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平成12年(2000年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 9月27日
高嶺 善伸
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こんにちは。
白熱した基地問題の議論も大事ですが、離島問題というのも大事な県政の課題でありますので、政策の角度を変えてこれから一般質問を申し上げたいと思います。
八重山圏域の振興開発、水産行政、医療行政、公共事業の見直し、以上4点について質問申し上げますので、知事及び関係部局長の御答弁をお願いいたします。
1、八重山圏域の振興開発について。
政府は、新しい全国総合開発計画において、沖縄県を「太平洋・平和の交流拠点(パシフィック・クロスロード)」と位置づけており、学術・文化、経済面での交流拠点として観光・リゾート産業、情報通信産業等の各分野の振興が期待されております。特に八重山圏域は、「第3次沖縄県離島振興計画」で、「我が国の最南西端に位置する地理的条件と豊かな自然や伝統文化を生かした多彩な活動の場の形成を図ることを基本に、恵まれた自然環境を生かして農林水産業の振興を図るとともに、国際的な観光・リゾート拠点及び学術文化の交流の場としての整備を進める。」と位置づけられております。しかし、目標年度は来年であり課題は山積しております。今後、ポスト第3次振計を展望して具体的な施策を盛り込んでいく必要があります。
そこで八重山圏域における国際交流の基本的な条件整備についてお伺いします。
まず、国際交流と人材育成及び産業振興についてでありますが、八重山圏域には公的な数多くの学術研究機関があります。例えば国際農林水産業研究センター、水産庁の西海区水産研究所、日本栽培漁業協会八重山事業場、環境庁の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター、サンゴ礁保護研究センター、琉球大学熱帯生物圏研究センター、それに沖縄県の水産試験場八重山支場等々があり、それぞれの分野で研究が進められており、毎年世界10数カ国からの研究生が来ております。これらの研究機関が相互に協力し合えば人材育成、学術・文化の交流、産業振興に貢献できます。
そこで、既に国際交流の基盤ができつつある八重山圏域を東南アジアの人材育成の交流拠点として重点整備し、国際貢献と八重山圏域振興の施策を展開できないか、御所見を賜りたい。
ア、各研究機関の地域の人材育成、産業振興への貢献の現状はどうなっているのか。
イ、今後、八重山圏域を国際交流ゾーンとして位置づけ、地域の人材育成、産業振興へリンクさせて積極的な施策を講じてほしい。
次に、石垣空港への国際線乗り入れについてでありますが、ア、台湾経由の国際交流の展開として石垣─台北間航空路線の開設にどのように取り組んでこられたのか、また今後の計画をお伺いします。
イ、国際線が就航するために法律上の制約、航空会社、ハンドリング、CIQ配置等どのような問題があるか、また問題解決に県としてどのようにお考えなのか、お伺いします。
次に、石垣港活用と整備についてでありますが、ア、石垣港は国の重要港湾であり、国内外海上輸送網の拠点、その他国の政策的な要請に対応できる港湾となっており、現在の状況はヤードが狭隘でコンテナと貨物集積が混在したり、旅客が錯綜し改善が必要であります。また、大型クルーズ船の寄港にも暫定的な対応を余儀なくされております。しかし、国内貨物の推移だけでは大胆な港湾計画の見直しができません。
そこで新たな沖縄振興開発計画で、将来の船舶の大型化に対応する物流機能を強化できるように県当局の積極的な位置づけと対応をお願いしたい。
イ、現在、石垣港は開港として中国・台湾の三角貿易のためにクリアランス船が寄港しており、平成11年度では1760隻が通関しこの5年間で2倍の伸び、とん税及びとん譲与税は約2億円に上ります。今後、さらに国際貿易の拡充をどのように位置づけて支援していくか、御所見を賜りたい。
2、水産行政について。
沖縄は、離島県で四方八方海に囲まれ、黒潮の影響下で回遊魚の好漁場を形成し、サンゴ礁海域を活用した資源管理型漁業等可能性は大きいものの生産量は3万トン台の低迷を続けております。今後、漁業環境が厳しさを増す中で水産業振興に力を注いでほしいと思います。
特に、県内でもウエートの大きい八重山漁業協同組合は、経営の健全化を図るため平成10年度に再建整備計画を策定して役職員一体となって再建に取り組んできました。ところが、再建整備計画事業の大きな柱であったクルマエビ養殖が2年連続ウイルスでへい死し赤字を抱えてしまっており、さらに金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律により緊急措置として信用事業を県信漁連へ譲渡することになっております。しかし譲渡に当たっては新たな資金調達が必要で、同漁協は財政基盤や担保力が弱く地方自治体に緊急支援を要請しており、県内のほかの漁業協同組合も同様に苦しんでおられることを耳にしております。
そこでお伺いしたい。
ア、今後、沖縄県の水産業振興をどのように講じていくか。
イ、タイムリミットを目前にした八重山漁協の再建整備及び財務改善に監督官庁としてぜひ支援措置をしていただきたいが、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。
次に、教育行政に関連しますが、離島である八重山圏域は海洋資源の活用こそ産業創出の道であり、雇用効果の期待できる分野でもあります。そのためには人材育成、技術指導をどうするかが大きな課題であることは言うまでもありません。
そこでお伺いします。
ア、沖縄県は県立高等学校編成整備計画を策定中ですが、八重山圏域にある県立の高等学校等に水産科コースを設置し、高校教育の一環として人材育成に取り組んではいかがでしょうか。
イ、地元に専修学校石垣リゾート海洋専門学校があり、自然環境学科、海洋ビジネス学科等のカリキュラムを持って潜水士、ダイビングインストラクター、船舶操縦士等の資格者養成をしており、高校生や社会人を対象にしてこのような学校を活用した研修制度や教育システムはできないか、御所見を賜りたい。
3、医療行政について。
今度発注される沖縄県総合行政情報通信ネットワーク整備事業では、県内53市町村を網羅して21世紀の高度情報通信社会に対応する高速大容量の情報通信網として構築されることになっていますが、「離島・へき地遠隔医療支援情報システム」にどのような改善取り組みができるか、お聞かせ願いたい。
次に、沖縄県の医者の数は全国平均の89.1%で離島を初めとする僻地地域医療での医師不足は慢性的であり、県内唯一の琉球大学医学部に医者不足解消の期待が集まるのは当然のことであります。しかし同大学の一部の教授は、地域医療、特に離島の公立病院を軽視し関連している医者を途中で撤退させていると聞いています。最近の県立八重山病院、宮古病院、南部病院の医者の撤退の事例がそれであり、このてんまつは琉球大学教授職員会専門委員会ニュース第4号、5号に報告されています。これが事実としたら、建学の精神にかんがみ許されることではありません。
そこでお伺いしますが、ア、県当局は一連の実態をどのように把握しておられるのか。
イ、八重山病院の医師撤退による死亡事例を再発させないためにも文部省高等教育局局長に改善措置を申し入れてもらいたい。
次に、石垣島徳洲会病院は、24時間体制の救急病院として期待され、建設に当たっては2万5700名余の署名運動があり、平成10年1月23日に沖縄県より開設許可がおりましたが、今なお着工、開業に至っておりません。
理由は、保険医療機関の指定が受けられないためだと聞いており、県として国の社会保険事務局と協議して解決をつけるべきだと思いますが、次の点をお聞きしたい。
ア、八重山圏域では実質的に49病床不足だが、なぜ保険医療機関の指定が受けられないのか。
イ、県当局は開設許可をした以上、関係機関と協議し指定を受けられるような対応をすべきではないか、今後の取り組みをお聞きしたい。
4、公共事業見直しについて。
先般、政府・与党3党は、公共事業見直し基準により政府に対して233事業の公共事業中止を申し入れました。沖縄県関係は9件で、うち5件は八重山関連と聞いており、対応についてお伺いしたいと思います。
1つ、新石垣空港建設事業に関して運輸省は白保海上案で空港設置許可をしましたが、今回中止勧告事業となっており新石垣空港建設の今後の推進に支障はないか、国とどのような協議になっているのか、お伺いします。
2つ、白水ダム建設工事は現在休止事業となっているが、石垣市議会からも工事再開の要請があり、今後の八重山圏域における水資源開発のかぎを握る重要なプロジェクトでもあります。今回、中止勧告事業となっていますが、新聞報道によりますと総合事務局において調査費を確保していると言われ、県として今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。
3つ、竹富東港の整備、小浜港の整備、船浦港の整備の各工事は、沖縄県公共事業評価監視委員会で平成10年から休止事業になったことが今回の中止勧告を受けた理由になっています。同地区での今後の事業継続をどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
残余は当局の答弁により再質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
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