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平成 4年(1992年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 7月 3日
第 4号 7月 3日
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議事日程第4号
平成4年7月3日(金曜日)
午前10時開議
日程第1 選挙管理委員及び補充員の選挙
日程第2 代表質問
日程第3 乙第17号議案から乙第19号議案まで(知事説明)
日程第4 一般質問
日程第5 乙第1号議案、乙第2号議案及び乙第4号議案から乙第19号議案まで(質疑)
午後7時13分延会
○議長(儀間光男君) これより本日の会議を開きます。
日程第1 選挙管理委員及び補充員の選挙を行います。
お諮りいたします。
選挙の方法につきましては、地方自治法第118条第2項の規定により指名推選によりたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(儀間光男君) 御異議なしと認めます。
よって、選挙の方法は、指名推選によることに決定いたしました。
○議長(儀間光男君) お諮りいたします。
指名の方法につきましては、議長において指名することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(儀間光男君) 御異議なしと認めます。
よって、議長において指名することに決定いたしました。
○議長(儀間光男君) まず、選挙管理委員を指名いたします。
選挙管理委員には
照喜納良三君 冨名腰朝栄君
新嵩十七三君 川崎 正剛君
以上の諸君を指名いたします。
お諮りいたします。
ただいま議長において指名いたしました諸君を、選挙管理委員の当選人と定めることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(儀間光男君) 御異議なしと認めます。
よって、ただいま指名いたしました
照喜納良三君 冨名腰朝栄君
新嵩十七三君 川崎 正剛君
以上の諸君が選挙管理委員に当選されました。
○議長(儀間光男君) 次に、選挙管理委員の補充員を指名いたします。
選挙管理委員の補充員には
第1位 阿波連本伸君 第2位 仲程 長宗君
第3位 屋宜 正一君 第4位 國吉 眞榮君
以上の諸君を指名いたします。
お諮りいたします。
ただいま議長において指名いたしました諸君を、選挙管理委員の補充員の当選人と定めることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(儀間光男君) 御異議なしと認めます。
よって、ただいま指名いたしました
第1位 阿波連本伸君 第2位 仲程 長宗君
第3位 屋宜 正一君 第4位 國吉 眞榮君
以上の諸君が選挙管理委員の補充員に当選されました。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午前10時42分休憩
午前10時44分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
この際、申し上げます。
知事から発言を求められておりますので、これを許可します。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 各議員の同趣旨の質問に対する答弁につきましては、誠心誠意努めてまいりましたが、今後さらに慎重を期したいと思いますので、御理解を賜りたいと思います。
○議長(儀間光男君) この際、申し上げます。
昨日の会議は、都合により3人の代表質問を残したまま延会いたしました。
よって、本日の代表質問は、お手元に配付の代表質問通告表の順位によって5番から順次行うことにいたします。
○議長(儀間光男君) 日程第2 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
金城繁正君。
〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 質問の前に、今回の厳しい県議選挙の中で御当選されました議員の皆さん方に心からお祝いを申し上げます。
県政クラブを代表しまして質問を行います。
まず第1に、県議選挙の結果と今後の県政運営について伺います。
1990年代の後半の県内政局を占う6月7日の第6回の県議会議員選挙は、大田革新県政が誕生して後の初の県議選挙で、保革の勢力分野がどう変わるか注目されました。
選挙の結果、革新が21議席に対し保守が27議席を獲得、圧勝し、大田県政に対する県民の審判が下されました。今後の県政運営に当たっては、大田知事の政治姿勢のあり方にかかってくるものだと考えます。
大田知事が就任して1年半が経過し、その間、大田知事は県政運営に当たって基地問題を初め老人医療無料化、消費税の転嫁廃止、国民健康保険税の大幅軽減問題等について不明確な点が多く、公約すべてが実行に移すとき摩擦を生ずるものばかりであります。このことが議会運営においていろいろな問題を醸し出して、議会空転まで起こしたこともしばしばあります。さらに政府との協調に欠け、行政の混乱が懸念されるものであります。今後、県政運営に当たって知事の基本的な政策について、この機会に県民の前で明確にすべきであると考えるものであります。
そこで、次の諸点について知事の責任ある御答弁を賜りたいと思います。
1、県議選挙の結果について知事の所見を賜ります。
2、今後における県政運営の議会対策についてどのように考えておられるかお伺いいたします。
3、大田知事の選挙公約13項目にわたる基本政策の施策体系がどのようになっているかお伺いします。
4、大田知事の選挙公約の実行できたものと未実行のものがどのようになっているか、主たるものについて伺います。
第2に、第3次沖縄振興開発計画素案について伺います。所見を述べながら質問に入ります。
沖縄が本土復帰して20年が経過しました。この間、第1次及び第2次沖縄振興開発計画の本土との格差是正と自立的発展への基礎条件の整備という目標を達成するために道路、港湾、空港、学校などの社会資本の整備が強力に推進されてきました。しかしながら本県には、米軍基地の問題を初め水資源の開発問題、環境問題、医療福祉充実、産業の振興、雇用失業問題など長期にわたって解決しなければならない多くの課題を抱えております。
このような課題を解決促進するためには、今こそ県民の英知と力を結集する必要があると考えます。
私は、21世紀に向けての県づくりの進路は、本県の地域特性を積極的に生かし、各面にわたる本土との格差を是正し、自立的発展の基礎条件を整備するとともに、広く世界に開かれた人材の豊かな地域社会の形成を目指して、平和で活力に満ちた県づくりであると考えるものであります。
特に農業問題について取り上げますと、昨今の沖縄農業を取り巻く内外の諸情勢は厳しく、平成2年4月にパイナップル調製品の輸入の自由化、平成3年4月に牛肉の自由化が実施され、さらに基幹作物であるサトウキビ価格の引き下げされたほか、平成6年度から品質取引移行への状況のもとで取り組むべき多くの課題があります。また亜熱帯性気候を生かしたところの本土出荷向けを中心に拡大してきた野菜、花卉等園芸作物についても、今後は産地間の競争がより激化するものと考えます。
このような課題を解決するためには、今こそ農業政策に思い切った施策の展開が必要であると考えます。
以上、所見を述べて次の諸点について質問をいたします。
1、第2次振計と第3次振計素案の相違点についてどのようになっているか伺います。
2、米軍基地の整理縮小と跡地の有効利用に関連して軍用地の転用基本計画の策定が示されておりません。また軍転特措法との関連について伺います。
3、農業問題について、その1、農畜産物の自由化の実施に伴うところの対応策がどのようになっているか伺います。
その2、亜熱帯農業の生産振興を図るためより積極的な研究機関、熱帯花卉あるいは果樹等の研究機関の設置充実強化が強く求められております。このことについてどのように考えておられるか伺います。
4、交通体系の整備について、地域特性を生かした南の拠点の形成を図るため那覇空港の沖合展開をより積極的に取り組むべきだと考えますが、これについて伺います。
5、都市、農山漁村の総合整備と生活環境施設等の整備については、都市と農山漁村の交流施設や観光リゾート施設等の整備とされておりますが、農山漁村の定住化と地域の活性化を図るため公共施設、特に文化施設等の地方分散化を積極的に展開すべきと考えるものでありますが、これについて伺います。
6、市町村における基本構想、基本計画、総合計画との整合性についてどのように考えておられるか伺います。
7、4地区の圏域別開発の方向を示しておりますが、現在進行中の広域市町村圏との整合性についてどうなっておりますか伺います。
第3に、新石垣空港建設問題について伺います。
その1、新石垣空港の建設位置については、これまで候補地として冨崎野案、宮良案、カラ岳東側案3案であったのに対し、ここにきてカラ岳周辺部(陸上部)案が上がってきたことは、どういう経緯があってこのようになったか、具体的な説明を求めるものであります。
2、今後、建設位置の候補地は4案が検討されますか。また、今後の対応策と候補地の決定はいつごろになるか明確なる御答弁を願いたいと思います。
以上です。答弁によって再質問をいたします。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午前10時57分休憩
午前10時58分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 金城繁正議員の御質問にお答えいたします。
まず、県議選の結果と今後の県政運営に関連いたしまして、県議選の結果について知事の考えを伺いたいという趣旨の御質問でございます。
このたびの県議選挙の結果につきましては、県政の問題を含め厳粛に受けとめているところであります。
2番目の、今後の県政運営と議会対策についてどのように考えているかという御質問にお答えいたします。
今後の県政運営に当たっては、日本国憲法の精神を基本に据え、公正、公平な姿勢を堅持し、第3次沖縄振興開発計画の策定を初め山積する諸課題の解決のため誠心誠意取り組んでまいりたいと考えています。また県民福祉の向上のためには、与野党を問わず議員各位と協調して県政運営を進めるべきだと考えておりますので、皆様にはなお一層の御理解と御協力を賜りたいとお願い申し上げます。
次、選挙公約として掲げた13項目の基本政策の施策体系はどのようになっているかという御質問にお答えいたします。
私は、日本国憲法の理念に基づき公正、公平で県民本位の開かれた県政運営を基本として、平和な沖縄県をつくるため選挙公約として基本政策「21世紀にむけた新しい沖縄」を発表いたしました。
その主な内容を要約して申し上げますと、1番目に、平和憲法を暮らしに生かし、国際平和に貢献する県政の確立、2番目に、米軍基地の撤去と戦後処理問題等の解決の促進、3番目に、自然を守り緑豊かな県土づくり、4番目に、社会基盤の整備と国際交流の拠点都市の形成、5番目に、沖縄の特性を生かした産業の振興発展、6番目に、離島過疎地域の振興、活性化、7番目に、職業の安定とゆとり、豊かさのある生活の実現、8番目に、県民の命と暮らしを守り潤いのある心豊かな社会づくり、9番目に、医療及び福祉施設を拡充し豊かな老後生活の保障、10番目に、歴史、文化の継承発展とスポーツの振興、11番目に、人材の育成と民主教育の推進、12番目に、女性の社会的地位の向上と母性の保護、13番目に、県民のための県政を確立し、国際社会に貢献できる沖縄県づくりとして13項目を掲げております。
私は、今後の県政運営に当たっても、これらの公約の実現に向けて最大限の努力を傾けてまいる所存でございます。
4番目の御質問でございますが、知事の選挙公約で実行できたものとまだ実行できないものはどうなっているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
選挙出馬の際、発表いたしました公約について説明いたします。
これらの公約の中には速やかに実施に移せるもの、時間をかけて検討しなければならないもの、また国との調整を図り理解と協力を得ながら対処しなければならないものがあると認識しておりますが、御指摘の件については、現在のところ次のとおりであります。
まず、公約したもので実行できたものを若干例示いたしますと、離島僻地における在宅福祉サービスの充実、授産施設の拡充、土地価格の高騰防止、海水淡水化、龍潭のしゅんせつ、県立病院の機能強化、女性政策室の設置、情報公開制度、先島民放テレビ難視聴解消事業、文化振興基金の創設、沖縄振興開発特別措置法の改正延長、沖縄の復帰に伴う特別措置法の延長などがあります。
また、公約して調査費等で着手したものを例示しますと、ケラマ空港の第3種空港としての整備、武道館、平和のイシジ、博物館、公文書館等の建設、国際交流会館の建設、厚生年金の格差是正などがあります。
なお、公約してまだ実行できていないものにつきましては、非核沖縄県宣言、慰霊の日を県民の休日に発展、首里城地下司令部壕の復元、日米安保条約の廃棄、新那覇空港の建設、貿易センターの誘致等がございますが、公約して未実行のものにつきましては、着実に誠意を持って一つ一つ実現していくことに最大限の努力を注いでいく所存でありますので、御理解を賜りたいと思います。
次に、第2次振計と第3次振計の相違点、これは第3次振計素案でございますが、その相違点はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
2次振計と3次振計県素案の相違点につきましては多岐にわたるので、ここではその主なものについて申し上げます。
まず第1点目は、計画の構成上の相違点であります。
圏域別計画については、これまで第2章振興開発の基本方向の中の一項目として位置づけられておりましたが、今回、これを第4章圏域別開発の方向として新たに章立てし、若干ボリュームをふやして各圏域別の特性を生かした開発整備の方向をより具体的に示すことといたしました。これは地域住民により身近に振興開発計画を感じていただくための新しい試みであります。
次に、大きな相違点の第2といたしまして、計画の内容に関するものがございます。
すなわち、計画の基本目標についてでありますが、第3次振計県素案におきましては、これまでの第1次、第2次振興開発計画の基本目標でありました「本土との格差是正」及び自立的発展の基礎条件の整備」に加えて、新たに「特色ある地域としての整備」を第3の基本目標として位置づけました。21世紀に向けて国際社会への積極的な貢献が求められている我が国の中で、沖縄がその地域特性を発揮し沖縄ならではの役割が果たせるよう整備を進めることは、沖縄の経済社会の発展に資するばかりでなく、我が国の経済社会の発展にも有益であるという第3次振計策定の積極的な意義づけとともに、その目標達成に向けた諸施策の位置づけは、これまでの計画にはない大きな特徴と新たな計画内容であると思います。
内容に関する相違点の第2点目として、「県土の基本方向」を挙げることができます。
2次振計では、本項目は「県土の利用と海洋の開発」となっておりましたが、3次振計では「県土利用の基本方向」の項目のもとに、1、県土の適正な利用、2、海洋の開発利用、3、米軍施設・区域の整理縮小と跡地の有効利用の3つの小項目を設け、沖縄の海洋県としての海洋開発への姿勢を強調するとともに、振興開発上の重要な課題となっている米軍施設・区域の整理縮小と跡地の有効利用の基本的な方向を位置づけております。
続きまして、同じく第3次振計との関連で、米軍基地の整理縮小と跡地の有効利用に関連して、軍用地転用基本計画の策定が示されていない、また軍転法との関係について伺いたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
3次振計県案(素案)において「返還跡地の有効利用の促進を図るための措置」をとうたっており、沖縄県駐留軍用地跡地利用基本計画も同措置の中に含まれています。またこの措置には、駐留軍用地返還・跡地利用特別措置法――これは仮称でございますが――の目的を達成するための計画的な返還とあわせて、返還後の地主の損失補償、行財政上の支援等の措置も含まれています。
続きまして農業問題との関連で、農畜産物の自由化に伴う対応策が明示されていないが、どうなっているかという御質問にお答えいたします。
本県の農業を取り巻く状況は、農畜産物の自由化、高齢化、過疎化の進行等厳しいものがあります。このため現在策定作業が進められている第3次沖縄振興開発計画県素案においては、御指摘の農畜産物の自由化対策を含め今後の本県農業の振興方向について農業生産基盤整備の推進、農業構造の改善等により生産性の向上を図るとともに、担い手の育成確保、高収益性作物の産地形成、新技術の開発普及、流通体制の整備等総合的に施策を推進し、国際化時代に対応した生産性の高い特色ある亜熱帯農業の確立に努めることを基本的な考え方としておりますので、御理解を賜りたいと思います。
それから、同じく農業問題についてでございますが、亜熱帯農業の生産振興を図るため、より積極的な研究機関設置充実強化が強く求められているが、どうなっているのかという御質問にお答えいたします。
御指摘のとおり、沖縄農業の振興を図るためには試験研究機関の充実強化は極めて重要な課題であると考えております。
このような観点から、第3次沖縄振興開発計画県素案においては熱帯果樹、花卉等の振興、さらには国際化に対応した農業技術開発の拠点として計画的、総合的に試験研究機関を充実強化していく考えでございます。
4番目の御質問、地域特性を生かした南の交流拠点の形成を図るため那覇空港の沖合への展開をより積極的に進めるべきだと考えるが、どうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
県は、那覇空港を我が国の南における国際交流の拠点にふさわしい空港とするためにも沖合展開による拡充整備が必要であると考え、これまで官民一体となって那覇空港の沖合展開について取り組んできたところであります。
しかしながら、那覇空港の沖合展開に当たっては、航空需要等今後解決されなければならない多くの課題の指摘があることから、県としてはこれらの問題の解決に努め、中長期的な観点に立って那覇空港の沖合展開を検討してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
続きまして、農山漁村の定住化、活性化を図るため公共施設の適正配置を積極的に進めるべきだと考えるが、どうかという御質問にお答えいたします。
御指摘のとおり農山漁村については、その定住化と活性化を図るため農林漁業生産と地域住民の生活が同一空間で営まれるという特性に配慮して豊かな自然と歴史的文化伝統を生かした快適な生産、生活の場として整備を進める必要があると考えております。
このため、農林漁業生産基盤の整備の一層の推進を図りながらも、道路、集落排水施設等の生活環境施設を初め、地域コミュニティーの核となる文化施設の整備を進め、潤いに満ちた農山漁村の形成に努めていきたいと考えております。
また、豊かな自然等を生かし、民間活力を活用した観光リゾート地域の整備を図るとともに、地域資源を活用した地域特産物の開発など観光産業との連携を図りつつ、就業機会の確保にも努めてまいりたいと考えております。
続きまして、市町村における基本構想、基本計画、総合計画との整合性についてどうなっているか、これは第3次振計との関連でございますが、その趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄振興開発計画は、沖縄振興開発特別措置法に基づき策定される沖縄地方全体を対象とする総合計画で、今後の沖縄振興開発の向かうべき方向と基本施策を明らかにしたいわゆるマスタープランであります。
一方、市町村の基本構想、基本計画等は、地方自治法に基づき策定される当該市町村の行政運営の指針となる計画であります。
したがいまして、沖縄振興開発計画と御指摘の基本構想、基本計画等は、法的根拠及び目的、対象等を異にするものでありますが、沖縄県においては沖縄振興開発計画が県及び市町村の各種行政計画の上位計画として位置づけられると同時に、地方自治法に定める県の総合計画の役割と使命を果たしている関係上、その整合性については十分に配慮されているところであります。
なお、県案作成の過程において現在、県振興開発審議会の委員に地域市町村の代表を入れて審議をいただいており、市町村の意見等も十分反映されるよう努めておりますので、御理解を賜りたいと思います。
次に、4地区の圏域別開発の方向を示しているが、現在進行中の広域市町村圏との整合性についてどうなっているかという御質問にお答えいたします。
御承知のとおり広域市町村圏については、近年における行政需要の多様化、広域化等に伴い、単独市町村では対応できない諸問題に対し広域的観点から対応するために設定されるものであります。本県においては、その圏域の設定の考え方は南部、中部、北部、宮古及び八重山の5圏域となっております。
一方、沖縄振興開発計画は、本県の経済社会全般の発展を図るための総合的な計画であり、事業主体についても国を初め県、市町村、公社、公団及び民間と広範囲に及ぶものであります。計画の目的及び対象等も異なるものであります。したがって沖縄振興開発計画においては、これまでの2次にわたる計画の基本的考え方を受け継ぎ、各地域の地理的条件、土地利用状況、生産活動等の状況を踏まえて中南部圏、北部圏、宮古圏及び八重山圏の4圏域に区分したところであります。
なお、これまで2次にわたる振興開発計画の4圏域区分と広域市町村圏における5圏域の設定の違いによる問題は特になく、圏域設定の趣旨、目的を踏まえて事業実施上の適切な運用を図ることにより、それぞれの計画における施策の整合性は十分に図られるものと考えておりますので、御理解いただきたいと存じます。
次に、新石垣空港問題との関連で、カラ岳周辺部の案が挙がってきたとは、どういう経緯があってか具体的に説明を求めたいという御質問にお答えいたします。
新石垣空港の建設位置決定に向けては、これまで地元住民に対する一連の合意形成作業によって多くの意見等の聴取を行い、地元の意向がある程度把握できたものと考えております。
また、部内協議機関である新石垣空港建設対策協議会において3つの候補地が抱える課題、問題点等の確認と整理を行ってまいりました。
さらに、それらの資料をもとに学識経験者等20名の委員で構成する新石垣空港建設位置検討委員会において、望ましい建設候補地について大局的な見地から自由な討議が行われ、提言をしていただきました。
同委員会においては、望ましい建設候補地について鋭意検討を重ねてきましたが、カラ岳東側案については周辺海域のサンゴ群を初め多くの海洋生物及びその生息環境への影響が懸念され、さらに貴重な保安林やすぐれた自然遺産を失うことの懸念が表明されております。
冨崎野案及び宮良案については、土地改良事業等の施された広大な優良農地等の空港への転用に伴う諸問題への対応に困難が予想され、農業振興への影響の懸念が表明されております。
なお、その他に3案の中から選定するには困難であり、カラ岳周辺部(陸上部)においても建設位置を検討する必要があるという意見等が提起されております。県としましてはこの提言を受けて調査を行う必要があると考えておりますので、御理解いただきたいと存じます。
同じく新石垣空港問題との関連で、今後、建設候補地は4案として検討するのか、また今後の対応策と候補地の決定はいつごろになるのか明快な答弁を願いたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
カラ岳周辺部(陸上部)の検討については、3案の抱える自然環境及び農業上の課題と空港建設との整合を図れる箇所として新石垣空港位置検討委員会から提言されております。この提言を受けて、カラ岳周辺部(陸上部)において基本計画調査、地権者調査等を実施したいと考えております。
したがいまして、新石垣空港の建設位置については、この調査の結果をも踏まえて総合的に判断し、可能な限り早期に決定いたしたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
○議長(儀間光男君) 金城繁正君。
〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 ただいま知事の御答弁をいただきましたが、第1の中でのその3の大田知事の選挙公約の13項目にわたる基本政策の施策体系についてどうなっているかということをお聞きしたんですが、答弁がありませんので……
13項目の施策を説明しておられるんですが、実施する段階ではどうしても施策の体系づけをしなければいけないとこのように思います。その体系づけがどのようになっているか伺います。
それから、那覇空港の沖合展開の問題について伺いますが、ただいま知事の御答弁では、今後、航空需要を見ながら検討していきたいとこういうことの御答弁でありますが、那覇空港の現状について過密であるか、あるいは航空の安全性等についてどのように認識しておられるかお伺いします。
それから、新石垣空港の建設位置の検討委員会、これから提起されたということの経過を承ったわけですが、これがどういう形でいつなされたか。
それから2点目に、内部における新石垣空港建設対策協議会がいつ、どのような形で開催されたか、その点について伺います。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午前11時23分休憩
午前11時25分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
企画開発部長。
〔企画開発部長 仲里全輝君登壇〕
○企画開発部長(仲里全輝君) 再質問の、知事の選挙公約がどのように施策体系として位置づけられているかという御質問に補足してお答え申し上げます。
先ほど知事から御説明申し上げましたように、公約事項大項目で13項目、知事から御説明申し上げたとおりでございますが、それを9項目に平成4年度の重点政策に体系をまとめ直しまして施策体系化をしてございます。
なお、先ほどの知事の御説明、御答弁にもございましたが、これはその年度年度の重点政策でございますので当然のことといたしましてその年度で事業化なりあるいは調査検討等に着手するもの、こういうふうなものを中心に施策として体系化してあるわけでございます。
それから、那覇空港は過密かという御質問にお答えいたします。
那覇空港は、13万回の離発着可能なキャパシティーがあると言われているわけでございますが、現在は8万回の離発着の状況でございまして、キャパシティーはまだまだ十分余力があるというように運輸省では見ているところでございます。
なお、安全につきましては十分確保されているというように理解いたしております。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午前11時27分休憩
午前11時27分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 新石垣空港建設関係の御質問にお答えいたします。
新石垣空港建設位置検討委員会からの提言が知事に対しまして、平成4年6月22日に池原貞雄委員長と上原方成副委員長から知事に手渡されております。
それから、庁内の関係部局長で構成しております新石垣空港建設対策協議会は、平成4年1月31日から今日まで、特に位置検討委員会から提言がありました後、2回の協議会を開催いたしまして検討委員会からの提言の内容を検討し、協議会としての調整を行い、知事に報告をいたしております。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 金城繁正君。
〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 基本政策について13項目から9項目にまとめてあるということですが、その9項目の内容について伺います。
それから、新石垣空港の建設位置検討委員会からの提起というものは6月22日に知事に提出されているということですが、その提出を受けて内部における新石垣空港建設対策協議会はそれに対応していつ開かれたか、そしてどういう結果をもってその後の処理をされたか、このことについて伺います。
○議長(儀間光男君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 仲里全輝君登壇〕
○企画開発部長(仲里全輝君) 知事の公約事項を2つの事項を1つにまとめたり、分解したり、くっつけたりしておりますんで、そういうような施策としてはそういう体系になっているわけでございますが、まず、2月議会で現年度の県政運営の知事の説明を申し上げたわけでありますが、これからまず御説明を申し上げますと、第1、国際平和に貢献する県政の確立、2、基地問題及び戦後処理問題の解決促進、3、緑豊かな県土づくりと住みよい環境の整備、これは公約の3の自然環境の保護と緑豊かな県土づくり、これと8の命と暮らしを守る潤いのある心豊かな社会の形成、これを1つに3としてまとめてございます。
4、健やかで安らぎのある医療福祉の充実、これは公約9の豊かな老後と医療福祉の充実と、12の女性の地位向上と母性保護、これを1つにまとめて4といたしております。
5、21世紀を見通した社会基盤づくりの推進、それから6、自立化を目指した産業の振興とゆとりある生活の実現、これは公約5項目目の特性を生かした自立経済の発展というのと、7の職業の安定とゆとりある生活の実現、これを1つの項目にまとめて施策体系化いたしております。
それから7、地域特性を生かした活力ある離島過疎地域の振興、8、創造性、国際性豊かな人材の育成と文化スポーツの振興、これは公約では10、歴史文化とスポーツの振興と、11、人材の育成と民主教育の推進、これと12の一部、女性の地位向上と母性保護の母性保護を除く部分、これを8項目で施策体系化としてまとめてございます。
9、国際交流の場の形成と交流の推進、これは公約第1番目に掲げられておりました国際平和に貢献する県政の推進、これと4の国際交流の拠点都市形成の社会基盤の整備、これを一つにまとめて9項目で施策体系化したところでございます。
○議長(儀間光男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 新石垣空港関係の御質問にお答えいたします。
6月22日に検討委員会からの提言を受けまして、6月25日、6月29日に対策協議会を開催いたしまして今後の対応として次のとおり決定をいたしております。
まず1つは、県としては、これまでの一連の合意形成作業における地域住民の状況及び新石垣空港建設位置検討委員会の状況等を踏まえた場合、これまで提示してきた3案の中から現時点で選定するには厳しいものがある。
2、このような状況下において建設位置を決定したとしても、円滑な事業実施が見込める場所として関係機関の理解を得、予算要求の前提である第6次空港整備5カ年計画の新規事業として組み入れていただくには、なお相当の時間と労力を必要とすると考える。
3、そのため早期建設を望む八重山郡民の期待にこたえるためにも、新石垣空港建設位置検討委員会の提言において自然環境保全と農用地の保全等それぞれの諸課題の歩み寄った場所として示唆され、カラ岳周辺部(陸上部)において建設の可能性の検討を行う必要があると考える。
4、したがいましてカラ岳周辺部(陸上部)の可能性調査を踏まえて円滑な事業実施、早期着工及び住民合意形成の見込める建設候補地を総合的に判断し、可能な限り早期に建設位置を決定する。
以上のとおりでございます。
○議長(儀間光男君) 金城繁正君。
〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 新石垣空港の建設位置の問題についてですが、庁内における新石垣空港建設対策協議会が6月25日と29日の2日間にわたって位置の検討委員会から上がってきた、提起された問題について協議がなされて、カラ岳周辺の陸上部に持っていくとこういうことの経過であるんですが、その翌日6月30日、吉元政策調整監が石垣入りをされておりますね。30日から1日にかけて2日間石垣に行かれているわけですが、もう議会が2日なんですよね、県議会が。どうもその辺の議会対策のような気がするわけですが、これはカラ岳陸上案についてですね、現地に吉元政策調整監が行かれて現地の状況等も調査の上で知事に報告されたと思うんですが、その状況についてどういうふうに感触を持っておられるかできるだけ詳細なことを承りたいと思います。
議長、休憩願います。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午前11時38分休憩
午前11時42分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) ただいま御質問にありました点についてお答えいたします。
庁内の協議会で、ただいま担当部長から説明がありましたように、それを受けまして三役会議でその問題が議論されました。そして県がこういう考え方を持っているということを、まず地元の方に説明する必要があると。これまでの一連の合意形成でそのような態度をとってきましたので、今回も選定委員会から提言された問題があるので、それに基づいて県の内部で議論した結果、県としては調査に入る必要があるということを地元に説明して御協力を願うために政策調整監がただいま御指摘のように30日と1日に現地を訪問したわけでございます。そして30日には地区労とか沖教組とか高教組とかの組織団体とその問題について説明をいたしております。それから7月1日には竹富町長、石垣市助役、促進協のメンバー、それから白保公民館、その他の政党の方々に御説明申し上げたとの報告を受けておりますので、御理解いただきたいと思います。
○金城繁正君 議長、休憩願います。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午前11時44分休憩
午前11時45分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) ただいま御説明申し上げましたように政策調整監が幾つかの組織団体、それから市当局、そういう方々に県の今の決定について説明いたしましたところ、白保公民館の方は調査に入ることを認めないという厳しい態度をとったとの報告を受けましたが、それ以外の皆さんは調査に入っていいという賛成の趣旨の表現があったと伺っております。
○議長(儀間光男君) 金城繁正君。
〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 これは、きのうの八重山毎日新聞です。(資料を掲示)
吉元政策調整監は、現地においてその感想を述べておられるんですよ。読み上げますと、「「促進協は副会長ら代表4人と会ったが、県が調査することにとかく言わないが、かえって複雑になる、引き延ばしではないかという厳しい意見が出た。また白保公民館はカラ岳は聖地であり、大量の土の移動で汚染が懸念され、土地の所有権問題が裁判で決着していない。調査を認めるわけには行かないと厳しく言われた」」と、こういう政策調整監のコメントがあるんですよ。
これは今さき、知事の御答弁では、こういう具体的なことが上がってきてないんですね、報告されてない。
これからの問題の処理に当たって、政策調整監が現地に行かれて調査された、調査を踏まえてそのことを知事に報告しないというのは、これは業務怠慢ですよ。
そういったところを明らかにして、これから真剣に検討したければこの問題はますます複雑化する、困惑をする、こういうふうに思います。したがってこれから、きょうの新聞にもありましたようにカラ岳東の陸上案について多くの問題を抱えているんですよ。
そういう中で、今後もカラ岳東の陸上案について総合的に検討するということで考えていかれるのか、知事の率直なる御所見を賜りたいとこのように思います。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 私の言葉がちょっと足りなかったかもしれませんが、政策調整監はきちっと報告をしておりまして、大勢としては県が調査に入ることに別に異議は申していないけれども、いろいろ心配事がありますよとかいろんな意見は出てくるわけです。ですから、そういうことについて県が決定したことについて政策調整監が行って、まずその地元に県の姿勢を説明するというのが今回の地元訪問の目的であったわけでございます。
ですから、県としましては、これまでずっと議会で申し上げましたように、提言を受けまして円滑な工事の着手が推進できるような場所はどこかということであらゆる方法を尽くさなければなりませんので、委員会から提言を受けましたので、その提言についてやはり調査をする必要があるんじゃないかということが庁内で決定されて、それを受けて政策調整監は地元に行って、県としてはこういうふうな決定をしておりますので御理解くださいという形で、あるいは御協力くださいということで説明して、その過程で今金城議員からお話がありましたようにいろんなニュンスの違った御意見がございましたけれども、厳しい意見と、それから何といいますか消極的ながら賛成する意見とかいろいろあったわけです。しかし大勢としましては、今申し上げましたように白保公民館の一番厳しいのが一方にあって、そのほかの方々は、積極的か消極的の違いはあっても県が調査に入ることについてはそう厳しい姿勢を見せなかったということでありまして、政策調整監ときちっと連絡を取り合ってやっておりますので、どうかそこは御理解いただきたいと思います。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午前11時52分休憩
午後1時15分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
午前に引き続き代表質問を行います。
宮良 作君。
〔宮良 作君登壇〕
○宮良 作君 私は、日本共産党県議団を代表して質問申し上げます。
まず、県議選挙で我が党は残念ながら大きく後退してしまいましたが、私はこの際、4年後の捲土重来を期し、また革新県政の与党として引き続き全力を挙げて奮闘する決意を表明するものであります。
さて、昨日、自民党代表の議員から、我が党が県議選挙で出したビラについて大田知事に質問がありましたが、これは我が党が発表した政策であり、大田知事への質問はいかがなものかと私は考えております。
ところで、県議選挙を振り返り、自民党がビラなどで盛んに宣伝している、例えば、ソ連がつぶれた、社会主義が失敗した、資本主義万々歳、日本共産党は時代おくれ、大体これらの言葉に集約されるいわゆる体制選択論について述べておかなければならないと考えます。
結論的に言えば、この4つの言葉の中で当たっているのは、ソ連がつぶれたという事実だけであり、残りの3点は歴史の真実と現実から目をそらした論旨と言わざるを得ません。
社会主義は失敗したと言いますが、ソ連で崩れ去っていったのは、国内においては国民を抑えつけ、民主主義を踏みにじった専制政治、外に向かっては他国への侵略や併合を強行してきた覇権主義、すなわち社会主義の魂を失った勢力とその体制が崩壊したのであり、社会主義が崩壊したのではありません。
社会主義の精神は、民族はすべて平等という民族自決権の尊重、国民が主人公の民主主義が何よりの立脚点でありますが、社会主義は崩壊せず、例えばこの20世紀を見ても、その民主主義と民族自決権の尊重、発展はますます大きくなり、またその成果は地球的規模でも大きく上がっております。
ソ連などの崩壊は、この精神を失ったからであり、だからこそ日本共産党はこの覇権主義の誤りと党の存亡をかけて30年間も闘い抜き、ソ連共産党解体にもろ手を挙げて歓迎したのであります。
我が党は、世界の中でただ一人、ソ連は社会帝国主義の国だと真正面から批判してまいりましたが、私は、その点に大きな誇りを持っている者の1人であります。
科学的社会主義の精神は、日本共産党の活動の中に脈々と生き続けております。
また、日本共産党は時代おくれだと言い、きのうの議会でもわざわざ、共産党が戦後言ったことは全部反対になっているなどという趣旨の発言がありましたが、これまた歴史の事実を見ない論法であります。
まず、戦前の歴史は明白であります。あの絶対主義的天皇制のもとで、国民が主人公と主張しただけで国体に反するといって弾圧し監獄にぶち込まれた時代、侵略戦争に反対すれば国賊、非国民とされ、凶暴な拷問等で生命さえ奪われた時代、そんな暗黒の時代に主権在民、自由と民主主義の旗を高く掲げ、命がけで侵略戦争に反対して闘い抜いてきたのが日本共産党だったのであります。
この時代を先駆けた闘いは、歴史の上でも確定した事実であります。だから自民党の教科書さえも、他の政党は何らかの形で戦争に協力したのに対し、ひとり日本共産党は終始一貫戦争に反対してきた、したがって共産党は他党にない道徳的権威を持っていたと書かざるを得なかったのであります。
また、戦後云々という問題を見れば、まず単独講和条約に反対したのは誤りだったかのように言いますけれども、とんでもありません。我が国固有の千島列島がソ連の領土拡張、覇権主義のもとでアメリカの同意によってソ連に併合されてしまいましたが、これは単独講和条約に起因するものであり、それへの反対闘争が正しかったことは明白であります。
また、復帰闘争が正しくなかったかのような発言に聞こえましたけれども、世論調査などでも明らかなように、現在、復帰をよかったと考えている人々は多くいることからも明白であります。
私はこの際、日本共産党に対する攻撃が出たことによって、この議会で我が党の主張を述べたわけであります。私は、我が日本共産党が、ソ連であれ中国であれアメリカであれ、どんな覇権主義、大国主義にも屈することなくそれと断固反対して闘い、時代をリードしてきた自主独立の党であること、そして今、アメリカの言いなりをやめ、一貫して安保条約の廃棄を主張し続けている党、その党の一員であることに大きな誇りを抱くものであるとともに、資本主義万々歳でないことは、病める資本主義大国アメリカの現実を見れば極めて明白であることも付言しておきます。
PKO法をめぐる諸問題と沖縄との関連の問題について質問いたします。
6月25日付の地元紙に琉大の中原先生は、「皮肉にも「慰霊の日」を前に、自衛隊が軍靴を響かせて海外へ進出するのを可能にするPKO法が、自公民3党の手で制定された。それは、憲法はもとより、従来の政府見解や昨年秋の「自衛隊とは別組織にする」という3党合意にも違背しての強行突破である。」と今回の暴挙を鋭く追及しております。まさに3党による憲法破りと言わざるを得ません。
自公民3党は、自衛隊がPKOに参加しても武力を行使しない、武力行使の際は撤退するなどの5原則があるから憲法違反ではないと強弁してきました。しかし国連が作成したPKO指針は、任務遂行のためには武力を行使すると明記されており、国連の指揮のもとで行動することになっているのであります。
しかも重大なことは、自衛隊の派遣対象地域であるカンボジアでは、停戦協定違反の武力衝突が1つの州だけでも40件以上に上り、国連のヘリコプターが銃撃される事態まで発生しています。その上、数百万人の国民を殺したと言われるポル・ポト一派は武装解除を拒否しており、PKO法第3条で言う紛争当事者の受け入れ同意と停戦合意という自衛隊派兵の前提そのものが崩れており、派兵法発動の理由はなくなっております。
さて知事は、慰霊の日に、日本国憲法にうたわれた平和の理念を私たちの手で実現したいものであると決意され、沖縄を平和の発信地とする立派な平和宣言を発表されました。その中で知事は、私たちもまた戦争中に日本国民として近隣諸国に対し加害者の立場に立ったことへの反省を加えてのことであると言及され、かつて日本軍国主義の侵略の犠牲となったアジア諸国などの人々に思いをはせておられ、この言葉に私も深い感銘を受けた1人であります。それだけにPKO法の成立に対して、これらの国々の国民の中から日本軍国主義の再上陸を懸念し、恐れ、批判する声が高まっている中で、平和宣言に示された沖縄県民と大田知事の思いは極めて大きな意義を持つものであります。
そこでお尋ねします。
憲法の平和条項を守り抜き、明石発言で問題となったPKO要員の沖縄訓練基地建設は断じて認めるわけにはいかないという強い姿勢を示していただきたいと思います。
次に、第3次振計について、詳しくは別日程で展開することにして基本方向だけ申し述べておきたいと思います。
すなわち、1、日本で唯一の亜熱帯性の美しい自然の破壊を許さず自然との共存を図る、2、沖縄を日本と世界の平和の原点とし、多くの人々が戦跡を訪れ平和の決意を新たにする、3、農漁業、地場産業、伝統工芸など地元産業の多面的発展と県民生活向上に役立てる、4、東南アジアに最も近い地理的位置を活用し沖縄を国際的交流拠点として発展させる、5、勤労者が低廉な費用で楽しめる快適なレクリエーションと保養施設のネットワークを整備する、以上5点の内容をしっかり反映した第3次振計の県案を策定すべきであると考えますが、知事の抱負なども含めた御所見をいただければありがたいと思います。
さて、基地問題の一つですが、キャンプ・シュワブ内の戦車道建設は言語道断であります。15年近くも放置されてきた旧道をなぜ今工事しているのか。
1月の日米首脳会談は、日米安保条約の存在理由に、世界の不安性、不確実性を言い出してきました。今回の戦車道建設が世界各地での地域紛争、それへの介入を想定した演習強化、基地拡張であることは明白であります。
そこで知事、いかなる軍事演習、基地拡張にも反対である、自然を守る立場をさらに表明していただきたい、お答えを願います。
さらに、戦車道建設による赤土汚染について御見解を伺っておきたいと思います。
さて、平和行政について質問いたします。
首里城地下の旧日本軍第32軍司令部壕の保存と平和の語り部としての活用について、私は昨年9月定例議会で質問いたしましたが、執行部のお答えは、首里城公園整備事業との関連及び関係団体等の意向も踏まえて検討したいという前向きのものでありました。
そこで特に、この32軍壕整備問題は単なる観光政策の一環としての視点ではなく、旧32軍壕跡を平和の語り部として活用し、沖縄戦の悲惨さと平和の重要さを全国に伝えていくための教育的な観点が重要であるということをつけ加えておいて質問いたします。
1、旧32軍の首里城地下司令部壕の保存と平和への活用について世論もその方向で動いております。昨年9月の私への答弁も踏まえ、現在、検討段階はどうなっているのかお答えください。
2、県知事は、平和の課題を県政で優先しておられます。まことに同感であり、さすが革新県知事であり、称賛申し上げます。
我が県にはなすべき平和行政は数多くあります。したがってそれを立案実行する機構づくりが重要になります。私も本議会に提起して、ことし4月に発足した平和推進係を平和推進室あるいは課に強化すべきであると考えますが、お考えをお聞かせください。
リゾート問題で質問いたします。
リゾート法の成立以降、基幹産業や県土への被害が乱開発によって広がっています。全国的にもその影響は大きく、先日6月28日の文化財保存全国協議会大会では、さきの日本弁護士会に引き続いてリゾート法の廃止を決議いたしました。今リゾート計画を縮小し、見直さなければ悔いを後世に残すことに特に我々沖縄県ではなりかねません。
そこで質問いたします。
1、トロピカルリゾート構想に基づいて全県的に立地されたもの、またこれから立地計画の見通しのものなど、各件数と面積をお答え願いたい。
2、ゴルフ場の総量規制を今のうちに行うべきでありますが、どうでしょうかお答えください。
もし必要ないとすれば、その理由を明らかにしていただきたい。
尚家遺産文化財問題で質問いたします。
尚家文化財所有者了解のもと、来年1月から那覇市内で展示会が開かれる計画であり、我が党議員も6月29日夜の披露パーティーに参加しましたが、まことに喜ばしいことであり、御同慶の至りであります。
私は、この問題について前任期時代に何度も取り上げ、結局、台東区への寄贈をやめていただく問題の中心は、前知事が文化財所有者にお会いし、礼を尽くしてお願いし訴えることが重要だと指摘いたしましたが、これはなされないままであり、極めて残念でありました。
しかし知事、あなたは確かに琉球文化の保存継承と発展に極めて意欲的であり、礼をたっとぶ知事であることを一昨々日の披露パーティーのあなたのあいさつと動作でも私は感じることができました。
そこで質問いたします。
1、この問題に対する知事を初め執行部の努力の一連の経過を説明してください。
2、文化遺産の将来的県内保存について、所有者はどう考えておられるか御説明ください。
3、尚家遺産文化財を含む琉球王朝時代の文化遺産の保存展示場が必要であります。歴史的なかかわりから言っても首里の県立博物館移転跡の、つまり中城御殿跡が適当と考えますが、お答えください。
4、最後に、台東区の考え方はどうなっているのかもつけ加えてお答えください。
戦争マラリア問題について質問いたします。
八重山地方におけるマラリア有病地への住民の軍命による強制移動が、第45旅団の作戦遂行を目的に行われたことは当時の戦況や関係文書等から明らかであります。したがって犠牲者への国家補償要求は道理にかなっており、現県執行部の国家への補償要請を高く評価するものであります。
そこで質問いたします。
1、県の国家要請の内容と特徴を説明してください。
2、国の対応はどうなっているのかお答え願います。
次に、新石垣空港の建設問題について質問いたします。知事にお願いいたします。
知事、この問題については答弁はできていると思いますので、答弁書は読まないで私の話を聞いてください。お願いします。
まず、同空港はその設置者、管理者は沖縄県であり、設置する際の位置の選定も沖縄県が責任を持って行うものであります。
しかし、その設置は、地元住民の強い要請と期待を受けて石垣島に行われるものであり、直接、便を受ける主な人たちの中心は石垣市民であり、また影響を受ける人たちも石垣市民なのであります。ですから石垣市民の合意と協力、あるいは八重山郡民の合意と協力がなければ、この事業が進展しないことは自明の理であります。
また、航空法第39条には、飛行場の設置によって他人の利益を著しく害するものでないこと、さらに敷地について確実に取得できるものであることが運輸大臣への申請の際、クリアされていなければならないこととして規定されております。
そこで、これらの住民の理解と合意を得て事業をスムーズに沖縄県は進めていかなければなりません。その際、どうしても必要なのが地元自治体の役割であり、それはつまり石垣市であります。
石垣島に新空港を設置することを強く望んでいる石垣市当局は、位置についての住民合意をきちんと行った上で改めて県に要請する責任があると考えます。
石垣市当局は本来、特定の場所に賛成あるいは反対を唱える責任があるのではなくて、住民の合意形成を図るという、そして県の位置選定を援助するという責任こそあるんです。新石垣空港建設を望んでいる地元がまとめられないものを、どうして県がまとめられるんですかという言葉を多くの人が私に寄せております。
知事に差し上げた資料に示されているとおり、奄美新空港設置の際も1度は現空港の拡幅等で試みましたが、反対され失敗いたしました。
さらにその後、笠利町を中心として96%の署名でもって新たに新奄美空港を建設してほしいという地元からの要求が出てまいりました。そのとき鹿児島県は、地元住民96%の署名に納得せず、100%を求め、残りの4%の説得を笠利町当局が県に約束をしてこの問題は出発したのです。そのことは知事にも差し上げてあります鹿児島県土木部幹部の宮里正守氏の新聞への投稿でも明らかであります。その当時の重要な関係幹部であります。
さて、石垣空港の場合、1979年5月に庁議で白保海上案決定の際、関係住民の合意が95%ということで十分取りつけられない、残りも取りつけられないまま、そこを見逃したこと、これがまず入りロでの重大問題だったと私は考えております。
現に、同じ時期に出発したさきの新奄美空港は、先ほどのような事情で地元笠利町の強い努力と鹿児島県の正しい対応で4年前に既に供用開始しているではありませんか。
特に、カラ岳東の問題で自然保護や土地疑惑という問題が出され、最近の世論調査などではカラ岳東などについても、またその他についてもさまざまな複雑な反応があらわれている今、地元石垣市当局の合意形成に向けての強い努力をこそ県は強く今求め指導するべきであると考えます。
これまでの経過もあるので直ちに転換することはできないと思いますけれども、しかし地方自治法第2条3項に基づいて私が今まで申し上げたようなことを模索すべきであるということを県も市も改めて考え、留意してこれからの作業に生かしていくべきであると思います。
そこで質問をいたします。
1、新石垣空港の位置決定のための住民の合意について、石垣市当局が果たすべき立場と役割について見解を述べました。急がば回れという言葉もありますけれども、知事、これについての感想と所見を伺えたらありがたいと思います。
2、位置検討委員会の提言の概要と特徴を説明されたい、お答え願います。
そして最後に、石垣市当局の市民合意形成のための――これは保守、革新にかかわらず――役割と責任については強い意見が県議会で出されたということを地元市当局に伝えられるよう強く求めて、私の質問を終わります。
以上で終わります。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 宮良作議員の御質問にお答えいたします。
まず、憲法の平和条項を守り抜く決意、また明石発言で問題となったPKO兵員の訓練基地建設は許さないということについての考えを伺いたいという御質問にお答えいたします。
明石発言については報道で知る限りであり、直接には何ら連絡を受けておりません。もしこの発言が事実とすれば、本県は今次大戦において悲惨な戦場となり、その上今なお広大な米軍基地を抱えているだけに県民感情からしても理解しかねるところであります。
次に、3次振計について、第3次振計の基本方向は亜熱帯の美しい自然との共存を図ると、さらに沖縄を世界平和の原点とすると、3番目に、農漁業など地元産業の多面的発展と県民生活向上に役立てると、4番目、地理的位置を活用し、国際交流拠点として発展させる、5番目、低廉な費用で楽しめるレクリエーションと保養施設のネットワークを整備する、以上の5点の内容をしっかり反映したものにすべきだと思うが、知事の見解はどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
第3次沖縄振興開発計画県素案における振興開発の基本方向の考え方は、21世紀を展望し、高齢化、国際化、情報化等の新しい時代の進展に適切に対応することであります。すなわち、沖縄の豊かな亜熱帯・海洋性自然と特有の伝統文化、我が国の南西端に位置する地理的特性、国際交流の歴史的蓄積等、沖縄の地域特性を積極的に生かして特色ある産業の振興、国際的な観光リゾート地の形成、我が国の南の国際交流拠点の形成等により、世界に開かれた特色ある地域として整備し、自立的発展を図ることであります。
このため県素案においては次の6つの柱立てをなし、振興開発の基本方向を示したところであります。
すなわち、第1番目に、自立化を目指した特色ある産業の振興、2、地域特性を生かした南の交流拠点の形成、3、経済社会の進展に対応した社会資本の整備、4、あすを担う多様な人材の育成と学術文化の振興、5、良好で住みよい環境の確保と福祉医療の充実、6、都市地域の整備と農山漁村、離島過疎地域の活性化、以上であります。
なお、御提言につきましては基本的に共通するものであり、その趣旨を踏まえ具体的な施策の推進を図っていきたいと思いますので、御理解いただきたいと存じます。
次に、キャンプ・シュワブ内の戦車道建設に関連して、いかなる軍事演習、基地拡張も許さない、自然を守る立場をさらに表明してほしいという趣旨の御質問にお答えいたします。
本県における広大で過密な米軍基地の存在は、騒音や事件事故等種々の被害の発生要因となっており、また振興開発等諸施策を推進する上で大きな制約となっております。
したがいまして、県としては県民の生命、生活及び財産を守る立場から基地周辺住民を初め、県民に多大な悪影響を与えている基地問題の解決を県政の最重要課題の一つとして位置づけ、基地被害の未然防止及び基地の返還促進に最大限の努力を重ねているところでございます。
東西間の冷戦が終結し、軍縮に向けた努力が行われつつある今日、私は、沖縄の基地についても整理縮小が進展することを期待しており、今後とも基地の強化に反対するとともに、返還基地の有効利用を通して平和な生活と自然環境の保全に最大限に努めてまいりたいと考えております。
次に、32軍司令部壕の保存と平和への活用について見解を伺いたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
さきの大戦で焼失した首里城の復元が進んでおり、この周辺整備との関連で、でき得れば首里城地下の旧沖縄守備軍司令部壕も復元したいと強く望んでおります。
同地下壕からは、私の理解する限りでは遺骨の収集がまだなされていないからであります。また苦難な沖縄戦の日本軍司令部壕でもあったことから、この壕の復元を図り、沖縄戦の教訓を永久に伝えたいと切に望んでおりまして積極的に検討していきたいと考えております。
次に、尚家遣産文化財との関連で、展示会開催に県がかかわってきた経過についての御質問にお答えいたします。
昨年来、尚家継承文化財の保存活用について、尚家の関係者と接触してまいりました。また教育長も主管部局として誠意を持って対応するために尚裕氏との接触に努めてきております。
本年6月初めに尚氏から教育長と話し合いたい旨の申し入れがあり、その話し合いの中で、尚家継承琉球王朝文化遺産展を県と那覇市、琉球新報社と共催して開催したいとの話がありました。
私としましても、その保存展示には積極的に取り組む必要があると考え、県も主催者の一人として同遺産展を実施することにいたしました。
なお、このことにつきましては、尚裕氏と直接お会いしてお伝えしたところでございます。
同じく尚家の遺産文化財問題についてでございますが、文化遺産保護管理と県民の文化意識を広げる視点から県立博物館の移転跡に保存展示場を建てることが適当であると考えるが、どうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
尚家継承文化財を含む琉球王朝の文化遺産は、これまでも繰り返して申しましたように歴史的、文化的に極めて重要なものであり、その価値は県内で保存され、広く展示公開されることによってますます高まるものと考えております。
したがいまして、尚氏の御理解を得ながら、これらの文化財を保存展示する施設として御提言の現博物館も含めて今後検討委員会を設置して取り組んでいきたいと思いますので、御理解賜りたいと思います。
次に、新石垣空港問題との関連で、新石垣空港の位置決定のための住民の合意について、石垣市当局が果たすべき立場と役割について知事の考えを伺いたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
新石垣空港の位置選定について地元3市町を含めた行政連絡会議の設置、地元住民に対する建設候補地の説明及び意見発表会等を開催するなど鋭意取り組んできたところであります。今後とも、これまで以上に石垣市の積極的な協力を得て円滑な事業実施を図っていきたいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
なお、残りの質問につきましてはお許しを得て担当部長から答えさせます。よろしくお願いします。
○議長(儀間光男君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 金城 毅君登壇〕
○環境保健部長(金城 毅君) 戦車道の建設による赤土汚染の御質問についてお答えいたします。
キャンプ・シュワブ基地内連絡道路の実態調査につきましては、これまで3回にわたり現場の立入調査を行っております。
調査結果によりますと、当該道路工事現場においては赤土流出対策は講じられておりますが、まだ不十分であり、そのため道路面のコーラルが剥離したため赤土の流出した跡が見られました。
なお、工事現場におきましては、工事施工者に対して赤土流出防止対策を十分に講ずるよう指導しております。
これまでも基地内の開発行為に対しましては、同地域の環境特性を十分に配慮した施工法等きめ細かな赤土流出防止対策が講じられるよう申し入れをしましたが、今後とも防止対策について米軍当局並びに関係機関に申し入れをしていきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 総務部長。
〔総務部長 新垣勝市君登壇〕
○総務部長(新垣勝市君) 宮良作議員の御質問にお答えいたします。
本年4月1日に発足した平和推進係を、適当な時期に室または課に強化すべき考え方はないかとの趣旨の御質問にお答えいたします。
平和を推進する行政組織につきましては、御案内のとおり去る4月1日に国際交流課を国際平和交流課に改めて同課に平和推進係を新設し、平和に関する諸施策を鋭意展開しているところでございます。国際平和の推進に寄与する長期的視点に立った各種平和施策の推進体制を強化するためさらに検討を進めていくという考え方でございます。
○議長(儀間光男君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 仲里全輝君登壇〕
○企画開発部長(仲里全輝君) 宮良作議員のゴルフ場の総量規制の御質問にお答え申し上げます。
県におきましては、去る6月26日に沖縄県総合土地対策要綱を策定いたしております。その中で、ゴルフ場の開発は面積が大規模であり地域に与える影響が大きいことから、ゴルフ場の総量規制の実施についての基本的方向を明示しているところでございますが、ゴルフ場の総量規制につきましては、県土の適正な土地利用の確保、リゾート需要の動向、地域の活性化及び地域経済に果たす役割などを総合的に勘案し、地域の実態に見合った規制、誘導を図る方向で検討を進めていく考えでございます。
○議長(儀間光男君) 振興開発室長。
〔振興開発室長 与那嶺敏光君登壇〕
○振興開発室長(与那嶺敏光君) 御質問の沖縄トロピカルリゾート構想に基づいて、既に立地したもの及び計画中のものの件数と面積についてお答えいたします。
県は、平成3年11月に総合保養地域整備法に基づく沖縄トロピカルリゾート構想を策定し、リゾート開発を推進しているところであります。
沖縄トロピカルリゾート構想に位置づけられているホテル、コンドミニアム等宿泊施設、ゴルフ場、マリーナ、植物園等の民間プロジェクトは46件で、それに係る開発面積は約2600ヘクタールであります。
同計画による平成4年5月現在の進捗状況は、一部供用または全部供用7件、面積で約279ヘクタール、工事着工または工事完了7件、面積約484ヘクタール、計画及び構想中32件、面積約1836ヘクタールとなっております。
なお、沖縄トロピカルリゾート構想の推進に当たっては、地域の自然環境、生活環境との調和、災害の防止等に十分配慮し秩序あるリゾート開発整備に努めてまいりたいと思います。
以上です。
○議長(儀間光男君) 教育長。
〔教育長 津留健二君登壇〕
○教育長(津留健二君) 尚家遺産文化財問題についての県内保存について所有者はどう考えておられるかという御質問にお答えいたします。
尚家継承文化財の県内保存については、所有者である尚裕氏の御意思を尊重することが大切であると考えます。尚裕氏としては、今後は県とも相談をしながらその保存展示を進めていきたいとの意向をお持ちであると受けとめております。
次に、同じく尚家遺産文化財問題で、台東区の考え方はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
御承知のように、以前、東京都台東区において尚家継承文化財を保存すべく財団設立の動きがありましたが、一昨年11月私が、また先月文化課長が台東区を訪問し関係者にお会いをいたしました。現在は、沖縄の県民感情を配慮して、財団設立については見送っている状況であると受けとめております。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 山里 明君登壇〕
○生活福祉部長(山里 明君) 宮良作議員の戦争マラリア問題についてという御質問の中の、国への正式要請の内容とその特徴についてお答えいたします。
県といたしましては、沖縄戦中、八重山地域においてマラリア有病地への退去により犠牲となった者の遺族に対し、戦傷病者戦没者遺族等援護法、またはそれに準ずる措置を講ずるよう、平成4年3月31日に国に対して正式に要請いたしております。
国は、この問題について強制疎開であったとしてもあくまで疎開であり、雇用類似の特別な関係での公務遂行中の死亡とみなすのは困難として、援護法の適用は難しいと考えているようであります。
県といたしましては、八重山地域におけるマラリア犠牲者は、米軍の上陸必至とした作戦想定による有病地への退去命令により退避した結果発生したものであり、このような戦闘協力の途上でマラリアに罹患し死亡した者については戦地における戦闘協力者の戦病死とみなし、援護法による補償またはそれに準ずる補償措置を求めているところであります。
次に、国の対応についてお答えいたします。
国においては、内閣総理大臣官房総務課参事官、沖縄開発庁総務局参事宮、厚生省援護局援護課長の3者から成る沖縄県八重山地域におけるマラリア問題連絡会議が2回開かれております。現在、県の報告書等を含め資料を整理検討中であると承っており、県としましては同連絡会議と調整を図りながら問題の早期解決に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 高良政彦君。
〔高良政彦君登壇〕
○高良政彦君 それでは公明党県議団を代表して質問を行います。
最初に、県経済の自立化についてであります。
まず、国境型自由貿易地域の設定による経済の活性化について、提言を交えて質問をいたしたいと思います。
大田県政が発足して1年半以上が経過しました。特に大田知事は、平和、教育、福祉、そして女性の地位の向上等県民の生活に密着した問題を中心に県勢の発展に日夜努力をしていることに対し大いに評価するものであります。
特に沖縄は、全国でも有数の長寿県であり、今後高齢化社会にまつわる複雑多岐にわたる福祉のニ一ズにきめ細かにこたえていくためには国の福祉行政、国の福祉の制度のみに頼るのは限界があり不十分であります。我が沖縄県も含め日本全体が加速度的に高齢化社会へ突入しつつあり、私たちの身近にいるお年寄りが抱えている悩み、要望と国の福祉制度の間にはいろいろな矛盾や乖離が多々見られます。これらの国の福祉行政の不十分さは、今後しっかりと改善をさせ、お年寄りも安心して生活ができるような生活大国にしなければならないと考えます。
同時に、県におきましても、高齢化杜会へ対応できるような県独自の福祉政策を推進する必要があります。その大前提として県及び各市町村の自主財源の充実強化がこれから21世紀へ向けて大きな課題となってまいります。そのためにはやはり県経済の自立化であり、沖縄の歴史的、地理的、文化的な特色を最大限に生かした自主独往の経済の活性化による自立化がどうしても必要であります。
ここに本年3月、公明党の渡部一郎衆議院議員が国会で取り上げ、今大きな展望が開けつつある特に宮古、八重山、与那国を中心とする国境型交易の興隆による離島の活性化について紹介をし、沖縄県の経済の自立化について提言、質問をいたしたいと思います。
世界の大きな潮流となっているグローバル化が本格化すると、日本の南の玄関口、東南アジアに最も近く国境に接している沖縄にとって文字どおりあの万国津梁の大交易時代のような国際交易交流の時代の再現が可能となってまいります。このチャンスを顕在化させるために強力な政策が必要であると同時に、今までとは異なった新たな国境型交易、地域国家観、スケールメリットからスコープメリットという概念が必要となってまいります。このような可能性を秘めているのが宮古、八重山であり与那国であります。これに連動して沖縄本島も位置づけ、特色ある経済の発展を図るべきであります。特に21世紀へ向けて沖縄の経済の自立化のために第3次沖縄振興開発計画の中にしっかりと方向づけをする必要があります。そして国に対して強く働きかけていくことが重要であると考えます。1972年の沖縄の本土復帰を境にして、それ以前は交流が可能であった与那国と台湾との間に国境線が引かれ、それによって日本の中心、さらには沖縄本島さえからも最も遠隔な僻地として与那国は位置づけられました。最も近くに位置しながら東南アジアからの輸入はほとんどが本土、そして沖縄本島を経由して入ってくる状態となり、その結果、日本一高い運賃が加算されるので、日本一高い物価と日本一不利な生産移出条件を課されております。そして最も問題なのは、復帰と同時に人的交流が途絶えたことであります。現在、与那国町は日本の最僻地として位置づけられておりますが、台湾へはわずか100キロ、中国へ400キロであります。国境としてのメリットが顕在化できれば両者との国際交流や貿易が可能となり、経済はもちろんのこと文化、社会、教育振興などの効果は大きいものがあります。与那国の人々にとって台湾、中国との交流が再開されることは夢といってもよいと思います。
そのことは与那国だけでなく日本の中の僻地と同時に、国境である沖縄も全く同じ立場にあるわけであります。グローバライゼーションによって消費者と生産者の両方から、国家よりも地域という共同利益を求めて働き始めております。国境のない時代、地球化時代には地域という単位が今後大きくクローズアップしてくるものと思います。すなわち各国家の周辺部分の交流、交易、連帯を図るものであります。沖縄、台湾、福建省、中国沿岸各省、さらに東南アジアを含めた経済圏として将来発展する可能性を持っております。
以上が渡部一郎衆議院議員の国会で取り上げた沖縄及び離島の経済の活性化、自立化への概要であります。
以上の内容につきましては、県内の経済界におきましても別な角度から議論がされており、やはりほぼ同様の結論が出ております。
以上を踏まえまして質問をいたします。
沖縄県内のどの港からも自由に輸出入ができるような国境型貿易の体制を近い将来確立すべきであると考えますと同時に、それに対応した港、交通の整備等をする必要があると考えますが、そのような御構想は知事はお持ちなのかどうかお伺いいたしたいと思います。
次に、台湾、中国、華南及び東南アジアを含めた地域経済圏の一体化、活性化への参画の一つとして与那国全島のフリーゾーンも近い将来考えるべきではないかと思いますが、どうか。
沖縄県の経済の活性化、自立化の一つとしてフリーゾーンが設立され4年が経過いたしました。しかしいまだ制度面、法的な面の整備がおくれて、本来のフリーゾーンとしての機能が発揮されておりません。例えば保税地域の特例運用、保税手続の省略、簡略化、自由貿易地域への搬入貨物の原則自由、外国貿易のいわゆる蔵置期間の特例だとか、保税運送の特例あるいは保税工場の弾力的運用等自由貿易地域として関税法をもっと弾力的に運用する必要があります。さらに外為法関係では輸入承認の特例運用だとか、貿易管理令にまつわるものとしては輸出承認の特例運用だとか、その他第3次沖縄振興開発に向けて沖縄復帰特別措置法の基本的な部分について、どうしても関連する法律を改正しないと自由貿易地域制度として機能は難しいと考えます。
本員は、平成元年の2月定例議会の決算特別委員会で以上について改善方を指摘しましたが、その後どのような改善があったのか、また今後の見通しはどうなっているのか御答弁をお願いいたしたいと思います。
次に、福祉行政について質問いたします。
本員は、平成4年2月定例議会で少子対策、すなわち一生のうち1人の女性が産む子供の数が全国平均で1.53人をさらに下回り、将来高齢化社会の到来とともに重大な社会問題が惹起することが予想されることを指摘しました。
これらの問題解決の一つとして、子育てがやりやすい環境づくりとして、3歳児未満の乳幼児の医療費は無料化にすべきであると提言いたしました。これは全国のほとんどの市町村で一般化しており、さらに義務教育の中学3年まで医療費無料化を実施している県もございます。沖縄では城辺町、平良市、与那城村での3市町村で実施中でありますが、平成4年2月の定例議会では本員の質問に対し、市町村と調整を図りながら実施する旨の答弁がありましたが、その後の状況はどうなっているのかお伺いいたします。
次に、週休2日制の実施についてお伺いいたします。
今回、知事提出議案の中で地方自治法の一部が改正されたことに伴い、沖縄県職員の完全週休2日制実施のための条例改正が議案として提出されております。
労相の諮問機関である雇用審議会は6月29日、92年度から96年までの向こう5年間を対象とした第7次雇用対策基本計画を近藤労相に答申をしております。
その内容は、労働人口の伸びの鈍化、高齢化が進む中で労働力供給の基盤整備が課題だとし、具体的には生活大国5カ年計画に沿って、1、計画期間中に年間総労働時間を1800時間――91年度は2008時間であります――の達成を目標とする、2番目に、労働基準法を改正し早期に週40時間――現在は44時間であります――労働へ移行する、3つ目に、所定外労働を削減するために割り増し賃金率25%の引き上げを具体的に検討するとなっております。その他、日本人は働き過ぎ云々の諸外国からの圧力も加わり、官公庁みずから音頭をとって完全週休2日制を実施せんとするものであります。これは労働時間の短縮による労働者の生活及び職場環境の改善を図らんとするものであり、我が公明党も生活者、働く者の立場から、労働時間の短縮には大いに賛同し推進をしてきたところであります。
県は、率先垂範をして週休2日制を実践し、一般企業にも順次実施してもらうとのことでありますが、問題は、一般企業の週休2日制の条件整備が全くなされないままに県は週休2日制を実施しようとしているところにあります。
週のうち2日間休んでも、その分を他の5日間で処理できる性質の企業と、その日その日の工事を進めなければ、あるいはその日の営業がなければ、その分だけ経営を圧迫してしまう企業が県内では大多数であります。県経済を支えているのはこれらの中小企業群であります。前後左右すべてが週休2日制になり、そのようなリズムが確立されれば問題はないでしょう。倒産、破産の全く心配のない官公庁や、力のある一部企業はともかくとして、週休2日制がそのまま企業や職場の存在を危うくしかねないより大多数の企業、職場で働いている人たちのためにも、これらの企業群が週休2日制へ軟着陸ができるような対応策を県は示すべきではないか。
週休2日制を企業みずからが実施し、それに伴って合理化を図り、かえって優秀な人材が採用しやすくなったという企業もあります。しかし企業基盤の脆弱さから週休2日制がそのまま企業の体質をさらに弱めてしまいかねない企業がむしろ大多数であり、これが県内企業の実態であります。
県は、みずからの週休2日制の実施と同時に、少なくとも同時並行的に一般企業で起こり得る問題を事前に掌握し、行政の立場で対応すべきものは積極的に取り組んでいくべきではないか。
例えば土木建設業者等、週休2日制が実施されると工期の問題が出てまいります。土木建築関係では、雨続きのときは工事がなかなか進まず、通常工期がおくれがちであります。その上に週休2日制が入ってまいりますと、期間内に工事が完成できないという現象が出てまいります。週休2日制の分工期を延ばした形で契約ができるのかどうか。同時にその分の人件費コストも入札の中で認めてくれるのかどうか。
このように官公庁が週休2日制に伴って対応策を打ち出さないと民間企業ではどうしようもないという事例もそういう部分も出てくるわけでありまして、この辺への対応策はどうなのか、あるいは事前に掌握しているのかどうか知事の御答弁をお願いいたします。
次に、環境・赤土対策について質問いたします。
公明党沖縄県本部は、平成4年の初頭に大田知事に対し、沖縄県環境影響評価に関する条例(案)を提出いたしました。大田知事は、赤土防止の条例制定及び環境影響評価等について意欲的な姿勢を示しております。
環境影響評価と赤土問題に対し具体的に行政当局としてどのようた進展があったのか明らかにしてもらいたい。
その中で罰則規定はどうなっているのか。
2番目は、軍事基地も環境問題、赤土問題は例外とすべきではないと指摘してまいりましたが、その点はどうなっているか。
3つ目は、環境影響評価に関する条例制定の前提条件として環境管理計画が制定されるべきでありますが、これは検討されているのかどうか。
次に、戦後処理問題について質問いたします。厚生年金格差是正問題についてであります。
厚生年金の格差問題は、戦後27年間も米軍施政下に沖縄が置かれ、年金の適用開始がおくれたことが最大の原因であり、これは全く沖縄県民のあずかり知らぬことであります。したがって政府の責任で政治的に解決をすべき問題であり、県民が一日も早く解決を望んでいる問題であります。
政府関係省庁検討会に付されているようでありますが、その解決の見通しはどうなっているのかお伺いいたします。
2つ目は、戦時中のいろいろな資料から、八重山における軍命による強制疎開によって3000名余の犠牲者が出たマラリア犠牲者への補償問題等も軍命による強制疎開は明らかであります。この補償問題の取り扱いは、また見通しはどうなっているのか御答弁をお願いいたします。
次に、軍転特措法は、従来基地の返還に伴ってその跡地利用があいまいで、また地主あるいは基地従業員に対する補償や対処が十分でなかったという反省から、どうしても立法化を図り基地返還に伴う諸問題をスムーズに解決しようとするものであります。早急なる立法化が望まれますが、4党案が沖特委から付託がえとなっております。県の独自案との兼ね合い、またこれらの案の実現の見通しと取り扱いは現在どうなっているのかお伺いいたします。
次に、今、全国的にPKOが焦点となっております。公明党は、独自の調査活動に基づき、さらに我が国の憲法は決して一国のみの平和主義を求めているものではないという観点から、PKO法案を確信を持って成立させたものであります。
PKO法の成立についてはいまだに多くの議論がなされておりますが、要約をすれば、第1に、国連平和維持活動に対する日本の協力が日本国憲法に抵触すると反対の考えを持っている人たちがいることであります。本当にそうなのだろうか。憲法第9条には、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」とあります。つまり、日本の国は戦争はしません、武力の行使は行いません、武力による威嚇もしませんと規定しているわけであります。
国連の平和維持活動PKOは、戦争はしない、武力の行使はしない、武力による威嚇もしない、そして平和を守るのが目的であり、日本国憲法第9条とまさしく共通一致している活動であります。PKOは、ゆえに戦わない部隊であり、唯一敵を持たない部隊と言われるゆえんであります。
またもう一つは、自衛隊の海外派兵論であります。PKOとは、今の自衛隊がそのまま他国に鉄砲を担いでいくのではありません。服装や思考も違う、自衛隊とは全く別組織となっているPKO協力隊員として、しかも国連の旗のもとに平和維持活動をするものであります。
PKOは文民で行くべきであるという意見があります。もっともな意見に聞こえますが、公明党の石田委員長がカンボジアを調査しに行ってわかったことは、プノンペンという85万人の大都市でバスとかタクシーとかの輸送連絡手段がほとんど何も整ってなく、人間が最低生きるのに絶対不可欠の水ですら40度を超す炎暑の中で安心して飲める水もなく、缶入りのコーラなどしかない。
そしてよく下痢をしてしまう。そのため多くの日本人がやむを得ず帰ってしまう。やはり訓練を受けたシステム的に後方支援をしてくれるPKOがあってこそ医療などの支援活動も可能とのことであります。要するに活動するのに必要な水、食糧、病気になったときの手当ての方法など全部そろえた自己完結型の組織で来なければ何の役にも立たないということがわかったわけであります。
ここに文民では全く意味をなさないことが理解できるものと思います。
またPKOは、将来拡大解釈されて再びアジアに不安を与えるのではないかと指摘する人たちもおりますが、多くの国々から資源を輸入してこれを加工し、製品として多数の外国の人たちに使ってもらって成り立っている貿易立国の日本が、一体だれに銃を向けようというのだろうか、一体どこの国と戦をしようというのだろうか。そのようなことをすれば真っ先に日本が困ってしまうことは我々日本人が一番よく知っているはずであります。戦争になれば、日本こそ一番真っ先に食べていけなくなる国であります。
このような日本の特性、立場からすれば、PKOで自衛隊の海外派遣を許せば将来自衛隊の侵略的な派兵に道を開くとする論理は、余りにも飛躍した幼稚過ぎる考えと言わなければなりません。
現在の日本国憲法には、文民統制はきちんと条文にうたわれております。自衛隊の海外派兵を考える内閣を国民が許すわけはないことは明らかであります。日本の民主主義はそんなにもろいものとは思いません。
さらに、40数年前の日本が軍国主義化していった状況と、現在のように瞬時にして世界の情報が茶の間に入り、また日本国内の出来事が世界に縦横に知れわたるような情報化社会の中で、そう簡単に戦争への道に逆戻りできるわけがないことは至極当然の理であります。むしろ国際社会の中で、世界平和のために日本が責任を果たそうとせず孤立化することこそが戦争への危険度は高いと言わなければなりません。
自衛隊がPKOに参加することが武力行使目的であり、侵略につながる海外派兵だとするならば、他国に武力行使はしない、他国間の武力紛争、戦争に巻き込まれないということを国の基本方針としている永世中立国のオーストリアや同様のスウェーデンやノルウェー、フィンランドなど北欧諸国は、PKFを含むPKO全部門に常連として熱心に参加するわけはありません。
加えて、伝統ある永世中立国であるスイスですらも、これまでPKOの停戦監視団までは参加させたが、94年までにスイス軍をPKFに参加させる準備をしているところであります。
我が国のPKO研究の第一人者である京都大学教授の香西茂氏は、我が国のPKOは平和憲法の理念と共通のものであり、むしろ平和憲法を持つがゆえに積極的に参加すべきであると言っております。
スイスがなぜPKOに熱心なのかという問いに対しスイス当局は、スイスは中立のゆえにたとえ国連による強制行動であっても参加はできない。
ましてや多国籍軍のようなものに参加することは断じてできない。しかしPKOは、中立、非暴力の原理に基づくものであり、スイスの立場、国是と合致する。PKOにむしろ積極的に参加することによってスイスが平和愛好国であり、国際社会の名誉ある貢献者であり、決して国際的な責任を免れようとするひきょうな国ではないことを世界にアピールしたいゆえに積極的に参加をするのだと、このように述べております。
さて知事は、6月23日の沖縄全戦没者追悼式の平和宣言においていみじくも同様のことを述べております。平和とは、単に戦争のない状態を言うのではない、貧困、飢餓、差別、暴力、人権抑圧、環境破壊などもまた平和を脅かすものであり、このような平和を脅かすものを取り除き、安らかで豊かな世界を実現するために努力をし云々とあり、日本国憲法にうたわれた平和の理念を私たちの手で実現したいと。
今、世界は米ソの対立の図式が崩れ、国連を中心とする平和、人権、環境問題に取り組む図式ができつつあります。もはや一国の平和主義は通用しません。世界の平和のためにそれぞれの国が応分の貢献をすることによって、そこに自国の平和、繁栄も保障されるものであり、我が沖縄県民は悲惨な戦争体験があるからこそ、むしろ戦争によって困窮している他国の人たちに手を差し伸べるべきではないでしょうか。
その精神に沿ったのがPKO活動であります。ゆえに1988年にノーベル平和賞を受賞しているのであります。ノーベル平和賞は、人を殺したり、戦争に道を開くようなそういう団体に上げるほどそのような低級なものなのでしょうか。これからは単なる反戦平和ではなくして、国連を中心とした平和創造の実践が重要であります。これが平和憲法の精神でもあります。この点について知事の御所見を賜りたいと思います。
最後に、新石垣空港建設について質問いたします。
安全な新石垣空港が一日も早く建設されることは、八重山郡民の長年一致して望んできたところであります。西銘県政時代から10年余も実現できず、さらに大田県政になって1年余が過ぎました。
3つの候補地についてそれぞれ長所短所があり、どの場所が適切であるという場所選定の結論は出せないとの新石垣空港建設位置検討委員会からの答申で、結局は第4の候補地としてカラ岳東の陸上案が出てきました。
1つの施策を遂行する場合に、当然のことながらメリット、デメリットはつきものであります。要はデメリットの部分についてどれだけその部分を救済し、小さくしていけるかが行政執行のかなめだと考えます。そういうことでは10年余も待ち望んだこの飛行場問題、そろそろそういう観点から結論を下すべきではなかったかと本員は考えるものであります。その点について知事の御所見を賜りたいと思います。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 高良政彦議員の御質問にお答えいたします。
まず、県経済の自立化について、沖縄のどの港からでも自由に輸出入ができるようにすべきであると考えるが、どうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
本県は、我が国の最南西端に位置し、東南アジア、中華民国、中国に近いという地理的な特性を持っており、資源の乏しい本県の活性化を図るためには、高良議員の御提言のとおりこのような特性を生かして貿易を振興していくことが大変重要であると考えております。
しかしながら外国貿易を行うためには、特定の港を開放するといういわゆる開港が原則的に必要となり、そのためには恒常的に一定量の貿易貨物があること、外航船の入港数が一定数以上あること、港湾施設が整備されていること、また、税関、入国管理、検疫、植物防疫の機関が設置されていることが条件となり、さらには関税、LC等の支払いのために金融機関の設置も必要となります。
このようなことから、開港に当たっては極めて困難な問題が多々あることを御理解いただきたいと思います。
ちなみに、現在本県において開港されている港は金武中城、那覇、平良、石垣の4港となっておりますが、県としてはあらゆる角度から離島の活性化に向けて努力を尽くしていきたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
次に、沖縄も含めた東南アジア圏の活性化に向けて与那国全島を自由貿易地域に指定すべきと考えるが、どうかという趣旨の質問にお答えいたします。
現在、与那国町においては開かれた国境の島の実現を目指し、第3セクター方式の与那国貿易株式会社を今年3月に設立するなど、中華民国等々との貿易の振興に向けて積極的に取り組んでいることを承知しております。
御提言の内容につきましては現行制度上課題が多々あることから、極めて困難であると思われますが、今後、与那国町などと連携を図りつつ、地理的特性を生かした離島振興の視点から検討してまいりたいと考えております。
それから、乳幼児の医療費の無料化についてお答えいたします。
母子保健対策については、高齢化社会の到来と少子化傾向にある現在の社会情勢においてますます保健医療福祉の総合的サービスが要求されています。各種医療制度の普及、国民皆保険制度等社会的保障制度は充実強化されていますが、抵抗力の弱い乳幼児は医療を必要とすることが多く、乳幼児世帯の医療費の負担は大きいものと思われます。
県は、乳幼児医療費助成の制度化に向けて努力しており、市町村の意向調査等を行うなど実施に向けて引き続き調整していきたいと考えております。
次に、新石垣空港問題との関係で、3候補地についての議論及び調査は十分行われたものであり、知事の判断を下す時期ではないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
新石垣空港建設位置決定に向け、これまで地元住民に対する一連の合意形成作業や部内協議機関である新石垣空港建設対策協議会において3つの建設候補地が抱える課題、問題点等の確認と整理を行い、さらにそれらの資料をもとに学識経験者等20名の委員で構成する新石垣空港建設位置検討委員会を設置し、望ましい建設候補地について大局的な見地から自由な討議を行い、提言をしていただきました。
同委員会においては、3案の中から選定するのは困難であり、カラ岳周辺部(陸上部)においても建設位置を検討する必要があるとの提起がなされたのであります。それを受けてカラ岳周辺部(陸上部)における建設の可能性を検討する必要があると判断いたしました。
したがって新石垣空港の建設位置については、この調査の結果を踏まえて総合的に判断し、可能な限り早期に決定したいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
次に、厚生年金格差是正問題について衆議院沖特委でまだ結論が出ていないようだが、状況はどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
本県の厚生年金格差是正問題は、戦後処理問題の重要な課題として県としても目下その解決の促進に鋭意努めているところでありますが、政府でも去る平成4年5月14日に内閣内政審議室、沖縄開発庁及び厚生省で構成する関係省庁検討会を設置し、本問題について検討することになりました。現在、その第1回の開催に向けて関係省庁で鋭意準備を進めていると聞いております。
厳しい状況ではありますが、厚生年金の格差是正は早急に解決すべきものと考えており、関係者の御協力を得て問題の解決が図られるよう最大限に努力を傾けていきたいと思っております。
同じく戦後処理問題との関連で、マラリア犠牲者補償問題について同問題の現状と、3者連絡会議の動き及び今後の見通しについての御質問にお答えいたします。
県としましては、沖縄戦中、八重山地域においてマラリア有病地への退去により犠牲となった者の遣族に対し、戦傷病者戦没者遣族等援護法、またはそれに準ずる措置を講ずるよう平成4年3月31日に国に対して正式に要請をしたところであります。
国においては、内閣総理大臣官房総務課参事官、沖縄開発庁総務局参事官、厚生省援護局援護課長の3者から成る沖縄県八重山地域におけるマラリア問題連絡会議が2回開かれており、現在、県の報告書等を含め資料を整理検討中であると承っております。県としては同連絡会議と調整を図りながら、問題の早期解決に向けて努力いたしてまいります。
次に、軍転法との関連で、県側が独自に政府に出している軍転法の取り扱いはどうなっているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
県は、駐留軍用地返還・跡地利用促進特措法――これは仮称でございますが――の早期実現に向けて県案要綱を作成し、平成3年11月に外務省、防衛庁、防衛施設庁、沖縄開発庁へ要請を行いました。また県選出国会議員や関係方面に対しても県案要綱の趣旨、内容を説明し協力方をお願いしているところであります。
県案要綱に対する感触としては一定の理解は得られたものと思っていますが、率直に申し上げて新たな立法措置を講じていただくまでにはさらに強力な働きかけが必要だと思っています。
それから知事の平和行政との関連で、悲惨な戦争体験を有する沖縄県民こそ、紛争で困っている他国の人たちへ救援の手を差し伸べなければならない、これがPKO協力法の精神と役割であると思うが、知事はどう思うかという趣旨の御質問にお答えいたします。
御質問の趣旨は理解できます。PKO協力法の運用については、憲法の基本理念である平和主義が貫かれるよう見守っていきたいと思っています。
お許しを得てほかの質問につきましては担当部長から答えさせますので、よろしくお願いします。
○議長(儀間光男君) 商工労働部長。
〔商工労働部長 比嘉秀雄君登壇〕
○商工労働部長(比嘉秀雄君) フリーゾーンの充実強化についての高良政彦議員の御質問にお答え申し上げます。
御質問は、現那覇地区の不振の原因は制度面等の支援措置の不足にあるが、制度面、法的面での改善がなされたかという内容でございますが、本県における重要な産業振興施策の一つである自由貿易地域制度につきましては、御指摘のとおり現那覇地区の活性化を含め、その拡充強化を図る必要があるとの認識にたちまして、沖縄振興開発特別措置法の改正に向けて沖縄開発庁を初め関係省庁に対し、数次にわたりその充実方について強く要請してきたところでございます。
特に本県の地理的不利性等を克服し、企業立地の推進と貿易の振興を図るためには、立地環境のインセンティブを高める施策の一つとして、1つ、輸入の自由化――主としてIQの廃止でございます――、2番目に独自関税率の導入、3番目に課税の選択制の導入等の必要性等を要請したところでありますが、これらはいずれも我が国の通商産業施策及び関税制度の根幹にかかわるものであるとして県の要望が受け入れられなかったことは御案内のとおりでございます。
その結果、最終的には沖振法の改正内容等につきましては、1つ、自由貿易地域の存続延長、2に税制優遇対象業種の拡大で1業種から4業種追加されたこと、3番目に事業所税の非課税、4番目に総合保税地域の導入が盛り込まれたところでございます。
次に、自由貿易地域で企業の倒産ないし撤収などが出ているが、その実情を明らかにしてもらいたいとの御質問にお答え申し上げます。
御指摘のとおり、自由貿易地域那覇地区の入居企業につきましては、平成3年度末をもって2社が撤収したところから当初の27社から現在25社となっております。撤収の理由等につきましては個別企業に関することなどもありますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
ところで、那覇地区の平成3年の輸入額は15億8000万円、対前年実績の34%、輸出額で22億5700万円、前年度比で実績の46%となっており、入居企業の経営実態は極めて厳しい状況にあります。
県としましては、那覇地区の活性化に向けて今後とも当面の課題あるいは中期的な課題を含めて検討し一層の努力を払っていく所存でございます。
○議長(儀間光男君) 総務部長。
〔総務部長 新垣勝市君登壇〕
○総務部長(新垣勝市君) 高良政彦議員の御質問にお答えいたします。
完全週休2日制の実施に当たり、民間への影響について十分把握されているかとの趣旨の御質問でございますが、労働時間の短縮は豊かな国民生活の実現等の観点から国の重要な政策課題として推進されております。
県においても、県内企業の週休2日制の導入を促進するため種々の事業を展開し機運の醸成を図ってきたところであり、完全週休2日制を導入する企業の割合は着実に増加しております。今後とも県内企業の労働時間短縮が促進されるよう関係機関等との連携を密にし、諸施策を推進してまいる所存であります。
また県においては、民間への影響が生じないよう週休2日制の導入に向けて段階的に実施してきており、県民の御理解を賜りたいと思います。
○議長(儀間光男君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 金城 毅君登壇〕
○環境保健部長(金城 毅君) 環境保全条例の制定についての御質問の中のその進捗状況と罰則規定はどうなっているかとの趣旨の御質問にお答えいたします。
環境影響評価制度につきましては条例の制定ではなく、要綱として定め、現時点ではその運用を積み重ねることにより制度の定着化を図っていく考えであります。
県環境影響評価要綱案につきましては、県公害対策審議会並びに自然環境保全審議会から答申を受けたところであります。その趣旨を踏まえ策定事務を進めているところであります。また要綱には罰則規定を設けてありませんが、要綱の規定に違反があれば、違反の事実等を公表することとなっております。
次に、同じく環境保全条例の制定についての関連質問で、軍事基地も含めるべきではないかとの趣旨の御質問にお答えいたします。
地位協定に特別の定めがない限り、我が国の国内法に基づき米軍を規制したり、米軍に対し一定の義務を課したりすることはできないこととされております。
しかしながら米軍といえども、我が国の法令を尊重すべきことは当然であり、また特に施設及び区域における作業は、公共の安全に妥当な考慮を払うべきことが地位協定第3条第3項で定められております。
県環境影響評価要綱は、国内法に基づき県が関与する許認可に際し環境の保全に配慮を求めるものであるところから、その適用は困難であると考えますが、基地内での開発等につきましても同要綱の趣旨に沿った配慮をしてもらうよう関係機関に申し入れを行っていく考えであります。
次に、同じく環境保全条例制定の関連質問で、環境管理計画についての御質問にお答えいたします。
環境管理計画につきましては、昭和63年度に環境管理計画基本構想懇談会を設置しまして、平成4年度を目途に策定作業を進めているところでございます。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 以上をもって代表質問は終わりました。
○議長(儀間光男君) 日程第3 乙第17号議案から乙第19号議案までを議題といたします。
知事から提案理由の説明を求めます。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 平成4年第2回沖縄県議会(定例会)に追加提出いたしました議案について、その概要及び提案の理由を御説明申し上げます。
今回提出いたしました議案は、同意議案3件であります。
乙第17号議案から乙第19号議案までの「沖縄県監査委員の選任について」は、監査委員4人の任期満了に伴い、その後任を選任するため地方自治法第196条第1項の規定により議会の同意を求めるものでありますが、議員のうちから選任すべき委員2人については県議会議長に御推薦をお願いいたしましたところ、去る6月26日に御推薦を得ましたので、識見を有する者のうちから選任すべき委員2人の選任とともに開会中の本定例会に同意議案として追加提出するものであります。
何とぞ慎重なる御審議の上、同意を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○議長(儀間光男君) 知事の提案理由の説明は終わりました。
休憩いたします。
午後2時43分休憩
午後3時5分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
日程第4及び日程第5を一括しこれより直ちに一般質問を行い、乙第1号議案、乙第2号議案及び乙第4号議案から乙第19号議案までを議題とし質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
伊良皆高吉君。
〔伊良皆高吉君登壇〕
○伊良皆高吉君 さきに通告いたしました事項について質問いたしますので、空港問題については特に知事において誠意ある答弁をお願いいたします。ほかの部長ではだめですので御了解ください。
まず、本県の農水産業行政についてお伺いいたします。
農は国の本なりと昔から言われておりますが、そのことは将来においても人間社会が続く限り変わることはないと、また本県にとっては政治的な課題であるというふうに思います。
四方を海で囲まれた本県の特に離島においては、第1次産業である農業と漁業の振興なくしては地域の振興を望むべくもなく、島の存続さえ望めないのであります。したがって離島県である本県の将来の展望は農政のいかんにかかわるところが大であると考えます。
そこでお伺いいたしますが、先月、農水省から「新しい食料・農業・農村政策の方向」が出されましたが、それを受けて本県では今後農政をどのように推進していくかお伺いいたします。
さらに現在、策定中であります第3次振興開発計画の中で農政の振興方向はどうなっているのか、さらに後継者の確保についてはどのように取り組むのかお伺いいたします。
あわせて、漁業においても、これまでのとる漁業からつくり育てる漁業の時代であるが、県はどのように取り組んでいくのか、また漁業後継者の確保をどのようにするのかあわせてお伺いをいたします。
次に、青少年の健全育成について質問をいたします。
まず、日本国憲法の前文は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、」云々となっております。国民のすべての営みが、すべて我々と子孫のためのものであることを高らかにうたい上げているのであります。そのことを思うとき、我々がいかにすばらしい仕事をなし遂げてみてもいかに豊かな時代を築き上げてみても、次代を担う青少年の育成、つまり人づくりができなければ我々の仕事は全く失敗であり、無意味であると言えると思います。
そこで、警察本部長並びに教育長にお伺いをいたしますが、残念なことに去る2月3日、石垣市におきまして田本任君の悲しい事件がありました。そのような出来事は、表に出ているか出ていないかというだけのことであって、県内各地にいろんな形で青少年の非行という形であるように聞いております。
そこでお伺いいたしますが、その事件があって以来、石垣地区では八重山警察署の積極的な指導のもと、学校、PTA、地域社会、あるいはまた関係機関団体等が一体となって青少年非行の防止に当たってまいりました。そのことで、かなりこのところ成果が上がったものだということで地域社会では喜んでいるところなんですけれども、本当に感謝の意を表したいわけでありますが、どうか、そのような取り組みを今後とも続けていただきたい。
さらにはまた、その取り組みの輪を全県的に広げていただきたいということと、どのようなことに留意して取り組んでこられたか、そのこともあわせてお伺いしたいと思います。
次に、新石垣空港についてお伺いいたします。
新石垣空港のおくれている最大の理由は、大田知事が行政実務に対して全くふなれであったことが明白であります。それは、知事自身が昨日の我が党代表質問西田議員に対する答弁の中でも、平成2年の12月は、知事になったばかりで、行政についてのふなれであったことを自分でも発言されました。また昨年3月の予算特別委員会における質疑の中でも明らかになっておりますが、これは、すなわち空港の建設場所が白保の海上からカラ岳東に移ったとき、国からの公文書が存在するものと勘違いをしていたということが知事の発言の中に明白であります。これは、去年の予算特別委員会の526ベージから531ページの中で知事は勘違いをしておりましたとか、公文書が存在しないので空港設置許可申請書にサインして政府に提出することにちゅうちょしたと知事自身はそう言っておられます。そのことは証明しております。
しかし知事、知事がふなれであったとか、勘違いをしていたということに対して百歩譲ったといたしましても、その後の知事の政治家としての姿勢が大切なんです。すなわち空港問題に対する取り組みについて、我々は地元として許すわけにはいかぬ、このように言っております。これは私だけじゃなくて、住民全体がそう言っているんです。5%程度は許すかもしれませんが、95%は許しません。
これは、きのうから知事が答弁しておられます、西銘県政で12年かかってもできなかったではないかというようなことを言っておられる、その考え自体が間違いです。12カ年かかったから、私も12カ年かかってもいいと知事は言われるような感じがします。そうなりますと、新しい知事が来ると、前の人ができなかったから私もできない、私もできないということで結局やる必要がなくなってしまう、そういうことにつながってくる。
むしろ政治家として大事なことは、12カ年間できなかったということじゃなくて、12カ年積み上げたんだと、こういうような解釈じゃないとでき上がらないんですよ。12カ年も積み上げてきたんですから、早くつくってもらえるはずだと、我々はそのように思うのであります。
それは、知事の姿勢が消極的で無責任だからなんですよ。知事が決断すれば解決する場所の問題にしましても、地元住民の合意を無視し、一部の反対者や地域以外の人々の声に気を使い過ぎているからなんです。
また、知事が空港問題に関して検討を依頼した委員会からの提言にしましても、約50%の委員がカラ岳東は適地として認められるような発言をしております。あとの2点については、そうでないということをはっきりしているわけです。そうであれば、それを材料にしても知事は判断することはできるはずなんです。それでもあえてやらずに、また遠いところに押しやって時間をかける形をとってしまった、これはちょっと、(「乱暴だ」と呼ぶ者あり)言われるとおり乱暴です、許すわけにいかぬです。
このような政治家としての無責任な姿勢を見て八重山の住民は、大田県政には期待するものは何もないなあと嘆いているのが実情です。
知事、政治とは、人々に夢とロマンを与えるものでなければならないんです。住民が夢とロマンを抱くということは、知事であるあなたの熱意、あるいは政治姿勢からしか酌み取らないんですよ。ふるさとの展望も夢とロマンもそこからしか描かないんです。ところが今のあなたのやり方では、どうもこれは期待することが薄いなあということなんです。
そこで私は、カラ岳陸上案が今4つ目として出てまいったんですけれども、カラ岳陸上案についてでありますが、これがもう既に昭和55年から57年、不適地だと、適さないと、山を崩すということで大きな反対があるということで、この議会でも共産党、社会党さん、社大党さんに反対もされた経緯もあります。既に没になったという経緯があるんですが、それは知っておられるのでしょうか。
今、第4案というのは、10年前に没になったところをもう一度ほじくり出しているということになるからあえて申し上げるんですが、さて、ここに地元の方から手紙が寄せられております。皆さん方議員のところに全部届いていると思いますが、石垣喜興元県議会議員、元石垣市長です。それから牧野清歴史研究家です。この方々から寄せられておりますが、地元の人の気持ちを代表していると思いますから申し上げたいと思います。
私ども島に住んでいる者は、空港問題については、事の起こった当時から石垣島ではカラ岳東以外に適地はないと考え、その旨主張してまいりました。いろいろ検討もされておりますので、あえて多くは申し述べませんけれども、第1に航空機運航の安全面から、第2に狭い島の土地の有効利用という面からであります。サンゴも大事であるが、カラ岳東に空港をつくったからといって全滅してしまうわけでもないので当然守っていけると思います。私たちは、この島に住む子々孫々のためにどうしてもカラ岳東でつくってほしいと思います。多くの住民もそのように希望しておりますので、どうか知事、カラ岳東に実現してくださいと、こういうふうな手紙が来ております。
中にはどういったわけで、どこが、どういった理由でだめで、どちらがいいという、こういった点数までつけています。そのことは、県の方も前にそれに似たような点数をつけた経緯がありますのでよくおわかりと思いますが、むしろこれは県の方で点数をつけたものをそのままこの表にしたものかと思いますので、どうぞ見てください。(資料を掲示)
そこで質問でありますが、第1点、新空港の建設場所として住民合意が最も多く得られている所はどこですか、またそれは八重山地区住民の何割程度か。
2つ目、カラ岳東案と陸上案では、陸上案といいますのは宮良案とか冨崎野案のことですが、安全性の面でどちらがすぐれていますか。
3つ目、空港建設と海を守ることとどちらが優先されるべきですか。
4つ目、カラ岳東には政治家がかかわった土地疑惑があると今も思っておられますか。
5つ目、カラ岳東における海洋影響、あるいはサンゴの保護等について環境庁の見解はどうなっておりますか。
6つ目、新石垣空港建設場所選定検討委員会の役割と権限はどのようになっていますか。
7つ目、カラ岳陸上案については山を崩すこと、並びにカラ岳が聖地であること等の理由で県当局では既に建設予定地から外していることを知事は知っていますか。そのような資料を検討委員会に提供しましたか。
8つ目、海上の工事よりも陸上の工事の方が自然の生態系を損ねたり、海中を汚染するとの声も多いのですが、知事はどう思いますか。
9つ、第4案、すなわちカラ岳陸上案について地元では既に反対運動が起こっているが、知事は知っているか、それに対してどう対処するか。
10番目、県は、第4案について調査検討するとのことだが、検討委員会からの提言だけによるものか、それとも地元を全く無視してのものか、それとも地元からの意見等もあったのかお伺いいたします。
11番目、第4案の位置、方向、滑走路の長さ、工事費等はおおむねどうなっているのか。
第12、第4案については可能性調査に2カ月ほど要するとのことだが、他の調査はどれだけかかるのか、その必要な期間を教えてください。
13番目、カラ岳東以外の場所では建設の期間が着工してから18年間かかると聞いているが、説明を願いたい。
14、新石垣空港の供用開始はいつごろの予定ですか。
15、第4案については石垣市議会で同意が得られると思うのか。また市議会での同意が得られない場合、どうするのか。
16、新石垣空港建設について石垣市が独自で空港をつくりたいとの申し出があった場合、県はどうしますか。
以上、答弁によって再質問いたします。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 伊良皆高吉議員の御質問にお答えいたします。
まず、現在、県案策定中の第3次沖縄振興開発計画の中で、本県の農政の振興方向はどうなっているのか、特に後継者の確保はどのように取り組むのかという御質問にお答えいたします。
第3次沖縄振興開発計画については、現在、県素案の策定作業を関係機関との調整を重ねながら進めているところであります。その中で農業の振興については農業生産基盤整備の推進、農業構造の改善等により生産性の向上を図るとともに、担い手の育成確保、高収益性作物の産地形成、新技術の開発普及、流通体制の整備等総合的に施策を推進し、国際化時代に対応した生産性の高い特色ある亜熱帯農業の確立に努めることを基本的な考え方としております。
農業後継者については、農業生産基盤の整備を初めとする各種農業生産振興施策の推進や、地域特性を生かした収益性の高い農業の促進、制度資金の積極酌な活用及び営農指導や教育研修活動の強化等を図るともに、若者が定住できるような農村広場、集会施設等の生活環境の整備等を進め確保していく考えであります。
次に、新石垣空港問題と関連して、知事は、政治家がかかわる土地疑惑があると思っているのかという趣旨の質問にお答えいたします。
カラ岳周辺の土地問題に関しては平成3年11月、国土利用計画法違反として関係企業等に対し判決が言い渡されております。なお、この件につきましては、これ以上の内容は承知いたしておりません。
空港建設場所として地元住民の合意が最も多く得られている所はどこと考えるか、またそれは地元住民の何%ぐらいになると認識しているのかという質問にお答えいたします。
何%という表現では申し上げにくいのですが、新石垣空港建設位置決定に向け、これまで取り組んできた一連の合意形成作業においてカラ岳東側案については多数の団体や公民館が賛成していたことは承知しております。
次に、第4案の建設場所を検討する理由は何か、地元からの要望や意見はあったのかという質問にお答えいたします。
カラ岳周辺部(陸上部)については、3案の抱える自然環境及び農業上の課題と空港建設との整合が図られる箇所として新石垣空港建設位置検討委員会から提言があり、その建設の可能性を検討するに値するものであると受けとめております。
なお、地元におけるカラ岳東側案の修正の意見等は、平成4年2月、3案に関する候補地説明会を開催したときに意見として提起されたことがあり、委員会の提言と同様な視点に立ち、早期建設を願うものであると理解しております。
次に、第4案に対して地元住民からの反対があった場合どうするのかという趣旨の質問にお答えいたします。
カラ岳周辺部(陸上部)の検討については、これまで県が提示してきた3案の抱える自然環境及び農業上の課題と空港建設との整合が図れる箇所として新石垣空港位置検討委員会から提言されており、県としても調査検討に値する箇所であると判断しております。したがって当該地域において基本計画調査及び地権者調査を初め地元住民の意向も勘案し、空港建設の可能性を把握していきたいと考えております。
それから、次の質問に飛びますが、八重山地域において空港をつくることと、海を守ることとどちらが優先されるべきかという趣旨の質問にお答えいたします。
新石垣空港建設問題についてこれまでの経緯を踏まえた場合、いずれも重要なことであると考えております。そのため、自然環境等の課題と空港建設との整合が図れる箇所としてカラ岳周辺部(陸上部)においてその可能性を見出すべく、今後、調査検討を実施したいと考えております。
また飛びますが、陸上案の方がサンゴや海を汚すとの意見もあるが、どう思うかという趣旨の御質問にお答えいたします。
カラ岳周辺部(陸上部)については、これから可能性の調査を実施するものであり、工法上の具体的な検討はその結果を踏まえてからということになります。
なお、サンゴ礁の保護等海域の保全についてはもちろんのこと、周辺陸域への悪い影響も最小限にするように最大限の努力を払いつつ、より安全で確実な計画及び施工方法を追求する所存でありますので、御理解いただきたいと思います。
なお、ほかの質問については担当部長から答えさせますので、よろしくお願いします。
○議長(儀間光男君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 山城正栄君登壇〕
○農林水産部長(山城正栄君) 本県の農政に関連する御質問にお答えいたします。
「新しい食料・農業・農村政策の方向」を受けて、今後、本県の農政をどのように推進するかという趣旨の御質問でございますが、御案内のとおり国におきましては昨年5月以来、我が国農業、農村について今後とも国土環境を良好に保全し、我が国経済社会の安定的、持続的発展を図る観点から食料、農業、農村をめぐる施策のあり方について中長期的展望に立って総合的な検討を行い、去る6月10日に「新しい食料・農業・農村政策の方向」として決定をされております。
この方針は、我が国の21世紀を展望した食料、農業、農村政策の基本的方向を示すものであり、今後、所要の制度、施策の見直し等具体的な施策の検討がなされるものと聞いております。
本県においても、今後、この方針の趣旨を踏まえ、国の具体的施策の検討の動向を見守りながら、農業振興施策の展開に反映をさせていきたいと考えております。
次に、漁業においても、これまでのとる漁業からつくり育てる漁業の時代であるが、県はどのように取り組んでいるのか、また漁業後継者の確保はどのように取り組むのかという御質問にお答えいたします。
水産業の振興につきましては、漁港等の生産基盤の整備を初め沿岸漁場の整備開発、水産技術の普及開発等を推進し生産性の高い水産業の確立に努めているところでございます。特に沿岸漁業及び養殖漁業は本県水産業の約6割を占める重要な部門でありますので、これらの漁業生産の向上を図る観点から漁場環境の保全に努め、ハマフエフキ、タイワンガサミ等魚介類の種苗生産及び放流、モズク、クルマエビ等の養殖漁業を推進しているところでございます。
そのほか、漁業者等に対し資源の維持管理についての技術の向上及び意識の啓発を図りつつ、今後ともつくり育てる漁業を積極的に推進していく考えでございます。
また、漁業後継者の確保につきましては、今後生産の増大が見込まれる沿岸漁業及び養殖漁業を中心に漁業及び養殖技術の指導、漁業経営への資金的支援、定住のための漁村生活環境の整備及び若い漁業者を対象とした学習会や技術交流会等を推進し、若い漁業者が誇りと希望を持てる各種施策を今後講じていく考えでございます。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 警察本部長。
〔警察本部長 佐野智則君登壇〕
○警察本部長(佐野智則君) 田本君の事件の措置、事件後の警察で実施した対策についての御質問にお答えいたします。
この事件につきましては大変痛ましいものでございまして、私どもといたしましても真摯に取り組んでまいったところでございます。
加害少年の9名につきましては、少年の年齢とか、犯行の態様等に応じまして検察庁、家庭裁判所、児童相談所へそれぞれ送致、通告いたしたところであります。
また、今後の具体的な防止対策ということでございますが、1つは、地域の非行防止意識の高揚を図るために石垣中学校区を平成4年度の警察庁指定の少年を非行から守るパイロット地区あるいは少年を守る環境浄化重点地区として指定を受けまして地区活動の活性化を図っているところであります。
具体的な活動といたしましては、非行少年のたまり場に対する重点警ら及び補導活動の強化、非行集団等に関する実態把握の徹底と補導、解体、学校、関係機関団体等との連携の強化、各地区における非行防止懇談会の開催といった内容でございます。
また、今回の事件を契機といたしまして八重山警察署におきまして従来の警察本部長委嘱の少年補導員制度とは別に、御質問にございましたように署長独自の委嘱による少年補導員制度を発足させ、問題少年に対してマンツーマンの指導を実施する等、これまで以上にきめ細かな補導活動を推進した結果、少年非行事案が減少傾向を示す等相当の成果を上げているものと認識しております。
これらの成果は、私ども警察の諸対策もさることながら、市、学校、PTA、地域等の関係者が今回の事件の重要性を認識され、地域が一体となって組織的、積極的に取り組み、世論が盛り上がった結果だと受けとめております。
御提言のありましたように、マンツーマン方式の少年指導員制度につきましては、石垣地区におきますように地域関係者の一体的取り組みがあってこそ真にその効果が十分発揮し得るものであるところから、今後、それぞれの地域関係者の御理解と御協力が得られる見通しが十分ついた地区について、その拡大を図る方向で検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(儀間光男君) 教育長。
〔教育長 津留健二君登壇〕
○教育長(津留健二君) 田本君事件を教訓にして、石垣市の学校、家庭、地域の取り組みの実績を踏まえて、全県的に非行防止の輸を広げていく必要があると思うが、教育長の考えを伺いたいという御質問にお答えいたします。
県教育委員会としましては、このような痛ましい事件を二度と起こしてはならないという強い反省に立ちましてこれまでの生徒指導体制を総点検いたしまして、全教職員が共通認識の上に立って生徒指導体制が機能するように指導をいたし、学校、家庭、地域が一体となって青少年の健全育成に取り組むように指導をしているところでございます。
先般、5月の22日でございますけれども、石垣市において「教育長と語る会」を実施いたしました際にも地域の学校等を訪問させていただきました。
石垣市においては、事件以後、学校、家庭、地域、行政が一体となって生徒指導上の諸課題に取り組み、成果を上げつつあります。
県教育委員会としては、石垣市の取り組みも踏まえ、学校、PTA、地域、関係機関団体等との連携を一層密にして青少年の健全育成について全県的な取り組みがなされるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 新石垣空港関係の御質問について、議員からいただきました質問の資料の番号に従いましてお答えいたします。
まず、5番目についてお答えいたします。
カラ岳周辺部(陸上部)の可能性調査については、基本計画調査及び地権者調査等を予定しております。
調査の前提となる滑走路延長は2000メートルで計画しております。御質問にあるおおむねの位置、滑走路方向及び概算事業費につきましては現時点で判明できないため調査結果を踏まえて公開したいと考えております。
6番目、新石垣空港の建設位置につきましては、カラ岳周辺部(陸上部)の可能性調査の結果を踏まえて総合的に判断し可能な限り早期に決定したいと考えております。したがいまして、この調査をもって建設位置の決定に必要な資料はおおむねそろうものと考えております。
8番目、新石垣空港建設位置検討委員会は、新石垣空港の建設候補地について大局的な見地から自由な討議を行うことによって望ましい建設位置の選定に資するものであります。
10番目、空港建設に要する期間が、総事業費や工事の難易度等によりまして多少相違はありますが、おおむね10年程度であると言われております。
しかしながら、今回のように建設位置決定後、第6次空港整備5カ年計画への新規事業としての組み入れ、飛行場設置許可申請書の添付書類である地権者及び利害関係者の同意取りつけ、建設に伴う関係機関調整等期間を算定するには不確定要素が多く明示することはできませんので、御理解を賜りたいと思います。
11番目、新石垣空港のそれぞれの建設候補地につきましては石垣島の地形条件、気象条件等から運航空域条件を満たすものであり、就航率にわずかながらの差はあるものの、安全性は3候補地ともに確保されております。
12と13は一括してお答えいたします。
カラ岳周辺部(陸上部)につきましては、建設可能性の調査を実施し、その結果を踏まえて石垣市、石垣市議会を初め利害関係者等との調整を進めつつ御理解を得ながら、その可能性を検討していきたいと考えております。
15番目、県は、昭和51年度の新石垣空港基本計画調査で、新空港建設地に6候補地を挙げて比較選定作業を行っております。その中にカラ岳東があり、比較上では最下位となっていることは承知しております。しかしこのカラ岳案は、カラ岳の北側を全体的に利用して計画されていることなどから多くの不利な点があるように思われます。
また、現在では土地利用状況等社会条件も大幅に変化しておりますし、カラ岳東側海域の自然保護問題についても当時とは大きく違ってまいっております。今後は、このような状況等も踏まえていろいろと調査検討する予定でございます。
16番目、カラ岳東側案につきましては、白保海域のアオサンゴ保護等自然環境保全について可能な限り配慮するために空港建設位置を可能な限り北側にずらしたり、埋立面積を少なくするなどの検討や、また新石垣空港建設工法検討委員会の中で専門的に検討しており、国の環境アセスメント要綱はクリアしているものと考えております。
なお、カラ岳東側への変更時点で環境庁のカラ岳東側海域での空港予定地については、自然保護上の問題はないと判断されているとのコメントをいただいたいきさつがございます。
17番目、新石垣空港の早期建設は八重山郡民の長年の願望であり、県としてもその思いは同じでございます。
先ほども申し上げましたが、おおむね10年程度かかると言われておりますので、早期に供用開始するためには建設位置について地域の合意を図り、工事に着手する必要があります。そのため地元住民及び関係者の理解を得ることが新空港の早期着工と円滑な事業の推進につながるものとの認識に立ちまして、これまで一連の合意形成作業を進めてきたところでございます。
18番目、新石垣空港は空港整備法第2条第3項にいう第3種空港であり、その政令で位置づけをされております。その位置及び管理につきましては、同法第5条により政令で定める関係地方公共団体が協議して定めることになっております。すなわち、新石垣空港の場合、県と石垣市の協議によって定めることになっておりますので、石垣市による設置管理は可能でございます。
最後に、カラ岳は聖域であるという資料は検討委員会に提出したかという御質問でございますが、提出されておりません。
以上でございます。
○伊良皆高吉君 休憩願います。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後3時43分休憩
午後3時45分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) お答えいたします。
新空港の建設について、石垣市独自で建設したいと申し出があれば県はどうしますかという御質問でございますけれども、これは仮定の問題でございますので、現時点でお答えすることはできかねますので、御了解いただきます。
○議長(儀間光男君) 伊良皆高吉君。
〔伊良皆高吉君登壇〕
○伊良皆高吉君 それでは問題を幾つかに絞って再質問いたします。
環境庁の方では、カラ岳東の海上案については自然保護の面でもオーケーであるというコメントを得ているということをいただいているんです。にもかかわらずこの問題をどこまでも進めようとせずに長引かせているという知事の態度が私たちは許せない。そういうふうな根拠があるから、知事の姿勢は政治家の姿勢としてどうも間違っているんじゃないかということを言っているんですよ。
それから、我々がカラ岳東というふうにこだわっている理由は何かといいますと、まず、安全面なんです。なぜ安全かといいますと、飛行機の安全というのは、今、部長が言うように安全面の確保、ウインドカバレージが法律の範囲だからということじゃだめなんです。飛行機というのは人間がやっている以上、万一、いつ何が起こるかわからない。万一のことがあったときに人間がどうなるのか、それが安全の基準なんだそうです。
私は、執行部に話してありますけれども、航空専門家だれだれと言いました。この人に会って聞いてきてくれと言ったんですが、海のそばの飛行場は安全だそうです。なぜならば、海から入って海に出る飛行場は、飛行機が落ちたときに犠牲者は中にいる人だけが犠牲になる。ところが陸の上はこれはそうはいかないんですね。その中にいる人はもちろんのこと、町の人たちもどうなるかわからぬ、通っている人も巻き添えに遭う、どこに落ちるか相談できませんから。石油タンクとかガソリンスタンドに落ちたりしたら大爆発を起こして2次災害、3次災害があり得る。さらには学校とか、そういった所に落ちたときはどうするのか、現に石川市の宮森小学校であったじゃありませんか。
こういうふうに陸上で落ちたときはもう可能性がない、あきらめるしかない。しかし海の上ならば飛行機が沈むまでの間に助かる可能性がある、この可能性を子供や孫のために我々は安全としてプレゼントしたいんですよ。落ちたときはあきらめなさいというような飛行場をプレゼントすることはできない、これが八重山の皆さんが言う、先輩方から言われる安全性、安全性ということは、白保の東の海上案もそうでした、カラ岳の東もそうでした、そのことを言っているんです。
それからもう一つ、海を守るためには山を守らなければいかぬです。ヤマチッチャンという言葉がありますが、山を切るともうどうしようもない、取り返しがつかない。そういうことを方言でありますよね、ヤマチッチャン、どなたかテレビで講演しているところもありました。山を崩すとあなたが守ろうという自然、サンゴ、海などとんでもないことになりますよ。むしろ我々は、自然保護の立場からも山を切っちゃいけませんよと。ヤマチッチャンじゃ困るよということで私はそれを申し上げているんです。
それからもう1点ですが、学者の研究も大事なんですけれども、もっと大事なことは人間の命なんですよ。こちらでだれかチンボーラーの研究だとか、あるいはサンゴの研究とかあるでしょう。それもいいんですが、何のために研究するかというと、我々の人間の生活の中にどのように組み入れて活用していくか、そのために研究するんであって、我々が学者の研究を助けるために、チンボーラーの研究を助けるために八重山の人がそこに住んでいるんじゃないんです。だから私は、空港が大事か海が大事かというんですが、今、知事の判断は空港の建設よりは海の方が先だと、守ることが先だと、優先順位が逆になっていることに対して憤りを感ずるんです。そのことについて御意見を賜りたいと思います。
○知事(大田昌秀君) 休憩願います。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後3時49分休憩
午後3時51分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 再質問にお答えいたします。
まず、カラ岳東海上案について、環境庁はクリアしているとコメントしているという問題について、その点については理解をしております。
それから、安全面についてただいま御意見がございました、陸より海の方が安全だということを。この点につきましては御意見として伺っておりますが、いろいろなケースがございまして、一方的にどちらの方がより安全ということは今のところなかなか判断が難しいところでございます。
それから、山などを崩すと大変だと、自然の保護の面で山を崩すと大変だということについてもこれから調査に入るところでございまして、今の段階でどうのこうのということは申せません。
それから、学者の研究よりは人間の命が大事だと、そのこともよくおっしゃる意味はわかります。しかしもしそれだけで通るとすれば、去る6月ですか、リオデジャネイロで開かれた環境サミットなんかというのもないはずなんです。現実に人類そのものが環境問題で危機にさらされているという結果、やっているわけです。
ですから、そういうことも含めて人間の命も大事だし、またその人間の命を培う環境も大事にしながら、一番双方が調和のとれるような形をとる空港をつくろうと今、必死になっているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
○議長(儀間光男君) 伊良皆高吉君。
〔伊良皆高吉君登壇〕
○伊良皆高吉君 まず、安全面からでございますが、世界の空港が海のそば海のそば、あるいは砂漠へ砂漠へと移動している。長崎もそうですし、大阪もそう、名古屋もそう、我が国においてさえそうなんですよ。この点をまず頭に入れてもらいたい。
それからもう1点は、リオデジャネイロのサミットを申されましたけれども、環境も人間の生活のために必要なんです。人間の生命のために必要なんです。あなたの場合は学者的発想で、人間の生活と生命が後回しにされている、その辺がちょっと問題だと思いますね。
それから環境保全の面ですが、海に降った雨は海を汚さないんですよ。陸上に降った雨が泥水となって海を汚している、そのことを頭に入れてください。
再質問します。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後3時55分休憩
午後3時57分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 再度お答えいたします。
まず第1点目の安全面との関連で、世界の空港が陸から海の方へ移動しつつあるということについてどう思うかという趣旨の問題についてお答えいたしますと、そのような傾向があるかと思います。
しかしそれは時と場合、場所によってでございまして、例えば成田空港、それではどうして成田空港をつくるかということにもなりますので、その場合場合によって、事情によって変わってくると思います。したがって安全面につきましては、陸であれ海であれ空港をつくる際には最優先して考えるのは当然のことだと思います。
それから、サミットの問題で、つまり環境と人間の生命とどっちが大事かと、これは双方とも大事でございまして、双方が補い合っているわけでございます。もちろん人間の生活が一番大事だということは重々理解しております。
それから、海に降る雨は海を汚さないけれども、陸に降った雨がかえって海を汚すという趣旨の御発言について申し上げますと、そういうことをおっしゃる方もおりますが、また逆に、せんだっての位置選定委員会の中でもある先生は、海の方に埋め立てをする工法で海を汚さないというのであれば、陸でその工法を使えばなおさらたやすくできると、汚染が防げるということを言っておりましたので、御理解いただきたいと思います。
○議長(儀間光男君) 伊良皆高吉君。
〔伊良皆高吉君登壇〕
○伊良皆高吉君 知事、知事は政治家ですから地球規模のサミットとか環境とか、ああいった大きなところで問題をはぐらかさないでいただきたいと思います。
それから、八重山の住民が本当に熱望していますから、よろしくお願いします。
以上です。
○議長(儀間光男君) 下地常政君。
〔下地常政君登壇〕
○下地常政君 石垣空港で大分白熱化しましたので、ここで皆様に当選のお祝いを申し上げます。特に今回、初当選を果たされた新進気鋭の皆様の御活躍を心から念願しまして、質問に入らせていただきます。
最初の質問は、台風3号関連で事前に通告はしてありませんが、緊急度の高い問題ですので、同僚議員皆さんの御理解をいただいて質問させていただくものであります。
先月末28日から30日にかけて来襲した台風3号は、八重山、宮古、沖縄本島南部において多大の被害をもたらしました。
宮古の例を申し上げますと、速報被害額、これは推定でありますが、約7億円、昨年9月の台風被害額6億円を超えて過去最高額となっております。
そこでお伺いします。
被害は農水産物、交通通信、電力等多岐にわたっておりますが、ここではさしあたり農水産物を中心に全県下の被害総額とこれに対する対策をどうするかお聞きするとともに、早急に対策を実施されるよう強く要望しておきたいと思います。
次いで、選挙の結果についてでありますが、県知事就任後の選挙で与党が多数を制してきたこれまでの例に反して、今回は逆に野党が議席差を広げる結果となりました。これは、大田県政に対する県民の厳正な審判であります。票の掘り起こしが不十分であったなどと敗因をほかに求めたくなる心情はわからないではありませんが、しかし議会制民主主義のもとでは選挙の結果がすべてであります。この選挙結果に対する知事の率直な御見解、これまで何回かお答えいただいておりますけれども、重ねてお聞きしたいと思います。
次いで、知事の政治姿勢についてであります。
県行政の最高位にある知事の政治姿勢を、主要施策についてのこれまでの取り組みを通して見てまいりたいと思います。
知事、八重山圏域は観光客数、農水産物出荷等大きな可能性があるにもかかわらず、空港狭隘のためその発展が箸しく抑制されており、その潜在的な損害ははかり知れず、さらに常に危険をはらんだ航空機運航を余儀なくされているところでもあります。これは、先島の者として、特に我が宮古圏域において空港整備が一段と進んでいることから、航空路線の展開あるいはフライト農業の発展等々、すばらしい発展を見ている状況からしてまことに見るに忍びないものがあります。
新石垣空港問題は、西銘県政が10年も模索し続け、ようやく決断したまさにそのときに、早期着工を公約に掲げて大田県政がこれを引き継がれたわけであります。
これを受けて県民が、就任直後とは言わないまでも、少なくとも1年程度以内にめどをつけ、任期の4年以内に完成ということを期待したのは全く正当なことであります。
しかし、知事の決断のおくれにより今や県民期待の早期着工はなくなりました。これは同時に革新県政誕生の意義も失わしめたことになり、今度の選挙で大田県政に対する多くの批判を招いた要因ともなったものであります。
近代行政の複雑化、高度化、技術化に伴い、その是非は別として、行政の相当程度をテクノクラート、いわゆる技術官僚にゆだねざるを得ない場合が多く、その意味で行政プロセスのすべてをオープンにして市民に判断を求めるというのは、一見、民主的なようですが、これは木によって魚を求めるのたぐいであり、見方を変えれば行政責任を回避することになるのであります。
新石垣空港の場合、説明会、意見発表会、討論会、行政連絡会議、位置検討委員会等々と実にさまざまなプロセスをあえて重ねながら、結果は西銘前知事が決断をした平成2年11月以前と比べて何ら目新しいものはなく、知事の期待された候補地一本化の住民合意など当然のことでありますけれども、得られなかったわけであります。
新たに浮上したカラ岳陸上案については、反対派、促進派相ともに反対するなどますます混迷化を深くしつつあり、抜き差しならないところへ追い込まれようとしております。
マックス・ウェーバーは、その著書「職業としての政治」において政治家の要件について触れ、「政治を職業とするものにとって、特に責任感と判断力が不可欠である」と言っています。
そこでお伺いしますが、新石垣空港建設について、公約どおり早期着工が実現しなかった点についてどう責任を感じておられるか。
2つ、可能な限り早期にと常々おっしゃっているが、位置決定についていつ決断されるか、また平成5年度予算計上は可能か。
3つ、平成3年元旦の琉球新報紙上でのインタビューで、奄美空港建設についての合意形成の経緯を調査して参考にしたいとおっしゃっている、その調査の結果はどうであったか、以上、知事御自身で明確にお答えをいただきたいと思います。
次に、老人医療無料化についてであります。
これについて皆さんは既に決着がついたものと思っておられるようですが、しかし問題が解決したわけではありません。なぜなら、今回、県議選の争点として与党の皆さんですら改めて老人医療無料化とは、あくまでも老人医療費の本人一部負担金を無料にすることであるとして、自分は与党としてその実現に向けて頑張ると、こう県民に約束しているからであります。
議長、ちょっと休憩してください。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後4時7分休憩
午後4時7分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
○下地常政君 おむつ代支給は、似て非なるものであり、決して老人医療無料化の一環などではなく、したがっておむつ代支給をもって公約不履行が免責されるものではありません。保険外一部負担の軽減が老人医療無料化の一環などというのは、県庁内の知事及びその側近の方々の独善的な見解であり、大田県政の与党議員も含め一般県民どころか、広く日本国民の常識外のものであります。これは私が野党だから申し上げているのではありません。とどめを刺すのは、今、共産党の方々を中心とする市民運動が起こり、大田知事公約の老人医療無料化実現、医療費本人一部負担ゼロを目指して運動が展開されていることは御承知のとおりであります。これは実質的に議会での知事答弁を容認せず、その公約不履行を糾弾する以外の何物でもありません。
そこでお伺いしますが、1つ、共産党候補者のビラで知事御自身公約を実現していく上で障害もあったと書いておられますが、具体的にこの老人医療無料化が公約実現の上で議会において障害と言えるようなものがあったとお考えでしょうか。
2つ、同じビラで自民党は多数を頼んで老人医療無料化を妨害したと書いています。これは議会における論議を妨害で片づけようとする反民主的な問答無用の暴論ですが、知事もそのようにお考えでしょうか。
3つ、私たちは、いつまでも実現できない公約は県民に釈明して取り下げたらどうかという主張ですが、知事は任期中、ということは今後2年半の間に真の意味での全き老人医療無料化、すなわち老健法でいう本人一部負担ゼロを実現するとお約束できますか、おむつ代支給など保険外負担軽減助成措置を絡ませないで明確にお答えください。
3番目に、伊良部架橋についてお伺いします。
さきに池間架橋が完成し、宮古挙げて祝賀会が開催されましたが、知事御自身出席されて橋開通を祝う島民の熱気に圧倒されたことと思います。これでまさに離島苦が1つ解消されました。さて次は伊良部架橋であります。
伊良部架橋は、離島の不便性、隔絶性を解消するだけではなく、下地島空港、未利用残地、それからすぐれた景勝、農水産物の生産など伊良部島自体の持つ大きな可能性を引き出し、もって宮古圏域の飛躍的発展をもたらすものであります。すなわち投資効果の点では、同架橋は離島架橋中別格であり、宮古広域行政組合としても多額の費用を投じて予備調査を実施するなど圏域住民の取り組みも群を抜くものがあります。
以上御理解されて、県としても的確、厳正な順位決定をされるよう強く要望いたしますとともに、これまでの離島架橋に対する取り組みのほどをお伺いいたします。
4番目に、離島航空路問題についてであります。
1つ、DHC路線の移管問題についてであります。
南西航空は、その抱えるDHC路線6路線を一括して琉球エアーコミューターヘ移管する計画を明らかにし、関係町村に波紋を投じています。
そこでお伺いしますが、なぜこの移管問題が起こったか、その背景。
2つ、県として基本的にこの問題をどう理解しておられるか。
3つ、琉球エアーコミューター社の内容はどういうものか。
4つ、同社が小規模で経営基盤が浅いことから、だれしもが次の諸点について懸念を持たざるを得ないと思いますが、県は、離島交通確保の立場からこれらの問題についてどうこたえようとするのか。すなわち1つ、要員、機材の確保の点、2つ、安定継続運航の維持、3つ、運航安全の確保と事故時の補償能力、4つ、サービスの低下、5つ、運賃値上げ、6つ、空港整備に伴う機材大型化への対応、以上であります。
小さい4番の2つであります。多良間空港の整備についてお伺いします。
多良間島は、宮古本島を離れること約80キロ、島民の皆さんの主要交通手段は航空機でありますが、その路線にはDHCクラス小型機材が配備され、島民の需要に十分対応しているとは言えません。そのため公私にわたる用務に支障を来し、特に台風時、その他少々の天候異変時にも欠航となり多大の不便を生じております。よって地域住民としては、県に多良間空港を早急に整備しYS機就航を可能ならしめるよう繰り返し強く要請をしているところでありますが、ここで重ねてその整備を要望いたしますとともに、同空港の整備計画内容とその採択の見通しをお伺いするところであります。
最後になりますが、南西航空の那覇-宮古路線における機材配備についてお伺いします。
那覇-石垣13便、那覇-宮古6便、これは7月度南西航空先島線の便数の比較であります。他の月についても大体同様であります。両路線は、南西航空の安定、多収益路線としてその経営を支えているものでありますが、この比較に見られるように同社の機材配備は需要サイドから見て大きな開きがあります。便数が少ないことは人員、貨物の回転がおそく時間の効率的利用が阻害され、地元住民が有形無形の損害を受けていることになります。
そこで県として、南西航空の各路線に対する機材配備を点検し、適正化するよう指導方要望し、あわせて那覇-宮古路線における便数が少ないのはどうしてか、その理由を明らかにされるとともに、1便でも増便することが全く不可能なのかどうか。あわせてお答えいただきたいと思います。
御答弁により再質問させていただきます。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 下地常政議員の御質問にお答えいたします。
まず、今期の県議会選挙の結果に対する知事の見解を聞きたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
このたびの県議会選挙の結果については、県政の問題も含め厳粛に受けとめております。
次に、新石垣空港問題との関連で、新石垣空港建設について、早期着工ができなかった点についてどう責任を感じているのかという御質問にお答えいたします。
新石垣空港の早期建設は、八重山郡民の願望であり、県としてもこれまでの経緯を踏まえた場合、地元住民及び関係者の理解と協力のもとに建設位置を選定した方がより早期に空港建設が可能になり、八重山郡民の期待にこたえることができるとの認識に立ってこれまで一連の合意形成作業を進める一方、新石垣空港建設位置検討委員会を設置するなどして建設位置決定に向け鋭意取り組んでいるところであり、御理解をいただきたいと存じます。
それから同じく新石垣空港問題で、今後位置決定についていつ決断するのか、また平成5年度予算要求は不可能かという趣旨の御質問にお答えいたします。
新石垣空港の建設位置につきましては、新石垣空港建設位置検討委員会で提起のあったカラ岳周辺部(陸上部)の可能性調査を実施した上で建設候補地を総合的に判断し、可能な限り早期に決定したいと考えております。
なお、平成5年度の予算要望は、このような状況を踏まえますと極めて厳しいものがあると考えております。
それから、同じく空港問題との関連で、平成3年元旦の琉球新報紙上でのインタビューで、奄美空港建設についての合意形成の経緯を調査して参考にしたいと言っていると、その調査の結果はどうであったのかという御質問にお答えいたします。
新奄美空港建設については、当初既存空港を拡張する計画で進められていたようでありますが、用地補償価格の調整等で折り合わず、同拡張計画を断念した経緯があります。しかしその後、地域の振興発展を図る上から新空港の建設を別の場所に計画してほしい旨の陳情が地元から繰り返しなされましたが、県は、過去の苦い経験から再出発には踏み切れなかったようであります。
このようなことから地元市町や議会は、徹底した地元住民説得等の努力を重ね住民の理解が得られたと聞いております。
新奄美空港建設計画は、このように地域住民の合意形成が得られ、再出発に向けての調査が開始され、その後円滑な事業が進捗しすばらしい空港が完成したということであります。
老人医療無料化について、議会において障害と言えるようなものがあったのか、また自民党が多数を頼んで妨害した云々等の選挙ビラについての質問にお答えいたします。
老人保健法にいう一部負担金に対する助成による無料化については、現行法の趣旨及び予算上の制約等から困難であります。
ところで、議会における野党の御質問について妨害などとは私は受け取っておりません。
それから、同じく老人医療無料化について、真の意味での老人医療無料化を実現すると約束できるかという趣旨の御質問にお答えいたします。
繰り返し申し上げましたように、老人保健法にいう一部負担金に対する助成による無料化については、現行法の趣旨及び予算上の制約等から実現は極めて困難であります。
それから、伊良部架橋についてお答えいたします。
離島架橋につきましては、離島苦の解消と離島振興を図る観点から、これまで伊計大橋、瀬底大橋、池間大橋等7つの橋が完成し、現在、浜比嘉大橋、阿嘉橋等の整備を進めているところであります。そのほか要請のある8つの橋についても、平成元年度から3年度にわたり各離島の現況、地域開発計画既存資料による地形・地質調査や投資効果の検討を進めてきたところであります。
御質問の伊良部架橋につきましては、これまでの調査結果から必要性は十分に認識しておりますが、これまで実施してきた離島架橋に比べ海上距離が約4.3キロメートルもある長大橋となり、事業化に当たっては膨大な建設費の確保、技術及び環境上の検討、地域開発計画との整合性等多くの検討課題があり、これらの問題解決に取り組む必要があると考えます。
離島架橋については、今後とも逐次調査を実施し事業化に向けて最大限に努力してまいる考えでございます。
なお、お許しを得てほかの質問は担当部長にお答えさせますので、よろしくお願いいたします。
○議長(儀間光男君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 仲里全輝君登壇〕
○企画開発部長(仲里全輝君) 下地常政議員の離島航空路問題についての南西航空のDHC路線のRACへの移管問題についてお答え申し上げます。
多くの島々から成る本県におきましては、離島航空路の維持は離島住民の利便性の向上、離島地域の活性化を図る上から重要な問題であると認識しておりまして、特に今回移管を計画しております那覇-南大東ほか5路線につきましては地域住民にとりまして生活路線として重要な役割を果たしております。
路線移管問題が起こった背景についてでございますが、これまで移管を計画している路線は6路線で10億4000万円の赤字路線となっておりますが、これまではその赤字を那覇-石垣、那覇-宮古等の好調な路線でカバーする形で赤字路線を維持してきておりましたが、航空自由化、県内路線への他社参入等によりまして、昭和60年から会社自体、総合いたしまして赤字の状態が続いており、平成3年度におきましては3億6000万円の多額の経常損益を計上いたし厳しい経営状況にございます。
また、琉球エアーコミューター株式会社におきましては、那覇-ケラマ、那覇-粟国の2路線に運航しておりますが、事業規模が小さく、当社も赤字経営状況にございまして、会社内におきまして事業規模の拡大が検討されてまいりました。その結果、両社はグループ化してそれぞれの機能に応じて役割を分担することにより効率的な経営の確立と離島路線の維持充実を図ることができるとの考えで今回の路線移管の問題が出てきているわけでございます。
次に、規模の小さいRAC社に移管するに当たって安全性の確保、サービスの低下、運賃値上げ、空港整備に伴う機材の大型化への対応等が懸念されるが、県としてどのように考えているかとの御質問にお答えいたします。
県といたしましては、これまで地域住民の利便性の向上に寄与し、地域の経済振興に重要な役割を果たしている両社に対し出資等の助成をし、地元航空企業として育成するため支援をしてまいりました。また本県におきましては、離島航空路線は最優先して確保する必要があると考えております。
このようなことから南西航空株式会社に対し、路線移管に際しては定時、安全運航の確保、要員、機材の確保、運賃値上げやサービスの低下を招かない、空港整備に伴う機材の大型化には速やかに対応することなどを指導しているところでございます。
次に、RAC社の会社概要はどうなっているかとの御質問にお答え申し上げます。
琉球エアーコミューター株式会社は、昭和60年12月24日に設立された会社でございます。資本金が3億9600万円となっております。主な株主は南西航空株式会社が50%、沖縄県が5.1%、安里政芳さんが4.4%、座間味村2.5%が主たる株主でございまして、その他で38.0%となっております。
事業免許でございますが、那覇-ケラマ就航が昭和62年2月17日から、那覇-粟国就航が平成元年12月20日からとなっております。
保有機材は、航空機アイランダー機2機、船舶2そう、従業員数が34名となっております。
次に、同じく離島航空路問題についての那覇-宮古線の機材配備についての御質問にお答え申し上げます。
これまで那覇-宮古線にはボーイング737型130名乗りが1日8から12便運航されておりましたが、6月1日からボーイング767型270名乗りが1日2便運航し、従来のボーイング737型機の1日4便と合わせまして1日6便運航となっております。これは機材を大型化することにより効率のよい運航を実施し、経費節減を図ることによってこれからの競争促進の時代に対応するための方策であると理解しております。
また、便数は減っているわけでございますが、座席数は20%程度ふえておりまして、宮古の航空需要には十分に対応していると聞いております。しかしながら便数が減少した結果、御指摘のような種々の問題が生じていることもまた事実でございます。
県といたしましては、運航時間帯の調整等によって利用者の利便性を高めることができないか、会社側に検討方を申し入れているところでございます。
○議長(儀間光男君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 山城正栄君登壇〕
○農林水産部長(山城正栄君) 台風3号の被害状況とその被害対策についてお答え申し上げます。
台風3号による農水産物の被害額は約25億8000万円程度でありまして、主な被害作物はサトウキビ、ニガウリ、スイカ、パパイヤ、バナナ等となっております。
被害地域につきましては、宮古及び本島の南部地域が中心となっております。
今後の対策につきましては、関係市町村及び農協等と連携を密にいたしまして生産農家が生産意欲の減退につながらないよう十分な措置を講じてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 多良間空港の整備についての御質問にお答えいたします。
多良間空港につきましては、現在、DHC6型機が就航しておりますが、機材が小型のため就航率が悪く、地元多良間村から空港整備と機材の大型化についての要請が出されております。
県といたしましても、航空輸送の安定的確保と就航率の改善等を図る観点からYSH型機クラスが就航可能な滑走路1500メートルを有する新空港を整備する計画であり、平成4年度に県単調査費で基本計画調査を実施する予定でございます。
同空港の整備につきましては、位置選定に関して地元における合意形成及び運航についての調整が必要であることから、これらの条件整備に努めるとともに、現在事業を進めている久米島空港や南大東空港等の進捗状況を勘案しながら、今後、国の第6次空港整備5カ年計画の中で検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 下地常政君。
〔下地常政君登壇〕
○下地常政君 再質問をいたします。
台風災害に対する対策は早急にお願いしたいと思います。
それから知事の御答弁ですが、早期着工に向けて努力をしていらっしゃると何回もおっしゃっていますけれども、先ほど申し上げましたようにいわゆる一般的な意味での早期着工、選挙のときに公約なさった早期着工の期限はもう既に過ぎていると。結局、早期着工というのはもう実現しなかったというふうに我々は受けとめているわけです。だからその点の認識がやはり出てこない答弁になっていらっしゃる。
努力はわかりますが、しかしもう早期着工ということは少なくとも消えました。あとはできるだけ可能な限り早い時期にということになるんでしょうけれども、その辺もしかし今の様子を見ていますと、これから任期中にもできるかなという私たちの不安であります。これは御答弁はよろしいんですが、早期着工はならなかったという認識だけはきちんとお持ちいただきたいと思います。
それから、老人医療無料化についてでありますが、これは私どもの申し上げている老人医療無料化というのは困難であると。これは為政者としてもう断念しますとはおっしゃられないから困難であるというふうにとどめていると思いますが、少なくともそれじゃ任期中どうするかというふうに私がお聞きしましたら、それももう困難であるという御答弁で逃げていらっしゃるわけです。ということは、もう任期中やらないというふうに受けとめざるを得ませんが、それでよろしいでしょうか。
それから、伊良部架橋についてでありますが、必要性は十分認められたと。あとは工事の規模が大きいからとか、あるいは予算がかかるとかという問題でいろんな問題を解決しなくちゃいけないとおっしゃっていますが、物事の初めはやはり必要性だと思うんですよね。だから必要性という意味で、その必要性が確認されれば、あとはそれをやるかやらないかという意思の問題だと思います。その必要性を十分御理解された上で問題解決に取り組んでいただきまして早期に実現されるよう、これも要望にとどめておきます。
先ほどの老人医療の無料化について、もう一度明確な御返事をいただきまして質問を終わります。
○知事(大田昌秀君) ちょっと休憩をお願いいたします。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後4時33分休憩
午後4時33分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 老人医療の無料化につきましてもう一度お答えいたします。
老人保健法にいう一部負担金に対する助成による無料化については、現行法の趣旨及び予算上の制約等から実現は困難であります。
○議長(儀間光男君) 翁長雄志君。
〔翁長雄志君登壇〕
○翁長雄志君 私は、さきに通告をいたしました項目の順序に従い、所見とささやかな提言を織りまぜながら、知事初め関係部局長の御見解を求めたいと思います。
個人的にも沖縄県議会の壇上に立つことができましたことに感慨無量なるものがございます。県民本位の県政を確立し、県民福利を追求する県議会の役割はどうあるべきか、その使命と責任の重大さをかみしめながら4年間の任期を全うしたいと心に深く誓い、この壇上に立っている次第でございます。
それでは質問を行います。
県立武道館の建設問題と、県立博物館の石垣改修工事問題について御質問申し上げ、知事並びに教育長、関係部局長の行政の進め方、その姿勢についてお伺いをしたいと思います。
まず、県立武道館の建設については、復帰20周年記念事業として那覇市の奥武山公園内に位置づけて、県内在住の1級建築士による設計競技を行い、去る3月19日、最優秀賞作品が選定されました。延べ面積約1万2000平方メートル、総工費54億円でいよいよ県民待望の県立武道館が着工されるものと期待をいたしておりました。
ところが、建設予定地内にある米軍施設のシーメンズクラブ4800平方メートルの土地の返還の見通しが立たないこと、同敷地が国有地であることから、返還後の使用方法について国との調整が不十分であったことから、去る5月28日、防衛施設庁大原施設部長の説明によると予定より約2カ年ほどおくれる見通しとなっております。
さらに、防衛施設庁の吉住次長は6月1日、シーメンズクラブの返還交渉そのものが県立武道館との絡みで中断されていると暗に県を批判しています。
新聞には、少しでも基地の返還促進を図りたいとする知事の強い意向を入れて、シーメンズクラブも返還用地に入れることに決定したとあります。
このことは、知事の軍用地返還への熱意が国初め教育庁、総務部、知事公室等の関係機関との調整の詰めを欠いたまま、教育庁側の当初計画のシ一メンズクラブを含めない方針を変更させ、いたずらに事態を紛糾させ行政を混乱させてしまったことになり、極めてその責任は大であります。
県立武道館の設計がその後どうなっているのか、その見通しは計画どおりにいくのかどうか、まず教育長の見解を伺いたいと思います。
さて、県立博物館の石垣改修工事が7月からスタートしますが、これまた現在の博物館前、県道40号線の拡幅計画に伴い、いずれ壊されるとのことであります。
しかし大田知事は、首里城復元が迫っており、博物館の石垣をそのまま放置しておくわけにはいかないと、改修工事のゴーサインを出したとマスコミは報じております。総工費1億4000万円、地域住民は県道拡幅計画に沿って改修すべきで、現時点での改修は予算のむだ遣いだと批判をしております。
同計画は、計画どおり実施されるのかどうか。
変更される場合もあるのかどうか。
変更がない場合、将来壊されることになるのか。予算の適正かつ効率的、合理的運用を定めている財会計法の精神に反するのではないか、関係者の見解を求めたいと思います。
以上、問題提起した2つの事例を踏まえ、各種委員会と知事との関係について具体的に質問をいたします。
知事は、武道館建設について教育庁の当初計画の変更を教育長側に具体的に指示したのかどうか。
また、県立博物館の石垣改修工事を首里城復元に間に合わせて急ぐよう、教育庁所管事項について教育長側に具体的に指示されたのかどうか、県民代表機関である県議会の場で明快に御答弁願いたいと思います。
文化行政に対する知事の県民への公約やその熱意については、私も敬意を払うにやぶさかではありません。武道館の建設も、博物館周辺の整備も必要なことであり、その趣旨はよく理解するものであります。
しかし行政を進めていく場合には、当然、民主的な手続、制度面からの判断を慎重かつ適確に、そして予算の執行については予算も法律であるとの認識に立って適正かつ効率的に運用すべきであります。
知事も新石垣空港の建設については、民主主義は時間がかかるとこのように県民に理解を求めているではありませんか。いいことだから、公約だから、県民に選ばれた知事だから、知事の思うがままに行政を進めてよろしいということでは決してありません。そこには、同じ県民から選任された議員で構成される議会が執行部のチェック機関としてあるし、三権分立の精神もおのずから自明の理でありましょう。さらにそれぞれの行政委員会も独立して存在しているのですから、知事はそれぞれの機関を尊重しつつ行動を進めるのは当然の義務であります。
さて、教育長に質問いたします。
当初計画では、武道館の敷地としてシーメンズクラブは含まれていなかったが、どの時点でシーメンズクラブの敷地も予定して同計画が確定したのか。知事の文化行政に対する性急な展開に巻き込まれて、行政の総合調整を欠いたまま武道館建設の計画変更をしたのではないか。あるいは調整は十分にしたが、途中でハプニングが生じたか、そのいずれであるかをお答えください。
県立武道館の建設について及び県立博物館の石垣改修工事について、知事から直接教育長サイドに指示があったと聞いているが、事実かどうか、教育長は進退をかけて明快にお答え願いたいと思います。
知事から直接指示があったとするならば、委員会制度のもとでよっぽど重要な施策に限られると思います。重要な施策の変更あるいは新たな設定は、当然県教育委員会の審議決定があってしかるべきだが、2つの事項についていずれも他の機関や計画との整合性を欠いたまま見切り発車ですが、具体的に県教育委員会の議題としてその協議に諮ったのかどうか。その際、教育長は軍用地返還のめどもあり、国有地の使用についても何ら支障はないと説明したのか、それとも県教育委員会は全く無視、あるいは軽視して同問題を知事サイドベースで推進してきたのかどうかはっきりと答えていただきたいと思います。ついでに、教育長は県教育委員会の任命であります。県の教育施策の展開は、県教育委員会の責任において行われております。また教育長は県教育委員会のもとにあると思うが、その点について教育長の考え方もお聞きしておきたいと思います。
さて教育委員会制度は、公安委員会制度と同じく、戦前見られた権力機構の直接的な支配、介入を廃して政治権力はもとより、他の行政権力からも独立して民主的かつ中立的な教育の推進、警察行政のあり方を守り育てるための制度であります。
県警本部長に知事等がその施策の展開について具体的に指示しないように、教育長にも当然そうあるべきであります。知事の教育委員会を飛び越えた教育長への指示命令は極力避けるべきであります。知事と各種委員会との関係、その望ましいスタンスについてどうあるべきか知事の見解を伺います。
次に、環境行政について質問をいたします。
戦後47年、東西の冷戦構造の終えんとともに、米ソの核戦争によって人類が滅びるという可能性は大変小さくなってまいりましたが、今日では地球環境の悪化によって人類が滅びるかもしれない、人類の安全保障は地球環境問題にゆだねられていると言っても過言ではありません。
ことし6月には、ブラジルで地球サミットが開催され、アメリカのブッシュ大統領やキューバのカストロ首相も出席し、世界約150カ国の首脳が政治的立場の違いを越えて一堂に会し、冷戦後の世界的政治課題としての地球環境保護への関心の高まりを象徴しております。
竹下元首相も席上、私たちはまさに生存か破滅かを決する歴史の分岐点に立っていると強調、地球環境が取り返しのつかない崩壊に至る前に思い切った対策を講じなければならないと述べております。
このように20世紀のイデオロギーの時代の終えんとともに、21世紀に向けて地球環境問題が大きくクローズアップされてきておりますが、本県においても今後環境行政が重要な政策課題となってくると思われますが、知事の環境行政に対する基本的御所見をまずお伺いしたいと思います。
また県議会においても、沖縄のすばらしい特色ある自然環境を保全し、観光資源を守るという観点から観光振興・環境保全対策特別委員会を本定例会から設置し対応を強化することにしております。
個人的にも本定例会で地球環境保全の強化に関する意見書が議会で検討されることを望んでいるわけでありますが、県執行部においても関係部局からよりすぐったメンバーを配置し、科学的な裏づけ調査も可能な総合調整的機能を持った環境パトロール隊というようなものの創設によって、環境対策の一層の強化を図れないものか知事の御所見をお伺いいたします。
時間がありませんので、要旨だけで質問をいたします。
ことしは、特に交通死亡事故が多発をしております。その中でも、高校生や若者による2輪車の死亡事故が目立って多くなっております。
関係機関におかれては、これまで学校や地域において安全対策に大変御努力を重ねておりますが、残念ながら改善には至っておりません。特に一般道路における暴走行為によって命を落とす高校生や若者が後を絶ちません。県内における暴走族の実態とその対策についてまずお伺いをいたします。
他方、私は暴走族とは全く違い、2輪車をスポーツとして楽しみ、安全装備をきちっとする中で交通規則をしっかり守りながら、レース上における交通マナーを習得し、レースや運営を通して2輪車の技術を学び、また交通遺児への支援金も毎年送る中で、さわやかな青春を送っている若者を知っています。2輪車を理想的な形で生かしているわけで、この十数年レースにおける死亡事故も1件もありません。
しかしながらスポーツとして2輪車を楽しむレース場が県内ではほとんど皆無であり、名城ビーチ等を年に数回借りながらレースを楽しんでおります。最近は、糸満警察署も運営に協力をしていただけるなど徐々に市民権を得てきております。
これまでの交通安全教育や三ない運動、免許を与えない、2輪車を持たない、2輪車に乗らない、そういうものなどではなかなか事故防止につながってないわけでありますが、交通事故をなくすためにオートスポーツを通じ、交通マナーの習得を通して少年の健全育成を考える時期に来ているのではないでしょうか。今後、返還が予想される軍用地の跡地利用の中でレース場建設を検討していただけないものかお聞きいたします。
答弁によっては再質問をいたします。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 翁長議員の御質問にお答えいたします。
まず、知事と各種委員会との関係で、武道館建設について教育庁の当初計画の変更を教育庁側に具体的に指示したかと、それから県立博物館の石垣改修工事についてはどうかと、知事と各種委員会との関係及びその望ましいスタンスについて伺いたいという趣旨の御質問に一括してお答えいたします。
普通地方公共団体の執行機関として地方自治法第138条の4に基づき、普通地方公共団体の長のほか委員会や委員が置かれておりますが、御承知のとおり各機関はそれぞれ独自の執行権限を持ち、その担任する事務についてはすべてみずからの意思決定に基づいて行われております。
一方、普通地方公共団体の長である知事は、地方自治法第147条及び第138条の3に基づき、県のすべての執行機関の総括代表者としての地位を有し、県行政事務全般について総合的統一を確保するため各執行機関相互の連絡を図るとともに、同法238条の2により公有財産の取得等について総合調整権を有しておりますので、御質問の博物館、武道館の建設についてもその権限の範囲で協議調整を行ってきたところでありますので、御理解を得たいと思います。
それから環境行政との関連で、今後、環境行政が重要な政策課題となってくると思われるが、知事の環境行政についての所見を伺いたいという質問にお答えいたします。
御指摘のとおり、地球環境問題は今や地球温暖化を初めオゾン層の破壊など世界的に大きな課題となっております。
一方、県民の環境に対するニ一ズは単に公害の防止にとどまらず、快適な生活環境の形成、質の高い環境の実現を求めております。
他県に類を見ない本県のすぐれた自然環境を将来にわたって保全活用するためにも、環境保全行政を強力に推進することは重要な政策課題として認識しており、環境の保全については最大限の努力を傾けたいと考えております。
同じく環境問題との関連で、環境問題を解決するためには総合調整的な機能を持った環境パトロール隊の創設による積極的な取り組みが必要であると考えるが、どうかという趣旨の質問にお答えします。
環境パトロールにつきましては、現在、鳥獣保護員、自然公園監視員、廃棄物の不法投棄を対象とした環境衛生監視員などそれぞれの所管法令に基づき監視指導を実施しております。
特に赤土流出防止対策については、昨年国、県、市町村の連携のもとで赤土流出状況連絡報告体制を組織し、監視体制の整備を行い、流出防止のための合同監視パトロールの強化を図ったところであります。
御提言の環境パトロール隊の設置の必要性につきましては、今後の研究課題とさせていただきたいと考えています。
他の質問につきましては教育長からお答えさせます。
○議長(儀間光男君) 教育長。
〔教育長 津留健二君登壇〕
○教育長(津留健二君) 翁長雄志議員の教育長の行政姿勢についてという一連の御質問にお答えをいたします。
まず第1に、県立武道館の建設についてその設計、その後の見通しはどうなっているかという御質問にお答えをいたします。
御指摘のとおり、沖縄県立武道館は復帰20周年記念事業の一環として建設するものでございます。
県立武道館の建設につきましては、当初那覇市内の奥武山体育館敷地に建物を配置いたしまして、隣接する那覇サービスセンター(シーメンズクラブ)の敷地は緑地及び駐車場として計画をしていたわけでございます。その後、米軍への提供施設でかつ国有地であるシーメンズクラブ敷地にも建物を配置する計画としたことから、建設に当たってはまず国有地の使用承認を得た後、提供施設の返還をする必要がございます。
このことにつきましては、沖縄総合事務局へ国有地の使用を要請をし、また那覇防衛施設局にも提供施設の早期返還を要求しているところでございます。
県教育委員会といたしましては、関係機関の協力を得てできる限り早い時期に県立武道館の建設を行いたいと考えております。
次に、県立博物館の石垣改修工事について、県立博物館石垣改修工事は計画どおり実施されるか、変更される場合もあるかという御質問にお答えいたします。
博物館の周囲の石垣改修工事につきましては、博物館管理とそれから環境保全のため以前から計画をしておったわけでございます。
それが平成4年の11月――ことしの11月――の首里城公園開園に伴って周辺整備が進む中で、現博物館は石垣が崩れた箇所や金網で囲った箇所などがあるため周辺の景観に与える影響が憂慮されることから、博物館来館者の安全確保と首里城公園開園に向けての石垣の整備を実施したものでございます。
石積み計画は、博物館前面とそれから東側の整備を実施するものでありまして、ことしの10月中旬には完了の予定でございます。
なお、地域住民には3回にわたりまして地域住民代表あるいは自治会の代表者の方々に御説明を申し上げ、石積み工事についての理解を得て、また都市計画事業を所管する関係機関と調整の上、石垣改修工事を実施するものでございます。
次に、同じく県立博物館の石垣工事について変更しない場合、将来壊されるのかという御質問にお答えをいたします。
博物館前面の県道40号は、昭和31年の3月に13メートル道路で都市計画法による決定がなされておりますが、将来16メートル道路へ拡幅されることが検討されております。しかしながら同事業の着手までには長期の日時を要する見通しでございます。
なお、将来、都市計画に変更があった場合には関係機関と調整の上対処してまいりたいというふうに思います。
次に、同じく県立博物館の石垣改修工事で、財会計法の精神に反するのではないかという御質問にお答えいたします。
御承知のとおり、首里城公園の一角にある県立博物館は由緒ある中城御殿跡でございます。正面の右側に残存するところの石垣は、道路側に多少傾きまして崩落の危険がございます。また正面左側と東側の境界フェンスは古くなっておりまして、周辺の景観に与える悪影響が憂慮される状況でございます。
同地域は、先ほど申し上げましたように県道40号線の拡幅事業が計画をされているところでございますけれども、同事業の事業着手までにはなお長期の日時を要する見通しであり、施設管理者である県教育委員会としては、博物館の来館者の安全確保と首里城公園一部開園後の周辺の景観に与える影響を考慮しまして、これ以上現状のまま放置することはできないと判断をいたしまして、必要最小限の石垣修復工事を実施するものでございます。
なお、石垣修復工事の実施に当たっては、都市計画事業を所管する関係機関と調整の上事業を進めているところでございます。
次に、県立武道館の建設について、どの時点でシーメンズクラブの敷地も予定して同計画が確定したのかという御質問にお答えいたします。
県立武道館の敷地としましては、当初から奥武山体育館の撤去跡地と那覇サービスセンター敷地を予定いたしていたわけでございます。
当初は、建物の配置は奥武山体育館側に行い、シーメンズクラブ敷地には緑地、それから駐車場で利用するという計画を持っていたわけでございます。それを昨年平成3年の12月に設計競技に先立って武道館の配置計画を詳細に検討いたしました結果、奥武山体育館敷地の約7100平米に延べ面積で約1万2000平米の大規模な武道館を配置することは機能的に非常に難しいということで、また復帰20周年を記念して後世に残る武道館を建設するためには、シーメンズクラブ敷地を含めて建物を配置することが必要であると判断をしたものでございます。
次に、県立武道館の建設について知事の指示によって行政の総合調整を欠いたまま計画変更したのではないかと、あるいは調整はしたが途中でハプニングが生じたのか、それから県立武道館について知事から直接教育長サイドに指示があったと聞いているけれども、どうかという2つをまとめてお答えをいたしたいと思います。
県立武道館の建設につきましては、復帰20周年記念事業の一環であり、県の重点施策として教育委員会が主体的に推進をしているところでございます。
今回の計画変更につきましては、知事と協議の上、後世に残る立派な武道館を建設するためシーメンズクラブ敷地にも建物を配置することにしたわけでございます。
県立博物館の石垣工事について、また武道館について知事から直接教育長サイドに指示があったかというような、武道館については先ほど申し上げましたが、博物館についてあったかという御質問にお答えをいたします。
先ほども申し上げましたように、博物館周囲の石垣改修工事につきましては、県有財産である博物館の管理と景観保持の観点に立って以前から計画をしていたところでございます。
このたび、首里城公園の開園に伴う首里城周辺の環境整備と博物館の管理との関係で平成4年度にはぜひとも整備する必要があり、知事とも協議をしてこの計画を実施しているものでございます。
次に、県立武道館の建設、それから博物館の石垣改修工事について県教育委員会の議題としてその協議に諮ったかと、その際、教育長は整合性について問題なしと説明したか、県教育委員会を全く無視あるいは軽視したのかという御質問にお答えをいたします。
県立武道館の設置については、平成2年7月23日に「県立武道館建設推進委員会の発足について」及び平成3年の6月24日に「県立武道館(仮称)建設基本構想について」、報告、協議をしております。これまでも県立武道館建設推進の進捗の段階に応じて教育委員会の会議の場で報告、説明をしてまいっております。
県立武道館の位置変更につきましても復帰20周年を記念し、後世に残る武道館を建設する観点から報告をし了承を得ております。
その際、当初案の機能上の困難性だとか、それから返還作業だとか、国有地の使用で知事部局、それから国の防衛施設局あるいは総合事務局との調整が必要である旨は報告、説明をしております。
博物館の改修工事につきましても教育委員会の会議の場で報告、協議をしております。
県立武道館の建設について、教育長は教育委員会の下にあると思うが、どうかという御質問にお答えいたします。
御指摘のとおり、教育長は地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第17条第1項に職務上の上司たる合議体としての教育委員会の指揮監督のもとに教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどると、このような規定がございます。そのようなことから、御指摘のとおり教育委員会の下にあるというふうに認識をいたしております。
教育長といたしましては、憲法、教育基本法を初め関係法令に基づき教育の中立性を大切にし本県教育の振興に努める所存でございます。
それから、交通安全対策につきまして2輪車の事故防止への御提言がございまして、教育委員会として交通安全指導をどのように進めているかということについてお答えをいたします。
平成3年における高校生の交通事故発生状況は、発生件数が410件、重軽傷者が459名、死亡17名となっておりまして非常に厳しい状況にございます。
高校生の重大事故の原因は、無免許運転、スピード違反、酒気運転によるものが多く、そのほとんどが深夜に発生しております。このことは、基本的生活習慣や生命に対する畏敬の念の欠如によるものと思われ、家庭教育とも深くかかわっております。
県教育委員会は、交通マナーの育成や安全意識の高揚を図るため交通安全対策の基本的な考え方を策定いたしまして、市町村教育委員会や関係団体と連携して交通安全対策地域懇談会、夜間街頭指導、交通事故防止住民大会、沖縄県青少年健全育成連絡会等の事業を推進し、市町村教育委員会、学校、家庭、地域ぐるみで事故防止に努めているところでございます。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 仲里全輝君登壇〕
○企画開発部長(仲里全輝君) 翁長議員の交通安全対策の一環としてモトクロス等のレース場の建設についての御質問にお答えいたします。
御案内のとおり、交通事故死亡者数は増加の傾向にございまして、6月末現在57人と昨年同期より13人増加しております。そのうち2輪車による死亡者が18人と依然として高い比率を示している現状でございます。したがいまして県といたしましては、多発する2輪車事故防止を図るためバイクフェスティバルを開催して交通安全対策に取り組んできたところでございます。
なお、御提言のモトクロス等につきましては、若者に2輪車によるスポーツとしての楽しさを提供すると同時に、技術、マナーを習得させる上で効果があると思いますので、今後、機会を得て市町村等関係機関と論議をしていきたいと考えます。
○議長(儀間光男君) 翁長雄志君。
〔翁長雄志君登壇〕
○翁長雄志君 知事の方に、教育長側に直接指示をしたかどうか、そのようなお伺いをしたんですけれども、その総合的な範囲内で調整をしたんだという話をしておりますし、教育長も協議をしながらやってきたというような答弁をしておりますが、行政委員会、教育委員会ということでもありますけれども、長との関係については、長の指揮権は認められることなく、その独立性が尊重せられ、一般に行政委員会独自の事務組織を有していると、これは解説書にもあります。
それからまた、行政委員会の地位についてですが、長に所轄権限がありますが、この所轄というのは統括や総括とは異なり上下の関係を示すものではないと、行政委員会相互の連絡調整に係る権限及び権限を長が指導的な立場に立つんだというふうに書いてございます。
今回の件は、教育長が建設推進委員会に報告書を依頼いたしまして、その委員会の中には総務部の次長、あるいはまた教育庁の次長、本当に実務の立派な方々が配置されまして、推進委員会がこの武道館の建設というものについて立派な報告書をつくっているわけであります。そして幹事会という中にも、総務部の課長など県庁の本当に中枢におります立派な官僚が関与しながら、この報告書が出てまいりました。その報告書の中には、当初どおりこの駐車場は含まれておりませんで、シーメンズクラブは含まれておりませんで、体育館の敷地内が望ましいと、その中で武道館はつくるべきだというような報告書が出てきているわけでございます。
そして私は、教育長が、知事との協議の中でそのような形で方向を変更してきたんだという話をしておりました。またその報告書も最初は教育委員会に諮りまして、教育委員会の中で了解を得たんだと言っておりますが、私が事務のレベルの段階で聞きましたら、その変更については教育委員会では話し合われてないと。教育長の方で次長、課長と話し合って決められているんだという話を聞いておりますが、これについては後ほど私はまた確かめていきたいと思っております。
その中で、私はこの問題は、シーメンズクラブの未返還用地、まだ返還がはっきり決まらない。それからまた国有地としての使用もはっきりまだ決まらない。そのような中で、今度の予算の中にも実施計画として1億7000万円ですが、関係予算として計上して安易にスタートさせております。あれだけ立派な官僚の方々が委員会の中で討議をしたものを、教育長は知事と協議をする中で一夜にしてひっくり返してしまいまして、そのような方向に行ったということは、私は、ことし、予算を計上した意味でも、知事か教育長の責任というのは大変重大ではないかなと、このように思っているわけでございます。
そして知事が指示をしたんであれば、知事のこの返還用地に対して、シーメンズクラブの返還のめどについての甘さ、それからまた国有地の使用としての見通しの甘さが指摘されてもこれはしようがないなとこのように思っておりますし、また教育長も教育委員会に諮ることなく、このような問題を今のような状態で引きずってきたということでありましたら、教育長の責任も大変重大だなとこのように思っておりますが、いま一度私は、知事と教育長にお聞きをしたいと思います。
知事は協議といういい言葉を使ったんですけれども、実際上、新聞にもありますとおり軍用地の早期返還をもくろんで、自分から教育庁の決定を変えたんだというような新聞報道がありましたが、知事の指示によってこの考え方が変わってきたのではないか、これをいま一度お聞きしたいと思います。
それから教育庁には、教育委員会の中で本当に、当初、建設委員会が立派な報告書をつくった中で、そして恐らくその中では返還用地の問題、国有地の使用問題も、これは当面無理だから、94年には間に合わないというような恐らく結論が出ていたと思うわけであります。それを承知の上でそのような形でことしの予算計上、そして実際上は92年着工、94年完成というものができないという見通しが出てきたわけでありますが、その責任の所在について教育長には改めてお聞きをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○知事(大田昌秀君) ちょっと休憩をお願いします。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後5時11分休憩
午後5時12分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) ただいま知事の指示によって武道館の設計が変更されたかという御質問かと思いますが、私はそういう覚えはありません。
○議長(儀間光男君) 教育長。
〔教育長 津留健二君登壇〕
○教育長(津留健二君) 建設場所につきましては、御指摘のとおり平成3年の5月にいただきました沖縄県立武道館建設推進委員会の報告には、建設場所として本県の総合的武道センターとしての位置づけから、交通の利便性、人口の集中度及び利用効率等を考慮して那覇市(奥武山公園内)に建設するものとし、敷地面積はおおむね7100平米とすると、こういうような報告をいただいております。
私どももこの報告を尊重いたしまして、この7000平米の中でおさめることができないだろうかということでいろいろと専門の方々とも相談をしてみたわけでございますけれども、この報告書の中にあります武道館の性格でございますね、例えば総合的武道センターであるとか、空手、古武道の継承発展を図るための施設であるとか、あるいは国際親善の場としての性格を持たすとかというようなこと等を十分生かすためには、しかも後世に残る武道館として悔いの残らないようにするためには、これでいいのだろうかということで鋭意検討をいたしたわけでございます。そういう中で、やむを得ずこのシーメンズクラブの敷地を含めて建物を配置することが必要であると判断をいたした次第でございます。
御指摘の米軍提供施設の返還の問題、それから返還後の国有地の使用の問題等につきましては、現在、それぞれの部局で鋭意取り組んでいただいております。
私も精いっばい努力をしてきたつもりでございますけれども、従前の取り組み等につきましては反省もし、今後鋭意早期にこの武道館が建設できるように努力をしてまいりたいというふうに思いますので、御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
○翁長雄志君 休憩をお願いします。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後5時16分休憩
午後5時16分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
教育長。
〔教育長 津留健二君登壇〕
○教育長(津留健二君) どうも失礼をいたしました。
県教委で最初にお話し合いをして御承認をいただいたのは、平成3年6月24日でございます。
その後変更いたしましたのは、平成3年12月17日でございます。
そのことにつきましては、年が明けて平成4年3月19日の県教委に御報告をして御了解を得たと、こういうことでございます。
○議長(儀間光男君) 翁長雄志君。
〔翁長雄志君登壇〕
○翁長雄志君 教育長に大変反省が足りないと。
1億数千万円も予算計上しておきながら、そのときには返還ができるだろう、あるいは国有地の使用もできるだろう、そのような楽観的な考え方でもって今日まで引きずってきながら、そのような態度では私はどうしても承服をしかねると思っております。
それから、教育委員会の了解も、12月に変更して、予算の計上を3月19日に教育委員会に諮ったというのは、これはもう策略以外何物でもないわけで、ちょっと私としては、これは後々ずっと詰めていきたいなとこのように思っておりますので、今後ともこの問題はまた追及していきたいと思います。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後5時18分休憩
午後5時41分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
具志孝助君。
〔具志孝助君登壇〕
○具志孝助君 このたび、金城重正氏の後継者として出てまいりました具志孝助であります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
本議会は、私にとりましては初議会であり、本来ならばじっくり先輩議員の御指導もいただいた上で登壇すべきではないかと思ったのでありますが、同僚議員からの勧めもありましたので、意を強くして立ち上がりましたので、よろしく御理解のほどをお願い申し上げます。
またさらに、本議会棟も今議会を最後に取り壊される予定になっていると聞いておりますが、琉球政府時代、時の立法府として先輩たちが汗を流してきた由緒のある本会議場で、このように演壇に立っている自分自身にいささかの誇りを感じている次第であります。
通告に従いまして一般質問を行います。
私は、今回特に交通問題を中心に御質問をいたしたいと思います。
我が党の嘉数昇明議員が、沖縄県総合交通体系基本計画についてただされておりまして、本員もその会議録を見せてもらった上での御質問でございますが、若干重複するところがあるかと思いますが、あらかじめ御了承をお願いいたします。
質問の第1点目は、都市モノレール問題についてでございます。
その1は、特許申請の時期と問題点についてであります。
去る2月定例会で、嘉数県議の、早期着工にどのように取り組むかという質問に対し、澤村土木建築部長は次のように答弁をされております。すなわち、沖縄の都市モノレール事業は、昭和56年度に国庫事業として採択されて以来、関連道路の整備を進めてきておりますが、平成4年2月末現在、用地取得は91%、道路改良率は80%と順調に進んでおります。一方、モノレール事業を推進するに当たりまして大きな課題となりますのは、バス会社との調整を初め収支の見通しを立てること、資金調達の見通しを得ることであります。この課題解決に当たりましては、昨年10月に設置したバス事業者との沖縄都市モノレール・バス連絡協議会を初め庁内の沖縄県都市モノレール対策協議会の中のバス問題対策部会や資金対策部会を活用するとともに、国並びに関連機関の御指導も得ながら、平成4年7月の特許申請を目標に最大限の努力を傾注してまいりたいと思っております。
とこのように答弁をされております。
さて、質問の第1点目でありますが、バス会社との調整についてでございます。
けさの琉球新報朝刊にモノレール問題が掲載をされております。これはけさの新聞の記事でございますが、「沖縄都市モノレール事業は今月中にも特許申請をする方針で作業が進められてきており、バス協会、県、総合事務局など関係団体で構成する連絡協で先月中旬詰めの話し合いが持たれることになっていた。ところが、開催日前日になってバス協会側が、予定されていた交渉のテーブルにつかなかったことから作業が中断し、今月中の特許申請は事実上、不可能となった。」、このようにあります。さらに、「来年度の国庫予算要求も断念せざるを得ない状況に追い込まれた。」、こうなっております。
ちょっと休憩してください。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後5時46分休憩
午後5時47分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
○具志孝助君 ただいまの新聞の記事についてでございますが、昨年10月に結成された連絡協議会は、今日までどういうような経過、どのような会議を重ねてこられたのか、この経過をまず説明をしてもらいたいと思います。
さらにまた、ただいまの新聞記事の事実関係、このことについて御説明をお願いいたしたいと思います。
2番目に、収支の見通しについてお伺いをいたします。
その1、パーソントリップ調査を踏まえて収支の基本となる乗客数をはじき出していると思いますが、その調査数値について開発金融公庫側は納得してもらえないのでしょうか。
2、ここで収支計算の見通しについて具体的に説明をしていただきたい。
すなわち、1番目に、1日の乗客数、2、赤字経営の期間、3、何年目から単年度黒字に転じるか、4、その時点の累積赤字額は幾らになるのか、5、その累計赤字額は何年間で返済することが可能か、6番目に、そして実質的に採算がとれるのは操業後何年目になる見通しであるのか、以上、収支の見通しについてお伺いをいたします。
3番目に、資金調達についてでございます。
モノレール株式会社は、沖縄開発金融公庫に対し出資の要請と借入金の申し入れをしていると思いますが、その金額と見通しについて御説明をお願いたします。
少なくとも以上申し上げた3つの条件をクリアしない限り、モノレール事業の特許申請はできないと思いますが、相違ありませんか。
相違なしとするのであれば、果たして7月中の特許申請は不可能となるわけでありますが、ここで改めて知事にモノレール事業についての御所見を賜りたいと思います。
次に、ルートの延伸についてであります。
2月定例議会で仲里企画開発部長は、「今後の経済社会状況の推移、現計画の実現後の運営状況等を見ながら検討したい」、ルート延伸についてはこのように答えておりますが、現計画が採算性の問題で特許申請の提出ができない状況にあるとするならば、私はこの際、ルート延伸の問題でこれまでいろいろ提案された中から、幾つかの案を取り上げてパーソントリップ調査を実施してみてはどうかと考えます。
例えば、那覇市を中心にした環状線であるとか、あるいは南は糸満から北は沖縄市まで延伸するというような案等を挙げて調査してみてはいかがでしょうか。むしろその辺の案が採算性の面からは現実的な数値が出てくるのではないでしょうか、お伺いをいたします。
3、関連衝路の整備についてでございます。
関連街路については順調に進んでいるということでありますので問題はありませんが、この機会にお伺いしておきたいことは、モノレールの実質工事は今後とも相当の時間を要するものと思われます。
そこでその間、モノレール街路として確保された用地を駐車場等として暫定使用させることができないだろうか、お伺いをします。これは、行政財産の目的外使用ができるかどうかとこういうようなことになろうかと思いますが、お尋ねをいたします。
4点目、交通渋滞の緊急対策についてであります。
そもそもモノレール導入の発想は、慢性的な交通渋滞の解決策として出てきたことは既に御案内のとおりであります。那覇市内の交通渋滞は相変わらず慢性的であり、極めて異常であります。わけても国際通りの渋滞に対しては無為無策のそしりを免れません。この際、市外バスは国際通りを通過せず、直接国道58号とか、もしくは国道329号に出るように規制するか、あるいは規制ができないとするのであれば関係機関に働きかけをして路線の変更に努力すると、こういうようなことが考えられないか当局の御所見をお伺いいたします。
那覇空港の整備についてであります。この問題は時間の都合上、簡単に質問をいたします。
国内線旅客ターミナルビル統合について、イ、最近、那覇空港新ターミナルビルの整備に向けて新しい出資比率で新会社の設立作業が進められているとのことでありますが、新会社はどのような出資構成になっているのか、またどういう理由でそのようになったのか御説明を願います。
ロ、新ターミナルビル建設の年次計画を示してください。
2番目、那覇空港の沖合展開についてただします。
この問題は、古くて新しい問題であり、各種選挙のたびにほとんどの候補者が公約の一つに掲げてきた問題ではないかと思います。那覇空港整備促進協議会は、失礼ですが、現在どのようになっておりますのかお伺いをします。すなわち、事務局はどこに置いているのか、役員はどうなっているのか、年間にどんな事業をやっているのか、さらにその経費はどのように賄われているのか。
那覇空港の沖合展開について、行政当局は航空需要等のキャパシティーの問題を挙げ、長期的展望に立って対処していきたいという態度でありますが、現在の那覇空港の航空機発着数は自衛隊機を含めて年間8万回であると言われております。
それに対し、運輸省は、那覇空港における第1種空港のキャパシティーは年間13万回以上を見ております。キャパシティーの面から見る限り運輸省の基準には大きくほど遠く、これからの大型旅客機の導入等を考慮に入れますと、ますます実現不可能に近くなってくるような気がしてなりません。
私は、空港の沖合展開の問題は、航空需要等キャパシティーの問題だけでなく、沖縄の地理的条件や自立経済の基盤整備の側面、あるいは自衛隊や米軍施設とのかかわりの中から、高度な政治判断による解決を求めていかない限り進展しないと思料するものであります。すなわち発想の転換が必要と考えますが、当局の御見解を賜ります。
3、西海岸道路の整備について。
那覇空港と那覇埠頭を結ぶ臨港道路についてお伺いします。
夢のような話で恐縮でございますが、那覇軍港と那覇港を架橋で結び、そこを渡れたら何とすばらしいことだろうと思いませんか。
臨港道路は、海底トンネルでなく、つり橋で結ぶべきだと考えます。ところが関係機関の役人は舵空法との絡みで高さに制限があり、いわゆる高さ制限に抵触するため架橋方式はだめだと説明をしているようであります。
観光資源の乏しい本県において、アメリカ・サンフランシスコ市にあるゴールデンゲートブリッジのような架橋ができれば一躍観光のメッカであります。そのことを念頭に入れて独自の調査研究が必要かと思いますが、いかがでしょうか御意見を賜りたいと思っております。
最後に、那覇空港、小禄、豊見城地区の治安対策についてお伺いをいたします。
那覇警察署管内の小禄地区は、最近、市街化の傾向が著しく、人口の急増とともに犯罪も増加してきております。特に金城地区周辺においては週末ごとに暴走族が暴走行為を繰り返し、周辺住民の安眠の妨害ばかりでなく、平穏な市民生活にも悪影響を及ぼしてきております。
また同地区は、県内外の空の玄関口としての那覇空港に隣接している関係から、空港利用客の急増に伴って現在進められている新那覇空港ターミナルビルの拡張整備、将来の那覇空港沖合展開構想、沖縄自動車道の那覇空港までの南伸計画、さらにはモノレールの整備等による交通網の増大と相まって都市化が急速に進むことは確実であり、今後交通、防犯対策等の強化の必要性がますます高まっていくことは必定かと思われます。
あわせて、現在の那覇警察署は同地区から遠距離にあり、かつ那覇市街地の交通渋滞の影響等もあって小禄地区の住民は諸願い届、協力要請等の際にも不便を感じており、対市民サービスの観点からも最寄りに警察署の設置が強く望まれているところであります。
このような現状の中で、小禄地区住民の声を代表する形で小禄管内自治会長連絡協議会による那覇市長、那覇市議会、そして県議会への警察署設置についての陳情、請願がなされておりますが、これらの地域住民の動きについて県警察としてどのように受けとめておられるか、警察本部長の御見解をお伺いいたします。
あとは、答弁によりまして再質問をお願いいたしたいと思います。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 具志孝助議員の御質問にお答えいたします。
まず、都市モノレールについての知事の考え方について申し上げます。
都市モノレール事業は大変重要な事業であります。しかしながら御案内のとおりバス会社の同意、資金調達、収支見込み等の条件整備が必要であり、これまでの経緯から困難も予想されますが、目下最大限の努力を傾けているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
それから、那覇空港の整備との関連で、新ターミナルビルの建設計画の年次計画についてお答えいたします。
那覇空港につきましては、現在、分散狭隘化している国内線旅客ターミナルビルの統合整備を図ることが、平成3年度から始まる第6次空港整備5カ年計画の中で採択され、国において平成3年度に引き続き平成4年度においても所要の予算措置が講じられ、新ターミナルビルの用地造成等整備が進められているところであります。
県としましては、新ターミナルビルの整備が第6次空港整備5カ年計画の期間において、完成が図られるよう関係諸機関と連携を深めながら同事業に対処していきたいと考えております。
それから那覇空港の整備、沖合展開の問題について、沖合展開に向けて13万回のキャパシティーをクリアできる見込みがあるのかと、沖合展開の実現性についてという趣旨の御質問にお答えいたします。
那覇空港については、第4次全国総合開発計画において我が国の南西端における国際交流の拠点空港として位置づけられており、これにふさわしい空港として整備するためにも那覇空港の沖合展開は必要と考えております。
那覇空港の沖合展開については、御指摘のとおり離発着可能容量及び航空需要等、今後解決しなければならない多くの問題がありますが、県としては那覇空港の整備を今後より強力に推進するため、海外、国内ネットワーク等航空路線網の拡大を図るなどその条件整備に努めてまいりたいと考えております。
それから、臨港道路の建設構想についてでございます。
那覇空港と那覇埠頭を結ぶ道路は、港湾内の連絡を図り円滑な交通を確保するため那覇港港湾計画において臨港道路として位置づけられ、国において計画が進められております。整備手法としては、国は架橋方式とすることについては、那覇空港に隣接することから航空法に基づく水平表面の高さ制限があり、船舶航行に必要な橋梁の高さの確保など困難な問題があると考えております。
このようなことから、国は現在のところ架橋方式ではなく沈埋トンネルを前提として諸調査を進めていると聞いておりますが、御提言の件については国にも伝えてまいりますので、御理解いただきたいと思います。
あとの質問につきましては、担当部長からお答えさせます。
○議長(儀間光男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 都市モノレールの計画につきましての御質問にお答えいたします。
まず、バス会社との調整につきましては、これまでモノレール導入をすることによってバス路線と競合しバス会社の経営に大きな影響を与えるということで調整がなかなか進みませんでしたけれども、その停滞状況を打開するために昨年10月に沖縄総合事務局、バス会社、沖縄県、那覇市の四者から成る沖縄都市モノレール・バス連絡協議会を設置いたしまして調整を図り、さらに県と那覇市の間で昨年12月にモノレール導入に伴うバス事業への影響に対する必要な措置につきまして、県と那覇市が共同で解決に当たる旨の協定を締結いたしまして基本的な姿勢を明確に表明しております。
現在、沖縄都市モノレール・バス連絡協議会を活用することによりまして早い時期にめどづけできるよう鋭意努力しているところでございますけれども、先ほど議員からもお話がありましたとおり、先月19日の協議会の開催につきましてはバス会社からの出席が得られませんでしたけれども、引き続き私どもとしては調整を続けておりまして、早目にバス会社との調整ができますよう努力を今後も続けていきたいというふうに考えております。
それから、収支の見通しにつきましてお答えいたします。
1日の乗客数とか、赤字経営の期間とか、何年目から黒字になるかとか、そういう項目の具体的な御質問がございましたけれども、現在、平成元年から3年にかけて実施いたしましたパーソントリップ調査のデータをもとに収支計画の根幹となりますモノレール利用客数の算定作業を進めております。さらにそれに伴いまして事業費全体の見直し、収支計画の見直しの作業を現在進めているところでございます。それが終了いたしますれば、先ほど申し上げましたような赤字経営の期間とか、何年目から黒字になるかという収支の見通し等もさらに明確になることになります。
それから、資金調達につきましてお答えいたします。
沖縄都市モノレール株式会社が実施するインフラ外の建設資金は、出資金と沖縄振興開発金融公庫からの融資で対応することにいたしております。
現在、公庫からの出資、融資につきましては、これまでの調整におきまして5項目のクリア、妥当な事業計画等を指摘されており、先ほど申し上げました平成3年度のパーソントリップ調査に基づく利用見込み客数による見直し後の収支計画により、さらに調整を進めていくことにしております。
それから、特許申請の時期につきましては、これまで平成4年7月の申請を目標に鋭意作業を進めてきているところでございますけれども、バス事業者等との調整が先ほど申し上げましたとおりまだ合意に至っておりません。現在、収支見込みの見直しとか、資金計画の見直し等、さらにはバス事業者との調整について最大の努力を払っておりまして、この目標に向けまして今後引き続き努力を続けていきたいというふうに考えております。
それから、モノレール事業で取得いたしました関連道路の用地について、モノレールが開通する、さらには工事が始まるまでの間、駐車場として利用できないかということでございますけれども、駐車場としての目的外使用は困難であると考えております。
さらに、現在取得しております関連道路で駐車場として利用できる適当な場所は今のところございません。
以上で終わります。
○議長(儀間光男君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 仲里全輝君登壇〕
○企画開発部長(仲里全輝君) 具志議員のモノレールについての御質問のルートの延伸についての御質問にお答え申し上げます。
都市モノレールの延伸につきましては、今後の交通需要の動向及び道路整備の推移と現計画実現後の経営状況等を評価した上で検討すると総合交通体系基本計画の中で県の基本的な考え方を位置づけております。
なお、ルートの延伸の際、経営収支の問題は極めて重要な要素と認識しておりまして、御提言の採算性の面からのパーソントリップ調査の必要性につきましては、当該事業の具体化の段階で実施されるものと理解をしております。
次に、同じくモノレールについての交通渋滞の緊急対策についてでございますが、国際通りから市外バスを規制したらどうかと、こういう趣旨の御質問にお答え申し上げます。
都市部におきましては、経済活動が活発になり、また市民生活の向上に伴いましてますます交通需要が増大している状況にございます。
特に国際通りは、本県を代表する商店街から成る那覇市のメーンストリートとして買い物客や通勤、通学者等により最も混雑する道路となっております。このため、国際通りの渋滞の緩和解消が重要な問題となっており、これらの解決のためには地域商店街の活性化をどう維持あるいは向上させるか、公共交通サービスの向上等をどう確保していくのかなどの観点からバス路線網の再編、マイカーの乗り入れ規制、周辺駐車場の整備など総合的な面からの検討が必要であると考えております。
なお、御提言のございます市外バスの国際通りへの乗り入れ規制につきましては、関係機関団体等へも問題を提起してまいりたいと思います。
次に、国内線旅客ターミナルビルの統合についてのア、新会社の出資構成及びその理由についてお答え申し上げます。
現在の那覇空港旅客ターミナルビルは、那覇空港ターミナル株式会社が管理運営しておりますが、同社の資本構成は県2.6%、那覇市3.2%、航空会社8.2%、その他経済界個人86%と総じて民営主導の会社形態となっております。
県は、国内線旅客新ターミナルビルの事業主体として、県の政策目標の達成、公共性の確保の観点からより公共性の発揮できる第3セクターに向け、那覇空港ターミナル株式会社と交渉を重ねた結果、次の資本構成による第3セクターの新会社を平成4年度に設立することで合意に達したところでございます。新会社の資本構成は県25%、那覇市3.2%、航空会社22.8%、那覇空港ターミナル株式会社41%、県金融機関等財界8%となっております。
なお、その理由について申し上げますと、県におきましては、先ほど申し上げましたように国際交流の拠点形成とか、あるいは国際的な観光リゾート地の形成とか、あるいはフライト産業の振興とか、そういう県の政策目標の達成との関連で25%の出資をしているわけでございます。
エアラインにつきましては、最大の利用者であることが理由でございます。
なお、現会社が41%出資することにつきましては、30数年間の歴史的な役割を評価しなければならないからでございます。
また金融機関につきましては、公平な立場で経営を支援していただくという趣旨でございます。
那覇市につきましては、空港所在市として県と共同していただくという趣旨、理由からでございます。
次に、同じく那覇空港の整備についての、那覇空港整備促進協議会の事務局の場所、役員、事業内容、経費についての御質問にお答え申し上げます。
那覇空港整備促進協議会は、昭和50年3月に那覇空港及び県内離島空港の整備拡充を図るとともに、航空交通の発展を促進し民間航空に関する知識の普及等を図ることを目的といたしまして那覇商工会議所内に事務局が設置され、その活動がなされているところでございます。
同協議会は、関係諸官庁並びに同会の目的に賛同する各市町村、各種団体の会員から成り、役員については、現在、沖縄県商工会議所連合会会長を会長に、副会長3人、委員21人、監事2人の27人の役員構成となっております。
同協議会の主な事業は、那覇空港の沖合展開等空港の整備促進を図るための関係機関への要請活動及び他空港の調査研究等でございます。
なお、同協議会の運営は、県、市、経済界等からの負担金によりなされ、平成4年度の負担金総額は156万円でございます。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 警察本部長。
〔警察本部長 佐野智則君登壇〕
○警察本部長(佐野智則君) まず、国際通りの交通渋滞の関連について申し上げます。
御承知のとおりのバス、タクシー等の集中する道路でございまして、12時間帯、午前7時から午後7時までの交通量が約1万5000台ということです。路線バスが1日約1200台運行している状況であります。
国際通りの交通渋滞の緩和対策というのは、私どもとしても重点としている課題でございまして、これまでにバスレーンの実施による交通総量の抑制とか、合理的な駐停車の規制による円滑化、それから国際通りと関連する県道40号線の3車線化、あるいは交通監視カメラの導入とか、交通信号機の連動によって交通流を円滑にするといったような施策をやってきております。特にバスレーンの実施時間帯の規制というのは、運行時間を約4分の1に短縮するような効果を上げているところでございます。
ただ1つネックとなりますのは、御承知のとおり駐車違反が大変多いという状況にございまして、現在、国際通りの周辺に53カ所3250台の一般有料駐車場がございますけれども、まだまだ駐車需要には対応できない状況にございます。
警察といたしまして、県や市あるいは通り会等の関係機関団体から成ります駐車問題連絡協議会といったものがございますので、そういった関連機関と連絡、連携をとりながら対策を進めてまいりたいというふうに考えております。
次に、警察署の新設に対する御質問にお答えいたします。
御指摘のように、小禄、豊見城地区というのは人口の急増とともに市街化の傾向が大変著しく、あるいは那覇空港周辺の将来の発展性を考えた場合には、犯罪防止や交通対策のいわば要所としての重要性がますます高まるものと考えております。また、那覇警察署については110番の受理件数が全国で最も多い警察署としてその対応に苦慮しているところであります。
警察といたしまして、以上の情勢認識に立って請願等の趣旨に沿うよう関係機関の御理解を得ながら前向きに検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(儀間光男君) 具志孝助君。
〔具志孝助君登壇〕
○具志孝助君 再質問いたします。
時間が極端に少ないんですが、モノレールについては全く答えてもらってないんです。
まず、特許申請を7月にやると、このように最大努力を払うということでございますが、特許申請するには3つの条件を少なくともクリアしなくちゃいかぬ。まず、バス会社との調整の問題、それから収支の見通し、出資金の見通しということをはっきり言われているんです。
最も基本的なところでバス会社との調整でありますが、これは話し合いもされてない、話し合いにも応じてないということになりますと、これはもう何をかいわんや、基本的なところでまだ、全く話が詰まってないということでございますが、私は、これはバス会社は別に理由があると思うんです。話にも応じないということは、これは容易ならぬことだと思うんです。バス連絡協議会というのを設置をしながらテーブルにもつかないとなったら、これは大変な問題だと思うんです。この理由を何とか聞かせてもらいたい、これでございます。
それから、このバス会社との調整がつかない限り、この出資金の申請、例えば国側、すなわち開発金融公庫からの出資金だとか借入金の申し込みもあるはずですが、この辺も全然定かになってない。
それともう1点は、収支の見通しについて幾つか私はただしました。
このことについても既に皆さんは数字は持っていらっしゃるはずだ。いわゆるいつから操業して、何年間赤字だと。累積赤字が幾らになってというような話は当然持っていなければ、これだけの事業を興すわけはないんです。改めてもう1回この収支の見通しについて、先ほど私がお尋ねをしましたいわゆる収支計算、これをお示しを願いたいと思っております。
あとたくさん質問をいたしましたが、時間の都合で再質問もできないような状況でございますが、あと機会を見て委員会あたりでただしてまいりたいと思っております。よろしくお願いします。
○議長(儀間光男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 都市モノレールとバス事業者との連絡協議会につきましては、その中に専門委員会というのを設置いたしまして、その専門委員会の開催を先月の19日に開いたわけですけれども、その際にバス事業者が出席をしなかったということで……
○具志孝助君 その理由です。その理由を聞かさぬと答弁にならないですよ。
○土木建築部長(澤村宏明君) それにつきましては、バス事業者の代表者のお一人から、バス事業の調整があたかも済んだような状況のような情報が流れていると。そういうことではもう、いわゆる調整は済んだ形になっているんじゃないかというようなことの電話があったということでございます。
それで私どもは、別にバス事業者との調整が済んでいるわけではない。現在、そのために専門委員会等も開いて鋭意バス事業者と調整を進めているんですということでバス事業者の方に対しては了解を求めております。
それから資金計画、収支の見通しについてでございますけれども、それは当然にバス事業の経営につきましてはそういうのは必要でございますけれども、先ほど申し上げましたように新しいパーソントリップの成果が出ておりますので、それに基づいて現在資金計画、収支の見直しの作業を進めておりますので、現在のところは数字をお示しできないということでございます。いずれまとまりましたら、その際に発表したいというふうに考えております。
以上でございます。
○具志孝助君 議長、休憩してください。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後6時24分休憩
午後6時28分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 収支の見通しとか、それから資金計画については、パーソントリップによります1日の乗客数、そういうものに基づいて計画をつくっていくわけですけれども、その新しいパーソントリップの結果が出ましたので、それに基づいて新しい収支計画、それから資金計画を現在作業中だということです。
当然、それに基づいて今後、沖縄公庫と調整をやっていくわけで、ただ、今のところ沖縄公庫との調整はそれをもとにやっていくわけですから、7月中の特許申請は現在の状況では大変厳しい状況にあるということを先ほど申し上げました。引き続き私どもは、そういう状況にはございますけれども、一生懸命努力していきたいと。
同様に、バス事業者との同意につきましても厳しい状況にございますので、現在、バス事業者といろいろ話し合いをする努力をしているところでございます。
以上でございます。
○具志孝助君 議長、休憩してください。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後6時29分休憩
午後6時31分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
幸喜 勝君。
〔幸喜 勝君登壇〕
○幸喜 勝君 復帰20周年の記念すべき年に当たり、県議としてこうして一般質問ができますこと、無上の喜びであります。
さて、県政の抱えている諸問題は山積しております中で、その使命の重大さを痛感しているところであります。どうか先輩諸兄の皆様方、そして執行部の皆さん、これから県勢発展のためにともどもに頑張りたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
一般質問に入ります。
国際センターの残地計画と国際交流事業について。
浦添市前田の国際センターは、1985年、国際協力事業団が全国9番目の研修センターとして開所、今日まで104カ国、1958人の研修生が巣立っております。開所前の予想とは違い、今、内外より大変高い評価を受けております。
ところが、開所当初から期待されていた県所有の隣接地の残地は、国際交流ゾーンとしての位置づけにある中で、今日まで7年間全く活用がなされてなく放置されたままであり、実に遺憾に思います。国際化時代、情報化時代という今日、国際交流ゾーンの中にあって、その活用が県民から大きな期待を寄せられているところであります。その機能が発揮され、国際センターとのセッティングにより相乗効果が高まり、国際交流事業に大きな弾みをつけることになると私は思料しております。どうか、これまでの経緯と今後の計画について具体的にお答え願いたいと思います。
2、第3次沖縄振興開発計画について。
本県の自立的発展を目指して策定された第3次振計は、県民の期待と注目を集めているところであります。
さて、執行部が長期にわたって策定された県案が、県民の協力によって立派に達成されることを祈念するものであります。
では、その内容について5点ほど質問させていただきます。
第1点目に、人口想定についてお聞きいたします。
人口想定は、あらゆる計画を立てるときの積算のベースになると思われます。よって、その想定の設定に近ければ近いほどその事業が容易ならしめるものと思料いたします。
本計画によると、10年後平成13年の最終年次には130万人を想定しておりますが、国土庁の策定された第4次全国総合開発計画の中で平成12年までに本県は140万人とされております。ここに約10万人の開きがありますが、その積算の方法についての違いをお聞かせいただきたい。また、その違いをどう受けとめておられるか。それと社会増と自然増の比率をどう見ておられるか、御所見をお伺いいたします。
第2点目に、県民所得についてお聞きいたします。
現在の本県の経済は、公共投資に大きなウエートが占められていると言っても過言ではないと思います。脆弱な経済基盤、脆弱な財政状況の中から脱却することは、今後の県民の豊かさに大きく影響するところであります。現在――1990年でございますが――本県の県民所得は全国平均の71.4%と全国最下位にあります。第3次振計の最終年次には果たして何十%まで引き上げる予定でおりますか、お伺いいたします。また、そのときに本県当局の自己財源は何%を予想しておられるか、お答えいただきます。
第3点目に、本県の高率補助は一応平成5年までは確保されておりますが、その後は全国的な見直しがあるやに聞いております。今の県や市町村において補助率の削減があると財政運営や各事業に大きな支障が生じることは必至であります。特に第3次振計の目標達成にはかなりの影響を及ぼすものと予想されます。その継続方についてそろそろ取り組みを開始しなければならないと思いますが、どういう御見解でしょうか。また、知事にその秘策でもおありでしたらお答えをいただきたいと思います。
第4点目、本県にとってこれからの10年間は大変重要な時期になろうかと思います。自助努力によって自立できるかどうかというよりも、どうしても自立しなければならない絶対条件だと思います。過去、我が国の歴史上においては、江戸時代260年余りという長い鎖国時代から目を覚め、明治維新よりヨーロッパに追いつき追い越せの精神で国民が一丸となってあらゆる面に努力、奮励し今日豊かな日本国が築かれたのであります。
さて、大げさになるかもしれませんが、今の沖縄もその精神を思い起こして、本土各県に追いつき追い越せの精神で県民が一丸となってこの難関の克服に当たらなければならないと思うのであります。県当局はそのことをしっかりと県民に認識、定着させ、それぞれの立場において果たすべき役割を自覚させるべきと思料いたします。今後、この意識の高揚についてどういう方法を考えておられるか、御所見を賜りたいと思います。
第5点目に、第1次振興開発計画、第2次振興開発計画の達成率があればお聞かせいただきたいと思います。
西海岸道路の進捗状況と今後の計画について。 浦添市西海岸に卸売団地が形成され、県内の物流センターとしての役目を果たし、近代化、合理的に運営され機能しているところですが、国道58号から派生する交通渋滞でせっかくの近代化された卸売団地の機能が途中で生産性の低下を招き、その流れに大きな支障を来しているのが実情であります。県民、消費者へのサービスにも影響を与えていることは当然であります。県当局も当然そのことは御承知のことと思います。
さて、その基本的解決策は、西海岸道路を宜野湾市コンベンションセンター方向へ延伸させることと、途中、浦添バイパスを早期に整備することにあると思いますが、これまでの西海岸道路の進捗状況と今後の計画、見通しについてお答え願いたいと思います。
ほか、再質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
○議長(儀間光男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 幸喜勝議員の御質問にお答えいたします。
まず、国際センターの残地計画のこれまでの経緯と今後の計画についてという趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄国際センターの残地計画については、当該センターを核とした国際交流ゾーンを形成する拠点として位置づけ、これまで国際交流ゾーン形成調査及び国際交流事業計画調査等を実施してきました。その調査結果を踏まえて、国際交流ゾーンの形成を図るべく沖縄国際センターとの相乗効果を持つ国際交流情報センタ――これはまだ仮称でございますけれども――の設置に向けて調査検討してきたところであります。
現年度は、同情報センターの設置に向けて基本調査を実施しているところであり、今後は同基本調査を踏まえ施設の基本計画に着手する考えであります。
それから、第3次振興開発計画との関連で、高率補助についての御質問、すなわち現行の補助率の暫定措置は平成6年の予算編成時に見直されることになっているが、県、市町村の脆弱な財政状況を考えると見直しが行われた場合与える影響は大きいと、知事としてどう取り組む考えかという趣旨の御質問でございます。お答えします。
本県に対する国庫補助負担率の暫定措置につきましては、去る4月1日から改正延長された沖縄振興開発特別措置法の附則第6条により、全国と同様に平成5年度まで継続されることになっております。
この暫定措置による国庫減額相当分については、臨時財政特例債により措置されており、その元利償還金は地方交付税で補てんされております。しかしながら平成6年度以降に係る補助率の見直しにより、本則補助率が引き下げられた場合、財政状況の脆弱な本県及び市町村に与える影響は大きく、振興開発計画の円滑な推進に支障を来すことが懸念されます。
平成6年度予算編成時における補助率の見直しがどのようなものになるのか現時点で推しはかることはできませんが、いずれにいたしましてもこの問題は本県の振興開発にとって極めて重要な問題ありますので、今後とも沖縄開発庁と連絡を密にして関係省庁に対し本県の実情を訴え、引き続き現行高率補助の継続が行われますよう最大限の努力を傾けていく考えでございますので、御理解いただきたいと思います。
それから、同じく第3次振興開発計画との関連、県民意識の高揚についてでございます。すなわち本県の自立化を目指して県民が一丸となって努力する必要があると、県民の意識高揚についてどういう方法を考えているかという御質問にお答えいたします。
本県の自立的発展を目指すことは極めて重要な目標であります。この目標を達成するためには、国、県、市町村が相互に協力提携してそれぞれの役割と責任を分担し不断の努力を傾けることが重要であり、また政府公共部門だけでなく、民間部門においても経済の自立化に向けた主体的な努力が要請されるところであります。
さらに重要なことは、御指摘のとおり広く県民が県づくりの将来方向を十分に理解し、みずからが振興開発の担い手であるという共通の連帯感と自立の意識を確立することがこの上なく重要であると考えております。
このような認識のもとに、今後とも沖縄振興開発計画の推進に対する県民意識の高揚を図るため、県広報誌やマスコミ媒体を有効に活用した普及広報活動の強化を図るとともに、シンポジウムの開催なども検討してまいりたいと考えております。
残りの質問は担当者に答えさせますので、御理解ください。
○議長(儀間光男君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 仲里全輝君登壇〕
○企画開発部長(仲里全輝君) 幸喜勝議員の3次振計に関係する問題のうち、4全総との人口比較等の質問にお答えいたします。
4全総の積算方法につきましては、公表されておりませんので県素案の積算方法との違いを申し上げることはできませんが、4全総と3次振計県素案との基本的な相違点を申し上げますと、まず、基準となる人口についてでございますが、4全総は昭和60年国勢調査人口を基準としているのに対しまして、県素案は平成2年国勢調査人口を基準としているということが第1点でございます。
2つ目に、移動率について申し上げますと、4全総は昭和55年国調から60年国調の5年間の移動率を基準としているのに対しまして、県素案は昭和60年国調から平成2年国調の新しい時点での5年間の移動率を基準としていることでございます。
3点目には、合計特殊出生率についてでございますが、4全総は昭和60年の実績2.30を基準としているのに対しまして、県素案は平成2年の実績1.95を基準としていることなどでございます。そのため推計人口もそれぞれ異なった数値になっております。これは双方の策定時点4全総は昭和62年、県素案は平成4年の相違により推計の基準となる基本統計数値のとらえ方が大きく異なっているためであると考えております。また御案内のとおり、国におきましては4全総策定後の将来人ロのとらえ方について、その後の出生率低下等の要因を考慮して下方修正を行っており、本県においても4全総策定後における出生率低下等を考えた場合、県素案の130万人規模は妥当な数値と考えております。
なお、社会増、自然増の比率につきましては、4全総の数値が公表されていないので比較できない状況にございます。御理解を賜りたいと思います。
次に、同じく3次振計に関連いたしまして、県民所得は最終年次には何%に引き上げる予定であるのか、そのときに本県の自己財源率は何%を予想しているのかという御質問にお答え申し上げます。
第3次沖縄振興開発計画県素案のフレームでは、1人当たり県民所得は目標年次の平成13年度に、平成2年度価格でおおよそ310万円を超えるものと見込んでおります。
全国との格差がどの程度になるかにつきましては、全国平均の所得が現時点では算定されていないので明確には言えませんが、現在、経済企画庁で策定中の生活大国5カ年計画で見通している国の経済成長率3.5%をもとに試算してみますと、おおよそ80%を超える水準になるものと考えております。
なお、本県の自主財源比率は平成2年度に23.5%でございますが、3次振計の目標年次における比率につきましては算出しておりませんが、今後、本県経済の活性化を図ることにより自主財源比率は向上していくものと考えております。
それから、同じく3次振計に関連いたしまして1次、2次の振興開発計画の総合的な達成率についての御質問にお答えいたします。手元に2次振計との比較の数字がございますので、それを申し上げます。
振興開発計画は、御承知のとおりマスタープランでございまして、人口及び経済社会のフレームを除き、振興開発計画上の目標数値を設定してございませんので、その点を御理解願いたいと存じます。
2次振計における人口、経済等のフレームの達成状況を若干申し上げますと、人ロにつきましては120万人を超えるという予測に対し、実績は122万8000人、達成率102%となっております。
また就業者数は、51万人を超えるとの予測に対し、実績は53万9000人、達成率105.7%となっております。
それから県内純生産につきましては、おおむね2兆4000億円の予測に対しまして1兆6700億円、達成率70%弱となっております。
それから、手元に平成2年の資料しかございませんが、櫛指摘のとおり県民1人当たりの所得目標が昭和55年価格で約200万円と見込んでおりましたが、平成2年に199万9000円となっておりまして、全国が279万9000円でございますので、御指摘のとおり格差は71.4%となっております。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 西海岸道路の御質問にお答えいたします。
西海岸道路は、読谷村から糸満市に至る約45キロメートルの道路で、中南部地域の国道58号及び国道331号の交通渋滞の緩和を図るとともに、西海岸の開発プロジェクトを支援し、空港、港湾を有機的に連結する基幹交通軸として沖縄県総合交通体系基本計画の中で位置づけております。
現在、当該道路の建設につきましては国において条件整備を図りながら、国道のバイパス事業として嘉手納バイパス、宜野湾バイパス、豊見城バイパス及び糸満バイパスを段階的に事業着手して整備を進めているところでございます。そのうち宜野湾バイパスの一部約3キロメートルが供用開始されております。
また国におきましては、浦添地先の西海岸道路建設について、現在、都市計画決定及び事業化のための具体的な調査を進めている状況であると聞いております。県といたしましても、早い時期に事業化が図られるよう努めていく考えでございます。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 幸喜 勝君。
〔幸喜 勝君登壇〕
○幸喜 勝君 再質問をいたします。
1番目の国際センターの残地計画の件につきましてでございますが、先ほど知事から国際交流情報センターとしての基本計画があるということで明確に答弁をしていただきました。
この残地は、7年間全く放置されたままでございました。
実は、国際センターができた直後ごろだったと思いますが、名称も定かじゃございませんが、たしか稲嶺一郎先生を会長として国際交流懇話会みたいな協議会が設置されておりまして、この会の機能がどの程度発揮されていたかという経緯を私は実はお聞きしたかったんですが、その件について答弁がございませんでしたが、まず、その件もひとつお聞かせをいただきたいと。その会がもうなくなったのかどうか、その点をお願いいたします。
それと沖縄県出身の方が世界の各国に27万人もの多くの方々が雄飛しているということで、さきに世界のウチナーンチュ大会を沖縄で開催して大変県民から喜ばれ、好評を受けております。
この国際交流ゾーンを中心とした、この27万人のウチナーンチュの皆様方との今後の情報ネットワークを形成していくことによって、これからの国際化時代あるいは情報化時代に向けて大きな効果を発揮していくものというふうに思いますし、また大変期待が寄せられていると思いますので、ぜひともこの国際交流情報センターを一日も早く建設されることを望みます。
そこで実施計画にのせてあるのかどうか。もしのせているんでしたら、ひとつ何年度をめどにしているのかお聞きいたします。
それと運営主体についてどうなっているのか、実施計画がおありでしたらその辺まで吟味されていると思いますので、お願いしたいと思います。
それと第3次振計の中で人口想定についてでございますが、国土庁の第4次全総との関係で余り明確な答弁になっていないと思いますが、私がこれをお聞きしているのはなぜかといいますと、第1次振計の策定時に最終年次に約11万8000人の想定との差がありました。それでそのときに大変これは社会的な問題になりました。やはりあらゆる事業の積算ベースになることから、その人口想定というのはやはり大きな開きがあるということはいろいろと支障を来してくると私は見ております。
また、観光客が最終年次には500万人も来るということでございますので、やはりそれなりの積極的な人口想定を見込む必要があるのではないかということで第4次全総との大きな人口差についてお聞きいたしました。その件についても再度ひとつお聞きしたいと思います。
それと西海岸道路の進捗状況と今後の計画についてでございますが、御承知のようにこの西海岸の埋立地は、第1次は卸売団地の形成、これは物流センターとしての拠点でございます。第2次の埋立地は、港湾建設と卸売業、運輸業複合都市機能というふうに設定されております。そして第3次計画がコースタルリゾート構想、これは国際的リゾートを目指して県のトロピカルリゾート構想のメーンコアとしての位置づけをされています。
よって、国策、県策を展開しているところでございますので、どうしてもこの西海岸道路の延伸を図って交通渋滞の緩和をしていかなければならないかと思います。特に観光立県としてこれから目指すには、どうしても交通渋滞の悪いイメージを取り払わなければ2回、3回というふうに来てくれないのではないかということもございます。
また、産業道路的な役割もその西海岸道路は果たすと思いますので、早期建設をひとつお願いしたいと。
そこで国に対する陳情要請方をどの程度詰めてやられているか、再度御答弁をお願いしたいと思います。
以上です。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後7時2分休憩
午後7時3分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 高山朝光君登壇〕
○知事公室長(高山朝光君) 幸喜勝議員の御質問にお答えをいたします。
まず1点は、国際交流センターとの絡みで、懇話会は現在あるのかという御質問がございました。
その御質問につきましてですけれども、現在はございません。
さらに、具体的にどういうふうに進めるかということがございまして、まず1点は、27万移民の情報ネットワーク的なところで進めるのか、あるいはさらに運営主体はどうなるのかということがございましたが、まず現在、現年度では基本調査を実施しておりますので、これに基づきまして実施計画をつくる予定をいたしております。さらに情報ネットワーク等のありようを含めてこれから検討をしてまいります。
その情報ネットワークを少しつけ加えますと、現在、海外の移民地には民間大使等を配置しておりまして、そういう方々とのネットワークを持っております。
以上でございます。
○幸喜 勝君 何年の予定ですか。
○知事公室長(高山朝光君) 基本調査、先ほど知事からもお答えを申し上げましたんですが、現年度は情報センターの設置に向けて基本調査の実施をいたしております。今後は基本調査を踏まえて施設の基本計画に着手する考えでございます。
○議長(儀間光男君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 仲里全輝君登壇〕
○企画開発部長(仲里全輝君) 幸喜勝議員の人口問題の推計のあり方に対する再質問にお答え申し上げます。
130万人規模の人口推計につきましては、厚生省人ロ問題研究会が日本の人口を推計している、下位、中位、高位という推計をやっているわけでございますが、その中位推計の考え方を採用してございます。
それと政策的な目標を加味してございます。
これは沖縄に産業を振興して魅力ある就労の場がふえるという考え方を持っておりまして、それで社会減が縮小されていくという考え方を持って推計をしてございます。
なお、この130万人を超えるという推計につきましては、沖縄県振興開発審議会の総合計画部会にフレーム小委員会という専門家を集めた委員会をつくりまして、それで県内の専門家による論議を10回やっていただきまして、その結果、こういう数値が妥当であるというふうに認められたわけでございます。
これから各部会専門委員会での審議がなされます。3専門委員会での審議、それから部会での審議がなされて県の素案の考え方が確定されていくわけでございます。そして県案となっていくわけでございますが、御指摘のとおり人口問題の推計は大変重要であると思います。各専門の先生方のなお一層の論議の中で、慎重に決定されていくようにしたいと考えております。
○議長(儀間光男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 西海岸道路関係についてお答えいたします。
県内には沖縄総合事務局が実施しております国道がたくさんございますけれども、それの促進につきましては私ども日ごろから沖縄総合事務局と密接な連携をとりながら、その促進について調整ないしは促進の要請を行っております。
以上でございます。
○議長(儀間光男君) 休憩いたします。
午後7時8分休憩
午後7時12分再開
○議長(儀間光男君) 再開いたします。
この際、お諮りいたします。
本日の会議は、延会いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(儀間光男君) 御異議なしと認めます。
よって、本日は、これをもって延会することに決定いたしました。
○議長(儀間光男君) 次に、お諮りいたします。
議案研究のため、明7月4日及び5日の2日間休会といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(儀間光男君) 御異議なしと認めます。
よって、明7月4日及び5日の2日間休会とすることに決定いたしました。
次会は、7月6日午前10時から会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって延会いたします。
午後7時13分延会
前発言
次発言
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