平成14年(2002年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 9月27日
警察本部長(髙橋清孝)
 

 少女買春の実態についてお答えいたします。
 本年に入りまして、昨日9月26日までの児童買春事件の検挙は27件で、そのうちテレホンクラブ等を利用した事件は19件となっております。
 児童買春の特徴は何点かありまして、次の点が挙げられます。
 1、被害児童は24人で、そのうち中学生が16人と最も多く、そのほとんどがテレクラを利用し、遊ぶ金欲しさから買春した相手から現金を受け取っている。2、被疑者の職業は地方公務員、医師、会社員、自営業等さまざまな職種となっており、年齢は20代後半から60代と幅広くなっている。3、児童買春の際にやりとりされた現金は平均して1万5000円で、その行為のほとんどがラブホテルで行われている。4、買春が行われている時間帯は休日は昼間、平日は午後8時から午後11時ぐらいまでとなっており、学校が休みのとき及び学校の授業が終了した後であるということでございます。
 この種事案は、被害児童が援助交際と称して現金を受け取り、安易に大人と性行為を持つなど潜在化しているのが実態でございます。
 次に、県内の暴走族の現状と実態について一括してお答えいたします。
 県内の暴走族は、暴走志向の強いおおむね15歳から18歳の高校生、有職、無職の少年等が出身中学校単位にグループを構成し、期待族の集まる那覇市在久茂地交差点付近の国道58号、浦添市港川在ユアサハイム付近の国道58号、沖縄市在胡屋交差点から山里交差点の間の国道330号等で暴走を敢行しております。
 これら暴走行為は、以前は七夕やクリスマス、初日の出など記念日暴走が中心でありましたが、現在は週末の深夜から未明にかけて敢行しているのが現状であります。
 現在県内で活動している暴走族は、本年8月末現在、およそ30グループ200人を把握しておりますが、そのほかにこれら暴走族に追随して暴走行為に参加する者が多数存在しております。
 また、本年における暴走族の特徴は、暴走族取り締まり中の警察官やパトカー等に対し、所携の鉄パイプ、金属バット等を使用した公務執行妨害、器物損壊事案が16件発生し、24人が逮捕されるなど一段と悪質・凶悪化しております。
 次に、暴走族取り締まりの現状についてでありますが、警察ではこれまで暴走行為多発地域において所轄警察署と警察本部の暴走族対策主管課、機動隊、自動車警ら隊、機動捜査隊が連携を図りながら取り締まりを実施しております。とりわけ週末には集中取り締まりを実施しておりまして、ちなみに昨日までに16グループ133人を検挙し、うち111人を逮捕しております。今後も暴走行為多発地域における週末の取り締まりにつきましては、警察本部から取り締まり要員を継続派遣するとともに、暴走族取り締まり専従捜査班を増強し、取り締まりを強化していく所存でございます。
 次に、今後の暴走族対策についてであります。
 県警察では、これまで暴走族対策を当面の重要課題としてとらえ、1、暴走族の実態を把握し、個別的な指導、補導を行うとともに、オートバイに乗車中の旗振り行為等を新たに違反行為として、改正された沖縄県道路交通法施行規則などあらゆる法令を駆使して悪質な暴走族グループの徹底検挙と解体、2、暴走行為を許さないための環境づくりとして地域住民や関係機関と連携した沖縄市諸見里一帯国道330号の中央分離帯の改良、3、暴走族対策推進員による暴走族構成員の個別指導や、沖縄県少年育成ネットワークによる少年対策、4、住民総決起大会等の開催による地域ぐるみの暴走族排除運動の盛り上げなどの対策を県警の総力を挙げて推進しております。
 暴走族対策につきましては、暴走行為をあおったり助長したりする期待族が大きな問題であり、その対策として、暴走族を見に行かない、行かせない環境づくり、地域、学校、関係機関と連携した街頭補導の強化、他府県では期待族対策の内容を盛り込んだ条例を制定して効果を上げている事例があり、これらを参考とした対策の検討など総合的な対策を推し進める所存でございます。
 最後に、うるさい時間帯と爆音被害訴訟問題についてでございますが、本年9月22日午前2時45分ごろ、沖縄市久保田在の国道330号において、二輪車等約40台の爆音暴走中の騒音を測定しましたところ、およそ100デシベルでありました。県警察としましては、今後も暴走族対策、暴走族取り締まりとあわせて各種対策を強力に推進して暴走族の根絶に向けて、安全で快適な交通社会の実現を目指す所存でございます。

 
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