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平成12年(2000年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 9月28日
農林水産部長(小那覇安優)
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畜産行政について、真玉橋食肉センターと取引している生産農家の実態はどうなっているかとの御質問にお答えします。
平成11年度の真玉橋食肉センターの屠畜処理実績は7万6000頭、出荷農家戸数は125戸となっております。
地区別に農家戸数と出荷頭数を見てみますと、北部地域からは13戸で1万4000頭、中部地域からは44戸で1万1000頭、南部地域からは68戸で5万1000頭となっております。
次に、今後の生産農家の販路確保についてどのような対策、行政指導を行っていくつもりかとの御質問にお答えします。
真玉橋食肉センターは、これまで移転整備する計画であると聞いていましたが、突如会社解散を決定しております。このことから県としては会社側に対し、傘下農家に不安を与えないよう適切な対応をするよう求めているところであります。
また、傘下農家については経営概況や農家の意向等について実態調査を実施しております。その調査結果を踏まえて傘下農家に不利益が生じないよう対策を講じていく考えであります。
次に、県内の食肉センターの処理能力はどうなっているかとの御質問にお答えします。
本島内には真玉橋食肉センターのほか、沖縄県食肉センターの本工場と名護分工場、中部食肉センターの4つの食肉処理施設があります。
4つの処理施設の能力は合わせて年間64万5000頭の能力があります。これに対して平成11年度の屠畜実績は43万8000頭で、稼働率は67.9%となっております。
真玉橋食肉センターを除く残る3つの施設の処理能力は53万7000頭となっております。したがいまして残る3つの処理施設で43万8000頭を処理しても稼働率は81.5%となり、屠畜能力上からの問題は生じないものと考えております。
次に、県内の残飯豚と飼料豚の実態はどうなっているか、また生産農家の割合はどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
本島内の肉豚出荷頭数は43万8000頭で、そのうち残飯豚が2万6000頭、配合飼料養豚が41万2000頭となっております。
また、農家戸数は475戸で、そのうち残飯養豚が164戸で、配合飼料養豚が311戸となっております。
1戸当たりの肉豚出荷規模を比較しますと、配合飼料養豚の約1300頭に対し、残飯養豚は160頭と経営規模が零細となっております。
次に、残飯豚の価格値下げの延期について行政指導できないか、それから県内の食肉センターの動きはどうなっているかとの御質問は、関連しますので一括してお答えします。
食肉センター側によりますと、残飯給与によって生産された豚肉は肉質が悪く、最近はスーパー等小売店が買わなくなった。このため残飯豚のほとんどが県外出荷となり、1頭当たり7000円から1万4000円の赤字が発生し、経営努力では経営が支え切れなくなっていると説明しております。
このことから食肉センター側は、残飯豚の買い取りについて数年前から農家との勉強会、懇談会等で指導するとともに、経済連や農協にも説明をしたとしています。
実態としては、肉質の改善が見られない中で豚肉販売の環境がさらに厳しくなってきたことが背景となって今回の値下げの通知となっているようです。しかしながら今回の食肉センター側の対応は、通知して1カ月後の値下げ実施となっておりますが、農家側としては肉質改善に向けた飼養管理、飼料給与の改善を行うにはある程度の期間が必要であります。
県としては、農家と食肉センター側の意向を踏まえながら、食肉センター側へは価格と実施時期の見直しを指導するとともに、農家側へは肉質改善の指導をしていく考えであります。
次に、松くい虫被害の実態と駆除対策について、松くい虫被害の実態はどうなっているかとの御質問にお答えします。
松くい虫被害量は、平成5年度の約8万4000本をピークに漸次減少に転じており、平成11年度は約3万2000本になっています。
平成12年度は、前年度の雨量、気温、発生状況等に基づいて7月時点で推計した結果、約2万9000本になるものと予測しております。しかしながらその後のたび重なる台風の影響により、地域によっては増加していることが予想され、現在、県及び市町村で調査中であります。
被害状況については、今後12月と来年の3月にも調査を行い、防除計画を策定します。
次に、今回の補正予算費として4035万6000円計上され、当初予算を加えると2億3000万円程度になるようだが、予算の執行状況はどうなっているかとの御質問にお答えします。
松くい虫等森林病害虫防除予算は、高度公益機能森林において県が実施する委託費と、地区保全森林において市町村が実施するための補助金を計上しております。
松くい虫防除については、松くい虫の生態及び樹木の生理に応じて適期に行う必要があります。このため、予防措置としてはマツノマダラカミキリの成虫が発生する4月及び最盛期の5月に薬剤散布を実施しております。その後、10月ごろから被害木に侵入したカミキリの幼虫を駆除するため伐倒焼却、破砕、薫蒸処理を実施していくことになります。
また、マツノザイセンチュウの侵入を防止するため、蔡温松などの貴重な松には生育が緩慢な冬に樹幹注入を行い、春以降の被害を予防します。したがいまして予算は松の生育、害虫の生態に合わせた執行となります。
現在、執行率は約20%となっていますが、伐倒駆除を本格的に実施する10月から12月までの間に60%を執行し、年度末には事業が完了する予定であります。
次に、松くい虫被害対策として未然に予防する手だてはないかとの御質問にお答えします。
松を枯らすマツノザイセンチュウは、マツノマダラカミキリに寄生しております。この病原であるセンチュウを、運び屋であるカミキリが松から松へ伝播し松を枯らしていきます。したがって松枯れの予防の手だては、直接の病原であるセンチュウとその運び屋であるカミキリの駆除が決め手となります。
現在、松くい虫予防対策としては、カミキリを駆除する薬剤散布とセンチュウの侵入を防ぐための薬剤の樹幹注入が最も有効な方法であると検証されております。
薬剤散布については名護市、本部町、今帰仁村、国頭村などの森林の深い地域を対象にしていますが、地域住民の意向、松林周辺の水源地、人家、畜舎、養蜂等への影響に配慮して実施しています。
幹に薬剤を直接注入する樹幹注入は、個々の樹木に処置するため単価が伐倒駆除費の約2倍になりますので、蔡温松等貴重な松に限定して実施している状況にあります。
県としては、このような予防処置を的確かつ効果的に進めながら、抵抗性松の育成等新技術の開発に努め、地域の実情に即した被害対策を講じていく考えであります。
次に、今回の被害駆除対策についてどう対処するかとの御質問にお答えします。
平成12年度の中部5市町の松くい虫被害は、7月末の推定で2360本となり、うち保全すべき松林での被害は860本と推定しております。これらの被害については、市町村との協力のもとに徹底駆除を実施する考えであります。
また、その他の松林における1500本の被害については、緊急雇用対策基金の予算の範囲内で市町村と協議の上、緊急性と重要性の高い箇所から実施していく考えであります。
以上でございます。
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