平成11年(1999年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 3月 1日
第 6号  3月 1日
 

議 事 の 概 要
平成11年3月1日(月曜日)
午前10時1分開議
日程第1 一般質問
日程第2 甲第1号議案から甲第33号議案まで及び乙第1号議案から乙第39号議案まで(質疑)
   一般質問及び質疑
    1 新垣 哲司君(新進沖縄)
    2 渡久地 健君(自民党)
    3 大工廻朝栄君(自民党)
    4 安里  進君(自民党)
    5 翁長 雄志君(自民党)
    6 金城 繁正君(県民の会)
    7 宮平 永治君(自民党)
午後4時40分散会

○議長(友寄信助君) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 2月26日、知事からお手元に配付いたしました議案1件の提出がありました。
○議長(友寄信助君) 
日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第33号議案まで及び乙第1号議案から乙第39号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 新垣哲司君。
   〔新垣哲司君登壇〕
○新垣哲司君 おはようございます。
 このたびの牧野副知事御就任、おめでとうございます。県民のために頑張っていただきたいと思います。
 1点目の知事の政治姿勢について伺いたいと思います。
 稲嶺知事は、ポスト3次振計について新たな振興計画の策定に取り組むとの方針を明らかにし、政府による沖縄経済振興21世紀プランを新たな振興計画の中に盛り込み、選挙公約の沖縄経済新法は、同計画に実効性を持たせるための法制度と位置づけていきたいとしている。
 知事は、昨年の11月15日の当選以来、まだ3カ月しかならないんですが、沖縄県が抱えている重要課題である基地の整理縮小や経済の活性化や失業率の高い本県の県民所得を一日も早く是正し、夢が持てるような沖縄県づくりに全力を傾注していくという方針でございます。心から祈念を申し上げる次第でございます。
 そこで質問をいたします。
 さきの三役人事において二転三転をいたしまして、非常に県民からはこれだけの支持を得て、この件について知事は、県民やあるいは多くの支持者の中から誤解がありました。
 私は、このような誤解をしてはならない。今、沖縄が大変重要なときであるので2期、3期も務めて頑張ってもらいたいということで、やはり与党の立場から物ははっきり言って誤解を解きたいと、真意はどうだったのかということを申し上げたいところであります。
 特に、政党色やあるいは何々カラーを廃止するというような話がマスコミからも私たちに伝えられてまいりました。当分の間であればやはりこういう政党色も取り除くということであればわかるんですが、その辺の真意がはっきり支持者の中に誤解があるようでありますので、知事、どうかはっきりとその点について知事のお答えを願いたいというふうに思います。
 次、那覇軍港の移設についてお尋ねをいたします。
 1番目の那覇港の港湾整備の必要性と構想及びハブ港湾を活用した産業振興とは何があるのか、お尋ねをしたいと思います。
 2点目に、移設をするためには国及び那覇市、浦添市との組織体制の調整、協議が大事だと思うが、県の考え方についてお尋ねをしたいと思っております。
 その件については、さきの質問においても那覇軍港の返還については、那覇港のハブ港湾化に向けた計画の中で県議会や那覇市議会の決議、浦添市議会における地元商工会議所の陳情などを踏まえて、また国際的なべ一スポートとなるハブ港湾の実現を図りたいと申しております。
 そこでお尋ねをしたいんですが、実際にハブ港湾として稼働するときのめどについてお尋ねをしたいと思います。
 そして、那覇市長や浦添市長を説得する自信のほどをお尋ねをしたいと思います。
 次3点目に、ハブ港湾に向けたスケジュールはどうなっているのか。
 その件についても、2000年度を目標に新たな港湾計画を策定し、2003年から始まる第10期港湾整備5カ年計画で早期の工事着手ができるように取り組みたいというふうに言っております。そうであればもちろん問題解決は2000年までに県としても方向性を示さなければならないわけでございますが、その件についてもお尋ねをしたいと思っております。
 次に、普天間飛行場の移設について。
 知事は、北部陸上案を検討しているが、移設先の場所選定について示していただきたい。その件についても国と一緒になって候補地を複数選定したい、最終的には国が決定する。また、トータルな視点から北部を含め複数の案を幅広く弾力的に検討するとおっしゃっています。その実現方について、今、津堅沖にそういう動きがあります。
 その点について順次質問をさせていただきます。
 まず1点目に、本日辞令を交付した検討プロジェクトチームの使命と任命基準についてお尋ねをしたいと思います。
 2点目に、どのようなことを検証するのか、具体的に説明を願いたい。
 3点目に、国・政府・自民党の政策決定に大きな影響力のある人物がキャンプ・シュワブに陸上案でおさめるとの言動があるがどうなるのか、そのとき知事はどういうふうに対処をいたしますか。
 4点目、5月の小渕総理大臣訪米に移設先を内定するとの情報が国から流れてきているが、知事はどう考えているのか。そのとおりならば本日スタートする検討プロジェクトチームの作業にも必然的にタイムリミットがあることになるが、そのとおりなのか、どういう作業になるのか、お尋ねをしたいと思います。
 5点目に、月刊誌「選択肢」2月号の記事に岩国への移設を前県政が交渉していたようであり、その証拠に大田前知事が選挙終了後、私があと1年知事を務めていたなら県外移設が実現できるのにというコメントがありますが、その裏づけとされるものでありますが、岩国基地への沖縄の海兵隊、キャンプ・キンザー、キャンプ瑞慶覧を移設する話が進行していたとのことについて知事はどのように思うか、どう対処いたしますか、お尋ねをしたいと思います。
 次に、勝連町津堅島の漁民を中心に自発的にヘリ基地誘致運動が起こり、来る4日には島民700名弱の90%の賛成が3日までに同意作業が完了しているようであります。誘致実現大会が催されるようでありますが、みんなが嫌がるヘリ基地をあえて誘致して島へ橋をかけるチャンスをつくり、島チャビから脱却したいとの思いは、島チャビで苦労、悲しんでいる島の人々でなければ理解できない。
 そこで知事、全国で初めて、しかも米軍基地に悩む沖縄でみずからの意思でヘリポート誘致に立ち上がっている島の人々の決意と選択についてどう思うか、また島の動きについては公室長はそれなりに情報を得ているものだと思うが、お尋ねをしたいと思います。
 4点目、尖閣諸島問題について。
 尖閣諸島が中国、台湾、香港、実質的には、竹島のように不法占領されたと考えてみてください。背筋がぞっとします。日本人であれば不快感となってくるものです。なぜ中国、台湾、香港などが躍起になって騒ぎ出したのか。あの一帯では4500億バレルほどの原油埋蔵量のあることがわかったからであります。それに尖閣諸島周辺の豊富な漁業資源があるからです。
 尖閣諸島は、我が国の固有の領土としてその領海も昔から本土や沖縄本島を初め宮古、八重山の漁民の生活の糧を求める場として知られ、大いに利用されてきたところであります。そこへいきなり中国、台湾、香港などの強行グループが領土権を主張してさまざまな排除行為を繰り返し、あわよくば第2の竹島化をもくろむような行動を展開しております。
 尖閣諸島は本県の地籍である以上、県民から行動展開しなければならないと私は思うのであります。
 そこでお尋ねをいたします。
 基地の問題も大事であるが、私は、基地以上に領土権というのは大変重要な問題と思っております。知事の御感想を聞かせてください。
 そうであれば、知事みずから先頭に立って行動をすべきだと思うがどうか、お尋ねをしたいと思います。

 また、知事は尖閣諸島に行ったことがありますか。ある、ない、ないとすれば絶好のチャンスだと思うがどうか、お尋ねをいたします。
 次に、私も2回ほど尖閣諸島に希望を持って行きましたが、あの周辺は非常に波が高く2回とも上陸するのに失敗をしています。私は、5月か6月にぜひ3たび行きたいと思っています。今回はどうしても海上保安庁とも連絡をとりながら上陸をしたいというふうに思っております。
 次に、国際平和研究所(仮称)についてでございます。
 新年度の予算から見送られております。その件については私も理解をしているつもりでございます。それよりも県民にとって大事な予算を先にやりたいという趣のものだというふうに理解をしております。
 ただ、大田前県政のときに三位一体となって糸満が位置決定には一番いいのではないかというようなことがございましたので、その位置決定の時期について知事の真意をお聞かせいただきたいと思います。
 最後になりました。6点目に国道331号についてお尋ねをしたいと思います。
 その件については、慢性的な渋滞が朝夕のラッシュのときに糸満市や豊見城村が大変困っている状況でございます。
 ただ、現国道と新しい小禄バイパスとの関係がありまして国としては同時にはできないというようなことで今日まで10数年長引いているところでございます。
 しかし最近、実際に目に見える形で少しずつではあるんですが動いております。これも国、あるいは今日までの土木建築部の部長を初め県職員の皆さんの努力のたまものだと敬意を表する次第でございます。
 どうぞこれからの進捗について部長、それから安川技監、国に今後どういう働きかけをするのか、お伺いをいたしまして質問を終わります。
○議長(友寄信助君) 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一君) 新垣哲司議員の御質問にお答えします。
 最初に、知事の政治姿勢について、三役人事について政党色を排除することには県民の間からいろいろな意見があるが、知事の見解を聞きたいという質問にお答えします。
 副知事、出納長は、知事の補助機関として知事を補佐し、本県が抱える諸課題の解決に向け関係機関との調整や各部局の指揮監督、県の会計事務をつかさどるなど県政執行のかなめとなる重要な職責を有するものであります。
 そのため、人選に当たっては広くその職責を全うできる人物について男女を問わず県民本位の立場から慎重に人選を行い、議会の同意を得て任命したものであります。
 次に、普天間飛行場につきましては、知事は北部陸上案を検討しているが、移設先の場所選定について示してほしい、他の移設先への変更はないと考えてよいか聞きたいという点については一括してお答えいたします。
 普天間飛行場については、同飛行場が非常に危険な状況にあることや、普天間飛行場及びその周辺部が重要な開発拠点ともなっていることから早期返還に向けて諸問題の調整を行う必要があります。
 このため、県では普天間飛行場の返還問題について横断的かつ機能的に対応する庁内の組織体制を整備することとし、本日、普天間飛行場及び那覇港湾施設の返還問題を担当する普天間飛行場・那覇港湾施設返還問題対策室を知事公室に設置いたしました。
 今後、同対策室では空港建設の可能性や地域の振興開発、産業振興策等についてトータルな視点で学識経験者等からも広く意見を聞きながら、公約で提示した案も含め複数の案を検討するなど幅広く弾力的に対応していきたいと考えています。
 次に、尖閣諸島は我が国固有の領土であり他国の侵犯は許されない、知事の所見を聞きたいとの御質問についてのお答えでございます。
 尖閣諸島は、日本国政府が再三にわたる現地調査を行い、明治28年の閣議決定によって正式に我が国の領土に編入されたものであります。
 戦後、同諸島は、サンフランシスコ平和条約に基づき南西諸島の一部としてアメリカ合衆国の施政下に置かれていましたが、いわゆる沖縄返還協定により我が国に施政権が返還された地域に含まれているものであります。
 県としましては、尖閣諸島の領有権をめぐる問題につきまして県益を守る観点からも重要であると考え、国において適切に対応されるよう要請してきたところであります。今後とも政府の動向を見守りながら適切に対応したいと考えています。
 なお、尖閣に行ったかという御質問がございましたが、私は船でその横を1回、それから飛行機で真上から1回、2回ばかり行ってまいりました。
 次に、国際平和研究所の位置づけについての御質問へのお答えでございます。
 沖縄国際平和研究所(仮称)の設立につきましては、現下の厳しい経済状況において取り組まなければならない県政の最重要かつ緊急の課題があることや、県財政の厳しい状況、沖縄平和賞の創設など総合的に判断し、当面設立を見送ることにしております。
 今後、設立する環境が整った場合におきましては、総合的に検討したいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長より答弁させます。
○議長(友寄信助君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 宮城正治君登壇〕
○企画開発部長(宮城正治君) 那覇軍港の移設に関連しまして、那覇港のハブ港湾整備の必要性及び構想について説明願いたい、またハブ港湾を活用した産業振興とは何か、具体的に示していただきたいとの御質問にお答えいたします。
 本県の産業振興や経済の自立的発展を図るためには、那覇港を国際的なべ一スポートとなるハブ港湾として実現を図ることが重要であると認識しております。
 また国は、新全国総合開発計画において沖縄地域の施策の展開方向として自由貿易地域の充実を図り、国際的な物流・中継加工拠点の形成を推進することとしております。
 那覇港のハブ港湾化に向けては、自由貿易地域制度の活用による新たな産業の創出や中継による国際貨物の集積を図るとともに、物流産業の振興を図り国際的なハブ港湾としての機能を一体的に整備していく考えであります。
 主な産業といたしましては、食品加工産業や食糧備蓄関連産業等の交易型産業及び流通加工産業、貿易情報関連産業、港湾運送産業などを想定いたしております。
 それから、同じくハブ港湾整備に向けたスケジュールはどうなっているのか伺いたいとの御質問に対してお答えいたします。
 県は、平成11年度から――これは4月1日を予定いたしておりますけれども――新たに那覇港開発推進室(仮称)を設置し、国際物流動向調査や港湾関連産業導入調査及びコンテナターミナル計画調査等を実施し、ハブ港湾のあり方を国や那覇市及び浦添市など関係機関と協議しながら、調査検討していく考えであります。
 これら種々の調査を踏まえて平成12年度を目標に新たな港湾計画を策定し、環境影響評価や埋立申請などを経て平成15年度から始まる第10次港湾整備5カ年計画で早期の工事着手ができるよう取り組む考えであります。
 以上です。
○議長(友寄信助君) 知事公室長。
   〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一君) 新垣哲司議員の那覇軍港の移設関係質問のうち、那覇軍港の移設のためには国及び那覇市、浦添市とも組織体制の調整、協議が大事と思うがどう考えるかという御質問にお答えをいたします。
 那覇港湾施設の返還問題については、沖縄の産業振興、経済の自立化を促進する観点から那覇港のハブ港湾化に向けた計画の中で県議会や那覇市議会の決議、浦添市議会における地元商工会議所の陳情採択等も踏まえ前向きに検討してまいりたいと考えております。
 今後、検討作業の進捗状況を見ながら那覇市長や浦添市長及び関係団体の方々と適宜お会いする中で国際ハブ港湾整備を具体的に進めるため那覇港湾施設の返還問題についても理解と協力が得られるよう誠心誠意努力してまいりたいと、このように考えております。
 それから、本日付で設置されました対策室の任命基準はどうなっているかという御質問にお答えしたいと思います。
 この件につきましては、本人の能力を考慮し適材適所に配置されているものとこのように考えております。

 それから次に、総理の訪米時に移設先を決めるとしているが、スケジュールはどうなっているかという御質問にお答えをいたしたいと思います。
 総理の訪米時に移設先を決めるとしていることについては、現在のところ承知しておりません。したがいまして国の方にもそういう情報収集に一応当たってみたいと、このように考えております。
 それから、岩国への移設の関係で大田前知事のコメント、移設の可能性についてと、移設の動きについてどう考えるかということにつきましては、本件については正式に国等からも情報は得ておりませんので、現在のところ承知しておりません。
 それから、いわゆる勝連町津堅島における普天間飛行場誘致の動きについてということと、島の人々の決意、それから県への情報はどうなっているかということについては一括してお答えしたいと思います。
 現在、本件につきましては県への正式な要請ということはございませんが、マスコミ等で一応の情報は知っているつもりでありますが、この件については今後対策室の中で十分検討させていただきたいと思います。
 それから県への情報、島の人々の決意でございますけれども、やはり津堅島におけるこういう今後の振興開発についての御提言かなということで、一つの案として対策室で検討する中で検討させていただきますということでございます。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 技監。
   〔技監 安川 歩君登壇〕
○技監(安川 歩君) 技監の安川でございます。
 新垣哲司議員の国道331号の整備の進捗状況についてお答えいたします。
 現国道331号につきましては、国は名嘉地交差点から伊良波に至る約380メートルを交差点改良として幅員30メートルで拡幅整備を進めております。
 また、伊良波地区におきましては、交通安全事業により約430メートルの修繕工事を平成6年度に完成しております。
 県も、県道那覇糸満線が取りつく阿波根交差点において約600メートルを幅員30メートルで拡幅整備を進めており、平成11年度の完成を予定しております。
 また、平成10年度の国庫補助事業として新規採択された県道東風平豊見城線につきましても、同様に交差点取りつけの影響範囲で拡幅整備を実施する予定であります。
 さらに、豊見城村も村道256号線との交差点において約230メートルの整備を進めることとしております。
 なお、交差点改良方式でカバーできない約2200メートルにつきましては、権利者から買い取り請求のある用地物件を国が買い取りに入っていると聞いております。
 県といたしましても、国及び豊見城村と協力して現国道の早期整備が図られるよう努力してまいりたいと考えております。
○議長(友寄信助君) 新垣哲司君。
○新垣哲司君 答弁漏れがあるものですから……
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午前10時33分休憩
   午前10時34分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一君) ただいまの案は、正式には承っておりませんので、今後検討いたします中で、複数の案の中で検討させていただきたいと思います。
○議長(友寄信助君) 渡久地 健君。
   〔渡久地 健君登壇〕
○渡久地 健君 今2月議会は、稲嶺県政にとって実質的なスタートの議会であると思います。
 知事の補佐役であります石川、牧野両副知事及び比嘉出納長の三役がそろいぶみし、また部局長においても1月14日付で大幅に入れかわりが行われまして、地域バランスがとれた配慮された人事は県民及び各地域から高い評価を受けているところでございます。
 また、新部局長におかれては就任早々、みずからは執行しなかったであろう平成9年度の決算特別委員会に臨み、そしてそれが終了したと思ったら平成11年度予算の組み替えに取り組んだと思います。
 12月の政権交代というのは、この政治的スケジュールを見ますと時間的に大きな制約があるものだと思います。最も重要であります新年度予算の骨組みが既に固まっていますし、重点施策についても国に要請が行われている。その段階で新政権が誕生し人事を刷新し、そしてまた短期間で選挙公約である各種政策を予算に組み込む。また議会においても与野党が入れかわるというこういう状況の中で今2月議会に臨むのは時間的な制約、そしてまた精神的な重圧も大変だっただろうと思いまして、改めて執行部に敬意を表したいと思います。
 さて、代表質問が23日から始まりましてきょうで一般質問、本会議が5日目でございます。三役を初め新部局長においても最初の日から比べてかなり余裕が出たものだと思いますし、これからまた予算特別委員会もありますので、ぜひ今議会を乗り切っていただきたいと思います。
 実は、きょう新聞を見ますと、やはり新しい政権がどんどん動いているなということを実感させられました。
 きょうの沖縄タイムスの中で、先ほどから質問が出ております「普天間飛行場・那覇港湾施設返還問題対策室」がきょう付でスタートする、そしてまた重点施策の体制強化ということで那覇港のハブ化に向けての15人体制の那覇港湾開発推進室が4月からスタートする、そして稲嶺知事が選挙のときから公約に挙げておりました経済振興策の中での企業誘致推進に向けて商工労働部に24名体制の企業立地推進課を設置する、そしてポスト3次振計をにらんだ沖縄経済新法制定に向けて企画開発部等にそういうプロジェクトチームを設置する。これからが実質的に稲嶺新体制のスタートの年だと思います。
 ぜひとも県勢発展のためと県民の福祉の向上に頑張っていただきたいと思います。
 それでは、通告に従って質問を行います。
 雇用対策と産業振興でございますけれども、稲嶺知事の初めての施政方針の中でも主要施策の第1が産業の振興と雇用の確保を掲げており、選挙当初から経済振興策を本県の緊急かつ重要な課題として訴えていた知事の並々ならぬ意欲を感じているものだと評価しております。
 さて、大田県政の中で多くのプログラムが作成されました。基地返還アクションプログラム、国際都市形成構想、産業創造アクションプログラム等々提示されましたが、ほとんどが本土の大手シンクタンクが調査し策定されたものでありますけれども、この産業創造アクションプログラムは、地道な基礎調査と県内企業・団体とのヒアリング等現実的でかつ実現可能なプログラムとして私も高く評価しておりましたけれども、一時期は全県フリーゾーン論争の中で埋没しかねない状況もありました。再び浮上しその着実な推進を期待しているわけでございますけれども、この産業創造アクションプログラムのこれまでの実績と、知事はそのプログラムに対してどう評価しているのか。
 そして同時に、新事業創出の支援拠点となる沖縄産業振興・創業支援センター(仮称)と産業創造アクションプログラムとの整合性、補完関係についてどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
 2番目に、財団法人雇用開発推進機構の果たす役割と新たな短期的な雇用対策、そして中期的な雇用対策でございます。
 雇用開発推進機構については先日質問もございましたけれども、この機能については調査・研究機能、企業立案機能、そして事業実施機能、雇用開発推進コンサルタント機能という形でそれぞれの機能が平成8年度に当時の財団法人沖縄労働経済研究所を発展的に拡大するということでつくられたんですけれども、今知事が目指している、新しい政権が目指している雇用対策とどのような関連を持つかについてお伺いをしたい
と思います。
 したがいまして、短期的な雇用対策、中長期的な雇用対策、それぞれの立場から御答弁願いたいと思います。
 次に、財政問題でございますけれども、稲嶺県政は平成11年度の予算編成に当たり、私は相当苦労したものだと思います。特に歳入面が厳しい状況の中で公約に掲げた各種事業を組み入れるためには多くの制約がありながら、その編成作業を評価したいと思います。
 特に自主財源の柱である県税収入は、平成10年度当初予算785億、歳入総額に占める割合は12.8%で九州平均の20.3%に比べてかなり低い上に、今年度平成11年度は前年度に比べて1.2%減の775億、歳入総額に占める割合も12.3%と低く、ますます我が県は地方交付税や国庫支出金等の依存財源に頼らざるを得ない厳しい財政事情にあります。

 歳入歳出の差額を埋めるための基金――財政調整基金、減債基金、県有施設整備基金の3基金は、平成4年度に577億あった残高が、年々取り崩していきまして平成10年度末の残高は239億までに減り、九州各県で最も低い積立額であります。
 これは、大田前県政が本県の財政の実態、危機的状況を省みず、箱物づくり等に優先した行政の結果のツケだと思います。
 平成11年度予算の取り崩しは130億円でありますけれども、これは昨年度の168億円に比べて38億円も低い。そのような状況でその努力の跡はうかがえるものだと思います。
 しかし、財政というのは今年度で終わるわけではございません。来年、再来年と続きます。今後、財政はますます厳しくなるとは思うんですけれども、稲嶺県政として基金のあり方、その基本的な考え方、そして今後どのような積み立てをしていくのか、お聞きをしたいと思います。
 そしてまた、財政問題のもう1点の大きな柱であります公債費の実態と健全な財政運営のための方針でございます。
 歳入に占める県債は、平成10年度456億円に比べて今年度は439億円で17億円も減らして予算編成されております。
 しかしながら、県債を返済するための公債費は平成10年度が540億円に比べて今年度は574億円で前年度に比べて34億円も借金返済がふえ、歳出総額に占める割合も8.8%から9.1%にふえております。
 今年度の借金は昨年よりも低く抑えていても借金返済は額はふえていく、そのような矛盾が生じております。つまり439億円借金して、その借金を返す今までのツケの返済が574億円と、まさに返済金額が135億円も超過している実態でございます。
 これも前県政誕生の平成2年度では県債残高が2707億円であったものが、8年後の平成9年度には5207億円で約2倍に膨れ上がった結果に基づくものでございます。
 まさに大田県政8年間で、各種基金である貯金を取り崩して借金は倍にふえている。稲嶺県政はその借金を返すために四苦八苦しているのが今回の予算編成じゃなかったかと。
 しかしながら、公債費の実態と今後の健全な財政運営をしなきゃいけませんので、その方針についてお伺いしたいと思います。
 次に、観光産業でございますけれども、本県の基幹産業でありますのは言うまでもありません。そして経済全般に与える波及効果も大きいものがあります。
 そこで質問いたします。
 昨年の沖縄振興開発特別措置法の一部改正で観光振興地域制度の創設について、現在市町村から申請され県の方で審査していると思いますけれども、指定の方法、指定された場合のメリット、今後の作業日程についてお伺いしたいと思います。
 次に、国際ショッピングモールでございますけれども、観光振興の新たな施策として期待され、現在近郊型として宜野湾市、リゾート型として本部町に絞られて調査されていますけれども、この実態が余りはっきりされてない。
 まず初めに、事業主体は国、県か、民間なのか、第三セクターなのか。
 2つ目に、建物の整備のための国、県による資金的な支援はあるのか。
 3つ目に、税制面での優遇制度はどのようになっているのか。
 4点目に、沖縄型特定免税制度、これは免税売店でございますけれども、それとの関係はどのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。
 次に、500万人体制に向けて観光施設整備における国、県と民間の役割でございます。
 民活がこれまで先導的に観光産業を支えておりましたけれども、それにしても景気の低迷とともに限界が見えている状況の中で観光施設の整備について国に対してどのような支援策を要請し、また県としてどのような役割を果たしていくのか、お尋ねいたします。
 次に、施政方針の中で観光・リゾート産業の振興を観光客500万人時代への対応と質的転換を行うと明言しておりますけれども、1つ目、長寿県を生かし健康をテーマとしたタラソテラピー等健康医療センターや長期滞在型施設の整備を図る必要があると思いますけれども、県としてはどのように考えているのか。
 2つ目に、国際コンベンション都市形成でございます。
 現在、2000年サミットの誘致に動いておりますけれども、コンベンション都市を形成するためにことしコンベンションセンターの会議棟の増設を図られることは高く評価しておりますけれども、ハード面を含めてソフト面の整備をどのように推進していくのか、お尋ねいたします。
 また、恵まれた気候を生かしたスポーツ、合宿型施設の整備について。
 これはきょうの新聞にも、きのうドジャータウンのアジア建設構想ということで、知事がロサンゼルス・ドジャーズの副社長とお会いして選手の養成学校、ドジャータウンを沖縄に誘致しようということで要請しておりますけれども、このように観光客の誘致のみならずマスコミを通して沖縄のイメージアップということで大きな成果があると思うんですけれども、今後これらの施設をどのように整備していくのか、またどのような考えがあるのかをお聞きしたいと思います。
 国際交流事業についてでございます。
 本県の地理的有利性、歴史的な経験を生かした国際交流を県政の重要な施策として掲げ、我が国の南における国際交流拠点の形成を掲げ、これは第3次振計の中にもしっかりと位置づけられております。
 これまで県政の中でも昭和54年に国際交流課、56年に国際交流の推進母体としての財団法人沖縄県国際交流財団、昭和57年には国際化時代に備えた人材育成のための沖縄県人材育成財団を設立して各種事業を展開しております。
 そこでお聞きいたしますけれども、稲嶺県政の知事の施政方針で、これはちょっとミスプリントでございますけれども、「南西センター」とプリントになっていますけれども「南北センター」でございます。
 南北センターの設置についてお伺いいたします。
 これまでの経緯と今後の取り組み方針について、そしてこれは国際都市形成構想の一環として南北センターが浮上してきております。
 2つ目に、国際交流情報センター、これは沖縄国際センターの活用を図るとともに、当施設と相乗効果を有する国際交流情報センターを隣の県有地に建設構想があったと思うんですけれども、その関連性について。
 その設立目的、規模、国の諸機関との関係について。
 そして国際センターの機能強化について。
 同センターは、昭和60年の開所以来平成10年3月末までにアジア、アフリカを中心として134カ国から3622名の研修生を受け入れて技術研修とともに日本文化あるいは沖縄との親善交流、また地域の国際化に大きな貢献をしていると思うんですけれども、今後その機能強化と活用についての考え方をお聞きしたいと思います。
 そして、人材育成財団と沖縄県国際交流財団の統合の問題ですけれども、留学生の派遣を中心としている人材育成財団、そして留学生の受け入れと各種交流事業をしている国際交流財団は、以前から統合合併して強化するという方針があったんですけれども、現在どのようになっているのか、そして今後の方針についてお伺いしたいと思います。
 4番目に、海外青年協力隊の海外派遣前訓練所の県内設置についてでございます。
 海外青年協力隊は、発展途上国の国々に技術、技能を有する男女青年を派遣し、これらの国々の経済社会の発展に協力し、我が国の国際協力・支援の分野で最も評価されている事業でございます。
 知事もこれまでこの支援する会の会長として中身は十分御承知と思うんですけれども、昭和40年スタート以来これまでに66カ国、合計1万7735名、うち女性が5670名、沖縄からもこれまでに172名、うち女性が58名ですけれども派遣され、沖縄から派遣されるこれらの青年協力隊が最も現地に順応性が高い、そして最も貢献するという高い評価を受けております。
 今、これらの国々に派遣する前の研修を各地で行っておりますけれども、その派遣する前の研修施設を沖縄につくって、これらの気候風土と似通う沖縄で訓練して派遣する、それが最も適切だと思うんですけれども、その辺について知事の考え方等をお聞きしたいと思います。
 次に、農業の振興でございます。

 まず初めに、国立亜熱帯農業技術試験場の設置でございますけれども、本県の亜熱帯農業というのは本土の農業と比べていろんな意味でいろんな問題があろうかと思います。そういう意味においてこれまで県の責任においていろんな研究をしておりましたけれども、もはや県のレベルでは試験研究体制の整備、人材育成の確保、高度なノウハウの習得・蓄積が限られておりますので、これは前々から国立亜熱帯農業技術研究所をつくり、先ほど言いました東南アジア諸国と国際センターとの関連、あるいは今言いました海外青年協力隊との関連もいろいろできますので、ぜひその研究所を設置していただきたい。
 2番目に、農業総合振興基金の創設でございます。
 これは、沖縄農業がいろんな問題を醸し出す中で、農業振興総合対策、営農総合対策、人づくり対策、環境保全対策等ソフト面を担う総合振興基金の創設が必要だと思うんですけれども、その考え方をお聞きしたいと思います。
 最後に、沖縄県種苗センターでございますけれども、鹿児島とかほかの県においては県単独でこの花卉産業の振興のために種苗センターが運営されておりますけれども、沖縄県では今、株式会社として運営されています。その設立目的とこれまでの経過、そして今経営状況はすごく厳しい状況でありますので、ぜひとも花卉産業の育成のために県の支援をお願いしたいと思いますけれども、御答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(友寄信助君) 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一君) 渡久地健議員の質問にお答えいたします。
 最初は、雇用対策と産業振興について、産業創造アクションプログラムの実績とその評価及び沖縄産業振興・創業支援センターとの整合性についてお答えいたします。
 産業創造アクションプログラムは、域内産業の活性化と新たな産業の創出を促すことを目的に平成9年6月に策定されました。
 これまでの実績としては、企業の創出から成長までを総合的に支援する企業化支援事業を実施し、起業家育成研修の受講生から新たに企業を興したり、事業拡大を図った企業が10数社挙がっております。
 沖縄県産業創造アクションプログラムは、今後とも引き続き内発型産業の創造と域内産業の活性化を図るための重要な施策として位置づけ、発展継承してまいります。
 一方、沖縄産業振興・創業支援センターは、昨年12月の沖縄政策協議会で国に要望いたしました緊急経済対策事業の中でソフトな機能を持つ拠点の整備として取り組むもので、産業創造、産業情報化、既存企業振興、雇用対策、人材育成等多様な機能を集積する拠点施設として整備するものであります。
 今後、沖縄産業振興・創業支援センターを産業創造アクションプログラムの企業化支援事業も含め、産業振興に関する支援施策を一元的に実施する施設として整備する予定であります。
 次に、観光振興についてのうち、観光客500万人時代への対応と質的転換を行うことについてお答えいたします。
 観光客500万人時代に向けて国際的な魅力ある観光・リゾート地づくりは、国内外の競合地との比較優位性を高めていく上で今後ますます重要となっております。このため、観光客の多様なニ一ズに的確に対応し、観光・リゾートの質的な転換を図ることが必要であります。
 本県の貴重な資源である温暖な地域特性を最大限にアピールし、観光の振興を図る観点から健康医療施設、長期滞在型施設等の保養の場を形成していくことは極めて重要であり、国などの協力を得て整備の促進に努めてまいります。
 次に、国際コンベンション都市の形成については、沖縄コンベンションセンターの施設の拡充、新設する国際友好会館(仮称)を初め市町村、民間の施設の整備などハード面の充実を図ります。
 また、コンベンションの誘致組織の強化及びコンベンションプランナー、同時通訳、ボランティア等コンベンション関連の人材育成に努め、国内外の各種コンベンションの誘致・支援事業を積極的に展開してまいります。
 次に、スポーツコンベンションについて、本県は温暖な気候に恵まれていることから、近年冬場にプロ野球を初めプロ、アマのキャンプや合宿が年々盛んに行われ、スポーツキャンプ地として定着しております。
 しかしながら、スポーツ施設、合宿施設につきましては質、量ともにニ一ズに十分対応できない状況であり、スポーツコンベンションを振興する上での課題となっております。
 今後、県、市町村、スポーツ団体、観光関連団体等で構成するスポーツコンベンション推進協議会を通じて関係機関、関係団体と連携を図りながら整備を促進してまいりたいと思います。
 次に、人材育成財団と国際交流財団との統合についてお答えいたします。
 財団法人沖縄県国際交流財団と財団法人沖縄県人材育成財団につきましては、平成8年度に策定された沖縄県行政改革の大綱及び同実施計画におきまして運営の合理化、効率化等の観点から両財団を統合することになっています。
 現在、両財団並びに知事部局及び教育委員会の関係課におきまして、平成11年度じゅうに統合すべく諸課題について検討しているところであります。
 次に、海外青年協力隊の海外派遣前訓練所の県内設置について知事が働きかけてほしいということでございます。
 国際協力事業団の青年海外協力隊員派遣前訓練の実施機関としては、現在、長野県と福島県に青年海外協力隊訓練所が設置されており、隊員の現地活動の資質・適応力を高めることを目的としております。
 青年海外協力隊の派遣先国には、アジアや中南米、アフリカなど熱帯、亜熱帯気候に属する地域が多く本県と自然環境が類似しております。したがいまして、本県はこれらの地域に派遣される隊員にとってよい訓練環境を提供することができるものと考えております。
 そのようなことから、野菜、果樹に関する海外派遣前技術補完研修が本県の城辺町にある東京農業大学宮古亜熱帯農場において実施されている実績もあります。
 以上のことを踏まえ、青年海外協力隊員派遣前訓練所の県内誘致につきましては前向きに検討し、関係機関へ働きかけていきたいと考えております。
 次に、国立亜熱帯農業技術試験場の設置についての件でございます。
 本県の生産性の高い亜熱帯農業を確立するとともに、東南アジア諸国との技術協力・交流拠点とするため国立亜熱帯農業技術試験場の設置が必要であると考えております。
 このようなことから、これまで国立の試験研究機関の設置について国へ要望しているところであります。
 国においては、沖縄特別振興対策調整費事業の中で平成9年度に試験研究機関設置に向けた沖縄等熱帯・亜熱帯地域の農林水産業に関する研究のための基礎調査を実施しております。
 調査報告書によりますと、農林水産分野における研究課題としては、1、生物資源・生物機能解明などの基礎研究、2、高収益生産などの現場対応型研究、3、環境管理などの国際共同研究が抽出整理されております。
 県としては、国立亜熱帯農業技術試験場の設置について引き続き要望していく所存であります。
 その他の質問については、関係部局長から答弁させます。
○議長(友寄信助君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 宮城春一君登壇〕
○商工労働部長(宮城春一君) 雇用対策と産業振興について、雇用開発推進機構の果たす役割と新たな短期的、中期的雇用対策についての御質問にお答えいたします。
 財団法人雇用開発推進機構は、県、市町村、労働団体、経営団体等が一体となり全県的に雇用問題に取り組む組織として発足しました。
 推進機構では、既存の制度や施策では対応が難しい分野において各種の産業振興策と連携を図りつつ、地域の実情やニ一ズに即した人材育成支援事業、雇用開発支援事業等を実施しております。雇用の場の創出や拡大に向けて取り組むことといたしております。
 県の雇用対策については、短期的な対策として即効性のある公共事業や新規学卒者の就職支援、沖縄若年者雇用開発助成金の活用等により雇用の拡大に努めております。

 また、新たに新規大学等卒業予定者就職支援事業を創設したのを初め、通信コストの低減によるコールセンターの立地促進等沖縄政策協議会における6項目の振興策の推進により雇用機会の拡大を図ることといたしております。
 中長期的な対策としては、産業振興による雇用の創出が重要であることから、地元企業の育成や企業誘致、産業創造アクションプログラムの推進等により雇用の場の拡大に努めているところであります。
 さらに、意欲ある若者を海外に派遣するグローバル産業人材育成事業の実施、改正沖振法による特別自由貿易地域への企業立地の促進、観光産業、情報通信産業を基軸に多様なビジネスを創出し雇用機会の増大を図っていくこととしております。
 次に3番、観光振興についての御質問の中でショッピングモールについての御質問でございます。
 国際ショッピングモールについては、国において平成9年度に立地可能性、事業形態及び整備方策等の検討を行ったところであり、平成10年度は昨年度の調査結果及び関係市町村の意向を踏まえ宜野湾市及び本部町において基本構想の作成を実施しているところであります。本年3月末には、調査検討委員会において事業手法など一定の方向性が示されるものと考えております。
 国際ショッピングモールの整備は、国内外の観光客の誘客による観光振興はもとより、関連産業の立地による新たな産業振興、雇用の確保が期待できます。
 実施に向けては、既存商店街との調整を初め事業主体のあり方、整備に際しての支援策、税制面における誘導施策、交通アクセスの確保等モールの魅力づくりに向けての条件整備が重要になるものと思われますので、国との連携を図りながら対応していく必要があると考えております。
 なお、沖縄型免税店については、現在までのところ那覇空港内で沖縄開発庁長官が指定する場所となっており、指定場所拡大については今後の課題になるものと考えております。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 総務部長。
   〔総務部長 興那嶺恒雄君登壇〕
○総務部長(與那嶺恒雄君) 財政問題の基金のあり方の基本的考え方と今後の積み立ての方針についてお答えいたします。
 地方公共団体が予算を編成し執行する場合においては、「当該年度のみならず、翌年度以降における財政の状況をも考慮して、その健全な運営をそこなうことがないようにしなければならない。」と地方財政法で規定されております。
 本県でも財源に余裕がある時期には基金の積み立てを行ってまいりましたが、長引く景気低迷による財源不足や多様な県民二一ズに対応した施策・事業を推進する必要から、基金の取り崩しを行ってきたところであります。
 その結果、御指摘のとおり財政調整基金、減債基金及び県有施設整備基金の主要3基金の残高は平成4年度の577億円から、平成10年度末では238億円へ減少することが見込まれております。
 県税や地方交付税等の財源確保が困難な中での基金の取り崩しは全国的な傾向ではありますが、将来の安定的な財政運営のためにも新たな行政改革大綱を策定しこれまで以上に財政改革を推進するとともに、中長期的には産業の振興により税源の涵養を図ることによって基金残高の確保を図っていく必要があると考えております。
 次に、公債費の実態と健全な財政運営のための方針についてお答えいたします。
 平成9年度決算における沖縄県の公債費比率は11.6%で九州平均の15.5%に比較して低い状況にあります。これは沖縄振興開発特別措置法等に基づく高率補助により県負担が軽減されていることによるものであります。
 しかしながら、これまでの数次にわたる経済対策等に伴って発行した県債の償還によって公債費比率は年々上昇する傾向にあり、財政の圧迫要因となっております。
 ちなみに平成11年度当初予算における公債費は約574億円で、これは前年度の540億円と比較して34億円、6.2%の増となっております。
 社会資本等の整備を推進していく上で県債の有効活用は今後とも必要でありますが、その発行は将来に負担を残すものであるため財政運営に及ぼす影響を考慮しながら事業の必要性、効果等を勘案し慎重に対処する必要があるものと考えております。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 観光リゾート局長。
   〔観光リゾート局長 大城栄禄君登壇〕
○観光リゾート局長(大城栄禄君) 観光振興についての2点の御質問にお答えいたします。
 まず1点目は、観光振興地域の指定に関する御質問についてお答えいたします。
 観光振興地域は、観光の振興を図るため政令で定める要件を備え観光関連施設の整備を特に促進することが必要とされる地域について、県知事の申請に基づき沖縄開発庁長官が指定するものであります。
 指定いたしますと、その地域内に新増設されるスポーツ・レクリエーション施設や教養・文化施設等について法人税の税額控除や特別土地保有税の非課税措置等の財政の優遇が受けられることとなります。
 現在、指定申請に向けて関係市町村のヒアリング及び庁内の関係課で構成するワーキンググループの協議を終え、沖縄開発庁ほか関係省庁との事前調整を行っているところであります。今後国の協力を得ながら早急に指定申請できるよう取り組んでまいりたいと思います。
 次に、500万人体制に向けて観光施設整備における国と県と民間の役割についての御質問についてお答えいたします。
 御案内のとおり、観光施設は基本的には民間活力によって整備することが最も望まれることとされております。
 しかしながら、観光産業は総合産業であることから、観光開発は観光関連施設も含め全体として計画的かつ効率的に秩序のとれた調和ある開発が最も求められております。
 県は、観光開発を推進する立場から、ハード、ソフト両面の総合プロデューサーとしての観点から観光基盤整備はもとより、民間の観光施設に対して種々の助成支援を行い魅力ある観光地づくりに努めてまいります。
 その一環として、県は国に対して民間観光施設の整備運営について関連施設の基盤整備及び融資制度、税制等の支援の創設等について要請を積極的に行っております。今後とも必要に応じて適宜要請を行うこととしております。
 また、県は国に対する助成支援制度の創設要請とあわせて平成11年度から新たに観光・リゾート振興資金の県単融資制度を創設いたしましてその育成を図ってまいりたいと考えております。
 以上でごぎいます。
○議長(友寄信助君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 宮城正治君登壇〕
○企画開発部長(宮城正治君) 国際交流事業について3つの関連する御質問があります。
 その1つは、これまでの経緯と今後の取り組み方針について、2つ目に国際交流情報センター(仮称)との関連について、そして3つ目でありますが設立目的、規模、国の諸機関との関連について一括してお答えいたします。
 沖縄国際南北センター(仮称)は、国際都市沖縄の実現に向けてアジア太平洋地域が直面する課題の解決に資するグローバルなネットワーク型の知的交流拠点を形成することを目的としており、その設置については沖縄政策協議会に提示したものであります。
 平成10年3月に沖縄特別振興対策調整費50億円を活用して外務省の調査報告書、沖縄における国際協力・知的交流事業展開に関する調査が取りまとめられました。
 その中で同センターについては、各界の有識者を招聘し各種の国際会議等を企画・開催する交流機能、そして招聘研究員による研究活動のための研究機能、情報発信などを行う支援機能を有する研究機関として段階的に整備していくことが提言されております。
 同提言を受けて、当面は交流機能の先行的な拡充強化を目指して国際フォーラムを外務省と本県がそれぞれの立場から実施することとしており、去る1月には外務省所管の国際交流基金主催による沖縄国際フォーラムが開催されたところであります。
 同センターの施設規模等具体的な整備計画につきましては、交流機能の拡充状況を勘案しつつ国及び関係機関とも協議しながら検討してまいりたいと思います。

 なお、国際交流情報センター――仮称でありますが――との関連につきましては、報告書で提言された目的及び3つの機能との関連を含めて今後調整していきたいと考えております。
 以上でありま.す。
○議長(友寄信助君) 文化国際局長。
   〔文化国際局長 金城勝子君登壇〕
○文化国際局長(金城勝子君) 1月14日に文化国際局長を拝命いたしました金城です。よろしくお願いいたします。
 それでは国際交流事業についてお尋ねがございますので、御答弁申し上げます。
 まず、沖縄国際センターの機能強化と活用について、その機能を強化するよう要請する姿勢はないかというお尋ねでございます。
 県におきましては、沖縄国際センターの機能強化を含めましてその施設拡充をこれまでも要請してまいりましたところですが、県の要請に沿って現在外務省及び国際協力事業団におきましては沖縄国際センターの施設の拡充を図っているところでございます。
 これによりまして研修員のための宿泊施設が29人分整備されるほか、図書資料室の増築、広報・展示スペースや多目的ホールなどの新設が行われ、その一部は一般県民や関係団体等も活用できるものと聞いております。
 県といたしましては、今後とも沖縄国際センターの機能強化を要請するとともに、研修員と県民との交流の機会がこれまで以上に拡充するよう積極的に協力してまいります。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 小那覇安優君登壇〕
○農林水産部長(小那覇安優君) 農業振興について、農業総合振興基金の創設についての御質問にお答えいたします。
 農業・農村の振興につきましては、沖縄振興開発計画等に基づき生産基盤や生活環境基盤の整備、担い手の育成、革新的技術の開発普及、価格安定対策などの各種施策を計画的に推進しているところであります。
 また、これらの施策を補完するため農業災害補償制度や価格安定制度のほか、県独自の農業後継者育成基金、さとうきび生産振興基金、食肉価格安定基金などがあります。
 これらの基金は、それぞれの設置目的に応じて担い手育成や生産振興対策、価格安定対策等に対処しております。
 御提言の農業総合振興基金の創設につきましては、その趣旨や設置目的等を今後とも十分検討するとし、当面は補助事業や融資制度の積極的な活用と既存の各種基金を充実強化する方向で対応してまいりたいと考えております。
 次に、沖縄県種苗センターの設立目的とこれまでの経緯についての御質問にお答えします。
 沖縄県種苗センターは、果樹、花卉及びその他有用植物の導入、育成、増殖並びに販売等の事業を通して園芸作物の生産振興に資する目的で県、名護市、花卉園芸農協等の出資により昭和61年に設立されております。
 同センターは、これまで果樹、花卉農家の需要にこたえ優良な苗を供給し生産の振興に寄与しております。特に洋ランと菊については大量増殖による種苗の安定供給、オリジナル品種の開発等により生産の拡大に大きな役割を果たしております。
 次に、沖縄県種苗センターの経営状況と県の支援策についての御質問にお答えします。
 沖縄県種苗センターは、近年洋ラン等輸入切り花の増加、安価なタイ産の種苗の輸入増加などにより苗の需要が減少し厳しい経営状況になっております。
 県としては、同センターを事業実施主体として「キク優良種苗緊急対策事業」を導入する計画であります。この新規事業により同センターの経営基盤の強化と安定化を図るとともに、菊の一層の生産振興が図られるものと考えております。
 なお、台風等災害時の苗の供給につきましては計画生産を図る上からも重要な課題であり、引き続き検討したいと考えております。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 大工廻朝栄君。
   〔大工廻朝栄君登壇〕
○大工廻朝栄君 大変厳しい経済環境の中での稲嶺丸の船出でありますが、副知事の石川さん、そして牧野さん、出納長の比嘉さんにおかれましては知事を補佐し、沖縄県発展のために命がけで頑張っていただくようにお願いを申し上げます。
 さて、一般質問の通告に従って入るわけでありますが、まず1点目、特別自由貿易地域についてお尋ねをいたします。
 沖振法に基づいて設置された自由貿易地域那覇地区がありますが、平成10年3月の同法改正により新たな特別自由貿易地域制度が創設され、税制上の優遇措置が設けられたわけであります。
 法人税の所得控除制度、10年間で所得の35%につき法人税の課税所得から控除する、最初の5カ年は実効税率で26.3%、5年以降10年まで31.2%という実効税率でスタートするわけであります。
 投資減税、それと特別償却制度の3制度のいずれかを選択することができるようになっておりますが、このことについては国外、例えば中国の経済特区の法人税15%、シンガポ一ルの16.5%、香港の17.5%、フィリピンの5%に比較すると国際競争に耐えられるかどうか、国際競争からいって果たして優遇措置と言えるのかどうか、お考えをお聞きしたいと思っております。
 法人税の所得減税の場合に利益があっての恩恵の効果が出るわけでありまして、県として例えばどの業種で、どの規模で移出及び輸出をすればどの程度の利益が出てこの特別自由貿易地域が成立をしていくのか、シミュレーションをしたことがありますかどうか、お尋ねをいたします。
 また、県内企業に対して、あるいは県外企業に対して、国外の企業に対して今の時点でどのような説明をなされているのか、例示をしていただきたいと思います。
 特別自由貿易地域の制度を活用し加工型産業の振興を考えているようでありますが、我が国の関税は工業製品の場合原材料、部品、半製品等についてはほとんど100%関税フリーであります。沖縄で加工して製品にして輸出または移出する場合、特別自由貿易地域において企業側にとって関税上のメリットがありますかどうか、あれば例示をしてください。
 関税有税品の場合、例えば原料課税か製品課税かがこのたび選択が可能になるわけでありますが、品目が特定されるということでありますが、特定品目はどのような品目でございましょうか、御教示をいただきたいと思います。
 沖縄―本土間の外航船の参入を認めないままで加工交易型の特別自由貿易地域の中で産業振興が可能だと思いますか。
 原材料、半製品を輸入、移入し加工、製造、組み立てを行い、製品を海外へ輸出する、あるいは本土へ移出する加工製造移出型の自由貿易地域について考えてみると、現在我が国がやっているアジア諸国に工場をつくり、その国から本土に輸入する外国基地からの製品輸入を沖縄に置きかえるということであります。
 この場合でもやはり本土―沖縄間の内航船の輸送コストの問題で企業として不十分な点があると思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
 次に、特別自由貿易地域への企業立地促進のための受け皿施設の整備についてお尋ねをいたします。
 知事が要請して認められた経済振興策6項目の繁急かつ効果的なプロジェクトが実現するために100億円の特別調整費が計上され認められております。
 受け皿施設の整備の予算規模は幾らか、何ヘクタールを考えているのか。
 また、沖振法28条による特別法人を設立する必要があると本員は考えておりますが、国による特別法人を設立をして例えば特別自由貿易地域内の県有地、それをすべて買い上げてもらう、あるいは10ヘクタール内外をそれを買い上げてもらって施設をそこにつくってもらうと、そういう考え方がないのかどうか、お尋ねをいたします。
 私は、現在の那覇自由貿易地域においてそういうもろもろのことをきちんと整理しないままでやったことが今の失敗につながっているというふうに確信をしております。その点について明確な答弁をお願いいたします。
 経済新法についてお尋ねをいたします。
 沖縄振興のプロジェクトや沖縄経済振興21世紀プランに基づいて各種施策をより実効あらしめるために経済新法を制定する必要があるということでありますが、このことは沖振法を廃止し新たな法律を制定するという意味なのか、それとも県経済の自立化を促進するために、または返還軍用地等の跡利用の実効性を確保するため沖振法の再度の改正をして対応しようとするということなのか、お尋ねをいたします。

 普天間飛行場及び那覇軍港等返還軍用地の跡利用は、現行の法制度のもとでは不可能であり、跡利用の実効性を確保するための新法と考えてよいのか。
 普天間飛行場及び那覇軍港の跡利用は、国家プロジェクトとして行う必要があるとさきの議会で知事が答弁をされております。そのとおりか。
 普天間飛行場及び那覇軍港は、いずれも県内移設で返還を実現するということを知事は表明しておりますが、県内移設を容認する知事であるならば、跡利用は政府の責任で条件を付して差し支えないと考えるが、政府に対して普天間飛行場、那覇軍港の移設について、県内移設を容認する知事から、いずれの施設についても跡利用は国が執行するという条件を付する考えはないのかどうか、そのことをお尋ねいたします。
 沖縄経済振興21世紀プランについて、知事は21世紀プランの策定を政府に強く働きかけていくとさきの議会で答弁されました。
 私が考えますには、そのような受け身の考え方ではなく、橋本前総理が言及された沖縄経済の加工交易型産業の振興、観光・リゾート型産業の新たな展開、国際的なネットワーク化を目指した情報通信産業の育成、これらをはぐくむ国際的な研究・技術の交流の4点を基本に置いて先行的利益を確保していくための基本的な考え方、財政、税制にわたる優遇措置等を緊急に取りまとめて政府に要望すべきであると思うが、いかがでございましょうか。現在までどのような考え方をお持ちでしょうか、お答えをいただきます。
 基地返還アクションプログラムについてお尋ねをいたします。
 アクションプログラムは、2015年までに基地をゼロにするといういわゆる基地全面返還論であります。県民の総意である基地の整理縮小とは合致しないものであります。
 基地の整理縮小は、県民の経済的な損失を可能な限り抑え込みながら現実的に跡利用の可能性、返還後の県民生活への影響とその対応策ありやなしやの現実的視点が必要であります。
 知事が現アクションプログラムを現実的でないとするならぱ、素案といえども全面的に取り消すべきであると考えますが、知事の考え方をお聞かせください。
 軍転特措法の改正についてであります。
 今回の改正案を検討する中で、給付期間を明示しない理由はなぜでしょうか。
 給付金額の上限額については、どのように考えているのか。
 軍用地の跡利用計画の実効性について国の責任を義務づけてはいかがか、お答えをいただきます。
 中部合同庁舎についてであります。
 中部合同庁舎につきましては、年次ごとに予算が計上されており本当に感謝を申し上げます。
 平成11年度は、行政棟の実施設計費は見送られたものの、福祉・保健所棟を先行して3600万円の実施設計費が計上されました。県の財政が極めて厳しい中での努力を多とするものであります。
 行政棟については実施設計費及び今後の見通し、建設スケジュールをお示しいただければありがたいと思っております。
 沖縄こどもの国に対する補助金についてであります。
 基本的な考え方と今後の見通しについてお尋ねをいたします。
 沖縄こどもの国に対する補助金は、事業費の補助と運営費の補助がありますが、その内訳をお聞かせください。
 沖縄県行政改革実施計画で平成13年度を終期年度としておりますが、この考え方を変える必要があると思いますが、いかがなものでございましょうか。
 毎年度10%の補助金をカットしてきたわけでありますが、稲嶺知事の誕生でこどもの国に対する補助金のカットは行われず、前年並みの2200万円の予算を計上していただきました。感謝を申し上げます。
 稲嶺知事の誕生で、特に3歳未満児の医療費の無料化や子供を育てる意味での父母に対する負担を軽減する、あるいは子供に対する思い入れを感じるわけでありますが、前県政とは少し違うような感がいたします。
 知事として、今後のこどもの国の補助に対する基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
 1回目終わります。
○議長(友寄信助君) 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一君) 大工廻朝栄議員の御質問にお答えいたします。
 最初は特別自由貿易地域について、沖振法の改正による特別自由貿易地域の制度で企業誘致は十分可能か、問題点は何かということでございます。
 特別自由貿易地域制度は、法人税の35%の所得控除制度や投資税額控除制度など我が国において他に例のない税制上の優遇措置が講じられ、これにより企業誘致のインセンティブがある程度高められたと考えております。
 さらに、これまでの企業誘致活動から、企業等においては近隣諸国と比較し有利な点として地理的優位性や豊かな自然環境、教育程度の高い人的資源、治安及び社会の安定性などを挙げています。
 課題としては、物流コストが高い、インセンティブが弱い、土地代が高いなどを挙げています。
 このため、本県への企業立地をさらに促進するため、具体策として特別自由貿易地域における賃貸工場の整備促進、土地の賃貸方式の導入及び立地企業に対する県補助制度の拡充強化を検討しております。
 あわせて、引き続き輸入割当品目の緩和、関税の選択課税制度に係る対象品目の拡大等、制度の拡充強化に努め投資環境の整備を図っていきたいと考えております。
 次に、経済新法について、沖縄経済新法は沖振法を廃止して新たな法律を制定するということか、それとも沖振法の改正による対応を経済新法と表現しているのかについてお答えいたします。
 本県の振興開発については、これまで沖縄振興開発計画に基づき諸施策が積極的に推進され、社会資本の整備を中心に着実に成果を上げております。
 この間、沖縄振興開発特別措置法が本県の振興開発に果たしてきた役割は極めて大きなものがあると認識しております。
 しかしながら、本県においてはいまだに産業の振興による自立的発展の基礎条件の整備が不十分であると言えます。
 こうしたことから、3次振計終了後においても引き続き新たな沖縄振興計画の策定及び計画を支える法制度の整備などによる国の支援が必要であると考えています。
 沖縄経済新法は、これまでの沖縄振興開発の総点検を踏まえた施策や沖縄政策協議会における沖縄振興策、沖縄経済振興21世紀プランの施策等を盛り込んだ3次振計後の新たな沖縄振興計画を実効あるものとするものであります。
 そのため、産業・生活基盤の整備の推進や戦略的な産業の育成、基地跡地の有効利用、観光振興の新たな展開、地域特性を生かした振興発展、人材育成・国際ネットワークの確立等を推進するための法制度としたいと考えております。
 その際、現行の沖縄振興開発特別措置法の公共事業等の高率補助制度や特別自由貿易地域制度等の税制上の優遇措置、金融上の優遇措置など必要な制度については継承していくべきものと考えています。
 法制度の整備に当たっては、現行法の改正延長によらずに新たな法律を制定することが法制実務上多くの課題を有することにも十分留意しながら今後検討し、関係機関と調整してまいりたいと考えております。
 次に、経済新法について、普天間飛行場及び那覇軍港等の返還軍用地の跡利用は現行の法制度では不可能であり、跡利用の実効性を確保するための新法と考えてよいかにお答えをいたします。
 基地跡地対策としては、跡地の有効利用を図るほか、軍用地主対策や駐留軍雇用者対策、地域の経済振興を図ることなどが重要と考えています。
 現行の沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律、いわゆる軍転特措法は基地跡地利用の実効性を確保する措置が十分ではありません。特に大規模な基地が返還される場合、軍用地主の負担や県、市町村の財政負担、実施体制などが問題となります。
 このため、行財政上の措置や跡地利用推進体制の整備など円滑な跡地利用が実施できる新たな立法を含めた制度的枠組みを国へ要望する予定であります。
 次に、普天間飛行場及び那覇軍港の跡利用は、国家プロジェクトとして行うのかについてお答えいたします。

 普天間飛行場及び那覇軍港の跡地利用については、計画的な市街地の整備や産業の振興を図り、本県の自立的発展に寄与する計画的な開発が期待されています。
 そのため、自由貿易地域の拡充整備などにより拠点性を高めるとともに、産業の振興に資する亜熱帯総合研究所などの研究機関や情報通信産業及び国際ショッピングモールなど先導的・中核的機能の導入が必要であると考えております。
 このようなことから、これらの中核的機能の導入に当たっては国家プロジェクトとして政策的に開発が進められるよう国に要望していきたいと考えております。
 次に、県内移設が現実的と理解を示す知事ならば、普天間飛行場及び那覇軍港の跡利用は、政府の責任でするという条件を付す考えはないかにお答えします。
 本県の駐留軍用地は、日米安保条約及び地位協定によって長期に使用されてきた経緯があります。
 その中で、宜野湾市においては普天間飛行場が町の中央部を占有しているため市街地が分断され、経済活動や計画的な町づくりの推進に大きな影響を及ぼしております。
 その跡地開発に当たっては、計画的な市街地の整備や産業の振興を図り、本県の振興開発に寄与することが重要であります。
 このようなことから、基地跡地の利用に当たっては行財政上の措置、跡地利用推進体制の整備や国家プロジェクトによる中核機能の導入など基地跡地利用の実効性を確保する制度の整備を国に求めていく考えであります。
 次に、沖縄経済振興21世紀プランについて、同プランの策定は受け身の考え方でなく、県案を策定し国とすり合わせていく必要があると考えるが、知事の考えはどうかということにお答えいたします。
 県は、平成9年11月に国際都市形成構想の実現に向け自由貿易地域の新たな展開、情報通信関連産業の集積促進、国際観光・保養基地の形成の3つを柱とした新たな産業振興策を策定しました。
 橋本前総理が復帰25周年記念式典で言及された沖縄経済振興21世紀プランは、この新たな産業振興策を踏まえ、加工交易型産業の振興、観光・リゾート産業の新たな展開、国際的なネットワーク化を目指した情報通信産業の育成、これらをはぐくむ国際的な研究技術交流の4点の基本的な考え方のもとに国において取りまとめられたものであります。今後、同プランの具体的内容についても県の意向が反映されるよう国と十分協議していきたいと考えております。
 なお、こうした県の意向については次回の沖縄政策協議会において説明させていただくことになっております。
 次に、基地返還アクションプログラム(素案)が実現不可能と判断するならば取り消すべきであると考えるが、知事はどう考えるかという点へのお答えでございます。
 平成8年1月作成の基地返還アクションプログラム(素案)は、国際都市形成構想の具体的展開を図るために広大な米軍基地の跡地の利用が必要であり、返還に当たっては計画的かつ段階的に返還されるよう前県政の基本的考え方をまとめたものと承知しています。
 私は、基地問題の解決に向けては、国際情勢や県土の有効利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、環境の保全、経済振興策を検討したトータルな視点から現実的に対応していきたいと考えています。
 その具体的方法としては、まず、SACOの合意事項の着実な実現を図り、さらに地元市町村との協議を踏まえ、県民の理解と協力を得ながら段階的な基地の整理縮小に努めてまいります。
 次に、軍転特措法の改正について、返還軍用地の跡地利用計画の実効性について国の責任と義務をどのように考えるかということへのお答えでございます。
 本県の駐留軍用地は、長期にわたって使用され、基地内に現行法が適用されなかったことなどから、周辺地域と不均衡な土地利用が生ずるなど跡地を利用するに当たって不都合が生じています。
 今後、大規模な基地が返還された場合、跡地利用のため関係市町村や県の財政負担が過重になりますが、現行の制度では跡地利用計画の実効性を担保する明確な規定がないため事業費の確保などに支障を来すことが予想されます。
 このため、行財政上の措置や給付金支給期間の延長、跡地利用の実施体制の整備など法制度の整備が必要であり、国の責務としてその実現を図っていただくよう要望していく考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長より答弁させます。
○議長(友寄信助君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 宮城春一君登壇〕
○商工労働部長(宮城春一君) 特別自由貿易地域についての中の御質問で、自由貿易地域内と地域外同業者との公平公正さは確保されているかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 特別自由貿易地域制度は、沖縄県知事の申請に基づき沖縄開発庁長官が地域を限って指定するいわゆる地域限定型の制度でございます。
 本制度のねらいは、法人税に係る35%の所得控除制度を中心とする優遇措置を適用することによって、国内外から国際競争力を有する新たな交易型産業の立地を促進し本県の産業振興と雇用機会の創出に資することにあります。したがいまして、同制度の趣旨から域外との間にある程度格差が生ずることについては御理解を賜りたいと思います。
 ただ、本県には産業振興策として対象地域や分野に応じ、特別自由貿易地域制度のほか、情報通信産業振興地域制度、観光振興地域制度、工業等開発地区制度及び中小企業の創造的活動の支援制度など各種の特色ある施策が講じられておりますので、県内で事業を行う企業はこれら制度を有効に活用することが望まれます。
 なお、特別自由貿易地域制度の今後の課題としては、当該制度のメリットが享受できる例ですが、アメリカのサブゾーン制度を参考にし、指定工場制――これは仮称でございます――を導入し既存企業等の活性化を図っていく必要があるものと考えております。
 なお、お尋ねの課税の選択制でございますが、国内の水産業、畜産業等の育成との兼ね合いもあり、品目拡大については極めて厳しい状況にあります。しかしこれら産業の育成との整合性を図りつつ、引き続き国に要請していきたいと思います。
 同じく特別自由貿易地域制度でございますが、企業への優遇措置で海外との競争力に耐えられるかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 海外との競争力を比較する場合、企業に対する税制等の直接的な優遇措置や労働、土地、物流などのコストのほか、その地域の地理的位置や自然環境、教育等の人的資源、技術力、治安、市場規模など幅広い角度から比較する必要がございます。その点から見ますと、沖縄の場合税制上の優遇措置は近隣諸国と比ぺますとまだ十分ではございませんが、かなり改善されたものとなっております。
 また、地理的優位性や豊かな自然環境、教育程度の高い人的資源、治安及び社会の安定性など地政学的観点からも優位性が見られます。
 反面、労働コストや土地の価格等は近隣諸国と比較した場合、競争力に乏しいところとなっております。
 これら不利性をカバーするため、沖縄若年者雇用開発助成金制度や特別自由貿易地域に整備を予定している賃貸工場を有効に活用するとともに、土地の賃貸方式の導入や立地企業に対する県単補助制度の拡充強化に努め、競争力を高めていきたいと考えております。
 あわせて、輸入割当品目の緩和、関税の選択課税制度に係る対象品目の拡大等制度の拡充に努め、投資環境の整備を引き続き図っていきたいと考えております。
 それから、この特別自由貿易地域制度についての雇用規模、工業出荷額等についてのシミュレーションはどうなっているかという御質問がございました。
 これにつきましては、私どもの方で一応シミュレーションをいたしておりますが、現在のところ具体的な業種や企業が決まっておりませんので正確なところの算出は大変難しいようでありますが、自由貿易地域の面積98ヘクタールを分譲あるいは賃貸をする予定でございますが、そのゾーニング計画、全体的なもので平成20年ですかね、最終的にこの特別自貿が終わった場合を想定いたしまして全体規模をシミュレーションをしてみますと業種としては製造加工業分野、物流ゾーン、それから倉庫と。それと加工型の製造業の立地が想定されますけれども、約90社。それから雇用規模としては6000人程度。工業出荷額が順調にいきますと1300億円程度が推計されております。

 それから、特別法人の設置についてどう考えているかという御質問がございましたけれども、この特別自由貿易地域の管理運営主体については、沖振法の一部改正の中でも沖縄振興開発特別措置法28条の特別法人の設置について検討するというふうになっておりますけれども、国との調整の中では現下の行財政改革その他から見まして国による特別法人の設置は極めて困難であるということで、県に対しましてもその代替を検討してくれないかという話もございました。
 そこで県としましては、限りなくこの法の趣旨を踏まえて財務力、それから権限、これが自由貿易地域を活用するに当たって十分機能し得るような規模と権限を持った法人の設立について国ともども検討していくということで、現在その方向での調整をいたしております。
 いずれにしましても、那覇自貿のように制度はつくったのに魂が入らないというふうなことがないように十分なる詰めをしまして法人については財務力、権限ともこの特別自貿の管理運営にふさわしい組織形態をサポートしていきたいというふうに考えております。
 それから、賃貸工場につきましては規模は幾らかというような御質問がございましたけれども、現在、これは政策協議会事項としての受け皿整備事業で検討しておりますけれども、土地の規模、建物の規模等につきましては1万五、六千平米の土地に2階建ての賃貸工場をつくって企業立地のインセンティブを高めるということでの調整に入っております。
 それから、県有地を一括買い上げして賃貸したらどうかという御質問がございましたけれども、これにつきましても県としましてはその方向で可能な限り現在企業説明会の中でも企業からの要望がありますように沖縄の場合は土地が高いというようなこともございますので、できるだけ立地企業の皆さんの要望にかなえられるようこの法人が、あれは特別会計で持っております県有地でございますが、それを一括買い上げしまして、といいましても年次ごとに段階がございますので一遍に買う必要はございませんけれども、それに十分対応できるような買い上げをして、企業にできるだけ低廉な価格で賃貸できるように措置していきたいと思っております。
 そのためにも法人の財務力については、十分なる資力を持たす必要があるというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 宮城正治君登壇〕
○企画開発部長(宮城正治君) 軍転特措法の改正に関連して、今回の軍転特措法に関する要望案では給付金支給の延長期間を明示しない理由は何かとの御質問にお答えいたします。
 通常、市町村が行っている規模の土地区画整理事業では、現況測量から使用収益が開始できる最短工程が約7年であります。
 要望案にあります給付金支給延長は、この期間をべ一スに跡地の規模や調査測量ができる時期、文化財調査の期間、さらに事業実施体制の整備が充実できるかなどを勘案した期間として今後検討していきたいと考えております。現在、期間を明示するか検討中であります。
 次に、同じく給付金の上限額についてどのように考えるかについての御質問にお答えいたします。
 給付金の上限額の設定につきましては、所有面積が多い地主の所得や関係市町村の財政に大きな影響があると考えています。
 使用収益できない不利益は地料算定と同様面積規模に比例するものであり、上限を設定すると公平を欠くと考えます。このため、関係市町村や沖縄県軍用地等地主会連合会の意向を踏まえ、国への要望の中に給付金の支給限度額を設けないことを求めていく考えであります。
 以上です。
○議長(友寄信助君) 総務部長。
   〔総務部長 與那嶺恒雄君登壇〕
○総務部長(與那嶺恒雄君) 中部合同庁舎の建設についてお答えいたします。
 県は、中部地域に分散する出先機関を1カ所に集中し、地域住民に対する行政サービスの向上を図るため中部合同庁舎の整備を進めております。
 合同庁舎は、コザ保健所と石川保健所を統合した中部保健所(仮称)と中部福祉事務所を一体にした建物と、その他の機関が入居する行政棟の2棟建てを計画しております。
 中部保健所と中部福祉事務所を一体にした建物については、平成11年度に実施設計を行い、平成12年度に着工する予定にしております。
 また、行政棟の建設につきましては、県の財政状況を勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 福祉保健部長。
   〔福祉保健部長 平良健康君登壇〕
○福祉保健部長(平良健康君) 沖縄こどもの国の補助に対する基本的な考え方と見通しについての御質問にお答えいたします。
 財団法人沖縄こどもの国は、こども博物館、動物園、水族館など子供の夢をはぐくみ情操と知識を豊かにするための施設を有し、昭和47年の開園以来県民に広く利用されております。
 県としては、同法人が児童の健全育成に大きく貢献していること、また自己財源だけでは健全な運営が困難であること等を考慮して昭和47年以降助成を行っております。
 平成11年度は、動物園の運営費補助として2220万円を人件費、動物飼料費、光熱・水費の一部に補助することにしております。
 県としては、同法人のさらなる自助努力を促しつつ、今後、同法人及び沖縄市と調整を図りながら引き続き支援のあり方について検討していきたいと考えております。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後0時5分休憩
   午後0時6分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
 大工廻朝栄君。
   〔大工廻朝栄君登壇〕
○大工廻朝栄君 再質問をいたします。
 28条による特別法人をつくる考えがあるというふうに御答弁をいただきました。
 これはぜひ県知事を先頭に政府に強力に要請をしていくと。何のために28条で特別法人をつくるというふうに明記されているのか。これは沖振法の改正に伴うものではなくして、前自由貿易地域の中でもきちんとうたわれているものであります。
 ただ、特別自由貿易地域というものが制定されるときに、法律を改正して「特別自由貿易地域」ということを入れないことにはそれが適用されないと。わざわざその部分を書き加えたわけでありますから、その目的を十分に承知されまして、ぜひとも那覇地区のような状況にならないように……。
 そして企業立地促進のための受け皿の整備についてもう一度お尋ねしますけれども、私が聞いた部分では、土地が大体1ヘクタールぐらいの部分になるんだろうと。県としては10ヘクタールから15ヘクタールぐらいをぜひ利用してほしいというお考えのようですが、その100億円の中で6項目の中の割り振りもありましょうけれども、特別自由貿易地域というものについては、その補助金を全額受けて、全額補助をやって県がつくるというような方向性では私はよくないと思っております。
 通産省側がその施設もつくって、つくる際にはその土地は県から買い上げるという方向でもって進まないことにはやはり国として余りにも消極的だと、そういうふうに思いますので、28条に基づいてぜひ強く政府に求めていっていただきたいと。
 もう一つ、特定品目ですけれども、おっしゃらなかったんですけれども、工業製品の加工、半製品の加工、そして輸出、移出という場合は関税はゼロなんですね。ほとんどゼロなんです。関税フリー。だから一つの関税の部分でもって立地された企業としてうまみがあるものについては高関税が課されたものについて選択課税制度によって一番安いものをとっていくというふうな制度にならないとメリットがないわけですね。
 私は、その部分について本当に関税が高くされているものについて、特定品目として認められているのかどうか、非常に疑問だと思うんですね。いま一度特定品目の数というものを教えていただけませんか。もし時間がなければ資料でお願いをしたいと思います。
 せっかくやる以上は、問題はどっちにしても関税の分には余りメリットがない。メリットがあるという場合、先ほど言っていましたけれども、どうしても沖縄から本土に対する外航船、その扱いをしないことには商品単価の大体13%、本土―沖縄間は国際価格の2倍の費用がかかるということで、いずれの産業にしても売りまけをしてしまう。

 せっかく優秀な製品をつくり上げても、それがネックになっていればその自由貿易地域というものはなかなか機能しないだろうと、そういうふうに思いますので、十分研究をなさって要求すべきは政府に強く要求していただきたいと、そういうふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
○議長(友寄信助君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 宮城春一君登壇〕
○商工労働部長(宮城春一君) ただいまの御質問の中で、特定品目いわゆる選択課税の品目についてでございますが、政令の規定の仕方は、いわゆるある品目を除いてはみんな選択でできますよというのがそうなんでございますが、この中で今回新たに認められたのが牛肉を原料とした調整品ということでございまして、これには牛肉の加工とかパックとか、一定の条件のもとで牛肉については認めますよというふうになってございます。
 そこで、これらの品目につきましては水産物あるいは畜産物が中心でございまして、国内のこういった関係水産業界、あるいは畜産業の方々の保護育成の面が非常に強いわけでございまして、それとの整合性を図る中でどのぐらい拡大できるか、引き続き国にも要望してまいりたいと思っております。
 それから、賃貸工場につきましては現在1万平米から1万二、三千平米でやっています。これは100億円の調整費の枠もございまして、あっちを押せばこっちがへこむと、こういうような関係もございますので、私どもとしてはとりあえず全部を賃貸にしますと逆に企業の方からも非常に立地しにくいということもございますので、もう少し立地企業の意向も聞きながら全体の配置を考えていきたいと思っております。全部賃貸工場にしますと逆に企業が立地できにくい部分もございます。ですから、ある程度の部分でそれをやりまして企業立地のインセンティブを図っていきたいというふうに考えております。
 それから管理法人でございますが、これにつきましてはいわゆる賃貸工場の管理する法人とそれから自由貿易地域全体を管理する法人は別法人でございますので、先ほども御説明しましたように全体を管理する運営法人が財務力、権限、そういったものが法の趣旨に合うような形でつくれるよう国との調整をしっかりやっていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後0時14分休憩
   午後1時31分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 安里 進君。
   〔安里 進君登壇〕
○安里 進君 私は、昨年は選挙だけやってきたような感じがいたします。2月の名護市長選挙、3月の私の補欠選挙、そして6月の参議院選挙、8月の市議選挙、そして締めは知事選挙でありました。
 私は、名護市長選挙がこれだけ勝ったので知事選挙は今度は間違いないというふうに思っておりました。それで我が同僚の、私の歓迎会のときに、今度の知事選挙は必ず勝つから、私の風水学から見ても全くそうなっているからということで間違いなく知事選挙を立派に締めていただきました。
 そういうこともあって、私はフンシー安里と言われておりまして、大変な今の知事のすばらしい活躍ぶり、これはすばらしいものがあります。
 きょうで知事が就任してから82日目になるわけであります。その間知事の行動力、このスマートさ、そしてソフトなイメージからくる知事からどれだけこんなにすばらしいエネルギッシュな、そして強いパワーがあるのかなと本当に関心をいたしているところであります。
 また、政策頭脳ブレーンであります両副知事、これもまた大変支えとしてすばらしいものがあるなと。出納長も含めて三役のこのコンビネーションは、まさしく沖縄県のこれからの県政運営に立ってすばらしい働きをしてくれるんじゃないかというふうに期待をいたしておりまして、出納長は体が大きいこともありまして、受ける側、この器はいつも大きい方がいい。
 三役、これでひとつぜひ頑張っていただきたいなと思うと同時に、名護の市長選挙のときに約1000票超して勝ったんですが、今度の知事選挙はまさしくその市長選挙の3倍の差をつけました。それはやはり北部に対する前県政の配慮が余りにも希薄だったと。我が名護市を含めた北部振興のためには今度稲嶺候補にどうしても頑張ってもらわぬといけないということもあってこれだけの票が集まったんじゃないかというふうに思って、稲嶺知事に対する期待は非常に大きいものがありますから、よろしくお願いをいたしたいというふうに思っております。
 稲嶺県政発足後初めての予算となった1999年の当初予算は、一般会計で6310億7100万円、厳しい県財政状況の中で新県政のカラーがにじみ出た予算であります。対前年比2.7%の伸びを示しており、過去最高の予算規模となっているわけであります。
 特に、稲嶺知事が選挙公約に掲げた産業振興、雇用対策などを中心に新規事業の芽出しや主要継続事業の増額配分、県単独融資事業は中小企業を対象にした経営振興資金など11の資金事業で、この中には観光・リゾート資金の新設も含め18.5%の伸びを見せているわけであります。
 特に、稲嶺県知事が選挙公約に掲げた産業振興、雇用対策などを中心に新規事業の芽出しや主要継続事業の増配分、県単独事業の中小企業を対象にした経営振興資金など11の資金事業で、この中には観光・リゾート資金の新設も含め今さきありました18.5%、これは大変なものであります。
 また、医療・福祉関係では乳幼児の医療助成事業、3歳未満児への引き上げ、保育所建設は今回8カ所、知的障害者助成事業など前年度を上回る予算を確保し、公約として掲げた弱者対策にも配慮をいたしているわけであります。
 また、財政負担の大きい箱物の新規事業は、県民生活に直結する必要最小限のものにとどめ新規事業を見送ったことに加え、繰入金、基金の取り崩しや県債を一定程度抑制するなど財政改革に取り組む姿勢が見られ、高く評価するものであります。
 県財政の大変厳しい中で、予算編成に御苦労されました県三役、部局長、特に財政担当の與那嶺総務部長以下職員の御苦労をねぎらい、これから一般質問といたします。
 まず最初に、2000年サミットの沖縄誘致についてでございます。
 昨年5月、沖縄県は大田知事ではなくて宮平副知事がサミットの沖縄開催を政府に正式に要請をいたしました。県サミット誘致促進協議会大田昌秀知事として行ったもので、外務省、沖縄開発庁、内閣官房副長官、自治省総務審議官を訪ね、要望書と開催計画案を示して沖縄開催のメリットを強調してその実現を訴えました。これは大田知事が行けない状況があったからであります。
 しかし、国と県とが閉塞状態の中で外務省の柳事務次官は、幾つかの地域が立候補しており、これから調整していきたいとの答えだけにとどまっているわけであります。
 しかし昨年11月、稲嶺惠一さんが知事に当選してまだ知事就任もしてない中での当選のあいさつ回りの中で、サミット要請に対して、本来ですと年内の場所決定をことしの4月以降決定するということになっているばかりか、プレスセンターの場所の指摘をし計画変更させるなど大変感触がよくなってまいりました。
 沖縄は、中国、台湾、韓国、フィリピン等アジアに最も近く、サミットにアジアから参加しているのは日本の国だけであります。その意味でもアジアに最も近い沖縄が開催地として手を挙げ成功することが他の国々にとっても大きなプラスになり、そういう意味でも県民運動を盛り上げる必要があるわけであります。
 そこで、稲嶺県知事の力強い決意のほどをお伺いしたいと思います。
 次に、サミット主会場である北部名護市はいち早く沖縄誘致促進北部地区期成会を組織いたしました。去る8日には1500名を集め住民大会を開催し気勢を上げました。17日には宮城東村長を団長に首相官邸等に要請したところであります。
 そこで、これまでもありましたが、野中官房長官は、いろいろな条件を精査して決めるが、特に警備が大きな要素になると答えております。
 当然、これは県警としては場所が決定してしまったら警察庁が指揮監督すると思うが、地元沖縄県警は一体どうなっているか。やはり任せておけと、準備万端だというふうなことであるのか、それともちょっと大変だなということであるのか、本部長の決意をお伺いしたいと思います。

 次は、環境行政についてであります。沖縄県のごみ処理の現状と将来構想についてお伺いしたいと思います。
 科学技術の発展とともに私たちの生活は大変便利で豊かなものになりました。
 その反面、限りある資源を消費し多くのごみを生み続けておりまして、今や環境問題は大きな社会問題になっております。我々個人がしっかりごみの分別をすることやごみを出さない、減らす努力をすることが非常に大切であります。
 一方、ごみ処理の現状にも目をつぶるわけにはいきません。
 現在、沖縄には本島部16施設、離島部14施設の計30施設の小規模施設が存在をいたしております。ダイオキシンの排出源である煙突の数を減らすこと、そしてごみを資源として考え再利用する必要があると思うが、県当局のごみ問題に対する現状と将来構想についてお伺いしたいと思います。
 2番目に、沖縄県に多い小規模ごみ処理施設をRDF(ごみ固形化燃料)製造する施設に転換することについてお伺いしたいと思います。
 このRDF(Refuse Derived Fue1/ごみ固形化燃料)、つまりごみの中から可燃物を選別し長期間保存可能な状態に加工した固形燃料を採用することによって完全なダイオキシン対策ができ、ごみを資源としてリサイクルし電気エネルギーヘの転換を図り、灰は溶融スラグ化され路盤材等に利用、また金属は未酸化回収されリサイクルされ省エネとしての波及効果は大変大きいと思うが、県はこれらのことについてどう考えているか、お伺いしたいと思います。
 金曜日にRDFの会社の皆さんが見えていろいろ陳情をいたしていると思います。県は、ごみ対策についてもいろいろあるかと思いますが、3名の宮城部長、企画開発部長、商工労働部長、それから文化環境部長、3名のそれに対する取り組み姿勢をお伺いしたいと思います。
 次に、3番目の鳥獣保護行政についてお伺いいたしたいと思います。
 どこでも見られたメダカが、絶滅の危機と環境庁が去る18日に改定した日本産の淡水魚類のレッドリストでメダカが絶滅のおそれがある種に分類されたとマスコミは報じています。水田や用水路などの生息環境の悪化が原因のようであります。
 さて、沖縄県で1981年に発見された国の天然記念物であるヤンバルクイナについてであるが、環境庁が絶滅危倶種に指定している鳥であります。
きのうも真鍋環境庁長官がヤンバルに行っていろいろ聞かれたと思います。
 昨年6月29日に国頭村内の牧草地で5個の卵を見つけ名護自然動植物公園(ネオパーク)に持ち込まれました。同公園ではふ卵器で温度37度で温められておりましたが、7月6日に1羽、翌7月7日にはさらに3羽がかえりました。卵1つはふ卵器の中で割れましてかえらなかったが、初の人工ふ化、そして人工飼育が始まって3週間成長したひなは、目の後ろにヤンバルクイナの特徴であります白い斑もはっきり出て首から腹には白い横じまもあらわれて公園職員の並々ならぬ努力が功を奏し、マスコミも人工ふ化に成功と大々的に報道されました。
 しかし昨年12月、立派に育ったヤンバルクイナは放鳥と相なり、1月になってヤンバルクイナは厳しい野生への復帰、1羽捕食、2羽についても羽についた発信器を残して姿を消してしまったとの報道にショックを隠し切れませんでした。
 そこでお伺いをいたします。
 放鳥までの過程で管理体制の維持の問題が指摘されております。ヤンバルクイナとわかった段階で補助金を出して特別な管理体制をとるべきであったと思うがどうか。
 また、保護か人工増殖かで論議に時間がかかった佐渡のトキの例に見られるように、最悪の事態を想定して人工増殖の技術を確立しておくことが必要であるとの指摘もあるがどうか。
 (2)番目に、12月24日に放鳥されたヤンバルクイナが1羽捕食され、残り2羽もつけた発信器を残して姿を消しているが、放鳥時期と場所について問題はなかったかどうか、お伺いします。
 グアムでは、犬を使い外敵からの防衛方法を学ばせているが、今回のヤンバルクイナはそのような訓練をしたのかどうか。
 また、私も1991年にグアムヘ行ってまいりました。グアムではロバート・ベック博士と、それからハーシンという飼育係に会っていろいろ話しました。向こうでは完壁に増殖をやっておりまして、一生懸命犬を使ったりして訓練をしているわけであります。そしてそれをその状況になったときにロタ島にちゃんと放しているわけであります。
 向こうは、ヤンバルクイナと違ってグアムクイナでありますが、オオガシラヘビというのがいまして、電柱に巻きつくぐらいの、停電させるぐらいのハブがいて、その卵を食っているわけであります。年間、オオガシラヘビを捕らえる日を設けているわけです。そして1台の車を賞品としてやるぐらいまでやっていると。
 我がヤンバルはどうですか。犬は捨てる、猫も捨てる、自然が幾ら大事であってもそういう環境をちゃんとしませんと、幾らやってもなかなか増殖ができないということです。
 この前、我々文教厚生委員会で西表島の保護センターへ行ってまいりました。考え方にちょっと問題があるなというふうにも思っております。
 といいますのは、この特殊な動物、こういうヤンバルクイナ、それからイリオモテヤマネコ、これが希少価値のある動物だからもうこれ以上ふやさぬでもいいじゃないか、これだけでいいじゃないかという考え方もあるようであります。
 それじゃ困ると。増殖をしないと、できないから私もいろいろ行って、もう8年、9年前にグアムにも行ってそういう施設もつくったらどうかというふうにしたその後に国頭村の皆さんが私の後を追って向こうへ行っていろいろ研究して、今ヤンバルにこのセンターができるわけであります。
 私は、石松元環境庁長官にも会いました。ぜひひとつそういうことでお願いしますと、8年前に行ってまいりました。
 そういうこともあって特にその問題については、ひとつぜひ文化環境部もいろいろと新しい施策を出してもらいたいというふうに思っております。
 平成11年の島田懇の事業で、国際種保存センターが名護自然動植物公園に設置される予算がついております。これに対しても県の皆さん方に心から、島田懇の副座長でありました知事にも本当にお礼を申し上げたいと思っております。
 そこで、県として放鳥失敗との関連も含めてどのような計画、構想を持っているのか、それをお聞かせ願いたいというふうに思っております。
 よろしくお願いします。
○議長(友寄信助君) 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一君) 安里進議員の御質問にお答えしたいと思います。
 最初は、2000年サミットの沖縄誘致について。
 日本は、アジアで唯一のサミット参加国であり、アジアに最も近い沖縄でサミットを開催する意義は大きい、誘致に向けての知事の決意を伺いたいとの御質問へのお答えでございます。
 サミットが本県で開催されれぱ沖縄のことが広く世界に知られることになるだけでなく、沖縄発のメッセージが世界じゅうを駆けめぐることになります。
 このことは、沖縄の社会・文化に大きなインパクトを与え、本県の国際化に大きく貢献するほか、観光・リゾート産業のさらなる発展にも弾みをつけ、県経済を活性化させる大きな起爆剤となります。
 県としては、市町村や経済団体など関係各界との連携のもとに誘致活動を強化するとともに、受け入れ条件の整備や県民への広報・啓発活動に力を入れているところであります。幸い、県内でも最近サミットヘの関心が急速に高まっており、誘致運動も自発的に盛り上がりを見せています。
 私は、このような県内の動きとも呼応しながら、サミット誘致推進協議会として県民署名運動などを初めとする誘致キャンペーンを積極的に展開し、誘致推進運動を草の根レベルまで含めた幅広い県民運動へと大きく盛り上げていきたいと考えています。そして私自身が先頭に立ってあらゆる機会を通して政府関係者に働きかけ、千載一遇のチャンスである2000年サミットの沖縄開催をぜひとも実現させたいと思います。
 次に、環境行政についての御質問で、ごみ問題に対する現状と将来構想についてお答えいたします。

 近年、増大・多様化するごみの適正な処理は廃棄物行政の大きな課題であります。
 これらのごみを適正に処理するため、県内では現在48市町村で31のごみ焼却施設が整備されております。
 なお、ごみ焼却施設については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により排ガス中のダイオキシン類濃度が規制されておりますが、平成14年12月からさらに規制が強化されるため、その基準に適合した施設の整備も必要であります。
 また、ごみの減量化、資源化を図るためには分別収集の徹底等が必要であり、各市町村においてはその取り組みがなされているところであります。
 これらの状況を踏まえ、県においては最終処分場の確保、リサイクルの必要性、ダイオキシン対策等の高度な環境保全対策の必要性等適正なごみ処理を推進するに当たっての課題に対応するため、沖縄県ごみ処理広域化計画(仮称)を今年度じゅうに策定することにしております。
 今後は、この計画に沿って施設整備の広域化を進めると同時に、ごみの資源化、リサイクルについても強力に推進していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係各部局長より答弁いたします。
○議長(友寄信助君) 警察本部長。
   〔警察本部長 井上美昭君登壇〕
○警察本部長(井上美昭君) サミット誘致の重要な要素となる警備体制についての質問についてお答えをいたします。
 サミット開催地の決定につきましては、警備面のみならず会議場や宿舎等の施設の状況、地理的条件、輸送面など総合的な見地から政府において判断されると承知しております。
 開催地が決定されていない現段階では、知事部局や関係団体と情報交換を密にしてサミットに関する政府の動向に十分なる関心を持って見守っていきたいと考えております。
 サミットは、国の威信をかけた極めて重要な会議であります。開催地が本県に決定しましたならば、県警といたしましては警察庁や県当局を初め関係機関・団体と緊密に連携し、幅広い県民の理解と協力を得ながら警備に万全を尽くす所存であります。
 以上であります。
○議長(友寄信助君) 文化環境部長。
   〔文化環境部長 宮城光男君登壇〕
○文化環境部長(宮城光男君) 環境行政に関する御質問のうち、小規模なごみ処理施設をRDF(ごみ固形化燃料)製造する施設に転換することについてお答えいたします。
 ごみのRDF化による代替エネルギーとしての利用は、資源循環型社会構築の一つの手段として有効であることから、他府県では実用化されている事例があり、県内においても民間べ一スによる可能性調査等も実施されております。
 RDFは、ごみ質の均一化、輸送及び保管が比較的容易であるため、離島を多く抱える本県においてはごみ処理の広域化を推進するための有効な手段の一つであるというふうに考えられます。
 しかしながら、ごみのRDF化を促進するためには、ごみの安定的な供給と利用先における安定的な引き取りの仕組みを確立することが必要でございます。
 県としては、今後可能性調査結果や他府県での実用効果等、また市町村や関係団体等の意向も踏まえて小規模なごみ処理施設をRDF化施設に転換する可能性について今後検討してまいりたいと思います。
 それから、鳥獣保護行政に関する御質問で、ヤンバルクイナとわかった段階で補助金を出して特別な管理体制をとるべきではなかったかと、そして人工増殖の技術を確立しておく必要性もあるのではないかという御質問にお答えいたします。
 県では、野生鳥獣のけがや病気の治療と野生への復帰を図るためネオパークを初め県内5団体に救護事業を委託しております。
 今回の件は、ネオパークに卵として持ち込まれふ化した結果、ヤンバルクイナであることが判明したもので初めてのケースでございました。
 このため、県では学識経験者、それから環境庁、県教育庁、ネオパークを交えまして慎重に協議し、飼育管理に十分配慮したつもりでございます。
 また、放鳥に当たっては環境庁の助成を受け、財団法人山階鳥類研究所に業務を委託し、専門機関の指導助言も踏まえ、野生復帰の訓練も行い万全を期して放鳥いたしたつもりであります。しかし結果として1羽が何者かに襲われ貴重な個体を失うことになったのはまことに残念と思っております。
 人工増殖につきましては、県としては現在整備を進めております環境庁の野生生物保護センター――これは国頭にございますが――において希少種の保護増殖事業が開始されたところでございまして、ヤンバルクイナの増殖についても同センターや関係機関とも協議しながら検討していきたいというふうに考えております。
 それから、放鳥時期と場所に問題はなかったのか、外敵からの防衛訓練はしたのかという御質問にお答えいたします。
 放鳥時期については、今回のヤンバルクイナの例は、いわゆる希少種・天然記念物として国内で増殖したというのは初めてのケースでございまして、さらにヤンバルクイナの生態など不明なことが多かったために学識経験者や鳥類の専門家などの意見を聞き、長期に及ぶ飼育による野生の喪失の問題も念頭に置いて放鳥時期を決定いたしました。
 それから、放鳥場所については卵の発見場所も含め3カ所の候補地をピックアップし、野生生物の専門家(学識経験者)及び関係行政機関で現地調査を行いました。
 その結果、まず卵の発見場所からの近さ、それからミミズやバッタ、昆虫の幼虫などヤンバルクイナのえさとなる動物の豊富さ、それから放鳥候補地の野生のヤンバルクイナの生息状況、天敵の存在の有無、それから森林等の生息環境のよさ、水場(沢)のよさ、それから交通事故の可能性、それから追跡調査――電波の受信でございますが、その容易さの8項目について比較検討して、そして放鳥したその場所が最適の放鳥場所というふうに決定したわけでございます。
 それから、外敵対策につきましては、放鳥を委託した山階鳥類研究所の指導を受けながら、ネオパークにおいて放鳥前の10日間、飼育舎からクジャク等他の鳥類が同居する広いゲージに移して野生にならす訓練を行って、それから放鳥いたしております。
 次に、国際種保存研究センターとの関連で、県としてどのような計画、構想を持っているかという御質問にお答えいたします。
 島田懇事業で名護市がネオパークに整備を予定している国際種保存研究センターにおいては、平成10年度から整備を進めております環境庁のやんばる野生生物保護センターにおきまして希少種増殖事業の取り組みが開始されたところでございますので、これらとの関連の中で県としての施策を検討し本県における希少種の保存を図っていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 宮城正治君登壇〕
○企画開発部長(宮城正治君) 安里議員からのRDF処理に関しましては、今直接宮城文化環境部長から御答弁申し上げたとおりであります。
 この環境問題というのは我々沖縄地域の問題だけじゃなくて、もう世界的な課題であります。したがいましてこれには我々県としても全庁的な取り組みをいたしたいと考えております。
 図らずも宮城正治、春一、光男の3部長がこれを担当することになりました。ですから行政の縦割りを排除いたしまして、横の連携を図りながら取り組んでいきたいと考えております。
 以上であります。
○議長(友寄信助君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 宮城春一君登壇〕
○商工労働部長(宮城春一君) 安里進議員の小規模なごみ処理施設をRDF製造する施設への転換についての関連での御質問についてお答えいたします。
 商工労働部としましては、ごみ固形燃料、これを活用していわゆる発電できないかということについては民間企業の方でもそういう計画を持っているところがございますので、その辺の計画も十分お聞きしながら、資源の有効活用という面でこの問題には対処していきたいと考えております。
 いずれにしましても、民間主導でこういう環境問題、ごみ問題が前進しつつありますので、部としましては前向きに対応してまいりたいと思っております。

○議長(友寄信助君) 安里 進君。
   〔安里 進君登壇〕
○安里 進君 サミットの問題では、これは沖縄県を挙げてやらぬとできぬわけですが、ぜひひとつ我がヤンバルも総力を挙げてその体制を整えようというふうに思っておりますので、県は一層力添えをお願いしたいというふうに思っております。
 警備の問題が一番焦点になるわけでありますが、選定の基準としてですね、県警本部長はそこまでは言えない状況にあるかと思いますので、私がそれを解釈してちゃんとできるんだというふうに、県警は最善を尽くしているし、また大丈夫だというふうに理解をいたしまして答弁は要らないと、私がこれを解釈するというふうにしたいと思います。本当にありがとうございます。
 それと、ごみ問題は今宮城さんトリオが環境、経済効果、それから設置する場合のいろいろ場所の問題とか、やはり全庁挙げて環境問題に取り組まぬとできぬなというふうに思いますので、今さきの決意を伺いまして、知事を先頭にひとつその問題を解決していただきたいと。
 私が毎朝通っていますと、具志川かなあれは、煙突、いつももうもうとしているわけです。非常に気になるんですよ。あれはダイオキシンは大丈夫かなといつも思っているんですがね。
 そのおかげで私が見ていると、松くい虫の問題じゃないけれども、石川からここまで10本、それから具志川のインター、北の入り口まで25本の松くい虫があるんですよ、この通りだけに。毎日、8カ月ずっとこれを見ていますと一つ一つ全部数えられるんですね。このせいじゃないかと思ったりいたしまして、具志川のあの煙、どうにかならぬかなと非常に気になるんですが、上原政英さん、その辺どうなのかわからぬが、ひとつその辺も考慮に入れながら、調整しながらひとつぜひ……。
 私の名護の場合は水蒸気しか出ていないのに、向こうは黒い煙が出ているから、その辺もぜひ集じん装置をつけるかどうにかしていただきたいというふうに思っておりますので、ひとつお願いしたいと思います。
 それからヤンバルクイナ、これは場所が場所だけに放鳥時期も訓練したとはいえ人工で育ったものだからこれは簡単にはいかないと思いますよ。ひなでとってきたならまだ話はわかります。人工で育って人間が親だと思ってやっているものを、そう簡単にいかないですよ。もう少しだれかグアムにでも行かせて検討させてみてくださいよ。あれは非常に参考になります。
 うちのところにも五、六年前にロバート・ベック博士が来たことがあるんですよ。よくこんなものを見てやっておりましたですよ。ぜひひとつその辺も考慮に入れてやっていただきたいと思います。
 答弁は要りません。
 ありがとうございました。
○議長(友寄信助君) 翁長雄志君。
   〔翁長雄志君登壇〕
○翁長雄志君 通告に従い一般質問をいたします。
 稲嶺県政が誕生してから約3カ月が経過いたしましたが、稲嶺知事は本当にこの議会を通しまして折り目正しい誠意あふれる真摯な取り組みをされていると思っております。多くの県民が好感を持ちながら、その手腕に熱い期待を寄せていると思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。
 稲嶺丸が実質的にスタートをするこの時期に、前県政の印象について少し触れておきたいと思っております。
 私は、1番目に、大田県政は県民の心を一つにするという意味で大変大きな間違いをしたと思ったなと感じております。
 4年前の10・21県民総決起大会は、保革を乗り越えて基地の整理縮小、日米地位協定の見直しを掲げ、県民の心が一つにまとまった実に画期的な出来事でありました。
 しかしながら、大田県政はあえて県民投票という実に戦略的な手法をとりまして大々的なキャンペーンの中で県民に踏み絵を迫ったわけであります。県民感情を二分してしまいました。私は、その後の紆余曲折はここから始まったと思っております。
 それから、県政不況ということでございますが、本議会でも野党の皆様方からも意見がありましたけれども、日本政府の責任じゃないかという話がございました。
 しかし、私は全国的な不況の中でも県内の失業率が9.2%、なおかつ民間の企業や働く人たちが大変な危機感を抱いて毎日地をはいつくばるような形でリストラに励み、そして借金の返済あるいはまた手形の決済と走り回っているときに、その方々が本当にぎりぎりの生活を維持しながら、なおかつ少しの潤いを求めて経済活性化に期待をしているときに大田県政が何を話をされていたかといいますと、基地問題を解決するためには経済振興に多少影響があっても構わないと、あるいはまた野党の皆様方の中でも金で心を売っちゃいけないと、一獲千金みたいな話ではありませんので、本当にぎりぎりの生活の中から少しの潤いを求めたいという県民の気持ちの中でそういう言葉を現実を矮小化するような話し方をする中に、私は多くの県民が閉塞状況を感じ、そしてその中から自然発生的に県政不況というものが出てきたのではないかなと思っております。
 そういう中で本当に民間が大変苦労している、しかしなおかつそういった経済振興に多少影響があっても困らないという人が一緒に困ってくれたらいいんですけれども、困らない職種の人が大きな声で声高に叫びますと私は大変複雑な思いがあったのではないかと思っております。
 それからもう一つは、民主主義という言葉であります。これも新石垣空港の問題でいろいろな委員会を開いたり集会をしたり説明会をしたんだと言っておりますけれども、いろいろ経緯は省きますが、一番の言葉は、大田知事のきょうの少数はあすの多数になるかもしれないというその言葉にすべて凝縮されていると思います。
 政策判断をする権力者がそういう言葉を使いますと、1票でも民意は民意だという言葉でも政策判断はできますし、あるいはまたきょうの少数はあすの多数になるかもしらぬということで政策判断をされてしまったのでは、これはもう一昔前の政治形態であると私は思っておりまして、この今述べた大田さんの手法というものが私は県民から否定的な考えを持たれたと思っております。
 そういうことを払拭するために稲嶺さんが出馬をされたわけであります。3万7000票差という圧倒的な差をつけて当選をされたわけでありますから、自信を持って本当に力強く頑張っていただきたいなと思っております。
 そこでお聞きをするわけでありますが、基地問題あるいはまた経済振興、あるいは新石垣空港問題等々今まで相当の答弁がございましたので、1点だけ知事の理念をお聞きしたいと思っております。
 知事は、沖縄県青年海外協力隊を支援する会の会長とか、あるいはタイのチェンマイ大学と琉球大学が看護婦を相互に派遣して研修を行っている琉球・アジア・太平洋医学交流協会の会長も務められておりました。出馬表明を決意されるその一、二週間前は、たしかラオスやタイのそういった沖縄で学んだ看護婦たちを激励しに行かれておられたと思います。
 それからまた、これまでに六、七十カ国回っておられますけれども、ほとんど先進国ではなくて沖縄県の青年が世界の中で貧しいところ、技術を必要としているところに行って危険なところで頑張っている者を激励しに行ったことも私は聞いております。
 また、知事自身が戦争中、魚雷で沈没をさせられました船の中から九死に一生を得たという体験もございます。
 そういうものを踏まえまして、前知事がヌチドゥ宝ということである意味で私からしますと内向きの平和思想を持っておられたわけです。これも大変重要でありますけれども、しかし沖縄県は県民所得が全国一低いといいましてもフランスの国民所得よりも高いわけで、私たちのこの沖縄県というものはそういった沖縄の内にある負の部分も主張しながら、なおかつ世界に貢献をするという、世界の平和に貢献をする、あるいはまた貧しい国々へいかなる形で沖縄の青年たちが21世紀に夢を持ちながらやっていけるかということを私どもは考える必要があるだろうと、こう思っております。その意味で今回知事が設けられた沖縄平和賞は、私は大変特筆に値するものだと思っております。

 そこで、沖縄平和賞の創設や沖縄の青年の海外における貢献など知事の平和や国際貢献に関する哲学をお聞きしたいと思います。
 これは、理念的な問題でありますので、もし差し支えなければノー原稿でお話をしていただければありがたいと思っております。
 それから、コンピューターの2000年問題であります。
 私も、これは去年の暮れから関心を持ちまして今日まで勉強をさせてもらいましたけれども、勉強すればするほどこれは大変恐ろしい問題だなということに行き着いてきております。
 いろいろ県政の問題でも提言させてもらっておりますが、これはすべての政策に優先して県政のあるいは日本国の世界のべ一スとしてこの問題を取り上げなければ私たちの今いろんな形での議論がすべて不毛な議論になりかねない、そういう感じを今強く抱いております。
 それは皆さん方よく御承知かと思いますが、昔のコンピューターというものは容量が小さいわけで、1965年であればそのうちの上2けた19というものを除くことによって下2けたで容量をふやしてたくさんのプログラムをするという形で今日までやってきたわけです。
 しかし2000年になりますと、下2けたが00、これがいわゆる2000年にはならずして1900年になるわけであります。そこからがこのコンピューター社会に支えられました世界の、人類の大変危機的な状況を迎えるわけであります。
 これはことしの12月31日までにすぺてコンピュータープログラムに手を加えて問題点を解決しなければならないという厳格なタイムリミットがございます。
 そして通常のコンピューターシステムは何とかそれで先進国はできるかもしれませんが、今大きな問題になっているのがマイクロチップ、埋め込みチップと言いまして本当に小さなお互いが日常的に使っております電気炊飯器、あるいはエアコン、あるいは洗濯機、自動車、そういうところにハンダで埋め込められているマイコンチップにこれに日付が入っておりますと大変な問題を引き起こすわけであります。
 これは20QO年の時限爆弾とも言われておりまして、世界に6万種類500億個、1%から5%としましても5億から25億の埋め込みチップがいろんなものに入っております。
 マイコンとセンサーが協力をいたしまして物事を動かしていくわけですが、電化製品ぐらいならまだ何とか我慢もできるかもしれませんけれども、工場、エレベーター、電力、航空機、衛星、銀行ATM、すべてにこれが埋め込まれておりまして、これを探すということが大変厳しいと。そういう中で今いろんな問題が出てきているわけであります。
 最近の一、ニカ月の新聞でも大きな問題として3つ、4つ出ておりますから紹介をしたいと思いますが、全部地元紙でありますけれども、「誤作動起きれば惨禍 全核兵器のシステム停止を」ということで英米安全保障情報評議会が――ワシントンにあります民間専門家グループですけれども――核兵器の誤認発射などの事故を防ぐため、全核保有国が核兵器システムの運用を一時停止すべきだとの提言を発表しております。
 ロシアや中国などはなおのことこういう問題に対応しておりませんので、核兵器あるいは原子力発電所、これに大変懸念をしております。
 それからまた米国務省がこれは1週間前でありますけれども、世界の全大使館に最長で30日間の食糧備蓄を命じております。そしてまた日本がその対応の中では世界ではCランクということでアメリカの方で見ているということも紹介されておりまして、特に金融分野での問題の深刻さが日本では指摘されていると言っております。
 それから、アメリカでは銀行ATMの故障を想定して6兆円というお金、アメリカ国民1人当たり500ドルが年末に現金で支給できるような体制をアメリカ政府はとっております。
 それからこれも二、三週間前でありましたが、米国政府は国民に年末から年始にかけての海外旅行はやめるようにという通達も出しておりますし、それから国際民間航空機関(ICAO)、これの方もやはり年末年始は世界の太平洋、特に航空路線というようなものは3分の1に減らすということをやっておりますし、中国の方は中国の飛行機を飛ばすんであれば社長さんはその1月1日の飛行機に必ず乗りなさいというようなことも言っているようであります。
 さらに、コンピューターの総本山であります日本IBMですね、このIBMもこれはアメリカ政府よりはまだ柔らかいんですけれども、1月1日正月から1週間、これは電気、水道、通信、すべてとまるものと想定して日本IMB社としては取り組んでいきたいという新聞記事も載っております。
 それから、産経新聞に載っているものですけれども、厚生省の調べの中で「人工呼吸器や生命維持装置、人工透析機器などコンピューターでコントロールする機器類を扱っている医療機関で、職員への周知徹底が不十分だと」指摘をしています。
 それからきょうの朝刊です。米国民は、アメリカ政府が1カ月前に世界の大使館に食糧備蓄を命じたわけですが、国民にも呼びかけているわけであります。
 上院特別委員会ですね、この「上院特別委員会は、国内で停電などの深刻な事態が生じる恐れがあると警告、国民に少量の食料や飲料水を備蓄するよう呼ぴ掛ける報告書をまとめた。」としております。
 それから、医療部門で一番進んでいるアメリカでさえ「病院の64%と診療所の90%が問題に対応する構えがなく、患者のカルテ保存だけではなく、手術や診察用の機器類に障害が生じる恐れがある。」と発表しております。
 それから、海上運輸も対応が不十分なため、国際貿易が混乱する公算が大きいということもこの一、ニカ月の新聞で出ております。
 じゃ日本はどうかと言いますと、インターネットで、1月22日に内閣にありますコンピューター2000年問題に関する顧問会議、1月22日――これは小渕総理大臣、古川内閣官房副長官、内政審議室長、それから学識経験者10名ほど入りまして、その議論がこのインターネットに載っておりますけれども、そこでどなたがどういう話をしたかというのはありませんが、その議論がここに紹介されております。
 「(複雑系のシステム故障:何も起こらないことはありえない)、しかしながら何も起こらないで済むわけにはいかないだろう。情報通信システムは典型的な複雑系であり、これに対応するのには時間切れになっている。」、「一体どのようなことが、いつ、どこで起こり、その結果がどうなるかということの予測は本来不可能であり、そのうちのどの部分がだれの責任であるか、どこを直せばどうなるかということも実は確定できない。」、「パニックをあおるから不必要に余計なことを言うなと言われるが、むしろパニックは起こって当然であるから、できることなら軽い目のパニックを早目に起こしておく方がよい。」、「実際このパニックをあおるなということで情報の開示を抑えてしまうと、本当の問題をもっと厳密に究明していこうという努力まで抑えてしまうおそれがある。それから、今わかっている限りでもう既に問題の深刻さが相当なところであると断言してよいと思う」、「実際に何も情報を提供しないでおいて人々がショックを受けたときには、怒りとともに陥るパニックの度合いを確実に高める。」とこのように出ております。
 それから「(最終的責任者としての政府の役割の重要性)」ということで、「様々な形での民間や自治体の事前の対応努力を支援する。余りにも大量の備蓄を各人がやるのは不可能であり、政府や自治体、企業がそれぞれ行って必要に応じて配布するということを事前に明らかにしておくだけでも非常に違う。いずれ何らかの形で人々は現金を引き出そうとするだろうが、必ず最後まで政府はそれに応じるための手だてを講じておく。」、「それから、最初の1週間に圧倒的に多くの事故が集中するにしても、それで事が済むはずはなく、例えば貿易ルートや生産ラインが断絶はしないまでもかなり被害がこうむる。必要な資源の輸入等々のレベルが下がると自給が逼迫し、食料難とかエネルギー難とかいったような事態が起こらないとも限らない。中長期の困難への対応が必要である。また、中小企業だけではないかもしれませんけれども、さまざまな企業がつぶれてしまって失業者が増えた、そういう事態にどう対処するかといったようなことへの対応策などもやはり今から考え始めておいていただきたい。」ということで、総理を交えての一緒の会議の中で官邸の中でここまで日本政府も今懸念を示して

いるわけです。
 一番重要なのは、例えばアメリカは農業国としてもエネルギーの供給にしてもみんな自己完結型、自分でそれができるわけですけれども、日本の場合にはエネルギーを100%外国から輸入をしている、工業資源もほとんど輸入をしている、そしてまた食糧も6割以上輸入しているわけでございまして、そういたしますとこれはまた逆に言いますと八方依存型といいまして、日本の国内だけのコンピューターシステムだけをしっかりやってもいわゆる中東がつぶれてしまう、あるいはインドネシアがつぶれてしまいますと向こうから石油がやってこない、液化天然ガスなども来ないと。そういう食糧も来ない、工業製品も来ない、あるいはまた日本でつくった製品を売ろうにも買う側が混乱して買うことができないと、こういうものが今はっきりと見えてきているものですから、私どもはこれを踏まえてやっていかなきゃならぬだろうと思っているわけです。
 これは地球規模あるいは日本全体の問題ですから、県政でどれだけできるかということになるということは余りにも難しい問題でありますが、しかし県民の命と財産への影響を最小限にとどめるという意味では最大限の努力をしていかなければならぬだろうと思っております。
 そういうことでの提言でありますが、県としてこれまでの取り組みの中で庁内での議論の経緯あるいは国との調整はどうだったのか、今後の見通し、それから危機管理計画などをしっかりと策定するお考えがあるかどうか。あるいは2000年問題対応に活用できる制度、措置についてなんですが、政府の系列の金融機関の融資制度とかどのようなものがあるのか、あるいは税樹上の優遇があるのかどうか。
 その他の制度で活用できるのがあるのかどうか、沖縄県独自といいますか都道府県でこういうものに、中小企業等に対応できる制度があるのかどうか、お聞きをいたします。
 それから沖縄県あるいは沖縄県の各市町村は、全国的な意味合いでそういった対策というものはどの程度なされているのか、こういうものを今県は把握しているかどうか、お聞きをいたします。
 それから県民への周知徹底、先ほど情報開示の話もありましたけれども、この情報開示という意味で県民にどのようにして周知徹底をしていくつもりなのか、お聞きをいたします。
 それから、そういったもろもろを各市町村との意見交換をどのようにしているのかどうか。
 あるいはまた民間企業への啓蒙活動についてなんですが、ビルーつだけとってもマイコンチップとセンサーが協力をし合ってエレベーターとか警報装置、空調制御システム、上下水道ポンプ制御システム、あるいは防火設備、消防設備という形でビル全体が2000年問題の集合体と言われております。
 また、中小企業と金融機関とのその決済のいろんなシステムがあるはずですけれども、こういった実態把握は今進められておりますかどうか、お聞きをいたします。
 それからエネルギーですけれども、沖縄電力さんも都市ガスさんも基本的には大丈夫だと言っておりますが、これは通常のコンピューターシステムのことを言っているのでありまして、埋め込みチップといいますか、埋め込みシステムというようなものはこれは先ほど申し上げましたとおりどこに埋め込まれているかわからない、どれに日付が組み込まれているかわからないというような大変アメリカでも右往左往しているような状況だそうです。
 システムエンジニアも今、後進国の方から先進国の方に人狩りと呼ばれているわけですけれども、給料が高いところにということで相当引っ張りだこになっておりまして、その意味で中東やいわゆる後進国の方のコンピューターの問題についてはなかなか厳しいということになっておりますから、沖縄電力さんもその意味ではみずからのコンピューターシステムのチェックは済ませていると思いますけれども、いわゆる石油が運び込まれてくるのかどうか。
 液化天然ガス等は、マイナス163度に冷やされて船舶で送られてくるようでありますけれども、こういうような対応等について本当に御認識をどのように深くしておられるかというものも県の方で聞く必要があるのではないかと思っております。
 それから医療問題、これも県立病院を中心といたしましてどの程度そういったチェックですね、生命維持装置等を初め人工透析の機器とかチェックされているかどうか、お聞きをいたします。
 食糧の備蓄、これもやはり船舶もなかなか動きにくいということがありますし、それから世界の食糧事情も厳しくなってきますので、県内で各人がやるようなものもいずれ必要になるかもしれませんし、県としても市町村としても対応しなきゃならぬということも出てこようかと思いますけれども、ぜひともその辺のところのかたい決意をお聞きしたいと思っております。
 また、県議会でも議員の仲間でまたこれから勉強する会をぜひみんなでつくっていただければありがたいと思っております。
 以上であります。
○議長(友寄信助君) 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一君) 翁長雄志議員の御質問にお答えします。
 最初の質問は、政治姿勢についてということで沖縄平和賞の創設や海外青年協力隊を支援する会の会長、琉球・アジア・太平洋医学交流協会の会長など海外における貢献など知事の平和や国際貢献に関する哲学を聞きたいと、これは理念であるから原稿なしでしゃべろということなのでお話をしたいと思っております。
 一つの考え方というのは、随分体験による影響が大きいと思います。
 私も、先ほど翁長雄志議員のお話がございましたように、海外青年協力隊のカウンセラーとかあるいは支援する会の会長としてどちらかというと発展途上国の非常に危ないところへ随分行っておりまして、危険な目にも何度か遭っております。
 特にベルリンの壁の崩壊後の冷戦構造が崩壊した後から、逆に各民族の違いあるいは宗教等の違いで小さな紛争が今至るところで起こっているわけです。
 特にその中から幾つか私の印象的なお話をしたいと思っております。
 実は、ケニアのナイロビというのは昔はアフリカのパリと言われたんですが、今は大変危険でございまして、昼間からどこかで車をとめられて身ぐるみはがされたなんて例は枚挙にいとまがございません。
 何でそれが起こっているかというと、隣の国が大体紛争が起こっていると。私がエチオピアに参ったときもそうですけれども、起こっているところから武器が流れまして、負けた方の難民が流れ込んできて多くの地域紛争の大きな原因になっているわけでございます。
 その意味でこの平和を守るということは、これは大変重要だなという認識を物すごく持っているわけです。
 非常に印象的だったのは、私が協力隊を支援する会の会長として渡真利道さんというある隊員がジンバブエにいまして、楽器がないので送ってほしいということで楽器を皆さんにお願いをしましたところ、マスコミの皆さんの御協力で何百点という楽器が集まりましたんで、それを送ったわけです。子供たちは大変喜んだんですが、その道さんが帰国するときに多くの生徒たちが集まってきて、道、私はあなたの国とは絶対に戦争はしないと。なぜならば、道、あなたがいるからよという言葉は、私の心に大きな印象として残っております。その意味で心の問題というのは大変重要だなということを思っております。
 その意味で、沖縄から平和のメッセージを世界に伝えるということは大変重要だなという意識から、私は沖縄平和賞というものを提唱いたしたわけでございます。
 海外青年協力隊に沖縄からいっぱい出ておりますけれども、それぞれの国でやはり大変いろいろな難しい問題と立ち向かっておりまして、大変に、沖縄の持っている心とかあるいは技術とか、経験とか、そういうものをいかに発信するかがやはり世界の平和に大きく貢献するものと確信をしております。
 幾つかの小さい例を挙げますと、これもある国の、田仲さんという女性なんですけれども、非常に貧しいがゆえにストリートチルドレンが売春の道を選ばざるを得なくなったんで協力してほしいということでミシンを送りまして、そのミシンを踏みながら彼女たちはもう本当に喜々として一生懸命にやってその仕事で生計を立てるようになったわけです。

 昨年、カンボジアに行きましたときも、本当にあそこは200万人が革命で殺されたと言われていますけれども、その監獄の跡あるいは白骨の跡を見てまいりまして非常に、しかも今なおはっきりわかりませんけれども、1000万個の地雷が残っていて4000人もの人が本当に弱い人が足を飛ばされたり、手を飛ばされたりしている跡を見まして、私も、それに一生懸命やっているサミットさんとか、これはよく沖縄カンボジア協会で話が出ておりますけれども、今吉田朝啓先生がやっておりますけれども、そこにも行って皆さんを呼んで激励をしたり、若干のお手伝いをしてきたわけですけれども、平和の問題というのはその意味ではやはり世界じゅうが本来は平和な心を持たなければ完全な平和にはならないと。それを沖縄からぜひ発信したいと。
沖縄平和賞というのはその意味でのメッセージを出すことによって一歩一歩でも前進するために、進むべきであるというのが私の考えでございます。
 先ほど雄志議員のお話にございましたように、私自身も本当に、戦争中ですけれどもバンコクにおりまして、帰りにベトナム沖で潜水艦に沈められまして九死に一生を得た経験もございますし、それから私自身がやはり忘れられないのは、ごく短い間ですけれども、私が名護に在住中おじの家にちょうどいたときに、祖母が一人でじゃないんですけれども、父も外国へ行っていたために、私たちが行っていたために戦争中ヤンバルで逃げ回っているうちに栄養不良、過労その他で自分みずから立つことができませんので、私自身が、夜の手伝いだけは用を足すのを私がその期間だけですけれども手伝ったということがあります。
 そういういろんなみずからの体験の意識から私自身の平和観というのがありまして、ぜひこの沖縄平和賞というものを大きく広めることによって将来の沖縄の平和に対するメッセージを引き続き出していきたいというふうに考えております。
 以上、原稿なしということでしゃべらせていただきました。
 それから、コンピューターの2000年問題について県としてのこれまでの取り組みと今後の対応というものへのお答えでございます。
 本県の取り組み状況については、庁内61の業務システムを対象に調査をしました。その結果、システムの修正作業についてはほぼ完了しております。
 模擬テストについてもことし6月をめどに終了することとなっております。
 自治省が行った調査結果においても本県の対応状況は上位の方に位置しております。
 今後は副知事を本部長とする沖縄県高度情報化推進本部のもと、最終的なシステムの総点検を行い、特に県民の生命、財産、企業活動または公共の安全と秩序の維持にかかわる重要なシステムについては県民生活に支障がないよう危機管理計画を策定し、全庁を挙げて取り組むこととしております。
 なお、県民への情報提供についてはインターネットのホームページ等を活用して実施していくこととしております。
 その他の質問につきましては、関係部局長から御答弁いたします。
○議長(友寄信助君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 宮城春一君登壇〕
○商工労働部長(宮城春一君) コンピューターの2000年問題について、民間企業への啓蒙活動についての御質問にお答えいたします。
 西暦2000年問題の民間企業への啓蒙活動につきましては、県産業振興公社及びその他の関係団体において講演会、セミナー、ホームページの作成、機関誌による広報活動、相談窓口の設置、フリーダイヤルによる相談体制整備、システムエンジニア派遣、パンフレット等の配布により実施いたしております。
 また、2000年問題に対応する設備の更新を必要とする企業については、産業振興公社において機械類のリース、割賦販売を行う設備貸与事業の拡充強化を図っております。
 ソフトウエア業界等からの聴取によりますと、2割から3割程度の企業については対応が進んでいない模様であり、啓蒙活動をより一層強力に推進してまいりたいと考えております。
 また、金融機関につきましては金融監督庁の指導監督のもとで粛々と対応を進めているとのことでございます。
 ちなみに、2000年問題に対応するいろんな機関の対応策でございますが、政府系の金融機関、いわゆる沖縄公庫におきましては流通業、製造業、その他一般事業者に対しまして情報システムの改造、更新に係る低利融資とか、その他設備資金の貸与、それから運転資金の融資等を行っております。
 それから、税制につきましても取得価格の30%初年度特別償却、リース費用の税額控除等の優遇措置を受けることができる制度もございます。
 その他の制度としましては、システムエンジニアの派遣事業、それから先ほど申し上げましたように私どもの方では産業振興公社において設備貸与事業を行っております。
 それから、低料金によるリース制度の導入、その他債務保証等の施策を講じて2000年問題に対して国、県一体となって現在取り組んでいるところでございます。
 同じくコンピューターの2000年問題についてのエネルギー問題、特に電力、ガス事業についての御質問にお答えいたします。
 沖縄電力株式会社においては、コンピューター西暦2000年問題の適切な対応を図るためコンピューター西暦2000年問題対策委員会を設置し、全社を挙げて調査及び対策を進めているところでございます。
 対策としましては、ソフトウエアの変更、プログラムの修正等を計画的に進めており、1999年中にはすべてのプログラムの修正、テストを完了する予定とのことでございます。
 また、取引先につきましては石油、石炭など燃料調達先のこの問題への対応状況について、情報収集活動を実施し対応状況の確認を行っているとのことであります。
 それから、電気料金支払いのデータ交換を行っている銀行やコンビニエンスストアなどの取引先についてもデータ伝送内容等について先方と協議し対応を完了しているところでございます。
 さらに、2000年問題に関する不測の事態が発生した際の障害回復プランを1999年6月までに策定する予定とのことであり、沖縄電力株式会社においては県民生活及び産業活動に重要な電力の供給に支障が生ずることがないよう万全の体制で取り組んでいるとの報告を受けております。
 また、県内の石油及びガスの企業においてもほぼ同様にコンピューターシステムの修正、模擬テスト、危機管理システムの策定に取り組んでおり、2000年問題に対しては万全の体制で取り組んでいるところでございます。
 御懸念されておられる産油国等の2000年問題への取り組みのおくれから生ずる諸問題等につきましては、そのようなことがないよう国において国際的な取り組みを進めていると承知いたしております。
 また、我が国では現在石油については国家備蓄82日分、民間備蓄70日分、合計152日分が備蓄され、石油ガスについては民間備蓄50日分が備蓄されております。
 コンピューター2000年問題で中東地域等からの供給途絶となった場合には、この備蓄の取り崩しにより安定供給の確保を図ることとなると聞いております。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 福祉保健部長。
   〔福祉保健部長 平良健康君登壇〕
○福祉保健部長(平良健康君) 県立病院を初め医療機関におけるコンピューター西暦2000年問題への対応についての御質問にお答えいたします。
 コンピューター西暦2000年問題において、医療分野は国民の生命、健康に密接にかかわることから対応すべき特に重要な分野として位置づけられ、御指摘のようなさまざまなことに対する官民を挙げての具体的な対応が求められているところです。
 県としては、この問題で想定される影響や混乱が医療機関等において生じないよう国からの通知等に基づき医療機関に対し注意を喚起するなど周知を図っているところであります。
 さらに、本年6月までには全医療機関で自主的総点検が完了するよう関係団体とも連携をとりながら対応していくこととしております。
 なお、県立病院におきましては対策実施要領を定め、システムの修正、模擬テスト等の点検作業を行うこととしております。

 また、2000年1月1日以降、システム等の不測の事態の発生を想定した危機管理計画を本年6月までに策定することとしております。
○議長(友寄信助君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 小那覇安優君登壇〕
○農林水産部長(小那覇安優君) コンピューターの2000年問題の食糧備蓄についての御質問にお答えします。
 食糧の安定供給を確保するため国内生産、輸入に加え備蓄が重要な役割を担っております。
 主食である米については、天候等の自然条件の影響により生産量の確保が不安定であること、また食用小麦、飼料用穀物等は輸入に多く依存しており、不測の事態の発生による食糧需給の逼迫に備える必要があることから、一定量の備蓄を確保しておくことは重要であります。
 現在、国の備蓄水準は米が150万トンで、年間需要量の約2カ月分、食用小麦が需要量の2.6カ月分、食糧用大豆が20日分、飼料用穀物が1カ月分となっております。
 本県における食糧等備蓄の状況は、米が約2カ月分で1万1000トン、飼料用穀物が約1カ月分となっております。
 一方、2000年問題に対応して、現在、農林水産省においてコンピューター西暦2000年問題対策推進委員会プロジェクトチームを設置し検討していると承知しております。
 県としては、不測の事態になっても県民生活に混乱が生じないよう食糧備蓄量の確保について国や関係者に対し働きかけてまいりたいと考えております。
○議長(友寄信助君) 地域・離島振興局長。
   〔地域・離島振興局長 山川一郎君登壇〕
○地域・離島振輿局長(山川一郎君) コンピューターの2000年問題について市町村の取り組み状況と、今後各市町村との意見交換を行っていくのかという御質問にお答えいたします。
 平成11年2月1日現在における市町村の取り組み状況は、既に対応済みの団体が21、現在対応中の団体が22、今後対応する団体が10団体となっております。
 市町村に対しては、これまでも政府が決定したコンピューター西暦2000年問題に関する行動計画及びコンピューター西暦2000年問題対応指針を示し対応を求めており、また去る2月初旬に行われた市町村への予算編成説明会においても庁内のコンピューターの再点検と適切な対応を指導したところでございます。
 コンピューター2000年問題は、市町村が単独で保有するコンピューターシステムだけでなく、住民生活にかかわる広範な問題が発生することも予想されますので、県としましては今後自治省から提供される危機管理計画の手引書をもとに引き続き各種会議、説明会等を通して市町村長及び職員に対し、住民生活に支障を来さないよう万全の対策を求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 金城繁正君。
   〔金城繁正君登壇〕
○金城繁正君 一般質問に入ります前に、稲嶺知事の平成11年度県政運営に関する所信表明について私の所見を述べさせていただきます。
 稲嶺知事は、知事就任2カ月余がたちました。この間、稲嶺知事は小渕総理を初め政府首脳と直接面談、また各省庁を駆け回り、平成11年度国庫支出金の満額確保や100億円の沖縄振興のための特別調整費等の措置、また選挙公約の沖縄政策協議会を再開させ、緊急景気対策として特別自由貿易地域の指定問題、そして沖縄自動車道の通行料金の引き下げ、本土―沖縄間の通信コストの低減化、航空運賃の再値下げ、ソフトな機能を持つ産業振興のための拠点整備、国立高専学校の具体化等の実現を取りつけたことに対し、敬意を表するものであります。
 県政運営について稲嶺知事は、長引く経済不況から脱却し、経済の自立と雇用の拡大を図ることを県政の重要課題として、当面する景気対策と中長期的視点に立った経済振興策に取り組む姿勢を表明、基地問題についてはSACOの合意を踏まえて現実的基地の整理縮小を強調、政府との信頼関係を確立して地域特性を活用した豊かな沖縄の実現を目指し、10項目の主要施策を具体的に提示、これら諸施策を実施展開するため、厳しい財政事情の中にありながらも平成11年度予算案に一般会計6310億7100万円、特別会計412億1416万円、企業会計949億3303万円を措置、本県経済の自立化に向けた新たな産業・経済の振興や雇用の拡大、医療・福祉の充実、地域・離島振興、特に選挙公約の乳幼児(3歳未満)の医療助成事業5億円などを優先的に取り上げ、予算措置がなされたことは高く評価するものであります。
 稲嶺知事ほか三役、部局長の皆さんの御苦労に対し心から敬意を表し、今後、県勢の発展のため頑張っていただくようにお願いをし、質問に入ります。
 1、農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムについてお尋ねします。
 県においては、特別自由貿易地域制度の実施と今後一層進むと予想される国際化に対応した活力ある農林水産業の形成を目指して沖縄県農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムを策定、ことし1月に公表されました。
 この振興ビジョン・アクションプログラムは、農林水産業振興ビジョンとして策定の意義、性格と役割、基本課題、推進方向などを打ち出しており、また振興ビジョン・アクションプログラムには7項目の農林水産業の推進のための施策を挙げております。
 また計画期間は、平成11年度から平成15年までの5カ年とされており、この期間は第3次振計と次期振興開発計画との関連や事業の推進計画の策定、財政計画等について明らかにされておりません。
 そこで、次の諸点について質問をいたします。
 (1)、振興ビジョン・アクションプログラムの策定に当たって農林水産関係団体の意向がどう反映されておりますか。また策定までの経緯について伺います。
 (2)、振興ビジョン・アクションプログラムの内容について伺いたいと思います。
 (3)、第3次振計における農林水産振興策との相違はどういうものがありますか、伺います。
 (4)、生産基盤の整備と有効利用については目標数値や事業量等を挙げておりますが、第3次振計との整合性はどうなっておりますか、伺います。
 (5)、同計画に試験研究機関の整備計画が挙げられておりません。また革新的な農業技術や海洋深層水の利活用などについてどのようになっておりますか。
 (6)、計画を実効性あるものにするのは事業推進計画の策定が必要であると考えます。その策定時期について伺いたいと思います。
 (7)、事業推進のための財政計画はどうなっておりますか、伺います。
 (8)、県は、市町村別アクションプログラムの作成を促進する考えのようですが、その方法と時期について伺います。
 2、ヘルシーリゾート地区の整備問題についてお尋ねします。
 県は、国際都市形成基本計画において、南部海岸リゾート拠点としてヘルシーリゾート地区に位置づけ、平成9年度に沖縄特別振興対策調整費を活用して健康・保養拠点づくりに向けたヘルシーアイランド構想調査が実施されました。この計画は、佐敷、知念、玉城、大里の4町村にまたがる広域で健康と保養をテーマにした諸施設の整備をしようとするものであります。
 「島振協」では、事業推進のため平成6年度から事務局を設置、ヘルシーリゾート整備計画の策定、関係町村との協議、調整等が行われ、事業化に向けて取り組みがなされております。
 ヘルシーリゾート地区の整備は、これからの沖縄の観光産業の振興と雇用の創出、地域の活性化につながるものであり、地域住民から大きな関心と期待が寄せられております。
 この計画を具体化するためには、莫大な資金と制度的財政支援が必要であり、県、町村が一体となって取り組まなければならないと考えます。
 そこで質問をいたします。
 (1)、県当局は、ヘルシーリゾート地区の整備計画についてどのように取り組んでおりますか。またその経過と今後の取り組みについてお尋ねいたします。
 (2)、去る1月18日、南部振興会、市町村会、島尻地域振興開発推進協議会からのヘルシーリゾート地区整備に関する要請事項5項目について県の対応策を伺いたいと思います。
 3、県立美術館・博物館(仮称)の新館建設問題についてお尋ねします。

 県は、美術館・博物館の建設について、平成7年度に一体的な施設として建設することを決定し、平成8年度に基本設計を実施されました。
 県当局の当初計画では、平成9年度に実施設計と用地購入、平成10年度に工事着工、平成12年度に開館を目指したが、財政事情の理由で実施設計費の計上が3カ年見送られ、計画はストップしております。
 また県は、昭和62年度から平成5年度までに那覇新都心に文化施設用地として県土地開発公社に依頼して3万1300平方メートルを先行取得しており、その土地の金利だけでも年2億円に上ると言われています。
 美術館・博物館の建設問題は、過去の経緯からして財政なき計画であり、事業の大幅なおくれは前県政の責任にあると思います。
 このように、文化施設の実施設計のおくれは、今後の財政運営にも大きな影響を及ぼすものであり、憂慮するものであります。この際、計画の見直しをし、実施に向けた取り組みが必要であると考えます。
 そこで、次の諸点について質問いたします。
 (1)、県立美術館・博物館(仮称)の建設の実施設計費が予算化されない理由と今後の対応策について伺いたいと思います。
 (2)、基本設計による建築費は幾ら見込んでおりますか。また開館後におけるランニングコストは幾らになりますか、伺います。
 (3)、土地開発公社が美術館建設用地として先行取得した土地の買い取り価格は幾ら見込んでおりますか、伺います。
 (4)、県は平成12年度の開館を目指してきましたが、財政事情等によって大幅な変更を余儀なくされております。この際、計画の見直し、そして実施に向けてその取り組みをする必要があると思いますが、このことについて伺います。
 4、海外事務所及び海外委託駐在員の設置問題について伺います。
 県は、東・東南アジアとのネットワークを構築するため平成2年度に台湾へ台北事務所を設置したのを皮切りに香港、韓国、シンガポール、中国福建省に事務所を開設、また平成8年にはフィリピン、マレーシア、ベトナム、インドネシア、タイに海外委託駐在員を配置しております。
 海外事務所は、経済・貿易情報の収集・提供の業務と県企業の海外事業展開の支援、人的・文化的交流及び観光事業の促進等の県の総合窓口となっております。
 また、海外委託駐在員の業務は、各地域の経済情報等を収集・提供し県企業の海外展開を支援することになっております。
 海外事務所、委託駐在員の設置・配置は、毎年度予算において多額の費用が支出されております。この際、業務の成果、今後の展望について明らかにすべきだと思います。
 そこで、次の点について質問をいたします。
 (1)、本県における海外事務所の設置と海外委託駐在員の配置状況はどうなっておりますか。
 (2)、新年度予算における海外事務所、委託駐在員等に係る運営費、委託費は幾らになっておりますか。
 (3)、海外事務所、駐在員の設置による県企業の海外事業の展開についての実績と観光事業の促進等についての成果はどうなっておりますか。また今後の展望について伺います。
 (4)、福建・沖縄友好会館の利用状況について伺います。
 ①、会館の利用状況と今後の展望について。
 ②、県企業の中国展開への支援策についてどうなっておりますか。
 ③、会館の利用状況が悪いと聞いておりますが、その原因は何ですか。また今後の対応策について伺いたいと思います。
 ④、新年度予算に会館運営費として4000万円が計上されております。その内容と今後の運営費等の見通しについて伺いたいと思います。
 5、新石垣空港建設問題について伺います。
 新石垣空港の建設事業は、新空港の建設候補地選定作業に着手して以来、10数年の歳月がたちました。
 この間、候補地として白保海上案、カラ岳東案、宮良牧中案が挙げられてきましたが、サンゴの保護等自然環境の問題、農地転用等の農政上の問題、それに政治的イデオロギー問題など地元住民の合意が得られず、その実現に至っておりません。
 新石垣空港の早期建設は八重山郡民の強い願望であり、また八重山圏域の産業・経済振興を図る上からも絶対要件であります。新石垣空港は、将来アジア諸地域との中継空港となるものであり、それを視野に入れた計画でなければならないと思います。
 また、新空港建設位置の選定に当たっては、人命の尊重、航空機の安全運航を第一に決定されるべき問題であると考えます。
 稲嶺知事は、新石垣空港建設について位置選定委員会を設置し、地元の合意形成を踏まえた上で建設位置を決定して早期建設に努めると述べておられます。
 そこで質問をいたします。
 (1)、位置選定委員会の構成と権限、設置時期について伺います。
 (2)、候補地の範囲についてどのような基本方針を持っておられますか、伺います。
 (3)、建設位置の決定までの手法について伺います。
 6番目、国道507号の整備促進についてお尋ねします。
 国道507号の整備については、現在、那覇市仲井真から東風平町屋宜原間を平成2年度よりバイパス事業として着手され、事業も着実な進展を見ておりますが、一部地域において他の事業――区画整理事業等――との調整が大幅におくれ、その早期解決が関係地元から強く求められております。
 一方、東風平町屋宜原から具志頭方面への延伸についてはルート等の決定がなされておりません。そのルートの早期決定の地元からの強い要請があります。
そこでお尋ねします。
 (1)、事業の進捗状況と課題について、また新年度予算における事業はどうなっておりますか。
 (2)、東風平町から具志頭村までのルートについてどのようになっておりますか、伺います。
 7、地域高規格道路・南部東道路の早期整備問題についてお尋ねします。
 南部東道路は、知念村、佐敷町、玉城村の東部地域から大里村を経由し、南風原町内の那覇空港自動車道を結ぶ道路として平成6年12月に地域高規格道路の計画路線に指定、その後平成9年9月に調査区間の指定を受けてルート選定の概略設計が行われております。
この調査によって関係町村においては事業化に向け県との協議、調整がなされていると聞いております。
 南部東道路の実現は、今後における地域の活性化に大きな期待が寄せられ、その早期整備が地域住民から強く求められております。
 そこで、次の点について質問をいたします。
 (1)、県の取り組み状況と課題について伺います。
 (2)、今後、事業化に向けての県の取り組みと事業着工の見通しについて伺います。
 以上をもって質問を終わります。
○議長(友寄信助君) ただいまの金城繁正君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上休憩後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後3時8分休憩
   午後3時32分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
 休憩前の金城繁正君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一君) 金城繁正議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムについて、その内容について聞きたいということでございます。
 農林水産業振興ビジョンは、農林水産業に関し今後重点的に推進すべき施策の基本方向を明らかにしたものであり、アクションプログラムは平成11年度から15年度までに具体的かつ重点的に取り組むぺき施策・事業を示した推進計画であります。
 アクションプログラムにおいては、拠点産地の形成や販売戦略の強化、革新的技術の開発など生産から加工・流通販売に至るまでの施策・事業を年度ごとに明示した内容になっております。
 特に、重点的に振興施策を講ずる品目として戦略品目と安定品目を定めています。
 戦略品目は、積極的な生産拡大と市場競争力を高め県外出荷を目指す品目であり、ゴーヤー、洋ラン、マンゴー等の園芸作物、木材、養殖魚介類を位置づけております。
 安定品目は、社会経済施策等の観点から安定的生産を図る品目であり、サトウキビ、パイナップル、水稲、肉用牛、特用林産物、近海魚介類などを位置づけております。

 次は、ヘルシーリゾート地区整備について、ヘルシーリゾート地区の整備計画についてどのように取り組んできたか、その経過と今後の取り組みについて伺いたいということと、国際都市形成基本計画に位置づけられているヘルシーリゾート地区の整備について、今後の推進方策についての2点を一括してお答えいたします。
 ヘルシーリゾート計画は、佐敷町、知念村、玉城村及び大里村において南部地域の豊かな自然や歴史的、文化的特性を生かした保養地を整備し、地域の活性化を図ることを目的とするものであると承っております。
 健康・保養をテーマとする保養地としての整備を図ることは本県の観光が目指す方向の一つであり、ヘルシーリゾート計画はこの方向に沿った地域計画であると評価しています。
 県においては、ヘルシーリゾート計画について関係4町村と計画全般及び事業内容について話し合いをいたしております。
 ヘルシーリゾート地区のうち、農園地区におきましては民間の薬草園の建設が進んでおり、県も農業経営基盤強化資金を活用し支援しているところです。
 県としては、本県の観光振興及び南部地域の活性化を図る観点から、このような保養地を南部地域に整備していくことについて県としてはどのような支援が可能か、引き続き関係町村とも話し合いながら検討してまいりたいと考えています。
 次に、県立美術館・博物館(仮称)の新館建設問題についてのうち、県立美術館・博物館(仮称)の新館建設の実施設計費が予算化されてない、その理由と今後の対応策について聞きたいという点と、平成12年度の開館を目指してきたが、財政事情等によって大幅な見直しが必要であると思うがどうかとの2点について一括してお答えいたします。
 県立美術館及び博物館の建設につきましては、平成9年度に実施設計、平成10年度に工事着手、平成12年度開館の計画でありましたが、厳しい財政状況により予算計上が見送られてきました。今後、財政状況等を勘案しながら建設に向けて検討してまいりたいと思います。
 次に、新石垣空港建設問題について、位置選定委員会の構成と権限、設置の時期について聞きたいということについてのお答えでございます。
 建設位置選定委員会は、学識経験者と地元関係機関の代表者を予定しております。これらの構成については、現在地元と調整中であります。
 また、同委員会は、望ましい新空港建設候補地を1カ所選定し知事に提案する機関として考えております。
 委員会の設置時期につきましては、新石垣空港の建設が八重山郡民の長年の要望であることから、可能な限り早急に設置したいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長からお答えいたします。
○議長(友寄信助君) 農林水産部長。
   〔農林水産部長 小那覇安優君登壇〕
○農林水産部長(小那覇安優君) 農林水産業振興ビジョン・アクションプログラム策定に当たって農林水産団体の意向がどう反映されたか、また策定までの経緯について聞きたいとの御質問にお答えします。
 県では、農林水産業を取り巻く環境の変化に対応し、地域特性を生かした足腰の強い農林水産業を確立するため沖縄県農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムを策定しました。
 策定の経緯につきましては、自由貿易地域制度の新たな展開に対応するため農林水産団体等からの要望を踏まえ、緊急かつ重点的に施策を講ずることにしました。
 平成10年4月に部内に策定委員会を設置し、9月にビジョン、11月にはアクションプログラムの中間案を取りまとめ、平成11年2月に策定しました。その間、市町村、農林水産団体等への説明会の開催や意見交換等を行っております。
 次に、第3次振計における農林水産業振興策との相違点は何かとの御質問にお答えします。
 農林水産業振興ビジョン・アクションプログラムは、第3次沖縄振興開発計画の基本方向を踏まえ、最近における農林水産業を取り巻く情勢の変化に対応するため、今後5年間で重点的に推進すべき農林水産業施策の基本方向を明らかにしたものであり、具体的な施策・事業を示した県独自の推進計画であります。
 次に、生産基盤の整備と有効利用について目標数値や事業量等を挙げているが、第3次振計との整合性はどうかという御質問にお答えします。
 生産基盤の整備については、第3次沖縄振興開発計画の目標値を基本に平成10年度現在までの達成状況を踏まえ、今後の事業の伸ぴ等を勘案し重点的に推進すべき施策の数値目標を示してあります。
 次に、試験研究機関の整備計画が挙げられてない、また革新的農業技術や海洋深層水の利用などについてどうなっているかとの御質問にお答えします。
 御指摘の試験研究機関の整備については、県政の重点施策・事業として取り組んでおりますが、本ビジョンにおいては農業・農村の振興に資する施策・事業に限定していることから特に盛り込んでおりません。
 革新的農業技術の開発については、これまで以上に研究分野と普及分野の連携を強化し、新しい理念のもとに生産者の要望に即した技術の開発に努めてまいります。
 海洋深層水の利用については、企画開発部を中心に研究施設の整備を進めているところでありますが、農林水産部においても海洋深層水を利用した養殖技術及び亜熱帯における冷温農業技術の開発を推進してまいります。
 次に、実効性あるものにするには事業推進計画の策定が必要であると思うが、その策定の時期について聞きたいとの御質問にお答えします。
 アクションプログラムは、振興目標、施策の推進方向、施策・事業推進計画の構成になっております。
 アクションプログラムの実効性を確保するためには計画の進捗状況に対応し、必要に応じて事業の見直しを検討することも必要かと考えております。
 次に、事業を推進するための財政計画はどうなっているかとの御質問にお答えします。
 アクションプログラムの推進に当たっては、拠点産地形成に向けた施策を中心に第3次振計に基づく継続事業や県単独新規事業を集中的に投入してまいります。
 なお、平成11年度におけるビジョン関連の新規事業の予算額は約1億3000万円になっております。
 次に、市町村別アクションプログラムの作成を促進する考えのようだが、その方法と時期について聞きたいとの御質問にお答えします。
 市町村別アクションプログラムは、市町村における産地協議会の設置や生産出荷組織の育成など拠点産地形成に向けた取り組み等を進めていく上で重要であります。今後、意欲的に拠点産地形成を目指す市町村等との調整を図りながら、アクションプログラムの作成指導に努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 宮城正治君登壇〕
○企画開発部長(宮城正治君) ヘルシーリゾート地区整備問題について、島振協関係4町村から4点ばかり要請が出ております。すなわち県営都市公園としての整備について、健康長寿館及び食の科学館の設置について、3点目に農水省関係補助制度による支援について、4番目に第三セクターへの参画について、この4点につきまして一括してお答えいたします。
 まず、県営都市公園としての整備につきましては、南部地域における他の公園との関連、広域公園としての位置づけなどの検討が必要であります。今後、市町村が策定する緑の基本計画、さらにそれと整合を図りながら県が策定する広域緑地計画の中で検討していく必要があると考えております。
 2点目の健康長寿館及び食の科学館の設置につきましては、県では本県全体が健康保養地としての魅力を高めるためのソフト面の方策を推進することとしており、ヘルシーリゾート計画につきましても健康情報や健康・保養プログラムの提供などソフト面からの支援等を検討してまいりたいと考えております。
 3点目の農林水産省関係補助制度による支援につきましては、農村総合整備事業や農業構造改善事業などを活用することで各種施設の整備が可能でありますので、関係町村と調整しながら検討してまいりたいと考えております。

 最後に4点目でありますが、第三セクターヘの県の参画につきましては、事業内容や民間のかかわり方、県としての参画の必要性及び資金計画等を見きわめながら検討してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(友寄信助君) 福祉保健部長。
   〔福祉保健部長 平良健康君登壇〕
○福祉保健部長(平良健康君) ヘルシーリゾート地区整備問題について、農園地区への漢方薬草施設の配置についての御質問にお答えいたします。
 島尻地域振興開発推進協議会の計画する薬用植物の試験研究施設は、本県の亜熱帯薬用植物の有用性を科学的に解明しその生産促進や商品開発につなぐもので、薬用植物を活用した地域振興と観光・リゾート産業振興をねらいとする総合施設であると理解しております。
 このような施設は、基礎研究と標本展示等によって広く薬用植物の理解を深めるとともに、商品開発を促し販売まで行い、豊かな地域づくりを推進するものです。
 また、それによって観光客をも呼び込み、楽しくにぎやかで入園料やお土産品販売による収益が得られ、その自主的運営が可能と考えます。
 施設整備については、地域や民間団体などが国の制度を種々活用する方法があります。
 県としましては、薬用植物生産普及における研究機能の重要性を考え、今後とも地域と連携を密にし情報の提供など支援をしていきたいと考えています。
○議長(友寄信助君) 文化国際局長。
   〔文化国際局長 金城勝子君登壇〕
○文化国際局長(金城勝子君) 県立美術館・博物館(仮称)の新館建設問題につきまして2点ほどお答え申し上げます。
 まず第1点でございますけれども、基本設計による建築費は幾ら見込んでいるか、また開館後におけるランニングコストは幾らかというお尋ねでございます。
 建設費につきましては、基本設計によりますと約210億2000万円で、そのうち美術館分は約86億2000万円を見込んでおります。
 また、開館後の美術館のランニングコストにつきましては、他県の類似施設等を参考にいたしますと約6億9000万円で、博物館は4億9000万円を見込んでいると聞いております。
 それから、土地開発公社が美術館用地――これは博物館と併設でございますので3万1300平米でございますが――として先行取得した土地の買い取り価格は幾らを見込んでいるかというお尋ねでございます。
 美術館・博物館建設用地の買い取り価格につきましては、平成11年3月末時点で試算いたしますと86億8000万円になります。そのうち美術館用地分といたしましては31億3000万円で、残り博物館用地としては55億5000万円というふうになっております。
 以上でございますも
○議長(友寄信助君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 宮城春一君登壇〕
○商工労働部長(宮城春一君) 海外事務所並びに海外委託駐在員問題についての御質問の中で、本県における海外事務所の設置と海外委託駐在員の配置状況はどうなっているか、新年度予算における海外事務所、委託駐在員等にかかる運営費、委託費は幾らかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 県では、東・東南アジアとのネットワークを構築するため平成2年台湾に沖縄県物産公社台北事務所を開設したのを初め、これまでに沖縄県香港事務所、沖縄観光コンベンションビューロー韓国事務所、沖縄県物産公社台北わしたショップ、沖縄観光コンベンションビューロー台湾事務所、沖縄県シンガポール事務所、沖縄県産業振興公社福州事務所を開設しました。
 また、海外委託駐在員を平成8年以降フィリピン、マレーシア、ベトナム、インドネシア、タイに配置しております。
 これらの海外事務所等を運営するため平成11年度県予算案では海外事務所1億6931万円、海外委託駐在員640万円を計上しております。
 海外事務所等の主な業務としては、経済、貿易情報の収集提供、県企業の海外展開事業の支援、国際交流の推進、観光誘客の促進、企業誘致活動、県企業及び経済団体等が現地を訪問する際の便宜供与などを行っております。
 次に、海外事務所、駐在員の設置による成果と県企業の海外事業の展開の支援及び観光事業の促進等についての成果はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
 海外事務所等のこれまでの活動の結果、台湾や香港、シンガポールにおける物産展開催等を通して泡盛、黒糖製品、塩、牛肉、健康茶、工芸品などが徐々に普及してきております。
 県企業の海外事業展開への支援としては、中国福建省やベトナム等での県企業の支援を初め香港におけるモズクや各国における泡盛普及事業、さらには健康食品等の市場調査を行い、情報提供をしております。
 また、台湾では日本沖縄県貿易投資説明会を実施するなど企業誘致活動にも積極的に取り組んでおります。
 観光客の誘客については、各国における国際観光展に参加して沖縄をPRするとともに、現地の旅行代理店や新聞記者の沖縄招聘事業を展開しております。
 その結果、クルーズ船就航による台湾からの観光誘客を初め、シンガポールについてもことしの5月と6月に初めてシンガポール航空によるチャーター便が実現する見込みとなっております。
 これら海外事務所等の活動については、広報誌「アジアネットワーク」を発行して県民への周知を図っております。
 本県は、新全国総合開発計画でも21世紀のアジア・太平洋地域の経済、社会、文化の発展に寄与する「太平洋・平和の交流拠点」、いわゆるパシフィッククロスロードと位置づけられており、今後とも海外事務所、海外委託駐在員の積極的な活動を推進してまいります。
 次に、会館の利用状況と今後の展望について伺いたいという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 福建・沖縄友好会館の利用状況につきましては、1階の一部及び4階から7階について永久無償使用権を沖縄県が有しており、財団法人沖縄県産業振興公社福州事務所、沖縄県企業の入居スペース、物産観光展示コーナー、物産展示室及び歴史展覧館として利用いたしております。
 企業スペースにつきましては、25区画に対して16社17区画の入居申し込みがありましたが、このうち1社が入居済み、3社から4社が4月までに入居する見通しとなっております。
 また、県内企業を精力的に訪問し募集活動を行った結果、申し込みのあった16社のほか新たに3社程度の企業が入居について前向きに検討を進めております。
県としては、今後とも積極的に募集活動を行い、全区画入居できるよう一層取り組みを強化してまいります。
 次に、県企業の中国展開への支援策はどうなっているかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 県内企業の中国展開への支援策につきましては、第5回沖縄県・福建省サミットにおいて同会館に入居する沖縄県側企業等に対して必要な便宜供与を行うことが確認されております。
 これに基づき、県内企業の中国進出に係る各種の許認可申請、営業活動に必要な情報の提供など福建省政府の協力を得て県内企業に対する支援を行っているところであります。
 次に、会館の利用状況が悪いと聞いているが、その原因は何か、また今後の対応策についてはどうかという御質問にお答えいたします。
 企業の福建・沖縄友好会館への入居につきましては、県及び沖縄県産業振興公社において企業訪問を行うなど鋭意入居企業の確保に努めておりますが、厳しい状況がございます。
 その原因につきましては、県内企業からも事情を聴取しておりますが、現下の経済情勢では新たな投資が厳しいこと、アジア、中国経済の今後の動向が見えにくいこと等を主な要因として上げている企業が多数となっております。
 今後の対応策としましては、福建省と姉妹都市等の交流のある県内市町村を初め商工会議所、県工業連合会等の経済団体と連携を密にし、会館の利活用の周知徹底を図っていきたいと考えております。
 さらに、沖縄県産業振興公社にマーケティング調査、コンサルティング、中国企業とのマッチング等を通して一元的な支援が可能な仕組みを整備し、県内企業の海外展開を支援することで入居企業の確保に努めてまいりたいと考えております。

 次に、新年度予算に会館運営費として4000万円が計上されている、その内容と今後の運営費等の見通しについて伺いたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
 平成11年度の福建・沖縄友好会館の管理運営費につきましては、沖縄県産業振興公社福州事務所に対する福州事務所運営補助金として3468万4000円、4階物産展示室等の管理委託費として524万8000円の予算を計上しております。
 補助金3468万4000円の内訳は、人件費が1747万9000円、旅費、備品、現地雇用員の給与等の事務費が1720万5000円となっております。
 4階物産展示室等管理委託費524万8000円の内訳は、旅費、備品等の活動費となっております。
 今後の運営費等につきましては、人件費、物価等の変動による経費の増減が予想されますが、おおむね平成11年度並みの措置で対応可能ではないかと考えております。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 銘苅清一君登壇〕
○土木建築部長(銘苅清一君) 新石垣空港建設問題についてのうち、候補地の範囲についてどのような基本方針を持っているかについてお答えいたします。
 新石垣空港の建設候補地については、平成3年2月に設置された新石垣空港建設行政連絡会議から現空港改良案、冨崎野案、白保陸上案、宮良案、カラ岳東側案の5案が提起され、地元での合意形成作業の結果、冨崎野案、宮良案、カラ岳東側案の3案に絞り込まれました。
 その後、平成4年4月に設置された新石垣空港建設位置検討委員会において新たにカラ岳陸上案が候補地として提案されました。
 今回設置される建設位置選定委員会においては、これらの経緯を踏まえ積み重ねられたデータのある宮良案、カラ岳東側案、冨崎野案、カラ岳陸上案の4案で検討していただく考えであります。
 次、建設位置の最終決定の手法についてお答えいたします。
 新石垣空港の建設位置については、建設位置選定委員会を設置して検討することにしており、その中で十分な議論がなされ、位置選定がなされるものと期待しております。
 建設位置選定委員会には地元の関係者も参加していただきたいと考えており、関係者の皆さんが大局的見地から前向きに議論していただくことが早期の合意形成につながるものと考えています。
 県としては、建設位置選定委員会の検討結果を踏まえて新空港の建設位置を決定し、八重山郡民の長年の願いである新石垣空港の早期建設に努めたいと考えております。
 それから、国道507号の整備促進についてのうち、1、事業の進捗状況と課題について、また新年度事業について、2点目に、東風平町から具志頭村までのルートについて一括してお答えいたします。
 国道507号津嘉山バイパスについては、平成2年度より那覇市仲井真から東風平町東風平に至る約5.1キロメートルについて事業を実施しているところであります。
 このうち、那覇空港自動車道の山川・東風平インターチェンジから東風平町屋宜原までの約2キロメートルの区間につきましては、平成11年度中に整備を完了し供用を行う予定であります。
 また、同インターチェンジから北側の津嘉山北土地区画整理事業区域を除く約1キロメートルの区間の用地取得率は約70%となっております。
 津嘉山北地区、屋宜原北地区、伊覇地区の土地区画整理事業に係る区域につきましては、公共施設管理者負担金制度により道路用地の取得を行う計画であり、土地区画整理事業の進捗と整合を図りながら事業を進めているところであります。
 平成11年度は山川・東風平インターチェンジから屋宜原までの区間の残工事、津嘉山北、屋宜原地区において公管金による用地取得等を行う予定であります。
 なお、東風平町から具志頭村方向への延伸につきましては、現在事業中の区間の整備状況を勘案の上、地域の開発計画との整合を図りながら検討していきたいと考えております。
 次に、地域高規格道路・南部東道路の早期実現について、県の取り組み状況と今後事業化に向けての取り組みについてお答えいたします。
 南部東道路は、南風原町から知念村に至る約10キロメートルの地域高規格道路として平成6年12月に計画路線、平成9年9月に調査区間の指定を受け、ルート選定等の概略設計を行っております。今後、事業化に向けて投資対効果の検討、詳細設計、環境アセスメント、都市計画決定等の諸手続を踏まえて整備区間の指定を受ける必要があります。
 一方、昨今の公共事業を取り巻く社会情勢は非常に厳しいものがあり、公共事業全般について効率性の確保が求められております。
 国は、厳しい財政状況の中、道路事業においても必要性、緊急性の高い事業を重点的に実施するとともに、投資効果の早期発現を図ることとしております。
 このようなことから、南部東道路については事業効果、緊急性の高い区間から段階的に整備を図ることが重要であります。県といたしましては、現在ルート等について関係町村と協議・調整を行っており、できるだけ早期に事業化が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 宮平永治君。
   〔宮平永治君登壇〕
○宮平永治君 本日の一般質問のしんがりを務めさせていただく前に、御案内のとおりきょうの朝刊に大きく新聞報道がなされております。「在沖米軍降下訓練を実施 6日、嘉手納飛行場」でと。そして、「政府の中止要請否定」というような3面のトップ記事で掲載されております。
 「在沖米軍嘉手納飛行場で3月6日早朝、トリイ基地所属の陸軍特殊部隊がパラシュート降下訓練を計画している」と、これは28日にわかったということであります。
 同様の訓練を去年の5月、同じ規模約160名で嘉手納飛行場で実施されております。
 私ども沖縄県議会におきましては、各派全会一致で抗議決議を採択し、同時に意見書を採択して関係要路に中止の抗議行動、あるいは改善の要請行動を展開してきたところであります。
 私は、県民の生命、財産を守る立場から、また同訓練は嘉手納飛行場とはいえ基地外周辺は住宅や学校等が密集しており、一歩間違えば地域住民を巻き込んだ大惨事を起こしかねない危険性があります。周辺住民はもとより県民に大きな不安と衝撃を与えるものだと考えております。
 今でさえ、過密な嘉手納飛行場の機能強化につながる同種の訓練は断じて容認することができません。したがいまして反対の意思表明をしておきたいと思います。
 通告に従って一般質問をさせていただきます。
 まず、質問の前に、内閣総理大臣は、内閣法に基づいて総理補佐官を設置することが内閣法の改正によって定められております。
 御案内のとおり、橋本前政権におきましてもお2人の総理補佐官がいらっしゃいました。御案内のとおり沖縄担当の岡本行夫沖縄担当補佐官、そして行政改革担当の水野清氏のお2人が初代総理補佐官として務めていただきました。
 とりわけ岡本補佐官につきましては、私ども沖縄県の振興策、とりわけ基地問題に対しても多大な実績を残してまいりました。そして多くの県民、関係市町村から高く評価され、その手腕力量が惜しまれております。
 そこで、知事にこの補佐官の復活についての質問をさせていただきたいと思います。その前に、大田前知事も大変いいことをなさったなと思っております。
 ここに感謝状の写しがございます。朗読させていただきます。
 感謝状
 岡本行夫殿
 あなたは沖縄問題担当の初代内閣総理大臣補佐官として豊富な識見と卓越した手腕をもって本県の基地問題をはじめ経済問題等に全力で取り組まれました とりわけ厳しい現状にある基地問題の解決と基地を抱える市町村の振興策については県民の願いをよく理解されその意向に沿う形で御尽力されました あなたの1年余にわたる御努力と御功績は県民が認知するところであります 県政に対するあなたの御支援に心から敬意を表し県民に代わって深く感謝申し上げます。 平成10年3月13日 沖縄県知事 大田昌秀
 こういうことで県民130万人にかわって知事から感謝状を贈呈なさっております。

 そして、私の出身地であります嘉手納町におきましても、平成10年の4月30日に町の要綱として町友制度を設定しております。
 この目的は、「この要綱は、嘉手納町の教育、文化、産業、経済及び福祉等の向上に深い関わりをもつ町外の個人及び団体の有する社会的、人的資源の活用促進を図り、町民の友好親善を深め、町勢の進展に関わつていただくことを目的とする。」と。
 そういうことで平成10年5月1日に嘉手納町の町友第1号として認定証が嘉手納町長宮城篤実から付与されております。
 内容は、
  認定証
  あなたを嘉手納町の町友に認定いたします 町友の一員としてあなたのもつている優れた知識と 経験を生かし嘉手納町の21世紀の町づくりに指導 助言 参加していただくことを期待しております
 こういうような形で総理補佐官の制度を高く評価しているのであります。
 そこで質問に入ります。
第1点目は、沖縄担当総理補佐官の復活についてであります。
 先ほど申し上げたように、内閣法に基づき3人の総理補佐官を置くことができる制度があります。小渕内閣ではお1人も配置されていないのが現状であります。
 さて、8自治体がしのぎを削る熾烈なサミット(西暦2000年主要国首脳会議)の誘致合戦を沖縄がどう制するか、今日的重要かつ緊急な課題だと思います。
 さらに、サミットの沖縄開催は沖縄県の国際化に大きく貢献する歴史的な事業と同時に、今政府が力強く推進している沖縄振興に比べてもはるかに即効性のある経済的波及効果の高い施策であると認識をするものであります。
 常に本県の基地問題、振興策に御尽力なされている野中官房長官・沖縄担当大臣及び沖縄開発庁長官を兼務しますが、御案内のとおり長官には手足がなく極めて多忙過ぎるのであります。現に沖縄開発庁長官として一日も早いうちに来沖を希望しておりますが、日程がとれないという状況であります。
 したがって、沖縄問題に専門的なアドバイスとともに専念できる総理補佐官を早急に設置し、沖縄サミットの実現はもとより、それと同時に基地問題、沖縄振興策に改めて沖縄の問題に取り組ませることが重要かつ緊急な課題であり、制度を最大限に活用すべきであります。したがって沖縄担当総理補佐官の早急な設置を強く国に求めるべきだと思いますが、知事の御所見を伺います。
 2点目に、沖縄の基地問題の解決に向けて政府検討支援組織を新たに設置することについてであります。
 本県は、本日3月1日をもって知事公室に普天間飛行場・那覇港湾施設返還問題対策室を設置することになった。そこで、政府は去る2月17日までに沖縄米軍基地問題の解決に向けて沖縄県との連携を強化し、県の取り組みを側面支援するために内閣官房を中心に内閣内政審議室を事務局として関係各省の実務者で組織する政府支援グループを新しく設置することを決定しました。
 そこでお尋ねします。
 1点目に、組織体、いわゆる関係省庁とはどこどこになっているか、そして具体的な業務内容について。
 2点目、国と県との連携のあり方及び役割分担についての御説明を求めます。
 次、3点目であります。
 中央省庁再編の大綱において内閣府に沖縄担当大臣を置くことになっております。沖縄開発庁は、2001年の中央省庁の再編成で内閣府に統合され、沖縄担当大臣が配置されることが1月26日に決定いたしました。
 かかる大綱では、沖縄対策に関する総合的な施策の企画立案、振興開発計画の作成・実施などの所管が明記されました。また、沖縄総合事務局は内閣府の地方支分部局として維持されることになり、基本的には沖縄開発庁の組織・機能が存続確保されたものと理解しております。
 しかしながら、常に指摘しているように沖縄の振興開発は米軍基地問題の解決なくしては真の経済振興はあり得ません。したがいまして基地問題と振興策は不離一体であり、密接不可分であります。
 沖縄担当大臣は、基地問題についても実態に即した一定の権能を付与されることが不可欠であります。大綱には基地問題の取り扱いが明らかになってない担当大臣の権限範囲について、米軍基地問題に対する調整、関係省庁に対する指示権限等を国に強く求めるべきであります。知事の御所見を伺います。
 次に、4点目の基地問題についてであります。
 基地内道路の共同使用についてであります。
 中部圏域は、基地の介在により道路網の密度が十分とは言えない状況にあります。産業の振興や交通渋滞の解消及び良好な生活環境等を創出するために基地の返還の実現まで基地内道路の共同使用が必要であります。
 そこで、嘉手納飛行場及び嘉手納弾薬庫地内の道路の共同使用についてであります。
 嘉手納飛行場は1万9977平方キロございます。実に成田飛行場の倍に当たります。本島の中部の沖縄市、北谷町、そして嘉手納町の3市町を分断しております。
 また、嘉手納弾薬庫地域につきましては2万8837平方キロにわたっており、嘉手納町、読谷村、恩納村、石川市、具志川市、沖縄市の6市町村にまたがる極めて広大な提供施設となっております。
 嘉手納飛行場につきましては、共同使用することによって中部地域の交通渋滞が緩和され、同時に土地利用の効率化が促進され、米軍基地が集中するこの地域での産業が創出され、地域振興に大いに貢献できることが期待できます。返還が実現するまで基地内道路の使用が必要であります。
 それと、嘉手納弾薬庫におきましても、同地域の先ほど申し上げましたように6市町村のアクセス道路として共同使用が求められます。
 そこで、本件について知事は関係当局に対し共同使用の要請等を強力に行う必要があると思いますが、御所見を伺いたいと思います。
 本件は、平成9年9月の定例会において同様の質問をさせていただいております。大田前知事より次のような答弁をいただいておりますので、お願いしたいと思います。前知事からは、「基地内道路の民間使用については、県としては地域における交通渋滞の緩和及び地域住民の利便性の向上を図るため地元市町村からの要望を踏まえた上で関係機関と調整を行いながら共同使用の実現に努めていきたいと考えております。」、こういう答弁をいただいております。
 そこでお尋ねします。
 本件について、県は今日までどのような取り組みをしてきたか、経緯を説明してください。
 (2)点目に、稲嶺知事は本件を主要施策として取り上げておりますが、具体的な対応策について説明を求めます。
 4番目に、国道58号バイパスいわゆる西海岸道路の実現性と交通渋滞の解消についてであります。
 北谷町のハンビー跡地域と美浜地域は、商業形態の活性化によって近年発展を遂げております。県内でも一番元気のある町として注目を集めております。
 一方、そのことに伴い交通問題が懸念されております。国道58号からハンビー跡、美浜の商店街に入る車両が多過ぎるため、国道58号伊佐方面から砂辺方面にかけて慢性的な交通渋滞を起こしております。この道路を利用する県民、観光客に大変迷惑をかけております。
 ちょっと時間がございませんので割愛しますけれども、そこでこの地域は今後とも国民年金センターやアミューズメント施設等新しい店舗が続々と予定されております。 そして本件は、昭和62年から国道58号バイパスの西海岸道路として建設を進めておりますが、今日に至ってまだ、開通までには20年から30年かかると総合事務局は説明しております。こういうことでは、この交通渋滞というのをやはり一日も早く実効性のある、しかも早く解消できる事業を検討する必要があります。
 そこで、県当局にお尋ねします。
 西海岸道路の建設は国の事業ではありますが、その計画と実現性について県当局のお考えをお尋ねいたします。
○議長(友寄信助君) 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一君) 宮平永治議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、沖縄問題担当首相補佐官の復活についてのお尋ねでございます。
 内閣総理大臣補佐官は、平成8年に内閣法第14条の2に基づき「内閣の重要政策に関し、内閣総理大臣に進言し、及び内閣総理大臣の命を受けて、内閣総理大臣に意見を具申する。」ことを目的に設置され、岡本沖縄問題担当首相補佐官が平成10年3月まで在任されておられました。

 この間、本県の基地問題を初め経済問題等に取り組んでいただき、とりわけ基地所在市町村の振興問題について御尽力をいただいたことに対し感謝申し上げているところであります。
 私は、県政運営に当たっては、国との信頼関係を構築し緊密な連携のもとに本県の抱える諸問題の解決に当たりたいと考えております。御質問の点につきましては、貴重な御提言として承っておきたいと思います。
 次に、沖縄の基地問題解決へ向け政府検討支援組織を新たに設置することについてということで、沖縄の基地問題解決へ向け政府検討支援組織を新たに設置することについて組織体(関係各省庁)及び具体的な業務内容について、また連携のあり方及び役割分担について聞きたいとのお尋ねでございます。
 国の支援体制については、県が新たな組織体制で取り組むこととしているハブ港湾化に向けた那覇港の整備、那覇港湾施設及び普天間飛行場の返還問題並びに返還基地の跡利用等について内閣官房内政審議室を中心に防衛庁、沖縄開発庁、外務省、通商産業省、運輸省、郵政省、建設省が協力し、県に対して専門的知見に基づいた助言等を行うことを目的に政府検討支援グループが設置されると聞いております。
 具体的な連携のあり方などについては、今後内閣官房内政審議室と調整を行ってまいります。
 次に、中央省庁の再編について、内閣府に沖縄担当大臣を置くことについてお答えいたします。
 県においては、県議会、市町村関係4団体、経済団体、労働団体など9団体とともに要請団を結成し、私が団長となって去る1月11日、12日の両日にわたり内閣府に設置される沖縄対策担当部局のあり方について官邸、関係省庁、政党等に要請を行ったところであります。
 内閣府に設置することが示されている沖縄対策担当大臣につきましては、1月26日に決定された中央省庁等改革にかかわる大綱で調整権限等について必要な措置を講ずることとされております。
 県といたしましては、沖縄対策担当大臣は沖縄の振興開発を効果的に進めるとともに、県民の立場を踏まえて米軍基地問題及び基地返還跡地の利用推進等に取り組むため強力な調整権限を持つことが必要であり、各省に対する指示権限や米軍基地問題に関する総合的な調整権限等を明確にしていただくよう求めているところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長より答弁いたします。
○議長(友寄信助君) 知事公室長。
   〔知事 公室長親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一君) 宮平永治議員の御質問の中の道路行政についての中で、嘉手納飛行場、嘉手納弾薬庫内道路の共同使用について県はどのような取り組みをしてきたか経緯を説明せよ、またこれを主要施策として挙げているが、具体的な対応を聞きたいという御質問にお答えをいたします。
 県は、平成7年度に嘉手納飛行場、嘉手納弾薬庫の道路の民間使用について、沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会いわゆる軍転協とともに日米両国政府に対しその実現を要請しております。県といたしましては、地域における交通渋滞の緩和及び地域住民の利便性の向上を図る観点から、地元からの具体的な要望のある基地内道路について今後三者連絡協議会に提案するなど関係機関との調整に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(友寄信助君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 銘苅清一君登壇〕
○土木建築部長(銘苅清一君) 国道58号バイパス道路計画の実現性と交通渋滞の解消についての趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄西海岸道路は、読谷村から糸満市に至る延長約50キロメートルの地域高規格道路であり、本県の振興開発及び国道58号等の渋滞緩和を図る上で極めて重要な路線であります。
 現在、国は沖縄西海岸道路の国道58号嘉手納バイパス、宜野湾バイパス等の整備を段階的に進めております。
 嘉手納バイパス終点の兼久から宜野湾バイパス起点の伊佐に至る区間につきましては、当該道路の大部分が北谷町内を通過することから、そのルート、構造等について北谷町及び同町づくり計画審議会と調整を進めているところであると聞いております。県といたしましても当該道路の整備が早期に促進されるよう国に働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○宮平永治君 休憩お願いします。
○議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後4時32分休憩
   午後4時33分再開
○議長(友寄信助君) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 親川盛一君登壇〕
○知事公室長(親川盛一君) 嘉手納飛行場及び嘉手納弾薬庫内道路の共同使用についての過去の取り組み、経緯等についてということで補足してお答えをいたします。
 これまで県といたしましては、先ほども申し上げましたとおり軍転協とともに国に要請をしてまいりましたけれども、三者協が開かれなかったこと等によって取り組みがなかなか進んでいなかったという状況でございます。
 今後、本件については三者協にも提案して強力に推進してまいりたいとこのように思っております。
○議長(友寄信助君) 宮平永治君。
   〔宮平永治君登壇〕
○宮平永治君 再質問を通じて提言、提案をいたします。
 沖縄担当総理補佐官の復活についてでありますけれども、本件につきましては県のみならず各市町村においても前補佐官の豊かな識見、卓越した手腕は高く評価しております。
 とりわけ基地を抱える市町村においては、活性化事業である島田懇のいわゆる平成15年が終了年次でございまして、1000億の事業についても受け皿体制、執行体制の確立が当該自治体に求められている、真価が問われる大事な時期であります。この時期にあって補佐官の適切なる助言、指導が望まれます。
 そして、今県民各界各層が一丸となって展開しているサミット誘致の実現に向けても早急な復活をお願いしたいものであります。
 現時点ではこれ以上の答弁は求めませんが、私が察するに恐らく知事は野中官房長官に対する御配慮、あるいは野中先生に対する気配りだと思いますが、早急に政府との御相談を提言いたします。
 もう1点、基地内道路の共同使用についてでありますが、本件は交通渋滞の緩和を図るのは当然のことながら、いつまでも沖縄の基地の過重な負担、負の部分を主張するのみでなく逆手の発想で新しい観光資源の開発であるという認識も必要だと思います。現に観光業界は歓迎すると同時に期待をしております。
 実例として嘉手納町の通称安保の丘、宜野湾市の嘉数高台は観光のメッカであります。
 知事が提唱している沖縄は政治的、経済的にも転換期であり、見方によっては大きなチャンスがあると認識しております。
 一番大事なことは、基地内道路の共同使用によって沖縄の広大な基地の実態を広く国民の皆さんに知ってもらう絶好のチャンスであり、基地の整理縮小あるいは移設を主張する県民の心情が多くの方々に理解を得ることもできるんじゃないかなということで積極的な取り組みを提言しておきたいと思います。
 2点目に、時間がありませんので2つのいわゆる早期にできる交通渋滞の緩和策として、事務当局には原稿をお上げしております。
 伊佐から嘉手納までの58号に高架橋をやったらどうかということであります。そうすることによってかなりの交通緩和、いわゆる先ほど御指摘したように開通するまでには20年、30年かかると言っているわけです。これでは大変これはもう県民の生活ができない、だからこの国道58号の伊佐から嘉手納に向けての高架橋を建てたらどうかと。そうすることによってかなり交通緩和ができるし、また現実性があるんじゃないか。
 もう1点は、伊佐から嘉手納まで約10キロございますが、その間住宅があるのは謝苅入り口の3軒です。そしてキャンプ桑江のところに1軒、一部開放されて4軒しか民間住宅はございません。あとは基地施設のみんなフェンスです。そしてそれはみんな緑化地帯です。
 1車線は3メートルです。その3メートルを2本つくるのはもう簡単にできると。これは知事の提唱している基地の整理縮小にもつながるし、また交通渋滞により米軍車両も機能低下しており、これの解消にもなるんじゃないかということで御提言を申し上げたいと思います。

○議長(友寄信助君) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明2日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   
午後4時40分散会

 
19990206000010