平成23年(2011年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 10月 3日
文化観光スポーツ部長(平田大一)
 

 議員御質問の、文化観光スポーツ関係についての中の、文化観光スポーツ部各課の連携についてからお答えいたします。
 我が部におきましては、文化、スポーツと観光を結びつけたいわゆる感動体験型産業の実現に向け、目下取り組みを推進しているところでございます。具体的には、文化資源の観光活用事業化支援及び伝統芸能の県外・海外公演とあわせた観光プロモーションを推進しております。また、スポーツツーリズムとして、野球、サッカーなど各種スポーツキャンプや沖縄の美しい風景を楽しむサイクリングイベントの誘致に取り組んでおり、あわせて国内外のメディア招聘により、沖縄のスポーツ環境や観光情報を発信しております。
 なお、今月開催される第5回世界のウチナーンチュ大会では、世界エイサー大会、空手道・古武道交流祭をあわせて開催するなど、文化、観光、スポーツの各分野が総力を挙げて大会成功に向け取り組んでいるところであります。部立ち上げ上半期を総括する意味でもその成果の指標として注目いただきたいと思います。
 次に、同じく文化観光スポーツ関係についての中の、他部局との連携についてお答えいたします。
 文化観光スポーツ部としましては、幅広い分野との連携を強化することは重要と考えており、特に、国内外における物産・観光展の開催や、海外事務所によるプロモーションの展開などにおいて商工労働部とは連携を図っているところであります。また、外国人観光客の誘致強化に必要な航空路線の拡充や、航空機燃料税の減免等については、企画部と連携を図っているところであります。そのほか、医療ツーリズムは福祉保健部、スポーツツーリズム、サッカー場においては土木建築部、博物館・美術館の運営について、またしまくとぅばの普及・振興については教育庁などと連携し、事業の推進を図っております。
 なお、今後は総合的な観光施策を推進するため、知事を会長とした各部長を委員とする「沖縄県観光推進本部」を設置し、庁内連携をさらに強化してまいりたいと考えております。
 次に、外国人観光客向けのサービスなどについてとの質問にお答えいたします。
 県では、外国人観光客の利便性向上のため、24時間対応のコールセンターによる通訳サポートや、台湾・香港からの観光客向けのレンタカードライブマップの提供などを行っております。また、今年度新たに外国人観光客のニーズに対応した着地型ツアー開発などの支援を計画しており、今後はより一層のイベント情報などの情報発信局の強化にも取り組んでまいりたいと考えております。いずれにしましても、県としましては、安心・安全・快適に沖縄観光を楽しんでもらえる受け入れ環境の充実を通じて、引き続き外国人観光客の満足度の向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、三線館(仮称)の建設についてとの問いにお答えいたします。
 三線は、琉球古典音楽、沖縄民謡、ポップスなど沖縄音楽に幅広く用いられており、沖縄を代表する楽器であり、議員からもありましたとおり沖縄文化のシンボルの一つであると考えております。沖縄県では、三線館(仮称)単独での建設の検討は行っておりませんが、ちょうどこの9月から県立郷土劇場にかわる新たな文化発信交流の拠点となる施設について「文化発信交流拠点環境整備調査検討委員会」を立ち上げ、現在、文化観光のシンボルとなる拠点の整備について調査検討を行っているところであります。
 御質問の三線館(仮称)につきましても、御意見の一つとして受けとめたいと考えております。
 同じく文化観光スポーツ関係についての中で、文化芸術振興条例についての県の取り組みについてとの御質問にお答えいたします。
 県では、文化芸術の振興に関する施策の基本方針として「沖縄県文化振興指針」を策定し、「平和で安らぎと活力のある文化の薫り高い県づくり」を目標として施策を進めているところであります。新たな部の発足に伴い、今年度から文化関係施策を推進する目的で関係機関による協議の場として「沖縄県文化関係施策推進会議」を設けております。その構成メンバーは、文化観光スポーツ部、沖縄県立芸術大学、県立博物館・美術館、国立劇場おきなわ及び文化振興会となっており、これまで課題でありました県の文化関係団体の横のつながりをしっかりと図るとともに、人材の育成と活用方法、県の文化施策の方向性などさまざま議論を交わしているところでございます。
 文化芸術振興条例につきましては、その会議の中で意見交換を行い、また関係者の御意見も伺いながらしっかり検討してまいりたいと考えております。
 次に、「文化観光戦略推進事業」についてとの御質問でございます。
 「文化観光戦略推進事業」につきましては、沖縄の特色ある伝統行事や芸能などの文化資源を沖縄観光の魅力として活用することを目的に3つの事業で構成しております。具体的に、まず1つ、沖縄の文化や芸能等を活用した観光戦略を構築するとともに、地域を主体とする観光誘客の取り組みに対し事業化の支援を行うものであります。また、文化観光の振興にも寄与する県立郷土劇場にかわる新たな文化発信交流拠点の望ましいあり方について検討を行うものであります。さらには、組踊や琉球舞踊などの県外・海外公演を実現するとともに、観光客の誘客につなげるためのモニタリング調査を行うものであります。県としましては、今後、文化を活用した観光をより積極的に推進してまいりたいと考えております。
 続きまして、県立郷土劇場の整備調査の進捗状況についてとの御質問にお答えいたします。
 県立郷土劇場にかわる新たな文化発信交流の拠点となる施設の整備に向け、芸能関係者、学識経験者等から成る「文化発信交流拠点環境整備調査検討委員会」を9月13日に開催いたしました。今回の委員会では、主に「整備にあたっての基本的な考え方」及び「整備の方向性」について御意見を伺いました。また、沖縄県文化議員連盟の皆様にも御出席いただき大変貴重な御意見をちょうだいしたところであります。
 今後の取り組みといたしましては、この10月から1月にかけて実施します県内の公立文化施設、劇団、舞台制作者などの実態調査及び県民ニーズ調査などを踏まえ、同委員会においてさまざまな専門的視点から基本的なコンセプトについて議論を重ね、今年度中に文化発信交流拠点のあり方、考え方、また方向性について取りまとめることとしております。
 文化観光スポーツ関係についての御質問の中の、コンテンツファンドについてとの問いにお答えいたします。
 「沖縄文化等コンテンツ産業創出支援事業」では、県内のコンテンツ関連事業者による制作プロジェクトに対し、ファンドからの投資を行い、制作資金の供給や制作段階に応じたサポートを実施することとしております。また、ハンズオンマネージャーを配置し、プロジェクトのブラッシュアップを図るとともに、県外・海外を見据えたマーケット開拓などに関する支援を行うことで、プロデューサーの育成や事業者のビジネススキルの向上を図っております。現在、幾つかのプロジェクトについて投資に向けた事業者側との調整が行われているところでありますが、10月中には最初の投資案件が出る見込みとなっております。
 次に、芸大における文化コーディネートなどに特化した人材育成カリキュラムの必要性についてとの質問にお答えいたします。
 県立芸術大学におきましては、沖縄の芸術・文化の担い手となる実演家を育てるだけでなく、文化のコーディネートやマネジメントができる優秀な人材育成も重要であると考えております。現在、魅力ある芸大のあり方を検討するために、外部有識者で構成する「沖縄県立芸術大学あり方検討委員会」を設置しているところであり、去る7月29日に行われた第2回目の委員会におきまして、企画力を備えた文化の専門家、いわゆるアートマネジャーを育成するカリキュラムの必要性がちょうど議論されたところであります。また、それと連動した形で先ほど申し上げました県の文化団体を束ねた沖縄文化関係施策推進会議におきましても、重要なテーマの一つとして議論を交わしているところであります。今後、同カリキュラムの設置につきましては、さまざま議論されている委員会、協議会などでの検討結果も踏まえつつ県立芸術大学と協議を行い、これからも取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 
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