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平成 2年(1990年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 1号 9月25日
第 1号 9月25日
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議 事 の 概 要
平成2年9月25日(火曜日)
午前10時2分開議
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 会期の決定
日程第3 嘉陽宗儀君に対する懲罰の件(懲罰特別委員長報告)
質 疑 嘉陽宗儀君に対する懲罰の件
討 論 嘉陽宗儀君に対する懲罰の件
日程追加 嘉陽宗儀君に対する懲罰の件
日程第4 甲第1号議案から甲第7号議案まで、乙第1号議案から乙第12号議案まで及び認定第1号から認定第3号まで(知事説明)
日程第5 陳情4件の付託の件
午後10時34分散会
○議長(平良一男君) ただいまより平成2年第4回沖縄県議会(定例会)を開会いたします。
○議長(平良一男君) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
本日、知事から、お手元に配付いたしました議案19件及び決算3件並びに今期定例会提出補正予算説明書、平成元年度沖縄県病院事業会計決算審査意見書、平成元年度沖縄県公営企業会計決算審査意見書、今期定例会提出県の出資等にかかる法人の経営状況報告書、平成2年7月31日現在の平成2年度一般会計予算執行状況報告書及び平成2年度繰越一般会計予算執行状況報告書の提出がありました。
次に、これまでに受理いたしました陳情のうち、特別委員会に付託すべき陳情を除く陳情39件は、お手元に配付の陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
次に、本定例会に出席を求めた説明員のうち、総務部次長安村哲三君は、別用務のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありました。
また、農林水産部長平敷昌一君は、別用務のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として農林水産部次長伊良波照徳君の出席を求めました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
○議長(平良一男君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
今期定例会の会議録署名議員は、会議規則第114条の規定により
31番 嘉 数 知 賢 君 及び
37番 島 袋 宗 康 君
を指名いたします。
○議長(平良一男君) 日程第2会期の決定を議題といたします。
お諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日から10月15日までの21日間といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
よって、会期は、本日から10月15日までの21日間と決定いたしました。
○岸本忠三郎君 議長。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前10時6分休憩
午前10時48分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
日程第3 嘉陽宗儀君に対する懲罰の件を議題といたします。
嘉陽宗儀君の退場を求めます。
〔嘉陽宗儀君退場〕
○照屋寛徳君 議長、今の議題について。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前10時49分休憩
〔照屋寛徳君退場〕
午前10時51分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
本件に関し、委員長の報告を求めます。
懲罰特別委員長。
〔懲罰特別委員長 外間盛善君登壇〕
○懲罰特別委員長(外問盛善君) ただいま議題となりました嘉陽宗儀君に対する懲罰の件について、懲罰特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本件は、平成2年第3回議会において本特別委員会に付議されたもので、8月6日から8月27日までの間に5回にわたり委員会を開き、審査を行いました。
委員会におきましては、まず、動議提出者の崎浜秀三議員と下地常政議員から、その提案理由を聴取し質疑を行い、ついで嘉陽宗儀議員から一身上の弁明を求めた後、質疑を行い、去る7月2日の代表質問における嘉陽宗儀議員の発言が、地方自治法第132条及び会議規則第97条に違反し、懲罰に値するかどうかについて慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における主な質疑の概要などについて申し上げます。
まず、動議提出者に対し、今回の嘉陽議員の懲罰問題は、まさに初めに懲罰ありきで、後にその理由を無理にくっつけた感が強い。まず、懲罰の理由が、発言の内容が事実無根であると一方的に決めつけているけれども、それが地方自治法第132条の「普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」という規定。さらに会議規則第97条の「議員は、議会の品位を重んじなければならない。」という品位の保持義務に違反する性質のものかどうかについて疑問を持っているが、嘉陽議員の発言は懲罰に値すると思うのかとの質疑がありました。
これに対し、今回の懲罰の問題については、理由を後でくっつけたというけれども、決してそのようなことはない。御指摘のとおり議員の懲罰ということは、本人の地位にかかわる問題であるし、ひいては人権にもかかわる問題であり、さらに議会の権威にかかわる問題である。そういった観点から十分に発言の内容を検討して、これが自治法等の規定に照らしてみて懲罰に値するかどうかということを真剣に検討して、さらにまた嘉陽議員の発言の中に出ている事実関係も調査をして慎重な検討をして提案した次第であり、嘉陽議員の発言は懲罰の対象になると、このように自信を持って判断をしているとの答弁がありました。
次に、議員というものは、地方自治法なり会議規則なり、条例等に違反しない限り議会において自由に発言すると。そしてみずからの調査に基づいて執行部を批判したり見解をただすというのは当然あるべきであり、むしろ議会人としての責務であると思う。嘉陽議員が独自の調査に基づいて発言したことが懲罰の対象になってしまうと、これは議会の運営にとって非常に大きな問題となると思うがどうかとの質疑がありました。
これに対し、議会が執行部の政策を批判したり、あるいはまた行政行為の成果についてチェックしたりするという議会の中の言論の自由が十分保障されるべきであるという御指摘には賛成である。ただ、言論の自由は政策に対する批判であるとか、チェックをするに当たって、議員の発言には内在的に制約条件があると思う。例えば相手の人権を否定する発言であったり、あるいは不法行為があるということまで言論の自由では認められていない。したがって地方自治法の懲罰規定は、そういう言論の自由を保障する中で、無制限でなく、一定の歯どめ、制約条件をつけていると思うとの答弁がありました。
次に、今回の場合は、あくまでも嘉陽議員が独自の調査に基づいて発言したことである。もし本当に嘉陽議員の代表質問での発言が不穏当であれば、本来であれば議会において取り消しを求めるのが順序であると思う。それをやらないでいきなり懲罰委員会にかけるやり方は、どうもこれまでの議会運営のあり方から見ても正常なやり方ではないと判断するが、今回、この懲罰委員会でこれを対象にしたということは、やはり無理があると思うがどうかとの質疑がありました。
これに対し、嘉陽議員の発言は、単なる一部分の字句を訂正するとか、そういうような内容ではない。質問の文脈全体の流れの中に不正であるとか、西銘県政と業者との癒着であるとか、疑惑はますます深まるばかりであるとか、そういう文脈全体に反社会性あるいは反倫理性のところが一貫していて、これは字句の修正とか訂正だけでは済まないものである。判例でも、馬喰であるとか、利権あさりとか、この程度の発言でもこれはやはり無礼な発言に当たるという判決を裁判所はしているので、最初から当然これは懲罰の対象になる発言であるという判断をしているとの答弁がありました。
次に、嘉陽議員の発言に対する具体的な調査もなく、事実無根だとする明確な証拠も提起し得ないで、議員の身分にかかわる懲罰の動議を出すことは大変問題がある。発言の取り消しなどの措置もとらず、従来の慣例を破ってこのような動議を出すということは、西銘知事の腹切り発言に対する腹いせからこのような動議が出てきたものだと判断せざるを得ないがどうかとの質疑がありました。
これに対し、腹いせなどという感情的なことは毛頭ない。一人の議員の地位や名誉、人権にかかわる問題であり、また言論の府としての議会の権威を保つ意味から、感情的なことをやるのはみずからの権威を失墜せしめることになるので、慎重に検討した上で趣旨説明を行ったことを御理解願いたいとの答弁がありました。
次に、買い付け証明書が発行されている、あるいは発行されていないという問題は、今ここでは確たる証拠がないが、しかし発言をした嘉陽議員は、少なくとも自分の目で見たと言っている。一方、提案者は、行政当局がそういうものを発行するわけはないと説明しているけれども、北谷浄水場の裁判記録では、そういう買い付け証明書のことが述べられている。こういうことからすれば、買い付け証明書は過去において発行された前例があると言えるのではなかとの質疑がありました。
これに対し、嘉陽議員の質問の中で、買い取り行為がされない以前に買い付け証明書が発行されていると発言をしているが、県は、公文書を発送する場合は、文書件名簿の中に記載するのが普通である。しかもこの種の重要な書類については当然に件名簿に記載されなければならないが、調査の結果では発行された記録がないし、発行する部門の担当者も発行していないと言っており、そういうことから事実関係を調査の上、さらに関係者の意思確認をした中でこれは発行されていないと判断した。発行されてないのを発行したと虚偽の発言をしたところに問題があると考えるとの答弁がありました。
次に、北谷浄水場の裁判の証言で坂下氏が、開発計画を断念したのは買い付け証明書が出た日です。社長がわざわざ来て、間違いなく買い付け証明書が2日に出るとの連絡がありました。57年7月20日ではなかったでしょうかと言っているが、これは県が北谷浄水場用地として決定したのが9月13日であるから、約2カ月前に買い付け証明書が出たことになる。北谷浄水場の裁判の中でこのようなことが出たということは、新石垣空港問題でもこのようなことがあっても不思議ではない。裁判記録について検討したことがあるかとの質疑がありました。
これに対し、裁判記録は見たことがある。しかし北谷浄水場は北谷浄水場の問題であり、これから類推して新石垣空港にも買い付け証明書があるだろうという推論で犯罪行為があるがごとく断定するのは極めて危険である。この種の発言は、議会という権威のある場ではやるべきでないと思うとの発言がありました。
次に、嘉陽議員が坂上社長に、なぜ国土利用法上の手続をしなかったかと聞いたら、沖縄県の土木建築部の幹部に頼まれたので、親会社の光建設に所有権を移転したのでその必要はないと思ったと。それで幹部職員に嘉陽議員が聞いたところ、そのように受けとられたかもしれないと答えた。したがって嘉陽議員は、法違反を幹部職員が教唆したことになり許されない重大問題であると言っている。これに対し提案者は、県の職員が国土利用計画法の手続をしないでもいいと言った事実はないと断定している。その根拠として、公務員は法律を守り指導する立場にあり、県職員が教唆したことはあり得ないと言っているが、公務員が違法行為によって問題を起こすことは数多くある。それからしてもこの断定は事実に反するが、これについてどう考えるかとの質疑がありました。
これに対し、仮に教唆をしたとしても、教唆という犯罪行為が成立するのは訴訟手続をし裁判で確定する必要がある。裁判で確定しない限り教唆犯にはならない。確定したならば議会で議員が追及することは当然のことだが、しかし確定しないものについて犯罪行為があったとする発言は、発言の自由から逸脱していて正当性を欠いていると判断するとの答弁がありました。
次に、一身上の弁明者に対し、嘉陽議員は代表質問の中で光建設の坂上社長に会ったと言っているが、それはいつごろで、どこで会ったのか。また買い付け証明書を見たと言ったが、しかし内容を示し得なかった。黒いファイルに包まれていたと言ったが、ファイルだけを見たのか、中身は見なかったのか、その買い付け証明書の規格はどういう規格だったのかとの質疑がありました。
これに対し、会ったのは10月23日だったと思う。これは県議会の代表団の一員として上京した際の帰りに、最終便で帰るということで残って調査をしておる。会った場所は千駄ケ谷である。買い付け証明書は黒いファイルについて、これが買い付け証明書ですということでちゃんと見出しも買い付け証明書となっているのを見ている。規格は小さいB5版ぐらいの大きさであるとの答弁がありました。
次に、嘉陽議員が買い付け証明書を手にすることができたのはそのときだと思うが、買い付け証明書は本当に持っているのかとの質疑がありました。
これに対し、私は、質問のときは極めて言葉を選んで買い付け証明書について発行してもらったと大変喜んでいましたと、坂上社長がそういうぐあいに言ったということを私の方は質問の本論の中で言っている。質問の中では、坂上社長が見せていた買い付け証明書、それは私はちゃんと確認しているが、なぜ買い付け証明書を発行したのかと、だれの責任でやったのかと質問しているわけだから、したがって私はその質問にかかわる部分しか答弁する義務はないと思うので、それについて言うと、坂上社長は買い付け証明書も出してもらったといって喜んでいたのは事実である。これは私一人で調査に行ったのではなくて、「赤旗」の記者も同行しているので事実は聞けばはっきりするし、私が買い付け証明書を見たのは事実である。私が質問した範囲はすべて調査に基づいて、真実に基づいて質問しているわけであって、別にそれ以外のことについてここですぐに答える必要はないと思うが、私が買い付け証明書を持っているか持っていないかが懲罰の対象ではないと思う。だから私の質問であくまでも責任を持たなければならないのは、議場でなした質問について責任をとらなければならないという立場にあるから、それについて言えば買い付け証明書が発行されて大変助かりましたということを言っていたということであって、それ以外の問題について私が答弁する必要はないと思うとの答弁がありました。
次に、嘉陽議員の発言は、最初の方は買い付け証明書も発行してもらって喜んでいますということで、光建設の坂上社長が言ったその事実を言っているが、嘉陽議員の発言は、買い付け証明書が発行されたという事実まで及んでいる。カラ岳東へ変更を発表する以前に買い付け証明書が発行されていますと断定している。また嘉陽議員は、買い付け証明書を持っているとも言ったのではないかとの質疑がありました。
これに対し、買い付け証明書は発行されている。私は事実として確認してきている。しかし私は持っているとは言っていないとの答弁がありました。
次に、嘉陽議員は、常に想定問答で事実を悪い方向に想定してやっている。北谷浄水場のときも人を疑ってかかっている。汗を流している公務員の苦労をわかろうともしない。犯罪的だと決めつけている。そこに問題がある。買い付け証明書については、北谷浄水場の裁判でもはっきり証拠を出しきれなかった。出しきれないものを同じ手ロということでカラ岳東のことでも想定する。ポイントは買い付け証明書があるのかということだとの質疑がありました。
これに対し、私は、すぐにいろいろなことに飛びつくような質問はしていない。事実を調査し、人に会ってやっているのだ。私は、実際見ているのだから、そのような行政があっていいものかと質問をしているのだ。北谷浄水場の問題も、今回のカラ岳の問題も県は文書を出し渋っていた。やはり県が議員の質問に対してまともに答弁しない。ひどい場合には事実と異なる答弁もする。こんなことだから県が言うことは本当で、議員の質問で見てきたということはうそだという決めつけも心外である。100条委員会を設置して真相を究明する必要があるとの答弁がありました。
次に、言論の自由とはいっても、刑事事件に触れそうな断定をすることは言論の府にそぐわないと思う。これは司法の場にゆだねる問題だ。利害に絡んだ社長の発言をうのみにすることは危険だと思うがどうかとの質疑がありました。
これに対し、私は企業の一方の側の言い分だけですぐこうであるという態度はとっていない。ただ、企業側で見たものを当局に対して質問することは当然の議員の責務だと思う。国土利用の面からも、私はこれは国土利用計画法に違反していると指摘したが、当時、執行部の翁長副知事は、業者間の適正な交渉でと、企画開発部長は、プライバシーの問題としてはっきり言わなかった。しかし私はこれを追及した。結局これが大きな問題となって県自身も告発をし、警察も家宅捜査をする犯罪となった。このようなことから、調査した事実に基づいて質問することは議員の仕事であるとの答弁がありました。
次に、文書件名簿を閲覧しても、関係者に聞いても買い付け証明書は出していないということである。嘉陽議員がはっきりコピーでも持ってこない限り、言論の府で断定して物を言っていけないとは思わないかとの質疑がありました。
これに対し、そうだとすると、国土利用計画法の問題にしても業者は出していないと言い、県はプライバシーの問題としている場合、そういうはっきりしないものについては議会で質問するなということになりかねない。これではおかしい。議会にいろいろな問題が持ち込まれてくる。それについて執行部をただす。執行部が包み隠さずに事実はこうですと答弁すれば、問題はそんなに複雑にならない。北谷浄水場も今回もこれはありませんという。しかしながら、今回はあえて知事の腹切り発言との関係もあって、発言の取り消しでもなしにすぐに懲罰ということになっているから、ここに不純な動機があるのではないかと疑っているとの答弁がありました。
次に、県は、新石垣空港予定地の65%を所有している大地主である会社に対して交渉に入っていて苦労がある。それだのに嘉陽議員は、それを最初から疑ってかかっている。これは、結果として石垣市民を裏切っている感じがする。利害の絡んだ一法人の代表者の言葉、資料で断定してやっていくことは、議員としてやるべきことではないと思うがどうかとの質疑がありました。
これに対し、利害の絡む場合でも調査はすべきであり、伝聞ではやっていない。一方ではなく両方を調査し、それを踏まえて県政との関係を問いただしていく、これは当然だと思う。少なくとも私の議員としての使命からは、県執行部を問いただす。結果に応じて場合によっては住民訴訟をやる。議員としてできるだけの努力はすべきというのは、私の議員活動の基本的な精神であるとの答弁がありました。
次に、カラ岳東への変更を発表する前に買い付け証明書が発行さているということが大きな問題である。公式な議場で、皆さん、これです、買い付け証明書ですといって示したのは何であるのかとの質疑がありました。
これに対し、これは北谷浄水場用地のときに裁判所の訴状の文書を見せたのである。前後を読めばかわるように、カラ岳東の買い付け証明書を今ここに持ってきているとは発言していないとの答弁がありました。
次に、共産党の外間議員は、私たち共産党の調査では、それが発行されていることが手元にあるんですよ、事実、出すわけですがと発言をしているが、何を出すのかとの質疑がありました。
これに対し、私が答弁しなければならないのは、私の代表質問にかかわる発言についてであろうと認識している。しかし共産党としては私以外でも調査をしているし、そういう中でどのような資料が入手されているかは私の方ではよくつかんでいないとの答弁がありました。
次に、嘉陽議員が県に対し、買い付け証明書を出したことがあるのかという質問なら話はわかる。しかし、あなたは、出しているんだと断定をしている。だから問題だ。あたたは買い付け証明書があるのだということで問題にした。それがないのだということになって、あなたがうそを言っていたということになると自分自身の除名の問題を含めて身分に重大な問題が出てくる。そういう状況に追い込まれながら、あなたの党は、既に1カ月にもなるのにその買い付け証明書を提示する努力をどうしてしないのかとの質疑がありました。
これに対し、私が質問をしたのは、ちゃんと坂上社長に会ってきて買い付け証明書も見せてもらった。県の行政行為としてこういうことが許されるのかということを聞いているのである。やはり議会としては解明をすべきだということで、当然これは質問するのは議員の権利だと思うとの答弁がありました。
次に、今県民が最大の関心で見守っているのは、世間で言われているようなそういう疑惑というのが実際あるのかないのか、これを究明してもらいたいというのが県民の気持ちだと思う。また今日までの質疑を通してみても、県がないというからないのだという形では通らない。それ以上に徹底して真相究明ということになれば、やはり100条調査委員会をつくって関係者を証人として呼んで証言をしてもらう方法しかないのではないかとの質疑がありました。
これに対し、真相究明の問題についてはうそかどうか議会はチェックする機関であるから、憲法や地方自治法で明記されているように、議会活動を保障してチェック機関としての機能も十分果たしていくためには、個人の立場で真相究明するには限界があるから、少なくともそうであれば、ちゃんと権限を持った彫で調査をする必要があると思う。そのためには、現在の地方自治法の制度の中で100条調査委員会を設置してそれなりの権限を持って、関係者を証人に呼んで事実を確かめるということがどうしても必要だろうと考えるとの答弁がありました。
以上が質疑の主なものでありますが、質疑終了後の協議の段階で与党委員の方から、嘉陽議員は坂上社長から買い付け証明書を見せてもらったと言っているが、こちらで確認したところ、坂上社長は買い付け証明書をもらっていないとの文書回答があった。何なら坂上社長と、教唆をしたという執行部の職員を本委員会に呼んでもよいとの提案がありました。
これに対し、野党委員の方からは、これこそ100条調査委員会を設置してそこへ証人として呼んで、徹底的に真相を究明すべきであるとの提案がありましたが、関係者の委員会への出席については意見の一致を見ることができませんでした。
以上、質疑の概要等について申し上げましたが、採決に入る前に本件に関し、自民党所属委員及び新政クラブ所属委員から可決に賛成の討論、また共産党、社会党・護憲共同、社大党、公明党の各所属委員から反対の討論がありました。
以上、審査の概要を申し上げましたが、審査の結果、嘉陽宗儀君に対する懲罰の件は、委員長裁決をもって可決すべきものと決定いたしました。
次に、地方自治法第135条に規定する懲罰のいずれを科するべきかについては、公開議場における陳謝を命ずべしとの動議を委員長裁決により可決いたしました。
なお、陳謝文につきましては、お手元に配付してあります陳謝文のとおりにすべしとの動議を委員長裁決により可決いたしました。
陳謝文を朗読いたします。
〔陳謝文朗読〕
以上であります。
よろしく御審議のほどを賜りますようお願い申し上げまして、報告を終わります。
○議長(平良一男君) これより質疑に入ります。
質疑の通告がありますので、発言を許します。
なお、質疑は、答弁を含めて20分以内といたします。
上原亀一郎君。
○上原亀一郎君 委員長に質疑を行います。
去る6月定例会、7月6日の本会議において自民党崎浜秀三君は、我が党嘉陽宗儀君の懲罰の件について提案説明に立ち、「嘉陽宗儀君の代表質問の中で、地方自治法第132条の規定、すなわち、「普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」という規定、さらに会議規則第97条「議員は、議会の品位を重んじなければならない。」という規定、いわゆる品位の保持義務に反する発言がありました。」として、買い付け証明が発行されているとの発言があるが、事実無根であって発行されていない。法違反を幹部職員が教唆したことになり云々の発言こそ重大問題であり、教唆したことはあり得ないことを挙げています。
そして、「私は、非常に難しい状況の中で、県執行部が西銘知事を先頭にして打って一丸となってその実現のために懸命の努力をしてきたことに対し、衷心より敬意を表している者の一人であります。」と西銘知事に対する忠誠を吐露し、その一心から何が何でも嘉陽宗儀君に懲罰を科そうということをみずから明らかにしています。
さらに、質問内容があたかも不正や疑惑があるかのような言動が多く見られ、知事及び行政に対する県民の信頼を失墜させるものと言っています。
それでは、その後今日に至る事態の進展はどうか。
去る9月15日、10日前の朝日新聞がここにあります。何て書いてあるか、何と報道しているか。
「「暗雲」漂う新石垣空港」、「予定地転売主役の会社に東京地検がメス」、「状況また悪化」県動揺、カーラ岳東海岸への変更、知事「政府の方から提言、「いや県が主体」と運輸省」と大見出しで報道し、小見出しは、「念書」、「確約書」、「上の方」、「西銘県政動揺」と3点でまとめています。
まず、リードの最後のところを読んでみましょう。「「ジェット直行便で島の振興を」というスローガンで計画が進む新空港はまず、「疑惑」で東京と地元を直結した形だ。」と結んでおります。
疑惑追及に錯乱して傲慢無礼にも議事法規をじゅうりんして、休憩中に議会を恫喝して県民に対してほえた西銘知事、動転してあべこべに同僚議員に懲罰を科そうとする自民党、民社党与党議員の諸君が、いかに県民、国民の常識とかけ離れているか、言い得て妙、よく言い当ててあるではありませんか。
もう少しは引用しましょう。
「上の方」の小見出しはこうです。
一方、今年7月、県議会での追及に、西銘知事は、こう答えた。「(変更は)私が決めたものではない。上の方から。政府の方から提言された」では、「上の方」のどこが、だれが、変更を決めたのか。当時、計画変更に携わった環境庁のある幹部は、「白保海上からカーラ岳東側への変更を知ったのは、昨年4月に入る前。沖縄県が持って来たもので、素人が書いた図面ではなかった」と説明。「おそらく、事前に運輸省と綿密に相談したのだろう」と話す。これに対し、運輸省側は、「変更は沖縄県主体で行われたこと」と反論、「こちらに疑いの目が向けられるのは心外だ」と言う。
西銘知事が、県民の代表機関を恫喝すればするほど、みずからいよいよ疑惑を広げているではありませんか。
新聞論調は、自民党、新政クラブの諸君に、与党である前に、まず県民の立場に立つよう促しているようなものではありませんか。
以上、付言しておいて質問に入ります。
地方自治法第132条は、「言論の品位」あるいは「品位の保持」であります。会議規則第97条は、品位の尊重であります。
品位の内容、中身は、自治法132条で厳密に規定されている。「無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」という具体的な2点だけであり、それ以外に言論及び議会の品位を抽象的に解釈したり、主観的に解釈して同僚議員を懲罰事犯の対象にすることはできないものであります。
ところが崎浜秀三君の提案説明は、先ほど挙げましたように買い付け証明の発行と教唆云々発言の事実関係をあげつらって、いきなり議会の名誉と品位を損ねるものでありますと飛躍した断定が踊っているだけで、何が無礼の言葉を使用していることに当たるのか、何が私生活にわたる言論なのか全然示しておらず、提案説明自体が懲罰事由は全くありませんと絵に書いて見せたようなものでしかないものです。それこそ沖縄県議会の名誉に照らし、とても懲罰事案としての妥当性に耐え得るものではありません。
したがって、公開の議場における陳謝などという委員会決定を取り消すのが最も理にかなっています。委員長にその意思はありませんか。(発言する者多し)
○懲罰特別委員長(外間盛善君) お答えします。
委員長としては、委員長報告で御説明申し上げましたとおりの内容でございまして、それを取り消すつもりはございません。
○上原亀一郎君 それでは、さらに質問いたしましょう。
札幌高裁判決は、議員の発言が果たして地方自治法第132条に言う無礼の言葉を使用したことに該当するかどうかは法律問題であって、その発言が客観的に判断して無礼の言葉であると解し得ない限り、たとえ議会がこれを主観的に無礼の言葉であると解して懲罰を科したとしても、右懲罰処分は違法の処分として取り消しを免れないものであると判示しています。
つまり、議会が全体として、あるいは圧倒的多数で主観的に無礼の言葉であると解しても違法の処分として取り消しを免れないと道理を尽くしているのです。
それでは、あなたを委員長とする懲罰委員会の採決はどうだったか。
あなたの報告のとおり可否同数であり、委員長裁決によって無理やりに同僚議員に懲罰を科することを決定したのです。野党委員がこぞって反対しているのにかかわらず、委員長を除く半数の委員が挙げて反対しているのに、一体どこに客観性があるというのか。
議会は、多数決原理の働くところではありますが、何でもかんでも多数決で押し切ることはできるものではありません。できることとできないものの分別も、県民の負託を受けた県議会であればこそわきまえなければならないものです。
ましてや先述したように、抽象的に品位を著しく損ねたというだけで、何が無礼の言葉を使用したことに該当するかを全く示すことができないにかかわらず、委員長という立場を離れて公正さを失い、一方的に与党に加担し、可否同数にかかわらず同僚議員に対する懲罰採決を行った責任は重大であります。
この点から言っても、公開の議場における陳謝などという決定は、委員長の責任において取り消さなければならないものです。お答えください。
○懲罰特別委員長(外間盛善君) まず、前段の方にお答えしますが、委員長が採決の際に、与野党同数の中でやはり委員長裁決でもって決定をするときに当たり、委員長としては一々意見表明をしてからやる必要はないと思います。
また、委員長としては、殊に今回の懲罰案件については、非常にこの同僚議員の人権あるいは身分にかかわる重大な事項なので慎重審議を繰り返し、もうこれ以上議論の余地なしというふうな段階まで十分時間もとって審議日程を消化したつもりであります。
取り消しのことについては、これは一事不再議の原則に従いまして今さら手続上も不可能でございまして、これは私として受けるつもりは持っておりません。
以上です。
○上原亀一郎君 手続上できるんですよ、できるんですよ。委員会に差し戻すこともできるんですよ。提案者を初め、特別委員を説得してできるんですよ。委員長、そのぐらい腹を決めんといかぬですよ。
じゃ、質疑続行いたします。
崎浜秀三君の提案説明は、先述したように事実関係を飛躍させて抽象的に、主観的に議会の品位を著しく損ねたとしています。これは、懲罰特別委員会への付託事項を逸脱し、同委員会の任務、性格を履き違えるものです。この点については、先ほどの社会党の照屋寛徳議員からも指摘がありました。
事実関係の究明は、あくまでも証人に宣誓を行わせて尋問することのできる100条調査委員会なんです。
いわんや、嘉陽宗儀君を筆頭議員とする野党議員の提案した新石垣空港にまつわる疑惑解明を中心とする100条調査委員会の設置に反対した自民党与党の諸君には、全く性格の異なる懲罰特別委員会で事実関係を云々するなどということは、さらさらできないものなんです。
しかも、事実関係についての自民党与党の諸君の言い分も全く筋違いではありませんか。
嘉陽宗儀君は、買い付け証明まで特別に出してもらったと喜んでいましたという光建設坂上社長の言い分を受けて質問権を行使し、執行部に問いただしたまでのことにしかすぎないんです。
嘉陽宗儀君の幅広い調査に基づく確信に満ちた質問だったから、西銘知事は親切丁寧に答えることができず、逆上して度を失い、ますますみずから疑惑を末広がりに広げていっていることは冒頭の朝日報道のとおりです。朝日新聞だけではありません。財界誌、週刊誌、今や新石垣空港にまつわる取材競争花盛りです。
わずか2カ年で17.5倍にはね上がった地価で、県民に不利益を与えようとすることに対する一貫した追及に多くの県民は、拍手喝采を送っているんです。言論の府を執行部追随機関にするような同僚議員に懲罰を科するなどという理不尽なことは直ちにやめるべきです。改めてお答え願います。
お答えする前に、県民の代表機関と県民に陳謝をしなければならないのは、議事法規をじゅうりんして休憩中に答弁にわたる発言を行い、質問もしていない議場外のことまで持ち出して議会を恫喝した西銘知事であることをつけ加えておきます。お答えください。(発言する者多し)
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前11時39分休憩
午前11時41分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
○懲罰特別委員長(外間盛善君) これは先ほどの質問と同じ内容でございまして、先ほど答弁したとおりであります。
○上原亀一郎君 委員長報告にもありましたが、ここに陳謝文なるものが出されております。
これ見てもはっきりしているんですよ。「事実に反する言辞を用いましたことは、議会の品位を保持し、秩序を守るべき議員の職分を顧みてまことに申しわけありません。」。
事実に反する言辞でもって議員を懲罰に付することはできないんですよ。このあなた方がつくった陳謝文自体が、全く懲罰に該当しないということをはっきり示しているんじゃないですか。矛盾撞着も甚だしい。沖縄県議会の名誉を著しく損ねるものなんですよ。
どうですか。(発言する者多し)
○議長(平良一男君) 静粛に願います。
○上原亀一郎君 先ほども言いましたように、県民に対して、議会に対して陳謝をしなければいけないのは、議事法規をじゅうりんして休憩中に答弁にわたるような発言を行った西銘知事なんですよ。逆立ちじゃありませんか。(発言する者あり)
○議長(平良一男君) 委員長に質疑してください。
○上原亀一郎君 だからこれは全く132条に該当するものではありません。
それでもなお懲罰を科するというんですか。全く132条に該当するものではありません、この陳謝文というのは。それでもなお同僚議員に懲罰を科するというんですか。
委員長、責任重大ですよ。改めて指摘しておきます。答えてください。
○懲罰特別委員長(外間盛善君) 今の質疑でしたら、買い付け証明の問題、教唆の問題、これは……。
○議長(平良一男君) 外間委員長、時間です。
○懲罰特別委員長(外間盛善君) 答弁時間がありませんので降壇いたします。
○議長(平良一男君) 以上で通告による質疑は終わりました。
これをもって質疑を終結いたします。
○議長(平良一男君) 嘉陽宗儀君から、本件について一身上の弁明をしたい旨の申し出があります。
お諮りいたします。
この際、これを許すことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
よって、嘉陽宗儀君の一身上の弁明を許すことに決定いたしました。
嘉陽宗儀君の入場を許します。
〔嘉陽宗儀君入場〕
○議長(平良一男君) 嘉陽宗儀君の一身上の弁明を許します。
嘉陽宗儀君。
〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽宗儀君 自民党与党は、去る7月2日の私の代表質問で地方自治法132条の規定、すなわち「普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」という規定、さらに会議規則第97条「議員は、議会の品位を重んじなければならない。」という規定、いわゆる品位の保持義務に反する発言があったとして懲罰を強行してきました。
その指摘されている内容は、質問の中で、まず、カラ岳東への変更を発表する以前に買い付け証明が発行されているとの発言があるが、このことは事実無根であるということ。また、県の職員が国土利用計画法の手続をしないでもよいということを言った事実はない。したがって県職員が教唆をしたことはあり得ないので、県民の代表である議員が神聖な議場において言論の自由を逸脱して発言したということは、議会の名誉と品位を著しく損ねるもので、あたかも不正があったかのような言動を県民の選良である議員が神聖な議場で行うということは、知事を初め県庁職員及び行政に対する県民の信頼を失墜させるものであり、懲罰にするというものであります。
これは、質問の内容を意図的にねじ曲げ、私の名誉を著しく棄損するものであり遺憾であります。
もしこのような事態が許されるならば、今後、執行部にかかわる疑惑の追及は一切できなくなります。
そういうことでは、言論の府である議会が、自由な発言ができなくなり、執行部を監視するというチェック機関としての機能と役割は果たせなくなります。まさにこれは議会の自殺行為に等しく断じて認めることはできません。
私は、今回の懲罰が法に違反し、事実にも反するいかに不当なものであるかということを中心に、2点について指摘をし弁明を行います。
まず第1点は、私の質問が、地方自治法や会議規則でうたわれている品位の保持に反しているかどうかという問題であります。
地方自治法第132条は、無礼な言葉を使用してはならないということをうたっています。
その無礼な言葉というのは、あくまで議員、その他の関係者を侮辱する発言に限定されており、会議に付議された事項については、たとえその措辞が痛烈であったがために他の議員等の正常な感情を反発しても、無礼な言葉を用いたものと解することはできないと明確にしています。
このことは、懲罰に該当する無礼な言葉というのは、発言の内容が事実かどうかということではなく、あくまで侮辱する発言に限定されているわけであります。
したがって、西銘県政の疑惑を解明するために行った私の質問が、懲罰に全く該当しないものであることは明らかであり、このことについてはこれまでの裁判の判例でも極めて明確にされているところであります。
第2点は、私の質問が事実かどうかという問題であります。
私の質問で問題にされている一つは、所有権の移転をした坂上社長に、なぜ国土利用計画法の手続をしなかったのかと聞きますと、沖縄県の土木建築部の幹部に頼まれたので、親会社である光建設に移したのでその必要はないと思ったと話をしています。
その業者に名指しされた幹部職員に事実関係を確かめたところ、そのように受けとられたかもしれないという発言をしていたことも確認しました。これは、法違反を県の幹部職員が教唆したことになり、許されない重大問題でありますという箇所であります。
これについて、私は改めて質問の内容は事実であるということを強調します。
いずれこの問題も含めて、国土利用計画法違反の取り調べも行われていますので事実が解明されると思います。
現在、新石垣空港建設予定地であるカラ岳東の土地転がしについては全国的にも注目され、新聞、雑誌など多くのマスコミ関係者が独自の調査、取材をもとに報道しています。したがって真実は、これらも力となってどんどん明らかになってきています。
9月25日発売の「経済界」という月刊誌には、光建設の国土利用計画法違反に関して注目すべき記事があります。
それは、5月上旬の時点では、坂上社長は、こうした県サイドの動きに対して、なぜかかなり楽観的に見ていた。沖縄県サイドからは、必ずその土地を買うから、ほかに売るのは待ってほしいと言ってきている。こちらとしても金利負担があるから大変だよと、当の坂上社長は言っていたというものです。これは、まさに私が質問をし、現在、懲罰の対象にされている問題であります。
県が業者に、必ずその土地を買うから、他に売るのは待ってほしいということを言ってきているというものですが、このことを私は重大問題だと言っているんです。
センターアート・ギャラリーの坂上社長は、国土利用計画法に違反して、新石垣空港の予定地であるカラ岳東の土地の所有権を国内リゾートから移転していました。ところが、その土地を、他に売るのは待ってほしいと県に頼まれ、それでしっかりしたところで所有権を保存しておこうということで、その本社である光建設に所有権を移転したというものです。これは、私に坂上社長が話したものと全く同じ内容であります。
したがって県は、違法な所有権の移転を指摘するのでなく、むしろ他に売るのは待ってほしいなどと頼んで法違反を容認したことになります。しかも坂上社長は、県からの要望ということで、所有権をセンターアート・ギャラリーから光建設に移しているわけです。
その際、当然、国土利用計画法の届け出を行うべきですが、所有権の移転は県からの依頼であったということでその手続をやらなかったわけです。そのことは、結果として県が国土利用計画法の違反を教唆したことになるわけであります。もしこれが事実であれば、まさに重大問題ではありませんか。
これは当然、議会としてこの問題の真相を究明するために最大の努力をすべき内容であります。野党であれ、与党であれ、議会のチェック機関としての機能を発揮して、徹底して議論を深め疑惑を解明すべきではありませんか。
それを、与党が議会の機能を放棄して、執行部にとって都合の悪い質問は懲罰にしてでも封殺するという今回のやり方は異常であり、議会の自殺行為でしかありません。
私の質問で問題になっているもう一つは、買い付け証明書の問題であります。
いずれ新石垣空港用地として沖縄県に買い取ってもらうし、そのための買い付け証明まで特別に出してもらったと喜んでいました。そして早速県からは、買い取りの協議をしたいという通知が届き、90年の1月ごろに運輸省に申請書を出し、6月か7月までには買い取れるので待ってほしいと頼まれたと強調していました。
自民党の皆さんは、県が買い付け証明書を発行してないから嘉陽議員の質問はうそであるということで懲罰の理由にしていますが、これも全く乱暴な話です。
もしそうであれば、坂上社長に対して、県は買い付け証明書を発行していないのに、どうして嘉陽議員にそれを出してもらったと言ったのかと、まずは問いただすべきであるはずなのに、その事実関係を確かめようともしないでいきなり懲罰にしてきたところに自民党の意図が浮き彫りにされています。
もしそういうことが許されるなら、議員が調査に基づいて執行部にかかわる疑惑を突きとめた場合に、そこにそれを証明する資料があっても、それを入手できなければ質問はできないということになります。そういう重要な資料に限って相手もなかなか提供しないということは、一般的常識です。
もし、どうしても質問をしたければ、その資料を強奪でもしなければならないということになります。(発言する者多し)
ちょっと休憩してください。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前11時55分休憩
午前11時56分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
○嘉陽宗儀君 私が坂上社長から買い付け証明書をもらえなかったからといって、いきなりうそつき扱いして懲罰とは全くひどいものであります。
懲罰特別委員会の最中に自民党の議員は、光建設の連絡先を私に聞いていましたが、それで買い付け証明書はもらっていないという文書を入手して、鬼の首でも取ったかのように息巻いていましたが、そうだからといってそれが事実であると断定できるものでないことも明らかであります。
先ほど紹介した「経済界」という月刊誌は、もちろん県サイドは、そうした買い付け証明書の存在自体を否定している。しかし、この空港予定地の土地売買に関係した業者の一人はこう指摘する。買い付け証明書は確かにあったと報道しています。
このことからも、その土地売買に関係したある業者が、買い付け証明書の存在を認めていることが明らかになっています。
また去る8月6日に、あるマスコミ関係者が光建設の坂上社長に会って話をしたところ、新石垣空港の土地の件で、東京地検特捜部にすべて話した。このとき、検事に言った内容と、沖縄県議嘉陽氏に言った話は同じものであると証言しています。
このように、私の質問が正しかったことを裏づける証言や事実も出てきています。
それにもかかわらず、あくまで私の発言がうそだというのであれば、議会の調査権の権限が付与された、関係者がうその証言をすると懲罰にすることのできる100条調査特別委員会を設置して真相を究明すべきであります。ところが自民党は、まともな理由も示さずに調査特別委員会の設置を拒否しています。これでは疑惑を解明することはできません。
事実を究明しないで、私の質問をうそだと平気で決めつける自民党は、みずからを裁判官だと勘違いしているのではないかとさえ疑われます。
ところで、自民党は懲罰特別委員会で、私の質問が無礼な言葉に当たらず、懲罰の対象にならないこと、また県の幹部職員の教唆発言、買い付け証明書に関する発言も問題にならないと野党委員から追及されて、懲罰の理由を変えてきています。
友寄議員が、もし本当に嘉陽さんの代表質問の発言が不穏当であれば、直ちに本来であればそういう議会でそれを取り消すなり、それを求めるのが順序じゃないかと質問すると、自民党の崎浜議員は、嘉陽議員の発言は、単なる一部分の字句を訂正するとか、そういう内容だけじゃないわけで、質問の文脈全体に不正であるとか、癒着であるとか、西銘県政と業者の癒着とか、疑惑はますます深まるばかりであるとか、反社会性あるいは反倫理性のところが一貫しているので懲罰にすると強調しています。
また比嘉議員は、休憩中でありますが、これはただ単にこういう動議を出して不穏当発言だから、これは議長をして訂正するなり、またその辺の手続を踏んで削除するような簡単なものじゃないと、前から実はそう思っているわけです。この嘉陽さんのこういった院内での発言を見ておりますと、本当にこのあるまじき、異常人格的な、もうまさに反社会的であり、反倫理的であり、反県民的であり、我々はもうこの辺でけじめ、ピシャっとした形でつけてやらないとということで懲罰委員会にかけたという内容の発言をし、一緒に議員として、嘉陽議員と一緒に議員としてこっちにいるのがですね、恥ずかしいぐらいですよということまで言っています。
これは、まるで私を犯罪者扱いする重大な侮辱発言であります。まさにこのような発言こそ懲罰にすべきではありませんか。
西銘知事が宮良議員への答弁で、余り嘉陽議員の演説の内容が、何か県がやっているような、悪いことをしているような、違法なことをしているようなことがあるから、今度だけじゃないんですよ、彼が当選してから今日に至るまで我慢してきたんだけれども、今度はもう我慢できなくて、それでも余りいじめてはいかぬということで議長の許可を求めて休憩中の発言で処理したわけです。知事の腹切り発言が、実は私が当選してからこれまで西銘県政を追及してきたことが原因だということを強調しています。
まさに今回の懲罰は、西銘県政の悪政をこれまで一貫して追及してきたことに対するものであるということが明らかになったわけであります。
このような自民党与党の態度は、執行部に対するチェック機能を放棄するものであり、県勢発展の立場からも許されるものではありません。幾ら与党といえども、これでは余りにも惨めではありませんか。
西銘県政の疑惑を一貫して追及してきた私の質問が、執行部にとって不都合であるからといってそれを反社会性、反倫理性、反県民性で貫かれていると決めつけて懲罰にしようとしていますが、これは全く違法な懲罰であります。もし、懲罰が強行されるということになりますと県議会の歴史に汚点を残すことになります。
私のこれまでの質問で、例えば北谷浄水場の土地転がし問題では、県が業者に9億円もの高値買いをして県民に損害を与えたと追及しました。西銘知事はそれを否定されましたので住民訴訟に持ち込んだわけですが、裁判の証言の中でその地主は、確かに9億円以上の転売利益を上げたと言っています。これは、私の追及が正しかったことを証明しています。
また、新石垣空港の予定地をめぐる土地転がしが、国土利用計画法に違反するという私の指摘に対して、県は、適正な業者間の取引であるなどと言っていましたが、結局県みずからがその違法性を認めざるを得なくなり業者を告発したわけですから、これらは議会での質問がいかに重要であるかを事実で示すものであります。それだけに今回の新石垣空港の土地転がし疑惑を追及した私の質問を懲罰にするということが、いかに重大な誤りであるかは極めて明らかであります。
崎浜議員は懲罰の提案理由の中で、西銘知事の腹切り云々の発言は嘉陽議員の発言を受けてのものであり、その原因は嘉陽議員の発言にあり、県民への信頼と名誉の回復を図るための心情の発露を西銘知事はしたものであると考えておりますと西銘知事の腹切り発言を弁護しています。
結局これは、私を懲罰にするのは、西銘知事の信頼と名誉を回復することが目的のようであります。しかし私を懲罰にしても、西銘知事への信頼と名誉が回復されるものでは決してありません。むしろあの腹切り発言で西銘知事への県民からの批判が相次いでいるのが現実です。
西銘知事の発言は、たとえ休憩中とはいえ許されない重大な法違反のものです。
また、私が言わなかったことまでいかにも発言したと強調し、事実でない発言で私と議会を侮辱しています。
例えば、あなたは先日、私の後援会事務所に赤旗の記者を連れてまいりまして、私の義弟の玉木に石垣空港問題について金をもらっただろうということを聞いておるんですね。そういう一連のですね、何か知事が業者と取引をして5億をもらう、1億をもらったと言いたいほうだいのことを言って、ある週刊誌にこれを報道したりして、まことしやかにやってのけていますと発言しています。
これも事実に反するものであります。なぜあえて私が発言しないものまでやったかのようにしてこのような発言をするのか、全く不可解であります。これではますます疑惑は深まるばかりではありませんか。
まさにこのような事実にも反する腹切り発言で議会を混乱させた西銘知事こそ懲罰にされなければならないではありませんか。
自民党が私を懲罰にするのは、知事選を前にして西銘県政に疑惑ありでは選挙も戦えないとの判断から、疑惑を県民の前から押し隠すことに最大のねらいがあることは明らかであります。
しかしながら、光建設は千葉県、神奈川県で相次いで国土利用計画法の違反ということで東京地検特捜部に告発され、贈収賄に続いて9億円の申告漏れが発覚し、ついに東京地検特捜部が強制捜査に踏み切っています。そして新石垣空港予定地の疑惑解明に全力を挙げて取り組むという状況になっています。いずれ、西銘県政にかかわる疑惑も必ず解明されるものだと期待をしています。
このような事態からも、私に対する懲罰がいかに不当なものであるかがますます明らかになってきています。
私に対する懲罰は、事実に反する言葉を使ったので陳謝しますという内容のものでありますが、以上明らかにしましたように私の質問は独自の調査に基づくものであり、事実であります。私の新石垣空港予定地にかかわる土地転がし疑惑が西銘県政にとって痛い問題で、疑惑が全くなかったかのように……(発言する者あり)
妨害しているから遅くなるんですよ。
自民党が議会で多数をもって決めることができても、疑惑そのものまでなくすることはできません。県民世論は、疑惑にふたをすることを決して許さないということを自民党は知るべきであります。そして必ず自民党の懲罰の強行は、歴史的に糾弾されるでしょう。
そういうことを述べて、したがってこの懲罰に関する議案が否決されるよう期待し、弁明を終わります。
○西田健次郎君 議長、休憩してください。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後0時7分休憩
午後0時8分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
嘉陽宗儀君の退場を求めます。
〔嘉陽宗儀君退場〕
○親川仁助君 議長。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後0時9分休憩
午後1時56分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
討論に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた商工労働部長饒波正之君は、別用務のため本日の午後の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として商工労働部次長比屋根隆和君の出席を求めました。
また、教育委員会委員長宜保好彦君は、別用務のため本日の午後の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として教育委員会委員長職務代理者赤嶺千尋君の出席を求めました。
○議長(平良一男君) これより討論に入ります。
討論の通告がありますので、順次発言を許します。
友寄信助君。
〔友寄信助君登壇〕
○友寄信助君 私は、社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となっております嘉陽宗儀君に対する懲罰の件について反対する立場から討論を行います。
去る7月2日の本会議における代表質問の中で、嘉陽宗儀議員は新石垣空港建設問題を取り上げ、カラ岳東側の空港予定地の土地取引にかかわる疑惑について知事及び執行部の見解をただしたのであります。
特にその中で嘉陽議員は、独自の調査に基づく結果として、国土利用計画法違反の問題点と、同予定地の取得に当たって県が念書や確約書を発行している問題点や、また光建設の坂上社長が県から買い付け証明書まで発行してもらい喜んでいたことなどを取り上げ、その究明を行ってきたのであります。
これに対して与党は、この嘉陽議員の発言は事実に反するもので不穏当な発言であり、議会の品位を傷つけるものであるとして懲罰委員会にかけ、多数を背景に懲罰に該当するとして陳謝すべき旨強引に決定したのであります。これは地方自治法の懲罰に関する規定の趣旨からしても該当しないことは明白であって、無理な点があり極めて遺憾な措置であると言わざるを得ないのであります。
与党は、懲罰の理由として最も強調している点は、嘉陽議員が西銘知事に対する質問の中で、まず、カラ岳東への変更を発表する以前に買い付け証明書が発行されていたとの発言があるが、このことは事実無根であって、買い付け証明書は発行されていないのでありますと述べているのであります。事実無根であるか否かは100条委員会を設置して公正、公平な立場で関係者を証人として呼ぶなりして調査をしてみなければ事実を究明することは困難ではないかと思うのであります。事実関係をめぐって意見が対立しているのであれば、与党としても積極的にその事実を究明する責務があると思うし、その事実関係を県民の前に明らかにした上で、その結果を踏まえてしかるべき措置を講じても決して遅くはないと思うのであります。
与党はかかる点をとらえ、嘉陽議員の本会議における発言は、地方自治法第132条「言論の品位」、または会議規則97条に抵触するものとしているのであります。
同条は、「普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」と規定しておりますように、本会議の議場及び委員会の会場は民主主義社会における公の言論の府であり、当然に議員の発言にはそれなりの責任があり、一定の秩序を維持しなければならないことは言うまでもありません。そこにおいては、議論がいたずらに感情的になり混乱しないように言論には品位が要求され、また地方公共団体の公の問題と全く関係のない私的問題について議論をすることは、審議の性質上適当でないと避けられているのであります。
しかし議員は、議会において自由に発言をし、議論を深め、執行部に対するチェック機能としての権能を有しており、議員としての自由な発言が保障されているのであります。これが民主主義社会のゆえんであります。ですから地方自治法上、議会での議員の発言を規制したり、または懲罰にかけるということは慎重さが求められており、無礼な言葉として認められる事例は厳しく枠がはめられているのであります。
それが認められた事例は、県議会の本会議において、私は諸君のように利権が欲しくて県会議員になっているのではない。土建業者でもなければ馬喰でもないとか、ブローカーか、やみ屋の指導者か、時代おくれの教育者か、精神分裂症か云々という一連の言葉が該当されるという判例があるように、一見明白にして議会の品位や相手の人格を傷つけるような具体的な発言が地方自治法上から抵触するものとされているのであります。
今回の嘉陽議員の発言は、みずからの調査に基づいて疑惑を究明するために執行部の見解をただしたものであり、これをもって懲罰に付すということは納得できないものであります。
また、議員の発言が事実に基づいたものであったかどうかで懲罰に付された例がないのであります。懲罰という議員の身分や名誉に関する重大な措置については慎重に対処すべきであって、これを多数でもって強行に処分することは議会制民主主義にもとるものであり、かつ自殺行為につながるものであると思うものであります。
よって、懲罰議案に強く反対することを表明し、私の反対討論を終わります。
○議長(平良一男君) 伊良皆高吉君。
〔伊良皆高吉君登壇〕
○伊良皆高吉君 ただいま議題となっております嘉陽宗儀君に対する懲罰の件について、自由民主党議員を代表して可決に賛成する立場から討論いたします。
去る平成2年7月2日の本会議場における日本共産党所属議員嘉陽宗儀君の代表質問の中で、地方自治法第132条の規定、すなわち「普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」という規定、さらに会議規則第97条「議員は、議会の品位を重んじなければならない。」という規定、いわゆる品位の保持義務に反する発言がありました。
つまり、新石垣空港予定地に関して知事及び県幹部職員が不動産業者等と癒着して空港建設予定地の変更以前に情報を流し、土地転がしを行い、買い付け証明書まで発行しているという発言。
また嘉陽氏は、右発言の際に空港建設予定地の変更以前に発行された買い付け証明書は、当時は手元に所持していると言い、また後には、議場でここにありますといって振りかざしていたものなんですが、それは北谷浄水場の買い付け証明書であったというふうにだんだん言葉を変えております。
ちなみに、北谷浄水場に関する買い付け証明書も発行はされておりません。
次にまた、光建設の坂上社長に買い付け証明書を見せてもらったというふうにだんだん言葉を変えてきておりますが、その根拠は非常に揺らいでおりました。
私は、その審議の過程でこれらが事実に基づかないということが明らかにされてきたとういふうに証拠を示して私は皆様方に御報告したいと思います。(資料を掲示)
ここに、嘉陽宗儀君が買い付け証明書を見せてもらったと言っております光建設の坂上社長から本件に関する回答がございました。これは私はこういうふうに質問をしたんでありますが、あなたは、共産党嘉陽宗儀議員にいつ、どこで会いましたか。
2つ目には、あなたは、沖縄県からカラ岳東の土地に関する買い付け証明書をもらいましたかと、結局発行してもらいましたかという質問です。
また3番目には、あなたの意見等が、あるいは希望がありましたらぜひお聞かせください。なお、回答書には、あなたの署名捺印をお願いしますというふうに私から出したものなんです。
それに対して回答書ではこういうふうに参りました。
伊良皆高吉殿。平成2年8月22日。
平成元年秋に、弊社の事務所の私の部屋で嘉陽議員と、嘉陽議員が連れてこられた赤旗の新聞記者の方1名で私と面談いたしました。会ったという事実は認めました。
2番目に、買い付け証明はいただいておりません。このように答えております。
弊社から県への質問書に対する回答を平成元年6月にいただいております。これでありますが、(資料を掲示) これはちゃんと沖縄県土木建築部空港課の空ナンバー入り、高良部長発行ですというふうな形で来ておりますが、これは県から発行された書類によりますと、行政執行上の別に何ら問題のない当然やるべきことの、地権者から私の土地を利用するのに、あなた方は私の損失をどのようにして補償してくれますか。これについてはこうかどうかという質問に対する回答書なんです。それはいただいておりますけれども、買い付け証明書はいただいておりませんと明確に答えております。
なお、あなたの希望は何かございませんかということを言いましたら、光建設の社長は、できれば公式の場に私を呼んでいただけませんか。いろいろとお話申し上げたいこともあるということです。
特に私が非常に注目をした言葉は、また先方でも非常に疑問に思っていた言葉は何かといいますと、嘉陽議員はほかに何か職業を持っておられますかと。例えば不動産業だとか、あっせん業をしておられますかという質問がございました。どういうことかなといいますと、本件について、なんでしたら県に対して私があっせんをしてあげましょうかと、このような発言があったそうであります。したがって坂上社長は非常に、嘉陽さんに頼めば何でもやってもらえると思っていろんなことを話したと。ところがそれは自分の希望も何とかしてもらいたいという期待を込めながら話した部分もあると。そういったことを公の場でぜひ皆さんに聞いていただきたいということがあったようでございます。
そういうことで、懲罰委員会の場で呼ぶことについても、坂上社長を呼んで皆さんの質問を受けさせようと。また当事者の意見も聞こうということを提案したんですけれども、野党さんの方に、これは100条委員会でやるべきものであって、懲罰委員会でやるべきじゃないということで証人の呼び出しについては断られたということがあってかなわなかったんですが、それは後日の問題としてチャンスがあったら究明してまいりたいと思っておりますが、そういったことがありましたことを申し添えておきたいと思います。
以上のことから、買い付け証明書については、嘉陽宗儀君の発言は事実でないということがはっきりしております。
ちなみに嘉陽宗儀君の発言は、本件に関しては県内マスコミのみならず、全国的、いや世界的にも波紋を広げております。そのため西銘知事の人格は大きく傷つけられているばかりか、信頼もかなり失墜され、また対外的には沖縄県の信用までも傷つける結果になっております。幾ら議員の発言が自由とはいえ、あるいはまた議員の独自の調査の結果とはいえ、嘉陽議員の発言は、もはやその範囲を大きく超えた他人の人格を傷つけることになっており、このような発言は無責任な発言に類するものであります。
そこで私は、一人の人間の冤罪をつくり上げることは、万の罪人を取り逃がす以上に重大な問題である。ましてそのことが公の場であり、責任ある議会の場で、選良の言論の府である議会の場であるということであればなおさらのことだと思うのであります。
次に、平成元年4月26日に新石垣空港の建設予定地が白保東海上案からカラ岳東側に変更されましたが、平成元年2月から当該土地は民間業者間において取引がなされております。
すなわち、4月26日に空港予定地が移転したんですが、その2カ月以前に既に土地取引が開始されている。それから平成元年の8月までの間にその土地は数回にわたって抵当権の設定あるいはまた地権者が変わってきた。当該土地の取引の結果を見ますと確かに価格が大分変化して上がってきたり、あるいは地権者がめまぐるしく変化しているが、それは業者間の取引の問題であり、県行政の関知するところではありません。
ところで、嘉陽宗儀君の平成2年7月2日の議場における発言は、昭和56年8月、県が地権者に提出した念書と、また同じく昭和59年3月に提出した確約書、それからまた平成元年4月5日に県が発行した当該土地の取引に関する不勧告通知が原因となって当該土地の土地転がしが始まったり、あるいは地上げにつながっているというふうに、そのことはまた知事及び県の責任であるというふうに追及に及んでいる点であります。
ところで、嘉陽宗儀君が問題視しております念書と確約書の点でありますが、我々から見ますと、また中身を見ますと何ら行政執行上問題はなく、あるいは法的には問題はなく、むしろ必要なことであり、社会通念上ごく常識的であり当然のことだと判断するものであります。
ここに資料をちょっと示したいと思いますが、今、嘉陽宗儀君が言っております56年8月3日の念書、これはどういうものかといいますと、皆さんも資料としてお持ちだと思いますが、中身はこういうものです。念書。新石垣空港建設に伴う土取り場の同意について。すなわち、埋め立てるための土を取るための同意についての念書であります。
中身は、昭和56年7月17日付土建部空港課第166号をもって、貴社所有のカラ岳及びそのすそ野からの土取りについて御協力をお願いしましたが、貴社から右土取りの同意をいただき、埋立許可がなされた場合にはその採取の時期、期間、場所、それから土の数量等については貴社の事前の御承諾を得るとともに、その他採取後の美観、環境破壊等に対する保全措置、採取後の補強等の補完措置、これはどういうことかというと、山のすそ野を切りますので絶壁ができたりしますから、山崩れ、土砂崩れにつながりますので、その辺の補完の措置、また土砂採取に伴う適正な賠償等について貴社と事前に十分協議を行います。一方的に押しつけることはいたしませんというふうなことです。これは当たり前のことです。
また、土砂の買収、土地使用等については、昭和56年5月20日付の趣旨を配慮し、貴社と十分に協議の上、適正な価格による補償をいたします。あくまでも適正な価格の補償をいたしますとなっているんです。
その念書にどこに違法性がありますか。どこに疑惑を生む原因があるんでしょうか。
嘉陽議員が、そのことを不思議とマル秘という印鑑を押したものを嘉陽議員は持っているようでありますが、実際の書類にはそういったマル秘は押されておりません。
こういうふうな、念書の中身はこれです。(資料を掲示) この念書が今日本中、世界中を飛び回っている疑惑疑惑という中身なんです。
さてもう1点、確約書でありますが、この確約書は、後にこれは日誠総業さんの方から56年3月18日に西銘知事あてに出された空港建設に対して反対だということがあります。この文章の中には、反対する理由は、自分たちが企業が計画しているいろんな問題が崩されてしまう。したがってそういったものの適正な補償をなされなければ協力はできないよというふうな中身につながるものなんです。
それに対して確約書は、皆さん方の損失だけで押し切るつもりはありません。損はさせません。適正な価格でいたしますというその問題なんですね。
例えばどういうことかと申しますと、(資料を掲示) これは昭和59年3月13日、新石垣空港の用地及び補償の契約に際し、下記のとおり確約するという確約書です。
例えば、1つ、土取り場及び山代について。
新石垣空港建設にかかわる埋立土の土取り場として、貴社所有のカラ岳及びすそ野の高台、採石場等を指定し、貴社と調整のつく範囲内において土取りを行うものとし、カラ岳の切り取り面については自然景観を保つよう整備いたしますと、こういうふうなものなんです。
それからなお、提示済みの山代については採取時期における評価の見直しを行うとしますと。すなわち、これを取りますというふうに決めたときと、実際に山を崩すときの年数は、今、空港のいろんな公共事業を進める場合にどうしても二、三年、四、五年と、場合によってはそれ以上かかる場合もありますが、指定したときと実際の作業を行うときのずれがありますけれども、そのときの採取時期における評価において見直しを行いますという、それがうたわれております。問題はないと思いますがね。
それから、埋立土の土取り作業の時期においては政府予算とのかかわりもあるが、できるだけ早期に完了する努力をすると。これは早くやらないと周囲の人たちに迷惑を及ぼすし、その事業を執行する側においても、いつまでも土取り場のためにトラックが行ったり来たり、あるいは作業ばかりされていると自分たちの仕事ができないから、早目にやってほしいというふうな向こうの問題もありますので、それに答えたものなのであります。
それから、上水道については、新石垣空港から貴社別荘計画地間の配水区間の変更手続の上、工事施工を市が責任を持って行い、その事業費については総額の50%は貴社負担とし、残りの50%は県と市で負担する、こういうふうになっております。
これなどを嘉陽議員は物すごく問題視しているようでありますが、一般常識的に言いまして、新しい企業を自治体などが誘致する場合は、むしろ全額自治体で、そういったこともしてあげますから来てくださいというふうに誘致する条件に入れている場合が普通であります。
また、そうでないところもありましょうけれども、別にめずらしい問題ではありません。何も特定の企業に対して優遇したということでもありません。これは相手の計画を変更させてやる以上、それぐらいの先方に対する要望にこたえるという誠意のあらわれであります。
それから4番目に、貴社の土地利用計画の変更については、県と市が誠意を持ってその実現に努力をする。
これは後ほどまた触れますが、いろんな計画をしておりますが、それが全部崩されてしまいますので、企業としては、企業存続の立場からいろいろと計画を変更していかなければならない。これまでにつぎ込んできたお金、期間、そういったものを公共工事のために無にされてしまった。形とかそういったものとして失われるものではないけれども、時間的な問題あるいは投資金額というものからしてくると莫大な損失につながるので、新しい仕事をするときのものについては、新しい計画については企業だけでやるということでは厳しいので、我々も、行政側も協力いたしますということで、協力しないという方が非常識であって、希望に沿えるように努力するということはこれはごく当然のことであります。
それから、工事用仮設道路等について。土取りに際し必要な道路の用地、機材置き場等の用地を提供してもらうものとする。提供してください。なお、工事用施設道路についてはアスファルト舗装するものとし、用地の借地料については今後協議する。
これなんですが、そのことについても嘉陽議員は、何でよその敷地内にアスファルト道路を敷設するのか、これなどもサービス過剰だと、こういうふうな発言がありました。
ところが、これは実際の状況を知らない人の言うことでありまして、今そのことは、約4キロに近い距離を土砂を積んだ車が、これはどれだけの土砂になるかという、400万立米ですから、10トン車に積んだとして約40万台になるんです。40万台というダンプは、縦につなぐとどれだけになると思いますか。一つのダンプの長さが10メートルと計算しましても、40万の10倍しますと400万メートルになるんですよ。400万メートルは幾らですか。4000キロになるじゃありませんか。4000キロといいますと、こっちから北海道までつないだ以上の土を運搬する。こういうふうな大工事ですので、土砂を運ぶのに普通の泥んこ道ですと雨が降ったときに車が通れない、作業がおくれる、県自体が大変なことになります。雨が降ったりすると道路がしばらく乾くまで作業ができないんでは、空港の建設はおくれてしまう。そういうことがないように、まず作業を施工する立場からしますと、どうしても悪天候などに左右される期間を短くした方がいい。そういうことで道路をきれいにするし、またもう一つは、土地を提供する側から言えば、周囲には畑もありますし人も通ります。国道もあります。こういう所から煙をもうもうと立ててつないで行きますと、第一、粉じん公害が大変だと。そういうことがないようにアスファルト道路にしてほしいと。また、しなければならないというのが条件なんです。
これなどに対しては嘉陽議員の発言は、皆さん方、議事録をごらんになってもおわかりのとおり、アスファルト道路なんかをつくるとはサービス過剰も甚だしいと。企業に対してどうのこうのという、西銘知事が県民の知事でない云々をいつも言っておられるわけです。とんでもない。そういうふうなところが大きな間違いのもととなっております。
なお、そういった確約書を交わした根拠は何かといいますと、沖縄県の公共事業の施工に伴う損失補償基準があります。その損失補償基準に、この法律に沿った措置でありまして、別に違法性ではありません。
そのことが、嘉陽さんが余りワーワー言うものですからどういうふうな形になっているかといいますと、週刊誌や全国のマスコミを通していかにも黒い霧だとなっている。資料の中でもマスコミの週刊誌の中で見てみますと、その疑惑が判明したのは、昭和59年6月定例議会における共産党議員嘉陽宗儀議員のどうのこうのという、こういうふうな文章から始まって、いかにも沖縄県に空港建設に絡んで疑惑ありというふうなところに結びついているのであります。これは許すことはできません。
それからもう一つ、今、確約書と念書については申し上げましたが、同じく昭和59年、それから平成元年4月5日に県が発行した不勧告通知が原因となって当該土地の転がし、あるいは土地値上げにつながっていると。知事やあるいは県の責任の追及に及んでいる点でありますが、不勧告通知について申し上げたいと思います。
不勧告通知が平成元年の4月5日に出されましたが、不勧告通知以前に当該土地は既に鑑定評価がなされております。昭和52年6月25日、不動産鑑定評価、これによりますというと公簿・原野、現況・宅地となっております。そして平米当たり4900円、これは坪当たり1万6198円です。
それからもう一つの評価は、平米当たり4200円。2つの基準がありまして、すなわちいい所と悪い所となりましょうか、そういうふうに評価がなされておりますが、その後、今度は2カ月ほど後、8月には当時の革新知事平良知事の方から不勧告通知が確認通知という形で出ていますけれども、これは平米当たり5000円と出ています。不勧告通知が出る前に既に昭和52年、すなわち13年前に4900円の鑑定評価がなされているわけです。
それから鑑定評価についてはもう1点、昭和60年、日誠総業が資金借り入れのために作成した書類がございます。その書類を見てみましてもわかりますが、昭和60年11月26日の鑑定評価に基づく評価というふうになっておりますが、それは坪当たり2万1752円となっております。
それから、この土地については昭和53年、すなわち12年前に既に売買の実績がございます。この売買の実績、私の方に2例ございますが、売買をした人たちは100人余ります。これは分譲をしておりますけれども、そのときの価格が1平米当たり5000円です。
それからもう1点は、これはゴルフ場の会員権を持たない人が5000円、会員権を持っている人の価格は異なりますけれども、その場合は1平米当たり3159円50銭、こういうふうに坪当たり既に1万円から1万五、六千という数字が13年前に出ているわけです。
それから考えてみますと、昨年の4月5日に県が出しました不勧告通知は、1平米当たり5600円ですから、13年の間にたった600円しか上昇してないということなんです。
さて、そこに一つの反論がまた生じてくるわけですが、これは後で誤解を生じるといけませんので私の方から申し上げたいんですが、嘉陽議員はそのことについて、この価格は開発された土地だから更地、普通の土地の5倍からそれ以上するのは当然のことだということを言っていました。確かに地目は公簿上は原野です。ところが現況・宅地という形で販売されたから値段が上げられたんだというふうに言っているんですね。嘉陽議員はそう話しましたが、さて、私はそこで一つの事実を取り上げてみたいと思います。
沖縄県が都市計画法に基づく開発行為に関する技術基準を設けて、それを施工したのは昭和49年7月27日ですか、に施工しているようであります。その基準の中でいきますと、例えば土地に開発行為を起こして売買する場合、まず、必要な公共施設、例えば郵便局だとかあるいはできれば学校だとか保健所だとかいろんな公共施設も必要です。ところが最低、道路の確保、それから道路の通行上の安全を確保してやる。さらにはまた排水の基準あるいはまた浄水場などの設備をしてあげる。排水は、側溝なども雨量とか面積等を計算しましてそれを十分ためておいて、汚水としてそのまま流れないような受水といいますか、浄化の施設もしなければならぬ、こういうふうな規則がございます。
それからまたもう一つは、まず、土地の面積を区切る場合に、土地の一辺が80メートルから大体百二、三十メートルの間には必ず縦道路を入れること。土地の面積の厚みの間には30メートルから50メートルの間に道路を1本ずつ入れること、こういうふうな規則がございます。
ところが、当該土地はどうかといいますと、これは約20万平米です。約6万坪に近い面積です。でありますから、これから見てみますと、この長さは大体600メートル以上あるでありましょう。こちらは大体400メートルぐらいあるでありましょう。そうするとどうしても縦に道路が7本はないといけません。あるいはまた横に道路がやはり7本から8本入れなければいけない。こういうふうな道路がなければいけないのに、当該地はどうなっているかといいますと、道路は3本、しかも行き先は行きどまりになっている。これは将来、土地を開発して足そうという計画があってなされたようですけれども、いずれにしましてもただ人間が通れるぐらいの細い道を通してきて公道につないで、これを合格した形になっている。
このようなずさんなやり方での開発行為を合格だというふうに許可した、認可をおろした当時の革新県政というのは非常にずさんだなと思う。しかしこの場ではこれは問いません。
しかし今、言えることは、開発行為の技術基準上の計算でいきますと、道路の幅としてあと幾らも削られるわけです。さらに排水溝やいろんな施設をやっていきますと、しかもまたこの当該地に、場所にすぐ建物が建てられるような通常の開発を認可を受けるまでの合格基準まで達するまでの工事をするには、専門家に聞いてみますと大体坪当たり6万から8万ぐらいかかるでしょうねと言っておりました。そのことは当時1万5000円で買ったという、すなわちその計算からしますと大体当時でも七、八万しただろうなということに、これは推測ですが、できます。
それと、このことは先ほど申し上げました当該地を前の地権者である日誠総業がこれを事業計画として売り出す計画した計画書がございますが、それで見ますと、これは昭和60年の時点です。別荘用地として売り出す予定の場合が坪当たり9万円です。先ほど私が、大体推測だがという金額に近づきます。それからホテル用地として坪当たり10万円、こういうふうな計画をしております。その点から考えてみましても当時の開発計画、開発行為そのものがいいかげんであったと。すなわち買った人は大変な損をする結果になったし、本当の合格、現在で言う、県がまた執行している開発行為の技術基準に合うとすれば、どうしても当時でも七、八万はしたであろうということの裏づけになるわけです。
したがいまして、そのことはまた嘉陽議員の言葉をかりれば、更地であれば5分の1でも当たり前だというのから計算しますと、更地であれば1万5000円ぐらいで、現在県が不勧告通知を出した数字にやや似てまいります。近づいてきます。そのことを申し上げまして嘉陽議員の調査に対する、私は、彼は調査をしたしたというけれども、調査不足じゃないかと。
それからもう1点、調査不足の点について触れておきたいことは、念書や確約書が出されたためにこの土地の値段が上がって、それが引き金となって土地転がしが始まったというふうな原因にしておりますけれども、この念書が引き金になった一つの証拠として嘉陽議員はそう言っております。土取り場か、土取り場になったと指定されたというだけで40億円の価値がついた。40億円という数字はどこから出てきたかといいますと、日誠総業の、あるいはこの関係業者の議事録の中から出てきたと言っています、40億円。それで県に対して税金のむだ遣いだ、血税のむだ遣いだということを追及しているんですが、私は、彼の数字は合っているというけれども中身は間違いという、全く、よく調査をしてくれればそんなにはならないのにということを申し上げたいんですが、どういうことかといいますと、嘉陽議員は、土取り場40億円は先ほど申し上げました400万トンなんです、400万立米。1立米当たり、運搬代も含めて約1000円でこの場所まで持っていくわけです。埋立地まで持っていく。距離がせいぜい4キロ以内になるんですが、この内訳はどうかといいますと、土取り場の土の値段が400万立米で約15億円です。これは何によって知ることができるかというと、先ほど申し上げました借り入れをするためにつくった向こうの資料の計画書の中で見ますと、別途工事からの工事の収益があると。収益は何かというと、新石垣空港工事に伴う土取り工事収益となっております。これは15億円なんですね。これは土だけの値段で15億円、すなわち1立米当たり375円。どこから取ってもこの土は値段は変わりません。375円です。
ところが、運搬代が725円ついて、嘉陽議員の言う40億になるためには1立米当たり1000円です。4000万立米運びますと40億の価値がこのカラ岳についたと。そしてそれが間違いなく土地転がしの、土地値上げの引き金になったと言っているんです。
しかし、そこで事実を知っていただきたいことは、カラ岳から取ってもどこから取っても土はただでは取れません。ただでは運べません。土砂は375円で買って、それに運賃を掛けなければいけないんです。
さて、それではカラ岳から取らなかった場合どこから取るかといいますと、石垣市の場合たくさんあるでしょうけれども、今取れるような状態は農地法の問題、農振法の問題あるいは森林法の問題、いろいろまた自然保護の問題等からして取れる所は限られてきます。
そこで、森山という場所があるんですが、そこはまた国道が通っていきますし、あと2キロぐらい延びるんです。2キロから3キロ奥まっていく。そうなりますと輸送費がかなりかさむんですね。また新しい進入道路などをつくっていかんといけない。そういうふうな土を取るためにさらに土地を買収して工事をしていくというふうな、いろんな別の経費を掛けますと40億ではおさまりません。大体70億ぐらいになるだろうというのが大ざっばな見積りであります。
それから、さらにそちらから取れない場合は、崎枝という所から取りますが、崎枝の場合は約20キロぐらい離れていますから、輸送費はもう625円の差ではありません。恐らくそれの4倍ぐらいかかるでしょう。運搬賃だけで2000円以上かかって375円の土砂を運ぶことになるんです。そうなりますとこの経費は40億で済むという数字じゃありません。120億から150億ぐらいに上るでありましょう。
県は、カラ岳すそ野から取って40億で済ませたということは、本当に税金を有効に使った、そういうふうな結果になるわけです。何でもかんでも疑惑に結びつけようとすればこういうふうな論法も成り立つのかなと、私は調査をしながら嘉陽議員の発言には唖然としたものであります。
それから、こういうふうな経過があって土地が上がってきた背景を説明しましたが、もう一つだけつけ加えておきたいんですが、新聞報道によりますと、2年の間に土地が17.5倍にはね上がったと。すなわちこれは昭和62年に400円で売買された土地が、平成元年には5千幾らになったということで、そのことを追及しておりますが、これはこういうふうなことです。
昭和62年に売買をした当事者は、売り手が日誠総業、買い手が国内リゾート、これは同族会社で全く身内同士の取引であります。このときの400円という根拠が何であったかといいますと、昭和51年3月26日、これは当該カラ岳の土地に関して固定資産税評価のための額が提示されています。これが平均しますとちょうど平米当たり400円になっております。その辺を身内同士ですから、身内の中での取引でそういうようなことがなされたということは、これで数字が出て、その数字を当てていきますと400円になるんですが、その辺が基準になって400円の取引がなされたものと思いますが、我々、身内の取引あるいは例えば夫から妻に、親から子供に相続される、そういったものを通常の取引として基準にすること自体に大きな問題があるんじゃないかと、そういうふうに思います。
今、嘉陽議員がいろいろと問題にしておりますことは、一般常識的に考えていけばさほど問題でもない。むしろ当然なことであるにもかかわらず疑惑を持ってそれを結びつけていこうとするから、こういった問題が起こっただろうと、私はそのように指摘をしているものです。
まとめになりますが、ひとつ、事実無根をもって議会で議員が発言をし、冤罪さえつくりかねないようであれば、全く議会の信頼を失墜させ、議会の品位を損ねるものであります。嘉陽氏の議会での質問は、県の事業執行に伴う用地取得に関して不正の疑惑がある、不正の疑惑があるというふうな発言が多く、嘉陽議員の発言で特にまた留意すべき点は、例えばこういうことです。
大体、質問は、議事録を読んでみれば皆様方も理解いただけると思いますが、大体こういう状態なんです。最初、もし不正があったとすれば許すことはできませんと仮定で入っていくんです。それから話が始まって、次には、不正があったはずだと、あり得るということに移って、いつの間にか、その責任はどこにありますか。知事、あなたはこれでも県民の知事ですかというふうに責任の追及までしているのが大変特徴的ですね。ああいうふうな論法で物を進められていきますと、本当に我々はそれをまあまあと通すわけにはいかない。そして今回の事態になったわけです。
今回、問題になっている新石垣空港建設の予定地に関する問題も同類であると考えます。このような結果、県政においてはまじめに事業執行のために汗を流して努力している関係職員の意欲をそぎ、やる気を損ね、いたずらに県行政の足を引っ張る結果となる可能性が大であります。
それから、県民に対してはいたずらに不安と失望を与えてしまい、知事及び県政に対する信頼を失わせている。また県内外、外国に対してまでも本県の名誉及び県民を大きく傷つけている。したがって反社会的、反倫理的、反県民的な結果につながっていると。許されるべきことではないと思います。
したがいまして、嘉陽議員に対する懲罰の件については可決することに賛成する討論として終わります。
以上です。
○議長(平良一男君) 喜納昌春君。
〔喜納昌春君登壇〕
○喜納昌春君 ただいま議題となっています嘉陽宗儀君に対する懲罰に関しての懲罰特別委員会委員長の報告に対し、社大党県議団及び無所属の大城秀昭議員を代表しまして反対の立場からの討論を行います。
去る6月26日から18日間の会期で開かれた平成2年第3回議会定例会における7月2日、各党代表質問の際の共産党代表嘉陽宗儀議員の発言に対し、自民党など与党から出された懲罰の動議については、我々としては、議員の質問権や議会の行政に対するチェックという権限を守る立場からも不当であることを懲罰特別委員会などでも一貫して主張してきました。
嘉陽議員が代表質問の中で指摘したことは、新石垣空港建設用地の変更という異例の事態に関しての土地転がしの疑惑究明と、国土利用計画法に基づく県の適正な土地価格を形成する上での勧告権の不行使、そして業者の国土利用計画法に基づく届け出違反に対する県の適切な対応、大幅な告発のおくれなどが、どう見ても地価高騰につながったと、県民が疑惑を感じていることでの県当局の行政姿勢を厳しく追及した点に重要な意味があります。
嘉陽議員のこの指摘及び質問は、県民の疑惑究明の期待にこたえるものであり、何ら不当な内容のものではなく、県当局はむしろ疑惑がないならば、きちっとした説明をする責務があったのであります。それに明快な答弁をせずに、逆に西銘知事みずからが議員の調査に基づく発言権を封じるかのような腹切り発言を、たとえ休憩中とはいえ口にし、たび重なる我々野党議員の撤回や謝罪要求も拒否し居直りするようなさまこそ、県民から選ばれた対等、平等の議決、言論の府としての本県議会の権限を侮辱する重大な行為と言わねばなりません。
ところで、自民党など与党から出された嘉陽議員に対する懲罰の動議は、地方自治法132条と本議会会議規則第97条違反が根拠のようであります。
懲罰動議の内容は、1点目には、嘉陽宗儀議員の発言としてカラ岳東への変更を発表する以前に買い付け証明が発行されているとの発言があるが、このことについては事実無根であって、買い付け証明は発行されていない。
2点目には、所有権の移転をした坂上社長に、なぜ国土利用計画法の手続をしなかったかと聞きますと、沖縄県の土木建築部の幹部に頼まれたので、親会社である光建設に移したのでその必要はないと思ったと話をしています。その業者に名指しされた幹部職員に事実関係を確かめたところ、そのように受けとられたかもしれないという発言をしたことも確認しました。これは、法違反を幹部職員が教唆したことになり許されない重大な問題でありますとの発言がありますが、そのような事実はなく、嘉陽議員の教唆云々の発言こそが重大な問題である。これら2カ所については、県民の代表である議員が神聖な議場において言論の自由を逸脱して発言したということは、議会の名誉と品位を著しく損ねるものである。以上の趣旨で地方自治法第134条及び会議規則第13章の諸規定に基づいてこの動議を提出したという経過となっております。
しかしながら、7月2日の本会議における嘉陽議員の発言は、どの文言を見ても地方自治法132条の規定の「普通地方公共団体の議会又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」の条文や、また本議会の会議規則97条、「議員は、議会の品位を重んじなければならない。」という、いわゆる品位の保持義務違反があると言えないことは明らかであります。
過去、こうした形での懲罰の例があり得なかったという点からも、県議会の権限や議員個々の調査活動や発言、質問権に議会みずからが制約を加えるという、まさに県議会の自殺行為とも言える今回の嘉陽議員の発言に対する懲罰は不当なもので、懲罰権の乱用と指摘するものであります。
8月6日、7日、8日と3日間にわたっての懲罰特別委員会の審議の中でも、嘉陽議員の弁明及び個々の委員とのやりとりを通し、嘉陽議員の発言が、何ら議員としての品位に欠けるものではないことが明らかになっています。
自民党など与党が懲罰に値するとした1点目の、カラ岳東への変更以前に買い付け証明が発行されたかどうかとか、2点目の、幹部職員の教唆があったかどうかは、まさに主張が相対立する点であります。だが、それらのことが事実であるか否かで議員の発言として懲罰に値するか否かが問われないことは、地方自治法132条と会議規則97条が明確に規定しており、何ら懲罰に値しないことは自明の理であります。
一方、相対立する主張であるからこそ、私たち野党としてはこれらの真相を究明するために、地方自治法100条に基づいて100条調査委員会を設置して、多くの県民が疑惑を感じ知りたいと願っている新石垣空港建設用地をめぐる土地転がしや行政行為と土地高騰の因果関係の疑惑解明をと提案してきましたが、与党はそれを拒否してきました。
こう見てきますと、嘉陽議員の発言は、懲罰特別委員会で品位の問題として懲罰される筋合いのものではなく、むしろ質問の中で指摘した問題については、責任ある県議会の調査権の権限のもとでの100条調査委員会で明らかにされるべきものであると言わねばなりません。このことを懲罰特別委員会で厳しく野党委員が指摘すると、部分的な発言の問題ではないとの別の論陣を張ってきました。
懲罰特別委員会での提案者議員との質疑の中で、嘉陽議員の本会議での発言は、質問の文脈全体の流れの中に不正であるとか、西銘県政と業者との癒着とか、疑惑はますます深まるばかりであるとか、そういう文脈全体に反社会性、反倫理性のところが一貫しているとの主張をし、このことは辞句の訂正だけでは済まない。無礼な言葉より悪い判断に立っていると独断暴走し、何としても嘉陽議員を懲罰にかけるという本音を暴露する形となっております。
議会は、憲法93条1項で、「地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。」と規定され、同じく直接住民から選ばれた機関として行政機関の長と議会は相互に独立の立場においてその権限を行使し、相互に牽制、抑制し合って均衡を保ちつつ地方公共団体の適正かつ円滑な運営が期待されています。
その議会の権限として議決権を初め調査権、監査請求権、意思表明権、調査権等々14種類以上の権限が与えられており、それを具体的に担保し実践するのは個々の議員であります。それだけに議員の立場、活動、発言等の制約については即それが議会の権限の制約につながるものであり、極めて法律上も慎重な規定がなされています。いわゆる議員が懲罰にかけられるのは、地方自治法129条の議場の秩序維持違反、132条の品位の保持違反、133条の侮辱に対する処置規定、137条の欠席議員の懲罰の規定と秘密会等における秘密保持義務違反など相当限定した形をとり慎重を期しています。
議員の懲罰は、決して安易にかけられるものではなく、これらの規定のほかに、またこれらの規定の条文で明記されている以上の文言や言辞で議員個々が決して議会活動の上で懲罰をかけられるものではないことは明らかであります。
特別委員会の審議の過程で、過去に地方自治法132条や会議規則第97条に類する規定で今回の例のように事実に反する発言をしたとか、文脈全体が反社会性、反倫理性の問題で懲罰にかけられた例があるかと事務当局に資料を求めましたが、その中でそんな異常な例は一つもないことが明らかになっています。
卑近な例で見ますと、地方自治法132条違反で問われたものとして、昭和60年の青森県議会の例では、本会議一般質問の中で、一体、だれの知事なのか、県民から選ばれた知事なのですか、電事連の犬なのかの「犬」発言とか、昭和63年、徳島県議会の本会議一般質問の中で、与党の皆さんは猿芝居云々で全くよそごとのようでありますとの中での「猿芝居」発言など明確な無礼に当たるとされる発言の根拠が示されています。
また、これまで何度も132条の的確な例として示してきた昭和25年の札幌地裁判決の中で示された内容にこそ重要さがあります 無礼な発言とは、議員が会議に付議された事項について、自己の意見や批判の発表に必要な限度を超えて議員やその他の関係者の正常な感情を反発する言葉をいい、そのような意見や批判の発言でない限り、たとえその言辞が痛烈であったがために他の議員等の正常な感情を反発しても無礼な言葉を用いたものと解することはできないとの主張こそ、地方自治法132条の自由な討論を保障する視点からの規定だということができましょう。無礼の言葉は、極めて実際的で明確なものでなければならないということであります。
もちろん、無礼な言葉であるかどうかは、言葉の意味、内容、発言者の身ぶり、言辞、相手方の誘発の程度等を総合し、客観的に判定すべきことは言うまでもありませんが、しかし7月2日の嘉陽議員の発言については、正当な調査に基づく議員の質問権の行使にほかならず、質問の内容上も文言や言辞の上、また議事の運営上も何ら問題はなく、県当局も一文の無礼発言の指摘することなく答弁、討論に臨んできているものであります。
この問題では、むしろ休憩中の議員の発言権を封じるかのような西銘知事の腹切り発言の問題こそ、行政当局と対等な立場に立つべき議会の権限を侵害するゆゆしき態度と言わねばならず、そのためにこそ我々野党が一致して重大な認識に立ち、知事不信任決議案を出すに至った経緯があったわけであります。
懲罰特別委員会の審議では、自民党など与党は、買い付け証明があるのかないのかを執拗に追及してきましたが、そのことが懲罰の根拠とした地方自治法132条及び会議規則第97条違反とは無関係のものであることは言うまでもありません。
このことについては、私たち野党委員が委員会の中でも一貫して主張してきたことであり、存在の有無についてはまさに100条委員会を設置して真相究明されるべき課題だと言わねばなりません。
現在も多くの県民が、新石垣空港建設に関しての土地転がしや国土利用計画法違反、行政の怠慢などからくる癒着疑惑等早急に解明を願っていることが山積されています。
疑惑の最たるものは、国土利用計画法の違反の3業者の告発は、なぜおくれたのか。旧白保海上案や新カラ岳東案の空港予定地の地価の変動と県の行政行為との関連はどうなっているのか。県と告発された土地所有者との土地の売買の折衝の経緯はどうなっているのか等々、こうした事態に明確にこたえ、新石垣空港の早期建設のためにも我々としてはむしろ100条委員会での真相究明こそ急務だと考えます。
こうした立場から、今回、自民党など与党から出された平成2年第3回議会定例会での7月2日の共産党代表質問の嘉陽宗儀議員の新石垣空港問題に関しての発言は何ら懲罰に値する内容ではなく、かかる形での嘉陽議員に対する懲罰は、むしろ議会の権限を議会みずからが制約する自殺行為に等しい蛮行であり、嘉陽議員の発言はいかなる懲罰にも該当しないことをはっきりと主張し、懲罰特別委員会の報告に対し反対し、私の討論といたします。
○議長(平良一男君) 松茂良興辰君。
〔松茂良興辰君登壇〕
○松茂良興辰君 ただいま議題になっております嘉陽宗儀君に対する懲罰の件について、新政クラブを代表して懲罰に科するものと認めることについて賛成討論を行います。
懲罰特別委員会における審査の過程で弁明に立たれた嘉陽宗儀君は、真実を調査しての議会における発言を懲罰で対抗するのは、議会の自殺行為だと糾弾の意思表明がありました。
また、野党委員からは、嘉陽議員がみずから独自の調査に基づいて発言したことが懲罰の事由になることは言論の自由に対する不当な介入であり、懲罰権の乱用であるとの共通した指摘や意見がありました。
そういう見解に対して冒頭の反論をしておきます。
議会が良識の府とか、言論の府だと呼ばれているのは、すべてが発言によって決められるからであります。ゆえに、議員の発言権は、表決権及び選挙権とともに重要なものと位置づけられております。
一方、議会の懲罰権は、合議体としての議会の規律と品位を保つため認められているもので、懲罰事犯の対象となるのは、地方自治法並びに会議規則に違反する議会内における議員の言動に限られています。
それは、国会議員が議会内での発言に対し、憲法第51条に規定された免責特権の適用や、国会法上強く保障されているのに対して、地方議会の議員の場合は免責特権は認められておりません。
また、憲法第21条に規定された集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由の保障は国民全体の権利としたものであって、地方議会における議員の言論については、国会議員のごとく刑事責任及び民事責任を免れることはしていません。したがいまして、地方議会における議員の発言がすべてフリーパスというわけではなく、制約を受けるのは当然であります。
議会がまさに言論の府である以上、規則に特段の定めのあるなしにかかわらず、議会の品位を傷つけることがないように行動をとるべきであります。いわんや、無礼な言葉や相手の名誉を傷つけるような言動は許されず、節度ある言論こそ議員に要請されているのであります。
しかるに、嘉陽宗儀君の言動は、発言の自由を盾にとって新石垣空港問題に関する代表質問を、西銘県政と業者との癒着の問題についてと通告し、「西銘知事や執行部は、不正の事実はございませんと業者をかばい、疑惑にふたをするような答弁を繰り返してきました。」云々とか、「これまで私の追及に、何ら不正な事実はないと西銘知事はむきになって答弁されました。しかしどんなに否定しても、いよいよ疑惑は深まるばかりであります。」等と前置きして、質問というよりも、むしろ詰問調で西銘県政と業者との癒着を前提にした疑惑や不正の印象を強調、知事初め関係職員の名誉を著しく傷つける論法に出ております。まさに無礼な発言であり、議会の品位を傷つけました。
議員の職責が議案の審議のほか、執行機関を批判、監視、牽制等監督することにあることは十分承知しています。しかしその発言内容に根拠がなかったり、事実に反したり、さらに発言の取り扱いをめぐって議会の空転を引き起こす原因になったりした経過からして、議会の権威失墜や行政不信、政治不信を誘発したことは明白となっております。
よって、議会内の秩序保持として当然に懲罰の対象とされるべきであります。それはまた、内部規律に関する議会の自律作用でなければならないものと確信します。
なお、つけ加えておきますが、懲罰特別委員会における嘉陽宗儀君の弁明や野党各委員の発言に、議員の調査権に基づいて調査云々が随所で使用され、嘉陽宗儀君の言動の正当性が強調されました。その認識に対しても反論しなければなりません。
まず、議員個人には法律上の調査権はないということであります。ただし、議会には監督的機能として開会中検閲、検査、調査などの権限は付与されているのは御周知のとおりであり、委員会における所管事務の調査は委員会としての固有の権限だと解されております。
議会は合議体であり、構成する個々の議員に単独の調査権はないのにもかかわらず、あるかのような前提で議論に挑んだり、特に嘉陽宗儀君の言動は、議員の権限をかさに着て個人で庁舎内部で命令ロ調的言動による資料要求をしております。その行為は、議員の権限を逸脱したものであるとしか言いようがなく、まことに遺憾でなりません。
さらに、野党委員の皆さんは、100条調査の行使をしきりに強調しています。しかし、与党委員一致した判断として100条委員会の意義、あるいは性格を十分理解することなく発動することに反対しました。
すなわち、今回の懲罰対象の事由は、嘉陽宗儀君の自己の言動に対する責任の真を問うというもので、1、西銘県政と業者との癒着、不正発言の根源となっている買い付け証明発行の事実確認、2、同じく法違反を幹部職員が教唆したという事実関係の2点についての解明にあったからであります。
もし、以上2点について嘉陽宗儀君が指摘するような事実行為が判明するならば、100条調査の行使は当然行うという与党の姿勢を鮮明にしたわけでありますが、審査の結果は後で具体的に触れますように、買い付け証明発行の事実や幹部職員の教唆の事実は全くないことが明らかになったのであります。
むしろ、それ以前の現実問題として、カラ岳東側の空港建設予定地における用地取得に関する執行はいまだになされておらず、具体性のない事務に100条調査権の行使は現段階においてなじまないということを理解すべきであります。
しかし、野党各委員は、嘉陽宗儀君の懲罰審査に対抗する手段として弁解やら自己満足で繕うかのごとく政争、党利党略のために表向きは大義名分を立てながらも、裏の行動においてはいたずらに西銘県政に対する疑惑をふりまき、本質的議会の規律と品位保持の追求を避けて、取り扱う次元の異なる100条調査の行使に終始一貫こだわることは、まさに法の精神に反するものであることを強く指摘せざるを得ないのであります。
次に、懲罰理由の根拠としての地方自治法第132条にかかわる無礼な発言並びに沖縄県議会会議規則第97条にかかわる議会の品位について言及していきます。
嘉陽宗儀君は、懲罰特別委員会での弁明において、私は議員として見聞だけで質問するということは自分の議会活動、議員としての信条からやらないようにしています。内部からのいろいろな告発があっても飛びついて質問するようなことは一つもありません。全部事実かどうか確かめて明らかにした上で発言していますと言い切りました。まことに敬服に値する姿勢であります。
いやしくも公職者たる議員が、自己の言動に対しては無責任であってはなりません。当然、責任をとるべきであるとの立場から、懲罰特別委員会で交わされた嘉陽宗儀君の発言に対する事実関係確認のポイントを明らかにいたします。
第1は、買い付け証明発行の事実と存在についてであります。
嘉陽宗儀君は、業者との癒着について、カラ岳東への変更を発表する以前に買い付け証明が発行されている。これは、北谷浄水場用地疑惑と同じ手口である。だれの責任で発行したのかと質問しています。それに対して高良土木建築部長は、買い付け証明について発行した事実はないと簡潔に自信を持って答弁しています。真実は一つ、その解明を急がなければいけません。
しからば、嘉陽宗儀君が本会議場において買い付け証明の存在を断定し、ここに買い付け証明を持っていると片手を高々と振りかざして示した用紙が果たして買い付け証明だったのか。
また、懲罰動議の質疑応答の際、動議提案者崎浜秀三君に対して日本共産党所属の外間久子君は、私たち共産党の調査では、それが、すなわち買い付け証明が発行されていることが私たち手元にあるわけですよ、事実。それはだから出しますよと重大な発言までもしております。
懲罰特別委員会では一連の言動を重視し、嘉陽宗儀君にただしました。
その結果は、1、買い付け証明は持っていない。2、買い付け証明は89年10月23日、東京の光建設の社長に会い確認した。3、だがしかしその内容は見ていない。4、したがって何が記載されていたのかわからない。5、同僚外間久子君の発言について関与する立場にはないと言い、発言の根拠となった真相が明らかになりました。
すなわち、買い付け証明は持っている、現在もあると。日本共産党を代表して強気の発言をしてきたにもかかわらず、その原本あるいはまた写しさえ提示もできない、持ってもいないばかりか記載内容さえも示しきらなかったのであります。
よって、私は、神聖な議場でのあの言動は、うそであったものと断定せざるを得ないのであります。
しかも、確認したと意味するものは、光建設の社長の言動に乗っての見聞によるのみのものであります。
したがいまして、買い付け証明含めてここにカラ岳に空港用地が変更されるんだというそのことをめぐって地価の暴騰もあるし云々等の嘉陽宗儀君の発言は、事実も根拠もなく、光建設の社長からの情報によって発言を展開したことが明確になったのであります。
その背景には、住民の代表を過剰意識して政治的効果をねらった意図的なものが見え隠れして仕方がありません。
なお、問題なのは、北谷浄水場用地疑惑と同じ手口と断言したあの買い付け証明の存在の有無に関しても、情報や裁判所での証言記録から都合のいい部分を引用した発言が根拠となっております。
事の事実は、収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除に関する租税特別措置法第33条の4の規定によって作成する公共事業用資産の買い取り等の証明書のことを買い付け証明書と誤認、いたずらに疑惑をふりまいていたことも明らかになっております。
これら事例からして、嘉陽宗儀君が言い切った調査活動の姿勢、すなわち見聞だけで質問しない、事実かどうか確かめて明らかにした上で発言するということは、もろくも崩れ去ったのであります。
第2は、念書や確約書が付加価値となって地価高騰を引き起こしたということについてであります。
嘉陽宗儀君は、業者との癒着についてとして、念書、確約書が付加価値となって地価高騰を引き起こしたことは経過を見れば明らかであります。このことに対する西銘知事の責任は重大であります。明確にせよと質問しています。
それに対し西銘知事は、前予定地における空港建設事業の執行に伴い、埋立土砂の土取り場を指定するために念書を提出しております。また、エプロン区域の用地を買収するために確約書を提出しております。これら念書や確約書は、行政上も問題なく対応することが可能な範囲内で約束したものでございまして、業者との癒着とか地価高騰の原因となるものではありませんと答弁されております。
しからば、嘉陽宗儀君が指摘した念書や確約書がいかなる理由で発行され、その内容はどうなっているのか、解明には経緯や原文を紹介しなければなりません。
1、県は、航空法に基づく飛行場設置許可申請、昭和55年12月3日に予定地の地権者である沖縄日誠総業株式会社に対して次のような事業への協力をお願いしております。
昭和56年5月20日付土空第99号。沖縄県知事西銘順治より沖縄日誠総業株式会社代表取締役松田隆次殿あて。新石垣空港用地取得にかかわる協力方について。新石垣空港整備事業用地として貴社所有地を提供する同意書に対し深く感謝申し上げます。当該空港にかかわる公聴会及び貴社より送付された文書に述べられていることについては、貴社の立場を十分に理解し、県として行政的立場から今後検討を行い、誠意を持って対処するとともに、損失については適正な補償をいたします。なお、新石垣空港は、地域振興開発に重要な事業であるので今後とも御協力をお願いいたします。
2、県は、空港建設に伴う公有水面埋め立てに必要な土砂を沖縄日誠総業株式会社所有のカラ岳すそ野から採取することについて同意方をお願いしております。
それは、昭和56年7月16日付土空第166号。沖縄県知事西銘順治より沖縄日誠総業株式会社社長松田隆次殿あてであります。
新石垣空港建設に伴う土取り場の同意について。空港整備事業については常に御配慮いただき、衷心より感謝申し上げます。さて、県では新石垣空港建設に伴う公有水面埋立願書を申請中であるが、その土取り場としてカラ岳及びすそ野を予定しております。つきましては、貴社所有の別紙表示の土地からの土取りに同意していただきますようお願いいたします。
3、県は、公有水面埋立法に基づく埋立願書には、埋め立てに用いる土砂等の採取場所及び採取量を記載した図書を添付する必要があり、昭和56年7月17日付の文書等で採取場所の地権者である沖縄日誠総業株式会社に土取りについての同意を要請したところ、地権者から土取り採取に当たって適正な補償をする旨を記載した念書の要求があったのでそれを提出しております。
なお、この念書は、嘉陽宗儀君がマル秘文書として業者との癒着と決めつけたものでございますが、先ほど同僚伊良皆議員から内容については詳細に紹介がありましたので割愛いたします。
4、さらに県は、白保地区における空港建設に当たって土取り場の土地の地権者、すなわち沖縄日誠総業株式会社から山代、採取時期、上水道の施工、工事用道路の舗装等について確約書の要求があったので、行政的に可能な範囲内で次のような確約書を提出しております。
なお、当確約書も、嘉陽宗儀君が業者に特別な便宜を計らった、沖縄県知事、石垣市長、所有者の3者において秘密文書が存在するとして業者との癒着と決めつけた根拠になっている確約書でございます。その内容についても、先ほど伊良皆議員から詳細に報告がありましたので割愛いたします。
このようにして、この発行された2つの念書、確約書等が、嘉陽議員が指摘する業者との癒着と決めつけ、発行されたその内容がカラ岳東の地価高騰の要因になっているという因果関係が果たして成立するのかどうか、全くだれが見ても常識的に見てもそういうことは成立しないのであります。
御案内のとおり、念書の発行が昭和56年8月3日であり、確約書の発行が昭和59年3月13日であります。そして新石垣空港建設予定地をカラ岳東側へ変更することを発表したのが平成元年4月26日です。県が8年前からカラ岳東側への空港建設位置変更を考えていたとでも言うのでしょうか。実に嘉陽宗儀君は、時代錯誤も甚だしい見解を展開しているのであります。
したがって、嘉陽宗儀君の重大な過ちは、1つ、前予定地白保における埋め立て用の土砂を採取するための土取り場としての指定同意を前提に発行した念書や確約書を、あたかもカラ岳東側への変更を前提としてその空港用地買い取りの念書や確約書としてかたくなに理解していること。
2、平成元年4月26日、新石垣空港建設予定地がカラ岳東側へ変更することが決定されたのに伴い、前予定地白保の土取り場としての前提条件に発行した念書や確約書の約束事項はすべて棚上げとなり、平成元年4月27日以降においてこれら念書や確約書が何ら付加価値を生んだり、地価高騰の要因になるようなことがないことを理解していないこと等であります。
また嘉陽宗儀君は、みずからの発言でも認めていますように、昨年の4月、マル秘文書扱いの念書を盾に執行部に対してその原本の提示を強く迫っています。ところが執行部が提示した原本の念書にはマル秘の印は押されておらず、一般文書であることを確認までしております。にもかかわらず嘉陽宗儀君は、その念書をマル秘文書扱いに仕立てて終始一貫、西銘県政と業者との癒着と決めつけて追及してきました。国会や週刊誌等でも利用された例の念書であります。実に不可解なことではありませんか。
懲罰特別委員会で私は嘉陽宗儀君に対し、県の保管する原本の念書や私が入手したその写しの念書にはマル秘印は押されていない一般文書扱いとなっているのに、どうしてあなたが入手した同じ内容の念書にマル秘印が押されたマル秘文書扱いとなっているのですか。その入手経路を明らかにしていただきたいとただしました。しかし嘉陽宗儀君は、相手の人権問題にかかわるので言うわけにはいかないと断り、私の疑問に答えてくれませんでした。なぜ、不正をかばわなければならないのでしょうか。
昭和56年8月3日付の念書が一般文書扱いのものと確認していながら、あえてそれをマル秘文書扱いにでっち上げた上に、不正をかばうなどして本会議や県民に対し背信的行動をとることは、政治道義上絶対に許されません。道義こそ、議会における偉大なる支えであることを今こそ議員として発揮すべきであります。
次に、適正価格で買い上げる旨の公文書発行についてであります。
嘉陽議員は、業者との癒着についてとして県の幹部が業者に呼び出され、17倍以上にはね上がった地価を前提に適正価格で買い上げるという文書を出してと頼まれ、2回も国内リゾートに公文を出している。さらに1週間後に光建設にも同様な文書を出している。これは業者との癒着であり、こんな行政がまかり通っていいのかと質問しています。
それに対し高良土木建築部長は、国内リゾート開発株式会社は、カラ岳東側周辺に約128ヘクタールの土地を所有しており、そのうち約四十数ヘクタールが空港用地として必要となったため、建設位置の変更を発表した直後、同社に対し空港建設についての協力要請を行ったものである。これに対し、同社から文書による協力要請を行うこと、及び同社所有地の全面積を国土利用計画法に基づく届け出単価で買い上げること等の要求があったため、空港建設に必要な用地についてのみ県の補償基準に基づく適正な価格で買い上げる旨の文書を提出したものであります。
その後、平成元年5月25日付で国内リゾート開発株式会社から、また平成元年6月1付で株式会社光建設にかかわる用地買収の基本的な考え方等について照会があったので、これに対して空港事業者としての行政的な対応可能な範囲内で文書により回答したものであると明確に答弁されております。
果たしてただいまの答弁にもありました文書要求や照会、それに対する回答が、嘉陽宗儀君の指摘した業者との癒着や17倍以上にはね上がった地価を前提に適正価格で買い上げるということに相当するものであるのか、その経緯の概要と関係する文書内容の全文を紹介しなければなりません。
1、県は、平成元年4月26日の空港建設予定地の変更に伴い、新しい予定地内の土地所有者に対して次のような協力を依頼しています。
平成元年5月16日。土空第105号。沖縄県土木建築部長高良尚光より国内リゾート開発株式会社代表取締役庄司芳信あて。新石垣空港建設について協力依頼。
本県の空港整備につきましては、平素から御協力を賜り心から感謝申し上げます。さて、新石垣空港の建設は、八重山地域の大多数の県民の強い要請を背景に、安定した空路の確保と地域振興のための重要な施策として早期実現に向け推進してまいりました。県としては、空港建設予定地をもろもろの角度から検討した結果、白保海上が最も好ましい位置として計画したものであります。空港建設に際しては、開発と自然保護の調和に十分に配慮し、特に白保海域のアオサンゴ群生及びその他のサンゴ保全のために計画及び施工上の配慮を行いつつ、慎重に環境アセスメントを実施してきたところであります。しかしながら白保海上における空港建設計画については、御案内のように各界の理解を十分に得るには今後とも相当の時間を要することが懸念されるため、空港を早期に建設するためにやむなく建設位置を桃里地区に変更することにしたものであります。このような観点から、県といたしましては空域条件、航空機騒音、土地利用、サンゴヘの影響等について検討した結果、カラ岳東側海岸を新空港適地として去る4月26日に位置変更の表明を行っているところであります。今後は、新予定地での早期着工を図るべく諸手続を進めることとなりますが、特に地域住民や地権者の方々の御理解と御協力を得ながら取り組んでいく所存であります。つきましては、桃里地区における新空港建設予定地内には貴社所有の土地が含まれており、ぜひとも貴社の御協力を賜りたくお願い申し上げます。なお、空港建設に必要な用地については、県の補償基準に基づいて適正な価格で購入いたしますので、御協力をお願いいたしますとなっております。
さらに県は、平成元年5月25日付、国内リゾート開発株式会社からの新石垣空港建設予定地に係る質問に対し、次のように書面で回答しております。
平成元年5月29日付、土空第118号。沖縄県土木建築部長高良尚光より国内リゾート開発株式会社代表取締役庄司芳信殿あて。新石垣空港建設予定地に係る質問事項の回答について。平成元年5月25日付で貴社からの質問のあった事項について下記のとおり回答します。記。質問1。新空港の場所については国内リゾートで所有されている桃里地区に最終決定したのですね。回答。県としては、空港建設予定地をもろもろの角度から検討した結果、白保海上が最も好ましい位置として計画をしたものであります。しかしながら自保海上における空港建設計画については、御案内のように各界の理解を十分に得るには今後とも相当な時間を要することが懸念されるため、空港を早期に建設するために建設位置を桃里弛区に変更することにしたものであります。今後は、地権者、漁業組合、地域住民等の御理解と御協力を得て早期に新空港を建設し地域振興に寄与したいと考えております。質問2。実際に国内リゾートさんの所有地を買収するのは、大体いつごろの予定ですか。回答。空港建設予定地の買収に当たっては環境調査、測量、基本設計を行い、航空法に基づく空港設置許可が必要であります。県としては、早期にこれらの手続を進め速やかに用地買収ができるように最大の努力をいたします。質問3。質問2における買収単価は幾らですか。回答。県の行う公共事業の補償については公共事業損失補償基準、沖縄県の公共事業の施行に伴う損失補償基準に基づくことが義務づけられておりますので、当新石垣空港の用地買収についても同基準に基づいて適正な単価で買収いたしますとなっております。
3、県は、平成元年6月1日付をもって株式会社光建設並びに株式会社センターアート・ギャラリーの連名により、次のような照会文書を受理しております。平成元年6月1日付、株式会社光建設代表取締役坂上雅夫、株式会社センターア一ト・ギャラリー代表取締役坂上雅夫より沖縄県土木建築部長高良尚光殿あて。新石垣空港計画について照会。
新石垣空港建設位置の変更については、さきに貴県から国内リゾート開発株式会社に対する協力要請の文書により承知しております。しかし同空港予定地に含まれている国内リゾート開発株式会社所有の土地は、別添念書のとおり今後は株式会社光建設並びに株式会社センターアート・ギャラリーに所有権及びその他一切の権利が移動することになります。つきましては、当社としては、沖縄県の空港計画には可能な限りの御協力を申し上げる所存ではありますが、協力するに当たり、次の3点について県の考え方を御教示願います。1、県の当該土地の買収に当たっての基本的な考え方について。2、空港に買収された土地の代替地の確保についての協力方について。3、石垣市で当社が計画している事業に対する協力方について。
それに対して県は、平成元年6月1日付の株式会社光建設、株式会社センターアート・ギャラリーからの新石垣空港計画についての文書照会に対して、次のように書面で回答しております。平成元年6月6日付、土空第127号。沖縄県土木建築部長高良尚光より株式会社光建設代表取締役坂上雅夫殿、株式会社センターアート・ギャラリー代表取締役坂上雅夫殿あて。新石垣空港計画について回答。
本県の空港整備につきましては、平素から御協力を賜り心から感謝申し上げます。さて、平成元年6月1日付で照会のあった見出しの件については下記のとおり回答いたします。なお、今後とも誠意を持って対応する考えでありますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。記。1、県の該土地の買収に当たっての基本的な考え方について。回答。空港建設に必要な用地については、県の補償基準に基づいて適正な価格で購入いたします。2、空港に買収された土地の代替地の確保についての協力方について。回答。空港に買収された土地の代替地を希望する場合は、石垣市等へあっせんをいたします。3、石垣市で当社が計画している事業に対する協力方について。回答。残地を利用して貴社が行う開発事業については、行政的可能な最大限の協力をいたします。
以上が事実のすべての経過であります。
この文書のやりとりから、嘉陽宗儀君が指摘するように業者に特別の便宜を図るという公文書を出しているとか、17倍以上にはね上がった地価を前提に適正価格で買い上げる云々というところはどこに表現されておりますか。どこに認められているというのでありましょうか。まさに嘉陽宗儀君の発言は事実を歪曲し、捏造もいいところであることがここでもはっきりするわけでございます。
この文書のやりとりに対して、これは業者との癒着であり、こんな行政がまかり通っていいのかと詰問していますが、その行為は全く認められないということもはっきりしました。
御周知のとおり、国にあっては昭和42年2月、公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱が閣議決定されて以来、これにより公共事業の施行に伴う公共補償の取り扱いが確立されてきております。
同様に本県にあっても、公共事業執行に際しましては、沖縄県の公共事業の施行に伴う損失補償基準や、沖縄県土木建築部用地事務取扱要領に沿って事業の円滑な遂行と損失の適正な補償の確保を図ることになっていることは周知のとおりであります。
特に新石垣空港建設に当たっては、事業執行者の県の立場として全地権者に協力要請することや誠意ある交渉をすることは、行政行為として当然過ぎるほど常識的なことであります。地権者からの同意書を得、それに基づいて運輸省に提出することになっている空港設置許可申請の手続を理解できるのであれば、なおさらのことでございます。
しかるに嘉陽宗儀君は、補償基準や事務取扱要領等に照らし、行政的に対応可能な範囲内での通常の行政文書に対し業者との癒着とか、こんな行政がまかり通っていいのかと県政運営を激しく追及してきました。しかも発行されてない買い付け証明を発行されていると断言したり、一般文書扱いの念書や確約書を、マル秘文書扱いや秘密文書が存在するとでっち上げたりするなど事実も根拠もないことを、他人からの見聞や情報に乗って言動し、言論の自由をかさに着た言論の暴力を振るったのであります。
刑法には文書の偽造、変造及び偽変造物行使並びに遺棄を罰する規定を置いていますが、特に公文書に係るこれらの行為については、公文書の信用力及び社会法律関係における重要性にかんがみより手厚い保護を与えることとし、一般の文書の場合よりも厳しい罰則を置いております。すなわち刑法第155条の偽変造罪では、1年以上10年以下の懲役に処することになっているのであります。
一地方公共団体の事務は、行政の公平性、安定性、継続性の要請から、民間の組織体における以上に文書による処理が求められ重視されております。
そういう位置づけのされた公文書の取り扱いに対して軽々しくも偽造、変造、偽変造物行使等に関して言及するなどは、知事を初め県執行部等の人格を傷つける無礼この上ない発言というべきであり、著しく議会の品位を損なうものと言わざるを得ません。
嘉陽宗儀君は、自己の言動に対して当然責任をとるべきであります。
私は、去る7月2日の本会議における嘉陽宗儀君の発言の中で、特に問題視した代表的3つの事例について事実に基づき真相を究明しました。しかしそれ以外にもあと9カ所に事実に反する問題発言があります。それを勘案した上での嘉陽宗儀君の発言は、総じて議員に要請されている常に公平を旨とし、その本分の何たるか、使命の何たるかを顧みないひとりよがりの実に無責任きわまるものであり、まさに反県民性、反社会性、反倫理性に徹した表現と言わざるを得ません。
このような嘉陽宗儀君の認識によるこれからの態度では、公正、公平な行政執行はおろか、本県の置かれた公共事業主導型の財政運営や今後の公共事業の計画、執行に重大な影響を及ぼすことは避けがたく、県政運営の安定を願う県民の声にこたえられるか大変前途を憂慮せざるを得ません。
現に新石垣空港建設予定地として決定し県が作業を進めているカラ岳東側に対し、日本共産党、日本社会党、―――は、疑惑だらけの土地を空港用地として取得することは断じて認めることはできないということで白紙撤回を表明、現空港拡張案を中心とする検討を打ち出してきました。まことに遺憾なことであります。
新石垣空港の建設は、沖縄振興開発計画に位置づけられた一大プロジェクトとして促進されてきました。それはまた4万8000八重山郡民の期待であり、一日も早い着工が世論であります。
新空港をカラ岳東側に建設することについても、石垣市議会の議決、八重山漁業協同組合の埋め立て同意、地元77団体で構成する新石垣空港建設促進協議会による早期建設の決議、さらに予定地周辺の大里、星野及び伊野田地区の同意を得ている今このとき白紙撤回を打ち出すことは、行政の安定、継続を否定する県民への背信行為であり、新空港建設断念を宣告するに等しい重大な問題であります。
このように、嘉陽宗儀君による事実無根の西銘県政と業者との癒着発言に端を発した新石垣空港建設問題は、議会内にとどまることなく、県内外の大きな政治問題へと発展しています。それによる影響は、飛行場設置許可申請はおろか、新空港建設計画自体も危ぶまれつつあります。言論の自由にかこつけた言論の妨害を放置すれば、ますます議会不信、政治不信を助長させます。
そればかりでなく、民主主義の土台が音を立ててガラガラと崩れることになりかねません。
よって、ただいま議題となっております嘉陽宗儀君に対する懲罰の件に対しましては、沖縄県議会の名誉と品位を回復することからも、懲罰に科するものと認めることに賛成の意思を強く表明するものであります。
議員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
終わり。
○島袋宗康君 ちょっと休憩願います。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後3時36分休憩
午後3時37分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
宮里政秋君。
〔宮里政秋君登壇〕
○宮里政秋君 私は、日本共産党県議団を代表して、嘉陽宗儀君の懲罰に反対する討論を行います。
懲罰は、議会の規律と品位を維持するために秩序を乱した議員に対し、議会の規律権の行使として科する制裁であります。一般的には地方自治法、会議規則、委員会条例の違反であります。
与党の諸君は、嘉陽議員の代表質問が、地方自治法第132条及び会議規則第97条違反として懲罰を強行しようとしています。
嘉陽議員の懲罰問題の発端となったのは、西銘知事の腹切り発言です。マスコミでも大きく取り上げられ、知事への批判が集中する中で野党は一斉に腹切り発言を取り上げ、その取り消しと謝罪を要求しました。ところが西銘知事は、反省どころか、腹切り発言を一層エスカレートさせて県民世論に挑戦したのであります。与党は、野党の知事不信任動議と100条調査委員会設置要求に対抗する手段として、急遽嘉陽議員の懲罰動議の提案となったものであります。
経過が示すように、腹切り発言で窮地に追い込まれ知事への批判が集中する中で、11月の知事選挙を目前にして県民世論をそらすために懲罰問題が持ち出されたのは明らかであります。
今、県民の声は、西銘知事の腹切り発言こそ問題にすべきで、疑惑を追及した嘉陽議員を逆に懲罰にすることは絶対に許せない。懲罰に付すべきは西銘知事だというのが圧倒的な県民の意見です。
品位の保持義務を問題にするのであれば、知事の腹切り発言こそ問題にすべきであります。
さて、言論の品位保持を規定している地方自治法132条「普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」と規定しています。
無礼の言葉として認められた事例としては、昭和28年青森地裁判決は次のように指摘しています。
同僚議員からも紹介がございましたが、私は諸君のように利権が欲しくて県会議員になったのではない。また千葉地裁判決は、委員の中にはブローカーか問屋の指導者か時代おくれの教育者か精神分裂症云々の判例等があります。
また、他人の私生活にわたる言論とは、「議員がめかけを囲っている」というような言論であるとされています。
昭和25年の札幌高裁の判決は、地方自治法第132条のいわゆる無礼の発言の意義を次のように述べています。地方自治法第132条のいわゆる無礼の言葉とは、議員が会議に付議された事項についての自己の意見や批判の発表に必要な限度を超えて議員その他の関係者の正常な感情を反発する言葉を言い、このような意見や批判の発言である限り、たとえその措辞が痛烈であったがために他の議員等の正常な感情を反発しても、無礼の言葉を用いたものと解することはできないと判決しています。
同判決文は、同条に言う無礼の言葉を使用したことに該当するかどうかは法律問題であって、その発言が客観的に判断して無礼の言葉であると解し得ない限り、たとえ議会がこれを主観的に無礼の言葉であると解して懲罰を科したとしても、右懲罰処分は違法の処分として取り消しを免れないものである。無礼の言葉に該当するか否かを判断するについて特に注意を要することは、議員の議会における言論の自由の尊重ということである。言論の自由は、日本国憲法の厳に保障するところであるが、とりわけ普通地方公共団体の議員はその住民の代表として選挙せられ、議会において言論をすることをその重要な職務とするものであっ
て、その言論について他人の私生活にわたるのを除き、十分にその意を尽くし民意を反映せしめるものでなければならない。ゆえにその発言を、無礼の発言であるとして議員に懲罰を科するには慎重な考慮を要するものであって、もしかような懲罰権が乱用されるならば、議員の言論はやがて自由を失い、議会の使命の達成を阻む結果を招来するものである。議員の言葉が無礼であると言われるには、議員が付議された事項についての意見や批判の発表に、必要な限度を超えて議員その他の関係者の正常な感情を反発する言葉であり、付議された事項について自己の意見を述べ、または他の議員等の意見を批判するについて必要な発言で
ある限り、たとえその措辞が痛烈であって、それがために他の議員の正常な感情を反発しても、それは議員に許された言論によって生ずるやむを得ない結果であって、これをもって議員が同条に言う無礼の言葉を用いたものと解することはできないのである。このように判決を下しているのであります。
昭和29年の宮崎地裁判決は、地方自治法第132条の解釈については、議員の議会における言論の自由の尊重という面を十分に考慮し、議員の意見の発表や政策の批判を抑制するものであってはならない。特に議会は、常に執行機関に対し予算の執行等についてその説明を求め、またこれに対して意見を述べることができるのであって、執行機関と政見を異にする議員が、その意見を述べる場合等においてたまたまその措辞が痛烈となり、これがため相手の感情を反発することもあることは時折見受けられることであるが、これは議会政治において議員に許される言論の自由によって生ずるやむを得ない結果であり、これがため多少他の議員や執行機関の感情を害することがあっても、その言動が議員として当然許された意見の発表や政策の批判の範囲を出ない限り、これをもって議員が同条に言う無礼の発言を使用したものと解することはできないのである。いずれも、それぞれの判決は同じ立場に立って判決を下しております。
以上の判例でも明らかなように、無礼の言葉に該当するか否かを判断する際に最も注意を要することとして議員の議会における言論の自由の尊重を挙げています。
特に議員は、住民の代表として選挙せられ、議会において言論をすることをその重要な職務とするもので、議員に対する懲罰権の乱用は議会の使命達成を阻むものだとして厳しく警告しているのであります。
また、同条の適用については、専ら議員の議会における発言のみに依拠して、それが無礼の言葉であるかどうかを判断すべきとし、その際も議員の意見の発表や政策の批判を抑制するものであってはならないと指摘しています。
無礼の言葉とは、馬喰とか、精神分裂症とか、めかけを囲っているとか、ばかやろうとかというもので、何の吟味も待たずに関係者の正常な感情を反発する言葉であり、客観的に判断して無礼の言葉と解し得ない限り、主観的に無礼の言葉であると解して懲罰を科しても無効だと判決は教えているのであります。
嘉陽議員の代表質問にどこにかかる無礼の言葉があるのか、どこにも無礼の言葉に該当するものはないのであります。
与党が、嘉陽議員を懲罰に付す理由として、買い付け証明書が発行された事実はない、教唆をした事実はない、だから懲罰だと主張しています。
問題は、嘉陽議員の議会における発言が、客観的に判断して無礼の言葉に該当するか否かにあるのであります。
買い付け証明書が発行されたか否か、教唆したか否か、土地転がしの実態も含めて司直によって事実は明らかになるでしょう。真相は明らかにされなければなりません。また疑惑の徹底解明こそ県民の声です。
私たち野党は、100条調査委員会で真相の徹底究明を要求しましたが、与党はそれを拒否したのでございます。
先ほど、伊良皆高吉自民党議員の討論の中で、念書や確約書の問題、さらに買い付け証明書の問題についていろいろ発言、討論がございました。特に伊良皆議員が、買い付け証明書を坂上社長から確約書をもらって、それを盾にして買い付け証明書はないということを述べておられます。
皆さん、坂上社長を悪徳ブローカーだと、あなた方は悪徳ブローカーの坂上社長を信用するのか、西銘知事を信用するのか。懲罰委員会では、与党の諸君はそのような発言をしました。
私たちは、事実問題を究明するのは懲罰委員会ではない。100条委員会で徹底して事実関係を究明しようといって、それを提案した。皆さんはそれを拒否した。
そのときに、坂上社長を悪徳ブローカー呼ばわりした皆さんが、今度は、伊良皆高吉議員あてに郵送されたこの確約書を盾にして、これを嘉陽議員の言っていることはうそだという一つの担保にした。しかも伊良皆議員の発言で許しがたいのは、嘉陽議員が、坂上社長が、ブローカーか不動産業者をしているのかなどという質問をしたことを非常に重視している、こういう発言がございました。
場合によってはブローカー呼ばわりし、状況によっては坂上社長を大いに利用して、これを懲罰まかりならぬという確認書を我々に押しつけようとした。許せるものではありません。
どこが真実であるか、100条委員会で徹底しよう、調査をしよう、本人たち関係者を呼んで宣誓させて、その上でお互いで議会の権限としての100条調査委員会でやろうと。これに反対したのは皆さんです。
そういう坂上社長の問題について、逆に確約書で嘉陽議員にあらぬ攻撃は全く許せるものではありません。
さらに伊良皆議員は、念書及び確約書の問題を盛んに取り出されました。伊良皆議員が、知事が確約書、念書を業者と取り交わしたことは、行政一般に行われる普通あることで問題にはならない、こうおっしゃいました。
ところが、あなたが西銘知事を弁護すればするほど、実はこの念書、確約書は、特別委員会でも嘉陽議員が明らかにしたように、念書をいただいた会社自体が総会で付加価値がついているといって大変喜んでいる。
そういうことは、あなたがいかに弁護しようが、西銘県政が特定の土地を買いますという約束をしたり、買うときには、道路もつくって上げるとかいうようなサービスをするということを行政がやれば、これは価値がつく、当然のことです。
私も長い間教育行政をやってきました。一回でも土地を、学校用地を買収するのに、行政がそのような確約書、念書をやるということはないんです。あなたが、これが当然だと言っておりますが当然ではないんです。だからこそ業者との、そういう付加価値がついて抵当権、根抵当権70億もつくじゃありませんか。
与党の諸君は、平成2年8月22日付で株式会社光建設代表取締役社長坂上雅夫氏から回答書をもらい、それを盾に買い付け証明が発行されていない事実を主張しました。今説明したとおりです。
ここで、買い付け証明書が発行された事実はないと主張しておりますが、100条委員会と違い、懲罰委員会で問題となるのは事実であるかないかではなく、発言が客観的に判断して無礼の言葉であるか否かにあるのであります。
これは判例ですが、海水浴場施設費の支出額の指摘が事実に反する発言をした事例で宮崎地裁判決は次のように述べています。
海水浴場施設費の支出額を十分調査しなかった不用意があるとしても、議員として許される意見の発表ないしは政策の批判の範囲を超えたものということはできず、右発言の内容に、村長は独裁のためにとか、村長の計画は独断で議会を無視したとか、多少不穏当な言葉があったとしても、これをもって議員が無礼の言葉を使用したるときに該当するものと解することはできないと判決をくだしております。
問題は、事実であるかないかというのは懲罰の対象にはならない。
ここに皆さんが、嘉陽議員に対して強行を予定して、強行された場合に、採決された場合を予定して謝罪文の文案があります。ごらんください、これ。「事実に反する言辞を用い」たとき。大変なことです、皆さん。新石垣空港の問題について事実に反する発言があったからといって、嘉陽君を懲罰しようと、謝罪文を朗読させようと。
これは、与野党を問わず、お互い質問するために委員会でも本会議でもいろいろ調査します。その調査に基づいて発言します。場合によっては調査が行き届かずに事実関係が決して正確でない場合もあり得るでしょう。その場合、全部皆さん、与党の力で、あなたの発言は事実に反するといって全部懲罰の対象になるとしたら、沖縄県議会、全く言論の自由が圧殺されることになるのであります。許せるものではない。
したがって、いかなる判例でも、事実であるかないかは懲罰の対象じゃないんです。事実であるかどうかについて問題にするのは100条調査委員会なんです。そのことを皆さん、大変な誤解である、大きな間違いを犯しているということを委員会でも私は指摘してまいりました。
この宮崎地裁の判例もこのことを明確に示しているのであります。
その他、判例で事実でもって懲罰に付されている判例はどこにもないんです。
嘉陽議員の質問は、坂上社長は、ある有力者からの紹介であったこと。カラ岳東の土地には西銘知事からの念書や確約書があり、付加価値がついて、いずれ新石垣空港用地として沖縄県に買い取ってもらうし、そのための買い付け証明まで特別に出してもらって喜んでいましたとなっています。
嘉陽議員の質問のどこが無礼の言葉に当たるのか、何も問題になるものではありません。坂上社長が、買い付け証明まで特別に出して喜んでいた、このことを紹介して質問しているんです。嘉陽議員の質問に問題があるのではなく、坂上社長の嘉陽議員に言ったことが真実かどうかにあるのです。嘉陽議員がうそを言ったので懲罰に付されたのではなく、坂上社長の言ったことを理由に嘉陽議員が懲罰に付されているということになっています。全く本末転倒です。地人の言ったことを理由に懲罰に付されるというのであれば、議員は調査活動に基づく発言はできないことになります。
教唆の問題についても同じ。嘉陽議員の質問は、坂上社長になぜ国土利用計画法の手続をしなかったのかと聞きますと、沖縄県の土木建築部の幹部職員に頼まれたので、親会社である光建設に移したのでその必要はないと思ったと話しています。その業者に名指しされた幹部職員に事実関係を確かめたところ、そのように受けとめられたかもしれないという発言をしていることも確かめました。これは法違反を幹部職員が教唆したことになり、許されない重大な問題でありますとなっています。この発言のどこにも無礼の言葉に該当する箇所はございません。
嘉陽議員は県の幹部職員を名指して、あなたは教唆犯だと発言したのではないんです。教唆犯は刑事犯罪の一形態ですが、教唆と教唆犯は全然意味が違うんです。教唆とは、人を唆すということであり、それ以上特別の意味があるわけではありません。教唆と言ったから懲罰だというのであれば、執行部や与党の気に食わぬ発言はすべて懲罰の対象にされることになり、まさに言論の圧殺につながります。
懲罰動議の提案者である崎浜議員は、嘉陽議員の言論のどの部分が無礼の言葉に該当するか指摘できないばかりか、西銘県政と業者との癒着とか、疑惑はますます深まるばかりであるとか、そういう文脈全体に反社会性あるいは反倫理性が一貫していると説明しています。
文脈全体が反社会性、反倫理性かは政見を異にすれば評価も違うもので、それを一方的に反社会性、反倫理性と決めつけ、懲罰理由とすることはまさに懲罰権の乱用であります。
判決事例にも明らかなとおり、無礼の言葉であるかどうかを判断するについて特に注意を要することは、議員の議会における言論の自由の尊重、これです。客観的に判断して無礼の言葉と解し得ない限り、主観的に文脈全体が反社会性、反倫理性だと解釈して懲罰を科することは絶対にできないのであります。それでもあえて与党の諸君が嘉陽君への懲罰を強行すれば、それは違法な懲罰処分として取り消しを免れないものであることを忠告しておきます。
国土利用計画法違反で光建設の坂上社長は、千葉県、神奈川県から相次いで告発されています。しかもかかる形式犯をあえて東京地検に告発したのはなぜか、いろいろ論評されています。
県も5月30日、新石垣空港用地の売買取引が国土利用計画法違反として光建設を含む3業者を県警に告発しています。
しかし、国土利用計画法違反ではないかと嘉陽議員がただしたのは昨年の9月議会でした。県は、個別の事例については答えられないと答弁を拒否したため、嘉陽議員は12月議会でも再度届け出の有無をただしましたが、答弁は同じ。嘉陽質問を重視した国土庁が県当局に異例の照会を行い、県は無届け売買を報告せざるを得なくなり、4月、国会での国土庁の答弁で初めて違法取引が公になったのであります。
ところが県は、業者の所有権移転無効の提訴を待って、1カ月余も後にやっと3業者を告発したのであります。
さらに、業者間の土地取引の届け出に対して、1平米当たり638円を5600円で取引するこの価格を妥当な価格であるということであえて不勧告通知まで出しているのであります。捜査の進展で真相は明らかになるでしょう。疑惑にふたすることなく徹底的な解明を県民は望んでいます。県民の負託にこたえて、今こそ議会はその使命を発揮しなければなりません。
委員会審議でも明らかのように、嘉陽議員に対する懲罰理由のないことは明々白々であります。懲罰の理由がないにかかわらず、しかも野党の委員がこぞって反対し、5対5の可否同数を外間懲罰委員長が裁決で懲罰決定を強行したことは重大であります。
御承知のように、今この問題は東京地検が捜査中であります。疑惑が明らかになったとき、嘉陽議員への懲罰強行は県議会の権威を著しく失墜するものとなります。また、疑惑解明にふたをした者として県民の厳しい糾弾は免れません。
民主主義にとって言論の自由は欠くべからざる要件です。議員の議会における発言は、行政当局に対する徹底批判を伴うのは当然であり、それがため与党議員や執行機関の感情を害することがあっても、その言動が議員として当然許された意見の発表や政策の批判であれば与党は正々堂々と受けて立つべきです。与党、野党を問わず、県政に疑惑ありとすれば、それをただすことは議員の責務であり議会の使命でなければなりません。
県政批判に対しては、多数による強制ではなく、言論によって争い、言論によって克服するものでなければなりません。それが議会制民主主義の常道です。嘉陽議員に対する懲罰はまさに懲罰権の乱用であり、議会制民主主義の否定であります。言論の府であるべき議会がチェック機関としての機能、役割をみずから放棄するもので、断じて容認できるものではありません。
懲罰に付されるべきは西銘知事だということを私は強調し、嘉陽宗儀君の懲罰に反対する討論を終わります。
○議長(平良一男君〕 西田健次郎君。
〔西田健次郎君登壇〕
○西田健次郎君 嘉陽議員に対する懲罰に賛成をする討論をさせていただきます。
これまでるる討論がございまして、努めて重複を避けるように討論を申し上げます。
まず、そこで最初に、懲罰動議が出たいきさつについて、野党の皆様方はいきなり出してきたんだということを厳しく批判をしておりましたけれども、これには経緯がありまして、まず、知事が休憩中に、嘉陽議員がこれまでやってきた言動について、あるいは自分の後援会、自分の身内に対する言動について、こんないいかげんなことを言っていいのかと、そういうことで日本人としての、日本人の文学的表現である腹切りというこれは一つの日本人の美学でもあるんですよね。
そういうことで、こんないいかげんなことでいいのかと、間違っておったらどっちか責任とるんだというような表現に対して、腹切りということだけを象徴的にとらえて議会がかなり大騒ぎになりましたんで、その後の議会運営委員会でこの問題については、一応一般質問も終わってから与野党で協議をしようという申し合わせをしたんです。翌日からはその問題については一般質問終了までは問題は出ないという申し合わせを議運でやっていながら、翌日から新聞がかなり騒いだものですから、野党の諸君は、この腹切り発言一本に絞って知事批判を展開をしてきたと。これは議運における約束事項の違反であります。その点、野党の皆様方は猛烈に反省をやるべきであります。この点は、これまで都度都度申し上げてまいりました。
そしてまた、私どもが嘉陽議員の発言中問題にした買い付け証明書なる公文書が出されて、それによって地価高騰を招いたと。それをまた県知事や県政が手助けをしてぐるになって癒着をしてやったんだというようなことが事実無根だということと、それから県庁幹部が国土法違反を唆すような教唆をした、その責任をどうするんだと、極めてゆゆしき問題が提起をされておりました。まさに刑事事件、刑事訴訟法にひっかかるようなことがこの神聖な議場で堂々と展開されているということを、彼は絶えず質問してきたものですから、これについては事実経過を明らかにしなければならぬと、こういうことで懲罰動議の準備をしたわ
けです。
〔議長退席、副議長着席〕
その懲罰動議については、短期時効制というのがあります、標準会議規則。懲罰に匹敵する言動があった場合に、それについてはその発言があった3日以内に問題提起をし動議を出さなければ無効になります。こういうことで私どもはぎりぎり3日間の中でこの懲罰動議を出したのでありまして、何もいきなり出したわけでもありません。
それから、野党の皆様方は、議運における申し合わせ事項を守らずに、ただ知事の腹切り発言を象徴的に批判することが、みずからに利する、ためがためのことをやったことについての、我々の批判も含めてこの動議が出たということをひとつ御理解を願いたいのであります。
それから、崎浜秀三議員が中心となって提案しました動議提出の理由についてはもうこれは省きましょう。
それから2点目に、100条調査委員会の設置についてかなり時間を割いて野党の皆さん方は主張しておられますけれども、我々はこういうことを申し上げてまいりました。100条委員会というのは、国会と比べてそれほど調査権、発言権を保障されてない地方議会において、証人を喚問するということで極めて厳しい権限を有するものでありまして、司法の権限を付与されている調査権を有するのは100条委員会の設置でございますから、これについては軽々しく設置をしてやってはならないんです。全く今回の件については、嘉陽議員が言っている買い付け証明が存在するのかどうか、あるいは教唆があったかどうか、こういうことが事実であれば、もちろん100条委員会を設置をしてその事実関係を調査すべきであります。
〔副議長退席、議長着席〕
しかし全く存在しない、うそ、でたらめ、つくり話に踊らされて、この県議会が軽々に100条委員会を設置するということはみずからの権威を失墜させることになりまして、こんな幼稚園生みたいなことはできませんよと。
だから、彼が言っている買い付け証明書なるものをこの場で持っているんだと提示をしたその証明書が出たとすれば、これは事は重大だから、その場合、いつでも私どもは100条委員会に応じましょうと、こういうことを申し上げてきたんです。
ですから、ありもしない話に踊らされてこの県議会が100条委員会を設置をして行動するということ、まさしく物笑いにしかならない。こういう軽薄な行動を県議会はやってはならないんです。少なくとも皆様方は選挙の洗礼を受けてきた。その権威と品位を持っている代表の皆さん方でございますから、こういう人たちがうそに踊らされて、うそに翻弄されて100条委員会をやるという軽はずみなことをしてはならないですよと、こういうことを我々はじゅんじゅんと皆さんに説得をして主張してきたわけです。その辺のことを理解していただかないと、余り軽薄な行動しちゃいかぬですよ。
それから、この問題で私どもは委員会でこういうことを申し上げました。前半は嘉陽議員やそれから共産党の皆様方は、あなた方自民党は、坂上社長にじかに会って、あるいは自分たちで具体的に調査をしないでおいて、おれが調査してきたらけちをつけるかと、こういう姿勢でございました。しかし我々は、少なくとも買い付け証明というものを出したという発生源、これは県にありますから、県でどんなに調べてもそういう買い付け証明という行政用語もないし、事実もない。
それから、伊良皆議員や伊集議員たちの努力によって坂上社長からじかに、この買い付け証明を出したということを言ったことはございませんと。正式に文書で押印をもらって、そういうことがないという事実を確認したんです。そうしましたら今度は話をすりかえて、132条には違反しないんだとか、100条という形で皆様方の主張がころころ変わっていったんです、追い込まれていって。この辺の事実も理解をしていただいて、100条問題については、最初からそういうふうな事実があれば我々は100条にいつでも応じます。これだけは皆さん、十分に理解していただきたい。
これからでも嘉陽議員が指摘するようなことが仮にあったと、まずないわけだけれども、もしあれば100条委員会に応じますよ。ユクシムニーにカチャーシー踊って100条委員会をつくるようなことをするなということだけは、あえて強く申し上げておきたい。
それから、これまで野党の皆様方は、事実に基づかないということで懲罰された事例はないと言っておりますが、これも勉強不足なのか、意図的に都合の悪いことを言ってないのかのどっちかです。北海道における最近の事例、青森、徳島、多数の事例がある。皆様方、都合のいいのだけえり分けて、ないないとそういうことを言ってきていることも指摘をしておきたい。
さて、今議会でこの一連の地方自治法に関する懲罰動議の問題のことで、皆様方は発言の封鎖と議会の自殺行為になるということを主張している。我々は、それを一言も言ったことはありません。ただ、嘉陽議員の問題の提起の仕方、発言の仕方についてはこれは議会議員としての良識、議会の権威として許容範囲を超えていますよということを注意を申し上げる、反省を求めなければならないということで動議を出したわけです。
さて、そのことで、議員の発言権封鎖について、共産党さん以外の人たちが言うなら私はわかります。共産党の皆様方は前科がたくさんあるんですよ。私が発言しているとき、物理的な力でもって発言封鎖したことは一度ならずある。(「間違っているから」と呼ぶ者あり) それは、間違っているからと言う。じゃ、あなた、そう言うなら、人が発言中に、代表質問中にその発言を物理的な力でもって阻止するという前科がるるある。累々としている共産党が、自分たちのことを、人に発言封鎖をするなという資格はないんだということだけをはっきり申し上げておく。
それから嘉陽議員は、これまで毎議会、委員会等で西銘県政は限りなく不正があるかのような事実を歪曲し、捏造し、県民に県政に対する不信感を助長させるようにと故意に、意図的に画策してきていると。嘉陽議員の宣伝のとおりとすると、一連の土地問題で、ある団体も含めて県政関係者から既に司直の手が入っておるべきであります。しかし司直が今云々されていることは国土利用法の問題であって、県政との癒着の問題で捜査されてないということだけははっきりしておりますから、これも問題をすりかえないでいただきたい。
確かに議会というのは言論の府であります。自由潤達な発言、論議は最大限に尊重されるべきであります。私ども、その点は絶えず主張してまいりました。また、私も都度都度議長職権でおしかりを受けた経験を持っている豊富な代表の一人でありますが、この代表民主制度のモットーの県民代表としてお互いが県の行政をチェックをして、あるいは提言をして批判することも大いにまたこれは許容されなければならないところであります。
しかし、それは常に正当性、事実という大前提があることを忘れてはなりません。事実無根のつくり話によって県政批判が、しかも刑事事件、刑事訴訟法に触れることが行われているんだということを断言するような発言がなされ、しかも内外に宣伝をされ、週刊誌の話題となることについては、これは既に議会の名誉の問題、それから当事者の人格の問題等々からして無原則に議会でそれを許容するわけにはまいりません。
さて、その中でさらにまた委員会のときに公開にしろということがございましたけれども、これはもう地方自治法第115条で委員会は非公開ということでございましたから、これは論じません。削除いたします。
次に、嘉陽発言についてこれまでいろいろ問題提起がございました。これも象徴的なのを二、三に絞ってやりましょう。たくさん、本当に何十とあるんですね、このうそ発言が。これを2つに絞りましょう。
まず、教唆云々について申し上げますが、先ほど宮里議員も教唆の云々について事実は全くないということを彼らは言っておりました。しかし嘉陽議員のこれまでの一連の発言の中では、国土法違反を唆すような教唆を、唆しを県庁の土建部の幹部がやったんだと、やったと聞いている。それの責任は西銘県知事や県政はどうとるんだという形に話が変わっていったんです。教唆をしたのではないかという程度の話ならわかりますよ。それが後半になりますと教唆をしたんだと。その責任、知事おまえどうするんだと。こういうふうな断定した形で県庁の幹部が教唆をして国土法違反をやれやれと言ったんだと、それどうするんだと、そういう質問でございましたから、これは教唆をした事実はない。はっきりしているのに教唆をしたんだ、したんだと決めつけてやるような発言でございましたから、これは県庁の執行部に対する重大な侮辱でもありますし、いかに議会といえどもこういうことは許されるものじゃない、これだけはっきり申し上げておきたい。
それから、買い付け証明の存在について松茂良議員からも、また伊良皆議員からも細かい説明がございました。
そこで、まず、こういうやり方は北谷浄水場と同じ手口で、癒着をして悪いことしているんだよということを委員会とか本会議とか、いろんなところでやってきましたね。彼がこの場で、知事の方に向かって、これが例の買い付け証明書だと大上段にやりました。これが例の買い付け証明だと、こういうことをやったんです、これは事実ですから。ビデオにもテレビにも、議事録にも残っていますよ。
その買い付け証明が、我々、あるのかなと実際の話心配しましたよ。まさかこんなばかな話ないだろうと。行政は組織で仕事をするから、組織で仕事をするところがこんな勝手な買い付け証明という公文書にないような文書を出すはずはないと。しかし彼はこれを持っていて、これだこれだとやったんだ。外間久子さんも、自分たち共産党は組織として事実持っているんだと、委員会に出しますよということで我々をおどしにかかった。本当に委員会で出てくるであろうという期待をしておりました。全くない。そうでしょう。
それで、北谷浄水場では買い付け証明出たと彼は断言した。委員会でも申し上げた。きょうも言っていました。しかし北谷浄水場のことについて、裁判記録、全部熟読させてもらいましたけれども、重大な彼のまた意図的なつくり話があります。
確かに北谷浄水場の裁判記録では、阿波根昌秀以下共産党反体制と思われる方々の15名の弁護士の先生方が原告になりまして、被告嶺井政治で裁判になりました。その中で坂下忠男、これはある宗教団体の大物ですよ。この坂下忠男さんが、裁判記録です、その中で前半は確かに嘉陽議員たちが言うように買い付け証明という言葉が何回か出てまいります。これはだんだんだんだん絞られていって、事情聴取の最後ですよ、これ。設問の148番目、これは後半です。前半は確かに買い付け証明の話がたくさんある。その後二、三冊あります。これがどんどんきて、これが後半、最後の締めくくりです。
そこで結論として、仲山忠克原告弁護士がこういう質問をしているんです。あなたが言っている買い付け証明書は、文書でもって買い取り予約書という形で県からもらっておりますねと。買い付け証明という話が出てきたけれども、話がもうちんぷんかんぷんになり交通整理をする、最後の締めくくりとして仲山原告がこの坂下社長に、問い148、その買い付け証明書云々と言っている文書は、買い取り予約書ということなんでしょうと。そうしたら坂下社長、はい、そのとおりでありますと。
買い取り予約書というのは、用地交渉の場合、地権者の要請で出している行政文書ですよ。これは税法上の控除を受けさせるとき、5000万か、それだけを地権者に対して非常に公共事業に協力しやすいような形で買い取り予約書というのを交渉に入る6カ月前に出す、本来なら。しかし地権者の立場を考えて契約二、三日前に出してあげて、地権者とそれから税務署に公共事業の用地をこれで買いましたよと。したがって5000万の控除をしてくださいという形で地権者の同意を得るために買い取り予約書が要請があれば、個人であれ企業であれ、行政機関は出しているんです。買い取り予約書は別におかしいことでも何でもない。だから北谷浄水場において買い付け証明書が出た出たと言って彼がやっていることは、全くの事実無根だと、この裁判記録にもはっきりしている。それでもまだあるんだあるんだと言っているから、うその上塗りをしているなと。きょう、まだ反省してないなと私は非常に残念であります。この事実をはっきり皆さん方、了解をしていただきたい。
それから、北谷浄水場については入りロでけ飛ばされたと、そうじゃないんです。ここに判決文がございます。(資料を掲示)
昭和60年の判決文でこういう文章です。
これは、本件について見るに、本件公金支出が殊さらに秘密裏になされたということはできないし、被告ら関係者が本件公金支出について明らかにすべき事項を殊さら隠ぺいした等の事情をうかがわせる事実は格別認められないから、県の住民である原告らとしては、公表された県広報中の浄水場用地買収に関する云々等々の関係書類において判明できるから、それでしっかり勉強せいと、そういう判決になっている。こういう判決を知らぬふりしておいて、あたかも北谷浄水場で買い付け証明を出して土地高騰をさせた云々という形で県政が業者と結託して高値買いを意図的にやってきたと、黒い疑惑があるんだと、紛れもなく間違
いないと。それで買い付け証明書は出たんだと、こういうことをやる。
こういうことが果たして許されるかと。こんな作為的なうそでもって県知事初め県の執行部の名誉を傷つけることを幾ら議会が発言権があるとか、議会の特殊な権能があるといっても、これは許容範囲を超えているんです。
さて、また委員会で私どもは当然買い付け証明書を本人は持っているとおっしゃったんですから、久子さんもあるから出しますよとおっしゃったから、これはもう出てくるなと期待して待っていました。出てきませんから、多分ほかの共産党以外の野党の方々も御迷惑したんじゃないかと思いますよ。野党の方々は、これは共産党はあれだけ言うから持っているだろうとついていって、あげく、ないでしょう。だから我々、審議がおかしくなっちゃったんですよ。だからむしろ私はあのとき、ほかの野党の皆様方に同情を禁じ得なかったです。かわいそうにな、引きずられてと思ったんですけれどもね。
それから、委員会の審査風景で、松茂良議員からもありましたけれども、私が質問した中でもどうしても理解できなかったのは、買い付け証明書を坂上社長に見せてもらったというならば、持っているといったら持ってないわけですから、あとは見たということに話は変わってきました。じゃ、見たというならば、だれが決裁していたのか。いつ決裁されているのか、押印されているはずだから。県知事の名前か部長のだれの名前でだれがいつこの書類を発行したのか。この程度のことは、自分は調査は事実に基づいて、見聞には基づかぬとあれだけチューバームニー、クサムニーしていた人ですから、当然それぐらいのメモをしているはずなんですよ。記憶もしているはずですが、それについては全くわかりません。覚えていませんでしょう。うそだから言いようがない、見てないんだから。幻の文書を見た見たと騒いでいるだけの話ですからね。それはできない。内容も言えない。だれの名前で出ているのかもわからない。だれあてに出たかも見てない、文書の内容もわかりませんと。こんな発言を、買い取り証明書が出た、買い付け証明書が出たという形で信用できるわけないんです、これは。もともと
ないんですから。
その辺が、委員会で明らかになって嘉陽議員のあの醜態ぶりというのは、本当に私は同じ選挙区の議員としてかわいそうになった次第であります。
それから嘉陽議員は、100条設置提案理由の説明の中でこんなことも言っていましたね。
自民党の諸君が、私の言った、調査もしないでこれはうそだというのは、私に対する重大な悔辱でありますと。これは、自由民主党の議員たちは、調査もしないで、ただ、うそだうそだと騒いでいると。こんなことを言って、これは我々自民党に対するこれこそまさに重大な侮辱なんですよ。我々は、誠意を持って一生懸命勉強して調査をし、いろんな作業をしてまいりました。そして自分のうそがばれて全くユクシムニーだということが、もうどうにもならなかったものですから、こういうことで逃れ、あとは132条に該当しない発言をしたということですりかえて逃げているのに精いっばい、汗をかいて逃げていきましたね。その辺の事情も県民各位は御理解をしていただきたいと思います。
そして、この土地売買のあっせん手数料として最後のこの方に謝礼2億円ほどにしてくれと云々という公文書、密約書が西銘知事と内原前市長と業者の間にあるんだと、こういうことも彼はこの文章ではやりました。この密約書も見せてくれと。見せない。ないから見せるわけないでしょう。
申し上げたいのは、本当に2億円の手数料を、謝礼金を渡すという密約書があるということならば、これは警察だって黙っていませんからね。しかもそれは皆様方が一生懸命応援してきた内原前市長が絡んでいるわけでしょう。それを2カ年前に嘉陽さんたちわかっていながら、去る市長選挙で内原さんの応援を一生懸命共産党の皆さんはやったわけでしょう。その連帯責任をどうするかというあれだ。そういうのはもっとまじめにやってほしいんですよ。
内原前市長と知事と業者が、2億円の謝礼をもらうという密約書があるんだとこう文書を出して、この文書があれば出していただきたい。それを出せない。当然、刑事事件になりますよ。それをわかりながら、また去る市長選挙では内原さんを一生懸命、革新のエ一スだと応援してこられた。そういう論理的矛盾、行動の矛盾を皆様方はやるから、県民からだんだん信頼を失っていくんですよ。これははっきりしているんですよね、その辺はね。
あと、もう大体結びにいきましょう。
そして、その買い付け、これはどうも一連の行動を見ていると、嘉陽議員の売名行為も含めて共産党さんの計画的、組織的な宣伝工作としてこの作業、この一連の問題が提示されてきたということを、これは私は断言せざるを得ません。
そして、132条のことにつきまして事実に反することで懲罰を受けたことないということでありますけれども、これはまた青森地裁の判決によりますと、特に同市長に対し詐欺、横領及び贈収賄ときわめつけた言葉は、確定裁判等の刑事訴訟事件手続等によって客観的認定された行為を示すのであれば格別、そうでない場合はとかく当該個人の名誉を不当に傷つけ、あるいは社会に無用の混乱を引き起こすおそれがあり、甚だ妥当性を欠くものと言わざるを得ないと。本件において原告の使用した前記言辞は、相手方を悔辱的にきわめつけるものであって、いたずらに論議を感情的なものにさせ、またかえって自由闊達な討議を封じ込めるおそれが大きく、議員として許された意見の発表、政策の批判の範囲を超え、地方自治法132条に言う無礼の言葉に当たると認められる。
昭和54年3月30日、青森地裁の判決で、言った言葉が無礼、直接でなくても、客観的にその人の人格を傷つける、相手を侮辱する、あるいは品位を傷つける、こういうものが妥当性を欠くものであるならば、これはもう懲罰に当たる、こういう判例があることを皆さんは知っているけれども知らぬふりしていただけの話でございましょうね。
それから、これは「行政」から出ている自治解説の中にありますよ。ここで無礼の言葉とは、会議に付された問題に対し自己の意見を述べ、あるいは批判するに必要な限度を超え、議員その他の関係者の正常な感情を反発させる言葉を意味すると言えよう。しかし具体的にどのような言葉がこれに該当するかは、言葉の内容だけではなく、その言動が行われるに至った動機、社会情勢、議場の状況、発言したときの態度を勘案し決定されるべきであり、最終的には議会が認定をするものであると。これは司法判断を超えた議会お互いの独自の判断として結論を出すべき問題でありますから、そういうことでこの132条についてはお互い議会の論議の中で結論を出していけばいいものであって、そこで132条に相当する、相当しないということを論議する必要はございません。
さらにまた、「赤旗」の8月7日、「自民が懲罰権乱用 当事者に事実確認せぬまま」という本当に無責任な記事が出ているんですよ。「「事実に反する発言」をあげていながら、肝心の光建設の坂上社長や県幹部に会って嘉陽発言の真偽を直接、確かめないまま、「事実に反する」と一方的に断定していることが判明。日本共産党など野党側」云々とあります。これなんかはまさしく我が党に対する最大の悔辱そのものであります。
それから、今回の一連の中で、結びになりますけれども、これまでの討論、本会議、委員会等での経緯からして、焦点となっている買い付け証明の発行と、県庁幹部による教唆の事実は全くの事実無根のでっち上げ、歪曲によるつくり話であることが明白になっております。思想信条の相違があれ、何人も否定できないことは明らかであります。
地方自治法第132条に相当する、しないとの反論は、野党の諸君は主張しておりますけれども、意図的に計算された虚偽の、嘉陽発言はまさに事実無根、邪推したつくり話であって、自己の売名行為と共産党さんの宣伝工作の戦術によるものだという形で我々は断定せざるを得ません。
それでこのことは、発言の大前提となる正当性、事実の存在ということを無視した発言であるので、当然第132条違反として処断されるべきものであって、それに当然重大な反省を求めざるを得ないのであります。
そこで私どもは、いろいろな週刊誌あるいは県内マスコミ、それから「プレイボーイ」、「財界」、いろんな週刊誌におもしろおかしく知事の顔写真が出たりいろんなことして、新石垣空港予定地の移転は環境問題が原因ではなく、当初からの予定だった、いわゆる代替地をめぐる計算された移転であって、サンゴが問題じゃなかったなんて、「財界展望」などで記事が出ています。そういう記事が出ている。(「だれが書かしたんだ」と呼ぶ者あり) それを書かせたのはだれだったけなあ。「プレイボーイ」の記事なんかも恥ずかしくて読めないです。
その他たくさんの週刊誌等々でこれだけ騒がれていることは、県知事の名誉あるいは県知事の悔辱、県政に対する不信感を助長することだけじゃなくて、そういうことを軽々にやっているお互い議会の権威、品位を損ねることになりますし、県民に対するこれは最大の悔辱にもなります。こういうことを沖縄県は、県民の信任を受けて県の行政をつかさどっている知事がそんなことをやっているんだと。それを県議会も一緒になってワーワーと。こういうことを内外に宣伝するということは、ウチナーンチュのプライドを傷つけることになりますよ。余り自分たちの売名行為、党勢拡張のためにといえども、これはまさに反県民的、反倫理的であると断ぜざるを得ません。
そこで、今回の嘉陽議員のうそつき発言は、極めて悪意に満ちたでっち上げによる西銘県政攻撃、あるいは来るべき知事選へ向けての意図的な発言であり、まさに平成元禄一人猿芝居であります。
そこで結びに、我が党が今回の懲罰動議のことについてコメントを発表しておりますから、それを紹介して賛成討論を終わります。
今回の懲罰動議提出の理由は、1、嘉陽議員と共産党は、西銘県政が公共用地の取得に際し地権者に、その土地を近く県が購入するから土地を転がさせておいて高値買いをし利得を山分けしている。その保証のため、購入以前に買い付け証明なる公文書を発行し、土地高騰を意図的にさせていると断定をしていること。
2つ目、県幹部が土地高騰や国土利用法違反を唆す教唆をしていると断定をし、議会内外での大々的に執拗に宣伝をしてきている。
当初、県政与党の我々もそのような事実が存在するならば、知事選挙や向後の県政運営に重大な決意で対処することを知事、県首脳に言明した上で調査と勉強を深めてきた。
議会の権能、議員の職責と使命を果たすための質疑、質問、討論は十分過ぎる保障をされるのは理の当然であるが、しかし事実無根のつくり話によって刑事犯罪が行われていると騒ぐ姿勢は、県政担当者の人格、名誉を著しく傷つけるばかりか、いたずらに県行政への不信感を助長させるとともに、昨今の困難な条件下で公共事業用地確保に真摯に取り組んでいる県職員の士気を損ねるものであり、まさに反倫理的、反社会的、反県民的言動である。神聖な議場で嘉陽氏は文書を示し、この文書が例の買い付け証明書だと騒ぎ、加えて共産党同僚議員が、共産党は調査によって事実持っている。委員会で提出しますと公言していながら、懲罰委員会の審議の中では嘉陽氏は、買い付け証明なる重要文書の実在を証明し得ず、見たという文書の記載内容すら説明できない醜態を余儀なくされたのである。関連業者も共産党の主張していることを明白に否定をしており、さらに教唆の事実も存在しないのである。相場の十数倍云々も、農振地域とリゾート開発地の土地問題を単純比較している混同があり、全国規模のリゾート地の地価暴騰の背景も考慮をすべきであります。
議会の良識、議員の品性を逸脱する言動は過去の懲罰の判例にもあるように、嘉陽議員や共産党は猛省をすべきであります。いかに政治家の売名行為や党勢拡大をねらう政治ショーとはいえ、社会常識の許容範囲を超える言動を議員の発言権を云々にすりかえることは言いわけにすらならないのであり、県民各位に真実を十二分に理解をしていただきたい。
事実か否かのことで与野党に見解が分かれるのもおかしいことであります。買い付け証明や教唆の事実があれば、我々は即座に100条委員会に応ずることを表明してまいりました。事実無根の騒ぎに踊らされ、軽々に議会が対応することが議会の尊厳を低下させることを付言をしておぎます。
これが我が党が出した今回の一連のことに対するコメントでございました。篤と御拝聴していただきましたので、全議員の了解をいただきまして嘉陽議員に反省を求めて、次の議会からは議会の権威、品位を失墜させない言動の議会活動ができるものと期待をして討論を終わります。
○議長(平良一男君) 高良政彦君。
〔高良政彦君登壇〕
○高良政彦君 去る7月2日の本会議における新石垣空港に関する嘉陽議員の発言に対する懲罰に対し、公明党県議団を代表し反対の討論を行います。
まず、懲罰の理由として、発言の内容に事実に反するものがあり、したがって地方自治法132条の規定、いわゆる議会における議員の不穏当発言禁止の規定、さらに会議規則第97条、議員の議会の品位の保持義務に反するものとして懲罰にかけようとするものであります。
懲罰の争点となった発言は、癒着だとか疑惑、そして県幹部職員の教唆等新石垣空港の建設に伴う県の土地買収について県が業者に土地の買い付け証明書を発行したか否か等でありました。
以上の懲罰理由に対し、我が会派は、次の観点から反対をするものであります。
1つには、疑惑とか癒着という発言については、白保海上案がアオサンゴ保護の問題にぶつかったとき突如としてカラ岳東案が発表され、その過程においては県民、とりわけ最もコンセンサスを得なければならない地元住民は全く蚊帳の外に置かれた状態で事が決定されているという事実。余りにも突如としか言いようのないカラ岳東への変更には、多くの県民が疑問と不信感を抱いていることは事実であります。
このことに対し当局は、カラ岳東案は他の案との技術的比較と検討の結果ではなく上から決められたと議会で答弁をしており、また西銘知事も7月2日の本会議で、上の方から日本政府の方からカラ岳に移せということを提言されたときには本当にがっかりしたと答弁をしております。
これら一連の事象を見たとき、また国土利用計画法違反で業者を県は告発せざるを得なくなったというこういう背景、状況等一連の事象を見たときに、議員ならずとも多くの県民が行政当局に対し不信感を抱くのは当然であり、これを県民の前に明らかにするのは議会の当然の責務であります。
したがって、このような背景を考えたときに行政を厳しくチェックする議会議員の立場から、疑惑とか癒着という発言があっても決して不自然ではなく、ましてや不穏当発言には当たらないと考えるものであります。
2つ目の理由は、地方自治法132条で言ういわゆる不穏当発言や、会議規則第97条に該当する品位の保持義務等に該当する発言というものは極めて限定がされているということであります。
本県議会及び他府県の議会の事例を見ましても、「犬」だとか「詐欺師」だとか明らかに発言者の言葉そのものが聞く者をして不快感を抱かしめ、客観的に見て明らかに品位を下げるものに限定がされております。
青森地裁等の判例が引用されておりますけれども、これとて明らかに言葉そのものに相手を悔辱するものを含んでおります。
3つ目の理由は、懲罰に値する発言とは、発言の内容が院外における発言者の言動の内容まで吟味されるものではないと考えます。
買い付け証明書の発行についての発言内容について事実に反し疑問があるのであれば、やはり調査資料に基づいて議会において堂々と反論をすべきであります。また付議された案件について、あるいは姿勢そのものを批判する範囲内においてたとえそれが痛烈な言葉であったとしても、行政に対する批判の範囲内と考えられる言葉であれば懲罰の対象とはならないという幾つかの判例もあるわけであります。
また、議員の議会における発言でその内容が事実か否かで懲罰にされた事例は、過去5年間の他府県の議会では全くないのであります。
4つ目の理由は、議会は慣例を重んずるところであります。今までの慣例からすれば、議員の発言に問題があれば本人あるいは議長から発言取り消し等の手順を踏んでいるわけでありますが、懲罰問題は慎重に取り扱うべきなのに、この慣例を破っていきなり強引に懲罰に持っていったことに対し、我が会派は、このような事の処理の仕方は議会制民主主義をみずから破壊しかねない危険きわまりないものと強く懸念するものであります。
以上の観点から今回の懲罰には反対をするものであります。
○議長(平良一男君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。(「議長、休憩」と呼ぶ者あり)
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後4時45分休憩
午後5時 3分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
この際、申し上げます。
説明員として出席を求めた副知事宮城宏光君は、別用務のため再開後の会議に出席できない旨の届け出がありました。
なお、環境保健部長前村善徳君は、別用務のため再開後の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として環境保健部次長金城毅君の出席を求めました。
また、本日の午後の会議に出席している教育委員会委員長職務代理者赤嶺千尋君から、別用務のため午後5時以降の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、教育委員会委員長宜保好彦君の出席を求めました。
○議長(平良一男君) これより嘉陽宗儀君に対する懲罰の件を採決いたします。
本件に対する委員長の報告は、委員会起草による陳謝文により嘉陽宗儀君に陳謝の懲罰を科することであります。
お諮りいたします。
本件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(平良一男君) 起立多数であります。
よって、嘉陽宗儀君に陳謝の懲罰を科することは可決されました。
嘉陽宗儀君の入場を求めます。
〔嘉陽宗儀君入場〕
○議長(平良一男君) ただいまの議決に基づき、これより嘉陽宗儀君に懲罰の宣告を行います。
嘉陽宗儀君に陳謝の懲罰を科します。
これより嘉陽宗儀君に陳謝をさせます。
嘉陽宗儀君に陳謝文の朗読を命じます。
○嘉陽宗儀君 私に対する懲罰が決定されたことは、まことに遺憾であります。
私の質問は事実であり、それを否定し陳謝するという懲罰に応じることはできません。いずれ真実は県民の前に明らかにされ、この懲罰が不当なものであったことが歴史的に必ず証明されるでしょう。それを期待して懲罰に応じないことを明らかにします。
○議長(平良一男君) ただいまの議長の宣告に対し、嘉陽宗儀君から陳謝の意思のない旨の言明がありました。
○崎浜秀三君 議長、休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後5時7分休憩
午後5時12分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
ただいま崎浜秀三君外5人から、地方自治法第135条第2項の規定により嘉陽宗儀君に対する懲罰の動議が提出されました。
休憩いたします。
午後5時12分休憩
午後10時15分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
○島袋宗康君 休憩願います。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後10時15分休憩
〔野党議員退場〕
午後10時17分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
この際、お諮りいたします。
嘉陽宗儀君に対する懲罰の動議を日程に追加し、直ちに議題とすることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
よって、この際、本動議を日程に追加し、直ちに議題とすることに決定いたしました。
○議長(平良一男君) 嘉陽宗儀君に対する懲罰の件を議題といたします。
この際、提出者の説明を求めます。
崎浜秀三君。
〔崎浜秀三君登壇〕
○崎浜秀三君 提出者の御説明を申し上げます。
先ほど動議提出のときに申し上げましたように、嘉陽宗儀君に対する懲罰については、6月議会の継続審議として懲罰委員会で決定したことは、先ほど委員長から御報告のあったとおりであります。
この委員会においては、嘉陽宗儀君の7月2日における発言の中における事実関係、地方自治法に照らしての違法性、さらには関係法規の構成要件等について十分に審議をされております。その結果、先ほど本会議において嘉陽宗儀君の懲罰の決定を議決したわけでありますけれども、嘉陽君はこれに服しないと、このように態度を表明したところでございます。
そういうことで、議員は、懲罰に服するということは法律上の当然の義務であります。その義務に服しないということは、すなわち地方自治法に違反するということであると同時に、本議会の権威を失墜させる、そういうことになるわけでありまして、そういうことで再度嘉陽君を懲罰に付すべきであるという観点で動議を提出した次第であります。
以上であります。
○議長(平良一男君) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
懲罰の議決については、会議規則第105条の規定により委員会の付託を省略することができないこととされております。
よって、本件は、総務企画委員会に付託いたします。
休憩いたします。
午後10時21分休憩
〔野党議員入場〕
午後10時23分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
日程第4 甲第1号議案から甲第7号議案まで、乙第1号議案から乙第12号議案まで及び認定第1号から認定第3号までを議題といたします。
知事から提案理由の説明を求めます。
西銘知事。
〔知事 西銘順治君登壇〕
○知事(西銘順治君) 平成2年第4回沖縄県議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案について、その概要及び提案の理由を御説明申し上げます。
今回提出いたしました議案は、予算議案7件、条例議案6件、議決議案6件及び認定議案3件の合計22件となっております。
では、甲第1号議案から甲第7号議案までの予算議案について御説明申し上げます。
平成2年度当初予算は、重点施策を中心に施策、事業の厳しい選択を行うとともに、経費の徹底した節減合理化を図るなど財政の重点的、かつ効率的な配分に努め、節度ある財源運営を行うことを基本として通常予算を編成してまいりましたが、今回提案いたしました補正予算は、当初予算成立後の事情変更等により緊急に予算措置を必要とする事務、事業及び国庫支出金の内示増による追加等が生じたため所要の措置を講ずることといたしました。
まず、甲第1号議案平成2年度沖縄県一般会計補正予算(第1号)は補正総額31億3374万7000円で、これを既決予算額4431億7000万円に加えますと改予算額は4463億374万7000円となります。
歳出予算補正の主な項目について御説明申し上げます。
1 国庫支出金の内示増等による普通建設事業費の補助事業費は9億5145万8000円を計上しておりますが、その主な事項は、
学 校 建 設 費 3億52万2000円
施 設 整 備 費 2億8203万6000円
農 地 集 団 化 事 業 費 9554万4000円
緊急地すべり 対策事業費 7460万円
老人福祉施設整備費 5910万3000円
となっております。
2 単独の普通建設事業費の追加額は6億1394万1000円で、その主な事項としては、
全国植樹祭開催準備費 1億2817万6000円
県 庁 舎 建 設 費 6225万円
県 民 文 化 振 興費 4074万3000円
道 路 橋りょう調査費 4600万円
交通安全施設費 5008万8000円
となっております。
3 災害復旧事業費については1億2488万3000円で、その内訳は林道施設災害復旧費6068万2000円、県立学校施設災害復旧費6420万1000円となっております。
4 失業対策事業費は1792万5000円を計上しておりますが、これは、自立引退者の増に伴う特例給付金の補正であります。
5 受託事業費1979万5000円は、首里城城郭発掘調査の追加によるものであります。
6 その他の経費に対する追加額は14億574万5000円で、その主なものとしては、
物 件 費 7億4058万円
維 持 補 修 費 2056万3000円
補 助 費 等 6億 530万2000円
投資及び出資金 800万円
積 立 金 3000万円
繰 出 金 130万円
となっております。
7 今回の補正総額31億3374万7000円の財源といたしましては、
地 方 交 付 税 9億2800万円
国 庫 支 出 金 7億 524万5000円
繰 越 金 8億5580万円
諸 収 入 2億4046万5000円
県 債 2億6300万円
そ の 他 1億4123万7000円
をもって充てることといたしております。
次に、債務負担行為の補正について御説明申し上げます。
今回の債務負担行為の補正は施設整備費の追加で、県立沖縄高等養護学校の校舎建築に必要な補正であります。
地方債の補正について御説明申し上げます。
今回の地方債の補正は、高等学校施設整備事業ほか4事業について変更することとしております。
次に、特別会計予算及び公営企業会計予算の補正について御説明申し上げます。
甲第2号議案平成2年度沖縄県下水道事業特別会計補正予算(第1号)は、流域下水道幹線と勝連町の流域関連公共下水道管渠との合併施行に必要な経費の補正を行うものであります。
甲第3号議案平成2年度沖縄県中城湾港(新港地区)臨海部土地造成事業特別会計補正予算(第1号)は、中城湾港(新港地区)の第2次埋立区域内の塩田跡地の購入に必要な経費の補正であります。
甲第4号議案平成2年度沖縄県宜野湾港整備事業特別会計補正予算(第1号)は、宜野湾港整備事業の建設工事等のために借り入れた起債の元金繰り上げ償還に必要な経費の補正を行うものであります。
甲第5号議案平成2年度沖縄県産業振興基金特別会計補正予算(第1号)は、産業振興基金補助金のうち地域産業活性化事業等に必要な経費の補正であります。
甲第6号議案平成2年度沖縄県中城湾港(新港地区)整備事業特別会計補正予算(第1号)は、建設工事等のために借り入れた起債の利子償還に必要な経費であります。
甲第7号議案平成2年度沖縄県病院事業会計補正予算(第1号)は、建設改良工事の追加に伴い所要の補正を行うものであります。
次に、予算以外の議案のうち、乙第1号議案から乙第6号議案までの条例議案について御説明申し上げます。
乙第1号議案沖縄県税条例の一部を改正する条例は、地方税法の一部が改正されたこと等に伴い個人県民税、不動産取得税、自動車税及び自動車取得税について所要の改正を行うものであります。
乙第2号議案沖縄県工業開発地区等における県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例は、過疎地域振興特別措置法が失効し、新たに過疎地域活性化特別措置法が制定施行されたことに伴い過疎地域内における事業税、不動産取得税及び固定資産税について引き続き課税免除の措置を講じるために条例を改正するものであります。
乙第3号議案沖縄県情報公開条例は、県政への県民参加を促進し、県民の県政に対する理解と信頼を深め、開かれた県政をより一層推進するため情報公開制度を創設するものであります。
乙第4号議案旧沖縄県県吏員恩給規則の規定による恩給受給権者に対する恩給支給条例の一部を改正する条例は、恩給法等が一部改正され恩給年額が改定されたことに伴い、当該改正に準じて条例を改正するものであります。
乙第5号議案沖縄県世帯更生資金貸付事業の補助に関する条例の一部を改正する条例は、低所得者等に対する資金貸付事業を拡充するために所要の改正を行うものであります。
乙第6号議案沖縄県立高等学校等の設置に関する条例の一部を改正する条例は、県立沖縄高等養護学校の設置及び県立具志川商業高等学校の位置の表示の変更のため条例を改正するものであります。
次に、乙第7号議案から乙第12号議案までの議決議案について御説明申し上げます。
乙第7号議案は、白浜トンネル新設工事の工事請負契約の締結に当たり、その工事費が3億円以上となるため議会の議決を求めるものであります。
乙第8号議案の「土地の取得について」は、県立沖縄高等養護学校用地の取得について取得価格が7000万円以上、かつ取得面積が2万平方メートル以上となるため議会の議決を求めるものであります。
乙第9号議案「土地所有権保存登記抹消登記手続等請求控訴事件の和解等について」は、係争中の訴訟事件について和解し、及び県有地を譲渡するために議会の議決を求めるものであります。
乙第10号議案「平良市と宮古郡下地町との境界変更について」は、平良市と下地町からの申請に基づき市町の境界を決定するために議会の議決を求めるものであります。
乙第11号議案は、県道の路線を認定するために議会の議決を求めるものであります。
乙第12号議案「急傾斜地崩壊対策事業等の執行に伴う負担金徴収について」は、当該事業に要する経費の一部について、利益を受ける関係市町に負担させるため議会の議決を求めるものであります。
最後に、認定第1号から認定第3号までの認定議案について一括して御説明申し上げます。
これらの議案は、いずれも地方公営企業法第30条第4項の規定により、平成元年度公営企業会計の決算について議会の認定に付するものであります。
以上、今回提出いたしました議案について、その概要及び提案の理由を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重なる御審議の上、議決を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○議長(平良一男君) 知事の提案理由の説明は終わりました。
○議長(平良一男君) 日程第5 陳情第156号、第161号の3、第166号及び第170号の付託の件を議題といたします。
お諮りいたします。
ただいまの陳情4件につきましては、米軍基地関係特別委員会に付託の上審査することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情4件につきましては、米軍基地関係特別委員会に付託の上審査することに決定いたしました。
○議長(平良一男君) この際、お諮りいたします。
議案研究のため、明9月26日から30日までの5日間休会といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
よって、明9月26日から30日までの5日間休会とすることに決定いたしました。
○議長(平良一男君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
次会は、10月1日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後10時34分散会
前発言
次発言
19900401000010