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平成 3年(1991年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 3月 1日
第 6号 3月 1日
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議 事 の 概 要
平成3年3月1日(金曜日)
午前10時2分開議
日程第1 一般質問
日程第2 甲第1号議案から甲第32号議案まで及び乙第1号議案から乙第27号議案まで(質疑)
一般質問及び質疑
1 与那嶺盛男君(新政クラブ)
2 福里 一郎君(自民党)
3 仲松 昌彦君(自民党)
4 金城 繁正君(新政クラブ)
5 喜久山盛忠君(自民党)
6 伊集 盛元君(自民党)
7 嘉数 知賢君(自民党)
8 西銘恒三郎君(自民党)
午後10時49分散会
○議長(平良一男君) これより本日の会議を開きます。
日程第1及び日程第2を一括しこれより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第32号議案まで及び乙第1号議案から乙第27号議案までを議題とし質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
与那嶺盛男君。
〔与那嶺盛男君登壇〕
○与那嶺盛男君 おはようございます。
ハブであります。(資料を掲示)
沖縄の言葉に「フェーマーイ」という言葉がありますが、長い間北風の寒い日から、今、南風になっています。こういう生暖かい場合にハブが出てまいります。
そこできょうは、私は、ハブの防除対策について絞って質問をいたします。
なぜ私がハブにこだわり、ハブの防除問題を取り上げたかと申しますと、私の住んでいる所の南風原町は、かつてはめったにハブのいない地域でございます。ところが、最近は町内の至る所でハブが出ております。これを私なりに考えてみますと、開発によるものだと思います。
1つには、運玉森のゴルフ場の開発あるいはダムの工事、また弁ケ岳の近くにあるところのコンポスト工場とかもろもろの工事、あるいは大里公園近くの造成工事とか農業基盤整備など大きな工事によりましてそこにいたハブが追い出され、国場川の上流あるいは宮平川の上流、長堂川の上流を伝って村々に入ってきたんじゃないかと、かように思うわけでございます。
特にコンポスト工場の場合には、御承知のように1日350トンのごみが運ばれますが、全部は焼却処理できません。残りが生ごみで埋められるわけですが、そこにはネズミが繁殖します。そのネズミを追ってハブが出てくると。ハブの飼育場みたいだと言われております。もしそれが事実ならば、この問題は人災としか言いようがありません。
その例を申しますと、今、南風原町の喜屋武の方では翔南小学校という学校の造成工事を行っていますが、関係者によりますと50匹ほどのハブが出てきたと言っています。
また、あの地域であったことでございますが、家庭の主婦がタンスをあけましたら、そこに大きなハブがとぐろを巻いていたと言うんです。その主婦は、以前に長男を亡くして気がめいっているのと、2回目だったので、すっかりおじけづきノイローゼぎみになって、ついには入水自殺をするというような痛ましい事故がありました。
また最近、といってもまだことしに入ってからでございますが、国場川上流の宮平の後ろ側の河川の掃除をしておりました。そうしましたらハブが出てまいりまして、南風原町の議長をしている大城さんが打たれて救急病院に運ばれています。
二、三日しまして、うちの部落の農業委員をしていた赤嶺というのが同じくハブに打たれて病院に運ばれました。私は、彼が退院してからお見舞いに行っていろいろ聞いたわけでございますが、草刈りをしているときに作業員に、ハブがいるから注意しなさいよと何回も言っていたそうでございます。そうこうするうちに2匹ほど出てきたので、棒切れでたたいたそうです。畑の端っこにあるところの芋畑を手入れしようと手を入れたら、ハブに打たれたと。サッタッサーということで救急車を呼んで徳洲会病院に運ばれたそうでございます。医者や看護婦が応急処置をしたのと、血清を打って命は大丈夫ということでございますが、晩になりますと、もう手がはれて、この痛さはかまれた人でないとわからないと。ユナガタ、ドゥーニ一ソータンドーということでございます。
翌日、息子が来まして、そのハブは消防の方と一緒に退治したということでホッとしたそうでございますが、1週間ほどしまして退院してから畑を回ってみましたら、またいたそうでございます。さすがの彼もびびってしまって、家内を呼んで隣のキビ畑からキビの枯れ葉を集めまして芋畑に全部かぶせて火をつけて燃やしてしまったと言っていました。私に言うには、ナー、ワラバーターンカイ、ハローシミラランサーということを言っています。
そしてさらに南風原は、カボチャの産地でございますので、カボチャをつくるときには敷草を敷き、その上にカボチャが繁茂するんです。もうああいうのもつくらせないよと言っています。
彼は、かつて南風原町の生産部会の会長をし、ずっと専業農家でございます。今でも町内の指導的立場にある彼が、もう農業はさせられないと。私は、その言葉を聞いたときに深刻に受けとめたのでございます。
その後、伊江島出身の方といろいろハブ談義しました。伊江島でもハブがたくさんいるそうです。大きいのになると2メートルぐらいのハブがいますので、それに打たれると2センチほどに食いつかれるそうです。ですからカミソリで切って切り口をつくるとか、足の場合には草刈りがまでもって切りつけて毒を出すと。大の男が泣きだしてトゥントゥルモーカーするというんです。そして足の場合には上の方を縛って、あるいは手の場合には腕の方を縛って、サバニで本部へ運んだと、そういうようなことを言っていましたが、命を取りとめても後遣症が残って大変な方々が多い
ですよと聞きました。
私はそのようなことを聞いたもんで、これは大変だと思いまして、公害衛研の吉田朝啓所長を訪ねまして、ハブについていろいろ教えてもらいました。そしてそこで聞いたことですが、年間200名ぐらいの方々がハブに打たれ、そのうち50名は屋敷の中あるいは家の中で打たれていると。その半分以上がキビ畑やパイン畑と、いわば農作業をしながら農業従事者がハブに打たれているということです。この10年間で2440名がハブに打たれているし、そして沖縄県土の85%はハブがいると。42町村に及んでいるそうです。私は、それを聞きまして吉田氏に、じゃ、このハブを根絶する方法はないかということを聞いたわけですが、彼流にハブと人間とをすみ分けるということをたっぷり聞かされました。そして彼が渡したのが「ハブと人間」というこの本でございます。(資料を掲示)
この本をめくってみましたところ、何と1880年に当時の沖縄県政は、ハブ1匹を米1升で買い上げたと書かれています。1880年といいますと明治13年、沖縄県政ができた翌年から沖縄県ではハブ防除対策をやっていたというのが記録に残っております。
年がばれますが、我々の小さいころもネズミ駆除のためにネズミのしっぽを集めて、これを1銭か2銭で村ヤーで売ったことがございます。
そこで私は吉田さんに、予算を組んで沖縄でもハブをどんどん買い上げたらどうなんだということを話したわけですが、彼は、ウッピセー、ハボーヒナランドーと言うんです。現在、多幸山のハブセンターとか玉泉洞あるいはハブ酒の業者が毎年1万匹ほど元気のあるやつを1匹5000円で買い取っているそうですが、とても減らないと。どのぐらいいるかというと、これは生息数の1%だろうと言うんです。そうすると沖縄に100万匹のハブがぐにゃぐにゃいるということになります。私は、改めて身震いをしました。
そういうことを考えていくならば、このハブ防除間題はぜひともみんなで考えないといかぬなということでございます。
今、沖縄県では去年2800万の予算を組んで防除対策をやっています。ことしは3000万を超していますが、これは主に抗毒素とか血清の開発でございます。そのおかげでこの10年間ぐらいは、確かに病院に担ぎ込まれた死亡事故は出ていません。死んだのは2人ぐらいです。しかし、ハブに打たれているのは依然として続いております。ですから私は、もうハブの研究の段階じゃないと。
彼が言うところのすみ分け論として生活圏、この居住地の集落とか農用地からハブを追い出すためにはどうすればいいかということで彼と話したわけでございますが、問題は、県がやる気があるのかと。あるいは予算だと言うんです。これさえあれば、ハブはできますよということでございます。そこで私は、あえて今議会にこの問題を提案したわけでございます。
そこで、知事にお伺いします。
沖縄県政が施行されて115年、歴代の行政責任者は、ハブについてはいろいろ気を使っています。先ほどの買い付けの話とか、あるいはマングース導入をやっていまして、血清は開発されておりますが、ハブの防除対策はやっていません。しかも戦後は、いわゆる先ほど申しましたように開発によってどんどんハブが全地域にばらまかれております。ですから、この問題はまさしく県政の急務のことだと思います。特に第3次振計の中に、沖縄県は平和で潤いのあるところの生活環境の整備というのを高らかに打ち出しています。ハブの防除なくして生活環境の整備はないということでございます。
御承知のように、屋良県政は全力を尽くして復帰運動に取り組み実現しました。西銘県政は、年間25億の予算、7カ年ぐらいで約180億の金を使いまして困難と言われたところのウリミバエ、ミカンコミバエを根絶しました。八重山は少し残っていますが、あれもめどがついています。
そこで大田知事、ひとつこの沖縄県がみんなが気にしているところのハブ防除に取り組んでください。特に先ほど申しましたようにいわゆる開発によるところの人災だということを考えるならば、これは取り組まなきゃならぬと思います。県がその気になるならば、開発庁あるいは国土庁、農林省、大蔵省と、そこに強く訴えていくならば、恐らく年間5億あるいはそれ以上かと思いますが、10年ぐらいかければ生活圏、私たちの集落あるいは畑、そういう所からハブは防除できると思いますので、ぜひとも知事、この問題に取り組んでいただきますよう決意のほどをお願い申し上げます。
さて、知事はこの問題を取り組んでいただくことを前提に二、三質問いたします。環境保健部長にお願いします。
今、社会問題になっているところの暴力団の対策につきましては、御承知のように県警に対策本部を設けまして、市町村や地域ぐるみで対策協議会をつくって、県ぐるみで立ち上がっています。このハブを駆除するためにも、恐らく環境保健部の方に本部を設けまして地域ぐるみの活動をしなければできないかと思っています。
環境保健部長、これに対する所見、ハブを防除するんだと口癖になっているところの所見を聞かせてください。
次に、農林水産部でございます。
先ほど申しましたように、10年間で2440名の方々のうち半分以上はキビ畑で、パイン畑で、果樹園でハブに打たれて、いわゆるトゥントゥルモーカーしているんです。ですからハブはパインやキビはかじらない。ミカンはかじらないということでは済まぬと思います。とにかく今のままでは農業後継者は減ります。だから沖縄の農業振興のためにも、このハブの対策なくしては農業振興はないと思います。その件につきまして農林水産部長のハブの防除対策に対する見解を聞かせてください。
次に、土木建築部長でございます。
今、河川をつくりあるいは道路をつくりダムをつくって、ブルドーザーとかあるいはパワーショベルとか大きな機械を動かしますとハブが出てきます。そこで、これからの工事の場合には防除対策というのも念頭に置かんといかぬじゃないかなと。雑石を積む場合にもいわば目張りをすると。あるいは道路をつくる場合にも、河川をつくる場合にもその面を頭に入れるべきじゃないかと思います。
特に私が申し上げたいことは、県道の場合にはよく管理されています。我々が沖縄をずっと回っても、道のそばは草が刈られております。ところが河川は、2級河川は県の管理でありながら、工事を早くやればこうしたことはありませんが、管理はいまいちだと思います。
先ほど、南風原の例も2級河川でございますが、この河川を通ってハブがおりてくるわけでございますから、ぜひとも、予算がないと申しませんで、これは総務の方が取ってください。そしてやはり2級河川の管理も十分にやっていただきたいということを土木建築部長にお願いいたします。
次は、時間の都合で要望だけにとどめます。
企画開発部長、今、県の方では例えばリゾートとかいろんな形で大きな土地利用で土地が動きます。赤土問題についてはかなり関心を持ちクローズアップされていますが、ハプ問題は取り上げられていません。やはり快適な県をつくるためには、ハブという問題もひとつ考えてください。そして3次振計の中にも、この10カ年で生活圏からハブをなくすんだということをぜひとも念頭に置いてもろもろの計画をつくっていただくようお願いいたします。
教育長にお願いでございますが、せんだって宜野座村の惣慶という部落で、部落のそばのいわゆる造成といいますか雑石ですね、石山とか、こういうのを動かして部落の後ろ側のくぼ地に埋めたそうです。翌朝、新聞少年が暗いうちに新聞配達にいきますと、長いのがうろうろいたというんですね。新聞少年はびっくりしまして後ろに下がったら、また後ろにもいたというんですよ。そこでこの新聞少年は、家まで逃げていって玄関を閉めたということがありました。
これは、具志頭村の方では子供たちに、ハブというのは目が弱くて足がないから、追いかけてこないと。自分の長さの3分の2しか打たないよと。しかしハブは恐れず侮らずと。キャッチボールで球が逃げた場合にもハブがいるかもしれないから注意しなさいというような、ハブに対するいわば教育をやっているようでございます。
ですから、沖縄は宿命といいますか、しばらくはハブと同居しますので、ぜひとも学校現場の方でも沖縄の特殊なハブについては教えてもらったらいかがなものかと思います。
次に、観光文化局長でございますが、沖縄には年間290万人の方々が青い空、青い海を求めて沖縄に参ります。南の島のロマンを求めていますが、だれしもが沖縄はいい所だが、ハブがいるそうですねと、みんな怖がっています。
せんだって我々が伊是名島に行きましたら、伊是名島にはハブがいない島と大きく看板を上げているんですよ。御承知のように与那国とか宮古、伊是名あるいは座間味、南北大東、粟国という所にはハブはいないそうです。ほかはいます。そういうのを考えてみますと、やはりハブをいなくしないと、これからの観光立県もあり得ないかと思っていますので、観光文化局としてもハブの対策には注意を払っていただきたいと思います。
それから、警察本部でございますが、警察本部は暴力団対策で大変御苦労さんでございます。私は、決算特別委員会でも申し上げたわけでございますが、これから県政がハブの防除対策をやると、あるいは買い取りもやるかもしれません。そして地域ぐるみで動きますと警察関係にお世話になる場合もあります。そのときには1匹5000円で買い取ると。このお金は雑収入に入れないで、警察官の危険手当とかあるいはハブ酒をつくって英気を養うとか、そういうふうに今から考えてみてください。
しかし、かまれないようにちゃんと七つ道具は準備して、ハブに対する取り扱いの訓練でもやらして、いざ本部ができた場合には暴力団と同じように、ハブも一緒に退治するように警察本部長の特段の配慮をお願いいたします。
最後に、議員の皆さん方にお願いでございますが、この問題は私だけの提案じゃなくして、本来ならば超党派的に議員の提案にしたいものでございます。そのためには議会の中にハブ対策の議員連盟をつくるなり対策協議会をつくるなりして、みんなでハブ問題を考えていかなきゃならぬと思います。
私も過去30年間、農業団体におりましたが、この問題を見過ごしておりました。今、この壇上に立ってハブ問題を訴えるために議員になったかなとさえ思ったりします。ひとつ私たち沖縄をすばらしい沖縄にするために、ぜひともみんなの力を合わせて、今、3次振計にうたわれている平和で潤いのある、そして快適な生活環境をつくるために、このハブの防除対策についてはともどもに頑張っていきたいと、このことを申し上げまして私の質問にかえます。
ありがとうございました。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 与那嶺盛男議員の御質問にお答えいたします。
沖縄の島々から生活圏でのハブ根絶を図る決意を聞かせてほしいという趣旨の御質問でございますが、本県のハブ対策については、これまでも県においては国庫補助を得て鋭意努力してきたところでありますが、いまだに年間200件前後のハブ咬症が発生しているので、これは本県にとって大きな社会問題であると認識いたしております。住宅地域及び農耕地域など人間の生活圏においては、できる限りハブを駆除すべきであると考えております。
そこで県といたしましては、第3次沖縄振興開発計画及び県の重点施策の策定に当たって、具体化の段階でハブ対策の問題を盛り込んでいきたいと考えています。
なお、その他の御質問につきましては関係部長にお答えさせますので、御理解をいただきたいと存じます。
○議長(平良一男君) 環境保健部長。
〔環境保健部長 金城 毅君登壇〕
○環境保健部長(金城 毅君) 与那嶺盛男議員のハブ防除対策関連の御質問のハブ防除対策についてはどのような方法があるか、現況及び今後の県の対策についてお聞かせ願いますとの趣旨の御質問に対してお答え申し上げます。
ハブ対策につきましては、これまでも啓発活動、治療法の研究及び駆除法の研究などを実施して一定の成果を上げておりますが、現在でも年間約200名の咬症患者が発生しております。重要な問題であると認識しております。ハブの問題は、今後も国の援助を得て県、市町村、地域住民がそれぞれの役割を分担しながら相互に連携して対処する必要があると考えております。
環境保健部内では関係課長、各保健所長及び県公害衛生研究所長等で組織されたハブ対策連絡会議が設置されており、必要に応じて協議しております。これまでにハプ対策要綱及び基本計画の策定に向けて検討を続けてまいりました。また毎年1回、市町村ハブ担当者会議を開催し、市町村におけるハブ対策を協議するとともに、担当者の研修を実施しております。今後は、他部局とも協議しまして総合的なハブ対策協議会の設置についても努力してまいりたいと思っております。
また具体的な対策としましては、広報、啓発活動を今後も一層強化するとともに、治療法の研究や駆除法の研究も継続して行い、市町村と連携したハブ駆除事業を進めるため、ハブの生息環境の調査及び環境整備についても指導してまいりたいと考えております。
さらに、現在も一部地域では、これまでの成果を投入しながらハブ駆除実験を開始しておりますが、今後はハブ危険モデル地区を設定して関係市町村の協力も得ながらハブ駆除事業を実施していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 山城正栄君登壇〕
○農林水産部長(山城正栄君) ハブ咬症の半数以上が農業従事者であることをどのように認識しているかという御質問についてお答えいたします。
御指摘のとおり、県内ハブ咬症事故の大半が農作業との関連で発生していることは、農業従事者の安全や後継者確保の観点からも深刻な問題であると受けとめております。
県におきましては、農作業現場におけるハブ咬症事故を防止するため毎年5月と11月に農作業安全月間を設定し、農業者を対象にハブ咬症に関する講演会、映写会を行うなど事故防止の啓発に努めているところでございます。今後は、ハブの生息密度が高い地域や咬症事故の多い地域では市町村、農協等と連携いたしまして重点的に啓発指導を行ってまいりたいと考えております。
また、農業者の立場でハブ咬症を防止するためには、各自が圃場周辺の環境整備に努めると同時に、生息が予想される地域での農作業の従事については事前に安全確認を行い、さらに長靴や防具を着用するなど咬症防止のための指導強化を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 道路、河川等の工事の施工とハブ対策について及び2級河川の清掃についての御質間にお答えいたします。
道路、河川等の工事施工におきましては、重機類の使用は必要なものでございます。この重機類の使用に伴う振動がハブに与える影響はどのようなものか特に把握しておりませんが、工事によって生息地を追われるハブについてどのような対策がとれるかにつきましては、今後、ハブの専門家等の御意見も拝聴していきたいと思っております。
一般的に工事従事者につきましては、工事の施工に先立ち現場の草や樹木の伐採、伐根等が必要な現場につきましては、施工者側でハブ防除対策を講じておりますが、当部としても注意方について指導していきたいと考えております。
また、2級河川の清掃につきましては、年間1億円余の限られた維持管理費の中で除草やじんかいの回収等を行っており、十分とはいえないのが実情ではありますが、集落や農地内河川でハブ生息のおそれがある箇所につきましては、できるだけ優先的に清掃に取り組んでまいりたいと思っております。
○議長(平良一男君) 福里一郎君。
〔福里一郎君登壇〕
○福里一郎君 おはようございます。
朝から怖いハブの話で質問が始まっておりますが、幸いにも私のふるさと宮古地域にはハブはおりませんが、ハブ対策以上に難しい問題がたくさんございますので、そういうことで通告に従いまして一般質問を行います。
質問を申し上げる前に、答弁は明快であるようにお願いをしておきます。答弁に矛盾があったり、数多くの漏れがあっては適切な議会運営を困難にするからであります。御承知とは思いますが、共感できる姿勢を持って課題解決についての見解を示していただきたいと思います。
さて、離島の振興という視点から農業振興、離島空港、離島医療の3点について知事がどのような御認識、お考えをお持ちかお伺いをいたします。
個別について御質問申し上げる前に、知事の公約について確認をしておきたいと思います。
離島に住む私たちは、都市に住む皆さんに比べて極めて素朴であると思います。人の言うことを疑わない、すぐに信じてしまうのであります。ましてや知事になられる人の公約についてはすぐにでも実現するものと思い込み、固く信じているのであります。このことにこたえることが公約した者の義務であり責務であることは申すまでもありません。この責務を、公約を言動一致して履行する姿勢に欠けるとすれば、政治に行政に不信を招き、信頼を失うことになるからであります。
ここで、私の質問分野に関連する知事の公約についてお尋ねをしておきたいと思います。
まず、知事は赤土の流出防止などの徹底に全力を挙げながら、地域にマッチした土地改良事業確立のため国に基準改正を求めると公約しておられます。この基準改正はいつまでに実現なさるのか。
また、土地改良事業は基準改正が実現するまで停止するのか、規模を縮小するのか、地域に制約を加えるのか、従来どおりに進めるのか、方針をお伺いいたします。
また知事は、戦略的作目を重点に生産性の向上を積極的に進めるとともに、ローテーション作目を取り入れた高度な農業経営を進めるとも公約しておられます。ここで言われる戦略的作目とは何か。農家の皆さんは、その内容が理解できません。何を意味しているのか例を挙げてわかりやすく説明していただきたいと思います。
また、ローテーション作目を取り入れるとはどういうことか。それは具体的にどういう作目が考えられるのかお示し願いたいと思います。
亜熱帯農業形成モデル構想をおつくりになるとも公約されております。夢が持てるような気分にもなりますが、具体的なイメージがさっぱりわきません。モデルをつくるのであれば、それを農家一般に普及することになるはずであります。この構想の内容を現段階でどう考えておられるのか伺っておきたいと思います。
次に、畜産基地構想を策定するとの公約もあります。
県は、これまで石垣第1、第2区域、山原第1、第2区域、そして与那国区域に畜産基地を建設しております。知事が公約された構想は、現在の基地と全く異なるものでしょうか。それはどのように異なるのか、具体的に御説明願いたいと思います。
農業は国のもとであると言われております。国民が、その生命を維持する大切な食糧を生産するからであります。加えて国土を保全し、地域の伝統文化を生みはぐくんだ母体だからであります。それだけに国や地域によって農業についての考えや営農の違い、そして行政施策が異なるわけであります。ウルグアイ・ラウンドでもめていることはその証拠であります。
農業は、気候、土壌、耕作面積などの制約を受けながらも、ほかの産業分野と同様に地域単位の自給自足の時代から、商品生産の形態へと大きく変化してまいりました。県内の農産物も今や県境を越えて全国商品となり、国境を越えて外国農産物と競争し、勝たなければ生き残れない時代になってまいります。ましてや生産高の少ない県内島々の農業は、行政の目配り、気配り、強い支援策の支えがなければ成長と安定を確保できないのであります。
農業がほかの産業と異なる点は、その担い手である地域社会が移動できないということであります。
2点目は、さらに土地も移動できないということであります。つまり、農業を振興するためにはまさに地域に根差す政策が求められるということであります。
そこで御質問をいたします。
農業振興の基本課題は、農地条件をさらに改善することであります。そのためにこれまでにも土地改良事業が推進されてまいりました。その結果、生産性も向上しております。今後、土地改良を必要とする面積はどれぐらい残されているのか。およそ終了するまで何年かかるのか、お示し願いたいと思います。
宮古島の農家1戸当たりの保有面積は、南大東島に次いで県内2番目に大きいことは御存じのとおりであります。しかしこれまでの土地改良面積は、ほかの地域に比べて圃場の整備率が低いと聞いております。なぜか、その理由と今後の対応をお伺いいたします。
また、農業にとって大切なことは水の確保であります。水分が不足していては作物は育ちません。過少降雨の影響を受けることのないよう農業用水を確保することが県政の基本課題と考えております。
水は、作物にとって人間の血液と同じ役割を持つものであります。血液の流れに不足と異変が起これば、我々人間が死に至る場合があるように、水分の不足は作物にとって致命的影響を及ぼすことは御承知のとおりであります。
そこでお伺いいたします。
農業用水として全県的にどれぐらい確保されているのか。また、需要との関係でどの程度でよいのかお伺いいたします。
さらに、新年度予算に計上されている農業用水関係の予算額はどれだけか、お示しいただきたいと思います。
農業用水確保のために離島でため池が建設されておりますが、今後、幾つ建設すればよいと考えておられるのか。また、どのような年次計画で建設を進められるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
多良間島や伊良部島の例で見ますと、ため池の建設効果は極めて高く農家は喜んでいるところであります。しかしなお不足であるとして今後の増設に期待を寄せております。この期待にこたえるため、今後のため池建設についての計画はどのようになっているのか、お示し願いたいと思います。
次に、サトウキビの収穫機械導入についてお伺いします。
基幹労働力が老齢化した農村離島で、サトウキビの刈り取りは直面する大きな問題であります。与那国町は、本土からの若い営農隊員の協力を得てきましたが、その数も減り、大変困っているとのことであります。ほかの島々においても深刻な問題であります。 せっかく順調に成育したサトウキビが、刈り取りの時期を失い、ブリックスが低下するようなことがあれば農家向上にとって大きな損失となり、農村離島経済を圧迫する大きな原因となりかねません。
この問題解決の唯一の方法は、刈り取り作業を機械化することであります。土地改良の進展を契機に収穫機械を積極的に導入すべきではないかと考えているのであります。
高齢化対策は福祉の面ばかりでなく、農業の面においても基幹労働力をいかに確保し、定着を図るか配慮すべき重要なことであります。
そこで質問でございます。
サトウキビの刈り取り機械の導入状況はどうなっているか。開発の進展状況はどうか、その現状について御説明をいただきたいと思います。
宮古下地町がこの収穫機械を導入しておりますが、労力削減の効果が高く大変喜ばれております。そしてほかの島内市町村もその導入に大きな期待を寄せております。積極的に導入すべきだと考えますが、県の方針をお示し願いたいと思います。
次は、離島空港の整備についてお伺いしたいと思います。
離島を訪れることがまれな方は御存じないでしようが、今や飛行機は文字どおり離島住民の足であります。思いたったらすぐに近くの島や那覇へ行けることは、隔絶感を緩和して日々の生活に安寧を与える大きな条件になります。空港の整備が立ちおくれている島々を活性化する主要なプロジェクトであることは申すまでもないことであります。
知事は、3次振計大綱案の中にも離島空港の整備を明示されております。特段の御配慮をもって取り組んでもらいたいと思うのであります。
そこでお伺いいたします。
南大東空港は、いよいよ建設の運びとなりました。島の方々の喜びは大変なものであります。ほかの離島空港も同様に整備が待たれております。
運輸省や航空会社は、需要の不足、増便でカバーできるとして難色を示しております。しかし今のままでは多少の風や雨でも欠航し、住民の足に不便を与え、産物の輸送が制限され、観光客の誘客もままならないということであります。
与那国空港の例が示すように、空港の拡張整備によって需要は喚起され、乗客もふえ、海産物の空輸も増大しております。このことを考えても、島の発展のためには空港の整備が不可欠であると考えるのであります。
そこで、多良間村民が長年要望を続けている空港の拡張整備問題についてどうお考えか、知事の御見解をお伺いします。
次に、宮古空港ターミナルビルの移転計画についてお伺いします。
宮古空港は、トライアスロンの恒例開催、東京直行便の就航、観光客の増加などによって活気を帯びております。今後、リゾート開発の進展によってますます活気を呈するものと期待をいたしております。
幸いに、国、県の御配慮によって平成3年度予算で大型機材の就航に向けての滑走路かさ上げ工事が着工されると聞いております。
加えて、地元が期待を寄せているのはターミナルビルの移転建設であります。それは、送迎ロビー、駐車場などが手狭となり、今後の需要に対応できない状況にあるからであります。ターミナルビルの移転建設についての県の御見解をお伺いいたしておきます。
次は、離島医療の拡充についてお伺いします。
人間にとって不安のない暮らしとは、命に不安を抱かないで日常生活ができるということであります。それは病気になっても、あるいは運悪く事故に遭っても、すぐに治療ができるという条件が整備されていなければならないということであります。
最近、技術の開発で電話回線を使って遠隔診察と治療の指示ができるようであります。しかし医療は医師と患者がじかに対面し、心理的にも患者に安堵感を与えるというごく当たり前の対処を行うことが人間的行為ではないかと考えるのであります。
県内には40の有人離島があります。診療所もあればよいが、日ごろの診療サーピスも受けられないのが実情であります。
また、診療所があっても、県立病院があっても、診療科目の少ない離島においては、急患が発生したときの対応が大変な問題になるわけであります。
自衛隊機による救急搬送が離島の住民から喜ばれ、命綱だと信頼されていることは御存じのことであります。自衛隊機は、那覇の病院と離島を結ぶ急患搬送業務を開始して以来、3035回、3223人を運んでおります。それなりの体制がなければできないことであります。
そこでお伺いいたします。
急患の搬送業務は、今後とも自衛隊に協力を求めるおつもりでしょうか、方針をお聞きしたいと存じます。
離島といえども近代社会に生きる人間である以上、都市生活者と同様の疾患が発生いたします。しかし離島の病院には、そのすべてに対応できる専門医がいないのであります。何らかの方法でカバーするシステムが必要であります。
昨年、宮古島の急患搬送のために那覇を飛び立った自衛隊機が事故に遭い、とうとい人命を失ったことは残念であり、御冥福を祈る次第であります。脳外科の専門医がおられたならば、と悔やんだものであります。宮古島には今もってこの分野の専門医がおられないのであります。
人口の宮古より少ない石垣島には二、三年前から配置されているようですが、どうして宮古病院には依然として配置されていないでしょうか。
そこでお伺いします。
県立宮古病院に脳外科を設置するお考えがあるのかお伺いをいたします。
幸いにして、民間の医師が脳外科を含め脳障害についての専門病院を設立する準備をしていると聞いておりますが、住民の不安を考えますと一日も早い解決が望まれます。
そこでお伺いします。
この民間病院の開院の目安はどうなっているのか。現在、どの段階にあるのか、その状況を御説明願いたいと思います。
なお、通告いたしました離島の植林、造林については次の機会に譲りまして、明確な御答弁をお願いして質問を終わりたいと思います。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 福里一郎議員の多良間空港の整備計画についてという御質問にお答えいたします。
多良間空港は、昭和49年7月に滑走路800メートルで供用開始を行っており、宮古及び石垣間に19人乗りのDHC-6型機が就航しておりますが、同機は小型機であるため増大する航空需要に対応できない状況にあります。
そのため、増大する航空需要及び地域の振興開発を図る観点から、YS-11型機が就航可能な空港として整備する必要があると考えております。
同空港の整備については、現在整備中の他空港の進捗状況等も勘案しながら、平成3年度を初年度とする第6次空港整備5カ年計画の中で事業着手できるよう鋭意努力する所存でございます。
なお、他の質問につきましては関係部長にお答えさせますので、御理解いただきたいと存じます。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 山城正栄君登壇〕
○農林水産部長(山城正栄君) 農業振興に関連いたしまして11項目にわたって御質問がございますので、お答えいたします。
まず、1点目でございますが、赤土流出防止対策の基準改正はいつまでに実現するか。また、基準改正までの土地改良事業の推進についての御質問でございますが、土地改良事業における設計基準は、各地域の降雨条件や土壌条件等を考慮いたしまして、それぞれの地域に合った数値を採用しております。
圃場整備の勾配についても、国の基準は8%以内でございますが、県は、赤土流出防止を考慮いたしまして3%以内で国と調整をいたしまして、現在、実施をしているところでございます。
また、土砂流出防止効果のある敷草マルチや畑面植生等も国と調整いたしまして現在実施をしている状況でございます。
このように基準改正につきましては、今後ともより効果のある工法等を調査研究いたしまして、改善を図ってまいりたいと考えております。
なお、土地改良事業は農業の基礎条件整備を図る上で重要でございますので、今後とも従来どおり推進してまいりたいと、こういうふうに考えております。
2点目でございますが、公約の中で戦略的作目を重点に生産性の向上を積極的に進めるとともに、ローテーション作目を取り入れた高度な農業経営を進めるとあるわけでございますが、その戦略的作目とは何か。また、ローテーション作目を取り入れるということはどういうことかという御質問でございますので、お答えいたします。
本県農業は、亜熱帯に位置しているという有利性、大消費地から遠隔にあって、かつ島嶼性という不利性もあわせ持っております。そのような中にありまして、戦略的作目といたしまして、現在、野菜、花卉、果樹、肉用牛等収益性の高い作目を位置づけまして農業所得の向上に努めております。
また、連作障害の回避、農用地の有効利用、土づくりの推進等を目的といたしましてサトウキビ、野菜、花卉、飼料作物及び緑肥作物等とのローテーションを組み、農業生産の拡大と農業経営の安定化を図っております。
ちなみに、ローテーションとして各地域で定着しているのを例として申し上げますと、サトウキビから菊、緑肥作物、サトウキビという形でのローテーション。あと一例といたしましてはサトウキビと野菜、サトウキビという形、そういう形で各地域でローテーションを組んでやっているということでございます。
次に3点目、亜熱帯農業形成モデル構想の内容を現段階でどう考えているかという御質問でございますが、本県農業は、復帰後2次にわたる振興開発計画に基づき農業基盤整備や農業近代化施設の導入等基礎的条件整備が進み、サトウキビを中心に野菜、花卉、肉用牛等の生産が多様に展開され、着実に進展しております。
しかしながら、最近の農業を取り巻く情勢は、農業就業者の高齢化、パイナップルや牛肉の輸入自由化、サトウキビ価格の据え置き等極めて厳しい状況にあります。
このような情勢を踏まえまして、今後、本県農業の振興発展を図るためには、サトウキビ等土地利用型の農業の品質及び生産性の向上対策を初め、バイオテクノロジー等先端技術の活用やウリミバエ根絶後の条件を生かした野菜、熱帯果樹、さらには花卉等の資本集約型の農業の生産振興を図り、特色ある亜熱帯農業の確立に努めることが重要だと考えております。
したがいまして、これらの基本的な方向を踏まえまして、亜熱帯農業形成モデル構想について今後検討してまいりたいと考えております。
4点目の御質問でございますが、知事が公約された畜産基地構想は、現在の畜産基地と全く異なるかどうか。それは、異なるとすればどういうものかと、具体的に説明願いたいという御質問でございますが、畜産振興につきましては、自然的条件を生かし飼料基盤の整備、優良種畜の導入及び受精卵移植技術等の活用による低コスト生産技術を確立し、肉用牛の供給基地としての産地形成を図ることにしております。
また、養豚、養鶏につきましては、需要の動向に即した計画生産を推進し、近代的な大型団地の形成を促進することにしております。
したがいまして、これらの基本方向を踏まえ、畜産基地構想についても今後検討してまいりたいというふうに考えております。
5点目でございますが、今後、土地改良を必要とする面積はどれぐらい残されているのか。およそ終了するまでに何年かかるのかという御質問でございますが、お答えいたします。
土地改良の圃場整備につきましては、平成元年度までに1万3930ヘクタールの整備がなされておりまして、平成2年度以降土地改良を必要とする面積は3万70ヘクタールでございますので、平成元年度ベースで試算をいたしますと約30年以上の期間を要すると推計をいたしております。
なお、農業振興を図るために土地改良は重要でありますので、今後とも積極的に推進してまいりたいと考えております。
6点目、宮古島のこれまでの土地改良面積は、他の地域に比べて圃場の整備率が低いと聞いているが、なぜか。その理由と今後の対応についての御質問でございますが、宮古地域の農業基盤整備の推進につきましては、以前は地元から圃場整備より農道の整備を優先してほしいという要請がありまして、その要請に従いまして農道整備を優先して整備してきた関係上、現時点では圃場整備がおくれているという状況にございます。
しかしながら、最近になりまして地元の状況が変わっておりまして、圃場整備についてもやはり早急に整備をしてくれという要請がございますので、県といたしましても、地元と連携をとりながら積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。
7点目でございますが、農業用水として全県的にどれぐらい確保されているか。また、需要との関係でどの程度でよいか。さらに、農業用水関係の予算額はどれだけかという御質問でございますが、お答えいたします。
2次振計策定時に目標にいたしましたかんがいの要整備面積は4万7000ヘクタールで、年間必要水量は約2億6008万トンと推計をいたしております。
平成元年度末現在、開発された農業用水は3400万トンでございまして、末端までかんがい施設が整備された農地は約4400ヘクタールで、まだ低い状況にあります。
しかしながら、現在、国営かんがい排水事業として宮良川、名蔵川、羽地大川、宮古地区、県営の鍋川、長浜地区のダム等の水源の整備を進めているところでございますので、これらの地区が整備されますと、要整備面積に対するパーセントとして約37%が整備される状況になると推計をいたしております。
2次振計策定時の整備目標といたしましては、要整備量の約52%を目標にいたしておりますが、今後とも本県農業振興のために農業用水の開発に鋭意努力してまいりたいと思っております。
なお、新年度予算における農業用水関係の予算額は約55億8000万円でございます。
次、8点目でございますが、離島でため池が建設されているが、今後幾つ建設すればよいか。また、どのような年次計画で進めるかという御質問でございますが、隆起サンゴ礁から成る島においては河川がなく、また地下水も海水に汚染されやすい自然条件を有しておりますので、農業用水の開発につきましては苦慮している状況にあります。
このような地域こそ農業用水の開発は重要な課題でありますので、道路の側溝であるとか、あるいは農地の排水等集水可能な地域では積極的にため池の整備を進めていきたいと考えております。今後とも地元と調整しながら、ため池整備を積極的に推進してまいりたいと考えております。
9点目でございますが、多良間島や伊良部島の今後のため池建設についての計画はどうなっているかという御質問でございますが、ため池整備につきましては平成2年度現在、伊良部町で4地区、多良間村で2地区実施をいたしております。平成3年度には伊良部町で2地区、多良間村で1地区新たに採択予定にいたしております。
今後とも両島においては、地元と調整を図りながらため池の整備を進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
10点目でございますが、サトウキビ収穫用機械の導入及び開発の状況についての御質問にお答えいたします。
サトウキビの収穫作業の機械化は、糖業の生産振興を図る上で重要な課題であると考えております。
現在、大型ハーベスター27台、中型ハーベスター11台、ミニドラム脱葉機137台、ベビー脱葉機その他200台が稼働しておりまして、全収穫量に占める機械収穫率は県平均で9.8%と低い状況にございます。
また、収穫機械の開発につきましては、現在、中型、小型ハーベスター及び刈り取り専用機の開発を進めているところでありまして、近く普及に移せる見込みがございますので、それを踏まえまして今後生産性の向上に努めたいというふうに考えております。
収穫機械導入方針についての御質問ですが、サトウキビ収穫作業の機械化につきましては、収穫機械の開発、機械化作業体系にあわせた栽培体系、機械利用の組織化等のおくれから全県的に普及してない状況にあります。
しかしながら近年、農業就業者の高齢化や労働力の減少が見られ、一方、圃場整備等の進展により、農家の意識が高揚いたしまして導入台数が年々増加する傾向にあります。
今後とも、地域の実情に即した収穫機械の導入普及を積極的に推進いたしまして、農家経営の安定に寄与する所存でございます。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 総務部長。
〔総務部長 新垣勝市君登壇〕
○総務部長(新垣勝市君) 福里一郎議員の急患輸送業務は、今後とも自衛隊に協力を求めるつもりか、方針を聞きたいとの御質問にお答えいたします。
離島からの救急患者の搬送業務につきましては、航空機及びパイロットなど要員の確保並びに維持管理等解決すべき多くの問題がありますので、自衛隊にお願いしていくつもりでございます。
○議長(平良一男君) 病院管理局長。
〔病院管理局長 上原 勲君登壇〕
○病院管理局長(上原 勲君) 宮古病院に脳外科の設置の考えについてという御質問にお答えいたします。
宮古地域に脳外科を設置することにつきましては、県としてもその必要性を痛感しております。
ところが、当該地域におきましては、現在、民間の専門医が、脳外科を含めた100床規模の病院を開設する計画を進めておりますので、県といたしましては、同病院との協力体制を密にしまして宮古地域の医療の充実強化を図っていきたいと考えております。
なお、宮古病院における脳外科の診療は、現在、中部、那覇、南部の各県立病院から応援体制によって対応をしております。
次に、民間の脳外科病院の開設のめどについての御質問にお答えいたします。
宮古で開業の準備をしております民間の脳外科病院は、当初、昨年の8月ごろに着工して、ことしの4月に開院を予定していたとの話でありますが、その後、用地関係の調整等のため着工がおくれまして、ことしの3月末ごろには着工して、開院はことしの12月ごろになると聞いております。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 宮古空港のターミナルビルの移転計画についての御質問にお答えいたします。
宮古空港のターミナルビル等が配置されるターミナル地区につきましては、平成元年7月からの東京直行便路線の開設や国民の余暇時間がふえていること等による空港需要の増加に伴いまして狭隘化しておりますので、航空機の大型化に対応した整備を図る必要があると考えております。
このため、現在のターミナル地区周辺での拡張を検討しましたが、この拡張につきましては、宮古農林高等学校の農場及び土地改良事業と競合すること等からの厳しい状況があります。このため、空港東側に移設する案を検討しているところでございます。
同ターミナル地区の整備につきましては、宮古市町村会から早期整備の要請もありますので、東側への移転については、また通り会の一部からいろいろ意見も出されておりますので、現在、地元の合意形成を図っているところでございます。
今後は、地元の合意形成を図りつつ、具体的な整備計画を作成していく考えでございます。
○議長(平良一男君) 仲松昌彦君。
〔仲松昌彦君登壇〕
○仲松昌彦君 おはようございます。
知事のこれまでの答弁は、非常にわかりにくいものがございます。理想と現実のはざまでハムレット的な苦しみを味わっている姿がよくわかるわけでありますが、しかし120万県民の代表ですから、県民に対してわかりやすく説明をしてもらわなければ困ると思います。
できもしない政策をたくさん掲げて当選をしたわけでありますが、できないものはできない、できるものはできるときちっと整理してかからないと、これは知事にとっては精神衛生上甚だ悪い。健康にも影響しかねない大変な問題ですから、ひとつ知事、きちっと整理してやっていただきたいと思います。
基地問題について質問を申し上げたいと思います。
第1点、安保条約は、平和友好的なものに変えるべきであると言っていますが、現在の安保条約は平和友好的ではないという意味ですか。
第2点、安保廃棄の公約は、知事の任期中に実現するんですか。
実現を政府に要請するというようなすりかえ答弁ではなくて、する、しない、ずばり簡明にお答え願いたい。
ちなみに、社会党の山口書記長は、1987年、党の基本政策に関し、日米安保条約を外交交渉によって今世紀末までに解消し、日米友好条約を締結すると言っております。国政レベルにおいてさえ10年以上の時間感覚で論議されている問題であります。大田知事、どうなさいますか。当選するとは思わないで掲げた政策の筆頭であります。
第3点、日米安保条約につき、知事は、それなりに果たしてきた役割は評価すると言っております。それなりにとは何か、わかりやすく具体的に説明してください。
第4点、自衛隊は、周辺諸国に懸念を与えている云々の答弁がありましたが、具体的な国名を挙げて説明してください。
第5点、知事は、自衛隊の軍事的側面は評価しないと明言しております。しからば、軍事的側面を持つべきではないという意味であるか、明快にお答えください。
第6点、知事は、下地常政議員の振興開発計画と基地の全面返還との関連の質問に対し、県民が願う基地の全面返還を前面に打ち出したと述べております。しからば、県民の中には米軍基地の地主も含まれるんですか、明確にお答えください。
7点目、米軍基地の地主の大部分は、私法上の賃貸借契約を締結して基地を提供しております。知事の言う全面返還は、政治的スローガンとしてはともかくとして、現実の行政施策として全面返還を打ち出すのは財産権を侵すものと解されます。
私有財産権の保護という視点で考えるならば、知事の偽善的な、独善的な政策提示であると私は考えます。地権者の同意なくして、独断で全面返還を求めることが一体できるんですか。地主にとっては生活と直結する極めて重大な問題であるだけに、関係者の意向、民意というものを反映した合意はどうしても必要であると私は思います。知事お得意の合意形成という観点から、知事の御所見を賜りたいと思います。
8点目、下地島空港への米軍機飛来について、西銘県政と異なった解決手法があれば教えていただきたい。(議長退席、副議長着席) 共産党の代表質問に対する答弁のような内容ならば結構であります。あるならある、ないならないで簡明にお答えをいただきたい。
9点目、知事就任後、l04号線越え実弾射撃演習、その他の実弾演習は何回行われたか。知事の全面返還、基地撤去の強い姿勢からすれば、これまでとは異なる解決のための施策があるものと期待をいたしているところでありますが、知事公室長が米軍当局者に中止を要請したというような従来のパターンではなくて、例えば知事御自身が直接現場に出向いて、あるいは米軍責任者に会って中止を強力に要請したとか、これまでとは全く違った知事御自身の対応行動があったかどうかお尋ねをいたします。
それから、我が党の代表質問との関連で申し上げますが、1点目、知事は、国際平和に貢献する県政の確立ということを政策として明確に打ち出しております。しからば、今回の湾岸戦争においてマスコミ関係者など100以上もあると豪語している米国初め諸外国の知事人脈を駆使して、国際平和貢献のため具体的にどのような行動を展開したか、お答えを願います。
2点目、かつて、西銘知事が当選をすれば戦争が起こるというとんでもないデマ宣伝が、知事の支持母体である沖教組を中心に組織的に流されました。大田知事が当選したために湾岸戦争が起こったという県民が仮にいるとすれば──実際いますよ──知事はどんなふうにお感じになるのか、感想をお聞かせ願います。
それから、通告に女性問題と書いてありますが、いささか誤解を与えかねない表現でありますので、これは、女性の地位向上についてでありますから、どうぞひとつ御理解をしていただきたいと思います。
1点目、女性の感性、男性が持ち得ない特性というものは大いに社会発展のために生かすべきであります。家庭でのベターハーフであれば、社会においてもベターハーフであるべきであります。時代の潮流だからというわけではなく、これが本来の姿であると思います。そこで、知事の女性観というものをここで御披露していただきたいと思います。
2点目、我が党は、女性の副知事登用には当初から賛意を表明しています。しかし、社会党の土井委員長が東京都知事選に出馬を要請されたときに、女性は、地方自治体の首長には適さないと、こういうことを理由に出馬要請を断っております。副知事は知事を代行することもあり、首長に準ずる職責を持つものであります。土井委員長の拒否理由について大田知事の感想を求めます。
第3点目、知事が上里和美氏の副知事登用に固執している今の姿勢は、これは普通ではありません。
仮に、ほかに推薦がないからだと言っていますが、推薦があれば差しかえるんですか、率直に知事、答えていただきたい。
知事もかたい話ばかりで頭の痛いところでしょうから、ここで、さわやかでロマンある話題を質問してまいります。
美人コンテストであります。
来る5月に本県で、1991年ミス・ユニバース世界大会が開催の予定であると聞き及んでおりますが、予定どおり開催されれば、日本で初の開催となるそうであります。関係者らは、沖縄を世界に紹介し、沖縄の観光振興を図りたいという意気込みで今取り組んでいるとマスコミは報道いたしております。
ところで、知事の支援母体のある女性グループは、女性の人権無視、女性の性を人格から切り離す性の商品化であることを理由に美人コンテストに猛烈に反対をしています。
そこで知事にお伺いいたしますが、知事は美人コンテストに賛成ですか、反対ですか、それぞれに理由を述べて御所見をお示し願います。
そのほかの質問といたしまして、知事は公約の中で利権政治を廃止し、すべての県民の利益と生活がひとしく守られる公正、公平な行政を行いますとうたっております。
しからば、利権政治とは何か、具体的にその内容を説明してください。
また、廃止するということは、利権政治が現に存在するという認識を持っていることがその前提となっていると理解しております。そうであるならば、これまで利権政治が行われていたと知事はお考えですか。そうであるとすれば、どんな利権政治が行われたのか、その具体的事例、内容を示して御説明ください。
この問題は、西銘県政とのかかわりで重大な問題を含んでおり、答弁の内容いかんによっては、それなりの対応を考えねばなりません。明確にお答えください。
リゾート開発につきましては、時間の都合で質問だけを申し上げます。よろしくお願いいたします。
第1点、知事は、県政においてリゾート開発をどのように位置づけますか。
第2点、知事は、リゾート開発の憲法とも言われるリゾート沖縄マスタープランをどう評価していますか。
第3点、さらにリゾート法に基づいて策定され、既に国の承認を待っているトロピカルリゾート構想を取り下げて見直すおつもりがあるかどうか、明確にお答えください。
第4点、知事は、リゾート開発についての発言で、必ずといっていいほど地価の高騰は西銘県政の失政であると批判しております。しかし前県政は、全国でも異例の監視区域の拡大と届け出面積の引き下げを行っております。土地政策課を設置するとも言っておりますが、この構想の具体的な内容と、ほかに自治体がとれる地価抑制策があったら、教えてください。
第5点、リゾート開発の土地面積は軍用地よりも大きいと言われておりますが、これは間違いです。実際の開発面積は2800ヘクタールで、県土の1%であります。これは知事の部下が、職員が言っておりますから間違いないでしょう。その上で、リゾート開発について知事はどう認識されておられるか、見解を伺います。(副議長退席、議長着席)
それから、代表質問との関係で県警本部長にお伺いをいたします。
昨年9月以来、県内においては、組織暴力団の内部対立抗争が勃発し、県民を恐怖と不安のどん底に陥れましたが、現在、警察の強力な取り締まりと暴力排除運動の全県的な広がりによって一応鎮静化しているものの、いまだ和解終結には至ってないと聞いており、このような暴力団を徹底的に取り締まり、その組織壊滅を図ってほしいという願いは、全県民共通の願いであると思います。
ところで、去る2月27日のマスコミ報道によりますと、警察庁が、暴力団対策のための新規立法の策定作業を進めているとのことでありますが、大変時宜を得たものだと心強く感じております。
そこで警察本部長に、新法の制定趣旨及び骨子等について御説明をお願いいたします。
最後になりましたが、米軍用地強制収用裁決手続に関する裁決申請書の公告縦覧の知事代行について少しく意見を述べて代行を直ちに実施するよう、知事の御決断を求めたいと思います。
公告縦覧は、単なる法令上の手続過程であり、最終的には県収用委員会に決定権限があります。
他方、公告縦覧は、関係地主に意見陳述の機会を保証し、かつまた申請から漏れた地主がいる場合などに救済の道を開くなど、本来は地主の権利保証の制度であります。
施設区域の安定的使用を確保することは、我が国の条約上の崇高な義務であります。
今回の強制使用しようとする対象土地は、面積にして全体の0.09%にすぎませんが、これらいわゆる反戦地主の土地は施設区域内に点在していて合意によって使用している他の土地と一体として現実に使用されているのが現状であります。ごく一握りの反戦地主の反対によって、我が国の平和と安全を守るため極めて重要な機能を果たしている施設区域の安定使用を阻害していいものかどうか。
知事御自身も、日米協調体制の堅持を強調しておられますし、我が県を含めた我が国の国益の観点からも代行を直ちに実施するよう強く望むものであります。
他方、知事は、基地問題解決のため訪米する意向を表明しております。公告縦覧の代行を拒否することになれば、米側からすれば反米的態度と受けとられることは明らかです。
知事が、県民の願望を米側に要請する場合の友好的背景づくりのためにも、さらには我が県は、第3次振計策定など国との緊密な協調関係の構築が求められている時期でもあります。この問題に関する知事の対応いかんによっては、国との関係に重大な影響を及ぼすことは必至であり、県益を優先する立場に立って早急に代行手続を実施するよう求めるものであります。
以上、質問を終わります。明快な御答弁をお願いいたします。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 仲松昌彦議員の御質問にお答えいたします。
安保条約は、平和友好条約的なものに変えるべきであると言っているが、現在の安保条約は、平和友好的ではないという意味かという御質問でございますが、日米安保条約は、軍事的側面と平和的、経済的側面を有していることは御承知のとおりであります。
私が、平和友好的なものに改変すべきであると答弁したのは、同条約に基づいて本県には過重な米軍基地があり、このことが沖縄の振興開発を図る上で制約となっているからであります。したがって、我が県の振興開発を図る上から、軍事的側面が極めて大きいと認識している日米安保条約を軍事的側面のない平和友好条約的なものに改変することが望ましいと考えているわけでございます。
それから、安保廃棄の公約は、知事の任期中に実現するのかという御質問にお答えいたします。
日米安全保障条約は、国家間の条約であり、県レベルで今直ちに廃棄させるのは困難であると考えております。したがいまして、任期中に実現するかどうかは、現在の段階ではお答えできません。
それから、安保条約について、知事はそれなりに果たしてきた役割を評価すると言っているが、それなりに果たしてきた役割とは何かという趣旨の御質問にお答えいたします。
日米安保条約の評価についてはいろいろと見解が分かれるところでありますが、私は、1、日米間の自由、民主主義の価値の共有、2、日米間の政治、経済分野での緊密な関係の確立等は否定できない事実だと評価しております。
しかし、沖縄県の立場で見た場合には、同条約に基づき一県への過重な基地負担を強いられており、同条約の有する軍事的側面については評価するわけにはまいりません。
それから、自衛隊は、周辺諸国に懸念を与えているという答弁があったが、具体的な国名を挙げて説明願いたいという御質問にお答えいたします。
防衛庁が発行した平成2年版防衛白書によりますと、英国の著名な軍事問題研究機関が発行する「ミリタリー・バランス」の中で、1988年時点における日本の防衛費は世界第6位であると記述されております。
このことと関連して同白書は、我が国の防衛費が、諸外国との比較でかなり高い水準にあるとの指摘は、我が国が必要以上に大きな防衛力を整備しつつあるのではないかとの懸念を背景にしたものと考えられると述べております。
また、昨年4月、米国防総省が議会に提出した「アジア太平洋地域の戦略的枠組み」の中で米国政府は、アジア地域における米国の能力低下を補うために日本が軍事力を増加させようとすれば、近隣諸国は懸念を抱くかもしれないとの認識を示しております。
このように、我が国の自衛隊に対し、何らかの懸念を抱いている国々があることは否定できないと思います。
それから、自衛隊の軍事的側面は評価しないと明言しているが、軍事的側面を持つべきではないという意味かという趣旨の御質問にお答えいたします。
理念的にはその方が望ましいということでございます。
なお、自衛隊が現存する実情にかんがみ、独立国としての自衛権の保持はやむを得ないと考えております。
それから、県民が願う基地の全面返還を前面に出したと言っているが、県民の中には米軍基地の地主も含まれるかという趣旨の御質問にお答えいたします。
さきの大戦で甚大な被害を受け、なお広大な基地が存在する本県の置かれた現状を踏まえ、米軍基地の全面返還を訴えたことに対し、多くの県民が県知事選挙において私の考えを支持し、県政を負託したものと理解しております。
全面返還を持ち出すのは、財産権の侵害にならないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
基地の全面返還を実現するには、地主や関係市町村の合意形成が大切であることは御承知のとおりでございます。
県としては、地主に不利益にならないよう、関係市町村長で構成された軍転協を通し、地主や市町村の意向を踏まえ、基地の返還を促進してまいりたいと思います。
それから、利権政治を廃止し、すべての県民の利益と生活が等しく守られ、公正、公平な行政を行うと公約に掲げているが、という趣旨の御質問にお答えいたします。
私が利権政治を廃止し、すべての県民の利益と生活が等しく守られる公正、公平な行政を行いますと公約いたしましたのは、現実に具体的な利権政治が存在するということではなく、県政においては常に公開と参加を基本原則とし、県の情報は可能な限り公開することにより腐敗や汚職を未然に防止するよう県政運営の理念を示したものでございます。
なお、利権政治とは何かということでございますが、政治を、国民大衆に奉仕するという本来の目的ではなく、特定の利権に結ぶ政治状況を利権政治というと理解しております。例えば、過去にはロッキード事件やリクルート事件等があり、代表的な事例だと思います。
それから、下地島空港における米軍機飛来について、問題解決のため前県政と異なる対応があるかという趣旨の御質問にお答えいたします。
県の管理する空港であっても、日米安保条約第6条及び地位協定第5条により米軍機の使用を禁止することはできませんが、県としましては県管理第3種空港の米軍機の使用は好ましくないと考えています。
これまで再三にわたり米軍機使用の自粛方について外務省等関係機関に申し入れを行っているところでありますが、県としては今後とも米軍機の使用自粛方について機会あるごとに関係機関に対し強く申し入れを行っていきたいと思っております。
それから、湾岸戦争においてどのような対応をしたかという御質問にお答えいたします。
イラク軍と多国籍軍との武力衝突が発生したことはまことに遺憾なことでありますが、幸いにして戦争が終結するに至り、大変うれしく思っております。
私は、この武力衝突に対して開戦当初より外交的話し合いによって解決されることを強く念願し、アマコスト駐日米国大使や在沖米国総領事に対し、戦闘の即時停止に最大限の努力を尽くすよう要請したところでございます。
それから、大田知事が当選したため湾岸戦争が起こったという県民がもし仮にいるとすれば、知事はどんなふうに感じるかという趣旨の御質問にお答えいたします。
私は、沖縄戦の教訓及び米軍支配の歴史など県民の貴重な体験を生かし、平和行政を最優先課題の一つとして行政を進めることを公約し、県民の負託を受けて知事に当選いたしました。なお、仮定の御質問にはお答えできません。
それから、女性の感性、男性が持ち得ない特性は大いに生かすべきだと考えるが、という関連の御質問にお答えいたします。
御指摘の趣旨については、私も大いに賛同するものであり、知事選へ出馬表明した際も明らかにしましたが、これまで数の上では男性より多いにもかかわらず、社会的にはマイノリティーとして処遇されてきた女性が弱い立場にあることは十分認識しております。
したがいまして、今後は衆知を結集し、御指摘のように女性の感性、男性の持ち得ない特性を積極的に活用し、あらゆる分野で思い切って登用していくべきだと考えております。
それから、土井社会党委員長が都知事選出馬要請に対して、女性は地方自治体の首長には適さないという理由で出馬を断っているが、それについての感想を聞きたいという御質問にお答えいたします。
土井委員長の発言については直接聞いてなく、その真意ははかりかねますので、コメントは差し控えさせていただきます。
私としては、これまでも申し上げましたように現下の社会状況においては女性の社会参加が極めて不十分であり、その地位向上を積極的に推進していく必要があるとともに、老人や障害者等社会的弱者と言われる方々に対する医療福祉の問題等、女性の視点からよりきめ細かな対応をしていきたいとの考えから、あえて女性副知事の起用を決意した次第でございます。よろしく御理解をいただきたいと思います。
それから、上里氏の副知事登用に固執しているようだが、他に推薦があれば差しかえることも考えているのかという趣旨の御質問にお答えいたします。
上里氏の副知事の起用につきましては、女性の地位向上を推進していく必要があること、社会的弱者と言われる方々に対する医療福祉等の問題について女性の視点からよりきめ細かな対応をしていく必要があることから、女性で、かつでき得れば医者であることを条件に広く県内の各層を対象に情報を収集し慎重に検討を重ねた結果、上里氏が副知事として適任であるとの結論に達し、御提案を申し上げている次第でございますので、御理解を賜りたいと思います。
それから、美人コンテストの関連の御質問にお答えいたします。
恐らく御質問の趣旨は、ミス沖縄選出大会等のことかと思いますので、それについてお答えいたします。
ミス沖縄が本県を代表する親善使節として国内外の観光を初め行政の諸行事に参加し、県民の観光観念の高揚、国内外での沖縄の紹介、宣伝、親善交流に貢献していることは理解できます。
なお、私個人としましては、この種のコンテストは望ましいとは思っておりません。
公告縦覧を早くせよという趣旨の御質問にお答えいたします。
この件につきましては、現在、その処理をどうするかについて地方自治の本旨、法制面等あらゆる角度から検討しているところでございます。できるだけ早い時期に結論を出したいと考えています。
なお、その他の御質問につきましては関係部長にお答えさせますので、御理解をいただきたいと存じます。
○議長(平良一男君) 振興開発室長。
〔振興開発室長 新垣徳夫君登壇〕
○振興開発室長(新垣徳夫君) 仲松議員の御質問にお答えいたします。
リゾート開発についてでございますが、第1点、県政においてリゾート開発をどのように位置づけているかという御質問にお答えいたします。
本県においては、産業の振興開発を図ることが県政上の重要な政策課題の1つとなっており、これまで振興開発計画に基づき各種の施策展開に努めてきたところであります。
リゾート開発は、自由時間の増大や経済のサービス化の進展等我が国経済社会の潮流変化の中にあって、本県の地域特性を生かした戦略的施策として本県経済社会の中で、その拡大展開が最も期待されている施策分野の1つであると考えております。
したがって、リゾート開発については、本県経済の自立的発展に資する戦略的プロジェクトの1つとして第3次沖縄振興開発計画を策定する中で、自然環境や地域社会及び他の土地利用との調和に配慮しつつ、国際的規模の観光保養地域の形成を目指して総合的かつ計画的な施策の展開ができるよう位置づけてまいります。
2点目に、リゾート開発の憲法とも言われるリゾート沖縄マスタープランをどう評価するかという御質問にお答えいたします。
リゾート沖縄マスタープランは、リゾート開発は地域づくり、町づくりそのものであるとの地域主義の考え方に立ってまとめられております。
その内容は、自然環境への配慮、地場産業等との連関、ゾーニングによる秩序あるリゾート開発、勤労国民と県民が気軽に利用できる良質、低廉な施設の整備及び地域への利益還元等について配慮がなされているものと考えております。
3点目に、リゾート法に基づいて策定され、既に国の承認を待っているトロピカルリゾート構想を取り下げて見直すつもりはないかという御質問にお答えいたします。
リゾート開発については、御案内のとおり基本政策の中で沖縄の自然環境及び歴史文化遺産を観光資源として活用し、国際的な観光リゾート地の形成を目指しますと掲げられております。既に国へ承認申請している沖縄トロピカルリゾート構想は、御指摘のとおり自然環境等への配慮をもとにまとめられており、これを取り下げて見直す考えはありません。
リゾート開発について、リゾートの開発面積に関連しましてどう認識されておるかという御質問にお答えいたします。
総合保養地域整備法によって支援する当面の45のプロジェクトの総開発面積は、御指摘のとおりおおむね2500ヘクタールでございまして、県土面積の約1%であります。
観光リゾート開発は、本県経済社会の自立的発展を図る上で重要な政策の柱であると認識しております。
しかしながら、その推進に当たっては、すぐれた自然環境の存在こそがリゾート沖縄を成立せしめるとの観点から、自然環境容量に配慮しつつ、リゾート沖縄マスタープランの基本理念に即して開発適地以外におけるリゾート開発を抑制し、計画プロジェクトの段階的推進に努めるなど、環境特性と調和した秩序ある開発整備を図ることが最も重要であると考えております。
○議長(平良一男君) 総務部長。
〔総務部長 新垣勝市君登壇〕
○総務部長(新垣勝市君) 仲松昌彦議員の地価抑制策との関連で、土地政策課の設置構想の御質問がございました。それにお答えいたします。
地価高騰を抑制するためには監視区域制度の運用強化だけではなく、県土全体の適正な土地利用計画や関係法令の厳正な運用などの面も含めた総合的な土地対策が必要であるかと考えております。
このため、土地政策課の設置につきましては、関係部局にまたがる土地対策関連法令の一体的運用を図るとともに、土地対策行政が総合的かつ効果的に推進できるよう組織の強化を図る立場から検討していく必要があると考えております。
○議長(平良一男君) 警察本部長。
〔警察本部長 浅川 章君登壇〕
○警察本部長(浅川 章君) 暴力団対策新法につきましてお答えいたします。
2月27日、各マスコミが大きく暴力団対策新法を取り上げておりますが、これは警察庁刑事局案として公表されておりまして、今後さらに議論を経た上で成案化いたしまして国会に提案される予定ということを御承知いただきたいと思います。
さて、新立法についてですが、警察庁においては近年、暴力団の取り締まりに関し、現行法制上の制約等もありまして必ずしも暴力団壊滅に向けては十分な対策が打てない状況にあることから、新しい法的措置を講じるべく法律の専門家等によって構成される暴力団対策研究会に委嘱いたしまして、新立法のあり方についての検討を積み重ねた結果、暴力団取り締まりの大きな武器となる新法の基本的な考え方を打ち出したものであります。
私ども直接暴力団取り締まりに当たる者としては大変に心強く、これが早急に立法化され、壊滅に向けた取り締まりに役立てたいという気持ちであります。
この法律案の趣旨ですが、近年山口組、稲川会などといった広域暴力団を初めとする組織暴力団が、その組織力を背景にした対立抗争事件を全国的に多発させていること。またその資金獲得活動が一層多様化、巧妙化してきていることなど、暴力団による国民の生命、身体、財産に対する侵害がもはや一日も看過し得ない状況にあるという判断から、暴力団組織の構成員の活動について必要な規制措置を講ずるとともに、被害者救済等のための民間活動を振興することなどにより、国民生活の安全と平穏の確保を図ることにあります。
この法律案の骨子ですが、暴力団以外の団体が規制されることのないよう暴力的組織の指定につきましては、指定の公正と客観性を担保するために公安委員会が学識経験者など第三者の意見を聞き、それを尊重して指定するという仕組みを整備するとともに、組織の威力を示して行う用心棒代の要求などの不法利得行為を防止すること。とばくなどの犯罪行為や不法利得行為によって得た不正収益を剥奪すること。債権取り立て、地上げ、倒産整理など不法行為の温床となる一定の営業からの暴力団の排除、事務所周辺や義理掛け行事などにおける通行人等への不安、困惑を覚えさせる
迷惑行為あるいは少年の暴力団組織への加入勧誘行為など、一定行為の規制をすること。それから、対立抗争時における付近住民の安全確保や抗争の早期鎮圧を図るための組事務所の使用制限や封鎖などの措置。それから、暴力団追放県民会議等の設立の促進や被害者救済などのための民間活動の進行、以上のような内容となっておりまして、いずれも暴力団取り締まりの強力な手段となり得るものと考えております。
とりわけ、昨年来の対立抗争によってとうとい犠牲者を出し、県民生活に深刻な影響を受けた本県にとっては新立法の制定は力強い支援であり、早期の成立が待たれるところであります。
県民各位の御理解と御支援をお願い申し上げます。
○仲松昌彦君 休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前11時47分休憩
午前11時53分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) お答えいたします。
全面返還を前面に持ち出したと述べているが、県民の中には米軍基地の地主も含まれるのかとい御質問についてお答えいたします。
私は、米軍基地の全面返還を訴えたことに対し、多くの県民が県知事選挙において私の考えを支持し県政を負託したものと理解しておりますと申しましたが、その多くの県民の中には一部の地主は含まれていると考えております。
それから、自衛隊の軍事的側面は評価しないと明言しているが、軍事的側面を持つべきではないという意味かと言っておられますが、先ほど申し上げましたように自衛隊が現存する実情にかんがみ、独立国としての自衛権の保持はやむを得ないと考えておりますので、その自衛権の保持の範囲内では軍事的側面を持つのもやむを得ないと考えております。
○議長(平良一男君) 仲松昌彦君。
〔仲松昌彦君登壇〕
○仲松昌彦君 知事は、米軍基地の地主のうち、一部の地主は含まれていると答弁されました。多分これは1坪反戦地主だと思いますが、それでは大部分の契約によって基地を提供しているその他の大勢の米軍基地の地主は含まれない、こういう意味ですね。
それから、さきの自衛権を保障する程度の実力措置は必要であると。そういう意味で自衛隊の存在意義を認めていると、こういうような発言がありましたが、それでは、その自衛隊の軍事的側面は評価しないと、これはどういう意味ですか。もう一度知事、お答えください、はっきり。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午前11時55分休憩
午後 2時39分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) どうも執行部のやり方でお手間をとらせて申しわけありません。御質問にお答えいたします。
まず、全面返還を打ち出すに当たって多くの県民の中に多くの契約地主は含まれていないということですねという趣旨の御質問にお答えいたします。
契約地主の方々につきましては、選挙に当たり、私を支持する方々と支持しない方々の確認はできていないことから明確にはお答えできかねますので、御理解いただきたいと思います。
御承知のとおり、軍事基地問題は地主だけの問題ではないので、全面返還を目指し公約を掲げ当選したことで県民の負託を受けてかかる政策を掲げました。しかし、その政策を掲げるに当たり、個別の地主の意向を確認したわけではございません。
それから2番目の、軍事的側面は評価しないとはどういう意味かという趣旨の御質問にお答えいたします。
私は、自衛隊の軍事的側面について政治的、理念的観点から申し上げれば、前にも申し上げましたとおり自衛隊には軍隊的側面と民生協力的側面があると申しました。しかし、憲法9条との関連で、自衛隊については学者、政党間で見解が分かれているところであります。
私としましては、自衛隊がこれまで行ってきた災害出動、急患輸送、不発弾処理等の人命救助活動について果たした役割は評価いたします。
しかし、自衛隊の持つ軍隊的側面につきましては、憲法9条との関連はもとより、あの悲惨な沖縄戦を体験し、軍事力では県民の安全と幸せは守れないということを身をもって学んだ者の一人といたしまして、軍事的側面は評価するわけにはまいらないのでございます。御理解いただきたいと思います。
○仲松昌彦君 休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後2時42分休憩
午後2時47分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
仲松昌彦君。
〔仲松昌彦君登壇〕
○仲松昌彦君 知事が言う県民の願いである全面返還、これについて県民の中には軍用地主が含まれるかという質問に対して、一部の地主も含まれると、こういう答弁がございました。
それでは、その知事が言う一部の地主というのは、いわゆる一坪反戦地主のことですか。これが再質問の1つ。
それから、大部分の契約軍用地主は、明確に組織として全面返還は反対であると、こういうことを表明いたしまして、文書でもって知事にも要請がきているはずであります。そういう最も利害関係の深い、きょう、あすの生活に直結している地主の大部分が全面返還に反対と言っているこういう現状に対して知事はどう思うか。これが第2点。
それから、その関係地主が全面返還に反対と言っている。そういう中でその合意形成があると知事は認識しておられるのか。これが第3点。
その大部分の軍用地主が全面返還に反対と言っているのに、知事が行政施策のレベルで全面返還と言えるかどうか。この反対をしている大部分の地主の全面返還反対表明を知事はどうなさいますか。これが第4点であります。
それから……
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後2時49分休憩
午後2時50分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
○仲松昌彦君 それと、美人コンテストの問題でありますが、知事は沖縄の美人コンテストを限定して、私が質問しないのにお答えいただきましたが、好ましくないという御答弁がございましたが、それでは、ことし5月開催予定の1991年ミス・ユニバース大会についても、知事は好ましくないというお考えですか。これが質問です。好ましいか、好ましくないかで結構であります。
それから、利権政治の廃止という政策文言がございましたが、この知事の答弁は、利権政治があったということを前提にはしてないという、たしかそういう御答弁だったと思いますが、どうしてしからば知事は利権政治がないものを、いかにも利権政治があったようにこれを廃止すると。廃止するというのは、あったということが前提なんですが、どう考えてもそうです。そういうふうにして県民に対して、いかにも西銘県政の中に利権政治があったような、そういう不当な疑惑を抱かせるような政策文言を掲げた。これは断じて許されません。
そういうことで今、知事がその利権政治があったということの前提で言ったわけじゃないと、こうおっしゃいますが、なぜそれでは、そうであるならば利権政治を廃止するという政策を掲げたんですか。これが質問ですよ。よく聞いてください。
それから、その利権政治がなかったという知事の御発言、これはなかったという確認をしますか。これが2点目です。
以上です。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後2時52分休憩
午後2時54分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 全面返還を進める際に、多くの県民と言ったその中に一坪反戦地主だけかという趣旨の御質問にお答えしますと、それは実態はよくつかめておりません。
しかしながら先ほども申し上げましたように、全面返還を政治的な政策として掲げたのは、軍事基地問題というものが沖縄県民にとりまして単なる地主の問題だけではないものですから、それを政策として掲げ選挙で争ったわけでございます。そして選挙の結果は、恐らく全面返還に反対する地主たちは私には投票しなかったと思います。したがいまして世論調査の結果も見ますと、基地を撤去するのに賛成するのが年々ふえてきておりまして、そういう事実関係を踏まえて多くの県民という言葉で使っておりますので、御理解いただきたいと思います。
それから、地主たちの合意形成はできたと見るのかという御質問でございますが、この合意形成につきましては、先ほど来繰り返し申し上げておりますように基地の返還の場合には当該市町村並びに地主たちとよく相談して、不利益をもたらさないように国に対して立法措置を講じていただくほか、県は県として跡地利用計画を綿密にやっていきたいということでございます。
それから、女性観についてでございますが、これももう何度も申し上げましたように、現在の行政のシステムの中では2階級特進ということはできませんので、そういったいろんな事情を配慮しまして、私としてはアファ一マティブアクション、男女の資格条件が同じであれば女性の方を優先して登用するという政策を進めたいということを申し上げてまいりました。その意味からも女性室というものを新たにつくって、その女性室では部長クラスにも女性を起用したいというふうに考えております。
それからミス・コンテストの問題、ミス・ユニバースが行われるということは私も聞いておりますが、そのときにたまたまアメリカからその主催者が私の方を訪ねてきましたので、沖縄ではミス・コンテストというものには反対している人たちもいるので、そういうこともよく考えた方がいいですよということを申し上げました。私個人としては余り好ましいとは思っておりません。
それから、利権政治の問題につきまして、これは私の理念を申し上げたわけでございます。
○仲松昌彦君 休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後2時56分休憩
午後2時56分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 地主会連合会が基地の全面返還に反対しているということにつきましては、私が理解する限りでは、これまでのように返還されてもその跡地がすぐに活用できずに地主が不利益をこうむったという、そういう点がございましたので、それらの問題を含めて地主に不利益をこうむらないように、県としては、行政としては最大限の努力を尽くして補償していきたいと。そういう意味でその連合会の方々とも十分に議論をして、そして合意を取りつけたいと考えて
おります。
○議長(平良一男君) 金城繁正君。
〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 さきに通告いたしました、5件出してありますが、その中での4番目の南部地域における道路網の整備問題については時間の都合上撤回いたしますので、よろしくお願いします。なお、土木建築部の皆さん方、大変御苦労さまでございました。
通告に基づいて質問をいたします。
まず最初に、米軍基地と軍用地の跡地利用問題について伺います。
本県における米軍施設区域は復帰後、施設の返還によって面積も減少しつつあるものの、依然として全国の米軍施設区域面積の25.9%が本県に集中しております。その密度は極めて高いものがあります。
このような広大な米軍施設の存在は、良好な生活環境の確保あるいは産業振興、健全な都市形成、交通体系の整備等本県の振興開発を図る上で大きな制約となっております。
本県は、これまで第1次、第2次の振計を通して本土との格差是正と自立的発展の基礎条件整備を基本目標に諸施策が進められ、その結果、本土との格差是正が縮小されるなど本県の経済社会は総体的に着実に発展してまいりました。しかしながら米軍施設区域の縮小と返還跡地利用の計画的かつ総合的な有効利用を図ることは、今後の本県の社会経済発展を図る上で大きな課題ということになります。
そこで大田知事は、基地問題について、基地の全面返還を目指し、その整備縮小を促進して、あわせて国に対し軍用地転用のための特別措置法の制定を要請、また県としても、軍用地転用基本計画の早期策定をする旨表明されました。
そこで、知事に伺います。
第1に、基地の全面返還について自衛隊基地も含まれておりますか。また、基地の全面返還を目指すということについて、その目標年次はいつか、明確なる御答弁を願いたい。
第2に、軍用地主関係団体は、米軍基地の返還について、基地の整理縮小の方針に基づく跡地利用計画を策定し、関係地主に不利益が生じないよう適正な措置をしてもらいたいと、こういったような強い意見があります。知事はどのように考えておられますか、御所見を賜りたい。
第3点に、特別措置法──これは仮称ですが──の制定の要請に当たって跡地利用の基本方針についてどのように考えておられますか、御所見を賜りたいと思います。
第4点目に、軍用地転用基本計画の策定に当たって、地権者、これは地主が約3万人おります。その合意形成をどのように進めていかれるか、伺います。
第5点、軍用地の転用基本計画を策定するに当たってどのような組織をもって取り組んでいかれるか、伺いたいと思います。また、現在の軍転協はどのようになっていくか伺います。
6点目、返還軍用地の遊休化している土地があります。どのように考えていかれるか伺います。
次に、第3次沖縄振興開発計画大綱案についてお尋ねします。
去る2月16日、第3次沖縄振興開発計画の大綱案について県議会の意見を聞く全員協議会が開かれ、大綱案の説明がなされました。
この大綱案によりますと、振興開発の目標は、1つに格差是正、2つに自立的発展への基礎条件の整備、3点目に特色ある地域としての整備が挙げられ、また本県の振興開発の目標を実現するための施策を展開する方向として、1つとして、経済社会の進展に対応した社会資本の整備、2つ目に自立化を目指した特色ある産業の振興、3つ目にあすを担う多様な人材の育成と特色ある学術文化の振興、4つ目に国際化時代への対応と国際交流拠点の形成、5点目に安らぎのある福祉社会の形成と保健医療の確保、6点目に都市地域の整備と農村、離島過疎地域の活性化等6つの基本方針となっております。
特に大田知事は、県政交代に当たって平和の強調と米軍基地の全面返還を打ち出し、みずから基本政策に沿って修正したことが述べられております。
この大綱案は、10年という振興開発計画の年限内で実現可能な範囲の計画をなすべきものであり、また大綱案に対しても軍用地地主関係団体は、基地の全面返還は容認できないと強い意見などが出されております。このような状況の中で大綱案の策定には県民の声を十分に反映しなければならないと考えます。
そこで、大田知事に次の諸点について質問いたします。
第1に、平成3年2月12日、沖縄県振興開発審議会からの大田知事に対する第3次振興開発計画大綱案の建議がなされておりますが、この建議に対し知事はどのように認識しておられるか。
第2点目は、大綱案の建議の附帯事項として米軍施設区域に係る全面返還の位置づけについては、国との協力関係において計画大綱策定の本来の目的に支障とならないように留意することというふうに記されております。知事は、どのように受けとられ、また計画策定に当たってどのように対応していかれるか、御所見を賜りたいと思います。
第3点目に、2月16日、県議会の各派からの要望や、あるいは提言などが出されていると思います。その内容について示していただきたい。同時に、大綱案にどのようにこれらの要望やあるいは提言等については盛り込んでいかれるか、知事の所見を賜りたいと思います。
第4点目に、知事、あなたは国際化時代の対応と国際交流拠点の形成を図ろうということをおっしゃっております。那覇国際空港の沖合展開について、知事の積極的な姿勢が見られません。その理由について明確なる御答弁を賜りたいと思います。また、那覇国際空港の沖合展開について明確にすべきだと思うんですが、御所見を賜りたいと思います。
第5点目に、2月16日、沖縄開発庁長官が来県されました。その日の記者会見で同長官は、県の第3次振計大綱案が基地全面返還を打ち出したことについて、政治の現実と理想を見ながらやってほしいと、このように述べられました。これについて知事はどのように認識しておられるか。これから大綱案についてどのように対応していかれるか、所見を賜りたいと思います。
6点目は、軍用地主関係団体は、基地の全面返還を容認できないとの強い意見があります。知事はどのように考えているか、御所見を賜りたいと思います。
那覇市近郊における交通渋滞対策について伺います。
最近、南部地域と那覇市とを連結する主要交差点における慢性的な交通渋滞が目立っております。特に朝夕の通勤時あるいは通学において渋滞しております。バスレーンの設置や、あるいは中央分離帯の変移方式等の導入などについて対応がなされておりますが、抜本的な解決策には至っておりません。
県は、平成元年1月に那覇市における道路交通の渋滞緩和をするために、沖縄県とそれから沖縄総合事務局、日本道路公団の三者をもって構成する沖縄県幹線道路会議を設置して那覇市の交通渋滞対策緊急事業計画が策定され、中長期的計画でもって事業が進められでおります。
同計画によりますと、主要渋滞ポイントは那覇市内における11カ所を指定しております。この計画では、那覇市近郊における交通渋滞の解消はもとより、都市機能を発揮する上からも抜本的な解決策にはならないと思います。そのために那覇市近郊地域を含めたところの総合的な交通渋滞対策の確立が必要であるかと考えます。
そこで、次の諸点について土建部長に伺います。
第1点、那覇市近郊における交通渋滞の緩和を図るためには、那覇市近郊における主要交差点を含めたところの総合的な計画が必要であると考えます。部長の見解を賜りたいと思います。また、ほかに主要交差点における交通渋滞の対策案があればお示しを願いたいと思います。
第2点目、那覇市交通渋滞対策緊急計画における事業の進捗状況がどのようになっているか。また、平成3年度予算に幾らの事業費が計上されておりますか、具体的に御説明を願いたいと思います。
第3点目に、南風原町の山川橋交差点、兼城交差点における交通渋滞対策についてどのように考えておられますか、具体的な説明を伺いたいと思います。
それから、我が会派の代表質問に関連して質問いたします。
去る2月26日、我が会派の下地議員の代表質問に関連して、老人医療の無料化と国保税の大幅負担軽減問題について質問をいたします。
老人医療の無料化について伺います。
知事、あなたはこれまでの答弁で老人医療受給者の対象、すなわち70歳以上に対して助成策を講じていきたいとその考え方を示されました。知事、あなたは無料化ということについてどのように認識していらっしゃいますか。また、老人の医療費の一部負担についてどのように認識しておられますか、お伺いいたします。
それから、国保税の負担軽減問題について伺います。
先日の我が会派の下地議員への答弁で、県支出金の1億1000万円を計上してあることをおっしゃっておりますが、これは医療費の適正化事業、そういった義務的な経費であります。県民の立場から見ますれば、全く国保税の軽減にはなってないのが実情であります。知事、どういうふうに思っておりますか伺います。
以上をもって、答弁によって再質問いたします。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 金城繁正議員の御質問にお答えいたします。
第3次沖縄振興開発計画大綱との関連で、谷沖縄開発庁長官が来県された際の県政運営に対するコメントについてどう思うかという趣旨の御質問にお答えいたします。
県政運営上の諸問題の解決、とりわけ第3次沖縄振興開発計画の策定及び諸施策の推進に当たっては、引ぎ続き国の御理解と協力が得られるよう最大限の努力をいたしたいと考えております。
なお、基地問題等本県特有の課題につきましては、時としては県益を守り、県民福祉の向上を図るため県としての意思を強く主張し、御理解と協力を求めていかなければならない場合もあると考えております。
お許しを得て、その他の質問につきましては関係部長にお答えさせますので、お願いいたします。
○金城繁正君 議長、休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後3時15分休憩
午後3時17分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) それでは、私の方からお答えいたします。
まず、質問の1番でございますが、自衛隊基地についても全面返還の対象として考えているのかという趣旨の御質問でございますが、自衛隊基地は含まれておりませんが、自衛隊基地につきましては振興開発を進める上から別個に検討してまいりたいと思っております。
それから、米軍基地の全面返還の目標年次はいつかという御質問でございますが、地主や市町村の合意形成が必要であり、中長期的展望に立った県の返還計画をつくっていきたいと考えておりまして、まだ明確な目標年次は定めておりません。
それから、土地連は全面返還は容認できないと言っているが、これをどう受けとめているかという御質問にお答えいたします。
跡利用計画もなく、損失補償も十分ないまま返還されると地主が不利益を受けることになるので、沖縄県軍用地等地主会連合会としては反対していると理解しております。
したがいまして、県としては今後、返還によって不利益が生じないよう跡利用計画を制定し計画的な返還を推進するとともに、国に対し軍用地転用促進特別措置法──これは仮称でございますが──の制定を働きかけ、返還方法や損失補償等地主対策に万全を期すことで理解を求めてまいりたいと考えております。
それから、県政運営の所信表明で国に対し軍用地転用のための特別措置法の制定を要請するとのことだが、跡地利用の基本方針についてどのように考えているか。また、国への要請はいつごろなされるかという御質問にお答えいたします。
県においては、軍用地転用促進特別措置法(仮称)の制定要請に向けて、現在、これに盛り込む内容について検討作業中でありますが、跡地の有効利用を図るための基本方針については、軍用地の計画的返還と跡地の有効利用の促進を柱に必要な特別措置を講じてもらうよう考えております。
なお、国への要請については、成案を得るまでには必要な手続と時間を要するため要請時期については現段階において申し上げられませんが、成案が整い次第、早い時期に要請してまいりたいと考えております。
それから、米軍用地等跡地の有効利用を促進するため、地権者の合意形成をどのように図っていくのかという御質問にお答えいたします。
軍用地の跡利用については、県が策定する軍用地転用基本計画(仮称)による土地利用の基本方向に基づき、市町村が主体となって関係地主を初め地元の合意形成を行い、跡利用計画を策定してその利活用が図られるものと考えており、県としては関係市町村と十分に連携を図り、対処してまいりたいと考えております。
それから、軍用地転用基本計画の策定に当たってどのような組織をもって取り組んでいくかという御質問にお答えいたします。
県は、軍用地転用基本計画を策定するため学識経験者、軍用地地主の代表者、市町村代表者、県議会議員等から成る沖縄県軍用地転用対策審議会を設置しています。
また、軍用地転用の総合的企画並びに軍用地跡地の利活用の促進を図るため、庁内の連絡協議機関として沖縄県軍用地跡地利用促進連絡協議会を設置しています。県は、これらの組織を有効に活用して、軍用地転用基本計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。
それから、跡地の有効利用の諸施策の展開、推進体制の強化を図るため県、市町村、地権者の間の緊密な連携が最も重要だが、どのような形で進めていくのかと。また、沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会の組織はどうなるかという御質問にお答えいたします。
返還跡地の有効利用が円滑に促進されるためには、関係市町村や地主との緊密な連携が大切なことは御指摘のとおりでございます。県としては、返還跡地の利活用が総合的、計画的に進められるよう関係市町村や地主と十分な連携を図り、対処してまいりたいと考えております。
なお、沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会は、基地から派生する諸問題について相互に協力して解決を図ることはもとより、基地の返還及び整理縮小等を目的としており、今後ともその有する機能を十分に活用していきたいと考えております。
それから、返還軍用地の遊休化している土地についての措置についてどう考えるかという御質問にお答えいたします。
基地の返還が十分な予告期間を設けず行われることや、細切れ返還の場合等の問題があって、返還された軍用地が有効利用されるまで相当の期間を要し、その計画的かつ円滑な推進を困難にしている状況にあります。
県としては、これらの問題を踏まえ、返還軍用地の有効利用の促進が図られるよう返還実施計画の策定による計画的返還や、財政上の特別措置等を内容とする軍用地転用促進特別措置法(仮称)の制定を国に対し要請していく考えであります。
それから、県振興開発審議会からの建議に対する認識についてと、県振興開発審議会の建議に付された附帯意見、全面返還の位置づけに関する意見についてどう受けとめているのかと。また、計画策定に当たってどのように対応していくのかという趣旨の御質問は一括して答えさせていただきます。
審議会の建議、答申は、必ずしも全面的に県を拘束するものではありませんが、県としてはできる限りその意見を尊重し、政策決定に反映させるよう努力すべきであると考えております。
その観点から、このたびの沖縄県振興開発審議会からの建議に付された全面返還に関する意見については、慎重に検討しているところでございます。
また、計画策定に当たっても大綱の基本的な考え方を踏まえ検討してまいりたいと思っています。
それから、第3次沖縄振興開発計画大綱案に対する県議会各会派から提出された提言、意見についてどのように盛り込んでいかれるのかという御質問にお答えいたします。
各会派からいただいた第3次沖縄振興開発計画大綱案に対する御提言、御意見については、できるだけ大綱に反映させるよう慎重に検討したところであります。
その結果、一部の御提言については、その趣旨に沿って大綱案の修正を行ったところでありますが、具体的な施策プロジェクト等については大綱の性格、すなわち包括的な表現にとどめざるを得ないということから、第3次沖縄振興開発計画の原案策定の段階で検討すべき事項として整理いたしました。
それから、那覇空港の沖合展開については積極的な取り組みが見られないと、その理由は何か。また、那覇空港の沖合展開を明確にすべきであると考えるが、どうかという御質問にお答えいたします。
那覇空港の沖合展開については、これまで県政の重要課題としてその具体化に向けて努めてまいりましたが、現実的には滑走路のキャパシティーや需要予測及び自衛隊との共同使用など那覇空港を取り巻く現状などから今後の社会経済動向等を見きわめながら引き続き努力していく考えであります。
そのため、第3次振興開発計画大綱案においては、沖合への空港施設の展開等その整備拡充について検討すると位置づけてあります。
御案内のとおり、那覇空港は、運輸省が所管する第2種空港であります。したがいまして、その整備拡充につきましては、国との協調のもとに県としても今後引き続きその実現を目指していく考えであり、予定されている第3次振興開発計画においても積極的に取り組んでいく所存でありますので、御理解を賜りたいと思います。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 那覇市近郊における交通渋滞対策につきまして、1番目の那覇市近郊における交通渋滞の緩和を図るためには、那覇市近郊の主要交差点を含めた総合的計画が必要であると思うがどうか。また、ほかに主要交差点の渋滞対策があれば示していただきたいとの質問にお答えいたします。
交通渋滞対策としては、昭和63年12月に那覇市渋滞対策緊急実行計画を策定いたしましたが、その後、那覇市近郊も含め全県的に展開することが最も効果的であることから、平成2年10月に那覇市以外を対象とした沖縄県渋滞対策推進計画を作成しております。
この推進計画では、座安交差点、城間交差点、知花交差点等16カ所を主要渋滞対策交差点として位置づけまして、交差点改良、道路の拡幅、バイパスの設置等を講じる内容となっております。
2番目の那覇市渋滞対策緊急実行計画における事業の進捗状況はどのようになっているか。また平成3年度予算に幾らの事業費が計上されているかの質問にお答えいたします。
那覇市渋滞対策緊急実行計画につきましては、安謝交差点ほか10カ所の主要渋滞交差点の緩和を図るため交差点改良と主要道路の改良事業計25カ所を短期、中期、長期に区分いたしまして国及び県が事業を推進しているところでございます。
その進捗状況は、これまでに国場交差点、泊高橋交差点等3カ所の事業が既に完成しており、その効果は顕著にあらわれております。
また、安謝交差点の立体化等3カ所につきましては、平成3年度の完成を目途に事業を実施しているところであります。
その他の事業箇所についても、早期完成が図られるよう推進してまいります。
なお、同計画を推進するための平成3年度の予算は約113億円となっております。
3番目の南風原町の山川橋交差点、兼城交差点における渋滞対策についてどのように考えているかとの質問にお答えいたします。
兼城交差点につきましては、今のところ改良計画は予定しておりませんが、現在、南風原町において県営南風原第1団地付近から国道329号に平行して県営第2団地付近の国道までの町道を平成4年度完成を目途に整備しており、この町道が開通いたしますと同交差点はかなり改善されると考えております。
なお、兼城交差点の抜本的対策につきましては、町道の開通後の動向を見て検討してまいります。
また、山川橋交差点につきましては、平成3年度で調査をし前向きに検討してまいります。
○金城繁正君 議長、ちょっと休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後3時30分休憩
午後3時31分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
〔生活福祉部長 山里 明君登壇〕
○生活福祉部長(山里 明君) 金城繁正議員の我が会派の代表質問との関連についての御質問にお答えいたします。
第1点目、70歳以上の老人の助成措置ということでございますが、これは県といたしましては、これらのお年寄りのために保険外負担分の実質的な軽減が図られるような助成措置を調査検討の上、実施していきたいというふうに考えております。
それからあと1点の、一部負担金をどう考えるかということでございますが、これは御承知のように老人保健法に基づきます患者の一部負担金のことと理解しております。
それからあと1点、国保税の医療費の適正化対策事業ではないかという御質問でございますけれども、現在、制度上あります事業には保険基盤安定負担事業、それから高額医療に対する助成事業、こういった事業がございますけれども、そのほかに県単で行っております医療費の適正化対策等補助事業というのがございます。
以上でございます。
○金城繁正君 議長、休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後3時32分休憩
午後3時36分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 医療費適正化事業問題との関連でお答えいたします。
保険税は医療費の動向に影響されますので、医療費の伸び率が全国平均を上回る本県においては、市町村国保事業の運営は厳しい状況にあります。そのため、健康づくり事業等医療費適正化対策をこれまで以上に強力に推進することによって、保険税負担の軽減を図る考えであります。
また、県費助成の強化につきましては、値県の状況等の調査を進めているところであり、その結果を踏まえ、実施主体である市町村とも十分に協議した上、助成の強化に努める所存でございます。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後3時37分休憩
午後3時40分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) お答えいたします。
老人医療の無料化には一部負担金に対する助成措置、年齢引き下げによる助成措置、保険外負担に対する福祉医療助成措置等いろいろ考えられますが、県としては福祉医療助成措置を調査検討の上、実施していきたいと考えております。
それから、老人の医療費の一部負担をどのように認識しているかという御質問ですが、老人保健法による患者の一部負担金と認識しております。
○議長(平良一男君) 金城繁正君。
〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 第3次振計大綱案の那覇国際空港の沖合展開について伺います。
今、沖合展開については、いろいろ国との調整をして検討したいと、そういう御答弁をいただきました。
そこで、知事に伺います。
知事、あなたは現在の那覇空港の状況についてどのように認識しておられますか。極度に過密化しております。しかも非常に危険度が高い。こういったようなことについてどのようにお認めになっておりますか。
そして、関連質問について伺います。
まず、老人医療の無料化ですが、いわゆる一部負担というもの、これはすなわち現在でも70歳以上の方が8万人いらっしゃるんです。老人の医療費の患者一部負担というものが14億8000万ありますよ。この一部負担という14億8000万のすべてを補てんして初めて無料化と思いますが、知事はその点について明確なる御答弁を願います。
それから、患者の保険税の軽減負担ですが、これまでの御答弁では、制度上における、これは当然やらなくちゃいかない。今、市町村の国保財政というのは大変なピンチに立たされております。
ところが、国保税を軽減していこうという、そういう姿勢を持っておられる以上は、これは補助金を流す。現在、平成元年度における決算を見ますと、54カ市町村で国保会計の決算を見て一般会計から国保会計への繰り出しが何と41億5332万円ですよ、補助金をやっているんですよ。
そういったものを補てんしていくのが軽減になるわけですが、それについて見解をただしたいと思います。
以上申し上げて、御答弁によってまた再質問します。
○知事(大田昌秀君) 休憩をお願いします。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後3時44分休憩
午後3時46分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 那覇空港の問題をどのように理解しているかという趣旨の御質問にお答えいたしますと、御承知のように那覇空港は自衛隊と民間の共同使用になっておりまして、その危険性につきましてはまさに御指摘のとおりでございます。
それから、ターミナルが大変狭く、分散化しているということも解決すべき問題だと考えております。
それから、国際交流拠点空港としては不十分であるということも認識しております。
しかしながら、キャパシティーの問題につきましては、国との間に必ずしも意見が一致しておりませんで、そういった関係もありまして現在のところ沖合展開は困難であると考えております。
それから、老人医療費の無料化との関連で、知事の言う老人医療無料化とはどのようなものかと。
私が公約事項として老人医療無料化に努めると言ってきたことは、戦禍で苦労されたお年寄りの方々に報いる方法として、所得の低い方々に対して保険外負担等の医療に関する費用が実質的に軽減できるような措置、いわゆる福祉医療助成や補助事業を実施したいと考えております。
それから、国保税の大幅負担軽減、県の補助金の増額についてお答えいたします。
先ほどもお答えいたしましたとおり、市町村国保事業への県費助成の強化につきましては、他県の状況等の調査を進めているところであり、その結果を踏まえ、実施主体である市町村とも十分に協議した上、助成や補助の強化に努める所存でございます。
○議長(平良一男君) 金城繁正君。
〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 あと、時間もありませんが、再度質問いたします。
老人医療の無料化ですが、これは調査をして、そして一部助成をしようというようなお答えなんですが、私が質問しておりますのは、無料化ということについてどのように認識しておられるかということですよ。老人の医療費の一部負担についてどのように認識しておられるかということですよ。
それから、那覇国際空港の沖合展開ですがね。知事は、いわゆる極度な過密化であるということ、危険性が高いということをお認めになっております。
知事は、那覇空港の過密化、こういったところを認識しておられるんですが、なぜ那覇空港の沖合展開に関して第3次振計でいわゆる検討するということになっておりますが、推進するということより後退ですよ。検討するというのは、これはわからぬわけですから、その辺をはっきりと明確にしていただきたいと思います。
それから、国保税の負担軽減問題は、これは調査結果を踏まえて助成を強化していくと。そういうことであるんですが、これは具体的に国保税のやるか、やらないかをはっきりと御答弁を願います。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後3時51分休憩
午後3時52分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 国保税の関連での御質問にお答えいたします。
先ほどもお答えいたしましたとおり、市町村国保事業への県費助成の強化につきましては、他県の状況等の調査を進めているところであり、その結果を踏まえて、実施主体である市町村とも十分協議した上、助成、補助の強化に努める考えでございます。
それから、老人医療の無料化の問題につきましては、これまた先ほどお答えいたしましたけれども、一部負担金に対する助成措置と年齢引き下げによる助成措置と保険外負担に対する福祉医療助成措置等いろいろ考えられますが、県としては、福祉医療助成措置を実施することによって、実質的な負担軽減を図りたいというふうに考えております。
○議長(平良一男君) 喜久山盛忠君。
〔喜久山盛忠君登壇〕
○喜久山盛忠君 知事、お願いでございますけれども、ひとりだけ戦争に参加したような口ぶりは、今後慎んでもらいたい、かように思います。
実は私も、海軍主計兵として参加させられ、体にこうしてけがをさせられた一人でございます。(掲示) うそだと思うならば、私が書きましたこの本をぜひ御一読願いたいと思います、知事。(資料を掲示)
過去の経験は、大田知事も全く同じでございます。ですから同期の桜、同じ国旗を、そしてともに天皇陛下万歳と叫びながら、そうした同志であります。残された余生をリラックスして過ごそうではないか、かように思います。
全国植樹祭につきまして、まず初めに、場所の決定について県民から強い強い不満があります。
すなわち、県政の重要な課題を決める場合に、必ず知事、副知事、出納長、そして各部長のいわゆる庁議メンバーが、庁議室におきまして担当部局長から企画開発部長あてに提出された資料によりまして十分説明がなされて、討議の結果、庁議案件が決まるものだと経験上理解をいたしております。
しかし、マスコミなどの資料によりますというと、これから推察すれば、庁議開催前段におきまして、庁議メンバーの発言に最初からブレーキをかけるようなことをしたのではないかと。
例えば、全国植樹祭の場所について、私知事としては、公約でもありますので、糸満市の方がよいと思いますが、皆さん、御意見はいかがですかと、こう聞いた。こういう庁議運営をしたのではないかという県民の誤解がある。
もしそうだとすると、大変なワンマンでありましょうし、すなわち幾ら討議の場とはいえ、知事の御意見を乗り越えて反対意見を申し上げることは、大変至難なわざであります。公平、公正を旨としておられる知事が、まさかそのようなことはないだろうと、こういうふうに信じております。
しかし、この1月8日の庁議関係記事におきましては、こういうふうに知事……。(資料を掲示)事前協議。協議とはいえ、三役プラスそして一般職の人が一人加わって、これだけで話をされております。協議の前に既に知事のシナリオというものができていたのではないかという誤解を招くような記事がある。
そこで質問第1点、三役のほかに一般職も加えて協議をしているのに、担当部長はこの席になぜいないのか。
次に、知事はまだ一度も両方の現地をごらんになったことはないと思いますが、にもかかわらず手順を踏まずに即座に決めてしまった、こういう誤解がある。ここに知事の独断だと、こういう声が多いわけです。
知事に対する県民の独断と不信感、また公平、公正という知事の公約、そしてスローガンが全く逆の不公平、不公正、これが県民の声。
質問第2点、2月8日の庁議における場所の決定について、出席した庁議メンバーの発言要旨、これについて資料提出をいたしまして県民の不満解消を図ってもらいたい。
次に、場所の決定に当たっては、知事のシナリオどおりだと、こういう報道がありました。そのとおりだとするというと、シナリオを完成するまでにはいろいろの道のり、構想を描きながら進めていくはずであります。
あれだけヤンバルンチューを、あるいは県民をその気にさせておきながら、なぜ一言のせりふもなくて見捨ててしまうんですか。
知事、今さら言いたくはないが、雨風、そして飢えにさらされたあのとき、ヤンバルという大自然が抱きかかえて、おかげで辛うじて生き延びた。その歴史を見るときに、いわく、アンマー、フチュクルヤ、ワシールシー、お母さんの懐を忘れたのか、これが3回も裏切られたヤンバルンチューの言葉であります。
そこで質問第3点、ヤンバルを裏切る前に、知事自身が北部振興会長に直接話し合いを持たれなか。持たれなかったら、なぜそうしたのか。
さて次に、行政の継続性、これを尊重すべきだという点でもう一度これまでのいきさつを見る必要があります。このことによって執行部から離れてひとり歩きをしておられる知事が、きっと我に返って行政の継続性を悟ることを期待するからであります。
それでは、これまでの準備経過を見てみますというと、農林水産部長から林野庁造林保全課長に対して、平成5年には沖縄県で開きます、よろしく、この旨を申し上げた。2点目には、森林審議会で3候補地に絞って意見が出されております。審議会の事務局としても、もちろん6項目に絞って検討を重ねて意見具申がなされております。
審議会の答申は、米須海岸について、本県で最も緑化がおくれている地域であるので、その趣旨にかなっていると。しかし、このしかしというのが肝心。これは技術的な問題。海岸に沿っていて、岩石が露出している、塩害を受けやすい、成林が困難、育林がだめだと、難しいよと。
北明治山については、植樹祭の目的、つまり森林資源の造成、水源涵養、育林環境、事後の管理、適当である、こういう諮問がなされている。
質問第4点、場所を決定するに当たって、どういう諮問機関や団体の意見をお聞きになったか、その名前、住所、さらに資料を提出してもらいたい。
質問第5点、審議会の答申は何と思っておられるのか。今後もそうするんじゃないかと。
次に、米須海岸の県有地について、地域環境、植生上の問題などについて技術的な所見を述べながら質問をいたします。
先催県の例を見ますというと、VIPは、大体80台の車が直接現場に誘導される。しかしこの県有地の進入路は、2つある。1つは東京の塔、この前を通ってくるけれども、幅員は6メートルしかない。もう1つは約6000頭規模の養豚場があるけれども、これまたよその農地で6メートルの幅員しかない。あとは企業有地、私有地がある。
しかし知事は、県有地だけ、ほかの企業有地はさわらない、私有地もさわらないというお考えでございますので、本当にこれだけで一大国家行事というものが、こういういびつなものになっていいのかどうか、心配するものであります。
質問第8点、進入路の幅員拡張をする場合に、企業用地との関連をどうするのか。隣接する4000頭規模の養豚場、約200メートルぐらいしか離れておりませんが、この養豚場との関連においも含めてどうするのか。
さらにまた、2月11日のマスコミ報道によりますというと、会場地の米須海岸一帯が45年間も行政による緑化事業がなくて、原野のまま放置されている、こういうことがありました。
知事も本当にそう思っておられるのか。もしそうだと思っているならば、お教えしましょう。米須海岸一帯にいわゆる戦跡緑化を県が実施したわけでありますけれども、その実績は、昭和58年から63年まで6カ年間にわたって護岸工事、防災林造成、保安林、防風林、植栽はモクマオウ、オオハマボウ、チソハボク、フクギ、事業費1億1000万円投じられている。緑化事業が行われたわけでございますけれども、この事業の中で、今まで言う県有地も含まれておりますけれども、これだけは植栽地域に含まれておらない。
なぜか。いわゆる植栽不可能な岩石地帯として積極的な植栽ができないので、ここは遠慮したと、こういうことを特に申し上げる。
そこで質問第9点、45年間放置されたのではなく、1億1000万円の事業が実施されたわけだけれども、この実績をどう評価されるのか。
次に、平成3年2月2日のマスコミによりますと、副知事と政策調整監との意見の食い違いがある。どういう食い違いか。副知事、会場地選定をめぐり、仲井真副知事と特命担当としての同問題を担当している政策調整監の意見の食い違いが表面化云々の記事がある。
すなわち、副知事が、環境面で多少問題があろうが、行政の継続性から言って既に庁議決定されている北明治山での開催がスムーズにいく、仲井真副知事談話。これに対し政策調整監は、植樹祭会場の対応も県知事選の争点である。戦争により荒廃した国土に緑をふやそうというのが本来の趣旨。こうして糸満市開催が理にかなっていると、こういうことを言っている。
知事、今になって、おふたりのことをアリンシティララン、クリンナギララン、こういう本当にその心境をお察しいたしますが、そこで質問第10点、もう一度我に返って審議会、林野庁の意見、庁議、こういうルールをと思いますけれども、いかがですか。
11点、客土をして森をつくる、こういうことは全然聞いたことはない。私は農林行政を30年やっておりますが、聞いたことはない。ほかにも例がない。それでも強行するんですか。
次に、木を切って、木を植える。同じ場所で木を植え変えるということは、林業者にとって──関係者が沖縄に2000名おります──価値ある経済林としての林業施策の一つである。サトウキビや稲、これを植える、刈り取る、それを所得源にする、当然の話であります。
知事は、県民が幾ら説明をしても耳をかそうとしません。
そこで質問第12点目、もし米須海岸で強行する場合、ギンネム、オオハマボウ、こういう木などは、会場設定がある、客土もしなくちゃならないでしょう。その場合でも木を切るんですか。
次に、庁議決定の翌日、2月9日に与党議員の方々と一緒に現場を見てまいりました。一致した意見は、写真で見ますように、知事、ちょっと。(資料を掲示)
第1点は植栽、県有地にギンネム、モクマオウ、こういう木が植栽または自生をしておりますけれども、潮風に最も強いアダンの木の高さを超えて一生懸命ギンネムあるいはオオハマボウが成長しようとしているけれども、アダンの高さに来ますというと、ちょん切られたような格好になっている、なぜか、ウスカジにやられているから。
そして一帯は、岩石が露出している。植栽をするならば爆破、いわゆる発破をかけなくちゃならない。さらに写真に見るように波打ち際から約150から200メートルしか離れていない県有地ですから、波の高さが10メートル以上にもなるというと、絶壁に潮が打ち当たって俗に言うウスバナー、ヤマトゥグチでは越波、これが風に乗って飛ぶだろう。その飛ぶだろう距離は約200メートル以上。昔の人は言います。ウスミジヌ、グン合ンアレー、マーチ枯ラスセー、ヌーンアランドーと。
県木のリュウキュウマツは直根性、フクギも同じですけれども、海岸では地下約3メートルの客土をしても苗を育て上げるのは無理であります。約15度の傾斜になっております。
質問15点目、提案されております甲第1号議案中、全国植樹祭の関連予算につきましては、先ほど申し上げました技術的な解明、合意形成が整うまで修正した方がいいんじゃないかと、こう思います。
一応終わりまして、また再質問いたします。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 喜久山盛忠議員の御質問にお答えいたします。
ヤンバルを裏切る前に、知事自身が北部振興会長に直接話し合いを持たれたかと。持たれなかったというなら、それはなぜかということでございます。
植樹祭の会場候補地を糸満市米須海岸に変更したのは、代表質問でも申し上げたとおり、県としては北明治山を前提にあらゆる角度から検討いたしましたが、3.8ヘクタールから2ヘクタールに規模を縮小してもなお5000本から6000本の木を伐採せざるを得ず、自然保護の立場から北明治山での開催を断念し、糸満市米須海岸に会場地を変更したわけでございます。
なお、その間、名護市長とお会いしたことがありますが、この問題については話題に上りませんでした。
私は、北部を裏切るという気持ちはみじんも持っておりません。北部振興会長や北部の皆さんにお会いできなかったのは、日程などの都合によるものでありまして、決して避けたわけではございませんので、ぜひとも御理解を賜りたいと思います。
それから知事は、場所の決定をするに当たってどういう諮問機関や団体の意見を聞いたか、その資料を提出すべきだと思うが、どうかという御質問にお答えいたします。
全国植樹祭の会場候補地につきましては、県森林審議会からの報告の中で、名護市北明治山、恩納村県民の森、糸満市米須海岸の3候補地とも植樹祭の開催場所としてかなっている旨の意見が提出されております。
この中から、先ほど申し上げましたような理由によって北明治山での開催を断念し、糸満市米須海岸を適地として決定したわけでございますので、御理解を賜りたいと思います。
それから、知事の独断で会場を決めても地理的条件、植物生理上、土壌条件、技術の限界の点から、だれが見ても無理という意見が多いので、もう一度考え直してほしいが、どうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
糸満市米須海岸一帯は、土壌の表土は浅く岩盤が露出し、また潮風害を受けやすいなど樹木の育林環境としては厳しい状況とたっております。
したがいまして、会場造成に当たっては露出岩等を取り除き、約1メートルから1.5メートルの客土を行うとともに、植栽する部分は土壌改良を施すなど土壌条件を良好にし、また植栽後の樹木を潮風害から防ぐため防潮、防風ネットを設置して育林環境を整備する計画であります。
また、植栽樹種にはリュウキュウマツ、フクギなど潮風害に強い樹種を選定しておりますので、植栽後は育林管理に万全を期し会場地の森林造成を図っていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部長にお答えさせていただきますので、御理解いただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 仲里全輝君登壇〕
○企画開発部長(仲里全輝君) 全国植樹祭に絡みまして、2月8日の庁議の件でお答えをさせていただきます。
2月8日の庁議の開催の際には、御指摘のような事前協議は行われておりません。
また、庁議には構成員全員が出席いたしております。
なお、出席者の発言要旨につきましては、庁議が重要施策等を自由に審議し総合調整を行う場であることから、公表は差し控えさせていただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 山城正栄君登壇〕
○農林水産部長(山城正栄君) 全国植樹祭の御質問につきまして、残りの事項についてお答え申し上げます。
まず、審議会の答申は何とも思っていないのか。今後もそうなるのかという御質問でございますが、全国植樹祭の会場につきましては本県の森林、林業の振興、国土の保全並びに県土緑化に効果的に貢献できる地域でなければならないという観点から、より適切な会場選定を行うため県森林審議会の意見を徴したものであります。
県といたしましては、森林審議会の意見を尊重し、植樹祭の開催場所としてかなっている旨の報告がある北明治山、県民の森、糸満市米須海岸の3候補地のうち、あらゆる角度から総合的に検討して糸満市米須海岸を適地として決定したものでありまして、今後とも森林審議会の専門的な見地からの審議結果や意見等につきましては尊重していく所存であります。
8点目の進入路の幅員拡張をする必要がある場合、企業有地との関連はどうするのか。また、隣接する養豚施設との関連はどうするかという御質問でございますが、糸満市米須海岸における全国植樹祭の式典会場基本計画及び実施計画につきましてはこれから策定する予定でありますが、その時点で進入路の方線及び幅員の拡張等検討していく考えであります。
また、会場周辺に養豚場があるわけでございますが、悪臭防止については対策がとられておりますので支障はないものと考えております。
次に、45年間放置されたのではなく、約1億1000万円の事業が実施されたという実績についての評価をどうするかという御質問でございますが、糸満市米須、山城海岸には潮害防備保安林、風害防備保安林が海岸に沿って帯状にあり、当該区域の保安林の整備につきましては復帰前から推進されているところであります。
復帰後は、防災林造成事業等による護岸、編さくを設置いたしましてモクマオウ、フクギ、テリハボク、オオハマボウを植栽し保安林の整備を図ってまいっております。
次に、もう一度審議会、庁議、農林水産省の意見を聞いてもらいたいが、いかがですかという御質問ですが、全国植樹祭会場候補地の選定につきましては県森林審議会で現地調査を含めて十分に審議され、北明治山、県民の森、糸満市米須海岸とも植樹祭の開催場所としてかなっている旨の報告を受けた中から、県といたしまして庁議での報告と三役調整を経て糸満市米須海岸を適地として決定したものでありますので、御理解を賜りたいと思っております。
なお、農林水産省及び国土緑化推進機構とはこれから十分調整を行い、糸満市米須海岸での全国植樹祭の開催に向けて諸手続を図っていきたいと考えております。
客土をして森をつくるということは聞いたことがないし、他県にも例がない。それでも強行するのかという御質問でございますが、会場候補地の表土はおおむね30センチメートルから50センチメートルでございます。したがいまして会場地の造成に当たっては露出岩等を取り除き、約1メートルから1.5メートルの客土を予定しておりまして、植栽後の保育管理についても万全を期していきたいと考えております。
次に、米須海岸で強行する場合、ギンネム、オオハマボウなどの木は会場設営、客土する場合であっても伐採してはならないことになるが、どうかという御質問でございますが、会場候補地内の植生調査をした結果、木本類の樹種としてオオハマボウ、イヌビワ、トベラなど28種類ありますが、全体的にはギンネムが約90%を占めている状況でございます。
会場地の造成に当たっては、工事に支障を来さない樹木は極力残し、また緑化木として使用できる樹木は可能な限り移植を行い、再利用を図っていきたいと考えています。
最後になりますが、全国植樹祭関連予算は技術的解明や合意形成が整うまですべて予備費に組みかえるようにした方がよいと思うが、どうかという御質問でございますが、予備費は、御承知のとおり予算編成時点において予測できない臨時的かつ軽微な支出に充当するために計上されるいわゆる目的外予算でありますが、全国植樹祭関連予算は、本県で開催される第44回全国植樹祭の開催準備という特定の目的に基づいて予算措置をお願いしているところであります。
したがいまして、これを予備費に組みかえることは適当でないと考えておりますので、御理解いただきたいと思っています。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 喜久山盛忠君。
〔喜久山盛忠君登壇〕
○喜久山盛忠君 それでは、質問の2点目ですけれども、知事は資料は出せないが、ルールにのって庁議が運営されたと断言されるわけでございますね、それが第1点。
第2点は、質問の3点でございますけれども、決定以前に何回も話し合いの場を持とうと要求した、北部振興会は。忙しい、胃が痛い。2月6日の2時ごろ、本当に胃が痛くてお帰りになったんですか。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後4時22分休憩
午後4時27分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) お答えいたします。
資料の提出はできないかという趣旨の御質問で、もしこれが庁議の資料でございましたら、先ほど企画開発部長から返事がありましたように出すことはできません。
それから、振興会関係の方々との懇談の資料ということになりますと、懇談はしておりませんので出すことができません。
それから、2月6日は調子が悪かったのかというのは、そのころは非常に調子が悪くて、2月9日の全員協議会に参加できなかったのも実は県立病院から医者が来て、私としては診断書まで提出してございます。
○議長(平良一男君) 喜久山盛忠君。
〔喜久山盛忠君登壇〕
○喜久山盛忠君 再々質問をいたします。
庁議の資料が出せない、公表もできないということならば、それではその手順だけを教えていただきたい。
県政運営会議設置規程によりますところの、これは前にみなさんに事務段階にもお願いしましたけれども、資料を出せないということで篤と断られましたので、それではということでこの設置規程を持ってきてくれということでこれの説明も受けながらやっております。
設置規程による庁議幹事会は、いつ開催したか。 それから、資料の事案区分は何か。
それから、規程の第11条によりますところの要旨及び資料は提出されているか、庁議の4日前に。
第13条による記録はなされているか。
14条による発表はどなたがなさったか。
次、質問の第2点目、もう一度質問の15点についてお伺いしますけれども、知事が両方の土地に足を踏み入れて植栽専門家の意見を聞くこと。さらに、北部振興会で知事が説明し了解をとること。3つ目に、審議会に説明をし了解を得ること。林野庁の意見を聞くこと。さらに、庁議で審議すること。
以上の5点を完了するか、そしてまたもう一方、我が方の野党の決定事項でもございますので、そうでなければこの予算原案を修正するか、二者択一、知事の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後4時31分休憩
午後4時32分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 現地に足を運んだ上で、そして植栽の専門家たちに諮った上で新たな手続をする必要があるのじゃないかという趣旨の御質問にお答えいたしますならば、御承知のようにこの問題は選挙戦の一つの争点ともなりまして、私は、樹木を切っての植樹祭は本来の趣旨に反するのではないかという各界の批判的な意見にも気をつけまして、それから経費がかかり過ぎるのではないかと。沖縄らしい植樹祭にする必要があるのではないかといういろいろなことを踏まえまして、選挙の過程で見直すということを申し上げた
わけでございます。
したがいまして、その結果、私が選ばれたということは、その問題につきましても県民の判定が下されたというふうに考えておりますので、新たな手続をしてやる気持ちはございませんし、また予算の組みかえをやるつもりもございませんので、御理解を賜りたいと思います。
○喜久山盛忠君 ちょっと休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後4時34分休憩
午後8時21分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
喜久山盛忠君。
〔喜久山盛忠君登壇〕
○喜久山盛忠君 先ほど御質問いたしましたが、もう一度やはりこの協議におきましては公平になされたかということが問題でございますが、庁議は、規程によりまして14条による発表は企画開発部長が行うと、こういうふうになっておりますけれども、そういうことを含めまして発表がルールにのっとって最終的になされたか。
さらにまた5点の問題、いわゆる専門家を現地に、それから北部振興会で、それから審議会に説明をする、林野庁の意見を聞く、庁議で審議をするという5点をお願い申し上げたわけでございますけれども、先ほど知事は繰り返さないと、こういうようなことでございましたが、そのとおりなのか。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) ただいまの御質問につきましては、企画開発部長に答えさせていただきます。
○議長(平良一男君) 企画開発部長。
〔企画開発部長 仲里全輝君登壇〕
○企画開発部長(仲里全輝君) 植樹祭に関係する庁議の5点ほどの質問がございますので、お答え申し上げます。
まず第1点は、幹事会は開かれたかと、こういう御質問でございますが、植樹祭というものが幹事会に諮るべき性質のものではないと。諮るには適しないと、こういう考え方と、それから緊急に臨時庁議を開いてやったものですから諮るいとまがないと、この2つの理由で幹事会は開いてございません。
それから、庁議に付すべき事案は区分がございます。審議事項と報告事項の区分がございますが、この区分はどうなっているかということでございますが、審議事項として諮ってございます。
それからもう1点は、資料は4日前に提出することになっているが、そうなっているかということでございますが、これは緊急性があって臨時庁議でやったために4日前の資料提出じゃなくて、その日の臨時庁議の場で資料は配られております。
それから、記録されているかということでございますが、要点記録をしてございます。
それから、発表は通常、14条の規定に基づきまして企画開発部長が行うことになっておりますが、事の性質上、大変重要な事項にかかわることでございましたので、副知事から行われているわけでございます。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 伊集盛元君。
〔伊集盛元君登壇〕
○伊集盛元君 それじゃ、我が党代表質問と関連いたしまして、全国植樹祭についてお聞きいたします。
知事、あなたは先ほど、喜久山盛忠議員の質問に対してこう答えています。反訳文を読みます。
「沖縄らしい植樹祭にする必要があるのではないかといういろいろなことを踏まえまして、選挙の過程で見直すということを申し上げたわけでございます。したがいまして、その結果、私が選ばれたということは、その問題につきましても県民の判定が下されたというふうに考えておりますので、新たな手続をしてやる気持ちはございません」、こう答えています。
知事、あなたのスタンスはそれでいいんですか。あなたがそういうスタンスなら、それで結構でございます。私たちも県民代表でございます。したがって多くの票を取って、あなた以上の票をみんな取って、いわゆる全体では。そういう意味であなたが33万票も取ったから、おれの言うことを聞け。おれの言うことは全部やっていくんだというスタンスであれば結構でございます。それについて、もし改める必要があれば改めていただきたい。
また同時に、あたたはいつ選挙期間中に米須海岸にいたしますということを言われましたか、あわせて御答弁をいただきたい。まずそれを申し上げてから質問に入ります。
知事、まず、先ほどから一般質問あるいは崎浜秀三議員、あるいは村山盛信議員からもありましたが、あなたの議会に対するポーズは、まさしくファイティングポーズであります。ですから、議会はあなたをいじめていると、こういうふうに思っているかもしれませんが、議会はいわゆる政策論争をし、大田知事が何を考えているか、こういうものを明確にしなきゃいかぬ。したがって、そういう意味でこれからやっていく。あなたは、議会というものがわかりませんから、これまでの議会の経緯を簡単にこれを契機に説明しておきます。
大田さん、この議会で、ない買い付け証明をありますといって振りかざして、嘉陽宗儀議員がやりました。そしてその裏には、金を取ったんだろうと。もう東京地検も動いていますよ、逮捕間近いですよと言わんばかりのことを言った。そしてそれに輪をかけたのがいます。外間久子議員。私もその買い付け証明書を見ました見ましたとやったんです。そして懲罰特別委員会にかけた。そして全国から注目されました。そしていろんな所に問い合わせをしましたら、沖縄県議会には恐ろしいのがいるんだなと。記録を見てびっくりしたのが、このいわゆる今の与党の野党時代の実態なんですよ、大田さん。そういうところも明確にして
いただきたい。
もう1つ、今の与党、質問の通告もいたしておりません。しない人もいました、意地悪して。我が自民党、この前の代表質問において全部集めて款項目節まで微に入り細にわたりやりました。やはり政策論争中心でやっていこうという意味であります。
もう1つ、いわゆる副知事問題、今焦点になっていますが、あなたは、私が納得いくような否決の説明の仕方をしてくれと、こういうことをやっていますが、ちなみに西銘県政12年間に16回の三役の同意案件があったわけでありますが、全会一致はたった1回なんです。ことごとく反対した今の与党がいるわけであります。
こういうようなこれまでの野党のとった姿勢。
もう1点、何か問題があったら、いわゆるその場で指摘すべきだと、我々は強く主張した。しかし、その場では指摘しないで、議員、発言した本人も何も言わないのに、そばの人から、おまえのは問題があるんじゃないかといって、翌日また10時から議長室に押しかけていちゃもんをつけて、その日をずうっと引っ張っていって延会したような、こういう事例もたくさんあるわけであります。
そういう反省を踏まえて、我々はその日その日で明確にしていこうと。反訳文を取ってスタンスを明確にしない限り次の質問に移れないじゃないかと、こういう形で今やっているわけであります。こういうことも入る前に今までの議会の経緯というものを、私は与党の諸君の前ではっきり言うわけですから間違いないわけであります。ひとつ御理解をいただきたい。
それじゃ、次の質問に入ります。県組織のあり方であります。
組織は、関係法令、規則に従って運営しない限り正しい県政運営ができないことは、本員が申すまでもありません。今、県庁職員の間から命令系統が不明確である。副知事、部局長を飛び越えて知事みずからじかに課長以下の職員を呼び出したりする。一体、知事は組織のイロハを知っているんだろうかという疑問と不満が出ています。こういうことを知事、あたたはどのように考えるか、お答え願いたい。
もう1つに、組織の命令系統を乱している最たるものは、吉元政策調整監の位置づけの不明確さであります。市町村の多くの公務員の皆さんから、政策調整監とはどんな職務ですかと、たびたび質問を受けます。これは組織の何たるかを知っている人なら当然抱く疑問であります。
そこで、政策調整監の位置づけについて、県民の皆さんに明確にする必要があると思います。お聞きいたします。
その1、政策調整監の具体的な位置づけはどうなっているか。
ロ、政策調整監の特命事項とは何か。
ハ、これまでに政策調整監に知事が特命した事項は何と何があったか。
特命事項は知事だけで決めるのか。
特命事項はいかなる場所で公表するか。
政策調整監には決裁権があるか。
政策調整監は、政策判断を要する重要な施策の決定に当たって政策アドバイザーとして参与するものではないか。
チ、行政事務はそれぞれの所管部局下で、その権限と責任において処理されるものであると考えるかどうか、知事の職務代理者の順位を教えていただきたい。
石垣空港行政連絡会議の県代表が吉元政策調整監になった理由をお聞かせいただきたい。
また、上里和美さんが副知事が否決されたときに、政策調整監として採用するといううわさがあるがどうか、お聞きしたい。
知事秘書についてお尋ねいたします。
桑高秘書はいかなる方法で、いつ採用したか。
また、12月分と1月分の勤務時間外……、これは後で聞きます。
2番でございますが、現在、補佐職として採用されているが、補佐職として特別職秘書条例で採用した場合には給料は幾らになるか。秘書は一般職でございますが、もう1点、私と進退をともにすると答えていますが、その根拠を示していただきたい。
知事の政治姿勢の中で消費税についてお尋ねいたします。
転嫁廃止する減収分は、税等の自己財源で補てんすることになるが、一般県民に不必要な負担を課すことになり不当ではないか。
2、県営住宅の消費税を取りやめたことは、民間の住宅家賃との間に格差を生ずる不公平は生じないか。
3、県立高校、私立高校との間に格差は生じないか。
4、スポーツ施設、官民間に格差は生じないか。
5番、助産費についても、民間使用者が減少し対策の必要性が生じることはないか。
6番、消費税の転嫁廃止を県が先取りすることによるよい影響と悪い影響はそれぞれ何か。
また、水道料金の消費税転嫁廃止をしない理由は何か、お示し願いたい。
人勧については取り下げいたします。
勤務時間に関する条例の改正と慰霊の日及び週休2日制について。
週休2日制を実施するにはいろいろと問題があってこれまで延びたわけでありますが、経過を説明しますと長いんでありますが、知事、この勤務時間に関する条例の改正と慰霊の日の取り扱いについて、いつごろ条例を提出するつもりでありますか。なぜ今定例会に出さなかったか、それだけを聞いておきます。
知事、我が党代表質問との関連で基地問題に入ります。
知事、私はあえて地方行政サイドで憲法論議をするつもりは毛頭ありません。しかし、せんだっての我が党の県連会長志村恵氏の第3次振計における重要な位置づけとして軍用地の中に自衛隊も含める、含めぬの論議が県庁内部にあるということで、志村恵氏は軍事基地の中に自衛隊も含まれるかという極めて基本的かつ単純な質問をいたしたわけでございます。
ところが知事の答弁は、自衛隊は軍隊と理解しておりますので、自衛隊基地も軍事基地に含まれると考えられると、まさに重大な発言をなさったのであります。
我が党は、これは極めて重大視して儀間議員が代表質問で再度確認をしたら、知事の答弁がまたぐるっと変わった。さらにまた時間をかけて、どうぞ明確な答弁をいただきたいということをしたら、また変わりました。
そこで最終的ないわゆる統一見解として出ましたのが、志村恵代表に答えたとおりであります。これは知事が御案内のどおりだと思います。
そこで今、私たちが問題にしているのは、知事、あなたは国会でも政府でも、自衛隊は軍隊と言っているじゃないかと。これは昭和29年12月22日の議事録を引用しております。
知事、そのときの背景はわかりますか。当時は自衛隊が発足して間もないころであります。自衛隊の発足というのは、昭和29年の7月1日で、防衛庁設置、陸海空自衛隊発足となっています。そして12月10日に大村長官が就任しております。
このようにいわゆる憲法論議が盛んなときであります。同時に、このいわゆる議事録の中に大村長官はこう言っていますよ。憲法9条については、世上いろいろ誤解もあるので、そういう空気をはっきりさせる意味で機会を見て憲法改正を考えたいと思っていると、こういうふうな背景のときの議事録であります。
そこで知事、その後いわゆる憲法論議がなされてまいりました。それは知事も先ほどお読みになっていたとおり、いわゆる昭和56年の安保特別委員会、56年11月13日にはこう言っていますよ。軍隊にはいろいろ定義があると思いますが、通常の概念で考えております軍隊は、外敵と戦うことを任務とし、その活動においては、交戦権の行使に当たるというふうに言ってよろしいかと思います。自衛隊は、外国による侵略に対しましては、我が国を防衛する任務を有するものでありますけれども、交戦権の行使は認めておりません。
このほか憲法各種の厳しい制約下にあります。そういう意味で自衛隊は通常の概念で言う軍隊と異なるというふうに私たちも考えておりますと。
知事、私がお聞きしたいのは、あんたは、政府答弁は二転三転して猫の目のように変わっていますと、こう言っています。昭和29年のあの混乱した時代の憲法論議の中で軍隊と言ったと。これも言ってないんですが、それをよりどころとするんですかと。さらに、いわゆるそれ以後の憲法論議において、どっちをあんたはとっていくのか、これをまずはお答えを願いたいと、こう思っているわけであります。
それから知事訪米に際して、嘉数昇明議員に対しては4項目の要請をしたいと、こう言っていますが、まず4項目の中に安保条約の改変は入っておりません。知事、あなたは米国に行くときには安保条約の改変を訴えたいと、こう言っていますが、この4項目の中に安保条約の改変は入っていません。
知事、まずその点を明確にしていただきたい、こう思います。
以上、まずはしてから再質問いたします。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 伊集盛元議員の御質問にお答えいたします。
まず最初に、全国植樹祭を米須海岸に決めるに当たりましては、先ほど来何度も申し上げておりますように技術的、事務的理由につきましても、これまでの答弁で具体的に申し上げてまいったところでございます。
それから、選挙期間中にいつ米須海岸と言ったのかという御質問につきましては、米須海岸と特定して発言したことはございません。
それから、政治姿勢の関連の問題で、県庁職員の間から組織の命令系統が不明確であるとの不満があるが、これについてどう思うかと。つまり知事が直接課長に会って話をしたりするというのは、どういうことかという趣旨の御質問にお答えいたします。
県の行政組織は、統一性とその円滑な運営を確保するため、知事を頂点として知事の補助機関である副知事や部局長などの一般職の職員が一定の指揮命令系統のもとに秩序整然とした組織体を構成しなければならないことは理解いたしております。また私としましては、直接職員と接し意見を聞く機会を持ったことはありますが、このことが指揮命令系統を乱しているとは考えておりません。
ちなみに、熊本県の細川知事が書かれた「雛の論理」という本、名称は確実に覚えておりませんけれども、その中で、細川知事は非常にすぐれた知事として有名でございますけれども、できるだけ課長や係長クラスと直接に会って話をしたり激励したり、また言いつけたりしているということを表明しております。
それから、政策調整監の具体的な位置づけはどうなっているかという御質問にお答えいたします。
都道府県は、地方自治法第161条、第168条及び第172条の規定により知事の補助機関として副知事及び出納長並びに吏員、その他の職員を置くことになっております。政策調整監は、同法第172条に規定する吏員で、地方公務員法第3条第2項に規定する一般職の職員であります。
なお、政策調整監は、知事の補助機関として沖縄県行政組織規則第249条4の規定により部に属しない職として置いているものであります。
ちなみに、同様な職制については滋賀県、兵庫県、和歌山県などにも設置されております。
それから、政策調整監の特命事項とは何か。また、知事が特命した事項にはこれまで何があったのかという御質問にお答えいたしますと、政策調整監の特命事項とは、主として庁内外との連絡調整や政策調整業務等を行うことであります。また具体的には特命事項として、現在までに全国植樹祭や新石垣空港建設に関する事項等を付与しております。
特命事項は知事だけで決めるのかと。また、いかなる場所で公表するのかという御質問にお答えします。
特命事項については、私が副知事とも相談の上、決定いたします。これについては、必要に応じ関係部局長に連絡しております。
それから、政策調整監には決裁権があるのかという趣旨の御質問にお答えいたしますと、政策調整監には決裁権は付与されておりません。
それから、政策調整監は、政策判断を要する重要施策等の決定に当たって政策アドバイザーとして参与するものではないのかと。また、行政事務はそれぞれ所管部局課でその権限と責任において処理されるべきものと考えるが、どうかと。
御指摘のとおりだと思っております。
それから、知事の職務代理者の順位を教えていただきたいという御質問にお答えいたしますと、知事に事故があるとき、または欠けたときは副知事、総務部長、企画開発部長の順に知事の職務を代理することになっております。
それから、新石垣空港建設行政連絡会議の県代表が吉元政策調整監になった理由を伺いたいという御質問にお答えいたします。
新石垣空港の建設に関する地域住民の合意形成を図るための諸問題について総合調整をし、情報交換の場として活用し、かつその事務の円滑な推進を図るため新石垣空港建設行政連絡会議を設置したものであります。
政策調整監は、知事の政策判断をより迅速、かつ的確に行政施策に反映させるため知事の特命を受けて土木建築部と協力して新石垣空港の建設場所の選定について、住民との合意形成を図るために尽力しているところであります。
御指摘にあります新石垣空港建設行政連絡会議の代表については、これまでの新石垣空港問題についての諸般の事情を考慮した場合、当該事務を進める上において主管の土木建設部のほか企画、農林、環境等各部間にまたがる事項があり、部に属しない政策調整監を県側の代表者にした方が事務の円滑な推進が図られることから、県側の代表を政策調整監としたものでありますので、御理解いただきたいと思います。
それから、上里和美さんが副知事を否決されたとき、政策調整監として採用するといううわさがあるが、それは事実かということでございますが、上里氏については、その識見、行動力等から副知事として適任であるという判断のもとに御提案申し上げているところであり、政策調整監云々については毛頭考えておりません。
基地との関連で、知事は自衛隊が軍隊であると認識しながら……
ちょっとごめんなさい。この質問でよろしいかどうか。これは後ほどまた答弁させていただきます。
ほかの御質問につきましては、お許しを得て部長に答弁させたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(平良一男君) 総務部長。
〔総務部長 新垣勝市君登壇〕
○総務部長(新垣勝市君) 伊集盛元議員の御質問にお答えいたします。
まず、行政組織のあり方についての関連で、秘書の桑高氏はいかなる方法でいつから採用したかという御質問でございます。
現知事秘書は、地方公務員法第3条第2項の規定によりまして一般職の職員として、また、職員の任用に関する規則第28条第1号の規定に基づきまして選考により平成2年12月10日付で採用してございます。
それから、消費税についての御質問にお答えいたします。
消費税廃止による減収分は税等の自己財源で補てんすることとなるが、一般県民に不必要な負担を転嫁することになり、不当ではないかという内容の御質問でございます。
現行の消費税法上、消費者に転嫁することとされているものを転嫁しないことにより、その分、収入が減ることは事実であります。
しかしながら、消費税の有する所得への逆進性の問題を考慮するならば、財政状況等を勘案しながら県の政策判断から、これらの減収を税などで補てんすることもやむを得ないものと考えております。
2点目の、県営住宅への消費税の転嫁を取りやめたことは、民間の住宅家賃との間に格差が生じ、不公平を生まないかという内容の御質問にお答えいたします。
住宅家賃につきましては、政府においても見直しを行う方針であったことは御承知のとおりでございます。
しかしながら、その他の問題から国会において与野党の合意が得られず、結果的に消費税法は現行どおりとなり、引き続き住宅家賃にも消費税が課されることとなっております。
県の今回の公営住宅への消費税の転嫁についての見直しは、以上のような状況を踏まえ、いわば国の見直しを先取りしたものとなっており、その結果、民間家賃との間に格差が生じるのも事実でございます。
これらの問題の解消につきましては、国会の税制問題等両院合同協議会で引き続き協議が行われることとなっておりますので、その協議を見守ってまいりたいと思っております。御理解を賜りたいと思います。
次の消費税に絡む御質問で、県立高校と私立高校との間に格差が生じないか。また、スポーツ施設にも官民格差による影響が生じないか。さらに、助産費についても民間使用者が減少し対策の必要が生じないかという、以上3点の御質問にお答えいたします。
入学金及び助産費につきましても、政府において見直しを行う方針であったことは住宅家賃と同様であります。したがって、入学金及び助産費についても県が見直しを先取りしたものとなるため民間との間に格差が生じることとなりますが、これらの問題の解消についても国の税制問題等両院合同協議会で引き続き協議が行われることとなっておりますので、その協議を見守ってまいりたいと思います。
また、体育施設については、本県の青少年等の文化教育スポーツの振興に寄与する目的で見直しを行ったもので、御理解をお願いします。
なお、元来、県と民間との間には相当な料金格差がありまして、転嫁廃止による影響はさほどないものと理解しております。御理解のほどをお願いしたいと思います。
次に、消費税の転嫁廃止を県が先取りすることによるよい影響と悪い影響はそれぞれ何かという御質問でございます。
消費税の転嫁廃止を県が先取りすることによるよい影響としては、消費税の有する逆進性を緩和することであります。
また、問題点といたしましては御指摘の県財政の収入減が挙げられます。
次の御質問は、県職員の勤務時間等に関する条例について、県はいつから土曜閉庁を実施するかとの趣旨の御質問にお答えいたします。
現行法制度のもとにおいては、慰霊の日の取り扱いの問題があり、土曜閉庁制度の導入は難しい状況にございます。
しかしながら、国において慰霊の日を従来どおり県職員の休日として存続できるよう地方自治法の一部改正に向けて検討しているようであります。
県といたしましては、同法の一部改正があり次第、早い時期に土曜閉庁関係条例を議会に提案してまいりたいと考えております。御理解をお願いいたしたいと思います。
○議長(平良一男君) 企業局長。
〔企業局長 金城祐俊君登壇〕
○企業局長(金城祐俊君) 水道料金に係る消費税についての御質問にお答えいたします。
水道料金に係る消費税の転嫁見直しにつきましては、これまで種々検討を重ねてきたところでありますが、独立採算を基本とする水道会計の財政状況が極めて厳しい現状にあること等から、直ちにこれを見直すことは困難な状況にあります。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後9時 休憩
午後9時1分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) お答えいたします。
自衛隊基地が軍事基地であるということについては、そのとおり申しました。自衛隊は軍隊であると理解していることは既に申し上げたとおりであります。
しかし、かかる認識を行った場合も、私としてはこれをもって直ちに違憲だとか合憲だと判断することはできないと考えております。
繰り返しになりますが、政府も昭和29年12月22日に、防衛庁長官は予算委員会において、自衛隊は、外国からの侵略に対処するという任務を有するが、こういうものを軍隊と言うならば、自衛隊も軍隊ということができる。しかし、かような実力部隊を持つことは憲法に違反するものではないと述べており、他方、昭和56年11月13日、これは伊集議員も指摘されましたように防衛庁防衛局長は、軍隊はいろいろ定義があろうかと思いますが、通常の観念で考えられます軍隊は、外敵と戦いを交えることを任務とし、その活動については交戦権の行使に当たるものというふうに言ってよろしいかと思います。
自衛隊は、外国による侵略に対しまして我が国を防衛する任務を有するものではありますけれども、交戦権の行使は認められておりません。その他、憲法上各種の厳しい制約下にあります。そういう意味では自衛隊を通常の観念で言う軍隊とは異なるというふうに私どもは考えているわけでございますと述べております。
すなわち、政府の統一見解においても、外国からの侵略に対処する任務を有するものを軍隊と言うなら自衛隊も軍隊であると明言し、他方で、交戦権が認められないことや、その他の憲法上各種の厳しい制約下にあることを考えれば、自衛隊は通常の概念で言う軍隊とは異なるとも述べています。
したがって、このような政府の見解でさえ自衛隊は軍隊ではないと一義的に言っているわけではなく、私としても自衛隊は軍隊であると認識することは可能だと考えているわけでございます。
なお、我が国が国家の固有の権利としての自衛権を持つことは否定できないとしても、現存の自衛隊が憲法で禁じている交戦権やその他の制約の規定に合致しているのか違反しているのかという合憲性の問題につきましては、学者、政党間で見解の分かれているところであり、一地方公共団体の長として所見を申し上げるべき立場にはないと考えているのであります。御理解をいただきたいと思います。
○伊集盛元君 議長、休憩してください。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後9時5分休憩
午後9時6分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
総務部長。
〔総務部長 新垣勝市君登壇〕
○総務部長(新垣勝市君) 先ほどの伊集盛元議員の御質間の中で、1点ほど答弁が漏れておりますので、つけ加えさせていただきます。
現在の知事秘書を補佐クラスの特別職秘書として採用した場合の給料月額は幾らになるかという内容の御質問でございます。お答えいたします。
沖縄県特別職の秘書の給与及び旅費に関する条例に基づいて、補佐相当職として採用した場合は、2号給で給料月額が38万3000円となります。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後9時7分休憩
午後9時8分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) どうもお手間をとらせて失礼いたしました。
御質問の今回の訪米目的の際の要望事項の中に安保条約の問題が入ってないではないかという趣旨の御質問がございますが、今回は入れておりません。
しかしながら、私は、日米安保条約により軍事的側面で本県は大きな負担を負わされていることから、同条約を平和友好条約的なものにできないか、率直な気持ちで今後は日米両政府に要望していきたいと思っております。
それから、行政組織のあり方について、知事は、自分がやめるときは秘書も自分と進退をともにすると言っているが、その根拠はというふうに申しておりますが、一般職員の身分については地方公務員法において保障されており、法律に定める理由なくしては免職できないことは御承知のとおりであります。
したがいまして、私が申し上げたのは、その際には当人から辞職願いが出されるものと考えておりますので、御理解いただきたいと存じます。
○伊集盛元君 議長、ちょっと休憩。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後9時10分休憩
午後9時11分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 昭和60年の11月5日に、畑参議院議員の質問に対する政府答弁で、自衛隊は、憲法上必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の制約を課せられており、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるものと考えるという答弁があったことは承知しております。
○議長(平良一男君) 伊集盛元君。
〔伊集盛元君登壇〕
○伊集盛元君 知事、再質問いたします。
特別秘書、私どもの調査では、平成2年12月分が128時間、超勤手当が23万3280円。また、平成3年1月分が139時間、24万8790円となっております。本俸給料を合わせますと、恐らく50万近い給料になるんじゃないかと思います。まず、さきの差というものが大きな問題があるということ。
もう一つは、さっき知事、私と進退をともにしますと。当然みずからやめてくれるだろうと、こういういいかげんな言い方をしていますが、知事、ですからこれは特別職でやるべきじゃないかということを我々は訴えているわけであります。その意思はないかどうか、改めて確認いたします。
それから、安保条約の改変を訪米の際に項目に入れるべきじゃないかと、こう申し上げているのは、あんたは先ほどから、これまでの米国の方々にお会いしたときも、安保条約の改変を訴えてきたところでありますということをお答えしております。ならば一番大事なときに、何で安保条約の改変というものを最初に入れるべきじゃないですか、あなたの姿勢から言えば。入れない理由はどういうことですか、明確にお答えしていただきたい。
もう一点、知事、地方自治体の長が憲法判断という、まずその以前の問題として、自衛隊は軍隊であると。したがって、軍事基地であるということは大変重大な発言なんですよ。今、政府統一見解というのは、いわゆる軍隊じゃありませんというのが政府の統一見解なんです。政府の29年当時の混乱期の時代を、あなたはあえてよりどころにしなければいかぬ背景は一体何ですか。当然、軍隊というものが、知事、軍隊と言った以上は当然憲法判断までしなければいかぬ。その以前の問題ならいざ知らず、もう一度その辺について御答弁をいただきたい。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後9時14分休憩
午後9時15分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 再質問にお答えいたします。
秘書の問題につきまして、給料が超勤手当なんか入れますと大きくなるので、特別秘書の方にした方がよくないかという趣旨の御質問でありますならば、その点は十分にこれから検討させていただきたいと思います。
それから、安保条約の改定を要望事項に入れないのはどうしてかということでございますが、どのような形で訴えた方が最も効果的かということ。この点はおっしゃるとおり非常に重要な問題でございますので、真剣に検討してまいりたい。
私は、まだ就任して2カ月しかなりませんので、4カ年の任期がありますから、その任期期間中にきちっとした形で訴えたいと思っておりますから、そこは御理解いただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 伊集盛元君。
〔伊集盛元君登壇〕
○伊集盛元君 知事、ふざけた答弁をしないでくださいよ。
あなたは今まで、まず日米両政府に安保条約の改変を訴えていきたいと。この定例会で何度も、また自分で言ったじゃないですか。一番いい機会じゃないですか。何でそういうような重要な時期にこの安保条約の改変を訴えないのですか。もう一度答弁してください。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後9時16分休憩
午後9時16分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) この問題につきましては、私が訪米しまして、今答弁しましたものには入っておりませんけれども、訪米しまして、その機会がありましたら率直に訴えてまいります。
○議長(平良一男君) 伊集盛元君。
〔伊集盛元君登壇〕
○伊集盛元君 まさしくこれ以上のふざけた答弁がありますか。
知事、もう一度確認しますよ。知事、あなたはこれまで、まず最初に安保条約の改変を米国に訴えていきたいと、こう言われたんじゃないですか。なぜ項目の中に入ってないんですか、それをまず明確にしてください。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 先ほど申し上げましたとおり、この問題は国の問題も絡んでおりますので、いろんな意味を含めてその妥当性とか、そういう状況の問題とか、これから湾岸戦争の終結の問題とか、国際情勢、もろもろありますので、そういうことも含めまして慎重に検討して機会があるごとに訴えてまいります。
○議長(平良一男君) 嘉数知賢君。
〔嘉数知賢君登壇〕
○嘉数知賢君 質問に入ります前に知事に要望しておきます。
今までのいろんな答弁を聞いておりますと、知事は、いかにしてうまく逃げようかなという感じが私はするんです。
知事は答弁の中で、私は33万の票を持って当選してきたと、胸を張っておっしゃっておられる。だから答弁も胸を張って自分でどんどんやればいいんですよ。
そういう意味で、それだけ要望して質問に入りますが、もう1つ、先ほど知事の答弁がしょっちゅうとまるもんですから、私どもは後ろでこれじゃまるで各駅停車じゃないかと言いましたら、与党の議員団長の一人が、各駅停車ならまだ我慢できる。臨時停車で駅のない所にとまったりばっかりするという不満を与党の皆さんがおっしゃっている。その辺も頭に入れていただきたい。
私は、簡単明瞭にただしますから、知事は懇切丁寧に答弁していただきたい。
じゃ、通告に従いまして質問します。
知事の政治姿勢について。
知事は、公正、公平な行政を行うと常におっしゃっております。
具体的にじゃ平成3年度の予算の中でどのようにそれを措置していくか。また知事は、この公正、公平な行政を本当に行っていると自分で認識しておられるのか、御答弁いただきたい。
それから2番目に、平和な県政を推進するとおっしゃっております。それを具体的に説明してください。本当に平和な県政の運営がされているかどうか、御答弁いただきたい。
次に、全国植樹祭について。
場所を変更した理由を細かに説明していただきたい。
それから2番目に、米須海岸で行うための問題点、これはいっぱいあると思います。より具体的に説明していただきたい。
それから、植樹祭の規模、具体的に説明をしていただきたい。
例えば、これは上げてありますからわかるでしょう。予算規模とか、来てもらう人数とか、植える木の本数とか、あるいはそれをするための作業、客土をしなければいかない、いろいろあるはずなんです。御答弁いただきたい。
それから、我が党の代表質問との関連についてお伺いします。
消費税について。
知事は、消費税は賛成なのか反対なのか、知事の公約との関連についてお伺いします。確認したいと思います。御答弁いただきたい。
それから、平成3年度予算で消費税を転嫁した項目、転嫁しなかった項目、これはありますよね。それぞれ金額も含めて御説明をいただきたい。
それから、しなかったやつがある。しなかったものも、その理由を説明していただきたい。
それから、新石垣空港について。
一連の知事あるいは皆さんの答弁を聞いていると、どうも新石垣空港の候補地5カ所挙げて一連のそれをやっておりますけれども、一連の答弁を聞いていますとカラ岳東ではだめだと、だから別の所をやるんだというように私には受けとれた、そのあたり、御見解いただきたい。
それから、八重山の住民に候補地を5カ所挙げて提示をしてあります。その真意は何なのか、御説明いただきたい。
それから、行政連絡会議を発足させて、そこで検討しているという答弁をしておりますけれども、その行政連絡会議の性格、単たる審議会なのか、そこが意思決定機関なのか。そこで決定されたら、知事はそれに従ってそれを進めるのか、御答弁をいただきたい。
別にも通告してありますが、それは削除しますので、明快な御答弁をいただきたい。
答弁によって再質問をします。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 嘉数知賢議員の御質問にお答えいたします。
知事は、公正、公平に行政を行っていると思いますかという御質問でございますが、私の言う公正、公平な行政とは、お年寄りや障害を持つ方々など社会的にも経済的にも弱い立場にある人たちが、安心して日常生活ができるような地域社会づくりを施策の中で積極的に推進していくことだと考えており、今後とも公正、公平で心豊かな文化県政を実現させ、21世紀に向けた新しい沖縄をつくっていきたいと思っております。今、公正、公平な行政をするために一生懸命努力しているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
それから、平和な県政を推進するとのことだが、具体的に説明してほしいという御質問にお答えいたします。
我が県は、さきの大戦で10数万に及ぶ県民の命を犠牲にしました。したがっていかなる意味でも戦争を避け平和を希求する心は、我が120万県民に共有のものだと言えます。そのため、国際平和に貢献する県政の確立を目指し、沖縄戦の体験を初め27カ年に及ぶ被軍政下の体験など県民の貴重な経験を活用して積極的な平和行政を推進し、我が沖縄を戦争の悲惨さに思いをいたし、平和への決意を新たにする地にしたいと考えております。
それから、消費税の問題で賛成か反対か、選挙公約の確認をしたいという趣旨の御質問にお答えいたしますと、消費税については逆進性の要素が強く国民の間からも批判があり、国会においてもその欠陥が与野党いずれからも指摘されている現行消費税については私は反対であり、国会において廃止を含めた議論がなされることを期待するものであります。御理解をいただきたいと思います。
なお、ほかの質問につきましてはお許しを得て部長たちに答弁させていただきますので、お願いします。
○議長(平良一男君) 総務部長。
〔総務部長 新垣勝市君登壇〕
○総務部長(新垣勝市君) 嘉数知賢議員の御質問にお答えいたします。
まず第1点は、公正、公平な行政を行うとのこと、具体的に平成3年度予算にどのように措置してあるかという内容の御質問でございます。
平成3年度予算編成に当たりましては、県経済に資する財政需要に配意し、財源の重点的、効率的配分を図り、節度ある財政運営を行うことを基本といたしております。
なお、社会的にも経済的にも弱い立場にある人たちが、安心して日常生活ができるような地域社会づくりを進めるため、重度身体障害者医療助成費、身体障害者ガイドマップの作成、痴呆性老人実態調査、法人立特別養護老人ホーム整備に対する助成、女性の生活実態と意識調査等の県単独事業の新規事業を措置いたしております。
次に、消費税との関連での御質問で、平成3年度予算で消費税を転嫁した項目、しなかった項目、それぞれの個々の金額は幾らかという御質問にお答えいたします。
今回、消費税の転嫁を廃止いたしましたのは、一般会計で1億1223万6000円でございます。その内訳は、県営住宅使用料が1億867万1000円、高等学校及び県立芸術大学の入学金273万9000円、文化教育体育施設の使用料が82万6000円となっております。
また、病院事業会計で助産費589万1000円となっておりまして、合計いたしまして1億1812万7000円となっております。
消費税の転嫁を廃止しなかったのは、一般会計で5687万5000円で、その主な項目は空港使用料、砂利・砂売り払い代及び建物貸付料などであります。
特別会計は、1億2498万2000円で、その主な項目は下水道事業負担金及び下地島空港使用料などでございます。
企業会計は、3億7755万9000円で、その主な項目は給水収益、入院収益及び外来収益等であります。
以上の合計は5億5941万6000円でございます。
次の質問の、何ゆえ転嫁するのとしないのとがあるのか、その理由について御説明いたします。
今回の消費税の転嫁見直しにつきましては、1つ目には、現行消費税の持つ逆進性を緩和する観点から、国会の税制問題等両院合同協議会で非課税範囲とすることに異論のなかったもののうち公営住宅家賃、高等学校及び県立芸術大学の入学金並びに助産費を対象といたしております。
2番目には、本県の青少年等の文化教育スポーツの振興に寄与する目的から、文化教育体育施設を対象といたしました。
その他のものにつきましては、消費税の取り扱いについて現在、国会の税制問題等両院合同協議会で引き続き協議が行われておりますので、その協議を見守りながら今後対応してまいりたいと思います。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 新石垣空港について。
新石垣空港の候補地を5カ所挙げて一連の答弁を聞いているとカラ岳東の場所ではだめだと聞き取れるが、そのとおりかとの質問にお答えいたします。
新石垣空港の建設につきましては、現在、カラ岳東側海上案を含む5力所の候補地の中から、改めて合意形成が図られるよう新石垣空港建設行政連絡会議の設置をするとともに、石垣市民に対してリーフレットの配布を行っているところであります。
今後は、連絡会議を通して積極的に地域説明会等合意形成に有効な方法を実施して、合意形成を図った上で新空港の建設場所を決定する予定であり、現段階でカラ岳案を否定するものではありません。
次に、住民に候補地5カ所を提示しているが、その真意は何かとの質問にお答えいたします。
新石垣空港の建設をカラ岳東側海上で進めることにつきましては、地元市及び町、関係集落、関係権利者等多くの八重山地域住民の合意形成をほぼ得てきたと認識しております。
しかしながら、カラ岳東側海上案で進めることにつきましては、現実に幾つかの問題があり、容易に推進できない状況にあります。そのため同事業を早期に推進するためには、いま一度地域住民間で十分な論議をしていただきまして、円滑な事業推進ができる建設位置につきまして合意形成を図る必要があるとの認識で現在、諸作業を鋭意続けているところでございます。
したがいまして、今後も県としましては、地元石垣市等と十分な連携を保持しつつ、行政連絡会議を通して積極的に地域説明会等も開催し、できるだけ早い時期に地域住民の合意形成が得られるように努力してまいる所存でございます。
次に、行政連絡会議は単なる審議機関なのか、また意思決定機関なのかとの質問にお答えいたします。
新石垣空港の建設に関する地域住民の合意形成を図るための諸問題について総合調整をし情報交換の場として活用し、かつその事務の円滑な推進を図るため新石垣空港建設行政連絡会議を設置したものであり、行政の意思を決定するための機関とは異なります。
新石垣空港の建設場所の選定に当たりましては、地元との合意形成を図った上で、所管である当土木建築部の起案により知事が最終的に決定を行うものであります。
○議長(平良一男君) 農林水産部長。
〔農林水産部長 山城正栄君登壇〕
○農林水産部長(山城正栄君) 全国植樹祭に関連いたしまして3点ほど御質問がございましたので、お答え申し上げます。
まず、1点目の場所を変更した理由でございますが、名護市の北明治山につきましては、学識者や県民、市民団体及びマスコミ等から、約1万本の樹木を伐採して植樹祭を行うのは本末転倒であるとの御批判があり、また経費がかかり過ぎる等の問題提起がなされました。このことは、平成2年11月17日付の琉球新報に掲載された世論調査の結果においても植樹祭に対する反対41.2%、賛成32.7%となっており、反対理由として森林伐採と経費のかかり過ぎが圧倒的に多いとしております。
また、植樹祭については、去る県知事選挙の争点ともなったことは御承知のとおりであります。
県といたしましては、このような状況等を踏まえ、北明治山を前提にあらゆる角度から検討してまいりましたが、3.8ヘクタールから2ヘクタールに規模を縮小してもなお5000本から6000本の木を伐採せざるを得ず、自然保護の立場から北明治山での開催を断念し、糸満市米須海岸に会場地を変更したわけでございます。
2点目に、米須海岸で行うための問題点を説明せよということでございますが、糸満市米須一帯は御承知のとおり海岸に近く、琉球石灰岩を母材とした土壌層の薄い自然環境の厳しい地域でありますので、会場造成に当たりましては客土を行い、育林環境の整備を図っていく考えであります。
また、植樹祭で参加者全員が植樹した樹木につきましては、潮害、風害等から守るため防風林の造成及び防風、防潮ネット等を設置いたしまして育林管理に万全を期したいと考えております。
3点目でございますが、植樹祭の規模を、予算規模、参加人員、樹種及び植樹本数、客土の規模等について説明せよということでございますので、各項目について御説明申し上げます。
まず、予算規模でございますが、全国植樹祭開催準備経費につきましては概算で総額約14億6000万円を見込んでおります。
その内容といたしましては、準備室の運営、それから式典運営及び会場造成、進入道路整備等の直接事業費として約11億円、全国林業後継者大会、緑の少年団大会、記念の森整備事業等の間接事業費として約1億3000万円、行幸啓等の関連事業費として約2億3000万円程度を予定しております。
参加人員につきましては、約5000名程度を予定いたしております。
樹種及び植樹本数についてですが、植樹祭の植樹行事におけるお手植え樹種につきましては、天皇陛下がリュウキュウマツ、皇后陛下がフクギとなっており、また参加者全員が植える樹種はリュウキュウマツ、フクギを中心に数種類の樹種を5000本程度植える予定でございます。
客土の規模についてでございますが、会場候補地の表土はおおむね30センチメートルから50センチメートルでございますので、植樹した樹木が健全に育成するには客土が必要であります。したがって会場の造成に当たっては、露出岩等を取り除き、約3万立方メートルの客土を予定いたしております。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 嘉数知賢君。
〔嘉数知賢君登壇〕
○嘉数知賢君 再質問をします。
私の再質問、北部の怒りと怨念がとりついておりますから、そのつもりできちっとした答弁をしていただきたいと思います。
知事、平和的な行政を行うという。
平和というのは、私は、平和を保つためには何かと。一番大事なのは相互信頼だと思うんです。相互に信頼がなければどうにもならぬ。
例えば、夫婦の間で、夫婦間が疑心暗鬼で信頼がなければ別居するか離婚するしかない。それから子供は、親を信用できない、非行に走る、暴力団の手伝いをするか、社会不安となるか、どっちかしかない。
国民と政府がいがみ合ったら革命しかない、内乱しかない。
国と国がいがみ合ったら、信頼感がなくなったら戦争しかない。
そういう意味で、これは一番信頼関係を大事にしなければならないと私は思っております。
しかし知事が今回、全国植樹祭にとった手法、いたずらに皆言われた、南北戦争と言われた。湾岸戦争じゃない、南北戦争と言われた。表現されたんです、これは。
知事は、せっかく庁議で決定されたことを、私は選挙に勝ったから、見直しますと。北部のいわゆる行政の継続性をまるっきり無視した。しかも北部に、その当事者に何の説明もしない。初めから米須海岸ありきと。そのために何が起こったかと。しかも私ども北部の振興会は、知事に再三会うように日程調整させた。知事は忙しいと日程がとれなかった。逃げ回った。会う意思があれば、万難を排して会えるはずです。夜の10時だ11時だろうが、どうにでもなるはずなんです。それを逃げ回っている。
その結果、北部の皆さんは、知事に対して物すごい不信を抱いている。一体知事は、北部を何と心得ているか、そういうことなんです。
それは、一番大事なあなたが平和、平和と言うけれども、うたい文句にしかなっていない。信頼というきずなをたたき切ってしまった。あなたは木を切らなかったけれども、人間の信頼、人間をたたき切ってしまった。それであなたは、本当に行政ができると思っているんですか。
そういう意味で、私は知事、平和的な行政というのはどういうことなのかと質問したんです。
しかも、新石垣空港にしてもそうでしょう。5カ所も候補地を挙げてあそこも反対、ここも反対、住民をみんな反対させている。そこでも社会不安が出ているじゃないですか。
知事の行くところ、やること、平和ありきじゃなくて戦争ありき、混乱ありきじゃないですか。
そういう意味で、これからもこういう行政をしていくんですかと、平和とは何ぞや、それをまずお答えいただきたい。
それから、私は、自然保護はこれは大事だと思うんですよ。これは反対する人はいません。これは植樹祭についてなんです。
自然保護されなければいけない。先ほどの答弁にしても、自然保護の立場から変更したということですよ、そうだね。
そうすると、木を切ることが自然破壊になるからと。私は、木を切って木を植えることも、私も県の森林審議委を2期やっておりましたが、県の森林行政に深くかかわった一人なんです。
木を植えなければ、木を切らなければ、森林行政というのはそういうことでやっていかなければ、なりわいが立たない。将来に備えて、今必要な木は切ったら、そこに植えて将来に備えている。
そういう意味では、木を切るのがおかしいというのは、私は決して納得できないんですが、その議論は避けまして、あなたは、自然破壊をするといって、私どもがちょうど2月21日に知事室に北部振興会がみんな集まった。抗議に行った。覚えておられますか。
そのときに、なぜ北部明治山ではだめなのかとお伺いしたら、いろいろありました。その中で、私はどうしても理解できない発言を聞いた。それは何かと言いましたら、私は、北部明治山でやろうと検討もしましたと。検討した。しかし規模を縮小しても5000本ないし6000本切らなければいかぬとか、そういうことでそこでもしそのままやるならば、皆さんに、いいですか、皆さんに汚名を着せることになると、そして悔いを残すことになるという発言をやっているんですよ。
一体、明治山で5000本の木を切ってそこで植樹祭をして、将来の子供たちに本当に森林意識の涵養が必要なら、あそこに森をつくってすばらしい環境をつくろうということが、そういう発想で私どもはお願いするのに、なぜそれが汚名を着せることになるのか、悔いを残すことになるのか、きちっと発言しているんです。
これは、あなたは言って後は忘れたかもしらぬが、私はちょうど真っ正面に座っていて、あのときに、あなたがそういう発言をしたときに、何、汚名を着せる、ばかなことを言うなといったら、あなたは、キイーと私のところをにらんだ。だから覚えているはずです。そういう場面。そのときに立ち会ったのは崎浜秀三議員も、それから喜久山議員も、安神議員もいたんです。
私は、言い違いしたのかと思ったんです。ですから、その件についてきちっとした説明をしていただきたい。
それから私は、そのときにもう一つ発言をしたんです。
いろいろ抗議しましたね。そのときに知事がたしか、いわゆる米須海岸では、過去復帰記念としてやったと。あのときに英霊にちゃんと報告をして、平和が来ましたと、やっと復帰もしましたと、屋良県政時代にちゃんとやったんだと。またそこで同じことをやるんですかというような質問があったんです。
そういうことをいろいろやったときに、あなたが答弁したことは、覚えておられるかどうかわかりませんが、腹を打ち割って話をしましょうと。植樹祭というのは、一過性のものだと。一過性ですよ。お祭りだという意味でしょう、恐らく。あなた方はそれをやりたいんじゃなくて、それに附帯するいろんな工事が欲しいんでしょうと、事業が欲しいんでしょうと、だから私は、各部局、ちょうどその朝の新聞に出ていましたよ。
また各部局に、北部で名護でできる事業を検討しなさいと言っております。そのときに集まった皆さんの反応は何だったか。またアメを上げて頭をなでて、ワッター、フリムンディル、ウムトールイ。そうすると私ども、抗議に行った。おれは知事、おれが決定したんだ、あなた方、欲しければ何か物をやるから欲しいのを言えと。こじき扱いじゃないですか。我々、物もらいに行ったんじゃないんですよ。住民をそういう形で見られたら困るんです。
あなたは33万票の支持を得たかもしらぬが、当選したら全体の知事なんです。北部だけ、何でそんなにやるか。べっ視しなければいかぬのですか。
しかも、先ほど私は質問しました、石垣空港の問題で。石垣空港は、合意形成をやるためにいろいろなことをやった。7月にタイムリミットがあったときに。
北部には、一切何もしなかった。それも御答弁をいただきたい。
それから、私は1つだけ。
知事は、5000本の木を切ることによって自然破壊だと、将来に悔いを残すと。汚名を着せるというのであれば、自然保護からすると、今、県が、あるいは国と一緒になって整備をしようとしている北部ダム群、西部河川を初め大保ダム、羽地大川ダム、あれはどうなるんですか。
例えば、羽地大川ダムに例をとりましょうか。羽地大川ダムは貯水面積約115ヘクタール。およそ120万平米ございます、水没するのが。そこに生えている木、私の知識で集めた情報によりますと大体1ヘクタール、林業的な考え方をすると大体、1ヘクタール6000本なんです。しかし自然保護的な考え方からすると、およそ3倍から4倍ぐらいになる。その本数は幾らになるか。およそ240万本ぐらい。しかもそこには、天然記念物であるヘゴとか、あるいは野生のエビノランとか、野生のナゴランとか、あるいはまたいろんな昆虫、いろんな小動物、植物がいっぱいしているんです。
そこを埋めて水に沈めて、永久にこれは復元できないんです。植えることは何もできない。それはいいんだというんですかと。北部は絶対許可しないと言っている。
あなたは、マスコミで反対があったから木を切るのはおかしいというならば、自然保護団体が騒いだら、私どもが反対したら、絶対つくらないということですか。
大保は喜んでいますよ。よし、これで堂々と真っ正面から反対できると。
人間というのは、自然を巧みに利用しながら、巧みに共存しながら生きなければいけない。そうすると、あなたのやり方じゃ、もう何もできないじゃない。やるつもりなんですか。恐らくできぬでしょう。どうするんですか、御答弁いただきたい。
それから、消費税についてお伺いしました。
あなたは消費税は反対だと。私は賛成だ。しかしながら、消費税は払わないで済むなら払わない方がいいんです。だれか肩代わりして払ってくれたら、そんなありがたいことはない。私も払いたくないんです。税金なんてみんなそうだと思うんですよ。ただ、義務として必要だから払うんです。
ですから、あなた今回、私は問題にしているのは、転嫁しなかったことを問題にしているんじゃないんです。転嫁しないのは結構。しかし私の目から見たら、知事はマーサムンジョーグー。スタンスだけ、格好いいところばかりとってかすは残している。しかし、実際にはそのかすが大変なんですよ。
なぜならば、消費税、今、知事がやっているのは、県営住宅に住んでいる人たち、あるいは県の施設でお産する人たち、ごく限られた人間。県営住宅に住んでいる人、全体の6%ぐらいしかいないと答弁しているじゃないですか。公正、公平な政治をするというんであれば、これでは困るんじゃないですか。今のやり方からすると、官尊民卑なんですよ。各個人の住宅、アパートに住んでいる人たち、これは圧倒的に数が多いんです。
だから、先ほど答弁で、政府の政策の先取りをしたと言っている。先取りしたんであれば、徹底して先取りしなさい、どうするか。
あの県営住宅以外に住んでいる人たち、あの人たちに何らかの助成をして消費税分を全部上げればいいんです。それはできるでしょうが。それはあなたの決断でできるんだ。そうして初めて公正、公平であり、政策の先取りなんです。そのときは胸を張って、私は政策の先取りをしましたと堂々言ってくださいよ。今は、単なるスタンスだけじゃないですか。御答弁いただきたい。あと、また質問します。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後9時53分休憩
午後9時54分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 嘉数知賢議員の再質問にお答えいたします。
知事の平和行政とはと、植樹祭問題で北部の人々を怒らせているじゃないか、それは平和な行政じゃないじゃないかとおっしゃいますが、信頼をなくしていると言っておりますけれども、先ほど来るる御説明申し上げておりますように、琉球新報の世論調査なんかによりましても、1万本余りの木を伐採しての植樹祭は本来の趣旨に反するのではないかと。それから経費がかかり過ぎるのではないかという、そういった批判がありまして、それで見直しをするということをお約束いたしまして、正式に庁議の中でいろいろとお諮りをして決定したわけでございます。
今おっしゃるように、ある決定をした場合に北部の人を怒らせてこれでは平和行政じゃないじゃないかとおっしゃいますけれども、それをもし明治山で木を切って実施したとしたら、今度は木を切ってやることに反対している人たちは怒るわけなんです。
ですから、そういった意味で県の総体としての行政をする場合には、何が県の利益になるかということを真剣に考えなければならないわけでありまして、その意味で県の総体としての利益を考える立場から南部の方へやったわけでございまして、この間も御説明申し上げましたように、何とか規模を縮小して北部でできないかということを事務の方とも何度も検討いたしまして、そしてこの間も申し上げましたように規模を3.8ヘクタールから2ヘクタールまで縮小した場合にどうなるのかということも検討して、そして2ヘクタールに縮小してもなお5000本、6000本の木を切らなければいけないという、そういう判断がありましたものですから、それでは移すしかないというわけで判断したわけでございます。
それから、汚名を残すということの問題につきましてお答えしますならば、今、自然保護問題というのは世界的な規模で問題にされておりまして、そういった意味で私のところへたくさんの投書が全国から来ております。それは、ぜひとも自然を残してほしいということがあります。
それでそういった意味で、もしこれを1万本の木を切ってやるとした場合に、名護の人たちはそんなに自然を大事にしないのかという形で、そういう形で言われるのを恐れるということで申し上げたわけでございまして、そういった意味で申し上げたわけでございます。(発言する者多し)
それから、石垣では合意形成をよくしているが、なぜ北部ではしないのかということにつきましては、先ほど来事務当局から何度も御説明がありましたように、森林審議会の決定がありましてその3カ所が挙がっていて、それで今さき申し上げましたような理由から自然をもっと大事にすると同時に、沖縄らしい植樹祭にするにはどうしたらいいかということとか、そういうことも考えましてそれで決定したわけでございますが、御承知のように物理的な制約もありまして、時間の制約もありまして、おっしゃるように石垣と比較できるような形の合意形成は不可能だったことは、こ
れは申しわけないと思っておりますけれども、誠心誠意合意形成に努めたつもりでございます。
それから、消費税の問題につきましては、これはでき得れば消費税は全廃したいと考えておりますけれども、しかし現実にはいろいろと問題がございますので、これを一歩といたしまして、なお国の審議の行方を慎重に見きわめながら対処したいと申し上げているわけでございます。
それから、ダム等の工事はどうなるかという問題でございますけれども、問題の本質が例えば自然を残してできる代案があるとすれば、可能な限り自然は残したいと。
それから、人間と自然の調和ということは、このダムの問題で非常に重要な問題でございますから、それは可能な限り自然を残しながら調和を図ってやっていきたいということでございます。
○嘉数知賢君 ちょっと休憩してください。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後10時休憩
午後10時再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) ただいま申し上げましたように、いろいろなプロジェクトの中にはすべての人が一致できるような形のものがない場合が多うございます。
したがいまして、私はこのプロジェクトを推進するに当たりましては可能な限り合意を取りつけてやりますが、今後ともそういう気持ちには全く変わりはありません。
それから、なおついでに申し上げますと、先ほどどうしても五、六千本の木を切らなくちゃやれないということを申し上げましたけれども、そのときにも、決してこれは名護を見捨てるとか、名護のことは考えないということではなくて、それに変わるものとしてぜひとも間接的な事業を配置することによってその埋め合わせはしましょうということを部内でも具体的に検討しているところでございますから、どうかそこは御理解をいただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 嘉数知賢君
〔嘉数知賢君登壇〕
○嘉数知賢君 知事、私は、かわりの事業をやっていますなんて言っているから、何でそんなに初めから私どもを物もらいに来たような格好で扱うのか、こんなやり方があるかと言っているんですよ。別のをやれとも言っていないんです。
それから、自然保護という観点。あなたは反対がどこかであったから、名護の明治山で反対があったから。ダムをつくるのは猛烈に反対であります、これ。そしてもうやれない。
これは次元は違うというけれども、何十万平方メートルの自然が死んでしまう。木もなくなる。何百年たって復元できないような状態になるんです。
いいですか、それが5000本切って汚名を残すんであれば、あれを私ども一生涯子供や孫まで汚名をかぶって歩かなければいけない。ならば、我々は反対しますよと。あなた、それで行政できる
かと、それに対して答弁をしてくださいと言っているんですよ。
それから、自然破壊といいますが、部長、あなた簡単に30センチか40センチあって糸満は、客土をすると言っていますが、2ヘクタールある中であれだけ簡単に客土するだけで済むと思うんですか。
今、ギンネムがいっぱい生えているんだ、あそこは。ギンネムの根っこが30センチか40センチ地面に張っているんです。そこを会場にするためには、そこに生えている草一本残さず、根こそぎに全部やらなきゃいけない。そうでしょう。根こそぎやらなきゃいけない。掘っていかなければいけない。これは自然破壊じゃないですか。
岩盤も崩すだけじゃない、根こそぎ生えている木から、虫から全部根こそぎ殺して持っていくんです。そして土を取る、その土を取る場所も土がなくなる、自然破壊じゃないかと。だから、どうにもならなくなりますよと。
言いわけなら言いわけでいいですから、もっとちゃんとした答弁をしてください。
何で、しかも自然破壊、あなたは簡単なことを言うけれども、自然破壊はどこでもあるんですよ。御答弁いただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) もう繰り返し申し上げておりますように、人間生活を営む場合に自然破壊の問題、開発の問題と人間の文明の問題というものは、調和をとるのに非常に難しゅうございますけれども、例えば今お話がありましたようにギンネムと、それから北部の北明治山の1万本余りの樹木というものとは違うと思います。ですから、そういった意味で、なぜ決定したかということにつきましてはもう先ほど来申し上げているとおりでございますので、御理解いただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 嘉数知賢君。
〔嘉数知賢君登壇〕
○嘉数知賢君 私は、なぜ変えたかと言っているんじゃないですよ。自然破壊とは何ぞやと。ちゃんとした定義をしなきゃ、これからあなた、行政はできないんだと。大事なことなんですよ、これは。(発言する者あり) ちょっと休憩してください。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後10時6分休憩
午後10時6分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
○嘉数知賢君 だから、これはダムに完全に消えてなくなったらどうするかと。自然破壊、自然保護という概念をあなたはぴしゃっと決めてください。答弁してください。場所の話はしていない。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 自然破壊の概念と申しましても、いろいろ人によって定義は違うと思いますけれども、私が申し上げているのは比較の問題もございます。
それから、先ほどもお話がございましたように森林法、森林の育て方というものについては、日本は──日本経済新聞の記事だったと記憶しておりますが──従来、ドイツの方式を用いていたと。それは木を切って植えるというのが森林法だったけれども、最近はそれが変わってきて、木を切らない方向に変わってきているというのが出ております。
そのように自然破壊の問題は、今地球的な規模で問題になっていることは嘉数議員も御理解しているとおりだと思いますので、私は、この自然破壊の中身と、それから人間生活との必然性の問題を調和させていくのが大事だというふうに考えております。
○議長(平良一男君) 西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
○西銘恒三郎君 一般質問を行います。
岩手県の西部県境、奥羽山脈を境として秋田県と隣接する高原性の盆地に沢内村という山村があります。
上野駅より東北新幹線で3時間、詩情あふれる北上川の流れる北上の町、そこで北上線に乗りかえ秋田県側に向かって1時間、山を越えていくと陸中川尻という小さな駅に到着します。湯本温泉、湯煙の町、そこからバスでさらに約30分、老人医療費の無料化を実施している沢内村に到着します。
人口4600名、うち70歳以上842名、13.95%、65歳以上932名、20.26%、60歳以上1344名、29.21%という人口構成になっております。
世帯数1100、ほとんどが農林業に従事している寒村であります。
岩手県下62市町村の中でも特別豪雪地帯で、2メートルないし3メートル、多いときには4メートルもの雪が降り積もります。
昭和30年代の沢内村は、1、余りにも雪が多すぎる、2、余りにも貧困である、3、余りにも病人が多いという大きなハンディキャップを背負っていました。これらの三重苦に対して、村長を中心に住民参加のもと、試行錯誤を繰り返しながら1つずつ解決策に取り組んでいくのです。
昭和35年12月には、早くも65歳以上の老人に対し、医療費の自己負担分を給付する10割給付、いわゆる老人医療費の無料化を実施、翌昭和36年4月には年齢をさらに引き下げて60歳以上の老人を対象に老人医療費の無料化を実施、現在に至っております。これを契機に、昭和48年に老人医療費の無料化が全国で実施をされたのであります。
その後昭和58年には、いわゆる老人保健法の施行で一部患者負担金が導入され、10年間で老人医療費の無料化は全国的には廃止になるわけですが、沢内村の平成2年度一般会計当初予算は22億1000万円、うち自主財源が15.9%、さらに約60%を地方交付税が占めております。3割自治ならぬ1割5分ちょっとの自治であります。
平成元年度の沢内村における老人医療費の総額が2億5300万円、そして老人医療費の無料化のために10割給付分として1657万8000円を一般財源より補てんしているそうです。
この村の特筆すべきは、役場内に健康管理課を設置し、村立病院と連携しながら住民の健康台帳を作成、健康増進、予防、早期発見、早期治療、リハビリに至るまで一貫した保健医療体制でさまざまな事業が実施されていることであります。
その効果は、老人医療費の1人当たりの年額で35万3124円──昭和63年度であります──となり、岩手県平均の53万1759円を18万円も下回り、県下62市町村でも60位に位置する低額となっております。
岩手県沢内村の老人医療費の無料化制度の背景には、村の歴史的な事情もあり、またさまざまな保健活動や施策が展開される中、昭和35年から実施されてきているのであります。
役場の担当者との面談を通して感じましたことは、なかなか担当者ですから財政的に厳しいというのは表立って言わないわけですけれども、今後、患者の一部負担金の上昇や高齢化社会の到来、そして村自体が農林業中心の村であるために税収の伸びは期待できないなど、一般財源からの補てんが今後ふえていかないかといった財政的な面で心配をしていることが、ひしひしと感じられました。
そこで、知事にお伺いします。
岩手県沢内村の老人医療費の無料化制度に見られるように、老人医療費の無料化という言葉を使う場合、患者の一部負担金を公費で負担する制度のことを言うのですが、知事の言う老人医療費の無料化とは、今議会でたびたび知事の答弁を聞いておりますが、医療福祉の助成金制度のことを言っているのでしょうか、まず第1点お伺いをしたいと思います。
第2点、知事は老人医療費の無料化を国に要請していくということを議会で述べておりますけれども、果たして沖縄県以外で老人医療費の無料化を国に要請している県がありますでしょうか、お伺いをしたいと思います。
第3点、昭和63年度で県平均1人当たりの老人医療費は幾らになっていますか。これは先ほどの岩手県沢内村との比較をする意味であります。
第4点、同じく昭和63年度で県下53市町村で一番低い1人当たりの老人医療費は幾らでしょうか。
第5、全国59市町村で老人医療費の助成制度を含めてさまざまな制度がとられているという答弁を去る12月の議会で承っておりますけれども、それぞれの地域で、それなりの背景があってなされている制度かと思料されます。老健法施行以前から行われていると思うがどうでしょうか、お伺いをしたいと思います。
次に、知事の政治姿勢についてお伺いをします。
その前に、非武装中立論の質問と米海兵隊のグアム島撤退論等の質問が知事のところに来ているかと思いますが、取り下げをしたいと思います。
知事の発言で、事大主義についてお伺いしたいと思います。
知事は、昨日の我が党上原賢一議員の質問に対する答弁の中で、県民性について1609年の島津侵入以後の県民性をとらえて事大主義的であると断定し、さらには島津侵入以前の大航海時代の県民性は、万国津梁の鐘に見られるような進取の気風に富み、誇り高き県民像を理解している旨の発言がありました。
この知事御自身の歴史に対する認識の仕方そのものに私は疑問を感じております。ある時代をとらえて県民は事大主義的であると論じ、また別のある時代をとらえては進取の気風に富む県民性と断じているからであります。
琉球民族有史以来、歴史は1609年以前からずうっと営々と続いているわけであります。1日1日の歴史の積み重ねで今日、今現在の沖縄県民の県民性が形づくられてきたわけであるから、この県民を代表する選良たちの集ら本会議場で、沖縄県民は事大主義的であるとのたまうべきではないと思うのであります。
知事御自身のこのような歴史認識、すなわち歴史の非常に限定された時代区分をとらえて県民性全体像を論ずるような歴史学問の手法は、非常に危険な陥穽に陥る可能性大であると思います。
私は、歴史学の学者ではありませんけれども、期せずして知事御自身のこのような姿勢が、例えば日米安保条約の経済的、文化的側面は評価をするけれども、軍事的側面は否定をするという答弁になったり、自衛隊の民生部門の活動は評価をするが、軍事的側面は否定をするというような細切れ専門的な答弁になって今議会が大荒れに荒れた原因をつくったのではないかと思うわけであります。
もう10年以上も前のことでありますが、私のゼミの教授がヨーロッパ経済史の専門の教授でありましたが、学問が余りに専門化し過ぎて、最近の研究家はある非常に限定された時代区分を深く掘り下げ、その時代に関する専門家になってしまって、どうも全体像がとらえられていないような気がするという旨の発言をしていたことを思い出しました。
知事、この本会議場には喜納昌春議員、上原賢一議員、私と戦後生まれの議員もおります。
また、県内の少年少女たちのことを思うと、沖縄県の顔とも言うべき県知事の口から、県民は事大主義的であるという発言は聞きたくないのであります。
これは感情も入りまじっておりますが、人間は理性もあれば感情もありますので、どうぞ県民は事大主義的であるという旨の発言を今議会で修正するなり、何なりとやっていただけないでしょうか。未来を担う少年少女たちのためにも心からお願いを申し上げたいと思います。知事の御所見を賜りたいと思います。
次に、知事の平和行政とのかかわりで第32軍司令部ごうについてお伺いをいたします。
守礼の門近くの地下駐車場建設現場で、第32軍司令部ごうとおぼしき横穴が掘り出されたという情報がありますが、どうなっているのかお伺いしたいと思います。これは、まだ確認されておりませんのでお伺いをしておきたいと思います。
また、この司令部ごうを調査し、豊見城村在の海軍ごうのように県民に公開してはどうでしょうか。琉球王朝文化の首里城と現代史、第2次世界大戦の司令部ごうとのコントラストになりますが、お伺いをしたいと思います。
次に、同じく政治姿勢で消費税についてお伺いをしたいと思います。
水道料金に係る質問とそのほかの2つぐらい消費税の質問があったと思いますが、それを取り下げて1つに絞りたいと思います。知事、よく聞いていただきたいと思います。
消費税は、国の歳入として6兆円近くの金額があるかと思います。この6兆円近い国の歳入としての消費税が地方公共団体へ配分される性格を有しております。この国の歳入としての消費税のうち沖縄県へ配分される消費譲与税の金額と地方交付税への算入分の金額はそれぞれ幾らになっておりますか、お伺いしたいと思います。
次に、東西センターの奨学金について伺います。
県人材育成財団による県費留学生の募集状況は希望者が多く難関だと聞いております。そのほかにも基地内大学への就学も狭き門のようであります。時代がますます国際化していく中で英語圏の国々で学ぶという需要がますます増大していくものと思われます。限られた定数の人材育成財団の試験に合格できなかった場合でも、英語の能力のかなり高い生徒が数多くいると聞いております。
ハワイに東西センターという教育機関があります。知事御自身もそこで研究した経験がおありかと思いますが、1960年、米国国会によって設立された教育機関です。その役割は、アジア太平洋の国々と合衆国との相互理解を促進していこうというものでありますけれども、調べてみますと県内でもたくさんのOBの方々がおります。270名余りのOBの方がおりますけれども、そのほとんどが復帰前に学んでおります。復帰後はわずか十四、五名。
この奨学金には修士課程で2年間、博士課程で4年間、寮に入りますと、家賃は別にして月々488ドルぐらいの支給があると聞いております。年に100人の新入生を迎え入れているそうです。この東西センターの奨学金制度の募集事務を、ぜひ人材育成財団の中に窓口として開いていただきたいと思うのです。そうすることによって県内の多くの若者たちが英語圏で学ぶ機会をふやしていけるのではないかと思うからであります。知事の御所見を賜りたいと思います。
次に、海浜条例の件でお伺いします。
新年度予算の中に海浜利用状況及び利用計画策定調査という調査費が計上されておりますが、その金額とどのような調査を実施するのか、お伺いをしたいと思います。
ハワイのホノルル市では年間に50万ドル、約6500万円の予算でピーチの清掃会社と契約をし、ビーチの使用状況に応じて毎日清掃するビーチもあれば、週に1回の清掃というビーチもあるそうです。県の予算でビーチの清掃に関して計上している金額はどのぐらいでしょうか、お伺いしたいと思います。
また、余暇の時間が増大する中、県内の海浜は憩いの場としてももっと整備されてしかるべきかと考えますが、養浜、すなわち浜を養うこと、砂をたくさん入れてこの養浜事業を展開し、県民ビーチを創出する考えはないか。国庫を利用することはできないか、知事の御所見を伺います。
代表質問との関連で全国植樹祭の件を質問しようと思いましたけれども、喜久山議員、嘉数議員の質問がありましたので、取り下げをさせていただきたいと思います。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 西銘恒三郎議員の御質問にお答えいたします。
まず、私の政治姿勢との関連で、県民は事大主義的であるという発言を修正するなどしてもらえないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
私が事大主義についてあえて論及しましたのは、県民が往時に遺憾なく発揮していた自主性を取り戻すことによって沖縄県民が人間としてのアイデンティティーを確保し、沖縄の将来に明るい展望を切り開くことができるようにしたいと考えたからであります。
なお、御批判のありました私の歴史観について申しますと、県民が事大主義的であるということは、さきにも申し上げましたように沖縄学の父として尊敬されている伊波普猷先生が申した言葉でございまして、伊波先生、その他数人の郷土史家たちが異口同音に述べていることは、1609年の薩摩の琉球入り以前の琉球人とそれ以後の琉球人というものは、まるで人間が変わってしまったという趣旨の発言をしておりますので、その辺を踏まえて申したのであります。
さらに、私が一部事大主義者もいるということを申しておりますのは、我々がもっともっと県民主体の自主性を確立したいという意味が込められておりまして、それは青少年にとってもむしろ激励になる言葉だというふうに考えている。悪い意味におとりにならないようにお願いしたいと思います。
それから、県人材育成財団にハワイ在の東西センターの奨学金募集要項を取り扱う窓口を開設することをどう思うかと。要請してほしいと思うがどうかという趣旨の御質問にお答えいたします。
東西センターの学習研究、研修プログラムに参加希望する者につきましては、現在、日米教育委員会事務局にあるイースト・ウエスト・センター日本事務所において参加者の募集、選考が行われております。また同センターは、その他に出版物、情報提供や奨学生募集要項の配布等の活動も行っております。
東西センターの活動は、アジア太平洋並びに米国等各国間のよりよき関係を促進し、相互理解を深める大きな役割を果たしております。
本県にはハワイ大学の同窓生も約150人以上はいるものと推定され、同センターでの研修、学習、研究活動に参加を希望するものも多いと思われます。したがって、御提言のとおり東西センターと連絡をとり、ハワイ大学の大学院等で学ぶ奨学生の募集窓口を沖縄に置くことが可能であれば、沖縄県人材育成財団にその窓口を設置する方向で検討したいと思います。
お許しを得まして、他の質問は関係部局長からさせますので御理解いただきたいと思います。
○西銘恒三郎君 議長。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後10時30分休憩
午後10時30分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
生活福祉部長。
〔生活福祉部長 山里 明君登壇〕
○生活福祉部長(山里 明君) 西銘恒三郎議員の知事の政治姿勢についての中の、第32軍司令部ごうを調査し、豊見城在の海軍ごうのように県民に公開してはどうかという御質問にお答えいたします。
守礼門近くの地下駐車場建設現場の横穴については十分承知しておりませんけれども、第32軍司令部ごうの整備につきましては、首里城公園整備事業との関連もありますので、御提言の趣旨も含めて検討してまいりたいというふうに思います。
○議長(平良一男君) 総務部長。
〔総務部長 新垣勝市君登壇〕
○総務部長(新垣勝市君) 西銘恒三郎議員の国の消費税から沖縄県へ配分されている消費譲与税の額と地方交付税へ算入されている額をお聞きしたいとの御質問にお答えいたします。
平成2年度におきまして沖縄県へ配分されています消費譲与税の額は50億円でございます。また、地方交付税へ算入されている額は136億円でございます。
○議長(平良一男君) 土木建築部長。
〔土木建築部長 澤村宏明君登壇〕
○土木建築部長(澤村宏明君) 守礼門近くの地下駐車場現場で第32軍司令部ごうとおぼしき横穴が出てきたという情報があるが、どうなっているかとの質問にお答えします。
県営首里城公園の地下駐車場は、平成4年3月末の完成を目途に工事を進めておりますが、現場の周辺には日本軍第32軍の司令部ごうがあることが予想されているため、細心の注意を払いながら地下の掘削工事を進め完了しているところでありますが、司令部ごうらしいものは見つかっておりません。
なお、工事中に小規模の鍾乳洞が確認されているところであります。
海浜条例について1つ目の、海浜利用状況及び利用計画策定調査の金額とその内容についてお答えいたします。
同調査は、海浜を自由に使用するための条例の施行に当たりまして必要な施策を策定することを目的とするものであります。
その内容としては、海浜利用の現状の把握、問題点の抽出及び利用者や関係事業者等の海浜利用に対する考え方等の調査を行い、その結果を踏まえ海浜利用の望ましいあり方を整理した上で既存ビーチにおける問題点、その改善策及び今後の海浜リゾート開発における海浜自由使用の対処策を策定する考えであります。金額としましては、新年度予算案に約1500万円を予定しております。
第2に、ビーチの清掃について計上してある予算は幾らかとの質問にお答えいたします。
海水浴場や景勝地として広く県民や観光客に利用されている海浜につきましては、安全かつ快適に利用してもらうため市町村が清掃及び除草を実施しているところでありますが、県としてはこれを助成するため約1000万円の予算を計上してあります。
3番目に、養浜による県民ビーチを創出する考えはないかとの御質問にお答えします。
養浜によるビーチ造成につきましては、現在、海岸環境整備事業により宜野湾市宇地泊海岸、名護市名護海岸、知念村安座真海岸の3海岸において整備を進めているところであります。そのうち宇地泊海岸につきましては工事が概成しており、この夏からは県民の利用に供されることとなっております。
そのほか平成3年度からは具志川市具志川海岸におきましても、海岸環境整備事業によるビーチ造成に着手する計画であり、今後とも事業の可能性、効果等を検討の上、同事業の推進を図っていく考えであります。
なお、この海岸環境整備事業は、国庫補助事業として実施しております。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) 先ほどの老人医療の無料化関連の御質問、つまり老人医療費の無料化という言葉を使う場合、患者の一部負担金を公費で負担する制度のことを言うのだが、知事の言う無料化とは、医療福祉の助成金制度のことを言うのかという御質問でございます。
老人医療の無料化には、1、一部負担金に対する助成措置、2、年齢引き下げによる助成措置、3、保険外負担に対する福祉医療助成措置等いろいろ考えられますが、県といたしましては、御指摘のとおり福祉医療助成措置を調査検討の上、実施していきたいと考えております。御理解いただきたいと思います。
なお、関連質問につきましては担当部長から答えさせていただきます。
○議長(平良一男君) 生活福祉部長。
〔生活福祉部長 山里 明君登壇〕
○生活福祉部長(山里 明君) 西銘議員の老人医療費の無料化についての2番の御質問にお答えいたします。沖縄県以外で老人医療費の無料化を国に要請している県がありますかという御質問にお答えいたします。
都道府県において国に要請しているところがあるかについては、現在のところ把握しておりません。
3番の、昭和63年度で県平均1人当たりの医療費は幾らになっているかについてお答えいたします。
昭和63年度実績で県平均1人当たりの老人医療費は49万3228円となっています。
4番、昭和63年度において県下53市町村で一番低い1人当たりの老人医療費は幾らかという御質問にお答えいたします。
県下53市町村で一番低い所は多良間村で、1人当たりの老人医療費は20万6571円となっています。
5番、全国59市町村で行われている制度は、それぞれの地域でそれなりの背景があって、老人保健法施行以前から行われていると思うが、どうかという御質問にお答えいたします。
全国59市町村で実施されていると聞いておりますが、その背景及び施行年月日等については、現在のところ把握しておりません。
以上でございます。
○議長(平良一男君) 西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
○西銘恒三郎君 知事は今、老人医療費の無料化で医療福祉の助成金制度のことを言われましたが、今議会を通じてどの議員からも指摘があったことは、老人医療費の無料化は患者の一部負担金を公費で負担するのが老人医療費の無料化だということで知事の言うことと違っているというような質疑がずうっと続いているわけであります。
知事、政治家として、例えば安保条約や自衛隊に関する憲法9条との関連でコメントできないというのは、知事の政治姿勢からどうしてもできないというのであればいいわけですけれども、こういう老人の医療費の無料化、自分も最初はそう思ったんだが、実際に知事になってみたら難しいと。こういうものは知事、おれも本当はそう思ったけれども、どうもできそうにないというのがわかって、というぐらいの釈明はした方が、これから4年間、知事、ちくりちくりこの問題で苦しまなくて済むと思うんです。
どうか知事、絶対に譲れないところは政治姿勢として頑と譲らぬでいいかと思うんですけれども、この老人医療費の無料化に関しては、恐らく与党の議員も、本当はそう思ったんじゃないかなというぐらいは思っているかもしれませんので、どうぞ過ちを認めるのにやぶさかであってはならない。自分もそう思ったけれども、実際に県庁の中で調べてみたらそうじゃないことがわかったというぐらいのことをぜひとも釈明をして、いわゆる医療福祉の助成金制度に取り組むなりしていただきたいと思います。
いま一度知事の御所見を賜りたいと思います。
○議長(平良一男君) 大田知事。
〔知事 大田昌秀君登壇〕
○知事(大田昌秀君) お答えいたします。
老人医療の無料化に努めると、これはかぎ括弧つきでございまして、私たちが意味したのは実質的な老人医療の軽減ということでございます。
○議長(平良一男君) 休憩いたします。
午後10時41分休憩
午後10時48分再開
○議長(平良一男君) 再開いたします。
この際、お諮りいたします。
議案研究のため、明3月2日及び3日の2日間休会といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平良一男君) 御異議なしと認めます。
よって、明3月2日及び3日の2日間休会とすることに決定いたしました。
○議長(平良一男君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
次会は、3月4日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後10時49分散会
前発言
次発言
19910106000010