平成14年(2002年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 10月 4日
新垣 哲司
 

 一般質問を行います。
 1点目の質問で恐らく時間を要するような感じがするもんですから、もし間に合わない場合には、当局には次回に質問をしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 北朝鮮の日本人拉致問題についてでございます。
 報道によりますと、拉致された8人が死亡という報道がなされました。まことに残念で、これが事実であれば哀悼の意を表したいと、誠をささげたいというふうに思っております。
 世界で一番悪い国、悪の枢軸の野蛮な国、これが北朝鮮の実態である。
 不自然な日朝関係の中で、なぜ共同宣言に対する正当な批判を盛り込まなかったのか。日本政府は、1日滞在を延長してでも日本国民が納得できる内容に書き直すべきだったと私は思うのであります。
 北朝鮮の言っていることはみんなでたらめばかり、そして絶対的な独裁者金総書記が私は知らなかったと言っていますが、このことは世界の常識では通りません。現在の状況証拠から見れば、日本人の100人近い人が北朝鮮に拉致をされているんじゃないかというようなことが言われております。この問題を解決しなければ国交正常化はするべきでないということをはっきり申し上げておきたいと思います。
 この件につきましては、5年前にも私は情報を収集をいたしました。特に、大韓航空事件の金賢姫元死刑囚がはっきりと日本から朝鮮に拉致されているということを言っているわけでございます。あわせてまた、北朝鮮から亡命した幾多の方々からも証拠が出ているわけでございます。
 なぜ日本政府は、この時点においてその問題に真剣に取り組まなかったかということは大変残念なことであります。この日本政府・外務省は本当にトゥルーであります。           
 この問題につきましては、東京都の石原慎太郎知事やあるいは西村慎吾衆議院議員が真剣になって国会で取り上げ、これを一日でも早く早急に解決をしなければならないなということで訴えてまいったところでございますが、当時の石原慎太郎氏は国会議員24年やったんですが、政府が一向にこの問題について取り上げないということで、衆議院をやめたのも一理はその理由であるというふうに言われております。
 私は、5年前に拉致をされた2家族に電話を入れました。沖縄県ですが、どうぞ沖縄県議会においてもしっかり質問をして、そしてこの問題を国民で盛り上げていただくようにというようなお話をいただきました。
 5年前ではございますが、あの当時の質問をまず参考にしながら質問をさせていただきたいと思うわけでございます。あくまでも5年前でございます。
 先般の北朝鮮の情勢をテレビやあるいは新聞等での紹介によりますと、特に北朝鮮と中国の国境 沿いについては非常に寒気が強く、そして労働する工場も閉鎖されて食うのに精いっぱいということで、今、年寄りや子供たちが飢えて飢えて死んでいくという昨今のテレビ報道がございました。 どういうふうに生活をしているかというようなことも言われておりましたが、草を食べて、もう草もない状態だというような、これはつい1週間前の特集でのテレビの放映でございました。 それでもということで中国側に逃げて、そして米を中国からいわば戦果だったらもっと言葉は聞きやすいんですが強盗ということで、中国側もそんなに飢えているんであれば、せっかく話してもらえれば上げるかというような中国の方の話もございました。 そういうことでそれでも生きられない人は、密航して、自分の血液を売ってそれで生活をやっているというような報告をされているのが今の北朝鮮の実態ではないかというふうに思っているところでございます。 つい最近の20日の土曜日ですか、これは朝日系列のテレビからもございましたが、この北朝鮮の共産党の実態ですが、独裁的で今どういうふうに政治、経済をやっているかということについても国民が全く知らない状況などが放映をされていました。 そこには、例えばスパイ行為をやれば強制収容所に行って一生戻れないようなことがあるんだというようなことも言っておりました。全くスパイ行為もやってないのにこういうふうに連行されてそこで死ぬというようなことまで話されていたわけでございます。 あわせてまたひどいところになりますと、公開で処刑をやると、これを市民に公開して見せるという報道までやっているのが今の北朝鮮の実態ではないかというふうに思っております。民主主義の社会においては考えられない話でございます。 そういう状況下におきまして、今、日本から約10名ぐらいの方々が北朝鮮に拉致されたんではないかという報道がなされております。 この件については、まず3組の失踪事件については警察庁が昭和53年の8月、富山県の高岡市の海岸で会社員の男性(当時27歳)、家事手伝いの女性(当時20歳)が4人組の男に襲われてアベック拉致未遂事件のことが分析された結果がございます。同様の可能性が高いということで53年の国会で当時の梶山静六国家公安委員長が、これは北朝鮮による拉致の疑いが濃厚だというような答弁をされております。 その女性は、当時袋の中に入れられて拉致される寸前に中国語を話していたようでございます。片言の日本語も話したようですが、その状況から見てこれは中国の拉致事件だというふうに言われております。 そして政府は今月の7日ですが、北朝鮮に拉致の疑いがある日本人は6件で9人というふうに言われております。3組6人やまた62年の大韓航空爆破事件で逮捕された金賢姫元死刑囚の教育係でございました日本人の名前が田口八重子さんと言いますが、向こうではリー・ウンヘということで呼ばれているそうでありました。この方は埼玉県の出身で当時22歳であったようですが、その後拉致されてこの金賢姫といういわゆるスパイの日本人の教育者だというふうに答えております。 そのほか、これもロンドンに留学中の昭和53年に消息を絶った有本さんを初め欧州にいた日本人三、四名が拉致されたという情報も入っております。 しかしながら、我が国は主権国家でありながら今日までこういう情報もありながらいまだに解決をしてないというのが実態であります。家族になりますと、非常に寂しい気持ちがするなというようなことで、このような問題については一日も早く解決をしていただきたいというふうに願うものでございます。 それでは最近の国会の予算委員会の中でのこの拉致事件についてのことをちょっと申し上げてみますと、昭和52年10月15日、新潟市内の寄居中学校に通う13歳の中学1年生横田めぐみさんは、いつものようにバドミントンクラブ活動を終えユニフォームを制服に着がえてから午後6時ごろに学校を出た、クラブ活動の友人2人も一緒だった。寄居中学校は新潟市内の中心街から歩いて約15分ほどの距離にあるが、ここまで民家も少なく急にうら寂しくなる校門の前には新潟大学医学部の建物があるが、学生の姿はほとんどなかったようであります。 めぐみさんは、校門前の一本道を友人とおしゃべりをしながら自宅に向かった2分もかからない最初の曲がり角でめぐみさんたちに別れを告げたということであります。その右わきに道に消えた、またあしたねとお二人は別れたようでございますが、さらに2分後にももう一人の友人が次の四つ角でいつものように手を振って、またあしたということで笑顔で軽く手を振って別れたようであります。 それから、自宅にまだ戻らないということで約3時間半後の午後9時58分ごろのことであるようでございますが、母親から新潟県中央警察署に連絡があり、大騒ぎになったようであります。 それから警察では公開手配をし、事件や事故あるいは自殺などあらゆる可能性を調べ、周囲は海でございますので巡視船を出しヘリコプターも動員して大々的な捜索をしたようでございますが、手がかりはなかったようであります。 あれから20年たった8月23日、衆議院の予算委員会で西村慎吾議員より提出されている「北朝鮮工作組織による日本人誘拐拉致に関する質問主意書」によると、平成6年末に韓国に亡命した北朝鮮工作員の供述によると、当海岸近くで消息を絶った横田めぐみさんと一致をしているようであるということの質問があり、その件につきましては大韓航空爆破事件で死刑判決を受け特赦された金賢姫元死刑囚の手記の中に、新潟県で昭和52年に失踪した女子中学生横田めぐみさん(当時13歳)のことと見られる記述があるとされております。 その件については、今年の2月3日に判明をしているところでございます。
 そういうことで、日本政府はこの問題についてはぜひとも責任を持って早急に解決をしていただくことで質問に入ります。
 拉致問題に対する知事の認識、本県においてもこのような拉致事件の事例がないか。
 今回死亡された8人の方々の家族の悲しみと絶望から救い上げるために国はどうすべきと思われるか。
 また、このことを国に県から意見を述べる考えはありませんか。
 警察庁から県への情報提供依頼や調査等があったか御説明を願いたい。
 あとは、再質問でいたします。

 
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