平成20年(2008年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 9号 2月28日
警察本部長(得津八郎)
 

 米軍との共同パトロールに関する御質問にお答えいたします。
 まず第1に、県警察と米軍の軍事警察機関である憲兵隊、いわゆるMPとの共同パトロールについてであります。
  同パトロールについて県警察では、米軍施設外における治安の確保は沖縄県警察の責務であること、何らかの犯罪を犯した米軍人を県警察とMPとが共同逮捕した場合、地位協定の規定で当該米軍人の身柄は米軍に引き渡されることとなり、原則として起訴されるまで米軍側がその身柄を拘束することから、容認していないところであります。
 第2に、警察権を有しない上官による部下に対する一般的な指導監督のため、米軍当局が独自で実施している通称CPとの共同パトロールについてであります。
 この警察権を有しないCPとの共同パトロールについても県警察では、共同パトロール中に、米軍人を被疑者とする犯罪現場において事情聴取等を行っている際に、CPから連絡を受けて現場臨場したMPが共同逮捕を行った場合、身柄の措置に関してMPとの共同パトロール同様の問題が生じる可能性があること、県警察がCPとの共同パトロールを実施することは、米軍犯罪のみに対処するために既存の警察力の一部を割くことになり、警察力が低下するおそれがあることの2つの問題点があると考えており、現状では、沖縄県民にとって必ずしも望ましいものではなく、これらの問題点が解決され、沖縄県民に明確に示される必要があるものと認識しております。
 言葉の問題や米軍人等の犯罪抑止力の強化など、効果を期待する声もあることについてですが、基地外における警察力を向上させるためには、パトロールの実効性を上げ、米軍人の犯罪を未然に防止するとともに、米軍人関係の事件・事故が発生した際に、これを迅速・的確に処理する必要があると考えております。
 そのためには、現場において沖縄県警察官が米軍人と無用な紛議を起こすことなく、米軍人からの全面的な協力を得られることが確認されるとともに、共同パトロールに専従する警察官や通訳員の増員配置並びにパトカー等装備資機材の充実などの措置を講じる必要があると考えております。
 次に、米軍構成員などの犯罪抑止対策についてお答えします。
 県警察におきましては、米軍人等の事件防止や取り締まりについては、これまでも米軍人等にかかわる事件防止のため、米軍人等が多く集まる場所を重点に警戒・警らを実施してきたところであります。
 本来、米軍人による事件防止につきましては、米軍当局においてその対策をとることが大前提となるところでありますが、県警察におきましても、今回の事件を受け、米軍人等が多く立ち寄る繁華街等において、所轄警察署や警察本部自動車警ら隊、機動捜査隊による警戒・警らを強化しているところであります。
 今後、外出禁止措置が解除された後の週末やペイデーにおいては、従来の所轄警察署の渉外機動警ら隊に加え、犯罪抑止のため、警察本部に勤務する警察官で編成したシーサー遊撃隊を基地所在の警察署へ応援派遣して、地域住民が不安を抱かないように基地周辺地域における警察力を強化していきたいと考えております。
 以上です。

 
20080109060130