平成20年(2008年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 9月29日
教育長(仲村守和)
 

 それでは、県民生活の実態についての御質問で、就学援助の推移についてお答えいたします。
 就学援助制度は、経済的理由により就学が困難と認められる児童生徒の保護者に対して、市町村が学用品や医療費等を援助し義務教育の円滑な実施を図るものであります。
 全国の都道府県の状況を申し上げますと、平成17年度は受給者数が138万825人で、受給率が13.24%、平成18年度は受給者数が141万260人で、受給率13.57%となっております。
 沖縄県の状況は、平成17年度は受給者数が2万93人で、受給率が13.26%、平成18年度は受給者数が2万867人で、受給率が13.81%、平成19年度は受給者数が2万1490人で、受給率が14.3%となっており、全国及び県内ともに増加傾向にあります。
 県内市町村では人口の多い市において受給率が高い状況にあります。
 なお、全国の平成19年度の数値につきましてはまだ公表がなされておりません。
 次に、認定基準の状況等についてお答えいたします。
 就学援助事業は市町村において実施されており、それぞれの市町村の実情に応じてなされているものと認識しております。
 平成17年度及び18年度において準要保護の認定基準を改正した市町村は、県内の41市町村のうち6市町村となっており、その主な改正点は、認定の基準となる収入額や市町村民税の課税額の見直し等となっております。
 また、県内市町村の就学援助実績額は、平成17年度は12億7789万1000円、平成18年度は13億5038万4000円、平成19年度は13億6886万円となっております。
 次に、学校給食費の滞納状況等についてお答えいたします。
 文部科学省及び県教育委員会が実施した学校給食費徴収状況調査によりますと、給食費の未納率は平成17年度4.0%、平成18年度4.4%、平成19年度4.3%となっております。
 市町村別の状況につきましては、地区ごとにばらつきがあり一概には言えませんが、離島においては徴収率100%の町村があるのに対し、国頭、中頭地区においては未納率が10%前後となっている市町村があります。
 なお、未納の主な理由としましては、保護者の責任感や規範意識の欠如によるもの、保護者の失業など経済的理由と思われるものなどとなっております。
 次に、対象者の適用状況及び制度の拡充についてお答えいたします。
 就学援助事業は市町村において実施されており、対象者の認定につきましてはそれぞれの市町村の実情に応じてなされているものと認識をしております。
 県教育委員会としましては、市町村教育委員会へ通知をし、就学援助事業の適切な実施を促しているところであります。
 また、全国都道府県教育長協議会等を通じ、就学援助の充実を関係省庁へ要請しているところであり、今後とも教育の機会均等の確保のため、市町村において必要な就学援助が行えるよう、十分な財源措置を国に働きかけていきたいと考えております。
 次に、教育問題についての御質問で、30人学級実施における必要教員数等についてお答えいたします。
 平成20年度公立小学校における教員数は5111人となっており、仮に平成20年5月1日時点の児童数で小学校全学年で30人学級を導入することとした場合、5761人の教員数が必要となり、新たに650人の教員増が見込まれます。
 教室数につきましては、普通教室に使用可能な教室数が平成20年3月時点で4246教室となっており、新たに381教室が必要となりますが、学校ごとの空き教室状況に応じて学級増に対応することとなります。
 今後の計画につきましては、30人学級制度設計検討委員会において検討しているところでございます。
 次に、選考試験の採点ミスと防止策についてお答えいたします。
 このたび、一次試験の保健体育実技で採点ミスがあり、高校保健体育で合格者を1名追加いたしました。当該受験者及び県民に対し多大な御迷惑をおかけしましたことを深くおわびを申し上げます。
 原因は、実技試験の採点簿記入ミスであり、今後、点検・確認作業に万全を期したいと考えております。
 県教育委員会では、教員選考試験の透明性、公平性、公正性の確保のため試験問題の持ち帰りを初め、マークシート及び記述式解答の公開や得点・順位の通知、二次試験の面接、論文等の評価の着眼点についてホームページで掲載するなど、情報公開を進めてきました。
 また、選考委員会においては、受験番号、氏名を伏せて通し番号のみで選考を行いました。
 さらに、苦情・相談等窓口を総務課に設置し、疑義のあった事項についてはホームページ等で回答しております。
 今後とも教員選考試験については、実技試験の評価の着眼点の公表など、情報公開を進めることでより公平公正な業務遂行に努めていきたいと考えております。
 次に、奨学金の貸与状況等についてお答えいたします。
 本県の高校生を対象とした奨学金制度は、高等学校奨学事業と高等学校育英奨学事業の2種類があり、大学生を対象とした制度は大学貸与奨学事業があります。
 高等学校奨学事業の貸与者数は、平成17年度129人、18年度125人、19年度133人で、高等学校育英奨学事業は平成17年度764人、18年度1649人、19年度2635人であります。
 また、大学貸与奨学事業の貸与者数は、平成17年度549人、18年度556人、19年度560人であります。
 奨学金は貸与額を無利子、10年以内で返還することになっておりますが、病気や災害、生活保護、その他の事由により返還が困難な場合には返還の猶与を行っているところであります。
 県としましては、就学意欲がありながら経済的理由等により高校、大学等での就学が困難な者に対し貸与者数をふやすなど奨学金事業の充実を図り、有為な人材の育成に努めてまいります。
 以上でございます。

 
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