平成11年(1999年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 10月14日
下地  学
 

 これは所感だよ。
 立場の違いこそあれ真実を追求することなく与党単独の片肺飛行で10月4日、5日の一般質問が強行されたことはまことに残念である。このことは、議会制民主主義の根幹にかかわるものであり、沖縄の政治史に汚点を残すものである。遺憾の意を表し、与党議員諸氏の真摯な反省を求める。
 質疑に入ります。
 1、普天間基地の早期県内移設を要請する決議は、1996年7月15日の県議会の反対決議、同年9月8日の県民投票、そして翌年の名護市の市民投票等県民の総意や世論を無視した暴挙であり、なぜ早期県内移設か、提案者の見解を求める。
 2、提案者は、SACOの合意事項を着実に実現させ、段階的に基地の負担の軽減を図るとしていますが、日米安保共同宣言(21世紀に向けた同盟)に盛られた安保再定義は、在沖米軍基地の現状を維持しない限り機能しないものであり、すなわちSACOの合意は基地の固定化であり整理縮小に名をかりた基地強化である。提案者の見解を求める。
 3、新ガイドライン法、米軍用地特措法の改定により米軍の後方支援に沖縄が組み込まれ在沖米軍基地は固定化され、基地の整理縮小に陰を落とすと識者は指摘していますが、新ガイドライン法、米軍用地特措法の改定を是認する提案者の見解を求めます。
 4、基地の建設と引きかえの振興策は沖縄経済の自立発展を阻害するものであり、提案者は移設先の経済振興策等総合的な視点から明確に対応していくことが不可欠であるとしていますが、具体的な答弁を求めます。
 5、普天間基地の県内移設は単なる代替施設ではなく、安保の再定義、新ガイドライン法、周辺有事事態法、軍事同盟の強化であり、最新鋭の前進攻撃基地としての機能が強化されることは明白である。提案者の見解を求める。
 6、提案者である与党議員の諸氏は、SACOの合意を是認し県内移設の早期実現を図ろうと躍起になっていますが、自分の出身地や選挙区が移設候補地として選定された場合、その地区を積極的に推進するか、決意のほどを伺います。
 7、米海兵隊の主力機としてMV22オスプレイが2002年から実戦配備されることは既に公表されています。軍民共用空港となると現在の普天間基地以上に危険性が大きいことは明らかである。移設する空港は軍専用か、軍民共用か、明確な答弁を求める。
 8、知事は、海上ヘリ基地案に反対し将来県民の財産となる新空港を北部の陸上で建設すると選挙公約でも県議会でも答弁で明言していますが、提案者の見解を求めます。
 9、基地の新たな建設は用地選定、住民の合意形成、環境問題、基地の撤去、整理縮小を求める県民の総意、国際情勢の変動など難題が山積しています。数の力を盾に独断専行すると県民を混乱させ流血騒動を引き起こしかねない。県民のコンセンサスをどのように図るか、見解を求めます。
 10、早期返還を実現するには県内移設にこだわることなく、国外及び県外移設も選択肢として日米両政府に積極的に提起し、全県民的な運動を構築することがより現実的であり基地の整理縮小につながると考えるが、提案者の見解を求めます。
 11、提案者は、在沖米軍基地の役割をどのように認識しているか。また我が国の平和と安全に寄与していると評価していますが、我が国の平和と安全、とりわけ沖縄を守るためにどのような役割を果たしてきたか、明確な答弁を求めます。
 12、1996年7月15日、「普天間飛行場の全面返還を促進し、基地機能強化につながる県内移設に反対する決議」を全会一致で県議会で決議していますが、この決議をどのように認識しているか。また今回の要請決議案との関連についての見解を求めます。
 13、基地の県内移設を県民みずからが容認し県議会で決議しようとすることは、基地の早期返還、基地整理縮小を求める県民の総意を無視した反動的な行為であり、提案の取り下げを強く求める。
 与党議員諸氏の英断を求めて一応質問を終わります。
 後で再質問します。(傍聴席にて拍手する者あり)

 
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