前発言
平成14年(2002年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 10月 4日
農林水産部長(天願貞信)
次発言
★ここをクリックすると、この日の発言が全て表示されます。★
農業振興策について、ミカンコミバエ侵入の原因についてお答えいたします。
本県におけるミカンコミバエの根絶は昭和61年に達成されております。しかし、近年、観光など外国との交流が盛んになっておりまして、それに伴い東南アジア等発生地域からのミバエ類の再侵入が危惧されております。
ミバエ類の発生については、今年5月に豊見城市においてミカンコミバエが確認をされております。
発生の原因につきましては、 海外旅行者等による寄生果実の持ち込み、 発生地域からの飛来によるもの、外国船等から海洋に投棄された寄生果実の漂着、海外貨物からの侵入等が考えられます。
これらの発生原因につきましては、農林水産省那覇植物防疫事務所で調査をしておりますが、現在のところ特定するにはまだ至っておりません。
次に、ミカンコミバエの発生と対応策につきまして一括してお答えをいたします。
ことし5月に確認されたミカンコミバエの蔓延防止対策につきましては、植物防疫法に基づく移動規制によるものではなく自主的な規制で対応しております。
蔓延防止対策の内容は、集中的な防除強化による他地域への発生拡大の防止対策、ハウスの出入り口等からの侵入防止対策、果実への袋かけによる寄生防止の徹底、集出荷場への再侵入防止対策の徹底などであります。
今回の発生に伴う防除費につきましては、約4300万円の経費と防除作業に延べ1500人を動員をしております。この結果、ミカンコミバエの発生については現在のところ終息に向かっております。県としては、今後ともミバエ等特殊病害虫の再侵入防止の徹底と旅行者等への広報活動など、再侵入防止対策に万全を期してまいりたいと考えております。
次に、松くい虫の駆除作業に関する予算措置及び防除の年次計画について一括をしてお答えをいたします。
松くい虫防除については、森林病害虫等防除法に基づき保安林等の「高度公益機能森林」につきましては県が、地域の重要な松林の「地区保全森林」は市町村が地域指定を行い、国の補助を受けて防除を実施しているところであります。
一方、大半を占める「その他松林」については、基本的には松林所有者または管理者が実施することになっております。しかしながら、「その他松林」の個人での防除については労力や経費の面から厳しいものと考えております。そのため市町村が事業主体となり、「その他松林」防除事業や緊急地域雇用創出特別事業等の予算を確保いたしまして、補助事業により防除を実施することとしております。
さらに、自発的防除の促進を図るため地域のボランティア組織の育成も含め、県民一体となって取り組む体制についても整備を行っているところであります。
今後は、効果的防除の推進のため林業試験場に松くい虫対策プロジェクトチームを設置をし、産学官の共同研究による新しい防除技術に取り組みながら、今年度から5カ年計画で松くい虫被害の終息を図っていく考えであります。
次に、製糖工場からのバガスの利活用の実態と今後の取り組みについてお答えいたします。
バガスは、堆肥用原料としてさとうきびの生産性及び品質の向上を図る上で極めて重要な有機質資材であります。しかしながら、県内の製糖工場から生産されるバガスは、その大部分が製糖工場の燃料として利用されているため、堆肥用原料としての割合は全体の約12%と低い状況にあります。
バガスを堆肥化し、有効に利活用している地域としては石垣市や伊良部町などが挙げられます。県としては、有機質肥料の畑地への還元を促進するため優良事例の現地調査等を行いまして、製糖企業や畜産農家と連携をし、堆肥センター等の整備を推進していく考えであります。
以上であります。
前発言
次発言
20020607060110