平成 2年(1990年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 10月 4日
第 5号 10月 4日
 

議 事 の 概 要
平成2年10月4日(木曜日)
午後2時開議
日程第1 一般質問
日程第2 甲第1号議案から甲第7号議案まで、乙第1号議案から乙第12号議案まで及び認定第1号から認定第3号まで(質疑)
   一般質問及び質疑
    1 高 良 政 彦 君(公明党)
    2 本 盛   茂 君(社大党)
    3 上 原 亀一郎 君(共産党)
    4 喜久山 盛 忠 君(自民党)
    5 嘉 数 昇 明 君(自民党)
    6 上 原 賢 一 君(自民党)
    7 西 田 健次郎 君(自民党)
日程第3 陳情2件の付託の件
午後7時27分散会

○議長(平良一男君) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 昨日、照屋寛徳君外8人から、議員提出議案第2号沖縄県情報公開条例の提出がありました。
○議長(平良一男君) この際、申し上げます。
 昨日来の議会空転につきましては、議長としてその解決方に最大限の努力をしてまいりましたが、きのうは延会となり、また本日は開議がおくれましたことを深くおわび申し上げます。
○議長(平良一男君) この際、申し上げます。
 沖縄海外漁業株式会社に関する質問に対する答弁について農林水産部長から発言を求められておりますので、この際、これを許可します。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 沖縄海外漁業株式会社についての御質問に対する私の答弁が十分でなかったため、本会議の審議に支障を来す結果になりましたことを深くおわび申し上げ、補足説明をさせていただきます。
 まず1点目、脳死状態ということについてでございます。
 昨日の石川修議員の御質問の中で、現状は脳死状態ではないかと述べられましたが、たとえ脳死状態であると言われましても会社側は1%でも再建の可能性があればそれを追求したいと言っているということを申し上げたのでございますが、県としましては、会社の現地調査を踏まえ再建策を策定するということでございますので、それを総合的に検討いたしまして対応策を講じたいと考えております。
 2点目に、パプアニューギニア・ツナ・フィッシャリーズが現地法人であるので、同社については知る立場にないということについてでございます。
 パプアニューギニア・ツナ・フィッシャリーズは、パプアニューギニア国と沖縄海外漁業株式会社との漁業協定に基づき設立された現地法人であるため、現在、資料を持ち合わせておりませんので、10月に予定されております会社側の現地調査で調べをするよう申し入れたいと考えております。
 次に、船主への立てかえ金と、相殺した株の会社による保有は商法違反ではないかということについてです。
 船主の立てかえ金は、会社と船主との基本協定により水揚げ代金で相殺することになっておりますが、操業を中止している現状ではこれが困難であるので、昭和63年9月27日の取締役会で船主に対する立てかえ金については、船主の同意を得て、船主の所有する株券を会社が一時預かりし、これと引きかえに立てかえ金は取り立てない旨の決定がなされております。この決定に基づきまして、株券を会社に預けた船主の立てかえ金については株券と同額分、すなわち750万円を相殺する形で未収金として計上、残りの立てかえ金は貸倒引当金として処理されております。したがって、商法の自社所有には当たらないものと考えております。
 次に、39%しか株を保有していないと。したがって、51%株を保有してなければどうしようもないということについてであります。
 県は、早期に会社の方向づけをするよう指導してまいりましたが、会社としてはあくまで再建したいという意向でございます。したがって、出資比率39%の県の意思だけで会社の方針を変えることはできない。県といたしましては、会社の再建策を待って総合的に検討し対応をしてまいりたいということでございます。
 それから、会社の事務所は松山の日産ビルにあると言うが、家主は貸してないと。契約もないと言っていると、事実と違うのではないかということについてでございます。
 平成2年6月30日付で琉球日産株式会社と沖縄海外漁業株式会社との間で交わされた賃貸借契約がございます。
 根拠のない事務所に非常勤で派遣して書類もあると言っているが、ということについてであります。
 新しい事務所は、先ほど申し上げましたように那覇市松山2丁目2番地12号にあります。沖縄海外漁業株式会社の取締役であります来間氏が事務処理に当たっているとの報告であり、また同事務所に会社の書類は保管されております。
 次に、久手堅部長の任期について昨日は6月30日と答弁したが、5月7日に訂正、答弁をしているということについてであります。
 任期は平成2年6月30日まででございますが、辞表提出があり、5月7日に退任登記をされているということは、これは先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
 以上でございます。
○島袋宗康君 議長、休憩願います。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後2時7分休憩
   午後3時10分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 この際、申し上げます。
 昨日の会議は、都合により2人の質問及び質疑を残したまま延会いたしました。
 よって、本日の質問及び質疑は、お手元に配付の一般質問通告表の順位に従って15番の高良政彦君から順次行うことにいたします。
○議長(平良一男君) 日程第1及び日程第2を一括しこれより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第7号議案まで、乙第1号議案から乙第12号議案まで及び認定第1号から認定第3号までを議題とし質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 高良政彦君。
   〔高良政彦君登壇〕
○高良政彦君 通告に従って一般質問を行います。
 我が会派の宮城清順議員の代表質問の関連質問は最後にするつもりでしたが、ここで最初にいたしたいと思いますので御了承願いたいと思います。
 宮城議員は代表質問の中で、沖縄海外漁業株式会社について質問をいたしましたが、これらの問題に関連して質問を行いたいと思います。
 西銘知事及び平敷農林水産部長は、我が会派の宮城議員の代表質問及び野党議員の沖縄海外漁業株式会社についての質問で、およそ次の6点について到底、議会に対して責任ある答弁とは思えないような内容の答弁を繰り返しております。
 まず1つ目は、海外漁業株式会社の現状と経営の将来の見通し等についての質問に対し、平敷農林水産部長は脳死状態にあると言い、西銘知事はこれに対し、再建すると言ういわゆるこういうような矛盾したような答弁がありました。
 これに対して、本日の答弁におきまして、この部分は、いわゆる脳死状態であると言われましても会社側は1%の可能性にかけたいと、こういうような答弁の内容に訂正をしておりますけれども、議事録を見ますと、脳死状態であると平敷農林水産部長は断言をいたしております。
 いずれにしろ脳死状態であるとかないとかいうことは別にいたしましても、この脳死状態という言葉についての医学上のいわゆる生死の判定はいろいろな説がありますが、世法的な、一般的な意味合いでは、もはや蘇生不可能という意味合いの言葉であります。
 このような会社を、知事は再建をさせると言う、執行部間の考えは困惑し矛盾した答弁となっております。また平敷農林水産部長は脳死状態と半ばみずからも認める発言をしながら、その1%の可能性にかけて再建をさせると言う、いわゆる1%の可能性にかけて不可能を可能にするのだと言えば大変勇ましく聞こえはよいが、少しでも経営というものを知っている人であれば、これほど無謀な経営方針はありません。
 まず、6月議会において、いわゆるこの会社につきましては、多額の負債を抱えたこの会社が新規に漁業を行うということは無理だというふうに私ども県としては考えております。したがいまして早い時期に何らかの形で解決するように指導しているところでございますと、このように農林水産部長は答弁をいたしております、6月議会で。

 また同じように、いわゆる再建は困難であるという答弁と同時に、整理、清算の方法を幾つか案をつくりまして会社側に提示をしておりますと。
早い時期に決断をするように指導しているところでございますと、このようにまた平敷農林水産部長は答弁をいたしております。
 1%の可能性にかけて不可能を可能にするというと大変格好いい言葉になりますけれども、しかし会社の力というものは、会社の経営というものは、力が10あれば7、8分を使って、あとの2分、3分は万一のために備えに回しておくというのが経営の鉄則であります。経営に一か八かというのは経営ではなく、これはかけであります。経営とかけを混同しては困ります。ましてや99%死に体で脳死状態と農林水産部長はみずからも半ば認めるような、こういう経営診断を下しながら、それにもかかわらず1%に望みを託すというのは、これはもはやますます泥沼にのめり込んでいく自殺行為としか言いようがありません。資本金の39%も出資し、経営方針の意思決定もできる取締役にも派遣をしているのですから、県民に責任のある経営方針にのっとった答弁をする責任があると思いますが、どのようにお考えですか。
 2つ目は、昭和59年3月に、沖縄海外漁業株式会社は資本金10万キナ、日本円にして2700万円、100%出資の現地法人パプアニューギニア・ツナ・フィッシャリーズを設立しております。この会社の実態についての質問に対し、かかわりがなく知る由もないという全く無責任な答弁があったわけでありますけれども、100%出資した関連会社の、しかも売掛金の2億2000万円余はこのツナ・フィッシャリーズに対する売掛金であります。
 このように、それこそその会社の経営いかんによっては倒産、破産をともにしなければならない、文字どおり同じ運命共同体の関係にありながら、そのような関連会社について、しかも出資をした沖縄海外漁業株式会社の大株主でしかも経営に直接参加している役員を派遣しながら、資料がなく経営の実態がよくわからないという答弁は納得できるはずがありません。このような説明で行政のチェック機関の議会が納得できるはずがないわけであります。このような答弁は、議会を愚弄し無責任きわまりない答弁と我々議員は受けとめているわけであります。
 しかも、このツナ・フィッシャリーズの代表者である来間氏は、沖縄海外漁業の取締役として沖縄にいるわけですから、当然ツナ・フィッシャリーズの経営の実態については詳しく聞けるはずです。それを資料のせいにしてよくわからないというのは、これはどうしても納得のいく答弁ではありません。この点について再度御答弁をお願いいたしたいと思います。
 3つ目は、船主への立てかえ金処理に名をかりて、船主8人が保有する150株について、その金額750万円を相殺したことと引きかえに、この株を当海外漁業株式会社が保有しているとの平敷農林水産部長の答弁がありましたが、これは商法210条に違反しないかどうかという問いに対し、株券の預かりは取締役で決定し、株主総会でこれは承認されていると。したがって商法違反にはならないという内容の答弁がありましたけれども、しかしここでお伺いしたいのは、この株券の名義は一体だれに変更されているのか、この点を明確にしていただきたいと思います。いわゆる株の譲渡は取締役の承認が要ると規定がなされております。したがってそれはそれでいいでしょう。しかし株主総会でも承認されたのであれば、これは明らかに株の譲渡になるわけであります。その名義は一体だれなのか、これを明らかにしていただきたいと思います。
 4つ目は、平敷農林水産部長は、資本金を51%持っているわけではないので海外漁業株式会社に対し経営の決定権がなく、したがって経営方針の正否については指導するとか相談するというおよそ会社経営の中には出てこない、あり得ない言葉で県当局と当海外漁業株式会社との関係を説明しております。
 これは全く答弁にはなっておりません。資本金の39%も出資をしており、筆頭株主であります。株主総会においては最も発言力が強いのは当然であります。しかも会社というものは、毎日毎日株主が集まって経営方針を決定するものではありません。日常的には取締役会でもって決定をし会社は運営されます。このことを考えたときに、県はその会社の日常的な経営方針を決定する最高機関ともいうべき取締役会に取締役が入っているわけだから、このようなまさにみずからも当会社の経営者の一人でありながら、当会社を指導するとか相談するという説明は全く不可解であり解せないのは当然であります。この辺の御答弁もまた大変あいまいで理解に苦しむところであります。再度の答弁をお願いいたしたいと思います。
 5つ目は、事務所は那覇市松山在の日産ビル内と答弁をいたしておりますが、そこには小さな看板沖縄海外漁業株式会社があるだけで、この事務所にパプアニューギニア・ツナ・フィッシャリーズ株式会社の代表来間氏が非常勤でいるというわけですけれども、要するに会社の実体がないと。こういうような質問に対し答弁があったわけでありますけれども、この辺もまた大変おかしなものでありまして、いわゆる平成2年6月5日に移転をし、6月22日に登記がなされております。ところが大変おかしなことに6月30日に契約がされているということであります。すなわち6月30日に契約されているのに、それよりも以前に登記がなされ移転がされているという実に不可解な、ちぐはぐな状況を呈しているわけであります。この辺にも当局の答弁のいわゆるでたらめさと申しますか、よく意味がわからないというのはこの辺にもあるわけであります。ここの点についても再度よくわかるような御答弁をいただきたいと思います。
 6つ目は、久手堅部長の辞任時期の誤りを指摘されて慌ててこれを訂正し、舌足らずでしたと申し開きをしているわけでありますが、農林水産部長はこの点につきまして、いわゆる6月議会の7月2日においては4月20日に辞任をしておりますと、新垣議員にこのように答弁をしております、6月議会におきましては。ところが今議会におきましては、6月30日辞任と、伊波栄徳議員に答弁し、これを5月7日に辞任と訂正をいたしております。
 本議会においてはそれはそれでよしとしますけれども、6月議会において新垣善春議員に4月20日に辞任をしておりますと答弁しておりますけれども、じゃ一体これはどういうことなのか、この辺を明らかにしていただきたいと思います。
 このように沖縄海外漁業については非常に内容があいまいな答弁が多く、これでは議会が納得できるはずがございません。そういうことで再度きょうの答弁になったわけでありますけれども、きょうの答弁におきましても、このように私が指摘申し上げましたいろいろな点でまだ不明な点が多く、これでは我々議員は納得できるはずがありません。再度明確な、よくわかるような答弁をお願いいたしたいと思います。
 あとはまた答弁によって質問いたします。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 御答弁申し上げます。
 海外漁業株式会社に対する県の責任ある態度を明らかにしなさいという1点目の御質問でございます。
 県は39%の出資比率の株主でございまして、役員も送っておりますので、その会社に対する指導の責任がございます。しかしながら会社は法人格を持っておりまして、役員会、総会においてその意思が決定されるわけでございます。したがいまして、県の意思だけでこの会社の方針を決定することは不可能でありますという御答弁を申し上げてきたわけでありますが、会社としては南方漁業のこの好調な時期に何とか再開の道を探ってみたいという強い意思でございますので、現地調査を踏まえまして再建策を検討するということを言っておりますので、その再建策を総合的に検討いたしまして県としてどう対応した方がいいのかということについて、その対応策を講じていきたいというのが県の態度でございます。
 2番目の御質問でございますが、ツナ・フィッシャリーズの実態が明確ではないという御質問でございますが、これにつきましては先ほども補足説明で申し上げましたとおりパプアニューギニア政府と沖縄海外株式会社による現地法人、出資は海外漁業株式会社が全額出しておりますが、役員構成は現地政府と沖縄側からの役員で構成されていたようであります。ところが61年の操業を中止いたしました以降、この現地法人についても休眠状態であるということを聞いております。しかしながら今現在、私ども手元にその会社の経営状況についての資料がございませんので、先ほど御説明いたしましたとおり10月に会社側の現地調査等も予定しているようでございますので、できるだけその実態を詳しく掌握するように申し入れをしたいというふうに考えております。

 それから次、立てかえ金の株相殺の件でございますけれども、これは立てかえ金が6億4900万余ございます。そのうち船主が所有している株、8人分でございます。これは1株5万円で8人分でございますので150株でございます。金額にしますと750万でございますが、その分については株券を会社が一時保有すると、会社の債権保持ということになろうかと思いますけれども、一時預かりをしまして、買い手がおればこれは会社が売ってあげると。これを会社と、それから会社の収入とし立てかえ金と相殺をするという考え方で63年9月27日の取締役会で決定をして、船主にそれでよろしいかどうかということについて同意を求めて、それでよろしいということで現在、会社がその株は一時預かりして、名義はそれぞれ船主名義の株券のようでございます。したがいまして会社の経理処理としては、この750万円については未収金と、つまり株が売れれば入ってくるわけですので未収金という形で会計処理をされていると。そして残りの立てかえ金については、操業が停止している現在からして立てかえ金として回収することは困難であろうという判断をいたしまして、貸倒引当金という形で会計処理がなされているということでございますので、商法の自社保有には当たらないものというふうに考えております。
 それから、39%の株を持っているので指導しかできないということではおかしいのではないかという趣旨の御質問だと思いますけれども、資本比率でいいますと39%でございます。債権からいうと8%台になると思います。そこで会社をどうするかという重大なといいますか、意思決定をするに際しましては債権者の意向というのが大きく左右するわけでございます。
 そのようなことで、会社の方針決定といいますか、それについては県の一存だけでどうするということができないと。しかしながら出資者でありますし39%の株も保有しておりますので、行政指導という立場で引き続きこの会社の健全化あるいは債権者に迷惑をかけないような方法についての方針策定にはできるだけ関与しなければならないと思っておりますし、それについても一義的にはやはり独立した人格を持っている法人でございますので、その法人の考え方を聞いて、それから県の対応策を検討するというのが一番妥当な方法ではないのかというふうに考えているわけでございます。
 それから、賃貸借契約はちゃんとありますということで、これは先ほども御説明いたしましたとおり鉄筋コンクリートづくり4階建ての床面積3階の15平方メートルを借りますという形の賃貸借契約はあるわけでございます。その契約の日付は、御指摘のとおり6月30日になっております。
会社の移転登記の日付とは一致しないという御指摘でありますけれども、そこら辺のいきさつはまだ私存じておりませんが、実態としてはそういうことで会社の契約はなされているということでございます。
 それから、久手堅部長の任期のことの御質問でございますが、これは昨日、石川議員にお答えしたとおりでございまして任期が6月30日までになっておりました。しかしその前に辞任届けが出されておりまして、5月7日に辞任登記がなされているということでございます。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 高良政彦君。
   〔高良政彦君登壇〕
○高良政彦君 ただいまの答弁ですけれども、全く内容がよくわからない。
 まず、再度お聞きしますけれども、この来間氏は海外漁業の取締役ですか、この1点ですね。
 それから、いわゆる船主の立てかえ金の問題ですけれども、取締役会でこれを決定し、株主総会でも承認されて、しかもいわゆる立てかえ金と債権債務の相殺をして、なおかつ名義が変更されてないということはあり得ないはずですけれども、こういうことがあるんですか。こういうことはいまだかつて聞いたこともないし、見たこともありません。この名義がだれなのかというのはきちっとやってください。船主の名義であるようだでは、これは通りません。この辺にいつもあいまいさがあるわけなんです。
 それから、6月30日に契約して6月15日に移転するということがあるんでしょうか。これもまたおかしな話です。この辺をもう少し明確にしてください。契約を済まして、それから後に移転し、こうやるというのが普通であって、契約を6月30日にやっているのに、6月15日に移転したというのはこれはもうあり得ないことなんです。こういうでたらめな答弁ではこれは納得できません。
 それから、先ほど4月22日にいわゆる県の取締役は辞任している件はどうなのか答弁がありません。よろしくお願いします。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後3時37分休憩
   午後3時40分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 答弁に手間取りまして申しわけございません。お答えいたします。
 来間氏は会社の取締役でございます。(「どの会社」と呼ぶ者あり) 沖縄海外株式会社の取締役でございます。
 それから、事務所の移転登記と賃貸借契約の件ですけれども、事務所の賃貸借契約は先ほど御答弁申し上げましたとおり6月30日でございます。ところが事務所の移転登記は6月5日になっております。会社の事務所の移転登記につきましては、取締役会の決定があれば移転登記ができると。ところがその松山2丁目2番地12号の事務所を賃借するということについては事前に口頭で契約をして移転登記をしまして、それから事務所の賃貸借契約は30日にずれたという経過をたどっております。
 それから、久手堅部長の辞任の件ですけれども、辞表が出されたのは4月20日でございます。これにつきましては商法の規定によりまして何週間以内に登記を変更しなければならないという規定があるようさございまして、したがって5月の7日のその期限内に辞任登記がなされたという経過でございます。
 それから、立てかえ金と株券の相殺の話でございますけれども、これは先ほど御説明しましたとおりでございまして、立てかえ金は船主と海外漁業株式会社との基本協定によりまして水揚げから相殺をするという基本協定があったわけでございまして、会社の立てかえ金として残っているのが申し上げたとおり6億4900万余でございます。しかし現に操業をストップしておりますので、これをそのまま立てかえ金として置くのは会計上適切ではないという公認会計士の指導等もあったようで、それで株券に相当する750万についてはその株を会社名義にしているわけではございませんで、会社が保管をしますと。そのかわり立てかえ金は取り立てはいたしませんということで、船主と会社側の合意によりまして株券を会社は預かるとして、その分はそれに相当する金額については未収金として会社は計上するという形でございますので、これを会社の所有株としたこととは違うということでございます。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 海外漁業の件についてきょうまで大分議会が混乱いたしておりますが、私が高良議員にお願いしたいことが一つあるわけでございますが、これは沖縄県は2つの人格を持っていることは御案内のとおりと思います。いわゆる39%の株主としての沖縄県、もう一つは行政機関としての沖縄県、この2つをごっちゃにされて、幾ら39%の株主ではあっても商法その他の法律で規定されたことに従って株主は制約を受けるわけです。取締役も制約を受けるわけです。したがって株式会社の総意は株主総会で決定され、決定されたものを県が39%持っているから、行政機関であるからその決定を覆せよとは言えないですよ。
 また、取締役会で決定されたものを、取締役として出たからこれを覆すわけにはいかない。取締役会で決定されたものは、県も一つの株主としてこれは承認せざるを得ないんですよ。それとは別に株主としての沖縄県とは別に、いわゆる水産行政の指導機関として、行政機関としての、指導機関としての制約を受けるわけですね。それはあくまでも行政指導の範囲内であって、これは会社の経営の内容にまで立ち入ってはいかぬですよ。

 県は、たくさん株を持っております。琉球造船の株も60%近く持っています。南西航空、それからエアーニッポン、それから電力会社の株を持っていますけれども、それぞれ副知事を役員として送ってありますが、株主総会で決定され、役員会で決定されたことについては県としてもこれは従わざるを得ないんですよ、株主として制約を受けますから。
 しかし一方では、行政機関ですから、水産部長ですから、県知事ですから、それはあくまでも行政指導の枠内にとどめるべきであって、経営の内容まで立ち入って社長をかえろとか、総会で決定されたのを覆すとか、そういうことはできませんから、2つの人格が非常にごっちゃにされまして何を言っておられるのかさっばりわからぬ場合があるわけですよ。その辺をごっちゃにされて、だからお願いですから、今お願いしている。
 そういうことで、行政機関としての立場を追求されているのか、株主総会で、役員会で決定されたことについて不満があると言われるのか、その辺がよくわかりませんので、その辺はしっかりひとつ区別して考えていただきたい、これは私からのお願いでございますから。何かしら、行政機関としての県と一株主としての県がごっちゃにされているような気がしましてね。
 県の投資は、原則として投資はするけれども経営にロは出さないと、これが県投資の原則でございます。そういう意味で役員を送っておりますから。そういうことで御理解いただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後3時48分休憩
   午後3時49分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 高良政彦君。
   〔高良政彦君登壇〕
○高良政彦君 それじゃお聞きしますけれども、来間氏は取締役と答弁がありましたけれども、いつ取締役になったのか、その辺を明らかにしてください。いわゆる登記簿謄本がありますけれども、取締役だったら当然これに載っているはずですけれども、最新のこの登記簿謄本にはこれは載ってないわけなんです。この辺はどうなのか。大変不可解です。よろしくお願いします。
 それから、時間がありませんから、いろいろ言いたいことはあるんですけれども、知事は今答弁なさいました。知事がおっしゃったことはよくわかります。その程度のことは我々も勉強しております。株主というのは、持っている株の範囲内で責任を負うと。取締役は株主総会に対して責任を負うというのはこれは当然の話であります。したがって、いわゆる株主は出資した株の範囲内で責任をとるわけですけれども、しかもそこに取締役も行っているわけですから、日常的な経営の方針に、意思決定に参加しているわけなんです。
 しかも県は出資をしているということは、県の血税を使っているわけですから、それがうまくいくかいかないかということは県民の関心事ではありませんか。そういうような株主という立場から見ても、取締役という意思決定機関から見ても責任がある。そういう観点からも県民が納得いくような説明をするのはこれは当然のことでありますよ。そういう観点からの質問なんです。知事のおっしゃっているのは、それはイロハです。その程度のことはよく存じ上げております。この辺がはっきりしないゆえに、このようにして再度聞いているわけなんです。
 再度御答弁をお願いします。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 来間さんが取締役に就任しているのは6月30日付のようでございます。
○高良政彦君 答弁漏れ。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後3時50分休憩
   午後3時51分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 今、歴代の当初からの取締役の一覧表を持っておるわけですけれども、それによりますと6月30日から来間氏が就任という、こういう資料に基づいてお答えしておりますが、登記簿謄本そのものは今現在持っておりませんので、後で取り寄せて説明をさせていただきたいと思います。
 今、登記簿謄本のコピーを見せていただきましたけれども、これには載っておりません。私が会社側から聞いておりますところによると6月30日ということで御答弁申し上げたわけでございまして、それにつきましては会社によくこの事実関係といいますか、登記がちゃんとされているかどうかということについて明確にしたいというふうに考えております。
○議長(平良一男君) 高良政彦君。
   〔高良政彦君登壇〕
○高良政彦君 登記簿謄本に載っていない取締役というのはあり得ません。これはもう幽霊取締役ということになるわけですが、これは納得できるわけはありません。
 それから株券の処遇ですけれども、これは取締役会でも認められ、株主総会で承認されて、しかも船主の債務とも相殺されて、なおかつ名義も変更されないでそれを会社が預かって譲渡先を探しているというのは、こういうことはあり得ません。じゃ、いつまでこれは続くのか、いつまでも預かっておくのか。株券は債権ですね、こういうことはあり得ないんです。この辺もまだはっきりしておりません。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 株券と立てかえ金のその処理につきましては、私、会社がこれまでやってきた事実関係を御説明申し上げました。
 確かに、これいつまでも他人名義の株をたとえ同意を得たとはいえ、いつまでもそのような状態で置くのは適切ではないと考えておりますので、会社側を強く指導してまいりたいというふうに考えております。
○議長(平良一男君) 本盛 茂君。
   〔本盛 茂君登壇〕
○本盛 茂君 ただいま重要な問題となっている海外漁業株式会社について、通告の都合で発言できないことはまことに申しわけのないような妙な感じであります。
 では、通告に従って一般質問を行います。
 最初に、戦争マラリア補償問題についてお尋ねします。
 さきの6月議会における私の質問、軍命の有無について、知事は、軍命はあったのではないかと推測されますと答弁なさいました。
 駐屯軍司令部付高級参謀陸軍少佐東畑広吉氏の手記「八重山兵団防衛戦闘覚書」、石垣市市史編集室編「市民の戦時戦後体験記録第4集」所収によれば、住民に対する避難命令に関し次のように記されています。
 旅団長宮崎少将は、軍命に基づき八重山列島一般情勢を顧慮した結果、6月10日、甲戦備移行を命ずるとともに、あらかじめ協定によって準備されていた於茂登山ろく及びバンナ岳北側複郭陣地内への避難命令を通達した。中略。敵上陸後の避難は混乱を招き、損害の絶大及び戦闘の妨害等を顧慮の上、軍命のごとく処置せられた模様であると。
 そこで知事にお尋ねします。
 知事は、この東畑高級参謀の手記を強制疎開の有無に関して明確に記述された旧日本軍関係資料だと認めることができないか。認められないとすれば、その理由についてお示しください。
 宮崎旅団長に次ぐ地位にあった高級参謀東畑少佐の手記は、軍命による強制疎開を十分に立証するに足るものであり、軍命のごとく処置せられた模様であるという文言こそ、軍命の有無について判断する有力な資料であり、これ以上のものは出てこないのではないかと私は考えます。
 そこで質問いたしますが、知事は私の質問に対して、軍命の有無について目下のところ明確な記述は見当たらないと答弁しておられますが、知事が考えておられる明確な記述とはいかなる要件と内容を具備したものを指すのか、お伺いいたします。
 調査に当たって慎重を期すことはよいことですが、しかしながら強制疎開というあの忌まわしい事実は戦争という異常な状況下で行われているのです。この特殊事情をしっかりと踏まえてこの問題は判断されなければなりません。慎重調査の名のもとにいたずらに時を過ごしているとすれば、それは西銘知事の決断と実行とはほど遠いものであります。強制疎開が軍命であったことを立証する資料、証言は、県のこれまでの調査で十分に得られていると私は思っています。

 そこで質問をいたしますが、知事は軍命はあったと明確な答弁をするお考えはないか、お伺いいたします。
 次に、竹富町小浜港の港湾整備計画についてお尋ねします。
 小浜港の整備については、私もこれまでの一般質問で取り上げてまいりましたが、このたび着工のめどがついたと聞いて喜んでいるところであります。
 同港の港湾整備計画について工期、工事内容、予算額等詳しい説明を承りたいと存じます。
 次に、離島航路のしゅんせつについて、特にここでは竹富町における航路の要しゅんせつ工事について県の御見解と対応等についてお尋ねいたします。
 私は以前、西表島の大原中学校に5カ年間も勤務していた関係上、小浜島、黒島、西表東部間の航路の危険性については十分に承知しています。10年ほど前に町内全航路の大動脈となる竹富島東の黒島口のしゅんせつがなされましたが、その他の航路については相変わらず厳しい運航が余儀なくされています。竹富町が国などの関係機関に要請した回数は30回をはるかに超えると言われています。
 各島々に定期船を走らせている八重山観光フェリー会社によると、1年の中でも特に水位が低くなる3月から6月の大潮時には気を緩めると座礁の危険性が常にある。人命を預かる船長たちは極度の緊張感を強いられていると訴えています。
 そこでお伺いします。
 1、竹富町内の航路でしゅんせつを要する箇所はどこどこか。
 2、しゅんせつ計画はあるか。あれば、その内容について。
 3、しゅんせつ工事について国とはどのように折衝しているか。その経過と実現への見通しについて、以上の3点について御答弁ください。
 次に、サトウキビ低ブリックス地域の対策についてお尋ねします。
 沖縄農協中央会がサトウキビ品質取引対策資料として平成2年3月に作成したブリックス分布図の集落別平均ブリックスー覧によると、ブリックス16度台の集落数は全県下で24集落、15度台の集落はゼロ、14度台集落は西表島の美原1カ所のみで、ブリックス14.87度という極めて特殊な地域となっています。
 そこで質問をいたしますが、県はサトウキビの品質取引に備え、16度台の低ブリックス地域についての対策をどのように進めているか。
 なお、最もブリックスの低い特殊地域である美原については既に工事も開始されてはいるが、改めて工期、工事内容、予算額、工事の進捗状況等についての具体的な説明及び工事竣工後のブリックス向上への見通しについてお伺いいたします。
 伊野田海浜の保全対策については割愛します。
 最後に、教育問題についてお尋ねします。
 さきの6月議会における日の丸、君が代問題についての私の質問に対する教育長の答弁は、文部省の新解釈なるもののおうむ返しであり、全く納得できるものではありませんでした。
 県教育長は、天皇敬愛の立場から一貫して国家権力側による君が代の新解釈に終始した答弁を行い、君が代は主権在民をたたえる歌と認識しておりますと言うに至っては、到底日本国民の常識では考えられない答弁であり、見逃すわけにはまいりません。
 そこで、前回に引き続き君が代について教育長の見解をただします。
 君が代の歌詞は、戦前も戦後も一字一句も変わっていません。君が代は、明治の初めに天皇に対する礼式曲として定められ、その歌詞は主権在君の天皇制の永続を願望する内容のものであります。
 太平洋戦争を前にした小学校修身教科書には、君が代の歌は、我が天皇陛下のお治めになるこの御代は、千年も万年も、いやいつまでもいつまでも続いてお栄えになるようにという意味で、まことにおめでたい歌であります。私たち臣民が君が代を歌うときには天皇陛下の万歳を祝い奉り、皇室の御栄を祈り奉る心でいっばいになりますと、昭和12年尋常小学校修身書巻4に記述されています。
 このように君が代は、国民主権の民主主義国家には全くふさわしくないものであるからこそ、それを学校教育に押しつけることに対して大多数の県民、国民が絶対反対をしているのであります。
 戦前、戦時中では、天皇主権の制度の永続を願うものであると教えられてきた君が代を、このままの解釈では国民主権の憲法下では都合が悪いというので、文部省は学習指導要領の解説書に当たる指導書で新解釈を打ち出しました。
 さきの議会での私の質問に対して教育長は、国民の納得の得られない政治的解釈ともいうべき文部省の乱暴で無理な新解釈に立って得々と答弁したのでした。
 仲俣義孝氏はその著書で、まず第1に、歌の意味を時の権力が勝手に変えるということは一般の歌では考えられないことであり、このようなことはあってはならないし、本来できないことであり、文化問題としても重大です。こういうことが君が代についてだけはできると文部省が考えているということは、逆に君が代なるものが既に国民が自由に自分の意思で歌う歌ではないことを示しており、これは時の権力がその意味も、それを唱えさせることから生ずる効果も決めて国民に押しつけようとしている呪文のようなもの、もはや歌ではないというべきでしょうと述べています。
 教育長、あなたが県教育行政の責任者として官僚の立場からあのような答弁をしたことは一応うなずける面もないではないが、あなたは個人高良清敏という立場に立ったときも君が代が本当に主権在民をたたえる歌であると認識するのか、いま一度お尋ねいたします。
 次に、新学習指導要領では、入学式や卒業式などにおいてはその意義を踏まえ国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとするとしています。指導しなければならないと書かずに指導するものとすると書いたのはなぜかとの質問に対して、1989年6月20日、参議院文教委員会での西岡武夫文相の答弁によって、するものとするというふうに決定した真相が語られ、文部省は私立学校には強制しない、強制できないという意味で表現のニュアンスをやわらかくしたのだと説明しています。
 教育長、私立学校教育も教育基本法、学校教育法などの目的に沿って行われる公教育です。その意味で私学も憲法で言う公の支配に属するものであるとされ、このことが私学への公費助成の根拠にもなっていることは既に御案内のとおりであります。
 そこで質問をいたします。
 教育長、日の丸掲揚、君が代斉唱の強制が私学ではだめなら公立でもだめなはずです。どうして私学では強制できないことが公立では可能なのか、法的な立場と教育的な立場の両面から納得のいく答弁を求めます。
 次の質問に進みます。
 主権在君、いわゆる天皇主権下にある君が代の君とは申すまでもなく専制君主の天皇であり、その歌詞の意味は先ほども述べたとおり天皇制の永続を願望し、天皇をたたえ、その治世の栄えを祈念する歌でありました。そして戦後の君が代も文部省の新解釈によって同じく天皇であるとされ、天皇の象徴という地位を巧みに利用したつもりでしょうが、主権在民を軽視した無理で乱暴な歌詞の解釈をなし、校長講習会などを通して学校現場に押しつけています。
 君が代は、主権在民をたたえる歌であると認識しているという高良清敏教育長の認識に従えば、まことに奇妙な高良式の三段論法が成り立つことになります。
 すなわち、1、戦前の君が代は主権在君をたたえる歌であった。2、戦後の君が代は主権在民をたたえる歌である。3、ゆえに戦前の天皇主権と戦後の国民主権とは同一の制度である。
 教育長、この論理は正しいと思うかどうか。正しくないとすれば、どこに誤りがあるか、御見解をお伺いいたします。
 次に、小学校6年の社会科で指導すべき人物として42人の名が挙げられ、特にその1人に東郷平八郎が入っていることが大きな問題点となっています。
 時の中嶋文部大臣は、東郷を入れることに反対で次のように語ったと言われています。
 日本海海戦は、日露戦争の一つの局地戦であり、その司令官を入れるのであればハワイ奇襲作戦の山本五十六元帥なども入れなければならなくなる。山本元帥で太平洋戦争全体を語れるか。日露戦争も同じだ。戦争を開始し、終結したときの日本政府の対応とその後の社会を教えることによって初めて子供に正しい歴史観が身につくと語っています。

 また同文相は、軍人を表に出すべきではないという考えを持っており、後任の西岡武夫文相に引き継ぐ際、引き継ぐべきことはただ一つ、私の時代に東郷さんの名が出ることに反対しとめていますと言い、改訂案発表に当たっては西岡さんを拘束しないが、納得はしませんと語ったと言われています。
 そこで質問ですが、中嶋文部大臣のこの発言に対する県教育長の御見解を伺います。
 東郷平八郎の登場で思うことは、日露戦争の旅順口包囲軍の中にある弟を嘆いて、詩人与謝野晶子がつくった「君死に給うこと勿れ」の戦争反対の詩であります。
 この詩は、世間に大きな波紋を投じ、当時文壇の有力者であった大町桂月は晶子に対し、乱臣なり、賊子なり、国家の刑罰を加うべき罪人なりと攻撃しましたが、晶子は屈せず、公開状を発表してまことの心情を率直に歌ってなぜ悪いのだろうかと反駁し、さらに少女と申すもの、だれも戦争嫌いに候と言い切っています。
 クリスチャンで非戦論者の内村鑑三らとともに戦争に反対した与謝野晶子や、江戸末期、幕政改革の指導者大塩平八郎らは、教科書から消え、同じ平八郎でも終身制の元帥として生ける軍神と言われた東郷平八郎が中嶋文部大臣らの反対にもかかわらず新たに登場しました。
 東郷平八郎の海軍生活は、実に66年の長きに及び、海軍内部における彼の横車は軍部独裁へと進み、ロンドン軍縮条約以後の日本を方向づけてしまい、満州事変が起こるとこの道はもう引き返し不能となり、彼の死から7年後についに日米開戦となり、東郷の栄光の名を刻んだ連合艦隊は太平洋の藻くずと消えうせ、我が沖縄は鉄の暴風の戦場と化しました。この破滅への道は、既に生ける東郷によってしっかりと示されていたと軍事評論家は訴えています。
 東郷平八郎を教えるためのよりどころとなっている学習指導要領では、日本政府は、日清、日露の戦争の勝利を通して国際的地位が向上したことによって条約改正に成功したことを理解させるとなっています。つまり2つの戦争の勝利を国際的地位の向上と条約改正の成功という観点でとらえさせようとしており、ここに本質的なねらいがありますが、しかしそれは侵略戦争への無反省を特徴とする新学習指導要領の日本近代史像に沿って日清、日露戦争の侵略性に目をふさぐものであると評されています。
 そこで教育長に質問いたします。
 1、東郷平八郎の登場について、2、与謝野晶子が消されたことについて、以上2点についての御見解をお伺いします。
 また、ぜひ指導すべき42人の人物中、仏教関係では行基と鑑真の2人が挙げられているが、これに対して最澄、空海あるいは日蓮、親鸞をより重視したいという人も多いと思うが、なぜ宗教関係者では行基と鑑真の2人だけなのか、その理由について御説明ください。
 平和教育の上からも多くの問題をはらんでいる東郷平八郎をどう教えるかということは、現場教師にとってとても困難な授業となることでしょう。
 本土における研究授業の事例等も発表されているが、私が得た資料で見る限りにおいては、私たちが小学校のころ学んだ戦前の国史教育の復活を思わせる授業であり、まことに憂慮にたえません。もしも県教育庁が学校現場からの要請を受けて東郷平八郎を子供たちに教えるとするならば、果たしてどのような模範授業になるでしょうか、大変興味のあるところであります。
 そこで質問いたします。
 東郷平八郎をどう教えるかということについて次の各項目にお答えください。
 1、小単元名について、2、教材観について、3、指導目標について、4、指導事項及び時間配当について、5、実施授業の展開について、6、指導上特に留意すべき点について、7、学習の評価について、以上の7項目についてお伺いします。
 以上で私の一般質問を終わります。答弁によって再質問いたします。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 久方ぶりに本盛議員の元気な声を聞いて、大変激励されました。
 戦争マラリア補償問題についてお答えいたします。
 東畑高級参謀の手記について御質問がございましたが、お答えいたします。
 御指摘の資料については、戦時中、石垣島に駐屯していた独立混成第45旅団の司令部所属元高級部員、当時陸軍少佐であった東畑氏が、先島戦記刊行会に寄せられたものと聞いております。同資料には、御指摘の内容が記述されていることは承知いたしております。避難命令の有無を判断する上で重要な資料であると受けとめております。
 知事は明確な記述についてどういう考え方なのか、いかなる要件を備えれば明確な記述になるかと。それから軍命はあったと明確な答弁をする考えはないかとただされましたが、お答えいたします。質問の2と3につきましては、関連がございますので、一括してお答えいたします。
 戦時中における一般住民の疎開については、当時、八重山地域に駐留していた独立混成第45旅団長宮崎武之陸軍少将が、一般住民に対して避難命令を出したという物的証拠も見当たらないことから、また同旅団長が既に死亡しているため、同命令の有無に関する証言が得られないことからいたしまして軍命があったと判断することは困難であります。
 しかしながら、旧官公庁職員の手記等の関係資料に記述されている内容や、マラリア犠牲者の遺族等からの調査結果のデータからいたしますと軍命があったのではないかと推定されます。
 残りの御質問に対しましては、それぞれ部局長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 高良尚光君登壇〕
○土木建築部長(高良尚光君) 本盛議員の小浜港の港湾整備計画についてお答え申し上げます。
 整備内容、工事期間、予算規模についてはどうなっているかについてお答え申し上げます。
 現在の小浜港は、昭和49年から昭和57年までに当時の定期船の大型化、ホーバークラフトの就航等に対応するため防波堤、物揚げ場及び航路・泊地等の施設を約10億円を投じて整備を行ったところでございます。
 しかしながらその後、同島における観光客の増加等に伴う定期船等の増加により係留施設はもとより、各種船舶が港内でふくそうし新たな港湾整備が必要な実情にございます。
 このようなことから、小浜港の利用区分の適正化を図り効率性、快適性、安全性の高い港湾として整備をする目的で平成3年度から始まる第8次港湾整備5カ年計画において係留施設、船揚げ場、航路・泊地、防波堤等の拡張整備を実施する計画のもとに、平成3年度の新規事業として採択してもらえるよう国へ要望しているところでございます。
 なお、予算規模は全体では10数億円を見込んでおります。
 次に、竹富町の離島航路のしゅんせつについてでございますが、1点目は、竹富町の離島航路でしゅんせつが必要な箇所はどこか。2点目には、そのしゅんせつ計画があるか。3点は、国との折衝経過及びその実現の見通しはどうかについてまとめてお答え申し上げます。
 竹富町の離島航路の整備は、開発保全航路として政令で定めた竹富南航路の延長約2.5キロメートルにつきましては、昭和55年度までに沖縄総合事務局により実施されましたことは御案内のとおりでございます。
 その後、地元竹富町から要請のあるしゅんせつが必要な箇所は5カ所で約25キロメートルとなっております。
 しかし、当該航路の事業は、沖縄総合事務局が実施することになっておりますので、局に照会しましたところ、局としましては当該区域が、1つには西表国立公園の指定区域内であること、2つ目には大量に発生するしゅんせつ土砂の処分場所の確保が困難であること、3つ目にはさらに漁業関係者を初めとする地元の十分なる合意形成が必要であることから、事業実施に向けましてはさらに慎重なる検討が必要であるとのことでありました。
 なお、県としましても折りに触れて沖縄総合事務局に検討をお願いしているところでございますが、今後とも現地状況を踏まえて早期整備が実現できるよう努力してまいりたいと考えております。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。

   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) サトウキビの低ブリックス地域対策をどのように進めるかという御質問にお答えします。
 サトウキビの低品質地域対策としましては、一般的に土壌改良、排水不良の整備、防風防潮林の設置のほか、栽培技術の改善等が考えられますが、その実施に当たりましては地域の実態に即した対策が必要でございます。そのため平成2年度におきましては地域別の低品質要因調査を実施するとともに、低品質地域適応性品種の育成等を行っており、これらの結果等を踏まえて平成3年度から具体的な対策を講じていくつもりでございます。
 2点目に、美原地区における工事の工期、内容、予算額、進捗状況等についての見通しはどうなっているかという御質問にお答えします。
 土地改良総合整備事業の由布地区につきましては、平成元年度に竹富町営として受益面積28.3ヘクタールが採択され、平成2年度から工事を実施いたしております。
 工事は幹線、支線排水路及び暗渠排水路の整備、防風林の設置を行い、平成5年度までには完了する予定になっております。予算額は3億7600万円を計上してあります。
 なお、工事に当たってはこれまでの調査、検討結果等に基づくものでありますので、工事完了後は品質の向上が図られるものと考えております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 教育長。
   〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) 本盛議員の教育問題について順を追ってお答えしたいと思います。
 まず1点、主権在民の立場に立って君が代の歌詩をどう解釈するかにお答えします。
 君が代の君は天皇のことだと考えますが、現在の天皇は、主権の在する日本国民の総意により日本国民統合の象徴とされており、その天皇をいただく我が国の永遠の平和と繁栄を願ったものであると理解いたしております。
 2点目に、国旗、国歌の指導を私学へは強制していないが、公立学校に強制することについての質問にお答えします。
 学校教育法、同法施行規則の委任を受けた文部大臣が公示した学習指導要領は、教育の機会均等の確保、全国的な教育水準の維持を図るため国が定めた教育の基準であり、法的拘束力を持つものであります。
 新学習指導要領による入学式や卒業式などで国旗、国歌を指導するものとすると規定をいたしております。したがいまして公教育の担い手である学校は、学習指導要領に基づきまして学校の教育課程を編成しなければならないわけです。学校教育において国旗、国歌を指導する教育的意義は、児童生徒に国際社会に生きる日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育てるとともに、すべての国の主権を尊重し、その国の国旗、国歌に対してひとしく敬意を表する態度を育てる上で教育上極めて重要との認識に立つからであります。
 3点目の、東郷平八郎についての中嶋元文部大臣の発言についての見解ですが、中嶋元文部大臣が東郷平八郎についてどのような内容の発言をしたか、またそのいきさつ等につきまして正式に通知を受けておりません。承知しておりませんので、コメントを控えたいと思います。
 4点目ですが、東郷平八郎が42名の中に入って、与謝野晶子が除かれていることについての御質問にお答えします。
 今回初めて新しい学習指導要領に歴史上の人物として例示されました。これらの人物は、歴史的事象において政治や文化などに大きな働きをした者で、広い面から慎重に検討して取り上げられたものと理解をいたしております。
 なお、現行の学習指導要領において取り上げられる歴史上の人物について与謝野晶子が明示されてなく、今回特に除かれたということではないと考えております。
 御参考のために、改正前の学習指導要領の歴史的人物は8名でございます。
 5点目、行基、鑑真、仏教関係が42名の中に入れられた理由についてですが、奈良時代の政治、文化は仏教と深く結びついており、当時活躍した人物として取り上げられたものと理解をいたしております。
 最後の御質問ですが、東郷平八郎について県の指導主事が模範授業を実施した場合に、指導案をどう作成するかについての御質問にお答えします。
 御案内のとおり学習指導案は、学習指導要領の趣旨や内容に基づきまして各学校の教師が作成するものでありますが、小学校6年の社会科で東郷平八郎を取り扱うとすれば、指導事例として次のような事例が考えられます。
 まず、1、小単元名は「ロシアと戦う」。2、教材観につきましては、明治20年代から30年代にかけ、我が国が厳しい国際環境に置かれた状況において、国力が次第に充実し国際的地位が次第に向上していったことを理解させようとするものである。その際、児童生徒の歴史的学習への興味、関心を喚起し、生き生きとした歴史的理解を得させるために東郷平八郎の日本海戦における活躍を通して日露戦争の様子を具体的に理解させようとするものである。
 なおその際、我が国も多大な犠牲を払いロシアや朝鮮半島、中国にも大きな損害を与えたことについて触れたい。
 3点目の指導目標ですが、日露戦争の戦いの様子や経過を理解するとともに、多大な犠牲を払ったこの戦いによって日本の国際的地位が向上し不平等条約が改正されたことを理解させる。
 4点目、指導事項及び時間の配当ですが、これもあくまでも事例であります。
 一つの導入の方法としては、日清戦争後、朝鮮をめぐってロシアと対立していたことに気づかせたいという区分。
 それから展開ですが、日露戦争の様子について調べる。細かくは、日本海海戦の様子、それから攻防戦の状況、戦争中の国民の様子、講和条約の内容等ということで、まとめということになろうかと思います。
 それから、東郷平八郎の扱いの問題は、写真や生い立ち、エピソードなどについて身近に感じさせるように工夫する。またその業績や働き、願いなどについて展開させる。
 それから6番目の指導上の留意点は、人物の働きとその人物の生きた時代の様子との関連を図る。それから学習を効果的にするためにいろいろな資料を活用する。学習形態を工夫し、楽しく学習できるようにする。単なる戦争物語にならないようにする。
 学習の評価としては、戦争の結果、日本や東アジアはどのようになったか、話し合ってまとめると。
 これは冒頭にお断りしましたように、御質問でありますので、基本的には教師が作成するものでありますが、もし私どもの指導主事が模範の授業として内容をつくるとすればお答えしたとおりの内容になります。
 以上であります。
○本盛 茂君 休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後4時29分休憩
   午後4時31分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) お答えします。
 中嶋元文部大臣の発言につきましては、取り寄せて次の機会にまたお答えしたいと思います。
 今、主権在民の話ですが、教育長であれ高良個人であれ、私も日本国民ですから、そういう理解をいたしております。
 それから、前議会でも先生には丁寧にお答えしたつもりですが、君が代の歌詞に大変御疑問のようですが、解釈をした、私、学者じゃありませんのでいろいろな解釈、あるいは国会答弁、著名な学者の解釈、あるいは私どもの勉強の中でのいろいろの答弁になります。つきましては、ここにモデルに書いたのがありますので、それを読みまして答弁にかえさせていただきます。
 君が代の歌詞については、現行憲法のもとでは日本国の象徴であり、日本国統合の象徴である天皇、憲法第1条をいただいている我が国がいつまでも繁栄するようにとの願いを込めた歌であると理解すべきであると。
 それから現行の憲法は、先ほど言いましたように象徴天皇制をとっており、現在の憲法のもとでの我が国の末永い繁栄を願うことは当然であり、この歌詞が何ら問題になることはないと書いてあります。私もそう理解しております。
 それからなお、君が代の元歌は古今和歌集に読み人知らずとしておさめられている歌であり、日本国民族の伝統や感情に支えられて受け継いできて現在の歌詞になったものとその歌詞の経緯も私どもいろいろとその解釈の中で理解をいたしておりますし、また戦前の教科書では天皇が治める御代が千年も万年もと、いつまでも続きますようにという歌だということも事実だと、先生の御指摘も事実だと。

 ところが、これはあくまでも明治憲法のもとでの解釈だということです。
 それから繰り返すようですが、現憲法のもとでの君が代の解釈は当然現憲法の前提に考えるべきであり、歌詞の理解が変わっていくのは当然である、こういうふうな解釈があります。
 そういうことで、私もいろいろそういうふうなことを読んで、これは私がいろいろ勉強し、かついろんな資料を取り寄せて丁寧にお答えしていますので、御理解いただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 本盛 茂君。
   〔本盛 茂君登壇〕
○本盛 茂君 時間がありませんので、知事にお尋ねします。
 知事は先ほど、宮崎旅団長、あの人の正式なものがないと。それでまた亡くなったし、それがないからはっきりは言えないというふうな意味のことをおっしゃったでしょう。
 そういうものは、ここにないと思います。宮崎旅団長が文書で残したものはありません。幾ら調べても出てきませんから、それが出てくるまで待っていると言ったら、もうマラリア問題の解決にはなりません。軍命であると知事が認めなければ運動は推進しません、進みません。その点の知事の判断をだからお伺いしているわけです。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 軍命があったかなかったか。これはもう大変、補償するに際しての重要な基準になりますので、公務性があったと、軍命であったということがあれば大変仕事もやりやすいんですが、そういうことがないにしても、住民たちの調査によりましてあったということもいろいろ言われておりますし、物的な証拠はなくても、人的な、いわゆる語り伝えられた話等もございますので、これを根拠にして粘り強く折衝していきたいと思っています。
○議長(平良一男君) 次の質問者は嘉陽宗儀君ですが、同君は出席停止中のため発言の通告は効力を失います。
 上原亀一郎君。
   〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 嘉陽君の不当な懲罰問題についても言及したいんですが、時間がありません。
 通告順序を変えて、最初に我が党の代表質問に関連して質問いたします。
 知事は、きのうの外間久子議員の質問に対し、聞かれもしないのに滑走路の長さを話し合ったという6人の名前を得々と披瀝いたしました。
 しかし、とぼけてはいけません。我々が知事に問いただしているのは、新石垣空港予定地を白保海上からカラ岳東に変更した際、示唆を受けたと知事が言う沖縄開発庁の上部とはだれを指すのかということであります。滑走路の長さを話し合った人物については特定できても、予定地変更をした人物については名前を明らかにできないとは一体どういうことですか。
 そこで3点について質問いたします。
 1、示唆を受けた開発庁の上部という人物の名前を具体的に明らかにされたい。
 2、その示唆というのは開発庁の公式のものであったのか、あるいは私的なものであったのか。
 3、もし名前を明らかにできないとすれば、それはどういう理由によるものか、以上3点について明確な御答弁を求めます。
 次に、順序を変えます。沖縄海外漁業株式会社について、1、商法第266条の3によって歴代取締役は第三者に対する弁済責任を負わなければなりません。県民に対して、債権者に対して一切の損害を与えてはならないが、どのようにして13億5000万円という負債合計、これだけの膨大な実質的欠損金を支払うのか。
 2、漁業という特殊な事業、しかも相手は外国という最初から危険負担の大きかった事業に試験場関係の技術者を初めずぶの素人と言ってもいい方々を取締役に出向させた知事の責任の方がより大きい。知事は、どのようにして県民への損失、第三者への責任をとられるか。
 知事、あなたは代表質問、一般質問のこの4日間、放漫経営で膨大な欠損金を何年間も引きずってきた無責任ぶりをただされて反省のかけらも見せないどころか、漁業海況がどうだったの、円高がどうなったなどとあれこれ言いわけばかりして120万県民を欺き通そうとしています。知事、よく覚えておられるはずです。
 私は既に1984年、会社設立の翌年、第1次船団の編成出漁前の2月定例議会で、相手は外国であり、外交権もない弱体な一地方自治体を主たる出資者とする株式会社では余りにも危険負担の大きい事業である。アルゼンチン移住の二の舞を演じかねない。知事は、なぜ国に対し出漁の基盤づくりを迫らなかったのかと厳しく警告いたしました。覚えておられるでしょう。
 しかも、資金力も経営も豊富で販売力も持った米国の会社が、もはや経営維持が不可能と引き揚げざるを得なかった厳しい状況だったんです。
 それでは、この会社に以上のような厳しい経営環境、しかも外国、いずれを見ても特殊な事業というのに、どれほどの実績と経験豊かな経営者がおられたか。社長は川満昭吉伊良部町長、副社長は西銘昇琉球造船鉄工株式会社社長、それぞれ別個の重職に携わっている人たちです。どうしてこの新規の特殊事業の会社を切り回すことができますか。
 じゃ、だれがこの会社を取り仕切ったか。あなたが常務取締役に出向させた県の水産試験場関係者ではありませんか。当初は崎山憲一、そして伊佐次郎氏、この方々は水産試験研究機関の技術者、研究者としては立派な方々だったでしょう。しかし普通の事業でも生き馬の目を抜くほどに立ち回ってもなお倒産の憂き目を見ることもある企業経営の世界で、しかも特殊な事業経営に能力を発揮することができますか。客観的に見て否です。
 代表取締役副社長であった久手堅企画開発部長だってそうなんです。
 知事執行部は、会社経営に忠実義務は果たしたと思うとのんきなことをおっしゃっていますが、世の中はそんな甘いものではありません。たとえ忠実義務を果たしたとしても、膨大な欠損金を出したことに対し全責任を負わなければなりません。でなければ、だれが責任を負いますか。こんな社会に損害と混乱をもたらすちゃらんぽらんな会社が横行してはいけないということで商法266条の3はもとより、もろもろの規定があるんです。
 しかし、だれよりも責任を負わなければならないのは、設立筆頭発起人である知事、あなたですよ。あなたがこれらの方々を発起人として選任し、県知事として出向させているんですよ。それでもあなたは会社の欠損金、会社を脳死状態に追い込んだことについて責任がないとおっしゃるんですか。
 次に、海浜の囲い込みについて。
 海浜を自由に使用するための条例案が与野党共同で提案され、特定企業による海浜の囲い込みが一挙に問題化しました。
 土木委員会の審査で、海浜を含む海岸は、国の所有である自然の公物であり、その管理は国有財産法により行われることが明らかにされました。すなわち、国民の共有財産である海浜は、国民の負託を受けて国あるいはその委任を受けて県が善良な管理を行わなければならないことは当然で、国民、県民の自由使用が妨げられているということは管理者である国、県の責任が問われるところです。
 新聞も事態を重大視して両社ともビーチ問題取材班を編成し、連載で特集報道を行いました。
 その中で、両新聞とも沖縄行政監察事務所長が沖縄県知事に通知した、事業者による事実上の海浜占用の排除方策について検討する必要があろうとする自然公園等海浜地帯の保全管理に関する実態調査結果を一斉に問題にし、県はこの間、有効な対策を立てていないと重大な指摘を行っています。
 この通知は、1980年5月14日に出され、これに基づいて講じた措置等について同年6月20日までの期限づき回答を求めています。これに対し西銘知事は、10日おくれて回答を行っています。
 そこで私は、この通知と知事回答について、海岸法と森林法に基づく保全管理を除き、通知の表題に挙げている自然公園法に基づく及び関連諸法の連携による保全管理、優良ビーチによる海浜利用の制限についてただしますのでお答え願います。
 1、沖縄海岸国定公園などの海浜地帯の特別地域には、無許可の工作物や土地の形状の変更の事例がかなり見受けられるとあるが、それはどこどこですか。

 2、この中には放置された空き家、採土のための地山の切り崩し、土地の埋め立て等自然景観を阻害し不快感を与えているもの、海へ赤土が流出するおそれがあるもの等早急に改善を要する事例が散見されるとありますが、それはどこどこですか。
 3、1、2を含めて現状はどうなっているか。どのように改善されているか。
 4、観光業者や工事施工者等に対して法遵守について指導を強化することが必要であるとしているが、法遵守について、いつ、どの業者にどのような指導がなされたか。
 5、1、国定公園特別区域で自然公園法及び海岸法、国有財産法のどちらの許可も受けていない事例。2、自然公園法及び建築基準法のどちらの許可及び確認も受けていない事例。3、建築基準法の確認ないし計画通知を受けながら公園計画を受けていない事例があるとしているが、どの企業でどこどこですか。
 6、海浜地に直接違法なブロック塀を構築して入り込みを制約している事例は、どの企業でどこか。
 7、ほとんどの有料ビーチにおいて、この囲われた敷地内に地籍上海岸に通ずる無番地であるリゾートが存在しているが、特定業者がこれを取り込んで地先の海浜自体を事実上占用し、その利用を制限しているとありますが、どの業者でどこどこか。
 8、県では、特定業者による事実上の海浜占用の排除方策について総合的に検討する部局はないため、妥当性に疑問を残したまま現在に及んでいると指摘されながら、それについての回答はなされていません。今からでも遅くはありません。どの部局にしますか。
 9、知事回答で公共ビーチ無料の整備を年次計画で推進しており、衛生的で快適に利用できるビーチの整備を図りたいと回答していますが、年次計画は策定しているのか。無料の公共ビーチがこの10年間、どこどこにできましたか。
 10、糸満市からリゾートパーク整備事業に関する要請がなされていますが、どのように対処されますか。
 モーテル類似旅館の建設規制についてと上下水道問題については割愛し、御答弁を得て再質問を行います。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 上原亀一郎議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 代表質問との関連で、示唆を受けた開発庁の上部という人物はだれか。その示唆というのは開発庁の公式のものなのか。また名前を明らかにできないとすればその理由は何かと、以上3点について答弁を求められましたが、お答えいたします。
 新石垣空港の位置の変更についての示唆は沖縄開発庁を通じて聞いておりますが、名前を明らかにすることは差し控えたいと思います。
 示唆については極めて重要な提言であったと受けとめております。
 名前を明らかにできない理由といたしましては、1つ、新石垣空港建設についての業務は国の関係省庁、沖縄県、地元の石垣市で連携を保ちながら相互の信頼関係のもとに推進していかなければならない事業であります。したがって、沖縄県がその信頼関係を崩すことは、今後の事業推進に大きな障害を与えることが懸念されます。
 2つ、仮に特定の人物の名前を明らかにした場合、その個人のもとに公的にも私的にもいろいろな照会及び抗議が来ることも懸念されます。また多大な迷惑をかけることになりますので、公表は差し控えたいと思っております。
 次、海浜の囲い込みについて、リゾートパークの整備事業に関する糸満市からの要請についてお答えいたします。
 本件に関しては、9月5日に糸満市長から誘致の要請を受けているところでありますが、県としては要請の趣旨を踏まえ検討してまいりたいと思います。
 それから海外漁業についてでございますが、もう何遍も繰り返して申し上げているとおり、厳しい経済環境の中で破綻いたしましたことはまことに残念であります。
 会社の意向としては、再建に向かってこれから努力してまいりたいと、そういうことでございますので、それに期待をいたしているところでございます。
 いろいろ県は、琉球造船、沖縄電力等々に出資をいたしておりますが、これは出資はいたしますけれども、原則として経営にはタッチしない。あくまでも県がやることは行政機関としての行政指導の立場に徹底すべきであって、株主になったから経営にまでタッチすべきではない。これが原則でなければならないと、こういうふうに考えているところであります。
○議長(平良一男君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 前村善徳君登壇〕
○環境保健部長(前村善徳君) 上原議員の海浜の囲い込みについて、まず、沖縄海岸国定公園などの海浜地帯の特別地域には無許可の工作物や土地の形状の変更の事例がかなり見受けられるとあるが、どこどこかにお答えいたします。
 自然公園特別地域において工作物の新築、改築、増築及び土地を開墾し、その他土地の形状を変更する場合は、自然公園法第17条の規定に基づく許可を受けなければならないこととされております。
 昭和54年の沖縄行政監察事務所が行った自然公園等海浜地帯の保全管理に関する実態調査結果によりますと、無許可工作物は糸満市6件、恩納村12件、名護市3件、大宜味村3件の計23件となっておりまして、また無許可による土地の形状変更は恩納村3件、さらに土石の採取は恩納村1件、名護市2件、大宜味村1件計4件となりまして、これら合わせて合計31件となっております。
 さらに、放置された空き家あるいは採土のための地山の切り崩し、赤土が流出するおそれのあるものなどについて申し上げますと、これは先ほどは市町村別に申し上げましたけれども、これを行為別に申し上げますと放置された空き家は2件、採土のための地山の切り崩しは4件、土地の埋め立て等自然景観を阻害し不快感を与えているもの2件、海への赤土が流出するおそれがあるもの4件となっております。
 次に、指摘された行為等の現状はどうなっているか。またどのように改善されているかについてお答えいたします。
 自然公園内における違反行為に対する措置として、1、違法工作物が風致上支障を来さない場合には始末書を提出させる。2、原状回復が著しく困難な場合には、それに変わるべく必要な措置をとる。3、風致上重要な影響を及ぼす違法工作物は原状回復命令で撤去させる。4、情状が悪質なものについては告発の手段をとることとなっておりますので、県といたしましては、ただいま申し上げましたケースを踏まえまして関係市町村と合同で現地調査を行い、行為者に対して始末書の提出、あるいはまた修景緑化、あるいは撤去を命ずるなど改善を行ってきております。その結果、始末書16件、修景緑化3件、撤去12件となっております。
 なお、今後とも法令の規定にのっとって違反行為が繰り返されないよう強く指導を行っていく所存でございます。
 次に、観光業者や工事施工業者に対して、法遵守に対して指導を強化することが必要であるとしているが、法遵守についてどのような指導がなされたかについてお答えいたします。
 自然公園内において各種行為を行おうとする事業者に対しまして、自然公園法の趣旨を十分に説明するとともに、自然公園の管理運営の徹底を図るよう行政指導を行っております。まず第1に、関係部局及び関係市町村との連絡調整を図っていること。2つ目に、自然公園地域が指定されている関係市町村に44人の自然公園監視員を配置し公園の保護及び利用の促進、自然保護思想の啓発を行っていること。3つ目に、自然保護パトロール車による監視活動を行っていること等によりまして違反行為の未然防止に努めております。
 今後とも、このような違反行為が出ないように強力に指導するとともに、違反に対しましては厳正に対処する所存でございます。
 次に、自然公園法及び海岸法、国有財産法のどちらの許可も受けていない事例についてお答えいたします。
 まず、自然公園法及び海岸法、国有財産法のどちらの許可も受けてない事例につきましては5件、2、自然公園法及び建築基準法のどちらの許可及び確認も受けていない事例については1件、3、建築基準法の確認ないし計画通知を受けながら自然公園法の許可を受けてない事例については2件となっております。

 なお、これらの違反につきましては、先ほど申し上げましたように、始末書あるいは撤去、改善命令などによってその事後処理がなされております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 観光文化局長。
   〔観光文化局長 松堂忠健君登壇〕
○観光文化局長(松堂忠健君) 海浜の囲い込みについて、特に行政監察から通知がありましたことについての内容で、公共ビーチの整備の年次計画は策定されているか。無料の公共ビーチがこの10年間でどこどこにできたかという御質問にお答えいたします。
 御指摘の行政監察の結果通知に対する回答内容の年次計画については、市町村との関係もありまして計画を策定することが困難なことから、年次的に整備をするということで改善措置を報告してまいっています。
 県は、衛生的で快適な公共ビーチの整備を図るための事業といたしまして、市町村が行う観光地施設及び観光地修景美化事業に対する補助制度により、市町村と調整しながら予算の範囲内において年次的にその整備を行ってきているところであります。
 整備についてでございますが、昭和55年度から平成元年度まで10年間におきまして瀬底ビーチほか23カ所のビーチで総事業費4億4405万8000円により駐車場、遊歩道、シャワー室、トイレ等整備をいたしてきております。
 県といたしましては、今後とも市町村と連携して公共ビーチの整備を一層高めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 高良尚光君登壇〕
○土木建築部長(高良尚光君) 上原亀一郎議員の海浜の囲い込みについての中で、土木建築部に関連するものにつきましてお答え申し上げます。
 まず1点目は、指摘された違法埋め立てについて現状はどうなっているか、どのように改善されたかについてお答え申し上げます。
 違法埋め立ての指摘を受けた恩納村字真栄田地先における埋立地は、地元宇加地区が区民広場として造成したものでございますが、原状回復をさせた場合はむしろ周辺海域の汚濁が予想されるため、昭和58年8月に原状回復義務免除と国有帰属の処分を行い、その後国に管理を引き継ぎ、現在は国有地のままで区民広場として利用されております。
 2点目には、海浜地に違法なブロック塀を構築していると指摘しているが、それはどこかについてお答えいたします。
 海浜地での違法な構築物として指摘を受けたブロック塀は、糸満市での事例でございます。
 なお、本件につきましては昭和56年6月に業者を指導の上撤去済みでございます。
 次に、里道を囲い込んで海浜を事実上占用しているのはどの業者で、どこかについてお答え申し上げます。
 沖縄行政監察事務所の実態調査結果報告書によりますと、里道を囲い込んで営業している有料ビーチの業者名は明らかにされておりませんので、どの業者であるかの特定はできない状況にございます。しかし県が独自に調査したところによりますと、これに該当すると思われる業者は糸満市内1社、恩納村4社の5社でございます。
○議長(平良一男君) 総務部長。
   〔総務部長 石川秀雄君登壇〕
○総務部長(石川秀雄君) 海浜占用の排除方策について総合的に検討する部局はどこかという御質問にお答えします。
 海浜等に係る行政は各部局にまたがっております。
 そこで、去る6月県議会に議員提案されている海浜を自由に使用するための条例の審議を機会に、総合窓口を土木建築部として位置づけたところでありますが、今後、この条例の趣旨が生かされるよう関係部局がより一層相互の連携を緊密にし、海浜等の適切な保全管理に努力していきたいと考えております。
○議長(平良一男君) 上原亀一郎君
   〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 再質問を行います。
 知事、最初の代表質問の関連事項ですが、知事、あれだけ休憩中とはいえ、上がやったんだやったんだと言っておきながら、その名前も明らかにできないと。これではいけませんよ。やはり国民に対して、県民に対して、今、環境保全の面からもサンゴ礁、それから土地転がしの面からも大きな問題になっておりますので、しかも莫大な国費を投下しようとしておりますので、当然のこととして国民に上の方はだれか、明らかにしなければいけません。お答え願います。
 次に、沖縄行政監察事務所通知ですが、既に新聞でも報道されており、私もその概要は入手しておりましたが、土木委員会でその本物全文を提出するよう求め、さらに遅かったんで再度の要求によってようやくこのほど全委員に提出されました。
 両新聞の報道を待つまでもなく、監察当局の改善通知を受けながら、これを放置して有効な対策も立てず、特定企業による海浜囲い込みをほしいままにさせて県民の自由使用を妨げている要因について、西銘知事の責任はここにおいても重大です。
 監察当局通知に対する西銘知事の回答の中で、違法工作物ごとの改善方針等について重要な別添資料2件は、10年前の文書でお蔵入りして見当たらないということでいまだに提出されていません。
 このような重要文書を総務部人事課が取り込んで、改善責任を負う担当課である自然保護課等もないというところに西銘県政の無責任さ、特定企業による海浜囲い込みということも生じてくるんです。この別添資料については紛失したということでは済まされません。あらゆる方策を講じて提出するよう改めて求めます。
 知事、国立公園、国定公園は、我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地と自然公園法で定義されています。その自然公園法にはすぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もって国民の保健、休養及び教化に資することを目的として定められています。
 我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地である沖縄海岸国定公園がホテルの乱立で自然の風景を保護するどころか損傷し、国民の共有財産である海浜の利用の増進どころか妨げている西銘知事の無責任な公園行政を厳しく問うものとなっています。
 海浜使用条例という仏をつくって魂を入れるには、知事のこれまでの公園事業の執行に厳しい反省が求められています。お答えください。
 次に、海外漁業についてですが、自社株の保有と相殺ということですが、この売却することになるんで自社保有にはならないみたいな御答弁でしたが、それでごまかしてはいけません。相殺するという以上、これはもう明確に商法違反なんです。改めてお答えください。
 それから、脳死の状態にある会社であることを県みずから認めています。まあ先ほどは言い直しましたが。しかし1%の可能性があれば会杜の再建に挑戦するという趣旨の答弁をしております。脳死の状態の会社を再建するということは、商業の道理に反します。
 すなわち、脳死状態の会社に残された道は破産宣告しかありません。脳死状態の会社に県民の血税をつぎ込み、さらに県民への負担を押しつけるもので断じて許せるものではありません。その借財はだれが負担するんですか。また県なんですか。許されませんよ。県民に1円たりとも負担をさせてはなりません。
 お答えを待って三たび再質問をいたします。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 再質問に対しましてお答えいたします。
 海浜使用の問題でございますが、美しい自然景観は保全しなければなりませんし、これが沖縄観光の大きな資源であります。
 そういうことで、リゾート開発とこの自然環境の保全を調和してこれを両立させていくところに難しさがあるわけでございまして、今のような段階においてどういう形で海浜の使用について規制を加えているか、既存のものとこれから使用されるものに分けて、いろいろ配慮されなければならないわけであります。
 そういうことで開発と自然環境の保全を両立しながら、開発と保全を両立させながらやっていくところに難しさがあるわけでございまして、これは沖縄観光のためにどうしてもやらなければならない課題だと思っております。

 次に、脳死状態の会社が再建できるかと。これは御指摘はいいんですが、これは県が決めたことじゃないんですよ。会社の機関において総会か役員会かわかりませんけれども、商法に従って機関決定されてこれから再建しようということですから、指導機関としての行政がこれにつべこべ言うべきではない。会社自体の自律的な運営に任すべきである、これが原則であります。
 指導機関としては、あくまでもこれを指導する立場からやるべきであって、経営の内容にまで立ち入って、人を変えろとか、こういう方法でやれとかいうのは原則ではございません。
 第三セクターをつくるにいたしましても、投資はするけれども原則としては経営にはタッチしない。あくまでも行政指導に徹底すべきである、私はそういう基本的な考え方を持っているわけでございまして、この失敗については道義的な、また政治的な責任は感じまするけれども、失敗した原因は、これはもう会社の運営が、たびたび部長から説明がありましたとおり経済事情が大変厳しい情勢……
○上原亀一郎君 それは言いわけ。
○知事(西銘順治君) 言いわけではございません。事実でございます。
 そういう環境の中でやっていることですから、またいつも申し上げますとおり沖縄の遠洋漁業を考えてみました場合、宮古の漁師、特に池間、佐良浜の漁師たちを無視して遠洋漁業は成立しないわけであります。そういう中で何としても伊良部を中心とする遠洋漁業、これは水産業に大きく寄与しているわけでございまするから、パプアニューギニアは失敗いたしましたけれども、またソロモンにおいては今なおこの事業が継続されて水産業のために非常に貢献をいたしているわけであります。
 今……
○上原亀一郎君 知事、私の質問を聞いていましたか。答弁になっていませんよ。そんな答弁を聞くために議会があるんじゃない。
○議長(平良一男君) 答弁中です。
○知事(西銘順治君) 新石垣空港は、これはどうしても早期に着工して早くつくって八重山の産業開発、観光開発、また住民の利益のためにも一日も早くやらなきゃいかぬ仕事でございます。
 そういう意味で、今日まで関係省庁といろいろ話し合ってやってきたわけでございまするから、これを早期に建設して関係省庁、協力する体制を維持していくことが大事でございまして、そういう意味でこの名前は今発表したら困る。私がやめてから何年後かに、これは私、自分で発表してもいいと思うぐらいですが、この段階ではこれはまた御本人にも迷惑をかけますから、そういうことを私の口から軽々しく言うべきではないと。こういうことで申し上げないんですから、何もございません、ほかには。この2つでございます。本人に迷惑をかけないこと。石垣空港を早く建設するためにも関係機関が協力してこれからやっていくためにも申し上げない方がいいと、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 上原亀一郎君。
   〔上原亀一郎君登壇〕
○上原亀一郎君 3つの質問に対する答弁、ますます知事の無責任ぶりを表明しているようなものでしかありません。時間がありません。これでは知事、選挙に負けますよ。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後5時17分休憩
   午後5時40分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 先刻、仲松昌彦君及び伊良皆高吉君から発言通告の撤回がありました。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 喜久山盛忠君。
   〔喜久山盛忠君登壇〕
○喜久山盛忠君 野党の石川さんからも同じ内容の質問がございましたけれども、海中道路の県道への認定とその改良についてでございます。
 金武湾の浄化とも関連いたしますけれども、金武湾を主体にいたしまして漁業を営む方々は具志川市を初め2市2町2村にまたがりまして、おおむね960名の漁業者がおられると聞いております。刺し網共同漁業権を持つ漁協が4漁協、モズク関係で、これは特定区画漁業権でございますけれども4漁協、定置網漁業権が1漁協、こういう生業関係になっておりますけれども、さらに天願川、石川川、屋嘉川、伊芸川及び金武川からの河川水の流入がありまして、周辺市町村からの生活排水等々を考えますというと、おおむね中城湾よりもその流入量は多いのではないか、かように思います。
 さて、金武湾は昭和46年に海中道路が建設されて以来、相当の変化が起きているのではないかと、こういうふうに言われております。
 手持ち資料によりますというと、具志川市の水産業振興基本計画業務委託報告書によりますというと、この金武湾ではマチ類、ハタ類、タカサゴ関係、さらにサンゴ礁海域の魚類が相当減少しているのではないかと、これは漁場環境の悪化が影響していると、こういうふうに指摘をいたしております。
 さらに、平成2年6月29日、金武町長が主催いたしまして宮里松正政務次官と語る会を持っておりますが、その中で、与那城村の屋慶名と平安座を結ぶ海中道路が建設されたために潮流が変化を来していると。したがいまして金武町、石川市沿岸に大分赤土、ヘドロが堆積していると考えられる、こういうことで御配慮願いたいと。
 3つ目に、私も確認の方法といたしまして、金武町に住む漁業青年を頼んで潜ってもらいました。タコつぼを見てくれと。ところがタコつぼを見てもらったわけですけれども、いるはずのタコはいなくて、ヘドロでいっぱいであったというような寂しい返事であったということでございます。
 さらに、9月17日、金武の漁協長と一緒に海中道路を渡ってみました。ちょうど台風の日でありましたので十分な調査はできなかったわけでございますけれども、少なくとも次のようなことを現地で確認をいたしております。1つに、海中道路の長さが4600メートルあるけれども、その中で25メートルの橋が1つしかない。それから干潮時の海中道路の両側は田んぼのように黒ずんでおりまして、砂と泥。それから3つ目に、平安座部落の海側は大変異様なにおいがする、あのときでありました。
 さて、与那城村、勝連、具志川、石川、金武、宜野座の市町村民の生活の場の一部でもありました。さらに企業も立地いたしておりますので、産業関連など終末処理の場でもあります。本来の金武湾の清らかさを知る私たちは、その打って変わった金武湾の姿を見るにつけまして、いかに自然を大事にすべきかを知らされるものでございます。
 そこでお伺いいたしますけれども、海中道路を県道に格上げ認定しまして、瀬底大橋のようにいわゆる平安座大橋を建設し、漁船の往来を可能にしながら観光の名所にもしたらどうかということでございます。御意見を伺いたいと思います。
 次に、下水道の整備促進でございますけれども、御承知のように下水道は、河川や海などの公共用水域の水質汚濁防止のために重要な役割を果たすとともに、県民に安全で快適な生活環境を確保するための施設であります。そのために国民の意識高揚を主目的に下水道整備促進全国大会、これが毎年開催されておりますが、県内におきましては土木建築部を頂点に約2000人の方々が下水管、ポンプ場、終末処理場、汚泥処理など苦労の多い下水道事業に日夜携わっておられるようであります。大変御苦労さんでございますが、私の手持ち資料によりますと、世界で最も古い下水道は今から約4000年前ほどにさかのぼって、古代インドで栄えました都市でつくられたものだとされております。日本では明治17年、沖縄県では昭和40年に那覇市で開始。ちなみに日本下水道協会資料によりますというと、主要国の普及率を見ますとイギリスで95、西ドイツで91、アメリカで73、そして日本が40%という順であります。
 我が沖縄県は、平成2年1月末現在で42%。さらに県内を土木建築部の資料によって見てみますというと、北部圏域が23%、中南部が50%、宮古、八重山ゼロ。全国でも上位にあるのが嘉手納町の100%、石川市で93%の普及率、北谷町で90%、浦添で82%、沖縄市が73%と、こういうふうになっておりますけれども、こういう上位にありますのは、これまでの歴史的背景などがあったものと思われます。
 さて、お伺いいたしますけれども、3次振計に向けての下水道の課題と方針をお伺いしたい。

 それから2点目に、北部圏域では名護市と本部町以外の町村は普及率ゼロとなっておりますけれども、今後の整備計画について伺いたい。
 それから3つ目に、点在いたしました集落が多い北部地域では農村総合整備モデル事業というものがありましてこれも大いに取り入れるべきと思いますが、これまでの事業実績、これからの計画を伺いたいと思います。
 次に、質問を変えまして伊是名―伊平屋の架橋についてでございますが、平成2年8月17日に伊是名―伊平屋架橋建設促進村民総決起大会が持たれました。引き続き知事、平良議長に対しまして要請がなされております。
 振り返ってみますというと、昭和14年の分村後におきまして両村は離島農村の自立発展を目指し、生産基盤、生活環境の整備などの農村整備を精力的に推進してきております。しかし地理的自然条件によりまして過疎の歯どめとなるまでには至っておりません。
 農産物輸入自由化を初め農村を取り巻く諸情勢は厳しく、離島農村の過疎化を助長することを心配いたしております。
 そこで、離島にとって緊急かつ恒久的な対策が課題となりますが、まず伊是名、伊平屋村を架橋により一体化することは、両村の各分野の振興発展に大きく寄与すること。1次産業の振興発展にとどまらず、観光レジャー産業による3次産業の振興、さらに教育、医療などの一体化、また両村にとって大きな課題であります若者の定住が図られるということであります。このように、相乗効果というものがはかり知れないものがあると考えます。
 伊是名、伊平屋の村民が心から念願しております架橋建設について、離島苦をよく理解し、さらに少しでも多く解決してやろうと日ごろ努力しておられる知事にその御見解を伺いたいと思います。
 次に、農畜産物輸入自由化に伴いまして、県内における畜産振興上大きな役割を果たしてまいりました畜産公社の今後の育成についてでございますが、ほかの県に例を見ない畜産公社は、県と市町村の出揖金5億円を基本財産といたしまして、その果実と輸入牛肉からの調整金歳入によって肉用子牛の生産奨励から肥育牛、肉豚、ブロイラーの価格対策など生産課程から価格、流通までの総合的な畜産行政の補完的な役割を担っており、本県の畜産振興を図る点で公社の果たす役割は多大なものがあると考えます。
 また、畜産公社の価格安定事業がなくなった場合の農家への影響を考えますときに、多くの周辺離島を抱えるために畜産物の生産において生産資材の割高、販売面における輸送のコスト、島嶼性からくる流通の合理化の限界などの宿命的なハンディを持っているゆえに公社が補完し立派な業績を残してまいりました。
 したがいまして、公社事業が継続できなくなった場合に、本県畜産農家の脆弱な生産基盤の中で、国内の産地間競争に加えまして外国ともろに競争することによって本県の畜産農家にとって存亡の危機に直面する事態となります。
 自由化が決定されました今日、県内における生産者対策、加工業者対策、流通業者対策、消費者対策、こういう4つを基本に対策を講じておられると思います。
 そこでお伺いいたしますが、公社の存続についてどう考えられるか、基本財産をどうするか、公社の事業はそのまま継続するのかという点についてお伺いをいたします。
 次に、我が党の金城議員の代表質問との関連でございますけれども、知事4選についての質問の中でこれまでの西銘知事の実績を高く評価する大きなプロジェクトの紹介がありましたが、さらに絞って、農林水産業の振興についてこれまでの西銘知事の実績を振り返ってみますというと、ミバエ類の根絶寸前、中央卸売市場の開設、菊の花など全国で第2位を占めるようになった花の生産量、パインの自由化とその保護、農業大学校の開校、来間大橋農道としての着工、国頭村にあります国有林の無償貸し付け、県民の森、大国林道の完成、乳用牛センターの設置、酪農振興と学校給食の解決、畜産公社の存続決意、とる漁業からつくる漁業への展開、漁港の整備、水産会館建設へのてこ入れなど多くの実績を見ることができます。
 そこで知事に対する質問でございますが、西銘知事は間違いのない4選後も農林水産問題についても目配り、気配り、そしてきめ細かく政策を続けていくことと第1次産業に携わる関係者は期待をいたしておりますが、知事の決意をお伺いをいたしたいと思います。
 終わります。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 喜久山盛忠議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 海中道路の認定とその改良についてお答えいたします。
 海中道路は、伊計島のリゾート開発等に伴い交通量が大幅に増加しております。さらに浜比嘉架橋の事業化や多くの開発計画があり、道路の利用度は今後ますます増加する傾向にあります。そのため、地元与那城村及び勝連町から県道昇格について強い要請を受けてきたところであります。
 県としては、当該道路の利用状況等を踏まえ、検討した結果、県道としての性格が強く、また県道の認定基準にも適合することから、与那城村伊計から同屋慶名までの14.1キロメートルを県道伊計屋慶名線として県道認定のための議案を今議会に提案しているところであります。
 次に、伊是名村と伊平屋村を結ぶ架橋についてお答えいたします。
 離島架橋は、離島苦の解消と地域開発の促進、地域住民の生活条件を改善する上で極めて重要な事業であると考えております。
 このようなことから、第1次及び第2次沖縄振興開発計画において瀬底大橋ほか4橋を完成させ、現在、池間大橋、浜比嘉大橋等について鋭意整備中であります。
 伊是名―伊平屋架橋は、両村の産業の振興及び教育、文化、医療等々地域住民の生活向上に大きく寄与する橋梁であり、その必要性は十分認識いたしております。
 したがって、県としては他の離島架橋も含めまして可能性調査を昨年度から実施しているところであり、その調査の結果を踏まえまして地元の要望に沿うよう努力してまいりたいと思います。
 次に、農畜産物の自由化に伴う公社の存続についてお答えいたします。
 畜産公社の存続及び公社事業の自由化後の継続問題につきましては、御指摘のとおり畜産公社は10年余にわたって本県の畜産振興に大きな役割を果たしているところであります。本県の畜産を取り巻く情勢は、自由化後ますます厳しさを増す状況にあり、公社機能の重要性は増大することからいたしまして、その存続対策は本県の重要な課題であると考えております。
 したがいまして、県といたしましては自由化後も現在の公社機能を存続させる方向で関係機関と鋭意調整作業を進めているところであります。
 最後に、農林水産業の振興に対する御提言についてお答えいたします。
 農林漁業者の生活の安定と農林水産業の発展を図るため、これまで関係者の御協力を得て農林水産行政を推進してまいりましたが、今後とも農林漁家の所得向上対策の諸施策を積極的に講じてまいりたいと思います。
○議長(平良一男君) 嘉数昇明君。
   〔嘉数昇明君登壇〕
○嘉数昇明君 執行部の皆さん、大変御苦労さんでございます。
 世界のウチナーンチュ大会の成果と今後の方向づけについて、ささやかな提言を織りまぜながら、少し踏み込んだ角度からお尋ねをしたいと思います。前向きの御答弁を願います。
 さて、ことしの夏、県民の一番ホットな話題は何だったかと言えば衆目の一致するところ、それはまず沖縄水産高校の準優勝に至るあの大活躍と、もう一つは初めての世界ウチナーンチュ大会の開催とその成功を挙げることができます。
 あのウチナーンチュ魂を奮い立たせた沖縄水産の話題はひとまず置くとして、この世界のウチナーンチュ大会、大きな地球村の北半球、南半球に住むおよそ27万人の世界のウチナーンチュのうち、19カ国、37地域から、ふるさと沖縄に2000人余の人々とその子弟が相集ったこの大会は、1世紀にわたる沖縄海外移住史の歴史から見て、まさに世紀の祭典と呼んでも不思議でない内外のウチナーンチュ総決起大会のようなムードがあふれていたのであります。

 大会は、「沖縄・人・その広がりを求めて」のテーマのもと、国際色豊かな前夜祭と万国津梁の鐘の打ち鳴らし式に始まり、沖縄芸能交流祭、空手古武道世界交流祭、ワールドウチナーンチュジュニア・サミット、ウチナーンチュバザール、世界の沖縄展、各種シンポジウムなどの数々のユニークなイベント行事を間に挟んで、最終日、熱狂的なカチャーシーフィナーレの渦の中で、あすを担うウチナーンチュ子弟の若人たちによる力強い万国津梁の民宣言によって世界の平和と発展へのかけ橋になることを誓い、次回への期待と余韻を残して4日5晩の一大イベントを閉じたのであります。
 この大会は、まず沖縄独自の発想で沖縄だからこそできたという批評があるように、本土他府県にないユニークな催しとして企画し、独自の方法で運営し成功裏に終えた点に着目をして評価されるべきと考えます。
 すなわち、運営上の改善点、今後一過性のお祭りに終わらせないための課題を残したにせよ、本県が初めて先進県に倣わないでいわゆるモデルなしで取り組み、成功させた県民的事業であったということであります。
 今後、21世紀に向けての第3次振計の策定とその推進という沖縄づぐりの重要なプロセスの中で、県民にとって大きな自信ともなり、励みともなる要素ではないでしょうか。
 さて、世界のウチナーンチュ大会の開催のきっかけは、御承知のとおり5年前昭和60年、西銘知事が沖縄の米軍基地問題解決に向けて訪米したことが契機となっております。
 そのときの様子を少しく紹介しますと、ワシントンにおける国防総省(ペンタゴン)でのワインバーガー国防長官や国務省アマコスト次官(現駐日大使)など、アメリカ政府要路との直談判を軸とする重要日程を精力的に進めるとともに、アメリカ各地の県人会の方々とお会いする機会を得ました。
 ロサンゼルスにおける沖縄県人北米移住95周年記念式典への出席を通じて、高齢化された1世の方々への感謝状の贈呈とともに、北米県人社会の皆さんを激励する機会がありました。
 その後、訪れたワシントン、ニューヨーク、アトランタにおいて初めての母県からの県知事の来訪を喜び、各地において多くの県人の方々が声をかけ合って心の込もった歓迎の宴を持ってくれました。これを契機として各地に県人会の結成が促され、その活動に弾みをつけたと言えます。
 とりわけ象徴的な出来事は、ジョージア州の州都アトランタにおける空港での印象的な出迎えに始まり、ゴーヤーチャンプルーやサーターアンダギーなど数々の心の込もった手づくりの沖縄料理を1皿ずつ持ち寄って催されたホームパーティーでウチナーンチュであることの喜び、誇り、これまでの苦労を分かち合う交流の輪の中で生まれた感動でありました。
 ウチナーンチュの女性を妻とするウチナームークのアメリカ人のパートナーも巻き込んだカチャーシーの感激の中に、各地で元気に頑張っているウチナーンチュ同士の横に励まし合う人的ネットワークの必要性の芽が芽生えたといっても過言ではありません。
 そして、最後の訪問地ハワイにおいて、沖縄県人ハワイ移住85周年記念式典に出席をし、一連の行事を通じて1世の方々の御苦労をしのび県人社会の実情に触れる中で、ハワイ県人会の幹部の皆さんとのお別れ夕食会の席上、今回の知事訪米のクライマックスであるワインバーガー国防長官とのトップ会談実現の労をとっていただいたハワイ州選出の故スパーク松永上院議員のアメリカ政界での大きな影響力の源泉は、地元ハワイにおける大きな支持基盤であり、団結心の強いハワイ沖縄県人社会があってこそであるとの話題も挟みながら、これまでの旅の中で西銘知事の胸の中に去来した強い思いが紹介されるとともに、異ロ同音の中に海外におけるウチナーンチュ社会と母県沖縄県との人的ネットワークづくりの必要性が共通の話題として熱心に話し合われました。
 西銘知事は、この意義あるテーマを大切に持ち帰り、県政の重要施策としてテーブルにのせ、5年の歳月の中で見事に花咲かせ実らせたわけであります。
 そのとき、西銘知事の訪米に同行し、その発端の経過に参加をしその実現を願ってきた者として、私は世界のウチナーンチュ大会が海邦国体もあってその開催が幾らか延びたとはいえ、5年後のことしに開催され、大成功をおさめたことはまさに感慨無量なるものがあり、その実現の指揮をとってこられた西銘知事に深く敬意を表し、知事を支え頑張ってこられたスタッフの皆さんの労をねぎらいたいと思います。
 このように、この大会の意義については県民がひとしく認めるところであり、今議会における与野党の質問も、例えば岸本忠三郎議員がヒット商品と評しておられたように、またこの大会の成果を高く評価しているものと思われます。
 時節柄、この大会が11月の知事選を意識したものだという言い方もあるようでありますが、これはまさに誤解であり、大会開催は実に5年にわたる構想のもとに地道に積み上げられて実施されたものであり、今後とも継続をして開催する必要があると考えます。そしてその成果をステップとして幅広く海外ウチナーンチュのネットワークを拡充する施策の積極的な展開が望まれるのであります。
 以下、関連する諸点についてお伺いをします。
 まず、開催サイクルについてであります。
 この大会を毎年沖縄で開催することは、海外からの参加者の負担、県の財政事情などを考慮すれば極めて困難であるかと思います。
 そこで、来年以降、例えば北米とか南米とかで移住記念式典の際、できる範囲でサブ大会、ミニ大会を持ち、沖縄大会は数年に1度開催することが望ましいと考えます。
 ちなみに、ハワイ県人会は来年のハワイ開催に名乗りを上げていると聞いております。これまでの各国関係者の話を総合しますと、オリンピック方式で4年に1度沖縄で開催することが望ましいし現実的であると思います。知事の御所見を賜りたいと思います。
 なお、次回の大会もこのウチナーンチュ大会のハチウクシーをしていただいた西銘知事の采配のもとに開催されることを私は切望し、そして確信をするものであります。
 次に、民間大使の活用について。
 世界のウチナーンチュ大会の大きな目的である国際的ネットワークづくりを推進する上で、民間大使の利活用は大変重要であります。この100人の民間大使の誕生は、いわば沖縄県が100の海外サテライトを得たことになるわけであります。今後、どのように活用するかに今回のウチナーンチュ大会の意義がかかっているといっても過言ではございません。
 そういう意味で、ボランティアとして2カ年の任期を務めるせっかくの民間大使に期待する役割、活動内容の具体化とともに、その活動費用について今後明確な指針を設けるべきと考えます。知事の御見解を賜ります。
 次に、県政における体制づくりについて伺います。
 世界各地に在住する100人の民間大使に情報を提供したり、連絡調整をしたり、そしてまた2年後の改選の準備や県人会との連絡調整などをスムーズに、しかも適切に実行するためには県にもそれなりの体制づくりが求められていると考えます。先ほどの民間大使の活用を含め、大会の成果を県政の中に生かし展開していくためにその体制づくり、すなわち必要人員の配置や専門エキスパートの配置などを通じての体制づくりについて、どのようにしていかれるか、お伺いをしたいと思います。
 次に、2世、3世等の県人社会の人材育成につして伺います。
 今、海外の県人社会がその盛衰を左右する大きな課題としているのが若いリーダーの育成と世代交代の課題であります。
 これまでの県人会活動を継承発展させるためには、有能な若者を育て、県人会活動に参画させるとともに、さらに母県との若者同士の世界的なヤングネットワークづくりも不可欠であります。そのためには、各県人会から切実な要望があるように留学生枠の増員や留学期間の延長などが必要であると思うが、県は具体的な施策としてどのような対応を考えているか。
 次に、ハワイのスタディツアーの受け入れについてお伺いします。
 ことしも明日10月5日に、ハワイ県人連合会の沖縄勉強ツアーが200名来県すると聞いております。この行事に対しまして沖縄県が何らかの支援をする約束があったということを先ごろハワイ訪問したときに聞いております。そして、現在の役員クラスもこれまでのスタディツアーを通じて母県とのきずな、ウチナーンチュのルーツに目覚め、県人会活動に参画することになったという話に接することが多いのであります。

 しかしながら、その中でも県人会の世代交代が一番スムーズにいっているハワイの県人会においても、役員のなり手がないという、あすの担い手づくりの難しさを訴えているのがございました。県としてはどのような約束があったのか、また現在どのような支援をしているかお伺いしたいと思います。
 次に、ハワイと沖縄の高校生の交換計画についてお伺いいたします。
 ハワイ州のデニス新垣議員が推進をしておりますが、沖縄県との高校生の交換計画が進んでいるやに聞いております。沖縄県とハワイ州は昭和60年に姉妹都市提携に調印をしておりますが、これまで州と県との間の具体的な交流の展開が少ないとの指摘もあったわけでございますが、この計画についてどのように取り組みをし、今後どのように展開していくかについてお伺いをしたいと思います。
 次に、世界のウチナーンチュ・ジュニア育成基金の創設について御回答を願いたいと思います。
 次に、海外県人会から要請のあります情報センターとしての海外事務所の設置について。県北米事務所の開設については、その後どのように進捗をしているか、お伺いをしたいと思います。
 次に、世界のウチナーンチュコングレスの開催を提唱したいと思います。
 これまでの総論的な国際交流の中で、産・官・学・民の各分野ごとのネットワークづくりが肝要と思います。沖縄県と在外県人発展のための諸事項を討議したりするため、ウチナーンチュの各国の代表議員と我々地元議員とのワールドウチナーンチュコングレスというものを次回検討したらいかがと、そういうふうに提唱を申し上げたいと思います。
 次に、移民資料博物館構想についてお伺いをしたいと思います。
 この構想は、南米、北米など各地の県出身移民やかつて沖縄と交易のあったアジアの国々など、世界に広がる海洋民族としての沖縄の姿を未来に伝え、全国にもウチナーンチュの活躍などを知らしめるためぜひ実現したいと、亡くなられた稲嶺一郎先生が各県人会の要望も受けてライフワークとして最後まで情熱を傾けて取り組んでおられたものであります。今回のウチナーンチュ大会の成功を受けて、これをより具体化する県の施策についてお伺いしたいと思います。
 1つは、沖縄国際センターの隣地の国際交流ゾーンの活用についてどのような成案を得ているか。
 次に、他府県の移民資料館について調査したことがあるでしょうか。
 次に、県内各市町村で移民資料収集を進めているところなど、その実施状況についてどう把握しておられるか。
 そして移民資料館構想について県がこれまで検討してきた経緯があるか。経緯があれば、その努力の経緯についてお伺いしたいと思います。
 今後、世界の民間親善大使の役割の一つとして、移民資料の収集についてその連絡役、またパイプ役をやっていただくと、そういう役割も期待をしていいのではないかと、このように思います。
 最後に、この移民資料博物館構想の実現に向けて、3次振計の位置づけも含めて県としてどのように取り組んでいかれるか、知事の御所見を賜ります。
 どうもありがとうございました。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 嘉数昇明議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 世界のウチナーンチュ大会の成果と今後の方向づけについてお答えいたします。
 4年に1度は沖縄で開催するのが現実的であると思うが、知事の所見を賜りたいという御質問に対しましてお答えいたします。
 世界のウチナーンチュ大会は、県民各位の御理解と御協力によりまして大きな成功をおさめることができ、深く感謝しているところであります。
 大会後、海外及び県内の関係者からも継続開催について強い要望がございまして、次回の大会についてはその規模、イベントの内容、開催の時期、方法等について各界各層の意見を拝聴して決定していきたいと考えております。
 次、民間大使の活用について御提言がございましたが、お答えいたします。
 民間大使は、経済、文化、学術等のあらゆる分野でのネットワークづくりのための新たな人的拠点といたしまして本県の国際交流の推進に果たす役割は大きなものがあると期待されております。したがって、民間大使がその使命を十分発揮できるようにその活動に対する援助が必要であると考えております。
 次、民間大使の活用を含め、大会の成果を県政の中で生かし展開するための体制づくり、必要人員等の配置についての御提言がございましたが、お答えいたします。
 ウチナーンチュ民間大使の主な役割としては、1つ、本県とその在住国との国際交流の推進、2つ、各国のウチナーンチュ同士の交流の推進、3つ、各国の県人会活動の支援及び活性化などが挙げられます。その活用は世界的なネットワークづくりにとって重要であり、県としてはできる限りバックアップすることが必要であると考えております。
 ついては、この100人の民間大使との連絡調整、データベースづくり、県民との連携等を図るため県の組織体制を強化していく考えであります。
 次に、2世、3世の人材育成について御提言がございましたが、お答えいたします。
 海外県人社会の世代交代と若いリーダーの育成については、各国県人会等からも強い要望があり、これまで県は積極的に支援してきたところであります。
 昭和44年にボリビアから1名を受け入れてスタートいたしました海外移住者子弟留学生も、現在では毎年9名にふえており、そのほかに5名の技術研修員も受け入れているところであります。留学期問につきましても場合によっては2年間認めており、研修期間についてもその延長を検討しているところであります。
 また、世界的なヤングネットワークづくりのため、ワールドジュニア・サミットのような青少年の国際会議及びスポーツ交流などについても検討してまいりたいと思います。
 次に、世界のウチナーンチュ・ジュニア育成基金の創設についてお答えいたします。
 次代を担う青少年の育成は、県内外において重要な課題であり、その国際感覚を涵養することは必要であると認識いたしております。青少年の国際交流を推進するための世界ウチナーンチュ・ジュニア育成基金については、貴重な提言として承りたいと思います。
 次、県海外事務所の開設についての御提言に対しましてお答えいたします。
 北米海外事務所につきましては、北米及び中南米に在住する県人会との情報交換及び経済、文化、技術の交流支援等諸施策の円滑な推進を図るため、早い時期に開設すべく検討を進めているところであります。
 次に、産・学・官・民の各分野のネットワークを推進し、移民県から国際交流先進県へと脱皮するため、各国代表議員と地元議員を一堂に集めた世界のウチナーンチュコングレスなどを開催したらどうかとの御提言に対しましてお答えいたします。
 世界のウチナーンチュ大会の大きな目的は、国際的ネットワークづくりであり、産業、経済、教育、芸能、スポーツ、マスコミなどあらゆる分野で多くのネットワークづくりが推進されることが望ましいのであります。
 世界のウチナーンチュコングレスについては、ウチナーンチュ大会のイベントの一つとして開催できるかどうか検討してみたいと思っております。
 次に、移民資料民俗博物館構想についての御提言に対しましてお答えいたします。
 県としては、これまでに沖縄国際センターと一体となった国際交流ゾーンの形成について調査を委託し、その報告を受けてきたところであります。その中において、ASEANライブラリーや沖縄適正技術研究研修施設の設置等の提言がなされておりますが、それに加えまして国際交流情報センターや移民資料館の設置等関連施設の設置についても検討を進めているところであります。
 次に、移民資料民俗博物館の実現に向けての知事の決意のほどをただされましたが、お答えいたします。
 国際的な移民資料館等の建設については、県内外から強い要望もあり、県としてもその設置は必要であると考えております。ウチナーンチュ大会の成功を期して後世に残る施設として移民資料のほか、各国の民俗資料及び国際情報等を収集提供する総合的な施設の実現について前向きに検討してまいりたいと思います。

 残された御質問に対しましては、知事公室長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 知事公室長。
   〔知事公室長 村山盛敏君登壇〕
○知事公室長(村山盛敏君) お答えいたします。
 移民資料民俗博物館構想について、他府県の移民資料館について調査したことがあるかという御質問にお答えいたします。
 移民資料館については、現在、資料収集に務めているところでございまして、平成3年度中にはまとめていきたいと考えております。
 同じく移民資料館についてでございますが、各市町村で移民資料収集計画を進めているところがあるかという御質問にお答えいたします。
 県内市町村において移民資料を収集しているところは南風原町、西原町、宜野座村などで町(村)史編さん事業の一環として実施しているようでございます。
 それから、同じく移民資料博物館構想との関連でございますが、調査したことがあるかという御質問です。
 国際的な移民資料館等の建設については、過去に故稲嶺一郎先生からも提言がございまして、県としてはこれまでいろいろと検討を重ねてきたところでございます。その結果、国際交流ゾーン形成の一環としてその構想をまとめていく方向で今、検討を進めています。
 また、移民資料の収集については、海邦国体や今回のウチナーンチュ大会の参加者の皆さんから貴重な写真等の提供がございました。
 県としては、海外移住関係資料の整備のため、北米沖縄県人史及びブラジル沖縄移民誌の刊行に対し県補助金を交付しているところでございます。
 それから、ハワイスタディツアーの受け入れについてでございますが、ハワイスタディツアーに現在どのような支援をしているかという御質問にお答えいたします。
 ハワイから毎年2世、3世等がスタディツアーで母県沖縄を訪問し、その歴史と文化について理解を深め、ハワイの県人社会の若いリーダーとして活躍していることはまことに意義深いものがございます。
 現在、県としては歓迎式、琉舞、空手古武道鑑賞会、糸満ハーレー、那覇祭り、それから琉大などでの講義について支援をいたしているところでございます。今後とも、沖縄とハワイ交流を深めるよう支援をしていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 教育長。
   〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) ハワイと沖縄の高校生の交流計画の御質問にお答えします。
 ハワイ州と沖縄県の高校生の交流計画は、国際交流の一環として位置づけをしております。高校生や教師が相互に交流活動を行うとともに、学校生活や家庭生活を直接経験することにより相互理解を深め、双方の友好と親善に資するものと考えております。
 なお、派遣人員につきましては、現在のところ中学生及び高校生おのおの15名程度を約3週間にわたって交流派遣する方向で両方検討させてもらっております。
 なお、実施の内容になりますが、生徒は各家庭に滞在しながら近隣の学校に通学し、引率教師は協力校におきまして自国の文化紹介や言葉、例えばハワイの場合は英語を教えていただく。沖縄から行く場合は日本語を教えていただくということ等の計画であります。
 なお、細かい経費の問題とかあるいは実施時期の問題等につきましては、ハワイ州と調整中でありますし、でき上がり次第、一応の目標としては平成3年度から実施したい旨考えております。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 上原賢一君。
   〔上原賢一君登壇〕
○上原賢一君 「フミリスシラリヤユヌ中ヌナライ サタンネンムンヌ ヌ役立チュガ」。
 ますますお元気な昭和と平成の蔡温西銘県知事に一般質問を行います。
 複合リゾートカントリー整備計画におけるリゾートパーク事業についてお聞きいたします。
 本県観光産業は順調な歩みを見せており、2次振計目標の300万人入域者の達成は可能な状況であります。まことに喜ばしい限りであり、今後とも本県産業振興のトップリーダーとして平和産業、総合産業としての観光産業の振興発展を図っていかなければなりません。
 しかしながら、民間のリゾート業者等の進出意欲に比較して、公的サイドのインフラ整備等を含めた対応のおくれが見られる感がいたします。本県の戦略産業としての観光産業の将来を考える場合、より精力的かつ大幅な公的資金の投入が今、必要ではないかと思います。そういう観点に立ちお聞きいたします。
 県が計画している複合リゾートカントリー整備計画におけるリゾートパーク事業は、本県観光産業振興の上からこれに大きく貢献する一大事業だと思いますが、リゾートパーク整備事業の概要について御答弁を願います。
 次に、新聞の報道によると、県のリゾートパーク適地調査の結果によりますと、糸満市が総合評価で最適という結果が先日の新聞報道で出たようであります。
 去る9月21日、南部振興会の要請が知事に対しなされましたが、要請の内容は、南部振興開発の一環としてリゾートパーク整備事業を南部地域、糸満市名城を中心とする一帯に誘致をいただきたいとの要請でございました。南部地域の素通り観光の汚名返上のためにも、本事業を何としても糸満市名城を中心とする一帯に誘致していただきたいと思いますが、知事の前向きの御答弁をお願いをいたします。
 西銘恒三郎議員を提案者とする海浜を自由に使用するための条例が去る6月定例会で提案され、9月定例会までの継続審査として土木委員会において精力的に審査をされてまいりました。今定例会において全会一致の可決を見るものだと思います。
 土木委員会における審査を通し多くの問題点が指摘されてきましたが、その中でも恩納村以北の各ビーチの視察を通して感じましたことは、リゾートホテル等の管理が行き届いたビーチと比べて、清掃等の管理が余りなされていないビーチの砂浜の汚れが非常に目立ったことであります。砂浜の汚染とともに地域の環境に与える各種被害もまた大きなものがありました。これをこのまま放置することは、もはやできない状態にあるというふうに感じた次第であります。
 世界で最も美しいと言われる我が沖縄の青い海と空、そして白い砂浜は本県観光産業振興の上での最も大きなセールスポイントであります。本県海域における海浜の美化、白い砂浜の保全は、沖縄観光百年の大計に立つ場合特に大事な目標ではないかと思います。
 そこでお聞きしますが、北部のリゾートホテル等の砂浜は実に美しく管理がなされており、多くの観光客利用者に快適なレジャーの場として提供されておりますが、それ以外の公的ビーチ等は汚れが非常に目立つ状態にあります。しかしながら視察場所の中でも、公的ビーチではありますが、名護市民ビーチはビーチクリーナを投入しての清掃のおかげできれいな状態で利用者に提供されておりました。公的ビーチ等における白い砂浜づくりのため、ビーチクリーナーによる清掃は考えられないか、御答弁をお願いいたします。
 次に、最近、本県唯一のビールメーカーであるオリオンビールが、ビール缶の口金、タブと申しますが、このタブを押し込む方式、要するに口金が外れない方式に改めつつあるようであります。環境美化、そして砂浜等の美化の観点からも実にすばらしい方式を採用されたと高く評価するものであります。
 神奈川県においても、ビールメーカーや飲料メーカーに県が働きかけてこの口金(タブ)の外れない方式の採用を要請したようでありまして、一部実施されたと聞いております。
 本県においても、県が県内における各種飲料メーカーに働きかけ、使用される各種缶のロ金(タブ)を外れない方式を採用するよう指導する考えはないか、御答弁を願います。
 次に、一村一ビーチの実現についてお聞きをいたします。
 本県においても週休2日制の実施。県民の余暇時間の増大によって県民の各種レジャーに充てる時間はますますふえる傾向にあります。健全で低廉な価格で利用できる公的なレジャー施設の確保は時代の要請となっております。特に本県の場合、周囲を海に囲まれていることとの関連上、マリンレジャー、マリンスポーツ施設の場の確保、増設は急がれなければなりません。そのことが本県における児童生徒あるいは青少年の健全育成に大きくつながるものだと思います。リゾートホテル等における主に観光客を対象としたビーチは相当数確保されてまいりましたが、県民向けの公的ビーチはまだまだ足りない状況にあります。

 そこでお聞きします。
 各種制度事業等を利用し、本県の市町村に少なくとも各市町村1つずつの公的ビーチ確保のため、一村一ビーチの実現に向け県が推進していくお考えはないか御答弁を願います。
 3番目の質問、南部自転車道の実現についてお聞きをいたします。
 去る6月定例会において玉城那覇自転車道が全長27.7キロメートル、事業年度が平成2年度から平成11年度の事業として議会を通過いたしました。事業がスタートしたわけであります。本県の歴史と伝統ある東御廻いのコースを取り入れたすばらしいルートであり、青少年の健全育成、健全なレジャースポーツの場の確保の意味から、本事業の実施の意義は実に大きなものがあります。さらに本県の観光産業の振興にも大きく貢献するものと思われます。事業の完遂のため県関係当局の御努力を期待するものであります。
 そこでお聞きします。
 玉城那覇自転車道と接続する形での玉城、具志頭、糸満、豊見城、那覇を経由する南部自転車道を建設する考えはないか、御答弁をお願いをいたします。周回自転車道とすることで機能的にもよりすばらしいものとなると思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 従来、自転車道は今から五、六年前になりますが、南部自転車道が先行するという県の考え方、構想もあったように記憶をいたしております。どうぞ知事におかれては、南部自転車道を那覇、南部を周回する道路とすることの実現のためよろしくお願いをいたします。
 それからあと1点ですが、南部自転車道事業を実施する際、その事業年度を東御廻い自転車道を終わる平成11年からスタートするということになりますと、これはもういつできるかわからないということになろうかと思います。他の県の方でもこの自転車道事業を並行して2つスタートさせている県もあるかと聞いておりますので、早い時期にこの南部自転車道をスタートさせることはできないか、御答弁を願います。
 終わります。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 上原賢一議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 複合リゾートカントリー整備計画についてお答えいたします。
 リゾートパーク整備事業は、国民の余暇時間の増大や生活様式の多様化等に対応するため、豊かな自然環境と都市機能が調和したリゾート地域の中核的施設となる都市計画公園を整備する事業であります。
 この事業は、地方公共団体が整備する都市公園とその周辺地域において民間活力の導入による低廉な料金で利用できるリゾート施設の整備を促進するものであります。
 その規模としては、都市計画公園として整備する地域がおおむね150ヘクタール、民間活力を導入する地域がおおむね200ヘクタールであります。
 また、この事業は、本県が総合保養地域整備法に基づいて進めている沖縄トロピカルリゾート構想の趣旨とも合致していることから、昭和63年度と平成元年度において学識経験者等で構成する複合リゾートカントリー整備計画調査委員会を設置いたしまして候補地等について検討してきたところであります。
 リゾートパーク事業を実現するためには、相当規模の面積を都市計画公園として位置づける必要があり、その選定に当たっては地元住民の合意形成、協力体制等総合的に判断した上で決定してまいりたいと思います。
 残りの御質問に対しましては、部局長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長高良尚光君登壇〕
○土木建築部長(高良尚光君) 上原議員の一村一ビーチについてお答え申し上げます。
 公的ビーチにおいてビーチクリーナによる清掃は考えられないかでございますけれども、公的ビーチの清掃管理は地元市町村が行っているところでございますが、県としてもこれらのビーチが快適に利用できるようその費用の一部を負担し市町村をバックアップしているところでございます。
 御提案のビーチクリーナの使用につきましては名護市、玉城村等一部市町村において既に実施しておりますが、今後ともその活用を図ってまいりたいと考えます。
 2点目に、各種の制度を利用して一村一ビーチの実現に向けて取り組む決意はないかについてお答え申し上げます。
 近年、余暇時間の増大により国民が潤いを求める傾向が強くなってきております。このため、これまで国土保全を主体に進めてきた海岸事業におきましても、潤いと触れ合いのある海岸空間の形成を図るため環境整備にも取り組んでいるところでございます。
 これまでにも宇地泊海岸、名護海岸、安座真海岸等において人工海浜や環境整備等を推進してきたところでございますが、今後とも事業化が可能な地域におきましては積極的に当該事業の推進を図る考えでございます。
 最後に、南部自転車道につきまして、玉泉洞から糸満市を経て那覇市に至る南部一周自転車道の早期実現についてでございます。
 近年、健康的な乗り物である自転車は、レクリエーションやスポーツに利用される等その使途も多様化しております。この傾向は、余暇時間の増加等に伴い、ますます増大するものと思われ、自転車道の整備は今後とも推進する必要があると考えております。
 このようなことから、本県では今年度から玉城那覇自転車道の整備を行っており、御提案の南部一周自転車道につきましてもその道路の一環となるような構想で検討してまいりたいと思っております。
 なお、着手時期につきましては、玉城那覇自転車道の完成を待たずに早期に着手することが御提案でございましたけれども、この御提案につきましても今後検討してまいりたいと考えております。
○議長(平良一男君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 饒波正之君登壇〕
○商工労働部長(饒波正之君) お答えいたします。
 ビールや清涼飲料水のメーカー等に対して、口金、いわゆるタブの外れない方式を採用するように指導する考えはないかという御質問にお答えいたします。
 御指摘がありましたように、既にビールメーカーにおきましては自然環境保全の立場から同様な措置をとっているところでございますが、御提言の趣旨につきましては、環境美化を図る観点からどういう有効策を講ずることができるか等につきまして企業側を始め関係者とこれから検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○議長(平良一男君) 西田健次郎君。
   〔西田健次郎君登壇〕
○西田健次郎君 有終の美を飾って一般質問をさせていただきます。
 通告のうち、あとは省きまして2点に絞りまして質問させていただきます。
 あと、ほとんど提案と要望という形でいきますからお願いいたします。
 まず、墓の特許の問題についてでございますが、沖縄の墓の意匠については前方後円墳、亀甲墓、これはもうずっと歴史的に沖縄の一つの文化として認知をされてきておりますし、その前方後円墳の場合は別としまして、最近、沖縄の納骨堂式、主に八重山とかあるいは奄美群島で多く用いられている方法でございますけれども、地上納骨式の墓というのがあります。
 この墓が、ただ納骨堂の柱を少し傾斜させただけの意匠として四国から去年沖縄に乗り込んできた石材業者が意匠登録をして日本石材工業新聞において、自分が意匠登録したから、これから沖縄や奄美群島で墓をつくる人は全部自分に特許料を払えと。こういうことで今、墓関係の業界は大混乱を来してきております。
 この地上納骨式の墓というのは、八重山あるいは奄美、沖永良部、与論あたりはほとんどこれのようでございますけれども、これ自体が、この業者がこれまで考案してきたものではなくて、長い間のお互いの南西諸島の地域として定着してきている墓でございますけれども、ただ、四国の一石材業者が突然沖縄に乗り込んできまして特許申請をすると。これは沖縄の人の、そういうところに熟知してないところにつけ込んだまさに悪徳商法そのものでありますから、いかに法律で特許申請したからといって、これまでの沖縄の伝統的な墓そのものが、1人の業者のもうけ仕事に利用されるようなことがあっては断じて許される問題ではございません。

 特にこの業者は、石川市でも問題を起こしていたようでありますし、八重山でもこの間問題があったようです。そして先般、平良市では、市長命令でこの特許申請のやつは撤去しろということで厳しい処分を受けたと聞き及んでおります。
 また大阪でも、全石連の中山セキという会長と今裁判闘争をしているそうでございます。全国各地でトラブルを起こしている業者でございまして、こういう業者がただ特許申請した、もうけのために何百年も続いてきている琉球の歴史のこの墓を占有することは許されることではございません。
 それで、5カ年ほどの閲覧期間等々いろいろありますから、法律的にはこの特許が認知されるかどうかはまだ定かではございませんけれども、県は行政としてそれに対しては厳しい対応をしていただきたいのでありますが、これについての方法があるかどうか、御検討をいただきたい。
 それから、沖縄が復帰する直前に、私は尖閣列島の油田開発に随分携わってきた経験がありまして鉱業権については幾らか承知しているつもりでございますけれども、沖縄県のほとんどが本土から来たある人が鉱業権を押さえてしまって、今、沖縄で石をとるにもすべてこの特定の人に鉱業権料を払わなければならないと。沖縄の石が、ヤマトから他府県から乗り込んできた人によって全部占有されている、こういうことで沖縄の建材業界もいまだなおその人にずっと鉱業権料を払わなければ石が掘れない、こういう事態もあります。
 それから、琉球の王家のお菓子として続いてきたちんすこう、これは数百年の歴史がありますけれども、ちんすこう、さらに琉球人形、これすら本土業者が特許申請をやろうとしてトラブルを起こしたことがあります。
 ですから、お互い沖縄の人の人のよさ、あるいはそういう知識にまだ疎いというところにつけ込んでこういういろんな琉球の歴史、伝統文化であるようなものまでが一業者のもうけ仕事に利用される、これは許されることじゃありませんから、県としてもこれに対しては十分な喚起を促しながら、できるだけの対応をしていただきたい、あわせて申し上げておきます。
 さて次に、米の輸入の問題について二、三提言と質問をさせていただきます。
 米の自曲化阻止につきましては、本県議会でも何回か決議した記憶がございます。
 日本の食糧として、またお互いのやさしさの代表される日本の文化というのは米作文化でございますから、この米の輸入については当然輸入自由化に反対でございますけれども、ただ、泡盛に使っているタイウルチ砕米については年間1万1000トンぐらいの輸入で、大体十五、六億円の輸入になっているかと思います。
 これについてはいろいろ問題がありまして、この問題を少し提起させていただきたいと思います。
 泡盛原料は、タイウルチ砕米でございますけれども、これの輸入状況、大体5年程度でよろしゅうございますから、何トンぐらい輸入して値段はどうなっているのか。
 それから2点目は、タイから輸入するときの政府買い付け価格と政府売り渡し価格はどういうふうな差があるのか。
 私が調べた範囲では、タイから買ってきた、政府が買い付けした価格のおよそ3倍余の値段で、原料米として泡盛業者は製造業者はタイウルチ砕米を買わざるを得ないと、こういう状況にあるかと思います。その辺の状況を御説明を願いたい。
 それから、タイの砕米は食糧ではございませんから、明らかに泡盛の原料でございます。この原料が食管法で言う米穀の扱い、米麦の扱いをされて食糧扱いされている。したがって泡盛業者というのは復帰前の3倍、4倍の値段で原料米を買わざるを得なくなった。
 そういうことで、この食管法の、なぜそういう規制を受けなければならぬのか、その辺、県側として承知している範囲内で説明を願いたい。
 それから、国内産のくず米は、これは飼料として大体トン8万円から9万円で売られているようでありますけれども、このくず米を今までは清酒業者あるいはビール業者が使っていたようであります。しかし今まさに世は高級化志向時代でありまして、清酒業者もそれからビール業者も、くず米ではなくて本物のいい米を使うような傾向になってきているようであります。そのためにくず米がかなり余り始めていると。そしてこのくず米が、これは食糧扱いじゃございません。工業米としての扱いを受けていますので、食管法の適用を受けません。
 そういうことで、このくず米が沖縄に入ってくるようなことになって、これが、まさに私の懸念ではございますけれども、3倍の原料米を買わされているよりは約半分ぐらいでくず米は手に入りますから、そのくず米を使ってそれで泡盛をつくらざるを得ない状況が余儀なくされてくるんじゃなかろうかと、これを非常に懸念をしております。
 既に本土の、九州地域のしょうちゅう業者はしょうちゅうにくず米を使っておりますが、くず米に沖縄の泡盛の風味を醸し出す特徴である黒こうじ、これをしょうちゅう業者が使い始めていると。そうしますと、夏はしょうちゅうはつくらないんですが、黒こうじ菌を使うようになってくると年中通してしょうちゅうをつくることができるという話を聞いております。
 そうしますと、10名の従業員で年間ずうっとしょうちゅうを生産することになりますから、しかも値段は泡盛の半値の原料米でつくれると。こうなりますと、こうじ菌も一緒ですから、するとしょうちゅうと泡盛の風味がわからなくなってくる。これが今後、沖縄の泡盛の将来というのが非常に厳しい状況が出てくるわけであります。
 その辺もいろいろ考えますと、今、タイウルチ砕米の原料確保については、これは特に政治の問題として西銘県知事、11月には間違いなく当選するわけですから、ひとつ来期の大きな政策課題として取り組んでいただきたいのでありますが、この方法としましてまず第1番目にはタイウルチ砕米は工業米として食管から外す、これの政治的な努力をしなきゃならない。これはまさに政治で解決しなければならない問題であります。
 沖縄の泡盛関係の国税庁の役人の皆さん方も一生懸命努力をしておりますから、県政としてはそれをバックアップをしていただいて、ぜひ泡盛の原料は工業米、食管から外すと、そういう形の強力な前向きな取り組みをしていただきたいのであります。その辺の決意のほどをお伺いしておきたい。
 それから泡盛につきましては、今、見本市にいろいろ出したりしているんですが、なかなか外国への輸出の実績がつくれない。値段の高さがあるわけです。値段が高い。それは原料が高いからです。ですからどうしても原料を今の半値以下に落とさなければ国際商品として太刀打ちしていけない、こういう隘路もございます。
 それからもう一つは、フリートレードゾーンというのがスタートしました、20億円ぐらいかけて。これは復帰のときの大きな目玉であったわけですが、実際は国内の関税法の制約を受けて所期の目的を達成できない状態にフリートレードゾーンがあるのが実情です。
 しかし、そのフリーゾーンの使い方によっては、日本が今貿易摩擦あるいは日米構造協議で一番苦労している米を全く一粒も輸入しないという国際世論に対して年間1万1000トンタイから米を買っている、こういう実績をつくることができる方法があるはずであります。そうすればお互い沖縄が日本の貿易摩擦あるいは日米構造協議で苦労しているし、国際世論に対して日本政府を助けるということもできます。これは沖縄のタイ砕米、泡盛原料を安くで確保するということのみならず、日本政府そのものを助けると、こういう発想も出てくるわけでございますから、ぜひそれについては力を入れて頑張っていただきたいと思います。
 何といっても、お互い琉球の泡盛というのは、今のところ本当に自慢できるほどの生産量ではございません。しかし原料、それからこうじ菌、そういうことで沖縄独特の風味を持った本当にお互いの沖縄が誇るべき文化であります。そういうのを守るためにも黒こうじ菌を大事にしながら、そしてまた原料を安くで仕入れをして、そして国際商品として太刀打ちできる、こういう商品づくりのために頑張らなければならないかと思います。

 私は数年前に、ヤマトゥンチューとウチナーンチューの違いは、胃袋の強さと、それから泡盛を解毒する酵素の多さだと、こういう話をして、ヤマトの方々に飲ますにはソフトの泡盛を飲まさぬとだめだということで25度、20度のソフトの泡盛をつくることをこの場で提言をして、それでかなりマイルド泡盛というのが広がってまいりました。こういう経験もありますので、この泡盛につきまして、タイ砕米原料米のことについて県知事の格段の取り組みを期待をして、あえて質問という形で提言をさせていただいたわけであります。
 それから、フリートレードゾーンがせっかくできたけれども、なかなか所期の目的が達成できない。これの一つの突破口をつくるということで米の輸入をして、それをフリートレードゾーンを使って外国に輸出をする。あるいはまた工業米として何らかの形で製品として入れると。いろいろ工夫の仕方、あるいは政治的な努力によってはすばらしい一つの政策と実績が出てまいりますから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 あと、全国植樹祭は、代表質問との関連で質問することにしておりましたが、要望だけ申し上げておきます。
 植樹祭は、場所はさておきまして沖縄で、私は先般も提言申し上げたんですが、北明治山で植樹祭するだけじゃなくて、各市町村でそれに匹敵するような各市町村の花とか木があるはずですから、その木をミニ植樹祭を各市町村でもやっていただくと。そうすると仮に500万本植樹祭で植えることになれば、それの数倍の植樹祭をそれぞれの市町村でできるわけですから、それに対しては国体で成功したように全県民の英知と資金と労力を結集して大変大きな一大緑化運動が展開できる一つのきっかけでございますから、ぜひそれは構想を取り入れていただいて、植樹祭がただ北明治山だけに終わらないように全県的な、各市町村津々浦々まで植樹祭の思想が、実績が広がっていくように努力していただきたい。これは要望だけ申し上げておきます。
 終わります。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 西田健次郎議員にだけお答えしないとうわけにはまいりませんので、お答えいたします。
 全国植樹祭についての御提言がございましたが、お答えいたします。
 第44回全国植樹祭の開催基本計画につきましては、各階層の御意見等を踏まえ、これから策定することとなります。
 御提言の趣旨につきましては、今後十分な検討を行い、県下市町村においても全国植樹祭を記念して一斉に植樹を行う方向で計画を進めたいと考えております。
 その値、砕米等に対する御提言につきましては重要な課題として検討させていただきます。
 フリーゾーンについても同様でございます。
 残りの御質問に対しましては、部長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 饒波正之君登壇〕
○商工労働部長(饒波正之君) お答えをいたします。
 まず、四国の石材業者が、沖縄式石墓としてある種のデザインの意匠登録を行っている事実は承知しております。
 一般的に、意匠権者は権利の侵害等に対し、意匠法に基づいて差しどめ請求、損害賠償請求等を行うことができます。
 また請求された側の対抗措置としては、意匠登録の無効の審判を請求するなど特許庁の審判制度を活用することが考えられます。
 したがいまして今回の事例につきましては、対抗措置としてこのような方法がとれるものと理解をしておりますが、いずれにいたしましても本件は工業所有権制度及び民事上の問題でありますので、県としては県内企業に対しまして工業所有権制度の普及を図るとともに、現在、東京に顧問の弁理士を置きまして沖縄県に関する特許情報等広く収集をしてこの種のトラブルの発生がないようにその防止に努めているところでございます。
 それから、泡盛原料のタイウルチ砕米の輸入状況でございますが、最近5カ年についてお答えをさせていただきます。
 まず、その量でございますが、昭和60年度1万1614トン、61年度1万2400トン、62年度1万748トン、63年度が9813トン、平成元年度1万1418トンでございます。
 なお、その価格でございますが、トン当たり60年度から63年度までは15万700円、平成元年度に値下げが行われまして13万2100円というふうになっております。
 なお、泡盛原料のタイ砕米とくず米の流入について懸念されておりましたので、お答えをいたします。
 現在、泡盛原料のタイ砕米は、県酒造協同組合が共同購入をし各組合員に販売をしております。
 また、その販売収益を活用し、泡盛の品質向上のための共同貯蔵施設、販路拡大及び人材育成等の組合事業を実施しているところでございます。
 さらに、国内産くず米を使用して工業試験場で一時的でございますけれども、試験的に泡盛を製造しましたところ、本来の泡盛とはかなり違和感があるというような結果が得られておりますので、今後、これらの問題につきましては各面から慎重に検討する必要があるんじゃないかというふうに考えております。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 食糧でないタイ砕米が食管法の規制を受けているのはなぜかという御質問ですけれども、食糧管理法では米穀、大麦、裸麦、小麦、その他政令で定めた食糧を主要食糧として位置づけておりますが、管理の対象を食用のみに限定しますと食糧管理が効果的かつ十分に行われないということも想定されますことから、非食用のタイ砕米についても他のくず米と同様に米穀の一つとして食管法の適用を受けることになっているということでございます。
○議長(平良一男君) 以上をもって通告による一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 決算については、9月21日の議会運営委員会において15人から成る決算特別委員会を設置して審議することに意見の一致を見ております。
 よって、ただいまの議題のうち認定第1号から認定第3号までについては、15人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
○議長(平良一男君) 次に、お諮りいたします。
 ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任につきましては、委員会条例第5条第1項の規定によりお手元に配付の名簿のとおり指名いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
 よって、決算特別委員会の委員は、お手元に配付の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
○議長(平良一男君) ただいま決算特別委員会に付託されました決算を除く甲第1号議案から甲第7号議案まで及び乙第1号議案から乙第12号議案までについては、お手元に配付してあります議案付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後7時8分休憩
   午後7時9分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 この際、お諮りいたします。
 昨日、照屋寛徳君外8人から提出されました議員提出議案第2号沖縄県情報公開条例を日程に追加し議題といたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
 よって、この際、議員提出議案第2号を日程に追加し議題とすることに決定いたしました。
○議長(平良一男君) 議員提出議案第2号沖縄県情報公開条例を議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 照屋寛徳君。
   〔照屋寛徳君登壇〕
○照屋寛徳君 ただいま議題となりました議員提出議案第2号沖縄県情報公開条例について、提出者を代表して提案理由を説明いたします。

 日本国憲法前文は「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」と宣言しております。この憲法前文は、国民主権主義の何たるかを明白にしたもので、この内容は人類普遍の原理であります。
 ところで、憲法が保障する国民主権主義の原理に反して国政に関する重要な情報は、長い間国民から遠ざけられてきました。その最も大きな原因は、国民主権に本来内在する国民の知る権利が無視されてきたからであります。
 さて、昭和の時代が終わり、平成の時代になりましたが、昭和の時代は暗黒の戦争の歴史でありました。私どもは昭和の歴史を通して、国家や行政機関による情報管理や情報統制が国民を戦争という惨禍に巻き込んだことを痛切に思い起こすべきであります。
 公害、薬害等による国民の生命、健康の安全に対する危害は、政府機関による情報の不当な操作や秘匿がなければ、これらの原因は速やかに究明され、被害も最小限に食いとめられていたはずであります。
 ロッキード事件やリクルート事件などの構造汚職や、我が県における新石垣空港をめぐる土地転がしなどの疑惑、空港計画の場所選定やアセスメントのデータ秘匿なども密室行政に起因するものであります。
 民主的な開かれた社会の実現を図るためには、行政機関等の情報が広く国民に公開されなければなりません。情報公開は民主主義の基礎であり、国民の知る権利は情報公開によって具体的に保障されなければなりません。
 私たちは、国民の知る権利を確立し開かれた社会を実現するために、また情報の秘匿による人権侵害をなくすためにぜひとも情報公開制度を確立しなければならないのであります。
 社団法人自由人権協会は、1979年9月に情報公開要綱を発表し、我が国において情報公開を制定すべきことを提唱し、その後の研究成果として情報公開モデル条例を発表しております。
 1981年3月31日には、市民団体「情報公開法を求める市民運動」が情報公開権利宣言と情報公開8原則を明らかにしております。
 ここでは、提案した沖縄県情報公開条例の審議の上で参考になると思われる情報公開8原則のみを紹介するにとどめておきたいと思います。
 1、政府、地方公共団体、その他の公的機関が保有する文書その他の情報は、原則としてすべて国民、住民に公開されること。
 2、国民、住民だれでも政府、地方公共団体、その他の公的機関に対し情報公開を請求する権利を付与され、請求を拒絶された場合には独立の行政委員会または裁判所に出訴でき、その当否について実質的判断を受けることができること。
 3、非公開にできる情報を例外として定める場合には必要最小限とし、例外条項は法律または条例で明確に定めることを要し、例外条項に該当することの立証責任は、政府、地方公共団体、その他の公的機関が負うこと。
 4、国民の生命、健康及び心身の安全、その他国民生活に重大な影響を及ぼす事項に関連する情報及びこれらの事項に関連する審議会、委員会等の記録は絶対的に公開とし、いかなる理由によっても公開を拒絶することができないこと。
 5、独占的公益事業(電力、ガス等)や公益的性格を有する事業について、その事業計画の決定、その他国民生活に重大な影響を与える事項に関連する情報は絶対的に公開とし、いかなる理由によっても公開を拒絶することができないこと。
 6、個人に関する情報は、当該個人から請求があるときは公開しなければならないこと。個人に関する情報は、法律または条例で特に定めのある場合を除き非公開とすること。ただし、公務員や公的機関の職員に関する情報はこの限りでない。
 7、政府、地方公共団体、その他の公的機関は、活動を記録する義務、文書その他の情報を保存する義務、情報を作成する義務を負うこと。
 8、情報の収集、処理、利用、公開に関し、国民、住民の参加による監視委員会を設けること。
 なお、情報公開法、条例ともに会議公開、プライバシー保護、特別公務員等の資産等公開に関する法律、条例が立法されなければならない。
 これが市民運動団体がつくった8原則であります。
 アメリカ合衆国憲法制定者の一人ジェームス・マディソンは、民主主義保障の条件として政府の行為に参加する自由を指摘するに当たり、人民が情報を持たず、またそれを獲得する手段を持たぬ人民の政治は道化芝居の序幕か悲劇の序幕であり、あるいはその双方以外の何物でもないと述べています。
 国際人権規約でも、表現の自由の権利は、国境とのかかわりなくあらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含むと規定しているのであります。
 かつて、情報公開制度を導入するに当たり、神奈川県長洲知事が述べた、情報公開は必要であり、不可避であり、かつ可能である。しかしまたそれは大事業であるとの言葉は余りにも有名であります。
 今や、政府、自治体における情報公開は世界的な潮流であることは論をまちません。市民は、主権者として行政に参加するため必要な情報あるいは市民の生命や健康、生活上の利益を確保するために必要な情報を入手するために情報公開制度を求めているのです。しかし、だからといって情報公開という名がついている条例であれば何でも結構というわけではありません。しばしば批判があるように、内容のいかんによっては行政機関に非公開の実質的権限を与えることになり、一種の秘密保護法とさえなりかねない危険があります。
 私は、一般質問で県提案の情報公開条例案は、欠陥条例とのそしりを免れませんと意見を述べました。過日開催された沖縄弁護士会主催の真の情報公開と個人情報保護の確立を目指してのシンポジウムでも、県の条例案は不良品であり、非公開条例になるおそれがあると強く指摘されております。
 県案の情報公開条例は、情報公開ではなく、情報管理の強化につながりかねません。情報公開と情報管理のいずれを選択するか、これは一にかかって情報開示制度がどのように具体化され、運用されるかにかかっております。
 今日、いわゆる情報公開は、国民の知る権利に基づく情報開示制度を指すことに疑問の余地はありません。知る権利、それは単に受け手の権利としての知る自由にとどまらず、知らせろという作為請求権としての提唱であり、そして情報開示制度はその作為手続の具体化でなければならないと考えます。
 以上、知る権利並びに情報公開制度についての基本的認識に立脚しながら県案と野党案の相違点を明らかにしたいと思います。
 まず第1点は、県案によれば情報公開条例を制定する目的として知る権利の保障が明定されておりません。知る権利については諸説があり、確定している概念ではないので情報公開制度の目的に掲げるのは適当ではないというのをその理由にしております。
 野党案は、日本国憲法の保障する基本的人権としての知る権利の保障を目的に明示しました。全国でも先進的な条例との評価を受けている那覇市情報公開条例も知る権利を目的として明定しております。
 情報公開制度は、まず第1に参政権的権利としての知る権利を具体化するものです。
 知る権利とは、世界人権宣言や日本の憲法が保障する表現の自由に含まれる市民の権利であります。知る権利とは、憲法が保障する幸福追求権、生存権に含まれる権利であると言えます。
 今日、行政は市民生活の隅々に及んでおり、市民は行政によってさまざまな形で利益、不利益を受けております。そこで市民は、行政の利害関係人として行政の公平、合理性の確保を求め、自己の権利、利益が不当に損なわれることのないよう監視し異議を述べる権利があります。そのためには、行政の意思決定過程について情報公開を求める権利が具体化されなければなりません。これは、行政の適正手続の保障としての情報公開制度であります。
 第2点目、県案は実施機関から議会を除外しております。議会こそは民主主義の広場であり、開かれた討論の場であるはずで、真っ先に実施機関とならなければなりません。
 野党案は、議会を実施機関といたしました。那覇市の公開条例もそのとおりであります。

 次に、野党案では公安委員会も実施機関にしました。警察活動は、市民生活に深くかかわるもので、警察の権力行使は市民の人権に多大の影響を及ぼすものであるから、民主的コントロールのもとに置かなければならないと考えます。公安委員会の保有する情報の公開の必要性は極めて高いし、公安委員会を特別扱いするやり方は警察国家につながるおそれがあります。確かに全国でも公安委員会を実施機関とする条例は制定されておりません。だが、諸外国の立法例では警察機関を情報公開制度の対象外としたものは見当たらないと、学者は指摘しております。
 第3点目に、県案では対象情報を決裁手続が終了したものと限定しております。あらゆる情報の公開が原則であり、あらゆる形態の情報が対象情報とされなければなりません。
 県案によると、決裁手続が終了していないとして情報が秘匿される危険を含んでおります。また今後、行政機関の情報の多くがコンピューターに入力され管理される傾向から、野党案のように録音テープ、磁気テープ、コンピューターに入力された情報も対象情報とすべきであります。
 第4点目に、県案は請求権者を沖縄県に住所を有する個人、法人に限定しております。知る権利は基本的人権であり、何人に対しても保障されるべきです。
 野党案は、請求権者を「何人も」としました。那覇市や川崎市の条例も何人にも請求権を認めております。海外のウチナーンチュ、県外のウチナーンチュにも当然権利としての請求権を認めるべきではないでしょうか。自治体の行政はその住民に対してのみ及ぶのではなく、他の自治体の住民にも大きく影響を及ぼすものです。
 第5点目に、開示の請求方法について、県案は書面によるものとしております。そうすると視力障害者などの権利行使を奪うことになります。県は運用面で配慮すると説明しておりますが、野党案は、視力障害者にも制度として権利として実効ある請求方法を明示しました。
 第6点目に、県案は合議制機関――教育委員会、人事委員会などの行政委員会及び各種審議会等の諮問委員会の情報を原則適用除外になっております。
 ところが今日、市民の生活を左右する重要な事項の多くは合議制機関において審議されるのであり、合議制機関の情報を対象外とするのでは、市民が必要とする多くの情報は公開制度の対象外となってしまい、条例を制定する意味がないとさえ言えましょう。
 以上6点について、県案と野党案の相違点を述べましたが、そのほかにも野党案では情報公開制度の適正かつ円満な運営及び改善を図るため、沖縄県情報公開審議会の設置を規定しております。
 我が国で情報公開の問題が現実的な問題になったのは、昭和47年、佐藤内閣時代の外務省機密漏えい事件が契機だと言われております。まさに沖縄と深いかかわりを持っているのです。県が提出した条例案は、情報公開に名をかりた情報管理になる具体的危険性が高く、到底賛成できません。
 以上、説明申し上げましたが、よろしく御審議の上、野党案に対する理解と賛同が得られますよう心から期待し、提案理由の説明を終わります。
○議長(平良一男君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第2号は、総務企画委員会に付託いたします。
○議長(平良一男君) 日程第3 陳情第185号及び第190号の付託の件を議題といたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの陳情2件につきましては、米軍基地関係特別委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
 よって、ただいまの陳情2件につきましては、米軍基地関係特別委員会に付託の上、審査することに決定いたしました。
○議長(平良一男君) この際、お諮りいたします。
 委員会審査及び議案整理のため、明10月5日から14日までの10日間休会といたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
 よって、明10月5日から14日までの10日間休会とすることに決定いたしました。
○議長(平良一男君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 次会は、10月15日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後7時27分散会

 
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