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平成21年(2009年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 10月 2日
渡久地 修
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国の政策といって75%が沖縄に基地を押しつけられているという現実を踏まえて、居座り続けている理由がこれも大きな理由ですので、そこはぜひ踏まえて思いやり予算については見詰めていただきたいと。
そして公室長、思いやり予算の質問をやると毎回、一字一句同じ答弁、ちょっと改めた方がいいと思います。
次に、進みます。
知事、辺野古の基地建設について質問します。
この問題、私は非常に世界も、アメリカも、日本も、沖縄も大きく変わりつつあると、変わっているということをまず認識することが非常に大事だと思います。
まずアメリカですけれども、海外に米軍基地865、それから未公表を含めると1000カ所維持していると言われています。全兵力の3分の1、55万人を40カ国以上に派遣しています。この膨大な維持費、これにアメリカは財政負担で非常にきゅうきゅうしてきています。米国の軍事費は、この10年間で2倍。国家予算3兆1070億ドルの約22%、6750億ドル。22%軍事費が占めているんです。そのうち、海外での駐留費、戦費2721億ドルで軍事費の4割、国家予算の1割に海外費が占めています。このような状況の中で、アメリカの研究者からもこの海外駐留はやめるべきだという声が米国で広がっている。
著名な国際政治学者でカリフォルニア大学名誉教授、日本政策研究所のチャルマーズ・ジョンソン氏は、膨大な軍事費でオバマ政権の経済危機対策や医療制度などの改革が台なしになる可能性があると述べて、「米国は、世界的規模の覇権を維持する能力がないし、もし維持しようとすれば破滅を招くだけだ」として「海外駐留米軍を抜本的に削減すること」を強調して、米軍の海外展開について「ほとんど経済的利益を生みださない膨大な投資を続ける理由がどこにあるか」というのが多くのエコノミスト、政治学者の一致した意見というふうに述べています。
このような中でオバマ政権が次年度の予算でF22戦闘機、ミサイル防衛など88億ドル(7920億円)の軍事費削減を表明したということは非常に注目されています。そして、オバマ政権の誕生の中で、ブッシュ時代の一国覇権主義、単独行動主義から多国間主義、国連中心主義にかじを切っています。
核兵器廃絶を世界に呼びかけて、国連の安保理でも核兵器廃絶決議を提案して採択されました。大きな変化です。
そして2点目は、世界で基地なくせという大きな闘いの広がりと、実際にアメリカの基地がどんどん閉鎖されてきています。2003年にはプエルトリコのビエケス射爆撃場、56年間強制使用していたのが閉鎖されています。2009年、エクアドルで米軍基地が撤去されて返還。それからキルギスが米軍基地の空軍を閉鎖すると表明しています。2009年、チェコで――アメリカのMD防衛計画ですね――あれもチェコはやらないということになっています。
3点目が、日本での変化です。
新しい政権は、核密約の公表の調査命令を出しました。米軍再編見直しも公約に掲げました。そして、国内世論でも変化が出てきています。この「米中二極化「日本外交」のとるべき道」という最新の文藝春秋の中での寺島実郎氏、御存じですよね、日本総合研究所の会長。この方が戦後60年以上も米軍基地を抱える日本の現状は「異常」で、「独立国に外国の軍隊が駐留を続けていることは、不自然だ。」という常識を「一刻も早く取り戻すべきなのです。ましてや、日本は米軍駐留コストの7割を負担している。こんな例は世界にない」と指摘しています。
国内でこういう声が広がっている。じゃ、沖縄はどうか。沖縄は皆さんもうよく御存じだと思いますけれども、衆議院選挙で辺野古推進をやってきた議員はゼロになりました。これについて知事、知事を支えてきた自民党県連の会長は、この結果について、政権交代の風に米軍普天間基地の県内移設に反対する声が合わさって圧倒的な力になったと、こういう評価やっているんです。そういう意味では、県民の世論というのは普天間基地返還というのが圧倒的な力だというのは自民党も認めています。
そういう世界、日本、沖縄の流れの中で、知事が普天間基地の移設に固執し続けているように、これは極めて奇異にしか私には映ってないんですけれども、知事、世界の流れを見て、ぜひそういう立場で、態度をやっぱり基地をなくすべきだという態度に変換すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
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20090505020290