平成 2年(1990年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 10月 1日
第 2号 10月 1日
 

議 事 の 概 要
平成2年10月1日(月曜日)
午前10時8分開議
日程第1 暴力団追放に関する決議
日程第2 嘉陽宗儀君に対する懲罰の件(総務企画委員長報告)
日程第3 代表質問
    1 金城 重正君(自民党)
    2 崎原 盛友君(自民党)
    3 宮良  作君(共産党)
    4 中根  章君(社会党・護憲共同)
    5 島袋 嘉盛君(社大党)
    6 下地 常政君(新政クラブ)
    7 宮城 清順君(公明党)
午後7時15分散会    

○議長(平良一男君) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 9月27日、松茂良興辰君から発言取り梢しの申し出がありました。
 次に、本日、金城重正君外12人から議員提出議案第1号暴力団追放に関する決議の提出がありました。
○議長(平良一男君) この際、お諮りいたします。
 松茂良興辰君から、9月25日の会議における発言について、お手元に配付の発言取り消し申し出書に記載した部分を取り消したい旨の申し出がありました。
 この取り消しを許可することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
 よって、松茂良興辰君からの発言取り消し申し出を許可することに決定いたしました。
○議長(平良一男君) 日程第1 議員提出議案第1号 暴力団追放に関する決議を議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 金城重正君。
   〔金城重正君登壇〕
○金城重正君 ただいま議題となりました議員提出議案第1号暴力団追放に関する決議について、提出者を代表いたしまして提案理由を申し上げます。
 本県議会は、さる7月13日に県内の暴力団の情勢が内部対立抗争に発展しかねない状況や、本土の暴力団の組織拡大に伴う沖縄進出動向等にかんがみ、県民の平穏な生活に脅威と不安を与えている暴力団の根絶を図る必要から暴力追放に関する決議を行ったところであります。
 しかるに昨今、県内の暴力団の内部抗争は、9月13日の那覇市内における暴力団のけん銃使用による殺人未遂事件が発生し、その報復と見られる発砲事件が9月21に那覇市と沖縄市で相次いで発生し、その後も発砲事件は後を絶たず、暴力団の対立抗争はさらに拡大する様相を呈し、県民に大きな不安と脅威を与えております。
 かかる行為を放置すると一層暴力団を増長させ、県民がこの抗争に巻き込まれる危険性は増大するばかりであり、断じて許すことはできません。
 このような状況のもとで、地域住民が暴力追放運動に立ち上がるなど、今までにも増して暴力団の根絶に向けての機運が高まっております。
 暴力団を根絶するためには警察の厳しい取り締まりに加え、県民一人一人が暴力を許さない社会環境づくりが必要であります。
 よって、本県議会はこの機運をさらに盛り上げ、県民の平穏な生活を確保するため全県民と相携え、暴力団の根絶に取り組む必要があります。
 これが本案を提出した理由であります。
 決議文を朗読いたします。
   〔暴力団追放に関する決議朗読〕
 以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(平良一男君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第1号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
 よって、本案については委員会の付託を省略することに決定いたしました。
○議長(平良一男君) これより議員提出議案第1号暴力団追放に関する決議を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第1号は、原案のとおり可決されました。
○議長(平良一男君) 日程第2 嘉陽宗儀君に対する懲罰の件を議題といたします。
○島袋宗康君 議長、休憩願います。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午前10時15分休憩
   〔野党議員退場〕
   午前10時17分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 本県に関し、委員長の報告を求めます。
 総務企画委員長。
   〔総務企画委員長 金城重正君登壇〕
○総務企画委員長(金城重正君) ただいま議題となりました嘉陽宗儀君に対する懲罰の件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 本件は、平成2年第4回議会の9月25日の会議において総務企画委員会に付託されたもので、9月26日に委員会を開き審査を行いました。
 委員会におきましては、動議提出者の崎浜秀三君から、その提案理由を聴取し慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における動議提出者の説明及び質疑等の概要について申し上げます。
 初めに、動議提出者の崎浜秀三君から、平成2年9月25日の本会議において嘉陽宗儀君に対し公開の議場における陳謝を議決いたしました。ところが嘉陽宗儀君は、当然懲罰に従う義務があるが、これに反するような行為に出ました。これは、地方自治法に違反するばかりでなく、本議会の権威を失墜させたので動議を提出したとの説明がありました。
 まず、動議提出者に対し、懲罰動議を再度提出したのは、議会で議決されたことについては従うのが議会人としての義務であります。しかるにそれに従わないのは議会の権威の失墜、名誉の問題にかかってくると思います。議会の決定に従わない法令違反を行うような議員に対し、厳しく反省を求めなければならないとのことで動議を提出したと理解してよいかとの質疑がありました。
 これに対し、そのように理解して結構であるとの答弁がありました。
 次に、今回の懲罰は最初から出席停止7日間となっているが、その根拠は何かとの質疑がありました。
 これに対し、懲罰の種類は地方自治法第135条に4種類の懲罰が規定され、同条第3号は一定期間の出席停止となっており、また県議会会議規則第108条で「出席停止は、7日をこえることができない。」と規定されています。
 9月25日の本会議において嘉陽宗儀君に対し陳謝の議決をしたが、これに応じなかった。このことは、懲罰を科されたが反省しないばかりでなく、法律上の義務にも違反している。そのためさらに重い出席停止の最大限7日の懲罰を科するべきと判断してこの懲罰を科したいとの答弁がありました。
 そのほか、出席停止の適用期間、出席停止の宣告等について質疑がありました。
 以上、委員会における審査の経過を申し上げましたが、審査の結果、嘉陽宗儀君に対する懲罰の件は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(平良一男君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより嘉陽宗儀君に対する懲罰の件を採決いたします。
 本件に対する委員長の報告は、嘉陽宗儀君に7日間出席停止の懲罰を科することであります。
 お諮りいたします。
 本件は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。

 よって、嘉陽宗儀君に7日間出席停止の懲罰を科することは可決されました。
 嘉陽宗儀君の入場を求めます。
 休憩いたします。
   午前10時22分休憩
   午前10時24分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 ただいま嘉陽宗儀君に対し入場を促しましたが、同君から入場しない旨の言明がありました。
 ただいまの議決に基づき、これより嘉陽宗儀君に対し懲罰の宣告を行います。
 嘉陽宗儀君に7日間出席停止の懲罰を科します。
 休憩いたします。
   午前10時24分休憩
   〔野党議員入場〕
   午前10時25分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 この際、念のため申し上げます。
 本日から4日までの4日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定された質問要綱に従って行うことにいたします。
○議長(平良一男君) 日程第3 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 金城重正君。
   〔金城重正君登壇〕
○金城重正君 質問の前に御了解をいただきたいと思います。
 代表質問通告表の中に、2番目に基地整理縮小がありますが、これは2番手の崎原盛友議員に譲りますので取り消しをお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 代表質問を行います。
 御案内のとおり、昨年のマルタ首脳会談、東欧諸国の激動に続くソ連共産党の歴史的変わり方を経て、米ソ両国が一層の協調体制を確認、軍縮分野で大きく進展を見せたことは、平和を希求する私たちに与えたインパクトはまさに大きなものがありました。
 特に、ベルリンの壁の崩壊で相寄る東西ドイツは、10月3日に向けて歴史的国家統一に着実にその作業が進められております。目まぐるしい歴史の変転であります。
 ヨーロッパにおける緊張は取り除かれた中で、一方、アジア地域においてもその影響は大きく、我が日本を取り巻く状況は、来年4月にゴルバチョフソ連大統領が来日するようになりました。日ソ間の正常化に新たな進展が期待されております。
 また、韓国と北朝鮮首脳会談、カンボジアの和平東京会談、金丸、田辺北朝鮮訪問による国交正常化に向けた話し合い、また中国北京におけるアジアオリンピックの祭典が催されております。まさに世界は雪解けの中、アジア地域は今や平和の時代の到来であります。それは、日本国の平和外交の成果のしからしめたものであると理解をいたしております。今や一党独裁の共産主義、社会主義の道では人類の平和はないし繁栄も生存もないのであります。
 世界の流れは変わりました。人類が求めてやまないことは、自由と民主主義、あわせて人権尊重であります。これが世界の政治史上でさん然と輝くようになりました。この理念こそ人類平和のため、とわにともしていかなければなりません。
 その内外流れの中で、平成2年9月沖縄県議会定例会に自由民主党を代表して代表質問を行いますことは、私にとりまして最も光栄であります。
 さて、沖縄を取り巻く厳しいときに、西銘知事は就任3期12年、最後の定例会を迎えました。いみじくも知事就任8年目の9月定例会の代表質問も私でありました。何かの因縁でありましょう。私はそのときに、林芙美子の「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」、そのことを申し上げました。知事の12カ年間は、まさにその気持ちで県政の多くの課題と取り組んでこられたであろうと推察をいたすものであります。
 知事の政治に対する信条は、常に熟慮断行、大胆にして細心を心がけ、この12年、県民の心を心として、時には果敢に、時には地道な努力と、稀に見る卓越した政治力で県政に見事な金字塔を打ち立てました。花が咲き誇ろうとしております。日本の中の沖縄ではなく、世界の中の沖縄に飛躍発展していくまたとない歴史的なときを迎えております。心ある県民は、今こそ実り多きロマンに満ちた沖縄を創造し、その歴史の一ページを子々孫々に残し、高く評価されるために政治家西銘順治に大きな期待をしておるのであります。一層の御精進をお願いする次第であります。
 そこで、通告順序に従い、所見を交えながら質問を行います。
 まず、質問の第1点の政治姿勢であります。
 1つ、知事就任12年を振り返り、その感想をお聞かせください。
 2つ目に、今後の県政の課題と展望について承りたいと思います。
 次に、63年度予算に対する概算要求についてであります。
 来年度は、第2次振興開発計画の最終年度に当たりますことから本県の要求内容が注目されましたが、県の要求がきめ細かく、大方満たされたことを承り、喜びにたえません。
 沖縄開発庁分の要求額は、対前年度比2.1%増しの2552億6700万円、そのうち振興開発事業費は前年比2.2%増しの2338億円と承っております。本県にとっては、来年度は県づくりの方向性を示す重要な意味を持ち、3次振計への橋渡しも含めて振興開発の区切りの年になることは間違いないわけであります。
 そこで、本県の置かれた立場を誇示し、全額確保に当たってほしいことは県民の切望しているところであります。
 申し上げるまでもなく、本県は多くの課題を抱え予算需要は旺盛であります。特に県は、来年度予算については、2次振計目標の達成と課題解決に向けて継続事業の着実な推進に取り組むとともに、3次振計の策定に向けて検討を進めなければならない重要な年と位置づけております。
 県は、2次振計の総点検を行いました。その中で道路、港湾、空港、学校施設等はかなり改善されましたが、水資源の確保、産業基盤の整備、企業の競争力、失業率、県民所得、教育学力の分野では格差は依然として大きいとされております。担税力にも欠け、財政依存型体質もそのままであると指摘をされております。
 ちなみに、水確保のためのダム建設は次々と完成はしたが、慢性的な水不足の事情は変わらない。道路整備は進んだものの、依然として交通渋滞である。県民所得も62年度は75%と縮まってきたが、全国最下位である。そして自立発展をするためには念には念を入れてハード、ソフト両面にわたる積極的施策が要請されていると言われております。
 考えますに、格差がなかなか縮まらないのは、沖縄が3歩前進すると他府県も後退するのではなく2歩前進するわけであります。したがって、より積極的な事業展開と予算要求が望まれるのであります。そこには粘り強い努力と積極的な執行体制の確立をしなければならないのは当然であります。
 また、県は昨日、第3次沖縄振興開発大綱を発表しております。
 中身は、2次振計と同様、格差是正と自立的発展の基礎条件整備を打ち出しております。課題として水資源の確保、産業振興、米軍施設の整理縮小と跡地の有効利用があり、事業にかかわる補助、負担率の特例は、現行の振興開発特別措置法に基づく特別措置の継続であるとされております。結構なことであります。これを確実なものにして日本一の沖縄県を構築していただきたいと願うものであります。
 そこでお伺いをいたします。
 このたびの平成3年度概算要求でありますが、1つ、目玉事業は何件であるのか。また、新規の事業内容はどのようなものか。
 2つ目に、12月までの本格的な折衝で満額確保か、それともそれ以上の事業予算確保について知事の自信のほどをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、慰霊の日の休日についてお尋ねをいたします。
 昭和63年12月に施行されました地方自治法の一部改正で、地方公共団体が独自の休日を設けることができなくなることから、沖縄県職員の勤務時間、休日及び休暇等に関する条例第7条2項4号が廃止されるということで大きな波紋を広げてまいりましたが、県民世論並びに知事の英断、さらに我が自由民主党沖縄県連の強い要請によって、慰霊の日は従来どおり休日として存続できそうな客観的状況がありますことは結構なことだと思料いたします。
 申すまでもなく6月23日は慰霊の日、沖縄戦などで犠牲になった方々のみたまを慰める日であります。沖縄戦終えんから半世紀近い歳月が経過いたしました。だが、遺族の悲しみは消えることはありません。本員も沖縄戦で父を失い、これもついきのうのように思えてなりません。今、元気であれば、ことしは米寿の祝いでありました。その悲しみと苦しさは常に心の片隅に残っております。

 そこで、西銘知事は4月12日、自治大臣を訪ね、慰霊の日の県職員休日の存続を要請、自治大臣も前向きに検討したいと積極的であったと報じられております。また、自治大臣は7月25日に来県され、この件については国会、すなわち10月の臨時国会で法改正を行い特例措置として存続させたいという発言がありました。
 そこでお伺いをいたしますが、1つ、政府は平成4年から公務員の完全週休2日制を実施する準備をしているとのことですが、特例措置としてどのような改正をしようとしているのか、知り得る範囲内でお聞かせをいただきたいと思います。
 2番目は、県はいつごろこれに関する条例改正を議会に提案をするのか、お伺いをいたします。
 3番目でありますが、一歩踏み込んで県民の休日にする条例制定はできないのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、道路予算についてお伺いをいたします。
 県民の生活、産業活動の基盤となる道路整備については、国及び県当局の精力的な取り組みの結果かなりの改善がなされ、道路の改良率、舗装率の整備は全国並みの水準を達成しておりまして、その努力は高く評価するものであります。
 しかしながら、私たちの日常生活を取り巻く交通事情の実態は決してよくなっておりません。那覇市や沖縄市の都市地域では交通が混雑し、通勤、通学、買い物等にも不便をかこい、レジャー生活を楽しむにも観光施設周辺の交通渋滞にストレスを増幅させるというのが実態であります。
 このよう交通事情が県民に及ぼす精神的、経済的損失ははかり知れないものがあります。交通体系の改善が強く望まれております。
 そのような状況の中で先般の日米構造協議の結果、今後10年間で430兆円の公共投資が行われることになりました。大いに期待をいたしたいところでありますが、しかしながら国の概算要求をうかがい知るところによりますと、公共事業、とりわけ道路予算は、平成3年度は生活関連重点化枠の要望額が満額認められたとしても一般道路事業費の伸び率はたった1.02倍にすぎません。第10次道路整備5カ年計画は極めて困難なことだと聞き及んでおります。県土の均衡ある発展を図り、平和で活力ある沖縄県を実現するためにも今後とも国の道路予算の拡大は不可欠であると考えます。
 そこでお伺いをいたしますが、1つ、県は道路整備に当たってどのような方針を持っておられるのか。
 2番目に、平成3年度の道路予算の拡大に向けて積極的に取り組みをしてもらいたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、水行政についてお伺いをいたします。
 今年の梅雨明け以来、水事情に赤信号の点滅が始まりました。沖縄渇水対策連絡協議会は、とうとう9月16日から30市町村で8時間夜間断水、今週中にも隔日給水に移行するのも避けられないと言われておりました。これが実施されますと、去年の52日間に及んだ隔日給水以来の制限給水で県民生活への影響は避けられそうにはないと考えられたやさきに、台風19号のおかげで水事情は好転をいたしました。
 ここで少し苦言を呈したいと思います。
 まさにお天気待ちの水行政であると指摘されても仕方のない状況でありますことは残念でなりません。もちろん、国や県がダム建設やその施設充実のため一生懸命であることは十分に理解をいたしております。しかし増大する水需要に対応するためには、より積極的な施策が必要であることは言をまちません。
 特に県土は、地形が狭く河川も小さく短いために、せっかく降った雨も海に流されてしまう。ちなみに降った雨水の利用率は、本土の19%に比較して沖縄の場合は10%と言われております。このために本島北部の河川を中心に多くのダム等を建設してきました。しかし水の需要は都市化の進行、生活水準の向上、リゾートホテル建設等も手伝って大いに増加傾向にあります。水不足では生活水準の向上も観光も、またリゾートもその効果を十分に上げることはできません。そのため、県は多目的ダム建設を計画し鋭意進めておりますが、ダム建設は一方で北部の自然破壊という問題もあり、これから先、無制限にダム建設ができるとは考えられません。
 本員は、沖縄県がリゾート化を推進していく上で一番の課題は水問題の解決であると考えております。
 現在までダムの建設と水の需給はイタチごっこであります。私は、県民にも旅の者にも水だけは不自由なく使ってもらわないといけないと考える一人であります。そうでなければリゾートも観光も成り立たないのは論をまちません。
 そこで、今後の水行政をいかに解決していくのか、私見ではありますが参考になれば幸いであります。
 知事、沖縄には幾つかの湾があります。その一つでもせきとめ淡水化していくぐらいの遠大な淡水湖づくりはできないでしょうか。百年先も水は大丈夫だと言われるぐらいの水資源開発をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 10年間で430兆円を使うという時代であります。一石二鳥、三鳥にもなり、波及効果も甚大なものがあると考えます。一考に値すると思いますが、いかがでしょうか。
 今まさに沖縄百年の大計のためにも発想の転換をすべきだと考えます。そうでなければ水の問題ではいつもおてんとうさまを拝む以外にすべはありません。私は、大政治家西銘知事の英断が必要だと考えます。知事の御所見を承りたいと思います。
 次は、大那覇空港ターミナル整備と新石垣空港整備についてお伺いをいたします。
 リゾート開発と観光を戦略産業として位置づける沖縄県としては、観光は県経済を支える大きな柱であり、他産業への波及効果もはかり知れないのであります。それだけに観光客が年々歳々ふえますことは、県経済振興の上からも歓迎すべきことであります。今年も280万人の大台を突破する見通しだと言われ、3000億円産業と言われるようになりました。
 そういうときに、沖縄の顔であり初印象を与える那覇空港ターミナルは、余りにもお客様に不便を与えているのではないでしょうか。国内線、国際線、離島線と別々で機能的でなく、国内線に至ってはその混雑はイモを洗うごとくまさにお粗末の一語に尽きるのであります。空港ターミナルは、観光客と最初に出会う所であり、同時に思い出を残して去っていく所であります。観光地沖縄、リゾート地沖縄のイメージを内外にプロパガンダするためにも、大那覇空港ターミナルの整備拡充は急務中の急務であると考えます。幸い、那覇空港ターミナル整備促進協が8月3日発足したことは時宜を得たものであると考えます。この件に関して第6次空港整備5カ年計画に盛り込み、約17億円余をかけて整備すると伺っております。
 そこでお尋ねいたしますが、国内線、離島線、国際線を一元化していくのか。
 2番目に、整備拡充は何年を要し、供用開始はいつごろになる予定であるのか。
 3番目、沖合展開は当分棚上げになるでしょうか、お伺いをいたします。
 あわせて、新石垣空港の件でお尋ねをいたします。
 県は、新石垣空港予定地に絡む土地取引で国土利用計画法に違反したとして土地転がし業者を告発いたしました。県が予定地の所有者を告発したことで用地取得交渉は、告発された業者だけに難航するのではないかと心配をする一人であります。今後、どのような手だてをしていくのか、さらに平成3年度の概算要求にも出されておりますが、たしか6回にわたり予算措置はしたが流れた経緯があるだけに一抹の不安があります。平成3年度予算づけと新石垣空港建設に向けての知事の決意のほどをお伺いいたします。
 土地対策についてお尋ねをいたします。
 リゾート開発を初め各種の開発が活発にこの県土で行われている中で、投機的目的で土地の買い占めや土地転がしが各地で表面化して大きな社会的関心を呼んでおります。それは、土地の価格が需給のバランスではなく、金余りによる企業利益追求の場になっているからであります。特に農用地の買い占め等で農業振興に支障が心配される事態にもなっております。県は、無秩序な土地買い占め、または開発には厳正に対処する必要は申し上げるまでもありません。
 先般、県と市町村がこの問題に取り組む姿勢を明らかにしたのは、県民はその抑止効果に大きな期待をしているのであります。

 ちなみに、北部市町村では四、五年前から県外資本による買い占めが盛んで、それに輪をかけて土地が値上がりし、地元の者が住宅を建てようにも土地を求めることができないという現象が起こっております。また南部では、県外企業によるゴルフ場、リゾートの開発が持ち上がり、いずれも農振地域ということであります。
 県内の市町村はどこでも、程度の差こそあれ同じ悩みを抱え、県もこのことについては頭を痛めていると考えますが、土地開発にかかわる部局間の連携、調整と、それに対する取り組みが遅きに失したという感は免れないのであります。
 リゾート産業は、本県の戦略産業として位置づけられ開発への期待も大きいが、それが無秩序で無法な土地取引で地価の高騰を来し県民にしわ寄せさせては何のための開発かとの疑問視は当然であります。この際、県の関係部局、市町村との連携強化を密にして、土地問題にきちんとした対処が必要ではないでしょうか。
 土地取引については、恩納村や石垣市で行っている監視区域の設定だけでは十分だとは考えられないのであります。業者は、妙な手口を使って安い価格で入手して高く売りつける。農振地域における売買についても同様であります。いずれ農業を営む者から農地は離れていくことになるでありましょう。公園法など規制の網をくぐり開発が進められつつあるとも言われております。
 このような状況で従来の規制措置だけで有効な対応策がとられるのか、疑問を持っている一人であります。
 先般の緊急土地対策県市町村合同会議は、我がふるさとを守り後世にこれを引き継ぐため、県と市町村は行政がなし得る限りのあらゆる努力を傾注することを宣言するとアピールを採択しております。せっかくの宣言がかけ声に終わらないよう期待して次のことをお伺いいたします。
 現在まで県が掌握している違法取引や違法開発の実態を示してもらいたい。
 関係法令の厳正な運用で不法取引、地価高騰の抑制が十分できるのかどうか。
 3番目に、実効性あらしめるため具体的にどのようなことをするのか明らかにしていただきたいと思います。
 次は、県立武道館建設についてお伺いをいたします。
 県立武道館の建設推進について多くの諸君から質問や建議がなされ、知事も積極的にその実現に汗を流しておられることについて心からの敬意を表する次第であります。
 特に、8月23日から4日間の日程で開催されました世界のウチナーンチュ大会は、沖縄独自の発想で、独自の方法で運営し成功裏に終了したことは、多くの県民、否世界のウチナーンチュに高く評価され、沖縄の変貌に目を輝かせたのであります。今後は万国津梁の民として交流先進県として真の国際交流の先兵としての使命を果たさなければならないことは言をまちません。
 その中でも、世界至る所に広がっている空手道、古武道世界交流祭は見事な祭典でありました。健全なる思想は健全なる肉体に宿ると昔から言い古された言葉ではありますが、文武相まって真の人間の姿があり、そこから社会への貢献、さらに社会の発展が約束されると考えますと県立武道館の建設は当を得た計画であると考えます。
 知事の4選に向けて日本一の沖縄県をつくる10大政策の中にも、個性豊かで国際社会に通用する人材の育成のためにも県立武道館の建設を推進するとうたわれており、まことに慶賀にたえません。
 ところでお伺いいたしますが、県立武道館建設のスケジュールはどう推移しているのか。
 2番目に、何年に着工し、いつ完成の予定であるのか。
 3番目に、場所はどこになるのか御答弁を願います。
 本員は、この件について格別に申し上げておきたいと思います。ぜひこれだけは那覇市に建設をしてもらいたいと願っております。武徳殿も那覇市にありました。那覇市長からも強い要請もあったと思います。その上、教育委員長も教育長もきっすいのナーファンチュではありませんか。特にこの件については教育長の御答弁を求めたいと思います。
 最後に、西銘知事の4選出馬についてお伺いをいたします。
 知事は昭和53年12月、知事就任以来数々の実績を残してまいりました。戦前、戦後をしてこれほどの実績を残された知事はいなく、お世辞でもなく昭和の蔡温と言われるぐらい県民が認めていることも事実であります。
 蔡温の残した言葉に、「フミリスシライヤユヌ中ヌナレー サタンネンムヌガヌー役立チュガ」。まさにこの歌を地でいくように時には褒められ、時にはしかられ、男として政治家として120万県民の幸せをひたすら願い、不断の努力を傾注してまいりましたことは万人の認めるところであります。政治家としてのかがみであり、敬服の至りであります。
 その実績は、昭和61年からのものを羅列しても枚挙に尽くせないほどで、主たるものを拾い上げても県立芸術大学の開校、辺野喜ダムの完成、沖縄コンベンションセンター落成、海邦国体の開催、沖縄自動車道の完成、中城湾港岸壁工事の完成、かりゆし大会、自由貿易地域の指定、首里城正殿復元の着工、沖縄全戦没者追悼式に総理大臣の出席、世界のウチナーンチュ大会、県庁舎の落成、県議会棟の着工等県勢発展充実のために鋭意精魂を傾けてこられました。これもひとえに国と相まっての協調と同時に、西銘知事の政治的力量に負うところ大であります。まさに昭和、平成の蔡温とたたえられても余りあるものがあります。
 沖縄は今、過渡期であり、国の財政的支えこそ命綱であります。国の施策と相まって独自性と協調の中から地域特性を積極的に活用し、文化の薫り高い沖縄県の創造が約束されることは火を見るよりも明らかであります。今こそ大事な時であることを何度も強調したいのでありますが、来年は第2次振計の最終の年であります。2次にわたる振興開発計画は、本土との格差の是正と自立的発展の基礎条件の整備という2本柱で諸施策が進められてきました。
 結果は、いろんな面でまだ格差があることも事実であります。これをまとめて第2次、第3次振計につなぎ政府の協力のもと、県民の英知を集めて早急に格差是正と基礎条件の整備に向けてさらなる努力を傾注していかなければならないところであります。3次振計の策定こそ県政の最重要課題であり、沖縄県自立の重要なかぎであります。それを実現し沖縄県民の夢と願望をかなえて、その成果を子々孫々に橋渡しができるのは、西銘知事4選しかありません。
 11月18日は選挙であります。去る9月22日は政策発表もいたしました。順風満帆な航海をするため沖縄丸の船長になり得る方は西銘知事でなければならないことは天の声、地の声であります。4選を果たしていただき、県民の負託にこたえていただきたいと思います。
 そこでお尋ねをいたします。
 知事は、今後も引き続き県政を担当していきたい決意と抱負を県民の前に明らかにしていただきますことを切望いたしまして、私の代表質問を終わります。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 金城重正議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 知事就任12年を振り返っての感想を求められましたが、お答えいたします。
 県政を負託されて3期12年間、私は県勢の発展を図る立場から、沖縄振興開発計画の目標とする格差の是正と自立的発展の基礎条件の整備を図るなど、県政の活性化のための諸施策を積極的に推進してまいりました。この12年間を振り返って特に印象に残っていることは、まず、沖縄振興開発特別措置法の延長及び第2次振興開発計画の策定に向け、関係省庁に要請し御協力をいただいたことであります。
 次に、62年度に県民の英知と総力を結集いたしまして海邦国体及びかりゆし大会を成功裏に終えたことであります。これは青少年を初め県民に、やればできるという自信と誇りを与えてくれたことと思います。
 新しいところで世界のウチナーンチュ大会の開催があります。世界に羽ばたくウチナーンチュの気概を感じた大会でありました。この大会の開催によって本県、ひいては我が国の国際交流の拠点づくりにつながっていくものと考えております。
 また昨年、首里城正殿起工式が行われたことであります。これは県民の悲願である首里城の復元に向け第一歩がしるされたということであります。

 次に、県庁舎行政棟の着工であります。引き続き建設される議会棟、警察棟とあわせて本県のシンボルになると考えております。
 自由貿易地域の設置、基地内大学への就学、沖縄国際センターの開設、沖縄自動車道の全線開通、県立那覇病院の再スタートなども印象深いものがあります。
 また、県立芸術大学を創設し、本年度から新しく音楽部も開設されました。
 さらに、コンベンションセンターに劇場棟も完成いたしまして、これらは本県の文化振興に大きく寄与するものと考えております。
 さらに、私は2度にわたって訪米し、米軍基地の大幅な整理縮小について米国政府関係者に直接訴えてきましたが、昨今の米ソを軸とする東西間の緊張緩和など進展する国際情勢の中にあって、先般、一部米軍基地の整理縮小について日米両政府間で合意されました。今後とも基地の整理縮小について強く要請していく考えであります。
 以上、申し上げたこと等を初めとして、本県の自立的発展へ向けた基盤整備は確実に進んでおり、この12年間に本県の経済社会は着実に進展してきたというのが私の実感であります。
 次に、県政の今後の課題と展望についてお答えいたします。
 私は、県政を負託されたこの12年間に第1次振興開発計画を引き継ぐとともに、第2次振興開発計画を策定し平和で明るい活力ある県づくりに努めてまいりました。その結果、社会資本の整備を初め各面にわたる本土との格差は次第に縮小され、本県の経済社会は着実に進展してまいりました。
 しかしながら、今なお解決を図らなければならない課題も残されており、第2次振興開発計画の総仕上げに全力を傾注し県民生活の安定と福祉の向上を図ってまいりたいと思います。
 今、県政に求められている重要な課題は、沖縄振興開発特別措置法の延長とこれに基づく第3次沖縄振興開発計画の策定であります。
 この計画は、21世紀の本県の発展を約束する諸施策の大系をなすものであり、その基本方策としてまず1つには、米軍基地の大幅な整理縮小を促進し、その跡地の有効利用を図るとともに、戦後処理問題の解決を推進いたします。
 第2に、空港、港湾、道路及び通信網の整備拡充並びに水資源、エネルギーの開発など社会資本の整備を推進いたします。
 第3に、農林水産業の振興及び中小企業と地場産業の育成発展を図るとともに、国際的規模のリゾート開発を進め雇用の拡大を図ります。
 第4に、個性豊かで国際社会に通用する人材の育成並びに地域特性を生かした芸術、文化、スポーツを振興いたします。
 第5に、交通の安全と円滑化並びに物価及び土地対策を推進し、県民生活の安全と安定を確保いたします。
 第6に、潤いと活力のある長寿社会に向けて福祉と医療の充実を図るとともに、女性の地位向上と児童、母子対策を進めてまいります。
 第7に、快適な生活環境の整備とすぐれた自然環境の保全に務め、心豊かなふるさとづくりを推進いたします。
 第8に、生産基盤及び生活環境の総合的な整備を進め、魅力あふれる離島過疎地域の振興発展を図ります。
 第9に、我が国の南における国際交流の拠点づくりを進め、経済、文化、学術等の一層の交流と県勢の発展を図ります。
 このような政策目標の実現に向けまして、県民の英知と総力を挙げて取り組むとともに、日本一の沖縄をつくってまいりたいと思います。
 次に、平成3年度の概算要求について、目玉事業と新規事業についての御質問、さらに満額確保に向けての御質問がございましたが、お答えいたします。
 金城議員のおっしゃるとおり、平成3年度は第2次沖縄振興開発計画の最終年度に当たります。そのことから、継続事業の着実な推進に取り組むとともに、21世紀に向けた県土づくりの基本となる第3次沖縄振興開発計画の策定に向けて検討を進めなければならない重要な年であると考えております。
 このため、生活基盤としての社会資本の整備等を中心に各種の施策を積極的に推進する必要があることから、沖縄開発庁及び関係省庁に対し、本県の振興開発のための措置が講ぜられるよう要請してきたところであります。
 その結果、平成3年度の沖縄振興開発事業費の概算要求額は2338億1700万円で、厳しい概算要求基準の中で前年度を2.2%上回る要求となっております。
 概算要求の内容としては、今後の沖縄振興開発のあり方を検討するための沖縄振興開発総合調査費が引き続き要求されているとともに、多目的ダム等水資源の開発、交通渋滞解消のための道路網の整備、首里城公園等の継続プロジェクトが着実に推進されるよう要求されております。
 また、新規事業についても、観光客の増大などから狭隘化している那覇空港旅客ターミナル地区の移転整備を初め、潤いと魅力のある町づくりのための県庁前国際通りのシンボルロードの整備、昔の石づくりのイメージを醸す真玉橋の整備、自然の状態で木立や鳥を観察する自然生態観察公園の整備、人エビーチ等海浜整備を行う波の上地区海岸環境整備、離島過疎地域の児童生徒の交流促進を図る児童生徒交流施設の整備が要求されているほか、南大東空港の整備、県道浜比嘉屋慶名線の整備、那覇市医師会立看護専門学校の整備等県の要望した事業にきめ細かく配慮した要求となっております。
 今後は、12月の予算編成に向けて沖縄開発庁初め関係省庁との連携を密にし、概算要求額が満額確保できるよう最大限の努力を払っていく所存であります。
 次、慰霊の日の休日についてお答えいたします。
 国及び他の都道府県においては、既に土曜閉庁制度が実施されております。本県におきましても早急に実施する必要があると考えておりますが、慰霊の日の取り扱いの問題があり、現行法制度のもとにおいては土曜閉庁制度の導入が難しい状況にございます。
 しかしながら、県としては、国及び他の都道府県と同様に土曜閉庁制度を導入する必要があるため、先般、自治大臣に対しまして従来どおり慰霊の日を県職員の休日として存続できるよう法的な措置を要請したところであります。
 国は、現在、県からの要請の趣旨に沿って地方自治法の一部改正に向けまして検討をしていると聞いております。
 県としては、地方自治法の一部改正があり次第、早い時期に関係条例を提案していきたいと考えております。
 次に、一部の者の休日ではなく、県民全体の休日にする内容の条例制定が好ましいと考えるという御提言がございましたが、お答えいたします。
 今回の地方自治法の一部改正は、地方公務員の完全週休2日制に向けての土曜閉庁制度の導入を図るための法的措置であることは御案内のとおりであります。
 慰霊の日を全県民の休日にすることについては、その趣旨は十分御理解できるのでございますが、条例で定めることは実効性等困難な問題がございまして、御提言として承っておきたいと思います。
 次に、道路整備予算についてお答えいたします。
道路整備の方針について、また予算の獲得についてお答えいたします。
 道路は、県民生活を支える最も基本的な施設であるため、第2次沖縄振興開発計画において陸上交通体系の整備を重要な施策として取り組んできたところであります。
 そのようなことから、国の特段の配慮もあって整備率は全国水準に達しております。
 しかしながら、人口当たり、自動車保有台数当たりの道路の延長は全国平均の60%程度と低い状況にあり、今後とも引き続き積極的に道路整備を推進していく所存であります。
 道路整備の基本方針としては、第10次道路整備5カ年計画に基づき、1つ、高速化、広域化に対応した幹線ネットワークの整備として那覇空港自動車道、豊見城糸満バイパス、那覇具志頭線バイパス等がございます。
 2、都市地域の多様化するニ一ズにこたえる道づくりといたしまして那覇東バイパス、沖縄環状線、真玉橋のかけかえ等があります。
 3、離島の振興を図る道づくりとして池間大橋、浜比嘉大橋、与那国一周線等があります。
 4つ、緑豊かな潤いのある道づくりとして沖縄のみち自転車道、県庁前シンボルロード等の整備を推進していく考えであります。

 これらの道路整備を目標どおりに達成していくためには、道路予算の拡大を図ることが重要であり、県といたしましても国に対して積極的に要請してまいりたいと思います。
 次に、水行政についてお答えいたします。
 百年の大計として湾を仕切って淡水湖をつくるべきではないかという御提言に対しましてお答えいたします。
 本県においては、水資源開発を県政の重要施策の一つとして位置づけ、これまで多目的ダムを初め地下水等の開発のほか、水資源の有限性にかんがみまして水使用の合理化と有効利用を進めてきたところであります。
 本県の水資源開発は、御提言のとおり長期的視野に立った計画及び施策が必要であり、多角的な水資源開発を推進しなければならないと考えております。これまで都市用水の水源として利用するため、塩屋湾の淡水湖化計画調査の検討がなされたのでありますが、地域の環境保全の問題等から具体的な淡水化の計画はありません。現在、他の港湾においても同様な計画はございません。
 したがって、当面の水資源の開発は、多目的ダム等の建設を中心にいたしまして推進してまいりたいと考えております。
 次に、大那覇空港整備と新石垣空港建設についての御質問に対しましてお答えいたします。
 現在の那覇空港ターミナル施設は、国内線、県内線及び国際線の3カ所に分散立地いたしておりまして、特に国内線ターミナル施設は沖縄国際海洋博覧会時に建設された暫定施設であり、しかも近年の観光客の増大に伴う乗降客の増加によりまして狭隘化が一段と進んでおり、航空利用者に多大な支障を与えている現状であります。
 このようなことにかんがみまして、那覇空港が我が国の南における国際交流の拠点空港といたしまして空港機能を充実し、空港の持つ快適性、利便性を図るため、県におきましては去る8月に県内の各層から成る那覇空港ターミナル地域整備推進協議会を設置いたしまして、平成3年度から始まる第6次空港整備5カ年計画において那覇空港地域の整備がなされるよう要請し、国においてもその整備検討が行われ、概算要求がなされたところであります。
 那覇空港新ターミナルビルの整備については、第6次空港整備5カ年計画の期間内においてできるだけ早期に完成が図られるよう対処していきたいと考えております。
 なお、那覇空港の沖合展開については、今後の課題として取り組んでまいりたいと思います。
 新石垣空港建設について平成3年度予算の見通しと知事の決意についてただされましたが、お答えいたします。
 新石垣空港の建設は、八重山地域における航空路の安全確保と産業振興並びに住民の生活向上を図るためぜひとも推進しなければならない極めて重要な事業であると考えております。
 したがって、同事業を推進するためにはぜひとも平成3年度予算を確保する必要があり、沖縄開発庁及び運輸省に対しまして県としても強力に要請をしてきたところであり、8月末に同省庁から大蔵省に対して予算要求がなされているので今後は予算確保に努めるとともに、諸手続を早期に進めまして新石垣空港の早期建設に向けて鋭意努力してまいりたいと思います。
 土地対策についての御質問に対しましては、企画開発部長から答弁させることにいたします。
 県立武道館建設についての御提言が3点にわたってございましたが、お答えいたします。
 県立武道館は、復帰20周年記念事業として位置づけ建設することといたしております。
 平成2年6月に県立武道館建設推進委員会が教育委員会に設置され、武道館の内容、機能、規模、場所、建設スケジュール等の基本的事項について現在検討がなされているところであります。
 知事4選についての激励をいただきましたが、お答えいたします。
 我が県は、現在、第2次沖縄振興開発計画の総仕上げと第3次沖縄振興開発計画の策定、米軍基地の整理縮小問題、戦後処理問題、復帰20周年記念事業の推進など21世紀に向けた県政の進路を決定する重要な時期を迎えております。
 これら極めて重要な課題の解決に取り組むため、私は、この3期12年間にわたって県政運営の貴重な経験を踏まえまして、県政に対する評価や批判など県民の皆様の声に謙虚に耳を傾け熟慮いたしました結果、ここに引き続き4選出馬を決意いたしたのであります。
 よろしくお願いいたします。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) 土地問題につきましてまとめてお答えいたします。
 土地につきましては、現在及び将来における県民のための限られた貴重な資源であることから、その利用につきましては公共の福祉が優先されること、適正な利用及び計画に従った利用がなされるべきであること、投機的取引の対象とされてはならないこと及び価格の増加に伴う利益に応じた適正な負担が課されるべきだという4つの土地基本法の理念にのっとりまして適正、公平に取引されるべきものと考えております。
 特に、監視区域地域内における投機的な土地取引につきましては、本年3月の国土利用計画法の一部改正によりまして取引中止等の勧告を行うことができるようになっているところであります。
 昨今、金融緩和や金余り現象及びリゾート法の制定等を背景といたしまして、一部地域におきまして農用地の買い占め、地価の上昇などの問題が生じているところであります。
 これに対処するため、県におきましては緊急土地対策要綱を定めたところでありまして、特に不法な土地取引に対しましては市町村当局を初め、関係機関との連携強化をはかりまして関係法令に基づき必要な措置を講ずるなど厳正に対処してまいりたいと考えております。
 また、適正な地価の形成及び適正かつ合理的な土地利用を図るため不要不急の土地需要の抑制、監視区域の積極的な拡大、届け出対象面積の引き下げの検討など国土利用計画法の機動的運用に努め、土地対策をなお一層強力に展開する所存であります。
 なお、監視区域の設定につきましては、近々思い切って実施してまいりたいと考えております。
○議長(平良一男君) 教育長。
   〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) 先ほど知事から御答弁がありました基本的事項について現在検討がなされていると知事がお答えしましたが、その基本的事項についての中で、交通の利便性、あるいはまた利用効率等のかかわりの問題が慎重な審議の上で提言されると期待いたしております。
○議長(平良一男君) 崎原盛友君。
   〔崎原盛友君登壇〕
○崎原盛友君 引き続き自由民主党を代表いたしまして代表質問を行います。
 軍用地跡利用についてでございますが、本県の米軍基地面積は平成元年3月末現在、2万5026ヘクタールで県土面積の11%を占め、全国の米軍基地面積の25.9%、専用施設区域面積では74.6%を占め、本県の地域振興開発上大きな制約となっていることは御承知のとおりであります。
 このような状況にかんがみ、知事はこれまで日米両政府に対し機会あるごとに返還の要請活動を展開されてきたが、特に昭和60年及び昭和63年に訪米し米国政府に対して基地の整理縮小等の基地問題の解決を要請されたほか、平成元年9月に来県したクエール米副大統領及び平成2年2月に来県したチェイニー国防長官に対し同様の要請をされ、粉骨砕身努力された結果、去る6月19日に面積約1000ヘクタールの米軍施設区域の返還について日米合同委員会で合意が得られたことに対し高く評価し、敬意を表する次第であります。
 今後、米軍施設区域について、東西両陣営の対立の時代から協調の時代へと大きく転換しつつある国際情勢の中で、これまでにないような返還が予想されることから、その跡地の有効利用については緊急に取り組む必要があります。
 しかしながら、市町村の跡利用計画の策定はおくれている状況にあり、また本県の軍用地の所有形態が他県と異なって私有地の比率が高いことなどもあって、軍用地の跡利用については沖縄県軍用地等地主連合会から要請があるように返還方法を初めいわゆる損失補償等いろいろな問題があります。

 特に、軍用地の返還の通知は、現在、わずか1月前にしかなされておらず、跡利用についての十分な準備期間がないまま返還されていることや、返還後、土地区画整理事業や土地改良事業等の公共事業が行われる場合、実際に地主が利用できるようになるまでには10年間かかっているケースもあると聞いており、その間、地主は何ら使用収益が上げられず、結果的に不利益をこうむっている状況にあります。
 また、関係市町村においては、公共事業を実施するに当たっての財政負担の問題もあり、基地の跡利用の問題は、返還の方法から損失の補償の問題、市町村の財政負担の問題等広範囲にわたっております。
 そこで知事にお伺いいたします。
 軍用地の跡利用問題はその面積の大きさ、占める位置などからして沖縄の振興開発を図る上で大きな制約となっており、県政の重要課題だと考えるが、知事におかれては第3次振計を策定するに当たり、どのように位置づけ、取り組んでいくつもりであるか、決意のほどをお伺いいたします。
 第2番目に跡利用計画の策定でありますが、米軍用地の跡利用は県土の総合的かつ計画的利用を図る観点から行われるべきでありまして、計画のないままの跡利用は無秩序で虫食い状態のままの利活用しかされず、今日問題となっておりますような土地の買いあさり、投機の対象にしかなりません。
 そこで、返還跡地の有効利用を計画的かつ円滑に推進するためには、県として沖縄の振興開発を図るという大きな立場から、きちっとした跡利用の指針となるような計画を策定する必要があると考えますが、知事の御所見を伺いたい。
 第3に、返還跡地の有効利用がおくれている理由として、返還の通知が1月前にしかなされていないことや、細切れ返還等返還のあり方にも問題があると考えますが、知事は、現在の基地の返還のあり方についてどのように認識され、対応する考えであるか、御所見を伺いたい。
 第4に、事前の立入調査の問題であります。
 返還跡地が有効利用されるまでは、返還後、事業計画策定のための測量の調査などを実施し、事業認可後、工事が完了するまで長期間を要している状況にあります。このような事業期間を縮め有効利用の促進を図るためには、返還のめどがついたものについては事前に事業実施のための立入調査ができれば、相当の事業期間の短縮が可能となるのではないかと考えるものでありますが、知事は、この事前立入調査についてどのように考えていますか、御所見を伺いたい。
 第5に、いわゆる損失補償の問題であります。
 返還された後、土地区画整理事業等の公共事業が実施され利活用されるまで長期間を要し、この間、地主は使用収益を上げることができず不利益をこうむる結果になっている現状にあります。
 この問題は、地主の切実な要望になっておりますが、知事はこの問題についてどのように対応するつもりであるか、御所見を伺いたい。
 第6に、基地関係市町村の財政負担の問題であります。
 返還跡地については公共、福祉の優先という土地利用の基本理念を踏まえ、生活環境の整備や都市基盤の整備、産業振興等地域の振興に資するよう利活用されるべきであります。このためには、公共事業を積極的に導入し推進する必要がありますが、関係市町村の財政負担も大きいものがあります。知事は、関係市町村の財政負担の軽減にどのように取り組む考えであるか、御所見を伺います。
 第7番目に、米軍用地の約30%が国有地となっておりますが、返還された国有地の利活用を図ることは地域振興上極めて重要であります。現在、国有地については国有財産法、国有財産特別措置法、国有林野の活用に関する法律等のほか、沖縄県については特に沖振法で公共の用に供するものについては国有地の無償譲渡等ができるようになっておりますが、現在、沖振法施行令では小中学校用等に限定されております。
 今後、地域の振興を図るためには、もっとその範囲を拡大する必要があると思いますが、知事の御所見を伺いたい。
 次に、世界のウチナーンチュ大会の成果と今後の対応についてでございます。
 去る8月22日から26日までの間開催されました世界のウチナーンチュ大会に関して所感の一端を述べ、その成果と今後の対応についてお伺いいたします。
 このたびの世界のウチナーンチュ大会については、マスコミの報道によれば大成功であったということは御承知のとおりであります。私自身大会に参加し、海外、県外、そして県内各階層の人々から、西銘県政は、本当にすばらしいことをやってくれたというような話をたびたび聞かされております。特に外務省など政府関係者からは、日本一の移民県である沖縄ならではの一大イベントであるとか、このような大会は、他県ではとてもできないというようなお褒めの言葉もあったやに聞いております。これも、5年にわたって構想を練り上げた西銘知事の行政手腕のたまものであると深く敬意を表するものであります。
 本県の海外移住100年の歴史上、世界各地に移住したウチナーンチュとその子弟がふるさと沖縄に参集し多くの分野で交流を深めたことは、全く初めてのことであり、この大会は、名実ともに世紀のイベントであったと感慨無量なるものがあります。
 振り返ってみると、本県は戦前戦後を通じて我が国有数の移民県であり、海外同胞のつながりにはとても深いものがあります。戦前の疲弊した県経済を支え、戦後、沖縄の復興に物心両面にわたって支援してくださったのが海外のウチナーンチュであります。
 その中には、必ずしも豊かではなかった生活を切り詰めて、郷里のために送金を続けた方々も大勢いたということを聞くにつれ、深い感謝の念を抱かずにはおれません。そして今後とも、海外の同胞たちと手を取り合い、助け合って相互の発展を図ることが必要であると確信するものであります。
 そのためにも、ここでいま一度本県の国際交流と世界のウチナーンチュ大会についてきちんと整理して将来のことを展望することが不可欠であります。
 そのような観点から、世界のウチナーンチュ大会の成果と今後の対応について質問いたします。
 第1に、4日間にわたって開催された世界のウチナーンチュ大会は成功裏に終わったと認識しているが、主催者としてはどのように評価するか。
 第2に、同大会は盛りだくさんのイベントがあったが、特記すべきものとしては何があるか。
 第3に、同大会は一過性のものでなく、これから継続すべきと考えるが、どのような形で継続開催するか。
 第4番目に、本県の国際交流施策における同大会の位置づけについてはどのように考えているか。
 5、今大会の反省点についてはどのように考えているか。
 次に、社会福祉についてでございます。
 本県の社会福祉も、本土復帰後急速な社会構造が変化する中、沖縄振興開発計画に基づき福祉ニ一ズに応じた各種社会福祉施設等の整備を初め在宅福祉対策等の充実強化、さらに長寿県沖縄にふさわしい高齢者の生きがいと健康づくり推進事業等の諸事業が総合的に推進されてまいりました。これは県、市町村による福祉行政を初め、民間団体等による福祉事業の強力な推進によるものと高く評価するものであります。
 また、老後の所得保障の一つである厚生年金問題についても、国の特段の配慮によりそれなりの前進を見ることができました。
 しかしながら、本格化する高齢化社会を迎え、住民に密着した積極的な福祉対策が要請されており、これからの福祉対策はどうあるべきか大きな課題として取り組まなければなりません。
 そこで、最近の社会福祉にかかわる次の問題について伺います。
 まず、重度心身障害者医療費助成制度についてでございます。
 身体障害者福祉については、昭和56年の国際障害者年を契機として、沖縄県では昭和58年3月に沖縄県障害者対策長期行動計画、完全参加と平等を実現するための指針が策定され、関係者の長年の努力により障害者の自立と社会参加に関する基本的な施策が展開されてまいりましたが、障害を持つ人々が、持たない人々とともに地域住民としてあらゆる分野に参加していくには、残された課題も少なくない現状にあると言えます。

 特に、障害者となった者が、障害を克服し、自立生活を営むことを障害者の自助努力にゆだねることには限界があり、社会全体の問題として障害者の生活を保障していく必要があります。その障害者の生活保障には福祉、医療、雇用、教育等関係各機関の施策の総合的な取り組みが必要でありますが、沖縄県の場合はそれがまだ不十分であると考えます。
 身体に障害を持つ者は、一般的に病気にかかりやすく、種々の合併症やそのための治療のために医療の必要性が高くなります。その中には腎不全のため人工透析を受けなければ確実に生命の維持が困難となる例もあります。
 今日の身体障害者を取り巻く社会経済情勢は厳しく、とりわけ日常生活の安定と向上に直接かかわりの深い所得の状況には真に厳しいものがあり、医療費の負担が本人はもとより、家庭においても経済的な重荷になっていることを見逃すことはできません。
 ところで、去る6月定例会で医療費助成について、年度内実施に向けて検討したいと我が党の伊良皆議員に対し答弁しているが、その後の県の取り組み状況はどうなっているか、次の事項について質問いたします。
 第1に、当制度はいつから実施できるか。 第2番目に、全市町村が実施すると必要額はどの程度になるか、お伺いいたします。
 次に、沖縄の厚生年金の格差是正についてでございます。
 現行の厚生年金保険法においては、沖縄の加入者について支給資格期間及び第4種被保険者となるための加入期間の短縮並びに年金額について定額部分のかさ上げ等の特別措置が講じられているところである。
 しかしながら、沖縄の厚生年金制度は、昭和45年1月に発足するまでに、戦後20数年の空白期間が生じたことにより加入期間が本土の受給者より短い者が多く、前述の特別措置を講じてもなお老齢年金の受給額が本土の受給者に比べて低いものが多い状況にある。
 そこで、この厚生年金の格差是正問題は、かねてから県民の強い要望であったが、先般、政府の特段の御配慮により、本土復帰時に老齢年金の受給資格期間の特例の対象となっていた者について、被保険者期間が15年となるまでの期間分の保険料を特例的に納付することによって、本土の中高齢者並みの年金額を保障する措置が講じられたところである。
 しかしながら、この特別措置後においても、被保険者資格の取得時期の本土法発足の昭和29年まで遡及すべしとの強い要望が各方面から寄せられているところであり、私としても全国一の長寿県である県民の老後生活の安定確保を図る観点からさらなる是正措置が必要であると考える。
 そこで、次のことについて知事の御所見を伺いたい。
 これまで、県はどのように対応してきたか。
 2番目に、遡及適用しなければ格差は解消しないと思うが、今後、この問題をどのように進めるつもりか。
 本県について厚生省は、厚生年金保険制度発足時にも、その後の適用拡大の際にも遡及適用等の特別措置を講じたことがないことを理由にさらなる格差是正は極めて困難であると言っているが、県民の強い要望にこたえるべく知事は前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 次に、全国植樹祭についてお伺いいたします。
 本県の森林は、戦災等による影響及び戦中戦後における復興資材等の供出による過度の伐採によって森林の持つ多面的機能は著しく阻害され、森林資源の荒廃を余儀なくされたものであります。
 申し上げるまでもなく、森林の持つ機能を大別しますと、林産材としての人間が活用する経済的な面と、森林そのものの存在によって水源の涵養、水害等の防止、土壌の保全等公益的な面があります。さらに森林は、観光や保健休養のための資源として国民の心身の保健に役立つ極めて重要な資源であります。
 このようなことから、森林資源は絶えず拡大の方向に向かうよう、そして森林の諸機能が十分に発揮できるよう社会的、国家的に計画されなければならないと考えるものであります。
 幸いにして、戦後あるいは復帰後において、国や県の指導と林業関係者の御努力によって拡大造林の推進、保安林の整備、水資源の涵養等森林の持つ公益機能を重視した森林施業が実施され、森林の機能も回復しつつあることは、まことに御同慶にたえません。引き続き県当局並びに林業関係者の御努力をお願いする次第であります。
 さて、国土緑化運動の中心的な行事である全国植樹祭は、天皇・皇后両陛下によるお手植えの御垂範を初め、全国各階層の代表者の記念植樹によって国民の森林に対する愛情を培うとともに、国土の保全、森林資源の確保、環境緑化の推進等に寄与する目的で毎年各都道府県で開催されています。そして去る8月30日の社団法人国土緑化推進機構理事会において、平成5年第44回全国植樹祭が本県で開催されることが正式に決定されたと聞いております。
 平成5年の開催までわずかあと2年7カ月であり、今後、開催に必要な施設等の整備、式典企画、基本計画の策定等早急に準備を進め万全を期さなければならないと考えます。
 ところで、最近の新聞を見ますと、植樹祭に関する記事が毎日のように報道されていますが、その大半は、会場造成に伴う森林の伐採について本末転倒であるとかいろいろ批判的な内容となっています。
 しかし私は、森林の伐採だけが余りにも強調されて、森林の資源の確保だとか、植樹祭終了後の跡利用計画だとか、全国植樹祭を契機にして今後どのような姿になっていくのか、そういう説明がなされていないのは余りにも片手落ちだと思います。
 森林は、自然のまま放置しておいていいというものではなく、やはりその中に人々が手を加えることによってよりいいものを育て、保存することに値打ちがあるのではないでしょか。
 全国植樹祭には、県内外から1万5000人程度の人々が参加して記念植樹を行うと聞いています。これだけ多くの人々を輸送、誘導するためには安全性の確保が重要であり、そのためにも必要最小限度の広場、空間は必要であると思います。
 本県での第44回全国植樹祭は、全県民の御理解と御協力によってぜひとも成功させなければなりません。
 そこで、次の点について所見を伺います。
 第1に、全国植樹祭を本県で開催する意義について御説明願います。
 第2に、県は、会場候補地として名護市の北明治山に決定したが、その経過等について御説明を願います。
 第3番目に、軍用地の返還に式典会場を計画しているようでありますが、軍用地を返還させて全国植樹祭を行うことは極めて画期的な計画であると思いますが、軍用地返還のめどについて御説明願います。
 第4点目に、式典会場、駐車場等の造成予定面積について御説明願います。
 森林伐採についての御所見と植樹祭終了後の跡利用計画等について御説明願いたいと思います。
 次に、新石垣空港建設についてでございます。
 21世紀を目前に控えて八重山圏域の振興開発には欠くことのできない新石垣空港の建設を、一日も早く推進する必要があるとの観点から質問をしたいと思います。
 さて、本県は、我が国でも唯一の離島県という地理的な特殊事情の中にあって、戦後の長期にわたっての他県との基盤整備の格差を是正する必要があるとの理由で、昭和47年以降、沖縄振興開発計画に基づき、この間、道路、港湾、河川、下水道、公園等の基盤整備事業が鋭意行われ、今や他県との格差が縮まるところまで整備水準が到達してきております。
 しかしながら、沖縄本島からさらに離島である八重山圏域においては、安全性が高くかつ所要時間の短縮が可能な航空輸送の確保に欠くことのできない輸送体系の整備は、僻地性を克服し、ひいては宿命的な離島苦から脱却するための最も有効な手段であり、地元石垣市においては早期整備が期待されております。
 幸いにも国や県におかれては、かかるこれまでの八重山郡民の歴史的離島苦で表現されてきたシマチャビからの解消を図るべく八重山地域の総合交通体系を策定し、その根幹となる航空網の整備の一環として石垣空港建設事業を主要プロジェクトと位置づけ、昭和55年度に事業費を計上し、幾多の困難の中、本日に至るまで鋭意事業を推進してきております。

 新石垣空港の建設については、多数の地元石垣市民を初め多くの県民が等しく認めている状況にあり、これまで同事業の隘路となっていたのは、白保のサンゴが全滅するから陸域に建設すべきであるとの環境団体等の声でありました。
 そのため、県は、旧予定地南側に生息するアオサンゴの保全を図るべく環境アセスメントを行い慎重な工法、工程の計画などの配慮を行うとともに、南側の500メートルについて削除し、滑走路2000メートル計画に変更するなどベストを尽くしてきて、その間の県の努力に対し高く評価しているものであります。
 しかし、この案についても、よりアオサンゴ群生域の保全を万全なものとするためには場所変更しかないとの西銘知事の英断で、平成元年4月26日にカラ岳東海上案に大幅な方針変更を行っております。
 カラ岳東側海上案についても、これまでの白保海上案以上に環境問題に配慮し、周辺海域に与える影響を極力与えないような工法、工程を策定するため環境地盤工学、海岸工学、海洋水理学等の専門家で構成する新石垣空港建設工法検討委員会の設置、さらには空港建設が周辺に与える影響を予測、評価するため建設省所管公有水面埋立及び干拓に係る環境影響評価技術指針に基づき環境調査予測、評価を行うなど開発と環境保全が両立できるよう県が真摯に取り組んできたことに敬意を表するものであります。
 このような状況の中で、昨年の4月26日の位置変更発表以降、県が旧予定地で計画していた空港に用いる埋め立て土砂の土取りに当たって、地権者と交わした適正な補償をする旨を記載した念書及び旧予定地におけるエプロン用地を所有していた地権者と空港につぶれる用地及び補償の契約に際し、山代、採取時期等について行政的に可能な範囲内で交わした確約書が原因でカラ岳の用地が高騰の原因であると指摘もされてきたが、これらの文書については、これまでの執行部の説明でも明らかなように新空港の建設を促進する立場から、土地売買契約の合意に到達するための条件整備のために交わした行政的にも許容される範囲の行政文書であったと確信します。
 ちなみに、これらの文書は旧予定地で交わした昭和56年と59年のものであり、カラ岳に位置変更したことにより、それで交わした土地の補償、上水道の施工等についても効力が生じないので、それらが原因で地価高騰するという論理は理解できるものではありません。
 さらに、去る6月議会において嘉陽議員は、県が位置変更発表した平成元年4月26日以前に買い付け証明なるものを発行し、業者に不当利得を与えたとあたかも知事と業者が癒着しているがごとく決めつけて、存在しない文書を存在するがごとく県民を欺いて知事を執拗に追及し、そのためこれらの一連の事実無根に基づく発言が原因で昨今、県内新聞、さらには中央紙や週刊誌、月刊誌等により報道され、多くの県民に誤解を与えたことは甚だ遺憾なことであり、許されるべきことではありません。
 確かに、今回の土地転がしで主役を演じた株式会社光建設の他県まで含む広範囲にわたる国土利用計画法違反による商行為については、社会に対する挑戦であり、許されるべきことではありません。
 我が党としても、今回の事件については、徹底解明をすることは当然なことと考えているが、現段階では司直の手でもってその解明がなされているときであり、いたずらに事実無根の買い付け証明、さらにはこれまで一連の行政文書が即知事と癒着と決めつけて西銘県政を揺さぶる行為については、我が党としては毅然たる態度で臨む考えである。
 そこで、この間の嘉陽議員の指摘等については、これまでの我が党の調査等による全くの事実無根に基づいた発言等であったことが証明されており、西銘知事におかれては、石垣市民が一日千秋の思いで一番機が飛び立つ日を待ち続けてきた新石垣空港の建設についての夢をかなえて上げるべく今後とも引き続き県政運営に励まれることを期待するものであります。
 そこで、これまでいろいろな問題について県民はもちろんのこと、国民に対して誤解を与えてきたことが見受けられるので、この場で次の点について明らかにしてほしいと思います。
 1、サンゴを守るために陸域に新空港を建設すべきであるとの反対派等の意見が依然としてあるが、県の見解はどうか。
 2番目に、依然として現空港を拡張すべきであ
るとの意見もあるが、その可能性はどうか。
 3、自然保護団体は、新空港建設により陸域から多量の土砂が流れ込みサンゴを全滅させると言っているが、建設に際してはどのような工法を採用しているのか。
 4番目に、県の発表以前に情報が業者に漏れていたという指摘もあるが、どうか。
 次に、都市モノレールについてでございます。
 近年、モータリゼーションの進展によるマイカーの増加は目をみはるものがあります。本県もその例に漏れず、平成2年3月末現在で自動車保有台数は58万台に達しており、過去5年間で11万台の伸びで増加してきているとのことであります。これも県民生活が豊かになったためと喜ばしい一面もありますが、必ずしも喜んでばかりいるわけにはいかない現象があらわれてきております。すなわち都市部における交通渋滞がそれであります。
 他府県と異なり、本県の都市交通は自動車交通のみに依存しており、都市部においては交通渋滞に巻き込まれますと早く抜け出られるよう神に祈るしかない状況になってしまいます。それでも現在はまだ早目に出れば間に合わせられるので何とかなりますが、このような事態で推移しますと、
いずれ通勤通学の時間帯を中心に中南部都市圏が交通地獄に陥るのも遠い将来のことではないような気がしてなりません。
 もちろん、国道、県道、市町村道及び区画整理事業等による街路の新設、改築の整備等により都市部の様相が一変するほど行政当局が努力しておられることは十分理解しておりますが、自動車交通の激増はそれ以上のもので、結局、後追い対策の域から抜け出ることはできないのではないかと懸念するものであります。
 このような状況に対応する都市交通対策は、既存のバス、タクシーに加えて道路の空間を有効利用する軌道系交通システムを導入し、県民が選択できる多様な交通体系をつくることが最も大切であると考えます。
 県当局が現在推進しておられるモノレールは、定時定速性を確保するものであり、まさにその役割を果たすものと理解しておりますが、県当局の御説明によりますと、採算性の問題等幾つかの課題を抱え難航しているとのことであります。
 本員は、本県の都市交通対策はモノレールを中心に再構築する以外にないと信ずるものであり、ぜひ課題を克服して実現していただきたいと願うものであります。
 そこで、モノレール対策はどのようになっているか実現に向けての決意のほどを伺いまして私の代表質問を終わります。
 ありがとうございました。
○議長(平良一男君) ただいまの崎原盛友君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後0時 9分休憩
   午後1時31分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 午前の崎原盛友君の質問に対する答弁を願います。
 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 崎原盛友議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 米軍基地の御質問について、第3次振計の位置づけ、跡地利用計画、返還方法、事前の立入調査、地主の損失補償、市町村の財政上の措置、国有財産の利活用、7点にわたっての御質問がございましたが、お答えいたします。
 返還軍用地の跡利用は、県政の重要課題であると認識いたしております。県としては、基地の整理縮小と返還跡地の計画的、総合的な有効利用を図ることは、今後の本県の経済社会の発展を図る上で大きな課題であり、第3次振興開発計画の策定に向けては本県の振興開発を図る上での重要な柱として位置づけ、強い決意でもって有効利用を図るための諸施策の推進に取り組んでいく所存であります。
 第2点目の跡地利用計画の策定については、県としても跡地の有効利用を計画的、円滑に推進する上で跡利用の基本方向を示すことは調和のとれた県土利用を図る観点から重要だと考えており、速やかに計画の策定に当たっていきたいと思います。

 第3点目の返還のあり方については、御指摘のとおり跡利用に向けての十分な準備期間が確保されるよう返還方法についての適切な措置が必要であると考えております。
 また、第4点目の事前の立入調査の問題、第5点目の損失補償の問題、第6点目の市町村の財政負担の軽減措置の問題及び第7点目の国有地の利活用の問題については、いずれも崎原議員からの詳細にわたる御指摘のとおり返還跡地の有効利用の促進を図るため適切な措置を講じなければならない問題であり、県としては、沖縄振興法の改正を含め必要な措置を政府に要請してまいりたいと思います。
 次に、世界のウチナーンチュ大会の成果と今後の対応についてただされましたが、主催者としてこれをどのように評価しているかということにつきましてお答えいたします。
 御承知のとおり、本県は四方を海に囲まれた海洋県であり、琉球王朝の昔より、海外に雄飛した壮大な歴史を有しており、現在、世界各国に在住するウチナーンチュは27万人に達しております。
 このたび、沖縄をかなめとしたウチナーンチュの国際的ネットワークづくりを目的として世界のウチナーンチュ大会を開催したところ、関係各位の御理解と御協力によりまして大きな成果をおさめることができまして、深く感謝しているところであります。
 海外からの参加者数が、当初予想の500人を大幅に上回って2000人余りに上ったこと、大会期間中の動員数が47万人を超えたこと、各市町村において多くの歓迎行事等が実施されたこと、マスコミ各社の積極的対応及び一般県民から物心両面にわたって絶大な支援が寄せられたことなどは御案内のとおりであります。そして全体として大きな盛り上がりを見せ、かつて舟楫をもって万国の津梁となしたウチナーンチュが、我が国の国際交流の歴史に大きな役割を果たす一翼になる行事であったと認識いたしております。
 特に、各イベントを通じて海外、県外、県内のウチナーンチュに対し、沖縄県人としての自信と誇りを与えることができたのは大きな成果であると考えております。
 また、教育、芸能、空手古武道、産業経済などの分野における国際交流を通じて関係者の大同団結を図るとともに、所期の目的である世界的なネットワークづくりを推進することができたものと思っております。
 次に、特記すべきものとしてどんなイベントがあるかという御指摘がございましたが、お答えいたします。
 御承知のとおり、世界のウチナーンチュ大会の行事は、8月22日の前夜祭パレードから8月26日の閉会式まで実に16を数えており、その一つ一つに意義深いものがあります。
 本県の海外移住100年の歴史において、世界各地からウチナーンチュとその子弟たちが沖縄に参集して相互の交流を深めたことは全く初めてのことであり、その意味でこの大会は画期的な世紀のイベントであったと思っております。そして、21世紀に向かってウチナーンチュの国際的なネットワークづくりの人的拠点として世界各国から100人のウチナーンチュ民間大使を認証したことは特筆すべきものと考えおります。
 同大会は、一過性のものでなく、継続開催すべきではないかという御提言に対しましてお答えいたします。
 世界のウチナーンチュ大会は、5年間にわたる構想のもとに実現したものであり、大会の趣旨からして今後もぜひ継続して開催したいと考えております。
 次回の大会の規模、イベントの内容、開催時期などについて県内外の各界各層の意見を拝聴しながら検討を進めていく所存であります。
 次に、国際交流施策におけるウチナーンチュ大会の位置づけについてただされましたが、お答えいたします。
 本県は、地理的条件と歴史的背景を生かした国際交流を推進しているところであり、世界のウチナーンチュ大会は、本県の特性を生かした国際交流の一大イベントであると考えております。その継続と拡充についてはこれからも鋭意努力を重ねていく所存であり、関係各位の御支援をお願いしたいと思っております。
 今大会の反省点についてただされましたが、お答えいたします。
 世界のウチナーンチュ大会は、大きな成果を上げたものと思いますが、何分にも初めてのイベントであったのできめ細かく対応できなかった部分もあったようであります。同時通訳、移住者同士の交流、民間大使の国際会議などについて多くの提言もあるので、次回に向けて検討を深め、より充実した世界のウチナーンチュ大会が実施できるようにしたいと考えております。
 次に、社会福祉行政についてお答えいたします。
 重度心身障害者に対する医療費補助の件についてただされましたが、お答えいたします。
 この制度は、いつから実施できるかということでございますが、お答えいたします。
 市長会、町村長会の場において、当制度の実施を促すとともに、実施主体となる市町村と協議をしているところであります。その協議の結果を踏まえまして、平成3年度から実施いたしたいと思っております。
 全市町村で実施するとその必要額は幾らかという御質問に対しましてお答えいたします。
 昭和63年度の那覇市と南風原町の助成状況から推計してみますと、約7800人と見込まれております。そのことから、その総必要額は約5億7000万円程度になると思われます。それを県と市町村が負担することになるわけであります。
 御参考までに申し上げますと、県分2億8500万円、市町村分2億8500万円、計5億7000万円となります。
 次は、厚生年金の格差是正についてお答えいたします。
 これまでの県の対応について申し上げますと、慰霊の日(6月23日)に海部内閣総理大臣に直接要請したのを初めといたしまして、格差是正についてその趣旨を機会あるごとに厚生省に伝え、さらなる改善を要望いたしております。
 遡及適用しなければ格差は解消しないと思うが、今後、この問題をどのように進めるつもりかとただされましたが、お答えいたします。
 年金制度上のさらなる改善策について厚生省と折衝いたしておりますが、国としては今回の措置は画期的な救済措置であり、現行制度上、遡及適用は不可能であるとしております。
 しかしながら、県としては関係方面の御意見を承りながら、さらなる是正実現に向けてこれからも引き続き幅広く検討を進める必要があります。そのことから本県の重点施策の一つに掲げ、関係機関と十分な調整を図りながら取り組んでまいりたいと思います。
 次に、全国植樹祭についてお答えいたします。
 まず、その意義についてお答えいたします。
 全国植樹祭は、植樹行事を通して森林資源の造成、国土の保全、水資源の涵養及び生活環境の緑化を図るとともに、森林の役割に対する国民の理解を深め、緑豊かな国土の建設を促進することを目的として行われる国民的行事であります。
 この植樹祭を本県で開催することについては、1つ、森林、林業及び環境緑化の重要性について県民の理解を深め、緑豊かな郷土づくりを促進する。
 2つ、復帰20周年記念事業の一環として位置づけ、本県の復帰以後の歩みとその成果を踏まえ、21世紀に向けた新たな飛躍への一大契機とする。
 3つ、本県の自然、文化、社会経済的な特性等広く国民に紹介し理解を深める絶好の機会とし、今後の観光、文化、産業の振興に貢献する。
 4つ、全国一巡の最終を本県で締めくくることによりまして、新たな国土緑化運動の出発点とする等の点で極めて意義深いものと考えております。
 名護市北明治山に決定されたその経過についてお答えいたします。
 全国植樹祭の会場地は、森林を造成し、将来にわたってこれを維持するにふさわしい地域で、位置、地形、育林環境、跡地利用にも支障のない場所であり、また宿泊施設、交通事情等も勘案して決定されるのであります。
 県は、会場候補地の選定に当たり、特に会場用地として適していると思われる5カ所について、沖縄県森林審議会の専門的立場からの検討を依頼し意見を求めたところであります。
 その結果、同審議会からの意見として名護市北明治山、恩納村県民の森、糸満市米須海岸の3候補地が挙げられ、その中で最も幅広く対応できるのは名護市の北明治山である旨報告されました。

 県としては、同審議会の意見を尊重するとともに、会場要件選定等に照らして慎重に検討した結果、名護市の北明治山が会場地として最も適している場所であると判断し決定したところであります。
 軍用地返還のめどについてお答えいたします。
 軍用地の返還については、県民がひとしく希望しているところであり、県としても機会あるごとに関係機関に要請してきたところであります。
 第44回全国植樹祭が本県で開催されるに当たり、一部軍用地の返還を行い、会場地として使用できるよう計画を進めております。当該軍用地の返還については、現在、那覇防衛施設局に申請手続中でありますが、十分理解が得られるものと考えております。
 式典会場、駐車場等の造成予定面積についてお答えいたします。
 県が計画を進めている式典会場等施設規模は、式典会場、サービス広場等を含めまして全体でおおむね3ヘクタールないし4ヘクタールであります。
 森林伐採についての所見と植樹祭終了後の跡地利用計画についてただされましたが、お答えいたします。
 森林伐採については、本県における森林、林業は、森林の有する県土保全、水資源の涵養等森林の公益的機能の整備を図るとともに、森林総合整備事業を初めとする造林事業を実施し、保育、間伐等森林施業を行い、より充実した森林資源の造成を図っているところであります。
 また、伐期に達した森林については伐採収穫を行い、県産材として広く県民の利用に供する等造林、保育、間伐、収穫は一連の森林施業として営まれているものであります。
 全国植樹祭の会場候補地の北明治山は、戦後、森林、林業の復興を図るため民間造林会社に貸し付けられ、リュウキュウマツ等の有用樹種の造林が行われ、森林資源の充実が図られてまいりました。
 しかしながら、軍用地になった箇所についてはそのまま放置され、イタジイを中心とした広葉樹が萌芽等により繁茂し、現在の天然広葉樹林となったものであります。
 全国植樹祭を開催するに当たり、軍用地の返還を行い森林整備を実施する必要があること、また植樹祭の式典会場等広場を造成する必要があり、最小限度の範囲で伐採収穫を行うものであります。
 また、式典会場等広場は、参加者全員による植樹が行われ、周辺森林と一体的に育成管理して森林資源の充実を図っていく考えであります。
 跡地の利用計画についてお答えいたします。
 第44回全国植樹祭は、復帰20周年記念事業の一環として森林、林業及び環境緑化の重要性について県民の理解を深め、緑豊かな郷土づくりを推進すること等をねらいとして行われる全国的行事であります。
 天皇・皇后両陛下のお手植えの樹木および参加者全員が植えた樹木等について、周辺森林と一体的にこれを育成管理いたしまして記念行事にふさわしい森づくりを図る必要があります。そのため生活環境保全林整備事業等を導入し、森林公園として広く県民が身近な自然との触れ合いの場としての森林づくりを図っていく考えであります。
 また、国が現在検討を進めている健康とゆとりの森整備事業についても積極的に導入し、林間空間の整備、自然観察ゾーンの整備など県民ニ一ズに必要な森林づくりを図っていく所存であります。
 次に、新石垣空港問題についてお答えいたします。
 サンゴを守るために陸域に新空港を建設すべきであるとの反対派の意見が依然としてあるが、これに対する県の見解はどうかとただされましたが、お答えいたします。
 新石垣空港の適地選定に関しては、これまで富崎野、現空港、宮良、白保陸上、白保海上の侯補地について空域、土地利用、航空機騒音、文化財等も考慮し比較検討を行った結果、現空港の拡張も含めて陸上での建設は、土地利用との競合や騒音問題等のため極めて困難との判断から、白保海上案が最も好ましい位置として計画されたものであります。
 その後、空港予定地より南側のアオサンゴ群生域の保全に万全を期すため位置変更を行う必要があり、航空法第2条による保護空域が白保海上案と同一空域にあるカラ岳東側海上に位置変更したものであります。したがって陸上での空港建設については、これまでの検討結果からも明らかなように離島の限られた土地では代替農地の確保も困難であり実現性がないと考えております。
 依然として現空港を拡張すべきであるとの意見があるが、その可能性についてはどうかと。お答えいたします。
 現空港は、滑走路1500メートルで整備されておりますが、中型ジェット機対応の空港としては滑走路2000メートル、幅員も300メートルが必要であり、現空港を拡張するためには延長方向のみでなく、幅員も倍以上になり、現空港用地の約2.5倍に相当する110ヘクタールの面積が必要となります。その場合、新たに必要な用地約64ヘクタールのうち、約29ヘクタールに及ぶ土地改良済みの農地がつぶれるほか、民家、工場等約90棟の移転が必要となります。また、騒音については学校、公営住宅、民家等約800戸が基準以上の影響を受けることになります。このようなことから現空港を拡張することは困難であると考えております。
 建設に際しての工法のことについて御質問がございましたが、この件につきましては土木建築部長から答弁させることにいたします。
 次に、県の発表以前に情報が業者に漏れていたという指摘もあるがどうかと。お答えいたします。
 新石垣空港建設予定地の変更を発表したのは平成元年4月26日でございますが、県としては、位置変更の情報が事前に漏れることによりもろもろの混乱を惹起することが懸念されたため、その検討を進めるに当たっては極めて慎重に対応してまいりました。したがって、県が建設位置の変更を発表した日以前に県から情報が漏れた事実はありません。
 次に、都市モノレールについての御質問に対しましてお答えいたします。
 都市モノレールにつきましては、モノレール株式会社の資金調達、収支の見込み、バス路線の再編等の課題がございまして、現在、その解決に鋭意取り組んでいるところであります。
 一方、関連道路の整備につきましては、昭和56年度に国庫補助事業として採択されて以来、平成元年度までに総額344億円の事業費を投入し、用地取得が75.2%、道路改良状況も68.7%に達しており、用地買収は平成3年度に、道路の新設改良も平成4年度には完成する予定となっております。
 このように関連道路整備事業は着実に進展しておりまして、また那覇市の都市計画もモノレール建設を前提に進められ、久茂地再開発事業、那覇新都心、小禄金城地区等の区画整理事業等関連事業として計画ないし実施されてきております。県都の秩序ある都市づくりの上からもモノレールの建設は推進しなければならない重要な施策であると考えております。したがって、県民の期待にこたえるべくモノレール実現に向け強力に取り組んでいく所存であります。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 高良尚光君登壇〕
○土木建築部長(高良尚光君) 新石垣空港の問題で、自然保護団体は新空港建設により陸地から多量の土砂が流れ込みサンゴを全滅させると言っておりますが、建設に際してどのような工法を採用しているかについてお答え申し上げます。
 新空港の建設に伴い周辺海域に生息するサンゴに極力影響を与えないためには濁りを出さないことが重要でございますが、そのために環境地盤工学等の専門家で構成された建設工法検討委員会の提言に基づき、1つには、護岸の施工に当たっては地盤の掘削を行わない工法とすること。2つ目には、捨て石マウンドに用いる石材は洗浄した後に使用すること。3つ目には、捨て石マウンドの背後に遮水シートを敷設すること。4つ目には、埋め立て工事は護岸で埋め立て区域を締め切り閉鎖区域にした後に着手すること。5つ目には、工事区域からの濁水は空港用地内の沈砂池に受けてから放流すること等、濁りを発生源で防止する工法を採用することにしております。
 したがいまして、このような工法を採用し慎重に工事を行えば、建設工事に伴う土砂の流出によって周辺海域に生息するサンゴが全滅するようなことは全くないと考えております。

○議長(平良一男君) 宮良 作君。
   〔宮良 作君 登壇〕
○宮良 作君 私は、日本共産党を代表して質問いたします。
 あと30日足らずで県知事選挙の告示を迎えます。
 これまでの西銘自民党県政の12年間の特徴の第1は、何よりもまずアメリカベったり、米軍基地擁護に徹してきたことだと考えております。
 訓練しない軍隊は役に立たない、米軍、自衛隊演習が10倍、100倍になるなら抗議もするが、そうでないのに大騒ぎするのはおかしい。恩納村の都市型戦闘訓練施設について再考をお願いしてはいるが、反対という文言を使っての申し入れはしていない。
 これらは、いずれも知事の安保及び基地に関する発言の趣旨のごく一部でありますが、ここにはあなたが、県土の11%も占める基地を守るためにいかにきゅうきゅうとしているかがよくあらわれていると考えます。そして安保、基地は諸悪の根源であると強く指摘する我が党の主張に反論しきれない。知事はしまいには、安保必要悪論を持ち出してきました。これなどは、あなたがアメリカと安保と基地を守るためにいかに理屈抜きでそれにしがみついているかというさまをよくあらわしていると私は思います。
 特徴の第2は、大企業の利益擁護であります。
 あなたは、県内企業に建てさせて曲がった建物が建ったら困るなどという趣旨のことを言って、県庁舎の建築を本土大手企業中心に発注したり、キビは安いとは思わないという意味のことを言って自民党政府の農民いじめの政治を支えてきました。
 我が県の失業率は、残念ながら日本一高く全国平均の約2倍、1人当たり所得は日本一低く全国平均の75.6%という中でのあなたのこの発言、論外であります。
 この際、強く要請しておきますが、第3次振計の基本は、あくまでも、例えば本島を縦断する鉄軌道がないなどの産業の構造的弱点を克服し、県民の暮らしと要求を実現することを中心に計画されるよう強く求めておきます。
 西銘県政特徴の第3は、反民主主義的な行為であると考えます。
 君が代、日の丸の押しつけ、知事室を閉ざして多くの県民に会わず、ついには天皇を元首呼ばわりした憲法違反の発言、まさに時代錯誤も甚だしいと言わざるを得ません。知事、あなたは一体どこを向いて政治を行っているのですかというのは、私が展開してきたとおりであります。
 西銘自民党保守県政の第4の特徴は、福祉、医療を後退させていることであります。
 国民健康保険税額は、負担能力を超え、県の生活保護打ち切りは全国平均の1.7倍という物すごさと冷たさであります。
 さて、西銘県政の次の特徴は県政の私物化であると私は考えます。
 知事、あなたは御子息を条例までつくって県庁に就職させ、県知事室で職員に自民党衆議院候補者の支持活動を指示したり、議員に対し腹切り発言を浴びせたり、知事、あなたは一体どこまで県政を壟断するのですか。
 以上述べてきた西銘知事の言動のごく一部を見ただけでも、この12年間の西銘自民党保守県政は、県民にとって最悪の時代であったと私は強く考え批判します。
 あなたは、日本一の沖縄をつくりたいと発言しましたが、実は選挙のときには、できないものもできるように言うのだというあなたの言葉がありました。そのことから類推しますと、まさにこの言葉はうつろに響きます。私たちは、県民は、必ず県民が名実ともに県政を取り戻す強い情熱と決意に燃えていることを披瀝して質問に移ります。
 まず、安保条約廃棄、基地撤去、非核沖縄県宣言についてであります。
 世界は今、平和の世論の高まりの中で軍備縮小、軍事同盟解消、民族自決の方向に大きな流れをつくっております。
 こういう中でも、県内の米軍、自衛隊基地は、むしろ機能が強化されてきているのです。都市型戦闘訓練施設の建設と訓練は強行され、104号県道越えの実弾砲撃演習はことしに入って7回、1973年以来102回の多きに至っております。
 イクラの無謀なクウェート併合、これに対し軍事力を発動し世界の憲兵として多国籍軍を組織するアメリカ、そのアメリカヘの戦争協力のために国連平和協力部隊の名目で憲法違反の自衛隊海外派遣をたくらむ自由民主党、県内米軍基地は中東に向かってかま首をもたげ、それを取材に飛んだヘリコプターが墜落、NHK記者たちが死亡しました。私は、これらの方たちの御冥福を心から祈るとともに、安保条約の危険性をこの事件でも強く感じております。
 質問の第1は、危険から県民を守るために安保条約の破棄を政府に求めるべきであります。あなたの見解を伺いたい。
 次に第2の質問です。我が党の副委員長上田耕一郎参議院議員は、独自の調査をもとに普天間の第1海兵航空団、第36海兵航空群、嘉手納基地第18戦闘支援群に核事故対処部隊があり、嘉手納には新たに水爆材料のトリチウムの探知機が設置されたことを突きとめました。これは核兵器の持ち込み疑惑を一層深めるものであります。核事故対処部隊とトリチウム探知機について立入調査を政府に求め県も行うべきであります。あなたの御見解を伺います。
 第3の質問は、非核沖縄県宣言についてであります。
 私は、昨年もこの問題で地方自治法第2条3項1号に基づく住民の安全にかかわる宣言、つまり非核沖縄県宣言を行うよう求めましたが、あなたは非核三原則の話ばかりで答弁をはぐらかしました。非核三原則は国レベルの問題であり、非核宣言は地方自治法に基づく県レベルの問題であり、両者は矛盾せず、かえって有効的であります。なぜ地方自治法に基づく安全宣言である非核沖縄県宣言を行えないのか、ここに焦点を当てて答弁してください。
 第4の質問は、地主の利益を守ることをも含む軍用地転用特別措置法の制定を国に求めるべきですが、知事の考えを伺いたい。
 第5は、米軍基地の撤去を国に求めるべきです。
 特に安保協議委員会で返還合意され、あるいは県軍転協が返還を要求している基地を無条件即時全面返還を求めるべきですが、知事の見解を伺いたい。
 また、自衛隊基地の那覇空港からの撤去を求め、空の安全を確保することは知事の任務であります。これについても御答弁をお願いいたします。
 次は、いわゆる腹切り発言についてであります。
 嘉陽議員の質問に一たん答弁し終わった知事は、議長に休憩を求めわざわざ再登壇して、あなた腹切るかと脅迫まがいの言動を、議長の制止も聞かず続けました。
 私はその後、この問題を重視し、知事の計画的発言は、我が国の国民がさまざまな反動政力と戦いながら積み上げてきた民主主義全般と議会制民主主義、そして、議会内での議論のあり方についての現在の到達点を一挙に崩す性格を持つ暴挙であり絶対許すことができないと理を尽くして指摘してきました。たとえ短時間であっても許されない性格の問題だからであります。
 これに対し知事は、売り言葉に買い言葉で済まなかったと、わびととれる発言をしたのでありますが、続いて、こういうことを時と場合によっては今後ともやると議会に対しまた挑戦してきております。
 これらの知事の言動が民主主義破壊の旗振り役になっている危険性について、知事、気づかなければなりません。
 現にあなたの一連の言動に鼓舞されたのでありましょうか、自民党保守派はその後、嘉陽議員への懲罰を多数の力でごり押ししてきました。いかに懲罰を強行しても、新石垣空港予定地をめぐる土地転がしと地価高騰の疑惑と事実はふたすることができません。
 また、本議会で先日、自民党席から休憩中ではありましたけれども、自民党の悪政という言葉は懲罰の対象になり得ると考えるというような趣旨の驚くべき発言まで飛び出す始末であります。
 あなたの腹切り、脅迫まがいの発言は、このように知事と自民党を批判させない政治的雰囲気をあおっているということに気をつけてください。したがって現在の県政の最高責任者として今後もやるとの発言はきちんと取り消すべきでありますが、どうしますか、お答えください。
 次に、一連の関係土地がいわば転がされた事実、これは登記簿等を見ても明白であります。そういう操作の中でこの土地の地価が短期間に71億円にはね上がっているのに、県はこの地価上昇は適正な範囲だとなぜ認めたのか。一般住民にわかるように説明してほしいとの私の質問に、関係法令で適切に判断し、著しく適正を欠いていないからそうしたとの答弁でしたが、これは官僚用語を並べただけで答弁にはなっておりません。

 1、関係法令とは何か。
 2、適正とは何%の範囲なのか。
 3、価格が100億円に上昇しても適正な範囲との判断なのか、具体的に説明願いたい。
 また知事は以前、カラ岳への変更は私が決めたものではございません。上の方から、日本政府の方からカラ岳に移せと提言されたと強調しています。この問題をめぐって東京地検等、多くの県民が強い関心を持っていますので、次の質問にお答えください。
 1、上の方からとはどこの、だれですか。
 2、変更の提言はいつあったのですか、日時を明らかにしてください。
 3、この提言に知事はどう対応したのですか、お答えください。
 消費税の廃止について質問いたします。
 公共料金への転嫁により県民の負担は重くなり、特に低所得者、無収入の方々の負担は厳しく、廃止を訴える声は月日を経るごとにますます切実であります。
 質問1、あなたは今でも消費税は公平で立派な税制だと言ってはばかりませんか。
 2、県の消費税の公共料金への転嫁を全廃されたい。答弁を求めます。
 次は、リゾート問題であります。
 私は、過去の議会でたびたび大企業によるリゾート乱開発について規制条例をつくれと警鐘を鳴らし続け、県民と地域住民の意見を積み上げた民主的沖縄タイプのリゾート計画を要求し続けてきました。実際のところ大企業や金余り企業による土地買い占めは野放しに近いし、リゾート法適用地以外の県土でも異常な土地買い占めが起きているからです。今重要なことは、企業先行、県政後追い、この実態を正しく正すことが重要であります。
 質問1、リゾート乱開発を防ぐために総量、自然と基幹産業と地域生活環境の保護、農薬、水、地域とのコンセンサス、その他についての効果的な方法としての規制に役立つ条例または規則などを策定すべきであると考えますが、取り組み状況をお聞かせ願いたい。また、ゴルフ場立地についても同様お答えください。
 2、水源地上部やその近くのゴルフ場計画についての実態把握は行われていますか、御答弁ください。また既存のゴルフ場付近の地下水検査を行っていますか、これにもお答えください。
 3、リゾート法施行前3カ年と後3カ年の比較でホテル、旅館、リゾート施設などの水の使用量の変化を示されたい。
 4、新しい立地にばかり目をとらわれず、既存の230件、約3万室のシティーホテル、観光リゾートホテルや旅館の個々の実態を調査し、特に県民が経営するホテル、旅館の経営発展を図るための施策を打ち出すべきだと考えますが、どうですか。
 5、全県の主要な海浜に市町村と協力して県営の駐車場、シャワー、トイレやごみかごの備えつけを行うべきです。どう考えますか。また地域や部落で行う場合はこれに助成すべきだと思いますが、これについてもお答え願いたい。
 6、平久保牧場をリゾート用地として売買している問題について、農地法、国土利用計画法などの違反に対するその後の厳正な対処はどうなっておりますか、農業と牧場を守る立場からお答え願います。
 自然保護について質問いたします。
 1、大保川河口のマングローブの伐採についてであります。
 マングローブは、ミナミクロダイや貝、力ニ、その他稚魚の生息地であるとともに、上流からの赤土など濁水の海への直接流出を緩和し、波による海岸線へのさまざまな影響を防ぎ、自然の清濁の一つのバロメーターでもあります。
 ところで、大保川河口のマングローブの群生は、本島西海岸最大の自生林でありますが、河川改修のため県によって伐採されました。一方では国際マングローブ生態系協会、つまりISMEの事務局県内設置を歓迎し外国の方々も含めてマングローブの植林をしながら、片方の手ではそれを伐採する、こういうあなたの県政下での行為は絶対に許されるものではありません。
 マングローブを伐採せずに護岸工事を行う方法はあります。私は、研究者などにも聞いて回りましたが、それはあると皆さん、答弁していらっしゃいます。
 1、県民の前に釈明と反省を示し植林するべきですが、どうですか、知事御自身の直接の答弁を求めます。
 2、天然記念物指定林でなくとも学術価値は貴重だと考えますが、専門的にはどういう判断でしょうか、お答えください。
 3、今後、再発させないために関係部課間の連絡調整網を確立するべきです。どう対処しますか、お答えください。
 北明治山における森林伐採と植樹祭について。
 県計画の植樹祭には2つの問題が含まれております。1つは天皇の政治的利用、もう1つは自然破壊であります。
 今、自民党政府は、憲法に違反して天皇の政治的利用を強め、即位の礼・大嘗祭を行おうとしています。事もあろうに日本の天皇が起こした国内唯一の地上戦の犠牲の地沖縄に天皇を招いて植樹祭を行うこと自体、我々は絶対に賛成できませんが、そのために自然が破壊され、生物のすみかが奪われることにも強く反対いたします。
 1、大嘗祭に庭積みの代物を贈るそうですが、そのいきさつ、県はどう関与したのかについて御答弁ください。
 2、この伐採地にも生息すると見られる生物名を挙げてください。中でも国と県指定の天然記念物の名を挙げてください。
 サンゴや海洋生物の保護研究所設置について質問いたします。
 赤土の流出などでサンゴが死滅し危機にさらされ、ほかの生物や海産物への影響が出ています。
 1、サンゴの保護増殖、亜熱帯海洋生物の保護、生態などについての県立研究所の設置は必要だと考えますが、御見解を伺いたい。
 2、海への赤土流出を防止し、海底沈澱の赤土を除去する方法について技術研究所を含む研究機関を設置すべきと考えますが、この点についても見解を聞かせてください。
 戦争マラリアについて質問いたします。
 1、調査の現状と結果について説明を求めます。
 2、特に受け皿問題など政府との折衝経過、現到達点を説明してください。
 3、政府に対し、公文書をもって補償問題や受け皿問題について申し入れてありますか。もしまだであれば早急に実施すべきだと考えます。対処方を答弁してください。
 博物館の新設について。
 1、新改築を求めます。
 2、もし現在地が手狭ということであれば、跡利用は首里城、中城御殿とのかかわりでも歴史的遣産の保存で、県民、観光客の沖縄に対する知識を広げ得る空間として使用するべきだと考えますが、どうですか、お答えください。
 以上、2点について答弁を求めます。
 なお、答弁については、要点記録をする必要がありますのでゆっくりしてください。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 宮良作議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 御質問が矢継ぎ早で答弁漏れがあるかもしれませんが、その点はお許しをいただいて後から部長なり私から答弁いたしますから、余り鉄砲の弾みたいに次々やられるものですから、何を聞いているのかさっばりわかりませんし……。
 安保条約、基地問題についてお答えいたします。
 安保条約を廃棄しなさいという御提言に対しましてお答えいたします。
 我が国が今日の平和と繁栄を実現することができたのは、日米安保条約を基調とする日米友好協力関係が存在したからであると理解いたしております。
 安保条約は、防衛面のみならず政治、経済のあらゆる分野における両国の発展の基礎になっており、今後とも維持していくべきであると認識いたしております。
 次は、核事故対策部隊とそのトリチウム探知器について、県は政府にその調査を求め県もやるべきではないかという御提言に対しましてお答えいたします。
 御指摘の部隊や機器があるとしても核の存在を意味するものでありません。立入調査を政府に求めることや、また県が行うことも考えておりません。
 次に、非核沖縄県宣言について御提言がございましたが、お答えいたします。
 これまでもたびたび答弁しているとおりであります。我が国は、非核三原則を国是としており、国において厳正に堅持されているものと理解いたしております。したがって、県は非核宣言を行う考えはありません。

 次に、軍用地転用特別措置法の制定を国に求めるべきであるとの御提言がございましたが、お答えいたします。
 県は、返還跡地の有効利用が促進されるよう制度の改正に向けて国に対し要請をしていく考えであります。
 次に、米軍基地の撤去を求めるべきではないかと。特に安保協で合意された施設区域及び軍転協が要求している施設区域については無条件即時全面返還を求めるべきであるという御提言、さらに加えて自衛隊基地の那覇空港からの撤去を求められましたが、お答えいたします。
 米軍基地の整理縮小は、県政の重要な課題であり、これまで日米両政府に対しその促進を要請してきたところであります。
 県としては、日米安保協で返還が合意されました施設区域及び軍転協が返還を要求している施設区域の早期返還を引き続き求めていく所存であります。
 自衛隊基地について、その撤去を求める考えはありません。
 次に、知事の腹切り発言との関連で、こういうことは今後もやるとの発言がございましたが、きちっと撤回あるいは打ち消すべきであるという御提言に対しましてお答えいたします。
 私の発言云々については、前議会でも答弁いたしましたようにできるだけやらないようにしたいと思っております。
 次に、石垣空港用地の位置の変更、土地転がしについてのことで日本政府から、上の方から押しつけられたと言っているが、それは具体的にはだれを指すのかという御質問がございましたが、お答えいたします。
 白保海上において新石垣空港を建設することについて国としては極めて厳しい状況にあるということと、位置変更についての示唆は沖縄開発庁を通じて聞いたのでありますが、今ここで具体的に名前を明らかにすることは差し控えたいと思います。
 次に、この変更を具体的に提言されたのはいつかということでございますが、平成元年2月の末であります。
 その提言について知事はどのように対処されたかという御質問がございましたが、お答えいたします。
 新石垣空港を白保海上に建設することについては、国としてはアオサンゴ群生の環境保全を万全なものにするため極めて厳しい状況にあり、建設位置を変更すること、変更位置については白保海岸からできるだけ離れた位置にすること、カラ岳東側付近の海上であれば空域としての技術上の問題はないこと等の示唆を沖縄開発庁を通じて受けております。
 このような国からの示唆を受け、県としては環境保全と地域開発を両立させ早期建設を図るため、やむを得ずカラ岳東側海上に建設位置の変更を決断いたしたのであります。
 次に、土地転がし問題について価格審査の根拠となる関係法令とは何か。適正とは何%の範囲を言うのか具体的に説明願いたいと。これについての答弁は、企画開発部長から答弁させることにいたします。
 次、消費税についてお答えいたします。
 今でも公平で立派な税制と言ってはばからないのかと。県の消費税の公共料金への転嫁を廃止すべきでないかという御提言に対しましてお答えいたします。
 消費税は、高齢化社会への対応、個別間接税の問題点等の観点から創設されたものでありまして、今でも正しい選択であったと理解をいたしております。
 しかし、消費税に対しては国民からの廃止や見直しの要望があることは承知いたしております。
 さきの国会では、消費税廃止関連4法案が否決され、また見直し法案が審議未了によって廃案となり、その結果、衆参両院の各党で構成する税制問題等に関する両院合同協議会が設置されておりまして、同協議会における審議動向を見守っていきたいと思います。
 次に、消費税の公共料金への転嫁につきましては、消費税法が施行されている現段階では、これに基づいて行った消費税の転嫁措置をやめる考えはございません。
 次に、リゾート問題についてお答えいたします。
 リゾート問題につきましては企画開発部長並びにゴルフ場付近の地下水の水質検査等についての御質問がございましたが、この件につきましては環境保健部長、その他のリゾート施設などの水の使用量の変化等についての御質問に対しましては、それぞれ企画開発部長から答弁させることにいたします。
 自然保護問題について、大保川のマングローブの保護について御質問がございましたが、この件につきましては土木建築部長から答弁させることにいたします。
 大保川のマングローブは、学術的に価値があるのかどうかという御質問がございましたが、これにつきましては教育長から答弁があると思います。
 それから、自然保護問題との関連で北明治山に国、県指定の天然記念物はどんなものがあるかという御質問がございましたが、これにつきましても教育長から答弁があろうかと思います。
 次に、サンゴの保護増殖についてのいわゆる研究所の設置の提言がございましたが、これにつきましては環境保健部長から答弁させることにいたします。
 赤土問題についても技術研究所を含む研究機関の設置が必要ではないかという御提言がございましたが、これにつきましても環境保健部長から答弁させることにいたします。
 戦争マラリア問題についてお答えいたします。
 調査の現状と結果についてであります。
 戦時中、八重山地域に居住しておりました住民でマラリアが原因で死亡したと推定される者は、那覇地方法務局石垣支局の死亡届からの調査結果では約3400人となっております。
 マラリア犠牲者の遺族629人からの調査結果では、マラリアによる死亡者数は1611人となっております。
 戦時中、八重山地域に居住していた一般住民64人からの調査結果では、疎開命令があったと答えたのは49人、約76%であります。
 戦時中、八重山地域に駐留していた旧日本軍人17人からの調査結果では、疎開命令があったと思う、またはそれに近い回答になっていたのが8人となっております。
 旧官公庁職員の手記等50件を調べたところ、疎開が軍命であったと、軍命と記述されているのは31件となっております。
 次に、受け皿問題と政府との折衝経過についてお答えいたします。
 マラリア問題に対処する現行の制度がないことから、所管省庁はいまだ決定していないと聞いておりますが、平成元年度に調査した八重山地域の戦時中のマラリア犠牲者に関する実態調査結果の概要については、厚生省並びに沖縄開発庁に説明をしてきているところであります。
 次に、戦争マラリア犠牲者の家族への国家補償と政府受け皿について文書をもって政府に申し入れるべきではないかという御提言がございましたが、お答えいたします。
 本件についてはこれまで関係省庁へ調査結果等の説明をしてきたところでありますが、取り扱い省庁の受け皿について、県としては口頭要請の中でその推移を見守ってまいりたいと思います。
 次、県立博物館の新改築についての御提言がございましたが、お答えいたします。
 現在の建物は老巧化しており、敷地も狭隘であります。
 そこで、県立博物館をどうするかを考えるための建設検討委員会をこの7月に発足させ、検討を進めているところであります。場所等についても検討する予定であります。
 審議の結果、新築移転の結論が出た場合には、その跡利用についてもあわせてその検討委員会に審議していただく所存であります。
 以上であります。
○宮良 作君 議長、休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後2時37分休憩
   午後2時37分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 企画開発部長。
   〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) 新石垣空港用地との関連の土地問題についてお答えいたします。
 国土利用計画法における届け出に係る価格審査は、届け出に係る予定対価の額が近傍類地の取引価格等を考慮して国土利用計画法施行令、国土利用計画法施行規則及び国土利用計画法の施行についての通達等で定めるところにより算出した土地に関する権利の相当な価額に照らし、著しく適正を欠くか否かについて行い、著しく適正を欠くと認められない場合においては不勧告とするものであります。

 また、適正を欠かない範囲につきましては、地域における実情に即して判定されるものでありますが、公表につきましては同法の適正な運用に支障があるので答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、一定の金額について適正かどうかということにつきましては、国土利用計画法に基づいて届け出のあったものについて私どもは判断するものでありますので、御理解をいただきたいと思います。
 それからリゾート問題に関しまして、企画開発部関係のゴルフ場の乱開発の問題でございますが、県土保全条例に基づくゴルフ場の開発許可に当たっては、ゴルフ場の面積が大規模であり環境に与える影響が大きいことから、安全で良好な地域環境の確保のために安全措置に関する技術基準に基づいて慎重に審査するとともに、さらに運用方針を設け、土砂流出等の災害防止と環境保全に万全を期しているところであります。
 なお、本県におけるゴルフ場の総量規制につきましては、ゴルフ場の需要の動向、地域環境等を十分考慮した総合的な調査を実施した上で慎重に対処したいと考えております。
○議長(平良一男君) 振興開発室長。
   〔振興開発室長 新垣徳夫君登壇〕
○振興開発室長(新垣徳夫君) リゾート問題について7点ばかり御質問がございましたが、そのうち3点についてお答え申し上げます。
 まず第1点目でございますが、リゾートによる乱開発を防ぐために例えば総量、自然と基幹産業と地域生活環境の保護、農薬、水源、地域とのコンセンサス、その他について効果的方法、規制に役立つための条例または規則等について策定するべきであると考えるが、どうですかという御質問ですが、御案内のとおり本県におきましては数多くのリゾート開発計画が検討、実施されつつあり、その適正な規制と誘導を図ることが緊要な課題となっております。
 このため県は、秩序と調和のとれたリゾート開発を推進する観点から、先般、リゾート沖縄マスタープランを策定いたしまして、その中でリゾート開発エリアとしてリゾート振興地区等の設定と将来の需給バランス等に配慮した段階的リゾート開発の推進を位置づけたところでございます。
 県としては、マスタープランの効果的運用を通じて過熱状態にある本県のリゾート開発ブームを抑制する観点から、リゾート開発適地以外におけるリゾート開発計画の抑制及びリゾート開発の段階的推進を内容とするリゾート沖縄マスタープランの運用に当たっての配慮事項を、このたび知事通達という形で全市町村長に通知したところでございます。
 御提言のとおり、リゾート開発と自然環境の保全及び地域生活環境との調和、基幹産業の保護育成等効果的施策の展開を図っていく所存でございます。
 御質問の2点目でございますが、水源地上部や近くのゴルフ場計画についての実態を把握しているかという御質問にお答えいたします。
 御案内のとおり、県は総合保養地域整備法に基づくリゾート基本構想を策定中でありますが、その対象プロジェクトとしては45のプロジェクトを選定いたしまして、10カ所の重点整備地区の設定を予定いたしているところでございます。
 これらの重点整備地区には14のゴルフ場開発計画がございますが、そのうち特に水源地に近接しているゴルフ場の計画は5カ所となっております。
 それから3点目でございますが、リゾート法の施行前3年と施行後3年の比較でホテル、旅館、リゾート施設などの水の使用量の変化を示されたいという御質問にお答えいたします。
 御質問のホテル、旅館、リゾート施設などについて総合保養地域整備法施行前と施行後3年の水の使用量の変化については、具体的には調査いたしておりません。
 県においては、今後の観光リゾートの整備も含め、第3次振興開発計画策定に向けて水の長期需給計画調査を実施しているところでございまして、その中で検討することといたしております。
 なお、既存のリゾートホテル等及び今後予定されるリゾート施設における水の使用状況につきましては、既に実施いたしておりますリゾート開発に伴う経済波及効果調査の中でもその実績と予測を調査中でございますので、今後明確にしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 観光文化局長。
   〔観光文化局長 松堂忠健君登壇〕
○観光文化局長(松堂忠健君) リゾート問題で既存のリゾートホテル、シティーホテルの実態調査を実施し、県民経営のホテル、旅館業の経営発展を図るための施策を打ち出すべきではないかという御質問にお答えいたします。
 県におきましては、毎年、宿泊施設の利用状況調査を実施いたしております。宿泊施設の月別、規模別及び地域別の稼働状況を公表しているところでございます。
 平成元年におきまして593件、1万7664室の宿泊施設がありますが、その規模別の稼働率を見ますと大規模施設が65.7%に対し中規模施設が50.4%、小規模施設が36.5%となっております。稼働率においては差がございます。
 中小規模の宿泊施設は、ほとんどが県内資本であり、その健全経営、経営の安定化を図ることは本県観光振興を図る上において重要な課題と考えております。
 かかる実情にかんがみまして、県においては平成2年3月に財団法人沖縄県産業振興公社の協力を得ましてリゾート関連サービス業実態調査を実施したところであります。
 その結果を踏まえて、これらの中小規模の宿泊施設に対する施設の改善、営業力の強化、従業員教育の強化、サービスの徹底等の支援施策について引き続き関係機関との連携を密にして積極的に推進してまいりたいと考えております。
 2点目の海浜に県営の駐車場等の設置をすべきだと思うがどうか。また地域や部落で行う場合は助成されたいと。それについてお答えいたします。
 県におきましては、快適で安全な観光レクリエーションの環境の形成を図るべく市町村が行う海浜地の駐車場を初めシャワー、トイレ等の観光地の整備に関し助成を行っているところであります。県といたしましては、今後とも市町村と連携してこれらの施設の整備に一層努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 平敷昌一君登壇〕
○農林水産部長(平敷昌一君) 平久保牧場をリゾート用地として売買している問題についてどう対処しているかという御質問ですが、平久保牧場の問題につきましては、牧野組合及び業者等関係者からの事情聴取の結果、農地法所定の許可を得ないままに取得している疑いがございます。
 この土地は、農地転用許可基準及び農振整備計画上、将来的にも確保すべき優良農地であり、農振農用地からの除外を認める考えはない旨、業者に対しまして文書によって指導をしております。
 なお、この件につきましては引き続き事実確認の必要がありますので、さらに調査を継続し、違反が判明いたしますれば厳正に対処していきたいと考えております。
 次に、大嘗祭についての御質問がありまして、大嘗祭の庭積みの代物を贈ることについて県はどう関与したかという御質問ですが、ことしの3月に宮内庁から県あてに照会の文書がございます。庭積みの机代物の供納について、供納を希望する農業団体、林業団体、水産団体及び特産物があれば推薦されたいとの依頼文書があったわけです。
 そこで県は、沖縄県経済農業協同組合連合会、沖縄県森林組合連合会及び沖縄県漁業協同組合連合会の3団体を推薦いたしております。
 また特産品としては、精米、パイン、お茶、クロアワビタケ及び乾燥シイタケがあるということを推薦いたしております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 前村善徳君登壇〕
○環境保健部長(前村善徳君) 宮良議員のリゾート問題との関連で、既存のゴルフ場付近の地下水の水質検査を行うべきだが、どうかという御質問にお答えいたします。
 既存ゴルフ場からの排出水の水質について全ゴルフ場を対象に昭和63年度及び平成元年度の2度にわたり調査を行っておりますが、この調査に当たっては、周辺の湧水のある施設については、その湧水をも対象にして採水分析を行ったところでございます。今年度以降も、既存ゴルフ場を対象に排出水の水質調査を継続的に行うことといたしておりまして、その際には引き続き周辺の湧水も対象とし、ゴルフ場周辺の環境水質の実態把握に努めてまいる所存でとざいます。

 それから、サンゴ礁の保護増殖、亜熱帯海洋生物の保護、生態等についての県立研究所の設置についてお答えいたします。
 本県の沿岸海域には、熱帯海域特有のサンゴ礁が広く分布しており、これらのサンゴ礁は貴重な自然環境を形成するとともに、水産資源並びに観光資源でもあり、その保護は重要な課題であると考えております。
 このため、サンゴ礁生態系の保護増殖等を図る観点から、県においては自然公園内において海中景観のすぐれた海域を海中公園地区として指定するとともに、サンゴを食害するオニヒトデの駆除を継続実施しているほか、サンゴ礁造園技術の研究開発を進めているところであります。
 また、平成2年度を初年度として3カ年計画で県下全海域のサンゴ生息分布、海生植物群落の分布及び底生生物の分布調査等を実施しているところであります。
 御質問の県立研究所の設置につきましては、琉球大学熱帯海洋学センターや、県が復帰20周年記念事業の一環として予定しております亜熱帯研究所――仮称でございますが――構想との関連もございますので、それらとの関連で今後の課題として考えていきたいと思っております。
 次に、赤土問題でございますけれども、技術研究所を含む研究機関を設置すべきだと考えるがどうかとの御質問にお答えいたします。
 去る6月開催された組織改正後の沖縄県赤土等流出防止対策協議会において、赤土流出対策について、当面取り組みを強化すべき事項として8項目が確認されております。その一つとして、調査研究の強化に関して各部研究機関で実施する研究課題については、今後、協議会ワーキングチーム内において連携を強化して取り組む組織をつくる旨の確認がなされたところであります。
 引き続き開催された同幹事会において38の課、58名を具体的な構成メンバーとして確定し、同時に5分科会の設置を決定いたしました。この分科会の一つとして研究推進検討班が設置され、農業試験場、林業試験場、水産試験場、公害衛生研究所、工業試験場等の各試験研究機関がその構成メンバーとなっております。
 今後は、この場を通して、これら研究機関相互の連携を密にし研究体制の強化を図るとともに、琉球大学を初め国及び民間の調査機関等の助言協力を得ながら調査研究を推進していく所存でございますので、新たな研究機関の設置は考えておりません。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 高良尚光君登壇〕
○土木建築部長(高良尚光君) 自然保護問題の中で、大保川のマングローブを保護した護岸の整備はできなかったかについてお答え申し上げます。なおかつ、まとめて関係部課での連絡調整についてもお答え申し上げます。
 マングローブが分布する河川としましては、沖縄本島内では大保川、慶佐次川、田嘉里川、比謝川等がございますが、これらのマングローブが分布する箇所の河川改修工事を行う場合は、治水上及び河川管理上の影響を考慮の上、河川改修の断面を決定しております。
 大保川の場合、当該工事箇所は河川の断面が小さく、豪雨時にはたびたびはんらんを繰り返しており、これを解消するための河川改修工事でありやむを得ず伐採したものでございますが、御指摘の同じ場所への植林につきましては治水上の理由から困難であると考えております。
 なお、川幅に余裕のある河川敷に自生するマングローブにつきましては、治水上、河川管理上に支障がない限り保全を図っていく考えであります。
 また今後、マングローブ群落が分布する箇所の工事につきましては、関係部課における調整を行ってまいりたいと考えております。
○議長(平良一男君) 教育長。
   〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) お答えします。
 自然保護との関係で2つほどあります。1つは、大保川のマングローブは学術的に価値があるかということについてお答えします。
 マングローブは、熱帯を中心に分布する植物群落で、北は鹿児島県喜入から、南はオーストラリアまで分布する植物群落であります。マングローブが生えていることによりましてカニ、エビ、魚類あるいは鳥類がすむようになり、生物相が多様になり学術的に価値があると言えます。
 2点目ですが、同じ自然保護関係で、北明治山には国、県指定の天然記念物はどのようなものが生息するかについてお答えします。
 北明治山付近に生息していると思われる生物の中で国指定の天然記念物はカラスバト、アカヒゲ、リュウキュウヤマガメで、県指定の天然記念物ではイボイモリ、クロイワトカゲモドキ、コノハチョウ、フタオチョウなどであります。
 以上です。
○議長(平良一男君) 宮良 作君。
   〔宮良 作君登壇〕
○宮良 作君 知事及び関係部長の答弁に対し所見を加えながら質問をいたします。
 まず第1に申し上げておきたいことは、マングローブの問題についてでありますが、私は、これは知事が直接答弁してほしいとこう言いました。
 なぜならば、一方でマングローブ協会を歓迎したりしながら、もう一方で切っていくというのはこれは技術上の問題じゃないんですよ、知事。
 あなたは先ほど、技術上の問題については私は知らぬといって、こんな格好をしていましたけれども、技術上の問題じゃないんです、これは政策上の問題なんですよ。
 あなたは、政策上の問題と技術上の問題とを政治の上で取り違えている例がいっばいあるんです。
 例えば、尚家の文化遣産についてだって、あれは技術上の問題じゃないです。あなたが行って会うことは、政策上の重要問題だったんですよ。
 この場合も、いいですか、ちゃんと言って私は申し上げているように、釈明し反省すべきじゃないかと、まず第一に。これは技術上の問題ではない。
 今の答弁では、やむを得ず伐採したという表現なんですよね。
 なぜかというと、川の幅が狭いから、しかも堆積している土が多いから、これを切らなければ護岸ができないんだと、こういう話なんです。
 私は行ってみましたけれども、そうではないんですよ。私は、このことについて学者の中を回りました。できないかと言ったら、できると。マングローブを残したまま、いいですか、護岸をつくることができると。
 大事なことは、このマングローブを仮に、極端な表現だけれども一本でも大事にするというそういう気持ちがあれば、まずそれがどっしり据わっていれば、技術上の方法というのはできるんだということを、どなたでも言っているんです。
 そういうことにあなた方、全然頭が回らないのかどうか知らないけれども、こういうことに対してやむを得ず伐採したと、こういう答弁というのはいただけないですよ、本当の話言って。
 知事、技術上の問題じゃありません。技術的にそうしなければならないんだということが前提にあなたはあるから、技術上の問題というんだろうけれども、マングローブがどんなに世界的にも大事にされて、沖縄でもわざわざ植林などもしてというその政治的な政策上の問題がきちっとすれば、あなたは答弁できるはずなんです。御自身の御答弁をお願いしたいと思っております。
 それから、時間がありませんのであれこれ飛びますが、知事、あなたは相変わらず安保繁栄論を持ち出してきました。今日の日本は、安保条約があるからここまで繁栄したんだというんですが、とんでもありません。
 小禄を見てください、小禄を。安保条約の基地で金網に囲われたときには草がボウボウとしてえらい荒れ地で大変だったじゃないですか。あれは開放されてすばらしい住宅がいっばい建っているでしょう。それを建てる建築業者、そこに住んでいる沖縄県民だって、それだけ分プラスになっているじゃないですか。安保条約があるから繁栄するというのは、ああいう実態を見ないで、何とか安保条約を守りたいということをあなたは考えている、これが大前提だからこういうふうになっていくんですよ。
 さてそれで、そこで質問なんだけれども、非核沖縄県宣言、だから私は先ほどから所見を含めて反論しながらと言っているんです。非核沖縄県宣言についてあなたは、非核三原則という国是があるからいいんだと言うんだけれども、仮に非核三原則があって国是があるからどうのと言ったって、あっちこっちで核対処部隊がいたりして疑惑が生まれているわけです。

 そういう中で地方自治法の第2条3項1号でしたかな、地方自治体の事務として住民の安全を図ることと明確に記されているんです。これは知事がやるべき項目なんですよ。
 そうすれば上に非核三原則という国是が仮にあるとしても、知事はそこでもって、この地方自治法の立場からして沖縄県非核宣言、沖縄県は核兵器にはかかわらぬという非核宣言をしたからといって、なぜ悪いのか。
 いつも非核三原則のことを言って、このあなた自体が本来やるべき法律に基づくものについてはいつも答えないんですが、そのことについては再質問しますので、それに焦点を絞ってお答え願いたいと、こういうふうに思います。
 それから、腹切り発言のために、できるだけやらないようにするという答弁にきょうはなりました。これから先やるとは言わないで、できるだけやらないようにしたいという答弁になったけれども、しかしあの問題はできるだけやらないでは済まないんです。やらないということが県知事としては一番大事なことなんです。
 あなたは嘉陽議員の質問に対して、売り言葉に買い言葉と、つい済まぬことをしたと言っているけれども、嘉陽議員の発言というのはけんかごしの売り言葉じゃないんですよ。政策上の追及でそれが厳しくなっているだけのことであって、売り言葉ではないんですよ、これは。
 ですから、売り言葉でないものについて買い言葉だと言って切りかえしてけんかごしにやっていくあなたが問題なんで、今後、できるだけやらないようにするという、そのできるだけを取り消すと。絶対やってはならない。やはり打ち消してもらいたい、そういうふうに考えます。
 以上、再質問したいこといっばいありますけれども、時間が戻ってきましたので、特に今の問題と非核沖縄県宣言の問題と大保川のマングローブについては、知事、技術上の問題だなんてこうして、してしまわないで、きちっと答弁をしてください。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) マングローブを切ったからといって怒られておるんですが、これはマングローブよりも大事なのは人間ですよ、人間社会ですよ。
 その環境を保全してやらなきゃいかぬ。したがって大水が出て被害があってはならないという場合には、治水上からしても、河川管理の上からしても切らなきゃいかぬときには切らなきゃいかぬですよ。幾ら木が生えておっても……
○宮良 作君 へ理屈言うなよ。
○知事(西銘順治君) 人の答弁に対して何がへ理屈か。人が答弁しているのに何がへ理屈か。ちゃんと要求があったからやっているんだから。
 勝手に切ったと何か言われるんだが、大事なのは人間ですよ。イリオモテヤマネコも大事、マングローブも大事だけれども、それよりも西表の人間が大事、西表の人間の生活が大事なんです。
 だから生活管理の上からしても、河川管理の上からしても、治水管理の上からしても切らなきゃいかぬ場合には切らなきゃいかぬわけですよ。何が悪いんですか。
 それから、非核三原則ですが、これはもうたびたび、もう何十回言ったかわかりませんよ。共産党議員からいつも同じようなことばかり質問されて、我が国は非核三原則を堅持している。したがって核部隊があるからといって、核の存在というものは私はないと思っている。したがって部隊がおるから、そういう核兵器の道具があるから核があるという断定するところが大体おかしいんです。国是であるから非核三原則を行う必要はないと、何遍も同じことを繰り返して言うだけであります。
 できるだけやらない。これはそうですよ、できるだけやりませんよ、腹切り発言は。
 必要と場合によっては私も発言権は留保されておりますからね。私も言いたいときには言わなきゃいけませんよ。何でいつまでも黙るわけにはいかない。間違った発言をし、名誉を傷つけられた発言には黙っておくわけにはいかぬですよ。
 知事だからいつでも黙っておれということですか。そういう理屈は通らないです。
 それから安保繁栄論、これはもう見解の分かれるところ。
 終戦当時、日本が何もない、食べるものもない、何もない。朝鮮戦争を契機にしてようやく日本の経済というものが活性化していく過程の中で、歴史がこれを認めているんですから、あんたが否定しても。安保体制というのが、日米協調体制というのが今日の大きな繁栄の基礎を築いたと。これは鄧小平でも認めておりますから……。(発言する者多し)
○宮良 作君 鄧小平は関係ない。
○議長(平良一男君) 宮良 作君。
   〔宮良 作君登壇〕
○宮良 作君 知事、今はっきりとマングローブを切って何が悪いと言ったけれどもね、あなたの政策というのはおかしいですよ。
 マングローブを切ったら、悪いに決まっているさ。何言っているか。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後3時7分休憩
   午後3時8分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 中根 章君。
   〔中根 章君登壇〕
○中根 章君 知事、12年間、大変御苦労さまでした。
 12月議会も、西銘さんに御質問できるかどうか危ういんですけれども、最後の質問になるかと思います。日本社会党・護憲共同県議団を代表しまして質問をいたします。
 3期12年という長期にわたって、あなたが県政を担当してこられましたのは、あなたに対する県民の期待と信頼がそれなりに大きかったものと思われます。
 しかしながらあなたに対する県民の期待はことごとく裏切られ、今やあなたの退陣を求める県民の声は天の声となっております。
 個人的にはお気の毒に思わないでもありませんけれども、天の声を曲げるわけにはまいりませんので、この際、あなたの退陣をしっかりと見届ける以外にありません。
 翻って、あたたの12年に及ぶ県政を検討してみますと常に国策が優先され、県民福祉の施策は見るべきものはありませんでした。
 あなたは、日本国憲法の上に日米安保条約を置き、米軍基地はもとより、さまざまな軍事演習を容認し、訓練をしない軍隊は役に立たない、訓練のための演習は必要である云々と強弁して米軍をかばい続けてこられました。
 このことは、知事公舎に米軍司令官や自衛隊幹部を招待して飲み食いパーティーを催したこととも相通ずるものがあると言えましょう。
 またあなたは、米軍基地に土地を提供することを拒否し防衛庁との契約に応じない県民の土地を強制収用することにも加担しました。そればかりか、米軍に対しては県民よりも安い下水道料金で優遇し続けておられます。まさに非核沖縄県宣言を拒否しておられるあなたにふさわしい施策と言えましょう。
 敗戦後の混乱の中で、沖縄教育の発展のため、憲法と教育基本法に基づき平和を守り真実を貫く民主教育の確立を目指して1955年1月の第1回教育研究集会以来、現場教師が取り組んで大きな成果を得た教研に対し、1987年3月、教育長は、給特条例施行に伴う確認書の一方的破棄により教研集会参加者の職専免を廃止し年休扱いとし、歴史のある自主主体的な教研活動に高圧的な教研弾圧を加えました。
 さらに、すべてを国家主義イデオロギーに貫かれた新学習指導要領を無批判に受け入れ、戦後民主主義教育の解体に手をかしています。
 主任制のごり押しも例外ではありません。
 児童生徒にただ競争心をあおり立て、教師の自主性を奪い、子供たち、父母大衆、さらに同僚との人間関係が損なわれ、画一化された教師、国定教師づくりを進め、教育の反動化はその極に達しております。その最たる例が、日の丸、君が代の押しつけと反動的教育行政の推進でありました。
 有事立法への賛成表明、消費税への大賛成などあなたの反動行政は目に余るものであります。
 中でも、地方自治法の一部改正に事寄せて6・23慰霊の日の休日を廃止する条例案を提案した事実は、西銘県政は事実上国の下請機関になってしまったと判断せざるを得ません。まさに自治権の放棄であり、ウチナーンチュの立場を放棄したものであります。国体終了時の、沖縄の戦後は終わったとの知事の談話がまさにそれを物語っております。

 また、県庁舎建設に象徴されるあなたの本土大企業優先策は、県内業者の大きな不満となっております。
 さらに、新石垣空港建設用地選定の失敗と計画変更、国土法違反の土地転がしでさまざまな疑惑の持たれている土地を空港用地としている不可解な行政、県が出資して設立をした海外漁業株式会社が十数億円の赤字を抱えて事実上破産しているにもかかわらず、何の対処策も示し得ない無能ぶりであります。
 県の主導で設立した天然ガス開発株式会社の失敗、アルゼンチンのバイアブランカヘの移住計画の失敗、二転三転した職業訓練学校用地をめぐる知事自身の策動、お粗末な行政がもたらした福祉施設における相次ぐ汚職事件の発生等、福祉産業的発想のあらわれであり、西銘県政の失政は隠しようがありません。
 かてて加えて、県庁人事における知事の身内や取り巻き偏重が県民のひんしゅくを買い、去る衆院選では知事与党の自民党の中でさえ薩長連合が結成をされ、西銘一族のファミリー政治、政治の私物化と指摘され、深刻な対立抗争が繰り広げられました。
 多くの県民が、西銘知事の退陣を求め、公正で公平な心豊かな平和県政の確立を強く期待しているのも当然のこととして理解する次第であります。
 知事、あなたの行政運営の方針や施策は、国策優先の余り二転三転し、国の言いなり、先見性のないことがはっきりしてまいりました。
 知事御自身として、この12年間の行政運営に関していろいろ反省すべき点が多いと思うのでありますが、その中でもとりわけこの点だけは大いに反省しなければならないと考えておられる点について率直な御所見を承りたい。
 さらに、私が指摘した基地問題、福祉施設における汚職事件、新石垣空港建設、乱開発による赤土汚染、海外漁業、天然ガス両株式会社の問題、教育関係諸施策についても12年間の総括の中での御答弁をいただきたいと思います。
 次に、総合保養地域整備法の関連において質問をいたします。
 私は、1989年の12月定例会においてもリゾートについて若干の質問をいたしましたが、去る3月に県が策定したリゾート沖縄マスタープランを見て、よいことずくめで、将来、ワッターシマー、世界的リゾート地になるのかな、県民は豊かになるのかなと思っております。
 しかしです、リゾートという言葉ですが、辞典を引くと観光地、保養地とあるが、もっと深く探ってみると、これだけではとらえられません。
 今、日本や沖縄で使われているリゾートとヨーロッパあたりで使われているリゾートは、ちょっと意味が違うのであります。日本の場合、ホテルに泊まると1泊が2万円から3万円も取られる高級リゾート地がその代表例で、家族で行くと1週間も泊まることはとても考えられません。
 ところが、ヨーロッパあたりでは、何度も訪れる、あるいは長期に滞在して心身ともにリラックスするという意味でリゾートが使われているようであります。日本で使われている概念とはかなり違うように思われます。
 フランスに代表されるリゾートは、夏休みなどに1カ月休養に行くということになるようで、1泊2万円もするような所ではなく、普通の生活費より幾らか高目で、1カ月もゆったり自然と親しみながら、ものを考えたりするシステムのようでございます。
 ところが、今日本で使われているリゾートは、大企業が金もうけのために自然豊かな地域を囲い込み、そこでお金を払って入ってくださいと金もうけを中心にした土建屋的発想で、有力投資先としてのリゾートとなっております。日本のこのようなリゾートに対する概念が先にまかり通っていて日本流のリゾート開発となり、総合保養地域整備法ができ上がってしまったのではないかと思います。
 このリゾート法とリゾートは違うということをまずはっきりさせてから質問をいたします。
 1つ、民間主導の計画は水面下での構想も含めると60件から70件で、リゾート法の要件を満たす計画は45プロジェクトである、これは14ぺージにございます。その他に県、市町村、第三セクター等によって構想されているプロジェクトも含めると総数で何件で、規模はどのぐらいになるのか。
 2つ目に、これだけの広さとなると自然破壊が心配ですが、自然を守ることを第一義ととらえての対策はどうなっているか。
 3、リゾート開発を背景にした土地の投機的買い占めで地価高騰を招き地方にまで波及しているが、緊急土地対策要綱の制定と緊急土地対策会議の設置で実効性があるのかお伺いをしたい。
 4番目に、マスタープランによると、計画期間は1990年度からおおむね10年間程度とするとなっておりますが、その投資額は幾らになるのか。
 5つ目に、観光収入は、1972年の324億円から、1983年には2620億円と大きな伸びとなっているが、今後の伸びはどのぐらい見込んでおられるのか。
 6番目に、県内中小のホテル、旅館は、その稼働率で収容人員300人以下44.9%、100人以下が30.8%となっており、航空会社のパック旅行に見られるように大手資本のリゾートホテルでは囲い込まれたビーチで海水浴をし、スポーツ、レジャー施設で遊び、食事をとり、お土産品までホテルで済ませて帰るので地域への経済的波及効果も少なく、すべての利益は本土大企業がさらっていってしまっているのであります。県内中小企業対策はどうなっているのかお尋ねいたします。
 7つ目に、計画では全国から、そして外国から客に来てもらうことになっているが、リゾート開発ブームの各県の計画も似たり寄ったりのものですが、500万人の入域者が本当に見込まれるのかどうか。
 8番目に、これだけのプロジェクトが稼働すると上下水道、ごみ処理等市町村の事業がふえるが、市町村の財政負担は大丈夫なのか。
 9番目に、西銘恒三郎議員を代表とする議員提出議案海浜への自由な立ち入りの確保に関する条例案についての知事の御所見を承りたい。
 次に、基地関係について質問をいたします。
 社会党がこの秋の臨時国会へ提出を予定し準備している沖縄県における駐留軍用地等の返還及び駐留軍用地跡地等の利用の促進に関する特別措置法――仮案でございますが――についての知事の御見解と政府、国会、関係機関に対してその実現方について働きかける用意があられるか、お伺いをいたします。
 2つ目に、米下院軍事委員会が作成した公聴会資料によると、米海軍が世界的な規模で検討している軍事施設の閉鎖計画の中に嘉手納基地の海軍航空隊施設もその対象となっていることがマスコミ報道によって明らかにされております。そのために従来、嘉手納基地の海軍施設を拠点に展開しているP3C対潜哨戒任務を海上自衛隊に肩がわりすることに伴って閉鎖計画が進められております。この閉鎖計画が具体化すれば、米海軍航空隊施設に勤務する日本人従業員501人、とりわけ嘉手納基地の海軍航空隊施設に勤務する110人の従業員の雇用と家族の生活に重大な影響を及ぼすことが懸念されるところであります。
 そこで質問ですけれども、嘉手納海軍航空隊施設の閉鎖計画について、事の真相を明らかにしていただきたい。
 今回の同計画がMLC従業員に具体的にどのように影響を及ぼすのか究明されているか。また知事は、雇用主としての責任においてMLC従業員の雇用確保に万全な対策を講ずるべきだと思うがどうか、お答えをいただきたいと思います。
 3つ目に、去る9月13日、琉球新報の報道によると、米軍当局は1974年の日米安全保障協議委員会での協議内容を盾にとり、あくまで移設を条件に那覇軍港の返還に合意したとして、これを踏襲するかのように該施設の移設先を沖縄市と何ら協議することなく一方的に沖縄市泡瀬地先を選定し、10月下旬にも詰めの協議を行い、早ければ今年末にも結論を出したいとの新聞報道に対して市民は驚き、そして怒り、猛反対をしております。
 沖縄市議会は臨時議会を開き、那覇軍港の泡瀬地先への移転に反対する意見書を採択しております。このことについて、事の真相と知事の移設問題に関する御所見を承りたい。
 県土の基地による遮断によって交通混雑を来しているのは周知のとおりでございます。
 その緩和策として、勢理客から牧港に至るキャンプ・キンザー、北谷町北前から石平リージョンクラブ前に抜ける基地内道路、北中城村喜舎場から国道330号大平までの米人住宅街の道路、嘉手納基地内第2ゲートから第1ゲート、同じく第2ゲートから第3ゲートに抜ける基地内道路の開放、もしくは供用することについて折衝したことがあるか。今日まで多くの議員が何回となく取り上げ、知事もその都度答弁をされましたけれども、どう対処されたのか。また、見通しと今後の対処策についてお尋ねをいたします。

 去る定例会の一般質問で我が党の友寄議員の電線の地中化に関する質問に県は、電線の地中化につきましては安全で快適な交通空間の確保、防災や都市景観の向上及び高度情報化社会への対応等から、平成2年度には久茂地再開発事業とあわせて県道39号線の一部で実施する予定である。また、平成3年度を初年度とする第2次電線地中化5カ年計画で那覇、浦添、宜野湾、沖縄の4市を対象に沖縄ブロック電線地中化研究会に道路管理者の素案として協議を行う計画と答弁をしておられましたが、沖縄ブロック協議会での検討は始められたのか。いつまでには結論を出すのか、お伺いをしたい。
 また、沖縄市の場合は何力所でどこを予定しておられるのか。
 沖縄市の空港通りから胡屋十字路を経て泡瀬に通ずる県道20号線は、すばらしいくすの木並木となっております。通りも名もくすの木通りと称されるようになっております。しかしこのすばらしいくすの木並木も電線や電柱で台なしであります。景観もよくありません。まず、モデルケースとしてこの通りの電線地中化を実施してみたらと思うのでありますが、いかがでしょうかお答えください。
 電線の地中化とともにこのクスノキに似合う街灯を設置してはどうですか。実施するということで方法等について御答弁をいただきたいと思います。
 9月13日、21日、さらに22日と立て続けに組織暴力団による発砲事件が発生をし、その後も後を絶たず全く無法地帯の様相を呈しておるのであります。何派と何派の対立なのか知りませんけれども、このような不法行為は絶対に許してはなりません。人通りの多い市街地でやること自体が県民と県警をばかにしたものでございます。近ごろ、住民地域内に堂々と暴力団事務所が構えられるケースが多いので、その撤去についてどのような手段があるのかお聞かせを願いたいと思います。
 地域住民は、こういう人たちが肩で風を切って歩くだけでも恐怖を感じるのであります。暴力行為がはっきりしているわけですから徹底した取り締まりが可能だと思うのであります。この間も昼夜の別なくその取り締まりに当たっておられることに敬意を表するわけでございますけれども、その壊滅まで緩めることなく徹底してください。
 何々一家、何々組等県内何グループあって、組織人員はどうなっているのか。また、何々一家と何々組との違いはどんなものなのか。
 暴力団組織ができるまでの経路はどういうものですか。完全に壊滅することができるか。また、封じ込みまでの方針はどうなっているのか、警察活動に差し支えない程度で御答弁をいただきたいと思います。
 次に、ごみ処理についてお尋ねをいたします。
 大量生産、大量消費時代の中で大都市を中心とするごみ処理問題が年々深刻化しておりますが、沖縄も例外ではございません。ごみ戦争と称されるほどに問題は深刻であります。ちりも積もれば山となると言いますが、今やその山となるごみをどう処理していくのか対応が迫られているのであります。
 必要以上の包装、食料品、清涼飲料水の容器、新聞、雑誌、さらには毎日の新聞に折り込まれた宣伝用のチラシなど、すべてがごみと化すのであります。そのことが資源のむだ遣いとなっており、できるだけごみを出さない対策が今求められているのであります。
 我が党は、さきの国会で空き缶・空きびん回収法案を提出し、現在、継続審議となっておりますが、それによりますと、飲料缶の生産量は210億で、このうち再資源化されているのは3割にすぎず、残りの7割はごみと化していると言われております。
 外国では再資源化、リサイクル運動の一環としてデポジット制度を導入している地域もあると聞き及んでおります。
 県としては、過剰包装や空き缶等の再利用についてどのような対策を考えているかお尋ねをしたい。
 資源のむだ遣いは、企業の利益追求と安上がり経営にも原因があると思うが、リサイクル運動についてもお伺いをしたいと思います。
 2つ目に、市町村がごみ問題で悩んでいる現状に一般廃棄物の処理は市町村の固有事務となっているが、今後、どのように県として対応していくか、県の施策をお伺いしたいと思います。
 3つ目に、市町村や一部事務組合では焼却灰や不燃物処理の最終処分場、民間委託業者の施設も含めここ3年内には満杯になると言われておりますが、最終処分場の確保についてどうするか、全県的な立場に立っての御見解を承りたいと思います。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 中根議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 12年間の県政担当の総括について御質問がございましたが、お答えいたします。
 県政を負託されて3期12年、私は、県勢の発展を図る立場から沖縄振興開発計画の目標とする格差の是正と自立的発展の基礎条件の整備を図るなど、県勢の活性化のための諸施策を積極的に推進してまいりました。
 本県の経済社会の状況についてこの12年間を振り返ってみますと、まず経済関係については、昭和53年度から62年度までの9年間の経済成長率が実質で5.3%となっており、全国平均4.1%を1ポイント以上も上回っております。
 県民総生産は、昭和62年度で2兆4000億円余とこの9年間で1兆2000億円近く増加し、増加率は全国平均を大きく上回っております。この結果、1人当たり県民所得は、昭和53年度の106万円から62年度には168万4000円となり、全国平均との格差は71.1%から75.2%に改善されてきております。
 また、企業設備投資もこの10年間で125.9%増と全国平均の95.9%増を相当上回っております。
 さらに、生産関係は、観光関連産業が好調に推移いたしておりまして、入域観光客数は昭和53年の150万人から平成元年には267万人と10年間で117万人増加いたしております。観光収入は120%増加いたしまして2928億円となっており、県経済に大きく寄与しております。
 さらに、農業粗生産額も全国平均を大きく上回る伸びを見せております。
 次に、社会資本の整備については道路、上下水道が全国平均の水準を上回るのを初め、公園、街路についても全国との格差は改善されつつあります。
 このほか、生活、医療、教育関係についても全国平均との格差が着実に改善されてきております。
 このように、各面にわたる本土との格差は漸次改善され、本県経済社会は総体として着実な発展をしてきております。
 しかし、本県の地理的、歴史的条件から他府県とは異なる環境条件にあるため、水資源の開発、交通条件の整備及び基地問題への対応、また産業の振興など解決を図らなければならない多くの課題を抱えていることも事実であります。
 したがって、残された諸問題解決のために引き続き第2次振興開発計画の総仕上げに全力を傾注するとともに、来るべき21世紀に向かって本県が平和で個性と活力に満ち、文化の薫り高い地域社会の建設を目指す第3次沖縄振興開発計画の策定に県民の英知と総力を結集してまいりたいと思います。
 安保を容認し、米軍に加担した基地行政だというおしかりを受けたのでありますが、お答えいたします。
 私は、我が国が今日の平和と繁栄を実現することができたことは、日米安保を基調とする日米友好協力関係が存在したからであると理解いたしております。
 しかし、安保を容認する立場とはいえ、本県の広大な米軍施設区域の存在は県民生活に種々の影響を及ぼしているほか、県の振興開発等諸施策を推進する上で制約となっていることも事実であります。そのため、私は基地問題を県政の重要な課題として位置づけ、基地の整理縮小や安全管理について鋭意取り組んできたところであります。
 福祉施設における汚職事件についての御指摘がありましたが、お答えいたします。
 特別養護老人ホームにおける業務上横領事件については、老人ホームに対する県民の信頼と期待を裏切ることになりまことに遺憾であります。
 老人ホーム等社会福祉施設は、公共性、公益性の高い施設でございまして、その社会的責任は重大であることから、今後は公正かつ適正な施設運営がなされるよう指導体制を一段と強化してまいりたいと思います。

 石垣空港問題について、計画変更、疑惑の持たれている土地を空港用地としている行政について御指摘がございましたが、お答えいたします。
 新石垣空港の適地選定に関しては、これまで数力所の候補地について空域、土地利用、航空機騒音、文化財等について比較検討を行った結果、白保海上案が最も好ましい位置として計画されたものであり、位置変更が失敗だったとは考えておりません。
 また、旧予定地より南側のアオサンゴ保全に一層万全を期すため位置変更を行う必要があり、航空法第2条による保護空域が白保海上案と同一空域にあることからカラ岳東側海上に計画を変更したものであります。
 石垣空港問題については、疑惑が生じるような行政を行ってはおりません。
 次、乱開発による赤土汚染について御提言がございましたが、お答えいたします。
 赤土問題は、本県の自然的特性と島嶼という限られた土地利用の上の制約の中で種々の基盤整備、産業振興を図っていかなければならないという状況のもとで発生している極めて厳しい課題であります。
 しかしながら、県は、これまでこの問題について全庁を挙げて真摯に取り組んできたところであります。国サイドにおいても同様に強力な取り組みをしていただいておりますが、今回、対策に関するより一層の措置を要請したところであります。
 幸い、このたび沖縄開発庁が中心となりまして9省庁にまたがる「沖縄県における赤土流出問題に関する関係省庁連絡会議」が発足いたしておりまして、去る9月28日、第1回の会議が行われ、対策についての話し合いが行われてきたところであります。総合事務局においても「沖縄総合事務局赤土砂流出防止対策連絡協議会」が設置され、同じく去る9月28日、第1回の会合が行われたところであります。
 県としては、今後とも国、市町村との連携を密にいたしまして、また今後設置予定の産・官・学を網羅した組織等を活用して流出対策に関する取り組みを強化していく考えであります。
 海外漁業についてのおしかりを受けましたが、お答えいたします。
 海外漁業会社については、30余隻の漁船、400余名の本県漁業従事者の働く場の確保ということで各界の意向も聞き設立された会社でありますが、意に反して今日のような状況に陥ったことについてはまことに遺憾であります。
 天然ガス開発についてお答えいたします。
 沖縄本島南部地域に賦存する水溶性天然ガスの開発については、数次にわたる専門家の科学的基礎調査の結果を踏まえまして、昭和56年2月に第三セクターとして設立された沖縄天然ガス開発株式会社によって事業化に向けた調査検討が進められてまいりました。
 しかしながら、適正採取技術調査による連続観測の結果、当初見込みよりガス水比が低下したこと、石油価格の大幅な値下がり等の著しい環境の変化があったことにより、当面の開発を断念し会社は解散したのであります。
 この間の調査によりますと、ガス量は少ないものの、貴重な医薬品原料であるヨードの含有量は高く、今後、石油情勢の変化、ヨード市況等環境が整えば再開発の可能性もあることから、鉱業権の分散を防ぎ、貴重な地下資源の秩序ある開発を担保するため県が鉱業権等を購入して管理しているところであります。
 次に、基地関連問題について、軍転特別措置法案についての知事の見解と政府、国会、関係機関に対してその実現方について働きかける考えはないかと御指摘を受けましたが、お答えいたします。
 県は、返還跡地の有効利用が促進されるよう制度改正に向けて国に対し要請をしていく考えであります。このことについては崎原議員にもお答えしたとおりであります。
 次に、基地問題との関連でMLC従業員に解雇不安を与えているが、同計画について明らかにしてもらいたいという御質問がございましたが、お答えいたします。
 去る9月18日、米国防総省により嘉手納海軍航空施設の閉鎖が発表されたところであります。
 現時点では、同施設の閉鎖がいつ、どのような方法で行われるのか、また駐留軍従業員にどのような影響があるのか明らかではございませんが、県としては、これら従業員の雇用の安定について重大な関心を持っているところであり、現在、国及び関係機関へ照会するなど、その状況把握に努めているところであります。
 知事は、MLC従業員にどのような影響を及ぼすか究明し、雇用確保に万全の対策をとるべきではないかという御提言に対しましてお答えいたします。
 県としては、従来から駐留軍従業員の雇用の安定について努力をしてきたところであり、去る7月9日来県した衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会に対し、駐留軍従業員の雇用の安定等について適切な措置を講じていただくよう要請してきたところであります。
 また、商工労働部内に設置された駐留軍従業員等雇用対策連絡会議を通して従業員の雇用問題に対処するとともに、今後とも事態の推移を見きわめながら国及び関係機関とも連絡を図り、雇用の安定について最善の努力をしてまいりたいと思います。
 那覇港湾施設の泡瀬通信基地への移設についての御質問がございましたが、お答えいたします。
 那覇港湾施設の問題については、あらゆる角度から検討されているところでございまして、具体的な方針は決定さておりません。
 次、基地内道路の開放もくしは供用についての御質問がございましたが、お答えいたします。
 現在、各地域において道路網の整備が行われており、今のところ特に基地内道路の返還もしくは共同使用について要請する考えはありません。
 なお、北中城村から強い要請のある喜舎場―瑞慶覧間の道路の返還については、外務省等関係機関に要請をしているところであります。
 次に、リゾート開発について、民間主導の計画は水面下の構想を含めると60件から70件で、リゾート法の要件を満たす計画は45プロジェクトである。そのほかに県、市町村、第三セクター等によって構想されているプロジェクトを含めると総数で何件で、規模はどれぐらいかという御質問がございましたが、お答えいたします。
 御案内のとおり、総合保養地域整備法による特定民間施設として支援すべきプロジェクトは45件であります。目下、基本構想の承認に向けて手続を進めているところであります。
 特定民間施設の選定に対しましては、当該市町村の積極的な支援を受けているプロジェクトであって、かつ計画用地にかかる各種土地利用上の規制法をクリアできるプロジェクトであることといたしております。
 県は、当面、これらの45のプロジェクトについて積極的に支援する考えであり、したがってその他の20ないし30件あるとされている水面下のプロジェクトにつきましてはこれら要件に満たない熟度の低い計画であり、その内容については十分把握しておりません。
 なお、内容が明らかな45の特定民間施設の規模は、敷地面積で約2500ヘクタールであります。
 リゾート開発について、これだけの広さとなると自然破壊が心配されるが、自然を守ることを第一義にとらえる対策はどうなっているのかという御指摘を受けましたが、お答えいたします。
 総合保養地域整備法によって支援する当面の45のプロジェクトの総開発面積は、県土面積の約1%であります。また開発に伴う各種規制法をクリアする可能性が高いため、自然破壊の心配はないものと思います。
 しかし、すぐれた自然環境の存在こそがリゾート沖縄を成立せしめているとの観点から、リゾートの開発に当たっては自然環境容量に配慮し、環境特性と調和した秩序のある開発整備を図ることが重要であると考えております。
 緊急土地対策要綱の制定で実効性があるのかお伺いしたいという御質問がございましたが、この件につきましては企画開発部長から答弁させることにいたします。
 リゾート開発との関連でマスタープランによると、計画期間は1990年度からおおむね10年間程度とすることになっているが、その投資額は幾らかという御質問がございましたが、お答えいたします。
 現在、県が特定民間施設として総合保養地域整備法の要件を満たす45の民間プロジェクトの投資額の合計は約5000億円であります。

 次、観光収入についての御質問がございましたが、これは観光文化局長から答弁させることにいたします。
 観光客の消費についての波及効果の御質問がございましたが、この件につきましても観光文化局長から答弁させることにいたします。
 次、リゾート開発ブームの各県の計画も似たり寄ったりのものであるが、500万人の入域者が見込まれているが、これは大丈夫かという御指摘を受けましたが、お答えいたします。
 県は、平成2年3月に策定いたしましたリゾート沖縄マスタープランにおいて、西暦2000年における本県への観光リゾート入り込み客数はおおむね500万人から600万人といたしております。これは、過去10年間の本県への観光入域動向及び今後の我が国における観光リゾート市場の動向等を踏まえまして推計したものであります。今後の我が国のリゾート市場を取り巻く環境などからして十分達成可能な人数だと考えております。
 次に、上水道、ごみ処理等市町村の事業がそれによってふえてくるが、市町村の財政負担は大丈夫かという御指摘がございましたが、お答えいたします。
 本県における水道及び廃棄物処理施設の整備については、沖縄振興開発特別措置法に基づく高率の国庫補助制度により施設整備が図られてきております。
 ところで、リゾート開発が特定地域に集中的に行われた場合には、市町村によっては水使用量の増大、ごみ発生量の増大等により財政負担の増が懸念されております。市町村においては今後の水道及び廃棄物処理施設の整備計画が、リゾート開発との兼ね合いで検討されるものと思われますので、県としては、国庫補助制度を活用しながら市町村のこれらの検討を踏まえまして適切な指導をしてまいりたいと思います。
 次、議員提出議案海浜への自由な立ち入りの確保に関する条例について知事の所見をただされましたが、お答えいたします。
 海浜は公共の財産であり、県民の自由な使用に供されてこそその効用を全うするものと考えます。
 しかし、一部の海浜においては、県民の自由な海浜利用が妨げられていることも事実であります。このような状況の中で県民の自由な海浜利用の確保を目的として与野党共同で提案された条例議案については、基本的には賛同するものであります。制定されれば、その執行に当たっては条例の目的に沿うよう努めてまいりたいと思います。
 次に、電線地中化についての御質問に対しましては、土木建築部長から答弁させることにいたします。
 ごみ処理について、過剰包装や空き缶等の再利用についての御質問に対しましては、環境保健部長から答弁させることにいたします。
 次に、一般廃棄物は市町村の固有事務となっているが、県は今後どのように対処するかとの御質問がございましたが、これも環境保健部長から答弁させることにいたします。
 以上お答えいたしましたが、答弁のない質問事項につきましては、それぞれ所管の部長から答弁させることにいたします。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) リゾートとの関係におきまして緊急土地対策要綱の制定及び県と市町村との土地対策会議の実効性についての問題にお答えいたします。
 現在の土地問題に対しまして緊急土地対策要綱を定め、庁内はもちろん、市町村との連携を強化し関係法令の厳正な運用、不要不急の土地需要の抑制、土地取引関連融資の適正化、監視区域の拡大等国土利用計画法の機動的運用、土地関連業界に対する指導強化、土地についての基本理念等の啓発普及を図るべくその具体的施策の推進に努力しているところであります。これらの施策が相関連いたしまして今後の地価の安定に効果があるものと考えております。
○議長(平良一男君) 観光文化局長。
   〔観光文化局長 松堂忠健君登壇〕
○観光文化局長(松堂忠健君) 総合保養地域整備法との関連で観光収入は、1972年の324億円から1988年には2625億円と大きな伸びになっているが、今後の伸びはどのぐらい見込まれるかと。それについてお答えいたします。
 本県の観光収入は、入域観光客数の増加とともに年々増大し平成元年には2928億円に達し、観光は本県経済を支える主要な柱となっております。
 今後の観光収入につきましては、今後とも諸施策を積極的に展開し、第2次沖縄振興開発計画の最終年度である平成3年度には3500億円の基本目標が達成できるよう努力してまいりたいと考えております。
 次に、観光客の消費はすべて本土大手ホテルで行われ、地域への経済的波及効果は少ない。県内中小企業対策はどうなっているかということについてお答え申し上げます。
 本県の入域観光客数は年々着実に伸展し、昨年は265万人を記録しております。
 観光収入の本県経済にもたらす効果につきましては、県が昭和63年度に委託した観光収入の経済効果調査報告書によりますと、観光収入のうち原材料63%、所得等の付加価値37%となっております。さらにその県内、県外の調達状況を見ますと、県内調達が71.8%、県外調達が28.2%で、おおむね県内歩どまりが7割、県外流出が3割となっております。
 観光産業は、いわゆる総合産業として県経済の波及効果を初め広範な分野に波及効果を及ぼしており、県勢の発展に大きく寄与しております。
 御質問につきましては、その波及効果が県内中小企業にも及ぶよう県内中小企業に対して、観光客にとって魅力ある店舗づくりを初めとし、快適環境の形成を図るなど魅力ある町づくりを推進しているところでございます。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 高良尚光君登壇〕
○土木建築部長(高良尚光君) 私の方からは2点だけお答え申し上げます。
 まず1点目は、総合保養地域整備法とリゾートの開発についてでございますけれども、その中でリゾート開発プロジェクトが稼働すると下水道等の市町村の事業がふえることになるが、財政負担は大丈夫かについてお答え申し上げます。
 リゾート開発に伴い公共用水域の汚濁が懸念されるため、下水道施設の整備は重要でございます。しかしその整備に要する費用につきましては、受益の形態からいたしまして原則として開発業者がみずから負担すべきものであると考えております。
 2点目は、第2次電線地中化5カ年計画についてでございますけれども、御質問の要旨は、第2次5カ年計画の結論時期と沖縄市における予定箇所及びくすの木通りにおける電線地中化と街灯の設置についてでございます。お答え申し上げます。
 安全で快適な都市空間の確保と、防災や都市景観の向上を図る観点から、平成3年度を初年度とする第2次電線地中化5カ年計画として沖縄市ほか3市を対象に15カ所、24キロメートルの整備を計画し、現在、沖縄ブロック電線地中化研究会において検討を進めているところであり、今年度中には結論が出せる見込みでございます。
 なお、くすの木通りの電線地中化につきましても、今後、この研究会において検討してまいります。
 また、電灯の設置につきましては、この道路の交通量が街灯の設置基準に達しないため道路管理者としての設置は困難でございますが、沖縄市の方から市が設置したいという申し入れがございますので、その方向で対処していく考えでございます。
○議長(平良一男君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 前村善徳君登壇〕
○環境保健部長(前村善徳君) 中根議員のごみ処理についてお答えいたします。
 まず、過剰包装や空き缶等の再利用についてどのような対応策を考えているかについてお答えいたします。
 近年、OA化に伴う紙の消費量の増加、使い捨て商品の増加、過剰包装等によってごみ量が増大している現況にございます。このため県としましては、ごみの減量化をより効果的に推進するため、先般、百貨店、スーパー等業界団体に対し商品の過剰包装の自粛及び再生紙の使用推進について協力依頼をしたところでございます。
 空き缶や空き瓶につきましては、従来から市町村及び地域の婦人会等ボランティア団体により分別、収集され資源化されている状況にございます。

 県といたしましては、さらに一層の資源化を図るため、市町村に対して廃棄物再生利用総合施設の整備推進について平成元年度より国庫補助制度が創設されておりますので、この国庫補助制度の活用を図るよう指導を行っているところでございます。
 次に、一般廃棄物は市町村の固有事務となっているが、県は今後どのように支援するのかについてお答えいたします。
 県では、市町村の廃棄物処理事業が円滑に推進できるよう、中長期的視点に立った一般廃棄物処理基本計画の策定及び廃棄物処理施設の整備についての技術的援助や情報の提供、さらには市町村職員の資質向上のための研修会等の開催を行っているところでございます。今後とも、廃棄物の増大化が見込まれることから、市町村に対しましては一層の減量化、再資源化を図りつつ国庫補助制度を活用し計画的に処理施設の整備を推進するよう指導助言してまいりたいと考えております。
 3点目に、各市町村や一部事務組合では、焼却灰や不燃物を埋め立てる最終処分場の確保が困難となっているが、全県的な立場での見解を賜りたいとの御質問にお答えいたします。
 市町村の最終処分場の容量が減少しつつある現在、その延命化を図るためにはごみの減量と資源化を推進する必要があり、そのためには生産、流通、消費、処理の各段階における総合的な取り組みが必要であると考えております。
 県といたしましては、市町村に対しましてはできる限り最終処分場の延命化を図るため、相互補完による広域処理等についての指導を行っているところでございます。
 例えば最近の例といたしましては、平成2年3月に嘉手納町と読谷村との間で一般廃棄物合同処理協約が締結され、読谷村から出るごみを嘉手納町の焼却施設で処理し、その残渣は読谷村で埋め立て処分することにより最終処分場の延命化が図られるようになっております。今後とも、最終処分場の確保につきましては、広域的な立場から計画的整備が図られるよう市町村を指導助言してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(平良一男君) 警察本部長。
   〔警察本部長 浅川 章君登壇〕
○警察本部長(浅川 章君) 暴力団対策についてお答えいたします。
 御指摘のとおり、これまで内紛状態にありました県内最大の暴力団旭琉会が、去る9月13日、那覇市西町におけるけん銃使用による殺人未遂事件を発端に組織が分裂し、これまで10件の発砲事件が発生し、組員3名が重傷を負う対立抗争へとエスカレートしております。
 県警察といたしましては、暴力団のこのような蛮行を警察及び県民に対する重大な挑戦と受けとめ、事件発生以来特別捜査本部を設置し、暴力団から県民を守ることを最重点に24時間体制で対立する両派の主要な組事務所の警戒監視を強化する一方、車両検問を実施、多数の凶器類を押収し、彼らの動きを封じ込めるとともに、大量の捜査員を投入して組事務所などの先制的捜索を繰り返し徹底し、県警察の総力を挙げ、対立抗争の封圧と組織壊滅へ向けた強力な取り締まりを推進しております。
 これまで殺人未遂、凶器準備集合罪などで両派の幹部組員53名を逮捕し、けん銃、水中銃を初め鉄パイプ、金属バットなど多数の凶器類を押収しております。
 御質問の第1点目でありますが、本県における暴力団組織は、米軍占領下の混沌とした社会情勢に乗じて生じた不良やからが集団化し、次第に腕力の強い者が頭角をあらわし、親分子分の関係をもって組織化したものであり、本土暴力団に見られるような古い伝統を誇る仁義、任侠道の中で育ったいわゆるやくざとは異なる特質を有していたのでありますが、昭和47年の祖国復帰を契機として暴力団組織にも本土化が進み、日本最大の広域暴力団山口組などとも活発な交流を重ねるうち、次第に組織拡大や資金源獲得などの手段、方法をまね、今や県内1100名を擁する巨大な反社会組織を形成するに至り、全国的には人口比で5番目に暴力団が多い県となっております。
 現在、県内の暴力団は3組織18団体で、構成員数約1100人が把握されております。3組織とは、3代目旭琉会、東亜友愛事業組合沖縄支部、山口組系大平組内上原組であります。そのうち旭琉会が全体の約93%を占め、活動拠点も沖縄全域にまたがっております。旭琉会の組織構成は、会長を頂点とし、その下に組織の中枢幹部が取り仕切るそれぞれの一家があり、一家はそれぞれ複数の組によって構成されており、現在16一家、60余の組が把握されております。暴力団員は通常、○○一家○○組の幹部あるいは組員というふうに格付されております。
 暴力団対策の基本方針といたしまして、県警察では、暴力団は反社会的な犯罪者集団であり、百害あって一利なしとの考えで強い対決姿勢を堅持いたしまして首領、幹部、組員の大量かつ反復検挙、資金源の封圧、けん銃等武器の押収強化の3点に重点を指向いたしまして強力な取り締まりを推進しております。
 次に、御質問の第2点目の暴力団組事務所の撤去についてでありますが、今回の対立抗争に伴う発砲事件は、住宅密集地や繁華街に構える組事務所に対し反目する両派が無差別にけん銃を発砲しており、一歩間違えば地域住民に危害が及びかねない極めて危険な状態であると認識しております。
 暴力団事務所を撤去する方策としては、本県においても地域住民が勇気を持って立ち上がり、暴力団追放住民総決起大会などを開催し暴排活動を推進するとともに、地主や弁護士との連携を密にして裁判闘争などを展開した結果、事務所撤去をかち取った事例を含め本年も4件の組事務所撤去の成果があり、暴力団をして、もうこの地域には住めないと言わせるような社会環境をつくり上げることが暴力団をなくす決め手であります。
 私は、暴力団の壊滅には警察の強力な取り締まりと県民こぞっての暴排運動が2本の柱だと思います。このたびの対立抗争事件を契機に暴力団を県民生活の場から排斥すべく地域における住民大会の開催や暴排組織の結成など暴排運動が起こりつつありますが、警察は、これらを大きな励みとして暴力団の壊滅に全力を尽くしてまいる所存であります。
○議長(平良一男君) 教育長。
   〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) 中根議員の知事の政治姿勢、在任12年の総括の中で教育関係の施策についての御質問がありますので、お答えします。
 本県の教育行政は、憲法と教育基本法の理念を踏まえ、関係法令に基づき適正に行われているものと受けとめております。
 御指摘のありました給特条例施行に伴う確認書につきましては、関係法令等に照らしもろもろの問題があったことから破棄したものであります。
 ちなみにこの関係につきましては、関係団体と12回といういろんな手続、それから話し合いを経ての解決になっております。
 それから、新学習指導要領につきましては、21世紀を目指して社会の変化とそれに伴う生活や意識の変容に配慮して、みずから主体的に対応できる心豊かな人間の形成を図ることをねらいとするものであります。
 主任制の実施につきましては、関係法令に基づいて制度化されたものであり、学校運営の効率的運用を図り学校の活性化を意図したものであります。
 また、児童生徒が将来、国際社会におきまして信頼され尊敬される日本人として成長していくためには我が国の国旗、国歌の意義を理解し、それを尊重する心情と態度を育てるとともに、すべての国旗、国歌に対してひとしく敬意を表する態度を育てることが必要であるという観点から、その指導の充実に努めているところであります。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 中根 章君。
   〔中根 章君登壇〕
○中根 章君 数字を並べられて得々と沖縄が物すごい金持ちになったような御答弁でございますけれども、しかし県民の生活実感としてはそうじゃないんです。やはりその辺は、私は知事のお話とは少し違うんじゃないかというふうな感じがいたします。
 それから次、基地の安全管理に取り組んでまいりますとおっしゃいましたけれども、知事が安全管理ができるはずはないと思います。なぜなら山火事は起こりましたし、伊芸への流弾事故はあったし、許田にもありましたし、トレーラーの事故から車両の事故、漁場への事故と挙げるなら枚挙にいとまがありません。

 そういうことで、基地容認と演習を容認してきたところに、私は知事の12年間の悪さがあるということを指摘しているわけですけれども、これらの演習被害を見てどういうふうにお感じになったか、あと一度御答弁願います。
 それから、海外漁業と天然ガス株式会社に対する県の出捐、その県費の損失、それはどういうふうに整理していかれるつもりか再度答弁をいただきたいと思います。
 それから、軍転法の関係でございますけれども、沖縄の米軍基地は、去る大戦による占領と銃剣とブルドーザーによって接収されたものであります。復帰後も国は米軍基地を安定的に利用すること、その確保のために沖振法や沖縄関係の特別措置法等にも含めないで、これは置き去りにされてきたわけであります。
 また、返還に当たっても1カ月前に返還するとか、地主の利益を無視したものであります。その利用には10年以上も日時を要するとも言われております。また土地改良事業や区画整理事業にのせても、今のような予算措置では何十年先のことになるか見通しも立ちません。米軍基地の跡利用計画は、今までの特別措置や云々では無理だということなんです。
 そこで、今日まで全国的にも沖縄のこの基地というものは例を見てないわけですから、やはり特別措置が必要じゃないかということで軍転法をつくってあるわけですから、その御見解を賜りたい。
 それから、リゾートを発展させるためには人と人、自然とのきずなを結び合わせることが大切であります。単に地元に金を落とさせるためとか、地域開発のためにのみ重要なだけではありません。お金に振り回されることなくすべての命をはぐくみ、生を輝かす緑のストックを子孫へ引き継ぎ、万物が相互に慈しみ合っていくやさしい関係をつくり上げるのがリゾートづくりなのです。知事の再度のリゾートに関する御答弁をいただきたいと思います。
 リゾート法が田中内閣の列島改造にも増して悪法であると指摘する学者もおられるわけですから、あわせて御見解を賜りたいと思います。
 それから教育長、教育長はいろんな規制はよくやられますけれども、沖縄の先生方が平和学習の特設授業とか、地域文化に対する特設時間を設けてのこの自立的な授業についての先生方に対する評価をお聞きしたいと思います。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 演習の問題についてお答えいたします。
 日本とアメリカの政府対政府の間で取り結ばれた安保条約、その他地位協定、関連取り決め等によって演習が認められ、その演習については演習地の使用条件等が付されているわけであります。したがいまして私が演習をさせているわけではございません。日米間の取り決めによって施設区域が提供され、演習条件によってやっているわけです。
 しかし、これは原則でございまするから、これは革新が天下をとろうと保守が天下をとろうとその協定自体には変わりはございませんから。しかし県民を守る立場から、この基地の安全管理についてはたびたびここで申し上げているとおりその都度強く要請をしているところであります。効果があろうがなかろうが要求しなければなりません。ないからやらない、あるからやるという問題ではないと思います。保革を超越した問題であると私は考えております。
 それから、海外漁業の問題でございますが、たびたび申し上げているとおり、今、沖縄の漁業の中でこの沿岸漁業を除いてカツオ・マグロ等の遠洋漁業を考えてみました場合には、宮古の漁師たちの存在を忘れてはならないのであります。今、宮古の池間、佐良浜の漁師たちを離れて沖縄の遠洋漁業を語ることはできない。そういう地元の強い要請と数多い漁船員を救うために設立された会社でございまして、今その損失を重ねていることについてはまことに遣憾であります。ありまするけれども、今、会社としても再生の方向にいろいろグアム、パラオ、その他の基地の進出についていろいろやっていることでございまするから、私は海外漁業を設立したことについては別にこれは誤っていたとは考えておりません。
 軍特別措置法について、いわゆる軍転協も要請し、また政府も要請しておりますが、この基地の利用転用の問題において市町村の財政負担がふえた場合、これをどう解決するか。それからこれはもう地主の負担もそれだけ多くなるわけでございまするから、その地主の負担をどういう形で補償していくか、いろいろ含めて利転用の問題については根本的に考え直さなければなりませんし、そのことについては第3次の振興開発計画の中に位置づけて解決していこうと、こういうことについてはたびたび申し上げているとおりであります。
 中根君は、環境の保全については大変関心を持っておられて私も感心をいたしますが、沖縄の青い海、青い空、これは守っていかなければなりません。しかし守るだけではどうにもならないわけでございまして、リゾート開発は沖縄の観光政策を進める上でこれはなくてはならないものであります。金もかかる、木を植えるのも金がかかるわけであります。環境保全も同時に大事ではございまするけれども、またそれに必要な、施設も必要でございまして、あんたが言うとおり山ばかりがあって施設が何もないのでは、これはリゾート開発にはなりません。リゾート産業というものがいかに金のかかるものであるか、そういうことで御理解をいただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 教育長。
   〔教育長 高良清敏君登壇〕
○教育長(高良清敏君) 平和学習の特設授業についての考え方、評価の質問にお答えします。
 教育課程を実施する中での特に平和に関することを授業をするように指導しております。
 特設授業について特別に指導はしてございません。
 以上です。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後4時24分休憩
   午後4時46分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 休憩前に引き続き代表質問を行います。
 島袋嘉盛君。
   〔島袋嘉盛君登壇〕
○島袋嘉盛君 私は、沖縄社会大衆党県議団を代表し、さきに通告してあります事項について所感を述べつつ、順次質問を行ってまいります。
 最初に、西銘知事の政治姿勢についてであります。
 3期12年間続いた西銘知事の任期も残すところわずかになりました。私は、党派を超えて長い間御苦労さんでしたと申し上げたいと思います。
 しかし、この西銘県政12年を振り返ってみますと最も目につくことは国策追従の行政姿勢、それに先見性に欠く行政行為、加えて独善的で強引な行政運営であり、決して高い評価を与えることができないのは残念であります。
 特に、西銘県政12年間に日本一密度の高い軍事基地、日本一低いレベルの高校、大学の進学率、また日本一高い失業率、日本一低い県民所得はそれほど改善されず、さらに日本一貴重で美しい自然環境の中で、日本一の乱開発による環境破壊が驚くほど進められ、沖縄県民はこの12年間、日本一の犠牲と差別を強要され続けてきたのであります。
 こうした西銘県政の国策追従で先見性のない、かつ独善的な政治姿勢は、何も今に始まったことではありません。この例は、西銘県政の誕生時にさかのぼることができます。
 その他にも、中央迎合的で強引な例の典型的なものに、最近では慰霊の日の休日廃止問題と北明治山における植樹祭開催問題があります。
 特に、慰霊の日の休日廃止問題等は、沖縄の特殊性や地方自治の独自性を全く考慮することなく、地方自治法の一部改正に基づくとの一点張りで広範な県民世論を無視し、さらにみずからの与党にまで背かれながら廃止するしかないとか、撤回も修正も考えないといった強硬姿勢を続けてきました。
 しかし、こうした強硬姿勢が来る知事選挙で不利になりかねないことや、戦後45年目にして初めて現職総理が慰霊の日の戦没者追悼式に出席するという事情等から、この問題で政府側に譲歩の気配が見られるや否や、一転して休日存続を打ち出すなど中央迎合的な政治姿勢をあからさまにしております。
 そのほかにも無定見で強引な例は、伊良部町における海外漁業問題とか、ここしかないと言いながら突如場所変更を余儀なくされた新石垣空港問題、またずさんな行政指導の例は社会福祉法人に絡む汚職問題、さらには沖縄の地理的条件や風土的特性を無視した土地改良事業等を原因とする赤土汚染、リゾート開発に絡む本土大手資本による土地買い占めや乱開発等福祉問題や環境問題でも枚挙にいとまがありません。

 そればかりか、西銘知事に対する県政私物化批判は、この12年間ほとんど絶えることなく続き、今度の知事選挙で四たび知事の座に着いたならば、もはや後ろがないだけにそら恐ろしいとの批判さえ巷間に伝えられているのであります。
 このように西銘県政の先見性に欠け、強引で独善的、それでいて中央追従の政治姿勢が県民に幾多の損失をもたらしたかはかり知れないものがあります。それゆえこの基本認識に立って基地問題、新石垣空港問題、全国植樹祭開催問題、第3次沖縄振興開発計画等の諸問題について順を追って質問をいたします。
 まず、軍事基地問題についてお尋ねいたします。
 現在は、第2次緊張緩和の時代、いわゆる新デタントの時代と言われております。
 御承知のように、東西の冷戦構造の崩壊による緊張緩和の潮流は日ソ関係、日朝関係の急転回に見られるように我が国を取り巻くアジア太平洋地域にまで及んでおります。この緊張緩和の潮流は、来年のゴルバチョフ大統領の来日を機にさらに加速されるものと思われます。
 ところが我が沖縄においては、米国防総省のアジア太平洋地域の戦略構想で明らかにされたように、米軍兵員の削減計画と不要な基地の返還方針は示されたものの、引き続き米アジア戦略の基本である前方展開兵力と沖縄基地の有効性が強調され、そしてあたかもそれを実証するかのように基地機能は一段と強化され、軍事演習もさらに激化しているのであります。これはまさしく世界の潮流である新デタント時代に逆行するものであります。
 また、那覇防衛施設局は、1992年5月14日に期限切れになる米軍用地の賃貸借再契約の同意に応じない地主に対して、米軍用地収用特措法に基づく強制使用するための手続を開始しています。
 今回の契約拒否者の中には、従来契約地主でありながら新たに契約拒否に転じた人々もあり、拒否の理由も世代の交代、民生活用のための返還希望、軍事利用への確信的拒否等さまざまであります。それだけに契約拒否地主に対する防衛施設局側の対応も従来にない対応で、地主対策に関する詐欺まがいの想定問答集といった内部資料の存在が明らかになるなど波紋を広げつつあります。これまた世界的な緊張緩和、すなわち軍縮の流れに逆行するものであります。
 こうして沖縄県民は、世界の軍縮、平和傾向に逆行する不合理、不条理の生活を強いられているわけでありますが、その中にあっても理解に苦しむのが西銘県政の基地行政であります。
 そこで具体的にお尋ねいたします。
 1、西銘知事は、かつて安保を積極的に評価し、米軍、自衛隊容認の立場から、訓練しない軍隊は役に立たないと発言、軍事基地や軍事演習を積極的に容認してまいりました。今日のデタントの状況において、沖縄の軍事基地及び軍事演習についてどのような所感をお持ちか、率直に伺いたいと思います。
 2、米国防総省のアジア太平洋地域戦略の転換により沖縄の米軍基地の整理削減が具体化されつつありますが、基地撤去を推進しつつ県民生活を守る立場から、軍雇用員を初め地主や基地関係業者等の関係者の権利擁護が緊急の課題になってまいります。この問題に対する知事の具体的な施策を賜りたいと思います。
 3、防衛施設局は、1992年に期限切れになる米軍用地の賃貸借再契約を拒否する地主に対して米軍特措法に基づく強制使用の手続の準備に入っておりますが、知事は従来この問題について、法に基づく手続なのでコメントを避けたいとして答弁をされておりません。しかし緊張緩和の流れの中での強制使用であることや、詐欺まがいの想定問答集を準備しての対応、それに知事選挙を意識して安保容認の西銘知事のもとで県収用委員会への裁決申請を急ぐ構えを見せるなど、防衛施設局の対応に問題があります。あえてこの問題に対する知事の御所見を賜りたいと思います。
 4、復帰後最大の懸案であり、これまでたびたび取り上げてきました軍用地転用特別措置法(仮称)の早期立法の件であります。
 知事は、これまで返還跡地利用については土地改良法、土地区画整理等の現行法で効果を上げているとし特別立法の要請は考えないと答弁されてまいりましたが、軍用地返還が急速に具体化しつつある今日、また開発庁長官等から特別立法の言葉が出る昨今、この問題に対する知事の姿勢も転換しつつあるように見受けられます。改めて知事の御見解を承りたいと思います。
 次に、新石垣空港問題についてお尋ねいたします。
 この新石垣空港問題は、計画発表から10年以上経過してなお着工のめどすらつかず、大蔵省あたりでは来年度予算の概算要求の段階で既に難色を示しているありさまです。この新石垣空港問題にこそ西銘県政の先見性のなさ、政治姿勢の秘密主義、民主的手続の欠落ないし形骸化が典型的に集約されてあらわれているように思われます。
 新石垣空港は、ジェット機時代には手狭となった現空港の代替空港として、その必要性については石垣市民はもちろんのこと、八重山郡民初め沖縄県民がひとしく認めているところであります。それゆえ建設推進、早期着工は県民世論であります。
 ところが、この問題に対する西銘県政のこの間の対応は全く逆で、空港建設を推進するどころか、今日に至ってはもはや新空港建設は不可能ではないかと思われるほどこの問題を泥沼化させております。
 我が党の新石垣空港問題に対する姿勢は、終始一貫しております。つまり、現空港の狭隘で危険な状況を認識する立場から、新空港建設の必要性を痛感し建設推進、すなわち早期着工を主張する姿勢であります。
 しかし、我が党は、空港建設のためには手段を選ばず、何が何でも建設を促進せよと主張したことは一度もありません。つまり空港を世界に誇るサンゴの海に、また土地転がしで汚染された土地の上に新空港を建設せよと主張したことはないのであります。
 このように極めて立場は明確であります。そしてこの立場に立ってこの問題に注目しておきたいわけでありますが、西銘県政の不透明な行政運営の結果、カラ岳東の新建設予定地でも海は環境破壊の問題をクリアできず、陸は土地転がしの疑惑に包まれて依然として問題山積、今もって着工の見通しは視界ゼロではないでしょうか。こうした状況のもとでは新空港建設に対する発想の転換が必要ではないでしょうか。
 例えば、現空港の拡張など真剣に検討するに値するものではないかと思います。その際、最も注意すべきことは、現空港の拡張を単に現滑走路の南北への拡張や角度を変えての拡張という滑走路改良工事的意味に限定し問題を矮小化しないことが大切であります。
 新石垣空港建設が現在及び将来の石垣市民及び八重山郡民の生産活動と生活環境の質的向上に寄与するのが目的であり、世論のコンセンサスを得て行われなければならないならば、この空港建設はこれまでの経緯からして八重山の自然環境を保全し、同時に住民の生活環境を改善するものでなければなりません。
 このためには、従来の発想を変え、例えば新石垣臨空都市整備構想といった我が国南の玄関ロにふさわしい雄大な構想のもと、そこには海を埋め立て、山を切り開いて新空港を建設するに匹敵する投資額を投入するという臨空都市としての石垣市の抜本的な市街化再開発計画を盛り込む発想が今必要ではないでしょうか。
 以上の認識に立って、次のことについてお尋ねいたします。
 1、新空港建設推進の立場に立つべき当局が、行政の不手際から建設計画の遅延に大きく責任を負っている矛盾について知事の御所見を伺いたいと思います。
 2、空港建設予定地の土地疑惑に関連した業者が東京地検の捜査の対象に現在なっている。この事件が新空港建設計画に及ぼす影響について知事の御所見を賜りたいと思います。
 3、陸の土地転がし、海の環境保全という一連の重要課題を踏まえてカラ岳東新予定地における現時点での着工見通し等について知事の御見解を賜りたいと思います。
 4、新石垣空港建設問題における新たな発想の転換の必要性について知事の御見解を賜りたいと思います。
 次に、全国植樹祭問題についてお尋ねします。
 西銘知事は時折、政策の推進に当たっては民意尊重、決断と実行、信念と協調をもって対応すると述べておられます。それは民意のもとに政治があり、行政は民意の代行だからであると確信されているからとのことでありますが、また知事は、今まさに協調の時代という時代認識をお持ちとのことであります。そして県民との協調、意見を異にする人々との協調、市町村との協調、政府との協調が県知事の基本的な姿勢であるとの信念を痛感しているとのことであります。

 しかし、私どもが西銘県政を概観いたしますところ、知事の政治信念は国策のもとに県政があり、県政は政府の代行であるとの信念でしかなく、したがって西銘知事の言われる協調は専ら政府との協調でしかなかったように見受けられるのであります。
 それはともかく、今度の全国植樹祭開催問題は、木を植えるために木を伐採するという県民常識に反する県の計画、天然林の広範囲に及ぶ伐採と整地による赤土流出などの自然破壊は植樹祭本来の意義に反するという民意、これを行政は民意の代行との信念を保持し、県民や意見を異にする人々との協調を基本姿勢にする知事ならば決して無視することのできない民意であります。
 この全国植樹祭開催問題でこそぜひとも民意尊重、県民との協調、意見を異にする人々との協調の精神で、熟慮の中にもちゅうちょすることなく決断し、将来展望と確かな計画に基づいた植樹祭を実行していただきたいものであります。
 以上の視点に立って次の4点についてお尋ねいたします。
 1、全国植樹祭を1993年という時期にこの沖縄県で開催する意義について西銘知事の御所見を伺いたいと思います。
 2、開催場所の決定に至る経緯及び今後の諸手続とタイムスケジュールについて明らかにしていただきたい。
 3、北明治山での開催については多くの県民から批判や諸矛盾が指摘されているが、当該場所を選定したメリット及び植樹祭に必然的に伴う事業等について明らかにしていただきたい。
 4、全国一巡最後の植樹祭という意義を踏まえ、これまで全国各地で行われた植樹祭の反省の上に、主会場を思い切って小規模に、そして分会場を県下全市町村に置く、例えば全市町村に1会場といった新たな方法を取り入れる構想は採用できないものかどうか、西銘知事の御所見を伺いたいと思います。
 最後に、第3次沖縄振興開発計画についてお尋ねいたします。
 沖縄においては、1972年の復帰以来、沖縄振興開発特別措置法に基づき1次、2次と2度にわたって沖縄振興開発計画が策定され、本土との格差是正及び沖縄の自立的発展の基礎条件の整備が進められてきました。
 しかし、広大な米軍基地の存在や産業基盤の整備等、本県の社会経済の各面にはいまだ解決すべき課題は山積し、引き続き沖縄振興開発計画による県づくりが必要であることは県民のひとしく認識しているところであります。それゆえ、県民各層が、残り期間わずか1年余に迫った第2次振計の目標への達成度及び目標未到達部分の阻害要因の分析結果、さらにはそれらの総括を踏まえた第3次振計の策定作業の進捗状況について大きな関心を寄せているのであります。
 以上の認識に立って、以下の項目についてお尋ねいたします。
 1、第2次沖縄振興開発計画の中で県が最も目標達成が困難なものとして総括している点はいかなるものか。そしてその原因をいかに分析しているか。その分析結果との関連で第3次沖縄振興開発計画にどのような目標を設定しようとしているのか、知事の御見解を賜りたいと思います。
 2、沖縄振興開発計画は国の開発計画である。これまでの振計に沖縄県民の要求は十分反映されていると知事はお考えになっておられるか。特に2次振計の途中で沖振法で保障された高率補助制度が補助率カットを余儀なくされたが、これで国の責任は十分果たされていると思われるのか、西銘知事の御見解を賜りたい。
 3、沖縄振興開発特別措置法に基づいてこれまで3兆円余の公共投資がなされながら、沖縄経済はざる経済と言われるように資金の本土還流を許しているのは、沖縄の地域特性を無視した本土並み基準にもその原因があるとの批判もあります。迎える第3次振興開発計画の策定に当たって、格差の是正と沖縄の地域特性をどう位置づけていくか、知事の御見解を賜りたいと思います。
 4、第3次振興開発計画は、20世紀から21世紀に橋渡しする90年代の沖縄の指針である。この新しい時代を切り開く新しい計画は、新しい発想を持つ人物によって策定されなければならないと考えるが、ベテラン政治家である西銘知事の御見解を承りたいと思います。
 以上、よろしく御答弁のほどをお願いいたします。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 島袋嘉盛議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 基地問題についてお答えいたします。
 今日のデタントの状況において、軍事基地及び軍事演習について知事はどのような所感を持っているかと御質問がございましたが、お答えいたします。
 米ソを中心とした東西間の緊張緩和に伴う国際情勢の変化は、徐々にではあるがアジア地域にも好ましい影響を及ぼしつつあるものと理解しております。今後、本県の米軍基地や米軍の演習等の対応にも何らかの変化があるものと考えられます。
 県は、今後とも基地の整理縮小及び基地問題解決のため粘り強く日米両政府に対し要請してまいりたいと思います。
 次に、軍雇用員の権利擁護の問題についてお答えいたします。
 県としては、在沖米軍基地の整理削減等に伴う駐留軍従業員の身分など、その影響については重大な関心を持っているところであります。駐留軍従業員の雇用の安定について努力してきたところであります。
 そのため、去る6月来県いたしました海部内閣総理大臣初め衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会に対し、駐留軍従業員の雇用の安定等について適切な措置を講じていただくよう要請してきたところであります。
 また、商工労働部内に設置された駐留軍従業員等雇用対策連絡会議を通して従業員の雇用問題に対処するとともに、今後とも事態の推移を見きわめながら雇用の安定について努力してまいりたいと思います。
 次に、防衛施設局の想定問答集等の対応についてただされましたが、お答えいたします。
 これまで申し上げてきたとおり、防衛施設局は、いわゆる駐留軍用地特措法に基づいて諸手続を進めているところでありまして、その対応の仕方について言及するのは差し控えたいと思います。
 次に、軍用地転用特別措置法の早期立法についてお答えいたします。
 返還跡地の有効利用の促進を図るためには特別の措置を講ずる必要があると考えており、県としては沖縄振興開発特別措置法の改正を含め必要な措置を政府に要請していく考えであります。
 次に、石垣空港問題についてお答えいたします。
 計画の遅延について御質問がございましたが、お答えいたします。
 新石垣空港の建設は、八重山郡民の多数の強い要請を受けて県としても八重山地域における航空路の安全確保と産業の振興並びに住民の生活向上を図るためには、ぜひとも推進しなければならない極めて重要な施策であるとの認識のもとに、これまで白保海上案で鋭意事業推進を図ってきたところであります。
 空港予定地南側のアオサンゴ群生の保全に万全を期し、また八重山郡民からの早期建設の要請にもこたえるためやむを得ずカラ岳東側海上に位置変更を行ったものであります。
 新予定地における建設計画については、運輸省、環境庁等関係省庁の十分な理解が得られていること及び工事施工に伴う環境保全の見通しも得られたこと等から、早期に新空港が実現できるよう努力してまいりたいと思います。
 土地転がしの事件が空港建設計画に及ぼす影響について知事の所見をただされましたが、お答えいたします。
 空港建設予定地付近の土地に関し、国土利用計画法に違反した土地取引がなされたことはまことに遺憾であり、県としても、去る5月30日に違反した業者を県警に告発したところであります。
 しかし、空港建設計画と今回の告発とは別の問題と考えており、県としては、残された地権者の同意取りつけを早急に行い、空港の早期建設に鋭意努力していく所存であります。
 カラ岳東新予定地における現時点での着工の見通しについてお答えいたします。
 新石垣空港建設に当たっては、関係法令に基づく諸手続が必要であるため、これまで航空法に基づく飛行場設置許可申請及び公有水面埋立法に基づく埋立出願に係る図書の作成を進めてきており、その作業を終えているところであります。今後、許可申請をするに際しては地権者の同意書が必要であり、現時点で約90%の同意を得ておりますが、引き続き残された地権者の同意取りつけを行い、新石垣空港の早期建設に向けて鋭意努力してまいりたいと思います。

 新石垣空港建設における新たな発想の転換について御提言がございましたが、お答えいたします。
 新石垣空港の適地選定に関しては、これまで富崎野、現空港、宮良、白保陸上、白保海上の候補地について空域、土地利用、航空機騒音、文化財等も考慮し比較検討を行った結果、現空港の拡張も含めて陸上での建設は土地利用との競合や騒音問題等のため極めて困難との判断から、白保海上案が最も好ましい位置として計画されたものであります。
 その後、空港予定地より南側のアオサンゴ群生の保全に万全を期すため位置変更を行う必要があり、航空法第2条による保護空域が白保海上案と同一空域にあるカラ岳東側海上に位置変更をしたものであります。
 したがって、陸上での空港建設については、これまでの検討結果からも明らかなように、離島の限られた土地では代替農地の確保も困難であり、実現性がないと考えております。
 全国植樹祭についてお答えいたします。
 その意義についてお答えいたします。
 森林、林業及び環境緑化の重要性について県民の理解を深め、緑豊かな郷土づくりを促進する。2、復帰20周年記念事業の一環として位置づけ、本県の復帰以後の歩みとその成果を踏まえ、21世紀に向けた新たな飛躍への一大転機とする。3つ、本県の自然、文化、社会経済的な特性等広く国民に紹介し理解を深める絶好の機会とし、今後の観光、文化、産業の振興に貢献する。4つ、全国一巡の最終を本県で締めくくることによりまして新たな国土緑化運動の出発点とする等、極めて意義深いものと考えております。
 開催場所の決定に至る経過についてお答えいたします。
 会場候補地の選定については、森林を造成し、将来にわたってこれを維持するにふさわしい地域で、位置、地形、育林環境、跡利用等基本的要件を勘案して決定する必要があります。
 県としては、これらの要件を備えた5カ所について、特に専門家の立場からの検討を沖縄県森林審議会に依頼いたしまして、同審議会の意見を尊重して名護市の北明治山が会場地として最も適していると判断し決定したところであります。
 平成5年第44回全国植樹祭の沖縄県での開催が、平成2年8月30日、社団法人国土緑化推進機構理事会において正式に決定されたことから、今後、会場地の決定、大会テーマ、シンボルマーク等の決定を行い、平成5年開催に向けて全力で取り組んでいく所存であります。
 当面、植樹専門委員会による樹種の選定を早急に行い、苗木等の育成を図っていきたいと思います。
 次に、北明治山開催についての批判や矛盾が指摘されているが、当場所を選定したメリットと植樹祭に伴う事業について指摘がございましたが、お答えいたします。
 本県の森林は、これまで多くの人によって植林、保育、間伐等森林施業が行われ、より充実した森林資源の造成を図ってきたところであります。また、伐期に達した森林は県産材として広く県民に利用されており、造成、保育、間伐、収穫は一連の林業施業として営まれているものであり
ます。
 北明治山は、軍用地を含めて14ヘクタールの県有地であり、植樹祭を契機として計画的造林を行い、周辺森林と一体的に育成管理することによって森林公園として整備できる場所であります。今後、生活環境保全林整備事業を導入し、遊歩道の整備や自然林造成、改良等の事業を行い、広く県民が身近な自然との触れ合いの場として利用できるような森づくりを図っていく考えであります。
 植樹祭開催に伴う事業としては、式典会場やサービス広場の造成、駐車場、進入道路等の整備、修景植栽、飾花、植樹用苗木の養成等があります。
 会場を小規模にして分会場を県下に置くべきであるとの提言についてお答えいたします。
 全国植樹祭開催の方針、計画等については、今後、県内各階層の意見等も踏まえ検討していくことといたしますが、開催に当たっては、国土緑化推進機構運営要綱等に従い、また先催県の慣例や伝統を尊重して行う必要があります。一村一会場ということも一つの方法だと思いますが、県としては、第44回全国植樹祭を記念して県下市町村でも一斉に植樹を行う方法等、今後、検討を進めていく考えであります。
 次、第3次振計についてお答えいたします。
 振計の総括と意義についてお答えいたします。
 第2次沖縄振興開発計画の総点検結果につきましては、平成2年3月に総点検報告書として取りまとめたところでありますが、総括的に申し上げれば、本県の振興開発は、2次にわたる沖縄振興開発計画に基づく国の積極的な施策の推進と県民の努力によりまして総体として着実な発展を遂げております。
 しかしながら、本県の地理的、自然的制約条件の中で水資源の安定確保を初め生活、産業基盤等なお開発整備を要する分野も多く、また産業振興のおくれや米軍施設区域の整理縮小など依然として解決すべき多くの課題が残されている現状にあります。
 したがって、これら課題の解決と21世紀に向けた本県の自立的発展のための諸施策を引き続き推進していくためには、沖縄振興開発特別措置法の延長による国の特別措置のもとに第3次沖縄振興開発計画の策定がぜひ必要であると考えております。
 国の責任と県民要求の明確化についてお答えいたします。
 沖縄振興開発計画は、沖縄振興開発特別措置法に基づき国が策定する沖縄の振興開発計画の基本方向と諸施策を明らかにした総合計画であります。
 また、計画策定に当たっては、地方自治を尊重する立場から沖縄県知事に計画原案の提出権が付与されているところであります。現行の第2次沖縄振興開発計画の原案、すなわち県案策定に当たっては、県民の意向を反映すべく沖縄県振興開発審議会等の審議を経て県案決定がなされてきたいきさつを勘案いたしますというと、県民の要求は十分に反映されてきたものと考えております。
 なお、60年度以降実施されている国庫補助負担率の引き下げについては、本県は、他府県に比較して引き下げ幅等について特別に配慮した措置がなされております。
 また、補助負担率の引き下げによる国庫減額相当額については臨時財政特例債により措置されており、元利償還金全額が地方交付税で補てんされております。これらの措置を勘案すれば、国においても沖縄振興開発計画の責任ある推進に努力されていることを評価してよいと考えております。
 本土並み基準と地域特性についてお答えいたします。
 各面における本土との格差は、2次にわたる沖縄振興開発計画の推進によりまして次第に縮小されつつありますが、生活、産業基盤や県民所得等の分野においては依然として格差が見られるところであり、引き続きその格差是正を図るとともに、本県の地理的位置や亜熱帯海洋性自然等の地理的特性を生かした自立的発展の計画理念については第3次沖縄振興開発計画の策定においても所要の位置づけが必要であると考えております。
 なお、振興開発事業の推進に当たっては、公共投資の県内歩どまりをできるだけ高め、地域経済への波及効果の拡大を図るべく引き続き努力してまいりたいと思います。
 また、事業採択、補助対象などの本土並み基準の問題や、格差是正についても単に整備水準等の数量的な比較による画一的なとらえ方をするのではなくて、本県の離島性、亜熱帯性を初め産業構造などの地域特性に配慮した新たな視点に基づく振興策や事業の進め方が必要であると考えております。
 最後に、新時代にふさわしい発想豊かな計画の策定についてお答えいたします。
 第3次沖縄振興開発計画は、新しい世紀への橋渡しとなる重要な意義を持つ計画であります。21世紀を展望した活力ある県づくりの基盤となる諸施策を計画内容に盛り込む必要があると考えております。
 すなわち、高齢化、国際化、情報化などの進展に対応しつつ、沖縄が地域特性を発揮し、国際交流の拠点の形成や国際的規模の観光保養地の形成及び新しい亜熱帯農業や情報関連産業、地域資源を活用した製造業の振興など特色のある産業の振興を図るとともに、貴重な伝統文化の継承と豊かな県民文化を創造し、特色のある地域として自立的発展を目指すことが重要だと考えております。

 このような視点から、県民の英知を結集いたしまして第3次の沖縄振興開発計画の策定に取り組んでまいりたいと思います。
 以上であります。
○島袋嘉盛君 休憩お願いします。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後5時32分休憩
   午後5時33分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 御質問がなかったと思ってお答えしなかったんですが、お答えいたします。
 在沖米軍基地が整理削減された場合、基地関連業者に大きな影響を与えることが懸念されます。
 そのことから、国及び関係機関と連携をとり、状況把握に努めるとともに、同関連業者の保護育成策についても検討してまいりたいと思います。
 具体的には、特定地域中小企業対策臨時措置法を積極的に活用するとともに、同法の適用対象外業者については診断経営指導及び制度金融等の活用によりまして支援策を講じてまいりたいと思います。
○議長(平良一男君) 島袋嘉盛君。
   〔島袋嘉盛君登壇〕
○島袋嘉盛君 再質問をいたします。
 新石垣空港問題についてお尋ねしますが、知事は、先ほどの御答弁でなるべく早い時期に着工していくんだという御答弁がありました。
 なお、その90%が協力が得られているということでございますが、今、いつごろ着工の見通し、こういうこと等について、もし御答弁いただければお願いしたいと思います。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 高良尚光君登壇〕
○土木建築部長(高良尚光君) 手続に必要な地権者の同意につきましては、現在まだ、企業用地を含めまして約4筆ばかり残っております。
 したがいまして、この用地の同意書をもらいまして、それがそろい次第手続を始めていきたいと思っております。
 一応、目標としましては、なるべく早くでございますけれども、遅くとも11月の末には持っていきたいと思っております。
○議長(平良一男君) 下地常政君。
   〔下地常政君登壇〕
○下地常政君 私は、新政クラブを代表して通告に従い質問をしてまいりますが、これまでの質問とダブる部分は、私なりの視点でお伺いしますので御容赦いただきたいと思います。
 その前に、若干の所見と要望を申し上げたいと思います。
 最初に、懲罰問題についてであります。
 問題の発端は、嘉陽議員の事実無根の発言であります。
 この発言に対し、懲罰動議の提出があり、これについて与党が特別委員会を設置し審議しようと提案、野党の皆さんもこれに応じて審議に入りました。ところが野党は、審議の結果、懲罰すべきものとするかどうかの決定には加わらないということになりました。
 民主主義において、手続は極めて重要な要素であります。審議はするが、決定はしない。決定してもそれに従わないということでは、議会の機能はそこで行き詰まってしまうわけです。議会制民主主義を標榜する立場上、大変残念なことと言わなければなりません。
 嘉陽議員の事実無根の発言が、懲罰に値するかしないか、これは意見の分かれるところでしょう。その場合、民主主義は多数決原理に従うとされており、今ここでこのことで応酬しても建設的ではないと思います。
 さて、不動のものに見えたベルリンの壁崩壊後から1年、あさってはいよいよ統一ドイツ誕生を迎えます。ソ連、東欧諸国の劇的な変動で東西相対立する図式は消滅して、全世界の人々に安堵と希望をもたらしたかに見えましたが、しかしだれもが予想しなかったイラクのクウェート侵攻により、これまでソ連一辺倒だった脅威にかわって今や複雑かつ散在する脅威が世界秩序を脅かし始めました。
 日本を含めて、これまで長い間アメリカの庇護を受けてきた諸国は、こうした脅威に対抗するため建設的なパートナーシップに参加すべきじゃないでしょうか。
 ところで、今議会は、西銘県政3期目の最後の議会であります。改めてこれまでの西銘知事の力強い県政運営とすぐれた実績に触れないわけにはまいりません。具体的項目は、午前中の自民党代表質問とこれに対する知事の御答弁に述べておられますが、道路、港湾、空港、通信、福祉、その他各部門にわたるハード及びソフト面の整備と成果は枚挙にいとまがなく、また国の外交領域に踏み込み積極果敢に基地問題を米国政府に訴え、見るべき成果を得ております。
 その勢いで2次振計を仕上げ、3次振計を策定し、21世紀の沖縄、日本一の沖縄づくりにスパートをかける、まさに西銘知事ならではの心強い、そして活力に満ちた足取りであります。
 中国の隋書にも書いています。騎虎の勢い、下るを得ず。ここまできたら西銘知事の続投以外に道はありません。
 そこで、質問の冒頭、知事4選出馬についてお伺いいたします。
 前述しましたように、大きく変貌する国際情勢の中で沖縄米軍基地の地位もどう変化するか予測を許さない状態にあります。
 一方、我が県自体としても、国の重要施策の中で位置づけを得て振興開発計画を推進し相当程度の成果を上げてきてはおりますが、なお本土との格差を残したまま90年代を迎えました。
 このような時期に、西銘知事は引き続き県政担当の意欲を示され、4選出馬を決断されましたことに対し、県政与党の一人として他の多くの同士たちとともに大きな拍手を送るものであります。
 その上でお伺いしますが、まず、知事御自身、激動する国内外の状況の中で今後の沖縄県政をどのように展望なさるのか。
 次いで、4選を果たされてから、今後重要な節目を迎える県政運営に対し、どのように取り組まれるつもりか御決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
 2番目に、県内経済についてお伺いします。
 9月19日、全国財務局長会議の席上、造酒沖縄総合事務局長の報告された「管内経済情勢」によりますと、我が県経済は総じて緩やかな拡大基調で推移しているとなっています。しかしイラクのクウェート侵略に端を発した中東紛争は、直ちにバレル当たり17ドルないし18ドルから25ドル、50%近い石油価格の急騰を招き、この影響を受けて早くも東京株式市場では株価暴落が生じております。
 これは、当然ながら県内経済へ波及し、電力の発電コストを初めその他の産業コストを押し上げることは必至となり、他方では灯油、ガソリン等の元売業者からは、販売店に対しリッター当たり9円前後の値上げを通知してきていると言われており、これは早晩小売価格に転嫁されることは十分予想されることであります。
 一方、本土で問題となっている人手不足は、緩慢ながら県経済の産業部門にも影響を及ぼしつつあり、琉球銀行が9月19日に発表したアンケート調査結果では、対象企業183社中64%、120社が前年より人手不足になったと回答しています。
 現実に私の聞き取りでも某建設業の役員は、公共工事を受注しても消化し切れないときが遅からずやってくると深刻に心配をしています。
 また、ある小規模ホテルの清掃請負業者は、従業員がいなくなった、もう請負を解約するしかないと悲鳴をあげております。
 このような実態を踏まえてお聞きしますが、1つ、県としては県内経済の最近の動向をどう把握しているか。
 2つ、石油問題の県内産業及び県民生活に及ぼす影響と対策についてどのように考えているか。
 3つ、忍び寄る人手不足の県内企業活動に及ぼす影響と対策についてどう考えているか、以上お聞きいたします。
 次に、基地問題についてであります。
 変化は、突然やってきて、影響はゆっくりと姿を見せつつある。ベルリンの壁の崩壊及び東西ドイツ統一に象徴される東西緊張の緩和及び冷戦の終結とその後に起こりつつある一連の出来事は、こんなふうにでも表現されるでしょうか。
 ソ連、東欧の変革と国防予算の削減を理由に、アメリカ国防総省はことし1月、海外14基地の閉鎖、そして今月18日には10カ国、150に上る海外の基地及び施設の閉鎖と縮小を発表し、あわせて今後3年間に沖縄の米軍を含む在日米軍人5000人から6000人を削減する予定であることを明らかにした旨新聞は報じております。
 しかし、事柄はそう単純ではありません。東西の戦力による抑止が解消され、世界中の人々が平和の分け前に預かることを期待したのもつかの間、突然のイラクのクウェート侵攻により、その空白の跡へまた新しい力の緊張が生まれ、今や中東は一触即発の状況となりました。

 この事変により、国の生命線ともいうべき石油輸送路の安全保持も含めて我が国の危機管理能力が鋭く問われています。
 そこでお伺いしますが、県は、確認、未確認を含めて米軍基地の縮小あるいは撤退に関し、これまでなされた報道、その他の情報をどのように修正しているか。
 2番、このような国際環境の中で県内米軍基地の今後の動向をどのように予測しているか。
 3つ、中東紛争に伴う米軍の移動等により、米軍基地内請負業者及びその従業員はどのような影響を受けているか。またそれについてどのように県として対処されるか、以上お伺いいたします。
 4番目に、土地問題についてであります。
 住民にはもう手が出ない、業者に渡れば何倍にも。これは今年度、県が行った地価調査結果を報道する新聞のサブリードであります。
 東京都内の異常な地価高騰が、東京圏、大阪圏、次いで地方へと拡散していく中で沖縄だけが例外というわけにはいかないかもしれませんが、それにしても九州圏内で福岡に次いで2番目の高値。特定地域においては狂乱状態ともいうべき県内地価状況は、憂慮すべきものであります。
 これでは、勤労者の住宅地確保や正常な商活動、円滑な農業基盤整備等はもとより、望ましいリゾート地域整備の推進等、ままならぬこととなるのは明らかであります。
 土地政策は、基本的には国の施策であり、かつ私有財産に係る私権が憲法で保障され、極めて強大なものとなっている我が国の現土地制度のもとでは、決定的効果を持つ地価抑制策は望めませんが、しかし近年、地方自治体に許された抑制策のうち、監視区域指定の運用いかんでは相当程度効果を上げることが確認されております。
 そこでお伺いいたしますが、1つ、県内地価調査結果に見られる地価高騰を県はどのように認識しているか。
 2つ、県は、地価抑制のためこれまでどのような対策をとってきたか。その効果はどう評価されるか。また監視区域指定など状況に的確、迅速に対応したと言えるか。
 3つ、今後、効果ある地価抑制のためどのように対処するつもりか、以上お答えをいただきたいと思います。
 水事情についてであります。
 沖縄の水資源については、国の沖縄振興開発計画の筆頭に位置づけられ、国、県合わせて年間250億ほど――これは平成2年度の予算ですが――を投じて開発を進め、その安定供給を図ってきております。
 それにもかかわらず、復帰後18年間で断水のなかったのは7年だけ、2年に一度は給水の制限を受け断水はほとんど慢性化しております。
 先月も16日から給水制限に入るところ、台風19号の襲来で水事情が好転し制限が中止されました。命のもとである水の使用もお天気次第というわけです。
 今後、人口増やリゾート地域整備の進展に伴い、水需要は増大する一方であると予測されています。
 もちろん、国とともに県当局も将来予測に沿って水資源開発に懸命の努力をしていることは承知しておりますが、しかし現在計画を100%達成しても、当面断水なしで十二分に需要に対応することはできないと言われています。その点で、需要面を抑制する節水型都市づくりに力を注いだ福岡市のケースを我が沖縄県においても他山の石として実質的な意味での水資源確保に努力すべきではないでしょうか。
 そこでお伺いしますが、1つ、現在、県内の用水需給のバランスはどうなっているか。一月ほどの渇水で直ちに給水制限に入るのはなぜか。
 2つ、県は節水型社会形成を打ち出しているが、その具体策と実施状況はどうなっているか、以上お聞きいたします。
 暴力団抗争についてであります。
 今、私たちがこうして質問、答弁を展開している間にも、無法にも人質となっている日本人を含むイラクの外国人の皆さんは絶望的状況のもと、自国政府の言動に敏感に反応するフセイン大統領の報復に神経をすり減らしながら、精神的、肉体的苦痛に耐えており、またイラク周辺に駐留する外国将兵は、日中、摂氏40度以上の灼熱のもと、苛酷な生活環境に耐えながら展望のない長い時間を過ごしております。それでも私たちはテレビや新聞等で中東のニュースに接するとき、多少胸の痛む思いをする以上のことはありません。
 しかし、もし、あなた方や私の住む家の周りで日夜40人ないし50人もの暴力団が徘徊し、あるいは暴力抗争を引き起こすとしたら、私たちはどういう思いでこの席に座ることになるでしょう。市民の日常生活を脅かす暴力抗争の予防と制圧がいかに私たちに身近で切実で重要な問題であるかを改めて認識せざるを得ません。
 県内暴力団問題は、昭和58年まで続いた山口組と旭琉会の対立抗争を最後に、表面上は平穏に推移していましたが、去る9月13日、那覇市西町において白昼、対立相手の組事務所に乗り込み、不法にも居合わせた組員をけん銃で撃ち重傷を負わせる事件が発生、これを契機に発砲事件が続発、対立抗争は激化し県民を不安に陥れています。
 また、最近の暴力団は、民事問題や企業活動に介入して暴利をむさぼるなどその活動が潜在化し、知能犯化し市民生活に大きな脅威を与えています。
 数日前の報道では、高校生が組織の一員として関与していたことが明らかにされ、県民に大きなショックを与えました。
 これに対し、警察本部長以下、第一線の警察官に至るまで昼夜を分かたず全力を尽くして対策に御尽力されていることに心から敬意を表し、その労を多とするものですが、重ねてなお一層の御努力を期待し、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 1つ、その前にまず県内暴力団の現状はどうなっているかについて明らかにしていただきたいと思います。
 2つ、県警では本年3月、那覇空港において山口組組長の沖縄上陸を阻止し暴力団に対する警察の強い姿勢をうかがわせました。このことについては、未然に県民の不安を除いていただいたものとして私を含め多くの議員がこれを評価いたしておりますが、その対策をとった背景等について御見解をお聞きいたします。
 3つ、去る9月13日、那覇市西町で発生した暴力団同士によるけん銃を使用しての殺人未遂事件以来発砲事件が続発、対立抗争がエスカレートし県民に新たに大きな不安を与えていますが、県警としてこの問題にどう対処されるか、お聞きいたします。
 4つ、暴力団対策は単に警察だけではなく、県民全体で取り組まなければならない問題であり、県議会としても最大限のバックアップをしていかなければならないと考えているが、県民総ぐるみの暴力団排除活動についてどのように考えているか、御見解をお聞きします。
 5番目に、現在、沖縄市等から議会決議要請が出されていますが、それについてどのように受けとめておられるか、お聞かせください。
 以上、本部長の御決意と御見解をお伺いします。
 最後になりますが、離島問題についてであります。
 これまでも県内離島と沖縄本島との格差が指摘されてきたところですが、今回の沖縄総合事務局の実施された県民生活指標設定調査は、これを県民の前に明確に浮き彫りにいたしました。
 この調査は、全体として県の振興開発に有益な示唆を与えるものと考えられますが、特に離島に関する部分については、ぜひ3次振計に十分に反映していただきたいと思います。
 格差解消そのものについては、総合的、体系的に別の機会に取り上げてまいりますが、ここでは3点に絞り、要望を交えて質問させていただきます。
 第1は離島医療制度についてであります。
 離島の医療体制は、その地理的制約もあって十分な体制に持っていくのは困難であると思料しますが、離島医療の充実策の一つとして急患の空輸体制の確立は不可欠のものであります。
 県においては、去る6月定例議会において救急患者搬送の改善について関係省庁へ要請していくとの答弁がありましたが、この問題はその後どうなっているか、お伺いいたします。
 次いで、老年者対策の問題についてであります。
 今、日本は世界のトップを行く長寿国でありますが、同時に急速に進展する高齢化社会であり、そのため多くのひずみと課題を抱え込んでいることは申し上げるまでもありません。

 全体としては、西暦2020年に日本の国民は4人に1人が65歳以上の高齢者という世界のどの国も経験したことのない超高齢社会を迎え、それに伴い高齢者の雇用、所得、医療、健康、学習、社会参加、福祉、介護等々多くの課題を抱え込むことになると予測されています。
 しかし、本県離島僻地にとっては、この超高齢社会は決して10年、20年後の話ではなく、今現実に目前に差し迫っている問題となっています。
 昭和60年の国勢調査においてさえ、65歳以上の老年者人口比が島嶼によっては少ない所で20%以上、多い所では30%を突破し既にして驚くほど超高齢社会となっています。
 そこで質問ですが、このような高齢社会に突入している離島僻地において、県はどのような老年者対策をお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
 次は、先島地域における民放サービスの実施についてであります。
 御承知のように、電波は国民共有の貴重な財産であります。その国民共有の財産を地域において独占的、排他的に占有し使用する特権を付与されることは、いわゆる放送局の免許であります。したがって放送局の免許を受けた者、すなわちNHKと民間放送事業者は、その電波を地域――この場合は沖縄一円となりますが――の住民に等しく恩恵が受けられるよう使用しなければならない義務があります。
 言いかえますと、民間放送といえども営利追求に終始するのみではなく、その収益を再投資してでも離島僻地を含めサービスエリア内に広くあまねく放送を実施する義務があるわけです。ここに放送の公共性たるゆえんがあります。
 しかし現実には、全県人口の約10%、10万人にも達する人々の居住する先島地域において民放のテレビサービスの恩恵は受けられておりません。このような放送格差は全国どこにも例を見ないものであります。
 広い地域に島嶼が散在している地域に放送を行うには、まず番組伝送のための膨大な回線を敷設し、さらに幾つかの中継局を建設しなければならず財政的に大きな負担を伴い大変困難なことではありますが、しかしNHKが見事にその責務を果たしている実情に照らし、これは民間放送事業者とともにその監督に当たる放送行政当局の責務の上から放置することは許されないことであります。
 知事におかれては、このことを踏まえてこれまで政府に要請を重ねてこられましたが、このたび、郵政省はその要望に沿い、先島地域への民間テレビ放送の拡大実施を図るため積極的に取り組むこととし、大蔵省に対し平成3年度予算を要求していると聞いています。
 そこでお伺いしますが、これに関しまして県としてどのように考えているか。
 また、今後どのように対処されようとするのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 以上、御答弁をいただき、必要により再質問をすることといたします。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 下地常政議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 知事4選出馬に当たっての県政展望についてお答えいたします。
 国の内外は、歴史的な変革課題に直面しており、人間が平和で自由で豊かに、さらに個性的に生きることが世界共通の価値になりつつあります。したがって今後、本県の地理的・歴史的・文化的特性を基盤に120万県民の創造力をもって豊かな暮らしを実現し、助け合いの心によって福祉を増進させ、潤いのある、そして夢を持ち、たくましく躍動する社会を建設することにあります。
 さらに、万国津梁の理念のもとに経済、文化、学術にわたる多様な国際交流を展開し平和交流、交易交流の拠点となることであると考えております。
 4選後の取り組みについてお答えいたします。
 今、県政に求められている重要な課題は、第3次沖縄振興開発計画の策定であります。この計画は、90年代の本県整備計画の基本をなすものであり、21世紀の本県の発展を約束する諸施策の体系でもございます。したがって県民の英知を結集して第3次沖縄振興開発計画を策定するとともに、その裏づけとなる沖縄振興開発特別措置法の延長を要請することであります。そして、この計画に基づく施策の事業を実現しなければならないと決意を新たにいたしているところであります。
 県経済の動向についてお答えいたします。
 最近の県経済について見ますと、消費部門がボーナス商戦による百貨店売り上げや新車販売等の増加により順調に推移し、観光関連も好調に推移いたしております。
 また、投資部門においてはリゾート開発等に伴い、民間企業設備投資が増加いたしております。
 さらに、鉱工業生産が鉄鋼、窯業・土石製品の順調な伸びに支えられ拡大基調にあることから、県経済は総体として順調に推移いたしております。
 なお、昨今の中東情勢の逼迫による原油価格の急騰がガソリン等の石油製品の価格上昇を招き、今後の本県の産業経済、県民生活に影響を及ぼすのは避けられない状況にございますが、現時点においてその影響を把握することは困難でございます。
 次に、石油値上げの県内産業及び県民生活に及ぼす影響と対策についてお答えいたします。
 我が国の産業活動及び消費生活の安定を図る上でエネルギーの確保は極めて重要でありますが、その大半を占める石油を中近東湾岸諸国を中心とする外国からの輸入に依存せざるを得ない状況にあります。
 我が国の原油備蓄は、142日分確保されておりますが、昨今の中東紛争によりまして原油の価格が急騰し、既にガソリン、灯油等の消費者物価に影響が見られ、さらに紛争が長期化すれば電気、ガス、輸送料金の上昇等によりまして産業活動を初め県内経済に影響を与えるものと懸念されております。
 県としては、国の方針による省エネルギー対策を進めるとともに、不当な便乗値上げがなされないよう監視体制を強化しているところであります。
 次に、人手不足の県内企業活動に及ぼす影響とその対策についてお答えいたします。
 最近の本県の雇用失業情勢は、景気が順調に推移していることから改善傾向がみられるものの、本年7月の有効求人倍率は0.46倍と全国平均の1.45倍を大きく下回り、また失業率も3.4%と全国平均の2.1%を上回るなど雇用失業情勢は依然として厳しい状況にあります。
 しかしながら、公共職業安定所による事業主からの聞き取りや県内金融機関の調査によりますと、御指摘のように卸小売、サービス業を中心に人手不足が見られ、特に建設業、ホテル業でその傾向が強いようであります。その主な原因としては、技能者の不足や労働条件面での改善が進んでいないことが考えられます。
 このような状況を踏まえまして、県としては求人求職のミスマッチの解消を図るため的確な職業紹介業務を推進するとともに、人手不足が問題となっている業種については職場を魅力あるものとするための中小企業人材確保推進事業、労働環境改善対策の強化等の各種援助施策を推進し人手不足の解消に努めてまいりたいと思います。
 次に、基地問題についてお答えいたします。
 確認、未確認を含めて米軍基地の縮小あるいは撤退について、これまでなされた報道等情報をどのように集成し、どのように分析しているかという御質問がございましたが、お答えいたします。
 本年4月に米国防総省が発表いたしましたアジア太平洋地域の戦略的枠組の中で、今後3年間で5000人から6000人の兵員削減を行う方針が示されて以来、6月に17施設、約1000ヘクタールの在沖米軍施設区域の返還合意が発表されたのを初めといたしましてミサイル大隊の解隊、嘉手納の海軍航空施設の運用の終了、キャンプ瑞慶覧の縮小等の計画が発表されております。これらは、米国防予算の削減や世界の緊張緩和の流れに沿ったものと思われ、同時に本県の実情に対する日米両政府の理解が得られた結果であると認識しております。
 そのため県においては、返還軍用地の跡地利用や従業員雇用問題等社会的混乱を来さないよう的確な時代認識に立脚した施策展開が必要であると考えております。
 次に、国際環境の変化の中で米軍基地の動向をどのように予想しているかという御質問がございましたが、お答えいたします。

 米ソを中心とする東西間の緊張緩和に伴う国際情勢の変化は、アジア地域にも徐々にではございますが、好ましい影響を及ぼしつつあるものと理解いたしております。今後、本県の米軍基地の態様にも何らかの変化があるものと考えられます。
 次に、中東紛争の沖縄米軍基地に及ぼす影響とその対策について、特に基地内業者との請負契約解除と、これに伴う従業員の身分についての御質問に対しましてお答えいたします。
 キャンプ・シールズ基地内にあるメスホールの営業について、向組が米軍との間に昭和62年10月1日から平成2年9月30日までの期限で請負契約を締結し営業してきたところであります。このほど契約更改がなされ、玉城サービスカンパニー社が米軍との間に平成2年10月1日から3年間の契約を締結し、従業員29人については引き続き雇用することで諸手続を完了しているところであります。
 ところが、9月13日、米軍側から玉城サービスカンパニー社に対し、都合により契約を解除する旨の通告があり、本件について米軍関係機関に照会したところ、同メスホールは利用者がいなくなったため当分の間閉鎖し、再開の時期は今のところ不明であるとのことでざいました。これによって従業員29人が解雇を余儀なくされることになるため、県としては再就職のあっせん等を進めるとともに、同メスホールの再開についても関係機関に対し働きかけていきたいと思います。
 次、土地問題について、地価高騰をどのように認識しているかという御質問がございましたが、企画開発部長から答弁させることにいたします。
 監視区域の指定、またその対応についての御質問がございましたが、これについても企画開発部長から答弁させることにいたします。
 次に、今後、効果のある地価抑制のための対策をただされましたが、この件についても企画開発部長から答弁させることにいたします。
 次、水事情について御質問がございましたが、企業局長と振興開発室長から答弁させることにいたします。
 次、離島問題についてお答えいたします。
 格差解消ということで救急患者の搬送専用機の問題について御質問がございましたが、お答えいたします。
 離島からの救急患者の空輸につきましては、陸上自衛隊及び第11管区海上保安本部によって実施されております。
 自衛隊による救急患者空輸は、陸上自衛隊第1混成団第101飛行隊によって隊員150名、航空機10機をもって24時間体制で対応いたしております。
 このような状況の中で、県において救急用専用機を確保し運用するには、航空機の維持管理、24時間体制の確保及び財政負担等多くの問題がございまして、現状では自衛隊等にお願いしていくことが得策であると考えております。
 しかし、現行の航空機では騒音、振動、医療機具等の面から不十分であることからいたしまして、救急患者空輸に適した航空機の確保方について平成2年8月10日に防衛庁に要請したところであります。
 防衛庁においては、沖縄県からの要請に理解を示し、現在、自衛隊が離島からの救急搬送に使用している航空機内において応急医療行為が実施できるような内部改装をしていきたいとの感触を得ております。
 なお、内部改造の時期については、平成2年12月末までにヘリコプターを数機、平成3年2月末までに固定翼機(LR―1型機)1機をそれぞれ改装整備し、さらに必要に応じ改装機数を増加するとのことであります。
 次、離島問題として老年者対策についてお答えいたします。
 離島地域においては、老年人口比率が既に30%を超える超高齢社会となっている村もあるなど高齢化の進み方が顕著であります。活力ある地域社会を形成する上から深刻な状況になってきております。
 このような高齢化の大きな要因としては、長年にわたる若年層の流出による過疎化があり、離島における老年者対策の基本は、若年層が定着する潤いと活力のある島興しを積極的に推進していくことにあります。
 福祉の分野では、離島の特殊事情に配慮した小規模特別養護老人ホームを全国に先駆けて伊江島で建設し、その後、伊良部島、久米島でも建設したところであります。現在、来年4月の開設に向けまして伊是名島での建設を進めているところであります。
 また、寝たきり老人等を抱えた介護に苦労している介護者を支援するため、今年度から新規に県の単独事業として離島在宅巡回介護指導事業をスタートさせ、在宅福祉の充実についても努力いたしているところでありますが、国においては高齢者福祉推進10カ年戦略が策定されたところであり、同戦略を踏まえて、さらに離島の状況に沿った高齢者の福祉の増進に取り組んでいく所存であります。
 次、離島問題と関連して民放サービスの拡大についてお答えいたします。
 高度情報化時代と言われる今日、宮古・八重山地域において民間テレビ放送が放映されていないことは大変残念なことであります。
 同地域における民間テレビ放送については、県の重点施策として位置づけまして関係機関にその早期の実現について要望しているところであります。
 御意見のとおり、民間テレビ放送実現には多額の費用を要することから、国に対し次年度予算で財政措置の支援を要望しているところであり、民間テレビ放送が一日も早く実現するよう積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 久手堅憲信君登壇〕
○企画開発部長(久手堅憲信君) 土地問題についてお答えいたします。
 まず第1点目は、県内の地価調査に関する件でございます。
 去る9月20日に公表いたしました地価調査結果によりますと、本県の地価動向は住宅地で4%、商業地で6.4%の変動率となっております。これは、九州・沖縄地方平均と比較いたしますと住宅地ではコンマ2ポイント上回るものの、商業地では1.3ポイント下回っており、おおむね安定的に推移していると言えるかと思います。
 しかし、那覇市等における商業地並びに恩納村等の住宅地域におきましてはかなり高い伸び率を示しております。
 その主な要因といたしまして、東京圏における大幅な地価上昇に伴い、地方圏の地価が相対的に割安となり、金融緩和状況化における余剰資金が本県の土地の取得にも向けられているほか、県内の要因といたしましては可住地面積が狭隘の中で中南部地域に人口が集中する傾向にあり、さらには商業地の高度利用化等による繁華性の増大、リゾート開発計画等に伴う用地需要の増大等によるものと考えられるわけでございます。
 それから2点目につきまして、地価抑制についての対策でございますが、本県の地価は、昭和55年をピークに昭和62年までは年々対前年度変動率低下の傾向を示しておりましたが、昭和63年7月の地価調査におきまして那覇市の商業地でかなり高い伸び率が見られたため、同年の10月、那覇市の商業地等一部の地域及び地価上昇のおそれのある恩納村の全域を監視区域に指定いたしました。さらに本年の4月、石垣市全域を監視区域にしてきたところであります。
 この監視区域の指定は届け出対象面積を引き下げ、監視対象取引の捕捉率の拡大を図るものでありまして、届け出のあった売買等につきましては適正かつ合理的な土地利用が図られているか否か審査するとともに、その価格が適正な価格に比べて著しく高い場合には個々に引き下げの指導を行っているところであります。
 このようなことからいたしまして、監視区域の指定は地価高騰の抑制、適正な地価の形成に効果があるものだと考えております。
 それから3点目に、今後の地価抑制のためどう対処していくかということでございますが、今後は本年6月に制定いたしました沖縄県緊急土地対策要綱に基づきまして、特に市町村等関係機関との連携を密にするとともに、その他の機関とも連携を強化いたしまして関係法令の厳正な運用、不要不急の土地需要の抑制を図りまして、特に地価の上昇のおそれのある地域につきましては監視区域の積極的な拡大を図るとともに、監視区域に指定していても地価の上昇率が低下しない地域につきましては、届け出対象面積の引き下げを検討する等各種施策を実施し適正な地価の形成に努めてまいりたいと考えておりますが、監視区域の拡大につきましては近々、拡大策を実施してまいりたいと、このように考えております。

○議長(平良一男君) 企業局長。
   〔企業局長 金城祐俊君登壇〕
○企業局長(金城祐俊君) 水事情について、需給バランスはどうなっているか。また、一月程度の渇水で直ちに給水制限に入るのはなぜかとの御質問がありました。お答えいたします。
 沖縄本島における用水供給のための水源開発につきましては、増大する水需要に対応するため、従来から国直轄の多目的ダムを中心に河川水、地下水等の開発に取り組んできたところであり、現在のところ平水年においては水需要を賄えるまでに至っております。
 しかしながら、水源の35%程度を不安定な河川水に依存していることから、二、三カ月の間まとまった降雨がない時期には、御指摘のとおり河川からの取水量が減少し水事情は厳しい状況になります。目下、その解消に向けて鋭意努力しているところであり、御理解を賜りたいと思います。
○議長(平良一男君) 振興開発室長。
   〔振興開発室長 新垣徳夫君登壇〕
○振興開発室長(新垣徳夫君) 水事情について、県は節水型社会形成を打ち出しているが、その具体的方策と実施状況についてお答えいたします。
 御案内のとおり、本県は水資源の有効利用を図る目的から、節水型社会の形成に努めているところであります。そのため、節水意識の高揚と水利用の合理化を推進しているところであります。
 その具体的な方策としては、節水意識の高揚を図るため節水教育の啓蒙普及や節水器具の導入を促進することとしております。また、水の有効利用を図るため雨水、下水処理水、湧水等を活用して雑用水利用を進めることといたしております。
 これらの実施状況としては、雑用水利用に係る技術的な問題や政策的な課題等についての調査検討を進めておりまして、節水型社会形成の実現に向けて近いうちに水源有効利用推進懇話会を発足させることといたしております。
○議長(平良一男君) 警察本部長。
   〔警察本部長 浅川 章君登壇〕
○警察本部長(浅川 章君) 暴力団対策についてお答えいたします。
 御質問の第1点目、県内の暴力団は3代目旭流会、東亜友愛事業組合沖縄支部、山口組系大平組内上原組の3組織18団体で約1100名の構成員が把握されておりますが、これは全国でも人口比5番目に多く数えられ、本県は極めて暴力団が多いということを物語っています。その中では旭琉会が全体の93%を占めており、活動拠点も県内全域にまたがっております。
 次に第2点目ですが、本年3月24日の山口組組長の上陸阻止につきまして、現在の山口組の全国への勢力拡大動行や組長ヒットマンの潜伏情報などをもとに県民の安全の確保を第一に考え、また山口組の本格的な本県進出を阻止するために航空機で来県した山口組組長ほか数名の幹部を強力に説得し帰阪させたものであります。
 御質問の3点目、抗争事件発生に伴う対策についてでありますが、今回の対立抗争は、これまで内紛状態にありました3代目旭琉会が、主流派である会長派と反主流派である理事長派に完全に分裂し、9月13日のけん銃を使用した殺人未遂事件を契機に一気に火を噴いたという状態でありまして、両派の行動隊が乗用車やオートバイなどの車両を使用し、反目する暴力団の事務所にけん銃を発砲し逃走するということを繰り返し敢行しており、これまで10件の発砲事件が発生、組員3人が重症を負っています。
 警察といたしましては、住宅地や繁華街を問わずけん銃を乱射し暴れ回る暴力団から県民を守ることを最重点に抗争を封圧するため、事件発生以来特別捜査本部を設置いたしまして、県警察の総力を挙げた取り締まりを実施しているところであります。
 これまで殺人未遂や凶器準備集合罪などで両派の幹部組員53名を逮捕し、けん銃3丁を初め鉄パイプ、金属バットなど185点を押収しております。
 次に第4点目、県民総ぐるみの暴排活動についてでありますが、申し上げるまでもなく暴力団を壊滅するためには、その存在を許さない社会環境づくりが何よりも大切であり、そのためには県民一人一人が犯罪者集団である暴力団の実態を正しく認識し、暴力団を恐れない、利用しない、金を出さないという三ない運動を勇気を持ち断固として実践することが重要であります。
 とりわけ、暴力団に債権取り立てを依頼したり、土地、建物の不動産取引にかかわらせるなど暴力団の資金源活動を容認する風潮を改めることが最も肝要であり、さきに申し上げました三ない運動の中でも特に暴力団を絶対に利用しないという意識改革が強く望まれるところであり、名実ともにそのことが県民各層に浸透し定着いたしますならば、暴力団はその存立基盤を失い社会から消滅するのは間違いありません。
 地域社会から暴力団を締め出すため、これまで各地域、職場、団体を母体とした暴排組織が結成され、次第に運動が盛り上がってきておりますが、今後、暴排運動の中核といたしまして県民総ぐるみの暴力団追放県民会議といった組織がぜひとも必要と考えております。これは全国的には既に他府県で発足し、暴力団排除のための各種事業を常時展開可能とする財政的裏づけを持ったもので、当該府県におきましては暴排運動に大きな成果を上げているところであり、本県におきましてもこのような組織の創設について現在、県の関係当局と協議を進めているところであり、議員の皆様方の御理解、御協力をお願い申し上げます。
 最後に、那覇市、沖縄市、宜野湾市等から出されている議会決議要請についてでありますが、けさほどは本県議会におきましても勇気と決断をもって暴力団を社会から追放するという強い決意が示されましたが、県警察はこの決議を厳しく受けとめ、組織を挙げて暴力団対策を推進してまいる所存であります。
○議長(平良一男君) 宮城清順君。
   〔宮城清順君登壇〕
○宮城清順君 公明党県議団を代表し質問を行います。
 知事の政治姿勢についてでありますが、まず、基地問題への対応について質問いたします。
 今、世界は米ソ2大国による冷戦の終結、そしてニューデタントの進展を頂点として対立から対話、そして平和、軍縮へと大きく前進をし、また変化しております。
 アジアにおきましても南北朝鮮の対話の動きや、今行われております北京アジア大会への各国の参加に象徴されるように、中国と各国の国交回復への動きなど雪解けムードが高まっております。
 このような中で、我が国がアジアの緊張緩和と平和環境構築を促進し、そのイニシアチブをとることに大きな期待が寄せられているのであります。
 しかしながら、政府の平成2年防衛白書におきましては、これまで一貫して用いてきた対ソ認識としての潜在的脅威の表現を削除したものの、一方では日本周辺の厳しい軍事情勢には依然変わりはないとするなど、言葉は消えても実態はソ連脅威に固執しているということであります。大きく変化する国際情勢を前にした政府の政策不在、混乱ぶりが目立つと指摘されているゆえんであります。
 同時に、増大一途の防衛費に象徴されるように、緊張緩和の国際情勢に取り残されている後ろ向きの姿と言わざるを得ません。
 この我が国政府の姿は、膨大な軍事基地が存在する本県の現在、そして将来にとってまことにゆゆしき姿であると言わざるを得ません。また米国政府も先般、一部米軍基地の返還に合意したものの、主要施設区域の返還はめどが立っていない状況であります。
 国防総省が去る18日に発表した海外米軍基地施設の削減計画には、在沖米軍基地施設2カ所が含まれているにすぎません。それもポスト冷戦を踏まえた国防予算の大幅削除の一環としてはされているものの、効率化という既定方針を踏まえたもので、在日米軍の基地機能を何ら低下させるものではないとしているように、沖縄基地は今後とも日米両政府の極東軍事戦略拠点として機能の強化、固定化が図られるのみであり、その存続に大きな危惧を抱かざるを得ません。
 県民は、県の選好度調査でもあらわしているように、米軍基地返還、新たな基地を提供しないことに力を入れてほしいと願望しております。西銘知事は2度の訪米で要請を行ったのでありますが、現下の国際情勢のニューデタントの進展と、一方のソ連脅威論に固執し防衛増強に走る我が国政府並びに米国政府の沖縄米軍基地の強化、存続のはざまで今後どのように県政の最大課題である基地問題に対応なさろうとのお考えか。日米両政府の意識構造を転換する方策や、再々度の要請も含めてポスト冷戦への沖縄米軍基地に対する積極的な対応策を県民に示すべきであると考えますが、御見解を賜りたいと思います。

 次に、那覇軍港の無条件全面返還についてであります。
 同軍港は、代替地返還として合意されていますけれども、現状は軍港としての利用がされておらず遊休化の状況にあります。遊休化している施設は新たな移設地も必要がなく、提供の理由も存在しません。もはや軍港そのものの必要性もないことから、現在、将来にわたって移設そのもの、代替地が非現実的であると言わなければなりません。
 ところで、最近の一部報道で沖縄市泡瀬地先への移設検討が報じられました。沖縄市、同市議会がいち早く反対を表明しましたけれども、もしこれが事実だとすれば知事の2度の訪米直訴を全く無視した行為であります。知事はこの事実関係を承知していらっしゃるか、伺いたい。
 その事実関係も含めて同軍港敷地がポスト香港の沖縄フリーゾーンの拡大対象地として拡充されることが期待されていることにかんがみ、無条件全面返還にさらなる積極的取り組みを図り、その早期決着を急ぐべきだと考えますが、方針を賜りたいと思います。
 次に、世界のウチナーンチュ大会についてであります。
 同大会は、ウチナーンチュ同士の交流を通じて世界各国と沖縄の交流を拡大する上でその波及効果が大きく、国際社会における沖縄の地位向上の上でも今後、質、量の拡大が望まれるのであります。
 そこで今回の総括を含めて伺いたい。
 第1点は、今後の開催サイクル、規模、開催地についての方針をお示し願いたい。
 第2点でありますが、大会で使用する言葉については他国籍語とウチナーグチの同時通訳体制を望む声が多いが、その方針はおありか。
 第3点、民間大使の役割と使命は今後増大すること等に伴い仕事量も増大するものと考えますけれども、県は民間大使への財政援助をする方針はおありか伺いたい。
 次に、近隣アジア諸国との友好交流についてであります。
 本県は、日本国内の南の玄関口として国際交流の拠点づくりを位置づけております。アジア諸国と本県は古くからの交流の歴史があります。この地理的・歴史的条件を生かし日本国内においてもアジア諸国との友好交流の先駆的役割を果たすべきと考えますけれども、具体的にどのように取り組むのか、方針を賜りたいと思います。
 私は、日本の中の沖縄からアジア太平洋地域に開かれた沖縄へ前進させるためにも、アジア諸国との友好交流の一環として県内にアジア太平洋研究センター的機能を持つ機関の創設をすべきと考えます。第3次振計の一施策として取り組むべきと考えますけれども、御見解を賜りたいと思います。
 次に、沖縄県情報公開条例についてであります。
 行政情報の公開は、住民の知る権利を保障することにより、行政の公正で民主的な運営を確保する上で極めて重要であります。あくまでも住民の知る権利を保障するという住民サイドに立脚した情報公開でなければ、画竜点睛を欠いたものと言わざるを得ません。
 ところで、全国の地方自治体では国に先んじて情報公開条例が制定されている自治体が数多くあり、本県の場合は遅きに失した感があります。
 本条例案について2点伺っておきたいと思います。
 第1点は、第1条の目的規定で、住民の知る権利をどのように位置づけし保障しているか。県行政側のスタンスが色濃く出ているのではないかとの指摘があるが、明確にお示し願いたいと思います。
 第2点でありますけれども、第2条2項の公文書の定義、いわゆる開示できる情報の中に電磁的記録、すなわち電子計算機による情報処理のための磁気テープ、磁気ディスク、その他の媒体に情報を記録したものも明確にすべきでありますけれども、その対象にしなかった理由は何か。
 また、明示すべき対象ではないか、見解をお示し願いたいと思います。
 第44回全国植樹祭についてお伺いいたします。
 県は、平成5年に開催予定の第44回全国植樹祭の会場候補地に名護市北明治山を内定いたしました。また国土緑化推進機構理事会は、去る8月30日に正式に沖縄開催を決定いたしました。
 県が北明治山を内定したのが4月4日であるが、私はそれまでの経緯を少し述べたいと思います。
 県は、5候補地の検討を沖縄県森林審議会に求め、同審議会は検討の結果を平成2年3月26日に知事に答申をいたしました。県が検討を求めた5候補地は東村村民の森、北明治山、南明治山、恩納村県民の森、糸満市米須海岸でありましたけれども、森林審議会は検討の結果、東村村民の森と南明治山は候補地から除外し、残る3候補地を答申いたしました。
 この3候補地の答申の内容について述べてみたいと思います。
 名護市の北明治山は、全国植樹祭の目的に最も幅広く対応できる場所で、開催場所としての基本的要件にかない、育林環境もよく県有地であることから事後の管理にも特に支障はなく、また明治天皇ゆかりの地であることなど全国植樹祭の会場として適当である。
 恩納村の県民の森は、全国植樹祭の目的に幅広く対応できる場所で、開催場所としての基本的要件にもかない、育林環境もよい。村有地であるが、県民の森として県が管理運営に当たっており、今後3年間に約15億円程度を投入する整備計画が進行中である。既存施設の一部が利用できるなど全国植樹祭の会場として特に支障はない。
 糸満市の米須海岸は、戦災で緑を失い、本県で最も緑化がおくれた地域で、緑化意識の高揚を図り緑の回復を必要とする点で全国植樹祭の趣旨にかなった場所である。しかし開催場所としての要件のうち、海岸に沿った帯状の岩石が露出した風衝地で塩害を受ける所であり、技術的には可能であってもよほど手を加えないと成林が困難であるなど育林環境に難点がある。また企業用地や霊域等が含まれており、用地の確保が前提条件となるということで、県は最終的に北明治山に決定をいたしたのであります。
 さて、この北明治山についてでありますけれども、県の当初の計画地は、沖縄造林株式会社に賃貸をさせている地域であったが、立ち木補償問題で困難なため今の計画地に変更せざるを得なくなったと聞いております。
 現在、計画予定地の造成する施設は、米軍への提供施設である県有地を返還させて約3.8ヘクタールを造成しようとするものである。その内訳は森林2.8ヘクタールを伐採するとともに、約1へクタールの黙認耕作地のミカン畑を返してもらう計画であると聞いております。施設の規模は、先催県の約8ヘクタールの半分以下の小規模であり、参加人員は約1万5000人、車両が300から400台、それに伴う駐車場はつくらない計画と聞いております。
 また同地は、明治天皇の御大喪により慈恵救済資金により大正2年から9年まで造林事業が完了し、昭和16年まで美林を誇っていたようであります。その後、戦災復興の一環としての資材用に活用された。今生えている約60種余の樹木は、その後の芽生えが生育したもので40年程度経た貴重な樹木であります。
 以上の点を踏まえて、次の質問を行いたいと思います。
 第1点、県森林審議会が知事に答申した3候補地はいずれも遜色のない場所と受けとめられるが、生育した貴重な森林をあえて伐採しなければならない北明治山に決定した最大の理由、根拠は何ですか。今、自然保護団体を初め県民の間から強い疑問と反対の意見が投げかけられております。
 そもそも全国植樹祭の原点は、戦争による破壊や社会経済の混乱による国土の荒廃から緑豊かな国土を取り戻すことにあるとされており、広く国土緑化思想の高揚を図り、もって活力ある森林の造成並びに生活環境緑化の推進に資することを目的とした国土緑化運動の中心的かつ国民的行事として開催されてまいりました。この趣旨、目的からして沖縄の開催場所として果たして北明治山が最適と言えるかどうか甚だ疑問視し、北明治山は不適地との声が県民大方の意見ではないでしょうか。
 緑化思想の高揚運動の本来の姿からすれば、木のない場所に木を植え、森をつくり林をつくり育てることが本望ではありませんか。その意味では、糸満市誘致促進住民大会で決議されたとうとい人命の犠牲の上に今日の平和があることに思いをいたし、また国土緑化運動の出発点に思いをはせれば、全国一巡を締めくくる第44回全国植樹祭は、今次大戦で犠牲になった英霊の鎮魂と恒久平和を希求し、失われた緑を回復するために沖縄戦終えんの地となった糸満市で実施されるべきものであることを確信するの宣言と要請決議、地域の利害を超えて全国民的にも賛同され、ひとしく受け入れられる場所ではないでしょうか。北明治山に決定した最大の理由、根拠を明らかにされたいと思います。

 また、北明治山は不適地との意見に耳を傾け、改めて場所変更を見直すお考えはございませんか。北明治山に固執するならば、県民に納得のいく説明を求めるものであります。
 第2点、北明治山内での会場予定地も二転をし、現予定地になったいきさつがあります。現予定地は米軍提供施設内で県有地でありますけれども、県は返還を求めるということで折衝中でありますが、その見通しがあるのか。
 また、同地内にある黙認耕作地のミカン畑約1ヘクタールは返還の際、県に返却してもらうということでありますけれども、制度面からの措置はどうなるのか。
 また、駐車場の確保はないということであります。国体並みの一大イベントであるならば、その体制を万全にすべきであって、今の計画では参加者に不便を来すのではないか、以上の点を御答弁いただきたいと思います。
 次、新石垣空港問題についてであります。
 県は、着工のめどとして西銘知事の今任期中を進めてまいりましたが、土地問題が惹起し推進側の我が党としてもまことに遣憾であります。今後、早期着工に向けてどう取り組むお考えか。
 また、着工の見直しを余儀なくされているが、着工のめどなど今後の見通しを明らかにされたいと思います。
 次に、海外漁業株式会社の問題についてであります。
 この問題は、昭和62年度県監査の指摘以来、本議会で何回となく取り上げられ、その早期解決、対応策が求められてまいりました。県は筆頭株主という立場から、その債務、債権の整理、会社の処理方針等、その早期解決を図るべきであります。
 去る3月の本員の質問に対しても、県の見解として、多額の負債を抱えている現状からして再建は困難と見る。整理清算の方法を幾つか案をつくり会社に提示している。できれば早い時期の決断を指導しているというようなことの答弁がありました。
 その後、どのような取り組みをされてきたか、これまでの対応策と今後の方針を明らかにしていただきたいと思います。
 とりわけ元母船員の14名の方々の給与等の未払い金、約800万円と聞いておりますが、これについてはその方々から泣き寝入りさせられている、あるいはナシのつぶてであるというように会社に対してふんまんやる方ない憤りを表明しております。この支払いを最優先的に早期解決をしてやるべきではないでしょうか。
 以上の御答弁を求めます。答弁によって再質問いたします。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 宮城清順議員の御質問に対しましてお答えいたします。
 基地問題への対応についてお答えいたします。
 米ソを中心とした東西間の緊張緩和に伴う世界情勢の変化は、アジア地域にも徐々にではございますが、好ましい影響を及ぼしつつあります。本県の米軍基地の対応にも何らかの変化があるものと考えております。
 基地問題は県政の重要な課題であり、今後とも日米両政府に対し粘り強く基地の整理縮小を要請してまいりたいと思います。
 次に、那覇港湾施設の泡瀬通信施設への移設についての御質問に対しましてお答えいたします。
 那覇港湾施設の問題につきましては、あらゆる角度から検討されておりますが、具体的な方針は何ら決定されておりません。
 次、世界のウチナーンチュ大会についてお答えいたします。
 今後の開催サイクル、規模、開催地についてお答えいたします。
 世界のウチナーンチュ大会は、5年間にわたる構想を実現したものであり、大会の趣旨から今後も継続して開催する必要があると考えております。
 次回の大会については、既に多くの方々から、いろいろな提案があり、また海外の要望などもしんしゃくし、各界各層の意見を拝聴しながら、その規模、イベントの内容、開催サイクル等について決定してまいりたいと思います。
 次に、ウチナーグチの同時通訳体制についての御提言がございましたが、お答えいたします。
 大会における使用語は、全体に通用する統一語があれば一番望ましいことでありますが、言葉の異なる参加者の意思疎通を図る上からは同時通訳の必要性を認めるところであります。
 なお、ウチナーグチからの数力国語への同時通訳は本大会上難しい面が予想されますので、技術的に対応が可能か否か検討する必要があります。
 次に、仕事量の増大からして財政援助の必要があるのではないかと御提言がございましたが、お答えいたします。
 民間大使は、世界で活躍するウチナーンチュの人的財産を生かし、経済、文化、芸術等のあらゆる分野でのネットワークづくりのための新たな人的根拠として意義づけされております。本県の国際交流の推進に果たす役割は大きいものがあります。
 なお、民間大使が世界のウチナーンチュの人的ネットワークの核としてその使命を十分に発揮できるようにするためには、その活動経費に対する財政援助は必要であります。将来的には、その業務の質、量とも増加するものと考えられますので、どのような財政援助が可能か今後検討してまいりたいと思います。
 次に、アジア諸国との友好交流についてお答えいたします。
 本県は、地理的条件、歴史的背景を生かして国際交流を主要施策の一つとして位置づけ、その施策展開を積極的に推進しているところであります。
 近隣アジア諸国との友好交流については、これまで県費留学生の受け入れ及び派遣、技術研修員の受け入れ、芸能文化親善交流、学術交流等のほか、ASEAN人づくり協力の一環として設置された沖縄国際センターの活用等積極的に展開しているところであります。
 県としては、今後とも引き続き近隣アジア諸国との各種交流を維持していくとともに、技術交流や経済交流についても積極的に推進し、将来は姉妹都市提携による交流事業についても検討していく方針であります。
 次に、アジア諸国との友好交流の一環として、本県にアジア太平洋研究センター的機能を持つ機関の創設を第3次振興開発計画の一施策として取り組むべきではないかという御提言がございましたが、お答えいたします。
 県は、復帰20周年記念事業の一環として本県の自然的、地理的条件を生かした国際的な学術研究の交流拠点とするため国際マングローブ生態系協会の誘致を初め、海洋、医療、バイオ及び情報等の各種研究機関の設置を図るため地域型研究機関構想について検討を進めているところであります。御提言つきましては、貴重な御意見として承っておきたいと思います。
 次、情報公開条例についてお答えいたします。
 第1条の規定で県民の知る権利をどのように位置づけし保障しているのかという御質問がございましたが、お答えいたします。
 知る権利は、表現の自由と表裏一体のものとして、あるいは参政権を保障するための権利として主張されるなど多義的に用いられてきておりますが、大まかに言えば国民が各種の情報を自由に求めることができる権利ということになろうかと考えます。
 このような知る権利については、憲法上既に具体的な権利として確立しているとする考え方、あるいは理念としては認められるが、具体的な権利としては確立していないとする考え方などがございまして諸説があり、確定している概念ではありません。一般的には憲法上、内在的、黙示的に認められるものであり、実定法上の権利としてはまだ未成熟なものであると考えられております。
 情報公開条例は、このような知る権利の一側面としての県民の公文書開示請求権を実定法上の権利として具体的に明らかにするものであります。
 第1条は、このことを明確に規定したものであり、公文書の開示を県民と県との権利義務関係として確立するとともに、県民参加の開かれた県政の推進に寄与することを定めたものであります。
 また第3条においては、県民の権利が十分に尊重されるようにこの条例を解釈運用することを規定し、原則公開の立場に立った解釈及び運用を義務づけております。
 さらに、第12条及び第13条において、非開示の決定に不服がある場合の救済手続として、第三者機関として公文書開示審査会を設置する等、制度全般にわたって知る権利の保障を具体化いたしております。

 次に、電算処理のための磁気テープ等についての御質問がございましたが、これについては総務部長から答弁させることにいたします。
 次、全国植樹祭についてお答えいたします。
 北明治山に決定した最大の理由について、またその根拠についてお答えいたします。
 全国植樹祭会場候補地の選定については、当初20カ所の候補地を挙げ、位置、地形、育林環境等予備調査を行ったのでありますが、最終的には東村村民の森、名護市北明治山、名護市南明治山、恩納村県民の森、糸満市米須海岸の5つの候補地に選定されております。
 県としては、植樹祭開催場所の選定という重要性にかんがみまして、この際、専門的立場からの意見を聞く必要があるとの観点から沖縄県森林審議会に意見を求めたところであります。
 同審議会においては、現地調査等を含め3回にわたり精力的に審議された結果、名護市北明治山、恩納村県民の森、糸満市米須海岸の3候補地に絞られ、先ほど宮城議員から経緯が述べられたとおりの報告を受けたところであります。
 県は、会場候補地選定の基本的な要件である位置、地形、育林環境、跡地利用等について慎重に検討し、また審議会の意見を尊重して名護市の北明治山に決定したところであります。
 森林の伐採については、式典会場等造成に必要な最小限度の面積を考えておりますが、本県の森林は、これまで林業関係者を初めとする多くの人々によって植林、保育、間伐等森林施業が行われ、より充実した森林資源の造成を図ってきたところであります。決して自然のまま放置して山や森ができたわけではないと思っております。
 北明治山は、軍用地を含め214ヘクタールの県有地であり、植樹祭を契機として計画的造林を行い、現在国で検討されている健康とゆとりの森整備事業を導入いたしまして、周辺森林と一体的に保護管理することによりまして森林公園として整備をし、県民が身近な自然との触れ合いの場に活用していただけるようにしたいと考えております。したがって会場地を北明治山以外に変更することは考えておりません。
 軍用地の返還の見通しについてお答えいたします。
 軍用地の返還については、現在、那覇防衛施設局に申請手続中でありますが、十分理解が得られるものと考えております。
 次に、黙認耕作地の法制度面からの措置についてお答えいたします。
 黙認耕作地において土地所有者が耕作している場合は、軍用地返還後も従来どおり耕作を続けることができるのは当然であります。
 しかし、当該軍用地は県有地であり、県と黙認耕作者との間に賃貸借、使用貸借等の契約関係はございません。無断で耕作いたしておりますので、返還後は黙認耕作者に土地の使用権はないものと考えております。
 次に、駐車場の確保がなく参加者に不便を与えることについてお答えいたします。
 全国植樹祭は、全国規模の行事として県内外から約1万5000人が参加して記念植樹を行うため、輸送における安全性の確保は極めて重要であります。
 駐車場を会場地内で確保することについては、地形、森林の伐採等困難な面がありますので、近くの空地等の利用あるいは名護市街等の広場を利用した輸送方法を検討しており、参加者に支障のないように万全を期してまいりたいと思います。
 石垣空港についてお答えいたします。
 早期着工に向けての取り組みと見通しについてお答えいたします。
 新石垣空港の建設は、八重山郡民の多数の強い要請を受けて県としても八重山地域における航空路の安全確保、産業の振興並びに住民の生活向上を図るためにはぜひとも推進しなければならない極めて重要な施策であるとの認識のもとに、今日まで取り組んできたところであります。
 建設するに当たっては、関係法令に基づく諸手続が必要であるため、これまで航空法に基づく飛行場設置許可申請及び公有水面埋立法に基づく埋立出願に係る図書の作成を進めてきており、その作業を終えているところであります。
 今後、許可申請をするに際しては地権者の同意書が必要であり、現時点で約90%の同意を得ておりますが、引き続き残された地権者の同意取りつけを行い早期建設に向けて鋭意努力してまいりたいと思います。
 海外漁業についてお答えいたします。
 県は、会社の整理を含めた今後の会社の方向づけについて再三協議をする等指導してきたのでありますが、会社側の考え方は再建の道を検討したいとの意向であります。
 その理由として、最近グアム、ミクロネシアを基地とするカツオ・マグロ漁業の好調な動きや、6月にはパラオ共和国副大統領が来県し、沖縄からの出漁を希望している等南方漁業の環境が好転しつつあり、また現地調査の要請も寄せられておること等の理由からであります。
 そこで、会社としては、現地調査を実施した後に会社再建方策を策定していきたいとのことであります。県としては、会社の現地調査に基づく再建策を総合的に検討し対応を考えてまいりたいと思います。
 なお、現地調査は10月に予定しているようであります。
 次に、元船員14名に対する給料未払いについてお答えいたします。
 冷凍母船の乗組員の月々の給与は支払い済みでありますが、御指摘のとおり賞与、解雇手当、休暇買い上げ等については未払いになっております。会社に支払い義務がありますので、会社の方向づけをする中で優先的に対応するよう指導しているところであります。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 総務部長。
   〔総務部長 石川秀雄君登壇〕
○総務部長(石川秀雄君) 情報公開条例についての御質問の中で、電算処理のための磁気テープ、磁気ディスク等についてなぜ対象公文書としなかったかという御質問にお答えいたします。
 磁気テープ及び磁気ディスク等については、非開示情報を除外して開示することが困難であるという面があります。
 また、データ保護の観点から特別の管理が必要とされていること。また入力されている情報の開示については、通常業務を中断して電算機器を稼働させる必要があるほか、そのためのプログラムが必要になるなどの問題があるため対象公文書から外しております。
 以上であります。
○宮城清順君 休憩してください。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
   午後7時3分休憩
   午後7時5分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 那覇軍港の移設については新聞ではいろいろ報道されておりますが、泡瀬地先に持っていくような話もありまするけれども、これは全然確定したものでもないし、また施設局と県との間にもその話し合いはなされておりません。
 御案内のとおり、これは移設を前提として移すということになっておりますので、移設をなくしてそのまま那覇軍港を全面的に返還すると、それはちょっと難しいんじゃないかと思いますね、いろいろ折衝した経過で。
 これはそういうことで余り期待はできませんけれども、私としては今、地主の中からいろんな要請があるわけです。そのまま使ってくれという要請と、また全体的には移設を前提とした返還でもいいから早く返してくれと。2つの中に挟まれていろいろ苦慮しているわけでございまするけれども、見通しとしてはまだ確定されたものではございません。
○議長(平良一男君) 宮城清順君。
   〔宮城清順君登壇〕
○宮城清順君 再質問をいたします。
 那覇軍港につきましては、一部遊休化しているというような現状であるということです。
 同時に、御承知のとおり隣の沖縄フリーゾーンは、ポスト香港の大きな本県のフリーゾーンとして拡大対象として大変期待をされているわけであります。
 そういう意味で知事が、そういう遊休化しているということでこれは移設先も県内ではこれは非現実的なものであると我々は認識をしているわけですから、そういう面でこれは無条件全面返還をしていただいて、そして沖縄フリーゾーンなり、その辺の連携をするようなそういう施策の展開がぜひとも必要じゃなかろうかということで、その早期決着を図るために知事はひとつ、大変でしょうけれども、頑張ってもらいたいという意味の心を込めて質問をしたわけでありますから……。

 それから、全国植樹祭の問題でありますけれども、これは北部振興会、そして南部振興会、それぞれ住民大会を開きまして誘致合戦があったわけであります。
 県民の間、今だれが聞いても要するに北明治山は2.8ヘクタール、あるいはミカン畑を返還してもらって造成、伐採をして、しかも四十数年天然林を伐採をしてまでも全国植樹祭をしなければならないのかと。実際、せっかく生えた木を伐採しなけりゃいかぬのかと。
 と同時に、どうも県の施策として全国植樹祭のいわゆる国土回復と同時に国土緑化運動の趣旨から言えばどうもそれは外れているんじゃないかと。先催県はいろいろ緑を切ったり、山を切ったりしてやっていますが、それは本来の全国植樹祭の原点に合っていないと。全国一巡の最後の植樹祭であれば、なお植樹祭の原点に立ち返って沖縄から新たなそういう植樹祭の見直しを図って、さすが沖縄だと言われるようなことをしてもらいたいと、これは多くの県民の願いだろうと思うんですよ。
 と同時に、どうも県の今進めている北明治山については、当初は、先ほど申し上げましたように沖縄造林の賃貸している場所を予定しておったけれども、そこがいろいろ立ち木の補償問題でどうしても県が困難であるということで、今の米軍基地内にやるという計画に変更せざるを得なかったと、そういういきさつがあります。そうですよね。
 そういうことからして、北明治山はこれは沖縄県民、ヤンバルとか――僕も実はヤンバルの出身でありますけれども――島尻とか、そういう利害じゃなくて、本当にこれから沖縄の緑化運動を国内運動として定着させる、見直しをさせる意味におきましては、やはり戦災で失われたあの南部の糸満の地域に全国植樹祭の意義を踏まえて展開するのが私は本望ではなかろうかと思うわけです。
 南部振興会もそのような定義をして、また意思を含めて県に要請をしたわけでありますが、また一部の林業関係、県の施策の前面に出ているのはどうしても林業振興ということがどうも前面に出ているような嫌いがあります。
 林業振興であるならば、当然ヤンバルの森林含めて今後沖縄県の林業振興の上で不可欠です。それはそれなりの施策を展開をしていかなければならぬと思いますけれども、全国植樹祭に限りましては、私はやはり一県民として失われた緑を回復する、南部の地に知事が英断を持って変更する方が後世のためにもよかろうじゃないかということで申し上げたわけです。
 同時にもう1点申し上げますけれども、この件について今、南明治山は県のいろいろ研究地域としてやっておりますけれども、ある専門家に言わせますと、育林、いろんな対策をやっている南明治山よりも、今の北明治山の方が天然林の生育がいいというような専門家の指摘もあります。手入れをするところよりも、ほったらかして四十数年たって自然に生えた今の北明治山の候補地が非常に成林がいいというような指摘もあります。そういったところをあえて切って、造成をして植樹祭をやらなければならない、そういう意義はどこにありますか。
 そういう意味で、ひとつ再考を改めて促したいと。知事から前向きな発言をお願いします。
○議長(平良一男君) 西銘知事。
   〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 全国植樹祭についてお答えいたします。
 私も島尻出身ですから気持ちとしては同じですよ、もう宮城議員と同じだ。南部に持っていきたいんだが、これはそういうことじゃなくて、将来あそこに木を植えて育つだろうかと。いわゆる育林から造成までの過程の中で植樹祭を行う場所としてはどっちがいいかと。
 こういう北、南の出身ということを離れて考えてみました場合は、もう南部ではだめです、糸満では。これはもう北明治山でなければだめ。それで北明治山に決めたんですから。
 あなたは戦争の話ばかりして、戦争で木がなくなったから植えなさい、これも大事なことでございますが、今まで植えてないんですから、歴代糸満市で。植えても生えないんですから。これはよく考えてやらぬと、植えて植えっ放しだと、何万人という人が来て、天皇陛下、皇后陛下も、偉い人たちもまた全国代表が来て植えるんですよ。植えて枯らしてしまったらどうなるんですか。
 それと木は経済林とか施業というものは、山の木を切ってそれで植林をして、植林を管理して間伐をして木が大きく成長するようにやるわけですよ。もともと木を取るために木を植えるんですから、植えた木をそのまま何年も置いておくというと樹齢に達して腐ってしまうだけですよ。利用することも考えにゃいかぬということですよ。
 それから那覇軍港ですが、これはだからさっきも申し上げましたとおりまだ決まったものではございませんし、いろいろ新聞ではうわさされている段階でございますので御理解を賜りたいと思います。
 以上であります。
○議長(平良一男君) 以上をもって代表質問は終わりました。
 本日の日程は、これで全部終了いたしました。
 次会は、明2日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後7時15分散会

 
19900402000010