平成14年(2002年) 第 8回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 12月12日
警察本部長(髙橋清孝)
 

 県の中小企業融資制度を悪用した詐欺事件の概要と捜査状況についてお答えいたします。
 県警察におきましては、平成14年10月22日から、きょうまでに沖縄県信用保証制度を利用した多額融資詐欺事件の被疑者として県信用保証協会職員や暴力団幹部ら6名を逮捕しております。
 事件の概要でございますが、被疑者らは平成13年9月から本年1月にかけて実態のない鉄筋会社を経営しているように装い、うその工事経歴書等を作成し、沖縄市と具志川市内の3つの金融機関から経営振興資金として3000万円ずつ合計9000万円をだまし取ったものであります。
 また、これまでの捜査によって県信用保証協会職員は、共犯者が会社経営の実態がないことを知りながら金融機関へ口きき等の便宜を図り、1件ごとに500万円、計1500万円の成功報酬を得ていることが判明しております。今後、共犯者や余罪につきましても捜査を継続し、事件の全容解明に努めていく所存でございます。
 次に、在沖米海兵隊員による事件の概要と捜査状況についてでございます。
 同事件は、平成14年11月2日土曜日午前1時30分ごろ、沖縄本島内において発生した事件であり、在沖米海兵隊キャンプ・コートニー所属の海兵隊少佐による成人女性に対する強姦未遂事件及び器物損壊事件であります。
 県警察としましては、11月2日午前3時ごろ、米軍憲兵隊から具志川警察署への電話通報により事件を覚知したところであり、事件の覚知段階から現在に至るまで被害者や被疑者の人権に十分配意しつつ所要の捜査を慎重に推進してまいりました。その結果、被疑者が犯罪を犯したことの心証を得るに至り、12月3日、逮捕状を請求しまして発付を得たところであります。
 県警察は、逮捕状が発付され、さらに被疑者の身柄が米軍手中にあることから、政府に対し平成7年の日米合同委員会合意に基づき被疑者の身柄の起訴前の拘禁移転を求めたものであります。その結果、日米合同委員会が開催されましたが、12月5日、日米合同委員会において米側から身柄の拘禁移転に同意できない旨の回答がなされました。
 県警察としましては、拘禁移転の同意が得られなかったことは極めて遺憾に感じております。県警察としましては、刑事訴訟法等法令に従い所要の捜査を行い、12月9日、那覇地方検察庁へ事件を送付したところであります。
 次に、日米合同委員会合意事項の「凶悪な犯罪」に該当するかについてでありますが、県警察としましては、本事件の重大性や悪質性等にかんがみ、被疑者の起訴前の拘禁移転が必要であると判断し、本事件が平成7年の日米合同委員会の合意に基づく好意的考慮の対象となる殺人または強姦という凶悪な犯罪の特定の場合に該当する可能性があると判断し、日米合同委員会の開催を要請したものでございます。
 以上です。

 
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