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平成 2年(1990年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 7月 4日
第 4号 7月 4日
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議 事 の 概 要
平成2年7月4日(水曜日)
午前10時3分開議
日程第1 一般質問
日程第2 乙第1号議案から乙第13号議案まで(質疑)
一般質問及び質疑
1 照屋 寛徳君(社会党・護憲共同)
2 宮里 政秋君(共産党)
3 喜納 昌春君(社大党)
4 与那嶺 盛男君(新政クラブ)
5 友寄 信助君(社会党・護憲共同)
6 宮良 作君(共産党)
7 島袋 嘉盛君(社大党)
8 本盛 茂君(社大党)
9 宮城 清順君(公明党)
午後6時30分散会
○議長(平良一男君) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
6月22日から30日までに受理いたしました請願1件、陳情H件は、お手元に配付の請願文書表及び陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
次に、公安委員会委員長照屋盛通君は、別用務のため本日及び明日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日の会議に公安委員会委員赤嶺義信君、明日の会議に公安委員会委員瀬長浩君の出席を求めました。
また、地方労働委員会会長大浜賢永君は、所用のため本日及び明日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び明日の会議に地方労働委員会事務局長幸地司行君の出席を求めました。
なお、明日質問予定の上原賢一君、金城重正君、比嘉勝秀君及び西銘恒三郎君から発言通告の撤回がありました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
○議長(平良一男君) この際、申し上げます。
昨日の会議は、都合により予定されていた全員の質問及び質疑を残したまま延会いたしました。
よって、本日及び明日の質問及び質疑は、お手元に配付の一般質問通告表の順位に従って行うことにいたします。
○議長(平良一男君) 日程第1及び日程第2を一括しこれより直ちに一般質問を行い、乙第1号議案から乙第13号議案までを議題とし質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
照屋寛徳君。
〔照屋寛徳君登壇〕
○照屋寛徳君 通告した内容に従い一般質問を行います。
私は、知事の政治姿勢と新石垣空港問題についいてあらかじめ質問を通告してございます。
さて、一昨日の代表質問における嘉陽議員の新石垣空港建設問題に関連し、知事がわざわざ休憩を求め、休憩中にいわゆる「腹切り」発言をなし、あげく、嘉陽議員が業者と癒着しているかのような非難を加えたことは、嘉陽議員だけでなく議会と議員全員に対する侮辱であり、議会制民主主義をじゅうりんする許されない行為であると思います。
知事は、一昨日の休憩中の発言を撤回なさるおつもりはありませんか、まず最初に伺いたいと思います。
次に、県立中部病院問題について。
最近、医療関係者や地域住民の間で、具志川市にある県立中部病院が、近い将来、他の場所に移転されるのではないかと不安の声が高まっております。具志川市民を初め中部地区市町村は、コザ看護学校を那覇看護学校へ統合廃止した西銘知事の医療行政に激しい憤りを抱いております。その上で県立中部病院移転のうわさが現実になれば、その怒りは爆発するでありましょう。
県が作成した第2次沖縄振興開発計画総点検報告書の医療基盤の整備と医療体制の確保についての現状と問題点の中で、昭和42年に建築された中部病院は、増改築を繰り返して現在に至っており、一部老巧化が著しく、かつ狭隘なため、本県の基幹病院及び唯一の救命救急病院としての機能を十分に発揮し得ない状況にあると指摘されております。
そこで尋ねます。
第1点、第2次振興開発計画総点検の中で、県立中部病院の現状をどのように総括し、第3次振計へ向けていかなる具体的な対応策を樹立せんとするのか明らかにしてもらいたい。
第2点、現時点で県立中部病院を他の場所へ移転する計画があるか。また将来、他の場所へ移転することを考えているのか。
第3点、コザ看護学校が那覇看護学校へ移転統合された場合、県立中部病院は看護学校生の研修病院として位置づけることは可能でしょうか。
次に、城辺町長選挙の無効判決と対応について。
選挙が、選挙人の自由に表明する意思によって公明かつ適正に行われることを確保することが民主政治の健全な発達を期する上で最も大切なことであります。
さて、去る6月26日、昨年5月28日施行の宮古郡城辺町長選挙を無効とする福岡高等裁判所那覇支部の判決言い渡しがございました。また同判決は、城辺町長選挙の効力に関する原告らの審査申し立てを棄却する旨の沖縄県選挙管理委員会への裁決を取り消すとの内容になっております。
私も判決文の謄本を入手して読んでみました。判決は、原告らの主張を全面的に容認しており、特に当該城辺町長選挙における代理投票が、法49条1項、48条1項、2項、同法施行令56条1項、3項に違反した違法があって投票の秘密が損なわれ、選挙人の自由な意思による投票が阻害され、ひいては選挙の自由、公正が害されたものと言わなければならないと認定しているのであります。
そこで尋ねます。
第1点、知事並びに選挙管理委員会は、高裁判決をどのように受けとめましたか。
第2点、原告らの審査申し立てを棄却する旨の裁決が取り消されましたが、県選管は審査申し立てを棄却した事実認定の誤りをどう思うのでしょうか。責任は感じておられるか、お答えを願いたい。
第3点、判決の内容を精査するに上告理由は見当たりません。上告を断念し一日も早くやり直し選挙を実施して選挙人の自由意思が正しく反映される町長を選任すべきであると考えるが、県選管の結論を伺いたいと思います。
本判決に関し、補助参加人である仲間克町長から知事に対し上告を勧める申し入れがなされたとの情報に接しているが、それは事実でしょうか、知事にお答えを願いたいと思います。
次に、特別養護老人ホームの運営、実態並びに行政監督について。
社会福祉法人憲章会が経営する特別養護老人ホーム東雲の丘を舞台に行われた横領事件で、県立名護病院長ら4名の者が逮捕された事件は、福祉関係者を初め県民に衝撃を与えており、事態は深刻であります。高齢化社会を迎え、福祉の中でも老人福祉の占める役割が大きな比重を占めてくる中で入所しているお年寄りの銀行預金700万円を着服横領したり、入所者の遺族給付金800万円を着服横領したというのでありますから、事件は極めて計画的であり、福祉を食い物にする悪質きわまりない犯罪であります。
そこで質問します。
第1点、県立病院長まで逮捕された今回の事件を、知事は福祉行政の最高責任者としてどう受けとめましたか。
第2点、東雲の丘と有限会社健生会との業務関係、役員関係を明らかにしてもらいたい。健生会の顧問に県幹部の政治団体の役員が名前を連ね、顧問料名下に報酬をもらっていたようであるが、その事実を明らかにしていただきたい。
第3点、今回の東雲の丘横領事件の背景には、理事会及び施設の重要ポストを親族で固めたいわゆる親族経営のため法規に照らした施設運営がないがしろにされ、施設財産を他の金もうけの手段に供し監査体制がずさんとなり、結果的に入所老人を食い物にすることになったことが指摘されております。
私は、今度の事件を独自に調査し、県の長寿対策室に特別養護老人ホームの各施設ごとの構成理事の氏名を公表するように資料提供を求めました。ところがそれに対し、プライバシーにかかわるとして拒否されております。
そこで伺いますが、法律に基づき設立された法人の理事氏名を公表するのがなぜプライバシーの侵害になるのか。どのようなプライバシーが侵害されると考えるのか、明らかにしてもらいたい。
第4点、逮捕された者のうち3名は現在、特別養護老人ホームしらゆりの園の職員となっております。しらゆりの園の現在の理事長はだれか、明らかにしてもらいたい。東雲の丘としらゆりの園の関係はどうなっているか、明らかにしてもらいたい。
第5点、特別養護老人ホームごとの定員と実際の入所者数を明らかにしてもらいたい。また入所者1人当たり国、県の措置費は幾らか、明確にしてもらいたいと思います。
第6点、県内に設置されている各養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準、昭和41年7月1日厚生省令第19号第19条に定めている職員の配置基準を満たしているか、各施設ごとに御答弁願いたいと思います。
県警本部長への質問。
1、去る5月30日、新石垣空港建設予定地に絡む一連の違法土地取引問題で、沖縄県が国土利用計画法違反の疑いで告発をいたしております。
そこで、県が告発をした被告発人の氏名及び被告発事実。告発に伴う捜査差し押さえの実施場所。差し押さえ物件の内容、数量。これまでの告発人及び被告発人、参考人等からの調書作成の状況。今後の捜査見通し、送検の時期を明らかにされたし。
2番目に、特別養護老人ホーム東雲の丘横領事件に関連して、現在までの逮捕者の被疑事実並びに控訴事実について。
本件横領事件の端緒について。
監督官庁たる県当局の責任者からの事情聴取はやられたかどうか。
本件に関する捜査差し押さえ場所、差し押さえ物件の内容、数量、余罪の有無、今後の捜査の見通しについて明らかにしていただきたいと思います。
次に、東京に県営女子寮を建設することについて。
沖縄県内から県外の大学、専門学校等へ進学する学生は男女ともにふえ続けております。ところが県外には県営の男子寮が4つもあるのに女子寮が1つもなく、その早期建設を求めるさまざまな運動や行動が展開されております。
私は、東京、その他の主要都市圏に県営女子寮を速やかに建設すべきであると考えます。
そこで質問いたします。
第1点、県外に県営の寮を設置する目的は何か。その目的に照らし男子寮のみがあって女子寮がないのは不自然であり、男女平等、女性の人材育成の精神に反し行政の怠慢と思慮するが、どのように考えておられるか。
第2点、現在設置されている各男子寮の寮費、入寮志望状況、入寮生に対する県関係の情報提供などはどのようになされているか明らかにしてもらいたい。
第3点、知事は東京に県営女子寮を建設すると約束できますか、明確にお答え願いたいと思います。
答弁をいただいた上で再質問をさせていただきます。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 照屋議員の御質問に対しましてお答えいたします。
一昨日の私の発言について御質問がございましたが、お答えいたします。
私の一昨日の発言は、嘉陽議員の発言が、西銘県政と業者との癒着とか疑惑等事実に基づかないで適切さを欠いていたことから、あなたはそのことについて責任をとれるかどうかという意味で発したものでありまして、これを撤回する意思はございません。
次に、中部病院についてお答えいたします。
中部病院は、県内唯一の救命救急センターとして、あるいは医学臨床研修、琉大医学部教育関連病院、その地高度特殊医療を行う中核病院として重要な役割を担っております。
しかし施設については、昭和41年に移転診療を開始して以来、昭和56年の新南棟増築工事等十数回の増改築を重ねてきた結果、一部に老巧化が著しく、かつ狭隘で作業動線が長いため本来の機能を十分に発揮できない状況となっております。このことから全面改築する必要があると考えております。
県では、第3次振興開発計画策定の中で多様化する医療ニーズに対応し、県民に良質な医療を提供するため高度の診療機能を持ち、僻地離島を含む県全域の包括医療の中心的役割を担える基幹病院について検討しているところであります。中部病院の整備についても、この中で今後検討することといたしております。したがって、御質問の移転計画等については現在のところ考えておりません。
次に、コザ看護学校についての御質問に対しましてお答えいたします。
統合後の新看護学校の実習病院においても、現在の那覇及びコザ看護学校の実習病院を継続することといたしておりますので、中部病院もその一施設として計画を進めております。
なお、実習病院へは直接自宅から行くことといたしておりますので、中部地区の学生は中部病院で実習させる計画であります。
城辺町長選挙の無効判決についてお答えいたします。
この件については、選挙管理委員会が厳正中立の立場で判断すべきものでございまして、私はコメントする立場にないので答弁を差し控えたいと思います。
次に、本判決に関し補助参加人である仲間町長から知事に対し上告を勧める申し入れがあったかという御質問がございましたが、お答えいたします。
当該判決後、町長自身があいさつには来ておりましたが、特に上告の要請は受けておりません。
次に、老人ホームの横領事件についてお答えいたします。
特別養護老人ホームは、身体上または精神上著しい障害があるために常時介護を必要とする者を入所させる施設でありますが、その運営に当たっては、入所者が安心して介護を受け、快適な環境の中で生活できるように図らなければならないと考えております。
しかるに本事件は、福祉の援護を必要とする入所者からの預かり金を着服横領したものとされておりまして、まことに遣憾であります。県民の老人ホームに対する信頼と期待を回復するため、今後は適正な老人ホームの運営がなされるよう指導体制を一段と強化してまいりたいと思います。
次に、女子寮建設についての御提言がございましたが、お答えいたします。
東京都に新たに土地を求めて女子寮を建設することは、現在の都内の土地価格の高騰から見まして財政的に極めて厳しいものがございます。
しかし現在、都内豪徳寺の沖英寮の老巧化が進んでおりまして改築の必要があることから、この際、女子寮として見直すことができないか、事務当局に指示し検討させているところであります。結論が出次第、女子寮建設に向けて鋭意努力してまいりたいと思います。
女子寮がないのは行政の怠慢ではないかというおしかりを受けましたが、お答えいたします。
東京、大阪等の大都市に学生寮を設置しているのは、居住費等の生活費が高く学生の生活を圧迫していることからいたしまして、学生の経済的負担の軽減を図り勉学に専念させるためであります。
御提言のことにつきましては、教育の機会均等男女平等の立場から十分理解いたしておりますので、現存の学生寮の改築の見直しを含めまして現在、検討委員会をつくって検討いたしているところであります。
残りの御質問に対しましては、それぞれ所管の部長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 選挙管理委員長。
〔選挙管理委員長 平良 浩君登壇〕
○選挙管理委員長(平良 浩君) 城辺町長選挙の無効判決と対応についてでありますが、第1点としまして、選挙管理委員長は高裁判決をどのように受けとめましたかとの質問にお答えします。
昨年の5月28日に執行された城辺町長選挙について、当委員会では、町選管の選挙管理事務に多少の不手際は認められるものの、このことによって選挙の結果に異動を及ぽすものとは解されず、選挙は有効であるとの裁決をしました。が、福岡高裁那覇支部においてこれと異なる判決が下されたことは残念であります。
次、2点としまして、県選管は審査申し立てを棄却した事実認定の誤りをどう思うか。責任は感じているかの御質問にお答えします。
当委員会は、裁決に当たって数回委員会を開催し慎重に事実の究明に努めたところであります。その事実の認定に誤りがあったかどうかについては、判決文と裁決文を照らし合わせて委員会で検討していきたいと思います。また、責任の問題については現時点では答弁を差し控えたいと思います。
第3点でございますが、上告を断念し一日も早くやり直し選挙を実施すべきと考えるが、県選管の結論を伺いたいとの質問にお答えします。
上告するかどうかについては、これから委員会を招集し、判決文を子細に検討の上、慎重に審議し決定したいと思います。
終わります。
○議長(平良一男君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大城清吉君登壇〕
○生活福祉部長(大城清吉君) お答えいたします。
まず最初にお断り申し上げたいんですが、先ほど質問内容が多うございましたので、場合によっては御質問の内容と答えが合致しない面があろうかと思いますけれども、また漏れている件があるかと思いますが、後ほどまたお答え申し上げたいと思います。順不同になりますけれども……。
しらゆりの園の理事長はだれかという御質問でございましたが、嘉手苅恒瑛という方でございます。
それから、措置費の件の御質問がございましたけれども、特別養護老人ホームの措置費が1人当たり1カ月で20万、これはおおよそでございますが20万2000円でございます。
次に、施設数と定員の状況だったかと思いますけれども、施設数が38カ所で定員が3035名でございます。ほとんど満たされております。それから、基準に照らして設備、職員数はどうかということの御質問だったと思いますけれども、設備につきましてもそれから職員につきましてもその基準を満たしてございます。
それから、健生会と、しらゆりの園と東雲の丘の役員の状況、あるいは関係はどうかという御質問だと思いますけれども、しらゆりの園の、これは当初、石島英文さん、お父さんに当たります。それから現在は、先ほど申し上げたとおりで、それから健生会の方がかつて代表が石島正子でございます。現在は新城哲次。大体、こういうものじゃなかったかと思いますが、もし何でしたら……。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前10時30分休憩
午前10時30分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
警察本部長。
〔警察本部長 浅川 章君登壇〕
○警察本部長(浅川 章君) 最初に、新石垣空港建設に絡む問題ですが、今回告発がなされた被告発人の氏名は、国内リゾート開発株式会社代表取締役庄司芳信、株式会社センターアート・ギャラリー代表取締役坂上雅丸株式会社光建設代表取締役坂上雅夫であります。
告発事実については、国土利用計画法第23条第1項の届け出を行わないで土地売買等の契約を締結したというものであります。
告発に伴う捜索差し押さえの実施場所、差し押さえ物件の内容、数量については、国内リゾート開発株式会社、株式会社センターアート・ギャラリー、株式会社光建設の本社く事務所など12カ所に対する捜索を実施、関係書類数百点を押収しましたが、現在捜査中でありますので、具体的な場所、物件の内容等については答弁を差し控えます。
これまでの告発人、被告発人、参考人等からの調書作成の状況については、参考人から事情聴取をしておりますが、現在、捜査の段階でありますので具体的に答弁することは差し控えます。
今後の捜査の見通し、送検の時期については、法に照らし、迅速かつ適正に捜査を進めているところでありますが、送検の時期については公表できる段階ではありません。
次に、特別養護老人ホーム東雲の丘の関係についてお答えいたします。
第1点、被疑事実及び控訴事実についてでありますが、去る5月30日、特別養護老人ホーム東雲の丘の元施設長ほか2名を、同施設に入所している老人3名の定期預金合計700万円を無断で解約し、業務上横領したという容疑で逮捕し、さらに6月20日に、同老人ホームを経営する社会福祉法人の元理事長代行ほか1名を同じ容疑で逮捕するとともに、さきに逮捕した3名のうち、元施設長ほか1名を、入所老人の遺族給付金800万円を無断で引き出し業務上横領したという容疑で再逮捕しております。
また、さきに逮捕された3名のうち2名は起訴され、ほか1名は起訴猶予になっておりますが、控訴事実について、他機関の関係であり答弁をする立場にございません。
2点目の、同事件の端緒についてでありますが、捜査の核心に関することであり、今後の事件捜査に支障があることから答弁を差し挫えます。
3点目、県からの事情聴取でありますが、現在捜査中の事件でありますから答弁を差し控えます。
4点目、事件に関する捜索関係及び余罪の有無、捜査の見通し等についてでありますが、捜索は、特別養護老人ホーム東雲の丘ほか十数力所について実施し関係帳簿、メモ類など千数百点を押収しております。
なお、余罪の有無、事件の見通し等につきましては、現在捜査中の事件でありますので答弁を差し控えます。
○照屋寛徳君 答弁漏れ。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前10時35分休憩
午前10時37分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大城清吉君登壇〕
○生活福祉部長(大城清吉君) お答えいたします。
まず第1に、全老人福祉施設の全理事の氏名を公表するようにというお話がございましたけれども、お答えいたします。
各法人の全理事名については、法人の運営指導上、県が業務上知り得た内容に属しますので、このことについては公表することは適当ではないというふうに考えております。
それから、個人のプライバシー等の問題もございます。法人との信頼関係、そういったことを損ねることにもなるというふうに判断をいたしております。
それからまた、理事の私生活、社会的生活、そういったこと等にも支障を生ずるおそれがあるというような判断をいたしたわけでございます。そういうことで差し控えているわけでございます。
それから、健生会の報酬の件もあったと思いますけれども、健生会の方での役員の報酬については、私たちの方では実態はよくつかんでおりません。健生会の方が、これは別途組織の問題でありまして、憲章会とのかかわり合いはございません。有限会社でございますので、その方の詳細についてはよく存じておりません。
それから、憲章会と健生会の関係についてだったと思いますけれども、健生会の方の、先ほど申し上げましたように当初の代表取締役が石島正子という方でございます。当初は同じく取締役が石島衛でございます。現在は、先ほど申し上げましたが、代表取締役が新城哲次。
そういう状況ですけれども、現在の東雲の丘は理事長が石島衛、最初のころの健生会の取締役でございます。
そういうことで、一方は社会福祉法人であり、一方はいわゆる有限会社の民間会社、営利会社、そういうような状況にあるということで、これまでの指導につきましては、私たちの方で憲章会についていろいろ指導を行ってまいりましたし、また健生会の方で給食関係の業務をタッチしていた関係上、その業務が現在のあり方からして芳しくないということでこれは切り離すように監査指導いたしたわけでございます。それ以来、憲章会と健生会については、いわゆる社会福祉法人の立場から見て是正されておる状況でございます。
それから3点の、各老人ホームごとの定員、職員数ということでございましたが、今、私の方に手持ちの資料がございません。もし、時間をいただけましたら用意をいたしたいと思いますけれども、そういうことでお願いします。
○議長(平良一男君) 教育長。
〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) 照屋議員の東京に女子学生寮を建設することについて3点御質問がありましたが、2点は知事がお答えしましたので、あと1点の、現在設置されている各男子寮の寮費あるいは入寮志望状況、または入寮生に対する県関係の情報提供等についての御質問にお答えします。
本県の県外学生寮の1カ月の寮費は、東京都にあります南燈寮が個室で3万5000円、これは2食つきであります。世田谷の沖英寮が2万5000円、これも2食つきであります。ただし、千葉県の習志野にあります沖縄学生会館、あるいは大阪府にあります大阪寮は、ともに1食で2万3000円となっております。
また、平成2年度における入寮希望老の状況は、35名の入寮希望者に対しまして、現在33名が入寮いたしております。
なお、学生寮を管理運営しております財団法人沖縄県人材育成財団におきましては、本県の地元の2紙やラジオ等を利用して募集案内をしておりますし、また各寮には本県の地元紙や県の広報誌、書籍等を備え、入寮生に対する県関係の情報を提供しております。
以上です。
○議長(平良一男君) 照屋寛徳君。
〔照屋寛徳君登壇〕
○照屋寛徳君 県営女子寮で知事に再質問いたします。
沖英寮を改築して女子寮を建設をする方針であると、現段階では。そういうふうに御理解してよろしいですか。
それからまた、検討委員会の結論はいつまでに出されるおつもりかお答え願いたいと思います。
選管委員長に質問いたします。
選管は昨日、選挙管理委員会を招集して上告についての態度を決定するはずであったというふうに聞いておりますが、なぜ昨日の選管委員会は開かれなかったのか。この判決の趣旨からして早急に上告するかしないかについて結論を出すべきではないか、お答え願いたいと思います。
それから、生活福祉部長にお伺いいたします。
しらゆりの園の理事長嘉手苅恒瑛ということでしたが、嘉手刈さんが理事長になったのはいつなのか。
私は、県内の全社会福祉法人の実態を全部調査いたしました。私の調査したところによりますと、社会福祉法人立命会の理事長は石島英文で、逮捕された県立名護病院長のお父さんであります。しかもこの石島英文さんは、私の調査したところによりますと、そのしらゆりの園に本人自身が入所しているお年寄りであります。一体、事実はどうなっているのか明らかにしてもらいたいと思います。
それから部長は、理事の氏名を公表するとプライバシーにかかわるとこう言っておりますが、同じ理事でありながら、理事長についてはこれは登記簿に記載をされて、500円出せばだれでも見れるんです。じゃ、理事の氏名は公表することはプライバシーにかかわって、理事長の氏名はプライバシーはないのか。
私が問題にしているのは、今、東雲の丘の横領事件というのは、親子、兄弟あるいはまた姻族、そういう親族や姻族、いわゆる身内経営によって法規の遵守を忘れ、そして社会福祉法人の使命を忘れ、福祉施設の財産を他の金もうけの手段に供して、そういう運営が結果的に入所している老人を食い物にしている。そこに問題があるから、一体どういう人が理事を構成をしているのか、どのような理事会運営がなされているのか、そのことを私は議会でただしておきたいから氏名の公表を求めているわけであります。
しかし、先ほどの答弁によりますと、理事の氏名を公表するとプライバシーにかかわる、理事長にはプライバシーはないのか、同じ理事でありながら。それはおかしいじゃありませんか。明確にお答え願いたいと思います。
それから、東雲の丘が有限会社健生会に給食の委託業務をやっていたようでありますが、県の監査でその給食委託の業務運営の実態はどうだったのか、問題はなかったのか。
それから、県は1988年の監査で東雲の丘の敷地の一部を有限会社健生会が賃借りするようにと指導をしたということでありますが、そういうことであれば、県が不法な賃貸借に手をかしておったと、こういうことが明らかであります。
一体、1988年の監査で東雲の丘と健生会で敷地の一部賃貸借についてどういうことが行われて、県はどのような行政指導をしたのか明確にお答え願いたいと思います。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 女子寮のことでございますが、まだ教育委員会内の検討委員会で検討中でございまするけれども、男子寮はできるだけ千葉にこれを持っていって、現在、都内の豪徳寺に沖英寮がありますから、これは老朽化して改築しなければなりませんし、この際にこれを全部女子寮に切りかえたらどうかということで指示いたしておりす。
○議長(平良一男君) 選挙管理委員長。
〔選挙管理委員長 平良 浩君登壇〕
○選挙管理委員長(平良 浩君) 照屋議員の、なぜ選管は3日に委員会を開くと言って、開かないかという御質問でございましたが、私がちょうど3日に議会で出席を求められていたために、議会の終了を待って開催する予定であったんです。
ところが議会の開会見通しが午後になってもはっきりしなかったため、後日に延期したという状況でございます。
実は、きょうのこの議会が済んで5時以降にまた招集することになっております。
○議長(平良一男君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大城清吉君登壇〕
○生活福祉部長(大城清吉君) お答えいたします。
しらゆりの園の理事長でございますけれども、先ほど嘉手苅恒瑛ということで申し上げましたが、平成元年6月2日で交代いたしております。
それから、健生会の実態の中で、給食業務、それからまた土地の賃貸のお話が出ましたけれども、先ほど給食関係については申し上げましたように、社会福祉法人の運営上好ましくないということで監査をした直後にこれはすぐ改善するようにということで指導いたしまして、改善をさせております。
それから、土地とのかかわり合いとなりますと、これは診療所だろうというふうに思うわけです。当初、診療所がそちらの方に、敷地の中にありましたので、この方を少なくとも法人との関係というものをはっきりするようにというような指導をいたしております。
ところが、実際には土地があり、診療所があると。そういうことから、これを地主と直接診療所が、あるいは健生会が借り受けるようにというような指導をいたしております。そのときに地主との契約でたしか5年程度ゆとりがあるようですけれども、それまで待ってほしいというようないろんな内部の話があるようでありまして、少なくともそれまでには改善すると。いわゆるその土地は憲章会が借りている土地ですが、憲章会から外して健生会の方に、いわゆる診療所の方に戻す。診療所と個人契約をさせるというようなことで指導をいたしておるわけでございます。あとしばらく時間がかかるようでございます。
それから、理事長の名前は公表できて、理事の名前はなぜ公表できないかというお話がございましたけれども、理事長については、もちろんこれはその法人を代表する者でございますので、そういった意味で理事長については登記もなされ、当然公にすべき性格のものでありまして、理事については、やはりこれは理事長とは全く性格を異にする、代表でもございません。そういうことで私的扱いをいたしていることでございます。ここが大きな違いで、先ほどの御説明を申し上げたわけでございます。
○議長(平良一男君) 照屋寛徳君。
〔照屋寛徳君登壇〕
○照屋寛徳君 生活福祉部長にお伺いいたします。
私は、社会福祉法人立命会の登記簿謄本を、平成2年6月27日付で那覇地方法務局大里出張所から入手をいたしました。これによりますと、理事長は石島英文であります。
どうして平成元年6月2日に嘉手苅恒瑛に理事長がかわったというのに、平成2年6月27日現在で石島英文なのか。そういうこと自体がおかしいんです。
社会福祉事業法の第27条では、理事の交代があった場合には登記をしなければ対抗要件がないということは明確じゃありませんか。それを登記もなされてない。にもかかわらず、生活福祉部自体が、行故を預かる県が嘉手苅恒瑛を理事長とみなすこと自体がおかしいんです。どうなんですか。部長の答弁が正しいのか、この法務局の資料が正しいのかはっきりさせていただきたいと思います。特に社会福祉事業法第27条との関連で明確に御答弁願いたいと思います。
それから、知事に1点、抜けておりました。ごめんなさい。
仲間さんが来られましたでしょう。あいさつに来られたということですが、判決を受けて、判決についてのあいさつだったのか、全然違うことのあいさつだったのか。
私が聞いたところによりますと、高裁判決を受けて後、そのことについて知事にお会いになったとこういうふうに聞いておりますが、事実はどうでしたでしょうかお答え願いたいと思います。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) これは、判決についてあいさつはございました。しかし上告してくれということについては何も触れてはおりません。
○議長(平良一男君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大城清吉君登壇〕
○生活福祉部長(大城清吉君) お答えいたします。
私の方は正確な報告は受けておりません。
私が申し上げましたのは、理事会の議事録、今、私の手元にありますのが、理事会の議事録をもとにしてお答えを申し上げたわけですが、これによりますと平成2年6月2日ということになっておるわけですが、先ほどの登記の方については確認いたしておりませんので、これについては訂正しておわび申し上げます。もし、そうでありますならば確認をいたしたいと思います。
○照屋寛徳君 議長、休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前10時55分休憩
午前10時56分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大城清吉君登壇〕
○生活福祉部長(大城清吉君) ただいまの御答弁に対しまして、議事録でもってお答えしたことについて十分確認をしてない状態でお答えしたことにつきましては、訂正をしておわびいたします。後ほど確認をいたしたいと思います。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前10時57分休憩
午前10時58分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大城清吉君登壇〕
○生活福祉部長(大城清吉君) お答えします。
先ほどのお言葉、それから一連の御質問につきましてもそうでございますけれども、十分その意を体して指導してまいります。
○西銘恒三郎君 休憩願います。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前10時59分休憩
午前11時 再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
宮里政秋君。
〔宮里政秋君登壇〕
○宮里政秋君 宮古平良市長選挙について警察本部長にお伺いいたします。
7月1日告示、8日投票で平良市市長選挙が行われています。
選挙は、候補者の人柄や能力、その掲げる政策などを中心にして、有権者の自由な判断によって、その代表を選ぶものでなければなりません。したがって言論活動、政治活動の自由の保障は、その不可欠の要件です。
ところが、現在行われている平良市長選挙では、下地米一陣営は、平良重信陣営の親族、その支援者を無線機を取りつけた自動車で包囲し、候補者が身動きできないような状態にすることすらあります。このような追尾監視行為は、軽犯罪法1条28号に該当するものであります。その程度や状況によっては威力業務妨害罪、刑法234条、脅迫罪、同法222条に該当するものであります。
また、無線機の使用についても、無線機の目的外使用、電波法52条にも違反するものであります。
さらに、下地米一市長は、6月11日、告示前、正午ごろ、市内の建設業者91社の代表を宮古建設会館に集めて、君たちは選挙運動をしていない。業者の中には那覇で重信と会った者も何人かおり、その名前も知っている。今から選挙運動をやれば許す。あすから奥さんと2人でローラー作戦に出なさいなどと脅迫的な言い分を交えて指示しています。
現職の市長が、自分のための選挙運動を直接命令し具体的な指示に及んだもので、明らかな公職選挙法違反であります。
私は6月22日、社大党、社会党の代表とともに、沖縄郵政管理事務所の山岡電気通信監理部長及び警察本部の西里刑事部長に、それぞれ違法行為の厳重な取り締まりを強く要請いたしました。それに対して西里刑事部長は、告発の報告を受けている。警本の職員派遣も検討中、厳正な態度で臨むと答えられました。しかし告示になって事態は一層エスカレートしている現状にあります。
また、買収行為が公然と行われています。ただいま警察本部長に告発状と関係者の陳述書を提出しておきました。
かかる犯罪行為は、厳重に処罰すべきです。厳正な態度で臨むと答えられたが、どう対応されたのか、また告発についてはどう対処されるつもりか警察本部長の御答弁を求めます。
次に、自衛隊那覇基地の弾薬庫問題についてお伺いします。
那覇空港内に、自衛隊が新たに3基の弾薬庫の建設計画を進めていることが判明し、県民に大きな衝撃を与えています。知事は、那覇空港の民間専用化は県政の重要課題であり、今後とも引き続き検討したい、このように答弁なさっております。
ところが、那覇空港は民間専用化どころか、7月上旬に、海上自衛隊はP3C対潜哨戒機を配備しようとしております。弾薬庫の建設とあわせて那覇空港は一層危険な状況に置かれようとしているのであります。
親泊那覇市長は、弾薬庫絶対反対の立場を貫いておられます。那覇市議会も県議会も、それぞれ建設反対の決議を行いました。
知事は、速やかに民間専用化に逆行する自衛隊の弾薬庫建設計画及びP3C対潜哨戒機配備の即時中止を要求すべきと思うが、その意思があられるか知事の御答弁を求めます。
次に、慰霊の日の休日存続について質問いたします。
知事は6月23日の記老会見で、慰霊の日の持つ歴史的背景、特殊な県民感情、さらに県議会における審議の経過を踏まえた場合、従来どおり慰霊の日を県職員の休日として存続できるよう検討したいと述べています。
特殊な県民感情に沿って云々と述べられておりますが、まさに特殊な県民感情や歴史的背景を無視し続けてきたところに知事の大きなつまずきがあったのであります。
知事は一貫して、地方自治法の一部改正で地方自治体が独自の休日を設けることはできないという立場に固執してまいりました。しかし地方自治法の一部改正が、憲法で保障された地方公共団体の条例制定権を剥脱し得ないことは明白です。
特別措置を持ち出すまでもなく、現行法制度のもとで慰霊の日の休日制定は、条例鯛定は可能なのであります。またそうすることが、地方自治の本旨に沿うものであります。
国の首相として初めて追悼式に出席した海部総理は、古堅議員の国会質問で、県民に申しわけないと謝罪を表明し県民に対し償いの心を持って当たると言明されました。
また、慰霊の日の扱いについても、沖縄の歴史的背景と県民感情の上から県の意見を十分に聞きながら検討していきたいと表明しております。
知事は、今こそ自治省の通達に拘束されることなく、週休2日制の実現と慰霊の日の休日条例案を早急に提案すべきです。知事の御答弁を求めます。
次に、大店法規制緩和の問題について質問いたします。
今、県内の中小小売店は、大型店の進出によって売り上げは伸びず営業不振で転廃業に追い込まれ、店舗数も減少の一途をたどっています。また大型店の進出は、地価高騰をもたらし地域住民を追い立て、長年かかって形成された落ちつきを持つ町並みや住宅環境まで破壊するという事態が那覇市内では進行しています。
大店法の骨抜き改悪で大型店の出店は大手流通資本の言うがままとなり、小売業のつり合いのとれた発展は望めません。また大型店の一方的な出店計画であっても、計画そのものを撤回させることはできず、店舗の面積、開業日、休日日数、閉店時刻の4項目を調整するだけになっています。
そこで伺いますが、自治省通達を契機とした見直しは行わないと約束できるか。また小売業者が大規模小売店と公正に競争できる商店街の保護育成に県はどう対応されるのか、具体策を提示していただきたい。
次に、名護市旧羽地村の多野岳ゴルブ場建設の問題について伺います。
今、県内各地でゴルフ場の計画をめぐるトラブルが続発しています。計画の中には農振地域や水源地、重要文化財を取り込んだゴルフ場もあり、自然破壊、赤土による海の汚染、農業、漁業破壊など一刻も猶予できない事態が進行しています。
関係者の要請で私は、羽地大川の上流、多野岳頂上の多野カントリークラブゴルフ場予定地を調査いたしました。そこはいこいの村の近くで海抜200メートルに位置し、沖縄の景勝地羽地内海を一望にできる場所であります。羽地漁協の金城組合長は、羽地内海はタマンやチンの産卵の場所としても有名。将来、羽地内海を養殖基地として発展させる計画だ。現にクロダイ、貝の養殖ですばらしい成果を上げています。羽地内海は沖縄一を誇る景勝地、沖縄の宝です。我々漁民にとっては天然の生けす、ゴルフ場建設を許せば羽地内海の魚介類は死滅してしまう。農薬の中には魚介類に毒性の強いTPNが含まれており、何としてでも建設を中止させなくてはならない。レジャーを楽しむ特定の人々のために私たちの生活を破壊しないでほしいと切々と訴えています。
また、川上の上地区長は、6月6日に部落常会でゴルフ場建設反対を決議したと説明しております。
旧羽地村に生をうけた者として、ふるさとの山河が破壊されることは忍びないことです。地域住民の要望どおりゴルフ場を絶対に建設させてはなりません。県は毅然たる態度で対処すべきであります。知事の明確な答弁を求めるものであります。
次に、湧田窯の保存について質問いたします。
湧田窯の発掘は、伝統産業としての窯業の展開を知る貴重な遺跡として大きな関心を呼んでいます。関係者の意見によると、県庁構内全体が湧田遺跡だと言っています。
そこで、次の2点についてお伺いいたします。
湧田古窯跡の文化財的価値とその望ましい保存について高良教育長の見解を承りたい。
2番目に、切り取りされた湧田窯の2基のうち1基は那覇市が引き取ることで話し合いがまとまったと聞いています。私は、那覇市の文化財保護の積極的な姿勢を高く評価するものであります。
残る1基は、発掘場所である県庁構内に保存すべきだと私は考えます。保存に要する面積も専門家の意見によると、縦7メートル、横4メートル、高さ3メートルで、しかも半地下方式で1.5メートルは地下に埋める方式をとるので、そんなに面積はとらないとのことでありました。
私も現物を見ました。わずかな面積で保存は可能です。県教育庁文化課も、遺跡は発掘された現場に保存することが最も望ましいことですと説明しています。
庁舎建築中なので、県庁舎建設局長に伺いますが、主管の教育庁の意見が尊重されるようあらゆる努力を払われることを望むものです。澤村局長の前向きな御答弁を求めるものであります。
次に、米軍の一連の軍事演習について質問いたします。
都市型戦闘訓練施設における実弾射撃訓練が強行されました。4回にわたる県議会決議を無視しての暴挙です。臨時議会を開催して5回目の決議を行いました。
県議会の要請団に対して在日米軍司令部の大佐は、去る大戦で沖縄県民が悲惨な目に遭っていることも知っている。在日米軍は二度と沖縄県民が悲惨な目に遭わないために駐留している。駐留は深い友好関係に基づくものだ。こう言っています。全く県民感情を逆なでする態度です。
ところで、要請団に対する日米両政府の態度は、実は西銘知事の態度によく似ているということを指摘したいのであります。西銘知事も、安保のおかげで我が国は繁栄したと安保繁栄論を繰り返し強調してまいりました。訓練しない軍隊は役に立たないと言い、昨年の私の質問に、米軍関係者も話せばわかる男が多いと私は思っております。決して信頼できない米軍ではありませんと答弁されています。このような認識に立っているから、強力な対米折衝ができないのです。
知事は、本来、県議会の全会一致の決議に沿って継続して強力な対米、対政府折衝をすべきであります。同一の問題で5回も決議しているのに、それに見合う知事としての行動がないのであります。一連の激化する実弾演習の背景に、西銘知事が県民の総意である県議会の決議に沿ってともに共同の行動を展開してこなかったところに県民要求が実現していない一つの要因があります。
そこで知事に伺います。
知事は、都市型戦闘訓練施設における実弾演習に反対だと議会で答弁されてまいりました。ところが米軍の実弾演習の強行に対して村山知事公室長が、都市型戦闘訓練施設の移設を米側と基本合意しており、一定の前進はあった。今回の演習は好ましくないが、やむを得ないのではないかと発表いたしました。
知事の議会答弁とは明らかに食い違うが、いつから実弾演習賛成に変わったのか。あるいは移設する間、演習はやむを得ないということか。
また、移設の合意文書が取り交わされたのか、明確な御答弁を求めます。
最後ですが、代表質問との関連について伺います。
知事は、我が党の嘉陽議員の質問に対して休憩を要求して、あんたが癒着しているんじゃないか、あんた腹切りますか、私も腹切りますから、と常識では考えられない発言をいたしました。発言の内容もさることながら、特に私が重視するのは、自治法や会議規則に基づく議員の質問に対して知事は答弁はせずに、休憩を求めて自席からでもなくこの議政壇上から、逆に、質問した嘉陽議員を罵倒いたしました。気に食わない質問を答弁を回避し休憩を求めて言いたいほうだいしゃべるということ、これでいいんですか。
これが部長だったらどうなりますか。与野党問わず、だれひとりとして容認する議員は恐らくいないでしょう。
まさに西銘知事のおごり高ぶりの政治姿勢のあらわれです。全く知事にあるまじき言動です。
質問をした議員を威圧するという知事の態度は、質問した議員との関係にとどまらず、議会制民主主義に対する許しがたい挑戦です。
質問に対してやましいことがなければ、なぜ正々堂々と答弁しないのですか、知事。知事は、腹を切るか、こんなことを言われております。
知事、腹の太い政治家は腹を切る話はしないものです。
そこで質問します。
第1点、一昨日の知事の発言は、休憩中の発言とはいえ、全くの不穏当な発言です。したがって不穏当であったと正式に陳謝していただきたい。
第2点、知事は議員の質問に対して答弁はせず、あえて休憩を求めて発言したことは、地方自治法、会議規則に合致したものと思うか、御答弁いただきたい。
第3点、県がカラ岳に特定の土地を購入したいという念書を取り交わした直後に土地の不当なつり上げが行われた。この事実を認めるかどうか、
以上3点について御答弁を求めます。
○議長(平良一男君) 西銘知事。(傍聴席にて発言する者あり)
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) ええ……( 「議長、休憩」と呼ぶ者あり、発言する者多し)
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前11時17分休憩
午前11時18分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 宮里議員の御質問に対しましてお答えいたします。
那覇空港内の自衛隊弾薬庫、P3Cの配備についての御質問がございましたが、お答えいたします。
航空自衛隊那覇基地内における弾薬庫建設について那覇防衛施設局は、火薬類取締法等関係法令の諸要件を満たしているとして着工いたしておりますが、県は今後、その安全管理の徹底を申し入れたいと思います。
また、海上自衛隊のP3C対潜哨戒機は、我が国の防衛の必要から配備されるものと理解しておりまして、その配備の中止を求める考えはありません。
次、慰霊の日の御質問に対しましてお答えいたします。
これまでもお答えしたとおり、現行の法制度のもとにおいては、法律の規定する日以外の日を休日とすることは困難であると考えております。
しかしながら、県議会における審議の経過等を踏まえまして、また去る6月23日に海部総理大臣が来県された際の慰霊の日の扱いについての発言もあることから、県としては、従来どおり慰霊の日を県職員の休日として存続できるように国に対して法的な措置を要請してまいりたいと思います。
また、県としては、国及び他の都道府県において既に土曜閉庁が実施されております。基本的には早急に土曜閉庁制度を導入していきたいと考えておりますが、今後の土曜閉庁条例の取り扱いについては、関係団体等とも十分調整を図りながら検討していきたいと考えております。
次に、多野岳ゴルフ場建設についてお答えいたします。
多野岳ゴルフ場建設については、現在、県に対して開発許可申請は提出されておりません。
また、同建設計画の事前協議もなされておりません。
県の調査結果では、多野岳の「いこいの村沖縄」に隣接いたしまして49ヘクタールのゴルフ場建設計画があり、現在、開発者と名護市との間で事前協議中であります。当該ゴルフ場の建設計画の開発申請が提出されれば、県としては関係法令に照らし適正に対処してまいりたいと考えております。
次に、一連の軍事演習についての御質問がございましたが、お答えいたします。
県は、実弾演習には原則として反対であります。したがって、都市型戦闘訓練施設で実弾を使用した訓練は実施しないよう、これまでたびたび米軍及び国に対し要請してきたところであります。
しかしながら、住民の反対行動の中、施設の建設が完了したのでありますが、恩納村から同施設の撤去または移設の申し入れがございまして、県は、その意向を受けて那覇防衛施設局と話し合い、米軍も同施設の移設に合意するに至っております。
ところが米軍は、訓練開始に強い意向を示していることから、同施設の移設を問題解決への前進として受けとめ、移設までの間の訓練はやむを得ないという知事公室長の発言となったのであります。
なお、移設の合意については、これは口頭による了解でございます。
次、嘉陽議員のことについての御質問がございましたが、先ほどもお答えしたとおり、私の一昨日の発言は、嘉陽議員の発言が西銘県政と業者との癒着とか疑惑があるとか等々、事実に基づかない適切さを欠いたことから、あなたはそのことについて責任をとるかどうかという意味で発したものであります。
以上であります。
○議長(平良一男君) 警察本部長。
〔警察本部長 浅川 章君登壇〕
○警察本部長(浅川 章君) 平良市長選挙に関しましては、所轄宮古署から種々の報告を受け、激しい選挙戦の実態を承知いたしております。
宮古警察署におきましては、そのような現状を踏まえ、6月20日に平良市長選挙事前運動取締本部を設置し、告示と同時に同本部を平良市長選挙違反取締本部に移行し、警察署を挙げて厳正公平、不偏不党の立場で違反取り締まりに当たっているところであります。
御質問のありました候補者及び関係者等に対する無線機を使用した追尾行為に関しましては、警察といたしましても悪質な事案であると認識しており、郵政管理事務所との合同捜査など徹底した取り締まりを行うよう指示しているところであります。
また、現職の市長が建設業者を多数集めて選挙運動を強要したという事実による告発及び買収行為に関する告発について、その対応は、ということでありますが、御指摘の件も含め、平良市長選挙に関しましては現在までに双方合わせて9件の告発がなされておりますので、所要の捜査を推進し、厳正かつ適正に処理していく所存であります。
○議長(平良一男君) 県庁舎建設局長。
〔県庁舎建設局長 澤村宏明君登壇〕
○県庁舎建設局長(澤村宏明君) 湧田窯の保存についての御質問のうち、窯の1基について、発掘場所である県庁舎構内で保存すべきだとのお考えに対しお答えいたします。
新しい県庁舎につきましては、現在の敷地の適切な利用計画によりまして、機能性と緑豊かで美しい景観を持つ21世紀に向けて誇り得る新たな建築文化を創造する期待を込めて建設を進めているところであります。
この県庁舎敷地から、先人の貴重な文化遺産である古窯を初めとする湧田焼の遺物が出土しており、このため文化財保護の見地から主管の教育庁と調整をしつつ、発掘、保存について積極的な対応を行っております。
このように県庁舎敷地におきましては、古い文化の保存と新しい文化の創造との調和を、限られた敷地の中でいかに図るかが求められているのであります。
このため、教育庁と調整の結果、御質問の湧田古窯につきましては、切り取り保存し県立博物館で展示活用することになったのであります。既に湧田古窯は、県立博物館への移設保存が完了している状況にあり、御理解を賜りたいと思います。
○議長(平良一男君) 教育長。
〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) 宮里議員の湧田古窯跡の文化財価値とその望ましい保存についての御質問にお答えします。
湧田古窯は、沖縄の焼き物の起源とその変遷や流通の様子を知る上で貴重であることから、切り取り保存したものであります。
文化財は、基本的には現地保存が望ましいものでありますが、諸般の事情から必ずしも現地に保存できないことが多々あります。
この窯の保存につきましては、県内外の参観者が数多く訪れる県立博物館に展示した方がより効果的な活用を図ることができるとの観点から、移設をすることにしたものであります。
以上です。
○宮里政秋君 答弁漏れ。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前11時30分休憩
午前11時32分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
土木建築部長。
〔土木建築部長 高良尚光君登壇〕
○土木建築部長(高良尚光君) それでは、宮里先生の我が党の代表質問との関連においての中で、念書を発行して土地の値上がりをさせたと考えるが、認めるかについてお答え申し上げます。
前の予定地での空港の建設は、海上空港のため約400万立方という多量の土砂が必要とされたことから、その採取が可能なカラ岳すそ野を土取り場として設定し、土取り場の地権者に対して土取り場として指定することの同意方の要請を昭和56年7月に行っております。
これに対し地権者から、同意と引きかえに念書の提出を求められたため、採取後の環境保全や土砂の採取については適正な補償をすること等について念書を交わしたものでございますが、これが昭和56年8月でございます。
したがいまして、これらの念書は9年も前に提出された念書でございまして、近年の地価高騰の要因にはなっていないものと考えております。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 都市型戦闘訓練施設についての御質問に対しましてお答えいたします。
これは安保、また関連取り決め、提供された施設区域内における演習でございますから、原則としてはこれは反対できません、提供施設ですから。
しかしながら、地元側から強い演習反対の要請がございましたので、施設局に対しましても米軍に対しましても、どこか適当な場所にこれを移したらどうかと。それが次善の策かもしれぬが、ぜひそういうことで合意してくれということで箭内施設局長との間には口頭による了解を取りつけたわけであります。
そこで我々としては、演習はもうこれはやむを得ないだろうと。移設までの間はどうしてもさせてくれと、こういう米軍側からの強い要請があって仕方がないなと。そのかわり、実弾演習はできるだけやらないでくれとこういうことで合意したわけでございます。
もう一遍言いますというと、関連取り決め、また施設の使用条件等からして原則的には反対できるものではありません。そういうことであります。
それから、この私の発言でございますが、これは議長の了解を得て休憩中に発言したものでございまして、自治法、その他の規定に反するものであるとは考えておりません。
○議長(平良一男君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 饒波正之君登壇〕
○商工労働部長(饒波正之君) 大規模小売店舗法の規制緩和の間題につきまして、自治省通達を契機とした見直しについて御質問がございましたので、お答えいたします。
大店法は、消費者利益の保護、中小小売業の事業活動の機会の確保及び国民経済の健全な発展に資することを目的としておりまして、大型店の出店に際しては同法に基づき調整されているところであります。
しかしながら、昨今の大店法の運用実態が一部で調整が長期化する事例等もあることから、大店法の運用は必ずしも適正に行われていない状況にあり、同法の運用適正化通達が出されたところであります。
通達の内容でありますが、出店調整処理期間の短縮等がその主な内容でございまして、今後、出店調整に当たっては、商調協において従来どおり商業者委員、消費者委員、学識経験者委員によって地域の状況を勘案の上、迅速かつ適正に審議、調整されることとなっております。
自治省は、独自規制について地方公共自治体の協力が期待される旨通達しているところでございますが、県では自主規制、独自規制を行っていませんので、見直しの問題は発生をしません。
次に、小売商業者が大規模小売店と公正に競争できるための商店街の保護育成の対策についてただされましたので、お答えをいたします。
本県における流通サービス業に占める中小商業者の比重が大きいため、県といたしましては高度化事業等の施策とともに、県単独の融資制度の活用によってその振興に従来努めてきたところであります。
このたびの大店法規制緩和による地域中小商業者の対応につきましては、これらの施策とともに平成2年度から実施されます中小商業活性化基金による消費者動向調査、あるいは那覇市における駐車場立地調査、さらには集客力強化事業等を実施いたしまして小売商業者の育成と商店街活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(平良一男君) 宮里政秋君。
〔宮里政秋君登壇〕
○宮里政秋君 知事、再質問いたします。
知事は、我が党の嘉陽議員の質問に対して、事実に基づかないものであったのでああいう発言をしたと、こういう趣旨のことを言っておられます。
そうであるならば、休憩中ではなくて、正々堂々と我が嘉陽議員の質問に知事は答弁なさるべきでしょう。それを、議員は25分しか時間はない。ところが知事は幾らでも時間ある。それを正式に壇上でやらずに、ああいうふうな態度のことは許されない。
それからもう一つ、あんたは腹切るか、私腹切りますかと。この言葉が妥当ですか、知事。私はそれを言っているんです。議長の許可を得たからといって、知事がこんな発言していいのか。ぜひとも取り消してもらいたい。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 腹を切るということは、これは文学的な表現にすぎるかもしれませんけれども、責任をとるということで、その発言を撤回する意思はございません。
○議長(平良一男君) 喜納昌春君。
〔喜納昌春君登壇〕
○喜納昌春君 社大党の喜納であります。
平成2年度の第3回県議会定例会に際しまして一般質問を行いますので、知事初め関係部長の誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
最初に、昨日の本会議での空転に関しまして所見を述べておきたいと考えます。
県民の選良たる我々県議にとって、この議場及びこの壇上は、ある意味で命であります。
しかしながら、一昨日の決してほめられた議会運営ではない状況のもとで、西銘知事の発言行為で議会の権能と権威が揺るがされてきたことに怒りと情けなさを禁じ得ません。
議員にとっては、議場、そしてこの演壇は命の根源、城であります。その中で我々は調査権を行使し、そして質問権を行使し、県に質問し、県を追及する、これは県民の代表者としての当然の権利であるし責務であります。
しかも、我々の場合は、先ほど宮里議員も言ったように限られた時間内でこのことをなさねぱならないという制約があります。これに対し、執行部はみずからの行政を理解させ、正当性を主張する上では原則としては時間の制限はないのであります。そのことの原則を活用することなく、休憩時間に議員の発言権に威圧を加え、あげく、腹を切るか切らないかという発言行為は断じて許されるものではありません。
昨日の沖縄タイムスの「寸評寸描」の中で、「空港周辺の土地高騰で県も被害、と西銘知事。ならば激怒せず説明せよ」という記事があります。これが県民の良識であるし、要望であるし、正論だと考えます。
それからしますと、県議会の権能と権威を回復する上で猛省を促され、糾弾されるべきはどこか明らかであります。
以下、通告に従いまして質問を行います。
最初に、我が党の代表質問との関連で質問いたします。
一昨日の我が党代表の石川議員の新石垣空港問題についての質問で、変更後の予定地に関しての県が行った潮流データを含む環境アセス調査などを公表する用意があるかとの質問に県は、新石垣空港の環境アセスは公有水面申請に盛り込むと答弁しています。
県が設置した新石垣空港建設工法検討委員会の答申に基づいてアセスが進められていると思います。工法検討委員会の方針では、埋立工事中に海に加えられる懸濁物質を水産用水基準によるとして2ミリグラムパーリットルに設定しています。
ところで、水産用水基準では利用に当たっての注意で、基準値はこの限度まで汚染してもよいと認める条件を言うのではない。この基準値は、標準的な場合を前提としたものであり、利用に際しては対象水域における生息生物、地形、水利等の条件を調査検討するとともに、個々の参考資料を活用して当該水域の条件に適合した基準を設定する必要があるとしています。
そこで、以下の質問をいたします。
第1点目には、県はどのような参考資料に基づいて2ミリグラムパーリットルに設定したのか。
第2点目には、その程度に汚れている海域は具体的にどこの海に当たりますか。
第3点目には、その値でカラ岳沖のサンゴを含むサンゴ礁の生物たちを守れると考えていらっしゃるのか。
4点目に、その根拠は何かお聞かせ願います。
次に、急変を求められる基地問題について私見を述べて幾つかの質問をいたします。
6月19日に外務省と防衛施設庁は、日米合同委員会で正式に返還合意した施設区域のリストを中間報告として発表しました。
発表された返還の中身は、在沖米軍基地の17施設23カ所で、総面積は853ヘクタール、これは在沖米軍基地のわずか3.5%にすぎず、県や関係市町村から返還の要望の強い那覇軍港、普天間飛行場、読谷補助飛行場などは一切含まれていません。
今回発表された区域、施設はほとんど遊休化したところであり、米軍基地機能には何ら影響のない所で、一方的な都合で返還されたと言っても過言ではありません。
しかも、泡瀬ゴルフ場については、その利用の面でも大きな政治問題になっていたところですが、今回返還し、なくなるのかと思うと嘉手納基地弾薬庫地区の旧恩納弾薬庫跡に代替地を求めるとしており、その面積は140ヘクタールにと現在の3倍の広さとなり、しかもそれは日本政府の思いやり予算でつくられるとのことであります。
一方では、米軍基地機能強化に反対する立場からの市町村自治体の住民の暮らしと平和を守る地道な行政対応も積み重ねられています。
さきに嘉手納町企画渉外課は、嘉手納基地の平成元年度1年間、台風の日を除く343日の騒音測定の結果を発表しました。
それによると、昼夜を問わず基準値をはるかに超える軍用機の離発着、エンジンの調整音で爆音が嘉手納に、これまでのたび重なる要請を踏みにじりまき散らされている実態が浮き彫りにされました。
同町議会からは、今議会に爆音被害の除去に関する陳情も出されており、いかに嘉手納町民が世界のデタントの方向と今日の基地整理縮小の方向とは無縁の状態に置かれ、むしろ基地被害をどんどん強いられているという異常な現実に胸痛む思いと怒りを同感する者の一人であります。
そこで、以下の質問をいたします。
1点目には、6月19日に報告された17施設23カ所の返還区域はどのようにしてまとめられてきたのか。県はどんな意見を述べてきたのか。
2点目には、今後これらの施設はどのような手順を経て、どの時期に返還されるのか。
3点目には、この地域の跡地利用計画を関係市町村と早急に検討し、すべて国の負担で跡利用できるようにすべきと考えるが、これに対する県の見解と対応はどうなっていますか。
4点目に、泡瀬ゴルフ場の返還に伴い広大な新たな代替地を国の思いやり予算でつくることが言われておりますが、貴重なリュウキュウマツ群生を含めて新たな自然環境の破壊につながるゆゆしき問題と考えるが、県の見解を求めます。
第5番目に、米軍用地の返還に伴って県や関係市町村及び地主等に不利益を与えないためにも、我が党が主張し、そして今国会でも野党から提案されている軍転法の特別措置法の早期立法を県としても強く要請すべきと考えますが、代表質問での我が党の石川議員の質問や与党からもありましたけれども、この問題について知事は、気持ちは変わらぬけれども検討すると言っております。これでは本当にやる気があるのかどうかはっきりわかりません。そういう意味では、軍転法に対する県知事の明確な答弁を求めます。
6番目に、恒常的な爆音被害にさらされている嘉手納町の実態を県はどう把握され、町役場の地道な行政努力で得た異常な騒音のデータと町議会からの爆音被害の除去の要求に、県民の命と暮らし、安全を守る立場の県として今後どう対応されるつもりか、明快な答弁を求めます。
7番目に、ライシャワー元駐日米大使が9年前に、核兵器を積んだ米国艦艇の日本領海の通過、寄港は核持ち込みに当たらないという日米間の口頭の了解があるとの問題発言をしたことは、実は、32年前の日米安保条約改定時の交渉で既に合意されていたということがNHKの入手した外交文書で明らかになりました。
そこで、1点目の質問をいたします。
非核三原則の厳守が本県の場合も極めて怪しいと我が党が指摘したことが事実となったということであり、今こそ県は、非核平和宣言をして国に明確に非核三原則の厳守を求めるべきだと考えますが、このことに対する知事の見解を求めます。
2点目には、口頭合意の真偽を国に確かめ、これまでの政府の国民だましの姿勢を追及すべきと考えるが、県の明確なる答弁を求めます。
次に、最近、海外移住者の皆さんの2世、3世が沖縄県や県外各地で出稼ぎという形で入国してきていることに関しまして意見を交えて質問をいたします。
国内不安や経済の混乱からやむを得ず出稼ぎに来ている2世、3世にとっては、単に外国からの出稼ぎに来ているという思いとは別に、もう一つの故国という観点からの期待が、我が国あるいは本県出身者であれば、本県行政、政治に期待するものが大なるものがあると思われます。
知事は、2月の第1回沖縄県議会定例会において所信を表明され、雇用対策のところで、「なお、南米移住者の子弟に対する職業紹介業務の充実を図ってまいります。」と強調されました。
そこで、出稼ぎ2世、3世の現状から、県に最も期待され求められていることについて以下の質問をいたします。
1点目に、南米移住者の子弟に対する職業紹介はどうなされてきましたか。就職状況はどうなっていますか。
また、待遇面での実態からピンはねなど不正な事態は出ていないか。今後の行政指導、点検はどうなっていますか。ここ1年の実態からお聞かせ願います。
次に、出稼ぎに来る子弟の皆さんが就職して困るのは、またそのために職種の枠も限られているはずの言葉の問題があります。中には、全く日本語が話せない状況で入国してくる人もいるようで、今この皆さんが最も必要としているのは日本語の会話を教えてくれるところだろうと思います。
そこで、以下の質問をいたします。
第1に、今この出稼ぎ子弟の皆さんのための日本語の習得問題について県はどうお考えなさり、対応なさるおつもりか。
2点目には、日本語を習得するための県あるいは市町村が主催する、特に夜間など利用できる何らかの施設なり、学校が必要と思われますが、県の御見解を求めます。
3点目には、安い賃金実態を強いられている中で住宅の問題があります。この皆さんに対する公営住宅等への入居への配慮がなされてしかるべきと考えますが、県としてどう考えておられるか前向きの答弁をお聞かせ願います。
4点目に、2世、3世の皆さんがビザ取得や帰化するなり、国籍取得には何らかの便宜が図られるべきと考えますが、これまでどうなっていたのか。
また、6月1日からの入管法の改正がそれらのことにどう影響を与えてくるものなのか、お聞かせ願います。
次に、教育環境の整備充実に向けて意見を申して以下の質問をいたします。
何名かの議員の方からも出ていますので重複するところもありますけれども、確認の意味でお聞きいたします。
県外学生等の寮の整備拡充の問題についてです。
県教育庁が出します学校基本調査から見ますと、本県から県外の大学に進学する学生は、昭和62年が1286人で流出率が39.5%です。63年度が1402人で流出率は41.1%と年々増加の一途にあることがわかります。
県外学生の生活費は、最近の東京、大阪を例に見ると最低14万から15万程度は必要と言われ、とても2人以上は送れないというのが現実と言われます。
ところで、最近の県の基礎学力の向上に向けての県、市町村での取り組みの状況からしますと、今後県内はもとより、県外にもどんどん多くの学生が雄飛、進学していくものと予想されます。
そこで、以下の質問をし県の積極的な答弁を求めます。
第1には、県人材育成財団の持つ4つの学生寮の建物の現状と利用状況はどうなっていますか。
また、県外で学ぶ学生が流出率などから見ると40%以上と多くなり、地域も分散していくものと思われますが、学生の皆さんの利用の便宜を図る上からも、大、中、小、多様な規模による数多くの設置を含めて抜本的な対応策の検討が必要と思われますが、県の見解をお聞かせ願います。
第2には、女子寮の設置については、県は今まで何の検討も加えてこなかったのかどうか。
これまでの答弁で沖英寮を改良することになっていますけれども、東京に県営女子寮の設置を願う会の要請は、東京、神奈川に昭和63年度段階で144名の女子学生がいることからしますと極めて妥当で積極的な要求と思います。そういう意味で指示されていることでありますけれども、ぜひ積極的に対応をお願いしたい。
それから3点目には、学校基本調査などから見ると、九州地区に学ぶ学生が昭和63年度で532人で、そのうち304人が福岡となり、福岡などにももう一つ寮を設置し活用の場を広げるべきだと思われますが、県の見解をお聞かせ願います。
次に、年金事業の現状と今後の課題について私見を述べて質問をいたします。
厚生省がまとめた国民生活基礎調査によりますと、年金が収入に占める割合は1980年が40.3%、1988年が52.2%となり、年金だけに依存する世帯は1980年が27%、1985年が42%となり、生活費の年金への依存度は確実に高まってきていることがわかります。数字を挙げるまでもなく本県においてもその実態に変わりはなく、今や年金が老後の生活設計の中で大きな比重を占めていることは明らかであります。
今日、全国の国民年金受給者は約725万人で、本県の場合、昭和63年で約13万に上っています。
ところで、国会で成立した90年度国家予算で年金の目玉として完全自動物価スライド方式が導入されることになりました。
また、国民年金の保険料は月8000円から8400円に上がり、しかも来年1991年からは毎年月400円ずつ引き上げられることになっています。
一方、来年4月からは20歳以上の学生が国民年金に強制加入させられ、月々8800円、年に10万5600円を徴収されることになりました。これから見ますと、ただでさえ昭和63年度事業実績で適用率91.8%、免除率29.9%、無年金者が1万7187人、6.7%、無年金者予備軍が1万6952人、6.5%という本土他府県に比べてまだまだ異常に高い状況の中で、事業の定着にとってかなりの努力を要する本県にとって国民年金事業の前途は厳しいものが予想されます。
加えて、島尻郡のある自治体において、国民年金業務に携わる職員の納付すべき年金保険料の不正取扱事件が発生し、このことが県や市町村における地道な国民年金事業の取り組みに水を差す形になったことに、かつて年金事業に携わった者の一人として怒りと同時に心から心配するものであります。
そこで、以下の質問をいたします。
第1に、公的年金の一元化方向が目指されている今日、将来的に見て国民年金の給付が収入の大半を占めて老後生活設計の支えとなる抜本的な対策はあるのかどうかお聞かせ願います。
2点目には、平成元年度の適用状況はどうなっていますか。保険料の納付目標はたしか64%の検認率だったと思いますけれども、達成されたのかどうか。
3点目には、各社会保険事務所ごとに納付状況の向上のための推進協議会などの結成でかなりの成果を上げているとのことでありますが、その取り組み状況と成果のほどはどうなっていますか。
4点目に、保険料の免除率はどうなっていますか。
5点目に、無年金者及び予備軍はどうなっており、その対策はどうとってきましたか。
6点目に、平成元年度の受給者及び年間の総額はどうなっていますか。
7点目に、来年度から二十以上の学生の強制加入と保険料の徴収開始に向けての特別の対策が必要と思われますが、どう対応の準備をされていますか。
8点目に、島尻郡のある自治体における納付金の不正取扱事件は、どうして起こったことなのか。また今後の防止策はどうとり、県民からの信頼回復を図っていくお考えなのかお聞かせ願います。
最後に、保険料の過誤納付等の還付金の取り扱いにも不正取り扱いの危険性があるかと思われますが、その対策はきちっととられているかどうか明快なる御答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(平良一男君) ただいまの喜納昌春君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時57分休憩
午後1時22分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
次の質問及び質疑に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた出納長米村幸政君は、別用務のため本日の午後及び明日の会議に出席できない旨の届け出がありました。
○議長(平良一男君) 午前の喜納昌春君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 喜納議員の御質問に対しましてお答えいたします。
泡瀬ゴルフ場についての御質問がございましたが、お答えいたします。
施設区域内におけるゴルフ場でございましても、一般のゴルフ場建設と同様に環境保全の基準を尊重して行われるものと考えております。
次に、軍転特別措置法についての御提言がございましたが、お答えいたします。
きのうの代表質問でもお答えしたとおり、御提言の特別措置法については検討させていただきます。
次に、県は非核宣言をして国に明確に非核三原則の厳守を求めるとともに、口頭合意の真偽を確かめ政府の姿勢を追及すべきと思うがいかんと御質問がございましたが、お答えいたします。
これまでたびたぴお答えしたとおり、我が国は非核三原則を国是としており、国において厳正に堅持されているものと理解いたしております。したがって県は、非核宣言を行う考えはありません。
次に、女子寮の設置についての御質問に対しましてお答えいたします。
女子学生のための学生寮の設置については、各方面から強い要請があり、県も要請の趣旨については十分理解いたしているところであります。
女子寮の設置については、土地価格の高騰から見まして新たに用地を求めることは財政的に極めて厳しいものがありますので、既存の土地、施設の活用を検討していきたいと考えております。
残りの御質問に対しましては、それぞれ所管の部長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 高良尚光君登壇〕
○土木建築部長(高良尚光君) 喜納昌春議員の御質問についてお答え申し上げます。
まず1点目は、海外移住者の2世、3世等の出稼ぎ労働者の抱える問題の中で、こういった2世、3世に対する公営住宅への入居についてでございます。お答え申し上げます。
公営住宅は、住宅に困っている方々で特に所得の低い方に対して安い家賃で住宅を提供することを目的としているものでございます。
御質問の海外移住者の2世、3世の出稼ぎに来られた方々の県営住宅に対する入居につきましては、建設省の通達により、我が国に在留を許可された者につきましては入居が可能となっております。したがいまして2世、3世の方ら入居申し込みがあった場合は前向きに対処したいと考えております。
次は、我が党の代表質問との関連におきまして新石垣空港の環境アセスメントの中で4点ばかり御質問がございましたけれども、お答え申し上げます。
まず1点は、埋立工事中に海域に加えられる懸濁物質の基準として県はどのような参考資料に基づいて2ミリグラムパーリットルに設定しているんですかということでございます。これについてお答え申し上げます。
財団法人日本水産資源保護協会が、昭和58年3月に調査研究した懸濁物質の低濃度試験条件下における海生生物に与える影響の程度をまとめた結果によりますと、海生生物の生理的な影響があらわれてくる低い濃度はSS3ミリグラムパーリットルという事例が最も厳しい値となっております。したがいまして、埋立工事中に海域に加えられる汚濁物質の基準としましては、この値よりもさらに厳しい2ミリグラムパーリットルを環境保全目標として設定しているものでございます。
次に、この程度に汚染されている海域は、具体的にどこにあるのかということでございますけれども、お答え申し上げます。
新石垣空港の建設予定地の周辺海域における平成元年に調査した懸濁物質の濃度は1ミリグラムパーリットル程度でございました。
この現況値に環境保全目標値である水産用水基準値2ミリグラムパーリットルを負荷した2ないし3ミリグラムパーリットルの数値が工事中における実質目標値となりますが、この値は天候、採取位置及び周辺状況等によって日々変化するものでございまして、このような場所を特定することは極めて困難であります。
3点、4点はまとめてでございますけれども、この値でカラ岳沖のサンゴ礁の生物たちを守れると考えているのか。また、その根拠は何かについてお答え申し上げます。
新石垣空港の建設に際しましては、専門家で構成する工法検討委員会で慎重に検討してきた工法を採用することにより汚濁の発生についても極力少なくすることができます。
特に本事業に際しては、雨水は沈砂池に一時貯留し余水吐きから放流する場合も濁水濃度を70ppmとして予測計算を行っております。
その結果、SSの負荷される濃度は、南側余水吐き付近で日最大量で1.1から1.8ミリグラム程度となっております。
このように埋立予定地周辺海域のサンゴ礁の生物に与える影響は軽微でございまして、これらの海生生物の保全は可能であると考えております。
○議長(平良一男君) 知事公室長。
〔知事公室長 村山盛敏君登壇〕
○知事公室長(村山盛敏君) お答えいたします。
去る6月19日に発表された返還合意施設区域はどのようにしてまとめられたか。また県は、どのような意見を述べてきたかという御質問にお答えいたします。
本県における米軍施設区域の整理統合については、昭和63年4月、知事が米国政府に対し行った要請を踏まえ、同年夏以降、日米合同委員会の場において検討されてきたところでございます。
検討作業は、まず、知事の返還要望事案を対象とするとともに、日米安全保障協議委員会での返還合意施設区域のうち、まだ返還されていない施設について検討し、あわせて軍転協による返還要望施設についても検討されたところであります。
その結果、今回17施設23カ所、面積にして東恩納弾薬庫約150ヘクタールの返還予定地を含めておおむね1000ヘクタールの施設区域の返還が合意されたところであります。なお、検討作業の段階で特に県に意見を求められたことはございません。
今後、これらの施設はどのような手続を経て、どの時期に返還されるのかという御質問に対しましてお答えいたします。
今回の返還合意施設区域の返還に当たっては、関係者との調整が必要となるほか、各案件ごとに合同委員会における返還のための手続を得る必要がございます。したがいまして返還時期は、これらの手続を経た後ということになるわけでございますが、個々の施設区域についてはそれぞれ条件が異なるため、現時点ではいつ返還されるか、その時期は決まっておりません。
それから、跡利用計画について関係市町村と早急に検討し、すべて国の負担で跡利用ができるようにすべきだと考えるが、という御質問に対してお答えいたします。
軍用地の跡利用については、沖縄振興開発特別措置法に基づき高率の補助により土地区画整理事業や土地改良事業の施行に努めてきたところであります。県は、返還跡地の有効利用の促進が図られるよう、返還方法や行財政上の措置についての配慮方を海部総理大臣に要望したところでございます。
それから、海外移住者の2世、3世等のいわゆる出稼ぎ労働者の抱える問題についてでございます。
その中で、ここ1年の実態から待遇面でピンはねなど不正な事態は出ていないか。今後の行政指導はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
南米移住者子弟のいわゆる出稼ぎについて、その実態を見ますと一部にピンはねの事実があるとのことでございます。
その他雇用形態、各種保険の加入などいろいろな問題があり、県としてはこれまで九州地方知事会議において日系移住者子弟の我が国における就労について要望し、関係省庁に対しても特段の措置が講じられるよう要望してきたところであります。
また、本年4月1日には、県東京事務所に援護措置を図るための相談窓口を設置したところでございます。今後さらに関係部局との連携を密にするとともに、県国際交流財団の活用も図り実態調査し把握の上、業者への行政指導等を行っていく考えでございます。
次に、出稼ぎ子弟の日本語習得問題について、県はどう考え対応するか。日本語を習得するための夜間の施設、学校に対する県の見解を伺いたいという御質問に対してお答えいたします。
海外移住者の子弟が就労や日常生活の上で日本語で意思疎通ができるかどうかは大事なことであると考えております。今のところ県内では働きながら夜間も勉強できる種々の日本語講座があり、県としては青年海外協力協会、国際交流センター、日本文化学院、国際言語文化センターなどの日本語講座の利活用について周知を図っていきたいと考えております。
それから、同じく海外移住者の御質問の中でビザ取得や国籍取得、いわゆる帰化手続でございますが、これまでどうなっていたのか。6月1日の入管法改正はどのような影響を与えているかという御質問に対しましてお答えいたします。
これまで海外移住者子弟2世、3世の夫婦等が日本で就するためのビザ取得につきましては、手続が煩雑で容易でなく、特に3世の場合は極めて困難な状況でございました。そのため県といたしましては、九州地方知事会議を通じまして出入国管理及び難民認定法の弾力的運用につきまして、法務省入国管理局に対し特段の配慮方を要請してきたところでございます。
6月1日には入管法が改正されまして入管審査の簡易、迅速化が図られ、3世につきましても定住者としてビザを取得することができるようになり、就労することが容易になっております。
一方、外国人である2世、3世の夫婦及び子供の国籍取得につきましては国籍法の定めるところにより帰化の手続をとることとなっており、今のところ入管法の改正の影響はございません。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 前村善徳君登壇〕
○環境保健部長(前村善徳君) 喜納議員の恒常的な爆音被害について、県は嘉手納基地の騒音問題をどう把握し、どう対応されるつもりなのかについてお答えいたします。
県は、嘉手納飛行場の離着陸コースに当たる北谷町砂辺区と石川市美原区に2局の常時測定局を設置しているほか、飛行場周辺の17地点で移動測定局を設置し騒音の実態把握に努めておりますが、昭和63年度の測定結果によりますと19地点中10地点で環境基準を超えております。
なお、平成2年6月20日に嘉手納町屋良地区で飛行状況等の把握のための目視調査及び騒音測定を実施いたしておりますが、このときの騒音測定結果も環境基準を大きく上回っております。
県といたしましては、この測定結果を踏まえまして、繰り返し米軍、那覇防衛施設局に騒音の低減化を要請しているほか、全国の渉外関係知事連絡協議会を通して外務省ほか国の関係省庁にも米軍の基地騒音対策について要請をいたしているところでございます。今後とも、生活環境保全の立場から騒音の低減化について引き続き要請してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 饒波正之君登壇〕
○商工労働部長(饒波正之君) 南米移住者子弟の我が国での職業紹介及び就職状況はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
平成元年度に本県へ帰郷して就職を希望した南米移住者子弟の数は203名でございます。203名という数字は、前年度の20名に対して大幅に増加している状況でございます。このうち就職決定は県内に14名、県外に126名の方々が就職をしておりますが、その県外はほとんど東京を中心とした関東地方となっております。
なお、法務省の出入国業務統計によりますと、平成元年に南米諸国から日本国へ入域した外国人は約4万8000名となっておりまして、この中には南米諸国から沖縄県以外の都道府県へ直行して就労している沖縄関係の南米移住者子弟の方々も含まれていると思われますが、その詳細な実態把握は今のところ困難な状況であります。
○議長(平良一男君) 教育長。
〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) 喜納議員の県外学生寮の整備状況についての3点の御質問にお答えします。
まず1点目ですが、県外学生寮の建物の現状及び利用状況等の御質問にお答えします。
現在、県外学生寮は4カ所に設置してございます。東京都狛江市の南燈寮は、昭和60年2月に3階建てに改築をしております。豪徳寺にあります沖英寮は2階建て、千葉にあります沖縄学生会館は本館が4階建て、別館が3階建て、大阪寮は2階建てでいずれも鉄筋コンクリートづくりになっております。そのうち沖縄学生会館は、現年度予算で窓枠等の取りかえの改修工事が現在進められております。
寮の利用状況ですが、大阪寮を除いてその他の3寮につきましては満室の利用状況になっております。
また、県外各地域への寮の設置につきましては、御提言の趣旨は十分理解できますが、新たに土地を求めて設置することは現在の土地価格の高騰から見て大変厳しいものがございます。
2点目の女子寮の設置について、各団体の要請に積極的にこたえるべきじゃないかということの御質問にお答えします。
これはもう代表質問、一般質問で知事からもお答えがありましたように、女子学生の寮の設置につきましては大変各方面から強い要請があり、そのことにつきましては十分理解いたしております。
県においては、これまで女子寮設置につきましては検討してきておりますが、諸般の事情で現在まで実現を見なかった状況であります。
学生寮の設置につきましては、土地価格の高騰から新たに用地を求めることは大変厳しい状況にあります。その必要性からしまして現在、検討委員会で各面から調査をし検討させていただいております。
それから3点目の、福岡県へ多くの学生が進学している状況からしても寮の設置はという御質問ですが、実はこれは福岡寮がもともとあったわけですが、これは当初、外地引揚者や疎開者の収容施設として使用しておりましたが、後に学生寮として利用してきております。しかし、寮の利用者の減少と建物の老朽化のために昭和60年3月に閉鎖されております。
御提言のように福岡県に学生寮を設置すること等につきましては、多額の財政措置を要するので現時点では困難であります。
以上です。
○議長(平良一男君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大城清吉君登壇〕
○生活福祉部長(大城清吉君) 喜納議員の一連の御質問にお答え申し上げます。
最初に、国民年金の給付水準について抜本的な対策はあるかという御質問でございますけれども、国においては年金審議会、社会保障割度審議会、また国会において十分な審議がなされ、現在の給付が決定されているわけでございます。しかし、国民の生活水準、その他の諸事情に著しい変化が生じた場合には、速やかに改正の措置が講ぜられることになっております。
次に、平成元年度における国民年金の適用状況はどうか。あるいは検認率は64%達成したかという御質問でございます。お答えいたします。
平成元年度末の適用率は90.4%で、被保険者数は24万6671人でございます。
検認率についてでございますけれども、目標の64%に対して53.4%となっております。
次に、推進協議会の取り組み状況とその成果についてどうかという御質問でございますが、お答えします。
平成元年度末までに国民年金推進対策協議会を設置した市町村は10市町村で、平成2年度は6市町村が設置の計画をいたしております。この問題は大変大事なことでもあり、今後、設置拡大に努力してまいりたいと思います。
また、その成果についてでございますけれども、設置した市町村においては検認率が総体的によくなって改善されております。
次に、保険料の免除率はどうなっているかという御質問でございます。お答えします。
本県の平成元年度の免除率が32.9%でございます。ちなみに全国の平均が12.2%、これは63年度でございますけれども、そういう状況でございます。
次に、無年金者及び予備軍についてはどうなっているか。その対策はどうなっているかという御質問でございます。お答えいたします。
無年金者及び予備軍の状況については、平成元年度の無年金者数が22万986人で、予備軍が1万3843人でございます。
その対策につきましては、いわゆる未納者に対する個別指導、電話とかあるいは訪問指導等による周知徹底を図ることといたしております。また綿密な実施計画の早期策定を検討しているわけでございます。
次に、被保険者指導における沖縄特別措置の効果的活用。あるいは最も効果的でございますけれども自動口座振替、そういったものの推進、納付組織等の育成強化を図りたいと考えております。
次に、未納者に対する未納通知、催告状の定期発行、また市町村の実情に即した国民年金推進対策協議会等を設置して、その改善を図るべく努力したいと思います。
次に、国民年金の受給者及び受給額は幾らかという御質問でございますが、お答えします。
平成元年度末の受給者は13万2000人で、年金受給額が602億5000万円でございます。
次に、20歳以上の学生などの適用及び保険料の徴収開始に向けての取り組みの御質問でございますが、お答えいたします。
本件については、まだ政令、省令等が交付されていないので本格的な取り組みは行っておりません。ただ、現在は国民年金だより等の広報紙で周知徹底を図るべく努力をしているところでございます。
次に、納付金の使途不明金のことについての御質問でございますけれども、当該市町村の方からはまだ正式に報告を受けておりません。非公式にはいただいておりますけれども、この場でお答えすることについては差し控えさせていただきます。ただ、内容的にはマスコミ報道とほとんど同じような内容でございます。
県としては、7月3日から村当局に対し事情の聴取に努めているところでございます。
次に、保険料の過誤納付等の還付金の取り扱いで、その取り扱いの面から危険性があると思われるが、その対策はという御質問でございますけれども、お答えいたします。
社会保険事務所から、この場合は直接本人あて還付金の通知を行うことといたしております。請求書を提出させて、支払いについても原則として口座振り込みをするよう指導いたしており、不正事故の発生が起こらないよう万全の留意を行っているところでございます。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 与那嶺盛男君。
〔与那嶺盛男君登壇〕
○与那嶺盛男君 一般質問を行います。
1番目に、農振地域におけるところの土地の買い占めでございます。
マスコミの報道によりますと、宮古島や八重山あるいは糸満、知念、宮城島、さらに国頭村と沖縄の至る所で本土資本によるところの農振地域の買い占めが行われているように報じられております。用途もリゾート開発やゴルフ場の建設あるいは牧場経営等いろいろ言われておりますが、いわゆる金に物を言わせたところの投機的な土地の買い占めとしか言いようがございません。その手ロも農振地域ということをわかりながら、いわば貸し付けの形をとり、そして担保として抵当権設定し、一定期限がきたときには払えないから土地を取るんだというような巧妙な手口が使わているやに聞いております。
しかし最近、農民心理としましても、農村の高齢化や後継者不足ということもありますが、一方では牛肉の自由化とかあるいは農産物の自由化の圧力、最近では構造協議の中でもありましたようにいわゆる聖域と言われた米に対しても市場を開放せよと、いつまでたっても守っておれないというような強い要望と、また国内でも一部政党やあるいは総理経験者や、あるいは経団連あたりが、農業だけを守っておったら日本の国は守れないというようないろんなことを言われております。
これらのことを総括しますと、いわゆる命の糧と言われているような農業まで外国にゆだねるような大変な状態になっております。そういう背景もこのような形にあらわれているんじゃないかと懸念するものでございます。
問題は、今報道されているのは一部でありますが、水面下ではかなりの土地買い占めが行われていると思います。これが進みますと沖縄農業は崩壊すると懸念するものでございますが、このようなことについて県はどのような認識のもとに、どのように対応なさるかをお聞かせ願いたいと思います。
2番目に、那覇市のごみ処理場の環境汚染についてでございます。
沖縄自動車道入り口の方に那覇市のごみ処理場、いわゆるコンポストがございます。以前は那覇市は安謝の方で処理しておりました。昭和42年ごろから現在地南風原町新川にごみ処理場を持ってきております。あれから20年、地域住民とのいろいろなトラブルがあったわけでございます。
去年の調べによりますと、1日300トンの処理能力があるあの処理場に385トン、車にしまして220台分のちりが搬入されております。そのことから、結局は処理できないような生ごみは、空き瓶や缶と同時にそのまま投棄されているのが現況でございます。
付近住民は、工場から派生するところの悪臭あるいは害虫、煤煙、ごみの流出、飛散あるいは火災が発生したり、また国場川の上流になりますので、大雨のときにはその水質が汚濁のまま真っ黒い水が国場川に流れております。あるいは近くには開邦高校がございますが、開邦高校のプールにもごみが浮かんでいるとか、窓も開けられないというようなああいうこともあるやに聞いております。
現在、稼働しているところの焼却炉の建設の場合も、地元住民はこれ以上の清掃施設反対ということでございましたが、むしろ公害を処理するためには焼却炉が必要だということで説得し南風原町と公害防止協定や覚書を締結してやったんでございますが、なかなか実態は守られておりません。むしろ被害は多くなるばかりでございます。
あのごみの山は、自動車道の方から7割ほど橋げたが埋まって、やがては南風原の農振地域の方に押し出されてくるような現況でございます。
そのようなことから、大名、新川、宮城という所の付近住民は、これ以上我慢できないというような強い不満が出まして、南風原町議会でもじんあい処理に関する調査特別委員会をつくり対応しております。
委員会としては、このごみ処理場は迷惑施設であるというような観点から、那覇市に対しまして西暦2000年までにはすべての施設を撤去し移転しなさいということを申し添えています。さらに、現在の生ごみの処理はやめなさいと、あるいはごみの方は覆土しなさいということを申し入れています。
私は、その件で東部清掃組合とか、浦添の現況を見せてもらいました。浦添の比嘉昇市長にお会いしましたんですが、浦添もかつては非常にごみ問題で苦労したと。そこで今、安謝の方に23億4500万円の金をかけまして、きれいなクリーンセンターをつくっていますのでほとんどごみ問題は出ていません。しかも浦添市長いわくは、自分は実は那覇市に、同じ悩みでございますので一緒につくらんかと誘ったと。そしてあの地域の方に5000坪ほど用意しまして、那覇市につくったらどうかと誘ったと。しかし那覇市から何もなかったものだから、今の太陽の花とか経済連、トラック協会に譲ったということも話しておりました。私は、それを聞いたときに、このごみ問題は、将来大きな問題になるなということを考えたわけでございます。
そこで、そこを管轄するところの環境保健部長にお伺いしますが、環境保健部長はせんだって現場をごらんになっています。あの現場をごらんになってどのようにお考えになったか、感想を聞かせてください。
2番目に、今のような処理状況で環境衛生上問題はないかどうかお聞かせください。
次に、いわゆるごみの中には重金属やフロンあるいは公害物質があると思います。それをそのまま埋められますと、将来、地下に浸透し、あるいは国場川に流されて、その問題はないかどうかについてお聞かせ願いたいと思います。
次に、農連市場の再開発についてでございます。
農連市場は、昭和34年3月1日に、当時は与儀の路上あるいは浮島通り、勉強堂市場というところの路上で農産物を相対売りしておりました。これらの農家を集めたのがあの市場でございます。あの当時までは、生産農家はオート三輪車で運び、あるいは自転車や、中部からはオートバイで来る時代でございましたので間に合っておりました。しかしだんだん野菜の生産量がふえ、あるいは関連商品がふえてまいりますと市場は混雑をきわめ雑踏の中にございます。そこで開南通りは交通渋滞するし、神里原通りや与儀公園近くまで車がいっばいになりました。
それとあわせまして、那覇市の方の都市計画上、あの市場の中から道が通る計画が出されたり、あるいはその中に個人有地があるということで、これを撤去するという取り壊しがあったりして一時混乱をきわめました。
そのようなことから、安謝の方の中央卸売市場に市場が移るということになったわけでございます。私は、この市場に最初からかかわった人間としまして非常に愛着を持っています。
そこで、去る那覇市長選挙の場合には平良哲氏をして、この農連市場を含めて周辺の再開発をすると。特にあの辺は駐車場がありませんので地下に駐車場をつくり、地上には相対売りや関連売り場、2階には事務所とか、あるいは保育園とか、そういうのをつくっていくんだということを申し上げましたら、約300名ほどの関係者が集まりまして、今までも農連市場を守る会というのがあって、四、五年になったと。県やあるいは経済連や個人批判はあるんだが、具体的にどうするということはなかったんだが、ぜひこれを実現してもらいたいというような強い要望があったわけでございます。
そのような動きに対しまして、親泊陣営の方からも、自分たちもこの市場は再開発すると。地下には駐車場をつくって、あるいは相対売り場をつくって70億ぐらいの金をかけて6階か7階の建物をつくるんだということでビルのイラスト入りの宣伝ビラをつくりまして配ったんでございます。
結論は親泊さんが勝ったわけでございますが、そこで県の方にお伺いしますが、那覇市の方からあの農連市場周辺の再開発について何か相談があったのかなかったのかをお聞かせ願いたいと思います。
さらにあの敷地は、今経済連が借りているのが約1000坪、あるいは後ろ側の方には那覇の青果卸売市場がありまして約500坪、保育園や関連売り場をふやしますと県有地が約2000坪ございます。今、都市開発の中で駐車場問題が言われています。那覇の都心部でございますので、あの農連市場周辺を将来何かの形で再開発できないか、その意思があるか否かをお聞かせ願いたいと思います。
次に、南風原ダムの農業用水の活用についてでございます。
沖縄自動車道が走っておりますが、あれの延長としまして高規格道路の形で南風原の方から那覇空港まで道ができるようになっています。ところがこの用地は、南風原の野菜や花卉の主要産地であるところの宮城の基盤整備地域、あるいは宮平の土地改良組合、喜屋武の土地改良、山川の土地改良というこの農振地域を横断し、あるいはかすめて通るわけでございます。
彼ら農家としましては、せっかく基盤整備ができて、今、本換地をする時期でございますが、こういうときにそこから高速道路が通ったら困るということで南部国道事務所にもかけ合ったわけでございますが、そこを外すわけにはいかないということでございました。
そういう中から、農家の方々から、せめて償いとしてあの南風原ダムの方には20万トンとも、あるいは30万トンとも言えるきれいな水がございますので、あの水を野菜産地や花の産地に誘導できないかというような強い意見があったわけでございます。
そのようなことから、私はせんだって国道事務所に参りましてその旨を申し上げましたら、これはぜひとも県の方とも相談しながら、そのような地域の要望があるならば、自分たちとしましては、あの高規格道路をつくるときに橋げたに農業用水を抱かすとか、いろいろ方法はありますからお手伝いをしたいということを申し上げておりました。
さて、そうなりますと、私は前にこの本会議でも取り上げましたが、あの南風原ダムの漁業問題を片づけなければなりません。あれは前にも申し上げたんですが、昭和30年ごろに南風原ダムをつくりまして、あの当時は全部水田でございます。ところが昭和34年のキューバ危機のときに、水田からだんだんキビ畑に変わりまして、そのダムがいわばむだになったわけでございます。
そのような形で当時管理しておった南風原町は、個人の養魚業者にそれは農業用水には支障を来さない範囲ということで貸したわけでございますが、それから現在の方に転貸ししまして、それに県の方の漁業振興資金を入れたというようないきさつがございます。
いずれにせよ、そこはあくまでも目的は農業用ダムでございますので、いま一度県の方も、あるいは町の方も業者も一緒にテープルにつきまして、これの解決をしなければ、この問題は解決しないと思います。
そこで県にお伺いしますが、まず、これはお願いといいますか、お伺いでございますが、すばらしいきれいな水でございますので、あれを南風原町内の農振地域に誘導できるような配慮をぜひともやっていただきたいということでございます。
2番目は、さき申しましたようにここのダムの養魚業問題は、ぜひともこの3者が話し合いして一日も早く解決していただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問にかえます。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 与那嶺議員の御質問に対しましてお答えいたします。
農振地域における土地買い占めの質問についてお答えいたします。
御指摘がありました農地の買い占め等現下の各種土地問題については、県としても重要な問題として認識いたしております。
そのため、当面の対処策として去る6月26日、緊急土地対策要綱を定めたところであります。今後は、同要綱に基づいて関係法令の厳正な運用の徹底、不要不急の土地需要の抑制、土地取引関連融資の適正化、監視区域の拡大等々国土利用計画法の機動的運用、土地関連業界に対する指導強化、土地についての基本理念等の啓発普及等を図っていくことといたしております。
また、緊急かつ重要な事項については、同要綱に基づき設置された副知事及び関係部長を構成員とする緊急土地対策会議を通じまして、各部が共通認識に立って迅速かつ適切な対処策を講じていく考えであります。
次に、農連市場の再開発についての御提言がございましたが、お答えいたします。
農連市場を再開発事業として整備することについて、これまでに那覇市から具体的な相談を持ち込まれたことはございません。今後、農連市場を含めた周辺地域の都市再開発事業の実施について、那覇市から相談があれば再開発事業として成立要件、事業主体等を含めて検討してまいりたいと思います。
残りの御質問に対しましては、それぞれ関係の部長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 前村善徳君登壇〕
○環境保健部長(前村善徳君) 与那嶺盛男議員の那覇市のごみ処理の環境汚染についてお答えいたします。
まず、那覇市のごみ処理場を現場調査した結果、どう感じたかについてお答えいたします。
先日、那覇市清掃工場及び埋立処分地の現況調査を行いましたが、一部で生ごみが直接埋め立てされ、その後の覆土等悪臭防止対策が十分でなく衛生的にも問題があり、風向きなどによっては周辺地域への影響が懸念されるほか、周辺環境との調和の面から美観を損ねるなど好ましくない状況にあると思います。
次に、那覇市のごみ処理方法は、環境衛生上問題はないかについてお答えいたします。
那覇市の清掃工場に搬入されるごみの量は、平成元年度実績によりますと那覇市より1日当たり362トン、南風原町より1日当たり23トン、合計385トンであります。
焼却処理施設では1日当たり300トンの処理能力しかなく、処理できないごみについては可燃ごみも直接埋め立て処分され、一部では適正処理がなされてない状況にございます。
そのため、新聞報道等によれば、地元南風原町におきましては、地元住民や町議会においてこれが問題となり、那覇市に対し廃棄物の適正処理に関する要請等がなされたと聞き及んでおります。
そこで、県といたしましてはこれまでも那覇市に対し指導を行ってきたところでございますが、今後、廃棄物及び清掃に関する法律施行令に定める一般廃棄物の処分等の基準に照らしまして、埋立処分に際しては、1つ、廃棄物が飛散し及び流出しないようにすること。2、埋立処分地からの浸出水によって公共の水域及び地下水を汚染するおそれがないよう必要な措置を講ずること。3、埋立処分地の外に悪臭が発散しないよう必要な措置を講ずること。4、埋め立てる一般廃棄物については、基準に従って覆土を行う等々廃棄物の適正な処理が確保できるよう指導していく考えであります。
さらに抜本的対策としましては、焼却処理率の向上及びごみの減容化、資源化を推進しつつ、地域の合意を得て早期に施設の整備を図るよう指導しているところであります。
次に、重金属やフロンなど有害物質の除去がなされないまま埋め立てられているが、将来において地下水の汚染は問題はないかという御質問にお答えいたします。
那覇市におきましては、埋立地内の浸出水については定期的に検査を実施しておりますが、これまでの検査結果では水銀、カドミウムなど重金属の有害物質は検出されておりません。
また、浸出水は汚水処理施設で処理しておりまして、その放流水についても重金属等の有害物質は検出されておりませんで地下水への影響はないものと考えております。
なお、今後とも浸出水については定期的検査を実施し地下水の汚染がないよう適切に指導していく所存であります。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 南風原ダムの農業用水の確保についての御質問にお答えします。
南風原ダムを利用した畑地かんがい計画につきましては、南風原町から要望がございますので平成3年度の新規採択に向けて検討中でございます。
なお、御提言のございました空港道路への併設といいますか、それにつきましては関係機関と調整をして検討してみたいというふうに考えております。
また、南風原ダムの養魚者による水面利用の問題ですが、これまでも再三協議をしてきておりますが、まだ決着しておりません。それで現在、南風原町で水量調査を業者に委託して行っております。その結果を待って南風原町、それから養魚者、私ども県一緒になって、本来の農業用水として利用できるような方向で問題解決に向けて努力したいと考えております。
○議長(平良一男君) 友寄信助君。
〔友寄信助君登壇〕
○友寄信助君 まず、知事の政治姿勢についてお聞きをし、あと通告に従い質問を行います。
一昨日の代表質問のいわゆる知事の腹切り問題についてでありますが、先ほど来の質問に対して知事は、いわゆる腹切りということは一つの文学的表現だということで何か逃げ切ろうとしているわけですが、腹切りというと、腹切りを美化した三島由紀夫、これをちょっと思い出すわけですが、まさか知事はそれを強調しているとは思いませんが、何といってもこの問題というものは極めて重大な問題だと思うんですよね、いわゆる議員と執行部との関係で。議員の質問に対してこういう言葉を使うということは、知事の品位にもかかわる、それだけじゃないと思うんですよ。
ですから、こういう言葉がもしそのまま許されるならば、これは議会の権威の問題でもあるし、そういういわゆる発言、まさに議員にとっては屈辱的だと思うんですよ、こういう発言は。だからこの問題は直ちに撤回してほしいと思うんです。それをまず知事の御答弁を願いたいと思います。
それでは基地問題についてお尋ねをいたします。
まず第1点目には、米軍基地の返還跡地利用についてであります。
6月19日の日米合同委員会で、在沖米軍基地17施設23カ所の返還が合意されました。しかしその内容は県民の期待に沿う内容となっておらず、県や市町村、地域住民から返還要望の強い那覇軍港、普天間飛行場や読谷補助飛行場などは返還リストに含まれていないのであります。恩納村のマリン通信施設、泡瀬ゴルフ場などがその目玉となっているにすぎない。あとは民間業者の倉庫など米軍が専用使用していたものや、都市計画道路建設のための一部返還などでまさに細切れ返還で、県民の期待にこたえるものとなっていないのであります。
去る6月22日、我が党県議団は、これらの返還合意された施設を調査しましたが、そのことが裏付けられました。
また、今回の返還面積は、在沖米軍施設2万5000ヘクタールのうちわずか3.5%で、日米間で返還協議対象になっている施設の3割弱であります。
そこで知事にお尋ねをいたしますが、泡瀬ゴルフ場の場合は条件つき返還となっており、現在の3倍近くの代替地を求めている。これはまやかしの返還であり、真の基地の整理縮小につながらない。今どきゴルフ場の代替地を求めること自体、沖縄の現実を無視したものであり極めて傲慢な要求ではないでしょうか。こうした条件つき返還は拒否すべきだと思うが、知事の御見解をお聞きしたいと思います。
2点目には、返還軍用地の跡利用計画と返還のあり方についてであります。
将来の大規模な基地の返還も含めて考えてみると、現行の法制度の枠内での跡利用計画の推進は極めて困難であります。
我が党は、これまでの軍用地の返還による跡利用の実態からして地主や地方自治体に負担を強いるのでなく、国の責任で軍用地の跡利用が促進できるように国会に、沖縄県における駐留軍用地等の返還及び駐留軍用地跡地等の利用促進に関する特別措置法案の提出を準備しております。
知事は、一昨日の代表質問に答えて、何らかの特別措置について検討したいと前向きの姿勢を示しましたが、ぜひこれまでの経過を踏まえて市町村自治体や地主に負担を強いることがないよう特別措置が講ぜられるよう強く求めるものであります。
そこでお聞きをいたしますが、知事の特別措置の検討ということは沖振法による高率補助ということではなく、特別な法的措置の制定が必要だというふうに理解しておりますが、そういうことなのか知事の決意のほどを再度お聞きしたいと思います。
3点目には、日米間で合意された那覇軍港や地元の自治体から強い返還要求のある普天間飛行場、読谷補助飛行場など比較的規模の大きい基地の返還の見通しについてはどうなっているのか。年内にさらに返還が予想されるのか。
また、返還後に混乱が生じないように事前に計画的に日米政府に対して返還計画を公表するよう求めるべきではないのか。
また、第3次振計の中に跡利用計画や特別措置のあり方を明確に位置づけていく必要があると考えるが、知事の御見解をお聞きしたいと思います。
4点目には、これらの施設の返還に伴う基地従業員への影響についてであります。
今回の返還対象となっている施設、泡瀬ゴルフ場に45名、砂辺倉庫に44名、工兵隊事務所に23名、合計112名の日本人従業員が勤務しておりますが、これら従業員への影響はないのかどうか。
また、将来の米軍の撤退などを考えた場合、日本人従業員の削減も避けられない状況と考えますが、今後の日本人従業員の雇用確保を含めた抜本的な対策の確立が求められていると思料されますが、県の考え方をお示し願いたいと思います。
5点目には、軍用地の強制使用手続についてであります。
那覇防衛施設局は6月26日、1992年5月15日以降の軍用地契約を拒否しているキャンプ・ハンセンなど14施設、約28万8000平方メートルの地主135人に意見照会の文書を発送し、強制使用の手続を開始いたしました。
こうした基地の整理縮小、米軍の撤退計画など軍縮、平和の流れに逆行するような政府の強制使用は、米軍基地の変化を無視し時代おくれであり、憲法で保障された財産権の侵害はもとより、もはや権力でごり押しに地主の土地を強奪する状況ではないと思うが、知事の御見解をお聞きしたい。
また、手続上、知事の認定も必要になるが、この際、知事は諸情勢を踏まえて認定申請を拒否すべきだと考えますが、そのお考えはあるのかどうか御見解をお聞かせ願いたいと思います。
次に、新石垣空港建設問題についてであります。
新石垣空港建設問題は、当初の白保での計画が断念に追い込まれ、現在のカラ岳東側での建設計画が進められてきましたが、同地も国土利用計画法に違反した無届け土地取引告発で、新空港建設計画は業者との用地交渉もストップするなど全く暗礁に乗り上げた状況であります。
それに加えて、日本自然保護協会が、カラ岳東側海域は白保地先と一体となったサンゴ生態系であり、同地での空港建設は自然保護上極めて問題であると調査結果を発表しております。この調査で初めて南側、いわゆる白保側への潮流が確認されたのであります。
これに対して県の高良土木建築部長は、南側の流れもあるが、北側の流れの方が卓越していると説明しております。県は、果たして同地域や白保のサンゴに影響はないと断言できるのか、環境アセス調査等必要な資料を公表してもらいたい。
また、自然保護団体の同海域調査と県の調査に大きな食い違いが明らかになっているが、この際、県民が納得できるように自然保護団体の専門家と県と共同調査する考えはないのかどうか、知事の御見解をお聞きしたいと思います。
3点目には、先ほども指摘しましたように、新石垣空港建設問題は国土利用計画法に基づく違法な土地取引で県が3業者を告発する異常な事態の発生や土地転がしの疑惑などに発展し、同空港建設問題はますます混乱と疑惑を深める様相を呈しており、地元住民や県民に大きな衝撃を与えております。
そこで知事にお尋ねをしますが、ここ一、二年で14倍にも地価がはね上がった土地、また国土利用法違反で告発され、しかも土地転がしの疑惑が深まっているこれらの土地を購入することは、公共団体としての責任あるいは道義的にももはやできないのではないか、知事の御見解をお聞きしたい。
そこで代表監査委員にお聞きをいたします。
値上がりを見越して買ったとしか思えない土地を、血税で買うことが果たして許されるのかどうか監査委員の御見解を承りたいと思います。
4点目には、これらの告発された土地の取引の届け出が、昨年の空港建設計画変更を沖縄県が公表する前の2月末に提出され、計画変更が公表されるわずか3週間前の4月5日に不勧告通知が出されていた点であります。
ことしの4月から5月にかけてこの問題を国会で追及した我が党の岩垂議員は、昨年2月、環境庁で予定地変更のうわさが流れていた。そのときに光建設がちゃんと手を打っている。値上がりを見越して買ったとした思えないと政府を追及しております。
土地転がしの時期が、計画変更の公表時期の直前であることが重大であります。すなわち県は、4月5日の時点で新空港建設計画の変更の方針と新予定地の場所を確定しているはずであります。こうした状況のもとで、不勧告通知を出すことは、問題の土地を相場の8倍の価格で購入すると事実上不動産会社に約束したに等しいのではないのか。
国土利用計画法24条では、土地の利用に関する計画に適合しないときは、当該土地の売買等の契約の締結を中止すべきことを勧告することができるとなっております。同規定に照らして、新空港建設予定地の地価が相場の8倍、5600円にはね上がることが、新空港建設という土地利用の計画にとって適合しないということはだれの目にも明らかであり、当該土地売買等の契約の締結を中止すべきことを勧告するということが、県の行政上の責務ではなかったのか御見解をお聞きしたいと思います。
また、1989年のカラ岳周辺の土地──畑や田、山林の取引の実勢を見てみますと620円から670円、400円もありますが、空港予定地の地価が1平方当たり5600円とは一体何を基準にして予定対価を適当と認めたのか、お示しを願いたいと思います。
次にお聞きしたいことは、こうした事態が起きた以上、現在地に新石垣空港の建設は極めて困難になったと判断されるが、現在の計画を見直し、もっと時間をかけてじっくりと慎重に検討する必要はないのかどうか、知事の御見解をお聞きしたいと思います。
次に、総合交通体系の整備についてであります。
時間の都合上、バスの4社統合の問題を中心にお尋ねいたします。
去る5月11日、琉球、沖縄、那覇交通、東陽パスの4社は、路線部門の統合について検討するために対策部会を発足させました。琉球バス社長の説明によると、4社の路線部門を統合し、4社の観光部門は個別に存続させるという基本方針を明らかにしております。いわゆる路線パスの台数を適正に減らして経営改善を図る一方で、好調な観光部門の台数、乗務員数をふやして強化するなど統合に向けた総合的な調整をすることの考え方を明らかにしております。
バス企業の統合については、過当競争を廃し適正なダイヤルを図る面からも企業、利用者の双方から十数年来の懸案でありました。
そこで知事にお尋ねをいたしますが、県は、今回のバス統合問題についてどのように対応、また行政的に指導していくお考えか。
また、4社統合となると独占的な運営になり利用者に対するサービス面で疑問の声もあるが、バス企業の公益性の立場から統合形態については慎重に検討する必要はないのか。
さらに、モノレールとの調整との関係ではどうなっているのか知事の御見解をお聞きしたいと思います。
4点目には、電線の地中化についてであります。
電線の地中化問題は、都市の美観を損ない、また高度情報化社会に対応していく立場から街路にミニ共同溝をつくり、電線やCATVなどのケーブルを一体として地下に埋設しようとするものであります。建設省と通産省は86年にキャブシステムについて合意し、全国を9ブロックに分けて5カ年計画を策定し電柱の地中化を推進してきました。
県内では、那覇市久茂地1丁目の開発事業で初めてキャブシステムが採用されることになりました。
そこで知事にお尋ねをいたしますが、本県ではいつから電柱の地中化の計画を具体化していくお考えか、その具体的計画があればお示し願いたい。
その対象市町村、延長距離、またこれを実施する場合の国庫負担等はどのぐらいなのか。特に軍用地の返還跡地に取り入れていくお考えはないのかどうかお聞きしたいと思います。
最後に、植樹祭の開催についてであります。
全国の植樹祭が一巡する平成5年に本県において植樹祭が開催される運びとなっております。既に明治山の一角にその会場が決定され、対策室も設置され準備が進められております。
昨年5月21日に開催された徳島県の全国植樹祭の要綱によると、開催方針の中にこうした趣旨が書かれております。我が国の森林は、林業者を中心に多数の国民が営々と汗と脂で努力してきた成果として確保されてきましたが、近年の森林業を取り巻く厳しい環境のもとでその荒廃を危惧する状況があらわれ始めております。こうした状況を踏まえ、先人の森林保護育成の伝統を受け継ぎ、かけがえのない財産である緑に活力を与え、次の世代に引き継ぐこと、今日の我々に課された大きな責務であるとし、林業の振興と快適な生活環境づくりを目指し、新たな緑化への出発の祭典として県民総参加のもとに全国植樹祭を開催するとの方針がうたわれております。
去る5月20日に開催された長崎県の要綱も、また本県においても同じ趣旨になると思います。
しかし、これまでの植樹祭の状況を新聞報道などで見ると、造林というよりは、当初の目的がどこかにおいやられ、近年は住民や子供に日の丸を振らせて天皇歓迎一色に染まったセレモニーになっているのではないのかと疑問が投げられております。
また、これまでの植樹祭では、植樹どころか天皇警備や会場造成などを理由に大規模な林の伐採が行われ、自然破壊ではないかという住民の抗議さえ出ていると言われております。
長崎県においては、式当日は、天皇が会場より一段高いお手植え台でわずか3本のヒノキを植えるが、その天皇歓迎のために地元や中学生の鼓笛隊が編成され、町が200万円を支出して楽器等を新調したと言われております。
そこで知事にお尋ねをいたします。
これまでの慣例にこだわることなく、本来の植樹祭にふさわしい事業、すなわち、荒廃した森林の回復、21世紀に向けた緑あふれた郷土沖縄づくりの契機になるように工夫を凝らした全国の見本として評価される植樹祭にしてもらいたいと思います。そのために今後、どのような方針で進めるのか、今後の計画概要を聞きたい。
2点目には、明治山の一角に植樹祭の場所を選定した根拠、背景は何なのか。会場を視察して感ずることは、相当な森林が伐採されると思われるが、どうか。
最後に、県警本部長にお尋ねをいたしますが、県警としては、この植樹祭の警備についてどのように検討されているのか。過剰警備にならないように配慮すべきだと考えるが、御見解をお聞きしたいと思います。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 友寄議員の御質問に対しましてお答えいたします。
私の一昨日の発言は、嘉陽議員の発言が、西銘県政と業者との癒着とか、疑惑とか事実に基づかないで適切さを欠いていることから、あなたはそのことについて責任をとれるかどうかという意味で発した言葉でございます。これを撤回する意思はございません。
それと、この腹切り発言でございますが、これは私が何もつくったものではありません。これは戦時中、寺内陸軍大臣と浜田国松との間に交わされた論議がございまして、これも腹切りという言葉を使っているわけでございまして、そういう意味では責任をとるということでございまして、別に腹を切れと、刀で腹を切れという意味でないことは御案内のとおりであります。
次に、基地問題についてお答えいたします。
泡瀬ゴルフ場は条件つき返還となっているが、これは傲慢な要求であり、時代錯誤も甚だしいとおしかりを受けたわけでございますが、お答えいたします。
泡瀬ゴルフ場の返還の合意は、移設条件つきで不十分な点もありますが、可能な限り米軍基地の整理縮小を進めるという観点から合意されたものでありまして、一定の評価をせざるを得ません。
次に、特別な法的措置、いわゆる特措法についての御提言がございましたが、お答えいたします。
県としては、現行制度の効果的な運用を含めまして制度の上で特別の必要があるかどうか、これを検討するということであります。
次に、那覇軍港や普天間飛行場の返還見通しはどうなっているかと。また日米両政府に対し、事前に返還計画を公表するよう求めるべきではないかと御提言がございましたが、お答えいたします。
今回の合意に至らなかった事案については、今後、日米間で引き続き検討を行っていくこととされておりますが、これらの事案に係る施設区域の返還が年内に行われるのかどうかについては承知いたしておりません。
なお、米軍用地の返還に際しては、跡地の有効利用の促進が図られるよう十分な予告期間を設けるなど返還方法について適切な措置を講ずるよう国に対しまして要請をいたしているところであります。
次に、第3次振計の中に跡利用計画や特措法をどう位置づけるかという御質問がございましたが、お答えいたします。
軍用地の跡利用については、県政の重要課題と認識しておりまして、御提言の第3次振計での位置づけについては第2次振計の総点検を踏まえまして積極的に取り組んでまいりたいと思います。
次に、泡瀬ゴルフ場、砂辺倉庫、工兵隊事務所等で勤務している合計112名の従業員への影響についてただされましたが、お答えいたします。
御指摘のとおり、これら3施設には合計112名の日本人従業員が勤務いたしております。今回の発表では、泡瀬ゴルフ場については移設条件づき、砂辺倉庫及び工兵隊事務所は全部返還となっております。これら施設がいつ、どこに移設するかなど明らかにされてはおりませんが、現在、その状況把握に努めているところであります。
県としては、これら施設の返還に伴う雇用の安定については最善の努力を払うこととしており、去る6月23日、海部内閣総理大臣来県の際にも、駐留軍従業員の雇用の安定等について適切な措置を講じていただくよう要請をしたところであります。
在沖米軍施設の返還については、内外の情勢、動向等を注意深く見守りながら駐留軍従業員の雇用の問題に対処する必要があると思います。そのため、商工労働部内に駐留軍従業員等麗用対策連絡会議を設置させ従業員の雇用問題に対処するとともに、今後、離職前職業訓練等の充実強化に努めるほか、中長期的な展望に立った雇用施策について国及び関係機関に対して強く働きかけてまいりたいと思います。
次に、那覇防衛施設局は、駐留軍用地特措法に基づいて強制使用の手続を開始したが、知事はこれをどう評価するかと。また手続上、知事の認定が必要だが、知事はこれを拒否すべきではないかと御提言がございましたが、お答えいたします。
那覇防衛施設局が、駐留軍用地特措法に基づきまして手続を進めていることの是非についてコメントすることは差し控えたいと思います。
なお、駐留軍の用に供する土地等の使用または収用の認定は、駐留軍用地特措法第5条に基づきまして内閣総理大臣が行うことになっております。都道府県知事は、認定申請を拒否する権限を持っておりません。
次に、石垣空港、これを現計画を白紙に戻して再検討すべきではないかと御提言がございましたが、お答えいたします。
新空港をカラ岳東側に建設することについては、石垣市議会の議決、八重山漁業協同組合の埋め立て同意、地元77団体で構成する新石垣空港建設促進協議会による早期建設の決議、さらに予定地周辺の大里、星野及び伊野田地区の同意を得ていることから地元の合意は十分に得られている状況にございます。
また、空港建設に際しては、周辺海域に極力影響を与えないように設計及び施工法を策定するため専門家による新石垣空港建設工法検討委員会を設置し、技術的な立場から慎重に検討を行ってきたところであります。
その結果、空港建設に伴い、周辺環境に与える影響を協力排除できる見通しが得られております。したがって新石垣空港設置位置を白紙に戻し、これを検討しやり直す必要はないと考えております。
次に、全国植樹祭についての今後の進め方について御質問がございましたが、お答えいたします。
全国植樹祭は、植樹行事を通じて森林資源の造成、国土の保全、水資源の涵養並びに生活環境の緑化を図るとともに、森林の役割に対する理解を深め、緑豊かな国づくりをねらいとして行われる国民的な祭典であります。
全国植樹祭を本県で開催するに当たっては、1つ、森林、林業及び環境緑化の重要性について県民の理解を深めるとともに、緑豊かな郷土づくりの新たな契機とすること。2つ、復帰20周年記念事業としてこれを位置づけることによりまして復帰以後の本県の歩みを振り返り、21世紀を展望した個性と活力に満ちた県づくりに向けて決意と自信を喚起する機会とすること。3つ、本県の自然、文化等広く国民に紹介し理解を深める機会とし、今後の観光、文化、産業の振興に貢献することなどの点で極めて意義深いものと考えております。
開催の方針、計画等につきましては、今後、県内各階層の御意見等も踏まえまして検討していくことといたしますが、開催に当たっては、国土緑化推進機構運営要綱等に従いまして、またこれまでの開催県の慣例や伝統を尊重した計画を検討していかなければならないと考えております。
残りの御質問に対しましては、それぞれ所管の部長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 高良尚光君登壇〕
○土木建築部長(高良尚光君) 友寄先生が御質問されましたものの中で、新石垣空港の建設問題についての中で、知事が御答弁されなかったものの中で、また土木建築部所管の3点についてお答え申し上げます。
1点目は、県はカラ岳東側地域で白保のサンゴに影響はないと断言できるのか。また環境アセスメント調査等必要な資料は公表してもらいたいという御質問に対してお答え申し上げます。
空港建設に伴い、周辺海域に生息するサンゴに与える影響としましては、濁りと潮流の変化が考えられます。
まず、濁りに対しましては、専門家で構成する工法検討委員会で慎重に検討した結果、護岸の施工に当たっては可能な限り地盤の掘削をしない工法とすると。捨て石マウンドに用いる石材は、洗浄した後に使用すること。捨て石マウンドの背後に遮水シートを布設すること。埋立工事は、護岸で埋め立て区域を仕切ってから閉鎖区域にした後に着手すること。工事区域からの濁水は、空港用地内の沈砂池に一時的に受けてから、管理基準値である70ppm以下で放出することなどになっておりまして、濁りを発生源で防止する工法を採用することにより、周辺海域への影響を極力少なくすることが可能であると考えております。
一方また、建設工事中及び建設後における潮流の変化につきましても4層レベルモデル手法を用いて予測した結果でございますが、サンゴの生息している2層付近におきましては毎秒数センチメートル程度の変化となっているため、カラ岳東側地域や白保のサンゴに与える影響は極めて軽微であると考えております。
次に、環境アセスメント資料等必要な資料の公表につきましては、埋立願書の図書の中に可能な限り織り込み、いずれ公表する考えでございます。
次は、潮流調査に関して、県と日本自然保護協会の結果が食い違っていることについて、共同調査を実施する考えはないかについてお答え申し上げます。
県は、新石垣空港の建設予定地の海域及び周辺海域の流況調査を、運輸省港湾局監修の港湾調査指針に基づきリーフ内で6地点、リーフ外で2地点、合計8地点においてベルゲン式自己連続流向流速計を用いて夏、冬、それぞれ15日間、昼夜連続で流向流速の測定を行っております。
その結果、空港南端付近では南向きと東向きの流れも観測されましたが、平均流としましては東側のグチ方向に流れる傾向にございます。しかし、周辺海域全体としましては北向きの流れが卓越しております。
一方、日本自然保護協会の調査は、マスコミ発表によりますと、轟川から空港予定地南端までに限られた区域でビニール袋のフロートを用いて、いずれも上げ潮時の限られた潮汐条件で行われております。日本自然保護協会の調査結果としましては空港予定地南端において南向きの流れがあると述べておりますが、県の調査におきましても、空港予定地南端におきましては、一部ではありますが南向きの流れも確認されております。
したがいまして、県が実施した調査の結果と日本自然保護協会の調査結果とが根本的に相違しているとは考えておりませんが、御提案の共同調査の実施につきましては、今後、日本自然保護協会の調査報告書も取り寄せまして検討の上判断してまいりたいと考えております。
次に、現予定地は、国土利用計画法違反で県が告発している状況にある。空港建設予定地として買い上げが可能かどうかについてお答え申し上げます。
国土利用計画法は、御案内のとおり地価の高騰等を防止し土地の投機的な取引を抑制し、あわせて適正な土地利用の確保を図るため届け出制を通じて土地取引を規制しようとするものでございまして、土地の所有権移転の効力にまで及ぶものではございません。したがって空港用地の取引と今回の告発とは別の問題と考えており、空港事業者たる県は、沖縄県の公共事業の施工に伴う損失補償基準に基づきまして、その取得時点における土地の正常な取引価格で買い上げることは可能であると考えております。
次に、3次振計の推進と諸課題の中で総合交通体系の整備について、またその中での1点でございますけれども、今回のバス統合はモノレール対策と関係があるのか。ないとすれば、モノレールとパス事業との調整はどうなっているかについてお答え申し上げます。
今回のバス企業の統合につきましては、特にモノレールとは直接の関係はございません。
御質問のバス事業者との調整につきましては、平成元年度においてモノレール導入に伴うバス問題調査委員会を設置し、モノレール導入に伴うバス事業に与える影響等についての調査を実施したところでございます。平成2年度も引き続きバス網再編のケーススタディーを実施し、バス網再編後の影響等を把握の上、バス事業者と協議を進めていく考えでございます。
次は、同じくモノレール関係でございますけれども、4社統合でバス事業者との調整はおくれているのではないか。モノレールは、いつ発車できる見込みにあるかについてお答え申し上げます。
4社統合の問題でモノレールとバス事業者との調整に影響が出るとは考えておりませんが、バス企業の統合に向けての動き等を見守りつつ、慎重に対応してまいりたいと考えております。
なお、モノレールの開業までの時期につきまして明らかにすることは、これまででも答弁してきましたようにバス事業者との協議、金融機関との調整等5項目の課題解決のめどが立っていない現在、困難な状況にございますので御理解を賜りたいと思います。
次に、電線の地中化についての中で、電線地中化の今後の具体的計画及び国庫負担についての御質問がございましたけれども、お答え申し上げます。
電線の地中化につきましては、安全で快適な交通空間の確保、防災や都市景観の向上及び高度情報化社会への対応等から、道路管理者、占用者で構成する沖縄ブロック電線地中化研究会において協議がなされ、平成2年度には久茂地再開発事業とあわせて県道39号線の一部で実施する予定でございます。
今後の計画としましては、平成3年度を初年度とする第2次電線地中化5カ年計画で那覇、浦添、宜野湾、沖縄の4市を対象に、特に返還跡地の天久新都心開発事業区域など15カ所で約24キロを道路管理者の素案として、先ほどの沖縄ブロック電線地中化研究会で協議を行う計画でございます。
なお、こういった電線地中化計画に対する国庫補助事業につきましては、原則としましては道路の改築事業等とあわせて事業を実施する場合はその事業の補助率が適用されますが、単独として実施する場合は2分の1の補助率となります。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) 新石垣空港建設問題に関連いたしました不勧告通知の根拠の問題でございますが、国土利用計画法における届け出に係る価格審査は、届け出に係る予定価格の額が近傍類地の取引価格等を考慮して、法令で定めるところにより算出した土地に関する権利の相当な価格に照らし、著しく適正を欠くか否かについて行い、著しく適正を欠くと認められない場合においては不勧告とするものであります。
それから3次振計の問題で、総合交通体系の問題としてパス会社の整理統合についての御質問にお答えいたします。
バス交通は、本県唯一の大量輸送機関として公共的役割は高いものがあり、これまでも指導や助成に努めてきたところであります。
今回の統合の問題につきましては、沖縄県パス協会に照会いたしましたところ、経営改善と各社の競合する路線の統廃合を検討するため路線合理化委員会を5月に発足させたとのことであり、適切な措置だと考えております。
バス企業の統合は、一義的には当事者が主体的に行うものであり、バス機能の充実強化及び企業経営の健全化を図るためには集約化が必要だと考えております。
統合の形態等につきましては、企業における検討を見守りたいと考えております。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 全国植樹祭の会場の御質問でございますが、明治山の一角に選定した根拠、背景は何か。
会場の選定に当たりましては、森林資源の造成、国土の保全、水資源の涵養、生活環境の緑化等全国植樹祭の目的に最も幅広く対応できる場所であるとともに、位置、地形、それから地上権、育林環境、跡地利用等に支障のない場所を選定する必要があるわけでございます。
そこで、県といたしましては、これらの要件を勘案いたしまして、またさらに県森林審議会の意見を尊重いたしまして北明治山が会場として最も適当であるというふうに判断をいたしております。
それから、相当な森林が伐採されていると──これまでの先催県の例から──こういう御指摘でございますが、全国植樹祭の規模はこれまでの先催県の例で見ますと参加される方々が1万人から1万5000人参加されます。
そこで、式典会場を含む植樹用弛、それから駐車場を含めまして約10ヘクタールの規模となっております。沖縄県におきましても、式典会場等で約8ヘクタールの規模を予定いたしております。会場用地の造成に当たりましては、地形、位置等を十分考慮いたしまして最小限度の伐採にとどめるように配慮をしたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 代表監査委員。
〔代表監査委員 里 春夫君登壇〕
○代表監査委員(里 春夫君) 友寄先生の御質問にお答えします。
まず、監査委員の通常の監査についてでございますが、一般的に監査委員の監査は、財務に関する事務の執行という監査目的から、具体的に執行されたものについて監査することとしております。
ところで、御指摘の県の公共用地の取得価格の決定についてでございますが、これにつきましては、昭和37年6月29日閣議決定されました公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱に基づきますところの昭和50年沖縄県訓令第9号沖縄県の公共事業の施工に伴う損失補償基準に基づいてなさ
れることになっておりますので、監査はこれに基づいて実施することとしております。
○議長(平良一男君) 警察本部長。
〔警察本部長 浅川 章君登壇〕
○警察本部長(浅川 章君) 平成5年、本県で開催されます全国植樹祭の警備方針でありますが、警備諸活動に伴う県民生活への影響を極力少なくしつつ、かつ植樹祭行事が平穏、スムーズに行われ、また来県が予想されます天皇、皇后両陛下や政府要人等の身辺の安全確保の万全を図る方針であります。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後2時58分休憩
午後3時4分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
宮良 作君。
〔宮良 作君登壇〕
○宮良 作君 我が党の代表質問との関連でまず質問いたします。
知事、あなたは一昨日の我が党の代表嘉陽議員の質問に対し、議長に休憩を要求し発言台に登り直して質問者の議員に腹を切れとわめきちらしました。あのときのいきさつを見れば、あなたの計画的行為であったことは明白です。
腹を切るというのは、自殺を強要する発言でもあります。これは、戦後の基本的人権と民主主義が一定限保障されている日本国憲法を踏みにじるものであります。
政治家が議会壇上から発言する場合、これは文学的発言と看過するわけにもいかず、文学表現としてごまかす態度も許すわけにはいきません。しかも議場の責任者である議長の途中からの制止を無視して強行され、議員を強迫し議会を混乱させました。
このことは、民主主義と民主的議会運営の名において絶対許すことができません。
この問題の本質は、批判を許さない、長年にわたって蓄積されたあなたの独裁的体質と非民主主義、公私混同の政治姿勢、そして米軍と大企業擁護の政策からきているものと考えます。
今、自民党は、国民の悪政への批判を抑えるために小選挙区制と政党法で4割の得票で8割の議席を得ようとするたくらみ、いわゆる日本型ファシズムにも気脈相通ずるものがあると私は思います。
議長への休憩要求、そして暴言、これを議事録に残さないようにする知能的やりロは、正論の前で反論しきれないのクーデター的態度だと言っている市民がおります。どう考えますか。
大体、議会制度というのは、独裁と封建制度に対する人類の長い間の闘いの歴史の結果築き上げた現代政治の宝であります。
あなたは、実質的にそれを破壊するやり方をたとえ短時間であっても強行しました。民主主義の名において絶対許せません。不満があれば正規の議論で反論し、さらに議会外でも堂々と議論すればよいではないですか。
質問いたします。
1、あなたは、正規の発言をして答弁したのに、なぜわざわざ休憩を要求して議事録に残らない形で腹を切れなどの発言をし暴言を吐いたのか。答弁に自信がなかったとしか考えられません。答弁してください。
2、こういう不正常な発言方法は今後も一切構わないと考えているのか。今後は、不正常、乱暴な議会内での発言はしてはならないと思うのか、どっちなのかはっきりしてください。
3、あなたの発言は、会議規則第何条に基づく発言か答弁してください。
4、県民が選出した県会議員の正規の規則に従っての発言中、これを妨害して翁長副知事が議員を指さして何度もやじっておりました。これは、あなたの指示に基づくものなのかどうか答えてください。また、一向構わないことであるというのか、その点もお答え願いたい。
5、当の翁長副知事の発言も求めます。
6、あなたは発言の中で、我々に対する大きな反撃としか受けとれないと言っているが、なぜ反撃すれば腹を切らなければならないのか。
また、発言中、5億円、1億円もらったとは、だれが言っていることなのか。
また、発言中、嘉陽議員がほかの業者と癒着しているんではないかとも言っているが、だれと癒着しているのか、その点明らかにしていただきたい。
以上、きちんと答弁を求めます。
次、石垣市平久保牧場の本土リゾート企業による買い取り問題について質問いたします。
この牧場344ヘクタールのうち46ヘクタールが、1988年10月27日付でOリゾート企業との間で不動産売買契約書が締結され、牛とともに売却されました。
この売買契約書によると、共有地46ヘクタールの売買金額は20億円。契約書を差し上げてあります、写しを。そしてこの地は、ホテルとゴルフ場施設用地として売買されたものであることを牧野組合は確認したことなどが、全文9条で克明に記録してあります。
売買金総額は、昨年1989年12月までに各組合員の銀行口座に振り込まれたようであります。その総額は38億円、うち土地代金20億円、牛代3億5280万6000円、最高取得額者は8603万9000円、最低取得額は7613万9000円であり、A金融機関に約10億円、B銀行に約13億円、C銀行に約9億円振り込まれているということになっております。
ところが、これが知事、その一覧表、あなたに差し上げてあります。(資料を掲示) 名前をその下に46名書いてありますが、私は、あなたに差し上げたものからは名前は切り取りました。
ところが、この土地は、売買契約を結んだ4日後の10月31日に、今度は金銭貸借抵当権が債権額20億円、利子年7%、損害金14%として売買した当事者間で結ばれるという奇怪な事態が発生しました。その契約書も差し上げてあります、写しです。
私は、地元告発による情報提供と自身の調査をもとに、次の点でこの土地は農地法に違反する売買が行われたことが事実だと判断いたします。
1、不動産売買契約書と表記された全文9条の文書が両者間で取り交わされています。
2、1500万円前後の所得税を組合員は申告し納付していますが、金銭貸借であれば所得税の申告は必要ありません。
3、牛代は各組合員の牛数によって計算され、市有牧場地はことし1月16日付で返還し、1億5000万円の国庫補助を投入した牧場経営を放棄、廃牧しており、巨額の金銭借り受け者としての牧野組合事業の実態が存在しません。
4、通常約2億円の売買地代と言われる土地に10倍の20億円の金銭貸借抵当権を設定することは、普通は考えられません。また、一組合員のすべての権利価格が約100万円と言われているそうでありますけれども、そこに地価だけで40倍以上の1人平均4300万円以上の抵当権設定も考えられるものではありません。
以上の理由だけでも当共有地は、農振地、農振法、国土法の制約を無視して実質売買されたと判断いたします。
金銭貸借抵当権の設定は、明らかに関係諸法規クリアの条件づくりのための当面のカムフラージュであると言わざるを得ません。
O企業は組合員に対し、農振法除外は我々が役所にかけ合ってやらせるから、皆さんは安心してほしいとも言っているそうでありますが、県や市と気脈相通じているかのような自信を持った言い方であります。
私は、この現象は、リゾート法という企業優遇法の制定と沖縄をハワイのようにするという、知事、あなたの浮かれきった県のリゾート構想に誘導されて企業が蠢動して起きているものであることを指摘しておきます。
私は、この問題調査の結果、農民は犠牲者だとの感をますます強めました。
大まかな指摘になりますが、牛価の低落、飼料等の値上がりと消費税の転嫁、牛肉自由化政策、借金、後継者不在などで苦しんでいる農民の顔を札束でひっばたくような土地買い占め、さらにはリゾート企業は地域の住民たちの過疎化の悩みにつけ込んでリゾートで地域活性化をとあおり立て、署名などを集めて組合員に農用地を手放させるやり方、このような企業の一方的リゾート立地での地域の活性化は蜃気楼にすぎず、逆に農業破壊、自然破壊、風俗破壊、生活破壊の方向に進んでいくであろうことは全国の例を見ても明らかであります。
また一方、石垣では、平久保半島の3大牧場をつぶすな、リゾート立地ではなくて、我々島の農民に牧場をやらせてほしいとの声も上がっていることを指摘しておきます。
私は、以上、平久保牧場地の売買問題について指摘しましたが、仮に売買を隠して金銭貸借抵当権の設定というカムフラージュの手法が通用するとなれば、この手段で沖縄中の土地は買い占められてしまう危険性を見なければならず、全県的にこの手法が進んでおります。現に平久保半島では、伊原間牧場でも土地売買が進行しているとの報道や情報提供者などもあり、また明石の農民にも坪1万円で売ってほしいと本土企業の手が伸びてきております。
これに対し、若い農民は、札束を散らつかせて沖縄の農民をばかにするのかと。どんなに苦労してこの土地を開いたか、あなたたちにはわかるまいと怒りをぶつけております。
今、行政にとって重要なことは、企業の悪質な蠢動に対して後手後手であってはならないことです。県には捜査権がないからと、転用申請という表面化の段階まで座して待っていては県土の適正な利用と農業は守れません。
お手元に差し上げてあるように、糸満市ではゴルフ場建設の企業の動きに対し、糸満市行政が情報を確認して先手を打って農地つぶしに反対しようのビラをまき、広報していることも参考にしてください。
そこで質問いたします。
1、平久保牧場の土地売買について直ちに調査するよう求めます。答弁してください。なお、伊原間牧場も売買問題が起きていることをつけ加えます。
2、農振地域除外、農地転用許可は、将来にわたって行う考えが現在ないこと。さらに糸満市が行っているようにO企業に対して警告するよう、石垣市に対し行政指導を強ることを求めます。答弁してください。
3、平久保半島における農業を守るため、リゾート開発地区に指定する計画がないことも明らかにしてお答え願います。
4、抵当権の設定は、通常時価の5割、県財政規則でさえも7割から8割であります。ところがこの土地の場合の設定値は、およそ100割に当たるわけです。こういう異常設定値は、当然、当該土地及び付近の地価の異常高騰に悪影響を及ぽす理由の一つになります。そのことは理論的に言ってあなたは認めますか。
5、なお、我が党の代表質問との関連でここで1点質問しておきますが、石垣新空港の予定地問題で関連地価38億円が、一挙に71億円になった届け出について適正な範囲だとの答弁があったけれども、一般庶民感覚で理解できるよう具体的にその理由を説明願いたい。ただ、規則にあるということだけではだめです。
また、幾らからだったら適正でないのかということも示してください。
次に、沖縄海外漁業問題について質問いたします。
第1の質問は、県がイニシアチブをとってこの海洋地域における第三セクター方式企業を5000万円の出資でつくったやり方に誤りがあると考えますが、自治体事業の基本原則に照らしどう考えているのかお答え願いたい。
あわせて同様、第三セクター漁業企業が全国で幾つ、どこにあるのかもお答え願いたい。
この地域の海洋漁業は、昭和50年の報国水産似来、昭和56年までの間に4つの企業が失敗し、10億円から40億円の負債を持って操業を断念したと言われている地域であります。
また、企業設立前、専門家の漁連会長は、この内容の企業はやめるべきだ、もっと小型から始め徐々に大きくすべきだと当時の喜久山盛忠県農水部長に意見を出していたが、強引に進められたと、そのとき出席していたという方の証言もあります。漁民の生活と職場を守るためには、ほかにもやり方を探究すべきだったのです。
外交権を持たない県が、しかも本来県が行うべき事業でもない漁業にイニシアチブをとって乗り出して県に損害を与えている責年、県知事、あなたはどうとりますか。
第2の質問は、企業に派遣された職員の能力問題に関する質問であります。
第3の質問に入ります。
1、地方自治法238条の2による公有財産に関する知事の管理責任を知事は果たしていません。
答弁を求めます。
2、ぽろ母船を買うなどして、商法254条の3項で言う職員の忠実義務を派遣職員が果たしていないにもかかわらず、知事は的確に指導監督していません。その政治責任をどうとりますか。
3、商法266条の3の取締役の賠償責任にかかわる問題があるわけですが、なぜその個人弁償を要求しないのか、直ちに行うことを求めます。
それができないならば、当然の責任者として知事が弁償すべき政治責任があると考えます。お答えください。
第4の質問は、貸付金についてであります。
1、知事は、1億円貸し付けるに際し担保の提供を求めておらず、また返済延期の際にも同様、担保の提供を求めていない。これは、県民と県民財産に対する背任である。どう責任をとりますか。
また、これは沖縄県財務規則183条、186条の2違反であります。どういうふうに責任をとるか明らかにしてください。
また、知事も派遣職員たちも自治法138条の2の職員の誠実義務をきちんと守っていないと考えます。この点でも御答弁をお願いします。
さらに、自治法240条3項の弁済免除は行わないことを明言していただきたい。
次に、きのう来の部長答弁の中に誤りがあると見られますので、質問します。
農水部長は、母船は「ナビエラ海外」からの用船であると答弁しましたが、株主の質問に対する沖縄海外漁業株式会社の昭和61年の答弁書には、母船購入費は4000万円であったと明記してあります。これは事実と違うと考えます。
2、漁船の修理は、琉球造船株式会社と船主との間で直接契約して行い、その修繕費の支払いは漁獲収益金で会社が立てかえ払いすることを承知して行われたと答弁しておりますが、しかし承諾していない船主がおる。その証拠もあなたに差し上げてあります。これらをどう解明しますか、お答え願いたい。
次に、リゾート乱開発から県土を守るために、1、今、全県土にリゾートでの県土荒らしが問題になっておりますが、本年2月定例県議会での私の質問に対し、今後、リゾート規制の法的措置の必要性も含めて検討したいと答弁しておりますが、その進行状況の説明を求めます。
2、海浜への自由通行を保障するために現在、企業をどう指導しているのか答弁してください。恩納村などは非常に苦労しております。
3、あわせて海浜にシャワー、トイレ、駐車場などを県の責任で設置すべきであると考えます。御答弁ください。現に、石垣市米原海岸では公的に行っております。
戦争マラリア問題について質問いたします。
戦争マラリア調査の結果を離島ごとに説明してください。
政府の受け皿づくりに首相の陳謝発言の機をとらえてさらに強く働きかけるよう求めます。答弁してください。
県立博物館は、狭隘であります。その新改築を求めます。また、現在地が狭いということであれば、移転先を含めてその検討体制を急いでつくるべきです。
2、博物館移転ということであれば、跡地は中城御殿とのかかわりでも、歴史的な価値観を持つものの保存展示空間とするよう検討すべきとの声が多く聞かれます。方針を答弁してください。
その検討に当たっては、首里地域の自治会長や地元商店会長、その他知識人なども加えるべきと考えますが、いかがですか。
モノレール問題について、その現状を説明願います。
以上であります。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 宮良作議員の御質問に対しましてお答えいたします。
一昨日の嘉陽議員に対することで私が発言したことについて、5点にわたって質問がございましたが、なぜ休憩を求めてやったかということは、あんたがたびたび指摘されているように、こういうことまで議事録に載せることでもあるまいと。そういうことで、たびたびあなたが言われたとおりです。議事録に載せちゃいけないと、こういう軽い気持ちで議長の許可を得て発言したわけですから、そういうことでなぜ休憩中に発言したかということについては、そういうことであります。
宮良作議員、よく勉強していると思うんですが、地方自治法第104条に議長の議事整理権、議会代表権とございまして、「普通地方公共団体の議会の議長は、議場の秩序を保持し、議事を整理し、議会の事務を統理し、議会を代表する。」。これが地方自治法104条に規定された議長の議事整理権、それから議会代表権の規定であります。
それを受けて沖縄県議会会議規則、「発言の場所」、第48条、「発言は、すべて議長の許可を得た後、登壇してしなければならない。ただし、簡易な事項については、議席で発言することができる。」。簡易なことはここでもできるわけですが、原則としては登壇をして発言しなければならないという、これは県の議会規則にそうなっているんですよ。
そこで私の発言は、何も不当なものではございません。ちゃんと議会規則にのっとって議長の承諾を得てやっていることでございます。
それから、翁長副知事が指さして、大声を張り上げてどなったといっておしかりを受けていますけれども……。
○宮良 作君 あなたが指示されたでしょう。
○知事(西銘順治君) まさか、私がこれは指示するはずはないです。聞いてください、私が発言している。
これは、翁長君が感きわまってやったと思いますが、そうであれば許してください。
もう、上原亀一郎議員はしょっちゅうですよ、私にこうして。(発言する者あり) 西銘知事、何ですか、といって。
あなた方は、亀一郎議員のこれを許して、翁長君のこれを許さぬ。それは……。
○宮良 作君 何のことですか。
○知事(西銘順治君) いや、これは僕が指示したことじゃないんですよ。これはお互いさまで、感きわまって、今でもやる。これはくせです。見てください、やっているんですから、今。(発言する者多し) 答弁をしているんだから聞いてください。何で人の答弁を聞かないんだ。
○議長(平良一男君) 議場、静粛に願います。
○知事(西銘順治君) あのですね、癒着とか、そういう言葉を使って、何か癒着とは一体、「ワットゥ・イズ・癒着」、癒着とは何ですか。ぴったりくっついている意味ですか。その業者とくっついて仕事をして、何かわいろでももらっているというような印象をまるで与えるんですよね。癒着とは何ですか、意味がわからない。( 「反論すればいい」と呼ぶ者あり )
いや、だからそういう意味で、私は何も、腹を切れと命令していませんよ。私が間違っておったら、私は腹切ります、あんたが間違っておったら、あんた腹切りますかと言っただけで、命令形で腹切れとは言っておりません。
それともう一つ、何億円もらったと言いましたけれども、これは先日、嘉陽議員が、いつも非難攻撃する私の義弟がおります、玉木重雄。北谷浄水場で金をもらった、どうの。一昨日もまた北谷浄水場の例にならってやったということを発言しておりますが、この「赤旗」の新聞記者を連れて嘉陽議員が私の政経同友会に玉木重雄を訪ねて、おまえたちはもらったんだろう、お金をもらったんだろうということを言っているんですね。(「言ってないよ」と呼ぶ者あり) これは玉木から私は聞いておりますから。
こんな、これは親川もみんなおりまするから、みんな見ていますから、政経同友会で。
こういうこと、けしからぬ話じゃないかということで、何かしら贈賄、収賄があるかのごとくやっていることで、私はこれはけしからぬと思うんですよね。しかも私の政経同友会に訪ねていって赤旗の記者を連れていって、まるで金をもらったかのようなことを言っているんですから、嘉陽議員のそういう態度は解せません。
そういう意味で売り言葉に買い言葉になって済まなかったんですが、情報が一方的である。どこから取られたのかしらぬが、情報が一方的だとそれこそ癒着じゃないかと。癒着とは悪いという意味にも、合法的な癒着、違法な癒着もあるでしょうけれども、そういうふうに解されても仕方がないでしょう。本当の意味での、県のやることはみな悪いんですから、みんな違法。これは嘉陽氏の独断じゃないかと私は思っておりますが、そういうことでお答えしておきます。
これは何も腹を切れということは、本当に短刀で刀で腹を切れという意味ではありません。これは戦争中の国会で寺内陸軍大臣と浜田国松との間に交わされた腹切り論争は有名なことでございまして、責任をとれという意味であります。そういうふうに御理解いただきたいと思います。
次、海外漁業についてお答えいたします。
沖縄海外漁業株式会社の円滑な業務の推進に資するため職員を会社に派遣したのでありますが、魚価の低迷、円高ドル安がずっと続いたこと、原油高、燃料費が非常に高くついたこと、そういうこと等の影響で会社がこのような事態に至ったことは、まことに残念なことであります。
次、職員派遣についてただされましたけれども、お答えいたします。
県からの派遣職員は、業務執行の意思決定機関である取締役会の取締役として忠実に事業計画に参画し、また業務の執行に当たったが、円高ドル安、魚価の低迷等がずっと続きまして意に反して計画どおりの事業が達成できなかったわけであります。結果として赤字経営を余儀なくされたものでございまして、商法254条の3に規定する忠実義務違反には当たらないと判断いたしております。したがって、257条3項で規定する取締役の解任には該当しないと考えております。
次に、職員派遣に関する知事の管理責任についてただされましたが、お答えいたします。
能力のない県幹部職員を派遣し企業を失敗させた責任をどうとるのかとおしかりを受けましたが、海外漁業株式会社の円滑な業務の推進に資するため職員を会社へ派遣いたしましたが、さっき申し上げたような事情によってこのような事態になったことはまことに遺憾であります。
先日も申し上げましたけれども、沖縄の基地漁業、海外漁業を運営するに当たって宮古の池間、佐良浜の漁師たちはこれを大事にしなければなりませんし、今後の基地漁業を維持していくためにも育てていかなければならない事業であると、私は考えております。
残りの御質問に対しましては、それぞれ所管の部長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 平久保牧場の件の御質問ですけれども、実態調査を実施しなさいという御指摘でございますが、これまでの私どもが得ております情報によりますと、平久保牧場用地で行われております取引、これは農地法違反の疑いが濃いというふうに見ております。
このような行為を放置いたしますと、農地の遊休化、荒廃化を招くとともに、周辺農地の高騰により農地の流動化を阻害いたします。さらにまた、土地の農業上の利用に悪影響を及ぼすおそれがございます。さらに農業者に不測の損害をこうむらせることが予想されます。そのため農地法の適正な運用と監視体制をとるよう、石垣市と石垣市農業委員会に対しまして行政指導を行っております。
本件につきましては、これまでも取引の実態掌握に努めてきておりますけれども、引き続き事実確認の必要がございますのでさらに調査を継続し、農地法違反が判明した場合には厳正に対処していく方針でございます。
次に、石垣市に対する行政指導を強化すべきであるという御指摘でございますが、この件につきましても農地及び牧草放牧地は、農地転用許可基準及び農振整備計画上、将来的にも確保すべき優良農地であるというふうに考えております。したがって農振農用地から除外を認める考えはございません。
また、御質問にありますように農地法違反の疑いがある土地の取引を是正するためには、まず何といっても地元の意向と対応が重要でございますので、県といたしましては石垣市に対し、糸満市が行っているような関係者への適切な対応をするように指導をいたしております。
あと、海外漁業で残された幾つかの問題がありますので、お答えいたします。
第三セクター方式をとった誤りに対してどう責任をとるか。それから全国で幾つの第三セクターがあるかという御質問ですが、第三セクターとしての沖縄海外株式会社が設立された背景には、本県の基幹漁業として発展してきた南方基地漁業を再開をして、400名余の漁業者の働く場を確保すること。さらに地域の水産業の振興を図るため、推進母体となる新しい組織を設立する必要があったというふうに考えております。しかもその組織は、基地漁業の経営に関するノウハウに加えて、パプアニューギニア政府との漁業協定の締結、基地漁業の経営に関する多額の資金の調達等を行うに足りる信用力を備えていなければならなかったわけでございまして、そのことにつきましては市町村、それから水産団体、金融団体で組織されました海外漁業連絡協議会の協議結果でもあったわけであります。
県としましては、これらの要件が満たされ円滑に南方基地漁業の早期再開を図るということで関係者の総意を踏まえて会社への出資を行った第三セクターとして発足したということでございます。
全国でこれに類する漁業関係の商法に基づく法人、自治省の調査がございまして、これは平成2年3月現在ですけれども、新潟県、福井県、長崎県に同じような形の商法に基づく第三セクターが設置をされております。
それから、1億円の貸し付けの御質問でございますが、財務規則の183条に違反しているのではないかという御質問でございますが、この1億円の貸付金は会社の資金調達の円滑化を図るため貸し付けられたものでありまして、当該会社は県も出資をした第三セクターの会社になりますので、担保なしで貸し付けを行っております。
なお、貸し付けそのものについては法律上の特に規定はございませんで、通常の予算の執行というふうに理解をいたしております。
○宮良 作君 違反ではないとはっきり言うんですか。
○農林水産部長(平敷昌一君) 違反ではないというふうに考えております。
財務規則の183条、それから186条に違反しているのではないかと、今、先生の御指摘ですけれども、返済期限の延長、これは財務規則の186条の第2項のただし書きに基づいておりまして、担保の提供を免除しております。
それから、貸付金の回収については、他にも債権者がたくさんおられますので、この海外株式会社の今後の方針が決められる中で県の債権についても当然検討され処理されるというふうに考えておりますので、それまでの間は、これまで同様返済期限の延長の措置をとりたいというふうに考えております。
なお、弁済免除については、現在のところ全く検討しておりません。
それから最後でございますが、母船購入に関する部長の答弁は間違っているのではないかという御指摘でございますけれども、私が会社から報告を受けておりますのは、この冷凍母船シーバード35、これは「海外漁業」という会社があります。これはパナマ船籍でございます。パナマ船籍の海外漁業、これは日本資本でございまして社長が楢崎氏という方の会社だったわけですが、そこからホンジュラス舶籍ナビエラ海外という会社が、昭和58年の10月25日に購入をしております。その購入したシーバード35をナビエラ海外から沖縄海外株式会社がリースをしております。その支払い、これは購入費からリース含めて沖縄海外株式会社が立てかえ払いをしていると。これが昭和59年の11月26日に立てかえ払いがされております。したがいましてこのシーバード35というのは沖縄海外株式会社が購入した船舶ではないと、リースであるというふうに報告を受けておりますし、私もそのように理解をしております。
それから、漁船の修理でございますけれども、これは一昨日も石川先生への御質問にお答えしたんですが、漁船の修理については修理会社、つまり造船会社と船主の間で結ばれた協定でございます。その修理賃については沖縄海外株式会社が立てかえ払いをしたという形で処理をされております。したがって先ほど先生からいただいたこの照会文書がありますけれども、これが4000万円で母船購入と、購入時期が昭和58年10月25日というのは私が先ほど説明したのと全く同じでございます。したがってこれは購入費ではなくして、購入費を立てかえ払いをしたという意味だと思います。
○宮良 作君 あんた、変な解釈しなさんな。書いてあるんだよ。
○農林水産部長(平敷昌一君) これはミスだと思います。
○宮良 作君 調査しなさいよ。
○農林水産部長(平敷昌一君) そういうことで海外株式会社は、この船舶をシーバード35は購入しておりませんで、リースをしているということでございます。
修理代についてもそれぞれの船主と修理会社との間で協定があります。その協定に基づいて修理代は海外株式会社が立てかえ払いをして、それは漁獲で相殺すると、こういう基本協定がありますので、そういう形で処理されておったと私は理解をしております。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) 抵当権の設定についての御質問がございます。
一般に抵当権は、通常の経済活動の中で金銭消費貸借の担保として、当事者の契約によりまして債権額または債務者の信用の程度等総合的に判断して設定されるものだと理解しております。
それから、先ほどの石垣空港の価格の問題でございますが、先日来、またきょうも何回も御説明申し上げていますとおり、国土利用計画法の所管の私どもといたしましては、届け出に係る価格の審査というものは、関係法令に従いまして適切に判断をし、そして著しく適正を欠くと認められない場合において不勧告をすると、こういう手続をとっているわけでございますので御理解いただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 振興開発室長。
〔振興開発室長 新垣徳夫君登壇〕
○振興開発室長(新垣徳夫君) 平久保半島の農業を守るため、リゾート開発地に指定すべきでないと思うがどうかという御質問にお答えいたします。
県は去る3月末に、今後のリゾート開発の指針となるリゾート沖縄マスタープランを、関係市町村はもとより、各関係機関との調整を得て策定いたしましたが、その中で自然環境及び農業的土地利用等との調和に配慮しながら、リゾート開発ポテンシャルのすぐれた地域を10地区選定いたしまして、これをリゾート振興地区として設定したところでございます。
御質問の平久保半島は、このリゾート振興地区には入っておりません。リゾート開発は、自然環境及び地域社会並びに土地利用等との調和及び全体の需給関係に配慮し、当該市町村の意向を最大限に尊重しつつ段階的に推進する考えでありますが、地元の合意形成等基本的な条件が整わない限り、当該地域をリゾート開発地に指定することは適切ではないというふうに考えております。
次に、2月定例議会において、今後、リゾート規制の法的措置の必要性も含めて検討したいと答弁しているが、その進行状況はどうかという御質問にお答えいたします。
御質問のリゾート開発規制の法的措置につきましては、去る3月に策定いたしましたリゾート沖縄マスタープランにおいてリゾート関連施策の効果的、効率的展開を図るため、関係市町村との協議の上、条例等を制定することとしております。
特に自然環境及び地域社会との調和につきましては、無秩序な開発がなされないよう総合的視点から諸施策の調整、誘導を図ることといたしております。このため、県土保全条例及び国土利用計画法等の統一的な運用強化を通じまして調和のとれた秩序ある開発に努めるよう、同マスタープランに位置づけたところでございます。
なお、具体的な措置につきましては、現在、昭和54年12月制定されました沖縄県観光振興条例におきまして地域開発に対する配慮すべき措置等が講じられておりますので、今後のリゾート開発に当たりましては、この条例に基づく規定等との関連も十分考慮しながら引き続き検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 観光文化局長。
〔観光文化局長 松堂忠健君登壇〕
○観光文化局長(松堂忠健君) 御質問の海浜への県民の自由通行、現在、どのように進行しているかという点と、自由通行について県から村へ指導また援助を強める必要があるかということにまずお答え申し上げます。
四方を海に囲まれた本県は、全島各地に海浜地が存在し、すばらしいすぐれた海洋景観と国民の海洋レクリエーションの場として重要た観光資源となっております。
ビーチの実態を見ますと、公的管理のビーチとリゾートホテルに面するビーチ、それに民営行楽施設に面するビーチ、そして自然のままのビーチとその4段階に分かれる かと思います。
これらのビーチの利用状況は、県民や観光客の海浜利用者のほとんどが無料で自由に出入りできる公的管理のビーチ、自然のままのビーチを利用するよりも、トイレ、シャワー、プール、駐車場等利便施設が整備されて快適な環境管理が行われているリゾートホテルに面するビーチ、それに民営行楽施設に面するビーチがよく利用されているのが実情でございます。
県といたしましては、ビーチの持つ公共性から財産権に係る施設管理上の難しい問題等もありますが、関係施設に対しできる限り施設入り口からビーチヘ自由に立ち入りできますようこれまでも協力要請し、一部の施設においては協力が得られ改善されたところがございます。今後とも引き続き協力が得られますよう努力してまいりたいと考えます。
なお、この件につきましては、村とも連携を図りながら指導、援助していきたいと考えます。
なおまた、それとの関係で海浜にシャワー、トイレ、駐車場など県の責任で設置すべきであると考えるがどうかということについてお答え申し上げます。
県においては、快適で安全な観光レクリエーションの環境の形成を図るべく市町村が行う海浜地のシャワーを初めとするトイレ、駐車場、展望台、休憩所等の観光施設の整備に対し、これまで助成を行ってきているところでございます。
県といたしましては、今後とも市町村と連携して、これらの施設の整備に一層努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大城清吉君登壇〕
○生活福祉部長(大城清吉君) 宮良議員の御質問にお答えします。
戦争マラリアの調査結果についてという点でございますが、お答えいたします。
代表質問でもお答えしましたが、戦時中、八重山地域に居住していた一般住民で、マラリアが原因で死亡したと推定される者を把握する必要があって、那覇地方法務局石垣支局に届け出されている死亡届から、昭和20年3月から昭和21年8月までに死亡した者を調べたところ、約3400人だったわけでございます。
これを地区別に見てまいりますと、石垣地区、旧大浜村でございますが、2300人、波照間を除く竹富地区220人、波照間地区450人、与那国地区360人、その他70人となっております。
次に、マラリア犠牲者及び遺族の実態を的確に把握し、今後の施策に資する基礎資料を得る目的で遺族からのアンケート調査を実施したところ、その結果の概要は次のとおりであります。
遺族と思われる1510人にアンケート調査を実施、そのうち回答があった629人からの調査結果では、マラリアによる死亡者は1611人となっております。これを地区別に見ました場合に石垣地区1098人、波照間以外の竹富地区90人、波照間地区381人、与那国地区42人となっております。
次に、遺族と死亡者との続柄ですけれども、配偶者が49人、1親等が698人、2親等が591人、3親等が132人、その他141人となっております。
次に、戦時中、八重山地域に居住していた一般住民で、当時おおむね14歳以上であった者で現在生存しております64人から、住民の避難状況等についての面接調査をしたところ、その結果の概要は次のとおりであります。
避難命令の有無については、49人があったと回答いたしております。これを地区別に見ました場合に石垣地区30人、波照間以外の竹富地区7人、波照間地区11人、与那国地区1人となっております。
マラリア問題に対する意見を聞いたところ、全体の50%近い31人が補償の実現を訴えております。これを地区別に見ました場合に石垣地区24人、波照間以外の竹富地区3人、波照間地区1人、与那国地区3人となっております。
次に、戦時中、八重山地域に駐留していた旧日本軍人で住所、氏名の判明している尉官クラス9人を含む17人から、住民の疎開に係る軍命の有無について調査をしたところ、その結果の概要は次のとおりであります。
1、旧日本軍と八重山地方庁との間に住民の疎開に関する協定があったと答えたのが17人中2人であります。
次に、疎開命令の有無については、軍命令だったと思う、またはそれに近い回答になっていたのが17人中8人でございます。
次に、政府の受け皿づくりに、首相発言の機をとらえ強く働きかけるべきではないかという御質問でございますが、県としてはこれまでの調査結果を踏まえ、戦時中のマラリア犠牲者の遺族に対し何らかの措置が講ぜられるように国に働きかけてまいりたいと、こういうふうに思っております。
終わります。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 高良尚光君登壇〕
○土木建築部長(高良尚光君) 宮良作議員のモノレール問題についてお答え申し上げます。
質問の御要旨は、モノレール問題についての現在の状況を説明せよでございます。お答え申し上げます。
都市モノレールの建設に向けての条件整備につきましては、これまで5項目の課題の解決に向けて鋭意努力をしてきたところでございますが、御指摘のバス事業者との調整につきましては、平成元年度においてモノレール導入に伴うバス問題調査委員会を設置し、モノレール導入に伴うバス事業者に与える影響等について調査を実施してきたところでございます。
平成2年度もこの調査の結果を踏まえて、引き続きバス網再編のケーススタディーを実施し、バス網編成をした場合の影響を把握の上、バス事業者との協議を進めていく考えでございます。
○宮良 作君 答弁漏れがありますので休憩してください。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後4時16分休憩
午後4時19分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 議長の許可を求めて発言したことはたびたびございます。宮良議員が当選される前のことですが。
私は、今度の発言だって何も不当な発言だとは思っておりません。余り嘉陽議員の演説の内容が、何か県がやっているような、悪いことをしているような、違法なことをしているようなことがあるから、今度だけじゃないんですよ。彼が当選してから今日に至るまで我慢してきたんだけれども、今度は我慢できなくて、それでも余りいじめてはいかぬなということで議長の許可を求めて休憩中の発言で処理したわけですから、これは御理解いただきたい。
一体、癒着という意味がわからないんですよ。ワットゥ・イズ・癒着……。
○官良 作君 わからないのに怒るなよ。
○知事(西銘順治君) 使っているのに。使っておるから、僕は癒着の意味がわからない。癒着にも合法性、整合性、違法性、いろいろあると思うんですけれども、意味がわからぬから、意味のわからぬことを使うから、あんたこそ癒着じゃないかと言うただけの話ですよ。
情報を一方的に取らないで、県の意向も、どこからの情報かわかりませんけれども、そういうことで、一体、癒着とは何ですかと本当は聞きたかったわけですね。そういうことで御理解賜りたいと思います。
○議長(平良一男君) 翁長副知事。
〔副知事 翁長助裕君登壇〕
○副知事(翁長助裕君) 知事への質問の関連で答弁申し上げます。
恐らくやむにやまれぬ無意識のうちの行動だったと思いますので、余り定かではございませんが、そういう態度があったとするならば、今後厳重に注意をいたしたいと思います。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 先ほどお答えしましたのはシーバード35、これは沖縄海外株式会社の所有ではないというふうに報告を受けております。これはあくまでもリースであると。
したがって、先生が先ほど示されましたコピーですけれども、母船購入4000万というのは、購入は私はしてないという報告を受けておりますので、購入に要する費用の立てかえの意味だろうというふうに私は受けとめておりますけれども、会社側によく照会して事実をつかんでみたいと思っております。
○議長(平良一男君) 宮良 作君。
〔宮良 作君登壇〕
○宮良 作君 再質問いたします。
知事、あなたは議事録に載せるものでもあるまいということで休憩を求めてやったと言うけれども、そういう判断はあんたが勝手にやっていいですか、ここで。とんでもないですよ、あなた。そういう主観的な判断をして、そして議場を混乱させた責任はあなたにあるんですよ。あんたは全能力者ですか。あんたが勝手に判断していいですか。とんでもありません。そういう主観的な判断で議員の質問に答えてもらったら困るんです。もっと落ちついて真摯に民主的にやってください、民主的に。答弁求めます。
それから、議員に対する答弁をするんであれば、開会中に正々堂々とやってください。
以上です。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 先ほども答えたとおりでございまして、これは時と場合によって、できるだけやらぬようにしたいんですが、時と場合によっては議長の許可を得て休憩を求めてやりますけれども、できることならばそういうことがないようにしたいわけですよ。たまたまそういう事態が起こったから、そういうことで議長の許可を得て休憩してもらって、議事録には残さぬで率直に話をしようと、こういうことでやっているんですから。
○宮良 作君 あなたが判断していいんですかと質問したんですよ。
○知事(西銘順治君) そのとおりです。
私が休憩を求めるんですから、私の意思によって、私は議長にお願いをして、議会規則にちゃんとのっとって登壇をして話をしているわけですから、何もあんたから必ず本会議を開いて堂々とやれと言われても、私としては、これは議事録に残したくないので休憩を求めてやっただけであります。
○議長(平良一男君) 島袋嘉盛君。
〔島袋嘉盛君登壇〕
○島袋嘉盛君 質問の前に所感を申し上げます。
一昨日の嘉陽議員の代表質問に関し、知事の本議場内における休憩中の腹切り発言、態度のさまは、127万県民の代表である知事の行動として全く評価できません。神聖なる本議場であり、全く残念であり遺憾に思います。
一般質問を行いますので、よろしく御答弁をお願いいたします。
まず初めに、慰霊の日の休日存続問題について質問いたします。
知事は、慰霊の日の休日は廃止するなという多くの県民の声に耳をかさず、また慰霊の日の休日が存続できるよう政府に対し何の申し入れもなく、地方自治の独自性も主張することなく、県民の反対を押し切って提案された慰霊の日の休日の廃止に関する関係条例は本議会において全会一致で廃案にされ、知事は孤立無援に追い込まれたのであります。
ことしは、第30回目の沖縄全戦没者慰霊祭を迎えました。敗戦後45年目にして海部総理が来県し、沖縄全戦没者慰霊祭に出席され、申しわけありませんとざんげされました。
総理の来県に対する評価は多種多様でありましたが、この機会に知事は、これまでの慰霊の日の休日問題に対する認識を改められ、慰霊の日の休日を存続させるため最大の努力を払っていただきたいのであります。慰霊の日の休日が存続してこそ20万余の戦没者の方々と遺族の方々へのせめてもの償いであります。また恒久平和を願う上からも私たちの責務であると考えます。
以上の認識に立って、次のことをお尋ねいたします。
1、知事は、去る6月23日の記者会見で、慰霊の日の休日の存続を求めていく考えを示されましたが、姿勢の転換であり心境の変化を伺いたいと思います。
2、知事は、慰霊の日の休日の存続は可能と判断されているか。また、具体的にどのような方法で休日を存続させるお考えか伺いたいと思います。
3、法律の改正で慰霊の日の休日が実現するまで、慰霊の日の休日を廃止する条例は再提案しないという知事の御決意を伺いたいと思います。
次に、基地問題と駐留軍従業員の雇用の確保について質問いたします。
沖縄における米軍基地は、戦後45年を経た今日、いまだに日本全国の75%を押しつけられ軍事基地は年々機能強化され、実弾による都市型戦闘訓練等県民の感情とは裏腹に軍事演習はますます激化しております。
一方、基地から派生する事件、事故や、基地から派生する赤土による海浜の汚染、自然破壊等枚挙にいとまがありません。これは、日米安保条約の沖縄への押しつけと日本政府の基地行政の沖縄差別であります。
また同時に、安保繁栄論を繰り返す西銘知事の政治姿勢に大きく起因していると考えます。
一方、外務省と防衛施設庁は、19日に在沖米軍基地の整理統合問題で、返還が合意された区域、施設のリストを発表した。それによると返還が確認されたのは17施設23事案で、総面積は約853ヘクタールで、早ければ年内にも返還される見通しとのことであります。
しかし、最も返還が期待されていました読谷飛行場、那覇軍港は返還されてなく、また返還面積もわずかに3.5%でしかなく、細切れ的返還であり、内容に乏しく期待に反するものであります。
一方、在沖米軍は、5000人を3年内に削滅する計画をハーディスティ米太平洋軍事司令官は、去る22日に明らかにした。しかし、これらに伴う駐留軍従業員への影響は全く明らかにされてないのが実態であります。
今、県政の最も緊要な課題は、軍用地転用特別措置法の早期立法の実現を図ること、跡地利用計画を促進し返還要望施設区域内での跡利用計画の策定が20%に満たない現状を高めること、また駐留軍従業員の雇用安定の確保を図ることであります。
以上の認識に立って次のことをお尋ねします。
1、跡地利用計画の策定は急務であるが、県として抜本的な跡利用対策をとるためにどのように対応するか伺いたい。
2、神山操全駐労沖縄地区本部委員長から県に対し、日本人従業員の雇用に関する申し入れ6項目について御答弁を願いたいと思います。
3、泡瀬ゴルフ場には45人の従業員が働いております。今回の返還の公表によって関係者が大きな不安と動揺を受けております。県は、この問題にどう対応するか伺いたいと思います。
4、財団法人沖縄駐留軍離職者対策センターヘの助成を強化し、離職者対策と雇用対策に万全を期すべきと考えるが、知事の御所見を伺いたい。
次に、東雲の丘老人ホーム横領事件について質問いたします。
このたびの社会福祉法人憲章会が経営する特別養護老人ホーム東雲の丘の元施設長らが、入所しているお年寄りの銀行預金を勝手に引き出し着服していた業務上横領事件は、人心を失した、あってはならない出来事であります。
今回の事件で浮き彫りにされたのは、同ホームのずさんな管理運営とともに、県当局の福祉施設に対する監督責任の甘さや行政指導のいいかげんさであると考えます。
福祉の手を差し伸べなくてはならない弱者を相手に、本来なら弱者の味方であるべき医者、それも県立病院の最高責任者が福祉施設を舞台にした横領事件に関係し逮捕され、さらに監督官庁の県当局がこの不祥事を事前に知り、もしくは知り得る状態にありながら、結局は司直の手が入るまで放置していたという事実は、まことにゆゆしき問題であります。
極めて残念なことでありますが、最近の福祉施設につきましては、今度の事件に関係なく、かつての人道主義から、今日では営利主義に転じているのではないかという風評さえも聞こえているのであります。
もちろんそうした不心得な施設は一部であり、大部分の関係者は日夜福祉の心で頑張っておられると確信しております。それだけに、一部の不心得者のために多くの献身的な人々が傷つくことがあってはならないと思うのであります。そのためにも監督官庁である県当局の指導監督の責任は重いものがあります。
私は、以上の認識に立って次のことをお尋ねいたします。
1、東雲の丘老人ホーム横領事件は、現職の県立病院長の逮捕まで発展した。このような非人道的行為は、本県の福祉行政に大きな汚点を残し、また県民の信頼を大きく失墜させた行政の責任は重大であると考えますが、知事の御所見を伺いたいと思います。
2、県内にある監査対象施設は423施設で、そのうち法人は242施設であります。これらの施設に対する監査の実績はどうなっているか。また、一施設に対する監査の所要時間等の実績はどうなっているか伺いたい。
3、県の施設監査体制は7人で行っているとの答弁がありますが、監査体制の強化の必要はないか。
また、今回の事件を監査の時点で知っていたか。チェックできなかったのであれば、何が原因か伺いたい。
また部長は、預かり金について利息をつけて返済しているので告発しなかったと発言しているが、その程度の自覚で今回の事件を受けとめているのか所感を伺いたいと思います。
次に、県立美術館建設問題について質問します。
県立美術館の建設は、本県の復帰時における記念事業の一つとして位置づけされた事業であったと記憶しておりますが、今日まで建設計画すら立てられてないのが現状であり、本県の文化行政の脆弱さは全く残念であります。
幸いにして、、去る6月8日には、沖縄県文化問題懇話会座長より県立美術館の早期建設に向けての提言がありました。また、多くの関係者からも早期建設の強い要望があります。建設の促進の立場から次の質問をいたします。
1、県立美術館の早期建設を県民は待ち望んでおりますが、文化立県を目指す上からも県民の期待にこたえていただきたいのであります。知事の御決意を伺いたいと思います。
2、沖縄県文化問題懇話会の山本正男座長よりの早期建設の提言に対し、知事は前向きに検討していきたいと述べておられますが、3次振計に位置づけて実現を目指すべきと思うのであります。建設計画はどうなっているか伺いたい。
3、作品の収集に関しては美術品購入基金を設け計画的に購入を図ることを提言しておりますが、早急に基金制度の実現を図り対応すべきと考えますが、知事の御所見を伺いたい。
次に、米須地区慰霊塔周辺の整備について質問します。
米須地区霊域にはひめゆりの塔、そして魂魄の塔を中心に14の慰霊塔が建立されております。
魂魄の塔には、無名戦死者3万5000余柱が祭られています。また、県外の慰霊塔も9つ建立されております。そのため参拝者も後を絶ちません。去年の慰霊の日には、大雨のため供え物も開けない状態でした。多くの関係者から周辺の環境整備をしてほしいとの強い要望があります。早急に十分な整備を図り、関係者の要望にこたえていただきたいと思います。
次のことについてお尋ねいたします。
1、米須地区霊域の整備計画はどうなっておりますか。
2、魂魄の塔の整備、専用駐車場の確保を初め当該区域の環境整備を早急に行うべきと思うが、御所見を伺いたい。
次に、マンタと熱帯魚捕獲問題について質問します。
八重山地方における大海洋祭マンタピア八重山90は、年々大盛況を博し、多彩なイベントは八重山地方の観光開発と活性化に大きく役立ち、また内外から多くの期待が寄せられています。その代名詞でありますマンタが、今大きくクローズアップされております。
事の起こりは、去る18日、本土某水族館の依頼でマンタ2匹が捕獲され、同水族館へ向け搬送されたからであります。
マンタと熱帯魚は、イリオモテヤマネコ、八重山地方のサンゴと並ぶ観光資源として今後大きく役立つでありましょう。画面に映し出されるヨナラ水道を遊泳するマンタの雄姿は実に壮観であります。自然破壊が進む今日、今回のマンタを初め熱帯魚等の捕獲は憂慮にたえません。
竹富町の友利哲雄町長は、観光資源保護の立場から捕獲したいように申し入れ、また今後、マンタの捕獲を規制する意向のようであります。
かけがえのない自然の保護と観光資源保護の立場から、次のことについてお尋ねいたします。
1、八重山地方における今回のマンタ捕獲問題をどう受けとめているか。またその経過を説明願いたい。
2、自然の保護、環境の保全、生態系を維持する上からマンタや熱帯魚の捕獲を規制していく考えはないか伺いたい。
3、熱帯魚捕獲の規制はどうなっているか。また捕獲の実態はどうなっているか伺いたい。
最後に、自衛隊機墜落事故と離島医療の充実について質問します。
ことし2月17日未明、救急搬送のため那覇より宮古島に向かった自衛隊機遭難事故は、無事であってほしいとの県民の願いもむなしく、遺体さえ帰らぬ最悪の事態となってしまいました。今はただただお亡くなりになりました4名の方々の御冥福をお祈り申し上げるものであります。
また、今回の遭難事故は、本県が急患搬送機に添乗医師制度を実施したやさきの事故であり、まことに残念でなりません。二度とこのような事故があってはなりません。
県政においても、今回の事故を踏まえ、安全性の確保と離島医療の充実に万全な行政施策を講じなければなりません。
以下のことについてお尋ねいたします。
1、自衛隊機墜落事故の原因は何か。調査はどうなっているか。また原因は究明され、結果は公表されるのか伺いたい。
2、県立宮古病院への脳外科の開設時期はいつか。開設の具体的見通しを伺いたい。
3、救急専用機の導入を検討する考えはないか。また今回の事故を踏まえ、離島医療の充実を図る特別の施策はあるのか伺いたいと思います。
以上であります。よろしくお願いします。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 島袋議員の御質問に対しましてお答えいたします。
慰霊の日についてお答えいたします。
これまでもお答えしたとおり、現行の法制度のもとにおいては、法律の規定する日以外の日を休日とすることは困難であると考えております。
しかしながら、県議会における審議の経過等を踏まえ、また去る6月23日に海部総理大臣が来県された際の慰霊の日の扱いについての発言もあることから、県としては、慰霊の日を県職員の休日として存続できるように国に対し法的な措置を要請してまいりたいと思います。
休日条例の提案について御質問がございましたが、お答えいたします。
週休2日制の導入は、時代の趨勢となっております。国や他の都道府県との均衡を図るとともに、県職員の勤務条件を整備するためにも早急に土曜閉庁制度を導入したいと考えているところでありますが、地方自治法が改正されるまでの間の土曜閉庁の取り扱いについては、関係団体等とも十分調整を図りながら検討してまいりたいと思います。
次に、老人ホームにおける横領事件についての御質問に対してお答えいたします。
本事件は、福祉の援護を必要とする入所者からの預かり金を着服横領したものとされており、まことに遺憾であります。県民の老人ホームに対する信頼と期待を回復するため、今後は適正な老人ホームの運営がなされるよう指導体制を一段と強化してまいりたいと思います。
次に、基地問題についてお答えいたします。
軍用地の跡利用については、地域開発の方向を踏まえ、市町村等が主体とたって跡利用計画を策定し、その利活用に努めているところであります。県としては、軍用地跡地について土地区画整理事業や土地改良事業等の公共事業の導入を図り、地域における産業の振興、都市整備等の諸施策を推進してまいりたいと思います。
また、沖縄県軍用地跡地利用促進連絡協議会を設置し、今後、返還跡地の利活用の促進を図るため全庁的に取り組んでいく所存であります。
美術館の建設についての提言がございましたが、お答えいたします。
県立美術館の建設については、去る5月16日に沖縄県文化問題懇話会から提言を受け、目下これを検討させているところであります。
美術館の建設については、第3次振興開発計画に位置づけ、建設ができるように努力してまいりたいと思います。
性格については、本県特有の歴史と伝統文化等の地域特性及び国際交流の拠点形成の立場から、あくまでも地域に根差した特色ある美術館にしたいと考えております。
次に、自衛隊機墜落事故と離島医療の御質問に対しましてお答えいたします。
離島医療の充実強化については、これまで離島の医師確保対策及び町村立離島診療所の施設整備や運営費補助を実施し、さらに人口規模及び地理的条件等により診療所の施設整備が困難な離島においては、医科及び歯科の巡回検診で対応いたしております。
今後は、医療供給体制の充実を目標に医療施設の整備、保健医療従事者の恒常的確保や、僻地中核病院を中心とした離島診療所の支援体制の強化及び救急医療体制の整備等を図る必要があると考えております。
そのため、本年度において離島僻地保健医療計画の策定を進め、それに基づいて離島医療の一層の充実強化を図る所存であります。
残りの御質問に対しましては、それぞれ所管の部長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 饒波正之君登壇〕
○商工労働部長(饒波正之君) 基地問題と軍雇用員の雇用の確保についての質問の中から、全駐労地本委員長からの申し入れ事項について質問がありましたので、お答えをいたします。
去る4月20日、全駐留軍労働組合沖縄地区本部委員長から、在日米軍兵力の削減計画に伴う日本人従業員の雇用問題の抜本的対策に関する申し入れが行われております。要請の事項は6項目から成っておりますが、雇用関係では、日本人従業員への影響、雇用主責任において万全の施策を講ずること。中長期的な展望に立った雇用対策と多角的職業訓練の実施がその主な内容となっております。
これを受けまして県といたしましては、基地従業員の雇用の安定を基本に、現在、全駐労沖縄地本に対する回答を検討しているところであります。
次、泡瀬ゴルフ場が返還された場合、従業員の雇用の確保をどのように考えているかという御質問にお答えをいたします。
現在、泡瀬ゴルフ場には45名の従業員が勤務しており、今回の返還は移設条件づきとなっております。同施設は、今後いつ、どのような方法で返還されるか現在のところ明らかにされておりませんが、県といたしましては、同施設の移設後も引き続き雇用が継続されるよう国及び関係機関に強く働きかけていきたいというふうに考えております。
次に、財団法人沖縄駐留軍離職者対策センターの運営補助金を増額し、同センターを強化する必要がないのかという御質問にお答えいたします。
財団法人沖縄駐留軍離職者対策センターは、駐留軍関係離職者等の再就職の促進、生活の安定を図る目的で昭和48年に設立されております。同センターは、これまで駐留軍関係離職者の再就職の面で重要な役割を果たしてきており、同センターの業務は今後一層重要になるものと考えられます。
このようなことから、同センターにつきましては、その内容の充実強化に努めるとともに、利活用につきましてもその検討を図っていきたいというふうに考えております。
○議長(平良一男君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大城清吉君登壇〕
○生活福祉部長(大城清吉君) 島袋議員の御質問にお答えいたします。
最初に、社会福祉施設に対する監査の実績と、1施設当たり監査所要時間の実績についてという御質問でございます。
平成元年度の監査実施状況でございますが、施設数が対象で415、実施数が348。それから施設の法人に対して対象が194、実施数が176、合計いたしまして対象数609に対して、実施数が524でございます。
次に、1施設に対する指導監査の所要時間でございますが、入所施設の場合に1施設当たり1人で延べ3日間でございます。保育所の場合に、1施設当たり1人で延べ1日間、1日大体8時間という計算でございます。
次に、老人福祉施設関係について御説明いたしますと、法人関係で指摘状況が96件、施設運営関係で163件、入所者処遇で52件、会計経理関係で211件、合計522件で、そのうち改善いたしましたのが大体80から90%でございます。
次に、施設の監査体制は7人とのことであるが、強化の必要はないか。あるいは今回の事件を、監査の時点で知っていたか。チェックできなかったのであれば、原因は何かという御質問にお答えいたします。
監査体制については、現在、10人でいたしております。
なお、指導監査を実効あらしめるために次のことについて検討をいたしているところでございます。
内部体制の強化、また関係課による応援体制の強化を図るべく検討いたしております。
次に指導監査方針について、そのあり方を検討いたしております。それから制裁措置等についても検討をいたしております。
次に、今回の不祥事は、一般指導監査では大変発見しにくいものであったわけでございます。一般の指導監査では発見することはできなかったわけでございます。
次に、指導監査にはいわゆる限界等もあり発見できなかったわけですが、特に今回の場合、一般監査ではやはり踏み込みにくい分野、いわゆる公的なものというよりは入所者のプライベートな金銭関係、そういったもので普通の、通常の監査ではなかなかそれがわかりにくい、そういう分野であったわけでございます。
次に、預かり金について利息をつけて返済しているから告発しなかったということと、その程度の自覚で今回の事件を受けとめているのかという御質問でございます。
法律条文どおりでいくならば、確かに告発すべきであるかもしれませんけれども、次の理由により告発しなかったわけでございます。
入所者の預かり金については、県の特別監査で確認した限りにおいては利息まで計算し返済され、実害がなかったということが1点でございます。
次に、県の指導により、施設長を兼務した理事長がその責任を痛感し、平成元年9月1日付で施設長を辞任し、社会的、道義的責任を果たそうと努力したことでございます。
次に、特別指導監査で指摘した事項は、すべて改善が図られているということでございます。
さらに次に、告発した場合における入所者に対する影響、同種の社会福祉施設に対する社会的反響、今後の指導監査に対する協力、信頼関係に及ぽす影響等も考慮いたしたわけでございます。
次に、社会福祉法人に対する指導監査は、関係法令、通知による法人運営、事業経営についての指導事項について監査を行うとともに、経営全般にわたって積極的に指導、助言を行うことによって適正な法人運営と円滑な社会福祉事業の経営の確保を図ることを目的として行うものであり、不当事項があればすぐ告発という姿勢ではなく、これからも徹底した行政指導により社会福祉法人の健全育成に努めてまいる所存でございます。
最後に、米須地区の霊域の整備計画、魂魄の塔周辺の整備でございますが、関連がございますので、一括してお答えいたします。
魂魄の塔の整備については、沖縄県遺族連合会に補助金を助成し平成元年度予算で整備をしてまいったところでございます。
また、駐車場等整備については、御指摘のとおり舗装されていない状態にありますが、現駐車場は私有地等も含まれているので専用駐車場とするには関係者などと調整し検討する必要がございます。
なお、米須霊域全体を含めた整備計画については、現在、計画をされておりません。戦跡国定公園でもあり、公園施設あるいは霊域としての施設整備について、まず関係機関と調整を図ってみたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 観光文化局長。
〔観光文化局長 松堂忠健君登壇〕
○観光文化局長(松堂忠健君) 今回のマンタ問題を観光資源の立場からどう受けとめているか。またその経過の説明をということについてお答え申し上げます。
本件の経緯につきましては、地元八重山漁協に照会いたしましたところ、ことし5月ごろ、三重県の鳥羽水族館から魚類の指定はなく生態研究の目的で依頼があったものであり、組合員が特に捕獲規制のないマンタを他の魚類とともに捕獲したもので、捕獲されたマンタは2匹で、組合員から同水族館に引き渡された後、竹富町や地元のダイバー等の意向を踏まえて輸送の途中で放流されたようであります。
地元の竹富町におきましては、マンタは回遊魚であるが、特に竹富町のヨナラ水道の海域では多く見られ大切な観光資源ととらえております。県としても、マンタは、同海域特有の極めて希少価値が高い大きな観光資源としてその保護対策は重要だと考えております。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 前村善徳君登壇〕
○環境保健部長(前村善徳君) マンタの御質問について自然保護、環境の保全、生態系を維持する上から、熱帯魚やマンタの捕獲を規制していく考えはないかとの御質問にお答えいたします。
自然公園内におけるすぐれた海中景観の保護を図るために指定されている海中公園地区におきましては、自然公園法第18条の2第3項の規定によりまして熱帯魚、サンゴ等の保護保全を図るためその捕獲規則を行っておりまして、その採捕に当たっては、同法の規定に基づき国立公園にあっては環境庁長官の、国定公園にあっては都道府県知事の許可が必要であります。
現在、渡嘉敷海中公園地区及び座間味村座間味海中公園地区の2地区におきましては、指定当時の生息調査結果を踏まえましてマンタについても規制動物として指定し、その保護を図っているところでございます。
なお、御質問のヨナラ水道海域は西表国立公園地域となっておりますので、今後、国の関係省庁、地元竹富町及び漁業関係者とも調整を図っていく必要があると考えております。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 病院管理局長。
〔病院管理局長 上原 勲君登壇〕
○病院管理局長(上原 勲君) 宮古病院の脳外科開設の御質問にお答えいたします。
宮古地域に脳外科を開設することにつきましては、県としてもその必要性を痛感しており、去る2月定例議会での代表・一般質問につきましても、今後、医師確保を図り、できるだけ早期に開設したい旨答弁をいたしました。
ところがその後、民間の専門医が当該地域に脳外科を含めた100床規模の病院を開設する計画があり、これが実現した場合の脳外科の需給バランスについて新たに検討を要する必要がございます。
したがいまして、宮古病院への脳外科開設につきましては、今後、当該民間病院の動向を見きわめた上で判断することにいたしまして、当面は中部、那覇、南部の各県立病院からの応援体制によって対応していきたいと考えております。
○議長(平良一男君) 総務部長。
〔総務部長 石川秀雄君登壇〕
○総務部長(石川秀雄君) 自衛隊機墜落事故と離島医療の充実の御質問の中で、自衛隊機墜落事故の原因は何か、調査はどうなっているか、結果は公表されるかという御質問にお答えいたします。
御案内のとおり、平成2年2月17日、救急患者空輸のため宮古島に向かった自衛隊機が、同日1時50分ごろ、宮古島北東約52キロメートル地点において遭難し、同日から5月1日までの間捜索が行われ、エンジン、プロペラ等主要部品が回収されております。
事故原因につきましては、目下、陸上自衛隊航空機事故調査委員会において究明が行われており、調査結果の公表等については検討中のようであります。
次に、救急用専用機の導入を検討する考えはないかという御質問にお答えいたします。
救急用専用機の導入につきましては、多くの有人離島を抱え搬送件数の多い本県では重要な課題であると考えておりますが、救急専用機を持つことについては財政負担等を初め多くの課題があり、県としての確保をすることは大変困難であります。
なお、沖縄離島振興協議会が、さきに関係省庁に急患搬送専用航空機の確保を要請しておりますので、県もこの要請の趣旨を踏まえ、今後、関係省庁へ要請していきたいと考えております。
以上であります。
○議長(平良一男君) 島袋嘉盛君。
〔島袋嘉盛君登壇〕
○島袋嘉盛君 マンタ問題についてほか再質問をいたします。
このマンタ問題は、大変前向きな御答弁をいただきましたので、今後、そういう方向で進むことを期待するわけであります。
ただ、新聞報道によりますと、放したことに対するコメントがあるわけでございますが、法的には後ろめたいことはないが、検討した結果、水族館のイメージダウンになってはいけないということで館長が最終的に判断したと、こういうことであります。これはあくまでも新聞でございますが、このような感覚で沖縄の自然を荒らされてはいけないと思うわけです。そういうことで特に今回、この問題を取り上げました。
また、特にこれから観光立県を目指す本県でございますから、陸地を初め海浜、海中、すべての自然環境に対する行政を強めていただきませんと、このようなことがまた起こる可能性がございます。
あと1点は、離職者センターヘの補助金の状況でございますが、これは部長からの答弁は大変前向きでございますので期待をしておりますが、、昭和56年以降、市町村額はそのままずうっと並行的に補助され推移しておりますが、県の補助が56年度は1620万、これが平成元年度は1082万9000円に落ちているわけです。国も大体そのようでありますが、これでは離職者対策に十分でないということでありますし、今後の首切り合理化に対する、雇用の安定を図る上からも、ぜひこの補助の充実を図っていただきたいと思うのであります。
終わります。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後5時5分休憩
午後5時26分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
本盛 茂君。
〔本盛 茂君登壇〕
○本盛 茂君 まず、一昨日の知事の文学的表現という名の腹切り発言は、まことに遺憾であり、納得できるものではないことを申し述べて、通告の順序に従って一般質問を行います。
最初に、離島医療問題についてであります。
竹富町の小浜島住民が待望していた県立小浜診療所が、去る5月1日に6年ぶりで再開されました。このことについては、本員もこれまでたびたび取り上げできただけに、その実現に対する喜びは感ひとしおたるものがあります。ここに関係者各位の御努力に対し、厚く謝意を表します。まことに御苦労さまでした。
では、質問に移ります。
急患輸送で医師が同乗した自衛隊機の墜落事故で、県が設置した自衛隊機遭難事故連絡会議の最終会議で、今後の課題として、1、離島医療の充実、2、急患輸送の専用機、3、離島市町村の急患輸送に伴うヘリポートなどの設備の充実、4、気象庁や海上保安庁など国の機関との連携などが挙げられ、県としては実現に向け関係機関で協議、検討するとともに、国へ要請していく方針だとの新聞報道がありました。
西銘知事は、これまでの知事選挙の公約で、離島問題については医療を最優先して取り組んでいくと言明してこられましたが、この4つの課題の実現に向けての御所見を承りたいと存じます。
特に、2の急患輸送の専用機設置の必要性についてはどのように考えておられるかお伺いいたします。
次に、戦争マラリア補償問題についてお尋ねいたします。
県が1000万円を超える予算を計上して、本問題の実態調査を開始してから1カ年が経過しました。
沖縄戦強制疎開マラリア犠牲者援護会でも、篠原会長を中心に役員の皆さんが精力的に調査、要請等の活動を展開し、みずから調査した資料を新聞紙上で公表し、県民の理解と協力を得るために懸命な努力をしておられることに対し敬意を表します。
今や、県民の中でマラリア有病地への強制疎開が、軍命によるものであったという事実を疑う人はいないのではないかと思います。
軍命の有無については、沖縄県史や石垣市の資料における記録だけでもその有無の認定は十分にできるものと私は信じています。
石垣市議会における本問題についての一般質問に対して半嶺市長は、戦争マラリア国家補償については一日も早く実現するようバックアップする、集団疎開は軍命と信じており、私が生き証人と明快な答弁をしています。
知事、この問題は、まずあなたが強割疎開は軍命であったとの明確な立場に立たない限り、その進展は望めません。
そこで質問ですが、1、県のこれまでの調査の状況とその結果について、2、軍命の有無についての知事の御見解、3、補償の実現についての見通し、以上3点についてお伺いいたします。
次に、農業問題についてお尋ねします。
今期の製糖は、台風による被害もなく、夏場の干ばつもほとんどなかったなどの天候に恵まれ、大豊作でしたが、サトウキビは4年後の平成6年から品質取引に入り、生産者価格の引き下げ傾向など先行きは厳しく決して明るいものではありません。
農業用水の確保、かんがい排水施設の整備など生産基盤の整備の立ちおくれ、優良品種の普及や機械化など行政からの強力な支援が必要な分野が多々あります。
特に問題となるのは、サトウキピの生産費の7割強を占める労働費の問題で、機械化をどう進めるかが最大の課題であると言われています。
キビ作農家の高齢化は急ピッチで進んでおり、このため収穫時における人手不足は年々深刻化し、栽培面積の減少に加えて、人手不足による影響で収穫放棄も確認されているだけで44ヘクタールにも及んでいると新聞は報じています。今後、収穫放棄をなくすために早急に機械化を推し進めなければなりません。
県は、この深刻な人手不足を克服するための機械化の推進についてどう対応なさるのかお伺いいたします。
次に、離島振興上の重要問題として急浮上してまいりました宮古、八重山地域へのテレビ民放の早期実現についてお尋ねすることになっていますが、本員が質問をしたいと考えていたことについて去る6月27日付の琉球新報の報道で、先島地域通信施設整備推進協議会が6月26日に行政など33者で設立されたこと。同協議会は、今後月1回の割合で会議を開き、12月をめどに何らかの結論を出したいとしていることなどがわかりましたので、しばらくは同協議会の活動を見守ることとし、その実現が一日も早からんことを期待して、今回の質問はその早期実現に向けての知事の所信を承るだけにいたします。
次の質問は、本員がこれまで再度にわたって取り上げてまいりました与那国、西表西部及び波照間地域におけるラジオ難聴地域の解消についてであります。
私の質問に対し知事は、郵政大臣に対し、ラジオ難聴の解消を要請したこと。今後とも当該地域における中継局の設置について引き続き努力したい旨の答弁がありましたが、本問題の解決に向けての県の対応はその後どうなっているかお伺いいたします。
最後に、教育問題について私見を述べながら質問をいたします。
初めに、県教育委員会が取扱注意の文書として 小中学校長に配布した公立小中学校長会資料の君が代の解釈についてお尋ねします。
君が代の君とはだれのことか。また君が代の解釈はどうかとの設問に対して、歴史的に見ると時代による解釈も変わってきているが、国歌として君が代が用いられて以来、君は天皇のことだと考えるのが一般的だと思う。しかし現在の天皇は、憲法第1条に規定するように主権の存する日本国民の総意に基づいて日本国の象徴、日本国民統合の象徴と定められており、戦前の天皇の地位とは本質的に違う。歌詞全体の意味は、日本の国は平和で、天皇も国民もみんな幸せで、小さな石が積もり積もって大きな岩となり、なおその上にこけが生えるように千年も万年も長く栄えますようにと願った歌であると理解していると記されています。
そして同じページに、国歌というものは伝統的かつ精神的なもので、言葉をあげつらうものではない。要するに国歌は理論で説明して歌うものではなく、国民が国への愛情を歌うものだ。君が代は、古い伝統に新しい理解を加えて歌えば何ら問題はないという金森徳次郎氏の談話。さらに正宗白鳥氏の君が代に必ずしもしかつめらしい皇室礼賛が伴うものではない。亡国の歌としても伝統的情緒が動かされるのである。興国の歌としても亡国の歌にしても、詩情を動かすところに人間的妙味がある。歌詞の意味など末のことであるという両氏の談話を参考として掲げています。
この両氏の談話を小中学校長会の研修資料に参考として掲げたということは、県教育委員会の君が代の歌詞の解釈について、同談話がそれを補完し充足する役割を果たすものであると考えたからでありましょう。
このことは、県教育委員会が、この両氏と同見解であることを示すものであり、重大な問題点を含んでいると私は考えています。
県教育委員会が、現在の天皇の地位は主権の存する日本国民の総意に基づいており、戦前の天皇の地位とは本質的に違っているとの認識を一応は示しながらも、君が代の歌詞全体の解釈については戦前の国定教科書で示された意味と本質的に異なることのない解釈をなし、これを学校長に指導しているということはまことにもって驚きであり、憲法、教育基本法に基づく教育行政の本来のあるべき姿から見て、甚だ理解に苦しむところであります。
絶対君主であった大日本帝国憲法下における君が代の君の天皇と、国民主権の日本国憲法下における君が代の君もまた同様に天皇であるとして同列に取り扱う県教育委員会の君が代の解釈は、主権在民の意義をあいまいにし憲法前文の精神に逸脱するものであると考えます。
県教育委員会は、主権の存する日本国民の総意に基づく天皇の地位ということを、主権在民の重みを一体どのように認識しておられるのでしょうか。憲法第1条の天皇の地位についてを云々する前に、憲法前文についてしっかり学習することが必要であると考えます。
県教育委員会が君が代の解釈でその歌詞とは全くかかわりのない、すなわち日本の国は平和で天皇も国民もみんな幸せでなどと勝手な意味づけをしていることもまた疑問であります。歌詞のどこをどういじくり回せば、そのような意味が生まれてくるのでしょうか。
教育長、憲法第99条は、天皇も大臣や公務員とひとしく、この憲法を尊重し擁護する義務を負うと定めています。これは主権者たる国民が、天皇や公務員に義務を課する形をとっています。君が代の解釈に当たっては、天皇の上に主権者たる日本国民がいることをしっかりと認識し、依然として主権在民の立場に立った解釈でなければ、到底国民を納得させることはできません。
県教育委員会の君が代の解釈が、自民党政府高官や文部省の反動行政の解釈に追従する立場に終始していることは、まことに遺憾であります。
では質問をいたします。
1、県教育委員会は、憲法前文の精神についてどのような認識を持っているか。
2、金森、正宗両氏の談話を小中学校長の研修資料に参考として掲げた真意は何か。
3、金森氏の言うように、君が代は古い伝統に新しい理解を加えて歌えば何ら問題はないのか。新しい理解とはいかなることか。
4、正宗氏の言う君が代の歌詞の意味など末のこととはいかなることか御説明ください。
5、君が代の歌詞のどこから、日本の国は平和で天皇も国民もみんな幸せという解釈が生まれてくるのか。
6、国民主権の現憲法下では、主権在民をたたえる歌こそ国歌としてふさわしいと考えるが、どうか。
以上の点について、県教育長の明快な御答弁を求めます。
次に、平成元年第7回定例議会における本員の天皇への敬愛と日の丸掲揚、君が代斉唱と愛国心との関連についての質問に対して教育長は、「国旗掲揚、国歌斉唱が天皇への敬愛に直接結びつくとは認識をしていないです。」と答弁しているが、小学校社会科における天皇の指導については、天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにすることと定められており、また県教育委員会の研修資料には、我が国の国歌の指導に当たっては、憲法に定められた天皇の地位についての指導との関連を図りながら、国歌君が代は、我が国が繁栄するようにとの願いを込めた歌であることを理解させるよう配慮する必要があると記述されています。
県教育長の私の質問に対する答弁と、研修資料の記述及び君が代の歌詞の解釈との間には論理上の一貫性に欠けるところがあり、不明瞭な点があると思うがどうか御見解をお伺いします。
また、国歌の意義の指導に当たっては、天皇の地位についての指導との関連を図りながら云々とあるが、その関連とはいかなることか具体的に御説明ください。
また、同資料には、特に壁画の掲示場所や国旗の掲揚場所等に関しても適切な指導を行うと述べているが、県教育委員会が適切だと考えている国旗の掲揚場所について御説明ください。
では、ここで戦前の学校儀式について見てみましょう。
国民学校令施行規則では次のように定められていました。1、職員児童「君が代」ヲ合唱ス。2、職員児童ハ天皇陛下、皇后陛下ノ御影ニ対シ奉リ最敬礼ヲ行フ。3、学校長ハ教育ニ関スル勅語ヲ奉読ス。以下略──などの定めがあり、これが入学式や卒業式などの儀式にも適用されました。
そこでは、厳粛な形式が強調され、これらの儀式への参加そのものが皇国の道の修練、国体に対する信念、尽忠報国の精神を培う実践の場であるとされたものでした。施行規則のこの部分は1946年に廃止されました。
憲法、教育基本法の教育原理は、このような戦前の学校儀式を根本的に否定しているのであって、それへの復帰である新学習指導要領の方向は許されるものではありません。
教育長、県教育委員会が強力に推進している日の丸の正面掲揚は、いかなる意図でなされているのでしょうか。
子供たちが、丹精込めて作製した卒業記念の壁画を取り除いてまで日の丸の正面掲揚にこだわるのはどうしてなのでしょうか。
戦前の学校儀式においてその場所には何があったかしっかり考えてみてください。戦前の学校儀式の亡霊が、今再びよみがえって君が代斉唱となり、天皇、皇后の御真影のかわりにそこには日の丸が掲げられ、それに対する敬礼が強制されているのです。
小中学校長会資料によれば、正面の壁に張られた壁画は掲示とされているのに対して、同一場所に張られた日の丸は掲揚となっています。どうして壁画は掲示で、日の丸は掲揚なのでしょうか。疑問であります。
掲揚とは、高く掲げることであって壁に張ることではありません。国旗の正しい掲げ方については、竿頭に密着して掲げることなど法令による定めがあるが、壁などに掲示することについての定めはありません。
ステージの正面に張られた日の丸は、日の丸掲示であって決して国旗掲揚ではありません。新聞などでも正面掲揚などと使っているのは誤りではないでしょうか。安易な用語使用だと思います。
では質問をいたします。
1、教育課程の編成権は学校長にあります。教育活動である学校儀式の持ち方は、当然学校長に一任されるべきであります。県教育委員会は、学校儀式における日の丸掲揚場所について強くこだわるのはどうしてですか。学校長に任せてはいかがでしょうか、お伺いします。
2、県教育委員会は、学校長に対して日の丸の正面掲揚こそ正しい国旗の掲げ方であって、三脚などによる掲揚は望ましくないと指導しているようだが、その法的根拠についてお示しください。
3、県下の小中学校における日の丸掲揚率は、全国最下位と言われてきたが、我が沖縄も今や小中高校ともに掲揚率100%というまさに驚異的な数値を示すに至りました。それは、県教育委員会の先取り行政、処分行政による成果であると本員は考えますが、わずか数年間で飛躍的な実績を上げた原因について、教育長はどうお考えでしょうか御見解をお伺いいたします。
4、県内における私立の小中高校に対する日の丸、君が代の指導はどのように行われているか。また各私立校における入学式、卒業式での日の丸掲揚、君が代斉唱の実態はどうなっているか。
5、教育委員会が国旗、国歌の指導について作成した公立小中学校長会資料が取扱注意となっているのは、いかなる理由からか。
6、県教育委員会が学校長に配布した国旗、国歌の指導についての公立小中学校長会資料は25ベージから成っているが、本員が要求して入手した同資料は16ページであり9ベージも欠落部分があります。
それは、5ページ以下をインクで消し、消した上からぺ一ジ数が記入されていることから見ても明らかに故意であり、意図的になされているものと思われます。削除された部分は、資料編の17項目のうちの6項目で、野党議員である本員に見せては都合の悪い部分のようであります。
議員の資料要求に対するこのような対応のあり方は、目下、県が取り組みを進めつつある情報公開制度の精神にももとるものと考えます。どうしてそのような卑劣なみみっちいことをしたのか、県教育長の御見解を求めます。
以上で本員の一般質問を終わり、時間があれば再質問をいたします。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 本盛議員の御質問に対しましてお答えいたします。
離島医療の充実についての御質問に対しましてお答えいたします。
離島医療の充実については、沖縄県保健医療計画の推進の一環として、離島僻地における保健医療供給体制の充実を図ることを目的とした離島僻地保健医療計画の策定を進めているところであります。
その中で、新たな僻地中核病院の指定の検討、僻地診療所の整備、医師を初めとする保健医療従事者の恒常的確保、僻地中核病院を中心とした離島診療所の支援体制の強化及び救急医療体制の整備等総合的な対策を立てる必要があると考えております。
現在、これら離島僻地における地域住民のニーズにこたえられる総合的対策を立てるための調査等を実施しているところであります。
次に、救急専用機の御質問に対しましてお答えいたします。
救急用専用機の導入については、多くの有人離島を抱え輸送件数の多い本県では重要な課題であると考えておりますが、救急専用機を持つことについては財政負担等を初め多くの課題があり、県での確保は困難であることから関係省庁へ要請してまいりたいと思います。
次に、戦争マラリア補償問題についてお答えいたします。
マラリア有病地域への疎開の軍命の有無について旧日本軍関係の戦史資料等を調査いたしておりますが、目下のところ明確な記述は見当たらないのであります。
しかし、旧官公庁職員の手記等には軍命があったと記載しているのもあり、また今回の遺族からの調査で88.3%、一般住民からの調査で76.6%、旧日本軍関係者からの調査では47.1%の者が疎開命令があったと答えており、これらのデータからいたしますと軍命はあったのではないかと推測されます。
補償の実現についてお答えいたします。
県としては、調査結果を踏まえ、戦時中のマラリア犠牲者の遺族に対し何らかの措置が講ぜられるよう国に働きかけてまいりたいと思います。
次に、テレピ民放の先島への早期実現と難聴解消に対する御質問に対しましてお答えいたします。
宮古、八重山地域への民放テレビの放映実現については、さきに知事名で沖縄郵政管理事務所長あて要請したところでありますが、同事務所の呼びかけで去る6月26日に先島地域情報通信施設整備推進協議会が設置され、その構成メンバーに知事が委員、企画開発部長が幹事に就任しており、その協議会の調査研究の結果を踏まえ、県としても積極的に取り組んでまいりたいと思います。
また、与那国町等におけるラジオの難聴の解消については、その改善方法として中継局の設置がございますが、ラジオ難聴地域は全国的にも1万世帯以上抱える地域が数多く残っておりまして、当該地域における設置については優先順位からいたしまして大変厳しい状況にございます。
県としては、今後とも先島地域における難聴解消について努力してまいりたいと思います。
残りの御質問に対しましては、それぞれ所管の部長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 農業問題で、深刻な人手不足を克服するための機械化の推進についての御質問にお答えいたします。
御指摘のとおり、サトウキビの生産振興を図る上で収穫の機械化は最も重要かつ緊急な課題でございます。今期における収穫機械化率は、県全体で9.8%と低い状況にあります。
現在、南大東と一部地域におきまして普及している大型機、それから中型収穫機につきましては生産農家の経営規模の問題、圃場区画の問題、土壌条件の違い等から、県全域に普及するには至っていないというのが現状でございます。
このため、県といたしましては、大型、中型の収穫機に加えまして比較的経営規模の小さい農家にも導入が可能な小型刈り取り機を開発して、各種脱葉機と組み合わせた小型収穫機械化体系の推進を図りたいとこういうふうに考えておりまして、これらの開発機種の実用普及化に取り組んでおります。
また、特に本県の土壌条件に適合した中型ハーベスターの開発について現在オーストラリアに委託をしておりまして、近いうちにその開発された機種ができ上がる予定でございます。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 大城清吉君登壇〕
○生活福祉部長(大城清吉君) 本盛議員の御質問にお答えいたします。
戦争マラリアの件で、県のこれまでの調査の状況とその結果についてでございますが、お答えいたします。
その一つに、那覇地方法務局石垣支局に届け出されている死亡届け等から、昭和20年3月から昭和21年8月までに死亡した者を調べたところ、マラリアで死亡したと推定される方が約3400名でございました。
次に、その2として遺族からのアンケート調査を実施したところ、その結果の概要は次のとおりでございます。
遺族と思われる1510名にアンケート調査を実施、そのうち回答があった629名からの調査結果では、マラリアによる死亡者数が1611名となっております。
遺族と死亡者との続柄では、配偶者が49人、1親等が698人、2親等が591人、3親等が132人、その他141人となっています。
その3として、戦時中、八重山地域に居住していた一般住民でおおよそ14歳以上であった者で、現在生存している64人から住民の避難状況等についての面接調査をしたところ、その結果の概要は次のとおりでございます。
避難命令の有無については、49人が避難命令があったと回答しております。
次に、マラリア問題に対する意見を聞いたところ、全体の50%近い31人が補償の実現を訴えております。
その4として、戦時中、八重山地域に駐留していた旧日本軍人で、住所、氏名の判明している尉官クラス9人を含む17人から、住民の疎開に係る軍命の有無についての調査をしたところ、その結果の概要は次のとおりでございます。
旧日本軍と八重山地方庁との間に住民の疎開に関する協定があったと答えたのが17人中2人でございます。
疎開命令の有無については、軍命令だったと思う、またはそれに近い回答になっていたのが17人中8人でございます。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 教育長。
〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) 本盛議員の国旗、国歌に対する質問が14件ございますので、順を追ってお答えしたいと思います。
まず1点でございますが、日本国憲法前文の精神についてどう認識しているかについてお答えいたします。
日本国憲法前文の精神は、国民主権、基本的人権の尊重を基本原理とする民主主義を採用すること、また平和主義に立脚する国際協調を宣言したものと理解をいたしております。
2点目、金森、正宗両氏の談話を公立小中学校長の研修会の資料に参考として挙げた真意は何かについてお答えします。
公立小中学校長研修会資料として、当時の国立国会図書館長金森徳次郎氏と小説家の正宗白鳥氏の新聞談話を出したのは、両氏が我が国のすぐれた学者であり、文化人なので一つの見識として参考に供したまでであります。
3点目でございます。金森氏の言うように、君が代は古い伝統に新しい理解を加え、歌えば何ら問題はないのか。新しい理解とは何かの御質問にお答えします。
国歌の歌詞は、古くから国民に親しまれ、国歌として歌われるようになってからでも約1世紀になります。この間、歌詞は政治体制のありよう、時代の変化につれ解釈や意義づけが変化をしてきております。金森氏の言う新しい理解とは、このような変化を背景に、国歌の歌詞も日本国憲法で規定する主権の存する日本国民の総意に基づいて日本国の象徴、日本国民統合の象徴である天皇を初め日本国全体の繁栄を願う歌に解釈した方がよいと言っているものと理解をいたしております。
4点目、正宗氏の言う君が代の歌詩の意味など末のことについての質問についてお答えします。
世界のどの国の国歌も、その民族や国家の歴史の中から生まれたものであり、国歌が制定された時代の世相や政治体制を反映した歌詩になっている場合が一般であります。例えば、国家成立や政治体制の変革の中から生まれた国歌の中には、随分戦闘的で血なまぐさいものがあります。これは数力国もあります。多くの国の国歌の歌詩の中には、その民族の心のよりどころや歴史がつづられている場合が多く、必ずしも時代の進展や変化に対応しているとは言えないと思います。したがいまして、余り歌詩の意味を論理的に分析して歌うのではなく、民族の心情、文化的伝統を尊重する気持ちが大事であると言っているものと理解をいたしております。
5点目、君が代の歌詩のどこから日本の国は平和で天皇も国民も幸せという解釈が生まれるかについてお答えします。
君が代の君は天皇のことだと考えます。現在の天皇は、主権の存する日本国民の総意により日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴と日本国憲法は定めております。このことからして、日本の平和と国民の幸せを願う歌と解することが理解できると解釈をいたしております。
6点目、国民主権の現憲法下では主権在民をたたえる歌こそ国歌としてふさわしいとの御提言でありますが、お答えします。
御指摘のとおり、国歌は憲法の主権在民をたたえるものがふさわしいものと考えます。国歌は、主権の存する国民統合の象徴としている天皇を持つ日本の国が永遠に平和であってほしいという歌と理解しており、主権在民をたたえる歌と認識をしております。
なお、君が代は、世論調査の結果では多数の国民が国歌としてふさわしいと考えでおり、多くの国民の間に国歌として定着し、また国際社会においても日本の国歌として尊重されているところであります。
7点目、天皇への敬愛と日の丸、君が代が愛国心との関連について、去る平成元年度の第7回の定例議会での答弁の内容と、それから小中学校の校長会の資料の記述との歌詩の解釈の違いのことで御指摘がありましたが、お答えします。
国旗を掲揚し国歌を斉唱することが、天皇への敬愛に直接結びつくとは思わないと答弁したのは、自国の国旗、国歌を敬愛することによって日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育て、ひいては他国の国旗、国歌を尊重する態度を育成することにつながり、このことが国際社会に生きる国民としての基本的な資質を育成すると認識しなからであります。
なお、国旗、国歌につきましては、県教育委員会としましては従前から一貫した指導をしていることを補足したいと思います。
8点目、国歌の意義の指導に当たって、天皇の地位についての指導との関連を図りながらとあるが、その関連とは何かについての具体的な説明をしろとの御質問にお答えします。
小学校社会科などにおきます国歌の意義の指導に当たりましては、憲法第1条で定める天皇の地位、つまり天皇は日本国の象徴であり、この地位は主権の存する日本国民の総意に基づくという主権在民の精神を十分理解させることによるものであります。
9点目、県教育委員会は、国旗の掲揚場所に対して適切な指導を行うと述べているが、国旗掲揚場所が適切だということはどういうことかとの御質問にお答えします。
国旗は国のシンボルであり、児童生徒が国旗を敬愛する態度を育成することは肝要であると考えておりますし、したがいまして国旗を正面に掲揚し指導することが望ましいと考えているので、その旨指導いたしております。
10点目、教育課程の編成権は学校長にあると。その意味で日の丸を正面掲揚するかは学校長に任せたらどうかとの御質問にお答えします。
各学校の教育課程の編成は、学習指導要領に基づいて校長が行うことになっております。国旗掲揚につきましては、先ほど申し上げました理由から正面掲揚が適当と考え、校長に対し指導助言をしているところであります。
11点目、県教育委員会の国旗の正面掲揚についての指導の法的根拠とのかかわり合いでの御質問にお答えします。
国旗の正面掲揚につきましては、御指摘のように法的根拠はございません。さきに述べたように国旗はあくまでも日本国を象徴するシンボルであり、正面掲揚が望ましいとの指導をしているところであります。
12点目でございますが、小中学校における、もう既に新聞等で報道されておりますが、日の丸の掲揚率が100%という驚異的な数値を示していると。わずか数年で飛躍的な実績についてのその理由は何か、教育長の率直な意見という御質問にお答えします。
入学式や卒業式における国旗、国歌の指導につきましては、国際社会に生きる日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育てるとともに、すべての国の主権を尊重し、その国の国旗、国歌に対しひとしく敬意を表する態度を育てる観点から大事であるとの認識に立っております。各学校におきましては、校長を中心に教職員がよくその趣旨を理解し、入学式や卒業式を実施した結果、実施率が高まったものと考えております。学校の努力に対し深く敬意を表するものであります。
13点目ですが、公立小中学校長会資料の中の取扱注意ということ、これはこういう形になっております。(資料を掲示) 先生、お持ちと思いますが、なぜそういうふうなことになっているかということについて御説明申し上げます。
国旗、国歌の取り扱いについては多岐な解釈があり、資料につきましては詳細な口頭説明が必要であるものが含まれていることや、内部の勉強会用資料で学習を深めるものがあり、その取り扱いには十分配慮いただくため取扱注意としたためであって、他意はございません。それは事前でありますので御理解いただきたいと思います。
教育委員会の関係で最後の質問の中で、この研修会の資料、この中から9ページを取って先生の方に資料を提供しているということで、このことは情報公開の関係とか、あるいはまた特別に先生だからそうしたんだという誤解のようですが、別にこの9ページを欠落部分を先生にお渡しした理由につきまして御説明申し上げたいと思います。
その9ぺ一ジのうち6ベージは、実はこの6ベージはこの資料でいえば18ページ、19ページ、20ページ、21ページ、22、23ベージですが、これは議会答弁した内容でありますので議事録にあるということで省略させていただき、残りの3ページにつきましては想定問答等でごさいますので、このことにつきましては個々の解釈を加えないままストレートに差し上げるのは誤解を招くおそれがあるということで、あえて削除したので御理解をいただきたいと思います。
以上であります。
○議長(平良一男君) 総務部長。
〔総務部長 石川秀雄君登壇〕
○総務部長(石川秀雄君) 県内における私立の小中高校における日の丸、君が代の指導はどのように行っているかという御質問と、その実施状況についてお答え申し上げます。
私立学校も公立学校と同様、公教育の重要な役割を担っており、教育課程の編成及び児童生徒の指導等は法令はもとより、学習指導要領に基づき行うことになっております。
国旗や国歌の取り扱いについては、学習指導要領に定められていることは御案内のとおりであります。私立学校の教職員に対する学習指導要領の趣旨の徹底は、県教育委員会において実施する教育課程講習会等を通じて行っているところであります。
次に、私立学校の入学式、卒業式における国旗掲揚の状況につきましては、小中高校11校中2校で実施されております。
以上です。
○議長(平良一男君) 本盛 茂君。
〔本盛 茂君登壇〕
○本盛 茂君 県教育長の御答弁以外の答弁はやや了とするところでありますが、教育長の答弁は全く私が聞いては答弁にはなってない。私の質問の核心を全くつかないと。これが学校の教師を指導する人たちのやり方かなと思うと悲しくなりますね。
私に、資料の中で削除したものですね。君が代の歌詩の解釈とか、思想信条の自由に反する問題とか、法的根拠のたい国旗、国歌を指導するならその根拠を示せとか、法的根拠等についてとか、職務命令についてとか、こういう大事なことだけみんな抜いてあるわけです。
○議長(平良一男君) 時間です。
○本盛 茂君 大事なこと、私立学校を聞きたかったんですが、私立学校には義務がないんですね、強制する義務が。それを質問したかったんですが、時間がないので……
○議長(平良一男君) 宮城清順君。
〔宮城清順君登壇〕
○宮城清順君 西銘知事は、自称ロマン派ということを言っておりますが、かく言う私もロマン派の一員でありますので、あえて海洋県としての施策の展開について質問をいたしたいと思います。
さて、15年前の7月20日、これは世界で最初に海洋をテーマにした沖縄国際海洋博覧会が開催されました。ことし満15年を迎えたわけでありますが、それにちなみましてこの一般質問で海洋県としての施策の展開について絞って質問をいたしたいと思います。
本県の地域特性、これはたくさんあるわけですけれども、特に自然的特性としていわゆる日本一の海洋島嶼県である。御案内のとおり東西1000キロ、南北400キロの広大た海洋、海域を擁する。同時に日本唯一の亜熱帯地域であると。地理的特性としては日本の最南端、これはアジア・太平洋の窓口としての役割がある。さらに、歴史的特性として中国、東南アジア等との歴史的な交流の歴史がありました。また、悲惨な太平洋戦争を経験し平和を希求する大きな役割があります。さらに移民県であるということ。また、文化的特性としては琉球の伝統文化、そしてまた伝統工芸を多く有すると、このような日本の中でも地域特性を本県は有しているのであります。
これらの特性を生かしたこれから21世紀の沖縄の振興の方向性を考えますと、特に海洋県としての施策の展開、これは極めて意義が大きいし、同時にまた国際化時代を迎えてそれに対応する、本県のみならず我が国の国づくりの大きた課題と言えないだろうかと思うのであります。
さて、それではこれからの海洋県沖縄づくりをどのように進めるか。先ほど申し上げました沖縄国際海洋博、これが本県で特別博覧会として開催されました。「海─その望ましい未来」をテーマに、1975年(昭和50年)に7月20日から6カ月間開催されたのは記憶に新しいところであります。
その海洋博の基本テーマ、あるいはまた意義等について振り返って少しばかり触れてみたいと思います。
この統一主題「海―その望ましい未来」、これは海洋博が海洋を統一テーマとして開催された。その海洋がテーマに選ばれた理由として海洋を理解する、これは海洋科学であります。海洋を多目的に開発をする、これは海洋開発。その美しさをたたえる、これは海洋レクリエーションであります。こういったことが世界的にも急速に高まる。そして海洋を開発する独自のシステムが強く要請されていた。そして、海と人間との対話を通して自然との協調を図り最大限に海洋の恵みを享受することによって、人間の真の幸福をもたらす新しい海洋文化の樹立を志向して、この沖縄国際海洋博覧会が開かれたのであります。
海の望ましい未来像の探求は、人類の当面する共通の課題であり、それがこの博覧会の目指す目標でもありました。特に沖縄で開催された理由といたしまして、沖縄は美しい海洋とサンゴ礁に囲まれ、いまだ環境公害に冒されてはいない。沖縄は、亜熱帯の太陽に恵まれ、大陸棚もあり、沖縄の島々の開発の前途を有望なものにしている。沖縄は黒潮の中央に位置し、台風、その他の複雑な海洋気象現象に影響を受けている。この意味において沖縄は海洋博にふさわしい場所であるとして海洋調査の糸口として考えられ、この国際海洋博覧会が本県で開催されたのであります。
このような6カ月間にわたって開催された海洋博、それを契機にして海洋博の持つ意義を踏まえて周辺海域の探求、そして海洋に漁を目指すさまざまな提案がなされました。
そこで本員は、海洋博以来のこの15年間、今日まで沖縄が果たしてこの海洋博のテーマであります望ましい未来に向けて進んできたのかどうかということを改めて問い直したいと思うのであります。決してその望ましい未来に向かって進んでいると言えない、そうは考えられないと思うのであります。逆に、いわゆる赤土等乱開発によって海の汚染が進んでいる。それ以来の第2次開発ラッシュの時代と言えるのではないかと思います。
これからの沖縄の振興にとりまして、この広大な海域をいかに我々県民のこれからの幸福と沖縄の社会の発展のために生かすかということが、これが大きな課題であろうと思うのであります。
一つの試みとして、琉球大学に海洋学科が設立されまして今日までさまざまな学術的調査研究の一定の貢献をしているのであります。沖縄の海は、あるいは沖縄は、これから海洋研究のメッカとなり得るかどうか。「海─その望ましい未来」の海洋博のテーマを今再び考え行動するとき、これが本県に果せられた大きな課題であろうと思います。今後の県の対応いかんによると思います。
琉球大学の海洋学科の教授であります氏家先生は、これからの沖縄の海洋研究を志向してこのように言っています。沖縄県内のみに通ずる研究、教育成果であってはならない。沖縄及び周辺海域からの成果は、本土はもとより国際的に評価されねばならない。逆に、国際的に評価されるものであれば、本土でも同様であるはずだとの信念は必要であるということを述べております。さらに、これからの沖縄の海洋研究、ひいては東南アジア、そして世界の海洋研究の大きなメッカとなるということも提案しているのであります。
そこで本員は、これからの海洋研究を進める上で一つの提案をして知事の御所見を賜りたいと思うのであります。
一つは、ぜひとも沖縄県に海洋研究センターを設置してもらいたい。その構想に向けてひとつ取り組んでいただきたいということであります。これは琉球大学の海洋学科の先生方からも提案されておりますけれども、沖縄県の施策としてぜひ位置づけて展開してはどうかと。海の総合的な研究拠点としての総合的機能を備えた構想であります。
同時にまた、この海洋研究センターの機能を十分に果たせるような海洋調査船をぜひ設置してもらいたい。この海洋研究センター附属の船であります。
現在、日本では東京大学でこの海洋調査船が2隻設置されておりますけれども、たくさんの申し込み者が殺到して、とてもじゃありませんけれども東南アジアあるいは沖縄周辺海域にはなかなか来れないという実情にあるようであります。これは、ハイテクを完備した世界に誇れる船であり、海の調査、観測と遊覧あるいは海の観光を兼備した船であります。どうぞ海洋研究のメッカとしての沖縄をつくるかどうかの目玉であると思うのであります。
特に地域型研究機関の構想がありますが、その中にこの海洋研究センターと海洋調査船の導入をしてはどうかということを提案をし、知事の御所見をいただきたい。また決意をいただきたいと思うのであります。
これと関連しまして洋上学校構想について改めて提案し、県の取り組み方をお伺いしたいと思います。
この洋上学校構想につきましては、本員が昭和62年10月5日の一般質問で提案をいたしました。そのとき知事は、貴重な提言であると受けとめていると。国の動向を見ながら検討していくという答弁に終わったのでありますけれども、この洋上学校構想を改めて提案をしていきたいと思うんですが、この洋上学校は全国の小中学校生を対象にして専用船、これは学校船であります。これによりまして日本の沿岸、近海で洋上体験学習を行う制度であり、船上での共同生活によって教師と生徒に新たな信頼と連帯の意識向上を図ろうとするものであります。
これは、既存の遊休船舶の改造もしくは新造船によるものとし、学習室のほか各種視聴覚設備、スポーツ、レクリエーション施設、海洋気象、地形、天体、海洋生物など特色ある体験学習訓練が行われるものであります。
この運営主体としては国あるいは自治体、民間船舶会社、あるいはまた国、自治体、船会社等の出資による第三セクター方式が考えられるのであります。国は、この学校船の建造、運営に対しては財政措置を行う、このような構想であります。さきに国会におきましても当時の中曽根総理、前向きに取り組むような発言もしております。どうか、本県が全国に先駆けてこの海洋県を生かすための洋上学校構想の実現方をぜひともお願いをしたいと思います。知事の御答弁、よろしくお願い申し上げます。
最後に、代表質問との関連でありますが、慰霊の日の休日について公明党は去る4月に、今後考えられる方法としては、現行自治法の再改正によって地方公共団体が独自の休日を設定できるような、そういう方法によりまして本県の慰霊の日の休日存続を県に申し入れました。
そこで知事は、6月23日の記者会見あるいはまた代表質問、一般質問でも答弁をされましたけれども、この休日存続に向けて努力する旨答弁されました。
そこであえてお聞きしておきたいと思いますが、どのような方法でこの休日存続をやるお考えなのか。国の方針を待つまでもなく県独自の対案あるいは決め手となる施策を持つべきではないだろうかと思料するのでありますが、所信を伺っておきたいと思います。
以上です。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 宮城議員の御質問に対しましてお答えいたします。
海洋研究センターの設置について御提言がございましたが、お答えいたします。
海洋の開発利用は、200海里経済水域の設定等新しい海洋秩序の時代を迎えております。我が国にとってますます重要な課題となっております。
このような状況にあって本県の周辺海域は、広大かつ我が国唯一の亜熱帯海域であり、東南アジア諸国の海域と接しているなどの特性を有しており、新たな開発可能性が期待されでおります。特に広大な海洋空間の開発利用による水産業の振興、国際的海洋リゾートの形成及び学術、文化、技術等の交流拠点としての整備を進めることは、本県の今後の振興開発を進める上で極めて重要であると考えております。
このような観点から、県は昭和61年12月に沖縄県海洋総合開発利用基本構想、いわゆるトロピカルマリン構想を策定いたしまして、サンゴ礁造園技術開発の研究等各種の施策に取り組んでいるところであります。また、同構想では環太平洋地域における国際的な熱帯海洋研究機関の設置を促進すべきであると位置づけてあります。
したがって、御提言の海洋研究センターの設置及び海洋調査船につきましては、御指摘の趣旨等も踏まえまして現在検討が進められております地域型研究機関設立構想の中で関係機関との連携を図りつつ検討を深めてまいりたいと思います。
次に、慰霊の日についてお答えいたします。
これまでもお答えしたとおり、慰霊の日を従来どおり県職員の休日として存続できるよう国に要請していくことといたしておりますが、その要請内容、方法等については検討してまいりたいと思います。
○議長(平良一男君) 教育長。
〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) 洋上学校構想につきましての御提言を伴う質問についてお答えします。
御提案の趣旨のとおり、洋上学校構想では共同生活による他校生徒との交流、集団生活を通して基本的生活習慣、望ましい役割行動から豊かな人間関係を育成する等教育的な効果が期待できると思います。
しかし、この問題につきましては、この構想を実現するには船舶の建造や運営維持費等莫大な経費が必要であり、その実現は当分困難だと受けとめております。
なお、当面は少年の船を活用し、御提言の趣旨にこたえる所存であります。
○議長(平良一男君) 宮城清順君。
〔宮城清順君登壇〕
○宮城清順君 きょう私が申し上げたのは、海洋博以来15年を経過した今日なお、海洋研究については県もそれといった決め手となる海洋研究のためのそういったものがなかったと。
中国のことわざには「百年河清を待つ」という言葉がありますけれども、15年河清を待つ実情にあるのではないかという立場できょうはあえて質問をしたわけでありますが、今後、地域型研究機関構想ですか、この中に検討していきたいということでありますが、ぜひ、あえてこれを琉球大学の海洋学科等の十分意見を聞いた上で前向きに実現方をお願いしたいと思います。
慰霊の日につきましては、要請内容につきましては知事はこれから検討していくということをおっしゃいましたが、今、御自分のお考えはないですか。あるいはこれから各界の方々とも、そういった意見を聴取していきたいということですか。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 今の法体制では慰霊の日とすることはできませんので、近いうち自治大臣にお会いいたしまして法制度の面についてお願いしようと思っております。それと関連して職員の休日にしたいと、こういうことを考えておりまするから、別に難しいことはないと思います。
○議長(平良一男君) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
次会は、明5日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後6時30分散会
前発言
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19900304000010