前発言
平成21年(2009年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 10月 2日
文化環境部長(知念建次)
次発言
★ここをクリックすると、この日の発言が全て表示されます。★
平和行政についてお答えいたします。
まず、第32軍壕の保全、公開についてお答えいたします。
第32軍司令部壕は予想以上に土質がもろく、また、南部撤退時に爆破され、戦後長期にわたり放置されてきたため風化が進み、非常に不安定な状況にあり、平成5年から2カ年、壕の試掘調査を行ったものの、坑道埋没に遭遇し、途中で調査を断念した経緯があります。
当該壕は、首里城公園内、重要文化財保護地区、住宅区域内にあり、坑口ごとに関係機関や地権者が異なり、また、安全確保上等の条件も異なることなど多くの制約があります。
また、坑口の一部公開については、それぞれの坑口について一部公開を行った場合の課題等の抽出を行っているところであり、その後に関係機関との調整も踏まえ可能性について検討していきたいと考えております。
また、説明板の設置につきましては、現在、関係部局と課題等について調整を行っているところでございます。
次に、第1坑口周辺の整備についてお答えいたします。
第32軍は、撤退時に第1坑口・坑道等を爆破しており、全体的に落盤していると思われ、当初の調査においても坑口の特定は困難でありました。
第1坑道の坑口の場所を特定するには、電気探査、測量、ボーリング及び磁気探査等の調査をする必要があるが、調査を実施しても第1坑口・坑道は全体的に落盤していることが予想されることから、坑口を特定するのは厳しいものだと思われます。
さらに首里城公園内は重要な観光拠点であり、文化財として国指定、県指定の地域があります。第1坑口周辺は、円覚寺周辺の国の史跡指定範囲と龍潭池周辺の県の史跡指定範囲として重要な地域となっております。それぞれの指定範囲に関しては文化庁、教育庁との調整が必要であります。
今後、これらの課題等について整理、調整を行った上で、第1坑口周辺の整備が可能かどうか検討していきたいと考えております。
次に、第5坑口の公開についてお答えいたします。
第5坑道については他の坑道に比べて土質がもろく、現在までの補修工事により当時の原形をとどめておりません。坑口は急傾斜地に位置し、坑口までの進入路等を設けるなど安全対策を万全に期す必要があります。壕内の恒常的な出水、断層や当時の立てくい跡などがあることから、非常に不安定な状態にあり、地上部への影響についての課題等があります。
次に、32軍壕の全面的な保存、公開に関して国に要請することについてお答えいたします。
第32軍司令部壕は予想以上に土質がもろく、また、南部撤退時に爆破され、戦後長期にわたり放置されてきたため風化が進み、非常に不安定な状況にあることから、全面的な発掘は困難だと考えております。また、公開についても、安全対策上多くの制約や多大な経費を要するため、厳しいものだと思われます。現在、第32軍壕をどのように活用していくか検討しているところであり、国への要請はその状況等も踏まえて考えていきたいと思います。
次に、西原町の遺骨発掘現場のレプリカ作成についてお答えいたします。
県としましては、西原町の今後の利活用について、その動向も見ながら対応していきたいと考えております。
次に、沖縄戦の証言収集の取り組みと予算の推移についてお答えをいたします。
沖縄県では、平成20年度までに戦争体験者613名分の証言映像を収録し、580名分の映像を編集した上で、平和祈念資料館展示室において公開するほか、県内外の人々に貸し出しを行ってまいりました。
証言映像収録・編集業務の予算の推移につきましては、平成12年度1395万円、平成13年度から平成16年度の各年度1000万円、平成17年度649万円、平成18年度198万2000円、平成19年度92万4000円、平成20年度302万8000円、平成21年度114万2000円となっております。平成12年度から平成21年度までの10年間で、予算の総額は6751万6000円となっております。
次に、沖縄戦証言収集の予算についてお答えをいたします。
戦後64年が経過し戦争体験者が高齢化する中、戦争の実相を正しく継承することは大変重要であると考えております。本県の財政状況は大変厳しいものがありますが、戦争体験者証言映像の収録については、収録時間や編集時間の短縮及び収録用機材費の節減等を図りながら実施してまいりました。
県としましては、できる限り多くの証言映像収録に努め、さまざまな工夫のもとで効果的な映像収録を図ってまいります。
今後とも、沖縄戦の教訓を次世代に継承していくよう努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
前発言
次発言
20090505020130