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平成11年(1999年) 第 7回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 12月10日
嘉数 昇明
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おはようございます。
稲嶺知事、知事御就任1周年、おめでとうございます。
残りの3年の任期、課題は山積をしておりますけれども、健康に御留意をされて県勢発展、県民福祉のためにますます頑張っていただきたいと申し上げて、一般質問に入ります。
なお、予定しておりました「嘉手納ラプコン」、「若年者雇用」については次回に回したいと思います。
まず最初に、大那覇国際空港構想、那覇空港の沖合展開について、稲嶺知事の将来を展望した前向きな御所見をお伺いいたします。
沖縄発展のかぎは、これからの大航空時代に適応した沖縄づくりを視野に据えた航空戦略を持っているかどうかの有無にかかっていると考えます。沖縄の表玄関であり、アジア・太平洋地域に向けた人の交流や物流を支える基盤インフラとしての那覇空港は、21世紀の本県の発展のかぎを握る空のゲートウエーであり、多年にわたり沖合展開を含めた国際ハブ空港化に向けた思い切った施設整備が求められてまいりました。
県経済界がこれまで30年来の夢として描く大那覇国際空港構想は、多くのハードルを超えつつスローな歩みをしるしてまいりましたが、観光客1000万人時代に対応できる国内線新ターミナルビルをことし5月に完成させ、イメージを一新したところであります。
しかし、国際線、貨物両ターミナルの拡充と滑走路の自衛隊との共用、すみ分けの課題が指摘されております。
さて、ここにきて那覇空港の2005年限界論が急浮上しております。あと5年で滑走路一本の離着陸回数の限界となる13万回に達し今後の新路線の開設が困難になるほか、500万人に足りない現状でも既に到着、出発便のおくれが出るなど弊害が指摘されております。
県は、これらの航空動向に対応するため那覇空港の将来整備のあり方について那覇空港将来構想基本調査を県単で実施し去る11月12日に発表しましたが、以下の重要ポイントについての御認識を示していただきたいと思います。
1、那覇空港の施設整備の現状及び課題、2、その将来需要予測、3、年間離着陸回数の将来見通しと施設整備の必要性、方向性、そして4、施設整備の滑走路の施設配置に関する検討について明らかにしていただきたいと思います。
次に、野中前官房長官の那覇空港平行滑走路増設に関する前向き発言に関連してお尋ねをいたしたいと思います。
野中前官房長官が在任中、記者会見、国会答弁、そして自由民主党幹事長代理に就任後の知事とのテレビ対談におきましても、那覇空港の年間利用者は順調に伸びている、平行滑走路の増設など那覇空港全体の整備がこれから必要で十分検討する時期に来た、実現に向けて努力したいと述べられております。
沖合展開をにらんだ議論の活発化に火をつけた感がございますし、大きな追い風と受けとめております。
知事はこれをどう評価をし、その実現に向けて今後政府・与党・自民党サイドをどういうふうに動かしていかれるか、御所見を伺います。
3、那覇空港の国際ハブ空港化を考えるに当たって、我が国の航空行政の方向、航空業界の動向、アジア・世界の航空動向を視野に入れて判断することが重要でありますが、県はどのように把握しておられるか、御説明を願いたいと思います。
4、去る12月3日に那覇市内において「沖合展開を目指し~国際ハブ空港への展望」と題した那覇空港国際化シンポジウムが開催されました。そのシンポジウムには運輸省の航空当局を代表して航空局飛行場部長も記念講演をするなど非常にタイミング的にも中身の濃い議論が展開されたところであります。
今後、21世紀に向けての沖縄の振興策の中でこの問題をどう位置づけていくか、沖縄経済振興21世紀プランの中でどう位置づけていくか、那覇空港のハブ化の可能性を多面的に探るチャンス到来と考えております。観光客誘致や国際路線網の拡大、臨空型産業の立地などハブ空港化や平行滑走路増設の必要性、緊急性をどう理論構築していくかが重要課題となってまいります。
そこでお尋ねいたします。
那覇空港の国際ハブ空港の可能性と未来像についてハード、ソフト両面の留意点を踏まえて御所見を伺います。
5、今後の県の国際ハブ空港化、平行滑走路増設に向けての基本的考え方、推進体制と作業スケジュール、そして県民的な機運を今後どう醸成していくかについてお尋ねをしたいと思います。
次に、西暦2000年沖縄サミットの中国オブザーバー参加についてお尋ねをしたいと思います。
いよいよ来年7月、世界8カ国とEUの代表が本県に勢ぞろいをして主要国首脳会議(サミット)が開催されます。今日と21世紀の世界を視野に据えた重要テーマを論議する歴史的な舞台が沖縄から発信されることになるわけであります。
一昨年のアメリカ・デンバー・サミットでロシアが正式メンバーとして加盟をいたしました。その後、次は中国だという声が上がってまいりました。そしてまた中国は市場経済を推進する中、このたびWTO(世界貿易機関)加盟のめどがついたことで中国のオブザーバー参加が一つのステップとして話題に上ってきているのであります。
さて、日米安保条約に基づき全国の75%の米軍専用基地のある沖縄に中国の首脳が一歩足をしるすことは、日中間、米中間の安全保障観を変換させる要素をはらんでおります。それはお互いの疑心暗鬼を和らげ、信頼関係を醸成する装置となり得るものであります。アジアから唯一の参加国で日本がアジアの非参加国の声を積極的に吸い上げ、反映してほしいとの声もあります。
来年1月1日よりサミット議長国になる日本が議長の年に、しかもアジアと中国に一番近い沖縄での開催の年に日本外交がリーダーシップをとって中国のオブザーバー参加への道を開くことは、今後の極東アジアの安全保障環境を改善し、ひいては沖縄の米軍基地の整理縮小に連動していくものと思料いたします。
そこで知事は、11月23日県立武道館で開催された「沖縄・21世紀への挑戦」と題するフォーラムにおいて沖縄サミットへの中国オブザーバー参加が話題になったときに賛意を示し、その旨の努力をしたいと発言されました。
そこで稲嶺知事は、沖縄サミットへの中国の関心の度合いをどう見ておられるか、また中国のオブザーバー参加についてどういう姿勢で臨まれるか、御所見を伺いたいと思います。
次に、琉球バスの基地内スクールバス業務契約と雇用確保についてお尋ねします。
県内バス企業である琉球バスは、米軍の沖縄地区スクールバス業務を復帰4年後の1976年から今日まで23年間円滑に車両と業務を提供して運用してきた実績を有しておりますが、アメリカ政府は契約期間中に契約システムを変更いたしまして車両と人員に分離をいたしまして、そして車両につきましては本土大手自動車メーカーが落札をしております。次は人員についての入札が年末に予定されているそうでありますが、そこに本土企業あるいは米国企業の動きがあるように仄聞をしております。
そういう面で琉球バスは現在会社再建の途上にあるわけでありますが、この結果によって会社の再建にも大きな影響がありますし、そしてまた800余名の従業員の雇用にも甚大な影響を及ぼすところであります。
そういう面で本土企業や米国系企業の参入に歯どめをかけていく日米政府の認識のあり方もかかわってくるわけであります。県内企業優先が貫かれるよう日米両政府の協議のテーブルに上げて前進が図られるよう尽力すべきと考えますが、どう対処されるか、お伺いいたします。
さらに、次の点についてもお答えください。
琉球バス業務契約の現状をどう把握し、今日までどのような対応をされたか。
次に、業務契約のあり方、運用の次第によっては県内企業の参入機会や雇用確保の幅が狭められていくことを危惧いたしております。清掃業など他の分野への波及が懸念されているわけであります。
この際、基地内契約業者と雇用状況を総点検してみるべきと考えますが、いかがでありましょうか。
以上申し上げて一般質問を終わります。
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