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平成20年(2008年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 12月19日
文教厚生委員長(赤嶺 昇)
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おはようございます。
ただいま議題となりました平成20年第2回議会乙第3号議案、同乙第4号議案、乙第2号議案、乙第3号議案、乙第6号議案及び乙第7号議案の条例議案6件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、文化環境部長、福祉保健部長、病院事業局長及び教育長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
まず、平成20年第2回議会乙第3号議案「水質汚濁防止法第3条第3項の規定に基づく排水基準を定める条例の一部を改正する条例」は、県内における事業形態や社会基盤の整備等、社会状況の変化が著しいことから、これに対応した上乗せ排水基準の整理を行うため条例の一部を改正するものである。
主な改正内容は、これまでの取り組みにより水質汚濁の実態が類似してきた公共用水域を整理・統合すること、養豚事業場の大規模化が進んでいることから、規模要件を撤廃して相応の上乗せ基準に統一すること及び下水道処理区域内の特定事業場は、下水道処理場と同程度の基準で処理するよう改正したことなどであるとの説明がありました。
なお、本議案は平成20年6月議会に提案されましたが、慎重に審査及び調査する必要があるとの理由で継続審査となった議案であります。
本案に関し、上乗せ排水基準の設定状況はどうか、特定事業場とはどのような施設かとの質疑がありました。
これに対し、現在、9河川5海域の14水域において特定事業場ごとに上乗せ排水基準が設定されている。特定事業場とは、養豚事業場、し尿処理施設、自動式車両洗浄施設、砂糖製造事業場など水質汚濁防止法施行令別表第1号に掲げる74の施設であるとの答弁がありました。
次に、上乗せ基準を改正することについて、事前に特定事業場に説明したかとの質疑がありました。
これに対し、河川流域にある特定事業場に対して個別に説明するとともに、JAおきなわ、沖縄県工業連合会、沖縄県商工会連合会、那覇商工会議所、沖縄県婦人連合会、沖縄県中小企業家同友会、沖縄県中小企業団体中央会などの関係団体に対しても説明を行ったとの答弁がありました。
そのほか、特定事業場の立入検査件数、経過措置の状況、他部局との連携状況、排水基準の具体的内容などについて質疑がありました。
次に、平成20年第2回議会乙第4号議案「沖縄県生活環境保全条例」は、県民を取り巻く環境の変化を踏まえ、産業型公害の防止に加え、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な地域社会に変えていくための事業者及び県民の取り組みについて、現行の沖縄県公害防止条例を全部改正し、沖縄県生活環境保全条例を制定するものである。
主な改正内容は、従来の工場及び事業場からの公害に対する規制を整理するとともに、土壌の特定有害物質による汚染防止に関する措置を追加すること及び事業者や県民が環境負荷低減のためにとるべき行動指針を定める等環境への負荷を低減する取り組みを促進する規定を設けることなどであるとの説明がありました。
なお、本議案は平成20年6月議会に提案されましたが、慎重に審査及び調査する必要があるとの理由で継続審査となった議案であります。
その際、本条例に米軍基地に起因する環境問題への取り組みを記述すべきではないかとの提案があったが、国際法上、外国に駐留する軍隊に対して、その駐留している国の法令の適用はないものとされているため、日米地位協定に特別の定めがない限り、我が国の法令に基づき米軍を規制したり一定の義務を課したりすることはできないとされている。
一方、地方自治法では、地方公共団体の事務について法令に違反しない限りにおいて条例を制定することができると規定されているが、法令と同様に日米地位協定及びこれに基づく国内法令に特段の定めがないことから、米軍の管理運営の権限を制約し、その活動を制限することを条約に盛り込むことはできないものと考えているとの説明がありました。
本案に関し、日米合同委員会において合意された環境に関する協力の中で、県及び市町村は米軍現地司令官に対して調査を要請することができるとされていることから、条例の中に立入調査等を規定することは可能ではないかとの質疑がありました。
これに対し、日米地位協定を抜本的に改正して立入調査ができることが日米地位協定上明記された場合に、条例にその旨規定することが可能ではないかと思われるとの答弁がありました。
次に、沖縄県環境審議会の答申に基づき航空機騒音の軽減等基地環境問題に係る協定締結の申し入れ等を条例に規定しない理由は何かとの質疑がありました。
これに対し、基地環境問題に係る協定締結の申し入れ等は外交権に関することであり、外交権は国の専管事項であることから、それを越えて条例に規定することはできないと考えているとの答弁がありました。
次に、米軍基地に起因する環境問題について毎年調査を行い、白書として広く県民に知らせるべきではないかとの質疑がありました。
これに対し、毎年発行している環境白書において、基地関係として基地排水関係の調査内容、航空機騒音の測定結果、原子力潜水艦の寄港に伴う放射能調査結果等を公表しているとの答弁がありました。
そのほか、沖縄県生活環境保全条例と環境基本法の関係、沖縄県環境基本計画の実効性、沖縄県環境審議会の審議内容、県内の米軍基地に起因する環境問題の状況などについて質疑がありました。
次に、乙第2号議案「特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例」は、特定非営利活動促進法の改正に伴い、知事が所管庁となる特定非営利活動法人の総会に出席しない社員が、書面にかえて表決できる電磁的方法について定めるため条例を改正するものであるとの説明がありました。
次に、乙第3号議案「沖縄県立看護学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」は、県内の看護師不足に対応するとともに、質の高い看護師を養成するため2年課程定時制から3年課程全日制へ課程を変更するとともに、その授業料の額を定めるため条例を改正するものであるとの説明がありました。
本案に関し、3年課程全日制への入学資格は何か、卒業後はどのような資格が得られるのかとの質疑がありました。
これに対し、看護師3年課程は高等学校を卒業し看護師を目指す者を対象にしており、卒業後は看護師国家試験の受験資格が取得できるとの答弁がありました。
次に、授業料が5万6000円から24万8000円になる理由は何か、他の看護養成校の授業料はどのような状況かとの質疑がありました。
これに対し、看護師2年課程に比べ看護師3年課程は、カリキュラムや授業数がふえるため授業料がふえる。看護師3年課程を有する看護師養成校は本県に現在4校あり、看護師3年課程の授業料は、沖縄看護専門学校が50万円、北部看護学校が40万円、ぐしかわ看護学校が40万円、那覇看護専門学校が40万円であるとの答弁がありました。
そのほか、授業料の滞納状況、奨学資金の貸与状況、中途退学者の状況、授業料の免除内容などについて質疑がありました。
次に、乙第6号議案「沖縄県立青少年の家の設置及び管理に関する条例」は、青年の家及び少年自然の家を廃止し、青少年の家を設置するとともに、名護青年の家及び糸満青年の家の管理を指定管理者に行わせるため、同施設の設置及び管理に関して必要な事項を定める条例を制定するものである。
条例の主な内容は、青少年の家の設置に必要な事項を定めること及び青少年の家を指定管理者が管理するに当たり必要な事項を定めることなどであるとの説明がありました。
本案に関し、青少年の家の設置目的は何か、指定管理者制度を導入する理由は何かとの質疑がありました。
これに対し、青少年の家の設置目的は、青少年の宿泊の集団訓練などを通して青少年の健全育成を図るためである。
県財政の厳しい状況の中、管理運営費の確保が難しいことから、公の施設の管理のあり方に関する基本方針に基づき、民間のノウハウを活用して住民サービスの向上を図るため指定管理者制度を導入するとの答弁がありました。
そのほか、今後の指定管理への移行計画、指定管理に伴う運営費の削減効果、サービス低下の有無などについて質疑がありました。
次に、乙第7号議案「沖縄県病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例」は、安心して産科医療を受けられる環境整備の一環として、平成21年1月1日から産科医療補償制度が実施されることに伴い、分娩介助料の額を改めるため条例を改正するものである。
主な改正内容は、妊娠22週以降の出産に係る分娩介助料について、1児につき3万円を加算するとの説明がありました。
本案に関し、産科医療補償制度を創設する背景と目的は何かとの質疑がありました。
これに対し、全国的な産科医不足や産科医療機関の減少などの社会的な状況を踏まえ、安心して産科医療が受けられる環境をつくるという観点から本制度が制定された。分娩に関連して発症した脳性麻痺の児及びその家族の経済的負担を補償するために創設されたとの答弁がありました。
次に、産科医療補償制度の仕組みはどうなっているのかとの質疑がありました。
これに対し、本制度は財団法人日本医療機能評価機構が運営組織となり、損害保険会社と保険契約を締結し、分娩機関である病院は運営組織に分娩数に応じた掛金を支払い、補償対象となる脳性麻痺が生じた場合には保険会社から分娩機関である病院を通して妊産婦に補償金が支払われる。分娩機関である病院は、妊産婦から分娩介助料として掛金を徴収するが、妊産婦に対しては国民健康保険等の出産育児一時金の中で相当額が支給されるとの答弁がありました。
そのほか、脳性麻痺の発生状況、補償対象、補償金額、掛金などについて質疑がありました。
以上が委員会における質疑の概要でありますが、採決に先立ち、平成20年第2回議会乙第4号議案については、自由民主党及び共産党所属委員から米軍基地環境問題への取り組みに関する修正案が提出されました。
なお、本案に対する修正案は、お手元に配付されているとおりであります。
採決の結果、平成20年第2回議会乙第4号議案の修正案は、全会一致により可決すべきものと決定し、修正議決した部分を除く原案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
また、修正案及び修正議決した部分を除く原案の可決後、社民・護憲ネット所属委員から別紙のとおり附帯決議が提出され、全会一致により可決すべきものと決定いたしました。
乙第3号議案及び乙第6号議案の2件については、採決に先立ち、共産党所属委員から反対する旨の意見表明があり、採決の結果、乙第3号議案及び乙第6号議案の2件は、賛成多数により原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
平成20年第2回議会乙第3号議案、乙第2号議案及び乙第7号議案の3件は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
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20080408010030