平成12年(2000年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 9月29日
知事(稲嶺惠一)
 

 最初に、船舶事故による那覇空港滑走路閉鎖に関してお答えいたします。
 那覇空港は、沖縄県の全産業を支えるゲートウエー機能を持つ空港であります。島嶼県である沖縄県は、航空機以外に鉄道等の高速輸送手段がないことは周知の事実であり、今回の船舶事故による滑走路の閉鎖は県民生活、観光産業など沖縄県ははかり知れないダメージを受けております。
 沖縄本島には、民間空港は防衛庁との共用空港である那覇空港しかなく、ほかには米軍専用の嘉手納及び普天間飛行場があるだけであります。サミット後の国際コンベンションの誘致を含め国際的な観光地を目指す本県にとって、こうした事故への対応も含め那覇空港の滑走路複数化は最優先事項であると考えております。
 県は、これらのことを踏まえながら将来の需要にも対応するために那覇空港の沖合展開による平行滑走路建設の必要性を国に要請してきたところであり、今後もその必要性を強く訴えたいと思います。
 また、事故の経過あるいは観光に対する影響等については、後ほど関係部局長から答弁いたします。
 それでは早速次の基地問題に入ります。
 九州・沖縄サミットでのクリントン大統領の発言を踏まえ、県としては外国企業の誘致や米軍での県産品優先使用等を働きかけることはどうかについてお答えをいたします。
 御指摘のように、九州・沖縄サミットにおいてクリントン大統領が本県における米軍基地の負担に対して、米国政府がよき隣人として本県の産業振興に配慮する旨の発言をしたことは承知しております。
 県におきましては、県内産業育成のため「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき、県内企業への優先発注等を推進しております。
 ところで、基地内業務の県内企業への優先発注については、本年7月に在沖米国総領事に対し協力要請を行っております。また9月19日に開催された第20回三者連絡協議会において、「基地内業務の県内企業への優先発注及び県産品の基地内での販売について」が議題として協議され、その結果、基地内契約の取得に関し県内企業への説明会等を行う旨の回答を得ております。
 県におきましては、これらのことを踏まえ今後民間経済団体等と調整の上、基地内業務への県内企業の参加が円滑に進められるよう対応していきたいと考えております。
また、米国企業の誘致につきましては、平成10年度からロサンゼルス、デンバー等で企業誘致説明会を開催し誘致に努めてきたところであります。今回のサミット開催により沖縄への関心が高まったことを受け、引き続き積極的に投資環境などの情報を発信し沖縄への投資を促してまいりたいと考えております。
 なお、去る6月には米国ロサンゼルスに委託駐在員を配置したところであり、今後は現地との連携体制を強化して企業誘致活動をより積極的に展開してまいります。
 次に、マルチメディアアイランド構想について、沖縄国際情報特区構想の中でもグローバルなインターネットエクスチェンジの形成、国際テレビジネスセンターの形成は同構想を実現していく上で大前提となる施策と思うがどう考えるかと、また国際情報特区構想に盛り込まれた5つの政策の実現について知事の決意を聞きたいと、これのお答えでございます。
 沖縄国際情報特区構想においては、本県の情報通信産業の集積に資する新たな5つの方策が示されております。
 御質問のアジア・太平洋地域の情報通信拠点の形成に向けたグローバルなインターネットエクスチェンジの形成及び国内外の情報通信関連企業を集積するための国際テレビジネスセンターの形成は、構想に示された他の方策とともに本県における情報通信産業の集積を図る上で不可欠であると認識しており、その具現化については今後国とよく調整を図りながら進めていきたいと考えております。
 また、国際情報特区構想の実現は本県の経済的自立を図る上で極めて重要であり、県としましては構想に基づく施策の具体化を引き続き国に強く働きかけるとともに、関連する県単独事業の実施を含め戦略的に施策を展開していきたいと考えております。
 次に、観光・リゾート振興について、「サミット記念館」を万国津梁館に併設し観光振興に活用する考えはないかとの御質問にお答えします。
 万国津梁館は、自然景観に恵まれた部瀬名岬地域にリゾートとコンベンションの融合により、本県の観光・リゾートに新たな魅力を加えるリゾートコンベンション施設として平成12年3月に完成したところであります。
九州・沖縄サミットの首脳会合主会場として活用されたことに伴い、コンベンション施設としてはもとより北部地域及び沖縄全体の新たな観光スポットとして内外から強い関心が寄せられております。
 サミット終了後の一般公開では、平成12年7月28日から7月30日までの3日間で入場者数が約6万6000人あり、8月1日の供用開始後も見学者が9月21日現在で約4万4000人が訪れており、一般県民や観光客の関心の高さがうかがえます。
このようなことから、県としましては部瀬名岬地域における「サミット記念館」の必要性について今後検討してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。

 
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