゴルフ場の造成については昭和48年、自然公園法施行令の一部改正に伴い公園事業からゴルフ場が削除され、また昭和49年、自然保護局長通知により自然公園の特別地域におけるゴルフ場の開発は禁止されることとなっております。
 さらに、普通地域におきましても平成2年、自然保護局長通達により、その新設については厳しい制限が行われるなど環境保全の面から土地利用の規制または誘導を行っているところでございます。
 なお、大規模な開発行為に関しましては環境アセスメントを事業者に実施させ、事前に環境への影響を審査するとともに、関係部局及び関係市町村との連絡調整を図って対処しているところでございます。
 したがいまして、本県特有の自然環境の保全と開発の調和を図っていくためには、県及び市町村が共通認識に立ち総合的な対策を講ずる必要があると考えております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 教育長。
   〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) 教育環境施設整備に関する御質問にお答えします。
 御指摘のように、心身に障害を持つ児童生徒を収容する養護学校の空調施設整備につきましては十分認識をいたしております。
 特殊教育諸学校の教育環境施設整備につきましては、昭和63年度から養護訓練室への冷房機設置を年次的に整備をしているところであります。
 なお、泡瀬養護学校の空調施設整備につきましては、県単独事業として実施するには多額の財政負担も伴うことから、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律によりまして防音事業――俗に言う補助事業でありますが――それをもって実施をする予定であります。
 なお、この事業の採択につきましては基準がありますので、平成4年度に採択できるように関係省庁と現在調整する準備を進めているところであります。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 土地問題における農用地の土地取引に関する現状認識と対策についてただされましたけれども、お答えします。
 リゾート開発や投機目的等のため農地等の先行取得が高額な対価で行われております。これは1つには、これらの土地取引の多くは農地法の許可が得られてないということ。2つ目には、リゾート開発計画の大部分が農振整備計画の土地利用との競合性が図られてないということが問題でございます。
 このようなことは、農振整備計画の上から容認しがたいものでありますので、優良農地については今後とも農業的利用を優先していくべきだというふうに考えております。
 復帰前後の土地買い占めの例が示しますように、このような行為は農地の遊休化、荒廃化を招くとともに、周辺農地の高騰により農地の流動化の阻害、土地改良事業の中断、畜産事業の廃止等今後の農業上の効率的な利用に悪影響を及ぼすおそれがありますことから、市町村に対しましては農業振興地域整備計画の厳正な管理運用の徹底、農業委員会に対しましては農地法の適正な運用と監視体制の強化を指導しております。
 また、業者に対しましては農地法の遵守についての指導及び違反取引についての是正勧告等の行政指導を実施しているところでございます。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 答弁漏れがございますので補足いたします。
 光建設が千葉県や神奈川県の土地取引について告発を受けているが、知事はどのように考えるかという御質問に対しましてお答えいたします。
 県は、光建設を国土法違反で告発いたしておりますが、他県でも違反行為をしたことについてはあってはならないことと思います。
 次に、光建設が告発を受けたことは空港の用地取得に支障を及ぼすと考えるがどうかという御質問に対しましてお答えいたします。
 光建設は、現在のところ空港用地の地権者ではございません。光建設から、現在では国内リゾートに移っております。
 また、土地取引で告発を受けたことと空港用地の取得とは切り離して進めるべきであると考えております。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午前10時55分休憩
   午前10時56分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 総務部長。
   〔総務部長 石川秀雄君登壇〕
○総務部長(石川秀雄君) 実施機関から議会を除いている御質問でございますが、この点については懇話会におきましてもいろいろ出てまいりましたが、一応この点については議会の判断にゆだねるべきじゃないかと、こういうこともございましたし、県としても他県の状況、そういったものも見ながら、また議会において御判断をいただけるものじゃないかということで実施機関からは外しております。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 会場地として3ヘクタールないし4ヘクタールを予定しているということを御答弁したわけですけれども、伐採は、現に1ヘクタール程度がミカン園になっております。その他2ヘクタール以上がイタジイを中心とするところの2次林で構成されております。したがって伐採する面積は、果樹園を含めて3.8ヘクタールから4ヘクタール程度ということでございます。本数にしますとイタジイを主に、一部リュウキュウマツもありますけれども、約1万本程度ということでございます。
○議長(平良一男君) 照屋寛徳君。
   〔照屋寛徳君登壇〕
○照屋寛徳君 知事に2点お伺いいたします。
 私の質問に対して、私事にわたることだということで答弁はやっておりませんが、あなたには私人西銘順治と沖縄県知事、すなわち機関の代表たる公人としての西銘順治、この2つの顔をあわせ持っておるわけでございます。私の質問は、後者の西銘順治に対する質問であり、当然答弁しなければならない、このように考えております。
 あなたは、これまで議会において順志郎氏の去る衆議院議員選挙のことについては、議員の質問に対して答えてきたではありませんか。だから当然答えるべきであります。
 もう1点、最近、4選へ向けての事前ポスターの中に日本一の沖縄県という表現が刷り込まれております。この日本一というのは、あなたのお得意の文学的表現なのか。それとも具体的な行政目標、政治目標を想定したスローガンなのかお答え願いたいと思います。
 総務部長に質問いたします。
 情報公開条例、公開方法としてやはり視力障害者、これは運用上の取り扱いではなくして、権利として視力障害者に情報公開の権利を与えると、そのことが大事だと思います。もう一度御答弁をお願いします。
 それから、世界のウチナーンチュ大会をやりましたけれども、世界のウチナーンチュに、あるいは県外のウチナーンチュに情報公開の権利を閉ざしてしまう、こういう県の案では私はだめではないかと思うわけです。だから運用として世界のウチナーンチュに、あるいは県外のウチナーンチュに情報公開するのではなくして、権利として明定すべきではないかと、この2点について総務部長の再度の御答弁をお願いいたします。

○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 順志郎出馬につきましては私が決めることではなくて、順志郎自身が決めることだと考えております。
 次に、ポスターで日本一ということでございますが、明治の時代に我が国の政策目標はヨーロッパに追いつけ、ヨーロッパを追い越せであったと思います。
 そういう意味で、沖縄の現状をとらえまして格差を是正し、自立のための条件整備を全部整えまして、あらゆる点で本土に追いつき、本土を追い越すことが私の目標であります。そういうことで御理解をいただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 総務部長。
   〔総務部長 石川秀雄君登壇〕
○総務部長(石川秀雄君) 最初に、視力障害者に対する扱いを運用じゃなくて、ちゃんとはっきりすべきじゃないかという御質問でございますが、まず、公文書の開示の請求方法の中で一番大事なことはやはり公文書の開示の請求に対する決定は行政処分でありますので、この決定いかんによっては不服申し立てまたは行政事件訴訟につながることも予想されますので、したがって請求にかかる事実関係を明らかにしておく必要があるので、請求は必要事項を記載した請求書の提出により行うこととして様式行為としたいと思います。
 しかしながら、視力障害者に対してはそういうことができませんので、実際の運用の中でどなたかが来て書いていただくとかいう方法は考えなきゃならぬと思っておりますが、その点については運用でしかできないと思っております。
 それから、請求権者を県民に限ったことについてなぜかということでございますが、御指摘の点は確かに多くの方が県外からお見えになることも事実でございます。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように3つの点からこの点については私ども限定せざるを得ないと考えております。
 まず第1番目は、県政への県民参加を促進し、県民の県政に対する理解と信頼を深め、開かれた県政の推進に寄与することを目的としてまず実施することが第1点。
 第2点は、県の行政サービスを主として県民が亨受すべきものであること。
 それから第3点は、情報公開制度に要する費用を負担するのは県民であり、その利益も第一義的には県民が受けるんだと、こういう前提で限定しております。
 しかしながら、先ほども申し上げましたように県外あるいは海外の県出身者等請求権者以外の者から公文書の閲覧等の申し出については、条例第15条の公文書の任意的な開示に基づき対応し、必要とする情報を提供することに心がけていきたいと、このように思っております。
○議長(平良一男君) 金城繁正君。
   〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 あらかじめ提出いたしました一般質問通告書に基づいて質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。
 観光リゾート地域開発と関連産業の振興について伺います。
 昭和62年5月、総合保養地域整備法が制定され、今や全国各地でリゾート開発が展開されております。
 本県でもホテルやビーチあるいはゴルフ場などの観光リゾート関連施設の整備が積極的に推進されています。本県の入域観光客数は復帰後順調な伸びを示し、昭和63年には239万人を突破し第2次振計の目標値を達成しようとしております。このことは県当局の積極的な観光リゾート関連施設の整備あるいは受け入れ態勢の強化、観光宣伝誘致の強化によるものであり高く評価するものであります。
 西銘知事は、平成3年度の県政運営の重点施策として部瀬名岬地域の再開発を促進し国際的海浜リゾートの形成を図る旨表明し、去る4月に沖縄県、名護市、恩納村、沖縄県観光開発公社及び民間出資による第三セクター方式でブセナリゾート株式会社を発足させ、部瀬名岬地域の海浜リゾートを開発することになっております。
 部瀬名地域海浜リゾートマスタープランによりますと、リゾートの開発面積が1100ヘクタール、そのうち開発面積が583ヘクタール、その事業量はリゾートホテル10区画5300室、コンドミニアム8区画で4434室、戸建て別荘として2地区127棟、ゴルフコースとして2コースで36ホール、マリーナ基地として1カ所で650隻、観光養場として1カ所で10万平米となっております。そのほか沖縄文化交流センター1カ所、ショッピングセンター、公園等の事業内容となっております。その総事業費は何と3878億円余で、工期が平成3年度から平成17年までの15カ年間にわたる長期的な計画となっております。
 このマスタープランは第3次振計の目玉であり、県内外からの注目を集め、その実現に県民は大きな関心と期待を寄せているところであります。
 そこで、次の3点について知事の所見を伺います。
 第1点目、ブセナリゾート開発を推進する中で県はどのような役割を持っておられるか。また事業計画の推進にどのような取り組みをしていかれるか、伺いたいと思います。
 第2点目、西銘知事は、さっき申し上げましたように平成3年度の重点施策の中で特に部瀬名岬地域の再開発を促進し、国際的海浜リゾートの形成を図ると表明されておられるが、平成3年度の国庫要請でどのように対処していかれるか、伺いたいと思います。
 第3点目、現在、ブセナリゾート開発地域には県内唯一の県立国民宿舎名護浦荘が設置されております。この名護浦荘は県民だれもが気軽に利用できる施設で、しかも宿泊料金1泊2食つきで4100円、そういった低額であるために多くの県民や県外客から親しまれております。その利用者は設置以来15年間で26万7000人を数えている施設であります。この施設は、今後も県民の保養施設として残し、県民の活用を大いに図るべきであると考えますが、その施設の取り扱いについてどう対処していかれるか、知事の率直なる所見を賜りたいと思います。
 次に、観光関連産業の振興について伺います。
 本県における入域観光客の増加に伴い生鮮食料品等の消費需要も年々増加しております。
 しかしながら、その生産体制やあるいは流通機構等の問題があり必ずしも県産品の消費と結びついてなく、そのほとんどが県外に依存しているような状況にあります。しかも近年における大型ホテルにあっては、生鮮食料品までホテルの系列会社によって供給され、本県観光産業の他産業への経済的波及効果が少ないような状況にあります。
 これからの観光リゾート開発を進めていく上において、当初でもってその受け入れ条件の整備をきちっとする必要があると考えます。特に農林水産業との結びつきをどのように強化していかれるか、具体的な計画がありましたら明らかにしていただきたいと思います。
 次に、淡水化による簡易水道事業の企業局への移管問題について。
 水道は、県民の健康で文化的な日常生活を支えるとともに、社会経済を支える重要な基幹施設であります。本県の水道事業普及率は昭和63年度末で99.3%で、全国平均93.9%を上回る高水準にあります。
 ところで、水道普及状況は上水道が93.5%、簡易水道5.8%、飲料水供給施設、井戸、その他でO.7%の内容となっております。
 また、事業体別で見ますと、上水道事業者で30市町村、これは企業団を含めて。簡易水道事業者で102カ所となっております。
 これを簡易水道事業の原水の種別を見ますときに、表流水あるいは地下水、湧水、受水、海水とに区分されております。特に南部離島粟国村、渡名喜村、南大東村、北大東村においては地下水あるいは湧水がないために海水の淡水化によって地域住民への給水が実施されているような状況であります。
 次に、水道料金について。
 上水道事業者30市町村における水道料金は、10立方当たり料金で最低500円、最高2100円となり、平均の料金は1200円。
 一方、簡易水道事業者における10立方当たりの料金は、淡水化を除いては低額料金となっております。
 海水の淡水化における10立方当たりの水道料金は最低2200円、最高3000円で平均2500円となっており、上水道の約2倍以上の重い負担となっております。そのために当該村においては、毎年度一般会計から多額の繰り出しをして事業運営しているような状況にあります。

 水道事業は、それぞれの事業主体の経営努力やあるいは施設設備投資等によって水道料金の格差は生じるものでありますが、できるだけ公共料金は標準化にあるべきであると考えます。しかも前にも述べましたように離島村にあっては地下水や湧水がないためにやむなく海水による淡水化を余儀なくされているような地域であります。これらの状況を考えますとき、県としても水道料金の格差是正のための何らかの施策を講ずるべきではないかと考えるものであります。
 そこで、次の2点について知事に伺います。
 1点目、現在、県の補助として離島過疎振興特別事業として離島の水道事業に対して国庫補助事業における自己負担額の2分1から3分の1を補助しておりますが、それ以外に水道料金に格差是正を図るための補助制度の制定の必要があると考えますがどうか、伺います。
 2点目、淡水化による水道事業の県企業局への移管をして水道料金の適正化を図る必要があると考えますが、どのように考えておられるか、伺います。
 次に、農業用ビニール廃材の処理施設の整備について伺います。
 本県における野菜、花卉の生産は、我が国唯一の亜熱帯地域という気象条件を生かした冬春期を中心に生産され、この時期における本土大消費地域に向けての供給基地として定着し、本県農業粗生産額においてもサトウキビあるいは畜産に次ぐ重要な耕種作物として生産の拡大がなされつつあります。特に近年、生産農家においては消費者ニーズの高級化、多様化等を反映して品質の向上、作柄の安定等を図るために簡易的なビニールハウス栽培が急増しております。
 それに加えて亜熱帯果樹マンゴー等の普及もあって、今後本県における野菜、花卉、果樹等の施設栽培はふえる傾向にあります。また今後、生産農家の所得向上を図るためにも野菜、花卉、熱帯果樹等の施設栽培を積極的に進めなければならないと考えます。
 このように施設栽培が普及推進されている中で、一体、ビニール廃材の処理がどのようになっているかについて南部地域における実態を取り上げてみたいと思います。
 ビニールハウスから出るビニール廃材処理状況は、一部のものが焼却され、そのほとんどが野積み等によって処理されております。そのため一部のビニール廃材が強風やあるいは台風時において排水や河川等に流れ込み、それが障害物となって水害を引き起こすなど、また海浜まで流れ、海浜が汚染され、沿岸における定置網漁あるいはモズク養殖等にも被害をもたらしているような状況であります。
 このように農業用ビニール問題は、今や農村地域における環境を悪化させ、さらに水産業にも大きな影響を与えております。ビニールハウスから出るビニール廃材の処理問題は、生産農家を初め農村地域における解決すべき重要な課題であり、その処理施設の早期整備が強く要請されているところであります。
 そこで、次の5点について知事の所見を伺いたいと思います。
 ビニール類が本県で年間どのぐらいの生産がされているか。また農業用施設にどのぐらい使用されているかについて伺います。
 2点目、農業用ビニール廃材の処理について、県はこれまでどのように行政指導をなされてこられたか。またその経過について伺います。
 3点、現在のように農家個人処理方法をとった場合、農村の環境汚染やあるいは公害を引き起こすことが心配されますが、これに対して県はどのように認識しておられるかについて伺います。
 4点目、今後、農業用ビニール廃材の処理のための施設の整備が必要であると考えますが、県はどのように対応していかれるか、伺います。
 5点目、施設の整備については莫大な費用が必要とされ、現在の市町村の貧困財政では対応困難であると思います。そこで県、市町村、民間を含めた第三セクター方式で処理施設の整備も考えられますが、どのように考えているか、伺います。
 以上、終わります。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 金城繁正議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 観光リゾート地域の開発と関連産業の振興策についてただされましたが、ブセナリゾート開発を推進する中で県はどのような役割を持っているのかと。またどのように取り組んでいくのかと指摘されましたが、お答えいたします。
 御案内のとおり、ブセナリゾートは、本県の中核的なリゾートとして県が先導的に行う大型事業であることから、県としては開発推進に当たってはマスタープランにのっとった開発理念を堅持し、1つ、公共基盤施設の整備、2つ、各個別規制法との調整、3つ、雇用の確保及び関連地場産業の指導育成、4つ、地価対策、5つ、開発事業者に対する指導助言及び誘導を行い、当該事業の円滑な推進を果たすことといたしております。
 今年度は、名護市、恩納村及び県の関係部局で構成する事業推進機関ブセナリゾート開発推進行政連絡協議会を設置するとともに、個別規制法、公共施設の導入等の調整、さらには各ゾーンごとにおける開発整備の望ましいあり方について調査検討を行っているところであります。
 次に、水道料金の格差是正を図るため運営費の補助制度の制定の必要があるとの御提言がございましたが、お答えいたします。
 北大東、渡名喜、粟国、波照間においては表流水、地下水、湧水がないため、水源対策として淡水化プラントの導入を推進し離島過疎地域振興特別事業として補助してきたところであります。現在のところ、運営費に対する補助は困難でありますが、当該町村の簡易水道事業費が多額に及び、水道料金が割高となっているため今後の課題として検討してまいりたいと思います。
 残りの御質問に対しましては、部局長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 観光文化局長。
   〔観光文化局長 松堂忠健君登壇〕
○観光文化局長(松堂忠健君) 観光リゾート地域の開発と関連産業の振興策についての関連で部瀬名岬地域開発の平成3年度国庫要請は、どのように対処されたかということについてお答え申し上げます。
 ブセナリゾート開発につきましては、土地の取得、各種規制法の解除、水供給、環境アセスメント、地域住民の合意形成等種々の調整事項がございます。したがいまして平成3年度においてはこれら調整事項の解決に鋭意取り組み、その推移を見守りながら平成4年度から国庫要請ができるよう努力してまいりたいと思います。
 次に、開発地域内に国民宿舎名護浦荘がありますが、その取り扱いについてはどうなのかという御質問にお答えいたします。
 国民宿舎名護浦荘は、これまで低廉で気軽に利用できる施設として県民に広く親しまれた施設でございます。今後とも同種の宿舎は必要であると考えております。
 名護浦荘は、昭和50年に国民年金積立特別融資を活用して建設されたものでありますが、当該施設は老朽化し、設備も利用者のニ一ズに合わなくなってきていることから、今後、部瀬名岬地域海浜リゾートマスタープランとの整合性を図りつつ、建設場所の検討も含めて新築あるいは大幅な改修をするかについて検討しているところでございます。
 次に、今後、リゾート開発を推進する中で他産業、特に農林水産業との結びつきはどのように強化していくかということについてお答え申し上げます。
 県が昭和63年度に委託した観光収入の経済効果調査報告書によりますと、観光収入のうち原材料63%、所得等の付加価値37%で、さらにその県内の調達状況を見ますと、県内調達が71.8%、県外調達が28.2%で、おおむね県内歩どまりが7割、県外流出が3割となっております。観光産業は、総合産業として農林水産業を初め地場産業への経済波及効果は大きいものがございます。
 御指摘の他産業への結びつきにつきましてでございますが、平成2年2月に庁内に観光コンベンション行政総合調整及び推進機関といたしまして沖縄県観光コンベンション推進連絡会議を設置し取り組んでいるところでありますが、今後とも関係機関と連携を密にしてその問題に対処してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(平良一男君) 企業局長。
   〔企業局長 金城祐俊君登壇〕
○企業局長(金城祐俊君) 離島地域における簡易水道事業を企業局に移したらどうかという御質問がありましたので、お答えいたします。
 水道事業は、御案内のとおり一定の区域を給水区域とする公益事業であることから、地域の実情に通じた市町村に経営させることが最も公益性に合致するなどとされており、水道法第6条第2項で原則として市町村が経営するものと規定されております。
 ところで、御質問の離島地域の簡易水道事業を企業局へ移管してこれを経営させることにつきましては、当該市町村の同意があれば所定の手続を経て可能であると思っております。
 しかし、その場合でありましても、企業局が現在行っている用水供給事業とは別に、それぞれの離島地域の簡易水道事業ごとに会計を設け、それぞれの収入でもって経営を維持していかなければならないことになります。したがいまして、単に企業局に移管するだけでは料金面での改善は期待できないのではないかと思っております。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 農業用ビニール廃材の処理問題についての御質問にお答えします。
 まず1点目、本県におけるビニール生産量と、それから農業用ビニールの使用量についての御質問ですが、県内で生産されておりますビニール類の生産量というのは統計上掌握されておりません。県全体での廃プラスチックの発生量――これは使用量でございますが――から見ますとおよそ7700トン使用されております。そのうち農業用廃プラスチックは1500トンでございまして、全体使用量の約19%が農業用ということでございます。
 2点目、県のこれまでの取り組みについてですが、農業用廃プラスチックに対応いたしますため、昭和61年から62年にかけまして市町村、それから農協の担当者に対する研修会を実施しております。平成元年度には県内の廃プラの実態調査をいたしております。それから、他府県における処理状況の調査を行ってまいりました。そしてことしの9月には沖縄県農業用廃プラスチック処理対策協議会――これは市町村、農協、それから製造メーカー、販売メーカーを加えた協議会でございます――を設立いたしまして取り組みの強化を図っております。
 3点目に、個人処理による公害等をどう認識しているかという御質問ですが、廃プラスチック類の処理につきましては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」によりまして原則的には農家が処理すべきであるというふうになっておりますけれども、廃プラスチックの特性、それから排出量からいたしまして個々の農家で対応するのは大変困難であると理解をいたしております。
 そのために県、市町村、農業団体等で組織する対策協議会を設置したところでございます。
 処理施設の導入でございますが、廃プラスチック協議会で十分検討いたしまして、各地域ごとでどういう形で処理した方が一番適当なのかと。つまり、地域ごとに排出量が違います。処理の方法も違ってきます。ということでこの協議会を設置いたしましたので、その中におきましてそれぞれの地域における適正な処理方法を検討いたしまして対応してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 岸本忠三郎君。
   〔岸本忠三郎君登壇〕
○岸本忠三郎君 通告に従って質問を申し上げたいと思います。
 まず、第1点は、情報公開であります。
 情報公開条例の制定の必要性は、私は、これまでに幾度となく知事に申し上げてまいったわけでありますが、ようやく今度の議会に提案されてまいりました。
 私が最初に知事にこれを提案したのが1980年の9月議会でありますから、ことしは1990年、しかも9月議会です。ちょうど10年目でようやくこの案が出てまいりました。したがって10年目にしてでき上がった案でありますから、手放しでそのことをひとつ評価をし、そのことを喜びたい気持ちがないわけではありませんけれども、しかし私が考えて、あるいは主張してきた内容とは余りにもかけ離れておりまして、しかも後ろ向きであるというふうなことについて非常に残念だと、こういうふうに考えているわけです。
 先ほど照屋寛徳議員からもありましたように、この条例はある人に言わせれば、情報の非公開条例だと言うし、あるいはある人に言わせれば、これは不良品、欠陥商品だと、こう言う人もいるわけであります。
 そういう意味で、私に言わせると、今回の案は、総論の部分では非常に華やかに飾って見せているけれども、ところが各論になると逆に情報管理を厳しく規制するためのいわば基準を設けた、こんなふうな感じがしないわけでもないわけであります。
 条例の目的で言うところの県政への県民参加を促進し、県民の県政に対する理解と信頼を深め、もって開かれた県政の推進に寄与するということには到底ならないどころか、逆に県の各部局はこれから先、この条例を盾にして、これまでは情報や資料は気安く提供していたけれども、ところがこの条例を基礎にして、あるいはこの条例を基本にして、あるいはこれを盾にして逆に情報を出さない、逆に資料を出さないというふうな規制条例になるのではなかろうか、こういうことを私は非常に恐れているわけであります。
 したがって、知事のこの条例を提案した、この条例を制定運用するに当たっての知事の基本的な考え方、どういう考え方を持って、どういう態度を持って、どういう考え方を持ってこの条例を制定したのか、そのことをすべからく県庁の職員全体に知事の考え方が行き渡るように、知事、この条例の中に基本目的の中で明白にしているように、いわば開かれた県政である、県政に信頼をかち取るための条例なんだということを県政を担当する職員一人一人に知事の考え方が行き渡るような形でこの条例が運用されないと、先ほど言ったように逆に情報を非公開にするということになりかねない。したがって、知事のこの条例運用に当たっての基本的な考え方をひとつお聞きをしておきたいと、こう思うんです。
 次に、質問の第2点でありますけれども、提案された条例の内容では、先ほど申し上げたようにいろんな欠陥があり、不良品である、こういうふうなことであります。
 そこで、知事が本当に開かれた県政、理解と信頼を得られる県政を推進したいと心底そういうふうに考えているのであれば、オンブズマン制度を導入すべきだと、こういうふうに考えるわけであります。
 オンブズマン制度は、1809年にスウェーデンに始まり、第2次大戦後急速に世界に普及し、今日ではイギリス、アメリカ、カナダを初め世界18カ国で62以上の制度が誕生し、現代国家における行政統制や市民による行政苦情を取り扱うためのなくてはならないシステムに発展をしてきているということが言われております。日本では、ことしに入って初めて川崎市がこのオンブズマン制度を導入いたしました。
 西銘知事、私は、知事にこの場をかりて直言をしたいのでありますけれども、石垣空港問題がこれほどまでにこじれてしまった背景には、建設場所選定に至る経過が不透明、コンサルタントによる調査結果を公表しない、県がもっているであろうと推測される各種の調査資料を出さない、こういうところに問題の発端があったというふうに私は考えるのであります。
 石垣空港問題から、したがって私たちが学ばなければならない点は、県の一方的な都合だけで情報管理を試みても、今日ではもはやそれは通用しないということであり、県民が知りたい情報を包み隠すことなく、これをオープンにする。県民から寄せられる苦情は、その処理を制度的にこれを処理する制度を保障するということが大事ではないのかというふうなことを申し上げたいわけであります。
 田中角栄が、かつて総理大臣という身分を持ちながら、あるいはかつて総理大臣ということでありながら、アメリカの情報公開法によってロッキード事件が摘発をされて逮捕され、投獄をされ、今日、裁判の身にある。これは何なのか。まさに情報公開法であります。したがって行政の側や政治家の一方的な都合だけで情報を管理し統制することはもはやできないんです。

 知事の言う開かれた県政づくりのためにもオンブズマン制度を発足させるべきだと私は考えるんです。したがって、知事のオンブズマン制度についての考え方をひとつお聞きをしておきたいと思います。
 次に、世界のウチナーンチュ大会についてお尋ねをいたします。
 このウチナーンチュ大会は、3期にわたる西銘県政の中では最もヒットした商品の中の一つだというふうに私は評価をいたします。その成功に向けて奮闘なされた関係者にまず敬意を表したいと思います。
 多くの在外県民の1世はもちろん、2、3世にも感銘を与え、県内に住む親類縁者だけではなく、国際化時代と言われる中で県民にも改めて外から見た沖縄と、内なる沖縄に同胞としての血をたぎらせて、それを確認し合った3日間であったということを評価をいたしたいと思います。
 以上、私は評価をすべき点は率直に評価しその労をねぎらうのでありますけれども、知事もきのうの質問に対する答弁でもありましたように、幾つかの反省点があります。あるいは問題点があります。それを何点かにわたって知事に申し上げて、知事の御見解を承りたいわけでありますけれども、まず第1点は、取扱旅行社を日本交通公社のみに指定したということであります。
 県がJTBだけを指定した結果、県内の旅行社はもちろん、南米などにある県人経営の旅行社は全くこの切符を取り扱えず、ウチナーンチュ大会だというのに県内の旅行業者は傍観するのみであったということのようであります。特に南米の人たちは、JTBを通さなかったがゆえに、成田までは飛行機で来たが、成田から沖縄までは航空便がとれずに鹿児島までは列車で来た。鹿児島からは船で来たという団体が幾つもあったというふうに聞いております。この時期の羽田―沖縄間の航空便の多くをJTBがみんな押さえ込んでしまった。その結果、このような事態になったというふうに不満を漏らしているのであります。
 知事は、これまで本議会でも県内業者優先を繰り返し述べてきたのでありますけれども、何ゆえにJTB1社を独占的に指定したのかをひとつ御説明をしていただきたいと、こう思います。
 県の事前の説明では、JTBは世界的なネットを持っているからとの説明であったようでありますが、運輸大臣登録の旅行業社はいずれも世界にネットを持っております。そのような旅行社は県内には15社あります。
 県は、この15社のいずれも、あるいはこれを束ねてもJTB1社の能力に劣るということを評価した結果JTBに指定をしたのか、これをひとつお答えいただきたい。
 次に、招待券の配布についてお尋ねをいたします。
 招待券は何枚配布し、その基準は何だったのか。その費用、各国別の人数をお聞かせいただきたい。
 なぜこのような質問を私がするかと申し上げますと、国によっては特定の人がその親類縁者だけに配って、一般の人たちには招待券が行き渡らなかった。またある国においては、いわば日系社会とウチナーンチュのルーツとその文化を紹介する絶好のチャンスだ。こういうことでその国の有力なマスコミの記者にその招待券を配ったというふうな国もあるようであります。あるいはまた、高齢者に限ってその切符を招待券を配ったというふうな国もあるようであります。
 このことでもわかるように、招待券の配布方法が国によって違い、現地では配布を受けた人と受けなかった人たちの間でトラブルがあるというふうに聞かされております。
 広島県や岡山県の場合には、60年以上ふるさとに一度も帰ったことのない高齢者を優先して招待していると私は聞いております。本県の場合にも何らかの基準が設けられてしかるべきではなかろうかなと、こう考えるわけであります。そのことについて知事、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
 それから、民間大使のことでありますけれども、そのことについてはきのうの宮城清順議員が質問がありましたんで省きたいと思います。
 次に、提言でありますけれども、特に南米の場合でありますけれども、沖縄現地からの訪問団であります。
 沖縄からの半ば公式訪問団が余りにも多く、南米に行く人たちが余りにも多く、その対応に現地の人たちはその都度パーティー券を買わされ、費用を徴収され大変だと嘆いております。
 ボリビアの場合、子供たちの鼓笛隊で出迎えてくれるのでありますけれども、多いときには1カ月に4回も動員され、子供たち自身が白けている、こういうふうなことが言われております。
 南米訪問団は自由でありますから規制はできませんけれども、せめて現地の人たちに過分の負担を強いるようなことはやめるべきだと、県の御見解をひとつお聞かせいただきたい。
 このことに関連して警察本部長にお尋ねをいたしますけれども、琉球新報の本年7月23日の夕刊11面に、JTBの添乗員が売春防止法違反の容疑で県警に逮捕されたという記事が出ています。
 この事件の内容及び経過をひとつ県警本部長、御説明をいただきたいのであります。
 また、観光文化局長にお尋ねをいたしますけれども、知事は先月、沖縄・大韓民国観光文化親善訪問団の団長として韓国を訪問いたしております。このときはチャーター便を仕立てて行ったようでありますけれども、このときも旅行社はJTBを指名したと聞いております。
 県は今、観光立県を目指して施策を集中して展開し、それはまた県経済に大きく寄与しているのでありますけれども、だからといって売春をあっせんし警察に逮捕された社員を抱えているJTBを指名することはないではありませんか。このことはどうしても私は理解できません。局長の考え方をお聞かせください。
 あわせて、このように沖縄観光をイメージダウンさせる業者は県は指名しない、ペナルティーを科する毅然たる態度が必要ではないのか、御答弁をお願いいたします。
 次に、時間がありませんので選管委員長に対する質問は省きますけれども、ただその障害者に対する投票所の管理が非常にお粗末だというふうなことがありますんで、選管委員会でひとつそれは委員の皆さん集まって議論をしていただきたいと思います。
 次に、我が会派の代表質問に関連して知事にお尋ねいたすのでありますけれども、軍用地の跡地利用問題でありますけれども、知事はこれまで一貫して跡利用に関する特別措置法に類する特別立法ではなく、個別法を積極的に活用して効果を上げている。したがって特措法の立法要請は考えていないことを答弁してまいりました。きのうの中根議員の質問に対しても同様の趣旨の答弁であったと私は聞きましたが、いま一度知事の本音をわかりやすくひとつ御説明をいただきたいと、こう思います。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 岸本忠三郎議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 情報公開条例についてお答えいたします。
 運用に当たっての知事の基本的な考え方をただされましたが、お答えいたします。
 条例の運用に当たっての基本となるものは、第3条の解釈及び運用に具体的に定めてあります。すなわち、実施機関に対して原則公開の立場に立った解釈及び運用を行うこと並びにプライバシーの保護に最大限に配慮することを義務づけているものであり、また開示の請求に係る手続においても県民の権利が十分に尊重されるように配慮しなければならないものであります。
 職員には、この新しい制度に対する心構えといたしまして、県の公文書は県民との共有財産であるとの考え方を持つとともに、原則公開の精神にのっとった運用はもとより、制度の適正かつ円滑な実施に努めるよう周知徹底を図ってまいりたいと思います。
 具体的には、統一的かつ客観的な判断がなされるよう解釈運用基準を定めるとともに、啓発紙の発行、職員の研修、説明会の開催等を通しまして恣意的な運用がなされることのないように留意してまいりたいと思います。
 次に、オンブズマンについての御提言に対しましてお答えいたします。
 オンブズマン制度は、行政に対する効果的なチェックシステムとして現在、北欧やイギリスなどの諸外国に導入されていると聞いております。

 我が国においても行政監視、救済に係る既存の諸制度との関連性に留意しながら、我が国の実情に適合したオンブズマン制度のあり方について検討が進められているところであります。
 なお、地方自治体においては、神奈川県の川崎市が川崎市市民オンブズマン条例に基づき、近々具体的に同制度をスタートさせると聞いておりますが、全国的には一般的に普及した制度ではなく、まだ研究段階にあるのが実情であります。
 県としては、当面、情報公開制度の効果的な運用を図るなどして開かれた県政の推進に努力していく考えであり、オンブズマン制度の導入については国の検討状況や他県の動向等を見ながら、今後の研究課題として検討してまいりたいと思います。
 次に、代表質問との関連において軍用地の跡地利用についてただされましたが、お答えいたします。
 県は、第3次振興開発計画の策定に向けては、返還軍用地の跡利用を本県の振興開発を図る上での重要な柱として位置づけ、総合的な跡地利用を推進するため特別の措置を講じ諸施策の推進に取り組んでいく考えであります。
 具体的措置の内容については現在鋭意検討中でありますが、1つ、跡地利用基本計画の策定、2つ、返還方法についての適切な措置、3つ、返還跡地が有効利用できるまでの相当期間についての損失補償の措置、4つ、行財政等の措置を考えております。
なお、社会党が秋の臨時国会で提出を予定しているいわゆる軍転特別措置法案については、県としてはコメントを差し控えたいと思っております。
 残された御質問に対しましては公室長、その他部局長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 警察本部長。
   〔警察本部長 浅川 章君登壇〕
○警察本部長(浅川 章君) 御質問につきましては本年2月中旬ごろ、那覇市天久にあるクラブでホステス20名ぐらいを置いて観光客相手に売春をさせているという情報に基づきまして捜査をいたしましたところ、本件の参考人、逮捕した関連被疑者などの供述から、大手旅行社の添乗員が他の共犯者とともにクラブのホステスに対し誘客を売春の相手方として紹介するなど、売春の周旋をしているという事実が判明したために、添乗員の勤務先である秋田県に捜査員を派遣し、同人を売春防止法違反で通常逮捕しております。
 同人につきましては、本年7月24日送致し、8月10日、罰金5万円の言い渡しがあり、8月25日、刑が確定しております。
 なお、この事件につきましては、関連被疑者としてクラブ経営者1名、専属客引き者2名を売春防止法違反により通常逮捕し、またホテル経営者2名を売春の場所提供業により検挙し、あわせてホステス20名を保護しております。
○議長(平良一男君) 知事公室長。
   〔知事公室長 村山盛敏君登壇〕
○知事公室長(村山盛敏君) お答えいたします。
 ウチナーンチュ大会について、旅行社としてなぜJTBを指定したかという御質問にお答えいたします。
 ウチナーンチュ大会へ海外から参加する方々の航空座席の確保を図るためには、旅行業者として各地域で幅広いネットワークを有している業者の選定をする必要がございます。ウチナーンチュ大会実行委員会事務局といたしましては、関係者、つまり航空会社等でございますが、相談、協議をいたしましてJTBを幹事旅行社としてお願いしたところであります。
 なお、幹事旅行社の主な役割でございますが、県内外の旅行社の航空座席の確保等について相談窓口として参加者のフライトスケジュールなどを取りまとめをするものでございます。
 また、各旅行社は、各航空会社と個別に自由に座席の予約をしておりまして、万一この座席の確保ができない場合には幹事旅行社と相談するようにしたものでございます。広く県内及び海外の旅行社が自由に参加者を募集しておりまして、JTBだけがこの旅行のあっせんをしたものではございません。
 それから、ウチナーンチュ大会の招待基準についてただされましたが、各外国の県人会を通して案内状は送付してございません。県人会を通しまして23日から26日まで行われるウチナーンチュ大会に参加するようにという案内をしてございまして、一々この案内状の送付はしてございません。
 ただ、今回のウチナーンチュ大会で案内状を送付いたしましたところは、外国ではハワイ州知事外関係団体、つまり姉妹提携国とかでございます。それから本土関係では政府関係、外務、開発、自治省、大使館あたりでございます。それと本土在住県人会、県内は政府関係、県議会議員、市町村長、市町村議会議長等19項目にわたりまして、合計で1267名の方々に案内状を送付してございます。
 それから、南米の移住地では、母県からの諸団体の受け入れに関し歓迎会等の経費に苦慮しているとのことであるが、県としてはどう対応していくのかという御質問にお答えいたします。
 県としては、これまで海外出張に当たっては現地県人会等に経費的負担をかけないよう配慮してきているところでございます。
 食糧費、使用料、借り上げ料等必要な予算を計上して県人会の支出を補てんしております。
 したがいまして今後とも、現地県人社会の経済的負担がないよう配慮してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午前11時57分休憩
   午前11時58分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 村山盛敏君登壇〕
○知事公室長(村山盛敏君) お答えいたします。
 県が費用を負担いたしまして御案内申し上げました外国の方々は、民間大使100名と特別招待者の30名でございます。
 南米移住地で受け入れの経費に苦慮しているということのようでございますが、これにつきましては事実関係については聞いておりませんし、県としては我々がよく出張する場合はそれぞれの旅費を持っていきますので、それなりの負担はかけてないということでございます。
○議長(平良一男君) 観光文化局長。
   〔観光文化局長 松堂忠健君登壇〕
○観光文化局長(松堂忠健君) ただいま岸本議員の御指摘は、売春あっせん事件を起こした日本交通公社にはある意味でペナルティーを科し、事件を起こした会社に県が主催する観光キャンペーン事業の取扱業務を任せたことは問題はありはせぬかと、こういうことだと理解していますが、それについてお答えします。
 御指摘の日本交通公社職員による不祥事件につきましては、国から観光モデル地区の指定を受け、国際リゾートとして受け入れ態勢を整備しているさなかにあって、本県観光のイメージを低下させたものであり、本当にもってまことに遺憾でございます。
 県におきましては、日本交通公社沖縄支店から事情聴取するとともに、社員教育をさらに徹底し、再び不祥事件が起こらないよう強く申し入れたところであります。
 今回の不祥事件ついて、監督官庁であります運輸省は、会社に対して口頭注意で措置しているところであり、県といたしましても会社が組織的にかかわる事件ではなく、社員の個人的な不祥事件であると理解しています。したがいまして行政的な措置につきましては慎重に対処したところでございます。
 なお、今回の県及び観光連盟主催の韓国・沖縄観光文化親善交流訪問団の派遣につきましては、たまたま同社の協定旅館連盟沖縄支部が計画の中で同様な観光キャンペーン事業を相乗的に高める観点から協賛事業として位置づけたものでありまして、その旅行業務につきましては同社と沖縄ツーリストに担当してもらったところでございます。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 岸本忠三郎君。
   〔岸本忠三郎君登壇〕
○岸本忠三郎君 知事、例の特措法については、社会党が今度の国会に特措法を出すということについてコメントすることは控えたいというふうなことを知事は答弁したわけですが、それでは社会党は困るんですよ。
 知事は、これまで個別法の適用で十分対応できると、こういうことを答弁してきたわけです。私たちは、個別法の適用では無理があるので特別措置法の必要があるということ、こういうことを主張してきたわけです。それでもって今度の衆議院の法制局に法案を整備して、衆議院の法制局に出してあるわけです。そして次の国会にそれを提案しようと、こうなっているわけです。ところが今度の国会は1カ月しかないので、その1カ月の期間でこれを整理するわけにはいかぬから、それじゃ年末の通常国会に提案するか、特別国会にするか、臨時国会にするかということを今議論しているところなんですよ。

 そこへもって、知事が特別措置法については、社会党の案についてはコメントできませんということになると、例えば、これは衆参両院ありますから、参議院では通りますよ、この法案が。参議院では通過しますよ。そうしたら衆議院ではどうなるかわかりませんけれども、まさか自民党の諸君が特別措置法について衆議院では反対と、こういうわけにはいかないでしょう。そうすると知事は、どうしても衆議院もしくは参議院に参考人として呼ばれると、それに対してコメントしなけりゃいけないはずなんですよ。それをコメントいたしませんということじゃ通りませんよ、これ。
 そのことについてひとつお答えください。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) コメントしないということは、余り立ち入ってどうのこうの言わない方がいいということでコメントしないわけでございまして、御案内のとおり跡地の利転用の問題で一番今関心を持っているのは、市町村にもし負担があった場合のこの市町村の財政負担をどういう形で補償していくか。また返された土地が十分利活用できるまで、いわゆる1年なら1年、半年なら半年という短い期間じゃなくて、もう少し対応する、返す場合に当たって余裕を持って返してもらって、それでもし農用地であれば農業用地、土地改良法等に基づいてやっていけますし、さらに都市地区であれば区画整理法あるいは都市計画法、関係法令に基づいて、今現在これらの法令に基づく特別措置がありますから、沖縄の場合には。それでもって対処していって、なおかつ足りない場合にはどういう対策をすればいいか。いわゆる沖縄振興特別措置法というものの施行細則も含めてどういう形で変えていけばいいか、どういう文言を想定すればいいか。
 今、国庫補助負担率の引き下げ問題で、知事会を中心として地方自治6団体がもとに戻してくれと、こういう要請をしているわけでございますが、恐らくそういうことでこの補助負担率を10分の10ということが恐らく社会党から出された案ではないかと思いますが、この10分の10でいくかどうか。いわゆる100%国が負担すると、こういうことで処理されるのかどうか、成り行きを見守っているところでございまして、正直申し上げまして対応しないというわけではございません。どういう形で対応していくか、どういう形で第3次振計に位置づけていくかと、こういうことでございますから御理解をいただきたいと思います。
○岸本忠三郎君 議長、休憩お願いします。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後0時 8分休憩
   午後0時12分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 岸本忠三郎君。
   〔岸本忠三郎君登壇〕
○岸本忠三郎君 県警本部長、先ほど本部長は遠慮しているのか何か知りませんけれども、大手旅行社と言ったわけです。そうすると、大手旅行社の固有名詞を言ってほしいんです。どこですか、それは。
○議長(平良一男君) 警察本部長。
   〔警察本部長 浅川 章君登壇〕
○警察本部長(浅川 章君) お答えいたします。
 日本交通公社でございます。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後0時14分休憩
   午後1時30分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 友寄信助君。
   〔友寄信助君登壇〕
○友寄信助君 さきの通告に従い、質問を行います。
 まず第1点目は、土地対策についてであります。
 近年、本県における地価高騰は著しいものがあります。特にリゾート地域やゴルフ場などの開発や一部業者の投機的な買い占めなどによって県内の地価は深刻な社会問題になっており、当面する緊急かつ重大な問題であります。
 県が発表した1990年度の県内地価調査によると、平均地価は前年度に比べ住宅地が4.5%、商業地が6.4%上昇しております。全国平均及び九州・沖縄8県の平均よりは低いものの、前年度の伸び率を大幅に更新し急騰ぶりを示しております。
 県内の地価は、80年の上昇率11.9%をピークに8年までは連続して下降していましたが、それが一昨年から上昇傾向に転じ、ことしは全用途地が前年を上回る上昇率を見せ地価騰勢に歯どめがかかっていないのであります。とりわけ、恩納村では15.9%も急騰しているのであります。
 この要因は、冒頭にも指摘したように県内におけるリゾート業者による土地の買い占め、投機的な土地取引によるもので、その実態はすさまじいものがあります。
 恩納村では四、五年前から県外資本による海浜に近い土地、山林原野の購入が盛んになっており、1981年には1平米当たり平均単価600円であったのが、88年には1万円、90年には実に5万円に上がっているのであります。
 大手ホテルが並ぶ国道58号沿いの商業地域は、坪当たり50万円か100万円前後にはね上がっていると言われております。もはや一般村民が買える値段ではありません。
 一方、宮古、八重山や本島の農地も開発業者によって買い占めが進められており、農業振興に深刻な影響を与えております。
 与那城村宮城島の土地改良区におけるゴルフ場を含むリゾート開発に与那城村農業委員会が反対決議をしており、また糸満市においても昨年暮れからことしにかけて県外企業によるゴルフ場やリゾートホテルの開発計画が持ち上がっており、いずれも農振地域で、しかも市内では優良農地で農業振興上からも問題があるとして開発業者に対して計画の撤回が求められております。
 こうした事態を憂慮した県農業会議は、先日、西銘知事に対して、無秩序な土地買い占めは、本県農業の振興にとって最大の脅威であるとして行政側の厳しい対策を求めております。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 最近の土地の急騰は極めて異常な状況で、県の厳しい対策が求められております。こうした開発業者による金に糸目をつけず買いあさりや、地価高騰に歯どめをかけるため県の今後の具体的な対策をお聞きしたいと思います。
 こうした土地高騰の背景には、県の全島を対象にした沖縄リゾートマスタープランなどに見られるように開発優先の行政姿勢にも基本的な問題があると思われるが、過去の列島改造計画を思わせる現在のリゾート法や県のリゾート開発構想の見直しが必要ではないかと思うが、知事の御見解をお聞きしたいと思います。
 ここ数年来で買い占められた農用地はどの程度あるのか。把握しておられれば、その件数、面積等をお示し願いたいと思います。
 また、買い占められた農用地を買い戻すお考えはあるのか。現在の憂慮すべき事態に県はどう対処していくお考えか、知事の御見解をお聞きしたいと思います。
 県の土地対策要綱では、今後とも積極的に監視区域を拡大し、届け出面積を引き下げるなど国土利用計画法の機動的かつ効果的な運用を図っていくとうたっているが、まず、地価高騰を抑制するために監視区域の拡大が必要だと考えるが、具体的にはどう対処するつもりか、お聞かせ願いたい。
 また、監視区域の指定でも効果が上がっていない地域があると思うが、特に恩納村などは15.9%も急騰していますが、今後、地価の凍結ができるよう規制区域の指定は考えていないのか、知事の御見解をお聞きしたいと思います。
 開発業者や不動産業者による投機的土地の買いあさりを抑制し、地価の安定と土地の有効利用を確保していくために、これまでの監視区域を指定するだけではもはや限界があるのではないかと思う。土地利用の目的以外には使用させない抜け穴を防止していくために後追い行政にならないように県として土地条例を制定し、細かい網をかぶせていくお考えはないのかどうか、御見解をお聞きしたいと思います。
 2番目には、米軍基地、跡地利用計画と基地労働者の雇用対策についてお尋ねをいたします。
 米国防総省は去る4月19日、21世紀に臨むアジア太平洋地域の戦略的枠組みとして、今後、10年を展望した海外基地の戦略に関する報告書を議会に提出しております。その中で、国防予算の制約と脅威の変化に応じて、今後10年にわたり米軍兵力を継続的に削減する方針を明らかにしております。

 沖縄の基地施設、用地の扱いでは、地元住民との関係改善を図る立場から、できるだけ整理統合を進めて不要基地を早急に返還する意向を打ち出しております。
 その一環として明らかにされたのが去る6月19日、日米合同委員会の一部返還であると思料されます。また9月18日には沖縄の嘉手納基地の海軍航空施設と海兵隊のキャンプ・フォスターが縮小されることになり、米軍は今後3年間に沖縄を中心に5000ないし6000人の在日米軍を削減する予定であることが明らかになりました。復帰して19年目にしてようやく沖縄基地も整理縮小の兆しが見え始めたと言えます。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 こうした米国防総省の海外基地削減の10年戦略の沖縄基地への影響について、知事はどう受けとめておられるのか。今後の沖縄基地の変動の見通しについて、知事の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
 2点目には、国際情勢の変化、朝鮮半島の緊張緩和の動きや、日米安保条約のかなめと言われている在沖米軍基地が縮小されると、日米安保条約の存在する必要性はもはやなくなってくると思うがどうか、知事の率直な御見解をお聞かせ願いたいと思います。
 3点目には、こうした基地の整理縮小の動きに対して関係市町村では米軍基地の跡利用計画の策定にとりかかっております。各市町村が主体的に地域に見合った跡利用計画を策定することは当然でありますが、広域都市計画、県土の利用計画、道路網の整備など全県的な整合性のある総合的な跡利用計画を県として策定することが必要ではないのか、知事の御見解をお聞きしたいと思います。
 また、これまでの経緯からして何らかの跡地の特別措置法の制定が必要だと思料されます。この問題につきましては我が党の岸本議員からの質問に対しまして知事は答弁しておりますので、1点だけ確認をしておきたいと思います。
 いわゆる知事の答弁では、沖振法の中にこの特別措置法について位置づけていくのかどうか。また特別措置法、いわゆる軍転法と我々は言っておりますが、軍転法で措置するということも含めて今後検討していきたい、こういうふうに理解していいのかどうか、お聞かせを願いたいと思います。
 次に、基地労働者の雇用対策についてお聞きしたいと思います。
 全駐労沖縄地本は、9月26日に基地労働者の雇用問題に関する討論集会を開いて、在日米軍の削減に伴う米軍基地の返還に当たっては、基地の跡利用と基地労働者の雇用確保という2つの課題を表裏一体の問題として位置づけて解決すべきだと提起をしております。
 県は、最近の基地の整理縮小の動きに対応していくために商工労働部内にプロジェクト・チームをつくり、基地労働者の雇用対策に本格的に取り組んでいく方針を明らかにしました。中長期にわたって具体的な対策を講じなければならないと考えますが、今後の雇用対策の方針についてお聞かせ願いたいと思います。
 また、米軍のこれまでの解雇の仕方は、日本の労働慣行を無視した余りにも一方的な措置でありました。予告期間さえ満たせばいつでも労働者を解雇し、路頭に放り出すという米軍の従来からの発想をこの際抜本的に改めさせるべきであります。
 そのために全駐労地本は、駐労の雇用安定を図る立場から、解雇される労働者が再就職の見通しがつくまでの一定期間、米軍の解雇を制限する等の特別措置を講ずる必要性を強調しております。これについての知事の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
 3点目には、厚生年金格差の是正についてであります。
 沖縄の厚生年金の格差是正問題は、当面する重要な課題であります。私は、これまでもしばしば本議会でこの問題を取り上げ、県の積極的な取り組みを求めてきたことは、こうした本土と沖縄の差別を放置することは許せないし、本県の経済面から言っても大きな損失があるからであります。
 本県の厚生年金問題については、復帰時の沖縄特別措置法とことし4月の政令改正で部分的に改善がなされてはいるが、それでも本土との格差が完全に解消したわけではありません。
 試算によれば、現在60歳で勤務年数35年で本土と沖縄では年額にして97万7000円もの格差が生じ、平均余命17年として厚生年金受給額の差は1360万円余にもなるのであります。
 今や、厚生年金格差是正問題は全県民的な課題であり、早期解決が急務であります。去る9月6日には、沖縄における厚生年金等の本土並み完全格差是正推進県民大会が県経営協、連合沖縄、厚生年金格差是正期成会の3団体の主催で開かれ、西銘知事への要請を初め関係省庁への要請行動が展開されました。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 知事は、これまでこの問題について前向きに取り組むことを表明してきましたが、具体的にはどう対処してきたのか。
 また、今回の県民大会で決議した要請事項について知事はどう受けとめておられるのか。そしてこれらの要請事項をどう検討し、今後、政府に対してどのように対処していくお考えか、知事の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
 最後に、救急医療対策についてであります。
 去る2月17日、救急患者を迎えに行くため、1人の医師を添乗した自衛隊機が宮古沖で遭難した事故は、県民や関係者に大きな衝撃を与えました。無事であってほしいと願う家族や関係者の期待も空しく、依然として手がかりもなく今日に至っているのであります。まことに痛ましい事故であります。この事故は、離島医療の現状を改めて浮き彫りにしております。
 現在、県内には無医地区の市町村が8町村もあり、地区にして17、人口にして5000人を抱えていると言われております。
 そこで、知事にお尋ねをします。
 この事故の発端は、宮古病院に脳外科の専門医師が配置されていないためであります。その後、専門医師は配置されているか。また無医地区の解消、専門医師の配置など県内の立ちおくれた医療の現状を打開していくために県はどう対処していくお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
 2点目には、救急車に医師を同乗させることについてであります。
 厚生省では、救急患者の救命率の向上を図るために救急車への医師の同乗について本格的な検討が進められております。同省のデータによると、医療機関に心肺停止の状態で運び込まれた患者が回復し、社会復帰できた率は日本の現状ではわずか5%である。これに対して、搬送途上に医師を救急車に同乗させるなど救急措置体制が進んでいる国では5倍の25%に上ると言われております。国内で救急車に医師が同乗するシステムを採用しているのは、札幌市や福島市など約30地域の消防本部で実施されております。
 医師同乗システムを実施するには中核の医療機関、地元医師会などの協力体制が必要でありますが、今後、同システムをつくり上げていくことが必要であると考えますが、県の御見解をお聞きしたいと思います。
 答弁に対して再質問を行っていきたいと思います。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 友寄議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 土地問題についてお答えいたします。
 地価高騰に歯どめをかけるための具体的な対策をただされましたが、お答えいたします。
 県においては、昨今の一部地域における地価高騰に対処するため本年6月、沖縄県緊急土地対策要綱を制定し、これに基づき市町村等関係機関との連携強化、関係法令の厳正な運用、不要不急の土地需要の抑制を図り地価高騰の抑制に努めているところであります。
 また、急激に地価上昇のおそれのある地域等については監視区域の積極的拡大、届け出対象面積の引き下げを行う等各種施策をあわせて実施し適正な地価の形成に努めてまいりたいと思います。
 次、米軍基地、跡利用計画と基地労働者の雇用対策について、全県的な整合性のある総合的な跡利用計画を県として策定する必要があるのではないかという御提言がございましたが、お答えいたします。
 県は、返還跡地の有効利用を計画的、総合的に推進するため跡利用の基本計画を策定する考えであります。
 次に、米国防総省の海外基地削減戦略の沖縄基地への影響についてただされましたが、お答えいたします。

 米国の海外基地削減計画の背景には、東西間の緊張緩和の進展と国防費削減への動きがあるものと理解いたしております。
 昨今の国際情勢の変化は、徐々にではありますが、アジア地域にも好ましい影響を及ぼしつつあるものと理解しております。今後、本県の米軍基地の態様にも何らかの変化があるものと考えております。
 日米安保条約の今後の必要性についてただされましたが、お答えいたします。
 日米安保条約は、防衛面のみならず政治、経済のあらゆる分野における両国の発展の基礎になっており、今後とも安保体制は必要であると認識いたしております。
 次に、独自の特別措置法の制定について、跡利用計画との関連でただされましたが、お答えいたします。
 返還跡地の有効利用の促進を図るための特別の措置については、きのうの代表質問でもお答えしたとおり沖縄振興特別措置法の改正を含めまして必要な措置を政府に要請していく考えであります。
 次に、米軍基地跡利用計画と基地労働者の雇用対策についてお答えいたします。
 中長期的な雇用対策についてただされましたが、お答えいたします。
 在沖米軍基地の返還に伴う駐留軍従業員等の雇用の安定については、県としても重大な関心を払い実態把握に努めるとともに、国及び関係機関に対しまして要請してきたところであります。
 また、商工労働部内に駐留軍従業員等雇用対策連絡会議を設置し、関係各課相互の連絡を密にして離職前訓練、職業指導等の施策の効果的な運用を図るよう検討を進めているところであります。
 なお、中長期的には引き続き第3次振興開発計画の中にも駐留軍従業員等の雇用対策を重要な施策として位置づけ、駐留軍従業員等の雇用の安定に努力してまいりたいと思います。
 年金格差の是正について、これまで県はどのように対処してきたかということに対しましてお答えいたします。
 慰霊の日(6月23日)に海部内閣総理大臣に直接要請したのを初めといたしまして、格差是正についてその趣旨を機会あるごとに厚生省に伝え、さらなる改善を要望いたしております。
 その他の御質問につきましては、部局長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 饒波正之君登壇〕
○商工労働部長(饒波正之君) 駐留軍従業員の人員整理の予告期間の延長につきましての御質問にお答えをいたします。
 駐留軍従業員の人員整理を行う場合、従来、日米間の了解事項に基づき人員整理の発効日の少なくとも90日前に米側から日本側に通告をしている現状にございます。
 この予告期間の延長につきましては、日米両国の協議を要するため難しいと思われますが、県といたしましては、駐留軍従業員の雇用の安定を図る立場から可能な限り努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) 地価高騰に対する問題についてお答えいたします。
 地価が急激に上昇し、または上昇するおそれのある地域につきましては今後とも監視区域の積極的拡大を図るとともに、監視区域に指定しても地価高騰の抑制ができない地域につきましては届け出対象面積の引き下げに努めたいと考えております。
 なお、監視区域の拡大につきましては、近々、大幅に拡大してまいりたいと考えております。
 また、規制区域の指定につきましては、土地取引が許可制となり私権が大幅に制限されることから、全国でも指定された例がありませんので慎重に検討する必要があると考えております。
 それから、土地条例を制定したらどうかという御提案でございますが、現在の土地問題に対処するため、沖縄県緊急土地対策要綱を定め、当面の土地対策として同要綱に基づき緊急土地対策を講じているところでありまして、条例等を含めた総合的かつ長期的な土地対策につきましては、緊急土地対策の動向を見ながら今後検討してまいりたいと考えております。
○議長(平良一男君) 振興開発室長。
   〔振興開発室長 新垣徳夫君登壇〕
○振興開発室長(新垣徳夫君) 土地対策について。土地高騰の背景には県の全島を対象としたリゾート開発基本構想など開発優先の行政姿勢にも基本的問題があると思われるが、現在のリゾート法や県のリゾート開発構想の見直しが必要ではないかという御質問にお答えいたします。
 御案内のとおり、総合保養地域整備法は、国民が余暇等を利用して滞在しつつ行うスポーツ、レクリエーション、教養文化活動、休養、集会等の多様な活動に資するための総合的な機能の整備を民間事業者の能力の活用に重点を置きつつ促進する措置を講ずることにより、ゆとりのある国民生活を実現し地域の振興を図ることを目的に昭和62年6月に公布施行されたものでございます。
 当該総合保養地域整備法及びこれに基づき現在策定中の基本構想は、リゾート開発について制度や計画面からその推進手法や整備のあり方等を示したものでございまして、今後、本県におけるリゾート開発はこれらの趣旨を踏まえて展開されることとなります。その具体化に際しましては、自然環境や地域社会との調和に配慮しつつ、秩序と調和のとれたリゾート開発の観点から農振法、都市計画法、自然公園法及び県土保全条例等あらゆる関係法令との十分な調整のもとに進められることとなっております。
 したがいまして、現行の総合保養地域整備法及び基本構想策定の基本的な考え方の見直しにつきましては、その必要はないと考えております。
○議長(平良一男君) 病院管理局長。
   〔病院管理局長 上原 勲君登壇〕
○病院管理局長(上原 勲君) 宮古病院への脳外科医師の配置についてお答えいたします。
 県立宮古病院の脳外科開設の件につきましては、6月議会においても答弁いたしましたように最近になりまして民間の専門医が当該地域において脳外科を含めた100床規模の病院を開設する計画があると聞いております。
 したがいまして、宮古病院への脳外科の開設につきましては、当該民間病院開設の動向を見きわめた上で判断することとしまして、当面はこれまでどおりに中部病院、那覇病院、南部病院の各県立病院からの応援体制によって対応していきたいと考えております。
○議長(平良一男君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 前村善徳君登壇〕
○環境保健部長(前村善徳君) 友寄議員の救急医療の対策についてお答えいたします。
 まず、立ちおくれた離島医療の現状に県はどう対処するかについてでございますが、現在、無医地区の解消のため僻地診療所の設置及び巡回診療等を実施しておりますが、今後、離島と本島の医療の格差を是正するため離島僻地における一層の保健医療供給体制の確保を目指して、目下、離島僻地保健医療計画の策定を進めているところでございます。
 なお、同計画策定に当たっては、僻地中核病院及び離島僻地診療所の整備充実、離島僻地医療に従事する医師、歯科医師等の確保、離島僻地救急医療体制の整備、保健医療情報システムの整備拡充等について検討を行い、総合的な離島僻地医療対策を立てる考えでございます。
 次に、国で検討中の救急車への医師添乗システムについてお答えいたします。
 現在の我が国の救急医療体制においては、救急現場と搬送途上の医療に医師等医療関係者が関与することは少なく、救急隊員の実施する応急手当ての範囲も限られていることから、搬送途上の医療の確保が緊急に取り組むべき課題として厚生省の救急医療体制検討会及び消防庁の救急業務研究会で検討がなされているようでございます。
 厚生省の検討会では、ドクターカー等の効果的活用、救急医療に携わる医療関係者の確保、救急隊員の行う応急手当ての充実及び国民に対する応急手当ての普及啓蒙等について検討を進めております。
 これら国の検討結果によって、我が国でも救急車への医師同乗システム等が実施されることになりますと、県においても地域中核病院及び地区医師会等との協力体制のもとにその実現に向けて努力してまいりたいと考えております。

 以上でございます。
○議長(平良一男君) 生活福祉部長。
   〔生活福祉部長 大城清吉君登壇〕
○生活福祉部長(大城清吉君) 友寄議員の御質問にお答えいたします。
 厚生年金の格差是正について、このたびの県民大会の要請事項をどう受けとめ、今後、この問題をどのように進めるかという御質問でございます。お答えいたします。
 年金制度上のさらなる改善策については、厚生省と折衝いたしておりますが、国としては、今回の措置は画期的な救済措置であり、現行制度上遡及適用は不可能であるとしております。
 しかしながら県といたしましては、関係方面の御意見を承りながら、さらなる是正実現に向けてこれからも引き続き幅広く検討を進める必要があることから本県の重点施策の一つに掲げ、関係機関と十分な調整を図りながら取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後2時1分休憩
   午後2時1分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 土地対策の御質問の中で買い占められた農用地の件数、面積はどうなっているかという御質問ですが、問題となっておりますリゾート開発、不動産業者等による農地の取引形態は、農地法の所定の手続をとらずに仮登記または金銭消費貸借契約によって抵当権を設定し、実質的に農地を支配するといった巧妙な手法をとっております。買い占めと断定できないまでも、疑いのある地域が6市町村、12件、面積にしましておよそ132ヘクタールあります。金額については掌握は困難でございます。
 それから、遊休地の買い戻しをやるつもりがあるかという御質問ですが、復帰を前後しまして農外資本によって買い占められた土地の買い戻しを県の農業開発公社が行った例がございます。したがって買い占められて遊休化した農地は、今後とも農業的利用を確保するため農業開発公社の利活用を検討したいと考えております。
 それから、農地取得の対策の御質問ですが、県といたしましては、集団的に存在している優良農地は農業的利用を優先していく方針であります。したがって市町村に対し、農業振興地域整備計画の適正な運用管理、それから農業委員会に対しましては農地法の適正な運用と監視体制の強化を指導いたしております。
 また、業者に対しましては、違反取引についての是正勧告等の行政指導をいたしております。
 以上です。
○議長(平良一男君) 友寄信助君。
   〔友寄信助君登壇〕
○友寄信助君 1点目は、いわゆる跡地利用計画の特別措置法について、我々は仮称軍転法と言っていますが、知事はこれに対して、軍転法の問題のいわゆる特別措置法を含めて検討していきたいということですが、国会ではやがてこの軍転法が議案として提案され審議されてくるんじゃないかと思うんです。
 そうなりますと、県としても知事として、その法案が国会で審議されてくれば、それを支援していくお考えがあるのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
 2点目には、地価対策ですが、いわゆる規制区域は本土でもないし、規制区域として指定していく考えはないということなんですが、今、恩納村を中心にしてリゾート地域の地価が物すごい勢いで上がっているわけですよね。
 それで、監視区域を指定して一定の効果も上がるだろうが、監視区域の指定だけでは、果たしてこれから実効ある地価抑制対策ができるのかどうかという点ですね。
 大体目安としては、いわゆる監視区域の指定は10%ですか、今恩納村は15.9%。これがどんどん上がっていって仮に20%ぐらいに上がっていくと、果たして監視区域でいいのかどうか。
 そうなってくるとやはりその規制区域なり、もっと強力な対策が必要じゃないかと思うんです。そのあたりをお聞かせ願いたいと思います。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 跡地の利転用の件でございますが、社会党提案の法案がどういう形でこれは成立するかわかりませんけれども、こういったものも全部含めまして今検討を進めているところであります。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) 御指摘のとおり、監視区域を指定した地域におきましても上昇傾向があるというのが恩納村の実態でございます。
 したがいまして、その次の手段として現在、2000平米で届け出をしておりますが、やはり上昇していると。こういうことになりますと、ある程度規制面積をもっと下げまして、数多くの取引を行政指導をやっていかなければならないんじゃないかと。したがいまして規制区域地域で上昇する次の手段といたしましては、やはり下限面積を下げまして捕捉率をもっと高めて適正な価格でない、著しく高いものについては抑制をしていくと、こういうことで村当局ともよく御相談しながら対処してまいりたいと、こう考えております。
○議長(平良一男君) 新垣善春君。
   〔新垣善春君登壇〕
○新垣善春君 通告いたしました件から、リゾートの件は一応割愛させていただきます。
 西銘知事、あなたの任期はことしの秋で終わります。
 よしあしは別として、3期12年、よくぞ任期を全うしてこられました。政治的立場を超えて御苦労さまでしたと申し上げます。
 近ごろあなたの立ち居振る舞いを見るにつけ、お疲れの様子が伝わってまいります。どうかお体を大切になさいますよう心がけてください。
 西銘知事、今の自民党には、あなたにかわり得るほどの人材がいないこともあって、あなたが秋の知事選に出馬することを決定したようですが、率直に申し上げますが、我が党は、何としてもあなたの4選を阻止して再び革新県政を確立する決意であることをお伝えしておきます。
 秋の知事選では、お互いに政策で競い合って公明選挙、きれいな選挙ができるよう希望する次第であります。
 それにしましても、あたたの4選出馬を決定するに当たって、あなたが知事在任中は長男順志郎氏の衆院選への出馬を断念させることが求められ、あなたは、その条件を受け入れたやに取りざたされています。もしそういう事実があったとすれば、いかに政治の世界が非情なものであるとはいえ、あなたにとって本当につらい決断をせざるを得なかったことでありましょう。せっかく政治の世界で活躍する希望に燃える若い順志郎氏が、親であるあなたの都合で志を全うする道を閉ざさざるを得ないとすれば、あなたにとって耐えがたいことでありましょう。
 しかしながら、あなたと順志郎氏は、たとえ親子の間柄であってもそれぞれ独立した別個の人格を持つものでありますから、順志郎氏にはみずからの信念と意志を全うする権利があることは申すまでもありません。
 このことについて先ほど、我が党の照屋寛徳議員の質問に対し、順志郎本人が自身で決めることであると明確に答弁されたことは全く同感であります。自民党県連はもとより、親のあなたといえども、順志郎氏の被選挙権、すなわち衆院選出馬の権利を奪うことは許されません。したがって順志郎氏は正々堂々とみずからの信念を貫き通すことでありましょうし、あなたも心おきなく知事選に臨まれることを期待します。
 しかしながら我が党は、あなたの4選を阻止することについては、いささかも手を緩めるものではないことを申し添えまして質問に移ります。
 1番、沖縄海外漁業株式会社の件についてであります。
 この件については、去る2月議会から6月議会にかけて問題になりましたが、問題解決に対する県当局の熱意は全く見られません。
 同社の第6期決算報告書によりますと、平成元年3月31日現在で12億8700万円余の負債を抱えて事実上経営不能に陥っています。しかも第6期決算だけで5億1800万円余の貸倒引当金が計上され、わずか1年間で5億7800万円余の損失となっています。既に第7期決算も終えたものと思いますが、同社の負債はさらにふえるものと思います。時がたつにつれて負債がふえることは明らかであり、これ以上この会社を存続させてはなりません。

 そこで質問ですが、この会社の設立発起人であり、筆頭株主である沖縄県は、1、同社をいつまで存続させるつもりか。
 2、同社の再建を云々されているようですが、これ以上県民の血税を同社の再建に注ぎ込むつもりですか。
 3、県が出資した5000万円、貸し付けている1億円、代理弁済をした5400万円などについてどのようにけじめをつけるか。またその見込みがありますか。
 4、経営能力に欠けていたために、同社の破局を招いた代表取締役社長川満昭吉氏及び各役員の経営責任は決して軽いものではありません。退任を求めるべきだと思いますが、県の見解を求めます。
 5、経営が成り立たないことを見通し得なかった設立発起人としての知事の責任はどうするか明らかにしてもらいたい。
 6、10数億円余の多額の負債は、どのように精算するつもりか。その計画があれば明らかにしてもらいたい。またこの負債清算のために県民の血税を充てるべきではないと考えますが、知事の見解を求めます。
 7、同社は昭和59年3月、資本金10万キナ、日本円にして2700万円を出資して現地法人パプアニューギニア・ツナ・フィッシャリーズ株式会社を設立しましたが、同社の経営状況は全く知らされていません。同社の各期ごとの決算報告の提出を求めます。いつまでに提出できますか。
 8、同社は、漁船及び母船の船員の給料4920万円が未払いとなっている。筆頭株主の県は、責任を持ってその支払いについて指導すべきと考えますが、どう対処するつもりか。
 9、同社の所在地は那覇市松山2丁目2番地12号となっています。それは日産ビルの3階で確かに看板はかかっていますが、ほとんど毎日閉まっていて留守番の職員も不在のように見受けました。その周辺で聞きますと日産ビルの関係者に尋ねますと、この事務所は貸してもいないし、家賃も取っていないというふうに聞いております。もし借りているとするならば、どういう契約内容になっているのか、その契約書を提出していただきたいと思います。
 このような状態でまじめに会社再建に取り組んでいるとはとても考えられません。清算が延びれば、それに比例して負債はふえるばかりであります。この際、一刻も早く会社存続に見切りをつけるべきだと思いますが、知事の見解を求めます。
 10、仄聞するところでは、同社の負債を肩がわりする条件で、下地島空港用地の残地をリゾート用地として開発する計画を進めている業者の策動があると言われています。県は、このことを承知しておられるか、否か答弁を求めます。
 新石垣空港問題についてお尋ねいたします。
 西銘知事、あなたは昭和63年の第4回議会の本会議において、建設用地の再検討を促す関係大臣の発言をどう思うかという私の質問に対して、白保海上案が最上である、政府の不統一に対して本当ははらわたが煮えたぎっている、本心は関係省庁の言いなりにはなりたくない、行政の不統一として私は糾弾したいぐらいです云々と大声を張り上げて再検討することを否定されました。したがって、建設用地の再検討はあり得ないものと信じざるを得ませんでした。
 ところが突然、白保海上案を断念して、カラ岳東に建設用地を変更することを決定したと発表されました。あれだけ政府の言いなりにはならない、再検討はしたくないと強調されていた知事の姿勢からして、突然の変更決定にはすなおに納得できるものではありません。
 それにしても、結果的には知事は政府の言いなりになったではありませんか。弁明したいことがあれば聞かせていただきたいと思います。
 2、白保海上案を断念することを決定するに際して、残りの候補地の中から選定すべきではなかったか。
 候補地にも挙がっていなかったカラ岳東を空港建設用地として選定したことは疑惑を生む大きな要因となっています。しかも新たな空港建設予定地は国土法に違反して取引されている土地であり、業者同士が訴訟にまで持ち込んで争った問題含みの土地であるだけに、沖縄県がこの土地を取得することは結果として不法行為を追認することになりかねません。
 したがって、カラ岳東を空港建設用地として取得すべきではないと考えるのでありますが、知事の見解を求めます。
 3、結局白保海上案はだめになりました。西銘知事に先を見通す力量が欠けていたために、白保海上案にこだわり続けて八重山郡民が切望する新空港の建設を大きくおくらせることになりました。率直に反省して八重山の人々におわびすべきだと思いますが、知事の見解を求めます。
 これまで、新石垣空港建設のための予算は、幾たびも未執行を繰り返してきました。そのために平成3年度の政府予算に計上される見込みはないと言われております。この点について知事の自信のほどをお聞かせいただきたいと思います。
 教育問題について。
 1、子どもの権利条約が国連総会で採択され、既に100カ国に及ぶ国々が署名しています。我が国の海部首相は、子供サミットに出かける直前になって去る9月21日、慌てて署名したようです。しかしながらまだ批准されていません。早急に批准するよう要請する考えがありますか。
 2、学力向上に名をかりた点数万能主義の学校教育は、子供たちを激しい得点競争に駆り立てているばかりか、親たちも学習塾に行くことを強制して子供の遊ぶ時間を奪い取っています。教育産業と言われるほどにさまざまな学習塾を乱立させる要因は学歴偏重の社会、学力向上至上主義の学校教育にあると思われます。学校嫌い、登校拒否、いじめ、家庭内暴力等々も行き過ぎた得点競争の産物ではないでしょうか。県教育委員会の見解を求めます。
 最近、兵庫県で起きた教師による女子生徒殺害事件は、生徒の人権を軽視し、厳しい校則で束縛することで事足れりとする行き過ぎた管理教育がもたらした悲劇であります。
 県教育委員会は、県内各学校の校則について調査、検討したことがありますか。
 また、各学校に対して、子どもの権利条約の精神にのっとった校則を定めるよう指導すべきと思いますが、御所見を求めます。
 時間がありませんので急ぎます。4、基地問題について。
 現在、米軍基地に提供されている県有地の面積は幾らか。
 その年間使用料はどれだけか。1972年度分から1990年度分までの使用料の合計額を教えていただきたい。
 2、県道104号線で米軍に提供されている面積、平米当たりの単価、年間使用料、72年から90年度までの使用料の合計額を教えていただきたい。
 さきに1000ヘクタールの返還が発表されましたが、その跡地利用について関係市町村や地主と相談したことがありますか。また跡地利用について検討したことがありますか。何らかの計画があれば教えていただきたい。
 4、知事は6月議会で、米軍基地の跡利用をスムーズにするためには現行の制度を利用するだけでは不十分なことを認識され、跡利用のための新たな特別法の制定が必要であることをお認めになったものと理解しますが、念のため改めて知事の御確認を求めたいと思います。明確にお答え願います。
 5、米軍車両が多いこともあって沖縄の交通渋滞は余りにもひど過ぎます。また道路をふやそうにも米軍基地が大きな支障となって立ちはだかっていることは知事も御承知のとおりです。
 したがって、交通渋滞緩和のために基地の開放とまではいかなくとも、せめて基地内道路を県民に開放すべきだと思います。
 このことについて知事は、米軍に要請したことがあるのか。あるいはまた、これから要請する意思をお持ちですか、否か御所見を求めます。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 新垣善春議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 沖縄海外漁業株式会社の件について約9点にわたって御質問がございましたが、順を追うてお答えいたします。
 いつまでこの会社を存続させるつもりか。これ以上県民の血税を同社の再建につぎ込む考えかと御指摘がございましたが、お答えいたします。
 県は、整理を含めた今後の会社の方向づけについて再三協議を行う等指導をしてきたのでありますが、会社としては、パラオ等の現地調査を踏まえ再建の道を検討したいとの意向であります。このため県としては、会社側の再建策を総合的に検討してその対応を考えていきたいと思います。

 次に2番目、県が出資した5000万円、貸し付けている1億円、代理弁済した5400万円などについてどのようなけじめをつけるつもりかとただされましたが、お答えいたします。
 県の会社に対する出資金及び貸付金の取り扱いについては、同社に対する他の出資金及び債権と同様に会社の今後の方針が決められる中で検討されることと考えております。
 したがって、貸付金については、これまでの間、返済期限延長の措置をとりたいと思います。
 また、5400万円については、船員の現地足どめ問題の発生に関連いたしまして、沖縄県漁業信用基金協会が、沖縄県信用漁業共同組合の会社に対する貸付金を代位弁済したため、県が同協会の経営基盤の確保を図る目的で同協会に対して補助を行ったものであります。
 次に、経営破局を招いた社長の経営責任をただされましたが、お答えいたします。
 会社の役員は、商法にのっとって選出されているものであります。県としては、とやかく言うべきことではないと思っております。
 4、経営が成り立たないことを見通し得なかった県の同社設立発起人としての知事の責任はどうするのかとただされましたが、お答えいたします。
 海外漁業株式会社については、30余隻の漁船、400余名の本県漁業従事者の働く場の確保ということで各界の意向も聞き設立された会社でありますが、円高、当時の魚価の低迷等によりまして意に反して今日のような状態に陥ったことについてはまことに遺憾であります。
 次に、10数億円余の多額の負債をどのように清算するつもりか、その計画を明らかにしてもらいたいという要請がございましたが、お答えいたします。
 具体的な負債の清算に関する計画については、県はまだ聞いておりません。会社としては、パラオ等の現地調査を踏まえて再建の道を検討したいとの意向でありますので、県としては会社側の再建策を総合的に検討し、その対策を考えてまいりたいと思います。
 次に、パプアニューギニア・ツナ・フィッシャリーズ株式会社の各期ごとの決算状況はどうなっているのか、報告書を提出されたいとの要請がございましたが、お答えいたします。
 パプアニューギニア・ツナ・フィッシャリーズはパプアニューギニア国との漁業協定に基づき設立されました現地法人であります。県としては、同会社に直接的な関与はしておりませんので、決算状況報告書等の資料は持ち合わせておりません。
 次に、会社は、漁船及び母船の船員の給料4920万円を支払ってないと。筆頭株主の県は責任を持ってその清算を指導すべきであると考えるが、どうかとの御提言に対しましてお答えいたします。
 漁船員の給料については、就業契約で船主が支払うべきこととなっております。母船員の給与については会社が支払い済みでありますが、賞与、解雇手当等の約865万円が未払いとなっております。
 県としては、会社に支払い義務がありますので、会社の方向づけを検討する中で優先的に対応していくよう会社を指導してまいりたいと思います。
 次に、会社事務所の責任者はだれかとの質問がございましたが、お答えいたします。
 会社の事務所は6月5日、那覇市西2の1の1から那覇市松山2の2の12に登記変更され、現在、決算等の事務については取締役である来間成次氏が主に面倒を見ておりますが、会社としては、会社の整理等を含めた会社再建の業務が開催される時点で職員を配置する意向のようであります。
 次、新石垣空港問題についてお答えいたします。
 知事は昭和63年の第4回議会の本会議において建設用地の再検討はしないと強調されたが、結果的には変更したではないかと。これに対して弁明することがあればお聞かせいただきたいということをただされましたが、お答えいたします。
 新石垣空港の適地選定に関しては、数力所の候補地について状況の変化も含めて比較検討を行った結果、現空港の拡張も含めて陸上での建設は土地利用との競合や騒音問題等のため極めて困難であるとの判断から、白保海上案が最も好ましい位置として計画したものであります。
 しかし、空港予定地より南側のアオサンゴ群生の保全に万全を期し、また八重山郡民からの早期建設の強い要望にもこたえるためカラ岳東側海上にやむを得ず位置変更を決断したものであります。
 次に、今回の位置変更の決断に当たっては国からの示唆はあったものの、位置変更を決断いたしましたのは空港設置管理者である沖縄県が行ったものでありまして、決して国の言いなりになったものではありません。
 次、白保海上案を断念する際、残りの候補地の中から選定すべきではなかったか。また疑惑や国土法違反の用地を取得すべきではないと考えるがどうかと御提言がございましたが、お答えいたします。
 白保海上案とカラ岳東側海上案とは、計器飛行方式に係る保護空域が同一空域にあるため同じ候補地内にあるものと考えております。したがって、今回の建設位置の変更に際しましては、他の候補地まで検討を行う必要はないと考えております。
 また、今回の国土利用計画法違反の問題と新空港建設に伴う空港用地の取得の問題とは、これは別個の問題として取り扱うべきものであると考えております。したがって今後は、八重山郡民の強い要望にこたえましてカラ岳東側海上において空港の建設を進めてまいりたいと思います。
 次、白保海上案がだめになり、八重山郡民が切望する新空港の建設を大きくおくらせることになったと。それについての知事の見解を求められましたが、お答えいたします。
 新石垣空港の建設は、八重山地域の振興開発を図る上から早期に実現しなければならない重要なプロジェクトであると位置づけ、これまで鋭意事業を推進してきたところでございます。
 しかしながら、白保海上での新空港建設に伴うサンゴの保全について、関係省庁を初め各界の理解を得るには相当の時間を要することが予想されました。したがってこのままでは早期着工を望む地域住民の要望にこたえられない状況になったため、白保海上案と同一空域条件にあるカラ岳東側へ位置変更をしたものであります。今後とも、新空港の早期建設に向けまして事業を推進することが八重山郡民の強い要望にこたえることになると考えております。
 次に、平成3年度の政府予算に新空港が計上される見込みがないと言われているがということで御心配をいただいているわけでございますが、お答えいたします。
 新石垣空港の建設は、八重山地域における航空路の安全の確保と産業振興並びに住民の生活向上を図るためぜひとも推進しなければならない極めて重要な事業であると考えております。
 したがって、同事業を推進するためにはぜひとも平成3年度予算を確保する必要があり、沖縄開発庁及び運輸省に対して県としても強力に要請いたしましたところ、8月末に同省庁から大蔵省に対しまして県の要求どおり予算要求がなされておるのであります。御心配は要りません。
 今後は、予算の確保に努めるとともに、諸手続を早急に進め、新石垣空港の早期建設に向けて鋭意努力してまいりたいと思います。
 その他の御質問に対しましては、それぞれ部局長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 教育長。
   〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) 教育問題の御質問にお答えします。
 まず1点ですが、子どもの権利条約を早急に批准する要請の考え方についての御質問にお答えします。
 御指摘の子どもの権利条約の批准につきましては、国政レベルの問題でもありますのでその動向を見守っていきたいと考えております。
 なお、子どもの権利条約につきましては、子供の人権を保障し、子供の全面的かつ調和的発達を保障するという同条約の趣旨には賛同するものであります。
 2点目の学力向上問題とのかかわりの御質問にお答えいたします。
 御指摘の学校嫌い、いじめ等学校教育上の諸問題にはいろいろな要因が絡み合って派生しております。児童生徒を取り巻く教育環境や家庭環境及び社会環境等、その要因がどれか特定することが困難であり、その解決の難しさを痛感しているところであります。

 県教育委員会としましては、学校、家庭、地域と連携を密にしましてその問題解決のため努力しているところであり、今後とも鋭意取り組んでいく所存であります。
 御案内のとおり、本県学力向上対策は、児童生徒の全面発達を目指して行っているものでありますし、学力向上対策に一貫している基本的な考え方は、本県の児童生徒一人一人を大切にし、丁寧に教育を施すということによって児童生徒が将来、社会の変化に主体的に対応することができる力をはぐくむとともに、県内外及び国際社会の各分野においてそれぞれ活躍し自己実現していく力を培うことをねらっているものであります。
 3点目の兵庫県の女高生の校門圧死事件とのかかわり合いでの御質問にお答えいたします。
 県教育委員会としましては、校則は時代の進展、地域の実態、学校の教育方針、保護者の考え方及び生徒の実態を踏まえまして各学校が主体的に考えるべきものであることを基本としながらも、余りに枝葉末節に類する事項や生徒の人権にかかわる事項につきましては見直しをするよう学校を指導しているところであります。
 県教育委員会は、各学校における校則を調査したところ、不適切な部分もあったので、そのような学校につきましては見直しを指導した結果、見直しをしている学校もあり現在検討中の学校もございます。
 本県では特に社会問題となっているような規定はないんですが、社会の変化に対応し、実態にそぐわない内容のものや、家庭教育にゆだねるべき内容につきましては改善、検討を加え、充実した学校生活を営む上で基本的な規律を中心に必要最小限にとどめるよう指導しているところであります。
 なお、子どもの権利条約の精神に沿った指導につきましては全国的な問題でありますので、その推移を見ながら本県でも検討してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) さき、答弁漏れがございますので捕足いたします。
 基地問題についてお答えいたします。
 さきに約1000ヘクタールの返還が発表されたが、その跡地利用について関係市町村や地主と相談したことがあるか。またその跡地利用について何らかの計画があれば教えていただきたいという御質問に対しましてお答えいたします。
 軍用地の跡利用については、地域開発の方向を踏まえ、市町村等が主体となって関係地主等と調整を行い、跡利用計画を策定してその利活用に努めているところであります。
 さきに返還が合意されました施設区域について、跡地利用計画を策定して公共事業等を導入する必要があるものは12施設、21カ所でありますが、その跡利用については土地区画整理事業2カ所、土地改良事業2カ所、道路整備事業4カ所、公園整備事業3カ所、リゾート関連1カ所等となっております。
 なお、県としては跡利用の基本となる総合的な跡利用基本計画を策定するとともに、市町村計画の策定促進を図っていく考えであります。
 次に、知事は6月議会において跡利用のための特別立法の制定の必要があると認めたと理解しているが、念のため改めて確認したいということをただされましたが、お答えいたします。
 去る6月議会において、跡利用に関する特別立法の制定については検討させていただきたいとお答えしたとおりであります。
 なお、返還跡地の有効利用の促進を図るためには特別の措置を講ずる必要があると考えております。これまでお答えしたとおり、沖振法の改正を含め必要な措置を政府に要請していく考えであります。
 次に、基地内道路の開放について知事は米軍に要請したことがあるか。またこれから要請する考えがあるのかとただされましたが、お答えいたします。
 昨日、中根議員にお答えしたとおり、現在、各地域において道路網の整備が行われており、今のところ基地内道路の返還もしくは共同使用について要請する考えはありません。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 総務部長。
   〔総務部長 石川秀雄君登壇〕
○総務部長(石川秀雄君) 基地問題の御質問の中での米軍基地に提供されている県有地についての御質問にお答えいたします。
 平成2年度は貸付契約、現在、改定中でございますので、平成元年度の貸付契約の状況から申し上げますと、まず、米軍基地に提供されている県有地の貸付面積は832万4770平方メートルであります。
 それから年間貸付料の総額は、約3億1615万円であります。
 次に、復帰後から平成元年度までの貸付料の合計額は約48億4600万円であります。
 次に、県道104号線で提供されている県有地についての御質問にお答えいたします。
 貸付面積は2万7259平方メートル。それから1平方メートル当たりの単価――これは年間ですが――約164円。それから年間貸付料総額が約448万円。これまでの貸付料の合計額は約1674万円であります。
 以上であります。
○新垣善春君 休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後2時46分休憩
   午後2時47分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 契約、幾らで借りているのか具体的な事実関係については知りませんけれども、その所在地に登記されていると。登記の写しは資料としていただいております。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後2時47分休憩
   午後2時48分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 先ほど御答弁申し上げたとおり、6月5日に登記されているという報告は受けております。しかしその契約内容、幾らで、だれから借りているかということは聞いておりません。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後2時49分休憩
   午後2時50分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 宮里政秋君。
   〔宮里政秋君登壇〕
○宮里政秋君 質問に入ります前に、さきに通告したものに若干変更がございます。都市モノレール、それから沖縄自動車道問題については取り下げをいたします。
 新石垣空港の問題について、最初に質問いたします。
 新石垣空港の場所変更についてでございます。
 知事は、昨日の我が党の宮良作議員の代表質問に対し、沖縄開発庁を通じて聞いたのでありますが、具体的に名前を明らかにすることは差し控えさせていただきますとこのように答弁されました。相変わらず、上からと責任を国に押しつけています。
 そこで伺いますが、常識的に言って環境庁や沖縄開発庁などが場所決定をすることは考えられません。カラ岳案を提示し、政府関係機関の了承をとったのは沖縄県ではないのですか。知事の答弁は、政府の権威を利用した言いわけだと私は思います。改めて知事の明確な答弁を求めるものであります。
 カラ岳東案に急遽決まったのは、客観的な技術的検討の結果でないことを我が党は調査して確信しています。
 例えば、現空港の改良案とカラ岳海上案について、空域関係について大差がない。問題は騒音と用地確保にあると担当の幹部職員は説明しています。工事費についても現空港改良案が最も安価だと説明しております。だとすれば、カラ岳東案を県が主導した動機は、土地転がしをめぐる業者との癒着の結果ではなかったかという疑いが極めて強くなるのであります。
 そこで伺いますが、39点で最下位のカラ岳に決めたのはなぜか、県民の納得する説明を求めるものであります。
 国土利用計画法違反の事実を承知しながら、県はそれを放置してきたのであります。
 光建設の坂上社長が、この土地の取引をしたのがカラ岳東案発表の4月26日の2カ月前、すなわち2月27日の届け出であったことから、情報漏えいの疑惑も生まれざるを得ないのであります。知事の明確な答弁を求めます。
 我が党は、土地転がし疑惑は極めて重視していますが、空港選定の問題と切り離して徹底解明すべきだと考えます。

 よって、従来の調査結果に基づき、1、冨崎野、2、現空港改良、3、カラ岳海上の3案についてこれまでのような県と政府の一方的決定のやり方を反省して、民主的な選定委員会をつくり、住民合意を得て決定すべきだと思っています。
 昭和51年の調査で富崎野案が総合評価で83点の最高点です。現空港の改良案が78点です。カラ岳東案は39点の最下位であります。
 これまで県は、なぜか現空港拡張案の欠点ばかり強調する作為的とも思える姿勢に終始してきましたが、改めて3案を中心に本格的に検討すべきと思うが、どうか。
 その際、白保海上案の決定的欠陥となったアオサンゴなどに対する影響の問題では、自然保護団体の調査による批判や日弁連の反対意見があり、徹底的な調査が求められていることは特につけ加えておくものであります。
 次に、国土利用計画法違反についてであります。
 国土利用計画法違反で光建設の坂上社長は、千葉県、神奈川県から相次いで告発されています。
県も去る5月30日、新石垣空港用地の売買取引が国土利用計画法違反として県警に告発しました。
 国土利用計画法違反ではないかと我が党の嘉陽議員がただしたのは、昨年の9月議会でした。県は、個別の事例には答えられないと答弁を拒否したため、嘉陽議員は12月議会でも再度届け出の有無をただしたのであります。しかし県の答弁は同じ。国会でも問題になり、国土庁が県当局に異例の照会を行い、県は無届け売買を報告せざるを得なくなり、やっと3業者を告発したのであります。追い詰められて渋々告発したという印象が強いのであります。
 我が党が直接国土庁に問い合わせたところ、所有権移転が済んだもので違反事例があれば積極的に公表すべきだと、このように回答を得ております。
 議会における議員の答弁を拒否して、国土利用計画法違反の事例を隠し続けてきた西銘県政の責任は重大であります。どう責任をとられるのか、明らかにしていただきたい。明確な答弁を求めます。
 土地買い占めが急速に進められている今日、国土利用計画法違反を放置すれば土地高騰を野放しにすることになります。国土利用計画法違反に対して、今後きちっと対処されるのか、お答えいただきたい。
 また、現に国土利用計画法違反の事例はないのか伺います。あれば、国土庁の指導に基づき積極的に公表すべきと思うが、どうか。
 次に、消費税の問題について伺います。
 消費税転嫁の公共料金は何区分あるか、その総額は幾らか、公共料金への消費税転嫁をしている市町村名を挙げていただきたい。未実施の市町村に対して県は消費税転嫁せよと今も指導しているのか、明らかにしていただきたい。
 最後に、暴力団抗争と発砲事件について警察本部長にお伺いします。
 暴力団の分裂と対立抗争の中で発砲事件が発生し、付近住民はもとより県民の間に大きな不安が高まっています。
 去る13日、那覇市内での発砲事件を皮切りに、これまで9件の発砲事件が相次いで発生しています。去る6月定例議会で暴力追放宣言が採択されたばかりであります。
 そこで伺いますが、暴力団の組織の実態。
 2点目、暴力団の資金源について。その際、暴力団が市町村や県の公共工事にかかわっている事実の有無も含めて明らかにしていただきたい。
 3点目、暴力団の凶器の入手経路と米軍とのかかわりについて。
 4点目、本県の暴力団員の数は他県に比べて人口比でどうなっているか。
 暴力団の取り締まりの現状と県警の今後の対策について、以上のことについて御答弁を求めます。
 それぞれ知事の答弁によって再質問をいたします。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 宮里政秋議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 新石垣空港問題についてお答えいたします。
 場所変更については沖縄県がカラ岳東案を提示し、政府関係機関の了承をとったのではないかと知事の答弁を求められましたが、お答えいたします。
 新石垣空港をカラ岳東側海上に変更することについては、沖縄開発庁を通じて、1つ、建設位置を変更すること、2、変更位置については白保海上からできるだけ離れた位置にすること、3、カラ岳東側付近の海上であれば空域としての技術上の問題はないこと等の示唆を受けております。
 このような国からの示唆を受け、県としては、環境保全と地域開発を両立させ、早期建設を図るためやむを得ずカラ岳東海上に建設位置の変更を決断したものであります。
 次に、39点で最下位のカラ岳に決めたのはなぜか、県民の納得する説明を求めますと、こういう御質問がございましたが、お答えいたします。
 御指摘のあるカラ岳案は、昭和51年、石垣全島を対象に新空港の候補地を選定するために行った調査報告書に含まれている6カ所の候補地の中の一つの案であります。
 この報告書によると、当時のカラ岳案は、カラ岳を削り取る計画であり地域の景観を大きく変えることになり実現性がないこと等から、点数評価において39点と最も低い評価となっているわけであります。
 しかし、今回のカラ岳東側海上案は、カラ岳は削らずに、カラ岳のすそ野の原野と海上を利用して建設する案であります。当時のカラ岳案とは全く別のものであります。
 次、カラ岳東案発表の4月26日の2カ月前に予定地の土地が取引されたのは、情報漏えいの疑惑も生まれざるを得ない。知事の明確な答弁を求めるということをただされましたが、お答えいたします。
 新石垣空港建設位置の変更について、国からの示唆を平成元年2月下旬に受け、県が検討を始めたのは同年3月に入ってからであります。しかし企業用地の取引については同年2月28日になされており、県の検討作業に入る以前のことであります。したがって県からの情報漏えいがあったとは考えられません。
 次に、富崎野、現空港改良、カラ岳海上の3案について、民主的な選定委員会をつくって住民合意を得て決定すべきだと思うが、どうかという御提言に対しましてお答えいたします。
 新石垣空港をカラ岳東側海上に建設することについては、石垣市議会の議決、八重山漁業協同組合の埋め立て同意、地元77団体で構成する新石垣空港建設促進協議会による早期建設の決議、さらに予定地周辺の大里、星野、伊野田地区の同意も得られていること等から地元の合意は十分得られている状況にあります。
 したがって、改めて選定委員会を設置して場所の選定をやり直す考えはございません。
 残りの御質問に対しましては、それぞれの部局長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) 国土利用計画法違反につきましてにお答えいたします。
 まず、第1点目でございますが、当該事案につきましては、平成2年1月に事実関係を調査を開始いたしまして関係機関への照会、当事者に対する事情聴取等を実施いたしまして事実関係の確認を行ってきたところでございます。
 平成2年4月末に、調査の結果につきまして国土庁へ報告いたしました。
 国土利用計画法による告発は、本県といたしましては初めてでありますので、国土庁の指導も受けながら慎重な判断をしたために告発に時間を要し、手続を踏んできたところでございます。
 それから2点目でございますが、今後、きちっとした対処策をすべきだと、こういうことでございますが、国土利用計画法違反に対しましては違反の事実が判明した場合は、関係法令に基づきまして必要な措置を講ずる等厳正に対処してまいりたいと考えております。
 3点目の国土法違反の事例については公表すべきじゃないかと、こういうことでございますが、国土利用計画法違反の疑いのあるものにつきましては、関係機関と連携をとり事実関係の把握に努めているところであります。調査の結果、無届け取引等の態様等を検討いたしまして厳正に対処してまいりたいと考えております。
○議長(平良一男君) 総務部長。
   〔総務部長 石川秀雄君登壇〕

○総務部長(石川秀雄君) 消費税の関係の御質問にお答えいたします。
 消費税転嫁の公共料金は何区分か、またその総額は幾らかという御質問にお答えします。
 歳入の中で消費税が転嫁されている科目数は「節」の数で86科目であります。
 また、平成元年度の歳入に係る消費税相当額については、公営企業会計において決算額で1億9773万円、一般会計及び特別会計については最終予算現額を収入率でもって計算すると2億2882万8000円となり、合計で4億2655万8000円となります。
 次に、公共料金へ消費税を転嫁している市町村の状況でありますが、お答えいたします。
 平成2年8月1日現在における市町村の消費税の転嫁状況は、53市町村中、転嫁している市町村が28団体、これは52.8%が実施し、25団体が未転嫁であります。
 それから、未実施の市町村に対して今でも実施せよと指導しているのかという御質問ですが、法を遵守すべき立場から、県としては市町村の消費税転嫁の実施が適切に図られるよう指導しているところであります。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 警察本部長。
   〔警察本部長 浅川 章君登壇〕
○警察本部長(浅川 章君) 暴力団対策についてお答えいたします。
 御質問の第1点目、現在、県内の暴力団は、3組織18団体、約1100人を把握しております。
 次に御質問の第2点目、暴力団の資金源についてでありますが、合法的なものとしては飲食店、金融業、不動産業等がありますが、非合法的なものとしてサービス業その他の営業店を対象とする縄張り料を初め債権取り立て、賭博、けん銃、覚せい剤の密売等があり、いずれも善良な市民を食いものにする悪質な資金稼ぎであります。
 御質問の中で、暴力団が公共工事にかかわっている事実の有無についてでありますが、暴力団が直接公共工事にかかわっている具体的な事実については現在のところ把握しておりません。
 次に御質問の第3点目、暴力団の凶器入手経路につきましては、これまで押収したけん銃の種類等からしてフィリピンルート、台湾ルート等が想定されるわけですが、米軍とのかかわりについては昨年8月、県警察が摘発いたしましたいわゆる米国陸軍特殊部隊の兵隊が、昭和62年10月ごろから63年4月ごろまでの間にかけてタイ国から軍用機でけん銃200丁を密輸入し、これを沖縄在住の米国民間人等を介して地元暴力団に密売したという事案があります。
 この事案につきましては、地元暴力団6名を逮捕するとともに、米軍当局ヘチェック体制の強化を申し入れたところであり、今後とも関係機関と連携を密にしこの種事案の防止に努めてまいります。
 次に第4点目、本県の暴力団員の人ロ比についてでありますが、人口10万人当たりで見ますと全国平均が約70人、九州平均が約61人、本県は約91人で全国平均の1.3倍、九州平均の1.5倍となっておりまして、東京、京都、大阪、北海道に次いで人口比で全国で5番目に多い県であります。
 最後に、暴力団の取り締まり状況と今後の対策についてですが、県警察といたしましては、住宅地や繁華街を問わずけん銃を乱射して暴れ回る暴力団から県民を守ることを最重点に、事件発生以来特別捜査本部を設置いたしまして大量の捜査員を投入し、組事務所等の捜索を徹底するなど総力を挙げた取り締まりを実施しており、これまで殺人未遂や凶器準備集合罪などで両派の幹部、組員等53名を逮捕しけん銃3丁を初め水中銃、鉄パイプ、金属バットなど多数の凶器類を押収しております。
 今後とも、暴力団に対しましては、その社会的存在を許さないとの強い対決姿勢を堅持し、県民の御理解と御協力のもとに地域社会から暴力団を一掃し、県民が安心して暮らせる日を早期に取り戻すべく取り締まりを徹底してまいる所存でございます。
○議長(平良一男君) 宮里政秋君。
   〔宮里政秋君登壇〕
○宮里政秋君 再質問いたしますが、まず最初に知事に伺います。
 知事は、上の方から日本政府の方からカラ岳に移せということを提言されたときは本当にがっかりしたと、こう言われました。
 ここに私、朝日新聞、それから我が党の「赤旗」、新聞を持っておりますが、(資料を掲示)この新聞報道でこのように述べております。ことし7月、県議会での追求に西銘知事はこう答えた。私が決めたものではない。上の方から政府の方から提言された。では、上の方のどこか、だれか、変更を決めたのか。当時、計画変更にかかわった環境庁のある幹部は、白保海上、カラ岳東への変更を知ったのは昨年の4月に入る前。沖縄県が持ってきたもので、素人が書いた図面ではなかったと説明。恐らく事前に運輸省と綿密に相談したのだろうと話す。これに対して運輸省側は、変更は沖縄県が主体で行われたことと反撃。こちらに疑いの目を向けられるのは心外だと、このように言っています。これは朝日新聞。
 これから赤旗を紹介します。西銘知事は、去る7月2日の沖縄県議会の休憩中の発言で、これは私が決めたものではございません。上の方から日本政府の方からカラ岳に移せと提言されたと述べ、責任を国に押しつけています。ところが運輸省では、それは西銘さんの言葉のあや。第3種空港は県知事が設置するもので、運輸省がここに移せと言うはずがない――小坂英治計画課長――と言い、環境庁も白保案はだめだというサインは出したが、どこに移すかは県でなければならない。小林光自然環境調査室長。このようになっております。
 ところが、先ほどの答弁では、やむを得ずカラ岳に決めたと、こうおっしゃいました。
 それから、新垣善春同僚議員の質問に対しては、県が主体的に決めたもの、国の言いなりになったのではない、こんなことをおっしゃる。全く矛盾しています、知事。
 上の方から政府の方からカラ岳に決めよと言われてがっかりしたと。がっかりした人が、自主的に決めたもので、国から言われたものではない。自主的に決めたんだという知事の今の発言は、それじゃ今まで答弁された、上の方から政府の方から言われてがっかりしたと、これは間違いですか、訂正されますか。明確にしていただきたい。これが1つ。
 それから久手堅部長は、国土利用計画法について、私は、国土利用計画法に対して今後はきちっと対処されるかと。これについては、関係機関とも調整してきちっと指導したいというお答えがございました。
 現に国土利用計画法違反の事例はないかと聞きました。これについては答えておられませんので、現時点で調査の結果、知る範囲内で結構ですから、この点を明確にしていただきたい。
 それぞれ答弁を求めます。
○知事(西銘順治君) 休憩してください。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後3時18分休憩
   午後3時23分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) ただいま宮里議員から、カラ岳東側海上案になったときに知事はがっかりしたという表現を使っているが、これを訂正する意思はありませんかということですが、訂正する意思はございません。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) 国土利用計画法違反の事例はないのかと、こういう御質問でございますが、これだけの取引でございますから、いろいろ態様によりまして違反事例もあるわけです。
 ただしかし、すべて違反だったから全部公表せよと、こういうわけにはまいらないものでございますから、先ほどのような御答弁を申し上げたわけでございます。
○議長(平良一男君) 宮里政秋君。
   〔宮里政秋君登壇〕
○宮里政秋君 ただいま知事は、休憩中に発言を求められて経過の説明がございました。
 ところが一層、公の議員の答弁に対する矛盾をみずから暴露された。
 そういう裏での話し合いがあったと言いながら、おっしゃいながら、我々議員の答弁に対してはがっかりしたということをおっしゃっておきながら、しかも県が主体的に決めたんだと、今さきおっしゃいましたよ。
 国が言うから私はそうしているんじゃない、県が主体的に決めたもの、国の言いなりになっているのではないと新垣善春議員の質問に知事はそう答えたんです。私の質問に対しても、やむを得ずカラ岳に決めたということを言っている。

 いろいろ言いぶりが違うんです。一貫してない。
 そういう答弁は極めて、知事としては議員に対する答弁として無責任、こういうふうに思います。
 久手堅部長、たくさんの取引があるから違反の事例があるでしょう。しかも違反があるから全部公表するわけにはいかない、こうおっしゃっています。
 いろいろ事実調査しなければわかりませんが、私は、ここに具体的に我が党の調査に基づいて明らかに国土利用法違反ではないかということの事例をひとつここで明らかにしておきますので、県の立場からも再度調査してきちっとした指導をしていただきたい。
 我が党の調査によると、恩納村字安富祖大堂原1100番地の山林37筆、42万1000平方メートルは昭和61年5月9日売買で、浦添市字牧港26番地、外間ビル6階、海邦興産株式会社、代表取締役西銘順輝氏に所有権が移転しています。明らかに国土利用計画法違反と思うが、どうか。
 我が党の調査に対して恩納村の担当課長は、国土利用計画法の届けはなされているかとの質問に対して、これは復帰前の売買であるので国土法の届け出の必要はなかったのでやられていませんと答弁をしています。
 ところがここに登記簿謄本、会社設立の謄本、全部私は持っています。
 当該村の課長の説明で、復帰前の売買だから国土利用法に違反していないということであるならば、これは一層二重の点で2つの点で大変問題だと思う。
○議長(平良一男君) 時間です。
○宮里政秋君 1つは、この会社設立は昭和60年5月14日、会社は復帰後しか設立されてない。しかも登記は5月9日売買……(発言する者あり)
○議長(平良一男君) 宮里議員、時間です。
○宮里政秋君 明確にこれは違反でありますので、調査をしてしかるべき指導をしていただきたい。
 以上です。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後3時28分休憩
   午後3時54分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 伊波栄徳君。
   〔伊波栄徳君登壇〕
○伊波栄徳君 通告に従いまして一般質問を行います。
 沖縄戦から45年、日米安保30年の時の流れを経てまいりました。
 知事の好きな万葉集にちなんで、「若き日の「ヘラルド社説」集」西銘順治著より抜粋をしてみました。
  「七夕と平和」でございます。
  秋風の吹きにし日より天の川瀬に出で立つをまつと告げこそ
  政治、経済、芸術、制度を総括しての文化は、歴史の上で、長い平和の続いた時代において、百花繚乱と咲き乱れたのである。この意味で、真に文化を愛する人達は、平和を擁護しなければならない。しかしながら、われわれの世界は、平和とあまりにもかけ離れた世界であり、世界平和の曙光は、いま、見出すべくもないのである。われわれが、現実に安易な妥協をすることによって、平和への努力を忘れたならば、事態はますます急転して、再び第3次の世界戦争に巻き込まれないと、誰が保証することができよう。平和は人類の希求する最大の理想であって、そのため、われわれは、数多くの犠牲を払ってきたのである。過去の歴史は、戦争の歴史であっ て、戦争を必然的な歴史的所産として解することは、それ自身、戦争を是認するものであって、そのためには、文化と人命の犠牲も、またやむを得ないと考える恐ろしい破壊主義者である。七夕は、われわれが、この戦争でなくなった同胞の在りし日を、追憶する日である。しかし、それが単なる追憶に終わるならば、たいした意義はない。島尻の山野に眠る同胞達への最大のはなむけは、われわれが平和を守り抜くことを、神前に誓うことであ
る。また、それが骨を拾われず、夏草の夢からさめようともしない無名の戦士達に捧げる、最大の贈り物である。血は血でしか拭われないという人達は、歴史主義者である。この人達は、過去を後生大事に守っている人達であって、戦争 があることに、もう一度過去の夢を取り戻そうとする戦争肯定論者である。平和は決してこの人達のものではない。この人達には、七夕の平和な雰囲気を迎える資格もなく、またこの文化を語る資格もない。平和を愛し、人類を愛する人達のみが、この七夕の夕空を眺める資格をもつのである。銀河を中心として、天空の星斗は輝いて、さながら悠久の平和を象徴している。あの星のように、われわれ人間も、平和の象徴でありたいものである。(1950、8、21)
とあります。
 最近の知事は、血は血でしかぬぐわれないとする軍隊を容認し、また日米安保条約による軍事演習を軍人の練度の維持のため必要性を認め県民に大きな犠牲を与えているのであります。今や西銘知事は、日米安保繁栄論の亡霊に取りつかれた過去の偉大なる政治家であり、もはや歴史の人であります。
 知事、この際、来る知事選挙への出馬を断念し、長男の順志郎氏に譲り、恒三郎議員さん、悠々自適な老後をお勧めし、質問に入ります。
 まず第1番目に、基地公害について。
 沖縄戦から45年、日米安保30年、米軍の軍事演習に起因する被害が多発し県民の生活環境に大きな影響を与えている立場からお尋ねをいたします。
 1点目、去る7月、嘉手納飛行場において実施された行動態勢監察(ORI)の実態を調査し、その対策をしたのかどうか。
 2点目に、去る3者協における米軍は騒音対策として消音装置を設置し音源対策をする意向であるが、環境基準を達成することができるのかどうか。
 3番目に、読谷飛行場におけるパラシュート降下演習のヘリコプター騒音により村内の小中学校の教育環境が破壊されているが、それを中止させるべきであるが、いかがでしょうか。
 4番目に、トリイ通信施設のクーラー騒音による調査とその結果についてお尋ねをいたします。
 次、3次振計に絡めまして基地問題でございます。
 基地は諸悪の根源であり、戦後45年間、県民の好むと好まざるとにかかわらず国策によって強制された県土を県民主体の平和的利活用を目指し、基地の全面撤去を求める立場から質問をいたします。
 1、米軍、自衛隊基地2万5062ヘクタールの全面積の跡地利用計画を策定し返還に向けて取り組むべきであるが、知事の所見をお伺いいたします。
 2点目に、米軍基地45施設2万5027ヘクタールの跡地利用計画が策定されている箇所はどの施設でありますか。
 3点目に、基地の返還に向けて県、市町村、所有者が安心できる制度の制定が必要であるが、国に対し要求する考えがあるのかどうか。
 4番目に、上原康助衆議院議員の提唱している特別措置法を検討されたのかどうか、お尋ねをいたします。
 5番目に、市町村の跡地利用計画の策定に対し、費用の助成を検討するとの去る議会での答弁でありましたが、その結果はどのように検討なされておられるのか、お尋ねをいたします。
 第3次振計の中における水資源、渇水対策でございます。
 沖縄の水道の普及率は99.3%と全国一だが、その反面、水事情は厳しく毎年のように水不足に悩まされているのが現状である。慢性化する制限給水を解消し、水の安定供給を目指しまして次の質問をいたします。
 1、台風19号による雨水で県企業局水源地の回復状況などを踏まえて、今後の水需給の見通しについてお伺いをいたします。
 2、節水型生活社会を打ち出しているが、どのような方策があるのか、具体的な答弁を求めます。
 3番目、水源は、ダム水、地下水、河川水であるが、今後は主にどのような水源を重点的に確保していくお考えであるか、お尋ねをいたします。
 4番目に、今後はリゾート開発による水需要の増大への対応が最重要課題であるが、その対策はなされているのかどうか。
 5番目に、リゾート開発、水需要の増大、ダム建設、環境保全などの関係はどのように対処していくのか、お尋ねをいたします。
 次に、土地対策についてでございます。
 我がふるさとの土地を守り、後世にこれを引き継ぐため県と県内53市町村は、行政がなし得る限りのあらゆる努力を傾注するため、沖縄県緊急土地対策会議の設置は遅きに失したが、早急な対策を望む立場から、特に沖縄の土地問題の特徴は90年度県内地価調査に見られるように住宅地の1位は恩納村15.9%であり、その原因はリゾート開発による高騰であります。2番目には嘉手納町でありますけれども、9.2%、町面積の85%が軍事基地であり、町内に宅地がないために上昇したと吉浜町長はコメントしているのであります。

 このような特徴的な原因を踏まえまして、1番目に、土地対策の解決は焦眉の急、具体的な方策が今とられなければならないのでありますけれども、そのことについてお尋ねをいたします。
 2番目に、土地取引にかかわる融資の適正化を図るため関係機関と協議する必要はないかどうか。特に金融機関におきましては、昨今の金余りによりまして、その無謀な貸し付けが行われている実態等もあるわけでございます。
 3番目に、「土地を守る週間」はいつ、どの時期に設定をするか明示してもらいたい。
 4番目に、住宅地確保のため基地の返還を迫る考えはないのかどうか。
 5番目に、事前協議制の導入は、どのような機関と調整をして当たるお考えであるか、お尋ねをいたします。
 サトウキビ対策について。
 本県の基幹作物であるサトウキビ生産が生産費すら補償されていない、現行価格の維持すら厳しいとの報道に、国の農政に対する無策と価格抑制策を批判するとともに、4年後の品質取引導入に向けて農家みずからの努力はもとより、農業用水の確保、圃場改良などの基盤整備、機械化の促進、低品質地域の土壌改良、品種の多様化などは国の配慮が絶対に必要であります。特に生産費は、肥料や生産機材などの値上がりや消費税等により膨らむばかりであり、生産者の所得維持を図らなければなりません。
 サトウキビの振興を図る立場から次のことをお尋ねいたします。
 3次振計におけるところのサトウキビの生産向上についての位置づけはどのようになっているのか。
 2番目、10・19運動、いわゆる単収10トン、ブリックス19度達成は可能であるのかどうか。
 3番目に、さきのオーストラリア糖業視察研修における現地の糖業の実態はどのようになっていたのか。また品質基準、サンプリング法、分析法、価格体系はどのようになっていたのか、お尋ねをいたします。
 次に、県営住宅の駐車場について。
 公営住宅法に基づく県営住宅の建設により、住宅に困窮する県民に対し低廉な家賃で提供する県営住宅を推進するのでありますけれども、昨今の車社会におきましてはどうしても居住環境の中に駐車場は必要不可欠なものであります。
 よって、その立場から質問をいたします。
 1番目に、入居戸数に対する駐車場の割合は全県的にどのようになっているのか。
 2、昨今の車社会は、1世帯1台ないし2台の保有があり、駐車場を設置しないと路上駐車で付近住民に迷惑となるが、その対策はあるのかどうか。
 3番目に、特に嘉手納町の県営住宅の入居数と駐車場について、まず、入居数について示していただきたい。
 あわせまして、嘉手納町在の県営住宅の駐車の実態はどのようになっているのか、調査されたことがありますか。
 これは、水釜大木線が開通することによりまして、今、途中で架橋工事が行われておりますけれども、開通をしますと、今、全面的にその道路が封鎖されるぐらいまで駐車をされているわけでございます。その原因は、県営住宅に駐車場がないと。なお、入居者も少ないという現状においてでも路上駐車がたくさんあるということでございます。
 次の質問、沖縄海外漁業株式会社についてであります。
 沖縄海外漁業株式会社は、沖縄県を筆頭株主とする第三セクター方式により設立されたが、最大株主である西銘県政の業務怠慢により、他の株主や県民に多大な損失を与えたことは大きな失態である。特に操業の見通しも立たず毎年の損失も莫大となる現況は、まさに時は金なり、一日も早く整理し、県民に損失を与えないような破産宣告を進めていかなければならない立場から質問をいたします。
 なお、5点ほどしてありますけれども、2点に絞りますけれども、我が党の新垣善春議員の質問とあわせまして追加をしてお答え願いたいと思います。
 累積負債18億とも言われているが、その実態はどのようになっているのか。
 今後の見通しは、再建か破産か、責任ある知事の答弁を求めたいと思います。
 なお、役員の登記におきまして、これまで筆頭株主でありますところの県から久手堅憲信氏が取締役に入っておりますけれども、今回辞任されておりますけれども、その理由。
 また、筆頭株主であるにもかかわらず役員を送り込まないということの理由を明確にしていただきたいと思います。
 次に、暴力団と治安維持について。
 昼夜の別なく身を挺して警備あるいは取り締まりをしておりますすべての警察官に心から感謝を申し上げ、なお、一日も早く暴力団が壊滅されることを願うものであります。
 重複したことがありましたので、暴力団の構成員あるいは本県における暴力団の実態等々については省略いたしたいと思います。
 あらゆる法令を適用して暴力団を検挙し、との方針であるが、あらゆる法令とは何なのか。
 9月13日発砲事件の32口径自動式短銃の入手経路はどうなっていたのか。
 県民への被害を防ぐため今後の対応策を具体的に説明をしていただきたいと思います。
 次に、下水道についてでございます。
 海域の汚濁が進んでいる地域については、特定環境保全のため小規模下水道事業の積極的活用により早急な事業化を推進する立場から、1つ目に、海域の汚染が懸念されている箇所はどこどこであるのか。
 2つ、下水道処理及び汚泥のリサイクルによる多目的活用の方法とはどのような方法があるのか。
 3番目に、建設省は、規模の大きい処理場ほど建設コストと維持管理費がともに安いとの理由で流域下水道を推進しているが、この小規模下水道との調整は可能であるか、どうかお答えをお願いいたしたいと思います。
 答弁によって再質問をいたします。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 伊波栄徳議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 基地についてお答えいたします。
 米軍及び自衛隊基地の全体の跡地利用計画を策定し返還に向けて取り組むべきであるが、知事の所見を承りたいという御質問に対しましてお答えいたします。
 軍用地の返還後の有効利用を計画的、総合的に推進するため跡地利用基本計画を策定する考えであります。
 次、米軍基地45施設2万5026ヘクタールの跡利用計画が策定されている箇所はどの施設かと御指摘がございましたが、お答えいたします。
 跡地利用計画の策定については、県はこれまで軍転協による返還要望施設、知事訪米による返還要望施設、安保協返還了承施設についての計画策定の促進を図ってきたところであります。現在、これらの施設総件数は58件でございまして、そのうち計画策定済みが20件、34.5%、策定中のものが6件、10.3%となっております。
 次に、返還に向けて県、市町村、所有者が安心できる制度の制定が必要であるが、国に対して要求する考えがあるかという御質問に対しましてお答えいたします。
 県は、返還跡地の有効利用の促進を図るため特別の措置を講ずる必要があると考えており、これまでお答えしてきたとおり沖振法の改正を含め必要な措置を政府に対して要請していく考えであります。
 上原康助衆議院議員の提唱による特別措置法を検討したかという御質問がございましたが、お答えいたします。
 社会党が秋の臨時国会で提出を予定しているいわゆる軍転特別措置法案につきましても、現在、県として検討を進めているところであります。
 次に、市町村の跡地利用計画の策定に対し費用の助成を検討するとの答弁であったが、その結果はどうなったかと。お答えいたします。
 市町村の跡地利用計画の策定費用の助成を検討するとは申し上げておりません。ただ、現行制度のもとで可能であるかどうか検討をしてみたいと思っているところでございます。
 残りの御質問に対しましては、それぞれ部局長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 高良尚光君登壇〕
○土木建築部長(高良尚光君) 伊波栄徳先生からは、県営住宅の駐車場につきまして4点ばかり御質問がございましたけれども、順を追ってお答え申し上げます。

 まず1点目は、入居戸数に対する駐車場の割合はどうなっているかについてお答え申し上げます。
 公営住宅の建設事業における駐車場の整備につきましては、用地費も工事費もすべて国庫補助の対象外となっております。
 そのようなことから、昭和60年度に定められた建設省の駐車場設置についての指導によりますと、高層住宅の場合は建設戸数の30%、その他の場合は建設戸数の60%を設置の目安としております。
 これに対しまして、本県における駐車場の設置の状況は、各団地を平均いたしまして高層住宅の場合で42%、その他の場合で80%となっておりまして建設省の指導を上回っている状況にございます。
 2つ目には、昨今の車社会では駐車場を設置しないと路上駐車で付近住民に迷惑となるが、その対策はあるかについてお答え申し上げます。
 御質問の県営住宅の駐車場対策につきましては、私どもは入居者募集のしおりにより自動車の保有者は自己の責任において団地外に保管場所を確保すること等を条件としておりまして、また入居時の説明会におきましても団地周辺の路上には駐車をしないよう指導しているところでございます。
 3つ目には、嘉手納町在の入居戸数はどうなっているかでございますけれども、嘉手納町内における県営住宅は平成2年9月末現在、県営嘉手納高層住宅の一団地で建設戸数182戸に対しまして、現在、入居戸数は101戸となっております。
 4番目には、嘉手納町在の県営住宅の駐車実態とその対策についてでございますけれども、嘉手納高層住宅は建設戸数が182戸に対しまして、駐車場の台数が84台の駐車場がございましてスペースとしてはよく確保されている状況でございます。しかしまた平成2年9月末現在の入居者数は101戸でございまして、その辺は別の団地よりはゆとりがあるというふうな状況にございます。
 県としましては、入居者募集のしおりと入居時の説明会等において、先ほど申し上げましたとおり駐車場の確保については自己の責任において団地外に確保するよう説明するとともに、団地自治会に対しても同様の指導をしているところでございます。
 次に、下水道計画についても3点ばかり御質問がございましたので、まとめてお答えを申し上げます。
 まず1点目は、海浜の汚染が懸念される地域箇所はどこかでございます。
 本県の公共用水域は恵まれた自然環境にあり、その汚濁防止を図ることは重要な施策であると考えております。下水道事業においては、水質汚濁が懸念される地域としては、1000人以上の集落や観光地等人口が集中する地域の周辺海域と考えております。
 2番目には、下水道処理水や汚泥のリサイクルによる多目的活用の方法はどうなっているかにお答えいたします。
 下水道の持つ資源やエネルギーの有効利用につきましては、下水処理水の工業用水や雑用水等への再利用、汚泥の緑農地への還元、また建設資材としての利用、消化ガス発電による省エネ等が考えられております。
 3点目には、建設省は規模の大きい処理場ほど建設コストと維持管理費がともに安いとの理由で流域下水道を推進しているが、調整は可能かどうかについてお答え申し上げます。
 下水道事業は、一般的に処理水量が多いほど建設費や維持管理費が割安となる傾向にございます。このようなことから、2つ以上の市町村にまたがる住家が連たんしている都市区域におきましては、流域下水道として整備が進められているところでございます。
 一方、人工規模が小さく集落も散在している地方部におきましては、集落ごとに個別に小規模下水道として整備した方が得策である場合もあります。
 このような場合は、地域の状況に応じて効率的な整備手法を選択しているところであり、建設省との調整も可能であると考えております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 前村善徳君登壇〕
○環境保健部長(前村善徳君) 伊波議員の基地公害について、いわゆる行動態勢観察(0RI)の実態調査についてお答えいたします。
 今年7月に実施された米軍のORI、いわゆる行動態勢観察による航空機騒音は、地元住民の日常生活に多大な影響を与えていると考えております。
 今回のORIでは、夜間から早朝にかけての騒音発生回数が他の測定期間に比べて異常に高く、また土、日曜日の騒音が石川市美原測定局で、いわゆるうるささ指数として90に達するなどかなり高い騒音が記録されております。
 次に、トリイ通信施設のクーラー騒音対策の経過と結果についてお答えいたします。
 トリイ通信施設内にあるクーラーの送風機の騒音については、平成2年7月5日に調査を実施したところでございます。
 同施設に隣接した地域は騒音規制法による第1種区域であり、騒音測定結果は規制基準を10ないし15ホン超えている状況にございます。
 県といたしましては、調査結果を読谷村役場に通知するとともに、米軍に対しては規制基準を遵守し騒音対策を講ずるよう要請しているところでございます。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 知事公室長。
   〔知事公室長 村山盛敏君登壇〕
○知事公室長(村山盛敏君) 基地公害について、読谷補助飛行場におけるパラシュート降下訓練を中止させるべきじゃないかという御質問についてお答えいたします。
 読谷補助飛行場におけるパラシュート降下訓練につきましては、これまで関係機関に対し移設を要請してきたところであり、今後とも早期に移設が実現するよう働きかけていきたいと思っております。
 それから、3次振計との関係で土地対策について、住宅地確保のための基地の返還を迫る考えはないかという御質問にお答えいたします。
 御指摘の住宅確保のための基地の返還につきましては、市町村や地主から具体的に要請があれば前向きに検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) 土地対策につきましてまとめてお答えいたします。
 現在の土地問題につきましては、去る6月、沖縄県緊急土地対策要綱を定めまして庁内はもちろん、市町村との連携を強化いたしまして関係法令の厳正な運用、不要不急の土地需要の抑制、土地取引関連融資の適正化、監視区域の拡大等国土利用計画法の機動的運用、土地関連業界に対する指導強化、土地についての基本理念等の啓発普及を図るべくその具体的施策の推進に努力しているところであります。
 また、同要綱に基づく土地問題につきましての広報啓発を図る「土地を守る週間」につきましては本年の12月中に実施したいと考えております。
 なお、関係部相互の連絡調整、協議を行うための事前協議制につきましては、現在、その具体的な内容、方法等について検討を進めているところであります。
 また、国におきましては、地価高騰が経済の円滑な運営と社会の安定にとって重大な問題であるとの認識のもとに、金融機関の土地関連融資に当たっては、投機的な土地取引等に係る融資の排除及び不動産融資の総量規制等の強い指導がなされているところであります。
 県におきましても、緊急土地対策要綱に基づきまして、金融機関等に対して「土地取引に対する融資の厳正化について」と、こういうタイトルで協力方を要請してきたところであります。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) キビ対策について、3次振計におけるサトウキビの生産対策はどうなっているかという御質問でございますが、サトウキビにつきましては経営耕地面積、農家戸数及び農業粗生産額等からしましても、今後とも本県の基幹作物としての地位は変わらないものと考えられます。そこでサトウキビの生産振興につきましては、現在進められております3次振計大綱の検討結果を踏まえつつ、生産性及び品質の向上を基本に、安定的な生産を図っていくための諸施策を講じていく考えでございます。
 そのため、かんがい施設等の生産基盤の整備を初め防風防潮林の整備、病害虫防除対策及び優良品種の開発普及のほか、生産コストの低減と省力化を図るため地域に適した収穫の機械化を推進して生産振興を図っていきたいというふうに考えております。

 2番目に、サトウキビの単収10トン、ブリックス19度の運動は達成可能かという御質問でございますが、農業団体、これは農協中央会がその運動を展開しておりまして、サトウキビ生産農家の所得向上と再生産の確保を図るため昭和63年度から10・19運動、つまり単収10トン、ブリックス19度の目標を設定いたしまして、その達成に向けて栽培指針に準じた栽培管理を行うモデル展示圃の設置等によりまして運動を展開しております。この展示圃におきましては、既に目標を達成しているところがございます。
 県といたしましても糖業振興条例に基づき関係機関と一体となり、かんがい施設等生産基盤の整備のほか、高糖多収品種の開発普及、栽培技術の改善を強化指導していくつもりでございます。
 次に、オーストラリアの糖業の実態、サンプリング方法、分析等についての御質問でございますが、オーストラリアの糖業視察、これは農業団体、それから市町村、中央会、私どもを含めて8月に視察研修に行ってまいりました。
 当地のサトウキビは、収穫面積が31万7000ヘクタールという膨大なものでございます。生産量が2560万トン、農家戸数が6000戸ということで、機械による収穫率が100%ということで世界有数の砂糖生産国で輸出量が第3位と、国際市場をリードする重要な産業になっております。
 サトウキビの生産性が高い原因ですけれども、生育期には雨が多いと。登熟期には雨が少ないと。さらに台風がないというようなことで自然条件に大変恵まれておりまして、単収も高いと、品質もいいという結果になっているものと見られます。
 品質基準につきましては、砂糖の回収率を加味した可製糖率で行われております。サンプリングは抽出方式をとっておりまして、旋光糖度計で測定をしております。
 価格でございますが、これは国際相場に基づいて取引された砂糖の販売額を農家と工場で配分するという分糖方式をとっております。したがって我が国のように糖価安定法とか甘味法で全く保護がないということでございますので、私どもにとりましては大変勉強にはなるけれども、参考にはならなかったということでございます。
 それから次に、海外漁業株式会社についての御質問で、累積債務18億とも言われているが、その実態はどうなっているかと。どうするのかという御質問でございますが、累積負債が、これは平成2年3月31日現在の第7期の決算ですけれども、負債合計は13億4967万というふうになっております。
 こういうことからしまして、何とか再建か、あるいは整理かのめどを立てたいということで文書による指導あるいは直接協議による指導等を重ねてきたわけであります。
 ところが会社側としては、最近、グアム、ミクロネシアを基地とするカツオ・マグロ漁業というのが大変好調でございます。これは沖縄から現在37隻出漁しておりますが、年間60億の水揚げをしているという大変好調な背景がございます。
 さらに、パラオ共和国の副大統領、それからミクロネシア連邦の外務大臣が相次いで沖縄に来県されまして、何とか南方に進出をしてくれという要請等もあります。
 そこで、会社側としては、現地調査を10月にやりたいと。その後に会社をどうするかの再建策を策定したいということでございますので、それを待って県の対応を考えていきたいと思っております。
 最後に、役員の選任についての御質問がございまして、久手堅部長がやめたが、後はどうしたかという御質問だと思いますが、久手堅部長の任期は平成2年6月30日になっておったわけです。任期満了により辞任をしたという形で役員会で了承されております。
 県からは、引き続き伊佐次郎氏が取締役として就任しておりますし、一番経過についても詳しいということで引き続き取締役を引き受けていただいております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 振興開発室長。
   〔振興開発室長 新垣徳夫君登壇〕
○振興開発室長(新垣徳夫君) 水資源、渇水対策について節水型社会を打ち出しているが、どのような方策があるかという御質問にお答えいたします。
 本県においては、水資源開発を県政の重点施策の一つとして位置づけ、沖縄振興開発計画に基づき多目的ダム等の開発を促進してきたところでございます。
 一方、水資源の有限性にかんがみ、節水型社会の形成を図るため、節水意識の高揚及び水利用の合理化の促進等に努めております。その結果、一部の建築物では、雑排水を循環利用してトイレ及び冷却用水等に利用しており、県庁舎においても雨水と地下水を併用してトイレ洗浄水などに利用する二重配管構造を取り入れ、水の有効利用に努めているところでございます。
 今後は、雑用水利用や水の合理化に係る水資源有効利用推進懇話会を発足させ、雨水利用施設の普及や下水処理水、湧水等地下水の活用を検討いたしまして、技術指針や指導要綱等の策定を行った上で節水型社会の形成を図ってまいりたいというふうに考えております。
 次に、水源はダム水、地下水、河川水であるが、今後は主にどの水源を重点に確保していくかということについてお答えいたします。
 御承知のとおり、本県の水資源開発は、沖縄振興開発計画に基づき国直轄多目的ダムの建設を初め河川及び地下水の開発等により進められてきたところであります。
 その結果、国直轄多目的ダムを主体といたしまして河川水、地下水、湧水等合わせて現在約47万トン日量の安定供給量が確保されております。
 今後の水源の確保については、引き続き漢那ダム、羽地ダム、瑞慶山ダムの再開発及び北西部河川総合開発等の多目的ダムの建設を初め地下水の開発等を促進する考えでございますが、新たに海水の淡水化施設の導入の検討など多角的な水源開発を推進していく考えでございます。
 それから、今後のリゾート開発などによる水需要の増大への対応が重要問題であるが、その対策についてお答えいたします。
 御指摘のとおり、本県の水需要は、生活水準の向上やリゾート開発等により今後とも相当増加するものと予想されております。
 このため、現在、長期的な水需給計画調査を実施いたしておりまして、その中で今後のリゾート開発に伴う水需給についても明確にいたしまして、それに対処するよう計画的に多目的ダム等の水源開発を推進するとともに、予定されておりますリゾート施設内におきましては、リゾート施設内における自己水源の開発、あるいはまた循環利用を促進するほか、雨水利用等による水の有効利用を図りまして水需給の安定確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、リゾート開発、水需給の増大、ダムの建設、環境保全などの関連はどう対処するのかという御質問にお答えいたします。
 県民が快適で活力ある生活を営む上で御質問の事項は、いずれも重要で関連する課題でございます。そのため、県は、リゾート開発計画を進めるに当たりましては、自然環境の保全と秩序ある調和に配慮することといたしております。またダム建設における環境保全にも十分留意しているところでございます。
 ちなみに、沖縄開発庁総合事務局北部ダム事務所におきましては、ダム建設工事施工に際して、切り土、盛り土の法面には種子吹きつけによる法面保護や自然植生の植樹を行いまして自然環境の復元を図っており、また小動物を保護するため特殊な型の側溝を取りつけるなど最新の注意がなされております。
 また、濁水の処理につきましては、工事現場内に濁水処理プラントを設置して浄化処理を行っております。さらに工事関係者に対しても、環境保全の重要性について周知徹底を図りながら工事が進められているところであります。
 今後とも、ダムの建設に当たっては、河川の正常な機能の維持と良好な環境の保全に十分配慮しながら対処していくことといたしております。
○議長(平良一男君) 企業局長。
   〔企業局長 金城祐俊君登壇〕
○企業局長(金城祐俊君) 私の方からは水事情についてお答えを申し上げます。
 御案内のとおり、沖縄本島における水事情につきましては、先月の中旬と下旬の台風19号と20号によりましてまとまった降雨がございました。それで水源状況は好転しております。

 ちなみに、10月1日現在における国管理ダムの貯水率は99.3%、水量にいたしまして6005万トンとなっており、また県管理ダムが水量で173万トン、貯水率にいたしますと93.6%まで回復しております。
 また、気象台の先月20日に発表いたしました3カ月予報によりますと10月、11月、12月の3カ月間はそれぞれ平年並みの降水量が予想されていることもありますので、当面、水事情が悪化することはないと思っております。
○議長(平良一男君) 警察本部長。
   〔警察本部長 浅川 章君登壇〕
○警察本部長(浅川 章君) 暴力団対策についてお答えいたします。
 1点目、あらゆる法令を適用して検挙するという方針についてでありますが、旭琉会の今回の対立抗争に際しましては、これまでに刑法に定める殺人未遂、傷害、凶器準備集合罪などを適用し53名を逮捕し、多数の凶器類を押収しております。
 凶器準備集合罪は、2人以上との要件がありますので、単独でけん銃や日本刀などの凶器を所持している場合には銃刀法違反になりますし、銃刀法にいう凶器に該当しない果物ナイフ等を携帯している場合には軽犯罪法という法律があります。
 さらに、暴力団が車両を使用して移動する場合には速度違反、信号無視、駐車違反、整備不良車両運転など道交法を積極的に適用して検挙してまいります。
 なお、これらの表面上の法令違反とあわせまして、最近、暴力団が債権取り立てや不動産取引、あるいは企業活動に介入し暴利をむさぼるなど知能化しておりますことから、これらの経済活動に伴う詐欺、恐喝、宅地建物取引業法違反など各種法令を駆使して暴力団を検挙し、その活動を封じ込めるとともに、暴力団の不法所得を解明し、税務当局と連携をとり課税措置を行うなど、今後ともあらゆる法令を適用し取り締まりを推進してまいります。
 次に、9月13日の発砲事件で使われたけん銃の入手経路につきましては、現在、鋭意捜査中であります。
 最後に、県民への被害を防ぐべく今後の対策でありますが、県警察といたしましては、県民を暴力団から守ることを最重点に、対立する両派の主要な組事務所に制服警察官を配置し24時間体制で警戒を強化する一方、大量の警察官を動員し、自動車検問や組事務所に対する先制的捜索を実施するなどして取り締まりを徹底し、組員の大量検挙、隔離により抗争を早期に封圧し、県民が安心して暮らせる日を取り戻すよう全力を尽くしてまいる所存であります。
○議長(平良一男君) 伊波栄徳君。
   〔伊波栄徳君登壇〕
○伊波栄徳君 時間がありませんので海外漁業についてお尋ねいたします。
 先ほど私は18億と申し上げましたけれども、13億幾らとありますが、それは調査したいんですが、事務所はどこにありますかな。ひとつ御答弁お願いいたしたいと思います。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後4時44分休憩
   午後4時45分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) お答えいたします。
 那覇市松山2の2の12に登記されております。そこで職員は、来間さんという方が非常勤でおられるという報告を受けております。
○議長(平良一男君) 伊波栄徳君。
   〔伊波栄徳君登壇〕
○伊波栄徳君 今、那覇市松山ということでありますけれども、来間さんという方でありますが、非常勤、そこに帳簿も全部備えつけられておりますかどうか。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) すべての書類、その事務所に保管されていると思います。
○議長(平良一男君) 島袋宗康君。
   〔島袋宗康君登壇〕
○島袋宗康君 しんがりを務めます。
 まず、3期12年間続いた西銘知事の任期もあとわずかになりましたが、長い間、本当に御苦労さんでしたと労をねぎらいたいと思います。
 しかし、我が党代表質問にもありましたように西銘県政の12カ年間を振り返って総括いたしますと日本一高い密度の軍事基地、日本一高い失業率、日本一低い県民所得、日本一犠牲と差別を強要された県民生活であったと厳しい評価をして質問に入ります。
 情報公開条例案の問題点についてお尋ねいたします。
 情報公開条例は、主権者たる県民が、県の行政情報に自由にアクセスできる権利を保障したものとして期待も多く、また関心の高いところであります。ところが、県の情報公開の内容が明らかになるにつれて疑問や失望が広まりつつあることは大変残念なことであります。
 去る9月17日に開催された沖縄県弁護士会主催の「情報公開と個人情報の保護シンポジウム」においては、マスコミ報道に見られるように極めて厳しい批判が出ております。
 情報公開は、民主主義の根幹をなす重要な制度であり、一方ではその制度の精神を誤るとかえって非公開条例になりかねないとの指摘もされているのであります。
 那覇市の情報公開条例は、第1条目的で、この条例は、市の保有する公文書の公開を求める権利を明らかにすることにより、日本国憲法の保障する基本的人権としての知る権利を保障するとともに、市政に関する情報を積極的に公開して市政への市民参加を一層推進し、市政に対する市民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した公正かつ民主的な市政の発展に寄与することを目的とすると、日本国憲法の保障する基本的人権としての知る権利を保障すると明確にしております。
 しかし、県提出の条例案には、知る権利ということが抜けているわけであります。この条例を利用する住民の立場からすると、本当に自分の知る権利が守られるのかどうかという権利保障の面で大変な違いが出てくるものであります。そうした違いが出てくるのかこないのか、見解をお聞かせ願いたい。
 2点目、情報公開は、情報公開したがらない行政権力の情報を、主権者がこれを公開請求することを保障する制度であって、主権者の基本的人権をどう扱うかが極めて大事であると思います。県の条例の目的は、必ずしもそうはなっていないのではないか。その立法の精神を明確にすべきであり、知る権利について明記する考えはないか、御答弁をいただきたい。
 3点目に、開示手続の際、開示請求書に請求目的欄を設けることを考えているようだが、情報公開の趣旨からすると請求目的を書き入れさせる必要はないのではないかと考えますが、お考えをお聞かせ願いたい。
 4点目、第5条の公文書の開示を請求できる者の規定は、那覇市の条例では何人も公開を請求することができるとうたわれております。県の条例案は、沖縄県の区域内に住所を有する個人と、県の区域内に事務所または事務所を有する個人及び法人その他の団体と2つに限定されております。
 今日の地方自治の立法のあり方から見て、不可解な姿勢であります。この規定からは、県の区域外に住所を有する沖縄県人や県外に留学している学生、県内に財産を有し固定資産税を納めている不在地主など、たまたま住所を移転している県人がこの制度から締め出されることになる。特に沖縄のような移民県では国外にもたくさんの邦人がおり、この方々はふるさと沖縄の情報公開を利用するのに権利としては認められない規定になっており、世界のウチナーンチュ大会を開き、しかも民間大使まで置いておきながら権利としては認められませんでは、県の国際化政策との関係において矛盾するものであると考えます。
 また、沖縄の発展を考えて、沖縄について研究し何らかの寄与をしたいと努力している県内外、外国の研究者や真実の報道に当たっているジャーナリストの活動について、これを締め出す閉鎖的県政になりかねない。
 もちろんこの点については、第15条の公文書の任意的開示条項によって救済規定はあるにはあるが、やはり任意的開示では行政当局の恣意的解釈によって開示されない場合もあり得ることを懸念するものであります。この点についてもはっきりさせるべきだと考えますが、御所見を承りたい。
 第5点目に、第9条の開示しないことができる公文書の規定であります。

 情報公開の原則のもとで例外的に非公開とすることができる条項であり、それだけに最小限、限定的に規定し、運用解釈に当たっても極めて厳密に扱わなければならないとされるが、那覇市の例外条項が4つにまとめたのに対し、県の案は8つになっていることなどいろいろ指摘すべき点もあります。
 中でも第8号、実施機関や県の執行機関の付属機関及びこれらに類する合議制機関の審議資料、議決事項、会議録等の情報が、会議の公正または円滑な運営が損なわれると認めたときは、その合議機関の意思で非公開とする旨の規定があるが、今日の行政の意思決定手続が外部審議会などの付属機関で決められることが多い現状からして、審議会などが非公開になるというのは県の条例案が情報公開制度から大きく外れたものであり、情報公開はこうした審議会等の会議の公開はアメリカにおいても公開が制度化されており、那覇市においても会議公開の指針を定めて実施している状況からすると、県の情報公開がいかに情報公開の精
神においてもその内容においても後退したものであることがわかります。こうした点についても再検討を要すると思いますが、いかがですか、お伺いいたします。
 次に、第3次振興開発計画についてお尋ねいたします。
 沖振法に基づいて第2次振計はいよいよ来年度で終了することになり、現在、県においては第3次振計に向けて大綱案策定作業が進められているわけでありますが、その進捗状況はどうなっておるか、お尋ねいたします。
 沖振計は、県民にとって重要な計画であり、関心も高いものであります。それだけに県議会にも事前に報告されるものと考えますが、いつごろ提示できるのか、そしてその手続がどうなっているのか、お尋ねいたします。
 また、各界各層においても振興開発計画は大きなインパクトを与えるところからいろいろな要請も行われているようでありますが、これまでどういう団体や機関からどういった内容の要望があったのか、明らかにしていただきたい。
 沖振計は、県民の切実な要望や期待を担ってつくられたものでなければならないものであり、そのためにはこうした要請や要望がどう盛り込まれているか、注目しなければならないと思うからであります。
 次の軍転法の問題については、時間の都合で質問を取り下げます。
 次に、第3次振計における都市問題についてであります。
 那覇市を中心として中部圏まで広がる都市化は、離島過疎地の振興とともに大きな課題であります。
 この都市問題についてどう対応し、投資されてきたのか。第1次振計は北部開発、第2次振計は中部にその重点を置いたと言われますが、那覇市を中心とする各都市について、県はどのように対応してきたのかお聞かせ願いたい。
 また、市町村別の投資額等の資料がありましたら御説明を願いたい。
 県の審議会においても取り上げられましたごみ問題について、人口が密集している都市においては収集体制を含め焼却炉の設置や最終処理場の確保の困難さが問題を深刻化させておりますが、一般廃棄物処理は市町村の固有事務といった形式的な対応ではなく、県の支援体制も必要になっているものと考えます。
 また、火葬場などいわゆる迷惑施設についても那覇市での建設は人口が超過密の状態で建設場所の確保が難しく、ごみの最終処分場や火葬場等の施設は那覇市等の努力のみにゆだねることなく、県としても積極的な行政の対応が求められている重要課題であると考えます。したがって、こういった切実な行政課題を第3次振計に盛り込むことについて検討されているのかどうか、お伺いいたします。
 次に、沖縄海外漁業株式会社の問題についてであります。
 この問題について伊良部町の関係議員から、県や議会に対して陳情がなされておりますので、その陳情内容に準じて質問をいたします。
 同社は、昭和58年8月設立から60年12月時点の2年5カ月の間に資本金1億600万円を食い尽くし負債額12億7000万円を抱え、事実上倒産、そして第8期決算(平成3年3月31日)では負債総額18億円余が予想され、意外な局面に波及しかねない現状にあると述べているが、その事実関係について御答弁を願いたい。
 2、創立以来、第1、2、3、4、5、6、7期各決算報告書は経営破局の実態を押し隠し、企業会計の基本原則に反した粉飾決算であるとして厳しく精査してほしい旨の内容であるが、その事実関係について御答弁を願いたい。
 3、第2次漁船団員は、昭和60年11月15日操業を打ち切り、漁船、母船員99名の帰国寸前に現地雇用漁船や船員の給料未払い、そして食糧の未払い代金、さらにパプアニューギニア政府に対する滞納税金等の未払い金9000万日円の未決済を理由に帰国が禁止された。昭和60年12月末に解放され帰国したのであるが、以後出漁が不可能となり、漁船員の給料4920万円が未払いとなっている。そのため家族とともに生活が困窮を来しているが、県はいかように対処するのか、御答弁を承りたい。
 4、漁船団員帰国と同時に本社全職員も解雇され、実質的な会社機能がストップ、以降県主体の役員が残務担当しているが、第4、5、6、7期各期の決算報告書作成を遅延し、定時株主総会も延引し商法違反ではないかと指摘しているが、県はどのように認識されているか、お伺いいたします。
 5、会社の業務執行は、川満昭吉社長、副社長西銘登の両氏が会社運営の損益にかかわる最重要課題を専断強行し、極めて複雑怪奇構造的に運営され、しかも琉球造船鉄工株式会社と混同経営し収拾不可能な破綻状態にあると指摘しているが、県はどのように認識しているか、お伺いいたします。
 6、会社の筆頭発起人は、沖縄県知事西銘順治以下6名である。県が約40%、5000万円の最大株主であり、常務取締役も県から出向させ、県農林水産部次長が監査役であるが、同社は難題が山積し資産ゼロに等しい。負債は18億円にも上ると言われ、第三セクター方式の会社とはいえ、県が公金を右から左へと動かせるものではない。したがって同社は最終的決断――清算、解散に直面している。しかるに会社は莫大な金利を重ねつつ、名存実亡の同社の続行を強調しているが、無定見企業であり早目に解散手続をとれとの指摘がなされているが、県はどのように受けとめているか、お考えをお聞かせ願いたい。
 7、昭和59年3月に設立した現地法人パプアニューギニア・ツナ・フィッシャリーズ株式会社(社長来間武次)は、沖縄海外漁業株式会杜の100%出資による会社であるが、内容実態は全く不可解で不明な点が多いが、県は同社の定款、登記簿及び各期の決算報告等を提出していただきたいとなっているが、これについての御所見を承りたい。
 8、伊良部町の損失補償契約書に基づいて昭和59年11月17日付の銀行取引約定書により銀行から5億4000万円を借り入れているが、返済期限経過後の今日においても未決済のため伊良部町は代理弁済の危機に直面している。そのことについてどう対処するのか、お伺いしたい。
 9、昭和60年12月、伊良部町から貸し付けた3000万円の未返済、伊良部町の出資金1000万円も貸損失となる。ただでさえ伊良部町の財政はSOSで、赤字再建準用団体に転落寸前、それに沖縄海外漁業株式会社の影響を受け財政的爆弾を抱えて非常事態下にある。同社の現況は県の失政であり、よって同社の琉銀借入金5億4000万円は伊良部町民に負担が及ばないよう事前の施策を講じていただきたい旨の陳情内容であるが、これについて明確にお答え願いたい。
 最後に、新垣善春議員から質問のありました事務所の契約書提出については、早い時期に提出するかどうか、はっきりさせていただきたい。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 島袋宗康議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 第3次沖縄振興開発計画について、進捗状況について申し上げます。
 これまでどのような団体、機関から、どのような内容の3次振計に関する要請、要望がなされているか明らかにされたいと。お答えいたします。
 第3次振興開発計画の策定に際しては、民意の反映を図るため沖縄県振興開発審議会を初め県民選好度調査、市町村長及び各種団体に対する意向調査並びに各地域における県民フォーラムなどを実施してきております。

 これらの意見等を集約いたしますと、本県の発展のために力を入れるべき重要な政策課題としては産業の振興、観光リゾート開発、人材の育成などが挙げられております。
 なお、沖縄県農協中央会、沖縄県観光連盟、沖縄地区青年会議所及び那覇市から独自の要望書が提出されております。
 次、第1次、第2次を通じての各市町村ごとの振興開発事業費の投資額についてお答えいたします。
 第1次から第2次計画期間中、平成元年度までの振興開発事業費の総投資額は約2兆9146億円となっております。
 なお、沖縄開発庁に予算計上される沖縄振興開発事業費については、国直轄事業、県施行事業及び市町村施行事業等がございますが、国、県事業については道路、港湾、空港、ダム等広域的な事業が多いため、地域別、市町村ごとの事業費の分類は行っておりません。
 残された御質問につきましては、それぞれ部局長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 総務部長。
   〔総務部長 石川秀雄君登壇〕
○総務部長(石川秀雄君) 情報公開条例についての御質問にお答えいたします。
 最初に、知る権利を明記するのとしないのとではどう違うのか。また知る権利を明記する考えはないかという御質問にお答えいたします。
 知る権利については、憲法上、既に具体的な権利として確立しているとする考え方、あるいは理念としては認められるが、具体的な権利としては確立していないとする考え方など諸説があり、確定している概念ではないと思っております。
 一般的には、憲法上内在的、黙示的に認められるものであり、実定法上の権利としては未成熟なものであると考えられております。すなわち知る権利は、憲法上の実体的権利ではなく、理念的な権利であると考えられているものであります。
 情報公開制度の創設に当たって最も重要なことは、つくられた制度が実際に県民の権利を保障する内容となっているかどうかであると思います。
 県の条例は、知る権利の一側面としての県民の公文書の開示を請求する権利を実定法上の権利として明らかにし、公文書の開示を県民と県との権利義務関係として確立するとともに、条例の解釈運用に当たっては原則公開の立場に立った解釈及び運用を義務づけているほか、非開示決定に不服がある場合の救済手続として第三者機関としての公文書開示審査会を設置する等、制度全般にわたって県民の知る権利の保障を具体化しております。
 なお、条例の目的として知る権利の保障を明記する考えはないかということでありますが、既に述べましたとおり知る権利は今のところ多義的であり、実体法上の権利としてはまだ未成熟なものであるので条例の目的に明記することは適当ではないと考えております。
 次に、開示請求書に請求目的欄を設けることを考えているようだが、情報公開の趣旨からして必要ないのではないかという御質問でありますが、お答えいたします。
 請求書の書式は、県民が利用しやすい簡素なものとすることが望ましいので、請求書の記載事項は請求された公文書の特定及び開示手続に必要な最小限のものとしたいと考えております。
 請求目的欄については、制度の利用状況を把握し、その改善等に資するため設けることとしておりますが、任意的な記載事項とし、記載については請求者の意思に任せたいと考えております。
 次に、請求権者については「何人」とすべきではないかと。また任意的開示になると恣意的な運用になるんではないかという御質問にお答えいたします。
 県の情報公開制度は、県政への県民参加を促進し、県民の県政に対する理解と信頼を深め、開かれた県政の推進に寄与することを目的として実施するものであること。また県の行政サービスは、主として県民が享受すべきものであること並びに情報公開制度に要する費用を負担するのは県民であり、その利益も第一義的には県民が受けるべきであることなどから、請求権者は県内に住所を有する個人並びに県内に事務所または事業所を有する個人及び法人その他の団体とするものであります。
 また、制度を実施しているすべての都道府県においても請求権者を「何人」と規定しているところはございません。
 公文書の任意的な開示制度は、情報公開の理念からできる限りこの条例を活用できるよう門戸を開くべきであると考える。請求権者以外の者にも実施機関の保有している公文書について開示を申し出することができることとしたものであり、これは情報公開制度が広く利用されることを期待しているものであります。
 請求権者以外の者から公文書の閲覧等の申し出があった場合は、条例第15条の公文書の任意的な開示の規定に基づき開示請求に準じて取り扱い、誠実にこれに対応し適切な運用をしていきたいと考えております。
 次に、非開示事項の中で県の非開示事項は8項目と多く、特に合議制機関等について関係情報は問題であり、再検討を要するのではないかという御質問にお答えいたします。
 非開示事項については、原則公開及びプライバシーの最大限の保護の基本的な考え方に立って開示しないことができる情報を、必要最小限の範囲で可能な限り具体的に類型化したものと考えております。
 一般的に非開示事項の項目数が少なくなればなるほど不明確な概念規定となり、その結果、開示、非開示の判断が恣意的になるおそれがあります。このため県としては、制度の意義が損なわれることのないようにできる限り細分化し類型化に努めた結果、8項目となったものであります。
 御指摘の合議制機関等は、一般の行政機関と異なり、その意思形成に関し自由な発言の場を確保し微妙な討議の過程を必要とする場合があり、それらの経過を開示すれば有用な結論への到達を妨げる場合も考えられます。
 このため、合議制機関等の自主性、自律性を尊重し、実施機関の恣意を排除する観点から、当該合議制機関等が開示することにより、公正または円滑な議事運営が損なわれると認めるものについて非開示とする旨を定めたものであります。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) 3次振計の計画大綱案策定の進捗状況等についてお答えいたします。
 平成元年度におきまして行った第2次沖縄振興開発計画の総点検の結果及び沖縄県振興開発審議会の総点検に対する意見書等を踏まえまして、現在、第3次沖縄振興開発計画大綱案の策定作業をしているところであります。10月中には沖縄県振興開発審議会に検討を依頼し、各部専門委員会の審議を経て年内には大綱を決定し、第3次沖縄振興開発計画策定に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 なお、計画大綱案の県議会への説明につきましては、今後、県議会と調整をしてまいりたいと考えております。
○議長(平良一男君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 前村善徳君登壇〕
○環境保健部長(前村善徳君) 島袋議員の第3次振計との関係での廃棄物処理施設等への対応について、まず1点目の一般廃棄物の処理は市町村の固有事務として位置づけられているが、県の支援体制の御質問にお答えいたします。
 一般廃棄物の処理については、市町村の固有事務となっており、市町村においては中長期的展望に立った一般廃棄物処理の基本方針となる一般廃棄物処理基本計画を策定し、これに基づき毎年、一般廃棄物の収集運搬及び処分について定めた一般廃棄物処理実施計画を策定して計画的に廃棄物処理施設の整備を促進することとなっております。県としましては、市町村のごみ処理事業が能率的に運営できるよう技術的な援助を行っているところでございます。
 さらに、第3次振興開発計画の中におきまして、各市町村が策定しますこの計画に基づきまして増大するごみの減量化を促進するため未整備市町村におけるごみ処理施設の整備を促進するほか、既存の焼却施設や粗大ごみ処理施設等の整備拡充を図っていくよう指導してまいりたいと考え
ております。
 また、最終処分場については廃棄物処理業者に委託処理し、みずからの最終処分場を確保してない市町村もあるので、今後とも沖振法に基づく国庫補助制度を活用し施設整備を促進するよう指導してまいりたいと考えております。

 さらに、那覇市等都市地区及び一部市町村において最終処分場の確保が困難な地域もございますので、他市町村との相互補完による処理を行うなど広域的な対応についての指導助言に努めていく所存でございます。
 2点目の火葬場の施設は、県としても取り組む必要があるのではないかとの御質問にお答えします。
 県内の火葬場の施設整備状況は、平成2年4月1日現在、本島13施設、離島9施設、計22施設の整備がなされております。
 経営主体別では市町村営16件、公益法人1件及び民営が5件となっておりますが、都市周辺の火葬場整備がおくれ民営の火葬場にゆだねている状況にございます。
 火葬場の経営主体につきましては、本来、永続的管理の必要性とともに、火葬場の健全な経営を確保するため過度に営利を追求しない公益的事業として運営されるべきであり、原則として市町村等の公共団体とし、これによりがたい事情がある場合にあっても公益法人、宗教法人等が運営すべきであるとしております。
 このことから、県としては今後とも公衆衛生、その他公共の福祉の見地から、公営の火葬場の整備について市町村に対し指導助言をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 海外漁業株式会社についての質問、順次お答え申し上げます。
 第8期で負債総額が18億円予想されるということでその事実はどうかという御質問ですが、18億という根拠はよくわかりません。
 第7期決算報告によりますと、これは平成2年3月末現在の負債額ですけれども、13億4967万でございます。
 それから、会社の決算は粉飾ではないのかと、事実関係はどうかという御質問ですけれども、決算報告書は取締役会、それから株主総会においてそれぞれ承認をされております。したがいまして県としては、これが粉飾されているとは考えておりません。
 次に、漁船員、母船員の給料が未払いとなっているが、どう対処するつもりかという御質問ですけれども、それぞれの漁船の船員の給料につきましては、雇い主はこれは船主でございます。船主と乗組員の就業契約が交わされておりまして、当然船主が支払う義務があるというふうに理解をしております。
 母船員については、これは会社が雇い主でありますので、会社が支払う義務があります。
 これはきのうも御質問がありましたけれども、給料は支払い済みで、解雇手当等865万が未払いになっております。会社に支払い義務が当然ございますので、優先的に対応していくように会社側を指導しているところでございます。
 次、4期から7期までの決算がおくれて商法違反ではないかという御指摘でございます。
 決算書は、商法の規定によりまして定時総会の承認を求めなければならないというふうになっております。定時総会は同じく商法の規定によりまして年1回開催が義務づけられております。開催時期については、会社の定款によりまして営業年度終了後3月以内ということになっております。
 したがいまして、6期がおくれておりましてまさにこれは商法違反であったわけですが、7期については法定期限内に総会が開かれて承認が得られております。
 それから社長、副社長の混同経営によって今日のような事態に至らしめたという指摘があるがという御指摘でございますが、社長、副社長ともに会社の取締役として商法に規定しますところの忠実義務――忠実に事業を執行する義務――に当たったというふうに考えます。ただ魚価の低迷でありますとか、円高とかという事業環境の悪化が急に進みまして、意に反するような状態に立ち至ったものであると考えております。
 県は、会社を続行しようとしているがどうするつもりかということでございますが、これについては再三御答弁申し上げておりますけれども、こういう状況になりましたんで、整理を含めて今後どうするかということについては文書による指導あるいは直接の協議等によってこれまで指導を重ねてきたわけですが、先ほど申し上げましたとおり大変南方漁業というのが好調に展開しているということで昭和54年ですか3万トン、47年以降30隻前後が出漁しておりまして、当時3万トンの水揚げがあったと。それに次ぐ成績がこの二、三年継続していると。こういう機会をとらえて何とかそこに再建策がとれないものかということで、現在模索をしている状況でございまして、副大統領の招きによりまして来月現地調査が予定されておりますので、その結果を見て県としては対応を考えていきたいと思っております。
 それから、パプアニューギニア・ツナ・フィッシャリーズという会社の件でございますが、この会社は、海外漁業株式会社とパプアニューギニア政府、この双方の漁業協定に基づきまして、現地に法人をつくるという協定に基づいてつくられました現地法人でございます。
 したがいまして県としては、この現地法人とは直接かかわりはございませんので、その決算状況について知る立場にはございませんし、資料も持ち合わせておりません。
 それから、伊良部町は損失補債をやっているということで町の財政に相当負担がかかっていると。伊良部町民に負担が及ぶことも考えられるということでございますが、伊良部町の損失補償につきましては債権者、それから連帯保証人、伊良部町の間で話し合いが行われておりまして、当面、伊良部町の財政及び伊良部町民に負担が及ぶことはないというふうに聞いております。
 それから最後、事務所の件で新垣議員からの質問がありましたとおり会社側に照会をして報告申し上げたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 島袋宗康君。
   〔島袋宗康君登壇〕
○島袋宗康君 最初に、事務所の契約書はすぐ出していただけますか。それ1点、事務所の契約書、すぐ出してくださいね。
 今、御説明によりますと、南方方面のカツオ・マグロ漁業が非常に好調であるから海外漁業を継続するというふうな御説明でありますけれども、これは私たちの調査では、船主やあるいは船員その他は、もう海外漁業には協力しないというふうなことをはっきり言っているわけですよ。現状のままでいっても別に、向こうは30億円のそういった売り上げはやっているわけですから、別に海外漁業が乗り出さなくても向こうは何も心配ないわけです。
 それで、こういうぼろぼろの会社を浮かべて走っても沈没することは間違いない。ですから早く解散するような方向で検討していただきたい。
 答えてください。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 議会のたびに私も随分その問題で追及されまして早く何とかしたいと思っておりますけれども、実はこれは株の比率からしますと39%でございまして、沖縄県は。それから債権額でいきますとずっとわずかな方でございまして、県の意向だけでこの会社を整理するわけにはまいりません。したがってこれはやはりちゃんとした人格を持った法人でございますので、会社の意向を尊重しつつ行政指導をしていくという手しかございませんので、そこらあたりは御了解を願いたいと思います。
○議長(平良一男君) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程は、これで全部終了いたしました。
 次会は、明3日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時25分散会

 
19900403000010