平成20年(2008年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 9月29日
嘉陽 宗儀
 

 私は、ブラジル・アルゼンチンの県人移民100周年祭に県議会を代表して参加させていただきました。
 県人の皆さんが南米大陸で大きな社会的信頼を築き活躍している姿に感慨深いものを感じました。同時に、沖縄県として支援を強化すべき課題も見てきました。研修生として沖縄で学んだ若者たちが沖縄の文化の継承者として大きな役割を果たしているだけに、今後、各市町村とも提携して質・量ともに強化すべきだし、また、社会的に成功していない県人に対して可能な限りの実態調査を行い必要な援助をすべきだと痛感しました。
 私は、以前にも議会代表でブラジルを訪問しましたが、そのときより治安がかなりよくなっていることを感じました。それは、貧困層の人々に左翼政府が援助を強めて生活を守る努力をしているからだということでした。
 アメリカ中心の新自由主義経済から脱却し、自主独立路線を歩み、着実に力をつけています。豊かな大地に鉱石・石油などの資源が豊富で、人材の育成に熱心に取り組み、その力で経済力を大きく発展させていました。そして全く戦争をしないので、政治の力、経済の力を国民の生活向上に使う道を進んでいました。この国が今後、国際的にも大きな発言力を持つ国に発展することを感じました。
 軍隊や戦争が国民生活といかに相入れないものであるか。そして軍事に頼る政治が本当に愚かなものであり、時代おくれのものであるかを痛感させられました。そして、我が国の政府がアメリカ追従で、莫大な国民の税金を軍事費や米軍への思いやり予算として注ぎ込んでいる政治がいかに反国民的であるかがよく見えました。また、知事が県民を戦争の危険にさらすアメリカの基地押しつけの先導役を果たしていることが、県民の歴史から見て実に許されないものであるかも痛感しました。
 そこで通告に基づき質問します。
 1、基地問題について。
 (1)、新基地建設について。
 ア、現在、キャンプ・シュワブで進められている工事は普天間基地の移設関連ですか。工事で海が汚染されています。実態を調査し抜本的な対策を求めるべきではありませんか。
 イ、建設場所が確定していなければ工事は行うべきではないと思いますが、そうであれば中止を申し入れるべきではありませんか。
 ウ、現在進められている工事に関する環境アセスは行われていますか。
 次に、普天間基地の危険性の除去について。
 ア、普天間基地の危険性とは何ですか。その内容について説明してください。
 イ、知事は危険性の除去を主張していますが、具体的に何をするのですか。
 ウ、危険性の除去の見通しはあるのか。あればその根拠を示してください。
 次に、戦闘訓練による爆音問題について。
 ア、爆音被害が増大していますが、知事はその実態を掌握していますか。
 イ、どのような対応をしていますか。
 2、知事訪米について。
 (1)、訪米の目的は何ですか。訪米によってその目的は達成されるのですか。
 (2)、県民の願いは新基地建設反対であります。米軍再編はますます危険な基地を県民に押しつけるものであります。知事はその推進を訴えに行くのですか。
 (3)、知事の「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」に関して。
 ア、県議会の決議は野党議員が知事の姿勢を十分理解されていないからだと見解を述べていますが、その意味はよく理解できません。県民が理解できるように説明してください。野党議員は理解する力がないということですか。
 イ、普天間飛行場をキャンプ・シュワブに移設することが実現可能性の高い早道だという根拠は何ですか。
 ウ、新基地建設の沖合移動で早目に決着をつけたいと主張していますが、日米両政府が反対している沖合移動はより現実的だと考える根拠は何ですか。
 (4)、知事の態度は絶対的に正しいと言うのか、考え方の真意を伺います。
 次に、ヤンバルの貴重な森林の伐採について質問します。
 私は、これまで伐採の現場を調査し、本県議会でもたびたび取り上げ伐採の中止を求めてきました。ところが、全く聞く耳持たぬといわんばかりに伐採はどんどん行われています。
 そこで質問します。
 (1)、全国的に森林事業は林道土木工事中心になっている。全国的に必要性が疑われる林道工事のために貴重な森林がどんどん伐採されているとの批判の声が大きくなっていますが、どう思いますか。
 (2)、ヤンバルの林道建設も林道土木工事ありきで、森林事業の必要性に基づくものとは考えられない実態になっているではありませんか。
 (3)、自然保護が大きく叫ばれる中で、従来の森林事業の見直しも進められて、新伐採の規制も厳しくなっています。特に森林法や全国森林計画は、沖縄の自然は固有の動植物が生息しているとして開発行為を厳しく制限しています。その内容について説明してください。
 (4)、楚洲の県有林で契約外の広葉樹伐採が行われているとの訴えがあります。県は事実を確認していますか。事実であれば厳しく対処すべきだと考えるがどうですか。
 (5)、森林法や全国森林計画を踏みにじって進められ、ヤンバルの自然を破壊している北部地域森林計画に基づく林道工事と森林の伐採・皆伐は直ちに中止すべきではありませんか。
 (6)、沖縄の貴重なヤンバルの自然の世界自然遺産登録を求める声が国際的にも大きく広がっています。知事はそれを知っていますか。県政としても取り組むべきではありませんか。
 4番目、泡瀬干潟の埋立工事について質問します。
 (1)、中城湾港の公有水面埋め立てに係る沖縄県の事業目的は何か。
 (2)、187ヘクタールの埋立事業のうち、県が行う事業面積は幾らか。将来何をつくるのか。
 (3)、沖縄市は、計画を見直すために従来の計画は白紙に戻したが、事実を掌握しているか。県の事業計画に影響はあるのか。
 (4)、仮設道路は公有水面埋立法に反する事態であるが、認識しているか。
 (5)、米軍泡瀬通信基地の一部水域の共同使用に伴う現地協定書の期間更新について沖縄市が署名を拒否したが、その理由は何か。
 (6)、知事が代理署名をすると言われているが、事実はどうか。そうなると知事が新たな基地を提供することになり、基地の整理縮小の公約に反するのではないか。
 (7)、貴重な泡瀬干潟はラムサール条約に登録すべきとの大きな声があるが、その条件はあるか。実態はどうなっているか説明せよ。
 5、教育問題について。
 (1)、2年連続全国学力テストが全国最下位の結果をどう考えているか。その理由は何か、原因は何か、説明せよ。
 (2)、県教育庁は、20年間にわたって学力向上推進運動に取り組んできているのに、なぜこのような結果になっているのか。その原因を分析し県民に公表すべきではないか。教育行政の責任を明確にすべきだと考えるがどうですか。
 (3)、フィンランドは落ちこぼれを出さない教育、イギリスは競争主義教育だと言われています。その違いと結果について所見を伺いたい。
 (4)、学校教育現場と教職員の多忙化は深刻な実態にある。改善すべきではありませんか。
 (5)、教育で大切なのは、継続して一貫して教育できることであるがその条件が欠落しています。教職員定数法正の精神を踏みにじって臨時教員、非正規雇用職員をふやしている。これは直ちに改善すべきではありませんか。安上がりを求めては教育が荒廃するだけではありませんか。
 (6)、教科書検定意見書の撤回を改めて求めるべきだと考えますが、決意を伺います。
 6、保育問題について。
 (1)、現在の待機児童数は何名か。
 (2)、それから、潜在的な待機児童数は何名で、その保育園整備はあと何園必要か。
 (3)、20年度実施の待機児童解消対策特別事業でどれだけの解消が可能か。
 7、「美ら海協力金」について。
 (1)、「美ら海協力金」と称してダイビングを楽しむ観光客から強制的に徴収しているとの訴えがあるが、実態はどうなっているか。
 (2)、強制徴収の法的根拠は何か。
 (3)、その徴収された金は何に使われているか。
 (4)、県の漁協指導に問題はないか。
 8、公共工事について。
 (1)、公共工事の発注について、国、県の工事から本土ゼネコンの入札参加を規制し、原則的に県内業者優先発注をすべきだと考えるが見解を伺う。その際、政府の一般競争参加資格についての点数制を改善させるべきではないか。
 (2)、県の公共工事の代金支払い問題について。
 ア、県の公共工事の代金支払いで問題があると訴えが寄せられているがどうなっているか、明らかにしてください。
 (ア)、平成16年度雄樋川護岸工事。
 (イ)、平成18年度小谷地滑り対策工事。
 (ウ)、それから、平成19年度玉城那覇自転車道整備工事。
 イ、実態を調査して解決に努力すべきだと考えますが、どう対応しますか。
 9、新石垣空港建設用地の買い上げについて質問します。
 私は、この問題についてこれまで土地転がし疑惑があり、しかも広域暴力団が絡んでいることを指摘し、不当な高値買いをすべきではないと追及してきました。
 そこで質問します。
 (1)、買い上げ価格は適正か、その根拠を示してください。他の用地との比較では、近傍類似地との比較はどうなっていますか。
 (2)、それから、土地転がし疑惑が指摘されていた土地であり、この間の用地取得の経緯を明確に説明してください。
 (3)、その他の用地取得の見通しはどうなっていますか。
 10、米兵の任意自動車保険加入問題について。
 実態はどうなっているか。加入促進を強化すべきではないか。
 11、我が党の代表質問との関連について。
 (1)、ミサイル防衛のために糸満市与座岳に配備される地上警戒管制レーダーの機能と役割、電磁波の大きさについて説明してください。
 (2)、湛水など環境が悪化することはありませんか。
 以上です。

 
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